JP2004526371A - 通信網における回線障害を排除するためのフォルトマネジメントシステム - Google Patents
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Abstract
通信網の一部を形成するアクセス網のためのフォルトマネジメントシステムを動作する方法が記載されている。該アクセス網では、ワイヤの対の形態での終端回線はローカル交換機(10)から一連のノードを通ってネットワークのユーザに提供される端末装置へ伸びている。毎晩、システムは各回線上で一連のテストを実施する。次に特性を識別する一組のパラメータに関して分析されたテスト結果は、故障が所定の期間、例えば1年、内に関連する回路で発生する可能性があることを表す。次にさらなる分析が実行されて、ネットワーク内の故障の位置をネットワークノードのまわりの故障のクラスタ化の程度を測定することによって確証する。
【選択図】 図1
【選択図】 図1
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信網の終端回路内での障害を管理するフォルトマネジメントシステムに関し、またこのようなフォルトマネジメントシステムを動作する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
従来の通信網は、相対的に少数の相互接続された主交換機、及びそれぞれが主交換機の1または2に接続されるはるかに多数のローカル(local)交換機を備える。該ローカル交換機はネットワークの終端回路(terminating circuits)に接続され、これらの回路の遠端はネットワークのユーザ向けに提供される電話機などの端末装置に接続されている。主交換機及びローカル交換機から形成されるネットワークはコアネットワークとして知られているが、終端回路から形成されるネットワークは、アクセス網またはローカルループ(local loop)として多様に知られている。本明細書では、それはアクセス網と呼ばれる。いくつかの終端回路は、交換能力を備えている場合もあれば、備えていない場合もあるリモートコンセントレータ(concentrator)に接続される。次に、リモートコンセントレータはローカル交換機に接続される。本明細書では、用語「ローカル交換機」はローカル交換器とリモートコンセントレータ両方をカバーすると解釈されるべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のアクセス網では、各終端回路は1対の銅線から形成されている。典型的には、銅線の各対は、ローカル交換機と端末装置間の一連のノード(又はネットワークエレメント)を通過する。このようなノードの例は一次交差接続点、二次交差接続点、分配点(DP)、ケーブルノード及びジョイントである。
【0004】
最近では、アクセス網で終端回路を伝搬するためには光ファイバが使用されてきた。現代のアクセス網では、終端回路を伝搬するために銅線の対と光ファイバの両方が使用されている。終端回路が光ファイバにより伝搬される場合、該回路は、通常、ローカル交換機と端末装置間の複数のノードを通過する。各ノードにおいて、ローカル交換機からの入信ファイバは多様な方向で分岐する出信ファイバのグループに分けられる。終端回路がローカル交換機から光ファイバによって伝搬される場合、該回路の最後の部分は1対の銅線により伝搬されてよい。残念なことに、終端回路は故障しがちである。1対の銅線により伝搬される終端回路の場合、このような障害の例は切断、1対のワイヤの2本のワイヤの間の短絡、及びワイヤの1本と接地の間の短絡である。複数の対のワイヤから形成される従来のアクセス網の場合、障害の原因は水のノード内への進入及びノードに対する物理的な損傷を含む。
【0005】
カスタマが故障を報告すると、終端回路を該故障の原因を特定するために試験してもよい。それから、故障を修理することができる。しかしながら、故障が修理されるまで、ユーザはサービスを使用できない。例えば夜間に、普段からアクセス網内の各終端回路に対して1式の回路試験を実行する方法は既知である。このような定常テストは終端回路上での故障を検出できる。その後、おそらく終端回路のユーザがサービスの損失を通知する前に故障を修理することができる。アクセス網の個々のノードの運用品質を測定することも知られている。ノードの動作品質が悪い場合、該ノードを通過する終端回路で故障が増大するだろう。しかしながら、回線は終端する前に数多くのノードを通るため、結果的には潜在的な故障が発するノードの場所を突き止めることは困難であるため、効率的な予防保守は困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1の実施形態によると、複数のノードを通過する複数の回線を備える通信網のためのフォルトマネジメントシステムを動作する方法が提供される。前記方法は、
複数の前記回線でテストを実施し、回線毎のテストデータの1または複数の要素を得る工程と、
該テストデータを分析して、共通の故障特性で回線を識別する工程と、
共通の故障特性の原因がもっとも位置しそうなノードを指摘するように、ノード毎に共通の故障特性を有する回線の物理的なクラスタ化の相対的基準に基づいて、ノード毎にスコアを確立する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
クラスタスコアは、潜在的な故障がともにグループ化していて同一の原因を有している可能性が最も高いノードを表すノード毎の相対的な基準を与える。すべての潜在的な故障の原因は、該潜在的な故障のどれかが実際の(或いは困難な)故障になり、かつこうして顧客によって検出可能になるおそらく前に、経済的に修正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明はさらに、ここで添付図面に関して一例として詳細に説明されるだろう。
【0009】
ここで図1を参照すると、ローカル交換機10及び該ローカル交換機10に接続される従来のアクセス網12が示されている。該ローカル交換機10とアクセス網12は、通信網の一部を形成する。ローカル交換機10はアクセス網12の終端回路または回線に接続される。典型的には、ローカル交換機は数千の終端回路に接続されている。各終端回路または回線はそのそれぞれの端末装置に到達する前に複数のノードを通過する。これらのノードは一次交差接続点、二次交差接続点、分配点(DP)及びジャンクションを有し、これらのノードの例は以下に記載されるだろう。
【0010】
図1に示されている従来のアクセス網12では、各終端回路または回線は1対の銅線から形成されている。該銅線は、1本のケーブルまたは複数本のケーブルの形でローカル交換機10を出る。これらのケーブルの1本が図1に図示されており、参照番号14で示されている。交換機10からの該ケーブル14の遠端は、通りの筐体(cabinet)または地下のジャンクションボックスに収納できる一次交差接続点(PCP)16に接続される。一次交差接続点16から、終端回線は複数の方向のケーブルとして分岐する。簡略にするために、図1では、3本のケーブル18、20、及び22だけが図示されている。ケーブル18の遠端はジョイント19に接続されている。ジョイント19は二次交差接続点(SCP)24にケーブル21により接続されている。ケーブル20と22の遠端はそれぞれ二次交差接続点26と28に接続されている。簡略にするために、二次交差接続点24と26を超える終端回線の延長部は図示されていない。二次交差接続点24、26及び28は、地上または地下に位置できるジャンクションボックスに収納されている。
【0011】
二次交差接続点28から、終端回線はケーブルの形で再び複数の方向に分岐する。図解として、図1は二次交差接続点28を出るケーブル40、42及び44を示す。ケーブル40と44はそれぞれジョイント46と48に接続されている。ジョイント46と48はそれぞれケーブル50と52に接続され、その遠端は分配点(DP)54と56に接続されている。ケーブル42の遠端はジョイント60に接続されている。ジョイント60は、ケーブル62によって分配点64に接続されている。簡略にするために、分配点54と56を超える終端回線は図示されていない。
【0012】
分配点は、典型的には電柱上に位置するジャンクションボックスとして実現される。終端回線は、ネットワークのユーザ向けに提供される端末装置が位置する単一の銅線対として各分配点から分岐する。図解として図1は、分配点64を出る2つの単一銅線対70、72を示している。銅線ペア70と72の遠端は、それぞれ端末装置74、76に接続されている。知られているように、端末装置は多様な形態を取ってよい。例えば、端末装置は電話ボックス内に位置する電話、家庭または事務所に位置する電話機、あるいはカスタマの敷地内に位置するファックス機械またはコンピュータであってよい。図1に図示される例では、2本のケーブルをまとめて接続するためにジョイント19、46、48及び60のそれぞれが使用される。ジョイントは、2本以上のさらに小さなケーブルを1本のさらに大きなケーブルに接続するために使用されてよい。
【0013】
それぞれの終端回線では、各対の2本のワイヤ(wires)はワイヤAとワイヤBとして示されている。ローカル交換機10では、回線に電流を供給するためにワイヤAとワイヤBの間に50Vのバイアス電圧が印加される。バイアス電圧が電池を使用することによって初期交換で印加されるので、バイアス電圧はまだ電池電圧として知られている。端末装置では、ワイヤAとワイヤBがキャパシタにより接続され、その存在は端末装置が使用されていないときに検出されてよい。
【0014】
アクセス網10内の終端回線は故障しがちである。これらの故障の主要な原因は水の進入、及び終端回線がローカル交換機10と端末装置間で通過するノードに対する物理的な損傷である。ノード内で生じる原因により発生する5つの主要な故障がある。これらの故障は切断、短絡、故障した電池電圧、接地故障及び低絶縁抵抗である。終端回線がローカル交換機と端末装置間で中断される場合に切断が生じる。1本の回線のワイヤAとワイヤBがともに接続される場合、短絡が発生する。終端回線のワイヤAまたはワイヤBに別の回線のワイヤBに対する短絡接続がある場合に故障電池電圧が発生する。ワイヤAまたはワイヤBが接地または別回線のワイヤAに接続されるとき接地故障が発生する。ワイヤAとワイヤBの間、またはワイヤの1本と接地の間、あるいはワイヤの1本と別の回線のワイヤの間の抵抗が許容値より低い場合に低絶縁抵抗が発生する。
【0015】
アクセス網12の終端回線内の故障を検出するために、ローカル交換機10にはラインテスタ80が具備されている。ラインテスタ80はローカル交換機10から、あるいはさらに詳しく後述されるように遠隔場所から動作されてよい。ラインテスタ80は例が後述される多様な試験を実行することができる。ローカル交換機用の多様な型のラインテスタが市販されている。本例では、ラインテスタ80はTeradyne試験装置またはVanderhoff試験装置のどちらかである。両方の型の試験装置を使用してよい場合もある。回線について抵抗、キャパシタンス、及び電圧の測定データを生成するだけではなく、装置のこれらの部分は「ベルループ(Bell Loop)」、「マスタジャックロープ(Master Jack Loop)」及び「ブリッジ(Brided)」などの終端文と呼ばれるさらなるデータも生成する。これらの終端文は、装置が検出するように構成されている特殊な回線状態である。
【0016】
ここで図2を参照すると、アクセス網12にフォルトマネジメントシステムを提供するローカル交換機10及び通信網の構成要素が示されている。これらの構成要素はラインテスタ80、通信網用のカスタマサービスシステム100、及びアクセス網管理システム102を備える。ラインテスタ80は、物理的に回線試験を行う電子装置を含むテストヘッド104、及び該テストヘッド104用のコントローラ106を備える。コントローラ106はコンピュータの形態を取る。コントローラ106は、それに接続されるワークステーションから動作することができ、ローカル交換機10に備えられる。コントローラ106はカスタマサービスシステム100とアクセス網管理システム102の両方に接続され、カスタマサービスシステム100またはアクセス網管理システム102のどちらかに接続されたワークステーションによって操作できる。
【0017】
カスタマサービスシステム100もコンピュータであり、それはそれに接続されている数多くのワークステーションの内のいずれか1台から操作できる。図2では、1台のこのようなワークステーションが図示され、参照番号110で示されている。カスタマサービスシステム100は、ネットワークのカスタマと接触している通信網のオペレータにより使用される。これらのオペレータとともに、カスタマサービスシステムは多様なサービスをカスタマに提供する責任を負う。
【0018】
アクセス網管理システム102もコンピュータであり、それは数多くのワークステーションの内の1台から操作することができる。これらのワークステーションの1台が図2に図示され、参照数字112で示されている。アクセス網管理システム102は、アクセス網12と同じ一般的な地理領域内の数多くの他のアクセス網だけではなく、アクセス網12を管理する責任を負う。アクセス網管理システム102は、それが管理するアクセス網のそれぞれのための多様な動作を管理する。これらの動作は新規装置の提供、ネットワーク内でエンジニアにより実行される作業に関するデータのロギング(logging)、各アクセス網の終端回線及びノード上にデータを維持すること、障害の検出と管理を含む。アクセス網管理システム102に接続されるワークステーションもカスタマサービスシステム100に接続される。図2に図示されるように、カスタマサービスシステム100及びアクセス網管理システム102はともに接続される。
【0019】
本例においては、アクセス網12のためのフォルト管理システムはラインテスタ80、カスタマサービスシステム100及びアクセス網管理システム102から形成されているが、フォルト管理システムもそれ自体のラインテスタ80によって容易に提供できるだろう。これを達成するために、コントローラ106を形成するコンピュータに適切なソフトウェアを追加することが必要となるだろう。小さなネットワークでは、これはフォルト管理システムを提供する適切な形態である可能性がある。しかしながら、大規模なネットワークでは、フォルトマネジメントシステムをカスタマサービスシステム100及びアクセス網管理システム102に統合することが有利である。
【0020】
コントローラ106は、テストヘッド104がアクセス網12の各終端回線で毎晩、一連のルーチンテストを実行させるようにプログラミングされている。これらの試験は図3に図示される回路図に関して説明される。
【0021】
回線を試験するためには、交換機10から切断されて、テストヘッド104に接続されてもよい。図3は、試験されている回線300を示す。回線300はワイヤA302とワイヤB304を有する。交換機10から遠い回線300の端部は端末装置306に接続される。回線302、304のそれぞれは、その直径、及びローカル交換機から端末装置306への距離に依存する抵抗を有している。ワイヤ302、304のそれぞれは絶縁材で被覆されている。絶縁材の機能は、各ワイヤと隣接するワイヤの間に絶縁を提供することである。絶縁材に対する損傷、あるいはワイヤの金属の酸化は、2本の隣接するワイヤ間の抵抗を故障させる可能性がある。
【0022】
ワイヤ302、304間の絶縁の効果は、ワイヤA302とワイヤB304の間の抵抗R1及びワイヤB304とワイヤA302の間の抵抗R2を測定することにより判断することができる。抵抗R1とR2は、ダイオードD1とD2によって示される整流のため、異なる可能性がある。良好な状態にある回路の場合、抵抗R1とR2が高く、1メガオームより大きい。絶縁材に対する損傷または酸化は、損傷または酸化の重大度に応じた量、抵抗R1、R2を低下させるだろう。絶縁材が、ワイヤAとワイヤBが物理的に互いに接触するように完全に破壊される場合、抵抗R1、R2の値はテストヘッド80と損傷の点の間の距離に依存するが、通常は0オームから1500オームの範囲内にあるだろう。
【0023】
試験されている回線300のワイヤA302とワイヤB304だけが切断される。他の回線では、50ボルトのバイアス電圧がワイヤAとワイヤBの間に印加される。図3では、他の回線のワイヤAは集合的に、交換機10で接地されるワイヤ310により示されている。他の回線のワイヤBは、集合的に−50ボルトという電位に交換機で接続されるワイヤ312によって図示されている。
【0024】
ワイヤA302またはワイヤB304を隣接するワイヤAまたはワイヤBから分離する絶縁材が損傷を受ける場合、あるいはワイヤの内の1本が酸化を被ると、電流が流れる可能性がある。ワイヤA302とワイヤB304と隣接するワイヤAとワイヤBの間の絶縁の効果は、ワイヤA302と隣接するワイヤA310の間の抵抗R3、ワイヤA302と隣接するワイヤB312の間の抵抗R4、ワイヤB304と隣接するワイヤA310の間の抵抗R5、及びワイヤB304と隣接するワイヤB312の間の抵抗R6を測定することにより判断することができる。
【0025】
良好な回路の場合、抵抗R3、R4、R5、R6は高く、1メガオームを上回っている。絶縁材に対する損傷により、抵抗R3、R4、R5、R6の1つまたはそれ以上が該損傷の重大度に応じた量低下する可能性がある。ワイヤA302またはワイヤB304と隣接するワイヤの間の絶縁材が、2本のワイヤが物理的に互いに接するように完全に破壊される場合、2本の接触するワイヤの間の抵抗はテストヘッド80と損傷点の間の距離に依存するだろうが、典型的には範囲0オーム〜1500オームにあるだろう。酸化も、2本のワイヤが効果的に互いに接触する結果となる場合がある。
【0026】
ワイヤA302とワイヤB304、及びそれらの間の絶縁材はキャパシタとしての役割を果たす。図3では、ワイヤAとワイヤB間のキャパシタンスが値C1を有するとして示されている。回線のワイヤAとワイヤB間のキャパシタンスの値は回線の長さによるだろう。回線300の断線はテストヘッド80から測定されるようなキャパシタンスC1の値を減少するだろう。図3は、ワイヤA302と接地の間のキャパシタンスC2、及びワイヤB304と接地の間のキャパシタンスC3も示す。
【0027】
毎晩、コントローラ106は、アクセス網12の終端回線毎に、テストヘッド80に抵抗R1、R2、R3、R4、R5、R6及びキャパシタンスC1、C2、C3を測定させる。コントローラ106は、またテストヘッド80に、回線の端部に接続された端末装置があるかどうかもチェックさせる。端末装置は、標準的なキャパシタンス値を有する。端末装置が接続されると、そのキャパシタンスの値は、キャパシタンスC1を得るために、テストヘッドにより測定されるキャパシタンスから差し引かれる。各終端回線について、テストの結果はアクセス網管理システム102内にそのディレクトリ番号に突き合わせて記憶される。
【0028】
コントローラ106は、テスト結果をアクセス網管理システム102に送信する。アクセス網管理システム102は、疑わしい故障が存在しないか、各終端回線について一連のテスト結果を調べる。可能性のある故障は切断、短絡、故障バッテリー電圧、接地障害、及び低絶縁抵抗を含む。故障が疑われるとき、故障の名称及び回線についての試験結果は、そのディレクトリ番号あるいは該回線に関連付けられた交換機内の識別子に突き合わせてアクセス網管理システム102に記憶される。毎夜検出される疑われる故障の詳細は、アクセス網管理システム102のオペレータにより検討されてよい。適切な場合、オペレータは修理対象の故障について指示を与えてもよい。
【0029】
ネットワーク管理システム102は、また夜間試験から収集されるデータの追加処理を実行するように構成される。この追加処理は、適切な場合、カスタマが故障を検出する前に矯正的な作業を実行できるように、実際の故障よりむしろ潜在的な故障を試験するように設計されている。ネットワーク管理システム102により実行される処理の概要は、ここで図4に関して示され、処理の詳細な例も以下に示されるだろう。処理は、適切なデータの受信に応じて自動的に、あるいは人間のオペレータによってのどちらかでステップ401で開始され、処理はステップ403に移る。ステップ403では、(後に詳細に記載される)既知の方法を使用して、問題のすべての回線のテストデータが分析され、故障が所定の期間、つまり予想ハードフォルト(anticipated hard fault)(AHF)内に発生するだろう旨を示す特性で回線を識別する。これを判断するパラメータは回線抵抗測定値であり、閾値が履歴データから引き出される。
【0030】
ステップ405では、回線構成のレコード、つまり特定の回線が接続されるネットワーク内のノードは、ノード毎の予想ハードフォルトのパターンを確立するために使用される。次に、該パターンが分析され、ステップ407で故障のクラスタ(clusters)を識別し、カウントする。次に、ステップ409では、所定のノードのクラスタが分析され、正しい数のクラスタが識別された旨、及びクラスタが統計的に意味がある(重要である)(significant)旨を検証する。ステップ411では、所定のノードでの予想ハードフォルトのクラスタがクラスタノードスコアを計算するために使用される。それから、このスコアは、故障発生元である可能性が最も高いノードの識別を可能とするために同じ組の回線が通過する他のノードに突き合わせてノードを評価するために使用できる。言い換えると、クラスタスコアは、予想される故障の原因を突き止めるために使用できる。
【0031】
ステップ413では、予想されるハードフォルトの追加の分析が実行され、優先順位スコアが所定のノードについて計算される。この優先順位スコアは、どのくらい早急にノードが故障すると予想されているのかの表示を提供し、同じ回路の組を伝搬する一組のノードの内のどのノードが最も緊急に注意を必要としているのかを確立ために使用される。クラスタスコア及び優先順位スコアが単独で、あるいは組み合わせて使用できることに注目すべきである。言い換えると、所定のノードで予防保守を実行する際には、予想されるハードフォルトのソースである可能性が最も高いノードの表示は、単独で、あるいは最も早く故障する可能性があるノードの表示と組み合わせて使用することができる。
【0032】
本発明はここで図4に関して前記に概説された方法で処理されている1組の回線からテストデータを示す作業済みの例によってさらに説明される。図5は、交換機から通る26本の回線のそれぞれのテストデータを示す。回線毎に、テストデータはワイヤAと接地間、ワイヤAとワイヤB(現在の測定値と過去の測定値の両方)間、及びワイヤBと接地間の4つのキャパシタンス測定値を備えている。データは、ワイヤA、ワイヤB、バッテリー及び接地の各組み合わせ間の回線毎の距離の測定値及び一連の抵抗測定値も備える。これらは、図3に関して前述されたキャパシタンスC1、C2、C3及び抵抗R1、R2、R3、R4、R5、R6に対応する。加えて、ワイヤA及びBとVanderhoffおよび/またはTerradyne装置により供給されるターミネーションフラグ(期間)間の過去のキャパシタンス読取り値がある。しかしながら、本発明の目的のためにワイヤA、ワイヤB、及びバッテリー、つまりR4とR6間の抵抗測定値だけが使用される。
【0033】
履歴データから、それ以下では測定値が適用する回線が予想ハードフォルト(AHF)を有するとして処理される測定値R4とR6について閾値限度が設定される。予想ハードフォルトはR4抵抗とR6抵抗に基づいて所定の期間をもって故障する(つまりハードフォルト)ことが予想される回線として定義される。本実施形態では、あらかじめ規定された期間は1年であり、抵抗測定値の限度は400キロオームである。この閾値は故障した回線の履歴データを分析することで決められてよい。代わりに閾値をシステムが使用中に推定してから調整することもできる。
【0034】
前記に注記したように、図5は交換機から生じる回線のテストデータを示している。回線4、5、9から12、16から18、20、21、23及び24のすべてがワイヤAまたはBとバッテリー間の400キロオーム未満の抵抗測定値を有し、その結果予想ハードフォルトと分類されていることが分かる。図6は、図5の26本の回線の内の9本、601〜609を、それらが交換機610から一次接続点(PCP)筐体611の交換機側まで、PCPの分配側612まで、2つの分配点(DP)613、614まで及びカスタマローカル装置(CPE)(図示されていない)に向かって生じるときに示す概略表記である。26本の回線の内の9本だけが明確にするために図6に示されている。
【0035】
交換機610、PCP611、612及びDP613、614上の接続点のそれぞれは、図6に図示されるような文字と番号のシーケンスにより個別に識別される。これらの接続識別子により、各回線がネットワークノードを通ってCPEまで通る経路を記録できる。したがって、各回線601〜609はアクセス網管理システム102に記憶されるそれに関連付けられるデータレコードを有する。各回線のデータレコードは、回線に関連付けられる電話番号及び回線毎の接続識別子のようなデータを示す。例えば、図6の回線2 602の接続識別子はA03、E07、D08及びDP10となるだろう。これらの識別子は同種の2つのノードでの接続識別子を図6に図示される2つのDP613、614上のノードのように区別できるように、それらが適用するネットワークのノードの唯一の識別とも関連付けられている。
【0036】
当業者により理解されるように、交換機からCPEまでの回線はネットワークのノードを通る規則的な経路をめったにたどらない。言い換えると、回線はPCP内の点A01、次にE01、D01、及びDP01に接続されないが、代わりに接続点全体で効果的に無作為な経路を取るだろう。回線が、ケーブル間の漏話の問題を削減できるように、つまり同じ物理経路に沿って通る2本またはそれ以上のケーブルを回避しようとして、慎重に混合されている場合もある。この混合は、例えば、図6のPCP611、612のようなPCPのE側とD側間の接続で実行される。
【0037】
ある特定の回線で識別される予想ハードフォルト(AHF)は、任意の時点での該回線が交換機からCPEまでのその条長に沿ったいずれかの点で劣化した結果として発生した可能性がある。(AHFを含む)故障は、多くの場合、回線がPCPまたはDPのようなネットワークノードに接続される点で発生する。これらは物理的なケーブルが腐食、絶縁の破壊、あるいは水の進入によりさらに容易に影響を受ける点である。図6では、図5のテストデータに従ってAHFを示している回線がネットワークノードに接続される点が大きな黒点(・)で示されている。前記に注記されたように、交換機610から発するすべての回線が図示されているわけではなく、代わりに9本の例示的な回線が図示されている。
【0038】
前記に注記されたように、ネットワーク管理システム102により実行される処理の第1ステップ403はAHFを示す回線を特定することであり、これは図5に図示されるデータの分析により実行される。この分析は、この例の回線2及び5〜8でのAHFを明らかにしている。次のステップ405では、処理が各ノードまたはネットワークからの選ばれたノードの各ノードを分析する。この分析はここでさらにネットワークノードのフレームからの28本のケーブルの例に関して説明される(ノードは、交換機、PCPまたはDPである場合があるだろう)。該フレームは、名目接続識別子1〜26のシーケンスによって以下の表1に表されている。
【表1】
前記表1の第2の回線は、関連する接続点で接続されている回線がAHFを示しているかどうかを判断する。「a」は故障の無い回線を示しているが、「b」はAHFを示している回線を示している。処理の次のステップは、該フレームのために存在するAHFのクラスタの数を確立することである。第1に、AHFクラスタが発生する範囲が確立される。前記表1の例では、クラスタが回線4で開始し、回線24まで伸張する。したがって、クラスタ範囲は4〜24であり、これらの回線のうち13本がAHFを示している(つまり疑わしい)。
【0039】
処理の次のステップ405は、疑わしい回線のグループの間にあるAHFとして示されていない回線のどれかが事実上誤診されており、「b」またはAHFとして処理されるべきかどうかを判断する。処理のこの要素の根拠となるのは、近接して位置する回線またはケーブルが、例えばネットワークノードのフレームから滴り落ちる水などの1本の回線の故障の原因がその単一の回線またはケーブルに実際には隔離されていないために、故障の特性を共用する傾向があるという点である。該2つの疑わしいものが同じクラスタの一部であるのか、あるいは別個のクラスタであるのか否かを判断するクラスタ範囲、つまり2つの疑わしいもの(「b」)間の数または距離は、以下の式に従って決められる。
【0040】
クラスタ範囲=(グループ内の数/疑わしいものの数)p
(この場合「p」は、本実施形態の中では0.5に設定されるレンジパラメータである。)
この式は、AHFを示す第1の回線からそうするための最後の回線までから選択された表1からのデータのサブセットであるグループを参照する。前記の表1ではグループは位置4から位置24まで通る。該式は分析されているグループ中の疑わしいものの総数を取り、それをグループ内の疑わしいものの総数で除算し、これをレンジパラメータpの累乗に乗算する。したがって本例では、クラスタ範囲は(24/13)0.5=1.84として計算される。次にクラスタ範囲は、AHFを示す回線の間に物理的に位置している明らかに障害のない回線(前記表1中の「a」)のどれがAHFを示すとして処理されるべきかを判断するために使用される。言い換えると、2(またはそれ以上)の「b」の間に1のみの「a」がある場合には、該「a」は「b」、及びその隣接する「b」、つまり1<クラスタ範囲=1.84であるクラスタの一部として処理される。2の「a」がある場合には、これらは隣接する「b」、つまり2>クラスタ範囲=1.84であり、クラスタを形成するとして処理されないだろう。クラスタ範囲を表1に示される結果に適用すると、以下の表2に描かれる次の結果が生じる。
【表2】
クラスタ範囲を表1からのデータに適用した結果は、表2の5番目の欄で見ることができる。これは、表1の位置19と22での「a」が「b」として処理され、位置16〜24のデータがAHFの単一のクラスタとして処理される結果となることを示している。逆に、位置6〜8及び13〜15の「a」は正当に故障が無い、つまりそれらの隣接する故障クラスタの一部ではないとして処理されている。
【0041】
したがって、表1のデータの分析から回収される情報は、表3に以下のように述べられる。
【表3】
疑わしいものとして識別される回線の総数は13であり、合計5つのクラスタを構成する。グループ内の回線総数は21であり、つまり表1のデータからシーケンスの最初と最後にある故障のない回線を排除している。グループ内の疑いのない回線の総数は8である。前記表3のデータを判断する際に、位置19と22にある回線はクラスタスコア計算のために「b」として処理されるが、残りの計算では「a」として処理される。
【0042】
処理の次の段階409は、識別されたクラスタが同一であるか、あるいは単一の原因から生じる可能性が高いのかを判断することである。本質的に、テストはランダム性の1である。クラスタパターンがランダムである場合には、それは同一として処理されるが、それがランダムでない場合には、それは単一の原因から生じたとして処理される。これは、以下のようにクラスタ値を計算することにより判断される。
【数1】
この場合NCは前記表3に記載され、SDはMeanの式とともに以下に述べられる標準偏差である。
【数2】
これらの方程式は、ランダム性についてのテストであるMann Whitney Uテストと呼ばれるテストを構成する。回収され、前記図3に示されたデータをとると、以下の計算はステップ409の処理により行われる。
【数3】
次に、クラスタ値はクラスタパラメータと呼ばれる閾値と比較される。クラスタ値が閾値を超える場合、問題のクラスタは有効クラスタとして処理される。クラスタ値が閾値未満である場合には、それはクラスタとして処理されない。本実施形態では、クラスタパラメータは1.96で設定され、これは、正規分布に従ってランダムではないAHFのパターンの95%の確率がある点である。クラスタパラメータは、システムが使用されている間に調整できる。本例では、2.853というクラスタ値は、分析中の表1のデータが真の(つまり、ランダムではない)クラスタを表していることを示すクラスタ値より大きいことがわかる。
【0043】
処理の次のステップ411は、分析中のノードの優先順位スコアを計算することである。このスコアは、ノードの優先順位スコアを計算するために過去のステップで確立されたクラスタ値だけではなく、分析中のノードに関係する履歴データの数多くの異なるファクタを考慮に入れる。分析にてこのステップで使用されるデータは、本実施形態では、ノード毎にネットワーク管理システム102により記憶され、使用されていない回線数、つまりスペアの対の数、疑わしい回線(または対)の数、動作中の回線の数、故障回線の数、故障回線における過去に保持されたパーセンテージの増加からなる。次の計算式は、ノードの優先順位スコアを計算するのに使用される。
【数4】
ここで、Sはスペア回線、Susは容疑者回線、Wは動作中回線、Fは故障回線、Cはクラスタ値、Iは故障回線のパーセンテージ増加、及びIpは故障回線の過去のパーセンテージ増加である。
【0044】
故障回線のパーセンテージの増加Iは、以下の式に従って計算される。
【数5】
優先順位スコアに影響を及ぼす2つのさらなる係数P1とP2がある。これらは、優先順位アルゴリズムの性能を調整するために使用できる加重係数である。第1の加重係数P1は故障増加加重係数(Fault Increase Weighting Factor)と呼ばれ、本実施形態では100という値に設定される。Iは故障増加率の基準(measure)であり、P1はIが優先順位スコアに対して有する影響を支配する。第2の加重係数P2はグループ化アルゴリズム加重係数(Grouping Algorithm Weighting Factor)と呼ばれ、この実施形態では10という値に設定される。P2は、クラスタ値Cが優先順位スコアに対して有する影響を支配する。優先順位スコアアルゴリズムは、「0」という値を「1」に変換する「1(One)」と呼ばれる関数も利用する。
【0045】
優先順位スコアの計算は中に通っている87本の回線(または対)を有するPCPのE側の例に関してここにさらに説明され、10はスペア回線であり、13は疑わしいもの(AHF)であり、65が動作中(つまり、故障またはAHFではない)であり、12が故障であることが知られている。87本の回線のこの例における疑わしいものは前記表1に図示されるような同じパターンでクラスタ化される。クラスタ値の計算は回線数とは関係なく、代わりに疑わしいグループ中の回線だけを考慮に入れている。その結果、87本の回線の本例に関するクラスタ値は表1のデータに関して前記に計算されたクラスタ値、つまり2.853と同じである。この例では、故障対の過去のパーセンテージの増加は12.6%である。
【0046】
したがって、ステップ411ではIは以下のように計算される。
【数6】
このようにして、ノードの優先順位スコアは以下のように計算される。
【数7】
上記されたように、優先順位スコアはネットワーク内の多くのノードについて計算され、その後予防保守のような作業にどのようにして優先順位を付けるのかを決定するために使用できる。優先順位スコアが高いほど、保守はより緊急である。図7は図6に関して前述されたのと同じ組のネットワークノードを示すが、各ノードに優先順位スコア及びクラスタスコアが追加されたものを示す。再び、明確にするために交換機から通る87本の回線の内の9本だけが描かれている。
【0047】
最高のクラスタスコア及び最高の優先順位スコアを有するノードは、PCP611のE側である。これは、ネットワークマネージャに対して、そのノード内に故障のクラスタがあるために、それが分析されたノードの組を通る回線上で検出された予想された故障の原因である可能性があることを示している。しばしば、前述されたように、このようなクラスタ化されたAHFは、ネットワークノードを保持する筐体の中に漏れ、腐食および/または短絡を引き起こす水のような同じ問題によって引き起こされている。優先順位スコアは、図7のネットワークの保守を、それが所定のノードの予防保守の緊急性の相対的な基準を与えるようにどのようにして計画する必要があるのかをネットワークマネージャに追加指摘する。言い換えると、それはどれほどすぐにハードフォルトが出現するのか、及びどれほど多く出現するのか指摘する。
【0048】
図7に図示される例では、最高の優先順位スコアと最高のクラスタスコアの両方ともが同じノードについて発生する。これは実際には異例の状態ではないだろうが、スコアのそれぞれの最高がさまざまなノードについて発生する状況もありうる。この場合、最高の優先順位ノードで保守を実行するのか、あるいは最大のクラスタスコアを有するノードで(あるいはおそらく両方で)保守を実行するのかを決定するために、ネットワークマネージャの判断が必要になるだろう。また、クラスタスコアシステム及び優先順位スコアシステムが前述のようにともに、あるいは互いと無関係にのいずれかで使用できることは、当業者にとって明らかだろう。さらに、クラスタ値はあるノードについての優先順位スコアの計算で使用されるが、これが不可欠ではなく、前述されたのと同じように使用するために優先順位スコアがクラスタ値を考慮に入れずに計算できることは当業者に明らかだろう。
【0049】
ネットワーク内のノード毎にクラスタスコア及び優先順位スコアを生成する表1のデータの処理の結果は、多くの方法でネットワーク管理システム102のユーザに提示できる。例えば、結果は、ノード毎のスコアを示す欄を有す表形式で提示できる。代わりに、結果は図7に図示されるようにスコアとともに絵で表示することもでき、該スコアは、それらが関係するネットワークノードの表示に近いボックス内に提示されている。これは、AHFを示す回線がクラスタスコアに加えてクラスタ化の視覚的な表示を与えることができるようにネットワークノードに付けられている、黒い点(・)のような表示で補足できる。
【0050】
本発明は各回路が1本の銅線により伝搬されるアクセス網に関して説明されてきたが、光ファイバにより伝搬される終端回路のためにも使用されてよい。
【0051】
本発明を具体化する装置がテストデータの分析および/または処理を提供するように構成されたソフトウェアを有する汎用コンピュータである場合があることは当業者により理解されるだろう。該コンピュータは単一のコンピュータである場合もあれば、一群のコンピュータである場合もあり、またソフトウェアは単一のプログラムまたは1組のプログラムとなる場合もあるだろう。さらに、本発明を実現するために使用されるソフトウェアのどれかまたはすべては、1またはそれ以上のコンピュータ上にプログラムをロードできる、あるいは適切な伝送媒体を使用してコンピュータネットワーク上でダウンロードできるようにフロッピーディスク、CD−ROM、あるいは磁気テープなどのような多様な伝送および/または記憶媒体上に具備することができる。
【0052】
文脈が明らかに別のものを要求しない限り、説明及び請求項全体で、単語「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」等は排他的な意味あるいは網羅的な意味とは対照的に包括的な意味、すなわち「を含むがこれに限定しない」という意味に解釈されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明を使用できる通信網の一部を形成するアクセス網及び関連付けられるローカル交換機のブロック図である。
【図2】図1のアクセス網に関して本発明を具体化するフォルトマネジメントシステムを提供するために使用される通信網の構成要素を示すブロック図である。
【図3】終端回路を試験するときに行われる測定のいくつかを説明する回路図である。
【図4】ネットワーク内の故障を特定する際にフォルトマネジメントシステムで実行される処理を説明するフロー図である。
【図5】図4に図解されるプロセスの一例で使用される例示的な試験データのテーブルである。
【図6】通信回線により相互接続されている複数のネットワークノードを示す通信の概略図である。
【図7】通信回線により相互接続されている複数のネットワークノードを示す通信の概略図である。
【0001】
本発明は、通信網の終端回路内での障害を管理するフォルトマネジメントシステムに関し、またこのようなフォルトマネジメントシステムを動作する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
従来の通信網は、相対的に少数の相互接続された主交換機、及びそれぞれが主交換機の1または2に接続されるはるかに多数のローカル(local)交換機を備える。該ローカル交換機はネットワークの終端回路(terminating circuits)に接続され、これらの回路の遠端はネットワークのユーザ向けに提供される電話機などの端末装置に接続されている。主交換機及びローカル交換機から形成されるネットワークはコアネットワークとして知られているが、終端回路から形成されるネットワークは、アクセス網またはローカルループ(local loop)として多様に知られている。本明細書では、それはアクセス網と呼ばれる。いくつかの終端回路は、交換能力を備えている場合もあれば、備えていない場合もあるリモートコンセントレータ(concentrator)に接続される。次に、リモートコンセントレータはローカル交換機に接続される。本明細書では、用語「ローカル交換機」はローカル交換器とリモートコンセントレータ両方をカバーすると解釈されるべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のアクセス網では、各終端回路は1対の銅線から形成されている。典型的には、銅線の各対は、ローカル交換機と端末装置間の一連のノード(又はネットワークエレメント)を通過する。このようなノードの例は一次交差接続点、二次交差接続点、分配点(DP)、ケーブルノード及びジョイントである。
【0004】
最近では、アクセス網で終端回路を伝搬するためには光ファイバが使用されてきた。現代のアクセス網では、終端回路を伝搬するために銅線の対と光ファイバの両方が使用されている。終端回路が光ファイバにより伝搬される場合、該回路は、通常、ローカル交換機と端末装置間の複数のノードを通過する。各ノードにおいて、ローカル交換機からの入信ファイバは多様な方向で分岐する出信ファイバのグループに分けられる。終端回路がローカル交換機から光ファイバによって伝搬される場合、該回路の最後の部分は1対の銅線により伝搬されてよい。残念なことに、終端回路は故障しがちである。1対の銅線により伝搬される終端回路の場合、このような障害の例は切断、1対のワイヤの2本のワイヤの間の短絡、及びワイヤの1本と接地の間の短絡である。複数の対のワイヤから形成される従来のアクセス網の場合、障害の原因は水のノード内への進入及びノードに対する物理的な損傷を含む。
【0005】
カスタマが故障を報告すると、終端回路を該故障の原因を特定するために試験してもよい。それから、故障を修理することができる。しかしながら、故障が修理されるまで、ユーザはサービスを使用できない。例えば夜間に、普段からアクセス網内の各終端回路に対して1式の回路試験を実行する方法は既知である。このような定常テストは終端回路上での故障を検出できる。その後、おそらく終端回路のユーザがサービスの損失を通知する前に故障を修理することができる。アクセス網の個々のノードの運用品質を測定することも知られている。ノードの動作品質が悪い場合、該ノードを通過する終端回路で故障が増大するだろう。しかしながら、回線は終端する前に数多くのノードを通るため、結果的には潜在的な故障が発するノードの場所を突き止めることは困難であるため、効率的な予防保守は困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1の実施形態によると、複数のノードを通過する複数の回線を備える通信網のためのフォルトマネジメントシステムを動作する方法が提供される。前記方法は、
複数の前記回線でテストを実施し、回線毎のテストデータの1または複数の要素を得る工程と、
該テストデータを分析して、共通の故障特性で回線を識別する工程と、
共通の故障特性の原因がもっとも位置しそうなノードを指摘するように、ノード毎に共通の故障特性を有する回線の物理的なクラスタ化の相対的基準に基づいて、ノード毎にスコアを確立する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
クラスタスコアは、潜在的な故障がともにグループ化していて同一の原因を有している可能性が最も高いノードを表すノード毎の相対的な基準を与える。すべての潜在的な故障の原因は、該潜在的な故障のどれかが実際の(或いは困難な)故障になり、かつこうして顧客によって検出可能になるおそらく前に、経済的に修正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明はさらに、ここで添付図面に関して一例として詳細に説明されるだろう。
【0009】
ここで図1を参照すると、ローカル交換機10及び該ローカル交換機10に接続される従来のアクセス網12が示されている。該ローカル交換機10とアクセス網12は、通信網の一部を形成する。ローカル交換機10はアクセス網12の終端回路または回線に接続される。典型的には、ローカル交換機は数千の終端回路に接続されている。各終端回路または回線はそのそれぞれの端末装置に到達する前に複数のノードを通過する。これらのノードは一次交差接続点、二次交差接続点、分配点(DP)及びジャンクションを有し、これらのノードの例は以下に記載されるだろう。
【0010】
図1に示されている従来のアクセス網12では、各終端回路または回線は1対の銅線から形成されている。該銅線は、1本のケーブルまたは複数本のケーブルの形でローカル交換機10を出る。これらのケーブルの1本が図1に図示されており、参照番号14で示されている。交換機10からの該ケーブル14の遠端は、通りの筐体(cabinet)または地下のジャンクションボックスに収納できる一次交差接続点(PCP)16に接続される。一次交差接続点16から、終端回線は複数の方向のケーブルとして分岐する。簡略にするために、図1では、3本のケーブル18、20、及び22だけが図示されている。ケーブル18の遠端はジョイント19に接続されている。ジョイント19は二次交差接続点(SCP)24にケーブル21により接続されている。ケーブル20と22の遠端はそれぞれ二次交差接続点26と28に接続されている。簡略にするために、二次交差接続点24と26を超える終端回線の延長部は図示されていない。二次交差接続点24、26及び28は、地上または地下に位置できるジャンクションボックスに収納されている。
【0011】
二次交差接続点28から、終端回線はケーブルの形で再び複数の方向に分岐する。図解として、図1は二次交差接続点28を出るケーブル40、42及び44を示す。ケーブル40と44はそれぞれジョイント46と48に接続されている。ジョイント46と48はそれぞれケーブル50と52に接続され、その遠端は分配点(DP)54と56に接続されている。ケーブル42の遠端はジョイント60に接続されている。ジョイント60は、ケーブル62によって分配点64に接続されている。簡略にするために、分配点54と56を超える終端回線は図示されていない。
【0012】
分配点は、典型的には電柱上に位置するジャンクションボックスとして実現される。終端回線は、ネットワークのユーザ向けに提供される端末装置が位置する単一の銅線対として各分配点から分岐する。図解として図1は、分配点64を出る2つの単一銅線対70、72を示している。銅線ペア70と72の遠端は、それぞれ端末装置74、76に接続されている。知られているように、端末装置は多様な形態を取ってよい。例えば、端末装置は電話ボックス内に位置する電話、家庭または事務所に位置する電話機、あるいはカスタマの敷地内に位置するファックス機械またはコンピュータであってよい。図1に図示される例では、2本のケーブルをまとめて接続するためにジョイント19、46、48及び60のそれぞれが使用される。ジョイントは、2本以上のさらに小さなケーブルを1本のさらに大きなケーブルに接続するために使用されてよい。
【0013】
それぞれの終端回線では、各対の2本のワイヤ(wires)はワイヤAとワイヤBとして示されている。ローカル交換機10では、回線に電流を供給するためにワイヤAとワイヤBの間に50Vのバイアス電圧が印加される。バイアス電圧が電池を使用することによって初期交換で印加されるので、バイアス電圧はまだ電池電圧として知られている。端末装置では、ワイヤAとワイヤBがキャパシタにより接続され、その存在は端末装置が使用されていないときに検出されてよい。
【0014】
アクセス網10内の終端回線は故障しがちである。これらの故障の主要な原因は水の進入、及び終端回線がローカル交換機10と端末装置間で通過するノードに対する物理的な損傷である。ノード内で生じる原因により発生する5つの主要な故障がある。これらの故障は切断、短絡、故障した電池電圧、接地故障及び低絶縁抵抗である。終端回線がローカル交換機と端末装置間で中断される場合に切断が生じる。1本の回線のワイヤAとワイヤBがともに接続される場合、短絡が発生する。終端回線のワイヤAまたはワイヤBに別の回線のワイヤBに対する短絡接続がある場合に故障電池電圧が発生する。ワイヤAまたはワイヤBが接地または別回線のワイヤAに接続されるとき接地故障が発生する。ワイヤAとワイヤBの間、またはワイヤの1本と接地の間、あるいはワイヤの1本と別の回線のワイヤの間の抵抗が許容値より低い場合に低絶縁抵抗が発生する。
【0015】
アクセス網12の終端回線内の故障を検出するために、ローカル交換機10にはラインテスタ80が具備されている。ラインテスタ80はローカル交換機10から、あるいはさらに詳しく後述されるように遠隔場所から動作されてよい。ラインテスタ80は例が後述される多様な試験を実行することができる。ローカル交換機用の多様な型のラインテスタが市販されている。本例では、ラインテスタ80はTeradyne試験装置またはVanderhoff試験装置のどちらかである。両方の型の試験装置を使用してよい場合もある。回線について抵抗、キャパシタンス、及び電圧の測定データを生成するだけではなく、装置のこれらの部分は「ベルループ(Bell Loop)」、「マスタジャックロープ(Master Jack Loop)」及び「ブリッジ(Brided)」などの終端文と呼ばれるさらなるデータも生成する。これらの終端文は、装置が検出するように構成されている特殊な回線状態である。
【0016】
ここで図2を参照すると、アクセス網12にフォルトマネジメントシステムを提供するローカル交換機10及び通信網の構成要素が示されている。これらの構成要素はラインテスタ80、通信網用のカスタマサービスシステム100、及びアクセス網管理システム102を備える。ラインテスタ80は、物理的に回線試験を行う電子装置を含むテストヘッド104、及び該テストヘッド104用のコントローラ106を備える。コントローラ106はコンピュータの形態を取る。コントローラ106は、それに接続されるワークステーションから動作することができ、ローカル交換機10に備えられる。コントローラ106はカスタマサービスシステム100とアクセス網管理システム102の両方に接続され、カスタマサービスシステム100またはアクセス網管理システム102のどちらかに接続されたワークステーションによって操作できる。
【0017】
カスタマサービスシステム100もコンピュータであり、それはそれに接続されている数多くのワークステーションの内のいずれか1台から操作できる。図2では、1台のこのようなワークステーションが図示され、参照番号110で示されている。カスタマサービスシステム100は、ネットワークのカスタマと接触している通信網のオペレータにより使用される。これらのオペレータとともに、カスタマサービスシステムは多様なサービスをカスタマに提供する責任を負う。
【0018】
アクセス網管理システム102もコンピュータであり、それは数多くのワークステーションの内の1台から操作することができる。これらのワークステーションの1台が図2に図示され、参照数字112で示されている。アクセス網管理システム102は、アクセス網12と同じ一般的な地理領域内の数多くの他のアクセス網だけではなく、アクセス網12を管理する責任を負う。アクセス網管理システム102は、それが管理するアクセス網のそれぞれのための多様な動作を管理する。これらの動作は新規装置の提供、ネットワーク内でエンジニアにより実行される作業に関するデータのロギング(logging)、各アクセス網の終端回線及びノード上にデータを維持すること、障害の検出と管理を含む。アクセス網管理システム102に接続されるワークステーションもカスタマサービスシステム100に接続される。図2に図示されるように、カスタマサービスシステム100及びアクセス網管理システム102はともに接続される。
【0019】
本例においては、アクセス網12のためのフォルト管理システムはラインテスタ80、カスタマサービスシステム100及びアクセス網管理システム102から形成されているが、フォルト管理システムもそれ自体のラインテスタ80によって容易に提供できるだろう。これを達成するために、コントローラ106を形成するコンピュータに適切なソフトウェアを追加することが必要となるだろう。小さなネットワークでは、これはフォルト管理システムを提供する適切な形態である可能性がある。しかしながら、大規模なネットワークでは、フォルトマネジメントシステムをカスタマサービスシステム100及びアクセス網管理システム102に統合することが有利である。
【0020】
コントローラ106は、テストヘッド104がアクセス網12の各終端回線で毎晩、一連のルーチンテストを実行させるようにプログラミングされている。これらの試験は図3に図示される回路図に関して説明される。
【0021】
回線を試験するためには、交換機10から切断されて、テストヘッド104に接続されてもよい。図3は、試験されている回線300を示す。回線300はワイヤA302とワイヤB304を有する。交換機10から遠い回線300の端部は端末装置306に接続される。回線302、304のそれぞれは、その直径、及びローカル交換機から端末装置306への距離に依存する抵抗を有している。ワイヤ302、304のそれぞれは絶縁材で被覆されている。絶縁材の機能は、各ワイヤと隣接するワイヤの間に絶縁を提供することである。絶縁材に対する損傷、あるいはワイヤの金属の酸化は、2本の隣接するワイヤ間の抵抗を故障させる可能性がある。
【0022】
ワイヤ302、304間の絶縁の効果は、ワイヤA302とワイヤB304の間の抵抗R1及びワイヤB304とワイヤA302の間の抵抗R2を測定することにより判断することができる。抵抗R1とR2は、ダイオードD1とD2によって示される整流のため、異なる可能性がある。良好な状態にある回路の場合、抵抗R1とR2が高く、1メガオームより大きい。絶縁材に対する損傷または酸化は、損傷または酸化の重大度に応じた量、抵抗R1、R2を低下させるだろう。絶縁材が、ワイヤAとワイヤBが物理的に互いに接触するように完全に破壊される場合、抵抗R1、R2の値はテストヘッド80と損傷の点の間の距離に依存するが、通常は0オームから1500オームの範囲内にあるだろう。
【0023】
試験されている回線300のワイヤA302とワイヤB304だけが切断される。他の回線では、50ボルトのバイアス電圧がワイヤAとワイヤBの間に印加される。図3では、他の回線のワイヤAは集合的に、交換機10で接地されるワイヤ310により示されている。他の回線のワイヤBは、集合的に−50ボルトという電位に交換機で接続されるワイヤ312によって図示されている。
【0024】
ワイヤA302またはワイヤB304を隣接するワイヤAまたはワイヤBから分離する絶縁材が損傷を受ける場合、あるいはワイヤの内の1本が酸化を被ると、電流が流れる可能性がある。ワイヤA302とワイヤB304と隣接するワイヤAとワイヤBの間の絶縁の効果は、ワイヤA302と隣接するワイヤA310の間の抵抗R3、ワイヤA302と隣接するワイヤB312の間の抵抗R4、ワイヤB304と隣接するワイヤA310の間の抵抗R5、及びワイヤB304と隣接するワイヤB312の間の抵抗R6を測定することにより判断することができる。
【0025】
良好な回路の場合、抵抗R3、R4、R5、R6は高く、1メガオームを上回っている。絶縁材に対する損傷により、抵抗R3、R4、R5、R6の1つまたはそれ以上が該損傷の重大度に応じた量低下する可能性がある。ワイヤA302またはワイヤB304と隣接するワイヤの間の絶縁材が、2本のワイヤが物理的に互いに接するように完全に破壊される場合、2本の接触するワイヤの間の抵抗はテストヘッド80と損傷点の間の距離に依存するだろうが、典型的には範囲0オーム〜1500オームにあるだろう。酸化も、2本のワイヤが効果的に互いに接触する結果となる場合がある。
【0026】
ワイヤA302とワイヤB304、及びそれらの間の絶縁材はキャパシタとしての役割を果たす。図3では、ワイヤAとワイヤB間のキャパシタンスが値C1を有するとして示されている。回線のワイヤAとワイヤB間のキャパシタンスの値は回線の長さによるだろう。回線300の断線はテストヘッド80から測定されるようなキャパシタンスC1の値を減少するだろう。図3は、ワイヤA302と接地の間のキャパシタンスC2、及びワイヤB304と接地の間のキャパシタンスC3も示す。
【0027】
毎晩、コントローラ106は、アクセス網12の終端回線毎に、テストヘッド80に抵抗R1、R2、R3、R4、R5、R6及びキャパシタンスC1、C2、C3を測定させる。コントローラ106は、またテストヘッド80に、回線の端部に接続された端末装置があるかどうかもチェックさせる。端末装置は、標準的なキャパシタンス値を有する。端末装置が接続されると、そのキャパシタンスの値は、キャパシタンスC1を得るために、テストヘッドにより測定されるキャパシタンスから差し引かれる。各終端回線について、テストの結果はアクセス網管理システム102内にそのディレクトリ番号に突き合わせて記憶される。
【0028】
コントローラ106は、テスト結果をアクセス網管理システム102に送信する。アクセス網管理システム102は、疑わしい故障が存在しないか、各終端回線について一連のテスト結果を調べる。可能性のある故障は切断、短絡、故障バッテリー電圧、接地障害、及び低絶縁抵抗を含む。故障が疑われるとき、故障の名称及び回線についての試験結果は、そのディレクトリ番号あるいは該回線に関連付けられた交換機内の識別子に突き合わせてアクセス網管理システム102に記憶される。毎夜検出される疑われる故障の詳細は、アクセス網管理システム102のオペレータにより検討されてよい。適切な場合、オペレータは修理対象の故障について指示を与えてもよい。
【0029】
ネットワーク管理システム102は、また夜間試験から収集されるデータの追加処理を実行するように構成される。この追加処理は、適切な場合、カスタマが故障を検出する前に矯正的な作業を実行できるように、実際の故障よりむしろ潜在的な故障を試験するように設計されている。ネットワーク管理システム102により実行される処理の概要は、ここで図4に関して示され、処理の詳細な例も以下に示されるだろう。処理は、適切なデータの受信に応じて自動的に、あるいは人間のオペレータによってのどちらかでステップ401で開始され、処理はステップ403に移る。ステップ403では、(後に詳細に記載される)既知の方法を使用して、問題のすべての回線のテストデータが分析され、故障が所定の期間、つまり予想ハードフォルト(anticipated hard fault)(AHF)内に発生するだろう旨を示す特性で回線を識別する。これを判断するパラメータは回線抵抗測定値であり、閾値が履歴データから引き出される。
【0030】
ステップ405では、回線構成のレコード、つまり特定の回線が接続されるネットワーク内のノードは、ノード毎の予想ハードフォルトのパターンを確立するために使用される。次に、該パターンが分析され、ステップ407で故障のクラスタ(clusters)を識別し、カウントする。次に、ステップ409では、所定のノードのクラスタが分析され、正しい数のクラスタが識別された旨、及びクラスタが統計的に意味がある(重要である)(significant)旨を検証する。ステップ411では、所定のノードでの予想ハードフォルトのクラスタがクラスタノードスコアを計算するために使用される。それから、このスコアは、故障発生元である可能性が最も高いノードの識別を可能とするために同じ組の回線が通過する他のノードに突き合わせてノードを評価するために使用できる。言い換えると、クラスタスコアは、予想される故障の原因を突き止めるために使用できる。
【0031】
ステップ413では、予想されるハードフォルトの追加の分析が実行され、優先順位スコアが所定のノードについて計算される。この優先順位スコアは、どのくらい早急にノードが故障すると予想されているのかの表示を提供し、同じ回路の組を伝搬する一組のノードの内のどのノードが最も緊急に注意を必要としているのかを確立ために使用される。クラスタスコア及び優先順位スコアが単独で、あるいは組み合わせて使用できることに注目すべきである。言い換えると、所定のノードで予防保守を実行する際には、予想されるハードフォルトのソースである可能性が最も高いノードの表示は、単独で、あるいは最も早く故障する可能性があるノードの表示と組み合わせて使用することができる。
【0032】
本発明はここで図4に関して前記に概説された方法で処理されている1組の回線からテストデータを示す作業済みの例によってさらに説明される。図5は、交換機から通る26本の回線のそれぞれのテストデータを示す。回線毎に、テストデータはワイヤAと接地間、ワイヤAとワイヤB(現在の測定値と過去の測定値の両方)間、及びワイヤBと接地間の4つのキャパシタンス測定値を備えている。データは、ワイヤA、ワイヤB、バッテリー及び接地の各組み合わせ間の回線毎の距離の測定値及び一連の抵抗測定値も備える。これらは、図3に関して前述されたキャパシタンスC1、C2、C3及び抵抗R1、R2、R3、R4、R5、R6に対応する。加えて、ワイヤA及びBとVanderhoffおよび/またはTerradyne装置により供給されるターミネーションフラグ(期間)間の過去のキャパシタンス読取り値がある。しかしながら、本発明の目的のためにワイヤA、ワイヤB、及びバッテリー、つまりR4とR6間の抵抗測定値だけが使用される。
【0033】
履歴データから、それ以下では測定値が適用する回線が予想ハードフォルト(AHF)を有するとして処理される測定値R4とR6について閾値限度が設定される。予想ハードフォルトはR4抵抗とR6抵抗に基づいて所定の期間をもって故障する(つまりハードフォルト)ことが予想される回線として定義される。本実施形態では、あらかじめ規定された期間は1年であり、抵抗測定値の限度は400キロオームである。この閾値は故障した回線の履歴データを分析することで決められてよい。代わりに閾値をシステムが使用中に推定してから調整することもできる。
【0034】
前記に注記したように、図5は交換機から生じる回線のテストデータを示している。回線4、5、9から12、16から18、20、21、23及び24のすべてがワイヤAまたはBとバッテリー間の400キロオーム未満の抵抗測定値を有し、その結果予想ハードフォルトと分類されていることが分かる。図6は、図5の26本の回線の内の9本、601〜609を、それらが交換機610から一次接続点(PCP)筐体611の交換機側まで、PCPの分配側612まで、2つの分配点(DP)613、614まで及びカスタマローカル装置(CPE)(図示されていない)に向かって生じるときに示す概略表記である。26本の回線の内の9本だけが明確にするために図6に示されている。
【0035】
交換機610、PCP611、612及びDP613、614上の接続点のそれぞれは、図6に図示されるような文字と番号のシーケンスにより個別に識別される。これらの接続識別子により、各回線がネットワークノードを通ってCPEまで通る経路を記録できる。したがって、各回線601〜609はアクセス網管理システム102に記憶されるそれに関連付けられるデータレコードを有する。各回線のデータレコードは、回線に関連付けられる電話番号及び回線毎の接続識別子のようなデータを示す。例えば、図6の回線2 602の接続識別子はA03、E07、D08及びDP10となるだろう。これらの識別子は同種の2つのノードでの接続識別子を図6に図示される2つのDP613、614上のノードのように区別できるように、それらが適用するネットワークのノードの唯一の識別とも関連付けられている。
【0036】
当業者により理解されるように、交換機からCPEまでの回線はネットワークのノードを通る規則的な経路をめったにたどらない。言い換えると、回線はPCP内の点A01、次にE01、D01、及びDP01に接続されないが、代わりに接続点全体で効果的に無作為な経路を取るだろう。回線が、ケーブル間の漏話の問題を削減できるように、つまり同じ物理経路に沿って通る2本またはそれ以上のケーブルを回避しようとして、慎重に混合されている場合もある。この混合は、例えば、図6のPCP611、612のようなPCPのE側とD側間の接続で実行される。
【0037】
ある特定の回線で識別される予想ハードフォルト(AHF)は、任意の時点での該回線が交換機からCPEまでのその条長に沿ったいずれかの点で劣化した結果として発生した可能性がある。(AHFを含む)故障は、多くの場合、回線がPCPまたはDPのようなネットワークノードに接続される点で発生する。これらは物理的なケーブルが腐食、絶縁の破壊、あるいは水の進入によりさらに容易に影響を受ける点である。図6では、図5のテストデータに従ってAHFを示している回線がネットワークノードに接続される点が大きな黒点(・)で示されている。前記に注記されたように、交換機610から発するすべての回線が図示されているわけではなく、代わりに9本の例示的な回線が図示されている。
【0038】
前記に注記されたように、ネットワーク管理システム102により実行される処理の第1ステップ403はAHFを示す回線を特定することであり、これは図5に図示されるデータの分析により実行される。この分析は、この例の回線2及び5〜8でのAHFを明らかにしている。次のステップ405では、処理が各ノードまたはネットワークからの選ばれたノードの各ノードを分析する。この分析はここでさらにネットワークノードのフレームからの28本のケーブルの例に関して説明される(ノードは、交換機、PCPまたはDPである場合があるだろう)。該フレームは、名目接続識別子1〜26のシーケンスによって以下の表1に表されている。
【表1】
前記表1の第2の回線は、関連する接続点で接続されている回線がAHFを示しているかどうかを判断する。「a」は故障の無い回線を示しているが、「b」はAHFを示している回線を示している。処理の次のステップは、該フレームのために存在するAHFのクラスタの数を確立することである。第1に、AHFクラスタが発生する範囲が確立される。前記表1の例では、クラスタが回線4で開始し、回線24まで伸張する。したがって、クラスタ範囲は4〜24であり、これらの回線のうち13本がAHFを示している(つまり疑わしい)。
【0039】
処理の次のステップ405は、疑わしい回線のグループの間にあるAHFとして示されていない回線のどれかが事実上誤診されており、「b」またはAHFとして処理されるべきかどうかを判断する。処理のこの要素の根拠となるのは、近接して位置する回線またはケーブルが、例えばネットワークノードのフレームから滴り落ちる水などの1本の回線の故障の原因がその単一の回線またはケーブルに実際には隔離されていないために、故障の特性を共用する傾向があるという点である。該2つの疑わしいものが同じクラスタの一部であるのか、あるいは別個のクラスタであるのか否かを判断するクラスタ範囲、つまり2つの疑わしいもの(「b」)間の数または距離は、以下の式に従って決められる。
【0040】
クラスタ範囲=(グループ内の数/疑わしいものの数)p
(この場合「p」は、本実施形態の中では0.5に設定されるレンジパラメータである。)
この式は、AHFを示す第1の回線からそうするための最後の回線までから選択された表1からのデータのサブセットであるグループを参照する。前記の表1ではグループは位置4から位置24まで通る。該式は分析されているグループ中の疑わしいものの総数を取り、それをグループ内の疑わしいものの総数で除算し、これをレンジパラメータpの累乗に乗算する。したがって本例では、クラスタ範囲は(24/13)0.5=1.84として計算される。次にクラスタ範囲は、AHFを示す回線の間に物理的に位置している明らかに障害のない回線(前記表1中の「a」)のどれがAHFを示すとして処理されるべきかを判断するために使用される。言い換えると、2(またはそれ以上)の「b」の間に1のみの「a」がある場合には、該「a」は「b」、及びその隣接する「b」、つまり1<クラスタ範囲=1.84であるクラスタの一部として処理される。2の「a」がある場合には、これらは隣接する「b」、つまり2>クラスタ範囲=1.84であり、クラスタを形成するとして処理されないだろう。クラスタ範囲を表1に示される結果に適用すると、以下の表2に描かれる次の結果が生じる。
【表2】
クラスタ範囲を表1からのデータに適用した結果は、表2の5番目の欄で見ることができる。これは、表1の位置19と22での「a」が「b」として処理され、位置16〜24のデータがAHFの単一のクラスタとして処理される結果となることを示している。逆に、位置6〜8及び13〜15の「a」は正当に故障が無い、つまりそれらの隣接する故障クラスタの一部ではないとして処理されている。
【0041】
したがって、表1のデータの分析から回収される情報は、表3に以下のように述べられる。
【表3】
疑わしいものとして識別される回線の総数は13であり、合計5つのクラスタを構成する。グループ内の回線総数は21であり、つまり表1のデータからシーケンスの最初と最後にある故障のない回線を排除している。グループ内の疑いのない回線の総数は8である。前記表3のデータを判断する際に、位置19と22にある回線はクラスタスコア計算のために「b」として処理されるが、残りの計算では「a」として処理される。
【0042】
処理の次の段階409は、識別されたクラスタが同一であるか、あるいは単一の原因から生じる可能性が高いのかを判断することである。本質的に、テストはランダム性の1である。クラスタパターンがランダムである場合には、それは同一として処理されるが、それがランダムでない場合には、それは単一の原因から生じたとして処理される。これは、以下のようにクラスタ値を計算することにより判断される。
【数1】
この場合NCは前記表3に記載され、SDはMeanの式とともに以下に述べられる標準偏差である。
【数2】
これらの方程式は、ランダム性についてのテストであるMann Whitney Uテストと呼ばれるテストを構成する。回収され、前記図3に示されたデータをとると、以下の計算はステップ409の処理により行われる。
【数3】
次に、クラスタ値はクラスタパラメータと呼ばれる閾値と比較される。クラスタ値が閾値を超える場合、問題のクラスタは有効クラスタとして処理される。クラスタ値が閾値未満である場合には、それはクラスタとして処理されない。本実施形態では、クラスタパラメータは1.96で設定され、これは、正規分布に従ってランダムではないAHFのパターンの95%の確率がある点である。クラスタパラメータは、システムが使用されている間に調整できる。本例では、2.853というクラスタ値は、分析中の表1のデータが真の(つまり、ランダムではない)クラスタを表していることを示すクラスタ値より大きいことがわかる。
【0043】
処理の次のステップ411は、分析中のノードの優先順位スコアを計算することである。このスコアは、ノードの優先順位スコアを計算するために過去のステップで確立されたクラスタ値だけではなく、分析中のノードに関係する履歴データの数多くの異なるファクタを考慮に入れる。分析にてこのステップで使用されるデータは、本実施形態では、ノード毎にネットワーク管理システム102により記憶され、使用されていない回線数、つまりスペアの対の数、疑わしい回線(または対)の数、動作中の回線の数、故障回線の数、故障回線における過去に保持されたパーセンテージの増加からなる。次の計算式は、ノードの優先順位スコアを計算するのに使用される。
【数4】
ここで、Sはスペア回線、Susは容疑者回線、Wは動作中回線、Fは故障回線、Cはクラスタ値、Iは故障回線のパーセンテージ増加、及びIpは故障回線の過去のパーセンテージ増加である。
【0044】
故障回線のパーセンテージの増加Iは、以下の式に従って計算される。
【数5】
優先順位スコアに影響を及ぼす2つのさらなる係数P1とP2がある。これらは、優先順位アルゴリズムの性能を調整するために使用できる加重係数である。第1の加重係数P1は故障増加加重係数(Fault Increase Weighting Factor)と呼ばれ、本実施形態では100という値に設定される。Iは故障増加率の基準(measure)であり、P1はIが優先順位スコアに対して有する影響を支配する。第2の加重係数P2はグループ化アルゴリズム加重係数(Grouping Algorithm Weighting Factor)と呼ばれ、この実施形態では10という値に設定される。P2は、クラスタ値Cが優先順位スコアに対して有する影響を支配する。優先順位スコアアルゴリズムは、「0」という値を「1」に変換する「1(One)」と呼ばれる関数も利用する。
【0045】
優先順位スコアの計算は中に通っている87本の回線(または対)を有するPCPのE側の例に関してここにさらに説明され、10はスペア回線であり、13は疑わしいもの(AHF)であり、65が動作中(つまり、故障またはAHFではない)であり、12が故障であることが知られている。87本の回線のこの例における疑わしいものは前記表1に図示されるような同じパターンでクラスタ化される。クラスタ値の計算は回線数とは関係なく、代わりに疑わしいグループ中の回線だけを考慮に入れている。その結果、87本の回線の本例に関するクラスタ値は表1のデータに関して前記に計算されたクラスタ値、つまり2.853と同じである。この例では、故障対の過去のパーセンテージの増加は12.6%である。
【0046】
したがって、ステップ411ではIは以下のように計算される。
【数6】
このようにして、ノードの優先順位スコアは以下のように計算される。
【数7】
上記されたように、優先順位スコアはネットワーク内の多くのノードについて計算され、その後予防保守のような作業にどのようにして優先順位を付けるのかを決定するために使用できる。優先順位スコアが高いほど、保守はより緊急である。図7は図6に関して前述されたのと同じ組のネットワークノードを示すが、各ノードに優先順位スコア及びクラスタスコアが追加されたものを示す。再び、明確にするために交換機から通る87本の回線の内の9本だけが描かれている。
【0047】
最高のクラスタスコア及び最高の優先順位スコアを有するノードは、PCP611のE側である。これは、ネットワークマネージャに対して、そのノード内に故障のクラスタがあるために、それが分析されたノードの組を通る回線上で検出された予想された故障の原因である可能性があることを示している。しばしば、前述されたように、このようなクラスタ化されたAHFは、ネットワークノードを保持する筐体の中に漏れ、腐食および/または短絡を引き起こす水のような同じ問題によって引き起こされている。優先順位スコアは、図7のネットワークの保守を、それが所定のノードの予防保守の緊急性の相対的な基準を与えるようにどのようにして計画する必要があるのかをネットワークマネージャに追加指摘する。言い換えると、それはどれほどすぐにハードフォルトが出現するのか、及びどれほど多く出現するのか指摘する。
【0048】
図7に図示される例では、最高の優先順位スコアと最高のクラスタスコアの両方ともが同じノードについて発生する。これは実際には異例の状態ではないだろうが、スコアのそれぞれの最高がさまざまなノードについて発生する状況もありうる。この場合、最高の優先順位ノードで保守を実行するのか、あるいは最大のクラスタスコアを有するノードで(あるいはおそらく両方で)保守を実行するのかを決定するために、ネットワークマネージャの判断が必要になるだろう。また、クラスタスコアシステム及び優先順位スコアシステムが前述のようにともに、あるいは互いと無関係にのいずれかで使用できることは、当業者にとって明らかだろう。さらに、クラスタ値はあるノードについての優先順位スコアの計算で使用されるが、これが不可欠ではなく、前述されたのと同じように使用するために優先順位スコアがクラスタ値を考慮に入れずに計算できることは当業者に明らかだろう。
【0049】
ネットワーク内のノード毎にクラスタスコア及び優先順位スコアを生成する表1のデータの処理の結果は、多くの方法でネットワーク管理システム102のユーザに提示できる。例えば、結果は、ノード毎のスコアを示す欄を有す表形式で提示できる。代わりに、結果は図7に図示されるようにスコアとともに絵で表示することもでき、該スコアは、それらが関係するネットワークノードの表示に近いボックス内に提示されている。これは、AHFを示す回線がクラスタスコアに加えてクラスタ化の視覚的な表示を与えることができるようにネットワークノードに付けられている、黒い点(・)のような表示で補足できる。
【0050】
本発明は各回路が1本の銅線により伝搬されるアクセス網に関して説明されてきたが、光ファイバにより伝搬される終端回路のためにも使用されてよい。
【0051】
本発明を具体化する装置がテストデータの分析および/または処理を提供するように構成されたソフトウェアを有する汎用コンピュータである場合があることは当業者により理解されるだろう。該コンピュータは単一のコンピュータである場合もあれば、一群のコンピュータである場合もあり、またソフトウェアは単一のプログラムまたは1組のプログラムとなる場合もあるだろう。さらに、本発明を実現するために使用されるソフトウェアのどれかまたはすべては、1またはそれ以上のコンピュータ上にプログラムをロードできる、あるいは適切な伝送媒体を使用してコンピュータネットワーク上でダウンロードできるようにフロッピーディスク、CD−ROM、あるいは磁気テープなどのような多様な伝送および/または記憶媒体上に具備することができる。
【0052】
文脈が明らかに別のものを要求しない限り、説明及び請求項全体で、単語「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」等は排他的な意味あるいは網羅的な意味とは対照的に包括的な意味、すなわち「を含むがこれに限定しない」という意味に解釈されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明を使用できる通信網の一部を形成するアクセス網及び関連付けられるローカル交換機のブロック図である。
【図2】図1のアクセス網に関して本発明を具体化するフォルトマネジメントシステムを提供するために使用される通信網の構成要素を示すブロック図である。
【図3】終端回路を試験するときに行われる測定のいくつかを説明する回路図である。
【図4】ネットワーク内の故障を特定する際にフォルトマネジメントシステムで実行される処理を説明するフロー図である。
【図5】図4に図解されるプロセスの一例で使用される例示的な試験データのテーブルである。
【図6】通信回線により相互接続されている複数のネットワークノードを示す通信の概略図である。
【図7】通信回線により相互接続されている複数のネットワークノードを示す通信の概略図である。
Claims (11)
- 複数のノードを通過する複数の回線を備える通信網のためのフォルトマネジメントシステムを動作する方法であって、該方法は、
複数の前記回線上でテストを実行して回線毎にテストデータの1つまたはそれ以上の要素を得る工程と、
該テストデータを分析して回線を共通の故障特性で識別する工程と、
該共通の故障特性の原因が最も位置する可能性が高いノードを指摘するように、ノード毎に共通の故障特性を有する回線の物理的なクラスタ化の相対的な基準に基づき、ノード毎にスコアを確立する工程と、
を備えている。 - 請求項1記載の方法において、該共通の故障特性は所定の時間内に発生すると予想される故障の特性である。
- 請求項1または請求項2に記載の方法において、該テストされた特性は回線のワイアの1とバッテリー間の抵抗測定値である。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法において、各ノードにおける各クラスタは分析されて統計的に意味があるか或いはランダムかを判断する。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法において、該故障特性を表わさずかつ該故障特性を表わす回線のクラスタ間に配置された1又はそれ以上の回線の組は分析されて、隣接するクラスタの一部を形成するか否かを判断する。
- 複数のノードを通過する複数の回線を備えている通信網のためのフォルトマネジメントシステムは、
複数の前記回線上でテストを実施して、回線毎にテストデータの1つまたはそれ以上の要素を得るよう動作可能な手段と、
該テストデータを分析して、共通の故障特性で回線を識別するよう動作可能な手段と、
該共通の故障特性の原因が最も位置する可能性が高いノードを指摘するように、ノード毎に共通の故障特性を有する回線の物理的なクラスタ化の相対的な基準に基づき、ノード毎にスコアを確立するよう動作可能な手段と、を備えている。 - 請求項6記載の装置において、該共通の故障特性は所定の時間内に発生すると予想される故障の特性である。
- 請求項6または請求項7に記載の装置において、該テストされた特性は回線のワイアの1とバッテリー間の抵抗測定値である。
- 請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の装置において、各ノードにおける各クラスタは分析されて統計的に意味があるか或いはランダムかを判断する。
- 請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の装置において、該故障特性を表わさず、かつ該故障特性を表わす回線のクラスタ間に配置された1又はそれ以上の回線の組は、分析されて、隣接するクラスタの一部を形成するか否かを判断する。
- 汎用コンピュータまたは一群のこのようなコンピュータに請求項1乃至請求項5の方法を実行させる、あるいは請求項6乃至請求項10の装置を提供させるように構成されたコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラムの組。
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