JP2005015608A - 透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインク - Google Patents
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Abstract
【課題】スパッタ等の高価な真空装置を用いることなく、さらにフォトリソグラフィー法のような煩雑な工程や、スクリーン印刷用の版を要せずに、より安価で手間のかからない方法で透明導電性酸化すず膜のパターンを形成できる、インクジェット法に適した、透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクを提供する。
【解決手段】アルカリ性水溶液にすず酸を溶解させたアルカリ性すず酸水溶液を主成分として含み、さらに水溶性ポリマーを含有する透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクとする。
【選択図】 なし
【解決手段】アルカリ性水溶液にすず酸を溶解させたアルカリ性すず酸水溶液を主成分として含み、さらに水溶性ポリマーを含有する透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクとする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス、セラミクス、金属等の基板あるいは対象物上に、インクジェット印刷により任意の形状で透明導電性酸化すず膜を形成するためのインクジェットインクに関する。なお、本発明は太陽電池、各種フラットパネルディスプレイ(FPD)、液晶表示素子(LCD)、プラズマ発光表示素子(PDP)、EL発光素子等)の透明電極の製造に有用である。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子(LCD)、プラズマ発光表示素子(PDP)、EL発光素子等のフラットパネルディスプレイ(FPD)は、いずれも透明電極を必要とする。現在、これらのFPD用透明導電膜としては、酸化スズ含有酸化インジウム膜(ITO)、酸化アンチモン含有酸化すず膜(ATO)、あるいは、フッ素含有酸化すず膜(FTO)が用いられている。
【0003】
ITOは、主に、マグネトロンスパッタリングによって成膜されており、表面抵抗2〜1000Ω/□の緻密な膜が得られている。また、ITOによる透明電極は、まず、ITOを成膜したガラス基板上に、感光性ポリマー(フォトレジスト)を用いて微細なパターンを形成し、さらに、塩化第二鉄溶液でエッチングする方法で作られている。しかし、マグネトロンスパッタリング装置は大変高価なため、より安価な透明導電膜の製造方法が望まれており、さらに、近年のディスプレイの大型化に伴って、スパッタ装置の製造コストも飛躍的に増大し、透明電極のより安価な製造方法に対する要望が一層強まった。また、インジウム資源は大変に希少であり、このため原料が高価であるという難点もあった。
【0004】
一方、ATOやFTOは、通常、熱分解法により成膜されている。熱分解法では、ハロゲンを含む融点の低いすず化合物とドーピング元素(アンチモン、フッ素等)を含む化合物を原料に用い、これをスプレー法等によりあらかじめ加熱した基板と接触させると、基板上に緻密なATOやFTO膜を生ずる。熱分解法により得られるこれらの透明導電性膜はシート抵抗10〜1000Ω/□と良好であり、また、これらの膜の原料コストはITOに比べてはるかに安い。しかしながら、熱分解装置はマグネトロンスパッタリングに比べればかなり安いが、腐食性ガスが発生するため、装置全体を覆う大掛かりな腐食性ガスの処理装置が必要となる。この腐食性ガス発生はFTO膜において、よりやっかいな問題となる。また、均一に成膜することも考慮すると大型化には困難を伴う。さらに、透明導電性酸化すず膜は化学的に安定なため、ITO膜のようにエッチングにより高精細なパターンを得ることは大変難しい。
【0005】
そこで、基板上に感光性ポリマーによるパターンを描き、その上に熱分解法によりドーピング剤を含有させた透明導電性酸化すず膜を形成して、リフトオフを行うパターニング方法が提案されている(特許文献1参照)。この中で、透明導電性酸化すず膜を形成する際の基板温度は420〜460℃とされており、これらの温度では、通常の感光性ポリマーは炭化もしくは燃焼により消失する。従って、高精細のパターンを得るための困難はまぬがれない。また、感光性ポリマーの炭化を抑えるために、温度も低めに設定する必要があり、透明導電性酸化すず膜の十分な性能を発揮できない。
【0006】
従来行われてきたパターニングに関する方法はそのほとんどがフォトレジストを用いた、いわゆるフォトリソグラフィーによるものであるが、フォトリソグラフィーはいずれも工程が煩雑であり、結果的にコストが増大するという問題点があった。
【0007】
そこで、最近、スクリーン印刷により透明導電膜のパターンを得る方法が工程の簡略化の面から注目されている。しかし、スクリーン印刷の場合には、メッシュの細分化には限りがあり、現在のところ、まだ解像度に問題がある。また、1枚の版で印刷できる枚数に限りがあり、大型の基板では版に要する費用も高額となる。
【0008】
一方、本出願人らは、塗付法により透明導電性酸化すず膜を容易且つ安価に製造できる透明導電性酸化すず膜形成用塗布液を先に発明した(特許文献2参照)。この中で最も一般的に用いられるのは、塩化すず及び塩化アンチモンを出発原料とするアンチモン含有すず酸のアルカリ水溶液と水溶性ポリマーを必須成分とするもの(以後、水溶性ATO塗布液と記す)であり、ピンホール、マイクロクラックのない、シート抵抗の低い透明導電膜の製造を容易にするものであるが、所望のパターンのATO透明導電膜を得るためには、上述したのと同様な問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−263638号公報(第2頁等)
【特許文献2】
特開2001−210156号公報(請求項等)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に鑑み、スパッタ等の高価な真空装置を用いることなく、さらにフォトリソグラフィー法のような煩雑な工程や、スクリーン印刷用の版を要せずに、より安価で手間のかからない方法で透明導電性酸化すず膜のパターンを形成できる、インクジェット法に適した、透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
これまで、パターン形成ができるインクジェット印刷に用いられる透明導電性膜形成用のインクジェットインクは知られていない。本発明者らは前記課題を解決するため、特定の透明導電性酸化すず膜形成用塗布液はインクジェットインクとして使用することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
かかる本発明の第1の態様は、アルカリ性水溶液にすず酸を溶解させたアルカリ性すず酸水溶液を主成分として含み、さらに水溶性ポリマーを含有することを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクにある。
【0013】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記すず酸が、すず化合物をアルカリにより加水分解して得られたものであることを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクにある。
【0014】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、液中に存在する塩素イオンの量が、液中の金属1重量部あたり2×10−5〜5×10−4重量部であることを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクにある。
【0015】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、液中に存在する塩素イオンの量を電気透析により低下させたことを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクにある。
【0016】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、さらにドーパントを含むことを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクにある。
【0017】
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、表面張力が20〜50mN/mに調整されていることを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクにある。
【0018】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様において、さらに水溶性高沸点溶媒の少なくとも1種を含むことを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクにある。
【0019】
本発明の透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクは、アルカリ性水溶液にすず酸を溶解させたアルカリ性すず酸水溶液を主成分として含み、さらに水溶性ポリマーを含有する。
【0020】
これは、例えば塩化すず等のすず化合物を出発原料とするすず酸のアルカリ水溶液であり、これまでに知られているITO微粒子を溶媒に分散したいわゆる“分散系”の透明導電膜用塗布液と異なり完全な溶液であり安定なため、好適にインクジェットインクとして用いることができ、インクジェット印刷により所望のパターンの透明導電性酸化すず膜を形成することができる。また、ノズルの目詰まりが起こりにくい等の効果もある。なお、ピンホールやマイクロクラックのない、シート抵抗の低い透明導電膜であり、シート抵抗1000Ω/□以下の実現が可能である点、及び塩化すず、塩化アンチモンや酸化アンチモンという安価な原料を使用できるという利点については、特許文献2に記載の透明導電性酸化すず膜形成用塗布液と同様である。
【0021】
ここで、すず酸とは、一般にSnO2・nH2O(αすず酸)で表される含水酸化すず(SnO2)であるが、すず化合物をアルカリで加水分解することにより、ゲル状沈殿として得ることができる。すず化合物としては、すずの塩化物、特に塩化すず(IV)を用いるのが好ましい。また、すずの塩化物等を加水分解するアルカリとしては、金属成分を含まない、アンモニア、または、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルアミン等のアミン類を挙げることができる。
【0022】
この塩化すずの水溶液をアルカリで加水分解して得られるすず酸はゲル状沈殿であり、ろ紙の目詰まりを起こしやすいため、ろ過による洗浄には困難が伴う。そこで、通常、すず酸を含む溶液を、例えば、15000Gで遠心分離し、得られた固形分を純水中に再分散して、再び遠心分離を行う、といった手法によりすず酸沈殿の洗浄を行う。
【0023】
このようにして得られたすず酸に、上記と同様なアルカリを添加して、好ましくはpH10以上、さらに好ましくはpH10.6以上とすることにより、すず酸が溶解して、無色透明なアルカリ性すず酸水溶液を得ることができる。なお、アルカリ性すず酸水溶液は、金属濃度が1〜17重量%のものが好ましい。
【0024】
本発明の透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクに用いるアルカリ性すず酸水溶液は、液中に存在する塩素イオンの量を低下させるのが好ましく、例えば、液中に存在する塩素イオンの量を、液中の金属イオン1重量部あたり5×10−4重量部以下とするのが好ましい。液中に存在する塩素イオンの量が多いと、該アルカリ性すず酸水溶液は、時間の経過とともに増粘する傾向が大きく、場合によってはゲル化を引き起こすおそれがあるからである。しかしながら、液中に存在する塩素イオンの量を、液中の金属イオン1重量部あたり5×10−4重量部以下とすると、この粘度の経時変化を最小限に抑えることができる。このように経時的な粘度の増加を小さくしたアルカリ性すず酸水溶液を用いることにより、インクジェットインクとして好適な特性を長期間保つことが出来る。
【0025】
上記のすず酸の遠心分離−再分散の操作を繰り返すことによっても、アルカリ性すず酸水溶液中に存在する塩素イオンの量を低下させることができる。しかし、遠心分離−再分散の操作を何回も繰り返すと、次第にすず酸の遠心分離が困難となると共に、得られる沈殿の量が少なくなるために、収率は大幅に低下する。また、遠心分離により液中に存在する塩素イオンの量を、液中の金属イオン1重量部あたり5×10−4重量部以下にした場合、αすず酸はβ化しアルカリに溶解しなくなる虞があるという問題もある。
【0026】
そこで、収率を低下させることなく、液中に存在する塩素イオンの量が、液中の金属イオン1重量部あたり5×10−4重量部以下であるアルカリ性すず酸水溶液を得るためには、すず酸沈殿をアンモニア等のアルカリに溶解後、電気透析を用いて液中の塩素イオンの量を低下させることが好ましい。ここで用いる電気透析器はイオン交換型が好ましく、塩素イオンを水酸化物イオンに置換する。しかし、液中の塩素イオンの量を、液中の金属イオン1重量部あたり2×10−5重量部以下にまで低下させることは、電気透析に時間がかかり過ぎる、アンモニウムイオン濃度が過度に低下する、また、不純物イオン混入の可能性を高める、等の理由から好ましくない。したがって、好ましい液中の塩素イオンの量は、液中の金属イオン1重量部あたり2×10−5〜5×10−4重量部である。
【0027】
なお、電気透析等により透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインク中の液中に存在する塩素イオンの量を低下させることにより、該インクを用いてインクジェット印刷したパターンの焼成時に発生する腐食性ガスの量を低下させ、装置の損傷を押さえる効果も奏する。
【0028】
本発明の透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクは、成膜に不可欠な添加物としてさらに水溶性ポリマーを含有する。これは、水溶性透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクを、ガラス基板上に弾かれることなく密着性よく塗布するために必要であるからである。また、水溶性ポリマーの添加により、実用的な膜厚を有し、且つ強靱で導電性の良好な膜が形成できる。水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド−ジアセトンアクリルアミド共重合体、(メタ)アクリロイルモルホリン−ジアセトンアクリルアミド共重合体、ポリアクリルモルホリン、ポリビニルイミダゾール−ジアセトンアクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン−(メタ)アクリルアミド共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリビニルホルムアミド、ビニルピロリドン−ビニルホルムアミド共重合体、ビニルピロリドン−ビニルアセトアミド共重合体、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド、ビニルピロリドン−N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体、N,N−ジメチルアクリルアミド−アクリルアミド共重合体、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリドン−ビニルイミダゾール共重合体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、ゼラチン、ペクチン、アラビアゴム等を挙げることができ、少なくとも1種を添加する。また、水溶性透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインク中における好適な水溶性ポリマー濃度は0.1〜5重量%であり、より好ましくは0.3〜2.5重量%である。なお、水溶性ポリマーは塗布する前までに添加すればよいが、電気透析をする場合は、電気透析した後に添加することが好ましい。
【0029】
本発明の透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクは、さらにドーパントを含むことが好ましい。ドーパントを添加することにより、良好な導電性を有する透明導電性酸化すず膜を形成することができるからである。ドーパントとしては、アンチモン、タングステン、ビスマスなどの元素を挙げることができ、具体的には、酸化アンチモン、酸化タングステン又は酸化ビスマス等の金属酸化物、塩化アンチモン、塩化タングステン又は塩化ビスマス等の金属塩化物などを用いることができるが、特に酸化アンチモンを用いることが好ましい。酸化アンチモンを用いると黄橙色、透明の好適なATO塗布液を得ることができる。なお、ドーパントとして金属塩化物を用いる場合は、上述したすず酸の遠心分離よりも先にドーパントを添加し、金属酸化物を用いる場合はすず酸の遠心分離よりも後でドーパントを添加することが好ましい。ここで、ドーパントは電気透析後に添加することが好ましいため、電気透析をする場合は、ドーパントとして金属酸化物を用いることが好ましい。ドーパントの添加量は、すず化合物(A)とドーパント化合物(B)との使用割合として例示すると、一般にすず原子とドーパント原子比として、A:B=90〜99:1〜10の範囲であるが、好ましくは、A:B=93〜97:3〜7の範囲である。また、本発明のインクジェットインク中の金属濃度は、1〜10重量%が好ましい。
【0030】
本発明の透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクは水溶性高沸点溶媒の少なくとも1種を含むことが好ましい。水溶性高沸点溶媒とは沸点が150℃以上である水溶性溶媒で、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトールなどを挙げることができる。インクジェットインクは乾燥しやすいとヘッドを詰らせてしまう虞れがあるので、乾燥しにくくするために、これらの水溶性高沸点溶媒を添加することが望ましいからである。水溶性高沸点溶媒の好適な添加量はインクジェットインク中の濃度で、1〜20重量%であり、より好ましくは3〜10重量%である。
【0031】
また、本発明の透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクは、界面活性剤等を用いて表面張力が20〜50mN/mに調整されているのが好ましい。水溶性透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクの表面張力が大きすぎると、ガラス基板上にインクジェット印刷をした直後に、インクの液滴が表面張力により収縮し、期待したパターンが得られにくくなる可能性があるからである。そこで、何らかの界面活性剤を適宜添加して表面張力を低下させ、20〜50mN/mの範囲に調整することが好ましい。
【0032】
ここで、用いることができる界面活性剤としては、陰イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤いずれも使用することができるが、界面活性剤の効果を持った消泡剤等を用いることも可能である。また、これらは単独でなく複数を同時に用いることも可能である。これら界面活性剤中にナトリウム等の金属は含まないことが望ましい。透明導電性酸化すず膜パターンの導電性が低下するからである。なお、添加する界面活性剤の量は、インクジェットインク中の濃度で2重量%以下が好ましい。
【0033】
また、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、メタノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。これらの低級アルコールは界面活性剤とともに用いて、表面張力を低下させ、液の流動性を円滑にするからである。好適な添加量はインクジェットインク中の濃度で0.01〜5重量%、より好ましくは、0.05〜2重量%である。
【0034】
さらに、本発明の透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクは、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−ブチルエーテルなどのグリコールエステル群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。これらの添加物はヘッドからの吐出をより円滑にするためである。好適な添加量はインクジェットインク中の濃度で0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.3〜7重量%である。
【0035】
本発明の透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクを用いて所定のパターンをガラス、セラミクス、金属等の各種基板上に印刷する場合、印刷のみした段階では膜は導電性を示さないが、加熱処理することにより導電性を示す。加熱処理条件は、導電性を示すような条件であれば特に限定されないが、例えば、400〜1000℃で5〜200分間加熱する。これにより導電性が発現し、透明導電性酸化すず膜となる。焼成最高温度までの昇温条件に特に制限はないが、5〜20℃/分で徐々に昇温することもできるし、あらかじめ所定の温度に加熱した電気炉中に投入して急速加熱を行ってもかまわない。
【0036】
インクジェット印刷により透明導電膜を成膜するための基板として、ソーダライムガラス等のナトリウムを多量に含有する材料を用いる場合には、シリカコート等の前処理を行い、焼成時に基板成分のナトリウムが透明導電膜中に拡散することを防ぐことが好ましい。ナトリウムが膜内部に拡散すると透明導電膜の抵抗は飛躍的に増大する可能性があるからである。ホウケイ酸ガラスのような無アルカリガラスを用いた場合には前処理はなくてもよい。
【0037】
本発明の水溶性透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクを用いると、インクジェット印刷で所望のパターニングを行うことにより、フォトリソグラフィー法のような複雑な工程を一切必要とせず、プログラムに従って精細なパターンをガラス基板上に短時間で印刷できる。また、スクリーン印刷のような版も必要としない。さらに、無駄なインクもほとんど出ないため、理想的な透明導電性酸化すず膜形成のパターニング方法といえる。
【0038】
【発明の実施の形態】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0039】
以下に述べるインクジェット試験はすべて、セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンター:MJ−800Cを用いて行った。
【0040】
(実施例1)
イオン交換水6000gに50重量%SnCl4水溶液(日本化学産業社製)を300g加えてよく撹拌し、これに28%アンモニア水(関東化学社製)を加えてpH=7.0の溶液とした。この時生じたすず酸の沈殿を15000Gで遠心分離して(S.C.テクノ社製、旭S型超遠心分離機)、468gの固形分を得た。この固形分に2800gのイオン交換水を加えて固形分を水中に再分散し、再び遠心分離を行って、338gの固形分を得た。
【0041】
この固形分にイオン交換水114gを加えてよく撹拌し、28%アンモニア水を加えてpH=10.8とした。この溶液を引き続き撹拌すると、約1時間で固形分が溶解して透明な溶液が得られた。この溶液中のすず濃度は12.7重量%であった。
【0042】
この溶液中には、金属イオン1重量部あたり7.6×10−3重量部の残留塩素イオンがあったため、イオン交換型の電気透析器(旭化成社製、MICRO ACILIZER:EX−3)を用いて脱塩素を行い、液中に存在する塩素イオンの量を、液中の金属イオン1重量部あたり1.7×10−4重量部とした。なお、液中に存在する塩素イオンの量は、0.004mol/L硝酸銀水溶液を標準液として、自動滴定装置(三菱化学社製;GT−05)を用いて測定した。
【0043】
この溶液に4.08gのSb2O3を加え、12時間撹拌したところSb2O3が溶解し、黄橙色、透明な水溶性ATO溶液が得られた。溶液中の金属イオンの濃度は13.3重量%であった。
【0044】
この水溶性ATO溶液を用い、以下の組成のインクジェットインクを調製した。
【0045】
水溶性ATO溶液 : 39.1 重量部
プロピレングリコール : 5.0 重量部
ポリジメチルアクリルアミド : 0.6 重量部
非イオン系界面活性剤 : 0.2 重量部
イソプロピルアルコール : 0.1 重量部
ジエチレングリコールジメチルエーテル : 2.0 重量部
イオン交換水 : 53.0 重量部
なお、このインクジェットインクの液中に存在する塩素イオンの量は、液中の金属イオン1重量部あたり1.6×10−4重量部であり、また、表面張力は31.6mN/mであった。
【0046】
このインクジェットインクを用い、シリカコート済ソーダライムガラス上に、文字の印刷を行ったところ、明瞭な文字が印刷された。また、同じガラス上にベタ印刷を行い、10℃/分で550℃まで昇温し、同温度で60分間保持した後、再び10℃/分で室温まで冷却したところ、膜厚530nmの透明なATO膜が得られた。得られたATO膜のシート抵抗を測定したところ、600Ω/□であった。
【0047】
(実施例2)
実施例1に記載のインクジェットインクを用い、シリカコート済ソーダライムガラス上に、線幅440μmのラインをインクジェット印刷し、実施例1と同様に加熱処理を行ったところ、シート抵抗は2200Ω/□であった。また、膜厚は320μmであった。
【0048】
(実施例3)
実施例1に記載の水溶性ATO溶液を用いて以下の組成のインクジェットインクを調製した。
【0049】
水溶性ATO溶液 : 48.9 重量部
プロピレングリコール : 5.0 重量部
ポリジメチルアクリルアミド : 0.7 重量部
非イオン系界面活性剤 : 0.2 重量部
イソプロピルアルコール : 0.1 重量部
ジエチレングリコールジメチルエーテル : 2.0 重量部
イオン交換水 : 43.1 重量部
なお、このインクジェットインクの表面張力は31.5mN/mであった。
【0050】
このインクジェットインクを用いて、シリカコート済ソーダライムガラス上に、線幅440μmのラインをインクジェット印刷し、実施例1と同様に加熱処理を行ったところ、シート抵抗は877Ω/□であった。また、ラインの厚さは405μmであった。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、パターニングされた透明導電性酸化すず膜を、スパッタ等の高価な真空装置を用いることなく、さらにフォトリソグラフィー法のような煩雑な工程や、スクリーン印刷用の版を要せずに、より安価で手間のかからない方法で製造できる透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクを提供することができ、特に、太陽電池、及び、LCD、PDP、EL発光素子等、パターニングされた透明電極を必要とする種々の表示素子の製造に有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス、セラミクス、金属等の基板あるいは対象物上に、インクジェット印刷により任意の形状で透明導電性酸化すず膜を形成するためのインクジェットインクに関する。なお、本発明は太陽電池、各種フラットパネルディスプレイ(FPD)、液晶表示素子(LCD)、プラズマ発光表示素子(PDP)、EL発光素子等)の透明電極の製造に有用である。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子(LCD)、プラズマ発光表示素子(PDP)、EL発光素子等のフラットパネルディスプレイ(FPD)は、いずれも透明電極を必要とする。現在、これらのFPD用透明導電膜としては、酸化スズ含有酸化インジウム膜(ITO)、酸化アンチモン含有酸化すず膜(ATO)、あるいは、フッ素含有酸化すず膜(FTO)が用いられている。
【0003】
ITOは、主に、マグネトロンスパッタリングによって成膜されており、表面抵抗2〜1000Ω/□の緻密な膜が得られている。また、ITOによる透明電極は、まず、ITOを成膜したガラス基板上に、感光性ポリマー(フォトレジスト)を用いて微細なパターンを形成し、さらに、塩化第二鉄溶液でエッチングする方法で作られている。しかし、マグネトロンスパッタリング装置は大変高価なため、より安価な透明導電膜の製造方法が望まれており、さらに、近年のディスプレイの大型化に伴って、スパッタ装置の製造コストも飛躍的に増大し、透明電極のより安価な製造方法に対する要望が一層強まった。また、インジウム資源は大変に希少であり、このため原料が高価であるという難点もあった。
【0004】
一方、ATOやFTOは、通常、熱分解法により成膜されている。熱分解法では、ハロゲンを含む融点の低いすず化合物とドーピング元素(アンチモン、フッ素等)を含む化合物を原料に用い、これをスプレー法等によりあらかじめ加熱した基板と接触させると、基板上に緻密なATOやFTO膜を生ずる。熱分解法により得られるこれらの透明導電性膜はシート抵抗10〜1000Ω/□と良好であり、また、これらの膜の原料コストはITOに比べてはるかに安い。しかしながら、熱分解装置はマグネトロンスパッタリングに比べればかなり安いが、腐食性ガスが発生するため、装置全体を覆う大掛かりな腐食性ガスの処理装置が必要となる。この腐食性ガス発生はFTO膜において、よりやっかいな問題となる。また、均一に成膜することも考慮すると大型化には困難を伴う。さらに、透明導電性酸化すず膜は化学的に安定なため、ITO膜のようにエッチングにより高精細なパターンを得ることは大変難しい。
【0005】
そこで、基板上に感光性ポリマーによるパターンを描き、その上に熱分解法によりドーピング剤を含有させた透明導電性酸化すず膜を形成して、リフトオフを行うパターニング方法が提案されている(特許文献1参照)。この中で、透明導電性酸化すず膜を形成する際の基板温度は420〜460℃とされており、これらの温度では、通常の感光性ポリマーは炭化もしくは燃焼により消失する。従って、高精細のパターンを得るための困難はまぬがれない。また、感光性ポリマーの炭化を抑えるために、温度も低めに設定する必要があり、透明導電性酸化すず膜の十分な性能を発揮できない。
【0006】
従来行われてきたパターニングに関する方法はそのほとんどがフォトレジストを用いた、いわゆるフォトリソグラフィーによるものであるが、フォトリソグラフィーはいずれも工程が煩雑であり、結果的にコストが増大するという問題点があった。
【0007】
そこで、最近、スクリーン印刷により透明導電膜のパターンを得る方法が工程の簡略化の面から注目されている。しかし、スクリーン印刷の場合には、メッシュの細分化には限りがあり、現在のところ、まだ解像度に問題がある。また、1枚の版で印刷できる枚数に限りがあり、大型の基板では版に要する費用も高額となる。
【0008】
一方、本出願人らは、塗付法により透明導電性酸化すず膜を容易且つ安価に製造できる透明導電性酸化すず膜形成用塗布液を先に発明した(特許文献2参照)。この中で最も一般的に用いられるのは、塩化すず及び塩化アンチモンを出発原料とするアンチモン含有すず酸のアルカリ水溶液と水溶性ポリマーを必須成分とするもの(以後、水溶性ATO塗布液と記す)であり、ピンホール、マイクロクラックのない、シート抵抗の低い透明導電膜の製造を容易にするものであるが、所望のパターンのATO透明導電膜を得るためには、上述したのと同様な問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−263638号公報(第2頁等)
【特許文献2】
特開2001−210156号公報(請求項等)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に鑑み、スパッタ等の高価な真空装置を用いることなく、さらにフォトリソグラフィー法のような煩雑な工程や、スクリーン印刷用の版を要せずに、より安価で手間のかからない方法で透明導電性酸化すず膜のパターンを形成できる、インクジェット法に適した、透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
これまで、パターン形成ができるインクジェット印刷に用いられる透明導電性膜形成用のインクジェットインクは知られていない。本発明者らは前記課題を解決するため、特定の透明導電性酸化すず膜形成用塗布液はインクジェットインクとして使用することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
かかる本発明の第1の態様は、アルカリ性水溶液にすず酸を溶解させたアルカリ性すず酸水溶液を主成分として含み、さらに水溶性ポリマーを含有することを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクにある。
【0013】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記すず酸が、すず化合物をアルカリにより加水分解して得られたものであることを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクにある。
【0014】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、液中に存在する塩素イオンの量が、液中の金属1重量部あたり2×10−5〜5×10−4重量部であることを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクにある。
【0015】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、液中に存在する塩素イオンの量を電気透析により低下させたことを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクにある。
【0016】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、さらにドーパントを含むことを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクにある。
【0017】
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、表面張力が20〜50mN/mに調整されていることを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクにある。
【0018】
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様において、さらに水溶性高沸点溶媒の少なくとも1種を含むことを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクにある。
【0019】
本発明の透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクは、アルカリ性水溶液にすず酸を溶解させたアルカリ性すず酸水溶液を主成分として含み、さらに水溶性ポリマーを含有する。
【0020】
これは、例えば塩化すず等のすず化合物を出発原料とするすず酸のアルカリ水溶液であり、これまでに知られているITO微粒子を溶媒に分散したいわゆる“分散系”の透明導電膜用塗布液と異なり完全な溶液であり安定なため、好適にインクジェットインクとして用いることができ、インクジェット印刷により所望のパターンの透明導電性酸化すず膜を形成することができる。また、ノズルの目詰まりが起こりにくい等の効果もある。なお、ピンホールやマイクロクラックのない、シート抵抗の低い透明導電膜であり、シート抵抗1000Ω/□以下の実現が可能である点、及び塩化すず、塩化アンチモンや酸化アンチモンという安価な原料を使用できるという利点については、特許文献2に記載の透明導電性酸化すず膜形成用塗布液と同様である。
【0021】
ここで、すず酸とは、一般にSnO2・nH2O(αすず酸)で表される含水酸化すず(SnO2)であるが、すず化合物をアルカリで加水分解することにより、ゲル状沈殿として得ることができる。すず化合物としては、すずの塩化物、特に塩化すず(IV)を用いるのが好ましい。また、すずの塩化物等を加水分解するアルカリとしては、金属成分を含まない、アンモニア、または、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルアミン等のアミン類を挙げることができる。
【0022】
この塩化すずの水溶液をアルカリで加水分解して得られるすず酸はゲル状沈殿であり、ろ紙の目詰まりを起こしやすいため、ろ過による洗浄には困難が伴う。そこで、通常、すず酸を含む溶液を、例えば、15000Gで遠心分離し、得られた固形分を純水中に再分散して、再び遠心分離を行う、といった手法によりすず酸沈殿の洗浄を行う。
【0023】
このようにして得られたすず酸に、上記と同様なアルカリを添加して、好ましくはpH10以上、さらに好ましくはpH10.6以上とすることにより、すず酸が溶解して、無色透明なアルカリ性すず酸水溶液を得ることができる。なお、アルカリ性すず酸水溶液は、金属濃度が1〜17重量%のものが好ましい。
【0024】
本発明の透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクに用いるアルカリ性すず酸水溶液は、液中に存在する塩素イオンの量を低下させるのが好ましく、例えば、液中に存在する塩素イオンの量を、液中の金属イオン1重量部あたり5×10−4重量部以下とするのが好ましい。液中に存在する塩素イオンの量が多いと、該アルカリ性すず酸水溶液は、時間の経過とともに増粘する傾向が大きく、場合によってはゲル化を引き起こすおそれがあるからである。しかしながら、液中に存在する塩素イオンの量を、液中の金属イオン1重量部あたり5×10−4重量部以下とすると、この粘度の経時変化を最小限に抑えることができる。このように経時的な粘度の増加を小さくしたアルカリ性すず酸水溶液を用いることにより、インクジェットインクとして好適な特性を長期間保つことが出来る。
【0025】
上記のすず酸の遠心分離−再分散の操作を繰り返すことによっても、アルカリ性すず酸水溶液中に存在する塩素イオンの量を低下させることができる。しかし、遠心分離−再分散の操作を何回も繰り返すと、次第にすず酸の遠心分離が困難となると共に、得られる沈殿の量が少なくなるために、収率は大幅に低下する。また、遠心分離により液中に存在する塩素イオンの量を、液中の金属イオン1重量部あたり5×10−4重量部以下にした場合、αすず酸はβ化しアルカリに溶解しなくなる虞があるという問題もある。
【0026】
そこで、収率を低下させることなく、液中に存在する塩素イオンの量が、液中の金属イオン1重量部あたり5×10−4重量部以下であるアルカリ性すず酸水溶液を得るためには、すず酸沈殿をアンモニア等のアルカリに溶解後、電気透析を用いて液中の塩素イオンの量を低下させることが好ましい。ここで用いる電気透析器はイオン交換型が好ましく、塩素イオンを水酸化物イオンに置換する。しかし、液中の塩素イオンの量を、液中の金属イオン1重量部あたり2×10−5重量部以下にまで低下させることは、電気透析に時間がかかり過ぎる、アンモニウムイオン濃度が過度に低下する、また、不純物イオン混入の可能性を高める、等の理由から好ましくない。したがって、好ましい液中の塩素イオンの量は、液中の金属イオン1重量部あたり2×10−5〜5×10−4重量部である。
【0027】
なお、電気透析等により透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインク中の液中に存在する塩素イオンの量を低下させることにより、該インクを用いてインクジェット印刷したパターンの焼成時に発生する腐食性ガスの量を低下させ、装置の損傷を押さえる効果も奏する。
【0028】
本発明の透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクは、成膜に不可欠な添加物としてさらに水溶性ポリマーを含有する。これは、水溶性透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクを、ガラス基板上に弾かれることなく密着性よく塗布するために必要であるからである。また、水溶性ポリマーの添加により、実用的な膜厚を有し、且つ強靱で導電性の良好な膜が形成できる。水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド−ジアセトンアクリルアミド共重合体、(メタ)アクリロイルモルホリン−ジアセトンアクリルアミド共重合体、ポリアクリルモルホリン、ポリビニルイミダゾール−ジアセトンアクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン−(メタ)アクリルアミド共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリビニルホルムアミド、ビニルピロリドン−ビニルホルムアミド共重合体、ビニルピロリドン−ビニルアセトアミド共重合体、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド、ビニルピロリドン−N,N−ジメチルアクリルアミド共重合体、N,N−ジメチルアクリルアミド−アクリルアミド共重合体、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリドン−ビニルイミダゾール共重合体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、ゼラチン、ペクチン、アラビアゴム等を挙げることができ、少なくとも1種を添加する。また、水溶性透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインク中における好適な水溶性ポリマー濃度は0.1〜5重量%であり、より好ましくは0.3〜2.5重量%である。なお、水溶性ポリマーは塗布する前までに添加すればよいが、電気透析をする場合は、電気透析した後に添加することが好ましい。
【0029】
本発明の透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクは、さらにドーパントを含むことが好ましい。ドーパントを添加することにより、良好な導電性を有する透明導電性酸化すず膜を形成することができるからである。ドーパントとしては、アンチモン、タングステン、ビスマスなどの元素を挙げることができ、具体的には、酸化アンチモン、酸化タングステン又は酸化ビスマス等の金属酸化物、塩化アンチモン、塩化タングステン又は塩化ビスマス等の金属塩化物などを用いることができるが、特に酸化アンチモンを用いることが好ましい。酸化アンチモンを用いると黄橙色、透明の好適なATO塗布液を得ることができる。なお、ドーパントとして金属塩化物を用いる場合は、上述したすず酸の遠心分離よりも先にドーパントを添加し、金属酸化物を用いる場合はすず酸の遠心分離よりも後でドーパントを添加することが好ましい。ここで、ドーパントは電気透析後に添加することが好ましいため、電気透析をする場合は、ドーパントとして金属酸化物を用いることが好ましい。ドーパントの添加量は、すず化合物(A)とドーパント化合物(B)との使用割合として例示すると、一般にすず原子とドーパント原子比として、A:B=90〜99:1〜10の範囲であるが、好ましくは、A:B=93〜97:3〜7の範囲である。また、本発明のインクジェットインク中の金属濃度は、1〜10重量%が好ましい。
【0030】
本発明の透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクは水溶性高沸点溶媒の少なくとも1種を含むことが好ましい。水溶性高沸点溶媒とは沸点が150℃以上である水溶性溶媒で、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトールなどを挙げることができる。インクジェットインクは乾燥しやすいとヘッドを詰らせてしまう虞れがあるので、乾燥しにくくするために、これらの水溶性高沸点溶媒を添加することが望ましいからである。水溶性高沸点溶媒の好適な添加量はインクジェットインク中の濃度で、1〜20重量%であり、より好ましくは3〜10重量%である。
【0031】
また、本発明の透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクは、界面活性剤等を用いて表面張力が20〜50mN/mに調整されているのが好ましい。水溶性透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクの表面張力が大きすぎると、ガラス基板上にインクジェット印刷をした直後に、インクの液滴が表面張力により収縮し、期待したパターンが得られにくくなる可能性があるからである。そこで、何らかの界面活性剤を適宜添加して表面張力を低下させ、20〜50mN/mの範囲に調整することが好ましい。
【0032】
ここで、用いることができる界面活性剤としては、陰イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤いずれも使用することができるが、界面活性剤の効果を持った消泡剤等を用いることも可能である。また、これらは単独でなく複数を同時に用いることも可能である。これら界面活性剤中にナトリウム等の金属は含まないことが望ましい。透明導電性酸化すず膜パターンの導電性が低下するからである。なお、添加する界面活性剤の量は、インクジェットインク中の濃度で2重量%以下が好ましい。
【0033】
また、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、メタノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。これらの低級アルコールは界面活性剤とともに用いて、表面張力を低下させ、液の流動性を円滑にするからである。好適な添加量はインクジェットインク中の濃度で0.01〜5重量%、より好ましくは、0.05〜2重量%である。
【0034】
さらに、本発明の透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクは、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−ブチルエーテルなどのグリコールエステル群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。これらの添加物はヘッドからの吐出をより円滑にするためである。好適な添加量はインクジェットインク中の濃度で0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.3〜7重量%である。
【0035】
本発明の透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクを用いて所定のパターンをガラス、セラミクス、金属等の各種基板上に印刷する場合、印刷のみした段階では膜は導電性を示さないが、加熱処理することにより導電性を示す。加熱処理条件は、導電性を示すような条件であれば特に限定されないが、例えば、400〜1000℃で5〜200分間加熱する。これにより導電性が発現し、透明導電性酸化すず膜となる。焼成最高温度までの昇温条件に特に制限はないが、5〜20℃/分で徐々に昇温することもできるし、あらかじめ所定の温度に加熱した電気炉中に投入して急速加熱を行ってもかまわない。
【0036】
インクジェット印刷により透明導電膜を成膜するための基板として、ソーダライムガラス等のナトリウムを多量に含有する材料を用いる場合には、シリカコート等の前処理を行い、焼成時に基板成分のナトリウムが透明導電膜中に拡散することを防ぐことが好ましい。ナトリウムが膜内部に拡散すると透明導電膜の抵抗は飛躍的に増大する可能性があるからである。ホウケイ酸ガラスのような無アルカリガラスを用いた場合には前処理はなくてもよい。
【0037】
本発明の水溶性透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクを用いると、インクジェット印刷で所望のパターニングを行うことにより、フォトリソグラフィー法のような複雑な工程を一切必要とせず、プログラムに従って精細なパターンをガラス基板上に短時間で印刷できる。また、スクリーン印刷のような版も必要としない。さらに、無駄なインクもほとんど出ないため、理想的な透明導電性酸化すず膜形成のパターニング方法といえる。
【0038】
【発明の実施の形態】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0039】
以下に述べるインクジェット試験はすべて、セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンター:MJ−800Cを用いて行った。
【0040】
(実施例1)
イオン交換水6000gに50重量%SnCl4水溶液(日本化学産業社製)を300g加えてよく撹拌し、これに28%アンモニア水(関東化学社製)を加えてpH=7.0の溶液とした。この時生じたすず酸の沈殿を15000Gで遠心分離して(S.C.テクノ社製、旭S型超遠心分離機)、468gの固形分を得た。この固形分に2800gのイオン交換水を加えて固形分を水中に再分散し、再び遠心分離を行って、338gの固形分を得た。
【0041】
この固形分にイオン交換水114gを加えてよく撹拌し、28%アンモニア水を加えてpH=10.8とした。この溶液を引き続き撹拌すると、約1時間で固形分が溶解して透明な溶液が得られた。この溶液中のすず濃度は12.7重量%であった。
【0042】
この溶液中には、金属イオン1重量部あたり7.6×10−3重量部の残留塩素イオンがあったため、イオン交換型の電気透析器(旭化成社製、MICRO ACILIZER:EX−3)を用いて脱塩素を行い、液中に存在する塩素イオンの量を、液中の金属イオン1重量部あたり1.7×10−4重量部とした。なお、液中に存在する塩素イオンの量は、0.004mol/L硝酸銀水溶液を標準液として、自動滴定装置(三菱化学社製;GT−05)を用いて測定した。
【0043】
この溶液に4.08gのSb2O3を加え、12時間撹拌したところSb2O3が溶解し、黄橙色、透明な水溶性ATO溶液が得られた。溶液中の金属イオンの濃度は13.3重量%であった。
【0044】
この水溶性ATO溶液を用い、以下の組成のインクジェットインクを調製した。
【0045】
水溶性ATO溶液 : 39.1 重量部
プロピレングリコール : 5.0 重量部
ポリジメチルアクリルアミド : 0.6 重量部
非イオン系界面活性剤 : 0.2 重量部
イソプロピルアルコール : 0.1 重量部
ジエチレングリコールジメチルエーテル : 2.0 重量部
イオン交換水 : 53.0 重量部
なお、このインクジェットインクの液中に存在する塩素イオンの量は、液中の金属イオン1重量部あたり1.6×10−4重量部であり、また、表面張力は31.6mN/mであった。
【0046】
このインクジェットインクを用い、シリカコート済ソーダライムガラス上に、文字の印刷を行ったところ、明瞭な文字が印刷された。また、同じガラス上にベタ印刷を行い、10℃/分で550℃まで昇温し、同温度で60分間保持した後、再び10℃/分で室温まで冷却したところ、膜厚530nmの透明なATO膜が得られた。得られたATO膜のシート抵抗を測定したところ、600Ω/□であった。
【0047】
(実施例2)
実施例1に記載のインクジェットインクを用い、シリカコート済ソーダライムガラス上に、線幅440μmのラインをインクジェット印刷し、実施例1と同様に加熱処理を行ったところ、シート抵抗は2200Ω/□であった。また、膜厚は320μmであった。
【0048】
(実施例3)
実施例1に記載の水溶性ATO溶液を用いて以下の組成のインクジェットインクを調製した。
【0049】
水溶性ATO溶液 : 48.9 重量部
プロピレングリコール : 5.0 重量部
ポリジメチルアクリルアミド : 0.7 重量部
非イオン系界面活性剤 : 0.2 重量部
イソプロピルアルコール : 0.1 重量部
ジエチレングリコールジメチルエーテル : 2.0 重量部
イオン交換水 : 43.1 重量部
なお、このインクジェットインクの表面張力は31.5mN/mであった。
【0050】
このインクジェットインクを用いて、シリカコート済ソーダライムガラス上に、線幅440μmのラインをインクジェット印刷し、実施例1と同様に加熱処理を行ったところ、シート抵抗は877Ω/□であった。また、ラインの厚さは405μmであった。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、パターニングされた透明導電性酸化すず膜を、スパッタ等の高価な真空装置を用いることなく、さらにフォトリソグラフィー法のような煩雑な工程や、スクリーン印刷用の版を要せずに、より安価で手間のかからない方法で製造できる透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインクを提供することができ、特に、太陽電池、及び、LCD、PDP、EL発光素子等、パターニングされた透明電極を必要とする種々の表示素子の製造に有用である。
Claims (7)
- アルカリ性水溶液にすず酸を溶解させたアルカリ性すず酸水溶液を主成分として含み、さらに水溶性ポリマーを含有することを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインク。
- 請求項1において、前記すず酸が、すず化合物をアルカリにより加水分解して得られたものであることを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインク。
- 請求項1又は2において、液中に存在する塩素イオンの量が、液中の金属1重量部あたり2×10−5〜5×10−4重量部であることを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインク。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、液中に存在する塩素イオンの量を電気透析により低下させたことを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインク。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、さらにドーパントを含むことを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインク。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、表面張力が20〜50mN/mに調整されていることを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインク。
- 請求項1〜6の何れかにおいて、さらに水溶性高沸点溶媒の少なくとも1種を含むことを特徴とする透明導電性酸化すず膜形成用インクジェットインク。
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