JP2004526041A - プロピレン重合化触媒 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明はプロピレンの重合化のための触媒の合成に関する。この触媒は高い活性を有し、高い立体選択性及び高い嵩密度を有するポリマー生成物を生成する。触媒の活性は長寿命であり、良好な温度応答性を示す。これらの特徴の全ては工業用のプロピレン重合化触媒のために望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明は、プロピレン重合化触媒を生成する方法に関する。この方法は、一般的な用語において述べると、以下を含む。すなわち、四塩化チタン、マグネシウムジハライドに転化され得るマグネシウム含有化合物、例えばマグネシウムクロロアルコキシド、及び内部電子供与体、例えばフタル酸エステルとの組合せを芳香族炭化水素溶媒中で形成し、そして該組合せを高められた温度に至らせて中間生成物を生成し、例えばデカンテーションにより分離すること;該中間生成物を芳香族炭化水素溶媒で高められた温度において洗浄して、洗浄された生成物及び上澄みを生成し、続いてそこから上澄みをデカンテーションすること;該洗浄された生成物を芳香族炭化水素溶媒中で四塩化チタンで好ましくは2又は3回処理して、処理された生成物及び上澄みを形成し、続いて該処理された生成物及び上澄みを加熱し、そこから上澄みをデカンテーションして、該処理された生成物を芳香族炭化水素溶媒で高められた温度において洗浄し、前に述べたように望まれる生成物を分離する(例えばやはりデカンテーションによる)こと;及び該処理された生成物へ脂肪族炭化水素溶媒を添加して、そこから溶媒をデカンテーションして、所望により鉱油を洗浄された生成物に添加して触媒を含むスラリーを形成した後に、プロピレン重合化触媒として使用され得る、洗浄された生成物を形成すること、を含む。
【0003】
マグネシウムジハライドに転化され得る可溶性又は不溶性のマグネシウム含有化合物は1以上の以下のタイプの化合物から選択されることができる。すなわちマグネシウムジアルコキシド(例えばマグネシウムジエトキシド);クロロマグネシウムアルコキシド(例えばクロロマグネシウムエトキシド);マグネシウムジハライド電子供与体付加物(例えばMgCl2 (EtOH)x及びMgCl2(THF)x 、ここでTHFはテトラヒドロフランであり、Xは両方の場合において≧0.5である);アルキルマグネシウムハライド(“グリニヤール試薬”例えばクロロブチルマグネシウム);及びジアルキルマグネシウム化合物,例えばブチルエチルマグネシウムである。前記の種類の化合物の全てにおいて、アルコキシド/アルキル部分中の炭素原子の数は、適宜、1〜約12、好ましくは4の範囲であるだろう。そのような任意の前駆体は、不活性な担体、例えばシリカの上に支持されることができる。
【0004】
内部電子供与体は公知のタイプの内部供与体例えば以下の種類:フタル酸エステル及びその誘導体;ベンゾエート及びその誘導体;シラン及びシロキサン;及びポリシラン及びポリシロキサンから選択され得る。
【0005】
本発明に従うと、選択された内部供与体がハロフタロイル誘導体であるときは、選択されたマグネシウムジクロリド源化合物は、マグネシウムジアルコキシドではありえない。
【0006】
本発明の方法は、本質的にアルコキシ官能性のない、活性化されたアモルファスのマグネシウムジハライド支持体上に支持された少なくとも1のチタン―ハロゲン結合を有するチタン化合物(触媒中のチタン金属含有量は、支持体の重量に基づいて約2重量%以下である)及び内部供与体例えばフタル酸エステル供与体を含む重合化触媒を製造する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下の記載は、ある好ましいマグネシウムジハライド源物質、すなわちクロロマグネシウムエトキシド及び内部供与体(フタル酸ジイソブチル)に焦点を合わせるが、それぞれの選択に対してより広い可能性が、ちょうど上に述べたように、これらの2つの選択の代わりに使用され得ることが理解されるべきである。
【0008】
本発明の触媒は、一連の多重処理サイクルを用いて製造され、該多重処理サイクルのそれぞれは四塩化チタンとアルキルベンゼン溶媒、例えばトルエンとの混合物と支持体前駆体との反応、続く該固体の芳香族炭化水素溶媒、好ましくはアルキルベンゼン溶媒である、による処理を含む。本明細書において記載される方法において使用され得る代表的な芳香族溶媒は、ベンゼン、例えばクロロベンゼンのようなハロ芳香族溶媒、及びトルエン及びキシレンのようなアルキルベンゼンを含む。これらの反応段階は高められた温度において行われる。もしこのタイプのより低い沸点の溶媒、例えばベンゼンが使用されるならば、所望される温度条件を得るために大気圧を超える圧力を使用することが必要であり得る。最初の四塩化チタン/芳香族溶媒反応段階の間に、内部フタル酸エステル供与体例えば好ましいフタル酸ジイソブチルが添加される。製造される予定の最終的なポリマー生成物が望ましい粒子サイズ及び形態上の特徴を有することができるならば、適する粒子サイズ及び形態を制御された支持体前駆体が使用されることが必要である。処理サイクルは次に最終触媒のこれらの特徴を保存して、ポリマー生成物がそれらの特徴を複製するようにするような方法で実行される必要がある。
【0009】
本発明の方法の最初の段階は、四塩化チタン、マグネシウムクロロアルコキシド、例えば及びフタル酸エステルの組合せを芳香族溶媒中で形成し、該組合せを高められた温度に至らせて、中間生成物を形成することを含む。好ましいマグネシウムクロロアルコキシドは、その中のアルキル部分の中に1〜約12の炭素原子を含むだろう。最も好ましいマグネシウムクロロアルコキシドはマグネシウムクロロエトキシドである。トルエンは、使用のために好ましいアルキルベンゼン溶媒であることが見出され、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、及びトリメチルベンゼンもまた有用である。好ましいフタル酸エステルは、その中のアルキル基中に1〜約12の炭素原子を含んでもよく、代表的な化合物は、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ- n -プロピル、フタル酸ジ―イソプロピル、フタル酸ジ―n−ブチル、フタル酸ジ―ブチル、フタル酸ジ―tert―ブチル、フタル酸ジイソアミル、フタル酸ジ―tert‐アミル、フタル酸ジ―ネオペンチル、フタル酸ジ−2‐エチルヘキシル、及びフタル酸ジ―2‐エチルデシルである。供与体は他の成分に室温において添加されることができ、該混合物は次に高められた温度(例えば約100℃〜約140℃、好ましくは約110℃〜約120℃)にまで至らせられることができるか又はそれは他の2つの成分に室温において添加されて約100℃まで加熱されるか、又はそれらの成分が望まれる温度まで加熱された後、それらに添加されることができる。芳香族溶媒に対する四塩化チタンの量は、一般的に、体積ベースで約40%〜約80%の範囲であり、一般的に約3〜4回の処理工程が十分であることが見出された。使用される、四塩化チタン及び溶媒の体積対支持体前駆体のグラムは、1グラムの支持体前駆体当たり約5〜約10ミリリットルの四塩化チタン及び溶媒である。成分の組合せは好ましくは約10時間まで一緒に保たれ、好ましくは約1〜約2時間攪拌される。この始めの反応からの中間の固体生成物は、上澄み液がデカントされた後に、次に回収される。
【0010】
最初の工程からの中間の生成物は、次に芳香族炭化水素溶媒、例えばアルキルベンゼン溶媒(例えばトルエン)で、高められた温度(例えば約100℃から溶媒の沸点まで)において洗浄されて、洗浄された生成物及び上澄み相を生成する。洗浄は約3までの独立した洗浄工程において行われることができる。各洗浄工程における上澄みは洗浄された生成物からデカントされる。この洗浄は、チタンを含む望ましくない副生物を除去するために役立つ。この段階における支持体前駆体のグラム当たりに使用される芳香族溶媒の体積は、一般的に約5〜約25ミリリットル/グラムの範囲である。
【0011】
前の工程からの洗浄された生成物は、次に前に記載された条件下、前に記載されたタイプの芳香族溶媒中で四塩化チタンにより処理されて、処理された生成物及び上澄みを生成する。この工程は、出発のマグネシウムクロロアルコキシド試薬の未反応のアルコキシド部分を転化させ、そして望まれないチタン含有の副生物を抽出する。この組合せは次に加熱され(例えば約100℃〜約140℃)、続いて、存在する上澄み相のデカンテーション及び、好ましくはそれぞれ1〜2工程の洗浄サイクルにおいて芳香族炭化水素溶媒での洗浄が行われる。
【0012】
所望される回数の処理/洗浄サイクルの後、前の段階からの生成物は次に脂肪族炭化水素溶媒、例えばヘキサンがそれに添加され、得られる上澄み相はデカンテーションされる。脂肪族溶媒による触媒の洗浄(例えば3〜8回までの独立した洗浄工程)が遊離の四塩化チタン及び残存芳香族溶媒を除去するために役立つ。これは、触媒として使用され得る洗浄された生成物を形成する。
【0013】
随意的な最終工程は、前の工程からの洗浄された生成物への鉱油の添加であり、プロピレン重合化触媒として使用され得る鉱油/触媒スラリーを形成する。このスラリーの乾燥は、実質的な触媒活性の低下(例えば約50%までも)をもたらし得るので通常回避される。
【0014】
前で述べられた工程から形成され得る触媒組成物は、ある実施態様においては物質の新規組成物であるようだ。それは本質的にアルコキシ官能性のない、活性化されたアモルファスのマグネシウムジハライド支持体上に支持された少なくとも1のチタン―ハロゲン結合を有するチタン化合物を含む。その最も広い実施態様において、該触媒組成物は、以下の物理的パラメータを有する。すなわち、チタンの重量百分率約1%から約4%未満;フタル酸エステルの重量百分率約10%から約25%;フタル酸エステル対チタンモル比約0.9から約2;マグネシウムの重量百分率約14%から約23%;マグネシウム対チタンのモル比約7から約30;表面積約250m2/gから約500m2/g;孔体積約0.2cc/gから約0.5cc/g、及び平均孔直径約50オングストローム以下である。
【0015】
触媒組成物のより好ましい実施態様は、以下の物理的パラメータを有する。すなわち、チタンの重量%約2.0%未満、最も好ましくは約1%から約2.5%;フタル酸エステルの重量%約10%から約20%;フタル酸エステル対チタンモル比約1から約1.9;マグネシウムの重量%約18%から約21%;マグネシウム対チタンモル比約14から約29;表面積約300m2/gから約500m2/g;孔体積約0.2cc/gから約0.4cc/g;及び平均孔直径約35オングストローム以下である。
【0016】
本発明の触媒の非常に高い生産性及び低いチタン(Ti)含有量に基づいて、その触媒組成物を用いて生成されるポリプロピレンは非常に低い残存Ti濃度を有する新規組成物であると思われる。重合時間及び温度に依存して、約0.20ppm未満のTi、好ましくは0.15ppm未満のTi、最も好ましくは0.10ppm未満のTiを有するポリマーが製造され得る。
【0017】
以下の実施例は本発明のある好ましくは実施態様を説明するために提供される。
【実施例】
【0018】
実施例1
触媒の製造
窒素で満たされたドライボックス中で、10.0gの混合された相のClMg(OEt)が500mlの4口丸底フラスコに充填された。該フラスコがメカニカルスターラ、窒素導入アダプタ、窒素排出アダプタ付コンデンサ、及びセプタムを装備され、乾燥ボックスから取り出されてSchlenkラインに接続された。次に30mlの乾燥トルエンが添加され、混合物は攪拌されて、固体が懸濁され、20mlのTiCl4が、温度を≦25℃に保つ速度において攪拌されたスラリーに添加された。スラリーは70℃に加熱され、3.78gのフタル酸ジイソブチルが添加された。混合物は115℃まで加熱され、この温度において2時間保たれた。
【0019】
反応の終わりにおいて、激しい攪拌が止められ、固体が沈殿するのを許された。上澄みはデカントされ、200mlのトルエンが添加され、反応媒体は還流のすぐ下まで加熱され、この温度において15分間保たれた。固体が次に沈殿するのを許され、上澄みがデカントされた。トルエン処理が次に繰り返された。
【0020】
次に、30mlのトルエン及び20mlのTiCl4が添加され、媒体は115℃まで加熱され、1時間保たれた。固体が沈殿するのを許した後、液体はデカントされ、上で述べたように固体が200mlのトルエンで2回処理された。これらの処理の後、TiCl4‐トルエン反応の連続及び2回のトルエン処理が2回繰り返された。最後のトルエンのデカントの後、固体はそれぞれ100mlのヘキサンで5回洗浄された。触媒は次にスラリーとして分離された。
【0021】
固体触媒成分の分析は、それが21重量%のMg及び1.5重量%のTiを含むことを示した。
【0022】
触媒試験
攪拌機を装備された4リットルのオートクレーブが酸素及び水が許容できるレベルまで下げられるまで窒素でパージされた。次に、N2パージ下、50mlの精製されたヘキサン、続いて7.0mmoleのTEAL及び0.48mmoleのジシクロペンチルジメトキシシランが反応器に添加された。4〜6mgの固体触媒を含む、上のように製造された触媒スラリーが45mlの精製されたヘキサンに添加され、次に反応器に添加された。反応器は閉じられ、2.5Lの精製されたプロピレン続いて3.6L(STP)のH2が添加された。反応器の中味が攪拌され、70℃まで加熱された。反応混合物は70℃において1又は2時間保たれた。反応器は次に排出され、冷却された。
【0023】
得られたポリマーは集められ、乾燥された。ポリマーの重量が測定されて、kgポリマー/g装填された触媒として定義される活性が計算された。ポリマーの流動嵩密度(PBD)及び合計キシレン不溶分(TXI)が測定された。制御された粒子サイズ分布及び出発支持体前駆体の形態はポリマー粒子中に維持された。これらの試験の結果は表1に示された。多くの場合、2〜3回の試験が各触媒について行われ、これらの試験の平均の結果が報告された。
【0024】
実施例2
反応段階において25mlのトルエン及び25mlのTiCl4が使用された以外は、実施例1において記載された方法を用いて、触媒の製造が行われた。固体の触媒成分の分析はそれが21重量%のMg及び1.5重量%のTiを含むことを示した。試験は実施例1に記載されたように行われ、結果は下の表1に示される。
【0025】
実施例3
反応段階において20mlのトルエン及び30mlのTiCl4が使用され、各TiCl4/トルエン反応の後に1×200mlのトルエン処理のみが使用された以外は、実施例1において記載された方法を用いて、触媒の製造が行われた。固体の触媒成分の分析はそれが19重量%のMg及び1.8重量%のTiを含むことを示した。試験は実施例1に記載されたように行われ、結果は下の表1に示される。
【0026】
実施例4
反応器が250mlの丸底フラスコであり、反応段階において10mlのトルエン及び40mlのTiCl4が使用され、各TiCl4/トルエン反応の後に2×100mlのトルエン処理が使用された以外は、実施例1において記載された方法を用いて、触媒の製造が行われた。固体の触媒成分の分析はそれが19重量%のMg及び1.6重量%のTiを含むことを示した。試験は実施例1に記載されたように行われ、結果は下の表1に示される。
【0027】
実施例5
反応器が250mlの丸底フラスコであり、反応段階において各TiCl4/トルエン反応の後に2×100mlのトルエン処理が使用された以外は、実施例1において記載された方法を用いて、固体触媒成分が合成された。固体の触媒成分の分析は、それが19重量%のMg及び1.5重量%のTiを含むことを示した。試験は実施例1に記載されたように行われ、結果は下の表1に示される。
【0028】
実施例6
反応器が250mlの丸底フラスコであり、反応段階において各TiCl4/トルエン反応の後に100mlのトルエン処理が1回使用された以外は、実施例1において記載されたが使用されて、固体触媒成分を合成した。固体の触媒成分の分析は、それが17重量%のMg及び3.0重量%のTiを含むことを示した。試験は実施例1に記載されたように行われ、結果は下の表1に示される。
【0029】
実施例7
反応器が250mlの丸底フラスコであり、反応段階において各TiCl4/トルエン反応の後に2×100mlのトルエン処理が使用された以外は、実施例3において記載された方法を用いて、触媒合成が行われた。固体の触媒成分の分析は、それが20重量%のMg及び1.7重量%のTiを含むことを示した。試験は実施例1に記載されたように行われ、結果は下の表1に示される。
【0030】
実施例8
反応器が250mlの丸底フラスコであり、反応段階において各TiCl4/トルエン反応の後に1×100mlのトルエン処理が使用された以外は、実施例3において記載された方法に従って固体触媒成分が合成された。固体の触媒成分の分析は、それが17重量%のMg及び2.9重量%のTiを含むことを示した。試験は実施例1に記載されたように行われ、結果は下の表1に示される。
【0031】
実施例9
各反応段階において40mlのトルエン及び60mlのTiCl4が使用された以外は、実施例1において記載された方法を用いて、触媒の製造が行われた。固体の触媒成分の分析はそれが20重量%のMg及び1.2重量%のTiを含むことを示した。試験は実施例1に記載されたように行われ、結果は下の表1に示される。
【0032】
実施例10
各反応段階において60mlのトルエン及び40mlのTiCl4が使用された以外は、実施例1において記載された方法を用いて、触媒の製造が行われた。固体の触媒成分の分析はそれが20重量%のMg及び1.5重量%のTiを含むことを示した。試験は実施例1に記載されたように行われ、結果は下の表1に示される。
【0033】
実施例11
実施例9において製造された触媒スラリーの試料が真空下乾燥された。スラリーの代わりに乾燥した触媒が45mlのヘキサンに添加された以外、実施例1に記載された試験方法が、追従された。結果は下の表1に見出される。
【0034】
実施例12
反応器が250mlの丸底フラスコであり、3連続のTiCl4―トルエン反応及び1×100のトルエン処理が使用された以外は、実施例3において記載された方法を用いて、触媒製造が行われた。固体の触媒成分の分析は、それが15重量%のMg及び3.8重量%のTiを含むことを示した。試験は実施例1に記載されたように行われ、結果は下の表1に示される。
【0035】
実施例13
反応器が250mlの丸底フラスコであり、3連続のTiCl4‐トルエン反応及び1×100のトルエン処理が使用された以外は、実施例1において記載された方法を用いて、触媒製造が行われた。固体の触媒成分の分析は、それが15重量%のMg及び3.8重量%のTiを含むことを示した。試験は実施例1に記載されたように行われ、結果は下の表1に示される。
【0036】
実施例14
この実施例において、実施例1において記載された250mlの4口の丸底フラスコに、5.0gの混合された相のClMg(OEt)が充填された。次に30mlのトルエンが添加され、混合物は攪拌されて、固体が懸濁され、20mlのTiCl4が攪拌されたスラリーに添加され、スラリーは90℃まで加熱され、1.95gのフタル酸ジイソブチルが添加された。混合物は115℃まで加熱され、この温度において2時間の間保たれた。
【0037】
実施例1の手順に従って、上澄みがデカントされ、それぞれ100mlのトルエンでの処理が2回行われた。TiCl4+トルエン反応/トルエン処理段階がさらに3回繰り返された。固体が次にそれぞれ100mlのヘプタンで4回洗浄された。追加の100mlのヘプタンがフラスコに添加され、スラリーは真空濾過装置へ移され、濾過、乾燥された。
【0038】
固体の触媒成分の分析は、それが21重量%のMg及び1.3重量%のTiを含むことを示した。45mlのヘキサンにスラリーの代わりに乾燥触媒が添加された以外は、実施例1に記載されたように試験が行われた。結果は下の表1に示される。
【0039】
実施例15
最初のTiCl4の充填の添加の後、室温においてフタル酸ジイソブチルが添加されたこと以外は、実施例14と同じ方法において固体触媒成分のスラリーが製造された。固体触媒成分の分析は、それが20重量%のMg及び1.4重量%のTiを含むことを示した。実施例1に示されたのと同じ条件下で得られた重合化試験の結果が下の表1に見出される。
【0040】
実施例16
実施例15において得られた触媒スラリーの一部が濾過され、真空乾燥された。表1は、実施例1の条件下行われた(実施例11の乾燥触媒の使用のために修正された)この触媒の重合化試験結果を含む。この実施例の結果は表1に示されていない。
【0041】
実施例17
実施例1において製造された触媒が、試験が80℃において1時間行われたこと以外は実施例1のように重合化性能について試験された。2回の試験の平均化された結果は以下のようであった:活性132.6kg/g触媒;流動嵩密度、0.474g/ml、合計キシレン不溶分、99.37重量%。
【0042】
比較例1
1.43gのフタロイルジクロリドがフタル酸ジイソブチルに置換された以外、実施例12において記載された方法が追従されて、固体触媒成分を製造した。実施例1の方法(実施例11におけるように、乾燥触媒の使用のために修正された)を用いる重合化試験の結果は、下の表1において示される。
【0043】
比較例2
反応段階において40mlのトルエン及び10mlのTiCl4が使用された以外は、実施例1において記載された方法を用いて、触媒の製造が行われた。固体の触媒成分の分析はそれが22重量%のMg及び0.69重量%のTiを含むことを示した。試験は実施例1に記載されたように行われ、結果は下の表1に示される。
【表1】
【0044】
実施例18
この実施例において、米国特許第5,262,573号に記載された純粋相のClMg(OEt)5.0gが30mlのトルエン及び20mlのTiCl4でスラリー化された。スラリーは90℃まで加熱され、1.94gのフタル酸ジイソブチルが添加された。方法の残りの部分は、次に、処理段階に対して100mlのトルエン及び反応段階に対して30mlのトルエン及び20mlのTiCl4を使用して、実施例1に記載されたように行われた。生成物はヘプタンで洗浄され、真空乾燥により単離された。
【0045】
試験は実施例1に記載したように行われ、結果は次の表に示される:
【表2】
【0046】
先行する実施例は、触媒の以下の特徴及び性能の特色を説明する。実施例1〜8はTiCl4/トルエン比及びトルエン処理の回数と体積を変化させることの効果と共に触媒を製造するための方法について記載する。実施例1対実施例9、及び実施例3及び7対実施例10は、TiCl4/トルエン反応混合物の体積を10ml/g支持体前駆体(実施例9及び10)から5ml/g支持体前駆体(実施例1、3、及び7)に減少させることの恩恵を示す。
【0047】
実施例9対実施例11は、触媒が乾燥されておらず、スラリーとして単離されているとき対乾燥した粉末としての単離であるときの、触媒性能における改善を説明する。実施例3対実施例12及び実施例6対実施例13は4対3の処理サイクルを実施することに対して見出される相違を示す。実施例9対実施例15は、スラリーとして単離された触媒についての内部供与体であるフタル酸ジイソブチルの添加の温度の影響、70℃対室温、を比較する(室温の方が高活性)。
【0048】
実施例14、11、及び16は、乾燥粉末として単離された触媒について、DIBP内部供与体の添加温度の影響、90℃対70℃対室温、を示す(室温のとき、高活性)。
【0049】
実施例17は、重合化試験が70℃の代わりに80℃において行われたとき、達成された活性の増加を示す。
【0050】
実施例18は、混合された相のClMg(OEt)支持体前駆対を使用する実施例11に最もよく比較され、出発試薬として、純粋相のClMg(OEt)物質を使用する本発明を示す。触媒の活性は、混合された相の支持体物質に対する活性よりおよそ50%高い。
【0051】
実施例14対比較例1は、ClMg(OEt)が支持体前駆体(乾燥触媒)であるとき、フタル酸エステル、この場合DIBP、の使用は、対応する酸クロリド、フタロイルジクロリドの使用より優れた触媒を与えることを示す。
【0052】
比較例2対実施例1〜4は、TiCl4/トルエン反応混合物中のTiCl4の体積%を40%から20%に削減することは、80%〜40%の範囲において見出される傾向からは明らかでないが、活性の大きな損失をもたらすことを示す。
【0053】
先行する実施例は、単に本発明のある実施態様を説明するために共されているため、制限する方式で解釈されるべきではない。請求する保護の範囲は、後に続く特許請求の範囲に述べられている。
Claims (18)
- プロピレン重合化触媒の製造方法において、四塩化チタン、マグネシウムジハライドに転化され得るマグネシウム含有化合物及び内部電子供与体の組合せを芳香族炭化水素溶媒中で形成し、ただし内部供与体がハロフタロイル誘導体であるとき該マグネシウム含有化合物はマグネシウムジアルコキシドではあり得ない、そして該組合せを高められた温度にまで至らせて中間生成物を形成すること;該中間生成物を芳香族炭化水素溶媒で高められた温度において洗浄して、洗浄された生成物及び上澄みを生成し、続いてそこから上澄みをデカントすること;該洗浄された生成物を芳香族炭化水素溶媒中で四塩化チタンにより処理して、処理された生成物及び上澄みを形成し、続いて該処理された生成物及び上澄みを加熱し、そこから上澄みをデカントし、そして該処理された生成物を芳香族炭化水素溶媒で高められた温度において洗浄すること;洗浄された生成物及び上澄みを生成し、続いてそこから上澄みをデカントすること;該洗浄された生成物を芳香族炭化水素溶媒中で四塩化チタンにより少なくとももう1回処理して、処理された生成物及び上澄みを生成し、続いて該処理された生成物及び上澄みの加熱、そこからの上澄みのデカンテーション、及び脂肪族炭化水素溶媒の該処理された生成物への添加を行い、そこから溶媒をデカントして、プロピレン重合化触媒として使用され得る洗浄された生成物を形成することを含む方法。
- 脂肪族炭化水素溶媒の添加の結果生成する洗浄された生成物の形成後、該洗浄された生成物に鉱油が添加されて、プロピレン重合化触媒を含むスラリーを形成する、請求項1に記載の方法。
- 芳香族炭化水素溶媒がアルキルベンゼン溶媒である、請求項1に記載の方法。
- マグネシウムジハライドに転化され得るマグネシウム含有化合物が、そのアルキル部分の中に約12までの炭素原子を含むマグネシウムクロロアルコキシドである、請求項1に記載の方法。
- 内部電子供与体が、そのアルキル基の中に約12までの炭素原子を含むフタル酸エステルである、請求項1に記載の方法。
- 芳香族炭化水素溶媒がトルエンであって、マグネシウムクロロアルコキシドがマグネシウムクロロエトキシドであり、かつフタル酸エステルがそのアルキル基の中に約12までの炭素原子を含む、請求項1に記載の方法。
- 脂肪族溶媒がヘキサンである、請求項2に記載の方法。
- マグネシウムクロロアルコキシドがそのアルキル部分の中に約12までの炭素原子を含む、請求項4に記載の方法。
- フタル酸エステルが、そのアルキル基の中に約12までの炭素原子を含む、請求項5に記載の方法。
- 芳香族炭化水素溶媒がトルエンであって、マグネシウムジハライドに転化され得るマグネシウム含有化合物がマグネシウムクロロアルコキシドであり、かつ内部電子供与体がそのアルキル基の中に約12までの炭素原子を含むフタル酸エステルである、請求項1に記載の方法。
- 本質的にアルコキシ官能性のない、活性化されたアモルファスのマグネシウムジハライド支持体上に支持された少なくとも1のチタン―ハロゲン結合を有するチタン化合物を含む、プロピレンの重合化のための触媒であって、該触媒が以下の物理的パラメータ:チタンの重量百分率2%未満;フタル酸エステルの重量百分率約10%から約25%;フタル酸エステル対チタンモル比約0.9から約2;マグネシウムの重量百分率約14%から約23%;マグネシウム対チタンのモル比約7から約30;表面積約250m2/gから約500m2/g;孔体積約0.2cc/gから約0.5cc/g、及び平均孔直径約50オングストローム以下、を有する触媒。
- 本質的にアルコキシ官能性のない、活性化されたアモルファスのマグネシウムジハライド支持体上に支持された少なくとも1のチタン―ハロゲン結合を有するチタン化合物を含む、プロピレンの重合化のための触媒であって、該触媒は以下の物理的パラメータ:チタンの重量百分率約1%から2.0%未満;フタル酸エステルの重量百分率約10%から約20%;フタル酸エステル対チタンモル比約1から約1.9;マグネシウムの重量百分率約18%から約21%;マグネシウム対チタンのモル比約14から約29;表面積約300m2/gから約500m2/g;孔体積約0.2cc/gから約0.4cc/g、及び平均孔直径約35オングストローム以下、を有する触媒。
- 本質的にアルコキシ官能性のない、活性化されたアモルファスのマグネシウムジハライド支持体上に支持された少なくとも1のチタン―ハロゲン結合を有するチタン化合物を含む、プロピレンの重合化のための触媒であって、該触媒中のチタン金属含有量が、支持体及びフタル酸エステル供与体の重量に基づいて2重量%未満であって、該触媒の表面積が約250m2/g〜約500m2/gの範囲である触媒。
- マグネシウムジハライド支持体が、そのアルキル部分の中に約12までの炭素原子を含むマグネシウムクロロアルコキシドから誘導される、請求項13に記載の触媒。
- フタル酸エステル供与体がそのアルキル基の中に約12までの炭素原子を含む、請求項13に記載の触媒。
- 請求項11〜15のいずれか1項に記載の触媒の存在下、プロピレンを重合化することにより生成される、約0.20ppm以下のチタンを含むポリプロピレン。
- 請求項11〜15のいずれか1項に記載の触媒の存在下、プロピレンを重合化することにより生成される、約0.15ppm以下のチタンを含むポリプロピレン。
- 請求項11〜15のいずれか1項に記載の触媒の存在下、プロピレンを重合化することにより生成される、約0.10ppm以下のチタンを含むポリプロピレン。
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