JP2004521123A - 腸癌阻害のためのウログアニリンおよびシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬の組合わせ - Google Patents
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Abstract
対象の腸においてポリープの発生を遅延させ、ならびに癌を予防、阻害または治療するための方法であって、ウログアニリンの活性ドメインを有するペプチドまたは腸におけるグアニル酸シクラーゼ受容体GC−Cに結合するいずれかのアゴニストペプチドもしくは化合物を含む組成物を、天然の、天然物から抽出した、または化学合成したシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬、好ましくは選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬と組み合わせて対象に投与することによる方法を開示する。
Description
【発明の開示】
【0001】
発明の背景
本発明は、腸においてポリープの発生を遅延させ、ならびに癌を予防、阻害または治療するために、特定のペプチドを使用すること、より具体的にはウログアニリンおよびプロウログアニリンを、天然の、天然物から抽出した、または化学合成したシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬、好ましくは選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬のうちの1種類またはその組合わせと併用することに関する。
【0002】
結腸直腸癌の発病は、結腸直腸上皮細胞の増殖亢進および/またはアポトーシス低下に始まり、ポリープの発生、続いて腺腫形成、最終的に腺癌に至る、多段プロセスを特色とする。特定の個体は、家族性腺腫性ポリープ症(FAP)と呼ばれる症状の発症に関与するAPC遺伝子の遺伝的欠陥のため、生涯の早い時期に多数の結腸直腸腺腫、続いて癌を発症する。Dihlmann et al.,APC 1309変異の優性ネガティブ作用:家族性腺腫性ポリープ症における遺伝子型−表現型の相関に対して考えられる説明,Cancer Res.,1999,Apr.15,59(8):1857−60。この十年、癌予防に有用な方法として、臨床的に検出できる腫瘍が出現する前に薬理学的介入および/または食事介入により癌の発症を抑制することを目的とする予防的化学療法が提起された。Reddy,B.S.(1997),天然薬剤および関連する合成薬剤の食事投与による結腸癌の予防的化学療法,Adv.Exp.Med.Biol.,400B:931−936。
【0003】
ウログアニリンおよびグアニリンは、腸粘膜内張り内にあるエンテロクロマフィン細胞、杯細胞などを含めた種々のタイプの細胞により管腔内に分泌される、構造的に関連する腸ペプチドホルモンである。分子レベルで同定されたこれらのペプチドに対する受容体は、GC−Cとして知られる膜貫通形のグアニル酸シクラーゼ(GC)である。Krause,W.J.,et al.,グアニリンおよびウログアニリンペプチドホルモンならびにそれらの受容体,Acta.Anat.(Basal)160:213−231(1997)。GC−C受容体は、消化管全体にわたって管腔表面の腸細胞に局在する。Swenson,E.S.,et al.,グアニリン/STa受容体はマウス腸全体の陰窩および頂端側上皮に発現する,Biochem.Biophys.Res.Comm.,225:1009−1014(1996)。ウログアニリンまたはグアニリンがGC−C受容体の細胞外ドメインに結合すると、細胞内での第2メッセンジャーcGMP産生が刺激され、その結果、嚢胞性線維症膜貫通伝達調節タンパク質(CFTR)、すなわち腸管を内張りする腸細胞から塩素イオンを排出するための頂端側細胞膜チャンネルが活性化される。Forte,L.R.,et al.,塩および水の恒常性:ウログアニリンはナトリウム利尿活性をもつ循環性ペプチドホルモンである,Am.J.Kidney Dis.,28:296−304(1996)。CFTR塩素イオンチャンネルタンパク質の活性化、およびこれに続く塩素イオンの経上皮分泌増加により、腸管腔へのナトリウム(Na+)および水の分泌が刺激される。Forte,L.R.,et al.,調節ペプチドグアニリン:構造、サイクリックGMPにより仲介される生物活性、および病理生物学,Regul.Pept.,81:25−39(1999)。したがってこれらのホルモンの主要な生理学的機能の1つは、CFTR活性の傍分泌調節因子として作用することにより消化(GI)管において体液および電解質の輸送を調節することである。
【0004】
ウログアニリンの前駆物質はプロウログアニリンであり、これは腸管の内因性プロテアーゼにより分解して活性ウログアニリンを生成する。キモトリプシンがプロウログアニリンを活性化して、それの活性形ウログアニリンに分解する。Forte et al.,塩および水の恒常性:ウログアニリンはナトリウム利尿活性をもつ循環性ペプチドホルモンである,Am.J.Kid.Dis.,1996,28,No.2,296−304。ウログアニリンは酸安定性かつタンパク質分解抵抗性ペプチドであり、無傷のまま残り、全身吸収されるのではなく腸管腔に直接作用する。ウログアニリンおよびグアニリンは腸粘膜全体および心筋で産生される。Forte et al.,塩および水の恒常性:ウログアニリンはナトリウム利尿活性をもつ循環性ペプチドホルモンである,Am.J.Kidney Dis.,28:296−304(1996)。ヒトのウログアニリンはヒトの尿から単離され、固相ペプチド合成法により化学合成された;U.S.Patent No.(USP)5,489,670(ヒトのウログアニリン)に記載。
【0005】
ウログアニリンまたはグアニリンがグアニリンシクラーゼ受容体に結合すると細胞内でのcGMP産生が刺激され、最終的に腸内腔への塩および水の分泌が刺激される。ウログアニリンおよびグアニリンの受容体は腸管および腎近位尿細管その他の臓器を内張りする管腔表面の上皮細胞にみられる。Forte et al.,塩および水の恒常性:ウログアニリンはナトリウム利尿活性をもつ循環性ペプチドホルモンである,Am.J.Kid.Dis.,1996,28,No.2,296−304。ウログアニリンは、大腸菌(E.coli)その他の腸内細菌の病原性株が分泌する他のファミリーの熱安定性エンテロトキシン(ST)と同様な様式でサイクリックGMPレベル上昇を刺激することが認められた。これらは腸グアニル酸シクラーゼを活性化して分泌性下痢を引き起こし、これは旅行者下痢症および開発途上国における多数の死亡の主因である。Forte et al.,リンホグアニリン:グアニリンペプチドファミリーの新メンバーのクローニングおよび特性解明,Endocrinology,Vol.140,No.4,p.1800−1806。これらのSTペプチドは、哺乳動物内因性ペプチドであるウログアニリンおよびプロウログアニリンの分子模倣体として作用する。Forte et al.,Endocrinology,Vol.140,No.4,p.1800。腸内細菌由来のSTは、ウログアニリンと異なり結腸内のpHが変化しても効力が低下しない。STは、酸性およびアルカリ性のいずれの条件下でもウログアニリンまたはグアニリンより効力が高い。Forte et al.,グアニリン:上皮輸送の調節ペプチド,FASEB Journal,Vol.9,643−650(1995)。ウログアニリンは、消化管においてグアニリンおよびSTと同様な様式で体液および電解質の輸送を調節すると考えられる。したがって、先の刊行物に記載されるように、ヒトのウログアニリンは緩下薬として作用し、便秘に悩む患者に有用であろう。
【0006】
プロスタグランジンは炎症プロセスで主要な役割をもち、プロスタグランジンの産生、特にPGG2、PGH2およびPGE2の産生の阻害は、抗炎症薬を見いだすための一般的なターゲットであった。しかし、炎症プロセスに伴うプロスタグランジン誘発性疼痛および腫脹の軽減に有効である一般的な非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は、炎症プロセスに関連のない他のプロスタグランジン調節プロセスに対する作用においても活性をもつ。したがって、大部分の一般的なNSAIDを多量に用いると致命的な潰瘍を含めた重篤な副作用を生じる可能性があり、それらの療法ポテンシャルは制限される。NSAIDの代替はコルチコステロイドの使用であるが、これも長期療法が伴う場合は重篤な有害作用を生じる。
【0007】
NSAIDは、ヒトのアラキドン酸/プロスタグランジン経路の酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)を含めた酵素を阻害することによりプロスタグランジンの産生を阻止することが見いだされた。炎症関連の誘導酵素(”シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)”または”プロスタグランジンG/HシンターゼII”と命名)に関する最近の知見から、炎症をより効果的に軽減し、劇的な副作用がより少なくかつ軽度である有用な阻害ターゲットが得られる。
【0008】
シクロオキシゲナーゼ−2を選択的に阻害する化合物は、下記の各刊行物にも記載されている:
【0009】
【化1】
さらに、天然シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬が下記に開示されている:”食用植物抽出物による選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害”,米国非仮出願09/737892(2001年1月3日出願);”非食用植物抽出物による選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害”,米国非仮出願09/737701(2001年1月3日出願);および”植物抽出物による選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害”,米国非仮出願09/738041(2001年1月3日出願)。[ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミドはシクロオキシゲナーゼ−2の阻害薬として記載され、副作用が少なく、炎症、関節炎および疼痛の治療に有望であることが前臨床試験および臨床試験で示されている。結腸癌の予防のためにそれらを使用することがUSP5,466,823に記載されている。しかし、腸癌の治療または予防のためにそれらをウログアニリンと併用することは記載がない。
【0010】
発明の概要
特定のペプチド、特にウログアニリンまたはプロウログアニリンと、天然の、天然物から抽出した、または化学合成したシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬、好ましくは選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬のうちの1種類または多種類との併用は、腸においてポリープおよび癌の発生を治療、予防、阻害または遅延させるのに有用である。
【0011】
本発明の目的および特色のうち、対象においてポリープの発生を遅延させる方法、ならびに癌または異常増殖を予防、阻害および治療する方法の提供が注目される。好ましくは本発明方法は、対象の腸、より好ましくは小腸または結腸において、ポリープの発生を処置し、ならびに癌を予防、阻害および治療するのに有用である。
【0012】
したがって要約すると本発明は、対象においてポリープの発生を遅延させるための方法であって、下記のアミノ酸配列:
【0013】
【化2】
(式中のX1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7はそれぞれアミノ酸残基であり、ポリペプチドはX1のアミン基に隣接するシスチン残基とX6のアミン基に隣接するシスチン残基との間のジスルフィド結合およびX3のアミン基に隣接するシスチン残基とX7のアミン基に隣接するシスチン残基との間のジスルフィド結合により架橋している)を含むペプチドと、天然の、天然物から抽出した、または化学合成したシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬、好ましくは選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬のうちの1種類またはその組合わせと組み合わせて投与する方法に関する。
【0014】
米国の特許出願であるPCT/US00/21998(本明細書に援用する)には、ウログアニリンを腸癌阻害薬として使用することが記載されている。
本発明はさらに、下記ペプチド:ウログアニリン、ヒトのウログアニリン、プロウログアニリンおよびヒトのプロウログアニリン、グアニリン、リンホグアニリン、プロリンホグアニリンならびに熱安定エンテロトキシンのうちいずれか1種類またはその組合わせ含む組成物を、天然の、天然物から抽出した、または化学合成したシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬、好ましくは選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬のうちの1種類またはその組合わせと合わせて投与することにより、対象においてポリープの発生を遅延させる方法ならびに癌を予防、阻害または治療する方法に関する。
【0015】
さらに本発明は、グアニル酸シクラーゼ受容体GC−Cに対するアゴニストペプチドおよび/または他のアゴニスト化合物のうちの1種類またはその組合わせを含む組成物を、天然の、天然物から抽出した、または化学合成したシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬、好ましくは選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬のうちの1種類またはその組合わせと合わせて投与することにより、対象においてポリープの発生を遅延させる方法ならびに癌を予防、阻害または治療する方法に関する。
【0016】
本発明方法により処置できる癌または異常増殖は、たとえば頭、頸、胸、肺、皮膚、肝臓、血液、腎臓、心臓、腸、膀胱、胆嚢、脳、咽頭、筋骨格系、リンパ系、中枢神経系など、身体のいかなる部位に存在してもよい。好ましくは本発明方法は、腸、たとえば小腸または結腸に存在する癌または異常増殖の処置に用いられる。
【0017】
本発明の他の目的は一部は明らかであり、一部は以下に指摘される。
好ましい態様の詳細な記述
”治療”という用語には、良性または悪性腫瘍の増殖、拡散または転移の部分的または完全な阻害、および異常増殖細胞の部分的または完全な破壊が含まれる。
【0018】
”予防”という用語には、臨床顕性異常増殖の開始をすべて阻止し、またはリスクをもつ個体において前臨床顕性段階の異常増殖の開始を阻止することが含まれる。この定義には、悪性細胞に対するイニシエーションの阻止、または前悪性細胞から悪性細胞への進行の制止もしくは反転が含まれるものとする。これには、異常増殖発現のリスクをもつ者の予防処置が含まれる。
【0019】
”療法有効”という句は、各薬剤自体による治療に際して、疾病の重症度および発症頻度の改善という目標を達成し、一方では他の療法に一般に伴う副作用が避けられる各薬剤量を示すものとする。
【0020】
治療の目的に関して”対象”という用語には、既知の異常増殖または腫瘍障害のいずれかを伴うヒトまたは動物対象、好ましくはヒト対象が含まれる。予防方法については、対象は腸の良性または悪性の癌または異常増殖関連障害(転移を含む)を生じるリスクをもつヒトまたは動物対象、好ましくはヒト対象である。対象は、発癌性物質の被曝、遺伝的に異常増殖を生じる素因があるなどの原因で、リスクをもつ可能性がある。
【0021】
異常増殖という用語には、良性および癌性両方の腫瘍および増殖が含まれる。
前記方法において上皮細胞由来の異常増殖には、上皮癌、たとえば基底細胞癌、腺癌、結腸癌、前立腺癌、腎細胞癌、および全身の上皮細胞に影響を及ぼす他の既知の異常増殖が含まれる。好ましくは上皮細胞由来の異常増殖は、消化管癌、肝癌、前立腺癌、腎癌、脳癌、膀胱癌、子宮頚癌、肺癌、胸部癌および皮膚癌から選択される。
【0022】
癌または異常増殖の予防および治療に用いる、アラキドン酸代謝におけるシクロオキシゲナーゼ経路の阻害薬は、多様な機構により酵素活性を阻害すると思われる。長期間にわたる予防処置が予想される場合は特に、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬の使用は非選択的NSAIDについて起きる可能性のある消化管副作用を最小限に抑えるという点できわめて有利である。
【0023】
”シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬”という用語は、シクロオキシゲナーゼ−1を有意に阻害することなくシクロオキシゲナーゼ−2を阻害しうる化合物を表わす。好ましくは、これには約0.2μM未満のシクロオキシゲナーゼ−2 IC50をもち、かつシクロオキシゲナーゼ−1と対比したシクロオキシゲナーゼ−2選択比少なくとも50、より好ましくは少なくとも100をもつ化合物が含まれる。さらに好ましくは、これらの化合物は約1μMを超える、より好ましくは10μMを超えるシクロオキシゲナーゼ−1 IC50をもつ。
【0024】
”精製した”という用語は、部分精製および/または完全精製したことを意味する。たとえば”精製した組成物”は部分精製または完全精製したものである。天然シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬の抽出物を部分精製または完全精製することができる。
【0025】
ウログアニリンは、腸粘膜内張りの杯細胞により機能不活性形プロウログアニリンとして自然分泌され、次いでこれが腸で内因性プロテアーゼにより機能活性ウログアニリンに変換される。ウログアニリンは酸安定、タンパク質分解抵抗性ペプチドである。したがって、経口送達したプロウログアニリンおよびウログアニリンは腸管腔表面に作用し、全身吸収されることはない。ウログアニリン、プロウログアニリン、およびその活性ドメインに類似するアミノ酸配列を含む他の同様なペプチドの経口投与は、腸粘膜内張り細胞のアポトーシス、すなわち細胞死を誘発すると予想される。腸粘膜内張り細胞アポトーシスの誘発は、ポリープ形成およびそれに続く腸癌の発生を遅延すると期待される。何らかの理論に拘束されるつもりはないが、本発明のペプチドは腸粘膜内張り細胞のアポトーシス(細胞死)速度を高め、細胞増殖とプログラムされた細胞死の完全な均衡を助成することによりそれらの作用を及ぼし、これにより、グアニリン、ウログアニリン、リンホグアニリンおよびSTaファミリーのペプチドに対する受容体をもつ腸その他の上皮由来癌においてポリープ増殖を遅延させ、癌を予防、阻害および治療すると本発明者らは考える。
【0026】
腸粘膜における細胞増殖および細胞死の速度はきわめて速い。腸粘膜細胞は代謝回転の定常状態にあり、細胞増殖と細胞死の完全な均衡が保証されている。消化管上皮が定常的に速やかに更新されることは、正常粘膜の統合性の維持、特殊な機能をもつ分化した上皮の修復および補充という機能を満たす。腸粘膜細胞のアポトーシスが阻害されると、更新プロセスの不均衡を生じ、その結果ポリープ形成およびそれに続く腸癌の発生が高まる。Eastwood et al.,消化管上皮更新および消化管腺癌の発症に対するその 関与,J.Clin.Gastroenterol.,21:S1−11(1995)参照。結腸癌組織でアポトーシスのプロセスが抑制されることは知られている。Baretton,et al.,結腸直腸腺腫および癌におけるアポトーシスと免疫組織化学的bcl−2発現:発癌および予後における意味の観点,Cancer,77:255−264(1996)。
【0027】
アポトーシスプロセスでの主な細胞特性は顕著な細胞体積喪失であり、これは細胞膜を隔てた浸透圧の均衡により恒常性が達成されているイオン移動に直接関係がある。Hoffman,E.K.,et al.,細胞体積調節に際しての細胞内信号伝達における膜機構,Int.Rev.Cytol.,161:173−262(1995)。大部分の哺乳動物細胞は、Na+/K+ ATPaseポンプの連続作動によりこの浸透圧を達成および維持している。このポンプは膜を隔てたこれら一価カチオンの勾配を作り出す。幾つかの証拠源から、アポトーシス誘導に際してK+排出が役割をもつ可能性が示された。Hughes,F.M.,et al.,細胞内K + はリンパ球におけるアポトーシスの活性化を抑制する,J.Biol.Chem.,272:30567−30576(1997);Hughes,F.M.,et al.,カリウムはin vitroおよびin vivoにおいて重要なアポトーシス酵素調節因子である,Adv.Enzyme Regul.,39:157−171(1999)。第1に、細菌の孔形成性細胞溶解素であるスタフィロコッカスα−トキシンがアポトーシスを誘導することが見いだされた;これは細胞膜を一価カチオンに対して選択的に透過性にする。Bhakdi,S.,et al.,スタフィロコッカスα−トキシンがヒト単球に及ぼす強力な細胞致死作用に伴うインターロイキン−1ベータ放出,Infect.Immun.,57:3512−3519(1989)。第2に、アポトーシスを起こして収縮した細胞が含む細胞内K+のレベルは、正常細胞と比較してはるかに低いことが示された。Hughes,F.M.,et al.,細胞内K + はリンパ球におけるアポトーシスの活性化を抑制する,J.Biol.Chem.,272:30567−30576(1997)。第3に、150mMを超える細胞内K+濃度は、カスパーゼ−3、すなわちアポトーシス誘導に関与するタンパク質分解酵素を選択的に阻害することが示された。Hughes,F.M.,カリウムはin vitroおよびin vivoにおいて重要なアポトーシス酵素調節因子である,Adv.Enzyme Regul.,39:157−171(1999)。最後に、全細胞においてK+排出を抑制すると前アポトーシスヌクレアーゼの活性化が阻止され、これに対しこのイオンの排出が増大するとこれらのヌクレアーゼの酵素活性が増強される。Hughes,F.M.,39:157−171(1999)。したがって、細胞内カリウムレベルの均衡は重要なアポトーシス調節要素であると思われる。
【0028】
さらに、グアニリンが結腸癌細胞では完全に低下し、正常な腸粘膜細胞では均一に発現することが示された。この所見は、グアニリンが腫瘍修飾遺伝子として結腸の分化または機能の維持に関与することを示唆する。Mitchell et al.,ヒトの腸および結腸直腸腺癌におけるグアニリンmRNA発現,Lab.Invest.,1998,Vol.78,No.1,101−108。GC−C受容体として知られるグアニル酸シクラーゼ受容体がすべての原発性および転移性結腸直腸癌において発現することが最近のデータにより証明され、これらの腫瘍の特異的マーカーとして役立つ可能性がある。Carrithers,S.L.,et al.,グアニリンシクラーゼCはヒト腸外組織における転移性結腸直腸腫瘍の選択的マーカーである,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93:14827−14832。これに対し、結腸直腸癌の組織および細胞系ではグアニリンの発現がダウンレギュレートされることが示された。Cohen,M.B.,et al.,ヒト腸および結腸直腸腺癌におけるグアニリンmRNA発現,Lab.Invest.,78:101−108。
【0029】
PCT/US00/21998(本明細書に援用する)において、ウログアニリンが結腸癌細胞では完全に低下し、正常な腸粘膜細胞では均一に分布することが示された。さらに、検査したすべてのヒト結腸癌検体においてヒト結腸癌および隣接する正常組織におけるウログアニリンおよびグアニリンの発現が完全に低下していたと報告された。この試験は、ウログアニリンおよび/またはグアニリンの発現低下が腺癌形成の原因または結果であることを示唆した。同出願では、ウログアニリンで処置するとT−84、すなわちヒト結腸癌細胞においてアポトーシスが誘導されること、およびヒトのウログアニリンを経口投与するとMin−マウス、すなわちヒト家族性腺腫性ポリープ症(FAP)の動物モデルの腸管におけるポリープ形成が阻害されることが証明された。
【0030】
最近、グアニリンおよびウログアニリンの遺伝子が両方とも、マウス第4染色体上およびヒト染色体上のシンテニック位置1p34−35にマッピングされた。Sciaky,D.,et al.,ネズミ第4染色体およびヒト染色体1p34−35へのグアニリンのマッピング,Genomics,26:427−429(1995);Whitaker,T.L.,et al.,ウログアニリン遺伝子(Guca 1b)はマウス第4染色体上のグアニリン(Guca 2)に連鎖している,Genomics,45:348−354(1997)。この領域はヒト結腸癌においてヘテロ接合性の消失を伴うことが多い。Leister,I.,et al.,ヒト結腸直腸癌:高頻度の染色体1p35欠失,Cancer Res.,50:7232−7235(1990)。min−マウス腫瘍モデルにおいて、腺腫の多重度および増殖速度は、同様にヒト染色体1p34−35とシンテニックなマウス第4染色体領域に位置する腫瘍抑制遺伝子APCにより調節される。Dietrich,W.F.,et al.,マウスにおけるMin−誘導腸異常増殖に影響を及ぼす主要な修飾遺伝子座Mom−1の遺伝子同定,Cell,75:631−639(1992)。APC遺伝子は、結腸直腸癌を伴う大部分のヒトにおいて変異している。Miyoshi,Y.,et al.,結腸直腸腫瘍におけるAPC遺伝子の体細胞変異:APC遺伝子の変異クラスター領域,Hum.Mol.Genet.,1:229−233(1992)。この遺伝子の主な機能は、wnt信号伝達カスケードにより細胞周期を調節することである。Cadigan,K.M.,et al.,Wnt信号伝達:動物の発生における共通のテーマ,Genes Dev.,11:3286−3305(1997)。したがってウログアニリンおよびグアニリンペプチドは結腸発癌プロセスの初期に関与している可能性がある。
【0031】
したがって本発明方法によれば、ヒトのウログアニリンの活性ドメインを含むか、または対象の腸におけるグアニル酸シクラーゼ受容体GC−Cに結合するポリペプチドを対象に投与する。これらのポリペプチドを予防的に投与することもできるが、これは一般に腸癌、腸ポリープを伴うか、または腸におけるポリープ増殖の素因をもつと判定された対象に投与される。
【0032】
本発明の好ましい態様において、ポリペプチドはSEQ.ID.1に同定される配列をもつポリペプチドである:
【0033】
【化3】
式中のX1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7はそれぞれアミノ酸残基であり、X8およびX9は独立して水素または少なくとも1個のアミノ酸残基であり、ポリペプチドはX1のアミン基に隣接するシスチン残基とX6のアミン基に隣接するシスチン残基との間のジスルフィド結合およびX3のアミン基に隣接するシスチン残基とX7のアミン基に隣接するシスチン残基との間のジスルフィド結合により架橋している。好ましくは、ポリペプチドはグアニリン、ウログアニリン、プロウログアニリン、またはウログアニリンの活性ドメインを含む他のポリペプチドである。
【0034】
当技術分野で既知のように、ペプチドまたはタンパク質中の特定のアミノ酸を、類似のヒドロパシー指数またはスコアをもつ他のアミノ酸で置換して、類似の生物活性をもつ、すなわち生物学的機能性をなお保持する生成ペプチドまたはタンパク質を製造することができる。このような変更を行う際、あるアミノ酸を2以内のヒドロパシー指数をもつアミノ酸で置換することが好ましい。より好ましい置換は、アミノ酸が1以内のヒドロパシー指数をもつ置換である。最も好ましい置換は、アミノ酸が0.5以内のヒドロパシー指数をもつ置換である。
【0035】
類似のアミノ酸を親水性に基づいて置換することもできる。USP4,554,101には、タンパク質の最大局所平均親水性(それに隣接するアミノ酸の親水性により支配される)はそのタンパク質の生物学的特性と相関すると開示されている。アミノ酸に下記の親水値が指定されている(Hopp−Woods値による):アルギニン/リシン(+3.0);アスパラギン酸/グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン/グルタミン(+0.2);グリシン(0);トレオニン(−0.4);プロリン(−0.5±1);アラニン/ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン/イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);およびトリプトファン(−3.4)。したがって、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質中の1つのアミノ酸を、類似の親水性スコアをもつ他のアミノ酸で置換して、なお類似の生物活性をもつ、すなわち適正な生物学的機能性をなお保持する生成タンパク質を製造することができる。このような変更を行う際、あるアミノ酸を±2以内のヒドロパシー指数をもつアミノ酸で置換することが好ましく、±1以内のものがより好ましく、±0.5以内のものが最も好ましい。
【0036】
前記に概説したように、ペプチドの非活性ドメインにあるアミノ酸側鎖の相対的類似性に基づいて本発明ペプチドにおけるアミノ酸置換を行い、ヒトのウログアニリンペプチドと同じ生物活性をもつタンパク質を作製することができる。たとえばX1はすべてのアミノ酸残基の群から選択できるが、好ましくはアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、リシン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリンおよびトレオニンよりなるアミノ酸残基の群から選択される。より好ましくは、X1と置換できるアミノ酸残基はグルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニンおよびリシンである。X1として使用できる最も好ましいアミノ酸残基はグルタミン酸である。X2はすべてのアミノ酸残基の群から選択できるが、置換するのに好ましいアミノ酸残基はロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、メチオニン、システイン、アラニン、ヒスチジン、プロリン、トレオニン、グリシン、アスパラギンおよびグルタミンである。X2と置換できる、より好ましいアミノ酸残基は、システイン、フェニルアラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、バリンおよびチロシンである。前記のより好ましいアミノ酸残基のうちX2と置換するのにさらに好ましいアミノ酸残基は、ロイシン、イソロイシン、チロシン、バリンおよびメチオニンである。X2と置換するのに最も好ましいアミノ酸残基は、ロイシンである。
【0037】
さらに前記のように、X3およびX4はすべてのアミノ酸残基の群から選択できるが、好ましいアミノ酸残基はバリン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、システイン、アラニン、ヒスチジン、プロリン、トレオニン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである。X3およびX4と置換できる、より好ましいアミノ酸残基は、バリン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、メチオニン、システイン、アラニン、ヒスチジンおよびプロリンである。前記のより好ましいアミノ酸残基のうちX3およびX4と置換するのにさらに好ましいアミノ酸残基は、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニンおよびシステインである。X3およびX4と置換するのにさらに好ましいアミノ酸残基は、イソロイシンおよびバリンである。X3およびX4と置換するのに最も好ましいアミノ酸残基は、バリンである。同様にX5はすべてのアミノ酸残基の群から選択できるが、好ましいアミノ酸残基はアラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、プロリン、トレオニン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである。X5と置換できる、より好ましいアミノ酸残基は、アラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、バリン、プロリン、トレオニン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである。X5と置換するのにさらに好ましいアミノ酸残基は、アラニン、ヒスチジン、システイン、プロリン、トレオニン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである。X5と置換するのに最も好ましいアミノ酸残基は、アラニンである。
【0038】
さらに、X6はすべてのアミノ酸残基の群から選択できるが、置換するのに好ましいアミノ酸残基はトレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである。X6と置換するのに、より好ましいアミノ酸残基は、トレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである。置換のためにさらに好ましいアミノ酸残基は、トレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジンおよびグリシンである。X6と置換するのに最も好ましいアミノ酸残基は、トレオニンである。同様にX7はすべてのアミノ酸残基の群から選択できるが、好ましいアミノ酸残基はグリシン、トレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン、アスパラギン、セリン、グルタミン酸およびアスパラギン酸である。X7との置換するのに、より好ましいアミノ酸残基は、グリシン、トレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジン、システイン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである。X7と置換するのにさらに好ましいアミノ酸残基は、グリシン、トレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである。X7と置換するのに最も好ましいアミノ酸残基は、グリシンである。
【0039】
本発明のポリペプチドおよび化合物を、医薬的に許容できるキャリヤーとして用いられる当技術分野で周知の種々の賦形剤、ビヒクルおよび/または佐剤と組み合わせて、薬物をたとえば注射剤、懸濁液剤、乳剤、錠剤、カプセル剤および軟膏剤の形で投与できる。これらの医薬組成物は、許容できる任意の手段で投与することができる。温血動物、特にヒトには、経口、非経口、皮下、静脈内、筋肉内および/または腹腔内投与することができる。具体的な投与量は、対象の全般的な健康状態および身体状態ならびに対象の年齢および体重、対象の疾病状態の段階、現在受けている処置の有無、ならびに投与頻度などの要因に依存する;一般に投与量はヒト対象について約0.5〜約2.0mg/kgである。一般に組成物は、1種類以上の本発明ポリペプチドを少なくとも組成物の約0.0001重量%、より一般的には少なくとも約0.001重量%、さらに一般的には少なくとも約0.01重量%、さらに一般的には少なくとも約0.1重量%、ある態様においては少なくとも約1重量%の濃度で含有する。
【0040】
経口投与のためには、医薬組成物はたとえば錠剤、カプセル剤、懸濁液剤または液剤の形であってよい。医薬組成物は、好ましくは特定量の有効成分を含有する投与単位の形に調製される。そのような投与単位の例は、カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤または懸濁液剤である;これらは、一般的な添加剤、たとえば乳糖、マンニトール、トウモロコシデンプンまたはバレイショデンプン;結合剤、たとえば結晶性セルロース、セルロース誘導体、アラビアゴム、トウモロコシデンプンまたはゼラチン;崩壊剤、たとえばトウモロコシデンプン、バレイショデンプンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウム;および滑沢剤、たとえばタルクまたはステアリン酸マグネシウムを含む。有効成分を組成物として注射により投与してもよく、その場合たとえば塩類溶液、ブドウ糖または水を適切なキャリヤーとして使用できる。
【0041】
静脈内、筋肉内、皮下または腹腔内投与のためには、好ましくはレシピエントの血液と等張である無菌水溶液と組成物を組み合わせることができる。そのような配合物は、生理学的に許容できる物質(たとえば塩化ナトリウム、グリシンなど)を含有しかつ生理的条件に適合する緩衝化したpHをもつ水に、固体有効成分を溶解して水溶液を調製し、その溶液を無菌にすることにより調製できる。これらの配合物を、1回分または多数回分の容器、たとえばシールしたアンプルまたはバイアルに入れておくことができる。
【0042】
異常増殖が消化管内にある場合、本発明化合物を当技術分野で既知の酸安定、塩基不安定コーティングをもつものとして配合してもよく、これらは高pHの小腸内で溶解し始める。局所での薬理効果を高め、全身取込みを低下させる配合物が好ましい。
【0043】
非経口投与に適した配合物は、有効化合物の無菌水性製剤(好ましくは等張にしたもの)からなることが好都合である。注射用製剤は、本発明化合物を非水性溶剤、たとえば植物油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸またはプロピレングリコールのエステルに懸濁または乳化することによっても調製できる。
【0044】
局所用配合物には、既知のゲル剤、クリーム剤、油剤などが含まれる。エアゾル送達のためには、本発明化合物を既知のエアゾル賦形剤、たとえば塩類溶液と配合し、市販のネブライザーにより投与することができる。脂肪酸源中における配合物を用いて生体適合性を高めることができる。エアゾル送達は、肺の上皮異常増殖に対する予防投与のための好ましい送達方法である。
【0045】
直腸投与のためには、室温では固体であり体温では融解または溶解する基剤を用いた坐剤中に、有効成分を配合してもよい。一般的に用いられる基剤には、カカオ脂、グリセリンゼラチン、水素化植物油、種々の分子量のポリエチレングリコール、およびステアリン酸ポリエチレンの脂肪酸エステルが含まれる。
【0046】
剤形および投与量は、既知の治療方式または予防方式を参照して容易に確立できる。本発明の化合物および/または組成物により疾病状態を処置するための療法有効化合物の投与量および投与方式は、下記を含めた多様な要因に依存し、したがって広範に変動する可能性がある:対象の年齢、体重、性別および医学的状態、疾病の重症度、投与の経路および頻度、ならびに用いる具体的な化合物、異常増殖の部位、ならびに処置される個体の薬物動態特性。化合物を全身にではなく局所投与する場合の方が、また治療より予防の方が、投与量は一般に低い。そのような処置は、必要に応じた頻度で、担当医が必要と判断した期間、実施できる。投与する阻害薬の投与方式または療法有効量を各個体に最適化する必要があることは、当業者には自明であろう。本発明の医薬組成物は有効成分を約0.1〜2000mg、好ましくは約0.5〜500mg、最も好ましくは約1〜200mgの範囲で含有できる。約0.01〜100mg/kg体重、好ましくは約0.1〜約50mg/kg体重、最も好ましくは約1〜20mg/kg体重の1日量が適切である。1日量を1日1〜4回で投与できる。
【0047】
ヒトのウログアニリンcDNAは細菌中にクローニングされ、また固相ペプチド合成により化学合成された。ウログアニリンペプチドは、下記に記載の方法で化学合成できる:USP5,489,670、ヒトのウログアニリン;およびUSP5,140,102、腸グアニル酸シクラーゼを刺激するペンタデカペプチド、グアニリン。ウログアニリンペプチドに類似するペプチドが、マウス、ラット、ブタおよびウシなどの種において同定された。これらの大部分のペプチドにおける機能活性ドメインは高度に保存されている。したがってこれらのペプチドの生理学的機能は類似すると思われ、これらのペプチドも腸癌の阻害薬として使用できる。したがって、これらのペプチドの機能活性ドメインが保存されている限り、ペプチドの活性を変化させずに非活性ドメインにおいて置換を行うことができる。
【0048】
本発明において、下記ペプチド:ウログアニリン、ヒトのウログアニリン、プロウログアニリンおよびヒトのプロウログアニリン、グアニリン、リンホグアニリン、プロリンホグアニリンならびに熱安定エンテロトキシンのうちいずれか1種類以上と、天然の、天然物から抽出した、または化学合成したシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬、好ましくは選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬のうちの1種類以上との組合わせを、処置を必要とする対象に有効量の上記組合わせを投与することにより消化管癌を予防、阻害または治療するためのものとして開示する。
【0049】
そのような組合わせにおいて、シクロオキシゲナーゼ阻害薬はたとえばCOX−2非選択的阻害薬またはCOX−2選択的阻害薬であってよい。COX−2非選択的阻害薬の例には、周知の化合物であるアスピリン、アセトアミノフェン、インドメタシン、スリンダク(sulindac)、エトドラク(etodolac)、メフェナム酸(mefenamic acid)、トルメチン(tolmetin)、ケトロラク(ketorolac)、ジクロフェナク(diclofenac)、イブプロフェン(ibuprofen)、ナプロキセン(naproxen)、フェノプロフェン(fenoprofen)、ケトプロフェン(ketoprofen)、オキサプロジン(oxaprozin)、フルビプロフェン(flubiprofen)、ピロキシカム(piroxicam)、テノキシカム(tenoxicam)、フェニルブタゾン(phenylbutazone)、アパゾン(apazone)もしくはニメスリド(nimesulide)、またはその医薬的に許容できる塩もしくは誘導体もしくはプロドラッグが含まれる。本発明の好ましい態様において、COX−2非選択的阻害薬は、アスピリン、アセトアミノフェン、インドメタシン、イブプロフェンまたはナプロキセンよりなる群から選択される。
【0050】
好ましい態様において、シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬は、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩から選択される:
【0051】
【化4】
式中:
Aは、部分不飽和または不飽和複素環式環および部分不飽和または不飽和炭素環式環から選択される置換基であり;
R1は、ヘテロサイクリル、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびアリールから選択される少なくとも1個の置換基であり、R1は置換可能な位置で下記のものから選択される1個以上の基により置換されていてもよく:アルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、アルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、ハロ、アルコキシおよびアルキルチオ;
R2は、メチルまたはアミノであり;
R3は、下記のものから選択される基である:ヒドリド、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、オキソ、シアノ、カルボキシル、シアノアルキル、ヘテロサイクリルオキシ、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ヘテロサイクリル、シクロアルケニル、アラルキル、ヘテロサイクリルアルキル、アシル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アラルケニル、アルコキシアルキル、アリールチオアルキル、アリールオキシアルキル、アラルキルチオアルキル、アラルコキシアルキル、アルコキシアラルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニル、N−アリールアミノカルボニル、N−アルキル−N−アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アルキルアミノ、N−アリールアミノ、N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、N−アリールアミノアルキル、N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アリールアミノアルキル、アリールオキシ、アラルコキシ、アリールチオ、アラルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、N−アリールアミノスルホニル、アリールスルホニル、N−アルキル−N−アリールアミノスルホニル。
【0052】
シクロオキシゲナーゼ−2を阻害する好ましい群の化合物は、下記の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩からなる:式中のAは、5−または6−員部分不飽和ヘテロサイクリル、5−または6−員不飽和ヘテロサイクリル、9−または10−員不飽和縮合ヘテロサイクリル、低級シクロアルケニル、およびフェニルであり;R1は、5−および6−員ヘテロサイクリル、低級シクロアルキル、低級シクロアルケニルおよびアリール(フェニル、ビフェニルおよびナフチルから選択される)であり、R1は置換可能な位置で、低級アルキル、低級ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシル、低級ヒドロキシアルキル、低級ハロアルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、フェニルアミノ、低級アルコキシアルキル、低級アルキルスルフィニル、ハロ、低級アルコキシおよび低級アルキルチオから選択される1個以上の基により置換されていてもよく;R2は、メチルまたはアミノであり;R3は、下記のものから選択される基である:ヒドリド、オキソ、シアノ、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、低級カルボキシアルキル、低級シアノアルキル、ハロ、低級アルキル、低級アルキルオキシ、低級シクロアルキル、フェニル、低級ハロアルキル、5−または6−員ヘテロサイクリル、低級ヒドロキシアルキル、低級アラルキル、アシル、フェニルカルボニル、低級アルコキシアルキル、5−または6−員ヘテロアリールオキシ、アミノカルボニル、低級アルキルアミノカルボニル、低級アルキルアミノ、低級アミノアルキル、低級アルキルアミノアルキル、フェニルオキシおよび低級アラルコキシ。
【0053】
シクロオキシゲナーゼ−2を阻害する、より好ましい群の化合物は、下記の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩からなる:式中のAは、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フリル、チエニル、ジヒドロフリル、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、ベンゾフリル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、フェニルおよびピリジルから選択され;R1は、置換可能な位置で1個以上のメチル基により置換されていてもよいピリジル、および置換可能な位置で下記のものから選択される1個以上の基により置換されていてもよいフェニルから選択され:メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、シアノ、カルボキシル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメトキシ、アミノ、N−メチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N−エチルアミノ、N,N−ジプロピルアミノ、N−ブチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、フェニルアミノ、メトキシメチル、メチルスルフィニル、フルオロ、クロロ、ブロモ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、ペントキシおよびメチルチオ;R2は、メチルまたはアミノであり;R3は、下記のものから選択される基である:ヒドリド、オキソ、シアノ、カルボキシル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルボキシプロピル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、シアノメチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、ペントキシ、シクロヘキシル、フェニル、ピリジル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、フリル、ピラジニル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシプロピル、ベンジル、ホルミル、フェニルカルボニル、メトキシメチル、フリルメチルオキシ、アミノカルボニル、N−メチルアミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノ、N−エチルアミノ、N,N−ジプロピルアミノ、N−ブチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、アミノメチル、N,N−ジメチルアミノメチル、N−メチル−N−エチルアミノメチル、ベンジルオキシおよびフェニルオキシ。
【0054】
式Iに含まれる特に重要な一群の具体的化合物は、下記の化合物およびその医薬的に許容できる塩類からなる:
5−(4−フルオロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)ピラゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−フェニル−3−(トリフルオロメチル)ピラゾール;
4−(5−(4−クロロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−(3,5−ビス(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−(5−(4−クロロフェニル)−3−フェニル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−(3,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−(5−(4−クロロフェニル)−3−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−(5−(4−クロロフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−(5−(4−クロロフェニル)−3−(5−クロロ−2−チエニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−(4−クロロ−3,5−ジフェニル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−フェニル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[4−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−シアノ−5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[4−クロロ−5−フェニル−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
5−(4−フルオロフェニル)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[2.4]ヘプツ−5−エン;
4−[6−(4−フルオロフェニル)スピロ[2.4]ヘプツ−5−エン−5−イル]ベンゼンスルホンアミド;
6−(4−フルオロフェニル)−7−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[3.4]オクツ−6−エン;
5−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[2.4]ヘプツ−5−エン;
4−[6−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)スピロ[2.4]ヘプツ−5−エン−5−イル]ベンゼンスルホンアミド;
5−(3,5−ジクロロ−4−メトキシフェニル)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[2.4]ヘプツ−5−エン;
5−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[2.4]ヘプツ−5−エン;
4−[6−(3,4−ジクロロフェニル)スピロ[2.4]ヘプツ−5−エン−5−イル]ベンゼンスルホンアミド;
2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)チアゾール;
2−(2−クロロフェニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)チアゾール;
5−(4−フルオロフェニル)−4−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−メチルチアゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−トリフルオロメチルチアゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−(2−チエニル)チアゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−ベンジルアミノチアゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−(1−プロピルアミノ)チアゾール;
2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]チアゾール;
5−(4−フルオロフェニル)−4−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−トリフルオロメチルチアゾール;
1−メチルスルホニル−4−[1,1−ジメチル−4−(4−フルオロフェニル)シクロペンタ−2,4−ジエン−3−イル]ベンゼン;
4−[4−(4−フルオロフェニル)−1,1−ジメチルシクロペンタ−2,4−ジエン−3−イル]ベンゼンスルホンアミド;
5−(4−フルオロフェニル)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[2.4]ヘプタ−4,6−ジエン;
4−[6−(4−フルオロフェニル)スピロ[2.4]ヘプタ−4,6−ジエン−5−イル]ベンゼンスルホンアミド;
6−(4−フルオロフェニル)−2−メトキシ−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−ピリジン−3−カルボニトリル;
2−ブロモ−6−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−ピリジン−3−カルボニトリル;
6−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニル−ピリジン−3−カルボニトリル;
4−[2−(4−メチルピリジン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[2−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[2−(2−メチルピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
3−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン;
2−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン;
2−メチル−4−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン;
2−メチル−6−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン;
4−[2−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
2−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール;
4−[2−(4−メチルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
2−(4−クロロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−メチル−1H−イミダゾール;
2−(4−クロロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−フェニル−1H−イミダゾール;
2−(4−クロロフェニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−イミダゾール;
2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール;
1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニル−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール;
2−(4−メチルフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール;
4−[2−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
2−(3−フルオロ−5−メチルフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール;
4−[2−(3−フルオロ−5−メチルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
2−(3−メチルフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール;
4−[2−(3−メチルフェニル)−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−(3−クロロフェニル)−
4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール;
4−[2−(3−クロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[2−フェニル−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[2−(4−メトキシ−3−クロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
1−アリル−4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール;
4−[1−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]ベンゼンスルホンアミド;
N−フェニル−[4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]アセトアミド;
[4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]酢酸エチル;
4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−(2−フェニルエチル)−1H−ピラゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−(2−フェニルエチル)−5−(トリフルオロメチル)ピラゾール;
1−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール;
5−(4−フルオロフェニル)−4−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール;
4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−(2−チオフェニル)−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール;
5−(4−フルオロフェニル)−2−メトキシ−4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン;
2−エトキシ−5−(4−フルオロフェニル)−4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン;
5−(4−フルオロフェニル)−4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−(2−プロピニルオキシ)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン;
2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)−4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン;
4−[2−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)−4,5−ジフルオロフェニル]ベンゼンスルホンアミド;
1−(4−フルオロフェニル)−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−ベンゼン;
5−ジフルオロメチル−4−(4−メチルスルホニルフェニル)−3−フェニルイソオキサゾール;
4−[3−エチル−5−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−ジフルオロメチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−ヒドロキシメチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−メチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド;
1−[2−(4−フルオロフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
1−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
1−[2−(4−クロロフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
1−[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
1−[2−(4−メチルチオフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
1−[2−(4−フルオロフェニル)−4,4−ジメチルシクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
4−[2−(4−フルオロフェニル)−4,4−ジメチルシクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
1−[2−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチルシクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
4−[2−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチルシクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[2−(4−フルオロフェニル)シクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[2−(4−クロロフェニル)シクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
1−[2−(4−メトキシフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
1−[2−(2,3−ジフルオロフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
4−[2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)シクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
1−[2−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
4−[2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)シクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[2−(2−メチルピリジン−5−イル)シクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
2−[4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾール−2−イル]−2−ベンジル酢酸エチル;
2−[4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾール−2−イル]酢酸;
2−(t−ブチル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニルオキサゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾール;および
4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−2−トリフルオロメチル−4−オキサゾリル]ベンゼンスルホンアミド。
【0055】
式Iに含まれるさらに重要な一群の具体的化合物は、下記の化合物およびその医薬的に許容できる塩類からなる:
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
3−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン;
2−メチル−5−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン;
4−[2−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−メチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−ヒドロキシメチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド;
[2−トリフルオロメチル−5−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−オキサゾリル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[2−メチル−4−フェニル−5−オキサゾリル]ベンゼンスルホンアミド;および
4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−2−トリフルオロメチル−4−オキサゾリル]ベンゼンスルホンアミド。
【0056】
サブクラスのシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬は、式IIの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは誘導体から選択される:
【0057】
【化5】
式中:
R4は、ヒドリド、アルキル、ハロアルキル、アルコキシカルボニル、シアノ、シアノアルキル、カルボキシル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、カルボキシアルキルアミノカルボニル、カルボキシアルキル、アラルコキシカルボニルアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、アルコキシカルボニルシアノアルケニルおよびヒドロキシアルキルから選択され;
R5は、ヒドリド、アルキル、シアノ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アルキルスルホニルおよびハロから選択され;
R6は、アラルケニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニルおよび複素環式基から選択され;
R4は、置換可能な位置で、ハロ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、ヒドロキシル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、カルボキシル、シクロアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルファミル、複素環式基およびアミノから選択される1個以上の基により置換されていてもよい。
【0058】
特に重要な一群の具体的化合物は、下記の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩類もしくは誘導体からなる:R4は、ヒドリド、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級シアノアルキル、カルボキシル、アミノカルボニル、低級アルキルアミノカルボニル、低級シクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、低級カルボキシアルキルアミノカルボニル、低級アミノカルボニルアルキル、低級アラルコキシカルボニルアルキルアミノカルボニル、低級カルボキシアルキル、低級アルコキシカルボニルシアノアルケニルおよびヒドロキシアルキルから選択され;R5は、ヒドリド、低級アルキル、シアノ、低級ヒドロキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アルキルスルホニルおよびハロから選択され;R6は、アラルケニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニルおよび複素環式基から選択され;R4は、置換可能な位置で、ハロ、アルキルチオ、低級アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、低級ハロアルキル、低級アルキル、ヒドロキシル、低級アルケニル、低級ヒドロキシアルキル、カルボキシル、低級シクロアルキル、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、スルファミル、5−または6−員複素環式基およびアミノから選択される1個以上の基により置換されていてもよい。
【0059】
式Iに含まれる特に重要な一群の具体的化合物は、下記の化合物およびその医薬的に許容できる塩類からなる:
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−フェニル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[4−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−シアノ−5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[4−クロロ−5−フェニル−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;および
4−[5−(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド。
【0060】
式Iに含まれる特に重要な一群の具体的化合物は、下記の化合物およびその医薬的に許容できる塩類からなる:
4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;および
4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド。
【0061】
誘導体には、シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬に構造的に関連する化合物、または実質的に同等な生物活性をもついかなる化合物も含まれるものとする。たとえばそのような阻害薬にはそのプロドラッグを含めることができるが、これらに限定されない。
【0062】
”ヒドリド”という用語は、単一水素原子(H)を表わす。このヒドリド基は、たとえば酸素原子に結合してヒドロキシル基を形成してもよく、あるいは2個のヒドリド基が炭素原子に結合してメチレン(−CH2−)基を形成してもよい。”アルキル”という用語には、単独で、または”ハロアルキル”、”アルキルスルホニル”、”アルコキシアルキル”および”ヒドロキシアルキル”など他の用語内に用いる場合、1〜約20個の炭素原子、または好ましくは1〜約12個の炭素原子をもつ直鎖または分枝鎖基が含まれる。より好ましくは、アルキル基は1〜約10個の炭素原子をもつ”低級アルキル”基である。最も好ましいのは、1〜約6個の炭素原子をもつ低級アルキル基である。そのような基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシルなどが含まれる。”アルケニル”という用語には、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合をもつ、炭素原子2〜約20個、または好ましくは炭素原子2〜約12個の直鎖または分枝鎖基が含まれる。より好ましいアルキル基は、2〜約6個の炭素原子をもつ”低級アルケニル”基である。そのようなアルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、アリル、プロペニル、ブテニルおよび4−メチルブテニルが含まれる。”アルキニル”という用語は、炭素原子2〜約20個、または好ましくは炭素原子2〜約12個の直鎖または分枝鎖基を表わす。より好ましいアルキニル基は、2〜約10個の炭素原子をもつ”低級アルキニル”基である。最も好ましいのは、2〜約6個の炭素原子をもつ低級アルキニル基である。そのような基の例には、プロパルギル、ブチニルなどが含まれる。”アルケニル”、”低級アルケニル”という用語には、”cis”および”trans”配向、または”E”および”Z”配向をもつ基が含まれる。”シクロアルキル”という用語には、3〜約12個の炭素原子をもつ飽和炭素環式基が含まれる。より好ましいシクロアルキル基は、3〜約8個の炭素原子をもつ”低級シクロアルキル”基である。そのような基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。”シクロアルケニル”という用語には3〜約12個の炭素原子をもつ部分不飽和炭素環式基が含まれる。より好ましいシクロアルケニル基は、4〜約8個の炭素原子をもつ”低級シクロアルケニル”基である。そのような基の例には、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニルおよびシクロヘキセニルが含まれる。”ハロ”という用語は、ハロゲン、たとえばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。”ハロアルキル”という用語には、いずれか1個以上のアルキル炭素原子が前記に定義したハロで置換された基が含まれる。具体的には、モノハロアルキル、ジハロアルキルおよびポリハロアルキル基が含まれる。たとえばモノハロアルキル基は、基内に1個のヨード、ブロモ、クロロまたはフルオロ原子のいずれかを含むことができる。ジハロおよびポリハロアルキル基は、2個以上の同一ハロ原子または異なるハロ基の組合わせを含むことができる。”低級ハロアルキル”には、1〜6個の炭素原子をもつ基が含まれる。ハロアルキル基の例には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチルおよびジクロロプロピルが含まれる。”ヒドロキシアルキル”という用語には、1〜約10個の炭素原子をもち、そのいずれが1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい、直鎖または分枝鎖アルキル基が含まれる。より好ましいヒドロキシアルキル基は、1〜6個の炭素原子および1個以上のヒドロキシル基をもつ”低級ヒドロキシアルキル”基である。そのような基の例には、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルおよびヒドロキシヘキシルが含まれる。”アルコキシ”および”アルキルオキシ”という用語には、それぞれ炭素原子1〜約10個のアルキル部分をもつ直鎖または分枝鎖オキシ含有基が含まれる。より好ましいアルコキシ基は、1〜6個の炭素原子をもつ”低級アルコキシ”基である。そのような基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシおよびt−ブトキシが含まれる。”アルコキシアルキル”という用語には、1個以上のアルコキシ基がアルキル基に結合して、すなわちモノアルコキシアルキルおよびジアルコキシアルキルなどを形成したアルキル基が含まれる。”アルコキシ”基がさらに1個以上のハロ原子、たとえばフルオロ、クロロまたはブロモで置換されて、ハロアルコキシ基を形成してもよい。より好ましいハロアルコキシ基は、1〜6個の炭素原子および1個以上のハロ基をもつ”低級ハロアルコキシ”基である。そのような基の例には、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシおよびフルオロプロポキシが含まれる。”アリール”という用語は、単独で、または組み合わせて、1、2または3個の環を含む芳香族炭素環系を意味する。それらの環は互いにペンダント式に結合していてもよく、または縮合していてもよい。”アリール”という用語には、芳香族基、たとえばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダンおよびビフェニルが含まれる。アリール部分は、置換可能な位置で、独立して下記のものから選択される1個以上の置換基により置換されていてもよい:アルキル、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニルアルキル、アルコキシ、アラルコキシ、ヒドロキシル、アミノ、ハロ、ニトロ、アルキルアミノ、アシル、シアノ、カルボキシ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニルおよびアラルコキシカルボニル。”ヘテロサイクリル(複素環式基)”という用語には、異種原子を含む飽和、部分不飽和および不飽和の環状基が含まれる。ここで異種原子は、窒素、硫黄および酸素から選択できる。飽和ヘテロサイクリル基の例には下記のものが含まれる:1〜4個の窒素原子を含む飽和3〜6−員複素単環式基(たとえばピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジニルなど);1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含む飽和3〜6−員複素単環式基(たとえばモルホリニルなど);1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含む飽和3〜6−員複素単環式基(たとえばチアゾリジニルなど)。部分不飽和ヘテロサイクリル基の例には、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフランおよびジヒドロチアゾールが含まれる。”ヘテロアリール”という用語には、不飽和ヘテロサイクリル基が含まれる。不飽和ヘテロサイクリル基(”ヘテロアリール”基とも言う)の例には下記のものが含まれる:1〜4個の窒素原子を含む不飽和3〜6−員複素単環式基、たとえばピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル(たとえば4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリルなど)、テトラゾリル(たとえば1H−テトラゾリル、2H−テトラゾリルなど)など;1〜5個の窒素原子を含む不飽和縮合ヘテロサイクリル基、たとえばインドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル(たとえばテトラゾロ[1,5−b]ピリダジニルなど)など;酸素原子を含む不飽和3〜6−員複素単環式基、たとえばピラニル、フリルなど;硫黄原子を含む不飽和3〜6−員複素単環式基、たとえばチエニルなど;1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含む不飽和3〜6−員複素単環式基、たとえばオキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(たとえば1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリルなど)など;1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含む不飽和縮合ヘテロサイクリル基(たとえばベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリルなど);1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含む不飽和3〜6−員複素単環式基、たとえばチアゾリル、チアジアゾリル(たとえば1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリルなど)など;1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含む不飽和縮合ヘテロサイクリル基(たとえばベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリルなど)など。この用語には、ヘテロサイクリル基がアリール基と縮合した基も含まれる。そのような縮合二環式基の例には、ベンゾフラン、ベンゾチオフェンなどが含まれる。それらの”ヘテロサイクリル”基は、1〜3個の置換基、たとえばアルキル、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、オキソ、アミノおよびアルキルアミノをもつことができる。”アルキルチオ”という用語には、炭素原子1〜約10個の直鎖または分枝鎖アルキル基が二価硫黄原子に結合したものを含む基が含まれる。より好ましいアルキルチオ基は、炭素原子1〜6個のアルキル基をもつ”低級アルキルチオ”基である。そのような低級アルキルチオ基の例は、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオおよびヘキシルチオである。”アルキルチオアルキル”という用語には、1〜約10個の炭素原子をもつアルキル基に二価硫黄原子により結合したアルキルチオ基を含む基が含まれる。より好ましいアルキルチオアルキル基は、炭素原子1〜6個のアルキル基をもつ”低級アルキルチオアルキル”基である。そのような低級アルキルチオアルキル基の例には、メチルチオメチルが含まれる。”アルキルスルフィニル”という用語には、炭素原子1〜10個の直鎖または分枝鎖アルキル基が二価−S(=O)−基に結合したものを含む基が含まれる。より好ましいアルキルスルフィニル基は、炭素原子1〜6個のアルキル基をもつ”低級アルキルスルフィニル”基である。そのような低級アルキルスルフィニル基の例には、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、ブチルスルフィニルおよびヘキシルスルフィニルが含まれる。”スルホニル”という用語は、単独でも、または他の用語と連結してアルキルスルホニルのように用いる場合も、それぞれ二価の基−SO2−を表わす。”アルキルスルホニル”には、アルキル基がスルホニル基に結合したものが含まれ、ここでアルキルは前記に定義したものである。より好ましいアルキルスルホニル基は、炭素原子1〜6個のアルキル基をもつ”低級アルキルスルホニル”基である。そのような低級アルキルスルホニル基の例には、メチルスルホニル、エチルスルホニルおよびプロピルスルホニルが含まれる。”アルキルスルホニル”基は、さらに1個以上のハロ原子、たとえばフルオロ、クロロまたはブロモで置換されて、ハロアルキルスルホニル基を形成してもよい。”スルファミル”、”アミノスルホニル”および”スルホンアミジル”という用語は、NH2O2S−を表わす。”アシル”という用語は、有機酸からヒドロキシルを除去した後の残基により得られる基を表わす。そのようなアシル基の例には、アルカノイルおよびアロイル基が含まれる。そのような低級アルカノイル基の例には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、トリフルオロアセチルが含まれる。”カルボニル”という用語は、単独でも、または他の用語と連結して”アルコキシカルボニル”のように用いる場合も、−(C=O)−を表わす。”アロイル”という用語には、前記カルボニル基をもつアリール基が含まれる。アロイルの例には、ベンゾイル、ナフトイルなどが含まれ、このアロイル中のアリールはさらに置換されていてもよい。”カルボキシ”または”カルボキシル”という用語は、単独でも、また
は他の用語と連結して”カルボキシアルキル”のように用いる場合も、−CO2Hを表わす。”カルボキシアルキル”という用語には、カルボキシ基で置換されたアルキル基が含まれる。より好ましいのは前記に定義した低級アルキル基を含む”低級カルボキシアルキル”であり、これらはさらにアルキル基においてハロで置換されていてもよい。そのような低級カルボキシアルキル基の例には、カルボキシメチル、カルボキシエチルおよびカルボキシプロピルが含まれる。”アルコキシカルボニル”という用語は、前記に定義したアルコキシ基が酸素原子によりカルボニル基に結合したものを含む基を意味する。より好ましいのは、炭素原子1〜6個のアルキル部分をもつ”低級アルコキシカルボニル”基である。そのような低級アルコキシカルボニル(エステル)基の例には、置換または非置換メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニルおよびヘキシルオキシカルボニルが含まれる。”アルキルカルボニル”、”アリールカルボニル”および”アラルキルカルボニル”という用語には、前記に定義したアルキル、アリールおよびアラルキル基がカルボニル基に結合した基が含まれる。そのような基の例には、置換または非置換メチルカルボニル、エチルカルボニル、フェニルカルボニルおよびベンジルカルボニルが含まれる。”アラルキル”という用語には、アリール置換アルキル基、たとえばベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、フェニルエチルおよびジフェニルエチルが含まれる。アラルキル中のアリールは、さらにハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキルおよびハロアルコキシで置換されていてもよい。ベンジルとフェニルメチルという用語は互換性をもつ。”ヘテロサイクリルアルキル”という用語には、飽和および部分不飽和ヘテロサイクリルで置換されたアルキル基、たとえばピロリジニルメチル、ならびにヘテロアリールで置換されたアルキル基、たとえばピリジルメチル、キノリルメチル、チエニルメチル、フリルエチルおよびキノリルエチルが含まれる。ヘテロアラルキル中のヘテロアリールは、さらにハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキルおよびハロアルコキシで置換されていてもよい。”アラルコキシ”という用語には、酸素原子を介して他の基に結合したアラルキル基が含まれる。”アラルコキシアルキル”という用語には、酸素原子によりアルキル基に結合したアラルコキシ基が含まれる。”アラルキルチオ”という用語には、硫黄原子に結合したアラルキル基が含まれる。”アラルキルチオアルキル”という用語には、硫黄原子によりアルキル基に結合したアラルキルチオ基が含まれる。”アミノアルキル”という用語には、1個以上のアミノ基で置換されたアルキル基が含まれる。より好ましいのは、”低級アミノアルキル”基である。そのような基の例には、アミノメチル、アミノエチルなどが含まれる。”アルキルアミノ”という用語は、1または2個のアルキル基で置換されたアミノ基を表わす。好ましいのは、炭素原子1〜6個のアルキル部分をもつ”低級N−アルキルアミノ”基である。適切な低級アルキルアミノは、モノまたはジアルキルアミノ、たとえばN−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノなどであってよい。”アリールアミノ”という用語は、1または2個のアリール基で置換されたアミノ基、たとえばN−フェニルアミノを表わす。”アリールアミノ”基は、この基のアリール環部分においてさらに置換されていてもよい。”アラルキルアミノ”という用語には、アミノ窒素原子を介して他の基に結合したアラルキル基が含まれる。”N−アリールアミノアルキル”および”N−アリール−N−アルキル−アミノアルキル”という用語は、アミノ基がそれぞれ1個のアリール基で、または1個のアリール基と1個のアルキル基で置換され、かつそのアミノ基がアルキル基に結合したものを表わす。そのような基の例には、N−フェニルアミノメチルおよびN−フェニル−N−メチルアミノエチルが含まれる。”アミノカルボニル”という用語は、式−C(=O)NH2のアミド基を表わす。”アルキルアミノカルボニル”という用語は、アミノ窒素原子において1または2個のアルキル基で置換されたアミノカルボニル基を表わす。好ましいのは”N−アルキルアミノカルボニル”、”N,N−ジアルキルアミノカルボニル”基である。より好ましいのは、前記に定義した低級アルキル部分をもつ”低級N−アルキルアミノカルボニル”、”低級N,N−ジアルキルアミノカルボニル”基である。”アルキルアミノアルキル”という用語には、1個以上のアルキル基がアミノアルキル基に結合した基が含まれる。”アリールオキシアルキル”という用語には、アリール基が二価酸素原子を介してアルキル基に結合した基が含まれる。”アリールチオアルキル”という用語には、アリール基が二価硫黄原子を介してアルキル基に結合した基が含まれる。
【0063】
本発明方法に用いる化合物は、遊離塩基またはその医薬的に許容できる酸付加塩の形で存在できる。”医薬的に許容できる塩”という用語には、遊離酸または遊離塩基のアルカリ金属塩の形成および付加塩の形成に一般的に用いられる塩類が含まれる。塩類が医薬的に許容できる限り、塩の性質は決定的ではない。式Iの化合物の適切な医薬的に許容できる酸付加塩は、無機酸または有機酸から調製できる。そのような無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸およびリン酸である。適切な有機酸は、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環式、カルボン酸およびスルホン酸群の有機酸から選択でき、その例は下記のものである:ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル、4−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン(embonic,pamoic)酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルゲン酸、D−3−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、ガラクタル酸およびガラクツロン酸。式Iの化合物の適切な医薬的に許容できる塩基付加塩には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛から形成される金属塩、またはN,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、塩素、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)およびプロカインから形成される有機塩が含まれる。これらの塩類はすべて対応する式Iの化合物から常法により、たとえば適宜な酸または塩基と式Iの化合物との反応により調製できる。
【0064】
本発明の他の態様において、シクロオキシゲナーゼ阻害薬はシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬、たとえば式B−1のCOX−2選択的阻害薬メロキシカム(CAS登録番号71125−38−7)またはその医薬的に許容できる塩もしくは誘導体もしくはプロドラッグである:
【0065】
【化6】
本発明のさらに他の態様において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬は、式B−2のCOX−2選択的阻害薬RS 57067、6−[[5−(4−クロロベンゾイル)−1,4−ジメチル−1H−ピロール−2−イル]メチル]−3(2H)−ピリダジノン(CAS登録番号179382−91−3)またはその医薬的に許容できる塩もしくは誘導体もしくはプロドラッグである:
【0066】
【化7】
本発明の好ましい態様において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬は、クロメン構造群のCOX−2選択的阻害薬、すなわち置換ベンゾピラン、または置換されたベンゾチオピラン類、ジヒドロキノリン類、もしくはジヒドロナフタレン類よりなる群から選択される置換ベンゾピラン類似体である。これらは下記に示す一般式IIをもち、表1に示す構造をもつ(例示であって、限定ではない)。そのジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、互変異性体、塩類、エステル、アミドおよびプロドラッグも含まれる。
【0067】
【化8】
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
本発明のより好ましい態様において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬は、置換ベンゾピラン(S)−6,8−ジクロロ−2−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(式B−8)またはその医薬的に許容できる塩もしくは誘導体もしくはプロドラッグである。
【0073】
本発明のさらに好ましい態様において、シクロオキシゲナーゼ阻害薬は、一般式IIIで表わされる三環式シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬またはその医薬的に許容できる塩もしくは誘導体もしくはプロドラッグの群から選択される:
【0074】
【化9】
式中:
Aは、部分不飽和または不飽和複素環式環および部分不飽和または不飽和炭素環式環から選択される置換基であり;
R1は、ヘテロサイクリル、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびアリールから選択される少なくとも1個の置換基であり、R1は置換可能な位置で下記のものから選択される1個以上の基により置換されていてもよく:アルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、アルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、ハロ、アルコキシおよびアルキルチオ;
R2は、メチルまたはアミノであり;
R3は、下記のものから選択される基である:ヒドリド、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、オキソ、シアノ、カルボキシル、シアノアルキル、ヘテロサイクリルオキシ、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ヘテロサイクリル、シクロアルケニル、アラルキル、ヘテロサイクリルアルキル、アシル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アラルケニル、アルコキシアルキル、アリールチオアルキル、アリールオキシアルキル、アラルキルチオアルキル、アラルコキシアルキル、アルコキシアラルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニル、N−アリールアミノカルボニル、N−アルキル−N−アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アルキルアミノ、N−アリールアミノ、N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、N−アリールアミノアルキル、N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アリールアミノアルキル、アリールオキシ、アラルコキシ、アリールチオ、アラルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、N−アリールアミノスルホニル、アリールスルホニル、N−アルキル−N−アリールアミノスルホニル。
【0075】
本発明のさらに好ましい態様において、前記式IIIで表わされるシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬は、表2に示すセレコキシブ(cerecoxib)(B−18)、バルデコキシブ(valdecoxib)(B−19)、デラコキシブ(deracoxib)(B−20)、ロフェコキシブ(rofecoxib)(B−21)、エトリコキシブ(etoricoxib)(MK−663;B−22)、JTE−522(B−23)、またはその医薬的に許容できる塩もしくは誘導体もしくはプロドラッグよりなる化合物群から選択される。
【0076】
【表6】
【0077】
【表7】
本発明のさらに好ましい態様において、COX−2選択的阻害薬は、セレコキシブ、ロフェコキシブおよびエトリコキシブよりなる群から選択される。
【0078】
本発明の他のきわめて好ましい態様においては、三環式シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬バルデコキシブ(B−19)の療法有効プロドラッグであるパレコキシブ(parecoxib)(B−24)をシクロオキシゲナーゼ阻害薬源として有利に使用できる(USP5,932,598;本明細書に援用する)。
【0079】
【化10】
本発明の他の好ましい態様においては、式B−25の化合物ABT−963(先に国際特許出願公開WO00/24719に記載)が有利に使用できる他の三環式シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬である。
【0080】
【化11】
本発明のさらに好ましい態様において、シクロオキシゲナーゼ阻害薬は一般式Vで表わされるフェニル酢酸誘導体系のシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬群から選択される:
【0081】
【化12】
式中:
R16は、メチルまたはエチルであり;
R17は、クロロまたはフルオロであり;
R18は、水素またはフルオロであり;
R19は、水素、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはヒドロキシであり;
R20は、水素またはフルオロであり;
R21は、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチルまたはメチルであり;
ただし、R16がエチルであり、かつR19がHである場合、R17、R18、R19およびR20がすべてフルオロであることはない。
【0082】
WO00/24719に記載される特に好ましいフェニル酢酸誘導体系のシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬は、COX189(CAS登録番号346670−74−4)と表示され、式Vに示す構造をもつ下記の化合物である:
R16はエチルであり;
R17およびR19はクロロであり;
R18およびR20は水素であり;
R21はメチルである。
【0083】
本発明に使用できる他の好ましいシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬は、式VIに示す構造をもつ:
【0084】
【化13】
式中のJ基は炭素環または複素環である。特に好ましい態様は、下記の構造をもつ:
XはOであり;Jは1−フェニルであり;R21は2−NHSO2CH3であり;R22は4−NO2であり;R23基はない(ニメスリド;nimesulide);および
XはOであり;Jは1−オキソ−インデン−5−イルであり;R21は2−Fであり;R22は4−Fであり;R23は6−NHSO2CH3である(フロスリド;flosulide);および
XはOであり;Jはシクロヘキシルであり;R21は2−NHSO2CH3であり;R22は5−NO2であり;R23基はない(NS−398);および
XはSであり;Jは1−オキソ−インデン−5−イルであり;R21は2−Fであり;R22は4−Fであり;R23は6−N=SO2CH3・Na+である(L−745337);および
XはSであり;Jはチオフェン−2−イルであり;R21は4−Fであり;R22基はなく;R23は5−NHSO2CH3である(RWJ−63556);および
XはOであり;Jは2−オキソ−5(R)−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)フラン−(5H)−3−イルであり;R21は3−Fであり;R22は4−Fであり;R23は4−(p−SO2CH3)C6H4である(L−784512)。
【0085】
式B−26に示す構造をもつN−(2−シクロヘキシルオキシニトロフェニル)メタンスルホンアミド(NS−398,CAS登録番号123653−11−2)の適用に関する情報はさらに下記に記載されている:
【0086】
【化14】
Yoshimi,N.et al.,Japanese J.Cancer Res.,90(4):406−412(1999);Falgueyret,J.−P.et al.,Science Spectra,http://www/gbhap.com/Science_Spectra/20−1−article.htmで入手できる(06/06/2001);およびIwata,K.et al.,Jpn.J.Pharmcol.,75(2):191−194(1997)。
【0087】
イヌ炎症モデルにおけるシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬RWJ 63556の抗炎症活性の評価が、Kirchner et al.,J.Pharmcol.Exp.Ther.,282,1094−1101(1997)に記載されている。
【0088】
本発明においてシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬として使用できる他の化合物には、ジアリールメチリデンフラン誘導体、たとえばUSP6,180,651に記載のものが含まれる。そのようなジアリールメチリデンフラン誘導体は、式VIIに示す一般式をもつ:
【0089】
【化15】
式中:
環TおよびMは、独立して下記のものであり:
フェニル基、
ナフチル基、
5〜6員からなり、1〜4個の異種原子をもつ複素環から誘導された基、または
3〜7個の炭素原子をもつ飽和炭化水素環から誘導された基、;
置換基Q1、Q2、L1またはL2のうち少なくとも1つは下記のものであり:
−S(O)n−R基:nは0、1または2の整数であり、Rは1〜6個の炭素原子をもつ低級アルキル基または1〜6個の炭素原子をもつ低級ハロアルキル基である;
−SO2NH2基;
他のものは、独立して下記のものであり:
水素原子;
ハロゲン原子;
1〜6個の炭素原子をもつ低級アルキル基、
トリフルオロメチル基、または
1〜6個の炭素原子をもつ低級O−アルキル基;
あるいは
Q1とQ2、またはL1とL2は、メチレンジオキシ基であり:
R24、R25、R26およびR27は、独立して下記のものであり:
水素原子;
ハロゲン原子;
1〜6個の炭素原子をもつ低級アルキル基、
1〜6個の炭素原子をもつ低級ハロアルキル基;または
フェニル、ナフチル、チエニル、フリルおよびピリジルよりなる群から選択される芳香族基;
あるいは
R24、R25、またはR26、R27は、酸素原子であり;
あるいは
R24、R25、またはR26、R27は、それらが結合している炭素原子と一緒に3〜7個の炭素原子をもつ飽和炭化水素環を形成している;
あるいはその異性体またはプロドラッグである。
【0090】
この化合物ファミリーに含まれ、本発明においてシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬として使用できる具体的物質には、N−(2−シクロヘキシルオキシニトロフェニル)メタンスルホンアミドおよび(E)−4−[(4−メチルフェニル)(テトラヒドロ−2−オキソ−3−フラニリデン)メチル]ベンゼンスルホンアミドが含まれる。
【0091】
本発明に使用できる好ましいシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬には、下記の各化合物が含まれる:ダルブフェロン(darbufelone)(Pfizer)、CS−502(Sankyo)、LAS 34475(Almirall Profesfarma)、LAS 34555(Almirall Profesfarma)、S−33516(Servier)、SD 8381(Pharmacia,USP6,034,256に記載)、BMS−347070(Bristol Myers Squibb,USP6,180,651に記載)、MK−966(Merck)、L−783003(Merck)、T−614(Toyama)、D−1367(Chiroscience)、L−748731(Merck)、CT3(Atlantic Pharmaceutical)、CGP−28238(Novartis)、BF−389(Biofor/Scherer)、GR−253035(Glaxo Wellcome)、6−ジオキソ−9H−プリン−8−イル−ケイ皮酸(Glaxo Wellcome)およびS−2474(Shionogi)。
【0092】
本発明の他の好ましい態様は、次式の化合物BMS−347070である:
【0093】
【化16】
前記S−33516に関する情報は、Current Drugs Headline News、http://www/.current−drugs.com/NEWS/Inflam1.htmにみられる(06/06/2001)。これにはS−33516はテトラヒドロイソインデ誘導体であり、シクロオキシゲナーゼ−1およびシクロオキシゲナーゼ−2に対してそれぞれ0.1および0.001mMのIC50をもつと報告されている。ヒト全血において、S−33516はED50=0.39mg/kgをもつと報告された。
【0094】
本明細書に引用したすべての参考文献、米国および他の国の特許または特許出願を、本明細書に記載したものとして援用する。
本明細書に示す説明および具体例は、本発明、その原理およびその実際の使用を当業者に知らせるためのものである。当業者は、個々の用途の要件に最適な多数の形態で本発明を適用および利用できる。したがって本明細書に示した具体的な本発明の態様を本発明のすべてまたは限定とみなすべきではない。
【0001】
発明の背景
本発明は、腸においてポリープの発生を遅延させ、ならびに癌を予防、阻害または治療するために、特定のペプチドを使用すること、より具体的にはウログアニリンおよびプロウログアニリンを、天然の、天然物から抽出した、または化学合成したシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬、好ましくは選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬のうちの1種類またはその組合わせと併用することに関する。
【0002】
結腸直腸癌の発病は、結腸直腸上皮細胞の増殖亢進および/またはアポトーシス低下に始まり、ポリープの発生、続いて腺腫形成、最終的に腺癌に至る、多段プロセスを特色とする。特定の個体は、家族性腺腫性ポリープ症(FAP)と呼ばれる症状の発症に関与するAPC遺伝子の遺伝的欠陥のため、生涯の早い時期に多数の結腸直腸腺腫、続いて癌を発症する。Dihlmann et al.,APC 1309変異の優性ネガティブ作用:家族性腺腫性ポリープ症における遺伝子型−表現型の相関に対して考えられる説明,Cancer Res.,1999,Apr.15,59(8):1857−60。この十年、癌予防に有用な方法として、臨床的に検出できる腫瘍が出現する前に薬理学的介入および/または食事介入により癌の発症を抑制することを目的とする予防的化学療法が提起された。Reddy,B.S.(1997),天然薬剤および関連する合成薬剤の食事投与による結腸癌の予防的化学療法,Adv.Exp.Med.Biol.,400B:931−936。
【0003】
ウログアニリンおよびグアニリンは、腸粘膜内張り内にあるエンテロクロマフィン細胞、杯細胞などを含めた種々のタイプの細胞により管腔内に分泌される、構造的に関連する腸ペプチドホルモンである。分子レベルで同定されたこれらのペプチドに対する受容体は、GC−Cとして知られる膜貫通形のグアニル酸シクラーゼ(GC)である。Krause,W.J.,et al.,グアニリンおよびウログアニリンペプチドホルモンならびにそれらの受容体,Acta.Anat.(Basal)160:213−231(1997)。GC−C受容体は、消化管全体にわたって管腔表面の腸細胞に局在する。Swenson,E.S.,et al.,グアニリン/STa受容体はマウス腸全体の陰窩および頂端側上皮に発現する,Biochem.Biophys.Res.Comm.,225:1009−1014(1996)。ウログアニリンまたはグアニリンがGC−C受容体の細胞外ドメインに結合すると、細胞内での第2メッセンジャーcGMP産生が刺激され、その結果、嚢胞性線維症膜貫通伝達調節タンパク質(CFTR)、すなわち腸管を内張りする腸細胞から塩素イオンを排出するための頂端側細胞膜チャンネルが活性化される。Forte,L.R.,et al.,塩および水の恒常性:ウログアニリンはナトリウム利尿活性をもつ循環性ペプチドホルモンである,Am.J.Kidney Dis.,28:296−304(1996)。CFTR塩素イオンチャンネルタンパク質の活性化、およびこれに続く塩素イオンの経上皮分泌増加により、腸管腔へのナトリウム(Na+)および水の分泌が刺激される。Forte,L.R.,et al.,調節ペプチドグアニリン:構造、サイクリックGMPにより仲介される生物活性、および病理生物学,Regul.Pept.,81:25−39(1999)。したがってこれらのホルモンの主要な生理学的機能の1つは、CFTR活性の傍分泌調節因子として作用することにより消化(GI)管において体液および電解質の輸送を調節することである。
【0004】
ウログアニリンの前駆物質はプロウログアニリンであり、これは腸管の内因性プロテアーゼにより分解して活性ウログアニリンを生成する。キモトリプシンがプロウログアニリンを活性化して、それの活性形ウログアニリンに分解する。Forte et al.,塩および水の恒常性:ウログアニリンはナトリウム利尿活性をもつ循環性ペプチドホルモンである,Am.J.Kid.Dis.,1996,28,No.2,296−304。ウログアニリンは酸安定性かつタンパク質分解抵抗性ペプチドであり、無傷のまま残り、全身吸収されるのではなく腸管腔に直接作用する。ウログアニリンおよびグアニリンは腸粘膜全体および心筋で産生される。Forte et al.,塩および水の恒常性:ウログアニリンはナトリウム利尿活性をもつ循環性ペプチドホルモンである,Am.J.Kidney Dis.,28:296−304(1996)。ヒトのウログアニリンはヒトの尿から単離され、固相ペプチド合成法により化学合成された;U.S.Patent No.(USP)5,489,670(ヒトのウログアニリン)に記載。
【0005】
ウログアニリンまたはグアニリンがグアニリンシクラーゼ受容体に結合すると細胞内でのcGMP産生が刺激され、最終的に腸内腔への塩および水の分泌が刺激される。ウログアニリンおよびグアニリンの受容体は腸管および腎近位尿細管その他の臓器を内張りする管腔表面の上皮細胞にみられる。Forte et al.,塩および水の恒常性:ウログアニリンはナトリウム利尿活性をもつ循環性ペプチドホルモンである,Am.J.Kid.Dis.,1996,28,No.2,296−304。ウログアニリンは、大腸菌(E.coli)その他の腸内細菌の病原性株が分泌する他のファミリーの熱安定性エンテロトキシン(ST)と同様な様式でサイクリックGMPレベル上昇を刺激することが認められた。これらは腸グアニル酸シクラーゼを活性化して分泌性下痢を引き起こし、これは旅行者下痢症および開発途上国における多数の死亡の主因である。Forte et al.,リンホグアニリン:グアニリンペプチドファミリーの新メンバーのクローニングおよび特性解明,Endocrinology,Vol.140,No.4,p.1800−1806。これらのSTペプチドは、哺乳動物内因性ペプチドであるウログアニリンおよびプロウログアニリンの分子模倣体として作用する。Forte et al.,Endocrinology,Vol.140,No.4,p.1800。腸内細菌由来のSTは、ウログアニリンと異なり結腸内のpHが変化しても効力が低下しない。STは、酸性およびアルカリ性のいずれの条件下でもウログアニリンまたはグアニリンより効力が高い。Forte et al.,グアニリン:上皮輸送の調節ペプチド,FASEB Journal,Vol.9,643−650(1995)。ウログアニリンは、消化管においてグアニリンおよびSTと同様な様式で体液および電解質の輸送を調節すると考えられる。したがって、先の刊行物に記載されるように、ヒトのウログアニリンは緩下薬として作用し、便秘に悩む患者に有用であろう。
【0006】
プロスタグランジンは炎症プロセスで主要な役割をもち、プロスタグランジンの産生、特にPGG2、PGH2およびPGE2の産生の阻害は、抗炎症薬を見いだすための一般的なターゲットであった。しかし、炎症プロセスに伴うプロスタグランジン誘発性疼痛および腫脹の軽減に有効である一般的な非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は、炎症プロセスに関連のない他のプロスタグランジン調節プロセスに対する作用においても活性をもつ。したがって、大部分の一般的なNSAIDを多量に用いると致命的な潰瘍を含めた重篤な副作用を生じる可能性があり、それらの療法ポテンシャルは制限される。NSAIDの代替はコルチコステロイドの使用であるが、これも長期療法が伴う場合は重篤な有害作用を生じる。
【0007】
NSAIDは、ヒトのアラキドン酸/プロスタグランジン経路の酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)を含めた酵素を阻害することによりプロスタグランジンの産生を阻止することが見いだされた。炎症関連の誘導酵素(”シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)”または”プロスタグランジンG/HシンターゼII”と命名)に関する最近の知見から、炎症をより効果的に軽減し、劇的な副作用がより少なくかつ軽度である有用な阻害ターゲットが得られる。
【0008】
シクロオキシゲナーゼ−2を選択的に阻害する化合物は、下記の各刊行物にも記載されている:
【0009】
【化1】
さらに、天然シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬が下記に開示されている:”食用植物抽出物による選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害”,米国非仮出願09/737892(2001年1月3日出願);”非食用植物抽出物による選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害”,米国非仮出願09/737701(2001年1月3日出願);および”植物抽出物による選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害”,米国非仮出願09/738041(2001年1月3日出願)。[ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミドはシクロオキシゲナーゼ−2の阻害薬として記載され、副作用が少なく、炎症、関節炎および疼痛の治療に有望であることが前臨床試験および臨床試験で示されている。結腸癌の予防のためにそれらを使用することがUSP5,466,823に記載されている。しかし、腸癌の治療または予防のためにそれらをウログアニリンと併用することは記載がない。
【0010】
発明の概要
特定のペプチド、特にウログアニリンまたはプロウログアニリンと、天然の、天然物から抽出した、または化学合成したシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬、好ましくは選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬のうちの1種類または多種類との併用は、腸においてポリープおよび癌の発生を治療、予防、阻害または遅延させるのに有用である。
【0011】
本発明の目的および特色のうち、対象においてポリープの発生を遅延させる方法、ならびに癌または異常増殖を予防、阻害および治療する方法の提供が注目される。好ましくは本発明方法は、対象の腸、より好ましくは小腸または結腸において、ポリープの発生を処置し、ならびに癌を予防、阻害および治療するのに有用である。
【0012】
したがって要約すると本発明は、対象においてポリープの発生を遅延させるための方法であって、下記のアミノ酸配列:
【0013】
【化2】
(式中のX1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7はそれぞれアミノ酸残基であり、ポリペプチドはX1のアミン基に隣接するシスチン残基とX6のアミン基に隣接するシスチン残基との間のジスルフィド結合およびX3のアミン基に隣接するシスチン残基とX7のアミン基に隣接するシスチン残基との間のジスルフィド結合により架橋している)を含むペプチドと、天然の、天然物から抽出した、または化学合成したシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬、好ましくは選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬のうちの1種類またはその組合わせと組み合わせて投与する方法に関する。
【0014】
米国の特許出願であるPCT/US00/21998(本明細書に援用する)には、ウログアニリンを腸癌阻害薬として使用することが記載されている。
本発明はさらに、下記ペプチド:ウログアニリン、ヒトのウログアニリン、プロウログアニリンおよびヒトのプロウログアニリン、グアニリン、リンホグアニリン、プロリンホグアニリンならびに熱安定エンテロトキシンのうちいずれか1種類またはその組合わせ含む組成物を、天然の、天然物から抽出した、または化学合成したシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬、好ましくは選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬のうちの1種類またはその組合わせと合わせて投与することにより、対象においてポリープの発生を遅延させる方法ならびに癌を予防、阻害または治療する方法に関する。
【0015】
さらに本発明は、グアニル酸シクラーゼ受容体GC−Cに対するアゴニストペプチドおよび/または他のアゴニスト化合物のうちの1種類またはその組合わせを含む組成物を、天然の、天然物から抽出した、または化学合成したシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬、好ましくは選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬のうちの1種類またはその組合わせと合わせて投与することにより、対象においてポリープの発生を遅延させる方法ならびに癌を予防、阻害または治療する方法に関する。
【0016】
本発明方法により処置できる癌または異常増殖は、たとえば頭、頸、胸、肺、皮膚、肝臓、血液、腎臓、心臓、腸、膀胱、胆嚢、脳、咽頭、筋骨格系、リンパ系、中枢神経系など、身体のいかなる部位に存在してもよい。好ましくは本発明方法は、腸、たとえば小腸または結腸に存在する癌または異常増殖の処置に用いられる。
【0017】
本発明の他の目的は一部は明らかであり、一部は以下に指摘される。
好ましい態様の詳細な記述
”治療”という用語には、良性または悪性腫瘍の増殖、拡散または転移の部分的または完全な阻害、および異常増殖細胞の部分的または完全な破壊が含まれる。
【0018】
”予防”という用語には、臨床顕性異常増殖の開始をすべて阻止し、またはリスクをもつ個体において前臨床顕性段階の異常増殖の開始を阻止することが含まれる。この定義には、悪性細胞に対するイニシエーションの阻止、または前悪性細胞から悪性細胞への進行の制止もしくは反転が含まれるものとする。これには、異常増殖発現のリスクをもつ者の予防処置が含まれる。
【0019】
”療法有効”という句は、各薬剤自体による治療に際して、疾病の重症度および発症頻度の改善という目標を達成し、一方では他の療法に一般に伴う副作用が避けられる各薬剤量を示すものとする。
【0020】
治療の目的に関して”対象”という用語には、既知の異常増殖または腫瘍障害のいずれかを伴うヒトまたは動物対象、好ましくはヒト対象が含まれる。予防方法については、対象は腸の良性または悪性の癌または異常増殖関連障害(転移を含む)を生じるリスクをもつヒトまたは動物対象、好ましくはヒト対象である。対象は、発癌性物質の被曝、遺伝的に異常増殖を生じる素因があるなどの原因で、リスクをもつ可能性がある。
【0021】
異常増殖という用語には、良性および癌性両方の腫瘍および増殖が含まれる。
前記方法において上皮細胞由来の異常増殖には、上皮癌、たとえば基底細胞癌、腺癌、結腸癌、前立腺癌、腎細胞癌、および全身の上皮細胞に影響を及ぼす他の既知の異常増殖が含まれる。好ましくは上皮細胞由来の異常増殖は、消化管癌、肝癌、前立腺癌、腎癌、脳癌、膀胱癌、子宮頚癌、肺癌、胸部癌および皮膚癌から選択される。
【0022】
癌または異常増殖の予防および治療に用いる、アラキドン酸代謝におけるシクロオキシゲナーゼ経路の阻害薬は、多様な機構により酵素活性を阻害すると思われる。長期間にわたる予防処置が予想される場合は特に、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬の使用は非選択的NSAIDについて起きる可能性のある消化管副作用を最小限に抑えるという点できわめて有利である。
【0023】
”シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬”という用語は、シクロオキシゲナーゼ−1を有意に阻害することなくシクロオキシゲナーゼ−2を阻害しうる化合物を表わす。好ましくは、これには約0.2μM未満のシクロオキシゲナーゼ−2 IC50をもち、かつシクロオキシゲナーゼ−1と対比したシクロオキシゲナーゼ−2選択比少なくとも50、より好ましくは少なくとも100をもつ化合物が含まれる。さらに好ましくは、これらの化合物は約1μMを超える、より好ましくは10μMを超えるシクロオキシゲナーゼ−1 IC50をもつ。
【0024】
”精製した”という用語は、部分精製および/または完全精製したことを意味する。たとえば”精製した組成物”は部分精製または完全精製したものである。天然シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬の抽出物を部分精製または完全精製することができる。
【0025】
ウログアニリンは、腸粘膜内張りの杯細胞により機能不活性形プロウログアニリンとして自然分泌され、次いでこれが腸で内因性プロテアーゼにより機能活性ウログアニリンに変換される。ウログアニリンは酸安定、タンパク質分解抵抗性ペプチドである。したがって、経口送達したプロウログアニリンおよびウログアニリンは腸管腔表面に作用し、全身吸収されることはない。ウログアニリン、プロウログアニリン、およびその活性ドメインに類似するアミノ酸配列を含む他の同様なペプチドの経口投与は、腸粘膜内張り細胞のアポトーシス、すなわち細胞死を誘発すると予想される。腸粘膜内張り細胞アポトーシスの誘発は、ポリープ形成およびそれに続く腸癌の発生を遅延すると期待される。何らかの理論に拘束されるつもりはないが、本発明のペプチドは腸粘膜内張り細胞のアポトーシス(細胞死)速度を高め、細胞増殖とプログラムされた細胞死の完全な均衡を助成することによりそれらの作用を及ぼし、これにより、グアニリン、ウログアニリン、リンホグアニリンおよびSTaファミリーのペプチドに対する受容体をもつ腸その他の上皮由来癌においてポリープ増殖を遅延させ、癌を予防、阻害および治療すると本発明者らは考える。
【0026】
腸粘膜における細胞増殖および細胞死の速度はきわめて速い。腸粘膜細胞は代謝回転の定常状態にあり、細胞増殖と細胞死の完全な均衡が保証されている。消化管上皮が定常的に速やかに更新されることは、正常粘膜の統合性の維持、特殊な機能をもつ分化した上皮の修復および補充という機能を満たす。腸粘膜細胞のアポトーシスが阻害されると、更新プロセスの不均衡を生じ、その結果ポリープ形成およびそれに続く腸癌の発生が高まる。Eastwood et al.,消化管上皮更新および消化管腺癌の発症に対するその 関与,J.Clin.Gastroenterol.,21:S1−11(1995)参照。結腸癌組織でアポトーシスのプロセスが抑制されることは知られている。Baretton,et al.,結腸直腸腺腫および癌におけるアポトーシスと免疫組織化学的bcl−2発現:発癌および予後における意味の観点,Cancer,77:255−264(1996)。
【0027】
アポトーシスプロセスでの主な細胞特性は顕著な細胞体積喪失であり、これは細胞膜を隔てた浸透圧の均衡により恒常性が達成されているイオン移動に直接関係がある。Hoffman,E.K.,et al.,細胞体積調節に際しての細胞内信号伝達における膜機構,Int.Rev.Cytol.,161:173−262(1995)。大部分の哺乳動物細胞は、Na+/K+ ATPaseポンプの連続作動によりこの浸透圧を達成および維持している。このポンプは膜を隔てたこれら一価カチオンの勾配を作り出す。幾つかの証拠源から、アポトーシス誘導に際してK+排出が役割をもつ可能性が示された。Hughes,F.M.,et al.,細胞内K + はリンパ球におけるアポトーシスの活性化を抑制する,J.Biol.Chem.,272:30567−30576(1997);Hughes,F.M.,et al.,カリウムはin vitroおよびin vivoにおいて重要なアポトーシス酵素調節因子である,Adv.Enzyme Regul.,39:157−171(1999)。第1に、細菌の孔形成性細胞溶解素であるスタフィロコッカスα−トキシンがアポトーシスを誘導することが見いだされた;これは細胞膜を一価カチオンに対して選択的に透過性にする。Bhakdi,S.,et al.,スタフィロコッカスα−トキシンがヒト単球に及ぼす強力な細胞致死作用に伴うインターロイキン−1ベータ放出,Infect.Immun.,57:3512−3519(1989)。第2に、アポトーシスを起こして収縮した細胞が含む細胞内K+のレベルは、正常細胞と比較してはるかに低いことが示された。Hughes,F.M.,et al.,細胞内K + はリンパ球におけるアポトーシスの活性化を抑制する,J.Biol.Chem.,272:30567−30576(1997)。第3に、150mMを超える細胞内K+濃度は、カスパーゼ−3、すなわちアポトーシス誘導に関与するタンパク質分解酵素を選択的に阻害することが示された。Hughes,F.M.,カリウムはin vitroおよびin vivoにおいて重要なアポトーシス酵素調節因子である,Adv.Enzyme Regul.,39:157−171(1999)。最後に、全細胞においてK+排出を抑制すると前アポトーシスヌクレアーゼの活性化が阻止され、これに対しこのイオンの排出が増大するとこれらのヌクレアーゼの酵素活性が増強される。Hughes,F.M.,39:157−171(1999)。したがって、細胞内カリウムレベルの均衡は重要なアポトーシス調節要素であると思われる。
【0028】
さらに、グアニリンが結腸癌細胞では完全に低下し、正常な腸粘膜細胞では均一に発現することが示された。この所見は、グアニリンが腫瘍修飾遺伝子として結腸の分化または機能の維持に関与することを示唆する。Mitchell et al.,ヒトの腸および結腸直腸腺癌におけるグアニリンmRNA発現,Lab.Invest.,1998,Vol.78,No.1,101−108。GC−C受容体として知られるグアニル酸シクラーゼ受容体がすべての原発性および転移性結腸直腸癌において発現することが最近のデータにより証明され、これらの腫瘍の特異的マーカーとして役立つ可能性がある。Carrithers,S.L.,et al.,グアニリンシクラーゼCはヒト腸外組織における転移性結腸直腸腫瘍の選択的マーカーである,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93:14827−14832。これに対し、結腸直腸癌の組織および細胞系ではグアニリンの発現がダウンレギュレートされることが示された。Cohen,M.B.,et al.,ヒト腸および結腸直腸腺癌におけるグアニリンmRNA発現,Lab.Invest.,78:101−108。
【0029】
PCT/US00/21998(本明細書に援用する)において、ウログアニリンが結腸癌細胞では完全に低下し、正常な腸粘膜細胞では均一に分布することが示された。さらに、検査したすべてのヒト結腸癌検体においてヒト結腸癌および隣接する正常組織におけるウログアニリンおよびグアニリンの発現が完全に低下していたと報告された。この試験は、ウログアニリンおよび/またはグアニリンの発現低下が腺癌形成の原因または結果であることを示唆した。同出願では、ウログアニリンで処置するとT−84、すなわちヒト結腸癌細胞においてアポトーシスが誘導されること、およびヒトのウログアニリンを経口投与するとMin−マウス、すなわちヒト家族性腺腫性ポリープ症(FAP)の動物モデルの腸管におけるポリープ形成が阻害されることが証明された。
【0030】
最近、グアニリンおよびウログアニリンの遺伝子が両方とも、マウス第4染色体上およびヒト染色体上のシンテニック位置1p34−35にマッピングされた。Sciaky,D.,et al.,ネズミ第4染色体およびヒト染色体1p34−35へのグアニリンのマッピング,Genomics,26:427−429(1995);Whitaker,T.L.,et al.,ウログアニリン遺伝子(Guca 1b)はマウス第4染色体上のグアニリン(Guca 2)に連鎖している,Genomics,45:348−354(1997)。この領域はヒト結腸癌においてヘテロ接合性の消失を伴うことが多い。Leister,I.,et al.,ヒト結腸直腸癌:高頻度の染色体1p35欠失,Cancer Res.,50:7232−7235(1990)。min−マウス腫瘍モデルにおいて、腺腫の多重度および増殖速度は、同様にヒト染色体1p34−35とシンテニックなマウス第4染色体領域に位置する腫瘍抑制遺伝子APCにより調節される。Dietrich,W.F.,et al.,マウスにおけるMin−誘導腸異常増殖に影響を及ぼす主要な修飾遺伝子座Mom−1の遺伝子同定,Cell,75:631−639(1992)。APC遺伝子は、結腸直腸癌を伴う大部分のヒトにおいて変異している。Miyoshi,Y.,et al.,結腸直腸腫瘍におけるAPC遺伝子の体細胞変異:APC遺伝子の変異クラスター領域,Hum.Mol.Genet.,1:229−233(1992)。この遺伝子の主な機能は、wnt信号伝達カスケードにより細胞周期を調節することである。Cadigan,K.M.,et al.,Wnt信号伝達:動物の発生における共通のテーマ,Genes Dev.,11:3286−3305(1997)。したがってウログアニリンおよびグアニリンペプチドは結腸発癌プロセスの初期に関与している可能性がある。
【0031】
したがって本発明方法によれば、ヒトのウログアニリンの活性ドメインを含むか、または対象の腸におけるグアニル酸シクラーゼ受容体GC−Cに結合するポリペプチドを対象に投与する。これらのポリペプチドを予防的に投与することもできるが、これは一般に腸癌、腸ポリープを伴うか、または腸におけるポリープ増殖の素因をもつと判定された対象に投与される。
【0032】
本発明の好ましい態様において、ポリペプチドはSEQ.ID.1に同定される配列をもつポリペプチドである:
【0033】
【化3】
式中のX1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7はそれぞれアミノ酸残基であり、X8およびX9は独立して水素または少なくとも1個のアミノ酸残基であり、ポリペプチドはX1のアミン基に隣接するシスチン残基とX6のアミン基に隣接するシスチン残基との間のジスルフィド結合およびX3のアミン基に隣接するシスチン残基とX7のアミン基に隣接するシスチン残基との間のジスルフィド結合により架橋している。好ましくは、ポリペプチドはグアニリン、ウログアニリン、プロウログアニリン、またはウログアニリンの活性ドメインを含む他のポリペプチドである。
【0034】
当技術分野で既知のように、ペプチドまたはタンパク質中の特定のアミノ酸を、類似のヒドロパシー指数またはスコアをもつ他のアミノ酸で置換して、類似の生物活性をもつ、すなわち生物学的機能性をなお保持する生成ペプチドまたはタンパク質を製造することができる。このような変更を行う際、あるアミノ酸を2以内のヒドロパシー指数をもつアミノ酸で置換することが好ましい。より好ましい置換は、アミノ酸が1以内のヒドロパシー指数をもつ置換である。最も好ましい置換は、アミノ酸が0.5以内のヒドロパシー指数をもつ置換である。
【0035】
類似のアミノ酸を親水性に基づいて置換することもできる。USP4,554,101には、タンパク質の最大局所平均親水性(それに隣接するアミノ酸の親水性により支配される)はそのタンパク質の生物学的特性と相関すると開示されている。アミノ酸に下記の親水値が指定されている(Hopp−Woods値による):アルギニン/リシン(+3.0);アスパラギン酸/グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン/グルタミン(+0.2);グリシン(0);トレオニン(−0.4);プロリン(−0.5±1);アラニン/ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン/イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);およびトリプトファン(−3.4)。したがって、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質中の1つのアミノ酸を、類似の親水性スコアをもつ他のアミノ酸で置換して、なお類似の生物活性をもつ、すなわち適正な生物学的機能性をなお保持する生成タンパク質を製造することができる。このような変更を行う際、あるアミノ酸を±2以内のヒドロパシー指数をもつアミノ酸で置換することが好ましく、±1以内のものがより好ましく、±0.5以内のものが最も好ましい。
【0036】
前記に概説したように、ペプチドの非活性ドメインにあるアミノ酸側鎖の相対的類似性に基づいて本発明ペプチドにおけるアミノ酸置換を行い、ヒトのウログアニリンペプチドと同じ生物活性をもつタンパク質を作製することができる。たとえばX1はすべてのアミノ酸残基の群から選択できるが、好ましくはアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、リシン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリンおよびトレオニンよりなるアミノ酸残基の群から選択される。より好ましくは、X1と置換できるアミノ酸残基はグルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニンおよびリシンである。X1として使用できる最も好ましいアミノ酸残基はグルタミン酸である。X2はすべてのアミノ酸残基の群から選択できるが、置換するのに好ましいアミノ酸残基はロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、メチオニン、システイン、アラニン、ヒスチジン、プロリン、トレオニン、グリシン、アスパラギンおよびグルタミンである。X2と置換できる、より好ましいアミノ酸残基は、システイン、フェニルアラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、バリンおよびチロシンである。前記のより好ましいアミノ酸残基のうちX2と置換するのにさらに好ましいアミノ酸残基は、ロイシン、イソロイシン、チロシン、バリンおよびメチオニンである。X2と置換するのに最も好ましいアミノ酸残基は、ロイシンである。
【0037】
さらに前記のように、X3およびX4はすべてのアミノ酸残基の群から選択できるが、好ましいアミノ酸残基はバリン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、システイン、アラニン、ヒスチジン、プロリン、トレオニン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである。X3およびX4と置換できる、より好ましいアミノ酸残基は、バリン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、メチオニン、システイン、アラニン、ヒスチジンおよびプロリンである。前記のより好ましいアミノ酸残基のうちX3およびX4と置換するのにさらに好ましいアミノ酸残基は、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニンおよびシステインである。X3およびX4と置換するのにさらに好ましいアミノ酸残基は、イソロイシンおよびバリンである。X3およびX4と置換するのに最も好ましいアミノ酸残基は、バリンである。同様にX5はすべてのアミノ酸残基の群から選択できるが、好ましいアミノ酸残基はアラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、プロリン、トレオニン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである。X5と置換できる、より好ましいアミノ酸残基は、アラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、バリン、プロリン、トレオニン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである。X5と置換するのにさらに好ましいアミノ酸残基は、アラニン、ヒスチジン、システイン、プロリン、トレオニン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである。X5と置換するのに最も好ましいアミノ酸残基は、アラニンである。
【0038】
さらに、X6はすべてのアミノ酸残基の群から選択できるが、置換するのに好ましいアミノ酸残基はトレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである。X6と置換するのに、より好ましいアミノ酸残基は、トレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである。置換のためにさらに好ましいアミノ酸残基は、トレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジンおよびグリシンである。X6と置換するのに最も好ましいアミノ酸残基は、トレオニンである。同様にX7はすべてのアミノ酸残基の群から選択できるが、好ましいアミノ酸残基はグリシン、トレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン、アスパラギン、セリン、グルタミン酸およびアスパラギン酸である。X7との置換するのに、より好ましいアミノ酸残基は、グリシン、トレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジン、システイン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである。X7と置換するのにさらに好ましいアミノ酸残基は、グリシン、トレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである。X7と置換するのに最も好ましいアミノ酸残基は、グリシンである。
【0039】
本発明のポリペプチドおよび化合物を、医薬的に許容できるキャリヤーとして用いられる当技術分野で周知の種々の賦形剤、ビヒクルおよび/または佐剤と組み合わせて、薬物をたとえば注射剤、懸濁液剤、乳剤、錠剤、カプセル剤および軟膏剤の形で投与できる。これらの医薬組成物は、許容できる任意の手段で投与することができる。温血動物、特にヒトには、経口、非経口、皮下、静脈内、筋肉内および/または腹腔内投与することができる。具体的な投与量は、対象の全般的な健康状態および身体状態ならびに対象の年齢および体重、対象の疾病状態の段階、現在受けている処置の有無、ならびに投与頻度などの要因に依存する;一般に投与量はヒト対象について約0.5〜約2.0mg/kgである。一般に組成物は、1種類以上の本発明ポリペプチドを少なくとも組成物の約0.0001重量%、より一般的には少なくとも約0.001重量%、さらに一般的には少なくとも約0.01重量%、さらに一般的には少なくとも約0.1重量%、ある態様においては少なくとも約1重量%の濃度で含有する。
【0040】
経口投与のためには、医薬組成物はたとえば錠剤、カプセル剤、懸濁液剤または液剤の形であってよい。医薬組成物は、好ましくは特定量の有効成分を含有する投与単位の形に調製される。そのような投与単位の例は、カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤または懸濁液剤である;これらは、一般的な添加剤、たとえば乳糖、マンニトール、トウモロコシデンプンまたはバレイショデンプン;結合剤、たとえば結晶性セルロース、セルロース誘導体、アラビアゴム、トウモロコシデンプンまたはゼラチン;崩壊剤、たとえばトウモロコシデンプン、バレイショデンプンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウム;および滑沢剤、たとえばタルクまたはステアリン酸マグネシウムを含む。有効成分を組成物として注射により投与してもよく、その場合たとえば塩類溶液、ブドウ糖または水を適切なキャリヤーとして使用できる。
【0041】
静脈内、筋肉内、皮下または腹腔内投与のためには、好ましくはレシピエントの血液と等張である無菌水溶液と組成物を組み合わせることができる。そのような配合物は、生理学的に許容できる物質(たとえば塩化ナトリウム、グリシンなど)を含有しかつ生理的条件に適合する緩衝化したpHをもつ水に、固体有効成分を溶解して水溶液を調製し、その溶液を無菌にすることにより調製できる。これらの配合物を、1回分または多数回分の容器、たとえばシールしたアンプルまたはバイアルに入れておくことができる。
【0042】
異常増殖が消化管内にある場合、本発明化合物を当技術分野で既知の酸安定、塩基不安定コーティングをもつものとして配合してもよく、これらは高pHの小腸内で溶解し始める。局所での薬理効果を高め、全身取込みを低下させる配合物が好ましい。
【0043】
非経口投与に適した配合物は、有効化合物の無菌水性製剤(好ましくは等張にしたもの)からなることが好都合である。注射用製剤は、本発明化合物を非水性溶剤、たとえば植物油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸またはプロピレングリコールのエステルに懸濁または乳化することによっても調製できる。
【0044】
局所用配合物には、既知のゲル剤、クリーム剤、油剤などが含まれる。エアゾル送達のためには、本発明化合物を既知のエアゾル賦形剤、たとえば塩類溶液と配合し、市販のネブライザーにより投与することができる。脂肪酸源中における配合物を用いて生体適合性を高めることができる。エアゾル送達は、肺の上皮異常増殖に対する予防投与のための好ましい送達方法である。
【0045】
直腸投与のためには、室温では固体であり体温では融解または溶解する基剤を用いた坐剤中に、有効成分を配合してもよい。一般的に用いられる基剤には、カカオ脂、グリセリンゼラチン、水素化植物油、種々の分子量のポリエチレングリコール、およびステアリン酸ポリエチレンの脂肪酸エステルが含まれる。
【0046】
剤形および投与量は、既知の治療方式または予防方式を参照して容易に確立できる。本発明の化合物および/または組成物により疾病状態を処置するための療法有効化合物の投与量および投与方式は、下記を含めた多様な要因に依存し、したがって広範に変動する可能性がある:対象の年齢、体重、性別および医学的状態、疾病の重症度、投与の経路および頻度、ならびに用いる具体的な化合物、異常増殖の部位、ならびに処置される個体の薬物動態特性。化合物を全身にではなく局所投与する場合の方が、また治療より予防の方が、投与量は一般に低い。そのような処置は、必要に応じた頻度で、担当医が必要と判断した期間、実施できる。投与する阻害薬の投与方式または療法有効量を各個体に最適化する必要があることは、当業者には自明であろう。本発明の医薬組成物は有効成分を約0.1〜2000mg、好ましくは約0.5〜500mg、最も好ましくは約1〜200mgの範囲で含有できる。約0.01〜100mg/kg体重、好ましくは約0.1〜約50mg/kg体重、最も好ましくは約1〜20mg/kg体重の1日量が適切である。1日量を1日1〜4回で投与できる。
【0047】
ヒトのウログアニリンcDNAは細菌中にクローニングされ、また固相ペプチド合成により化学合成された。ウログアニリンペプチドは、下記に記載の方法で化学合成できる:USP5,489,670、ヒトのウログアニリン;およびUSP5,140,102、腸グアニル酸シクラーゼを刺激するペンタデカペプチド、グアニリン。ウログアニリンペプチドに類似するペプチドが、マウス、ラット、ブタおよびウシなどの種において同定された。これらの大部分のペプチドにおける機能活性ドメインは高度に保存されている。したがってこれらのペプチドの生理学的機能は類似すると思われ、これらのペプチドも腸癌の阻害薬として使用できる。したがって、これらのペプチドの機能活性ドメインが保存されている限り、ペプチドの活性を変化させずに非活性ドメインにおいて置換を行うことができる。
【0048】
本発明において、下記ペプチド:ウログアニリン、ヒトのウログアニリン、プロウログアニリンおよびヒトのプロウログアニリン、グアニリン、リンホグアニリン、プロリンホグアニリンならびに熱安定エンテロトキシンのうちいずれか1種類以上と、天然の、天然物から抽出した、または化学合成したシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬、好ましくは選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬のうちの1種類以上との組合わせを、処置を必要とする対象に有効量の上記組合わせを投与することにより消化管癌を予防、阻害または治療するためのものとして開示する。
【0049】
そのような組合わせにおいて、シクロオキシゲナーゼ阻害薬はたとえばCOX−2非選択的阻害薬またはCOX−2選択的阻害薬であってよい。COX−2非選択的阻害薬の例には、周知の化合物であるアスピリン、アセトアミノフェン、インドメタシン、スリンダク(sulindac)、エトドラク(etodolac)、メフェナム酸(mefenamic acid)、トルメチン(tolmetin)、ケトロラク(ketorolac)、ジクロフェナク(diclofenac)、イブプロフェン(ibuprofen)、ナプロキセン(naproxen)、フェノプロフェン(fenoprofen)、ケトプロフェン(ketoprofen)、オキサプロジン(oxaprozin)、フルビプロフェン(flubiprofen)、ピロキシカム(piroxicam)、テノキシカム(tenoxicam)、フェニルブタゾン(phenylbutazone)、アパゾン(apazone)もしくはニメスリド(nimesulide)、またはその医薬的に許容できる塩もしくは誘導体もしくはプロドラッグが含まれる。本発明の好ましい態様において、COX−2非選択的阻害薬は、アスピリン、アセトアミノフェン、インドメタシン、イブプロフェンまたはナプロキセンよりなる群から選択される。
【0050】
好ましい態様において、シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬は、式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩から選択される:
【0051】
【化4】
式中:
Aは、部分不飽和または不飽和複素環式環および部分不飽和または不飽和炭素環式環から選択される置換基であり;
R1は、ヘテロサイクリル、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびアリールから選択される少なくとも1個の置換基であり、R1は置換可能な位置で下記のものから選択される1個以上の基により置換されていてもよく:アルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、アルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、ハロ、アルコキシおよびアルキルチオ;
R2は、メチルまたはアミノであり;
R3は、下記のものから選択される基である:ヒドリド、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、オキソ、シアノ、カルボキシル、シアノアルキル、ヘテロサイクリルオキシ、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ヘテロサイクリル、シクロアルケニル、アラルキル、ヘテロサイクリルアルキル、アシル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アラルケニル、アルコキシアルキル、アリールチオアルキル、アリールオキシアルキル、アラルキルチオアルキル、アラルコキシアルキル、アルコキシアラルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニル、N−アリールアミノカルボニル、N−アルキル−N−アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アルキルアミノ、N−アリールアミノ、N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、N−アリールアミノアルキル、N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アリールアミノアルキル、アリールオキシ、アラルコキシ、アリールチオ、アラルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、N−アリールアミノスルホニル、アリールスルホニル、N−アルキル−N−アリールアミノスルホニル。
【0052】
シクロオキシゲナーゼ−2を阻害する好ましい群の化合物は、下記の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩からなる:式中のAは、5−または6−員部分不飽和ヘテロサイクリル、5−または6−員不飽和ヘテロサイクリル、9−または10−員不飽和縮合ヘテロサイクリル、低級シクロアルケニル、およびフェニルであり;R1は、5−および6−員ヘテロサイクリル、低級シクロアルキル、低級シクロアルケニルおよびアリール(フェニル、ビフェニルおよびナフチルから選択される)であり、R1は置換可能な位置で、低級アルキル、低級ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシル、低級ヒドロキシアルキル、低級ハロアルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、フェニルアミノ、低級アルコキシアルキル、低級アルキルスルフィニル、ハロ、低級アルコキシおよび低級アルキルチオから選択される1個以上の基により置換されていてもよく;R2は、メチルまたはアミノであり;R3は、下記のものから選択される基である:ヒドリド、オキソ、シアノ、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、低級カルボキシアルキル、低級シアノアルキル、ハロ、低級アルキル、低級アルキルオキシ、低級シクロアルキル、フェニル、低級ハロアルキル、5−または6−員ヘテロサイクリル、低級ヒドロキシアルキル、低級アラルキル、アシル、フェニルカルボニル、低級アルコキシアルキル、5−または6−員ヘテロアリールオキシ、アミノカルボニル、低級アルキルアミノカルボニル、低級アルキルアミノ、低級アミノアルキル、低級アルキルアミノアルキル、フェニルオキシおよび低級アラルコキシ。
【0053】
シクロオキシゲナーゼ−2を阻害する、より好ましい群の化合物は、下記の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩からなる:式中のAは、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フリル、チエニル、ジヒドロフリル、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、ベンゾフリル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、フェニルおよびピリジルから選択され;R1は、置換可能な位置で1個以上のメチル基により置換されていてもよいピリジル、および置換可能な位置で下記のものから選択される1個以上の基により置換されていてもよいフェニルから選択され:メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、シアノ、カルボキシル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメトキシ、アミノ、N−メチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N−エチルアミノ、N,N−ジプロピルアミノ、N−ブチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、フェニルアミノ、メトキシメチル、メチルスルフィニル、フルオロ、クロロ、ブロモ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、ペントキシおよびメチルチオ;R2は、メチルまたはアミノであり;R3は、下記のものから選択される基である:ヒドリド、オキソ、シアノ、カルボキシル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルボキシプロピル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、シアノメチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、ペントキシ、シクロヘキシル、フェニル、ピリジル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、フリル、ピラジニル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシプロピル、ベンジル、ホルミル、フェニルカルボニル、メトキシメチル、フリルメチルオキシ、アミノカルボニル、N−メチルアミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジメチルアミノ、N−エチルアミノ、N,N−ジプロピルアミノ、N−ブチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、アミノメチル、N,N−ジメチルアミノメチル、N−メチル−N−エチルアミノメチル、ベンジルオキシおよびフェニルオキシ。
【0054】
式Iに含まれる特に重要な一群の具体的化合物は、下記の化合物およびその医薬的に許容できる塩類からなる:
5−(4−フルオロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)ピラゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−フェニル−3−(トリフルオロメチル)ピラゾール;
4−(5−(4−クロロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−(3,5−ビス(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−(5−(4−クロロフェニル)−3−フェニル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−(3,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−(5−(4−クロロフェニル)−3−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−(5−(4−クロロフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−(5−(4−クロロフェニル)−3−(5−クロロ−2−チエニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−(4−クロロ−3,5−ジフェニル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−フェニル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[4−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−シアノ−5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[4−クロロ−5−フェニル−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
5−(4−フルオロフェニル)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[2.4]ヘプツ−5−エン;
4−[6−(4−フルオロフェニル)スピロ[2.4]ヘプツ−5−エン−5−イル]ベンゼンスルホンアミド;
6−(4−フルオロフェニル)−7−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[3.4]オクツ−6−エン;
5−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[2.4]ヘプツ−5−エン;
4−[6−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)スピロ[2.4]ヘプツ−5−エン−5−イル]ベンゼンスルホンアミド;
5−(3,5−ジクロロ−4−メトキシフェニル)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[2.4]ヘプツ−5−エン;
5−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[2.4]ヘプツ−5−エン;
4−[6−(3,4−ジクロロフェニル)スピロ[2.4]ヘプツ−5−エン−5−イル]ベンゼンスルホンアミド;
2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)チアゾール;
2−(2−クロロフェニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)チアゾール;
5−(4−フルオロフェニル)−4−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−メチルチアゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−トリフルオロメチルチアゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−(2−チエニル)チアゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−ベンジルアミノチアゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−(1−プロピルアミノ)チアゾール;
2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]チアゾール;
5−(4−フルオロフェニル)−4−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−トリフルオロメチルチアゾール;
1−メチルスルホニル−4−[1,1−ジメチル−4−(4−フルオロフェニル)シクロペンタ−2,4−ジエン−3−イル]ベンゼン;
4−[4−(4−フルオロフェニル)−1,1−ジメチルシクロペンタ−2,4−ジエン−3−イル]ベンゼンスルホンアミド;
5−(4−フルオロフェニル)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[2.4]ヘプタ−4,6−ジエン;
4−[6−(4−フルオロフェニル)スピロ[2.4]ヘプタ−4,6−ジエン−5−イル]ベンゼンスルホンアミド;
6−(4−フルオロフェニル)−2−メトキシ−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−ピリジン−3−カルボニトリル;
2−ブロモ−6−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−ピリジン−3−カルボニトリル;
6−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニル−ピリジン−3−カルボニトリル;
4−[2−(4−メチルピリジン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[2−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[2−(2−メチルピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
3−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン;
2−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン;
2−メチル−4−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン;
2−メチル−6−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン;
4−[2−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
2−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール;
4−[2−(4−メチルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
2−(4−クロロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−メチル−1H−イミダゾール;
2−(4−クロロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−フェニル−1H−イミダゾール;
2−(4−クロロフェニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−イミダゾール;
2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール;
1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニル−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール;
2−(4−メチルフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール;
4−[2−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
2−(3−フルオロ−5−メチルフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール;
4−[2−(3−フルオロ−5−メチルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
2−(3−メチルフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール;
4−[2−(3−メチルフェニル)−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−(3−クロロフェニル)−
4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール;
4−[2−(3−クロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[2−フェニル−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[2−(4−メトキシ−3−クロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
1−アリル−4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール;
4−[1−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]ベンゼンスルホンアミド;
N−フェニル−[4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]アセトアミド;
[4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]酢酸エチル;
4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−(2−フェニルエチル)−1H−ピラゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−(2−フェニルエチル)−5−(トリフルオロメチル)ピラゾール;
1−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール;
5−(4−フルオロフェニル)−4−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール;
4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−(2−チオフェニル)−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール;
5−(4−フルオロフェニル)−2−メトキシ−4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン;
2−エトキシ−5−(4−フルオロフェニル)−4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン;
5−(4−フルオロフェニル)−4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−(2−プロピニルオキシ)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン;
2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)−4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン;
4−[2−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)−4,5−ジフルオロフェニル]ベンゼンスルホンアミド;
1−(4−フルオロフェニル)−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−ベンゼン;
5−ジフルオロメチル−4−(4−メチルスルホニルフェニル)−3−フェニルイソオキサゾール;
4−[3−エチル−5−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−ジフルオロメチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−ヒドロキシメチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−メチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド;
1−[2−(4−フルオロフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
1−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
1−[2−(4−クロロフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
1−[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
1−[2−(4−メチルチオフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
1−[2−(4−フルオロフェニル)−4,4−ジメチルシクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
4−[2−(4−フルオロフェニル)−4,4−ジメチルシクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
1−[2−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチルシクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
4−[2−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチルシクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[2−(4−フルオロフェニル)シクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[2−(4−クロロフェニル)シクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
1−[2−(4−メトキシフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
1−[2−(2,3−ジフルオロフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
4−[2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)シクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
1−[2−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン;
4−[2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)シクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[2−(2−メチルピリジン−5−イル)シクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
2−[4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾール−2−イル]−2−ベンジル酢酸エチル;
2−[4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾール−2−イル]酢酸;
2−(t−ブチル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニルオキサゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾール;および
4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−2−トリフルオロメチル−4−オキサゾリル]ベンゼンスルホンアミド。
【0055】
式Iに含まれるさらに重要な一群の具体的化合物は、下記の化合物およびその医薬的に許容できる塩類からなる:
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
3−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン;
2−メチル−5−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン;
4−[2−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−メチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−ヒドロキシメチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド;
[2−トリフルオロメチル−5−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−オキサゾリル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[2−メチル−4−フェニル−5−オキサゾリル]ベンゼンスルホンアミド;および
4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−2−トリフルオロメチル−4−オキサゾリル]ベンゼンスルホンアミド。
【0056】
サブクラスのシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬は、式IIの化合物またはその医薬的に許容できる塩もしくは誘導体から選択される:
【0057】
【化5】
式中:
R4は、ヒドリド、アルキル、ハロアルキル、アルコキシカルボニル、シアノ、シアノアルキル、カルボキシル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、カルボキシアルキルアミノカルボニル、カルボキシアルキル、アラルコキシカルボニルアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、アルコキシカルボニルシアノアルケニルおよびヒドロキシアルキルから選択され;
R5は、ヒドリド、アルキル、シアノ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アルキルスルホニルおよびハロから選択され;
R6は、アラルケニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニルおよび複素環式基から選択され;
R4は、置換可能な位置で、ハロ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、ヒドロキシル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、カルボキシル、シクロアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、スルファミル、複素環式基およびアミノから選択される1個以上の基により置換されていてもよい。
【0058】
特に重要な一群の具体的化合物は、下記の式Iの化合物またはその医薬的に許容できる塩類もしくは誘導体からなる:R4は、ヒドリド、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級アルコキシカルボニル、シアノ、低級シアノアルキル、カルボキシル、アミノカルボニル、低級アルキルアミノカルボニル、低級シクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、低級カルボキシアルキルアミノカルボニル、低級アミノカルボニルアルキル、低級アラルコキシカルボニルアルキルアミノカルボニル、低級カルボキシアルキル、低級アルコキシカルボニルシアノアルケニルおよびヒドロキシアルキルから選択され;R5は、ヒドリド、低級アルキル、シアノ、低級ヒドロキシアルキル、低級シクロアルキル、低級アルキルスルホニルおよびハロから選択され;R6は、アラルケニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニルおよび複素環式基から選択され;R4は、置換可能な位置で、ハロ、アルキルチオ、低級アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、低級ハロアルキル、低級アルキル、ヒドロキシル、低級アルケニル、低級ヒドロキシアルキル、カルボキシル、低級シクロアルキル、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、スルファミル、5−または6−員複素環式基およびアミノから選択される1個以上の基により置換されていてもよい。
【0059】
式Iに含まれる特に重要な一群の具体的化合物は、下記の化合物およびその医薬的に許容できる塩類からなる:
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−フェニル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[4−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−シアノ−5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[4−クロロ−5−フェニル−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;および
4−[5−(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド。
【0060】
式Iに含まれる特に重要な一群の具体的化合物は、下記の化合物およびその医薬的に許容できる塩類からなる:
4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;および
4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド。
【0061】
誘導体には、シクロオキシゲナーゼ−2阻害薬に構造的に関連する化合物、または実質的に同等な生物活性をもついかなる化合物も含まれるものとする。たとえばそのような阻害薬にはそのプロドラッグを含めることができるが、これらに限定されない。
【0062】
”ヒドリド”という用語は、単一水素原子(H)を表わす。このヒドリド基は、たとえば酸素原子に結合してヒドロキシル基を形成してもよく、あるいは2個のヒドリド基が炭素原子に結合してメチレン(−CH2−)基を形成してもよい。”アルキル”という用語には、単独で、または”ハロアルキル”、”アルキルスルホニル”、”アルコキシアルキル”および”ヒドロキシアルキル”など他の用語内に用いる場合、1〜約20個の炭素原子、または好ましくは1〜約12個の炭素原子をもつ直鎖または分枝鎖基が含まれる。より好ましくは、アルキル基は1〜約10個の炭素原子をもつ”低級アルキル”基である。最も好ましいのは、1〜約6個の炭素原子をもつ低級アルキル基である。そのような基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシルなどが含まれる。”アルケニル”という用語には、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合をもつ、炭素原子2〜約20個、または好ましくは炭素原子2〜約12個の直鎖または分枝鎖基が含まれる。より好ましいアルキル基は、2〜約6個の炭素原子をもつ”低級アルケニル”基である。そのようなアルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、アリル、プロペニル、ブテニルおよび4−メチルブテニルが含まれる。”アルキニル”という用語は、炭素原子2〜約20個、または好ましくは炭素原子2〜約12個の直鎖または分枝鎖基を表わす。より好ましいアルキニル基は、2〜約10個の炭素原子をもつ”低級アルキニル”基である。最も好ましいのは、2〜約6個の炭素原子をもつ低級アルキニル基である。そのような基の例には、プロパルギル、ブチニルなどが含まれる。”アルケニル”、”低級アルケニル”という用語には、”cis”および”trans”配向、または”E”および”Z”配向をもつ基が含まれる。”シクロアルキル”という用語には、3〜約12個の炭素原子をもつ飽和炭素環式基が含まれる。より好ましいシクロアルキル基は、3〜約8個の炭素原子をもつ”低級シクロアルキル”基である。そのような基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。”シクロアルケニル”という用語には3〜約12個の炭素原子をもつ部分不飽和炭素環式基が含まれる。より好ましいシクロアルケニル基は、4〜約8個の炭素原子をもつ”低級シクロアルケニル”基である。そのような基の例には、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニルおよびシクロヘキセニルが含まれる。”ハロ”という用語は、ハロゲン、たとえばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。”ハロアルキル”という用語には、いずれか1個以上のアルキル炭素原子が前記に定義したハロで置換された基が含まれる。具体的には、モノハロアルキル、ジハロアルキルおよびポリハロアルキル基が含まれる。たとえばモノハロアルキル基は、基内に1個のヨード、ブロモ、クロロまたはフルオロ原子のいずれかを含むことができる。ジハロおよびポリハロアルキル基は、2個以上の同一ハロ原子または異なるハロ基の組合わせを含むことができる。”低級ハロアルキル”には、1〜6個の炭素原子をもつ基が含まれる。ハロアルキル基の例には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチルおよびジクロロプロピルが含まれる。”ヒドロキシアルキル”という用語には、1〜約10個の炭素原子をもち、そのいずれが1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい、直鎖または分枝鎖アルキル基が含まれる。より好ましいヒドロキシアルキル基は、1〜6個の炭素原子および1個以上のヒドロキシル基をもつ”低級ヒドロキシアルキル”基である。そのような基の例には、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルおよびヒドロキシヘキシルが含まれる。”アルコキシ”および”アルキルオキシ”という用語には、それぞれ炭素原子1〜約10個のアルキル部分をもつ直鎖または分枝鎖オキシ含有基が含まれる。より好ましいアルコキシ基は、1〜6個の炭素原子をもつ”低級アルコキシ”基である。そのような基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシおよびt−ブトキシが含まれる。”アルコキシアルキル”という用語には、1個以上のアルコキシ基がアルキル基に結合して、すなわちモノアルコキシアルキルおよびジアルコキシアルキルなどを形成したアルキル基が含まれる。”アルコキシ”基がさらに1個以上のハロ原子、たとえばフルオロ、クロロまたはブロモで置換されて、ハロアルコキシ基を形成してもよい。より好ましいハロアルコキシ基は、1〜6個の炭素原子および1個以上のハロ基をもつ”低級ハロアルコキシ”基である。そのような基の例には、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシおよびフルオロプロポキシが含まれる。”アリール”という用語は、単独で、または組み合わせて、1、2または3個の環を含む芳香族炭素環系を意味する。それらの環は互いにペンダント式に結合していてもよく、または縮合していてもよい。”アリール”という用語には、芳香族基、たとえばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダンおよびビフェニルが含まれる。アリール部分は、置換可能な位置で、独立して下記のものから選択される1個以上の置換基により置換されていてもよい:アルキル、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニルアルキル、アルコキシ、アラルコキシ、ヒドロキシル、アミノ、ハロ、ニトロ、アルキルアミノ、アシル、シアノ、カルボキシ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニルおよびアラルコキシカルボニル。”ヘテロサイクリル(複素環式基)”という用語には、異種原子を含む飽和、部分不飽和および不飽和の環状基が含まれる。ここで異種原子は、窒素、硫黄および酸素から選択できる。飽和ヘテロサイクリル基の例には下記のものが含まれる:1〜4個の窒素原子を含む飽和3〜6−員複素単環式基(たとえばピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジニルなど);1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含む飽和3〜6−員複素単環式基(たとえばモルホリニルなど);1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含む飽和3〜6−員複素単環式基(たとえばチアゾリジニルなど)。部分不飽和ヘテロサイクリル基の例には、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフランおよびジヒドロチアゾールが含まれる。”ヘテロアリール”という用語には、不飽和ヘテロサイクリル基が含まれる。不飽和ヘテロサイクリル基(”ヘテロアリール”基とも言う)の例には下記のものが含まれる:1〜4個の窒素原子を含む不飽和3〜6−員複素単環式基、たとえばピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル(たとえば4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリルなど)、テトラゾリル(たとえば1H−テトラゾリル、2H−テトラゾリルなど)など;1〜5個の窒素原子を含む不飽和縮合ヘテロサイクリル基、たとえばインドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル(たとえばテトラゾロ[1,5−b]ピリダジニルなど)など;酸素原子を含む不飽和3〜6−員複素単環式基、たとえばピラニル、フリルなど;硫黄原子を含む不飽和3〜6−員複素単環式基、たとえばチエニルなど;1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含む不飽和3〜6−員複素単環式基、たとえばオキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(たとえば1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリルなど)など;1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含む不飽和縮合ヘテロサイクリル基(たとえばベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリルなど);1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含む不飽和3〜6−員複素単環式基、たとえばチアゾリル、チアジアゾリル(たとえば1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリルなど)など;1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含む不飽和縮合ヘテロサイクリル基(たとえばベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリルなど)など。この用語には、ヘテロサイクリル基がアリール基と縮合した基も含まれる。そのような縮合二環式基の例には、ベンゾフラン、ベンゾチオフェンなどが含まれる。それらの”ヘテロサイクリル”基は、1〜3個の置換基、たとえばアルキル、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、オキソ、アミノおよびアルキルアミノをもつことができる。”アルキルチオ”という用語には、炭素原子1〜約10個の直鎖または分枝鎖アルキル基が二価硫黄原子に結合したものを含む基が含まれる。より好ましいアルキルチオ基は、炭素原子1〜6個のアルキル基をもつ”低級アルキルチオ”基である。そのような低級アルキルチオ基の例は、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオおよびヘキシルチオである。”アルキルチオアルキル”という用語には、1〜約10個の炭素原子をもつアルキル基に二価硫黄原子により結合したアルキルチオ基を含む基が含まれる。より好ましいアルキルチオアルキル基は、炭素原子1〜6個のアルキル基をもつ”低級アルキルチオアルキル”基である。そのような低級アルキルチオアルキル基の例には、メチルチオメチルが含まれる。”アルキルスルフィニル”という用語には、炭素原子1〜10個の直鎖または分枝鎖アルキル基が二価−S(=O)−基に結合したものを含む基が含まれる。より好ましいアルキルスルフィニル基は、炭素原子1〜6個のアルキル基をもつ”低級アルキルスルフィニル”基である。そのような低級アルキルスルフィニル基の例には、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、ブチルスルフィニルおよびヘキシルスルフィニルが含まれる。”スルホニル”という用語は、単独でも、または他の用語と連結してアルキルスルホニルのように用いる場合も、それぞれ二価の基−SO2−を表わす。”アルキルスルホニル”には、アルキル基がスルホニル基に結合したものが含まれ、ここでアルキルは前記に定義したものである。より好ましいアルキルスルホニル基は、炭素原子1〜6個のアルキル基をもつ”低級アルキルスルホニル”基である。そのような低級アルキルスルホニル基の例には、メチルスルホニル、エチルスルホニルおよびプロピルスルホニルが含まれる。”アルキルスルホニル”基は、さらに1個以上のハロ原子、たとえばフルオロ、クロロまたはブロモで置換されて、ハロアルキルスルホニル基を形成してもよい。”スルファミル”、”アミノスルホニル”および”スルホンアミジル”という用語は、NH2O2S−を表わす。”アシル”という用語は、有機酸からヒドロキシルを除去した後の残基により得られる基を表わす。そのようなアシル基の例には、アルカノイルおよびアロイル基が含まれる。そのような低級アルカノイル基の例には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、トリフルオロアセチルが含まれる。”カルボニル”という用語は、単独でも、または他の用語と連結して”アルコキシカルボニル”のように用いる場合も、−(C=O)−を表わす。”アロイル”という用語には、前記カルボニル基をもつアリール基が含まれる。アロイルの例には、ベンゾイル、ナフトイルなどが含まれ、このアロイル中のアリールはさらに置換されていてもよい。”カルボキシ”または”カルボキシル”という用語は、単独でも、また
は他の用語と連結して”カルボキシアルキル”のように用いる場合も、−CO2Hを表わす。”カルボキシアルキル”という用語には、カルボキシ基で置換されたアルキル基が含まれる。より好ましいのは前記に定義した低級アルキル基を含む”低級カルボキシアルキル”であり、これらはさらにアルキル基においてハロで置換されていてもよい。そのような低級カルボキシアルキル基の例には、カルボキシメチル、カルボキシエチルおよびカルボキシプロピルが含まれる。”アルコキシカルボニル”という用語は、前記に定義したアルコキシ基が酸素原子によりカルボニル基に結合したものを含む基を意味する。より好ましいのは、炭素原子1〜6個のアルキル部分をもつ”低級アルコキシカルボニル”基である。そのような低級アルコキシカルボニル(エステル)基の例には、置換または非置換メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニルおよびヘキシルオキシカルボニルが含まれる。”アルキルカルボニル”、”アリールカルボニル”および”アラルキルカルボニル”という用語には、前記に定義したアルキル、アリールおよびアラルキル基がカルボニル基に結合した基が含まれる。そのような基の例には、置換または非置換メチルカルボニル、エチルカルボニル、フェニルカルボニルおよびベンジルカルボニルが含まれる。”アラルキル”という用語には、アリール置換アルキル基、たとえばベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、フェニルエチルおよびジフェニルエチルが含まれる。アラルキル中のアリールは、さらにハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキルおよびハロアルコキシで置換されていてもよい。ベンジルとフェニルメチルという用語は互換性をもつ。”ヘテロサイクリルアルキル”という用語には、飽和および部分不飽和ヘテロサイクリルで置換されたアルキル基、たとえばピロリジニルメチル、ならびにヘテロアリールで置換されたアルキル基、たとえばピリジルメチル、キノリルメチル、チエニルメチル、フリルエチルおよびキノリルエチルが含まれる。ヘテロアラルキル中のヘテロアリールは、さらにハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキルおよびハロアルコキシで置換されていてもよい。”アラルコキシ”という用語には、酸素原子を介して他の基に結合したアラルキル基が含まれる。”アラルコキシアルキル”という用語には、酸素原子によりアルキル基に結合したアラルコキシ基が含まれる。”アラルキルチオ”という用語には、硫黄原子に結合したアラルキル基が含まれる。”アラルキルチオアルキル”という用語には、硫黄原子によりアルキル基に結合したアラルキルチオ基が含まれる。”アミノアルキル”という用語には、1個以上のアミノ基で置換されたアルキル基が含まれる。より好ましいのは、”低級アミノアルキル”基である。そのような基の例には、アミノメチル、アミノエチルなどが含まれる。”アルキルアミノ”という用語は、1または2個のアルキル基で置換されたアミノ基を表わす。好ましいのは、炭素原子1〜6個のアルキル部分をもつ”低級N−アルキルアミノ”基である。適切な低級アルキルアミノは、モノまたはジアルキルアミノ、たとえばN−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノなどであってよい。”アリールアミノ”という用語は、1または2個のアリール基で置換されたアミノ基、たとえばN−フェニルアミノを表わす。”アリールアミノ”基は、この基のアリール環部分においてさらに置換されていてもよい。”アラルキルアミノ”という用語には、アミノ窒素原子を介して他の基に結合したアラルキル基が含まれる。”N−アリールアミノアルキル”および”N−アリール−N−アルキル−アミノアルキル”という用語は、アミノ基がそれぞれ1個のアリール基で、または1個のアリール基と1個のアルキル基で置換され、かつそのアミノ基がアルキル基に結合したものを表わす。そのような基の例には、N−フェニルアミノメチルおよびN−フェニル−N−メチルアミノエチルが含まれる。”アミノカルボニル”という用語は、式−C(=O)NH2のアミド基を表わす。”アルキルアミノカルボニル”という用語は、アミノ窒素原子において1または2個のアルキル基で置換されたアミノカルボニル基を表わす。好ましいのは”N−アルキルアミノカルボニル”、”N,N−ジアルキルアミノカルボニル”基である。より好ましいのは、前記に定義した低級アルキル部分をもつ”低級N−アルキルアミノカルボニル”、”低級N,N−ジアルキルアミノカルボニル”基である。”アルキルアミノアルキル”という用語には、1個以上のアルキル基がアミノアルキル基に結合した基が含まれる。”アリールオキシアルキル”という用語には、アリール基が二価酸素原子を介してアルキル基に結合した基が含まれる。”アリールチオアルキル”という用語には、アリール基が二価硫黄原子を介してアルキル基に結合した基が含まれる。
【0063】
本発明方法に用いる化合物は、遊離塩基またはその医薬的に許容できる酸付加塩の形で存在できる。”医薬的に許容できる塩”という用語には、遊離酸または遊離塩基のアルカリ金属塩の形成および付加塩の形成に一般的に用いられる塩類が含まれる。塩類が医薬的に許容できる限り、塩の性質は決定的ではない。式Iの化合物の適切な医薬的に許容できる酸付加塩は、無機酸または有機酸から調製できる。そのような無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸およびリン酸である。適切な有機酸は、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環式、カルボン酸およびスルホン酸群の有機酸から選択でき、その例は下記のものである:ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル、4−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン(embonic,pamoic)酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルゲン酸、D−3−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、ガラクタル酸およびガラクツロン酸。式Iの化合物の適切な医薬的に許容できる塩基付加塩には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛から形成される金属塩、またはN,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、塩素、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)およびプロカインから形成される有機塩が含まれる。これらの塩類はすべて対応する式Iの化合物から常法により、たとえば適宜な酸または塩基と式Iの化合物との反応により調製できる。
【0064】
本発明の他の態様において、シクロオキシゲナーゼ阻害薬はシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬、たとえば式B−1のCOX−2選択的阻害薬メロキシカム(CAS登録番号71125−38−7)またはその医薬的に許容できる塩もしくは誘導体もしくはプロドラッグである:
【0065】
【化6】
本発明のさらに他の態様において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬は、式B−2のCOX−2選択的阻害薬RS 57067、6−[[5−(4−クロロベンゾイル)−1,4−ジメチル−1H−ピロール−2−イル]メチル]−3(2H)−ピリダジノン(CAS登録番号179382−91−3)またはその医薬的に許容できる塩もしくは誘導体もしくはプロドラッグである:
【0066】
【化7】
本発明の好ましい態様において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬は、クロメン構造群のCOX−2選択的阻害薬、すなわち置換ベンゾピラン、または置換されたベンゾチオピラン類、ジヒドロキノリン類、もしくはジヒドロナフタレン類よりなる群から選択される置換ベンゾピラン類似体である。これらは下記に示す一般式IIをもち、表1に示す構造をもつ(例示であって、限定ではない)。そのジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ体、互変異性体、塩類、エステル、アミドおよびプロドラッグも含まれる。
【0067】
【化8】
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
本発明のより好ましい態様において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬は、置換ベンゾピラン(S)−6,8−ジクロロ−2−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(式B−8)またはその医薬的に許容できる塩もしくは誘導体もしくはプロドラッグである。
【0073】
本発明のさらに好ましい態様において、シクロオキシゲナーゼ阻害薬は、一般式IIIで表わされる三環式シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬またはその医薬的に許容できる塩もしくは誘導体もしくはプロドラッグの群から選択される:
【0074】
【化9】
式中:
Aは、部分不飽和または不飽和複素環式環および部分不飽和または不飽和炭素環式環から選択される置換基であり;
R1は、ヘテロサイクリル、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびアリールから選択される少なくとも1個の置換基であり、R1は置換可能な位置で下記のものから選択される1個以上の基により置換されていてもよく:アルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、アルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、ハロ、アルコキシおよびアルキルチオ;
R2は、メチルまたはアミノであり;
R3は、下記のものから選択される基である:ヒドリド、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、オキソ、シアノ、カルボキシル、シアノアルキル、ヘテロサイクリルオキシ、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ヘテロサイクリル、シクロアルケニル、アラルキル、ヘテロサイクリルアルキル、アシル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アラルケニル、アルコキシアルキル、アリールチオアルキル、アリールオキシアルキル、アラルキルチオアルキル、アラルコキシアルキル、アルコキシアラルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニル、N−アリールアミノカルボニル、N−アルキル−N−アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アルキルアミノ、N−アリールアミノ、N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、N−アリールアミノアルキル、N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アリールアミノアルキル、アリールオキシ、アラルコキシ、アリールチオ、アラルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、N−アリールアミノスルホニル、アリールスルホニル、N−アルキル−N−アリールアミノスルホニル。
【0075】
本発明のさらに好ましい態様において、前記式IIIで表わされるシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬は、表2に示すセレコキシブ(cerecoxib)(B−18)、バルデコキシブ(valdecoxib)(B−19)、デラコキシブ(deracoxib)(B−20)、ロフェコキシブ(rofecoxib)(B−21)、エトリコキシブ(etoricoxib)(MK−663;B−22)、JTE−522(B−23)、またはその医薬的に許容できる塩もしくは誘導体もしくはプロドラッグよりなる化合物群から選択される。
【0076】
【表6】
【0077】
【表7】
本発明のさらに好ましい態様において、COX−2選択的阻害薬は、セレコキシブ、ロフェコキシブおよびエトリコキシブよりなる群から選択される。
【0078】
本発明の他のきわめて好ましい態様においては、三環式シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬バルデコキシブ(B−19)の療法有効プロドラッグであるパレコキシブ(parecoxib)(B−24)をシクロオキシゲナーゼ阻害薬源として有利に使用できる(USP5,932,598;本明細書に援用する)。
【0079】
【化10】
本発明の他の好ましい態様においては、式B−25の化合物ABT−963(先に国際特許出願公開WO00/24719に記載)が有利に使用できる他の三環式シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬である。
【0080】
【化11】
本発明のさらに好ましい態様において、シクロオキシゲナーゼ阻害薬は一般式Vで表わされるフェニル酢酸誘導体系のシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬群から選択される:
【0081】
【化12】
式中:
R16は、メチルまたはエチルであり;
R17は、クロロまたはフルオロであり;
R18は、水素またはフルオロであり;
R19は、水素、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはヒドロキシであり;
R20は、水素またはフルオロであり;
R21は、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチルまたはメチルであり;
ただし、R16がエチルであり、かつR19がHである場合、R17、R18、R19およびR20がすべてフルオロであることはない。
【0082】
WO00/24719に記載される特に好ましいフェニル酢酸誘導体系のシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬は、COX189(CAS登録番号346670−74−4)と表示され、式Vに示す構造をもつ下記の化合物である:
R16はエチルであり;
R17およびR19はクロロであり;
R18およびR20は水素であり;
R21はメチルである。
【0083】
本発明に使用できる他の好ましいシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬は、式VIに示す構造をもつ:
【0084】
【化13】
式中のJ基は炭素環または複素環である。特に好ましい態様は、下記の構造をもつ:
XはOであり;Jは1−フェニルであり;R21は2−NHSO2CH3であり;R22は4−NO2であり;R23基はない(ニメスリド;nimesulide);および
XはOであり;Jは1−オキソ−インデン−5−イルであり;R21は2−Fであり;R22は4−Fであり;R23は6−NHSO2CH3である(フロスリド;flosulide);および
XはOであり;Jはシクロヘキシルであり;R21は2−NHSO2CH3であり;R22は5−NO2であり;R23基はない(NS−398);および
XはSであり;Jは1−オキソ−インデン−5−イルであり;R21は2−Fであり;R22は4−Fであり;R23は6−N=SO2CH3・Na+である(L−745337);および
XはSであり;Jはチオフェン−2−イルであり;R21は4−Fであり;R22基はなく;R23は5−NHSO2CH3である(RWJ−63556);および
XはOであり;Jは2−オキソ−5(R)−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)フラン−(5H)−3−イルであり;R21は3−Fであり;R22は4−Fであり;R23は4−(p−SO2CH3)C6H4である(L−784512)。
【0085】
式B−26に示す構造をもつN−(2−シクロヘキシルオキシニトロフェニル)メタンスルホンアミド(NS−398,CAS登録番号123653−11−2)の適用に関する情報はさらに下記に記載されている:
【0086】
【化14】
Yoshimi,N.et al.,Japanese J.Cancer Res.,90(4):406−412(1999);Falgueyret,J.−P.et al.,Science Spectra,http://www/gbhap.com/Science_Spectra/20−1−article.htmで入手できる(06/06/2001);およびIwata,K.et al.,Jpn.J.Pharmcol.,75(2):191−194(1997)。
【0087】
イヌ炎症モデルにおけるシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬RWJ 63556の抗炎症活性の評価が、Kirchner et al.,J.Pharmcol.Exp.Ther.,282,1094−1101(1997)に記載されている。
【0088】
本発明においてシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬として使用できる他の化合物には、ジアリールメチリデンフラン誘導体、たとえばUSP6,180,651に記載のものが含まれる。そのようなジアリールメチリデンフラン誘導体は、式VIIに示す一般式をもつ:
【0089】
【化15】
式中:
環TおよびMは、独立して下記のものであり:
フェニル基、
ナフチル基、
5〜6員からなり、1〜4個の異種原子をもつ複素環から誘導された基、または
3〜7個の炭素原子をもつ飽和炭化水素環から誘導された基、;
置換基Q1、Q2、L1またはL2のうち少なくとも1つは下記のものであり:
−S(O)n−R基:nは0、1または2の整数であり、Rは1〜6個の炭素原子をもつ低級アルキル基または1〜6個の炭素原子をもつ低級ハロアルキル基である;
−SO2NH2基;
他のものは、独立して下記のものであり:
水素原子;
ハロゲン原子;
1〜6個の炭素原子をもつ低級アルキル基、
トリフルオロメチル基、または
1〜6個の炭素原子をもつ低級O−アルキル基;
あるいは
Q1とQ2、またはL1とL2は、メチレンジオキシ基であり:
R24、R25、R26およびR27は、独立して下記のものであり:
水素原子;
ハロゲン原子;
1〜6個の炭素原子をもつ低級アルキル基、
1〜6個の炭素原子をもつ低級ハロアルキル基;または
フェニル、ナフチル、チエニル、フリルおよびピリジルよりなる群から選択される芳香族基;
あるいは
R24、R25、またはR26、R27は、酸素原子であり;
あるいは
R24、R25、またはR26、R27は、それらが結合している炭素原子と一緒に3〜7個の炭素原子をもつ飽和炭化水素環を形成している;
あるいはその異性体またはプロドラッグである。
【0090】
この化合物ファミリーに含まれ、本発明においてシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬として使用できる具体的物質には、N−(2−シクロヘキシルオキシニトロフェニル)メタンスルホンアミドおよび(E)−4−[(4−メチルフェニル)(テトラヒドロ−2−オキソ−3−フラニリデン)メチル]ベンゼンスルホンアミドが含まれる。
【0091】
本発明に使用できる好ましいシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬には、下記の各化合物が含まれる:ダルブフェロン(darbufelone)(Pfizer)、CS−502(Sankyo)、LAS 34475(Almirall Profesfarma)、LAS 34555(Almirall Profesfarma)、S−33516(Servier)、SD 8381(Pharmacia,USP6,034,256に記載)、BMS−347070(Bristol Myers Squibb,USP6,180,651に記載)、MK−966(Merck)、L−783003(Merck)、T−614(Toyama)、D−1367(Chiroscience)、L−748731(Merck)、CT3(Atlantic Pharmaceutical)、CGP−28238(Novartis)、BF−389(Biofor/Scherer)、GR−253035(Glaxo Wellcome)、6−ジオキソ−9H−プリン−8−イル−ケイ皮酸(Glaxo Wellcome)およびS−2474(Shionogi)。
【0092】
本発明の他の好ましい態様は、次式の化合物BMS−347070である:
【0093】
【化16】
前記S−33516に関する情報は、Current Drugs Headline News、http://www/.current−drugs.com/NEWS/Inflam1.htmにみられる(06/06/2001)。これにはS−33516はテトラヒドロイソインデ誘導体であり、シクロオキシゲナーゼ−1およびシクロオキシゲナーゼ−2に対してそれぞれ0.1および0.001mMのIC50をもつと報告されている。ヒト全血において、S−33516はED50=0.39mg/kgをもつと報告された。
【0094】
本明細書に引用したすべての参考文献、米国および他の国の特許または特許出願を、本明細書に記載したものとして援用する。
本明細書に示す説明および具体例は、本発明、その原理およびその実際の使用を当業者に知らせるためのものである。当業者は、個々の用途の要件に最適な多数の形態で本発明を適用および利用できる。したがって本明細書に示した具体的な本発明の態様を本発明のすべてまたは限定とみなすべきではない。
Claims (68)
- 対象において腸ポリープを治療または予防するための方法であって、ある量のポリペプチドおよびある量のシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬を対象に投与することを含み、その量のポリペプチドおよびその量のシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬が合わせて腸ポリープの処置に有効な量のポリペプチドおよびシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬を構成し、ポリペプチドが次式:
- ポリペプチドおよびシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害薬が単一組成物として存在する、請求項1に記載の方法。
- 組成物中のポリペプチドの濃度が少なくとも組成物の0.0001重量%である、請求項2に記載の方法。
- 組成物中のポリペプチドの濃度が少なくとも組成物の0.001重量%である、請求項2に記載の方法。
- 組成物中のポリペプチドの濃度が少なくとも組成物の0.01重量%である、請求項2に記載の方法。
- 組成物中のポリペプチドの濃度が少なくとも組成物の0.1重量%である、請求項2に記載の方法。
- 組成物中のポリペプチドの濃度が少なくとも組成物の1重量%である、請求項2に記載の方法。
- 対象が、腸におけるポリープの増殖に対して遺伝的素因を有すると判定されている、請求項1に記載の方法。
- 対象の腸においてポリープが確認されている、請求項1に記載の方法。
- 対象が腸癌を伴うことが確認されている、請求項1に記載の方法。
- 組成物中のポリペプチドの濃度が少なくとも組成物の0.0001重量%である、請求項2に記載の方法。
- 組成物中のポリペプチドの濃度が少なくとも組成物の0.001重量%である、請求項2に記載の方法。
- 組成物中のポリペプチドの濃度が少なくとも組成物の0.01重量%である、請求項2に記載の方法。
- 組成物中のポリペプチドの濃度が少なくとも組成物の0.1重量%である、請求項2に記載の方法。
- 組成物中のポリペプチドの濃度が少なくとも組成物の1重量%である、請求項2に記載の方法。
- 対象が、腸におけるポリープの増殖に対して遺伝的素因を有すると判定されている、請求項2に記載の方法。
- 対象の腸においてポリープが確認されている、請求項2に記載の方法。
- 対象が腸癌を伴うことが確認されている、請求項2に記載の方法。
- X1が、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、リシン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリンおよびトレオニンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X1が、グルタミン酸、アルギニン、リシン、セリン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミンおよびグリシンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X1が、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニンおよびリシンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X1がグルタミン酸である、請求項1に記載の方法。
- X2が、ロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリン、メチオニン、システイン、アラニン、ヒスチジン、プロリン、トレオニン、グリシン、アスパラギンおよびグルタミンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X2が、システイン、フェニルアラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、バリンおよびチロシンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X2が、ロイシン、イソロイシン、チロシン、バリン、メチオニンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X2が、ロイシンおよびイソロイシンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X2がロイシンである、請求項1に記載の方法。
- X3が、バリン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、システイン、アラニン、ヒスチジン、プロリン、トレオニン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X3が、バリン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、メチオニン、システイン、アラニン、ヒスチジンおよびプロリンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X3が、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニンおよびシステインよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X3がバリンである、請求項1に記載の方法。
- X3がイソロイシンである、請求項1に記載の方法。
- X4が、バリン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、システイン、アラニン、ヒスチジン、プロリン、トレオニン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X4が、バリン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、メチオニン、システイン、アラニン、ヒスチジンおよびプロリンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X4が、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニンおよびシステインよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X4がバリンである、請求項1に記載の方法。
- X5が、アラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、フェニルアラニン、プロリン、トレオニン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンである、請求項1に記載の方法。
- X5が、アラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、バリン、プロリン、トレオニン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X5が、アラニン、ヒスチジン、システイン、プロリン、トレオニン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X5がアラニンである、請求項1に記載の方法。
- X6が、トレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、チロシン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X6が、トレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、グリシン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X6が、トレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジンおよびグリシンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X6がトレオニンである、請求項1に記載の方法。
- X7が、グリシン、トレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン、アスパラギン、セリン、グルタミン酸およびアスパラギン酸よりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X7が、グリシン、トレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジン、システイン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X7が、グリシン、トレオニン、プロリン、アラニン、ヒスチジン、グルタミン、アスパラギンおよびセリンよりなるアミノ酸残基の群から選択される、請求項1に記載の方法。
- X7がグリシンである、請求項1に記載の方法。
- ポリペプチドがウログアニリンである、請求項1に記載の方法。
- ポリペプチドがヒトのウログアニリンである、請求項1に記載の方法。
- 組成物がプロウログアニリンを含む、請求項1に記載の方法。
- 組成物がヒトのプロウログアニリンを含む、請求項1に記載の方法。
- 組成物がグアニリンを含む、請求項1に記載の方法。
- 組成物がリンホグアニリンを含む、請求項1に記載の方法。
- 組成物がポリリンホグアニリンを含む、請求項1に記載の方法。
- 組成物が熱安定エンテロトキシンを含む、請求項1に記載の方法。
- 組成物が、対象の内因性プロテアーゼにより分解してウログアニリンになるポリペプチドを含む、請求項1に記載の方法。
- 対象の体重1kgにつき約0.5〜約2mgのポリペプチドを投与する、請求項1に記載の方法。
- 対象がヒトである、請求項1に記載の方法。
- ポリペプチドおよび1種類以上の薬理学的に許容できる非活性または生理活性佐剤希釈物を含有する医薬組成物としてポリペプチドを投与する、請求項1に記載の方法。
- X1がグルタミン酸であり、X2がロイシンであり、X3がイソロイシンであり、X4がバリンであり、X5がアラニンであり、X6がトレオニンであり、かつX7がグリシンである、請求項1に記載の方法。
- 対象の腸における癌を予防、阻害または治療するための方法であって、請求項1に記載の組成物を対象に投与することを含む方法。
- 対象の腸における癌を予防、阻害または治療するための方法であって、請求項2に記載の組成物を対象に投与することを含む方法。
- 組成物がウログアニリンを含む、請求項62に記載の方法。
- 組成物がウログアニリンを含む、請求項63に記載の方法。
- 組成物がプロウログアニリンを含む、請求項62に記載の方法。
- 組成物がプロウログアニリンを含む、請求項63に記載の方法。
- 対象の腸においてポリープの発生を遅延させ、ならびにポリープを予防、阻害または治療するための方法であって、対象の腸におけるグアニル酸シクラーゼ受容体GC−Cに結合するアゴニストペプチドまたは化合物を含む組成物をシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬と組み合わせて対象に投与することを含む方法。
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