JP2004530567A - 光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
コロイドシリカスートは、溶融シリカまたは超低膨張ガラスの化学的気相成長プロセスの副生成物である。コロイドシリカ副生成物は「スート」と称される。コロイドシリカスートは、親ガラスと同じ物理的特性を維持し、球体モルホロジーを持つ場合には、光学グレードのフッ化物結晶、特に、エキシマレーザにより生成されるもののような300nm未満の光に対して高い透過レベルを示すフッ化カルシウムのような光学グレードのフッ化物結晶の最終的な研磨用途にとって理想的な候補である。このスートは、従来のコロイドシリカやヒュームドシリカと比較した場合、大きな粒径および球形状を持つ。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学グレードのフッ化物結晶に関し、特に、エキシマレーザにより生成されるもののような300nm未満の光に対して高い透過レベルを示すフッ化カルシウムのような光学グレードのフッ化物結晶に関する。本発明は、特に、最終的に研磨された表面の平面度が改善された、光学グレードフッ化物結晶質レーザ用光学素子の製造に関する。本発明は、コロイドシリカスートのフッ化カルシウム最終研磨材に関する。本発明はまた、溶融シリカスートを用いたフッ化物結晶の光学表面の独特な研磨方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
材料を研磨するためのコロイド懸濁液の施用は、光学成分およびそのブランクやプリフォームの最終部品を形成する上での非常に重要な態様となってきた。シリカコロイドおよびアルミナコロイドは、様々な技法により形成されるが、最高純度で確実に生成するためには、一般に高価な前駆体材料が必要である。溶液は、あるpHに調節するための緩衝系および最適な表面仕上げが得られる固体充填値により安定化される。最終の表面仕上げ状態、並びに加工後に作業片の表面からそこに残留した研磨粒子を除去する能力を調節するために、粒径分布を調整することができる。
【特許文献1】
米国特許出願第09/458898号明細書
【非特許文献1】
Wackerによる製品、www.wacker.de/english/hdk/produkt_e.htm、1999年10月5日
【非特許文献2】
Helvetica Chim Acta 51 (1968) 1781
【非特許文献3】
Colloids and Surfaces, 2 (1980) 101
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在達成できる最終研磨レベルは、光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子にとって十分なほど良好ではない。製造され、研磨されている光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子の光学表面の平面度が、現在のコロイド研磨粒子による研磨によって著しく劣化することは特に重大である。表面の小さな欠点によって、結晶光学素子により操作すべきレーザ光が容易に歪み、粒径の小さな研磨材の除去速度は遅く、長くかかる。また、硬い光学品質のパッドは、従来の粒径の小さな非球形の研磨材と共に用いる際に、表面を傷付けてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、光学グレードのフッ化物結晶光学素子、好ましくは、光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子および200nm未満のエキシマレーザで用いられるような光リソグラフィー系の製造方法を含む。本発明の方法は、1nmRMSよりも大きい初期仕上げ表面粗さおよびある初期仕上げ平面度を持つ初期研磨仕上げ表面を有する光学グレードのフッ化物結晶を提供し、複数の粒状研磨材用コロイドシリカスートを有してなる、光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供し、提供された光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液により、提供された光学グレードのフッ化物結晶の初期研磨仕上げ表面を、初期仕上げ平面度の50%以下に減少したより向上した平面度を持ち、1nmRMS未満の最終研磨表面粗さを持つ最終研磨表面に研磨する各工程を有してなる。本発明は、5nmRMS未満の初期研磨表面を持つフッ化物結晶に、0.5nmRMSまたはそれより良好な有益な最終研磨を施す。研磨溶液は、好ましくは、2〜12、より好ましくは、9〜12のpH範囲の水性であって差し支えない。代わりの実施の形態において、研磨溶液は、エチレングリコールまたはケロシンをベースとするもののような非水性である。球形スート粒子により、ほとんどまたは全く掻き傷のない、表面仕上げがより細かな状態にフッ化物結晶を有益に研磨できる。スート粒子研磨は、形状と形態をよりよく維持し、特に、レーザ用光学素子のような表面の平らな光学素子にとっての平面度をよりよく維持し、スート粒子は、フッ化物結晶の表面と、フッ化物結晶の表面の研磨に用いられる研磨パッドとの間に有益な研磨バリヤを形成する。スート粒子研磨は、好ましくは、合成研磨パッドにより行われ、スートは、改善された除去速度を提供し、フッ化物結晶の表面と研磨パッドが接触することにより生じる損傷を防ぎ、好ましくは、スート粒子はパッドの細孔を満たして、結晶表面がそれに対して磨耗される球形スート粒子の表面を形成する。
【0005】
本発明は、光学グレードのフッ化物結晶、好ましくは、フッ化カルシウム単結晶を研磨する方法を含む。この方法は、光透過表面を持つ光学グレードのフッ化物結晶を提供し、複数の粒状研磨材用のコロイド固体球形溶融シリカスート粒子を有してなる最終研磨溶融シリカスート溶液を提供し、光学グレードのフッ化物結晶の光透過表面を、最終研磨溶融シリカスート溶液で研磨して、研磨された光学グレードのフッ化物結晶の光透過表面を提供する各工程を有してなる。
【0006】
本発明は、光学グレードのフッ化物結晶用研磨スラリーを製造する方法を含む。この方法は、複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供し、光学グレードのフッ化物結晶用研磨プリスラリー溶媒を提供し、前記光学グレードのフッ化物結晶用研磨プリスラリー溶媒中に前記粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を分散させて、光学グレードのフッ化物結晶用研磨スラリーを提供する各工程を有してなる。本発明は、50nmより大きく500nmに亘る平均粒径、好ましくは、100nmから400nmに亘る平均粒径、より好ましくは、250nmから350nmに亘る平均粒径を持つコロイドシリカスートを有してなる光学グレードのフッ化物結晶用粒状最終研磨材および光学グレードのフッ化物結晶用研磨スラリーを含む。好ましくは、コロイドシリカスートは、球形モルホロジーおよび20m2/g以下の比表面積を有する。
【0007】
本発明は、光学グレードのフッ化物結晶光学素子を製造する方法を含む。本発明は、好ましくは、光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子、最も好ましくは、フッ化カルシウムである光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子を製造する方法を含む。好ましい実施の形態において、本発明の方法は、プリズム、ビームエキスパンダ、出力カプラ、および窓のような、平らな光透過表面を有する光学グレードのフッ化カルシウム結晶のレーザ用光学素子を製造する工程を有してなる。
【0008】
光学グレードのフッ化物結晶の光学素子を製造する方法は、1nmRMSよりも大きい初期仕上げ表面粗さおよびある初期仕上げ平面度を持つ初期研磨仕上げ表面を有する光学グレードのフッ化物結晶を提供し、複数の粒状研磨材用コロイドシリカスートを有してなる、光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供し、提供された光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液により、提供された光学グレードのフッ化物結晶の初期研磨仕上げ表面を、初期仕上げ平面度の50%以下に減少したより向上した平面度を持ち、1nmRMS未満の最終研磨表面粗さを持つ最終研磨表面に研磨する各工程を有してなる。図1〜2に示すように、本発明は、光学グレードのフッ化物結晶44を提供する工程を含み、好ましくは、結晶44はフッ化カルシウムの単結晶である。光学グレードのフッ化物結晶44は初期研磨仕上げ表面29を有する。図3〜7に示すように、この方法は、複数の粒状研磨材用コロイドシリカスート32を有してなる光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液30を提供する工程を含む。図3〜5および7に示すように、この方法は、提供した光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液30により、提供した光学グレードのフッ化物結晶の初期研磨仕上げ表面29を最終研磨表面36に研磨する工程を含む。最終研磨表面36は、1nmRMS未満の最終研磨表面粗さを有し、初期研磨仕上げ表面29の初期仕上げ平面度の50%以下に減少したより向上した平面度を有する。好ましくは、1nmRMSよりも大きい初期仕上げ表面粗さを持つ初期研磨仕上げ表面29を有する光学グレードのフッ化物結晶44を提供する工程は、約5nmRMS以下の初期仕上げ表面粗さを持つ初期研磨仕上げ表面29を有する光学グレードのフッ化物結晶44を提供する工程を含む。研磨工程は、最終研磨表面36を、好ましくは、0.75nmRMS未満の最終研磨表面粗さ、より好ましくは、0.5nmRMS以下の最終研磨表面粗さを有するようになるまで研磨する工程を含む。研磨工程は、最終研磨表面36を、好ましくは、表面29の初期仕上げ平面度の30%以下、より好ましくは、表面29の初期仕上げ平面度の25%以下に平面度が減少して向上するまで研磨する工程を含む。好ましくは、粒状研磨材用コロイドシリカスート32を有してなる光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液30を提供する工程は、複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート32を有してなる光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液30を提供する工程を含む。好ましくは、粒状研磨材用コロイドシリカスート32を有してなる光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液30を提供する工程は、50nmより大きく500nmに亘る平均粒径を有するコロイド固体球形溶融シリカスート粒子32を有してなる光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液30を提供する工程を含む。好ましくは、粒状研磨材用コロイドシリカスート32を有してなる光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液30を提供する工程は、20m2/g以下の比表面積を有するコロイド固体球形溶融シリカスート粒子32を有してなる光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液30を提供する工程を含む。
【0009】
本発明の粒状研磨材用固体球形溶融シリカスート32が図6の透過型電子顕微鏡(TEM)画像に示されている。固体球形溶融シリカスート32は、ヒュームドシリカ粒子とは対照的に、個々のバラバラの非多孔質溶融ガラス球体である[ヒュームドシリカ粒子は、主粒子(10ナノメートル)の集合体(100から500ナノメートル)の凝集塊(10〜50マイクロメートル)であり、ヒュームドシリカ粒子は、比表面積が大きく、開放構造でマクロ多孔質である、非特許文献1のワッカー(Wacker)社の製品を参照のこと]。固体球形溶融シリカスート32は、好ましくは、ガラス粒子が個々のバラバラに分離されているガラススート球体を形成する高温でのガラス製造の化学的気相成長プロセス中に製造される。好ましくは、固体球形溶融シリカスート32は、ガラス製造の化学的気相成長プロセスの副生成物であり、このプロセスにおいて、スート32は、意図された堆積表面を回避し、ガラス製造炉の排気物中に排気された粒状不純物副生成物としてガラス製造プロセスから逃れた逃避スートである。高純度の溶融シリカスートの形成は、高温の火炎加水分解プロセスすなわち火炎燃焼プロセスにより行われる。高純度のケイ素含有化学原料が、酸素−炭化水素火炎、または酸素−水素火炎中に導入されて、好ましくは、1300℃より高い温度に維持されている断熱閉鎖容器内で、シリカ中間体が生成される。このシリカ中間体は、ナノメートルのサイズ範囲にある固体二酸化ケイ素の「種」、ガス状一酸化ケイ素、および火炎加水分解反応すなわち火炎燃焼反応からの他の中間体ケイ素含有化合物を含む。好ましくは、断熱閉鎖容器は、シリカ中間体が閉鎖容器内で高温(>1300℃)下で長期間の滞留時間を経験し、その最中に、固体二酸化ケイ素「種」が成長し、同時に高温(好ましくは、>1300℃)で焼結して、閉鎖容器から流出する前により大きな固体の個々のバラバラに分離されている球形粒子を生成するような様式で設計されている。チタンドープシリカスートは、コーニング(Corning)社の超低膨張(ULE(商標))ガラス製造化学的気相成長プロセスの副生成物である。このスートは、組成を除いて、コーニング社の高純度溶融シリカ(HPFS(商標))により製造される高純度溶融シリカスートに似た特徴を有する。ガラス製造化学的気相成長プロセスから排出される副生成物である固体球形溶融シリカスート32の代わりとして、ここに引用するカー(Kar)等の「Process For Producing Silica Soot」と題する、1999年12月10日に出願された係属されている特許文献1に記載されているように、スート32を意図的に製造しても差し支えない。
【0010】
スラリー30に粒状研磨材用コロイドシリカスート32を提供する工程は、好ましくは、0.25μm(250nm)より大きい粒径を持つスート粒子32を提供する工程を含む。好ましい実施の形態において、スート粒子32は、30nmから300nmの粒径分布を有する。スート32は、完璧な球体ではないにしろほぼ完璧に球形である球形スート粒子であり、これらの球体は、特に、丸い形状を有しているかもしれないが、マクロ粒子形状分布の点から言えば非球形であるヒュームドシリカ粒子と比較して、凝集されていない個々の球体である。好ましい実施の形態において、スート粒子32は、好ましくは、SiO2から実質的になる、高純度溶融シリカスート粒子である。好ましくは、高純度溶融シリカガラスは、重量で、500ppmより多い、好ましくは、800ppm以上、好ましくは、800〜1100ppmの範囲のOH含有量、および1,000ppb以下のOH以外の不純物レベルを有し、好ましくは、非OH不純物レベルは100〜1000ppbの範囲にあり、高純度バルクガラス体状態にあるガラスは、200nmより長いUV波長で高い透過率(>90%/cm)を有する。代わりの好ましい実施の形態において、スート粒子32は、好ましくは、Tiドープ溶融シリカガラススート粒子(SiO2−TiO2ガラス)、最も好ましくは、コーニング社のULEガラスのような、5℃から35℃までにおいて0±30ppb/℃のCTEを持つTiドープ超低膨張ガラスである、ドープ溶融シリカガラス粒子32である。好ましくは、Tiドープスート32は、10重量%未満のTiO2を持ち、より好ましくは、約7重量%のTiO2(7±1重量%のTiO2)を含有する。さらなる実施の形態において、スート粒子32には、他の溶融シリカガラス用ドーパント、好ましくは、溶融シリカガラスの屈折率を変更する溶融シリカガラス用ドーパントをドープしても差し支えない。好ましい実施の形態において、スート32は、光導波路用ドーパントをドープした溶融シリカガラスであり、好ましくは、この溶融シリカガラススートは、光導波路用ガラスを製造する化学的気相成長プロセスの副生成物である。ある実施の形態において、スート32はGe(ゲルマニウム)ドープ溶融シリカガラススートである。さらなる実施の形態において、スート32はAl(アルミニウム)ドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、スート32はB(ホウ素)ドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、スート32はP(リン)ドープ溶融シリカガラススートである。さらなる実施の形態において、スート32はEr(エルビウム)ドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、スート32はCe(セリウム)ドープ溶融シリカガラススートである。好ましい実施の形態において、スート32には、元素の周期表のランタニド系列の金属がドープされている。さらなる実施の形態において、スート32はZrドープ溶融シリカガラススートである。
【0011】
研磨溶液30を提供する工程は、平均粒径が300から500nm(0.3から0.5μm)の範囲にある粒状研磨材用コロイドシリカ粒子32を提供する工程を含む。スート32は、好ましくは、100m2/g未満、より好ましくは、50m2/g以下、最も好ましくは、20m2/g以下の比表面積を有する。好ましい実施の形態において、スート32は、約10から20m2/gの範囲にある比表面積を有する。好ましくは、研磨溶液30のスラリーは安定化された分散粘度を持つ。好ましくは、スート32は1.5×10-5モル/m以上の表面活性を持つ。好ましい実施の形態において、スート32は、高純度溶融シリカであり、0.0±0.2の固有pKa1および7.0±0.1の固有pKa2を持ち、好ましくは、溶融シリカスート32は約3.5±0.1の等電点(pHIEP)を持つ。代わりの好ましい実施の形態において、スート32はドープ溶融シリカガラススートであり、0.0±0.1の固有pKa1および5.0±0.2の固有pKa2を持ち、好ましくは、約2.5±0.1の低下した等電点(pHIEP)を持つ溶融シリカのpKa1およびpKa2、並びにpHIEPが、ドーパントにより上昇したり低下したりする。好ましくは、Tiドープ溶融シリカガラススート32は、高純度溶融シリカの純粋なSiO2スート粒子のものと比較して、増大した溶液中表面電荷を有する。好ましくは、Tiドープ溶融シリカガラススート32は、高純度溶融シリカの純粋なSiO2スート粒子のものと比較して、5.0未満の低pH値での増大したスラリー安定性を有する。スート32を有する研磨溶液30のスラリーは溶液中安定性を持ち、スート粒子32は耐凝集性であり、耐ゲル化性であり、特にヒュームドシリカ粒子と比較した場合、安定化された粘度を有する。研磨溶液30のスラリーは、そのスラリーがニュートン粘度を持ち、凝集がわずかであるか全くなく、ゲル化がわずかであるか全くなく、スラリー中の充填量が1から15重量%までであり、好ましくは、3重量%より多い状態で安定性が維持されるという点で安定である。ヒュームドシリカスラリーは、スラリー中の充填量が3重量%を超えると、不安定になり、取扱いが難しくなる。
【0012】
好ましくは、光学グレードのフッ化物結晶の光学素子を製造する方法は、光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子、最も好ましくは、プリズム、ビームエキスパンダ、出力カプラ、および窓のような平らな光透過表面を有するエキシマレーザ用光学素子を製造する工程を含む。最も好ましくは、本発明は、フッ化カルシウムである光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子の製造を含む。代わりの実施の形態において、光学グレードのフッ化物単結晶はフッ化バリウム結晶である。代わりの実施の形態において、光学グレードのフッ化物単結晶はフッ化マグネシウム結晶である。代わりの実施の形態において、光学グレードのフッ化物単結晶はフッ化リチウム結晶である。図8〜10に示すように、本発明の方法は、好ましくは、エキシマレーザナローラインパッケージに用いられるもののような、光学グレードのフッ化物結晶プリズム、最も好ましくは、フッ化カルシウムである光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子を製造する工程を含む。好ましい実施の形態において、本発明の方法は、エキシマレーザのような200nm未満の波長用レーザに用いられる、プリズム、ビームエキスパンダ、出力カプラ、および窓のような平らな光透過表面を持つフッ化カルシウムである光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子を製造する工程を含む。
【0013】
スート粒子32を含む本発明の研磨溶液30は、安定化された分散粘度を持つ。研磨溶液30は、好ましくは、スラリーであり、最も好ましくは、水性スラリーである。好ましくは、本発明のスラリーのスートは1.5×10-5モル/m以上の表面活性を有する。好ましい実施の形態において、研磨溶液スラリー30は、0.0±0.2の固有pKa1および7.0±0.1の固有pKa2を持つスート粒子を有してなる。この実施の形態において、スート粒子は、好ましくは、3.5±0.1の等電点を有する。代わりの実施の形態において、スート粒子は、0.0±0.1の固有pKa1および5.0±0.2の固有pKa2を持つ。この実施の形態において、スート粒子は、好ましくは、2.5±0.1の等電点を有する。本発明の実施の形態において、スート粒子は、セリウム、鉄、ジルコニウム、アルミニウム、またはそれらから形成された酸化物により被覆されている。スラリーの好ましい実施の形態において、スート32は、溶液中電荷が増大したTiドープ溶融シリカガラススートである。好ましくは、Tiドープ溶融シリカガラススートは、5.0未満のpH値の溶液中において増大した低pH安定性を有する。スラリー30は溶液中安定性を有し、スート粒子32が耐凝集性であり、耐ゲル化性であり、ここで、このスラリーは安定化粘度を有する。
【0014】
スート粒子32の表面電荷は、スラリー30の有益なフッ化カルシウム最終研磨特性に寄与する。9.8のpKaを持つ単量体ケイ酸とは異なり、ガラス表面は、Si−O−Si結合の程度、組成、および構造により決定される、様々なpKa値を持ち得る。高純度溶融SiO2スート32のガラスおよびTiO2−SiO2(約7重量%のTiO2)スート32のガラスに関する表面荷電、荷電ゼロ点、およびpKaがここに説明されている。好ましくは、スート粒子32は、副生成物のスートであり、ガラス製造プロセスにより製造される親ガラスと同じ固有の物理的および化学的特性を有している。なぜならば、それらのガラスは、同じ化学的気相火炎加水分解成長プロセスにおいて製造されるからである。10-1から10-5MのNaCl溶液において行った滴定実験により、溶融SiO2粒子について、それぞれ、0.0±0.2および7.0±0.1、並びにTiO2−SiO2粒子について、それぞれ、0.0±0.1および5.0±0.2の解離定数(すなわち、固有pKa1およびpKa2値)が示された。各々の材料の荷電ゼロ点は、溶融SiO2粒子およびTiO2−SiO2粒子について、それぞれ、3.5±0.1および2.5±0.1と計算された。荷電ゼロ点およびpKa2値を低下させるTiO2ドーパントの役割は、四面体配位の結果であると考えられる。
【0015】
水系におけるシリカ粒子の表面化学特性、特に、表面電荷および反応性は、平面化用途における粒子の使用に関する。表面化学特性は、粒子の調製方法により大いに影響を受ける。
【0016】
本発明のスート粒子32は、コロイド形態にあるスート粒子ガラスとして用いられる。図11から分かるように、滑らかな表面を持つスート粒子は完全に緻密である。図11(a)は、高純度溶融シリカスートの走査電子顕微鏡写真であり、図11(b)は、Tiドープシリカ(TiO2−SiO2)スート粒子の走査電子顕微鏡写真である。
【0017】
水溶液中の他の酸化物の表面のように、シリカスート32の表面は、OH末端の両性であり、pH依存性表面電荷を有する。酸化物の表面電荷および酸性度は通常、水性懸濁液中に懸濁されている酸化物粒子の酸塩基滴定を用いて測定される。
【0018】
酸化物の表面は、例えば、シリカについて、プロトンの会合または解離により正または負いずれかの電荷を得ることができる:
【数1】
【数2】
【0019】
酸化物の表面の酸−塩基挙動は、一般に、以下のように定義される酸性度定数pKa1およびpKa2により説明される:
【数3】
【数4】
【0020】
ここで、{}は、表面種の濃度(吸着固体のモル/kg)を示し、[]は、溶質の濃度(M)を示す。pKa1およびpKa2の単位は、モル/Lである。{Si−O−}={Si−OH2+}であるpHは、荷電ゼロ点(すなわち、pHPZC)または電気泳動により測定される場合には等電点として知られている。結晶質または非晶質いずれかのSiO2のpHPZCは1から3までに及び、結晶質TiO2のpHPZCは3.5〜5.5である。
【0021】
酸−塩基滴定法では、表面のOH基の濃度を約0.1ミリモル/Lより大きくする必要がある。したがって、そのような方法は、高表面積の酸化物粉末に使用できるが、ガラスの表面を滴定するのには使用できない。表面のシラノール(≡Si−OH)基は酸性度が異なること、および滴定は全ての部位に亘り平均化することに留意するのが重要である。
【0022】
シラノール基の酸性度は、シリカの縮合度に依存する。単量体のケイ酸(pKa2=9.8)は、Siに対して4つの−OH基の配位を有し、一方で、表面のシラノール基はほとんど共通して、3つの−O−Si基により配位されたSiを持つ。−O−Si基の電気陰性度は、−OHのものよりもずっと大きい。したがって、Si(OH)4のOH基がO−Si基によって置換されるほど、シラノール基がより酸性になる。表面のシラノール基は、単量体のケイ酸のシラノール基よりも酸性が強いと予測される。何故ならば、表面のシラノール基は、単量体のケイ酸中のシラノールに配位する3つのOH基よりもむしろ、ケイ素に結合した3つの−O−Si基を有する確率が高いからである。その結果、スート表面のpKa2は、単量体のケイ酸のpKa2よりも低いことが予測される。このことを支持するものには、シリカゲル(ヒュームドシリカ)の表面のシラノール基に関する解離定数(pKa2)が6.8±0.2であることを示すシンドラー(Schindler)およびカンバー(Kamber)(非特許文献2)からの酸塩基滴定結果がある。
【0023】
溶融SiO2(コーニング(登録商標)HPFS(登録商標)高純度溶融シリカガラス)およびTiO2−SiO2ガラス(コーニングULE(登録商標)超低膨張ガラス)(それぞれ、コーニングコード7980および7972)(ニューヨーク州、コーニング所在のコーニング社)を製造するのに用いられる火炎加水分解成長(FHD)プロセスにより、非晶質スート粒子が生成され、これら粒子はブールに焼結される(堆積されず、副生成物として排出されたスートの各々の粉末の電子顕微鏡写真に関する図11を参照のこと)。スート粒子32は、それらが焼結されるガラスと同じ組成並びに固有の物理的および化学的特性を有する。SiO2およびTiO2−SiO2スート32に関する例示としての組成および特性が、火炎加水分解成長におけるスートを固結することにより製造されたガラスの特性と共に、表Iに示されている。両方のスート材料は、分光分析および発光プラズマ(DCP)分析により測定されたように高純度(>99.9%)(<0.1%の不純物)のものであり、同様の表面積を有する。両方のスート粉末についてのX線回折分析では、どのような結晶相も観察されなかった。
【表1】
【0024】
二種類のスートの活性表面にあるOH部位の総数は、シッグ(Sigg)およびスタン(Stumm)(非特許文献3)のフッ化物吸着法を用いて測定した。スート32の試料を、10%の固体添加量で、0.12MのNaF溶液中に分散させた。これらの溶液を、希釈HClによりpH5.5±0.1に調節し、室温で1時間に亘り撹拌し、50〜55℃のオーブン中に1時間配置した。次いで、試料を再度混合し、検査して、pHが5.5±0.1から外れていないことを確認し、溶液中のフッ化物含有量をフッ化物選択電極を用いて測定し、初期の0.12MのNaF溶液から調製した標準物と直接比較した。吸着されたフッ化物の量は、表面にある活性OH基の量に対応するものであるが、この量を、加えたフッ化物と平衡後の溶液中に残されたフッ化物との間の差により決定した。フッ化ナトリウム標準物に関する相関係数(r2)は>99.9%であった。各々の実験は二重に行った。
【0025】
滴定曲線は、バックグラウンドの電解質として10-1、10-2、10-3、10-4、10-5MのNaCl中で10%の固体添加量まで混合された試料を用いて、SiO2およびTiO2−SiO2スート32について作成した。各々の溶液を最初に、標準化された0.1MのNaOHを用いてpH7.5に滴定し、次いで直ちに、標準化された0.1および1.0MのHCl溶液を用いてpH2.0未満に滴定し、このようにして、最初に等電点から離れて滴定することにより粒子の分散を促進した。
【0026】
各々のガラススート32粉末についての固有pKa値(すなわち、解離定数)の計算は、滴定データ、固体添加量についての情報および表面活性を用い、各々のガラスについての表面電荷データを用いることにより行った。厳密に[OH−]および[H+]による表面電荷の一部として定義される平均表面電荷(Q)は、表面種毎グラム(モル/g)として各々の溶液について計算した:
【数5】
【0027】
CaおよびCbは、それぞれ、滴定中に用いた酸および塩基の濃度(モル/L)に対応し、[]は単位容積当たりの溶質の濃度(モル/L)を示し、aは溶液中の酸化物の量(g/L)である。表面電荷値(Q)および表面活性について先に報告した値(S)に関して、pKa値は、方程式(6)および(7)を用いて各々の滴定曲線について計算した:
【数6】
【数7】
【0028】
pKa1およびpKa2対表面電荷(Q)のプロットから、固有pKa値を、ゼロの表面電荷への外挿法により決定した。
【0029】
スート粒子および各々のスートの直接堆積固結により製造されたガラスについて、ケイ素−29マジック角回転(MAS)核磁気共鳴(NMR)を行った。スペクトルを、5.0kHzの回転速度を用い、4μm秒パルスにより、99.28MHz(11.7テスラ)で記録した。スートの高OH含有量により生じた29Siスピンの緩和時間の差のために、ガラスおよびスートについて、それぞれ、5000秒および300秒のリサイクル遅延を用いた。スペクトルを外部のテトラメチルシランに対して参照した。4.0msの接触時間、10sのリサイクル時間、および3.33kHzの回転速度を用いて、スート試料のみに1H−29Si交差分極(CP)/MAS NMR実験を行った。各々のスペクトルについて、約8000スキャンが得られた。
【0030】
各々のスート粉末に関するフッ化物吸着により決定された表面活性シラノール基{Si−OH}の総数の結果が表IIに示されている。SiO2スート32について、表面活性シラノール基の総数は4.2×10-4モル/gであった。TiO2−SiO2スート32は、より多い数の表面活性部位毎グラム(5.0×10-4モル/g)を有した。それらの部位は、Si−OHおよびTi−OHの表面基の両方に対応するのであろう。しかしながら、表面活性を各々の材料の固有の化学特性に関連付けるために、表面活性をモル/m2の単位に変換することにより、二種類のスート粒子間の比表面積の差(表I)を説明した。その理由のために、溶融SiO2スート(3.1×10-5モル/m2)は、TiO2−SiO2スート(2.8×10-5モル/m2)より高い表面活性を有した。
【表2】
【0031】
酸塩基滴定曲線および表面電荷平衡滴定プロットが、それぞれ、図12および13において、溶融SiO2スート32およびTiO2−SiO2スート32について示されている。各々のスート材料について、異なる濃度の不活性電解質(すなわち、NaCl)についての滴定曲線が、荷電ゼロ点で交差するのが示されており、純度および表面電荷挙動に関する両材料の一貫した挙動を示している。溶融SiO2スート(図12(b))について、表面電荷はpH4.0でゼロに近づき、pH3.0未満の滴定までゼロのままであった。シリカが滴定されたときに一般に観察されるこの挙動は、低表面電荷による静電安定化の欠如のためにシリカが凝集したせいであった。この挙動は、表面電荷が低い場合に溶融SiO2スートを有する低イオン強度溶液について特に著しいという事実(図12(b)における10-3MのNaClの曲線を参照)によって、凝集が最も起こりやすいことが確認される。相対的に、TiO2−SiO2スートは、pH2.6±0.2でゼロの荷電値に滴定され、荷電ゼロで遅延を示さなかった(図13(b)参照)。
【0032】
各々のスートについて計算した解離定数の結果が、図12(c)および図13(c)に示されており、表IIに列記されている。溶融SiO2スート32は、0.0±0.2の固有pKa1値および7.0±0.1の固有pKa2値を有することが分かった。TiO2−SiO2スート32は、0.0±0.1の固有pKa1値および5.0±0.2の固有pKa2値を有することが分かった。TiO2−SiO2スートのより低いpKa2は、このスートがSiO2スート32よりも酸性が強いことを示している。10-1から10-5Mの範囲に亘るNaCl濃度の差により各々の値の結果は変わらず、したがって、各々の実験の一貫性が反映されていた。
【0033】
特に、表面が幅広いpH範囲に亘りゼロに近い電荷を有するSiO2スートについて、滴定プロットからpHPZCを読むことが難しいために、以下の関係式を用いて、pKaからpHPZCを計算した:
【数8】
【0034】
したがって、SiO2スート粒子およびTiO2−SiO2スート粒子に関するpHPZC値は、それぞれ、3.5±0.1および2.5±0.1であると決定された。SiO2スートにTiO2をドープすることにより、表面の酸性度が増大する。
【0035】
二種類のスート32の29Si MASスペクトルおよび1H−29Si CP/MASスペクトルの比較が、図14(a)および14(b)に示されている。TiO2−SiO2スートのCP/MASスペクトルは、対応するSiO2スートのスペクトルよりもずっと高い信号対雑音比を有する。CP/MASスペクトルにおける信号は、1Hから29Siまでの直接交差分極により生成され、近傍にプロトンを持つSi種(Si−OHのような)のみが強い信号を与える。SiO2スートと比較して、TiO2−SiO2スート中のより強いCP/MAS信号は、TiO2−SiO2スートがSiO2スートよりも高いOH含有量を有することを示している。
【0036】
スート粒子とスートの固結により得られるガラスとの間の構造の潜在的な変化を求めるために、各々の直接堆積ガラスについて、29Si MAS−NMRスペクトルも得た(図14(c)および(d)参照)。両方のガラスは、SiO2ガラスについて−112ppmで、TiO2−SiO2ガラスについて−113ppmで中心となる29Si Q4ピークを持つ同一のスペクトル(すなわち、29SiシフトへのTiO2の影響は解明することができなかった)を有している。各々のガラスの29Siピークは、各々のスートに対して2ppmだけ高い場にシフトされている。この高い場へのシフトは、対応するスート粒子と比較して、ガラス中のシリカのより高い程度の縮合および/またはより低いOH含有量により生じ得た。各々のスートは高温火炎中で形成されたので、各々高度に縮合されていると予測される。しかしながら、各々のスートの表面積は、各々の直接堆積ガラスの表面積よりもずっと大きく、各々のスートは大気中の水分と反応して、ピーク位置を高い場にシフトさせるシラノール基を形成するであろう。
【0037】
溶融SiO2スート材料およびTiO2−SiO2スート材料に関して決定した表面電荷特性は、SiO2構造中にTiO2を加えると、pHPZCが低下する一方で、表面の酸性度および表面電荷が増大することを示している。溶融SiO2スートについてのこの報告において決定された結果をSiO2ゲルについて以前に報告された結果(非特許文献2)と比較すると、両方の材料について同等の値が示された(それぞれ、7.0±0.1および6.8±0.2の固有pKa2値)。SiO2ゲルについての参照した研究においては構造分析は行われなかったが、スート材料の分析により、溶融SiO2スートはTiO2−SiO2スートよりも少なくOHを有することが示された。これは、TiO2−SiO2スートの表面電荷がSiO2スートの表面電荷よりも高いという潜在的な理由である。
【0038】
TiO2−SiO2スートがSiO2スート(pKa2=7.0、表II)よりも酸性の強い表面を有する(pKa2=5.0、表II)という事実は、むしろ予期しないことである。純粋なコロイド結晶質TiO2(ルチルまたはアナターゼ)のpKa2値は7.4から9.1に及び、これは、ヒュームドシリカについて報告された6.8のpKa2値よりも著しく高い(非特許文献2)。表面のTi−OHはSi−OHよりも酸性は弱く、TiはSiよりも電気陰性度が弱いので、TiO2−SiO2スートのpKa2はSiO2スートのpKa2よりも高いはずであると予測されるであろう。さらに、結晶質TiO2のpHPZCが、シリカのpHPZCよりも高い、約2.5pH単位であることを考えれば、TiO2をSiO2に添加すると等電点が増大するはずであると予測されるであろう。しかしながら、参照した表面化学特性データは、六面体配位TiO2(ルチルおよびアナターゼ)についてのみ得られる。この研究に用いたTiO2−SiO2スートのXRD分析により、TiO2−SiO2スートはガラス(すなわち、結晶質TiO2相が存在しない)であることが示される。Ti4+は、火炎加水分解により製造されたSiO2中に約7重量%のTiO2を有するガラス中の四面体配位にあることが示されている。四面体Tiの低い配位状態により、6配位のTiと比較してTi−O結合の極性が増加するであろう。しかしながら、4配位のTiは、ここで研究した水性系中のスート表面に存在しそうにない。何故ならば、水が2つの空の配位部位を直ちに埋めるであろうからである。TiO2−SiO2スートの表面に形成されたままのTi−OHは、ルチルまたはアナターゼの表面のTi−OHと似た特性を有することが予測される。したがって、オルトチタネート[TiO4]4-基がスート内になければならない。SiO2スートと比較してTiO2−SiO2スートの表面酸性度の増加(すなわち、表面のシラノール基における低い電子密度)を説明するためには、オルトチタネート基は、強力に電子求引性でなければならない。したがって、純粋なSiO2スートと比較したTiO2−SiO2スートの増大した表面の酸性度およびより低いpHPZCは、スート中のTiの四面体配位のためであるという説が立てられる。
【0039】
スート粒子と親ガラスとの間には、熱履歴の差のために溶解挙動の潜在的な差が存在する。溶融SiO2スート粒子32およびTiO2−SiO2スート粒子32は、製造プロセスにより生成され、炉から排出される副生成物として回収されるので、ガラス体ブールが炉内で経験するアニーリング周期はスートには施されない。研究により、E−ガラスのアニーリングプロセスが酸による腐蝕速度を低下させることが示され、このことは、ガラス表面がアニーリング中にヒドロキシル化を受けにくくなることを示している。図14(c)および(d)は、スートとガラスの非常に似た程度の縮合を示しており、主要な差は、ガラスと比較してスート32のずっと大きな表面積により生じる高いOH含有量のために最も起こりやすい各々のスートの29Si信号中の高いQ3成分である。アニーリングプロセスにより、各々のガラスのOH含有量が減少し、その結果、単位面積当たりの表面電荷は、ガラス表面と比較して各々のスートについて高いと予測されるであろう。それゆえ、ガラス表面はスート粒子よりも高い耐腐蝕正を示すであろう。しかしながら、アニーリング中の構造緩和により、表面電荷の結果が影響を受けるということを疑う理由はない。したがって、SiO2スート材料およびTiO2−SiO2スート材料の解離定数は、親ガラスについても同じであると考えられ、構造緩和および縮合における差は、表面のOH基の数のみに影響し、この数は転じて腐蝕のようなプロセス中の表面反応性に影響する。
【0040】
pKa2および荷電ゼロ点(pHPZC)の値におけるSiO2スート32およびTiO2−SiO2スートの差は、2つの対応するガラスの実質的に異なる表面特性および反応性を示している。溶融SiO2ガラスと比較してより大きいTiO2−SiO2ガラスの表面酸性度のために、付着性、研磨中の粒子相互作用、ガラス表面の溶解/腐蝕および洗浄中の表面からの粒子の除去に関する挙動が異なるであろう。
【0041】
SiO2およびTiO2−SiO2(約7重量%のTiO2)スート32(火炎加水分解により製造されたコロイドガラス)の表面電荷、酸性度、および荷電ゼロ点を測定するように設計された水溶液中の滴定実験により、二種類のスートが異なる表面特性を有することが示される。バックグラウンド電解質としてのNaClとの希釈水性懸濁液中の溶融SiO2およびTiO2−SiO2スート粒子は、それぞれ、3.5±0.1および2.5±0.1のpHPZC、それぞれ、0.0±0.1および0.0±0.2の固有pKa1値、およびそれぞれ、7.0±0.1および5.0±0.2の固有pKa2値を有する。荷電ゼロ点および固有pKa値の差は、TiO2を加えると、SiO2の表面電荷挙動が影響を受け、その影響は、TiO2−SiO2構造中のTiO2の四面体配位によるものであると考えられる。各々のスート粒子に関する29Si MAS NMRスペクトルにおけるQ4ケイ素の2ppmの低い場へのシフトが、対応するガラスに対して見られた。スートの表面積はガラスの表面積よりもずっと大きいので、ガラスに対するスート中のわずかに高いQ3成分は、表面のシラノール基の比率がより大きいために最も起こりそうである。各々のスートおよびガラス中の縮合度は同様であるので、スート表面について得られるデータは、水系中の各々のガラスの表面特性を理解する上で有用であると考えられる。
【0042】
SiO2研磨粒子の合成は、一般に、ヒュームドシリカを形成する火炎加水分解またはゾルゲルプロセスのいずれかにより行われる。火炎加水分解により形成されたヒュームドシリカ研磨粒子は高い表面積(>100m2/g)を有する。ヒュームドシリカ粒子の火炎加水分解を用いると、揮発性トリクロロシロキサンを水素/酸素火炎中に導入することにより、非晶質二酸化ケイ素が生成される。約1200℃での加水分解により、ヒュームドシリカおよび塩化水素が生成される。火炎中での反応条件下において、約10ナノメートル(1nm=10−9m)の高粘度のSiO2主要粒子が最初に生成される。これらの粒子のSiO2表面は滑らかであり、マクロ多孔質ではない。火炎中で、これらの主要粒子は、約100から500ナノメートルの、集合体として知られているより大きなユニットに融合する。冷却の際に、これらの集合体は、凝集して、三次構造とも称される凝集体を形成する。WACKER HDK(登録商標)ヒュームドシリカのような凝集体は、10〜50マイクロメートルの寸法である。WACKER HDK凝集体のようなヒュームドシリカは、開放構造であり、したがって、マクロ多孔質である。ヒュームドシリカの集合体および凝集体の利用できる大きな表面積は、ヒュームドシリカ高比表面積(BET)のためである(WACKER HDKヒュームドシリカ−非特許文献1を参照)。本発明のスート32は、1300℃より高い、好ましくは、1400℃より高い、より好ましくは、1600℃のような1500℃より高い温度での火炎加水分解により生成され、100m2/g未満の比較的小さい比表面積を有する。スート32粒子は、高温で長期間を過ごして、低表面積の固体球形スート粒子を生じる。
【0043】
10-3MのNaCl中に調製し、希釈HClおよびNaOHを用いてpH2、4、および6に調節した、3および6重量パーセントのSiO2スラリーについて、20.0±0.1℃で超低同心シリンダアダプタを備えた可変速度粘度計を用いて、レオロジー実験を行った。0.5s-1で始め、100s-1まで上昇させ、その後、0.5s-1まで減少させる前に100s-1に保持した剪断速度で、剪断応力および粘度の測定を行った。このようにして、各々のスラリーを、曲線の当てはめを行うソフトフェアを用い、剪断速度を増加させて作成した剪断応力曲線の下の面積と、減少させて作成した剪断応力曲線の下の面積との間の差を計算することにより、ヒステリシスから観察された凝集およびゲル化の作用について特徴付けた。
【0044】
その結果により、本発明の溶融シリカスート粒子32は、スラリー30中に混合したときに、少ない凝集および/またはゲル化作用の点から見て、より大きいスラリー安定性を示すことが分かる。スート32は、有益なより低い表面積を有し、したがって、ヒュームドシリカ粒子と比較して、同重量パーセントまで粒子を混合した場合、溶液中の表面電荷の濃度の低下を促進する。その結果、スート32は、粘度値を低く維持し、ニュートン挙動を反映しながら、より多い固体添加量(例えば、>10重量パーセント)まで混合することができる。
【0045】
スート粒子32の酸性分散挙動をここに、二種類のヒュームドSiO2研磨粒子ブランド(DegussaおよびCabot)のものと比較する。溶融SiO2スート粒子32は、粒径が大きく、サイズ分布が広く、表面積が小さい。表面酸性度を研究するためにフッ化物吸着を用い、2〜7.5のpH範囲に亘る10-1から10-3MのNaCl溶液中の表面電荷を研究するために酸塩基滴定を用いた。三種類のSiO2粒子の各々は、同様な滴定挙動を示した。溶融SiO2スート粒子32は、二種類のヒュームドSiO2粒子に関する6.8および6.1と比較して、より高い7.0の固有pKa2値を示した。pH2、4、および6に調節された10-3MのNaCl溶液中の3および6重量パーセントの固体添加量での分散および凝集/ゲル化について試験するために設計したレオロジー実験により、溶融SiO2スート粒子32は懸濁液中でより安定であることが示され、全ての試験条件について低い粘度結果を示した。これらの結果により、溶融SiO2スート粒子32は、酸性条件下で、従来のヒュームドSiO2粒子をスラリーに適用したときと比較して、優れた分散特性を示すことが分かった。
【表3】
【表4】
【0046】
図15は、本発明のスート32の透過型電子顕微鏡写真である。
【0047】
図16は、Degussa Ox50ブランドのヒュームドSiO2の透過型電子顕微鏡写真である。
【0048】
図17は、Cabot 10MブランドのヒュームドSiO2の透過型電子顕微鏡写真である。図15を図16〜17と比較すると、本発明のスート32とヒュームドシリカ粒子との間の違いが明らかに分かる。
【0049】
図18(a)〜(f)は、スラリー中の比較されるシリカ粒子の剪断速度(1/秒)対剪断応力(D/cm2)のプロットである。○は本発明による高純度溶融シリカスートを示す。□はDegussaヒュームドシリカを示す。△はCabotヒュームドシリカを示す。図18(a)は、pH2に調節された10-3MのNaCl中に3重量パーセントの固体が添加されたスラリーである。図18(b)は、pH4に調節された10-3MのNaCl中に3重量パーセントの固体が添加されたスラリーである。図18(c)は、pH6に調節された10-3MのNaCl中に3重量パーセントの固体が添加されたスラリーである。図18(d)は、pH2に調節された10-3MのNaCl中に6重量パーセントの固体が添加されたスラリーである。図18(e)は、pH4に調節された10-3MのNaCl中に6重量パーセントの固体が添加されたスラリーである。図18(f)は、pH6に調節された10-3MのNaCl中に6重量パーセントの固体が添加されたスラリーである。
【0050】
これらのグラフの比較により、本発明のコロイド溶融シリカスート32は、様々な程度の固体添加量まで混合されたスラリーについて、致命的な粘度変化に対して耐性があることが示される。例えば、3重量パーセントで固体を添加した場合、スート32および市販のヒュームドSiO2の両方は計画したpH範囲(pH2〜12)に亘り同様の粘度挙動を示す。しかしながら、特に、低pH値(7未満)では、固体の添加量が増えると(例えば、3〜6重量パーセント)、市販のヒュームドシリカ組成物について、粘度および凝集/ゲル化の挙動が著しく上昇する。スート32は、同じ条件下で比較的変化を示さない。
【0051】
本発明は、光学グレードのフッ化物結晶用研磨スラリーの製造方法を含む。図19〜21に示すように、光学グレードのフッ化物用研磨スラリー30はスート32を有してなる。この方法は、プリスラリー溶媒61を提供し、溶媒61中にスート粒子32を分散させて、光学グレードのフッ化物結晶用研磨スラリー30を形成する各工程を含む。プリスラリー溶媒61は、好ましくは、水性のスラリー溶媒である。スラリー30の溶媒61は、好ましくは、精製し、蒸留した脱イオンH2O液である。溶媒61中にスート32の分散は、剪断混合により行われる。
【0052】
スラリー30を製造する方法は、スラリー中、少なくとも1重量%のスート、より好ましくは3重量%より多くスートを添加する工程を含む。少なくとも1重量%を添加する工程は、好ましくは、スラリー中に15重量%までのスートを添加する工程を含む。スラリーが1〜12の範囲のpH、より好ましくは、7以下のpHを持つ場合、このスラリーは、3〜10重量%の範囲の添加量について安定性を示す。スートスラリー30は、ヒュームドシリカスラリーと比較して、3重量%より多い添加量で有益な安定性を示し、特に、pHが7未満の場合に、3から6重量%の添加量で有益な効果を示す。この方法は、添加量が、3重量%より多い、好ましくは、6重量%より多い、より好ましくは、10重量%より多いスートを分散させる工程を含み、ここで、スラリーは、凝集が抑制され、ゲル化が抑制されており、安定した粘度を有する。
【0053】
粒状研磨材用シリカスート32は、好ましくは、30nmから300nmまでの粒径分布を持つ非凝集性固体球形溶融シリカスート粒子である。好ましくは、スート32は高純度溶融シリカスートである。好ましい実施の形態において、スート32はドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、Tiドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、Geドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、Alドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、Bドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、Pドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、Zrドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、Erドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、Ceドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、ランタニド金属ドープ溶融シリカガラススートである。
【0054】
粒状研磨材用シリカスート32は、好ましくは、0.3から0.5μmの範囲の平均粒径を持つスート粒子である。スート32は、好ましくは、100m2/g未満、より好ましくは、50m2/g以下、さらにより好ましくは、20m2/g以下の比表面積を有する。好ましい実施の形態において、スート32は、約10から20m2/gの範囲の比表面積を有する。
【0055】
スート粒子32は、好ましくは、1.5×10-5モル/m以上の表面活性を有する。スート32は、好ましくは、0.0±0.2の固有pKa1および7.0±0.1の固有pKa2、並びに3.5±0.1の等電点を有する。さらなる実施の形態において、スート32は、0.0±0.1の固有pKa1および5.0±0.2の固有pKa2、並びに好ましくは、2.5±0.1の等電点を有する。好ましいTiドープスート32において、このスートは、純粋なSiO2のものよりも増大した溶液中表面電荷を有する。このTiドープスートは、5.0未満のpH値で、低pHでの溶液中安定性が増大しており、これは、ドープされていない純粋な高純度SiO2よりも改善された安定性である。
【0056】
スート粒子32を提供する工程は、好ましくは、化学的気相成長ガラス製造プロセスからの副生成物として溶融シリカスート粒子を回収する工程を含む。好ましい実施の形態において、回収工程は、直接堆積式高純度溶融シリカガラス製造プロセスであって、スートがガラス製造プロセス中に堆積するのを逃れ、粒状排出物として排出されるプロセスからの排出された副生成物として高純度溶融シリカスート粒子を回収する工程を含む。代わりの実施の形態において、回収工程は、超低膨張ガラス製造プロセスからの副生成物としてTiドープ溶融シリカガラススート粒子を回収する工程を含む。さらなる実施の形態において、スート32を回収する工程は、光導波路ガラス製造プロセスからの副生成物として、好ましくは、ドープシリカガラススートとして、またはドープされていない溶融シリカスートとして、スートを回収する工程を含む。化学的気相成長ガラス製造プロセスから副生成物としてスート32を回収する工程は、好ましくは、ガラス製造プロセスの不純物から副生成物のスート粒子32を分離する沈降/浮上分離を含む。そのようなスラリー製造プロセスが図19〜21に示されている。図19に示したように、化学的気相成長ガラス製造プロセスからの副生成物のスート粒子32は、沈降/浮上分離用容器内に含まれる精製されたプリスラリー水溶媒61中に分散されて、スラリー30を形成する。分散されたスラリー混合物は、図20に示したように、浮遊不純物80が頂部近辺に集まり、沈降不純物80が底部近辺に集まり、それらの間に副生成物のスート32のスラリーがあるように落ち着かせられる。スート32のスラリー30は、上部と下部にあるガラス製造プロセスの不純物から選択的に除去され、分離される。
【0057】
スート粒子32を提供する工程は、転化部位を提供し、転化部位を1300℃より高い温度に維持し、転化部位に火炎を生じさせ、転化部位の火炎中にケイ素原料化合物を導入し、複数の高純度シリカプリスート中間体を生成し、プリスートシリカ中間体を、1300℃より高い温度で長い滞留時間維持し、スート粒子を回収する前に、プリスートシリカ中間体を溶融シリカスート球体に同時に成長させ、焼結する各工程を有してなる。
【0058】
本発明は、光学グレードのフッ化物単結晶を研磨する方法を含む。好ましい実施の形態において、この方法は、光学グレードのフッ化カルシウム単結晶を研磨する方法を含む。図1〜2に示したように、本発明の方法は、初期仕上げ光透過表面29を有する光学グレードのフッ化物結晶44を提供する工程を含む。この方法は、複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子32を有してなる最終研磨用溶融シリカスート溶液30を提供し、光学グレードのフッ化物結晶の光透過表面を、最終研磨用コロイド固体球形溶融シリカスート溶液で研磨して、最終研磨された光学グレードのフッ化物結晶の光透過表面36を提供する各工程を含む。研磨工程は、好ましくは、1nmRMS未満の最終研磨表面粗さまで、より好ましくは、0.75nmRMS未満の最終研磨表面粗さまで研磨する工程を含む。
【0059】
本発明は、光学グレードのフッ化物結晶の仕上げ産業における、溶融シリカガラスまたは超低膨張ガラスの化学的気相成長プロセスの副生成物(コロイドシリカ副生成物スート)として製造されたコロイドシリカの用途を提供する。親ガラスと同じ物理的特性を維持し、球形モルホロジーを有しているので、コロイドシリカスートは、光学グレードのフッ化物結晶、好ましくは、光学グレードのフッ化カルシウム単結晶の最終研磨用途にとって理想的な候補である。このスートは、従来のコロイドシリカまたはヒュームドシリカと比較すると大きな粒径を有する。
【0060】
従来のコロイドシリカは、一般に、50ナノメートル(nm)以下の平均粒径を有する。本発明のコロイドシリカスートの粒状研磨材は、概して、50nmより大きく500nmに及ぶ平均粒径を有する。より詳しくは、コロイドシリカスートは、100nmから400nmに及ぶ平均粒径を有する。
【0061】
好ましくは、コロイドシリカスートは、250nmから350nmに及ぶ平均粒径を有する。より好ましくは、コロイドシリカスートは、約300nmに及ぶ平均粒径を有する。
【0062】
一般に、スートは、20m2/g以下の比表面積を有する。好ましくは、この比表面積は10から20m2/gであり、より好ましくは、比表面積は15から20m2/gである。
【0063】
本発明の溶液は、最良の表面仕上げ状態、形状および形態を得られるpHに調節され、この溶液は安定化されおり、貯蔵中にpHシフトおよび凝集を生じない。
【0064】
溶融シリカ(FS)および超低膨張(ULE)のスート材料に関する物理的特性は、スートが副生成物として生じる製造プロセスにより製造される親ガラスのもののと同じである。例示としての特性が、以下の表Aに示されている。
【表5】
【0065】
一般に、コロイドシリカスートの水溶液は、2から12までのpH、好ましくは、5から12までのpHに緩衝される。好ましくは、コロイドシリカスートの水溶液は9から12までのpHに緩衝され、より好ましくは、コロイドシリカスートの水溶液は10から11までのpHに緩衝される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
研磨実験を以下のように行った。フッ化カルシウム結晶の試料を、研削プロセスおよびラップ仕上げプロセスにより機械加工して、約2.0nmRMSの表面仕上げを持つ初期研磨表面を有する、表面下損傷が最小の平らな表面を形成した。従来のコロイドヒュームドシリカにより、フッ化カルシウム結晶試料を0.5nmRMSの最終研磨表面まで最終研磨すると、試料の平らな表面の平面度が80%減少して向上した。本発明のコロイド溶融シリカ固体球形スートにより、フッ化カルシウム結晶試料を0.5nmRMSの最終研磨表面まで最終研磨すると、試料の平らな表面の平面度が20%しか減少せず、それほど向上しなかった。
【0067】
スートから好ましく調製された溶液は、カリウムベースの溶液を用いて、pH10〜11に緩衝される。コロイドシリカスートの緩衝溶液は、ロデル(Rhodel)社の製品コード204またはロデル社のPolitexブランドのパッドのような柔軟な研磨パッドと組み合わせて用いても差し支えない。
【0068】
本発明は、コロイドシリカスートの光学グレードのフッ化カルシウム結晶用研磨材を含み、50nmより大きく500nmまでの平均粒径を有する最終研磨材用コロイドシリカスートが好ましい。好ましい実施の形態において、光学グレードのフッ化物結晶の研磨材用コロイドシリカスートは、100nmから400nmに及ぶ平均粒径、より好ましくは、250nmから350nmに及ぶ平均粒径、最も好ましくは、約300nmの平均粒径を有する。好ましい実施の形態において、光学グレードのフッ化物結晶の最終研磨材用コロイドシリカスートは、球形モルホロジーを有する。好ましい実施の形態において、光学グレードのフッ化物結晶の最終研磨材用コロイドシリカスートは、20m2/g以下の比表面積を有する。光学グレードのフッ化物結晶の最終研磨材用コロイドシリカスートは、好ましくは、10から20m2/gの比表面積、より好ましくは、15から20m2/gの比表面積を有する。好ましい実施の形態において、光学グレードのフッ化物結晶の最終研磨材用コロイドシリカスートは、溶融シリカガラスまたは低膨張ガラスの化学的気相成長プロセスの副生成物である。好ましい実施の形態において、好ましい実施の形態において、光学グレードのフッ化物結晶の最終研磨材用コロイドシリカスートは、5から12までのpH、好ましくは、9から12までのpH、より好ましくは、10から11までのpHに緩衝される、コロイドシリカスートの水溶液である。
【0069】
本発明の精神および範囲から逸脱せずに、本発明に様々な改変および変更を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物に含まれる限り、本発明の改変および変更を包含することが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明による方法を説明する斜視図
【図2】本発明による方法を説明する側面図
【図3】本発明による方法を説明する断面図
【図4】本発明による方法を説明する側面図
【図5】本発明による方法を説明する斜視図
【図6】本発明によるシリカスートの顕微鏡写真
【図7】本発明による方法を説明する概略図
【図8】本発明による方法を説明する概略図
【図9】本発明による方法を説明する概略図
【図10】本発明による方法を説明する概略図
【図11(a)】本発明によるシリカスートの顕微鏡写真
【図11(b)】本発明によるシリカスートの顕微鏡写真
【図12(a)】溶融SiO2スートの酸塩基滴定曲線を示すグラフ
【図12(b)】溶融SiO2スートの滴定プロットを示すグラフ
【図12(c)】溶融SiO2スートの滴定プロットを示すグラフ
【図13(a)】TiO2−SiO2スートの酸塩基滴定曲線を示すグラフ
【図13(b)】TiO2−SiO2スートの滴定プロットを示すグラフ
【図13(c)】TiO2−SiO2スートの滴定プロットを示すグラフ
【図14(a)】SiO2スートの29Si MASスペクトルおよび1H−29Si CP/MASスペクトルを比較するグラフ
【図14(b)】TiO2−SiO2スートの29Si MASスペクトルおよび1H−29Si CP/MASスペクトルを比較するグラフ
【図14(c)】SiO2スートおよびガラスの29Si MAS−NMRスペクトルを示すグラフ
【図14(d)】TiO2−SiO2スートおよびガラスの29Si MAS−NMRスペクトルを示すグラフ
【図15】本発明によるシリカスートの顕微鏡写真
【図16】Degussa OX50ヒュームドシリカの顕微鏡写真
【図17】Cabot 10Mヒュームドシリカの顕微鏡写真
【図18(a)】剪断速度(1/秒)対剪断応力(D/cm2)のプロットを示すグラフ
【図18(b)】剪断速度(1/秒)対剪断応力(D/cm2)のプロットを示すグラフ
【図18(c)】剪断速度(1/秒)対剪断応力(D/cm2)のプロットを示すグラフ
【図18(d)】剪断速度(1/秒)対剪断応力(D/cm2)のプロットを示すグラフ
【図18(e)】剪断速度(1/秒)対剪断応力(D/cm2)のプロットを示すグラフ
【図18(f)】剪断速度(1/秒)対剪断応力(D/cm2)のプロットを示すグラフ
【図19】本発明による方法を説明する概略図
【図20】本発明による方法を説明する概略図
【図21】本発明による方法を説明する概略図
【符号の説明】
【0071】
29 初期研磨仕上げ表面
30 最終研磨溶液
32 粒状研磨材用コロイドシリカスート
36 最終研磨表面
44 フッ化物結晶
80 沈降/浮遊不純物
【0001】
本発明は、光学グレードのフッ化物結晶に関し、特に、エキシマレーザにより生成されるもののような300nm未満の光に対して高い透過レベルを示すフッ化カルシウムのような光学グレードのフッ化物結晶に関する。本発明は、特に、最終的に研磨された表面の平面度が改善された、光学グレードフッ化物結晶質レーザ用光学素子の製造に関する。本発明は、コロイドシリカスートのフッ化カルシウム最終研磨材に関する。本発明はまた、溶融シリカスートを用いたフッ化物結晶の光学表面の独特な研磨方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
材料を研磨するためのコロイド懸濁液の施用は、光学成分およびそのブランクやプリフォームの最終部品を形成する上での非常に重要な態様となってきた。シリカコロイドおよびアルミナコロイドは、様々な技法により形成されるが、最高純度で確実に生成するためには、一般に高価な前駆体材料が必要である。溶液は、あるpHに調節するための緩衝系および最適な表面仕上げが得られる固体充填値により安定化される。最終の表面仕上げ状態、並びに加工後に作業片の表面からそこに残留した研磨粒子を除去する能力を調節するために、粒径分布を調整することができる。
【特許文献1】
米国特許出願第09/458898号明細書
【非特許文献1】
Wackerによる製品、www.wacker.de/english/hdk/produkt_e.htm、1999年10月5日
【非特許文献2】
Helvetica Chim Acta 51 (1968) 1781
【非特許文献3】
Colloids and Surfaces, 2 (1980) 101
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在達成できる最終研磨レベルは、光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子にとって十分なほど良好ではない。製造され、研磨されている光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子の光学表面の平面度が、現在のコロイド研磨粒子による研磨によって著しく劣化することは特に重大である。表面の小さな欠点によって、結晶光学素子により操作すべきレーザ光が容易に歪み、粒径の小さな研磨材の除去速度は遅く、長くかかる。また、硬い光学品質のパッドは、従来の粒径の小さな非球形の研磨材と共に用いる際に、表面を傷付けてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、光学グレードのフッ化物結晶光学素子、好ましくは、光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子および200nm未満のエキシマレーザで用いられるような光リソグラフィー系の製造方法を含む。本発明の方法は、1nmRMSよりも大きい初期仕上げ表面粗さおよびある初期仕上げ平面度を持つ初期研磨仕上げ表面を有する光学グレードのフッ化物結晶を提供し、複数の粒状研磨材用コロイドシリカスートを有してなる、光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供し、提供された光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液により、提供された光学グレードのフッ化物結晶の初期研磨仕上げ表面を、初期仕上げ平面度の50%以下に減少したより向上した平面度を持ち、1nmRMS未満の最終研磨表面粗さを持つ最終研磨表面に研磨する各工程を有してなる。本発明は、5nmRMS未満の初期研磨表面を持つフッ化物結晶に、0.5nmRMSまたはそれより良好な有益な最終研磨を施す。研磨溶液は、好ましくは、2〜12、より好ましくは、9〜12のpH範囲の水性であって差し支えない。代わりの実施の形態において、研磨溶液は、エチレングリコールまたはケロシンをベースとするもののような非水性である。球形スート粒子により、ほとんどまたは全く掻き傷のない、表面仕上げがより細かな状態にフッ化物結晶を有益に研磨できる。スート粒子研磨は、形状と形態をよりよく維持し、特に、レーザ用光学素子のような表面の平らな光学素子にとっての平面度をよりよく維持し、スート粒子は、フッ化物結晶の表面と、フッ化物結晶の表面の研磨に用いられる研磨パッドとの間に有益な研磨バリヤを形成する。スート粒子研磨は、好ましくは、合成研磨パッドにより行われ、スートは、改善された除去速度を提供し、フッ化物結晶の表面と研磨パッドが接触することにより生じる損傷を防ぎ、好ましくは、スート粒子はパッドの細孔を満たして、結晶表面がそれに対して磨耗される球形スート粒子の表面を形成する。
【0005】
本発明は、光学グレードのフッ化物結晶、好ましくは、フッ化カルシウム単結晶を研磨する方法を含む。この方法は、光透過表面を持つ光学グレードのフッ化物結晶を提供し、複数の粒状研磨材用のコロイド固体球形溶融シリカスート粒子を有してなる最終研磨溶融シリカスート溶液を提供し、光学グレードのフッ化物結晶の光透過表面を、最終研磨溶融シリカスート溶液で研磨して、研磨された光学グレードのフッ化物結晶の光透過表面を提供する各工程を有してなる。
【0006】
本発明は、光学グレードのフッ化物結晶用研磨スラリーを製造する方法を含む。この方法は、複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供し、光学グレードのフッ化物結晶用研磨プリスラリー溶媒を提供し、前記光学グレードのフッ化物結晶用研磨プリスラリー溶媒中に前記粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を分散させて、光学グレードのフッ化物結晶用研磨スラリーを提供する各工程を有してなる。本発明は、50nmより大きく500nmに亘る平均粒径、好ましくは、100nmから400nmに亘る平均粒径、より好ましくは、250nmから350nmに亘る平均粒径を持つコロイドシリカスートを有してなる光学グレードのフッ化物結晶用粒状最終研磨材および光学グレードのフッ化物結晶用研磨スラリーを含む。好ましくは、コロイドシリカスートは、球形モルホロジーおよび20m2/g以下の比表面積を有する。
【0007】
本発明は、光学グレードのフッ化物結晶光学素子を製造する方法を含む。本発明は、好ましくは、光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子、最も好ましくは、フッ化カルシウムである光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子を製造する方法を含む。好ましい実施の形態において、本発明の方法は、プリズム、ビームエキスパンダ、出力カプラ、および窓のような、平らな光透過表面を有する光学グレードのフッ化カルシウム結晶のレーザ用光学素子を製造する工程を有してなる。
【0008】
光学グレードのフッ化物結晶の光学素子を製造する方法は、1nmRMSよりも大きい初期仕上げ表面粗さおよびある初期仕上げ平面度を持つ初期研磨仕上げ表面を有する光学グレードのフッ化物結晶を提供し、複数の粒状研磨材用コロイドシリカスートを有してなる、光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供し、提供された光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液により、提供された光学グレードのフッ化物結晶の初期研磨仕上げ表面を、初期仕上げ平面度の50%以下に減少したより向上した平面度を持ち、1nmRMS未満の最終研磨表面粗さを持つ最終研磨表面に研磨する各工程を有してなる。図1〜2に示すように、本発明は、光学グレードのフッ化物結晶44を提供する工程を含み、好ましくは、結晶44はフッ化カルシウムの単結晶である。光学グレードのフッ化物結晶44は初期研磨仕上げ表面29を有する。図3〜7に示すように、この方法は、複数の粒状研磨材用コロイドシリカスート32を有してなる光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液30を提供する工程を含む。図3〜5および7に示すように、この方法は、提供した光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液30により、提供した光学グレードのフッ化物結晶の初期研磨仕上げ表面29を最終研磨表面36に研磨する工程を含む。最終研磨表面36は、1nmRMS未満の最終研磨表面粗さを有し、初期研磨仕上げ表面29の初期仕上げ平面度の50%以下に減少したより向上した平面度を有する。好ましくは、1nmRMSよりも大きい初期仕上げ表面粗さを持つ初期研磨仕上げ表面29を有する光学グレードのフッ化物結晶44を提供する工程は、約5nmRMS以下の初期仕上げ表面粗さを持つ初期研磨仕上げ表面29を有する光学グレードのフッ化物結晶44を提供する工程を含む。研磨工程は、最終研磨表面36を、好ましくは、0.75nmRMS未満の最終研磨表面粗さ、より好ましくは、0.5nmRMS以下の最終研磨表面粗さを有するようになるまで研磨する工程を含む。研磨工程は、最終研磨表面36を、好ましくは、表面29の初期仕上げ平面度の30%以下、より好ましくは、表面29の初期仕上げ平面度の25%以下に平面度が減少して向上するまで研磨する工程を含む。好ましくは、粒状研磨材用コロイドシリカスート32を有してなる光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液30を提供する工程は、複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート32を有してなる光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液30を提供する工程を含む。好ましくは、粒状研磨材用コロイドシリカスート32を有してなる光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液30を提供する工程は、50nmより大きく500nmに亘る平均粒径を有するコロイド固体球形溶融シリカスート粒子32を有してなる光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液30を提供する工程を含む。好ましくは、粒状研磨材用コロイドシリカスート32を有してなる光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液30を提供する工程は、20m2/g以下の比表面積を有するコロイド固体球形溶融シリカスート粒子32を有してなる光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液30を提供する工程を含む。
【0009】
本発明の粒状研磨材用固体球形溶融シリカスート32が図6の透過型電子顕微鏡(TEM)画像に示されている。固体球形溶融シリカスート32は、ヒュームドシリカ粒子とは対照的に、個々のバラバラの非多孔質溶融ガラス球体である[ヒュームドシリカ粒子は、主粒子(10ナノメートル)の集合体(100から500ナノメートル)の凝集塊(10〜50マイクロメートル)であり、ヒュームドシリカ粒子は、比表面積が大きく、開放構造でマクロ多孔質である、非特許文献1のワッカー(Wacker)社の製品を参照のこと]。固体球形溶融シリカスート32は、好ましくは、ガラス粒子が個々のバラバラに分離されているガラススート球体を形成する高温でのガラス製造の化学的気相成長プロセス中に製造される。好ましくは、固体球形溶融シリカスート32は、ガラス製造の化学的気相成長プロセスの副生成物であり、このプロセスにおいて、スート32は、意図された堆積表面を回避し、ガラス製造炉の排気物中に排気された粒状不純物副生成物としてガラス製造プロセスから逃れた逃避スートである。高純度の溶融シリカスートの形成は、高温の火炎加水分解プロセスすなわち火炎燃焼プロセスにより行われる。高純度のケイ素含有化学原料が、酸素−炭化水素火炎、または酸素−水素火炎中に導入されて、好ましくは、1300℃より高い温度に維持されている断熱閉鎖容器内で、シリカ中間体が生成される。このシリカ中間体は、ナノメートルのサイズ範囲にある固体二酸化ケイ素の「種」、ガス状一酸化ケイ素、および火炎加水分解反応すなわち火炎燃焼反応からの他の中間体ケイ素含有化合物を含む。好ましくは、断熱閉鎖容器は、シリカ中間体が閉鎖容器内で高温(>1300℃)下で長期間の滞留時間を経験し、その最中に、固体二酸化ケイ素「種」が成長し、同時に高温(好ましくは、>1300℃)で焼結して、閉鎖容器から流出する前により大きな固体の個々のバラバラに分離されている球形粒子を生成するような様式で設計されている。チタンドープシリカスートは、コーニング(Corning)社の超低膨張(ULE(商標))ガラス製造化学的気相成長プロセスの副生成物である。このスートは、組成を除いて、コーニング社の高純度溶融シリカ(HPFS(商標))により製造される高純度溶融シリカスートに似た特徴を有する。ガラス製造化学的気相成長プロセスから排出される副生成物である固体球形溶融シリカスート32の代わりとして、ここに引用するカー(Kar)等の「Process For Producing Silica Soot」と題する、1999年12月10日に出願された係属されている特許文献1に記載されているように、スート32を意図的に製造しても差し支えない。
【0010】
スラリー30に粒状研磨材用コロイドシリカスート32を提供する工程は、好ましくは、0.25μm(250nm)より大きい粒径を持つスート粒子32を提供する工程を含む。好ましい実施の形態において、スート粒子32は、30nmから300nmの粒径分布を有する。スート32は、完璧な球体ではないにしろほぼ完璧に球形である球形スート粒子であり、これらの球体は、特に、丸い形状を有しているかもしれないが、マクロ粒子形状分布の点から言えば非球形であるヒュームドシリカ粒子と比較して、凝集されていない個々の球体である。好ましい実施の形態において、スート粒子32は、好ましくは、SiO2から実質的になる、高純度溶融シリカスート粒子である。好ましくは、高純度溶融シリカガラスは、重量で、500ppmより多い、好ましくは、800ppm以上、好ましくは、800〜1100ppmの範囲のOH含有量、および1,000ppb以下のOH以外の不純物レベルを有し、好ましくは、非OH不純物レベルは100〜1000ppbの範囲にあり、高純度バルクガラス体状態にあるガラスは、200nmより長いUV波長で高い透過率(>90%/cm)を有する。代わりの好ましい実施の形態において、スート粒子32は、好ましくは、Tiドープ溶融シリカガラススート粒子(SiO2−TiO2ガラス)、最も好ましくは、コーニング社のULEガラスのような、5℃から35℃までにおいて0±30ppb/℃のCTEを持つTiドープ超低膨張ガラスである、ドープ溶融シリカガラス粒子32である。好ましくは、Tiドープスート32は、10重量%未満のTiO2を持ち、より好ましくは、約7重量%のTiO2(7±1重量%のTiO2)を含有する。さらなる実施の形態において、スート粒子32には、他の溶融シリカガラス用ドーパント、好ましくは、溶融シリカガラスの屈折率を変更する溶融シリカガラス用ドーパントをドープしても差し支えない。好ましい実施の形態において、スート32は、光導波路用ドーパントをドープした溶融シリカガラスであり、好ましくは、この溶融シリカガラススートは、光導波路用ガラスを製造する化学的気相成長プロセスの副生成物である。ある実施の形態において、スート32はGe(ゲルマニウム)ドープ溶融シリカガラススートである。さらなる実施の形態において、スート32はAl(アルミニウム)ドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、スート32はB(ホウ素)ドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、スート32はP(リン)ドープ溶融シリカガラススートである。さらなる実施の形態において、スート32はEr(エルビウム)ドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、スート32はCe(セリウム)ドープ溶融シリカガラススートである。好ましい実施の形態において、スート32には、元素の周期表のランタニド系列の金属がドープされている。さらなる実施の形態において、スート32はZrドープ溶融シリカガラススートである。
【0011】
研磨溶液30を提供する工程は、平均粒径が300から500nm(0.3から0.5μm)の範囲にある粒状研磨材用コロイドシリカ粒子32を提供する工程を含む。スート32は、好ましくは、100m2/g未満、より好ましくは、50m2/g以下、最も好ましくは、20m2/g以下の比表面積を有する。好ましい実施の形態において、スート32は、約10から20m2/gの範囲にある比表面積を有する。好ましくは、研磨溶液30のスラリーは安定化された分散粘度を持つ。好ましくは、スート32は1.5×10-5モル/m以上の表面活性を持つ。好ましい実施の形態において、スート32は、高純度溶融シリカであり、0.0±0.2の固有pKa1および7.0±0.1の固有pKa2を持ち、好ましくは、溶融シリカスート32は約3.5±0.1の等電点(pHIEP)を持つ。代わりの好ましい実施の形態において、スート32はドープ溶融シリカガラススートであり、0.0±0.1の固有pKa1および5.0±0.2の固有pKa2を持ち、好ましくは、約2.5±0.1の低下した等電点(pHIEP)を持つ溶融シリカのpKa1およびpKa2、並びにpHIEPが、ドーパントにより上昇したり低下したりする。好ましくは、Tiドープ溶融シリカガラススート32は、高純度溶融シリカの純粋なSiO2スート粒子のものと比較して、増大した溶液中表面電荷を有する。好ましくは、Tiドープ溶融シリカガラススート32は、高純度溶融シリカの純粋なSiO2スート粒子のものと比較して、5.0未満の低pH値での増大したスラリー安定性を有する。スート32を有する研磨溶液30のスラリーは溶液中安定性を持ち、スート粒子32は耐凝集性であり、耐ゲル化性であり、特にヒュームドシリカ粒子と比較した場合、安定化された粘度を有する。研磨溶液30のスラリーは、そのスラリーがニュートン粘度を持ち、凝集がわずかであるか全くなく、ゲル化がわずかであるか全くなく、スラリー中の充填量が1から15重量%までであり、好ましくは、3重量%より多い状態で安定性が維持されるという点で安定である。ヒュームドシリカスラリーは、スラリー中の充填量が3重量%を超えると、不安定になり、取扱いが難しくなる。
【0012】
好ましくは、光学グレードのフッ化物結晶の光学素子を製造する方法は、光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子、最も好ましくは、プリズム、ビームエキスパンダ、出力カプラ、および窓のような平らな光透過表面を有するエキシマレーザ用光学素子を製造する工程を含む。最も好ましくは、本発明は、フッ化カルシウムである光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子の製造を含む。代わりの実施の形態において、光学グレードのフッ化物単結晶はフッ化バリウム結晶である。代わりの実施の形態において、光学グレードのフッ化物単結晶はフッ化マグネシウム結晶である。代わりの実施の形態において、光学グレードのフッ化物単結晶はフッ化リチウム結晶である。図8〜10に示すように、本発明の方法は、好ましくは、エキシマレーザナローラインパッケージに用いられるもののような、光学グレードのフッ化物結晶プリズム、最も好ましくは、フッ化カルシウムである光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子を製造する工程を含む。好ましい実施の形態において、本発明の方法は、エキシマレーザのような200nm未満の波長用レーザに用いられる、プリズム、ビームエキスパンダ、出力カプラ、および窓のような平らな光透過表面を持つフッ化カルシウムである光学グレードのフッ化物結晶のレーザ用光学素子を製造する工程を含む。
【0013】
スート粒子32を含む本発明の研磨溶液30は、安定化された分散粘度を持つ。研磨溶液30は、好ましくは、スラリーであり、最も好ましくは、水性スラリーである。好ましくは、本発明のスラリーのスートは1.5×10-5モル/m以上の表面活性を有する。好ましい実施の形態において、研磨溶液スラリー30は、0.0±0.2の固有pKa1および7.0±0.1の固有pKa2を持つスート粒子を有してなる。この実施の形態において、スート粒子は、好ましくは、3.5±0.1の等電点を有する。代わりの実施の形態において、スート粒子は、0.0±0.1の固有pKa1および5.0±0.2の固有pKa2を持つ。この実施の形態において、スート粒子は、好ましくは、2.5±0.1の等電点を有する。本発明の実施の形態において、スート粒子は、セリウム、鉄、ジルコニウム、アルミニウム、またはそれらから形成された酸化物により被覆されている。スラリーの好ましい実施の形態において、スート32は、溶液中電荷が増大したTiドープ溶融シリカガラススートである。好ましくは、Tiドープ溶融シリカガラススートは、5.0未満のpH値の溶液中において増大した低pH安定性を有する。スラリー30は溶液中安定性を有し、スート粒子32が耐凝集性であり、耐ゲル化性であり、ここで、このスラリーは安定化粘度を有する。
【0014】
スート粒子32の表面電荷は、スラリー30の有益なフッ化カルシウム最終研磨特性に寄与する。9.8のpKaを持つ単量体ケイ酸とは異なり、ガラス表面は、Si−O−Si結合の程度、組成、および構造により決定される、様々なpKa値を持ち得る。高純度溶融SiO2スート32のガラスおよびTiO2−SiO2(約7重量%のTiO2)スート32のガラスに関する表面荷電、荷電ゼロ点、およびpKaがここに説明されている。好ましくは、スート粒子32は、副生成物のスートであり、ガラス製造プロセスにより製造される親ガラスと同じ固有の物理的および化学的特性を有している。なぜならば、それらのガラスは、同じ化学的気相火炎加水分解成長プロセスにおいて製造されるからである。10-1から10-5MのNaCl溶液において行った滴定実験により、溶融SiO2粒子について、それぞれ、0.0±0.2および7.0±0.1、並びにTiO2−SiO2粒子について、それぞれ、0.0±0.1および5.0±0.2の解離定数(すなわち、固有pKa1およびpKa2値)が示された。各々の材料の荷電ゼロ点は、溶融SiO2粒子およびTiO2−SiO2粒子について、それぞれ、3.5±0.1および2.5±0.1と計算された。荷電ゼロ点およびpKa2値を低下させるTiO2ドーパントの役割は、四面体配位の結果であると考えられる。
【0015】
水系におけるシリカ粒子の表面化学特性、特に、表面電荷および反応性は、平面化用途における粒子の使用に関する。表面化学特性は、粒子の調製方法により大いに影響を受ける。
【0016】
本発明のスート粒子32は、コロイド形態にあるスート粒子ガラスとして用いられる。図11から分かるように、滑らかな表面を持つスート粒子は完全に緻密である。図11(a)は、高純度溶融シリカスートの走査電子顕微鏡写真であり、図11(b)は、Tiドープシリカ(TiO2−SiO2)スート粒子の走査電子顕微鏡写真である。
【0017】
水溶液中の他の酸化物の表面のように、シリカスート32の表面は、OH末端の両性であり、pH依存性表面電荷を有する。酸化物の表面電荷および酸性度は通常、水性懸濁液中に懸濁されている酸化物粒子の酸塩基滴定を用いて測定される。
【0018】
酸化物の表面は、例えば、シリカについて、プロトンの会合または解離により正または負いずれかの電荷を得ることができる:
【数1】
【数2】
【0019】
酸化物の表面の酸−塩基挙動は、一般に、以下のように定義される酸性度定数pKa1およびpKa2により説明される:
【数3】
【数4】
【0020】
ここで、{}は、表面種の濃度(吸着固体のモル/kg)を示し、[]は、溶質の濃度(M)を示す。pKa1およびpKa2の単位は、モル/Lである。{Si−O−}={Si−OH2+}であるpHは、荷電ゼロ点(すなわち、pHPZC)または電気泳動により測定される場合には等電点として知られている。結晶質または非晶質いずれかのSiO2のpHPZCは1から3までに及び、結晶質TiO2のpHPZCは3.5〜5.5である。
【0021】
酸−塩基滴定法では、表面のOH基の濃度を約0.1ミリモル/Lより大きくする必要がある。したがって、そのような方法は、高表面積の酸化物粉末に使用できるが、ガラスの表面を滴定するのには使用できない。表面のシラノール(≡Si−OH)基は酸性度が異なること、および滴定は全ての部位に亘り平均化することに留意するのが重要である。
【0022】
シラノール基の酸性度は、シリカの縮合度に依存する。単量体のケイ酸(pKa2=9.8)は、Siに対して4つの−OH基の配位を有し、一方で、表面のシラノール基はほとんど共通して、3つの−O−Si基により配位されたSiを持つ。−O−Si基の電気陰性度は、−OHのものよりもずっと大きい。したがって、Si(OH)4のOH基がO−Si基によって置換されるほど、シラノール基がより酸性になる。表面のシラノール基は、単量体のケイ酸のシラノール基よりも酸性が強いと予測される。何故ならば、表面のシラノール基は、単量体のケイ酸中のシラノールに配位する3つのOH基よりもむしろ、ケイ素に結合した3つの−O−Si基を有する確率が高いからである。その結果、スート表面のpKa2は、単量体のケイ酸のpKa2よりも低いことが予測される。このことを支持するものには、シリカゲル(ヒュームドシリカ)の表面のシラノール基に関する解離定数(pKa2)が6.8±0.2であることを示すシンドラー(Schindler)およびカンバー(Kamber)(非特許文献2)からの酸塩基滴定結果がある。
【0023】
溶融SiO2(コーニング(登録商標)HPFS(登録商標)高純度溶融シリカガラス)およびTiO2−SiO2ガラス(コーニングULE(登録商標)超低膨張ガラス)(それぞれ、コーニングコード7980および7972)(ニューヨーク州、コーニング所在のコーニング社)を製造するのに用いられる火炎加水分解成長(FHD)プロセスにより、非晶質スート粒子が生成され、これら粒子はブールに焼結される(堆積されず、副生成物として排出されたスートの各々の粉末の電子顕微鏡写真に関する図11を参照のこと)。スート粒子32は、それらが焼結されるガラスと同じ組成並びに固有の物理的および化学的特性を有する。SiO2およびTiO2−SiO2スート32に関する例示としての組成および特性が、火炎加水分解成長におけるスートを固結することにより製造されたガラスの特性と共に、表Iに示されている。両方のスート材料は、分光分析および発光プラズマ(DCP)分析により測定されたように高純度(>99.9%)(<0.1%の不純物)のものであり、同様の表面積を有する。両方のスート粉末についてのX線回折分析では、どのような結晶相も観察されなかった。
【表1】
【0024】
二種類のスートの活性表面にあるOH部位の総数は、シッグ(Sigg)およびスタン(Stumm)(非特許文献3)のフッ化物吸着法を用いて測定した。スート32の試料を、10%の固体添加量で、0.12MのNaF溶液中に分散させた。これらの溶液を、希釈HClによりpH5.5±0.1に調節し、室温で1時間に亘り撹拌し、50〜55℃のオーブン中に1時間配置した。次いで、試料を再度混合し、検査して、pHが5.5±0.1から外れていないことを確認し、溶液中のフッ化物含有量をフッ化物選択電極を用いて測定し、初期の0.12MのNaF溶液から調製した標準物と直接比較した。吸着されたフッ化物の量は、表面にある活性OH基の量に対応するものであるが、この量を、加えたフッ化物と平衡後の溶液中に残されたフッ化物との間の差により決定した。フッ化ナトリウム標準物に関する相関係数(r2)は>99.9%であった。各々の実験は二重に行った。
【0025】
滴定曲線は、バックグラウンドの電解質として10-1、10-2、10-3、10-4、10-5MのNaCl中で10%の固体添加量まで混合された試料を用いて、SiO2およびTiO2−SiO2スート32について作成した。各々の溶液を最初に、標準化された0.1MのNaOHを用いてpH7.5に滴定し、次いで直ちに、標準化された0.1および1.0MのHCl溶液を用いてpH2.0未満に滴定し、このようにして、最初に等電点から離れて滴定することにより粒子の分散を促進した。
【0026】
各々のガラススート32粉末についての固有pKa値(すなわち、解離定数)の計算は、滴定データ、固体添加量についての情報および表面活性を用い、各々のガラスについての表面電荷データを用いることにより行った。厳密に[OH−]および[H+]による表面電荷の一部として定義される平均表面電荷(Q)は、表面種毎グラム(モル/g)として各々の溶液について計算した:
【数5】
【0027】
CaおよびCbは、それぞれ、滴定中に用いた酸および塩基の濃度(モル/L)に対応し、[]は単位容積当たりの溶質の濃度(モル/L)を示し、aは溶液中の酸化物の量(g/L)である。表面電荷値(Q)および表面活性について先に報告した値(S)に関して、pKa値は、方程式(6)および(7)を用いて各々の滴定曲線について計算した:
【数6】
【数7】
【0028】
pKa1およびpKa2対表面電荷(Q)のプロットから、固有pKa値を、ゼロの表面電荷への外挿法により決定した。
【0029】
スート粒子および各々のスートの直接堆積固結により製造されたガラスについて、ケイ素−29マジック角回転(MAS)核磁気共鳴(NMR)を行った。スペクトルを、5.0kHzの回転速度を用い、4μm秒パルスにより、99.28MHz(11.7テスラ)で記録した。スートの高OH含有量により生じた29Siスピンの緩和時間の差のために、ガラスおよびスートについて、それぞれ、5000秒および300秒のリサイクル遅延を用いた。スペクトルを外部のテトラメチルシランに対して参照した。4.0msの接触時間、10sのリサイクル時間、および3.33kHzの回転速度を用いて、スート試料のみに1H−29Si交差分極(CP)/MAS NMR実験を行った。各々のスペクトルについて、約8000スキャンが得られた。
【0030】
各々のスート粉末に関するフッ化物吸着により決定された表面活性シラノール基{Si−OH}の総数の結果が表IIに示されている。SiO2スート32について、表面活性シラノール基の総数は4.2×10-4モル/gであった。TiO2−SiO2スート32は、より多い数の表面活性部位毎グラム(5.0×10-4モル/g)を有した。それらの部位は、Si−OHおよびTi−OHの表面基の両方に対応するのであろう。しかしながら、表面活性を各々の材料の固有の化学特性に関連付けるために、表面活性をモル/m2の単位に変換することにより、二種類のスート粒子間の比表面積の差(表I)を説明した。その理由のために、溶融SiO2スート(3.1×10-5モル/m2)は、TiO2−SiO2スート(2.8×10-5モル/m2)より高い表面活性を有した。
【表2】
【0031】
酸塩基滴定曲線および表面電荷平衡滴定プロットが、それぞれ、図12および13において、溶融SiO2スート32およびTiO2−SiO2スート32について示されている。各々のスート材料について、異なる濃度の不活性電解質(すなわち、NaCl)についての滴定曲線が、荷電ゼロ点で交差するのが示されており、純度および表面電荷挙動に関する両材料の一貫した挙動を示している。溶融SiO2スート(図12(b))について、表面電荷はpH4.0でゼロに近づき、pH3.0未満の滴定までゼロのままであった。シリカが滴定されたときに一般に観察されるこの挙動は、低表面電荷による静電安定化の欠如のためにシリカが凝集したせいであった。この挙動は、表面電荷が低い場合に溶融SiO2スートを有する低イオン強度溶液について特に著しいという事実(図12(b)における10-3MのNaClの曲線を参照)によって、凝集が最も起こりやすいことが確認される。相対的に、TiO2−SiO2スートは、pH2.6±0.2でゼロの荷電値に滴定され、荷電ゼロで遅延を示さなかった(図13(b)参照)。
【0032】
各々のスートについて計算した解離定数の結果が、図12(c)および図13(c)に示されており、表IIに列記されている。溶融SiO2スート32は、0.0±0.2の固有pKa1値および7.0±0.1の固有pKa2値を有することが分かった。TiO2−SiO2スート32は、0.0±0.1の固有pKa1値および5.0±0.2の固有pKa2値を有することが分かった。TiO2−SiO2スートのより低いpKa2は、このスートがSiO2スート32よりも酸性が強いことを示している。10-1から10-5Mの範囲に亘るNaCl濃度の差により各々の値の結果は変わらず、したがって、各々の実験の一貫性が反映されていた。
【0033】
特に、表面が幅広いpH範囲に亘りゼロに近い電荷を有するSiO2スートについて、滴定プロットからpHPZCを読むことが難しいために、以下の関係式を用いて、pKaからpHPZCを計算した:
【数8】
【0034】
したがって、SiO2スート粒子およびTiO2−SiO2スート粒子に関するpHPZC値は、それぞれ、3.5±0.1および2.5±0.1であると決定された。SiO2スートにTiO2をドープすることにより、表面の酸性度が増大する。
【0035】
二種類のスート32の29Si MASスペクトルおよび1H−29Si CP/MASスペクトルの比較が、図14(a)および14(b)に示されている。TiO2−SiO2スートのCP/MASスペクトルは、対応するSiO2スートのスペクトルよりもずっと高い信号対雑音比を有する。CP/MASスペクトルにおける信号は、1Hから29Siまでの直接交差分極により生成され、近傍にプロトンを持つSi種(Si−OHのような)のみが強い信号を与える。SiO2スートと比較して、TiO2−SiO2スート中のより強いCP/MAS信号は、TiO2−SiO2スートがSiO2スートよりも高いOH含有量を有することを示している。
【0036】
スート粒子とスートの固結により得られるガラスとの間の構造の潜在的な変化を求めるために、各々の直接堆積ガラスについて、29Si MAS−NMRスペクトルも得た(図14(c)および(d)参照)。両方のガラスは、SiO2ガラスについて−112ppmで、TiO2−SiO2ガラスについて−113ppmで中心となる29Si Q4ピークを持つ同一のスペクトル(すなわち、29SiシフトへのTiO2の影響は解明することができなかった)を有している。各々のガラスの29Siピークは、各々のスートに対して2ppmだけ高い場にシフトされている。この高い場へのシフトは、対応するスート粒子と比較して、ガラス中のシリカのより高い程度の縮合および/またはより低いOH含有量により生じ得た。各々のスートは高温火炎中で形成されたので、各々高度に縮合されていると予測される。しかしながら、各々のスートの表面積は、各々の直接堆積ガラスの表面積よりもずっと大きく、各々のスートは大気中の水分と反応して、ピーク位置を高い場にシフトさせるシラノール基を形成するであろう。
【0037】
溶融SiO2スート材料およびTiO2−SiO2スート材料に関して決定した表面電荷特性は、SiO2構造中にTiO2を加えると、pHPZCが低下する一方で、表面の酸性度および表面電荷が増大することを示している。溶融SiO2スートについてのこの報告において決定された結果をSiO2ゲルについて以前に報告された結果(非特許文献2)と比較すると、両方の材料について同等の値が示された(それぞれ、7.0±0.1および6.8±0.2の固有pKa2値)。SiO2ゲルについての参照した研究においては構造分析は行われなかったが、スート材料の分析により、溶融SiO2スートはTiO2−SiO2スートよりも少なくOHを有することが示された。これは、TiO2−SiO2スートの表面電荷がSiO2スートの表面電荷よりも高いという潜在的な理由である。
【0038】
TiO2−SiO2スートがSiO2スート(pKa2=7.0、表II)よりも酸性の強い表面を有する(pKa2=5.0、表II)という事実は、むしろ予期しないことである。純粋なコロイド結晶質TiO2(ルチルまたはアナターゼ)のpKa2値は7.4から9.1に及び、これは、ヒュームドシリカについて報告された6.8のpKa2値よりも著しく高い(非特許文献2)。表面のTi−OHはSi−OHよりも酸性は弱く、TiはSiよりも電気陰性度が弱いので、TiO2−SiO2スートのpKa2はSiO2スートのpKa2よりも高いはずであると予測されるであろう。さらに、結晶質TiO2のpHPZCが、シリカのpHPZCよりも高い、約2.5pH単位であることを考えれば、TiO2をSiO2に添加すると等電点が増大するはずであると予測されるであろう。しかしながら、参照した表面化学特性データは、六面体配位TiO2(ルチルおよびアナターゼ)についてのみ得られる。この研究に用いたTiO2−SiO2スートのXRD分析により、TiO2−SiO2スートはガラス(すなわち、結晶質TiO2相が存在しない)であることが示される。Ti4+は、火炎加水分解により製造されたSiO2中に約7重量%のTiO2を有するガラス中の四面体配位にあることが示されている。四面体Tiの低い配位状態により、6配位のTiと比較してTi−O結合の極性が増加するであろう。しかしながら、4配位のTiは、ここで研究した水性系中のスート表面に存在しそうにない。何故ならば、水が2つの空の配位部位を直ちに埋めるであろうからである。TiO2−SiO2スートの表面に形成されたままのTi−OHは、ルチルまたはアナターゼの表面のTi−OHと似た特性を有することが予測される。したがって、オルトチタネート[TiO4]4-基がスート内になければならない。SiO2スートと比較してTiO2−SiO2スートの表面酸性度の増加(すなわち、表面のシラノール基における低い電子密度)を説明するためには、オルトチタネート基は、強力に電子求引性でなければならない。したがって、純粋なSiO2スートと比較したTiO2−SiO2スートの増大した表面の酸性度およびより低いpHPZCは、スート中のTiの四面体配位のためであるという説が立てられる。
【0039】
スート粒子と親ガラスとの間には、熱履歴の差のために溶解挙動の潜在的な差が存在する。溶融SiO2スート粒子32およびTiO2−SiO2スート粒子32は、製造プロセスにより生成され、炉から排出される副生成物として回収されるので、ガラス体ブールが炉内で経験するアニーリング周期はスートには施されない。研究により、E−ガラスのアニーリングプロセスが酸による腐蝕速度を低下させることが示され、このことは、ガラス表面がアニーリング中にヒドロキシル化を受けにくくなることを示している。図14(c)および(d)は、スートとガラスの非常に似た程度の縮合を示しており、主要な差は、ガラスと比較してスート32のずっと大きな表面積により生じる高いOH含有量のために最も起こりやすい各々のスートの29Si信号中の高いQ3成分である。アニーリングプロセスにより、各々のガラスのOH含有量が減少し、その結果、単位面積当たりの表面電荷は、ガラス表面と比較して各々のスートについて高いと予測されるであろう。それゆえ、ガラス表面はスート粒子よりも高い耐腐蝕正を示すであろう。しかしながら、アニーリング中の構造緩和により、表面電荷の結果が影響を受けるということを疑う理由はない。したがって、SiO2スート材料およびTiO2−SiO2スート材料の解離定数は、親ガラスについても同じであると考えられ、構造緩和および縮合における差は、表面のOH基の数のみに影響し、この数は転じて腐蝕のようなプロセス中の表面反応性に影響する。
【0040】
pKa2および荷電ゼロ点(pHPZC)の値におけるSiO2スート32およびTiO2−SiO2スートの差は、2つの対応するガラスの実質的に異なる表面特性および反応性を示している。溶融SiO2ガラスと比較してより大きいTiO2−SiO2ガラスの表面酸性度のために、付着性、研磨中の粒子相互作用、ガラス表面の溶解/腐蝕および洗浄中の表面からの粒子の除去に関する挙動が異なるであろう。
【0041】
SiO2およびTiO2−SiO2(約7重量%のTiO2)スート32(火炎加水分解により製造されたコロイドガラス)の表面電荷、酸性度、および荷電ゼロ点を測定するように設計された水溶液中の滴定実験により、二種類のスートが異なる表面特性を有することが示される。バックグラウンド電解質としてのNaClとの希釈水性懸濁液中の溶融SiO2およびTiO2−SiO2スート粒子は、それぞれ、3.5±0.1および2.5±0.1のpHPZC、それぞれ、0.0±0.1および0.0±0.2の固有pKa1値、およびそれぞれ、7.0±0.1および5.0±0.2の固有pKa2値を有する。荷電ゼロ点および固有pKa値の差は、TiO2を加えると、SiO2の表面電荷挙動が影響を受け、その影響は、TiO2−SiO2構造中のTiO2の四面体配位によるものであると考えられる。各々のスート粒子に関する29Si MAS NMRスペクトルにおけるQ4ケイ素の2ppmの低い場へのシフトが、対応するガラスに対して見られた。スートの表面積はガラスの表面積よりもずっと大きいので、ガラスに対するスート中のわずかに高いQ3成分は、表面のシラノール基の比率がより大きいために最も起こりそうである。各々のスートおよびガラス中の縮合度は同様であるので、スート表面について得られるデータは、水系中の各々のガラスの表面特性を理解する上で有用であると考えられる。
【0042】
SiO2研磨粒子の合成は、一般に、ヒュームドシリカを形成する火炎加水分解またはゾルゲルプロセスのいずれかにより行われる。火炎加水分解により形成されたヒュームドシリカ研磨粒子は高い表面積(>100m2/g)を有する。ヒュームドシリカ粒子の火炎加水分解を用いると、揮発性トリクロロシロキサンを水素/酸素火炎中に導入することにより、非晶質二酸化ケイ素が生成される。約1200℃での加水分解により、ヒュームドシリカおよび塩化水素が生成される。火炎中での反応条件下において、約10ナノメートル(1nm=10−9m)の高粘度のSiO2主要粒子が最初に生成される。これらの粒子のSiO2表面は滑らかであり、マクロ多孔質ではない。火炎中で、これらの主要粒子は、約100から500ナノメートルの、集合体として知られているより大きなユニットに融合する。冷却の際に、これらの集合体は、凝集して、三次構造とも称される凝集体を形成する。WACKER HDK(登録商標)ヒュームドシリカのような凝集体は、10〜50マイクロメートルの寸法である。WACKER HDK凝集体のようなヒュームドシリカは、開放構造であり、したがって、マクロ多孔質である。ヒュームドシリカの集合体および凝集体の利用できる大きな表面積は、ヒュームドシリカ高比表面積(BET)のためである(WACKER HDKヒュームドシリカ−非特許文献1を参照)。本発明のスート32は、1300℃より高い、好ましくは、1400℃より高い、より好ましくは、1600℃のような1500℃より高い温度での火炎加水分解により生成され、100m2/g未満の比較的小さい比表面積を有する。スート32粒子は、高温で長期間を過ごして、低表面積の固体球形スート粒子を生じる。
【0043】
10-3MのNaCl中に調製し、希釈HClおよびNaOHを用いてpH2、4、および6に調節した、3および6重量パーセントのSiO2スラリーについて、20.0±0.1℃で超低同心シリンダアダプタを備えた可変速度粘度計を用いて、レオロジー実験を行った。0.5s-1で始め、100s-1まで上昇させ、その後、0.5s-1まで減少させる前に100s-1に保持した剪断速度で、剪断応力および粘度の測定を行った。このようにして、各々のスラリーを、曲線の当てはめを行うソフトフェアを用い、剪断速度を増加させて作成した剪断応力曲線の下の面積と、減少させて作成した剪断応力曲線の下の面積との間の差を計算することにより、ヒステリシスから観察された凝集およびゲル化の作用について特徴付けた。
【0044】
その結果により、本発明の溶融シリカスート粒子32は、スラリー30中に混合したときに、少ない凝集および/またはゲル化作用の点から見て、より大きいスラリー安定性を示すことが分かる。スート32は、有益なより低い表面積を有し、したがって、ヒュームドシリカ粒子と比較して、同重量パーセントまで粒子を混合した場合、溶液中の表面電荷の濃度の低下を促進する。その結果、スート32は、粘度値を低く維持し、ニュートン挙動を反映しながら、より多い固体添加量(例えば、>10重量パーセント)まで混合することができる。
【0045】
スート粒子32の酸性分散挙動をここに、二種類のヒュームドSiO2研磨粒子ブランド(DegussaおよびCabot)のものと比較する。溶融SiO2スート粒子32は、粒径が大きく、サイズ分布が広く、表面積が小さい。表面酸性度を研究するためにフッ化物吸着を用い、2〜7.5のpH範囲に亘る10-1から10-3MのNaCl溶液中の表面電荷を研究するために酸塩基滴定を用いた。三種類のSiO2粒子の各々は、同様な滴定挙動を示した。溶融SiO2スート粒子32は、二種類のヒュームドSiO2粒子に関する6.8および6.1と比較して、より高い7.0の固有pKa2値を示した。pH2、4、および6に調節された10-3MのNaCl溶液中の3および6重量パーセントの固体添加量での分散および凝集/ゲル化について試験するために設計したレオロジー実験により、溶融SiO2スート粒子32は懸濁液中でより安定であることが示され、全ての試験条件について低い粘度結果を示した。これらの結果により、溶融SiO2スート粒子32は、酸性条件下で、従来のヒュームドSiO2粒子をスラリーに適用したときと比較して、優れた分散特性を示すことが分かった。
【表3】
【表4】
【0046】
図15は、本発明のスート32の透過型電子顕微鏡写真である。
【0047】
図16は、Degussa Ox50ブランドのヒュームドSiO2の透過型電子顕微鏡写真である。
【0048】
図17は、Cabot 10MブランドのヒュームドSiO2の透過型電子顕微鏡写真である。図15を図16〜17と比較すると、本発明のスート32とヒュームドシリカ粒子との間の違いが明らかに分かる。
【0049】
図18(a)〜(f)は、スラリー中の比較されるシリカ粒子の剪断速度(1/秒)対剪断応力(D/cm2)のプロットである。○は本発明による高純度溶融シリカスートを示す。□はDegussaヒュームドシリカを示す。△はCabotヒュームドシリカを示す。図18(a)は、pH2に調節された10-3MのNaCl中に3重量パーセントの固体が添加されたスラリーである。図18(b)は、pH4に調節された10-3MのNaCl中に3重量パーセントの固体が添加されたスラリーである。図18(c)は、pH6に調節された10-3MのNaCl中に3重量パーセントの固体が添加されたスラリーである。図18(d)は、pH2に調節された10-3MのNaCl中に6重量パーセントの固体が添加されたスラリーである。図18(e)は、pH4に調節された10-3MのNaCl中に6重量パーセントの固体が添加されたスラリーである。図18(f)は、pH6に調節された10-3MのNaCl中に6重量パーセントの固体が添加されたスラリーである。
【0050】
これらのグラフの比較により、本発明のコロイド溶融シリカスート32は、様々な程度の固体添加量まで混合されたスラリーについて、致命的な粘度変化に対して耐性があることが示される。例えば、3重量パーセントで固体を添加した場合、スート32および市販のヒュームドSiO2の両方は計画したpH範囲(pH2〜12)に亘り同様の粘度挙動を示す。しかしながら、特に、低pH値(7未満)では、固体の添加量が増えると(例えば、3〜6重量パーセント)、市販のヒュームドシリカ組成物について、粘度および凝集/ゲル化の挙動が著しく上昇する。スート32は、同じ条件下で比較的変化を示さない。
【0051】
本発明は、光学グレードのフッ化物結晶用研磨スラリーの製造方法を含む。図19〜21に示すように、光学グレードのフッ化物用研磨スラリー30はスート32を有してなる。この方法は、プリスラリー溶媒61を提供し、溶媒61中にスート粒子32を分散させて、光学グレードのフッ化物結晶用研磨スラリー30を形成する各工程を含む。プリスラリー溶媒61は、好ましくは、水性のスラリー溶媒である。スラリー30の溶媒61は、好ましくは、精製し、蒸留した脱イオンH2O液である。溶媒61中にスート32の分散は、剪断混合により行われる。
【0052】
スラリー30を製造する方法は、スラリー中、少なくとも1重量%のスート、より好ましくは3重量%より多くスートを添加する工程を含む。少なくとも1重量%を添加する工程は、好ましくは、スラリー中に15重量%までのスートを添加する工程を含む。スラリーが1〜12の範囲のpH、より好ましくは、7以下のpHを持つ場合、このスラリーは、3〜10重量%の範囲の添加量について安定性を示す。スートスラリー30は、ヒュームドシリカスラリーと比較して、3重量%より多い添加量で有益な安定性を示し、特に、pHが7未満の場合に、3から6重量%の添加量で有益な効果を示す。この方法は、添加量が、3重量%より多い、好ましくは、6重量%より多い、より好ましくは、10重量%より多いスートを分散させる工程を含み、ここで、スラリーは、凝集が抑制され、ゲル化が抑制されており、安定した粘度を有する。
【0053】
粒状研磨材用シリカスート32は、好ましくは、30nmから300nmまでの粒径分布を持つ非凝集性固体球形溶融シリカスート粒子である。好ましくは、スート32は高純度溶融シリカスートである。好ましい実施の形態において、スート32はドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、Tiドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、Geドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、Alドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、Bドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、Pドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、Zrドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、Erドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、Ceドープ溶融シリカガラススートである。ある実施の形態において、ドープ溶融シリカガラススート32は、ランタニド金属ドープ溶融シリカガラススートである。
【0054】
粒状研磨材用シリカスート32は、好ましくは、0.3から0.5μmの範囲の平均粒径を持つスート粒子である。スート32は、好ましくは、100m2/g未満、より好ましくは、50m2/g以下、さらにより好ましくは、20m2/g以下の比表面積を有する。好ましい実施の形態において、スート32は、約10から20m2/gの範囲の比表面積を有する。
【0055】
スート粒子32は、好ましくは、1.5×10-5モル/m以上の表面活性を有する。スート32は、好ましくは、0.0±0.2の固有pKa1および7.0±0.1の固有pKa2、並びに3.5±0.1の等電点を有する。さらなる実施の形態において、スート32は、0.0±0.1の固有pKa1および5.0±0.2の固有pKa2、並びに好ましくは、2.5±0.1の等電点を有する。好ましいTiドープスート32において、このスートは、純粋なSiO2のものよりも増大した溶液中表面電荷を有する。このTiドープスートは、5.0未満のpH値で、低pHでの溶液中安定性が増大しており、これは、ドープされていない純粋な高純度SiO2よりも改善された安定性である。
【0056】
スート粒子32を提供する工程は、好ましくは、化学的気相成長ガラス製造プロセスからの副生成物として溶融シリカスート粒子を回収する工程を含む。好ましい実施の形態において、回収工程は、直接堆積式高純度溶融シリカガラス製造プロセスであって、スートがガラス製造プロセス中に堆積するのを逃れ、粒状排出物として排出されるプロセスからの排出された副生成物として高純度溶融シリカスート粒子を回収する工程を含む。代わりの実施の形態において、回収工程は、超低膨張ガラス製造プロセスからの副生成物としてTiドープ溶融シリカガラススート粒子を回収する工程を含む。さらなる実施の形態において、スート32を回収する工程は、光導波路ガラス製造プロセスからの副生成物として、好ましくは、ドープシリカガラススートとして、またはドープされていない溶融シリカスートとして、スートを回収する工程を含む。化学的気相成長ガラス製造プロセスから副生成物としてスート32を回収する工程は、好ましくは、ガラス製造プロセスの不純物から副生成物のスート粒子32を分離する沈降/浮上分離を含む。そのようなスラリー製造プロセスが図19〜21に示されている。図19に示したように、化学的気相成長ガラス製造プロセスからの副生成物のスート粒子32は、沈降/浮上分離用容器内に含まれる精製されたプリスラリー水溶媒61中に分散されて、スラリー30を形成する。分散されたスラリー混合物は、図20に示したように、浮遊不純物80が頂部近辺に集まり、沈降不純物80が底部近辺に集まり、それらの間に副生成物のスート32のスラリーがあるように落ち着かせられる。スート32のスラリー30は、上部と下部にあるガラス製造プロセスの不純物から選択的に除去され、分離される。
【0057】
スート粒子32を提供する工程は、転化部位を提供し、転化部位を1300℃より高い温度に維持し、転化部位に火炎を生じさせ、転化部位の火炎中にケイ素原料化合物を導入し、複数の高純度シリカプリスート中間体を生成し、プリスートシリカ中間体を、1300℃より高い温度で長い滞留時間維持し、スート粒子を回収する前に、プリスートシリカ中間体を溶融シリカスート球体に同時に成長させ、焼結する各工程を有してなる。
【0058】
本発明は、光学グレードのフッ化物単結晶を研磨する方法を含む。好ましい実施の形態において、この方法は、光学グレードのフッ化カルシウム単結晶を研磨する方法を含む。図1〜2に示したように、本発明の方法は、初期仕上げ光透過表面29を有する光学グレードのフッ化物結晶44を提供する工程を含む。この方法は、複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子32を有してなる最終研磨用溶融シリカスート溶液30を提供し、光学グレードのフッ化物結晶の光透過表面を、最終研磨用コロイド固体球形溶融シリカスート溶液で研磨して、最終研磨された光学グレードのフッ化物結晶の光透過表面36を提供する各工程を含む。研磨工程は、好ましくは、1nmRMS未満の最終研磨表面粗さまで、より好ましくは、0.75nmRMS未満の最終研磨表面粗さまで研磨する工程を含む。
【0059】
本発明は、光学グレードのフッ化物結晶の仕上げ産業における、溶融シリカガラスまたは超低膨張ガラスの化学的気相成長プロセスの副生成物(コロイドシリカ副生成物スート)として製造されたコロイドシリカの用途を提供する。親ガラスと同じ物理的特性を維持し、球形モルホロジーを有しているので、コロイドシリカスートは、光学グレードのフッ化物結晶、好ましくは、光学グレードのフッ化カルシウム単結晶の最終研磨用途にとって理想的な候補である。このスートは、従来のコロイドシリカまたはヒュームドシリカと比較すると大きな粒径を有する。
【0060】
従来のコロイドシリカは、一般に、50ナノメートル(nm)以下の平均粒径を有する。本発明のコロイドシリカスートの粒状研磨材は、概して、50nmより大きく500nmに及ぶ平均粒径を有する。より詳しくは、コロイドシリカスートは、100nmから400nmに及ぶ平均粒径を有する。
【0061】
好ましくは、コロイドシリカスートは、250nmから350nmに及ぶ平均粒径を有する。より好ましくは、コロイドシリカスートは、約300nmに及ぶ平均粒径を有する。
【0062】
一般に、スートは、20m2/g以下の比表面積を有する。好ましくは、この比表面積は10から20m2/gであり、より好ましくは、比表面積は15から20m2/gである。
【0063】
本発明の溶液は、最良の表面仕上げ状態、形状および形態を得られるpHに調節され、この溶液は安定化されおり、貯蔵中にpHシフトおよび凝集を生じない。
【0064】
溶融シリカ(FS)および超低膨張(ULE)のスート材料に関する物理的特性は、スートが副生成物として生じる製造プロセスにより製造される親ガラスのもののと同じである。例示としての特性が、以下の表Aに示されている。
【表5】
【0065】
一般に、コロイドシリカスートの水溶液は、2から12までのpH、好ましくは、5から12までのpHに緩衝される。好ましくは、コロイドシリカスートの水溶液は9から12までのpHに緩衝され、より好ましくは、コロイドシリカスートの水溶液は10から11までのpHに緩衝される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
研磨実験を以下のように行った。フッ化カルシウム結晶の試料を、研削プロセスおよびラップ仕上げプロセスにより機械加工して、約2.0nmRMSの表面仕上げを持つ初期研磨表面を有する、表面下損傷が最小の平らな表面を形成した。従来のコロイドヒュームドシリカにより、フッ化カルシウム結晶試料を0.5nmRMSの最終研磨表面まで最終研磨すると、試料の平らな表面の平面度が80%減少して向上した。本発明のコロイド溶融シリカ固体球形スートにより、フッ化カルシウム結晶試料を0.5nmRMSの最終研磨表面まで最終研磨すると、試料の平らな表面の平面度が20%しか減少せず、それほど向上しなかった。
【0067】
スートから好ましく調製された溶液は、カリウムベースの溶液を用いて、pH10〜11に緩衝される。コロイドシリカスートの緩衝溶液は、ロデル(Rhodel)社の製品コード204またはロデル社のPolitexブランドのパッドのような柔軟な研磨パッドと組み合わせて用いても差し支えない。
【0068】
本発明は、コロイドシリカスートの光学グレードのフッ化カルシウム結晶用研磨材を含み、50nmより大きく500nmまでの平均粒径を有する最終研磨材用コロイドシリカスートが好ましい。好ましい実施の形態において、光学グレードのフッ化物結晶の研磨材用コロイドシリカスートは、100nmから400nmに及ぶ平均粒径、より好ましくは、250nmから350nmに及ぶ平均粒径、最も好ましくは、約300nmの平均粒径を有する。好ましい実施の形態において、光学グレードのフッ化物結晶の最終研磨材用コロイドシリカスートは、球形モルホロジーを有する。好ましい実施の形態において、光学グレードのフッ化物結晶の最終研磨材用コロイドシリカスートは、20m2/g以下の比表面積を有する。光学グレードのフッ化物結晶の最終研磨材用コロイドシリカスートは、好ましくは、10から20m2/gの比表面積、より好ましくは、15から20m2/gの比表面積を有する。好ましい実施の形態において、光学グレードのフッ化物結晶の最終研磨材用コロイドシリカスートは、溶融シリカガラスまたは低膨張ガラスの化学的気相成長プロセスの副生成物である。好ましい実施の形態において、好ましい実施の形態において、光学グレードのフッ化物結晶の最終研磨材用コロイドシリカスートは、5から12までのpH、好ましくは、9から12までのpH、より好ましくは、10から11までのpHに緩衝される、コロイドシリカスートの水溶液である。
【0069】
本発明の精神および範囲から逸脱せずに、本発明に様々な改変および変更を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物に含まれる限り、本発明の改変および変更を包含することが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明による方法を説明する斜視図
【図2】本発明による方法を説明する側面図
【図3】本発明による方法を説明する断面図
【図4】本発明による方法を説明する側面図
【図5】本発明による方法を説明する斜視図
【図6】本発明によるシリカスートの顕微鏡写真
【図7】本発明による方法を説明する概略図
【図8】本発明による方法を説明する概略図
【図9】本発明による方法を説明する概略図
【図10】本発明による方法を説明する概略図
【図11(a)】本発明によるシリカスートの顕微鏡写真
【図11(b)】本発明によるシリカスートの顕微鏡写真
【図12(a)】溶融SiO2スートの酸塩基滴定曲線を示すグラフ
【図12(b)】溶融SiO2スートの滴定プロットを示すグラフ
【図12(c)】溶融SiO2スートの滴定プロットを示すグラフ
【図13(a)】TiO2−SiO2スートの酸塩基滴定曲線を示すグラフ
【図13(b)】TiO2−SiO2スートの滴定プロットを示すグラフ
【図13(c)】TiO2−SiO2スートの滴定プロットを示すグラフ
【図14(a)】SiO2スートの29Si MASスペクトルおよび1H−29Si CP/MASスペクトルを比較するグラフ
【図14(b)】TiO2−SiO2スートの29Si MASスペクトルおよび1H−29Si CP/MASスペクトルを比較するグラフ
【図14(c)】SiO2スートおよびガラスの29Si MAS−NMRスペクトルを示すグラフ
【図14(d)】TiO2−SiO2スートおよびガラスの29Si MAS−NMRスペクトルを示すグラフ
【図15】本発明によるシリカスートの顕微鏡写真
【図16】Degussa OX50ヒュームドシリカの顕微鏡写真
【図17】Cabot 10Mヒュームドシリカの顕微鏡写真
【図18(a)】剪断速度(1/秒)対剪断応力(D/cm2)のプロットを示すグラフ
【図18(b)】剪断速度(1/秒)対剪断応力(D/cm2)のプロットを示すグラフ
【図18(c)】剪断速度(1/秒)対剪断応力(D/cm2)のプロットを示すグラフ
【図18(d)】剪断速度(1/秒)対剪断応力(D/cm2)のプロットを示すグラフ
【図18(e)】剪断速度(1/秒)対剪断応力(D/cm2)のプロットを示すグラフ
【図18(f)】剪断速度(1/秒)対剪断応力(D/cm2)のプロットを示すグラフ
【図19】本発明による方法を説明する概略図
【図20】本発明による方法を説明する概略図
【図21】本発明による方法を説明する概略図
【符号の説明】
【0071】
29 初期研磨仕上げ表面
30 最終研磨溶液
32 粒状研磨材用コロイドシリカスート
36 最終研磨表面
44 フッ化物結晶
80 沈降/浮遊不純物
Claims (125)
- 光学グレードのフッ化物結晶光学素子を製造する方法であって、
1nmRMSより大きい初期仕上げ表面粗さおよびある初期仕上げ平面度を持つ初期研磨仕上げ表面を有する光学グレードのフッ化物結晶を提供する工程、
複数の粒状研磨材用コロイドシリカスートを有してなる、光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する工程、および
提供された該光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液で、提供された前記光学グレードのフッ化物結晶の初期研磨仕上げ表面を、前記初期仕上げ平面度の50%以下に平面度が減少したより向上した最終研磨表面となるまで研磨する工程、
を有してなり、該最終研磨表面が1nmRMS未満の最終研磨表面粗さを有することを特徴とする方法。 - 1nmRMSより大きい初期仕上げ表面粗さを持つ初期研磨仕上げ表面を有する光学グレードのフッ化物結晶を提供する前記工程が、5nmRMS以下の初期仕上げ表面粗さを持つ初期研磨仕上げ表面を有する光学グレードのフッ化物結晶を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記研磨工程が、0.75nmRMS未満の最終研磨表面粗さを有する最終研磨表面となるまで研磨する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記研磨工程が、0.5nmRMS未満の最終研磨表面粗さを有する最終研磨表面となるまで研磨する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記研磨工程が、前記初期仕上げ平面度の30%以下に平面度が減少したより向上した最終研磨表面となるまで研磨する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記研磨工程が、前記初期仕上げ平面度の25%以下に平面度が減少したより向上した最終研磨表面となるまで研磨する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイドシリカスートを有してなる、光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を有してなる、光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイドシリカスートを有してなる、光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、50nmより大きく500nmまでの平均粒径を持つ複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を有してなる、光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記スートが20m2/g以下の比表面積を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶を提供する前記工程が、フッ化カルシウム結晶を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶を提供する前記工程が、フッ化バリウム結晶を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶を提供する前記工程が、フッ化マグネシウム結晶を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶を提供する前記工程が、フッ化リチウム結晶を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、30nmから300nmまでの粒径分布を持つ複数の非凝集性固体球形溶融シリカスート粒子を有するスラリーを提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、高純度溶融シリカスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、ドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、Tiドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、Geドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、Alドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、Bドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、Pドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、Zrドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、Erドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、Ceドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、元素の周期表のランタニド系列の金属がドープされた溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、0.3から0.5μmの範囲の平均粒径を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、100m2/g未満の比表面積を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、50m2/g以下の比表面積を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、20m2/g以下の比表面積を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、約10から20m2/gの範囲の比表面積を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記スラリーが安定化分散粘度を有することを特徴とする請求項14記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程がスート粒子を提供する工程を含み、前記スートが1.5×10-5モル/m以上の表面活性を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程がスート粒子を提供する工程を含み、前記スートが0.0±0.2の固有pKa1および7.0±0.1の固有pKa2を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程がスート粒子を提供する工程を含み、前記スートが3.5±0.1の等電点(pHIEP)を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程がスート粒子を提供する工程を含み、前記スートが0.0±0.1の固有pKa1および5.0±0.2の固有pKa2を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程がスート粒子を提供する工程を含み、前記スートが、2.5±0.1の等電点(pHIEP)を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程がスート粒子を提供する工程を含み、前記コロイドシリカスートが溶液中安定性を有し、前記粒子が耐凝集性であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程がスート粒子を提供する工程を含み、前記コロイドシリカスートが溶液中安定性を有し、前記粒子が耐ゲル化性であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程がスート粒子を提供する工程を含み、前記コロイドシリカスートが溶液中安定性を有し、前記スラリー中の粒子が安定化粘度を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、2〜12の範囲にあるpHを持つ水性スラリーを提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、9〜12の範囲にあるpHを持つ水性スラリーを提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、非水溶媒を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記非水溶媒がエチレングリコールを有してなることを特徴とする請求項42記載の方法。
- 前記非水溶媒がケロシンを有してなることを特徴とする請求項42記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶を研磨する方法であって、
光透過表面を有する光学グレードのフッ化物結晶を提供する工程、
複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を有してなる最終研磨用溶融シリカスート溶液を提供する工程、および
前記光学グレードのフッ化物結晶の光透過表面を、前記最終研磨用コロイド固体球形溶融シリカスート溶液により研磨して、研磨された光学グレードのフッ化物結晶の光透過表面を提供する工程、
を有してなることを特徴とする方法。 - 前記研磨工程が、1nmRMS未満の最終研磨表面粗さまで研磨する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 前記研磨工程が、0.75nmRMS未満の最終研磨表面粗さまで研磨する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 最終研磨溶融シリカスート溶液を提供する前記工程が、50nmより大きく500nmまでの平均粒径を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 最終研磨溶融シリカスート溶液を提供する前記工程が、20m2/g以下の比表面積を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶を提供する前記工程が、フッ化カルシウム結晶を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶を提供する前記工程が、フッ化バリウム結晶を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶を提供する前記工程が、フッ化マグネシウム結晶を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶を提供する前記工程が、フッ化リチウム結晶を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液を提供する前記工程が、30nmから300nmまでの粒径分布を持つ複数の非凝集性固体球形溶融シリカスート粒子を有するスラリーを提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液を提供する前記工程が、高純度溶融シリカスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液を提供する前記工程が、ドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液を提供する前記工程が、Tiドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液を提供する前記工程が、Geドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液を提供する前記工程が、Alドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液を提供する前記工程が、Bドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液を提供する前記工程が、Pドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液を提供する前記工程が、Zrドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液を提供する前記工程が、Erドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液を提供する前記工程が、Ceドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用最終研磨溶液を提供する前記工程が、元素の周期表のランタニド系列の金属がドープされた溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、0.3から0.5μmの範囲の平均粒径を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、100m2/g未満の比表面積を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、50m2/g以下の比表面積を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、20m2/g以下の比表面積を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程が、約10から20m2/gの範囲の比表面積を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
- 前記スラリーが安定化分散粘度を有することを特徴とする請求項54記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程がスート粒子を提供する工程を含み、前記スートが1.5×10-5モル/m以上の表面活性を有することを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程がスート粒子を提供する工程を含み、前記スートが0.0±0.2の固有pKa1および7.0±0.1の固有pKa2を有することを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程がスート粒子を提供する工程を含み、前記スートが3.5±0.1の等電点(pHIEP)を有することを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程がスート粒子を提供する工程を含み、前記スートが0.0±0.1の固有pKa1および5.0±0.2の固有pKa2を有することを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程がスート粒子を提供する工程を含み、前記スートが2.5±0.1の等電点(pHIEP)を有することを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程がスート粒子を提供する工程を含み、前記コロイドシリカスートが溶液中安定性を有し、前記粒子が耐凝集性であることを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程がスート粒子を提供する工程を含み、前記コロイドシリカスートが溶液中安定性を有し、前記粒子が耐ゲル化性であることを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用の最終研磨溶液を提供する前記工程がスート粒子を提供する工程を含み、前記コロイドシリカスートが溶液中安定性を有し、前記スラリー中の粒子が安定化粘度を有することを特徴とする請求項45記載の方法。
- 光学グレードのフッ化物結晶用研磨スラリーを製造する方法であって、
複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供し、
光学グレードのフッ化物結晶用研磨プリスラリー溶媒を提供し、
該光学グレードのフッ化物結晶用研磨プリスラリー溶媒中に前記粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を分散させて、光学グレードのフッ化物結晶用研磨スラリーを製造する、
各工程を有してなる方法。 - 前記溶媒中に3重量%より多く前記固体球形溶融シリカスート粒子を添加し、該スート粒子を分散させて、固体球形溶融シリカスート粒子を有するスラリーを形成する各工程を含み、該固体球形溶融シリカスート粒子の凝集が防がれていることを特徴とする請求項80記載の方法。
- 前記溶媒中に3重量%より多く前記固体球形溶融シリカスート粒子を添加し、該スート粒子を分散させて、固体球形溶融シリカスート粒子を有するスラリーを形成する各工程を含み、該スラリーのゲル化が防がれていることを特徴とする請求項80記載の方法。
- 前記溶媒中に3重量%より多く前記固体球形溶融シリカスート粒子を添加し、該スート粒子を分散させて、固体球形溶融シリカスート粒子を有するスラリーを形成する各工程を含み、該スラリーが安定化粘度を有することを特徴とする請求項80記載の方法。
- 粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、30nmから300nmまでの粒径分布を持つ複数の非凝集性固体球形溶融シリカスート粒子を有するスラリーを提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、高純度の溶融シリカスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、ドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、Tiドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、Geドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、Alドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、Bドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、Pドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、Zrドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、Erドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、Ceドープ溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、元素の周期表のランタニド系列の金属がドープされた溶融シリカガラススート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、0.3から0.5μmの範囲の平均粒径を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、100m2/g未満の比表面積を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、50m2/g以下の比表面積を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、20m2/g以下の比表面積を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 複数の粒状研磨材用コロイド固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、約10から20m2/gの範囲の比表面積を有するスート粒子を提供する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 前記スートが1.5×10-5モル/メートル以上の表面活性を有することを特徴とする請求項80記載の方法。
- 前記スートが0.0±0.2の固有pKa1および7.0±0.1の固有pKa2を有することを特徴とする請求項80記載の方法。
- 前記スートが3.5±0.1の等電点(pHIEP)を有することを特徴とする請求項80記載の方法。
- 前記スートが0.0±0.1の固有pKa1および5.0±0.2の固有pKa2を有することを特徴とする請求項80記載の方法。
- 前記スートが2.5±0.1の等電点(pHIEP)を有することを特徴とする請求項80記載の方法。
- 前記Tiドープ溶融シリカガラススート粒子が、増加した溶液中表面電荷を有することを特徴とする請求項87記載の方法。
- 前記Tiドープ溶融シリカガラススート粒子が、5.0未満のpH値で増大した低pH溶液中安定性を有することを特徴とする請求項106記載の方法。
- 複数の固体球形溶融シリカスート粒子を提供する前記工程が、化学的気相成長ガラス製造プロセスからの副生成物として複数の溶融シリカスート粒子を採集する工程を含むことを特徴とする請求項80記載の方法。
- 前記採集工程が、直接堆積高純度溶融シリカガラス製造プロセスからの副生成物として複数の高純度溶融シリカスート粒子を採集する工程を含むことを特徴とする請求項108記載の方法。
- 前記採集工程が、超低膨張ガラス製造プロセスからの副生成物として複数のTiドープ溶融シリカガラススート粒子を採集する工程を含むことを特徴とする請求項108記載の方法。
- 前記採集工程が、光導波路用ガラス製造プロセスからの副生成物として複数の溶融シリカスート粒子を採集する工程を含むことを特徴とする請求項108記載の方法。
- スート粒子を提供する前記工程が、前記副生成物のスート粒子をガラス製造プロセスの不純物から沈降/浮上分離する工程を含むことを特徴とする請求項108記載の方法。
- スート粒子を提供する前記工程が、
転化部位を提供し、
該転化部位を1300℃より高い温度に維持し、
転化部位用火炎を発生させ、該転化部位用火炎中にケイ素原料化合物を導入し、複数の高純度シリカプリスート中間体を生成し、
該シリカプリスート中間体を1300℃より高い前記温度に長期間の滞留時間に亘り維持し、
前記スート粒子を採集する前に、該シリカプリスート中間体を成長させると同時に溶融シリカスート球体に焼結させる、
各工程を有してなる方法。 - 50nmより大きく500nmまでの平均粒径を有するコロイドシリカスートを有してなる光学グレードのフッ化物結晶用最終粒状研磨材。
- 前記コロイドシリカスートが100nmから400nmに亘る平均粒径を有することを特徴とする請求項114記載の光学グレードのフッ化物結晶用最終粒状研磨材。
- 前記コロイドシリカスートが250nmから350nmに亘る平均粒径を有することを特徴とする請求項114記載の光学グレードのフッ化物結晶用最終粒状研磨材。
- 前記コロイドシリカスートが約300nmの平均粒径を有することを特徴とする請求項114記載の光学グレードのフッ化物結晶用最終粒状研磨材。
- 前記コロイドシリカスートが球形モルホロジーを有することを特徴とする請求項114記載の光学グレードのフッ化物結晶用最終粒状研磨材。
- 前記スートが20m2/g以下の比表面積を有することを特徴とする請求項114記載の光学グレードのフッ化物結晶用最終粒状研磨材。
- 前記スートが10から20m2/gの比表面積を有することを特徴とする請求項114記載の光学グレードのフッ化物結晶用最終粒状研磨材。
- 前記スートが15から20m2/gの比表面積を有することを特徴とする請求項114記載の光学グレードのフッ化物結晶用最終粒状研磨材。
- 前記コロイドシリカスートが、溶融シリカガラスまたは超低膨張ガラスの化学的気相成長ガラス製造プロセスの副生成物であることを特徴とする請求項114記載の光学グレードのフッ化物結晶用最終粒状研磨材。
- 前記コロイドシリカスートが、5から12に及ぶpHに緩衝された水溶液中にあることを特徴とする請求項114記載の光学グレードのフッ化物結晶用最終粒状研磨材。
- 前記コロイドシリカスートが、9から12に及ぶpHに緩衝された水溶液中にあることを特徴とする請求項114記載の光学グレードのフッ化物結晶用最終粒状研磨材。
- 前記コロイドシリカスートが、10から11に及ぶpHに緩衝された水溶液中にあることを特徴とする請求項114記載の光学グレードのフッ化物結晶用最終粒状研磨材。
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