JP2005002850A - 坑道式加熱発電施設とその施工法 - Google Patents

坑道式加熱発電施設とその施工法 Download PDF

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勝彦 畝本
Tadashi Shibata
忠 柴田
Masataka Hamada
正孝 濱田
Takanori Maeda
高徳 前田
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Abstract

【課題】加熱と高低差によって加速された風力で、発電機の駆動力を増強して発電効率向上させ、台風、地震等に対しても施設の安定した強度を確保して景観を維持する坑道式加熱発電施設とその施工法を提供する。
【解決手段】本発明による坑道式加熱発電施設1は、地山に形成した水平な横坑2とこれに継続する垂直を含む傾斜部もある立坑3から成るL型の開放坑道4、開放坑道4の適宜位置に設置される加熱風力装置5及び加熱風力装置5からの風力で稼働する風力発電機6から構成し、加熱風力装置5と風力発電機6の設置される開放坑道4に一端9を連通し他端10を外部に開放する補助坑道12を備えることを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、坑道式加熱発電施設とその施工法に関し、特に、発電施設の強度の確保と景観の維持が図れる坑道式加熱発電施設とその施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今の情勢から、電力を確保する手段は、火力発電から水力発電や原子力発電に移行しているが、一方では、設置場所の難点等から太陽熱、地熱、風力、潮流及び波力等の自然エネルギーを利用する発電方式が実用化を目指している。
地上の気圧は、100m高くなると12mb低くなっており、温度は、100mで0.65℃低くなることから、空気は、気圧の高いところから低いところへ移動し、暖かい空気は、温度の低い上方に上昇している。
【0003】
このために、高さ数100mに及ぶテーパー状の筒柱を地表に垂直に設置して、その上端部にタービン発電機を取り付ける形態が提案されている。本提案では、筒柱の根部に空気の流入口を設け、その上方には内壁を鏡面状に仕上げた球面状の集熱装置を設けることで、集熱装置に反射された太陽光線を、ガラス窓を透過させながら筒柱の内側に照射するようにしており、これによって筒柱中の自然流である上昇気流を加速することで上端部に設置したタービン発電機の発電効率を向上させている。(例えば、特許文献1を参照)
【0004】
しかしながら、これらの風力発電装置は、気象条件の影響を完全に免れるものでなく、自然風の風力が小さいときは、垂直筒体内に十分な上昇気流を生じないし、太陽照射が不十分なときは、その上昇気流を加速できないために安定した発電量を確保することが困難であった。
【0005】
そこで、これを改善する目的から、産業廃棄物や生活廃棄物の燃焼熱によって数100mに及ぶ垂直筒体の上昇気流を加熱させて強制的に加速させることで、これによる吸引気流を風力発電機に作用させて安定した発電量を経済的に確保する提案もなされている。(例えば、特許文献2を参照)
【0006】
本提案の風力発電装置は、地中に埋設した横置筒体の一端を地面に設置した吸引開口に接続すると共に、その他端を地上に設立した垂直筒体の下端と接続してL型の通気路を形成しており、横置筒体内に複数台の発電機用プロペラを直列設置して各風力発電機に接続している。
【0007】
又、複教基の廃棄物燃料燃焼炉の燃焼室が、垂直筒体の外方に設置されて加熱室と火炎誘導路で接続されており、垂直筒体の下側部外周に囲繞形成される加熱室は、その覆体が煙道を介して煙突に接続している。
【0008】
一方、垂直筒体の下側部内方には複数本の加熱管が等間隔に縦設されており、各加熱管の上下端は加熱室に接続開口することで、廃棄物燃料燃焼炉の燃焼室で発生する燃焼熱によって垂直筒体の上昇気流を加熱させて強制的に加速させように構成されている。
【0009】
さらに、図6に示すように、下方に設けた気体流入口から流入した気体を、加熱炉内の温度及びイオン濃度を上昇させることで、上昇渦気流に形成して通路内を上昇させて通路内に設け軸流ファンに供給する発電システムも提案されている。(例えば、特許文献3を参照)
【0010】
本発電システム50は、下に気体流入口51があって上に気体流出口52がある筒状の通路53が、内径約3m、高さ約300mの縦向きに形成されており、その途中にイオンバーナー54を備えた加熱炉55を設けている。通路53内には軸流ファン56を設けると共に、通路53の外に軸流ファン56と連動する発電機57を設けている。
【0011】
そして、本発電システム50では、イオンバーナー54によって加熱炉55内の温度及びイオン濃度を上昇させることで、気体流入口51から流入した気体が、上昇渦気流58となって通路53内を上昇しながら、この上昇渦気流によって軸流ファン56を回転させており、その回転によって発電機57を駆動しながら発電している。
【0012】
しかるに、上記の各提案による発電方式は、何れの場合も筒状の通路が高層建造物を形成されていることから、用地費を含めた建設費や周辺への安全配慮や騒音・振動対策等に費用が嵩高になり、高層建造物内に上記風力発電所を設けることは、筒状の通路から多量の空気を流入、吐出することで高層建造物周辺に発生するビル風を増長して風害の原因になると同時に、地震、台風時に在っては強度や安全性の面で電力の安定供給が困難になるという問題点を抱えていた。
【0013】
さらに、上昇気流を発生させる筒状の通路を高層建物内に構築するにはその長さに限度があることから、発電装置の設置箇所や設置条件に制限を生じ、その為に一つの筒状の通路から得られる発電量も多くは期待できないという問題も抱えている。
【0014】
例えば、特許文献1に例示されるような場合には、垂直な筒状通路の下端部に集熱器があるために筒状通路の上端部に発電装置を設けなければ成らず、又、特許文献2に例示されるような場合には、水平な筒状通路を設けているが、垂直な筒状通路の中間部には加熱器が設けられているために、発電装置は、地下の水平な筒状通路か筒状通路の上端部に設けることになり、発電機の設置場所に制限がある。
【0015】
さらに、特許文献3に例示されるような場合には、垂直な筒状通路の長さを長くして、その間に複数個の発電装置を設けるようにしているが、筒状通路を高層建造物内に形成する限りその長さに限度があるだけでなく、長くすればするほど建物の強度や規模を強化しなければならず、それに伴い建設費用は増大し、屋外に長大な筒状の構造物を設けることは、景観面においても問題を有している。
【0016】
【特許文献1】
特開昭61−85588号公報(第1頁、右欄第10行〜第2頁、右欄第8行、図1)
【特許文献2】
特公平7−122426号公報(段落符号「0003」〜段落符号「0005」末行、図1)
【特許文献3】
再公表特許第WO01/014703号公報(第8頁、第4行〜第9頁、第10行、図1)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来の発電方式が抱えていた問題点に鑑みてその改善のために提案するものであり、発電施設を山岳地山の坑道に形成することで加熱によって加速された風力で発電機の駆動力を増強して、発電効率の向上と発電量の増大を図ると同時に、台風、地震等に対しても施設の安定した強度を確保すると共に景観も維持できる坑道式加熱発電施設とその施工法を提供している。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明である坑道式加熱発電施設は、地山に形成した水平部と水平部に継続する垂直を含む傾斜部から成る開放坑道と、開放坑道の適宜位置に設置される加熱風力装置及び加熱風力装置からの風力で稼働する風力発電機から構成しており、加熱で加速された風力で発電機の駆動力を増強して発電効率向上させると同時に、屋外の高層建築物内に上昇気流用通路を形成する場合のような通路長さの制限なくして長大な通路を確保でき、発電装置の設置場所や設置個数に制限をなくしているので、一つの通路から得られる発電量を大幅に増大できる。さらに、地山に形成した坑道を上昇気流用の通路とするので台風、地震等に対しても施設の安定した強度を確保すると共に、通路が地山に埋設されることから施設の大半が屋外に露出することがなく現状の景観を維持できるだけでなく、高層建物周辺に発生するビル風等の環境問題の解消も兼ね備えている。
【0019】
請求項2に記載の発明である坑道式加熱発電施設は、請求項1に記載の坑道式加熱発電施設において、加熱風力装置と風力発電機の設置される開放坑道部が、一端を連通し他端を外部に開放する補助坑道を備えることを特徴としており、地山に設けた長大な垂直を含む傾斜部から成る開放坑道に連ねる補助坑道を通じて開放坑道内に設けた加熱風力装置や風力発電機のメンテナンスを容易にし、補助坑道を屋外の任意な箇所から開放坑道部に向けて掘削形成できることで高層建物内に上昇気流用の通路を設ける場合に比べて、風力発電機や加熱風力装置の設置箇所を任意に設定できて設計上の自由度を増している。
【0020】
又、本発明による坑道式加熱発電施設の施工法は、上記坑道式風力発電施設の施工法であって、地山に少なくとも垂直を含む傾斜坑道を形成して、坑道を含む地中空間と地中空間に連通して外部に開放される補助坑道を地山に形成し、しかる後に地中空間に加熱風力装置と風力発電機を設置することを基本して、垂直を含む傾斜坑道を全方位TBMによる連続施工によって掘削することを特徴としており、地山に少なくとも垂直を含む傾斜坑道を全方位TBMによる連続施工によって掘削して形成すると共に、坑道を含む地中空間と地中空間に連通して外部に開放される補助坑道を地山に形成することで、垂直を含む傾斜坑道を連続施工で簡易に掘削してコストを低減させながら、地震等に対する強度を確保して坑道式加熱発電施設を安定化させている。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明による坑道式加熱発電施設は、地山に形成した水平部と水平部に継続する垂直を含む傾斜部から成る開放坑道と、開放坑道の適宜位置に設置される加熱風力装置及び加熱風力装置からの風力で稼働する風力発電機から構成し、加熱風力装置と風力発電機の設置される開放坑道部に一端を連通し他端を外部に開放する補助坑道を備えている。
以下に、本発明による坑道式加熱発電施設の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の坑道式加熱発電施設を山岳地域の地山に形成した実施の形態の概要断面図であり、坑道式加熱発電施設1は、横坑2と縦坑3とから成るL型坑道4の中に加熱風力装置5及び風力発電機6から構成されている。そして、7は空気圧送機であり、加熱風力装置5に供給する空気量を多くして加熱風力装置5の出力を増大させるのに貢献している。
【0023】
尚、本実施の形態では坑道4を横坑2と縦坑3とから成るL型に形成しているが、本発明の坑道式加熱発電施設における坑道は、この形態に限定されるものでなく、縦坑の傾斜角設定、縦坑の湾曲形態及び縦坑を補足的に追随させる等の他の形態も随意に選択できるものである。
【0024】
風力発電機6は、本実施例では横坑2と縦坑3の両側に設置されているが、一方側に設置されても良く、加熱風力装置5は、坑道内に上昇気流を発生させる都合上、縦孔3内の空気を直接加熱するよう構成しているが、縦坑3内の空気を縦坑3以外の坑道等に設けた加熱風力装置5によって間接的に加熱してもよい。
【0025】
又、坑道4の上端部を山岳の頂上部或いは山岳の斜面に位置させるように地山から突出する筒状通路を形成しておくと、山頂部を吹き抜ける風或いは山の斜面に沿って吹き上げ・吹き下ろす風の作用によって坑道内の空気を屋外に吸引する力が発生し、加熱によって発生した上昇気流を増速させる相乗効果も期待できる。
【0026】
さらに、縦坑3の加熱風力装置5と風力発電機6が設置されている開放坑道部8には、一端9を開放坑道部8に連通して他端10を外部11に開放している補助坑道12を備えており、施設の設置作業や坑道式加熱発電施設1のメンテナンスを容易にしている。
【0027】
風力発電機6は、複数個を設置することで発電量の増強を図っているが、この風力発電機6に替えて加熱風力装置5を設ける場合には、上昇気流を増長させて風力発電機6の発電効率向上させることも可能である。
【0028】
尚、この坑道内10は、屋外の任意な地山から開放坑道部8に向けて掘削形成できるので、建物内に上昇気流を発生させる筒状通路を設ける場合に比べて、風力発電機6や加熱風力装置5の設置位置を任意に設定できるなどの自由度が高い。
【0029】
従って、本発明による坑道式加熱発電施設は、山岳地域の地山に形成したL型坑道中に構築することで、加熱によって加速される風力で発電機の駆動力を増強して発電効率の向上と発電量の増大を図ると同時に、台風、地震等に対しても施設の安定した強度を確保すると共に、環境問題の解消と景観維持を図っている。
【0030】
本実施の形態における加熱風力装置5と風力発電機6は、再公表特許第WO01/014703号公報に記載されている発電システムである。
同公報に記載されている本発電システム20は、立て坑21の中部に、イオンバーナー22と放電電極23と粒子加速器24を備えている加熱炉25を加熱風力装置5として装着している。
【0031】
加熱炉25の下端には、気体流入口26が形成されており、その内部に風力発電機6を構成する軸流ファン27が配備されている。又、加熱炉25の上端には、気体流出口28が形成されており、所定の間隔をおいて同様の風力発電機6が配備されている。軸流ファン27の回転軸29には、発電機30、31の回転軸32が夫々連結されている。
【0032】
加熱炉25では、イオンバーナー22と放電電極23及び粒子加速器24の全部又は一部を作動させることで、内部の温度及びイオン濃度を上昇させて人工的な上昇渦気流を発生させている。この上昇渦気流によって、下端内部の軸流ファン27と加熱炉25から上方に配置されている風力発電機6、6、6を回転させており、その回転力によって軸流ファンに連結されている発電機30、31を駆動して発電を行っている。
【0033】
本実施の形態でのイオンバーナー22は、約100万KCの発熱量を形成していおり、耐火性骨材とアルミナセメント又はリン酸等の水硬剤を混合して構成する耐火材を使用した加熱炉25の周壁に等間隔で3基設置している。
【0034】
3基のイオンバーナー22は、供給される燃料を高速の空気と約15Kの高圧空気で0.01μ以下の微粒子状に煙霧化して、これをイオン火炎13にして加熱炉25内に噴射している。イオンバーナー22の先端は、加熱炉25の中心に向けて配置しており、各イオンバーナー22から発生するイオン火炎13から5m/sの爆発的な燃焼によって発生する高燃焼音を互いに衝突させることで、音波の打ち消し作用や音波の衝突によって生じるドップラー効果によって減音している。
【0035】
又、イオン火炎は、光活性物質に磁性体を配合した組成物を酸化雰囲気中で結晶化させて製造した火炎接触電離材に炭化水素火炎を触れさせることで、 炭素イオン、本素イオン、鉄イオン等の陽イオンと酸素イオンの陰イオンとを多数含んでいるが、内部のイオンを振動させると共に陽イオンと陰イオンを加速することで、他の粒子に弾性衝突させながら陽イ才ン及び陰イオンの数を更に増大させている。
【0036】
従って、本実施の形態で示す坑道式加熱発電施設では、従来の火力発電施設に比べると少ない燃料で充分な電力を発電しながら、二酸化炭素の発生量も抑制している。又、原子力発電施設のように放射能等の危険物質が漏洩する危険性が無く、使用済み燃料の処理問題も発生せず、水力発電施設のようにダムの建設も必要ない効能を発揮している。
【0037】
尚、加熱風力装置5は、上記実施の形態で説明した本発電システムに限定されるものでなく、この他にも火力タービンやコ・ゼネレーション等に代表されるような加熱気流を発生できる装置であれば、適宜に採用できるものである。
【0038】
以上のように、本発明による坑道式加熱発電施設は、地山に形成した開放坑道中に構築されるので、加熱によって加速された風力で発電機の駆動力を増強して発電効率を向上させると同時に、長さに制限のない長大な坑道を上昇気流の通路に適用し、この通路に多数の発電装置6又は加熱風力装置5を設けることによって発電量の増大を図り、また、施設の主要部を地中に構築することで、台風、地震等に対しても施設の安定した強度を確保すると共に環境問題の解消と景観維持を図っている。
【0039】
次に、本発明による坑道式加熱発電施設の施工法について説明する。
本発明の坑道式加熱発電施設の施工法は、地山に少なくとも垂直を含む傾斜坑道を全方位TBMによる連続施工によって掘削して形成すると共に、坑道を含む地中空間と地中空間に連通して外部に開放される補助坑道を地山に形成しており、しかる後に地中空間に加熱風力装置と風力発電機を設置している。
【0040】
これによって、本発明の坑道式加熱発電施設の施工法は、垂直を含む傾斜坑道を連続施工で簡易に掘削することでコストを低減させながら、地震等に対する強度を確保して施設を安定化させている。
以下に、本発明による坑道式加熱発電施設の施工法に関する実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0041】
本発明の坑道式加熱発電施設を施工するためには、坑道を掘削する通常の工法で掘削することが可能である。しかしながら、本発明の坑道式加熱発電施設のように垂直を含む傾斜坑道を掘削する場合には、以下に説明する全方位TBMが最適である。
【0042】
本全方位TBMは、本件出願人が既に出願している特願2002−146848号に添付している明細書に詳細に記載されているものであり、下記の実施の形態で示すように構成されている。
【0043】
本実施の形態に採用する全方位TBMは、図2〜5においてその基本構造と稼働状態を説明している。
【0044】
本実施の形態に採用する全方位TBM33は、図2に示すように後続台34と掘削機本体35とから構成されている。
【0045】
掘削機本体35は、角筒状胴体36の中間部外周面に内周面を円形面に形成した矩形枠体37を一体に固着しており、この矩形枠体37の外周四方の平坦面に装着される複数本のジャッキ38A、38Bによって径方向に伸縮するグリッパ39を配設すると共に角筒状胴体36の先端側にカッタヘッド40を回転自在に配設している。
【0046】
グリッパは、掘削機本体1の軸心に直交する軸回りに回動自在に装着される一組のグリッパ39Aと掘削機本体1の直径方向に対向する一組のグリッパ39Bから成り、矩形枠体37の互いに平行な面にそれぞれ回動不能に装着されている。
【0047】
ジャッキ38Aは、その伸長によって掘削機本体35を掘進させるものであり、ジャッキ38Bは、その伸長によってグリッパ39を掘削壁面に圧着させることで掘削機本体1が必要以上に下動するのを阻止するように構成している。
【0048】
尚、グリッパ39は、その外周面を凸円弧状に形成させて掘削壁面に全面的に圧着できるように構成すると共に、掘削機本体1を垂直状態から水平状態にまで回動させる際にカッタヘッド40との衝突を避けるように、掘削機本体35が向きを変える側の一部を取外し可能な干渉部を形成している。
【0049】
又、カッタヘッド40は、外周端に向かって後方に傾斜した逆載頭円錐形状に形成されると共に掘削面に多数のローラピツト41を突設してあり、周方向に所定間隔のズリ取込み開口部42を設けると共に、ズリ取込み開口部42の回転方向に面している側端縁に掘削ズリを機内に取り込むためのスクレーパ43を取付けている。
【0050】
後続台34は、掘削機本体35と切り離し可能に連結してあり、その中心部に角筒状胴体36と同様の筒状支柱体を一体に設けていて、機内に取り込まれた掘削ズリを角筒状胴体36に内蔵されたバケットコンベア等によって上方に搬出している。
【0051】
後続台34は、その高さを坑道の掘削径より短い長さ、高さに形成されており、掘削壁面に覆工コンクリートを施工するための設備と各種の油圧設備及びロックボルト打設装置、覆工コンクリート吹付装置等が配設することで、掘削壁面への一次覆工等の作業を実施できるように構成されている。
【0052】
次ぎに示す図3は、本実施の形態に採用する全方位TBM33によって、立坑と横坑を掘削していく工程を説明している。
【0053】
本工程では、掘削機本体35の四方に配設しているグリッパ39をジャッキ38A、39Bによって掘削壁面に圧着させることによって掘削壁面に推進反力をとると共に、全方位TBM33と後続台34とを支持させ、矩形枠体37から斜め上方に傾斜しているジャッキ38Aを伸長させることによって、トンネル掘削機Aを垂直方向の下方に推進させながら、カッタヘッド40の回転によって切羽の岩盤を掘削する。
【0054】
後続台34と一体の全方位TBM33が、下方に掘進して所定の深さまで立坑3を掘削するためには、所定の深さに達する手前の位置で、図示のように後続台34を掘削壁面或いは地上のクレーンにワイヤロープ44によって吊り下げた状態で支持し、しかる後に、全方位TBM33を所定深さまで掘進させることによって後続台34を掘削機本体35から切り離すと共に、掘削機本体35のジャッキ38Bを伸長させることによって僅かに後退させることで切羽面から離間させる。
【0055】
図4は、掘削機本体の方向を転換して水平方向に90度向きを変える作動状態を説明するためのものである。
【0056】
本作動状態は、一方組のグリッパ39Aを掘削壁面に圧着させながら、他方組のグリツパ39Bをジャッキ38A、38Bを最大限まで縮径させて、カツタヘツド40を回転させると共にグリッパ39Aを支点にして回動させて、掘削機本体35を垂直状態から一側方に徐々に向きを変えながらカツタヘツド40で立坑3の掘削側壁面を切り崩して行き、掘削機本体35が90度向きを変えるという、図示を省略した工程を経ている。
【0057】
この状態では、収縮している他方組のグリツパ39Bが掘削機本体35と一体にその向きを変えて次に掘削する横坑2の掘削壁面の周方向に向けた状態になるが、図示していない立坑2の底部掘削壁面に圧着している一方組のグリッパ39Aは、掘削機本体35が水平方向に向きを変えても立坑3の掘削に適した状態を保持する。
【0058】
次いで、これらのグリッパ39Aを元の形状に復旧した後に、グリッパ39Aを掘削壁面に均一を押し付けた状態で、カッタヘッド40を回転させながらジャッキ38A、38Bを作動させることによって全方位TBM33を水平方向に掘進させて横坑2を掘削する。
【0059】
図5は、立坑から横坑に全方位TBMを方向転換させてから横坑を掘削していく状態を示している。
【0060】
横坑2が、20〜30m程度掘削された後に横坑2の内底面にレール45を敷設してから、立坑3の掘削壁面に吊り下げ支持しておいた後続台34を適宜に分割してレール45上に走行自在に順次配設し、掘削機本体35に直列状に接続する。後続台車34には、油圧機器や覆工用設備等の各種設備を配設しており、これらを使用しながら全方位TBM33を掘進させて所定長さの横坑2を掘削する。
【0061】
以上の実施の形態においては、立坑3から横坑2に至る屈曲部の連続掘削方法について説明したが、本実施の形態における全方位TBMは、立坑3や横坑2に限らず、掘削中の坑道からこの坑道に対して急角度で以て垂直を含む任意の方向に傾斜する坑道を連続掘削する場合においても実施し得るものであって、工期を従来工法に比べて工期を短縮することや施工に要する総合コストを低減することを可能にしている。
【0062】
以上のように、本実施の形態における全方位TBMは、上記坑道式加熱発電施設に適した坑道を低コストで効率良く容易に掘削できるものであり、必要な場合には、主たる坑道に連通して外部に開放される補助坑道をも施工できるものである。これによって、坑道と補助坑道とが結合している位置には、地中空間を任意に形成することが可能であり、上述したように立て坑3に一端9を連通させて他端10を外部11に開放している補助坑道12をも地山に形成できると共に、開放坑道部8の構築も容易である。
【0063】
従って、本発明による坑道式加熱発電施設の施工法は、上記実施の形態で詳細に説明した、地山に少なくとも垂直を含む傾斜坑道を全方位TBMによる連続施工によって掘削して形成すると共に、坑道を含む地中空間と地中空間に連通して外部に開放される補助坑道を地山に形成することで、垂直を含む傾斜坑道を連続施工で簡易に掘削してコストを低減させながら、地震等に対する強度を確保して坑道式加熱発電施設を安定化させている。
【0064】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による坑道式加熱発電施設とその施工法は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、坑道の形状や傾斜角、加熱風力装置及び風力発電機等の具体的な形態において、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において出願時における既に公知のものを適用することで種々の変更が可能であることは、当然のことである。
【0065】
【発明の効果】
請求項1に記載の坑道式加熱発電施設は、地山に形成した水平部と水平部に継続する垂直を含む傾斜部から成る開放坑道と、開放坑道の適宜位置に設置される加熱風力装置及び加熱風力装置からの風力で稼働する風力発電機から構成しているので、加熱で加速された風力で発電機の駆動力を増強して発電効率向上させると同時に、屋外の高層建築物内に上昇気流用通路を形成する場合のような通路長さの制限なくして長大な通路を確保でき、発電装置の設置場所や設置個数に制限をなくしているので、一つの通路から得られる発電量を大幅に増大できる。さらに、地山に形成した坑道を上昇気流用の通路とするので台風、地震等に対しても施設の安定した強度を確保すると共に、通路が地山に埋設されることから施設の大半が屋外に露出することがなく現状の景観を維持できるだけでなく、高層建物周辺に発生するビル風等の環境問題の解消も兼ね備える効果を発揮している。
【0066】
請求項2に記載の坑道式加熱発電施設は、請求項1に記載の坑道式加熱発電施設において、加熱風力装置と風力発電機の設置される開放坑道部が、一端を連通し他端を外部に開放する補助坑道を備えることを特徴としているので、上記効果に加えて、地山に設けた長大な垂直を含む傾斜部から成る開放坑道に連ねる補助坑道を通じて開放坑道内に設けた加熱風力装置や風力発電機のメンテナンスを容易にし、補助坑道を屋外の任意な箇所から開放坑道部に向けて掘削形成できることで高層建物内に上昇気流用の通路を設ける場合に比べて、風力発電機や加熱風力装置の設置箇所を任意に設定できて設計上の自由度を増す効果を発揮している。
【0067】
又、本発明による坑道式加熱発電施設の施工法は、上記坑道式風力発電施設の施工法であって、地山に少なくとも垂直を含む傾斜坑道を形成して、坑道を含む地中空間と地中空間に連通して外部に開放される補助坑道を地山に形成し、しかる後に地中空間に加熱風力装置と風力発電機を設置しており、垂直を含む傾斜坑道を全方位TBMによる連続施工によって掘削することを特徴としているので、地山に少なくとも垂直を含む傾斜坑道を全方位TBMによる連続施工によって掘削して形成すると共に、坑道を含む地中空間と地中空間に連通して外部に開放される補助坑道を地山に形成することで、垂直を含む傾斜坑道を連続施工で簡易に掘削してコストを低減させながら、地震等に対する強度を確保して坑道式加熱発電施設を安定化させる効果を発揮している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の坑道式加熱発電施設を山岳地域の地山に形成した実施形態の概要断面図
【図2】本発明の坑道式加熱発電施設の施工法に採用する全方位TBMの実施の形態を示す断面図
【図3】全方位TBMの方向変換を説明する実施の形態を示す断面図
【図4】全方位TBMの方向変換を説明する工程の実施の形態を示す断面図
【図5】全方位TBMの方向変換を説明する工程の実施の形態を示す断面図
【図6】従来の加熱発電システム
【符号の説明】
1 坑道式加熱発電施設、 2 横坑、 3 立坑、 4 L型坑道、
5 加熱風力装置、 6 風力発電機、 7 空気圧送機、
8 開放坑道部、 9 一端、 10 他端、 11 外部、
12 補助坑道、 13 イオン火災、 20 発電システム、
21 立て坑、 22 イオンバーナー、 23 放電電極、
24 粒子加速器、 25 加熱炉、 26 気体流入口、
27 軸流ファン、 28 気体流出口、 29 回転軸、
30、31 発電機、 32 回転軸、 33 全方位TBM、
34 後続台、 35 掘削機本体、 36 角筒状胴体、
37 矩形枠体、 38A、B ジャッキ、 39A、Bグリッパ、
40 カッタヘッド、 41 ローラピット、 42 ズリ取り込み開口部、
43 スクレーパ、 44 ワイヤロープ、 45 レール、
50 発電システム、 51 気体流入口、 52 気体流出口、
53 通路、 54 イオンバーナー、 55 加熱炉、
56 軸流ファン、 57 発電機、 58 上昇渦気流、

Claims (4)

  1. 地山に形成した水平部と該水平部に継続する垂直を含む傾斜部から成る開放坑道、該開放坑道の適宜位置に設置される加熱風力装置及び該加熱風力装置からの風力で稼働する風力発電機から構成される坑道式加熱発電施設。
  2. 加熱風力装置と風力発電機の設置される開放坑道部が、一端を連通し他端を外部に開放する補助坑道を備えることを特徴とする請求項1に記載の坑道式加熱発電施設。
  3. 請求項1又は2に記載の坑道式風力発電施設の施工法であって、地山に少なくとも垂直を含む傾斜坑道を形成して、該坑道を含む地中空間と該地中空間に連通して外部に開放される補助坑道を地山に形成し、しかる後に該地中空間に加熱風力装置と風力発電機を設置する坑道式加熱発電施設の施工法。
  4. 垂直を含む傾斜坑道が、全方位TBMによる連続施工によって掘削されることを特徴とする請求項3に記載の坑道式加熱発電施設の施工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102220944A (zh) * 2010-04-16 2011-10-19 辽宁中科天道新能源装备工业有限公司 一种低温型风力发电机组的热风循环结构及其使用方法
KR101237301B1 (ko) 2010-11-09 2013-02-27 이경균 갱도를 이용한 발전 시스템
CN103061773A (zh) * 2013-01-24 2013-04-24 北京市市政工程设计研究总院 设有出碴运输设备的上下分离式暗挖车站施工通道结构及施工方法
JP2013104212A (ja) * 2011-11-14 2013-05-30 Fujita Corp 施工中トンネルの発電方法および施工中トンネルの発電システム

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