JP2004528915A - 多層吸収体コアを有する吸収性物品 - Google Patents

Abstract

尿の不随意の漏れに対する防護を与えるための多層吸収体コアを有する薄い失禁用パッド又はパンティライナ状の吸収性物品が開示される。吸収性物品は、液体透過性の身体側ライナと、液体不透過性のバッフルと、ライナとバッフルとの間に配置される第１及び第２の吸収体とを含む。第１の吸収体は、超吸収体を含有する安定化された材料であり所定の坪量を有する。第２の吸収体は、第１の吸収体の下に配置され、第１の吸収体中に存在する超吸収体とは異なる超吸収体を含有する。第２の吸収体は、第１の吸収体の坪量に等しいか又はそれより大きい坪量を有する。

Description

【０００１】
（技術分野）
本発明は、人体から排出された体液を収容するための多層吸収体コアを有する吸収性物品に関する。より詳細には、本発明は、尿を吸収し及び保持するための薄い失禁用パンティライナに関する。
【０００２】
（背景技術）
月経用パッド、生理用ナプキン、パンティライナ等のような吸収性物品は、月経血、血液、尿その他の身体排出物のような体液を吸収するために女性の外陰部に隣接して装着されるように設計される。失禁に悩む多くの女性が、尿を吸収させ保持させるためにパンティライナや生理用ナプキンといった婦人用ケア製品を購入し使用することが分かっている。失禁に悩む多くの男性も、それらが手軽に市場で入手可能であり、またそれらの製品が彼らの家庭に存在しうることから、婦人用ケア製品を購入し及び／又は装着する。
失禁に悩むユーザは、生理中の女性との重大な違いを体験し、市販の婦人用ケア製品の使用は彼らの特定の需要を満たさない。失禁に悩むユーザのほとんどは、長時間にわたって尿を吸収し及び保持することが可能な製品を要求する。婦人用ケア製品は、月経血を吸収し保持するように特定的に設計されるので、その多くは超吸収体を含有しない。超吸収体は、尿のような大量の体液を保持することができるが、月経血の流れを妨害する可能性が知られている。超吸収体が存在しない多くの婦人用ケア製品は、失禁に悩むユーザに必要とされる流体保持力をもたない。失禁用製品における超吸収体の存在は、液状の尿を閉じ込め、製品が装着者に乾いた感触を与えることを可能にする。失禁に悩むユーザの多くは、一回にほんの数滴の尿を漏らす傾向があり、それにより彼らはそれらの製品を長時間にわたって装着しがちである。さらに、失禁に悩むユーザの多くは、高齢で、つましいか、又は固定収入であり、それ故に、お金の節約のためにそれらの製品を長時間にわたって装着しがちである。失禁に悩むユーザの多くが失禁用にパンティライナ又は超薄型月経用パッドを使用する別の理由は、失禁用製品のほとんどが、薄く目立たないものではなく、厚く嵩高いことである。我々の社会では、失禁に悩むユーザは、他の人に彼らが失禁に悩んでいることを知られたくないという強い心理的要因をもつ。
【０００３】
上記の事柄から、約５ミリメートルより少ない厚さをもち、約２０グラムから約１００グラムまでの間の尿を吸収し保持することができる比較的安価で薄い失禁用パッド又はパンティライナを製造する必要性がある。
そこで、そのようにできる比較的安価で薄い吸収性物品を開発した。この吸収性物品は、各々が超吸収体を含んでいる安定化された材料の２つ又はそれ以上の層から形成された吸収体コアを備える。
【０００４】
（発明の開示）
手短に述べると、本発明は、体液の予期しない漏れに対する防護を与えるために、混合された材料の２つ又はそれ以上の層から形成された吸収体コアを有する失禁用パッド又はパンティライナのような吸収性物品に関する。吸収性物品は、液体透過性の身体側ライナと、液体不透過性のバッフルと、ライナとバッフルとの間に配置される第１及び第２の吸収体と、を含む。第１の吸収体は、超吸収体を含有し且つ所定の坪量を有する安定化された材料である。第２の吸収体は、第１の吸収体の下に配置され、第１の吸収体中に存在する超吸収体とは異なる超吸収体を含有する。第２の吸収体は、第１の吸収体の坪量より大きい坪量を有する。
【０００５】
本発明の全般的な目的は、人体から不随意に排出された体液を収容するための２つ又はそれ以上の層から形成された吸収体コアを有する吸収性物品を提供することである。本発明のより特定的な目的は、尿を吸収し保持するための薄い失禁用パッド又はパンティライナを提供することである。
本発明の別の目的は、約５ミリメートルより少ない厚さを有する吸収性物品を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、各々が異なる超吸収体を含んでいる２層又はそれ以上の吸収体コアを使用する薄い吸収性物品を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、各々が異なる超吸収体を含んでいる２つ又はそれ以上の層から形成された吸収体コアを使用する薄い吸収性物品を提供することであり、第２の吸収体の層は、第１の吸収体より大きい坪量を有する。
さらに、本発明の目的は、製造が容易な手頃な価格の薄い吸収性物品を提供することである。
本発明の他の目的及び利点は、以下の詳細な説明と付属の図面を読むことから、当業者にはさらに明らかとなるであろう。
【０００６】
（発明を実施するための最良の形態）
図１及び図２を参照すると、薄い失禁用パッド又はパンティライナとして描かれる吸収性物品１０が示されている。吸収性物品１０は、衣類接着剤によって人の下着の内側表面に固定されるように設計され、且つ身体から不随意に排出される尿を吸収し保持するように設計される。吸収性物品１０は、縦方向中心軸線ｘ−ｘと、横方向中心軸線ｙ−ｙと、垂直方向軸線ｚ−ｚとを有する細長い製品である。吸収性物品１０は比較的薄い。「薄い」とは、吸収性物品１０が約５ミリメートルより少ない厚さを有することを意味する。好ましくは、吸収性物品１０は、約４ミリメートルより少ない厚さを有し、最も好ましくは、吸収性物品１０は、約３．５ミリメートルより少ない厚さを有するのがよい。吸収性物品１０は、約２０グラムから約１００グラムまでの間の尿を吸収することができる流体保持力を有する。好ましくは、吸収性物品１０は、約５０グラムの尿を吸収できるのがよい。
【０００７】
吸収性物品１０は、流体透過性ライナ又はカバー１２と、液体不透過性バッフル１４と、ライナ１２とバッフル１４との間に位置され包み込まれた吸収体コア１６と、を含む。身体側ライナ１２は、着用者の身体に接触するように設計される。身体側ライナ１２は、体液、特に尿を容易に浸透させる織成材又は不織材から構成することができる。ライナ１２はまた、天然繊維又は合成繊維のいずれからも形成することができる。適した材料は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、又は他の熱結合可能な繊維のボンデッド−カーデッドウェブを含む。ポリプロピレンとポリエチレンのコポリマー、線状低密度ポリエチレンのような他のポリオレフィン、微細に穿孔されたフィルムウェブ、及び網状材料も、良好に機能する。適した材料は、約１３グラム毎平方メートル（ｇｓｍ）から約２７ｇｓｍまでの間の坪量を有する柔軟かつ湿潤可能なホモポリマースパンボンドである。別の適した材料は、穿孔熱可塑性フィルムである。身体側ライナ１２に好ましいさらに別の材料は、ポリプロピレンのスパンボンドウェブである。スパンボンドウェブは、きれいな白色の外観をもたらすために、約１パーセント（１％）から約６パーセントまでの間の二酸化チタン顔料を含有することができる。ライナ１２がスパンボンドウェブから形成される場合には、使用中に破れたり又は引き離されたりすることに対して抵抗するのに十分なほどの強度をもたらすので、均一な厚さのスパンボンドを用いることが望ましい。最も好ましいポリプロピレンウェブは、約１３から約４０グラム毎平方メートル（ｇｓｍ）までの間の坪量をもつ。最適な坪量は、約１５ｇｓｍから約２５ｇｓｍまでの間である。身体側ライナ１２の厚さは、０．１ミリメートル（ｍｍ）から約１．０ｍｍまでの範囲とすることができる。
【０００８】
身体側ライナ１２は、親水性にするために界面活性剤で被覆され、噴射され、又は他の手法で処理されてもよいことに注目されたい。「親水性」とは、身体側ライナ１２が水に対する強い親和性と、１８０度より小さい接触角をもつことを意味する。身体側ライナ１２が親水性材料から形成される場合には、その中に体液を迅速に通させる。身体側ライナ１２はまた、吸収性物品１０の美的外観を改善するためにエンボス加工することもできる。
【０００９】
液体透過性のライナ１２と液体不透過性のバッフル１４は、協働してそれらの間に吸収体コア１６を包み込み及び保持する。ライナ１２とバッフル１４は、同一の広がりをもつ外縁１８を有するように切断し、そのような寸法及び形状にすることができる。このようにされる場合には、ライナ１２とバッフル１４は、互いに対向して接触するように結合して周辺シール又はフリンジ２０を有する吸収性物品１０を形成することができる。周辺フリンジは、約５ミリメートルの幅を有するように形成することができる。ライナ１２とバッフル１４の各々は、ほぼ犬の骨状の又は砂時計状の形状をもつことが好ましい。犬の骨又は砂時計形状においては、吸収性物品１０は、一対の大きい端部ローブを分ける横方向中心軸線ｙ−ｙに隣接して位置される狭い区域を有する。端部ローブは、必要に応じて異なる寸法及び／又は形状にすることができる。犬の骨又は砂時計形状を有する吸収性物品１０は、ほぼ長方形の形状の製品よりもさらに快適に装着される。吸収性物品１０は、非対称形にすることもできる。ライナ１２とバッフル１４は、形成用接着剤によってそれらの周辺部で互いに結合するか又はシールして一体型の吸収性物品１０を形成することができる。或いは、ライナ１２とバッフル１４は、熱、圧力、熱と圧力との組合せ、超音波等によって互いに結合させて、しっかりとした取り付け部を形成することができる。
【００１０】
液体不透過性のバッフル１４は、吸収性物品１０の外に空気又は蒸気を通過させる一方で、尿のような体液の通過を遮断するように設計することができる。バッフル１４は、これらの特性を呈する如何なる材料から形成することもできる。バッフル１４はまた、必要に応じて、流体だけでなく蒸気の通過も遮断する材料から形成することもできる。バッフル１４に良い材料は、ポリエチレン又はポリプロピレンのようなミクロエンボス加工ポリマーフィルムである。二成分フィルムを用いることもできる。好ましい材料はポリエチレンフィルムである。最も好ましくは、バッフル１４は、約０．１ｍｍから約１．０ｍｍまでの間の範囲の厚さを有するポリエチレンフィルムから構成されるのがよい。
【００１１】
再び図２を参照すると、移送層２２を有する吸収性物品１０が示されている。移送層２２は、随意的なものであり、必要に応じて無くすこともできる。その中に複数の孔が形成された移送層２２は、身体側ライナ１２と吸収体コア１６との間に配置され、かつ縦方向中心軸線ｘ−ｘに沿って位置合わせされる。移送層２２は、身体側ライナ１２の真下に位置され、且つそれらが互いに対向して接触する状態にされることが好ましい。移送層２２は、必要であれば、それらの間の体液の移送を容易にするために、吸収体コア１６に接着剤で結合することができる。移送層２２は、吸収体コア１６の長さの一部にわたって延びても良いし、吸収体コア１６の全長にわたって延びても良い。移送層２２が存在する場合には、移送層２２は、吸収体コア１６の長さの少なくとも７０％にわたって延びることが好ましい。移送層２２は随意的なものであるが、存在する場合には、身体側ライナ１２から吸収体コア１６への下向きの、尿の良好な流体移動をもたらす。尿の下向きの移動は、垂直軸線ｚ−ｚに平行である。ｚ軸は、ｘ軸及びｙ軸に対して垂直に配置される。さらに、移送層２２は、吸収体コア１６からライナ１２に戻る尿の流れを妨害する。この現象は、通常は再濡れと呼ばれる。失禁用パッド及びパンティライナは、消費者がそれを望ましくない特性として見ることから、再濡れを呈さないことが重要である。
【００１２】
移送層２２は、良好な流体移送をもたらす材料から構成することができる。移送層２２に用いることができる典型的な材料は、スパンボンドウェブ、コフォームウェブ、及びカーデッドウェブである。１つの有用な材料は、約１３ｇｓｍから約５０ｇｓｍまでの間の坪量を有する湿潤可能な不織材である。移送層２２は、該移送層が親水性になるように処理することができる。移送層２２の厚さは、約０．２ｍｍから約１．０ｍｍまでの間の範囲とすることができる。移送層２２はまた、身体側ライナ１２及び／又は吸収体コア１６の色とは異なる色に染めることができる。最終消費者に喜ばれる色であるので、明るいブルー、ピンク、又はピーチ色が望ましいことが分かっている。或いは、移送層２２は白色にすることができ、この場合には、身体側ライナ１２を異なる白色度として該身体側ライナ１２とは依然として区別できるようにする。移送層２２を吸収体コア１６とは異なる色にする利点は、それが、装着者にとっての流体標的を与えることである。
移送層２２は、該移送層２２が身体側ライナ１２の下に見えるので、吸収性物品１０の美的外観を改善するために、該移送層２２をエンボス加工することができることに注目されたい。
【００１３】
サージ層（図示せず）を移送層２２の代わりに用いることもできる。サージ層の目的は、尿を迅速に取り込んで一時的に保持し、吸収体コア１６が尿を吸収するのに十分な時間を持てるようにすることである。サージ層は、種々の材料から形成することができる。サージ層を形成することができる２つの良好な材料としては、クリンプ加工された二成分スパンボンドか又はボンデッドカーデッドウェブがある。サージ層が用いられる場合には、約３０ｇｓｍから約８５ｇｓｍまでの間の坪量と、約０．１５ｍｍから約２ｍｍまでの間の範囲の厚さをもつように設計されるべきである。以下の米国特許、すなわち、米国特許第５，３６４，３８２号、第５，４２９，６２９号、５，４９０，８４６号及び第５，４８６，１６６号は、サージ層を教示している。
【００１４】
さらに図２を参照すると、吸収性物品１０は、移送層２２と液体不透過性バッフル１４との間に配置される吸収体コア１６を有する。移送層が存在しない場合には、吸収体コア１６は、身体側ライナ１２と液体不透過性バッフル１４との間に配置される。吸収体コア１６は、第１の吸収体２４と第２の吸収体２６を含む。第１の吸収体２４は、ライナ１２の付近に配置され、かつ第２の吸収体２６の垂直方向上方に位置される。第１の吸収体２４は、第２の吸収体２６と直接対向して接触するべきである。第１の吸収体２４は、例えば接着剤によって第２の吸収体に接着し、それらの間の緊密な接触と良好な流体移送を保証することができる。第１の吸収体２４は空気堆積材料である。空気堆積材料は、幾つかの製造業者から市販されている。Ｃｏｎｃｅｒｔ株式会社は、吸収性物品１０を形成するに使用可能なこうした空気堆積材料の供給業者のうちの１社である。Ｃｏｎｃｅｒｔ株式会社は、ドイツのＦａｌｋｅｎｈａｇｅｎ１６９２８、Ａｍ Ｌｅｈｍｂｅｒｇ１０にオフィスを有する。
第１及び第２の吸収体２４及び２６は、互いに直接に接触していることが好ましいが、それらの間に１つ又はそれ以上のティッシュ層を配置することもできる。幾つかの製造業者は、超吸収体粒子が最終製品から逃げないようにするために、超吸収体粒子を含有する吸収体をラップすることを好む。
【００１５】
次に図３−図５を参照すると、第１の吸収体２４は、幾つかの識別可能な層を有する多機能空気堆積（ＭＦＡＬ）材料として描かれている。第１の吸収体２４は、４つの層をもつものとして図３に示されている。第１の吸収体２４は、約２５０ｇｓｍより小さい坪量を有し、かつ約０．１２グラム毎立方センチメートル（ｇ／ｃｍ³）の密度を有することができる。上から下まで配置された４つの層２８、３０、３８及び４４は、一体になった第１吸収体２４を形成する。第１の層２８は、ポリマー繊維の層である。ポリマー繊維２８は、ポリエチレンテレフタリックから形成することができ、ラテックスによって互いに結合することができる。ポリマー繊維２８は、第１の吸収体２４の坪量の約１０％から約２５％までの間である。好ましくは、ポリマー繊維２８は、第１の吸収体２４の坪量の約１５％から約２０％までの間である。最も好ましくは、ポリマー繊維２８は、第１の吸収体２４の坪量の約１６％である。
【００１６】
図３及び図４を参照すると、第２の層３０は、第１の層２８の真下にあり、セルロース繊維３２、超吸収体３４、及びバインダ３６を含む。セルロース繊維３０は、パルプ又はフラフ繊維とすることができる。セルロース繊維３０はまた、熱結合されたシルケット加工セルロースを含むことができる。第２の層３０に存在する超吸収体３４は、小さい粒子の形態とすることができるが、超吸収体の繊維、フレーク又は他の形態を用いることもできる。超吸収体は、超吸収体材料１グラム当たり少なくとも１０グラムの水を吸収することができる材料である。好ましくは、超吸収体３４は、複数の小さい粒子の形態である。超吸収体３４は、ポリマー層２８から下向きに通過する体液、特に尿を迅速に吸収することができるべきである。使用可能な２つの適切な超吸収体は、ＦＡＶＯＲ１１８０とＦＡＶＯＲ３９５０である。ＦＡＶＯＲ１１８０とＦＡＶＯＲ３９５０との両方は、ノースカロライナ州２７４０６、グリーンズボロ、ドイルストリート２４０８所在のＳｔｏｃｋｈａｕｓｅｎ社から市販されている。他の同様のタイプの超吸収体を用いることもできる。好ましくは、超吸収体３４は、約５０ｇｓｍから約６０ｇｓｍまでの間の坪量を有するのがよい。最も好ましくは、超吸収体３４は約５６ｇｓｍの坪量を有するのがよい。超吸収体３４は、第１の吸収体２４の坪量の約２０％から約３０％までの間とすることができる。好ましくは、超吸収体３４は、第１の吸収体２４の坪量の約２０％から約２５％までの間とすることができる。最も好ましくは、超吸収体３４は、第１の吸収体２４の坪量の約２３％とすることができる。
【００１７】
第２の層３０に用いられるバインダ３６は、コーティングとすることができるが、バインダ繊維の形態であることが好ましい。バインダ繊維３６は、各々がポリエチレン鞘によって囲まれたポリエチレンテレフタリックの芯を有する二成分繊維とすることができる。或いは、バインダ繊維３６は、各々がポリエチレン鞘によって囲まれたポリプロピレン芯を有する二成分繊維とすることができる。
第２の層３０は、第１の吸収体２４の坪量の約４０％から約７０％までの間とすることができる。好ましくは、この第２の層３０は、第１の吸収体２４の坪量の約４０％から約５０％までの間であるのがよい。最も好ましくは、第２の層３０は、第１の吸収体２４の坪量の約４５％であるのがよい。
【００１８】
図３及び図５を参照すると、第１の吸収体２４を構成する第３の層３８は、セルロース繊維４０とバインダ４２とから形成される。この第３の層３８は、バインダ４２がバインダ繊維の形態であるマルチボンデッド圧縮可能セルロースから形成することができる。バインダ繊維４２は、各々がポリエチレン鞘によって囲まれたポリエチレンテレフタリックの芯を有する二成分繊維とすることができる。或いは、バインダ繊維３６は、各々がポリエチレン鞘によって囲まれたポリプロピレン芯を有する二成分繊維とすることができる。第３の層３８は、第１の吸収体２４の坪量の約２５％から約５０％までの間とすることができる。好ましくは、第３の層３８は、第１の吸収体２４の坪量の約３０％から約４０％までの間であるのがよい。最も好ましくは、第３の層３０は、第１の吸収体２４の坪量の約３３％であるのがよい。
第１の吸収体２４を構成する第４のすなわち最下層４４は、ティッシュ層である。ティッシュ層４４は、キャリアシートとして機能し、第１の吸収体２４の坪量の約１％から約１０％までの間とすることができる。好ましくは、第４の層４４は、第１の吸収体２４の坪量の約３％から約８％までの間であるのがよい。最も好ましくは、第４の層４４は、第１の吸収体２４の坪量の約６％であるのがよい。
【００１９】
図１及び図２を再び参照すると、第１の吸収体２４は、犬の骨形の形付けられた周辺部をもつものとして描かれている。砂時計形状、楕円形状、台形形状、又は長さ方向軸線の周りに形成された非対称形状等のような他の形状を用いることもできる。第１の吸収体２４が横方向中心軸線ｙ−ｙに沿う中央部において最も狭い周辺形状は、より快適に装着されるように良好に働く。第１の吸収体２４は、第２の吸収体２６より広く、より大きい表面積を有する。第１の吸収体２４は、吸収性物品１０に放出された尿の大部分を最初に吸収し且つ保持するように機能する。第１の吸収体２４が飽和するのに伴って、尿は第２の吸収体２６に向かって下向きに移動し、その中にとどまる。第２の吸収体２６は、吸収性物品１０に放出された体液の大部分を最初に吸収し且つ保持することが好ましい。
【００２０】
次に図２、図６、及び図７を参照すると、吸収体コア１６の第２の吸収体２６は、バッフル１４に対して近くに配置され、第１の吸収体２４の垂直方向下方に位置される。第２の吸収体２６は、ほぼ長方形の形状をもつものとして描かれており、第１の吸収体２４より幅が僅かに狭い。第２の吸収体２６をほぼ長方形の形状に形成することによって、製造工程の間の廃棄物を減らし、より低コストの吸収性物品１０を生産することができる。第２の吸収体２６は、第１の吸収体２４の長さに等しい長さを有することができるが、好ましくは、第１の吸収体２４の長さより僅かに短い寸法にするのがよい。最も好ましくは、第２の吸収体２６は、第１の吸収体２４の長さの約６０％から約９５％までの間の範囲の長さを有するのがよい。第２の吸収体２６を、第１の吸収体２４より幅が僅かに狭く、かつ長さが僅かに短い寸法にすることによって、第２の吸収体２６は、第１の吸収体２４より小さい表面積をもつことになる。
第２の吸収体２６は、第１ティッシュ層４６、セルロース繊維５０と超吸収体５２とからなる層４８、及び第２ティッシュ層５４から形成される。第１ティッシュ層４６及び第２ティッシュ層５４は、層４８のためのキャリアシートとして機能する。第２の吸収体２６は、韓国Ｋｙｅｏｎｇ ｂｕｋ、Ｙｅｏｎｇ Ｃｈｕｎｇ−ｃｉｔｙ、Ｂｕｇａｎ−ｍｙｅｏｎ、５４４Ｓｉｌｌｉ−ｌｉ所在のＳｅ Ｇｙｅｏｎｇ Ｃｏｍｐａｎｙ Ｌｔｄ．から市販されている。
【００２１】
第２の吸収体２６に存在する超吸収体５２は、小さい粒子の形態とすることができるが、超吸収体の繊維、フレーク又は他の形態を用いることもできる。超吸収体は、超吸収体材料１グラム当たり少なくとも１０グラムの水を吸収することができる材料である。第２の吸収体２６に用いられる超吸収体５２は、第１の吸収体２４に用いられる超吸収体３４とは異なるタイプとすべきであり、異なる特徴をもつ。第１及び第２の吸収体２４及び２６に異なるタイプの超吸収体３４及び５２を用いることによって、消費者の特定の要求を満たすように吸収性物品１０を簡単に改良することができる。超吸収体５２は、第２の吸収体２６の坪量の約２０％から約３０％までの間とすべきである。
第２の吸収体２６は、第１の吸収体２４の坪量より大きい坪量を有するべきである。好ましくは、第２の吸収体２６の坪量は、少なくとも３０ｇｓｍとすべきであり、好ましくは第１の吸収体２４の坪量より４０ｇｓｍ大きいのがよい。さらに、第２の吸収体２６の坪量は、約２５０ｇｓｍより大きくすべきである。好ましくは、第２の吸収体２６の坪量は、約２７５ｇｓｍより大きくすべきである。
【００２２】
図６を参照すると、第１ティッシュ層４６は、第２の吸収体２６の坪量の約５％から約２５％までの間とすることができる。セルロース繊維５０と超吸収体粒子５２とから形成された層４８は、第２の吸収体２６の坪量の約５０％から約９０％までの間とすることができる。そして第２ティッシュ層５４は、第２の吸収体２６の坪量の約５％から約２５％までの間とすることができる。
さらに図６を参照すると、第２の吸収体２６の坪量を増加させる１つの手段は、該吸収体をそれ自身の上に折畳む、すなわち２つ折りにすることによるものである。図６においては、第２の吸収体２６は、縦方向に折畳まれてＵ字形の形状にされる。第２の吸収体２６の輪郭が維持されるように、接着剤のライン５６がＵ字形の形状の開放端の間に位置される。接着剤のライン５６は、連続的なものとするか又は断続的なものとすることができる。第２の吸収体２６を折畳むことによってその坪量が２倍になる。第２の吸収体２６の坪量を制御することによって、第２の吸収体２６が第１の吸収体２４より多くの量の体液を保持できることを保証することができる。着用者の身体から遠い方に位置する第２のすなわち下側の吸収体２６中に体液の大部分を保持することによって、第１の吸収体２４はより乾燥することになる。この特徴は、使用者により乾いた感触を与えるより快適な吸収性物品１０をもたらす。
【００２３】
図２に戻ると、吸収性物品１０は、約５ｍｍより少ない厚さｔ₁をもつことが示されている。好ましくは、吸収性物品１０は、約３ｍｍから約５ｍｍまでの間の厚さｔ₁を有する。より好ましくは、吸収性物品１０は、約３．５ｍｍの厚さｔ₁を有する。吸収性物品１０の厚さｔ₁すなわちキャリパは、日本のミツトヨ社から市販されているデジマチックインジケータゲージ、タイプＤＦ １０５０Ｅのようなバルク試験器で吸収性物品１０の厚さｔ₁を計測することによって求めることができる。典型的なバルク試験器は、インジケータゲージに接続される平滑なプラテンを使用する。プラテンは、第２の吸収体２６の長さ及び幅より小さい寸法を有する。吸収性物品１０の厚さは、０．３５ｋＰａの圧力の下で計測される。
図２をさらに参照すると、吸収体コア１６も、約４ｍｍより少ない厚さｔ₂を有する。好ましくは、吸収体コア１６は、約２ｍｍから約４ｍｍまでの間の範囲の厚さｔ₂を有する。より好ましくは、吸収体コア１６は、約３ｍｍより少ない厚さｔ₂を有する。吸収体コア１６の厚さｔ₂は、吸収体コア１６が最初に吸収性物品１０から取り外されること以外は吸収性物品１０の厚さｔ₁と同様の手法で計測することができる。
【００２４】
吸収性物品１０はさらに、バッフル１４の外側表面に取り付けられた衣類接着剤５８を有することが示されている。衣類接着剤５８は、使用の際に下着の内側股部に吸収性物品１０を取り付けるように機能するホットメルト又はコールドメルト接着剤とすることができる。衣類接着剤５８は、吸収性物品１０が使用者の尿道に対して適正に位置合わせされ且つ保持されることを可能にし、それにより尿の不随意の漏れに対する最大の防護が得られる。衣類接着剤５８は、１つ又はそれ以上のストリップとしてバッフル１４上にスロット塗布することもできるし、渦状パターンとして適用することもできる。衣類接着剤５８の組成は、使用者が吸収性物品１０を取り外し、必要であれば該物品１０を下着の中に再配置できるようにするものである。使用可能な適切な衣類接着剤５８は、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル・カンパニーから市販されているコードナンバー３４−５６０２である。ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル・カンパニーは、ニュージャージー州０８８０７、ブリッジウォーター、Ｆｉｎｄｅｒｎｅ Ａｖｅｎｕｅ１０にオフィスを有する。
【００２５】
衣類接着剤５８が使用前に汚染されることから保護するために、取り外し可能な剥離ストリップ６０が用いられる。剥離ストリップ６０は、紙又は加工紙から形成することができる。剥離ストリップ６０の標準型は、衣類接着剤５８から容易に剥がすことができる片面被覆の白色クラフト剥離紙である。使用者は、吸収性物品１０を彼又は彼女の下着の内側股部に取り付ける直前に剥離ストリップ６０を剥がす。剥離ストリップ６０の３つの供給業者は、Ｔｅｋｋｏｔｅ社、Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｐａｐｅｒ Ｒｅｌｅａｓｅ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ社、及びＮａｍｋｙｕｎｇ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｉｎｄ．Ｃｏ．，Ｌｔｄ．である。Ｔｅｋｋｏｔｅ社は、ニュージャージー州０７６０５レオニア、ウイローツリーロード５８０にオフィスを有する。Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｐａｐｅｒ Ｒｅｌｅａｓｅ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ社は、ウィスコンシン州５４９５２メナーシャ、ガーフィールドアベニュー２０６にオフィスを有する。Ｎａｍｋｙｕｎｇ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｉｎｄ．Ｃｏ．，Ｌｔｄ．は、韓国Ｋｙｕｎｇｇｉ、Ｈｗａｓｅｏｕｎｇ−ｋｕｍ、Ｔａｅａｎ−ｅｕｐ、Ｓｏｎｇｓａｎ−ｒｉ、２０２−６８にオフィスを有する。
本発明は、幾つかの特定の実施形態と併せて説明されてきたが、当業者には、上記の説明に照らせば多くの代案、修正、及び変形が明らかとなることが理解されるであろう。したがって、本発明は、こうした代案、修正、及び変形が特許請求範囲の請求項の精神及び範囲内に包含されるように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【００２６】
【図１】尿を吸収し保持するように設計された薄い失禁用パッド又はパンティライナ状の吸収性物品の上面図である。
【図２】図１に示された吸収性物品を線２−２に沿って見た断面図であり、第１及び第２の吸収体層を示している。
【図３】図２に示された第１の吸収体の拡大断面図である。
【図４】図３に示された第１の吸収体の一部の拡大図であり、第１の吸収体の第２の層の構成が描かれている。
【図５】図３に示された第１の吸収体の一部の拡大図であり、第１の吸収体の第３の層の構成が描かれている。
【図６】Ｕ字型の折畳み部が描かれている第２の吸収体の拡大断面図である。
【図７】図６に示された第２の吸収体の一部の拡大図であり、セルロース繊維／超吸収体層の構造が描かれている。

Claims (26)

1. 吸収性物品の吸収体コアであって、前記吸収体コアは第１の吸収体と第２の吸収体とからなり、前記第１の吸収体は、ポリマー繊維層、セルロース繊維と超吸収体とバインダとの層、第１セルロース繊維層、及びティッシュ層から形成され且つ２５０ｇｓｍより小さい坪量を有し、前記第２の吸収体は、第１ティッシュ層、セルロース繊維と超吸収体との層、及び第２ティッシュ層から形成され且つ２５０ｇｓｍより大きい坪量を有することを特徴とする吸収体コア。
2. 吸収性物品の吸収体コアであって、前記吸収体コアは第１の吸収体と第２の吸収体とからなり、前記第１の吸収体は、空気堆積材料から形成され、ポリマー繊維層、セルロース繊維と超吸収体とバインダとの層、第１セルロース繊維層、及びティッシュ層を有し且つ２５０ｇｓｍより小さい坪量を有し、前記第２の吸収体は、第１ティッシュ層、セルロース繊維と超吸収体との層、及び第２ティッシュ層から形成され且つ２７５ｇｓｍより大きい坪量を有することを特徴とする吸収体コア。
3. ａ）液体透過性ライナと、
   ｂ）液体不透過性バッフルと、
   ｃ）前記ライナと前記バッフルとの間に配置され、超吸収体を含有する安定化された材料であり、かつ所定の坪量を有する第１の吸収体と、
   ｄ）前記第１の吸収体と前記バッフルとの間に配置され、前記第１の吸収体に存在する前記超吸収体とは異なる超吸収体を含有し、且つ前記第１の吸収体の前記坪量より少なくとも大きい坪量を有する第２の吸収体と、
   を備える吸収性物品。
4. 前記安定化された材料は、ポリマー繊維層、セルロース繊維と超吸収体とバインダとの層、第１セルロース繊維層、及びティッシュ層、から形成され、前記第１の吸収体は、２５０ｇｓｍより小さい坪量を有することを特徴とする請求項３に記載の吸収性物品。
5. 前記ポリマー繊維は、ポリエチレンテレフタリックから形成され、ラテックスによって互いに結合されることを特徴とする請求項４に記載の吸収性物品。
6. 前記第２の吸収体は、第１ティシュ層、セルロース繊維と超吸収体の層、及び第２ティッシュ層、から形成され、前記第２の吸収体は、２５０ｇｓｍより大きい坪量を有することを特徴とする請求項３に記載の吸収性物品。
7. 前記第２の吸収体は、ほぼ長方形の形状を有することを特徴とする請求項６に記載の吸収性物品。
8. 前記第２の吸収体は、Ｕ字形に折畳まれることを特徴とする請求項３に記載の吸収性物品。
9. 前記Ｕ字形は開放端を有し、前記Ｕ字形の輪郭を維持するために、前記開放端に隣接して接着剤のラインが配置されることを特徴とする請求項８に記載の吸収性物品。
10. ａ）液体透過性ライナと、
    ｂ）液体不透過性バッフルと、
    ｃ）前記ライナと前記バッフルとの間に配置され超吸収体を含有する空気堆積材料であり、かつ所定の坪量を有する第１の吸収体と、
    ｄ）前記第１の吸収体と前記バッフルとの間に配置され前記第１の吸収体に存在する前記超吸収体とは異なる超吸収体を含有し、前記第１の吸収体の前記坪量より少なくとも大きい坪量を有し、かつ前記第１の吸収体より小さい表面積を有する第２の吸収体と、
    を備える吸収性物品。
11. 前記第１の吸収体は、ほぼ犬の骨の形状を有することを特徴とする請求項１０に記載の吸収性物品。
12. 前記第１の吸収体は、ほぼ砂時計の形状を有することを特徴とする請求項１０に記載の吸収性物品。
13. 前記第１及び第２の吸収体の各々は幅を有し、前記第２の吸収体の幅は、前記第１の吸収体の幅より小さいことを特徴とする請求項１０に記載の吸収性物品。
14. 約２０グラムから約１００グラムまでの間の流体保持力を有することを特徴とする請求項１０に記載の吸収性物品。
15. 約５０グラムの流体保持力を有することを特徴とする請求項１４に記載の吸収性物品。
16. ａ）液体透過性ライナと、
    ｂ）液体不透過性バッフルと、
    ｃ）前記ライナと前記バッフルとの間に配置され、ポリマー繊維の層と、セルロース繊維と超吸収体とバインダとの層と、第１セルロース繊維層と、ティッシュ層とから形成される空気堆積材料であり、且つ２５０ｇｓｍより小さい坪量を有する第１の吸収体と、
    ｄ）前記第１の吸収体と前記バッフルとの間に配置され、第１ティッシュ層と、セルロース繊維と超吸収体の層と、第２ティッシュ層とから形成され、且つ２５０ｇｓｍより大きい坪量を有する第２の吸収体と、
    を備える吸収性物品。
17. 前記第１の吸収体中に存在する前記超吸収体は、粒子の形態であることを特徴とする請求項１６に記載の吸収性物品。
18. 前記第２の吸収体は、前記第１の吸収体の前記坪量より少なくとも３０ｇｓｍ大きい坪量を有することを特徴とする請求項１６に記載の吸収性物品。
19. 前記第２の吸収体は、前記第１の吸収体の前記坪量より少なくとも４０ｇｓｍ大きい坪量を有することを特徴とする請求項１８に記載の吸収性物品。
20. 前記吸収性物品は、約３ミリメートルから約５ミリメートルまでの間の厚さを有することを特徴とする請求項１８に記載の吸収性物品。
21. ａ）液体透過性ライナと、
    ｂ）液体不透過性バッフルと、
    ｃ）前記ライナに隣接して配置され、体液を前記ライナから遠ざかる方向に下向きに向けることができる移送層と、
    ｄ）前記移送層に隣接して配置され、ポリマー繊維層、セルロース繊維と超吸収体とバインダとの層、第１セルロース繊維層、及びティッシュ層、から形成され、かつ２５０ｇｓｍより小さい坪量を有する第１の吸収体と、
    ｅ）前記第１の吸収体と前記バッフルとの間に配置され、第１ティッシュ層、セルロース繊維と超吸収体の層、及び第２ティッシュ層、から形成され、２７５ｇｓｍより大きい坪量を有する第２の吸収体と、
    を備える吸収性物品。
22. 前記吸収性物品は、約５ミリメートルより少ない厚さを有することを特徴とする請求項２１に記載の吸収性物品。
23. 前記ポリマー繊維層は、前記第１の吸収体の坪量の約１０％から約２５％までの間であり、前記セルロース繊維と超吸収体とバインダとの層は、前記第１の吸収体の坪量の約４０％から約７０％までの間であり、前記第１セルロース繊維層は、前記第１の吸収体の坪量の約２５％から約５０％までの間であり、前記ティッシュ層は、前記第１の吸収体の約１％から約１０％までの間であることを特徴とする請求項２１に記載の吸収性物品。
24. 前記超吸収体は、前記第１の吸収体の坪量の約２０％から約３０％までの間であることを特徴とする請求項２３に記載の吸収性物品。
25. 前記第１ティッシュ層は、前記第２の吸収体の坪量の約５％から約２５％までの間であり、前記セルロース繊維と超吸収体の層は、前記第２の吸収体と超吸収体との坪量の約５０％から約９０％までの間であり、第２ティッシュ層は、前記第２の吸収体の坪量の約５％から約２５％までの間であることを特徴とする請求項２１に記載の吸収性物品。
26. 前記超吸収体は、前記第２の吸収体の坪量の約２０％から約３０％までの間であることを特徴とする請求項２５に記載の吸収性物品。