JP2005019818A - 薄膜加工装置および加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜の除去する部分の膜厚に合わせてレーザビームの強度を調整することができる薄膜加工装置を提供すること。
【解決手段】本発明の薄膜加工装置は、基板(10)上に形成された膜(13)の厚さを測定する膜厚測定部と、膜(13)の一部を除去するレーザビーム(50)を出力するレーザ(1)と、膜厚測定部で測定された膜(13)の厚さに基き、レーザビーム(50)の強さを調整するレーザ調整部(2、7)と、を具備する。
膜厚測定部は、膜に電磁波を照射する照射部(5)と、膜(13)を透過した電磁波を計測する計測部(6)とを具備する。
膜厚測定部により除去する部分の膜厚を測定して、レーザビーム(5)の強度を好適に調整することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の薄膜加工装置は、基板(10)上に形成された膜(13)の厚さを測定する膜厚測定部と、膜(13)の一部を除去するレーザビーム(50)を出力するレーザ(1)と、膜厚測定部で測定された膜(13)の厚さに基き、レーザビーム(50)の強さを調整するレーザ調整部(2、7)と、を具備する。
膜厚測定部は、膜に電磁波を照射する照射部(5)と、膜(13)を透過した電磁波を計測する計測部(6)とを具備する。
膜厚測定部により除去する部分の膜厚を測定して、レーザビーム(5)の強度を好適に調整することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成膜された薄膜層を加工する薄膜加工装置および加工方法に関し、特に薄膜型太陽電池の薄膜を加工する薄膜加工装置および加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
透明基板に複数の膜を形成して作成される薄膜太陽電池が使用されている。
薄膜太陽電池の製作において、ガラスなどの透明基板にCVD法やスパッタ法等により、第一電極膜、光発電膜、第二電極膜が形成される。
第一電極膜は、SnO2に代表される概ね透明な導電性の物質で形成され、光を所定の割合で透過する。
光発電膜は、アモルファスシリコンに代表される光変換素子で形成され、光を受けることにより電荷を発生する。
第二電極膜は、Agに代表される導体である。
光は透明基板、第一電極膜を透過して光発電膜に達する。光が当たることにより光発電膜を形成する光変換素子で発生した電荷が、第一電極膜および第二電極膜を通って電流となる。
【0003】
第一電極膜、光発電膜および第二電極膜は、各膜が形成された後にレーザビームで部分的に除去され、第一電極膜、光発電膜、第二電極膜を含む複数の電池が、直列に配置されるように形成される。
レーザを使用して複数のセルを形成する方法が、特開昭57−12568号公報(特許文献1)に記載されている。
【0004】
レーザビームで各膜を部分的に除去する工程において、特定の膜が複数の部分に分離されるように、その膜が溝状に除去される場合がある。具体的には、透明基板上に第一電極膜が形成された後、第一電極が複数の領域に分離されるように、第一電極の一部が溝状に除去される。さらに、その上に光発電膜が形成され、光発電膜のみを複数に分離するように、光発電膜のみが溝状に除去される。さらに、その上に第二電極が形成され、第二電極のみ、もしくは、第二電極と光発電膜が溝状に除去される。
【0005】
従来、このような溝を形成する場合、レーザの照射ビームの強度は、除去する膜に対して一定で行われている。
所定の膜を除去して連続した溝を形成する場合、必要なレーザビーム強度は膜厚に相関がある。すなわち、膜を除去する場合、ある単位面積当たりに所定のエネルギー密度でレーザビームを照射する必要がある。この時、必要なエネルギー密度は概ね膜厚に比例する。さらに、レーザビーム径が一定の場合、エネルギー密度は、レーザビーム強度に比例する。
このため、理論的には除去する膜の膜厚に相関して、必要なビーム強度は変化する。
【0006】
実際には、基板上に形成される膜は、厚さにばらつきが生じる場合がある。
膜厚にばらつきがある場合に、所定の膜を部分的に除去して、複数の範囲を電気的に分離するために、その膜の最も厚い膜厚に合わせてビーム強度が設定される場合がある。
このため、膜厚の薄い部分ではレーザビーム強度が過大となる場合がある。このため除去する膜の下の下地膜まで熱影響がおよび、後の工程で溝加工部に付着される他の膜の密着度が悪くなる場合がある。または、加工残渣が溝断面に付着し、絶縁抵抗が低下する場合がある。もしくは、加工残渣が溝周囲に付着し、後の工程で溝加工部に付着される他の膜の密着度が悪くなる場合がある。
このため、レーザビームの強度は、除去する部分の膜の膜厚に合わせて、好適に調整されることが好ましい。
【0007】
【特許文献1】
特開昭57−12568号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、膜を除去する部分の膜厚に合わせてレーザビームの強度を調整することができる薄膜加工装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用する番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0010】
本発明の薄膜加工装置は、基板(10)上に形成された膜(13)の厚さを測定する膜厚測定部と、膜(13)の一部を除去するレーザビーム(50)を出力するレーザ(1)と、膜厚測定部で測定された膜(13)の厚さに基き、レーザビーム(50)の強さを調整するレーザ調整部(2、7)と、を具備する。
膜厚測定部は、膜に電磁波を照射する照射部(5)と、膜(13)を透過した電磁波を計測する計測部(6)とを具備する。
膜厚測定部により除去する部分の膜厚を測定して、レーザビーム(5)の強度を好適に調整することができる。
【0011】
上記基板(10)は透明基板(11)を含み、上記膜(13)は、アモルファスシリコンを含む。
本発明の薄膜加工装置は、薄膜型太陽電池の膜の加工に、好適に使用される。
【0012】
本発明の薄膜加工装置の使用する電磁波は可視光であり、照射部(5)はLEDを用いて可視光を膜(13)に照射する。
計測部(6)は、膜(13)を透過した可視光の強さを測定して可視光の強さに基づき膜(13)の厚さを検出する。
透明基板(11)上に形成されたアモルファスシリコンを含む半透明の膜を測定するために、可視光が使用される場合がある。半透明の膜で減衰された可視光を測定することにより膜厚を測定することができる。
【0013】
本発明の薄膜加工装置において、照射部(5)と計測部(6)は、基板(10)を挟んで配置される。
【0014】
本発明の薄膜加工装置は、さらに、基板(10)が設置され、レーザービーム(50)が照射される基板(10)上の位置を変更するために移動する移動台(8)を具備する。
移動台(8)は、基板(10)との間に空間を空けるために凹部分(81)を有する。照射部(5)と計測部(6)の何れかは、凹部分(81)に、移動台(8)が移動してもレーザビームの照射位置に対して移動しないように設置される。
【0015】
本発明の薄膜加工装置は、さらに、基板(10)が設置される台(8)を具備する。
照射部(5C)は、台(8)上に基板(10)が設置される範囲の全体もしくは部分から電磁波が照射されるように設置される。
【0016】
本発明の薄膜加工装置は、さらに、基板(10)が設置される台(8)を備える。
照射部(5)と計測部(6’)は、基板(10)に対して同じ側に配置される。
計測部(6’)は、膜(13)を透過した電磁波が他の層(14)もしくは台(8’)で反射されさらに膜(13)を透過した電磁波が測定されるように配置される。
【0017】
本発明の薄膜加工装置は、さらに、ハーフミラー(20)と、基板(10)が設置される台(8’)とを備える。
ハーフミラー(20)は、照射部(5)と基板(10)の間に設置され、照射部(5)から照射される可視光を透過し、特定の他の膜(14)もしくは台(8’)で反射された基板(10)方向からの可視光を計測器(6’)の方向に反射する。
照射部(5)と計測部(6’)は、基板(10)に対して同じ側に配置され、照射部(5)から照射された可視光は、膜(13)を透過し、他の膜(14)もしくは台(8’)で反射され、さらに膜(13)を透過し、ハーフミラー(20)で反射されて計測部(6’)で測定される。
【0018】
本発明の薄膜型太陽電池の製造装置は、透明基板(11)上に、透明な第一電極膜(12)、半透明の光発電膜(13)が形成される太陽電池基板の製造装置であって、光発電膜(13)の厚さを測定する膜厚測定部と、光発電膜(13)の一部を除去するレーザビーム(50)を出力するレーザ(1)と、膜厚測定部で測定された光発電膜(13)の厚さに基き、レーザビーム(50)の強さを調整するレーザ調整部(2、7)と、を具備する。
膜厚測定部は、光発電膜(13)に可視光を照射する照射部(5)と、光発電膜(13)を透過した可視光を計測する計測部(6)とを具備する。
【0019】
本発明の薄膜型太陽電池の製造装置は、さらに、光発電膜(13)上に不透明の第二電極膜(14)が形成される太陽電池基板の製造装置であって、照射部(5)が照射した可視光は、透明基板(11)、第一電極膜(12)、および光発電膜(13)を透過し、第二電極膜(14)で反射され、さらに光発電膜(13)、第一電極膜(12)、および透明基板(11)を透過して計測部(6)で計測される。
【0020】
本発明の薄膜加工方法は以下のステップを含む。
電磁波を基板(10)上に形成された膜(13)に照射するステップ。
膜(13)を透過した電磁波の強さを測定するステップ。
電磁波の強さから膜(13)の厚さを算出するステップ。
膜(13)の一部を除去するレーザービーム(50)の強さを、膜(13)の厚さに基き調整するステップ。
レーザービーム(50)により膜(13)の一部を除去するステップ。
【0021】
本発明の薄膜加工方法における上記基板(10)は透明基板を含み、電磁波は、可視光である。
【0022】
【発明の実施の形態】
添付図面を参照して、本発明による薄膜加工装置の実施の形態を以下に説明する。
(実施の形態1)
図1、図2に本発明の薄膜加工装置の一つの形態の概要が示される。
図1は、薄膜加工装置の断面の概要を示す。図2は、薄膜加工装置の斜視図の概要を示す。
本発明の薄膜加工装置は、レーザビームで基板上に形成された薄膜を溝状に除去するために使用される。さらに、本発明の薄膜加工装置は、除去する膜の厚さを、レーザビームが照射される前に測定し、レーザビームの強度を調整することができる。膜の厚さは、電磁波(本例では可視光)の透過度により測定される。
【0023】
薄膜加工装置は、レーザ1、減衰器2、ミラー3、レンズ4、照射部5、計測部6、制御器7、X−Yステージ8、固定台9を具備する。
被加工基板10は、薄膜が形成されている基板で加工の対象である。被加工基板10は、X−Yステージ8上に固定される。X−Yステージ8は固定台9上に設置される。被加工基板10に膜が形成された後に、膜を複数の範囲に分離するため、その膜が溝状に除去される。図2に示されるように、溝30は、被加工基板10の一の辺に対して平行に複数本が加工される場合がある。
【0024】
レーザ1は、被加工基板10に形成されている薄膜を除去するためのレーザビーム50を出力する。
減衰器2は、レーザ1から出力されたレーザビーム50の強さを、制御器7から受信する信号に基づいて調整する。
ミラー3は、レーザビーム50の方向を変更するために使用される場合がある。
レンズ4は、レーザビーム50を所定の位置に収束させるために使用される凸レンズである。レンズ4から照射する薄膜までの距離が調整される場合がある。
【0025】
照射部5は、被加工基板10の溝30を加工する部分に電磁波を照射する。電磁波は可視光の場合がある。照射部5は、LEDにより可視光を照射する場合がある。
計測部6は、照射部5から照射され、被加工基板10を透過した電磁波の強さを測定する。電磁波は、膜厚を測定する薄膜を透過するときに一部が減衰する。減衰量は、薄膜の厚さに相関があるため、被加工基板10を透過した電磁波の強さ、もしくは減衰量を測定することにより薄膜の厚さを測定することができる。
具体的には、被加工基板10として、透明基板上に第一電極膜(SnO2)とアモルファスシリコンの光発電膜が形成されている被加工基板10の場合がある。照射部5から照射される可視光は、透明基板と第一電極膜(SnO2)ではほとんど減衰せずに透過し、アモルファスシリコンの光発電膜を透過するときに減衰する。このため、透過した可視光の強さ(明かるさ)を測定することにより、光発電膜の膜厚を測定することができる。測定方法の詳細については後述される。
なお、図2では、照射部5が被加工基板10の上方に、計測部6が被加工基板10の下方に設けられている例が示されているが、照射部5と計測部6の上下関係は逆でもよい。
【0026】
さらに、計測部6は、被加工基板10から離して設置される場合がある。この場合、計測部6と被加工基板10の間の空気による電磁波の減衰は無視できる位置の範囲に、計測部6が設置される。
【0027】
制御器7は、測定部6が測定した電磁波の強さに基づいて、レーザビーム50の強さを変更するように、減衰器2に信号を送信する。制御器7は、演算装置を具備するコンピュータに例示される。制御器7は、測定部6が測定した電磁波の強さと膜厚の関係を式または表で記憶している場合がある。制御器7は、その関係の式もしくは表を参照して、膜厚もしくは必要なレーザ強度を演算する場合がある。
【0028】
X−Yステージ8上には被加工基板10が設置される。X−Yステージ8が、固定台9上を、X―Y方向に移動することにより、被加工基板10上のレーザビーム50が照射される位置が変化する。X−Yステージ8を一方向に連続的に移動させることにより、レーザビーム50が被加工基板10上に連続的に照射され、溝状に薄膜を除去することができる。X−Yステージ8の移動はステージ制御装置(図示なし)で制御される。
【0029】
照射部5と計測部6は、レーザビーム50が照射される位置の膜厚を、照射前に測定するように設置される。さらに、制御部7は、X−Yステージ8の移動を制御するステージ制御装置(図示なし)から移動速度を取得することができる。制御部7は、X−Yステージ8の移動速度と測定された膜厚を使用して、レーザビーム50が照射される位置に対応する膜厚に対して、レーザビーム50の強度を調整するように減衰器2に信号を送信する。
もしくは、制御部7は、測定した膜厚を、被加工基板10上の座標データとして記憶し、レーザビーム50がその座標上で膜を除去するときに、その膜厚を使用する。
【0030】
なお、少なくとも溝30の加工時には、レーザ1、減衰器2、ミラー3、レンズ4、照射部5、計測部6、制御器7は、固定台9に対して固定されている。
なお、被加工基板10とX−Yステージ8の間に設置される照射部5もしくは計測部6のいずれかは、X−Yステージ8が移動しても固定台9に対して固定されている必要がある。このため、X−Yステージ8には凹部分81が設けられ、凹部分81に照射部5もしくは計測部6が、固定台9に対して固定されるように設置される。
【0031】
図3に、薄膜を除去する概要が示される。図3(a)は、被加工基板10をY方向へ見た断面図、図3(b)は、被加工基板10をX方向へ見た断面図を示す。
被加工基板10として、透明基板11上に第一電極膜12が形成され、所定の加工がされた後、光発電膜13が形成される薄膜型太陽電池の例が示される。
透明電基板11は、ガラス基板に例示される。第一電極膜12は、概ね透明のSnO2に例示される。光発電膜13は、アモルファスシリコンの積層膜に例示される。
【0032】
基板上に複数のセルを配置して直列に接続するために、光発電膜13は複数の範囲に分割される。このとき、光発電膜13の一部は溝30状に除去される。但し、この溝30の位置では、第一電極膜12は除去されない。
溝30を加工するために使用されるレーザビーム50の強さは、光発電膜13を完全に除去し、第一電極膜12にできるだけ影響を与えない強さに調整されることが好ましい。
【0033】
このため、溝30が加工される前に、溝30が加工される位置で、照射部5と計測部6が光発電膜13の厚さを測定する。本例では、照射部5は可視光を被加工基板10に照射し、計測部6が被加工基板10を透過したその可視光の強さを測定する。透明基板11と第一電極膜12は概ね透明なため、透過時の可視光の減衰はほとんど無視できるが、光発電膜13は半透明なため、膜の厚さに相関して透過する可視光が減衰する。このため、透過した可視光の強さを測定することにより光発電膜13の厚さを算出することができる。
【0034】
なお、照射部5の照射する可視光の強さと、光発電膜13の厚さに対する減衰の関係は、測定前に、ブランク試験および既知の膜厚の薄膜での試験を行いキャリブレートされる場合がある。
【0035】
被加工基板10がX−Yステージ8上に設置され、X方向に移動する場合、照射部5と計測部6が、レーザ50が照射される位置の−X方向に既知の距離だけ離れた箇所を測定するように設置される。
【0036】
なお、照射部5と計測部6は、X−Yステージ8の移動計画もしくは溝加工計画に基づきレーザ加工される位置を事前に測定するように移動することができる機構、もしくはレーザビーム照射位置を中心に回転してレーザ加工前の位置に移動することができる機構を備えて設置される場合がある。
【0037】
もしくは、レーザ加工を行う前に、被加工基板10上の溝30を加工する位置の薄膜の厚さを測定して、制御部7がその膜厚のデータを座標と関連付けて記憶し、そのデータを使用してレーザ50の強さを調整しながら加工することもできる。
【0038】
なお、照射部5から照射されるのは可視光に限定されない。測定される薄膜の材質と、透過するが測定されない基板や他の膜の材質により、好適な波長の電磁波が使用される場合がある。具体的には、透過するが測定されない基板や他の膜の材質ではできるだけ減衰せず、もしくは無視できる範囲で減衰し、測定される薄膜の材質では検出可能な範囲で減衰する波長が選択されることが好ましい。
【0039】
次に、本発明の薄膜加工装置の動作が説明される。
薄膜13が形成された被加工基板10が、X−Yステージ8に設置される。薄膜の溝30を加工するパターンに合わせて、X−Yステージ8の移動方法およびレーザビーム50の照射タイミングが、X−Yステージ制御装置(図示なし)とレーザ1にプログラムされる。照射部5が、電磁波(ここでは可視光線)を照射し、計測部6が被加工基板10を透過した電磁波を測定する。制御部7が、計測部6で測定した電磁波のデータから、薄膜の除去に必要なレーザビーム50の強さを算出する。制御部7は、レーザビーム50で膜厚が測定された位置を加工する時に合わせて、必要なレーザビーム50の強さを含む信号を減衰器2に送信する。制御部7から必要なレーザビーム50の強さを含む信号を減衰器2に送信するタイミングは、測定箇所と加工箇所の移動による時間差や座標データにより決定される場合がある。
減衰器2は、制御部7から信号を受信して、レーザ1から照射されるレーザビーム50を所定の強さに減衰する。減衰器2で減衰されたレーザビーム50はミラー3で方向が変更され、レンズ4で収束されて所望の薄膜13に照射される。
【0040】
上記のように、除去する膜の膜厚を測定して、自動的にレーザビーム50の強さが調整されることにより、好適なレーザビーム50の強さで所定の薄膜を除去することができる。
このため、除去する薄膜の厚さにばらつきがあっても、レーザビーム50は、自動的に好適な強さに調整される。
さらに、膜厚の薄い部分ではビーム強度が過大となることを防ぐことができる。このことにより、下地膜まで熱影響がおよび後の工程で溝加工部に付着される他の膜の密着度が悪くなることを低減ことができる。さらに、加工残渣が溝断面に付着し、絶縁抵抗が低下することを低減することができる。もしくは、加工残渣が溝周囲に付着し、後の工程で溝加工部に付着される他の膜の密着度が悪くなることを低減することができる。
【0041】
(実施の形態2)
図4、図5を参照して実施の形態2の薄膜加工装置の例が示される。
実施の形態2の薄膜加工装置は、実施の形態1の変形例である。このため、本実施の形態2では、実施の形態1で説明された部分と同じ部分は、同じ記号が付され説明は省略される。
本実施の形態2では、照射部5と計測部6’が、被加工基板10に対して同じ側に設置される。
照射部5から照射された電磁波が、測定目的の薄膜を透過し、他の膜もしくはX−Yステージ8’の表面で反射され、再度、測定目的の薄膜を透過して、計測部6’で測定される。照射部5と計測部6’が、被加工基板10に対して同じ側に設置されることで、X−Yステージ8’と被加工基板10’の間に照射部5もしくは計測部6’を設置する必要がない。このため、X−Yステージ8’の移動に対して、照射部5もしくは計測部6を固定するための機構が単純化できる。
【0042】
薄膜加工装置は、レーザ1、減衰器2、ミラー3、レンズ4、照射部5、計測部6’、制御器7、X−Yステージ8’、固定台9、ハーフミラー20を具備する。
被加工基板10’は、薄膜が形成されている基板で加工の対象である。被加工基板10’は、X−Yステージ8’上に固定される。X−Yステージ8’は固定台9上に設置される。被加工基板10’に膜が形成された後に、膜を複数の範囲に分離するため、その膜が溝状に除去される。
【0043】
本実施の形態2では、照射部5と計測部6’が、被加工基板10’の上方に設置される。照射部5と被加工基板10’の間には、ハーフミラー20が、所定の角度を有して設置される。
【0044】
照射部5から照射された電磁波は、ハーフミラー20を透過して被加工基板10’に照射される。照射された電磁波は、被加工基板10の膜厚を測定する膜を透過し、他の膜もしくはX−Yステージ8’で反射され、再度、膜厚を測定する膜を透過して、ハーフミラー20に到達する。この電磁波は、ハーフミラー20で、計測器6’の方向に反射される。膜厚を測定する膜を透過する電磁波は、膜厚に相関して減衰する。
計測器6’は、ハーフミラー20で反射された電磁波の強さを測定することで、膜厚を測定することができる。
【0045】
図5に、薄膜を除去する概要が示される。図5(a)は、被加工基板10’をY方向へ見た断面図、図5(b)は、被加工基板10’をX方向へ見た断面図を示す。
図5では、被加工基板10’として、透明基板11上に第一電極膜12が形成されて溝加工がされ、さらに、光発電膜13が形成されて溝加工がされ、その後に、第二電極膜14が形成された例が示される。
透明電極膜11は、ガラス基板に例示される。第一電極膜12は、概ね透明のSnO2に例示される。光発電膜13は、アモルファスシリコンの積層膜に例示される。第二電極膜14は、銀に例示される。
本実施の形態では、被加工基板10’が、透明基板11を上にして、X―Yステージ8’に設置される。
【0046】
照射部5から照射される電磁波は可視光である。照射部5から照射された電磁波は、ハーフミラー20を透過して、透明基板11と第一電極膜12を透過する。さらに、可視光は、光発電膜13を透過する。光発電膜13を透過した可視光は、可視光を反射する第二電極膜14で反射される。この反射された可視光は、再度、光発電膜13、第一電極膜12、透明基板11を透過して、ハーフミラー20に達する。ハーフミラー20に達した可視光は、計測器6’方向に反射され、計測器6’で測定される。
透明基板11と第一電極膜12は概ね透明のため、透過時に可視光はほとんど減衰しないが、可視光は半透明の光発電膜13の透過時に減衰する。
計測器6’は受信した可視光の強さから、光発電膜13の膜厚を算出することができる。光発電膜13の膜厚さは、制御器7が算出しても良い。
レーザビーム50は、計測された光発電膜13の膜厚さに合わせて調整され、光発電膜13に照射される。光発電膜13はレーザビーム50により第二電極14と合わせて除去され、溝32が形成される。
【0047】
このように、使用する電磁波を透過しない他の膜(ここでは第二電極膜14)が形成されていても、他の膜が電磁波を反射すれば、所望の薄膜の膜厚を測定することができる。さらに、照射部5と計測部6’が、被加工基板10’に対して同じ方向に設置されることは構造を簡単にするために好ましい。
【0048】
さらに、図6に、この薄膜加工装置を使用して、別の形態の被加工基板10が加工される例が示される。図6の被加工基板10は、実施の形態1で説明された被加工基板10と同様で、透明基板11の上に、第一電極膜12と光発電膜13が形成されている。この光発電膜13に、レーザービーム50により溝30が加工される。
【0049】
被加工基板10は、X−Yステージ8’上に光発電膜13を上方に向けて設置される。
照射部5から照射される電磁波は可視光である。照射部5から照射された電磁波は、ハーフミラー20を透過して、光発電膜13、第一電極膜12、透明基板11とを透過する。光発電膜13を透過した可視光は、X―Yステージ8’上で反射される。
この場合、X―Yステージ8’上面は各位置で概ね均等に可視光を反射するように製作されている。具体的には、X―Yステージ8’の上面は鏡面状に加工されている。
この反射された可視光は、再度、透明基板11、第一電極膜12、光発電膜13、を透過して、ハーフミラー20に達する。ハーフミラー20に達した可視光は、計測器6’方向に反射され、計測器6’で測定される。
透明基板11と第一電極膜12は概ね透明のため、可視光はほとんど減衰しないが、半透明の光発電膜13の透過時には減衰する。可視光の光発電膜13での減衰は、光発電膜13の膜厚に相関がある。
このため、計測器6’は受信した可視光の強さから、光発電膜13の膜厚を算出することができる。光発電膜13の膜厚さは、制御器7が算出しても良い。
更に図6に示される例では、被加工基板10’とX―Yステージ8’の間に、照射部5または計測部6’を設置しないので、X―Yステージ8’に凹部81を設ける必要がない。
【0050】
測定された光発電膜13の膜厚さに合わせて、レーザビーム50の強さが調整され、光発電膜13に照射される。
【0051】
このように、被加工基板10の形態に合わせて、所望の薄膜の膜厚を測定して、加工することができる。
【0052】
(実施の形態3)
図7に、実施の形態1で説明された薄膜加工装置の変形例が示される。
実施の形態1で説明された部分は、同じ記号が付され、説明は省略される。
X―Yステージ8上に設置された被加工基板10には、一方向に平行に数本の溝30が加工される場合がある。このため、レーザ照射位置を固定し、X−Yステージ8が、Y方向の位置を所定の間隔でずらしてX方向に往復運動を行う。このX方向の往復の運動において、両方向の運動時にレーザ加工が行われることが、X−Yステージ8の動きを少なくし、加工時間を短縮するために好ましい。
このため、本実施例では、照射部5aと計測部6aの組と、照射部5bと計測部6bの組が、レーザ照射位置に対して、X方向の線上の両側に設置される。
照射部5aと計測部6aの組と、照射部5bと計測部6bの組は、X−Yステージ8の移動方向に合わせて、選択して使用される。
【0053】
なお、照射部5aと計測部6aの組と、照射部5bと計測部6bの組は、実施の形態2で説明されたように、被加工基板10に対して同一方向に設置され、反射した可視光を測定する方式でも良い。
【0054】
照射部5aと計測部6aの組と、照射部5bと計測部6bの組が、設置されることにより、X方向の往復運動において両方向の移動時に、測定および加工を行うことができる。
【0055】
(実施の形態4)
図8に、実施の形態1で説明された薄膜加工装置の更に別の変形例が示される。
実施の形態1で説明された部分は、同じ記号が付され、説明は省略される。
本実施の形態4では、X−Yステージ8’’の上面の、被加工基板10が設置される範囲の全体もしくは所定の部分の範囲から概ね均一に電磁波が照射されるように照射部5Cが設置される。照射部5CはX−Yステージ8’’の上面に固定される。計測部6Cは、照射部5Cから照射された電磁波を測定する。
本例で照射部5Cは、可視光を照射する。被加工基板10の光発電膜13を透過した可視光は、計測部6Cで測定され、光発電膜13の膜厚が測定される。
【0056】
本実施の形態4では、被加工基板10とX−Yステージ8’’の間に設置される照射部5Cが、X−Yステージ8’’と一体に設置されて移動することができ、構造が簡単になる。
【0057】
【発明の効果】
本発明の薄膜加工装置は、除去する部分の膜の膜厚に合わせてレーザビームの強度を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、薄膜加工装置の断面の概要を示す。
【図2】図2は、薄膜加工装置の斜視図の概要を示す。
【図3】図3(a)は、被加工基板をY方向へ見た断面図、図3(b)は、被加工基板をX方向へ見た断面図を示す。
【図4】図4は、他の形態の薄膜加工装置の断面の概要を示す。
【図5】図5(a)は、他の形態の被加工基板をY方向へ見た断面図、図5(b)は、他の形態の被加工基板をX方向へ見た断面図を示す。
【図6】図6(a)は、更に他の形態の被加工基板をY方向へ見た断面図、図6(b)は、更に他の形態の被加工基板をX方向へ見た断面図を示す。
【図7】図7は、更に他の形態の薄膜加工装置の断面の概要を示す。
【図8】図8は、更に別の形態の薄膜加工装置の断面の概要を示す。
【符号の説明】
1 レーザ
2 減衰器
3 ミラー
4 レンズ
5 照射部
6 計測部
7 制御部
8 X−Yステージ
9 固定台
10 被加工基板
11 透明基板
12 第一電極膜(SnO2)
13 光発電膜
14 第二電極膜
20 ハーフミラー
30 溝
50 レーザービーム
【発明の属する技術分野】
本発明は、成膜された薄膜層を加工する薄膜加工装置および加工方法に関し、特に薄膜型太陽電池の薄膜を加工する薄膜加工装置および加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
透明基板に複数の膜を形成して作成される薄膜太陽電池が使用されている。
薄膜太陽電池の製作において、ガラスなどの透明基板にCVD法やスパッタ法等により、第一電極膜、光発電膜、第二電極膜が形成される。
第一電極膜は、SnO2に代表される概ね透明な導電性の物質で形成され、光を所定の割合で透過する。
光発電膜は、アモルファスシリコンに代表される光変換素子で形成され、光を受けることにより電荷を発生する。
第二電極膜は、Agに代表される導体である。
光は透明基板、第一電極膜を透過して光発電膜に達する。光が当たることにより光発電膜を形成する光変換素子で発生した電荷が、第一電極膜および第二電極膜を通って電流となる。
【0003】
第一電極膜、光発電膜および第二電極膜は、各膜が形成された後にレーザビームで部分的に除去され、第一電極膜、光発電膜、第二電極膜を含む複数の電池が、直列に配置されるように形成される。
レーザを使用して複数のセルを形成する方法が、特開昭57−12568号公報(特許文献1)に記載されている。
【0004】
レーザビームで各膜を部分的に除去する工程において、特定の膜が複数の部分に分離されるように、その膜が溝状に除去される場合がある。具体的には、透明基板上に第一電極膜が形成された後、第一電極が複数の領域に分離されるように、第一電極の一部が溝状に除去される。さらに、その上に光発電膜が形成され、光発電膜のみを複数に分離するように、光発電膜のみが溝状に除去される。さらに、その上に第二電極が形成され、第二電極のみ、もしくは、第二電極と光発電膜が溝状に除去される。
【0005】
従来、このような溝を形成する場合、レーザの照射ビームの強度は、除去する膜に対して一定で行われている。
所定の膜を除去して連続した溝を形成する場合、必要なレーザビーム強度は膜厚に相関がある。すなわち、膜を除去する場合、ある単位面積当たりに所定のエネルギー密度でレーザビームを照射する必要がある。この時、必要なエネルギー密度は概ね膜厚に比例する。さらに、レーザビーム径が一定の場合、エネルギー密度は、レーザビーム強度に比例する。
このため、理論的には除去する膜の膜厚に相関して、必要なビーム強度は変化する。
【0006】
実際には、基板上に形成される膜は、厚さにばらつきが生じる場合がある。
膜厚にばらつきがある場合に、所定の膜を部分的に除去して、複数の範囲を電気的に分離するために、その膜の最も厚い膜厚に合わせてビーム強度が設定される場合がある。
このため、膜厚の薄い部分ではレーザビーム強度が過大となる場合がある。このため除去する膜の下の下地膜まで熱影響がおよび、後の工程で溝加工部に付着される他の膜の密着度が悪くなる場合がある。または、加工残渣が溝断面に付着し、絶縁抵抗が低下する場合がある。もしくは、加工残渣が溝周囲に付着し、後の工程で溝加工部に付着される他の膜の密着度が悪くなる場合がある。
このため、レーザビームの強度は、除去する部分の膜の膜厚に合わせて、好適に調整されることが好ましい。
【0007】
【特許文献1】
特開昭57−12568号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、膜を除去する部分の膜厚に合わせてレーザビームの強度を調整することができる薄膜加工装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用する番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0010】
本発明の薄膜加工装置は、基板(10)上に形成された膜(13)の厚さを測定する膜厚測定部と、膜(13)の一部を除去するレーザビーム(50)を出力するレーザ(1)と、膜厚測定部で測定された膜(13)の厚さに基き、レーザビーム(50)の強さを調整するレーザ調整部(2、7)と、を具備する。
膜厚測定部は、膜に電磁波を照射する照射部(5)と、膜(13)を透過した電磁波を計測する計測部(6)とを具備する。
膜厚測定部により除去する部分の膜厚を測定して、レーザビーム(5)の強度を好適に調整することができる。
【0011】
上記基板(10)は透明基板(11)を含み、上記膜(13)は、アモルファスシリコンを含む。
本発明の薄膜加工装置は、薄膜型太陽電池の膜の加工に、好適に使用される。
【0012】
本発明の薄膜加工装置の使用する電磁波は可視光であり、照射部(5)はLEDを用いて可視光を膜(13)に照射する。
計測部(6)は、膜(13)を透過した可視光の強さを測定して可視光の強さに基づき膜(13)の厚さを検出する。
透明基板(11)上に形成されたアモルファスシリコンを含む半透明の膜を測定するために、可視光が使用される場合がある。半透明の膜で減衰された可視光を測定することにより膜厚を測定することができる。
【0013】
本発明の薄膜加工装置において、照射部(5)と計測部(6)は、基板(10)を挟んで配置される。
【0014】
本発明の薄膜加工装置は、さらに、基板(10)が設置され、レーザービーム(50)が照射される基板(10)上の位置を変更するために移動する移動台(8)を具備する。
移動台(8)は、基板(10)との間に空間を空けるために凹部分(81)を有する。照射部(5)と計測部(6)の何れかは、凹部分(81)に、移動台(8)が移動してもレーザビームの照射位置に対して移動しないように設置される。
【0015】
本発明の薄膜加工装置は、さらに、基板(10)が設置される台(8)を具備する。
照射部(5C)は、台(8)上に基板(10)が設置される範囲の全体もしくは部分から電磁波が照射されるように設置される。
【0016】
本発明の薄膜加工装置は、さらに、基板(10)が設置される台(8)を備える。
照射部(5)と計測部(6’)は、基板(10)に対して同じ側に配置される。
計測部(6’)は、膜(13)を透過した電磁波が他の層(14)もしくは台(8’)で反射されさらに膜(13)を透過した電磁波が測定されるように配置される。
【0017】
本発明の薄膜加工装置は、さらに、ハーフミラー(20)と、基板(10)が設置される台(8’)とを備える。
ハーフミラー(20)は、照射部(5)と基板(10)の間に設置され、照射部(5)から照射される可視光を透過し、特定の他の膜(14)もしくは台(8’)で反射された基板(10)方向からの可視光を計測器(6’)の方向に反射する。
照射部(5)と計測部(6’)は、基板(10)に対して同じ側に配置され、照射部(5)から照射された可視光は、膜(13)を透過し、他の膜(14)もしくは台(8’)で反射され、さらに膜(13)を透過し、ハーフミラー(20)で反射されて計測部(6’)で測定される。
【0018】
本発明の薄膜型太陽電池の製造装置は、透明基板(11)上に、透明な第一電極膜(12)、半透明の光発電膜(13)が形成される太陽電池基板の製造装置であって、光発電膜(13)の厚さを測定する膜厚測定部と、光発電膜(13)の一部を除去するレーザビーム(50)を出力するレーザ(1)と、膜厚測定部で測定された光発電膜(13)の厚さに基き、レーザビーム(50)の強さを調整するレーザ調整部(2、7)と、を具備する。
膜厚測定部は、光発電膜(13)に可視光を照射する照射部(5)と、光発電膜(13)を透過した可視光を計測する計測部(6)とを具備する。
【0019】
本発明の薄膜型太陽電池の製造装置は、さらに、光発電膜(13)上に不透明の第二電極膜(14)が形成される太陽電池基板の製造装置であって、照射部(5)が照射した可視光は、透明基板(11)、第一電極膜(12)、および光発電膜(13)を透過し、第二電極膜(14)で反射され、さらに光発電膜(13)、第一電極膜(12)、および透明基板(11)を透過して計測部(6)で計測される。
【0020】
本発明の薄膜加工方法は以下のステップを含む。
電磁波を基板(10)上に形成された膜(13)に照射するステップ。
膜(13)を透過した電磁波の強さを測定するステップ。
電磁波の強さから膜(13)の厚さを算出するステップ。
膜(13)の一部を除去するレーザービーム(50)の強さを、膜(13)の厚さに基き調整するステップ。
レーザービーム(50)により膜(13)の一部を除去するステップ。
【0021】
本発明の薄膜加工方法における上記基板(10)は透明基板を含み、電磁波は、可視光である。
【0022】
【発明の実施の形態】
添付図面を参照して、本発明による薄膜加工装置の実施の形態を以下に説明する。
(実施の形態1)
図1、図2に本発明の薄膜加工装置の一つの形態の概要が示される。
図1は、薄膜加工装置の断面の概要を示す。図2は、薄膜加工装置の斜視図の概要を示す。
本発明の薄膜加工装置は、レーザビームで基板上に形成された薄膜を溝状に除去するために使用される。さらに、本発明の薄膜加工装置は、除去する膜の厚さを、レーザビームが照射される前に測定し、レーザビームの強度を調整することができる。膜の厚さは、電磁波(本例では可視光)の透過度により測定される。
【0023】
薄膜加工装置は、レーザ1、減衰器2、ミラー3、レンズ4、照射部5、計測部6、制御器7、X−Yステージ8、固定台9を具備する。
被加工基板10は、薄膜が形成されている基板で加工の対象である。被加工基板10は、X−Yステージ8上に固定される。X−Yステージ8は固定台9上に設置される。被加工基板10に膜が形成された後に、膜を複数の範囲に分離するため、その膜が溝状に除去される。図2に示されるように、溝30は、被加工基板10の一の辺に対して平行に複数本が加工される場合がある。
【0024】
レーザ1は、被加工基板10に形成されている薄膜を除去するためのレーザビーム50を出力する。
減衰器2は、レーザ1から出力されたレーザビーム50の強さを、制御器7から受信する信号に基づいて調整する。
ミラー3は、レーザビーム50の方向を変更するために使用される場合がある。
レンズ4は、レーザビーム50を所定の位置に収束させるために使用される凸レンズである。レンズ4から照射する薄膜までの距離が調整される場合がある。
【0025】
照射部5は、被加工基板10の溝30を加工する部分に電磁波を照射する。電磁波は可視光の場合がある。照射部5は、LEDにより可視光を照射する場合がある。
計測部6は、照射部5から照射され、被加工基板10を透過した電磁波の強さを測定する。電磁波は、膜厚を測定する薄膜を透過するときに一部が減衰する。減衰量は、薄膜の厚さに相関があるため、被加工基板10を透過した電磁波の強さ、もしくは減衰量を測定することにより薄膜の厚さを測定することができる。
具体的には、被加工基板10として、透明基板上に第一電極膜(SnO2)とアモルファスシリコンの光発電膜が形成されている被加工基板10の場合がある。照射部5から照射される可視光は、透明基板と第一電極膜(SnO2)ではほとんど減衰せずに透過し、アモルファスシリコンの光発電膜を透過するときに減衰する。このため、透過した可視光の強さ(明かるさ)を測定することにより、光発電膜の膜厚を測定することができる。測定方法の詳細については後述される。
なお、図2では、照射部5が被加工基板10の上方に、計測部6が被加工基板10の下方に設けられている例が示されているが、照射部5と計測部6の上下関係は逆でもよい。
【0026】
さらに、計測部6は、被加工基板10から離して設置される場合がある。この場合、計測部6と被加工基板10の間の空気による電磁波の減衰は無視できる位置の範囲に、計測部6が設置される。
【0027】
制御器7は、測定部6が測定した電磁波の強さに基づいて、レーザビーム50の強さを変更するように、減衰器2に信号を送信する。制御器7は、演算装置を具備するコンピュータに例示される。制御器7は、測定部6が測定した電磁波の強さと膜厚の関係を式または表で記憶している場合がある。制御器7は、その関係の式もしくは表を参照して、膜厚もしくは必要なレーザ強度を演算する場合がある。
【0028】
X−Yステージ8上には被加工基板10が設置される。X−Yステージ8が、固定台9上を、X―Y方向に移動することにより、被加工基板10上のレーザビーム50が照射される位置が変化する。X−Yステージ8を一方向に連続的に移動させることにより、レーザビーム50が被加工基板10上に連続的に照射され、溝状に薄膜を除去することができる。X−Yステージ8の移動はステージ制御装置(図示なし)で制御される。
【0029】
照射部5と計測部6は、レーザビーム50が照射される位置の膜厚を、照射前に測定するように設置される。さらに、制御部7は、X−Yステージ8の移動を制御するステージ制御装置(図示なし)から移動速度を取得することができる。制御部7は、X−Yステージ8の移動速度と測定された膜厚を使用して、レーザビーム50が照射される位置に対応する膜厚に対して、レーザビーム50の強度を調整するように減衰器2に信号を送信する。
もしくは、制御部7は、測定した膜厚を、被加工基板10上の座標データとして記憶し、レーザビーム50がその座標上で膜を除去するときに、その膜厚を使用する。
【0030】
なお、少なくとも溝30の加工時には、レーザ1、減衰器2、ミラー3、レンズ4、照射部5、計測部6、制御器7は、固定台9に対して固定されている。
なお、被加工基板10とX−Yステージ8の間に設置される照射部5もしくは計測部6のいずれかは、X−Yステージ8が移動しても固定台9に対して固定されている必要がある。このため、X−Yステージ8には凹部分81が設けられ、凹部分81に照射部5もしくは計測部6が、固定台9に対して固定されるように設置される。
【0031】
図3に、薄膜を除去する概要が示される。図3(a)は、被加工基板10をY方向へ見た断面図、図3(b)は、被加工基板10をX方向へ見た断面図を示す。
被加工基板10として、透明基板11上に第一電極膜12が形成され、所定の加工がされた後、光発電膜13が形成される薄膜型太陽電池の例が示される。
透明電基板11は、ガラス基板に例示される。第一電極膜12は、概ね透明のSnO2に例示される。光発電膜13は、アモルファスシリコンの積層膜に例示される。
【0032】
基板上に複数のセルを配置して直列に接続するために、光発電膜13は複数の範囲に分割される。このとき、光発電膜13の一部は溝30状に除去される。但し、この溝30の位置では、第一電極膜12は除去されない。
溝30を加工するために使用されるレーザビーム50の強さは、光発電膜13を完全に除去し、第一電極膜12にできるだけ影響を与えない強さに調整されることが好ましい。
【0033】
このため、溝30が加工される前に、溝30が加工される位置で、照射部5と計測部6が光発電膜13の厚さを測定する。本例では、照射部5は可視光を被加工基板10に照射し、計測部6が被加工基板10を透過したその可視光の強さを測定する。透明基板11と第一電極膜12は概ね透明なため、透過時の可視光の減衰はほとんど無視できるが、光発電膜13は半透明なため、膜の厚さに相関して透過する可視光が減衰する。このため、透過した可視光の強さを測定することにより光発電膜13の厚さを算出することができる。
【0034】
なお、照射部5の照射する可視光の強さと、光発電膜13の厚さに対する減衰の関係は、測定前に、ブランク試験および既知の膜厚の薄膜での試験を行いキャリブレートされる場合がある。
【0035】
被加工基板10がX−Yステージ8上に設置され、X方向に移動する場合、照射部5と計測部6が、レーザ50が照射される位置の−X方向に既知の距離だけ離れた箇所を測定するように設置される。
【0036】
なお、照射部5と計測部6は、X−Yステージ8の移動計画もしくは溝加工計画に基づきレーザ加工される位置を事前に測定するように移動することができる機構、もしくはレーザビーム照射位置を中心に回転してレーザ加工前の位置に移動することができる機構を備えて設置される場合がある。
【0037】
もしくは、レーザ加工を行う前に、被加工基板10上の溝30を加工する位置の薄膜の厚さを測定して、制御部7がその膜厚のデータを座標と関連付けて記憶し、そのデータを使用してレーザ50の強さを調整しながら加工することもできる。
【0038】
なお、照射部5から照射されるのは可視光に限定されない。測定される薄膜の材質と、透過するが測定されない基板や他の膜の材質により、好適な波長の電磁波が使用される場合がある。具体的には、透過するが測定されない基板や他の膜の材質ではできるだけ減衰せず、もしくは無視できる範囲で減衰し、測定される薄膜の材質では検出可能な範囲で減衰する波長が選択されることが好ましい。
【0039】
次に、本発明の薄膜加工装置の動作が説明される。
薄膜13が形成された被加工基板10が、X−Yステージ8に設置される。薄膜の溝30を加工するパターンに合わせて、X−Yステージ8の移動方法およびレーザビーム50の照射タイミングが、X−Yステージ制御装置(図示なし)とレーザ1にプログラムされる。照射部5が、電磁波(ここでは可視光線)を照射し、計測部6が被加工基板10を透過した電磁波を測定する。制御部7が、計測部6で測定した電磁波のデータから、薄膜の除去に必要なレーザビーム50の強さを算出する。制御部7は、レーザビーム50で膜厚が測定された位置を加工する時に合わせて、必要なレーザビーム50の強さを含む信号を減衰器2に送信する。制御部7から必要なレーザビーム50の強さを含む信号を減衰器2に送信するタイミングは、測定箇所と加工箇所の移動による時間差や座標データにより決定される場合がある。
減衰器2は、制御部7から信号を受信して、レーザ1から照射されるレーザビーム50を所定の強さに減衰する。減衰器2で減衰されたレーザビーム50はミラー3で方向が変更され、レンズ4で収束されて所望の薄膜13に照射される。
【0040】
上記のように、除去する膜の膜厚を測定して、自動的にレーザビーム50の強さが調整されることにより、好適なレーザビーム50の強さで所定の薄膜を除去することができる。
このため、除去する薄膜の厚さにばらつきがあっても、レーザビーム50は、自動的に好適な強さに調整される。
さらに、膜厚の薄い部分ではビーム強度が過大となることを防ぐことができる。このことにより、下地膜まで熱影響がおよび後の工程で溝加工部に付着される他の膜の密着度が悪くなることを低減ことができる。さらに、加工残渣が溝断面に付着し、絶縁抵抗が低下することを低減することができる。もしくは、加工残渣が溝周囲に付着し、後の工程で溝加工部に付着される他の膜の密着度が悪くなることを低減することができる。
【0041】
(実施の形態2)
図4、図5を参照して実施の形態2の薄膜加工装置の例が示される。
実施の形態2の薄膜加工装置は、実施の形態1の変形例である。このため、本実施の形態2では、実施の形態1で説明された部分と同じ部分は、同じ記号が付され説明は省略される。
本実施の形態2では、照射部5と計測部6’が、被加工基板10に対して同じ側に設置される。
照射部5から照射された電磁波が、測定目的の薄膜を透過し、他の膜もしくはX−Yステージ8’の表面で反射され、再度、測定目的の薄膜を透過して、計測部6’で測定される。照射部5と計測部6’が、被加工基板10に対して同じ側に設置されることで、X−Yステージ8’と被加工基板10’の間に照射部5もしくは計測部6’を設置する必要がない。このため、X−Yステージ8’の移動に対して、照射部5もしくは計測部6を固定するための機構が単純化できる。
【0042】
薄膜加工装置は、レーザ1、減衰器2、ミラー3、レンズ4、照射部5、計測部6’、制御器7、X−Yステージ8’、固定台9、ハーフミラー20を具備する。
被加工基板10’は、薄膜が形成されている基板で加工の対象である。被加工基板10’は、X−Yステージ8’上に固定される。X−Yステージ8’は固定台9上に設置される。被加工基板10’に膜が形成された後に、膜を複数の範囲に分離するため、その膜が溝状に除去される。
【0043】
本実施の形態2では、照射部5と計測部6’が、被加工基板10’の上方に設置される。照射部5と被加工基板10’の間には、ハーフミラー20が、所定の角度を有して設置される。
【0044】
照射部5から照射された電磁波は、ハーフミラー20を透過して被加工基板10’に照射される。照射された電磁波は、被加工基板10の膜厚を測定する膜を透過し、他の膜もしくはX−Yステージ8’で反射され、再度、膜厚を測定する膜を透過して、ハーフミラー20に到達する。この電磁波は、ハーフミラー20で、計測器6’の方向に反射される。膜厚を測定する膜を透過する電磁波は、膜厚に相関して減衰する。
計測器6’は、ハーフミラー20で反射された電磁波の強さを測定することで、膜厚を測定することができる。
【0045】
図5に、薄膜を除去する概要が示される。図5(a)は、被加工基板10’をY方向へ見た断面図、図5(b)は、被加工基板10’をX方向へ見た断面図を示す。
図5では、被加工基板10’として、透明基板11上に第一電極膜12が形成されて溝加工がされ、さらに、光発電膜13が形成されて溝加工がされ、その後に、第二電極膜14が形成された例が示される。
透明電極膜11は、ガラス基板に例示される。第一電極膜12は、概ね透明のSnO2に例示される。光発電膜13は、アモルファスシリコンの積層膜に例示される。第二電極膜14は、銀に例示される。
本実施の形態では、被加工基板10’が、透明基板11を上にして、X―Yステージ8’に設置される。
【0046】
照射部5から照射される電磁波は可視光である。照射部5から照射された電磁波は、ハーフミラー20を透過して、透明基板11と第一電極膜12を透過する。さらに、可視光は、光発電膜13を透過する。光発電膜13を透過した可視光は、可視光を反射する第二電極膜14で反射される。この反射された可視光は、再度、光発電膜13、第一電極膜12、透明基板11を透過して、ハーフミラー20に達する。ハーフミラー20に達した可視光は、計測器6’方向に反射され、計測器6’で測定される。
透明基板11と第一電極膜12は概ね透明のため、透過時に可視光はほとんど減衰しないが、可視光は半透明の光発電膜13の透過時に減衰する。
計測器6’は受信した可視光の強さから、光発電膜13の膜厚を算出することができる。光発電膜13の膜厚さは、制御器7が算出しても良い。
レーザビーム50は、計測された光発電膜13の膜厚さに合わせて調整され、光発電膜13に照射される。光発電膜13はレーザビーム50により第二電極14と合わせて除去され、溝32が形成される。
【0047】
このように、使用する電磁波を透過しない他の膜(ここでは第二電極膜14)が形成されていても、他の膜が電磁波を反射すれば、所望の薄膜の膜厚を測定することができる。さらに、照射部5と計測部6’が、被加工基板10’に対して同じ方向に設置されることは構造を簡単にするために好ましい。
【0048】
さらに、図6に、この薄膜加工装置を使用して、別の形態の被加工基板10が加工される例が示される。図6の被加工基板10は、実施の形態1で説明された被加工基板10と同様で、透明基板11の上に、第一電極膜12と光発電膜13が形成されている。この光発電膜13に、レーザービーム50により溝30が加工される。
【0049】
被加工基板10は、X−Yステージ8’上に光発電膜13を上方に向けて設置される。
照射部5から照射される電磁波は可視光である。照射部5から照射された電磁波は、ハーフミラー20を透過して、光発電膜13、第一電極膜12、透明基板11とを透過する。光発電膜13を透過した可視光は、X―Yステージ8’上で反射される。
この場合、X―Yステージ8’上面は各位置で概ね均等に可視光を反射するように製作されている。具体的には、X―Yステージ8’の上面は鏡面状に加工されている。
この反射された可視光は、再度、透明基板11、第一電極膜12、光発電膜13、を透過して、ハーフミラー20に達する。ハーフミラー20に達した可視光は、計測器6’方向に反射され、計測器6’で測定される。
透明基板11と第一電極膜12は概ね透明のため、可視光はほとんど減衰しないが、半透明の光発電膜13の透過時には減衰する。可視光の光発電膜13での減衰は、光発電膜13の膜厚に相関がある。
このため、計測器6’は受信した可視光の強さから、光発電膜13の膜厚を算出することができる。光発電膜13の膜厚さは、制御器7が算出しても良い。
更に図6に示される例では、被加工基板10’とX―Yステージ8’の間に、照射部5または計測部6’を設置しないので、X―Yステージ8’に凹部81を設ける必要がない。
【0050】
測定された光発電膜13の膜厚さに合わせて、レーザビーム50の強さが調整され、光発電膜13に照射される。
【0051】
このように、被加工基板10の形態に合わせて、所望の薄膜の膜厚を測定して、加工することができる。
【0052】
(実施の形態3)
図7に、実施の形態1で説明された薄膜加工装置の変形例が示される。
実施の形態1で説明された部分は、同じ記号が付され、説明は省略される。
X―Yステージ8上に設置された被加工基板10には、一方向に平行に数本の溝30が加工される場合がある。このため、レーザ照射位置を固定し、X−Yステージ8が、Y方向の位置を所定の間隔でずらしてX方向に往復運動を行う。このX方向の往復の運動において、両方向の運動時にレーザ加工が行われることが、X−Yステージ8の動きを少なくし、加工時間を短縮するために好ましい。
このため、本実施例では、照射部5aと計測部6aの組と、照射部5bと計測部6bの組が、レーザ照射位置に対して、X方向の線上の両側に設置される。
照射部5aと計測部6aの組と、照射部5bと計測部6bの組は、X−Yステージ8の移動方向に合わせて、選択して使用される。
【0053】
なお、照射部5aと計測部6aの組と、照射部5bと計測部6bの組は、実施の形態2で説明されたように、被加工基板10に対して同一方向に設置され、反射した可視光を測定する方式でも良い。
【0054】
照射部5aと計測部6aの組と、照射部5bと計測部6bの組が、設置されることにより、X方向の往復運動において両方向の移動時に、測定および加工を行うことができる。
【0055】
(実施の形態4)
図8に、実施の形態1で説明された薄膜加工装置の更に別の変形例が示される。
実施の形態1で説明された部分は、同じ記号が付され、説明は省略される。
本実施の形態4では、X−Yステージ8’’の上面の、被加工基板10が設置される範囲の全体もしくは所定の部分の範囲から概ね均一に電磁波が照射されるように照射部5Cが設置される。照射部5CはX−Yステージ8’’の上面に固定される。計測部6Cは、照射部5Cから照射された電磁波を測定する。
本例で照射部5Cは、可視光を照射する。被加工基板10の光発電膜13を透過した可視光は、計測部6Cで測定され、光発電膜13の膜厚が測定される。
【0056】
本実施の形態4では、被加工基板10とX−Yステージ8’’の間に設置される照射部5Cが、X−Yステージ8’’と一体に設置されて移動することができ、構造が簡単になる。
【0057】
【発明の効果】
本発明の薄膜加工装置は、除去する部分の膜の膜厚に合わせてレーザビームの強度を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、薄膜加工装置の断面の概要を示す。
【図2】図2は、薄膜加工装置の斜視図の概要を示す。
【図3】図3(a)は、被加工基板をY方向へ見た断面図、図3(b)は、被加工基板をX方向へ見た断面図を示す。
【図4】図4は、他の形態の薄膜加工装置の断面の概要を示す。
【図5】図5(a)は、他の形態の被加工基板をY方向へ見た断面図、図5(b)は、他の形態の被加工基板をX方向へ見た断面図を示す。
【図6】図6(a)は、更に他の形態の被加工基板をY方向へ見た断面図、図6(b)は、更に他の形態の被加工基板をX方向へ見た断面図を示す。
【図7】図7は、更に他の形態の薄膜加工装置の断面の概要を示す。
【図8】図8は、更に別の形態の薄膜加工装置の断面の概要を示す。
【符号の説明】
1 レーザ
2 減衰器
3 ミラー
4 レンズ
5 照射部
6 計測部
7 制御部
8 X−Yステージ
9 固定台
10 被加工基板
11 透明基板
12 第一電極膜(SnO2)
13 光発電膜
14 第二電極膜
20 ハーフミラー
30 溝
50 レーザービーム
Claims (12)
- 基板上に形成された膜の厚さを測定する膜厚測定部と、
前記膜の一部を除去するレーザビームを出力するレーザと、
前記膜厚測定部で測定された前記膜の厚さに基き、前記レーザビームの強さを調整するレーザ調整部と、
を具備し、
前記膜厚測定部は、前記膜に電磁波を照射する照射部と、前記膜を透過した前記電磁波を計測する計測部とを具備する、
薄膜加工装置。 - 前記基板は透明基板を含み、
前記膜は、アモルファスシリコンを含む、
請求項1に記載された薄膜加工装置。 - 前記電磁波は可視光であり、
前記照射部はLEDを用いて前記可視光を前記膜に照射し、
前記計測部は、前記膜を透過した前記可視光の強さを測定して前記可視光の強さに基づき前記膜の厚さを検出する、
請求項1または2に記載された薄膜加工装置。 - 前記照射部と前記計測部は、前記基板を挟んで配置される、
請求項1〜3の何れかに記載された薄膜加工装置。 - さらに、前記基板が設置され、前記レーザービームが照射される前記基板上の位置を変更するために移動する移動台を具備し、
前記移動台は、前記基板との間に空間を空けるために凹部分を有し、
前記照射部と前記計測部の何れかは、前記凹部分に、前記移動台が移動しても前記レーザビームの照射位置に対して移動しないように設置される、
請求項4に記載された薄膜加工装置。 - さらに、前記基板が設置される台を具備し、
前記照射部は、前記台上に前記基板が設置される範囲の全体もしくは部分から前記電磁波が照射されるように設置される、
請求項1〜3の何れかに記載された薄膜加工装置。 - さらに、前記基板が設置される台と、
を備え、
前記照射部と前記計測部は、前記基板に対して同じ側に配置され、
前記計測部は、前記膜を透過した前記電磁波が他の層もしくは前記台で反射され、さらに前記膜を透過した前記電磁波を測定するように配置される、
請求項1〜3の何れかに記載された薄膜加工装置。 - さらに、ハーフミラーと
前記基板が設置される台と、
を備え、
前記ハーフミラーは、前記照射部と前記基板の間に設置され、前記照射部から照射される前記可視光を透過し、前記基板方向から入射される前記可視光を前記計測部の方向に反射し、
前記照射部と前記計測部は、前記基板に対して同じ側に配置され、
前記照射部から照射された前記可視光は、前記膜を透過し、他の膜もしくは前記台で反射され、さらに前記膜を透過し、前記ハーフミラーで反射されて前記計測部で測定される、
請求項3に記載された薄膜加工装置。 - 透明基板上に、透明な第一電極膜、半透明の光発電膜が形成される太陽電池基板の製造装置において、
前記光発電膜の厚さを測定する膜厚測定部と、
前記光発電膜の一部を除去するレーザビームを出力するレーザと、
前記膜厚測定部で測定された前記光発電膜の厚さに基き、前記レーザビームの強さを調整するレーザ調整部と、
を具備し、
前記膜厚測定部は、前記光発電膜に可視光を照射する照射部と、前記光発電膜を透過した前記可視光を計測する計測部とを具備する、
薄膜型太陽電池の製造装置。 - さらに、前記光発電膜上に不透明の第二電極膜が形成される太陽電池基板の製造装置において、
前記照射部が照射した前記可視光は、前記透明基板、前記第一電極膜および前記光発電膜を透過し、前記第二電極膜で反射され、さらに前記光発電膜、前記第一電極膜および前記透明基板を透過して前記計測部で計測される、
請求項9に記載された薄膜型太陽電池の製造装置。 - 電磁波を基板上に形成された膜に照射するステップと、
前記膜を透過した前記電磁波の強さを測定するステップと、
前記電磁波の強さから前記膜の厚さを算出するステップと、
前記膜の一部を除去するレーザービームの強さを、前記膜の厚さに基き調整するステップと、
前記レーザービームにより前記膜の一部を除去するステップと、
を含む、
薄膜加工方法。 - 前記基板は透明基板を含み、
前記電磁波は、可視光である、
請求項11に記載された薄膜加工方法。
Priority Applications (1)
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JP2003184577A JP2005019818A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 薄膜加工装置および加工方法 |
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2003
- 2003-06-27 JP JP2003184577A patent/JP2005019818A/ja not_active Withdrawn
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