JP2005017730A - ホログラム記録材料用組成物、ホログラム記録材料及びホログラム記録方法。 - Google Patents

ホログラム記録材料用組成物、ホログラム記録材料及びホログラム記録方法。 Download PDF

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裕雄 滝沢
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Abstract

【課題】高密度光記録媒体、3次元ディスプレイ、ホログラフィック光学素子等への応用可能な高感度かつ高回折効率、低収縮率、乾式処理を両立することができるホログラム記録材料用組成物、ホログラム記録材料及びホログラム記録方法を提供することである。
【解決手段】酸増殖剤を含むホログラム記録材料用組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高密度光記録媒体、3次元ディスプレイ、ホログラフィック光学素子等への応用可能なホログラム記録材料用組成物、ホログラム記録材料及びホログラム記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホログラム作製に関する一般的原理は、いくつかの文献や専門書、たとえば「ホログラフィックディスプレイ」(辻内順平編、産業図書[非特許文献1])2章に記載されている。これらによれば、2光束のコヒーレントなレーザー光の一方を記録対象物に照射し、それからの全反射光を受け取れる位置に感光性のホログラム記録材料が置かれる。ホログラム記録材料には、対象物からの反射光の他に、もう一方のコヒーレントな光が、対象物に当たらずに直接照射される。対象物からの反射光を物体光、また直接記録材料に照射される光を参照光といい、参照光と物体光との干渉縞が画像情報として記録される。次に、処理された記録材料に参照光と同じ光(再生照明光)を照射すると、記録の際に対象物から記録材料に最初に到達した反射光の波面を再現するようにホログラムによって回折され、その結果、対象物の実像とほぼ同じ物体像を3次元的に観測することができる。
【0003】
参照光と物体光を同じ方向からホログラム記録材料に入射させて形成されるホログラムを透過型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に垂直または垂直に近い形で1mmに1000〜3000本程度の間隔で形成される。
一方、互いにホログラム記録材料の反対側から入射させて形成したホログラムを、一般に反射型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に平行または平行に近い形で1mmに3000〜7000本程度の間隔で形成される。
透過型ホログラムは、例えば特開平6−43634号[特許文献1]などで開示されているような公知の方法によって作成できる。また、反射型ホログラムは、例えば特開平2−3082号[特許文献2]、特開平3−50588号[特許文献3]などに開示された公知の方法によって作成できる。
【0004】
一方、干渉縞間隔に対して膜厚が十分に厚い(通常は干渉縞間隔の5倍以上程度、または1μm以上程度の膜厚を言う)ホログラムを体積型ホログラムという。それに対し膜厚が干渉縞間隔の5倍以下程度または1μm以下程度のホログラムを平面型または表面型という。
【0005】
さらに、色素や銀などの吸収により干渉縞を記録するホログラムを振幅型ホログラムと呼び、表面レリーフまたは屈折率変調により記録するホログラムを位相型ホログラムと呼ぶ。振幅型ホログラムは光の吸収により、光の回折効率または反射効率が著しく低下するため光の利用効率の点で好ましくなく、通常は位相型ホログラムが好ましく用いられる。
【0006】
従来、ホログラムは3次元立体像の再生が可能であることから、その優れた意匠性、装飾効果から書籍、雑誌等の表紙、POPなどのディスプレイ、ギフトなどに利用されている。また特に、偽造防止用のセキュリティ目的としてクレジットカード、紙幣、包装などにも用いられ、現在大きな市場を形成している。
これらのホログラムは平面型の表面レリーフ位相型ホログラムである。通常はフォトレジストにより作成したマスターによりエンボスを作成して大量複製するため、エンボス型ホログラムとも呼ばれる。
しかしながら、表面レリーフ位相型ホログラムでは、フルカラー化、白色再生、高解像化、高回折効率化が困難であり、最近では、それらが可能となる体積位相型ホログラムが注目されてきている。
【0007】
体積位相型ホログラムでは、ホログラム記録材料中に光学的吸収ではなく屈折率の異なる干渉縞を多数形成することによって、光を吸収することなく光の位相を変調することができる。
特に反射型の体積位相型ホログラムはリップマン型ホログラムとも呼ばれ、ブラック回折による波長選択的反射により、高回折効率にてフルカラー化、白色再生、高解像度化が可能となり、高解像フルカラー3次元ディスプレイの提供が可能となる。
また最近ではその波長選択的反射を生かして、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板等に代表されるホログラム光学素子(HOE)に広く実用化されてきている。
他にも例えば、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス等に実用または応用が検討されている。
【0008】
ここで、公知の体積位相型ホログラム記録材料には、ライトワンス方式として重クロム酸ゼラチン方式、漂白ハロゲン化銀塩方式及びフォトポリマー方式などが知られ、リライタブル方式として、フォトリフラクティブ方式及びフォトクロミック高分子方式などが知られる。
【0009】
しかしこれらの公知の体積位相型ホログラム記録材料において、特に高感度高解像フルカラー3次元ディスプレイ用途においては、求められる要件をすべて満たす材料は未だなく改良が望まれている。
具体的には例えば、重クロム酸ゼラチン方式は高い回折効率と低ノイズ特性という長所を有するが、保存性が極めて悪く、湿式処理が必要で低感度という問題を有する。
漂白ハロゲン化銀方式は高感度という長所を有するが、湿式処理が必要でかつ漂白処理が煩雑であり、耐光性に劣るという問題点を有する。
フォトリフラクティブ材料は書き換え可能という長所を有するが、記録時に高電場印加が必要、記録保存性が悪いという問題点を有する。
アゾベンゼン高分子液晶材料等に代表されるフォトクロミック高分子方式も書き換え可能という長所を有するが、感度が極めて低く記録保存性も悪いという問題点を有する。
【0010】
そのような中、前述の特許文献1〜3に開示された乾式処理フォトポリマー方式は、高解像、高回折効率、フルカラー、乾式処理を両立できうる方式である。
これらはバインダー、ラジカル重合可能なモノマーおよび光重合開始剤を基本組成とし、屈折率変調を向上させるためにバインダーまたはラジカル重合可能なモノマーのどちらか一方に芳香環または塩素、臭素を有する化合物を用いて屈折率差を持たせる工夫をしている。その結果、屈折率差は、ホログラム露光の際形成される干渉縞の明部にモノマーが、暗部にバインダーが集まりつつ重合が進行することにより形成することができる。
しかしながら、漂白ハロゲン化銀方式に比べると感度が1000分の1程度であること、回折効率を高めるためには2時間近い加熱定着処理を必要とすること、ラジカル重合であるため、酸素による重合阻害の影響を受け、また露光、定着後記録材料の収縮を伴い、再生時の回折波長及び角度が変化してしまう問題点があり、さらなる改良が望まれている。
【0011】
ところで、最近の高度情報化社会の流れの中で、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近にひかえて、民生用途においても100GB以上の画像情報を安価簡便に記録するための高密度記録媒体の要求が高まっている。
さらにコンピューター高容量化等の流れの中で、コンピューターバックアップ用途や放送バックアップ用途等の業務用途においても、1TB程度あるいはそれ以上の大容量の情報を高速かつ安価に記録できる超高密度記録媒体が求められている。
そのような中、ランダムアクセスが不可能な磁気テープ媒体や可換不可能で故障しやすいハードディスクに対し、可換かつランダムアクセス可能で小型、安価な光記録媒体がより注目されてきている。しかしながら、DVD−Rのような既存の2次元光記録媒体は物理原理上、たとえ記録再生波長を短波長化したとしてもせいぜい50GB程度で、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量が期待できるとは言えない状況である。
【0012】
そこで、究極の超高密度記録媒体として、膜厚方向に記録を行う3次元光記録媒体が注目されてきている。その有力な方法として2光子吸収材料を用いる方法とホログラフィ(干渉)を用いる方法とがあり、そのため体積位相型ホログラム記録材料は、3次元光記録媒体として、最近俄然注目を集めるようになった。
【0013】
体積位相型ホログラム記録材料を用いた光記録媒体では、3次元物体から反射する物体光の代わりに、DMDやLCDといった空間光変調素子(SLM)を用いた2次元デジタル情報(信号光と呼ぶ)を数多く記録していく。記録の際、角度多重、位相多重、波長多重、シフト多重などの多重記録を行うため1TBにも達する高容量化が可能となる。また、読み出しには通常CCDやCMOS等を用い、それらの並列書き込み、読み出しにより、1GBにも達する高転送速度化も可能となる。
【0014】
ところが、ホログラフィックメモリに用いるホログラム記録材料に求められる要件は、下記の如く3次元ディスプレイやHOE用途よりもさらに厳しいものである。
(1)高感度であること
(2)高解像力を有すること
(3)ホログラムの回折効率が高いこと
(4)記録時の処理が乾式であり迅速であること
(5)多重記録が可能であること
(6)記録後の収縮率が小さいこと
(7)ホログラムの保存性が良いこと
【0015】
特に、(1)高感度であることに対し、(3)回折効率が高いこと、(4)乾式処理であること、(6)記録後の収縮率が低いこと、(7)保存性が良いこと、は化学的に考えて相反する物性であり、その両立は極めて困難である。
例えば、前述した特許文献1〜3記載のラジカル重合を用いる乾式フォトポリマー方式は、フォトポリマー方式の中では比較的感度が高いものの、収縮率が極めて大きくホログラフィックメモリ用途としては到底使用に耐えるものではない。
また膜が柔らかいため保存性の点でも不足している。
【0016】
ここで一般に、ラジカル重合に対しカチオン重合、特にエポキシ化合物等の開環を伴うカチオン重合は、重合後の収縮が少なく、また酸素による重合阻害も受けず、剛性のある膜を与える。したがって、ホログラフィックメモリ用途としてはカチオン重合の方が適していると期待される。
例えば、特開平5−107999号[特許文献4]、特開平8−16078号[特許文献5]等に、カチオン重合性化合物(モノマーまたはオリゴマー)をバインダーの代わりに用い、さらに増感色素、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル重合性化合物を組み合わせたホログラム記録材料が開示されている。
また、特表2001―523842号[特許文献6]、特表11−512847号[特許文献7]等に、ラジカル重合を用いずに、増感色素、カチオン重合開始剤、カチオン重合性化合物及びバインダーのみを用いたホログラム記録材料が開示されている。
これらはラジカル重合を用いた場合に比べて、収縮率の改善が見られるものの、その相反として、感度が低下しており、実用の際には転送速度の点で大きな問題となると考えられる。また回折効率も低下しており、S/N比や多重記録の点で問題となると考えられる。特に感度の低下はとりわけ問題であり、ホログラフィックメモリへの応用のためには、高感度が強く望まれている。
【0017】
一方、有光晃二、市村国宏、「機能材料」、1997年、17巻、16頁[非特許文献2]、市村国宏、「機能材料」、2000年、20巻、27頁[非特許文献3]、K.Arimitsu,K.Ichimura.et.al.,J.Photopolymer,Sci.,Technol.,1995年、8巻、43頁[非特許文献4]、K.Arimitsu,K.Ichimura.et.al.,J.Am.Chem.Soc.,1998年、120巻、37頁[非特許文献5]、特開平9−34106号[特許文献8]、特開平10−1508号[特許文献9]にはカチオン重合を高感度化するための酸増殖剤についての開示があるが、ホログラム記録材料に実際に応用した際の効果については具体的に記載されていない。
【0018】
【非特許文献1】
「ホログラフィックディスプレイ」、辻内順平編、産業図書
【非特許文献2】
有光晃二、市村国宏、「機能材料」、1997年、17巻、16頁
【非特許文献3】
市村国宏、「機能材料」、2000年、20巻、27頁
【非特許文献4】
K.Arimitsu,K.Ichimura.et.al.,J.Photopolymer,Sci.,Technol.,1995年、8巻、43頁
【非特許文献5】
K.Arimitsu,K.Ichimura.et.al.,J.Am.Chem.Soc.,1998年、120巻、37頁
【特許文献1】
特開平6−43634号公報
【特許文献2】
特開平2−3082号公報
【特許文献3】
特開平3−50588号公報
【特許文献4】
特開平5−107999号公報
【特許文献5】
特開平8−16078号公報
【特許文献6】
特表2001―523842号公報
【特許文献7】
特表11−512847号公報
【特許文献8】
特開平9−34106号公報
【特許文献9】
特開平10−1508号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、高密度光記録媒体、3次元ディスプレイ、ホログラフィック光学素子等への応用可能な高感度かつ高回折効率、低収縮率、乾式処理を両立することができるホログラム記録材料用組成物、ホログラム記録材料及びホログラム記録方法を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
発明者らの鋭意検討の結果、本発明の目的は、下記の手段により達成された。
(1)酸増殖剤を含むことを特徴とするホログラム記録材料用組成物。
(2)少なくとも酸増殖剤、増感色素、光酸発生剤、カチオン重合性化合物およびバインダーを含むことを特徴とするホログラム記録材料用組成物。
(3)(1)または(2)にて、酸増殖剤が下記一般式(1−1)〜(1−6)で表されることを特徴とする(1)または(2)記載のホログラム記録材料用組成物。
【0021】
【化2】
Figure 2005017730
【0022】
一般式(1−1)〜(1−6)中、RはROHがpKa5以下の酸となる基を表す。Rは2−アルキル−2−プロピル基、2−アリール−2−プロピル基、シクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、ビス(p−アルコキシフェニル)メチル基のいずれかを表す。R、R、R15、R17はそれぞれ独立に置換基を表し、R、R、R、R10、R13、R16はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R、Rはアルキル基を表し、互いに連結して環を形成しても良い。R11、R12は互いに連結して環を形成するアルキル基を表し、R14は水素原子またはニトロ基を表す。n1は0〜3の整数を表す。
(4)一般式(1−1)〜(1−6)にて、RはROHがpKa3以下の酸となる基を表すことを特徴とする(3)記載のホログラム記録材料用組成物。
(5)一般式(1−1)〜(1−6)にて、RはROHがスルホン酸、カルボン酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸のいずれかである基であることを特徴とする(3)記載のホログラム記録材料用組成物。
(6)一般式(1−1)〜(1−6)にて、RはROHがスルホン酸、電子求引性基置換カルボン酸のいずれかである基であることを特徴とする(5)記載のホログラム記録材料用組成物。
(7)一般式(1−1)〜(1−6)にて、RはROHがスルホン酸である基であることを特徴とする(5)または(6)記載のホログラム記録材料用組成物。
(8)一般式(1−2)にて、Rは2−アルキル−2−プロピル基、2−アリール−2−プロピル基のいずれかであることを特徴とする(3)〜(7)のいずれかに記載のホログラム記録材料用組成物。
(9)一般式(1−2)にて、Rは2−アルキル−2−プロピル基であることを特徴とする(8)記載のホログラム記録材料用組成物。
(10)一般式(1−2)にて、Rはt−ブチル基であることを特徴とする(8)記載のホログラム記録材料用組成物。
(11)一般式(1−1)、(1−6)にて、R、R、R17がそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表すことを特徴とする(3)〜(10)記載のホログラム記録材料用組成物。
(12)一般式(1−1)〜(1−5)にて、R、R、R、R10、R13、R16がそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表すことを特徴とする(3)〜(11)記載のホログラム記録材料用組成物。
(13)酸増殖剤が一般式(1−1)、(1−3)、(1−4)で表されることを特徴とする(3)〜(12)記載のホログラム記録材料用組成物。
(14)酸増殖剤が一般式(1−1)で表されることを特徴とする(13)記載のホログラム記録材料用組成物。
(15)(2)にて、光酸発生剤がジアリールヨードニウム塩系、スルホニウム塩系、ジアゾニウム塩系、金属アレーン錯体系、トリハロメチル置換トリアジン系またはスルホン酸エステル系(化合物)であることを特徴とする(2)〜(14)記載のホログラム記録材料用組成物。
(16)(15)にて、光酸発生剤がジアリールヨードニウム塩系、スルホニウム塩系またはスルホン酸エステル系(化合物)であることを特徴とする(15)記載のホログラム記録材料用組成物。
(17)該カチオン重合性化合物の屈折率が該バインダーのそれより大きいことを特徴とする(2)〜(16)記載のホログラム記録材料用組成物。
(18)該カチオン重合性化合物の屈折率が該バインダーのそれより小さいことを特徴とする(2)〜(16)記載のホログラム記録材料用組成物。
(19)該カチオン重合性化合物がオキシラン構造を有することを特徴とする(2)〜(18)記載のホログラム記録材料用組成物。
(20)(1)〜(19)記載のホログラム記録材料用組成物から成ることを特徴とするホログラム記録材料。
(21)(20)記載のホログラム記録材料を用いて体積位相型ホログラム記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(22)(20)または(21)記載のホログラム記録材料を用いてホログラム記録を行う際、ホログラム露光した後、湿式処理を行わないことを特徴とするホログラム記録方法。
(23)(20)〜(22)記載のホログラム記録材料を用いてホログラム記録を行う際、ホログラム露光した後、加熱処理を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
(24)(20)〜(23)記載のホログラム記録材料またはホログラム記録方法を用いることを特徴とする光記録媒体及び光記録媒体への記録方法。
(25)(20)〜(23)記載のホログラム記録材料またはホログラム記録方法を用いることを特徴とする3次元ディスプレイホログラム及び3次元ディスプレイホログラムの製造方法。
(26)(20)〜(23)記載のホログラム記録材料またはホログラム記録方法を用いることを特徴とするホログラフィック光学素子及びホログラフィック光学素子の製造方法。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のホログラム記録材料用組成物及びホログラム記録材料について詳しく説明する。
本発明のホログラム記録材料用組成物は、酸増殖剤を含む。さらに本発明のホログラム記録材料用組成物は、酸増殖剤に加えて、化学作用放射線を吸収して励起状態を生成する増感色素と、増感色素の励起エネルギーを用いて酸を発生する光酸発生剤(カチオン重合開始剤)、バインダーから成り、さらに必要により連鎖移動剤、熱安定剤、可塑剤、溶媒等の添加物を用いる。
本発明において酸増殖剤は、光酸発生剤(カチオン重合開始剤)が発生した酸を増殖してカチオン重合を促進し、ホログラム記録材料における感度を向上させる役割を行う。
なお本発明において光酸発生剤(カチオン重合開始剤)が増感色素としての機能を兼ねても良い。
【0024】
本発明のホログラム記録材料は好ましくは体積位相型のホログラム記録を行うための記録材料である。体積位相型のホログラム記録とは、先述したように、記録材料の膜面と平行もしくは平行に近い形(反射型)または垂直もしくは垂直に近い形(透過型)で、膜厚方向に1mmに1000〜7000本の多数の干渉縞を屈折率変調として記録するものである。
本発明のホログラム記録材料及び組成物においては、重合性化合物とバインダーの屈折率が異なることが好ましい。また、重合性化合物はバインダー中を0.05〜5μm程度移動できることが好ましい。
その結果、露光前のホログラム記録材料は重合性化合物とバインダーの組成比は一定であるが、2光束(物体光(信号光)及び参照光)の化学放射線照射によるホログラム露光の際、形成される干渉縞の明部に重合性化合物が、暗部にバインダーが集まりつつ重合が進行し、結果として、干渉明部と暗部に屈折率差が生じ、屈折率変調による干渉縞記録が可能となる。
【0025】
本発明のホログラム記録材料においては、湿式処理を行わないことが好ましい。
また本発明のホログラム記録材料においては、ホログラム露光の後に、光または熱、あるいはその両方により定着工程を行うことが、重合性化合物の重合の完結を促進し、屈折率変調増強による回折効率増加の点でも、膜強化による保存性向上の点でも好ましい。
特に本発明のホログラム記録材料の場合、酸増殖剤を有効に機能させる点においても定着に加熱を用いることが好ましい。
光定着の場合は、ホログラム記録材料全域に紫外光または可視光を全面照射(非干渉露光)する。用いる光源として好ましくは、可視光レーザー、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプなどが挙げられる。
熱定着の場合は、好ましくは40℃〜160℃、より好ましくは60℃〜130℃にて定着工程を行うことが好ましい。
光定着と熱定着を両方行う際は、光と熱を同時に加えても、光と熱を別々に加えてもよい。
【0026】
なお、干渉縞記録の際の屈折率変調は0.001〜0.3であることが好ましく、0.005〜0.2であることがより好ましい。
【0027】
ホログラム記録材料の回折効率ηは以下の式で与えられる。
η=Idiff/Io (式1)
ここでIoは入射光強度であり、Idiffは回折(透過型)または反射(反射型)された光強度である。回折効率は0〜100%のいずれかの値を取るが、30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
【0028】
本発明に用いる化学作用放射線は好ましくは波長200〜2000nmの紫外光、可視光、赤外光のいずれかであり、より好ましくは波長300〜700nmの紫外光または可視光であり、さらに好ましくは400〜700nmの可視光である。
さらに、本発明の化学作用放射線としては、コヒーレントな(位相及び波長のそろった)レーザー光が好ましい。用いられるレーザーとしては、固体レーザー、半導体レーザー、気体レーザー、液体レーザーのいずれでも良いが、好ましいレーザー光としては例えば、532nmのYAGレーザー2倍波、355nmのYAGレーザー3倍波、405nmのGaNレーザー、488または515nmのArイオンレーザー、633nmのHe−Neレーザー、647nmのKrイオンレーザー、694nmのルビーレーザーや636、634、538、534、442nmのHe−Cdレーザーなどが挙げられる。
また、ナノ秒やピコ秒オーダーのパルスレーザーを用いることも好ましい。
【0029】
以下に本発明のホログラム記録材料用組成物の各成分について詳しく説明する。
【0030】
まず、本発明のホログラム記録材料用組成物において化学作用放射線を吸収して励起状態を生成する増感色素について説明する。
【0031】
本発明の増感色素としては好ましくは、波長200〜2000nmの紫外光、可視光、赤外光のいずれかを吸収して励起状態を生成するものであり、より好ましくは波長300〜700nmの紫外光または可視光を吸収して励起状態を生成するものであり、さらに好ましくは400〜700nmの可視光を吸収して励起状態を生成するものである。
【0032】
本発明の増感色素として好ましくはシアニン色素、スクワリリウムシアニン色素、スチリル色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素、アリーリデン色素、オキソノール色素、アズレニウム色素、クマリン色素、ケトクマリン色素、スチリルクマリン色素、ピラン色素、キサンテン色素、チオキサンテン色素、フェノチアジン色素、フェノキサジン色素、フェナジン色素、フタロシアニン色素、アザポルフィリン色素、ポルフィリン色素、縮環芳香族系色素、ペリレン色素、アゾメチン色素、アントラキノン色素、金属錯体色素等が挙げられ、より好ましくは、シアニン色素、スクワリリウムシアニン色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、クマリン色素、ケトクマリン色素、スチリルクマリン色素、ピラン色素、キサンテン色素、チオキサンテン色素、縮環芳香族系色素等が挙げられる。
その他に「色素ハンドブック」(大河原信他編 講談社 1986年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編 シーエムシー 1981年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編 シーエムシー 1986年)に記載される色素および染料も本発明の増感色素として用いることができる。なお、本発明の増感色素はこれらに限定されるものではなく、可視域の光に対して吸収を示す色素および染料であればどれでも用いることができる。これらの増感剤は、使用目的に応じて光源となる輻射線の波長に合うように選択することができ、用途によっては2種類以上の増感色素を組み合わせて使用しても構わない。
【0033】
以下に本発明の増感色素の具体的な例を挙げるが、本発明はこれに限定されるわけではない。
【0034】
【化3】
Figure 2005017730
【0035】
【化4】
Figure 2005017730
【0036】
【化5】
Figure 2005017730
【0037】
【化6】
Figure 2005017730
【0038】
【化7】
Figure 2005017730
【0039】
【化8】
Figure 2005017730
【0040】
【化9】
Figure 2005017730
【0041】
【化10】
Figure 2005017730
【0042】
次に本発明のホログラム記録材料用組成物における光酸発生剤について説明する。
本発明の光酸発生剤とは、化学作用放射線を吸収して生成した増感色素の励起状態からエネルギー移動または電子移動(電子を与えるまたは電子を受ける)を行うことにより酸(ブレンステッド酸またはルイス酸)を発生し、重合性化合物の重合を開始することができる化合物のことである。
【0043】
本発明の光酸発生剤としては好ましくは、以下の6個の系が挙げられる。なお、これらの光酸発生剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上の混合物として用いてもよい。
【0044】
1)トリハロメチル置換トリアジン系光酸発生剤
2)ジアゾニウム塩系光酸発生剤
3)ジアリールヨードニウム塩系光酸発生剤
4)スルホニウム塩系光酸発生剤
5)金属アレーン錯体系光酸発生剤
6)スルホン酸エステル系光酸発生剤
【0045】
以下に好ましい上記の系について具体的に説明していく。
なお、本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、特に断りの無い限りは、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても、置換されていなくても良いことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。また、本発明における化合物に使用できる置換基は、置換の有無にかかわらず、どのような置換基でも良い。
また、本発明において、特定の部分を「環」と称した場合、あるいは「基」に「環」が含まれる場合は、特に断りの無い限りは単環でも縮環でも良く、置換されていても置換されていなくても良い。
例えば、「アリール基」はフェニル基でもナフチル基でも良く、置換フェニル基でも良い。
【0046】
1)トリハロメチル置換トリアジン系光酸発生剤
【0047】
トリハロメチル置換トリアジン系光酸発生剤は好ましくは以下の一般式(11)にて表される。
【0048】
【化11】
Figure 2005017730
【0049】
一般式(11)中、R21、R22、R23はそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、好ましくは塩素原子を表す。R24、R25はそれぞれ独立に水素原子、−CR212223、置換基を表す。
置換基として好ましい例は例えば、アルキル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−プロピニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アミノ基(好ましくはC数0〜20、例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、アニリノ)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくはC数1〜20、例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26、例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜20、例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくはC数0〜20、例えばスルファモイル、N−メチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、カルバモイル基(好ましくはC数1〜20、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N、N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、イミノ基(好ましくはC数2〜20、例えばフタルイミノ)、アシルオキシ基(好ましくはC数1〜20、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル)、カルバモイルアミノ基(好ましくはC数1〜20、例えばカルバモイルアミノ、N−メチルカルバモイルアミノ、N−フェニルカルバモイルアミノ)、であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基である。
24は好ましくは−CR212223を、より好ましくは−CCl基を表し、R25は好ましくは、 −CR212223、アルキル基、アルケニル基、アリール基である。
【0050】
トリハロメチル置換トリアジン系光酸発生剤の具体例としては、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4’−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4’−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4’−メトキシ−1’−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが例示される。好ましい例として、英国特許第1388492号および特開昭53−133428号公報記載の化合物も挙げられる。
【0051】
2)ジアゾニウム塩系光酸発生剤
【0052】
ジアゾニウム塩系光酸発生剤は好ましくは以下の一般式(12)にて表される。
【0053】
【化12】
Figure 2005017730
【0054】
26はアリール基またはヘテロ環基を表し、好ましくはアリール基であり、より好ましくはフェニル基である。
27は置換基を表し(以上好ましい例はR24に同じ)、a21は0〜5の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。a21が2以上の時、複数のR27は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
21 は、HX21がpKa4以下(水中、25℃)、好ましくは3以下、より好ましくは2以下の酸となる陰イオンで、好ましくは例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホレート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどである。
【0055】
ジアゾニウム系光酸発生剤の具体例としては例えば、ベンゼンジアゾニウム、4−メトキシジアゾニウム、4−メチルジアゾニウムの上記X21 塩などが挙げられる。
【0056】
3)ジアリールヨードニウム塩系光酸発生剤
【0057】
ジアリールヨードニウム塩系光酸発生剤は好ましくは以下の一般式(13)にて表される。
【0058】
【化13】
Figure 2005017730
【0059】
一般式(13)中、X21 は一般式(12)と同義である。R28、R29はそれぞれ独立に置換基を表し(以上好ましい例はR24に同じ)、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基を表す。
a22、a23はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、好ましくは0〜1の整数を表す。a22、a23が2以上の時、複数のR28、R29は同じでも異なっても良く、互いに連結して環を形成しても良い。
【0060】
ジアリールヨードニウム塩系光酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、4,4’−ジクロロジフェニルヨードニウム、4,4’−ジメトキシジフェニルヨードニウム、4,4’−ジメチルジフェニルヨードニウム、4,4’ −t−ブチルジフェニルヨードニウム、3,3’−ジニトロジフェニルヨードニウム、フェニル(p−メトキシフェニル)ヨードニウム、フェニル(p−オクチルオキシフェニル)ヨードニウム、ビス(p−シアノフェニル)ヨードニウムなどのクロリド、ブロミド、ヨージド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホレート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
また、「マクロモレキュールス(Macromolecules)」、第10巻、p1307(1977年)に記載の化合物、特開昭58−29803号公報、特開平1−287105号公報、特願平3−5569号に記載されているようなジアリールヨードニウム塩類も挙げられる。
【0061】
4)スルホニウム塩系光酸発生剤
【0062】
スルホニウム塩系光酸発生剤は好ましくは以下の一般式(14)にて表される。
【0063】
【化14】
Figure 2005017730
【0064】
一般式(14)中、X21 は一般式(12)と同義である。R30、R31、R32はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、ヘテロ環基(以上好ましい例はR24に同じ)を表し、好ましくは、アルキル基、フェナシル基、アリール基を表す。
【0065】
スルホニウム塩系光酸発生剤の具体例としては、トリフェニルスルホニウム、ジフェニルフェナシルスルホニウム、ジメチルフェナシルスルホニウム、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、4−ターシャリーブチルトリフェニルスルホニウム、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、トリス( 4−メトキシフェニル)スルホニウム、4−チオフェニルトリフェニルスルホニウム、4−フェニルチオトリフェニルスルホニウム、ビス−1−(4−(ジフェニルスルホニウム)フェニル)スルフィドなどのスルホニウム塩のクロリド、ブロミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、パークロレート、トリフルオロメタンスルホネート、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、メタンスルホレート、ベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トシレート、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが例示される。
【0066】
5)金属アレーン錯体系光酸発生剤
【0067】
金属アレーン錯体系光酸発生剤としては、金属は鉄またはチタンが好ましい。具体的には、特開平1−54440号、ヨーロッパ特許第109851号、ヨーロッパ特許第126712号および「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の鉄アレーン錯体、「オルガノメタリックス(Organometallics)」、第8巻、第2737頁(1989年)記載の鉄アレーン有機ホウ素錯体、「Prog.Polym.Sci、第21巻、7〜8頁(1996年)記載の鉄アレーン錯体塩、特開昭61−151197号公報に記載されるチタセノン類、などが好ましい例として挙げられる。
【0068】
6)スルホン酸エステル系光酸発生剤
【0069】
スルホン酸エステル系光酸発生剤としては、好ましくはスルホン酸エステル類、スルホン酸ニトロベンジルエステル類、イミドスルホネート類、等を挙げることができる。
【0070】
スルホン酸エステル類の具体例としては好ましくは、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリメシレート、スルホン酸ニトロベンジルエステル類の具体例としては好ましくは、o−ニトロベンジルトシレート、2,6−ジニトロベンジルトシレート、2’,6’−ジニトロベンジル−4−ニトロベンゼンスルホネート、p−ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、2−ニトロベンジルトリフルオロメチルスルホネート、イミドスルホネート類の具体例として好ましくはN−トシルフタル酸イミド、9−フルオレニリデンアミノトシレート、α−シアノベンジリデントシルアミン、等が挙げられる。
【0071】
他に、光酸発生剤としては、例えば「UV硬化;科学と技術(UV CURING;SCIENCE AND TECHNOLOGY)」[p.23〜76、S.ピーター・パーパス(S.PETER PAPPAS)編集、ア・テクノロジー・マーケッティング・パブリケーション(A TECHNOLOGY MARKETING PUBLICATION)]及び「コメンツ・インオーグ.ケム.(Comments Inorg.Chem.)」[B.クリンゲルト、M.リーディーカー及びA.ロロフ(B.KLINGERT、M.RIEDIKER and A.ROLOFF)、第7巻、No.3、p109−138(1988)]などに記載されているものを用いることもできる。
【0072】
本発明の光酸発生剤としては、より好ましくは、
3)ジアリールヨードニウム塩系光酸発生剤
4)スルホニウム塩系光酸発生剤
6)スルホン酸エステル系光酸発生剤
が挙げられる。
【0073】
なお、前述の
1)トリハロメチル置換トリアジン系光酸発生剤
2)ジアゾニウム塩系光酸発生剤
3)ジアリールヨードニウム塩系光酸発生剤
4)スルホニウム塩系光酸発生剤
5)金属アレーン錯体系光酸発生剤
は、カチオン重合開始剤とラジカル重合開始剤を兼ねることができる。
さらに、本発明のホログラム記録材料用組成物は、ラジカル重合開始剤を併用しても良い。併用するラジカル重合開始剤として好ましくは、ケトン系重合開始剤、有機過酸化物系重合開始剤、ビスイミダゾール系重合開始剤、ホウ酸塩系重合開始剤、ジアリールヨードニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、スルホニウム有機ホウ素錯体系重合開始剤、カチオン性色素有機ホウ素錯体系重合開始剤、アニオン性色素オニウム塩錯体系重合開始剤等が挙げられる。
【0074】
次に本発明のホログラム記録材料用組成物における酸増殖剤について述べる。
本発明の酸増殖剤は、酸が存在しない場合は安定であるのに対し、酸が存在すると分解して酸を放出し、その酸でまた別の酸増殖剤を分解させてまた酸を放出する、というように光酸発生剤(カチオン重合開始剤)により発生した小量の酸をトリガーとして酸を増殖する化合物である。
【0075】
本発明の酸増殖剤は好ましくは一般式(1−1)〜(1−6)で表される。
【0076】
一般式(1−1)〜(1−6)中、RはROHがpKa5以下の酸となる基を表し、好ましくはpKa3以下の酸となる基を表す。
はROHがスルホン酸、カルボン酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸のいずれかである基であることが好ましく、スルホン酸、電子求引性基置換カルボン酸のいずれかであることがより好ましく、その際電子求引性基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環基が好ましい。RはROHがスルホン酸である基であることが最も好ましい。
【0077】
以下にRの好ましい具体例を挙げるが本発明はこれに限定されるわけではない。
【0078】
【化15】
Figure 2005017730
【0079】
一般式(1−1)中、Rは2−アルキル−2−プロピル基、2−アリール−2−プロピル基、シクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、ビス(p−アルコキシフェニル)メチル基のいずれかを表し、好ましくは2−アルキル−2−プロピル基、2−アリール−2−プロピル基のいずれかを表し、より好ましくは2−アルキル−2−プロピル基を表し、最も好ましくはt−ブチル基を表す。
【0080】
一般式(1−1)中、R、Rはそれぞれ独立に置換基を表し(以上好ましい例はR24に同じ)、より好ましくはそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、さらに好ましくはアルキル基またはアリール基を表し、最も好ましくはアルキル基を表す。
【0081】
一般式(1−1)〜(1−6)中、R、R、R、R10、R13、R16はそれぞれ独立に水素原子または置換基(好ましい例はR24に同じ)を表し、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基を表す。
、R、R13、R16は共に水素原子であることがより好ましい。Rはアリ−ル基(好ましくはフェニル基)であることがより好ましく、R10はORであることがより好ましい。
【0082】
一般式(1−2)中、R、Rはそれぞれ独立にアルキル基を表し、好ましくはメチル基、またはエチル基であり、また互いに連結して環を形成しても良く、形成する環としてはジオキサール環及びジオキサン環が好ましい。
【0083】
一般式(1−3)中、R11、R12は互いに連結して環を形成するアルキル基を表す。形成する環としては飽和シクロアルカン環が好ましい。
【0084】
一般式(1−4)中、R14は水素原子またはニトロ基を表し、ニトロ基であることが好ましい。R15は置換基を表し、n1は0〜3の整数を表し、好ましくはn1は0または1であり、より好ましくは0である。
【0085】
一般式(1−6)中、R17は置換基を表し(以上好ましい例はR24に同じ)、より好ましくはそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、さらに好ましくはアルキル基またはアリール基を表し、最も好ましくはアルキル基を表す。
【0086】
本発明の酸増殖剤は一般式(1−1)、(1−3)または(1−4)のいずれかで表されることがより好ましく、一般式(1−1)で表されることが最も好ましい。
【0087】
以下に本発明の酸増殖剤の具体例を示すが本発明はこれに限定されるわけではない。
【0088】
【化16】
Figure 2005017730
【0089】
【化17】
Figure 2005017730
【0090】
【化18】
Figure 2005017730
【0091】
なお、本発明の酸増殖剤の増殖機構は以下の通りである。
【0092】
【化19】
Figure 2005017730
【0093】
酸増殖時には加熱することが好ましいため、ホログラム露光後、加熱処理することが好ましい。
【0094】
次に本発明のホログラム記録材料用組成物におけるカチオン重合性化合物について説明する。
【0095】
先述したように、本発明のホログラム記録材料用組成物において、カチオン重合性化合物とバインダーの屈折率が異なる方が好ましい。
カチオン重合性化合物とバインダーの屈折率の違いは、カチオン重合性化合物の方がより屈折率が大きくても、バインダーの方がより屈折率が大きくてもどちらでも構わない。
屈折率変調を大きくするためにはカチオン重合性化合物とバインダーのバルクでの屈折率差は大きいことが好ましく、屈折率差は0.01以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましく、0.1以上であることがさらに好ましい。
そのためには、重合性化合物またはバインダーのいずれか一方が、少なくとも1個のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、残りの一方はそれらを含まないことが好ましい。
また、屈折率変調を大きくするためには、ホログラム記録材料中、カチオン重合性化合物が移動しやすいことが好ましい。
【0096】
本発明のカチオン重合性化合物とは、増感色素と光酸発生剤に光を照射することにより発生した酸(ブレンステッド酸またはルイス酸)により、付加重合を起こしてオリゴマーまたはポリマー化が可能な化合物のことである。
本発明のカチオン重合性化合物としては、単官能性でも多官能性でも良く、一成分でも多成分でも良く、モノマー、プレポリマー(例えばダイマー、オリゴマー)でもこれらの混合物でもいずれでも良いが、モノマーであることが好ましい。
また、その形態は、室温において液状であっても固体状であっても良いが、沸点100℃以上の液状であるか、沸点100℃以上の液状モノマーと固体状モノマーの混合物であることが好ましい。
【0097】
本発明のカチオン重合性化合物は、増感色素と光酸発生剤(カチオン重合開始剤)により発生した酸により重合が開始される化合物で、例えば「ケムテク・オクト・(Chemtech.Oct.)」[J.V.クリベロ(J.V.Crivello)、第624頁、(1980)]、特開昭62−149784号公報、日本接着学会誌[第26巻、No.5,第179−187頁(1990)]などに記載されているような化合物が挙げられる。
【0098】
本発明のカチオン重合性化合物として好ましくは、オキシラン環、オキセタン環、ビニルエーテル基、N−ビニルカルバゾール部位を分子中に少なくとも1個有する化合物であり、より好ましくはオキシラン環部位を有する化合物である。以下に、A)屈折率:カチオン重合性化合物>バインダーの場合と、B)屈折率:バインダー>カチオン重合性化合物、の場合にわけて好ましい重合性化合物の例を説明する。
【0099】
A)屈折率:カチオン重合性化合物>バインダーの場合のカチオン重合性化合物の好ましい例
【0100】
この場合、カチオン重合性化合物は屈折率が高いことが好ましく、本発明の高屈折率カチオン重合性化合物としては、少なくとも1個のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、または硫黄原子を含む化合物が好ましく、少なくとも1個のアリール基を含むことが好ましい。また沸点100℃以上の液体であることが好ましい。
【0101】
具体的には以下の重合性モノマー及びそれらから成るプレポリマー(ダイマー、オリゴマー等)が挙げられる。
【0102】
オキシラン環を有する高屈折率カチオン重合性モノマーとして好ましくは、フェニルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)ジフェニルエーテル、p−ブロモスチレンオキサイド、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、ビスフェノール−F−ジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0103】
また他に、以下に挙げられる化合物も高屈折率カチオン重合性モノマーとして好ましい。
【0104】
【化20】
Figure 2005017730
【0105】
オキセタン環を有する高屈折率カチオン重合性モノマーの具体例としては、前記のオキシラン環を有する高屈折率カチオン重合性モノマーの具体例のオキシラン環をオキセタン環に置き換えた化合物等が挙げられる。
【0106】
ビニルエーテル基部位を有する高屈折率カチオン重合性モノマーの具体例としては例えば、ビニル−2−クロロエチルエーテル、4−ビニルエーテルスチレン、ハイドロキノンジビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジビニルエーテル、ビスフェノールFジビニルエーテル、フェノキシエチレンビニルエーテル、p−ブロモフェノキシエチレンビニルエーテルなどが挙げられる。
【0107】
他に、N−ビニルカルバゾールも高屈折率カチオン重合性モノマーとして好ましい。
B)屈折率:バインダー>カチオン重合性化合物の場合のカチオン重合性化合物の好ましい例
【0108】
この場合、カチオン重合性化合物は屈折率が低いことが好ましく、本発明の低屈折率カチオン重合性化合物としては、アリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、及び硫黄原子を一切含まない化合物が好ましい。また沸点100℃以上の液体であることが好ましい。
【0109】
具体的には以下の重合性モノマー及びそれらから成るプレポリマー(ダイマー、オリゴマー等)が挙げられる。
【0110】
オキシラン環を有する低屈折率カチオン重合性モノマーの具体例としては、グリセロールジグリシジルエーテル、グルセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)シクロヘキサン、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンモノグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールモノグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールモノグリシジルエーテル、ネオペンチルグルコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグルコールモノグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,6−ジメチロールパーフルオロヘキサンジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルオキシラン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル−シクロヘキシルメチル)アジペート、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]プロパン、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]ヘキサフルオロプロパン、1,2,5,6−ジエポキシ−4,7−メタノペルヒドロインデン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−3’,4’−エポキシ−1,3−ジオキサン−5−スピロシクロヘキサン、1,2−エチレンジオキシ−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメタン)、4’,5’−エポキシ−2’−メチルシクロヘキシルメチル−4,5−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレングリコール−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジ−2,3−エポキシシクロペンチルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0111】
また他に、以下に挙げられる化合物も低屈折率カチオン重合性モノマーとして好ましい。
【0112】
【化21】
Figure 2005017730
【0113】
オキセタン環を有する低屈折率カチオン重合性モノマーの具体例としては、前記のオキシラン環を有する低屈折率カチオン重合性モノマーの具体例のオキシラン環をオキセタン環に置き換えた化合物等が挙げられる。
【0114】
ビニルエーテル基部位を有する低屈折率カチオン重合性モノマーの具体例としては例えば、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニル−t−ブチルエーテル、エチレングリゴールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールモノビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルグリコール、ネオペンチルグリコールモノビニルグリコール、グリセロールジビニルエーテル、グリセロールトリビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパンモノビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジグリセロールトリビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、アリルビニルエーテル、2,2−ビス(4−シクロヘキサノール)プロパンジビニルエーテル、2,2−ビス(4−シクロヘキサノール)トリフルオロプロパンジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルなどが挙げられる。
【0115】
なお、本発明のホログラム記録材料用組成物において、本発明のカチオン重合性化合物に加えて、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン類等に代表されるような、ラジカル重合性化合物を併用して用いても良い。
ラジカル重合性化合物としては、好ましくは、特開平6−43634号、特開平2−3082号、特開平3−50588号等記載のものが用いられる。
【0116】
本発明のホログラム記録材料用組成物におけるバインダーは重合前の組成物の成膜性、膜厚の均一性、保存時安定性を向上させる等の目的で使用されることが好ましい。
バインダーとしては、カチオン重合性化合物、光酸発生剤(カチオン重合開始剤)、増感色素、酸増殖剤と相溶性の良いものが好ましい。また、バインダーとしては、溶媒可溶性の熱可塑性重合体が好ましく、該重合体を単独又は互いに組合せて使用することができる。
また、バインダーはラジカル重合やカチオン重合が起こる際に反応しうる反応性バインダーであっても良い。その際は、具体的にはエチレン性不飽和基やオキシラン環等を有する反応性オリゴマーが好ましい。
【0117】
先述したように本発明のバインダーはカチオン重合性化合物と屈折率が違うことが好ましく、カチオン重合性化合物の方がより屈折率が大きくても、バインダーの方がより屈折率が大きくてもどちらでも構わない。
そのためには、カチオン重合性化合物またはバインダーのいずれか一方が、少なくとも1個のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、または硫黄原子を含み、残りの一方はそれらを含まないことが好ましい。
【0118】
以下に、A)屈折率:カチオン重合性化合物>バインダーの場合と、B)屈折率:バインダー>カチオン重合性化合物、の場合にわけて好ましいバインダーの例を説明する。
【0119】
A)屈折率:カチオン重合性化合物>バインダーの場合のバインダーの好ましい例
【0120】
好ましい低屈折率バインダーの具体例としては、アクリレート及びアルファ−アルキルアクリレートエステル及び酸性重合体及びインターポリマー(例えばポリメタクリル酸メチル及びポリメタクリル酸エチル、メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体)、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸/アクリル酸ビニル、ポリ酢酸/メタクリル酸ビニル及び加水分解型ポリ酢酸ビニル)、エチレン/酢酸ビニル共重合体、飽和及び不飽和ポリウレタン、ブタジエン及びイソプレン重合体及び共重合体及びほぼ4,000〜1,000,000の重量平均分子量を有するポリグリコールの高分子量ポリ酸化エチレン、エポキシ化物(例えば、アクリレート又はメタクリレート基を有するエポキシ化物)、ポリアミド(例えば、N−メトキシメチルポリヘキサメチレンアジパミド)、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテート、セルロースアセテートサクシネート及びセルロースアセテートブチレート)、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルベンジルセルロース)、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール(例えば、ポリビニルブチラール及びポリビニルホルマール)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、米国特許3,458,311中及び米国特許4,273,857中に開示されている酸含有重合体及び共重合体、並びに米国特許4,293,635中に開示されている両性重合体バインダーなどが挙げられ、より好ましくはセルロースアセテートブチレート重合体、セルロースアセテートラクテート重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル/メタクリル酸及びメタクリル酸メチル/アクリル酸共重合体を含むアクリル系重合体及びインターポリマー、メタクリル酸メチル/アクリル酸又はメタクリル酸C2〜C4アルキル/アクリル酸又はメタクリル酸の3元重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、並びにそれらの混合物などが挙げられる。
【0121】
また、フッ素原子含有高分子も低屈折率バインダーとして好ましい。好ましいものとしては、フルオロオレフィンを必須成分とし、アルキルビニルエーテル、アリサイクリックビニルエーテル、ヒドロキシビニルエーテル、オレフィン、ハロオレフィン、不飽和カルボン酸およびそのエステル、およびカルボン酸ビニルエステルから選ばれる1種もしくは2種以上の不飽和単量体を共重合成分とする有機溶媒に可溶性の重合体である。好ましくは、その重量平均分子量が5,000から200,000で、またフッ素原子含有量が5ないし70質量%であることが望ましい。
【0122】
フッ素原子含有高分子におけるフルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどが使用される。また、他の共重合成分であるアルキルビニルエーテルとしては、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテルなど、アリサイクリックビニルエーテルとしてはシクロヘキシルビニルエーテルおよびその誘導体、ヒドロキシビニルエーテルとしてはヒドロキシブチルビニルエーテルなど、オレフィンおよびハロオレフィンとしてはエチレン、プロピレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど、カルボン酸ビニルエステルとしては酢酸ビニル、n−酪酸ビニルなど、また不飽和カルボン酸およびそのエステルとしては(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸、および(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどの(メタ)アクリル酸のC1からC18のアルキルエステル類、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のC2からC8のヒドロキシアルキルエステル類、およびN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらラジカル重合性単量体はそれぞれ単独でも、また2種以上組み合わせて使用しても良く、更に必要に応じて該単量体の一部を他のラジカル重合性単量体、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリロニトリルなどのビニル化合物と代替しても良い。また、その他の単量体誘導体として、カルボン酸基含有のフルオロオレフィン、グリシジル基含有ビニルエーテルなども使用可能である。
【0123】
前記したフッ素原子含有高分子の具体例として、例えば水酸基を有する有機溶媒可溶性の「ルミフロン」シリーズ(例えばルミフロンLF200、重量平均分子量:約50,000、旭硝子社製)が挙げられる。この他にも、ダイキン工業(株)、セントラル硝子(株)、ペンウオルト社などからも有機溶媒可溶性のフッ素原子含有高分子が市販されており、これらも使用することができる。
【0124】
また他に、以下に挙げられるエポキシオリゴマー化合物も低屈折率反応性バインダーとして使用することができる。
【0125】
【化22】
Figure 2005017730
【0126】
上記のnの値は1.3〜1.5が好ましい。
B)屈折率:バインダー>カチオン重合性化合物の場合のバインダーの好ましい例
【0127】
好ましい高屈折率バインダーの具体例としては、ポリスチレン重合体、並びに例えばアクリロニトリル、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステルとの共重合体、塩化ビニリデン共重合体(例えば、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、ビニリデンクロリド/メタクリレート共重合体、塩化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体)、ポリ塩化ビニル及び共重合体(例えば、ポリビニルクロリド/アセテート、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体)、ポリビニルベンザル合成ゴム(例えば、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、メタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、2−クロロブタジエン−1,3重合体、塩素化ゴム、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)、コポリエステル(例えば、式HO(CHOH(式中nは、2〜10の整数である)のポリメチレングリコール、並びに(1)ヘキサヒドロテレフタル酸、セバシン酸及びテレフタル酸、(2)テレフタル酸、イソフタル酸及びセバシン酸、(3)テレフタル酸及びセバシン酸、(4)テレフタル酸及びイソフタル酸の反応生成物から製造されたもの、並びに(5)該グリコール及び(i)テレフタル酸、イソフタル酸及びセバシン酸及び(ii)テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸及びアジピン酸から製造されたコポリエステルの混合物)、ポリN−ビニルカルバゾール及びその共重合体、並びにH.カモガワらによりJournal of Polymer Science:Polymer Chemistry Edition,18巻、9〜18頁(1979)中に開示されているようなカルバゾール含有重合などが挙げられ、より好ましくはポリスチレン、ポリ(スチレン/アクリロニトリル)、ポリ(スチレン/メタクリル酸メチル)、並びにポリビニルベンザル及びそれらの混合物などが挙げられる。
【0128】
またポリ(メチルフェニルシロキサン)や、1,3,5−トリメチル−1,1,3,5,5−ペンタフェニルトリシロキサンなどのケイ素化合物やシリコンオイル等も好ましい例として挙げられる。
また他に、以下に挙げられるエポキシオリゴマー化合物も高屈折率反応性バインダーとして使用することができる。
【0129】
【化23】
Figure 2005017730
【0130】
上記のnの値は1.5〜1.8が好ましい。
本発明のホログラム記録材料及び組成物中の各成分の割合は、一般的に組成物の全質量を基準に以下の%の範囲内であることが好ましい。
バインダー:好ましくは0〜90質量%、より好ましくは40〜75質量%
酸増殖剤:好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.1〜20質量%
重合性化合物:好ましくは5〜60質量%、より好ましくは15〜50質量%
増感色素:好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜7質量%
光酸発生剤(重合開始剤):好ましくは0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜7質量%
【0131】
増感色素、ラジカル重合開始剤、ラジカル重合性化合物に、カチオン重合性化合物(モノマーまたはオリゴマー)及びそのカチオン重合開始剤(光酸発生剤)を併用した組み合わせとして好ましい例としては、例えば、特開平5−181271号、同5−107999号、同8−16078号、同8−16080号、同8−44277号等記載のものが挙げられる。
【0132】
増感色素、カチオン重合開始剤(光酸発生剤)、カチオン重合性化合物及びバインダーの組み合わせとして好ましい例としては例えば、特表2001―523842号、特表11−512847号等記載のものが挙げられる。
【0133】
本発明のホログラム記録材料用組成物には、必要により熱安定剤、可塑剤、溶媒等の添加物を適宜用いることができる。
【0134】
本発明のホログラム記録材料用組成物には、保存時の重合を防止し、保存安定性を保つ目的で熱安定剤(熱重合禁止剤)を添加することができる。
有用な熱安定剤にはハイドロキノン、フェニドン、p−メトキシフェノール、アルキルおよびアリール置換されたハイドロキノンとキノン、カテコール、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、フェノチアジン、およびクロルアニールなどが含まれる。Pazos氏の米国特許第4,168,982号中に述べられた、ジニトロソダイマ類もまた有用である。
熱安定剤は不飽和結合を有する化合物100質量部に対して0.001から5質量部の範囲で添加されるのが好ましい。
【0135】
可塑剤はホログラム記録材料の接着性、柔軟性、硬さ、およびその他の機械的諸特性を変えるために用いられる。可塑剤としては例えば、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、ジエチルセバケート、ジブチルスベレート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジブチルフタレート等が挙げられる。
【0136】
本発明のホログラム記録材料用組成物は通常の方法で調製されてよい。例えば上述の必須成分および任意成分をそのままもしくは必要に応じて溶媒を加えて調製することができる。
溶媒としては例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジアセテート、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル系溶媒、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶媒、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、N、N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒などが挙げられる。
【0137】
本発明のホログラム記録材料用組成物は、スピンコーター、ロールコーターまたはバーコーターなどを用いることによって基板上に直接塗布することも、あるいはフィルムとしてキャストしついで通常の方法により基板にラミネートすることもでき、それらによりホログラム記録材料とすることができる。
ここで、「基板」とは、任意の天然又は合成支持体、好適には柔軟性又は剛性フィルム、シートまたは板の形態で存在することができるものを意味する。
基板として好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、樹脂下塗り型ポリエチレンテレフタレート、火炎又は静電気放電処理されたポリエチレンテレフタレート、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ガラス等である。
使用した溶媒は乾燥時に蒸発除去することができる。蒸発除去には加熱や減圧を用いても良い。
【0138】
さらに、ホログラム記録材料の上に、酸素遮断のための保護層を形成してもよい。保護層は、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレートまたはセロファンフィルムなどのプラスチック製のフィルムまたは板を静電的な密着、押し出し機を使った積層等により貼合わせるか、前記ポリマーの溶液を塗布してもよい。また、ガラス板を貼合わせてもよい。また、保護層と感光膜の間および/または、基材と感光膜の間に、気密性を高めるために粘着剤または液状物質を存在させてもよい。
【0139】
本発明のホログラム記録材料をホログラフィック光メモリ用途に用いる場合、ホログラム記録材料はホログラム記録前後で収縮等が起こらない方が信号再生時のS/N比向上の点でより好ましい。
そのため、例えば本発明のホログラム記録材料に特開2000−86914号記載の膨張剤を用いたり、特開2000−250382号、2000−172154、特開平11−344917号記載の耐収縮性のあるバインダーを用いることも好ましい。
また、特開平3−46687号、5−204288号、特表平9−506441号等記載の拡散要素を用いて干渉縞間隔を調節することも好ましい。
【0140】
本発明のホログラム記録材料は、光記録媒体(ホログラフィック光メモリ)、3次元ディスプレイホログラム、ホログラフィック光学素子(HOE、例えば、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス)、書籍、雑誌等の表紙、POPなどのディスプレイ、ギフト、偽造防止用のセキュリティ目的としてクレジットカード、紙幣、包装などに好ましく用いることができる。
【0141】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるわけではない。
<実施例1>
赤色灯下にて増感色素、光酸発生剤、酸増殖剤、カチオン重合性化合物、バインダーを表1のような質量比にて溶媒に溶解し、ホログラム記録材料用組成物101〜106を調液した。
【0142】
【化24】
Figure 2005017730
【0143】
【表1】
Figure 2005017730
【0144】
このホログラム記録材料用組成物101〜106を厚さが約18μmになるようにアプリケーターを用いてガラス基板に塗布し感光層を形成した後、40℃で3分間加熱乾燥して溶媒を留去した。さらに感光層上をポリエチレンテレフタレート膜で覆うことにより、ホログラム記録材料101〜106を作製した。
【0145】
ホログラム記録材料を、図1に示す反射型ホログラム記録用の2光束光学系により、光源としてYAGレーザー2倍波(532nm、出力2W)を用いて露光し記録した。ビームは0.8cmの直径と12mW/cmの強度とを有しており、ホログラフィー露光時間を0.1〜30秒の範囲(照射エネルギーにして1.2〜360mJ/cmの範囲)変化させて露光した後、それぞれのサンプルについて、キセノンランプにより可視光及び紫外光を全面照射し、さらに100℃で30分間加熱を行って定着させることにより、乾式処理にてホログラム記録を行った。
【0146】
得られたホログラムの回折効率は、島津製作所製の分光光度計により測定した。
露光時間(エネルギー)を変えたサンプルのうち、最大回折効率の半分の値を示した時の露光エネルギーを感度とした。
以上、ホログラム記録材料101〜106における最大回折効率と感度の評価結果を表2に示す。
【0147】
【表2】
Figure 2005017730
【0148】
表2から明らかなように、本発明のホログラム記録材料は比較例のホログラム記録材料に対し高い感度と高い回折効率を有する。
なお、増感色素をD−17、D−21、D−35、D−46、D−48、D−55、D−74、光酸発生剤を他のジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、スルホン酸エステル類、酸増殖剤をAA−2、AA−3、AA−5、AA−10、AA−22、AA−27、AA−29、AA−32、AA−34に変更しても同様な効果が得られた。
【0149】
【発明の効果】
本発明のホログラム記録材料を用いることで、高感度かつ高回折効率にホログラム記録が行えることがわかり、ホログラフィックメモリ等への応用の際、転送速度等の点で有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホログラム露光用の2光束光学系を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 ホログラム記録材料
2 レーザ
3 レーザ光
4 ミラー
5 ビームスプリッター
6 スペイシャルフィルター
7 レンズ
8 レンズ

Claims (8)

  1. 酸増殖剤を含むことを特徴とするホログラム記録材料用組成物。
  2. さらに、増感色素、光酸発生剤、カチオン重合性化合物およびバインダーを含むことを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録材料用組成物。
  3. 請求項1または2にて、酸増殖剤が下記一般式(1−1)〜(1−6)のいずれかで表されることを特徴とする請求項1または2記載のホログラム記録材料用組成物。
    Figure 2005017730
    一般式(1−1)〜(1−6)中、RはROHがpKa5以下の酸となる基を表す。Rは2−アルキル−2−プロピル基、2−アリール−2−プロピル基、シクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、ビス(p−アルコキシフェニル)メチル基のいずれかを表す。R、R、R15、R17はそれぞれ独立に置換基を表し、R、R、R、R10、R13、R16はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R、Rはアルキル基を表し、互いに連結して環を形成しても良い。R11、R12は互いに連結して環を形成するアルキル基を表し、R14は水素原子またはニトロ基を表す。n1は0〜3の整数を表す。
  4. 光酸発生剤がジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、金属アレーン錯体、トリハロメチル置換トリアジンまたはスルホン酸エステルであることを特徴とする請求項2または3記載のホログラム記録材料用組成物。
  5. 請求項1〜4記載のホログラム記録材料用組成物から成ることを特徴とするホログラム記録材料。
  6. 請求項5記載のホログラム記録材料を用いて体積位相型ホログラム記録を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
  7. 請求項5記載のホログラム記録材料を用いてホログラム記録を行う際、ホログラム露光した後、湿式処理を行わないことを特徴とするホログラム記録方法。
  8. 請求項5記載のホログラム記録材料を用いてホログラム記録を行う際、ホログラム露光した後、加熱処理を行うことを特徴とするホログラム記録方法。
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