JP2004532294A - エマルジョンからの揮発性シロキサンの浸透気化分離 - Google Patents

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Abstract

シロキサンポリマーを含有するエマルジョンから、揮発性シロキサンオリゴマーを除去する方法。この方法は、シロキサンポリマーを含有するあらゆるエマルジョンに適用できるが、特に揮発性シロキサンオリゴマーの乳化重合によって調製されたシロキサンポリマーを含有するエマルジョンからの残留揮発性シロキサンオリゴマーの除去に適合される。特に、揮発性シロキサンオリゴマーは、浸透気化によって、シロキサンポリマーを含有するエマルジョンから除去される。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、シロキサンポリマーを含有するエマルジョンから、揮発性シロキサンオリゴマーを除去する方法に係る。この方法は、シロキサンポリマーを含有するあらゆるエマルジョンに適用できるが、特に揮発性シロキサンオリゴマーの乳化重合によって調製されたシロキサンポリマーを含有するエマルジョンからの残留揮発性シロキサンオリゴマーの除去に適合される。特に、揮発性シロキサンオリゴマーは、浸透気化法によって、シロキサンポリマーを含有するエマルジョンから除去される。
【背景技術】
【0002】
米国特許第2834754号(1958年5月13日)は、混練しながら、蒸気、ネオン、窒素、またはアルゴンなどのストリッピングガスを用いて、高分子量オルガノポリシロキサンから揮発性オルガノポリシロキサンを除去する方法を記載している。その方法によれば、高粘性の塊またはゴム状の弾性シリコーン固体からオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)を除去するために、シグマ型ブレードを備えたバンバリーミキサが用いられる。しかしながら、エマルジョンのストリッピングは開示されておらず、浸透気化も開示されていない。
【0003】
米国特許第4096160号(1978年6月20日)において、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、およびドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)の蒸気加熱混合物を、粘度1000-1000000センチストーク(mm2/s)を有するシラノール末端ジメチルポリシロキサン流体から除去するために、加熱平行板を含むストリッピングユニットを用いる方法が用いられている。しかしながら、エマルジョンのストリッピングは開示されておらず、浸透気化も開示されていない。
【0004】
米国特許第2834754号および米国特許第4096160号は共に、粘性ポリマーを扱うための特殊な装置を必要とする。さらに、そのような粘性ポリマーを処理するとき、熱伝導率は実質的に低下する。
【0005】
粘性ポリマーに伴う処理の問題を回避するために知られている一方法は、そのようなポリマーを水性エマルジョンの形態で調製し、取り扱うことである。エマルジョンの調製に用いられる環状シロキサンまたは他の低分子量シロキサンの乳化重合ポリシロキサンエマルジョンをストリッピングするために加熱フラスコ内で行われる方法が、米国特許第4600436号(1986年7月15日)に記載されている。'436号特許によれば、そのようなバッチ法によってストリップされたエマルジョンは、改善されたフィルム特性を有する。しかしながら、浸透気化は開示されていない。
【0006】
米国特許第5922108号(1999年7月13日)に記載された他の方法において、D4などの揮発性オルガノポリシロキサンは、揮発性オルガノポリシロキサン、およびメタンまたはペンタンなどの炭化水素を含有する空気などの流体流を乾燥土を充填したカラムに通すことによって、当該流体流から除去される。しかしながら、エマルジョンのストリッピングは開示されておらず、浸透気化も開示されていない。
【0007】
しかしながら、浸透気化は、米国特許第4218312号(1980年8月19日)、米国特許第6039878号(2000年3月21日)、米国特許第6075073号(2000年6月13日)、および米国特許第6117328号(2000年9月12日)に教示されており、'878号特許および'073号特許はある種のエマルジョンから揮発性溶媒を除去するが、いずれの特許もシロキサンポリマー含有エマルジョンからの揮発性シロキサンの浸透気化を記載していない。
【特許文献1】
米国特許第2834754号(1958年5月13日)
【特許文献2】
米国特許第4096160号(1978年6月20日)
【特許文献3】
米国特許第4600436号(1986年7月15日)
【特許文献4】
米国特許第5922108号(1999年7月13日)
【特許文献5】
米国特許第4218312号(1980年8月19日)
【特許文献6】
米国特許第6039878号(2000年3月21日)
【特許文献7】
米国特許第6075073号(2000年6月13日)
【特許文献8】
米国特許第6117328号(2000年9月12日)
【特許文献9】
欧州公開出願第463431号(1992年1月2日)
【特許文献10】
米国特許第5763505号(1998年6月9日)
【非特許文献1】
D. HuebnerおよびJ. Saam、Journal of Polymer Science、Polymer Chemistry Edition、20号、3351-3368頁(1982)
【特許文献11】
米国特許第2891920号(1959年6月23日)
【特許文献12】
米国特許第3294725号(1966年12月27日)
【特許文献13】
米国特許第4999398号(1991年3月12日)
【特許文献14】
米国特許第5502105号(1996年3月26日)
【特許文献15】
米国特許第5661215号(1997年8月26日)
【特許文献16】
欧州特許明細書EP0459500B1(1997年3月5日)
【特許文献17】
米国特許第5030356号(1991年7月9日)
【特許文献18】
米国特許第5069793号(1991年12月3日)
【特許文献19】
米国特許第5266206号(1993年11月30日)
【特許文献20】
米国特許第5417847号(1995年5月23日)
【特許文献21】
米国特許第5538640号(1996年7月23日)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明は、水性エマルジョンを疎水性浸透気化膜に接触させることによって、揮発性シロキサンオリゴマーの乳化重合により調製されたシロキサンポリマー含有水性エマルジョンから、揮発性シロキサンオリゴマーを除去する方法に関する。本発明はさらに、この方法によって調製されたエマルジョンに関する。そのような組成物は、髪、皮膚、紙、および織物などの表面および基体を処理するのに有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書では、浸透気化という用語は、多成分液体流、すなわち水中シリコーン油型エマルジョンなどを、1種または複数の成分、すなわちD4のような揮発性シロキサンオリゴマーなどを優先的に透過させる膜に接触させる方法を意味するものと理解される。供給された液体が膜表面に沿って流れるとき、優先的に透過される成分、すなわちD4のような揮発性シロキサンオリゴマーは蒸気として膜を通過する。
【0010】
膜を通る輸送は、膜の透過側の蒸気圧を供給液体の分圧より低く維持することによって誘導される。圧力の差は、真空を維持することによって、または膜の透過側に空気または窒素などの不活性パージを供給することによって得られる。透過蒸気は凝縮するか、必要に応じて放出することができる。しかしながら、本発明の目的のために、透過物を凝縮することが好ましい。凝集物は、主として揮発性シリコーンオリゴマーおよび水を含有する2相混合物として除去される。透過成分、すなわち揮発性シリコーンオリゴマーの枯渇した残留物、すなわち水中シリコーン油型エマルジョンは、膜の供給側に出る。
【0011】
一般に、材料の再使用または処分を容易にするために、凝縮透過物において水から揮発性シロキサンオリゴマーを分離することが望ましい。水から揮発性シロキサンオリゴマーを分離するための適切な方法には、その2相混合物を沈殿槽、サイクロン、遠心分離装置、コアレッサー、分離膜、またはそのような装置の組み合わせなどの分離装置に通すことが含まれる。
【0012】
浸透気化法は、有機溶媒からの溶解水の除去、水からの有機溶媒の抽出、および混合有機溶媒の分離に適用されてきたが、一般に、工業上より重要な有機/有機混合物の分離には適用されておらず、有機ケイ素化合物を含有する多成分液体流の分離にも適用されていない。
【0013】
浸透気化膜の選択性はかなり多様である。したがって、シリコーンゴム膜は多成分液体流から選択的に揮発性有機成分を除去できる可能性があり、架橋ポリ(ビニルアルコール)(PVA)膜は同じ多成分液体流から選択的に水のみを除去できる。シリコーンゴムは疎水性であり、疎水性成分を優先的に透過するが、PVAは親水性であり、親水性成分を優先的に透過するため、この相違が生じる。本発明において対象となる揮発性シロキサンオリゴマーは疎水性であるので、疎水性浸透気化膜を用いることが好ましい。
【0014】
ポリジメチルシロキサンゴムポリマーから調製された膜の使用がもっとも好ましいが、水を通さない任意の型の疎水性膜を用いることができ、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(1-トリメチルシリル-1-プロピン)、ポリウレタン、ポリブタジエンポリエーテルイミド、ポリエーテルブロックポリマー、スチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、エテンプロペンターポリマー、ポリクロロプレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリシリコーンカーボネートコポリマー、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ化エラストマー、可塑化ポリ塩化ビニル、シス-ポリブタジエン、シス-ポリイソプレン、ポリ(ブテン-1)、ポリエステルアミド、ナイロン、ならびにポリエーテルとポリエステルのブロックコポリマーなどである。
【0015】
本発明によれば、たとえば水中シリコーン油型エマルジョンを約30-105℃の温度に加熱し、約1気圧/1.013バール/101.3kPaから4気圧/4.052バール/405.2kPaの範囲の圧力でポリジメチルシロキサン浸透気化膜を含有するスパイラルモジュールを通して水中シリコーン油型エマルジョンを循環することによって、バッチ法を行うことができる。膜の透過側の圧力は、揮発性シロキサンが膜を通過しながら確実に気化されるように、約100mmHg/100トール未満に制御される。このモジュールを通る循環は、所望の程度の水中シリコーン油型エマルジョンからの揮発性シロキサン除去が達成されるまで、すなわち水中シリコーン油型エマルジョンの重量に対して一般に揮発性シロキサンが約1.0重量パーセント未満、好ましくは約0.5重量パーセント未満になるまで続けられる。
【0016】
本発明は、バッチ法に限定されない。たとえばエマルジョンを連続的に熱交換装置に供給し、単回の通過で所望の分離が達成されるのに充分な膜面積を有する1つまたは複数の浸透気化モジュールに連続的に加熱エマルジョンを供給し、1つまたは複数の浸透気化モジュールから連続的に透過材料を除去し、1つまたは複数の浸透気化モジュールから透過成分の枯渇したエマルジョンを連続的に除去することによって、連続流工程法を行うことができる。透過物として除去される水の代わりに、1つまたは複数の浸透気化モジュールを通過するときにエマルジョンに水または蒸気を添加してもよい。膜を通る水の気化によって失われる潜熱の代わりに、1つまたは複数の浸透気化モジュールを通過するときにエマルジョンに熱を加えてもよい。
【0017】
この方法を行うために、知られている任意の型の膜モジュールを本発明において用いることができる。たとえば、大きな膜表面積を含むモジュールは、スパイラルモジュール、中空糸シェル側供給モジュール、中空糸ボア側供給モジュール、プレートおよびフレームモジュール、または管状モジュールであり得る。単一のモジュールを用いることができ、あるいは複数のモジュールを直列または並列に接続することもできる。
【0018】
この方法は、粘度10-100000000センチストーク(mm2/s)を有するシロキサンポリマーを含有するエマルジョンを用いて実際的に機能することができる。
【0019】
水中シリコーン油型エマルジョンは、アニオン性、カチオン性、両性、または非イオン性型の水中シリコーン油型エマルジョンであることができ、エマルジョンの型は、シリコーンポリエーテルおよびポリビニルアルコールなどのポリマー界面活性剤を含む、存在する界面活性剤の型によって決定される。この水中シリコーン油型エマルジョンは、機械的乳化法と分類され得る方法、すなわち欧州公開出願第463431号(1992年1月2日)、および米国特許第5763505号(1998年6月9日)、懸濁重合法、すなわち、たとえばD. HuebnerおよびJ. SaamによってJournal of Polymer Science、Polymer Chemistry Edition、20号、3351-3368頁(1982)の記事に記載の方法、または乳化重合法を含む任意の技法によって調製された水中シリコーン油型エマルジョンであることができる。
【0020】
実際のところ、本発明による方法は、乳化重合方法において揮発性シロキサンがオリゴマーとして用いられ、結果として乳化重合の生成物に成分としてそれらを含有するので、乳化重合方法によって調製された水中シリコーン油型エマルジョンに関してもっとも高い商業的価値を有する。
【0021】
本明細書では、乳化重合という用語は、たとえば米国特許第2891920号(1959年6月23日)、第3294725号(1966年12月27日)、第4999398号(1991年3月12日)、第5502105号(1996年3月26日)、第5661215号(1997年8月26日)、および欧州特許明細書EP0459500B1(1997年3月5日)に記載されているような方法によって代表される、当分野で知られている任意の重合方法を指す。
【0022】
これらの乳化重合方法は、典型的に25-100℃、好ましくは50-95℃の範囲の温度で行われ、水の存在下、酸または塩基触媒を用いる揮発性シロキサンオリゴマーの開環を含む。開環の際に、ヒドロキシ基末端を有するシロキサンが形成される。次いで、これらのシロキサンは縮合反応によって互いに反応し、シロキサンポリマーを形成する。
【0023】
この方法の化学の簡略化した式を、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの揮発性シロキサンオリゴマーに関して以下に示すが、式中、MeはCH3を表す。
(Me2SiO)4+H2O+触媒→HOMe2SiOMe2SiOMe2SiOSiMe2OH→
HOMe2SiOMe2SiOMe2SiOSiMe2OH+HOMe2SiOMe2SiOMe2SiOSiMe2OH→
HOMe2SiO(Me2SiO)6SiMe2OH+H2O
より高分子量のシロキサンポリマーは、この方法を継続することによって得ることができる。このシリコーン乳化重合法は、線状および環状ポリオルガノシロキサン混合物を含有するシリコーン相を生成する。
【0024】
そのような方法に用いられる触媒には、塩酸などの強鉱酸、水酸化ナトリウムなどの強アルカリ触媒、水酸化第四級アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸などの界面活性スルホン酸およびそのナトリウム塩、シラノレート、およびオルガノシラノレートが含まれる。他の適切な触媒の例は、米国特許第2891920号、第3294725号、第4999398号、第5502105号、第5661215号、およびEP0459500B1に見出すことができる。
【0025】
一般に、この方法によって除去される揮発性シロキサンオリゴマーは、次式の環状シロキサンモノマーである。
【0026】
【化1】
Figure 2004532294
上記式中、Rはそれぞれ炭素原子1-6個の飽和または不飽和アルキル基、炭素原子6-10個のアリール基であり、nは3-7である。Rは、開環および重合反応において不活性である官能基を任意選択で含有することができる。
【0027】
代表的なR基は、メチル、エチル、プロピル、フェニル、アリル、ビニル、および-R'Fである。R'は、炭素原子1-6個のアルキレン基、または炭素原子6-10個のアリーレン基であり、Fは、アミン、ジアミン、ハロゲン、カルボキシ、またはメルカプトなどの官能基である。Rは、-R'F'Rであることもでき、R'およびRは上記のとおりであり、F'は、酸素、窒素、または硫黄などの非炭素原子である。
【0028】
本発明においてもっとも興味が寄せられる揮発性シロキサンオリゴマーには、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、およびデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)が含まれる。本発明の方法によって処理することのできるシリコーンエマルジョンには、揮発性環状シロキサンオリゴマーのみの乳化重合によって、またはアルコキシシランと組み合わせた揮発性環状シロキサンオリゴマーの乳化重合によって得られたエマルジョンが含まれる。適切なアルコキシシランは、式R''Si(OR''')3、R''2Si(OR''')2、または(R'''O)4Siによって表すことができ、R''は、炭素原子1-12個を含有する非置換アルキル基CaH2a+1もしくはフェニルのようなアリール基などの中性有機基、またはアミノ基などのカチオン性有機官能基のいずれかである。これらの式において加水分解性基(OR''')のR'''は、炭素原子1-6個を含有するアルキル基を表す。そのようなアルコキシシランを用いて調製されたシリコーンエマルジョンは、一般にエマルジョン中のシリコーン全含量に対して1-10モルパーセントのR''基を含有する。
【0029】
テトラアルコキシシラン(R'''O)4Siは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、およびテトラブトキシシランによって例示される。
【0030】
中性有機基R''を有する加水分解性または部分的に前加水分解されたアルコキシシランR''Si(OR''')3は、メチルトリメトキシシラン(MTM)、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、n-ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、およびフェニルトリメトキシシランによって例示される。
【0031】
カチオン性有機官能基R''を有する加水分解性または部分的に前加水分解されたアルコキシシランR''Si(OR''')3は、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、およびn-シクロヘキシルアミノプロピルメチルジメトキシシランによって例示される。
【0032】
本発明の方法によって処理することのできるシリコーンエマルジョンは、アニオン性界面活性剤を含有することができ、これに限定されるものではないが、スルホン酸、およびその塩誘導体が含まれる。アニオン性界面活性剤のいくつかの代表的な例は、スルホコハク酸アルカリ金属塩、ココナツオイル酸のスルホン化モノグリセリドなどの脂肪酸のスルホン化グリセリルエステル、オレイルイセチオン酸ナトリウムなどのスルホン化1価アルコールエステルの塩、オレイルメチルタウリドのナトリウム塩などのアミノスルホン酸のアミド、パルミトニトリルスルホン酸塩などの脂肪酸ニトリルのスルホン化生成物、アルファナフタレンモノスルホン酸ナトリウムなどのスルホン化芳香族炭化水素、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合生成物、オクタヒドロアントラセンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸アルカリ金属塩、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどの炭素原子8個以上のアルキル基を有するエーテル硫酸塩、ならびにヘキサデシルベンゼンスルホン酸およびC20アルキルベンゼンスルホン酸の中性塩などの炭素原子8個以上の1つまたは複数のアルキル基を有するアルキルアリールスルホン酸塩である。
【0033】
本発明において有用であり得る市販のアニオン性界面活性剤には、Maryland州BaltimoreのAlcolac Inc.によりSIPONATE DS-10の商品名で販売されているドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、Michigan州MidlandのThe Dow Chemical CompanyによりDOWFAX 8390の商品名で販売されているn-ヘキサデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム、North Carolina州CharlotteのClariant CorporationによりHOSTAPUR SAS 60の商品名で販売されている第二級アルカンスルホン酸のナトリウム塩、および中和されたときにアニオン性界面活性剤として作用するIlinois州NorthfieldのStepan CompanyによりBio-Soft S-100の商品名で販売されている直鎖アルキルベンゼンスルホン酸が含まれる。
【0034】
本発明の方法によって処理されるシリコーンエマルジョンは、カチオン性界面活性剤を含有することができ、そこにはR3R4R5R6N+X-(式中、R3からR6は、炭素原子1-30個を含有するアルキル基、あるいは獣脂、ココナツ油、または大豆から誘導されたアルキル基であり、Xは、ハロゲン、すなわち塩素または臭素である)によって表される、第四級アンモニウム塩などの、正に荷電されている、分子中に第四級アンモニウム親水性部分を含有する化合物が含まれる。用いることのできるジアルキルジメチルアンモニウム塩は、R7R8N+(CH3)2X-によって表され、式中、R7およびR8は、炭素原子12-30個を含有するアルキル基、あるいは獣脂、ココナツ油、または大豆から誘導されたアルキル基であり、Xは、ハロゲンである。用いることのできるモノアルキルトリメチルアンモニウム塩は、R9N+(CH3)3X-によって表され、式中、R9は、炭素原子12-30個を含有するアルキル基、あるいは獣脂、ココナツ油、または大豆から誘導されたアルキル基であり、Xは、ハロゲンである。
【0035】
代表的な第四級アンモニウム塩は、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド/ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド(LTAC)、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTAC)、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジエイコシルジメチルアンモニウムクロリド、ジドコシルジメチルアンモニウムクロリド、ジココナツジメチルアンモニウムクロリド、ジタロウジメチルアンモニウムクロリド、およびジタロウジメチルアンモニウムブロミドである。これらの第四級アンモニウム塩、および他の第四級アンモニウム塩は、ADOGEN、ARQUAD、TOMAH、およびVARIQUATなどの商品名で市販されている。
【0036】
本発明の方法によって処理することのできるシリコーンエマルジョンは、非イオン性界面活性剤を含有することができる。非イオン性界面活性剤の市販の型は、TERGITOL(登録商標)TMN-6およびTERGITOL(登録商標)TMN-10の商品名で販売されている2,6,8-トリメチル-4-ノニルオキシポリエチレンオキシエタノール(6EO)および(10EO)、TERGITOL(登録商標)15-S-7、TERGITOL(登録商標)15-S-9、TERGITOL(登録商標)15-S-15の商品名で販売されているアルキレンオキシポリエチレンオキシエタノール(C11-15第二級アルコールエトキシレート7EO、9EO、および15EO)、TERGITOL(登録商標)15-S-12、15-S-20、15-S-30、15-S-40の商品名で販売されている他のC11-15第二級アルコールエトキシレート、ならびにTRITON(登録商標)X-405の商品名で販売されているオクチルフェノキシポリエトキシエタノール(40EO)によって例示することができる。これらのすべての界面活性剤は、Connecticut州DanburyのUnion Carbide Corporationによって販売されている。
【0037】
市販されている他の型の非イオン性界面活性剤は、Illinois州NorthfieldのStepan CompanyによりMAKON 10の商品名で販売されているノニルフェノキシポリエトキシエタノール(10EO)、Delaware州WilmingtonのICI SurfactantsによりBRIJ 35Lの商品名で市販されているポリオキシエチレン23ラウリルエーテル(Laureth-23)、およびDelaware州WilmingtonのICI Surfactantsにより販売されているポリオキシエチレンエーテルアルコールである。乳化重合法によって水中シリコーン油型エマルジョンエマルジョンを調製するとき、非イオン性界面活性剤の存在は任意である。しかしながら、非イオン性界面活性剤が存在するときには、アニオン性またはカチオン性界面活性剤との組み合わせで存在する。
【0038】
本発明の方法によって処理することのできるシリコーンエマルジョンは、乳化重合反応に用いられる触媒を非活性化するために用いられる中和反応の生成物である塩を含有することができる。この塩は、カチオン性界面活性剤との乳化重合の後、酢酸による水酸化ナトリウムの中和によって形成された酢酸ナトリウムなどの単純な化合物であり得る。これは米国特許第5661215号に記載されている。この塩は、同様に米国特許第5661215号に記載されている、トリエタノールアミンによるドデシルベンゼンスルホン酸の中和によって形成されるトリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホン酸塩などのより複雑な化合物であることができる。他の例には、塩化ナトリウム、および塩化トリエタノールアミンが含まれる。
【0039】
もっとも典型的には、本発明によって調製されたエマルジョンは、全エマルジョンの約10から70重量パーセント、好ましくは約25から60重量パーセントの濃度のシロキサンポリマーを含有する。シロキサンポリマー含量約10パーセント未満のエマルジョンを製造することもできるが、そのようなエマルジョンは経済的価値がほとんど、またはまったくない。界面活性剤は、一般に全エマルジョンの約0.05から30重量パーセント、好ましくは約0.1から20重量パーセントで存在する。水および任意の塩は、エマルジョン100パーセントまでの残部を構成する。
【0040】
エマルジョンは微生物による汚染を受けやすいので、浸透気化工程の後、保存剤を添加することが望ましい可能性がある。いくつかの代表的な保存剤には、ホルムアルデヒド、1,3-ジメチロール-5,5-ジメチルヒダントイン、すなわちDMDM HYDANTOIN、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、メチルまたはプロピルパラベン、ソルビン酸、イミダゾリジニル尿素、およびKATHON CG(5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン)などの組成物が含まれる。
【0041】
浸透気化の操作中、ポリシロキサンの粘度または分子量を制御することが一般に望ましい。シリコーンエマルジョンから揮発性シロキサンオリゴマーを除去する間、特に米国特許第4600436号に示されているような技法を用いるとき、ポリシロキサンの粘度は著しく低下、または変動する可能性があるため、そのような制御手段の確立が必要とされる。
【0042】
以下に示すようにストリッピング操作中に2つの化学反応が起こると考えられる。
反応1
≡SiOSi≡+H2O→≡SiOH+≡SiOH
反応2
直鎖または分枝鎖ポリシロキサン→直鎖または分枝鎖ポリシロキサン+環状ポリシロキサン
【0043】
反応1は解重合反応であり、反応2よりはるかに速く進行することが見出された。シリコーン相と水相との間の高い界面面積が、反応1の比較的高い反応速度に寄与していると考えられる。したがって、ポリマーの粘度を最大にしながら、最終エマルジョン中の揮発性シロキサンオリゴマーの濃度を最小にするために、浸透気化操作を達成するのに必要とされる時間量を最小にし、エマルジョンのpHをできるかぎり7に近く維持することが望ましい。
【0044】
実施例
本発明をより詳しく例示するために、以下の実施例を示す。
【実施例1】
【0045】
カチオン性水中シリコーン油型エマルジョンを、カチオン性界面活性剤としてARQUAD 16-29を用い、非イオン性界面活性剤としてRENEX 30を用い、欧州特許EP0459500B1(1997年3月5日)に記載の乳化重合方法に従って調製した。このカチオン性水中油型エマルジョンは、Arizona州PhoenixのHoneywell Incorporated製のMICROTRAC(登録商標)超微粒子分析器Model150によって求めた、体積加重平均粒径0.137ミクロン/137ナノメートルを有した。このシロキサンポリマーはアミン官能基を含有し、エマルジョンのpHは約7であった。カチオン性水中シリコーン油型エマルジョン中のシロキサンポリマーは、毎分10回転で操作するCP-52スピンドルを備えたBrookfield Model DV-II粘度計を用いて測定した、約3030センチストーク(mm2/s)の粘度を有した。ガスクロマトグラフィーによって求めたエマルジョン中のオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)の濃度は、エマルジョンの全重量の約2.2重量パーセントであった。エマルジョンの全シリコーン含量は、エマルジョンの全重量の約35重量パーセントであった。
【0046】
このエマルジョン2500グラムを、California州Menlo ParkのMembrane Technology & Research Inc.によってPerVap(登録商標)の商品名で販売されている実験室規模の浸透気化システムの供給槽に充填した。このようなシステムおよびその詳細は、米国特許第5030356号(1991年7月9日)、米国特許第5069793号(1991年12月3日)、米国特許第5266206号(1993年11月30日)、米国特許第5417847号(1995年5月23日)、および米国特許第5538640号(1996年7月23日)を含む種々の米国特許に記載されている。
【0047】
エマルジョンを、毎分約5.3リットルの速度で単一の浸透気化膜モジュールにポンプで通し、供給槽に戻した。浸透気化膜モジュールはスパイラルであった。浸透気化膜は、シリコーンゴムの選択透過層で被覆されたポリフッ化ビニリデンの支持層を有する複合材料であった。選択透過層の厚さは、約10ミクロンであった。全膜面積は、約0.2m2であった。浸透気化モジュールは、衝突装置(anti-telescoping device)を備えた。3つの500ミリリットルガラス製トラップを、浸透気化モジュールと真空ポンプとの間の透過ラインに配置した。2つのトラップは、透過材料を集めるためのものであり、真空ポンプを保護するために1つの安全トラップを供給した。液体窒素を充填したDewarフラスコに、各トラップを吊るした。浸透気化モジュールへの供給物の温度は、熱交換システムによって制御した。熱交換システムを作動し、目標供給温度を68℃に設定した。隔離弁を、浸透気化モジュールとトラップとの間に配置した。モジュール供給温度が周囲温度から目標温度の68℃に上昇したとき、隔離弁を閉じた。
【0048】
モジュール供給温度がおおよそ68℃で安定したとき、真空ポンプを作動した。透過ラインにおいて圧力267-1200パスカル/2-9mmHgに維持した。隔離弁を開け、透過材料をトラップに集めた。1つのトラップが透過材料を集め、他のトラップが使用されなくなり、透過流束の測定が可能になるような方法で、トラップを構成した。透過流束は、集められた透過物の質量を収集の行われた期間で割ることによって算出した。凍結した透過材料を解凍し、次いで液体材料の重量を測定することによって透過物の質量を得た。
【0049】
浸透気化工程を5時間進行させた。毎時の経過後、エマルジョンのサンプルを得て、透過流束を測定し、その時間に収集された透過物の質量とほぼ等量の脱イオン水を供給槽に添加した。5時間の平均透過流束は、毎分約2.1グラムであった。いくつかのエマルジョンサンプル中のD4濃度をガスクロマトグラフィーによって求め、得られた値を定数の非揮発性含量基準に調整した。これらの値を表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 2004532294
【0051】
表1は、浸透気化法による処理の結果として、エマルジョン中のD4濃度が低下したことを示す。
【実施例2】
【0052】
アニオン性水中シリコーン油型エマルジョンを、アニオン性界面活性剤としてBIO-SOFT S-100を用い、非イオン性界面活性剤としてBRIJ 35を用い、米国特許第5661215号(1997年8月26日)に記載の乳化重合方法に従って調製した。このアニオン性水中シリコーン油型エマルジョンは、Arizona州PhoenixのHoneywell Incorporated製のMICROTRAC(登録商標)超微粒子分析器Model150によって求めた、体積加重平均粒径0.034ミクロン/34ナノメートルを有した。このシロキサンポリマーは、(CH3)2SiO2/22官能Dユニット、およびCH3SiO3/23官能Tユニットを含有した。このエマルジョンのpHは約7であった。アニオン性水中シリコーン油型エマルジョン中のシロキサンポリマーは、毎分0.5回転で操作するCP-52スピンドルを備えたBrookfield Model HBDV-III粘度計を用いて測定した、約840000センチストーク(mm2/s)の粘度を有した。ガスクロマトグラフィーによって求めたエマルジョン中のD4の濃度は、エマルジョンの全重量の約1.6重量パーセントであった。エマルジョンの全シリコーン含量は、エマルジョンの全重量の約25重量パーセントであった。
【0053】
このエマルジョン2600グラムを、全体として実施例1に記載のとおり処理した。浸透気化膜モジュールを通るエマルジョン循環速度は、毎分約4.9リットルであった。浸透気化膜モジュールに供給したエマルジョンの温度は、約85℃であった。透過ラインにおいて圧力933-2133パスカル/7-16mmHgを維持した。5時間の平均透過流束は、毎分約3.6グラムであった。いくつかのエマルジョンサンプル中のD4濃度をガスクロマトグラフィーによって求め、得られた値を定数の非揮発性含量基準に調整した。これらの値を表2に示す。
【0054】
【表2】
Figure 2004532294
【0055】
表2は、浸透気化法による処理の結果として、エマルジョン中のD4濃度が低下したことを示す。
【実施例3】
【0056】
実施例2のアニオン性水中シリコーン油型エマルジョン2700グラムを、全体として実施例1に記載のとおり処理した。浸透気化膜モジュールを通るエマルジョン循環速度は、毎分約4.9リットルであった。浸透気化膜モジュールに供給したエマルジョンの温度は、約68℃であった。透過ラインにおいて圧力267-1200パスカル/2-9mmHgを維持した。5時間の平均透過流束は、毎分約2.0グラムであった。いくつかのエマルジョンサンプル中のD4濃度をガスクロマトグラフィーによって求め、得られた値を定数の非揮発性含量基準に調整した。これらの値を表3に示す。
【0057】
【表3】
Figure 2004532294
【0058】
表3は、浸透気化法による処理の結果として、エマルジョン中のD4濃度が低下したことを示す。
【0059】
本発明の利点は、今では多くの国内および国外司法管区において義務付けられているある種の環境、健康、および安全要件のために、多くの場合、低レベルの揮発性シロキサンオリゴマーを含有するシリコーンエマルジョンを調製することが望まれていることである。
【0060】
エマルジョンからの揮発性シロキサンオリゴマーの除去はさらに、シロキサンポリマーのみがその適用例において実質的価値を有する多くの適用例において、揮発性シロキサンオリゴマーの除去および再使用が、その他の点で有用な産物、すなわち揮発性シロキサンオリゴマーの損失を防ぐという点でも有益である。
【0061】
本発明のさらなる利点は、泡を制御する手段、すなわち消泡剤化合物または泡を破壊する機械的手段を処理中に必要としないことである。これは気体および液体が決して同時にエマルジョンに存在しないためである。対照的に、米国特許第4600436号に記載された種類の蒸気ストリッピング方法によって水中シリコーン油型エマルジョンから揮発性シロキサンオリゴマーを除去するとき、多くの場合消泡剤化合物の使用が必要であることがここに見出された。この利点は、特に透明なマイクロエマルジョンを得る能力に関するので重要である。これは、非常に低レベルであっても消泡剤化合物の添加は、必然的にマイクロエマルジョンに大きな粒子の小集団を導入するので、一般に生成物の透明性を損ねる原因となるためである。さらに、ストリッピング操作中に泡を生成する傾向は、バッチストリッパに導入することのできるストリッピングガスの流速を限定し、したがって揮発性成分が除去される速度を限定する。他方、浸透気化は、それらの不利益をこうむらない。
【0062】
最後に、織物工場、紙印刷設備、および他の製造作業において用いられるエマルジョンからの揮発性シロキサンオリゴマーの除去は、高温で作動する汚染防止装置内で揮発性シロキサンオリゴマーがシリカ塵に変換される可能性を未然に防ぐので有益である。シリカ塵は、ある種の汚染防止装置を詰まらせ、それによって作業効率を低下させ、そのような装置の維持費を増大させることが知られている。
【0063】
本発明によって調製されるエマルジョンは、紙コーティング、織物コーティング、ならびにシリコーンポリマーを様々な表面および基体に送達するための家庭用品(home care)の用途において有用である。本発明によって調製されるエマルジョンはまた、目的に合わせて調整された流動特性のシリコーンポリマーを人体に送達するため、すなわちスタイリングおよびコンディショニングの利益を髪に提供するシャンプーベースとして、または皮膚のケアに用いる送達手段として用いることができる。
【0064】
もっとも有用であることが判明した本発明による組成物は一般に、それぞれ約1ミクロン/1000ナノメートル未満、約0.14ミクロン/140ナノメートル未満の平均粒径を有するシロキサンポリマーを含有するエマルジョンおよびマイクロエマルジョンを含む。

Claims (10)

  1. シロキサンポリマーおよび揮発性シロキサンを含有する水性エマルジョンから揮発性シロキサンを除去する方法であって、前記水性エマルジョンを疎水性浸透気化膜に接触させることを含む方法。
  2. 前記揮発性シロキサンが、次式:
    Figure 2004532294
    [式中、nは3-7であり、Rはそれぞれ独立して(i)炭素原子1-6個の飽和または不飽和アルキル基、(ii)炭素原子6-10個のアリール基、(iii)R'が炭素原子1-6個のアルキレン基、または炭素原子6-10個のアリーレン基であり、Fはアミン、ジアミン、ハロゲン、カルボキシ、またはメルカプト基である基-R'F、あるいは(iv)R'およびRが上記のとおりであり、F'は酸素、窒素、または硫黄などの非炭素原子である基-R'F'Rである]
    の環状シロキサンを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記環状シロキサンが、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、またはそれらの混合物を含む請求項2に記載の方法。
  4. 請求項1に記載の方法によって調製されたエマルジョン。
  5. 髪、皮膚、紙、および織物からなる群から選択された表面または基体を処理する方法であって、前記表面または基体に請求項1に記載の方法によって調製されたエマルジョンを適用することを含む方法。
  6. 揮発性シロキサンオリゴマーの乳化重合によって調製されたシロキサンポリマーおよび揮発性シロキサンオリゴマーを含有する水性エマルジョンから揮発性シロキサンオリゴマーを除去する方法であって、前記水性エマルジョンを疎水性浸透気化膜に接触させることを含む方法。
  7. 前記揮発性シロキサンオリゴマーが、次式:
    Figure 2004532294
    [式中、nは3-7であり、Rはそれぞれ独立して(i)炭素原子1-6個の飽和または不飽和アルキル基、(ii)炭素原子6-10個のアリール基、(iii)R'が炭素原子1-6個のアルキレン基、または炭素原子6-10個のアリーレン基であり、Fはアミン、ジアミン、ハロゲン、カルボキシ、またはメルカプト基である基-R'F、あるいは(iv)R'およびRが上記のとおりであり、F'は酸素、窒素、または硫黄などの非炭素原子である基-R'F'Rである]の環状シロキサンモノマーを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記環状シロキサンが、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、またはそれらの混合物を含む請求項7に記載の方法。
  9. 請求項6に記載の方法によって調製されたエマルジョン。
  10. 髪、皮膚、紙、および織物からなる群から選択された表面または基体を処理する方法であって、前記表面または基体に請求項6に記載の方法によって調製されたエマルジョンを適用することを含む方法。
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