JP2005023453A - 加工用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】クリース適性が良好で、且つオフセット印刷適性、グラビア印刷適性に優れ、クリースを入れて成型する紙容器や製函する紙箱の材料に適した加工用紙を提供する。
【解決手段】木材パルプ系繊維を主体とする基紙の少なくとも片面に、少なくとも顔料とバインダーからなる顔料塗工層を有する加工用紙であって、顔料成分が以下に示す条件を満たすこととした。
a.体積平均粒子径が0.5〜7.0μmである。
b.粒度分布のスパンが4.7以下である。

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、クリースを入れて成型する紙容器や製函する紙箱の材料に適した加工用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の物品を包装する容器や箱として、紙容器や紙箱が多方面で数多く使用されている。これらの紙容器や紙箱は、ブランクを所定の箇所で折り曲げ、接着し或いは組み付けることにより作られており、前記ブランクを設計通り正確な位置で寸法通り折り曲げることができるように、前記ブランクには通常、折り曲げ箇所にクリースが圧刻されている(例えば特許文献1。)。
【0003】
【特許文献1】
実開昭63−3920号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記ブランクに圧刻されるクリースは、ブランクの折り曲げを正確に且つ容易に行うために、必要な深さと、その深さの維持が必要である。前記紙容器や紙箱の材料として、基紙に顔料とバインダーからなる顔料塗工層を有する加工用紙を使用する場合、顔料塗工層が加工用紙の表面を密にしてしまうので、必要な深さのクリースを形成することができず、前記紙容器や紙箱の材料として適さない場合があるといった問題があった。
【0005】
本発明の目的とするところは、クリース適性が良好で、且つオフセット印刷適性、グラビア印刷適性に優れ、クリースを入れて成型する紙容器や製函する紙箱の材料に適した加工用紙を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明は、木材パルプ系繊維を主体とする基紙の少なくとも片面に、少なくとも顔料とバインダーからなる顔料塗工層を有する加工用紙であって、顔料成分が以下に示す条件を満たすことを特徴とする。
a.体積平均粒子径が0.5〜7.0μmである。
b.粒度分布のスパンが4.7以下である。
【0007】
かかる構成から、前記顔料塗工層の顔料の体積平均粒子径が0.5〜7.0μmと大きく、その粒度分布のスパンが4.7以下と小さいので、顔料の微粒子分が少なく、粒径が比較的揃っていることから、顔料塗工層の顔料間に空隙ができ、嵩高となる。そして、前記顔料の微粒子分が少ないことから、顔料の比表面積が小さく、前記バインダーが塗工層強度を付与するために有効に働くことになるので、これにより、バインダーの使用量を減らせることになり、バインダーにより前記顔料間の空隙が埋められることが少なくなるので、前記顔料塗工層の嵩高性が損なわれない。これにより、圧刻により十分な深さのクリースをくっきりと形成することができ、且つ戻りの少ないクリースを得ることができる。また、前記顔料塗工層は嵩高でクッション性を有するので、これにより、グラビア印刷適性(網点再現性)に優れるものとなる。
【0008】
前記顔料塗工層の顔料の体積平均粒子径が0.5μm未満である場合は、前記顔料塗工層の顔料間の空隙が少ない。そして、顔料の微粒子分が多いことから、顔料の比表面積が大きく、バインダーの使用量も多くなることになり、バインダーにより前記顔料間の空隙が埋められ、前記顔料塗工層が密となるので、十分な深さのクリースを形成することができないものとなる。また、前記顔料塗工層にクッション性が得られずグラビア印刷適性(網点再現性)に劣るものとなる。また、前記顔料塗工層の顔料の体積平均粒子径が7.0μmを超える場合は、顔料の体積に対する顔料間の空隙の容積の割合が相対的に小さくなるので、顔料塗工層は密になり、十分な深さのクリースを形成できないものとなる。一方、粒度分布のスパンが4.7を超える場合は、顔料の粒径が不均一となり、顔料塗工層の顔料間に空隙があまりできない。従って、この場合も、十分な深さのクリースを形成できず、また、クッション性も得られず、グラビア印刷適性(網点再現性)に劣るものとなる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の前記顔料は、平板顔料を50〜100重量%含有するものであることを特徴とする。
【0010】
かかる構成から、顔料塗工層の表面が平滑となり、顔料塗工層の表面に印刷したインキが沈まないので、インキの着肉性が良くなることからオフセット印刷適性に優れたものとなり、また、グラビア印刷にあっても網点再現性がよく鮮明な印刷画像が得られることになり、グラビア印刷適性にも優れたものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る加工用紙の実施の形態の一例を説明する。
本例の加工用紙は、木材パルプ系繊維を主体とする基紙の少なくとも片面に、少なくとも顔料とバインダーからなる顔料塗工層を有している。
【0012】
前記木材パルプ系繊維を主体とする基紙は、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ、サルファイトパルプ等の化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプ、リファイナーグラインドパルプ等の機械パルプ及び新聞、コート紙、上質紙等から得られる再生パルプを適宜混合し、抄造して得ることができる。また、必要に応じてケナフ、麻、竹等の非木材パルプ、ガラス繊維、ポリエチレン繊維等のセルロース繊維以外の繊維材料を上記木材パルプ系繊維に配合することも可能である。
【0013】
また、填料としてタルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタンを上記パルプに添加してもよい。これらの紙料に必要に応じて通常抄紙工程で使用される薬品類、例えば紙力増強剤、サイズ剤、消泡剤、着色剤などを添加し、基紙を抄造する。
【0014】
また、前記基紙の坪量には別に制限はないが、本願発明は、製函加工に通常用いられる坪量50〜500g/mの紙に適用することで、その効果を発揮することができる。また、クリース適性を得るためには、基紙は嵩高で繊維間結合が弱い方が好ましい。
【0015】
前記の基紙に設けられる顔料塗工層の顔料は、その体積平均粒子径が0.5〜7.0μmであり、粒度分布のスパンが4.7以下であることを要する。前記顔料の体積平均粒子径が0.5〜7.0μmで、その粒度分布のスパンが4.7以下であると、顔料の微粒子分が少なく、粒径が比較的揃っていることから、顔料塗工層の顔料間に空隙ができる。そして、前記顔料の微粒子分が少ないことから、顔料の比表面積が小さく、前記バインダーが塗工層強度を付与するために有効に働くことになるので、これにより、バインダーの使用量を減らせることになり、バインダーにより前記顔料間の空隙が埋められることが少なくなるので、前記顔料塗工層の嵩高性が損なわれない。
【0016】
前記顔料塗工層の顔料の体積平均粒子径が0.5μm未満である場合は、前記顔料塗工層の顔料間の空隙が少ない。そして、顔料の微粒子分が多いことから、顔料の比表面積が大きく、バインダーの使用量も多くなることになり、バインダーにより前記顔料間の空隙が埋められ、前記顔料塗工層が密となるので、十分な深さのクリースを形成することができないものとなる。また、前記顔料塗工層にクッション性が得られずグラビア印刷適性(網点再現性)に劣るものとなる。また、前記顔料塗工層の顔料の体積平均粒径が7.0μmを超える場合は、顔料の体積に対する顔料間の空隙の容積の割合が相対的に小さくなるので、顔料塗工層は密になり、十分な深さのクリースを形成できないものとなる。一方、粒度分布のスパンが4.7を超える場合は、顔料の粒径が不均一となり、顔料塗工層の顔料間に空隙があまりできない。従って、この場合も、十分な深さのクリースを形成できず、また、クッション性も得られず、グラビア印刷適性(網点再現性)に劣るものとなる。
【0017】
前記顔料としては、粒度分布を調節したカオリンが使用されるが、前記体積平均粒子径及び粒度分布を外れない程度に重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、プラスチックピグメント、バインダーピグメント、サチンホワイト、タルク、二酸化チタン、ホワイトカーボンを混合しても良い。
【0018】
また、前記顔料は、平板顔料を50〜100重量%含有することが好ましい。このようにすると、嵩高になり易く、また、顔料塗工層の表面が平滑となる。上記顔料の中では、特にカオリンが他の顔料に比べ板状であるために嵩高な顔料塗工層を形成しやすい。
【0019】
また、前記バインダーとしては、SBR(スチレンブタジエン系共重合体)、酢酸ビニル系共重合体、エチレン酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体、ウレタン系共重合体の水系エマルジョンが好ましい。澱粉、ポリビニルアルコール、カゼインは少量添加してよいが、塗工層が硬くなり、クリース適性を低下させる。
【0020】
なお、塗工液中には必要に応じて、分散剤、耐水化剤、潤滑剤、消泡剤、防腐剤、染料等を適宜添加してもよい。
【0021】
上記のように構成される加工用紙は、前記顔料塗工層が嵩高となるので、これにより、圧刻により十分な深さのクリースをくっきりと形成することができ、且つ戻りの少ないクリースを得ることができる。また、前記顔料塗工層が嵩高でクッション性を有するので、これにより、グラビア印刷適性(網点再現性)に優れるものとなる。また、前記顔料が、平板顔料を50〜100重量%含有するものとすると、顔料塗工層の表面が平滑となり、顔料塗工層の表面に印刷したインキが沈まないので、インキの着肉性が良くなることからオフセット印刷適性に優れたものとなり、また、グラビア印刷にあっても網点再現性がよく鮮明な印刷画像が得られることになり、グラビア印刷適性にも優れたものとなる。
【0022】
前記のように構成される加工用紙は、次のようにして製造される。
加工用紙は、基紙の少なくとも片面に、上記顔料及びバインダー等を水系溶媒に分散させた塗工液を塗工して顔料塗工層を設けることにより得られる。
【0023】
なお、塗工液中には必要に応じて、分散剤、耐水化剤、潤滑剤、消泡剤、防腐剤、染料等を適宜添加してもよい。
【0024】
前記顔料/バインダーの配合比は100/10から100/25が好ましい。バインダー比率が高すぎると塗工層が硬くなり、クリース適性、グラビア印刷適性が低下する。バインダー比率が低いと、塗工層強度が弱く、容器、箱としての用途に適さない。塗工量は5g/m以上25g/m以下の範囲が好ましい。5g/m以下だと、印刷に適さない。25g/mを超えても塗工層の増加に伴う品質の向上が期待できず不経済となる。塗工方法は、ブレードコーターが生産性が高く好ましいが、エアナイフコーター、バーコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、グラビアコーター、ゲートロールコーター等の各種塗工装置を適宜選択して使用することもできる。
【0025】
また、前記基紙には、本願発明の顔料塗工層を設ける前に、基紙上に澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどをサイズプレス、ゲートロールコーター、プレメタリングサイズプレスを使用して一層以上予備塗工したり、顔料とバインダーからなる塗工液を、本願発明の顔料塗工層と同様にして一層以上予備塗工してもよい。但し、前記のとおり、基紙は嵩高で、繊維間結合が弱いほうが好ましいので、予備塗工により、このような原紙の性質を損ねないようにする。
【0026】
なお、顔料とバインダーからなる塗工液を基紙上に予備塗工する場合に、顔料とバインダーとの組み合わせは、この上に塗工される本発明の顔料塗工層と同じであっても異なっていても構わない。もちろん、両層でバインダーだけ異なったものを使用しても、両層で顔料だけ異なったものを使用してもよい。例えば、バインダーとしては、本願発明の顔料塗工層にSBR、予備塗工層に酢酸ビニル系共重合体を用いてもよく、この逆に、本願発明の顔料塗工層に酢酸ビニル系共重合体、予備塗工層にSBRを用いてもよい。このようにすることにより、両バインダーが有する特性を必要に応じて生かすことができる。また、顔料としても、本願発明の顔料塗工層にカオリン、予備塗工層にプラスチックピグメント、サチンホワイト、タルク、二酸化チタンを用いる等、様々な組み合わせで使用することができる。但し、このとき、顔料塗工層の顔料は、その体積平均粒子径及び粒度分布が前記範囲にあることを要する。
【0027】
本発明においては、上記のようにして基紙に顔料塗工層又は予備塗工層と顔料塗工層とを設けた後、顔料塗工層の表面を平滑化するため、カレンダー処理を行うことが好ましい。一方、このカレンダー処理にあたっては、できるだけ基紙を潰さないようにする方が好ましい。この両者の要求を満たすためには、カレンダー処理を高温・低線圧で行えばよい。
【0028】
従って、本発明において、カレンダー処理としては、ソフトカレンダー処理又はスーパーカレンダー処理を用い、カレンダー温度60℃以上、線圧300kN/m未満で行うことが好ましい。もっとも、基紙を潰さずに塗工層表面を平滑化できる処理であれば、これら以外のカレンダー処理であっても使用することができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものでない。なお、実施例及び比較例で用いた顔料の粒子径(体積平均粒子径、粒度分布のスパン)は以下の方法で測定し、また、得られた加工用紙のクリース適性、グラビア印刷適性及びオフセット印刷適性は以下の方法で評価した。
【0030】
<顔料の粒子径(体積平均粒子径、粒度分布のスパン)>
マイクロトラックレーザー回折法により、マスターサイザーS(マルバーンインスツルメンツ社製)を用いて測定し、以下の式を用いて粒度分布のスパンを算出した。
体積平均粒子径=体積粒度分布の上位50%の粒径
【数1】
Figure 2005023453
<クリース適性>
THE PATRA CARTON BOARD CREASER(HEADLAND WORKS LTD)を用い、実施例及び比較例で得られた加工用紙を、顔料塗工層又は顔料塗工層及びラミネート層を設けた側が上になるように、幅2mmの溝を有するメス型に載せ、メス型の溝と対応する位置に幅1.3mmのクリース歯を有するオス型をこれに押し付けて、オス型のクリース歯を深さ100μmまで押し込んで挟圧することによりクリース加工を行った後、次のようにしてクリース深さとクリース戻りを評価した。
【0031】
(1)クリース深さ
上記クリース加工直後の加工用紙の断面顕微鏡写真に基づいてクリース深さを測定し、以下の基準で評価した。
〇:クリース深さが90μm以上
△:クリース深さが85μm以上90μm未満
×:クリース深さが85μm未満
(2)クリース戻り
上記クリース加工から1日経過後の加工用紙について、(1)と同様にクリース深さを測定し、以下の基準で評価した。
〇:クリース深さが85μm以上
△:クリース深さが80μm以上85μm未満
×:クリース深さが80μm未満
<グラビア印刷適性>
大蔵省式グラビア印刷機を用いて、実施例及び比較例で得られた加工用紙の顔料塗工層表面に印刷速度20m/分、印圧30kgf/cmで印刷を行った後、面積率40%網点部について、欠落した網点の数を数えてその欠落率を算出し、この欠落率に基づいて、以下の基準で評価した。
◎:網点欠落率が0.5%以下
〇:網点欠落率が0.5%超、1.0%以下
△:網点欠落率が1.0%超、1.5%以下
×:網点欠落率が1.5%超
<オフセット印刷適性>
RI−2型印刷試験器を用い、実施例及び比較例で得られた加工用紙の顔料塗工層表面に、東洋インキ製造株式会社製枚葉プロセスインキ「TKハイエコー紅MZ」を0.5ml使用してオフセット印刷を行い、一昼夜放置後、インキ着肉濃度をグレタグマクベス反射濃度計RD−191(グレタグマクベス社製)を使用して測定し、その測定値に基づき、以下の基準で評価した。
◎:インキ着肉濃度が2.0以上
〇:インキ着肉濃度が1.9以上、2.0未満
△:インキ着肉濃度が1.8以上、1.9未満
×:インキ着肉濃度が1.8未満
[実施例1]
顔料として体積平均粒子径0.9μm、スパン4.4のカオリンA(イメリス社製「CapimDG」)100重量部、バインダーとしてSBR20重量部を、水系溶媒に分散させた濃度58重量%の塗工液を、坪量200g/m、厚さ280μmの上質紙の片面に、ブレードコーターにて塗工速度400m/分で、2回に分けて塗工することにより本発明の加工用紙を得た後、この加工用紙についてソフトカレンダー処理を手差しで行った。このとき、塗工量はアンダー層、トップ層共に10g/m、ソフトカレンダー処理は、由利ロール株式会社製テストカレンダーを用い、A4版にカットした上記塗工後の加工用紙を、直径200mm、温度75℃の金属ロールと、直径300mm、ショアD硬度88のソフトロール間に、顔料塗工層がソフトロールに対向するようにして、速度8.6m/分、線圧20kN/mで1回通すことにより行った。
【0032】
ソフトカレンダー処理後の加工用紙について、クリース深さ、クリース戻り、グラビア印刷適性及びオフセット印刷適性を評価した結果を表1に示す。
【0033】
表1より明らかなように、得られた加工用紙は、クリース適性、印刷適性及びオフセット印刷適性の全てに優れていた。
【0034】
[実施例2]
実施例1で得られたソフトカレンダー処理後の加工用紙の顔料塗工層表面に、Tダイ押出し機を用い、低密度ポリエチレン(LDPE、三井化学株式会社製「M206P」)20μmを押出しラミネートして、LDPE層を設けた他は、実施例1と同様にして加工用紙を製造し、ラミネート後の加工用紙について、クリース深さ及びクリース戻りを評価した。
【0035】
結果を表1に示す。表1より明らかなように、実施例1で得られた加工用紙にラミネートを施したものも、優れたクリース適性を示していた。
【0036】
[実施例3]
顔料として体積平均粒子径2.7μm、スパン2.8のカオリンB(イメリス社製「CapimNP」)を用いた他は、実施例1と全く同様にして加工用紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の加工用紙について、クリース深さ、クリース戻り、グラビア印刷適性及びオフセット印刷適性を評価した。
【0037】
結果を表1に示す。表1より明らかなように、ここで得られた加工用紙も、クリース適性、グラビア印刷適性及びオフセット印刷適性の全てに優れていた。
【0038】
[実施例4]
顔料として体積平均粒子径4.9μm、スパン3.0のカオリンC(イメリス社製「CapimCC」)100重量部と、バインダーとして酢酸ビニル系共重合体18重量部とを用いた他は、実施例1と全く同様にして加工用紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の加工用紙について、クリース深さ、クリース戻り、グラビア印刷適性及びオフセット印刷適性を評価した。
【0039】
結果を表1に示す。表1より明らかなように、ここで得られた加工用紙も、クリース適性、グラビア印刷適性及びオフセット印刷適性の全てに優れていた。
【0040】
[実施例5]
顔料として上記カオリンA50重量部と、体積平均粒子径1.0μm、スパン3.0の重質炭酸カルシウムA50重量部を用いた他は、実施例1と全く同様にして加工用紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の加工用紙について、クリース深さ、クリース戻り、グラビア印刷適性及びオフセット印刷適性を評価した。なお、このときの顔料全体としての体積平均粒子径は0.95μm、スパンは3.7であった。
【0041】
結果を表1に示す。表1より明らかなように、ここで得られた加工用紙は、グラビア印刷適性及びオフセット印刷適性が、実施例1、3及び4で得られた加工用紙よりも若干劣っていたが、クリース適性には優れていた。
【0042】
[実施例6]
顔料として体積平均粒子径1.2μm、スパン5.0のカオリンD40重量部と、体積平均粒子径0.8μm、スパン2.4の重質炭酸カルシウムB60重量部を用いた他は、実施例1と全く同様にして加工用紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の加工用紙について、クリース深さ、クリース戻り、グラビア印刷適性及びオフセット印刷適性を評価した。なお、このときの顔料全体としての体積平均粒子径は1.0μm、スパンは3.9であった。
【0043】
結果を表1に示す。表1より明らかなように、ここで得られた加工用紙は、グラビア印刷適性及びオフセット印刷適性が劣っていたが、クリース適性には優れていた。
【0044】
[比較例1]
顔料として上記カオリンDを用いた他は、実施例1と全く同様にして加工用紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の加工用紙について、クリース深さ、クリース戻り、グラビア印刷適性及びオフセット印刷適性を評価した。
【0045】
結果を表1に示す。表1より明らかなように、ここで得られた加工用紙はクリース適性がなく、製函加工等に適さないものであり、グラビア印刷適性も劣っていた。
【0046】
[比較例2]
比較例1で得られたソフトカレンダー処理後の加工用紙の塗工層表面に、Tダイ押出し機を用い、LDPE(三井化学株式会社製「M206P」)20μmを押出しラミネートして、LDPE層を設けた他は、実施例1と同様にして加工用紙を製造し、ラミネート後の加工用紙について、クリース深さ及びクリース戻りを評価した。
【0047】
結果を表1に示す。表1より明らかなように、ここで得られた加工用紙もクリース適性がなく、製函加工等に適さないものであった。
【0048】
[比較例3]
顔料として体積平均粒子径0.4μm、スパン2.0のカオリンEを用いた他は、実施例1と全く同様にして加工用紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の加工用紙について、クリース深さ、クリース戻り、グラビア印刷適性及びオフセット印刷適性を評価した。
【0049】
結果を表1に示す。表1より明らかなように、ここで得られた加工用紙はグラビア印刷適性がなく、クリース適性及びオフセット印刷適性も劣っていた。
【0050】
[比較例4]
顔料として体積平均粒子径8.0μm、スパン2.0のタルクを用いた他は、実施例1と全く同様にして加工用紙を製造し、ソフトカレンダー処理後の加工用紙について、クリース深さ、クリース戻り、グラビア印刷適性及びオフセット印刷適性を評価した。
【0051】
結果を表1に示す。表1より明らかなように、ここで得られた加工用紙はクリース適性がなく、グラビア印刷適性及びオフセット印刷適性も劣っていた。
【表1】
Figure 2005023453
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、木材パルプ系繊維を主体とする基紙の少なくとも片面に、少なくとも顔料とバインダーからなる顔料塗工層を有する加工用紙であって、前記顔料成分の体積平均粒子径が0.5〜7.0μmで、その粒度分布のスパンが4.7以下であるので、前記顔料塗工層が嵩高となり、圧刻により十分な深さのクリースをくっきりと形成することができ、且つ戻りの少ないクリースを得ることができるので、クリース適性に優れ、クリースを入れて成型する紙容器や製函する紙箱の材料に適した加工用紙を得ることができる。また、前記顔料塗工層は嵩高でクッション性を有するので、これにより、グラビア印刷適性(網点再現性)に優れた加工用紙を得ることができる。

Claims (2)

  1. 木材パルプ系繊維を主体とする基紙の少なくとも片面に、少なくとも顔料とバインダーからなる顔料塗工層を有する加工用紙であって、顔料成分が以下に示す条件を満たすことを特徴とする加工用紙。
    a.体積平均粒子径が0.5〜7.0μmである。
    b.粒度分布のスパンが4.7以下である。
  2. 前記顔料は、平板顔料を50〜100重量%含有するものであることを特徴とする請求項1記載の加工用紙。
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