JP2004532640A - 肺機能および障害の評価のための方法および組成物 - Google Patents

肺機能および障害の評価のための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような肺の障害を発症する素因、または肺機能の障害を発症する素因、ならびに閉塞性肺疾患の関連のリスク、ならびにCAD、発作、および肺癌のような関連の疾患のリスクを評価するために用いることができる方法を提供する。
【解決手段】本発明は、肺の機能、および/または障害の評価のための方法、そして詳細には、喫煙者および非喫煙者における慢性閉塞性肺疾患の素因および/または重篤度に対する診断のための方法であって、特に、細胞間質再構築、抗酸化防御、および炎症性応答に関与した遺伝子に関する、遺伝的多形性および変更された遺伝子発現の解析を用いる方法、に関連する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、肺の機能、および/または障害の評価のための、そして詳細には、喫煙者および非喫煙者における慢性閉塞性肺疾患の素因および/または重篤度を診断するための方法であって、遺伝的多形性および変更された遺伝子発現の解析を用いる方法、に関連する。本発明はまた、肺機能の障害を診断するための方法、そして詳細には、障害された肺の機能の素因、および/または重篤度、ならびに他の疾患の関連の罹患/死亡リスクを診断する方法に関する。本発明はまた、この方法における使用のための組成物に関連する。
【背景技術】
【0002】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、先進国における死亡の4番目に主な死亡原因であって、世界中の病院入院の主な原因である。慢性閉塞性肺疾患は、潜伏性の炎症および進行性の肺の破壊によって特徴付けられる。慢性閉塞性肺疾患は、罹患した喫煙者によって労作性の息切れが気付かれた後に、臨床的に明白になるが、その時、肺機能の50%以上が既に不可逆的に損われている。肺の機能のこの損失は、呼気流量(特に、1秒間努力呼気容量、すなわちFEV1)の低下によって臨床的に検出される。95%を上回るCOPDが、巻きタバコ(cigarette)喫煙に起因するが、COPDを発症する喫煙者(感受性の喫煙者)は、わずか20%程度である。驚くべきことに、喫煙は、肺機能の障害のわずか約16%の原因としかならないことが、研究によって示される。兄弟姉妹(双子もそれ以外も)における一致を比較する多数の家族研究によって、強力な家族性の傾向が一貫して示され、COPD疾患感受性(または疾患改変)遺伝子の研究は進行中である。
【0003】
気道疾患の処置における進歩にもかかわらず、現在の治療は、呼吸の不全および死亡を生じる肺機能の進行性の損失を伴うCOPDの自然歴を有意に変更することはない。喫煙の中止は、肺機能における低下を軽減することが示されているが、喫煙の中止が、感受性の喫煙者にとって、喫煙の最初の20年程度のうちに達成されなければ、その損失は、無視できないものであり、息切れの悪化の症状は、避けられないものになる。喫煙者を補助する技術はまったく限られた成功しか有さないことが、喫煙中止研究によって示される。血清コレステロールの発見およびその冠動脈疾患に対する関連と同様に、リスクのある喫煙者を特定する試験を開発することができて、そして、喫煙の有害作用を低下させる新しい処置法を発見することができるように、COPDに寄与する要因をさらによく理解する必要がある。
【0004】
多数の疫学的研究によって、総喫煙量年数(pack year)20年以上の曝露用量で、肺機能における分布が、三峰性の傾向であることが一貫して示された。この三峰性とは、60年+の総喫煙量年数の後でさえ、正常な肺機能を維持する喫煙者(抵抗性喫煙者)の割合と、症状を決して発症しそうにない肺機能のおだやかな低下を示す割合と、必ずCOPDを発症する、肺機能の加速的な損失を示す割合とであった。このことは、喫煙者の中で3つの集団、すなわち、COPDの発症に抵抗性の集団、リスクのおだやかな集団、およびより高リスクの集団(感受性喫煙者と命名される)が存在することを示唆する。
【0005】
COPDの背景にある病態生理学は、まだ理解されていない。肺において巻きタバコの煙に対して曝されることによって、炎症性応答および酸化負荷の両方が生じ、これが少なくとも4つの過程を開始する。多数のサイトカインが局所的に放出されて、好中球およびマクロファージの両方が、肺に補充される。
【0006】
COPDは、異種の疾患であって、種々の程度まで、気腫および慢性気管支炎を包含するが、これらは、慢性のタバコの煙への曝露および他の空気汚染に由来する炎症性侵襲後の再構築過程の一部として発症する。多くの遺伝子が、COPDの発生に関与するようである。
【0007】
さらに、スパイロメーター(肺活量計)法によって測定された、肺機能の障害によって、閉塞性肺疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患、喘息、気管支拡張症、および細気管支炎)の存在、および/またはこのような閉塞性肺疾患に向かう傾向を診断する直接法(Subramanian Dら、1994)、ならびに冠動脈疾患、発作、および肺癌のような他の疾患からの罹患/死亡のリスクを評価する直接方法(Hole DJら、1996、Knuiman MWら、1999、Sorlie PDら、1989、Bang KMら、1993、Rodriguez BLら、1994、およびWeiss STら、1995)が提供されることが、疫学的研究によって示された。
スパイロメーター法によって現在測定されるような肺機能の障害は、慢性閉塞性肺疾患、喘息、気管支拡張症、および細気管支炎のような閉塞性肺疾患の存在および重篤度を評価する臨床的基礎であると長らく認識されている。慢性の喫煙の存在において、これらの障害は、1秒間努力呼気容量(FEV1)の低さ、推定の1秒間努力呼気容量パーセントの低さ、および努力肺活量を上回る1秒間努力呼気容量の比の低下によって反映されるような可逆性が最小の気道閉塞によって特徴付けられ得る(一般の参考文献)。
【0008】
過去20年間にわたる疫学的研究によって、COPD以外の死因(とりわけ、冠動脈疾患(CAD)、発作、および肺癌)による死亡リスクを有する、肺機能の障害(ほとんどの場合FEV1)の間の関連を検討した。これらは、慢性的に巻きタバコの煙に対して曝されたことの結果として十分に認識されるが、これらの合併症によって死亡する喫煙者はわずかな割合でしかないことが疫学的研究から明白である。しかし、逆に、COPDおよび肺癌の90%より多くが、慢性の巻きタバコの煙に対する曝露に起因する。喫煙は、冠動脈疾患の死亡に寄与する、最も重要なライフスタイルのリスクファクターと考えられる。疫学的研究によって多様な群の被験体を募集したが、彼らは、COPDだけでなく、CAD、発作、および肺癌による死亡についても、重大かつ独立したリスクファクターとして、FEV1(または関連の指標)の低下を、一貫して特定している(Hole DJら、1996、Kuniman MWら、1999、Sorlie PDら、1989、Athonisen NR、1989、Bang KMら、1993、Rodriguez BLら、1994、およびWeiss STら、1995)。これらの研究のうち最大のものでは、肺機能の障害に起因するCADによる死亡のリスクは、血清コレステロールについてのリスクと同じ程度大きかった(Hole DJら、1996)。CADについてのFEV1の低下と関連した死亡リスクは、喫煙者および非喫煙者の両方について見られるが、前者(喫煙者)において約2倍強力である(Hole DJら、1996)。
【0009】
慢性閉塞性肺疾患、肺癌、発作、および冠動脈疾患は全て家族性であること、ならびに慢性の巻きタバコの煙への曝露は、これらの疾患の発症に対する重要な環境上の寄与因子であることが、長らく認識されている。前向き研究によって、FEV1の低下は、これらの疾患全てに対するリスクの増大の確実な予測因子であることが示されたが、この感受性のために肺が、臨床的に十分、検出可能(肺機能試験の低下によって)であるほど損なわれるには、30年以上の慢性の喫煙を要するかもしれない。
【0010】
被験体が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような肺の障害を発症する素因、または肺機能の障害を発症する素因、ならびに閉塞性肺疾患の関連のリスク、ならびにCAD、発作、および肺癌のような関連の疾患のリスクを評価するために用いることができる方法を有することは、特に、被験体が喫煙者であるか、そして/または酸化的ストレスに対する感受性の増強を有する場合に、所望され、かつ有利である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、特定の遺伝子および遺伝子の群のプロモーター多形性、特に、細胞間質再構築、抗酸化的防御、炎症性応答、およびそれらのインヒビターに関与するプロモーター多形性が、コントロール被験体よりもCOPDを有する患者でしばしば見出されるという驚くべき知見に一部基づく。別の部分では、本発明は、これらの遺伝子、および/またはそれらの調節領域における多形性が、喫煙者における肺機能の障害の重篤度と関連するというさらなる驚くべき知見に基づく。
【0012】
今までのところ、COPD/気腫、または肺機能障害に対する寄与において、いくつかの「感受性」遺伝子改変体の集合効果(相加的、防御的、または相乗的)を評価することはできなかった。従って、COPD/気腫感受性遺伝子のいくつかの改変体(変異体、および/または多形性)の存在は、COPD/気腫、および/または肺機能障害を有するという、より大きいリスクを、単純な相加的モデルにおいて、付与するようである。
【0013】
従って、1つの局面によれば、慢性閉塞性肺疾患を発症する、被験体の素因を決定する方法が提供され、この方法は、細胞間質メタロプロテイナーゼをコードする遺伝子の調節領域、および/またはプロモーター領域における多形性の解析を包含し、ここでこれらの領域における変異の存在は、この疾患を発症する素因の指標である。
【0014】
別の局面によれば、喫煙者、または環境上のタバコの煙のような高レベルの空気汚染に曝された者である、被験体において、慢性閉塞性肺疾患を発症する素因を決定する方法が提供され、この方法は、細胞間質メタロプロテイナーゼの調節領域および/またはプロモーター領域における多形性の解析を包含し、ここで、細胞間質メタロプロテイナーゼをコードする遺伝子のこの調節領域および/またはプロモーター領域中の変異体の存在は、この疾患を発症する素因の指標である。
【0015】
別の局面によれば、慢性閉塞性肺疾患の発症の可能性を被験体において診断する方法が提供され、この方法は、細胞間質メタロプロテイナーゼの調節領域および/またはプロモーター領域における多形性の解析を包含し、ここで、細胞間質メタロプロテイナーゼのこのプロモーター領域における変異の存在は、この疾患の発症の可能性または重篤度の指標である。
【0016】
別の局面によれば、喫煙者、または環境上のタバコの煙のような高レベルの空気汚染に曝された者である、被験体において、慢性閉塞性肺疾患を発現の可能性を診断する方法が提供され、この方法は、細胞間質メタロプロテイナーゼの調節領域および/またはプロモーター領域における多形性の解析を包含し、ここで、細胞間質メタロプロテイナーゼのこのプロモーター領域中の変異体の存在は、この疾患の発現の可能性または重篤度の指標である。
【0017】
好ましくは、このメタロプロテイナーゼは、間質性コラゲナーゼ(細胞間質メタロプロテイナーゼ−1、すなわちMMP−1)、ゼラチナーゼB(細胞間質メタロプロテイナーゼ−9、すなわちMMP−9)、およびヒトマクロファージエラスターゼ遺伝子(MMP−12)から選択される。好ましい多形性(変異)は、間質性コラゲナーゼのプロモーターにおける1G/2G、ゼラチナーゼBのプロモーターにおけるC−1562T、およびヒトマクロファージエラスターゼ遺伝子のプロモーターにおけるA〜G−82多形性、および/またはこれらの多形性との連鎖不均衡における多形性である。
【0018】
調節性および/またはプロモーター多形性の上記決定が、メタロプロテイナーゼ遺伝子の1つまたは組み合わせで実行され得ることが、当業者に理解される。従って、COPDを発症する被験体の素因の評価は、例えば、間質性コラゲナーゼのプロモーター領域、またはゼラチナーゼBのプロモーター領域、またはマクロファージエスラスターゼのプロモーター領域のみの解析に基づいてもよい。しかし、これらの遺伝子の組み合わせの調節および/またはプロモーター多形性の組み合わせは、任意の組み合わせの2つまたは3つ全てが、本発明の方法において用いられることが好ましい。
【0019】
なお別の局面によれば、慢性閉塞性肺疾患を発症する、被験体の素因を決定する方法が提供され、この方法は、細胞間質再構築に関与するか、またはそれに関連する遺伝子の調節領域、および/またはプロモーター領域における多形性の組み合わせの解析を包含し、ここで、これらの領域中の多形性の存在は、この疾患を発症する素因の指標である。
【0020】
好ましくは、3つの細胞間質メタロプロテイナーゼ遺伝子の全て、すなわち、間質性コラゲナーゼ(細胞間質メタロプロテイナーゼ−1、すなわちMMP−1)、ゼラチナーゼB(細胞間質メタロプロテイナーゼ−9、すなわちMMP−9)、およびヒトマクロファージエラスターゼ遺伝子(MMP−12)における多形性が、本発明の方法において用いられる。
【0021】
しかし、メタロプロテイナーゼ遺伝子における多形性と組み合わせて、他の公知の遺伝子(例えば、α1アンチトリプシン、およびグルタチオンS−トランスフェラーゼ)における多形性は、本発明の方法において用いることができる。2つ以上の遺伝子多形性の任意の組み合わせは、本発明の方法において用いることができるが、必要に応じて、本明細書に記載される遺伝子の全てにおける多形性が用いられる。
【0022】
別の局面によれば、先の局面のいずれか1つの方法における使用のためのヌクレオチドプローブ、および/またはプライマーのセットが提供される。
【0023】
この好ましいプライマー、および/またはプローブは、本明細書に記載される関連遺伝子のプロモーターおよび調節領域の多形性領域にまたがるか、またはまたがるために用いることができる、ヌクレオチドプローブ、および/またはプライマーのセットである。
【0024】
本発明の文脈においては、「多形性(polymorphism)」という用語は、任意の改変体および変異体(遺伝子が全く存在しないか、または部分的に存在しない(例えば、ヌル(null)変異)ことを含む)を記載するために用いられることが理解される。
【0025】
慢性閉塞性肺疾患を発症する、被験体の潜在的なリスクを決定する方法であって、細胞間質メタロプロテイナーゼ、炎症性サイトカイン、および抗炎症性サイトカイン、細胞間質メタロプロテイナーゼのインヒビター、および酸化体の代謝に関与する酵素をコードする遺伝子の調節領域、および/またはプロモーター領域における多形性の解析を包含し、ここでこれらの領域における変異の存在が、COPDに対して防御的な遺伝子型の指標である、方法。
【0026】
喫煙者、または環境上のタバコの煙のような高レベルの空気汚染に曝された者である、被験体において、慢性閉塞性肺疾患を発症する潜在的リスクを決定する方法であって、細胞間質メタロプロテイナーゼ、炎症性サイトカイン、および抗炎症性サイトカイン、細胞間質メタロプロテイナーゼのインヒビター、および酸化体の代謝に関与する酵素をコードする遺伝子の調節領域および/またはプロモーター領域における多形性の解析を包含し、ここでこれらの領域における変異の存在が、COPDに対して防御的な遺伝子型の指標である、方法。
【0027】
好ましくは、このメタロプロテイナーゼは、間質性コラゲナーゼ(細胞間質メタロプロテイナーゼ−1、すなわちMMP−1)である。この好ましい多形性(変異)は、間質性コラゲナーゼの上記プロモーターにおける1G/2Gである。好ましい炎症性サイトカインは、トランスフォーミング成長因子β1であり、この好ましい多形性(変異)は、トランスフォーミング成長因子β1のコドン10におけるヌクレオチドTからCの置換である。この細胞間質メタロプロテイナーゼの好ましいインヒビターは、メタロプロテイナーゼ3の組織インヒビター(Tissue Inhibitor)であり、この好ましい多形性は、−1296位でのTからCの置換である。酸化体代謝に関与する好ましい酵素は、スーパーオキシドディスムターゼ3であり、そしてこの好ましい多形性(変異)は、760位でのCからGへの置換である。
【0028】
なお別の局面において、被験体の慢性閉塞性肺疾患の発症の潜在的リスクを決定する方法が提供され、この方法は、細胞間質メタロプロテイナーゼ、グルタチオントランスフェラーゼ、およびプロテアーゼインヒビターをコードする遺伝子の調節領域および/またはプロモーター領域における多形成の解析を包含し、ここでこれらの領域における変異の存在は、COPDに感受性の遺伝子型の指標である。
【0029】
さらなる局面において、喫煙者であるか、または環境上のタバコの煙のような高レベルの空気汚染に曝された者である被験体において、慢性閉塞性肺疾患を発症する潜在的リスクを決定する方法が提供され、この方法は、細胞間質メタロプロテイナーゼ、グルタチオントランスフェラーゼ、およびプロテアーゼインヒビターをコードする遺伝子の調節領域、および/またはプロモーター領域における多形性の解析を包含し、ここでこれらの領域における変異の存在が、COPDに対して感受性の遺伝子型の指標である。
【0030】
好ましくは、メタロプロテイナーゼは、マクロファージエラスターゼ(細胞間質メタロプロテイナーゼ−12、すなわちMMP−12)であり、そして好ましい多形性は、−82位でのAからGの置換である。好ましいグルタチオントランスフェラーゼは、グルタチオンSトランスフェラーゼ1であり、そしてこの好ましい多形性は、M1ヌル多形性である。この好ましいプロテアーゼインヒビターは、α1アンチトリプシンであり、そしてこの好ましい多形性は、3’Taq1多形性である。
【0031】
別の局面によれば、肺機能の障害を発症する、被験体の素因を決定する方法が提供され、この方法は、細胞間質再構築タンパク質(プロテアーゼ、および/またはそれらのインヒビターを含む)、炎症性タンパク質、および酸化的ストレス応答性タンパク質をコードする遺伝子における多形性の解析を包含し、ここでこの遺伝子の1つ以上における変異の存在は、肺機能の障害を発症する素因およびそれに関連する健康上のリスクの指標である。
【0032】
別の局面によれば、喫煙者である被験体か、または高レベルの酸化的ストレスに曝された被験体において、肺機能の障害を発症する素因を決定する方法が提供され、この方法は、細胞間質再構築タンパク質(プロテアーゼ、および/またはそれらのインヒビターを含む)、炎症性タンパク質、および酸化的ストレス応答性タンパク質をコードする遺伝子における多形性の解析を包含し、ここでこのタンパク質をコードする遺伝子の1つ以上における変異の存在は、肺機能の障害を発症する素因の指標である。
【0033】
別の局面によれば、肺機能の障害の発現の可能性を被験体において診断する方法が提供され、この方法は、細胞間質再構築タンパク質(プロテアーゼ、および/またはそれらのインヒビターを含む)、炎症性タンパク質、および酸化的ストレス応答性タンパク質をコードする遺伝子における多形性の解析を包含し、ここで、細胞間質再構築タンパク質(プロテアーゼ、および/またはそれらのインヒビターを含む)、炎症性タンパク質、および酸化的ストレス応答性タンパク質をコードする遺伝子の1つ以上における変異の存在は、肺機能の障害の発症の可能性、または重篤度の指標である。
【0034】
別の局面によれば、喫煙者である被験体か、または酸化的ストレスに曝された被験体において、肺機能の障害の発現の可能性を診断する方法が提供され、この方法は、細胞間質再構築タンパク質(プロテアーゼ、および/またはそれらのインヒビターを含む)、炎症性タンパク質、および酸化的ストレス応答性タンパク質をコードする遺伝子における多形性の解析を包含し、ここでこのタンパク質における変異の存在は、肺機能の障害の発現の可能性または重篤度の指標である。
【0035】
なお別の局面によれば、肺の障害に関連する疾患の罹患/死亡のリスクを発症する、被験体の素因を決定する方法が提供され、この方法は、細胞間質再構築、炎症、および酸化的ストレスに対する応答に関与するタンパク質をコードする遺伝子における多形性の解析を包含し、ここで、この遺伝子の1つ以上における変異の存在は、この疾患の罹患/死亡のリスクを発症する素因の指標である。
【0036】
好ましくは、この疾患は、慢性閉塞性肺疾患、冠動脈疾患、発作、および肺癌からなる群より選択される。
【0037】
好ましくは、この細胞間質再構築タンパク質は、α1−アンチトリプシン、間質性コラゲナーゼ(細胞間質メタロプロテイナーゼ−1、すなわちMMP−1)、ゼラチナーゼB(細胞間質メタロプロテイナーゼ−9、すなわちMMP−9)、およびヒトマクロファージエラスターゼ遺伝子(MMP−12)から選択される。好ましくは、酸化的ストレスタンパク質は、グルタチオンSトランスフェラーゼである。この好ましい多形性(変異)は、α1−アンチトリプシンの3’領域における1237のGからA、間質性コラゲナーゼのプロモーターにおける1G/2G、ゼラチナーゼBのプロモーターにおけるC−1562T、およびヒトマクロファージエラスターゼ遺伝子のプロモーターにおけるA〜G−82の多形性、および/またはこれらの多形性と連鎖不均衡である多形性である。好ましくは、酸化的ストレスタンパク質は、グルタチオンSトランスフェラーゼから選択される。
【0038】
感受性の多形性の決定が、細胞間質再構築タンパク質(プロテアーゼ、および/またはそれらのインヒビターを含む)、炎症性タンパク質、および酸化的ストレス応答性タンパク質をコードする遺伝子の1つ以上の組み合わせにおいて実行され得ることが当業者によって理解される。従って、肺機能の障害を発症する、被験体の素因の評価は、例えば、間質性コラゲナーゼのプロモーター領域、またはゼラチナーゼBのプロモーター領域、またはマクロファージエラスターゼのプロモーター領域のみの解析に基づいてもよい。しかし、これらの遺伝子の組み合わせの多形性は、任意の組み合わせの2つまたは3つ全てが、本発明の方法において用いられることが好ましい。
【0039】
なお別の局面によれば、肺機能の障害を発症する、被験体の素因を決定する方法が提供され、この方法は、細胞間質再構築タンパク質(プロテアーゼ、および/またはそれらのインヒビターを含む)、炎症性タンパク質、および酸化的ストレス応答性タンパク質をコードする遺伝子における2つ以上の多形性の解析を包含し、ここでこの遺伝子における変異の存在は、肺機能の障害を発症する素因の指標である。
【0040】
好ましくは、5つの遺伝子全てにおける多形性、すなわち、α1−アンチトリプシン、間質性コラゲナーゼ(細胞間質メタロプロテイナーゼ−1、すなわちMMP−1)、ゼラチナーゼB(細胞間質メタロプロテイナーゼ−9、すなわちMMP−9)、ヒトマクロファージエラスターゼ遺伝子(MMP−12)、およびグルタチオンSトランスフェラーゼにおける多形性が、本発明の方法において用いられる。
【0041】
別の局面によれば、先の局面のいずれか1つの方法における使用のためのヌクレオチドプローブ、および/またはプライマーのセットが提供される。
【0042】
この好ましいプライマー、および/またはプローブは、細胞間質再構築タンパク質(プロテアーゼ、および/またはそれらのインヒビターを含む)、炎症性タンパク質、および酸化的ストレス応答性タンパク質をコードする遺伝子、ならびに本発明の方法において用いられる他の遺伝子の多形性領域にまたがるか、またはまたがるために用いることができる、プライマー、および/またはプローブである。
【0043】
本明細書において「喫煙者(smokers)」という場合、その用語はまた、元喫煙者(ex-smokers)を包含することが意図される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
症例コントロール研究を用いて、本発明者らは、喫煙者および血液ドナーにおいて候補遺伝子のいくつかの遺伝的改変体(多形性)の頻度を比較した。これらの候補遺伝子のほとんどで、遺伝子発現またはタンパク質機能に対する機能的影響を確認した(またはそのようである)。詳細には、本発明者らは、血液ドナーコントロールと、抵抗性喫煙者と、COPDを有する者(早期発現を有する者と、正常な発現を有する者に小分割される)との間の多形性の頻度を比較した。本発明は、選択された候補遺伝子多形性に由来する防御性遺伝子型および感受性遺伝子型の両方が存在することを実証する。COPDは、多遺伝子の障害であり、多くの遺伝子型が、任意の1例の感受性の喫煙者におけるCOPDの発症に関与しているようであると考えれば、単なる単純な遺伝的モデルを調査してもよい(すなわち、感受性遺伝子型および防御的遺伝子型の正味の影響は未知である)。本明細書に記載される1つの実施形態においては、3つの感受性遺伝子多形性、および4つの防御的遺伝子多形性が同定される。これらの多形性の組み合わせ効果の統計学的解析によって、本発明の遺伝的アッセイは、COPDを発症するリスクが、より大きい喫煙者を同定するために用いることができることが示される。
【0045】
従って、本明細書に記載されるような、喫煙者および非喫煙者の十分規定された群におけるこれらの多形性の頻度の系統的解析によって、予測的な目的で、COPDの発症に特定のタンパク質を結び付けて、どの喫煙者が、肺機能の障害およびCOPDを発症するリスクが増大したかを特定する能力を改善することが可能である。
【0046】
これらの疾患の1つまたは組み合わせを罹患するのは、喫煙者のごく少数のみであるので、遺伝子機構の組み合わせ効果、および高い酸化体曝露を通じて、肺疾患(COPDおよび肺癌)に関連する喫煙のリスクが最高である「感受性喫煙者(susceptible smokers)」が存在し得る。現在までの疫学的知見を考えれば、この遺伝的感受性はまた、他の喫煙関連障害(例えば、CAD、および発作)に対する素因に伸展する可能性が高い。
【0047】
さらに、本発明者らは、FEV1の低下が、慢性の喫煙、および酸化的ストレスの有害な影響に対する一般的感受性のバイオマーカーであると考える。すなわち、慢性の酸化的ストレスの条件(慢性の巻きタバコの煙に対する曝露で見られるような)下で、細胞間質再構築、炎症、および/または酸化的ストレスに関与するタンパク質の活性において変化が存在する。長期間におよぶ、これらのタンパク質(代表的には酵素)の活性の変化によって、慢性閉塞性肺疾患を生じる、肺の炎症、線維症、および実質性の障害の促進がもたらされ、そして肺癌に寄与する。これらの同じプロセスが、動脈壁において生じ、それによって粥状斑の進行、および/または不安定性を促進し、冠動脈疾患および発作の発生がなければ、粥状斑の血栓形成への進行が生じる(Waltenberger J.2001)。次に、血栓形成が不安定狭心症(アンギナ)、急性心筋梗塞、および発作(その全てが高い死亡率を有する)の臨床的実態をもたらす。炎症、細胞間質再構築、および/または酸化的ストレスに対する応答の過程は、これらの臨床実態を特徴付ける斑の不安定性に寄与し得ることが提唱される。この状況では、FEV1の低下は、有害な細胞間質再構築、炎症、および酸化的ストレスによる障害の増強に対する感受性を有する者の間接的なバイオマーカーである。従って、これらの機構はFEV1を低下させ、そしてこれらの疾患についての死亡リスクは、細胞間質再構築タンパク質、炎症性タンパク質、および酸化的ストレスに対する個々の固有の応答の活性を通じて関連付けられ得る。FEV1の低下は、これらの疾患全てに対するリスクの増大の信頼性のある予測因子であるが、この感受性のために肺が臨床的に検出可能である(低下した肺機能試験による)のに十分であるほど障害されるまでには、30年以上の慢性の喫煙を要し得る。本発明の方法は、この不利な点を克服する。
【実施例】
【0048】
本発明は、非限定的な実施例を参照して、ここで、より詳細に記載される。
【0049】
(実施例1)
(予備的研究)
(1.1 被験体の募集)
COPDの悪化によって病院に入院した欧州人の家系の患者を、継続的に募集した。最小20年間の総喫煙量年数の間、喫煙して、70%未満のFEV1/FVC比(1秒間努力呼気容量/努力肺活量)、および70%未満のFEV1(予測パーセンテージとして)(アメリカ胸部学会基準を用いて測定した)を有する被験体として、COPDを規定した。専門の医師によってCOPDと診断された、上記の肺機能試験を有する患者を募集したが、その募集条件は、それらの患者が、50歳を超えており、かつ40歳を超えてから息切れの症状を発症した場合とした。喘息、気管支拡張症、または肺手術の病歴を有する患者は除外した。84例の患者を募集したが、その56%が男性であり、平均FEV1/FVC(±標準偏差)は、0.44(0.12)、平均FEV1(予測パーセンテージとして)は、33(13)であった。平均年齢および総喫煙量年数歴は、それぞれ73歳(9)、および45年(29)であった。PCRに基づく方法(Sandfordら、1999)を用いて、本発明者らは、α1−アンチトリプシン変異(S改変体およびZ改変体)についてCOPD群を遺伝子型特定したが、どれもZ対立遺伝子(MZ、SZ、ZZ遺伝子型)を有さなかった。本発明者らはまた、地域的な血液ドナーサービスを通じて継続的に募集した178例の欧州人の血液ドナー(喫煙状況不明)を研究した。55%が男性で、その平均年齢は、45歳であった。
【0050】
(1.2 MMP1プロモーター多形性遺伝子型特定)
ゲノムDNAを全血サンプルから抽出した(Maniatis,T、Fritsch,E.F.、およびSambrook,J.Molecular Cloning Manual.1989)。以前に公開された方法(Dunleaveyら、2000、その全体が参考として本明細書に援用される)のわずかな変法によって、MMP1プロモーター多形性を決定した。PCRオリゴヌクレオチドプライマーは、5’-TCG−TGA−GAA−TGT−CTT−CCC−ATT−3’(フォワードプライマー)、および5’−TCT−TGG−ATT−GAT−TTG−AGA−TAA−GTG−AAA−TC−3’(リバースプライマー)であった。PCR反応は、総容積25μl中で実行し、これには、50ngのゲノムDNA、10pmolのフォワードプライマー、およびリバースプライマー、100mM dNTP、10mM Tris−HCl(pH8.4)、50mM KCl、1.5mM MgCl、および1単位のTaqポリメラーゼを含んだ。サイクル時間は、95℃2分間のインキュベーション、その後の92℃45秒、60℃50秒、および72℃50秒の35サイクルであった。臭化エチジウムで染色した3%アガロースゲルの紫外透光によって、4μlのPCR産物(118bp)を可視化した。残りを10単位のAsp700(Roche Diagnostics,New Zealand)を用いて、37℃で4時間消化した。TBE緩衝液を用いて80Vで2.5時間泳動した3%アガロースゲル上で、消化した産物を分離した。このPCR産物は、2G対立遺伝子の存在下で未切断のまま(すなわち、118bp)であるか、または1G対立遺伝子の存在下で、100bpおよび17bpのバンドに切断された。上記の方法によって、遺伝子型1G1G、1G2G、または2G2Gを割り当てられた3つの被験体において、直接配列決定を実施して、後者が、1Gまたは2G対立遺伝子の有無を正確に特定したことを確認した。
【0051】
(1.3 MMP9プロモーター多形性遺伝子型)
実施例3に記載された同じ方法によって、全血からゲノムDNAを抽出した。プライマーgelb1(5’−GCC−TGG−CAC−ATA−GTA−GGC−CC−3’)、およびgelb2(5−CTT−CCT−AGC−CAG−CCG−GCA−TC−3’)を用いて、PCR(その全体が参考として本明細書において援用される、Zhang Bら、1999によって公開された方法の改変)によって、ゼラチナーゼB(MMP9)C−1562Tプロモーター多形性の遺伝子型特定を実施した。PCR増幅を、PTC−100サーモサイクラー(MJ Research、Inc.)において、25μlの反応混合物中で実施した。この反応混合物は、50ngのゲノムDNA、各々のプライマー50ng、20μMのdNTP、1.5mM MgCl、0.5単位Taq DNAポリメラーゼ、10mM Tris−HCl、50mM KCl、および0.001%ゼラチンであった。PCRサイクル条件は以下であった:初期変性段階、95℃、3分間、35サイクルのPCR(92℃、50秒間の変性、66℃48秒間のアニーリング、および72℃58秒間の伸長)、その後の72℃5分間の1サイクルの伸長。PCR産物の4μlのアリコートを、推奨される緩衝系において10Uの制限酵素SphI(LifeTech)を用いて、37℃で5時間消化した。全ての消化物を3%アガロースゲル上で分析した。上記の方法によって、遺伝子型CC、CT、またはTTを割り当てられた3つの被験体において、直接配列決定を実施して、後者が、CおよびTの対立遺伝子を正確に特定したことを確認した。
【0052】
(1.4 MMP12プロモーター多形性遺伝子型)
実施例3に記載された同じ方法によって、全血からゲノムDNAを抽出した。プライマーhmep1(5’−AGA−TAG−TCA−AGG−GAT−GAT−ATC−AGC−T−3’)、およびhmep2(5−GGC−TTG−TAG−AGC−TGT−TCA−GGG−3’)を用いて、PCR(その全体が参考として本明細書において援用される、Jormsjo Sら、2000によって公開された方法の改変)によって、ヒトマクロファージエラスターゼ(MMP12)A−82Gプロモーター多形性の遺伝子型特定を実施した。PCR増幅を、PTC−100サーモサイクラー(MJ Research、Inc.)において、25μlの反応混合物中で実施した。この反応混合物は、50ngのゲノムDNA、各々のプライマー50ng、20μMのdNTP、1.5mM MgCl、0.5単位Taq DNAポリメラーゼ、10mM Tris−HCl、50mM KCl、および0.001%ゼラチンであった。PCRサイクル条件は以下であった:初期変性段階、95℃、2分間、35サイクルのPCR(92℃、50秒間の変性、66℃48秒間のアニーリング、および72℃58秒間の伸長)、その後の72℃5分間の1サイクルの伸長。PCR産物の4μlのアリコートを、推奨される緩衝系において10Uの制限酵素PvuII(LifeTech)を用いて、37℃で5時間消化した。全ての消化物を3%アガロースゲル上で分析した。上記の方法によって、遺伝子型AA,AG、またはGGを割り当てられた3つの被験体において、直接配列決定を実施して、後者が、AおよびGの対立遺伝子を正確に特定したことを確認した。
【0053】
遺伝子型は、2名の研究者によって独立して割り当てられ、表現型(COPD、およびコントロール)の状態は伏せられていた。対立遺伝子および遺伝子型の頻度における相違を、コーンフィールド95%信頼限界(p≦0.05として採用した有意差によるイェーツ補正χ二乗検定)を用いて、オッズ比によって比較した。
【0054】
(1.5 MMP1/MMP9/MMP12プロモーター対立遺伝子、および遺伝子型頻度)
本発明者らの遺伝子型特定データの解析によって、ハーディ・ワインバーグ平衡が、両方のコホートにおいて満たされたこと、および有意差が見出されたことが示された(表1、2、および3に要約される)。
【表1】
Figure 2004532640
【表2】
Figure 2004532640
【表3】
Figure 2004532640
【0055】
上記のデータによって、MMP1 1G/2G、MMP9C−1562T、およびMMP12A−82Gのプロモーター多形性が、独立して、COPDの発症に対する感受性についての候補の遺伝子座であることが示される。MMP1の場合、2G対立遺伝子頻度、および2G2G遺伝子型頻度の両方が、健康なコントロール集団においてよりも、COPD患者において有意に多く広がっていた(それぞれ、60%対45%、および39%対21%)。同様に、MMP9の場合、T対立遺伝子頻度およびCT/TT遺伝子型頻度の両方が、健康なコントロール集団においてよりもCOPD患者において、有意に多く広がっていた(それぞれ、26%対15%、および47%対29%)。最後に、MMP12の場合、A対立遺伝子頻度、およびAA遺伝子型頻度の両方が、健常なコントロール集団よりもCOPD患者において有意に多く広がっていた(それぞれ、90%対80%、および80%対64%)。
【0056】
(1.6 α1−アンチトリプシン3’Taq1多形性の遺伝子型特定)
ゲノムDNAを、先の実施例のように、全血から抽出した。以前に公開されたプライマー(Sandford AJら、1997b)を用いて、以下の方法によって、α1−アンチトリプシン3’Taq1多形性を決定した。PCRオリゴヌクレオチドプライマーは、5’−CTA−CCA−GGA−ATG−GCC−TTG−TCC−3’(フォワードプライマー)、および5’−CTC−TCA−GGT−CTG-TGT−TCA−TCC−3’(リバースプライマー)であった。総容積25μl中で、PCR反応を実行し、この反応には、50ngのゲノムDNA,10pmolのフォワードプライマー、およびリバースプライマー、100mM dNTP、10mM Tris−HCl(pH8.4)、50mM KCl、1.5mM MgCl、および1単位のTaqポリメラーゼを含んだ。サイクル時間は、95℃2分間のインキュベーション、その後の94℃45秒、62℃40秒、および72℃45秒の35サイクル、ならびに72℃5分の最終サイクルであった。臭化エチジウムで染色した1.5%アガロースゲルの紫外透光によって、4μlのPCR産物(205bp)を可視化した。PCR産物の残りを10単位のTaq1制限酵素(Roche Diagnostics,New Zealand)を用いて、65℃で4時間消化した。TBE緩衝液を用いて80Vで2.5時間泳動した2%アガロースゲル上で、消化した産物を分離した。このPCR産物は、t(変異)対立遺伝子の存在下で、未切断のままであった(すなわち、205bp)が、T(野生型)対立遺伝子の存在下では、130bpおよび75bpのバンドに切断された。
【0057】
(1.7.グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)M1ヌル多形性の遺伝子型特定)
先の実施例のように、全血からゲノムDNAを抽出した。以前に公開された(Cantlay AMら、1994)プライマーを用いて、以下の方法によって、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)M1ヌル欠失多形性を決定した。PCRオリゴヌクレオチドプライマーは、5’−CTG−CCC−TAC−TTG−ATT−GAT−GG−3’;5’-ATC−TTC−TCC−TCT−TCT−GTC−TC−3’、および5’−TTC−TGG−ATT−GTA−GCA−GAT−CA−3’であった。総容積25μl中で、PCR反応を実行し、この反応には、50ngのゲノムDNA、各々のプライマーの50ng、20μM dNTP、10mM Tris−HCl(pH8.4)、50mM KCl、1.5mM MgCl、および0.5単位のTaqポリメラーゼを含んだ。サイクル時間は、95℃3分間のインキュベーション、その後の94℃45秒、56℃48秒、および72℃48秒の35サイクル、ならびに72℃3分の最終サイクルであった。臭化エチジウムで染色した2%アガロースゲルの紫外透光によって、6μlのPCR産物を可視化した。PCR産物は、202bpのバンド(増幅のためのGSTM4内部コントロール)、および正常なGSTM1(ホモ接合体、またはヘテロ接合体)の275bpのバンド、または275bpのバンドがない(GSTM1ヌル欠失についてのホモ接合性を示す)かのいずれかであった。
【表4】
Figure 2004532640
【表5】
Figure 2004532640
【0058】
この多形性は、調節性エレメントを含む領域に位置するが、インビトロ研究では、この遺伝子改変体からの重要な機能的効果を示すことができなかった(Sandfordら、1997)。GSTM1変異に関して、本発明者らは、コントロールにおいて42%、およびCOPD患者において65%の頻度を見出した。
【0059】
これらの遺伝的改変体の複合効果を、本発明者らのコントロールとして健常な喫煙者における類似の頻度を推測したロジスティック式(オッズ比推定)で評価した場合、COPDに対する傾向の約42%(95%、CI=31〜56%)が、5つ遺伝子型改変体の各々によって独立して説明できた。グラフ的に検討した場合、感受性の遺伝子改変体の数に対してプロットした、COPDを有する人の割合は、線形の関係であって、4つ以上の感受性の改変体を有する人においては、COPDを有する推定の尤度(可能性)が80%程度の高さを伴う線形であることが示された(図1を参照のこと)。
【0060】
本発明者らのCOPDコホートは、種々の程度の気腫、気管支炎、および可逆性気道閉塞(COPDの喘息成分)を有する患者の異種の群である可能性が高い。
【0061】
本研究によって、MMP1、MMP9、および/またはMMP12過剰発現が、若干の喫煙者におけるCOPDの発症の背景であり得るという証拠が得られ、そして、この過程の遺伝的基礎として、2G対立遺伝子(MMP1における)、T対立遺伝子(MMP9における)、およびG対立遺伝子(MMP12における)のプロモーター多形性が、初めて直接結び付けられる。
【0062】
上記のように、本研究において用いられるCOPDコホートは、COPDの一部として種々の重篤度の気腫を有する患者の異種の群である可能性が高い。本発明者らは、MMP 12G対立遺伝子、および/またはMMP9 T対立遺伝子、および/またはMMP12 A対立遺伝子の1つ、および/または組み合わせが、関連の細胞間質メタロプロテイナーゼの過剰発現、および気腫の引き続く発症を通じて、COPDの発症に対してそれらの影響を発揮するということを提唱する。しかし、慢性の巻きタバコへの曝露の炎症性刺激がMMP過剰発現を生じる方法は明確ではない。これに関して、巻きタバコの煙に応答して放出された炎症性サイトカインである(そしてCOPDの再構築に係わる)腫瘍壊死因子α(TNF−α)が、Ets転写因子結合部位のコア配列に結合することが示されているということは興味深い(von der Aheら、1993)。いかなる特定の作用機序によって拘束されることも望まないが、上記の多形性は、TNF−αのような炎症性刺激に対する応答性を増強し得るEts転写結合部位に関連し(その近位で見出されるかまたは生成する)、このことは、そのような喫煙者が気腫を発症するリスクをもたらすことが注目される。
【0063】
(実施例2)
(拡大研究)
COPDの発症に対して感受性の候補遺伝子座としてMMP1、9、および12のプロモーター多形性の予備的評価の後に、第二のさらに広範な研究が続いた。この研究は、TGFβ、SOD3、およびTIMP3の遺伝子の候補多形性の遺伝子型特定を含んだ。この研究は、防御的遺伝子型、および感受性遺伝子型の両方が、遺伝子のこのサブセット由来であり得るか否かを検討するためにデザインされた。
【0064】
(2.1 被験体の募集)
最小15年の総喫煙量年数、喫煙した、そして慢性閉塞性肺疾患(COPD)を有すると医師によって診断された欧州の家系の被験体を、2つの母集団から募集した。最初の群は、COPDの悪化によって入院した患者であって、以下の基準を満たした:50歳を超えており、かつ40歳以降に息切れの症状を発症しており、予測パーセンテージとして70%未満の1秒間努力呼気容量(FEV1)、および70%未満のFEV1/FVC比(1秒間努力呼気容量/努力肺活量)(アメリカ胸部学会基準を用いて測定した)を有した。111例の被験体を募集し、その58%が男性であり、メジアンFEV1/FVC(±四分位範囲(IRQ))は、44%(37〜50)であって、メジアンFEV1(予測パーセンテージとして)は、32(24〜47)であった。メジアン年齢および総喫煙量年数歴は、それぞれ73歳(66〜77)、および43年(30〜57)であった。募集した第二群は、息切れによって胸部外来診療科を訪れた群であって、その群は、臨床的およびスパイロメーターによるアセスメント後に、COPDを有すると診断され(胸部医師によって)、そして以下の基準を満たした:65歳未満で、かつ40歳以降に息切れの症状を発症しており、予測パーセンテージとして70%未満の1秒間努力呼気容量(FEV1)、および70%未満のFEV1/FVC比(1秒間努力呼気容量/努力肺活量)(アメリカ胸部学会基準を用いて測定した)を有した。61例の被験体を募集し、それらの43%が男性であって、メジアンFEV1/FVC(±四分位範囲(IRQ))は、44%(38〜55)であって、メジアンFEV1(予測パーセンテージとして)は、37(24〜47)であった。メジアン年齢および総喫煙量年数歴は、それぞれ58歳(53〜62)、および41年(31〜52)であった。PCRに基づく方法(Sandfordら、1999)を用いて、本発明者らは、α1アンチトリプシン変異体(SおよびZ改変体)について両方のCOPD群を遺伝子型特定して、Z対立遺伝子(MZ、SZ、ZZ遺伝子型)を有するものを除外した。本発明者らは、また、85例の欧州人の被験体であって、最低20総喫煙量年数、喫煙し、かつ過去に息切れを被ったことも、閉塞性肺疾患(詳細には、喘息または慢性閉塞性肺疾患)と診断されたこともない被験体を研究した。このコントロール群は、老人クラブを通して募集したが、58%の男性から構成され、メジアンFEV1/FVC(±IQR)は、82%(76〜88)であって、メジアンFEV1(予測パーセンテージとして)は、94(87〜101)であった。メジアン年齢および総喫煙量年数歴は、それぞれ52歳(46〜61)、および38年(25〜59)であった。本発明者らはまた、178例の欧州人の血液ドナー(喫煙状態不明)を募集したが、これは、地域の血液ドナーサービスを通じて継続的に募集した。55%が男性で、その中央年齢は45歳であった。
【0065】
コントロールに比べて、COPD患者において大きい頻度で見出された多形性は、肺機能障害、およびCOPDの発症に対する感受性の増大を反映し得ることが、本研究によって示される。同様に、感受性の喫煙者(COPD患者)に比べて、耐性の喫煙者で大きい頻度で見出される多形性は、防御的役割を反映し得る。
【表12】
Figure 2004532640
【0066】
(2.2 トランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)コドン10多形性の遺伝子型特定)
全血サンプルからゲノムDNAを抽出した(Maniatis,T.、Fritsch,E.F.、およびSambrook,J.,Molecular Cloning Manual.1989)。この(TGFβ)コドン10多形性を以前に公開された方法のわずかな変法によって決定した(参考として本明細書に援用される、Syrrisら、1998)。PCRオリゴヌクレオチドプライマーは、5’−ACC ACA CCA GAA ATG TTC GC−3’(フォワードプライマー)、および5’−AGT AGC CAC AGC GGT AGC AGC TGC−3’(リバースプライマー)であった。PCR反応を、総容積25μlで実行したが、これには、20ngのゲノムDNA、500pmolのフォワードプライマー、およびリバースプライマー、0.2mM dNTP、10mM Tris−HCl(pH8.4)、150mM KCl、1.0mM MgCl、および1単位のTaqポリメラーゼ(Life Technologies)を含んだ。サイクル時間は、95℃3分間のインキュベーション、その後の94℃50秒、66℃60秒、および72℃60秒の33サイクルであった。次に、72℃10分の最終伸長を続けた。臭化エチジウムで染色した3%アガロースゲルの紫外透光によって、4μlのPCR産物を可視化した。増殖産物の3μlのアリコートを4単位のPstI(Roche Diagnostics,New Zealand)を用いて、37℃で1時間消化した。消化した産物を、TBE緩衝液を用いて80mVで2.0時間泳動した2.5%アガロースゲル上で分離した。臭化エチジウム染色後に紫外透光を用いて、この産物を123bpのラダーに対して可視化した。ロイシン(L)対立遺伝子の存在において、この110pbの産物のサイズは86bp、および24bpの産物に切断されたが、プロリン(P)対立遺伝子の存在下では、この増幅産物は未切断のまま残った。上記の方法によって、遺伝子型LL、LP、およびPPを割り当てられた3つの被験体において、直接配列決定を実施して、後者が、LまたはP対立遺伝子の有無を正確に特定したことを確認した。
【0067】
(2.3 スーパーオキサイドディスムターゼ3(SOD3)C+760G(Arg213Gly)多形性の遺伝子型特定)
全血サンプルからゲノムDNAを抽出した(Maniatis,T.、Fritsch,E.F.、およびSambrook,J.,Molecular Cloning Manual.1989)。以前に公開された方法のわずかな変法によって、SOD 3C+760G多形性を決定した(参考として、本明細書において援用されたUkkolaら、2001)。PCRオリゴヌクレオチドプライマーは、5’−GCA ACC AGG CCA GCG TGG AGA ACG GGA A−3’(フォワードプライマー)、および5’−CCA GAG GAG AAG CTC AAA GGC AGA−3’(リバースプライマー)であった。PCR反応を25μlの総容積中で実行したが、これには、175ngのゲノムDNA、1nmolのフォワードプライマー、およびリバースプライマー、0.1mM dNTP、10mM Tris−HCl(pH8.4)、150mM KCl、1.0mM MgCl、および0.5単位Taq ポリメラーゼ(Life Technologies)を含んだ。サイクル時間は、95℃3分間のインキュベーション、その後の94℃50秒、66℃60秒、および72℃60秒の33サイクルであった。次に、72℃10分の最終伸長を続けた。臭化エチジウムで染色した3%アガロースゲルの紫外透光によって、4μlのPCR産物を可視化した。増幅産物の3μlのアリコートを10単位のMwoI(Roche Diagnostics,New Zealand)を用いて、60℃で1時間消化した。消化した産物(221bp)を、TBE緩衝液を用いて80Vで1.0時間泳動した3.5%アガロースゲル上で分離した。臭化エチジウム染色後に紫外透光を用いて、この産物を123bpのラダーに対して可視化した。Gly−213(またはG)対立遺伝子の存在において、この221pbの産物のサイズは切断されなかったが、野生型Arg213(またはC)対立遺伝子の存在下では、この産物は2つのバンドに切断される。上記の方法によって、遺伝子型CC、およびCGを割り当てられた3つの被験体において、直接配列決定を実施して、後者が、CまたはG対立遺伝子の有無を正確に特定したことを確認した。
【0068】
(2.4 メタロプロテイナーゼ3(TIMP3)T−1296Cプロモーター多形性の組織インヒビターの遺伝子型特定)
全血サンプルからゲノムDNAを抽出した(Maniatis,T.、Fritsch,E.F.、およびSambrook,J.,Molecular Cloning Manual.1989)。以前に公開された方法(参考として、本明細書において援用されたBeranek、2000)のわずかな変法によって、TIMP 3T−1296Cプロモーター多形性を決定した。PCRオリゴヌクレオチドプライマーは、5’−CAA AGC AGA ATC AAG ATG TCA AT−3’(フォワードプライマー)、および5’−CTG GGT TAA GCA ACA CAA AGC−3’(リバースプライマー)であった。PCR反応を25μlの総容積中で実行したが、これには、1μgのゲノムDNA、10pmolのフォワードプライマー、およびリバースプライマー、0.2mM dNTP、10mM Tris−HCl(pH8.4)、50mM KCl、1.5mM MgCl、および0.7単位Taq ポリメラーゼ(Life Technologies)を含んだ。サイクル時間は、95℃5分間のインキュベーション、その後の95℃30秒、61℃60秒、72℃30秒の30サイクルであった。次に、72℃10分の最終伸長を続けた。臭化エチジウムで染色した3%アガロースゲルの紫外透光によって、4μlのPCR産物を可視化した。増幅産物の10μlのアリコートを5単位のAluI(Roche Diagnostics,New Zealand)を用いて、37℃で一晩消化した。消化した産物(221bp)を、TBE緩衝液を用いて80Vで1.0時間泳動した3.5%アガロースゲル上で分離した。臭化エチジウム染色後に紫外透光を用いて、この産物を123bpのラダーに対して可視化した。T対立遺伝子の存在において、この消化されたバンドは、201、128、69、53、および32であったが、C対立遺伝子の存在下では、この消化されたバンドは、201、160、69、および55バンドであった。上記の方法によって、遺伝子型TT、TC、およびCCを割り当てられた3つの被験体において、直接配列決定を実施して、後者が、TまたはC対立遺伝子の有無を正確に特定したことを確認した。
【0069】
(COPD遺伝子関連研究の複合した結果(表9にまとめた))
表3、4、および5に示した比較によって、MMP12A対立遺伝子/AA遺伝子型(−82プロモーター)、α1−アンチトリプシンt対立遺伝子Tt/tt遺伝子型(1237 3’領域)、およびGSTM1nn(ヌル)遺伝子型は、コントロールに比べてCOPD患者において、有意に頻度が増大されることが示される。表1、6、7、および8に示される結果によって、MMP12G対立遺伝子/2G2G遺伝子型(−1607プロモーター)、P対立遺伝子/PP遺伝子型(コドン10)、G対立遺伝子/CG遺伝子型(+760エキソン)、およびTT遺伝子型(−1296プロモーター)は、COPD患者に比べて、耐性喫煙者において有意に頻度が増大されることが示される。
【表1a】
Figure 2004532640
【表1b】
Figure 2004532640
【表2a】
Figure 2004532640
【表2b】
Figure 2004532640
【表3a】
Figure 2004532640
【表3b】
Figure 2004532640
【表4a】
Figure 2004532640
【表4b】
Figure 2004532640
【表5a】
Figure 2004532640
【表5b】
Figure 2004532640
【表6a】
Figure 2004532640
【表6b】
Figure 2004532640
【表7a】
Figure 2004532640
【表7b】
Figure 2004532640
【表8a】
Figure 2004532640
【表8b】
Figure 2004532640
【表9】
Figure 2004532640
【0070】
(複合解析のまとめ)
表10および11は、COPD患者と、耐性喫煙者と、コントロールとの間の0、1、および≧2の頻度の防御的遺伝子型または感受性遺伝子型を比較する結果をまとめる。COPDを有する喫煙者では、耐性喫煙者に比べて、0の防御的遺伝子型を有する人数が有意に多かった。反対に、耐性喫煙者では、COPDを有する喫煙者に比べて、≧2の防御的遺伝子型を有する人数が有意に多かった。0.1および≧2の頻度の感受性遺伝子型を比べた場合、COPDを有する喫煙者では、血液ドナーコントロールに比べて、≧2の感受性遺伝子型を有する人数が有意に多かった。コントロールでは、COPDを有する喫煙者に比べて、0の感受性遺伝子型を有する人数が、有意に多かった。
【表10a】
Figure 2004532640
【表10b】
Figure 2004532640
【表11a】
Figure 2004532640
【表11b】
Figure 2004532640
図2は、表10のデータをグラフで示す。このリスク推定(標準化された比によって定量した)によって、本研究における防御的遺伝子型が0であることは、COPDを有する喫煙者のリスクを167%まで有意に増大することが示される。逆に、この解析によって、2つ以上の防御的遺伝子型を有する喫煙者が、COPDを有するリスクは67%低下されることが示される。遺伝的試験の前に喫煙者においてCOPDの背景リスクが約20%であるとすると、防御的遺伝子型が0であることは、このリスクを有意に増大する。図3は、表11のデータをグラフで示す。このリスク推定解析によって、リスクの有意な相違は示されなかったが、2つ以上の感受性遺伝子型がある場合、喫煙者がCOPDを有するリスクが大きいことを示す傾向が明らかであった。図4〜6は、防御的遺伝子型の数が多いほど、喫煙者においては肺機能がより大きい傾向であることを示す。
【0071】
(拡大研究の考察)
本研究によって、慢性の喫煙から、肺機能障害およびCOPDを被るリスクの増大を、単独で、または組み合わせて予測する、遺伝子多形性を同定する、新規な有用性が示される。このリスクの増大の基礎は、以下に起因する可能性が高い:(1)遺伝子発現またはタンパク質機能を変更することが見出された多形性の直接効果、または(2)これらの多形性が、これらの直接効果を有する他の変異と連鎖不均衡(一緒に一貫して遺伝された遺伝的改変体)である、間接的効果。COPDが、喫煙者における多くの多形性の複合効果から生じるという本発明者らの仮説と一致して、本研究は、いくつかの相関する病態生理学的過程に関与するタンパク質をコードするいくつかの遺伝子が、関与することを示した。詳細には、本研究の結果は、炎症性応答(TGFβ1)、抗酸化防御、(SOD3、GSTM1)、および細胞間質再構築(プロテアーゼ(MMP1、MMP12)、およびそれらのインヒビター(α1アンチトリプシン、TIMP3)を含む)に関与するタンパク質をコードする遺伝子における遺伝的改変が、COPDの発症に寄与する可能性が高いことを示す。本明細書に記載される遺伝的改変体は、喫煙者におけるCOPDの(ただしそれら自体の)発症に寄与する上記の病態生理学的過程からの遺伝的改変体の総計のサンプルしか示さないようであり、肺機能障害について平均よりもリスクが高い喫煙者を同定する能力を有意に増大する。これに関して、血清コレステロールのような他の生物学的アッセイと同様、本発明の方法は、将来の疾患が、病態生理学的にまたは臨床的に発現する前に、その疾患に対する素因を診断するために用いることができる。肺機能の障害を生じる過程は、COPDを発症するリスクを越えて伸展する(ただし、冠動脈疾患、発作、および肺癌を含む)ことが、疫学的研究によって示される。実際、本研究において記載された多くのタンパク質は、血管の疾患(冠動脈疾患、および発作)および癌に係わっており、このことは、巻きタバコの煙に曝された、血管の疾患および癌について平均よりもリスクが大きい者を同定するのにおいて、本明細書に記載の発明における有用性を示唆する。
【0072】
(実施例3)
(肺機能障害の研究)
(3.1 被験体の募集)
最低20年の総喫煙量年数喫煙していた、欧州の家系の被験体を、2つの供給源から募集した。最初の群は、肺機能の有意な障害を有すると医師によって診断された患者(この場合、慢性閉塞性肺疾患と呼ばれた)であって、以下の基準を満たした:50歳を超えており、かつ40歳を超えてから息切れの症状を発症し、予測パーセンテージとして70%未満の1秒間努力呼気容量(FEV1)、および70%未満のFEV1/FVC比(1秒間努力呼気容量/努力肺活量)(アメリカ胸部学会基準を用いて測定した)を有した。84例の被験体を募集し、その56%が男性であり、平均FEV1/FVC(±標準偏差)は、0.44(0.12)であって、平均FEV1(予測パーセンテージとして)は、33(13)であった。平均年齢および総喫煙量年数歴は、それぞれ73歳(9)、および45年(29)であった。PCRに基づく方法(Sandfordら、1999)を用いて、本発明者らは、α1アンチトリプシン変異体(SおよびZ改変体)についてCOPD群を遺伝子型特定したが、どれもZ対立遺伝子(MZ、SZ、ZZ遺伝子型)を有さなかった。本発明者らは、また、58例の欧州人の被験体であって、最低20年の総喫煙量年数、喫煙し、かつ過去に息切れを被ったことも、閉塞性肺疾患(詳細には、喘息または慢性閉塞性肺疾患)と診断されたこともない被験体を研究した。このコントロール群は、老人クラブを通して募集したが、57%の男性から構成され、平均FEV1/FVC(±標準偏差)は、0.82(0.08)であって、平均FEV1(予測パーセンテージとして)は、97(11)であった。平均年齢および総喫煙量年数歴は、それぞれ54歳(11)、および46年(28)であった。
【0073】
遺伝子型特定法、および候補遺伝子は、前の実施例に記載のとおりである。
【0074】
(3.2 正常な肺機能、および肺機能の障害を有する喫煙者における、5つの遺伝的改変体を、個々に、および集団として比較する結果)
喫煙者を肺機能の3分位(tertiles)(FEV1予測パーセント、絶対的FEV1、およびFEV1/FVC)に小分割したとき、本発明者らは、最低の3分位群において、過剰の感受性の遺伝的改変体へ向かうという有意な傾向を見出す(以下の表1〜3を参照のこと)。
【表13】
Figure 2004532640
【表14】
Figure 2004532640
【表15】
Figure 2004532640
【0075】
肺機能に対する1つ以上の感受性改変体を有することの全体的な効果を以下のボックスプロットで検討する。遺伝子感受性改変体の数の増大につれて、徐々に肺機能(FEV1予測パーセント、絶対FEV1、およびFEV1/FVC)の悪化が生じるという一貫した傾向がある(図1〜3を参照のこと)。
【0076】
ロジスティック回帰分析(全ての変数について調節した後)において、ステップワイズ変数選択によって、肺機能の各々のパラメーターについて、有意に関連したいくつかの遺伝的要因、および非遺伝的要因を見出した(以下の表4にまとめた)。
【表16】
Figure 2004532640
【0077】
(結果の考察)
本発明者らの研究の結果によって、本発明者らの感受性改変体は、喫煙者の群において、肺機能の障害と関連することが示される。これは、ボックスプロットに示される、肺機能に対する遺伝子型の影響を本発明者らが分析する場合である(図1〜3)。詳細には、ボックスプロットの結果は、感受性改変体の数によって被験体を分割するとき、肺機能障害との強力な逆線形関係(後者が、絶対的FEV1、FEV1予測パーセント、またはFEV1/FVCのいずれによって評価されようと)が示されることを示す。逆に、被験体をその肺機能によって3分位に分割する場合、その結果によって、最も障害された肺機能を有する被験体が、本発明者らの感受性遺伝子改変体の最大の頻度を有することが一貫して示される(表1〜3を参照のこと)。最後に、ステップワイズロジスティック回帰において、ほとんどの共分散について調整した後、ヒトマクロファージエラスターゼ遺伝子およびグルタチオンSトランスフェラーゼ遺伝子の感受性改変体は、肺機能障害に寄与する(表4を参照のこと)。
【0078】
本発明の方法およびその応用に対して直接関連するのは、連鎖不均衡である。これは、遺伝的な現象であって、2つ以上の変異体または多形性が、かなり密接な遺伝的近接性であって、それらが実質的に常に同時遺伝される、現象である。このことは、1つの多形性についての遺伝子型特定において、連鎖不均衡において別の多形性の存在が推測され得ることを意味する。従って、本明細書に記載の遺伝的改変体との連鎖不均衡にある任意の遺伝的改変体(変異体、または多形性)はまた、本明細書に記載の本発明の概念に包含される。このような改変体は、本明細書に含まれる刊行物において、および確立された文献において記載される。
【0079】
上記のデータは、肺機能の障害が、慢性呼吸疾患(COPD、喘息、気管支拡張症、細気管支炎)に対する素因、およびそれによる死亡だけではなく、心臓血管疾患(冠動脈疾患、および発作)、および特定の癌(肺癌)のための有用な診断試験であるという疫学的知見の背景にある新規な生物学的関連性を提供する。本発明は、特定の遺伝的感受性改変体であって、肺機能の障害を決定するだけでなく、アテローム発生/血栓症、および癌を生じる病態生理学的過程の背景にも関与する、遺伝的な感受性改変体を特定する。
【0080】
本発明は、特定の実施例および好ましい実施形態を参照して記載されたが、本明細書に記載される本発明の概念の原理および趣旨を組み込む改変および変更がまた、本発明の範囲内であることは、当業者に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】感受性の遺伝子改変体の数に対してプロットした、COPDを有する人の割合であって、これは、線形の関係を示し、この関係は、4つ以上の感受性の改変体を有する人においては、COPDを有する推定の尤度が80%程度の高さである。
【図2】表10におけるデータのグラフ表示。このリスク推定(標準化された比によって定量される)によって、この研究における防御的遺伝子型の存在が0であれば、喫煙者がCOPDを有するリスクは167%まで有意に増大することが示される。逆に、この解析によって、喫煙者(2つ以上の防御的遺伝子型を有する)がCOPDを有するリスクは、67%低下することが示される。遺伝子試験の前に、喫煙者におけるCOPDの背景的リスクが約20%であることを考慮すれば、防御的遺伝子型の存在が0であれば、このリスクは有意に増大する。
【図3】表11におけるデータのグラフ表示。リスク推定解析によって、リスクには有意な相違はないことが示されたが、傾向としては、2つ以上の感受性遺伝子型の存在において喫煙者がCOPDを有するリスクがより大きいことが明らかに示された。
【図4】図4は、防御的遺伝子型の数が増大している喫煙者において、肺機能が、より大きいという傾向を示す。
【図5】図5は、防御的遺伝子型の数が増大している喫煙者において、肺機能が、より大きいという傾向を示す。
【図6】図6は、防御的遺伝子型の数が増大している喫煙者において、肺機能が、より大きいという傾向を示す。
【図7】図7は、喫煙者における予測FEV1パーセントと遺伝的感受性改変体の数との関係を示すグラフである。
【図8】図8は、喫煙者における絶対FEV1と遺伝的感受性改変体の数との関係を示すグラフである。
【図9】図9は、喫煙者におけるFEV1/FVCと遺伝的感受性改変体の数との関係を示すグラフである。
【引用文献】
【0082】
【文1】
【0083】
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【文2】
【0084】
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【文3】
【0085】
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【文4】
【0086】
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【文5】
【0087】
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【文6】
【0088】
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【文7】
【0089】
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Claims (52)

  1. 慢性閉塞性肺疾患を発症する、被験体の素因を決定する方法であって、細胞間質メタロプロテイナーゼをコードする遺伝子の調節領域および/またはプロモーター領域における多形性の解析を包含し、ここで、これらの領域中の変異体の存在は、該疾患を発症する素因の指標である、方法。
  2. 喫煙者、または環境上のタバコの煙のような高レベルの空気汚染に曝された者である、被験体において、慢性閉塞性肺疾患を発症する素因を決定する方法であって、細胞間質メタロプロテイナーゼの調節領域および/またはプロモーター領域における多形性の解析を包含し、ここで、細胞間質メタロプロテイナーゼをコードする遺伝子の該調節領域および/またはプロモーター領域中の変異体の存在は、該疾患を発症する素因の指標である、方法。
  3. 慢性閉塞性肺疾患の発症の可能性を被験体において診断する方法であって、細胞間質メタロプロテイナーゼの調節領域および/またはプロモーター領域における多形性の解析を包含し、ここで、細胞間質メタロプロテイナーゼの該プロモーター領域における変異の存在は、該疾患の発症の可能性または重篤度の指標である、方法。
  4. 喫煙者、または環境上のタバコの煙のような高レベルの空気汚染に曝された者である、被験体において、慢性閉塞性肺疾患を発症の可能性を診断する方法であって、細胞間質メタロプロテイナーゼの調節領域および/またはプロモーター領域における多形性の解析を包含し、ここで、細胞間質メタロプロテイナーゼの該プロモーター領域中の変異の存在は、該疾患の発症の可能性または重篤度の指標である、方法。
  5. 前記メタロプロテイナーゼが、間質性コラゲナーゼ(細胞間質メタロプロテイナーゼ−1、すなわちMMP−1)、ゼラチナーゼB(細胞間質メタロプロテイナーゼ−9、すなわちMMP−9)、およびヒトマクロファージエラスターゼ遺伝子(MMP−12)から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記多形性(変異)が、間質性コラゲナーゼの前記プロモーターにおける1G/2G、ゼラチナーゼBの前記プロモーターにおけるC−1562T、およびヒトマクロファージエラスターゼ遺伝子のプロモーターにおけるA〜G−82多形性、および/またはこれらの多形性との連鎖不均衡における多形性である、請求項1〜5にいずれか1項に記載の方法。
  7. 調節性および/またはプロモーター多形性の前記決定が、二個以上のメタロプロテイナーゼ遺伝子で実行される請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 慢性閉塞性肺疾患を発症する、被験体の素因を決定する方法であって、細胞間質再構築に関与するか、または関連する遺伝子の調節領域および/またはプロモーター領域における多形性の組み合わせの解析を包含し、ここで、これらの領域中の多形性の存在は、該疾患を発症する素因の指標である、方法。
  9. 前記決定が、間質性コラゲナーゼ(細胞間質メタロプロテイナーゼ−1、すなわちMMP−1)、ゼラチナーゼB(細胞間質メタロプロテイナーゼ−9、すなわちMMP−9)、およびヒトマクロファージエラスターゼ遺伝子(MMP−12)における多形性で実行される、請求項8に記載の方法。
  10. α1アンチトリプシン、および/またはグルタチオンS−トランスフェラーゼ遺伝子における多形性、および/またはこれらの多形性との連鎖不均衡における多形性の決定をさらに包含する、請求項8または9に記載の方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法における使用のためのヌクレオチドプローブ、および/またはプライマーのセット。
  12. 該ヌクレオチドプローブ、および/またはプライマーが、前記遺伝子のプロモーターおよび調節領域の多形性領域にまたがるか、またはまたがるために用いることができる、請求項11に記載のヌクレオチドプローブ、および/またはプライマーのセット。
  13. 肺機能の障害を発症する、被験体の素因を決定するための方法であって、細胞間質再構築、炎症、および酸化的ストレスに対する応答に関与するタンパク質をコードする遺伝子における多形性の解析を包含し、ここで該遺伝子の1つ以上における変異の存在は、肺機能の障害を発症する素因の指標である、方法。
  14. 喫煙者である被験体、または高レベルの空気汚染に曝された被験体において、肺機能の障害を発症する素因を決定する方法であって、細胞間質再構築、炎症、および酸化的ストレスに対する応答に関与するタンパク質をコードする遺伝子における多形性の解析を包含し、ここで該遺伝子の1つ以上における変異の存在は、肺機能の障害を発症する素因の指標である、方法。
  15. 被験体において、肺機能の障害の発現の可能性を診断する方法であって、細胞間質再構築、炎症、および酸化的ストレスに対する応答に関与するタンパク質をコードする遺伝子における多形性の解析を包含し、ここで該遺伝子の1つ以上における変異の存在は、肺機能の障害の発現の可能性の指標である、方法。
  16. 喫煙者である被験体、または高レベルの空気汚染に曝された被験体において、肺機能の障害の発現の可能性を診断する方法であって、細胞間質再構築、炎症、および酸化的ストレスに対する応答に関与するタンパク質をコードする遺伝子における多形性の解析を包含し、ここで該遺伝子の1つ以上における変異の存在は、肺機能の障害を発症する素因の指標である、方法。
  17. ここで前記細胞間質再構築、または炎症性タンパク質が、間質性コラゲナーゼ(細胞間質メタロプロテイナーゼ−1、すなわちMMP−1)、ゼラチナーゼB(細胞間質メタロプロテイナーゼ−9、すなわちMMP−9)、およびヒトマクロファージエラスターゼ遺伝子(MMP−12)、α1−アンチトリプシン遺伝子、および酸化的ストレス応答性タンパク質グルタチオントランスフェラーゼ(GST)から選択される、請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. ここで前記多形性(変異)が、間質性コラゲナーゼの前記プロモーターにおける1G/2G、ゼラチナーゼBの前記プロモーターにおけるC−1562T、ヒトマクロファージエラスターゼ遺伝子のプロモーターにおけるA〜G−82多形性、G1237A3’α1アンチトリプシン多形性、GSTM1ヌル多形性、および/またはこれらの多形性との連鎖不均衡における多形性/変異である、請求項13〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 機能性多形性の前記決定が、細胞間質再構築、炎症、および酸化的ストレスに対する応答に関与するタンパク質をコードする2つ以上の遺伝子において実行される請求項13〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 肺機能の障害を発症する、被験体の素因を決定する方法であって、細胞間質再構築、炎症、および酸化的ストレスに対する応答に関与するか、または関連する遺伝子の多形性の組み合わせの解析を包含し、ここでこれらの領域における多形性の存在は、肺機能の障害の発症の素因の指標である、方法。
  21. 請求項20に記載の方法であって、前記決定が、間質性コラゲナーゼ(細胞間質メタロプロテイナーゼ−1、すなわちMMP−1)、ゼラチナーゼB(細胞間質メタロプロテイナーゼ−9、すなわちMMP−9)、およびヒトマクロファージエラスターゼ遺伝子(MMP−12)、α1−アンチトリプシン遺伝子、および酸化的ストレス応答性タンパク質グルタチオントランスフェラーゼ(GST)から選択される細胞間質再構築、または炎症性タンパク質における多形性において実行される、方法。
  22. 請求項13〜21のいずれか1項に記載の方法における使用のためのヌクレオチドプローブ、および/またはプライマーのセット。
  23. 障害された肺に関連する疾患の罹患/死亡のリスクを発症する、被験体の素因を決定するための方法であって、細胞間質再構築、炎症、および酸化的ストレスに対する応答に関与するタンパク質をコードする遺伝子における多形性の解析を包含し、ここで該遺伝子の1つ以上における変異の存在は、該疾患の罹患/死亡のリスクを発症する素因の指標である、方法。
  24. 前記疾患が、慢性閉塞性肺疾患、冠動脈疾患、発作、および肺癌からなる群より選択される、請求項23に記載の方法。
  25. ここで前記細胞間質再構築または炎症性タンパク質が、間質性コラゲナーゼ(細胞間質メタロプロテイナーゼ−1、すなわちMMP−1)、ゼラチナーゼB(細胞間質メタロプロテイナーゼ−9、すなわちMMP−9)、およびヒトマクロファージエラスターゼ遺伝子(MMP−12)、α1−アンチトリプシン遺伝子、および酸化的ストレス応答性タンパク質グルタチオントランスフェラーゼ(GST)から選択される、請求項23、または請求項24に記載の方法。
  26. ここで前記多形性(変異体)が、間質性コラゲナーゼのプロモーターにおける1G/2G、ゼラチナーゼBのプロモーターにおけるC−1562T、ヒトマクロファージエラスターゼ遺伝子のプロモーターにおけるA〜G−82多形性、G1237A3’α1アンチトリプシン多形性、GSTM1ヌル多形性、および/またはこれらの多形性との連鎖不均衡における多形性/変異である、請求項23〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 機能性多形性の前記決定が、細胞間質再構築、炎症、および酸化的ストレスに対する応答に関与するタンパク質をコードする2つ以上の遺伝子において実行される、請求項23〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 慢性閉塞性肺疾患を発症する、被験体の潜在的なリスクを決定する方法であって、細胞間質メタロプロテイナーゼ、炎症性サイトカイン、および抗炎症性サイトカイン、細胞間質メタロプロテイナーゼのインヒビター、および酸化体の代謝に関与する酵素をコードする遺伝子の調節領域、および/またはプロモーター領域における多形性、および/またはこれらの多形性との連鎖不均衡である多形性/変異の解析を包含し、ここでこれらの領域における変異の存在が、COPDに対して防御的な遺伝子型の指標である、方法。
  29. 喫煙者、または環境上のタバコの煙のような高レベルの空気汚染に曝された者である、被験体において、慢性閉塞性肺疾患を発症の潜在的リスクを決定する方法であって、細胞間質メタロプロテイナーゼ、炎症性サイトカイン、および抗炎症性サイトカイン、細胞間質メタロプロテイナーゼのインヒビター、および酸化体の代謝に関与する酵素をコードする遺伝子の調節領域および/またはプロモーター領域における多形性、ならびに/あるいはこれらの多形性との連鎖不均衡における多形性/変異の解析を包含し、ここでこれらの領域における変異の存在が、COPDに対して防御的な遺伝子型の指標である、方法。
  30. 前記メタロプロテイナーゼが、細胞間質コラゲナーゼである、請求項28、または請求項29に記載の方法。
  31. 前記多形性が、間質性コラゲナーゼの前記プロモーターにおける1G/2G、および/またはこの多形性との連鎖不均衡における多形性/変異である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記炎症性サイトカインが、トランスフォーミング成長因子β1である、請求項28または請求項29に記載の方法。
  33. 前記多形性が、トランスフォーミング成長因子β1のコドン10におけるヌクレオチドTからCの置換、および/またはこの多形性と連鎖不均衡である多形性/変異である、請求項32に記載の方法。
  34. メタロプロテイナーゼの前記インヒビターが、メタロプロテイナーゼ3の組織インヒビターである、請求項28、または請求項29に記載の方法。
  35. 前記多形性が、−1296位でのTからCの置換、および/またはこの多形性と連鎖不均衡である多形性/変異である、請求項34に記載の方法。
  36. 被験体の慢性閉塞性肺疾患の発症の潜在的リスクを決定する方法であって、細胞間質メタロプロテイナーゼ、グルタチオントランスフェラーゼ、およびプロテアーゼインヒビターをコードする遺伝子の調節領域および/またはプロモーター領域における多形成、ならびに/あるいは、これらの多形性との連鎖不均衡における多形性/変異の解析を包含し、ここでこれらの領域における変異の存在は、COPDに感受性の遺伝子型の指標である、方法。
  37. 喫煙者であるか、または環境上のタバコの煙のような高レベルの空気汚染に曝された者である被験体において、慢性閉塞性肺疾患を発症する潜在的リスクを決定する方法であって、細胞間質メタロプロテイナーゼ、グルタチオントランスフェラーゼ、およびプロテアーゼインヒビターをコードする遺伝子の調節領域、および/またはプロモーター領域における多形性、ならびに/あるいはこれらの多形性との連鎖不均衡における多形性/変異の解析を包含し、ここでこれらの領域における変異の存在が、COPDに対して感受性の遺伝子の指標である、方法。
  38. ここで前記メタロプロテイナーゼは、マクロファージエラスターゼ(細胞間質メタロプロテイナーゼ−12、すなわちMMP−12)である、請求項36、または請求項37に記載の方法。
  39. 請求項38に記載の方法であって、前記多形性が、−82位でのAからGの置換、および/またはこの多形性と連鎖不均衡である多形性/変異である、方法。
  40. 前記グルタチオントランスフェラーゼが、グルタチオンSトランスフェラーゼ1である、請求項36または請求項37に記載の方法。
  41. 請求項40に記載の方法であって、前記多形性が、M1ヌル多形性、および/またはこの多形性と連鎖不均衡である多形性/変異である、方法。
  42. 前記プロテアーゼインヒビターが、α1アンチトリプシンである、請求項36または請求項37に記載の方法。
  43. 前記好ましい多形性が、3’Taq1多形性、および/またはこの多形性と連鎖不均衡である多形性/変異である、請求項42に記載の方法。
  44. 肺機能の障害、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)を発症する、被験体の素因を決定する方法であって、細胞間質再構築、炎症、および酸化的ストレスに対する応答に関与する1つ以上のタンパク質のレベルを被験体において検出する工程を少なくとも包含し、ここで正常に対して比較した該タンパク質のレベルの変更は、肺機能の障害、またはCOPDの潜在的なリスクの指標である、方法。
  45. 肺機能の障害、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症の可能性を被験体において診断する方法であって、細胞間質再構築、炎症、および酸化的ストレスに対する応答に関与する1つ以上のタンパク質のレベルを被験体において検出する工程を少なくとも包含し、ここで正常に対して比較した該タンパク質のレベルの変更は、肺機能の障害、またはCOPDを発症する潜在的なリスクの指標である、方法。
  46. 肺機能の障害、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)を発症する被験体の潜在的なリスクを決定する方法であって、以下:
    間質性コラゲナーゼ(細胞間質メタロプロテイナーゼ−1、すなわちMMP−1);
    ゼラチナーゼB(細胞間質メタロプロテイナーゼ−9、すなわちMMP−9);または
    ヒトマクロファージエラスターゼ(MMP−12)、
    メタロプロテイナーゼ3の組織インヒビター(TIMP3)
    グルタチオンSトランスフェラーゼ(GSTM1);
    α1−アンチトリプシン;
    スーパーオキシドディスムターゼ3(SOD3);
    トランスフォーミング成長因子β(TGFβ);または
    からなる群より選択されるタンパク質の1つ以上のレベルを被験体において検出する工程を少なくとも包含し、
    ここで、正常に対して比較した該タンパク質のレベルの変更が、肺機能の障害またはCOPDを発症する潜在的なリスクの指標である、方法。
  47. 肺機能の障害または慢性閉塞性肺疾患(COPD)を発症する被験体の潜在的なリスクを決定する方法であって、以下:
    グルタチオンSトランスフェラーゼ(GSTM1);
    α1−アンチトリプシン;
    スーパーオキシドディスムターゼ3(SOPD3);または
    トランスフォーミング成長因子β(TGFβ);
    からなる群より選択されるタンパク質の1つ以上における変更もしくは多形性、および/または該タンパク質の過剰発現もしくは過少発現の存在を検出する工程を少なくとも包含し、
    ここで、変更または多形性の存在が、肺機能の障害を発症する潜在的なリスクの指標である、方法。
  48. 前記タンパク質が、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GSTM1)であり、そしてここでGSTM1の非存在またはレベルの低下は、肺機能の障害またはCOPDを発症する潜在的なリスクの指標である、請求項47に記載の方法。
  49. 前記タンパク質が、トランスフォーミング成長因子β(TGFβ)であり、そしてここで該タンパク質(TGFβをコードする遺伝子のコドン10にマッピングする)内の所定の位置でのロイシンの存在が、COPDを発症する潜在的なリスクの指標であり、そしてこの位置におけるプロリンの存在が、肺機能の障害またはCOPDを発症するリスクの低下の指標である、請求項47に記載の方法。
  50. 前記タンパク質が、スーパーオキシドディスムターゼ3(SOD3)であり、SOD3の213位におけるグリシンの存在が、COPDを発症する潜在的なリスクの指標であり、そしてこの位置におけるアルギニンの存在が、肺機能の障害またはCOPDを発症するリスクの低下の指標である、請求項47に記載の方法。
  51. 前記被験体が、喫煙者であるか、または環境上のタバコの煙のような高レベルの空気汚染に曝された者である、請求項44〜50のいずれか1項に記載の方法。
  52. 前記方法が、肺機能の障害の発症の可能性またはCOPDの発現の可能性を、被験体において診断する目的のために実行される、請求項46〜51のいずれか1項に記載の方法。
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