JP2005017429A - 光導波路の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】幅方向断面形状が実質的に円形状のコア層を、均一かつ精度よく形成することができ、信頼性の高い光導波路を製造することができる、光導波路の製造方法を提供すること。
【解決手段】第2下部クラッド層3に幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部4が形成されている下部クラッド層1を用意して、その凹部4に感光性樹脂8を充填する。次いで、感光性樹脂8を、凹部4の幅方向中央から対称に形成され、段階的に光透過率が増加または減少するグラデーションマスクからなるフォトマスク31を用いて露光した後、露光された感光性樹脂8を現像することにより、幅方向断面が実質的に円形状のコア層5を形成し、そのコア層5を被覆する上部クラッド層6を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】第2下部クラッド層3に幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部4が形成されている下部クラッド層1を用意して、その凹部4に感光性樹脂8を充填する。次いで、感光性樹脂8を、凹部4の幅方向中央から対称に形成され、段階的に光透過率が増加または減少するグラデーションマスクからなるフォトマスク31を用いて露光した後、露光された感光性樹脂8を現像することにより、幅方向断面が実質的に円形状のコア層5を形成し、そのコア層5を被覆する上部クラッド層6を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路の製造方法に関し、詳しくは、複数の光デバイスの間を光接続するための光導波路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、低コスト化および量産性の観点から、複数の光デバイスの間を光接続するための光導波路を、高分子材料から形成することが検討されている。
【0003】
高分子材料からなる光導波路は、ドライプロセスにより形成することができるが、レジスト層の形成や一方向からのドライエッチングなどの製造工程上の制限から、通常、コア層は、断面方形として製造されている。
【0004】
しかし、光導波路の接続対象の1つである光ファイバーが断面円形であることや、導波される光が円形であることなどから、コア層は、断面円形であることが望ましく、そのため、例えば、コア層の断面形状が半円状の第1の高分子光導波路と、コア層の断面形状が半円状の第2の高分子光導波路とを形成し、これらを互いのコア層が対向するようにして重ね合わせることにより、コア層の断面形状が円形となる光導波路を製造することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−56148号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、特許文献1に記載される方法では、第1の高分子光導波路と第2の高分子光導波路とを、互いのコア層が対向するよう重ね合わせるため、アライメントにおいて厳しい精度が要求される。すなわち、光導波路では、たとえ、1μm程度の位置ずれであっても、光をカップリングさせる上では致命的となるため、非常に高いレベルのアライメント精度が要求される。その一方、第1の高分子光導波路と第2の高分子光導波路とを、そのような非常に高いレベルでアライメントすることは、非常に困難である。
【0006】
また、光導波路のコア層には、光学的な対称性や、材料の異方性がないことが要求されるが、その一方で、第1の高分子光導波路と第2の高分子光導波路とを重ね合わせると、コア層の内部に界面が生じ、光学的な信頼性を損なうおそれがある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、幅方向断面形状が実質的に円形状のコア層を、均一かつ精度よく形成することができ、信頼性の高い光導波路を製造することのできる、光導波路の製造方法を提供することある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の光導波路の製造方法は、下部クラッド層と上部クラッド層との間に、長手方向に直交する幅方向断面が実質的に円形状のコア層が介在される光導波路の製造方法であって、幅方向断面が実質的に半円形状である凹部を有する前記下部クラッド層を用意する工程、前記凹部に感光性樹脂を充填する工程、前記凹部の幅方向中央から対称に段階的に光透過率が増加または減少するフォトマスクを用いて、前記感光性樹脂を露光する工程、露光された前記感光性樹脂を現像することにより、幅方向断面が実質的に円形状のコア層を形成する工程、前記コア層を被覆する上部クラッド層を形成する工程を備えていることを特徴としている。
【0009】
この方法によれば、下部クラッド層の凹部に充填された感光性樹脂が、フォトマスクによって、凹部の幅方向中央から対称に、光が段階的に増加または減少するようにして露光され、次いで、現像されることにより、幅方向断面が実質的に円形状のコア層が形成される。そのため、この方法では、幅方向断面形状が実質的に円形状のコア層を、界面がなく、均一かつ精度よく形成することができる。その結果、信頼性の高い光導波路を製造することができる。
【0010】
また、本発明の光導波路の製造方法では、前記下部クラッド層を用意する工程が、幅方向において対称に段階的に光透過率が増加または減少するフォトマスクを用いて、感光性樹脂を露光する工程、および、露光された前記感光性樹脂を現像することにより、幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部を形成する工程を備えていることが好適である。
【0011】
この方法によれば、感光性樹脂が、フォトマスクによって、幅方向において対称に、光が段階的に増加または減少するようにして露光され、次いで、現像されることにより、その感光性樹脂に、幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部が形成される。そのため、幅方向断面形状が実質的に円形状のコア層を、より精度よく形成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の光導波路の製造方法の一実施形態を示す製造工程図である。この方法では、まず、幅方向(光導波路11の長手方向に直交する方向、以下同じ)断面が実質的に半円形状である凹部4を有する下部クラッド層1を用意する。
【0013】
幅方向断面が実質的に半円形状である凹部4を有する下部クラッド層1は、図1(a)に示すように、まず、第1下部クラッド層2の上に、第2下部クラッド層3が積層される下部クラッド層1を用意して、この下部クラッド層1の第2下部クラッド層3に、図1(b)に示すように、幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部4を形成することにより、用意することができる。
【0014】
第1下部クラッド層2および第2下部クラッド層3を形成する材料としては、特に制限されないが、耐熱性および透明性の観点から、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、これらのフッ素化樹脂や重水素化樹脂などが用いられる。
【0015】
なお、第1下部クラッド層2および第2下部クラッド層3は、同一の材料から形成してもよく、また、異なる材料から形成してもよい。これら第1下部クラッド層2および第2下部クラッド層3を形成する材料としては、好ましくは、後述する感光性ポリイミド樹脂、さらに好ましくは、後述する感光性フッ素化ポリイミド樹脂が用いられる。
【0016】
第1下部クラッド層2は、上記した材料を長手方向に延びる平板状に成形することにより、形成することができる。
【0017】
また、第1下部クラッド層2は、合成石英ガラスや酸化膜付きのシリコンウエハなどの基板として用意することもできる。
【0018】
なお、第1下部クラッド層2の厚みは、例えば、1〜50μmであり、上記した基板として用意する場合には、300μm〜5mmが好ましい。
【0019】
第1下部クラッド層2の上に、第2下部クラッド層3を積層するには、第1下部クラッド層2の上に、上記した材料を含む溶液を、例えば、キャスティング、スピンコートなどによって、塗布し、乾燥して、均一な厚みとして、第2下部クラッド層3を形成すればよい。また、予め長手方向に延びる平板状に形成した第2下部クラッド層3を、第1下部クラッド層2の上に、加圧または加熱圧着することにより、形成してもよい。
【0020】
なお、第2下部クラッド層3の厚みは、例えば、1〜50μm、好ましくは、5〜30μmである。
【0021】
次いで、下部クラッド層1の第2下部クラッド層3に、幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部4を形成する。
【0022】
凹部4は、特に制限されず、第2下部クラッド層3の形成と同時またはその後に、例えば、転写型を用いたプレス加工、モールディング加工、ウエットエッチング法、露光および現像によるパターンニング法など、適宜公知の方法を用いて、形成することができる。これらのうち、露光および現像によるパターンニング法を用いれば、凹部4を精度よく半円形状に形成することができる。
【0023】
すなわち、露光および現像によるパターンニング法では、まず、図2(a)に示すように、第1下部クラッド層2の上に、上記した材料の感光性樹脂7、例えば、感光性ポリイミド樹脂、感光性ポリアミド樹脂、感光性シリコーン樹脂、感光性エポキシ樹脂、これらの感光性フッ素化樹脂や感光性重水素化樹脂を含む溶液を塗布し、乾燥して、均一な厚みとする。
【0024】
次いで、図2(b)に示すように、例えば、感光性樹脂7をネガ型パターンで形成する場合には、光導波路11の幅方向において対称に形成され、段階的に光透過率が増加するフォトマスク31を、第1下部クラッド層2の上に塗布された感光性樹脂7の上に、そのフォトマスク31の中央が、形成される凹部4の幅方向中央となるように配置し、その後、このフォトマスク31を介して、感光性樹脂を露光する。
【0025】
このフォトマスク31は、図3に示すように、その幅方向中央が最も光透過率が低い第1マスクライン32a(例えば、光透過率0%)として形成され、その第1マスクライン32aの幅方向両側に、対称に、光透過率が順次増加するように、第2マスクライン32b(例えば、光透過率5〜35%)、第3マスクライン32c(例えば、光透過率35〜65%)、第4マスクライン32d(例えば、光透過率65〜95%)、第5マスクライン32e(例えば、光透過率100%)が、順次形成されている。各マスクライン32は、光導波路11の長手方向に沿って延びるように形成されている。
【0026】
このようなフォトマスク31は、グラデーションマスク(ハーフトーンマスク)として、公知の方法、例えば、合成石英ガラスにクロムなどの金属薄膜を均一に蒸着し、その後、レーザにより光透過率が段階的に変化する各マスクライン32が形成されるように、エッチング加工することによって、形成することができる。
【0027】
なお、図3に示すフォトマスク31は、例えば、凹部4を、直径6μmφとして形成する場合の、少なくとも5段階(すなわち、第1マスクライン32a〜第5マスクライン32e)のグラデーションマスクとして例示されているが、各マスクライン32の幅、光透過率および段階数は、形成する凹部4の直径や精度により、適宜選択することができる。また、同径の凹部4を形成する場合には、各マスクライン32の幅が狭く、段階数が多いほど、より精度のよい形状で凹部4を形成することができる。このようなフォトマスク31は、実用的には、5段階以上、好ましくは、10段階以上、さらに好ましくは、20段階以上のグラデーションマスクとして形成されていることが好ましい。
【0028】
また、露光方法は、特に制限されず、例えば、感光性樹脂7とフォトマスク31とを直接接触させるハードコンタクト露光方法、感光性樹脂7とフォトマスク31との間に若干の隙間を設けるプロキシミティ露光方法、さらには、投影露光方法などの公知の露光方法を用いることができる。
【0029】
この方法において、フォトマスク31の作製の容易性や解像度を考慮すると、所望パターンを拡大したフォトマスク31を用いることができる、投影露光方法が好ましく用いられる。投影露光方法では、縮小率が大きいほど、フォトマスク31の各マスクライン32をより細かく作製できるため、凹部4を真半円形状に近い形状として形成することができる。
【0030】
また、露光装置としては、特に制限されず、マスクアライナー、ステッパーなどの公知の露光装置が用いられる。精度の観点から、ステッパーが好ましく用いられる。
【0031】
次いで、この方法では、必要により露光後加熱した後、図2(c)に示すように、露光された感光性樹脂7を現像し、その後、必要により加熱硬化させることにより、凹部4と第2下部クラッド層3とを同時に形成する。
【0032】
感光性樹脂7の現像は、特に制限されず、公知の現像液を用いて、例えば、スプレー法、浸漬法などの公知の現像方法によって現像することができる。この現像によって、感光性樹脂7における未露光部が除去される。
【0033】
また、その後、感光性樹脂7の種類により、適宜の温度で加熱硬化させればよい。例えば、感光性ポリイミド樹脂では、現像後、200〜400℃で加熱硬化させる。
【0034】
なお、上記の説明では、感光性樹脂7をネガ型パターンで形成したが、感光性樹脂7をポジ型パターンで形成する場合には、図示しないが、光導波路11の幅方向において対称に形成され、段階的に光透過率が減少するフォトマスクを、第1下部クラッド層2の上に塗布された感光性樹脂7の上に、そのフォトマスクの中央が、形成される凹部4の幅方向中央となるように配置し、その後、そのフォトマスクを介して、感光性樹脂7を露光し、現像後、必要により加熱硬化させればよい。
【0035】
これによって、例えば、シングルモードでは、3〜15μm径、好ましくは、5〜10μm径、マルチモードでは、10〜100μm径、好ましくは、30〜70μm径の断面が実質的に半円形状となる凹部4、すなわち、最大深さが、例えば、1.5〜50μm、好ましくは、2.5〜35μmとなる凹部4を形成することができる。
【0036】
次いで、この方法では、図1(c)に示すように、凹部4を含む第2下部クラッド層3の上に、コア層5を形成するための感光性樹脂8を積層する。
【0037】
コア層5を形成するための感光性樹脂8は、下部クラッド層1および上部クラッド層6よりも、屈折率が大きければ、特に制限されず、上記した材料の感光性樹脂、例えば、感光性ポリイミド樹脂、感光性ポリアミド樹脂、感光性シリコーン樹脂、感光性エポキシ樹脂、これらの感光性フッ素化樹脂や感光性重水素化樹脂などが用いられる。
【0038】
この方法では、とりわけ、耐熱性の観点より、感光性ポリイミド樹脂が好ましく用いられ、さらには、透明性の観点より、感光性フッ化ポリイミド樹脂が好ましく用いられる。
【0039】
上記の樹脂において、感光性ポリイミド樹脂は、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸に、感光性が付与されてなるものであって、ポリアミド酸は、例えば、有機テトラカルボン酸二無水物と、ジアミンとを反応させることによって得ることができる。
【0040】
有機テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物などが挙げられる。
【0041】
また、例えば、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無水物などのフッ素置換テトラカルボン酸二無水物なども、好ましく挙げられる。
【0042】
これら有機テトラカルボン酸二無水物は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これら有機テトラカルボン酸二無水物のなかでは、フッ素置換テトラカルボン酸二無水物が好ましく用いられる。
【0043】
また、ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニルなどが挙げられる。
【0044】
また、例えば、2,2’−ビス(トリフルオロメトキシ)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMOB)、3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAAF)、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン(HFBAPP)、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BIS−AP−AF)、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BIS−AT−AF)、2,2’−ジフルオロベンジジン(FBZ)、4,4’−ビス(アミノオクタフルオロ)ビフェニル、3,5−ジアミノベンゾトリフルオライド、1,3−ジアミノ−2,4,5,6−テトラフルオロベンゼンなどのフッ素置換ジアミンなども挙げられる。
【0045】
これらジアミンは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらジアミンのなかでは、フッ素置換ジアミンが好ましく用いられる。
【0046】
そして、ポリアミド酸は、有機テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、常法に従って反応させることにより、得ることができる。すなわち、例えば、有機テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、ほぼ等モルとなる割合で、不活性ガス雰囲気下、反応溶媒中において、250℃以下の温度、好ましくは、室温(25℃)〜80℃の範囲で、5〜20時間程度攪拌することによって、ポリアミド酸を粘性のある溶液として得ることができる。
【0047】
反応溶媒としては、有機テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを溶解させるとともに、得られるポリアミド酸を溶解し得るものであれば、特に制限されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒が挙げられる。これら極性溶媒は、単独で、または、2種以上の混合溶媒として用いることもできる。また、これら極性溶媒のなかでは、耐熱分解性が良好で透明性に優れるN,N−ジメチルアセトアミドが好ましく用いられる。
【0048】
このようにして得られるポリアミド酸は、例えば、その重量平均分子量が、5000〜500000程度、好ましくは、10000〜150000程度であって、反応溶媒中に、例えば、1〜50重量%、好ましくは、5〜30重量%の割合(固形分濃度)の溶液として調製される。
【0049】
そして、このようにして得られるポリアミド酸に光感光性を付与するには、特に制限されないが、例えば、光架橋基をエステル交換反応などによりポリアミド酸の側鎖に導入する、あるいは、光架橋性ポリマーとポリイミドとをブロック重合する、さらには、1,4−ジヒドロピリジン誘導体などの公知の感光剤を配合するなど、適宜公知の方法が用いられる。
【0050】
1,4−ジヒドロピリジン誘導体は、より具体例には、例えば、1−エチル−3,5−ジメトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、1−メチル−3,5−ジメトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、1−プロピル−3,5−ジメトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、1−プロピル−3,5−ジエトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジンなどが挙げられる。
【0051】
1,4−ジヒドロピリジン誘導体を配合する場合には、例えば、その配合割合は、ポリアミド酸100重量部に対して、1,4−ジヒドロピリジン誘導体が0.1〜30重量部、好ましくは、1〜5重量部である。
【0052】
また、感光剤とともに、溶解調整剤を配合することが好ましい。溶解調整剤としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールジフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。これら溶解調整剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、このような溶解調整剤の重量平均分子量は、例えば、150〜1000、さらには、200〜800であることが好ましい。
【0053】
溶解調整剤の配合割合は、特に制限されないが、例えば、ポリアミド酸100重量部に対して、10〜45重量部、好ましくは、15〜30重量部である。
【0054】
そして、凹部4を含む第2下部クラッド層3の上に、コア層5を形成するための感光性樹脂8を積層するには、感光性樹脂8を含む溶液を、凹部4を含む第2下部クラッド層3の表面に、例えば、キャスティング、スピンコートなどによって均一な厚みで塗布した後、乾燥すればよい。
【0055】
塗布厚みは、溶媒の揮発、硬化収縮、現像時の膜減りなどを考慮して、例えば、シングルモードの場合は、乾燥後の厚みとして、5〜30μm、好ましくは、10〜20μmに設定する。
【0056】
これによって、第2下部クラッド層3の上に、感光性樹脂8が積層されるとともに、凹部4内に感光性樹脂8が充填される。
【0057】
次いで、この方法では、図1(d)に示すように、例えば、感光性樹脂8をネガ型パターンで形成する場合には、凹部4の幅方向中央において対称に形成され、段階的に光透過率が減少するフォトマスク35を、感光性樹脂8の上に、そのフォトマスク35の中央が、凹部4の幅方向中央となるように配置し、その後、このフォトマスク35を介して、感光性樹脂8を露光する。
【0058】
このフォトマスク35は、図3に示すフォトマスク31の反転パターン、すなわち、図4に示すように、その幅方向中央が最も光透過率が高い第1マスクライン36a(例えば、光透過率100%)として形成され、その第1マスクライン36aの幅方向両側に、対称に、光透過率が順次減少するように、第2マスクライン36b(例えば、光透過率65〜95%)、第3マスクライン36c(例えば、光透過率35〜65%)、第4マスクライン36d(例えば、光透過率5〜35%)、第5マスクライン36e(例えば、光透過率0%)が、順次形成されている。各マスクライン36は、光導波路11の長手方向に沿って延びるように形成されている。
【0059】
このようなフォトマスク35は、図3に示すフォトマスク31と同様に、グラデーションマスク(ハーフトーンマスク)として、公知の方法、例えば、合成石英ガラスにクロムなどの金属薄膜を均一に蒸着し、その後、レーザにより光透過率が段階的に変化する各マスクライン36が形成されるように、エッチング加工することによって、形成することができる。
【0060】
なお、図4に示すフォトマスク35は、図3に示すフォトマスク31と同様に、例えば、コア層5を、直径6μmφとして形成する場合の、少なくとも5段階(すなわち、第1マスクライン36a〜第5マスクライン36e)のグラデーションマスクとして例示されているが、各マスクライン36の幅、光透過率および段階数は、形成するコア層5の直径や精度により、適宜選択することができる。また、同径のコア層5を形成する場合には、各マスクライン36の幅が狭く、段階数が多いほど、より精度のよい形状でコア層5を形成することができる。このようなフォトマスク35は、実用的には、5段階以上、好ましくは、10段階以上、さらに好ましくは、20段階以上のグラデーションマスクとして形成されていることが好ましい。
【0061】
また、露光方法は、特に制限されず、上記と同様に、例えば、感光性樹脂8とフォトマスク31とを直接接触させるハードコンタクト露光方法、感光性樹脂8とフォトマスク31との間に若干の隙間を設けるプロキシミティ露光方法、さらには、投影露光方法などの公知の露光方法を用いることができる。
【0062】
この方法において、フォトマスク35の作製の容易性や解像度を考慮すると、所望パターンを拡大したフォトマスク35を用いることができる、投影露光方法が好ましく用いられる。投影露光方法では、縮小率が大きいほど、フォトマスク35の各マスクライン36をより細かく作製できるため、コア層5を真円形状に近い形成として形成することができる。
【0063】
また、露光装置としては、特に制限されず、マスクアライナー、ステッパーなどの公知の露光装置が用いられる。精度の観点から、ステッパーが好ましく用いられる。
【0064】
次いで、この方法では、必要により露光後加熱した後、図1(e)に示すように、露光された感光性樹脂8を現像し、その後、必要により加熱硬化させることにより、コア層5を形成する。
【0065】
感光性樹脂8の現像は、特に制限されず、公知の現像液を用いて、例えば、スプレー法、浸漬法などの公知の現像方法によって現像することができる。この現像によって、感光性樹脂8における未露光部が除去される。
【0066】
また、その後、感光性樹脂8の種類により、適宜の温度で加熱硬化させればよい。例えば、感光性ポリイミド樹脂では、現像後、200〜400℃で加熱硬化させる。
【0067】
なお、上記の説明では、感光性樹脂8をネガ型パターンで形成したが、感光性樹脂8をポジ型パターンで形成する場合には、図示しないが、凹部4の幅方向中央において対称に形成され、段階的に光透過率が増加するフォトマスクを、感光性樹脂8の上に、そのフォトマスクの中央が、凹部4の幅方向中央となるように配置し、その後、そのフォトマスクを介して、感光性樹脂8を露光し、現像後、必要により加熱硬化させればよい。
【0068】
これによって、例えば、シングルモードでは、3〜15μm径、好ましくは、5〜10μm径、マルチモードでは、10〜100μm径、好ましくは、30〜70μm径の断面が実質的に円形状となるコア層5を形成することができる。
【0069】
なお、このようなコア層5の露光においては、その後の硬化収縮を考慮して、現像後の形状が、上下方向に若干長い楕円形状となるように制御することが好ましい。楕円率は、感光性樹脂8の種類や溶液の固形分濃度、さらには、凹部4の深さなどにより、適宜選択される。例えば、感光性ポリイミド樹脂を用いて、6μmφのコア層5を形成する場合においては、最大深さ3μmに設定された凹部4に対して、第2下部クラッド層3の表面に積層される感光性ポリイミド樹脂の乾燥後厚みを、12μmとして設定すると、超高圧水銀灯(i線)で約100mJ/cm露光し、未露光部を除去した後の感光性ポリイミド樹脂の第2下部クラッド層3からの高さは、5μmとなり、その後、加熱硬化により得られるコア層5の第2下部クラッド層3からの高さは、3μmとなる。このような設定により、6μmφのコア層5を形成することができる。
【0070】
次いで、この方法では、図1(f)に示すように、コア層5を被覆する上部クラッド層6を形成することにより、光導波路11を得る。
【0071】
上部クラッド層6を形成する材料としては、特に制限されないが、上記と同様に、耐熱性および透明性の観点から、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、これらのフッ素化樹脂や重水素化樹脂などが用いられる。
【0072】
なお、上部クラッド層6および下部クラッド層1は、同一の材料から形成してもよく、また、異なる材料から形成してもよい。また、上部クラッド層6を形成する材料としては、屈折率がコア層5より低く、耐熱性および透明性がともに優れる、フッ素化ポリイミド樹脂が好ましく用いられる。
【0073】
上部クラッド層6は、コア層5を含む第2下部クラッド層3の上に、上記した材料を含む溶液を塗布し、乾燥して、均一な厚みとして、上部クラッド層6を形成すればよい。また、予め長手方向に延びるコア層5を受入可能な凹部を形成した上部クラッド層6を、第2下部クラッド層3の上に、加圧または加熱圧着することにより、形成してもよい。
【0074】
上部クラッド層6を、例えば、上記した感光性ポリイミド樹脂により形成する場合には、上記したような感光性が付与されたポリアミド酸の溶液を、コア層5を含む第2下部クラッド層3の上に均一な厚みで塗布し、乾燥後、フォトマスクを用いずに全面露光した後、必要により露光後加熱し、その後、上記と同様に、加熱硬化すればよい。なお、上部クラッド層6を、所定パターンで形成する場合には、フォトマスクを用いて所定パターンで露光した後、加熱硬化前に、現像すればよい。
【0075】
なお、上部クラッド層6の厚み(第2下部クラッド層3からの高さ)は、例えば、5〜50μm、好ましくは、10〜30μmである。
【0076】
そして、このような方法によれば、第2下部クラッド層3の凹部4に充填された感光性樹脂8が、フォトマスク35によって、凹部4の幅方向中央から対称に、光が段階的に増加または減少するようにして露光され、次いで、現像されることにより、幅方向断面が実質的に円形状のコア層5が形成される。そのため、この方法では、幅方向断面形状が実質的に円形状のコア層5を、界面がなく、均一かつ精度よく形成することができる。その結果、信頼性の高い光導波路11を製造することができる。
【0077】
また、上記の方法において、第2下部クラッド層3を、露光および現像によるパターンニング法により形成すれば、感光性樹脂7が、フォトマスク31によって、幅方向において対称に、光が段階的に増加または減少するようにして露光され、次いで、現像されることにより、幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部4が形成される。そのため、幅方向断面形状が実質的に円形状のコア層5を、より精度よく形成することができる。
【0078】
そのため、このような光導波路の製造方法は、特に制限されることなく、種々の光デバイスを光接続するための光導波路を製造するために有効に用いられ、形成できる光導波路として、例えば、直線光導波路、曲がり光導波路、交差光導波路、Y分岐導波路、スラブ光導波路、マッハツェンダー型光導波路、AWG型光導波路、グレーティング、光導波路レンズなどが挙げられる。
【0079】
また、これらの光導波路により接続される光デバイスとして、例えば、波長フィルタ、光スイッチ、光分岐器、光合成器、光合分波器、光アンプ、波長変換器、波長分割器、光スプリッタ、方向性結合器、さらには、レーザダイオードやフォトダイオードをハイブリッド集積した光伝送モジュールなどが挙げられる。
【0080】
なお、上記の説明においては、下部クラッド層1を、第1下部クラッド層2および第2下部クラッド層3から構成したが、本発明において、下部クラッド層は、2層に分けずとも、1層から形成してもよい。その場合には、コア層を受ける凹部が下部クラッド層の裏面にまで達しないように形成する必要がある。
【0081】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例に限定されることはない。
【0082】
実施例
(クラッド層ポリアミド酸の合成)
窒素雰囲気下中、500mLのセパラブルフラスコ内で、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)(0.09モル(28.8g))を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)275.2gに溶解させ、攪拌しながら2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)(0.09モル(40.0g))を加えた。これを、室温で24時間攪拌することにより、ポリアミド酸のワニスを得た。
【0083】
このうち100gを別途ビーカに取り出し、4−o−ニトロフェニル−3,5−ジメトキシカルボニル−1−エチル−1,4−ジヒドロピリジンを、ポリアミド酸固形分に対して2%(0.4g)、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(重量平均分子量:500)を、ポリアミド酸固形分に対して15%(3.0g)添加し、均一に攪拌することで、感光性ポリイミド樹脂の前駆体である感光性ポリアミド酸のワニスを得た。以後、これをワニスAとする。
【0084】
(コア層ポリアミド酸の合成)
窒素雰囲気下中、300mLのセパラブルフラスコ内で、2,2’−ビス(フルオロ)ベンジジン(FBZ)(0.04モル(8.81g))を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)79.7gに溶解させ、攪拌しながら2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)(0.04モル(17.8g))を加えた。これを室温で24時間攪拌することにより、ポリアミド酸のワニスを得た。
【0085】
このうち100gを別途ビーカに取り出し、4−o−ニトロフェニル−3,5−ジメトキシカルボニル−1−エチル−1,4−ジヒドロピリジンを、ポリアミド酸固形分に対して2%(0.4g)、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(重量平均分子量:500)を、ポリアミド酸固形分に対して15%(3.0g)添加し、均一に攪拌することで、感光性ポリイミド樹脂の前駆体である感光性ポリアミド酸のワニスを得た。以後、これをワニスBとする。
【0086】
(光導波路の作製)
第1下部クラッド層として、厚さ1.0mmの合成石英ガラス基板を用い、その第1下部クラッド層の上に、ワニスAを、スピンコート法により塗布し、90℃で約15分乾燥した。乾燥後の感光性ポリアミド酸の厚みは12μmであった(図2(a)参照)。
【0087】
次に、図3に示すグラデーションマスク(光透過率が10段階で変化する濃淡のマスクライン(コア)を有するもの)を用いて、最大透過部の露光部が100mJ/cmとなるように投影露光した(図2(b)参照)。グラデーションマスク上のマスクラインの幅(コア幅)は15μmであり、3分の1に縮小投影することにより、コア幅が5μmとなるようにした。
【0088】
その後、空気中にて180℃で10分間加熱した。そしてテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含むエタノール/アルカリ性水溶液にて、35℃で現像し、水で水洗することにより、凹部を有するパターンの感光性ポリアミド酸を形成した。この感光性ポリアミド酸の厚みは8μmであり、凹部の最大深さは4μmであった。その後、真空雰囲気下で380℃、2時間加熱することで、感光性ポリアミド酸の溶媒の除去、および、イミド化を完結させた。これにより得られた第2下部クラッド層の厚みは6μmであり、凹部の最大深さは3μmであった(図2(c)参照)。また、凹部の直径は6μmであった。
【0089】
次に、スピンコート法により、第2クラッド層の上に、ワニスBを塗布し、90℃で15分乾燥した(図1(c)参照)。乾燥後、感光性ポリアミド酸の厚みは約9μmであった。次に、図4に示すグラデーションマスク(光透過率が10段階で変化する濃淡のマスクライン(コア)を有し、図3に示すグラデーションマスクと反転パターンとして形成されているもの)を用いて、最大透過部の露光部が100mJ/cmとなるように投影露光した(図1(d)参照)。露光は、上記と同様の方法で行なった。
【0090】
その後、空気中にて180℃で10分間加熱した。そしてテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含むエタノール/アルカリ性水溶液にて、35℃で現像し、水で水洗することにより、感光性ポリアミド酸をパターンとして形成した(図1(e)参照)。パターンとされた感光性ポリアミド酸は、第2下部クラッドの表面から最大5μmの高さであり、凹部の最深部からの厚みが8μmであった。感光性ポリアミド酸の断面形状を観察したところ、上に凸の卵形であることが確認された。その後、真空雰囲気下で380℃、2時間加熱することで、感光性ポリアミド酸の溶媒の除去、および、イミド化を完結させ、コア層を形成した。コア層の最終的な高さは6μmであり、断面形状を観察したところ、円形であることが確認された(図1(e)参照)。
【0091】
その後、スピンコート法によって、ワニスAを、上部クラッド層とすべく塗布した。乾燥後、その厚みは、第2下部クラッド層の表面から30μmの高さであった。フォトマスクを用いずに、全面を100mJ/cmで露光し、現像することなく、真空雰囲気下で350℃、2時間加熱することで、感光性ポリアミド酸の溶媒の除去、および、イミド化を完結させ、上部クラッドを形成し、これによって、光導波路を得た(図1(f)参照)。
【0092】
この光導波路に、半導体レーザを光源とする波長1.55μmの円形ビームをグラスファイバーから導波させ、光伝搬損失を測定したところ、0.2dB/cmと良好な特性を示した。
【0093】
なお、コア層が6μm×6μm□の断面矩形状である以外は、上記と同じ材料および構成を有する光導波路を作製し、光伝搬損失を測定したところ、0.3dB/cmであった。
【0094】
【発明の効果】
本発明の光導波路の製造方法によれば、幅方向断面形状が実質的に円形状のコア層を、界面がなく、均一かつ精度よく形成することができ、信頼性の高い光導波路を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の製造方法の一実施形態を示す製造工程図であって、
(a)は、下部クラッド層を用意する工程、
(b)は、下部クラッド層に、幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部を形成する工程、
(c)は、凹部を含む下部クラッド層の上に、コア層を形成するための感光性樹脂を積層する工程、
(d)は、感光性樹脂を露光する工程、
(e)は、感光性樹脂を現像して、コア層を形成する工程、
(f)は、コア層を被覆する上部クラッド層を形成する工程
を示す。
【図2】図1(b)に示す、下部クラッド層に、幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部を形成する工程を示す製造工程図であって、
(a)は、第1下部クラッド層の上に感光性樹脂を塗布する工程、
(b)は、感光性樹脂を露光する工程、
(c)は、感光性樹脂を現像して凹部と第2下部クラッド層とを形成する工程
を示す。
【図3】図2(b)の工程で用いられるフォトマスクの概略構成図である。
【図4】図1(d)の工程で用いられるフォトマスクの概略構成図である。
【符号の説明】
1 下部クラッド層
4 凹部
5 コア層
6 上部クラッド層
7 感光性樹脂
8 感光性樹脂
11 光導波路
31 フォトマスク
35 フォトマスク
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路の製造方法に関し、詳しくは、複数の光デバイスの間を光接続するための光導波路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、低コスト化および量産性の観点から、複数の光デバイスの間を光接続するための光導波路を、高分子材料から形成することが検討されている。
【0003】
高分子材料からなる光導波路は、ドライプロセスにより形成することができるが、レジスト層の形成や一方向からのドライエッチングなどの製造工程上の制限から、通常、コア層は、断面方形として製造されている。
【0004】
しかし、光導波路の接続対象の1つである光ファイバーが断面円形であることや、導波される光が円形であることなどから、コア層は、断面円形であることが望ましく、そのため、例えば、コア層の断面形状が半円状の第1の高分子光導波路と、コア層の断面形状が半円状の第2の高分子光導波路とを形成し、これらを互いのコア層が対向するようにして重ね合わせることにより、コア層の断面形状が円形となる光導波路を製造することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−56148号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、特許文献1に記載される方法では、第1の高分子光導波路と第2の高分子光導波路とを、互いのコア層が対向するよう重ね合わせるため、アライメントにおいて厳しい精度が要求される。すなわち、光導波路では、たとえ、1μm程度の位置ずれであっても、光をカップリングさせる上では致命的となるため、非常に高いレベルのアライメント精度が要求される。その一方、第1の高分子光導波路と第2の高分子光導波路とを、そのような非常に高いレベルでアライメントすることは、非常に困難である。
【0006】
また、光導波路のコア層には、光学的な対称性や、材料の異方性がないことが要求されるが、その一方で、第1の高分子光導波路と第2の高分子光導波路とを重ね合わせると、コア層の内部に界面が生じ、光学的な信頼性を損なうおそれがある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、幅方向断面形状が実質的に円形状のコア層を、均一かつ精度よく形成することができ、信頼性の高い光導波路を製造することのできる、光導波路の製造方法を提供することある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の光導波路の製造方法は、下部クラッド層と上部クラッド層との間に、長手方向に直交する幅方向断面が実質的に円形状のコア層が介在される光導波路の製造方法であって、幅方向断面が実質的に半円形状である凹部を有する前記下部クラッド層を用意する工程、前記凹部に感光性樹脂を充填する工程、前記凹部の幅方向中央から対称に段階的に光透過率が増加または減少するフォトマスクを用いて、前記感光性樹脂を露光する工程、露光された前記感光性樹脂を現像することにより、幅方向断面が実質的に円形状のコア層を形成する工程、前記コア層を被覆する上部クラッド層を形成する工程を備えていることを特徴としている。
【0009】
この方法によれば、下部クラッド層の凹部に充填された感光性樹脂が、フォトマスクによって、凹部の幅方向中央から対称に、光が段階的に増加または減少するようにして露光され、次いで、現像されることにより、幅方向断面が実質的に円形状のコア層が形成される。そのため、この方法では、幅方向断面形状が実質的に円形状のコア層を、界面がなく、均一かつ精度よく形成することができる。その結果、信頼性の高い光導波路を製造することができる。
【0010】
また、本発明の光導波路の製造方法では、前記下部クラッド層を用意する工程が、幅方向において対称に段階的に光透過率が増加または減少するフォトマスクを用いて、感光性樹脂を露光する工程、および、露光された前記感光性樹脂を現像することにより、幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部を形成する工程を備えていることが好適である。
【0011】
この方法によれば、感光性樹脂が、フォトマスクによって、幅方向において対称に、光が段階的に増加または減少するようにして露光され、次いで、現像されることにより、その感光性樹脂に、幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部が形成される。そのため、幅方向断面形状が実質的に円形状のコア層を、より精度よく形成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の光導波路の製造方法の一実施形態を示す製造工程図である。この方法では、まず、幅方向(光導波路11の長手方向に直交する方向、以下同じ)断面が実質的に半円形状である凹部4を有する下部クラッド層1を用意する。
【0013】
幅方向断面が実質的に半円形状である凹部4を有する下部クラッド層1は、図1(a)に示すように、まず、第1下部クラッド層2の上に、第2下部クラッド層3が積層される下部クラッド層1を用意して、この下部クラッド層1の第2下部クラッド層3に、図1(b)に示すように、幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部4を形成することにより、用意することができる。
【0014】
第1下部クラッド層2および第2下部クラッド層3を形成する材料としては、特に制限されないが、耐熱性および透明性の観点から、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、これらのフッ素化樹脂や重水素化樹脂などが用いられる。
【0015】
なお、第1下部クラッド層2および第2下部クラッド層3は、同一の材料から形成してもよく、また、異なる材料から形成してもよい。これら第1下部クラッド層2および第2下部クラッド層3を形成する材料としては、好ましくは、後述する感光性ポリイミド樹脂、さらに好ましくは、後述する感光性フッ素化ポリイミド樹脂が用いられる。
【0016】
第1下部クラッド層2は、上記した材料を長手方向に延びる平板状に成形することにより、形成することができる。
【0017】
また、第1下部クラッド層2は、合成石英ガラスや酸化膜付きのシリコンウエハなどの基板として用意することもできる。
【0018】
なお、第1下部クラッド層2の厚みは、例えば、1〜50μmであり、上記した基板として用意する場合には、300μm〜5mmが好ましい。
【0019】
第1下部クラッド層2の上に、第2下部クラッド層3を積層するには、第1下部クラッド層2の上に、上記した材料を含む溶液を、例えば、キャスティング、スピンコートなどによって、塗布し、乾燥して、均一な厚みとして、第2下部クラッド層3を形成すればよい。また、予め長手方向に延びる平板状に形成した第2下部クラッド層3を、第1下部クラッド層2の上に、加圧または加熱圧着することにより、形成してもよい。
【0020】
なお、第2下部クラッド層3の厚みは、例えば、1〜50μm、好ましくは、5〜30μmである。
【0021】
次いで、下部クラッド層1の第2下部クラッド層3に、幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部4を形成する。
【0022】
凹部4は、特に制限されず、第2下部クラッド層3の形成と同時またはその後に、例えば、転写型を用いたプレス加工、モールディング加工、ウエットエッチング法、露光および現像によるパターンニング法など、適宜公知の方法を用いて、形成することができる。これらのうち、露光および現像によるパターンニング法を用いれば、凹部4を精度よく半円形状に形成することができる。
【0023】
すなわち、露光および現像によるパターンニング法では、まず、図2(a)に示すように、第1下部クラッド層2の上に、上記した材料の感光性樹脂7、例えば、感光性ポリイミド樹脂、感光性ポリアミド樹脂、感光性シリコーン樹脂、感光性エポキシ樹脂、これらの感光性フッ素化樹脂や感光性重水素化樹脂を含む溶液を塗布し、乾燥して、均一な厚みとする。
【0024】
次いで、図2(b)に示すように、例えば、感光性樹脂7をネガ型パターンで形成する場合には、光導波路11の幅方向において対称に形成され、段階的に光透過率が増加するフォトマスク31を、第1下部クラッド層2の上に塗布された感光性樹脂7の上に、そのフォトマスク31の中央が、形成される凹部4の幅方向中央となるように配置し、その後、このフォトマスク31を介して、感光性樹脂を露光する。
【0025】
このフォトマスク31は、図3に示すように、その幅方向中央が最も光透過率が低い第1マスクライン32a(例えば、光透過率0%)として形成され、その第1マスクライン32aの幅方向両側に、対称に、光透過率が順次増加するように、第2マスクライン32b(例えば、光透過率5〜35%)、第3マスクライン32c(例えば、光透過率35〜65%)、第4マスクライン32d(例えば、光透過率65〜95%)、第5マスクライン32e(例えば、光透過率100%)が、順次形成されている。各マスクライン32は、光導波路11の長手方向に沿って延びるように形成されている。
【0026】
このようなフォトマスク31は、グラデーションマスク(ハーフトーンマスク)として、公知の方法、例えば、合成石英ガラスにクロムなどの金属薄膜を均一に蒸着し、その後、レーザにより光透過率が段階的に変化する各マスクライン32が形成されるように、エッチング加工することによって、形成することができる。
【0027】
なお、図3に示すフォトマスク31は、例えば、凹部4を、直径6μmφとして形成する場合の、少なくとも5段階(すなわち、第1マスクライン32a〜第5マスクライン32e)のグラデーションマスクとして例示されているが、各マスクライン32の幅、光透過率および段階数は、形成する凹部4の直径や精度により、適宜選択することができる。また、同径の凹部4を形成する場合には、各マスクライン32の幅が狭く、段階数が多いほど、より精度のよい形状で凹部4を形成することができる。このようなフォトマスク31は、実用的には、5段階以上、好ましくは、10段階以上、さらに好ましくは、20段階以上のグラデーションマスクとして形成されていることが好ましい。
【0028】
また、露光方法は、特に制限されず、例えば、感光性樹脂7とフォトマスク31とを直接接触させるハードコンタクト露光方法、感光性樹脂7とフォトマスク31との間に若干の隙間を設けるプロキシミティ露光方法、さらには、投影露光方法などの公知の露光方法を用いることができる。
【0029】
この方法において、フォトマスク31の作製の容易性や解像度を考慮すると、所望パターンを拡大したフォトマスク31を用いることができる、投影露光方法が好ましく用いられる。投影露光方法では、縮小率が大きいほど、フォトマスク31の各マスクライン32をより細かく作製できるため、凹部4を真半円形状に近い形状として形成することができる。
【0030】
また、露光装置としては、特に制限されず、マスクアライナー、ステッパーなどの公知の露光装置が用いられる。精度の観点から、ステッパーが好ましく用いられる。
【0031】
次いで、この方法では、必要により露光後加熱した後、図2(c)に示すように、露光された感光性樹脂7を現像し、その後、必要により加熱硬化させることにより、凹部4と第2下部クラッド層3とを同時に形成する。
【0032】
感光性樹脂7の現像は、特に制限されず、公知の現像液を用いて、例えば、スプレー法、浸漬法などの公知の現像方法によって現像することができる。この現像によって、感光性樹脂7における未露光部が除去される。
【0033】
また、その後、感光性樹脂7の種類により、適宜の温度で加熱硬化させればよい。例えば、感光性ポリイミド樹脂では、現像後、200〜400℃で加熱硬化させる。
【0034】
なお、上記の説明では、感光性樹脂7をネガ型パターンで形成したが、感光性樹脂7をポジ型パターンで形成する場合には、図示しないが、光導波路11の幅方向において対称に形成され、段階的に光透過率が減少するフォトマスクを、第1下部クラッド層2の上に塗布された感光性樹脂7の上に、そのフォトマスクの中央が、形成される凹部4の幅方向中央となるように配置し、その後、そのフォトマスクを介して、感光性樹脂7を露光し、現像後、必要により加熱硬化させればよい。
【0035】
これによって、例えば、シングルモードでは、3〜15μm径、好ましくは、5〜10μm径、マルチモードでは、10〜100μm径、好ましくは、30〜70μm径の断面が実質的に半円形状となる凹部4、すなわち、最大深さが、例えば、1.5〜50μm、好ましくは、2.5〜35μmとなる凹部4を形成することができる。
【0036】
次いで、この方法では、図1(c)に示すように、凹部4を含む第2下部クラッド層3の上に、コア層5を形成するための感光性樹脂8を積層する。
【0037】
コア層5を形成するための感光性樹脂8は、下部クラッド層1および上部クラッド層6よりも、屈折率が大きければ、特に制限されず、上記した材料の感光性樹脂、例えば、感光性ポリイミド樹脂、感光性ポリアミド樹脂、感光性シリコーン樹脂、感光性エポキシ樹脂、これらの感光性フッ素化樹脂や感光性重水素化樹脂などが用いられる。
【0038】
この方法では、とりわけ、耐熱性の観点より、感光性ポリイミド樹脂が好ましく用いられ、さらには、透明性の観点より、感光性フッ化ポリイミド樹脂が好ましく用いられる。
【0039】
上記の樹脂において、感光性ポリイミド樹脂は、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸に、感光性が付与されてなるものであって、ポリアミド酸は、例えば、有機テトラカルボン酸二無水物と、ジアミンとを反応させることによって得ることができる。
【0040】
有機テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物などが挙げられる。
【0041】
また、例えば、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水物、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無水物などのフッ素置換テトラカルボン酸二無水物なども、好ましく挙げられる。
【0042】
これら有機テトラカルボン酸二無水物は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これら有機テトラカルボン酸二無水物のなかでは、フッ素置換テトラカルボン酸二無水物が好ましく用いられる。
【0043】
また、ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニルなどが挙げられる。
【0044】
また、例えば、2,2’−ビス(トリフルオロメトキシ)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMOB)、3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAAF)、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン(HFBAPP)、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BIS−AP−AF)、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BIS−AT−AF)、2,2’−ジフルオロベンジジン(FBZ)、4,4’−ビス(アミノオクタフルオロ)ビフェニル、3,5−ジアミノベンゾトリフルオライド、1,3−ジアミノ−2,4,5,6−テトラフルオロベンゼンなどのフッ素置換ジアミンなども挙げられる。
【0045】
これらジアミンは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらジアミンのなかでは、フッ素置換ジアミンが好ましく用いられる。
【0046】
そして、ポリアミド酸は、有機テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、常法に従って反応させることにより、得ることができる。すなわち、例えば、有機テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、ほぼ等モルとなる割合で、不活性ガス雰囲気下、反応溶媒中において、250℃以下の温度、好ましくは、室温(25℃)〜80℃の範囲で、5〜20時間程度攪拌することによって、ポリアミド酸を粘性のある溶液として得ることができる。
【0047】
反応溶媒としては、有機テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを溶解させるとともに、得られるポリアミド酸を溶解し得るものであれば、特に制限されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒が挙げられる。これら極性溶媒は、単独で、または、2種以上の混合溶媒として用いることもできる。また、これら極性溶媒のなかでは、耐熱分解性が良好で透明性に優れるN,N−ジメチルアセトアミドが好ましく用いられる。
【0048】
このようにして得られるポリアミド酸は、例えば、その重量平均分子量が、5000〜500000程度、好ましくは、10000〜150000程度であって、反応溶媒中に、例えば、1〜50重量%、好ましくは、5〜30重量%の割合(固形分濃度)の溶液として調製される。
【0049】
そして、このようにして得られるポリアミド酸に光感光性を付与するには、特に制限されないが、例えば、光架橋基をエステル交換反応などによりポリアミド酸の側鎖に導入する、あるいは、光架橋性ポリマーとポリイミドとをブロック重合する、さらには、1,4−ジヒドロピリジン誘導体などの公知の感光剤を配合するなど、適宜公知の方法が用いられる。
【0050】
1,4−ジヒドロピリジン誘導体は、より具体例には、例えば、1−エチル−3,5−ジメトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、1−メチル−3,5−ジメトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、1−プロピル−3,5−ジメトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、1−プロピル−3,5−ジエトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジンなどが挙げられる。
【0051】
1,4−ジヒドロピリジン誘導体を配合する場合には、例えば、その配合割合は、ポリアミド酸100重量部に対して、1,4−ジヒドロピリジン誘導体が0.1〜30重量部、好ましくは、1〜5重量部である。
【0052】
また、感光剤とともに、溶解調整剤を配合することが好ましい。溶解調整剤としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールジフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。これら溶解調整剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、このような溶解調整剤の重量平均分子量は、例えば、150〜1000、さらには、200〜800であることが好ましい。
【0053】
溶解調整剤の配合割合は、特に制限されないが、例えば、ポリアミド酸100重量部に対して、10〜45重量部、好ましくは、15〜30重量部である。
【0054】
そして、凹部4を含む第2下部クラッド層3の上に、コア層5を形成するための感光性樹脂8を積層するには、感光性樹脂8を含む溶液を、凹部4を含む第2下部クラッド層3の表面に、例えば、キャスティング、スピンコートなどによって均一な厚みで塗布した後、乾燥すればよい。
【0055】
塗布厚みは、溶媒の揮発、硬化収縮、現像時の膜減りなどを考慮して、例えば、シングルモードの場合は、乾燥後の厚みとして、5〜30μm、好ましくは、10〜20μmに設定する。
【0056】
これによって、第2下部クラッド層3の上に、感光性樹脂8が積層されるとともに、凹部4内に感光性樹脂8が充填される。
【0057】
次いで、この方法では、図1(d)に示すように、例えば、感光性樹脂8をネガ型パターンで形成する場合には、凹部4の幅方向中央において対称に形成され、段階的に光透過率が減少するフォトマスク35を、感光性樹脂8の上に、そのフォトマスク35の中央が、凹部4の幅方向中央となるように配置し、その後、このフォトマスク35を介して、感光性樹脂8を露光する。
【0058】
このフォトマスク35は、図3に示すフォトマスク31の反転パターン、すなわち、図4に示すように、その幅方向中央が最も光透過率が高い第1マスクライン36a(例えば、光透過率100%)として形成され、その第1マスクライン36aの幅方向両側に、対称に、光透過率が順次減少するように、第2マスクライン36b(例えば、光透過率65〜95%)、第3マスクライン36c(例えば、光透過率35〜65%)、第4マスクライン36d(例えば、光透過率5〜35%)、第5マスクライン36e(例えば、光透過率0%)が、順次形成されている。各マスクライン36は、光導波路11の長手方向に沿って延びるように形成されている。
【0059】
このようなフォトマスク35は、図3に示すフォトマスク31と同様に、グラデーションマスク(ハーフトーンマスク)として、公知の方法、例えば、合成石英ガラスにクロムなどの金属薄膜を均一に蒸着し、その後、レーザにより光透過率が段階的に変化する各マスクライン36が形成されるように、エッチング加工することによって、形成することができる。
【0060】
なお、図4に示すフォトマスク35は、図3に示すフォトマスク31と同様に、例えば、コア層5を、直径6μmφとして形成する場合の、少なくとも5段階(すなわち、第1マスクライン36a〜第5マスクライン36e)のグラデーションマスクとして例示されているが、各マスクライン36の幅、光透過率および段階数は、形成するコア層5の直径や精度により、適宜選択することができる。また、同径のコア層5を形成する場合には、各マスクライン36の幅が狭く、段階数が多いほど、より精度のよい形状でコア層5を形成することができる。このようなフォトマスク35は、実用的には、5段階以上、好ましくは、10段階以上、さらに好ましくは、20段階以上のグラデーションマスクとして形成されていることが好ましい。
【0061】
また、露光方法は、特に制限されず、上記と同様に、例えば、感光性樹脂8とフォトマスク31とを直接接触させるハードコンタクト露光方法、感光性樹脂8とフォトマスク31との間に若干の隙間を設けるプロキシミティ露光方法、さらには、投影露光方法などの公知の露光方法を用いることができる。
【0062】
この方法において、フォトマスク35の作製の容易性や解像度を考慮すると、所望パターンを拡大したフォトマスク35を用いることができる、投影露光方法が好ましく用いられる。投影露光方法では、縮小率が大きいほど、フォトマスク35の各マスクライン36をより細かく作製できるため、コア層5を真円形状に近い形成として形成することができる。
【0063】
また、露光装置としては、特に制限されず、マスクアライナー、ステッパーなどの公知の露光装置が用いられる。精度の観点から、ステッパーが好ましく用いられる。
【0064】
次いで、この方法では、必要により露光後加熱した後、図1(e)に示すように、露光された感光性樹脂8を現像し、その後、必要により加熱硬化させることにより、コア層5を形成する。
【0065】
感光性樹脂8の現像は、特に制限されず、公知の現像液を用いて、例えば、スプレー法、浸漬法などの公知の現像方法によって現像することができる。この現像によって、感光性樹脂8における未露光部が除去される。
【0066】
また、その後、感光性樹脂8の種類により、適宜の温度で加熱硬化させればよい。例えば、感光性ポリイミド樹脂では、現像後、200〜400℃で加熱硬化させる。
【0067】
なお、上記の説明では、感光性樹脂8をネガ型パターンで形成したが、感光性樹脂8をポジ型パターンで形成する場合には、図示しないが、凹部4の幅方向中央において対称に形成され、段階的に光透過率が増加するフォトマスクを、感光性樹脂8の上に、そのフォトマスクの中央が、凹部4の幅方向中央となるように配置し、その後、そのフォトマスクを介して、感光性樹脂8を露光し、現像後、必要により加熱硬化させればよい。
【0068】
これによって、例えば、シングルモードでは、3〜15μm径、好ましくは、5〜10μm径、マルチモードでは、10〜100μm径、好ましくは、30〜70μm径の断面が実質的に円形状となるコア層5を形成することができる。
【0069】
なお、このようなコア層5の露光においては、その後の硬化収縮を考慮して、現像後の形状が、上下方向に若干長い楕円形状となるように制御することが好ましい。楕円率は、感光性樹脂8の種類や溶液の固形分濃度、さらには、凹部4の深さなどにより、適宜選択される。例えば、感光性ポリイミド樹脂を用いて、6μmφのコア層5を形成する場合においては、最大深さ3μmに設定された凹部4に対して、第2下部クラッド層3の表面に積層される感光性ポリイミド樹脂の乾燥後厚みを、12μmとして設定すると、超高圧水銀灯(i線)で約100mJ/cm露光し、未露光部を除去した後の感光性ポリイミド樹脂の第2下部クラッド層3からの高さは、5μmとなり、その後、加熱硬化により得られるコア層5の第2下部クラッド層3からの高さは、3μmとなる。このような設定により、6μmφのコア層5を形成することができる。
【0070】
次いで、この方法では、図1(f)に示すように、コア層5を被覆する上部クラッド層6を形成することにより、光導波路11を得る。
【0071】
上部クラッド層6を形成する材料としては、特に制限されないが、上記と同様に、耐熱性および透明性の観点から、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、これらのフッ素化樹脂や重水素化樹脂などが用いられる。
【0072】
なお、上部クラッド層6および下部クラッド層1は、同一の材料から形成してもよく、また、異なる材料から形成してもよい。また、上部クラッド層6を形成する材料としては、屈折率がコア層5より低く、耐熱性および透明性がともに優れる、フッ素化ポリイミド樹脂が好ましく用いられる。
【0073】
上部クラッド層6は、コア層5を含む第2下部クラッド層3の上に、上記した材料を含む溶液を塗布し、乾燥して、均一な厚みとして、上部クラッド層6を形成すればよい。また、予め長手方向に延びるコア層5を受入可能な凹部を形成した上部クラッド層6を、第2下部クラッド層3の上に、加圧または加熱圧着することにより、形成してもよい。
【0074】
上部クラッド層6を、例えば、上記した感光性ポリイミド樹脂により形成する場合には、上記したような感光性が付与されたポリアミド酸の溶液を、コア層5を含む第2下部クラッド層3の上に均一な厚みで塗布し、乾燥後、フォトマスクを用いずに全面露光した後、必要により露光後加熱し、その後、上記と同様に、加熱硬化すればよい。なお、上部クラッド層6を、所定パターンで形成する場合には、フォトマスクを用いて所定パターンで露光した後、加熱硬化前に、現像すればよい。
【0075】
なお、上部クラッド層6の厚み(第2下部クラッド層3からの高さ)は、例えば、5〜50μm、好ましくは、10〜30μmである。
【0076】
そして、このような方法によれば、第2下部クラッド層3の凹部4に充填された感光性樹脂8が、フォトマスク35によって、凹部4の幅方向中央から対称に、光が段階的に増加または減少するようにして露光され、次いで、現像されることにより、幅方向断面が実質的に円形状のコア層5が形成される。そのため、この方法では、幅方向断面形状が実質的に円形状のコア層5を、界面がなく、均一かつ精度よく形成することができる。その結果、信頼性の高い光導波路11を製造することができる。
【0077】
また、上記の方法において、第2下部クラッド層3を、露光および現像によるパターンニング法により形成すれば、感光性樹脂7が、フォトマスク31によって、幅方向において対称に、光が段階的に増加または減少するようにして露光され、次いで、現像されることにより、幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部4が形成される。そのため、幅方向断面形状が実質的に円形状のコア層5を、より精度よく形成することができる。
【0078】
そのため、このような光導波路の製造方法は、特に制限されることなく、種々の光デバイスを光接続するための光導波路を製造するために有効に用いられ、形成できる光導波路として、例えば、直線光導波路、曲がり光導波路、交差光導波路、Y分岐導波路、スラブ光導波路、マッハツェンダー型光導波路、AWG型光導波路、グレーティング、光導波路レンズなどが挙げられる。
【0079】
また、これらの光導波路により接続される光デバイスとして、例えば、波長フィルタ、光スイッチ、光分岐器、光合成器、光合分波器、光アンプ、波長変換器、波長分割器、光スプリッタ、方向性結合器、さらには、レーザダイオードやフォトダイオードをハイブリッド集積した光伝送モジュールなどが挙げられる。
【0080】
なお、上記の説明においては、下部クラッド層1を、第1下部クラッド層2および第2下部クラッド層3から構成したが、本発明において、下部クラッド層は、2層に分けずとも、1層から形成してもよい。その場合には、コア層を受ける凹部が下部クラッド層の裏面にまで達しないように形成する必要がある。
【0081】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例に限定されることはない。
【0082】
実施例
(クラッド層ポリアミド酸の合成)
窒素雰囲気下中、500mLのセパラブルフラスコ内で、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)(0.09モル(28.8g))を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)275.2gに溶解させ、攪拌しながら2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)(0.09モル(40.0g))を加えた。これを、室温で24時間攪拌することにより、ポリアミド酸のワニスを得た。
【0083】
このうち100gを別途ビーカに取り出し、4−o−ニトロフェニル−3,5−ジメトキシカルボニル−1−エチル−1,4−ジヒドロピリジンを、ポリアミド酸固形分に対して2%(0.4g)、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(重量平均分子量:500)を、ポリアミド酸固形分に対して15%(3.0g)添加し、均一に攪拌することで、感光性ポリイミド樹脂の前駆体である感光性ポリアミド酸のワニスを得た。以後、これをワニスAとする。
【0084】
(コア層ポリアミド酸の合成)
窒素雰囲気下中、300mLのセパラブルフラスコ内で、2,2’−ビス(フルオロ)ベンジジン(FBZ)(0.04モル(8.81g))を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)79.7gに溶解させ、攪拌しながら2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)(0.04モル(17.8g))を加えた。これを室温で24時間攪拌することにより、ポリアミド酸のワニスを得た。
【0085】
このうち100gを別途ビーカに取り出し、4−o−ニトロフェニル−3,5−ジメトキシカルボニル−1−エチル−1,4−ジヒドロピリジンを、ポリアミド酸固形分に対して2%(0.4g)、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(重量平均分子量:500)を、ポリアミド酸固形分に対して15%(3.0g)添加し、均一に攪拌することで、感光性ポリイミド樹脂の前駆体である感光性ポリアミド酸のワニスを得た。以後、これをワニスBとする。
【0086】
(光導波路の作製)
第1下部クラッド層として、厚さ1.0mmの合成石英ガラス基板を用い、その第1下部クラッド層の上に、ワニスAを、スピンコート法により塗布し、90℃で約15分乾燥した。乾燥後の感光性ポリアミド酸の厚みは12μmであった(図2(a)参照)。
【0087】
次に、図3に示すグラデーションマスク(光透過率が10段階で変化する濃淡のマスクライン(コア)を有するもの)を用いて、最大透過部の露光部が100mJ/cmとなるように投影露光した(図2(b)参照)。グラデーションマスク上のマスクラインの幅(コア幅)は15μmであり、3分の1に縮小投影することにより、コア幅が5μmとなるようにした。
【0088】
その後、空気中にて180℃で10分間加熱した。そしてテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含むエタノール/アルカリ性水溶液にて、35℃で現像し、水で水洗することにより、凹部を有するパターンの感光性ポリアミド酸を形成した。この感光性ポリアミド酸の厚みは8μmであり、凹部の最大深さは4μmであった。その後、真空雰囲気下で380℃、2時間加熱することで、感光性ポリアミド酸の溶媒の除去、および、イミド化を完結させた。これにより得られた第2下部クラッド層の厚みは6μmであり、凹部の最大深さは3μmであった(図2(c)参照)。また、凹部の直径は6μmであった。
【0089】
次に、スピンコート法により、第2クラッド層の上に、ワニスBを塗布し、90℃で15分乾燥した(図1(c)参照)。乾燥後、感光性ポリアミド酸の厚みは約9μmであった。次に、図4に示すグラデーションマスク(光透過率が10段階で変化する濃淡のマスクライン(コア)を有し、図3に示すグラデーションマスクと反転パターンとして形成されているもの)を用いて、最大透過部の露光部が100mJ/cmとなるように投影露光した(図1(d)参照)。露光は、上記と同様の方法で行なった。
【0090】
その後、空気中にて180℃で10分間加熱した。そしてテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含むエタノール/アルカリ性水溶液にて、35℃で現像し、水で水洗することにより、感光性ポリアミド酸をパターンとして形成した(図1(e)参照)。パターンとされた感光性ポリアミド酸は、第2下部クラッドの表面から最大5μmの高さであり、凹部の最深部からの厚みが8μmであった。感光性ポリアミド酸の断面形状を観察したところ、上に凸の卵形であることが確認された。その後、真空雰囲気下で380℃、2時間加熱することで、感光性ポリアミド酸の溶媒の除去、および、イミド化を完結させ、コア層を形成した。コア層の最終的な高さは6μmであり、断面形状を観察したところ、円形であることが確認された(図1(e)参照)。
【0091】
その後、スピンコート法によって、ワニスAを、上部クラッド層とすべく塗布した。乾燥後、その厚みは、第2下部クラッド層の表面から30μmの高さであった。フォトマスクを用いずに、全面を100mJ/cmで露光し、現像することなく、真空雰囲気下で350℃、2時間加熱することで、感光性ポリアミド酸の溶媒の除去、および、イミド化を完結させ、上部クラッドを形成し、これによって、光導波路を得た(図1(f)参照)。
【0092】
この光導波路に、半導体レーザを光源とする波長1.55μmの円形ビームをグラスファイバーから導波させ、光伝搬損失を測定したところ、0.2dB/cmと良好な特性を示した。
【0093】
なお、コア層が6μm×6μm□の断面矩形状である以外は、上記と同じ材料および構成を有する光導波路を作製し、光伝搬損失を測定したところ、0.3dB/cmであった。
【0094】
【発明の効果】
本発明の光導波路の製造方法によれば、幅方向断面形状が実質的に円形状のコア層を、界面がなく、均一かつ精度よく形成することができ、信頼性の高い光導波路を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の製造方法の一実施形態を示す製造工程図であって、
(a)は、下部クラッド層を用意する工程、
(b)は、下部クラッド層に、幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部を形成する工程、
(c)は、凹部を含む下部クラッド層の上に、コア層を形成するための感光性樹脂を積層する工程、
(d)は、感光性樹脂を露光する工程、
(e)は、感光性樹脂を現像して、コア層を形成する工程、
(f)は、コア層を被覆する上部クラッド層を形成する工程
を示す。
【図2】図1(b)に示す、下部クラッド層に、幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部を形成する工程を示す製造工程図であって、
(a)は、第1下部クラッド層の上に感光性樹脂を塗布する工程、
(b)は、感光性樹脂を露光する工程、
(c)は、感光性樹脂を現像して凹部と第2下部クラッド層とを形成する工程
を示す。
【図3】図2(b)の工程で用いられるフォトマスクの概略構成図である。
【図4】図1(d)の工程で用いられるフォトマスクの概略構成図である。
【符号の説明】
1 下部クラッド層
4 凹部
5 コア層
6 上部クラッド層
7 感光性樹脂
8 感光性樹脂
11 光導波路
31 フォトマスク
35 フォトマスク
Claims (2)
- 下部クラッド層と上部クラッド層との間に、長手方向に直交する幅方向断面が実質的に円形状のコア層が介在される光導波路の製造方法であって、
幅方向断面が実質的に半円形状である凹部を有する前記下部クラッド層を用意する工程、
前記凹部に感光性樹脂を充填する工程、
前記凹部の幅方向中央から対称に段階的に光透過率が増加または減少するフォトマスクを用いて、前記感光性樹脂を露光する工程、
露光された前記感光性樹脂を現像することにより、幅方向断面が実質的に円形状のコア層を形成する工程、
前記コア層を被覆する上部クラッド層を形成する工程
を備えていることを特徴とする、光導波路の製造方法。 - 前記下部クラッド層を用意する工程が、
幅方向において対称に段階的に光透過率が増加または減少するフォトマスクを用いて、感光性樹脂を露光する工程、および、
露光された前記感光性樹脂を現像することにより、幅方向断面が実質的に半円形状となる凹部を形成する工程を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の光導波路の製造方法。
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JP (1) | JP2005017429A (ja) |
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JP2012237778A (ja) * | 2011-05-10 | 2012-12-06 | Adeka Corp | 光路変換機能を有する光導波路の製造方法 |
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2003
- 2003-06-24 JP JP2003179076A patent/JP2005017429A/ja active Pending
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