JP2004533061A - 超伝導位相キュビットのための量子処理システム - Google Patents

超伝導位相キュビットのための量子処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】キュビットについて機能を実行するためにキュビット配列中のキュビットへ電圧と電流を供給するキュビット配列の制御システムを提供する。
【解決手段】制御システムが実行する機能は、読出し、初期化、及び絡み合わせを含む。キュビットの状態の読出しは、キュビットを接地し、キュビットを横断して電流を加え、キュビットを横断する結果としての電位降下を測定し、そしてキュビットの状態として電位降下を解釈することを含む。キュビットの初期化は、キュビットを接地し、キュビットの量子状態が選択された状態へ緩和するのに十分な時間、キュビットを横断して選択された方向へ電流を加えることを含む。2つのキュビットの状態の絡み合わせは、スイッチを通して2つのキュビットを接続することを含む。キュビットを接地できるスイッチはまた、選択されたキュビットを絡み合わせるために使用できる。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は量子計算、特に、量子キュビットの操作を実行するための制御システムに関する。
【0002】
(背景技術)
量子計算と呼ばれるものについての研究は、リチャード・ファインマン、例えば、R.Feynman,Int.J.Thor.Phys.,21.467−468(1982)参照、に遡る。ファインマンは、量子システムは、古典的な(すなわち、通常の、非量子)コンピュータをシミュレートすることは本質的に困難であるが、このタスクは別の量子システムの発展(エボリューション)を観察することで達成できると説明した。特に、量子システムの振舞いについての理論を解明することは普通、量子システムのハミルトニアンに関する微分方程式を解くことを含む。量子システムの振舞いを観察することはその方程式の解に関する情報を提供する。
【0003】
量子計算における努力は初期に「ソフトウェア開発」又は量子計算の公式理論の構築に集中されていた。量子計算についてのソフトウェア開発は、解が求められている問題に対応した量子システムのハミルトニアンを設定する試みを含む。これらの努力の画期的出来事は、ショアとグローバのアルゴリズムの発見であった。例えば、ピー・ショア、SIAM J.of Comput.,26:5,1484−1509(1997);エル・グローバ、Proc.28th STOC,212−219(1996);及びエー・キタエフ、LANLプレプリントquant−ph/9511026(1995)を参照。特に、ショアのアルゴリズムは、量子コンピュータが大きな数の因数分解を効率的にすることを可能にする。この応用では、量子コンピュータが全ての既存の「公開キー」暗号化スキームを時代遅れにしてしまうであろう。別の応用では、量子コンピュータ(又は、量子リピータなどのより小さいスケールの装置でさえ)は、メッセージが傍受のプロセス中で破壊されることなくして傍受できない絶対的に安全な通信チャンネルを可能にする。例えば、エッチ・ジェー・ブリゲル、ダブリュ・デュアー、ジェー・アイ・シラック、ピー・ゾラー、LANLプレプリント、quant−ph/9803056(1998)参照。
【0004】
耐故障量子計算が理論的に可能であることを示すと量子コンピュータの実際的な実現の試みのための道を開いた。例えば、イー・ニル、アール・ラフレーム、及びタブリュ・ズレック、サイエンス、279,p.342(1988)参照。量子コンピュータの1つの提案された応用は、大きい数の因数分解である。このような応用では、量子コンピュータは全ての既存の「公開キー」暗号化スキームを時代遅れにしてしまうであろう。別の応用では、量子コンピュータ(又は、量子リピータなどのより小さいスケールの装置でさえ)は、メッセージが原理的に傍受のプロセス中で破壊されることなくして傍受できない絶対的に安全な通信チャンネルを可能にする。例えば、エッチ・ジェー・ブリゲル等、LANLプレプリント、quant−ph/9803056(1998)参照。
【0005】
量子計算は一般に、Nキュビット(量子ビット)の状態を初期化し、Nキュビット中に制御された絡み合いを作り、キュビット・システムの状態の発展を可能にし、そしてその後のキュビットを読み取ることを含む。キュビット・システムは、通常、2つの縮退(等しいエネルギー)量子状態を有するシステムであり、いずれかの状態でシステムが見つかる非ゼロの確率を持つ。従って、Nキュビットは、2Nの古典的状態の組合わせの初期状態を定義できる。この絡み合った初期状態はキュビットが共にそれら自身間及び外的影響の両方の相互作用により制御される発展を受ける。この発展がキュビット・システムにより実行される計算、実際は、2N個の同時古典的計算を定義する。発展後のキュビットの読出しはそれらの状態の完全な決定であり、従って、計算結果である。
【0006】
量子コンピュータにおけるキュビットについていくつかの物理的システムが提案されている。1つのシステムは縮退した原子核スピン状態を持つ分子を使用する。エヌ・ガーシェンフェルド及びアイ・チャン、米国特許第5,917,322号「量子情報処理装置及びその方法」を参照。原子核磁気共鳴(NMR)技術が、スピン状態を読むことができる。これらのシステムは探索アルゴリズム、例えば、エム・モスカ、アール・エッチ・ハンセン、及びジェー・エー・ジョンズ、「量子コンピュータ上での量子探索アルゴリズムの実現」、Nature,393:344−346,1998とその中の参照文献を参照、及び、数順番アルゴリズム、例えば、リーベン・エム・ケイ・バンデルサイペン、マシアス・ステファン、グレゴリ・ブリエタ、コンスタンチノ・エス・ヤンノニ、リチャード・クリーブ、及びアイザック・エル・チャン、「量子コンピュータによる順番探索の実験的実現」、ロス・アラモス、プレプリント、quant−ph/0007017(2000)を参照、を成功的に実現した。数順番アルゴリズムは、ショアの自然数の因数分解のためのアルゴリズム及びグローバの分類されていないデータベースの探索のための探索アルゴリズムの両方の本質的な要素の量子フーリエ変換に関連する。しかし、このようなシステムを商業的に有用な数のキュビットに拡張する努力は困難な挑戦に直面する。
【0007】
無線周波数超伝導量子干渉装置(SQUID)キュビット(別のタイプのフェーズ・キュビット)の状態を決定するための1つの方法は、高速シングル・フラックス量子(RSFQ)回路を含む。ロベルト・シー・レイドカストロ、マーク・エフ・ボッコ、アンドレア・エム・ハー、シーザー・エー・マンチーニ、マーク・ジェー・フェルドマン、「rf−SQUID上でMQCを観察するためのRSFQ制御回路設計」、IEEE Trans.Appl.Supercond,11,1014(March2001)を参照。タイマーが読出し回路を制御しそして単一入力パルスによる全体プロセスをトリガーし、2つの可能な最終キュビット状態の1つのみに対する出力パルスを発生する。この読出し方法のリスクは、量子発展の間におけるキュビットの干渉性消失又はかく乱を生ずる、外界との誘導的結合にある。読出し回路は、キュビットを中間の誘導的ループと隔離することにより、干渉性消失を減少することを試みる。
【0008】
位相キュビットの1つの物理的な実現は、3又は4つのジョセフソン・ジャンクションを持つマイクロメートルの大きさの超伝導ループを含む。ジェー・イー・ムイジ、ティー・ピー・オランド、エル・レビトフ、リン・ティアン、カスパー・エッチ・バンデルワル、及びセス・ロイド、「ジョセフサン永続性電流キュビット」、サイエンス1999年8月13;285:1036−1039を参照。このシステムのエネルギ・レベルは、超伝導ループを通る磁束の異なる量に対応する。ループに垂直な静磁場を加えるとこれらのレベルの2つ(又は、基本状態)を縮退する。非縮退状態間のトンネリングを可能にするために、典型的に、外部AC電磁場が加えられる。
【0009】
さらに、現在知られているキュビットの絡み合いの方法は干渉性の消失を受けやすい。キュビットの量子状態の絡み合いは量子アルゴリズムの応用において重要なステップである。例えば、ピー・ショア、SIAM J.ofCoput.,26:5,1484−1509(1997)を参照。位相キュビットを絡み合わせるための現在の方法は、各キュビットにおいて束の相互作用を必要とする。ユーリイリイ・マクヒリン、ガード・ション、アレキサンドラ・シュニアマン、「ジョセフソン接合装置による量子状態エンジニアリング」、LANLプレプリント、cond−mat/0011269(2000年11月)を参照。絡み合いのこの形式は、干渉性の喪失と情報の喪失を生ずる周囲の磁場と結合するキュビットに対し感受性がある。
【0010】
上述したように、現在提案されているキュビットの読出し、初期化、及び絡み合いの方法は、キュビットの位置の磁場を操作又は検出することを含み、これらはこれらの方法が干渉性の消失を受け易くし、結果として得られる量子計算装置の全体スケーラビリテイを制限する。従って、干渉性消失と雑音の他の源を最小にし、そしてスケーラビリテイを最大にする効率的な実現及び方法に対する必要性がある。
【0011】
(発明の開示)
本発明によれば、量子計算システムはキュビットについての操作を実行するための電流と電圧を利用する制御システムを含む。キュビットについて実行される操作は、キュビットの状態の読出し、キュビットの状態の初期化、及びキュビットの状態を量子計算システム内の他のキュビットの状態と絡み合わせることを含む。いくつかの実施の形態では、キュビットは、永久読出し超伝導体キュビット(PRSQ)を含む。しかし、本発明の実施の形態はどんな位相キュビットを含むことができる。
【0012】
本発明のいくつかの実施の形態においては、制御システムは位相キュビットを接地することができる。位相キュビットを接地すると量子トンネルを2つの縮退状態間に凍結する。キュビットが接地される時、電子がキュビットと接地の間を自由に動き、よって、超電流の波動関数を明確な磁気モーメントを持つ接地状態±Φ0の1つに崩壊する。従って、接地接続が開の時、キュビットはその状態に留まって読み出される。いくつかの実施の形態では、制御はキュビットを接地に接続するパリテイ・キー又は単一電子トランジスタを含む。単一電子トランジスタ(SET)上の電圧を変調することにより、回路は開き及び閉じ、そしてさらに、SETは特定のキュビットに依存して単一電子又はクーパー対(電子対)に対して同調できる。
【0013】
本発明のいくつかの実施の形態では、制御システムはキュビット量子状態を読み出すために電流をキュビットを通じて加えることができる。キュビットの接地状態中の縮退は、もし電流がキュビットを通じて駆動されると、束が接地された時のキュビットの量子状態(すなわち、±Φ0)に依存して異なるように行動する。キュビットを横断する電圧は、時間に対するキュビット中の量子束の微分に比例し、キュビットの量子状態に依存し、キュビットを横断する結果として得られる電圧もキュビットの状態に依存して変わる。従って、キュビットの量子状態は、キュビットを接地しそしてキュビットを横断して発生する電圧を測定する間にキュビットを通じて電流を駆動することにより、読み出される。キュビットを横断して測定された電圧がキュビットの1つの状態を示す。
【0014】
本発明のいくつかの実施の形態では、制御システムはキュビットがその基本状態の1つを占めるように初期化できる。キュビット内の接地状態の2安定性はキュビットを通る電流がゼロの時に発生し、この場合はキュビットの古典的基本状態は±Φ0である。特定方向へキュビットを横断して電流を駆動することにより、第1状態が選択でき、そして反対に、反対方向へキュビットを横断して電流を駆動することにより、第2状態が選択できる。従って、本発明による制御システムは、第1方向へキュビットを横断して電流を駆動することにより第1状態を初期化し、そして第1方向からは反対の第2方向へキュビットを横断して電流を駆動することにより第2状態を初期化することができる。
【0015】
さらに、いくつかの実施の形態では、本発明による制御システムは量子計算システム内のキュビットの量子状態間の絡み合いを制御できる。キュビットが初期化されて固定状態から解放されると、それは量子力学的に自由に発展できるようになる。発展波動関数は状態の重ね合わせとしてキュビットの量子情報を記憶する。キュビットを重ね合わせするために、発展波動関数は重ね合わせられることができる。
【0016】
本発明のいくつかの実施の形態では、キュビット・システムは個別の位相キュビットの二次元格子から構成できる。例えば、格子は、キュビットのN行とM列を持ち、各インデックスは位相キュビットを持つことができる。格子の各行は、電流の印加のため少なくとも1つの線を持ち、そして接地操作のために少なくとも1つの線を持つことができる。同様に、格子の各列は、電圧の印加のために少なくとも2つの線を持つことができる。キュビット・システムにおいて、列内の各キュビットはキュビット・スイッチを持つことができ、そのスイッチへの電圧の印加は実効的にそのスイッチを閉じ、よって、キュビットが接地されている時に電流が通過できる。各キュビットは、そのキュビットを接地機構へ接続する接地スイッチを持つことができ、そのスイッチに加えられた電圧がスイッチを閉じてそのキュビットを接地する。キュビット・システム内の各行は、電流線を持つことができ、その線へ電流(超電流)を加えると、キュビット・スイッチと接地スイッチとが閉の時、キュビットを通じて接地へ流れる。さらに、電位降下を測定するための機構が、それぞれの各電流線と接地線との間に置かれてこれら2つの線の間の電位降下を測定する。本発明のいくつかの実施の形態は、それぞれ列と線により反転された説明される電流、電圧、及び接地線を持つことができ、又は、それ以外に、与えられた行又は列に対して電流及び電圧線のある組合わせを持つことができる。
これらと他の実施の形態が添付図面を参照して以下に詳細に説明される。
【0017】
(詳細な説明)
図1は、位相キュビット100の実施の形態を示す。説明のため、位相キュビットは図1−18中の永久読出し超伝導体キュビットとして示されている。しかし、位相キュビット100は、例えば、いくつかのジョセフソン接合を持つマイクロメートルの大きさの超伝導ループと無線周波数超伝導量子干渉装置(RF−SQUID)を含むどんな位相キュビットであることができる。
【0018】
永久読出し超伝導キュビット(PRSQ)設計は、アレキサンドレ・ザゴスキンにより、ここに参照により全体が組み込まれた米国特許出願シリアル番号、09/452749、1999年12月1日出願「永久読出し超伝導キュビット」に最初に開示された。いくつかの実施の形態では、図1のキュビット100のようなPRSQは、バルク超伝導体110、粒境界111、メゾスコピック・アイランド120(単一過剰クーパー対を測定可能な大きさを持つアイランド)、及びキュビット100を接地するために接地できる接続からなる。PRSQを製造するのに使用される材料は、非ゼロ角モーメントを持つ優勢成分を含んだペアリング対称性といずれのペアリング対称性を持つことのできる副優勢成分を持つ高Tc超伝導体であることができる。結果として得られるキュビットは基本的状態±Φ0を有し、ここで、Φ0はバルク超伝導体の位相、Φ、に関する位相量子である。
【0019】
キュビット100は、バルク超伝導体110、粒境界111を横断して延びた超伝導フインガー112、超伝導体メゾスコピック・アイランド120、及び超伝導アイランド120と接地131との間に接続された接地スイッチ131からなる。バルク超伝導体110は、非ゼロ角モーメントを持つ優勢ペアリング・シンメトリイの超伝導材料から形成できる。バルク超伝導体110の結晶方向の角度は、超伝導秩序変数A109の方向に関連し、そして波動関数109により示される。同様に、メゾスコピック・アイランド120は非ゼロ角モーメントを持つ優勢ペアリング対称性の超伝導材料からなる。アイランド120の結晶方向は、角度A119だけバルク超伝導体110の結晶方向に対してずれている。秩序変数の方向は、結晶方向により部分的に決定されて、波動関数119は同様に波動関数109に対して実効的に回転される。アイランド120とバルク材料110内の秩序変数のこの不整合は、バルク材料110とアイランド120の間の粒境界での超電流の時間反転対称性破壊を生ずる。波動関数109と波動関数119との間の不整合の角度A119は変化でき、本発明の実施の形態に依存する。1つの実施の形態では、A119が45°のところで、粒境界での自発電流が最大となる。
【0020】
キュビット100の状態は束の二重縮退中に記憶されるが、束が維持される領域は代替的な位相キュビット設計よりはずっと局所化される。従って、PRSQは当然に外部磁場及び干渉性消失の他の源との結合を受けることは少なくなる。
【0021】
キュビット100などの非対称性キュビットについての単一キュビット操作は、キュビット100を通して輸送電流を変調することにより実行できる(すなわち、バルク材料110とアイランド120との間)。輸送電流ITをゼロに設定すると、パウリ行列と呼ばれる
【0022】
Figure 2004533061
【0023】
に比例するキュビット100の量子システムを記述する実効的ハミルトニアンを設定する。キュビット基礎状態|0>及び|1>が、状態|0>がベクトル(1,0)に対応し、そして状態|1>がベクトル(0,1)に対応するように選ばれた基礎では、
【0024】
Figure 2004533061
【0025】
である。この基礎は、Z対角基礎と呼ぶことができる。この基礎では、パウリ行列
【0026】
Figure 2004533061
【0027】
は基礎状態の1つを他の基礎状態へ回転する。すなわち、
【0028】
Figure 2004533061
及び
Figure 2004533061
【0029】
である。
キュビット100のキュビット・システムを記述する実効的ハミルトニアンは、
【0030】
Figure 2004533061
【0031】
に比例する項を含む。ここで、トンネリング行列要素
【0032】
Figure 2004533061
【0033】
は、キュビット100のキュビット・システムのクーロン・エネルギーとジョセフソン・エネルギーとに依存して大きな範囲で変化できる。本発明のいくつかの実施の形態では、トンネリング振幅は、10GHzのオーダーである。量子アルゴリズムを成功的に実現するために、キュビット100に実行された操作はトンネリング振幅よりも大きい周波数を持たなければならない。そうでないと、キュビット100の量子システムは予測不可能になる。例えば、もし、接地スイッチ130の周波数がキュビット130のトンネリング振幅よりも遅い場合、キュビット100の状態は接地が加えられた時とキュビット100に接地が実現された実際の時間との間で発展することができる。
【0034】
使用可能な量子計算のための大きさを達成するため、キュビット・システム内の干渉性消失の全ての源を最少にしなければならない。非局所化磁場の位相キュビットは、個々のキュビット間の好ましくない結合及びより好ましくない周囲の環境との結合のため、それらの全体の大きさに限界がある。もし、キュビット100が超伝導リングから作られる位相キュビットの場合、周囲の環境と誘導的に結合する傾向がある。従って、超伝導リングから作られたキュビットを含むシステムは、他のキュビットとのインダクタンス及び回路を流れる周囲電流を最少にするために分離されなければならない。位相キュビットのいくつかの提案された実施の形態は、低インダクタンス、従って、周囲回路と本質的に低い結合を持つ。
【0035】
エー・ザゴスキンにより開示された図1のキュビット100のような永久読出し超伝導キュビット(PRSQ)は、キュビット間の減少された好ましくない誘導結合のため、接近して離間するキュビットを提供する。キュビット100は非常に局所化された位相中の状態情報と永久電流を記憶し、従って、隣接キュビットとのどんな潜在的な結合影響を最少にする。キュビット100内の低インダクタンスは、隣接キュビットをより接近した間隔で置くことを可能にし、そしてさらに周囲の制御システム回路も可能にする。
【0036】
図2は、制御システム800に接続されたキュビット100を示す。制御システム800は、例えば、線801を通してバルク超伝導体110に接続され、そして例えば、線802を通してアイランド120へ接続される。制御800は、キュビット100の量子状態を読出し又はキュビット100の量子状態を初期化するために、キュビット100を通して電流を提供でき、及びキュビット100を接地できる。
【0037】
制御800は、キュビット100を接地し、キュビット100を横断して電流を加え、キュビット100を横断する電圧を測定し、そして測定された電圧に基づいてキュビット100の量子状態を翻訳することにより、キュビット100の状態を読み出すことができる。キュビット100の量子状態が量子力学的に発展する時、キュビット100の状態は2つの縮退した量子状態の重ね合わせになる。キュビット100が接地された時、波動関数は2つの可能な縮退基本状態の1つに崩壊する。電流がキュビット100を横断して加えられているので、キュビット100の基本状態(すなわち、|0>又は|1>のいずれかの基本状態)を定義する束は接地状態から励起状態へ変化する。電圧は時間に対する束の微分に依存しているため、接地時のキュビット100の状態に依存した電圧が生ずる。もし、接地時に束(量子状態)が第1状態を占めていた場合、一組の電圧パルスを検出できるが、もし、接地時に束が第2状態を占めていた場合、単一の電圧パルスが生ずる。さらに、検出可能な電圧パルスは時間的に分解でき、キュビットの状態間を差別化する方法を示す。
【0038】
キュビットの状態を読み出す方法の実施の形態は、キュビットを接地し、前記キュビットを横断して接地に電流パルスを加え、そして前記キュビットを横断した接地に対する電位を測定することを含む。電位降下は、1つ又は複数のパルスの形式であることができ、これにより横断する電流の最初の通過に対するパルスの時間的位置が決定できる。キュビットの状態を読み出す方法の1つの実施の形態では、電位測定がキュビットを横断して電流を流すことに対し固定の時間の間に行うことができる。そして、キュビット状態の相関関係は、前記時間の間にキュビットを横断して測定された電位の変化の存在又は欠如に基づいて行うことができる。
【0039】
超伝導材料の理論的I−V特性が、電圧がゼロの場合に超伝導体中を流れる電流が、典型的に、±ICの間で、変化できる範囲を示す。ICは、超伝導体材料の臨界電流と呼ばれる。臨界電流を越えた電流値については、動的なプロセスが発生し、そして超伝導材料は抵抗性になる。理想的でない場合は、超電流、±IC、はキュビット100を横断するゼロ電圧とは関連せずに、典型的にサブギャップ抵抗によりオフセットされる近ゼロ電圧に関連する。従って、キュビット100の古典的状態を読み出すため、システムの臨界電流で又はより少ない電流を加えることができる。
【0040】
キュビット100の接合111を横断して電流を加えると、キュビット100の接地状態をバイアスする降下を持ち、キュビット100の縮退接地状態の縮退を効果的に取り除く。そして、縮退接地状態の1つが他よりもエネルギー的に有利となる。もし、加えられた電流がキュビット接合111の臨界電流を越える場合、キュビット100の量子状態のエネルギーがポテンシャル井戸から逃れて、逃亡束又は有限な電圧が生ずる。バイアス電流はキュビット100内の接地状態の二重縮退を取り除くため、超伝導キュビット100の臨界電流はキュビット100の量子状態に依存する。例えば、もし、バイアス電流が第1状態にエネルギー的に有利であり、そして接地されたキュビット100が第1状態を占める場合、臨界電流はIC1であり、もし、接地されたキュビット100が第2状態をしめている場合、臨界電流はIC2である。状態依存臨界電流の値はキュビット100の実施の形態により異なるが、ポテンシャル井戸内に適当なトンネル障壁高さを選択することにより、IC1とIC2の値を明確にすることができる。キュビット100のポテンシャル・エネルギー内のトンネリング障壁の高さはキュビットのトンネリング振幅を調整することで調節できる。例えば、これはキュビット100の容量を調整することで達成できる。
【0041】
もし、臨界電流IC1とIC2が既知ならば、2つの臨界電流の間の大きさのバイアス電流、例えば、(IC1+IC2)/2、を加えて、キュビット100を横断する(すなわち、アイランド120と超伝導基板110の間)結果として得られる電位降下を測定することによりキュビット100の量子状態が決定できる。例えば、もし、IC1が2つの臨界電流のより低いものであり、キュビット100の量子システムが臨界電流IC1を持つ量子状態に対応する場合、加えられた電流はシステムの臨界電流を越えて動的効果がキュビット100を横断して測定可能な電圧を生ずる。代替的に、もし、キュビット100の量子状態が臨界電流IC2の量子状態に対応する場合、加えられた電流はシステムの臨界電流を越えず、キュビット100を横断する測定電位降下はサブギャップ抵抗と関連した小電圧のみを示す。
【0042】
従って、制御800はキュビット100の量子状態を、キュビット100を接地し(すなわち、アイランド120を接地し)、キュビット100を横断してバイアス電流を加え、バイアス電流はキュビット100の量子状態と関連した臨界電流の間の大きさであり、そしてキュビット100を横断して電位効果を測定することにより、読み出すことができる。
【0043】
このように、図2のキュビット制御システム800は、キュビット100の量子状態を読み出すための回路を含むことができる。キュビット制御システム800は、バルク超伝導体110に接続した1つの制御ブランチ801と、キュビット100のアイランド120に接続した第2制御ブランチ802とを含む。制御システム800は、制御線802を通してキュビット100を接地し、制御ブランチ801を通してバルク超伝導体110に電流を加え、そして制御ブランチ801とキュビット・ブランチ802を横断する電位降下を測定することにより、読出し手順を実行できる。電流は、クーパー対の超電流である。従って、接地されたキュビット100への電流の印加と同期して、制御システム800はキュビット100を横断して電圧を測定する。そして、制御システム800は、測定された電位降下をキュビット100の可能な状態の1つを示すものとして解釈する。そして、制御システム800は、キュビット100の測定された量子状態をキュビット制御システム800とインターフェイスする別のシステム(図示しない)に通信する。
【0044】
制御システム800は、集積回路方式で自動的読出し方法を提供できる。さらに、制御システム800は、容易にキュビットの配列へ一般化して、これにより読出し方法を連続して虚ビットの配列中の各キュビットへ適用できる。キュビット制御システム800は、キュビット100を含むキュビット・システムを周囲の環境から隔離するために役立つインターフェイスを提供する。そして、外部システムは、キュビット100と直接的ではなく、制御システム800と相互作用できる。
【0045】
本発明のいくつかの実施の形態において、制御システム800が較正することができる。キュビット100の状態特有電流は、キュビット100の量子状態の読出しの際に加えられるべきバイアスの較正として最初に決定できる。そして、上述した読出し手順が実行でき、この場合、加えられたバイアス電流は2つの量子状態に対応した境界臨界電流の間にある。キュビット100を横断した電位の測定がキュビット100中にどっちの状態が存在するかを示す。いくつかの実施の形態では、適当なバイアス電流が制御システム800とインターフェイスするシステムにより記憶できる。
【0046】
図3は、キュビット配列300に接続した制御システム800を持つキュビット配列300の実施の形態を示す。キュビット配列300は、キュビット100−1乃至100−Nを含む。上述したように、単一制御ブランチ801は、キュビット100−1乃至100−Nに共通な超伝導基板110に接続している。キュビット・ブランチ802−1乃至802−Nが、それぞれアイランド120−1乃至120−Nに接続している。制御800は、上述したように、各キュビット100−1乃至100−Nについて読出し手順が実行できる。いくつかの実施の形態では、キュビット100−1乃至100−Nの1つの読出し手順の間、読み出されているキュビットは接地され、他方、キュビット100−1乃至100−Nの残りは接地されない。制御ブランチ801と接地されたキュビット・ブランチを横断した電位降下が測定でき、そして読み出されているキュビットの量子状態を決定するために制御システム800により解釈される。
【0047】
制御システム800のいくつかの実施の形態では、キュビット配列300により表される量子レジスタの同時的な読出しが実行される。いくつかの実施の形態では、読み出されるべきキュビット100−1乃至100−Nの1つのみが接地されて、他方、キュビット・システム300内のキュビット100−1乃至100−Nの残りが量子力学的に進展し続ける。しかし、キュビット・システム300内のキュビット100−1乃至100−Nのトンネリング振幅を知ることにより、発展が予測できて、そして次に読み出されるキュビット100−1乃至100−Nの1つが所望の状態に再びある正確な時間を決定できる。従って、いくつかの実施の形態では、量子レジスタ・システム300の状態を読み出す方法は、タイミング機構を有し、これによりキュビット100−1乃至100−Nの各連続したキュビットが、各キュビット100−1乃至100−Nの所望の状態への戻りと相関関係付けられた対応する間隔で読み出される。図4は、キュビット100に接続された制御システム800の1つの実施の形態を示す。制御システム800は、接地スイッチ130、電流源140、及びボルトメーター150を含む。接地スイッチ130は、アイランド120を接地へ接続できる。電流源140は、電流をバルク超伝導体110へ接続する。ボルトメーター150は、接地とバルク超伝導体110との間の電位降下を測定する。もし、接地スイッチ130が閉じられると、接地スイッチと電流源140、バルク超伝導体110とメゾスコピック・アイランド120を含む回路が完成して、電流がキュビット100を横断して流れる。さらに、ボルトメーター150は、接地スイッチ130が閉じられた時、ボルトメーター150がキュビット100を横断する電位を測定するため、バルク超伝導体110と接地131との間のキュビット100と平行に接続されている。
【0048】
いくつかの実施の形態では、スイッチ130はアイランド120を接地に接続できる単一電子トランジスタ又はパリテイ・キーである。単一電子トランジスタ(SET)上の電圧を変調することにより、制御回路800が接地接続を開いたり又は閉じたりできる。SETの振舞いは、ここにその全体が参照により組み込まれた、ピー・ジョイズ等、「超伝導単一電子トランジスタ中のジョセフソン・トンネリングのパリテイ誘導抑制の観察」、フィジカル・レビュー・レター、Vol.72,No.15,1994年4月11日、に良く定義されていて詳細に議論されている。
【0049】
本発明のいくつかの実施の形態では、キュビット100に対して電流源140により生成された状態特有臨界電流値が較正されてバイアス電流の大きさを特徴付けるために使用される。いくつかの実施の形態では、キュビット・システム内の各キュビットに対するバイアス電流が決定されて制御システム800とインターフェイスするシステム内に記憶される。
【0050】
いくつかの実施の形態において、ボルトメーター150は、ピコ秒の時間スケールでマイクロ・ボルトのオーダーの大きさを測定できる無線周波数単一電子トランジスタである。ここに参照により全体が組み込まれた、アール・ジェー・シュエルコフ、ピー・ウォルグレン、エー・エー・コズフニコフ、ピー・デルシング、デー・イー・プローバー、「無線周波数単一電子トランジスタ(RF−SET):高速超高感度電子メーター」、サイエンス、280,1238(1998年5月)を参照。
【0051】
図4に示される制御システム800の実施の形態を使用した読出し方法は、キュビット100を接地スイッチ130を通じて接地し、電流源140を通してバイアス電流を加え、ボルトメーター150でキュビット100を横断した電位降下を測定し、そしてキュビット100の量子状態を決定するために測定された電位降下を解釈することを含む。いくつかの実施の形態では、ボルトメーター150が直接にキュビット100の測定された量子状態を出力するために較正できる。いくつかの実施の形態では、制御システム800の他の部分はボルトメーター150からの電圧測定を受け取りそしてキュビット100の量子状態を決定するために較正される。
【0052】
キュビット120が、接地スイッチ130を通して接地131へ接地される。電流源140がキュビット100と接地131に直列に接続され、そしてボルトメーター150がキュビット100と平行に接続される。スイッチ130が閉じられる時、アイランド120を接地し、超電流の波動関数が明確な磁気モーメントを持つ接地状態±Φ0の1つに崩壊する。アイランド120が接地されてキュビット100の量子状態が固定されて、電流源140により電流がキュビット100を通して加えられる。電流は、バルク超伝導体110を通り、アイランド120を通り、接地131へ流れる。電流がキュビット100を通して駆動されると、束の時間依存変化が発生して、電圧がキュビット100を横断して発生する。ボルトメーター150が電圧を測定し、検出された電圧ピークがキュビットの状態を決定するために解釈される。いくつかの実施の形態では、電流源140により発生されるバイアス電流は、キュビットの量子状態に関連した臨界電流の間にある。
【0053】
図5は、制御800の実施の形態に接続されたキュビットの配列300の例を示す。キュビットのキュビット・システム配列300内の各キュビット100−1乃至100−Nは、それぞれ接地スイッチ130−1乃至130−Nに接続されていて、それにより各キュビット100−1乃至100−Nは制御システム800がそれぞれのスイッチ130−1乃至130−Nを閉じる時に選択的に接地131に接続される。さらに、図4に示される単一キュビットの場合と同じく、電流源140がバルク超伝導体110と接地131の間に接続されている。ボルトメーター150が、バルク超伝導体110と接地131の間にキュビット100−1乃至100−Nと平行に接続されている。
【0054】
キュビット100−1に対する読出し方法では、例えば、制御システム800がスイッチ130−1を閉じることによりアイランド120−1を接地する。スイッチ130−2乃至130−Nは開いたままである。そして、制御システム800が、電流源140により、キュビット100−1を通してバイアス電流を加えて、ボルトメーター150によりキュビット100−1を横断した電位降下が測定できる。キュビット100−1の量子状態はボルトメーター150により測定された特性電圧により決定される。そして、読出し方法を次々と全てのキュビット100−1乃至100−Nに繰返すことができる。
【0055】
本発明のいくつかの実施の形態では、制御システム800及び全ての接続線(すなわち、線801、及び802−1乃至802−N)は、YBa2Cu37-x、ここで、xは約0と約0.6の間の値である、などの高Tc超伝導材料から製造される。Bi2Sr2Can-1Cun2n+4、Ti2Ba2CuO6+x、及びHgBa2CuO4、などの他の超伝導材料は、非ゼロ角モーメントを持つペアリング対称性のd波超伝導体の例であり、制御システム800を製造するために使用できる。本発明のいくつかの実施の形態では、p波超伝導体である低温超伝導体Sr2RuO4又は重フェルミオン材料、CeIrIn5、例えば、も非ゼロ角モーメントを持ち、制御システム800を製造するために使用できる。熱による干渉性消失を減少して量子振舞いを最適にするため、いくつかの実施の形態では、キュビット・システム300は約1Kの温度で操作する。
【0056】
本発明のいくつかの実施の形態では、制御システム800はキュビット・システム300のキュビット100−1乃至100−Nの量子状態の初期化もする。キュビット100(キュビット100−1乃至100−Nの任意の1つ)の状態を初期化する方法は、キュビットを横断して特定の方向へ電流を駆動し、電流をゼロに下げるようにランプすることを含む。キュビット100を通るバイアス電流がゼロに減少する時、キュビット100に接地状態の2安定性が発生し、ここでキュビット100の古典的量子状態が±Φ0に対応する。すなわち、キュビット100を横断して特定の方向へ電流を駆動することにより、第1状態が選択でき、そして、キュビット100を横断して反対方向へ電流を駆動することにより、第2状態が選択できる。電流が正方向からゼロへ傾斜的に下がる時、キュビット100の束状態は+Φ0の接地状態へ緩和される。一方、もし、電流が負方向からゼロへ傾斜的に上がる場合、キュビット100の束状態は−Φ0の接地状態へ緩和される。状態+Φ0及び−Φ0はキュビット100の2安定性の接地状態に対応しているため、キュビット100を一方又は他方の状態へ置く動作はキュビット100の状態を初期化することと等価である。
【0057】
いくつかの実施の形態では、制御システム800は十分な継続時間の間、キュビットを横断する方向性の小さな大きさの電流を維持することによりキュビット100を初期化する。電流源140からの電流は実効的にキュビット100中の電位エネルギーをバイアスし、古典的量子状態の縮退を取り除く。ある十分な時間の間、キュビット100の量子状態は電流源140からの印加されたバイアス電流により決定されるエネルギー的により有利な状態へ遷移する。
【0058】
図6は、キュビット100の量子状態を初期化できるキュビット100に接続された制御システム800の実施の形態を示す。図6の制御システム800は、二方向電流源140とアイランド120を接地131へ接続できる接地スイッチ130とを含む。図6中のボルトメーター140は、キュビット100の読出し手順を容易にするために含むことができる。
【0059】
そして、初期化方法は、キュビット100を接地するためにスイッチ130を閉じ、電流源140からキュビット100にある大きさIbの電流を加え、そして、源140からの電流を大きさIbからゼロへ傾斜で戻す。いくつかの実施の形態では、制御回路800は第1状態を初期化するために正電流Ibを加え、第2状態を初期化するために負電流Ibを加える。
【0060】
いくつかの実施の形態では、初期化手順はスイッチ130を閉じてキュビット100のアイランド120を接地し、そして電流源140からキュビット100を通してバイアス電流をキュビット100の量子状態が選択された初期状態へ、例えば、トンネリングにより遷移するのに十分に長い継続時間だけ加える。いくつかの実施の形態では、継続時間はキュビット・システムのトンネリング・レートに依存し、そしていくつかの実施の形態では、キュビット100の量子システムが選択された状態へ緩和するためにキュビット100のトンネリング振幅のオーダーに依存する。
【0061】
図7は、二方向性の電流源140の実施の形態を示す。図7に示すように、電流源140は第1電流源141と第2電流源142とを含む。電流源141はスイッチ143と直列に接続し、電流源142はスイッチ144と直列に接続する。電流源141とスイッチ143との組合わせは電流源142とスイッチ144と平行に接続され、超伝導基板110と接地131との間に接続される。そして、制御システム800は、スイッチ143を閉じてスイッチ144を開くことにより第1方向へ電流を供給する電流源141を選択できる。代替的に、電流源800は、スイッチ144を閉じてスイッチ143を開くことにより、第1方向とは反対の第2方向へ電流を供給する電流源142を選択できる。いくつかの実施の形態では、スイッチ141と143の各々はSETである。
【0062】
図8は、キュビット・システム300に接続した図7に示された制御システム800の実施の形態を示す。キュビット・システム300は、キュビット100−1乃至100−Nを含む。いくつかの実施の形態では、制御システム800は、キュビット100−1乃至100−Nの1つを初期化するためにそれぞれのスイッチ130−1乃至130−Nの1つを選択し、キュビット100−1乃至100−Nの選択された1つを接地し、そして初期化されているキュビット100−1乃至100−Nの1つを横断して電流を加えて、各キュビット100−1乃至100−Nを順に初期化できる。
【0063】
図9は、制御800と共に使用できるボルトメーター140の実施の形態を示す。ボルトメーター140は、例えば、ここに参照により全体が組み込まれたエー・エヌ・コロトコフ及びエム・エー・パラネン、「無線周波数単一電子トランジスタの電荷感受性」、Appl.Phys.Lett.74,26(1999)に記載されるような無線周波数単一電子トランジスタ・エレクトロメーターである。SETの操作と振舞いは良く知られており、ここに参照により全体が組み込まれたピー・ジヨエズ等、「超伝導単一電子トランジスタ内のジョセフソン・トンネリングのパリテイ誘導抑制の観察」、フィジカル・レビュー・レター、Vol.72,No.15,1994年4月11日に詳細に説明されている。
【0064】
RF−SETボルトメーター140は、SET709と、タンク回路712と、信号を加えて検出するためのポート706とを含む。単一電子トランジスタ(SET)709は、例えば、ニオブ、アルミニウム、鉛、スズ、及びどんな高温超伝導カップレートなどの超伝導材料から形成できる。単一電子トランジスタの製造及び操作の説明は、ここに参照により全体が組み込まれたピー・ジヨエズ等、「超伝導単一電子トランジスタ内のジョセフソン・トンネリングのパリテイ誘導抑制の観察」、フィジカル・レビュー・レター、Vol.72,No.15,1994年4月11日及びアール・ジェー・シュエルコフ、ピー・ウォルグレン、エー・エー・コズフニコフ、ピー・デルシング、及びデー・イー・プローバー、「無線周波数単一電子トランジスタ(RF−SET):高速超高感度電子メーター」、サイエンス、280,1238−42(1998年5月22日)に記載されている。SET709は、共振に同調された高品質ファクター・タンク回路712内に置かれる。タンク回路712は、インダクタ707とキャパシタ708とを含む。キャパシタ708は、SET709と平行に接続される。SET709内の第3端子は電極801に接続され、それは制御システム800内で超伝導基板110へ接続される。無線周波数又はマイクロ波信号704が回路712へ導入される。反射信号705はSET709のコンダクタンスの関数である。確立された技術を使用して反射信号705を解析すると電極710と接地131との間の電圧差が測定できる。
【0065】
操作において、キュビット100を横断して電流が駆動され、rf−SETボルトメーター140がキュビット100と平行に接続され、タンク回路712の共振が分配されて、戻るマイクロ波パルス705の電荷がキュビット100の量子状態の検知を可能にする。
【0066】
本発明のいくつかの実施の形態では、キュビット100の量子状態の読出しは、例えば、ここに参照により全体が組み込まれたマルクリン・ワイ、ショーエン・ジー、及びシュニルマン・エー、「ジョセフソン接合装置による量子状態エンジニアリング」、arXiv,cond−mat/0011269,2000年11月15日に記載された既知の手順による単一電子トランジスタ(SET)の使用により行うことができる。SETの実施の形態は図9のSET709として示されている。SET709は、3つの装置(例えば、端子131、801及び712)に接続できる。電子又はクーパー対はSET709が荷電されていない時にSET709へトンネルすることができる。しかし、SET709は十分に小さくて、一旦、電子又はクーパー対がSET709へトンネルすると、SET709の荷電は電気的に反発してSET709へのさらなるトンネルを防止する。SET709と関連した端子801は、SET709の電圧を変化でき、そしてタンク回路712を非同調にし、反射波705の特性を変化する。
【0067】
図10に示すように、いくつかの実施の形態では、制御システム800はキュビット対100のキュビット100−1及び100−2の2つのキュビット間の量子状態を絡み合わせることができる。図10の制御システム800はさらに制御線820を介して絡み合いスイッチ155を制御する。キュビットの絡み合いは、キュビット100−1及び100−2の量子状態の自由な発展中に発生する。キュビット100−1及び100−2が完全にそれらの環境から切り離されている時、絡み合い操作はキュビット100−1及び100−2の各々の量子状態の波動関数が重なり合うことを可能にし、よって、キュビット100−1及び100−2の各々の状態に関する情報を混合する。固体状態において、キュビット100−1及び100−2を物理的に一緒に接続することにより、キュビット100−1及び100−2を絡み合わせることができる。キュビット100−1及び100−2中の永久電流を混合することを可能にすることにより、キュビット100−1及び100−2の状態が絡み合う。
【0068】
図10に示すように、制御システム800は、キュビット100−1及び100−2のアイランド120−1及び120−2をそれぞれ絡み合いスイッチ155を介して及びスイッチ155の状態を制御することにより直接的に一緒に接続することにより、キュビット100−1及び100−2の量子状態を絡み合わせることができる。スイッチ155が閉じられる時、超電流がアイランド120−1と120−2の間を流れることができる。制御システム800は、スイッチ155を切り換え、キュビット100−1及び100−2の間の接続を制御し、量子アルゴリズムの実現の必要に応じてオン及びオフすることができる。
【0069】
本発明のいくつかの実施の形態では、絡み合いスイッチ155は、閉じられている時、クーパー対の干渉性転送を可能にする。一方、開いる時は、キュビット100−1及び100−2の間の接続を実効的に切断する。いくつかの実施の形態では、絡み合いスイッチ155のスイッチング・レートは、絡み合いスイッチ155がキュビット100−1及び100−2の量子状態遷移の時間スケールと比較した時に速くなるように、キュビット100−1及び100−2の最大の可能なトンネリング振幅のオーダーである。
【0070】
いくつかの実施の形態では、制御800はキュビット100−1及び100−2を単位の継続時間、接続するが、単位の継続時間はキュビット100−1及び100−2の実施の形態に依存する。いくつかの実施の形態では、単位の継続時間は少なくともキュビット・システム1000のトンネリング振幅のオーダーである。計算アルゴリズムによりより長い接続継続時間が必要な場合、複数の単位の継続時間の絡み合いを結合できる。
【0071】
図11は、制御システム800に接続されたキュビット配列300を持つ本発明の実施の形態を示し、制御システム800はキュビット100−1乃至100−Nの隣接するもの量子状態を絡み合わせることができる。キュビット100−1乃至100−Nの隣接対は、スイッチ155−1乃至155−(N−1)を介して接続できる。例えば、キュビット100−1と100−2はスイッチ155−1を介して接続でき、キュビット100−(N−1)と100−Nは、スイッチ155−(N−1)を介して接続できる。制御800はアルゴリズム・プログラム命令に応答してキュビット100−1乃至100−Nの隣接するものの間の量子状態を絡み合わせることができるように、制御800はスイッチ155−1乃至155−(N−1)の各々と接続する。
【0072】
図12は、本発明の1つの実施の形態を示し、制御システム800はキュビット対1000のキュビット100−1及び100−2を初期化でき、キュビット100−1及び100−2を読み出すことができ、そして上述したようにキュビット100−1及び100−2を絡み合わせることができる。制御システム800は、キュビット100−1及び100−2を横断して接続された2方向性電流源140と、キュビット100−1及び100−2を横断して接続されたボルトメーター150と、アイランド120−1及び120−2とそれぞれ接地131の間に接続された接地スイッチ130−1及び130−2と、キュビット100−1及び100−2の間の絡み合いを制御するための絡み合いスイッチ155に接続された絡み合い電圧源160とを含む。
【0073】
本発明のいくつかの実施の形態では、絡み合いスイッチ155はSET又はパリテイ・キーであり、電圧源160は絡み合いスイッチ155を開状態又は閉状態にする。制御システム800は電圧源160により電圧Vgを絡み合いスイッチ155へ加えることにより、キュビット100−1及び100−2の量子状態を絡み合わせることができる。そして、絡み合いスイッチ155は閉じて、クーパー対がキュビット100−1及び100−2の間を流れて、キュビット100−1及び100−2の量子状態を絡み合わせる。絡み合い操作の際、キュビット100−1及び100−2が環境から隔離されて量子力学的に自由に発展するために接地スイッチ130が開かれる。
【0074】
さらに、図12の制御システム800は、絡み合いスイッチ155を開き、接地スイッチ130−1及び130−2を介してアイランド120−1及び120−2の1つを接地し、そして電流源140から電流を加えて、読み出されるキュビット100−1及び100−2の1つを横断する電圧を監視することにより、キュビット100−1及び100−2の量子状態を読み出すことができる。さらに、図12の制御800は、絡み合いスイッチ155を開き、アイランド120−1又は120−2の1つを接地し、そして初期化されているキュビット100−1及び100−2の1つの量子状態が所望の状態へ遷移するように上述したように電流源140からバイアス電流を加えることにより、キュビット100−1及び100−2の状態を初期化できる。
【0075】
図13は、制御システム800に接続されたキュビット配列(レジスタ)300を示す。制御システム800は、キュビット100−1乃至100−Nの各々について読出し操作ができ、キュビット100−1乃至100−Nの各々について初期化でき、そしてキュビット100−1乃至100−Nの隣接対を絡み合わせることができる。キュビット100−1乃至100−Nの隣接するものは絡み合いスイッチ155−1乃至155−(N−1)を介して接続でき、絡み合いスイッチ155−1乃至155−(N−1)の各々の状態はそれぞれ電圧源160−1乃至160−(N−1)により変調できる。キュビット100−1乃至100−Nの隣接するどんな数の対もある時間で制御800の指示により絡み合わせることができる。制御800は、制御800と通信できるアルゴリズム命令に応答して、キュビット100−1乃至100−Nの隣接対を絡み合わせる。
【0076】
さらに、図13の制御システム800は電流源140と、ボルトメーター150と、接地スイッチ130−1乃至130−Nと、接地131とを含み、上述したように、制御システム800はキュビット100−1乃至100−Nの量子状態を読出してキュビット100−1乃至100−Nの量子状態を初期化できる。このようにして、制御システム800は量子計算アルゴリズムを実行するための操作の全てを提供する。
【0077】
図14は、制御システム800に接続された一対のキュビット1000の別の実施の形態を示し、制御システム800はキュビット100−1及び100−2の量子状態を読出し、キュビット100−1及び100−2内の量子状態を初期化し、そしてキュビット100−1及び100−2内の量子状態を絡み合わせることができる。制御システム800は、接地131とスイッチ130−1及び130−2の間に接続されたスイッチ132を含む。そして、制御システム800は、スイッチ130−1及び130−2がそれぞれアイランド120−1及び120−2を接地しないように、両スイッチ130−1と130−2を閉じてスイッチ132を開くことにより、キュビット100−1及び100−2の量子状態を絡み合わせることができる。また、いくつかの実施の形態では、スイッチ145が平行に接続された電流源140とボルトメーター150と超伝導基板110との間に含まれる。そして、キュビット100−1及び100−2はキュビット100−1及び100−2の外側の影響から切り離すことができる。
【0078】
さらに、キュビット100−1及び100−2の1つを、スイッチ132とスイッチ145を閉じ、読み出されるキュビットと対応したスイッチ130−1又は130−2の1つを閉じ、電流源140から電流を加え、そしてボルトメーター150により電圧を測定することにより、読み出すことができる。キュビット100−1及び100−2の1つは、スイッチ132とスイッチ145を閉じ、キュビット100−1又は100−2のいずれかが初期化されるかに依存してスイッチ130−1又は130−2の1つを閉じ、そして電流源140からの電流をキュビット100−1及び100−2の1つを横断して加えることにより、初期化することができる。
【0079】
図15は、制御システム800に接続されたキュビット配列300の別の実施の形態を示す。制御システム800はキュビット100−1乃至100−Nについて、読出し、初期化、及び絡み合い操作が実行できる。キュビット100−1乃至100−Nの各々は、それぞれスイッチ130−1乃至130−Nを介してスイッチ132により接地に接続される。制御システム800は、アイランド120−1乃至120−Nの各々をそれぞれスイッチ130−1乃至130−Nを閉じて、スイッチ132を閉じることにより接地できる。制御システム800は、キュビット100−1乃至100−Nの隣接するものの状態をスイッチ130−1乃至130−Nの対応するものを閉じて、スイッチ132を開くことにより、絡み合わせることができる。さらに、図15に示されるように制御システム800は、キュビット100−1乃至100−Nの隣接するものの間の量子状態の絡み合わせに限定されない。例えば、キュビット120−2と120−(N−1)はスイッチ130−2と130−(N−1)とを閉じ、スイッチ132を開くことにより絡み合わせることができる。図15に示される制御システム800の実施の形態において、どんな数のキュビットがスイッチ130−1乃至130−Nのそれぞれを閉じて、スイッチ132を開くことにより絡み合わせることができる。
【0080】
図16は、キュビット100と、電圧V145により変調されたキュビット・スイッチ145と、電圧V130により変調された接地スイッチ130と、キュビット・スイッチ145を介してキュビット100へ接続された電流線I140と、接地スイッチ130を介してキュビット100に接続された接地131と、電流線I140と接地131との間の電位降下を測定するために接続されたボルトメーター150とを含んだ単一キュビット・システム600を示す。システム600内のキュビット100の状態を初期化するための方法は、キュビット・スイッチ145と接地スイッチ130とにそれぞれ電圧V145とV130を加え、そして電流I140を加えることを含むことができる。加えられた電流の方向はキュビット100の選択されたバイアス状態を決定できる。キュビット100の状態を読み出すための方法の実施の形態は、キュビット・スイッチ145と接地スイッチ130のそれぞれに電圧V145とV130を加え、電流線I140へ電流を加え、電流線I140と接地131との間の電位降下を測定し、そして測定された電位降下に基づいてキュビット100の状態を解釈することを含むことができる。
【0081】
図17は、キュビット100−1,1、乃至100−N,Mを含んだキュビットの格子の二次元表現を示す。キュビット100−1,1、乃至100−N,Mは、電流I140−1乃至I140−Nへそれぞれスイッチ145−1,1乃至145−N,Mを介して行に接続される。さらに、キュビット100−1,1、乃至100−N,Mは、接地131−1乃至131−Nへそれぞれスイッチ130−1,1乃至130−N,Mを介して行に接続される。スイッチ145−1,1乃至145−N,Mは、制御電圧V145-1乃至V145-Mに列として接続される。さらに、スイッチ130−1,1乃至130−N,Mは、制御電圧V130-1乃至V130-Mに列として接続される。さらに、ボルトメーター150−1乃至150−Nは、それぞれI140-1乃至I140-Nと接地131−1乃至131−Nとの間の電位降下を測定する。この表示によると、例えば、キュビット100−i,jは、i番目の行とj番目の列を指す。
【0082】
いくつかの実施の形態では、キュビット100−1,1、乃至100−N,Mは、各連続する列のキュビットを同時に初期化し、列を横断して進むことにより初期化できる。例えば、最初に、電圧が電圧線V145-1及びV130-1に加えることができ、よって、第1列内の各キュビットに対してそれぞれのキュビット・スイッチ及び接地スイッチを閉じる。次に、それぞれの電流線の電流の方向が初期化されるべき基本状態を決定するために、電流が同時に各電流線I140-1乃至I140-Nに加えられる。そして、プロセスが格子中の残りの列に対して繰り替えさられて、全キュビット・システムを初期化するために全体でMステップが必要である。格子キュビット・システム、キュビット100−1,1、乃至100−N,M、の状態を読み出す方法の実施の形態は、スイッチ100−1,1、乃至100−N,Mの各々を閉じることにより全システムを接地し、読み出されるキュビットの列のキュビット・スイッチ145−1,1乃至145−N,Mの1つの列に電圧を加え、前記第1キュビットのそれぞれの電流線へ電流を加え、それぞれの電流線と接地線との間の電位降下を測定し、そして読み出されているキュビットの状態を解釈することを含むことができる。計算の間、キュビット・システム内のキュビット100−1,1、乃至100−N,Mは、全てのスイッチ145−1,1乃至145−N,Mと130−1,1乃至130−N,Mを開くことにより、周囲から完全に隔離できる。
【0083】
上述したように、量子計算の局面はキュビット状態の絡み合わせを含むことができる。本発明の実施の形態は、キュビット・システム内でキュビットを絡み合わせる方法を提供でき、キュビット・システムは二次元格子レイアウトを含むことができる。もし、接地線が線接地スイッチを含む場合、接地が線から切り離された時に、線は行内のいずれの2つのキュビットの状態を絡み合わせる手段として使用できる。
【0084】
図18は、本発明の実施の形態を示し、接地線131−1が電圧VG-132により変調される線接地スイッチ132−1を含む。キュビットを絡み合わせる方法の実施の形態は、接地線131−1に接続されたキュビットが接地から隔離されるように行内の線接地スイッチ132−1を開くことを含む。接地スイッチ132−1の変調は、電圧線VG-132により制御できる。本発明の1つの実施の形態では、電圧線が全ての行の線接地スイッチを変調する。本発明の別の実施の形態では、各線接地スイッチはシステム内の他の行とは独立に変調できる。このような実施の形態では、各キュビットはシステム内の他の全てのキュビットとは独立に接地でき、よって、計算の崩壊なく各キュビットの初期化と読出しが可能である。
【0085】
本発明が特定の実施の形態について説明されたが、詳細に説明された実施の形態は本発明の応用の例にすぎず、限定するものとして考えるべきではない。当業者は本発明の精神と範囲内の変形を認識できる。例えば、ここに説明された実施の形態は永久読出し超伝導キュビットを含むが、どんな位相キュビットも含むことができる。ここに開示された実施の形態の特徴のさまざまな応用と組合わせは、特許請求の範囲の記載により定義される本発明の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】永久読出し超伝導キュビットの実施の形態を示す図。
【図2】制御システムを持つ永久読出し超伝導キュビット(PRSQ)を示す図。
【図3】本発明による制御システムを持つキュビットの配列を示す図。
【図4】本発明によるキュビットと結合された読出し制御回路を含む制御システムの実施の形態を示す図。
【図5】本発明によるキュビット配列と接続した制御システムの読出し回路の実施の形態を示す図。
【図6】本発明によるキュビットに接続された制御システムの読出し及び初期化回路の実施の形態を示す図。
【図7】本発明によるキュビットに接続された制御システムの読出し及び初期化回路の実施の形態を示す図。
【図8】本発明によるキュビットの初期化と読出しが可能な制御回路の実施の形態と接続されたキュビットの配列を示す図。
【図9】無線周波数単一電子トランジスタ(RF−SET)の実施の形態を示す図。
【図10】本発明によるキュビットの絡み合いが可能な制御システムの実施の形態を示す図。
【図11】本発明によるキュビットの配列を制御するため接続されたキュビットの絡み合いが可能な制御システムの実施の形態を示す図。
【図12】本発明によるキュビットに接続された制御システムの実施の形態を示す図。
【図13】本発明によるキュビットの配列に接続された制御システムの実施の形態を示す図。
【図14】本発明によるキュビットに接続された制御システムの実施の形態を示す図。
【図15】本発明によるキュビットに接続された制御システムの実施の形態を示す図。
【図16】本発明による単一の位相キュビットに接続された制御システムの実施の形態を示す図。
【図17】本発明による位相キュビットの二次元配列に接続された制御システムの実施の形態を示す図。
【図18】本発明によるキュビットの配列に接続されて、キュビットの配列のキュビットの絡み合いが可能な制御システムの実施の形態を示す図。

Claims (52)

  1. キュビットと、
    キュビットについて操作を行うためにキュビットへ電流と電圧を加えることのできるようにキュビットに接続された制御システムと、
    を含むキュビット・システム。
  2. 制御システムが、キュビットについて読出し操作を行うことができる請求項1に記載のシステム。
  3. 制御システムが、キュビットについて初期化操作を行うことができる請求項1に記載のシステム。
  4. 制御システムが、キュビットの量子状態を第2キュビットと絡み合わせることができる請求項1に記載のシステム。
  5. キュビットが、位相キュビットである請求項1に記載のシステム。
  6. キュビットが、永久読出し超伝導キュビットである請求項1に記載のシステム。
  7. キュビットが、超伝導基板と超伝導基板の一部を覆うメゾスコピック・アイランドとを含んで、超伝導基板とメゾスコピック・アイランドとの間に粒境界を形成する請求項6に記載のシステム。
  8. 制御システムが、キュビットと接地との間に接続されたスイッチを含む請求項1に記載のシステム。
  9. 制御システムが、
    少なくとも1つのキュビットを接地に接続するスイッチと、
    キュビットへ電流を与えるために接続された電流源と、
    キュビットを横断して接続されたボルトメーターと、
    を含む請求項2に記載のシステム。
  10. スイッチが、単一電子トランジスタである請求項9に記載のシステム。
  11. 電流源が、キュビットの第1状態に対応した第1臨界電流とキュビットの第2状態に対応した第2臨界電流との間の電流を与える請求項9に記載のシステム。
  12. ボルトメーターが、キュビットを横断して測定された電圧に依存して第1状態又は第2状態を指示する請求項11に記載のシステム。
  13. 制御システムが、
    キュビットへ電流を与えるために接続された2方向性電流源と、
    キュビットを接地するために接続されたスイッチと、
    を含む請求項3に記載のシステム。
  14. 2方向性電流源はスイッチが閉じられた時に第1状態を開始するために第1方向へ電流を与え、そして第2状態を開始するために第2方向へ電流を与える請求項13に記載のシステム。
  15. キュビットの量子システムが第1方向又は第2方向へ緩和するのに十分な時間の間、電流が与えられる請求項14に記載のシステム。
  16. 電流が、キュビットの量子状態を第1方向又は第2方向へ緩和するために傾斜をもって遮断される請求項14に記載のシステム。
  17. 制御システムが、キュビットを別のキュビットへ接続し、よって、2つのキュビットの量子状態を絡み合わせるスイッチをさらに含む請求項1に記載のシステム。
  18. 制御システムが、スイッチと接地との間に接続された第2スイッチを含み、第2スイッチが開いた時にキュビットの状態を他のキュビットと絡み合わせるためにキュビットを別のキュビットに接続できる請求項8に記載のシステム。
  19. 少なくとも1つのキュビットを有するキュビットの配列と、
    キュビットへ電圧と電流を供給できるキュビットの配列に接続された制御システムと、
    を含むキュビット配列システム。
  20. 制御システムが、キュビットの配列中のキュビットを読み出すことができる請求項19に記載のシステム。
  21. 制御システムが、
    キュビットの配列を横断して接続された電流源と、
    接地とキュビットの配列との間に接続されたスイッチの配列と、
    キュビットの配列を横断して接続されたボルトメーターと、
    を含む請求項20に記載のシステム。
  22. 電流源が、キュビットの配列のキュビットの第1状態とキュビットの第2状態との臨界電流の間の電流を供給する請求項20に記載のシステム。
  23. ボルトメーターが、キュビットの配列を横断する電圧に基づいて第1状態又は第2状態を指示する請求項22に記載のシステム。
  24. キュビットの配列中のキュビットの読出し操作中、キュビットがスイッチの配列中のスイッチを通して接地される請求項22に記載のシステム。
  25. 制御システムが、キュビットの配列中のキュビットを初期化できる請求項19に記載のシステム。
  26. 制御システムが、
    キュビットを横断して接続された2方向性電流源と、
    キュビットの配列と接地との間に接続され、キュビットと接地との間に接続されたスイッチの配列とを含み、
    初期化ステップの際、スイッチが閉じてキュビットを接地し、そして電流源がキュビットを初期化するために電流を供給する請求項25に記載のシステム。
  27. 制御システムが、キュビットの配列中のキュビット間の量子状態を絡み合わせることができる請求項19に記載のシステム。
  28. 制御システムが、
    各々がキュビットの配列の第1キュビットと第2キュビットとの間に接続されたスイッチを含み、スイッチの位置に応答して、第1キュビットの量子状態が第2キュビットの量子状態と絡み合わせられる請求項27に記載のシステム。
  29. 第3スイッチが接地とスイッチの配列との間に接続されて、第3スイッチが開の時に、キュビットの配列のキュビットの量子状態がスイッチの配列中のスイッチを介して絡み合わせることができる請求項27に記載のシステム。
  30. キュビットの配列が、位相キュビットを含む請求項19に記載のシステム。
  31. キュビットの配列が、永久読出し超伝導キュビットを含む請求項19に記載のシステム。
  32. 少なくとも1つのキュビットと、
    少なくとも1つのキュビットを読み出す手段と、
    を含むキュビット・システム。
  33. 少なくとも1つのキュビットを初期化する手段をさらに含む請求項32に記載のシステム。
  34. 少なくとも1つのキュビットのキュビットの量子状態を絡み合わせる手段をさらに含む請求項33に記載のシステム。
  35. キュビットの状態を読み出す方法であって、
    接地されたキュビットを形成するためにキュビットを接地し、
    接地されたキュビットを通して電流を供給し、
    接地されたキュビットを横断して電圧を測定し、
    電圧からキュビットの状態を決定することを含む方法。
  36. キュビットを接地することが、キュビットと接地との間に接続されたスイッチを閉じることを含む請求項35に記載の方法。
  37. 接地されたキュビットを通して電流を供給することが、キュビットの第1状態に対応した第1臨界電流とキュビットの第2状態に対応した第2臨界電流との間の電流を与え、第1臨界電流が第2臨界電流よりも低い電流である請求項35に記載の方法。
  38. キュビットの状態を決定することが、もし電圧が低の場合は第1状態に状態を設定し、もし電圧が高い場合は第2状態に状態を設定することを含む請求項37に記載の方法。
  39. キュビットの状態を決定することが、もし時間相関関係電圧パルスが到着した場合は第1状態に状態を設定し、もしパルスが到着しない場合は第2状態に状態を設定することを含む請求項37に記載の方法。
  40. キュビットを初期化する方法であって、
    キュビットを接地し、
    キュビットを横断して選択された方向へ電流を加えること、
    を含む方法。
  41. 電流を加えることが、キュビットの状態が選択された状態へ緩和するのに十分な時間の間、電流を供給することを含む請求項40に記載の方法。
  42. 電流を加えることが、電流を供給し、そしてキュビットの状態が選択された状態へ緩和するように電流をゼロへ傾斜させることを含む請求項40に記載の方法。
  43. キュビットを接地することが、スイッチを通してキュビットを接地に接続することを含む請求項40に記載の方法。
  44. キュビットの量子状態を絡み合わせる方法であって、
    少なくとも1つのスイッチを通して第1キュビットを第2キュビットへ接続することを含む方法。
  45. キュビットを接続することが、
    第1キュビットに接続した第1スイッチを提供し、
    第2キュビットに接続した第2スイッチを提供し、
    第1スイッチと第2スイッチとが閉じることにより第1キュビットの量子状態と第2キュビットの量子状態とが絡み合うように、第1スイッチを第2スイッチへ接続することを含む方法。
  46. キュビットの少なくとも1つの行と少なくとも1つの列とを有するキュビットの二次元配列と、
    キュビットの二次元配列中のキュビットへ電流と電圧を供給するキュビットの二次元配列に接続された制御システムと、
    を含むキュビットの配列。
  47. 接地スイッチの二次元配列をさらに含み、接地スイッチの二次元配列中の各接地スイッチはキュビットの二次元配列の1つを接地へ接続する請求項46に記載の配列。
  48. 電流スイッチの二次元配列をさらに含み、電流スイッチの二次元配列中の各電流スイッチはキュビットの二次元配列中の1つのキュビットを電流へ接続する請求項47に記載の配列。
  49. 電流スイッチの二次元配列と接地スイッチの二次元配列とは、行により制御電圧へ接続される請求項48に記載の配列。
  50. 電流と各行の接地との間に接続されたボルトメーターをさらに含む請求項49に記載の配列。
  51. 初期化の際、キュビットの二次元配列が列により接地され、そして初期化されているキュビットの二次元配列のその列中のキュビットへ電流が供給される請求項50に記載の配列。
  52. 読出し操作の際、キュビットの二次元配列が列により接地され、そしてキュビットの二次元配列のその列中のキュビットへ電流が供給されて、キュビットの二次元配列のその列中の各キュビットを横断して電圧が測定される請求項50に記載の配列。
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