JP2005003383A - 光学センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板21上にポリマー薄膜22が設けられた検出素子20を具備する検出部2を有し、該検出部2を被検液Sに浸漬して検出素子2に光を入力した際の検出素子2から出力される光の強度を検出することで、被検液S中の測定対象成分を検出する光学センサ100は、検出素子20のポリマー薄膜20に対向して、検出部2を被検液Sに浸漬していない状態で該ポリマー薄膜22との間に液を保持する液保持手段25を有する構成とする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検液中の測定対象成分と物理的若しくは化学的に相互作用する検出素子の光学特性の変化を検出することによって、被検液中の測定対象成分の存在及び/又は濃度を測定するための光学センサに関するものであり、より詳細には、携帯可能で、検出素子の被検液に対する浸漬、引き上げが繰り返される光学センサに好適に適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、被検液中の測定対象成分と物理的若しくは化学的に相互作用する検出素子の光学特性の変化を利用して、被検液中の測定対象成分の存否及び/又は濃度を光学的に直接検出する光学センサが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、被検液中に溶存する有機物質を直接検出する光学センサであって、検出素子が備える感応部材としてポリマー薄膜を用い、光反射量を測定する光学センサを開示する。つまり、この光学センサは、被検液中に溶存する有機物と吸収、吸着などによって相互作用して膜厚に物理的変化を生じるポリマー薄膜を使用し、このポリマー薄膜の物理的変化を干渉増幅反射法によって測定して、被検液中に溶存する有機物の濃度を決定する。
【0004】
図10を参照して更に説明すると、このような光学センサ200は、検出部2のセンサボディ23の先端に設けられた検出素子20と、この検出素子20に光を入力する光源11、及び検出素子20から出力される光を受光する光検出器12などの光学部品と、を備える。検出素子20は、基板及び結合器として作用するプリズム21の一面にポリマー薄膜22を所定の膜厚に形成したもので、プリズム21は、ポリマー薄膜22が被検液Sと接触するように配置されている。
【0005】
プリズム21、ポリマー薄膜22、被検液Sの屈折率をそれぞれn1、n2、n3として、n1>n2>n3であるとき、光源11より出射されてプリズム21を介してポリマー薄膜22に入射された光(入射光)L1は、プリズム21とポリマー薄膜22との界面及びポリマー薄膜22と被検液Sとの界面で反射される。そして、プリズム21を介して出射された光(反射光)L2が光検出器12にて検出される。
【0006】
このとき、被検液Sと接触するポリマー薄膜22が、被検液S中に溶存する有機物を吸収などして膨潤し、膜厚dなどが変化することで、その光の反射特性が変化し、反射光L2の強度が変化するため、これを利用して、被検液S中に溶存する有機物濃度を測定することができる。つまり、ポリマー薄膜22は、被検液Sの有機物濃度に比例した量の有機物を膜内に取り込み、その膜厚dが変化する。この被検液S中の有機物濃度に対応した膜厚dの変化を、光源11からの光の反射強度の変化として検出する。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−104163号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の光学センサ200では以下のような問題があることが分かった。
【0009】
(1)例えば、被検液S中の溶存有機物濃度測定用として用いられる光学センサ200は、ポリマー薄膜22を被検液Sたる検水と接触させて測定する。従って、例えば、測定対象の変更などのために、しばしば検出素子20を含むセンサボディ23を被検液Sから引き上げ、再び被検液Sに浸漬するという操作を行う必要がある。特に、光学センサ200が携帯可能であり、フィールド測定において用いられるような場合には、光学センサ200を持ち運び、測定箇所を変更するために、センサボディ23は、繰り返し被検液Sから引き上げられ、又浸漬される。
【0010】
しかし、本発明者の検討によると、一連の測定操作において、被検液Sからセンサボディ23、少なくとも検出素子20を一旦引き上げ、再び浸漬して測定する動作を行う場合、センサボディ23をしばらく空中保管して再び同じ被検液Sを測定した時に、周囲温度や被検液Sの温度の変化がなくとも指示値が大きく変化することがあることが分かった。
【0011】
典型的には、ポリマー薄膜22に膜厚が略1μmのポリメタクリレート共重合体を用いた構成において、センサボディ23を被検液Sから引き上げて、直ちに再び浸漬した場合、指示値が数ppm変化する。又、被検液Sから引き上げて30分以上空中保管し、再び浸漬して測定した場合には、指示値に20ppm程度までの変化が生じることがある。
【0012】
本発明は如何なる理論によっても束縛されるものではないが、本発明者が鋭意検討した結果、斯かる問題は次のような理由によるものと考えられる。
【0013】
上述のように、光学センサ200は、ポリマー薄膜22が被検液S中の溶存有機物を吸収して膨潤し、膜厚dが厚くなることで膜内反射強度が変化することを利用して被検液S中に溶存する有機物の濃度を測定する。
【0014】
ここで、図11に模式的に示すように、ポリマー薄膜22が撥水性であるため、センサボディ23を被検液Sから引き出した時に、ポリマー薄膜22の表面で被検液Sが水玉Wになり、膜面から落ちる。そして、ポリマー薄膜22の表面の被検液Sが表面張力で水玉Wになる時に、ポリマー薄膜が引っ張られ、膜厚dが厚くなるものと考えられる。このため、再びセンサボディ23を被検液S中に戻しても上記のようにして膜厚dが厚くなった分の指示値が加算される。
【0015】
一具体例として、ポリマー薄膜22に膜厚が1μm程度のポリメタクリレート共重合体を用いた光学センサ200で、ポリマー薄膜22の膜厚dの変化1nm当たりで、2ppmの指示値変化を示す。
【0016】
このように、ポリマー薄膜22が撥水性であるために、検出素子20の被検液Sへの浸漬、引き上げを繰り返すと、繰り返し性が悪く、再現性のあるデータを得るのが困難となる場合がある。
【0017】
(2)一方、ポリマー薄膜22は撥水性であるが、使用しているうちに接液界面が徐々に水和されて親水性になる。このため、ポリマー薄膜22の屈折率が変化し、反射率が低下する。この時、指示値は、ポリマー薄膜22の表面の水和状態に応じた低下を示す。ポリマー薄膜22を長期間連続して被検液Sに浸漬して十分に親水性にした状態では、ポリマー薄膜22の表面の水和層が安定化して、指示値の繰り返し性は良くなるが、撥水性表面の場合に比べて50ppmほど低い指示値を示す。そして、これを乾燥状態にすると表面の水和層がなくなり、水和前の指示値に近い値を示すようになる。
【0018】
このように、ポリマー薄膜22の表面が水和されると繰り返し性は良くなるが、保管場所、時間等の保存条件により、ポリマー薄膜22の表面の水和状態が変化し、各測定間で指示値が大きく変化することがある。又、再び測定を開始した後に、ポリマー薄膜22の水和により指示値が低下し、安定化するまでに時間を要する場合がある。
【0019】
そこで、本発明者は、多くの実験研究を通した結果、ポリマー薄膜22の表面に液を保持することによって、上記2つの問題を解決し得ることを見出した。本発明は、斯かる本発明者の新規な知見に基づきなされたものである。
【0020】
従って、本発明の目的は、検出素子の被検液に対する浸漬、引き上げが繰り返される場合であっても、指示値が安定し、繰り返し性が良く、再現性の良い測定値が得られる光学センサを提供することである。
【0021】
本発明の他の目的は、検出部を被検液に浸漬していない状態で一定時間保管した後に再び使用するような場合にも、安定化に時間を要することなく、指示値の安定した良好な測定結果を得ることのできる光学センサを提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る光学センサにて達成される。要約すれば、本発明は、基板上にポリマー薄膜が設けられた検出素子を具備する検出部を有し、該検出部を被検液に浸漬して前記検出素子に光を入力した際の前記検出素子から出力される光の強度を検出することで、被検液中の測定対象成分を検出する光学センサにおいて、前記検出素子の前記ポリマー薄膜に対向して、前記検出部を被検液に浸漬していない状態で該ポリマー薄膜との間に液を保持する液保持手段を有することを特徴とする光学センサである。
【0023】
本発明の一実施態様によると、光学センサは、前記検出素子から出力される光の強度を検出することで、被検液中に溶存する有機物を検出する。好ましい一実施態様によると、前記液保持手段は、有機物に対して化学的に安定な材料で形成される。又、好ましくは、前記液保持手段は、液を保持して前記ポリマー薄膜の全面に接触させるように、前記ポリマー薄膜の表面を覆って設けられる。又、一実施態様では、前記液保持手段は、前記検出部に対して着脱可能とすることができる。
【0024】
本発明の一実施態様によると、前記液保持手段は、前記検出部を被検液に浸漬した時に被検液が通過して前記ポリマー薄膜に到達するのを許し、且つ、前記検出部を被検液から空気中に引き上げた時に被検液を前記ポリマー薄膜との間に保持する網目構造部材である。好ましい一実施態様によると、前記網目構造部材は、網目サイズが50本/inch2〜500本/inch2である。一実施態様では、前記網目構造部材は、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンを含む合成樹脂繊維、或いはステンレスを含む金属繊維で形成される。又、光学センサは更に、前記液保持手段と前記ポリマー薄膜との間に、液を含浸して液層を形成する液層形成手段を有していてよい。好ましい一実施態様によると、前記液層形成手段は、不織布である。
【0025】
本発明の他の実施態様によると、前記液保持手段は、前記ポリマー薄膜を被検液から離隔して前記ポリマー薄膜との間に内部液を保持すると共に、それを通して測定対象成分のガスの透過を許す隔膜である。好ましい一実施態様では、前記内部液は、有機溶媒である。又、光学センサは更に、前記液保持手段と前記ポリマー薄膜との間に、前記内部液を含浸して内部液の層を形成する液層形成手段を有していてよい。好ましい一実施態様によると、前記液層形成手段は、不織布である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光学センサを図面に則して更に詳しく説明する。
【0027】
実施例1
図1は、本発明に係る光学センサの一実施例の概略構成を示す。本実施例の光学センサは、被検液である検水中に溶存する有機物、例えば、アルコール、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサンなどの存否及び/又は濃度を測定するためのセンサ(溶存有機物濃度センサ)である。又、本実施例の溶存有機物濃度センサ100は携帯可能に構成されている。溶存有機物濃度センサ100は、大別して光学部1と、検出部(センシングプローブ)2と、制御部(計器)3とを有する。
【0028】
光学部1は、光源11、コリメータレンズ11a、集光レンズ11b、光検出器12、制御部3からの指示により光源11の駆動信号を生成し、又光検出器12の出力信号の増幅処理等の信号処理を行う電子回路である駆動回路54、制御部3との通信手段としてのインターフェイス55などを、光学部筐体13内に有する。
【0029】
光源11としては、レーザダイオード(LD)などのレーザ光源、発光ダイオード(LED)などを好適に使用することができる。本実施例では、中心波長660nmのLEDを使用した。又、光検出器12としては、フォトダイオード、フォトトランジスタなどの光電変換素子を好適に使用することができる。本実施例では、フォトダイオードを使用した。
【0030】
この他、必要に応じて光源11の光量安定化などのために用いる参照光用の光検出器、光源11から出射された光又は光検出器12若しくは参照光用の光検出器に入射する光を偏光、分割、集光或いはコリメートする手段など、適当な光学部品を更に有していてよい。
【0031】
検出部2は、略円筒形状の検出部筐体(センサボディ)23内に検出素子20を有する。検出素子20は、基板及び結合器としてのプリズム21の一面にポリマー薄膜22を所定の膜厚に形成したものである。検出素子20は、センサボディ23が被検液Sに浸漬された際に被検液Sにポリマー薄膜22が接触するようにセンサボディ23に取り付けられると共に、センサボディ23の内部に被検液Sが入らないようになっている。尚、検出素子20が外光の影響を受けないように、内部への被検液Sの流入を許す略円筒形状の遮光カバーを、センサボディ23の検出素子20が設けられた側の先端に延長して設けてもよい。
【0032】
ポリマー薄膜22としては、種々の側鎖基を有するビニルポリマー類、ポリシロキサン及び種々の重縮合ポリエステル類、ポリアミド類、ポリイミド類、ポリウレタン類及びポリウレア類などを使用することができる。本実施例では、ポリマー薄膜22としては、ポリメタクリレート共重合体を用い、プリズム21の一面に厚さ1.5μmに形成した。
【0033】
尚、ポリマー薄膜22をガラス、プラスチックなどの基板上に形成して、プリズム結合器、格子結合器をこの基板のポリマー薄膜が設けられた側とは反対側に設けてもよい。又、ポリマー薄膜22は、基板上に、スピンコーディング法、ポリマー溶液のキャスティング法など任意公知の薄膜形成方法により形成することができる。
【0034】
又、検出部2には、温度検出手段として、本実施例ではサーミスタとされる温度センサ24が設けられている。温度センサ24は、検出部2、特に、検出素子20のポリマー薄膜22の温度を検出するためにポリマー薄膜22の近傍に設けられている。
【0035】
制御部3は、光学部1の駆動信号の生成や検出信号の演算処理を実行するための本実施例ではマイクロコンピュータとされる演算部31、記憶部32、光学部1との通信手段としてのインターフェイス33、測定開始/停止や各種データの入力のための入力手段34、測定結果や各種設定値の表示のための表示部35を有する。
【0036】
次に、溶存有機物濃度センサ100の動作を説明する。
【0037】
制御部3における操作者の入力などに応じて、測定開始信号が演算部31より生成されると、この信号は、制御部3のインターフェイス33、コネクタ50a内の対応する端子、ケーブル50内を伸張して光学部1と電気的に接続された信号線51を介して、光学部1に送信される。そして、この信号は、光学部1のインターフェイス55を介して駆動回路54に入力され、光源11は、制御部3の指示により駆動回路54が生成した駆動信号により発光する。
【0038】
光学部1の光源11から出射された光(入射光)L1は、コリメータレンズ11a、集光レンズ11bを介して、光導波手段としての入射光側光ファイバ41に導かれる。入射光側光ファイバ41は、光学部1と検出部2とを光学的に結合する結合部であるケーブル40内を伸張されて検出部2内まで連続しており、入射光側光ファイバ41内を導波された入射光L1は、検出部2内でプリズム21に入射される。この入射光は更に、プリズム21によってポリマー薄膜22に結合され、図10を参照して説明したように、ポリマー薄膜22内を多重反射される。そして、反射光L2はプリズム21を通って出射され、検出部2内で、光導波手段としての反射光側光ファイバ42に結合される。反射光側光ファイバ42は、ケーブル40内を伸張されて光学部1内まで連続しており、反射光L2は、光学部1内で光検出器42で受光される。
【0039】
光検出器12は、受光した光の強度に比例した電気信号を出力する。この信号は、駆動回路54にて増幅処理等の信号処理を受けて、光学部1のインターフェイス55を介して反射光L2の強度を表す信号(検出信号)として制御部3へと送信される。検出信号は、ケーブル50内を伸張して制御部3と電気的に接続された信号線52、コネクタ50a内の対応する端子、制御部3のインターフェイス33を介して、演算部31に入力され、測定値の演算に供される。
【0040】
又、検出部2に設けられた温度センサ24の出力信号は、ケーブル40内を伸張する信号線53aによって、光学部1の駆動回路54に電気的に接続されており、検出部2の温度、特に、検出素子20のポリマー薄膜22の環境温度を示す信号(温度検出信号)として、光学部1のインターフェイス55、ケーブル50内を伸張する信号線53b、コネクタ50a内の対応する端子、制御部3のインターフェイス33を介して演算部31に入力される。
【0041】
本実施例では、制御部3の演算部31が記憶部32に格納されたプログラム及びデータに応じて、検出部2の温度センサ24の温度検出信号から、光検出器12の検出信号の温度補償を行う。本実施例では、光学部1は、検出部2から分離されており、被検液Sに接触することはないので、被検液Sの温度変化、被検液S毎の様々な温度の影響を受けることはない。しかし、図1に示すように、更に光学部2の内部の温度変化を検出するために、本実施例ではサーミスタとされる温度検出手段(温度センサ)14を光学部1の内部に設け、その温度検出結果を用いて、検出部2の温度補償とは独立して、光学部1の温度補償を行ってもよい。勿論、光学部1と検出部2とを1つの筐体中に設け、上記光ファイバ41、42等を含むケーブル40を省略してもよいし、光学部1を制御部(計器)3中に設けてケーブル50を省略してもよい。
【0042】
こうして検出信号は、演算部31で補正され、更に、例えば有機物濃度(ppm)表示に変換され、表示部35にて表示される。記憶部32には、温度補償後の出力値、即ち、基準温度での出力値と、水中の溶存有機物濃度との関係が、所定の校正操作、或いはデータの入力などにより、テーブルデータ、演算式などの形態で格納されており、演算部31は、この情報を用いることにより有機物濃度(ppm)を算出する。勿論、表示部35における表示に限らず、制御部3自体が有するか或いはこれに通信可能に接続された出力装置(プリンタ)を介して、記録用紙などの記録媒体に記録して出力してもよい。或いは、記憶部32、その他適当な記憶媒体に記憶させて保持させ、或いは取り出すことも可能である。
【0043】
さて、前述のように、従来、検出素子20の被検液Sに対する浸漬、引き上げを繰り返すと、指示値の繰り返し性が悪くなり、再現性のよい測定結果を得られないことがあった。又、検出部2を被検液Sから空気中に出して一定時間保管した後、再び測定を開始すると、保管前と指示値が大きく変化し、安定化するのに時間を要することがあった。
【0044】
本発明者は、多くの実験研究を通して、ポリマー薄膜22の表面に液を保持することによって、上記問題を解決し得ることを見出した。
【0045】
斯かる構成は、本実施例では、センサボディ23を被検液Sに浸漬した時に被検液Sが容易に通り抜けて、検出素子20のポリマー薄膜22の表面に接触することができ、且つ、センサボディ23を被検液Sから空気中に引き上げた時にポリマー薄膜22との間に被検液Sを保持することのできる液保持手段を設けることで達成する。
【0046】
図2を参照して更に説明すると、本実施例では、液保持手段として、検出素子20が設けられている側のセンサボディ23の先端に網目構造部材25を設ける。網目構造部材25は、ポリマー薄膜22に近接或いは接触させて対向配置する。
【0047】
網目構造部材25は、本実施例では、固定手段26によってセンサボディ23に対して容易に着脱可能に保持する。固定手段26は、周壁を備えた略環状部材であって、上端側内周面に雌ねじ26a1が形成された固定部材26aを有する。この固定部材26aの下端には、半径方向内側に突出した環状の台部26a2が設けられている。固定手段26は更に、固定部材26aの環状台部26a2に衝合すると共に、固定部材26aの内周面に密着嵌合される押さえ部材26bを有する。網目構造部材25は、固定部材26aの環状台部26a2と、押さえ部材26bの下側面26b1とで挟持されて、固定手段26の略円形の下側開口部に張設される。
【0048】
一方、センサボディ23の下端側外周面に雄ねじ23aが形成されており、この雄ねじ23aと、固定手段26の上端内周面に形成された雌ねじ26a1とを螺合することにより、固定手段26がセンサボディ23に固定される。好ましくは、液を保持してポリマー薄膜22の全面に接触させるように、網目構造部材25はポリマー薄膜22の表面を覆うように配置される。勿論、固定手段26は、センサボディ23に螺合することによって固定されるものに限定されるものではない。例えば、単にリング状のゴムのような弾性部材によって、センサボディ23の下側開口部の外周面に網目構造部材25を押さえることでも、網目構造部材25をセンサボディ23に固定することができる。
【0049】
本実施例では、網目構造部材25は、ポリマー薄膜22から略1μm離間して対向配置させた。この間隔は、好ましくは、1mm以下、より好ましくは10μm以下であり、ポリマー薄膜22に対して軽く接触してもよい。
【0050】
網目構造部材25としては、測定対象、例えば、アルコール、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン等の有機物に対して化学的に安定な材料で形成されたものから選択することができる。本実施例では、フッ素繊維クロスとして、テフロン(四フッ化エチレン(TFE)の商品名)から成るメッシュクロスを用いた。網目構造部材25の材料としては、フッ素繊維の他、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂繊維、或いはステンレス等の金属繊維を用いることができる。
【0051】
又、網目構造部材25の網目数は、液移動性と液保持性とを発揮するように、50〜500本/inch2(2.54cm四方)(8本/cm2〜77本/cm2)であることが好ましい。これよりも網目構造部材25の網目数が細かいと、センサボデイ23を被検液Sに浸漬した時に、被検液Sが容易に網目構造部材25を通り抜けてポリマー薄膜22に接触することが難しくなる。又、網目構造部材25の網目数がこれより大きくなると、センサボディ23を被検液Sから引き上げた際に、ポリマー薄膜22との間に被検液Sを保持することが難しくなる。より好ましくは、300〜500本/inch2(2.54cm四方)(≒47本/cm2〜77本/cm2)とする。又、網目の孔径(略網目に内接する円の直径)としては、約10μm〜1mmであることが好ましく、より好ましくは10μm〜0.5mm、更に好ましくは、20μm〜100μmとする。
【0052】
ここで、本実施例において、液保持手段たる網目構造部材25に要求される液保持性は、当業者には容易に理解される通常の使用において、被検液Sからセンサボディ23を引き上げた際に、被検液Sがポリマー薄膜22の表面で水玉を形成して落下することがないように、好ましくは、ポリマー薄膜22の全表面が被検液Sに接触するように保持する程度であればよい。従って、極めて激しくセンサボディ23を振とうするなど、激しい衝撃をセンサボディ23に与えた場合に液を保持することができなくても構わない。上記網目数の網目構造部材25であれば、溶存有機物濃度センサ100の通常の使用における液保持性について何ら問題ない。
【0053】
斯かる構成とすることによって、測定を行うためにセンサボディ23を被検液S中に浸漬した際に、被検液S中に含まれる有機物、例えば、揮発性有機物は、被検液Sに溶存した状態のままポリマー薄膜22の界面に移動することができる。しかも、測定箇所や測定対象の被検液Sを変更するなどのためにセンサボディ23を被検液Sから引き上げても、被検液Sは、図3に模式的に示すように、網目構造部材25の細かいメッシュの間に保持される。これにより、前述したように、ポリマー薄膜22上で被検液Sが膜表面を引っ張りながら水玉W(図11)を作ることがないため、ポリマー薄膜22の膜厚が保持され、測定結果の繰り返し再現性を向上させることができる。
【0054】
又、本実施例の構成においては、センサボディ23を被検液Sから引き上げた後、空中保管しても、網目構造部材25により被検液Sの蒸発が抑えられ、一定期間、本実施例の構成では24時間以上(1日〜2日程度)放置した後にもポリマー薄膜22の表面に水分を保持することができた。
【0055】
尚、例えば、図4に示すように、溶存有機物濃度センサ100の保管時に、センサボディ23の先端に密着嵌合されるキャップ60等を設けることにより、保管時に、より長期にわたりポリマー薄膜22の表面に液を保持することができる。
【0056】
(実験例)
本発明に従う溶存有機物濃度センサ100の作用効果を確認する実験を行った。本例では、被検液Sに対するセンサボディ23の浸漬、引き上げを繰り返した際の指示値の繰り返し性と、保管時間による指示値の安定性とについて調べた。本実施例では、被検液Sとして溶存有機物濃度ゼロの純水(ゼロ液)を用いた。又、実験は、網目構造部材25を設けた上記本実施例の溶存有機物濃度センサ100と、この網目構造部材25を設けない比較例(その他の構成は本実施例のものと同一)について行った。
【0057】
図8は、本実施例の溶存有機物濃度センサ100についての繰り返し性に関する実験結果を示す。縦軸は、溶存有機物濃度(ppm)を示し、横軸は時間を示す。図示の通り、本実施例の溶存有機物濃度センサ100では、センサボディ23を被検液Sから空中に引き上げた際に生じる、指示値の急激な変化はなく、繰り返し測定においても良好な再現性が得られた。
【0058】
又、本実施例の溶存有機物濃度センサ100では、室温状態で12時間、60時間放置した後のゼロ液に対する指示値は、放置前の値と比較して1〜2ppm程度と極僅かな変化であり、その後の測定においても指示値は安定していた。
【0059】
これに対して、網目構造部材25を有しない比較例の溶存有機物濃度センサでは、図9に示すように、センサボディ23を被検液Sから引き上げる度に、ポリマー薄膜22の表面が空気層と接するため、反射率が増加し、指示値がプラス側に大きく振れ、被検液S中にセンサボディ23を戻しても、2ppm程度までの、高めの値を示した。そして、この操作を繰り返すと、1〜2ppmずつ指示値が大きくなった。この指示値の上昇は、被検液Sへのセンサボディ23の浸漬、引き上げを10回程度繰り返すとある安定値に達するが、被検液Sからセンサボディ23を引き上げて乾燥状態で保存した後再び同様の操作を行うと、10回程度繰り返すまで、再び指示値は上昇する。
【0060】
又、比較例の溶存有機物濃度センサでは、室温放置を12時間、60時間行った場合、放置前後のゼロ液に対する指示値は10〜20ppmと大きくずれ、その後の測定では、ポリマー薄膜22の表面の水和によるものと考えられる指示値の低下を生じ、安定化するまでに時間を要した。
【0061】
以上説明したように、本実施例の構成によれば、検出素子20の被検液Sに対する浸漬、引き上げを繰り返しても、指示値は安定し、繰り返し性が良く、再現性の良い測定値を得ることができる。又、本実施例によれば、溶存有機物濃度センサ100を一定時間保管した後にも、直ちに安定した指示値を得ることを可能とし、しかも保管前との指示値の変化を防止することができる。
【0062】
実施例2
本実施例は、実施例1の変形例であり、溶存有機物濃度センサとされる光学センサの基本構成は実施例1のものと同じであるので、同一若しくは相当する構成、作用を有する要素には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0063】
本実施例では、図5に示すように、センサボディ23の先端に取り付ける液保持手段として、実施例1と同様の網目構造部材25を有する。そして、ポリマー薄膜22との間に、更に、液を含浸して液層を形成するための液層形成手段27を配置する。
【0064】
液層形成手段27としては、センサボディ23を被検液Sに浸漬した際に、被検液Sを容易に吸収し、被検液Sが容易にポリマー薄膜22に到達させることができ、且つ、網目構造部材25とポリマー薄膜22との間で被検液Sを保持し得るものを適宜用いることができる。液層形成手段27としては、ポリエチレン、ポリエステル、アセチルセルロース等から成る親水性の不織布等を好適に用いることができる。本実施例では、ポリエステルから成る不織布を用いた。
【0065】
液層形成手段27は、好ましくは、液を保持してポリマー薄膜22の全面に接触させるように、ポリマー薄膜22の表面を覆うように配置する。本実施例では、網目構造部材25を備えた固定手段26をセンサボディ23の先端に螺合することにより、液層形成手段27を、ポリマー薄膜22と網目構造部材25とで挟持する。
【0066】
斯かる構成とすることによって、本実施例の溶存有機物濃度センサ100では、ポリマー薄膜22の表面への被検液Sの保持性が更に向上し、溶存有機物濃度センサ100を暗所で保存した場合、1週間経過してもポリマー薄膜22の表面に水分を保持することができた。
【0067】
以上説明したように、本実施例の構成によれば、実施例1と同様の効果を得られると共に、更にポリマー薄膜22の表面への検水Sの保持性が向上し、検出部2を被検液Sに浸漬していない状態でより長い時間保管することを可能とする。
【0068】
実施例3
次に、本発明の更に他の実施例について説明する。本実施例では、光学センサは、実施例1、2のものと基本構成が同一の溶存有機物濃度センサとされる。従って、同一若しくは相当する構成、作用を有する要素には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0069】
実施例1、2においては、センサボディ23を被検液Sに浸漬した時に被検液Sが容易に通り抜けて、検出素子20のポリマー薄膜22の表面に接触することができ、且つ、センサボディ23を被検液Sから空気中に引き上げた時にポリマー薄膜22との間に被検液Sを保持することのできる液保持手段を設けることで、ポリマー薄膜22の表面に液を保持することを達成した。
【0070】
これに対し、本実施例では、液保持手段として隔膜を用い、検出素子20を被検液Sから離隔すると共に、検出素子20のポリマー薄膜22を内部液に浸漬した状態にすることで、ポリマー薄膜22の表面に液を保持することを達成する。
【0071】
図6を参照して更に説明すると、本実施例の溶存有機物濃度センサ100では、実施例1、2と略同一の固定手段26によって、センサボディ23の先端に隔膜28を張設する。そして、センサボディ23の先端、固定手段26及び隔膜28で画成される空間を内部液Iで満たす。
【0072】
この際、実施例2の場合と同様にして、液を保持してポリマー薄膜22の全面に接触させるように、ポリマー薄膜22の表面を覆うように液層形成手段27を配置し、ポリマー薄膜22と隔膜28とが接触しないようにする。
【0073】
斯かる構成において、被検液S中の溶存有機物は、ガスとして隔膜28を透過し、再び内部液Iに溶解する。この内部液Iに溶解した有機物が、次いで検出素子20のポリマー薄膜22に吸収される。
【0074】
隔膜28としては、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン(FEP)、四フッ化エチレン(TFE)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、エチレン四フッ化エチレン(ETFE)等のフッ素樹脂薄膜、低密度ポリエチレン(LDPE)等を好適に用いることができる。測定対象成分の透過性に鑑みて、隔膜28の厚さは選定すればよいが、通常、5μm〜50μmである。本実施例では、隔膜28として、厚さ10μmのテフロン(四フッ化エチレン(TFE)の商品名)薄膜を用いた。
【0075】
溶存有機物濃度センサ100の測定対象たる溶存有機物は、一般に、僅かに水に溶解している疎水性物質である。従って、これをガス化して隔膜28を透過させ、内部液Iに溶解させるのを容易とするために、内部液Iとしては、有機溶媒を好適に用いる。又、容易に揮発するのを防止するために、内部液Iとしては、高沸点、好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃以上のものが好適である。本実施例では、DMSO(ジメチルスルホキシド)(沸点189℃)を用いた。この他、好適に用い得る内部液Iとしては、N−N−ジメチルホルムアミド(沸点149℃)等が含まれる。
【0076】
但し、内部液Iに溶解させた測定対象たる溶存有機物は、次いで検出素子20のポリマー薄膜22に吸収させる必要があるため、内部液Iの量は可及的に少量にすることが望ましい。本実施例では、表面積25mm2、膜厚1.5μmのポリメタクリレート共重合体から成るポリマー薄膜22の使用に対して、内部液IたるDMSOは、約10μlとして好結果が得られた。
【0077】
又、本実施例では、液層形成手段27は、ポリマー薄膜22と隔膜28とが接触するのを防止すると共に、その間に内部液Iの層(有機溶媒層)を形成するために配置する。斯かる目的のために好適な液層形成手段27は、有機溶媒との親和性がよく、容易に含浸ことができ、且つ、有機溶媒に対して化学的な安定な材料から成るものであれば、上記同様の不織布から選択することができる。本実施例では、液層形成手段27としては、本実施例では、ポリエステルから成る不織布を用いた。
【0078】
斯かる構成とすることによって、測定に際し、センサボディ23を被検液Sから引き上げても、ポリマー薄膜22の表面には常に内部液Iが存在するため、指示値の急激な変化を生じることはなく、又、センサボディ23の被検液Sに対する浸漬、引き上げを繰り返した場合にも、指示値が徐々に変化するようなことはない。
【0079】
更に、センサボディ23を被検液Sから引き上げた状態で溶存有機物濃度センサ100を長期保管する場合でも、ポリマー薄膜22は内部液Iに浸漬された状態であるので、再び測定を行う際にも、直ちに指示値は安定し、且つ、保管前と指示値が変化するようなこともない。
【0080】
尚、例えば、図7に示すように、ポリマー薄膜22をその上に形成する基板、或いは該基板及び結合器として作用するプリズムの形状等により、張設された隔膜28が検出素子20のポリマー薄膜22に接触せず、且つ、ポリマー薄膜22が内部液Iに浸漬された状態とされていれば、液層形成手段27は設けなくともよい。図7に示す例では、プリズム21のポリマー薄膜22が形成される部分の周縁部21aを、ポリマー薄膜22の膜厚よりも厚くし、隔膜28に向かって突出する形状とする。これによって、隔膜28が張設された固定手段26をセンサボディ23の先端に取り付けても、隔膜28がポリマー薄膜22に接触せず、且つ、隔膜28とポリマー薄膜22との間に内部液Iで満たすことができる。
【0081】
以上説明したように、本実施例のように、液保持手段として隔膜28を用い、検出素子20のポリマー薄膜22の表面に内部液Iを保持する構成によっても、実施例1、2と同様の効果が得られると共に、ポリマー薄膜22を汚れの付着等から保護するといった付加的な効果をも得られる。
【0082】
ここで、本発明において、検出素子のポリマー薄膜の表面に保持する液は、液保持手段の孔径によって、次のように分けて考えることができる。
【0083】
液保持手段の孔径が小さく、測定操作、精度等の観点から許容し得ないほど、被検液が液保持手段の外からポリマー薄膜に到達するのが困難であり、一方、同観点から許容し得ないほど、液保持手段によって保持された液が容易にその外に出ることがない場合、液保持手段によって保持する液は所定の内部液とすることで好結果が得られる(隔膜式センサ)。
【0084】
一方、液保持手段の孔径が比較的大きく、検出部を被検液に浸漬した際に被検液が液保持手段の外から容易にポリマー薄膜に到達するが、検出部を被検液から引き上げた際にポリマー薄膜との間に被検液を保持し得る場合、検出部をそれに浸漬することで供給される液を液保持手段により保持させることで好結果が得られる(メッシュ式センサ)。尚、一連の測定操作中に液保持手段によって保持される液が被検液であっても、例えば、保管前などにおいて、被検液とは異なる任意の液に検出部を浸漬した後引き上げ、その液を液保持手段によって保持するようにしてもよい。
【0085】
概略、液保持手段の孔径が1Å〜10μmの範囲で隔膜式センサを構成することができる。測定対象成分の透過性等に鑑みて、使用する隔膜を適宜選択すればよい。一方、液保持手段の孔径が1μm〜1mmの範囲でメッシュ式センサを構成することができる。又、隔膜式、メッシュ式の両方を実現可能な液保持手段の孔径範囲、1μm〜10μmでは、いずれを採用するかは、適宜選択すればよい。
【0086】
但し、ガス状有機物の透過性、有機溶媒とされる内部液の保持性の観点から、隔膜式センサとしては、孔径は1nm〜1μmが好ましく、より好ましくは、1nm〜100nmである。又、上述のように、液移動性と液保持性の観点から、メッシュ式センサとしては、網目数、孔径は、前述の範囲とするのが好ましい。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光学センサは、基板上にポリマー薄膜が設けられた検出素子を具備する検出部を有し、該検出部を被検液に浸漬して検出素子に光を入力した際の検出素子から出力される光の強度を検出することで、被検液中の測定対象成分を検出する光学センサにおいて、検出素子のポリマー薄膜に対向して、検出部を被検液に浸漬していない状態で該ポリマー薄膜との間に液を保持する液保持手段を有する構成とされるので、
(1)検出素子の被検液に対する浸漬、引き上げが繰り返される場合であっても、指示値が安定し、繰り返し性が良く、再現性の良い測定値が得られる。
(2)検出部を被検液に浸漬していない状態で一定時間保管した後に再び使用するような場合にも、安定化に時間を要することなく、指示値の安定した良好な測定結果を得ることができる。
といった作用効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学センサの一実施例(溶存有機物濃度センサ)の概略構成図である。
【図2】図1の光学センサのセンサボディをより詳しく示す概略断面図である。
【図3】本発明の効果を説明するための図1の光学センサのセンサボディ先端近傍を示す模式図である。
【図4】本発明に従う光学センサの保管状態の一例を説明するための概略断面図である。
【図5】本発明に斯かる光学センサの他の実施例におけるセンサボディ先端近傍を示す概略断面図である。
【図6】本発明に係る光学センサの更に他の実施例におけるセンサボディ先端近傍を示す概略断面図である。
【図7】本発明に係る光学センサの更に他の実施例におけるセンサボディ先端近傍を示す概略断面図である。
【図8】本発明の効果を説明するための繰り返し測定における光学センサの出力を示すグラフ図である。
【図9】比較例についての繰り返し測定における光学センサの出力を示すグラフ図である。
【図10】本発明を適用し得る光学センサの測定原理を説明するための模式図である。
【図11】従来の光学センサの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 光学部
2 検出部
3 制御部(計器)
11 光源
12 光検出器
14 温度センサ(光学部温度検出手段)
20 検出素子
21 プリズム
22 ポリマー薄膜
24 温度センサ(検出部温度検出手段)
25 網目構造部材(液保持手段)
26 固定手段
27 液層形成手段
28 隔膜(液保持手段)
I 内部液
S 被検液
W 水玉
Claims (14)
- 基板上にポリマー薄膜が設けられた検出素子を具備する検出部を有し、該検出部を被検液に浸漬して前記検出素子に光を入力した際の前記検出素子から出力される光の強度を検出することで、被検液中の測定対象成分を検出する光学センサにおいて、
前記検出素子の前記ポリマー薄膜に対向して、前記検出部を被検液に浸漬していない状態で該ポリマー薄膜との間に液を保持する液保持手段を有することを特徴とする光学センサ。 - 前記検出素子から出力される光の強度を検出することで、被検液中に溶存する有機物を検出することを特徴とする請求項1の光学センサ。
- 前記液保持手段は、有機物に対して化学的に安定な材料で形成されることを特徴とする請求項2の光学センサ。
- 前記液保持手段は、液を保持して前記ポリマー薄膜の全面に接触させるように、前記ポリマー薄膜の表面を覆って設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の光学センサ。
- 前記液保持手段は、前記検出部に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の光学センサ。
- 前記液保持手段は、前記検出部を被検液に浸漬した時に被検液が通過して前記ポリマー薄膜に到達するのを許し、且つ、前記検出部を被検液から空気中に引き上げた時に被検液を前記ポリマー薄膜との間に保持する網目構造部材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の光学センサ。
- 前記網目構造部材は、網目サイズが50本/inch2〜500本/inch2であることを特徴とする請求項6の光学センサ。
- 前記網目構造部材は、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンを含む合成樹脂繊維、或いはステンレスを含む金属繊維で形成されることを特徴とする請求項6又は7の光学センサ。
- 更に、前記液保持手段と前記ポリマー薄膜との間に、液を含浸して液層を形成する液層形成手段を有することを特徴とする請求項6〜8のいずれかの項に記載の光学センサ。
- 前記液層形成手段は、不織布であることを特徴とする請求項9の光学センサ。
- 前記液保持手段は、前記ポリマー薄膜を被検液から離隔して前記ポリマー薄膜との間に内部液を保持すると共に、それを通して測定対象成分のガスの透過を許す隔膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の光学センサ。
- 前記内部液は、有機溶媒であることを特徴とする請求項11の光学センサ。
- 更に、前記液保持手段と前記ポリマー薄膜との間に、前記内部液を含浸して内部液の層を形成する液層形成手段を有することを特徴とする請求項11又は12の光学センサ。
- 前記液層形成手段は、不織布であることを特徴とする請求項13の光学センサ。
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