JP2004516690A - ブロードバンド拡声器またはヘッドホン用音響変換器 - Google Patents
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Abstract
本発明は、音響発生に供する、より詳細には磁気共鳴断層撮影装置の均質および/または不均質磁界における利用に供するブロードバンド拡声器または磁石のない電気力学的ヘッドホン用音響変換器に関する。本発明の利点により、規定の性格を有する音響を発生させることができ、しかもその音響は、磁気共鳴断層撮影装置の強い磁界内で高品質かつ高効率を具備するものである。音楽と音声に加え、これは、空気ポケットを形成する1つまたはいくつかの膜(1)を使って音響を発生させることにより雑音を積極的に制御するための音響の発生を包含する。同膜(1)は、弾性があって、磁気がないかまたはわずかに磁気を帯びた材料からなり、条導体(2)に二次元にかつ固定して接続してある。磁気共鳴断層撮影装置の磁界により引き起こされるローレンツ力は、電流が流れる時に、駆動力として条導体に作用する。
Description
【0001】
本発明は、音響発生に供する、より詳細には磁気共鳴断層撮影装置の均質および/または不均質磁界における利用に供するブロードバンド拡声器または磁石のない電気力学的ヘッドホン用音響変換器に関する。
【0002】
音響の発生、より詳細には厳密に規定された性格を持ち、さらにたとえば音楽、音声、反音響など高品質の音響の発生は、強い磁界のある範囲内にあっては問題があるが、因みに従来の電気力学的拡声器、またはヘッドホンの内部に配置された音響変換器は、このような強い力の環境に曝されており、さらには、そのような強い磁力に基づいた使用を妨げる場合がある。心機能または脳機能障害画像表示用の核スピン断層撮影装置の現代方式が、高い音響放出によって、利用面において、また、医療上の普及面において制約を受けているが、因みにこの放出に対しては、低周波領域では消極的な対策では不十分な対処しかできない(定期刊行誌「英国放射線学ジャーナル」1994年刊67号413〜415ページ;定期刊行誌「放射線学」1994年刊191号91〜93ページ。これは「放射線防護服委員会の1995年6月22日の第131回会議の決議による推薦」付きである)。さらに音響放出は、合法的な極限値の下方にあって患者の快適感と意思伝達能力の低下、またそれによる患者の安全の低下を引き起こしている。積極的な雑音制御(「反音響」)はMRT装置の音響放出低減に向けて、有望な方策を生み出した(定期刊行誌「放射線学」1989年刊173号549〜550ページおよび定期刊行誌「磁気共鳴協会会報」1995年刊2号1223ページ)。有効な妨害雑音抹消は、およそ1 kHzまでの周波数用であるが、それが可能になるのは反音響拡声器が妨害雑音源(MRT磁石内の目盛りつきパイプ)まで非常にわずかの距離しかなく、また、妨害源の音響フィールドを反射することのできる場合のみである。
【0003】
従来、磁気共鳴断層撮影装置と両立性があって、これらの要件を十分な程度に満たす音響発生器は説明されたことがなかった。
【0004】
従来、磁界の不均質部分を電気力学的結合に利用した拡声器で、雑音制御のため断層撮影装置内に直接考案されたものは、構造的に約1 kHzの音の高さまでしか適合せず、さらに、磁界の均質範囲内には設置することができない(DE 197 27 657 C 1)。
【0005】
約180度位相をずらした信号発生の原理に基づく音波消滅用配列は磁気共鳴断層撮影装置以外では何度も説明された(DE 195 28 888 A 1)が、それでも磁気共鳴断層撮影装置の範囲内では、そこに存在する状況により、利用することができない。
【0006】
磁気共鳴断層撮影法における妨害騒音抑制システムの従来の開発は、磁気共鳴断層撮影装置から音響的に隔離された制御室で、磁気共鳴断層撮影装置の外側での患者監視を改善するための妨害騒音低減に限定されている。これでは、これ以上反音響は作られず、その代わり、適合するフィルターの利用により妨害信号を抑制された信号が、磁界のない制御室の中で従来の拡声器でもって発せられる(EP 0 655 730 A1)。
【0007】
磁気共鳴断層撮影装置の磁界の均質部分の内側で利用するのに適合した、自己の磁石を持たない電気力学的拡声器であって、強磁性磁界ホモジェナイザー、さらには発生音響を転送するためのたわみ管導体システムを利用するものがすでに説明されている(US 005 450 499 A)。これはそれでも、たわみ管導体システム利用のゆえに、規定の位相音域において、要求される周波数帯に対して、反音響を作り出すために必要な音圧を出さず、また、本質的な強磁性の構造部分の利用が、絶対要求である安全操作を、磁界が浸透する空間ではさせてくれない。そのうえ、磁界の元来均質の部分の内側にある強磁性の構造部分を利用する際に、不確定な磁界不均質性の局部的な発生により画像形成への干渉が生じる。
【0008】
やはり本発明を基礎とする排除原理はすでに別の立場で説明されたが、より詳細には、空気ポケットの形成による有効な量の減少であった(DE 2003 950、US 4039044、US 4160883)。有効な量は、膜の導入により減らされるが、その膜は適切に駆動され、形成された空気ポケットの手元にある空気を排除するという作用をする。この得ようとする空気ポケットの幅対奥行きの大きな比率は、磁界の比較的小さい三次元拡大により制約を受ける。
【0009】
その他の解決策は、膜と磁石のより精密な仕上げに関連し、また、磁極片の形状をしたムクの独自の磁石かまたは同様のものを利用する(US 591 28 63)が、三次元拡大および磁界の発生の問題は解決しない。
【0010】
本発明の本質的な目的の1つは、診察中のMRT装置による雑音負荷を低減させることである。消極的なシステム(たとえば耳栓)による遮音は有効でない。というのは、聴力が、達成された消音に対して、比較できる程度において、神経質に反応する。ヘッドホンと防音カプセルからなる積極的なシステムは同様な抑制効果を実現し、音響心理学的な効果減退を生じず、反対に、音の大きい音楽が神経過敏を沈静化し(「雑音かくし」、効果増強)音楽と意思疎通できることが、快適なものとして感じられ、快適性を高め、中断の割合を低下させ、患者は、音楽を聴く際に時間感覚を失うことはない。
【0011】
防音カプセルとヘッドホンを組み合わせたシステムはMRTでは知られており、説明されている。個々の長所と短所を持つさまざまなシステムがあり、たとえば独自の磁石を持たない改造型円錐拡声器がヘッドホンシステムとして説明されている。このシステムは丈夫で買い得であるが、それでも深い音(300 Hz以下)を伝えるのには優れていない。圧電拡声器を持つシステムも説明されており、この組み合わせに対しては上部が適するといわれ、ここでは下限周波数が高めのところにしかない(構造は500〜800 Hzを条件としている)。静電気ヘッドホンを持つ組み合わせも同じく説明されており、市販されている。このシステムは、下方へ十分に深く届く全周波数を見せており、その音響的な特色は良質である。ただし、それでも複数の欠点を有する。特に、高価であり、カプセル防音具の遮音性が著しく低下する、というのは大きな膜が、耳に向かう側で遮音材料を増やすことをもはや許さないからであり、さらに、安全技術の点で非常に問題がある。ヘッドホンシステム(キャパシティー)とケーブル(インダクタンス)の組み合わせは、損傷があった場合にMRT送り手の高周波エネルギーを吸収する振動回路を示す場合がありえる。このシステムは、通常の送信性能のもとで、場合によっては急速に熱くなり、これは発火の危険性がある。
【0012】
本発明には課題として、磁気共鳴断層撮影装置の磁界内に安全で確実に挿入可能であり、画像形成に干渉せず、幅広い周波数範囲の中で高品質の要件を満足させ、積極的な雑音制御を可能にし、単純で安価に製造可能であり、さらにはヘッドホンとして実現可能な形状でカプセル防音具との組み合わせが可能なブロードバンド拡声器またはヘッドホン用音響変換器を作るという課題が根底に横たわる。
【0013】
この課題は請求項1の特性により解決される。本発明の、目的にかなった展開は従属形式請求項に含まれる。
【0014】
拡声器として実現可能な形状での発明には、達成度の高い反音響発生器をMRT装置の目盛りつきパイプの中に設置することができる場合に、MRT装置の高い雑音レベルを積極的な雑音対策により効果的に低下させることができるか、という問題が根底に横たわる。特に、磁気材料の操作は、現在、利用できるようになった磁束密度(臨床サービスにおける1Tから3Tまで)の中で極めて大きな危険電位を表している。
【0015】
本発明によって達成される利点は、規定の特徴を持った高品質で、かつ磁気共鳴断層撮影装置の強い磁界の中で高い効率を持つ音響を発生させることができるという点にある。これは音楽および音声のほかに積極的な雑音制御となる音響の発生も包含する。それはたわみ管導体システムでは不可能であり、その他の電気力学式変換器では磁界の均質化した範囲内でのみ、しかも品質を落としてのみ達成が可能なものである。
【0016】
折り目つき膜の長所は、核スピン断層撮影装置のように、十分大きく、十分強く、かつ均質の磁界を膜の周囲に構築することができたときに、特によく生かされる。
【0017】
拡声器の取り付けは、磁気共鳴断層撮影装置内の任意の場所に、したがって夫々の目的に応じて理想にふさわしいように行うことができる。反音響拡声器としての使用のためにはこの観点は必須のことである。本拡声器は広い周波数帯を自在に使い、それによって特に周波数1 kHzより高い音を作ることが可能となる。同時に、応用された原理、すなわち、拡声器膜の全体部分で規則正しく均等に作用する駆動の原理は、従来の局部的な円錐刺激で現れる曲がり振動とひずみが現れないことを保証する。磁気共鳴断層撮影装置への挿入は、拡声器の実際の寸法に比較して三次元的に広く拡げられた磁界によって、膜を実際的に任意に拡げることができるようにした。これによって可能になった極端に小さく作用する量が、高い効率と、広い周波数範囲にわたるつり合いのとれた伝達行動につながる。同時に、大きな膜板の挿入によって、深い音の効果的な発生が可能になる。
【0018】
磁気共鳴断層撮影装置において、従来では得られなかった折りたたみ奥行き対高さの高比率が実現する。拡声器用膜の有効量がこれにより非常に小さくなる。かくてたとえば200mmの折りたたみ奥行きと10mmの折りたたみ高さにおいて膜の有効量は実際の量に対して420ファクター程度減少する。これはまたしても、膜の音響的なスチフネスが非常に高く、機械的性質にほとんど左右されなくなることを意味する。これは、高い音圧の時での、ひずみのない音響放射をも可能にする。音響発生の効率は同様に上がる、というのは、有効な膜量の積極的および消極的な促進により損失が減少するからである。
【0019】
本発明によりヘッドホンでも従来では得られなかった折りたたみ奥行き対高さの高比率が実現する。変換器膜の有効量はここでも非常に小さくなり、膜の音響的スチフネスが非常に高く、機械的性質にほとんど左右されなくなる。
【0020】
大きな折りたたみ板は、多数の平行して配置された電導のエレメント、より詳細には平らなワイヤの起用を可能にする。当該電導エレメントはまた、電気的に並列に接続され、それによって、オームの配列抵抗が非常に小さなものとなる。したがって電力の損失は最小限となり、個々のエレメントの温度上昇は全くない。音響発生器の堅牢性と寿命は著しく強化される。加えて、当該配列は、説明された金属バンド(DE 2003 950)と比べて、核スピン断層撮影装置の画像形成の際に作り出される1500 Hzまでの周波数を持った強い交番磁界によって、電導エレメントの中に非常に小さなうず巻き電流しか作り出すことができないという長所を持つ。これはまたしても電導エレメントの温度上昇を妨げ、特に、核スピン断層撮影装置の傾斜磁界に対して妨害的影響を全く与えない。
【0021】
音響変換器としては異常に大きい核スピン断層撮影装置の磁界強度(3Tまで)は、すでに、小さな可聴周波数の電流のもとで大きな駆動力(ローレンツ力)を電導エレメントによってそれらと固く結合された膜に伝えている。これは電流強度のないところでも有効な音響放射を可能にする。この電流によって作られた磁界は相応に小さく、そして主たる磁界の均質性を毀損しない。ということは、これらの電流によって作られた磁界は画像形成に妨害的な影響を与えないということである。
【0022】
強磁性材料を完全に放棄することで、あらゆる場合において反音響拡声器の安全な操作が可能になる。そうでない場合、強磁性部分が、永久磁界の中心部に向かって弾丸のように加速される。それは、MRT磁石の近辺にあって、強磁性の力に対して不可欠な制御のための安全対策には全くならない。
【0023】
図1a は可能な実施例を示すが、ここでは、弾性があり、磁性がないかまたは弱い材料、たとえば紙、フリース(又は羊毛皮)、またはプラスチックからなる膜1が、磁気共鳴断層撮影装置の磁界Bに直角またはほとんど直角な軸にそって1つまたは複数の折り目または波状に配列される。別言すれば、ある相応した配列が、多数の、可動でしかも相互に結合された個々の膜によって形成される。このように平板4によって形成された空気ポケットにそって双方で、時に応じて1つまたは複数となる条導体2が、条導体の方向が折り目もしくは曲がった軸に並行してまたはほぼ並行して走るように平面にかつ固定して膜1と結合される。条導体2は、電気的結合3によって相互に結合されるので、条導体2は、相互に向き合う空気ポケットの平板4のところで、同じ1つの電流によって、対置する方位の中で通電される。
【0024】
図1bは、条導体2により電流を通電された際の図1aに表された配列を示す。磁気共鳴断層撮影装置の外側の磁界Bは、制御された力を条導体2に伝えるが、その条導体2の方位は、通電された電流の方向によって定められている。説明されたとおりの条導体配列によって、空気ポケットが、互いに相手側に向かって動く条導体2により、折りたたまれた、もしくは波型にされた膜板4の一方の側で狭められる一方、折りたたまれた膜の他方の側にある空気ポケットは広げられる。可聴周波数の電流は、折りたたまれた、もしくは波型にされた膜1の両側にある空気ポケットの、同調的で共通の、開きもしくは閉まりをもたらす。この動きによって引き起こされる、張り出した空気容積の内部の圧力による振動は音波として、両側から、膜板全体に向かって垂直に放射される。この配列の効率は、磁気共鳴断層撮影装置の磁界Bが、折りたたまれたもしくは波型にされた膜板全体に対して垂直に向けられているときに最適となる。この幾何学から逸脱すると、それが配列全体または部分の彎曲またはひずみによる場合、それによって効率が下がる。ただし機能性は問題にならない。
【0025】
ヘッドホンではこの幾何学からの逸脱は、それが配列全体または部分の湾曲またはひずみによる場合、それによる意味は大きい。音響発生の効率は低下し、それとともに、放射された音響エネルギーを、ヘッドホンにとって通常のそして安全な価値にまで減らす。ヘッドホンはそれゆえ、通常であればオーディオ装置のヘッドホン出力口から自由にとりだされるものが、電気の働きによって駆動される。
【0026】
膜はカプセル防音具の内部に挿入されるため、移送に際しては核スピン断層撮影装置の主要磁界にほぼ平行に向けられる。カプセル防音具内の決められた場所は遮音材料で充填されるため、消極的消音は引き続き維持される。
【0027】
図2aは1つの実施例を示すが、ここでは膜1が、磁気共鳴断層撮影装置の磁界Bに直角またはほとんど直角な軸にそって1つまたは複数の折り目または波状に配列される、すなわち、ある相応した配列が、多数の、可動でしかも相互に結合された個々の膜によって形成される。1つまたは複数の曲げやすい条導体2が平面にかつ固定して膜1に結合されるので、条導体2の方向は、折り目もしくは曲がった軸5に対して直角かほぼ直角に走る。このように取り付けられた条導体2は電気的に並列に接続される。
【0028】
図2bは条導体2により電流を通電された際の図2aに表された配列を示す。磁気共鳴断層撮影装置の外側の磁界Bは、変形された力を条導体2に伝えるが、その条導体2の方位は、通電された電流の方向によって定められている。説明されたとおりの条導体配列によって、空気ポケットが、互いに相手側に向かって動く条導体2により、折りたたまれた、もしくは波型にされた膜1の一方の側で狭められる一方、折りたたまれた膜1の他方の側にある空気ポケットは広げられる。可聴周波数の電流は、折りたたまれた、もしくは波型にされた膜の両側にある空気ポケットの、同調的で共通の、開きもしくは閉まりをもたらす。この動きによって引き起こされる、張り出した空気容積の内部の圧力振動は音波として、両側から、膜板全体に向かって垂直に放射される。この配列の効率は、磁気共鳴断層撮影装置の磁界Bが、条導体2に対して垂直に向けられているときに最適となる。この幾何学から逸脱すると、それが配列全体または部分の彎曲またはひずみによる場合、それによって効率が下がる。ただし機能性は問題にならない。
【0029】
図3aは実施例(取付け具なし)の有効な部分を示すが、ここでは膜1が、磁気共鳴断層撮影装置の磁界Bに対して直角またはほぼ直角な軸に沿って1つまたは複数の折り目または波状に配列される。別言すれば、ある相応した配列が、多数の、可動でしかも相互に結合された個々の膜によって形成される。1つまたは複数の、リード線2bとして使われる導線が平面にかつ固定して膜1に結合されるので、導線の方向は、折りたたんだ軸もしくは曲がった軸に対して直角またはほぼ直角に走る。さらに、折り目軸に対して平行またはほぼ平行に、そしてそれゆえに磁気共鳴断層撮影装置の磁界Bの方向に対して直角またはほぼ直角に1つまたは複数の条導体2が膜1と平面にかつ固定して結合される。条導体2aはリード線2bと、膜1によって形成された空気ポケットの両側で電気的に接続される。通電は、同じ1つの電流が、空気ポケットの互いに向き合う側で、逆方向の方位の中で条導体2に通電されるように、なされなければならない。
【0030】
複数の条導体2aはリード線2bを介して条導体ブロック6に相互結合される。
【0031】
図3bは電流I通電の際のそのような配列を表す。通電の際に条導体2によって磁界Bから伝えられる力によって、折りたたまれた膜1で形成された空気ポケットが広がる、もしくは狭まる、という結果をもたらす。可聴周波数は、張り出した空気容積の内部で同調的圧力振動を引き起こし、これが音波として放射される。
【0032】
図3aおよび3bに表された配列は、複数の平行する有効な膜2aの導入により、大きな平面のうず電流のない膜1の駆動力を可能にする。変換器の容積に比較して大きな磁気共鳴断層撮影装置の磁界Bを考慮するとき、付加的に効率を高めた変換器の実施は可能である、というのは当該効率を決める空気ポケット幅a対空気ポケット奥行きbの比率(図3c参照)は奥行きbの拡大によって減らすことができるからである。
【0033】
本発明はここに説明された実施例に限定されるものではない。逆に、列挙した手段および特徴を適切に組み合わせることによって、本発明の枠から外れることなく、実施の更なる変形を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】aは、折り目の軸に並行して走り、直列に接続された条導体を有する、折り目をつけられた膜の図示例、bは、条導体を通して電流を通じた際の図1aによる膜の変化の図示例
【図2】aは、折り目の軸に直角に走る、並列接続された条導体を有する、折り目をつけられた膜の図示例、bは、条導体を通して電流を通じた際の図2aによる膜の変化の図示例
【図3】aは、条導体ブロックを有する膜の図示例、bは、条導体を通して電流を通じた際の図3aによる膜の変化の図示例、cは、空気ポケット幅対空気ポケット奥行きの比率の図示例
本発明は、音響発生に供する、より詳細には磁気共鳴断層撮影装置の均質および/または不均質磁界における利用に供するブロードバンド拡声器または磁石のない電気力学的ヘッドホン用音響変換器に関する。
【0002】
音響の発生、より詳細には厳密に規定された性格を持ち、さらにたとえば音楽、音声、反音響など高品質の音響の発生は、強い磁界のある範囲内にあっては問題があるが、因みに従来の電気力学的拡声器、またはヘッドホンの内部に配置された音響変換器は、このような強い力の環境に曝されており、さらには、そのような強い磁力に基づいた使用を妨げる場合がある。心機能または脳機能障害画像表示用の核スピン断層撮影装置の現代方式が、高い音響放出によって、利用面において、また、医療上の普及面において制約を受けているが、因みにこの放出に対しては、低周波領域では消極的な対策では不十分な対処しかできない(定期刊行誌「英国放射線学ジャーナル」1994年刊67号413〜415ページ;定期刊行誌「放射線学」1994年刊191号91〜93ページ。これは「放射線防護服委員会の1995年6月22日の第131回会議の決議による推薦」付きである)。さらに音響放出は、合法的な極限値の下方にあって患者の快適感と意思伝達能力の低下、またそれによる患者の安全の低下を引き起こしている。積極的な雑音制御(「反音響」)はMRT装置の音響放出低減に向けて、有望な方策を生み出した(定期刊行誌「放射線学」1989年刊173号549〜550ページおよび定期刊行誌「磁気共鳴協会会報」1995年刊2号1223ページ)。有効な妨害雑音抹消は、およそ1 kHzまでの周波数用であるが、それが可能になるのは反音響拡声器が妨害雑音源(MRT磁石内の目盛りつきパイプ)まで非常にわずかの距離しかなく、また、妨害源の音響フィールドを反射することのできる場合のみである。
【0003】
従来、磁気共鳴断層撮影装置と両立性があって、これらの要件を十分な程度に満たす音響発生器は説明されたことがなかった。
【0004】
従来、磁界の不均質部分を電気力学的結合に利用した拡声器で、雑音制御のため断層撮影装置内に直接考案されたものは、構造的に約1 kHzの音の高さまでしか適合せず、さらに、磁界の均質範囲内には設置することができない(DE 197 27 657 C 1)。
【0005】
約180度位相をずらした信号発生の原理に基づく音波消滅用配列は磁気共鳴断層撮影装置以外では何度も説明された(DE 195 28 888 A 1)が、それでも磁気共鳴断層撮影装置の範囲内では、そこに存在する状況により、利用することができない。
【0006】
磁気共鳴断層撮影法における妨害騒音抑制システムの従来の開発は、磁気共鳴断層撮影装置から音響的に隔離された制御室で、磁気共鳴断層撮影装置の外側での患者監視を改善するための妨害騒音低減に限定されている。これでは、これ以上反音響は作られず、その代わり、適合するフィルターの利用により妨害信号を抑制された信号が、磁界のない制御室の中で従来の拡声器でもって発せられる(EP 0 655 730 A1)。
【0007】
磁気共鳴断層撮影装置の磁界の均質部分の内側で利用するのに適合した、自己の磁石を持たない電気力学的拡声器であって、強磁性磁界ホモジェナイザー、さらには発生音響を転送するためのたわみ管導体システムを利用するものがすでに説明されている(US 005 450 499 A)。これはそれでも、たわみ管導体システム利用のゆえに、規定の位相音域において、要求される周波数帯に対して、反音響を作り出すために必要な音圧を出さず、また、本質的な強磁性の構造部分の利用が、絶対要求である安全操作を、磁界が浸透する空間ではさせてくれない。そのうえ、磁界の元来均質の部分の内側にある強磁性の構造部分を利用する際に、不確定な磁界不均質性の局部的な発生により画像形成への干渉が生じる。
【0008】
やはり本発明を基礎とする排除原理はすでに別の立場で説明されたが、より詳細には、空気ポケットの形成による有効な量の減少であった(DE 2003 950、US 4039044、US 4160883)。有効な量は、膜の導入により減らされるが、その膜は適切に駆動され、形成された空気ポケットの手元にある空気を排除するという作用をする。この得ようとする空気ポケットの幅対奥行きの大きな比率は、磁界の比較的小さい三次元拡大により制約を受ける。
【0009】
その他の解決策は、膜と磁石のより精密な仕上げに関連し、また、磁極片の形状をしたムクの独自の磁石かまたは同様のものを利用する(US 591 28 63)が、三次元拡大および磁界の発生の問題は解決しない。
【0010】
本発明の本質的な目的の1つは、診察中のMRT装置による雑音負荷を低減させることである。消極的なシステム(たとえば耳栓)による遮音は有効でない。というのは、聴力が、達成された消音に対して、比較できる程度において、神経質に反応する。ヘッドホンと防音カプセルからなる積極的なシステムは同様な抑制効果を実現し、音響心理学的な効果減退を生じず、反対に、音の大きい音楽が神経過敏を沈静化し(「雑音かくし」、効果増強)音楽と意思疎通できることが、快適なものとして感じられ、快適性を高め、中断の割合を低下させ、患者は、音楽を聴く際に時間感覚を失うことはない。
【0011】
防音カプセルとヘッドホンを組み合わせたシステムはMRTでは知られており、説明されている。個々の長所と短所を持つさまざまなシステムがあり、たとえば独自の磁石を持たない改造型円錐拡声器がヘッドホンシステムとして説明されている。このシステムは丈夫で買い得であるが、それでも深い音(300 Hz以下)を伝えるのには優れていない。圧電拡声器を持つシステムも説明されており、この組み合わせに対しては上部が適するといわれ、ここでは下限周波数が高めのところにしかない(構造は500〜800 Hzを条件としている)。静電気ヘッドホンを持つ組み合わせも同じく説明されており、市販されている。このシステムは、下方へ十分に深く届く全周波数を見せており、その音響的な特色は良質である。ただし、それでも複数の欠点を有する。特に、高価であり、カプセル防音具の遮音性が著しく低下する、というのは大きな膜が、耳に向かう側で遮音材料を増やすことをもはや許さないからであり、さらに、安全技術の点で非常に問題がある。ヘッドホンシステム(キャパシティー)とケーブル(インダクタンス)の組み合わせは、損傷があった場合にMRT送り手の高周波エネルギーを吸収する振動回路を示す場合がありえる。このシステムは、通常の送信性能のもとで、場合によっては急速に熱くなり、これは発火の危険性がある。
【0012】
本発明には課題として、磁気共鳴断層撮影装置の磁界内に安全で確実に挿入可能であり、画像形成に干渉せず、幅広い周波数範囲の中で高品質の要件を満足させ、積極的な雑音制御を可能にし、単純で安価に製造可能であり、さらにはヘッドホンとして実現可能な形状でカプセル防音具との組み合わせが可能なブロードバンド拡声器またはヘッドホン用音響変換器を作るという課題が根底に横たわる。
【0013】
この課題は請求項1の特性により解決される。本発明の、目的にかなった展開は従属形式請求項に含まれる。
【0014】
拡声器として実現可能な形状での発明には、達成度の高い反音響発生器をMRT装置の目盛りつきパイプの中に設置することができる場合に、MRT装置の高い雑音レベルを積極的な雑音対策により効果的に低下させることができるか、という問題が根底に横たわる。特に、磁気材料の操作は、現在、利用できるようになった磁束密度(臨床サービスにおける1Tから3Tまで)の中で極めて大きな危険電位を表している。
【0015】
本発明によって達成される利点は、規定の特徴を持った高品質で、かつ磁気共鳴断層撮影装置の強い磁界の中で高い効率を持つ音響を発生させることができるという点にある。これは音楽および音声のほかに積極的な雑音制御となる音響の発生も包含する。それはたわみ管導体システムでは不可能であり、その他の電気力学式変換器では磁界の均質化した範囲内でのみ、しかも品質を落としてのみ達成が可能なものである。
【0016】
折り目つき膜の長所は、核スピン断層撮影装置のように、十分大きく、十分強く、かつ均質の磁界を膜の周囲に構築することができたときに、特によく生かされる。
【0017】
拡声器の取り付けは、磁気共鳴断層撮影装置内の任意の場所に、したがって夫々の目的に応じて理想にふさわしいように行うことができる。反音響拡声器としての使用のためにはこの観点は必須のことである。本拡声器は広い周波数帯を自在に使い、それによって特に周波数1 kHzより高い音を作ることが可能となる。同時に、応用された原理、すなわち、拡声器膜の全体部分で規則正しく均等に作用する駆動の原理は、従来の局部的な円錐刺激で現れる曲がり振動とひずみが現れないことを保証する。磁気共鳴断層撮影装置への挿入は、拡声器の実際の寸法に比較して三次元的に広く拡げられた磁界によって、膜を実際的に任意に拡げることができるようにした。これによって可能になった極端に小さく作用する量が、高い効率と、広い周波数範囲にわたるつり合いのとれた伝達行動につながる。同時に、大きな膜板の挿入によって、深い音の効果的な発生が可能になる。
【0018】
磁気共鳴断層撮影装置において、従来では得られなかった折りたたみ奥行き対高さの高比率が実現する。拡声器用膜の有効量がこれにより非常に小さくなる。かくてたとえば200mmの折りたたみ奥行きと10mmの折りたたみ高さにおいて膜の有効量は実際の量に対して420ファクター程度減少する。これはまたしても、膜の音響的なスチフネスが非常に高く、機械的性質にほとんど左右されなくなることを意味する。これは、高い音圧の時での、ひずみのない音響放射をも可能にする。音響発生の効率は同様に上がる、というのは、有効な膜量の積極的および消極的な促進により損失が減少するからである。
【0019】
本発明によりヘッドホンでも従来では得られなかった折りたたみ奥行き対高さの高比率が実現する。変換器膜の有効量はここでも非常に小さくなり、膜の音響的スチフネスが非常に高く、機械的性質にほとんど左右されなくなる。
【0020】
大きな折りたたみ板は、多数の平行して配置された電導のエレメント、より詳細には平らなワイヤの起用を可能にする。当該電導エレメントはまた、電気的に並列に接続され、それによって、オームの配列抵抗が非常に小さなものとなる。したがって電力の損失は最小限となり、個々のエレメントの温度上昇は全くない。音響発生器の堅牢性と寿命は著しく強化される。加えて、当該配列は、説明された金属バンド(DE 2003 950)と比べて、核スピン断層撮影装置の画像形成の際に作り出される1500 Hzまでの周波数を持った強い交番磁界によって、電導エレメントの中に非常に小さなうず巻き電流しか作り出すことができないという長所を持つ。これはまたしても電導エレメントの温度上昇を妨げ、特に、核スピン断層撮影装置の傾斜磁界に対して妨害的影響を全く与えない。
【0021】
音響変換器としては異常に大きい核スピン断層撮影装置の磁界強度(3Tまで)は、すでに、小さな可聴周波数の電流のもとで大きな駆動力(ローレンツ力)を電導エレメントによってそれらと固く結合された膜に伝えている。これは電流強度のないところでも有効な音響放射を可能にする。この電流によって作られた磁界は相応に小さく、そして主たる磁界の均質性を毀損しない。ということは、これらの電流によって作られた磁界は画像形成に妨害的な影響を与えないということである。
【0022】
強磁性材料を完全に放棄することで、あらゆる場合において反音響拡声器の安全な操作が可能になる。そうでない場合、強磁性部分が、永久磁界の中心部に向かって弾丸のように加速される。それは、MRT磁石の近辺にあって、強磁性の力に対して不可欠な制御のための安全対策には全くならない。
【0023】
図1a は可能な実施例を示すが、ここでは、弾性があり、磁性がないかまたは弱い材料、たとえば紙、フリース(又は羊毛皮)、またはプラスチックからなる膜1が、磁気共鳴断層撮影装置の磁界Bに直角またはほとんど直角な軸にそって1つまたは複数の折り目または波状に配列される。別言すれば、ある相応した配列が、多数の、可動でしかも相互に結合された個々の膜によって形成される。このように平板4によって形成された空気ポケットにそって双方で、時に応じて1つまたは複数となる条導体2が、条導体の方向が折り目もしくは曲がった軸に並行してまたはほぼ並行して走るように平面にかつ固定して膜1と結合される。条導体2は、電気的結合3によって相互に結合されるので、条導体2は、相互に向き合う空気ポケットの平板4のところで、同じ1つの電流によって、対置する方位の中で通電される。
【0024】
図1bは、条導体2により電流を通電された際の図1aに表された配列を示す。磁気共鳴断層撮影装置の外側の磁界Bは、制御された力を条導体2に伝えるが、その条導体2の方位は、通電された電流の方向によって定められている。説明されたとおりの条導体配列によって、空気ポケットが、互いに相手側に向かって動く条導体2により、折りたたまれた、もしくは波型にされた膜板4の一方の側で狭められる一方、折りたたまれた膜の他方の側にある空気ポケットは広げられる。可聴周波数の電流は、折りたたまれた、もしくは波型にされた膜1の両側にある空気ポケットの、同調的で共通の、開きもしくは閉まりをもたらす。この動きによって引き起こされる、張り出した空気容積の内部の圧力による振動は音波として、両側から、膜板全体に向かって垂直に放射される。この配列の効率は、磁気共鳴断層撮影装置の磁界Bが、折りたたまれたもしくは波型にされた膜板全体に対して垂直に向けられているときに最適となる。この幾何学から逸脱すると、それが配列全体または部分の彎曲またはひずみによる場合、それによって効率が下がる。ただし機能性は問題にならない。
【0025】
ヘッドホンではこの幾何学からの逸脱は、それが配列全体または部分の湾曲またはひずみによる場合、それによる意味は大きい。音響発生の効率は低下し、それとともに、放射された音響エネルギーを、ヘッドホンにとって通常のそして安全な価値にまで減らす。ヘッドホンはそれゆえ、通常であればオーディオ装置のヘッドホン出力口から自由にとりだされるものが、電気の働きによって駆動される。
【0026】
膜はカプセル防音具の内部に挿入されるため、移送に際しては核スピン断層撮影装置の主要磁界にほぼ平行に向けられる。カプセル防音具内の決められた場所は遮音材料で充填されるため、消極的消音は引き続き維持される。
【0027】
図2aは1つの実施例を示すが、ここでは膜1が、磁気共鳴断層撮影装置の磁界Bに直角またはほとんど直角な軸にそって1つまたは複数の折り目または波状に配列される、すなわち、ある相応した配列が、多数の、可動でしかも相互に結合された個々の膜によって形成される。1つまたは複数の曲げやすい条導体2が平面にかつ固定して膜1に結合されるので、条導体2の方向は、折り目もしくは曲がった軸5に対して直角かほぼ直角に走る。このように取り付けられた条導体2は電気的に並列に接続される。
【0028】
図2bは条導体2により電流を通電された際の図2aに表された配列を示す。磁気共鳴断層撮影装置の外側の磁界Bは、変形された力を条導体2に伝えるが、その条導体2の方位は、通電された電流の方向によって定められている。説明されたとおりの条導体配列によって、空気ポケットが、互いに相手側に向かって動く条導体2により、折りたたまれた、もしくは波型にされた膜1の一方の側で狭められる一方、折りたたまれた膜1の他方の側にある空気ポケットは広げられる。可聴周波数の電流は、折りたたまれた、もしくは波型にされた膜の両側にある空気ポケットの、同調的で共通の、開きもしくは閉まりをもたらす。この動きによって引き起こされる、張り出した空気容積の内部の圧力振動は音波として、両側から、膜板全体に向かって垂直に放射される。この配列の効率は、磁気共鳴断層撮影装置の磁界Bが、条導体2に対して垂直に向けられているときに最適となる。この幾何学から逸脱すると、それが配列全体または部分の彎曲またはひずみによる場合、それによって効率が下がる。ただし機能性は問題にならない。
【0029】
図3aは実施例(取付け具なし)の有効な部分を示すが、ここでは膜1が、磁気共鳴断層撮影装置の磁界Bに対して直角またはほぼ直角な軸に沿って1つまたは複数の折り目または波状に配列される。別言すれば、ある相応した配列が、多数の、可動でしかも相互に結合された個々の膜によって形成される。1つまたは複数の、リード線2bとして使われる導線が平面にかつ固定して膜1に結合されるので、導線の方向は、折りたたんだ軸もしくは曲がった軸に対して直角またはほぼ直角に走る。さらに、折り目軸に対して平行またはほぼ平行に、そしてそれゆえに磁気共鳴断層撮影装置の磁界Bの方向に対して直角またはほぼ直角に1つまたは複数の条導体2が膜1と平面にかつ固定して結合される。条導体2aはリード線2bと、膜1によって形成された空気ポケットの両側で電気的に接続される。通電は、同じ1つの電流が、空気ポケットの互いに向き合う側で、逆方向の方位の中で条導体2に通電されるように、なされなければならない。
【0030】
複数の条導体2aはリード線2bを介して条導体ブロック6に相互結合される。
【0031】
図3bは電流I通電の際のそのような配列を表す。通電の際に条導体2によって磁界Bから伝えられる力によって、折りたたまれた膜1で形成された空気ポケットが広がる、もしくは狭まる、という結果をもたらす。可聴周波数は、張り出した空気容積の内部で同調的圧力振動を引き起こし、これが音波として放射される。
【0032】
図3aおよび3bに表された配列は、複数の平行する有効な膜2aの導入により、大きな平面のうず電流のない膜1の駆動力を可能にする。変換器の容積に比較して大きな磁気共鳴断層撮影装置の磁界Bを考慮するとき、付加的に効率を高めた変換器の実施は可能である、というのは当該効率を決める空気ポケット幅a対空気ポケット奥行きbの比率(図3c参照)は奥行きbの拡大によって減らすことができるからである。
【0033】
本発明はここに説明された実施例に限定されるものではない。逆に、列挙した手段および特徴を適切に組み合わせることによって、本発明の枠から外れることなく、実施の更なる変形を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】aは、折り目の軸に並行して走り、直列に接続された条導体を有する、折り目をつけられた膜の図示例、bは、条導体を通して電流を通じた際の図1aによる膜の変化の図示例
【図2】aは、折り目の軸に直角に走る、並列接続された条導体を有する、折り目をつけられた膜の図示例、bは、条導体を通して電流を通じた際の図2aによる膜の変化の図示例
【図3】aは、条導体ブロックを有する膜の図示例、bは、条導体を通して電流を通じた際の図3aによる膜の変化の図示例、cは、空気ポケット幅対空気ポケット奥行きの比率の図示例
Claims (12)
- 磁気共鳴断層撮影装置の均質および/または不均質の磁界における音響の発生および利用に供されるもので、空気ポケットを形成する1つまたは複数の膜1により音響発生がなされ、そこでは膜1が、弾性があって磁気を帯びていないかまたは磁気の弱い材料からなり、また平面にかつ固定して条導体2と結合され、その膜の上では、通電の際にローレンツ力が断層撮影装置の磁界によって駆動力として作用することを特徴とする、ブロードバンド拡声器またはヘッドホン用の音響変換器。
- 上記空気ポケットが膜(1)の平板(4)によって形成され、折り目または曲がりの軸(5)によって区分されることを特徴とする請求項1に記載の音響変換器。
- 条導体(2)が上記折り目または曲がりの軸(5)に並行して走り、電気的に直列で接続されることを特徴とする請求項2に記載の音響変換器。
- 複数の条導体(2a)がリード線(2b)によって条導体ブロック(6)に相互接続され、同条導体ブロック(6)が上記折り目または曲がりの軸(5)に並行して走ることを特徴とする請求項2または3に記載の音響変換器。
- 上記条導体(2)が上記折り目または曲がりの軸(5)に対して直角またはほぼ直角に走ることを特徴とする請求項2に記載の音響変換器。
- 複数の条導体(2)が電気的に並列に接続されることを特徴とする請求項5に記載の音響変換器。
- 効率向上のため、反対方向への制御が、より大きな空気容積の変化を実現するように、2つまたはそれ以上の膜1を配列することを特徴とする請求項1に記載の音響変換器。
- 1つまたは複数の膜1の折り重ね、同じく上記平板4にそった上記条導体2の固定により、条導体2を通した電流が、交互に逆となる方位の中で行われることを特徴とする請求項1に記載の音響変換器。
- 条導体2の補正的な配置により、上記拡声器の周囲に形成される付加的な磁界が最小化されることを特徴とする請求項1に記載の音響変換器。
- 音響変換器が、折り目(大型拡声器)つき断層撮影装置の内壁のライニングとして形成されることを特徴とする請求項1に記載の音響変換器。
- 反音響拡声器として利用される請求項1に記載の拡声器の形をした音響変換器。
- 相互電話連絡装置の中の磁気共鳴断層撮影装置の内部に配置された部分の内部で利用される請求項1に記載の、拡声器の形をした音響変換器。
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