JP2005020120A - 通信用半導体集積回路および無線通信システム - Google Patents

通信用半導体集積回路および無線通信システム Download PDF

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Toshito Habuka
敏人 羽深
Naoto Inokawa
直人 井之川
Kiyoharu Ozaki
輝世晴 尾崎
Tatsuji Matsuura
達治 松浦
Koichi Yahagi
孝一 矢萩
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Abstract

【課題】ビット数の少ない制御コードで比較的自由度の高い利得配分が可能な高利得増幅回路を有する通信用半導体集積回路を実現する。
【解決手段】複数のロウパスフィルタ(LPF1〜LPF3)と可変利得アンプ(PGA1〜PGA3)とが交互に多段接続され不要波を除去しつつ受信信号を所定の振幅レベルの信号に増幅する高利得増幅回路(240a,240b)を有する通信用半導体集積回路(高周波IC)において、各段の可変利得アンプの利得を外部から制御可能に構成するとともに、設定可能な利得配分のうち特性上あまり意味のない配分は設定不能に構成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システムにおける受信系回路に設けられる可変利得増幅回路、さらには受信信号を多段接続された複数の増幅回路で順次増幅する高利得増幅回路における利得の配分方式に適用して有効な技術に関し、例えば無線LAN(ローカルエリアネットワーク)システムとそれに使用される高周波IC(半導体集積回路)およびベースバンドLSI(大規模半導体集積回路)に利用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線LANシステムや携帯電話器には、一般に、ダウンコンバートと復調がなされた受信信号(基本波に対し同相成分のI信号および直交成分のQ信号)を所定のレベルまで増幅してベースバンド回路に渡すため、複数のロウパスフィルタと可変利得アンプとが交互に多段接続され不要波を除去しつつI信号とQ信号をそれぞれ所定の振幅レベルの信号に増幅する高利得増幅回路が設けられている。
【0003】
かかる多段構成の増幅回路にあっては、同じ増幅率を実現するのにも、前段のアンプにより大きな利得を与えたり、後段のアンプにより大きな利得を与えるなど、複数の利得の配分が可能である。ただし、後段のアンプよりも前段のアンプにより大きな利得を与える方が、各アンプの有するNF(ノイズフィギュア)により最終出力信号に含まれるノイズ成分を小さくすることができるため、一般的には、前段のアンプにより大きな利得を与えることが多い。しかし、使用環境によっては妨害波が強い場合があり、そのような場合には後段のアンプにより大きな利得を与えた方が、通信品質が良くなることがある。
【0004】
そこで、各段のアンプへの利得の配分を自由に設定できるように構成することが考えられる。従来、このような自由な利得配分制御を可能にした可変利得増幅回路に関する発明として、特許文献1に記載されているものがある。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−251850号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
可変利得増幅回路における利得配分を完全に自由にすると、例えば3段の可変利得アンプからなる高利得増幅回路においてそれぞれのアンプがN段階に利得制御可能であるとすると、回路全体としてNの3乗通り(N=4のときは64通り)の利得配分の仕方が生じるため、バイナリコードでそのうち一つを指定しようとすると、6ビットのコードが必要となる。1つのアンプの利得の可変段階が多くなるとさらに多くの利得配分が可能になり、制御コードのビット数も多くなる。
【0007】
そのため、仮に、高利得増幅回路が半導体チップ上に形成されており、その利得配分をチップ外部の制御装置からの制御コードで制御しようとすると、利得配分の仕方が多くなればなるほど制御コードを入力する外部端子数が多くなりひいてはチップサイズの増大を招くという課題がある。
【0008】
この発明の目的は、ビット数の少ない制御コードで比較的自由度の高い利得配分が可能な高利得増幅回路を有する通信用半導体集積回路を提供することにある。
この発明の他の目的は、使用環境に応じてNFによるノイズの抑制を優先させたり妨害波の抑制を優先させたりすることにより、通信品質を向上させることができる無線LANのような無線通信システムを提供することにある。
この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、複数のロウパスフィルタと可変利得アンプとが交互に多段接続され不要波を除去しつつ受信信号を所定の振幅レベルの信号に増幅する高利得増幅回路を有する通信用半導体集積回路(高周波IC)において、各段の可変利得アンプの利得を外部から制御可能に構成するとともに、設定可能な利得配分のうち特性上あまり意味のない配分は設定不能に構成するようにしたものである。これにより、少ない制御コードで比較的自由度の高い利得配分が可能な高利得増幅回路を実現することができるようになる。
【0010】
ここで、望ましくは、NFによるノイズの抑制を優先させたい場合には後段のアンプよりも前段のアンプにより大きな利得を与え、妨害波の抑制を優先させたい場合には前段のアンプよりも後段のアンプにより大きな利得を与えるようにする。これにより、使用環境に応じて通信品質を向上させることができる。
【0011】
さらに望ましくは、受信信号レベルが小さく高利得増幅回路における利得を大きくしなければならないような領域において、前段のアンプよりも後段のアンプにより大きな利得を与えるのか、後段のアンプよりも前段のアンプにより大きな利得を与えるのかを外部から選択制御できるようにする。一般に、受信信号レベルが大きくて高利得増幅回路における利得をあまり高くする必要がない場合には、妨害波の相対レベルが小さいことが多いので、NFによるノイズの抑制を優先させる利得配分に固定することにより、特性上あまり意味のない利得配分を選択範囲から外すことができ、これにより制御コードのビット数を小さくして外部端子数を減らすことができる。
【0012】
また、いずれか一つのアンプのみで得ることができる最大利得を高利得増幅回路全体で実現できれば良いような場合に、一つのアンプに所望の利得のすべてを持たせるのを回避して複数のアンプの利得の合計で所望の利得を得るように制御する。これにより、特性上あまり意味のない利得配分を選択範囲から外すことができ、制御コードのビット数をさらに小さくして外部端子数を減らすことができる。また、利得配分を設定する制御コードをメモリに記憶されているデータテーブルを用いて決定するようなシステムを構成する場合に、上記のように構成しておくことにより、データテーブルのサイズを小さくしてメモリの記憶容量を減らすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用して好適な無線通信システムと、該システムを構成する高周波ICおよびベースバンドLSIの一実施例を示す。
本実施例の無線通信システムは、信号電波の送受信を行なうアンテナ100と、送受信切替え用のスイッチ110と、受信信号から不要波を除去するバンドパスフィルタ120と、送信信号を電力増幅してアンテナ100より送信するパワーアンプ130と、受信信号をダウンコンバートしたり送信信号をアップコンバートする高周波IC200と、変復調およびベースバンド処理を行なうベースバンドLSI300などから構成される。
【0014】
図1では、高周波IC200とベースバンドLSI300以外は簡略されて示されており、実際のシステムでは、パワーアンプ130はインピーダンス整合回路や高調波を除去するフィルタなどとともにセラミック基板等の絶縁基板上にモジュール(パワーモジュール)として構成される。また、送受信切替えスイッチ110とバンドパスフィルタ120は、別個の絶縁基板上にモジュール(フロントエンドモジュール)として構成される。そして、これらのモジュールと上記高周波IC200とベースバンドLSI300とが1つのプリント配線基板上に実装されて無線通信システムが構成される。
【0015】
高周波IC200は、チップ外部からの基準信号φ0に基づいてこれよりも周波数の高い高周波信号φRFを発生するVCO(電圧制御発振器)を含むPLL回路211と、高周波信号φRFを分周し互いに位相が90度異なる信号φIF,φIF’を生成する分周移相回路212と、バンドパスフィルタ120を通過した受信信号を増幅するロウノイズアンプ221と、ロウノイズアンプ221で増幅された受信信号と上記PLL回路210で生成された高周波信号φRFとをミキシングして中間周波数(IF)の信号にダウンコンバートするミキサ231と、ダウンコンバートされた受信信号をさらに増幅するIFアンプ222と、増幅された受信信号と上記分周移相回路212からの位相が90度異なる信号φIF,φIF’とをミキシングしてさらに周波数の低い信号にダウンコンバートしかつI,Q信号に分離するミキサ232a,232bと、ロウパスフィルタ(LPF)と可変利得アンプ(PGA)とオフセットキャンセル回路を有し不要波を除去しつつI信号とQ信号をそれぞれ所定の振幅レベルまで増幅する高利得増幅部240a,240bと、該高利得増幅部240a,240bや前記アンプ221,222のゲインを制御するゲイン制御回路251と、ミキサ232a,232bの出力を入力とし受信信号の大よその振幅レベルを検出する信号レベル測定回路280などを備える。
【0016】
ゲイン制御回路251は、ベースバンドLSI300のシステム制御回路370から供給されるオフセットキャンセル制御信号OCS1、モード信号MODEおよびゲイン設定コードGS0〜GS2,GS10〜GS13を含む制御データWDに基づいて、高利得増幅部240a,240bやアンプ221,222に対するオフセットキャンセル動作開始指令信号OCS2やゲイン切替え制御信号SC1〜SC4を生成し供給する。特に制限されるものでないが、ゲイン制御回路251にはゲイン設定コードGS0〜GS2,GS10〜GS13をデコードするデコーダDECが設けられている。
【0017】
また、高周波IC200は、送信側のI信号とQ信号に含まれる高調波を除去するロウパスフィルタ261a,261bと、ロウパスフィルタ261a,261bを通過したI信号とQ信号に分周移相回路212からの位相が90度異なる信号φIF,φIF’とをミキシングして直交変調を行なうとともにより周波数の高い信号にアップコンバートするミキサ233a,233bと、ミキサ233a,233bにより変調および周波数変換された送信信号をさらにアップコンバートしてパワーアンプ130へ出力するミキサ234を備える。
【0018】
さらに、この実施例の高周波IC200には、ロウパスフィルタ261a,261bを通過した送信側のI信号とQ信号を受信側へ伝達する信号パスPS1,PS2と、該信号パスPS1,PS2からのI,Q信号またはミキサ232a,232bからのI,Q信号のいずれかを選択して上記信号レベル測定回路280へ供給するセレクタ271a,271bと、信号パスPS1,PS2からのI,Q信号またはミキサ232a,232bからのI,Q信号のいずれかを選択して上記高利得増幅部240a,240bへ供給するセレクタ272a,272bと、これらのセレクタの切替え制御信号などチップ内部の制御信号を生成する制御回路252が設けられている。
【0019】
上記セレクタ272a,272bは、各々送信側のI信号とQ信号のいずれの信号をも選択して高利得増幅部240a,240bへ供給することができるとともに、“無信号”を選択して高利得増幅部240a,240bへ供給することができるようにされている。ここで、“無信号”とは、入力をバイアス点すなわち交流信号の中心電位に固定することを意味する。また、セレクタは、アナログ信号をそのまま伝達したり遮断したりするスイッチ素子からなる切替え回路のような回路を意味する。
【0020】
なお、この実施例では、セレクタ272a,272bはそれぞれ1つの回路で構成されているように示されているが、セレクタ272a,272bを2段構成あるいは3段構成のセレクタとしたり、1つのチャネル(この実施例の場合には信号線)を複数の装置(この実施例の場合にはミキサとロウパスフィルタ)で多重化して使用するマルチプレクサと呼ばれる回路を用いて構成することも可能である。
【0021】
セレクタ271a,271bは通常の受信状態ではミキサ232a,232bの出力を測定回路280へ、またセレクタ272a,272bはミキサ232a,232bの出力を高利得増幅部240a,240bへ供給するように制御される。
【0022】
制御回路252には、ベースバンドLSI300のシステム制御回路370から同期用のクロック信号CLKと、データ信号SDATAと、制御信号としてのロードイネーブル信号LENとが供給されており、制御回路252は、ロードイネーブル信号LENが有効レベルにアサートされると、ベースバンド回路300から伝送されてくるデータ信号SDATAをクロック信号CLKに同期して順次取り込んで、受信した制御コマンドや制御データに基づいて上記セレクタ271a,271b,272a,272bの切替え制御信号など高周波IC200内部の制御信号を生成する。特に制限されるものでないが、データ信号SDATAはシリアル伝送される。
【0023】
制御回路252と別個にパラレルデータ伝送を行なうゲイン制御回路251が設けられているのは、後述のようにゲイン設定は受信動作開始時の極めて短い時間内に行なわなくてはならず、その場合、制御回路252のようなシリアルデータ伝送によるゲイン制御データWDの伝送では間に合わないおそれがあるためである。一方、ゲイン設定以外の例えば高周波IC200の内部状態の切替えや設定の際には時間的に充分に余裕があるので、実施例のようにベースバンドLSI300から制御回路525へのコマンドの供給はシリアル伝送とすることができる。制御回路251と252は一体に構成することも可能であるが、別個に設けることにより回路設計が容易となる。
【0024】
ベースバンドLSI300は、上記高周波IC200から出力される受信側のI信号とQ信号をそれぞれディジタル信号に変換するAD変換回路311aおよび311bと、ディジタルI,Q信号を復調して受信データを復元する復調回路320と、送信データを変調してディジタルI,Q信号を生成する変調回路330と、ディジタルI,Q信号をアナログI,Q信号に変換するDA変換回路312aおよび312bなどから構成される。
【0025】
また、ベースバンドLSI300は、受信系回路の特性(ゲインおよびオフセット)を補正する補正回路341,342と、送信系回路の特性を補正する補正回路343,344と、高周波IC200の信号レベル測定回路280から出力される検出信号をディジタル信号に変換するAD変換回路311cと、測定系回路(信号レベル測定回路280とAD変換回路311c)の特性を補正する補正回路345と、AD変換回路312aの出力の時間平均をとる平均フィルタ350と、上記AD変換回路311aおよび311bの出力から受信信号の厳密な振幅レベルを測定する第2信号レベル測定回路360と、チップ内部の回路の制御信号を生成したり上記平均フィルタ350と第2信号レベル測定回路360の出力に基づいて高周波IC200内の受信系回路のゲインを制御するゲイン制御データを生成して高周波IC200へ送ったり、上記受信系回路と送信系回路と測定系回路の誤差を検出し上記補正回路341〜345により該誤差を補正させるための補正制御信号を生成したりするシステム制御回路370などを備える。
【0026】
上記システム制御回路370は、プログラムによって動作する汎用のマイクロコンピュータもしくはマイクロプロセッサ(以下、マイコンと称する)と同様な構成を有する図9に示すような回路により構成することができる。また、IEEE802.11a規格に従った無線LANシステムは、変調方式としてOFDM(直交周波数分割多重)方式を用いており、本実施例を無線LANシステムに適用した場合、上記復調回路320と変調回路330がOFDM方式に従った変復調を行なうように、ベースバンドLSI300が構成される。
【0027】
ここで、本実施例のシステムにおける受信系回路と送信系回路と測定系回路の誤差の補正の仕方を説明する。補正は、電源投入時あるいは送受信処理を行なっていない空き時間等に、ベースバンドLSI300内のシステム制御回路370が補正プログラムを実行することにより行なわれる。この補正の大よその内容と順序は、▲1▼受信系回路のDCオフセットの補正、▲2▼送信系回路のDCオフセットの補正、▲3▼送信系回路のI側とQ側のゲインバランス補正、▲4▼受信系回路のI側とQ側のゲインバランス補正、▲5▼測定系回路のDCオフセット補正とゲイン補正である。▲3▼の送信系回路のI側とQ側のゲインバランス補正と、▲4▼の受信系回路のI側とQ側のゲインバランス補正は、順序を逆にしても良い。
【0028】
▲1▼の受信系回路のDCオフセット補正では、先ずベースバンドLSI300内のシステム制御回路370から高周波IC200内の制御回路252へ制御コマンドを送って高利得増幅部240a,240bの前段のセレクタ272a,272bを制御して、無信号すなわちバイアス点の電位が高利得増幅部240a,240bに供給される状態に設定する。また、システム制御回路370から高周波IC200内のゲイン制御回路251へ制御信号OSC1およびゲイン設定コードGS0〜GS2,GS10〜GS13を含む制御データWD送って高利得増幅部240a,240bのゲインを0dBに設定する。
【0029】
次に、ゲイン制御回路251によって高利得増幅部240a,240bのオフセットキャンセル回路を起動させて可変利得アンプのDCオフセットの検出とそのオフセットを補正する補正データの生成を実行する。その後、オフセット補正された高利得増幅部240a,240bの出力をベースバンドLSI300に入力して内部のAD変換回路311a,311bでディジタル信号へ変換し、信号レベル測定回路360で振幅レベルを測定して残留オフセットを検出し、その検出値をシステム制御回路370に入力してシステム制御回路370からその残留オフセットをなくすような補正データを補正回路341および342に与える。これにより、受信系回路(高利得増幅部240aとAD変換回路311aおよび高利得増幅部240bとAD変換回路311b)のDCオフセットが「0」にされる。
【0030】
▲2▼の送信系回路のDCオフセット補正では、ベースバンドLSI300内のシステム制御回路370から高周波IC200内の制御回路252へ制御コマンドを送って高利得増幅部240aの前段のセレクタ272a,272bを制御して、ロウパスフィルタ261a,261bを通過した送信側のI信号が高利得増幅部240aに、またロウパスフィルタ261bを通過した送信側のQ信号が高利得増幅部240bに供給される状態に設定する。また、システム制御回路370により補正回路343,344を制御して、変調回路330からの信号を遮断してDA変換回路312a,312bの入力を無信号状態に設定する。
【0031】
この状態で、高利得増幅部240a,240bの出力をベースバンドLSI300に入力して内部のAD変換回路311a,311bでディジタル信号へ変換し、信号レベル測定回路360で振幅レベルを測定してDCオフセットを検出する。このとき、受信系回路のDCオフセットは▲1▼の補正処理で既に補正されているので、検出されたDCオフセットは送信系回路のDCオフセットである。そこで、この検出値をシステム制御回路370に入力してシステム制御回路370からそのDCオフセットをなくすような補正データを補正回路343および344に与える。これにより、送信系回路(DA変換回路312aとロウパスフィルタ261aおよびDA変換回路312bとロウパスフィルタ261b)のDCオフセットが「0」にされる。
【0032】
▲3▼の送信系回路のI側とQ側のゲインバランス補正では、ベースバンドLSI300内のシステム制御回路370から変調回路330へ制御信号を送ってDA変換回路312a,312bの入力コードを固定値とし、DA変換回路312a,312bから所定のレベルのDC信号が出力されるように設定する。また、ベースバンドLSI300内のシステム制御回路370から高周波IC200内の制御回路252へ制御コマンドを送って高利得増幅部240a,240bの前段のセレクタ272a,272bを制御して、ロウパスフィルタ261a,261bを通過した送信側のI信号とQ信号が高利得増幅部240aまたは240bのいずれか一方に交互に供給されるようにする。そして、信号レベル測定回路360により、I側の信号とQ側の信号のレベル差を測定して、そのレベル差を「0」にするような補正値を補正回路343および344に与えて送信系回路のI信号側とQ信号側のゲインの不一致を解消する。
【0033】
▲4▼の受信系回路のI側とQ側のゲインバランス補正では、ベースバンドLSI300内のシステム制御回路370から変調回路330へ制御信号を送ってDA変換回路312a,312bの入力コードを固定値とし、DA変換回路312a,312bから所定のレベルDC信号が出力されるように設定する。また、ベースバンドLSI300内のシステム制御回路370から高周波IC200内の制御回路252へ制御コマンドを送って高利得増幅部240a,240bの前段のセレクタ272aおよび272bを制御して、ロウパスフィルタ261a,261bを通過した送信側のI信号またはQ信号のいずれか一方が高利得増幅部240aおよび240bに供給されるようにする。そして、信号レベル測定回路360により、I側の信号とQ側の信号のレベル差を測定して、そのレベル差を「0」にするような補正値を補正回路341および342に与えて受信系回路のI信号側とQ信号側のゲインの不一致を解消する。
【0034】
▲5▼の測定系回路のDCオフセット補正およびゲイン補正では、ベースバンドLSI300内のシステム制御回路370から高周波IC200内の制御回路252へ制御コマンドを送って信号レベル測定回路280の前段のセレクタ271aおよび271bを制御して、ロウパスフィルタ261a,261bを通過した送信側のI信号またはQ信号が信号レベル測定回路280に供給されるように設定する。また、システム制御回路370から変調回路330へ制御信号を送って、DA変換回路312a,312bから所定のレベルの交流信号がセレクタ271a,271bを介して信号レベル測定回路280に供給されるようにする。
【0035】
そして、信号レベル測定回路280でそのレベル差を検出し、その検出出力をAD変換回路311cでAD変換して平均化ロウパスフィルタ350で時間平均したデータをシステム制御回路370へ送って、測定系回路の特性のずれを検出してそのずれを補正する値を補正回路345に与えて測定系回路の特性のずれを補正する。このときDA変換回路312a,312bから出力する交流信号として、例えば無線LANに関するIEEE802.11a規格で規定されている送信パケットの先頭に挿入されるプリアンブルパターンと呼ばれるパターンと同一の交流信号を用いることができる。
【0036】
また、補正終了後、システム制御回路370から変調回路330へ制御信号を送って、DA変換回路312a,312bからレベルが異なる複数の交流信号を信号レベル測定回路280に順に供給させる。そして、そのときの測定系回路の出力をシステム制御回路370で時系列的に取り込んで、供給した交流信号のレベルと測定系回路の出力電圧の対応を示すテーブルデータを作成し、それをシステム制御回路370内のデータメモリ(図9参照)に格納する。このテーブルデータは、受信動作の際に測定系回路の出力電圧から実際の受信信号のレベルを推定するために使用される。なお、第2信号レベル測定回路360に関しても、予め供給した交流信号のレベルと測定系回路の出力電圧の対応を示すテーブルデータを作成し、それをシステム制御回路370内のデータメモリに格納するようにしてもよい。
【0037】
以上のように、本実施例においては、▲3▼の送信系回路のI側とQ側のゲインバランス補正の際に、DA変換回路312a,312bからDC信号が出力されるように設定し、ロウパスフィルタ261a,261bを通過した送信側のI信号とQ信号を高利得増幅部240aまたは240bのいずれか一方に交互に供給して、信号レベル測定回路360によりI側の信号とQ側の信号のレベル差を測定してゲイン補正するようにしているため、送信系回路のI信号側とQ信号側のゲインの不一致を正確に解消することができる。
【0038】
また、▲4▼の受信系回路のI側とQ側のゲインバランス補正の際に、DA変換回路312a,312bからDC信号が出力されるように設定し、ロウパスフィルタ261a,261bを通過した送信側のI信号またはQ信号のいずれか一方を高利得増幅部240aおよび240bに供給して、信号レベル測定回路360によりI側の信号とQ側の信号のレベル差を測定してゲインをするようにしているため、受信系回路のI信号側とQ信号側のゲインの不一致を正確に解消することができる。
【0039】
さらに、本実施例においては、ロウパスフィルタ261aと261bの出力を同じようにセレクタ271a,271b;272a,272bを介して測定回路280や高利得増幅部240a,240bに供給しているため、送信系回路のI信号側とQ信号側が回路的に対称となり、測定系回路の付加によってI信号側とQ信号側のゲインが一致しなくなることがないという利点もある。
【0040】
しかも、本実施例においては、ロウパスフィルタ261a,261bを通過した送信側のI信号とQ信号を高利得増幅部240aまたは240bに供給するようにしているため、ロウパスフィルタ261a,261bによってナイキスト周波数以上の信号成分をカットして高利得増幅部240aまたは240bに与えることができる。これによって、ベースバンドLSI300と高周波IC200との間にアンチエリアシングフィルタを設ける必要がなくなり、部品点数が少なく小型な無線通信システムを構築することができる。さらに、システム構築後の実使用状態でゲイン補正を行なうことができるため、経年変化や温度など環境変化でI信号側とQ信号側のゲインに不一致が生じたとしてもこれを補正することができるようになる。
【0041】
次に、上記信号レベル測定系回路(280,360等)の具体的な構成例について説明する。本実施例において、測定系回路として、信号のレベルを大まかに検出する測定回路280とより厳密に検出する第2測定回路360とを設けているのは、以下の理由による。すなわち、例えば無線LANシステムでは、高利得増幅部240a,240bに入力される受信信号として−82dBから−30dBまでの最大400倍近くレベル差のある信号が許容されている。そのため、これを直接例えば10ビットのAD変換回路を用いてAD変換したとしてもその精度を余り高くすることができない。そこで、この実施例では、先ず測定回路280によりI,Q信号のレベルを大まかに検出し、その検出に基づいて高利得増幅部240a,240bのゲインを大まかに制御して信号のレベルの範囲を絞った後、第2測定回路360で厳密に信号レベルを測定して高利得増幅部240a,240bのゲインをより正確に設定するためである。
【0042】
図2(A)は、高周波IC200に設けられている信号レベル測定回路280の構成例を示す。この実施例の信号レベル測定回路280は、I信号とQ信号を加算する加算器281と、加算後の信号から不要波を除去するロウパスフィルタ282と、ロウパスフィルタ282を通過した信号(交流)を整流して直流信号に変換するための検波回路283と、変換された信号を対数圧縮した検出値DT1を出力するためのLogアンプ284とから構成されている。対数圧縮された検出値DT1はAD変換回路311cでディジタル信号に変換されてシステム制御回路370へ供給される。出力検波回路283とLogアンプ284を別々に設ける代わりに、検波と対数圧縮を同時に行なうことができる回路を用いるようにして良い。
【0043】
対数圧縮をするためのLogアンプ284を設けているのは、前述したように、高利得増幅部240a,240bに入力される受信信号は−82dBから−30dBまでの最大400倍近くレベル差のある信号であるためである。対数圧縮をすることにより、その出力電圧が0.5〜1.5Vのような狭い範囲に限定されている場合に、信号のレベルが大きいところよりも信号レベルが小さいところでの出力電圧変化を大きくするつまり小レベルの信号に対する感度を高くすることができる。
【0044】
図3は、信号レベル測定回路280の後段に設けられている補正回路345の構成例を示す。図示しないが、他の補正回路341〜344も同様な構成とされる。この実施例の補正回路345は、システム制御回路370から供給される制御データに基づいてゲインの補正値を発生するゲイン補正値発生回路411およびオフセット補正値を発生するオフセット補正値発生回路412と、ゲイン補正値発生回路411によって生成された補正値とAD変換回路311cからの測定値とを掛け算する掛け算回路413と、該掛け算回路413の出力値とオフセット補正値発生回路412によって生成された補正値とを加算する加算回路414とにより構成されている。
【0045】
図2(A)に示されているような信号レベル測定回路280は、その出力DT1が入力信号レベルに対して図4に実線で示すようにほぼ直線的な関係になるように設計される。しかし、実際には素子の製造バラツキにより、信号レベル測定回路280の入力端から平均フィルタ350(図1参照)の出力端までの信号経路のゲインが、図4に破線で示すように変動したりひずんだりすることがある。そこで、この実施例では−82dBから−30dBの範囲の信号に対して測定回路280の出力DT1が所定の関係になるようにするため、補正回路345によりゲインを補正するように構成されている。
【0046】
また、測定回路280の出力DT1は、図4に示すように−82dBの近傍で飽和してあるレベル以下の信号に対しては出力がリニアに変化しなくなるとともに、素子の製造バラツキでその飽和点が上下する。そこで、この実施例では−82dBから−30dBの範囲の信号に対して測定回路280の出力DT1がリニアに変化するのを保証するため、補正回路345によりオフセットを補正するように構成されている。なお、図4のグラフでは、横軸の信号レベルが対数メモリで表わされている。
【0047】
図2(B)は、ベースバンドLSI300に設けられている第2信号レベル測定回路360の構成例を示す。この実施例の第2信号レベル測定回路360は、I信号とQ信号をそれぞれ2乗する2乗回路361,362と、2乗後の値を加算する加算器363と、加算後の値の時間平均をとる平均フィルタ364と、入力されたI信号とQ信号を比較する比較回路365とから構成されており、平均フィルタ364からI信号とQ信号の所定時間内におけるトータルの信号レベルに応じた検出値DT2を出力する。比較回路365はI信号とQ信号のいずれのレベルが大きいか判定し、判定結果を示す信号CMを出力する。
【0048】
第2信号レベル測定回路360の検出値DT2および大小判定結果を示す信号CMはシステム制御回路370へ供給される。なお、この実施例の第2信号レベル測定回路360は、図3の信号レベル測定回路280と異なりディジタル回路であり、入力I,Qもディジタル値である。大小判定結果を示す信号CMは、前述した送信系回路のI側とQ側のゲインバランス補正および受信系回路のI側とQ側のゲインバランス補正を行なう際に利用され、ゲインの大小判定結果を容易に得ることができるようになる。
【0049】
平均フィルタ364は、前記補正回路345の後段の平均フィルタ350と同様の構成を有する回路であり、図5に示すように、多段接続された複数の遅延回路DLY1,DLY2……DLYnと、各遅延回路で遅延された信号を加算する加算器ADDとにより構成することができる。特に制限されるものでないが、各遅延回路DLY1,DLY2……DLYnはそれぞれAD変換回路311a〜311cのサンプリングクロックφsの周期と同一の遅延時間Tdを有するようにされる。
【0050】
かかる遅延回路は、例えばクロックに同期して入力データを取り込むラッチ回路もしくはフリップフロップにより構成することができる。従って、遅延回路DLY1,DLY2……DLYnはシフトレジスタと見ることができる。図5の平均フィルタにおいては、受信信号のレベルが一定であれば、最初の入力信号が遅延回路DLY1に入ってから遅延回路DLYnに到達する間は、各遅延回路の総和であるフィルタ出力は次第に上昇するが、その後はほぼ一定の値になる。
【0051】
平均フィルタ350は、遅延回路DLY1に入力された信号が、0.8μs(マイクロ秒)後に最終段の遅延回路DLYnから出力されるように、遅延段の段数“n”が設定されている。ここで、0.8μsは、無線LANの規格で規定されているパケットにおける先頭のプリアンブルパターンの1パターンの周期に相当する。特に制限されるものでないが、本実施例では、第2の信号レベル測定回路360内の平均フィルタ364の入力端から出力端までの信号伝達時間は1μsに設定されている。なお、平均フィルタ350と364の入力は、それぞれ対応するAD変換回路311a,311bと311cの分解能に応じたビット数とされる。具体的には、この実施例では、平均フィルタ350の入力は4ビット、平均フィルタ364の入力は10ビットとされる。
【0052】
図6および図7には、高利得増幅部240a,240bの具体的な構成例が示されている。
図6(A)のように、高利得増幅部240a,240bは、ロウパスフィルタLPF1,LPF2,LPF3と、利得制御増幅回路PGA1,PGA2,PGA3とが交互に直列に接続された構成を有する。利得制御増幅回路PGA1,PGA2,PGA3は、それぞれゲイン制御信号GCS1,GCS2,GCS3によってゲインが制御される。
【0053】
図6(B)のように、ロウパスフィルタLPF1,LPF2,LPF3と、利得制御増幅回路PGA1,PGA2,PGA3を交互に接続しているのは、以下の理由による。すなわち、ロウパスフィルタLPF1の入力の周波数成分を示す図6(B)の(a)のように、目的とする受信信号TSのレベルに比べて隣接チャネルの妨害波DWV1や非隣接チャネルの妨害波DWV2のレベルが大きい場合に、目的とする受信信号TSを一気に所望のレベルまで増幅すると妨害波も同じ割合で増幅されてしまうが、(b)のようなロウパスフィルタの特性で、(c)〜(g)のように目的とする受信信号TSをそれよりも周波数の高い妨害波を段階的に抑制しつつ増幅することで、(h)のように目的とする受信信号のみを所望レベルまで増幅することができるからである。
【0054】
1段目と2段目の利得制御増幅回路PGA1,PGA2は、図7に示すように、可変利得アンプAMPと、その前段に設けられた加算器ADDと、可変利得アンプAMPの出力をディジタル信号に変換するAD変換器ADCと、オフセットキャンセル制御回路241と、オフセットキャンセル制御回路241により検出されたオフセットキャンセル値を記憶するRAMもしくはレジスタからなる記憶回路242と、記憶回路242に記憶されているオフセットキャンセル値をアナログ信号に変換するDA変換器DACと、ゲイン切替え信号SC1〜SC4をラッチするラッチ回路243などから構成されている。3段目の利得制御増幅回路PGA3は、図7の回路から記憶回路242を省略したような回路とされている。
【0055】
1段目と2段目の利得制御増幅回路PGA1,PGA2では、オフセットキャンセル制御回路241が、制御回路252からオフセットキャンセル動作の開始指令信号OCS2を受けるとAD変換器ADCの出力から可変利得アンプAMPのオフセットを検出し、そのオフセットを「0」にするような値(オフセットキャンセル値)を生成して記憶回路242に記憶する。かかるオフセットの検出方式は、特開平2002−217762号公報などに開示されている。AD変換器ADCによる逐次比較動作でオフセットキャンセル値を決定することができるため、AD変換器ADCはコンパレータとその比較電圧を与える抵抗分圧回路のような簡単な回路で構成することができる。
【0056】
本実施例の無線通信システムでは、上記オフセットキャンセル値の生成と記憶は、電源投入時や送信から受信への切替え時、待機時等の空いている時間に、ベースバンドLSI300のシステム制御回路370から制御回路252へ所定のコマンドを送ることにより行なわれる。そして、受信動作開始時にゲイン制御データWD1がゲイン制御回路251へ送られると、それに応じて記憶回路242に記憶されているオフセットキャンセル値を読み出してDA変換器DACへ供給することで加算器ADDでオフセットのキャンセルが行なわれる。
【0057】
一方、3段目の利得制御増幅回路PGA3では、オフセットキャンセル制御回路241が、ゲイン制御回路251からオフセットキャンセル動作の開始指令信号OCS2を受けるとリアルタイムでオフセットの検出とキャンセル動作を行なうように構成されている。
【0058】
受信系回路のオフセットキャンセルに関しては、1段目〜3段目のすべてのアンプで受信動作開始時にオフセットの検出とキャンセルをほぼ同時に行なう方式が考えられるが、本実施例のように、予めオフセットを検出してオフセットキャンセル値を記憶しておくことより、短時間にオフセットキャンセル動作を終了して受信動作を開始できるという利点がある。
【0059】
また、本実施例の1段目と2段目の利得制御増幅回路PGA1,PGA2では、可変利得アンプAMPとして、図8に示すように、互いに異なる利得を有する4個の固定利得アンプAMP1〜AMP4と、各アンプに対応した加算器ADD1〜ADD4と、入力切替えスイッチSW1および出力切替えスイッチSW2とからなる回路が用いられている。オフセットキャンセル制御回路241は、予め各固定利得アンプAMP1〜AMP4についてそれぞれオフセットを検出し、そのオフセットを「0」にするようなオフセットキャンセル値を生成して記憶回路242に記憶するように構成されている。
【0060】
特に制限されるものでないが、この実施例では、アンプAMP1の利得は0dB、アンプAMP2の利得は+6dB、アンプAMP3の利得は+12、アンプAMP4の利得は+18dBとされている。利得制御増幅回路PGA1では、各アンプAMP1〜AMP4の利得に応じてオフセットキャンセル値が検出され記憶回路242に記憶される。一方、利得制御増幅回路PGA2では、自己のアンプAMP1〜AMP4と前段の利得制御増幅回路PGA1の各アンプAMP1〜AMP4の利得との組合せに応じてオフセットキャンセル値が検出され記憶回路242に記憶される。ただし、利得制御増幅回路PGA2において、オフセットキャンセル値が検出され記憶回路242に記憶される利得の組合せの数は、理論的に可能なすべての組合せ(16個)ではなく、後述のように設定可能な利得の組合せ(図14参照)に応じた数(8個)とされる。
【0061】
受信動作開始時に制御回路251から利得制御増幅回路PGA1,PGA2の可変利得アンプAMPのゲインを指定するゲイン設定コードGS0〜GS2が供給されると、それに応じて入力切替えスイッチSW1および出力切替えスイッチSW2が切り替えられるとともに、オフセットキャンセル制御回路241が当該ゲイン設定コードGS0〜GS2に対応したオフセットキャンセル値を記憶回路242から読み出してDA変換器DACへ供給し、加算器ADDで入力にオフセットキャンセル値を加算させることによりアンプのDCオフセットのキャンセルを行なわせるように構成されている。
【0062】
なお、図7に示されているように、利得制御増幅回路PGA1,PGA2の近傍に、ゲイン設定コードGS0〜GS2をデコードしてスイッチSW1,SW2の切替え制御信号SC1〜SC4を生成するデコーダDECを設けることも可能であるが、本実施例では、ゲイン設定コードGS0〜GS2をデコードするデコーダDECは、図1のゲイン制御回路251の側に設けられている。
【0063】
一方、3段目の利得制御増幅回路PGA3は、各々ゲインが異なる例えば13個のような複数の固定利得アンプと入力切替えスイッチおよび出力切替えスイッチとから構成されており、ゲイン設定信号GS10〜GS13によりスイッチの切替えが行なわれるとともに、スイッチ切替え後にリアルタイムでオフセットの検出とオフセットのキャンセル動作を行なわせるようにされている。特に制限されるものでないが、この実施例では、利得制御増幅回路PGA3は、−6dB,−4dB,−2dB,0dB,+2dB,+4dB,+6dB,+8dB,+10dB,+12dB,+14dB,+16dB,+18dBのいずれかの利得を選択できるように構成されている。
【0064】
可変利得アンプには、利得を連続的に変化されることができる回路形式のものもあるが、そのようなアンプは利得が固定のアンプに比べて消費電力がかなり大きなものとなる。そのため、本実施例のように複数の固定利得アンプを設けていずれか一つを選択して動作させるようにすることにより、チップ全体の消費電力を小さくすることができる。なお、図8の実施例では、入力切替えスイッチSW1とアンプAMP1〜AMP4との間にそれぞれ加算器ADD1〜ADD4が設けられているが、加算器を入力切替えスイッチSW1の前段に設けることにより、加算器の数を減らすような構成とすることも可能である。
【0065】
次に、本実施例における上記高利得増幅部240a,240bを含む受信系回路のゲインの制御方法について説明する。
受信系回路のゲイン制御は、ベースバンドLSI300内のシステム制御回路370によって行なわれる。システム制御回路370は、プログラムによって動作する汎用のマイコンと同様な構成を有しており、図9に示すように、プログラムの命令に従って各種演算処理や制御信号の生成などを行なうCPU(中央処理ユニット)371と、CPUが実行するプログラムやプログラムの実行に必要な固定データを記憶するROM(リードオンリメモリ)からなるプログラムメモリ372、CPUの作業領域を提供したり演算結果等の一時的なデータを記憶したりするRAM(ランダムアクセスメモリ)からなるデータメモリ373、図1の平均フィルタ350や第2信号レベル測定回路360などからの信号が入力される入力ポート374、補正回路341〜345などチップ内部の回路に対する制御信号を出力したり高周波IC200内のゲイン制御回路251および制御回路252に対する制御信号や制御データを出力したりする出力ポート375、これらの回路ブロック間を接続するバス376などから構成される。
【0066】
システム制御回路370は、動作モードが受信モードになったと判定すると、図10のフローチャートに従った制御を開始する。
受信動作制御では、システム制御回路370は先ず高周波IC200に対してDCオフセットキャンセル制御信号OCS1を送る(ステップS0)。すると、高周波IC200では、ロウノイズアンプ221やIFアンプ222、高利得増幅部240a,240b内の可変利得アンプPGA1〜PGA3が任意の初期ゲインに設定される。また、システム制御回路370は高周波IC200の制御回路252へコマンドを送って、セレクタ271a,271bを、ミキサ232a,232bの出力を信号レベル測定回路280へ供給させるように制御する。
【0067】
その後、システム制御回路370は、平均フィルタ350からの検出値DT1を参照して、信号レベル測定回路280の出力が予め設定された規定値以上になったか否かを判定することで受信パケットの有無を検出する(ステップS1)。受信パケットが検出されるとシステム制御回路370は、平均フィルタ350の出力が安定するまで時間(0.8μs)だけ待ってから、平均フィルタ350からの出力を信号レベル測定回路280の検出値DT1として取り込む(ステップS2,S3)。
【0068】
次に、システム制御回路370は、データメモリ373内のデータテーブルを参照して、信号レベル測定回路280の検出値DT1に応じてベースバンドLSI300に入力される受信I,Q信号のレベルがある所定の範囲内に入るように、ロウノイズアンプ221とIFアンプ222および高利得増幅部240a,240b内の利得制御増幅回路PGA1,PGA2の大よそのゲインを決定し、ゲイン制御データGS0〜GS2,GS10〜GS13およびオフセットキャンセル制御信号OCS1を高周波IC200のゲイン制御回路251へ出力する(ステップS4)。
【0069】
これにより、高周波IC200では、1段目と2段目の利得制御増幅回路PGA1,PGA2において、使用するアンプの切替え(ゲイン粗設定)が行なわれるとともに、使用アンプに応じたオフセットキャンセル値が記憶回路242(図7参照)から読み出されてDCオフセットのキャンセルが行なわれる。なお、この段階では、高利得増幅部240a,240b内の3段目の利得制御増幅回路PGA3のゲインは、ゲイン制御データGS10〜GS13により例えば「0dB」に設定される。その理由については後に詳しく説明する。
【0070】
ゲイン粗設定が終了するとシステム制御回路370は、高利得増幅部240a,240bから出力されるI,Q信号が静定するのを待つ(ステップS5)。それから、システム制御回路370は、第2信号レベル測定回路360の出力値DT2を取り込む(ステップS6)。
【0071】
次に、システム制御回路370は、データメモリ373内のデータテーブルを参照して、信号レベル測定回路360の検出値DT1に応じてベースバンドLSI300に入力される受信I,Q信号のレベルが所定のレベルになるように、ロウノイズアンプ221とIFアンプ222および高利得増幅部240a,240b内の利得制御増幅回路PGA1,PGA2,PGA3の利得を決定し、ゲイン制御データGS0〜GS2,GS10〜GS13およびオフセットキャンセル制御信号OCS1を高周波IC200のゲイン制御回路251へ出力する(ステップS7)。
【0072】
これにより、高周波IC200では、利得制御増幅回路PGA1,PGA2,PGA3において、使用するアンプの切替え(ゲイン精密設定)が行なわれるとともに、設定ゲインすなわち使用するアンプに応じたオフセットキャンセル値が記憶回路242から読み出されてオフセットのキャンセルが行なわれる。また、3段目の利得制御増幅回路PGA3ではリアルタイムでDCオフセットの検出とそのオフセットをキャンセルする動作が実行される。ゲイン精密設定が終了するとシステム制御回路370は、高利得増幅部240a,240bから出力されるI,Q信号が静定するのを待って受信処理へ移行する(ステップS8)。
【0073】
図11には、システム制御回路370が図10のフローチャートに従った制御を実行した際の各種信号のタイミングが、また図12にはIEEE802.11a規格に従った無線LANシステムにおいて送受信されるパケットの先頭部分のパターン構成が示されている。
【0074】
図11に示されているように、モード信号が受信状態に切り替わるタイミングTM1で、システム制御回路370は高周波IC200に対してDCオフセットキャンセル制御信号OCS1を送る。そして、任意の時間Td1が経過すると、アンテナ端から高周波IC200へ受信信号が入り始める(タイミングTM2)。すると、Td2時間後のタイミングTM3で高周波IC200からI,Q信号が出力され始める。
【0075】
図12に示されているように、無線LANの規格では、送受信パケットの先頭に0.8μsを周期とするパターン(プリアンブルパターン)が10回繰り返されるショートシンボル期間Tf1(8μs)を設けること、および最初の7回のパターン(t1〜t7)の繰返し期間Tf11の間にパケットの検出およびゲインの制御を、また残りの3回のパターン(t8〜t10)の繰返し期間Tf12の間に図1のPLL回路211における周波数の引き込みやアンプのDCオフセット調整、タイミング同期を行なうことが規定されている。さらに、ショートシンボル期間Tf1の後に、1.6μsのカードインターバルGI2とデータ領域と同じ3.2μsの周期を持つ2つのパターンT1,T2とからなるロングシンボル期間Tf2(8μs)を設けること、およびこのロングシンボル期間Tf2内に周波数およびDCオフセットの精密調整を行なうことが規定されている。
【0076】
本実施例のベースバンドLSI300においては、パケット先頭のプリアンブルパターンが増幅され始める図11のタイミングTM3からTd3時間経過した後のタイミングTM4より、測定回路280がミキサ232a,232bの出力を検出して平均フィルタ350の出力が徐々に立ち上がり始める。平均フィルタ350の出力は受信信号レベルの大きさによってその立上り速度(図11のt1の期間における傾き)が受信信号のレベルによって異なり、受信信号ある所定のレベル以上であれば、最初のプリアンブルパターンの期間t1内に平均フィルタ350の出力がある値以上になる。
【0077】
制御回路370では、ワーストレベルの受信信号が入力された場合に0.8μsで平均フィルタ350の出力が達するレベルをしきい値として受信パケットの有無を判定するように構成されている。また、システム制御回路370は、平均フィルタ350の出力がある値以上になると、タイミングTM5で測定回路280による受信信号のレベルの測定を開始して、それよりも平均フィルタ350の時間長さである0.8μsだけ遅いタイミングTM6で測定値を確定してそれに基づいて大よそのゲインを決定し、高周波IC200に対してDCオフセットキャンセル制御信号OCS1とともにゲイン設定コードGS0〜GS2を含む制御データWD1とゲイン設定コードGS10〜GS13を含む制御データWD2を送る。
【0078】
ただし、このとき制御データWD2内の3段目のアンプPGA3のキャリブレーションを指示するビットCALは“0”(=キャリブレーションなし)とされる。なお、図11には、ワーストレベルの受信信号が入力された場合のタイミングが示されている。受信信号のレベルが大きい場合には、測定回路280による受信信号レベルの測定値が確定されるタイミングTM6は、図11よりも早くなる。
【0079】
制御データWD1により、ロウノイズアンプ221とIFアンプ222と高利得増幅部240a,240bの1段目と2段目のアンプPGA1,PGA2の各ゲインが設定される。これが図12のショートシンボル期間Tf1の信号を受信している間に行なわれる。ただし、この段階では3段目のアンプPGA3のゲインは予め決定された低めの値(例えば0dB)とされる。
【0080】
その後、システム制御回路370は、測定回路360による受信信号のレベルの測定を開始して、タイミングTM7で測定値を確定してそれに基づいて精密なゲインを決定し、高周波IC200に対してDCオフセットキャンセル制御信号OCS1とともにゲイン設定コードGS0〜GS2,GS10〜GS14を含む制御データWD1,WD2を送る。これにより、ロウノイズアンプ221とIFアンプ222と高利得増幅部240a,240bの各段のアンプPGA1,PGA2,PGA3のゲインが精密に設定される。これが図12のロングシンボル期間Tf2の信号を受信している間に行なわれる。また、このとき第2制御データWD2内の3段目のアンプPGA3のキャリブレーションを指示するビットCALが“1”(=キャリブレーション実行)とされることにより、3段目のアンプPGA3のオフセットキャンセル動作がリアルタイムで実行される。
【0081】
なお、図12において、ショートシンボル期間Tf1(8μs)およびその後のロングシンボル期間Tf2(8μs)は共通のパケットヘッドの部分で、このヘッド部とその後のガードインターバル領域GI1とシグナル領域SIGNALとからなるシンボル期間Tf3(4μs)はどのパケットにも必ず存在する。一方、シンボル期間Tf3の後に続くガードインターバル領域GI1とデータ領域Dataとからなるシンボル期間(4μs)Tf4,Tf5……はパケットの仕様により異なるデータ部である。
【0082】
本実施例の高周波IC200およびベースバンドLSI300は、ゲイン設定を受信動作開始時の極めて短い時間内行なわなくてはならないため、システム制御回路370からゲイン制御回路251へのゲイン設定のための制御データWDの伝送をパラレルデータ伝送で行なうようにする一方、外部端子数を減らすためシステム制御回路370から高周波IC200に対して供給するアンプの利得等を設定するための制御データWDを5ビットとしている。そのため、1つの制御データですべての回路の利得を指定するのは困難である。そこで、制御データをWD1とWD2の2つに分けて設定を行なうように構成されている。
【0083】
図13には、本実施例における制御データWD1とWD2の構成例が示されている。制御データWD1は、ロウノイズアンプ221のゲインを指定するビットGLNAと、IFアンプ222のゲインを指定するビットGIFと、高利得増幅部240a,240bの1段目と2段目のアンプPGA1,PGA2のゲインを指定するビットGS0,GS1,GS2の5ビットからなる。
【0084】
一方、制御データWD2は、高利得増幅部240a,240bの3段目のアンプPGA3のDCオフセットキャンセル動作を実行するか否か指定するビットCALと、3段目のアンプPGA3のゲインを指定するビットGS10,GS11,GS12,GS13の5ビットからなる。ロウノイズアンプ221のゲインを指定するビットGLNAと、IFアンプ222のゲインを指定するビットGIFは1ビットであるので、ロウノイズアンプ221とIFアンプ222はゲインの切替えが2段階で行なわれる。
【0085】
図11(A)のゲイン粗設定の期間とゲイン精密設定の期間の部分を拡大して示す図11(B),(C)のように、それぞれ2つの制御データWD1とWD2が供給される。ただし、ゲイン粗設定の期間(B)で送られる制御データWD2はビットCALが“0”とされる。これにより、高周波IC200の制御回路252は、高利得増幅部240a,240bの3段目のアンプPGA3のDCオフセットキャンセル動作を実行しないとともに、制御データWD2内のビットGS10,GS11,GS12,GS13によって、3段目のアンプPGA3のゲインを例えば0dBとするようなゲイン制御信号をアンプPGA3へ与えるように動作する。制御回路252は、ビットCALが“0”とされた場合には、ゲイン設定ビットGS10〜GS13の如何にかかわらず3段目のアンプPGA3のゲインを例えば0dBとするようなゲイン制御信号をアンプPGA3へ与えるようにしても良い。
【0086】
一方、ゲイン精密設定の期間(C)で送られる制御データWD2はビットCALが“1”とされる。これにより、高周波IC200の制御回路252は、高利得増幅部240a,240bの3段目のアンプPGA3のオフセットキャンセル動作をクロックCLKに同期して実行する。そのため、ゲイン粗設定の期間(B)にベースバンドLSI300のシステム制御回路370から高周波IC200の制御回路252へ送られるクロックCLKは図11(B)のように2パルスであるのに対し、ゲイン精密設定の期間(C)に制御回路252へ送られるクロックCLKのパルス数は、図11(C)のようにゲイン粗設定の期間(B)のパルス数よりも多くされる。
【0087】
次に、上記制御データWD1とWD2によるゲイン粗設定とゲイン精密設定の具体的なやり方について説明する。
本実施例の高周波IC200においては、前述したように高利得増幅部240a,240bの1段目と2段目のアンプPGA1,PGA2は4段階にゲインが切替え可能で、3段目のアンプPGA3は13段階にゲインが切替え可能である。従って、トータルで208(=4×4×13)通りのゲイン設定が可能である。しかし、高利得増幅部240a,240b全体でそれぞれあるゲインを実現する場合、設定可能な最大ゲインと最小ゲインを除くと3段の各アンプへの利得の配分の仕方は1通りではなく複数通りある。例えば、トータル24dBは、0+12+12、6+6+12、6+12+6、12+12+6などいずれの配分でも得られる。
【0088】
従って、全ての利得配分のいずれをも選択できるように使用とすると選択コードのビット数が多くなるが、選択の自由度を下げてやれば選択コードのビット数を少なくすることができる。選択の自由度を下げ方としては、例えばいずれか一つのアンプのみで得ることができる最大利得を回路全体で実現できれば良いような場合に、一つのアンプに所望の利得のすべてを持たせるようにするのは特性上あまり有利でなく、消費電力が大きくなったり通信品質が下がったりするおそれがある。
【0089】
また、図6に示されているように複数のロウパスフィルタLPFと可変利得アンプPGAとが交互に接続された回路においては、一般的には、同じ増幅率を実現する場合、後段のアンプへのゲイン配分を多くすると前段のアンプのNF(ノイズ・フィギュア)によるノイズが出力信号に大きく現われるため、NFの点からは前段のアンプへのゲイン配分を多くするのが望ましい。しかし、使用環境によっては妨害波が強い場合があり、そのような場合には後段のアンプにより大きな利得を与えた方が、通信品質が良くなることが多い。
【0090】
また、一般に、受信信号レベルが大きくて高利得増幅回路における利得をあまり高くする必要がない場合には、妨害波の相対レベルが小さいことが多いので、NFによるノイズの抑制を優先させる利得配分に固定するようにしても構わないと考えられる。そこで、本実施例のシステムでは、1段目と2段目のアンプPGA1,PGA2および3段目のアンプPGA3に関して、次の図14および図15のような利得配分のみ選択されるように、制御コードGS0〜GS2およびGS10〜GS13とそれをデコードするデコーダDEC(図1の制御回路251内)で実現可能にした。
【0091】
図14より、アンプPGA1とPGA2で同一の利得になる利得配分が2つあるのは合計利得が+30dBの場合(b欄およびc欄)のみで、他は1通りのみとされている。つまり、同一の利得を実現する利得配分の数が少なくなり自由度が制限されている。4段階に利得可変な2つのアンプの利得の組み合わせは全部で16通りであるので、すべての利得配分を選択できるようにするには制御コードは4ビット必要である。これに対し、本実施例では、上記のように選択可能な利得配分の数を制限することにより、制御コードのビット数が3ビットで済むようになる。これに応じて制御コードGS0をデコードするデコーダDECも不要なゲイン選択信号SC1〜SC4を出力しないように構成することができる。
【0092】
また、図14に示されている利得配分のうち、b欄とe欄とg欄は後段PGA2よりも前段のPGA1の利得の方が大きくなっているので、NFによるノイズの抑制つまりNF確保を優先した利得配分であることが分かる。一方、図14のc欄は前段PGA1よりも後段のPGA2の利得の方が大きくなっているので、妨害波抑圧を優先した利得配分であることが分かる。このように、本実施例では、全体としてNF確保を優先した利得配分の方が多くなっている。これは、使用環境によっては妨害波がないもしくは小さい場合があるのに対して、NFによるノイズはいつでも問題になるためである。
【0093】
さらに、本実施例では、図14に示されているように、アンプPGA1とPGA2で同一の利得になる利得配分が2つあるのは合計利得を+30dBのように高くしたい場合(受信信号レベルが小さい場合)のみとされていることが分かる。これは、一般に、受信信号レベルが大きくて高利得増幅回路における利得をあまり高くする必要がない場合には、妨害波の相対レベルが小さいことが多いので、+24dB以下ではNF確保を優先させる利得配分に固定することにより、特性上あまり意味のない利得配分を選択範囲から外すことができ、これにより制御コードのビット数を減らすことができるためである。
【0094】
受信信号のレベルを測定した結果、アンプPGA1とPGA2の合計利得を+30dBに設定する場合にも先ずNF確保を優先させる利得配分(b欄)を選択し、その利得配分で受信信号を増幅した結果、ベースバンドLSIのシステム制御回路370がCRCコードのチェック結果等からデータエラーが多いと判定した場合に妨害波抑圧を優先させる利得配分(c欄)を選択するように制御プログラムを構成しても良い。
【0095】
図16には、システム制御回路370による利得配分の設定の仕方の一例を示す。システム制御回路370は、ステップS11でパケットを受信した後、データエラーが多いか否か判定する(ステップS12)。そして、データエラーが少ないと判定した場合にはステップS13へ移行して現在の利得配分設定を維持し、データエラーが多いと判定した場合にはステップS14へ移行して現在の利得配分がNF確保優先の時は妨害波抑圧優先の利得配分に、また現在の利得配分が妨害波抑圧優先の利得配分の時はNF確保優先の利得配分にそれぞれ設定を変更する。図16のような制御手順に従う場合には、エラーが多い時は直ちに利得配分が切り替わるので、必ずしも最初の設定でNF確保優先の利得配分を選択する必要はなく、初期設定を妨害波抑圧優先の利得配分にしておくようにしてもよい。
【0096】
高利得増幅部240a,240bの3段目のアンプPGA3は、図15に示されているように4ビットの制御コードGS10〜GS13で13段階のゲインのいずれかを選択できるようにされている。4ビットのコードで選択可能な最大段階は16であるので、この実施例では、特に制限されないが、余分なコードの組み合わせ(下の4つ)は−6dBを選択するようにされている。1つのゲインには1つのコードのみ対応させ、それ以外のコードは無効コードとして扱うように構成することも可能である。
【0097】
図14に示されているPGA1とPGA2の利得配分と図15に示されているPGA3の利得の組合せによって高利得増幅部240a,240b全体としてのゲインが設定されることになるが、PGA1とPGA2の利得配分とPGA3の利得の組合せもすべて実現可能にせずに、実現不能な組合せを設けるようにしても良い。
【0098】
図1の補正回路341および342におけるゲイン補正とDCオフセット補正に使用される補正値はシステム制御回路370内のメモリ373にテーブルデータとして格納されるので、PGA1とPGA2の利得配分とPGA3の利得との組合せの数が多いと、補正値の数もそれだけ多くなってより多くの記憶領域を必要とするので、実現不能な組合せを設けることによりメモリの記憶容量を減らすことができるという利点がある。
【0099】
図18には、IEEE802.11a規格に従った無線LANシステムを構成する高周波IC200およびベースバンドLSI300を機能ブロックで表わしたものが示されている。
【0100】
高周波IC200は、アンテナ100より受信した信号を直交復調するとともに周波数の低いベースバンド信号に変換する復調器&ダウンコンバート回路232と、ベースバンドLSI300より供給される送信用ベースバンド信号を直交変調するとともに周波数の高いRF信号に変換しアンテナ100より送信させる変調器&アップコンバート回路233を有する。
【0101】
ベースバンドLSI300は、送信データに伝送誤りを訂正するためのCRCコードを付加するFECエンコーダ381、連続する送信データのうち隣同士のデータを隣接する副搬送波(サブキャリア)に配置しないようにするインタリーブ処理や送信データを変調信号の各シンボルに対応付けるマッピング処理を行なうインタリーブ&マッピング処理回路382、周波数軸情報を時間軸情報に変換するためのIFFT(逆高速フーリエ変換)回路383、各シンボル間に時間的な緩衝領域(ガード・インターバル)を挿入するガード・インターバル挿入回路384、ディジタル信号をアナログベースバンド信号に変換するDA変換回路312、復調された受信ベースバンド信号(アナログ信号)をディジタル信号に変換するAD変換回路311、受信信号からガード・インターバルを除去するガード・インターバル除去回路385、時間軸情報を周波数軸情報に変換するためのFFT(高速フーリエ変換)回路386、インタリーブ&マッピング処理回路382と逆の処理を行なうデマッピング&デインタリーブ回路387、復元されたCRCコードを用いて受信データの誤りを訂正するFECデコーダ回路388、チップ全体を制御するシステム制御回路370などを備える。
【0102】
OFDM変調では、多数の副搬送波を用い全搬送波に対して逆フーリエ変換で一括して変調処理を行なうが、伝送中、特定の周波数帯域に発生する雑音波は送信データにバースト誤りを生じさせるので、この特定周波数帯の雑音波によるバースト誤りを回避するため、上記インタリーブ&マッピング処理回路382において、連続する送信データのうち隣同士のデータを隣接する副搬送波に配置しないようにするインタリーブ処理が行なわれる。
【0103】
また、高いビルなどの障害物が多い都会ではビル壁面の反射などによりマルチパスが発生し受信信号は遅延時間の異なる複数の信号(いわゆるゴースト)が加算された信号になるため、上記ガード・インターバル挿入回路384において、送信信号の各有効シンボル間に1シンボル信号の末尾の部分を緩衝領域として付け加える処理が行なわれる。
【0104】
本実施例のベースバンドLSI300においては、FECデコーダ回路388における受信データの誤り訂正処理により訂正が行なわれたビット数や訂正不能なデータであったことを示す信号がシステム制御回路370に供給されるようにされており、システム制御回路370はFECデコーダ回路388におけるエラー訂正処理結果に基づいて、前述した利得配分の設定の切替えを行なう否かの判定(図16のステップS12)を行なう。
【0105】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前記実施例では、高周波IC200に、受信系回路のゲインを制御するための制御回路251とチップ全体の制御を行なうための制御回路252とを別個に設けているが、これらの制御回路は一体の回路として構成することも可能である。その場合、制御回路252へ制御データ(コマンド)をシリアル伝送で与える代わりに制御回路251と同様に例えば5ビットのようなパラレルデータとして与えることも可能である。
【0106】
また、前記実施例では、利得制御増幅回路PAG1〜PGA3の可変利得アンプをそれぞれ互いにゲインが異なる複数の固定ゲインアンプにより構成しているが、ゲインを連続的に変化可能なアンプを用いるように構成しても良い。その場合、ゲイン設定コードGS0〜GS2,GS10〜GS13をデコードするデコーダとしてアナログ電圧を出力するものあるいはデコーダの後段にDA変換回路を設けるようにするのが良い。
【0107】
さらに、前記実施例では、利得制御増幅回路PAG1,PGA2のオフセットキャンセル値を記憶する記憶回路242を高周波IC200に設けているが、ベースバンドLSI300内のメモリ372や373に記憶するようにしても良い。また、その場合、利得制御増幅回路PAG1,PGA2には、DA変換器DACと加算器ADDとオフセットキャンセル値を保持するラッチ回路を設け、アンプのDCオフセットを検出するためのAD変換器ADCとオフセットキャンセル制御回路241と記憶回路242を省略するように構成することができる。さらに、ベースバンドLSI300などチップ外部の装置から利得制御増幅回路PAG1,PGA2のオフセットキャンセル値を与える場合、利得制御増幅回路PAG1,PGA2のDCオフセットを測定せずに、見込み値として与えるように構成しても良い。
【0108】
以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野である無線LANシステムとそれを構成する高周波ICおよびベースバンドLSIに適用した場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものでなく例えばW−CDMA方式その他の携帯電話器のような無線通信システムとそれを構成する高周波ICおよびベースバンドLSIに適用することが可能である。
【0109】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本発明に従うと、ビット数の少ない制御コードで比較的自由度の高い利得配分が可能な高利得増幅回路を有するとともに外部端子数の比較的少ない通信用半導体集積回路(高周波IC)を実現することができる。
【0110】
また、I信号とQ信号を増幅する高利得増幅部の総和の利得と可変利得アンプの利得の組み合わせとの対応を示すテーブルデータを格納する記憶回路の記憶容量を小さくすることができる信号処理用半導体集積回路(ベースバンドLSI)を実現することができる。
【0111】
さらに、使用環境に応じてNFによるノイズの抑制を優先させたり妨害波の抑制を優先させたりすることにより、通信品質を向上させることができる無線通信システムを実現することができるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用して好適な無線通信システムを構成する高周波ICとベースバンドLSIの構成例を示すブロック図である。
【図2】(A)は第1信号レベル測定回路280の構成例を示すブロック図、(B)は第2信号レベル測定回路360の構成例を示すブロック図である。
【図3】実施例のベースバンドLSIに内蔵されるDCオフセットおよびゲインの補正回路の具体的な回路例を示す回路図である。
【図4】実施例の第1信号レベル測定回路の入力信号のレベルと出力電圧との関係を示す特性図である。
【図5】平均フィルタの構成例を示すブロック図である。
【図6】(A)は高周波ICに内蔵される高利得増幅部の構成を示すブロック構成図、(B)は高利得増幅部における各部の信号の周波数成分のレベル分布を示す説明図である。
【図7】実施例の高利得増幅部を構成する可変利得増幅回路の構成例を示すブロック図である。
【図8】可変利得増幅回路の構成例を示す回路構成図である。
【図9】ベースバンドLSIに内蔵される制御回路の構成例を示すブロック図である。
【図10】ベースバンドLSIに内蔵される制御回路による受信動作処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】(A)は実施例の高周波ICとベースバンドLSIとを適用した無線通信システムにおける各種信号のタイミングを示すタイミングチャート、(B),(C)は(A)における粗設定期間Bおよび精密設定期間Cを拡大して示すタイミングチャートである。
【図12】IEEE802.11a規格に従った無線LANのパケットの構成例を示す説明図である。
【図13】実施例の高周波ICとベースバンドLSIとを適用した無線通信システムにおけるベースバンドLSIから高周波ICへ供給される制御データの構成例を示す説明図である。
【図14】ベースバンドLSIから高周波ICへ供給される制御データのゲイン設定コードとPGA1,PGA2のゲインおよびトータルのゲインとの関係を示すコード説明図である。
【図15】ベースバンドLSIから高周波ICへ供給される制御データのゲイン設定コードとPGA3のゲインとの関係を示すコード説明図である。
【図16】ベースバンドLSIに内蔵される制御回路による利得配分設定の手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】DA変換回路の出力をDFT解析した結果を、横軸に正規化周端数をとって表わした周波数特性図である。
【図18】本発明を適用して好適なIEEE802.11a規格に従った無線LANシステムの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 アンテナ
110 送受信切替え用スイッチ
120 バンドパスフィルタ
130 パワーアンプ
200 高周波IC
221 ロウノイズアンプ
222 IFアンプ
231 アップコンバータ
232 復調用ミキサ
233 変調用ミキサ
234 アップコンバータ
241 高利得増幅部
251 ゲイン制御回路
252 制御回路
261 ロウパスフィルタ
271,272 セレクタ
280 第1レベル測定回路
300 ベースバンドLSI
311 AD変換回路
312 DA変換回路
360 第2レベル測定回路
370 制御回路

Claims (13)

  1. 互いに位相が90度異なる2つの直交信号と受信信号とを合成して基本波に対し同相成分のI信号および直交成分のQ信号を復調する復調回路と、該復調回路により復調されたI信号を所望のレベルに増幅する利得制御可能な第1の増幅回路と、上記復調回路により復調されたQ信号を所望のレベルに増幅する利得制御可能な第2の増幅回路とを備えた通信用半導体集積回路であって、
    上記第1および第2の増幅回路のそれぞれは、それぞれが交互に多段接続された複数のロウパスフィルタと複数の可変利得アンプを有し、上記複数の可変利得アンプの利得の総和により所望のレベルに増幅した信号を出力し、上記複数の可変利得アンプの取り得る利得配分組み合わせの数が、理論的に可能なすべての組み合わせ数よりも少ないようにされていることを特徴とする通信用半導体集積回路。
  2. 前記第1および第2の増幅回路の取り得る利得配分の組み合わせは、総和の利得が所定の範囲では、後段の可変利得アンプの利得よりも前段の可変利得アンプの利得の方が大きいか等しいことを特徴とする請求項1に記載の通信用半導体集積回路。
  3. 前記第1および第2の増幅回路の取り得る利得配分の組み合わせは、総和の利得が前記所定の範囲よりも大きい範囲では、同一の総和利得に対応して、後段の可変利得アンプの利得よりも前段の可変利得アンプの利得の方が大きい第1の設定状態と、前段の可変利得アンプの利得よりも後段の可変利得アンプの利得の方が大きい第2の設定状態があることを特徴とする請求項1または2に記載の通信用半導体集積回路。
  4. 前記可変利得アンプは、それぞれ互いに利得が異なる複数の固定利得アンプとこれらの固定利得アンプの中から1つを選択して増幅すべきI信号またはQ信号を供給する切替え手段とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の通信用半導体集積回路。
  5. 外部から供給される利得設定用の制御コードをデコードして前記可変利得アンプの利得の制御信号を生成するデコーダを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の通信用半導体集積回路。
  6. 前記可変利得アンプは、それぞれ互いに利得が異なる複数の固定利得アンプとこれらの固定利得アンプの中から1つを選択して増幅すべきI信号またはQ信号を供給する切替え手段とを有し、外部から供給される利得設定用の制御コードをデコードして前記切替え手段を切り替えて使用する可変利得アンプを選択する制御信号を生成するデコーダを備え、該デコーダは上記複数の可変利得アンプの利得配分の理論的に可能なすべての組み合わせの数よりも少ない組み合わせの利得配分に従った制御信号を生成するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の通信用半導体集積回路。
  7. 外部から複数ビット並列に供給される前記利得設定用制御コードを受ける複数の外部端子を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の通信用半導体集積回路。
  8. 請求項3に記載の通信用半導体集積回路で復調、増幅されたI信号およびQ信号を受けて受信データを復元する処理を行なうとともに、前記第1および第2の増幅回路の取り得る利得配分の組み合わせを指定する利得設定用の制御コードを前記通信用半導体集積回路へ供給する信号処理用半導体集積回路であって、
    前記第1の設定状態または第2の設定状態を指定する制御コードを送って前記第1および第2の増幅回路の利得を設定し、この設定で増幅されたI信号およびQ信号に基づいて受信状態を判定し、判定結果に応じて当該設定状態を維持する制御コードまたは設定を変更する制御コードを送ることを特徴とする信号処理用半導体集積回路。
  9. 前記復元された受信データの誤りを検査するエラー検査回路を備え、該エラー検査回路から出力される信号に基づいて前記受信状態の判定を行なうように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の信号処理用半導体集積回路。
  10. 前記第1および第2の増幅回路に設定すべき総和の利得と、前記第1および第2の増幅回路を構成する複数の可変利得アンプの利得の組み合わせとの対応を示すテーブルデータが格納された記憶回路を備えることを特徴とする請求項8または9に記載の信号処理用半導体集積回路。
  11. 互いに位相が90度異なる2つの直交信号と受信信号とを合成して基本波に対し同相成分のI信号および直交成分のQ信号を復調する復調回路と、該復調回路により復調されたI信号を所望のレベルに増幅する利得制御可能な第1の増幅回路と、上記復調回路により復調されたQ信号を所望のレベルに増幅する利得制御可能な第2の増幅回路とを備え、上記第1および第2の増幅回路のそれぞれは、それぞれが交互に多段接続された複数のロウパスフィルタと複数の可変利得アンプを有し、上記複数の可変利得アンプの利得の総和により所望のレベルに増幅した信号を出力し、上記複数の可変利得アンプの利得の理論的に可能なすべての組み合わせよりも少ない組み合わせのみ取り得るように構成されてなる通信用半導体集積回路と、
    前記通信用半導体集積回路で復調、増幅されたI信号およびQ信号を受けてベースバンド処理を行なうとともに、前記第1および第2の増幅回路の取り得る利得の組み合わせを指定する利得設定用の制御コードを前記通信用半導体集積回路へ供給する信号処理用半導体集積回路と、
    を有する無線通信システム。
  12. 前記信号処理用半導体集積回路から前記通信用半導体集積回路へ供給される前記制御コードが、複数ビット並列に供給されるように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の無線通信システム。
  13. 前記通信用半導体集積回路は前記信号処理用半導体集積回路から供給される前記制御コードをデコードして前記可変利得アンプの利得の制御信号を生成するデコーダを備え、
    前記信号処理用半導体集積回路は、前記第1および第2の増幅回路に設定すべき総和の利得と、前記第1および第2の増幅回路を構成する複数の可変利得アンプの利得の組み合わせとの対応を示すテーブルデータが格納された記憶回路を備えることを特徴とする請求項11または12に記載の無線通信システム。
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