JP2004537772A - クリティカルな資材構成要素および製造能力の供給を割り当てるためのシステムおよび方法 - Google Patents
クリティカルな資材構成要素および製造能力の供給を割り当てるためのシステムおよび方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明は、クリティカルな資材計画判断を最適化し、制約条件のある資材を動的に割り当てることにより、クリティカルな資材構成要素および生産能力の供給を割り当てるためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】その供給割当てシステムおよび方法は、詳細な部品表(BOM)に対応し、設計から生産終了までの完全な製品寿命サイクルに対応する高度な代用ロジックを通して制約条件のある資材の利用を最適化する。本発明の供給割当てシステムおよび方法は、固有の同期割当ておよびマッチドセットロジックを用いる。同期割当てによって、ある製品を生産するために必要とされる全ての資材が、生産を開始する前に適当なタイムフェーズで確実に割り当てられることができ、完成できない製品において、生産および資材が無駄にされないよう保証にするのを助けることができる。その供給システムは、供給計画作成部、資源最適化部、制約条件に基づくマスタ計画作成部、製品変更分析部、比較部、資源所要量計画作成部、有限資源計画作成部、顧客契約部および相互マスタ計画作成部を含む、コンポーネントの種々の組み合わせを含むことができる。シミュレーションプロセスの中心は供給計画作成部である。その後、資源最適化部および比較部のような他のコンポーネントが、供給計画作成部の出力において、その分析を実行する。供給システムの別の実施形態は、応答性を高めるための「SmartBILL」代用を含む。
【解決手段】その供給割当てシステムおよび方法は、詳細な部品表(BOM)に対応し、設計から生産終了までの完全な製品寿命サイクルに対応する高度な代用ロジックを通して制約条件のある資材の利用を最適化する。本発明の供給割当てシステムおよび方法は、固有の同期割当ておよびマッチドセットロジックを用いる。同期割当てによって、ある製品を生産するために必要とされる全ての資材が、生産を開始する前に適当なタイムフェーズで確実に割り当てられることができ、完成できない製品において、生産および資材が無駄にされないよう保証にするのを助けることができる。その供給システムは、供給計画作成部、資源最適化部、制約条件に基づくマスタ計画作成部、製品変更分析部、比較部、資源所要量計画作成部、有限資源計画作成部、顧客契約部および相互マスタ計画作成部を含む、コンポーネントの種々の組み合わせを含むことができる。シミュレーションプロセスの中心は供給計画作成部である。その後、資源最適化部および比較部のような他のコンポーネントが、供給計画作成部の出力において、その分析を実行する。供給システムの別の実施形態は、応答性を高めるための「SmartBILL」代用を含む。
Description
【関連特許出願】
【0001】
本特許出願は2001年1月29日に出願の米国仮特許出願第60/264,321号からの優先権を主張する。その仮特許出願の開示は全体を参照して本明細書に援用される。
【発明の分野】
【0002】
本明細書に開示される本発明は、クリティカルな資材構成要素および製造能力の供給を割り当てるためのシステムおよび方法に関する。より詳細には、本発明は、自動化された電子環境において、クリティカルな資材構成要素および製造能力の供給を最適化するためのシステムおよび方法に関する。
【発明の背景】
【0003】
多くの企業では、望みどおりの資材が必要とされる時間と場所において入手できないときに、生産の遅れ、資材費用の高騰および顧客サービスの低下を経験する。製品寿命サイクル、顧客特有の要望、ならびに製造計画およびスケジュールに基づいて資材計画および統制を最適化する解決策は、これらの課題に対処することへの手掛かりとなる。
【0004】
ビジネスが直面している難問とは、全ての製品需要を満たすために、同じクリティカルな資材構成要素を利用するが、十分な数のそれらの構成要素を有することのない製品を所有することである。理想的な資材所要量計画プログラム(MRP)があれば、ユーザは、自分のビジネス目標を支援するために、最良の製品ミックスにおいてそれらの構成要素を利用できるようになるであろう。さらに、理想的なMRPは、仕掛品(WIP)の在庫を削減するために、タイムフェーズ化された資材の可用性ならびに、動的な部品/要素の代用および割当てを可能にするはずである。また、理想的なMRPによれば、ユーザは、望みどおりの資材を効果的に配置し、顧客サービスおよび収益性を支援するはずである。また、理想的なMRPによれば、ユーザは、それらの処理に関連する費用を管理し、削減できるはずである。
【0005】
しかしながら、既知のMRPは、他の部品が不足し、オーダの完了を妨げる状態にあるにもかかわらず、将来のオーダを達成するために不足している部品を割り当てる。このアプローチは、同じ部品を用いる他のオーダにおいて用いられることができる在庫の流用を不必要に妨げる。さらに、従来のMRPは、日付の優先度に従って部品を割り当てており、一般的に他の項目の優先度を認識する計画を作成することができない、すなわちまさに期間ビジネス目標を支援する。
【発明の概要】
【0006】
これらの要求および他の要求に応じて、本発明は、クリティカルな資材構成要素および生産能力の供給を割り当てるためのシステムおよび方法を提供する。本発明の供給割当てシステムおよび方法は、クリティカルな資材計画判断を最適化し、制約条件のある資材を動的に代用し、割り当てる。結果として、サイクル時間および資材費用が迅速かつ劇的に削減され、サービスおよびマーケットシェアが向上する。他の資材計画解決手法とは異なり、その供給割当てシステムおよび方法は、詳細な部品表(BOM)に対応しており、代替の供給業者を考慮し、かつ設計から生産終了までの完全な製品寿命サイクルに対応する高度な代用ロジックを通して、制約条件のある資材の利用を最適化する。従来のMRPロジックの問題および制約を克服するために、本発明の供給割当てシステムおよび方法は、固有の同期割当ておよびマッチドセットロジック(matched sets logic)を用いる。
【0007】
その供給システムおよび方法では、同期割当てによって、ある製品を生産するために必要とされる全ての資材が、生産を開始する前に、適当なタイムフェーズでの割当てにおいて確実に入手可能になり、生産および資材が、完成できない製品において無駄にされないようにすることができる。その供給システムおよび方法を用いる場合、流通、生産および顧客オーダからの時間に基づく要求が、多数の内部および外部ネットワークを介して集約される。ユーザは、制約条件のある資材の必要性を、生産すなわち現在の供給業者との約束に対してバランスをとり、代用する場合の不足の可能性を評価することができる。その供給システムおよび方法は、代用および割当ての代替品をリアルタイムに同時に探索し、供給業者の代替業者の利用可能性を探るためにインターネットを介して探索する。ユーザは、購買代替品および費用削減の機会を得るための規則を調べ、結果として行われる判断を、適当な計画および企業取引システムに自動的に組み入れることができる。
【0008】
さらに本発明によれば、ユーザは、クリティカルな資材計画判断を最適化することにより、顧客サービスを向上し、購買および進捗費用を削減できるようになり、それにより動的な材料代用および割当てが可能になり、制約条件のある材料を収益性が向上するように利用することができる。
【0009】
その供給システムは、供給計画作成部(supply planner)、資源最適化部(resource optimizer)、制約条件に基づくマスタ計画作成部(constraint-based master planner) 、製品変更分析部(Product change analyzer)、比較部(comparer)、資源所要量計画作成部(resource requirements planner)、有限資源計画作成部(finite resource planner)、顧客契約部(customer promiser)および相互マスタ計画作成部(interactive master scheduler)を含む、コンポーネントの種々の組み合わせを含むことができる。このようにして、その供給システムは、ユーザに、サプライチェーン管理に対する自由度が高く、さらに強力なアプローチを提供する。シミュレーションプロセスの中心は供給計画作成部である。その後、資源最適化部および比較部のような他のコンポーネントが、供給計画作成部の既に処理されている出力に関して、その分析を実行する。すなわち、資源最適化部および比較部は、仮説に基づく計画および分析のための入力データとして、供給計画のランの結果を用いる。その後、資源所要量計画作成部および有限資源計画作成部のような他のコンポーネントが、供給計画作成部、および資源最適化部のような別のコンポーネントからの結果を組み合わせて、他の結果を生成する。
【0010】
その供給システムの他の実施形態は、応答性を高めるための「SmartBILL」代用と、在庫利用を最大限にするための同期割当てと、不要な仕掛品を避けるためのマッチドセットロジックと、部品の陳腐化を最小限に抑えるための「Can Build」分析と、顧客サービスを向上するための構成代替とを含む。
【0011】
本発明およびその利点のより完全な理解は、添付の図面とともに取り上げられる、以下に記載される説明を参照することにより得ることができる。なお、同様の参照番号は同様の機構を指示する。
【好適な実施形態の詳細な説明】
【0012】
本発明は、クリティカルな資材構成要素および生産能力の供給を割り当てるためのシステムおよび関連する方法を提供する。ここで、図1A〜図1Dを参照すると、本発明の一態様は、クリティカルな資材構成要素および生産能力の供給を割り当てるための装置である(これ以降、供給システム100)。その種々の実施形態において、供給システム100は、一般的にリアルタイム応答システムであり、製造業者が課題に迅速かつ効果的に応答し、その業務を行うことができるか、あるいは中断することができるようにするアプリケーション、ソフトウエアツールおよび分析機能の集合体である。供給システム100は、これらの要件を満たすために必要とされる全ての能力を提供する。具体的には、供給システム100は、生産計画および管理プロセスの事前計画、即応的な意思決定、ならびに特定のプロジェクトおよびプロセス改善のための分析の3つの個別の態様を支援する。ユーザは、供給システム100の支援を受けて、新たな、予期せぬ販売機会および供給の問題に迅速に、かつ的確に対応し、能力計画を組み入れ、余分な在庫および陳腐化した在庫をなくし、高いレベルの顧客サービスを維持しながら、有効な在庫を削減し、全体的な計画から細かい製造作業までの将来に起こり得る事態に対してリアルタイムに応答して、自らの業務の大部分の変化に備えられるようにし、オーダ遂行のサイクルタイムを短縮することができる。
【0013】
供給システム100は、ユーザのホスト製造資源計画(MRPII)あるいは経営資源計画(ERP)システムに埋め込まれた情報を解釈することにより、ユーザがクリティカルな業務上の問題に答えを出すのに役立つことができる。供給システム100は資材、生産および調達の管理者に、製造環境における任意の好機あるいは問題の影響をシミュレートし、分析するための能力を与える。供給システム100は、ユーザが将来に備えて、需要、供給、製品、費用および計画方針の任意の変更に備えるのを支援する。また、供給システム100によって、ユーザは、製造の細目の最も低いレベルまでデータをスラシング、ダイシングおよびフィルタリングできるようになる。
【0014】
供給システム100、ユーザ10および他の装置間の対話形式の処理が図1Aおよび図1Bに示される。ここで図1Aを参照すると、ユーザ10は、数多くの既知の手段を用いて、供給システム100と直に対話することができる。たとえば、供給システム100には、ユーザ10がキーボードあるいはマウスのような標準的な入力装置を用いてデータを入力することができるコンピューティング装置(図示せず)上に存在するソフトウエアアプリケーションを用いることができる。同様に、ユーザ10はビデオモニタあるいは他のタイプの既知の出力装置を通して、供給システム100から出力データを受信することができる。ユーザ10は、任意の他のタイプの既知の入力/出力(I/O)装置を用いて、供給システム100と明瞭に対話することができることを理解されたい。
【0015】
図1Bに示されるように、ユーザ10は、ネットワーク30を介して、供給システム100にリモートアクセスすることもできる。具体的には、サーバ20によって、ユーザ10は、既知のネットワーキング構成を用いて、供給システム100にリモートアクセスできる。供給システム100は同様に、MRP50のようなリモートアプリケーションに、あるいはリモートデータ記憶装置40に接続することもできる。ネットワーク30は、イントラネット(企業内ネットワーク)、企業間ネットワーク、インターネットおよびWANのような数多くの既知の技術から選択されることができる。
【0016】
図1Aおよび図1Bで説明を続けると、供給システム100は、これ以降データベース110と呼ばれる記憶装置内に格納される供給関連データを分析することにより機能する。本発明の説明において、用語「データベース」は、コンピュータプログラムが、選択した複数のデータの位置を特定し、かつアクセスできるように編成される情報の任意の集合体として幅広く定義されることを意図している。データベース110の作成およびこのデータの分析は、その全体を参照して本明細書に援用される、2001年10月29日に出願のShekar等による「SYSTEM AND METHOD FOR OPTIMIZIMG RESOURCES PLANS」というタイトルの共同所有の米国特許出願第09/984,327号に記載されるように実施されることができる。データベース110および供給システム100によるデータベース110の分析は以下にさらに詳細に記載される。
【0017】
データベース110に格納される供給データは一般的に、供給システム100によって管理されることになる供給品の属性を記述する。具体的には、供給データは、供給品の現在の在庫、供給品在庫の予想される増加(たとえば新たな出荷)、供給品在庫の予想される減少(たとえば、製品の製造による供給品の使用)などの情報を含む。
【0018】
供給システム100は、データベース110内のシステムテーブルの標準的なパッケージで設計される。一般的に、ユーザはシステムテーブル内のデータを操作することができるが、その構造あるいは内部の関係を変更することはできない。図1Aに示されるように、データベース110内のシステムテーブルは、3つの主なデータタイプのカテゴリ、すなわちホストMRPシステム130から取り込まれる入力データ111、ユーザによって定義かつ操作されるユーザ定義入力データ112、ならびに供給システム100およびユーザによる作業から生じる出力データ113に編成される。システムテーブルタイプはそれぞれ、以下にさらに詳細に説明される。
【0019】
図1Cに示されるように、供給システム100は既知の資材所要量計画(MRP)システム130を統合することができる。MRPシステム130は、従属需要在庫品目を取り扱うように特に設計される生産および在庫計画システムである。このMRPシステム130によって、企業は在庫水準を下げ、労働力および設備をより効率的に利用し、顧客サービスを改善できるようになる。詳細には、MRPシステム130は一般に、親品目の生産スケジュールに基づいて、構成要素所要量のより正確な予測を提供する。MRPシステム130はさらに、資材購買のような資金需要を推定するのに有用な情報を管理者に提供する。同様に、MRPシステム130は、その親品目のための生産スケジュールが変更されるときに、従属需要品目の補充スケジュールを自動的に更新することもできる。既知のMRPシステムは、とりわけBAAN、PeopleSoft、JDE、SAP、SSAおよびMarcamによって製造される。
【0020】
図1Cに示されるように、供給システム100はこれらの外部システムからデータを受信し、供給計画の作成時に、この取り込まれたデータを利用することができる。たとえば、供給システム100は、アプリケーション・プロトコル・インターフェース(API)40を用いて、顧客オーダの形で需要データを受信することができる。具体的には、API40によって、供給システム100は、顧客サービス代行者がオーダを受け、オーダされた品目の可用性を確認し、オーダを契約し、顧客オーダを確約できるようにする補助的なオーダ管理部60からオーダ情報を受け取ることができる。同様に、供給計画が供給システム100によって生成された後に、供給システム100はそれらの供給計画を、製品を製造し、出荷し、購入し、販売することにより実際に需要を満たすことになるオーダ管理部60に与えることができる。
【0021】
好ましい実施形態では、供給システム100内のAPI40によって、ユーザは、オラクル(登録商標)データベースに含まれるデータソースにアクセスできるようになる。API40によって、ユーザは、オラクル用に最適化されたテーブルおよびフィールドで計画を実行できるようになる。API40は、供給システム100で用いるためのデータをオラクルデータベースから抽出する。ユーザは、標準的な1組の情報を抽出することができるか、あるいはオラクルデータベースからデータを抽出する前に、API40を用いてデータセットをカスタマイズすることができる。API40は、計画を実行するための好ましいデータソースとしてオラクルのERP(TM)システムの企業データレポジトリを利用する際に、および顧客サービス、市場応答性および財務実績を改善するための迅速な計画および最適化能力を提供する際に、および制約条件ベース計画エンジンを利用して、インテリジェントな計画判断を導くのを助ける際に、およびユーザがそのソース生産データを精査し、分析し、かつ評価できるようにする自由度の高いデータマイニング能力を利用する際に、および技術変更および新たな製品導入計画方法を促進する際に、および多数のスケジューリングシナリオを比較し、事業目標に基づいて最適のオプションを選択する際に、および複雑な製品構造をより正確に分析する際にユーザを支援する。
【0022】
図1Cで説明を続けると、供給システム100は同様に、統合された需要フォーキャスタから、あるいは別の需要予測部50から、SKU予測、すなわちある特定の製品のための将来的な需要予測を受信することができる。代表的な需要予測部は、本特許出願の所有者によって市販されるNetWORKS Demand(商標)である。一実施形態では、供給システム100は需要フォーキャスタを用いて将来のオーダを予測し、これらの予測を用いて、ユーザによって指定されるSKUの場合の安全在庫ルールに基づいて構成要素の最小量の在庫(すなわち安全在庫)を保有するための役割を果たすことができる。また供給システム100は需要ツールも備えることができ、それにより、ユーザは需要と供給において需要情報をマッピングできるようになる。それは、クライアントが、別の状況であれば需要(予測)の見込み(view)を生産(供給源)の見込みと強制的に同等にすることになる制限を避けるための自由度を与える。需要統合ツールによって、ユーザは、ユーザの供給計画において予測情報を利用できるようになる。これは、需要予測単位(DFU)を在庫管理単位(SKU)にマッピングすることにより行われる。一旦、これが行われたなら、供給システム100は、ユーザの資材および生産計画のための予測データを用いて、ユーザが抱える状況のより完全な把握(picture)をユーザに提供することができる。在庫管理単位(SKU)は在庫および生産の目的のために用いられる1つの品目であり、「ある場所に存在している」ものと定義される。SKUには最終製品を用いることができるか、あるいは製造または保管される最終製品の構成要素を用いることができる。また、それは、ある組織の製造プロセスに従ってグループ化されることもできる。場所には、工場あるいは倉庫として存在する保管あるいは製造のための物理的な場所を用いることができる。対照的に、需要予測単位(DFU)は、品目および場所によっても定義されるが、たとえば、顧客に販売される完成部品によって、あるいは個別の最終販売を表すか、または取引先および流通経路を表す特定の物理的な場所によってさらに区別される需要源である。
【0023】
同様に、供給システム100は調達システム70と対話することができる。調達システム70とともに供給システム100を用いることにより、購買担当者および供給業者は、部品の調達、購買および供給の領域において大きな利益を得るための機会が与えられる。代表的な調達システムは、本特許出願の所有者によって市販されるNetWORKS Procurement(商標)である。調達システム70は一般的に、簡単である上に強力なクライアント/サーバシステムである。ホストMRPシステムから取り込まれた情報に基づいて、調達システム70は、供給業者に、見積もられた所要量に応じられるかを照会する。要求は、「これらの部品を、これらの量、これらの日付で供給できるか」を尋ねる電子形式の予測の形で送信される。調達システム70は、必要に応じて例外を報告する全ての供給業者の応答を収集し、予定される(scheduled)見積もりおよび融通のきく範囲に対してそれらを分析する。その後、調達システム70は、全ての供給業者の応答を、取引契約、すなわち要求が満たされることができるか否かとして処理する。例外がある場合には、不足が解消されるまで、購買担当者は調達システム70を用いて、約束を調整することができる。
【0024】
取り込まれたデータは、MRPシステム130から供給入力テーブル111にダウンロードされる。取り込まれたデータはさらに3つに、すなわちカテゴリリファレンスデータ111a、供給データ111bおよび需要データ111cに分割されることができる。リファレンスデータ111aは、リファレンス関連データと、システム出力を構築し、編成する際に供給システム100によって用いられる関係とを含む。供給データ111bは、ある組織の製造設備への全ての資材供給源を表す供給関連データを含む。需要データ111cは、ある組織の製造設備、そして結果としてその組織の供給における需要源を表す需要関連データを含む。表1はデータカテゴリと、取り込まれるデータを格納する対応するシステムテーブルとを要約する。
【0025】
【表1】
【0026】
図1Aに戻ると、データベース110はさらに、供給システム100によって必要に応じてユーザ定義データ112を格納するテーブルを含むことができる。たとえば、3つのユーザ定義テーブル、すなわち資源最適化テーブル(RESO)、制約条件ベースマスタ計画テーブル(CMP)および製品変更分析テーブル(PCA)がある。通常、ユーザは、制御インターフェースおよびオプションを通してこれらのテーブルを埋めるデータを作成する。別法では、ユーザは手動で、記録を直にユーザ定義テーブル112に挿入し、編集することができる。ユーザ定義テーブル112は、資源最適化および製品変更分析動作を実行する際に供給システム100によって用いられることができる。取り込まれるデータが同じようにユーザ定義テーブル112に追加される場合もあることを理解されたい。たとえば、RESOテーブルは出力データも含むことができる。
【0027】
図1Aで説明を続けると、データベース110はさらに、出力データ113を格納するテーブルを含む。出力データ113は、供給システム110の動作中に生成され、ユーザに提供される。具体的には、出力データは、供給システム100によって生成される結果を含み、ユーザによって用いられるようにその結果を提供する。これらのテーブルのうちのいくつか、すなわち供給計画、製品変更分析、資源最適化、制約条件ベースマスタ計画を用いる資源最適化、資源所要量計画および比較は、供給システム100が動作し、それらを作成した後に命名される。これらの動作は以下にさらに詳細に記載される。以下の表2は出力データ113を含むテーブルのうちのいくつかを列挙する。
【0028】
【表2】
【0029】
出力データ113は、報告の形でユーザに提供されることができる。この報告は、データベース110内の完全なテーブル、あるいはそのテーブルに関する選択に基づくことができる。その報告は一般的に、オンラインで視認することができるか、印刷されることができるか、あるいはオープン・データベース・コネクティビティ(ODBC)およびdBASEを含む標準的な形式にエクスポートするためにファイルに保存することができる。
【0030】
他のテーブルが表3において定義される。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
図1Aで説明を続けると、ユーザは、製品属性定義ツール120を用いて、データベース110内の供給データを作成することができる。ツール120は一般的に、対象の商品、その商品の現在の在庫水準、およびその商品の入手、作成および利用のようなその商品の在庫水準に影響を及ぼす種々のプロセスを定義する際にユーザを支援する。たとえば、ユーザは既知のMRPを用いて、その商品および関連するプロセスを定義することができる。同様に、ユーザは、オラクルSQLのような既知のデータベースプログラミング言語を用いることができる。
【0034】
本発明の一実施形態では、製品属性定義ツール120は製品属性言語(PAL:Product Attribute Language)である。本願の所有者によって市販されるNetworks Supply(商標)において具現されるようなPALは、構成可能なアセンブリをモデル化するために用いられる所有権を有する言語である。置換規則を含む単層ファイルがPALコンパイラでコンパイルされ、構成可能なアセンブリの支給モデルが生成される。PALモデルの主要概念は、種々の部品間のコンシューマ/プロバイダ関係を定義することである。部品は、資源のコンシューマおよび/またはプロバイダとして定義される。リソースバランシングによって、定義された関係が確実に保持されるようになる。資源は、部品によって消費あるいは供給される有形あるいは無形の対象物と考えることができる。PALは、製品機構、製品を構成するために必要とされる計算、およびユーザが指定した機構を用いてその製品を形成するために必要とされる部品表を選択するためにユーザが入力することができる情報を指定するために用いられる。
【0035】
PALは製品属性ファイルを開発するためのプラットフォームであって、製品に依存しないツールであり、以下に記載される。PAL単層ファイルは、任意のテキストエディタあるいはワードプロセッサで書かれ、ハードウエアには依存せず、標準ASCII文字セット、IEEE64ビット浮動小数点を利用し、ユーザインターフェースを容易に定義することができ、対象ユーザに対して相応しいように任意の簡単あるいは詳細の度合いを考慮することができ、装置の関連する部分を同時に提供することを支援し、拡張(既に組み込まれている製品へのアドオン)の提供を支援し、部品を資源のコンシューマおよび/またはプロバイダとして定義する。
【0036】
PALソースファイルは複数のセクションに分割される。各セクションは、そのセクションを命名するワードで開始し、1つのタイプの情報を含む。それらのセクションはある特定の順序で現れる。ソースファイルは、製品属性を記述する識別情報を含むモデルセクションを含む。ソースファイルはさらに、計算することができない値を参照するために、すなわちその計算が複雑すぎるか、時間がかかりすぎる値を得るために、あるいはあるテーブルのための大きさおよび値を定義するために用いられるテーブルを含む。ソースファイルの別のコンポーネントは、装置、典型的には製品属性によって表される製品のハイレベルの部分を列挙する構造セクションである。構造情報を列挙しない場合、PALは、変数および提供セクション内の全ての情報が同じ構造の一部であると仮定する。構造セクションが何らかの情報を含む場合には、変数および提供情報は特定の構造に割り当てられる。変数セクションは、関連する変数がユーザに如何に提供されることになるか、およびその変数が如何に計算されることになるかを定義する。実行セクションは、種々の方法で算出される変数の計算を制御する。それぞれ特定の品目のどのくらいの数が構成される必要があるかを提供セクションが計算するための最良の方法は、PALのリソースバランシング機構を用いることである。これを果たすために、ユーザは、エントリを提供することによって消費され、提供されることができる資源のリストを含む資源セクションを作成する。資源は構成可能な品目間の関係を定義するので、いくつかの資源が、装置の部分間の割当て、相互接続を実行するために用いられる資源として特定されることができる。
【0037】
製品属性の1つの組は、いくつかの製品のための構成情報を含むことができる。このセクションは、製品の名前およびその互いとの関係を指定するために用いられる。それにより、製品属性は、意味論的に関係する部分に分割されるモデルの種々のセクションと同じような構文レベルの部分ではなく、ハイレベルの装置の特定の部分に関連する部分に分離されるようになる。
【0038】
一旦、構造のリストが定義されたなら、変数および提供セクション内のエントリが、1つまたは複数の構造に関連付けられることができる。構造を指定することにより、製品属性実行環境が情報を、より論理的に、製品志向でユーザに提供できるようになり、より迅速に実行するようになる。なぜなら、それは、ユーザが構成している製品の一部ではないPALソースファイルの部分を無視することができるためである。
【0039】
通常、1つのアセンブリは、部品またはアセンブリのいずれかであるいくつかのサブコンポーネントから構成される。また、アセンブリは同じ機能を提供する別の部品あるいはアセンブリの組み合わせから構成される場合もある。PALモデルを用いて、1つのアセンブリの種々の実現可能な組み合わせを表すことができる。たとえば、アセンブリAが最初に部品Bおよび部品Cから構成される場合であっても、部品Dおよび2単位の部品Bからも構成することができる。以下の説明は、部品Cが元々部品Aおよび部品Bから構成される別の構成の別の例である。別の構成では、Cは、部品Dの量が部品Aの元の量の30%であるという制約条件で、部品DおよびBの組み合わせから構成される。100単位のCが必要とされる場合には、100単位のAおよびBの部品展開需要が生成されることになる。ただし部品展開需要は、所望の商品を達成するために必要とされる構成部品および資源を記述する。別の構成を用いて、100単位のCが必要とされる場合には、30単位のDおよび100単位のBの部品展開需要が必要とされることになる。
【0040】
一般的なPALモデリング制約条件は、(1)PALモデルにおいて提供される構成可能なアセンブリが製品構造テーブルにおいて定義される製品構造を含むことになること、(2)代用可能な部品がIMテーブル内に列挙されることになること、(3)代用可能な部品が一般的に購入される部品であること、(4)あるアセンブリが構成可能な部品として定義される場合には、主要サブコンポーネントのためのリードタイムは0より大きくなければならないこと、(5)代用可能な部品が構成されるアセンブリ内に存在するために、適当なコンシューマ/プロバイダ関係が確立されなければならないこと、(6)構成可能なアセンブリのためのPALモデルは、元の部品表(BOM)内に見られる全ての代用可能なサブコンポーネントを考慮し、BOM内のサブコンポーネントがPALモデルにおいて特定されるサブコンポーネントとともに用いられ、最終アセンブリ内に見られる正確な数量および/または部品を保証できるようにすることを含むことができる。
【0041】
部品表(BOM)は、親アセンブリの中に入る全てのサブアセンブリ、中間部品および原材料のリストであり、あるアセンブリを形成するために必要とされるそれぞれの数量を示す。部品表は、購買要求および生産オーダが出されなければならない品目を決定するために、マスタ生産スケジュール(Master Production Schedule:基準生産計画)とともに用いられる。たとえば、字下がりのある部品表報告が、製品の構成の多段階の見通しを与える。この報告は、左余白の最も近くに最も高い親レベルの親を示し、これらの親の中に入れられる全てのコンポーネントが右に向かって字下がりで示される。全ての後続のレベルのコンポーネントは右にさらに字下がりで示される。あるコンポーネントが所与の製品構造内で2つ以上の親において用いられる場合には、そのコンポーネントは、そのコンポーネントが用いられる全てのサブアセンブリに下に2度以上現れる。
【0042】
PALあるいは他の製品属性定義ツールは、供給システム100によって分析されることになる供給データの数多くの特徴を定義するためにユーザによって用いられることができる。たとえば、ユーザは、あるオーダが期限を過ぎているものと定義することができる。期限が過ぎているとき、オーダは区別して取り扱われることができる。あるオーダが期限を過ぎているものと供給システム100が判定するとき、期限を過ぎたオーダは依然として予定変更の対象にすることができる。具体的には、期限を過ぎたオーダは、今日が期限(開始日)であるかのように取り扱われることができる。別法では、供給システム100は、その日付にかかわらず、そのオーダを正味計算(netting)することができる。
【0043】
同様に、ユーザは、予定変更ロジックから、あるオーダを除外するように選択することもできる。ユーザは、供給システム100から、いくつかの構成部品を除外することもできる。ユーザが任意のオーダあるいは1つの構成要素を除外するように選択する場合がある数多くの理由がある。たとえば、供給システム100がある特定の日付までに納入業者からのオーダの配送を確認できない場合には、あるいは生産機械が保守のために停止される場合には、オーダが除外される場合がある。
【0044】
別法では、ユーザあるいは供給システム100は、オーダを「確定」にすることより、そのオーダの予定変更を避けることができる。このアクションは、オーダを「凍結する」と呼ばれる場合もある。あるオーダが確定である場合には、そのオーダの数量は増やすことも減らすこともできず、取り消すこともできない。ユーザがオーダを確定にするとき、供給システム100は、そのオーダの予定変更をすることはなく、供給システム100は、その確定したオーダの期限日よりも早い同じ部品に対するいかなる後続のオーダの予定変更もしない。たとえば、あるオーダがプルとして予定変更をされる場合には、もしあれば、同じ部品のための確定オーダの日付までのみ繰り上げられる。計画供給オーダ(PSO)が作成された部品に対する未達成の需要がある場合には、その新たなオーダに関して推奨されるスケジュールは、その部品のための最後の確定オーダの期限日で開始する。同様に、あるオーダがプッシュとして予定される場合には、それは、同じ部品のための確定オーダの日付の後まで引き延ばされてはならない。別法では、同じダイアログボックスにおいてプッシュ、プルおよびキャンセルの時間制限を設定することにより、自由度のある確定処理を達成することもできる。
【0045】
供給システム100内の代用機構によって、主要構成要素の可用性が不十分であり、かつそれを入手するにはリードタイムが不十分である場合に、ユーザはアセンブリ内の代用構成要素を予定できるようになる。代用ロジックを適用することができる3つの方法、すなわち許容(permissive)代用、消耗(use-until-exhaust)代用および構成可能代用がある。許容代用方法によれば、入手不可能な主要部品の代わりに、所定の代替部品、および移送リードタイムを遵守しながら、調達サイトで購入された移送部品が用いられるようになる。その代用は、供給計画フェーズの後に行われる。ユーザは、部分的に需要を満たすために、許容代用を設定することができる。消耗代用方法によれば、主要部品の供給が消耗した後に、入手不可能な主要部品の代わりに所定の代替部品が用いられるようになる。許容代用方法とは対照的に、消耗代用方法は供給計画フェーズ中に行われ、その代用部品は全ての将来の所要量のために用いられる。構成可能代用方法によれば、ある特定のアセンブリがオーダされなければならないときに、かつそのアセンブリを形成する代わりの方法がある場合に、対処方法を決定するために、より複雑な構成ルールを用いることができるようになる。このタイプの代用は一般的に、供給計計画作成部200が実行された後で、かつ以下に記載される資源最適化部300を起動する前のフェーズとして、供給システム100の内部から実施される。
【0046】
ある代用がリードタイム内で行われるか否かを判定するために、供給システム100は、リードタイム外にある全ての予定入庫がリードタイムまで繰り上げられるという仮定に基づいて、主要部品および代用部品の両方の余分な供給を計算する。その後、供給システム100は、その需要の主要部品を十分に更新する供給がその主要部品によって達成されるか、およびその供給が不十分であるかについて、主要部品のリードタイム内にある納期回答(ATP:Available-To-Promise)を検査する。また供給システム100は、リードタイム時あるいはそれ以降にその需要を正味計算する前に、リードタイム内にある全ての需要が達成されることを確認する。
【0047】
リードタイム内に代用を実行するために、供給システム100は、主要部品のための需要日に十分な供給量を有する所定の代替部品を利用する。その需要は、リードタイムの日付において十分な供給量を有する所定の代替部品を用いることにより、代用部品によって達成される。その需要は代替部品によって達成され、供給システム100は、その主要部品のための計画供給オーダ(PSO)を開始する。同様に、代用がリードタイム時かそれ以降に行われるかを判定するために、供給システム100は、リードタイム外の需要がその主要部品によって達成できるか否かを検査する。達成できる場合には、供給システム100は、その需要を達成するためにその主要部品を用いる。その需要が達成された後に余分な主要部品が存在する場合には、供給システム100は、これらの部品を、他の需要において利用可能な代用部品として割り当てる。その主要部品がその需要を満たすことができない場合には、供給システム100は代用を実行する。リードタイム時あるいはそれ以降に代用を実行する際に、供給システム100は、抱える需要全てが達成された後に余分な供給量を有する所定の代替部品を利用する。代用が実現できそうにない場合には、供給システム100はその主要部品のためのPSOを計画する。
【0048】
代用が必要とされるか否かを判定するために、供給および需要所要量の分析が実行されることになる。代用が必要とされる場合には、その所要量を判定するために、所定の代替部品の分析も必要とされる。代替部品がその所要量を上回る余分な供給量を有する場合にのみ代用が行われる。別法では、許容代用方法によって、入手不可能な移送部品の代わりに、調達サイトにおいて購入される1つまたは複数の部品が用いられるようになり、移送の代用によって、移送リードタイムを補償する。一般的に、代用部品が主要部品であり、主要部品と同じサイトに存在する場合には、移送リードタイムはかからないが、代用部品が主要部品であり、異なるサイトに存在する場合には、移送リードタイムがかかる。
【0049】
別の実装態様では、供給システム100によって、ユーザは、通常は製造プロセスにおいて消費されるが、個別の実体として通常は在庫されない部品であるファントムアセンブリを定義できるようになる。供給システム100がファントム部品に直面するとき、その需要は次のレベルの構成要素に渡され、計画供給オーダは作成されない。一般的に、ファントムは、手持ちの数量が存在する場合に、あるいは任意の予定入庫がある場合にのみ、供給システム100の出力に現れる。ファントムは、顧客オーダ(CO)、マスタスケジュール(MS)、割増使用(EU)あるいは安全在庫(SAF)のようなテーブルにおいて独立需要が指示される場合にのみ計画される。ファントム部品が1組の安全在庫を有する場合には、供給システム100は、利用可能な在庫、すなわち供給システム100前の手持ち在庫に予定入庫を加えた数量が、ファントム部品のための安全在庫の全数量よりも少ない場合にのみ、安全在庫再調達オーダを推奨する。ファントムは、部品表(BOM)を論理的に平らにするために用いられる。これは、製造業者が、より小さな生産現場で作業オーダ(work order)を実行しており、供給システム100が購買部品を計画するためにのみ用いられるときに行われる。
【0050】
オプションでは、ユーザは、親/構成要素関係のためのオフセットリードタイムを作成するができる。ユーザが親/構成要素関係のために負の値を入力する場合には、その関係のためのリードタイムは、親部品のためのリードタイムから短縮される。リードタイムオフセットは、製造プロセスにおける消費時点まで、部品の出庫(issuing)を遅らせるために用いられる。これは、製造プロセスの中の後プロセスで高額部品が用いられる場合に、かつ/または製造プロセスが非常に長いときに有用である。しかしながら、出庫を遅らせることにより、構成要素が不足する危険性および製造が遅れる危険性が増す。供給システム100は、従属需要を部品展開し、オーダのための期限日を計画する際に、リードタイムオフセットを考慮に入れる。安全/緩衝リードタイムを用いて、購買部品あるいは製造部品のリードタイムを調整し、工場間の輸送あるいは原材料の検査のような事態に対応することができる。たとえば、納入業者が日付を見積もる場合には、その部品はその日付に配送されることができるが、3日間、倉庫において利用できない場合がある。その際、ユーザは、この遅れの余裕をみるために、3日間の緩衝値を入力する。供給システム100は、安全緩衝を有する部品(購入あるいは製造される)のための計画供給オーダ(PSO)を作成し、その緩衝リードタイムを、PSOのための元の期限日から差し引く。
【0051】
別の実施形態では、ユーザは在庫の「減少」を定義することができる。減少は通常、購入部品の需要数量の割合として表される。それは、限られた有効期限、盗難あるいは蒸発のような要因に起因して、実際には全ての手持ちの数量が利用できるとは限らない場合があるために必要とされる。この減少の可能性を加味して調整を行うために、ユーザあるいは供給プログラムは減少要因を指定し、ユーザがこの部品の場合に予想する損失の割合を指示する。その後、供給システム100が需給バランスをとるためにその計算を実行するとき、需要数量が減少要因だけ水増しされる。たとえば、部品Aの場合に5%の減少要因が指定され、受注された需要数量が100である場合には、供給システム100は、正味所要量を計算する前に、需要数量を105に増加する。
【0052】
同様に、ユーザは「歩留まり(yield)」量を定義することができる。歩留まりは、需要を調整するために用いられる割合要因であるが、保管数量ではなく部品の製造に適用される。減少は購入後の部品に適用されるが、歩留まりは、部品を製造するプロセスの関数としてのみ適用される。それゆえ、歩留まりは製造中に用いられる構成要素の数に影響を及ぼす。たとえば、完成部品の数量のための作業オーダが書かれるとき、完成数量は、製造中に用いられる構成要素の数に等しい。同様に、完成部品の数量のための作業オーダが書かれるとき、完成数量は、そのオーダの完了時に入手可能な良品の数に等しい。
【0053】
上記の例で説明を続けると、部品Aの製造プロセスにおいて、平均歩留まりが75%である場合には、ユーザは105個の部品を在庫需要のために在庫できる必要があるであろう。その需要が、より低いレベルに部品展開されるとき、供給システム100は歩留まり(75パーセント)を用いて、部品Aの構成要素全てのための需要を水増しする。親部品を製造する際に、構成部品が同等に用いられる場合には、親部品に対して指定される歩留まりを構成要素のための需要を調整するために適用することができる。しかしながら、ある構成要素は、他の構成要素と同じ頻度で廃棄あるいは消費される必要がない場合もある。その際、歩留まりオーバライド値を用いて、その構成要素のための歩留まりを変更することができる。
【0054】
同様に、ユーザは、製造中に生成される無駄な資材を表すためにスクラップ価額を定義することができる。スクラップは歩留まりと同等に取り扱われる。特定の製品あるいは構成要素の製造時の損失を補償するために、総所要量の増加が用いられる。
【0055】
ユーザはPALを用いて技術変更を定義することができる。供給システム100は、あるオーダを処理して、ある部品の関連する構成要素のための従属需要を生成するとき、あらゆる未決の技術変更を考慮する。任意の製品構造の場合に、いくつかの技術変更が、計画期間内の異なる時点において実施されるように予定される場合がある。技術変更が入力されるとき、その変更は、特定の日付に応じて、1つの(あるいは多くの)親/子部品関係(複数可)における有効性の終了すなわち失効日、および別の関係の有効性の開始日として特徴付けられる。供給システム100のロジックは、2つの異なる見方から、技術変更(EC)の有効性を見る。そのロジックは、親部品の完成日に基づく完成時に有効性を有する材料を計画することができる。この場合に、供給システム100は、親部品のリードタイムにかかわらず、親部品の需要日よりも早い失効日を有する全ての部品構造を無視する。別法では、発行日における有効性は、子部品の完成日を基にすることができる。この場合に、供給システム100は、親部品のリードタイムを遵守し、既存の子部品割当て(WIP)を履行する。
【0056】
供給システム100はさらに、有効性を、すなわち両方の構成要素がそのロジックによって部品展開されることになる期間を重複させることを考慮する。しかしながら、供給システム100は一般的に、全ての開始日および失効日の明示的宣言を必要とする。すなわち、供給システム100は、所与の構成要素開始日が、置き換えられる構成要素が終了することを意味するものとは仮定しないであろう。
【0057】
ユーザはPALを用いて、タイプ有効性をさらに定義することもできる。製造業者は、あるアセンブリを内製することと、それを納入業者から購入することとの間で切り替えたい場合がある。これは、資源の制約条件、リードタイムあるいは経済的な理由による場合がある。供給システム100はタイプ有効性を考慮して、ユーザが、内製あるいは購買期間を定義する日付範囲によってスケジュールを立てることができるようにする。
【0058】
別の実装態様では、ユーザは構成要素のためのABC分類を定義することができる。ABC分類によって、ユーザは、最後に計算されたような部品の実総所要量(AGR)に基づくドル価に従って在庫をカテゴリ化できるようになる。供給システム100によって、ユーザは実行する度にAGRを計算し直すことができるようになる。通常は、少数の品目がある組織の在庫値の大部分を占め、一方、多数の品目が小さな在庫値を占める。ABCコードによって、ユーザは部品を4つの態様のうちの1つに分類できるようになる。タイプA品目は高い値を有し、一般的に、その値が在庫の75〜80パーセントを占める相対的に少ない品目を含む。これらは通常、品目のうちの15〜20パーセントになるであろう。タイプB品目は中間の値を有し、通常、その値が在庫の15%を示す多数の品目を含む。多くの場合に、これらは標準的には、品目のうちの30〜40パーセントになるであろう。タイプC品目は比較的小さな値を有し、その値がほとんど無視できる多数の品目を表す。タイプCは通常、品目のうちの40〜55パーセントになるであろう。こうして、タイプD品目は他の全ての構成要素にすることができる。供給システム100によって、ユーザはこれらの値を変更し、計画要件に適合させることができる。
【0059】
動作時に、供給システム100は総標準費用と実総所要量とを掛け合わせ、部品当たりの実用ドル価に到達する。その後、実用ドル価は総実用ドル価と比較され、その相対的な割合、それゆえその部品のABC分類が決定される。供給システム100によって、ユーザは、実行する度に、部品のABCコード分類を計算し直すことができるようになる。オーダを計画する際に、供給システム100は、実行された最後の供給計画によって計算される分類のような、既存のABCコード分類を用いる。
【0060】
ABCコードロジックはこれらのステップに続いて、実総所要量(AGR)と部品当たりの総標準費用とを掛け合わせ、その結果を加算して、年間の全ての部品の費用に到達する。その後、供給システム100は、A、B、CおよびD部品のための、ユーザによって定義されたABCコード管理定義を読出し、年間の全ての部品の総費用を、定義された割合に細分する。さらに、供給システム100は、最高値から最低値までのその対応する値(AGR×総標準費用)で部品を分類する。その後、供給システム100は、A部品の場合の割合値が満たされ、それを超えないまで、部品をグループAに割り当てる。A部品がグループAに割り当てられない場合(それを加算する際に、A部品の場合の割合値を超えることになるような場合)には、供給システム100はそれをグループBに加える。供給システム100は、同じようにして、部品をグループBに割り当て、グループCおよびDについてもその割当てプロセスを繰り返す。
【0061】
ユーザはオーダポリシーを確立することもできる。詳細には、供給システム100はPSOを作成し、その場合に推奨される数量が、部品およびコードを管理するオーダポリシーに基づく。その方針はロット毎に以下の通りである。
1.固定オーダ量
2.期間オーダ量
3.期日
4.供給日
5.オーダ点
6.総オーダ
7.最大バッチサイズ
一般的に、計画オーダの期限日は最初の未達成の需要の日付に基づく。しかしながら、オーダ点方針はオーダ投入方式である。それゆえ、計画オーダの期限日は、予測される可用性が、オーダ点に部品のためのリードタイムを加えたものを下回る日付である。また、品目内の部品のための計画および管理情報を入力あるいは編集するとき、ユーザは総オーダを除いて、オーダポリシーのうちの任意のものによって用いられることになる最小および/または倍数オーダ量を指定することができる。供給システム100の計画オーダ量は常に、もしあるなら、その部品のための最小オーダ量以上になるであろう。また、ユーザは、計画オーダ量を強制的に常にその値以下にする最大オーダ量を定義することもできる。同様に、倍数オーダ量を有する任意の部品のための計画オーダ量は常に、最も近い倍数に切り上げられるであろう。
【0062】
ロット毎のオーダポリシーは最も簡単な計画方針である。供給システム100が未達成の需要に直面する場合、供給システムはその部品のための正味所要量を決定し、その需要を満たすためのオーダを推奨する。最小値、倍数値あるいは最大値によって変更されなければ、推奨される数量は未達成の需要とロット毎に同じであろう。
【0063】
固定オーダ量オーダポリシーはデータベース内の部品に対して指定される固定量に基づいてオーダ(あるいは複数のオーダ)を推奨する簡単な方針である。供給システム100が未達成の需要に直面するとき、供給システムは正味所要量を計算し、その正味所要量を満たすために必要とされるのと同じ数量のオーダを、固定量ロットサイズにおいて推奨する。
【0064】
ある部品が期間オーダ量オーダポリシーによって管理されるとき、供給システム100は、その部品のための未達成の需要の最初の実現値に、ユーザによって指定されるような期間数を前倒しした場合の正味所要量を加えたものに基づくオーダ量を推奨する。オプションでは、需要が0でない期間のみが含まれる。それゆえ、ユーザが5期間を明示するが、需要0の期間がある場合には、その範囲は、プラスの需要がある5期間が満たされるまで拡張されるであろう。
【0065】
ある部品が供給の期日によって管理される場合、供給システム100は、その部品の場合の未達成の需要の最初の実現値に、ユーザによって指定されるような期間数を前倒しした場合の正味所要量を加えたものに基づいてオーダ量を推奨する。一般的に、需要がない(オーダがない)日を含む全ての前倒しした日数がカウントされる。これが、期間オーダ量オーダポリシーとの違いである。期日は供給日オーダポリシーに類似であるが、部品に固有であり、部品のABC分類には関連付けられない点で異なる。
【0066】
供給日オーダポリシーは、各部品のABC分類に基づいてPSOを作成する。供給システム100が、供給日オーダポリシーを用いて部品当たりのPSOを作成するとき、オーダの量は、次の需要日(n)を網羅するほど十分に大きい。ただし、(n)はABCコードにおいて指定される。あるオーダ量において、その部品のためのデータベース内に倍数が存在する場合、推奨されるオーダ量は次に最も高い倍数に切り上げられる。オーダ倍数は、たとえば、ダース単位(12の倍数)で常にオーダされる部品の場合に用いられるであろう。
【0067】
オーダ点オーダポリシーはオーダ投入方法であり、供給システム100が最初の未達成の需要(正味所要量)の日付に一致する期限日でオーダを推奨するという点で他のオーダポリシーとは異なる。ユーザは、あるオーダが置かれることになる在庫点あるいはレベルを指定することができる。供給システム100は、ある部品の見積もられる可用性がそのオーダ点未満まで降下するときに、あるオーダを推奨するであろう。推奨されるオーダの量はIMテーブル内に存在するであろう。そのオーダのための期限日は、可用性がオーダ点にその部品のためのリードタイムを加えたものを下回るものと見積もられる日付になるであろう。理論的には、ある部品のための需要が順調に処理される場合には、見積もられる可用性は決して、在庫が補充される前に0を下回らないであろう。見積もられる可用性が0を下回る場合には、供給システム100は、可用性が0を下回る量だけのオーダを推奨する。オーダ点オーダポリシーは、日毎あるいは週毎に支障なく行われる均一な需要所要量が存在する場合に用いられる。オーダ点値は、その部品のためのリードタイムと、このリードタイム中の典型的な需要とを考慮することにより確立されるであろう。たとえば、リードタイムが1週間であり、その需要が通常、週当たり50単位である場合には、ユーザは50単位に安全率を加えたオーダ点を設定することもできる。
【0068】
対照的に、総オーダのオーダポリシーは、標準的な供給計画ロジックの大部分をバイパスする。供給システム100(手持ち在庫および計画オーダ)は需要に対してバランスをとられず、その部品のための総所要量を網羅するためのオーダは推奨されない。代わりに、供給システム100は、その部品の構成要素のための需要エントリを作成することにより、次のレベルまでその所要量を通過させる。このオーダポリシーは、総所要量計画システムから供給システム100に変換する際の一時的なステップとして有用である。
【0069】
最大バッチサイズオーダポリシーは期日方針に類似である。しかしながら、期日方針が期間の所要量を計算し、総供給量を最初の要求日に設定するのに対して、最大バッチサイズ方針は、供給量を所定のバッチに細分する。ユーザは、1)供給量を計算するための総所要量を決定することを期待するための日数を定義し、2)オーダ期間にわたって計算された総所要量を分割するために用いられることになるバッチサイズを決定する。最小、最大および倍数の関数も、バッチサイズとともにオーダを計算するためのロジックにおいて考慮されるであろう。
【0070】
ユーザは計量単位変換係数を定義することもできる。数量単位(UM)は、その品目が製造プロセスのために管理される単位であり、たとえばフィートおよびインチである。UM情報はリファレンス情報であり、したがって、供給システム100の計算の一部ではない。供給システム100はUM変換係数を用いて、製造のために必要とされる単位を、その品目が購入あるいは保管される単位に、あるいはアセンブリ値当たりの数量に変換する。たとえば、テープあるいはワイヤは、製造プロセスによって数インチで用いることができるが、数百フィートロールで購入される材料である。
【0071】
ユーザはアセンブリ当たりの数量を定義することもできる。アセンブリ当たりの数量(QPA)は、その親部品の製造時に必要とされる子部品(構成要素)の数量である。供給システム100はその数量を用いて、正味計算プロセス中に所要量を計算する。QPA値は、全数あるいは10進数で表すことができる。供給システム100は、ユーザによって10進数の精度が指定された後に、任意のそのような10進数を切上げることもできる。
【0072】
別の実施形態では、供給システム100の在庫(INV)テーブルは、各計画サイト内の複数の在庫保管場所を支援する。ユーザの製造環境において複数の個別の在庫保管場所を用いる場合には、ユーザはこれらの保管場所から手持ちの値を運搬し、保守することができる。またINVテーブルは、各在庫保管場所内の各品目のための特定の安全在庫率にも対応する。これにより、供給システム100の後続の実行時に、オーダを計画する際に、その部品のための安全在庫所要量が確実に考慮されるようになる。
【0073】
オプションでは、供給システム100は作業オーダを部品展開することができる。この機構によって、ユーザは新たな未計画の供給作業オーダを計画に追加できるようになり、供給システム100は、関連する供給所要量を生成できるようになる。作業オーダ(その関連するARを含む)は、基本的に有効日を有する単一レベルの部品表である。それらはホストMRPシステムから取り込まれるか、または供給システム100において手動で作成される。標準的な状況下では、供給システム100のロジックは供給として作業オーダを利用し、作業オーダ上の部品の需要が供給を上回る場合には、供給システム100は作業オーダ上の部品のためのPSOを生成する。その後、標準的な状況下では、供給システム100は、作業オーダを部品展開することなく、どの部品が作業オーダに移行するか、および何が不足するかを判定するが、代わりに、必要とされる全てのものが既にキット化されているものと仮定する。状況によっては、作業オーダを完全にキット化するために必要とされる部品(あるいは複数の部品)の在庫が不足するであろう。その際、供給システム100は、任意の作業オーダにおける不足を検査し、何らかの不足を見つけた場合には、その不足を需要として取り扱い、必要な在庫を見つけるか、あるいは適当な供給を推奨するであろう。しかしながら、what−if分析の過程において、ユーザは、新たな未計画のキット化されないWOを計画に追加し、供給をシミュレートすることを望む場合もある。また、ユーザは、供給システム100に、新たなWOをキット化するためにどの部品が必要とされるかを判定してもらいたい場合もある。この場合には、ユーザは、供給システム100に、作業オーダに移行する全ての部品を考慮してもらいたいと思うであろう。その後、供給システム100は作業オーダを部品展開し、供給計画の実行中に、供給システム100は製品構造テーブルを参照して、どの部品が作業オーダに移行するかを判定し、供給計画内の需要として部品当たりのAPを供給し、INVを見つけるか、あるいはPSO、すなわち必要とされる供給を推奨する。SPAテーブルにおいて作成されたARは、作業オーダの開始日か、作業オーダの開始日を、その部品のための生産リードタイムだけオフセットした日付かのいずれかに対応する、必要とされる日付を有するであろう。供給システム100による処理中に、新たな作業オーダが繰り下げられるか、繰り上げられる場合には、そのオーダに関連するARも繰り下げられるか、繰り上げられることになり、結果として、ARによって要求される日付が作業オーダのための計算し直された開始日と一致するようになる。
【0074】
さらに、供給システム100によって、ユーザは、数日間測定した上で指定された係数だけ、選択された部品のために必要とされる日付を繰り上げることができるようになる。この機構は、日数による安全在庫と呼ばれる。日数による安全在庫はオーダ数量を増加するのではなく、単に、必要とされるよりも早くそのオーダを繰り上げることに留意されたい。
【0075】
好ましい実施形態では、ユーザはSmartBILLを実装することもできる。SmartBILLは供給アプリケーション内のオプションの機構であり、構成可能な代用能力がイネーブルされる、すなわち「アドオン」されるとき、供給システム100は、その部品表(BOM)を動的に構成するための能力を得る。ユーザが構成可能な代用を選択するとき、供給システム100はSmartCon(SmartBILL製品において実際の構成可能な計算を行うプログラム)に要求を出し、それにより、SmartConが、PALにおいて製品技術者によって指定されているルールに従って代用アセンブリを構成する。その際、SmartConは、構成された代用アセンブリのテーブルを提供することにより、供給に応答する。
【0076】
エンジニアリング構成モデルを獲得し、それを供給システム100に統合することにより、実際には、顧客オーダが、標準的なBOMの代わりに動的な製造用の部品表を生成することができる。その結果がSmartBILLであり、それは所定の部品数ではなく、技術仕様に基づく。その利点は、SmartBILLがエンジニアリングモデルのインテリジェンスを保有し、許容される代替品および資源依存性を考慮することである。改良型のSmartBILLは追加の制約条件も含むことができ、それにより代用が費用および品質に対して、ならびに定期的あるいは至急の配送に対して最適化されるようになる。結果としてオーダが速くなり、資材制約条件によって出荷が遅れる可能性が小さくなることが期待される。
【0077】
構成可能な代用の目的は、供給システム100によって要求されるターゲット製品の正確な数量を常に構成することであり、その間に、配送のための最適な時間枠と、種々の代替の子製品の最適な数量とを選択することである。競合する子製品の中の最もよい製品が、それらが提供する資源の評価、および在庫内に存在するそれぞれの数量に基づいて選択される。
【0078】
ここで、供給システム100およびSmartCon構成が、そのデータの交換時に通るプロセスが記載される。最初に、供給システム100がSmartConを呼び出し、ユーザが構成可能であるとしてフラグを立てた各部品を照会する。供給システム100は、そのためのPALモデルが存在するか否かを照会し、PALモデルが存在する場合には、構成可能な部品を組立てるために、SmartConがどの部品を必要とするかを尋ねる。SmartConは、その名前が要求される製品に対応する製品属性ファイルを探索し、ロードする。また、SmartConはそのモデル内の各製品を探索し、製品が消費(それが負の数量である場合)あるいは提供(それが正の数量である場合)する各資源の量を計算する。これらの全ての構造の場合の資源量の合計は、1つのターゲット製品が構成される際に要求される資源の量を表す。SmartConは、必要とされる数量(供給システム100によって得られる)および上記で計算されたものの逆数である資源のリストで、ロードされたモデル内のターゲット製品を更新する。このリストは、ターゲット製品うちの1つの製品の数量が構成されるときに消費(あるいは提供)される資源を表す。そのモデルの変数セクションが計算される。変数は、ある特定の反復的あるいは複雑な計算が必要とされるときにのみ用いられ、それはその後、構成された品目の計算において用いられる。在庫記録内に見られる期間当たりの構成された結果を計算するために、SmartConが実行される。
【0079】
それぞれの場合に、最終結果が、供給システム100によって要求されたターゲット製品の数量を含むことがわかっている。しかしながら、各資源タイプのコンシューマおよびプロバイダのバランスをとるための資源バランシングの規則を用いて、子製品も構成されるであろう。結果として生成される子製品の数量は、それぞれがどの資源を提供(および/または消費)するかと、既存の在庫(既存の在庫からの割当ては、ある特定の製品のうちのより多くの製品を構成するよりも好ましい)内の利用可能な数量とに依存するであろう。種々の構成(期間当たり1つ)からの最もよい結果は、どの構成が最も低い費用を表すか(入力費用データを用いる)に基づいて選択される。SmartConはその結果を纏め上げ、応答して、供給システム100に返送される構成において指定される部品をそのオーダに供給する。
【0080】
ここで図1Dを参照すると、供給システム100は、ユーザが業務の数多くの態様を検討するのを支援するための種々のコンポーネントを含む。図1Dに示されるように、供給システム100は、供給計画作成部200、資源最適化部300、制約条件に基づくマスタ計画作成部400、製品変更分析部500、比較部600、資源所要量計画作成部700、有限資源計画作成部800、顧客契約部900および相互マスタ計画作成部1000を含む種々のコンポーネントの組み合わせを含むことができる。これらのコンポーネントのそれぞれの動作が以下にさらに詳細に記載される。
【0081】
供給計画作成部200
図1Dに示されるように、供給システム100は供給計画作成部200を含む。供給計画作成部200は、供給システム100の機能的な中心である。供給計画作成部200からの出力は他の分析的機能のための基礎であり、個々の結果を生成するために、供給システム100の他のアプリケーションによって用いられるであろう。供給計画作成部200は、ユーザの製品に対する需要を満たすために用いられる供給割当て計画を生成するための役割を果たす。図2の供給計画方法201に示されるように、供給計画作成部200は最初に、既存の在庫を用いることにより、SKUに対する需要を満たすことを試みる。現在の在庫が不十分である場合には、供給計画作成部200は、その需要に対して必要とされるような、SKUを生産、輸送あるいは購入するための所要量を指定する、生産、調達および購買プロセスを開始する。供給計画作成部200は一般的に、最も優先度の高いプロセスを最初に用いてその需要を満たすことを試みる。供給計画作成部200が、需要オーダのいくつかあるいは全てを満たすことができるプロセスを見つけるとき、供給計画作成部は供給オーダを作成し、生産、調達あるいは購買プロセスを実施する。供給計画作成部200は、その需要が満たされるまで、あるいはそのSKUのためのプロセスがそれ以上なくなるまで動作し続ける。供給計画作成部200は資源可用性および生産能力を同時に見て、結果として、企業内にある制約条件に基づいて、実現可能な計画を作成する(ステップ210)。ユーザは、安全在庫を計算するためのルールおよび顧客オーダで予測を消費するルールのような、その企業の戦略に基づく他の制約条件を設定することができる(ステップ220)。供給計画を生成する際に、供給計画作成部200は、標準的な米国生産および在庫管理協会(APICS)資材所要量計画(MRP)ロジックを用いて、MRPを実施することができる。別法では、ユーザは、ステップ220の場合のように、供給を用いて資源割当て中に従うための任意の他のロジックを指定することもできる。
【0082】
供給計画を作成する間に、供給計画作成部は、資材可用性および生産能力のような、ユーザによって指定されるか、あるいは供給システム100において予め定義される制約条件を遵守することが最も好ましい。供給計画作成部は、予測調整および安全在庫計算のような手順のためにユーザが設定するルールを用いることもできる。具体的には、供給計画作成部200は、企業にとって最も重要なオーダが最初に満たされるような優先度方式をユーザが指定できるようにすることが最も好ましい。たとえば、ユーザは大量の顧客に最も高い優先度を割り当て、その需要が確実に満たされるようにすることができる。またユーザは、予測オーダ(すなわち、予想される将来のオーダを見込んでとられるアクション)および安全在庫オーダ(すなわち、所望の最小在庫水準を保持するためのアクション)のための品目および場所優先度を指定することもできる。他のシステムから供給システム100にデータを取り込むことに関して文字を併記した図1Cに示されるのと同じような方法を用いて、その後、供給計画作成部200によって示唆されるオーダは別のシステムにエキスポートすることができる(ステップ250)。
【0083】
図2で説明を続けると、データベース110を構成した後に、ユーザは、周期的な規則正しいサイクルで、たとえば一月に2度、あるいは毎週、供給計画を生成することができる(ステップ240)。ユーザは、バッチモードか、インタラクティブかのいずれかで供給計画作成部200を生成することができる。ユーザは最初に、全てのSKUのための計画をバッチで生成し、その後、例外を有する小さな1組のSKUとインタラクティブに作業することができる。
【0084】
図2で説明を続けると、供給計画作成部200は、供給計画作成部200の結果を要約する1つまたは複数の出力テーブルを生成することができ(ステップ230)、この出力テーブルはデータベース110に格納されることができる。また、供給計画作成部200は、所望の供給変更を達成するために示唆されるオーダを要約する報告を生成することもできる。供給計画作成部200に固有の報告には、要約報告、用紙報告、購買オーダアクション報告、作業オーダアクション報告、過剰在庫報告、供給計画作成部ト200不足報告、移送オーダアクション報告およびクリティカル資材不足報告がある。
【0085】
一般的に、供給計画作成部200は、既存の在庫供給と顧客需要とのバランスをとることを試みる。需給のバランスがとれないとき、供給計画作成部200は、作業オーダ、購買オーダおよびサイト間オーダの予定変更あるいは取消しを推奨する。また供給計画作成部200は、新たな計画供給オーダ/サイト間オーダを作成することもできる。供給計画作成部200が推奨することができる動作の中には以下のものがある。
ブランク: アクションが必要とされないように、予定変更されていないか、何も制限が加えられていない記録
新規: 需給のバランスをとるために生成された記録
プッシュ: その元の日付よりも遅い日付に予定変更された供給
プル: その元の日付よりも早い日付に予定変更された供給
キャンセル: 需要が不十分な結果として取り消される供給
(プッシュ):より遅い日付への予定変更を推奨するが、供給計画作成部200の設定値によってフィルタリングされており、その元の日付から変更されないままである供給
(プル): より早い日付への予定変更を推奨するが、供給計画作成部200の設定値によってフィルタリングされており、その元の日付から変更されないままである供給
確定: 供給テーブルにおいて「確定」として設定されており(以下に記載される)、それゆえ、供給/需要要件にかかわらず変更されない供給
【0086】
次に、ステップ230における出力テーブルの生成をより詳細に説明する。出力テーブルは、ユーザが供給計画において推奨された代用品を解釈することを可能にするのに役立つ。ステップ230は、供給計画作成部200アクション(SPA)テーブルの作成を含んでもよい。SPAテーブルは、所定の代替的な供給および需要を表示する。主要部品の供給が需要を満たすのに不十分である場合、所定の代替部品のための代用品が計画される。供給は、手持ち在庫、購買および作業オーダ、または購買要求であり得る。SPAテーブルには2つのタイプの供給計画作成部200(SP)、すなわち、所定の代替供給がある部分であるSPS、および代替需要がある部分であるSPDがあり得る。
【0087】
供給計画作成部は、SPAテーブルを作成する際に用いられるフィルタを適用してもよい。例えば、SPAテーブルは、特定のタイプのアクションか、または特定のタイプの品目に関するアクションを指定することができる。結果データを修正するのみのフィルタは、SPAにコピーされるが、供給計画作成部200自体には影響を与えない。同様に、フィルタは、資源最適化、製品変更分析、または比較の動作等(これら全てが入力として正味計算テーブルデータおよびSPAテーブルのフィルタリングされた内容を用いる)の他の供給システムコンポーネントの動作を行わない。供給計画作成部200はさらに、SPAテーブルからのこれらのフィルタを供給計画作成部200の報告に適用し得る。
【0088】
ステップ230において形成される供給計画要約報告は、SPAテーブルからのデータの要約を提供する。供給計画作成部200の要約報告は、簡潔な報告でユーザの動作の完全な状況把握を提供する。報告オプションダイアログボックスにおいて選択されたカテゴリのそれぞれについて、購買、組立て、および移送された部品の投資が定期的に(毎月等)指示される。この供給計画要約報告は、在庫水準ならびに在庫の投資金額を期間の最初および最後に評価するための情報を提供する。
【0089】
同様に、供給計画作業オーダアクション報告は、選択された供給計画作成部200のランにより計画された作業オーダ(WO)全てを示す。WOアクション報告は、計画者に合わせて具体的に設計されている。報告の出力を用いることにより、計画者は、組立て部品に対する需要の要件(demand requirements)を満たすために現在のスケジュールをどのように調整しなければならないかを見ることができる。種々の報告オプションにより、計画者が特定の情報を対象とすることができる。新たなアクション(または計画された供給オーダ、すなわちPSO)の全てを見ることにより、計画者は、新たな作業オーダを満たすことが可能かどうかを見ることができる。PSOが除外される場合、既存の作業オーダの明確な見込みが表示される。既存の作業オーダに関するアクション(プッシュ、プル、またはキャンセル)を見ることにより、計画者は必要に応じて工場作業を予定変更し、計画者が必要に応じて工場作業を予定変更することができることを確認するよう試み、かつ、これらのアクションを満たすことができない場所を特定するよう試みることができる。
【0090】
供給計画購買オーダ(PO)アクション報告は、供給計画のランにより提案される購買オーダまたは計画された供給オーダ(PSO)の全てを示す。供給計画POアクション報告は、本質的には購買担当者のツールである。ユーザは、供給計画POアクションを特定の購買担当者に制限するか、または全購買担当者を含めることによって状況をより全体的に見ることができる。PSOが含められた状態で供給計画POアクションを見た場合、購買担当者には、需要の要件を満たすためにどのオーダを考慮すべきかがわかる。PSOが供給計画POアクションから除外される場合、購買オーダのみの明確な見込みが提示される。この供給計画POアクション(PSOが除外されたもの)から、購買担当者は、供給計画作成部200により推奨されたアクション(プッシュ、プル、またはキャンセル)に対してなされた購買オーダを検討することができる。アクションが達成可能である場合、購買担当者はアクションを実行するよう試みることができる。
【0091】
同様に、供給計画余剰在庫報告は、指定された供給計画アクションテーブルからの期末有効在庫全体を示す。余剰在庫報告により、組織の在庫位置を有益に見抜くことができる。余剰在庫報告のうち、ユーザが検討を望み得る最初のデータは、PSOを含まない余剰在庫である。余剰位置が十分な対象期間(horizon)で検討された場合、ユーザには、用いられる可能性が低い品目はどれが保持されているかがわかる。この在庫がある製品の古いモデルの取り替え品として要求される場合もあり、この在庫が除去される場合もあり得る。ユーザによる余剰在庫報告の検討への別のアプローチは、PSOを含むべきであり得る。この報告を十分な対象期間で見ることにより、ユーザは指定された期間の最後に超過しているであろう在庫を見ることができ、リストに載った在庫は次の期間の見込みを含む。次に、ユーザは、オーダポリシーを評価する際にこの情報を用いることができる。
【0092】
別の報告、つまり供給計画不足報告は、供給計画作成部200において、SPAテーブルに表される不足部品を示す。供給計画不足報告は、資材および生産管理スケジュールの評価のために、組織の不足のスナップショットを提供する。マルチサイト(multi-site:複数の管理区)であるかシングルサイト(single-site:単一の管理区)であるかにかかわらず、データは、単一部品、または全部品、あるいは選択された組の計画者または購買担当者に関して分析することができる。上述のABC部品フィルタは不足報告の一要素である。これは、ユーザが部品の分類の実現可能性を確認すること、また、クラスAの部品の不足が一度限りであるか常時であるか、あるいはクラスAの部品の不適当なリードタイムがクラスAの部品のリードタイムの短縮により最善に対処されるか、またはリードタイムの延長の考慮により最善に対処されるかのような問題に対処することを、当該フィルタが可能にするからである。この情報を用いて、ユーザは、種々のシミュレーションを行って不足の軽減を試みることができる。
【0093】
別のタイプの報告は、移送オーダアクション報告である。移送オーダアクション報告は、供給計画により作成されたサイト間(intersite)オーダの全てを示す。移送オーダアクション報告は、POアクションおよびWOアクション報告と極めて似ているが、マルチサイトの場合、つまり1人の計画者がサイト間の計画を担い得る場合に用いられる。当該報告は、プッシュ、プル、またはキャンセル等のアクションのみを伴うサイト間オーダを示して、計画者が計画スケジュールに調整を加える際に支援する柔軟性を有する。しかしながら、当該報告では、所望の場合はサイト間オーダを完全にプリントアウトするすることができる。
【0094】
同様に、供給計画危機的資材不足報告は、不足があり得る部品を迅速に指摘する方法を提供する。具体的には、供給システム100が、特定の日付前に不足をきたした部品について報告する。これは、ユーザがドロップイン(drop-ins)(すなわち、予想外の変更)を有し、そのドロップインが不足を生じさせるかどうかを見る必要がある場合に特に有用である。ドロップインは以下のもの、すなわち、新たな部品が追加された純粋なドロップイン、既存の部品の現在の納期の変更または繰り上げ要求(pulling-in demand)、および既存の部品の現在予定されている量の増加を含む。
【0095】
ユーザは正味計算テーブルを形成することもできる。特に、マスタ生産スケジュール(MPS)が、部品表(BOM)の複数のレベルの分析を実行する。この分析により、各レベルに納期回答(ATP)の可視性が与えられ、各品目について全ての供給および需要が提示されることが確実になる。MSP機能は、1つの期間ごと、および累積期間ごとの納期回答および推定有効データを、独立需要レベルで提供する。MPSは、ユーザの要求に応じて従属需要も含む。この特徴により、ユーザは、MPS分析をBOMの複数レベルで行うことができる。次に、MPSは、ユーザに複数レベルで納期回答品目を示し、ユーザが各MPS品目に関しての供給および需要を見ることを可能にする。MPSは、既存の正味計算テーブルに基づいて計算を行う。既存の正味計算テーブルは、供給計画作成部200により作成されたデフォルトの正味計算テーブルであってもよく、またはユーザが独立して作成および名前付けした正味計算テーブルであってもよい。正味計算テーブルは、見込みおよび顧客オーダと供給状況把握とを比較して、供給/需要バランスを確認する。この検討は、作業オーダの展開および詳細な部品計画を経る前に独立需要レベルで行われるようになっている。このテーブルは、期間ごとの納期回答情報および納期回答累積計算を提供する。納期回答は、企業の在庫および計画された生産の充てられていない(uncommitted)部分であり、確約される顧客オーダに対応するために基準計画において維持されるものである。納期回答量は、第1の期間における充てられていない在庫残高(inventory balance)および任意の供給オーダであり、通常は、MPSの入庫が予定されている各期間について計算される。第1の期間では、納期回答は、次の供給期間までの手持ち在庫と任意の供給オーダとを加算して、そこから納期および納期遅れの顧客オーダを引いたものである。その後の期間では、納期回答は、次の供給期間までの供給オーダの充てられていない残余を示す。
【0096】
上述したように、供給システム100は、通常、資源割り当てを計画する際にスタンドAPICSロジックを用いる。ユーザは、供給システム100で用いるために供給割り当ての優先度を指定することもできる(ステップ220)。一実施形態では、供給システム100は、供給割り当ての優先度を決定するための3つの主要なロジックオプション、すなわち、最早納期順供給(Earliest Available Supplies)、最適供給割り当て(Best Fit Supply Allocation)、および逼迫順供給割り当て(Hard Supply Allocation)を有する。供給システム100は、通常、デフォルトで最早納期順供給ロジックを用い、最早納期順供給では、需要タイプに応じて独立需要に優先度が付けられる。この場合、同じタイプの独立需要についてはさらに納期により優先度が付けられる。次に、供給システム100は、最優先される需要に対して必要な資材を全て割り当て、その後、次に優先される需要を満たす、といった具合に続く。需要を満たすと、供給システム100は、予定入庫を以下の順序、すなわち、在庫、作業オーダ(WO)、購買オーダ(PO)、購買要求(PR)、および計画供給オーダ(PSO)の順に割り当てる。ある供給量の所与の部品がある需要に割り当てられると、その量はもはや他のいかなる需要にも割り当てることができない。量は先着順で需要に割り当てられる。供給計画作成部200の全オーダ(新規オーダ、予定変更、およびキャンセル)が重視される。しかしながら、この方法は全ての状況に適しているわけではない。例えば、最早納期順供給ロジックを用いる場合、問題の部品を作るかまたは発注する時間がある場合でも、需要を満たすために在庫が使用される。これにより、在庫が使い果たされ、優先度は低いが納期がより早い他のいかなる需要も満たすことができなくなる。したがって、これらの他の需要は遅れる可能性がある。そうではなく在庫がこれらの需要に適用されていた場合、これらの需要の納期は遵守されていたであろう。需要を満たす他の2つの方法(最適供給割り当ておよび逼迫順供給割り当て)は、以下で説明するようにこの欠点に対処する。
【0097】
上述の問題に対処するために、ユーザは最適供給割り当てロジックの適用を選択することができる。最早納期順供給ロジックとは対照的に、最適供給割り当てロジックは、依然として需要が予定通りに満たされることを可能にする納期が最遅の、すなわち最後の供給を割り当てる。最適供給割り当てロジックは、需要ごとに扱い方を変える。需要が累積リードタイム内にあるか、または累積リードタイム外にあるかに応じて、RESO300は、予定入庫(最遅のもの)を割り当て、需要を満たすための予定入庫が存在しない場合にのみ、最後の手段として計画されたオーダを割り当てる。これに対して、需要がリードタイム内にない場合、供給システム100は、予定入庫(在庫を含む)であるか計画オーダであるかにかかわらず需要を満たす、納期が最遅の、すなわち最後の供給を割り当てる。供給システム100は、通常、組立ておよび移送部品とは異なった方法で購買部品を扱う。購買部品の場合、購買リードタイムが用いられるが、移送および組立て部品では累積リードタイムが用いられる。さらに、供給システム100は、組立ておよび移送部品とは異なった方法で購買部品を扱い得る。購買部品の場合、供給システム100は購買リードタイムを用い得るが、移送および組立て部品では累積リードタイムが用いられる。供給システム100はまた、組立ておよび移送部品とは異なった方法で購買部品を扱い得る。一実施態様では、購買リードタイムのみが購買部品の可用性を評価するために用いられる。しかしながら、供給システム100の好ましい実施形態ではさらに、規定のリードタイムプラン外にある購入部品の予定入庫が考慮される。さらに、供給システム100は、必要日時またはリードタイム(いずれが長いかにかかわらず)についてPSOの計画オーダを取り決めることができる。このリードタイム計算は、累積リードタイムのみを用いる移送および組立て部品とは対照的である。したがって、最適供給割り当てロジックでは、最早納期順供給方法とは異なり、在庫が使い果たされることがなく、その在庫を必要とする需要に最適に適用させることができる。同様に、他のいかなる予定入庫も、優先度は低いが要求を満たすことができる場合は使用されることがない。
【0098】
あるいは、供給システム100は、タイプによって需要に優先度を付ける逼迫順供給割り当てロジックを用いることができる。上述のように、従来の最早納期順供給方法は、需要タイプによって独立需要に優先度を付け、次に、需要タイプによって独立需要にさらに優先度を付け、次に、納期によって同じタイプの独立需要にさらに優先度を付ける。これに対して、逼迫順供給割り当て方法は、タイプのみによって優先度を付け、同じタイプの要求は全て同等に扱う。あるタイプ内で、供給システム100は、最上位レベルの製品の納期にかからわず、構成部品を最初に必要とする需要にそれを割り当てる。換言すると、供給システム100は、累積リードタイムを考慮に入れ、リードタイムが長い製品が予定通りに必要な部品を得るように、供給を割り当てる。納期が最も早い需要を満たすために在庫を使い果たすことがある最早納期順供給方法とは対照的に、逼迫順供給割り当てロジックは、他の予定入庫または計画オーダにより満たすことができないほど長い累積リードタイムを有する製品の需要に在庫を割り当てる。在庫以外の供給により満たすことができる需要は、優先度がより低い予定入庫、または計画オーダにより満たされる。したがって、逼迫順供給割り当てロジックは、全需要を予定通りに満たすことができる機会を増大させることができる。
【0099】
供給計画作成部用の数学モデル
一実施態様では、供給計画作成部200は、以下の数学モデルを使用して動作する。この数学モデルでは、計画決定変数は以下を含む。すなわち、
Xit=時間期間tに出荷される需要iの部分(fraction)。
Ykt=時間期間tに構築される作業オーダkの部分。
Ijt=時間期間tの終了時の品目jの在庫。
Pjt=時間期間tの品目jの生産(すなわち、組立品のための新たな作業オーダ、購買品のための新たな購買オーダ)。
Wjkt=時間期間tに作業オーダkを構築するための品目jの引当(withdrawal)。
Ujkt=時間期間tの作業オーダkを構築するための品目jの自由な使用(すなわち出庫される(issued)在庫の使用)。
【0100】
さらに、いくつかの独立需要は、以下の変数を用いて、数学モデルにおいて確定される。すなわち、
dij=需要iによって要求される品目jの数量
αi=需要iに関連付けられる収益
βi=需要iに関連付けられるマージン
M=独立需要数
所定の需要Iの場合、dijは、1つのみの品目jについて非ゼロとなる。一組の独立需要が単一グループとして扱われることが望まれる場合、加工(artificial)親品目を作成し、この加工品の独立需要の子の組をつくる。
【0101】
同様に、従属需要は、以下の変数を使用して数学モデルにおいて確定される。すなわち、
qij=組立品iにつき必要とされる品目jの数量。
Sj=品目jを必要とする組立品の組。
組立あたりの数量qijは、混合調整、収縮調整、および歩留まり調整を既に反映しているものとする。
【0102】
予定作業オーダは、以下の変数により表される。すなわち、
Sjk=作業オーダkにより供給される品目jの数量。
ajk=作業オーダkについての品目jの実際の所要量。
tjk=作業オーダkについて既に出庫される(すなわち「キットにされる」)品目jの数量。
LTk=作業オーダkについてのリードタイム。
W=作業オーダ数。
Aj=品目jについての実際の所要量を有する作業オーダの組。
所定の作業オーダkについて、Sjkは、2つ以上の品目jについて非ゼロであり得ることに留意されたい。このことは、作業オーダが2つ以上の品目を供給し得ることに等しい。
【0103】
さらに、購買オーダおよび購買要求は、以下の変数を用いて確定される。すなわち、
rjmt=時間期間tの購買オーダ/要求mにより供給される品目jの数量。
P=購買オーダおよび購買要求の数。
Pj=品目jについての購買オーダおよび購買要求の組。
他の品目の定数(Item Constants)は、以下の通りである:
LTj=組立品目jについての固定または平均組立リードタイム。
cj=品目jの標準費用。
N=限定品目数
LTjは、組立品目jについての固定または平均リードタイムであることに留意されたい。品目のリードタイムが可変である場合、平均リードタイムは、標準ロットサイズを乗算した変動リードタイム成分に固定リードタイム成分を足して計算される。また、LTkは、組立品目jについての固定または平均組立リードタイムのように、作業オーダkおよびLTjについてのリードタイムであることに留意されたい。予定作業オーダが新たな作業オーダとは異なるリードタイムを有することを可能にすることが重要でない場合、LTkは、作業オーダkにより供給される最も重要な品目jについてリードタイムLTjに換えることができる。
【0104】
各種設備(作業区(work center))は、以下の変数を用いて確定される。すなわち、
bnt=時間期間tでの作業区nの能力。
gjn=作業区nでの品目jの処理に必要とされる変動時間。
hjn=作業区nでの品目jの処理に必要とされる固定時間。
C=作業区の総数。
能力bntは、保守、および修繕のダウンタイム(repair downtime)などを引いた作業区nの正味能力(net capacity)、表すために、負荷率(load factor)により調整され得る。
【0105】
最後の定数は以下の通りである。すなわち、
T=時間期間数
【0106】
ここで、上で導入された変数を用いて定義される制約条件を説明する。式1は、在庫残高を表し、概して主要な資材の制約条件である。式1は、在庫の追加および引当を見失わないようにして、確実に各品目の在庫残高が任意の時間期間に負になることがないようにする。右辺の最初の4項は、在庫供給、すなわち前の期間からの在庫、その時点での時間期間の新たな供給(すなわち、新たな購買オーダ、新たな作業オーダ)、その時点での時間期間に構築された予定作業オーダ量、およびその時点での時間期間内に届いた購買オーダおよび購買要求を表す。最後の3つの総和項は、在庫の引当、すなわち、その時点での時間期間に出荷される需要、後の時間期間の新たな作業オーダの組立品のための引当、および後の時間期間の予定作業オーダの組立品のための引当を表す。
【0107】
【数1】
(式1)
【0108】
時間期間1では、右辺の第1項(Ij,t-1)は、初期の手持ちの在庫に設定される。
【0109】
ykt変数は、供給計画作成部200が作業オーダをプッシュ、プル、キャンセル、または破ることができるようにすることに留意されたい。購買オーダおよび購買要求は、対応する変数の組を有していないため、ユーザは、これらの予定入庫を変更することができない。購買オーダおよび購買要求に対してアクションを起こすために、これらの予定入庫についての変数の追加の組が作成される。
【0110】
式2に表した独立需要制約条件は、出荷される(すなわち、完了したか、あるいは構築した)各独立需要の数量が、多くとも要求された数量であることを保証する。制約が等式ではなく不等式であるため、いくつかの独立需要が完了していないという可能性があることに留意されたい。
【0111】
【数2】
(式2)
【0112】
式2では、時間期間tは需要の出荷期間を示している。
【0113】
上述したように、これらの制約条件(式1および式2)は、全計画期間(planning horizon)にわたって総和をとるため、計画期間中の任意の時点で需要が完了する可能性が得られる。所与の需要Iが完了し得る期間を制限するには、総和は、計画期間中に特定の窓に制限されるべきである、すなわち、総和は1よりも長いある時間期間で始まり、Tよりも短いある時間期間で終わるべきである。この窓は、需要の必要日によって決まる可能性がある。たとえば、需要は14日(period 14)の期日予定であるものと仮定する。最大で期日より3日間早くに、および期日より4日間遅れて需要を出荷するには、総和は、t=14−3=11からt=14+4=18までに入るべきである。
【0114】
独立需要制約条件の構造は、大半の独立需要が全てを出荷されなくてはならないと仮定しており、全てを出荷しなくてはならない需要と一部の出荷を容認している需要のいずれにも対処する。全て(すなわち一度の出荷で)出荷しなくてはならない需要Iの場合、xitは、全時間期間の間、二値変数にて制約されるべきである:
【0115】
【数3】
(式3)
【0116】
一部の出荷を容認している需要Iの場合、xitは、二値として制約されるべきではないが、供給計画作成部200では、全xit変数は概して二値に制約されている。
【0117】
制約条件の他のタイプである予定作業オーダ制約条件は、ユーザが多くとも各作業オーダの特定数量を構築することを保証する。これらの制約条件は不等式であるため、ユーザが特定数量より少なく構築する可能性を容認するようになっていることに留意されたい。
【0118】
【数4】
(式4)
【0119】
式4では、時間期間tは、その時点での、作業オーダ数量が完了している時間期間を示している。
【0120】
予定作業オーダ制約条件は、独立需要制約条件と類似しているため、同様な自由度がある。作業オーダが構築され得る期間を制限するために、総和は、おそらくは、作業オーダの最初の予定完了日に応じて、特定の窓に制限されるべきである。分割されることのできない作業オーダkの場合、yktは、全時間期間の間、二値変数として制約されるべきである:
【0121】
【数5】
(式5)
【0122】
分割され得る作業オーダkの場合、yktは、二値変数として制約されるべきではない。
【0123】
他のタイプの制約条件である実際の所要量残高、ならびに引当および自由使用制限(Withdrawal and Free Usage Limits)の双方により、作業オーダの実際の所要量の正確な数量が在庫から確実に引かれる。実際の所要量残高は、以下のように表される。すなわち、
【0124】
【数6】
(式6)
【0125】
この引当および自由使用制限制約条件は、以下のようである:
【0126】
【数7】
(式7および式8)
【0127】
実際の所要量残高制約条件は、時間期間tの作業オーダkについての自由使用および引当が、時間期間tに実際に構築された作業オーダkについての実際の全所要量の部分に等しくなければならないことを示す。引当制限制約条件は、全引当が作業オーダkへプルするための品目jの残高を越えないよう保証し、自由使用制限制約条件は、作業オーダkについて既に出庫した品目jの数量を越えないよう保証する。
【0128】
決定変数pjtは、時間期間tに生産された品目jの数量を示す。品目jが購買品である場合、pjtは新たな購買オーダに相当し、品目jが組立品であれば、pjtは新たな作業オーダに相当する。購買品と組立品との間の、モデリングの点から見た唯一の相違点は、組立品目jに関連する生産変数pjtは子品目の在庫残高制約条件に表れ、その時点で、それらの子品目が在庫から引かれなければならないという点である。各品目jについて、リードタイムが経過しないうちに新たな供給が到達しないよう保証するために、決定変数pjtが、tがリードタイムよりも短い時間期間の間に存在しないようにすべきである。たとえば、購買品が20日間のリードタイムを有するものとする。その場合、pjtは、時間期間t=1、K、19に存在するべきではない(別法では、強制期間があるが、それらの値はゼロに固定される)。組立品の場合、関連のリードタイムは、組立リードタイムであり、累積リードタイムではない。
【0129】
組立品jを製造することには通常、特定のシーケンスでの一連の作業を完了させることが必要とされる。1つの品目を良好に製造し始めてから完了させるのに必要な自由度を可能にするために、ユーザは、最後の1つを除いた工程での各作業について加工品を作成し得る。品目Aが4つの工程作業を有するとする。工程作業1〜3では、3つの加工品(A1、A2、およびA3と呼ばれる)が作成される。原品目Aの複数の子はA1の子となり、A1はA2の唯一の子であり、A2はA3の唯一の子であり、A3は、Aの唯一の子である。最後の工程作業は、原品目Aに相当する。このようにして、品目Aの親は、その子として品目Aを示し続け、これらの親の生産により、完成品Aの在庫から引当されることになる。
【0130】
原品目Aについての作業オーダは、品目A1についての作業オーダとならなければならず、その加工品は、最初の工程ステップに相当する。A1についての作業オーダを構築することにより、作業オーダが爆発的に増加している場合に、作業オーダの実際の要求から、あるいは(与えられている場合には)A1の子から引当が生じる。この場合、作業オーダにより作成されるA1の供給は、工程における次なる加工品であるA2の生産による引当に利用可能である。
【0131】
ユーザは、各加工品について組立リードタイムを決定する必要がある。原品目の組立リードタイムが可変である場合、この計算は単純である。すなわち、ユーザは、標準ロットサイズを乗算し、各工程作業についての固定リードタイムを足した各工程作業について変動時間を用い、この数を最も近い整数まで切上げる。原品目のリードタイムが固定されている場合、ユーザは、(1)加工品の個々の組立リードタイムが、各工程作業により必要とされる全組立時間の部分を反映するように、かつ(2)個々の組立リードタイムの和が最初の組立リードタイムに近似するように、加工品にわたり原品目のリードタイムを配分する。これらの2つの目的は、特に最初の組立リードタイムが短い場合に対立する場合がある。
【0132】
以下のアルゴリズムは、加工品のリードタイムを算出する1つの可能な方法を提供する。
1.品目jの組立リードタイムが固定の場合、基準ロットサイズを以下のようにして求める:基準ロットサイズ=(LTj−全工程作業の固定リードタイムの和)/(全工程作業の変動リードタイムの和)。これを使用しない場合には、品目マスタテーブルに提供される基準ロットサイズを使用する。
2.各工程作業毎に、工程作業の変動時間に基準ロットサイズを乗算し、固定リードタイムを加算する。この数量を最も近い日に切り上げる。これは、各加工品の組立リードタイムであり、最後の工程作業の場合には、原品目の改訂組立リードタイムである。
3.(オプション)加工品のリードタイムの和が、元の組立リードタイムと適度に整合するように調整を加える。
ステップ3は、ステップ2における切り上げによって付加される時間が長すぎる場合に必要でありうる。たとえば、工程に等期間の作業が4つある場合、3個の加工品それぞれには少なくとも1日のリードタイムが割り当てられ、原品目には少なくとも1日の改訂リードタイムが割り当てられることになる。結果として全体のリードタイムは4日である。しかしながら、元の組立リードタイムが最初の加工品に対して1日のみであった場合、その他の加工品のリードタイムはゼロである。
【0133】
以下の擬似コードアルゴリズムは、複数ステップの工程を有するあらゆる品目についての加工品の製造を要約したものである。
1.最後の1つを除く工程作業毎に加工品を製造する。
2.原品目の複数の子を、最初の工程作業の加工品の子アレイにコピーする。
3.原品目の複数の子を、最後から二番目の工程ステップの加工品を指す単一の子で置き換える。
4.工程を逆向きに進み、工程作業nの加工品を、工程作業n+1の加工品の子とする。
5.実際の所要量を含む原品目の作業指示情報を最初の工程作業の加工品に移動する。
6.上に提供したアルゴリズムを使用して、加工品の組立リードタイムおよび原品目の改訂リードタイムを算出する。
【0134】
これら加工品の製造に伴い、ユーザは通常通りの様式で在庫残高制約条件を構築する。ここで唯一の懸案は、生産能力の制約条件を構築する方法である。この問いに答えるため、供給は各工程作業の固定時間を明らかにする。ユーザは、別の決定変数セットを導入して固定組立時間を(略)正確に明確化することができるか、あるいは各作業区がセットアップモード(または生産バッチあたり固定時間を消費する他のモード)で費やす時間の割合を概算することができる。
【0135】
ユーザが別の決定変数セットを導入する場合、以下のように定義される。
【0136】
【数8】
(式9)
【0137】
作業区nが時間期間tに品目jを処理する場合にのみ、ejntが非ゼロであるように保証するため、以下の制約条件が課される。
【0138】
【数9】
(式10)
【0139】
【数10】
(式11)
【0140】
なお、品目jがある工程中の最初の作業に対応せず、むしろ最初以外のある作業に対応する場合、上記制約条件にwjktにわたっての合算がない。第1の制約条件セットにより、時間期間t内に作業区nで品目jの生産がない場合にejnt=0であることが保証される。第2の制約条件セットにより、時間期間t内に作業区nで品目jの生産がある場合にejnt=1であることが保証される。第1の制約条件セットのスケーリングは、生産能力資源ユニットが、1つまたは複数の品目ユニットの生産において1つまたは複数の生産能力資源ユニットが消費されるに足るほど大きいものと仮定している。これが当てはまらない場合には、第1の制約条件セットの右辺を十分に大きな倍率で乗算して、右辺の値が常に、生産量が厳密に正であるときは必ず1よりも大きくなるように保証すべきである。生産能力の総可用率により適切な上界が提供されるため、第2の制約条件セットはすでに適宜スケーリングされている。
【0141】
ここで、製造能力制約条件を以下の式11に記すことができる。
【0142】
【数11】
(式12)
【0143】
ejnt変数を式9〜式12に記したように設定することは、セットアップ時間が、過小評価されることはないが、過大評価される可能性があることを意味し、これは、ユーザが作業区nで品目jを組立てるあらゆる時間期間において、セットアップ時間を背負い込むことになるためである。しかしながら、時間jの1バッチが作業区nの1つよりも多くの時間期間にまたがる場合、セットアップ時間はそのバッチの最初の時間期間にのみ含められ、後続する時間期間には含められない。このように潜在的にセットアップ時間を過大評価する潜ことは、供給が生産能力資源をわずかに過小スケジューリングしうるが、供給計画作成部200は過大スケジューリングしないことを意味する。
【0144】
代わりにユーザが固定組立時間を概算すると判断する場合、ユーザは、作業区nがセットアップモードで費やす時間の割合に対応する量分、bntを下げる必要があるだけである。この削減された生産能力がb3 ntと表記されるとすると、製造制約条件はこのように記すことができる。
【0145】
【数12】
(式13)
【0146】
目的関数が4つの目標、すなわち、顧客サービスの最大化、収益の最大化、マージンの最大化、および在庫費用の最小化を組み合わせる。ユーザは、それぞれの企業の目的に応じて、これら4つの目標に異なる重みを割り当てることができる。
【0147】
顧客サービスを測定するにあたり、ユーザは、定時に注文を出荷するか、それとも遅めまたは早めに出荷するかのいずれかを優先したい場合がある。このために、ユーザは、xitをδitで表記される価値係数でスケーリングする。
【0148】
【数13】
(式14)
【0149】
式14におけるこのδitの設定は、定時オーダが最も高い値(2)を有し、出荷日と必要日との間の差が大きなるほど値が低く、n期間早く出荷されるオーダはn期間後に出荷されるオーダの2倍の価値がある。(スケーリングした)顧客サービス関数はこのようになる。
【0150】
【数14】
(式15)
【0151】
収益関数は、すべての出荷済独立需要に関連する収益の和である。
【0152】
【数15】
(式16)
【0153】
マージン関数は、すべての出荷済独立需要に関連するマージンの和である。
【0154】
【数16】
(式17)
【0155】
在庫費用関数は仕掛品の価値を無視し、その代わりに「棚にある」在庫のみを含める。
【0156】
【数17】
(式18)
【0157】
式18における角括弧内の1番目の二重加算項は、各計画期間が終わった時点で在庫である品目のドル費用である。2番目の項は、作業オーダですでに出庫されたが、まだ消費されていない在庫の費用を説明している。出庫された在庫が消費されると、消費量(ujktで表される)が、出庫量(tjkで表される)から差し引かれる。
【0158】
ユーザは、上に列挙した4つの目標の中から2つ以上の目標に厳密に正の重みを割り当てることによって複数の目標を組み合わせる。結合目的関数では、4つの関数それぞれが、それに対応する重み係数で乗算される(ユーザが1つまたは複数の目標にゼロの重みを与えると、この目標は生産スケジュールに影響しない)。ω CS、ω R、ω M、およびω Iを、ユーザが顧客サービス、収益、マージン、および在庫それぞれに割り当てた重みとする。
【0159】
ユーザが割り当てた重みを正確に反映するには、結合目的関数はまず最初に、上記4つの関数それぞれをスケーリングして、概ね類似するようにしなければならない。収益$1000が関連する顧客オーダを考え、ユーザが顧客サービスおよび収益の両方を、それぞれに等しい重みを割り当てた状態で最大化したいものと仮定する。倍率が上記関数に適用されない場合には、受注分を定時に出荷することによって、顧客サービスに価値2および収益に1000が与えられ、これらの寄与の程度は決して等しくはない。いくつかの異なるスケーリング方法が妥当な場合もある。一実施形態では、各項が最大でも1の値を有するように、供給が別個の目標をスケーリングする。YCS、YR、YM、およびYIを、顧客サービス、収益、マージン、および在庫それぞれの倍率とする。供給は、これら数量を以下のように設定する。
【0160】
【数18】
(式19)
【0161】
【数19】
(式20)
【0162】
【数20】
(式21)
【0163】
【数21】
(式22)
【0164】
式22において、「固定予定入庫」なる項は、キャンセルまたは破ることのできない購買オーダ、購買要求、または作業オーダを指す。目標が在庫の最小化である場合、任意の期間における在庫は、手元にある在庫に、固定予定入庫を足したものを越えるべきではない。すなわち、品目が同じ期間中に消費されないのであれば、その品目は生産(または購買品目の場合には入庫)すべきではない。
【0165】
結合目的関数はこのようなものである。
【0166】
【数22】
(式23)
【0167】
なお、式23では、在庫費用関数がその他の関数の和から差し引かれて在庫費用が最小化されるが、他のすべての数量は最大化される。
【0168】
資源最適化部300
図1Dに戻ると、供給システム100は、資源最適化部(RESO)300を含む。RESO300は、すべての供給を配達可能な製品の独立需要に割り当てる供給アプリケーションである。供給計画作成部200は部品を管理するが、RESO300は需要オーダを管理する。RESO300は出力テーブルから独立需要の優先度を決めるとともに、その優先度を変更する。ユーザは、RESO300を使用して、ユーザの資源を最良に利用するために、現在のスケジュールのどこを改良可能かについて明らかにした報告書を作成することができる。
【0169】
供給計画作成部200の背後にあるロジックは、従来のMRPIIシステムと同様である。具体的には、供給計画作成部200は、製品構造、部品費用、稼動率、およびオーダポリシー等の要因によって動く。しかしながら、従来のMRPIIロジックを使用すると、独立需要とこれら需要を満たすために必要な供給との間の関係が不明瞭になる場合がある。このためRESO300は、従来のMRPIIロジックを使用した場合の効果を逆にするロジックを利用する。具体的には、RESO300は、ユーザが供給の使用を個々の顧客オーダ、マスタスケジュール品目、および臨時使用品目に合わせられるようにすることによって、ユーザが求める可視性を取り戻す。供給計画作成部200の結果をRESO300を通してさっと見ただけで、ユーザは、月末までに生産すべきユニット数、最小の投資で最大の収益を生み出す現オーダの選択、ドロップインのオーダがユーザのスケジュールにどのように影響するかについての予測、および生産能力が計画スケジュールにどのように影響するかについての予測等の質問に対する答えを出すことができる。RESO300は、供給計画作成部200によって推奨される供給およびアクションを遵守し、収益計画のベースとして使用する。RESO300は、供給品目をすべてユーザの独立需要まで後ろ向きに、合ったものから先に満たす様式で割り当てる。ユーザは、上に列挙した状況の類に対する答えが必要なときにはいつでもRESO300を使用することができるが、一般には、ユーザが供給計画作成部200を実行して生産計画を作成した後でのみである。特にユーザは、これら供給がどのように割り当てられるかについての明確なイメージを得るために、供給位置を明確に把握すべきである。
【0170】
RESO300は一般に、基本的な入力として供給計画作成部200からの供給計画(すなわち、ベースの正味計算テーブルまたは別個に規定された正味計算テーブルの内容)を必要とする。RESO300は、上に述べた製品構造(PS)テーブル、顧客オーダ(CO)テーブル、マスタスケジュール(MS)テーブル、および割増使用(EU)テーブル等、ユーザによって指定された他のテーブルからのデータも使用しうる。RESO300はこのデータを、資源最適化テーブルおよび資源最適化詳細(RESOD)テーブル等のデータベース110中のテーブルに格納する。そして、RESOテーブルおよびRESODテーブルからの結果を組み合わせたものを、資源最適化アクションテーブルに表すことができる。供給計画作成部100からの正味計算テーブルは通常、供給計画作成部200の実行日と指定された供給計画作成部200の対象期限日との間の任意の時間に必要とされる、品目マスタ(IM)テーブル中のあらゆる部品の完全な供給プロファイルを含む。上に述べた顧客オーダテーブル、マスタスケジュールテーブル、および臨時使用テーブルの中味もまた、供給プロセス(需要)への入力でありうるため、供給計画作成部200の結果に影響する。従来のMRPの出力を用いる場合、部品表(BOM)のすべての階層を通して一度に1レベルずつこういった関係を追跡することが困難である。
【0171】
したがって、図3の資源最適化方法301の最初のステップは、正味計算テーブルがすでに存在していることを確認するというものであり(ステップ310)、その結果適した供給計画が生成される。不適切な供給計画作成部200の例は、期限切れのユーザ計画を基にしたものである。RESO300は通常、在庫を見て可能量を算出する。しかしながら、可能量を算出することにより、他の供給元も考慮する場合がある。可能量には、指定されている場合には作業オーダおよび他の供給元も考慮される。各供給元毎に、ユーザは、所要量に合うようにオーダ日を考慮するかそれとも無視するかという選択肢を有しうる。
【0172】
RESO300は、選択された顧客オーダおよび/またはマスタスケジュール品目(すなわち、製品の独立需要)を正味計算テーブル中の個々の供給記録に遡って関連付けることによって関係を明らかにし、定量化する。RESO300は、すべてのレベルを通してインテリジェントに移動し、それぞれがどのように満たされるかを明確に示す。RESOテーブル中の各記録は、テーブルに規定されたソート順に基づいて順次マッチングする。この順序付けは、最適化プロセスによって自動的に割り当てられたペッグ番号で表される。RESOテーブル中の各ペッグ番号毎に、最適化プロセスは、正味計算テーブルに列挙された供給記録から部品を抽出し、需要を満たすようにその部品を割り当てる。
【0173】
RESO300の相補的な機能は、理論上は在庫がある部品(製品および構成部品両方の)の可能数量を算出し報告することである。同様に、RESOは、RESOシーケンス中の各時点での需要を満たすために必要な数量が利用可能になる可能日を求めることができる。可能数量値および可能日は一般に、RESOテーブルおよびRESODテーブルの両方の中にある。これらの値が何を表すのかを正確に理解することが重要である。部品の可能数量は、その部品の、先に整合した需要すべてが満たされた後に残っている数量を表し、可能量が0ということは、すべての在庫および作業オーダが優先度のより高いペッグシーケンス番号に割り当てられたことを意味する。RESOテーブルに列挙された部品は、独立需要がある製品を特定しているため、RESOテーブルに報告されている部品の可能日とは、過去の任意の時点で構成部品の割り当てがすでに行われた場合に、RESOシーケンス中のその時点で構築可能なものを表す。
【0174】
RESODテーブルに特定される部品(製品ではない)は、組織の製品になる構成部品である。こういった構成部品の可能日は、RESOシーケンス中のその時点での独立需要に割り当てることができる部品を表す。この割り当ては、前の時点で行われた構成部品のあらゆる割り当てを反映したものである。
【0175】
可能日を求めるとき、RESO300は利用可能日を求めることができる。利用可能日は、供給計画作成部200の実行日にあらゆる不足部品の中の最長のリードタイムを足して算出される。可能日が供給計画作成部200の実行日に等しい場合、これは、不足部品がなく、組織がスケジュールシーケンス番号を満たすために必要な部品をすべて現在庫(current inventor)として持っていることを意味する。利用可能日がスケジュールシーケンス番号の必要日よりも先の場合には、部品の不足がある。この不足により、利用可能日は、不足部品(1つまたは複数)の累積リードタイムに等しい分だけ延ばされることになる。利用可能日は、製品部品番号で指定される独立需要を満たすことが可能な日を表す。この結果は、構成部品の可用性およびあらゆる部品不足の累積リードタイムに基づく。コンポーネント、すなわち製品でもなければ組立品でもない品目の場合、可能日は、実際の供給および供給計画作成部200推奨供給が与えられた場合に、部品が利用可能になる最も早い日を表す。
【0176】
通常、RESO300は、最初の利用可能な供給で需要を満たす。しかしながら、顧客オーダが検討対象である場合によっては、RESOが特定の供給を需要に合わせることがある(ステップ320)。このために、供給システム100では、ユーザがマッチプロジェクトセットを指定することができる。マッチプロジェクトセットは、プロジェクトIDを供給と需要の間のリンクとして使用する。RESO300は、プロジェクトIDを有する需要に直面すると、まず、同じプロジェクトIDを有する供給を探す。供給は、同じプロジェクトIDを有する供給を見つけない場合には、PSOからの供給を用いる。
【0177】
引き続き図3において、RESO300は、デフォルト主導最適化実行後の微調整プロセスを支援するように特に設計されている。ユーザは、最適化実行後にRESOの結果を見て、入力データに具体的な調整を行うことができる(ステップ330)。たとえば、ユーザは、個々の需要の優先番号を上げることによって最適化シーケンスを調整することができる。ユーザは、必要日および必要量を変更すること、さらには新しい需要をRESO300に直接追加することも可能である。次にユーザは、RESO300を再度実行して、変更の影響を見ることができる。RESO300では、ステップ330中にユーザがバッチ種別の変更をデータに対して行うことも可能である。再実行では、最適化演算によって最後に使用された正味計算テーブル中の供給情報を用いる。また、ユーザは、需要をRESOテーブルに追加する場合には、併せて、新しい需要に見合う供給があるように、その需要を適した供給計画作成部200の入力テーブルにも追加して、供給計画作成部200を再度実行しなければならない。
【0178】
ステップ330の一環として、ユーザは、最適化演算がRESOテーブルの需要を取り扱う優先度を調整することもできる。供給システム100は、RESOテーブル中の優先度番号を変更することによってこういった調整を行う。この機能は、バッチのような様式で行うことができ、ユーザが所望期間中の特定の部品または部品群および/またはオーダの重要度を調整できるようにする。この調整は、すべての需要に基づいても、または特定の需要タイプに基づいてもよい。また、ユーザは、同じRESOテーブルに対して優先度を数回調整して、様々な状況を見ることができる。
【0179】
別の実施形態では、ユーザは、最適化セットをさらに定義することができる。最適化セットとは、ユーザが定義するソートおよび選択が一続きになったものである。各最適化セットは、ユーザが定義したかもしれない他のいずれの最適化セットからも独立して実行される。一般に、ユーザは、1つの最適化セットを特定のRESOテーブルに適用したいと思うだけである。この方法では、ユーザが、最適化する特定の商品または商品群を指定することができる。
【0180】
資源最適化分析に続き、RESO300は、分析の結果を記載した出力報告書を作成して表示することができる(ステップ340)。一実施形態では、RESO300は、オーダステータス詳細報告書を作成して、早期オーダまたは遅期オーダ、あるいはこれら両方のステータスについての詳細な情報を提供することができる。オーダステータス詳細報告書は、特定のサイトまたは部品に限定することが可能である。オーダステータス詳細報告書は、特定の範囲の需要に限定することも可能である。オーダステータス詳細報告書には様々な用途がある。主に、当該報告書により、ユーザは各オーダがどのように供給されるかを見る。当該報告書は、個々の構成部品およびその供給オーダが最上位レベルの需要をどのように満たすかを特定する。オーダがどのように供給されるかについての詳細が入手可能になってから、ユーザはオーダが何故遅くなるのかを判断することができる。
【0181】
同様に、RESO300は、どの部品が使用されるか、また必要であるかを要約した報告書を作成することができる。具体的には、使用箇所要約報告書は、ユーザの資材計画のどこで部品が使用され、必要とされるかについての要約を提供する。この報告書の主な目的は、下位レベルの品目が独立需要にどのように割り当てられているかを見ることである。この報告書は、供給の最適使用の分析に有用である。各部品の使用を見ることによって、ユーザは、必要日と可能日を比較的容易に比較することができ、そして各種オーダの優先度を決める。
【0182】
RESO300は、出荷可能な独立需要品目の毎月のドル単位での見積もりを提供する必要/利用可能要約報告書の形で、毎月の出荷可能な独立需要を見積もる報告書を作成することもできる。この報告書は、出荷可能独立需要品目の毎月の見積もりをドル単位で提供する。ユーザの計画および出荷目標を満足させるために求められる投資の査定に重要である。
【0183】
RESO300で作成することのできる別の種類の報告書は、すべての遅期オーダの要約を提供する遅期オーダ報告書である。この報告書は、遅期オーダ報告書ダイアログボックスに指定されたように、部品番号、次に必要日により、あるいは必要日、次に部品番号により、すべての遅期オーダの要約を作成する。この報告書をマスタスケジュールと併せて見ることにより、ユーザは、利用可能な供給で遅期オーダを満足させる最良の方法を求めることができるようになる。
【0184】
同様に、不足部品要約報告書が、部品の不足を要約レベルで識別する。ユーザは、購買担当者(複数可)または計画者(複数可)の特定の責任である部品の概要を作成することができる。この報告書は、部品の不足を迅速に突き止めるように設計されている。要約の各部品についての詳細を通して、ユーザは、手元にある部品、注文中の部品、および正味所要量位置を特定することができる。不足部品要約を使用して、購買担当者および計画者は、企業全体の部品の不足についてデータボリュームをソートするのではなく、各自特定の状況を見ることができる。これは、多くの期間で特定の部品が問題であるかどうか、またはその問題をより短い対象期限に切り離すかどうかを判断するのにいい機会である。
【0185】
RESO300は、定時または早期になるオーダのスケジュールの要約をユーザに提供する定時オーダ報告書をさらに用意することができる。定時オーダ報告書は、どのオーダが早期および定時になるかを評価する際に有用である。この情報を用いて、ユーザは、多くのオーダがスケジュールに先んじている場合に代替の出荷スケジュールを準備したいと思う場合がある。この報告書から早期オーダを見て、遅期オーダ報告書および不足部品要約報告書から遅期および不足部品と比較することにより、ユーザは、必要日に間に合わせるため、ひいては資材の利用を最適化するために、どのオーダの優先度を変更することができるかを見ることができる。
【0186】
別の報告書である使用箇所詳細報告書は、ユーザの資材計画のどこで部品が使用され、必要とされるかについての詳細な要約を提供する。使用箇所詳細報告書は、構成部品レベルでの供給および需要をタイムフェーズ化する。供給スケジュールは、在庫および予定購買オーダに基づいた、各期間の利用可能な供給の見積もりの算出を含む。需要のセクションは、スケジュールシーケンス番号、親需要部品番号、需要のタイプ、需要量、および納期を識別する。次に、各期間毎に、需要に割り当てられた構成部品量が特定される。タイムフェーズ化された供給と需要から、ユーザは、深刻に不足している部品周辺の予定変更の支援に優先度の高い需要を特定することができる。
【0187】
引き続きステップ340において、RESO300は、早期オーダまたは遅期オーダ、あるいはこれら両方の生産能力の詳細なステータスを提供する生産能力オーダステータス詳細報告書を提示することができる。当該報告書は、特定のサイトまたは部品に限定することが可能である。これは、特定の範囲の需要に限定することも可能である。生産能力オーダステータス詳細報告書には様々な用途がある。主に、この報告書は、各オーダがどのように供給されるかを目で見えるようにする。当該報告書は、個々のコンポーネントおよびその供給オーダが最上位レベルの需要をどのように満たすかを特定する。オーダがどのように供給されるかについての詳細が入手可能になると、ユーザはオーダが何故遅れるのかをよりよく判断することができる。具体的には、生産能力オーダクリティカルパスを識別することによって、ユーザは遅れた部品を切り離すことができる。
【0188】
さらに、購買オーダアクション報告書が、RESO300によって示唆された購買オーダ(PO)または計画供給オーダ(PSO)をすべて示す。ユーザは、検討したい購買オーダについての報告書に的を絞ることができる。この報告書は本質的に購買担当者のツールであり、ユーザは、報告書を特定の購買担当者に限定したり、すべての購買担当者を含めることによって状況をより全体的に見たりすることができる。この報告書をPSOが含められた状態で見る場合、購買担当者は、需要の要件を満たすためにはどのオーダを考慮すべきかを判断することができる。この報告書から、購買担当者は、RESO300の勧めるアクション(プッシュ、プル、またはキャンセル)に対してなされた購買オーダを検討することもできる。アクションが達成可能な場合、購買担当者はアクションの実行を試みることができる。全体として、この購買オーダアクション報告書は、アクションとともに購買オーダを迅速に把握できるようにする。
【0189】
制約条件ベースのマスタ計画コンポーネント400
図1Dに戻ると、供給システム100中の別のコンポーネントは制約条件に基づくマスタ計画作成部(CBMP)400である。CBMPは、ユーザの資材制約条件およびオプションとして生産能力制約条件の実施を決定することができる。この機能は、以下に述べる有限資源計画作成部800とともに、RESO300にあるような需要計画の機能を組み込み、負荷要件および生産能力要件に適応させる。CBMP400は、ユーザの資材制約条件およびオプションとして生産能力制約条件を満たした生産スケジュールを決める。RESO300およびFRP800と比較すると、CBMP400は線形プログラミング法を使用して、資材および生産能力計画問題を解く。これら高度な数学アルゴリズムにより、生産スケジュールへの影響に基づいてオーダを構築する意思決定能力がCBMP400に付与される。
【0190】
CBMP400は、計画にも使用することができる。たとえば、すべての部品が、オーダを今日構築するために現在利用可能であっても、今日そのオーダを構築しないと判断することによってそういった部品が自由になり、他の3つのオーダが明日完成することから、そのオーダを構築しないほうがより有利である。反対に、今日のその1つのオーダが最上の顧客に属するものであり、そのオーダを今日構築するとの判断が、全体のスケジュールに対する影響を顧みずに行われる場合もある。CBMP400は、スケジュールの初期にまずい判断を下すことを回避することができる全体的な概観を有し、このため、CBMP400は、生産計画問題に対してよりよい全体的な解決策を求めることができる。同時に、CBMP400は、ユーザが異なる優先度群を特定するという柔軟性を含み、これによってユーザは、可能な場合はいつでも優先度の高いオーダの構築を進めることができる。
【0191】
制約条件ベースのマスタ計画方法401を図4に示す。特に、CBMP400では、ユーザの組織にとって最も意味をなす生産目的をユーザが設定することができる(ステップ410)。ステップ410において、CBMP400は、ユーザが4つの考えられる目標:(1)すべての出荷済オーダの総収益を表す収益、(2)すべての出荷済オーダの総マージン(ドル価)を表すマージン、(3)各期(ユーザのCBMPオプションで規定される)末で在庫として残っているすべての品目のドル価に基づいた在庫、(4)定時オーダの数を表す顧客サービス、に付けたい相対的な優先度重みに対応するように、相対的に重要度が高いか低いかという尺度で調整することができる。オーダを早期または遅期に出荷することができる場合、顧客サービス目標では、納期に、または納期近くで出荷されるオーダの数が最大化されることになる。一実施形態では、ユーザは、スライダバーをドラッグして、ユーザがその目標の重要度が他の優先度よりも低いと感じるか、それとも高いと感じるかを示すことにより、各目標の相対的な重要度を閲覧し設定することができる。
【0192】
ステップ410において上述した規定の目標に加えて、ユーザは、計画を最適化するための優先度および選好を設定するために制約条件を定義することもできる。たとえば、ユーザはフェーズを定義することができる。ユーザが一連のフェーズを対象期限にわたって定義したいと思いうる理由がいくつかある。たとえば、ユーザは、ユーザの製造サイクルにより似るようにするために、ユーザの供給計画の過程で優先度を変更したい場合がある。たとえば、ユーザが6ヶ月の対象期限を有し、各四半期にユーザが(1)四半期の最初の2ヶ月間は顧客サービスに重点を置き、(2)四半期の最後の月は収益に重点を置きたいものとする。この重点を反映するために、ユーザは、(1)最初の2ヶ月をカバーするフェーズでは、ユーザが顧客サービスに重点を置く旨をCBMP400に伝え、(2)3番目の月のフェーズでは、ユーザの優先として収益に的を絞るようにCBMP400を設定し、(3)第3フェーズおよび第4フェーズの設定に、最初の2つのフェーズを繰り返すことによってユーザのサイクル優先度に合うようにCBMP400の目標優先度を設定することができる。CBMP400をこれら設定で実行した後では、供給計画作成部200および資源最適化部300が、ユーザの製造優先度をより正確に辿るようになる。
【0193】
ステップ410において、ユーザは、最適化サイクルあたりの最大オーダ数を指定することもできる。この方法では、ユーザは、上界を、提案された生産レベルに指定することができる。事前に指定される提案値は、ユーザが持っている制約条件付きの部品の数およびユーザの計画対象期限中の期間数に基づいて決めることができる。
【0194】
ユーザが生産目的を指定した後、ステップ420において、CBMP400は、RESOテーブル中の独立需要に最適な生産シーケンスを決定する。最適なシーケンスの作成は、既知の技術を用いて実施することができる。たとえば、上で引用した米国特許出願第09/984,327号のシステムおよび方法を使用し、データベース110中のRESOテーブルまたは他のテーブルに含まれるデータを使って最適な生産シーケンスを決めることができる。
【0195】
次にCBMPは、中間出力テーブルを作成することができる(ステップ430)。CBMPは、識別された生産シーケンスに従ってRESOテーブルをさらに再ソートし、その後、RESO300を上に述べた最適供給割り当てロジックを使用して実行することができる。中間出力テーブルは、計画を成し遂げるためにCBMP400が作成した計画供給オーダ、ならびにCBMPがスケジュールされた入庫に対して行ったあらゆるアクションを記録する。RESO300は、この中間テーブル中の情報を使用して、CBMPシーケンス中の需要を満たすことができる最新の供給を求めることができる。その後、RESO300は、上に述べた通常動作に従ってRESOテーブルおよびRESODテーブルにその結果を記録する。この方法では、ユーザが様々なRESO報告書を作成してCBMP実行結果を見ることができる。
【0196】
ユーザは、ステップ410において生産能力制約条件を指定することもできる。生産能力制約条件が含められる場合、ステップ420において、CBMP400は、資材および生産能力制約条件の両方を同時に考慮して計画を決める。この計画は、資材在庫およびリードタイムを念頭に置き、また、作業区に計画される負荷が利用可能な生産能力を決して超えないように保証する。生産能力制約条件を用いて、CBMP400は、実行の終わり(RESOの後)で有限資源計画を実行して、詳細な生産能力要件をRESODテーブルおよび有限資源計画(FRP)テーブルに記録するとともに、生産能力日をRESOテーブルに記録する。次にユーザは、FRP報告書を使用して、ユーザの生産能力が制約条件のあるCBMPの実行結果を見る。ユーザは、上に述べた規則ベースの最適化を適用する場合には、CBMP400に構築された優先度を念頭に置くようにすることもできる。
【0197】
製品変更分析部500
製品変更分析部(PCA)500は、過剰在庫および陳腐化在庫を回避しながら、ユーザが、新しい部品および製品を導入するに最も費用効率的な日を迅速に特定するのを助ける。製品変更分析は、データベース110をスキャンし、ユーザによって指定されたパラメータを使用し、新しい製品ラインまたは構造のフェーズアウトまたはフェーズインに最適な時間をユーザに示す。具体的には、ユーザは、PCA500を使用して、(1)製品設計の変更または新製品が在庫にどのように影響するかを求め、(2)ユーザが、生じる過剰在庫の対策として変更をいつ実施するかを特定するのを助け、(3)ユーザが、単一部品の交換のように単純な変更および古い製品のフェーズアウトと同時に新しい製品ラインを導入するような複雑な変更を分析するのを助けることができる。
【0198】
全体的に、PCA500は、ユーザが変化に対応することを助ける。製造では、多くの場合には技術変更により、交換構成要素のフェーズイン(すなわち導入)および製品の交換された構成要素のフェーズアウト(すなわち、使用の中止)が時折必要になる。新しい製品または製品ラインが製造サイクルに導入されること、または古い製品またはラインの排除により、製品も変更になり得る。ユーザは、単一の構成部品の交換にあたっているのか、それとも製品ライン全体にあたっているのかに関わりなく、PCA500を実施することができる。
【0199】
PCA500は、コンポーネントの交換による影響を調査するために使用される。こういった種類の製品構造または構成の変更は、価格競争の激しいコンポーネントの利用、部品供給の可用性変化の調整、技術変更の組み込み、および新しい製品ラインの開始や古い製品ラインのフェーズアウト等、様々な理由によって必要になり得る。場合によっては、その製品の機能を保つために、製品のコンポーネントの変更が必要になる。通常、この種の技術変更は、その製品の成功が続くことを保証するため、速やかに行われる。しかし、製品構造の変更が財政またはテクノロジによるものである場合、その変更をいつ行うかという問いに答えることはより難しい。PCA500は、ユーザが消費されない(陳腐化)であろう製品または部品の価値を求めるのを助けるように設計される。PCA500は、変更が行われた場合の部品番号、有効変更期間(繰り返し)、ベースライン値、および変更時の値を示した報告書をユーザに提供する。
【0200】
以下の例では、現在、製品Aの構造には構成部品Bが含まれ、構成部品Bが構成部品Cと交換される。部品Bが他の製品にも使用されていない限り、製品Aの構造から部品Bをすぐに除去すると、陳腐化在庫が増大する可能性が高い。ユーザの在庫にあるすべての部品Bおよび注文中のすべてのBは持ち腐れになる。これは、ユーザの企業に対する相当な損失を表し得る。損失を低くするため、ユーザは、コンポーネントを変更する前に部品Bの既存の在庫をいつ、そして何個消化することができるか、および変更前に本当に必要な注文中のB(もしあれば)の数量を求めなければならない。製品Bがたまたま、それ自体の構造に関連する他の構成部品が組立てられた部品であった場合、問題はますます難しくなる。
【0201】
図5に示すPCA方法501に従ってのPCA500の動作。PCA500は、供給システム100にベースライン供給計画結果を算出させる(ステップ510)。次に、PCA500は、供給計画作成部200に、同じ時間期間にわたる複数の供給計画ランを行わせ(520)、期末在庫の費用をベースライン供給計画結果と比較し(ステップ530)、各発効日毎に総陳腐化在庫を算出する(ステップ540)。PCAは、指定された製品変更開始日から製品変更対象期間日までのベースライン供給計画結果を算出する。ここで、対象期間日とは、分析する計画期間の中で最後の日である。ベースライン供給計画結果は、製品の変更を反映せず、資材計画の他のあらゆる局面を反映している。
【0202】
上記例では、これは、部品Cがまだ製品Aに関して実施されていなことを意味する。ベースライン供給計画結果から、PCAは、ユーザの資材計画中のあらゆる部品それぞれの(製品Aに関連する部品だけではなく)期末在庫(費用)を求めることになる。これがユーザのベースライン陳腐化値になる。次に、PCA500は、計画期間数で決まる増分、およびユーザが設定する期間の粒度で、同じ時間期間にわたって複数の供給計画を実行する。これらランのうちの最初のランで、部品Bを部品Cとすぐに(変更開始日に)取り替える場合の供給計画結果が求められる。
【0203】
ステップ520における続くランでは、交換日(発効日)を1計画期間分先に延ばす。これらランそれぞれにおいて、PCAは計画中の各部品の期末在庫を(ドルで)算出する。次に、各部品の期末在庫が、ベースライン供給計画の期末在庫と比較される。差分が算出され、各発効日でのコンポーネント交換に起因する総陳腐化在庫を表す単一値までまとめられる。プロセス全体中の供給計画間の違いは、部品の交換(たとえば、部品Bを部品Cに交換)によって生じる違いだけである。上記例を用いると、変更発効日が先に延びるほど、需要によって消化される部品Bの数量は多くなり、ひいては部品Bのユーザの陳腐化在庫が少なくなることが分かる。しかし、発効日が先に延びるほど、生産は部品Cへの変更から失う(lose:損害を受ける)。資材計画に他の変更がなければ、PCA500は、ユーザが部品Bの交換を待てば待つほど、ユーザが有することになる陳腐化在庫が少なくなることを示すPCA報告書なる報告書を作成する。
【0204】
上に定義した製品構造テーブルは、PCA500において重要な役割を果たす。製品変更が規定されると、PCAを実行しようとする前に、ユーザは、製品変更におけるすべての除去/交換部品が存在し、品目マスタテーブルに正しく定義されていることを確実にすべきである。さらに、ユーザは、新たに定義された親/子関係がいずれも、PCA前に実施されないことも確実にすべきである。製品構造テーブル中の2つのフィールド:有効開始日および有効終了日により、いつ部品が実施されるかが決まる。PCA500の目的は、ベースラインの、既存の供給計画と比較して、これらの日をいつにすべきかの判断を助けることである。部品の親/子関係がすでに製品構造テーブルに存在し、その有効日が変更開始日に、または変更開始日よりも後に設定されている(すなわち、製品変更の時間枠内)場合、部品の変更はPCA500によりベースライン条件として含められることになる。
【0205】
一実施形態では、ユーザは、PCA500によって使用される期間の粒度を変更することができ、これによって通常、供給プロファイルが経時シフトする。供給計画200は、特定の供給に対するアクションを推奨することができ、推奨はラン毎に変化し得るため、オーダが別様にプッシュおよびプルされる。この虫食い(carious)により、均等に減ることがなく、さらには時間の経過に伴って増大し得る陳腐化在庫が発生し得る。供給計画結果が変化する原因は、交換中の部品が、必要な数量きっかりではなく、需要を満たすに必要な数量よりも多く注文するように指示するオーダポリシーを有するためである。たとえば、交換中の部品に最低注文数量または注文単位数量が課されている場合、供給計画作成部200は、所要よりも多くの供給(すなわち、推奨オーダ)を行うことがあり、結果としてこれがその部品の陳腐化在庫になる。別の例では、大きな購買オーダが入る場合、陳腐化在庫がある製品変更期間から次の製品変更期間で増えう得る。言い換えれば、供給計画推奨予定変更により、小さな需要に備えるために供給が早めに行われ、オーダの大部分が陳腐化された状態のまま残る。交換中の部品が組立品である場合、これらシナリオの1つまたは複数は、交換中の組立品の構成部品に影響し得る。
【0206】
上記分析に続き、PCA500はその結果をPCA結果テーブルに書き込むことができる(ステップ550)。結果は、PCA報告書に提示することもできる(ステップ550)。PCA報告書は、陳腐化在庫の見積もり値がゼロに等しくなるポイントまで、期間毎に製品変更を延ばすことの価値についての完全な概観を提供する。これは製品の変更を行うに最適なときであるが、現実的ではない場合がある。この報告書から、ユーザは、機会費用と任意の期間に残っている在庫の価値等の要素を比較して、製品変更の実際の費用を算出することができる。
【0207】
比較部600
図1Dに戻ると、供給システム100内の別のコンポーネントは比較部600である。短時間で様々なシナリオを実行してその結果を見る供給システム100の能力を用いて、あるいくつかの利点が明らかになる。ユーザは、複数の供給計画の資材計画を同時に変更し微調整することでこの高速性能を利用することができる。このため、複数の供給計画であっても、2回以上のランの結果を比較することは単純な作業である。比較部600は、この目的:任意の2つの供給計画の結果の差を比較して報告すること、のためだけに開発された。比較部600は、ある供給計画を別の供給計画と比較して、いくつかの詳細レベルで2つの間の差を調べる力をユーザに与える。比較部600は、ユーザの生産計画への特定の変更が個々の部品のレベルにまで在庫にどのように影響するかを求める高速かつ有効な手段である。
【0208】
比較方法601を図6に示す。次に、比較部600の動作を管理する比較方法601について、例を用いて説明する。ユーザが、前日のアクティビティからの残高等、現在のデータを使用して、供給計画作成部200を一度実行する(ステップ610)。次に、ユーザは、正味計算テーブル等のテーブルを作成し名前を付けて、その供給計画の結果を保持する(ステップ620)。本例では、この最初の正味計算にはNETと名前が付けられる。ここで、ユーザが他の変更の大きなドロップインオーダの影響を分析したい場合、単に、ドロップインオーダからの情報を含み、供給計画作成部200に返すように、上に定義した顧客オーダ(CO)テーブルを更新することができる(ステップ630)。ステップ630において調整されたデータを使用する、供給計画作成部200の2番目の動作後、ユーザは、新しいテーブルNET1を作成し、2番目の実施の結果を格納する(ステップ640)。こうしてユーザには、比較部600が使用することのできる2つのテーブル:NetおよびNet1が残される。具体的には、2つの正味計算テーブル中の任意の期間中の残高の間に何らかの差または分散がある場合、比較部はその差を比較結果(CR)テーブルに記録する(ステップ650)。このルーチンは、基本に見られる全ての部品に対して行われるまで、基本計画中の各部品毎に繰り返される(ステップ660)。次に、比較部600は、各期間の総分散を算出し、調査結果をCRテーブルに格納する。
【0209】
上記正味計算比較アプローチは、同じ品目マスタ(IM)テーブルから導き出された供給計画作成部の結果を両方とも含む2つの正味計算テーブルの内容の高速比較に最も適している。具体的には、供給計画作成部200のいずれの動作でも、IMテーブル中の部品の数もソート順も変更することは不可能であった。上に述べたように、比較部600は一般に、2つの正味計算テーブルの結果を比較するために使用される。第1のテーブルは通常、ユーザの現在の状況に基づいて最新の供給計画から生成される。ドロップインオーダの到着等実際のイベント、またはオーダポリシーに提案された変更等仮説的なイベントの結果を確かめるため。関心のある変更を正確に記述するようにデータベース110に必要な変更を行い、第2の供給計画を実行することによって、変更を反映した新しい正味計算テーブルが作成される。次に、これら2つの正味計算テーブルを比較して、変更の最終的な影響を評価することができる。ユーザによって選択された入力に基づいて、いくつかのカテゴリおよび期間中の正味計算テーブル中の各部品の差が算出される。2つの正味計算テーブルにおいて、任意の期間中の残高に何らかの差(分散と呼ばれる)がある場合、その差が比較結果テーブルに記録される。このルーチンは、品目マスタテーブル中の各部品について繰り返される。差は数量または金銭的価値で表すことができる。この時点で、比較部600は、各期間毎の総分散を算出し、調査結果を比較結果テーブルに格納する。下に定義する数量分散が、比較部600によって算出される。
【0210】
CRテーブル中のデータを使用して、比較部600は比較報告書を自動的に作成することができる。比較報告書は、比較している2つの正味計算テーブル中の残高の差とともに、全部品の数量または費用の分散の概観を提供する。たとえば、比較報告書は、期間中の分散とともに、各部品の詳細なリストを含み得る。分散は、選択された各分散種類の総分散および部品/期間とともに、期間/部品あたりの選択された分散の種類で表示される。同様に、比較報告書は、全部品の期間あたりの総分散または各費用分散オプションに求められる期間全体での特定の部品の総分散を提供することができる。すなわち、ユーザは、資材費、労働費等に1つの、期間中の総分散を見ることになる。ユーザの分析を支援するために、総費用が提供される。報告書は、ユーザによって選択される比較オプション、すなわち在庫残高、全需要、全供給、計画供給オーダ(PSO)、または計画済オーダに応じて変化する。比較報告書は、2つの正味計算テーブルに表された、提案されている2つの供給計画間のアクション(すなわち、キャンセル、プッシュ、プルニュー(pull new))の分散をさらに表示することができる。この種の報告書は、新しい供給計画作業を作成するために行わなければならないアクションを要約したものを提供する。次にユーザは、部品毎にリストを検討して、とるべきアクションおよび2つの計画間の総費用差(分散)を見ることができる。
【0211】
資源所要量計画作成部700
図1Dに戻ると、供給システム100は、供給計画作成部200によって作成されたマスタ生産スケジュール(MPS)を主要資源の所要量に変換する資源所要量計画作成部(RRP)700をさらに含み得る。多くの場合、こういった主要資源には、労働力、機械、倉庫スペース、供給元の生産能力、および場合によっては資金が含まれる。通常、各利用可能なまたは実証された生産能力との比較が各資源毎に実行される。この比較は、ユーザが実現可能なマスタ生産スケジュールを作成することを助ける。RRP700は、主に、所要量を満たす主要資源を求めるように機能する。たとえば、ワークステーションに過負荷がかかる場合には、ユーザが追加シフトの付加のような何かを行うものと仮定する。
【0212】
RRPの動作を図7に要約する。特に、RRP方法701は、ユーザがまず供給計画作成部200を実行して開始される(ステップ710)。次にRRP700は、対象期間が終わるまで、各期間毎に各作業区の生産能力を算出する(ステップ720)。生産能力は、各期間の最初に補充される。スケジュールされた各供給オーダ毎に、RRP700は、各種作業区の負荷を算出する。必要な情報は、上に述べた作業オーダテーブルおよび正味計算テーブルに保持される。作業オーダまたは計画供給オーダに残っている数量を、品目の特定の代表工程とともに使用して、各作業区における負荷要件を算出する。作業オーダが部分的に完了されており、仕掛中の場合、オーダの状態は、各作業オーダの作業オーダテーブルの最終工程完了フィールドおよび工程完了割合フィールドにアクセスすることによって対処される。最終工程完了フィールドにおいて指定される工程作業数は、すべての前作業も完了したものと仮定する。工程完了割合における割合値は、最終工程完了フィールドに指定された作業後の次の作業が完了した負荷の割合を示す。割合の残り分は、その作業の完了に必要な残りの負荷の算出に用いられる。後続作業はすべて開始されず、そのため全負荷が残っているものと仮定する。この情報はすべて、ラフカット詳細(RCD)テーブルに保持される。ラン完了後、RRP700は、各作業区の負荷毎に生産能力を分割したRRPテーブルを作成する(ステップ730)。
【0213】
RRP700は概して、作業区テーブル(WC)、代表工程テーブル(RR)、資源所要量計画アクションテーブル(RRP)、資源所要量計画期間テーブル(RRPPER)、および作業オーダテーブル(WO)を含む様々なテーブルから情報を得る。各作業区の生産能力は、WCテーブルから算出される。各作業区毎に、最小生産能力フィールドおよび最大生産能力フィールドが表される。次にRRPは、正味計算(NET)テーブルからの作業オーダ記録を供給のマスタ計画スケジュールソースとして使用する。スケジュールされた各オーダ毎に、RRPはRRテーブルに見られるその工程それぞれからの負荷を算出する。負荷は作業区毎にアレンジされ、RRPテーブルに入力される。
【0214】
ステップ730において、RRP700は、作業区負荷詳細、作業区負荷プロファイル、および作業オーダプロファイルについての報告書を含め、調査結果を要約した各種報告書を作成することもできる。作業区負荷詳細報告書は、作業区毎の情報、期間毎の情報、および実行すべき作業を列挙する。各作業オーダ毎に、報告書は求められる作業区総生産能力の割合を示す。このためユーザは、顕著な需要を満たすために作業区の優先度を検討することができ、またはユーザは、作業区の利用が不十分/過度であるか否かがわかり、それから必要な管理判断を下すことができる。これと比較して、作業区負荷プロファイル報告書は、指定された作業区の生産能力のプロファイルを提供し、計画負荷とともに最大、通常、および計画生産能力を示す。計画総生産能力を計画総負荷と比較して、その作業区の分散に到達する。次に、この分散を作業負荷配分および資源スケジューリングについて分析することができる。3番目の種類の報告書に続き、作業オーダプロファイル報告書は、期間あたりの負荷と生産能力の間の関係を視覚的に表現したものを提供する。この報告書により、ユーザは、各区を通して作業オーダを辿り、作業オーダが定時に完了するか否か、そして否の場合にはどの作業区がスケジュール通りに作業していないかを判断することができる。各作業区毎に、作業オーダの完了に利用可能な生産能力が、選択された作業オーダに充てられることになる作業区の割合とともに明確に示される。
【0215】
有限資源計画作成部800
有限資源計画作成部(FRP)800は、RRP700によく似ている。特に、FRP800は、MPSを、労働力、機械、倉庫スペース、供給元の生産能力、および場合によっては資金を含み得る主要資源の所要量に変換する。しかし、ユーザが適切な行動をとることができるように、生産能力の過不足を特定するRRP700とは異なり、FRP800は、計画者が生産能力の不足を許容する気があり、生産能力不足の場合に最適な生産スケジュールを作成するように計画を調整したいものと仮定する。資源は有限であり、製造スケジュールはこの制約前後で作業しなければならないため、FRP800は、作業を周囲に移動して、負荷が生産能力を決して超えないように保証する。
【0216】
FRP800は、(1)資材および生産能力の可用性に基づく独立需要の利用可能出荷日の決定、(2)すべての作業区の負荷の算出、(3)集められた供給オーダのいずれが独立オーダを遅らせるかの算出、および(4)生産ボトルネックの特定を含む各種タスクを実行する。ここで、ボトルネックとは、オーダが時間通りに利用可能になることを妨げる最初の工程ステップである。
【0217】
FRP800の動作は、図8のFRP方法801に要約される。FRP800は、RESO300の出力に対して動作する。このため、FRPは、RESO300の動作の完了を待つ(ステップ810)。次にFRP800は、RESODテーブルを使用して、供給オーダ間に従属性を持たせ、これらオーダに優先度を割り振る(ステップ820)。上に述べたように、RESODテーブルでは、供給オーダがまずペッグ番号で、次に低レベルコードでランク付けされている。FRP800は、RESODテーブルから資材利用可能日も取得する。各ペッグ番号毎に、FRP800は、部品表(BOM)の一番下から開始して上に向かって作業し、すべての中間供給オーダの利用可能日を繰り上げる。最終結果が、完全な独立需要の資材および生産能力の利用可能日である。供給オーダの利用可能日とは、オーダが工程を有するものと仮定して、最後の工程ステップが終了する日である。工程がない場合、利用可能日は子の利用可能日にリードタイムを足したものである。工程を有する供給作業オーダであり、オーダに対して作業がまだ開始されていない場合、最初の工程ステップは、すべての資材が利用可能になったときに開始される。これは、オーダの開始日として知られている。開始日から、各工程毎に負荷計画プロセスが行われる。FRP800は、利用可能な生産能力がある日に負荷を置く。次にFRP800は、作業区テーブルから生産能力情報を得る。所与の日に十分な生産能力がない場合、FRP800は、使用されない生産能力がある次の日の生産能力を消費することになる。この工程ステップは、すべての負荷が作業区に配置されるまで続けられる。最初の工程ステップが完了すると、次の工程ステップが開始され、すべての工程ステップが完了するまで以下同様である(ステップ830)。
【0218】
仕掛かりの作業オーダはいずれも、作業のいくらかの部分がすでに行われている。オーダのステータスは、作業オーダテーブル中の各仕掛かりオーダの最終工程完了フィールドおよび工程完了割合フィールドに記すことができる。FRP800は各作業オーダを検査し、検査されてそのステータスを決めることになる。最終工程完了フィールドに有効な作業番号がある場合、FRP800は、現作業および先行するすべての動作が完了したものと仮定する。工程完了割合に有効な割合がある場合、FRP800は、その割合分、最終工程完了フィールドに記されたものの後の次の工程作業が完了したものと仮定する。
【0219】
通常、すべての資材が、資材は作業開始に先だって利用可能になっていなければならないという仮定により、仕掛けオーダに利用可能であるとみなされる。しかし、作業オーダに未解決でまだ発行されていない実際所要量が添付されている場合、RESO300は、資材の利用可能日を算出する。次にFRP800は、資材が利用可能になるまで、作業を続けることができないと仮定する。そのとき、FRP800は、利用可能な生産能力に対する負荷を算出し続けている。各工程ステップ毎に、FRP800は、完了必要日を算出する。この日は、オーダを遅らせることなくステップが完了可能な最後の日である。これは、ボトルネックを特定する際に有用であり、FRP800は、毎日の最大利用可能生産能力を推測する逆スケジューリング法によってこれらの日を算出する。
【0220】
FRPのラン結果がFRPテーブルに格納される(ステップ840)。FRPテーブルは、RRPテーブルに似たフォーマットを有する。ステップ840において、FRP800は、RRP700に関連するもの等、FRPテーブルについての報告書を作成することができる。RRP700において述べた報告書に加えて、FRP800は生産能力オーダステータス詳細報告書を作成することができる。生産能力オーダステータス詳細報告書は、独立需要を遅らせる供給オーダを特定する。この報告書は、RESOの下に存在するオーダステータス詳細報告書によく似ている。2つの報告書の主な差は、生産能力オーダステータス詳細報告書が生産能力および資材の利用可能日を返す一方で、オーダステータス詳細報告書は資材利用可能日のみを返すことである。生産能力オーダステータス詳細報告書は、各オーダがどのように供給されるかを目で見えるようにする。報告書は、個々の構成要素およびその供給オーダが最上位レベルの需要をどのように満たすかを特定する。この報告書から、ユーザの供給のステータスをユーザが把握して、遅期オーダ状況を最もよく解消するにはどうしたらいいかについての判断を行う。オーダがどのように供給されるかについての詳細が入手可能になってからのほうが、ユーザはオーダが何故遅れるのかをよりよく判断することができる。クリティカルパスを特定することによって、ユーザは遅れた部品を切り離し、はかどらせることができるかどうかを判断することが可能である。
【0221】
別の実施形態では、FRP報告書は、クリティカルパス品目だけではなくすべての遅期供給品目も示す。ユーザは、遅期オーダをはかどらせようとする場合、より現実的な利用可能日を求めることができる。ユーザは、1個の部品をはかどらせようとする場合、オーダの遅れがまだ他の構成部品によるものかどうかを判断することができる。ユーザは、クリティカルパス部品がここで特定の日に利用可能になると判断した場合、他の供給がその日の後に利用可能になるかどうかという質問に答えることができる。
【0222】
顧客契約部900
図1Dに戻り、供給システム100は、顧客契約部(CP)900と呼ばれる別のコンポーネントをさらに含み得る。CPは、ユーザが新しいオーダ(ドロップイン)の実現可能性を素早く評価するのを支援するように動作する。特に、CP900は、ユーザが新しいオーダが定時に利用可能になるよう正確に約束できるようにする。図9に示すCP方法901におけるCP900の動作を要約すると、供給システムがまず供給計画作成部200およびRESO300を動作させる(ステップ910)。供給システム100のこれらおよび他のコンポーネントからのこういった結果を使用して、CP900は、予めオーダが存在する場合、生産余力を求める(ステップ920)。生産余力はデータベース110に格納される(ステップ930)。新しいオーダが到着すると、CPは、生産余力を鑑みて新しいオーダを評価する(ステップ940)。特に、CPは、生産余力中の資源および新しいオーダのみを使用して供給計画作成部を実行する。生産余力で新しいオーダを完成することができる場合、ユーザは、新しいオーダを履行すると確実に約束することができる(ステップ940)。ステップ940において作成された供給計画は、一般には最適なものではなく、採用されることは決していないかもしれないことに留意されたい。むしろ、供給計画は単に、供給計画作成部100をすべてのオーダおよびすべての生産入力について再実行することによってさらに最適化し得る供給割り振り問題解決の実現可能性を示唆するだけである。
【0223】
相互マスタ計画作成部1000
インタラクティブマスタスケジュール(IMS)1000機能は、マスタ生産スケジュールとのインタフェースを通してインポートについての予測需要データをユーザに自動的または手作業で変更させる。IMS1000は、製造環境におけるマスタスケジュール用に設計されたアプリケーションである。IMS1000では、マスタスケジューラが、売上予測と生産予測とを合わせる際にプロプラエタリビジネスジャッジメントを採用することができる。IMS1000は、リアルタイムで動作して生産予測を調整して、現在のビジネス環境を最もよく反映した生産予測を作成する。必要な変更がすべて完了すると、マスタスケジュールテーブルが記入され(populated)、供給最適化プロセスが開始する。
【0224】
IMS1000は、部品の予測が存在する場合、負の納期回答(ATP)もカバーするように予測を調整する自動平準化器を有する。自動平準化器は、未使用予測をいずれも、その月または四半期に残っている期間に先送りする。自動水準化器が処理を終えると、IMS1000は、すべてのファミリおよび部品をマークして、ステータス(すなわち、ATP、ATPなし、または負のATP)をマスタスケジューラに連絡する。マスタスケジューラはここで、部品の優先度付きアクションリスト、検討・調整すべきこれら部品のニーズ予測を有する。マスタスケジューラは、ドラッグアンドドロップ機能を使用して予測を期間から期間に移動させて、予測を更新することができる。調整が行われると、IMSは、移動させた量分、利用可能数量を減らす。マスタスケジューラは、予測の追加を選択することもでき、これにより現在の計画が膨らむ。予測に対して行われたすべての調整は、元の予測を残すために、別個の予測ラインで行われる。すべての変更の監査証跡は、月別ファイルに保持することができる。
【0225】
IMS1000は、3つの基本的なスケジューリングシナリオにおいてユーザを支援する。
(1)予測が顧客オーダを忠実に反映している場合、ここで、総予測は、顧客オーダの数におおよそ等しく、正の数の納期回答オーダがある。現四半期では、正のATPを達成するために、自動平準化を用いて期間予測をタイムバケットからタイムバケットにシフトする必要はない。この場合のマスタスケジューラは、予測を調整する必要がない。このシナリオが、総予測に調整を行うことなくして実現することはあまり多くない。
(2)顧客オーダが総予測(ATP)を越える場合、顧客オーダが予測を越える場合、期間予測を、その四半期を通して負のATPがあるエリアに移動する必要がある。結果として負の予測が期間内で自動的に前方向に進む。これは、IMS機能を最初に実行している間に行われ、その後、負の正味予測を手作業で調整することができる。たとえば、2つのファミリを分割画面モードで表示することができ、ユーザが総予測を正のATPを有するセルから負のATPを有するセルに移動することができる。さらに、ユーザは、セル間で正のATPを調整することができ、調整を行うときに値がユーザにプロンプトされる。目標は、所与の売上予測をサポートし、セル間で正のATPを維持することであり、そうする際には値がプロンプトされる。目標は、所与の売上予測をサポートし、各四半期にわたって正のATPを維持することである。予測が顧客オーダ数よりもはるかに大きい場合、権限を持つユーザが、会計年度中の連続した四半期にわたって手作業で予測を切り下げ低速化させることができる。
(3)四半期において所要よりも大きなATPがある場合、IMSに自動平準化を使用して、いくつかのステップを実行し、その四半期の過剰ATPに対処する必要がある。負のATP(Xで表記される)、次にゼロのATP(「0」で表記される)を調整することによってIMSテーブルがまず記入される。次に予測が、明らかな問題があるエリアにおいて、潜在的な問題があり得るエリアに手作業で調整される。過剰ATPに対してのIMSの適用は、売上予測に影響し、前の売上見積もりの確認を助ける。マスタスケジューラは、特定の受注生産環境に合うように予測を移動するにあたって常駐ビジネスロジックを提供することができる。手作業で予測を調整した後、マスタスケジューラはIMSテーブルをマスタスケジュールテーブルにエクスポートし、供給計画および関連するオペレーションを実行することができる。
【0226】
IMS1000によって作成されるIMSテーブルは、総予測テーブル、顧客テーブル、および出荷テーブル中の部品リストに基づいたあるファミリの組立品からなる。これらテーブルから、ATPの数量が求められ、これを使用して上に述べた種類の問題に対処する。また、部品ファミリが品目マスタテーブルからのものであることを覚えておくことが重要である。
【0227】
結論
本発明の好ましい実施形態の上記説明は、例示および説明のために提示された。網羅的、すなわち本発明を開示した厳密な形態に限定する意図はない。上記教示に照らして多くの変更および変形が可能である。たとえば、本発明のシステムは、開発されたコンピュータネットワーキング方式および構成の要件を満たすように、必要に応じて変更することができる。本発明の範囲はこの詳細な説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって制限されるものである。上記明細書、例、およびデータは、本発明の構成物の製造および使用についての完全な説明を提供する。本発明の精神および範囲から逸脱することなく本発明の多くの実施形態を行うことができるため、本発明は添付の特許請求の範囲に帰する。
【図面の簡単な説明】
【0228】
【図1A】本発明の実施形態による供給割当てシステムのブロック図である。
【図1B】本発明の実施形態による供給割当てシステムのブロック図である。
【図1C】本発明の実施形態による供給割当てシステムのブロック図である。
【図1D】本発明の実施形態による供給割当てシステムのブロック図である。
【図2】本発明の実施形態による図1Aないし図1Dの供給割当てシステムの種々のコンポーネントの動作のステップを示す流れ図である。
【図3】本発明の実施形態による図1Aないし図1Dの供給割当てシステムの種々のコンポーネントの動作のステップを示す流れ図である。
【図4】本発明の実施形態による図1Aないし図1Dの供給割当てシステムの種々のコンポーネントの動作のステップを示す流れ図である。
【図5】本発明の実施形態による図1Aないし図1Dの供給割当てシステムの種々のコンポーネントの動作のステップを示す流れ図である。
【図6】本発明の実施形態による図1Aないし図1Dの供給割当てシステムの種々のコンポーネントの動作のステップを示す流れ図である。
【図7】本発明の実施形態による図1Aないし図1Dの供給割当てシステムの種々のコンポーネントの動作のステップを示す流れ図である。
【図8】本発明の実施形態による図1Aないし図1Dの供給割当てシステムの種々のコンポーネントの動作のステップを示す流れ図である。
【図9】本発明の実施形態による図1Aないし図1Dの供給割当てシステムの種々のコンポーネントの動作のステップを示す流れ図である。
【0001】
本特許出願は2001年1月29日に出願の米国仮特許出願第60/264,321号からの優先権を主張する。その仮特許出願の開示は全体を参照して本明細書に援用される。
【発明の分野】
【0002】
本明細書に開示される本発明は、クリティカルな資材構成要素および製造能力の供給を割り当てるためのシステムおよび方法に関する。より詳細には、本発明は、自動化された電子環境において、クリティカルな資材構成要素および製造能力の供給を最適化するためのシステムおよび方法に関する。
【発明の背景】
【0003】
多くの企業では、望みどおりの資材が必要とされる時間と場所において入手できないときに、生産の遅れ、資材費用の高騰および顧客サービスの低下を経験する。製品寿命サイクル、顧客特有の要望、ならびに製造計画およびスケジュールに基づいて資材計画および統制を最適化する解決策は、これらの課題に対処することへの手掛かりとなる。
【0004】
ビジネスが直面している難問とは、全ての製品需要を満たすために、同じクリティカルな資材構成要素を利用するが、十分な数のそれらの構成要素を有することのない製品を所有することである。理想的な資材所要量計画プログラム(MRP)があれば、ユーザは、自分のビジネス目標を支援するために、最良の製品ミックスにおいてそれらの構成要素を利用できるようになるであろう。さらに、理想的なMRPは、仕掛品(WIP)の在庫を削減するために、タイムフェーズ化された資材の可用性ならびに、動的な部品/要素の代用および割当てを可能にするはずである。また、理想的なMRPによれば、ユーザは、望みどおりの資材を効果的に配置し、顧客サービスおよび収益性を支援するはずである。また、理想的なMRPによれば、ユーザは、それらの処理に関連する費用を管理し、削減できるはずである。
【0005】
しかしながら、既知のMRPは、他の部品が不足し、オーダの完了を妨げる状態にあるにもかかわらず、将来のオーダを達成するために不足している部品を割り当てる。このアプローチは、同じ部品を用いる他のオーダにおいて用いられることができる在庫の流用を不必要に妨げる。さらに、従来のMRPは、日付の優先度に従って部品を割り当てており、一般的に他の項目の優先度を認識する計画を作成することができない、すなわちまさに期間ビジネス目標を支援する。
【発明の概要】
【0006】
これらの要求および他の要求に応じて、本発明は、クリティカルな資材構成要素および生産能力の供給を割り当てるためのシステムおよび方法を提供する。本発明の供給割当てシステムおよび方法は、クリティカルな資材計画判断を最適化し、制約条件のある資材を動的に代用し、割り当てる。結果として、サイクル時間および資材費用が迅速かつ劇的に削減され、サービスおよびマーケットシェアが向上する。他の資材計画解決手法とは異なり、その供給割当てシステムおよび方法は、詳細な部品表(BOM)に対応しており、代替の供給業者を考慮し、かつ設計から生産終了までの完全な製品寿命サイクルに対応する高度な代用ロジックを通して、制約条件のある資材の利用を最適化する。従来のMRPロジックの問題および制約を克服するために、本発明の供給割当てシステムおよび方法は、固有の同期割当ておよびマッチドセットロジック(matched sets logic)を用いる。
【0007】
その供給システムおよび方法では、同期割当てによって、ある製品を生産するために必要とされる全ての資材が、生産を開始する前に、適当なタイムフェーズでの割当てにおいて確実に入手可能になり、生産および資材が、完成できない製品において無駄にされないようにすることができる。その供給システムおよび方法を用いる場合、流通、生産および顧客オーダからの時間に基づく要求が、多数の内部および外部ネットワークを介して集約される。ユーザは、制約条件のある資材の必要性を、生産すなわち現在の供給業者との約束に対してバランスをとり、代用する場合の不足の可能性を評価することができる。その供給システムおよび方法は、代用および割当ての代替品をリアルタイムに同時に探索し、供給業者の代替業者の利用可能性を探るためにインターネットを介して探索する。ユーザは、購買代替品および費用削減の機会を得るための規則を調べ、結果として行われる判断を、適当な計画および企業取引システムに自動的に組み入れることができる。
【0008】
さらに本発明によれば、ユーザは、クリティカルな資材計画判断を最適化することにより、顧客サービスを向上し、購買および進捗費用を削減できるようになり、それにより動的な材料代用および割当てが可能になり、制約条件のある材料を収益性が向上するように利用することができる。
【0009】
その供給システムは、供給計画作成部(supply planner)、資源最適化部(resource optimizer)、制約条件に基づくマスタ計画作成部(constraint-based master planner) 、製品変更分析部(Product change analyzer)、比較部(comparer)、資源所要量計画作成部(resource requirements planner)、有限資源計画作成部(finite resource planner)、顧客契約部(customer promiser)および相互マスタ計画作成部(interactive master scheduler)を含む、コンポーネントの種々の組み合わせを含むことができる。このようにして、その供給システムは、ユーザに、サプライチェーン管理に対する自由度が高く、さらに強力なアプローチを提供する。シミュレーションプロセスの中心は供給計画作成部である。その後、資源最適化部および比較部のような他のコンポーネントが、供給計画作成部の既に処理されている出力に関して、その分析を実行する。すなわち、資源最適化部および比較部は、仮説に基づく計画および分析のための入力データとして、供給計画のランの結果を用いる。その後、資源所要量計画作成部および有限資源計画作成部のような他のコンポーネントが、供給計画作成部、および資源最適化部のような別のコンポーネントからの結果を組み合わせて、他の結果を生成する。
【0010】
その供給システムの他の実施形態は、応答性を高めるための「SmartBILL」代用と、在庫利用を最大限にするための同期割当てと、不要な仕掛品を避けるためのマッチドセットロジックと、部品の陳腐化を最小限に抑えるための「Can Build」分析と、顧客サービスを向上するための構成代替とを含む。
【0011】
本発明およびその利点のより完全な理解は、添付の図面とともに取り上げられる、以下に記載される説明を参照することにより得ることができる。なお、同様の参照番号は同様の機構を指示する。
【好適な実施形態の詳細な説明】
【0012】
本発明は、クリティカルな資材構成要素および生産能力の供給を割り当てるためのシステムおよび関連する方法を提供する。ここで、図1A〜図1Dを参照すると、本発明の一態様は、クリティカルな資材構成要素および生産能力の供給を割り当てるための装置である(これ以降、供給システム100)。その種々の実施形態において、供給システム100は、一般的にリアルタイム応答システムであり、製造業者が課題に迅速かつ効果的に応答し、その業務を行うことができるか、あるいは中断することができるようにするアプリケーション、ソフトウエアツールおよび分析機能の集合体である。供給システム100は、これらの要件を満たすために必要とされる全ての能力を提供する。具体的には、供給システム100は、生産計画および管理プロセスの事前計画、即応的な意思決定、ならびに特定のプロジェクトおよびプロセス改善のための分析の3つの個別の態様を支援する。ユーザは、供給システム100の支援を受けて、新たな、予期せぬ販売機会および供給の問題に迅速に、かつ的確に対応し、能力計画を組み入れ、余分な在庫および陳腐化した在庫をなくし、高いレベルの顧客サービスを維持しながら、有効な在庫を削減し、全体的な計画から細かい製造作業までの将来に起こり得る事態に対してリアルタイムに応答して、自らの業務の大部分の変化に備えられるようにし、オーダ遂行のサイクルタイムを短縮することができる。
【0013】
供給システム100は、ユーザのホスト製造資源計画(MRPII)あるいは経営資源計画(ERP)システムに埋め込まれた情報を解釈することにより、ユーザがクリティカルな業務上の問題に答えを出すのに役立つことができる。供給システム100は資材、生産および調達の管理者に、製造環境における任意の好機あるいは問題の影響をシミュレートし、分析するための能力を与える。供給システム100は、ユーザが将来に備えて、需要、供給、製品、費用および計画方針の任意の変更に備えるのを支援する。また、供給システム100によって、ユーザは、製造の細目の最も低いレベルまでデータをスラシング、ダイシングおよびフィルタリングできるようになる。
【0014】
供給システム100、ユーザ10および他の装置間の対話形式の処理が図1Aおよび図1Bに示される。ここで図1Aを参照すると、ユーザ10は、数多くの既知の手段を用いて、供給システム100と直に対話することができる。たとえば、供給システム100には、ユーザ10がキーボードあるいはマウスのような標準的な入力装置を用いてデータを入力することができるコンピューティング装置(図示せず)上に存在するソフトウエアアプリケーションを用いることができる。同様に、ユーザ10はビデオモニタあるいは他のタイプの既知の出力装置を通して、供給システム100から出力データを受信することができる。ユーザ10は、任意の他のタイプの既知の入力/出力(I/O)装置を用いて、供給システム100と明瞭に対話することができることを理解されたい。
【0015】
図1Bに示されるように、ユーザ10は、ネットワーク30を介して、供給システム100にリモートアクセスすることもできる。具体的には、サーバ20によって、ユーザ10は、既知のネットワーキング構成を用いて、供給システム100にリモートアクセスできる。供給システム100は同様に、MRP50のようなリモートアプリケーションに、あるいはリモートデータ記憶装置40に接続することもできる。ネットワーク30は、イントラネット(企業内ネットワーク)、企業間ネットワーク、インターネットおよびWANのような数多くの既知の技術から選択されることができる。
【0016】
図1Aおよび図1Bで説明を続けると、供給システム100は、これ以降データベース110と呼ばれる記憶装置内に格納される供給関連データを分析することにより機能する。本発明の説明において、用語「データベース」は、コンピュータプログラムが、選択した複数のデータの位置を特定し、かつアクセスできるように編成される情報の任意の集合体として幅広く定義されることを意図している。データベース110の作成およびこのデータの分析は、その全体を参照して本明細書に援用される、2001年10月29日に出願のShekar等による「SYSTEM AND METHOD FOR OPTIMIZIMG RESOURCES PLANS」というタイトルの共同所有の米国特許出願第09/984,327号に記載されるように実施されることができる。データベース110および供給システム100によるデータベース110の分析は以下にさらに詳細に記載される。
【0017】
データベース110に格納される供給データは一般的に、供給システム100によって管理されることになる供給品の属性を記述する。具体的には、供給データは、供給品の現在の在庫、供給品在庫の予想される増加(たとえば新たな出荷)、供給品在庫の予想される減少(たとえば、製品の製造による供給品の使用)などの情報を含む。
【0018】
供給システム100は、データベース110内のシステムテーブルの標準的なパッケージで設計される。一般的に、ユーザはシステムテーブル内のデータを操作することができるが、その構造あるいは内部の関係を変更することはできない。図1Aに示されるように、データベース110内のシステムテーブルは、3つの主なデータタイプのカテゴリ、すなわちホストMRPシステム130から取り込まれる入力データ111、ユーザによって定義かつ操作されるユーザ定義入力データ112、ならびに供給システム100およびユーザによる作業から生じる出力データ113に編成される。システムテーブルタイプはそれぞれ、以下にさらに詳細に説明される。
【0019】
図1Cに示されるように、供給システム100は既知の資材所要量計画(MRP)システム130を統合することができる。MRPシステム130は、従属需要在庫品目を取り扱うように特に設計される生産および在庫計画システムである。このMRPシステム130によって、企業は在庫水準を下げ、労働力および設備をより効率的に利用し、顧客サービスを改善できるようになる。詳細には、MRPシステム130は一般に、親品目の生産スケジュールに基づいて、構成要素所要量のより正確な予測を提供する。MRPシステム130はさらに、資材購買のような資金需要を推定するのに有用な情報を管理者に提供する。同様に、MRPシステム130は、その親品目のための生産スケジュールが変更されるときに、従属需要品目の補充スケジュールを自動的に更新することもできる。既知のMRPシステムは、とりわけBAAN、PeopleSoft、JDE、SAP、SSAおよびMarcamによって製造される。
【0020】
図1Cに示されるように、供給システム100はこれらの外部システムからデータを受信し、供給計画の作成時に、この取り込まれたデータを利用することができる。たとえば、供給システム100は、アプリケーション・プロトコル・インターフェース(API)40を用いて、顧客オーダの形で需要データを受信することができる。具体的には、API40によって、供給システム100は、顧客サービス代行者がオーダを受け、オーダされた品目の可用性を確認し、オーダを契約し、顧客オーダを確約できるようにする補助的なオーダ管理部60からオーダ情報を受け取ることができる。同様に、供給計画が供給システム100によって生成された後に、供給システム100はそれらの供給計画を、製品を製造し、出荷し、購入し、販売することにより実際に需要を満たすことになるオーダ管理部60に与えることができる。
【0021】
好ましい実施形態では、供給システム100内のAPI40によって、ユーザは、オラクル(登録商標)データベースに含まれるデータソースにアクセスできるようになる。API40によって、ユーザは、オラクル用に最適化されたテーブルおよびフィールドで計画を実行できるようになる。API40は、供給システム100で用いるためのデータをオラクルデータベースから抽出する。ユーザは、標準的な1組の情報を抽出することができるか、あるいはオラクルデータベースからデータを抽出する前に、API40を用いてデータセットをカスタマイズすることができる。API40は、計画を実行するための好ましいデータソースとしてオラクルのERP(TM)システムの企業データレポジトリを利用する際に、および顧客サービス、市場応答性および財務実績を改善するための迅速な計画および最適化能力を提供する際に、および制約条件ベース計画エンジンを利用して、インテリジェントな計画判断を導くのを助ける際に、およびユーザがそのソース生産データを精査し、分析し、かつ評価できるようにする自由度の高いデータマイニング能力を利用する際に、および技術変更および新たな製品導入計画方法を促進する際に、および多数のスケジューリングシナリオを比較し、事業目標に基づいて最適のオプションを選択する際に、および複雑な製品構造をより正確に分析する際にユーザを支援する。
【0022】
図1Cで説明を続けると、供給システム100は同様に、統合された需要フォーキャスタから、あるいは別の需要予測部50から、SKU予測、すなわちある特定の製品のための将来的な需要予測を受信することができる。代表的な需要予測部は、本特許出願の所有者によって市販されるNetWORKS Demand(商標)である。一実施形態では、供給システム100は需要フォーキャスタを用いて将来のオーダを予測し、これらの予測を用いて、ユーザによって指定されるSKUの場合の安全在庫ルールに基づいて構成要素の最小量の在庫(すなわち安全在庫)を保有するための役割を果たすことができる。また供給システム100は需要ツールも備えることができ、それにより、ユーザは需要と供給において需要情報をマッピングできるようになる。それは、クライアントが、別の状況であれば需要(予測)の見込み(view)を生産(供給源)の見込みと強制的に同等にすることになる制限を避けるための自由度を与える。需要統合ツールによって、ユーザは、ユーザの供給計画において予測情報を利用できるようになる。これは、需要予測単位(DFU)を在庫管理単位(SKU)にマッピングすることにより行われる。一旦、これが行われたなら、供給システム100は、ユーザの資材および生産計画のための予測データを用いて、ユーザが抱える状況のより完全な把握(picture)をユーザに提供することができる。在庫管理単位(SKU)は在庫および生産の目的のために用いられる1つの品目であり、「ある場所に存在している」ものと定義される。SKUには最終製品を用いることができるか、あるいは製造または保管される最終製品の構成要素を用いることができる。また、それは、ある組織の製造プロセスに従ってグループ化されることもできる。場所には、工場あるいは倉庫として存在する保管あるいは製造のための物理的な場所を用いることができる。対照的に、需要予測単位(DFU)は、品目および場所によっても定義されるが、たとえば、顧客に販売される完成部品によって、あるいは個別の最終販売を表すか、または取引先および流通経路を表す特定の物理的な場所によってさらに区別される需要源である。
【0023】
同様に、供給システム100は調達システム70と対話することができる。調達システム70とともに供給システム100を用いることにより、購買担当者および供給業者は、部品の調達、購買および供給の領域において大きな利益を得るための機会が与えられる。代表的な調達システムは、本特許出願の所有者によって市販されるNetWORKS Procurement(商標)である。調達システム70は一般的に、簡単である上に強力なクライアント/サーバシステムである。ホストMRPシステムから取り込まれた情報に基づいて、調達システム70は、供給業者に、見積もられた所要量に応じられるかを照会する。要求は、「これらの部品を、これらの量、これらの日付で供給できるか」を尋ねる電子形式の予測の形で送信される。調達システム70は、必要に応じて例外を報告する全ての供給業者の応答を収集し、予定される(scheduled)見積もりおよび融通のきく範囲に対してそれらを分析する。その後、調達システム70は、全ての供給業者の応答を、取引契約、すなわち要求が満たされることができるか否かとして処理する。例外がある場合には、不足が解消されるまで、購買担当者は調達システム70を用いて、約束を調整することができる。
【0024】
取り込まれたデータは、MRPシステム130から供給入力テーブル111にダウンロードされる。取り込まれたデータはさらに3つに、すなわちカテゴリリファレンスデータ111a、供給データ111bおよび需要データ111cに分割されることができる。リファレンスデータ111aは、リファレンス関連データと、システム出力を構築し、編成する際に供給システム100によって用いられる関係とを含む。供給データ111bは、ある組織の製造設備への全ての資材供給源を表す供給関連データを含む。需要データ111cは、ある組織の製造設備、そして結果としてその組織の供給における需要源を表す需要関連データを含む。表1はデータカテゴリと、取り込まれるデータを格納する対応するシステムテーブルとを要約する。
【0025】
【表1】
【0026】
図1Aに戻ると、データベース110はさらに、供給システム100によって必要に応じてユーザ定義データ112を格納するテーブルを含むことができる。たとえば、3つのユーザ定義テーブル、すなわち資源最適化テーブル(RESO)、制約条件ベースマスタ計画テーブル(CMP)および製品変更分析テーブル(PCA)がある。通常、ユーザは、制御インターフェースおよびオプションを通してこれらのテーブルを埋めるデータを作成する。別法では、ユーザは手動で、記録を直にユーザ定義テーブル112に挿入し、編集することができる。ユーザ定義テーブル112は、資源最適化および製品変更分析動作を実行する際に供給システム100によって用いられることができる。取り込まれるデータが同じようにユーザ定義テーブル112に追加される場合もあることを理解されたい。たとえば、RESOテーブルは出力データも含むことができる。
【0027】
図1Aで説明を続けると、データベース110はさらに、出力データ113を格納するテーブルを含む。出力データ113は、供給システム110の動作中に生成され、ユーザに提供される。具体的には、出力データは、供給システム100によって生成される結果を含み、ユーザによって用いられるようにその結果を提供する。これらのテーブルのうちのいくつか、すなわち供給計画、製品変更分析、資源最適化、制約条件ベースマスタ計画を用いる資源最適化、資源所要量計画および比較は、供給システム100が動作し、それらを作成した後に命名される。これらの動作は以下にさらに詳細に記載される。以下の表2は出力データ113を含むテーブルのうちのいくつかを列挙する。
【0028】
【表2】
【0029】
出力データ113は、報告の形でユーザに提供されることができる。この報告は、データベース110内の完全なテーブル、あるいはそのテーブルに関する選択に基づくことができる。その報告は一般的に、オンラインで視認することができるか、印刷されることができるか、あるいはオープン・データベース・コネクティビティ(ODBC)およびdBASEを含む標準的な形式にエクスポートするためにファイルに保存することができる。
【0030】
他のテーブルが表3において定義される。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
図1Aで説明を続けると、ユーザは、製品属性定義ツール120を用いて、データベース110内の供給データを作成することができる。ツール120は一般的に、対象の商品、その商品の現在の在庫水準、およびその商品の入手、作成および利用のようなその商品の在庫水準に影響を及ぼす種々のプロセスを定義する際にユーザを支援する。たとえば、ユーザは既知のMRPを用いて、その商品および関連するプロセスを定義することができる。同様に、ユーザは、オラクルSQLのような既知のデータベースプログラミング言語を用いることができる。
【0034】
本発明の一実施形態では、製品属性定義ツール120は製品属性言語(PAL:Product Attribute Language)である。本願の所有者によって市販されるNetworks Supply(商標)において具現されるようなPALは、構成可能なアセンブリをモデル化するために用いられる所有権を有する言語である。置換規則を含む単層ファイルがPALコンパイラでコンパイルされ、構成可能なアセンブリの支給モデルが生成される。PALモデルの主要概念は、種々の部品間のコンシューマ/プロバイダ関係を定義することである。部品は、資源のコンシューマおよび/またはプロバイダとして定義される。リソースバランシングによって、定義された関係が確実に保持されるようになる。資源は、部品によって消費あるいは供給される有形あるいは無形の対象物と考えることができる。PALは、製品機構、製品を構成するために必要とされる計算、およびユーザが指定した機構を用いてその製品を形成するために必要とされる部品表を選択するためにユーザが入力することができる情報を指定するために用いられる。
【0035】
PALは製品属性ファイルを開発するためのプラットフォームであって、製品に依存しないツールであり、以下に記載される。PAL単層ファイルは、任意のテキストエディタあるいはワードプロセッサで書かれ、ハードウエアには依存せず、標準ASCII文字セット、IEEE64ビット浮動小数点を利用し、ユーザインターフェースを容易に定義することができ、対象ユーザに対して相応しいように任意の簡単あるいは詳細の度合いを考慮することができ、装置の関連する部分を同時に提供することを支援し、拡張(既に組み込まれている製品へのアドオン)の提供を支援し、部品を資源のコンシューマおよび/またはプロバイダとして定義する。
【0036】
PALソースファイルは複数のセクションに分割される。各セクションは、そのセクションを命名するワードで開始し、1つのタイプの情報を含む。それらのセクションはある特定の順序で現れる。ソースファイルは、製品属性を記述する識別情報を含むモデルセクションを含む。ソースファイルはさらに、計算することができない値を参照するために、すなわちその計算が複雑すぎるか、時間がかかりすぎる値を得るために、あるいはあるテーブルのための大きさおよび値を定義するために用いられるテーブルを含む。ソースファイルの別のコンポーネントは、装置、典型的には製品属性によって表される製品のハイレベルの部分を列挙する構造セクションである。構造情報を列挙しない場合、PALは、変数および提供セクション内の全ての情報が同じ構造の一部であると仮定する。構造セクションが何らかの情報を含む場合には、変数および提供情報は特定の構造に割り当てられる。変数セクションは、関連する変数がユーザに如何に提供されることになるか、およびその変数が如何に計算されることになるかを定義する。実行セクションは、種々の方法で算出される変数の計算を制御する。それぞれ特定の品目のどのくらいの数が構成される必要があるかを提供セクションが計算するための最良の方法は、PALのリソースバランシング機構を用いることである。これを果たすために、ユーザは、エントリを提供することによって消費され、提供されることができる資源のリストを含む資源セクションを作成する。資源は構成可能な品目間の関係を定義するので、いくつかの資源が、装置の部分間の割当て、相互接続を実行するために用いられる資源として特定されることができる。
【0037】
製品属性の1つの組は、いくつかの製品のための構成情報を含むことができる。このセクションは、製品の名前およびその互いとの関係を指定するために用いられる。それにより、製品属性は、意味論的に関係する部分に分割されるモデルの種々のセクションと同じような構文レベルの部分ではなく、ハイレベルの装置の特定の部分に関連する部分に分離されるようになる。
【0038】
一旦、構造のリストが定義されたなら、変数および提供セクション内のエントリが、1つまたは複数の構造に関連付けられることができる。構造を指定することにより、製品属性実行環境が情報を、より論理的に、製品志向でユーザに提供できるようになり、より迅速に実行するようになる。なぜなら、それは、ユーザが構成している製品の一部ではないPALソースファイルの部分を無視することができるためである。
【0039】
通常、1つのアセンブリは、部品またはアセンブリのいずれかであるいくつかのサブコンポーネントから構成される。また、アセンブリは同じ機能を提供する別の部品あるいはアセンブリの組み合わせから構成される場合もある。PALモデルを用いて、1つのアセンブリの種々の実現可能な組み合わせを表すことができる。たとえば、アセンブリAが最初に部品Bおよび部品Cから構成される場合であっても、部品Dおよび2単位の部品Bからも構成することができる。以下の説明は、部品Cが元々部品Aおよび部品Bから構成される別の構成の別の例である。別の構成では、Cは、部品Dの量が部品Aの元の量の30%であるという制約条件で、部品DおよびBの組み合わせから構成される。100単位のCが必要とされる場合には、100単位のAおよびBの部品展開需要が生成されることになる。ただし部品展開需要は、所望の商品を達成するために必要とされる構成部品および資源を記述する。別の構成を用いて、100単位のCが必要とされる場合には、30単位のDおよび100単位のBの部品展開需要が必要とされることになる。
【0040】
一般的なPALモデリング制約条件は、(1)PALモデルにおいて提供される構成可能なアセンブリが製品構造テーブルにおいて定義される製品構造を含むことになること、(2)代用可能な部品がIMテーブル内に列挙されることになること、(3)代用可能な部品が一般的に購入される部品であること、(4)あるアセンブリが構成可能な部品として定義される場合には、主要サブコンポーネントのためのリードタイムは0より大きくなければならないこと、(5)代用可能な部品が構成されるアセンブリ内に存在するために、適当なコンシューマ/プロバイダ関係が確立されなければならないこと、(6)構成可能なアセンブリのためのPALモデルは、元の部品表(BOM)内に見られる全ての代用可能なサブコンポーネントを考慮し、BOM内のサブコンポーネントがPALモデルにおいて特定されるサブコンポーネントとともに用いられ、最終アセンブリ内に見られる正確な数量および/または部品を保証できるようにすることを含むことができる。
【0041】
部品表(BOM)は、親アセンブリの中に入る全てのサブアセンブリ、中間部品および原材料のリストであり、あるアセンブリを形成するために必要とされるそれぞれの数量を示す。部品表は、購買要求および生産オーダが出されなければならない品目を決定するために、マスタ生産スケジュール(Master Production Schedule:基準生産計画)とともに用いられる。たとえば、字下がりのある部品表報告が、製品の構成の多段階の見通しを与える。この報告は、左余白の最も近くに最も高い親レベルの親を示し、これらの親の中に入れられる全てのコンポーネントが右に向かって字下がりで示される。全ての後続のレベルのコンポーネントは右にさらに字下がりで示される。あるコンポーネントが所与の製品構造内で2つ以上の親において用いられる場合には、そのコンポーネントは、そのコンポーネントが用いられる全てのサブアセンブリに下に2度以上現れる。
【0042】
PALあるいは他の製品属性定義ツールは、供給システム100によって分析されることになる供給データの数多くの特徴を定義するためにユーザによって用いられることができる。たとえば、ユーザは、あるオーダが期限を過ぎているものと定義することができる。期限が過ぎているとき、オーダは区別して取り扱われることができる。あるオーダが期限を過ぎているものと供給システム100が判定するとき、期限を過ぎたオーダは依然として予定変更の対象にすることができる。具体的には、期限を過ぎたオーダは、今日が期限(開始日)であるかのように取り扱われることができる。別法では、供給システム100は、その日付にかかわらず、そのオーダを正味計算(netting)することができる。
【0043】
同様に、ユーザは、予定変更ロジックから、あるオーダを除外するように選択することもできる。ユーザは、供給システム100から、いくつかの構成部品を除外することもできる。ユーザが任意のオーダあるいは1つの構成要素を除外するように選択する場合がある数多くの理由がある。たとえば、供給システム100がある特定の日付までに納入業者からのオーダの配送を確認できない場合には、あるいは生産機械が保守のために停止される場合には、オーダが除外される場合がある。
【0044】
別法では、ユーザあるいは供給システム100は、オーダを「確定」にすることより、そのオーダの予定変更を避けることができる。このアクションは、オーダを「凍結する」と呼ばれる場合もある。あるオーダが確定である場合には、そのオーダの数量は増やすことも減らすこともできず、取り消すこともできない。ユーザがオーダを確定にするとき、供給システム100は、そのオーダの予定変更をすることはなく、供給システム100は、その確定したオーダの期限日よりも早い同じ部品に対するいかなる後続のオーダの予定変更もしない。たとえば、あるオーダがプルとして予定変更をされる場合には、もしあれば、同じ部品のための確定オーダの日付までのみ繰り上げられる。計画供給オーダ(PSO)が作成された部品に対する未達成の需要がある場合には、その新たなオーダに関して推奨されるスケジュールは、その部品のための最後の確定オーダの期限日で開始する。同様に、あるオーダがプッシュとして予定される場合には、それは、同じ部品のための確定オーダの日付の後まで引き延ばされてはならない。別法では、同じダイアログボックスにおいてプッシュ、プルおよびキャンセルの時間制限を設定することにより、自由度のある確定処理を達成することもできる。
【0045】
供給システム100内の代用機構によって、主要構成要素の可用性が不十分であり、かつそれを入手するにはリードタイムが不十分である場合に、ユーザはアセンブリ内の代用構成要素を予定できるようになる。代用ロジックを適用することができる3つの方法、すなわち許容(permissive)代用、消耗(use-until-exhaust)代用および構成可能代用がある。許容代用方法によれば、入手不可能な主要部品の代わりに、所定の代替部品、および移送リードタイムを遵守しながら、調達サイトで購入された移送部品が用いられるようになる。その代用は、供給計画フェーズの後に行われる。ユーザは、部分的に需要を満たすために、許容代用を設定することができる。消耗代用方法によれば、主要部品の供給が消耗した後に、入手不可能な主要部品の代わりに所定の代替部品が用いられるようになる。許容代用方法とは対照的に、消耗代用方法は供給計画フェーズ中に行われ、その代用部品は全ての将来の所要量のために用いられる。構成可能代用方法によれば、ある特定のアセンブリがオーダされなければならないときに、かつそのアセンブリを形成する代わりの方法がある場合に、対処方法を決定するために、より複雑な構成ルールを用いることができるようになる。このタイプの代用は一般的に、供給計計画作成部200が実行された後で、かつ以下に記載される資源最適化部300を起動する前のフェーズとして、供給システム100の内部から実施される。
【0046】
ある代用がリードタイム内で行われるか否かを判定するために、供給システム100は、リードタイム外にある全ての予定入庫がリードタイムまで繰り上げられるという仮定に基づいて、主要部品および代用部品の両方の余分な供給を計算する。その後、供給システム100は、その需要の主要部品を十分に更新する供給がその主要部品によって達成されるか、およびその供給が不十分であるかについて、主要部品のリードタイム内にある納期回答(ATP:Available-To-Promise)を検査する。また供給システム100は、リードタイム時あるいはそれ以降にその需要を正味計算する前に、リードタイム内にある全ての需要が達成されることを確認する。
【0047】
リードタイム内に代用を実行するために、供給システム100は、主要部品のための需要日に十分な供給量を有する所定の代替部品を利用する。その需要は、リードタイムの日付において十分な供給量を有する所定の代替部品を用いることにより、代用部品によって達成される。その需要は代替部品によって達成され、供給システム100は、その主要部品のための計画供給オーダ(PSO)を開始する。同様に、代用がリードタイム時かそれ以降に行われるかを判定するために、供給システム100は、リードタイム外の需要がその主要部品によって達成できるか否かを検査する。達成できる場合には、供給システム100は、その需要を達成するためにその主要部品を用いる。その需要が達成された後に余分な主要部品が存在する場合には、供給システム100は、これらの部品を、他の需要において利用可能な代用部品として割り当てる。その主要部品がその需要を満たすことができない場合には、供給システム100は代用を実行する。リードタイム時あるいはそれ以降に代用を実行する際に、供給システム100は、抱える需要全てが達成された後に余分な供給量を有する所定の代替部品を利用する。代用が実現できそうにない場合には、供給システム100はその主要部品のためのPSOを計画する。
【0048】
代用が必要とされるか否かを判定するために、供給および需要所要量の分析が実行されることになる。代用が必要とされる場合には、その所要量を判定するために、所定の代替部品の分析も必要とされる。代替部品がその所要量を上回る余分な供給量を有する場合にのみ代用が行われる。別法では、許容代用方法によって、入手不可能な移送部品の代わりに、調達サイトにおいて購入される1つまたは複数の部品が用いられるようになり、移送の代用によって、移送リードタイムを補償する。一般的に、代用部品が主要部品であり、主要部品と同じサイトに存在する場合には、移送リードタイムはかからないが、代用部品が主要部品であり、異なるサイトに存在する場合には、移送リードタイムがかかる。
【0049】
別の実装態様では、供給システム100によって、ユーザは、通常は製造プロセスにおいて消費されるが、個別の実体として通常は在庫されない部品であるファントムアセンブリを定義できるようになる。供給システム100がファントム部品に直面するとき、その需要は次のレベルの構成要素に渡され、計画供給オーダは作成されない。一般的に、ファントムは、手持ちの数量が存在する場合に、あるいは任意の予定入庫がある場合にのみ、供給システム100の出力に現れる。ファントムは、顧客オーダ(CO)、マスタスケジュール(MS)、割増使用(EU)あるいは安全在庫(SAF)のようなテーブルにおいて独立需要が指示される場合にのみ計画される。ファントム部品が1組の安全在庫を有する場合には、供給システム100は、利用可能な在庫、すなわち供給システム100前の手持ち在庫に予定入庫を加えた数量が、ファントム部品のための安全在庫の全数量よりも少ない場合にのみ、安全在庫再調達オーダを推奨する。ファントムは、部品表(BOM)を論理的に平らにするために用いられる。これは、製造業者が、より小さな生産現場で作業オーダ(work order)を実行しており、供給システム100が購買部品を計画するためにのみ用いられるときに行われる。
【0050】
オプションでは、ユーザは、親/構成要素関係のためのオフセットリードタイムを作成するができる。ユーザが親/構成要素関係のために負の値を入力する場合には、その関係のためのリードタイムは、親部品のためのリードタイムから短縮される。リードタイムオフセットは、製造プロセスにおける消費時点まで、部品の出庫(issuing)を遅らせるために用いられる。これは、製造プロセスの中の後プロセスで高額部品が用いられる場合に、かつ/または製造プロセスが非常に長いときに有用である。しかしながら、出庫を遅らせることにより、構成要素が不足する危険性および製造が遅れる危険性が増す。供給システム100は、従属需要を部品展開し、オーダのための期限日を計画する際に、リードタイムオフセットを考慮に入れる。安全/緩衝リードタイムを用いて、購買部品あるいは製造部品のリードタイムを調整し、工場間の輸送あるいは原材料の検査のような事態に対応することができる。たとえば、納入業者が日付を見積もる場合には、その部品はその日付に配送されることができるが、3日間、倉庫において利用できない場合がある。その際、ユーザは、この遅れの余裕をみるために、3日間の緩衝値を入力する。供給システム100は、安全緩衝を有する部品(購入あるいは製造される)のための計画供給オーダ(PSO)を作成し、その緩衝リードタイムを、PSOのための元の期限日から差し引く。
【0051】
別の実施形態では、ユーザは在庫の「減少」を定義することができる。減少は通常、購入部品の需要数量の割合として表される。それは、限られた有効期限、盗難あるいは蒸発のような要因に起因して、実際には全ての手持ちの数量が利用できるとは限らない場合があるために必要とされる。この減少の可能性を加味して調整を行うために、ユーザあるいは供給プログラムは減少要因を指定し、ユーザがこの部品の場合に予想する損失の割合を指示する。その後、供給システム100が需給バランスをとるためにその計算を実行するとき、需要数量が減少要因だけ水増しされる。たとえば、部品Aの場合に5%の減少要因が指定され、受注された需要数量が100である場合には、供給システム100は、正味所要量を計算する前に、需要数量を105に増加する。
【0052】
同様に、ユーザは「歩留まり(yield)」量を定義することができる。歩留まりは、需要を調整するために用いられる割合要因であるが、保管数量ではなく部品の製造に適用される。減少は購入後の部品に適用されるが、歩留まりは、部品を製造するプロセスの関数としてのみ適用される。それゆえ、歩留まりは製造中に用いられる構成要素の数に影響を及ぼす。たとえば、完成部品の数量のための作業オーダが書かれるとき、完成数量は、製造中に用いられる構成要素の数に等しい。同様に、完成部品の数量のための作業オーダが書かれるとき、完成数量は、そのオーダの完了時に入手可能な良品の数に等しい。
【0053】
上記の例で説明を続けると、部品Aの製造プロセスにおいて、平均歩留まりが75%である場合には、ユーザは105個の部品を在庫需要のために在庫できる必要があるであろう。その需要が、より低いレベルに部品展開されるとき、供給システム100は歩留まり(75パーセント)を用いて、部品Aの構成要素全てのための需要を水増しする。親部品を製造する際に、構成部品が同等に用いられる場合には、親部品に対して指定される歩留まりを構成要素のための需要を調整するために適用することができる。しかしながら、ある構成要素は、他の構成要素と同じ頻度で廃棄あるいは消費される必要がない場合もある。その際、歩留まりオーバライド値を用いて、その構成要素のための歩留まりを変更することができる。
【0054】
同様に、ユーザは、製造中に生成される無駄な資材を表すためにスクラップ価額を定義することができる。スクラップは歩留まりと同等に取り扱われる。特定の製品あるいは構成要素の製造時の損失を補償するために、総所要量の増加が用いられる。
【0055】
ユーザはPALを用いて技術変更を定義することができる。供給システム100は、あるオーダを処理して、ある部品の関連する構成要素のための従属需要を生成するとき、あらゆる未決の技術変更を考慮する。任意の製品構造の場合に、いくつかの技術変更が、計画期間内の異なる時点において実施されるように予定される場合がある。技術変更が入力されるとき、その変更は、特定の日付に応じて、1つの(あるいは多くの)親/子部品関係(複数可)における有効性の終了すなわち失効日、および別の関係の有効性の開始日として特徴付けられる。供給システム100のロジックは、2つの異なる見方から、技術変更(EC)の有効性を見る。そのロジックは、親部品の完成日に基づく完成時に有効性を有する材料を計画することができる。この場合に、供給システム100は、親部品のリードタイムにかかわらず、親部品の需要日よりも早い失効日を有する全ての部品構造を無視する。別法では、発行日における有効性は、子部品の完成日を基にすることができる。この場合に、供給システム100は、親部品のリードタイムを遵守し、既存の子部品割当て(WIP)を履行する。
【0056】
供給システム100はさらに、有効性を、すなわち両方の構成要素がそのロジックによって部品展開されることになる期間を重複させることを考慮する。しかしながら、供給システム100は一般的に、全ての開始日および失効日の明示的宣言を必要とする。すなわち、供給システム100は、所与の構成要素開始日が、置き換えられる構成要素が終了することを意味するものとは仮定しないであろう。
【0057】
ユーザはPALを用いて、タイプ有効性をさらに定義することもできる。製造業者は、あるアセンブリを内製することと、それを納入業者から購入することとの間で切り替えたい場合がある。これは、資源の制約条件、リードタイムあるいは経済的な理由による場合がある。供給システム100はタイプ有効性を考慮して、ユーザが、内製あるいは購買期間を定義する日付範囲によってスケジュールを立てることができるようにする。
【0058】
別の実装態様では、ユーザは構成要素のためのABC分類を定義することができる。ABC分類によって、ユーザは、最後に計算されたような部品の実総所要量(AGR)に基づくドル価に従って在庫をカテゴリ化できるようになる。供給システム100によって、ユーザは実行する度にAGRを計算し直すことができるようになる。通常は、少数の品目がある組織の在庫値の大部分を占め、一方、多数の品目が小さな在庫値を占める。ABCコードによって、ユーザは部品を4つの態様のうちの1つに分類できるようになる。タイプA品目は高い値を有し、一般的に、その値が在庫の75〜80パーセントを占める相対的に少ない品目を含む。これらは通常、品目のうちの15〜20パーセントになるであろう。タイプB品目は中間の値を有し、通常、その値が在庫の15%を示す多数の品目を含む。多くの場合に、これらは標準的には、品目のうちの30〜40パーセントになるであろう。タイプC品目は比較的小さな値を有し、その値がほとんど無視できる多数の品目を表す。タイプCは通常、品目のうちの40〜55パーセントになるであろう。こうして、タイプD品目は他の全ての構成要素にすることができる。供給システム100によって、ユーザはこれらの値を変更し、計画要件に適合させることができる。
【0059】
動作時に、供給システム100は総標準費用と実総所要量とを掛け合わせ、部品当たりの実用ドル価に到達する。その後、実用ドル価は総実用ドル価と比較され、その相対的な割合、それゆえその部品のABC分類が決定される。供給システム100によって、ユーザは、実行する度に、部品のABCコード分類を計算し直すことができるようになる。オーダを計画する際に、供給システム100は、実行された最後の供給計画によって計算される分類のような、既存のABCコード分類を用いる。
【0060】
ABCコードロジックはこれらのステップに続いて、実総所要量(AGR)と部品当たりの総標準費用とを掛け合わせ、その結果を加算して、年間の全ての部品の費用に到達する。その後、供給システム100は、A、B、CおよびD部品のための、ユーザによって定義されたABCコード管理定義を読出し、年間の全ての部品の総費用を、定義された割合に細分する。さらに、供給システム100は、最高値から最低値までのその対応する値(AGR×総標準費用)で部品を分類する。その後、供給システム100は、A部品の場合の割合値が満たされ、それを超えないまで、部品をグループAに割り当てる。A部品がグループAに割り当てられない場合(それを加算する際に、A部品の場合の割合値を超えることになるような場合)には、供給システム100はそれをグループBに加える。供給システム100は、同じようにして、部品をグループBに割り当て、グループCおよびDについてもその割当てプロセスを繰り返す。
【0061】
ユーザはオーダポリシーを確立することもできる。詳細には、供給システム100はPSOを作成し、その場合に推奨される数量が、部品およびコードを管理するオーダポリシーに基づく。その方針はロット毎に以下の通りである。
1.固定オーダ量
2.期間オーダ量
3.期日
4.供給日
5.オーダ点
6.総オーダ
7.最大バッチサイズ
一般的に、計画オーダの期限日は最初の未達成の需要の日付に基づく。しかしながら、オーダ点方針はオーダ投入方式である。それゆえ、計画オーダの期限日は、予測される可用性が、オーダ点に部品のためのリードタイムを加えたものを下回る日付である。また、品目内の部品のための計画および管理情報を入力あるいは編集するとき、ユーザは総オーダを除いて、オーダポリシーのうちの任意のものによって用いられることになる最小および/または倍数オーダ量を指定することができる。供給システム100の計画オーダ量は常に、もしあるなら、その部品のための最小オーダ量以上になるであろう。また、ユーザは、計画オーダ量を強制的に常にその値以下にする最大オーダ量を定義することもできる。同様に、倍数オーダ量を有する任意の部品のための計画オーダ量は常に、最も近い倍数に切り上げられるであろう。
【0062】
ロット毎のオーダポリシーは最も簡単な計画方針である。供給システム100が未達成の需要に直面する場合、供給システムはその部品のための正味所要量を決定し、その需要を満たすためのオーダを推奨する。最小値、倍数値あるいは最大値によって変更されなければ、推奨される数量は未達成の需要とロット毎に同じであろう。
【0063】
固定オーダ量オーダポリシーはデータベース内の部品に対して指定される固定量に基づいてオーダ(あるいは複数のオーダ)を推奨する簡単な方針である。供給システム100が未達成の需要に直面するとき、供給システムは正味所要量を計算し、その正味所要量を満たすために必要とされるのと同じ数量のオーダを、固定量ロットサイズにおいて推奨する。
【0064】
ある部品が期間オーダ量オーダポリシーによって管理されるとき、供給システム100は、その部品のための未達成の需要の最初の実現値に、ユーザによって指定されるような期間数を前倒しした場合の正味所要量を加えたものに基づくオーダ量を推奨する。オプションでは、需要が0でない期間のみが含まれる。それゆえ、ユーザが5期間を明示するが、需要0の期間がある場合には、その範囲は、プラスの需要がある5期間が満たされるまで拡張されるであろう。
【0065】
ある部品が供給の期日によって管理される場合、供給システム100は、その部品の場合の未達成の需要の最初の実現値に、ユーザによって指定されるような期間数を前倒しした場合の正味所要量を加えたものに基づいてオーダ量を推奨する。一般的に、需要がない(オーダがない)日を含む全ての前倒しした日数がカウントされる。これが、期間オーダ量オーダポリシーとの違いである。期日は供給日オーダポリシーに類似であるが、部品に固有であり、部品のABC分類には関連付けられない点で異なる。
【0066】
供給日オーダポリシーは、各部品のABC分類に基づいてPSOを作成する。供給システム100が、供給日オーダポリシーを用いて部品当たりのPSOを作成するとき、オーダの量は、次の需要日(n)を網羅するほど十分に大きい。ただし、(n)はABCコードにおいて指定される。あるオーダ量において、その部品のためのデータベース内に倍数が存在する場合、推奨されるオーダ量は次に最も高い倍数に切り上げられる。オーダ倍数は、たとえば、ダース単位(12の倍数)で常にオーダされる部品の場合に用いられるであろう。
【0067】
オーダ点オーダポリシーはオーダ投入方法であり、供給システム100が最初の未達成の需要(正味所要量)の日付に一致する期限日でオーダを推奨するという点で他のオーダポリシーとは異なる。ユーザは、あるオーダが置かれることになる在庫点あるいはレベルを指定することができる。供給システム100は、ある部品の見積もられる可用性がそのオーダ点未満まで降下するときに、あるオーダを推奨するであろう。推奨されるオーダの量はIMテーブル内に存在するであろう。そのオーダのための期限日は、可用性がオーダ点にその部品のためのリードタイムを加えたものを下回るものと見積もられる日付になるであろう。理論的には、ある部品のための需要が順調に処理される場合には、見積もられる可用性は決して、在庫が補充される前に0を下回らないであろう。見積もられる可用性が0を下回る場合には、供給システム100は、可用性が0を下回る量だけのオーダを推奨する。オーダ点オーダポリシーは、日毎あるいは週毎に支障なく行われる均一な需要所要量が存在する場合に用いられる。オーダ点値は、その部品のためのリードタイムと、このリードタイム中の典型的な需要とを考慮することにより確立されるであろう。たとえば、リードタイムが1週間であり、その需要が通常、週当たり50単位である場合には、ユーザは50単位に安全率を加えたオーダ点を設定することもできる。
【0068】
対照的に、総オーダのオーダポリシーは、標準的な供給計画ロジックの大部分をバイパスする。供給システム100(手持ち在庫および計画オーダ)は需要に対してバランスをとられず、その部品のための総所要量を網羅するためのオーダは推奨されない。代わりに、供給システム100は、その部品の構成要素のための需要エントリを作成することにより、次のレベルまでその所要量を通過させる。このオーダポリシーは、総所要量計画システムから供給システム100に変換する際の一時的なステップとして有用である。
【0069】
最大バッチサイズオーダポリシーは期日方針に類似である。しかしながら、期日方針が期間の所要量を計算し、総供給量を最初の要求日に設定するのに対して、最大バッチサイズ方針は、供給量を所定のバッチに細分する。ユーザは、1)供給量を計算するための総所要量を決定することを期待するための日数を定義し、2)オーダ期間にわたって計算された総所要量を分割するために用いられることになるバッチサイズを決定する。最小、最大および倍数の関数も、バッチサイズとともにオーダを計算するためのロジックにおいて考慮されるであろう。
【0070】
ユーザは計量単位変換係数を定義することもできる。数量単位(UM)は、その品目が製造プロセスのために管理される単位であり、たとえばフィートおよびインチである。UM情報はリファレンス情報であり、したがって、供給システム100の計算の一部ではない。供給システム100はUM変換係数を用いて、製造のために必要とされる単位を、その品目が購入あるいは保管される単位に、あるいはアセンブリ値当たりの数量に変換する。たとえば、テープあるいはワイヤは、製造プロセスによって数インチで用いることができるが、数百フィートロールで購入される材料である。
【0071】
ユーザはアセンブリ当たりの数量を定義することもできる。アセンブリ当たりの数量(QPA)は、その親部品の製造時に必要とされる子部品(構成要素)の数量である。供給システム100はその数量を用いて、正味計算プロセス中に所要量を計算する。QPA値は、全数あるいは10進数で表すことができる。供給システム100は、ユーザによって10進数の精度が指定された後に、任意のそのような10進数を切上げることもできる。
【0072】
別の実施形態では、供給システム100の在庫(INV)テーブルは、各計画サイト内の複数の在庫保管場所を支援する。ユーザの製造環境において複数の個別の在庫保管場所を用いる場合には、ユーザはこれらの保管場所から手持ちの値を運搬し、保守することができる。またINVテーブルは、各在庫保管場所内の各品目のための特定の安全在庫率にも対応する。これにより、供給システム100の後続の実行時に、オーダを計画する際に、その部品のための安全在庫所要量が確実に考慮されるようになる。
【0073】
オプションでは、供給システム100は作業オーダを部品展開することができる。この機構によって、ユーザは新たな未計画の供給作業オーダを計画に追加できるようになり、供給システム100は、関連する供給所要量を生成できるようになる。作業オーダ(その関連するARを含む)は、基本的に有効日を有する単一レベルの部品表である。それらはホストMRPシステムから取り込まれるか、または供給システム100において手動で作成される。標準的な状況下では、供給システム100のロジックは供給として作業オーダを利用し、作業オーダ上の部品の需要が供給を上回る場合には、供給システム100は作業オーダ上の部品のためのPSOを生成する。その後、標準的な状況下では、供給システム100は、作業オーダを部品展開することなく、どの部品が作業オーダに移行するか、および何が不足するかを判定するが、代わりに、必要とされる全てのものが既にキット化されているものと仮定する。状況によっては、作業オーダを完全にキット化するために必要とされる部品(あるいは複数の部品)の在庫が不足するであろう。その際、供給システム100は、任意の作業オーダにおける不足を検査し、何らかの不足を見つけた場合には、その不足を需要として取り扱い、必要な在庫を見つけるか、あるいは適当な供給を推奨するであろう。しかしながら、what−if分析の過程において、ユーザは、新たな未計画のキット化されないWOを計画に追加し、供給をシミュレートすることを望む場合もある。また、ユーザは、供給システム100に、新たなWOをキット化するためにどの部品が必要とされるかを判定してもらいたい場合もある。この場合には、ユーザは、供給システム100に、作業オーダに移行する全ての部品を考慮してもらいたいと思うであろう。その後、供給システム100は作業オーダを部品展開し、供給計画の実行中に、供給システム100は製品構造テーブルを参照して、どの部品が作業オーダに移行するかを判定し、供給計画内の需要として部品当たりのAPを供給し、INVを見つけるか、あるいはPSO、すなわち必要とされる供給を推奨する。SPAテーブルにおいて作成されたARは、作業オーダの開始日か、作業オーダの開始日を、その部品のための生産リードタイムだけオフセットした日付かのいずれかに対応する、必要とされる日付を有するであろう。供給システム100による処理中に、新たな作業オーダが繰り下げられるか、繰り上げられる場合には、そのオーダに関連するARも繰り下げられるか、繰り上げられることになり、結果として、ARによって要求される日付が作業オーダのための計算し直された開始日と一致するようになる。
【0074】
さらに、供給システム100によって、ユーザは、数日間測定した上で指定された係数だけ、選択された部品のために必要とされる日付を繰り上げることができるようになる。この機構は、日数による安全在庫と呼ばれる。日数による安全在庫はオーダ数量を増加するのではなく、単に、必要とされるよりも早くそのオーダを繰り上げることに留意されたい。
【0075】
好ましい実施形態では、ユーザはSmartBILLを実装することもできる。SmartBILLは供給アプリケーション内のオプションの機構であり、構成可能な代用能力がイネーブルされる、すなわち「アドオン」されるとき、供給システム100は、その部品表(BOM)を動的に構成するための能力を得る。ユーザが構成可能な代用を選択するとき、供給システム100はSmartCon(SmartBILL製品において実際の構成可能な計算を行うプログラム)に要求を出し、それにより、SmartConが、PALにおいて製品技術者によって指定されているルールに従って代用アセンブリを構成する。その際、SmartConは、構成された代用アセンブリのテーブルを提供することにより、供給に応答する。
【0076】
エンジニアリング構成モデルを獲得し、それを供給システム100に統合することにより、実際には、顧客オーダが、標準的なBOMの代わりに動的な製造用の部品表を生成することができる。その結果がSmartBILLであり、それは所定の部品数ではなく、技術仕様に基づく。その利点は、SmartBILLがエンジニアリングモデルのインテリジェンスを保有し、許容される代替品および資源依存性を考慮することである。改良型のSmartBILLは追加の制約条件も含むことができ、それにより代用が費用および品質に対して、ならびに定期的あるいは至急の配送に対して最適化されるようになる。結果としてオーダが速くなり、資材制約条件によって出荷が遅れる可能性が小さくなることが期待される。
【0077】
構成可能な代用の目的は、供給システム100によって要求されるターゲット製品の正確な数量を常に構成することであり、その間に、配送のための最適な時間枠と、種々の代替の子製品の最適な数量とを選択することである。競合する子製品の中の最もよい製品が、それらが提供する資源の評価、および在庫内に存在するそれぞれの数量に基づいて選択される。
【0078】
ここで、供給システム100およびSmartCon構成が、そのデータの交換時に通るプロセスが記載される。最初に、供給システム100がSmartConを呼び出し、ユーザが構成可能であるとしてフラグを立てた各部品を照会する。供給システム100は、そのためのPALモデルが存在するか否かを照会し、PALモデルが存在する場合には、構成可能な部品を組立てるために、SmartConがどの部品を必要とするかを尋ねる。SmartConは、その名前が要求される製品に対応する製品属性ファイルを探索し、ロードする。また、SmartConはそのモデル内の各製品を探索し、製品が消費(それが負の数量である場合)あるいは提供(それが正の数量である場合)する各資源の量を計算する。これらの全ての構造の場合の資源量の合計は、1つのターゲット製品が構成される際に要求される資源の量を表す。SmartConは、必要とされる数量(供給システム100によって得られる)および上記で計算されたものの逆数である資源のリストで、ロードされたモデル内のターゲット製品を更新する。このリストは、ターゲット製品うちの1つの製品の数量が構成されるときに消費(あるいは提供)される資源を表す。そのモデルの変数セクションが計算される。変数は、ある特定の反復的あるいは複雑な計算が必要とされるときにのみ用いられ、それはその後、構成された品目の計算において用いられる。在庫記録内に見られる期間当たりの構成された結果を計算するために、SmartConが実行される。
【0079】
それぞれの場合に、最終結果が、供給システム100によって要求されたターゲット製品の数量を含むことがわかっている。しかしながら、各資源タイプのコンシューマおよびプロバイダのバランスをとるための資源バランシングの規則を用いて、子製品も構成されるであろう。結果として生成される子製品の数量は、それぞれがどの資源を提供(および/または消費)するかと、既存の在庫(既存の在庫からの割当ては、ある特定の製品のうちのより多くの製品を構成するよりも好ましい)内の利用可能な数量とに依存するであろう。種々の構成(期間当たり1つ)からの最もよい結果は、どの構成が最も低い費用を表すか(入力費用データを用いる)に基づいて選択される。SmartConはその結果を纏め上げ、応答して、供給システム100に返送される構成において指定される部品をそのオーダに供給する。
【0080】
ここで図1Dを参照すると、供給システム100は、ユーザが業務の数多くの態様を検討するのを支援するための種々のコンポーネントを含む。図1Dに示されるように、供給システム100は、供給計画作成部200、資源最適化部300、制約条件に基づくマスタ計画作成部400、製品変更分析部500、比較部600、資源所要量計画作成部700、有限資源計画作成部800、顧客契約部900および相互マスタ計画作成部1000を含む種々のコンポーネントの組み合わせを含むことができる。これらのコンポーネントのそれぞれの動作が以下にさらに詳細に記載される。
【0081】
供給計画作成部200
図1Dに示されるように、供給システム100は供給計画作成部200を含む。供給計画作成部200は、供給システム100の機能的な中心である。供給計画作成部200からの出力は他の分析的機能のための基礎であり、個々の結果を生成するために、供給システム100の他のアプリケーションによって用いられるであろう。供給計画作成部200は、ユーザの製品に対する需要を満たすために用いられる供給割当て計画を生成するための役割を果たす。図2の供給計画方法201に示されるように、供給計画作成部200は最初に、既存の在庫を用いることにより、SKUに対する需要を満たすことを試みる。現在の在庫が不十分である場合には、供給計画作成部200は、その需要に対して必要とされるような、SKUを生産、輸送あるいは購入するための所要量を指定する、生産、調達および購買プロセスを開始する。供給計画作成部200は一般的に、最も優先度の高いプロセスを最初に用いてその需要を満たすことを試みる。供給計画作成部200が、需要オーダのいくつかあるいは全てを満たすことができるプロセスを見つけるとき、供給計画作成部は供給オーダを作成し、生産、調達あるいは購買プロセスを実施する。供給計画作成部200は、その需要が満たされるまで、あるいはそのSKUのためのプロセスがそれ以上なくなるまで動作し続ける。供給計画作成部200は資源可用性および生産能力を同時に見て、結果として、企業内にある制約条件に基づいて、実現可能な計画を作成する(ステップ210)。ユーザは、安全在庫を計算するためのルールおよび顧客オーダで予測を消費するルールのような、その企業の戦略に基づく他の制約条件を設定することができる(ステップ220)。供給計画を生成する際に、供給計画作成部200は、標準的な米国生産および在庫管理協会(APICS)資材所要量計画(MRP)ロジックを用いて、MRPを実施することができる。別法では、ユーザは、ステップ220の場合のように、供給を用いて資源割当て中に従うための任意の他のロジックを指定することもできる。
【0082】
供給計画を作成する間に、供給計画作成部は、資材可用性および生産能力のような、ユーザによって指定されるか、あるいは供給システム100において予め定義される制約条件を遵守することが最も好ましい。供給計画作成部は、予測調整および安全在庫計算のような手順のためにユーザが設定するルールを用いることもできる。具体的には、供給計画作成部200は、企業にとって最も重要なオーダが最初に満たされるような優先度方式をユーザが指定できるようにすることが最も好ましい。たとえば、ユーザは大量の顧客に最も高い優先度を割り当て、その需要が確実に満たされるようにすることができる。またユーザは、予測オーダ(すなわち、予想される将来のオーダを見込んでとられるアクション)および安全在庫オーダ(すなわち、所望の最小在庫水準を保持するためのアクション)のための品目および場所優先度を指定することもできる。他のシステムから供給システム100にデータを取り込むことに関して文字を併記した図1Cに示されるのと同じような方法を用いて、その後、供給計画作成部200によって示唆されるオーダは別のシステムにエキスポートすることができる(ステップ250)。
【0083】
図2で説明を続けると、データベース110を構成した後に、ユーザは、周期的な規則正しいサイクルで、たとえば一月に2度、あるいは毎週、供給計画を生成することができる(ステップ240)。ユーザは、バッチモードか、インタラクティブかのいずれかで供給計画作成部200を生成することができる。ユーザは最初に、全てのSKUのための計画をバッチで生成し、その後、例外を有する小さな1組のSKUとインタラクティブに作業することができる。
【0084】
図2で説明を続けると、供給計画作成部200は、供給計画作成部200の結果を要約する1つまたは複数の出力テーブルを生成することができ(ステップ230)、この出力テーブルはデータベース110に格納されることができる。また、供給計画作成部200は、所望の供給変更を達成するために示唆されるオーダを要約する報告を生成することもできる。供給計画作成部200に固有の報告には、要約報告、用紙報告、購買オーダアクション報告、作業オーダアクション報告、過剰在庫報告、供給計画作成部ト200不足報告、移送オーダアクション報告およびクリティカル資材不足報告がある。
【0085】
一般的に、供給計画作成部200は、既存の在庫供給と顧客需要とのバランスをとることを試みる。需給のバランスがとれないとき、供給計画作成部200は、作業オーダ、購買オーダおよびサイト間オーダの予定変更あるいは取消しを推奨する。また供給計画作成部200は、新たな計画供給オーダ/サイト間オーダを作成することもできる。供給計画作成部200が推奨することができる動作の中には以下のものがある。
ブランク: アクションが必要とされないように、予定変更されていないか、何も制限が加えられていない記録
新規: 需給のバランスをとるために生成された記録
プッシュ: その元の日付よりも遅い日付に予定変更された供給
プル: その元の日付よりも早い日付に予定変更された供給
キャンセル: 需要が不十分な結果として取り消される供給
(プッシュ):より遅い日付への予定変更を推奨するが、供給計画作成部200の設定値によってフィルタリングされており、その元の日付から変更されないままである供給
(プル): より早い日付への予定変更を推奨するが、供給計画作成部200の設定値によってフィルタリングされており、その元の日付から変更されないままである供給
確定: 供給テーブルにおいて「確定」として設定されており(以下に記載される)、それゆえ、供給/需要要件にかかわらず変更されない供給
【0086】
次に、ステップ230における出力テーブルの生成をより詳細に説明する。出力テーブルは、ユーザが供給計画において推奨された代用品を解釈することを可能にするのに役立つ。ステップ230は、供給計画作成部200アクション(SPA)テーブルの作成を含んでもよい。SPAテーブルは、所定の代替的な供給および需要を表示する。主要部品の供給が需要を満たすのに不十分である場合、所定の代替部品のための代用品が計画される。供給は、手持ち在庫、購買および作業オーダ、または購買要求であり得る。SPAテーブルには2つのタイプの供給計画作成部200(SP)、すなわち、所定の代替供給がある部分であるSPS、および代替需要がある部分であるSPDがあり得る。
【0087】
供給計画作成部は、SPAテーブルを作成する際に用いられるフィルタを適用してもよい。例えば、SPAテーブルは、特定のタイプのアクションか、または特定のタイプの品目に関するアクションを指定することができる。結果データを修正するのみのフィルタは、SPAにコピーされるが、供給計画作成部200自体には影響を与えない。同様に、フィルタは、資源最適化、製品変更分析、または比較の動作等(これら全てが入力として正味計算テーブルデータおよびSPAテーブルのフィルタリングされた内容を用いる)の他の供給システムコンポーネントの動作を行わない。供給計画作成部200はさらに、SPAテーブルからのこれらのフィルタを供給計画作成部200の報告に適用し得る。
【0088】
ステップ230において形成される供給計画要約報告は、SPAテーブルからのデータの要約を提供する。供給計画作成部200の要約報告は、簡潔な報告でユーザの動作の完全な状況把握を提供する。報告オプションダイアログボックスにおいて選択されたカテゴリのそれぞれについて、購買、組立て、および移送された部品の投資が定期的に(毎月等)指示される。この供給計画要約報告は、在庫水準ならびに在庫の投資金額を期間の最初および最後に評価するための情報を提供する。
【0089】
同様に、供給計画作業オーダアクション報告は、選択された供給計画作成部200のランにより計画された作業オーダ(WO)全てを示す。WOアクション報告は、計画者に合わせて具体的に設計されている。報告の出力を用いることにより、計画者は、組立て部品に対する需要の要件(demand requirements)を満たすために現在のスケジュールをどのように調整しなければならないかを見ることができる。種々の報告オプションにより、計画者が特定の情報を対象とすることができる。新たなアクション(または計画された供給オーダ、すなわちPSO)の全てを見ることにより、計画者は、新たな作業オーダを満たすことが可能かどうかを見ることができる。PSOが除外される場合、既存の作業オーダの明確な見込みが表示される。既存の作業オーダに関するアクション(プッシュ、プル、またはキャンセル)を見ることにより、計画者は必要に応じて工場作業を予定変更し、計画者が必要に応じて工場作業を予定変更することができることを確認するよう試み、かつ、これらのアクションを満たすことができない場所を特定するよう試みることができる。
【0090】
供給計画購買オーダ(PO)アクション報告は、供給計画のランにより提案される購買オーダまたは計画された供給オーダ(PSO)の全てを示す。供給計画POアクション報告は、本質的には購買担当者のツールである。ユーザは、供給計画POアクションを特定の購買担当者に制限するか、または全購買担当者を含めることによって状況をより全体的に見ることができる。PSOが含められた状態で供給計画POアクションを見た場合、購買担当者には、需要の要件を満たすためにどのオーダを考慮すべきかがわかる。PSOが供給計画POアクションから除外される場合、購買オーダのみの明確な見込みが提示される。この供給計画POアクション(PSOが除外されたもの)から、購買担当者は、供給計画作成部200により推奨されたアクション(プッシュ、プル、またはキャンセル)に対してなされた購買オーダを検討することができる。アクションが達成可能である場合、購買担当者はアクションを実行するよう試みることができる。
【0091】
同様に、供給計画余剰在庫報告は、指定された供給計画アクションテーブルからの期末有効在庫全体を示す。余剰在庫報告により、組織の在庫位置を有益に見抜くことができる。余剰在庫報告のうち、ユーザが検討を望み得る最初のデータは、PSOを含まない余剰在庫である。余剰位置が十分な対象期間(horizon)で検討された場合、ユーザには、用いられる可能性が低い品目はどれが保持されているかがわかる。この在庫がある製品の古いモデルの取り替え品として要求される場合もあり、この在庫が除去される場合もあり得る。ユーザによる余剰在庫報告の検討への別のアプローチは、PSOを含むべきであり得る。この報告を十分な対象期間で見ることにより、ユーザは指定された期間の最後に超過しているであろう在庫を見ることができ、リストに載った在庫は次の期間の見込みを含む。次に、ユーザは、オーダポリシーを評価する際にこの情報を用いることができる。
【0092】
別の報告、つまり供給計画不足報告は、供給計画作成部200において、SPAテーブルに表される不足部品を示す。供給計画不足報告は、資材および生産管理スケジュールの評価のために、組織の不足のスナップショットを提供する。マルチサイト(multi-site:複数の管理区)であるかシングルサイト(single-site:単一の管理区)であるかにかかわらず、データは、単一部品、または全部品、あるいは選択された組の計画者または購買担当者に関して分析することができる。上述のABC部品フィルタは不足報告の一要素である。これは、ユーザが部品の分類の実現可能性を確認すること、また、クラスAの部品の不足が一度限りであるか常時であるか、あるいはクラスAの部品の不適当なリードタイムがクラスAの部品のリードタイムの短縮により最善に対処されるか、またはリードタイムの延長の考慮により最善に対処されるかのような問題に対処することを、当該フィルタが可能にするからである。この情報を用いて、ユーザは、種々のシミュレーションを行って不足の軽減を試みることができる。
【0093】
別のタイプの報告は、移送オーダアクション報告である。移送オーダアクション報告は、供給計画により作成されたサイト間(intersite)オーダの全てを示す。移送オーダアクション報告は、POアクションおよびWOアクション報告と極めて似ているが、マルチサイトの場合、つまり1人の計画者がサイト間の計画を担い得る場合に用いられる。当該報告は、プッシュ、プル、またはキャンセル等のアクションのみを伴うサイト間オーダを示して、計画者が計画スケジュールに調整を加える際に支援する柔軟性を有する。しかしながら、当該報告では、所望の場合はサイト間オーダを完全にプリントアウトするすることができる。
【0094】
同様に、供給計画危機的資材不足報告は、不足があり得る部品を迅速に指摘する方法を提供する。具体的には、供給システム100が、特定の日付前に不足をきたした部品について報告する。これは、ユーザがドロップイン(drop-ins)(すなわち、予想外の変更)を有し、そのドロップインが不足を生じさせるかどうかを見る必要がある場合に特に有用である。ドロップインは以下のもの、すなわち、新たな部品が追加された純粋なドロップイン、既存の部品の現在の納期の変更または繰り上げ要求(pulling-in demand)、および既存の部品の現在予定されている量の増加を含む。
【0095】
ユーザは正味計算テーブルを形成することもできる。特に、マスタ生産スケジュール(MPS)が、部品表(BOM)の複数のレベルの分析を実行する。この分析により、各レベルに納期回答(ATP)の可視性が与えられ、各品目について全ての供給および需要が提示されることが確実になる。MSP機能は、1つの期間ごと、および累積期間ごとの納期回答および推定有効データを、独立需要レベルで提供する。MPSは、ユーザの要求に応じて従属需要も含む。この特徴により、ユーザは、MPS分析をBOMの複数レベルで行うことができる。次に、MPSは、ユーザに複数レベルで納期回答品目を示し、ユーザが各MPS品目に関しての供給および需要を見ることを可能にする。MPSは、既存の正味計算テーブルに基づいて計算を行う。既存の正味計算テーブルは、供給計画作成部200により作成されたデフォルトの正味計算テーブルであってもよく、またはユーザが独立して作成および名前付けした正味計算テーブルであってもよい。正味計算テーブルは、見込みおよび顧客オーダと供給状況把握とを比較して、供給/需要バランスを確認する。この検討は、作業オーダの展開および詳細な部品計画を経る前に独立需要レベルで行われるようになっている。このテーブルは、期間ごとの納期回答情報および納期回答累積計算を提供する。納期回答は、企業の在庫および計画された生産の充てられていない(uncommitted)部分であり、確約される顧客オーダに対応するために基準計画において維持されるものである。納期回答量は、第1の期間における充てられていない在庫残高(inventory balance)および任意の供給オーダであり、通常は、MPSの入庫が予定されている各期間について計算される。第1の期間では、納期回答は、次の供給期間までの手持ち在庫と任意の供給オーダとを加算して、そこから納期および納期遅れの顧客オーダを引いたものである。その後の期間では、納期回答は、次の供給期間までの供給オーダの充てられていない残余を示す。
【0096】
上述したように、供給システム100は、通常、資源割り当てを計画する際にスタンドAPICSロジックを用いる。ユーザは、供給システム100で用いるために供給割り当ての優先度を指定することもできる(ステップ220)。一実施形態では、供給システム100は、供給割り当ての優先度を決定するための3つの主要なロジックオプション、すなわち、最早納期順供給(Earliest Available Supplies)、最適供給割り当て(Best Fit Supply Allocation)、および逼迫順供給割り当て(Hard Supply Allocation)を有する。供給システム100は、通常、デフォルトで最早納期順供給ロジックを用い、最早納期順供給では、需要タイプに応じて独立需要に優先度が付けられる。この場合、同じタイプの独立需要についてはさらに納期により優先度が付けられる。次に、供給システム100は、最優先される需要に対して必要な資材を全て割り当て、その後、次に優先される需要を満たす、といった具合に続く。需要を満たすと、供給システム100は、予定入庫を以下の順序、すなわち、在庫、作業オーダ(WO)、購買オーダ(PO)、購買要求(PR)、および計画供給オーダ(PSO)の順に割り当てる。ある供給量の所与の部品がある需要に割り当てられると、その量はもはや他のいかなる需要にも割り当てることができない。量は先着順で需要に割り当てられる。供給計画作成部200の全オーダ(新規オーダ、予定変更、およびキャンセル)が重視される。しかしながら、この方法は全ての状況に適しているわけではない。例えば、最早納期順供給ロジックを用いる場合、問題の部品を作るかまたは発注する時間がある場合でも、需要を満たすために在庫が使用される。これにより、在庫が使い果たされ、優先度は低いが納期がより早い他のいかなる需要も満たすことができなくなる。したがって、これらの他の需要は遅れる可能性がある。そうではなく在庫がこれらの需要に適用されていた場合、これらの需要の納期は遵守されていたであろう。需要を満たす他の2つの方法(最適供給割り当ておよび逼迫順供給割り当て)は、以下で説明するようにこの欠点に対処する。
【0097】
上述の問題に対処するために、ユーザは最適供給割り当てロジックの適用を選択することができる。最早納期順供給ロジックとは対照的に、最適供給割り当てロジックは、依然として需要が予定通りに満たされることを可能にする納期が最遅の、すなわち最後の供給を割り当てる。最適供給割り当てロジックは、需要ごとに扱い方を変える。需要が累積リードタイム内にあるか、または累積リードタイム外にあるかに応じて、RESO300は、予定入庫(最遅のもの)を割り当て、需要を満たすための予定入庫が存在しない場合にのみ、最後の手段として計画されたオーダを割り当てる。これに対して、需要がリードタイム内にない場合、供給システム100は、予定入庫(在庫を含む)であるか計画オーダであるかにかかわらず需要を満たす、納期が最遅の、すなわち最後の供給を割り当てる。供給システム100は、通常、組立ておよび移送部品とは異なった方法で購買部品を扱う。購買部品の場合、購買リードタイムが用いられるが、移送および組立て部品では累積リードタイムが用いられる。さらに、供給システム100は、組立ておよび移送部品とは異なった方法で購買部品を扱い得る。購買部品の場合、供給システム100は購買リードタイムを用い得るが、移送および組立て部品では累積リードタイムが用いられる。供給システム100はまた、組立ておよび移送部品とは異なった方法で購買部品を扱い得る。一実施態様では、購買リードタイムのみが購買部品の可用性を評価するために用いられる。しかしながら、供給システム100の好ましい実施形態ではさらに、規定のリードタイムプラン外にある購入部品の予定入庫が考慮される。さらに、供給システム100は、必要日時またはリードタイム(いずれが長いかにかかわらず)についてPSOの計画オーダを取り決めることができる。このリードタイム計算は、累積リードタイムのみを用いる移送および組立て部品とは対照的である。したがって、最適供給割り当てロジックでは、最早納期順供給方法とは異なり、在庫が使い果たされることがなく、その在庫を必要とする需要に最適に適用させることができる。同様に、他のいかなる予定入庫も、優先度は低いが要求を満たすことができる場合は使用されることがない。
【0098】
あるいは、供給システム100は、タイプによって需要に優先度を付ける逼迫順供給割り当てロジックを用いることができる。上述のように、従来の最早納期順供給方法は、需要タイプによって独立需要に優先度を付け、次に、需要タイプによって独立需要にさらに優先度を付け、次に、納期によって同じタイプの独立需要にさらに優先度を付ける。これに対して、逼迫順供給割り当て方法は、タイプのみによって優先度を付け、同じタイプの要求は全て同等に扱う。あるタイプ内で、供給システム100は、最上位レベルの製品の納期にかからわず、構成部品を最初に必要とする需要にそれを割り当てる。換言すると、供給システム100は、累積リードタイムを考慮に入れ、リードタイムが長い製品が予定通りに必要な部品を得るように、供給を割り当てる。納期が最も早い需要を満たすために在庫を使い果たすことがある最早納期順供給方法とは対照的に、逼迫順供給割り当てロジックは、他の予定入庫または計画オーダにより満たすことができないほど長い累積リードタイムを有する製品の需要に在庫を割り当てる。在庫以外の供給により満たすことができる需要は、優先度がより低い予定入庫、または計画オーダにより満たされる。したがって、逼迫順供給割り当てロジックは、全需要を予定通りに満たすことができる機会を増大させることができる。
【0099】
供給計画作成部用の数学モデル
一実施態様では、供給計画作成部200は、以下の数学モデルを使用して動作する。この数学モデルでは、計画決定変数は以下を含む。すなわち、
Xit=時間期間tに出荷される需要iの部分(fraction)。
Ykt=時間期間tに構築される作業オーダkの部分。
Ijt=時間期間tの終了時の品目jの在庫。
Pjt=時間期間tの品目jの生産(すなわち、組立品のための新たな作業オーダ、購買品のための新たな購買オーダ)。
Wjkt=時間期間tに作業オーダkを構築するための品目jの引当(withdrawal)。
Ujkt=時間期間tの作業オーダkを構築するための品目jの自由な使用(すなわち出庫される(issued)在庫の使用)。
【0100】
さらに、いくつかの独立需要は、以下の変数を用いて、数学モデルにおいて確定される。すなわち、
dij=需要iによって要求される品目jの数量
αi=需要iに関連付けられる収益
βi=需要iに関連付けられるマージン
M=独立需要数
所定の需要Iの場合、dijは、1つのみの品目jについて非ゼロとなる。一組の独立需要が単一グループとして扱われることが望まれる場合、加工(artificial)親品目を作成し、この加工品の独立需要の子の組をつくる。
【0101】
同様に、従属需要は、以下の変数を使用して数学モデルにおいて確定される。すなわち、
qij=組立品iにつき必要とされる品目jの数量。
Sj=品目jを必要とする組立品の組。
組立あたりの数量qijは、混合調整、収縮調整、および歩留まり調整を既に反映しているものとする。
【0102】
予定作業オーダは、以下の変数により表される。すなわち、
Sjk=作業オーダkにより供給される品目jの数量。
ajk=作業オーダkについての品目jの実際の所要量。
tjk=作業オーダkについて既に出庫される(すなわち「キットにされる」)品目jの数量。
LTk=作業オーダkについてのリードタイム。
W=作業オーダ数。
Aj=品目jについての実際の所要量を有する作業オーダの組。
所定の作業オーダkについて、Sjkは、2つ以上の品目jについて非ゼロであり得ることに留意されたい。このことは、作業オーダが2つ以上の品目を供給し得ることに等しい。
【0103】
さらに、購買オーダおよび購買要求は、以下の変数を用いて確定される。すなわち、
rjmt=時間期間tの購買オーダ/要求mにより供給される品目jの数量。
P=購買オーダおよび購買要求の数。
Pj=品目jについての購買オーダおよび購買要求の組。
他の品目の定数(Item Constants)は、以下の通りである:
LTj=組立品目jについての固定または平均組立リードタイム。
cj=品目jの標準費用。
N=限定品目数
LTjは、組立品目jについての固定または平均リードタイムであることに留意されたい。品目のリードタイムが可変である場合、平均リードタイムは、標準ロットサイズを乗算した変動リードタイム成分に固定リードタイム成分を足して計算される。また、LTkは、組立品目jについての固定または平均組立リードタイムのように、作業オーダkおよびLTjについてのリードタイムであることに留意されたい。予定作業オーダが新たな作業オーダとは異なるリードタイムを有することを可能にすることが重要でない場合、LTkは、作業オーダkにより供給される最も重要な品目jについてリードタイムLTjに換えることができる。
【0104】
各種設備(作業区(work center))は、以下の変数を用いて確定される。すなわち、
bnt=時間期間tでの作業区nの能力。
gjn=作業区nでの品目jの処理に必要とされる変動時間。
hjn=作業区nでの品目jの処理に必要とされる固定時間。
C=作業区の総数。
能力bntは、保守、および修繕のダウンタイム(repair downtime)などを引いた作業区nの正味能力(net capacity)、表すために、負荷率(load factor)により調整され得る。
【0105】
最後の定数は以下の通りである。すなわち、
T=時間期間数
【0106】
ここで、上で導入された変数を用いて定義される制約条件を説明する。式1は、在庫残高を表し、概して主要な資材の制約条件である。式1は、在庫の追加および引当を見失わないようにして、確実に各品目の在庫残高が任意の時間期間に負になることがないようにする。右辺の最初の4項は、在庫供給、すなわち前の期間からの在庫、その時点での時間期間の新たな供給(すなわち、新たな購買オーダ、新たな作業オーダ)、その時点での時間期間に構築された予定作業オーダ量、およびその時点での時間期間内に届いた購買オーダおよび購買要求を表す。最後の3つの総和項は、在庫の引当、すなわち、その時点での時間期間に出荷される需要、後の時間期間の新たな作業オーダの組立品のための引当、および後の時間期間の予定作業オーダの組立品のための引当を表す。
【0107】
【数1】
(式1)
【0108】
時間期間1では、右辺の第1項(Ij,t-1)は、初期の手持ちの在庫に設定される。
【0109】
ykt変数は、供給計画作成部200が作業オーダをプッシュ、プル、キャンセル、または破ることができるようにすることに留意されたい。購買オーダおよび購買要求は、対応する変数の組を有していないため、ユーザは、これらの予定入庫を変更することができない。購買オーダおよび購買要求に対してアクションを起こすために、これらの予定入庫についての変数の追加の組が作成される。
【0110】
式2に表した独立需要制約条件は、出荷される(すなわち、完了したか、あるいは構築した)各独立需要の数量が、多くとも要求された数量であることを保証する。制約が等式ではなく不等式であるため、いくつかの独立需要が完了していないという可能性があることに留意されたい。
【0111】
【数2】
(式2)
【0112】
式2では、時間期間tは需要の出荷期間を示している。
【0113】
上述したように、これらの制約条件(式1および式2)は、全計画期間(planning horizon)にわたって総和をとるため、計画期間中の任意の時点で需要が完了する可能性が得られる。所与の需要Iが完了し得る期間を制限するには、総和は、計画期間中に特定の窓に制限されるべきである、すなわち、総和は1よりも長いある時間期間で始まり、Tよりも短いある時間期間で終わるべきである。この窓は、需要の必要日によって決まる可能性がある。たとえば、需要は14日(period 14)の期日予定であるものと仮定する。最大で期日より3日間早くに、および期日より4日間遅れて需要を出荷するには、総和は、t=14−3=11からt=14+4=18までに入るべきである。
【0114】
独立需要制約条件の構造は、大半の独立需要が全てを出荷されなくてはならないと仮定しており、全てを出荷しなくてはならない需要と一部の出荷を容認している需要のいずれにも対処する。全て(すなわち一度の出荷で)出荷しなくてはならない需要Iの場合、xitは、全時間期間の間、二値変数にて制約されるべきである:
【0115】
【数3】
(式3)
【0116】
一部の出荷を容認している需要Iの場合、xitは、二値として制約されるべきではないが、供給計画作成部200では、全xit変数は概して二値に制約されている。
【0117】
制約条件の他のタイプである予定作業オーダ制約条件は、ユーザが多くとも各作業オーダの特定数量を構築することを保証する。これらの制約条件は不等式であるため、ユーザが特定数量より少なく構築する可能性を容認するようになっていることに留意されたい。
【0118】
【数4】
(式4)
【0119】
式4では、時間期間tは、その時点での、作業オーダ数量が完了している時間期間を示している。
【0120】
予定作業オーダ制約条件は、独立需要制約条件と類似しているため、同様な自由度がある。作業オーダが構築され得る期間を制限するために、総和は、おそらくは、作業オーダの最初の予定完了日に応じて、特定の窓に制限されるべきである。分割されることのできない作業オーダkの場合、yktは、全時間期間の間、二値変数として制約されるべきである:
【0121】
【数5】
(式5)
【0122】
分割され得る作業オーダkの場合、yktは、二値変数として制約されるべきではない。
【0123】
他のタイプの制約条件である実際の所要量残高、ならびに引当および自由使用制限(Withdrawal and Free Usage Limits)の双方により、作業オーダの実際の所要量の正確な数量が在庫から確実に引かれる。実際の所要量残高は、以下のように表される。すなわち、
【0124】
【数6】
(式6)
【0125】
この引当および自由使用制限制約条件は、以下のようである:
【0126】
【数7】
(式7および式8)
【0127】
実際の所要量残高制約条件は、時間期間tの作業オーダkについての自由使用および引当が、時間期間tに実際に構築された作業オーダkについての実際の全所要量の部分に等しくなければならないことを示す。引当制限制約条件は、全引当が作業オーダkへプルするための品目jの残高を越えないよう保証し、自由使用制限制約条件は、作業オーダkについて既に出庫した品目jの数量を越えないよう保証する。
【0128】
決定変数pjtは、時間期間tに生産された品目jの数量を示す。品目jが購買品である場合、pjtは新たな購買オーダに相当し、品目jが組立品であれば、pjtは新たな作業オーダに相当する。購買品と組立品との間の、モデリングの点から見た唯一の相違点は、組立品目jに関連する生産変数pjtは子品目の在庫残高制約条件に表れ、その時点で、それらの子品目が在庫から引かれなければならないという点である。各品目jについて、リードタイムが経過しないうちに新たな供給が到達しないよう保証するために、決定変数pjtが、tがリードタイムよりも短い時間期間の間に存在しないようにすべきである。たとえば、購買品が20日間のリードタイムを有するものとする。その場合、pjtは、時間期間t=1、K、19に存在するべきではない(別法では、強制期間があるが、それらの値はゼロに固定される)。組立品の場合、関連のリードタイムは、組立リードタイムであり、累積リードタイムではない。
【0129】
組立品jを製造することには通常、特定のシーケンスでの一連の作業を完了させることが必要とされる。1つの品目を良好に製造し始めてから完了させるのに必要な自由度を可能にするために、ユーザは、最後の1つを除いた工程での各作業について加工品を作成し得る。品目Aが4つの工程作業を有するとする。工程作業1〜3では、3つの加工品(A1、A2、およびA3と呼ばれる)が作成される。原品目Aの複数の子はA1の子となり、A1はA2の唯一の子であり、A2はA3の唯一の子であり、A3は、Aの唯一の子である。最後の工程作業は、原品目Aに相当する。このようにして、品目Aの親は、その子として品目Aを示し続け、これらの親の生産により、完成品Aの在庫から引当されることになる。
【0130】
原品目Aについての作業オーダは、品目A1についての作業オーダとならなければならず、その加工品は、最初の工程ステップに相当する。A1についての作業オーダを構築することにより、作業オーダが爆発的に増加している場合に、作業オーダの実際の要求から、あるいは(与えられている場合には)A1の子から引当が生じる。この場合、作業オーダにより作成されるA1の供給は、工程における次なる加工品であるA2の生産による引当に利用可能である。
【0131】
ユーザは、各加工品について組立リードタイムを決定する必要がある。原品目の組立リードタイムが可変である場合、この計算は単純である。すなわち、ユーザは、標準ロットサイズを乗算し、各工程作業についての固定リードタイムを足した各工程作業について変動時間を用い、この数を最も近い整数まで切上げる。原品目のリードタイムが固定されている場合、ユーザは、(1)加工品の個々の組立リードタイムが、各工程作業により必要とされる全組立時間の部分を反映するように、かつ(2)個々の組立リードタイムの和が最初の組立リードタイムに近似するように、加工品にわたり原品目のリードタイムを配分する。これらの2つの目的は、特に最初の組立リードタイムが短い場合に対立する場合がある。
【0132】
以下のアルゴリズムは、加工品のリードタイムを算出する1つの可能な方法を提供する。
1.品目jの組立リードタイムが固定の場合、基準ロットサイズを以下のようにして求める:基準ロットサイズ=(LTj−全工程作業の固定リードタイムの和)/(全工程作業の変動リードタイムの和)。これを使用しない場合には、品目マスタテーブルに提供される基準ロットサイズを使用する。
2.各工程作業毎に、工程作業の変動時間に基準ロットサイズを乗算し、固定リードタイムを加算する。この数量を最も近い日に切り上げる。これは、各加工品の組立リードタイムであり、最後の工程作業の場合には、原品目の改訂組立リードタイムである。
3.(オプション)加工品のリードタイムの和が、元の組立リードタイムと適度に整合するように調整を加える。
ステップ3は、ステップ2における切り上げによって付加される時間が長すぎる場合に必要でありうる。たとえば、工程に等期間の作業が4つある場合、3個の加工品それぞれには少なくとも1日のリードタイムが割り当てられ、原品目には少なくとも1日の改訂リードタイムが割り当てられることになる。結果として全体のリードタイムは4日である。しかしながら、元の組立リードタイムが最初の加工品に対して1日のみであった場合、その他の加工品のリードタイムはゼロである。
【0133】
以下の擬似コードアルゴリズムは、複数ステップの工程を有するあらゆる品目についての加工品の製造を要約したものである。
1.最後の1つを除く工程作業毎に加工品を製造する。
2.原品目の複数の子を、最初の工程作業の加工品の子アレイにコピーする。
3.原品目の複数の子を、最後から二番目の工程ステップの加工品を指す単一の子で置き換える。
4.工程を逆向きに進み、工程作業nの加工品を、工程作業n+1の加工品の子とする。
5.実際の所要量を含む原品目の作業指示情報を最初の工程作業の加工品に移動する。
6.上に提供したアルゴリズムを使用して、加工品の組立リードタイムおよび原品目の改訂リードタイムを算出する。
【0134】
これら加工品の製造に伴い、ユーザは通常通りの様式で在庫残高制約条件を構築する。ここで唯一の懸案は、生産能力の制約条件を構築する方法である。この問いに答えるため、供給は各工程作業の固定時間を明らかにする。ユーザは、別の決定変数セットを導入して固定組立時間を(略)正確に明確化することができるか、あるいは各作業区がセットアップモード(または生産バッチあたり固定時間を消費する他のモード)で費やす時間の割合を概算することができる。
【0135】
ユーザが別の決定変数セットを導入する場合、以下のように定義される。
【0136】
【数8】
(式9)
【0137】
作業区nが時間期間tに品目jを処理する場合にのみ、ejntが非ゼロであるように保証するため、以下の制約条件が課される。
【0138】
【数9】
(式10)
【0139】
【数10】
(式11)
【0140】
なお、品目jがある工程中の最初の作業に対応せず、むしろ最初以外のある作業に対応する場合、上記制約条件にwjktにわたっての合算がない。第1の制約条件セットにより、時間期間t内に作業区nで品目jの生産がない場合にejnt=0であることが保証される。第2の制約条件セットにより、時間期間t内に作業区nで品目jの生産がある場合にejnt=1であることが保証される。第1の制約条件セットのスケーリングは、生産能力資源ユニットが、1つまたは複数の品目ユニットの生産において1つまたは複数の生産能力資源ユニットが消費されるに足るほど大きいものと仮定している。これが当てはまらない場合には、第1の制約条件セットの右辺を十分に大きな倍率で乗算して、右辺の値が常に、生産量が厳密に正であるときは必ず1よりも大きくなるように保証すべきである。生産能力の総可用率により適切な上界が提供されるため、第2の制約条件セットはすでに適宜スケーリングされている。
【0141】
ここで、製造能力制約条件を以下の式11に記すことができる。
【0142】
【数11】
(式12)
【0143】
ejnt変数を式9〜式12に記したように設定することは、セットアップ時間が、過小評価されることはないが、過大評価される可能性があることを意味し、これは、ユーザが作業区nで品目jを組立てるあらゆる時間期間において、セットアップ時間を背負い込むことになるためである。しかしながら、時間jの1バッチが作業区nの1つよりも多くの時間期間にまたがる場合、セットアップ時間はそのバッチの最初の時間期間にのみ含められ、後続する時間期間には含められない。このように潜在的にセットアップ時間を過大評価する潜ことは、供給が生産能力資源をわずかに過小スケジューリングしうるが、供給計画作成部200は過大スケジューリングしないことを意味する。
【0144】
代わりにユーザが固定組立時間を概算すると判断する場合、ユーザは、作業区nがセットアップモードで費やす時間の割合に対応する量分、bntを下げる必要があるだけである。この削減された生産能力がb3 ntと表記されるとすると、製造制約条件はこのように記すことができる。
【0145】
【数12】
(式13)
【0146】
目的関数が4つの目標、すなわち、顧客サービスの最大化、収益の最大化、マージンの最大化、および在庫費用の最小化を組み合わせる。ユーザは、それぞれの企業の目的に応じて、これら4つの目標に異なる重みを割り当てることができる。
【0147】
顧客サービスを測定するにあたり、ユーザは、定時に注文を出荷するか、それとも遅めまたは早めに出荷するかのいずれかを優先したい場合がある。このために、ユーザは、xitをδitで表記される価値係数でスケーリングする。
【0148】
【数13】
(式14)
【0149】
式14におけるこのδitの設定は、定時オーダが最も高い値(2)を有し、出荷日と必要日との間の差が大きなるほど値が低く、n期間早く出荷されるオーダはn期間後に出荷されるオーダの2倍の価値がある。(スケーリングした)顧客サービス関数はこのようになる。
【0150】
【数14】
(式15)
【0151】
収益関数は、すべての出荷済独立需要に関連する収益の和である。
【0152】
【数15】
(式16)
【0153】
マージン関数は、すべての出荷済独立需要に関連するマージンの和である。
【0154】
【数16】
(式17)
【0155】
在庫費用関数は仕掛品の価値を無視し、その代わりに「棚にある」在庫のみを含める。
【0156】
【数17】
(式18)
【0157】
式18における角括弧内の1番目の二重加算項は、各計画期間が終わった時点で在庫である品目のドル費用である。2番目の項は、作業オーダですでに出庫されたが、まだ消費されていない在庫の費用を説明している。出庫された在庫が消費されると、消費量(ujktで表される)が、出庫量(tjkで表される)から差し引かれる。
【0158】
ユーザは、上に列挙した4つの目標の中から2つ以上の目標に厳密に正の重みを割り当てることによって複数の目標を組み合わせる。結合目的関数では、4つの関数それぞれが、それに対応する重み係数で乗算される(ユーザが1つまたは複数の目標にゼロの重みを与えると、この目標は生産スケジュールに影響しない)。ω CS、ω R、ω M、およびω Iを、ユーザが顧客サービス、収益、マージン、および在庫それぞれに割り当てた重みとする。
【0159】
ユーザが割り当てた重みを正確に反映するには、結合目的関数はまず最初に、上記4つの関数それぞれをスケーリングして、概ね類似するようにしなければならない。収益$1000が関連する顧客オーダを考え、ユーザが顧客サービスおよび収益の両方を、それぞれに等しい重みを割り当てた状態で最大化したいものと仮定する。倍率が上記関数に適用されない場合には、受注分を定時に出荷することによって、顧客サービスに価値2および収益に1000が与えられ、これらの寄与の程度は決して等しくはない。いくつかの異なるスケーリング方法が妥当な場合もある。一実施形態では、各項が最大でも1の値を有するように、供給が別個の目標をスケーリングする。YCS、YR、YM、およびYIを、顧客サービス、収益、マージン、および在庫それぞれの倍率とする。供給は、これら数量を以下のように設定する。
【0160】
【数18】
(式19)
【0161】
【数19】
(式20)
【0162】
【数20】
(式21)
【0163】
【数21】
(式22)
【0164】
式22において、「固定予定入庫」なる項は、キャンセルまたは破ることのできない購買オーダ、購買要求、または作業オーダを指す。目標が在庫の最小化である場合、任意の期間における在庫は、手元にある在庫に、固定予定入庫を足したものを越えるべきではない。すなわち、品目が同じ期間中に消費されないのであれば、その品目は生産(または購買品目の場合には入庫)すべきではない。
【0165】
結合目的関数はこのようなものである。
【0166】
【数22】
(式23)
【0167】
なお、式23では、在庫費用関数がその他の関数の和から差し引かれて在庫費用が最小化されるが、他のすべての数量は最大化される。
【0168】
資源最適化部300
図1Dに戻ると、供給システム100は、資源最適化部(RESO)300を含む。RESO300は、すべての供給を配達可能な製品の独立需要に割り当てる供給アプリケーションである。供給計画作成部200は部品を管理するが、RESO300は需要オーダを管理する。RESO300は出力テーブルから独立需要の優先度を決めるとともに、その優先度を変更する。ユーザは、RESO300を使用して、ユーザの資源を最良に利用するために、現在のスケジュールのどこを改良可能かについて明らかにした報告書を作成することができる。
【0169】
供給計画作成部200の背後にあるロジックは、従来のMRPIIシステムと同様である。具体的には、供給計画作成部200は、製品構造、部品費用、稼動率、およびオーダポリシー等の要因によって動く。しかしながら、従来のMRPIIロジックを使用すると、独立需要とこれら需要を満たすために必要な供給との間の関係が不明瞭になる場合がある。このためRESO300は、従来のMRPIIロジックを使用した場合の効果を逆にするロジックを利用する。具体的には、RESO300は、ユーザが供給の使用を個々の顧客オーダ、マスタスケジュール品目、および臨時使用品目に合わせられるようにすることによって、ユーザが求める可視性を取り戻す。供給計画作成部200の結果をRESO300を通してさっと見ただけで、ユーザは、月末までに生産すべきユニット数、最小の投資で最大の収益を生み出す現オーダの選択、ドロップインのオーダがユーザのスケジュールにどのように影響するかについての予測、および生産能力が計画スケジュールにどのように影響するかについての予測等の質問に対する答えを出すことができる。RESO300は、供給計画作成部200によって推奨される供給およびアクションを遵守し、収益計画のベースとして使用する。RESO300は、供給品目をすべてユーザの独立需要まで後ろ向きに、合ったものから先に満たす様式で割り当てる。ユーザは、上に列挙した状況の類に対する答えが必要なときにはいつでもRESO300を使用することができるが、一般には、ユーザが供給計画作成部200を実行して生産計画を作成した後でのみである。特にユーザは、これら供給がどのように割り当てられるかについての明確なイメージを得るために、供給位置を明確に把握すべきである。
【0170】
RESO300は一般に、基本的な入力として供給計画作成部200からの供給計画(すなわち、ベースの正味計算テーブルまたは別個に規定された正味計算テーブルの内容)を必要とする。RESO300は、上に述べた製品構造(PS)テーブル、顧客オーダ(CO)テーブル、マスタスケジュール(MS)テーブル、および割増使用(EU)テーブル等、ユーザによって指定された他のテーブルからのデータも使用しうる。RESO300はこのデータを、資源最適化テーブルおよび資源最適化詳細(RESOD)テーブル等のデータベース110中のテーブルに格納する。そして、RESOテーブルおよびRESODテーブルからの結果を組み合わせたものを、資源最適化アクションテーブルに表すことができる。供給計画作成部100からの正味計算テーブルは通常、供給計画作成部200の実行日と指定された供給計画作成部200の対象期限日との間の任意の時間に必要とされる、品目マスタ(IM)テーブル中のあらゆる部品の完全な供給プロファイルを含む。上に述べた顧客オーダテーブル、マスタスケジュールテーブル、および臨時使用テーブルの中味もまた、供給プロセス(需要)への入力でありうるため、供給計画作成部200の結果に影響する。従来のMRPの出力を用いる場合、部品表(BOM)のすべての階層を通して一度に1レベルずつこういった関係を追跡することが困難である。
【0171】
したがって、図3の資源最適化方法301の最初のステップは、正味計算テーブルがすでに存在していることを確認するというものであり(ステップ310)、その結果適した供給計画が生成される。不適切な供給計画作成部200の例は、期限切れのユーザ計画を基にしたものである。RESO300は通常、在庫を見て可能量を算出する。しかしながら、可能量を算出することにより、他の供給元も考慮する場合がある。可能量には、指定されている場合には作業オーダおよび他の供給元も考慮される。各供給元毎に、ユーザは、所要量に合うようにオーダ日を考慮するかそれとも無視するかという選択肢を有しうる。
【0172】
RESO300は、選択された顧客オーダおよび/またはマスタスケジュール品目(すなわち、製品の独立需要)を正味計算テーブル中の個々の供給記録に遡って関連付けることによって関係を明らかにし、定量化する。RESO300は、すべてのレベルを通してインテリジェントに移動し、それぞれがどのように満たされるかを明確に示す。RESOテーブル中の各記録は、テーブルに規定されたソート順に基づいて順次マッチングする。この順序付けは、最適化プロセスによって自動的に割り当てられたペッグ番号で表される。RESOテーブル中の各ペッグ番号毎に、最適化プロセスは、正味計算テーブルに列挙された供給記録から部品を抽出し、需要を満たすようにその部品を割り当てる。
【0173】
RESO300の相補的な機能は、理論上は在庫がある部品(製品および構成部品両方の)の可能数量を算出し報告することである。同様に、RESOは、RESOシーケンス中の各時点での需要を満たすために必要な数量が利用可能になる可能日を求めることができる。可能数量値および可能日は一般に、RESOテーブルおよびRESODテーブルの両方の中にある。これらの値が何を表すのかを正確に理解することが重要である。部品の可能数量は、その部品の、先に整合した需要すべてが満たされた後に残っている数量を表し、可能量が0ということは、すべての在庫および作業オーダが優先度のより高いペッグシーケンス番号に割り当てられたことを意味する。RESOテーブルに列挙された部品は、独立需要がある製品を特定しているため、RESOテーブルに報告されている部品の可能日とは、過去の任意の時点で構成部品の割り当てがすでに行われた場合に、RESOシーケンス中のその時点で構築可能なものを表す。
【0174】
RESODテーブルに特定される部品(製品ではない)は、組織の製品になる構成部品である。こういった構成部品の可能日は、RESOシーケンス中のその時点での独立需要に割り当てることができる部品を表す。この割り当ては、前の時点で行われた構成部品のあらゆる割り当てを反映したものである。
【0175】
可能日を求めるとき、RESO300は利用可能日を求めることができる。利用可能日は、供給計画作成部200の実行日にあらゆる不足部品の中の最長のリードタイムを足して算出される。可能日が供給計画作成部200の実行日に等しい場合、これは、不足部品がなく、組織がスケジュールシーケンス番号を満たすために必要な部品をすべて現在庫(current inventor)として持っていることを意味する。利用可能日がスケジュールシーケンス番号の必要日よりも先の場合には、部品の不足がある。この不足により、利用可能日は、不足部品(1つまたは複数)の累積リードタイムに等しい分だけ延ばされることになる。利用可能日は、製品部品番号で指定される独立需要を満たすことが可能な日を表す。この結果は、構成部品の可用性およびあらゆる部品不足の累積リードタイムに基づく。コンポーネント、すなわち製品でもなければ組立品でもない品目の場合、可能日は、実際の供給および供給計画作成部200推奨供給が与えられた場合に、部品が利用可能になる最も早い日を表す。
【0176】
通常、RESO300は、最初の利用可能な供給で需要を満たす。しかしながら、顧客オーダが検討対象である場合によっては、RESOが特定の供給を需要に合わせることがある(ステップ320)。このために、供給システム100では、ユーザがマッチプロジェクトセットを指定することができる。マッチプロジェクトセットは、プロジェクトIDを供給と需要の間のリンクとして使用する。RESO300は、プロジェクトIDを有する需要に直面すると、まず、同じプロジェクトIDを有する供給を探す。供給は、同じプロジェクトIDを有する供給を見つけない場合には、PSOからの供給を用いる。
【0177】
引き続き図3において、RESO300は、デフォルト主導最適化実行後の微調整プロセスを支援するように特に設計されている。ユーザは、最適化実行後にRESOの結果を見て、入力データに具体的な調整を行うことができる(ステップ330)。たとえば、ユーザは、個々の需要の優先番号を上げることによって最適化シーケンスを調整することができる。ユーザは、必要日および必要量を変更すること、さらには新しい需要をRESO300に直接追加することも可能である。次にユーザは、RESO300を再度実行して、変更の影響を見ることができる。RESO300では、ステップ330中にユーザがバッチ種別の変更をデータに対して行うことも可能である。再実行では、最適化演算によって最後に使用された正味計算テーブル中の供給情報を用いる。また、ユーザは、需要をRESOテーブルに追加する場合には、併せて、新しい需要に見合う供給があるように、その需要を適した供給計画作成部200の入力テーブルにも追加して、供給計画作成部200を再度実行しなければならない。
【0178】
ステップ330の一環として、ユーザは、最適化演算がRESOテーブルの需要を取り扱う優先度を調整することもできる。供給システム100は、RESOテーブル中の優先度番号を変更することによってこういった調整を行う。この機能は、バッチのような様式で行うことができ、ユーザが所望期間中の特定の部品または部品群および/またはオーダの重要度を調整できるようにする。この調整は、すべての需要に基づいても、または特定の需要タイプに基づいてもよい。また、ユーザは、同じRESOテーブルに対して優先度を数回調整して、様々な状況を見ることができる。
【0179】
別の実施形態では、ユーザは、最適化セットをさらに定義することができる。最適化セットとは、ユーザが定義するソートおよび選択が一続きになったものである。各最適化セットは、ユーザが定義したかもしれない他のいずれの最適化セットからも独立して実行される。一般に、ユーザは、1つの最適化セットを特定のRESOテーブルに適用したいと思うだけである。この方法では、ユーザが、最適化する特定の商品または商品群を指定することができる。
【0180】
資源最適化分析に続き、RESO300は、分析の結果を記載した出力報告書を作成して表示することができる(ステップ340)。一実施形態では、RESO300は、オーダステータス詳細報告書を作成して、早期オーダまたは遅期オーダ、あるいはこれら両方のステータスについての詳細な情報を提供することができる。オーダステータス詳細報告書は、特定のサイトまたは部品に限定することが可能である。オーダステータス詳細報告書は、特定の範囲の需要に限定することも可能である。オーダステータス詳細報告書には様々な用途がある。主に、当該報告書により、ユーザは各オーダがどのように供給されるかを見る。当該報告書は、個々の構成部品およびその供給オーダが最上位レベルの需要をどのように満たすかを特定する。オーダがどのように供給されるかについての詳細が入手可能になってから、ユーザはオーダが何故遅くなるのかを判断することができる。
【0181】
同様に、RESO300は、どの部品が使用されるか、また必要であるかを要約した報告書を作成することができる。具体的には、使用箇所要約報告書は、ユーザの資材計画のどこで部品が使用され、必要とされるかについての要約を提供する。この報告書の主な目的は、下位レベルの品目が独立需要にどのように割り当てられているかを見ることである。この報告書は、供給の最適使用の分析に有用である。各部品の使用を見ることによって、ユーザは、必要日と可能日を比較的容易に比較することができ、そして各種オーダの優先度を決める。
【0182】
RESO300は、出荷可能な独立需要品目の毎月のドル単位での見積もりを提供する必要/利用可能要約報告書の形で、毎月の出荷可能な独立需要を見積もる報告書を作成することもできる。この報告書は、出荷可能独立需要品目の毎月の見積もりをドル単位で提供する。ユーザの計画および出荷目標を満足させるために求められる投資の査定に重要である。
【0183】
RESO300で作成することのできる別の種類の報告書は、すべての遅期オーダの要約を提供する遅期オーダ報告書である。この報告書は、遅期オーダ報告書ダイアログボックスに指定されたように、部品番号、次に必要日により、あるいは必要日、次に部品番号により、すべての遅期オーダの要約を作成する。この報告書をマスタスケジュールと併せて見ることにより、ユーザは、利用可能な供給で遅期オーダを満足させる最良の方法を求めることができるようになる。
【0184】
同様に、不足部品要約報告書が、部品の不足を要約レベルで識別する。ユーザは、購買担当者(複数可)または計画者(複数可)の特定の責任である部品の概要を作成することができる。この報告書は、部品の不足を迅速に突き止めるように設計されている。要約の各部品についての詳細を通して、ユーザは、手元にある部品、注文中の部品、および正味所要量位置を特定することができる。不足部品要約を使用して、購買担当者および計画者は、企業全体の部品の不足についてデータボリュームをソートするのではなく、各自特定の状況を見ることができる。これは、多くの期間で特定の部品が問題であるかどうか、またはその問題をより短い対象期限に切り離すかどうかを判断するのにいい機会である。
【0185】
RESO300は、定時または早期になるオーダのスケジュールの要約をユーザに提供する定時オーダ報告書をさらに用意することができる。定時オーダ報告書は、どのオーダが早期および定時になるかを評価する際に有用である。この情報を用いて、ユーザは、多くのオーダがスケジュールに先んじている場合に代替の出荷スケジュールを準備したいと思う場合がある。この報告書から早期オーダを見て、遅期オーダ報告書および不足部品要約報告書から遅期および不足部品と比較することにより、ユーザは、必要日に間に合わせるため、ひいては資材の利用を最適化するために、どのオーダの優先度を変更することができるかを見ることができる。
【0186】
別の報告書である使用箇所詳細報告書は、ユーザの資材計画のどこで部品が使用され、必要とされるかについての詳細な要約を提供する。使用箇所詳細報告書は、構成部品レベルでの供給および需要をタイムフェーズ化する。供給スケジュールは、在庫および予定購買オーダに基づいた、各期間の利用可能な供給の見積もりの算出を含む。需要のセクションは、スケジュールシーケンス番号、親需要部品番号、需要のタイプ、需要量、および納期を識別する。次に、各期間毎に、需要に割り当てられた構成部品量が特定される。タイムフェーズ化された供給と需要から、ユーザは、深刻に不足している部品周辺の予定変更の支援に優先度の高い需要を特定することができる。
【0187】
引き続きステップ340において、RESO300は、早期オーダまたは遅期オーダ、あるいはこれら両方の生産能力の詳細なステータスを提供する生産能力オーダステータス詳細報告書を提示することができる。当該報告書は、特定のサイトまたは部品に限定することが可能である。これは、特定の範囲の需要に限定することも可能である。生産能力オーダステータス詳細報告書には様々な用途がある。主に、この報告書は、各オーダがどのように供給されるかを目で見えるようにする。当該報告書は、個々のコンポーネントおよびその供給オーダが最上位レベルの需要をどのように満たすかを特定する。オーダがどのように供給されるかについての詳細が入手可能になると、ユーザはオーダが何故遅れるのかをよりよく判断することができる。具体的には、生産能力オーダクリティカルパスを識別することによって、ユーザは遅れた部品を切り離すことができる。
【0188】
さらに、購買オーダアクション報告書が、RESO300によって示唆された購買オーダ(PO)または計画供給オーダ(PSO)をすべて示す。ユーザは、検討したい購買オーダについての報告書に的を絞ることができる。この報告書は本質的に購買担当者のツールであり、ユーザは、報告書を特定の購買担当者に限定したり、すべての購買担当者を含めることによって状況をより全体的に見たりすることができる。この報告書をPSOが含められた状態で見る場合、購買担当者は、需要の要件を満たすためにはどのオーダを考慮すべきかを判断することができる。この報告書から、購買担当者は、RESO300の勧めるアクション(プッシュ、プル、またはキャンセル)に対してなされた購買オーダを検討することもできる。アクションが達成可能な場合、購買担当者はアクションの実行を試みることができる。全体として、この購買オーダアクション報告書は、アクションとともに購買オーダを迅速に把握できるようにする。
【0189】
制約条件ベースのマスタ計画コンポーネント400
図1Dに戻ると、供給システム100中の別のコンポーネントは制約条件に基づくマスタ計画作成部(CBMP)400である。CBMPは、ユーザの資材制約条件およびオプションとして生産能力制約条件の実施を決定することができる。この機能は、以下に述べる有限資源計画作成部800とともに、RESO300にあるような需要計画の機能を組み込み、負荷要件および生産能力要件に適応させる。CBMP400は、ユーザの資材制約条件およびオプションとして生産能力制約条件を満たした生産スケジュールを決める。RESO300およびFRP800と比較すると、CBMP400は線形プログラミング法を使用して、資材および生産能力計画問題を解く。これら高度な数学アルゴリズムにより、生産スケジュールへの影響に基づいてオーダを構築する意思決定能力がCBMP400に付与される。
【0190】
CBMP400は、計画にも使用することができる。たとえば、すべての部品が、オーダを今日構築するために現在利用可能であっても、今日そのオーダを構築しないと判断することによってそういった部品が自由になり、他の3つのオーダが明日完成することから、そのオーダを構築しないほうがより有利である。反対に、今日のその1つのオーダが最上の顧客に属するものであり、そのオーダを今日構築するとの判断が、全体のスケジュールに対する影響を顧みずに行われる場合もある。CBMP400は、スケジュールの初期にまずい判断を下すことを回避することができる全体的な概観を有し、このため、CBMP400は、生産計画問題に対してよりよい全体的な解決策を求めることができる。同時に、CBMP400は、ユーザが異なる優先度群を特定するという柔軟性を含み、これによってユーザは、可能な場合はいつでも優先度の高いオーダの構築を進めることができる。
【0191】
制約条件ベースのマスタ計画方法401を図4に示す。特に、CBMP400では、ユーザの組織にとって最も意味をなす生産目的をユーザが設定することができる(ステップ410)。ステップ410において、CBMP400は、ユーザが4つの考えられる目標:(1)すべての出荷済オーダの総収益を表す収益、(2)すべての出荷済オーダの総マージン(ドル価)を表すマージン、(3)各期(ユーザのCBMPオプションで規定される)末で在庫として残っているすべての品目のドル価に基づいた在庫、(4)定時オーダの数を表す顧客サービス、に付けたい相対的な優先度重みに対応するように、相対的に重要度が高いか低いかという尺度で調整することができる。オーダを早期または遅期に出荷することができる場合、顧客サービス目標では、納期に、または納期近くで出荷されるオーダの数が最大化されることになる。一実施形態では、ユーザは、スライダバーをドラッグして、ユーザがその目標の重要度が他の優先度よりも低いと感じるか、それとも高いと感じるかを示すことにより、各目標の相対的な重要度を閲覧し設定することができる。
【0192】
ステップ410において上述した規定の目標に加えて、ユーザは、計画を最適化するための優先度および選好を設定するために制約条件を定義することもできる。たとえば、ユーザはフェーズを定義することができる。ユーザが一連のフェーズを対象期限にわたって定義したいと思いうる理由がいくつかある。たとえば、ユーザは、ユーザの製造サイクルにより似るようにするために、ユーザの供給計画の過程で優先度を変更したい場合がある。たとえば、ユーザが6ヶ月の対象期限を有し、各四半期にユーザが(1)四半期の最初の2ヶ月間は顧客サービスに重点を置き、(2)四半期の最後の月は収益に重点を置きたいものとする。この重点を反映するために、ユーザは、(1)最初の2ヶ月をカバーするフェーズでは、ユーザが顧客サービスに重点を置く旨をCBMP400に伝え、(2)3番目の月のフェーズでは、ユーザの優先として収益に的を絞るようにCBMP400を設定し、(3)第3フェーズおよび第4フェーズの設定に、最初の2つのフェーズを繰り返すことによってユーザのサイクル優先度に合うようにCBMP400の目標優先度を設定することができる。CBMP400をこれら設定で実行した後では、供給計画作成部200および資源最適化部300が、ユーザの製造優先度をより正確に辿るようになる。
【0193】
ステップ410において、ユーザは、最適化サイクルあたりの最大オーダ数を指定することもできる。この方法では、ユーザは、上界を、提案された生産レベルに指定することができる。事前に指定される提案値は、ユーザが持っている制約条件付きの部品の数およびユーザの計画対象期限中の期間数に基づいて決めることができる。
【0194】
ユーザが生産目的を指定した後、ステップ420において、CBMP400は、RESOテーブル中の独立需要に最適な生産シーケンスを決定する。最適なシーケンスの作成は、既知の技術を用いて実施することができる。たとえば、上で引用した米国特許出願第09/984,327号のシステムおよび方法を使用し、データベース110中のRESOテーブルまたは他のテーブルに含まれるデータを使って最適な生産シーケンスを決めることができる。
【0195】
次にCBMPは、中間出力テーブルを作成することができる(ステップ430)。CBMPは、識別された生産シーケンスに従ってRESOテーブルをさらに再ソートし、その後、RESO300を上に述べた最適供給割り当てロジックを使用して実行することができる。中間出力テーブルは、計画を成し遂げるためにCBMP400が作成した計画供給オーダ、ならびにCBMPがスケジュールされた入庫に対して行ったあらゆるアクションを記録する。RESO300は、この中間テーブル中の情報を使用して、CBMPシーケンス中の需要を満たすことができる最新の供給を求めることができる。その後、RESO300は、上に述べた通常動作に従ってRESOテーブルおよびRESODテーブルにその結果を記録する。この方法では、ユーザが様々なRESO報告書を作成してCBMP実行結果を見ることができる。
【0196】
ユーザは、ステップ410において生産能力制約条件を指定することもできる。生産能力制約条件が含められる場合、ステップ420において、CBMP400は、資材および生産能力制約条件の両方を同時に考慮して計画を決める。この計画は、資材在庫およびリードタイムを念頭に置き、また、作業区に計画される負荷が利用可能な生産能力を決して超えないように保証する。生産能力制約条件を用いて、CBMP400は、実行の終わり(RESOの後)で有限資源計画を実行して、詳細な生産能力要件をRESODテーブルおよび有限資源計画(FRP)テーブルに記録するとともに、生産能力日をRESOテーブルに記録する。次にユーザは、FRP報告書を使用して、ユーザの生産能力が制約条件のあるCBMPの実行結果を見る。ユーザは、上に述べた規則ベースの最適化を適用する場合には、CBMP400に構築された優先度を念頭に置くようにすることもできる。
【0197】
製品変更分析部500
製品変更分析部(PCA)500は、過剰在庫および陳腐化在庫を回避しながら、ユーザが、新しい部品および製品を導入するに最も費用効率的な日を迅速に特定するのを助ける。製品変更分析は、データベース110をスキャンし、ユーザによって指定されたパラメータを使用し、新しい製品ラインまたは構造のフェーズアウトまたはフェーズインに最適な時間をユーザに示す。具体的には、ユーザは、PCA500を使用して、(1)製品設計の変更または新製品が在庫にどのように影響するかを求め、(2)ユーザが、生じる過剰在庫の対策として変更をいつ実施するかを特定するのを助け、(3)ユーザが、単一部品の交換のように単純な変更および古い製品のフェーズアウトと同時に新しい製品ラインを導入するような複雑な変更を分析するのを助けることができる。
【0198】
全体的に、PCA500は、ユーザが変化に対応することを助ける。製造では、多くの場合には技術変更により、交換構成要素のフェーズイン(すなわち導入)および製品の交換された構成要素のフェーズアウト(すなわち、使用の中止)が時折必要になる。新しい製品または製品ラインが製造サイクルに導入されること、または古い製品またはラインの排除により、製品も変更になり得る。ユーザは、単一の構成部品の交換にあたっているのか、それとも製品ライン全体にあたっているのかに関わりなく、PCA500を実施することができる。
【0199】
PCA500は、コンポーネントの交換による影響を調査するために使用される。こういった種類の製品構造または構成の変更は、価格競争の激しいコンポーネントの利用、部品供給の可用性変化の調整、技術変更の組み込み、および新しい製品ラインの開始や古い製品ラインのフェーズアウト等、様々な理由によって必要になり得る。場合によっては、その製品の機能を保つために、製品のコンポーネントの変更が必要になる。通常、この種の技術変更は、その製品の成功が続くことを保証するため、速やかに行われる。しかし、製品構造の変更が財政またはテクノロジによるものである場合、その変更をいつ行うかという問いに答えることはより難しい。PCA500は、ユーザが消費されない(陳腐化)であろう製品または部品の価値を求めるのを助けるように設計される。PCA500は、変更が行われた場合の部品番号、有効変更期間(繰り返し)、ベースライン値、および変更時の値を示した報告書をユーザに提供する。
【0200】
以下の例では、現在、製品Aの構造には構成部品Bが含まれ、構成部品Bが構成部品Cと交換される。部品Bが他の製品にも使用されていない限り、製品Aの構造から部品Bをすぐに除去すると、陳腐化在庫が増大する可能性が高い。ユーザの在庫にあるすべての部品Bおよび注文中のすべてのBは持ち腐れになる。これは、ユーザの企業に対する相当な損失を表し得る。損失を低くするため、ユーザは、コンポーネントを変更する前に部品Bの既存の在庫をいつ、そして何個消化することができるか、および変更前に本当に必要な注文中のB(もしあれば)の数量を求めなければならない。製品Bがたまたま、それ自体の構造に関連する他の構成部品が組立てられた部品であった場合、問題はますます難しくなる。
【0201】
図5に示すPCA方法501に従ってのPCA500の動作。PCA500は、供給システム100にベースライン供給計画結果を算出させる(ステップ510)。次に、PCA500は、供給計画作成部200に、同じ時間期間にわたる複数の供給計画ランを行わせ(520)、期末在庫の費用をベースライン供給計画結果と比較し(ステップ530)、各発効日毎に総陳腐化在庫を算出する(ステップ540)。PCAは、指定された製品変更開始日から製品変更対象期間日までのベースライン供給計画結果を算出する。ここで、対象期間日とは、分析する計画期間の中で最後の日である。ベースライン供給計画結果は、製品の変更を反映せず、資材計画の他のあらゆる局面を反映している。
【0202】
上記例では、これは、部品Cがまだ製品Aに関して実施されていなことを意味する。ベースライン供給計画結果から、PCAは、ユーザの資材計画中のあらゆる部品それぞれの(製品Aに関連する部品だけではなく)期末在庫(費用)を求めることになる。これがユーザのベースライン陳腐化値になる。次に、PCA500は、計画期間数で決まる増分、およびユーザが設定する期間の粒度で、同じ時間期間にわたって複数の供給計画を実行する。これらランのうちの最初のランで、部品Bを部品Cとすぐに(変更開始日に)取り替える場合の供給計画結果が求められる。
【0203】
ステップ520における続くランでは、交換日(発効日)を1計画期間分先に延ばす。これらランそれぞれにおいて、PCAは計画中の各部品の期末在庫を(ドルで)算出する。次に、各部品の期末在庫が、ベースライン供給計画の期末在庫と比較される。差分が算出され、各発効日でのコンポーネント交換に起因する総陳腐化在庫を表す単一値までまとめられる。プロセス全体中の供給計画間の違いは、部品の交換(たとえば、部品Bを部品Cに交換)によって生じる違いだけである。上記例を用いると、変更発効日が先に延びるほど、需要によって消化される部品Bの数量は多くなり、ひいては部品Bのユーザの陳腐化在庫が少なくなることが分かる。しかし、発効日が先に延びるほど、生産は部品Cへの変更から失う(lose:損害を受ける)。資材計画に他の変更がなければ、PCA500は、ユーザが部品Bの交換を待てば待つほど、ユーザが有することになる陳腐化在庫が少なくなることを示すPCA報告書なる報告書を作成する。
【0204】
上に定義した製品構造テーブルは、PCA500において重要な役割を果たす。製品変更が規定されると、PCAを実行しようとする前に、ユーザは、製品変更におけるすべての除去/交換部品が存在し、品目マスタテーブルに正しく定義されていることを確実にすべきである。さらに、ユーザは、新たに定義された親/子関係がいずれも、PCA前に実施されないことも確実にすべきである。製品構造テーブル中の2つのフィールド:有効開始日および有効終了日により、いつ部品が実施されるかが決まる。PCA500の目的は、ベースラインの、既存の供給計画と比較して、これらの日をいつにすべきかの判断を助けることである。部品の親/子関係がすでに製品構造テーブルに存在し、その有効日が変更開始日に、または変更開始日よりも後に設定されている(すなわち、製品変更の時間枠内)場合、部品の変更はPCA500によりベースライン条件として含められることになる。
【0205】
一実施形態では、ユーザは、PCA500によって使用される期間の粒度を変更することができ、これによって通常、供給プロファイルが経時シフトする。供給計画200は、特定の供給に対するアクションを推奨することができ、推奨はラン毎に変化し得るため、オーダが別様にプッシュおよびプルされる。この虫食い(carious)により、均等に減ることがなく、さらには時間の経過に伴って増大し得る陳腐化在庫が発生し得る。供給計画結果が変化する原因は、交換中の部品が、必要な数量きっかりではなく、需要を満たすに必要な数量よりも多く注文するように指示するオーダポリシーを有するためである。たとえば、交換中の部品に最低注文数量または注文単位数量が課されている場合、供給計画作成部200は、所要よりも多くの供給(すなわち、推奨オーダ)を行うことがあり、結果としてこれがその部品の陳腐化在庫になる。別の例では、大きな購買オーダが入る場合、陳腐化在庫がある製品変更期間から次の製品変更期間で増えう得る。言い換えれば、供給計画推奨予定変更により、小さな需要に備えるために供給が早めに行われ、オーダの大部分が陳腐化された状態のまま残る。交換中の部品が組立品である場合、これらシナリオの1つまたは複数は、交換中の組立品の構成部品に影響し得る。
【0206】
上記分析に続き、PCA500はその結果をPCA結果テーブルに書き込むことができる(ステップ550)。結果は、PCA報告書に提示することもできる(ステップ550)。PCA報告書は、陳腐化在庫の見積もり値がゼロに等しくなるポイントまで、期間毎に製品変更を延ばすことの価値についての完全な概観を提供する。これは製品の変更を行うに最適なときであるが、現実的ではない場合がある。この報告書から、ユーザは、機会費用と任意の期間に残っている在庫の価値等の要素を比較して、製品変更の実際の費用を算出することができる。
【0207】
比較部600
図1Dに戻ると、供給システム100内の別のコンポーネントは比較部600である。短時間で様々なシナリオを実行してその結果を見る供給システム100の能力を用いて、あるいくつかの利点が明らかになる。ユーザは、複数の供給計画の資材計画を同時に変更し微調整することでこの高速性能を利用することができる。このため、複数の供給計画であっても、2回以上のランの結果を比較することは単純な作業である。比較部600は、この目的:任意の2つの供給計画の結果の差を比較して報告すること、のためだけに開発された。比較部600は、ある供給計画を別の供給計画と比較して、いくつかの詳細レベルで2つの間の差を調べる力をユーザに与える。比較部600は、ユーザの生産計画への特定の変更が個々の部品のレベルにまで在庫にどのように影響するかを求める高速かつ有効な手段である。
【0208】
比較方法601を図6に示す。次に、比較部600の動作を管理する比較方法601について、例を用いて説明する。ユーザが、前日のアクティビティからの残高等、現在のデータを使用して、供給計画作成部200を一度実行する(ステップ610)。次に、ユーザは、正味計算テーブル等のテーブルを作成し名前を付けて、その供給計画の結果を保持する(ステップ620)。本例では、この最初の正味計算にはNETと名前が付けられる。ここで、ユーザが他の変更の大きなドロップインオーダの影響を分析したい場合、単に、ドロップインオーダからの情報を含み、供給計画作成部200に返すように、上に定義した顧客オーダ(CO)テーブルを更新することができる(ステップ630)。ステップ630において調整されたデータを使用する、供給計画作成部200の2番目の動作後、ユーザは、新しいテーブルNET1を作成し、2番目の実施の結果を格納する(ステップ640)。こうしてユーザには、比較部600が使用することのできる2つのテーブル:NetおよびNet1が残される。具体的には、2つの正味計算テーブル中の任意の期間中の残高の間に何らかの差または分散がある場合、比較部はその差を比較結果(CR)テーブルに記録する(ステップ650)。このルーチンは、基本に見られる全ての部品に対して行われるまで、基本計画中の各部品毎に繰り返される(ステップ660)。次に、比較部600は、各期間の総分散を算出し、調査結果をCRテーブルに格納する。
【0209】
上記正味計算比較アプローチは、同じ品目マスタ(IM)テーブルから導き出された供給計画作成部の結果を両方とも含む2つの正味計算テーブルの内容の高速比較に最も適している。具体的には、供給計画作成部200のいずれの動作でも、IMテーブル中の部品の数もソート順も変更することは不可能であった。上に述べたように、比較部600は一般に、2つの正味計算テーブルの結果を比較するために使用される。第1のテーブルは通常、ユーザの現在の状況に基づいて最新の供給計画から生成される。ドロップインオーダの到着等実際のイベント、またはオーダポリシーに提案された変更等仮説的なイベントの結果を確かめるため。関心のある変更を正確に記述するようにデータベース110に必要な変更を行い、第2の供給計画を実行することによって、変更を反映した新しい正味計算テーブルが作成される。次に、これら2つの正味計算テーブルを比較して、変更の最終的な影響を評価することができる。ユーザによって選択された入力に基づいて、いくつかのカテゴリおよび期間中の正味計算テーブル中の各部品の差が算出される。2つの正味計算テーブルにおいて、任意の期間中の残高に何らかの差(分散と呼ばれる)がある場合、その差が比較結果テーブルに記録される。このルーチンは、品目マスタテーブル中の各部品について繰り返される。差は数量または金銭的価値で表すことができる。この時点で、比較部600は、各期間毎の総分散を算出し、調査結果を比較結果テーブルに格納する。下に定義する数量分散が、比較部600によって算出される。
【0210】
CRテーブル中のデータを使用して、比較部600は比較報告書を自動的に作成することができる。比較報告書は、比較している2つの正味計算テーブル中の残高の差とともに、全部品の数量または費用の分散の概観を提供する。たとえば、比較報告書は、期間中の分散とともに、各部品の詳細なリストを含み得る。分散は、選択された各分散種類の総分散および部品/期間とともに、期間/部品あたりの選択された分散の種類で表示される。同様に、比較報告書は、全部品の期間あたりの総分散または各費用分散オプションに求められる期間全体での特定の部品の総分散を提供することができる。すなわち、ユーザは、資材費、労働費等に1つの、期間中の総分散を見ることになる。ユーザの分析を支援するために、総費用が提供される。報告書は、ユーザによって選択される比較オプション、すなわち在庫残高、全需要、全供給、計画供給オーダ(PSO)、または計画済オーダに応じて変化する。比較報告書は、2つの正味計算テーブルに表された、提案されている2つの供給計画間のアクション(すなわち、キャンセル、プッシュ、プルニュー(pull new))の分散をさらに表示することができる。この種の報告書は、新しい供給計画作業を作成するために行わなければならないアクションを要約したものを提供する。次にユーザは、部品毎にリストを検討して、とるべきアクションおよび2つの計画間の総費用差(分散)を見ることができる。
【0211】
資源所要量計画作成部700
図1Dに戻ると、供給システム100は、供給計画作成部200によって作成されたマスタ生産スケジュール(MPS)を主要資源の所要量に変換する資源所要量計画作成部(RRP)700をさらに含み得る。多くの場合、こういった主要資源には、労働力、機械、倉庫スペース、供給元の生産能力、および場合によっては資金が含まれる。通常、各利用可能なまたは実証された生産能力との比較が各資源毎に実行される。この比較は、ユーザが実現可能なマスタ生産スケジュールを作成することを助ける。RRP700は、主に、所要量を満たす主要資源を求めるように機能する。たとえば、ワークステーションに過負荷がかかる場合には、ユーザが追加シフトの付加のような何かを行うものと仮定する。
【0212】
RRPの動作を図7に要約する。特に、RRP方法701は、ユーザがまず供給計画作成部200を実行して開始される(ステップ710)。次にRRP700は、対象期間が終わるまで、各期間毎に各作業区の生産能力を算出する(ステップ720)。生産能力は、各期間の最初に補充される。スケジュールされた各供給オーダ毎に、RRP700は、各種作業区の負荷を算出する。必要な情報は、上に述べた作業オーダテーブルおよび正味計算テーブルに保持される。作業オーダまたは計画供給オーダに残っている数量を、品目の特定の代表工程とともに使用して、各作業区における負荷要件を算出する。作業オーダが部分的に完了されており、仕掛中の場合、オーダの状態は、各作業オーダの作業オーダテーブルの最終工程完了フィールドおよび工程完了割合フィールドにアクセスすることによって対処される。最終工程完了フィールドにおいて指定される工程作業数は、すべての前作業も完了したものと仮定する。工程完了割合における割合値は、最終工程完了フィールドに指定された作業後の次の作業が完了した負荷の割合を示す。割合の残り分は、その作業の完了に必要な残りの負荷の算出に用いられる。後続作業はすべて開始されず、そのため全負荷が残っているものと仮定する。この情報はすべて、ラフカット詳細(RCD)テーブルに保持される。ラン完了後、RRP700は、各作業区の負荷毎に生産能力を分割したRRPテーブルを作成する(ステップ730)。
【0213】
RRP700は概して、作業区テーブル(WC)、代表工程テーブル(RR)、資源所要量計画アクションテーブル(RRP)、資源所要量計画期間テーブル(RRPPER)、および作業オーダテーブル(WO)を含む様々なテーブルから情報を得る。各作業区の生産能力は、WCテーブルから算出される。各作業区毎に、最小生産能力フィールドおよび最大生産能力フィールドが表される。次にRRPは、正味計算(NET)テーブルからの作業オーダ記録を供給のマスタ計画スケジュールソースとして使用する。スケジュールされた各オーダ毎に、RRPはRRテーブルに見られるその工程それぞれからの負荷を算出する。負荷は作業区毎にアレンジされ、RRPテーブルに入力される。
【0214】
ステップ730において、RRP700は、作業区負荷詳細、作業区負荷プロファイル、および作業オーダプロファイルについての報告書を含め、調査結果を要約した各種報告書を作成することもできる。作業区負荷詳細報告書は、作業区毎の情報、期間毎の情報、および実行すべき作業を列挙する。各作業オーダ毎に、報告書は求められる作業区総生産能力の割合を示す。このためユーザは、顕著な需要を満たすために作業区の優先度を検討することができ、またはユーザは、作業区の利用が不十分/過度であるか否かがわかり、それから必要な管理判断を下すことができる。これと比較して、作業区負荷プロファイル報告書は、指定された作業区の生産能力のプロファイルを提供し、計画負荷とともに最大、通常、および計画生産能力を示す。計画総生産能力を計画総負荷と比較して、その作業区の分散に到達する。次に、この分散を作業負荷配分および資源スケジューリングについて分析することができる。3番目の種類の報告書に続き、作業オーダプロファイル報告書は、期間あたりの負荷と生産能力の間の関係を視覚的に表現したものを提供する。この報告書により、ユーザは、各区を通して作業オーダを辿り、作業オーダが定時に完了するか否か、そして否の場合にはどの作業区がスケジュール通りに作業していないかを判断することができる。各作業区毎に、作業オーダの完了に利用可能な生産能力が、選択された作業オーダに充てられることになる作業区の割合とともに明確に示される。
【0215】
有限資源計画作成部800
有限資源計画作成部(FRP)800は、RRP700によく似ている。特に、FRP800は、MPSを、労働力、機械、倉庫スペース、供給元の生産能力、および場合によっては資金を含み得る主要資源の所要量に変換する。しかし、ユーザが適切な行動をとることができるように、生産能力の過不足を特定するRRP700とは異なり、FRP800は、計画者が生産能力の不足を許容する気があり、生産能力不足の場合に最適な生産スケジュールを作成するように計画を調整したいものと仮定する。資源は有限であり、製造スケジュールはこの制約前後で作業しなければならないため、FRP800は、作業を周囲に移動して、負荷が生産能力を決して超えないように保証する。
【0216】
FRP800は、(1)資材および生産能力の可用性に基づく独立需要の利用可能出荷日の決定、(2)すべての作業区の負荷の算出、(3)集められた供給オーダのいずれが独立オーダを遅らせるかの算出、および(4)生産ボトルネックの特定を含む各種タスクを実行する。ここで、ボトルネックとは、オーダが時間通りに利用可能になることを妨げる最初の工程ステップである。
【0217】
FRP800の動作は、図8のFRP方法801に要約される。FRP800は、RESO300の出力に対して動作する。このため、FRPは、RESO300の動作の完了を待つ(ステップ810)。次にFRP800は、RESODテーブルを使用して、供給オーダ間に従属性を持たせ、これらオーダに優先度を割り振る(ステップ820)。上に述べたように、RESODテーブルでは、供給オーダがまずペッグ番号で、次に低レベルコードでランク付けされている。FRP800は、RESODテーブルから資材利用可能日も取得する。各ペッグ番号毎に、FRP800は、部品表(BOM)の一番下から開始して上に向かって作業し、すべての中間供給オーダの利用可能日を繰り上げる。最終結果が、完全な独立需要の資材および生産能力の利用可能日である。供給オーダの利用可能日とは、オーダが工程を有するものと仮定して、最後の工程ステップが終了する日である。工程がない場合、利用可能日は子の利用可能日にリードタイムを足したものである。工程を有する供給作業オーダであり、オーダに対して作業がまだ開始されていない場合、最初の工程ステップは、すべての資材が利用可能になったときに開始される。これは、オーダの開始日として知られている。開始日から、各工程毎に負荷計画プロセスが行われる。FRP800は、利用可能な生産能力がある日に負荷を置く。次にFRP800は、作業区テーブルから生産能力情報を得る。所与の日に十分な生産能力がない場合、FRP800は、使用されない生産能力がある次の日の生産能力を消費することになる。この工程ステップは、すべての負荷が作業区に配置されるまで続けられる。最初の工程ステップが完了すると、次の工程ステップが開始され、すべての工程ステップが完了するまで以下同様である(ステップ830)。
【0218】
仕掛かりの作業オーダはいずれも、作業のいくらかの部分がすでに行われている。オーダのステータスは、作業オーダテーブル中の各仕掛かりオーダの最終工程完了フィールドおよび工程完了割合フィールドに記すことができる。FRP800は各作業オーダを検査し、検査されてそのステータスを決めることになる。最終工程完了フィールドに有効な作業番号がある場合、FRP800は、現作業および先行するすべての動作が完了したものと仮定する。工程完了割合に有効な割合がある場合、FRP800は、その割合分、最終工程完了フィールドに記されたものの後の次の工程作業が完了したものと仮定する。
【0219】
通常、すべての資材が、資材は作業開始に先だって利用可能になっていなければならないという仮定により、仕掛けオーダに利用可能であるとみなされる。しかし、作業オーダに未解決でまだ発行されていない実際所要量が添付されている場合、RESO300は、資材の利用可能日を算出する。次にFRP800は、資材が利用可能になるまで、作業を続けることができないと仮定する。そのとき、FRP800は、利用可能な生産能力に対する負荷を算出し続けている。各工程ステップ毎に、FRP800は、完了必要日を算出する。この日は、オーダを遅らせることなくステップが完了可能な最後の日である。これは、ボトルネックを特定する際に有用であり、FRP800は、毎日の最大利用可能生産能力を推測する逆スケジューリング法によってこれらの日を算出する。
【0220】
FRPのラン結果がFRPテーブルに格納される(ステップ840)。FRPテーブルは、RRPテーブルに似たフォーマットを有する。ステップ840において、FRP800は、RRP700に関連するもの等、FRPテーブルについての報告書を作成することができる。RRP700において述べた報告書に加えて、FRP800は生産能力オーダステータス詳細報告書を作成することができる。生産能力オーダステータス詳細報告書は、独立需要を遅らせる供給オーダを特定する。この報告書は、RESOの下に存在するオーダステータス詳細報告書によく似ている。2つの報告書の主な差は、生産能力オーダステータス詳細報告書が生産能力および資材の利用可能日を返す一方で、オーダステータス詳細報告書は資材利用可能日のみを返すことである。生産能力オーダステータス詳細報告書は、各オーダがどのように供給されるかを目で見えるようにする。報告書は、個々の構成要素およびその供給オーダが最上位レベルの需要をどのように満たすかを特定する。この報告書から、ユーザの供給のステータスをユーザが把握して、遅期オーダ状況を最もよく解消するにはどうしたらいいかについての判断を行う。オーダがどのように供給されるかについての詳細が入手可能になってからのほうが、ユーザはオーダが何故遅れるのかをよりよく判断することができる。クリティカルパスを特定することによって、ユーザは遅れた部品を切り離し、はかどらせることができるかどうかを判断することが可能である。
【0221】
別の実施形態では、FRP報告書は、クリティカルパス品目だけではなくすべての遅期供給品目も示す。ユーザは、遅期オーダをはかどらせようとする場合、より現実的な利用可能日を求めることができる。ユーザは、1個の部品をはかどらせようとする場合、オーダの遅れがまだ他の構成部品によるものかどうかを判断することができる。ユーザは、クリティカルパス部品がここで特定の日に利用可能になると判断した場合、他の供給がその日の後に利用可能になるかどうかという質問に答えることができる。
【0222】
顧客契約部900
図1Dに戻り、供給システム100は、顧客契約部(CP)900と呼ばれる別のコンポーネントをさらに含み得る。CPは、ユーザが新しいオーダ(ドロップイン)の実現可能性を素早く評価するのを支援するように動作する。特に、CP900は、ユーザが新しいオーダが定時に利用可能になるよう正確に約束できるようにする。図9に示すCP方法901におけるCP900の動作を要約すると、供給システムがまず供給計画作成部200およびRESO300を動作させる(ステップ910)。供給システム100のこれらおよび他のコンポーネントからのこういった結果を使用して、CP900は、予めオーダが存在する場合、生産余力を求める(ステップ920)。生産余力はデータベース110に格納される(ステップ930)。新しいオーダが到着すると、CPは、生産余力を鑑みて新しいオーダを評価する(ステップ940)。特に、CPは、生産余力中の資源および新しいオーダのみを使用して供給計画作成部を実行する。生産余力で新しいオーダを完成することができる場合、ユーザは、新しいオーダを履行すると確実に約束することができる(ステップ940)。ステップ940において作成された供給計画は、一般には最適なものではなく、採用されることは決していないかもしれないことに留意されたい。むしろ、供給計画は単に、供給計画作成部100をすべてのオーダおよびすべての生産入力について再実行することによってさらに最適化し得る供給割り振り問題解決の実現可能性を示唆するだけである。
【0223】
相互マスタ計画作成部1000
インタラクティブマスタスケジュール(IMS)1000機能は、マスタ生産スケジュールとのインタフェースを通してインポートについての予測需要データをユーザに自動的または手作業で変更させる。IMS1000は、製造環境におけるマスタスケジュール用に設計されたアプリケーションである。IMS1000では、マスタスケジューラが、売上予測と生産予測とを合わせる際にプロプラエタリビジネスジャッジメントを採用することができる。IMS1000は、リアルタイムで動作して生産予測を調整して、現在のビジネス環境を最もよく反映した生産予測を作成する。必要な変更がすべて完了すると、マスタスケジュールテーブルが記入され(populated)、供給最適化プロセスが開始する。
【0224】
IMS1000は、部品の予測が存在する場合、負の納期回答(ATP)もカバーするように予測を調整する自動平準化器を有する。自動平準化器は、未使用予測をいずれも、その月または四半期に残っている期間に先送りする。自動水準化器が処理を終えると、IMS1000は、すべてのファミリおよび部品をマークして、ステータス(すなわち、ATP、ATPなし、または負のATP)をマスタスケジューラに連絡する。マスタスケジューラはここで、部品の優先度付きアクションリスト、検討・調整すべきこれら部品のニーズ予測を有する。マスタスケジューラは、ドラッグアンドドロップ機能を使用して予測を期間から期間に移動させて、予測を更新することができる。調整が行われると、IMSは、移動させた量分、利用可能数量を減らす。マスタスケジューラは、予測の追加を選択することもでき、これにより現在の計画が膨らむ。予測に対して行われたすべての調整は、元の予測を残すために、別個の予測ラインで行われる。すべての変更の監査証跡は、月別ファイルに保持することができる。
【0225】
IMS1000は、3つの基本的なスケジューリングシナリオにおいてユーザを支援する。
(1)予測が顧客オーダを忠実に反映している場合、ここで、総予測は、顧客オーダの数におおよそ等しく、正の数の納期回答オーダがある。現四半期では、正のATPを達成するために、自動平準化を用いて期間予測をタイムバケットからタイムバケットにシフトする必要はない。この場合のマスタスケジューラは、予測を調整する必要がない。このシナリオが、総予測に調整を行うことなくして実現することはあまり多くない。
(2)顧客オーダが総予測(ATP)を越える場合、顧客オーダが予測を越える場合、期間予測を、その四半期を通して負のATPがあるエリアに移動する必要がある。結果として負の予測が期間内で自動的に前方向に進む。これは、IMS機能を最初に実行している間に行われ、その後、負の正味予測を手作業で調整することができる。たとえば、2つのファミリを分割画面モードで表示することができ、ユーザが総予測を正のATPを有するセルから負のATPを有するセルに移動することができる。さらに、ユーザは、セル間で正のATPを調整することができ、調整を行うときに値がユーザにプロンプトされる。目標は、所与の売上予測をサポートし、セル間で正のATPを維持することであり、そうする際には値がプロンプトされる。目標は、所与の売上予測をサポートし、各四半期にわたって正のATPを維持することである。予測が顧客オーダ数よりもはるかに大きい場合、権限を持つユーザが、会計年度中の連続した四半期にわたって手作業で予測を切り下げ低速化させることができる。
(3)四半期において所要よりも大きなATPがある場合、IMSに自動平準化を使用して、いくつかのステップを実行し、その四半期の過剰ATPに対処する必要がある。負のATP(Xで表記される)、次にゼロのATP(「0」で表記される)を調整することによってIMSテーブルがまず記入される。次に予測が、明らかな問題があるエリアにおいて、潜在的な問題があり得るエリアに手作業で調整される。過剰ATPに対してのIMSの適用は、売上予測に影響し、前の売上見積もりの確認を助ける。マスタスケジューラは、特定の受注生産環境に合うように予測を移動するにあたって常駐ビジネスロジックを提供することができる。手作業で予測を調整した後、マスタスケジューラはIMSテーブルをマスタスケジュールテーブルにエクスポートし、供給計画および関連するオペレーションを実行することができる。
【0226】
IMS1000によって作成されるIMSテーブルは、総予測テーブル、顧客テーブル、および出荷テーブル中の部品リストに基づいたあるファミリの組立品からなる。これらテーブルから、ATPの数量が求められ、これを使用して上に述べた種類の問題に対処する。また、部品ファミリが品目マスタテーブルからのものであることを覚えておくことが重要である。
【0227】
結論
本発明の好ましい実施形態の上記説明は、例示および説明のために提示された。網羅的、すなわち本発明を開示した厳密な形態に限定する意図はない。上記教示に照らして多くの変更および変形が可能である。たとえば、本発明のシステムは、開発されたコンピュータネットワーキング方式および構成の要件を満たすように、必要に応じて変更することができる。本発明の範囲はこの詳細な説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって制限されるものである。上記明細書、例、およびデータは、本発明の構成物の製造および使用についての完全な説明を提供する。本発明の精神および範囲から逸脱することなく本発明の多くの実施形態を行うことができるため、本発明は添付の特許請求の範囲に帰する。
【図面の簡単な説明】
【0228】
【図1A】本発明の実施形態による供給割当てシステムのブロック図である。
【図1B】本発明の実施形態による供給割当てシステムのブロック図である。
【図1C】本発明の実施形態による供給割当てシステムのブロック図である。
【図1D】本発明の実施形態による供給割当てシステムのブロック図である。
【図2】本発明の実施形態による図1Aないし図1Dの供給割当てシステムの種々のコンポーネントの動作のステップを示す流れ図である。
【図3】本発明の実施形態による図1Aないし図1Dの供給割当てシステムの種々のコンポーネントの動作のステップを示す流れ図である。
【図4】本発明の実施形態による図1Aないし図1Dの供給割当てシステムの種々のコンポーネントの動作のステップを示す流れ図である。
【図5】本発明の実施形態による図1Aないし図1Dの供給割当てシステムの種々のコンポーネントの動作のステップを示す流れ図である。
【図6】本発明の実施形態による図1Aないし図1Dの供給割当てシステムの種々のコンポーネントの動作のステップを示す流れ図である。
【図7】本発明の実施形態による図1Aないし図1Dの供給割当てシステムの種々のコンポーネントの動作のステップを示す流れ図である。
【図8】本発明の実施形態による図1Aないし図1Dの供給割当てシステムの種々のコンポーネントの動作のステップを示す流れ図である。
【図9】本発明の実施形態による図1Aないし図1Dの供給割当てシステムの種々のコンポーネントの動作のステップを示す流れ図である。
Claims (25)
- 構成要素の供給を割り当てるためのシステムであって、該システムは、
1)前記構成要素に関連する情報を含むデータベースであって、該情報は前記供給と前記供給への変更とを記述する、該データベースと、
2)供給計画作成部とを含み、前記供給計画作成部は同期割当てを用いて供給計画を生成するシステム。 - 前記供給計画作成部は以下の目的関数
ωCS、ωR、ωMおよびωIは顧客サービス、収益、マージンおよび在庫のための、ユーザによって定義される重みであり、
γCS、γR、γMおよびγIは顧客サービス、収益、マージンおよび在庫のためのスケーリングファクタであり、
χit=二値変数であり、
δit=遅れたあるいは早い出荷オーダよりも時間通りの出荷オーダを優先するためのスケーリングファクタであり、
αi=需要iに関連付けられる収益であり、
βi=需要iに関連付けられるマージンであり、
cj=品目jの標準費用であり、
ujkt=消費される在庫の数量であり、
tjk=出庫される在庫の数量であり、
Ijt=期間tの終了時の品目jの在庫であり、
M=独立需要数であり、
T=期間数である請求項1に記載のシステム。 - 資源最適化部をさらに含み、該資源最適化部はマッチドセットロジックを用いる請求項1に記載のシステム。
- 製品属性定義ツールをさらに含む請求項1に記載のシステム。
- 前記製品属性定義ツールは、ユーザがsmartbillを定義できるようにし、該smartbillは技術仕様を用いることにより構成要素を定義する請求項4に記載のシステム。
- 制約条件に基づくマスタ計画作成部をさらに含み、該制約条件に基づくマスタ計画作成部によって、ユーザは前記供給計画作成部によって考慮されることになる1つまたは複数の目標を指定できるようになる請求項1に記載のシステム。
- 前記目標は収益、マージン、在庫および顧客サービスを最大化することを含む請求項6に記載のシステム。
- 製品変更分析部をさらに含み、該製品変更分析部は、種々の時点において、前記供給内の変更の効果を比較する請求項1に記載のシステム。
- 比較部をさらに含み、該比較部は、前記構成要素の前記供給のための供給計画と、前記構成要素の変更された供給のための供給計画との差を評価する請求項1に記載のシステム。
- 資源所要量計画作成部をさらに含み、該資源所要量計画作成部は、前記供給内の変更を示唆し、前記供給計画作成部によって特定される不足に対処する請求項1に記載のシステム。
- 有限資源計画作成部をさらに含み、該有限資源計画作成部は前記供給の最適な使用量を示唆し、前記供給計画作成部によって特定される不足に対処する請求項1に記載のシステム。
- 顧客契約部をさらに含み、該顧客契約部は、
1)前記供給計画の実施後に前記供給の残りを判定し、
2)前記残りを用いて新たなオーダの実現可能性を評価する請求項1に記載のシステム。 - 相互マスタ計画作成部をさらに含む請求項1に記載のシステム。
- 前記データベースは入力データと、ユーザによって指定されるデータと、出力データとを含む請求項1に記載のシステム。
- 構成要素の供給を割り当てる方法であって、該方法は、
1)前記構成要素に関連する情報を含むデータベースを形成するステップであって、該情報は前記供給および前記供給への変更を記述する、該データベースを形成するステップと、
2)同期割当てを用いて供給計画を生成するステップとを含む方法。 - 前記情報は技術仕様を用いて前記構成要素を定義する請求項15に記載の方法。
- 供給計画を生成する前記ステップは、目的関数
ωCS、ωR、ωMおよびωIは顧客サービス、収益、マージンおよび在庫のための、ユーザによって定義される重みであり、
γCS、γR、γMおよびγIは顧客サービス、収益、マージンおよび在庫のためのスケーリングファクタであり、
χit=二値変数であり、
δit=遅れたあるいは早い出荷オーダよりも時間通りの出荷オーダを優先するためのスケーリングファクタであり、
αi=需要iに関連付けられる収益であり、
βi=需要iに関連付けられるマージンであり、
cj=品目jの標準費用であり、
ujkt=消費される在庫の数量であり、
tjk=出庫される在庫の数量であり、
Ijt=期間tの終了時の品目jの在庫であり、
M=独立需要数であり、
T=期間数である請求項15に記載の方法。 - マッチドセットロジックを用いて前記供給を最適化するステップをさらに含む請求項15に記載の方法。
- 供給計画を生成する前記ステップにおいて考慮されることになる1つまたは複数の目標を指定するステップをさらに含む請求項15に記載の方法。
- 1) 第1の時点で前記供給の変更を反映するように前記データベースを変更するステップと、
2) 前記第1の変更されたデータベースのための第1の供給計画を準備するステップと、
3) 第2の時点で前記供給の前記変更を反映するように前記データベースを変更するステップと、
4) 前記第2の変更されたデータベースのための第2の供給計画を準備するステップと、
5) 前記第1の供給計画と前記第2の供給計画との効果を比較するステップとをさらに含む請求項15に記載の方法。 - 1)前記供給の変更を反映するように前記データベースを変更するステップと、
2)前記変更されたデータベースのための変更された供給計画を準備するステップと、
3)前記供給計画と前記変更された供給計画との効果を比較するステップとをさらに含む請求項15に記載の方法。 - 1)前記供給計画において作成される前記供給の不足を特定するステップと、
2)前記不足に対処するように前記供給を変更するステップとをさらに含む請求項15に記載の方法。 - 1)前記供給計画において作成される前記供給の不足を特定するステップと、
2)前記不足に対処するように前記供給計画を変更するステップとをさらに含む請求項15に記載の方法。 - a)前記供給計画の実施後に前記供給の残りを判定するステップと、
b)前記残りを用いて新たなオーダの実現可能性を評価するステップとをさらに含む請求項15に記載の方法。 - 1)構成要素の供給に関連する情報を含むデータベースを形成するステップであって、該情報は前記供給と前記供給への変更とを記述する、該データベースを形成するステップと、
2)同期割当ておよびマッチドセットロジックを用いて、前記供給のための供給計画を生成するステップと、
3)前記供給計画を用いて前記供給を割り当てるステップとを含む方法を実行するために機械によって実行可能な命令のプログラムを実体として具現する、機械によって読取り可能なプログラム記憶装置。
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