JP2005019748A - ウエーハの熱処理用治具及び熱処理方法 - Google Patents

ウエーハの熱処理用治具及び熱処理方法 Download PDF

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武史 小林
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Abstract

【課題】ウエーハを特に1000℃以上となるような高温で熱処理する場合でも、キズやスリップの発生を効果的に抑制することができる熱処理用治具および熱処理方法を提供する。
【解決手段】ウエーハWを熱処理する際に該ウエーハを支持する熱処理用治具であって、少なくとも治具本体4aと支持部2aとを有し、前記治具本体が、熱処理時に変形しない硬質材料で構成されており、前記支持部の少なくともウエーハと接する面3aが、熱処理時に前記硬質材料よりも軟化する軟質材料、好ましくは、熱処理すべきウエーハと同じ材料、または、熱処理時に前記ウエーハよりも硬度が小さくなる材料で構成されていることを特徴とするウエーハの熱処理用治具1a。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウエーハ等のウエーハの熱処理用治具及び熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエーハ、例えばシリコンウエーハを用いてデバイスを作製する場合、ウエーハの加工プロセスから素子の形成プロセスまで多数の工程が介在し、その一つに熱処理工程がある。熱処理工程は、ウエーハの表層における無欠陥層の形成、ゲッタリング、結晶化、酸化膜形成、不純物拡散等を目的として行われる重要なプロセスである。
【0003】
このようなウエーハの熱処理工程、例えば、酸化や不純物拡散に用いられる拡散炉(酸化・拡散装置)としては、ウエーハの大口径化に伴い、図8に示すような多数のウエーハWを所定の間隔をあけて水平に支持した状態で熱処理を行う縦型の熱処理炉20が主に用いられている。熱処理炉20内のウエーハWは、反応室22の周囲に設けられたヒータ24によって加熱することができる。熱処理中は、反応室22にはガス導入管26を介してガスが導入され、上方から下方に向かって流れてガス排気管28から外部に排出される。なお、使用するガスは熱処理の目的によって異なるが、主としてH、N、O、Ar等が用いられる。不純物拡散の場合には、これらのガスを不純物化合物ガスのキャリアガスとしても使用する。
【0004】
このような縦型熱処理炉20を用いてウエーハWを熱処理する際には、多数のウエーハWを水平にセットするための縦型熱処理用ボート11(以下、「熱処理用ボート」、「縦型ボート」、或いは単に「ボート」という場合がある。)が用いられる。
図7(A)は一般的な熱処理用ボート11の概略を示している。4本の支柱(ロッド)14の両端部に一対の板材(端板、あるいは天板、底板とも言う)16a,16bが連結されている。各支柱14には多数のスリット(溝)15が形成され、各スリット15間の凸部がウエーハWの支持部12として作用する。そして、図7(B)に示されるように、ウエーハWの外周部が、各支柱14の支持部12によって支持されることになる。
【0005】
このような縦型ボート11におけるウエーハ支持部12は種々の形状が採用されており、例えば図6(A)に示されるように円柱形状の支柱14aに凹み状のスリット(溝)15aを設けて半円状の支持部12aを形成したもの、あるいは図6(B)に示されるようにウエーハの中心に近い箇所まで支持するために幅の広い角柱形状の支柱14bに凹み状のスリット15bを設けて長方形の支持部12bを形成したものがある。
他にも、スリット形状を円弧状にしたものや鉤型状にしたもの、さらに、各支持部の上面に段差を設けて直径の異なるウエーハを支持することができるボートも提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
縦型ボート11を用いてウエーハWを熱処理する際には、各支柱14の同じ高さに形成されている支持部12にウエーハWの外周部を載置することでウエーハWが水平に支持されることになる。しかし、ウエーハWの外周部を支持した場合、ウエーハWの自重により撓みが生じるとともに支持部12と接する部分に応力が集中し、スリップと呼ばれる結晶欠陥が発生するおそれがある。
【0007】
熱処理時のスリップの発生を防止する手段として、リング状又は皿状の治具を用いることが提案されている(例えば特許文献2参照)。特に大直径(例えば300mm以上)のウエーハを熱処理する場合、ウエーハの重量も大きくなるので支持される箇所に応力が集中してスリップが生じ易くなるが、各支柱の支持部上に例えば図5(A)に示すようなリング状のサセプタ37を載せ、これを介して図5(B)のようにウエーハWを支持する。サセプタ37とウエーハWとの接触面積が大きく、荷重等が分散されるため、スリップの発生が抑制されることになる。
なお、開口部(切り欠き部)38は、ウエーハWをサセプタ37上に移載する時に移載機が通過できるように設けられているものであるが、開口部38の無い完全なリング状のサセプタや、図4(A)(B)に示すような皿状のサセプタ36が使用される場合もある。
【0008】
また、熱処理装置に関しては、図8に示したような多数のウエーハをまとめて熱処理するいわゆるバッチ式の装置20のほか、図9に示すようにウエーハWを一枚ずつ処理する枚様式の熱処理装置40が使用される場合もある。このような枚葉式の熱処理装置40では、装置内に配置されたサセプタ41の上面にウエーハWを載置して熱処理が行われる。ウエーハを熱処理する際には、ランプ44等による加熱が行われるとともに、ガス導入管46からガスが導入され、反応室42内を通ってガス排気管48から外部に排出される。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−291166号公報
【特許文献2】
特開平6−260438号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
例えばシリコンウエーハを熱処理する場合、いずれのタイプの熱処理装置を使用するにせよウエーハの金属汚染を防ぐため、熱処理用ボートやサセプタ等の熱処理用治具は、一般的に、石英、単結晶シリコン、多結晶シリコン、炭化ケイ素等の材料で構成されたものが用いられる。また、熱処理の際のウエーハのキズやスリップの発生を防ぐため、ウエーハと接する面(支持面あるいは接触面)は、エッチング、研磨等により平滑化されている。
【0011】
ところが、例えば、縦型熱処理炉内で熱処理を行う場合、熱処理用ボートを用いてウエーハの外周部を支持してもウエーハを完全に水平に支持することは困難である。そのため、支持部の接触面が滑らかに加工されていても実質的に点支持となって応力集中が起き易く、結果的にスリップの発生を招いてしまう場合がある。
【0012】
また、リング状や皿状のサセプタ等、ウエーハの広いエリアを支持する熱処理用治具でも、支持面全体で水平度を出す加工は非常に困難であり、実質的に点支持となることが多い。このため、ウエーハに対し、特に1000℃以上の高温で熱処理を行うと、支持部分を起点としてウエーハにキズやスリップが発生するおそれがある。
【0013】
このようなスリップ等の欠陥は、ウエーハの材料特性の低下、ひいてはデバイスプロセスにおける歩留まり低下の要因となるため、特に1000℃以上となる高温熱処理を行う場合でもウエーハにキズやスリップを発生させないことが望ましい。
【0014】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、ウエーハを特に1000℃以上となるような高温で熱処理する場合でも、キズやスリップの発生を効果的に抑制することができる熱処理用治具および熱処理方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明によれば、ウエーハを熱処理する際に該ウエーハを支持する熱処理用治具であって、少なくとも治具本体と支持部とを有し、前記治具本体が、熱処理時に変形しない硬質材料で構成されており、前記支持部の少なくともウエーハと接する面が、熱処理時に前記硬質材料よりも軟化する軟質材料で構成されていることを特徴とするウエーハの熱処理用治具が提供される(請求項1)。
【0016】
このように、治具本体が熱処理時に変形しない硬質材料で構成されている一方、支持部の少なくともウエーハと接する面が熱処理時に本体の硬質材料よりも軟化する軟質材料で構成されていれば、例えば1000℃以上となるような高温熱処理でも、治具本体は変形せずに安定した状態を保ち、一方、支持面(接触面)は軟化して面接触に近い状態でウエーハをソフトに支持するものとなる。従って、ウエーハを熱処理する際、このような熱処理用治具でウエーハを支持することで、キズやスリップの発生を効果的に抑制することができる。
【0017】
この場合、ウエーハを支持する面を構成する軟質材料は、熱処理すべきウエーハと同じ材料、または、熱処理時にウエーハよりも硬度が小さくなる材料であることが好ましく(請求項2)、例えば、シリコンまたは石英とすれば(請求項3)、特にシリコンウエーハに対するキズやスリップの発生をより効果的に防ぐものとなる。
【0018】
一方、治具本体を構成する硬質材料は、セラミックスであることが好ましく(請求項4)、特に、炭化ケイ素であることが好ましい(請求項5)。
すなわち、治具本体をセラミックス、特に炭化ケイ素で構成した熱処理用治具とすれば、例えば1200℃にもなる極めて高温でも変形しない安定したものとなる。
【0019】
本発明に係る熱処理用治具の形態としては、例えば、治具本体となる複数の支柱にウエーハを支持するための溝を設けた縦型熱処理用ボート(請求項6)、あるいはリング状または皿状のサセプタとすることができる(請求項7)。
これらの形態の熱処理用治具はウエーハの熱処理に多く使用されており、ウエーハが支持されている部分に応力が集中する場合があるが、本発明のような構成とすることで、治具本体は安定した状態を保ちつつ、ウエーハをソフトに支持するものとなり、キズやスリップの発生を特に効果的に防ぐことができる。
【0020】
さらに、本発明によれば、ウエーハを熱処理する方法において、前記ウエーハを支持する熱処理用治具として、少なくとも治具本体と支持部とを有し、前記治具本体が、熱処理時に変形しない硬質材料で構成されており、前記支持部の少なくともウエーハと接する面が、前記熱処理すべきウエーハと同じ材料、または、熱処理時に前記ウエーハよりも硬度が小さくなる材料で構成されているものを用い、該熱処理用治具で前記ウエーハを支持して熱処理を行うことを特徴とするウエーハの熱処理方法が提供される(請求項8)。
【0021】
このように、ウエーハを熱処理する際、治具本体と支持面がそれぞれ適した材料で構成されている熱処理用治具を用いてウエーハの熱処理を行えば、ウエーハをソフトに支持して、安定して熱処理することができ、キズやスリップの発生を効果的に防ぐことができる。
【0022】
この場合、例えば、ウエーハの熱処理を、1000℃以上の熱処理温度で行うこともできる(請求項9)。
例えばシリコンウエーハを1000℃以上の高温で行う場合でも上記のような治具を用いて熱処理を行えば、スリップ等の発生をより確実に抑制することができ、本発明が特に有効となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明者が熱処理時のスリップの発生につき詳しく調査したところ、スリップの発生は、特に高温の熱処理で使用される炭化ケイ素などの硬質材料からなる熱処理用ボートやサセプタを用いた場合に多く、その原因として、支持部の表面粗さのほか、治具(支持部)とウエーハとの硬さの違い等により支持部と接触している位置(外周部)にキズが発生し、さらにそのキズからスリップが発生し易いことが判った。
そこで、本発明の熱処理用治具は、治具本体を熱処理時に変形しない硬質材料で構成し、支持部の少なくともウエーハと接する面を熱処理時に前記硬質材料よりも軟化する軟質材料で構成するようにした。
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る熱処理用治具を用いてシリコンウエーハを熱処理する場合について具体的に説明する。
図1(A)(B)は、本発明に係わる熱処理用治具(縦型熱処理用ボート)の例の要部を示している。図1(A)に示されている熱処理用ボート1aは、図7に示したような一般的な熱処理ボート11と同様、複数(例えば4本)の円柱状の支柱4aと、各支柱4aの両端部に連結した一対の板材(不図示)によりボート本体が構成されている。そして、各支柱4aにはウエーハを支持するために所定の間隔で溝5aが設けられ、各溝5aの間にウエーハを支持するウエーハ支持部2aが形成されている。
【0025】
本発明の熱処理用ボート1aでは、支柱4a等のボート本体は、熱処理時に変形しない硬質材料で構成される。このような硬質材料としては、熱処理温度等を考慮して適宜選択すれば良いが、熱処理するウエーハの金属汚染等を防ぐことも考慮し、例えば、金属不純物をほとんど含有しない炭化ケイ素(SiC)等の硬質のセラミックス(焼結体)を好適に使用することができる。特に、高純度の炭化ケイ素を用いた場合には、1000℃以上、特に1200℃以上の極めて高温で熱処理を行う際にも変形し難く、長期間使用することができるものとなる。なお、耐熱性基材上にCVD法によりSiCコートしたものも好適である。
【0026】
一方、ウエーハ支持部2aの上面、すなわちウエーハと接する面(支持面あるいは接触面)3aは、熱処理時に硬質材料よりも軟化する軟質材料で構成される。このような軟質材料も熱処理温度等を考慮し、実際に適用される熱処理温度でも溶けずに軟化するガラス系の材料等を適宜選択すれば良いが、特に、熱処理時に熱処理対象物であるウエーハよりも硬度が小さくなる材料が好ましく、例えば熱処理対象物がシリコンである場合、石英を好適に用いることができる。石英あれば、熱処理時、特に1200℃付近でも溶けずに支持面3aとしては程よく軟化し、また、ウエーハに対する汚染を防ぐという利点もある。
【0027】
また、支持面3a構成する材料として、熱処理するべきウエーハと同じ材料、すなわち、シリコンも好適である。支持面3aをシリコンで構成すれば、熱処理するウエーハと同じ材質であるため汚染を確実に防ぐ上、熱処理時、治具本体を構成する炭化ケイ素よりも軟化することになる。
【0028】
支持面3aを軟質材料で構成する方法は特に限定されず、例えば、石英で構成した支持体を支持部2aに取り付けるほか、支持部2aの少なくとも上面に軟質材料をCVD法等によりコーティングしても良い。
【0029】
なお、前記したように、熱処理用治具の材質として、従来から石英、単結晶シリコン、多結晶シリコン、炭化ケイ素などが用いられており、特に1000℃以上の高温熱処理を行う場合のボートの材質としては、炭化ケイ素が主に用いられていた。しかし、炭化ケイ素は石英等に比べ硬質であり、高温(例えば1000℃以上)でも変形せず、ウエーハとの熱膨張率や硬さの違いによりウエーハと接触している位置にキズが発生し、そのキズからスリップが発生することがある。一方、例えば石英で熱処理用治具を構成した場合、石英は比較的軟質な材料であり、例えば600℃付近(ガラス転位温度約573℃)で軟化が始まり、さらに高温になると強度の低下に伴い変形し、例えば1200℃ではボートとしての役割を果さなくなってしまう。
【0030】
これらのボートに対し、本発明に係る熱処理用ボート1aでは、ボート本体となる各支柱4a等が炭化ケイ素等の硬質な材料で構成されているため、1000℃以上、例えば1200℃の高温で熱処理が行われても、支柱4aや支持部2aは変形することはない。一方、ウエーハ支持部2aの接触面3aは石英等の比較的軟質な材料で構成されているため、例えば1000℃以上の熱処理時に炭化ケイ素よりも軟化し、特に石英等であればシリコンウエーハよりも硬度が小さくなり、面接触に近い状態でウエーハを支持することが可能となる。従って、このような熱処理用ボート1aを用いてウエーハの熱処理を行うことで、ウエーハに対するキズの発生を効果的に抑制することができる。
なお、図1(B)の熱処理用ボート1bは、支柱4b、支持部2b、溝5bの各形状以外は、図1(A)の熱処理用ボート1aと同様の構成となっている。
【0031】
図2(A)(B)は、本発明に係る熱処理用治具の他の一例であるリング状のサセプタ6aを示している。サセプタ本体7aはセラミックス(SiC)等の硬質材料で構成されており、本体7aの外周上には、ウエーハ支持部として石英等の軟質材料で構成されたリング状の支持体8aが配置されている。支持体8aの内側には下方に傾斜したテーパがついた支持面9aが形成されており、図2(B)に示されているように、ウエーハWの面取り部付近が支持されることになる。なお、支持体8aは、例えば、サセプタ本体7aに嵌め込むようにして取り付けるものとすることができる。
【0032】
このように治具本体であるサセプタ本体7aが硬質材料で構成され、支持部9aが軟質材料で構成されたリング状のサセプタ6aによってウエーハWを支持し、例えば1000℃以上の高温で熱処理を行う場合、ウエーハWの外周部全体が軟化した支持体によって支持されるため、キズやスリップの発生をより効果的に抑制することができる。
【0033】
図3は、本発明に係るさらに他の形態の熱処理用治具として、皿状のサセプタ6bを示している。セラミックス(SiC)等の硬質材料で構成された皿状のサセプタ本体7bの上に、図2のサセプタ6aと同様、石英等の軟質材料で構成されたリング状の支持体8bが配置されている。このような皿状のサセプタ6bでは、本体7bが皿状であるため特に変形し難く、熱処理中、ウエーハは軟化した支持体8b(支持面9b)により支持されるため、キズやスリップの発生を効果的に防ぐことができる。
【0034】
なお、サセプタとする場合、図2や図3で示したようなに周方向に沿って欠けた部分(開口部)のない完全なリング状または皿状のサセプタ6a,6bであれば、図5に示すような開口部38付近の応力集中によるスリップの発生を防止することができるが、図示した形状のもに限定されない。例えば、図5に示したような開口部(切り欠き部)38が形成されているもの、また、支持面がテーパではなく、水平なものとしても良く、支持面を石英等の軟質材料でコーティングして構成しても良い。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。
(実施例)
熱処理するウエーハとして、直径300mm、厚さ779μmの鏡面研磨されたシリコンウエーハを用意した。
熱処理治具は、図2に示したようなリング状のサセプタを用いた。サセプタ本体はSiC製のセラミックスをベースにCVD−SiCコートしたものであり、外径305mm、厚さ2.0mm、幅25mmの完全な(開口部の無い)リング状のものである。そして、ウエーハ支持面には石英が直径305mm、幅20mm、厚さ1.0mm、テーパ角5°(内側に傾斜)で形成されている。
【0036】
このようなサセプタに、シリコンウエーハが石英の支持部で支持されるように載置し、さらに、このサセプタを、図7に示すような縦型熱処理用ボートの支持部に移載した。このようにして熱処理用ボートにサセプタを介してウエーハを80枚セットした。
【0037】
ウエーハをセットした熱処理用ボートを、図8に示すような熱処理炉内に搬入し、アルゴン雰囲気中、1200℃、1時間の熱処理を行なった。
熱処理後、炉からボートを搬出し、熱処理後のウエーハに対して目視及びX線Lang法にてスリップ転位の発生状況を確認した。
その結果、目視ではまったくスリップ転位は確認されず、X線による観察ではスリップらしき欠陥が存在するウエーハもあったが、そのような欠陥の発生率は5%以下であった。
【0038】
(比較例)
全体がSiCセラミックスで構成されたリング状のサセプタを用い、上記実施例と同様にしてシリコンウエーハの熱処理を行った。
熱処理後、目視及びX線Lang法にて同様にスリップ転位の発生状況を観察したところ、目視によってもスリップの発生をはっきりと認識できるウエーハが存在し、X線による方法では、実施例と同じ基準で発生率を確認すると、50%程度のウエーハに対して欠陥が観察された。
【0039】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0040】
例えば、前記実施例では、リング状のサセプタを用いたバッチ式の熱処理を例に説明したが、図3で示したような皿状のサセプタを用いるほか、これらのサセプタを用いることなく、図1(A)、(B)に示したような本発明に係る熱処理用ボートでウエーハを直接支持して熱処理を行ってもよい。
【0041】
さらに、本発明に係る熱処理用治具は、図9に示すような枚様式の熱処理装置40においても適用することができる。例えば、SiC等の硬質材料で構成したサセプタ本体の上面、すなわちウエーハと接する面(保持面)を、熱処理時に本体よりも軟化する石英やシリコン等の軟質材料で構成し、これを枚葉式熱処理装置内に配置すれば良い。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、治具本体が熱処理時に変形しない硬質材料で構成されており、一方、支持部の少なくともウエーハと接する面が熱処理時に前記硬質材料よりも軟化する軟質材料、好ましくは、熱処理時にウエーハよりも硬度が小さくなる材料で構成されている熱処理用治具とする。このような熱処理用治具を用いて熱処理を行うことにより、例えば1000℃以上となるような高温熱処理でも、治具本体は変形せずにウエーハをソフトに支持するため、キズやスリップの発生を効果的に抑制することができる。その結果、デバイスプロセスにおける歩留まりの向上につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る縦型熱処理用ボートの例の要部(ウエーハ支持部)を示す概略斜視図である。
(A)半円形の支持部
(B)長方形の支持部
【図2】本発明に係るリング状のサセプタの一例を示す概略図である。
(A)斜視図
(B)断面図(ウエーハを支持した状態)
【図3】本発明に係る皿状のサセプタの一例を示す概略図である。
(A)斜視図
(B)断面図
【図4】従来の皿状のサセプタの一例を示す概略図である。
(A)斜視図
(B)断面図
【図5】開口部を有する従来のリング状のサセプタの一例を示す概略図である。
(A)平面図
(B)断面図(ウエーハを支持した状態)
【図6】従来の熱処理用ボートにおけるウエーハ支持部を示す概略斜視図である。
(A)半円形の支持部
(B)長方形の支持部
【図7】縦型熱処理用ボートの一例を示す概略図である。
(A)正面図
(B)横方向断面図(ウエーハを支持した状態)
【図8】縦型熱処理炉の一例を示す概略図である。
【図9】枚葉式熱処理装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1a,1b…熱処理用ボート、 2a,2b…支持部、
3a,3b…ウエーハ支持面(接触面)、 4a,4b…支柱、
5a,5b…溝、 6a,6b…サセプタ、 7a,7b…サセプタ本体、
8a,8b…支持体、 9a,9b…ウエーハ支持面(接触面)、
11…熱処理用ボート、 12,12a,12b…支持部、
14,14a,14b…支柱、 15,15a,15b…溝、
16a,16b…板材(天板、底板)、 20…熱処理炉、
40…枚葉式熱処理装置、 W…ウエーハ。

Claims (9)

  1. ウエーハを熱処理する際に該ウエーハを支持する熱処理用治具であって、少なくとも治具本体と支持部とを有し、前記治具本体が、熱処理時に変形しない硬質材料で構成されており、前記支持部の少なくともウエーハと接する面が、熱処理時に前記硬質材料よりも軟化する軟質材料で構成されていることを特徴とするウエーハの熱処理用治具。
  2. 前記ウエーハと接する面を構成する軟質材料が、前記熱処理すべきウエーハと同じ材料、または、熱処理時に前記ウエーハよりも硬度が小さくなる材料であることを特徴とする請求項1に記載のウエーハの熱処理用治具。
  3. 前記ウエーハと接する面を構成する軟質材料が、シリコンまたは石英であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウエーハの熱処理用治具。
  4. 前記治具本体を構成する硬質材料が、セラミックスであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のウエーハの熱処理用治具。
  5. 前記セラミックスが、炭化ケイ素であることを特徴とする請求項4に記載のウエーハの熱処理用治具。
  6. 前記熱処理用治具が、治具本体となる複数の支柱に前記ウエーハを支持するための溝を設けた縦型熱処理用ボートであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のウエーハの熱処理用治具。
  7. 前記熱処理用治具が、リング状または皿状のサセプタであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のウエーハの熱処理用治具。
  8. ウエーハを熱処理する方法において、前記ウエーハを支持する熱処理用治具として、少なくとも治具本体と支持部とを有し、前記治具本体が、熱処理時に変形しない硬質材料で構成されており、前記支持部の少なくともウエーハと接する面が、前記熱処理すべきウエーハと同じ材料、または、熱処理時に前記ウエーハよりも硬度が小さくなる材料で構成されているものを用い、該熱処理用治具で前記ウエーハを支持して熱処理を行うことを特徴とするウエーハの熱処理方法。
  9. 前記ウエーハの熱処理を、1000℃以上の熱処理温度で行うことを特徴とする請求項8に記載のウエーハの熱処理方法。
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