JP2005024405A - 被膜付セラミックス部材の膜厚測定方法、その装置、被膜付セラミックス部材の製造方法 - Google Patents

被膜付セラミックス部材の膜厚測定方法、その装置、被膜付セラミックス部材の製造方法 Download PDF

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真悟 小岩
Keisuke Yamazaki
啓介 山崎
Motoo Yookaichiya
元男 八日市屋
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Abstract

【課題】セラミックス基材にセラミックス被膜を形成した被膜付セラミックス部材の非破壊膜厚測定及び被膜を傷付けることがない被膜付セラミックス部材の膜厚測定を可能とする被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置を提供する。
【解決手段】本被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置は、曲面形状を有する被測定部材が載置されるワーク載置部と、このワーク載置部に載置された前記被測定部材の内表面の所定の位置から当該光距離センサーまでの距離を測定する光距離センサーと、前記光距離センサーを回転させる距離センサー回転機構と、この距離センサー回転機構を昇降させて距離センサーを昇降させるセンサー昇降機構と、このセンサー昇降機構の昇降位置を検知するセンサー昇降位置検知センサーを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は被膜付セラミックス部材の膜厚(被膜の厚さ)測定方法、その装置、被膜付セラミックス部材の製造方法に係わり、特に被膜形成前のセラミックス部材及び被膜形成後のセラミックス部材から光測定センサーまでの距離を測定し、その差を利用して膜厚を測定する被膜付セラミックス部材の膜厚測定方法、その装置、被膜付セラミックス部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ドーム形状のアルミナのようなセラミックスにイットリウムアルミニウムガーネット(YAG)被膜を形成した被膜付セラミックス部材における膜厚(膜厚とは本明細書において被膜の厚さを意味する。)の測定は、セラミックス部材を切断し、電子顕微鏡を用いて切断面の膜厚を測定することが行われている。
【0003】
(1)アルミナ基材とYAG被膜の物性値がほぼ等しいことや、アルミナ基材が透明ではないこと、非金属体であることなどから、現在一般に行われている膜厚測定技術(超音波式、渦電流式、X線を使用した方法、光の干渉を使用した方法、レーザー光を使用した方法など)ではYAG膜厚を非破壊で測定できないこと。(2)要求膜厚測定精度が極めて高いこと、(3)YAG被膜は剥れやすいこと及び他の物質に触れるなどして汚染してはならない等の理由から非接触の測定方法が要求されている。特許文献1で提案されている膜厚測定方法は、光源としてファイバーレーザーを用い、さらに、入射光を複数照射するものであり、その膜厚測定装置は高価になり、アルミナ基材と物性値のほぼ等しいYAG被膜の測定には不適当であり、さらに、ドーム形状の被測定物の測定には適さない。
【0004】
また、(4)従来の破壊検査では、1個のドーム形状部材の測定に、約2日の検査日数を要する(測定点数は25点)。さらに、(5)破壊試験のため、全数検査が不可能である。
【0005】
そこでドーム形状のアルミナのようなセラミックス基材にYAG被膜を形成した被膜付セラミックス部材の非破壊膜厚測定方法、その装置及びその場(in−site)測定で膜厚の測定が可能で生産性がよいドーム形状の被膜付セラミックス部材の製造方法が要望されていた。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−59993号公報(段落[0049]、[0050]、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、セラミックス基材にセラミックス被膜を形成した被膜付セラミックス部材の非破壊及び被膜を傷付けることがない被膜付セラミックス部材の膜厚測定方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、セラミックス基材にセラミックス被膜を形成した被膜付セラミックス部材の非破壊膜厚測定及び被膜を傷付けることがない被膜付セラミックス部材の膜厚測定を可能とする被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置を提供することを目的とする。
【0009】
さらに、その場測定で膜厚の測定が可能な膜厚測定工程を組込み、被膜付セラミックス部材の生産性が向上し、さらに、所望の膜厚の被膜付セラミックス部材を製造することができる被膜付セラミックス部材の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の1つの態様によれば、光距離センサーからセラミックス仮焼体の測定位置に照射し、この反射光を受光して測定位置から光距離センサーまでの距離を測定する第1の測定工程と、前記測定済みセラミックス仮焼体にセラミックス被膜を形成した被膜付セラミックス仮焼体の前記測定位置における前記ら光距離センサーから前記セラミックス被膜までの距離を測定する第2の測定工程を有し、前記第1の測定工程により測定された距離と第2の測定工程により測定された距離の差をセラミックス被膜の膜厚値に用いることを特徴とする被膜付セラミックス部材の膜厚測定方法が提供される。これにより、セラミックス基材にセラミックス被膜を形成した被膜付セラミックス部材の非破壊及び被膜を傷付けることがない被膜付セラミックス部材の膜厚(被膜の厚さ)測定方法が実現される。
【0011】
好適な一例では、上記距離の差に、予め破壊試験により求めた修正係数をかけて、焼成後の膜厚値とする。これにより、焼成後の膜厚値が精度よく得られる。
【0012】
また、他の好適な一例では、前記セラミックス仮焼体は、ドーム形状である。これにより、通常、測定が困難なドーム形状セラミックス焼成体の被膜の膜厚値を精度よく得られる。
【0013】
また、他の好適な一例では、前記セラミックス仮焼体は、アルミナであり、被膜はイットリウムアルミニウムガーネットである。
【0014】
また、本発明の他の態様によれば、曲面形状を有する被測定部材が載置されるワーク載置部と、このワーク載置部に載置された前記被測定部材の内表面の所定の位置から当該光距離センサーまでの距離を測定する光距離センサーと、前記光距離センサーを回転させる距離センサー回転機構と、この距離センサー回転機構を昇降させて距離センサーを昇降させるセンサー昇降機構と、このセンサー昇降機構の昇降位置を検知するセンサー昇降位置検知センサーを有することを特徴とする被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置が提供される。これにより、セラミックス基材にセラミックス被膜を形成した被膜付セラミックス部材の非破壊膜厚測定及び被膜を傷付けることがない被膜付セラミックス部材の膜厚測定を可能とする被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置が実現される。
【0015】
また、好適な一例では、前記被測定部材は、この被測定部材の基準位置を決定するために用いられる基準治具に取付けられて、前記膜厚測定装置に載置される。これにより、アルミナ仮焼体の位置が容易かつ高精度に調整される。
【0016】
また、好適な一例では、前記光距離センサーは、ゼロ点調整を行うゼロ点調整治具を前記膜厚測定装置に載置してゼロ点調整が行われる。これにより、容易かつ高精度にゼロ点調整が行われる。
【0017】
また、本発明の他の態様によれば、セラミックス仮焼体を製造する工程と、光距離センサーから光線をセラミックス仮焼体の所定位置に照射し、この反射光を受光して所定位置から光距離センサーまでの距離を測定する第1の測定工程と、前記測定済みセラミックス仮焼体にセラミックス被膜を形成した被膜付セラミックス仮焼体の前記測定位置における前記光距離センサーから前記セラミックス被膜までの距離を測定する第2の測定工程と、前記第1の測定工程により測定された距離と第2の測定工程により測定された距離の差からセラミックス被膜の膜厚を求める工程と、被膜付セラミックス仮焼体を焼成する工程を有することを特徴とする被膜付セラミックス部材の製造方法が提供される。これにより、その場測定で膜厚の測定が可能な膜厚測定工程を組込み、被膜付セラミックス部材の生産性が向上し、さらに、所望の膜厚の被膜付セラミックス部材を製造することができる被膜付セラミックス部材の製造方法が実現される。
【0018】
好適な一例では、前記セラミックス仮焼体は、アルミナであり、被膜はイットリウムアルミニウムガーネットである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる被膜付セラミックス部材の膜厚(被膜の厚さ)測定装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1に示すように、本発明に係わる被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置1は、直方体フレーム状の基台2と、この基台2の上部に設けられ、かつ中央部に円形状の収容孔3aが設けられ、曲面形状を有する被測定部材例えばドーム形状のセラミックス仮焼体Mがダンパ支持部材3bを介して載置されるワーク載置部3と、収容孔3a内を昇降し、光距離センサー4aからセラミックス仮焼体Mの内面あるいは基準治具までの距離を測定するセンサー部4と、このセンサー部4を回転させるセンサー回転機構5と、このセンサー回転機構5と共にセンサー部4を昇降させるセンサー昇降機構6を有している。また、膜厚測定装置1には、図1及び図2に2点鎖線で示し、セラミックス仮焼体Mの基準位置を決定するために用いられる基準治具21と、光距離センサー4aのゼロ点調整に用いられ図15に示すゼロ点調整治具22が用いられる。
【0021】
さらに、図3に示すように、センサー部4は、截頂正方形状のセンサー取付基材4bと、このセンサー取付基材4bにセンサー取付部4cを介して、センサー取付基材4bの截頂部に各々対向し90°の等間隔で設けられた4個の光距離センサー4aを有している。これら4個の光距離センサー4aのうち、光距離センサー4aは光軸が垂直であって上向きであり、光距離センサー4aは光軸が垂直線と小角度の鋭角をなして上向きであり、光距離センサー4aは光軸が垂直線と大角度の鋭角をなして上向きであり、光距離センサー4aは光軸が水平である。光距離センサー4aとして例えばレーザー光距離センサーが用いられ、図1及び図2に示すように、ドーム形状のセラミックス焼結体Mの異なる位置を測定可能になっている。
【0022】
図4に示すように、光距離センサー4aは、膜厚測定装置1全体を制御するパソコン7に接続されており、各光距離センサー4aから照射され、セラミックス仮焼体Mあるいは被膜で反射されたレーザー光を受け、A/D変換手段8によりデジタル化され、セラミックス仮焼体Mあるいは被膜と各光距離センサー4aまでの距離情報としてCPU7p及び記憶手段7mを有するパソコン7に送るようになっており、デジタル化された距離情報はパソコン7で処理される。
【0023】
図5に示すように、光距離センサー4aは、通常用いられるもので、発光素子ドライバー4aに制御され、レーザー光を発振する発光素子4a、この発光素子4aの光軸上に設けられた投光レンズ4aと、上記光軸のセラミックス仮焼体Mに対する反射光軸上に設けられた結像レンズ4aと、反射光軸上のポジションセンサー4aと、このポジションセンサー4aからの位置情報を処理する上記A/D変換手段8に接続されている。また、図4に示すように、パソコン7には、入力手段、例えばキーボード9と、出力手段、例えばプリンタ10およびディスプレー11が接続されている。
【0024】
図1及び図2に示すように、上記センサー回転機構5は、センサー取付基材4bに設けられた光距離センサー4aを回転軸5aを介して回転(公転)させるセンサー回転用モータ5bと、このセンサー回転用モータ5bをセンサー昇降機構6に取付けるモータ支持部材5cと、センサー昇降機構6に取付けられ回転軸5aを受ける軸受5dと、モータ支持部材5c及び回転軸5aに設けられセンサー回転機構5の回転方向の原点を検出する原点検出センサー5eを有している。従って、センサー回転用モータ5bを回転させることにより、光距離センサー4aを回転させることができるようになっている。
【0025】
さらに、図1及び図2に示すように、センサー昇降機構6は、基台2に固定されたセンサー昇降用モータ6aと、このセンサー昇降用モータ6aにより回転されるボールネジ6bと、このボールネジ6bに螺合し昇降する昇降部材6cと、この昇降部材6cに取付けられモータ支持部材5c及び軸受5dが取付けられた昇降支持部材6dと、センサー昇降機構6の原点を検知する原点検出センサー6eを有している。従って、センサー昇降用モータ6aを回転させることにより、光距離センサー4aを昇降させることができるようになっている。
【0026】
また、図1及び図2に示すように膜厚測定時、膜厚測定装置1に載置されて用いられる基準治具21は、さらに図6乃至図10に示すように、セラミックス焼結体Mが直接載置される3個の別部材からなるワーク支持部材21aと、このワーク支持部材21aが上面外周に取付られ、リング形状をなし、かつ内周部にフランジ部21bが設けられ下面外周に120°間隔で3個の位置決めプレート21bが設けられた基準ベース部材21bと、図6に示す押さえ部材21c及び押さえネジ21dを除去して示す図7及び図9に示すように、図6の押さえ部材21cと共にセラミックス仮焼体Mを固定するワーク固定ネジ21eが設けられており、このワーク固定ネジ21eは基準ベース部材21bに立設されたネジ取付部材21fを貫通して取付けられている。従って、ワーク支持部材21aにより3点支持されたセラミックス仮焼体Mは、押さえ部材21cを介する押さえネジ21d及びワーク固定ネジ21eにより基準治具21に取付けられ、位置決めプレート21bを介して3点支持で膜厚測定装置1に載置される。
【0027】
図10のA部を拡大して示す図11(a)に示すように、基準ベース部材21bのフランジ部21bの内周面には、横ずれ検出面21b及び高さ位置ずれ検出エッジ21bが形成され、さらに、図11(b)に示すように、回転方向検出ノッチ21bが形成されている。これにより、図11(a)及び図12に示すように光距離センサー4aから照射された水平方向のレーザー光が横ずれ検出面21b、また、図12に示すように検出エッジ21b、さらに、図11(b)及び図14に示すように回転方向検出ノッチ21bで反射され、基準治具21の横ずれ、高さ位置ずれおよびセンサー部4の回転方向位置が検出されるようになっている。なお、符号21gは成膜用スラリに垂れ防止部材である。
【0028】
ゼロ点調整治具22は光距離センサー4aのゼロ点調整時、上記膜厚測定時に膜厚測定装置1に載置されて用いられる基準治具21と同様に、膜厚測定装置1に載置されて用いられる。図15に示すように、ゼロ点調整治具22は一部断面が円弧状をなし基準となるべきレーザー光反射面22aが形成されたレーザー光反射部材22aと、このレーザー光反射部材22aを支持し、図10に示す基準ベース部材21bと同様の形状を有し、内周部にフランジ部22bが設けられ、図16に示すように外周に120°間隔で3個の位置決めプレート22bが設けられた基準ベース部材22bと、レーザー光の漏れを防止し、把手22c1が設けられたカバー部材22cからなっている。従って、レーザー光反射部材22a及びカバー部材22cは、基準ベース部材22bに載置され、さらに、位置決めプレート22bを介して3点支持で膜厚測定装置1に載置されている。また、図11(a)の横ずれ検出面21b、検出エッジ21bと同様、図16のB部を拡大して示す図17(a)に示すように、フランジ部22bには横ずれ検出面22b及び高さ位置ずれ検出エッジ22bが形成されさらに、図11(b)の回転方向検出ノッチ21bと同様、図17(b)に示すように、回転方向検出ノッチ22bが形成されている。これにより、光距離センサー4aから照射された水平方向のレーザー光が横ずれ検出面22b、高さ位置ずれ検出エッジ22b及び回転方向検出ノッチ22bで反射され、ゼロ点調整治具22の横ずれ、高さ位置ずれ及びセンサー部4の回転位置が検出されるようになっている。
【0029】
次に、本発明に係わる被膜付セラミックス部材の膜厚測定方法、被膜付セラミックス部材の製造方法の一実施形態について図18に示す製造工程フロー図に沿って説明する。
【0030】
セラミックス仮焼体、例えばドーム状のアルミナ仮焼体M1を用意する(S1)。
【0031】
アルミナの原料粉、MgO、純水、アルミナボールをポットに入れ、12時間、ポットを回転させ、混合および解砕を行ってスラリを得、このスラリをスプレードライヤにて、粒径100μm程度の造粒粉とした。このアルミナ造粒粉をCIP(圧力は14.7MPa)により、成形体を作り、900℃焼成、仮焼体を得る。
【0032】
アルミナ仮焼体M1に基準点が設けられた基準治具21を取付ける(S2)。
【0033】
この基準治具21の取付けは、図7及び図9に示すように、基準ベース部材21bに取付けられたワーク支持部材21aをセラミックス仮焼体M、押さえ部材21cを介して、押さえネジ21d及びワーク固定ネジ21eにより行われる。
【0034】
膜厚測定装置1のワーク載置部3にゼロ点調整治具22を載置し、光距離センサー4aのゼロ点調整を行う(S3)。
【0035】
このゼロ点調整は、図12に示すと同様、ダンパ支持部材3bを介してワーク載置部3にゼロ点調整治具22を載置した後、センサー昇降機構6を作動させてセンサー部4を上昇させ、図17(a)に示すように距離センサー4aから水平方向にレーザー光を照射し、光距離センサー4aから照射された水平方向のレーザー光が横ずれ検出面22bで反射され、さらに、図13に示すと同様、図17(a)に示すように高さ位置ずれ検出エッジ22bで反射され、ゼロ点調整治具22の横ずれ、高さ位置ずれが認識される。さらに、これらのずれを調整し、センサー回転機構5を作動させてセンサー部4を回動させ、図14に示すと同様に、図17(b)に示すように光距離センサー4aから照射されたレーザー光は回転方向検出ノッチ22bで反射され、回転方向位置が検出される。この位置からさらに所定の角度回転させ、全ての距離センサー4aからレーザー光をレーザー光反射部材22aの反射面22aに照射させ、反射させて、ゼロ点調整を行う。これより容易かつ高精度にゼロ点調整が行われる。
【0036】
ゼロ点調整治具22をワーク載置部3から取外し、予め基準治具21が取付られたアルミナ仮焼体M1をワーク載置部3に載置し、基準治具21の位置を確認する(S4)。
【0037】
この工程では基準治具21の平面縦方向、横方向、高さ方向及び回転方向の基準(前回の位置)とのずれを確認する。
【0038】
この確認は、S3と同様に、図11(a)、図16及び図17に示すように、横ずれが横ずれ検出面21bを用いて、図19に示すように4箇所行われ、図11(a)、図17及び図18に示すように、高さ位置ずれが高さ位置ずれ検出エッジ21bを用いて、図19に示すように4箇所行われる。
【0039】
図11(b)、図20に示すように、回転方向位置検出は回転方向検出ノッチ21bを用いて行われ、その結果はディスプレー11に表示される。
【0040】
表示された各ずれ値を参照し、ずれが基準値を超える場合には、基準治具21を置直し、位置を調整する(S5)。
【0041】
これにより基準治具21に一体的に取付けられているアルミナ仮焼体M1の位置も容易かつ高精度に調整される。
【0042】
図21に示すように、光距離センサー4aを用いてアルミナ仮焼体M1の測定位置から光距離センサー4aまでの距離L1を測定する(第1の測定工程)(S6)。
【0043】
この測定は図22に示すように25点行われる。
【0044】
基準治具21が取付けられたままアルミナ仮焼体M1をワーク載置部3から取外し、YAGスラリをスプレーにより塗布して乾燥し、YAG膜付アルミナ仮焼体M2を作製する(S7)。
【0045】
基準治具21が取外されたワーク載置部3に再びゼロ点調整治具22を載置し、S3と同様にして光距離センサー4aのゼロ点調整を行う(S8)。
【0046】
基準治具21をワーク載置部3から取外し、S7において成膜されたYAG付アルミナ仮焼体M2が取付けられた基準治具21を、再びワーク載置部3に載置し、位置を確認する(S9)。
【0047】
YAG成膜は、YAGとアルミナの混合スラリ(アルミナの原料粉、YAG粉、分散媒、純水、の混合、解砕)及びYAGスラリ(YAG粉、分散剤、純水の混合、解砕)を順次スプレーにより塗布し、乾燥して行われる。
【0048】
この位置確認はS4と同様に行われる。
【0049】
S5と同様に出力された各ずれ値を参照し、ずれが基準値を超える場合には、基準治具21を置き直し、位置を調整する(S10)。
【0050】
図23に示すように、レーザー距離センサー4aを用い、第1の測定工程(S6)で測定した位置に対応するYAG膜付アルミナ仮焼体M2のYAG被膜の測定位置からレーザー距離センサー4aまでの距離L2を測定し記憶する(第2の測定工程)(S11)。
【0051】
第1の測定工程により測定された距離と第2の測定工程により測定された距離の差ΔLを演算し膜厚を求める(S12)。
【0052】
S11における第2の測定工程後に、YAG付アルミナ仮焼体M2から基準治具21を取外し、再度仮焼し、YAG付アルミナ仮焼体M2を1700〜1850℃で4時間焼成して焼成体を得る(S13)。
【0053】
この焼成により、僅かにYAG膜に収縮が生じるが、実用上距離の差をそのまま膜厚として用いても支障がない場合には、これを膜厚とし、修正をするのが好ましい場合には、予め破壊試験により求めた修正係数をかけることで、焼成後の膜厚を求めることができる。
【0054】
上記のように本実施形態によれば、従来のように本焼成後に膜厚を測定するのと異なり、セラミックス膜形成前後のセラミックス仮焼体状態での膜厚測定であるので、非破壊の膜厚測定が可能となり、また、測定時間が短縮し、さらに、光距離センサーを用いるので、被膜に非接触で測定でき、被膜を傷付けることがない。
【0055】
また、被膜付セラミックス部材の製造方法は、その製造工程中に、その場測定で膜厚の測定が可能な膜厚測定工程を組込むので、被膜付セラミックス部材の生産性が向上し、さらに、所望の膜厚の被膜付セラミックス部材を製造することができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明に係わる被膜付セラミックス部材の膜厚測定方法によれば、セラミックス基材にセラミックス被膜を形成した被膜付セラミックス部材の非破壊及び被膜を傷付けることがない被膜付セラミックス部材の膜厚測定方法を提供することができる。
【0057】
また、本発明に係わる被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置によれば、セラミックス基材にセラミックス被膜を形成した被膜付セラミックス部材の非破壊膜厚測定及び被膜を傷付けることがない被膜付セラミックス部材の膜厚測定を可能とする被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置を提供することができる。
【0058】
また、本発明に係わる被膜付セラミックス部材の製造方法によれば、その場測定で膜厚の測定が可能な膜厚測定工程を組込むので、被膜付セラミックス部材の生産性が向上し、さらに、所望の膜厚の被膜付セラミックス部材を製造することができる被膜付セラミックス部材の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置の正面視縦断面図。
【図2】本発明に係わる被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置の側面視縦断面図。
【図3】本発明に係わる被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置の平面図。
【図4】本発明に係わる被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置の用いられる制御回路の概念図。
【図5】本発明に係わる被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置の用いられる光距離センサーの概念図。
【図6】本発明に係わる被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置に用いられる基準治具の平面図。
【図7】本発明に係わる被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置に用いられる基準治具の押さえ部材及び押さえを除去して示す平面図。
【図8】本発明に係わる被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置に用いられる基準治具の側面図。
【図9】図6のX−X線に沿う断面図。
【図10】図7の基準治具に用いられるワーク支持部材の平面図。
【図11】(a)、(b)は、図10のA部の拡大図。
【図12】本発明の被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置に用いられる光距離センサーによる横ずれ検出面方法を示す基準治具の断面図。
【図13】本発明の被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置に用いられる光距離センサーによる高さ位置ずれ検出エッジ方法を示す基準治具の断面図。
【図14】本発明の被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置に用いられる光距離センサーによる回転方向位置の検出方法を示す基準治具の断面図。
【図15】本発明に係わる被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置に用いられるゼロ点調整治具の断面図。
【図16】図15の基準治具に用いられる反射部材支持部材の平面図。
【図17】(a)、(b)は、図16のB部の拡大図。
【図18】本発明に係わる被膜付セラミックス部材の製造工程フロー図。
【図19】本発明の被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置に用いられる光距離センサーによる位置調整用測定点を示す説明図。
【図20】本発明の被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置に用いられる光距離センサーによる位置調整用測定点を示す説明図。
【図21】本発明の被膜付セラミックス部材の膜厚測定方法によるアルミナ仮焼体までの距離測定方法の概念図。
【図22】図21における測定点の説明図。
【図23】本発明の被膜付セラミックス部材の膜厚測定方法によるYAG被膜までの距離測定方法の概念図。
【符号の説明】
1 被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置
2 基台
3 ワーク載置部
3a 収容孔
3b ダンパ支持部材
4 センサー部
5 センサー回転機構
6 センサー昇降機構
21 基準治具
21a ワーク支持部材
22 ゼロ点調整治具

Claims (9)

  1. 光距離センサーから光線をセラミックス仮焼体の測定位置に照射し、この反射光を受光して測定位置から光距離センサーまでの距離を測定する第1の測定工程と、前記測定済みセラミックス仮焼体にセラミックス被膜を形成した被膜付セラミックス仮焼体の前記測定位置における前記光距離センサーから前記セラミックス被膜までの距離を測定する第2の測定工程を有し、前記第1の測定工程により測定された距離と第2の測定工程により測定された距離の差をセラミックス被膜の膜厚値に用いることを特徴とする被膜付セラミックス部材の膜厚測定方法。
  2. 上記距離の差に、予め破壊試験により求めた修正係数をかけて、焼成後の膜厚値とすることを特徴とする請求項1に記載の被膜付セラミックス部材の膜厚測定方法。
  3. 前記セラミックス仮焼体は、ドーム形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の被膜付セラミックス部材の膜厚測定方法。
  4. 前記セラミックス仮焼体は、アルミナであり、被膜はイットリウムアルミニウムガーネットであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の被膜付セラミックス部材の膜厚測定方法。
  5. 曲面形状を有する被測定部材が載置されるワーク載置部と、このワーク載置部に載置された前記被測定部材の内表面の所定の位置から当該光距離センサーまでの距離を測定する光距離センサーと、前記光距離センサーを回転させる距離センサー回転機構と、この距離センサー回転機構を昇降させて距離センサーを昇降させるセンサー昇降機構と、このセンサー昇降機構の昇降位置を検知するセンサー昇降位置検知センサーを有することを特徴とする被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置。
  6. 前記被測定部材は、この被測定部材の基準位置を決定するために用いられる基準治具に取付けられて、前記膜厚測定装置に載置されることを特徴とする請求項5に記載の被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置。
  7. 前記光距離センサーは、ゼロ点調整を行うゼロ点調整治具を前記膜厚測定装置に載置してゼロ点調整が行われることを特徴とする請求項5または6に記載の被膜付セラミックス部材の膜厚測定装置。
  8. セラミックス仮焼体を製造する工程と、光距離センサーから光線をセラミックス仮焼体の測定位置に照射し、この反射光を受光して測定位置から光距離センサーまでの距離を測定する第1の測定工程と、前記測定済みセラミックス仮焼体にセラミックス被膜を形成した被膜付セラミックス仮焼体の前記測定位置における前記光距離センサーから前記セラミックス被膜までの距離を測定する第2の測定工程と、前記第1の測定工程により測定された距離と第2の測定工程により測定された距離の差からセラミックス被膜の膜厚を求める工程と、被膜付セラミックス仮焼体を焼成する工程を有することを特徴とする被膜付セラミックス部材の製造方法。
  9. 前記セラミックス仮焼体は、アルミナであり、被膜はイットリウムアルミニウムガーネットであることを特徴とする請求項8に記載の被膜付セラミックス部材の製造方法。
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