JP2005003014A - 配管支持具用伴回り防止方法及び防止具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】配管支持具に配管軸方向から着脱可能に取り付けられて用いられるボルトの伴回り防止具を、タンバックルの如き支持具にボルト・ナットを用いて配管支持バンドを仮止めした後に、配管軸方向から装着してボルト頭の伴回りを規制し、ボルト・ナットの締付けを行うことを特徴とする配管支持具用伴回り防止方法である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は配管支持具用伴回り防止方法及び防止具に関し、詳しくは配管用吊りバンドや立てバンドに挿通されるナット螺合前のボルトの脱落を防止し、且つボルトの伴回りを防止する配管支持具用伴回り防止方法及び防止具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、配管用吊りバンドや立てバンドに挿通されるナット螺合前のボルトの脱落を防止し、且つボルトの伴回りを防止する技術が種々提案されている(特許文献1、2及び3等参照)。
【0003】
これらの従来技術では、配管抱持部の取付片とタンバックルの脚部とを抱え込むように伴回り防止具を装着した後にボルトを挿通することで、該ボルトの脱落とナット螺合時のボルトの伴回りを防止している。
【0004】
【特許文献1】
特許第3364468号公報
【特許文献2】
特開2000−192935号公報
【特許文献3】
特開平10−37918号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこれらの技術では、ボルト・ナットによってタンバックルの如き支持具に配管支持バンドを仮止めした後には、伴回り防止具を装着できないという問題点を有している。
【0006】
そこで本発明の課題は、ナット螺合前のボルトが配管支持具の挿通孔から脱落するのを防止すると共に、ナット螺合に際してナットの回転にボルトが伴回りすることがなく、しかもボルト・ナットによってタンバックルの如き支持具に配管支持バンドを仮止めした後に、伴回り防止具を装着でき、施工現場の状況によって個別に対応できる配管支持具用伴回り防止方法及び防止具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は下記構成によって達成される。
【0008】
1.配管支持具に配管軸方向から着脱可能に取り付けられて用いられるボルトの伴回り防止具を、タンバックルの如き支持具にボルト・ナットを用いて配管支持バンドを仮止めした後に、配管軸方向から装着してボルト頭の伴回りを規制し、ボルト・ナットの締付けを行うことを特徴とする配管支持具用伴回り防止方法。
【0009】
2.配管支持具に配管軸方向から着脱可能に取り付けられて用いられるボルトの伴回り防止具であって、弾性のある金属や合成樹脂によって弾性体として作成されており、挟持部の双璧により仮止めされた配管用支持バンドの取付片を挟持できると共に、ボルト頭が回動するのを規制する規制部を有することを特徴とする配管支持具用伴回り防止具。
【0010】
3.配管支持具に配管軸方向から着脱可能に取り付けられて用いられるボルトの伴回り防止具であって、配管抱持部の取付片の一方の外側とタンバックルの如き支持具の脚部の一方の内側とを挟持するように側方から差し込む断面コ字形状を有し、コ字形状の挟持部の双璧にはボルト軸部が入り込む切込み部が形成されており、配管抱持部の取付片の一方の外側に位置するコ字形状の双璧の一方の切込み部には、ボルト頭の回動を規制する規制部が設けられており、タンバックルの如き支持具の脚部の一方の内側に位置するコ字形状の双璧の他方の切込み部は、ボルトのネジ谷間に入り込む間隔で形成されていることを特徴とする配管支持具用伴回り防止具。
【0011】
4.ボルトの回動を規制する前記規制部が、切り起こし形成、プレス形成、溶接、接着のいずれかの手段によって形成された突起形状であることを特徴とする上記2又は3に記載の配管支持具用伴回り防止具。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、配管支持具に配管軸方向から着脱可能に取り付けられて用いられるボルトの伴回り防止具を、タンバックルの如き支持具にボルト・ナットを用いて配管支持バンドを仮止めした後に、施工現場の状況に応じ、配管軸方向から装着してボルト頭の伴回りを規制し、ボルト・ナットの締付けを行うものである。
以下、本発明の伴回り防止方法及び伴回り防止具の詳細について、添付図面に基づき説明する。
【0013】
図1は本発明に係る配管支持具用伴回り防止具の第1実施例の使用状態を示す斜視図、図2は図1の配管支持具用伴回り防止具の6面図、図3は図1の配管支持具用伴回り防止具の装着状態を説明する要部平面図、図4は図1の配管支持具用伴回り防止具のボルト脱落防止状態を説明する右側面図、図5は本発明に係る配管支持具用伴回り防止具の第2実施例の使用状態を示す斜視図、図6は図5の配管支持具用伴回り防止具の6面図、図7は図5の配管支持具用伴回り防止具のボルト脱落防止及び伴回り防止状態を説明する右側面図、図8は図5の配管支持具用伴回り防止具のボルト伴回り防止状態を説明する正面図、図9は本発明に係る配管支持具用伴回り防止具の第2実施例の他の態様を示す正面図、図10は配管立てバンドに用いて好適な実施例を示す斜視図である。
【0014】
先ず、本発明に係る配管支持具用伴回り防止具の第1実施例について、図1〜図3に基づき説明する。
【0015】
図1において、1は本発明に係る伴回り防止具、2は該伴回り防止具1が着脱可能に取り付けられる配管支持具である。
【0016】
配管支持具2は、天井から吊り下げられた吊りボルトBに取り付けられるナットN、タンバックル3、該タンバックル3の脚部3A・3B、ボルト4、ナット5、配管支持バンド6(配管抱持部6A・6B)、配管抱持部6A・6B夫々の端部である取付片6C・6Dとから主として構成されている。仮想線で示されるPは配管である。
【0017】
伴回り防止具1は、弾性のある金属や合成樹脂によって弾性体として好ましくは図2に示すようにコ字形状に作成されており、図1に示すように配管支持具2に配管軸方向から着脱可能に取り付けられる際に、コ字形状の挟持部を弾性に抗しながら矢符Xに示すように開きながら(図3(A)参照)、配管抱持部6Aの取付片6Cの外側とタンバックル3の脚部3Aの内側とを挟持するように側方から差し込まれるものである(図3(B)参照)。
【0018】
コ字形状の伴回り防止具1の挟持部の双璧の一方11には、ボルト4の頭が回動するのを規制する規制部15が形成されており、挟持部の双璧の他方12にはボルト4の軸部が入り込む切込み部14が形成されている。
【0019】
規制部15は、ボルト4の頭より僅かに大きい正六角形となっており、伴回り防止具1の弾性に抗しながら挟持部の双璧11・12を開きながら配管支持具の所望の位置まで入り込むように差し込むと、双璧の一方11に設けられた規制部15内にボルト4の頭が入り込みながら挟持部の双璧11・12の間隔も元に戻ることで装着が完了する(図3(C)参照)。
【0020】
ボルト4の頭が、該ボルト4の頭よわり僅かに大きく且つボルト頭と同形の正六角形である規制部15に入り込むことにより、ボルト頭の回動が規制されるのでナット5を螺合する際のボルト4の伴回りを防止することができる。
【0021】
規制部15としては、図1及び図2に示されるようにボルト4の頭より僅かに大きい正六角形に限定されず、ボルト4の頭の回動を規制できる形状、即ち、ボルト4の頭の側部の一箇所乃至は複数箇所に当接して回動を規制できる構成であれば、正六角形のボルト4の頭の対向する1辺に当接する2辺を有する四角形でもよいし、3辺以上に当接する形状でもよい。
【0022】
また本実施例では、規制部15を挟持部の一方11に穿った透孔のみで形成しているが、該透孔に加えてボルト4の頭の側部に当接する突起を該透孔の近傍に設けてもよい。突起の形成方法としては、双璧の一方11を部分的に切り起こし形成又はプレス形成してもよいし、或いは、溶接、接着等によって他部材を付加する等の手段を採ることもできる。
【0023】
タンバックル3の脚部3Aの内側に位置するコ字形状の挟持部の双璧の他方12の切込み部14は、図4に示すようにボルト4のネジ谷間に入り込む間隔で形成されている。この構成によって、ボルト4の脱落を防止することができる。
【0024】
上記の構成を有する本発明に係る伴回り防止具1は、配管支持具2の配管抱持部6Aの取付片6Cの外側とタンバックル3の脚部3Aの内側とを挟持するように、配管支持具2の側方である配管軸方向から差し込むことで、ナット5螺合前のボルト4の脱落を防止することができると共に、ナット5螺合時のボルト4の伴回りを防止することができる。
【0025】
尚、本発明の伴回り防止具1は、着脱可能、即ち、ボルト4・ナット5を締め付けた後に、挟持部の双璧11・12をその弾性に抗して広げながら取付時と逆方向に引き抜くことによって取り外すことも可能であり、必要に応じ、配管支持具に取り外した伴回り防止具1を他の配管支持具2への再使用が可能である。
【0026】
次に、本発明に係る配管支持具用伴回り防止具の第2実施例について、図5〜図9に基づき説明する。本第2実施例において、特に断りのない限り、上記第1の実施例と同じ符号のものは同様の構成を有するものであり、以下、説明を省略する場合もある。
【0027】
図5において、1は本発明に係る伴回り防止具、2は該伴回り防止具1が着脱可能に取り付けられる配管支持具である。
【0028】
伴回り防止具1は、図5に示すように配管支持具2に配管軸方向から着脱可能に取り付けられ、図6に示すように断面コ字形状を有し、配管抱持部6Aの取付片6Cの外側とタンバックル3の脚部3Aの内側とを挟持するように側方から差し込まれるものである。該伴回り防止具1の材質としては、ステンレスやアルミニウム等の金属製、或いはABS等の合成樹脂製など、この種の配管支持具の材料として公知公用の材質から形成されている。
【0029】
コ字形状の伴回り防止具1の挟持部の双璧11・12には、ボルト4の軸部が入り込む切込み部13・14が形成されている。
【0030】
配管抱持部6Aの取付片6Cの外側に位置するコ字形状の挟持部の双璧の一方11の切込み部13近傍には、図5、図7及び図8に示すように、ボルト4の頭の側部に当接して該ボルト4の回動を規制する規制部15が設けられている。この構成によって、ナット5を螺合する際のボルト4の伴回りを防止することができる。
【0031】
規制部15としては、本実施例に示されるように切込み部13部分を切り起こし形成した突起形状であることが好ましいが、該規制部の形成方法としては、プレス形成してもよいし、或いは、溶接、接着等によって他部材を付加する等の手段を採ることもできる。
【0032】
タンバックル3の脚部3Aの内側に位置するコ字形状の挟持部の双璧の他方12の切込み部14は、図7に示すようにボルト4のネジ谷間に入り込む間隔で形成されている。この構成によって、ボルト4の脱落を防止することができる。
【0033】
上記の構成を有する本発明に係る伴回り防止具1は、配管支持具2の配管抱持部6Aの取付片6Cの外側とタンバックル3の脚部3Aの内側とを挟持するように、配管支持具2の側方である配管軸方向から差し込むことで、ナット5螺合前のボルト4の脱落を防止することができると共に、ナット5螺合時のボルト4の伴回りを防止することができる。
【0034】
尚、本発明の伴回り防止具1は、着脱可能、即ち、ボルト4・ナット5を締め付けた後に取付時と逆方向に引き抜くことによって取り外すことも可能であり、必要に応じ、取り外した伴回り防止具1を他の配管支持具2への再使用が可能である。
【0035】
尚また、規制部15としては、ボルト4の頭の側部に当接して回動を規制する構成であれば上記実施例に示した突起形状に限らず、図9に示すように切込み部13の切込み形状をボルト4の頭の側部を挟持する間隔で形成することで規制部15としてもよい。
【0036】
更にまた、本発明に係る伴回り防止具の第2実施例は、弾性のある金属や合成樹脂によって、挟持部の双璧11・12によりバンドの取付片6C・6Dを挟持できる弾性体として構成することもできる。
【0037】
以上、本発明に係る伴回り防止具の第1及び第2実施例について説明したが、本発明は上記の吊り下げバンド形式の配管支持具に限定されず、壁面等から立ち上げられる立てバンド形式の配管支持具にも適用可能である。
【0038】
上述した吊り下げバンド形式との違いは、ボルト及びナットの組み合わせが二組以上であることと、タンバックルの二本の脚部とは異なり、壁面等に取り付けた支持部材の脚部が一つであることである。かかる二点以外は基本的に吊り下げバンド形式と同様である。
【0039】
立てバンド形式の配管支持具に用いる伴回り防止具としては、上述した実施例のものをボルト及びナットの組み数に応じた数だけ使用してもよいが、図10に示すように二組以上(図10は二組の場合を示す)のボルト及びナットに一体のものとして対応したのものを使用してもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、ナット螺合前のボルトが配管支持具の挿通孔から脱落するのを防止すると共に、ナット螺合に際してナットの回転にボルトが伴回りすることがなく、しかもボルト・ナットによってタンバックルの如き支持具に配管支持バンドを仮止めした後に、伴回り防止具を装着でき、施工現場の状況によって個別に対応できる配管支持具用伴回り防止方法及び防止具を提供することができる。
【0041】
よって、片手によってボルト・ナット締付け作業を行うことが適当な現場状況に応じ、伴回り防止具を後付け装着できて便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る配管支持具用伴回り防止具の第1実施例の使用状態を示す斜視図
【図2】図1の配管支持具用伴回り防止具の6面図
【図3】図1の配管支持具用伴回り防止具の装着状態を説明する要部平面図
【図4】図1の配管支持具用伴回り防止具のボルト脱落防止状態を説明する右側面図
【図5】本発明に係る配管支持具用伴回り防止具の第2実施例の使用状態を示す斜視図
【図6】図5の配管支持具用伴回り防止具の6面図
【図7】図5の配管支持具用伴回り防止具のボルト脱落防止及び伴回り防止状態を説明する右側面図
【図8】図5の配管支持具用伴回り防止具のボルト伴回り防止状態を説明する正面図
【図9】本発明に係る配管支持具用伴回り防止具の第2実施例の他の態様を示す正面図
【図10】配管立てバンドに用いて好適な実施例を示す斜視図
【符号の説明】
1 伴回り防止具
11・12 挟持部の双璧
13・14 切込み部
15 規制部
2 配管支持具
3 タンバックル
3A・3B 脚部
4 ボルト
5 ナット
6 配管支持バンド
6A・6B 配管抱持部
6C・6D 取付片
B 吊りボルト
N ナット
P 配管
Claims (4)
- 配管支持具に配管軸方向から着脱可能に取り付けられて用いられるボルトの伴回り防止具を、タンバックルの如き支持具にボルト・ナットを用いて配管支持バンドを仮止めした後に、配管軸方向から装着してボルト頭の伴回りを規制し、ボルト・ナットの締付けを行うことを特徴とする配管支持具用伴回り防止方法。
- 配管支持具に配管軸方向から着脱可能に取り付けられて用いられるボルトの伴回り防止具であって、弾性のある金属や合成樹脂によって弾性体として作成されており、挟持部の双璧により仮止めされた配管用支持バンドの取付片を挟持できると共に、ボルト頭が回動するのを規制する規制部を有することを特徴とする配管支持具用伴回り防止具。
- 配管支持具に配管軸方向から着脱可能に取り付けられて用いられるボルトの伴回り防止具であって、配管抱持部の取付片の一方の外側とタンバックルの如き支持具の脚部の一方の内側とを挟持するように側方から差し込む断面コ字形状を有し、コ字形状の挟持部の双璧にはボルト軸部が入り込む切込み部が形成されており、配管抱持部の取付片の一方の外側に位置するコ字形状の双璧の一方の切込み部には、ボルト頭の回動を規制する規制部が設けられており、タンバックルの如き支持具の脚部の一方の内側に位置するコ字形状の双璧の他方の切込み部は、ボルトのネジ谷間に入り込む間隔で形成されていることを特徴とする配管支持具用伴回り防止具。
- ボルトの回動を規制する前記規制部が、切り起こし形成、プレス形成、溶接、接着のいずれかの手段によって形成された突起形状であることを特徴とする請求項2又は3に記載の配管支持具用伴回り防止具。
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JP2003163916A JP2005003014A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 配管支持具用伴回り防止方法及び防止具 |
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2003
- 2003-06-09 JP JP2003163916A patent/JP2005003014A/ja active Pending
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