JP2005024285A - 光チョッパ - Google Patents

光チョッパ Download PDF

Info

Publication number
JP2005024285A
JP2005024285A JP2003187071A JP2003187071A JP2005024285A JP 2005024285 A JP2005024285 A JP 2005024285A JP 2003187071 A JP2003187071 A JP 2003187071A JP 2003187071 A JP2003187071 A JP 2003187071A JP 2005024285 A JP2005024285 A JP 2005024285A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
infrared
filter
substrate
optical chopper
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003187071A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimi Matsuura
良視 松浦
Yasuo Baba
康雄 馬場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Horiba Ltd
Original Assignee
Horiba Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Horiba Ltd filed Critical Horiba Ltd
Priority to JP2003187071A priority Critical patent/JP2005024285A/ja
Publication of JP2005024285A publication Critical patent/JP2005024285A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Radiation Pyrometers (AREA)
  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)

Abstract

【課題】所望の光チョッピングとフィルタ機能とを兼備し、赤外線ガス分析計などに好適に組み込むことができる光チョッパを提供する。
【解決手段】赤外線透過性の基板2に、赤外線透過部と赤外線遮光部5とを形成する一方、前記基板2の赤外線透過部に特定波長領域の赤外線を透過させるフィルタ部4を形成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば赤外線ガス分析計や放射温度計など赤外線応用機器に組み込まれる光チョッパに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平10−293086号公報
従来、例えば赤外線を用いたガス分析計では、測定対象ガスに赤外線を照射したときに測定対象ガスを透過した赤外線を検出することにより測定対象ガスの濃度分析を行なう。また、検出器から交流信号を取り出して測定精度を向上するために、赤外線の光路中に光を断続するための光チョッパを配置することが多い。
【0003】
図9は従来の光チョッパ40の構成を示す図である。この光チョッパ40は、例えば半円形の板体からなる光遮断部41を有し、中心部42を中心に回転自在に形成された回転羽根よりなる。そして、光遮断部41の外周から光遮断部41と直行する方向に連設させたスカート部43aが形成され、このスカート部43aを延設してスカート部43bを形成することにより、スカート部43a,43bによってリング状のスカート部43が形成されている。また、44は光遮断部41の対称位置においてスカート部43から中心部42の間に形成された開口からなる光透過窓であり、45はバランスウェイトである。
【0004】
前記光チョッパ40は、中心部42を中心に回転自在に支持される。そして、この光チョッパ40を回転させることにより、赤外線IRが、光遮断部41によって遮断されたり、光透過窓44を透過したりする。つまり、光チョッパ40を回転させることにより、赤外線IRを断続(チョッピング)することができる。
【0005】
ところで、前記構成の光チョッパ40は、板体からなる光遮断部41が、光透過窓44を形成した部分に比べて重くなり、重量バランスが悪くなる。このため、中心部42における負荷が大きくなり、この中心部42に設けた中心軸に力がかかったり、回転ムラが生じるなどして、寿命が短くなることがある。そこで、従来は光チョッパ40の重心を構造中心となる中心部42上に保つために、各部の質量を調整していた。すなわち、前記光チョッパ40では、光透過窓44を形成した側のスカート部43bの外周面に鉛のように比重の大きい金属よりなるバランスウェイト45を取付けることにより、全体の重量バランスを取っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記構成の従来の光チョッパ40においてはバランスウェイト45をスカート部43bに確実に取り付けるのが困難で生産性が悪いだけでなく、回転中にバランスウェイト45が移動して、いわゆる振れ回りが発生し、回転および寿命に信頼性を欠くおそれがあった。また、光チョッパ40はその幾何的な形状が複雑であるため、その形状が複雑であればある程、加工や組み付けに手間がかかるため、製造コストが上がるという問題もあった。
【0007】
加えて、光チョッパ40の形状が複雑に入り組んだものであればあるほど、その幾何学的な形状の調整でその重量バランスを精度良く調整することは難しい。また、歪な形状の物体を回転させると空気抵抗などによって回転が幾らか不安定になり、十分に安定した断続光が得られないという問題もあった。
【0008】
ところで、光ファイバのプリフォームアナライザに用いられるような光学用チョッパにおいては、特許文献1に示すように、チョッパの重量バランスを改善するために、透明基板上に不透明薄膜の積層されたものが用いられ、不透明薄膜の一部が除去されて、光線が通過できる窓となっているチョッパが用いられることもある。一方、赤外線ガス分析計においては、チョッパによる光の断続だけでなく、透過させる赤外線の波長選択が正確な測定に重要な要素である。すなわち、例えば車両の排気ガスのような測定対象ガスに含まれるCO,NOx,CO,HCなどの特定の測定対象成分の濃度を測定するために、光学フィルタを用いて測定する赤外線の波長領域を選択することが行われている。
【0009】
図10は、前記光チョッパ40を組み込んだ非分散型赤外線ガス分析計50の一例を示す図である。図10において、51は測定対象ガスSが供給されるセル、52はセル51の一端側に配置された光源、53,54はセル51の他端側に配置されて、セル51を通過してきた赤外線を受光する検出器である。そして、一方の検出器53は、その前面に測定対象成分(例えばCO)の特性吸収帯域の赤外線のみを通過させるバンドパスフィルタ53aを備え、他方の検出器54は、その前面に前記測定対象成分に対応した吸収帯域のないところの波形の赤外線を通過させるバンドパスフィルタ54aを備えている。前記光チョッパ40は例えばセル51と検出器53,54との間に配置され、モータ56によって駆動されている。
【0010】
このように構成された赤外線ガス分析計50においては、光源52をオンにして赤外光をセル51に照射すると共に、モータ56を駆動して光チョッパ40を回転させている状態で、セル51に測定対象ガスSを供給すると、検出器53,54から検出信号が出力され、これらの信号を図外の演算処理部で処理することにより、バンドパスフィルタ53a,54aの特性に合わせて測定対象ガスSに含まれる測定対象成分(CO)の濃度を得ることができる。
【0011】
すなわち、従来の光チョッパ40を用いた赤外線ガス分析計50では、測定対象ガスSに含まれる特定の測定対象成分を測定するためには、前記光チョッパ40とは別に光学フィルタ53a,54aを用いて測定する赤外線の選択を行なうことが必要であり、これが赤外線ガス分析計50の構造を複雑にするものとなっていた。また、赤外線ガス分析計50の部品点数が多くなり、生産コストが引き上げられるという問題があった。
【0012】
本発明は上述の事柄を考慮に入れてなされたものであって、その目的は、所望の光チョッピングとフィルタ機能とを兼備し、赤外線ガス分析計などに好適に組み込むことができる光チョッパを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の光チョッパは、赤外線透過性の基板に、赤外線透過部と赤外線遮光部とを形成する一方、前記基板の赤外線透過部に特定波長領域の赤外線を透過させるフィルタ部を形成したことを特徴としている。(請求項1)
【0014】
本発明の光チョッパは同じ赤外線透過性の基板上に光学フィルタ部と赤外線遮光部を形成しているので、その構成が極めて簡素であり、それだけ低コストで製造できる。また、赤外線をチョッピングすると同時に、透過させる赤外線の波長帯域を選択できるので、赤外線を完全に遮断した状態と、特定波長の赤外線を透過させる状態を周期的に切り換えることにより、迷光などの影響のない分析を行なうことができて、赤外線ガス分析計の分析精度が向上する。加えて、フィルタ層によって特定波長帯域の赤外線を選択的に透過させることができるので、この光チョッパを用いることにより、この特定波長の赤外線を吸収する特定の測定対象ガスの濃度を精度良く測定することができる。
【0015】
さらに、本発明の光チョッパは同じ赤外線透過性の基板上に光学フィルタと赤外線遮光部を形成しているので、図10に示した例のように、光チョッパと光学フィルタを別々に設ける場合に比べて、部品点数が少なくなる。つまり、部品点数の削減によって組み付けコストの削減を図ると共に、複数の部品を組み合わせる場合に比べて堅牢性の点でも優れている。
【0016】
前記フィルタ部が前記基板に蒸着して形成された特定波長領域の赤外線を透過させるフィルタ層からなる一方、前記赤外線遮光部が基板に形成された遮光膜からなり、重心が基板の回転軸に位置するように構成する場合(請求項2)には、前記光チョッパは赤外線透過性の基板を主体とするものであるから、その重量の大半が基板によって占められている。このため、フィルタ層や遮光膜の形成によって光チョッパ全体の重心が移動することがなく、本発明の光チョッパの重量バランスが良好となる。また、フィルタ部や赤外線遮光部の形成によって基板の外形にほとんど変化がない。
【0017】
光チョッパの重量バランスが良好で、その全体形状が凹凸部がほとんどないといってよい程の基板であるので、その回転が極めて安定し、回転軸や軸受けへの負荷が低減して、長寿命化を図ることができる。そして、光チョッパの回転が安定すればするほど、これを赤外線ガス分析計に組み込んだときに光源から出射される連続した赤外線を、安定して断続(チョッピング)することができる。また、基板にフィルタ部を形成する手順は一般的な光学フィルタを製造する手順と何ら変わるところがなく、フィルタ部は既に確立された技術を用いて形成できる。つまり、本発明の光チョッパはいわば光学フィルタに赤外線遮光部を形成したものであるから、構成が極めて簡素であり、それだけ低コストで製造できる。
【0018】
前記フィルタ部がそれぞれ異なる回転位相に複数形成され、各フィルタ部によってそれぞれ異なる波長領域の赤外線を透過するように構成した場合(請求項3)には、一つの測定対象ガスに複数の異なる波長領域の赤外線を照射できるので、測定対象ガスを封入するサンプルセルがたとえ一つであっても、フィルタ層の種類だけ多くの測定対象成分を測定することができる。つまり、光学チョッパはマルチチョッピングフィルタとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は第1実施例の光チョッパ1の全体構成を示す図である。図1において、2は赤外線を透過する材料からなる円盤状の基板、3はこの基板2の中心Oに形成した回転軸、4は前記基板2の表面の一部であって回転軸3を通る中心線Lによってちょうど半分に分けられた一方の側の面に形成したフィルタ部(赤外線透過部)、5は前記中心線Lによって分けられた他方の側の面に形成した赤外線遮光部である。
【0020】
また、6は前記光チョッパ1を用いて断続光にする赤外線の光源、7は光チョッパ1を回転させるための動力を与えるモータであり、前記光チョッパ1と光源6とモータ7によって、全体として周期的な断続光を照射する光源部8を形成する。
【0021】
前記基板2は赤外線を透過できる材料として例えばCaF,BaF,サファイアガラスなどからなり、測定対象成分の濃度分析を行うために必要な波長の赤外線が透過可能である透明基板を円盤状に成形したものである。また、前記回転軸3は円盤状の基板2の中心O位置に形成しているので、回転軸3はちょうど基板2の重心位置にある。
【0022】
前記フィルタ部4の構造は、図1において符号Aを付した一部拡大図に示すように、例えば基板2の表面2aに真空蒸着された第1のフィルタ層4aと、基板2の裏面2bに真空蒸着された第2のフィルタ層4bを組み合わせてなるものである。つまり、特性の異なる2つのフィルタ層4a,4bを組み合わせることによって、特定波長領域の赤外光のみを効率よく透過させることができる。
【0023】
つまり、測定対象ガスが例えば排気ガスの場合、CO,CO,HC,NOx,SOなどの特定の測定対象成分の赤外線吸収スペクトルに合わせて、適当な波長領域を選択するように、前記フィルタ部4を形成することにより、この測定対象成分の濃度分析を高精度に行なうことができる。また、この特定波長領域の幅はフィルタ層4a,4bの構成によって任意に選択可能である。
【0024】
また、赤外線遮光部5は基板2の表面2a側に例えばアルミニウムなどの金属を表面2aにごく薄く蒸着した遮光膜5aを設けたものである。なお、遮光膜5aの厚さは光源6からの赤外線を十分に遮断できる必要最小限の厚さとすることが望ましい。また、この遮光膜5aは、赤外遮光機能を有する材料をスパッタリングしたり、Crなどの金属をメッキするなどにより形成してもよい。
【0025】
前記構成の光チョッパ1は、光源6からの赤外線を断続的に供給するために、回転軸3を中心Oに回転自在に保持され、かつ、その周囲には例えば回転磁界を形成することにより光チョッパ1を回転させる動力を与えるモータ7を有している。すなわちモータ7によって得られる回転力によって所定の回転数で回転可能に構成している。
【0026】
図2は前記光チョッパ1の製造方法の一例を示す図である。以下、図2を用いて光チョッパ1の製造方法の一例を説明する。図2において、10は前記基板2を収容した状態で内部を真空引きするための真空チャンバ、11はヒータ、12は基板2上に蒸着させる第1材料として例えば高屈折率物質としてのGeを加熱する電子銃備えて加熱蒸発機構、13は基板2上に蒸着させる第2材料として例えば低屈折率物質としてのSiOを加熱する抵抗加熱機構、14は膜厚モニタ用の基板、15は膜厚モニタ用の赤外光源、16は赤外光源15からの赤外線17を真空チャンバ10内に導入する高速案内筒である。
【0027】
また、18は基板2に沿うように設けたマスクを有するホルダ、19は材料の蒸着を制御するためのシャッタ、20は真空チャンバ10の上部に設けた窓、21は前記モニタ用の基板14および窓20を透過した赤外光を監視することにより形成された膜厚を測定する膜厚モニタである。
【0028】
すなわち、基板2に適度なマスクを沿わせるようにホルダ18上にセットした状態で、加熱蒸発機構12によってGeを蒸散させてシャッタ19を開くことにより、Geを基板2のマスクを施していない部分に蒸着し、これによってGeによる薄膜を形成できる。また、膜厚の管理は、モニタ用の基板14に形成された膜厚を膜厚モニタ21によって測定することによって行なうことができる。加えて、前記基板2は詳細な図示を省略するが、ホルダ18が回転することにより全ての部分で均等な厚みの膜厚が得られるように蒸着を行う。
【0029】
そして、図2において符号Bを付した一部拡大図に示すように、Geによる所定の厚さの薄膜gが形成されると、上記と同様に、抵抗加熱機構13を用いて第2材料のSiOを蒸散させて、SiOによる所定の厚さの薄膜sを形成する。これらのGeとSiOは屈折率の異なる材料であり、この薄膜g,sを所定の厚さに調整して、交互に複数段形成することにより、所定の波長の赤外光のみを透過するような種々の特性を有するフィルタ層4a,4bを形成することができる。
【0030】
同様に、前記真空チャンバ10を用いて、基板2の表面2aまたは裏面2bに金属を蒸着することにより、基板の面2a,2bに遮光膜5を形成することができる。このフィルタ層4a,4bおよび遮光膜5の製造プロセスは既に確立されたものであるから、既存の装置を用いて膜厚を高精度に調節した特性の良いフィルタ層4a,4bおよび遮光膜5を容易に形成することができる。
【0031】
加えて、基板2はフィルタ層4a,4bよりなるフィルタ部4を形成しているので、基板2に別部材のフィルタを取り付ける場合に比べて部品点数を少なくできる。すなわち、光チョッパ1に対する光学フィルタの組み付けを無くすことができるので、光学フィルタを設けた光チョッパ1の製造コストを引き下げることができる。また、組み付け部分を無くしてフィルタ部4と赤外線遮光部5とを一体的に形成することにより、その堅牢性が向上する。
【0032】
そして、前記フィルタ層4a,4bおよび遮光膜5は何れも真空蒸着によって形成されるものであるから、その厚みは可能な限り薄くすることができる。つまり、図1中の拡大図には、前記フィルタ層4a,4bおよび遮光膜5aの厚みを図示可能である程度の厚みを有するように示しているが、これらのフィルタ層4a,4bおよび遮光膜5aは極めて薄く形成される。したがって、フィルタ層4a,4bおよび遮光膜5aの質量は無視できる程小さく、これらの部分の形成が基板2の全体の重量バランスに何ら悪影響を与えることがない。
【0033】
すなわち、本発明の光チョッパ1はその重心を精度良く回転軸3の中心Oに合わせることができ、これによって回転時における安定性を向上でき、振動の発生を可及的に抑えることができる。
【0034】
また、図1には便宜上、フィルタ層4aを形成する部分と、遮光膜5aを形成する部分が重なっていないように示しているが、この遮光膜5aとフィルタ層4aは幾らか重ねて設けることが望ましい。つまり、フィルタ層4aをフィルタ部4よりも幾らか広い部分に形成した後に、このフィルタ層4aに一部重ねて遮光膜5aを形成するように、前記マスク18を設けてもよい。逆に、先に遮光膜5aを形成した後に、この遮光膜5aを形成した部分に重ねてフィルタ層4aを形成してもよい。
【0035】
何れにしても、フィルタ層4aを形成する部分と、遮光膜5aを形成する部分を幾らか重ねることにより、遮光膜5aとフィルタ層4aの隙間からフィルタ層4aを透過しない赤外線が漏れないようにすることができる。また、裏面側のフィルタ層4bは裏面2bの全面に形成してもよい。
【0036】
なお、上述の例ではフィルタ部4を真空蒸着によって形成する例を示しているが、フィルタ部4を、別途形成したフィルタを基板2の表面2aまたは裏面2bに貼り付けて形成してもよい。この場合もフィルタを貼り付けた部分と遮光膜5aを形成する部分が幾らか重なるようにすることもでき、貼り付けるフィルタの質量が無視できない場合にはこれを基板2の表面2aまたは裏面2bの全面に貼り付けることが望ましい。
【0037】
図3は前記光チョッパ1を組み込んだ状態の光源部8の構成を示す図である。図3(A)は光源部8を光チョッパ1の表面2aの正面側から見た図であり、図3(B)はこの光源部8の断面図である。
【0038】
図3(B)において、25,26は前記回転軸3を支持する軸受け、27は一方の軸受け25を付勢するばね材である。前記回転軸3はその両端3a,3bを尖らせた針状に形成しており、軸受け25,26は何れも回転軸3の両端3a,3bを受ける窪み25a,26aを形成している。
【0039】
本発明の光チョッパ1を用いる場合は、その重心がちょうど回転軸3の中心Oに精度良く合っているので、光チョッパ1が回転するときに、回転軸3にはほとんど横ぶれが生じない。また、光チョッパ1の外観形状はほぼ円盤状であり、これが回転するときに空気抵抗となるような凹凸部がない。したがって、軸受け25,26は光チョッパ1が外れない程度に回転軸3を保持すれば良く、バネ材27による付勢力は従来に比べて弱くすることが可能であり、窪み25a,26aの角度を従来に比べて緩くすることもできる。
【0040】
つまり、回転軸3と軸受け25,26の間で生じる摩擦が可及的に小さくなり、その耐久性が向上する。また、回転時に横ぶれが生じないことから回転軸3と軸受け25,26に余分な力がかからないので、各部の寿命が長くなる。したがって、この光チョッパ1を用いた赤外線ガス分析計の信頼性が向上する。
【0041】
なお、回転軸3および軸受け25,26は鋼鉄およびサファイヤなどの硬度の高い材料で形成されていることが望ましい。また、遮光膜5aをフッ素系樹脂などによりコーティングして、金属の酸化を防止することにより、光チョッパ1の寿命を長くすることも可能である。加えて、フッ素系樹脂などの摩擦係数の小さい材料によるコーティングによって光チョッパ1の回転時における空気摩擦による影響を小さくすることも可能となる。
【0042】
本発明の光チョッパ1は、回転軸3と軸受け25,26の間で余分な摩擦力が生じないので、それだけ少ない力で安定した回転を保つことができる。そして、回転数が安定すれば、この光チョッパ1を用いて形成される光源部8は安定した赤外線の断続光を出射することができる。すなわち、上記構成の光源部8を用いた赤外線ガス分析計においては測定精度が向上する。
【0043】
さらに、前記光チョッパ1のフィルタ部4には特定波長の赤外線を透過するフィルタ層4a,4bを形成しているので、この光チョッパ1を用いることにより、測定対象ガスに含まれる特定の測定対象成分の濃度を精度良く測定することができる。
【0044】
図4は、前記光チョッパ1を赤外線ガス分析計の光源部8に組み込んだ状態を示す図である。図4において、図3と同じ符号を付けた部分は同一または同等の部分であるからその詳細な説明を省略する。図4において、7’はモータ、3’はモータ7’の軸芯であり、この軸芯3’が光チョッパ1の回転軸3である。28は測定対象ガスSを収容すると共に赤外線を透過可能に構成されたセル、29はセル28内の測定対象ガスSを透過した赤外線を検出する検出器である。
【0045】
図4に示すように、本例の光チョッパ1の赤外線遮光部5およびフィルタ部4は、光チョッパ1の回転に伴って交互に光源6に重なるように構成している。つまり、モータ7’を用いて光チョッパ1を回転させるときに、光源部8は光源6からの赤外光を完全に遮断した状態と、フィルタ部4の特性によって定まる特定波長領域の赤外光を出力する状態とを所定の間隔で繰り返して、特定波長領域の赤外光を断続的に出力することができる。
【0046】
つまり、本例のように光チョッパ1を赤外線ガス分析計に組み込むことで、この赤外線ガス分析計は別途のフィルタなどを形成することなく、フィルタ部4の特定波長領域の赤外線を吸収する測定対象成分を分析することができる。したがって、赤外線ガス分析計の構成を簡単にして製造コストを削減できるだけでなく、堅牢性も向上する。
【0047】
図5は図1〜4に示した前記光チョッパ1の変形例を示している。本例の光チョッパ1は赤外線遮光部5とフィルタ部4の境界線5b,5cを曲線としている。このように境界線5b,5cの形状を変えることにより出力信号の波形を変更でき、この境界線5b,5cの形状を調整して測定精度の向上を図ることもできる。
【0048】
図6は第2実施例の前記光チョッパ30の構成を示す図である。図6において、図1〜3と同じ符号を付した部分は同一または同等の部材であるから、その詳細な説明を省略する。
【0049】
図6において、31〜34は基板2をその中心Oから見て例えば90°ずつ異なる回転位相の位置にそれぞれ配置するように形成したフィルタ部であり、35は基板2のフィルタ部31〜34を除く部分に形成した赤外線遮光部である。
【0050】
また、フィルタ部31〜34はそれぞれ異なる特定波長領域の赤外線を透過させるように構成されたフィルタ層31a〜34a,31b〜34bからなり、一点鎖線で示すように基板2の中心Oを通る線L〜Lによって90°毎に分けられた4つの領域に形成される。
【0051】
一方、前記赤外線遮光部35は測定に用いられる全波長の赤外線を遮断する例えばアルミニウムなどの金属で形成されたフィルム状の遮光膜35aを基板2の表面に貼着して形成している。また、遮光膜35aには予めフィルタ部31〜34に相当する位置で90°ずつ異なる回転位相に円形の開口36〜39を設けてあり、この開口36〜39がそれぞれ一つのフィルタ層31a〜34aに重なるように貼り付けられる。
【0052】
なお、前記遮光膜35aは薄い方が好ましく、これを真空蒸着によって直接光チョッパ30の表面に形成してもよい。しかしながら、赤外線遮光部35の形状が中心Oにおける点対称の形状で360°をフィルタ部31〜34の数で割った回転角度(本例の場合90°)毎に同一形状となるように形成されているので、その厚みを幾らか厚く形成しても、光チョッパ30の重心はその中心Oからずれることがない。つまり、中心Oに回転軸3(図1参照)を形成することにより、光チョッパ30は回転軸3を中心に横ブレすることなく安定して回転することができる。
【0053】
図7は、前記光チョッパ30を赤外線ガス分析計の光源部8に組み込んだ状態を示す図である。図7において、図4と同じ符号を付けた部分は同一または同等の部分であるからその詳細な説明を省略する。
【0054】
図7に示すように、本例の光チョッパ30における開口36〜39の形状は光源6およびセル28の形状に合わせて形成することにより、各フィルタ部31〜34を切り換えて光源6に重なるように構成している。つまり、光チョッパ30を回転するときに、これが90°回転する毎に光源6からの赤外線が前記各フィルタ部31〜34のうち一つを透過するので、光源部8はそれぞれ異なる特定波長領域の赤外光を出力し、光チョッパ30の回転によって光源部6が各フィルタ部31〜34の何れにも重ならないときは、赤外線遮光部35によって赤外線が完全に遮断される。
【0055】
上記構成の光チョッパ30を光源部8に用いることにより、セル40内にはフィルタ部31〜34のそれぞれを透過した特定波長領域の赤外線が断続的に照射されるので、4種類(例えば、CO,CO,HC,NO)の特定波長領域の赤外線が順番に照射されて、測定対象ガスSに含まれる4種類の測定対象成分を互いに区別して分析することができる。つまり、一つのセル40を用いて複数の測定対象成分を分析することができ、簡単な構成で非分散型の赤外線ガス分析によって多成分の濃度を同時に測定することができる。
【0056】
なお、一度に測定できる成分の数は、形成するフィルタ部31〜34の透過波長帯域が互いに異なる数で決まるものであるから、本例のように光チョッパ30が4つのフィルタ部31〜34を形成する場合には最大4成分を測定可能であるが、5つ以上のフィルタ部を有する光チョッパ30を形成すれば5成分以上を測定することも可能である。
【0057】
しかしながら、本発明は全てのフィルタ部31〜34がそれぞれ異なる透過帯域特性を有するフィルタ層31a〜34aであることを限定するものではない。つまり、回転位相が180°異なるフィルタ部31とフィルタ部33および/またはフィルタ部32とフィルタ部34が同じ特性を有するフィルタ層を形成してもよい。この場合、測定できる成分の数が減少するが、より長く赤外線を照射することのできる測定対象成分の測定精度を向上することができる。
【0058】
なお、上述の各例では前記フィルタ部(赤外線透過部)4,31〜34に測定対象成分の吸光特性に合わせた特性のフィルタを形成した例を示しているが、複数のフィルタ部を形成する場合には、そのうちの少なくとも一つをリファレンス用としてもよい。つまり、リファレンス用の赤外線透過部を設けることにより、バックグランドを除去することができるので、測定精度がより向上する。
【0059】
図8は、前記光チョッパ30の変形例を示す図であり、上記フィルタ層31a〜34aを前記開口36〜39に相当する部分だけに形成した例を示している。本例のように構成することにより、遮光膜35aの厚みをフィルタ層31a〜34aの厚みに合わせて、表面の凹凸をできるだけ小さくすることができる。なお、本例の場合、開口36〜39の形状および位置がフィルタ層31a〜34aの形状および位置と正確に合っていることが必要であるから、遮光膜35aを真空蒸着によって形成することが望ましい。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光チョッパは同じ赤外線透過性の基板上に光学フィルタと赤外線遮光部を形成しているので、赤外線をチョッピングすると同時に、透過させる赤外線の波長帯域を選択でき、迷光などの影響のない分析を行なって、分析精度が向上する。加えて、フィルタ層によって特定波長帯域の赤外線を選択的に透過させることができるので、この光チョッパを用いることにより、この特定波長の赤外線を吸収する特定の測定対象ガスの濃度を精度良く測定することができる。さらに、重量バランスが良好であり、その重心を回転軸に精度よく合わせることができるので、回転時に極めて安定した回転を持続でき、より安定した断続光を得ることができ、回転軸および軸受けへの負荷が低減するので、長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の光チョッパの全体構成を示す図である。
【図2】前記光チョッパを製造する方法を説明する図である。
【図3】前記光チョッパを用いた光源部の例を示す図である。
【図4】前記光チョッパを用いた赤外線ガス分析計の測定部の構成を示す図である。
【図5】前記光チョッパの変形例を示す図である。
【図6】第2実施例の光チョッパの構成を示す図である。
【図7】前記光チョッパを用いた赤外線ガス分析計の測定部の構成を示す図である。
【図8】前記光チョッパの変形例を示す図である。
【図9】従来の光チョッパの構成を示す図である。
【図10】従来の光チョッパを用いた赤外線ガス分析計の構成を示す図である。
【符号の説明】
1,30…光チョッパ、2…基板、2a,2b…基板の面、3…回転軸、4,31〜34…フィルタ部、4a,4b,31a〜34a,31b〜34b…フィルタ層、5…赤外線遮光部、5a,35a…遮光膜、O…重心。

Claims (3)

  1. 赤外線透過性の基板に、赤外線透過部と赤外線遮光部とを形成する一方、前記基板の赤外線透過部に特定波長領域の赤外線を透過させるフィルタ部を形成したことを特徴とする光チョッパ。
  2. 前記フィルタ部が前記基板に蒸着して形成された特定波長領域の赤外線を透過させるフィルタ層からなる一方、前記赤外線遮光部が基板に形成された遮光膜からなり、重心が基板の回転軸に位置するように構成する請求項1に記載の光チョッパ。
  3. 前記フィルタ部がそれぞれ異なる回転位相に複数形成され、各フィルタ部によってそれぞれ異なる波長領域の赤外線を透過させるように構成してなる請求項1または2に記載の光チョッパ。
JP2003187071A 2003-06-30 2003-06-30 光チョッパ Pending JP2005024285A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003187071A JP2005024285A (ja) 2003-06-30 2003-06-30 光チョッパ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003187071A JP2005024285A (ja) 2003-06-30 2003-06-30 光チョッパ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005024285A true JP2005024285A (ja) 2005-01-27

Family

ID=34186033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003187071A Pending JP2005024285A (ja) 2003-06-30 2003-06-30 光チョッパ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005024285A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013050473A (ja) * 2011-08-30 2013-03-14 Marumi Koki Kk デジタルカメラ用の二重枠減光フィルター
KR102435342B1 (ko) * 2021-12-22 2022-08-23 (주)켄텍 다중 대기 오염 가스 동시 측정장치

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013050473A (ja) * 2011-08-30 2013-03-14 Marumi Koki Kk デジタルカメラ用の二重枠減光フィルター
KR102435342B1 (ko) * 2021-12-22 2022-08-23 (주)켄텍 다중 대기 오염 가스 동시 측정장치
KR20230095781A (ko) * 2021-12-22 2023-06-29 (주)켄텍 다중 대기 오염 가스 동시 측정장치
KR102566167B1 (ko) 2021-12-22 2023-08-11 (주)켄텍 다중 대기 오염 가스 동시 측정장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5436428B2 (ja) 較正基板および較正方法
US5963335A (en) Means and method for measuring absorption of radiation-scattering samples
US7321424B2 (en) Self-referencing instrument and method thereof for measuring electromagnetic properties
US20050275844A1 (en) Variable Exposure Rotary Spectrometer
CN1192808A (zh) 光谱测量用的光学滤光片及其制造方法
JP4878632B2 (ja) 光学式膜厚計及び光学式膜厚計を備えた薄膜形成装置
JP2005024285A (ja) 光チョッパ
JP5675632B2 (ja) テストガラス変動システム
CN106065465B (zh) 用于测量沉积速率的设备
CN104169676B (zh) Led光源装置、膜厚测量装置以及薄膜形成装置
US7388723B2 (en) ND filter and light quantity diaphragming device including the same
WO2015004755A1 (ja) 光学式膜厚計,薄膜形成装置及び膜厚測定方法
JPH09229879A (ja) X線装置
JP2000504422A (ja) 2つのコリメータマスクを有するx線分析装置
JP2006058224A (ja) 測定器
CN106990063B (zh) 红外光谱分析仪
JP4732569B2 (ja) コーティングの光学的な層厚さを連続的に決定するための方法
EP1865309B1 (en) Fluorescent X-ray analysis apparatus
US7659504B1 (en) Optical sensor with an optical element transmissive to warming radiation
US20090302206A1 (en) Optical reference, and a method of using same
JP2002236076A (ja) 光学特性測定装置及び光学薄膜成膜装置
US7800756B2 (en) Method and apparatus for analyzing coatings on curved surfaces
JPH05203573A (ja) 赤外線ガス分析計
TW202001236A (zh) 螢光x射線分析裝置以及螢光x射線分析方法
JPH11271215A (ja) 表面プラズモン共鳴角検出装置