JP2004515549A - 抗微生物2−ピリドン類、その組成物と使用 - Google Patents

抗微生物2−ピリドン類、その組成物と使用 Download PDF

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Abstract

抗微生物2−ピリドン類、その組成物と使用
下記の一般的構造を有する化合物、
【化1】
Figure 2004515549

は、有効な抗微生物剤である。

Description

【0001】
(相互参照)
本出願は、米国特許法35編119(e)条に基づき、2000年12月14日出願の米国特許仮出願第60/255,628号の優先権を請求するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、新規の抗微生物化合物、その組成物、及びその使用とに関する。
【0003】
(発明の背景)
化学及び医学文献には、抗微生物剤と呼ばれる、すなわち細菌などの微小有機体の成長又は繁殖を阻害又は抑制することのできる化合物が記載されている。例えば、このような抗菌剤及び他の抗微生物剤については、疾病管理のための抗生物質、化学療法、及び抗菌剤(Antibiotics,Chemotherapeutics,and Antibacterial Agents for Disease Control)(M・グレイソン(M.Grayson)、編集者、1982年)、及びE・ゲール(E.Gale)らの抗菌性の分子的機序(The Molecular Basis of Antibiotic Action)第二版(1981年)に記載されている。
【0004】
これらの抗菌剤の作用メカニズムは、様々である。しかし、一般に、細胞壁の合成もしくは修復の阻害、細胞壁透過性の変化、タンパク質合成の阻害、又は核酸合成の阻害のうち、1つ以上の様式で機能すると考えられている。例えば、βラクタム抗菌剤類は、細胞壁合成を担う、細菌中の必須ペニシリン結合タンパク質類(PBPs)の阻害を通じて作用する。他の例として、キノロン類は、少なくとも部分的には、DNAの合成を阻害して細胞の複製を妨げることによって作用する。
【0005】
抗微生物剤の薬理学的特徴及び所与の任意の臨床使用に関するその適性は、様々である。例えば、抗微生物剤の分類(及び分類中のメンバ)は、1)様々なタイプの微小有機体に対するその相対的な有効性、2)微生物の耐性の発達に対する影響の受けやすさ、及び3)生物学的利用能や体内分布などの薬理学的特徴が異なることがある。したがって、所与の臨床状況で適切な抗菌剤(又は他の抗微生物剤)を選択するには、関与する有機体のタイプ、所望の投与方法、治療すべき感染の箇所、及び他の考慮事項を含む多くの要因を解析する必要がある。
しかし、このような改良型の抗微生物剤を生産しようとする多くの試みからもたらされる結果は、曖昧なものである。実際、その抗微生物活性の範囲、微生物耐性の回避、及び薬理学の見地から、真に臨床的に許容可能な抗微生物剤は、ほとんど生産されていない。したがって、耐性微生物に対して有効な広範囲の抗微生物剤が、継続して必要とされている。
【0006】
一部の1,4−ジヒドロキノロン、ナフチリジン、又は関連複素環式部分は、当該技術分野で抗微生物活性を有することで知られており、以下の参照文献に記載されている:R・アルブレクト(Albrecht)、薬物研究の進歩(Prog.Drug Research)、第21巻、9ページ(1977年);J・ウルフソン(J.Wolfson)ら、「フルオロキノロン類:構造、作用及び耐性メカニズム、インビトロ活性範囲(The Fluoroquinolones:Structures,Mechanisms of Action and Resistance,and Spectra of Activity In Vitro)」、抗微生物剤及び化学療法(Antimicrob.Agents and Chemother.)、第28巻、581ページ(1985年);G・クロップマン(G.Klopman)ら、抗微生物剤及び化学療法(Antimicrob.Agents and Chemother.)第31巻、1831ページ(1987年);M・P・ウェントランド(M.P.Wentland)ら、医用化学年次報告書(Ann.Rep.Med.Chem.)、第20巻、145ページ(1986年);J・B・コルネット(J.B.Cornett)ら、医用化学年次報告書(Ann.Rep.Med.Chem.)、第21巻、139ページ(1986年);P・B・フェルナンデス(P.B.Fernandes)ら、医用化学年次報告書(Ann.Rep.Med.Chem.)、第22巻、117ページ(1987年);A・コガ(A.Koga)ら、「抗菌6,7−及び7,8−二置換1−アルキル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸の構造と活性の関係(Structure−Activity Relationships of Antibacterial 6,7−and 7,8−Disubstituted 1−alkyl−1,4−dihydro−4−oxoquinoline−3−carboxylic Acids)」、医用化学雑誌(J.Med.Chem.)、第23巻、1358〜1363ページ(1980年);J・M・ドマガラ(J.M.Domagala)ら、医用化学雑誌(J.Med.Chem.)、第31巻、991ページ(1988年);T・ローゼン(T.Rosen)ら、医用化学雑誌(J.Med.Chem.)、第31巻、1586ページ(1988年);T・ローゼン(T.Rosen)ら、医用化学雑誌(J.Med.Chem.)、第31巻、1598ページ(1988年);B・レドゥーサル(B.Ledoussal)ら、「非6−フッ素置換キノロン抗菌剤:構造及び活性(Non 6−Fluoro Substituted Quinolone Antibacterials:Structure and Activity)」、医用化学雑誌(J.Med.Chem.)、第35巻、198〜200ページ(1992年);J・M・ドマガラ(J.M.Domagala)ら、「新規7−[3−(1−アミノエチル)−1−ピロリジニル]側鎖を含有するキノロン抗菌剤:1−アミノエチル部分及びその立体化学構成の効力及びインビボ有効性に対する影響(Quinolone Antibacterials Containing the New 7−[3−(1−aminoethyl)−1−pyrrolidinyl]Side Chain:The Effects of the 1−Aminoethyl Moiety and Its Stereochemical Configurations on Potency and in Vivo Efficacy)」、医用化学雑誌(J.Med.Chem.)、第36巻、871〜882ページ(1993年);ヘイゲン(Hagen)ら、「7−[3−(1−アミノ−1−メチルエチル)−1−ピロリジニル]部分を含有する新規キノロン類の合成及び抗菌活性:口腔活性に優れ、副作用可能性の低いグラム陽性剤(Synthesis and Antibacterial Activity of New Quinolones Containing a 7−[3−(1−Amino−1−methylethyl)−1−pyrrolidinyl]Moiety.Gram Positive Agents with Excellent Oral Activity and Low Side−Effect Potential)」、医用化学雑誌(J.Med.Chem.)、第37巻、733〜738ページ(1994年);V・チェチェッティ(V.Cecchetti)ら、「6−アミノキノリン類の研究:6−アミノ−8−メチルキノロン類の合成と抗菌性評価(Studies on 6−Aminoquinolines:Synthesis and Antibacterial Evaluation of 6−Amino−8−methylquinolones)」、医用化学雑誌(J.Med.Chem.)、第39巻、436〜445ページ(1996年);V・チェチェッティ(V.Cecchetti)ら、「抗菌化学療法における新規主要化合物としての強力な6−デスフルオロ−8−メチルキノロン類(Potent 6−Desfluoro−8−methylquinolones as New Lead Compounds in Antibacterial Chemotherapy)」、医用化学雑誌(J.Med.Chem.)、第39巻、4952〜4957ページ(1996年);ホン(Hong)ら、「新規5−アミノ−6−メチルキノロン抗菌剤:非6−フルオロキノロン類の新規分類(Novel 5−Amino−6−methylquinolone Antibacterials:a New Class of Non−6−fluoroquinolones)」、生物有機医用化学レター(Bioorg.ofMed.Chem.Let.)、第7巻、1875〜1878ページ(1997年);米国特許第4,844,902号(グローエ(Grohe)、1989年7月4日);米国特許第5,072,001号(ヘイゲン(Hagen)及びストー(Suto)、1991年12月10日);米国特許第5,328,908号(デムース(Demuth)及びホワイト(White)、1994年7月12日);米国特許第5,457,104号(バーテル(Bartel)ら、1995年10月10日);米国特許第5,556,979号(フィリップス(Philipps)ら、1996年9月17日);欧州特許出願572,259(宇部興産(Ube Ind.)、1993年12月1日公開);欧州特許出願775,702(富山化学(Toyama Chem.Co.)、1997年5月28日公開)、日本特許公開62/255,482(杏林製薬(Kyorin Pharm.Co.)、1995年3月1日公開)。更に、2−ピリドンを記述した文献の小集団があり:欧州特許出願308,019(ヘック・ジェームズ,V(Heck James,V.)ら、1988年9月9日);国際特許出願第99/07696号(テ・ホ(Tae Ho)ら、1997年8月9日);国際特許出願第91/16894号(チュ・ダニエル,T(Chu Daniel,T.)ら、1990年5月2日);国際特許出願第95/10519号(チュ・ダニエル,T(Chu Daniel,T.)ら、1993年10月14日);米国特許第5,599,816号(チュ・ダニエル,T(Chu Daniel,T.)ら、1995年6月7日);米国特許第5,726,182号(チュ・ダニエル,T(Chu Daniel,T.)ら、1995年6月7日);米国特許第5,580,872号(チュ・ダニエル,T(Chu Daniel,T.)ら、1995年9月30日);及び医用化学雑誌(J.Med.Chem.)、第39巻、3070〜3088ページ(1996年);クン(Qun)ら「2−ピリドンの合成及び構造と活性の関係:抗菌剤として、強力なDNAジャイレース(DNA Gyrase)阻害物質の新規シリーズ(Synthesis and Structure−Activity Relationships of 2−Pyridones:A Novel series of Potent DNA Gyrase Inhibitors as Antibacterial Agents)」が挙げられる。
【0007】
抗生物質治療に対する細菌感染耐性の例が、これまでに報告されており、それは、今や先進国世界の公衆衛生に対する重大な脅威である。微生物の耐性の発達(恐らくは、長期間にわたる抗菌剤の集中的な使用に起因する)は、医学において高まりつつある関心事である。「耐性」は、所与の微生物種個体群内の、所与の抗微生物剤の作用の影響を受けにくい有機体の存在として定義することができる。この耐性は、特に、比較的感染率が高く、抗菌剤の使用が多いことが一般的である、病院や介護施設などの環境で関心事となっている。例えば、W・サンダース,ジュニア(W.Sanders,Jr.)ら、「誘発性βラクタマーゼ類:最新セファロスポリン類の使用に関する臨床及び疫学的意義(Inducible Beta−lactamases:Clinical and Epidemiologic Implications for Use of Newer Cephalosporins)」、感染病論評(Reviews of Infectious Diseases)、830ページ(1988年)を参照されたい。
【0008】
病原菌は、細菌酵素(例えば、ペニシリン、及びセファロスポリン類を加水分解するβラクタマーゼ類)による抗生物質の非活性化、排出ポンプを用いた抗生物質の排除、突然変異及び遺伝子組換えを介した標的抗生物質の修飾(例えば、淋菌(Neiserria gonorrhoeae)におけるペニシリン耐性)、並びに、耐性標的を形成するための、外部源からの容易に転移可能な遺伝子の獲得(例えば、黄色ブドウ球菌におけるメチシリン耐性)を含むいくつかの別個のメカニズムを介して耐性を獲得することが知られている。バンコマイシン耐性腸球菌(Enterococcus faecium)のような、事実上すべての市販の抗生物質に耐性をもつある種のグラム陽性病原菌もある。
ゆえに、既存の抗菌剤が耐性の脅威を克服する能力は、限られたものである。したがって、耐性微生物に対して使用できる、有用な特性を備える化合物を提供することは有利である。
【0009】
(発明の概要)
出願人は、耐性微生物に対して有効な、2−ピリドン化合物の新規のシリーズを見出した。特に、本発明は式(I)による構造を有する化合物であって、
【0010】
【化9】
Figure 2004515549
[式中、
(A)(1)Rは、C〜約Cシクロアルキル、C〜約Cヘテロシクロアルキル、低級アルキル、低級アルケン、6員環アリール、及び6員環ヘテロアリールから選択され、
(2)Rは水素であり、
(3)Rは、水素及びヒドロキシから選択され、
(4)Rは、水素、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、低級アルキル、低級アルケン、及び低級アルコキシから選択され、
(5)Rは、水素、ヒドロキシ、アミノカルボニル、シアノ、C〜約Cアルキル、及びC〜約Cアルケンから選択され、前記アルキル及びアルケン部分のすべては非置換であるか、もしくは1〜約3のフッ素により置換されており、又はメチルもしくはエチルの場合には、任意選択的に1つのヒドロキシもしくは1つのアミノ部分により置換されており、
(6)Rは、下記のものから選択され、
【0011】
【化10】
Figure 2004515549
(式中、
(a)Rは、
(i)Rの環の窒素に隣接していないRの環の炭素に結合したアミノであって、該アミノは非置換であるか、又は1もしくは2のC〜約Cアルキルにより置換されており、又は
(ii)Rの環のいずれかの炭素に結合したアミノアルキルであり、1つのアミノにより置換されたC〜約Cアルキルであり、該アミノは非置換であるか、又は1もしくは2のC〜約Cアルキルにより置換されており、
(b)R10は、RではなくRにおける部分を表し、各R10は、水素、C〜約Cアルキル、C〜約Cアルケン、及びC〜約C縮合アルキル環又はスピロアルキル環からそれぞれ独立して選択され、すべてのアルキル、アルケン、及び環状R10部分は非置換であるか、又は1つのヒドロキシ、もしくは1〜約3のフッ素部分により置換されている)
(7)Rは、水素、ハロ、C〜約Cアルコキシ、C〜約Cアルキルチオ、C〜約Cアルキル、及び低級アルケンから選択されるか、又は
(B)R及びは結合して6員環の複素環を形成することができ、この場合R、R、R、R、及びRは(A)に記載された通りである]
又はその光学異性体、ジアステレオマー、もしくはエナンチオマー、又はその薬学上許容可能な塩、水和物、又はその生加水分解性エステル、アミド、もしくはイミドに関する。加えて、本発明の化合物を組み込んだ化合物、又は他の抗微生物化合物を作製するための、出発物質としての本発明の化合物の使用もまた本発明において意図されている。
【0012】
(発明の説明)
I.用語及び定義:
以下に、本明細書で使用する用語に関する定義を列記する。
「アシル」は、カルボン酸からヒドロキシを除去して形成されるラジカルである(すなわち、R−C(=O)−)。好ましいアシル基には、(例えば)アセチル、ホルミル、及びプロピオニルが挙げられる。
【0013】
「アルキル」は、1〜15個の炭素原子、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜4個の炭素原子を有する飽和炭化水素鎖である。「アルケン」は、少なくとも1つ(好ましくは1つだけ)の炭素−炭素二重結合を有し、2〜15個の炭素原子、好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜4個の炭素原子を有する炭化水素鎖である。「アルキン」は、少なくとも1つ(好ましくは1つだけ)の炭素−炭素三重結合を有し、2〜15個の炭素原子、好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜4個の炭素原子を有する炭化水素鎖である。アルキル、アルケン、及びアルキン鎖(集合的に「炭化水素鎖」と呼ぶ)は、直鎖又は分枝鎖であってもよく、非置換又は置換であってもよい。好ましい分枝状アルキル、アルケン、及びアルキン鎖は、1つ又は2つの分枝、好ましくは1つの分枝を有する。好ましい鎖は、アルキルである。アルキル、アルケン、及びアルキン炭化水素鎖は、それぞれ、非置換であってもよく、又は1〜4個の置換基で置換されていてもよく、置換されている場合、好ましい鎖は、一置換、二置換、又は三置換である。アルキル、アルケン、及びアルキン炭化水素鎖は、それぞれ、ハロ、ヒドロキシ、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ(例えば、アセトキシ)、カルボキシ、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、スピロ環、アミノ、アミド、アシルアミノ、ケト、チオケト、シアノ、又はこれらの任意の組み合わせで置換されていてもよい。好ましい炭化水素基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ビニル、アリル、ブテニル、及びエキソメチレニルが挙げられる。
【0014】
「アルコキシ」は、炭化水素鎖置換基を有する酸素ラジカルであり、炭化水素鎖はアルキル又はアルケニル(すなわち、−O−アルキル又は−O−アルケニル)である。好ましいアルコキシ基には、(例えば)メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びアリルオキシが挙げられる。
「アルキルチオ」は、炭化水素鎖置換基を有するイオウラジカルであり、この場合、炭化水素鎖はアルキル(例えば、−S−CH)又はアルケニル(例えば、−S−CHCH=CH)である。
「アミノ」は、一級アミノ(−NH)、二級アミノ(−NH(アルキル)、本明細書では「アルキルアミノ」とも呼ぶ)、又は三級アミノ(−N(アルキル)、本明細書では「ジアルキルアミノ」とも呼ぶ)を指す。
「アミノアルキル」は、アミノ、アルキルアミノ、又はジアルキルアミノ基で置換したアルキル部分(例えば、−CHNH、−CHCHNH2、−CHNHCH、−CHN(CH)である。
【0015】
「アリール」は、芳香族炭化水素環である。アリール環は、単環式又は縮合二環式環構造である。単環式アリール環は、環の中に6個の炭素原子を含有する。単環式アリール環はまた、フェニル環とも呼ばれる。二環式アリール環は、環の中に、8〜17個の炭素原子、好ましくは9〜12個の炭素原子を含有する。二環式アリール環には、一方の環がアリールで、他方の環がアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルである環構造が挙げられる。好ましい二環式アリール環は、5、6、又は7員環に連結された、5、6、又は7員環を含む。アリール環は、非置換であってもよく、又は環上の1〜4個の置換基で置換されていてもよい。アリールは、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、フェニル、アリールオキシ、アルコキシ、ヘテロアルキルオキシ、カルバミル、ハロアルキル、メチレンジオキシ、ヘテロアリールオキシ、又はこれらの任意の組み合わせで置換されていてもよい。好ましいアリール環には、ナフチル、トリル、キシリル、及びフェニルが挙げられる。最も好ましいアリール環ラジカルは、フェニルである。
【0016】
「アリールオキシ」は、アリール置換基を有する酸素ラジカル(すなわち−O−アリール)である。好ましいアリールオキシ基には、(例えば)フェノキシ、ナプチルオキシ、メトキシフェノキシ、及びメチレンジオキシフェノキシが挙げられる。
「生加水分解性アミド」とは、本発明の化合物のアミノアシル、アシルアミノ、もしくは他のアミド類であり、アミドが化合物活性に本質的には干渉せず、好ましくは化合物活性に干渉せず、又はアミドがホストによってインビボで容易に変換されて活性化合物を生成するものである。
「生加水分解性イミド」とは、本発明の化合物のイミド類であり、イミドが化合物活性に本質的には干渉せず、好ましくは化合物活性に干渉せず、又はイミドがホストによってインビボで容易に変換されて活性化合物を生成するものである。好ましいイミドは、ヒドロキシイミドである。
【0017】
「生加水分解性エステル」とは、本発明の化合物のエステル類であり、エステルが化合物の抗微生物活性に本質的には干渉せず、好ましくは化合物の抗微生物活性に干渉せず、又はエステルがホストによってインビボで容易に変換されて活性化合物を生成するものである。このようなエステルの多くが、1988年11月8日発行のジョンストン(Johnston)及びモバシュリー(Mobashery)の米国特許第4,783,443号(参考としてここに示す)に記載されているように、当該技術分野において既知である。このようなエステルには、低級アルキルエステル、低級アシルオキシ−アルキルエステル(アセトキシメチルエステル、アセトキシエチルエステル、アミノカルボニルオキシメチルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、及びピバロイルオキシエチルエステルなど)、ラクトニルエステル(フタリジルエステル及びチオフタリジルエステルなど)、低級アルコキシアシルオキシアルキルエステル(メトキシカルボニルオキシメチルエステル、エトキシカルボニルオキシエチルエステル、及びイソプロポキシカルボニルオキシエチルエステルなど)、アルコキシアルキルエステル、コリンエステル、及びアルキルアシルアミノアルキルエステル(アセトアミドメチルエステルなど)が挙げられる。
【0018】
「炭素環」には、シクロアルキル及びアリール部分の両方が包含され、これらの用語を本明細書で定義する。
「カルボニル」は、−C(=O)−である。
「シクロアルキル」は、飽和又は不飽和炭化水素環である。シクロアルキル環は芳香族ではない。シクロアルキル環は、単環式、又は、縮合、スピロ、又は架橋二環式環構造である。単環式シクロアルキル環は、環の中に、約3〜約9個の炭素原子、好ましくは3〜7個の炭素原子を含有する。二環式シクロアルキル環は、環の中に、7〜17個の炭素原子、好ましくは7〜12個の炭素原子を含有する。好ましい二環式シクロアルキル環は、5、6、又は7員環のシクロアルキル環に連結された、2、5、6、又は7員環のシクロアルキル環を含む。シクロアルキル環は、非置換であってもよく、又は環上の1〜4個の置換基で置換されていてもよい。シクロアルキルは、ハロ、シアノ、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、フェニル、ケト、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、アシルアミノ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、又はこれらの任意の組み合わせで置換されていてもよい。好ましいシクロアルキル環には、シクロプロピル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが挙げられる。
【0019】
「ハロ」又は「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素である。好ましいハロは、フッ素、塩素、及び臭素であり、より好ましくは通常は塩素及びフッ素であり、特にフッ素である。
「ハロアルキル」は、1つ以上のハロ置換基で置換された、直鎖、分枝状、又は環状炭化水素である。好ましくはC〜C12ハロアルキル、より好ましくはC〜Cハロアルキル、さらに好ましくはC〜Cハロアルキルである。好ましいハロ置換基は、フッ素又は塩素である。最も好ましいハロアルキルは、トリフルオロメチルである。
「ヘテロ原子」とは、窒素、イオウ、又は酸素原子である。1つ超過のヘテロ原子を含有する基が、異なるヘテロ原子を有してもよい。
【0020】
「ヘテロアルキル」は、炭素と少なくとも1個のヘテロ原子とを含有する飽和又は不飽和鎖であり、2個のヘテロ原子が隣り合うことはない。ヘテロアルキル鎖は、鎖の中に2〜15個、好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜5個の構成原子(炭素及びヘテロ原子)を含有する。例えば、アルコキシ(すなわち、−O−アルキル、又は−O−ヘテロアルキル)ラジカル類が、ヘテロアルキルに含まれる。ヘテロアルキル鎖は、直鎖又は分枝鎖であってよい。好ましい分枝状ヘテロアルキルは、1つ又は2つの分枝を有し、好ましくは1つの分枝を有する。好ましいヘテロアルキルは、飽和している。不飽和ヘテロアルキルは、1つ以上の炭素−炭素二重結合、及び/又は1つ以上の炭素−炭素三重結合を有する。好ましい不飽和ヘテロアルキルは、1つもしくは2つの二重結合、又は1つの三重結合を有し、より好ましくは1つの二重結合を有する。ヘテロアルキル鎖は、非置換であってもよく、又は1〜4個の置換基で置換されていてもよい。
【0021】
好ましい置換ヘテロアルキルは、一置換、二置換、又は三置換である。ヘテロアルキルは、低級アルキル、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、カルボキシ、単環式アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、スピロ環、アミノ、アシルアミノ、アミド、ケト、チオケト、又はシアノ、又はこれらのいずれかの組み合わせで置換されていてもよい。
【0022】
「ヘテロアリール」は、環の中に、炭素原子及び1〜約6個のヘテロ原子を含有する芳香族環である。ヘテロアリール環は、単環式又は縮合二環式環構造である。単環式ヘテロアリール環は、環の中に、約5〜約9個、好ましくは5又は6個の構成原子(炭素及びヘテロ原子)を含有する。二環式ヘテロアリール環は、環の中に、8〜17個、好ましくは8〜12個の構成原子を含有する。二環式ヘテロアリール環には、一方の環がヘテロアリールで、他方の環がアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルである環構造が挙げられる。好ましい二環式ヘテロアリール環構造は、5、6、又は7員環に連結された、5、6、又は7員環を含む。ヘテロアリール環は、非置換であってよく、又は環上の1〜4個の置換基で置換されていてもよい。ヘテロアリールは、ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、アシルアミノ、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、フェニル、アルコキシ、アリールオキシ、又はヘテロアリールオキシ、又はこれらのいずれかの組み合わせで置換されていてもよい。好ましいヘテロアリール環として、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
【化11】
Figure 2004515549
【0024】
【化12】
Figure 2004515549
「ヘテロアリールオキシ」は、ヘテロアリール置換基を有する酸素ラジカル(すなわち、−O−ヘテロアリール)である。好ましいヘテロアリールオキシ基には、(例えば)ピリジルオキシ、フラニルオキシ、(チオフェン)オキシ、(オキサゾール)オキシ、(チアゾール)オキシ、(イソキサゾール)オキシ、ピリミジニルオキシ、ピラジニルオキシ、及びベンゾチアゾリルオキシが挙げられる。
【0025】
「ヘテロシクロアルキル」は、環の中に、炭素原子及び1〜約4個(好ましくは1〜3個)のヘテロ原子を含有する、飽和又は不飽和環である。ヘテロシクロアルキル環は芳香族ではない。ヘテロシクロアルキル環は、単環式又は二環式環構造である。単環式ヘテロシクロアルキル環は、環の中に、約3〜約9個、好ましくは5〜7個の構成原子(炭素及びヘテロ原子)を含有する。二環式ヘテロシクロアルキル環は、環の中に、7〜17個、好ましくは7〜12個の構成原子を含有する。二環式ヘテロシクロアルキル環は、約7〜約17個、好ましくは7〜12個の環原子を含有する。二環式ヘテロシクロアルキル環は、縮合、スピロ、又は架橋環構造であってもよい。好ましい二環式ヘテロシクロアルキル環は、5、6、又は7員環に連結された、5、6、又は7員環を含む。ヘテロシクロアルキル環は、非置換であってもよく、又は環上の1〜4個の置換基で置換されていてもよい。ヘテロシクロアルキルは、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、ケト、チオケト、アミノ、アシルアミノ、アシル、アミド、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、フェニル、アルコキシ、アリールオキシ、又はこれらのいずれかの組み合わせで置換されていてもよい。ヘテロシクロアルキルに対する好ましい置換基には、ハロ及びハロアルキルが挙げられる。好ましいヘテロシクロアルキル環として、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
【化13】
Figure 2004515549
【0027】
【化14】
Figure 2004515549
「複素環」には、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリール部分の両方が包含され、これらの用語を本明細書で定義する。
「ホスト」とは、微生物を保持することのできる基質で、典型的には生物有機体、より典型的には動物、より典型的には哺乳類、さらに典型的にはヒトである。
【0028】
「低級」アルコキシ、アルキルチオ、アルキル、アルケン、又はアルキン部分(例えば、「低級アルキル」)は、アルキル、アルコキシ、及びアルキルチオの場合には、1〜6個、好ましくは1〜4個の炭素原子で構成される鎖であり、アルケン及びアルキンの場合には、2〜6個、好ましくは2〜4個の炭素原子で構成される鎖である。
用語「光学異性体」、「立体異性体」、及び「ジアステレオマー」は標準的に業界で認められる意味を有する(例えば、ホーレーの要約化学辞典(Hawley’s Condensed Chemical Dictionary)、11版を参照のこと)。本発明の化合物の特定の保護形態及び他の誘導体についての説明は、制限をしようとするものではない。他の有用な保護基、塩の形態などの応用は、当事者の能力の範囲内である。
【0029】
本発明の化合物は、1つ以上のキラル中心を有していてもよい。結果として、ジアステレオマーやエナンチオマーを含む光学異性体の1つを、例えば、キラル出発物質、触媒、又は溶媒を使用することによって、他のものと区別して選択的に調製することができ、ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む両方の立体異性体又は両方の光学異性体(ラセミ混合物)を同時に調製することもできる。本発明の化合物が、ラセミ混合物、ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む光学異性体の混合物、又は立体異性体として存在できるので、それらをキラル分割やキラルクロマトグラフィーなどの既知の方法を用いて分離することができる。
【0030】
加えて、ジアステレオマー及びエナンチオマーを含むある種の光学異性体、又は立体異性体が、他のものを超える好ましい特性を有する可能性があることが認識されている。したがって、本発明を開示し特許請求する際、ある種のラセミ混合物が開示される際、他のものを実質的に含まない、ジアステレオマー及びエナンチオマーを含む両方の光学異性体、又は立体異性体も同様に開示し特許請求されることが、明らかに意図されている。
【0031】
「薬学上許容可能な塩」とは、本発明の化合物上のいずれかの酸性(例えば、カルボキシル)基に形成されたカチオン性の塩、又はいずれかの塩基性(例えば、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、モルフィリノ(morphylino)など)基に形成されたアニオン性の塩である。本発明の化合物の多くが双性イオン性であるので、いずれの塩も可能であり、許容可能である。このような塩の多くが、当該技術分野で既知である。好ましいカチオン性の塩には、アルカリ金属塩(ナトリウムやカリウムなど)、アルカリ土類金属塩(マグネシウムやカルシウムなど)、及びアンモニオのような有機塩が挙げられる。好ましいアニオン性の塩には、ハロゲン化物、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩などが挙げられる。このような塩には、前には存在しなかった光心を提供する可能性のある付加塩が、明らかに意図される。例えば、本発明の化合物からキラル酒石酸塩を調製してもよく、この定義にはこのようなキラル塩が含まれる。意図される塩は、患者である動物、哺乳類、又はヒトに投与される量で毒性のないものである。
【0032】
本発明の化合物は、酸付加塩を形成するのに十分に塩基性である。化合物は、遊離塩基形態及び酸付加塩の形態の両方で有用であり、いずれの形態も本発明の範囲内である。ある場合には、酸付加塩の形態の方が、使用に便利である。実際には、塩の形態の使用は、本質的に、活性物質の塩基形態の使用に等しい。酸付加塩を調製するために使用する酸には、好ましくは、遊離塩基と化合すると、薬剤に許容可能な塩を生成するものを含む。これらの塩は、遊離塩基中で固有の有益な特性が酸のアニオンに起因する副作用によって損なわれないように、塩の薬剤用量中に、哺乳類などの動物有機体に比較的無害なアニオン類を有する。
【0033】
適切な酸付加塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、蟻酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、アジピン酸塩、グルタル酸塩、乳酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ドデシル硫酸塩、シクロヘキサンスルファミン酸塩などが挙げられるが、これらに限定されない。しかし、本発明の範囲内にある、薬剤に許容可能な他の適切な塩は、他の鉱酸及び有機酸由来のものである。塩基性化合物の酸付加塩は、いくつかの方法によって調製される。例えば、遊離塩基は、適切な酸を含有するアルコール水溶液に溶解可能であり、塩は、その溶液を蒸発させることによって単離される。あるいは、塩が直接的に分離されるように、遊離塩基を有機溶媒中の酸と反応させることによって調製することもできる。塩の分離が困難な場合には、第2の有機溶媒で沈殿させるか、又は溶液を濃縮することによって得ることができる。
【0034】
塩基性化合物の薬剤に許容可能な塩が好ましいが、すべての酸付加塩が本発明の範囲内にある。すべての酸付加塩は、特定の塩自体が中間生成物としてのみ望まれる場合でも、遊離塩基の形態の供給源として有用である。例えば、精製もしくは同定のためだけに塩を形成するとき、又はイオン交換手順によって薬剤に許容可能な塩を調製する際の中間体として使用するときは、これらの塩は、明らかに本発明の一部として意図される。
【0035】
このような塩は、当事者にはよく理解されており、当事者は、当該技術分野の知識から考えて、あらゆる数の塩を調製することができる。さらに、当事者が、溶解度、安定性、及び配合の容易さなどの理由で、ある塩を他のものよりも好むことがあることが認識されている。このような塩は、当事者の習慣の範囲内で決定され、最適化される。
【0036】
「溶媒化合物」は、溶質(例えば、2−ピリドン)と溶媒(例えば、水)とを組み合わせることによって形成される複合体である。J・ホニグ(J.Honig)ら、バン・ノストランド化学事典(The Van Nostrand Chemist’s Dictionary)、650ページ、(1953年)を参照のこと。本発明に従って使用される薬学上許容可能な溶媒には、2−ピリドン又は2−ピリドン誘導体の生物活性と干渉しないもの(例えば、水、エタノール、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミド、及び当事者に既知であるか又は当事者に容易に決定される他のもの)が挙げられる。
【0037】
「スピロ環」は、アルキル又はヘテロアルキルのアルキル又はヘテロアルキル二ラジカル置換基であり、該二ラジカル置換基が対になって結合して、環を形成し、該環が4〜8個、好ましくは5又は6個の構成原子(炭素又はヘテロ原子)を含有する。
アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキル基は、前述のように、ヒドロキシ、アミノ、及びアミド基で置換されていてもよいが、以下のものは本発明では想定していない。
1.エノール類(アルケン炭素にOHが付いたもの)。
2.二重結合を担う炭素に付いたアミノ基(ビニローグアミドを除く)。
3.単一炭素に付いた1つ超過のヒドロキシ、アミノ、又はアミド(2個の窒素原子が単一炭素原子に付いて、3個の原子すべてがヘテロシクロアルキル環内の構成原子である場合を除く)。
4.炭素に付いた、ヒドロキシ、アミノ、又はアミドであって、その炭素にヘテロ原子も付いているもの。
5.炭素に付いた、ヒドロキシ、アミノ、又はアミドであって、その炭素にハロゲンも付いているもの。
式(I)の化合物の特定の保護形態及び他の誘導体についての説明は、制限をしようとするものではない。他の有用な保護基、塩の形態などの応用は、当事者の能力の範囲内である。
【0038】
本明細書で使用する時、2−ピリドン誘導体は、2−ピリドンのプロドラッグ、又は2−ピリドンから製造される劇薬を含む。好ましくは、このような誘導体は、任意選択的にスペーサを介して2−ピリドンに共有結合したラクタム類(例えば、セフェム類、カルバセフェム類、ペネム類、モノラクタム類など)を含む。このような誘導体及び該誘導体を製造し使用するための方法とは、本明細書の教示を考慮すれば当事者には明らかである。
【0039】
II.化合物:
本発明は、式(I)の化合物を含む。
【0040】
【化15】
Figure 2004515549
式中、R、R、R、R、R、R、及びRは、上記の発明の概要の項で定義した通りである。
式(I)を参照すると、前述の説明は、一実施形態(従属部(A)で定義したもの)では、化合物の核が図のように縮合環を2個のみ含むことを示している。あるいは、核は、以下に式(B)として記述される、従属部(B)で定義したように、3個の縮合環を含む。
【0041】
前述の好ましい各実施形態に関し、好ましい化合物の非限定的なリストについても、表の形で記載する。前述の化合物の塩及び他の誘導体が、精製及び投与などにしばしば使用されることが認識されよう。したがって、これらの薬学上許容可能な塩、水和物、又は生加水分解性エステル、アミド、もしくはイミドは、本発明の一部として意図され、表中に含まれるものとする。
表Iは、式(I)の好ましい化合物の非限定的な一覧を含有しており、ここで、R及びRは、第3の縮合環(即ち、従属部(A)の化合物)を形成するために結合しない。
【0042】
【表1】
Figure 2004515549
【0043】
【表2】
Figure 2004515549
【0044】
【表3】
Figure 2004515549
【0045】
【表4】
Figure 2004515549
【0046】
【表5】
Figure 2004515549
式(B)に関しては、化合物は、以下の構造による構造を有し、
【0047】
【化16】
Figure 2004515549
式中、式(I)のR及びRは一緒になって6員環ヘテロシクロアルキルを形成し、Yは置換もしくは非置換の−C−もしくは−N−であるか、又はYは−O−であり、R13及びR13’は水素及び低級アルキルから独立して選択され、Zは、−O−、−S−、置換もしくは非置換の−C−、及び置換もしくは非置換の−N−から選択される。(Yに好ましいのは−O−である。Zに好ましいのは−CH−である。好ましいのは、R13が水素であり、R13’が低級アルキル、好ましくはメチルである場合である。
表Bは、式(B)の好ましい化合物の非限定的なリストを含有するものである。
【0048】
【表6】
Figure 2004515549
(R13及びR13’を担う炭素原子での立体化学構造は、S字形構成であることが好ましい)
本発明の好ましい化合物は、R及びRが一緒になって環を形成しないものである。
以下に、式(I)及び(B)のそれぞれに関して、特に好ましい部分について記載するが、これは特許請求の範囲を制限しようとするものではない。
【0049】
は、C〜約Cシクロアルキル、C〜約Cヘテロシクロアルキル、低級アルキル、低級アルケン、6員環アリール、及び6員環ヘテロアリールから選択される。Rは、C〜約Cシクロアルキル、C〜約Cヘテロシクロアルキル、低級アルキル、又は低級アルケンであることが好ましい。最も好ましいのは、C〜約Cシクロアルキル及び低級アルキルである。Rがシクロアルキルのである場合、環は約3〜約5環炭素原子を有することが好ましく、より好ましいのは3環炭素原子である。Rシクロアルキル部分は、好ましくは飽和、又は1つの二重結合を有する非飽和であり、より好ましくは飽和のシクロアルキルである。Rが直鎖低級アルキルである場合、Rは1〜約2個の炭素原子を含有することが好ましく、メチル及びエチルが好ましく、最も好ましいのはエチルである。Rが低級直鎖アルケンである場合、Rは2〜約3個の炭素原子を含有することが好ましく、エテニルが好ましい。Rが分枝状低級アルキル又は低級アルケンである場合、Rは3〜約4個の炭素原子を含有することが好ましく、分枝状低級アルキルが好ましく、t−ブチルが特に好ましい。この段落内で述べたR部分のすべては、非置換又は置換されている。Rが置換されている場合、好ましいのは1つ以上のフッ素原子による置換である。Rが6員環アリールもしくは6員環ヘテロアリールアリールである場合、環は、非置換であるか、又は1〜約3個のフッ素原子、1つのアミノ基(好ましくは環の3位で)、1つのヒドロキシ基(好ましくは環の4位に)、もしくはこれらの置換基の組み合わせで置換されており、置換されたフェニルが好ましい。最も好ましいR部分は、シクロプロピル、エチル、1〜3個のフッ素で置換されたフェニル、及び4−ヒドロキシフェニルから選択され、より好ましいのは2,4−ジフルオロフェニルであり、特にシクロプロピル又はエチルである。
【0050】
は水素である。
は、水素及びヒドロキシから選択される。好ましくはヒドロキシである。
がヒドロキシである場合、該ヒドロキシ及びヒドロキシが結合するカルボニルが、カルボン酸部分を形成する。したがって、それが、本明細書に記載のように、薬学上許容可能な塩、生加水分解性エステル、アミノアシル、及びアミドの主題化合物形成のポテンシャルポイントである。R位において、このようないずれかの変化を有する化合物は、本発明に含まれる。
【0051】
は、水素、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、低級アルキル、低級アルケン、及び低級アルコキシから選択される。Rが低級アルキルである場合、好ましいのは、Rが1〜約2の炭素原子、好ましくは1個の炭素原子を有する場合である。Rが低級アルケンである場合、好ましいのは、Rが2〜約3の炭素原子を含有する場合であり、より好ましいのは、Rが2個の炭素原子を有する場合である。Rが低級アルコキシである場合、好ましいのは、Rが1〜約2の炭素原子、好ましくは1個の炭素原子を有する場合である。すべてのRアルキル、アルケン、及び低級アルコキシ部分は、非置換であるか、又はフッ素部分で置換されている。好ましいRは、水素、ヒドロキシ、塩素、臭素、アミノ(好ましくは−NH)、メチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、及びトリフルオロメチルから選択される。より好ましいRは、水素、ヒドロキシ、アミノ、及びメチルから選択され、最も好ましくは水素である。
【0052】
は、水素、ヒドロキシ、アミノカルボニル、シアノ、C〜約Cアルキル、及びC〜約Cアルケンから選択され、前記アルキル及びアルケン部分のすべては非置換であるか、もしくは1〜約3のフッ素により置換されており、又はメチルもしくはエチルの場合には、任意選択的に1つのヒドロキシもしくは1つのアミノ部分により置換されている。Rアルキル部分は、好ましくは1〜約2の炭素原子を有し、好ましいのはメチル及びエチルであり、より好ましいのはメチルである。Rアルケニル部分は2〜約4の炭素原子を有し、好ましくは1個の二重結合とともに2個の炭素原子を有し、エテニルが好ましい。すべてのRアルキル部分は、非置換であるか、又は1〜約3のフッ素で置換されている。Rのメチル又はエチル部分は、任意選択的に1つのヒドロキシ部分又は1つのアミノ部分により置換されている。好ましいRは、水素、ヒドロキシ、メチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、及びトリフルオロメチルから選択される。より好ましいRは、水素である。
は、下記の
【0053】
【化17】
Figure 2004515549
から選択される。
好ましいR部分は、ピロリジニル環及びピペリジニル環である。
に関して、Rは、(i)Rの環の窒素に隣接していないRの環の炭素に結合したアミノであって、該アミノは非置換であるか、又は1もしくは2のC〜約Cアルキルにより置換されており;あるいは(ii)Rの環のいずれかの炭素に結合したアミノアルキルであり、1つのアミノにより置換されたC〜約Cアルキルであり、該アミノは非置換であるか、又は1もしくは2のC〜約Cアルキルにより置換されている。
【0054】
がアミノである場合、非置換であるか、又は1もしくは2の、1〜約3の炭素原子を有するアルキル部分により置換されており、好ましくはメチル又はエチルであり、より好ましくはメチルであり、好ましいアミノは非置換であるか、又は1つのこうしたアルキル部分により置換されている。Rが、ピペリジニル環である場合、Rは、好ましくは非置換の、又は置換されたアミノ部分であり、より好ましくは3位で置換されている。より好ましいRは、特にRが、ピペリジニル環である場合は、−NHである。
【0055】
が、アミノアルキルである場合、このアルキルは1〜約3の炭素原子を有し、好ましくはメチル、エチル、又はイソプロピルである。このアルキルは1つのアミノにより置換されており、こうしたアミノは非置換であるか、又は1もしくは2の、好ましくは1の、1〜約3の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはエチルもしくは特にはメチルにより置換されている。こうしたアミノアルキルは、Rの環のいずれの炭素にも結合することができ、好ましくは環の窒素原子に隣接していない炭素に結合する。
【0056】
は、Rがピロリジニル環である場合は、好ましくはアミノアルキルである。好ましいRは、特にRがピロリジニル環である場合は、アミノメチル、メチルアミノメチル、1−アミノエチル、1−メチルアミノエチル、1−アミノ−1−メチルエチル、及び1−メチルアミノ−1−メチルエチルから選択され、こうした部分は好ましくはピロリジニル環の3位に結合している。
のアミノ部分は、薬学上許容可能な陰イオン性塩の主題化合物のための形成のポテンシャルポイントであり、こうした塩は本発明の化合物に含まれる。好ましい塩は、例えば、HCl、CHSOH、HCOOH、又はCFCOOHによる、酸付加塩である。
【0057】
10は、RではなくRにおける部分を表し、各R10は、水素、C〜約Cアルキル、C〜約Cアルケン、及びC〜約C縮合アルキル環又はスピロアルキル環からそれぞれ独立して選択される。アルキルのR10は、Rが結合していない環の各炭素原子上では、一置換もしくは二置換であってもよく、又はRが結合している環の炭素上では、一置換であってもよい(即ちRの環の各炭素は、それに結合する2つの水素、1つの水素及びR、1つの水素及び1つのアルキル、1つのアルキル及びR、又は2つのアルキルを有する可能性がある)。好ましくは、環の2以下の炭素が、アルキルのR10置換基を有し、より好ましくは環の1つの炭素だけがアルキルのR10置換基を有し、同様に好ましくはすべてのR10は、水素である。非水素、非アルキルのR10(アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、又はアルコキシ)は、Rが結合していない環の炭素上で、任意選択的に一置換であってもよい。好ましくは、本発明の化合物には、1以下の、非水素の、非アルキルのR10が存在するが、より好ましくは存在しない。
【0058】
非水素のR10には、C〜約Cのカルボシクロアルキル、及び直鎖又は分枝鎖アルキルが挙げられ、好ましくは1〜約4の炭素原子を有する直鎖であり、メチル及びエチルが好ましく、メチルがより好ましい。非水素のR10にはまた、直鎖又は分枝鎖アルケニルが挙げられ、好ましくは直鎖であって、2〜約6の炭素原子、好ましくは2〜約4の炭素原子を有し、エテニルが好ましい。非水素のR10には、ヒドロキシ、及び1〜約4の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルコキシが挙げられ、好ましくはメトキシ又はエトキシである。非水素のR10には、アリールが挙げられ、好ましくはフェニルであり、ヘテロアリールであり、好ましくは5又は6の環の原子を有し、1又は2の、好ましくは1の、好ましくは酸素又はイオウであるへテロ原子を有する。好ましいのは、チエニル及びフリルである。
【0059】
アルキルのR10、特にジアルキルのR10は、特にRがピロリジニル環である場合には、好ましくは、Rの環の窒素原子に隣接する環の炭素に結合する。非水素の、非アルキルのR10は、好ましくはRの環の窒素原子に隣接していない環の炭素に結合する。また好ましいのは、Rがピペリジニル環を含み、Rが環の3位の炭素に結合している場合には、1つの非水素のRが環の4位の炭素に結合することである。
【0060】
2つのアルキルのR部分は共に結合することができ、その結果、RのN含有環の付いた縮合又はスピロアルキル環を形成し、この縮合又はスピロ環は約3〜約6の炭素原子を有する。こうした縮合又はスピロアルキル環は、好ましくは飽和、又は1つの二重結合を有する非飽和であり、より好ましくは飽和である。スピロシクロプロピル環は、特に好ましい。
10部分のすべてのアルキル及びアリール部分は非置換であるか、又は1つのヒドロキシ部分もしくは1〜約3のフッ素部分により置換されており、好ましくは非置換である。
より好ましいR10は、水素、メチル、ジメチル、スピロシクロプロピル、及びエチルから選択され、より好ましいのはエチル、ジメチル、及びスピロシクロプロピルであり、特には水素である。
【0061】
任意選択的に、アルキルのR10はRに結合することができ、その結果、RのN含有環の付いた縮合又はスピロ環を形成し、この縮合又はスピロ環は2〜約5の環の炭素原子、及び0又は1の環の窒素原子(Rから)を有する。こうした縮合もしくはスピロ環は、アミノもしくはアミノアルキル置換基のある炭化水素環であってもよく、このアミノはRからのものであるか、又はRのアミノ窒素が環の窒素である複素環であってもよい。こうした環は1又は2のアルカニル置換基を有してもよい。こうした縮合又はスピロ環は、好ましくは飽和、又は1つの二重結合を有する非飽和であり、より好ましくは飽和である。
又はR10スピロ環を有する本発明の化合物は、次の付番方式に従って命名される。付番はより小さい環から開始し、スピロ結合を形成するより大きい環の周囲で完成するが、例えば、次の例について言えば、より小さい環がシクロプロピルである場合、スピロ結合は3位の炭素においてである。
【0062】
【化18】
Figure 2004515549
本明細書で用いたアザ命名法は、従来の命名法に従っており、環の窒素がキノロンの核に結合する位置である。
は、水素、ハロ、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキル、及び低級アルケニルから選択される。Rが低級アルキルである場合、Rが1〜約2個の炭素原子を有することが好ましく、メチルが好ましい。Rが低級アルケンである場合、好ましいRは、2〜約4個の炭素原子を有し、エテニルが好ましい。すべてのRアルキル及びアルケン部分は、非置換であるか、又はフルオロで置換されている。Rが低級アルコキシである場合、好ましいのは、Rが、1〜約4個の炭素原子を有する場合である。Rが低級アルキルチオである場合、好ましいのは、Rが、1〜約4個の炭素原子を有する場合である。好ましいRは、塩素、メチル、メトキシ、メチルチオ、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、モノフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、及びトリフルオロメトキシから選択される。より好ましいRは、1〜3のフッ素で置換されたメチル、メトキシ、メチルチオ、及び塩素から選択され、特にメトキシ、メチルチオ、及び塩素から選択される。
【0063】
本発明で使用するとき、いずれのラジカルも、それが使用される度にそれぞれ独立して選択される(例えば、R及びRが、本発明の所与の化合物を定義するすべての場合に同じである必要はない)。
本発明の化合物は、キラル中心を含有してもよく、したがってそのような化合物のいずれも、精製された又は実質的に精製された形態で、その光学異性体、ジアステレオマー、又はエナンチオマーのそれぞれ、及びラセミ混合物を含むこれらの混合物を含み、意図する。
以下の代表的な化合物は、本明細書に記載の手順、及び当事者の実施の範囲内にあるその変形形態を用いて製造される。以下の例は、本発明を制限するものではなく、本発明の実施形態のうちのいくつかを説明する目的を果たす。
【0064】
前述の本発明の化合物はまた、式P−L−Bの化合物のための有用な前駆体でもあり、Pが式(I)の化合物であり、Lが連結部分であり、Bがラクタム含有部分である。この式は、その光学異性体、ジアステレオマー、又はエナンチオマー、薬学上許容可能な塩、水和物、又はその生加水分解性エステル、アミド、及びイミドを含む。キノロンがラクタムに結合する化合物及びその使用については、米国特許第5,180,719号(1993年1月19日発行)、米国特許第5,387,748号(1995年2月7日発行)、米国特許第5,491,139号(1996年2月13日発行)、米国特許第5,530,116号(1996年6月25日発行)、並びにEPO公開第0366189号(1990年5月2日公開)及び第0366640号(1990年5月2日公開)に開示されており、これらすべてを本願に引用して援用する。当事者は、本発明の2−ピリドン化合物が、これらの参照文献に開示されているキノロンを置き換え得ることを、認識するであろう。組成物及び使用方法に関して、式P−L−Bの化合物は、式(I)の化合物と同様に有用である。したがって、それらを本明細書の組成物例で置き換えることができる。
【0065】
本発明の化合物の生物学的活性は、シプロフロキサシン及び他の既知の抗微生物化合物に匹敵するものである。本発明の化合物は、シプロフロキサシン及び他のある種の従来技術の化合物に比べ、ある種のキノロン耐性細菌に対して、より良い抗菌特性を提供する。黄色ブドウ球菌(S.aureus)、腐性ブドウ球菌(S.saprophyticus)、大腸レンサ球菌(E.faecalis)、化膿レンサ球菌(S.pyogenes)、肺炎球菌(S.pneumoniae)、緑色レンサ球菌(S.viridans)、大腸菌(E.coli)、緑膿菌(P.aeruginosa)、プロテウス菌(P.mirabilis)、肺炎桿菌(K.pneumoniae)、エンテロバクター・クロアカエ(E.cloacae)など、キノロン耐性細菌に対して試験を実施したときに、本発明のある種の化合物が、シプロフロキサシンよりも500分の1まで低いMIC値(μg/mL)を有することがわかった。
【0066】
III.化合物の調製のための一般反応スキーム:
本発明の化合物を製造する際、合成工程の順序は、所望の生成物の収率が増加するように変更することができる。加えて、反応物質、溶媒、及び温度を賢明に選択することが、合成を成功させるのに重要な要素であることも、当事者には認識されよう。最適条件などの決定はルーチン作業であるが、以下のスキームの指針を使用して、同様の様式で様々な化合物を生成できることが理解されよう。具体的な合成例は、VI項で、様々な化合物に関して述べる。
本発明の化合物の調製に使用する出発物質は既知であり、既知の方法で製造されるか、又は出発物質として市販されている。
【0067】
有機化学分野における当事者が、さらなる指示なしに有機化合物の標準的な操作を容易に実施できることが認識いる、すなわち、このような操作を実施することは、十分当事者の領域及び実務範囲内である。これらには、カルボニル化合物のその対応アルコールへの還元、酸化、アシル化、芳香族置換、求電子と求核性との双方、エーテル化、エステル化、及びけん化などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの操作の例が、マーチ(March)の最新有機化学(Advanced Organic Chemistry)(ワイリー(Wiley))、ケーリー及びサンドバーグ(Carey and Sundberg)の最新有機化学(Advanced Organic Chemistry)(第2巻)、フィーザー及びフィーザー(Fieser & Feiser)の有機合成のための試薬(Reagents for Organic Synthesis)(16巻)、L・パケット(L.Paquette)の有機合成のための試薬百科事典(Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis)(8巻)、フロスト及びフレミング(Frost & Fleming)の総合有機合成(Comprehensive Organic Synthesis)(9巻)など、標準的な教科書に記載されている。
【0068】
ある種の反応が、分子中で他の機能をマスキング又は保護して、望ましくない副反応を避け、及び/又は反応収率を増加させるときに最もよく実施されることが、当事者には容易に理解されよう。当事者は、このような収率の増加を達成するか、又は望ましくない反応を避けるために、しばしば保護基を利用する。これらの反応は、文献に見られ、また十分に当事者の範囲内である。このような操作の多くの例は、例えば、T.グリーン(T.Greene)、有機合成における保護基(Protecting Groups in Organic Synthesis)に見られる。もちろん、反応性側鎖と共に出発物質として使用されるアミノ酸は、望ましくない副反応を防ぐためにブロックされていることが好ましい。
【0069】
本発明の化合物の作製に有用な2−ピリドン部分を調製するための一般的な手順は、以下の参照文献に記載されており、これらすべてを参考のために本明細書に示す(これらの参照内に記載の文献を含む):欧州特許出願308,019(ヘック・ジェームズ,V.(Heck James,V.)ら、1988年9月9日)、国際特許出願第99/07696号(テ・ホ(Tae Ho)ら、1997年8月9日)、国際特許出願第91/16894号(チュ・ダニエル,T.(Chu Daniel,T.)ら、1990年5月2日)、国際特許出願第95/10519号(チュ・ダニエル,T.(Chu Daniel,T.)ら、1993年10月14日)、米国特許第5,599,816号(チュ・ダニエル,T.(Chu Daniel,T.)ら、1995年6月7日)、米国特許第5,726,182号(チュ・ダニエル,T.(Chu Daniel,T.)ら、1995年6月7日)、米国特許第5,580,872号(チュ・ダニエル,T.(Chu Daniel,T.)ら、1995年9月30日)、及び医用化学雑誌(J.Med.Chem.)、第39巻、3070〜3088ページ(1996年)、クン(Qun)ら「2−ピリドンの合成及び構造と活性の関係:抗菌剤として、強力なDNAジャイレース(DNA Gyrase)阻害物質の新規シリーズ(Synthesis and Structure−Activity Relationships of 2−Pyridones:A Novel series of Potent DNA Gyrase Inhibitors as Antibacterial Agents.)」本発明の化合物を提供するための1つの方法を、以下の反応スキームに示す。
【0070】
【化19】
Figure 2004515549
この反応スキームにおいて、ピリドンの核は、通常、所望の側鎖のその後の導入のために、4位に脱離基を含有する対応する置換されたピリジンから得られる。
【0071】
IV.組成物:
本発明の組成物は、
(a)安全及び有効な量の本発明の化合物と、
(b)薬学上許容可能な賦形剤と
を含む。
組成物は、任意選択的に、本発明と相互作用するか、又は相互作用しない可能性のある、他の抗微生物剤もしくは他の活性物質を含んでもよい。
【0072】
2−ピリドンの「安全及び有効な量」とは、過度の有害な副作用(毒性、刺激性、又はアレルギー反応など)なしに、ホスト内の治療すべき感染部位で微生物の成長を阻害するのに有効な、本発明の様式で使用したときに妥当な利益/危険比に見合った量である。具体的な「安全及び有効な量」は、治療する特定の条件、患者の身体的条件、治療期間、併用療法(もしあれば)の性質、使用する具体的な剤形、採用する賦形剤、その中への2−ピリドンの溶解度、及び組成物に望ましい用量計画などの要因によって変化するであろう。
【0073】
本発明の組成物は、単位剤形で提供することが好ましい。本明細書で使用するとき、「単位剤形」とは、優れた医療経験に従って、単回投与で、ヒト又は低級動物の被験体への投与に適した2−ピリドンの量を含有する、本発明の組成物である。これらの組成物は、2−ピリドンを、好ましくは約30mgから、より好ましくは約50mgから、さらに好ましくは約100mgから、好ましくは約20,000mgまで、より好ましくは約7,000mgまで、さらに好ましくは約1,000mgまで、最も好ましくは約500mgまで含有する。
【0074】
本発明の組成物は、(例えば)経口投与、直腸投与、局所投与、又は非経口投与に適した、様々な任意の形態にすることができる。所望の特定の投与経路に応じて、当該技術分野で周知の、薬学上許容可能な様々な賦形剤を使用することができる。これらには、固体又は液体の充填剤、希釈剤、向水性物質、界面活性剤、及びカプセル化物質が挙げられる。2−ピリドンの抗微生物活性に実質的に干渉しない、任意の薬剤活性物質を含んでもよい。2−ピリドンと併せて用いる賦形剤の量は、2−ピリドンの1回用量当りの投与のための物質の実用的な量を提供するのに十分な量である。本発明の方法に有用な剤形を作製する技術及び組成物が、以下の参照文献に記載されており、すべて参照のためにここに示す:現代薬学(Modern Pharmaceutics)、第7巻、第9章及び10章(バンカー及びローズ(Banker & Rhodes)編、1979年);リーベルマン(Lieberman)他、薬剤剤形:錠剤(Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets)(1981年);及び、アンセル(Ansel)、薬剤剤形入門(Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms)、第2版(1976年)。
【0075】
具体的には、全身投与用の薬学上許容可能な賦形剤には、糖類、デンプン類、セルロース及びセルロースの誘導体、麦芽、ゼラチン、タルク、硫酸カルシウム、植物油、合成油、ポリオール類、アルギン酸、リン酸緩衝液、乳化剤、等張食塩水、及び発熱物質を含まない水が挙げられる。非経口投与に好ましい賦形剤には、プロピレングリコール、オレイン酸エチル、ピロリドン、エタノール、及びゴマ油が挙げられる。非経口投与用の組成物では、薬学上許容可能な賦形剤を、全組成物の少なくとも約90重量%含むことが好ましい。
【0076】
加えて、注射用の用量は、乾燥形態又は凍結乾燥形態に調製してもよい。このような形態は、剤形の調製に応じて、水又は食塩水溶液で再構成することができる。このような形態は、扱いやすいように、個々の用量又は複数用量として、包装してもよい。凍結乾燥又は乾燥用量を使用する場合、再構成した剤形が、生理的に適合性のあるpHで等張性であることが好ましい。
【0077】
錠剤、カプセル、顆粒、粉末などの固形物形態を含め、様々な経口剤形を使用することができる。これらの経口形態は、安全及び有効な量の、普通は少なくとも約5%、好ましくは約25%〜約50%の2−ピリドンを含む。錠剤は、好適な結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、着香剤、流動誘発剤、及び融解剤を含有する、圧縮剤、錠剤粉薬、腸溶剤、糖衣、フィルムコート、又は複合圧縮剤にすることができる。液体の経口剤形には、当事者に周知の、好適な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁剤、希釈液、甘味剤、融解剤、着色剤、及び着香剤を含有する、水溶液、エマルション、懸濁液、非発泡性顆粒から再構成した溶液及び/又は懸濁液、並びに発泡性顆粒から再構成した発泡性調製物が挙げられる。経口投与に好ましい賦形剤には、ゼラチン、プロピレングリコール、綿実油、及びゴマ油が挙げられる。
【0078】
本発明の組成物は、被験体に局所的に投与することもでき、すなわち、被験体の表皮組織又は上皮組織上に組成物を直接置くか又は広げることもできる。このような組成物には、例えば、ローション類、クリーム類、溶液類、ジェル類、及び固形物が挙げられる。これらの局所用組成物は、好ましくは、安全及び有効な量の、普通は少なくとも約0.1%、好ましくは約1%〜約5%の2−ピリドンを含む。局所投与に好適な賦形剤が、連続フィルムとして皮膚上の所定の場所に留まり、発汗又は水中への浸漬による剥離に耐えることが好ましい。一般に、賦形剤は本来有機物であり、2−ピリドンをその中に分散又は溶解することができる。賦形剤には、薬学上許容可能な柔軟剤、乳化剤、増粘剤、及び溶媒などを挙げることができ、これらは当事者に周知のものである。
【0079】
V.化合物の使用方法:
本発明はまた、安全及び有効な量の2−ピリドンを、ヒト又は他の動物被験体に投与することによって、前記被験体の感染性疾患を治療する方法を提供する。本明細書で使用するとき、「感染性疾患」とは、微生物感染が存在することを特徴とする疾患である。本発明の好ましい方法は、細菌感染の治療に関するものである。このような感染性疾患には、(例えば)中枢神経系感染症、外耳感染症、中耳の感染症(急性中耳炎など)、頭蓋静脈洞の感染症、眼病感染症、口腔の感染症(歯、歯肉、粘膜の感染症など)、上気道感染症、下気道感染症(肺炎を含む)、泌尿生殖器感染症、胃腸感染症、婦人科系感染症、敗血症、セプシス、腹膜炎、骨/関節感染症、皮膚/皮膚組織感染症、細菌性心内膜炎、火傷、外科手術における抗菌剤での感染予防、及び術後患者又は免疫不全患者(癌化学療法を受けた患者や、臓器移植患者など)における抗菌剤での感染予防が挙げられる。
【0080】
用語「治療」は、本明細書では、少なくとも、本発明の化合物の投与が、ホスト、好ましくは哺乳類被験体、より好ましくはヒトで、感染性疾患に関連する疾病を軽減することを意味する。したがって、用語「治療」には、特に、ホストが疾病にかかりやすい状態にあるが、まだ疾病と診断されていないときの、ホストにおける感染性疾患の発生の予防、感染性疾患の阻害、及び/又は感染性疾患の軽減もしくは改善が含まれる。本発明の方法が感染性疾患の予防を対象とする間は、用語「防ぐ」が、疾病状態を完全に阻止する必要がないことが理解されよう。(ウェブスターの第九大学生用辞典(Webster’s Ninth Collegiate Dictionary)を参照されたい。)むしろ、本明細書で使用するとき、予防という用語は、感染が発症する前に本発明の化合物を投与できるように、感染性疾患にかかりやすい集団を確認する、当事者の能力を指す。この用語は、疾病状態を完全に回避する必要があることを意味するものではない。
【0081】
本発明の2−ピリドン誘導体及び組成物は、局所投与又は全身投与することができる。全身投与には、2−ピリドンを体組織に導入する任意の方法、例えば、髄膜下、硬膜外、筋肉内、経皮的、静脈内、腹腔内、皮下、舌下、直腸、及び経口投与が挙げられる。投与する抗微生物剤の具体的な用量と治療期間とは、相互に依存する。用量及び治療計画はまた、使用する具体的な2−ピリドン、使用する2−ピリドンに対する感染した生命体の耐性パターン、感染部位で最小阻害濃度に達する2−ピリドンの能力、他の感染(もしあれば)の性質及び程度、被験体の個人的属性(体重など)、治療計画の順守、患者の年齢及び健康状態、治療のいずれかの副作用についてその有無及び重篤度などの要因にも左右されるであろう。
【0082】
通常、成人(体重約70キログラム)には、1日当たり、約75mgから、より好ましくは約200mgから、最も好ましくは約500mg〜約30,000mg、より好ましくは約10,000mgまで、最も好ましくは約3,500mgまでの2−ピリドンを投与する。治療計画の継続期間が、約1日から、好ましくは約3日〜約56日、好ましくは約20日までに及ぶことが好ましい。予防計画(免疫不全患者における日和見感染症の回避など)は、優れた医療経験に従って、6か月以上に延ばしてもよい。
【0083】
好ましい非経口投与方法は、静脈注射によるものである。当該技術分野において既知であり、また実施されているように、非経口投与用のすべての製剤を無菌にしなければならない。哺乳類、特にヒトでは(体重約70キログラムと仮定して)、許容可能な個々の用量は、約100mgから、好ましくは約500mg〜約7,000mg、より好ましくは約3,500mgまでである。
総合的な全身性感染症などの一部の場合、又は免疫不全患者では、本発明は静脈投与することができる。その剤形は、概ね等張性で生理学的なpHにある。用量は、患者及び状態の重篤度、並びに通常考慮される他のパラメータによって決まる。そのような用量は、規格に与えられる指針を使用して、熟練した開業医の十分な経験の範囲内で決定される。
【0084】
全身投与の好ましい方法は、経口投与である。個々の用量は、約20mgから、より好ましくは約100mg〜約2,500mg、より好ましくは約500mgまでである。
局所投与は、2−ピリドンを全身に送達させるためか、又は局所的な感染症を治療するために使用することができる。局所投与する2−ピリドンの量は、皮膚の感度、治療する組織のタイプ及び場所、投与する組成物及び賦形剤(もしあれば)、投与する特定の2−ピリドン、同様に治療する特定の疾患、及び全身性(局所とは区別する)の効果が望まれる範囲によって決まる。
【0085】
(実施例)
VI.実施例−化合物の調製
以下の略語を本明細書で使用する。
THF:テトラヒドロフラン
LDA:リチウムジイソプロピルアミド
DIBAL:ジイソブチルアルミニウム水素化物
a.前駆体の調製−核:
前駆体の実施例A
【0086】
【化20】
Figure 2004515549
【0087】
3−メトキシ−2−メチル−1,4−ピロン
3−メトキシ−2−メチル−1,4−ピロン(100.3g)を水中KOHの10%溶液500mlに溶解する。次に硫酸ジメチル(76ml)を、温度をおよそ25℃に保ちながら、30分間にわたって添加する。次に反応物をもとの体積の4分の1に濃縮し、塩酸の添加により酸性化する。この層を酢酸エチルで3回抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて所望の生成物を生成する。
【0088】
3−メトキシ−2−メチル−1,4−ピリドン
3−メトキシ−2−メチル−1,4−ピロン(64.14g)をアンモニアの28%水溶液(750ml)と、ガラスライニングのスチールボンベ(glass lined steel bomb)中で混合し、混合物を120℃で24時間撹拌する。過剰の水とアンモニアを蒸発させ、残留物をエタノールと酢酸エチルの混合物中で摩砕する。固体を濾過し、乾燥させて所望の生成物を得る。
【0089】
4−クロロ−3−メトキシ−2−メチル−ピリジン
3−メトキシ−2−メチル−1,4−ピリドン(11.29g)をオキシ塩化リン(100ml)中に混合し、10時間還流する。過剰な試薬を蒸発させ、残留物をトルエン(100ml)中に再溶解し、蒸発させる。水(100ml)を残留物に添加し、炭酸カリウムの添加によりpHを11に調整し、その後塩化メチレンで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて所望の生成物を得る。
【0090】
4−クロロ−3−メトキシ−2−ブロモメチル−ピリジン
4−クロロ−3−メトキシ−2−メチル−ピリジン(6.12g)を四塩化炭素(80ml)中に溶解し、次にN−ブロモ−スクシンイミド(7.12g)及び過酸化ベンゾイル(1g)を添加する。反応混合物をUV照射下で1.5時間還流する。冷却後、固体を濾過し、溶媒を蒸発させる。所望の生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製する。
【0091】
2−(4−クロロ−3−メトキシ−2−ピリジニル)−アセトニトリル
4−クロロ−3−メトキシ−2−ブロモメチル−ピリジン(4.69g)及びシアン化ナトリウム(5.11g)を、水とエタノールの1/1混合物20mlに添加する。反応物を60℃で3時間撹拌する。エタノールを蒸発させ、残留物を水中で希釈し、塩化メチレンで抽出する。所望の生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(9/1)を溶媒として用いたクロマトグラフィーにより得る。
【0092】
2−(4−クロロ−3−メトキシ−2−ピリジニル)−ブチロニトリル
2−(4−クロロ−3−メトキシ−2−ピリジニル)−アセトニトリル(7.06g)をTHF(40ml)中に溶解し、60%の水素化ナトリウム(1.62g)を添加し、続いてヨウ化エチル3.25mlを添加する。反応物を45℃で1.5時間撹拌し、その後反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。
所望の生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(4/1)を溶媒として用いたクロマトグラフィーにより精製する。
【0093】
2−(4−クロロ−3−メトキシ−2−ピリジニル)−ブタナール
2−(4−クロロ−3−メトキシ−2−ピリジニル)−ブチロニトリル(2.78g)をジエチルエーテル(150ml)中に溶解し、溶液を−74℃に冷却し、DIBAL(29ml1.0M)を30分間にわたって添加する。溶液を−74℃で1時間撹拌し、その後0℃で更に1時間撹拌する。反応を5%硫酸(25ml)の添加により停止させ、温度をおよそ0℃に保つ。相を分離し、有機相を重炭酸ナトリウムの溶液で洗浄し、乾燥して、蒸発させ、所望の生成物を得る。
【0094】
エチル−4−(4−クロロ−3−メトキシ−2−ピリジニル)−2−カルボキシエチル−ヘキセン−2−オエート
2−(4−クロロ−3−メトキシ−2−ピリジニル)−ブタナール(1.081g)を40mlのエタノールに溶解する。次にピペリジン(1.2ml)、酢酸(1.2ml)、及びマロン酸ジエチルを順番に添加する。反応物は40℃で一晩撹拌し、揮発性成分を除去し、残留物をエーテルに再溶解し、水、食塩水で洗浄して、蒸発させる。所望の生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(4/1)を溶媒として用いたクロマトグラフィーにより精製する。
【0095】
エチル−8−クロロ−1−エチル−9−メトキシ−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボキシレート(前駆体A)
エチル−4−(4−クロロ−3−メトキシ−2−ピリジニル)−2−カルボキシエチル−ヘキセン−2−オエート(0.624g)を、ダウサム(Dowtherm(商標))25mlに溶解し、200℃で4時間加熱する。所望の生成物を、ヘキサン、それから酢酸エチルを溶媒として用いたクロマトグラフィーにより精製する。
【0096】
前駆体の実施例B
【0097】
【化21】
Figure 2004515549
【0098】
4−クロロ−3−メトキシ−2−(シクロプロピル)−メチルピリジン
臭化シクロプロピル(0.5ml)を、THF5mlに溶解し、マグネシウム(0.15g)を添加して、熱を加えて反応を開始する。反応が完了したら、溶液を−45℃に冷却し、ヨウ化第一銅(0.5g)を添加する。反応物を30分間撹拌し、4−クロロ−3−メトキシ−2−ブロモメチル−ピリジン(0.154g)を添加する。反応物を−45℃で1時間撹拌し、28%水酸化アンモニウム5mlで反応を停止させる前に室温に温める。反応物はエーテルで抽出し、所望の生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(9/1)を溶媒として用いたクロマトグラフィーにより精製する。
【0099】
エチル−4−(4−クロロ−3−メトキシ−2−ピリジニル)−4−シクロプロピル−2−カルボキシエチル−ブテン−2−オエート
LDAの溶液(2.0M、0.8ml)をTHF2ml中に溶解し、溶液を−60℃に冷却する。THF(1ml)中の4−クロロ−3−メトキシ−2−(シクロプロピル)−メチルピリジン(0.36g)の溶液を、温度を−60℃に保ちながら滴下し、反応物を同じ温度で1時間撹拌する。ジエチル(エトキシメチレン)マロネートを添加し、溶液をゆっくりと室温まで温める。水を添加し、反応物をジクロロメタンで抽出する。所望の生成物を、ヘキサン、酢酸エチル(4/1)を溶媒として用いたクロマトグラフィーにより精製する。
【0100】
エチル−8−クロロ−1−シクロプロピル−9−メトキシ−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボキシレート(前駆体B)
エチル−4−(4−クロロ−3−メトキシ−2−ピリジニル)−4−シクロプロピル−2−カルボキシエチル−ブテン−2−オエート(0.28g)を、ダウサム(Dowtherm(商標))12mlに溶解し、200℃で4時間加熱する。所望の生成物を、ヘキサン、それから酢酸エチルを溶媒として用いたクロマトグラフィーにより精製する。
【0101】
前駆体の実施例C
【0102】
【化22】
Figure 2004515549
【0103】
4−クロロ−3−メチル−ピリジン
THF(100ml)中のLDAの溶液(2.0M、50ml)に、−70℃で、THF(20ml)中の溶液中4−クロロピリジン(11.3g)を、温度を−65℃未満に保ちながら添加する。反応物を−70℃で4時間撹拌し、ヨウ化メチル(15g)を、温度を−65℃未満に保ちながら添加する。次に反応物を室温まで温め、水を添加する。水相をエーテルで抽出し、減圧下の蒸留で溶媒を除去した後に所望の化合物を得る。
【0104】
2−プロピル−4−クロロ−3−メチル−ピリジン
THF(10ml)中のヨウ化プロピル(12.7g)の溶液に、リチウム(0.45g)を添加し、リチウムが完全に溶解するまで、反応物を室温で撹拌する。次に4−クロロ−3−メチル−ピリジン(9.5g)を添加し、混合物を40℃で4時間撹拌する。室温に冷却した後、エーテルを添加し、有機相を水で洗浄する。溶媒を除去した後、所望の生成物を、ヘキサン/エーテル(9/1)を溶媒として用いたクロマトグラフィーにより得る。
【0105】
エチル−4−(4−クロロ−3−メチル−2−ピリジニル)−2−カルボキシエチル−ヘキセン−2−オエート
LDAの溶液(2.0M、5ml)をTHF20ml中に溶解し、溶液を−60℃に冷却する。THF(5ml)中の2−プロピル−4−クロロ−3−メチル−ピリジン(1.7g)の溶液を、温度を−60℃に保ちながら滴下し、反応物を同じ温度で1時間撹拌する。ジエチル(エトキシメチレン)マロネートを添加し、溶液をゆっくりと室温まで温める。水を添加し、反応物をジクロロメタンで抽出する。所望の生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(4/1)を溶媒として用いたクロマトグラフィーにより精製する。
【0106】
エチル−8−クロロ−1−エチル−9−メチル−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボキシレート(前駆体C)
エチル−4−(4−クロロ−3−メチル−2−ピリジニル)−2−カルボキシエチル−ヘキセン−2−オエート(0.72g)を、ダウサム(Dowtherm(商標))20mlに溶解し、200℃で4時間加熱する。所望の生成物を、ヘキサン、それから酢酸エチルを溶媒として用いたクロマトグラフィーにより精製する。
【0107】
b.前駆体の調製−7位部分:
前駆体の実施例D
【0108】
【化23】
Figure 2004515549
3−(N−ボク−アミノエチル)ピロリジン(前駆体D)は、化学製薬公報(Chem.Pharm.Bull)、42(7)、1442〜1454ページ(1994年)、及びその中に引用された参照文献により調製される。
【0109】
前駆体の実施例E
【0110】
【化24】
Figure 2004515549
3−S−アミノピペリジンジヒドロクロリド(前駆体E)は、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティ・ダルトン・トランスレーション(J.Chem soc Dalton Trans.)1127〜1132ページ(1987年)により調製される。
【0111】
c.最終生成物の調製:
一般的合成経路
【0112】
【化25】
Figure 2004515549
実施例1
【0113】
【化26】
Figure 2004515549
【0114】
8−[3−(N−ボク−アミノエチル)ピロリジニル]−1−エチル−9−メトキシ−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸エチルエステル
エチル−8−クロロ−1−エチル−9−メトキシ−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボキシレート(前駆体A)(0.151g)及びトリエチルアミン(0.5ml)をアセトニトリル(6ml)中に溶解する。この溶液に3−(N−ボク−アミノエチル)ピロリジン(前駆体D)(0.215g)を添加し、溶液を40℃で18時間撹拌する。溶媒を蒸発させて、残留物をジクロロメタンに溶解し、1N塩酸で洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥する。溶媒を蒸発させて、所望の生成物を得る。
【0115】
8−[3−(N−ボク−アミノエチル)ピロリジニル]−1−エチル−9−メトキシ−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸
8−[3−(N−ボク−アミノエチル)ピロリジニル]−1−エチル−9−メトキシ−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸エチルエステル(0.234g)を、水/THF(60ml 5/1)の混合物中に懸濁し、水酸化リチウム(0.215g)を添加する。反応物を60℃で36時間撹拌した後冷却し、塩酸の添加によりpH2に酸性化し、溶液をジクロロメタンにより抽出する。抽出物を硫酸ナトリウムにより乾燥し、溶媒を蒸発させて所望の生成物を得る。
【0116】
8−[3−アミノエチル−ピロリジニル]−1−エチル−9−メトキシ−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸
8−[3−(N−ボク−アミノエチル)ピロリジニル]−1−エチル−9−メトキシ−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸(0.12g)を、無水ジクロロメタン(3ml)に溶解し、ヨードトリメチルシラン(0.0534g)を添加する。溶液を5分間撹拌し、エタノール(5ml)を添加する。溶液を部分的に濃縮し、沈殿物を濾過して、題名の化合物を得る。
【0117】
実施例2
【0118】
【化27】
Figure 2004515549
【0119】
8−(3−アミノピペリジニル)−1−エチル−9−メトキシ−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸、エチルエステル
エチル−8−クロロ−1−エチル−9−メトキシ−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボキシレート(前駆体A)(0.05g)を、アセトニトリル(3ml)及びトリエチルアミン(0.3ml)中に溶解する。この溶液に3−S−アミノピペリジンジヒドロクロリド(前駆体E)(0.055g)を添加し、この混合物を40℃で5日間撹拌する。反応混合物を蒸発させ、イソプロピルアルコール中の再結晶により所望の生成物を得る。
【0120】
8−(3−アミノピペリジニル)−1−エチル−9−メトキシ−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸
8−(3−アミノピペリジニル)−1−エチル−9−メトキシ−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸、エチルエステル(0.028g)を、水とTHFの2/1混合物9mlに溶解し、水酸化リチウム(0.035g)を添加する。結果として生じた溶液を60℃で4日間撹拌し、酢酸の添加により、溶液をpH7.2に調整する。沈殿物の濾過により題名の化合物を収集する。
【0121】
実施例3
【0122】
【化28】
Figure 2004515549
【0123】
8−[3−アミノエチル−ピロリジニル]−1−シクロプロピル−9−メトキシ−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸
エチル−8−クロロ−1−シクロプロピル−9−メトキシ−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボキシレート(前駆体B)及び3−(N−ボク−アミノエチル)ピロリジン(前駆体D)を出発物質として用いて、前述の実施例1と同様の一連の手順を実行する。
【0124】
実施例4
【0125】
【化29】
Figure 2004515549
【0126】
8−(3−アミノピペリジニル)−1−シクロプロピル−9−メトキシ−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボン酸
エチル−8−クロロ−1−シクロプロピル−9−メトキシ−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボキシレート(前駆体B)及び3−S−アミノピペリジンジヒドロクロリド(前駆体E)を出発物質として用いて、前述の実施例2と同様の一連の手順を用いる。
【0127】
実施例5
【0128】
【化30】
Figure 2004515549
エチル−8−クロロ−1−エチル−9−メチル−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボキシレート(前駆体C)及び3−(N−ボク−アミノエチル)ピロリジン(前駆体D)を出発物質として用いて、前述の実施例1と同様の一連の手順を用いる。
【0129】
実施例6
【0130】
【化31】
Figure 2004515549
エチル−8−クロロ−1−エチル−9−メチル−4−オキソ−4H−キノリジン−3−カルボキシレート(前駆体C)及び3−S−アミノピペリジンジヒドロクロリド(前駆体E)を出発物質として用いて、前述の実施例2と同様の一連の手順を用いる。
【0131】
VII.実施例−組成物及び使用方法
以下の非限定的な例は、本発明の組成物及び使用方法を説明するものである。
【0132】
実施例7
本発明による経口投与用錠剤組成物を、以下の構成で製造する。
【0133】
【表7】
Figure 2004515549
式(I)による構造を有する他の化合物を使用しても、実質的に同様の結果が得られる。
【0134】
実施例8
本発明による経口投与用の活性物質200mgを含有するカプセルを、以下の構成で製造する。
【0135】
【表8】
Figure 2004515549
式(I)による構造を有する他の化合物を使用しても、実質的に同様の結果が得られる。
【0136】
実施例9
本発明による生理食塩水ベースの眼内投与用の組成物を、以下の構成で製造する。
【0137】
【表9】
Figure 2004515549
式(I)による構造を有する他の化合物を使用しても、実質的に同様の結果が得られる。
【0138】
実施例10
本発明による局所投与用の経鼻組成物を、以下の構成で製造する。
【0139】
【表10】
Figure 2004515549
式(I)による構造を有する他の化合物を使用しても、実質的に同様の結果が得られる。
【0140】
実施例11
本発明による吸入用エアゾール組成物を、以下の構成で製造する。
【0141】
【表11】
Figure 2004515549
式(I)による構造を有する他の化合物を使用しても、実質的に同様の結果が得られる。
【0142】
実施例12
本発明による局所眼用組成物を、以下の構成で製造する。
【0143】
【表12】
Figure 2004515549
式(I)による構造を有する他の化合物を使用しても、実質的に同様の結果が得られる。
【0144】
実施例13
本発明による非経口投与用の抗微生物組成物を、以下の構成で製造する。
【0145】
【表13】
Figure 2004515549
【0146】
【表14】
Figure 2004515549
上記の成分を混合し、懸濁液を形成する。約2.0mlの懸濁液を、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)の存在による下気道感染症を患うヒト被験体に、筋肉注射を介して全身投与する。この投与は、1日に2回、約14日間繰り返す。4日後、疾病の症状が治まり、病原体がほぼ根絶されたことが示される。式(I)による構造を有する他の化合物を使用しても、ほぼ同様の結果が得られる。
【0147】
実施例14
本発明による、経口投与用の腸浴剤コーティングした抗微生物組成物を、以下の核錠の構成で製造する。
【0148】
【表15】
Figure 2004515549
成分を混合してバルク混合物にする。既知の錠剤化方法を用いて、圧縮錠剤を形成する。次いで、錠剤を、イソプロパノール/アセトン中のメタクリル酸/メタクリル酸エステルポリマーの懸濁液でコーティングする。大腸菌(Escherichia coli)の存在による***症を患うヒト被験体に、錠剤2錠を、8時間ごとに4日間、経口投与する。疾病の症状が治まり、病原体がほぼ根絶されたことが示される。式(I)による構造を有する他の化合物を使用しても、ほぼ同様の結果が得られる。
本明細書に記載したすべての参照文献を、参考のために本明細書に示す。
【0149】
本発明の特定の実施形態を記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明であろう。本発明の範囲内にあるこのようなすべての修正形態については、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

Claims (10)

  1. 下記の式(I)による構造を有する化合物、
    Figure 2004515549
    [式中、
    (A)(1)Rは、C〜約Cシクロアルキル、C〜約Cヘテロシクロアルキル、C〜約Cアルキル、C〜約Cアルケン、6員環アリール、及び6員環ヘテロアリールから選択され、
    (2)Rは水素であり、
    (3)Rは、水素及びヒドロキシから選択され、
    (4)Rは、水素、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、C〜約Cアルキル、C〜約Cアルケン、及びC〜約Cアルコキシから選択され、
    (5)Rは、水素、ヒドロキシ、アミノカルボニル、シアノ、C〜約Cアルキル、及びC〜約Cアルケンから選択され、前記アルキル及びアルケン部分のすべては非置換であるか、もしくは1〜約3のフッ素により置換されており、又はメチルもしくはエチルの場合には、任意選択的に1つのヒドロキシもしくは1つのアミノ部分により置換されており、
    (6)Rは、下記のものから選択され、
    Figure 2004515549
    (式中、
    (a)Rは、(i)Rの環の窒素に隣接していないRの環の炭素に結合したアミノであって、該アミノは非置換であるか、又は1もしくは2のC〜約Cアルキルにより置換されており、あるいは(ii)Rの環のいずれかの炭素に結合したアミノアルキルであり、1つのアミノにより置換されたC〜約Cアルキルであり、該アミノは非置換であるか、又は1もしくは2のC〜約Cアルキルにより置換されており、
    (b)R10は、RではなくRにおける部分を表し、各R10は、水素、C〜約Cアルキル、C〜約Cアルケン、及びC〜約C縮合アルキル環又はスピロアルキル環からそれぞれ独立して選択され、すべてのアルキル、アルケン、及び環状R10部分は非置換であるか、又は1つのヒドロキシ、もしくは1〜約3のフッ素部分により置換されている)
    (7)Rは、水素、ハロ、C〜約Cアルコキシ、C〜約Cアルキルチオ、C〜約Cアルキル、及びC〜約Cアルケンから選択されるか、又は
    (B)R及びRは結合して6員環の複素環を形成することができ、この場合R、R、R、R、及びRは(A)に記載された通りである]
    又はその光学異性体、ジアステレオマー、もしくはエナンチオマー、又はその薬学上許容可能な塩、水和物、又はその生加水分解性エステル、アミド、もしくはイミド。
  2. 請求項1に記載の化合物であって、
    式中、
    (A)R及びRは結合して複素環を形成せず、
    (B)Rは、C〜約Cシクロアルキル、6員環アリール、C〜約Cアルキル、及びC〜約Cアルケンから選択され、好ましくは、Rは、シクロプロピル、エチル、4−ヒドロキシフェニル、及び2,4−ジフルオロフェニルから選択され、
    (C)Rは、塩素、メチル、メトキシ、メチルチオ、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、モノフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、及びトリフルオロメトキシから選択されることを特徴とする化合物。
  3. 下記の式(B)による構造を有する化合物、
    Figure 2004515549
    [式中、
    (1)Rは水素であり、
    (2)Rは、水素及びヒドロキシから選択され、
    (3)Rは、水素、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、C〜約Cアルキル、C〜約Cアルケン、及びC〜約Cアルコキシから選択され、
    (4)Rは、水素、ヒドロキシ、アミノカルボニル、シアノ、C〜約Cアルキル、及びC〜約Cアルケンから選択され、前記アルキル及びアルケン部分のすべては非置換であるか、もしくは1〜約3のフッ素により置換されており、又はメチルもしくはエチルの場合には、任意選択的に1つのヒドロキシもしくは1つのアミノ部分により置換されており、
    (5)Rは、下記のものから選択され、
    Figure 2004515549
    (式中、
    (a)Rは、(i)Rの環の窒素に隣接していないRの環の炭素に結合したアミノであって、該アミノは非置換であるか、又は1もしくは2のC〜約Cアルキルにより置換されており、あるいは(ii)Rの環のいずれかの炭素に結合したアミノアルキルであり、1つのアミノにより置換されたC〜約Cアルキルであり、該アミノは非置換であるか、又は1もしくは2のC〜約Cアルキルにより置換されており、
    (b)R10は、RではなくRにおける部分を表し、各R10は、水素、C〜約Cアルキル、C〜約Cアルケン、及びC〜約C縮合アルキル環又はスピロアルキル環からそれぞれ独立して選択され、すべてのアルキル、アルケン、及び環状R10部分は非置換であるか、又は1つのヒドロキシ、もしくは1〜約3のフッ素部分により置換されている)
    (6)Yは選択された置換又は非置換の−C−もしくは−N−であるか、又はYは−O−であり、
    (7)Zは−O−、−S−、置換又は非置換の−C−、及び置換又は非置換の−N−から選択され、
    (8)R13及びR13’は水素、及びC〜約Cアルキルからそれぞれ独立して選択される]
    又は、その光学異性体、ジアステレオマー、もしくはエナンチオマー、その薬学上許容可能な塩、水和物、又はその生加水分解性のエステル、アミド、もしくはイミド。
  4. 請求項1、2、又は3のいずれかに記載の化合物であって、式中、
    (A)Rはヒドロキシであり、
    (B)Rは、水素、ヒドロキシ、塩素、臭素、アミノ、メチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、及びトリフルオロメチルから選択され、
    (C)Rは、水素、ヒドロキシ、メチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、及びトリフルオロメチルから選択され、好ましくはRは水素であり、
    (D)Rは、下記、
    Figure 2004515549
    から選択されることを特徴とする化合物。
  5. は、非置換であるか、又はメチル及びエチルからそれぞれ独立して選択される、1もしくは2のアルキル部分により置換されたアミノであり、好ましくはRは−NHであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  6. はアミノアルキルであり、アルキルは、非置換であるか、又はC〜約Cアルキル基で置換されており、アミノは、非置換であるか、又はメチル及びエチルからそれぞれ独立して選択される、1もしくは2のアルキル部分により置換されており、好ましくは前記アミノアルキルは、アミノメチル、メチルアミノメチル、1−アミノエチル、1−メチルアミノエチル、1−アミノ−1−メチルエチル、及び1−メチルアミノ−1−メチルエチルから選択されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  7. 各R10は、水素、及びC〜約Cアルキルからそれぞれ独立して選択され、好ましくは1以下のR10が水素以外であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
  8. 下記の式(C)による構造を有する化合物を使用し、
    Figure 2004515549
    [式中、R14は、メトキシ又はメチルから選択され、R15はエチル又はシクロプロピルから選択される]
    下記の式(I)による化合物、
    Figure 2004515549
    [式中、
    (A)(1)Rは、C〜約Cシクロアルキル、C〜約Cヘテロシクロアルキル、C〜約Cアルキル、C〜約Cアルケン、6員環アリール、及び6員環ヘテロアリールから選択され、
    (2)Rは水素であり、
    (3)Rは、水素及びヒドロキシから選択され、
    (4)Rは、水素、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、C〜約Cアルキル、C〜約Cアルケン、及びC〜約Cアルコキシから選択され、
    (5)Rは、水素、ヒドロキシ、アミノカルボニル、シアノ、C〜約Cアルキル、及びC〜約Cアルケンから選択され、前記アルキル及びアルケン部分のすべては非置換であるか、もしくは1〜約3のフッ素により置換されており、又はメチルもしくはエチルの場合には、任意選択的に1つのヒドロキシもしくは1つのアミノ部分により置換されており、
    (6)Rは、下記のものから選択され、
    Figure 2004515549
    (式中、
    (a)Rは、
    (i)Rの環の窒素に隣接していないRの環の炭素に結合したアミノであって、該アミノは非置換であるか、又は1もしくは2のC〜約Cアルキルにより置換されており、あるいは
    (ii)Rの環のいずれかの炭素に結合したアミノアルキルであり、1つのアミノにより置換されたC〜約Cアルキルであり、該アミノは非置換であるか、又は1もしくは2のC〜約Cアルキルにより置換されており、
    (b)R10は、RではなくRにおける部分を表し、各R10は、水素、C〜約Cアルキル、C〜約Cアルケン、及びC〜約C縮合アルキル環又はスピロアルキル環からそれぞれ独立して選択され、すべてのアルキル、アルケン、及び環状R10部分は非置換であるか、又は1つのヒドロキシもしくは1〜約3のフッ素部分により置換されている)
    (7)Rは、水素、ハロ、C〜約Cアルコキシ、C〜約Cアルキルチオ、C〜約Cアルキル及びC〜約Cアルケンから選択されるか、又は
    (B)R及びRは結合して6員環の複素環を形成することができ、この場合R、R、R、R、及びRは(A)に記載された通りである]
    又は光学異性体、そのジアステレオマーもしくはエナンチオマー、又はその薬学上許容可能な塩、水和物、又はその生加水分解性エステル、アミド、もしくはイミドを製造する方法。
  9. 医薬組成物であって、
    (A)安全且つ有効な量の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物と、
    (B)薬学上許容可能な担体と
    を含む組成物。
  10. ヒト又は他の哺乳類で微生物感染を治療するための薬剤を製造する方法において、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物を使用することを特徴とする方法。
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