JP2005002239A - 粘着テープ用基材および粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明が解決しようとする課題は、均一拡張性に優れており、適度な引張強度を有し、柔軟性、透明性を有する粘着シート基材、粘着テープ用基材および粘着シートの提供を目的とする。
【解決手段】粘着シート基材は、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の水素添加された共役ジエン化合部を主体とする重合体ブロックとからなる水添ブロック共重合体を10〜50重量%、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)70〜50重量%と酢酸ビニル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、及び(エチルアクリレート−無水マレイン酸)から選ばれる1種以上の単量体を12%以上含有するポリエチレン系共重合体(3)30〜50重量%からなるポリエチレン系樹脂混合物90〜50重量%とからなる。
【選択図】なし
【解決手段】粘着シート基材は、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1個の水素添加された共役ジエン化合部を主体とする重合体ブロックとからなる水添ブロック共重合体を10〜50重量%、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)70〜50重量%と酢酸ビニル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、及び(エチルアクリレート−無水マレイン酸)から選ばれる1種以上の単量体を12%以上含有するポリエチレン系共重合体(3)30〜50重量%からなるポリエチレン系樹脂混合物90〜50重量%とからなる。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイシングテープ、表面保護フィルム、マスキングフィルム、テーブルクロス、建築基材フィルム、ストレッチフィルム、医療用テープ原反に用いることができる粘着テープ用基材及び粘着シートに関する。特に、均一延伸性に優れており、半導体ウエハをダイシングによりチップ化する際に、ウエハを粘着固定し使用するダイシングテープ用基材及びダイシングテープとして好適に使用される粘着テープ用基材及び粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平6−927号公報
【特許文献2】
特開平7−300548号公報
【0003】
シリコン等の半導体ウエハは、大径の状態で製造され、その後、小片にダイシングされ、更にマウント工程に移される。この際、半導体ウエハは粘着シートに貼付され保持された状態でダイシング、洗浄、エキスパンド、ピックアップ、マウントの各工程が施される。前記粘着シートとしては、プラスチックフィルムからなる基材上に粘着剤が塗布されてなるものが用いられている。
【0004】
前記ダイシング工程においては、回転する丸刃によってウエハの切断が行われるが、かかるウエハの切断は、ウエハを保持する粘着シートの内部まで切り込みを行なう切断方法が主流となってきている。このダイシング工程に用いられるダイシングフィルム基材の性能としては、均一な延伸性を有すると共に、その延伸性が優れていることが要求される。すなわち、ダイシングフィルムの均一延伸性が優れていると、フィルムを延伸させた場合に、各チップ間に均等な隙間を形成することができ、したがって、チップのピックアップの作業性が極めて良好なものとなる。
【0005】
そのような性能を有するフィルムとして、塩化ビニル系樹脂フィルムを基材に使用したダイシングフィルムが提案されているが、該ダイシング用フィルムは、塩化ビニル系樹脂フィルムを使用していることから、塩素イオンによるウエハの腐食、汚染、更に廃棄燃焼時の有害ガスの発生等の問題がある。さらに柔軟性をもたせるため、フィルム中に大量の可塑剤が含まれており、該可塑剤がウエハに移行してウエハを汚染したり、粘着剤に移行して粘着力を低下させ、ダイシング時にチップが飛散したりする問題があった。
【0006】
一方、塩化ビニル系樹脂フィルムに代わる軟質のフィルム基材として、焼却時に有害ガスを発生することの無いポリオレフィン系フィルム基材として、ポリプロピレン、ポリエチレン、などが挙げられる。
【0007】
しかし、従来のポリオレフィン系フィルム基材では、軟質ポリ塩化ビニルフィルムに比べると多くの点で問題があった。例えば、ポリプロピレンを主体とするフィルムは結晶性が高く、柔軟性、延伸性に劣るなどの課題があり、又、ポリエチレンを主体とするフィルムでも、その機械的強度に課題があった。そこで、これら課題の改善のため、各種のオレフィン系材料を組合せたブレンド組成物からなるフィルムや積層フィルムなどが提案されている。
【0008】
特許文献1には、プロピレン及び/又はブテン−1の含有率が50重量%以上の非晶性ポリオレフィンを主成分とする樹脂組成物からなる層とポリエチレンからなる層とから構成された積層フィルムが提案されている。しかし、この積層フィルムは繰返し折り曲げられた場合や、延伸された場合、非晶性ポリオレフィンを主成分とする層とポリエチレン層とが界面で容易に剥離することがある。又、軟質のポリ塩化ビニルフィルムに比べて、均一な延伸性は不十分であった。
【0009】
さらに、特許文献2では、ポリブテン成分、ポリプロピレン成分及びプロピレン−エチレンランダム共重合体を含むブロック共重合体からなるフィルムが開示されている。又、ポリプロピレンにスチレン・エチレン・ブチレン・スチレンやエチレンプロピレンゴムなどの熱可塑性エラストマーをブレンドして、柔軟性を賦与したフィルムの提案もある。これらのフィルムは柔軟性が改善されているが、ポリプロピレンとブレンドされる材料との相溶性の関係から透明性が不十分であったり、軟質のポリ塩化ビニルフィルムに比べると、やはり引伸ばされた際の均一な延伸性では不十分であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、均一拡張性に優れており、適度な引張強度を有し、柔軟性、透明性を有する粘着テープ用基材および粘着テープの提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明1記載の粘着テープ用基材は、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の水素添加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなる共重合体を水添して得られる水添ブロック共重合体(1)10〜50重量%、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)70〜50重量%と酢酸ビニル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、及び(エチルアクリレート−無水マレイン酸)から選ばれる1種以上の単量体を12%以上含有するポリエチレン系共重合体(3)30〜50重量%からなるポリエチレン系樹脂混合物90〜50重量%とからなる。
【0012】
かかる構成要素を有するテープ基材とすることにより、例えば、半導体ウエハを貼付し、カットを行った後フィルムを延伸し、その切断したチップを取り出すのに充分なフィルムの抗張力が得られ。その伸び率も適度な範囲にある。
【0013】
本発明で用いられる水添ブロック共重合体(1)は、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなるブロック共重合体であり、水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有する。
例えば、A−B−A、B−A−B−A、B−A−B−A−B、(A−B)4 −Si、(B−A−B)4 −Si、(A−B)4 −Sn、(B−A−B)4 −Sn等の構造を有する。(A、BはそれぞれブロックA、ブロックBを表す。)
【0014】
柔軟性、加工性に優れ、且つ異方性の少ない成形物を得るために特に好適な水添ブロック共重合体の構造は、少なくとも一つの重合末端に共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを有するブロック共重合体を水素添加して得られる構造であり、例えば、B−A−B−A、B−A−B−A−B、(B−A−B)4 −Si、(B−A−B)3 (A−B)−Si、(B−A−B)2 (A−B)2 −Si、(B−A−B)(A−B)3 −Si、(B−A−B)3 −Si−R、(B−A−B)2 −Si−R、R´、(B−A−B)4 −Sn、(B−A−B)2 −Sn−R、R´等の構造を有する水添ブロック共重合体である(但し、式中R、R´はC1 〜C8 のアルキル基でR、R´は同一でも異なっていてもよい)。 特に、本発明2に示したように、B−A−B−Aが良好である。
【0015】
また、これらのビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにおけるビニル芳香族化合物または共役ジエン化合物の分布がランダムまたはテーパード(分子鎖にそってモノマー成分が増加または減少するもの)または一部ブロック状またはこれらの任意の組み合わせであってもよく、また重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であってもよく、異なる構造であってもよい。本明細書中で使用される「主体とする」という表現は、該当モノマー単位が重合体ブロックの少なくとも50重量%以上、好ましくは70%以上を占めることを意味する。
【0016】
本発明で用いる水添ブロック共重合体(1)を構成するビニル芳香族化合物はその結合スチレン量が8〜40重量%であり、スチレン以外のビニル芳香族化合物としては、例えば、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第三ブチルスチレンなどのうちから1種または2種以上が選択できる。
【0017】
また共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選択でき、中でもブタジエン、イソプレン及びこれらの組合せが好ましく、本発明2で示したように、ブタジエンが特に好ましい。そして、水素添加される前の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、そのブロックにおける構造を任意に選ぶことができ、例えば、ポリブタジエンブロックの場合においては、1,2−ビニル結合構造が20〜50重量%、好ましくは25〜45重量%であり、ポリイソプレンブロックにおいては1,4−ビニル結合が80重量%以上、好ましくは90重量%以上である。
【0018】
本発明において水添ブロック共重合体の数平均分子量は、5000〜1000000、好ましくは、10000〜800000、更に好ましくは30000〜300000の範囲であり、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量との比)は10以下である。さらに、水添ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状、あるいはこれらの任意の組み合わせのいずれかであってもよい。水添ブロック共重合体の数平均分子量がこれ未満では組成物の強度、耐熱性が低下し、また組成物の溶融粘度が低下し、成形時にドローダウンが起こるので好ましくない。一方、水添ブロック共重合体の数平均分子量がこれを超えると組成物の溶融伸びが低下するので好ましくない。
【0019】
これらのブロック共重合体は、上記した構造を有するものであれば、その製造方法を制限するものではなく、例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中でビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成することができる。
【0020】
また、より好ましい性能を発揮するビニル芳香族化合物−水素添加された共役ジエン化合物ブロック共重合体の製造方法としては、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報に記載された方法で良いが、特に高度の耐侯性や耐熱老化性を求められる用途にあっては、チタン系水添触媒の使用が推奨され、例えば、特開昭60−220147号公報、特開昭61−33132号公報あるいは特開昭62−207303号公報の方法が挙げられる。その際の共役ジエン化合物に由来する脂肪族二重結合は、少なくとも80%、好ましくは90%以上が水素添加され、一方ビニル芳香族化合物の20%未満、好ましくは10%未満が水素添加されるように選択される。上記水素添加ブロック共重合体の水素添加率については、赤外線分光分析や核磁気共鳴分析により容易に知ることができる。
【0021】
本発明で用いられる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)としては、公知の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂やメタロセン触媒で製造されたポリエチレン系樹脂があげられる。
【0022】
上記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としては、一般的にエチレンとα−オレフィン共重合体が挙げられる。α−オレフィンとしては特に限定されず、プロピレン、1−ヘキセン、4−メチルー1−ペンテン、1−ヘプレン等が挙げられ、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンが好ましい。上記エチレン―α―オレフィン共重合体中におけるエチレン成分は、多いと、加工性が低下したり、得られる基材フィルムにブロッキングが生じやすくなり、又、少ないと、得られる基材フィルムの強度が低下するので、90〜99重量%の範囲が好ましい。
【0023】
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の密度は、0.895〜0.95g/cm3、かつ190℃におけるMFRが2〜9であるのが好ましく、更に好ましくは密度が0.89〜0.93g/cm3、である。上記の密度やMFRの範囲を外れると、均一な延伸性をもつフィルム基材を製造することが難しくなる。
【0024】
上記メタロセン触媒で製造されたポリエチレン系樹脂は公知の製造法により得ることができる。例えば、エチレンやα−オレフィンを原料モノマーとして、メタロセン化合物と有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せからなる触媒系を用い、不活性ガス中での流動床式気相重合あるいは攪拌式気相重合、不活性溶媒中でのスラリー重合、モノマーを溶媒とするバルク重合などで製造される。
【0025】
本発明のメタロセン触媒としては、メタロセン化合物と有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せが用いられる。メタロセン化合物の具体例としては、ジメチルシリル(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリル(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライドなどのケイ素架橋型メタロセン化合物、エチレンビスインデニルジルコニウムジクロライド、エチレンビスインデニルハフニウムジクロライドなどのインデニル系架橋型メタロセン化合物などを挙げることができる。
【0026】
又、有機アルミニウム化合物としては、一般式、(−Al(R)O−)nで示される直鎖状、あるいは環状重合体(Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子及び/又はRO基で置換されたものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である)であり、具体例としてメチルアルモキサン、エチルアルモキサン、イソブチルエチルアルモキサンなどが挙げられる。又、その他の有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲノアルミニウムなどが挙げられる。
【0027】
イオン性化合物としては、一般式、C+・A−で示され、C+は有機化合物、有機金属化合物、あるいは無機化合物の酸化性のカチオン、又はルイス塩基とプロトンからなるブレンステッド酸であり、メタロセン配位子のアニオンと反応してメタロセンのカチオンを生成することができる。それらの具体例としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンとトリフェニルカルボニウムカチオンあるいはジアルキルアニリニウムカチオンとのイオン化合物がある。
【0028】
さらに、本発明で用いられるポリエチレン系樹脂混合物は、上記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)70〜50重量%、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、及び(エチルアクリレート−無水マレイン酸)から選ばれる1種以上の単量体を12%以上含有するポリエチレン系共重合体(3)30〜50重量%からなる。
【0029】
ポリエチレン系共重合体(3)がこの範囲より多い場合、目的とする効果を得ることが難しく、目的とする柔軟性と引っ張り物性を得ることができない。
【0030】
本発明の粘着テープ用基材は、水添ブロック共重合体(1)10〜50重量%と、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)70〜50重量%、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、及び(エチルアクリレート−無水マレイン酸)から選ばれる1種以上の単量体を12%以上含有するポリエチレン系共重合体(3)30〜50重量%からなるポリエチレン系樹脂混合物90〜50重量%とからなる。
【0031】
上記水添ブロック共重合体(1)の配合量が多い場合、製膜性が著しく悪化し均一な基材フィルムが得られない。
【0032】
又、本発明の粘着テープ用基材には、必要に応じて、本発明の特性を阻害しない範囲で、公知の添加剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素補足剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、防曇剤、離型剤、顔料、有機物充填材、無機物充填材、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性剤、汚染防止材、抗菌剤やその他の樹脂、熱可塑性エラストマーなどを発明の効果が損なわれない範囲で添加することができる。
【0033】
本発明における粘着テープ用基材フィルムは、半導体ウエハをダイシングする際に、ウエハを粘着固定するダイシングフィルムとして好適に使用されるフィルムであり、その積層フィルムの厚さについては特に限定されるものではないが、上記ダイシング用途を想定した場合には、一般的には、0.05〜0.5mm程度、好ましくは、0.08〜0.3mmである。フィルムの厚さが厚すぎると、引っ張り応力が大きくなり、フィルムを伸ばすのに、大きな力が必要となる傾向があり、薄すぎると、引っ張り強度が小さくなり、破れやすくなる傾向がある。
【0034】
本発明が提供する粘着テープ基材の成形方法としては、好ましくは、製造工程が簡略である共押出法や、カレンダー法、共押出インフレーション法を使用して成形するのがよい。
【0035】
本発明が提供するダイシング用フィルム基材にあっては、少なくとも一方の表層を梨地調にエンボス加工しておくこともできる。本発明によるダイシングフィルム基材は、チップがダイシングされた後エキスパンダーリングに押し当てられて延伸される。その際、フィルムとエキスパンダーリングとの滑りにより、フィルムが局部的に延伸されることが生じる場合もあるため、本発明のフィルムにあっては、一方の表面を梨地エンボス加工することにより、エキスパンダーリングとの滑りを均一にさせることが可能である。
【0036】
本発明4記載の粘着シートは、請求項1、2、3のいずれか1項に記載の粘着テープ用基材に、粘着剤層が設けられたことを特徴とする。
【0037】
該粘着剤層は、公知もしくは慣用の粘着剤を使用することができ、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系等の各種の粘着剤が用いられる。
【0038】
上記粘着剤としてはアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤のベースポリマーであるアクリル系ポリマーは、通常、(メタ)アクリル酸アルキルエステル以降(メタ)とは同様の意味である。}の重合体又は共重合性モノマーとの共重合体が用いられる。アクリル系ポリマーの主モノマーとしては、そのホモポリマーのガラス転移温度が−50℃以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとはアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルを意味する。
【0039】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキルエステルとしては、たとえば、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、オクチルエステル、イソノニルエステル等があげられる。また、前記共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(例えば、ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシブチルエステル、ヒドロキシヘキシルエステル等)、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート等)、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどが挙げられる。
【0040】
また、粘着剤としては、紫外線、電子線等により硬化する放射線硬化型粘着剤や加熱発泡型粘着剤を用いることもできる。さらには、ダイシング・ダイボンド兼用可能な粘着剤であってもよい。本発明のダイシング用粘着テープにおいては、放射線硬化型粘着剤、特に紫外線硬化型粘着剤を用いることが好ましい。
【0041】
なお、粘着剤として放射線硬化型粘着剤を用いる場合には、ダイシング工程の前又は後に粘着剤層に放射線が照射されるため、前記基材フィルムは十分な放射線透過性を有しているものが好ましい。
【0042】
上記放射線硬化型粘着剤は、例えば、前記ベースポリマー(アクリル系ポリマー)と、放射線硬化成分を含有してなる。放射線硬化成分は、分子中に炭素−炭素二重結合を有し、ラジカル重合により硬化可能なモノマー、オリゴマーまたはポリマーを特に制限なく使用できる。放射線硬化成分としては、たとえば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ−ト、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物;エステルアクリレートオリゴマー;2−プロペニルジ−3−ブテニルシアヌレート、2−ヒドロキシエチルビス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート又はイソシアヌレート化合物などがあげられる。
【0043】
また、放射線硬化型粘着剤は、ベースポリマー(アクリル系ポリマー)として、ポリマー側鎖に炭素−炭素二重結合を有する放射線硬化型ポリマーを使用することもでき、この場合においては、特に上記放射線硬化成分を加える必要はない。
【0044】
放射線硬化型粘着剤を紫外線により硬化させる場合には、光重合開始剤が必要であり、放射線硬化型粘着剤には、さらには必要に応じて、架橋剤、粘着付与剤、充填剤、老化防止剤、着色剤等の慣用の添加剤を含有させることができる。
【0045】
前記重合開始剤としてはベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類;ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどの芳香族ケトン類;ベンジルジメチルケタールなどの芳香族ケタール類;ポリビニルベンゾフェノン;クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン類などが挙げられる。前記架橋剤には、例えば、ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、アジリジン化合物、エポキシ樹脂、無水化合物、ポリアミン、カルボキシルキ含有ポリノマーなどがあげられる。
【0046】
粘着剤層の厚さは、粘着剤の種類により適宜に決定することができるが、通常は1〜100μm、好ましくは3〜50μm程度である。
【0047】
粘着剤層塗工の際に、セパレータを用いることがある。このセパレータは、ラベル加工のため、または粘着剤層を平滑にする目的のために、必要に応じて設けられる。セパレータの構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等があげられる。セパレータの表面には、粘着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理な剥離処理が施されていても良い。セパレータの厚みは、通常10〜200μm、好ましくは25〜100μm程度である。
【0048】
【実施例】以下に本発明を具体的実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、以下にあげる実施例に限定されるものではない。
(実施例1、比較例1,2,3)
水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン量30重量%、水添前のポリブタジエン部の1,2結合が43%、水添率98%の水添ブロック共重合体と、エチレン−酢酸ビニル共重合体 631(酢酸ビニル含有量20%、東ソー社製)と密度0.923、MFR3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂とからなるポリエチレン系樹脂組成物を用い、Tダイを取り付けた押出機で押出して片面にコロナ処理を施した厚み100μmのフィルムに製膜した。
【0049】
上記フィルムを粘着テープ基材として、粘着剤として、アクリル酸ブチル95重量部及びアクリル酸5重量部を酢酸エチル中で常法により共重合させて得られた重量平均分子量80万のアクリル系共重合体を含有する溶液に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「カヤラッドDPHA」、日本化薬株式会社製)60重量部、ラジカル重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャルティーケミカルズ製)3重量部、ポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン製)5重量部を加えて、アクリル系紫外線硬化型粘着剤溶液を調製し、該粘着剤溶液を、上記で得られた基材フィルムのコロナ処理面に塗布し、80℃で10分間加熱架橋して、厚さ10μmの紫外線硬化型粘着剤層を形成した。次いで、当該粘着剤層面にセパレータを貼り合せて紫外線硬化型半導体用粘着シート、エキスパンド性を評価した。
【0050】
(エキスパンド性)
基材フィルムの直交する2方向についてJIS K 7127に準拠して引っ張り試験を行い100%伸長時応力を測定し、その比を求めてエキスパンド性の指標とした。比が1に近いほど均一性が良く、0.8〜1.2の範囲であれば問題無い。
一方、得られた粘着シートを半導体ウエハを貼り付け、ダイシング、エキスパンド、ピックアップを行い下記基準で評価を行った。結果を表1に示した。
○:全く問題無し
×:エキスパンドが不均一でピックアップ時にトラブル発生。
【0051】
(実施例2)
水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン量25重量%、水添前のポリブタジエン部の1,2結合が29%、水添率96%の水添ブロック共重合体とエチレン−酢酸ビニル共重合体 631(酢酸ビニル含有量20%、東ソー社製)を表1に示す配合量で含有する密度0.905、MFR3の直鎖状低密度ポリエチレンを用い、表1の通り配合した以外は実施例1と同様の過程にて、厚み100μmのフィルムに製膜し、粘着剤を塗布することによって、紫外線硬化型半導体用粘着シートを作製し、エキスパンド性を評価した。
【0052】
(比較例4)
基材フィルムとして、ランダムポリプロピレン樹脂(MFR=3、エチレン含量1.5%)のみの単層であるフィルムを用いて実施例1と同様にして粘着シートを作製し、エキスパンド性を評価したが、硬く、伸び率が低く、エキスパンド時に降伏してしまし均一な延伸ができず、ダイシング用フィルムとしての機能を発揮することはできないものであった。
(比較例5)
これに対して、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量:25重量%)のみのからなるフィルムを用いて実施例1と同様にして粘着シートを作製し、エキスパンド性を評価したが、軟らかすぎて強度的が低くエキスパンド時に裂けてしまい、ダイシング用フィルムとしての機能を発揮することはできないものであった。
比較例3のフィルムは強度的に低いものであり、裂けてしまった。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明の粘着テープ用基材及び粘着テープは、基材の樹脂組成を特定構成としているので、本発明が提供する粘着テープ用基材および粘着シートは、均一な延伸性に優れ、適度な引張り強さを有するので、ダイシング用基材フィルムおよびダイシングテープとして極めて優れたものが提供される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイシングテープ、表面保護フィルム、マスキングフィルム、テーブルクロス、建築基材フィルム、ストレッチフィルム、医療用テープ原反に用いることができる粘着テープ用基材及び粘着シートに関する。特に、均一延伸性に優れており、半導体ウエハをダイシングによりチップ化する際に、ウエハを粘着固定し使用するダイシングテープ用基材及びダイシングテープとして好適に使用される粘着テープ用基材及び粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平6−927号公報
【特許文献2】
特開平7−300548号公報
【0003】
シリコン等の半導体ウエハは、大径の状態で製造され、その後、小片にダイシングされ、更にマウント工程に移される。この際、半導体ウエハは粘着シートに貼付され保持された状態でダイシング、洗浄、エキスパンド、ピックアップ、マウントの各工程が施される。前記粘着シートとしては、プラスチックフィルムからなる基材上に粘着剤が塗布されてなるものが用いられている。
【0004】
前記ダイシング工程においては、回転する丸刃によってウエハの切断が行われるが、かかるウエハの切断は、ウエハを保持する粘着シートの内部まで切り込みを行なう切断方法が主流となってきている。このダイシング工程に用いられるダイシングフィルム基材の性能としては、均一な延伸性を有すると共に、その延伸性が優れていることが要求される。すなわち、ダイシングフィルムの均一延伸性が優れていると、フィルムを延伸させた場合に、各チップ間に均等な隙間を形成することができ、したがって、チップのピックアップの作業性が極めて良好なものとなる。
【0005】
そのような性能を有するフィルムとして、塩化ビニル系樹脂フィルムを基材に使用したダイシングフィルムが提案されているが、該ダイシング用フィルムは、塩化ビニル系樹脂フィルムを使用していることから、塩素イオンによるウエハの腐食、汚染、更に廃棄燃焼時の有害ガスの発生等の問題がある。さらに柔軟性をもたせるため、フィルム中に大量の可塑剤が含まれており、該可塑剤がウエハに移行してウエハを汚染したり、粘着剤に移行して粘着力を低下させ、ダイシング時にチップが飛散したりする問題があった。
【0006】
一方、塩化ビニル系樹脂フィルムに代わる軟質のフィルム基材として、焼却時に有害ガスを発生することの無いポリオレフィン系フィルム基材として、ポリプロピレン、ポリエチレン、などが挙げられる。
【0007】
しかし、従来のポリオレフィン系フィルム基材では、軟質ポリ塩化ビニルフィルムに比べると多くの点で問題があった。例えば、ポリプロピレンを主体とするフィルムは結晶性が高く、柔軟性、延伸性に劣るなどの課題があり、又、ポリエチレンを主体とするフィルムでも、その機械的強度に課題があった。そこで、これら課題の改善のため、各種のオレフィン系材料を組合せたブレンド組成物からなるフィルムや積層フィルムなどが提案されている。
【0008】
特許文献1には、プロピレン及び/又はブテン−1の含有率が50重量%以上の非晶性ポリオレフィンを主成分とする樹脂組成物からなる層とポリエチレンからなる層とから構成された積層フィルムが提案されている。しかし、この積層フィルムは繰返し折り曲げられた場合や、延伸された場合、非晶性ポリオレフィンを主成分とする層とポリエチレン層とが界面で容易に剥離することがある。又、軟質のポリ塩化ビニルフィルムに比べて、均一な延伸性は不十分であった。
【0009】
さらに、特許文献2では、ポリブテン成分、ポリプロピレン成分及びプロピレン−エチレンランダム共重合体を含むブロック共重合体からなるフィルムが開示されている。又、ポリプロピレンにスチレン・エチレン・ブチレン・スチレンやエチレンプロピレンゴムなどの熱可塑性エラストマーをブレンドして、柔軟性を賦与したフィルムの提案もある。これらのフィルムは柔軟性が改善されているが、ポリプロピレンとブレンドされる材料との相溶性の関係から透明性が不十分であったり、軟質のポリ塩化ビニルフィルムに比べると、やはり引伸ばされた際の均一な延伸性では不十分であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、均一拡張性に優れており、適度な引張強度を有し、柔軟性、透明性を有する粘着テープ用基材および粘着テープの提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明1記載の粘着テープ用基材は、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の水素添加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなる共重合体を水添して得られる水添ブロック共重合体(1)10〜50重量%、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)70〜50重量%と酢酸ビニル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、及び(エチルアクリレート−無水マレイン酸)から選ばれる1種以上の単量体を12%以上含有するポリエチレン系共重合体(3)30〜50重量%からなるポリエチレン系樹脂混合物90〜50重量%とからなる。
【0012】
かかる構成要素を有するテープ基材とすることにより、例えば、半導体ウエハを貼付し、カットを行った後フィルムを延伸し、その切断したチップを取り出すのに充分なフィルムの抗張力が得られ。その伸び率も適度な範囲にある。
【0013】
本発明で用いられる水添ブロック共重合体(1)は、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加してなるブロック共重合体であり、水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有する。
例えば、A−B−A、B−A−B−A、B−A−B−A−B、(A−B)4 −Si、(B−A−B)4 −Si、(A−B)4 −Sn、(B−A−B)4 −Sn等の構造を有する。(A、BはそれぞれブロックA、ブロックBを表す。)
【0014】
柔軟性、加工性に優れ、且つ異方性の少ない成形物を得るために特に好適な水添ブロック共重合体の構造は、少なくとも一つの重合末端に共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを有するブロック共重合体を水素添加して得られる構造であり、例えば、B−A−B−A、B−A−B−A−B、(B−A−B)4 −Si、(B−A−B)3 (A−B)−Si、(B−A−B)2 (A−B)2 −Si、(B−A−B)(A−B)3 −Si、(B−A−B)3 −Si−R、(B−A−B)2 −Si−R、R´、(B−A−B)4 −Sn、(B−A−B)2 −Sn−R、R´等の構造を有する水添ブロック共重合体である(但し、式中R、R´はC1 〜C8 のアルキル基でR、R´は同一でも異なっていてもよい)。 特に、本発明2に示したように、B−A−B−Aが良好である。
【0015】
また、これらのビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにおけるビニル芳香族化合物または共役ジエン化合物の分布がランダムまたはテーパード(分子鎖にそってモノマー成分が増加または減少するもの)または一部ブロック状またはこれらの任意の組み合わせであってもよく、また重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であってもよく、異なる構造であってもよい。本明細書中で使用される「主体とする」という表現は、該当モノマー単位が重合体ブロックの少なくとも50重量%以上、好ましくは70%以上を占めることを意味する。
【0016】
本発明で用いる水添ブロック共重合体(1)を構成するビニル芳香族化合物はその結合スチレン量が8〜40重量%であり、スチレン以外のビニル芳香族化合物としては、例えば、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第三ブチルスチレンなどのうちから1種または2種以上が選択できる。
【0017】
また共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選択でき、中でもブタジエン、イソプレン及びこれらの組合せが好ましく、本発明2で示したように、ブタジエンが特に好ましい。そして、水素添加される前の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、そのブロックにおける構造を任意に選ぶことができ、例えば、ポリブタジエンブロックの場合においては、1,2−ビニル結合構造が20〜50重量%、好ましくは25〜45重量%であり、ポリイソプレンブロックにおいては1,4−ビニル結合が80重量%以上、好ましくは90重量%以上である。
【0018】
本発明において水添ブロック共重合体の数平均分子量は、5000〜1000000、好ましくは、10000〜800000、更に好ましくは30000〜300000の範囲であり、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量との比)は10以下である。さらに、水添ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状、あるいはこれらの任意の組み合わせのいずれかであってもよい。水添ブロック共重合体の数平均分子量がこれ未満では組成物の強度、耐熱性が低下し、また組成物の溶融粘度が低下し、成形時にドローダウンが起こるので好ましくない。一方、水添ブロック共重合体の数平均分子量がこれを超えると組成物の溶融伸びが低下するので好ましくない。
【0019】
これらのブロック共重合体は、上記した構造を有するものであれば、その製造方法を制限するものではなく、例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中でビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成することができる。
【0020】
また、より好ましい性能を発揮するビニル芳香族化合物−水素添加された共役ジエン化合物ブロック共重合体の製造方法としては、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報に記載された方法で良いが、特に高度の耐侯性や耐熱老化性を求められる用途にあっては、チタン系水添触媒の使用が推奨され、例えば、特開昭60−220147号公報、特開昭61−33132号公報あるいは特開昭62−207303号公報の方法が挙げられる。その際の共役ジエン化合物に由来する脂肪族二重結合は、少なくとも80%、好ましくは90%以上が水素添加され、一方ビニル芳香族化合物の20%未満、好ましくは10%未満が水素添加されるように選択される。上記水素添加ブロック共重合体の水素添加率については、赤外線分光分析や核磁気共鳴分析により容易に知ることができる。
【0021】
本発明で用いられる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)としては、公知の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂やメタロセン触媒で製造されたポリエチレン系樹脂があげられる。
【0022】
上記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としては、一般的にエチレンとα−オレフィン共重合体が挙げられる。α−オレフィンとしては特に限定されず、プロピレン、1−ヘキセン、4−メチルー1−ペンテン、1−ヘプレン等が挙げられ、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンが好ましい。上記エチレン―α―オレフィン共重合体中におけるエチレン成分は、多いと、加工性が低下したり、得られる基材フィルムにブロッキングが生じやすくなり、又、少ないと、得られる基材フィルムの強度が低下するので、90〜99重量%の範囲が好ましい。
【0023】
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の密度は、0.895〜0.95g/cm3、かつ190℃におけるMFRが2〜9であるのが好ましく、更に好ましくは密度が0.89〜0.93g/cm3、である。上記の密度やMFRの範囲を外れると、均一な延伸性をもつフィルム基材を製造することが難しくなる。
【0024】
上記メタロセン触媒で製造されたポリエチレン系樹脂は公知の製造法により得ることができる。例えば、エチレンやα−オレフィンを原料モノマーとして、メタロセン化合物と有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せからなる触媒系を用い、不活性ガス中での流動床式気相重合あるいは攪拌式気相重合、不活性溶媒中でのスラリー重合、モノマーを溶媒とするバルク重合などで製造される。
【0025】
本発明のメタロセン触媒としては、メタロセン化合物と有機アルミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せが用いられる。メタロセン化合物の具体例としては、ジメチルシリル(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリル(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライドなどのケイ素架橋型メタロセン化合物、エチレンビスインデニルジルコニウムジクロライド、エチレンビスインデニルハフニウムジクロライドなどのインデニル系架橋型メタロセン化合物などを挙げることができる。
【0026】
又、有機アルミニウム化合物としては、一般式、(−Al(R)O−)nで示される直鎖状、あるいは環状重合体(Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子及び/又はRO基で置換されたものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である)であり、具体例としてメチルアルモキサン、エチルアルモキサン、イソブチルエチルアルモキサンなどが挙げられる。又、その他の有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲノアルミニウムなどが挙げられる。
【0027】
イオン性化合物としては、一般式、C+・A−で示され、C+は有機化合物、有機金属化合物、あるいは無機化合物の酸化性のカチオン、又はルイス塩基とプロトンからなるブレンステッド酸であり、メタロセン配位子のアニオンと反応してメタロセンのカチオンを生成することができる。それらの具体例としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンとトリフェニルカルボニウムカチオンあるいはジアルキルアニリニウムカチオンとのイオン化合物がある。
【0028】
さらに、本発明で用いられるポリエチレン系樹脂混合物は、上記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)70〜50重量%、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、及び(エチルアクリレート−無水マレイン酸)から選ばれる1種以上の単量体を12%以上含有するポリエチレン系共重合体(3)30〜50重量%からなる。
【0029】
ポリエチレン系共重合体(3)がこの範囲より多い場合、目的とする効果を得ることが難しく、目的とする柔軟性と引っ張り物性を得ることができない。
【0030】
本発明の粘着テープ用基材は、水添ブロック共重合体(1)10〜50重量%と、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)70〜50重量%、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、及び(エチルアクリレート−無水マレイン酸)から選ばれる1種以上の単量体を12%以上含有するポリエチレン系共重合体(3)30〜50重量%からなるポリエチレン系樹脂混合物90〜50重量%とからなる。
【0031】
上記水添ブロック共重合体(1)の配合量が多い場合、製膜性が著しく悪化し均一な基材フィルムが得られない。
【0032】
又、本発明の粘着テープ用基材には、必要に応じて、本発明の特性を阻害しない範囲で、公知の添加剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素補足剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、防曇剤、離型剤、顔料、有機物充填材、無機物充填材、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性剤、汚染防止材、抗菌剤やその他の樹脂、熱可塑性エラストマーなどを発明の効果が損なわれない範囲で添加することができる。
【0033】
本発明における粘着テープ用基材フィルムは、半導体ウエハをダイシングする際に、ウエハを粘着固定するダイシングフィルムとして好適に使用されるフィルムであり、その積層フィルムの厚さについては特に限定されるものではないが、上記ダイシング用途を想定した場合には、一般的には、0.05〜0.5mm程度、好ましくは、0.08〜0.3mmである。フィルムの厚さが厚すぎると、引っ張り応力が大きくなり、フィルムを伸ばすのに、大きな力が必要となる傾向があり、薄すぎると、引っ張り強度が小さくなり、破れやすくなる傾向がある。
【0034】
本発明が提供する粘着テープ基材の成形方法としては、好ましくは、製造工程が簡略である共押出法や、カレンダー法、共押出インフレーション法を使用して成形するのがよい。
【0035】
本発明が提供するダイシング用フィルム基材にあっては、少なくとも一方の表層を梨地調にエンボス加工しておくこともできる。本発明によるダイシングフィルム基材は、チップがダイシングされた後エキスパンダーリングに押し当てられて延伸される。その際、フィルムとエキスパンダーリングとの滑りにより、フィルムが局部的に延伸されることが生じる場合もあるため、本発明のフィルムにあっては、一方の表面を梨地エンボス加工することにより、エキスパンダーリングとの滑りを均一にさせることが可能である。
【0036】
本発明4記載の粘着シートは、請求項1、2、3のいずれか1項に記載の粘着テープ用基材に、粘着剤層が設けられたことを特徴とする。
【0037】
該粘着剤層は、公知もしくは慣用の粘着剤を使用することができ、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系等の各種の粘着剤が用いられる。
【0038】
上記粘着剤としてはアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤のベースポリマーであるアクリル系ポリマーは、通常、(メタ)アクリル酸アルキルエステル以降(メタ)とは同様の意味である。}の重合体又は共重合性モノマーとの共重合体が用いられる。アクリル系ポリマーの主モノマーとしては、そのホモポリマーのガラス転移温度が−50℃以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとはアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルを意味する。
【0039】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキルエステルとしては、たとえば、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、オクチルエステル、イソノニルエステル等があげられる。また、前記共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(例えば、ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシブチルエステル、ヒドロキシヘキシルエステル等)、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート等)、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどが挙げられる。
【0040】
また、粘着剤としては、紫外線、電子線等により硬化する放射線硬化型粘着剤や加熱発泡型粘着剤を用いることもできる。さらには、ダイシング・ダイボンド兼用可能な粘着剤であってもよい。本発明のダイシング用粘着テープにおいては、放射線硬化型粘着剤、特に紫外線硬化型粘着剤を用いることが好ましい。
【0041】
なお、粘着剤として放射線硬化型粘着剤を用いる場合には、ダイシング工程の前又は後に粘着剤層に放射線が照射されるため、前記基材フィルムは十分な放射線透過性を有しているものが好ましい。
【0042】
上記放射線硬化型粘着剤は、例えば、前記ベースポリマー(アクリル系ポリマー)と、放射線硬化成分を含有してなる。放射線硬化成分は、分子中に炭素−炭素二重結合を有し、ラジカル重合により硬化可能なモノマー、オリゴマーまたはポリマーを特に制限なく使用できる。放射線硬化成分としては、たとえば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ−ト、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物;エステルアクリレートオリゴマー;2−プロペニルジ−3−ブテニルシアヌレート、2−ヒドロキシエチルビス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレート又はイソシアヌレート化合物などがあげられる。
【0043】
また、放射線硬化型粘着剤は、ベースポリマー(アクリル系ポリマー)として、ポリマー側鎖に炭素−炭素二重結合を有する放射線硬化型ポリマーを使用することもでき、この場合においては、特に上記放射線硬化成分を加える必要はない。
【0044】
放射線硬化型粘着剤を紫外線により硬化させる場合には、光重合開始剤が必要であり、放射線硬化型粘着剤には、さらには必要に応じて、架橋剤、粘着付与剤、充填剤、老化防止剤、着色剤等の慣用の添加剤を含有させることができる。
【0045】
前記重合開始剤としてはベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類;ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどの芳香族ケトン類;ベンジルジメチルケタールなどの芳香族ケタール類;ポリビニルベンゾフェノン;クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン類などが挙げられる。前記架橋剤には、例えば、ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、アジリジン化合物、エポキシ樹脂、無水化合物、ポリアミン、カルボキシルキ含有ポリノマーなどがあげられる。
【0046】
粘着剤層の厚さは、粘着剤の種類により適宜に決定することができるが、通常は1〜100μm、好ましくは3〜50μm程度である。
【0047】
粘着剤層塗工の際に、セパレータを用いることがある。このセパレータは、ラベル加工のため、または粘着剤層を平滑にする目的のために、必要に応じて設けられる。セパレータの構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等があげられる。セパレータの表面には、粘着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理な剥離処理が施されていても良い。セパレータの厚みは、通常10〜200μm、好ましくは25〜100μm程度である。
【0048】
【実施例】以下に本発明を具体的実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、以下にあげる実施例に限定されるものではない。
(実施例1、比較例1,2,3)
水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン量30重量%、水添前のポリブタジエン部の1,2結合が43%、水添率98%の水添ブロック共重合体と、エチレン−酢酸ビニル共重合体 631(酢酸ビニル含有量20%、東ソー社製)と密度0.923、MFR3の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂とからなるポリエチレン系樹脂組成物を用い、Tダイを取り付けた押出機で押出して片面にコロナ処理を施した厚み100μmのフィルムに製膜した。
【0049】
上記フィルムを粘着テープ基材として、粘着剤として、アクリル酸ブチル95重量部及びアクリル酸5重量部を酢酸エチル中で常法により共重合させて得られた重量平均分子量80万のアクリル系共重合体を含有する溶液に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「カヤラッドDPHA」、日本化薬株式会社製)60重量部、ラジカル重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャルティーケミカルズ製)3重量部、ポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン製)5重量部を加えて、アクリル系紫外線硬化型粘着剤溶液を調製し、該粘着剤溶液を、上記で得られた基材フィルムのコロナ処理面に塗布し、80℃で10分間加熱架橋して、厚さ10μmの紫外線硬化型粘着剤層を形成した。次いで、当該粘着剤層面にセパレータを貼り合せて紫外線硬化型半導体用粘着シート、エキスパンド性を評価した。
【0050】
(エキスパンド性)
基材フィルムの直交する2方向についてJIS K 7127に準拠して引っ張り試験を行い100%伸長時応力を測定し、その比を求めてエキスパンド性の指標とした。比が1に近いほど均一性が良く、0.8〜1.2の範囲であれば問題無い。
一方、得られた粘着シートを半導体ウエハを貼り付け、ダイシング、エキスパンド、ピックアップを行い下記基準で評価を行った。結果を表1に示した。
○:全く問題無し
×:エキスパンドが不均一でピックアップ時にトラブル発生。
【0051】
(実施例2)
水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン量25重量%、水添前のポリブタジエン部の1,2結合が29%、水添率96%の水添ブロック共重合体とエチレン−酢酸ビニル共重合体 631(酢酸ビニル含有量20%、東ソー社製)を表1に示す配合量で含有する密度0.905、MFR3の直鎖状低密度ポリエチレンを用い、表1の通り配合した以外は実施例1と同様の過程にて、厚み100μmのフィルムに製膜し、粘着剤を塗布することによって、紫外線硬化型半導体用粘着シートを作製し、エキスパンド性を評価した。
【0052】
(比較例4)
基材フィルムとして、ランダムポリプロピレン樹脂(MFR=3、エチレン含量1.5%)のみの単層であるフィルムを用いて実施例1と同様にして粘着シートを作製し、エキスパンド性を評価したが、硬く、伸び率が低く、エキスパンド時に降伏してしまし均一な延伸ができず、ダイシング用フィルムとしての機能を発揮することはできないものであった。
(比較例5)
これに対して、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量:25重量%)のみのからなるフィルムを用いて実施例1と同様にして粘着シートを作製し、エキスパンド性を評価したが、軟らかすぎて強度的が低くエキスパンド時に裂けてしまい、ダイシング用フィルムとしての機能を発揮することはできないものであった。
比較例3のフィルムは強度的に低いものであり、裂けてしまった。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明の粘着テープ用基材及び粘着テープは、基材の樹脂組成を特定構成としているので、本発明が提供する粘着テープ用基材および粘着シートは、均一な延伸性に優れ、適度な引張り強さを有するので、ダイシング用基材フィルムおよびダイシングテープとして極めて優れたものが提供される。
Claims (4)
- 少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の水素添加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなる共重合体を水添して得られる水添ブロック共重合体(1)10〜50重量%と、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)70〜50重量%、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、及び(エチルアクリレート−無水マレイン酸)から選ばれる1種以上の単量体を12%以上含有するポリエチレン系共重合体(3)30〜50重量%からなるポリエチレン系樹脂混合物90〜50重量%とからなることを特徴とする粘着テープ用基材。
- 水添ブロック共重合体(1)が、水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、その結合スチレン量が8〜40重量%であり、水素添加前のポリブタジエン部の1,2結合が20〜50重量%であり、該ポリブタジエン部の2重結合の少なくとも80%が水素添加されたことを特徴とする請求項1記載の粘着テープ用基材。
- 直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(2)の190℃におけるメルトフローレイト(MFR)が2〜9、かつ密度が0.89〜0.95g/cm3の範囲にあることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の粘着テープ用基材。
- 請求項1、2、3のいずれか1項に記載の粘着テープ用基材上に粘着剤層が設けられたことを特徴とする粘着シート。
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JP2003168165A JP2005002239A (ja) | 2003-06-12 | 2003-06-12 | 粘着テープ用基材および粘着シート |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016160276A (ja) * | 2015-02-26 | 2016-09-05 | 積水化学工業株式会社 | 粘着テープ |
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2003
- 2003-06-12 JP JP2003168165A patent/JP2005002239A/ja active Pending
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