JP2005009296A - 建設用又は建築用構成部材及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 濡れた表面を、自然乾燥により短時間のうちに乾燥状態にすることができる建設用又は建築用構成部材を提供する。第二に、汚れが貯まりにくく、落としやすい防水パンを提供する。また、微細な凹凸をほぼ忠実に再現できる金型を用いた建設用又は建築用構成部材の製造法を提供する。
【解決手段】 床表面に連続的に水の凝集現象を防ぎ、水膜を形成するための親水性を示す微細な凹凸が施されている建設用又は建築用構成部材。微細な凹凸は、例えば、レーザ顕微鏡で、横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能を0.05μmに設定し、測定長が5μmで、任意に選んだ5箇所以上測定したときに、算術平均粗さRaの平均値が0.7μm以上である。
【選択図】 なし。





Description

本発明は、表面が濡れても乾きやすく、建設用又は建築用に適した構成部材及びその製造法に関する。
従来、浴室用の防水パンは、意匠性を重視して、その表面は300mm角程度の大きさの目地割りによる田の字又は格子状のパターンが施され、そのパターンを形成する溝は目地と呼ばれて、通常、その幅は3〜10mm程度、深さは0.3〜1.0mm程度である。また、上記溝で囲まれる最小区画(一箇のタイルに相当する部分)の表面は、自然感を持たせるために、天然石を真似て岩肌調に加工され、あるいは、シボ加工メーカーの見本板のような岩肌調やシボ加工されていることが多い。尚、このような岩肌調やシボ加工は比較的大きな凹凸が施されている。
しかし、このような防水パンは、表面の意匠性が重視されてはいるが、排水性(速乾燥性)は不十分であり、また、防水パンの素材は、比較的撥水性の高いFRPなどのプラスチック類が多く用いられていることから、入浴後の防水パン上の湯水はその防水パンの上で接触角の大きな水玉を形成し、翌日になってもこの水玉状の残水は乾きにくく、自然乾燥せずに残ってしまう。従って、翌日、使用者が浴槽の清掃を行う際、防水性のぞうり等をはかなければ足がぬれるなど、煩わしいことになる。特に冬には残り水が冷たくなっているため、寒さを助長する。
このような問題を解決するものとして、防水パンの表面に、凸部を有し、その周りに細く断面がV字状である溝を配し、その溝が排水口に至る構造の表面を有している防水パンが製品として提案されている(特許文献1参照)。この防水パンでは、約5mm×10mm程度の凸部と幅約2mm×深さ約0.7mmの溝の相互作用で残存する水玉の水を溝を通して排水口に流すことにより、防水パンの表面を速やかに乾燥させることができる。
しかし、この防水パンは、溝に水とともに汚れ(石けんカス、垢、ゴミ等)も流入し、溝が細く、比較的深いために、その汚れが溝内に貯まり易く、また清掃の際にも汚れを落としづらいといった問題があった。
上記の浴室の防水パンに関する問題は、これに限らず、浴室用タイル床材、その他壁材、天井材、カウンター用材等の浴室用構成部材、浴室用以外の室内室外で使用されるすべり止め床材等の床材、壁材、天井材等においても同様に現出する。
特開2002−242410号公報(第4、6頁、第9〜12図)
本発明は、第一に、前記の原理とは異なった原理により、濡れた表面が自然乾燥により短時間のうちに乾燥状態にすることができる建設用又は建築用構成部材を提供するものである。本発明は、第二に、汚れが貯まりにくく、落としやすい建設用又は建築用構成部材を提供するものである。
また、このような建設用又は建築用構成部材を提供するために、微細な凹凸をほぼ忠実に再現できる金型を用いた建設用又は建築用構成部材の製造法を提供するものである。
本発明は、次のものに関する。
1. 表面に連続的に水の凝集現象を防ぎ、水膜を形成するための親水性を示す微細な凹凸が施されている建設用又は建築用構成部材。
2. プラスチック片、陶製片、金属片又はゴム片からなる項1記載の建築用構成部材。
3. 床材、壁材又は天井材である項1又は項2記載の建設用又は建築用構成部材
4. 浴室用構成部材である項1記載の建設用又は建築用構成部材。
5. 防止パンである項1記載の建設用又は建築用構成部材。
6. すべり止め床材である項1記載の建設用又は建築用構成部材。
7. レーザ顕微鏡で、横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能を0.05μmに設定し、測定長が5μmで、任意に選んだ5箇所以上測定したときに、算術平均粗さRaの平均値が0.7μm以上である微細な凹凸が表面に施こされている項1〜6のいずれかに記載の建設用又は建築用構成部材。
8. 微細な凹凸が、レーザ顕微鏡で、横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能を0.05μmに設定し、測定長が5μmで、任意に選んだ5箇所以上測定したときに、最大高さRyの平均値が5μm以上であるように施されている項7に記載の建設用又は建築用構成部材。
9. 微細な凹凸が、レーザ顕微鏡で、横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能を0.05μmに設定し、測定長が5μmで、任意に選んだ5箇所以上測定したときに、凹凸の平均間隔Smと最大高さRyとの比Sm/Ryの平均値が0.2以下であるように施されている項7又は8に記載の建設用又は建築用構成部材。
10. 微細な凹凸が、レーザ顕微鏡で、横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能を0.05μmに設定し、測定長が5μmで、任意に選んだ5箇所以上測定したときに、算術平均粗さRaの平均値が0.8μm以上で、かつ凹凸の平均間隔Smと最大高さRyとの比Sm/Ryの平均値が0.2以下であるように施されている項7〜9のいずれかに記載の建設用又は建築用構成部材。
11. 微細な凹凸が、レーザ顕微鏡で、横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能を0.05μmに設定し、測定範囲を5μm四方で、任意に選んだ5箇所以上測定したときに、凹凸の表面積の平均値が400μm以上であるように施されている項7〜10のいずれかに記載の建設用又は建築用構成部材。
12. 微細な凹凸が、レーザ顕微鏡で、横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能を0.05μmに設定し、測定長が5μmで、任意に選んだ5箇所以上測定したときに、各箇所ごとに断面曲線のZ方向の値の平均値を求め、その平均値から偏差割合曲線を求め、その偏差割合曲線をフーリエ変換し、波長の逆数ごとのパワースペクトルを求め、対数近似した近似曲線が、波長の逆数が2.5〜14/μm(波長換算0.4〜0.071μm)の範囲の全域が、−30μm以上である箇所が、測定した箇所の50%を超えるように施されている項7〜11のいずれかに記載の建設用又は建築用構成部材。
13. 建設用又は建築用構成部材の表面に連続的に水の凝集現象を防ぎ、水膜を形成するための親水性を示す微細な凹凸を形成するのに対応した表面をもつ成形型を用いてFRP成形することを特徴とする表面に微細な凹凸を有する建設用又は建築用構成部材の製造法。
14. 型が金型であり、その表面に微細な凹凸が形成されていると共に無機物を用いるPVD法により皮膜が形成されているものである項13記載の建設用又は建築用構成部材の製造法。
本発明に係る建設用又は建築用構成部材によれば、水に濡れても水が膜状に濡れ広がるため、速やかに乾燥する。また、細く深い溝を形成する必要がないので、汚れの堆積が少なく、清掃もし易すくできる。
また、比較的大きな凹凸柄との組み合わせができるので、意匠の自由度が高まる。
まず、防水パンを例に、本発明を説明する。
図1は本発明に係る一実施例の防水パンの平面図である。
図1に示すように、防水パン1は、浴槽設置部2に隣接する洗場部に相当する部分であり、浴槽設置部2は洗場側防水パンと別体で形成され、接続される。防水パン1は、浴槽設置部2と一体に形成されていてもよい。また、防水パン1は、隣接する浴槽と一体に成形されていてもよい。
防水パン1の表面は、適当なテクスチャやシボや凹凸などが設けられ、中間に約300〜400mm間隔の目地割り6が設けられることもある。
防水パン1には、排水のための排水口凹部3が形成され、排水口凹部3の中に排水口4が配置されている。
防水パン1は、上記排水口凹部3が最も低くなるように排水勾配が取られており、浴室使用時には、湯水が防水パン1上の水が排水勾配に沿って流れ、排水口凹部3に集水されるようになっている。また、排水を補助するための排水流し溝5を浴槽に沿って設けている。排水流し溝5内に落ちた排水は排水口凹部3に集水されるようになっている。
上記防水パンにおける排水勾配は、使用時に、湯水が、排水口又は排水溝に向って流れるようにするための傾斜であり、排水口又は排水溝に向って1/20〜1/100の範囲内の下り勾配を有する。排水口に向けて下り勾配を付けることが一般的であるが、グレーチングを載せた排水溝が洗い場周りにあるような浴室では、その排水溝へ向かうような下り勾配でもよい。防水パンには、一般に排水勾配を設けることが好ましい。
本発明における防水パンの素材は、成形が容易であること、量産性に富むことから、ガラス繊維強化プラスチック製が好ましく、その樹脂材料としては、不飽和ポリエステル樹脂が一般的である。防水パンの素材は無機質材料、例えば陶製であってもよい。陶製の場合は、全体を一つのものとするよりも、適当な大きさの片(タイル)とされ、これが配列して並べられ、目地により接続される。その大きさは好ましくは、上記の目地で区画される大きさであることが好ましい。これらの防止パンは、ユニットバス用だけでなく、一般の浴室に使用できる。材質としては、さらに、金属、ゴム等も使用することができる。
上記の防水パンで示した表面の構造は、壁材、天井材等の室内用構成部材、外壁等の室外用構成部材に適用でき、これにより表面が乾きやすい構成部材が得られる。その形状は、大小のパネル、片(タイル状)等任意であり、素材としては、上記したように樹脂(FRPを含む)、ゴム、陶製、金属等がある。また、本発明における建設用又は建築用構成部材は上記の表面構造を有するすべり止め床材であってもよい。
本発明における建設用又は建築用構成部材(以下、単に「構成部材」という)の表面には、親水性を示す微細な凹凸が連続的に施されている。
この微細な凹凸は、水の接触角が60度未満の親水性を示す程度に行われる。親水性の尺度として、水の接触角を測る場合、(1)表面に水滴を静かに置いて測定する方法、(2)水滴を約300mmの高さから表面に自然落下させて測定する方法、(3)表面に水滴を落とした後、水をおしなべて、その再凝集の状態を見る方法がある。(1)の場合も、(2)の場合も、表面にある水の接触角が60度未満であれば、本発明における親水性といえる。(3)の場合、再凝縮した水の接触角が60度未満であれば、本発明における親水性である。親水性の程度として本発明における好ましい接触角は、10度以上40度以下である。
なお、本発明おいて、水の接触角を計るときは、接触角測定器の水平台に測定物を載せ、横方向から光を当てて投影拡大し、測定物と液滴との境界を基準にして、液滴端部を通る液滴への接線と、その基準がなす角度を読み取る。なかでも大きな測定物は、小片に切断して測定すればよい。
表面を親水性にするために、多くの場合、親水性処理が必要である。それには、親水性膜を形成する方法、表面形状を調整する方法などがあるが、その中でも、表面形状を調整し、凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法が最も簡便で、コストも安価である。
表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法の一つは、微細な凹凸を、レーザ顕微鏡(例えば、(株)キーエンス製VK−8500シリーズ)を用いて、上方から見たときの横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能0.05μmに設定し、測定長5μmで、任意に選んだ5箇所以上測定したとき(以下、測定条件Aという)、算術平均粗さRaの平均値が0.7μm以上施すことである。Raが大きいということは、測定長の中で、凹凸の幅が大きいことを示す。算術平均粗さRaの平均値は3.2μm以下であることが好ましい。
例えば、FRPで鏡面の場合は、測定条件Aで測定した場合、Ra=0.164μmであり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。また、従来のFRP製で岩肌調といわれているものは、Ra=0.117μmであり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。
一方、金型に所定のエッチングを施し、FRP成形して得られた構成部材の表面では、Ra=1.436μmであり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。また、金型に所定のサンドブラストを施し、FRP成形して得られた構成部材の表面では、Ra=1.334μmであり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。
表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法の一つは、微細な凹凸を、測定条件Aで、最大高さRyの平均値が5μm以上に施すことである。Ryが大きいということは、測定長の中で、凹凸の幅が大きいことを示す。最大高さRyの平均値は、36μm以下であることが好ましい。
例えば、FRPで鏡面の場合は、測定条件Aで測定した場合、Ry=0.999μmであり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。また、従来の岩肌調といわれているものは、Ry=0.73μmであり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。
一方、金型に所定のエッチングを施し、FRP成形して得られた防水パンの表面では、Ry=10.372μmであり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。また、金型に所定のサンドブラストを施し、FRP成形して得られた防水パンの表面では、Ry=17.793μmであり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。
表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法の一つは、微細な凹凸を、測定条件Aで、凹凸の平均間隔Smと最大高さRyとの比Sm/Ryの平均値が0.2以下に施すことである。Sm/Ryが小さいということは、測定長の中で、凹凸のピッチに対して凹凸の幅が十分に大きいことを示す。Sm/Ryは、0.0025以上で0.2以下であることが好ましい。
例えば、FRPで鏡面の場合は、測定条件Aで測定した場合、Sm=0.363μm、Ry=0.999μm、Sm/Ry=0.533であり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。また、従来の岩肌調といわれているものは、Sm=0.26μm、Ry=0.73μm、Sm/Ry=0.366であり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。
一方、金型に所定のエッチングを施し、FRP成形して得られた防水パンの表面では、Sm=0.9μm、Ry=10.372μm、Sm/Ry=0.112であり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。また、金型に所定のサンドブラストを施し、成形して得られた防水パンの表面では、Sm=0.493μm、Ry=17.793μm、Sm/Ry=0.052であり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。
表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法の一つは、微細な凹凸を、レーザ顕微鏡(例えば、(株)キーエンス製VK−8500シリーズ)を用いて、上方から見たときの横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能0.05μmに設定し、測定範囲5μm四方で、表面の代表的な状態を5箇所以上測定したとき(以下、測定条件Bという)、凹凸の表面積の平均値が400μm以上に施すことである。凹凸の表面積が大きいということは、測定範囲の中で、凹凸が微細に集まっていることを示す。凹凸の表面積の平均値は、2000μm以下であることが好ましい。
例えば、FRPで鏡面の場合は、測定条件Bで測定した場合、表面積が160.32μmあり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。また、従来の岩肌調といわれているものは、169.599μmであり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。
一方、金型に所定のエッチングを施し、FRP成形して得られた防水パンの表面では、528.586μmであり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。また、金型に所定のサンドブラストを施し、FRP成形して得られた防水パンの表面では、934.231μmであり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。
表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法の一つは、微細な凹凸を、測定条件Aで、各箇所ごとに断面曲線のZ方向の値の平均値を求め、その平均値から偏差割合曲線を求め、その偏差割合曲線をフーリエ変換し、波長の逆数ごとのパワースペクトルを求め、対数近似した近似曲線が、波長の逆数が2.5〜14/μm(波長換算0.4〜0.071μm)の範囲の全域が、−30μm以上である箇所が、測定した箇所の50%を超え100%以下であるように施すことである。波長0.388〜0.071μmの範囲の全域が、−30μm以上であるということは、測定長の中で、このような波長の凹凸が数多く集まっていることを示す。
例えば、FRPで鏡面の場合は、測定条件Aで8箇所測定した場合、断面曲線のZ方向の値をZとし、その平均値ZAVに対する偏差割合ΔH=(Z−ZAV)/ZAVは、−0.064〜0.023の範囲であり、その偏差割合曲線をフーリエ変換し、各波長の逆数ごとのパワースペクトルPS=10×log10[{(スペクトルの実数部)+(スペクトルの虚数部)}/2]を求め、対数近似した近似曲線は、波長の逆数が2.5〜14/μm(波長換算0.4〜0.071μm)の範囲では、8箇所のすべてが、PS=−30μm未満であり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。また、従来の岩肌調といわれているものは、ΔH=−0.1〜0.105であり、8箇所中7箇所、すなわち87.5%がPS=−30μm未満であり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。
一方、金型に所定のエッチングを施し、FRP成形して得られた防水パンの表面では、ΔH=−0.292〜0.315であり、8箇所のすべてが、PS=−30μm以上であり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。また、金型に所定のサンドブラストを施し、FRP成形して得られた防水パンの表面では、ΔH=−0.961〜0.695であり、8箇所のすべてが、PS=−30μm以上であり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。
以上、説明してきた微細な凹凸の上に水が落ちると、水は、その凝集作用によって凹内に入り込み、この後、凸の堰により再凝集が妨げられるとともに、材料の真の接触角が大きくてもその表面が水平面に対してすでに大きな角度を有するため水平面に対する見かけの接触角が小さくなり、全体として、擬似的な接触角が小さくなり、表面は、結果的に親水性を示す。
また、このような微細な凹凸は、比較的平坦な面だけでなく、従来の岩肌調といわれている面や、滑り止め用の凸面、凸面の間の流路などであって、波長の大きい面にも設けることができる。
本発明における構成部材は、前記した微細な凹凸を形成するのに対応した表面をもつ成形型を用いて樹脂(FRPを含む)を成形することにより製造することができる。
構成部材は、その強度や耐久性、量産性、また施工、搬入時の軽さを考慮して、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)製が一般的である。成形の際には、型に所定の形状を掘り込んで、注形成形、射出成形、プレス成形等により成形されるが、FRP成形においては、型形状が転写されるプレス成形法が量産的であり、好ましい。
型は、金型が好ましく、その表面に微細な凹凸を形成するには、前記したようサンドブラスト法、エッチング法等が利用される。また、この微細な凹凸形状を保護し、離型性や耐摩耗性を向上するため、その表面に無機物を用いるPVD法により皮膜形成することが好ましい。めっき法により皮膜を形成することもできるが、めっき法よりもPVD法が先に形成されている微細な凹凸形状をより忠実に反映するので好ましい。
PVD法は、物理的気相成長法と呼ばれ、薄膜となる原料を蒸発によって気化した後、基材上に堆積させる方法である。本発明においては、型が、S50CやS55Cなどの鋼材が好適に用いられることから、イオンプレーティング法により、CrNを金型の表面に被膜することが好ましい。
イオンプレーティング法によって、CrNを被膜するには、蒸発させるクロムをターゲットにして、雰囲気温度が450〜550℃の真空容器中で、窒素を吹き込みながらターゲット表面にアーク放電を発生させる。アーク放電によってターゲット表面の微小領域が溶融し、金属が蒸発する。このとき、蒸発金属は窒素雰囲気中のイオンや電子と衝突することにより、イオン化され大きなエネルギーを持って、基材に衝突し被覆する。
CrNの被膜によって、基材の硬度Hv=200程度のものがHv=1800〜2200になり、硬度を高くすることによって、耐摩耗性が向上する。また、動摩擦係数は、荷重98Nのとき、基材が0.5に対して、0.25〜0.3に低下し、離型性が向上する。一方、膜厚は、2.5μmと薄い膜が形成される。尚、所定のエッチングやブラスト処理を施し微細な凹凸を形成し、さらにイオンプレーティング法によりCrNを被覆した型を用いて成形した防水パンに関しては後述する。
本発明において、金型へのエッチング等の表面処理、このような金型による樹脂成形を経て構成部材を製造することができる。金型の表面処理、樹脂成形が一様に、均一に又は円滑に行われた場合、得られた成形品の表面状態はどこも同じ様な状態になっている。Ra、Ry及びSmを測定条件A又は測定条件Bにより測定する場合、構成部材の少なくとも5カ所で測定するが、上記のように表面状態が同じ様な状態(一様な又は均一な状態)であれば、狭い領域、例えば37×27μmの面積の表面から選ぶことができる。
また、測定個所は、適当に5カ所を超えて適当数を測定することができる。
パワースペクトルの測定も同様であり、ただし、この場合は測定条件Aで測定個所は、少なくとも8カ所とされる。
このような凹凸形状を有する構成部材の製造方法として、素材がゴムの場合は、上記の樹脂と同様に成型する方法がある。また、素材が陶製のばあい、その原材料である粘土で形状をつくるときに、上記と同様に表面処理された型でその表面形状を転写し、その後焼く方法がある。素材が金属の場合は、上記の型に凹凸形状を付与する方法と同様にエッチングする方法、サンドブラストを施す方法などがある。
防水パン等の床に、排水勾配をつけると、使用中の湯水の大部分は、これにより、すなわち、重力の働きで、排水口又は排水溝に向けて流れ落ちる。このとき残った湯水は、例えば、従来の滑らかな表面又は岩肌調の表面などでは、接触角70〜80度の水玉が多数残るように、水の表面張力により凝縮する。水玉が占める面積は、例えば、防水パンの場合、その面積の十数%程度である。この水玉は、水の量に対し表面積が小さいため、8時間程度では自然乾燥することなく、翌朝になっても残ってしまう。
これに対して、親水性である表面を有すると、浴室等使用中の湯水の大部分は、流れ去った後、残った湯水は、防水パンが、親水性であるため水で良く濡れることになり、広い範囲に薄く広がるので、水の表面積が多くなり、蒸発により乾き易くなる。
本発明おいて、親水性とは、例えば、水を表面に流した後、表面張力によって再度凝縮しようとする現象を防止する手段であるといえる。
以上、防水パンについて説明したが、本発明の特定の表面構造を有する構成部材は、その表面が親水性であるため湯水がで良く濡れることになり、広い範囲に薄く広がるので、水の表面積が多くなり、蒸発により乾き易くなる。
前記した表面の状態は浴槽の内面の床表面、床板材、壁板材、天井板その他のパネル又は建材の表面に具現することができるものであり、また、そのための金型、特に樹脂(FRPを含む)成形用の金型の準備も上記したように行うことができることは明らかである。一般のパネル又は建材の場合、排水勾配、排水口及び排水溝は必要ない。パネル又は建材の表面が、前記のような状態になっていることから、表面は親水化しており、水が付いても乾きやすく、また、耐汚れ性もよく、また、汚れても汚れが落ちやすい。
また、本発明の特定の表面構造を有する構成部材は、その表面構造のゆえにすべり止め特性を有する。
図30は、本発明に於ける構成部材としてタイルを目地割りを施して床に敷き詰めた状態の部分平面図である。タイル9は目地割り6を施して整然と敷き詰められている。タイル9は例えば陶製であり、漆喰等の適当な材料により床に貼り合わされている。目地割りも漆喰等の適当な目地材で施される。タイル9の表面構造の例は、図2〜図29に示すものを採用することができる。このタイルは、浴室の床、風呂の底面(床)、内外の壁、ベランダの床、玄関の口の地面、プールサイドの地面等に敷き詰めることができる。
以下の例において、レーザ顕微鏡は(株)キーエンス製VK−8500シリーズ)を用いた。
図1に示した防水パンを作製した。図2は、表面の微細な凹凸を示す8000倍のレーザ顕微鏡による拡大写真である。また、測定条件Aで微細な凹凸を測定したときの8箇所中の1箇所の、図3は断面曲線、図4は偏差割合曲線、図5はパワースペクトルとその近似曲線を示す。
本実施例における防水パンは、金型表面前面に所定のエッチング((株)棚澤八光社製TH−114艶なし梨地)を施し、さらに膜厚2.5μmのCrNをイオンプレーティング法を用いて被覆した金型を用いてシートモールディングコンパウンド(SMC)成形することにより作製したものである。
本実施例における防水パンにおいて、微細な凹凸を、測定条件A、測定条件Bで測定したとき、Ra=1.312μm、Ry=9.984μm、Sm=0.667μm、Sm/Ry=0.088であり、表面積は520.288μmであった。また、パワースペクトルが8箇所のすべてで、−30μm以上であった。なお、Ra、Ry、Sm及びパワースペクトルは、図4の写真で示す範囲(37μm×27μm)の中で4カ所及び別の場所で同様にレーザー顕微鏡で写る範囲(37μm×27μm)の中で4カ所の合計8カ所で測定した。以下の例においても同様にした。
排水勾配は、1/50であるが、流路も排水勾配の最大傾き方向には、同様の勾配を有したものとした。流し溝5付近では1/10の急勾配が施されている。以上の排水勾配は、以下の実施例及び比較例でも同様である。
このような防水パンを作製し、防水パンを所定の配置に固定し、シャワーを用いて、防水パン全体に放水し、水を流した後、室温15℃、湿度66%の雰囲気に放置して、防水パン表面が完全に乾燥するまでの時間を測定した。尚、浴室天井に設置した換気扇は作動させ、浴室のドアは閉じた状態である。
その結果、放水直後には、流し溝への水の流れが途切れ、床全体に水が薄く水膜状に広がり、約4時間後、表の親水化処理部分の水がすべて乾燥した。
実施例1におけるのと同様の防水パンを作製した。図6は、表面の微細な凹凸を示す8000倍のレーザ顕微鏡による拡大写真である。また、測定条件Aで微細な凹凸を測定したときの8箇所中の1箇所の、図7は断面曲線、図8は偏差割合曲線、図9はパワースペクトルとその近似曲線を示す。
本実施例における防水パンは、金型表面前面に所定のサンドブラスト(サンゴバンセラミックマテリアルズ(株)ABRAX150)を施し、さらに膜厚2.5μmのCrNをイオンプレーティング法を用いて被覆した金型を用いてシートモールディングコンパウンド(SMC)成形することにより作製したものである。
本実施例における防水パンにおいて、微細な凹凸を、測定条件A、測定条件Bで測定したとき、Ra=1.283μm、Ry=18.322μm、Sm=0.738μm、Sm/Ry=0.116であり、表面積は652.514μmであった。また、パワースペクトルが8箇所中7箇所、すなわち87.5%が−30μm以上であった。
このような防水パンを作製し、防水パンを所定の配置に固定し、シャワーを用いて、防水パン全体に放水し、水を流した後、室温15℃、湿度66%の雰囲気に放置して、防水パン表面が完全に乾燥するまでの時間を測定した。尚、浴室天井に設置した換気扇は作動させ、浴室のドアは閉じた状態である。
その結果、放水直後には、流し溝への水の流れが途切れ、床全体に水が薄く水膜状に広がり、約4時間後、表の親水化処理部分の水がすべて乾燥した。
実施例1におけるのと同様の防水パンを作製した。図10は、表面の微細な凹凸を示す8000倍のレーザ顕微鏡による拡大写真である。また、測定条件Aで微細な凹凸を測定したときの8箇所中の1箇所の、図11は断面曲線、図12は偏差割合曲線、図13はパワースペクトルとその近似曲線を示す。
本実施例における防水パンは、金型表面前面に、まずRy=500μm程度の岩肌調の柄になるようにエッチングを施し、さらに所定のエッチング((株)棚澤八光社製TH−114艶なし梨地)を施し、さらに膜厚2.5μmのCrNをイオンプレーティング法を用いて被覆した金型を用いてシートモールディングコンパウンド(SMC)成形することにより作製したものである。
本実施例における防水パンにおいて、微細な凹凸を、測定条件A、測定条件Bで測定したとき、Ra=1.138μm、Ry=9.938μm、Sm=0.670μm、Sm/Ry=0.084であり、表面積は641.228μmであった。また、パワースペクトルが8箇所中の7箇所、すなわち87.5%で、−30μm以上であった。
このような防水パンを作製し、防水パンを所定の配置に固定し、シャワーを用いて、防水パン全体に放水し、水を流した後、室温15℃、湿度66%の雰囲気に放置して、防水パン表面が完全に乾燥するまでの時間を測定した。尚、浴室天井に設置した換気扇は作動させ、浴室のドアは閉じた状態である。
その結果、放水直後には、流し溝への水の流れが途切れ、床全体に水が薄く水膜状に広がり、約4時間後、表の親水化処理部分の水がすべて乾燥した。
比較例1
実施例1におけるのと同様の防水パンを作製した。図14は、表面の微細な凹凸を示す8000倍のレーザ顕微鏡による拡大写真である。また、測定条件Aで微細な凹凸を測定したときの8箇所中の1箇所の、図15は断面曲線、図16は偏差割合曲線、図17はパワースペクトルとその近似曲線を示す。
本実施例における防水パンは、金型表面前面に所定のエッチング((株)棚澤八光社製TH−114艶なし梨地)を施し、さらに膜厚15μmのハードクロムメッキで被覆した金型を用いてシートモールディングコンパウンド(SMC)成形することにより作製したものである。
本実施例における防水パンにおいて、微細な凹凸を、測定条件A、測定条件Bで測定したとき、Ra=0.269μm、Ry=1.796μm、Sm=0.54μm、Sm/Ry=0.337であり、表面積は188.692μmであった。また、パワースペクトルが8箇所中1箇所、すなわち12.5%が−30μm以上であった。
このような防水パンを作製し、防水パンを所定の配置に固定し、シャワーを用いて、防水パン全体に放水し、水を流した後、室温15℃、湿度66%の雰囲気に放置して、防水パン表面が完全に乾燥するまでの時間を測定した。尚、浴室天井に設置した換気扇は作動させ、浴室のドアは閉じた状態である。
その結果、放水直後から水が凝集しはじめ、約8時間経過しても乾燥しなかった。
比較例2
実施例1におけるのと同様の防水パンを作製した。図18は、表面の微細な凹凸を示す8000倍のレーザ顕微鏡による拡大写真である。また、測定条件Aで微細な凹凸を測定したときの8箇所中の1箇所の、図19は断面曲線、図20は偏差割合曲線、図21はパワースペクトルとその近似曲線を示す。
本実施例における防水パンは、金型表面前面に所定のサンドブラスト(サンゴバンセラミックマテリアルズ(株)ABRAX150)を施し、さらに膜厚15μmのハードクロムメッキで被覆した金型を用いてシートモールディングコンパウンド(SMC)成形することにより作製したものである。
本実施例における防水パンにおいて、微細な凹凸を、測定条件A、測定条件Bで測定したとき、Ra=0.644μm、Ry=4.064μm、Sm=0.743μm、Sm/Ry=0.251であり、表面積は341.593μmであった。また、パワースペクトルが8箇所中4箇所、すなわち50%が−30μm以上であった。
このような防水パンを作製し、防水パンを所定の配置に固定し、シャワーを用いて、防水パン全体に放水し、水を流した後、室温15℃、湿度66%の雰囲気に放置して、防水パン表面が完全に乾燥するまでの時間を測定した。尚、浴室天井に設置した換気扇は作動させ、浴室のドアは閉じた状態である。
その結果、放水直後には、流し溝への水の流れが途切れ、床全体に水が薄く水膜状に広がる箇所と放水直後から水が凝集しはじめる箇所が混在し、約8時間経過しても乾燥しなかった。
比較例3
実施例1におけるのと同様の防水パンを作製した。図22は、表面の凹凸を示す8000倍のレーザ顕微鏡による拡大写真である。また、測定条件Aで微細な凹凸を測定したときの8箇所中の1箇所の、図23は断面曲線、図24は偏差割合曲線、図25はパワースペクトルとその近似曲線を示す。
本実施例における防水パンは、金型表面に所定の岩肌調のエッチング施し、さらに膜厚15μmのハードクロムメッキで被覆した金型を用いてシートモールディングコンパウンド(SMC)成形することにより作製したものである。
本実施例における防水パンにおいて、岩肌部分を、測定条件A、測定条件Bで測定したとき、Ra=0.117μm、Ry=0.73μm、Sm=0.26μm、Sm/Ry=0.366であり、表面積は169.599μmであった。また、パワースペクトルが8箇所中1箇所、すなわち12.5%が−30μm以上であった。
このような防水パンを作製し、防水パンを所定の配置に固定し、シャワーを用いて、防水パン全体に放水し、水を流した後、室温15℃、湿度66%の雰囲気に放置して、防水パン表面が完全に乾燥するまでの時間を測定した。尚、浴室天井に設置した換気扇は作動させ、浴室のドアは閉じた状態である。
その結果、放水直後から水が凝集しはじめ、約8時間経過しても乾燥しなかった。
比較例4
実施例1におけるのと同様の防水パンを作製した。図26は、表面の凹凸を示す8000倍のレーザ顕微鏡による拡大写真である。また、測定条件Aで微細な凹凸を測定したときの8箇所中の1箇所の、図27は断面曲線、図28は偏差割合曲線、図29はパワースペクトルとその近似曲線を示す。
本実施例における防水パンは、金型表面を鏡面に磨き、さらに膜厚15μmのハードクロムメッキで被覆した金型を用いてシートモールディングコンパウンド(SMC)成形することにより作製したものである。
本実施例における防水パンにおいて、表面を、測定条件A、測定条件Bで測定したとき、Ra=0.164μm、Ry=0.999μm、Sm=0.363μm、Sm/Ry=0.533であり、表面積は160.32μmであった。また、パワースペクトルが8箇所中0箇所、すなわち0%が−30μm以上であった。
このような防水パンを作製し、防水パンを所定の配置に固定し、シャワーを用いて、防水パン全体に放水し、水を流した後、室温15℃、湿度66%の雰囲気に放置して、防水パン表面が完全に乾燥するまでの時間を測定した。尚、浴室天井に設置した換気扇は作動させ、浴室のドアは閉じた状態である。
その結果、放水直後には、流し溝への水の流れが途切れ、床全体に水が薄く水膜状に広がる箇所と放水直後から水が凝集しはじめる箇所が混在し、約8時間経過しても乾燥しなかった。
本発明おいて、所期の表面状態の防水パンは、前記したような金型へのエッチング等の処理、このような金型を用いる成形により製造することができるが、金型処理、成形等が、かなり一様に又は均一に行うことができ多場合、成形品の表面状態はどこも同じ様な状態に成っているものと考えられる。従って、Ra、Ry、Smの測定を測定条件A又は測定条件Bで行う場合、測定場所として少なくとも5カ所選ばれ、その場所としては、任意の場所が選ばれるが、上記のような成形品おいては、上記の少なくとも5カ所として、成形表面の小さな領域、例えば、37μm×27μmの範囲内から選ぶことが出来る。なお、成形品の表面状態はどこも同じ様な状態に成っているかどうかは、表面の乾燥状態、汚れ性試験等により確認することができる。
本発明の一実施例における防水パンの平面図。 本発明の一実施例における微細な凹凸のレーザ顕微鏡による拡大写真。 図2の一断面における断面曲線。 図3の断面曲線から求めた平均値に対する偏差割合曲線。 図4の偏差割合曲線から求めたパワースペクトルとその近似曲線。 本発明の一実施例における微細な凹凸のレーザ顕微鏡による拡大写真。 図6の一断面における断面曲線。 図7の断面曲線から求めた平均値に対する偏差割合曲線。 図8の偏差割合曲線から求めたパワースペクトルとその近似曲線。 本発明の一実施例における微細な凹凸のレーザ顕微鏡による拡大写真。 図10の一断面における断面曲線。 図11の断面曲線から求めた平均値に対する偏差割合曲線。 図12の偏差割合曲線から求めたパワースペクトルとその近似曲線。 本発明の一比較例における微細な凹凸のレーザ顕微鏡による拡大写真。 図14の一断面における断面曲線。 図15の断面曲線から求めた平均値に対する偏差割合曲線。 図16の偏差割合曲線から求めたパワースペクトルとその近似曲線。 本発明の一比較例における微細な凹凸のレーザ顕微鏡による拡大写真。 図18の一断面における断面曲線。 図19の断面曲線から求めた平均値に対する偏差割合曲線。 図20の偏差割合曲線から求めたパワースペクトルとその近似曲線。 本発明の一比較例における表面のレーザ顕微鏡による拡大写真。 図22の一断面における断面曲線。 図23の断面曲線から求めた平均値に対する偏差割合曲線。 図24の偏差割合曲線から求めたパワースペクトルとその近似曲線。 本発明の一比較例における表面のレーザ顕微鏡による拡大写真。 図26の一断面における断面曲線。 図27の断面曲線から求めた平均値に対する偏差割合曲線。 図28の偏差割合曲線から求めたパワースペクトルとその近似曲線。 本発明に於けるタイルを目地割りを施して床に敷き詰めた状態の部分平面図。
符号の説明
1:防水パン
2:浴槽設置部
3:排水口凹部
4:排水口
5:排水流し溝
6:目地割り
7:タイル

Claims (14)

  1. 表面に連続的に水の凝集現象を防ぎ、水膜を形成するための親水性を示す微細な凹凸が施されている建設用又は建築用構成部材。
  2. プラスチック片、陶製片、金属片又はゴム片からなる請求項1記載の建築用構成部材。
  3. 床材、壁材又は天井材である請求項1又は2記載の建設用又は建築用構成部材
  4. 浴室用構成部材である請求項1記載の建設用又は建築用構成部材。
  5. 防止パンである請求項1記載の建設用又は建築用構成部材。
  6. すべり止め床材である請求項1記載の建設用又は建築用構成部材。
  7. レーザ顕微鏡で、横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能を0.05μmに設定し、測定長が5μmで、任意に選んだ5箇所以上測定したときに、算術平均粗さRaの平均値が0.7μm以上である微細な凹凸が表面に施こされている請求項1〜6のいずれかに記載の建設用又は建築用構成部材。
  8. 微細な凹凸が、レーザ顕微鏡で、横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能を0.05μmに設定し、測定長が5μmで、任意に選んだ5箇所以上測定したときに、最大高さRyの平均値が5μm以上であるように施されている請求項7に記載の建設用又は建築用構成部材。
  9. 微細な凹凸が、レーザ顕微鏡で、横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能を0.05μmに設定し、測定長が5μmで、任意に選んだ5箇所以上測定したときに、凹凸の平均間隔Smと最大高さRyとの比Sm/Ryの平均値が0.2以下であるように施されている請求項7又は8に記載の建設用又は建築用構成部材。
  10. 微細な凹凸が、レーザ顕微鏡で、横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能を0.05μmに設定し、測定長が5μmで、任意に選んだ5箇所以上測定したときに、算術平均粗さRaの平均値が0.8μm以上で、かつ凹凸の平均間隔Smと最大高さRyとの比Sm/Ryの平均値が0.2以下であるように施されている請求項7〜9のいずれかに記載の建設用又は建築用構成部材。
  11. 微細な凹凸が、レーザ顕微鏡で、横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能を0.05μmに設定し、測定範囲を5μm四方で、任意に選んだ5箇所以上測定したときに、凹凸の表面積の平均値が400μm以上であるように施されている請求項7〜10のいずれかに記載の建設用又は建築用構成部材。
  12. 微細な凹凸が、レーザ顕微鏡で、横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能を0.05μmに設定し、測定長が5μmで、任意に選んだ5箇所以上測定したときに、各箇所ごとに断面曲線のZ方向の値の平均値を求め、その平均値から偏差割合曲線を求め、その偏差割合曲線をフーリエ変換し、波長の逆数ごとのパワースペクトルを求め、対数近似した近似曲線が、波長の逆数が2.5〜14/μm(波長換算0.4〜0.071μm)の範囲の全域が、−30μm以上である箇所が、測定した箇所の50%を超えるように施されている請求項7〜11のいずれかに記載の建設用又は建築用構成部材。
  13. 建設用又は建築用構成部材の表面に連続的に水の凝集現象を防ぎ、水膜を形成するための親水性を示す微細な凹凸を形成するのに対応した表面をもつ成形型を用いてFRP成形することを特徴とする表面に微細な凹凸を有する建設用又は建築用構成部材の製造法。
  14. 型が金型であり、その表面に微細な凹凸が形成されていると共に無機物を用いるPVD法により皮膜が形成されているものである請求項13記載の建設用又は建築用構成部材の製造法。

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