JP2004520594A - 微生物アナライザにおける抗生物質感受性読み取り中の光学干渉を最小限にする方法 - Google Patents

微生物アナライザにおける抗生物質感受性読み取り中の光学干渉を最小限にする方法 Download PDF

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Abstract

微生物アナライザにおける抗生物質感受性読み取り中に光学読み取り経路内に生じる望ましくない気泡によって生じる光学干渉を最小限に抑える簡単かつ安価な方法を提供することにある。
検査アレイに収容されたサンプルについて、アレイを重力方向に向けることによって抗菌検査を実施し、その結果、マイクロウェル内の検査溶液が下に引かれ、マイクロウェル内の空気が検査アレイの最上方部分に押される。抗生物質検査は、気泡の部位でマイクロウェルを水平方向に通る問い合わせ放射線ビームを用いて行われる。

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、種々の機能ステーション間で移送するようにキャリアを使用数自動アナライザで使用するのに適した微生物検査アレイに関する。より詳しくは、本発明は、アレイ内のマイクロウェルに収容された液体に実施される光学測定との干渉から生じる望ましくない気泡を除去する手段を提供する。
【0002】
【発明の背景】
患者の診断、治療に関係した種々のタイプの検査は、生物学的サンプルの分析によって行い得る。患者の微生物を含んでいる生物学的サンプルが、患者の感染部、体液または膿瘍から採取され、代表的には検査パネルまたは検査アレイ内に設置され、種々の試薬と混ぜ合わされ、培養され、分析されて患者の治療の助けとする。患者サンプルの分析を容易にし、分析結果の精度、信頼性を手作業での分析よりも向上させるという健康管理施設その他の機関の必要性を満たすべく自動式生化学的アナライザが開発されている。しかしながら、これまでに変化する細菌属および新しく発見された抗生物質について、生化学検査の需要は、複雑さでも容量的にも高まっている。健康管理機関内の床面積の費用および不足ならびにより安いコストで臨床結果を得るという圧力に関連したこれら需要の増大のために、コスト効率の良い技術を使用して臨床医の負担最小限で作動する高度の自動化でコンパクトなアナライザ内で種々タイプの生化学検査を同時に実施することが重要になっている。
【0003】
重要な自動式微生物アナライザ・ファミリは、微生物の増殖を制御するのに効果のある抗生物質を決定する診断ツールとして機能する。これらの検査を実施する際に、生物学的サンプルから隔離した微生物の試験管内抗生物質感受性パターンが確認される。このようなアナライザは、歴史的に、選択した生化学物質を、希釈溶液内の既知の微生物に対する種々の抗生物質を収容するパネルまたはアレイにある複数の小さいサンプル検査ウェル内に入れていた。微生物に対して効果のある抗生物質の最低抑制濃度(MIC)が、アレイに作ったサンプル検査ウェル内での色変化、蛍光変化あるいは白濁度(混濁度)によって決定される。発生した信号パターンを点検することによって、MIC分析をコンピュータ制御式微生物アナライザによって実施し、再現性、処理時間短縮、転写エラー回避および実験室で稼働するすべての検査の標準化で利益を得ることができる。
【0004】
微生物検査トレイの使用およびMIC検査で使用される技術は、微生物の抗生物質感受性検査(AST)として良く知られている。AST検査は、本質的に、接種材料および増殖ブイヨン(ここでは、接種材料ブイヨン溶液と呼ぶ)を満たしたウェルを使用し、多数の種々の抗生物質または抗菌物質の濃度を増やすことでブイヨン希釈感受性検査である。代表的には、種々の抗菌物質は、色素産生パネル内でカルシウムおよびマグネシウムと共にMueller−Hintonブイヨンで希釈するか、あるいは、蛍光産生パネル内で蛍光産生化合物と共にオートクレーブ処理した水で希釈する。抗菌物質は、臨床的に重要なものを含む濃度まで希釈される。培養後、混濁度または蛍光度がウェル内で小さくなるか、存在しなくなる。この場合、これらのウェル内の抗生物質によって増殖が抑制されたことになる。アナライザは、各検査ウェル読み取り値を閾値と比較する。この閾値は、臨床的に有意な増殖に対応する或る種の相対吸光度または蛍光度のパーセンテージに対応する定数である。各抗菌剤のMICは、直接的には目に見える増殖として測定するか、あるいは、間接的には蛍光度の増加として測定する。
【0005】
コスト効率が良い自動式生化学的アナライザを設計するときに考慮しなければならない重要な課題としては、検査ごとに必要とされる試薬の量ならびに使い捨て式検査パネル、検査アレイのコストあるいは或る種の設計では遠心検査ロータのコストがある。小型であり、大量生産プラスチック射出成形技術を用いて製造できるので、自動操作を容易にし、使い捨て検査アレイの費用と最小限に抑えるためにAST検査を実施する多数のマイクロウェルを有する非常に小さい検査アレイを使用すると有利である。AST検査アレイは、代表的には、固体相および被検査サンプルを含む液体相を含む上述の生化学的反応のための反応容器として機能する或る種のアレイ内に整列させた複数の互いに隣接したマイクロウェルからなる。一定量のサンプルを、適切な抗生剤と共に各マイクロウェルに入れる。AST検査では、通常、観察可能な反応がサンプルと抗生物質試薬との間に生じるように検査アレイを或る期間にわたって制御温度で保温する。所定の時間間隔で、検査トレイの各マイクロウェルを、色、混濁度またはサイズの変化を示すかどうか点検する。
【0006】
必要な接種材料および/または試薬で多数のマイクロウェルを満たすには、いくつかの技術的な課題がある。これらの課題は、マイクロウェルのサイズが縮小するにつれてますます困難になる。これらの課題としては、充填の一様性、マイクロウェル内の溶液の整合性を維持すること、検査の観察を妨げる気泡の影響を最小限に抑えることなどがある。他の問題と一緒にこれらの課題を処理する努力がなされてきており、そこでは、一般的に、多数の相互接続した微小サイズ・チャネルを経て検査アレイ内のマクロウェルを充填する際に真空技術を使用する。この場合、光学的に検査しようとしている溶液から気泡を取り除くように特に形成した特徴を導入する。
【0007】
米国特許第5,932,177号が、代表的に生化学分析で使用されるような検査サンプル・カードを提供しており、そこでは、多数の同サイズの矩形サンプル・ウェルが設けてあり、複数のトラフ・チャネルによって流体を流し、カードの前後表面に沿ってサンプルの流体を流すようになっている。カードの位置、整合を検知するための一体の中断スロットとして高くなった気泡トラップが設けてある。
【0008】
米国特許第5,922,593号が、平らな表面の第1辺から延びる複数の半透明カップと、複数の端部開放式チューブを形成したシャシとを有する微生物検査パネルを開示している。このシャシは、平らな表面の第2辺に設けた複数の高くなった通路壁を包含し、これらの通路壁は、チューブの底端にある開口部を覆う通路を形成している。通路の一端には、接種材料が通路を貫いて流れることができるように開口部が設けてある。シャシは、さらに、平らな表面の第2辺から延びる端部開放チューブとして形成した空気連絡ポートを包含する。
【0009】
米国特許第5,746,980号が、対向した表面間に配置した流体吸入ポートおよびサンプル・ウェルを備えた検査サンプル・カードを開示している。流体チャネル網が、流体吸入ポートをサンプル・ウェルに接続しており、カードの前記第1表面に形成した導管によって気泡トラップがサンプル・ウェルのうちの少なくとも1つに接続している。気泡トラップは、カード・ボデーを貫いて部分的に延びるくぼみとして形成してあり、シーラント・テープで覆ってある。
【0010】
上記の説明からわかるように、微生物アナライザで使用される微少サイズ検査アレイ内の気泡の発生と関連した課題を簡単かつ安価に解決する光学検査技術の必要祭が残っている。特に、微生物アナライザにおける抗生物質感受性読み取り中に光学読み取り経路内に生じる望ましくない気泡によって生じる光学干渉を最小限に抑える簡単かつ安価な方法の必要性がある。
【0011】
【発明の概要】
本発明は、既知量の種々の抗生物質で予め満たした複数のマイクロウェルを有し、気泡トラップに頼ることなく光学検査領域から望ましくない空気を除去する方法を提供することによって上記の必要性を満たす。微生物検査アレイは、その上面に形成した開放レザバーに多数のマイクロチャネルによって接続した複数の上方へ突出するマイクロウェルを備えるほぼ平らな下面を有する。レザバーは、接種材料ブイヨン溶液を真空充填プロセス中にマイクロウェルの各々に流入さえ得る開口を有する。AST検査中、マイクロウェル内の検査溶液が下に引かれるために、検査アレイは、重力方向に対してほぼ「水平方向に向いており、その結果、マイクロウェル内の空気は検査アレイの最上方部分へ移動させられる。この水平位置において、AST読み取りが、気泡を欠いた部位でマイクロウェルを通して水平方向へ通過する問い合わせ放射線ビームを使用して行われる。ほぼ水平の位置を達成するために、検査アレイは、代表的には、当初上方に突出しているマイクロウェルの軸線をその初期整合位置に対してほぼ90度回転させるように動かされる。
【0012】
本発明のこれらおよび他の特徴、効果は、図面に関連して以下に述べる好ましい実施例についての詳細な説明を参照することによって最も良く理解して貰えよう。
【0013】
添付図面において:
図1は本発明を説明する自動微生物アナライザの概略平面図であり、図2は図1の自動微生物アナライザの概略立面図であり、図2Aは図1の自動微生物アナライザの別実施例の概略立面図であり、図3は図1のアナライザで使用できるAST検査アレイの頂面図であり、図4A及び4Bは図3のAST検査アレイの横断面図であり、図5は図3のAST検査アレイの底面図であり、図5Aは図2Aのアナライザで役立つAST検査アレイの別実施例の底面図であり、図6A〜6Dは図3のAST検査アレイを充填する際の図3のサンプル・ピペット操作・移送システムの機能を説明する図であり、図7は本発明で役立つASTアレイ・キャリアの斜視図であり、図8A〜8Dは図3のAST検査アレイを使用している液体サンプル充填プロセスを説明する図であり、図9A〜9Gは図3のAST検査アレイ内に空気を捕獲する一方法を説明する図であり、そして図10A〜10Cは図5AのAST検査アレイを使用している本発明の光学問い合わせプロセスを説明する図である。
【0014】
【好ましい実施例の詳細な説明】
図1は、本発明の自動ランダム・アクセス式微生物アナライザ10の実施例を概略的に示しており、このアナライザ10は、異なったAST検査を実施するようになっているAST検査アレイ12のオンボード群と、AST検査のために必要となり得るような異なった増殖媒質を提供するようになっている複数のブイヨン容器14(図2にも示す)と、異なったID検査を実施するようになっている複数のID検査ロータ16とを有する。異なったAST検査アレイ12の群は、異なった矩形の細長いAST検査アレイ・キャニスタ18においてアナライザ10内に維持される。ASTキャニスタ18は、回転可能なポスト20(以下、ASTキャニスタ・ポスト20と呼ぶ)に取り付けてある。ASTキャニスタ・ポスト20、ASTキャニスタ18およびAST検査アレイ12は、環境制御されるAST群室22(頂部は図1において煩雑さを避けて省略してある)内に収容されている。異なったAST検査アレイ12は、必要に応じて多数の異なった抗生物質または抗菌剤の濃度を増大させながら予め装填されており、医師の要求に応じて、患者のサンプル(ここでは、接種材料と呼ぶ)にAST検査を実施する。図2において、AST群室22は、ASTキャニスタ18をASTキャニスタ・ポスト20によって回転させて後述するASTアレイ・ディスペンサ84と整合させたとき、ASTキャニスタ18のうちの任意の1つに操作アクセスできるように設けた第1ドア23またはシール23を有する。AST群室22は、また、ASTキャニスタ18をオペレータがASTキャニスタ・ポスト20に装着できるように第2のドア27が有する。
【0015】
複数の異なったブイヨン・カップまたは容器14(図2、左側)は、異なった管状ブイヨン・キャニスタ24においてアナライザ10内にオンボード群として維持される。そして、ブイヨン・キャニスタ24は、回転可能な回転ラック26(以下、B/ID回転ラック26と呼ぶ)上に維持される。このB/ID回転ラック26は、回転して必要なブイヨン・キャニスタ24およびブイヨン容器14をブイヨン容器取り扱い装置108にあたえるようになっている。B/ID回転ラック26は、環境制御されたB/ID室28(図では、煩雑さを避けるべく頂部が省略してある)の中に収容される。AST検査中に増殖媒質として作用する多数の異なった標準ブイヨン溶液が、異なったブイヨン容器14に予め装填してある。図2において、B/ID室28は、その内部へ操作アクセスできるように開放位置にあるドア30を持って示してある。ブイヨン・キャニスタ24は、透明な材料で作ってあってもよいが、ブイヨン・キャニスタ24内に含まれる4つのブイヨン容器14を示すために切り欠いて示してある。
【0016】
同様にして、アナライザ10は、異なったID検査ロータ16のオンボード群を有し、これらのロータ16は、異なった管状IDキャニスタ32においてアナライザ10内に群として維持されており、このIDキャニスタ32は、B/ID室28内でB/ID回転ラック26上にブイヨン・キャニスタ24と共に維持されている。異なったID検査ロータ16は、種々の既知の微生物に対応する側手可能な反応信号の公知パターンを発生するように選んだ物質および試薬を予め装填してある。
【0017】
患者サンプルは、S/PTトレイ・モータ44によって回転させることができる回転可能な円形トレイ(S/PTトレイ38として公知である)の周縁付近に設置した多数のサンプル・チューブ・ホルダ36にある開口部内に設置された開放サンプル・チューブ34においてアナライザ10に与えられる。サンプル・チューブ・ホルダ36は、全体的に湾曲しており、各々、円弧を形成している。これらのサンプル・チューブ・ホルダ36のうちの4つは、図1でわかるように、回転可能なトレイ38上に支持されているが、任意数のサンプル・チューブ・ホルダ36を円形トレイ38上に装填できるように寸法決めしてもよい。従来のバーコード・リーダ35が、サンプル・チューブ・ホルダ36に近接して設置してあり、サンプル・チューブ34のアイデンティティを決定するようになっている。また、同様に、混濁度リーダ37が設置してあり、サンプル・チューブ34内の微生物有機体の濃度が所定範囲の許容値内にあることを確認するようになっている。サンプル希釈ステーション97もS/PTトレイ38に近接して設置してあり、これは、チューブ34内に担持されるサンプル液内の微生物濃度が許容範囲より高いことを混濁度リーダ37によって決定された場合にサンプル・チューブ34に含まれるサンプルを希釈するようになっている。
【0018】
S/PTトレイ38は、その最内方部分に設けた多数のピペット先端ホルダ40も支持している。ピペット先端ホルダ40は、全体的に細長く、湾曲した形状を持っていてもよい。各ピペット先端ホルダ40は、複数の使い捨てピペット42を保持するようになっている。これらピペット先端ホルダ40のうちの6つが図1に示してあるが、任意数のピペット先端ホルダ40をS/PTトレイ38上へ嵌合するようにしてもよい。S/PTトレイ38は、モータ44によって回転させ、ピペット先端42の任意のものおよび開放サンプル・チューブ34の任意のものをピペット操作装置46に与えるようにしてもよい。ピペット操作装置46は、ピペット先端ホルダ40から1つのピペット先端42を取り出し、このピペット先端42を開放サンプル・チューブ34に挿入し、既知量の患者サンプルをサンプル・チューブ34からピペット先端42に吸引するようになっている。ピペット操作装置46は、さらに、既知量の患者サンプルをピペット先端42からブイヨン容器14に計量分配するようにもなっている。
【0019】
S/PTトレイ38、ピペット操作装置46b/ID室28、AST群室22およびID培養・検査室48は、アナライザ10のための第1操作平面を提供する上方操作プレート11上方に支持されている。下方ベース・プレート13(代表的にはローラに装着してある)は、アナライザ10のための付加的な構造に対する第2操作平面を提供する。
【0020】
アナライザ10は、ID、AST検査に必要な2つの個別の培養・分析室を包含する。1つのID培養・分析室48が、図1の概略頂面図に示してあり、その最上方面を取り除いて内部を露出させてある。この内部には、IDロボット装置50が設けてあり、このIDロボット装置50は、IDキャニスタ32から異なったID検査ロータ16を取り出し、次いで、ID検査ロータ16をIDロータ充填・遠心分離装置52へおよびそこから移動させるようになっている。このIDロータ充填・遠心分離装置52は、ID培養室48と後述するサンプル・ピペット吸引・給送システム60の間で移動することができる。ロボット装置50の機能を実施する装置は、コンピュータ制御式ピックアンドプレイス・ロボット装置としてこの技術分野では周知のものである。
【0021】
図2において、ここには、AST培養・分析室70が示してあり、この培養・分析室70は、操作平面11下方に位置しており、ここでは、第1側面部分71を開いて内部を見せている。この内部において、多数の回転可能なAST培養ラック72が多数のASTキャリア74(図7)を支持している。ASTキャリア74は、後述するように、アナライザ10を通じて移送されるときに、多数のAST検査アレイ12を保持するようになっている。ASTキャリア移送装置76が、垂直方向に向いたAST移送ロッド83上に装着してあり、上方操作プレート11上方から下方ベース・プレート13上方まで移動できるようになっている。このASTキャリア移送装置76は、それが1つだけしかないにもかかわらず、説明のために、図2において最上方位置、最下方位置に示してある。操作プレート11上方の最上方位置において、図1に最も良く示すように、ASTキャリア移送装置76は、ASTキャリア移送部78に運ばれたASTアレイ・キャリア74にアクセスし、操作プレート11にあるAST移送開口部81を通してASTアレイ・キャリア74を下降させることができる。最下方位置において、ASTキャリア移送装置76は、後述する下方ベース・プレート13上に位置するAST真空充填ステーション82内へASTアレイ・キャリア74を置くようになっている。
【0022】
図3は、ASTアレイ12の上方頂面120を、後述する相対的に構成した特徴を含むように示しており、図5は、ASTアレイ12の下方底面122を、比較的平らであるように示している。審査中の米国特許出願第09/795823号に記載されているように、各ASTアレイ12は、細長い長さを有し、アレイ12の長さに対して平行な線形列の個別マイクロウェル124として底面120に形成した複数の上方へ突出するASTマイクロウェル124を有する。頂面120および底面122は、対向した表面であり、へこんだ側壁126および反対側の側壁128によって隔離してある。検査アレイの底面122には、犠牲蒸発ウェル132が形成してあり、これは、底面122の開放部分から上方へ突出し、マイクロウェル124の列とレザバー134との間に配置してある。蒸発ウェル132は、第1のマイクロチャネル130によってレザバー134に接続している。蒸発ウェル132は、検査アレイの頂面120に近接して閉じたドーム型上方ウェル面136を有し、そこには、図3のB−B線に沿った横断面を示す図4Bでわかるように、蒸発ウェル132のドーム型上方ウェル表面136の開口としてシール可能な真空ポート138が形成してある。マイクロウェル124は、全体的な形状として、図3のA−A線に沿った横断面を示す図4Aに示すように、底面122から上方へ突出する閉じたウェルを有し、これらのウェルの深さはアレイ12の厚さの約3/4となっており、それらの開口が、アレイ12の底面122に沿って配置してある。図4Aは、各マイクロウェル124が、その中央頂面150を通ってアレイ12のベース122から上方へ突出している中心軸線X−Xを有する状態を示している。AST検査アレイ12がアナライザ10を通じて移送されるとき、各マイクロウェル124の中心軸線X−Xは、重力の方向に沿ってほぼ垂直の向きとなる。図10と関連して後述するように、図5Aの各マイクロウェル124の中心軸線X−Xは、AST検査中、水平方向に向いていてもよい。
【0023】
図4Aは、アレイ12の頂面150、へこんだ側壁126の丸くなった端壁部分152、へこんだ側壁126の平らな端壁154および2つの平行な側壁156を有するものとしてマイクロウェル124を示している。端壁152、154の両方は、アレイ12の下方底面122に対してほぼ垂直に形成してあり、2つの平行な側壁156によって隔離してある。不規則な頂面150、平らな端壁部154および丸くなった端壁部152は、小さいAST反応室158を構成するように協働する。一実施例において、頂面150は、接種材料ブイヨン溶液がレザバー134から犠牲ウェル132および検査マイクロウェル124に計量分配されたときに発生する可能性のある気泡についての気泡トラップ160として機能するAST反応室158のくぼんだ頂縁部分160を形成する形状となっている。ここで、マイクロウェル124がここに説明したような形状となっており、接続用のマイクロチャネル143を気泡トラップ160を横切ってマイクロウェル124の対向面に設けたとき、マイクロウェル124をスチレンのような実質的に親水性の材料で作った場合、気泡トラップ160が気泡を捕らえるのに効果的であることが発見された。また、このような配置の場合、接種材料ブイヨン溶液がマイクロウェル124に流入するにつれて、マイクロウェル124内に残っている空気が膨張する接種材料ブイヨン溶液によって追い出され、AST反応室158の重要な上方中央領域になんら捕獲されたエアポケットを残すことがないということも観察された。このような充填状態が図8A〜Dに示してある。
【0024】
典型的な実施例において、上方頂面120および下方底面122は、約0.3〜0.4インチ幅であり、へこんだ側壁126は、高さ約0.2〜0.25インチであり、そして、検査アレイ12の長さ寸法は、約2.5〜3.0インチである。このような実施例において、マイクロチャネル42は、約0.010〜0.020インチの幅および深さを持つサイズとなる。好ましくは、AST検査アレイ12は、スチレンのような成形可能なプラスチック材料で作るが、他のタイプの材料を使用してもよい。最も好ましくは、アレイ12を構築するのに使用される材料は、ほぼ半透明であり、微生物アナライザ10のAST検査中に、マイクロウェル124を透過する光を妨げないようにしてあるとよい。
【0025】
一実施例において、図9A〜9Gと関連して後述するプロセスを使用した場合、AST検査は、各マイクロウェル124の頂面150の上方中央円弧部分157を通して各ASTアレイ12の上方あるいは下方から問い合わせ放射線ビームを送り、各マイクロウェル124の下方あるいは上方に設置した比色測定あるいは蛍光測定用の光電検出器を使用して吸光度または色の変化度あるいは蛍光信号の発生度を測定することによって達成し得る。図5のAST検査アレイ12の軸線X−Xは、このAST検査中、ほぼ垂直方向に向いている。この理由のために、すべてのマイクロウェル124の頂面150の上方中央部157およびすべてのマイクロウェル124の頂面150の下方中央部159(共にマイクロウェル軸線X−Xと交差している)は、SPI#A−1グレード#3ダイヤモンド・バフと同等かあるいはそれよりも滑らかな表面仕上げ平滑度を有し、光学干渉を最小限に抑えるように成形される。
【0026】
犠牲蒸発ウェル132(図4Bに最も良く示す)は、接種材料ブイヨン溶液の犠牲蒸発が生じ得る蒸発室148を提供するように設計してあり、それによって、マイクロウェル124からの溶液の蒸発を抑制できるようになっている。マイクロウェル124からの蒸発は、それがまず短いマイクロチャネル130内から生じ、次いで、犠牲蒸発室148から生じてから長いマイクロチャネル142およびマイクロウェル124から生じなければならないために、抑制される。蒸発室148は、さらに、シール可能な真空ポート138を提供し、それを通してマイクロウェル124内の空気が吸引され得、その結果、吸引時にマイクロウェル124がレザバー134内のブイヨンを通して気泡を発生させることがなく、接種材料ブイヨン溶液内に気泡を発生させることがない。吸引後、真空ポート138は、シールしてレザバー134からマイクロウェル124内への接種材料ブイヨン溶液の流れを生じさせる。
【0027】
図5に示すように、第1のマイクロチャネル130がアレイ12の底面122に開放溝として形成してあり、これは、蒸発ウェル132を図3に最も良く示す頂部開放型矩形の接種材料ブイヨン収容レザバー134に接続する。レザバー134は、図5に点線で示す閉じた底を有する。レザバー134の底の一端は、図5に示す流れ開口140を有し、レザバー134の開放頂部に給送された接種材料ブイヨン溶液がレザバー134から第1のマイクロチャネル130を通って、まず、犠牲蒸発ウェル132に流れ、そして、そこから第2のマイクロチャネル142に流れ、次いで、そこから多数の接続マイクロチャネル143を通って一連のマイクロウェル124の各々に流れることができる。第1、第2のマイクロチャネル130、142の開放表面部分、接続マイクロチャネル143、流れ開口部140、犠牲蒸発ウェル132およびアレイ12の底面120に沿ったマイクロウェル124は、製造プロセス中に接着剤フィルム層でシールすることによって閉じてある。製造プロセスにおいては、臨床的に重要な抗生物質を異なったマイクロウェル124内に入れるが、犠牲蒸発ウェル132には入れない。オプションとして、1つのマイクロウェル124を空のままに残し、光学分析時に基準信号を発生させるのに使用してもよい。
【0028】
ASTアレイ・ディスペンサ84が図1に示してあり、これは、AST室22とASTアレイ・キャリア74との間に配置してある。ASTアレイ・ディスペンサ84は、ASTキャニスタ18からAST検査アレイ12を単一の流れの形で取り出し、ASTアレイ・キャリア74(図7)内に形成した空のASTアレイ・スロット86内にASTアレイ12を設置するようになっている。ASTアレイ12は、初期の垂直方向向きでASTアレイ・キャリア74に装填される。このとき、各マイクロウェルの中心軸線X−X(図4Aに示す)は垂直方向に向いている。図2Aおよび10A〜Cに関連して後述するように、AST培養、検査中、ASTアレイ・キャリア74は、ほぼ水平の向きに再位置決めされ、そこにおいて、各マイクロウェルの中心軸線X−Xがその初期垂直方向向きから約90度に回転させられ、問い合わせ放射線ビームの経路内に位置する気泡を上方へ、そして、光学読み取り経路から移動させる。ASTアレイ・ディスペンサ84は、スロット86がASTキャリア移送部78によって第1ASTアレイ12の長さ寸法と整合したときに、整合手段および片寄せ手段と共に作動して、ASTキャニスタ18の任意のものから空の平行なスロット86へ最下方のAST検査アレイ12を正確に整合、排出させる放出手段を包含する。このとき、第1ASTアレイ12は、医師の考える第1AST検査を実施するのに必要な抗生物質を収容している。第1のAST検査アレイ12を第1の平行スロット86に装填した後、ASTキャリア移送部は、ASTアレイ・ディスペンサ84に対して段階的にASTアレイ・キャリア74を割り出し、ASTアレイ・キャリア74内の第2の空の平行スロット86と整合させる。ASTアレイ・ディスペンサ84に対してASTアレイ・キャリア74を移動させると同時に、ASTキャニスタ・ポスト20が回転し、ASTアレイ・ディスペンサ84に、医師の考える別のAST検査を実施するのに必要な適切な抗生物質を予め充填した特定のAST検査アレイ12を収容する別のASTキャニスタ18を与える。
【0029】
ASTアレイ・ディスペンサ84は、次いで、第2のキャニスタ18内の最下方AST検査アレイ12をASTアレイ・キャリア74内の第2の空の平行スロット86内へ押し込むように作動する。ASTアレイ・ディスペンサ84は、ASTキャニスタ・ポスト20の回転と関連してこの作業を継続し、最終的に、医師の考える異なったAST検査のすべてを実施するのに必要な数の異なったAST検査アレイ12がASTキャリア74上に装填される。入力する患者サンプルには識別用記号のバーコードが付けてあり、これから、達成しようとしているAST検査をCPU15によって確立することができる。
【0030】
ブイヨンは、代表的に4つの異なったタイプのブイヨンを収容する予充填済みのブイヨン容器16においてアナライザ10に供給される。CPU15は、必要なAST検査を実施するのに必要なタイプのブイヨン容器16を自動的に識別し、B/ID回転ラック26を回転させて必要なブイヨン容器14をブイヨン容器取り扱い装置108に与え、したがって、ピペット操作装置46に与えるようにプログラムされている。上記したように、ピペット操作装置46は、サンプル・チューブ34からの既知量の接種材料を取り出し、渦型ミキサーを使用して接種材料およびブイヨンを混合する位置46cでブイヨン容器14へ接種材料を入れ、次いで、ブイヨン容器14から接種材料ブイヨン溶液を吸引し、個々の検査アレイ12の前記接種材料ブイヨン・レザバー134に入れるようになっている。
【0031】
代表的な実施例においては、10もの多くのAST培養ラック72がAST培養・分析室70内に収容され、また、20もの多くのASTキャリア74が、各AST培養ラック72内の対の棚73によって支持されている。最上方対の棚は、廃棄部(図示せず)に移動すべき使用済みのASTキャリア74について予約されている。ASTアレイ・リーダ90が、AST培養ラック72の周縁に近接してAST培養室70内に設置してあり、これは、複数対のAST培養支持棚73(図2)の任意の1つからあるいは交互に支持スロット77(図2A)から単一のASTアレイ・キャリア74を取り出し、ASTアレイ・キャリア74によって担持されたAST検査アレイ12内に収容されたサンプル上にAST光学分析を実施するようになっている。AST光学分析が完了した後、ASTアレイ・リーダ90は、同様に、AST培養ラック72内の当初の位置へASTアレイ・キャリア74を戻すようになっている。ASTリーダ90は、一対の垂直方向の軸92上に装着してあり、AST培養室70内の次の最上方、最下方ASTアレイ・キャリア74間で移動することができ、AST培養・分析室70内のすべてのASTキャリア74を検査のためにすべてのAST培養ラック72から取り出すことができる。各AST培養ラック72は、回転可能なプラテン91に取り付けてあり、その結果、すべてのASTキャリア74を光学分析の必要に応じてASTリーダ90に与えることができる。
【0032】
米国特許第4,448,534号(本発明の譲受人に譲渡されている)が、アナライザ10で使用されるASTリーダ90の代表である、液体サンプルへ光学濃度検査を実施するためのスキャン装置を記載している。この米国特許の装置は、いくつかの異なった液体サンプルを収容しているマルチウェル式検査装置の各ウェルを自動的に電子走査する光学検査システムを包含する。そこから放射された2つの問い合わせ放射線ビームが、後述するように2つの同心円に配置した複数のAST検査ウェルを通って対向するアレイの感光セルに通過する。各検査ウェルに1つの感光セルが設けてある。問い合わせ放射線ビームの強さはモニタすることができ、関連した電力源は、フィードバック機構を使用して安定した強度を維持することができる。オプションとして、放射線を受ける較正用ウェルあるいは比較検査ウェルも設ける。検査アレイが放射線源と感光セル・アレイとの間を通過するとき、電子装置が、アレイ内のすべての検査ウェルのスキャンを順次に完了する際に各検査ウェルから発する光学信号を読み取る。こうして生じた信号は、比較セルからの信号と他の信号または保存データと比較され、AST決定が行われ、次いで、CPU15内に記録され、表示あるいはプリントアウトされる。上記タイプのシステムは、Dade Behring Inc., Deerfield, IIIによってWalkAway(登録商標)の下に販売されているものに類似している。
【0033】
図7に示すように、ASTアレイ・キャリア74には、多数の個別の平行な開放スロット86が形成してある。各スロット86は、キャリア74のキャリア・ベース75に形成された細長い光学リーダ開口部94を有し、上記の光学測定を容易にしている。リーダ開口部94は、問い合わせ放射線ビームが後述するAST検査アレイ12にある複数のマイクロウェルを通過できるようなサイズ、形状となっている。ASTアレイ・キャリア74は、さらに、キャリア74のベース75に形成した切り欠き96および面取り縁101溝と、高くなったフランジ100に形成した一対の面取り縁98とを有し、アナライザ10を通じてASTアレイ・キャリア74を確実に移送するのを容易にしている。されに加えて、これらの特徴、すなわち、切り欠き96および面取り縁98、101)は、高くなったフランジ100と係合する止めに向かってキャリア74を押圧するようになっている、切り欠き96のところにある片寄せ手段によって光学分析のためにキャリア74を正確に移送し、位置決めするのに使用される。スロット86が、キャリア・ベース75から上方へ延びる多数の光学的に不透明なレール87によってこうせいしてあり、これらのレール87は、ASTアレイ・キャリア74を安定かつ確実な位置に維持するのに役立つ。ASTアレイ・キャリア74は、必要に応じて、アナライザ10を通じてASTアレイ・キャリア74を移動させるのを容易にすべくベース75に形成したハンドル99を有する。
【0034】
図2Aの実施例において、ASTキャリア移送装置76は、下方ベース・プレート13上の真空充填ステーション82とAST培養・分析室70内の最上方培養支持スロット77との間から垂直方向へ移動できるようになっている。ASTキャリア移送装置76は、さらに、真空充填ステーション82からASTアレイ・キャリア74を取り出し、装填したASTアレイ・キャリア74を90度回転させるようになっており、その結果、担持されたASTマイクロウェル124の中心軸線X−Xがほぼ水平方向の向きとなり、これらの水平方向向きのASTマイクロウェル124を担持しているASTアレイ・キャリア74を、AST培養・分析室70内にある複数の開放培養支持スロット77内へ挿入することができる。開いた第2側部79が、AST培養・分析室70の外壁に形成してあり、ASTキャリア移送装置76からAST培養ラック72への移送を容易にしている。
【0035】
アナライザ10は、多機能サンプル・ピペット操作・給送システム60を包含しており、これは、ピペット操作装置46を使用してピペット先端ホルダ40からピペット先端42を取り出し、サンプル・チューブ・ホルダ36内に保持された開放サンプル・チューブ34から既知量の液体サンプルを吸引し、吸引したサンプルの一部あるいはすべてを、ブイヨン容器14またはID検査ロータ16のいずれかあるいはこれら両方に充填する。ピペット操作装置46は、代表的には、CPU15によって制御されるようなステッパモータ・リードスクリュウによって以下の位置の間を移動させられるようになっている。すなわち、1.ピペット先端62にアクセスするための第1位置(46aで示す)、2.サンプル・チューブ34からサンプルを吸い込むための第2位置(46bで示す)、3.ブイヨン容器14へ既知量のサンプルを充填し、次いで、ブイヨン容器14から既知量の混合済みサンプル・ブイヨン溶液を吸い出すための第3位置(46cで示す)、4.AST検査アレイ12に既知量の混合サンプル・ブイヨンを充填するための第4位置(46dで示す)、5.ID検査ロータ16に既知量のサンプルを充填するための第5位置(46eで示す)である。
【0036】
サンプル・ピペット操作・給送システム60は、位置46a、46b、46c、46dおよび46eの軌跡Lによって構成される線形経路に沿って、2つ互いに反対の方向に移動する。アナライザ10のこの特徴は、ピペット先端ホルダ40内のピペット先端42、サンプル・チューブ・ホルダ36内のサンプル・チューブ34、ブイヨン容器14、ASTアレイ・キャリア74内のAST検査アレイ12および充填・遠心分離装置52内のIDロータ16間のピペット操作装置46の移動を簡単にする。位置46a、46b、46cおよび46eは、軌跡Lに沿った固定位置であるが、図6と関連して説明したように、位置46dは、多数の位置であり、そこにおいて、サンプル・ブイヨン溶液がASTアレイ12内のレザバーへ充填されてアレイ12を満たす。
【0037】
サンプル・ピペット操作・給送システム60は、さらに、前記ピペット操作装置46b/ID回転ラック28からブイヨン容器14を取り出し、ピペット操作装置46にこのブイヨン容器14を与えるようになっているブイヨン容器取り扱い装置108、ID培養および分析室48からID検査ロータ16を取り出し、このID検査ロータ16をピペット操作装置46に与えるようになっているIDロータ充填・遠心分離装置52を包含する。IDロータ充填・遠心分離装置52は、さらに、ピペット操作装置46に与えた後、装填済みのID検査ロータ16をID培養室48へ戻すようになっている。IDロータ充填・遠心分離装置52は、さらにまた、サンプルを充填した後にID検査ロータ16を回転させて遠心分離を行い、ピペット操作装置46によって充填したサンプルを均一に分布させる用になっている。ピペット操作装置46の機能を実施するようになっている装置は、一般的に知られているものであり、代表的には、ステッパモータ・リードスクリュウ、真空作動式液体サンプル吸引/充填システム、下端にテーパ付きピペット先端マンドレルを有する垂直方向線形駆動部を包含し、このマンドレルは、ピペット先端42内へ締り嵌めするようなサイズとなっている。
【0038】
図6A〜6Dは、図5のAST検査アレイを充填する際の、図3のサンプル・ピペット操作・移送システム60の動作を示しており、ピペット操作装置46によってサンプル・チューブ34から吸い込んだ液体サンプルをAST検査アレイ12およびAST検査マイクロウェル124に高速充填する状態を示すために簡略化してある。図6Aから始めて、ここには、AST検査アレイ12を部分的に装填してあり、ASTアレイ・キャリア・ベッド80B上に支持されたASTキャリア74が、ASTキャリア移送装置76とASTアレイ・ディスペンサ84との間に位置して示してある。図6A〜6Dにおいて、2つの同一のASTアレイ・キャリア・ベッドが、説明のために80A、80Bで示してある。ASTアレイ・キャリア・ベッド80Aは、図6Aにおいては空として示してある。上述したように、ASTアレイ・ディスペンサ84は、ASTキャニスタ18からAST検査アレイ12を単一の流れの形で取り出し、そして、ASTキャリア74がCPU15によって制御されるなどしてASTアレイ・キャリア・ベッド80Bによって担持される第1方向(説明の目的で図6Aにおいて矢印「上向き」で示してある)に沿って前進するにつれて、ASTキャリア74内に形成された多数の空のASTアレイ・スロット86内にASTアレイ12を連続的に置くようになっている。「上向き」移動方向矢印(以後、「上向き方向」と呼ぶ)で示したように、空のASTキャリア・ベッド80Aは、部分的にAST検査アレイ12を装填されたASTアレイ・キャリア・ベッド80B上のASTキャリア74の「前方」に示してある。説明を明確にするために、ASTアレイ・キャリア移送部78は、図6Bに点線で1つだけ示してあり、ASTキャリア移送部78が図6A〜6Dの各々にあるとしても、その2つの移動方向は、双頭矢印で示す。
【0039】
図6Bは、ASTキャリア74にASTアレイ12を装填する次の段階を示しており、ここでは、第4のASTアレイ12がASTアレイ・キャリア74に装填されつつある。ブイヨン容器14から或る量の接種材料ブイヨン溶液を吸い出したピペット操作装置46は、位置46dにあり、既知量の接種材料ブイヨン溶液を、ASTアレイ・キャリア74に装填した第1のAST検査アレイ12のレザバー134内に充填する。前述したように、ピペット操作装置46は、サンプル、ブイヨンを適正に混ぜ合わせた後にブイヨン容器14から既知量の接種材料・ブイヨン溶液を吸引する第3位置46cと、AST検査アレイ12に既知量のサンプルおよびブイヨンを充填する第4位置46dとの間でCPU15によって制御される。ピペット操作装置46は、必要に応じて「上方へ」または「下方へ」ASTアレイ・キャリア74を「追跡」し、ASTアレイ・キャリア74によって担持されたすべてのAST検査アレイ12内へ接種材料ブイヨンを充填し、ASTアレイ12を固定位置(単数または複数)で充填することを不要にしている。
【0040】
このプロセスは、必要数のASTアレイ12をASTアレイ・キャリア74内に形成されたASTアレイ・スロット86に装填するまで続けられる。この段階で、ASTアレイ・キャリアの移動方向は、「上向き」方向と反対の方向、すなわち、図6Cに「下向き」の移動方向矢印で示す方向に反転する。ASTアレイ・キャリア移送部78は、空のASTアレイ・キャリア・ベッド80AがASTキャリア移送装置76と整合するまで下向きの移動方向へ移動し続ける。このこの段階(図6D)で、ASTアレイ・キャリア移送部78は停止させられ、そして、空のASTキャリア74が、ASTキャリア移送装置76によってASTアレイ・キャリア・ベッド80A上に移動させられる。この段階で、ASTアレイ・キャリア移送部78の移動方向は、「上向き方向」に再度反転し、空のASTアレイ・キャリア74が、ASTキャリア移送装置76によって、AST培養・分析室70内で利用できるようにした多数の同様の空ASTキャリア74から得られる。この間、ピペット操作装置46は、ASTアレイ・キャリア74を「追跡」し続け、すべてのASTアレイ12が満たされるまで、「移動」位置46Dで、ASTアレイ・キャリア74上のAST検査アレイ12へ既知量の接種材料ブイヨンを充填し続ける。この「上向き」方向の移動は、すべての充填済みのASTアレイ12を有するASTアレイ・キャリア74がASTキャリア移送装置76と整合するまで継続し、この段階(図示せず)で、ASTアレイ・キャリア移送部78が停止し、ASTキャリア移送装置76がASTアレイ・キャリア・ベッド80BからASTアレイ・キャリア74を取り出し、このASTアレイ・キャリア74を操作プレート11にあるAST移送開口部81を通して最下方位置へ下降させる。この位置において、ASTキャリア移送装置76が、下方ベース・プレート13に位置したAST真空充填ステーション82内へASTアレイ・キャリア74を充填する。ASTアレイ・キャリア74をAST真空充填ステーション82に充填した後、ASTキャリア移送装置76は、AST移送ロッド83に沿ってAST培養ラック72まで垂直方向に移動し、AST培養・分析室70からAST培養室60の外壁に形成した開放側部74を通して未充填ASTキャリア76を取り出す。
【0041】
ピペット操作装置46によるASTキャリア74上へのASTアレイ12の装填は、ASTアレイ・キャリア74がすべての充填済みASTアレイ12を含むまでこのプロセスで続けられ、この段階で、ASTアレイ・キャリア74が、ASTキャリア移送装置76によって取り出され、ASTアレイ・キャリア移送部78の移動方向が再び「上向き方向」へ反転し、その結果、80B上の未装填ASTアレイ・キャリア74が、次に、ASTアレイ・ディスペンサ84によってASTアレイ12を装填され得る。このASTアレイ・キャリア74装填プロセスは、未充填ASTアレイ12がASTアレイ・キャリア74上に位置すると直ちに開始し、ピペット操作装置46がAST検査アレイ12に接種材料ブイヨンを充填し始める。この状況は、図6AのASTアレイ装填・充填段階を正確に繰り返され、図6A〜6Dに示すASTアレイ12充填段階が必要に応じて繰り返され得る。
【0042】
アナライザ10の作動中、検査しようとしている患者サンプルは、バーコード式に識別記号を付けられ、この識別記号から、行おうとしているID、AST検査を識別することができる。アナライザ10は、適切なサンプル・試薬取り扱いプロトコルを自動的に実施するように周知のコンピュータ・ベース・プログラミング・ツールを使用してプログラムされる。コンピュータCPU15は、こうして、必要なAST検査を完了するのに必要な異なったAST検査アレイ12、ブイヨン容器14の数を自動的に決定する。ASTキャニスタ・ポスト20は、自動的に回転させられて、必要なAST検査アレイ12を含むASTキャニスタ18をASTアレイ・ディスペンサ84に与え、これらのAST検査アレイ12をASTキャリア74に装填し、種々の充填、培養、検査ステーションへ移送することができる。
【0043】
図6A〜6Dに示すピペット操作プロセスを用いて、充填済みのASTアレイ12は、ASTキャリア移送装置76によってアレイ充填ステーション82へ移送され、そこにおいて、接種材料ブイヨン溶液が真空充填手段を使用して個々のアレイ12内のすべての検査マイクロウェル124に給送される。マイクロウェル124を検査しようとしている接種材料ブイヨン溶液で満たすために、ピペット操作システム46は、図6A〜Dと関連して説明したように、ASTキャリア74上に担持された各AST検査アレイ12内のレザバー134に所定量の接種材料ブイヨン溶液を計量分配する。レザバー134のすべてに接種材料ブイヨン溶液が充填されたとき、ASTキャリア移送装置76は、ASTアレイ・キャリア74をASTアレイ真空充填ステーション82へ移動させ、そこにおいて、クラムシェル状の真空室が、ASTアレイ・キャリア74を覆うように下降させられ、真空がそこに担持されたすべてのAST検査アレイ12に適用される。AST検査アレイ12の検査ウェルを満たすのに用いられる真空充填ステーション82は、この技術分野では一般に知られたものであり、代表的には、AST検査アレイ12内に真空を発生させたり、解除させたりする手段を包含し、一般的には、真空ポンプ、適当な真空制御弁、空気フィルタおよび圧力トランスジューサからなる。これらの圧力トランスジューサは、CPU15によって制御されて、シール可能な空気ポート138がシールされ、AST検査アレイ12が大気圧に開放されたときに、過剰量の気泡を形成させないように真空を適用したり、解除したりする。真空が検査アレイ12まわりに適用されたとき、空気がシール可能な真空ポート138を通してすべてのASTマイクロウェル124から除去される。この真空ポートは、マイクロチャネル142、143によって個別のASTマイクロウェル124と流体連通している。この吸引プロセス後に、熱源を所定時間にわたって真空ポート138と接触させ、真空解除時に空気流に対してポート138をシールする、あるいは閉じることができる。ひとたびポート138をシールしたならば、真空室内の真空が解除される。あるいは、弾性ストッパを蒸発ウェルと別の空気ポートに押しつけてもよい。レザバー134内の接種材料ブイヨン溶液にかかる大気圧は、接種材料ブイヨン溶液を、開口140を通してマイクロチャネル130、142、143に流入させ、それによって、犠牲蒸発ウェル132を充填し、また、ASTアレイ・キャリア74によって担持されたAST検査アレイ12の各々にあるすべてのマイクロウェル124に流入させる。マイクロウェル124に接種材料ブイヨン溶液を充填したとき、室158内に捕らえられた空気は、マイクロウェル124内の気泡トラップとして作用するくぼんだ頂縁部分160に流れることになる。
【0044】
AST検査アレイ12は、真空充填ステーション82から取り出された後、ASTキャリア移送装置76によって分析・培養室70へ移送される。AST検査は、各ASTアレイ12の上方あるいは下方から各マイクロウェル124の頂面150の研磨した中央円弧部分157を通る問い合わせ放射線ビームを使用し、各マイクロウェル124の下方あるいは上方に位置した比色測定あるいは蛍光測定用の光電検出器を用いて吸光度、色変化度あるいは蛍光信号の発生度を測定することで、ASTアレイ・リーダ90によって分析・培養室70内で行うことができる。本発明の第1実施例において、AST検査の前に、望ましくない気泡がマイクロウェル124に含まれる液体に行われる光学測定と干渉しないようにするため、図9A〜9Gに示すようのプロセスを行うとよい。図9Aは、図8A〜8Dの真空充填プロセス中に、気泡トラップ160内に捕らえられないエアポケットあるいは気泡160Aを示している。
【0045】
ここで、このような望ましくない気泡160Aが、第1方向(図9B)へASTアレイ12を傾け、気泡トラップ160内に捕らえられた気泡を外に移動させ、マイクロウェル124の上面に沿って位置する気泡160Aを移動させ、次いで、たとえば、図9Cに双頭矢印で示す水平面内で前後に動かすことで攪拌し、すべての空気をトラップ160の位置に対向する上方マイクロウェル角隅161(図9Eに示す)へ移動させ、それによって、マイクロウェル124内のすべての気泡160Aを気泡トラップ160(図9F)に捕らえることによって排除し得ることが発見された。検査前に、アレイ12は、その当初の位置(図9G)に戻される。本実施例において、検査中、そして、図9A−9Gのプロセス後に、ASTアレイ12は、マイクロウェル軸線X−Xがほぼ垂直方向に向き、問い合わせ放射線ビームが図2のアナライザ10における図5のマイクロウェル124の上方あるいは下方から軸線X−Xに沿って通過するような向きとされる。
【0046】
図10A〜Cに示す本発明の別の実施例において、アレイ12を真空充填ステーション82から除去し、分析・培養室70へ移送した後、AST検査アレイ12が、90度だけ再方向付けされ、マイクロウェル軸線X−Xがほぼ水平の向きとされる。(図10A、10Cにおいて上向きを示す矢印は、重力の方向で定まる垂直方向にある。)図2Aは、開放支持スロット77における多数の垂直方向向きのASTキャリア74を支持し、多数のAST検査アレイ12を再方向付け位置に保持し、各マイクロウェル124が図10Cに示すように水平方向向きのマイクロウェル軸線X−Xを有する用になっている回転可能なAST培養ラック72を有するAST培養・分析室70を示している。培養中の所定時間間隔で、ASTキャリア74は、ロボット手段(図示せず)によってこれの再方向付け位置(図10Aに概略的に示す)おけるASTアレイ・リーダ90内へ移動させられる。図10Bは、図10AのASTアレイ12の頂面図を示しており、また、ASTキャリア74内に支持されたASTアレイ12における各マイクロウェル124の軸線X−Xに沿った問い合わせ放射線ビームを発生させ、捕獲するようになっている普通の放射線源170を概略的に示している。図10Cは、個別のマイクロウェル124の拡大概略図であり、ほぼ水平方向に向いたASTマイクロウェル124の軸線X−Xに沿って通過し、放射線光電池172によって捕獲された問い合わせ放射線168を示している。AST読み取り中、ASTアレイ12の最も左のマイクロウェル124が同時に読み取られ、放射線源170および放射線検出光電池172が、次に、マイクロウェル124のアレイに沿って左から右へ段階的に移動させられ(図10Bの破線矢印で示す)、AST検査読み出しを行うようにそれぞれの連続したマイクロウェルのところで停止させられる。このようにして、個別のアレイ12における次の隣接したマイクロウェル124からのクロストーク信号が最小限に抑えられる。前述したように、次の隣接したASTアレイ12は、次の隣接したASTアレイ12から、ASTキャリア74のキャリア・ベース75から上方へ延びる光学的に不透明なレール87によって互いから隔離されており、クロストーク信号を最小限に抑えることができる。
【0047】
本発明のこの好ましい実施例においては、ASTマイクロウェル124の水平方向向きにより、マイクロウェル124内に溶液に作用する重力が、マイクロウェル124内に収容された検査溶液159内に閉じ込められた任意の気体に作用する重力よりも大きくなる。その結果、検査溶液は、重力によって下方へ引かれ、マイクロウェル124内に残っているより軽い気泡を最上方側壁156から排出させ、最上方側壁156に向かって上方へ移動させ、マイクロウェル124に収容された溶液に実施される光学測定の経路から外すことができる。ここで、図10Cに示すように、空気を単一のポケット内に捕らえるべく気泡トラップ160がマイクロウェル124でもはや使用されていないことに注目されたい。検査前に、ASTキャリア74は、圧電装置91によって僅かに振動させるか、または、リーダ90内の機械的なホイール93によってマイクロウェル124のX−X軸線に沿って移動させ、マイクロウェル124内に収容された溶液を再懸濁化するかまたは混合する。この好ましい実施例において、各AST検査マイクロウェルの内部は、滑らかな細長い卵形に形成してあり、図5Aに示すような別体の気泡トラップを包含しない。ASTキャリア74がマイクロウェル124のX−X軸まわりに移動させられている間、AST検査前に、マイクロウェル124内の空気がマイクロウェル124の内面に沿って掃引し、AST反応室158内の溶液の攪拌、再懸濁化を助ける。
【0048】
ここで、ここに開示した発明の実施例が、発明の原則を説明するものであり、なお発明の範囲内にある他の変更態様も使用し得ることは了解されたい。したがって、本発明は、本明細書に示し、説明したこれらの実施例そのものに限定されるものではなく、特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明を説明する自動微生物アナライザの概略平面図である。
【図2】
図1の自動微生物アナライザの概略立面図である。
【図2A】
図1の自動微生物アナライザの別実施例の概略立面図である。
【図3】
図1のアナライザで使用できるAST検査アレイの頂面図である。
【図4A】
図3のAST検査アレイの横断面図である。
【図4B】
図3のAST検査アレイの横断面図である。
【図5】
図3のAST検査アレイの底面図である。
【図5A】
図2Aのアナライザで役立つAST検査アレイの別実施例の底面図である。
【図6A】
図3のAST検査アレイを充填する際の図3のサンプル・ピペット操作・移送システムの機能を説明する図である。
【図6B】
図3のAST検査アレイを充填する際の図3のサンプル・ピペット操作・移送システムの機能を説明する図である。
【図6C】
図3のAST検査アレイを充填する際の図3のサンプル・ピペット操作・移送システムの機能を説明する図である。
【図6D】
図3のAST検査アレイを充填する際の図3のサンプル・ピペット操作・移送システムの機能を説明する図である。
【図7】
本発明で役立つASTアレイ・キャリアの斜視図である。
【図8A】
図3のAST検査アレイを使用している液体サンプル充填プロセスを説明する図である。
【図8B】
図3のAST検査アレイを使用している液体サンプル充填プロセスを説明する図である。
【図8C】
図3のAST検査アレイを使用している液体サンプル充填プロセスを説明する図である。
【図8D】
図3のAST検査アレイを使用している液体サンプル充填プロセスを説明する図である。
【図9A】
図3のAST検査アレイ内に空気を捕獲する一方法を説明する図である。
【図9B】
図3のAST検査アレイ内に空気を捕獲する一方法を説明する図である。
【図9C】
図3のAST検査アレイ内に空気を捕獲する一方法を説明する図である。
【図9D】
図3のAST検査アレイ内に空気を捕獲する一方法を説明する図である。
【図9E】
図3のAST検査アレイ内に空気を捕獲する一方法を説明する図である。
【図9F】
図3のAST検査アレイ内に空気を捕獲する一方法を説明する図である。
【図9G】
図3のAST検査アレイ内に空気を捕獲する一方法を説明する図である。
【図10A】
図5AのAST検査アレイを使用している本発明の光学問い合わせプロセスを説明する図である。
【図10B】
図5AのAST検査アレイを使用している本発明の光学問い合わせプロセスを説明する図である。
【図10C】
図5AのAST検査アレイを使用している本発明の光学問い合わせプロセスを説明する図である。
【符号の説明】
10 自動ランダム・アクセス式微生物アナライザ
12 AST検査アレイ
14 ブイヨン容器
16 ID検査ロータ
18 AST検査アレイ・キャニスタ
20 ASTキャニスタ・ポスト
22 AST群室22
23 第1ドアまたはシール
26 回転ラック
27 第2ドア
28 B/ID室
32 IDキャニスタ
34 サンプル・チューブ
36 サンプル・チューブ・ホルダ
38 S/PTトレイ
40 ピペット先端ホルダ
44 S/PTトレイ・モータ
46 ピペット操作装置
48 培養・分析室
50 IDロボット装置
60 サンプル・ピペット操作・給送システム
70 AST培養・分析室
72 回転可能なAST培養ラック
74 ASTキャリア
76 ASTキャリア移送装置
124 マイクロウェル
132 犠牲蒸発ウェル
134 レザバー

Claims (8)

  1. 検査アレイのマイクロウェル内に収容された検査溶液の抗生物質検査を実施する方法であって、検査アレイが、平行に対向した頂面および底面を備える細長い形状のボデーとして形成してあり、前記ボデーが、底面に形成された複数の上方へ突出する検査マイクロウェルを包含し、各マイクロウェルが、マイクロウェルの頂面を貫いてアレイの底面から上方へ突出する中心軸線を有するものとし、そしてマイクロウェルの内部の空気が水平方向に向いた中心軸線から移動するように抗生物質検査中に各マイクロウェルの中心軸線をほぼ水平方向に向け、水平方向に向いた中心軸線に沿って問い合わせ用放射線ビームを方向付けることを包含することを検査方法。
  2. 検査アレイが、気泡トラップを包含することなく形成される請求項1の方法。
  3. 各検査マイクロウェルの内部を、気泡トラップを含むことのなく滑らかな細長い卵形の形状を有するものとして維持する請求項1の方法。
  4. マイクロウェル内に収容された検査溶液の抗生物質検査を実施する前の段階において、マイクロウェルをそれらのX−X軸について回動させ、マイクロウェル内に収容された溶液を再懸濁または混合させることを特徴とする請求項1の方法。
  5. 抗生物質検査が、複数の検査アレイにおけるマイクロウェルのアレイに沿って段階的に移動させられる放射線源および放射線検知器を移動させ、或る単一のアレイにおける次の隣接したマイクロウェルからのクロストーク信号を最小にすべく検査読み取りを行うように各連続したマイクロウェルで停止させる請求項1の方法。
  6. 検査アレイのマイクロウェル内に収容された検査溶液の抗生物質検査を実施する方法であって、検査アレイが、対向した平行な頂面、底面を備える細長い形状のボデーとして形成してあり、前記ボデーが、底面に形成された複数の上方へ突出する検査マイクロウェルを包含し、各マイクロウェルが、一体の気泡トラップと、マイクロウェルの頂面を貫いてアレイの底面から上方に突出する中心軸線とを有するものとし、検査アレイを第1方向に傾けて気泡トラップ内に捕らえられた空気を除去を助け、気泡トラップ内に、および、各マイクロウェルの内側頂面に沿って位置する空気を気泡トラップの位置に対向する上方マイクロウェル角隅まで移動させるように検査アレイを攪拌し、検査アレイを第1方向と反対の方向に傾けて、各マイクロウェルの内側頂面に沿って空気を払いのけ、それによって、マイクロウェル内の気泡のすべてを気泡トラップ内に捕獲し、そしてマイクロウェルの中心軸線をほぼ垂直に向けるような位置にアレイを戻すことを包含する検査方法。
  7. 抗生物質検査段階が、マイクロウェル上方または下方から垂直方向に向いた中心軸線に沿って問い合わせ放射線ビームを方向付けることを包含する請求項6の方法。
  8. 抗生物質検査段階が、複数の検査アレイにおけるマイクロウェルのアレイに沿って段階を追って放射線源および放射線検知器を移動させ、各連続したマイクロウェルのところで検査読み取りを停止させ、単一のアレイにおける次の隣接したマイクロウェルからのクロストーク信号を最小にすることを包含する請求項7の方法。
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