JP2005015200A - シート給送装置,画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用されるシートの特性変化や給紙ローラの搬送力変化等に関わらず,常に安定してシートの重送防止とシート先端の折れ曲がり防止とを両立できるシート給送装置を提供すること。
【解決手段】シート載置面19上のシートに接触回転してシート搬送方向斜め上方へ向かう傾斜面59に沿ってシートを給送する給送ローラ51,傾斜面59に沿って搬送されてくるシートを1枚ずつ分離しながら画像処理装置内へ搬送するさばきローラ52,給送ローラ51よりシート搬送方向下流側の傾斜面開始位置59aに傾斜面59の傾斜角θ1より大きい傾斜角(角度差θ2)で設けられてシートの当接によって撓む可撓性部材70を設ける。例えば,可撓性部材70をPETフィルムとし,可撓性部材70の幅W2>給送ローラ51の軸方向の幅W1,θ1=30°,θ2=15°,傾斜面59の長さL1=約50mm,可撓性部材70の長さL2=約30mmとする。
【選択図】図3
【解決手段】シート載置面19上のシートに接触回転してシート搬送方向斜め上方へ向かう傾斜面59に沿ってシートを給送する給送ローラ51,傾斜面59に沿って搬送されてくるシートを1枚ずつ分離しながら画像処理装置内へ搬送するさばきローラ52,給送ローラ51よりシート搬送方向下流側の傾斜面開始位置59aに傾斜面59の傾斜角θ1より大きい傾斜角(角度差θ2)で設けられてシートの当接によって撓む可撓性部材70を設ける。例えば,可撓性部材70をPETフィルムとし,可撓性部材70の幅W2>給送ローラ51の軸方向の幅W1,θ1=30°,θ2=15°,傾斜面59の長さL1=約50mm,可撓性部材70の長さL2=約30mmとする。
【選択図】図3
Description
【0001】
本発明は,プリンタ,ファクシミリ,複写機等の画像処理装置に設けられ,該画像処理装置へ原稿や用紙等のシートを給送するシート給送装置,及びそれを具備する画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機,プリンタ等の画像処理装置では,原稿トレイや給紙トレイ等のシートトレイから所定のシート給送装置によって原稿や用紙等のシートが画像読み取り部や画像形成部側へ給送される。
このシート給送装置は,シートトレイに載置されたシートの最上面に所定の給紙ローラ(給送ローラ)を押し当てて回転させることにより,シートを一枚ずつピックアップする。さらに,複数枚のシートが重送(連れ送り)されることを防止するために,ピックアップされたシートを所定のさばきローラと摩擦パッド(さばきパッド)との間に通過させ,シートを一枚ずつ分離して搬送する。
ここで,シートが前記給紙ローラから前記さばきローラへ重送されるのを防止するため,前記給紙ローラよりもシート搬送方向下流側に,シート搬送方向斜め上方へ向かう傾斜面が設けられるのが一般的である。前記給紙ローラの搬送力によりこの傾斜面に沿ってシートを給送することにより,2枚目(最も上側に積載されたシートが1枚目)以降のシートの先端部がその傾斜面に当接して堰止められやすくなる。その結果,1枚目のシートのみがその傾斜面に沿って該傾斜面よりもシート搬送方向下流側の前記さばきローラへ搬送され,重送が防止される。
この傾斜面の傾斜角度が大きすぎると,シートの先端部が傾斜面に当たって折れ曲がる不具合が生じ,同傾斜角度が小さすぎると,シートの重送防止効果が十分得られない。このため,前記傾斜面の傾斜角度は,最も使用頻度が高いと考えられる代表的なシートが用いられた場合に,シート先端部の折れ曲がりが生じない範囲で,重送防止効果が得られるような角度に設定されるのが通常である。
【0003】
一方,従来,特許文献1には,常に安定したシート給送力を得ることができるように,シートトレイの傾斜角度を変化させることができるシート材給送装置(シート給送装置)が示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平07−223745号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,シートトレイには,厚みや紙質等の特性が様々なシートが載置され,また,給紙ローラによるシート搬送力も状況により変化するため,多くの場合に適した傾斜角度の前記傾斜面を設けていても,シートの特性等によっては,シート先端部の折れ曲がりや重送が発生するという問題点があった。
また,特許文献1に示されるように,シートトレイの傾斜角度を可変とすれば,前記傾斜面の傾斜角度(シートトレイのシート積載面に対する角度)をシートの特性に応じて調節することが可能となるが,傾斜角度の調節機構を設ける必要がある等,装置が複雑となるという問題点が生じる。その上,いかなる情報に基づいて(或いは,どのようなルールで)シートトレイの傾斜角度を調節すればよいかが不明なため,現実的でないという問題もある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,使用されるシートの特性変化や給紙ローラの搬送力変化等に関わらず,常に安定してシートの重送防止とシート先端の折れ曲がり防止とを両立できるシート給送装置,及びそれを具備する画像処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は,所定のシート載置面上に積載されたシートに接して回転することによりシート搬送方向斜め上方へ向かう傾斜面に沿ってシートを給送する給送ローラと,前記傾斜面に沿って搬送されてくるシートを1枚ずつ分離しながら画像処理装置内へ搬送するさばきローラとを具備するシート給送装置において,前記給送ローラよりシート搬送方向下流側における前記傾斜面の開始位置に該傾斜面の前記シート載置面に対する傾斜角より大きい傾斜角で設けられ,シートの当接によって撓む可撓性部材を具備してなることを特徴とするシート給送装置として構成されるものである。
このような構成によれば,シート先端部の前記可撓性部材に対する当接力に応じて前記可撓性部材の撓み量が変化し,前記可撓性部材の傾斜角度が変化する結果,常に安定してシートの重送防止とシート先端の折れ曲がり防止とを両立できることになる。
即ち,シートの厚みが厚い(腰が強い)或いは給紙ローラによるシート搬送力が強い等により,シート先端部が前記可撓性部材に強い力で当接する場合は,前記可塑性部材がおおきく撓み,比較的小さな傾斜角度(前記傾斜面に近い又は等しい角度)となるまで撓むので,シート先端部の折れ曲がりが防止される。この場合,腰の強いシート等であるので,比較的小さなな傾斜角度の前記可撓性部材に沿ってシートを搬送しても重送は生じない。一方,シートが薄い(腰が弱い)等によりシート先端部の当接力が弱い場合は,前記可撓性部材の撓み量は小さく,前記可撓性部材は比較的大きな傾斜角度を維持するので,シートの重送が防止される。そして,このような腰の弱いシート等である場合は,比較的大きな傾斜角度の前記可撓性部材に沿ってシートが搬送されるので,十分な重送防止効果が得られる。
【0007】
ここで,実験結果によれば,以下のような構成のものが効果的である。
まず,前記可撓性部材の前記給送ローラの軸方向における幅が,前記給送ローラの軸方向の幅よりも大きく形成されたものが有効である。
また,前記可撓性部材としてPETフィルムを用いれば,シートの当接により適度な撓みが得られ効果的である。
また,前記可撓性部材の前記傾斜角が前記傾斜面の前記傾斜角よりも約15°大きく形成されたものが有効である。
この場合,例えば,前記傾斜面の前記傾斜角が約30°及び前記傾斜面のシート搬送方向における長さが約50mmであり,前記可撓性部材のシート搬送方向における長さが約30mmであるものが効果的であった。
【0008】
以上示した実施の形態は,原稿給送に関するものであるが,これに限るものでなく,例えば,前記手差しトレイ23に載置された用紙の給送等,他のシート給送に適用することも考えられる。
また,本発明は,前記シート給送装置を具備する画像処理装置として捉えたものであってもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る原稿給送装置Xを具備する画像形成装置の概略構成を表す側断面図,図2は本発明の実施の形態に係る原稿給送装置Xの概略側面図,図3は原稿給送装置Xの各種寸法を記号で表した模式的側面図及び正面図である。
【0010】
まず,図1の側断面図を用いて,本発明の実施の形態に係る原稿給送装置X(シート給送装置の一例)が搭載される画像形成装置1(画像処理装置の一例)について説明する。
本画像形成装置1は,印刷モードとしてコピアモード(複写モード),プリンタモード,FAXモードを有しており,不図示の操作部からの操作入力や,パーソナルコンピュータ等の外部ホスト装置からの印刷ジョブの受信に応じた印刷モードが,不図示の制御部によって選択される。
図1に示すように,本画像形成装置1は,原稿読み取り部10(原稿読取手段),給紙部20(給紙手段),印刷部30(印刷手段),排紙部40に大別され,原稿読み取り部10が給紙部20の上方に配設され,排紙部40が原稿読み取り部10と給紙部20の中間部位に配設されている。
以下に,上記各処理モードの中からコピアモードについて説明する。
ユーザが,原稿読み取り部10(スキャナ部)のプラテンガラス11上に原稿を載置した後,給紙部20の給紙カセット21或いは装置側面に設けられた手差しトレイ23に用紙(記録シート)を装着し,さらに装置の外装前面部に配置される操作パネル(不図示)上の条件入力キー(印刷枚数/印刷倍率等々)を入力した後に,操作パネルのスタートキーを操作するとコピー動作が開始される。
スタートキーが操作されると,メイン駆動モータ(不図示)が始動し,各駆動ギヤが回転する。その後,給紙ローラ22又は22aが回転して用紙が装置内へ送出(給紙)され,給紙された用紙はレジストローラ31へ到達する。このレジストローラ31により,用紙は,感光体ドラム32上に形成される画像の先端部(画像形成開始部)と同期をとるために一時停止され,用紙の先端部が均一にレジストローラ31に押しつけられて用紙の先端位置の補正が行なわれる。
【0011】
一方,原稿読み取り部10においては,コピーランプ12a(光源)が点灯し,コピーランプユニット12が矢印方向へ移動することで露光が開始される。コピーランプ12aにより原稿に照射された照射光は,原稿の画像情報を含む反射光(原稿からの反射光)となり,該反射光は,コピーランプユニット12に設けられた第1ミラー12bから第2ミラー13,第3ミラー14,光学レンズ15から,CCD16へ入力されることによって読み取られる。
このようにして読み取られた画像情報は,不図示の制御部が備えるCCD回路で,光の画像情報が電気的信号に変換され,その画像情報信号は,設定された条件で画像処理が行われ,LSUユニット33へプリントデータとして送信される。
他方,感光体ドラム32は,帯電ユニット34により,全体が所定帯電電位に帯電される。LSUユニット33からのレーザ光は,不図示のポリゴンミラーや各種レンズを通して,感光体ドラム32へ照射されて,感光体ドラム32上に静電潜像が形成される。その後,現像槽35中のMGローラ35s上のトナーが,感光体ドラム32表面上に引き寄せられ,静電潜像はトナーによって感光体ドラム32上の電位ギャップに応じて顕像化される。
また,作像される用紙(シート)は,タイミングを合わせてレジストローラ31により,感光体ドラム32方向へ搬送され,転写ユニット36(コロナチャージャ)により感光体ドラム32上のトナーが用紙に転写される。感光体ドラム32上の残留したトナーはドラムユニットのクリーニングブレード37aによってかきとられ,クリーナーユニット37により回収される。
【0012】
他方,トナーの転写が終了した用紙は,定着装置38(定着工程)の上ヒートローラ38aと下ヒートローラ38bを通過して,熱と圧力が加えられ,用紙上の未定着トナーが用紙に溶融・固着され,排紙ローラ41により排紙トレイ42に排出される。
また,原稿読み取り部10が備える原稿給送装置Xの原稿トレイ19に原稿が載置されていることが,所定のセンサにより検出されている場合には,原稿給送装置Xにより原稿が自動供給されてコピーが実行される。
即ち,前記スタートキー操作がなされたときに原稿給送装置Xの給紙ローラ51が回転し,原稿トレイ19上に載置された原稿が原稿読み取り部10内へ送出されて所定の搬送路を搬送される一方,前記コピーランプユニット12が所定の停止位置で停止したまま搬送中の原稿を露光する。この露光により得られた原稿からの反射光により原稿画像を読み取る処理は前述した通りである。
このようにして画像が読み取られた原稿は,原稿排出部18へ排出される。
【0013】
続いて,図2の側面図を用いて本発明の実施の形態に係る原稿給送装置Xについて説明する。
本原稿給送装置Xは,2つのローラ51,52を備え,回動可能に構成されたシート給送部50と,その一方のローラに対向配置されたさ高摩擦部材である摩擦パッド55(さばきパッド)と,前記シート給送部の駆動する不図示の駆動源と,CPU及び該CPUにより実行される所定のプログラムが記憶されたROM等の周辺機器からなり,前記駆動源等を制御して前記シート給送部50の動きを制御する制御部60とを具備している。
前記シート給送部50は,前記原稿トレイ19に載置された原稿(シート)に接して回転することにより原稿を給送する給紙ローラ51と,該給紙ローラ51を回動可能に支持するアーム部材53と,回転可能なローラであってその回転軸52aに前記アーム部材53を回動可能に支持するとともに,不図示の駆動源により回転駆動されて前記給紙ローラ51から送られるシートを1枚ずつ分離しながら前記画像処理装置1内へ搬送するさばきローラ52と,前記給紙ローラ51に対し前記さばきローラ52の回転力を伝達して前記給紙ローラ51を回転駆動させる回転駆動伝達手段の一例である無端ベルト54とを具備している。前記給紙ローラ51は,前記アーム部材53の回動動作によって前記原稿トレイ19上の原稿に対して近接又は離間する。
ここで,前記アーム部材53は,前記さばきローラ52の回転軸52aに支持され,さらに,クラッチ等の連結機構を介して前記さばきローラ52の回転軸52aの駆動力を受け,回動するよう構成されている。
さらに,前記摩擦バッド55は,前記さばきローラ52の下側に該さばきローラ52に対向して近接して設けられ,原稿が前記さばきローラ52と前記摩擦パッド55との間を通過することにより,前記給紙ローラ51によって複数枚の原稿が重送された場合でも,原稿の上面側と下面側との摩擦抵抗の違いによって原稿が1枚ずつ分離されて給送される。
また,前記さばきローラ52よりも原稿搬送方向下流側にはシート通過センサ57が設けられ,これによって原稿がその部分を通過中であるか否かが検出される。
前記制御部60は,複数枚の原稿を連続して給送する場合,原稿が前記シート通過センサ57を通過するごとに,前記給紙ローラ51を所定の退避位置Aから前記原稿トレイ19の上面(前記シート載置面の一例,以下,原稿載置面19という)に載置された原稿(シート)の最上面に接して原稿を給送する前記給送位置Bへ移動させ,原稿給送後に元の前記退避位置Aに戻すよう制御する。
前記給紙ローラ51(給送ローラ)が原稿に接して回転すると,原稿は原稿搬送方向斜め上方へ向かう傾斜面59に沿って給送(搬送)され,前記さばきローラ52は,前記傾斜面59に沿って搬送されてくる原稿を1枚ずつ分離しながら前記画像処理装置1内へ搬送する。
【0014】
本原稿給送装置Xの特徴は,前記給紙ローラ51(給送ローラ)より原稿搬送方向下流側における前記傾斜面59の開始位置59aに,該傾斜面59の前記原稿載置面19に対する傾斜角θ1より大きい傾斜角で設けられ,原稿が当接することによって撓む可撓性部材であるフィルム部材70を具備する点である。
このような構成により,前記給紙ローラ51により給送される原稿の先端部が前記フィルム部材70に当接した場合に,その当接力に応じて前記フィルム部材70の撓み量が変化する。例えば,腰の強い原稿の場合は当接力が大きいため,前記フィルム部材70はほぼ前記傾斜面59に近い傾斜角度となるまで大きく撓み,腰の弱い原稿の場合は当接力が小さいので,前記フィルム部材70の前記傾斜面59側の撓みは小さく比較的大きい傾斜角度が維持される。
このため,腰の強い原稿の場合に,原稿先端部が折れ曲がることが防止されるとともに,比較的小さなな傾斜角度の前記フィルム部材70に沿って(途中からは,前記傾斜面59に沿って)腰の強い原稿を搬送しても重送は生じない。
一方,腰の弱い原稿の場合に,比較的大きな傾斜角度を維持した前記フィルム部材70に沿って(途中からは,前記傾斜面59に沿って)原稿が搬送されるので,原稿の重送が生じにくい(2枚目以降の原稿が前記フィルム部材70に当接して堰止められる)。さらに,腰の弱い原稿は柔軟であるので,先端部の折れ曲がりも生じにくい。
このように,常に安定してシ原稿の重送防止と原稿先端の折れ曲がり防止とを両立できる。
【0015】
図3は,原稿給送装置Xの各種寸法を記号で表した模式的側面図(a)及び正面図(b)である。
図3(a)に示すように,前記原稿載置面19に対する前記傾斜面59の傾斜角度をθ1,前記フィルム部材70の同傾斜角度とθ1との差の角度をθ2,前記傾斜面59の原稿搬送方向における長さをL1(傾斜面59の開始位置59aから終了位置59bまでの長さ),前記フィルム部材70の原稿搬送方向における長さをL2,前記原稿載置面19に対する前記傾斜面59の高さをh1,前記原稿載置面19に対する前記フィルム部材70の高さをh2とする。
また,原稿の幅方向(原稿搬送方向に直角の方向)においては,図3(b)に示すように,前記給紙ローラ51の幅(軸方向の長さ)をW1,前記フィルム部材70の幅をW2とする。この図3(b)には,前記給紙ローラ51が前記退避位置Aに退避した状態を模式的に表している。
ここで,各種実験の結果,各寸法を以下のように設定すると,様々な特性の原稿(シート)を給送した場合でも,原稿の重送及び原稿先端の折れ曲がり等の搬送不良が発生しないことがわかった。
即ち,θ1を約30°,θ2を約15°,L1を約50mm,L2を約30mmとした場合に,原稿の特性に関わらず安定した原稿給送を行えることがわかった。このとき,h1は約30mm,h2は約21mmとなる。
また,原稿の幅方向においては,W2>W1とすることにより,安定した原稿給送に効果的であることがわかった。
ここで,前記フィルム部材70としては0.5mm〜1.5mm程度の厚みのPETフィルム等を用いると,各種原稿の当接により適度な撓みが得られ効果的であった。もちろん,原稿の種類や積載枚数等によっても適切な厚みは異なる場合がある。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,給送ローラからさばきローラへのシート搬送経路にある傾斜面の開始位置に,その傾斜面の傾斜角度よりも大きな傾斜角度の可撓性部材が設けられるので,使用されるシートの特性変化や給紙ローラの搬送力変化等に関わらず,常に安定してシートの重送防止とシート先端の折れ曲がり防止とを両立できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る原稿給送装置Xを具備する画像形成装置の概略構成を表す側断面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る原稿給送装置Xの概略側面図。
【図3】原稿給送装置Xの各種寸法を記号で表した模式的側面図及び正面図。
【符号の説明】
1…画像形成装置
10…画像読み取り部
18…原稿排出部
19…原稿トレイ(シート載置面)
20…給紙部
23…手差しトレイ
30…印刷部
31…レジストローラ
32…感光体ドラム
34…帯電ユニット
35…現像槽
36…転写ユニット
38…定着装置
40…排紙部
50…シート給送部
51…給紙ローラ
51a…給紙ローラの回転軸
52…さばきローラ
52a…さばきローラの回転軸
53…アーム部材
54…無端ベルト
55…摩擦パッド
56…クラッチ
57…シート通過センサ
59…傾斜面
60…制御部
70…フィルム部材(可撓性部材)
本発明は,プリンタ,ファクシミリ,複写機等の画像処理装置に設けられ,該画像処理装置へ原稿や用紙等のシートを給送するシート給送装置,及びそれを具備する画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機,プリンタ等の画像処理装置では,原稿トレイや給紙トレイ等のシートトレイから所定のシート給送装置によって原稿や用紙等のシートが画像読み取り部や画像形成部側へ給送される。
このシート給送装置は,シートトレイに載置されたシートの最上面に所定の給紙ローラ(給送ローラ)を押し当てて回転させることにより,シートを一枚ずつピックアップする。さらに,複数枚のシートが重送(連れ送り)されることを防止するために,ピックアップされたシートを所定のさばきローラと摩擦パッド(さばきパッド)との間に通過させ,シートを一枚ずつ分離して搬送する。
ここで,シートが前記給紙ローラから前記さばきローラへ重送されるのを防止するため,前記給紙ローラよりもシート搬送方向下流側に,シート搬送方向斜め上方へ向かう傾斜面が設けられるのが一般的である。前記給紙ローラの搬送力によりこの傾斜面に沿ってシートを給送することにより,2枚目(最も上側に積載されたシートが1枚目)以降のシートの先端部がその傾斜面に当接して堰止められやすくなる。その結果,1枚目のシートのみがその傾斜面に沿って該傾斜面よりもシート搬送方向下流側の前記さばきローラへ搬送され,重送が防止される。
この傾斜面の傾斜角度が大きすぎると,シートの先端部が傾斜面に当たって折れ曲がる不具合が生じ,同傾斜角度が小さすぎると,シートの重送防止効果が十分得られない。このため,前記傾斜面の傾斜角度は,最も使用頻度が高いと考えられる代表的なシートが用いられた場合に,シート先端部の折れ曲がりが生じない範囲で,重送防止効果が得られるような角度に設定されるのが通常である。
【0003】
一方,従来,特許文献1には,常に安定したシート給送力を得ることができるように,シートトレイの傾斜角度を変化させることができるシート材給送装置(シート給送装置)が示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平07−223745号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,シートトレイには,厚みや紙質等の特性が様々なシートが載置され,また,給紙ローラによるシート搬送力も状況により変化するため,多くの場合に適した傾斜角度の前記傾斜面を設けていても,シートの特性等によっては,シート先端部の折れ曲がりや重送が発生するという問題点があった。
また,特許文献1に示されるように,シートトレイの傾斜角度を可変とすれば,前記傾斜面の傾斜角度(シートトレイのシート積載面に対する角度)をシートの特性に応じて調節することが可能となるが,傾斜角度の調節機構を設ける必要がある等,装置が複雑となるという問題点が生じる。その上,いかなる情報に基づいて(或いは,どのようなルールで)シートトレイの傾斜角度を調節すればよいかが不明なため,現実的でないという問題もある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,使用されるシートの特性変化や給紙ローラの搬送力変化等に関わらず,常に安定してシートの重送防止とシート先端の折れ曲がり防止とを両立できるシート給送装置,及びそれを具備する画像処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は,所定のシート載置面上に積載されたシートに接して回転することによりシート搬送方向斜め上方へ向かう傾斜面に沿ってシートを給送する給送ローラと,前記傾斜面に沿って搬送されてくるシートを1枚ずつ分離しながら画像処理装置内へ搬送するさばきローラとを具備するシート給送装置において,前記給送ローラよりシート搬送方向下流側における前記傾斜面の開始位置に該傾斜面の前記シート載置面に対する傾斜角より大きい傾斜角で設けられ,シートの当接によって撓む可撓性部材を具備してなることを特徴とするシート給送装置として構成されるものである。
このような構成によれば,シート先端部の前記可撓性部材に対する当接力に応じて前記可撓性部材の撓み量が変化し,前記可撓性部材の傾斜角度が変化する結果,常に安定してシートの重送防止とシート先端の折れ曲がり防止とを両立できることになる。
即ち,シートの厚みが厚い(腰が強い)或いは給紙ローラによるシート搬送力が強い等により,シート先端部が前記可撓性部材に強い力で当接する場合は,前記可塑性部材がおおきく撓み,比較的小さな傾斜角度(前記傾斜面に近い又は等しい角度)となるまで撓むので,シート先端部の折れ曲がりが防止される。この場合,腰の強いシート等であるので,比較的小さなな傾斜角度の前記可撓性部材に沿ってシートを搬送しても重送は生じない。一方,シートが薄い(腰が弱い)等によりシート先端部の当接力が弱い場合は,前記可撓性部材の撓み量は小さく,前記可撓性部材は比較的大きな傾斜角度を維持するので,シートの重送が防止される。そして,このような腰の弱いシート等である場合は,比較的大きな傾斜角度の前記可撓性部材に沿ってシートが搬送されるので,十分な重送防止効果が得られる。
【0007】
ここで,実験結果によれば,以下のような構成のものが効果的である。
まず,前記可撓性部材の前記給送ローラの軸方向における幅が,前記給送ローラの軸方向の幅よりも大きく形成されたものが有効である。
また,前記可撓性部材としてPETフィルムを用いれば,シートの当接により適度な撓みが得られ効果的である。
また,前記可撓性部材の前記傾斜角が前記傾斜面の前記傾斜角よりも約15°大きく形成されたものが有効である。
この場合,例えば,前記傾斜面の前記傾斜角が約30°及び前記傾斜面のシート搬送方向における長さが約50mmであり,前記可撓性部材のシート搬送方向における長さが約30mmであるものが効果的であった。
【0008】
以上示した実施の形態は,原稿給送に関するものであるが,これに限るものでなく,例えば,前記手差しトレイ23に載置された用紙の給送等,他のシート給送に適用することも考えられる。
また,本発明は,前記シート給送装置を具備する画像処理装置として捉えたものであってもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る原稿給送装置Xを具備する画像形成装置の概略構成を表す側断面図,図2は本発明の実施の形態に係る原稿給送装置Xの概略側面図,図3は原稿給送装置Xの各種寸法を記号で表した模式的側面図及び正面図である。
【0010】
まず,図1の側断面図を用いて,本発明の実施の形態に係る原稿給送装置X(シート給送装置の一例)が搭載される画像形成装置1(画像処理装置の一例)について説明する。
本画像形成装置1は,印刷モードとしてコピアモード(複写モード),プリンタモード,FAXモードを有しており,不図示の操作部からの操作入力や,パーソナルコンピュータ等の外部ホスト装置からの印刷ジョブの受信に応じた印刷モードが,不図示の制御部によって選択される。
図1に示すように,本画像形成装置1は,原稿読み取り部10(原稿読取手段),給紙部20(給紙手段),印刷部30(印刷手段),排紙部40に大別され,原稿読み取り部10が給紙部20の上方に配設され,排紙部40が原稿読み取り部10と給紙部20の中間部位に配設されている。
以下に,上記各処理モードの中からコピアモードについて説明する。
ユーザが,原稿読み取り部10(スキャナ部)のプラテンガラス11上に原稿を載置した後,給紙部20の給紙カセット21或いは装置側面に設けられた手差しトレイ23に用紙(記録シート)を装着し,さらに装置の外装前面部に配置される操作パネル(不図示)上の条件入力キー(印刷枚数/印刷倍率等々)を入力した後に,操作パネルのスタートキーを操作するとコピー動作が開始される。
スタートキーが操作されると,メイン駆動モータ(不図示)が始動し,各駆動ギヤが回転する。その後,給紙ローラ22又は22aが回転して用紙が装置内へ送出(給紙)され,給紙された用紙はレジストローラ31へ到達する。このレジストローラ31により,用紙は,感光体ドラム32上に形成される画像の先端部(画像形成開始部)と同期をとるために一時停止され,用紙の先端部が均一にレジストローラ31に押しつけられて用紙の先端位置の補正が行なわれる。
【0011】
一方,原稿読み取り部10においては,コピーランプ12a(光源)が点灯し,コピーランプユニット12が矢印方向へ移動することで露光が開始される。コピーランプ12aにより原稿に照射された照射光は,原稿の画像情報を含む反射光(原稿からの反射光)となり,該反射光は,コピーランプユニット12に設けられた第1ミラー12bから第2ミラー13,第3ミラー14,光学レンズ15から,CCD16へ入力されることによって読み取られる。
このようにして読み取られた画像情報は,不図示の制御部が備えるCCD回路で,光の画像情報が電気的信号に変換され,その画像情報信号は,設定された条件で画像処理が行われ,LSUユニット33へプリントデータとして送信される。
他方,感光体ドラム32は,帯電ユニット34により,全体が所定帯電電位に帯電される。LSUユニット33からのレーザ光は,不図示のポリゴンミラーや各種レンズを通して,感光体ドラム32へ照射されて,感光体ドラム32上に静電潜像が形成される。その後,現像槽35中のMGローラ35s上のトナーが,感光体ドラム32表面上に引き寄せられ,静電潜像はトナーによって感光体ドラム32上の電位ギャップに応じて顕像化される。
また,作像される用紙(シート)は,タイミングを合わせてレジストローラ31により,感光体ドラム32方向へ搬送され,転写ユニット36(コロナチャージャ)により感光体ドラム32上のトナーが用紙に転写される。感光体ドラム32上の残留したトナーはドラムユニットのクリーニングブレード37aによってかきとられ,クリーナーユニット37により回収される。
【0012】
他方,トナーの転写が終了した用紙は,定着装置38(定着工程)の上ヒートローラ38aと下ヒートローラ38bを通過して,熱と圧力が加えられ,用紙上の未定着トナーが用紙に溶融・固着され,排紙ローラ41により排紙トレイ42に排出される。
また,原稿読み取り部10が備える原稿給送装置Xの原稿トレイ19に原稿が載置されていることが,所定のセンサにより検出されている場合には,原稿給送装置Xにより原稿が自動供給されてコピーが実行される。
即ち,前記スタートキー操作がなされたときに原稿給送装置Xの給紙ローラ51が回転し,原稿トレイ19上に載置された原稿が原稿読み取り部10内へ送出されて所定の搬送路を搬送される一方,前記コピーランプユニット12が所定の停止位置で停止したまま搬送中の原稿を露光する。この露光により得られた原稿からの反射光により原稿画像を読み取る処理は前述した通りである。
このようにして画像が読み取られた原稿は,原稿排出部18へ排出される。
【0013】
続いて,図2の側面図を用いて本発明の実施の形態に係る原稿給送装置Xについて説明する。
本原稿給送装置Xは,2つのローラ51,52を備え,回動可能に構成されたシート給送部50と,その一方のローラに対向配置されたさ高摩擦部材である摩擦パッド55(さばきパッド)と,前記シート給送部の駆動する不図示の駆動源と,CPU及び該CPUにより実行される所定のプログラムが記憶されたROM等の周辺機器からなり,前記駆動源等を制御して前記シート給送部50の動きを制御する制御部60とを具備している。
前記シート給送部50は,前記原稿トレイ19に載置された原稿(シート)に接して回転することにより原稿を給送する給紙ローラ51と,該給紙ローラ51を回動可能に支持するアーム部材53と,回転可能なローラであってその回転軸52aに前記アーム部材53を回動可能に支持するとともに,不図示の駆動源により回転駆動されて前記給紙ローラ51から送られるシートを1枚ずつ分離しながら前記画像処理装置1内へ搬送するさばきローラ52と,前記給紙ローラ51に対し前記さばきローラ52の回転力を伝達して前記給紙ローラ51を回転駆動させる回転駆動伝達手段の一例である無端ベルト54とを具備している。前記給紙ローラ51は,前記アーム部材53の回動動作によって前記原稿トレイ19上の原稿に対して近接又は離間する。
ここで,前記アーム部材53は,前記さばきローラ52の回転軸52aに支持され,さらに,クラッチ等の連結機構を介して前記さばきローラ52の回転軸52aの駆動力を受け,回動するよう構成されている。
さらに,前記摩擦バッド55は,前記さばきローラ52の下側に該さばきローラ52に対向して近接して設けられ,原稿が前記さばきローラ52と前記摩擦パッド55との間を通過することにより,前記給紙ローラ51によって複数枚の原稿が重送された場合でも,原稿の上面側と下面側との摩擦抵抗の違いによって原稿が1枚ずつ分離されて給送される。
また,前記さばきローラ52よりも原稿搬送方向下流側にはシート通過センサ57が設けられ,これによって原稿がその部分を通過中であるか否かが検出される。
前記制御部60は,複数枚の原稿を連続して給送する場合,原稿が前記シート通過センサ57を通過するごとに,前記給紙ローラ51を所定の退避位置Aから前記原稿トレイ19の上面(前記シート載置面の一例,以下,原稿載置面19という)に載置された原稿(シート)の最上面に接して原稿を給送する前記給送位置Bへ移動させ,原稿給送後に元の前記退避位置Aに戻すよう制御する。
前記給紙ローラ51(給送ローラ)が原稿に接して回転すると,原稿は原稿搬送方向斜め上方へ向かう傾斜面59に沿って給送(搬送)され,前記さばきローラ52は,前記傾斜面59に沿って搬送されてくる原稿を1枚ずつ分離しながら前記画像処理装置1内へ搬送する。
【0014】
本原稿給送装置Xの特徴は,前記給紙ローラ51(給送ローラ)より原稿搬送方向下流側における前記傾斜面59の開始位置59aに,該傾斜面59の前記原稿載置面19に対する傾斜角θ1より大きい傾斜角で設けられ,原稿が当接することによって撓む可撓性部材であるフィルム部材70を具備する点である。
このような構成により,前記給紙ローラ51により給送される原稿の先端部が前記フィルム部材70に当接した場合に,その当接力に応じて前記フィルム部材70の撓み量が変化する。例えば,腰の強い原稿の場合は当接力が大きいため,前記フィルム部材70はほぼ前記傾斜面59に近い傾斜角度となるまで大きく撓み,腰の弱い原稿の場合は当接力が小さいので,前記フィルム部材70の前記傾斜面59側の撓みは小さく比較的大きい傾斜角度が維持される。
このため,腰の強い原稿の場合に,原稿先端部が折れ曲がることが防止されるとともに,比較的小さなな傾斜角度の前記フィルム部材70に沿って(途中からは,前記傾斜面59に沿って)腰の強い原稿を搬送しても重送は生じない。
一方,腰の弱い原稿の場合に,比較的大きな傾斜角度を維持した前記フィルム部材70に沿って(途中からは,前記傾斜面59に沿って)原稿が搬送されるので,原稿の重送が生じにくい(2枚目以降の原稿が前記フィルム部材70に当接して堰止められる)。さらに,腰の弱い原稿は柔軟であるので,先端部の折れ曲がりも生じにくい。
このように,常に安定してシ原稿の重送防止と原稿先端の折れ曲がり防止とを両立できる。
【0015】
図3は,原稿給送装置Xの各種寸法を記号で表した模式的側面図(a)及び正面図(b)である。
図3(a)に示すように,前記原稿載置面19に対する前記傾斜面59の傾斜角度をθ1,前記フィルム部材70の同傾斜角度とθ1との差の角度をθ2,前記傾斜面59の原稿搬送方向における長さをL1(傾斜面59の開始位置59aから終了位置59bまでの長さ),前記フィルム部材70の原稿搬送方向における長さをL2,前記原稿載置面19に対する前記傾斜面59の高さをh1,前記原稿載置面19に対する前記フィルム部材70の高さをh2とする。
また,原稿の幅方向(原稿搬送方向に直角の方向)においては,図3(b)に示すように,前記給紙ローラ51の幅(軸方向の長さ)をW1,前記フィルム部材70の幅をW2とする。この図3(b)には,前記給紙ローラ51が前記退避位置Aに退避した状態を模式的に表している。
ここで,各種実験の結果,各寸法を以下のように設定すると,様々な特性の原稿(シート)を給送した場合でも,原稿の重送及び原稿先端の折れ曲がり等の搬送不良が発生しないことがわかった。
即ち,θ1を約30°,θ2を約15°,L1を約50mm,L2を約30mmとした場合に,原稿の特性に関わらず安定した原稿給送を行えることがわかった。このとき,h1は約30mm,h2は約21mmとなる。
また,原稿の幅方向においては,W2>W1とすることにより,安定した原稿給送に効果的であることがわかった。
ここで,前記フィルム部材70としては0.5mm〜1.5mm程度の厚みのPETフィルム等を用いると,各種原稿の当接により適度な撓みが得られ効果的であった。もちろん,原稿の種類や積載枚数等によっても適切な厚みは異なる場合がある。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,給送ローラからさばきローラへのシート搬送経路にある傾斜面の開始位置に,その傾斜面の傾斜角度よりも大きな傾斜角度の可撓性部材が設けられるので,使用されるシートの特性変化や給紙ローラの搬送力変化等に関わらず,常に安定してシートの重送防止とシート先端の折れ曲がり防止とを両立できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る原稿給送装置Xを具備する画像形成装置の概略構成を表す側断面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る原稿給送装置Xの概略側面図。
【図3】原稿給送装置Xの各種寸法を記号で表した模式的側面図及び正面図。
【符号の説明】
1…画像形成装置
10…画像読み取り部
18…原稿排出部
19…原稿トレイ(シート載置面)
20…給紙部
23…手差しトレイ
30…印刷部
31…レジストローラ
32…感光体ドラム
34…帯電ユニット
35…現像槽
36…転写ユニット
38…定着装置
40…排紙部
50…シート給送部
51…給紙ローラ
51a…給紙ローラの回転軸
52…さばきローラ
52a…さばきローラの回転軸
53…アーム部材
54…無端ベルト
55…摩擦パッド
56…クラッチ
57…シート通過センサ
59…傾斜面
60…制御部
70…フィルム部材(可撓性部材)
Claims (6)
- 所定のシート載置面上に積載されたシートに接して回転することによりシート搬送方向斜め上方へ向かう傾斜面に沿ってシートを給送する給送ローラと,前記傾斜面に沿って搬送されてくるシートを1枚ずつ分離しながら画像処理装置内へ搬送するさばきローラとを具備するシート給送装置において,
前記給送ローラよりシート搬送方向下流側における前記傾斜面の開始位置に該傾斜面の前記シート載置面に対する傾斜角より大きい傾斜角で設けられ,シートの当接によって撓む可撓性部材を具備してなることを特徴とするシート給送装置。 - 前記可撓性部材の前記給送ローラの軸方向における幅が,前記給送ローラの軸方向の幅よりも大きく形成されてなる請求項1に記載のシート給送装置。
- 前記可撓性部材がPETフィルムである請求項1又は2のいずれかに記載のシート給送装置。
- 前記可撓性部材の前記傾斜角が前記傾斜面の前記傾斜角よりも約15°大きく形成されてなる請求項1〜3のいずれかに記載のシート給送装置。
- 前記傾斜面の前記傾斜角が約30°及び前記傾斜面のシート搬送方向における長さが約50mmであり,前記可撓性部材のシート搬送方向における長さが約30mmである請求項4に記載のシート給送装置。
- 請求項1〜5に記載のシート給送装置を具備してなることを特徴とする画像処理装置。
Priority Applications (1)
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