JP2005026742A - アンテナ装置 - Google Patents

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敏春 野口
Kenichi Ozaki
堅一 小▲崎▼
Shigefumi Akagi
重文 赤木
Shuichiro Yamaguchi
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Abstract

【課題】本発明は、小型、薄型を維持しつつ広帯域で送受信利得性能の高い小型のアンテナ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、基体2と、基体2に設けられたヘリカル部3と、基体2の両端に設けられた端子部5、6を有し、ヘリカル部3と端子部5、6が電気的に接続されているヘリカルアンテナ1と、回路が実装されている主基板と、信号を給電する給電部7と、負荷容量を生ずる頂冠導体部8が設けられ、ヘリカルアンテナ1が実装されるとともに主基板と同一もしくは略同一平面にある従基板を有し、ヘリカルアンテナ1の一方の端子部5が給電部に接続され、他方の端子部6が頂冠導体部8に電気的に接続される構成とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信やパーソナルコンピュータなどの無線通信を行う電子機器等に好適に用いられるアンテナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話において、通話を行うためのホイップアンテナや内蔵アンテナを設け、前記各アンテナに加えて他の電子機器との間でデータの無線通信を行うためにチップアンテナを搭載するものが増えてきている。
【0003】
また、ノートブックパソコンなどの携帯型モバイル電子機器においても、無線LANなどを用いてデータ通信を無線で行うものが増えてきており、その電子機器内にチップアンテナを搭載するものも増えてきている。
【0004】
更に、近年の携帯電話やノートブックパソコンなどは、小型化、低消費電力化が必須要件となっており、アンテナ装置の小型化が望まれる。また、近年の伝送容量の増加に伴いアンテナの広帯域化が求められている。更に、OFDM(直交周波数変調多重)などのようにマルチキャリア方式では、ますます広帯域化が求められている。
【0005】
ここで、アンテナの広帯域化を実現するためにアンテナの負荷容量を増加させるために、アンテナの先端部に頂冠導体部を付加したアンテナ装置が検討されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。図17は従来の技術におけるアンテナ装置の斜視図であり、アンテナ素子の先端に頂冠導体部が付加されている場合が示されている。
【0006】
100はアンテナ装置であり、101はメアンダアンテナ、102は給電部、103は頂冠導体部である。メアンダアンテナ101は基板パターンなどで形成される。頂冠導体部103はメアンダアンテナ101の先端部に形成され、先端部は開放端となっている。給電部102からは信号電流が供給され、供給された信号はメアンダアンテナ101の有する共振周波数にしたがって放射される。受信も同様である。このとき頂冠導体部103が負荷容量となって、給電部102からみた負荷インピーダンスが増加して周波数曲線のピークが緩やかとなり、周波数帯域が拡大する。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−124812号公報
【特許文献2】
特開平10−247806号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、(特許文献1や2)に記載のようにロッドアンテナやパターンアンテナの先端に頂冠導体部を設けると、アンテナ装置全体が大型化する問題があった。特に極限まで小型化、薄型化を行う必要のある携帯電話やノートブック型パソコンにとって、アンテナ装置が大型化することは非常に望ましくない。
【0009】
更に、ロッドアンテナやパターンアンテナに頂冠導体部を付加するアンテナ装置を実装する場合には、主基板と同一基板に実装する際には、頂冠導体部の形状などの自由度が減り、逆に自由度を上げると実装面積が増加する問題もある。
【0010】
また、主基板とアンテナ装置との位置関係によっては、アンテナの利得低下などの性能劣化の問題も生じる。
【0011】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、小型、薄型を維持しつつ、利得性能を向上し、且つ広帯域化を実現したアンテナ装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基体と、基体に設けられたヘリカル部と、基体の両端に設けられた端子部を有し、ヘリカル部と端子部が電気的に接続されているヘリカルアンテナと、回路が実装されている主基板と、信号を給電する給電部と、負荷容量を生ずる頂冠導体部が設けられ、ヘリカルアンテナが実装されるとともに主基板と同一もしくは略同一平面にある従基板を有し、ヘリカルアンテナの一方の端子部が給電部に接続され、他方の端子部が頂冠導体部に電気的に接続される構成とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、基体と、該基体に設けられたヘリカル部と、基体の両端に設けられた端子部を有し、ヘリカル部と端子部が電気的に接続されているヘリカルアンテナと、回路が実装されている主基板と、信号を給電する給電部と、負荷容量を生ずる頂冠導体部が設けられ、ヘリカルアンテナが実装されるとともに主基板と同一もしくは略同一平面にある従基板を有し、ヘリカルアンテナの一方の端子部が給電部に接続され、他方の端子部が頂冠導体部に電気的に接続されることを特徴とするアンテナ装置であって、送受信周波数帯域を拡大させる作用を有する。
【0014】
本発明の請求項2に記載の発明は、従基板が主基板と電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置であって、小型、薄型を維持しつつ受信利得を向上し送受信周波数帯域を拡大させる作用を有する。
【0015】
本発明の請求項3に記載の発明は、ヘリカルアンテナが導電膜が施された基体をトリミングしてスパイラル溝を設けることにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至2いずれか1に記載のアンテナ装置であって、小型、薄型を維持しつつ受信利得を向上し送受信周波数帯域を拡大させる作用を有する。
【0016】
本発明の請求項4に記載の発明は、ヘリカルアンテナが基体に導電性の巻線を施して形成されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1記載のアンテナ装置であって、小型、薄型を維持しつつ受信利得を向上し送受信周波数帯域を拡大させる作用を有する。
【0017】
本発明の請求項5に記載の発明は、頂冠導体部が基板上のランドで形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1記載のアンテナ装置であって、小型、薄型を維持しつつ受信利得を向上し送受信周波数帯域を拡大させる作用を有する。
【0018】
本発明の請求項6に記載の発明は、頂冠導体部が基板パターンで形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1記載のアンテナ装置であって、小型、薄型を維持しつつ受信利得を向上し送受信周波数帯域を拡大させる作用を有する。
【0019】
本発明の請求項7に記載の発明は、頂冠導体部の形状が略三角形もしくは方形もしくは多角形もしくは円形もしくは楕円形のいずれか一つであることを特徴とする請求項1〜6いずれか1記載のアンテナ装置であって、小型、薄型を維持しつつ受信利得を向上し送受信周波数帯域を拡大させる作用を有する。
【0020】
本発明の請求項8に記載の発明は、主基板のグランド面をヘリカルアンテナのグランド面として共有することを特徴とする請求項1〜7いずれか1記載のアンテナ装置であって、小型、薄型を維持しつつ受信利得を向上し送受信周波数帯域を拡大させる作用を有する。
【0021】
本発明の請求項9に記載の発明は、ヘリカルアンテナが主基板のグランド面の端面と略垂直に設置されることを特徴とする請求項1〜8いずれか1記載のアンテナ装置であって、小型、薄型を維持しつつ受信利得を向上し送受信周波数帯域を拡大させる作用を有する。
【0022】
本発明の請求項10に記載の発明は、基体と、該基体に設けられたヘリカル部と、基体の両端に設けられた端子部を有し、ヘリカル部と端子部が電気的に接続されているヘリカルアンテナと、給電部が設けられた主基板と、負荷容量を生ずる頂冠導体部が設けられた主基板と同一もしくは略同一平面にある従基板を有し、ヘリカルアンテナの一方の端子部が主基板上に設けられた給電部に接続され、他方の端子部が頂冠導体部に電気的に接続されることを特徴とするアンテナ装置であって、小型、薄型を維持しつつ受信利得を向上し送受信周波数帯域を拡大させる作用を有する。
【0023】
本発明の請求項11に記載の発明は、異なる共振周波数を有する2以上のヘリカルアンテナと、2以上の給電部を有する主基板と、負荷容量を生ずる2以上の頂冠導体部を有し主基板と同一もしくは略同一平面にある従基板を有し、各ヘリカルアンテナの一方の端子部が主基板上に設けられた給電部に接続され、他方の端子部が2以上の頂冠導体部に接続されて、2以上の周波数で動作することを特徴とするアンテナ装置であって、小型、薄型を維持しつつ受信利得を向上し送受信周波数帯域を拡大させる作用を有する。
【0024】
本発明の請求項12に記載の発明は、ヘリカルアンテナがλ/4型ヘリカルアンテナであることを特徴とする、請求項1〜11いずれか1記載のアンテナ装置であって、小型、薄型を維持しつつ受信利得を向上し送受信周波数帯域を拡大させる作用を有する。
【0025】
本発明の請求項13に記載の発明は、請求項1〜12いずれか1記載のアンテナ装置と、アンテナ装置と電気接続され信号処理を行う処理装置と、処理装置に電圧供給する電源部と、これらを格納する筺体を有することを特徴とする電子機器であって、電子機器の小型、薄型を維持しつつ受信利得を向上し送受信周波数帯域を拡大させる作用を有する。
【0026】
本発明の請求項14に記載の発明は、電子機器が携帯端末であることを特徴とする請求項13に記載の電子機器であって、携帯端末の小型、薄型を維持しつつ受信利得を向上し送受信周波数帯域を拡大させる作用を有する。
【0027】
以下、実施の形態について図面を用いて説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1、図2、図3は本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の斜視図である。まず、アンテナ装置の構成について説明する。
【0029】
1はヘリカルアンテナであり、2は基体であり、3はヘリカル部であり、4はスパイラル溝、5と6は端子部、7は給電部、8は頂冠導体部、9は給電信号、10はアンテナ装置である。基体2はアルミナもしくはアルミナを主成分とするセラミック材料等の絶縁体もしくは誘電体などをプレス加工,押し出し法等を施して形成される。なお、基体2の構成材料としては、フォルステライト,チタン酸マグネシウム系、チタン酸カルシウム系、ジルコニア・スズ・チタン系、チタン酸バリウム系、鉛・カルシウム・チタン系などのセラミック材料を用いてもよく、エポキシ樹脂などの樹脂材料を用いても良い。実施の形態1では、強度や絶縁性或いは加工の容易性の面からアルミナもしくはアルミナを主成分としたセラミック材料が用いられている。更に基体2には全体に銅,銀,金,ニッケル等の導電材料で構成された導電膜が単層乃至複数積層され、導電性を有する表面が形成される。
【0030】
5と6は端子部であり、基体2の両端に形成され、導電性のメッキ膜,蒸着膜,スパッタ膜等の薄膜や、銀ペーストなどを塗布して焼き付けなどを行ったものなどの少なくとも一つが用いられる。
【0031】
なお、基体2は端子部5、6と同一の大きさの断面を有していてもよいが、段落ちされてもよく、基体2の断面積は端子部5、6の断面積よりも小さくされる。基体2の外周が段落ちされることで、実装時に基体2が電子基板の表面からの距離を持つことが可能となり、特性の劣化を防ぐことが可能になる。このとき段落ちを基体2の一部の面に対してのみおこなってもよく、全面に渡って段落ちさせてもよい。全面に渡って段落ちさせた場合には、実装時に電子基板との接する面を選択する留意が不要となり、実装時のコストを低下させることができる。
【0032】
また、基体2の各角部に面取りを施してもよい。この面取りを設けることで、基体2の欠けが防止され、後に説明する導電膜が薄くなるのが防止され、或いはヘリカル部の損傷が防止される。
【0033】
ここで、基体2と端子部5、6は個別に形成して後から貼り合わせるなどで一体化してもよく、あらかじめ一体で形成してもよい。また、基体2は四角の角形状でなくとも、三角や五角の多角形状でもよく、円柱状でもよい。円柱状の場合には、角部が存在しなくなるので耐衝撃性が高まり、スパイラル溝4の形成が容易となるメリットがある。
【0034】
ヘリカル部3は基体2の導電性を有する表面をレーザーなどによるトリミングを用いて螺旋状に掘削してスパイラル溝4が形成され、インダクタ成分を有している。他方、スパイラル溝4の無い部分は容量成分を有している。ヘリカル部3の一方の端部は端子部5と接続されており、ヘリカル部3の他方の端部は導体部端子部6と接続されており、その接続間において容量成分を有している。すなわち、インダクタ成分と容量成分が直列接続構造により接続されている。なお、ヘリカルアンテナ1はλ/4型アンテナであってもよく、λ/2型アンテナであってもよいが、小型化をより促進するためにλ/4型アンテナが用いられることが多く、この場合にはヘリカルアンテナ1の近辺に存在するグランド面に生じるイメージ電流を利用して、送受信利得が確保される。
【0035】
給電部7は半田ランドや基板パターンなどにより形成されており、端子部5と半田などにより電気接続される。給電部7には高周波回路から信号電流が給電され、端子部5を通じて伝導されヘリカルアンテナ1より電波が放射される。あるいは受信した電波から生じた誘導電流が高周波回路に伝導される。
【0036】
頂冠導体部8は開放端となっており、他の回路やグランドなどと接続されていない独立の領域である。頂冠導体部8は基板パターンや半田ランドなどで形成され、端子部6と半田などにより電気接続される。頂冠導体部8は容量を有するため、電気接続される端子部6にとっては負荷容量が接続された状態となる。ここで、図1では頂冠導体部8が四角形で表されているが、三角形や5角形以上の多角形であってもよい。図2には頂冠導体部8が三角形の場合が示されており、図3には頂冠導体部8が五角形の場合が示されている。なお、頂冠導体部8は楕円形や円形などであっても良い。頂冠導体部8が有する容量成分が給電部7に負荷されることで後に述べる周波数帯域が拡大することになる。このとき、容量成分の大きさが重要なファクターとなるため、容量成分を確保するために、他の実装部品などとの関係で、最適な形状をフレキシブルに形成して容量成分を確保することが重要である。
【0037】
なお、導電膜が施された基体2にスパイラル溝4を設けたヘリカルアンテナのみでなく、基体に導電性の巻線を施したヘリカルアンテナであっても同様である。
【0038】
次にアンテナ装置の動作について説明する。
【0039】
図4は本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置10の等価回路図である。L1はヘリカル部3に対応するインダクタ成分であり、C1は頂部導体部8に対応する容量成分である。本等価回路の共振条件から共振周波数は次の(数1)で表すことができる。
【0040】
【数1】
Figure 2005026742
【0041】
(数1)からも明らかな通り、インダクタ成分と容量成分が存在すれば、アンテナとしてある周波数の電波の送受信が可能となり、更にインダクタ成分L1と容量成分C1の大きさにより、送受信できる電波の周波数が決定される。インダクタ成分L1はヘリカル部のスパイラル溝4の巻き数や基体の誘電率により決定され、容量成分C1は頂冠導体部8と基体1のヘリカル部3の先端部分の大きさにより決定される。すなわち、任意の周波数でアンテナ装置10を動作させるには、インダクタ成分L1と容量成分C1とを調整することで共振周波数を決定すればよい。
【0042】
次に、送受信での動作周波数帯域は容量成分C1により決定される。すなわち容量成分C1は給電部7を基準として、その先端に負荷された負荷容量となっている。このため、給電部7を基準として考えると容量成分C1の存在により負荷インピーダンスが存在しており、更に共振周波数での利得曲線の立ち上がり遅延時間と立ち下がり遅延時間は負荷インピーダンスに比例する。すなわち、負荷インピーダンスの大きさ、言い換えると容量成分C1の大きさによって共振周波数での利得曲線の立ち上がりと立下りの遅延が変動する。例えば容量成分C1が小さい場合には、共振周波数での利得曲線の立ち上がりと立下がりの遅延時間は小さく、鋭いピークを持った利得曲線を描く周波数特性が示される。逆に、容量成分C1が大きい場合には、共振周波数での利得曲線の立ち上がりと立下り遅延時間は大きくなり、緩やかなピークを持った利得曲線を描く周波数特性が示される。
【0043】
図5は周波数特性曲線を表す図であり、容量成分C1が小さい場合と大きい場合との周波数特性曲線が示されている。容量成分C1が小さい場合には、鋭いピークをもって共振周波数で利得が上がっているのに対して、容量成分C1が大きい場合には緩やかなピークをもって共振周波数で利得が上昇している。送受信周波数での動作周波数帯域はピークが緩やかなほうが広いことになり、容量成分C1を大きくすれば周波数帯域を広く取ることができる。
【0044】
近年の無線通信ではデータ伝送量が拡大しているため、動作周波数帯域を十分に広くとる必要が高いため、頂冠導体部8を用いて容易に容量成分C1を増加させることが重要である。
【0045】
次に頂冠導体部8により周波数帯域が拡大することの実験結果について説明する。図6は実験1の結果を表すグラフである。グラフ1−1には頂冠導体部8を設けた場合の、適正な共振状態を示すVSWRが一定値以下となる帯域幅と、頂冠導体部8の面積との関係が示されている。グラフ1−2には頂冠導体部8の縦寸法とアンテナ送受信利得との関係が示されている。実験1では長方形の頂冠導体部8の縦寸法を増大させた場合(ヘリカルアンテナ1の延伸方向にあたる頂冠導体部の辺を伸ばした場合)の帯域幅と利得の変化が確認された。ここで、VSWRの一定値として「3」を用いた。
【0046】
グラフ1−1の横軸には縦寸法の長さが、縦軸には帯域幅が示されている。縦寸法が増加するにつれ、すなわち頂冠導体部8の面積が増加する。面積の増加はすなわち容量成分C1の大きさの増加である。グラフ1−1から明らかな通り、縦寸法が増加するにつれて、帯域幅が拡大していくことが分かる。縦寸法が4mmの場合に比較して、10mmの場合には40%の帯域拡大が確認された。変調方式や誤り訂正率、データ速度が同じであれば、40%のデータ伝送レートを拡大することが可能となる。また、グラフ1−2にあるように、頂冠導体部8の縦寸法を拡張し周波数帯域を拡張した場合でも、利得低下などの問題は生じず性能への悪影響を出すことなく、頂冠導体部8の面積の調整により周波数帯域を拡張することが可能であることが分かる。
【0047】
なお、縦寸法の増加と帯域幅の増加はほぼ比例関係にある。Q値の算出式や(数1)より明らかな通り、帯域幅は容量の平方根「√C」に比例し、「C」は頂冠導体部8の面積に比例し、頂冠導体部8の面積はその形状が長方形である場合には、その一辺の2乗に比例する。結果として、帯域幅は頂冠導体部8の一辺である縦寸法に比例することが導出される。グラフ1−1の結果からも、この理論導出が裏付けられていることが分かる。
【0048】
次に、図7は実験2の結果を表すグラフである。実験1と異なり、長方形の横寸法(ヘリカルアンテナ1とほぼ垂直となる方向の長さ)を増加させた場合の、帯域幅と利得の変化が確認された。グラフ2−1はVSWRが一定以下での帯域幅の変化が示され、グラフ2−2は利得の変化が示されている。
【0049】
頂冠導体部8の横進寸法が増加することで頂冠導体部8の面積が増加する。面積の増加は容量成分C1の増加である。グラフ2−1から明らかな通り、容量成分の増加に伴い、周波数帯域幅が増加している。更に利得成分の低下などの悪影響も生じておらず、頂冠導体部8の存在により、帯域幅の拡大が容易に実現されて、高い伝送レートへの対応が実現されている。なお、(数1)から導出されるように、周波数帯域幅が頂冠導体部8の面積の平方根(すなわち頂冠導体部8の一辺の長さ)に比例することは、グラフ2−1からも明らかである。
【0050】
ここで、容量成分C1を形成するには、ヘリカル部3と端子部6に挟まれた基体2部分の容量を用いても形成可能であるが、十分な容量を確保するには基体2を長くしたり、端子部6の幅を広げたりするなどが必要である。この場合にはヘリカルアンテナ1が大きくなったり、ヘリカルアンテナ1の製造工程が増加したりするなどのデメリットがある。一方、端子部6を半田ランドなどと接続し、その先端に頂冠導体部8を形成することにより容易に大きな容量を負荷することが可能となる。更にヘリカルアンテナ1の形状により大きな負荷容量を実現するのに比較して、頂冠導体部8であれば、他の実装部品との関係上も考慮したフレキシブルな形状をヘリカルアンテナ1製造後に実現することも可能であるというメリットもある。
【0051】
図8、図9は本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の構成図である。11は配線パターン、12は電子部品である。図8では、頂冠導体部8の周辺に配線パターン11が存在しているために、頂冠導体部8を三角形にした場合が表されており、図9では周辺に存在する他の電子部品12に合わせて頂冠導体部8を狭幅状の長方形とした場合が表されている。容量成分C1を確保するために頂冠導体部8を形成する場合には、このように周辺の配線パターン11や電子部品12との関係に合わせてフレキシブルに形成することが可能である。また、当然ながらヘリカルアンテナ1はパターンアンテナ、ロッドアンテナなどの他のアンテナに比較して非常に小型にすることが可能であるので、頂冠導体部8を設けたアンテナ装置10も非常に小型に抑えることが可能である。
【0052】
ここで、実施の形態1のヘリカルアンテナは、実用周波数帯域が0.7〜6.0GHzと高周波数域に対応し、そのヘリカルアンテナの長さL,高さH,幅Wは以下の通りの非常に小型のものである。
【0053】
L=4.0〜40.0mm
H=0.5〜10.0mm
W=0.5〜10.0mm
ここで、Lが4.0mm以下であると、必要とするインダクタンスを得ることができない。また、H,Wそれぞれが0.5mm以下であると、素子自体の機械的強度が弱くなりすぎてしまい、実装装置などで、回路基板等に実装する場合に、素子折れ等が発生することがある。以上の数値から見ても、パターンアンテナなどに比べて非常に小型のアンテナとすることができる。このため、頂冠導体部8を負荷した場合であっても、パターンアンテナやロッドアンテナを用いて頂冠導体部を負荷したアンテナ装置よりも、はるかに小型化することが可能である。
【0054】
以上のように、ヘリカルアンテナ1と、給電部7ではない端子部6の先端に頂冠導体部8を形成することで、アンテナ装置の小型化を維持したまま、送受信周波数での周波数帯域を拡大させて、高い伝送レートに見合うアンテナ装置を実現することができる。特に、近年のOFDM(直行周波数変調多重)などのマルチキャリア伝送などのように広い帯域が必要とされる場合には好適である。
【0055】
(実施の形態2)
図10は本発明の実施の形態2におけるアンテナ装置の構成図である。図1と同じ符号については説明を省略する。13は主基板であり、14は従基板であり、15は給電線であり、16はRF回路であり、17は処理回路、18は制御回路、19は主基板13の端面である。主基板13と従基板14は略同一平面上に存在しており、主基盤13と従基板14は給電線15を介して電気的に接続されている。また主基板13のRF回路16、処理回路17、制御回路18の存在しない領域はグランド面となっている。制御回路18は、処理回路17などを制御するための回路であり、CPUや専用ICなどが用いられる。処理回路17は信号の送信における変調や誤り符号の付加や、受信における復調や誤り訂正などを行う。処理回路17で変調された信号はRF回路16において、送信周波数の信号に変換され給電線15を通じてヘリカルアンテナ1に出力される。逆にヘリカルアンテナ1で受信された信号は給電線15を通じてRF回路に出力され、RF回路で周波数変換されて処理回路17で復調などが行われる。
【0056】
アンテナ装置が携帯電話やノートブック型パソコンに組み込まれる場合には、その実装面積の制約や実装工程の容易性の確保の観点から、種々の処理回路などが実装されている主基板13に実装するよりも、別基板である従基板14に実装するほうが適切である場合が多い。すなわち、従基板14にあらかじめヘリカルアンテナ1を実装しておいてから、主基板13との間を給電線15にて接続することで実装工程を容易化することができる。一方、処理回路17をはじめRF回路16が実装されている主基板13にヘリカルアンテナ1を実装すると、相互にノイズ干渉などを起こし、性能が劣化する恐れがある。このため、ヘリカルアンテナ1については、別個の従基板14に実装することはメリットが高い。また、ヘリカルアンテナ1を従基板14に実装することで、周波数帯域を拡大するための頂冠導体部8の形状や面積を確保する自由度を高めることが可能となるメリットもある。
【0057】
ここで、ヘリカルアンテナ1の作るイメージ電流が主基板13のグランド面上に発生する。このときヘリカルアンテナ1が主基板13の端面19と略垂直に実装されている場合には、主基板13のグランド面で発生するイメージ電流がヘリカルアンテナ1を流れる電流とほぼ同一ベクトルを持つことになり、ヘリカルアンテナ1での送受信利得が向上する。このため主基板13とヘリカルアンテナ1とが略垂直になるように実装されることが好適である。特に、ヘリカルアンテナ1がλ/4型アンテナである場合には、イメージ電流を含めてλ/2分の誘導電流を発生させることになるので、イメージ電流を適切に発生させることができるかが重要である。このため、イメージ電流を発生させるグランド面を有する主基板13とヘリカルアンテナ1が実装される従基板14が略同一平面上に存在することが重要である。かりに別平面上に存在する場合には、ヘリカルアンテナ1のイメージ電流が主基板13で適切に発生せず、送受信利得が十分に確保できない問題が生じうる。
【0058】
また、実施の形態1で説明したように頂冠導体部8の存在により、容量成分C1が負荷されることになり、周波数帯域が拡大し、伝送レートの高い無線通信に最適化される。
【0059】
このように、ヘリカルアンテナ1を主基板と別個の従基板とすることでノイズの低減や頂冠導体部8の自由度の確保しつつ、2つの基板を略同一平面上に設置することで送受信利得も十分に確保して性能を高めたアンテナ装置とすることができる。更に、処理回路17などの実装された主基板13とヘリカルアンテナ1が実装された従基板14が略同一平面上にあることで、携帯電話やノートブック型パソコンに組み込む際に実装体積を低減することができる。この場合であっても、アンテナ装置の送受信利得などの性能を十分に確保することができる。
【0060】
なお、ヘリカルアンテナ1を処理回路17などが実装された基板と同一基板上に実装する場合には、全体としてアンテナ装置の面積を最小化できるメリットがある。このため、頂冠導体部8の形状や大きさの自由度を必要としない場合などには、同一基板上に実装してアンテナ装置の面積を最小化することでもよい。
【0061】
図11は本発明の実施の形態2におけるアンテナ装置の構成図である。図11には、主基板13と略同一平面にある従基板14とにまたがってヘリカルアンテナ1が実装されている場合が表されている。
【0062】
給電部7が主基板13上に設けられており、ヘリカルアンテナ1の端子部5が給電部7に接続されている。一方、開放端である頂冠導体部8は従基板14上に設けられヘリカルアンテナ1の端子部6が頂冠導体部8に接続される。すなわち主基板13と従基板14はヘリカルアンテナ1を介して接続されている。この場合であっても、頂冠導体部8の形状や大きさの自由度を高くすることができる上、主基板13と従基板14が同一平面に存在することで、電子機器への組み込みの際の実装体積も低減できるという、アンテナ装置の小型化による電子機器の小型化、薄型化を実現できるメリットがある。従基板14は頂冠導体部8の形状や大きさに合わせた形状や大きさにすることは好適であり、従基板14を最小化するために、従基板14が頂冠導体部8と同一形状、同一サイズとされることも良い。
【0063】
また、ヘリカルアンテナ1と主基板13の端面19とは略垂直の関係になっているので、ヘリカルアンテナ1により主基板13のグランド面に発生するイメージ電流は、ヘリカルアンテナ1を流れる電流と同一ベクトルを持つことになるので、送受信利得が向上するメリットも確保できる。特に、ヘリカルアンテナ1がλ/4型アンテナである場合には、イメージ電流の発生により送受信利得を向上させる必要があるので(イメージ電流によりλ/2型アンテナと同等の誘導電流が発生するため)、イメージ電流がヘリカルアンテナ1と同一ベクトルに発生することが重要である。このためヘリカルアンテナ1が主基板13の端面19と略垂直に実装される必要がある。もちろん、実装状態や組み込み電子機器の状態に合わせて、垂直に実装するのが困難な場合には、性能とのバランスを考慮して垂直ではない実装でもよい。この場合であっても、主基板13のグランド面を、イメージ電流を発生させるグランド面として利用することが可能であり、送受信利得を向上させる効果があり、特にλ/4型のヘリカルアンテナでは必須のものである。
【0064】
以上の構成により、処理回路17などが実装される基板のグランド面がヘリカルアンテナ1のグランド面として活用することが可能となる上、ヘリカルアンテナ1をλ/4型アンテナとできるためヘリカルアンテナ1も小型とでき、アンテナ装置の小型化を実現することも可能となる。また、電子機器への組み込みにおいても実装体積を削減し、電子機器の薄型化、小型化を実現できる。このような小型化を維持しながら、適切に発生するヘリカルアンテナ1のイメージ電流により送受信利得が向上し、頂冠導体部8により実施の形態1で説明したのと同様に、周波数帯域が拡大する性能向上が実現される。周波数帯域の拡大により、高い伝送レートの無線通信が実現される。
【0065】
なお、主基板13に形成されているグランド面の端面が主基板13の端面19と非平行のグランド面になっている場合には、グランド面の端面に対して略垂直にヘリカルアンテナ1を実装することが適切である。
【0066】
(実施の形態3)
図12は本発明の実施の形態3における電子機器の構成図である。電子機器の一例として携帯電話が表されており、携帯電話の筺体の片面を取り外して、内部の基板などが見える状態が図示されている。
【0067】
20は携帯電話であり、21は筺体、22はアンテナ、23は電源、24は処理装置である。アンテナ22は携帯電話の音声通信を行う場合に用いられる主たるアンテナであり、アンテナ装置10はデータ通信専用の別周波数帯域の送受信に用いられたり、アンテナ22のダイバーシティ用などとして用いられたりする。処理装置24は主基板13にLSIやディスクリート素子などが実装されている。電源23はパック電池などが用いられ、内部回路や表示部などに電流が供給される。なお、電子機器の一例として図12では携帯電話20が示されているが、このほかPDAのような携帯端末やノートブック型パソコンであってもよい。
【0068】
携帯電話は極限まで小型化、薄型化が求められているため、主基板13は非常に高密度実装がなされており、多層基板や両面実装などが用いられることが多い。このように小型、薄型を維持しつつ、アンテナ装置の送受信性能を確保する必要がある。このため、主基板13と従基板14は同一平面上に形成され、ヘリカルアンテナ1は主基板13にある給電部と従基板14にある頂冠導体部8に接続されて、アンテナ装置10は基板にまたがって形成される。これにより、ヘリカルアンテナ1は主基板のグランド面をグランドとして利用して、イメージ電流を発生させることが可能であり、送受信利得を上げることができる。一方、頂冠導体部8により周波数帯域を拡大することができるため、伝送レートの高いデータ通信などにも最適な送受信が可能となる。このとき、頂冠導体部8は処理装置24などの実装された主基板13と別個の従基板14に形成されているため、相互干渉などの問題もおきにくく、性能劣化を防ぐこともできる。このとき主基板13のヘリカルアンテナ1の給電部付近の部品実装を疎にして広いグランド面を確保することで、イメージ電流の発生を容易として送受信利得を高めることも可能となる。
【0069】
ここで、頂冠導体部8を従基板14に形成することで、形状などの自由度も高くでき、従基板14の小型化も容易である。更に従基板14の裏面に他の電子部品12を実装することができ(位置的には携帯電話20の液晶表示用のドライバICなどの実装が好適である)、アンテナ装置10の性能を十分に確保しつつ実装面積を削減できる。主基板13と従基板14とが同一平面上にあることで薄型化も容易である。もちろん、頂冠導体部8の形状は三角形、四角形、多角形、円形、楕円形などのいずれでも良い。
【0070】
また、図12に示すように携帯電話を使用する際の上方にアンテナ装置10を設置することで、アンテナ装置10の外界への見通しが確保され送受信性能の更なる確保が高まる。このため、ヘリカルアンテナ1をより上方に実装するために頂冠導体部8を横長の形状にするなども好適である。
【0071】
なお、ヘリカルアンテナ1を主基板13と従基板14にまたがって実装するのではなく、同一基板上に実装したり、図10のように従基板14に実装したりするなどでも良い。組み込む電子機器の形状や大きさ、処理装置などの形状や大きさなどとのバランスで、最適な実装を行うことが好適である。
【0072】
以上のようなアンテナ装置10を組み込むことにより、組み組む電子機器の小型、薄型を維持したまま、アンテナの送受信性能を高めることが可能となる。
【0073】
また、アンテナ装置10を複数用いてダイバーシティを行うことも、受信性能向上のために好適である。例えば、アンテナ装置を2つ実装し、受信電力の高いアンテナ装置の受信信号を選択して復調することで、受信性能を高める選択ダイバーシティや受信電力を基に最大比合成などを行う合成ダイバーシティを行う。
【0074】
図13は本発明の実施の形態3における選択ダイバーシティのブロック図である。アンテナ装置10が二つあり、25は選択部、26は検波部、27は電力算出部、28は復調部である。受信開始時にはいずれか一方のアンテナ装置10の受信信号が選択部25で選択されて受信される。検波部26において受信した信号が直交検波や遅延検波などで検波され、検波された信号は電力算出部27で電力算出される。算出された電力は任意の閾値と比較され、その結果が選択部25に通知される。任意の閾値よりも低い場合には、選択部25でもう一方のアンテナ装置が選択されて、選択されたアンテナ装置10で受信した信号が検波され、最終的に、復調部28で復調される。以上の動作により、受信性能を更に向上させることが可能となる。
【0075】
また、それぞれのアンテナ装置10で受信した信号の電力が算出され、算出された電力の比に基づいて受信信号が合成されて復調されることで、更に受信性能を向上させることが可能となる。この場合にはノイズは無相関であるために、単純な合成であっても約3dBの特性向上が実現される。
【0076】
(実施の形態4)
図14は本発明の実施の形態4におけるアンテナ装置の構成図である。図15は図14のアンテナ装置の実験結果を表す図であり、図16は本発明の実施の形態4におけるアンテナ装置の組み込み図である。
【0077】
図14には、異なる送受信周波数を有する2つのヘリカルアンテナを組み込んで、頂冠導体部がそれぞれ設けられて、周波数帯域の広いデュアルアンテナが構成されている。例えば、900MHz前後の周波数を用いるGSMと、1.8GHz近辺の周波数を用いるコードレス電話の両方に対応する電子機器に組み込む場合などに、図14のようなアンテナ装置が用いられる。
【0078】
30はアンテナ装置、31は第一ヘリカルアンテナ、32は第二ヘリカルアンテナ、33は第一頂冠導体部、34は第二頂冠導体部、35、36は給電部であり、給電部35、36にはコンデンサーとインダクタが接続されている。インダクタとコンデンサーはインピーダンス整合に用いられる。37はグランド面である。なお、図14に示すアンテナ装置を実際に設計し、アンテナ装置30は図14に示されるとおり12mm×40mmという非常に小型の面積に収まるように設計された。更に、図15に示すように2共振のデュアルアンテナ装置が実現されている。
【0079】
第一ヘリカルアンテナ31と第二ヘリカルアンテナ32はそれぞれの共振周波数が異なる。例えば、第一ヘリカルアンテナ31がGSMに対応した900MHzの周波数を有し、第二ヘリカルアンテナ32がコードレスに対応した1.8GHzの周波数を有している場合がある。各ヘリカルアンテナ31、32に設けられたヘリカル部のスパイラル間隔などによりインダクタ成分を変化させて実現することができる。給電部35、36を通じて第一ヘリカルアンテナ31と第二ヘリカルアンテナ32に個別に信号電流が供給される。第一ヘリカルアンテナ31の開放端には第一頂冠導体部33が接続され、第二ヘリカルアンテナ32の開放端の先端には第二頂冠導体部34が接続されている。第一ヘリカルアンテナ31と第二ヘリカルアンテナ32とを線対称に配置して、給電部35、36同士を近づけて開放端を左右に振り分けた配置とすることで、アンテナ装置30全体の小型化が実現される。更に、振り分けの配置としたことで、第一ヘリカルアンテナ31と第二ヘリカルアンテナ32の相互干渉も低減することができる。
【0080】
ここで、実施の形態1で説明したとおり、各頂冠導体部33と34の存在により周波数帯域が拡大して、高い伝送レートにも対応することが可能となる。更に、グランド面37は主基板上に形成されているので、主基板のグランド面37を第一ヘリカルアンテナ31と第二ヘリカルアンテナ32の共通のグランド面37とて共有することができ、アンテナ装置30の小型化も促進することが可能となる。
【0081】
なお、実施の形態2で説明したとおり第一ヘリカルアンテナ31と第二ヘリカルアンテナ32をグランド面37の端面に対して略垂直に配置するほうが利得向上に効果的であるので、図14とは異なりヘリカルアンテナを略垂直に配置してもよい。ただし、実装面積や組み込む電子機器の形状に応じて、利得性能と配置方式のバランスから配置を決定することが必要な場合には図14のように垂直以外の配置でもよい。
【0082】
次に、図16には、電話機の子機の一部にアンテナ装置を組み込む様子が示されている。40は筺体であり、41は回路基板、42はカバー、43と44はヘリカルアンテナ、45、46は頂冠導体部、47は中間カバーである。回路基板41は筺体40に接続され、ヘリカルアンテナ43、44は筺体に接続され、その端子部の一方が回路基板41の給電部と接続される。中間カバー47は筺体40の上面を覆うように接続されて、ヘリカルアンテナ43、44の開放端となる端子部に頂冠導体部45、46が接続される。カバー42はさらにその上にカバー42が接続されて、アンテナ装置が電話機の子機に組み込まれる。このときヘリカルアンテナ43、44は異なる共振周波数を有しているので、デュアルアンテナが実現される。また頂冠導体部45、46により実施の形態1で説明したとおり、周波数帯域の拡大が実現される。
【0083】
なお、共振周波数の異なる3以上のヘリカルアンテナを実装することで、3以上の送受信周波数を実現することも可能となる。
【0084】
【発明の効果】
以上のように、本発明ではヘリカルアンテナの開放端となる端子部に頂冠導体部を設けたことで、送受信周波数での動作周波数帯域を拡大することが可能となり、高い伝送レートの無線通信を実現できる効果がある。
【0085】
更に、λ/4型のヘリカルアンテナを用い、主基板と同一基板に実装するか、あるいは略同一平面上にある従基板に実装することで、利得性能と広帯域を確保しつつ、小型化、薄型化を実現し、これを組み込む電子機器の小型化、薄型化を実現できる。特に、小型、薄型が要求される携帯電話やノートブック型パソコンに最適に実装することができる。
【0086】
また、λ/4型ヘリカルアンテナを主基板の端面と略垂直に実装することで、主基板のグランド面をヘリカルアンテナのグランド面として利用することができ、イメージ電流を適切に発生させることにより、送受信利得の更なる向上が可能となる。
【0087】
また、異なる共振周波数を有するヘリカルアンテナを二つ以上実装し、それぞれに頂冠導体部を接続し、グランド面を共有することで、小型、薄型を維持したまま、デュアルアンテナなどを構成することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の斜視図
【図3】本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の斜視図
【図4】本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の等価回路図
【図5】周波数特性曲線を表す図
【図6】実験1の結果を表すグラフ
【図7】実験2の結果を表すグラフ
【図8】本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の構成図
【図9】本発明の実施の形態1におけるアンテナ装置の構成図
【図10】本発明の実施の形態2におけるアンテナ装置の構成図
【図11】本発明の実施の形態2におけるアンテナ装置の構成図
【図12】本発明の実施の形態3における電子機器の構成図
【図13】本発明の実施の形態3における選択ダイバーシティのブロック図
【図14】本発明の実施の形態4におけるアンテナ装置の実装形態図
【図15】図14のアンテナ装置の実験結果を表す図
【図16】本発明の実施の形態4におけるアンテナ装置の組み込み図
【図17】従来の技術におけるアンテナ装置の斜視図
【符号の説明】
1 ヘリカルアンテナ
2 基体
3 ヘリカル部
4 スパイラル溝
5、6 端子部
7 給電部
8 頂冠導体部
9 信号源
10 アンテナ装置
11 配線パターン
12 電子部品
13 主基板
14 従基板
15 給電線
16 RF回路
17 処理回路
18 制御回路
19 端面
20 携帯電話
21 筺体
22 アンテナ
23 電源
24 処理装置
25 選択部
26 検波部
27 電力算出部
28 復調部
30 アンテナ装置
31 第一ヘリカルアンテナ
32 第二ヘリカルアンテナ
33 第一頂冠導体部
34 第二頂冠導体部
35、36 給電部
37 グランド面
40 筺体
41 回路基板
42 カバー
43、44 ヘリカルアンテナ
45、46 頂冠導体部
47 中間カバー
100 アンテナ装置
101 メアンダアンテナ
102 給電部
103 頂冠導体部

Claims (14)

  1. 基体と、該基体に設けられたヘリカル部と、基体の両端に設けられた端子部を有し、前記ヘリカル部と前記端子部が電気的に接続されているヘリカルアンテナと、
    回路が実装されている主基板と、
    信号を給電する給電部と、負荷容量を生ずる頂冠導体部が設けられ、前記ヘリカルアンテナが実装されるとともに前記主基板と同一もしくは略同一平面にある従基板を有し、
    前記ヘリカルアンテナの一方の端子部が給電部に接続され、他方の端子部が頂冠導体部に電気的に接続されることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記従基板が主基板と電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記ヘリカルアンテナが導電膜が施された基体をトリミングしてスパイラル溝を設けることにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至2いずれか1に記載のアンテナ装置。
  4. 前記ヘリカルアンテナが基体に導電性の巻線を施して形成されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1記載のアンテナ装置。
  5. 前記頂冠導体部が基板上のランドで形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1記載のアンテナ装置。
  6. 前記頂冠導体部が基板パターンで形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1記載のアンテナ装置。
  7. 前記頂冠導体部の形状が略三角形もしくは方形もしくは多角形もしくは円形もしくは楕円形のいずれか一つであることを特徴とする請求項1〜6いずれか1記載のアンテナ装置。
  8. 前記主基板のグランド面を前記ヘリカルアンテナのグランド面として共有することを特徴とする請求項1〜7いずれか1記載のアンテナ装置。
  9. 前記ヘリカルアンテナが前記主基板のグランド面の端面と略垂直に設置されることを特徴とする請求項1〜8いずれか1記載のアンテナ装置。
  10. 基体と、該基体に設けられたヘリカル部と、基体の両端に設けられた端子部を有し、前記ヘリカル部と前記端子部が電気的に接続されているヘリカルアンテナと、
    給電部が設けられた主基板と、
    負荷容量を生ずる頂冠導体部が設けられた前記主基板と同一もしくは略同一平面にある従基板を有し、
    前記ヘリカルアンテナの一方の端子部が前記主基板上に設けられた給電部に接続され、他方の端子部が頂冠導体部に電気的に接続されることを特徴とするアンテナ装置。
  11. 異なる共振周波数を有する2以上のヘリカルアンテナと、
    2以上の給電部を有する主基板と、
    負荷容量を生ずる2以上の頂冠導体部を有し前記主基板と同一もしくは略同一平面にある従基板を有し、
    前記各ヘリカルアンテナの一方の端子部が前記主基板上に設けられた給電部に接続され、他方の端子部が前記2以上の頂冠導体部に接続されて、2以上の周波数で動作することを特徴とするアンテナ装置。
  12. 前記ヘリカルアンテナがλ/4型ヘリカルアンテナであることを特徴とする、請求項1〜11いずれか1記載のアンテナ装置。
  13. 請求項1〜12いずれか1記載のアンテナ装置と、
    前記アンテナ装置と電気接続され信号処理を行う処理装置と、
    前記処理装置に電圧供給する電源部と、
    これらを格納する筺体を有することを特徴とする電子機器。
  14. 前記電子機器が携帯端末であることを特徴とする請求項13に記載の電子機器。
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