JP2005001384A - 積層体およびプリント配線板の製造方法 - Google Patents

積層体およびプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Mutsuaki Murakami
睦明 村上
Kanji Shimooosako
寛司 下大迫
Masaru Nishinaka
賢 西中
Taku Ito
卓 伊藤
Shigeru Tanaka
田中  滋
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Abstract

【課題】
高密度回路の形成が可能で、優れた接着性、高温高湿環境下での接着信頼性にすぐれたプリント配線板板を提供する。
【解決手段】
有機チオール誘導体化合物を含む熱可塑性ポリイミド樹脂と物理的方法による金属薄膜からなる積層体を用いる事により、平滑な表面に優れた接着力を持つメッキ膜を形成し、これを用いて高密度回路を形成する。この積層体を用いてプリント配線板の製造を行うことにより、高密度プリント配線板の形成を可能とし、かつ優れた接着性、高温高湿環境下での優れた接着信頼性を実現する。

Description

本発明は、プリント配線板の製造に適したポリイミド樹脂を含む高分子フィルムと金属からなる積層体、および該積層体をもちいたプリント配線板の製造法である。
これらの積層体を用いてプリント配線板を製造する事により、接着性に優れた高密度フレキシブルプリント配線板、フレキシブルプリント配線板を積層した多層フレキシブルプリント配線板、フレキシブルプリント配線板と硬質プリント配線板を積層したリジッド・フレックス配線板、ビルドアップ配線板、TAB(Tape Automated Bonding)用テープ、プリント配線板上に直接半導体素子を実装したCOF(Chip On Film)基板、MCM(Multi Chip Module)基板、等を得る事が出来る。
プリント配線板は電子部品や半導体素子等を実装するために広く用いられ、近年の電子機器の小型化、高機能化の要求に伴い、その様なプリント配線板には、回路の高密度化や薄型化が強く望まれている。特にライン/スペースの間隔が20μm/20μm以下であるような微細回路形成方法の確立はプリント配線板分野の重要な課題である。
通常プリント配線板においては、基板となる高分子フィルムと回路との間の接着はアンカー効果と呼ばれる表面の凹凸によって達成されている。そのため一般にフィルム表面を粗化する工程が設けられ、通常その表面にはRz値換算で3〜5μm程度の凹凸がつけられる。この様な基板表面の凹凸は形成される回路のライン/スペースの値が30/30μm以上である場合には問題とならないが、特に20/20μm以下の線幅の回路形成には重大な問題となる。その理由はこの様な高密度の細線である回路線が基盤表面の凹凸の影響をうけるためである。従って、ライン/スペースの値が20/20μm以下の回路の形成には、表面平滑性の高い高分子基板への回路形成技術が必要となり、その平面性はRz値換算で2μm以下、望ましくは1μm以下である必要がある。当然この場合には、接着力として上記アンカー効果は期待出来なくなるので、別の接着方法の開発が必要となる。
また、回路を形成するようなプリント配線板の場合には、配線板の両面を導通させるビアホールの形成が不可欠である。そのため、その様なプリント配線板は通常、レーザーによるビアホール形成工程、デスミア工程、触媒付与工程、無電解めっき銅を施す工程、等を経て回路形成がおこなわれる。さらに、回路形成はエッチングによるサブトラクティブ法により行われる場合や、セミアディティブ法、アディティブ法により製造される場合もある。したがって、上記の様な微細配線を形成したプリント配線板において配線回路と高分子フィルム間の接着性はこれらのプロセスに耐える必要がある。
スパッタや蒸着などの物理的な手法で、表面粗度が小さい樹脂表面に形成した金属薄膜との樹脂との接着性の改善については、これまでもいくつかの検討が試みられている。例えば、ポリイミドフィルムにチタン系の有機化合物を添加する方法(特許文献1)、あるいは、Sn、Cu、Zn、Fe、Co、MnまたはPdからなる金属塩のコートによって接着力を改善する方法、(特許文献2)、ポリアミド酸固化フィルムに耐熱性表面処理剤を塗布した後イミド化したポリイミドフィルムをメタライズする方法、(特許文献3)、ポリイミドフィルムの表面にチタン元素を存在させる手法(特許文献4)、が開示されている。また、本発明者らによって熱可塑性ポリイミド表面に乾式鍍金法により導体層を形成しそれを加圧および熱処理して融着せしめポリイミドと接着層との密着強度を強化する手法(特許文献5)が開示されている。
これらのポリイミドフィルム表面に蒸着、スパッタリング等の物理的方法で形成した銅金属層は、通常のポリイミドフィルム表面に形成した銅金属層に比較して優れた接着強度を有している。しかし、金属層はデスミアや無電解メッキプロセスには弱く、しばしば接着強度の低下がおこり実際のプロセスではプロセスウインドウが極端に狭くなる場合があった。
一方、金属箔とポリイミド樹脂との強固な接着を実現する方法として、銅金属箔の表面をあらかじめ表面処理しておく方法がある。例えば、銅箔表面をポリベンツイミダゾールの溶液及び4−アミノフェニルジスルフィドの溶液で準じ処理したのち、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸の皮膜を形成し、これを過熱してポリイミドとする方法が報告されている。(非特許文献1)しかしながら、この方法は表面処理された金属箔を用いる事から、もっぱらサブトラ法による回路形成には適しているものの、20/20μm以下の高密度回路を形成手段として有効なセミアディティブ法、アディティブ法には適用できないと言う欠点を持っている。
これに対して、プリント配線板に用いられるウエットプロセス、すなわち無電解めっき膜を樹脂材料に直接形成する方法として、エポキシ系樹脂表面の粗化表面に無電解メッキを形成させる方法が開示されている。しかし、表面粗度Rzが3μm以上であれば良好に接着するが、3μm以下、特に1μm程度では3N/cm程度の接着性を示すのみである事が知られており、その改良が必要である。(特許文献6)一方、表面粗化によらず、ポリイミド樹脂に無電解メッキ膜を直接生成する方法として、苛性アルカリを含む溶液に1級アミノ基を有する有機ジスルフィド化合物、および/または1級アミノ基を有する有機チオール化合物含む溶液で処理する方法が開示されている。(特許文献7)しかしながら、この方法で得られる無電解メッキ膜とポリイミド樹脂間の接着強度はまだ不十分なものである。
一方、硫化水素やチオール化合物は金属および金属化合物と反応して安定な塩を形成する事が知られている。(非特許文献2)この現象を利用してチオール誘導体、とくにトリアジンチオール誘導体を用いて金属表面を処理して接着性を向上させようと言う方法が開示されている。(特許文献9,10) 例えば、マグネシウム合金への処理、ゴムと金属メッキ層との接着などの方法が開示されている。(特許文献11、12)しかし、トリアジンチオール誘導体を用いたこれらの接着技術をプリント配線板の製造プロセスに適用しようという試みは成されておらず、とくにプリント配線板の重要な基材であるポリイミドを用いた製造プロセスに適用すると言う試みはなされていない。
以上、従来技術について記述してきたが、表面粗度Rzが1μm以下であるよう極めて平滑なポリイミド樹脂表面に物理的に形成された薄膜を用いて強固な接着性を実現し、しかも通常のプリント配線板作製プロセスであるウエットプロセスに十分な耐性をもつような製造方法は開発されていなかった。
特許第1,948,445号(米国特許第4,742,099号) 特開平6−73209号公報(米国特許第5,227,224号) 米国特許第5,130,192号 特開平11−71474号公報(1999年3月16日公開) 特開2002−113812号公報(2002年4月16日公開) 特開2000−198907号公報(2000年7月18日公開) 特開2002−208768号公報(2002年7月26日公開) 特開2001−1445号公報(2001年1月9日公開) 特開平10−237047号公報(1998年9月8日公開) 特開2000−160392号公報(2000年6月13日公開) 特開2000−159933号公報(2000年6月13日公開) 特開平09−71664号公報(1997年3月18日公開) Gi Xue, et. al., 「Adhesion Promotion at High Temperature for Epoxy Resinor polyimide onto Metal by a Two-Component Coupling System of Polybenzimidazole and 4-Aminophenyl Disulfide」、Journal of Applied Polymer Science 1995年、58巻、2221ページ 日本化学会編、「実験化学講座24」、丸善書店、1992年9月25日、P320
本発明は、上記問題点を改善するために成されたもので、その目的とするところは、十点平均表面粗さRzが小さい、例えば1μm以下の極めて平面性の高いポリイミド表面であっても、20/20μm以下の線幅の微細な回路が形成でき、しかもその回路とポリイミド表面との間の接着力を向上させることが可能であり、さらに形成された金属回路が通常のプリント配線板の製造プロセス耐性を持つような接着法を提供する事にある。
本発明は以下の新規な積層体を提供するものであり、これにより上記課題を解決しうる。
1)少なくとも有機チオール化合物とポリイミド樹脂を含む高分子フィルムと、少なくともその片面に物理的方法で形成された金属薄膜とを有する積層体。
2)前記物理的方法が、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法の中から選択された少なくとも一つの手法である1)記載の積層体。
3)前記有機チオール化合物が有機ジチオール化合物および/または有機トリチオール化合物である1)または2)記載の積層体。
4)前記有機ジチオール化合物および/または有機トリチオール化合物がトリアジンチオール誘導体である3)記載の積層体。
5)前記ポリイミド樹脂が熱可塑性樹脂である1)〜4)のいずれか一項に記載の積層体。
6)前記ポリイミド樹脂を含む高分子フィルムが、非熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、フェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶高分子、エポキシ樹脂から選択される樹脂からなるフィルムの片面または両面に熱可塑性ポリイミド樹脂層を有する層を設けたフィルムである1)〜5)のいずれか一項に記載の積層体。
7)前記熱可塑性ポリイミド樹脂が下記一般式(1)
Figure 2005001384
(式中、AおよびBは4価の有機基、XおよびYは2価の有機基であり、mは0≦m≦1、nは0≦n≦1の範囲の値でm+n=1であり、kは任意の整数である)。で表されるポリアミド酸を脱水閉環して得られる熱可塑性ポリイミドである)1)〜6)のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリイミド樹脂材料を用いた事を特徴とする積層体。
8)前記一般式(1)中のAおよびBは、群(1)
Figure 2005001384
(式中のAは同一であっても異なっていても良く、Bは同一であっても異なっていても良い)。
から選択される少なくとも1種以上である7)記載の積層体。
9)前記一般式(1)中のXおよびYは下記一般式(3)
Figure 2005001384
(式中のXは同一であっても異なっていても良く、Yは同一であっても異なっていても良い)。から選択される少なくとも1種以上である7)または8)記載の積層体。
10)1)〜9)記載の積層体を用いてなるプリント配線板の製造方法。
本発明の有機チオールを含む熱可塑性ポリイミド樹脂と物理的な方法で形成された金属薄膜からなるい積層体を用いる事により、平滑な表面にすぐれた接着強度を有する高密度の回路形成が可能である。
本発明の目的を達成するための本発明の要点は、物理的方法で形成された金属膜と樹脂基板との強固な接着を実現するために、少なくとも有機チオール化合物を含むポリイミド樹脂を用いる事である。通常、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの物理的方法で形成されるの金属薄膜は金属微粒子が物理的に樹脂に食い込むことによる物理的な結合か、あるいは表面に単に化学的に吸着されただけの状態にある。しかし、本発明の方法を用いる事により強い化学結合力での接着が行われる。すなわち、有機チオール化合物を介してポリイミドと金属との化学結合が形成されたと考えられる。有機チオール化合物が金属との間で強い接着を示すことは知られていたが、ポリイミド樹脂に添加する事で物理的な方法で形成された金属膜との間で強固な接着が実現でき、それが後述するように通常のプリント基板の製造工程に十分な耐性を持つ事が分かったのは始めてである。以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
(ポリイミド樹脂)
まず、本発明に係る、ポリイミド樹脂を有するフィルムについて説明する。ポリイミド樹脂には熱可塑性ポリイミド樹脂と非熱可塑性ポリイミド樹脂がある。まず、非熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムについて説明する。本発明において使用されるポリイミドフィルムは、「Journal of Polymer Science:partA vol.3 PP.1373−1390(1965)」等に開示されている公知の方法で製造することができる。即ちポリアミド酸を支持体に流延、塗布し、化学的にあるいは熱的にイミド化することで得られる。
本発明に用いられるポリイミドの前駆体であるポリアミド酸は、基本的には、公知のあらゆるポリアミド酸を適用することができる。本発明に用いられるポリアミド酸は、通常、芳香族酸二無水物の少なくとも1種とジアミンの少なくとも1種を、実質的等モル量を有機溶媒中に溶解させて、得られたポリアミド酸有機溶媒溶液を、制御された温度条件下で、上記酸二無水物とジアミンの重合が完了するまで攪拌することによって製造される。また、ポリイミドはポリアミド酸をイミド化して得られるが、イミド化には、熱キュア法及びケミカルキュア法のいずれかを用いる。熱キュア法は、脱水閉環剤等を作用させずに加熱だけでイミド化反応を進行させる方法である。また、ケミカルキュア法は、ポリアミド酸有機溶媒溶液に、無水酢酸等の酸無水物に代表される化学的転化剤(脱水剤)と、イソキノリン、β−ピコリン、ピリジン等の第三級アミン類等に代表される触媒とを作用させる方法である。ケミカルキュア法に熱キュア法を併用してもよい。イミド化の反応条件は、ポリアミド酸の種類、フィルムの厚さ、熱キュア法及び/またはケミカルキュア法の選択等により変動し得る。
ここで、本発明に係るポリイミド前駆体ポリアミド酸に用いられる材料について説明する。本ポリイミドにおける使用のための適当な酸無水物は、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物 )、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、及びそれらの類似物を含む。
これらのうち、本発明に係る積層体のための最も適当な酸二無水物はピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)であり、これらを単独または、任意の割合の混合物が好ましく用いられる。本発明に係るポリイミド組成物において使用し得る適当なジアミンは、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルN−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、及びそれらの類似物を含む。これらポリイミドフィルムに用いられるジアミンにおいて、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及びp−フェニレンジアミンが特に好ましく、また、これらをモル比で100:0から0:100、好ましくは100:0から10:90の割合で混合した混合物が好ましく用い得る。
本発明に好ましい酸二無水物とジアミン類の組み合わせは、ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及びp−フェニレンジアミンの組み合わせ、あるいはピロメリット酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル及びp−フェニレンジアミンの組み合わせである。これらのモノマーを組み合わせて合成したポリイミドは適度な弾性率、寸法安定性、低吸水率等の優れた特性を発現し、本発明の積層体に用いるのに好適である。ポリアミド酸を合成するための好ましい溶媒は、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどであり、N,N−ジメチルフォルムアミドが特に好ましく用いられる。
また、イミド化をケミカルキュア法により行なう場合、本発明に係るポリアミド酸組成物に添加する化学的転化剤は、例えば脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、N,N ' - ジアルキルカルボジイミド、低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪酸無水物、アリールホスホン酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン化物またはそれら2種以上の混合物が挙げられる。それらのうち、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ラク酸等の脂肪族無水物またはそれらの2種以上の混合物が、好ましく用い得る。これらの化学的転化剤はポリアミド酸溶液中のポリアミド酸部位のモル数に対して1〜10倍量、好ましくは1〜7倍量、より好ましくは2〜5倍量を添加するのが好ましい。また、イミド化を効果的に行うためには、化学的転化剤に触媒を同時に用いることが好ましい。触媒としては脂肪族第三級アミン、芳香族第三級アミン、複素環式第三級アミン等が用いられる。それらのうち複素環式第三級アミンから選択されるものが特に好ましく用い得る。具体的にはキノリン、イソキノリン、β−ピコリン、ピリジン等が好ましく用いられる。これらの触媒は化学的転化剤のモル数に対して1/20〜10倍量、好ましくは1/15〜5倍量、より好ましくは1/10〜2倍量のモル数を添加する。
また、本発明におけるポリイミド樹脂を有するフィルムとして、熱可塑性ポリイミド樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性ポリイミドフィルムについて説明する。
熱可塑性ポリイミドとしては下記一般式(1)
Figure 2005001384
(式中、AおよびBは4価の有機基、XおよびYは2価の有機基である。で表されるポリアミド酸を脱水閉環して得られる熱可塑性ポリイミドであり、mは0≦m≦1、nは0≦n≦1の範囲の値でm+n=1であり、kは任意の整数である)であることが好ましく、さらに。前記一般式(1)中のAおよびBは、群(1)
Figure 2005001384
(式中のAは同一であっても異なっていても良く、Bは同一であっても異なっていても良い)。
から選択される少なくとも1種以上であることが好ましい。また、前記一般式(1)中のXおよびYは群(2)
Figure 2005001384
(式中のXは同一であっても異なっていても良く、Yは同一であっても異なっていても良い)。であることが好ましい。
本発明の熱可塑性ポリイミド樹脂を得る為のこれら酸二無水物とジアミンの組み合わせの中で、群(1)に挙げた酸二無水物残基を与える酸二無水物から選ばれた少なくとも一種の酸二無水物と、群(2)に挙げたジアミン残基を与えるジアミンから選ばれた少なくとも一種のジアミンの組み合わせが好ましく、またその中でも酸二無水物として2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸無水物、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物 )、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)、またジアミンとして1,3−ジアミノベンゼン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキ シ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンは工業的入手可能であり、また得られる熱可塑性ポリイミドの吸水率が低くなる、誘電率が小さい、誘電正接が小さい等の優れた特性を有し、また本発明の効果である無電解めっき皮膜との接着強度を上げる効果を発現するため特に好ましく使用可能である。
本発明に用いられる熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸は、上記の酸二無水物の少なくとも1種とジアミンの少なくとも1種を、実質的に等モル量を有機溶媒中に溶解、反応させて、前駆体であるポリアミド酸有機溶媒溶液を得る。
熱可塑性ポリイミド樹脂は前駆体であるポリアミド酸をイミド化して得られるが、イミド化には、熱キュア法及びケミカルキュア法のいずれかを用いる。熱キュア法は、脱水閉環剤等を作用させずに加熱だけでイミド化反応を進行させる方法である。また、ケミカルキュア法は、ポリアミド酸有機溶媒溶液に、無水酢酸等の酸無水物に代表される化学的脱水剤と、イソキノリン、β−ピコリン、ピリジン等の第三級アミン類等に代表される触媒とを作用させる方法である。脱水剤としてジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物を用いることも可能である。無論、ケミカルキュア法に熱キュア法を併用してもよく、イミド化の反応条件は、ポリアミド酸の種類、得られる樹脂の形態、熱キュア法及び/またはケミカルキュア法の選択等により変動し得る。ポリアミド酸を合成するための好ましい溶媒は、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどであり、N,N−ジメチルフォルムアミドが特に好ましく用いられる。
本発明の熱可塑性ポリイミド樹脂材料は種々形態をとることができ、成形体、単層フィルム、または支持体上に熱可塑性ポリイミド樹脂からなる層を形成した積層体等を取ることができる。
フィルム状熱可塑性ポリイミド樹脂を製造する為には幾つかの方法が考えられる。熱可塑性ポリイミドが溶媒に不溶性である場合は、前駆体のポリアミド酸の溶液を支持体上にフィルム状に流延塗布し、上記のイミド化法、即ち熱キュア法またはケミカルキュア法によりイミド化と溶媒乾燥を行いフィルム状の材料にすることが好ましい。熱可塑性ポリイミドが溶媒溶解性を示す場合、一度熱可塑性ポリイミド樹脂を粉体状、繊維状、フィルム状の形態で得た後、溶媒に溶解した熱可塑性ポリイミド溶液を支持体上にフィルム状に流延塗布することも可能である。また、不溶性である場合と同様の方法でフィルム状にすることも可能である。
ポリイミド樹脂を有するフィルムとして、上述のようにして得られる非熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム単層、熱可塑性ポリイミド樹脂単層の他に、非熱可塑性ポリイミドフィルムの片面あるいは両面に熱可塑性ポリイミド樹脂層を設けたフィルムであってもかまわない。また、これらのフィルムに、各種の添加剤を含んでいても良い。
(有機チオール化合物)
次に本発明の有機チオール化合物について述べる。本発明で用いる有機チオール誘導体は一つの分子内に一つ以上のSM基(ただし、Mはそれぞれ、H、Li,Na,K、から選ばれる任意の元素)を持つ化合物を言い、二つ以上のSM基をもつ化合物であるジチオール化合物および/またはトリチオール化合物などである事はより好ましい。二つ以上のSM基を持つ化合物がより好ましい理由は、少なくともSM基の一つが熱可塑性ポリイミドと化学結合を形成し、他のSM基が金属と結合する機構が強固な接着性発現のために重要なためである。
具体的な化合物については、本発明の目的を達成するものであれば特に制限はないが、例えば、モノチオール類としては、2−マーカプトピリジン、2−マーカプトピリミジン、2−マーカプトベンゾイミダゾール、2−マーカプトベンゾチアゾール、2−マーカプトベンゾオキサゾール、2−マーカプトエタノール、4−マーカプトブタノール、5−メチル−1,3,4−チアゾール−2−チオール、などを例示する事ができる。
また、ジチオール類としては、2,5−ジマーカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,3−ジマーカプト−1−プロパノール、2,6−ジマーカプトプリン、2,5−ジマーカプト−1,3,4−チアジアゾール,ジポタシウム塩、2−マーカプトエチルエーテル、2−マーカプトエチルスルフィド、などを例示する事ができる。
中でもトリアジンジチオール誘導体、あるいはトリアジントリチオール誘導体は好ましく用いられる。ここで、トリアジンチオール誘導体は下記一般式(2)、一般式(3)で示される化合物である。
Figure 2005001384
Figure 2005001384
ただし、M1、M2はそれぞれ、H、Li,Na,Kから選ばれる任意の元素であり、一般式(2)におけるRは、H、または炭素数が1〜18の任意の飽和アルキル基、炭素数が1〜18のアルキン、アルケン等の不飽和アルキル置換基、フェニル基、アミノ基またはSH基である。また一般式(3)におけるR1、R2はそれぞれ、H、炭素数が1〜18の任意の飽和アルキル基、もしくは炭素数が1〜18のアルキン、アルケンの様な不飽和アルキル置換基、フェニル基、アミノ基である。
具体的には、M1としてH、M2としてH、またはNa、RとしてH、C25、C49、SH、N(CH32、NH(C65)、N(C492、N(C8172、N(C12252、N(CH2CH=CH22、NHC816CH=CHC817、NCH264CH=CH2(C817)、NHC64N(CH32、などを例示する事ができる。
(添加方法)
以上の様な有機ジチオール誘導体、トリアジンチオール誘導体は本発明においてポリイミド樹脂のなかに添加されていても良く、プリント配線板の製造工程において溶液浸漬などの表面処理を実施し、ポリイミド樹脂表面にトリアジンチオール誘導体を担持する事でも良い。
本発明の有機チオール誘導体を樹脂に添加する方法としては、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸の状態で添加しても良く、ポリイミド樹脂と有機チオール誘導体を溶解する溶媒をもちいて添加してもよい。この様な目的にもちいられる溶媒として、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどであり、N,N−ジメチルフォルムアミドが特に好ましく用いられる。また、トリアジンチオール誘導体の中でM1、M2の少なくとも一つがNaなどのアルカリ金属である場合にはアルカリ性の水溶液やアルカリ性メタノールに可溶である場合が多く、これらの溶媒も熱可塑性ポリイミド樹脂へのトリアジンチオール誘導体の添加に好ましく用いられる。ポリイミド樹脂に対する有機ジチオール誘導体の添加量は重量比で10%以下であり、10%以上の添加量は不必要なばかりでなく、しばしばポリイミド樹脂の熱膨張率や弾性率などの物性に悪い影響を与えることがあり好ましくない。有機ジチオール誘導体のより好ましい添加量は2%以下であり、1%以下の添加量でも十分にその効果を発揮し、0.01%でもその効果が認められ、0.001%でも効果が確認できる事がある。この様にして作製された有機チオール誘導体の添加されたポリイミド樹脂はすでに述べた方法によって、成形体、単層フィルム、または支持体上にポリイミド樹脂からなる層を形成した積層体、等を取ることができる。
次に表面処理を実施し、ポリイミド樹脂表面にチオール誘導体を担持する方法について述べる。この方法は、有機チオール誘導体を溶解した溶媒にポリイミド樹脂を浸漬するか、あるいは溶媒を用いて、ポリイミド樹脂の表面の適度な厚みを膨潤・溶解させてその表面に有機チオール化合物を担持する方法が好ましく用いられる。ポリイミド表面に強固に担持された有機チアゾ−ル化合物は、物理的方法で形成された金属薄膜と強固に結合し、結果として無電解メッキ皮膜との接着性を高めることが可能となる。
例えば、本発明の方法を実施に用いられる溶媒としては、メタノール、グリコール類、テトラヒドロフラン、アルカリ性水溶液、アルカリ性メタノール溶液、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどであり、N,N−ジメチルフォルムアミドが特に好ましく用いられる。また、アルカリ水溶液と有機溶剤の組み合わせは好ましく用いられ、特に水酸化ナトリウム水溶液とエチレングリコール系有機溶剤の組み合わせは特に好ましく用いられる。この様な組み合わせの溶剤で処理を行うとポリイミド樹脂は膨潤状態となり、本発明の目的には特に有効である。また、水酸化カリウム/エタノールアミン/水の混合液も好ましく用いられる。この様な溶剤に溶解される有機チオールは一般に0.01〜5%溶液が好ましく用いられ、0.1〜1%溶液が特に好ましく用いられる。有機チオールの濃度、処理時間、処理温度などの処理条件は目的に最適な条件から選択され、上記範囲に限定されるものではない。この様な溶剤で表面処理したポリイミドは必要に応じて水やメタノールで洗浄し、次の工程、すなわち物理的な金属薄膜の形成工程にまわされる。
これらの処理により得られるポリイミド樹脂の表面粗度Rzは1μm以下であり極めてフラットであるが、金属薄膜との接着強度は6N/cm以上とすることが可能である。本発明の方法による処理をほどこした表面が平滑であることはライン/スペース20/20μm以下の高密度回路を形成するのに好適である。RzはJIS B0601等の表面形状に関する規格に規定されている。
(その他の成分)
上記熱可塑性樹脂に加えて、接着性や耐熱性、加工性などの諸特性を改善させるために、耐熱性や低吸湿性などの諸特性を損なわない範囲でエポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ヒドロシリル硬化樹脂、アリル硬化樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂や高分子鎖の側鎖または末端にアリル基、ビニル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基などの反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高分子を単独にまたは適宜組み合わせて含有させることができる。
(金属層)
次に本発明にかかる金属層について説明する。まず、金属層の形成方法としては真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の物理的方法が適用し得る。本発明においてこれらの方法で形成される金属層の厚みは20nm以上500nm以下であることが、セミアディティブ法の実施し易さ、経済性、の点から好ましい。特に、設備の簡便さ、生産性、得られる導体層と高分子フィルムの接着性などを総合的に判断するとスパッタリングが好ましい。
スパッタリングを用いる場合は公知の方法を適用できる。すなわちDCマグネトロンスパッタやRFスパッタあるいはそれらの方法に種々改善を加えたものがそれぞれの要求に応じて適宜適用し得る。たとえばニッケルや銅などの導体を効率よくスパッタするためにはDCマグネトロンスパッタが好ましい。一方、薄膜中のスパッタガスの混入を防ぐなどの目的で高真空中でスパッタする場合にはRFスパッタが適している。 DCマグネトロンスパッタについて詳しく説明すると、まず、高分子フィルムを基板として真空チャンバー内にセットし、真空引きをする。通常回転ポンプによる粗引きと拡散ポンプまたはクライオポンプを組み合わせて通常6×10−4Pa以下まで真空引きする。次いでスパッタガスを導入しチャンバー内を0.1Pa〜10Pa好ましくは0.1Pa〜1Paの圧力とし、金属ターゲットにDC電圧を印可してプラズマ放電を起こさせる。この際、ターゲット上に磁場を形成し、生成したプラズマを磁場内に閉じこめることでプラズマ粒子のターゲットへのスパッタ効率を高める。高分子フィルムにプラズマやスパッタの影響が無いようにしながら、プラズマが生成した状態で数分間から数時間保持して金属ターゲットの表面酸化層を除去する(プレスパッタという)。プレスパッタの終了後、シャッターを開けるなどして高分子フィルムにスパッタを行う。スパッタ時の放電パワーは好ましくは100W〜1000Wの範囲である。また、スパッタするサンプルの形状に従ってバッチ方式のスパッタやロールスパッタが適用される。導入スパッタガスは通常アルゴンなどの不活性ガスを用いるが、少量の酸素を含んだ混合ガスやその他のガスを用いることもできる。
また、ポリイミドフィルムとスパッタ膜との密着性を向上するために前処理としてプラズマ放電処理、コロナ放電処理、加熱処理、イオンボンバード処理、等を適用することができる。通常、これらの処理の後ポリイミドフィルムを大気などに触れさせると改質した表面が失活して処理効果が大幅に減少することがあるため、これらの処理を真空中で行い、そのまま真空中で連続してスパッタすることが好ましい。
以上述べた、スパッタリング法では精度良く均一な薄膜が製造できるが、一般的にスパッタリング法によって形成された銅あるいは銅合金の薄膜は、表面平面性にすぐれた高分子フィルム上では強固な接着を実現する事はできない。しかしながら、本発明の方法である有機チオール化合物含有ポリイミドフィルムにおいては5N/cm以上の強度の接着性が実現でき、さらにポリイミドフィルムが熱可塑性ポリイミドである場合には7N/cm以上の優れた接着強度が実現できた。
本発明者らはさらに接着力を向上させる取り組みを検討し、さらに優れた接着を実現する目的で、樹脂基板とスパッタリング金属膜との間に下地金属を形成することが好ましいことを見出した。下地金属としてはニッケル、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、亜鉛、スズ、インジウム、あるいはこれらの合金が用いられ、特にニッケル、クロム、チタンを用いる事は有効であり、ニッケルあるいはニッケルとクロムの合金を用いる事は特に好ましい。クロムとニッケルの合金を用いる主な目的はスパッタリング速度を上げることにある。磁性体である純ニッケル金属ではスパッタリング速度をあげる事が難しいが、ニッケルとクロムの合金とする事によりスパッタリング速度を上げる事が出来る。この目的達成のためにクロムとニッケルの比率は特に限定されないが、一般的には2%以上である事が望ましい。なお、この様な下地層の厚さは1nm以上10nmである事が好ましく、この様な下地層を設ける事により、有機チオール化合物含有ポリイミドフィルムにおいては6N/cm以上の強度の接着性が実現でき、さらにポリイミドフィルムが熱可塑性ポリイミドである場合には8N/cm以上の優れた接着強度が実現できた。
(積層体の構成)
次に本発明の積層体、および該積層体をもちいてプリント配線板を実現するための構成について述べる。
本発明における積層体は、「金属層/ポリイミド樹脂を含む高分子フィルム」、「金属層/ポリイミド樹脂を含む高分子フィルム/金属層」、「金属層/ポリイミド樹脂を含む高分子フィルム/金属銅箔層」、「金属層/ポリイミド樹脂を含む高分子フィルム/接着層」などの構成をとる事ができる。ここでポリイミド樹脂を含む高分子フィルムとはポリイミド樹脂の単体フィルム、またはポリイミド樹脂と他の樹脂フィルムとの積層フィルムの事を言う。ポリイミド樹脂の単層フィルムとしては、非熱可塑性ポリイミド樹脂からなる単体フィルム、熱可塑性ポリイミド樹脂からなる単体フィルムがあげられる。なお当然、ポリイミド樹脂には有機チオール誘導体が含まれる事を特徴とするが、すでに述べた様にこの様な有機チオール誘導体は各種積層体の形態においてポリイミド樹脂に内添されていても良く、表面処理を実施すると言う形で添加されたものでも良い。
上記「ポリイミド樹脂を含む高分子フィルム」がポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、フェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶高分子、エポキシ樹脂から選択される少なくとも一種の樹脂からなるフィルムの片面または両面に熱可塑性ポリイミド樹脂層を設けた積層体であることが、プリント配線板の具備すべき、低熱膨張性、高弾性率、耐熱性、等の性質を実現できるという点から好ましい。
特に非熱可塑性ポリイミドフィルムの片面または両面に熱可塑性ポリイミド樹脂層を設ける事は、プリント配線板にとって重要な特性である平均熱膨張係数を小さくできるとともに、耐熱性、界面の密着性を良好にできるという点から、より最も好ましい。本発明に係る、「積層体において使用される非熱可塑性ポリイミド」については特に制限はなく,耐熱性、寸法安定性、界面の密着性を満足する物であれば公知のポリイミドを用いる事が出来る。
(プリント配線板の製造方法)
次に、上記積層体を用いた配線板の製造方法について述べる。まず、ポリイミド樹脂を含む高分子フィルムがポリイミド樹脂の単層フィルムである場合について述べる。
まず、「金属(銅)層/ポリイミド樹脂層」積層体における配線板の製造法を説明する。まず、銅薄膜上にレジスト膜を形成し、露光、エッチングにより回路の形成を予定する部分のレジスト被膜を取り除く。次にスパッタ銅薄膜が露出する部分を給電電極として使用して電解銅によるパターンメッキ法により回路を形成する。ついでレジスト部分を取り除き不要部分の銅薄膜層をエッチングにより取り除いて回路を形成する。
「金属層/ポリイミド樹脂層/金属層」積層体の場合について説明する。第一のプリント配線板の製造方法では、まず積層体を貫通するビアホールを形成する。ビアホールの形成は炭酸ガスレーザーやUV−YAGレーザー、パンチング、ドリリング等を用いた穴開け法によって行う。小さなビアホールを形成する場合レーザーを用いた穴開け法が好ましく使用される。ビアホールを形成後、ビアホール内部および周辺に出来たポリイミド分解物や熱による炭化物を主成分とするスミアを除去するデスミア工程を実施する。次にパラジウム触媒を担持し無電解メッキ銅を施す。さらにレジスト膜を形成し、露光、現像により回路の形成を予定する部分のレジスト被膜を取り除く。次に無電解めっき層が露出する部分を給電電極として使用して電解銅によるパターンめっきを行い回路を形成する。ついでレジスト部分を取り除き不要部分の無電解めっき層をエッチングにより取り除いて回路を形成する。
第二のプリント配線板の方法では、まず「金属層/ポリイミド樹脂層/金属層」からなる積層体を貫通するビアホールを形成する。次に上記と同様にデスミア、触媒担持工程を経て無電解めっき銅層を形成する。次に電解めっき銅によりパネルめっきを施して、両面をビアホールによって電気的に接続し、次に電解銅めっき層表面にレジスト膜を形成し、露光、現像により回路の形成しない部分のレジスト被膜を取り除き、次にエッチングにより不要な金属層を取り除き回路を形成する。
「金属層/ポリイミド樹脂層/接着層」からなる3層構造の積層体を用いてプリント配線板を製造する場合、まず、接着層を内層回路を有する内層基板と対向させ積層する。次に、レーザーによって積層体を貫通するヴィアホールを形成した後、デスミアを行い、触媒担持後、上記と同じ方法で回路形成する。
「金属層/ポリイミド樹脂層/銅箔層」積層体を用いてプリント配線板を製造する場合、金属層、ポリイミド層を貫通して金属銅箔にいたる/または貫通するビアホールを形成し、後は上記と同様の方法で回路を形成する。
本発明のプリント配線板の製造方法においては所望するプリント配線板の仕様等から要請される必要性に応じ工法、プロセス条件を適宜選択することは可能であり、またその他の公知の技術を組み合わせることも可能であり、全て本発明のプリント配線板の製造方法の範疇に含まれる。
即ち、ビアホール形成は公知の炭酸ガスレーザーやUV−YAGレーザーやエキシマレーザー、等を用いることが可能であり、また、デスミア工程は過マンガン酸塩、有機アルカリ溶液等を用いたウェットプロセス、プラズマを利用したドライプロセス等が適用可能である。また、無電解めっきの種類としてはパラジウム等の貴金属の触媒作用を利用した化学めっき、更には析出する金属の種類としては銅、ニッケル、金等が使用可能である。さらには、レジストは液状レジストやドライフィルムレジスト等が適用可能であり、特に取扱い性に優れたドライフィルムレジストは好ましく使用可能である。また、セミアディティブ法で回路形成する場合の給電層除去為のエッチングにはプロセスで用いる無電解めっきの種類により適宜選択され、無電解めっきが銅である場合、硫酸/過酸化水素、過硫酸アンモニウム/硫酸系エッチャントが好ましく使用され、また、無電解めっきがニッケル、金等の場合、それらを選択的にエッチングできるエッチャントの使用も好ましい。
次に、「ポリイミド樹脂層を含む高分子フィルム」が、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、フェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶高分子、エポキシ樹脂の片面または両面に熱可塑性ポリイミド樹脂を設けた積層体である場合について述べる。ここではその具体例として、熱可塑性ポリイミド樹と非熱可塑性ポリイミド樹脂を用いた積層体の製造方法について述べる。なお当然、以下に記述の熱可塑性ポリイミド樹脂材料は有機チオール誘導体を含む事を特徴とするが、すでに述べた様にこの様な有機チオール誘導体は各種積層体の形態において熱可塑性ポリイミド樹脂に内添されていても良く、表面処理を実施すると言う形で添加されたものでも良い。
本発明に係る積層体の構成例の一つは「金属層/熱可塑性ポリイミド層/非熱可塑性ポリイミド層」である。また他の構成例は「金属層/熱可塑性ポリイミド層/非熱可塑性ポリイミド層/熱可塑性ポリイミド層/金属層」からなる積層体である。例えば、前者は片面のフレキシブルプリント配線板に、後者は両面のフレキシブルプリント配線板に用いられる。
例えば前者の製造には以下のような方法が用いられる。まず、熱可塑性ポリイミド前駆体のポリアミド酸の溶液を非熱可塑性ポリイミドフィルム上に流延塗布し、熱キュア法またはケミカルキュア法によりイミド化と溶媒乾燥を行い熱可塑性ポリイミド樹脂からなる層を形成する。熱可塑性ポリイミドが溶媒溶解性を示す場合、熱可塑性ポリイミド樹脂を粉体状、繊維状、フィルム状の形態で得た後、溶媒に溶解した熱可塑性ポリイミド溶液を非熱可塑性ポリイミドフィルム上に塗布・溶媒乾燥させ、熱可塑性ポリイミド樹脂層を形成することも可能である。本発明になる積層体における熱可塑性ポリイミド層の厚さは、回路基板として低熱膨張性、耐熱性、電気特性等種々の優れた特性を持つ非熱可塑性ポリイミドフィルムの物性を生かすためには薄いことが好ましい。すなわち、熱可塑性ポリイミド層の厚さは非熱可塑性ポリイミドフィルムより薄い事が好ましく、更には熱可塑性ポリイミド層の厚さは非熱可塑性ポリイミド層の1/2以下、さらに好ましくは1/5以下である事がより好ましい。
また、「金属薄膜層/熱可塑性ポリイミド層/非熱可塑性ポリイミド層/銅箔層」からなる積層体も本発明の目的に好ましく用いられる。ここで銅箔は、凹凸の形成された銅箔が直接接着されていても良く、あるいは適当な接着剤を介して張り合わされた様な形態でも良い。接着剤を介してポリイミドフィルムと銅箔を積層する方法は、熱ラミネート、熱プレス等公知の方法が使用できる。
また、「金属薄膜/熱可塑性ポリイミド層/非熱可塑性ポリイミド層/接着層」からなる積層体も本発明の目的に好ましく用いられる。接着層については通常の接着性樹脂が用いられ、適当な樹脂流れ性を有し、強固な接着性を実現できるものであれば公知の技術を適用することができる。この接着層に用いられる樹脂としては、大きくは、熱可塑性樹脂を用いた熱融着性の接着剤、熱硬化樹脂の硬化反応を利用した硬化型接着剤、の二種類に分けることができる。本発明の積層体に用いる接着剤として、接着性、加工性、耐熱性、柔軟性、寸法安定性、低誘電特性、価格、等の観点からポリイミド樹脂、エポキシ樹脂系、シアナートエステル樹脂系、あるいはこれらをブレンドして用いたものも好ましく使用できる。
以上のべた、熱可塑性ポリイミド樹と非熱可塑性ポリイミド樹脂を用いた積層体を用いたプリント配線板の製造方法については、すでに述べた「金属層/ポリイミド層」、「金属層/ポリイミド層/金属層」、「金属層/ポリイミド層/金属銅箔層」、「金属層/ポリイミド層/接着層」などの構成を用いた配線板の製造法と同じ方法が適用できる。
以上、本発明の各種積層体を用いたプリント配線板の製造方法について述べたが、本発明の積層体を用いることにより、デスミア工程や無電解めっき工程などの通常の製造工程が適用出来、ライン/スペースが20μm/20μm以下であるような高密度回路形成が可能で、優れた接着性と高い信頼性を持つプリント配線板を得る事ができる。
以下に実施例を挙げて、本発明の効果を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、及び改変を行い得る。なお、実施例中の非熱可塑性ポリイミド樹脂の作製、熱可塑性ポリイミドフィルムの作製、有機チオール化合物、積層体の作製、接着層の合成・作製、積層、各種測定・評価は以下の方法で行った。
(非熱可塑性ポリイミドフィルム−A)
ピロメリット酸二無水物/4,4’−ジアミノジフェニルエーテル/p−フェニレンジアミンをモル比で4/3/1の割合で合成したポリアミド酸の17wt%のDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)溶液90gに無水酢酸17gとイソキノリン2gからなる転化剤を混合、攪拌し、遠心分離による脱泡の後、アルミ箔上に厚さ700μmで流延塗布した。攪拌から脱泡までは0℃に冷却しながら行った。このアルミ箔とポリアミド酸溶液の積層体を110℃4分間加熱し、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムの残揮発分含量は30wt%であり、イミド化率は90%であった。このゲルフィルムをアルミ箔から剥がし、フレームに固定した。このゲルフィルムを300℃、400℃、500℃で各1分間加熱して厚さ25μmのポリイミドフィルムを製造した。
(非熱可塑性ポリイミドフィルム−B)
ピロメリット酸二無水物/4,4’−ジアミノジフェニルエーテルモル比で1/1の割合で合成する以外は作製法−Aと同様の方法でポリイミドフィルムを作製した。
(非熱可塑性ポリイミドフィルム−C)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)/p−フェニレンジアミン/4,4’−ジアミノジフェニルエーテルをモル比で4/5/7/2の割合で合成したポリアミド酸の17wt%のDMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)溶液を用いる以外は作製法−Aと同様の方法でポリイミドフィルムを作製した。
(熱可塑性ポリイミド前駆体−X)
熱可塑性ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸を作製する方法の一例を以下に説明する。まず、1,2−ビス[2−(4−アミノフェノキシ)エトキシ]エタン(以下、DA3EGという)0.30molと、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下、BAPPという)0.70molとをN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFという)に溶解した。そしてこのDMF溶液を撹拌しながら3,3’,4,4’−エチレングリコールジベンゾエートテトラカルボン酸二無水物(以下TMEGという)0.83molおよび3,3’,4,4‘−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下BTDAという)0.17molを加えた。その後、約25℃、約1時間攪拌することにより固形分濃度が20wt%のポリアミド酸のDMF溶液を得た。
(熱可塑性ポリイミド前駆体−Y)
BAPPをDMFに均一に溶解し、撹拌しながら3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とエチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)のモル比4:1でかつ酸二無水物とジアミンが等モルになるように添加し、約1時間撹拌し、固形分濃度20wt%ポリアミド酸のDMF溶液を得た。
(熱可塑性ポリイミド前駆体−Z)
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’−ジヒドロキシベンジジンをモル比4:1でDMFに溶解し、撹拌しながら4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)を酸二無水物とジアミンが等モルになるように添加、約1時間撹拌し、固形分濃度20wt%ポリアミド酸のDMF溶液を得た。
(有機チオール誘導体)
有機チオール化合物として、アルドリッチ社製の以下の試薬を用いた。モノチオール類としては、2−マーカプトピリジン(略号:MPY)、2−マーカプトピリミジン(略号:MPM)、2−マーカプトベンゾイミダゾール(略号:MBI)、2−マーカプトベンゾチアゾール(略号:MBT)の4種類を用いた。また、ジチオール類としては、2,5−ジマーカプト−1,3,4−チアジアゾール(略号:DMT)、2,5−ジマーカプト−1,3,4−チアジアゾール,ジポタシウム塩(略号:DMTN)、2−マーカプトエチルエーテル(略号:DME)、2−マーカプトエチルスルフィド(略号:DMES)の4種類を用いた。さらに、三協化成(株)社製の以下の6種類のトリアジンチオール化合物、トリチオシアヌル酸(略号:TT)、トリチオシアヌル酸モノナトリウム塩(略号:TTN)、6−ジブチルアミノ−1、3,5トリアジンジチオール(略号:DB)、6−ジブチルアミノ−1、3,5トリアジンジチオールモノナトリウム塩(略号:DBN)、6−アニリノ−1、3,5、トリアジンチオール(略号:AF)、6アニリノ−1、3,5、トリアジンチオールモノナトリウム塩(略号:AFN)を用いた。
(積層体の作製)
上記の非熱可塑性ポリイミドフィルム(A)をコアフィルムとして用い、その両面あるいは片面に製造法−X、Y、Zで作製した熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸のDMF溶液をグラビヤコーターを用いて塗布した。
塗布後、加熱処理により溶媒乾燥、あるいはポリアミド酸のイミド化を行い、最終加熱温度390℃で非熱可塑性ポリイミド層と熱可塑性ポリイミド層からなる積層ポリイミドフィルムを作製した。塗布量を変えて熱可塑性ポリイミド層の厚さの異なるフィルムを得た。これらのフィルムを、例えば非熱可塑ポリイミドフィルムがAであり、片面のみにX法で作製した熱可塑性ポリイミド層を設けた場合、X/A、両面がX法で作製した熱可塑ポリイミド層を設けた場合、X/A/X、片面が熱可塑ポリイミド層で他の面が銅箔である場合にはX/A/Cu、等と記載してある。
尚、X/A/Cuは、 18μmの圧延銅箔(商品名BHY−22B−T、ジャパンエナジー社製)のマット面に3種類の非熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を流延塗布し、最終乾燥温度500℃にて乾燥し、さら上記作製法X、YまたはZで作製した熱可塑性ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸のDMF溶液を塗布した。塗布後、加熱処理により溶媒乾燥、およびポリアミド酸のイミド化を行い、最終加熱温度390℃で加熱することにより得た。
(接着層)
窒素雰囲気下で、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFという)に1当量のビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン(以下BAPS−Mという)を溶解した。溶液を冷却しつつ撹拌し、1当量の4、4´―(4、4´―イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)(以下、BPADAという)を溶解、重合し固形分濃度30重量%のポリアミド酸重合体溶液を得た。このポリアミド酸溶液を200℃、180分、665Paの減圧下で加熱し、固形の熱可塑性ポリイミド樹脂を得た。上記で得たポリイミド樹脂とノボラック型のエポキシ樹脂(エピコート1032H60:油化シェル社製)、および4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(以下、4,4’−DDSとする)を重量比が70/30/9になるように混合し、ジオキソランに固形分濃度が20重量%になるように溶解して接着剤溶液を得た。得られた接着剤溶液を上記手法で得た積層体のポリイミドフィルム面に乾燥後の厚みが12.5μmになるように塗布し、170℃で2分間乾燥して接着層を形成し積層体を得た。次に、銅箔12μmのガラスエポキシ銅張積層板から内層回路板を作製し、次に上記の方法で得た積層体を真空プレスにより温度200℃、熱板圧力3MPa、プレス時間2時間、真空条件1KPaの条件で内層回路板に積層、硬化した。
(金属層の形成)
上記方法で製造したポリイミドフィルムへの金属層の形成は、昭和真空社製スパッタリング装置NSP−6を用い、以下の方法で行った。
高分子フィルムを冶具にセットして真空チャンバーを閉じる。基板(高分子フィルム)を自公転させながらランプヒーターで加熱しながら6×10-4Pa以下まで真空引きする。その後、アルゴンガスを導入し0.35PaにしてDCスパッタリングによりニッケル、次いで銅をスパッタリングする。DCパワーはどちらも200Wでスパッタリングした。製膜速度は、ニッケルが7nm/min、銅が11nm/minであり、成膜時間を調整して成膜厚みを制御した。
(接着強度の測定)
IPC―TM−650−method.2.4.9に従い、パターン幅3mm、剥離角度90度、剥離速度50mm/minで測定した。
(プレッシャークッカー試験)
上記接着強度の対環境安定性を測定する目的で、プレッシャークッカー試験を、121℃、100%RH、96時間、の条件下で試験を行った。
(表面粗さの測定)
光波干渉式表面粗さ計ZYGO社製NewView5030システムを用いて熱可塑性ポリイミド樹脂表面の表面粗度、Rz(10点平均粗さ)を測定した。
(測定条件)
対物レンズ:50倍ミラウ イメージズーム:2 FDA Res:Normal
解析条件:
リムーブ(Remove):シリンダー フィルター:High Pass
フィルター下限開口径(Filter Low Waven):0.002mm

(平均線膨張係数の測定)
平均熱膨張係数は、下記条件でTMA―50(商品名、島津製作所製)を使用して測定し、測定結果における100℃〜200℃間の平均の熱膨張率を試料の熱膨張率とした。
測定方法:引張モード(試料にかかる荷重が0gとなるように調整)
昇温速度:10℃/分
測定範囲:30℃〜300℃
(実施例1〜18)
アルミ箔表面に作製法A、B、Cで製造したポリアミド酸のDMF溶液に6種類のトリアジンチオール誘導体(TT、TTN、AF、AFN、DB、DBN)をポリイミド樹脂量に対して重量比で0.1%になるように添加し、添加後、塗布、剥離後熱処理する方法でポリイミドフィルムの製造を行った。厚さは25μmとした。比較のためにトリアジンチオールを添加していないポリイミドフィルムを作製した。これらのサンプルにスパッタリング法を用いて、Ni下地層5nm、Cu層200nmの2層からなる金属層を形成した。ついで以下の条件で無電解メッキを施した。なお具体的な無電解メッキの条件は以下に示す通りで、その工程条件はアトテック社の無電解メッキプロセスに順じた条件である。
<無電解めっき条件>
Figure 2005001384
(※) (アトテックジャパン株式会社製)
続いて、電解銅メッキを行い厚さ8μmの銅層を形成し、その常温での接着強度、プレッシャークッカー試験後の接着強度を測定した。その結果を表3にしめす。常温での接着強度はいずれも6N/cm以上の優れた接着強度を示した。また、PCT試験後の接着強度も4N/cmであり優れた特性を示した。
(実施例19〜36)
アルミ箔表面に作製法X、Y、Zで製造したポリアミド酸のDMF溶液に6種類のトリアジンチオール誘導体(TT、TTN、AF、AFN、DB、DBN)をポリイミド樹脂量に対して重量比で0.1%になるように添加し、添加後、塗布、剥離後熱処理する方法で熱可塑性フィルムの製造を行った。熱可塑性ポリイミドの厚さは25μmとした。これらのサンプルにスパッタリング法を用いて、Ni下地層5nm、Cu層200nmの2層からなる金属層を形成した。比較のためにトリアジンチオールを添加していない熱可塑性ポリイミドを作製した。これらのサンプルに無電解メッキを施した。なお具体的な無電解メッキの実施例1と同じである。続いて、電解銅メッキを行い厚さ8μmの銅層を形成し、その常温での接着強度、プレッシャークッカー試験後の接着強度を測定した。その結果を表4にしめす。常温での接着強度はいずれも9N/cm以上の優れた接着強度を示した。また、PCT試験後の接着強度も6N/cmであり優れた特性を示した。
(実施例37〜44)
アルミ箔表面に作製法Xで製造したポリアミド酸のDMF溶液に8種類の有機チオール化合物、(MPY、MPM、MBI、MBT、DMT、DMTN、DME、DMES)をポリイミド樹脂量に対して重量比で0.1%になるように添加し、添加後、塗布、剥離後熱処理する方法で熱可塑性フィルムの製造を行った。その後、実施例1と同じ方法でスパッタリング層の形成、銅メッキを行いその接着強度を測定した。その結果を表5に示す。チオール誘導体での接着強度はいずれも7N/cm以上、ジチオール誘導体での接着強度は9N/cm以上の優れた接着強度を示した。また、PCT試験後の接着強度もそれぞれ4N/cm,5N/cm以上であり、本発明の有用性が確認できた。
(実施例45〜56)
アルミ箔表面に作製法Xで製造したポリアミド酸のDMF溶液に2種類のトリアジンチオール誘導体(TT、DB)をポリイミド樹脂量に対しする添加量を変えて添加し、添加後、塗布、剥離後熱処理する方法で熱可塑性フィルムの製造を行った。熱可塑性ポリイミドの厚さは25μmとした。
次に実施例1と同じ方法で、スパッタリング層の形成、次いで銅メッキ処理を行い常温での接着強度、プレッシャークッカー試験後の接着強度を測定した。その結果を表6にしめす。この結果から添加量としては10%以下が適当で、0.001%の添加量でも本発明の効果を認めることが出来た。
(実施例57〜65)
作成法X、Y、Zで作製した熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムをクリーナーコンディショナー液(実施例1の表無電解メッキプロセスで用いたもの)に2gのトリアジンチオールナトリウム塩(TTN、DBN、AFN)を添加した溶液に浸漬し表面処理を行った。その後、スパッタリング層の形成、銅メッキ処理を施し、その接着強度を測定した。その結果を表7に示す。この結果から、本実施例に示すような表面処理方法でも十分な接着性向上の効果が認められることが分かった。
(実施例66〜74)
作成法X、Y、Zで作製した熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムを、トリアジンチオールナトリウム(TT、DB、AF)の0.2%DMF溶液中に浸漬し表面処理を行った。その後、実施例1と同様の方法でスパッタリング層形成、銅メッキを施し、その接着強度を測定した。その結果を表8に示す。この結果から、本実施例に示すような表面処理方法でも十分な接着性向上の効果が認められることが分かった。
(実施例75〜78)
代表的なコアフィルム材料として4種類の市販のフィルム、ポリアミドイミド(三菱化成(株)社製Torlon)、ポリエーテルイミド(GE社製、Ultem)、液晶ポリマ
ー(新日鉄化学(株)製、ベクスター)、芳香族ポリエステル(住友化学社製、S200)、(フィルム厚さは25μm)を用い、上記フィルム上に作成法Zで作成したポリアミド酸溶液にポリイミド組成物に対して重量比で1%になるようにDBを添加した溶液を、得られる熱可塑性ポリイミド樹脂層が4μmとなるように塗布し積層体を作製した。
得られた試料の熱可塑性ポリイミドフィルムZの表面を実施例1と同じ方法でスパッタリング層の形成、銅メッキ膜形成を行いその接着強度を測定した。結果を表9に示す。常温での接着強度はいずれも9N/cm以上の優れた接着強度を示した。また、PCT試験後の接着強度も6N/cmであり優れた特性を示した。
(実施例79〜81)
非熱可塑性ポリイミドフィルム、鐘淵化学社製(アピカルAH、NPI、HP(厚さ25μm))をもちいてその片面に熱可塑性樹脂X(DBをポリイミド組成物に対して重量比で1%添加した組成物)を塗布(塗布厚み4μm)した試料を作製した。この試料を用いて実施例1に述べた同じ方法で無電解メッキ、電解メッキを施した。
その結果を表10にしめす。いずれも10N/cm以上のすぐれた接着強度を有しており、回路基板にとって重要な特性である基板の平均熱線膨張率(ppm/℃、測定範囲:25℃〜150℃)も18ppm/℃以下であり優れた特性を示した。
(実施例82)
Y/HP/Y(Yは4μm、HPは25μm)の構成を有する積層体を作製し、次いで、実施例66と同じ方法でトリアジンチオール(DB)による熱可塑性ポリイミド樹脂の表面処理を行い、さらにスパッタリング層の形成を行った。この積層体を用いて以下の方法で回路を形成した。
まず、UV−YAGレーザーを用いて内径30μmの積層体を貫通するビアホールを形成し、過マンガン酸デスミヤ処理によりビアホールのスミア除去を行った。デスミヤ処理は、下表に示すアトテック株式会社製過マンガン酸デスミアシステムを用いて行った。
Figure 2005001384
(※) (アトテックジャパン株式会社製)
次に、無電解めっきを行いビアホール内部に銅めっき層を形成した。さらに、液状感光性めっきレジスト(日本合成ゴム(株)社製、THB320P)をコーティングし、次いで高圧水銀灯を用いてマスク露光を行い、ライン/スペースが15/15のレジストパターンを形成した。続いて、電解銅めっきを行って、無電解銅めっき皮膜が露出する部分の表面に、銅回路を形成した。電解銅めっきは10%硫酸中で30秒間予備洗浄し、次に室温中で40分間めっきを行なった。電流密度は2A/dm2である。電解銅膜の厚さは10μmとした。次にアルカリ型の剥離液を用いてめっきレジストを剥離し、硫酸/過酸化水素系エッチャントで無電解銅めっき層を除去しプリント配線板を得た。
得られたプリント配線板は設計値通りのライン/スペースを有していた。また、回路パターンは9N/cmの強さで強固に接着していた。
(実施例83)
まず、X/HP/Cu(Xは1μm、AHは25μm、銅箔は15μm)の構成の積層体を準備した。実施例66と同じ方法でトリアジンチオール(TT)によるXの表面処理を行い、さらにX上にスパッタリング層を形成した。
この積層体を用いて以下の方法で回路を形成した。
熱可塑性ポリイミド樹脂層側からUVレーザーを用い、熱可塑性ポリイミド樹脂層と非熱可塑性ポリイミドフィルム層を貫通し、銅箔に至るビアホールを形成した。続いて、過マンガン酸デスミヤ処理によりビアホールのスミア除去を行いさらに、さらに、無電解銅めっき、電解銅めっきを行った。次に両面の銅層上にドライフィルムレジスト(旭化成ドライレジストAQ)を貼り付け、露光、現像を行い、通常のサブトラクティブ法で熱可塑性ポリイミド樹脂表面側はL/S=20/20μmの回路を、銅箔側は100/100μmの回路を形成した。エッチング液には塩化第二鉄水溶液を用いた。
得られたプリント配線板は設計値通りのライン/スペースを有しており、また、回路パターンは10N/cmの強度で強固に接着していた。
(実施例84)
ポリイミドフィルム作製法Cで製造した厚み12.5μmの非熱可塑性ポリイミドフィルムHPの片面に作製法Yで製造したポリアミド酸溶液を塗布する方法で積層体の作製を行った。熱可塑性ポリイミドフィルムの厚さは3μmである。次に非熱可塑性ポリイミドフィルム側に接着層(12μm)を塗布し「熱可塑性ポリイミド層/非熱可塑性ポリイミド層/接着層」なる構成の積層体を得た。この積層体をガラスエポキシ銅張積層板から作製した内層回路板上に積層硬化させた。積層法はすでに述べた通りである。次に実施例66と同じ方法でトリアジンチオール(TT)による熱可塑性ポリイミド樹脂表面の表面処理を行い、さらにその表面に従来と同じ方法でスパッタリング層を形成した。
次に、UV−YAGレーザーを用いて内径30μmの内層回路に至るビアホールを形成し、過マンガン酸デスミヤ処理によりビアホールのスミア除去を行い、さらに、無電解めっき法でアホール内部に無電解銅めっき層を形成した。次に、液状感光性めっきレジスト(日本合成ゴム(株)社製、THB320P)をコーティングし、次いで高圧水銀灯を用いてマスク露光を行い、ライン/スペースが15/15のレジストパターンを形成した。続いて、電解銅めっきを行って、無電解銅めっき皮膜が露出する部分の表面に、銅回路を形成した。電解銅めっきは10%硫酸中で30秒間予備洗浄し、次に室温中で40分間めっきを行なった。電流密度は2A/dm2である。電解銅膜の厚さは10μmとした。次にアルカリ型の剥離液を用いてめっきレジストを剥離し、硫酸/過酸化水素系エッチャントで無電解銅めっき層を除去しプリント配線板を得た。
得られたプリント配線板は設計値通りのライン/スペースを有しており、また、回路パターンは10N/cmの強さで強固に接着していた。
Figure 2005001384
Figure 2005001384
Figure 2005001384
Figure 2005001384
Figure 2005001384
Figure 2005001384
Figure 2005001384
Figure 2005001384
本発明は、ポリイミド樹脂を含む高分子フィルムと金属膜からなる積層体、および該積層体をもちいたプリント配線板の製造法であり、平滑な高分子フィルム表面に優れた接着強度を有する高密度の回路形成が可能なので、高密度フレキシブルプリント配線板、ビルドアップ配線板などの電子材料に好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 少なくとも有機チオール化合物とポリイミド樹脂を含む高分子フィルムと、少なくともその片面に物理的手法で形成された金属薄膜とを有する積層体。
  2. 前記物理的手法が、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法の中から選択された少なくとも一つの手法である請求項1記載の積層体。
  3. 前記有機チオール化合物が有機ジチオール化合物および/または有機トリチオール化合物である請求項1または2記載の積層体。
  4. 前記有機ジチオール化合物および/または有機トリチオール化合物がトリアジンチオール誘導体である請求項3記載の積層体。
  5. 前記ポリイミド樹脂が熱可塑性樹脂である請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記ポリイミド樹脂を含む高分子フィルムが、非熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、フェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶高分子、エポキシ樹脂から選択される樹脂からなるフィルムの片面または両面に熱可塑性ポリイミド樹脂層を有する層を設けたフィルムである請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 前記熱可塑性ポリイミド樹脂が下記一般式(1)
    Figure 2005001384
    (式中、AおよびBは4価の有機基、XおよびYは2価の有機基であり、mは0≦m≦1、nは0≦n≦1の範囲の値でm+n=1であり、kは任意の整数である)。で表されるポリアミド酸を脱水閉環して得られる熱可塑性ポリイミドである)請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱可塑性ポリイミド樹脂材料を用いた事を特徴とする積層体。
  8. 前記一般式(1)中のAおよびBは、群(1)
    Figure 2005001384
    (式中のAは同一であっても異なっていても良く、Bは同一であっても異なっていても良い)。
    から選択される少なくとも1種以上である請求項7記載の積層体。
  9. 前記一般式(1)中のXおよびYは下記一般式(3)
    Figure 2005001384
    (式中のXは同一であっても異なっていても良く、Yは同一であっても異なっていても良い)。
    から選択される少なくとも1種以上である請求項7または8記載の積層体。
  10. 請求項1〜9記載の積層体を用いてなるプリント配線板の製造方法。
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