JP2004513670A - 血管縁部結合器 - Google Patents
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Abstract
2つの血管縁部の間の開口部を密閉するための導管結合デバイスであって、2つの血管縁部の間の開口部の少なくとも一部を密閉するように適合された少なくとも一つのクリップ・エレメント;および体内で、前記縁部の少なくとも一つを前記クリップ・エレメント内へ引き寄せるように適合された少なくとも一つの引き具を備えるデバイス。
Description
【0001】
[関連出願]
本出願は、出願人バイパス・インク他により提出されたPCT出願、PCT/IL99/00285、PCT/IL99/00284、PCT/IL99/00674、PCT/IL99/00670、PCT/IB00/00302およびPCT/IB00/00310に関連している。また、本出願は、本出願と同日にPCTのイスラエル受理官庁に提出された、タイトル“吻合デバイス及び方法”、代理人ドケット088/01579である出願に関連している。上記出願は何れも米国を指定しており、それらの開示内容は参照によりここに導入される。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、特に吻合接合を行うための、血管の孔の縁部の取り扱い方に関する。
【0003】
[発明の背景]
血管の縁部のめくり返しは、例えば米国特許5,366,462号又は5,695,504号(これらの開示内容は参照によりここへ導入される)に記載されているように、一般に体外で行われる。しかし、動脈における孔の縁部はこのようには取り扱えない。なぜならば、動脈は体内に残さなければならないからである。
【0004】
[発明の要約]
本発明のいくつかの実施形態の態様は、血管内の孔の縁部を、それらが吻合コネクタ又はホール・クロージャー・デバイス(hole closure device)と係合されるように、めくり返すことに関する。本発明の典型的な実施形態では、コネクタ内に縁部を引き込むのに引き具が用いられる。オプションとして、引き具は除去可能であり、例えばデバイス・デリバリー・システムの一部である。あるいは、引き具は接合部に残留することであってもよい。あるいは、引き具は用いられず、例えば、デバイス形状における変化が縁部を引き込む。デバイス内に引き込むことに代えて、デリバリーシステム内に引き込み、その後、吻合デバイスが取り付けられる。デリバリーシステムは、本発明のいくつかの実施形態で、引き込みをガイドする。
【0005】
引き具は、いろいろな種類の血管用デバイスで使用でき、そこで引き具は、血管の縁部を、他の縁部またはデバイスと相対的な所望の位置に運び、オプションとして、デバイスの取扱中に縁部を適所に保持し、又はそれを動かす。複数の引き具が備えられている場合、引き具は、例えば同時に又は順に作動することができる。
【0006】
吻合デバイスは、例えば一部分、二部分、又は複数の独立した(又は細線で取り付けられた)クランプ用エレメントを有していてもよい。
引き込まれた縁部は、血液の漏洩を防止するために互いに押圧されることであってもよい。あるいは、それらは、デバイスの一部に押圧されることであってもよい。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、複数のクリップを用いて2つの血管を連結する方法に関する。本発明の典型的な実施形態では、2つの血管の縁部がめくり返され、クリップが血管の外に残り、血管の間が内膜対内膜接合となるように、クリップがめくり返された部分上にクローズされる。本発明のいくつかの実施形態では、縁部を刺し貫くフックを用いて縁部がめくり返される。あるいは、フックは縁部を刺し貫かない。
【0008】
このように、本発明の典型的な実施形態によれば、2つの血管縁部の間の開口部を密閉するための導管結合デバイスであって、
2つの血管縁部の間の開口部の少なくとも一部を密閉するように適合された少なくとも一つのクリップ・エレメント;および
体内で、前記縁部の少なくとも一つを前記クリップ・エレメント内へ引き寄せるように適合された少なくとも一つの引き具
を備えるデバイスが提供される。
オプションとして、前記引き具は、前記デバイスに取り付けられている。あるいは、前記引き具は、前記デバイスに取り付けられていない。
【0009】
本発明の典型的な実施形態では、前記引き具は、使用後に体内に残るように適合されている。あるいは、前記引き具は、使用後に体から除去できるように適合されている。
本発明の典型的な実施形態において、前記引き具は、生体被吸収性を有する。
本発明の典型的な実施形態において、前記引き具は、前記縁部を貫入するように適合されている。上記に代えて又は加えて、前記引き具は、前記縁部を穿刺するように適合されている。あるいは、前記引き具は、前記縁部を貫入しないように適合されている。
【0010】
本発明の典型的な実施形態において、前記引き具は、前記クリップにより変形されるように適合されている。オプションとして、前記変形は、前記密閉部からの前記引き具の除去を容易にする。
本発明の典型的な実施形態において、前記すくなとも一つの引き具は、前記縁部の双方を引くように適合された単一の引き具を含む。あるいは、前記少なくとも一つの引き具は、前記縁部の一つを引くように各々が適合されている2つの引き具を含む。
【0011】
本発明の典型的な実施形態において、前記引き具は、前記引き具を後退させるための細線に取り付けられている。オプションとして、前記引き具は、前記縁部を前記クリップ内に引き込んでいる間に、前記後退により変形される。
【0012】
本発明の典型的な実施形態において、前記少なくとも一つのクリップは、前記開口部を密閉するために協働する複数のクリップを含む。さらに、前記複数のクリップは互いに連結されていてもよい。あるいは、前記複数のクリップは、互いに連結される。さらに、前記複数のクリップは、互いに不動に連結されていてもよい。あるいは、前記複数のクリップは、互いに柔軟に連結される。
【0013】
本発明の典型的な実施形態において、前記クリップは、前記密閉を達成するために変形しない。あるいは、前記クリップは、前記密閉を達成するために変形する。前記クリップは、前記密閉を達成するために互いの方へ曲がる2つのアームをさらに備えてもよい。上記に代えて又は加えて、前記クリップは、塑性変形する。さらに、前記デバイスは、コントラ・エレメントおよび圧力エレメントを含むデリバリーシステムを備え、前記2つのエレメントがそれらの間で前記クリップを押圧することであってもよい。
【0014】
本発明の典型的な実施形態において、前記クリップは自動的に変形する。前記デバイスは、自動的に変形するように前記クリップを選択的に解放するように適合された規制要素を含むデリバリーシステムをさらに備えてもよい。
本発明の典型的な実施形態において、前記クリップは、前記縁部と係合するための棘部を含む。上記に代えて又は加えて、前記クリップは、前記縁部と係合するための突出部を含む。
本発明の典型的な実施形態において、前記クリップは、前記縁部と係合するためのスロットを含む。
【0015】
本発明の典型的な実施形態において、前記クリップは、前記縁部同士を密閉するように適合されている。上記に代えて又は加えて、前記クリップは、前記クリップの一部との間で前記縁部を密閉するように適合されている。
本発明の典型的な実施形態において、前記クリップは、前記縁部を押圧して前記密閉を行う。
【0016】
本発明の典型的な実施形態において、前記縁部は、同じ管の縁部である。あるいは、前記縁部は、2つの異なる管の縁部である。
本発明の典型的な実施形態において、前記管の少なくとも一つは、インビボ血管である。上記に代えて又は加えて、前記管の少なくとも一つは、合成移植片である。
【0017】
本発明の典型的な実施形態によれば、血管縁部間の開口を密閉する方法であって:
クリップの供給;
前記クリップ内への第1の縁部の第1の引き込み;および
前記クリップ内への第2の縁部の第2の引き込み
を含む方法が提供される。この方法は、前記開口部を密閉するために前記クリップをクローズすることをさらに含むことができる。前記クローズすることには、自動的に変形するように前記クリップを解放することがさらに含まれてもよい。上記に代えて又は加えて、前記クローズすることには、前記クリップを塑性変形させることが含まれる。
【0018】
本発明の典型的な実施形態において、前記第1および第2の引き込みは同時に行われる。あるいは、前記第1および第2の引き込みは、単一の引き具を用いて行われる。さらに、前記引き具は、単一の縁部係合要素を有していてもよい。あるいは、前記引き具は、少なくとも2つの縁部係合要素を有することであってもよい。
【0019】
本発明の典型的な実施形態において、前記第1および第2の引き込みは、少なくとも2つの引き具を用いて行われる。
本発明の典型的な実施形態において、前記方法は、前記密閉部から前記引き具を後退させることを含む。あるいは、前記方法は、前記引き具を前記密閉部に放置することを含む。
本発明の典型的な実施形態において、前記方法は、前記密閉部に薬剤を供給することを含む。さらに、前記薬剤に血餅防止剤が含まれることであってもよい。あるいは、前記薬剤に血餅促進剤が含まれていてもよい。
【0020】
本発明の典型的な実施形態において、前記供給することには、前記薬剤を含む物質の層を供給することが含まれる。さらに、前記層は、前記縁部の間に供給されることであってもよい。
本発明の典型的な実施形態において、前記2つの縁部は、単一の管内の開口部の縁である。あるいは、前記2つの縁部は、異なる管の縁部である。
本発明の典型的な実施形態において、前記管の少なくとも一つは、血管を含む。
【0021】
本発明の非限定的な実施形態が、図面と共に下記の典型的な実施形態の記述を参照しながら説明される。図面は通常縮尺を合わせて示されてはおらず、全ての値は例示であって必ずしも限定的なものではない。図において、1以上の図面に現れる同一構造、要素又は部品には、それらが現れる全ての図面で同じ又は類似の番号が好ましくは付されている。
【0022】
[好ましい実施形態の詳細]
図1A−1Dは、本発明の典型的な実施形態による、血管連結方法を図示している。図1Aにおいて、血管端部100及び血管側部102がクリップ104を用いて互いに連結されている。クリップ104は、血管100と係合するための例えば棘部108のような第1の係合手段を有する第1のアーム106と、血管102と係合するための棘部112のような血管係合手段を有する第2のアーム110とを備える。この及び他の実施形態において、血管及び/又は移植片は、天然の血管、合成、オートローガス(autologus)、クセノロガス(xenologus)、死体からの移植片、及び/又は他のあらゆる種類の血管の一部であってもよい。
【0023】
図1Aにおいて、2つの血管は、血管100の縁部114が棘部108により係合され、血管102の縁部116が棘部112により係合されるように、棘部により係合される。2つの縁部は当接してもよく、又はそれらの間に空間があってもよい。
【0024】
図1Bでは、クリップの2つのアームにより、2つの縁部の内膜部分が互いに押し付けられるようにクリップ104が折り曲げられている。棘部は、適合変形中に血管の縁部が不用意に外れることを防ぎ、及び/又は、接合完了後を安定にする。
【0025】
クリップの適合変形はいろいろの方法、例えば、弾性的に、超弾性的に、又は形状記憶クリップを用いて行うことができ、これらの場合には外力を必要としないであろう。あるいは、クリップ104は、塑性変形される。
【0026】
図1Aに示されたクリップ104は、棘部を保持しているアームの間に180°より大きな角度を有しているが、いくつかの実施形態では、プライヤー又はクランプばさみでクリップを押し潰しつつクローズできるように、クリップ104は平坦又は180°より小さな角度を有する。アーム間の角度は、棘部に血管の縁部を取り付ける難易度に影響するであろう。
【0027】
図1C及び1Dは、血管の縁部を棘部上へと引き寄せるための引き具の利用を図示している。図1Cは、血管100の縁部114を棘部108上へと引っ張るための湾曲した先端部122を含む引き具120を示している。図1Dは、血管102の縁部116を棘部112上へと引っ張るための湾曲した先端部126を有する引き具124を示す。上記に代えて、手による取り付け等、他の取付方法を用いてもよい。図1C−1Dの方法を実行するための典型的なデバイスを後述する。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態では、先端部126(及び122)が尖っている。上記に代えて、例えば先端部が係合している血管壁を先端部が貫くことを防止するために、先端部126が鈍っていてもよい。先端部が血管壁に過度に突き刺さることがないように、先端部126は、例えばフォーク状になっていてもよい。
【0029】
上記クリップは、側部対端部吻合接合に利用されているところが示されているが、これは他のタイプの接合、例えば端部対端部接合および側部対側部接合にも用いることができる。
【0030】
図1Eは、図1A−1Dに図示した方法に適したクリップの上面図である。この典型的な実施形態において、クリップ104は、一方の側がアーム106であり、他方の側がアーム110である楕円形リングを備えている。棘部は、楕円の頂部に形成されている。クリップ自体を引き具120及び124のピボット(pivot)として利用できるように、2つのクロスバー130が備えられている。他の実施形態では、クリップ104は棒形状をしている。後述するように完全な吻合では、このようなクリップを複数、すなわちマルチ・クリップ・コネクタを必要とするであろう。
【0031】
図2A−2Bは、本発明の他の典型的な実施形態による、血管連結方法を図示している。クリップ204(図1のクリップ104と同じものであってもよい)が血管100及び102に取り付けられている。2つの別個の引き具の代わりに、(各血管に一つずつの)2つの棘部222及び226を含む一つの引き具220が示されている。この引き具は、オプションとして、図1のクリップ104に血管を取り付けることに利用できる。棘部222及び226の反対側、クリップ104の後に、間に間隔を有する2つの部分を備える反作用エレメント232が配置されている。引き具220が反作用エレメント232の方へ後退させられると、クリップ204が反作用エレメント部分の間に引っ張られて曲がり、これによりアームの間に2つの血管の縁部を挟む。その結果完成した接合が図2Bに示されている。反作用エレメント232は、オプションとして、クリップ204が過度に後退することを防止するための突出部236を一方又は双方の部分に有することができる。クリップ204を曲げることで吻合をさらに密閉するように、反作用エレメントを互いにより寄せることをさらに行ってもよい。クリップ204のみが体内に残るように、処理が完了した後に反作用エレメント232は取り去られるであろう。
【0032】
引き具220を位置234で切断し、それにより棘部222及び226を吻合接合部の中に残すことができる。通常、棘部は生体吸収性を有する。上記に代えて又は加えて、棘部は組織結合促進剤を含有する。上記に代えて又は加えて、棘部は、通常、接合領域の外側部分で血管の縁部を引き裂きながら血管から引き出される。本発明のある実施形態では、完全に裂けてしまうことがないように、棘部が血管壁の厚みより短い。通常、棘部は体温で、又は、液体若しくは電解質環境下で柔らかくなり、引き抜けるようになる。あるいは、棘部222及び226は、バー130(図1E)により曲げ戻され、より簡単に引くことができるようになる。上記に代えて又は加えて、棘部222及び226は鋭利ではなく、血管壁に刺さることがなく、しかし、それを引き下げるだけで、通常は変形しながら壁部をスライドして通り過ぎ、コネクタの外へ出る。上記に代えて又は加えて、引き具220は、例えば糸又はワイヤを用いて、クリップの他の部分に連結されてもよい。
【0033】
図2Cは、本発明の他の典型的な実施形態による、他の血管連結装置240を図示する。デバイス240は、クリップ104及びクリップ204とほぼ同様にクリップ242及び引き具244を備える。ただし、クリップ242は予め曲げられている。したがって、引き具244は、クリップ242の2つのアームの間に形成された狭いスペース246の中へと組織の縁部を引き込む必要がある。棘部248は、いったんスペース246に引き込まれた縁部の後退を防止できる。本発明のいくつかの実施形態では、スペースを(各縁部に一つずつの)2つの空間に分割する(不図示の)壁部をスペース246が含む。壁部に代えて又は加えて、2つの縁部の間および/または縁部とデバイスの間の層として、ガーゼ、パッド(pad)または生体吸収性材料を備えることができる。本発明の典型的な実施形態では、層は、例えば漏出血液の凝固促進もしくは血餅防止のために、ヘパリン又は他の血液凝固促進剤又は拮抗阻害体を溶出する。他の薬をも同様に供給してもよい。薬は、時間と共にゆっくり放出されるように、層の中に浸漬されてもよく、又は、例えばマトリックス(matrix)内に保持されてもよい。
【0034】
図2Dは、本発明の典型的な実施形態による他のクリップ252を図示している。前述したクリップ、例えば図1Eのクリップは向かい合うアームを有する。しかし、これは、必須のことではない。クリップ252は、ベース256の一方の側に一つのアーム253を、そして反対側に2つのアーム254を有する。対応する非対称な引き具250もまた示されており、それは、糸262上に単一の引っ張り棘部260と対向する2つの引っ張り棘部260を有する。アーム253および254は、前述したのと同様に棘部を有していてもよい。しかし、本発明の典型的な実施形態では、血管の組織が、通常はアーム253によりアーム254の間のスペースに押し込まれ、2つのアーム254の間に挟まれる。オプションとして、アームの間のスペースがよりクサビ形状となるように、アームが角度をもって延出していてもよい。アーム間の距離は、通常、ターゲットとなっている2つの血管の厚みを合わせたものよりも短い。上記に代えて又は加えて、より肉厚の組織を収容するために、アームを弾性変形させることもできる。
【0035】
図3A−3Dは、本発明の典型的な実施形態による、クリップ−引き具の組合せによるホールクロージャー・デバイス(hole closure device)300を図示している。図1および2は、2つの異なる血管の縁部を連結することに関して描いたが、同じ血管の2つの縁部が互いに密閉される血管のホールクロージャーにも同様の原理が応用できる。
【0036】
図3Aは、ホールクロージャー・デバイス300のレイアウト図である。図3Bにおいて、デバイス300は、ベース302および2つのアーム304を有すするように折り曲げられている。各アームはその端部に1以上の棘部306を有する。
【0037】
図3Cは、設置されているデバイス300を示す。本発明の典型的な実施形態では、デバイス300が、コントラ・チューブ(contra−tube)320により、血管312に当てた状態で、血管内の孔310の近傍に保持される。コントラ・チューブ320は中空であってもよい。代替として、デバイス300はチューブ320に取り付けられてもよい。孔310は、引き具314によりデバイス300に引き込むことができる縁部318および320を有する。通常、引き具314は糸又はワイヤ316を用いて引かれる。糸又はワイヤ316はチューブ320の中にさらに通されていてもよい。
【0038】
図3Dは、引き具314が縁部318および320をデバイス300に引き込んだ後の孔310を示している。(接合部に残されてもよい)引き具314は、例えば(通常は、ベース302の孔を通り、場合によってはベース302自体と接触することにより曲げ戻された後に)引き抜かれており、又は前述のように吸収されており、示されていない。デバイス300は、種々の孔の寸法および血管の厚みに合うように寸法を定めることができる。上記に代えて又は加えて、所望のホールクロージャー特性に合うように、例えば図3Aに示すような平坦なデバイスがその場で曲げられる。デバイス300は2つの棘部306を各アームに備えているように示されているが、より多くの又は少数の棘部を備えていてもよく(通常は棘部は対向していない)、また、棘部の代わりに(尖っていない)突起さえ備えていてもよい。デバイスの長さは、例えば孔310の寸法に依存するであろう。上記に代えて又は加えて、複数のデバイス300が並べられて利用される。
【0039】
同様に、図1−2のクリップを個々のクリップとして例えば一つずつ、又は例えば一斉配置のためのマルチクリップデリバリーシステムを用いて、供給してもよい。一般的に、2つの血管同士を接合するのに複数のクリップ、例えば3、4、5、6又はそれ以上のクリップが必要とされる。あるいは、単一の吻合コネクタ(又はホールクロージャーデバイス)を形成するために、例えば糸又はリングを用いて、クリップ同士をつなぎあわせることができる。あるいは、(例えば前述したPCT出願において)前に記載したコネクタおよびホール・クロージャー・デバイスを分割することで、例えば各々が2つの対向するスパイクおよびオプションとしてのリング部分を備えるクリップを提供してもよい。
【0040】
スパイク/アームの曲げに代えて又は加えて、アームの回転用にトーションバー機構を備えることができる。本発明の典型的な実施形態において、クリップ252のベース256が、アーム254および253の曲げに代えて又は加えて捩れるトーションバーとして利用できる。これによりクリップ252は、単に2つの血管組織に力強く接触する圧力方式クリップになることができる。
【0041】
図4は、本発明の典型的な実施形態による、マルチクリップ・コネクタ400を図示している。コネクタ400は、複数の「側部」係合クリップアーム404および向かい側の複数の「端部」係合クリップアーム406を有するリング402を備える。示されているように、向かい側のクリップアームは同じ径方向位置にある必要はないが、そうすることも可能である。上記に代えて又は加えて、「側部」および「端部」クリップアームの数が異なっていてもよい。上記に代えて又は加えて、コネクタは2つの血管「側部」用に又は2つの血管「端部」用にも利用できる。示されているように、クリップアームは血管壁に貫入しないようにデザインされているが、いくつかの実施形態では、少なくともいくつかのクリップアームが血管壁に貫入でき、このようなアームは、過度の貫入および/またはアームに沿った血管壁の動きを防止するためにフォーク状デザインまたはそれらの先端部から遠位にある突起を含むであろう。両側のクリップアームは同じまたは異なる概略デザインを有することができる。上記に代えて又は加えて、リング402の同じ側にあるクリップアームもまた(示されているように)同じであってもよく、または例えばクリップアームが交互に異なるデザインを有するように異なっていてもよい。
【0042】
図5A−5Fは、本発明の典型的な実施形態による、図4のクリップの設置方法を図示している。これらの図において、視覚的混乱を減らすために、反復している要素はその全てを示されていない。システム500は、例えば切開手術、内視鏡によるまたはスロートスコピック(throactoscopic)による手術および/または径血管的なアプローチで設置できる。
【0043】
図5Aは、移植片502およびコネクタ400がその中に取り付けられているデリバリーシステム500を図示している。この図は、一つの「側部」アーム404および一つの「端部」アーム406の動作が明確に見られるように選択された断面図である。
【0044】
システム500は、外部コントラ・チューブ506と内部押圧チューブ504とを含む。コネクタ400は、例えば弾性または摩擦で、外部コントラ・チューブ506によって保持される。後述するように「側部」アームをクローズするために外部ベースチューブ508が備えられている。外部チューブ506に形成された孔部514を介して複数の「側部」血管引き具512が備えられている。外部チューブ506に形成された孔部516を介して複数の「端部」血管引き具510が備えられている。本発明の典型的な実施形態において、アーム404および406は千鳥配置されており、その結果、アーム位置に合わるために孔部514および516も千鳥配置になっている。引き具の先端部は、それらが管組織を引き込むアームと位置が合わせられていても、いなくてもよい。いくつかの実施形態では、少なくともいくつかの引き具が平坦でない。
【0045】
図5Bにおいて、「端部」引き具510が後退し、移植片502の縁部をクリップデバイス400の方へ引いている。このステップは体内でも体外でも行うことができる。
【0046】
図5Cは、ターゲットとなっている血管側部520の近くにあるシステム500を示す。ターゲットの血管520は、例えば、環状動脈、人工または生体移植片、大動脈、LIMA、環状静脈、動脈または末梢血管、例えば大腿動脈または足の静脈、又は他の知られているあらゆる血管であってもよい。移植片502もまたあらゆる知られている血管であってもよい。引き具512は、血管520の開口部に入るように前方へ伸ばされる。本発明のいくつかの実施形態において、引き具512の挿入は手作業で行われる。他の実施形態では、システム500と、ターゲットである血管の孔との位置合わせによりそれが容易になっている。なお、開口部を形成するためのパンチを外部ベースチューブ508の中を通して供給し、その後移植片供給部分と置き換えることができる。あるいは、パンチを移植片502を通して供給することができる。あるいは、移植片502の中を通してパンチが供給される。あるいは、別個独立の孔あけ具が利用される。あるいは、ナイフを用いて切開がなされる。
【0047】
図5Dでは、引き具512が後退し、血管520の切開部の縁部をクリップ内へ引っ張り、その結果、2つの血管の縁部が近づき、互いに接触又は重なり合う。
【0048】
図5Eでは、ベース508の近端内向部分522が内側に押され、それによりアーム404が血管520の縁部に向けてクローズし、かつ通常はその過程でそれらをさらにめくり返しもする。部分522は、所望の態様でクローズするようにアームを案内する傾斜部分526を含むことができる。部分522を動かす典型的な方法の一つに、外部ベースチューブ508の外側に沿って外筒524を前進させることでそれを径方向に圧縮するというものがある。引き具512がアーム404をクローズする間に変形するかもしれないが、これは通常重要なことではない。
【0049】
図5Fでは、内部プッシャーチューブ504が前進し、クリップ400のアーム406をクローズする。ベースチューブ508が圧力に反作用するものとして役立つであろう。このようにして血管はアーム404及び406の間にしっかり保持され、好ましくは血液の漏洩が防止される。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態では、図5E及び5Fのステップは、同時に又は逆の順番で行われる。同一側にある全てのアームを同時に処理することが好ましいが、いくつかの実施形態では、同一側にある全てのアームをいっしょにはクローズしない。
【0051】
吻合が完了すると、クリップ400を解放するために、引き具512及び510を後退させ、ベースチューブ508を径方向に広げることができる。クリップ400をさらに外部チューブ506から出すために内部チューブ504を前進させてもよい。あるいは、引き具は前述したように取り扱われてもよく、例えば切断して体内に残され、通常は吸収される。
【0052】
上記は、塑性変形型デバイスの設置を説明した。弾性、形状記憶又は超弾性型デバイスでも同様のデリバリーシステムを利用できる。例えば、ベースチューブ508は、(ベースチューブ508が前進するまで)アーム404を開いた状態に維持する棘部又は内縁部を含んでいてもよく、内部チューブ504は、(内部チューブ504が後退するまで)アーム406がクローズすることを防止する拡張部を含んでいてもよい。塑性変形型デバイス400においてさえ、設置中の径方向圧縮を許容するように、及び/又は、外部チューブ506により保持できるように、リング402は弾性を有していてもよい。
【0053】
先の図5及び後の図6では、側部対端部吻合を記載しているが、同様の構造が斜め、側部対側部および端部対端部接合に利用できることが理解されるべきである。このような接合では、血管は、例えばシステムの軸に垂直な管腔通して供給することで、デリバリーシステム500の他の部分に対して非軸方向に配置することができる。しかし、引き具の概略動作は同じままである。
【0054】
上記に代えて又は加えて、システム500は、移植片502からより容易に取り去ることができるように、(長手方向で2、3又はそれ以上のパーツに)分割するシステムである。
【0055】
図6A−6Bは、本発明の典型的な実施形態による、吻合接合部に複数のクリップを設置する他の方法を図示している。
【0056】
図6Aは、引き具606に穿刺された縁部604を有する移植片602を示している。移植片に取り付けられているデリバリーシステム600は、吻合コネクタ608が取り付けられている内部チューブ620を含む。コネクタ608は、例えば、リング616と複数のアーム618とを含むことができる。本発明の典型的な実施形態では、コネクタ608は超弾性、弾性又は形状記憶性を有し、規制部材626により中に折れ曲がることが防止されているアーム618を備える。本発明の典型的な実施形態では、規制部材626の内向拡張部610が周方向に向けられた(例えば図の面から外へ出る)突出部612を含み(又は規制部材626にスロットが設けられている)、それがアーム618の径方向運動を阻止している。規制部材626がコネクタ608と相対的に回転すると、又は規制部材626が径方向に広がると、アーム618が解放される。
【0057】
デリバリーシステム600は、引き具606を後退させるための後退用チューブ624、及び、コネクタ608の後退を防止するコントラチューブ(contra tube)622をさらに含む。
【0058】
図6Bでは、引き具606が切開部634(血管「側部」630に縁部632を有する)の中へ伸ばされている。
【0059】
図6Cでは、引き具606が後退し、縁部632をめくり返し、かつ、縁部632及び縁部604を共にコネクタ608に引き込む。規制部材626が次にアーム618を解放することで、コネクタがクローズし、移植片602及び血管630の間の接合を密閉することができる。引き具606はこれで通常は、少なくとも血管630を保持するためには、もう必要なくなる。次にさらに引き具606を後退させることができる。後退により引き具はまっすぐ伸ばされるので、通常は血管に損傷が生じない。コネクタ608は、例えばコントラチューブ622を前進させることでリリースすることができる。塑性変形型の実施形態では、規制部材626が、アーム618を径方向に圧縮するためのアンビルとして作用する。
【0060】
アーム618は、例えば縁部632及び604の一方又は双方を貫くように、示されているように、鋭利な先端部を有することができる。あるいは、刺すことなく圧力を加えるように、アーム618の先端部は鈍い形状をしていてもよい。あるいは、アーム618は、コネクタの上部に当てるように縁部604を、かつ、コネクタのリング部分に当てるように縁部632を保持してもよい。
【0061】
なお、図5及び6は吻合コネクタを図示しているが、同様のデリバリーシステムは、単一の血管の2つの縁部を接合するために、例えばホールクロージャー(hole closure)のために、利用できる。このような場合、コネクタは、図4に示したようなリングである代わりに、ラインコネクタ又はアームが底部にのみあり中を向いている環状コネクタであることができる。
【0062】
図7A−7Cは、本発明の典型的な実施形態による、2つの血管の連結用の他のクリップデバイスの設置を図示している。
【0063】
図7Aにおいて、クリップ700は、折れ曲がった形状になろうとするような弾性、超弾性または形状記憶性を有する(すなわち自動的にクローズする)。規制部材706は、例えばクリップ700のアーム708と係合するスロット付き部分712を有し、アームがクローズすることを防止する。クリップ700の他のアーム710は、他のスロット(又はバンプ(bump))に保持されてもよい。代替として、クリップ700は、ここではホルダ718で保持されているように示されているリング716に取り付けられた複数のクリップを含む単一のコネクタの一部である。
【0064】
使用時には、移植片702の縁部がクリップ700のアーム708に穿刺される。アーム708は、血管704の切開部(一方の側のみが示されている)の中へ挿入される。規制部材706がクリップ700を解放すると、クリップがクローズし、移植片702と血管704とをいっしょに密閉する。塑性変形型実施形態では、規制部材706の後退によりアーム708をアーム710の方へ折り曲げることができる。
【0065】
図7Bは、本発明の他の実施形態を示し、ここではセルフ−クローズ型クリップ720が移植片702と血管704とを穿刺する。クリップは、例えば手作業で、血管704の切開部に挿入され、次に引き戻すことにより血管壁内に埋め込むことができる。規制用外部チューブ722を後退させると、クリップ720は自由に折れ曲がることができる。本発明のいくつかの実施形態では、クリップ700のようにクリップ720もまたマルチ−クリップ・コネクタの一部であることができる。
【0066】
図7Cは、本発明の他の実施形態を示しており、ここでは、例えば手作業で又は(不図示の)引き具を用いて、移植片702と血管704の縁部がクリップ730内に挿入されている。クリップ730は、ベース736によって連結されている2つのアーム732及び734を備えている。本発明の典型的な実施形態では、アーム732及び734が内向きに折れ曲がるようにクリップ730に予め応力がかけられている。アーム732及び734は、ベース736を越えて伸び、それぞれ、伸張部742及び744となっている。対向している2つの規制要素738及び740を備える規制部材が、伸張部742及び744を介して、クリップ730と係合し、適所に保持している。クリップ730は、アーム732及び734が互いの方へと閉じるセルフ−クローズ式クリップである。規制要素738及び740が離されると、アーム732及び734が互いの方へと進み、移植片702及び血管704の縁部を互いに係合させ密閉する。本発明の典型的な実施形態では、アーム732及び734の間の距離を拡大し、クリップ内に血管704及び移植片702の縁部を容易に挿入できるように、規制要素738及び740がくっつけられている。通常、クリップ730が血管及び移植片に寄りかかるように配置され、そして規制要素が離されると、アーム732及び734の先端部が縁部に係合し、クリップ内へ移動させる。
【0067】
上記デバイスは、特定種類の血管に適合させる等、種々に変形できる。本発明のいくつかの実施形態では、デバイスは包装され、及び/又は、デバイスの寸法及び/又はデバイスが利用されるべき状況を記載した説明書と共に販売される。
【0068】
デバイスの以下のパラメータの一つ以上を変えることができる、例えば:
(a)クリップのアームにおける棘部の数。一つの棘部のみを示したのにもかかわらず、2、3又はそれ以上の棘部を備えることができる。
(b)アームに沿った棘部の位置。アームの先端部に棘部を示したが、それらはより中に位置してもよい。複数の棘部を備えたデバイスでは、棘部を例えば並べて、又は、他の前方に配置してもよい。
(c)アームの形状。方形、三角形、弓形、円形および部分的にまっすぐ又は曲がっている等、種々の形状を備えることができる。アームは平坦であってもよく、あるいは、湾曲している等、ある平面から外へ伸びていてもよい。
【0069】
(d)棘部の長さ。棘部は血管壁を穿刺するのに十分な長さを有していてもよい。あるいは、例えば血管のいくつかの層のみに貫入するように棘部をより短くしてもよい。なお、例えばターゲットとなっている血管の特性により、同じデバイス上の異なる棘部が、異なる長さまたは他の特性を有していてもよい。典型的な長さには、0.1mm、0.5mm、1mm、2mm並びにより長い、より短い及び中間のサイズが含まれる。棘部のデザインにおける他のパラメータ、例えばシャープネスの程度(鋭利か鈍角か)、も同様に変えられる。
【0070】
(e)アームの長さ。アームの長さも、ターゲット血管の特性及び接合部の形状に依存するであろう。典型的な長さには、1mm、3mm、5mm、7mm並びにより長い、より短い及び中間のサイズが含まれる。
(f)ベースの存在及び寸法。全てのデバイスがベースを含むのではないが、ベースの長さは、例えば、1mm、3mm、5mm、7mm並びにより長い、より短い及び中間のサイズであってもよい。(2つのアームの間の)ベースの幅は、例えば、0.5mm、1mm、3mm、5mm並びにより大きい、より小さい及び中間のサイズであってもよい。
【0071】
(g)管腔の存在及び形状。中央管腔を備えたデバイスでは、管腔および穿孔された孔の形状を、例えば円形、楕円形又は多角形と変えることができる。
(f)デバイスのソリディティー(solidity)。本発明のいくつかの実施形態においてデバイスが連続した表面を有することができるにもかかわらず、例えば図3Aおよび1Aに示したように、デバイスの表面に1以上の孔を形成することができる。これにより、体内の異物の総量を減らすことができる。もっとも、血流内の物質総量は、本発明のいくつかの実施形態では非常に低い又はゼロでさえありうる。
【0072】
血管の取り扱いに関する上記の方法及び装置が種々の方法により変形できることが理解されるべきである。変形には、体の内外で行われるステップの順番、吻合接合を行う順番、各吻合内のステップの順番、吻合コネクタに用いられる正確な材料、端部対側部吻合において何れの血管が端部側で、何れの血管(又は移植片)が側部側であるか、及び/又は、接合される2つの縁部が同じ血管のものか異なる血管のものかどうか、を変えることが含まれる。さらに、機械的な実施形態において、相対的な動きが要求されるところで不動要素を移動要素に変える等、種々の要素の場所は、開示の範囲の思想を越えることなく変えることができる。さらに、方法及び装置双方の種々の特徴の多様性が説明された。異なる特徴の異なる組み合わせが可能であることが理解されるべきである。特に、特定の実施形態で示された全ての特徴が、本発明の類似の各発明において必要なのではない。さらに、説明された種々の実施形態の特徴との組合せも、本発明の幾つかの典型的な実施形態の範囲内にある。さらに、本発明の他の典型的な実施形態によれば、本明細書に記載した本発明の幾つかの特徴は、先行技術の装置と共に用いるようにすることができる。本発明を説明するために用いられた特定の形状は、本発明のもっとも広い態様をそれらの形状にのみ限定するものとみなすべきではない。たとえは、円形の管腔が示されたところでは、他の実施形態では楕円形の管腔が用いられてもよい。
【0073】
本発明の範囲には、単一又は少数の吻合接合を行うのに適した医療装置のセットを含む手術用キットも含まれる。寸法は、特定のケースについての例示的な寸法としてのみ示されており、適用される正確な寸法はアプリケーションにより代わるであろう。クレームにおいて「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」等の用語が用いられた場合、「含むが限定しない」ことが意味される。
【0074】
本発明はこれまで記載したことに限定されないことを当業者は理解するであろう。むしろ、本発明の範囲は、クレームによってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図1A−1D】
図1A−1Dは、本発明の典型的な実施形態による血管連結方法および装置を図示している。
【図1E】
図1Eは、図1A−1Dに図示した方法に適したクリップの上面図である。
【図2A−2B】
図2A−2Bは、本発明の他の典型的な実施形態による血管連結方法を図示している。
【図2C】
図2Cは、本発明の他の典型的な実施形態による他の血管連結デバイスを図示している。
【図2D】
図2Dは、本発明の典型的な実施形態による他のクリップを図示している。
【図3A−3D】
図3A−3Dは、本発明の典型的な実施形態によるクリップ−引き具の組合せいよるホール・クロージャーデバイスを図示している。
【図4】
図4は、本発明の典型的な実施形態によるマルチ−クリップ・コネクタを図示している。
【図5A−5F】
図5A−5Fは、本発明の典型的な実施形態による図4のクリップの設置方法を図示している。
【図6A−6C】
図6A−6Cは、本発明の典型的な実施形態による吻合接合において複数のクリップを設置する他の方法を図示している。
【図7A−7C】
図7A−7Cは、本発明の典型的な実施形態による2つの血管を連結するための他のクリップ−デバイスの設置を図示している。
【符号の説明】
104、204、252 クリップ
124、220、510、512 引き具
232 反作用エレメント
300 ホールクロージャー・デバイス
400 マルチクリップ・コネクタ
[関連出願]
本出願は、出願人バイパス・インク他により提出されたPCT出願、PCT/IL99/00285、PCT/IL99/00284、PCT/IL99/00674、PCT/IL99/00670、PCT/IB00/00302およびPCT/IB00/00310に関連している。また、本出願は、本出願と同日にPCTのイスラエル受理官庁に提出された、タイトル“吻合デバイス及び方法”、代理人ドケット088/01579である出願に関連している。上記出願は何れも米国を指定しており、それらの開示内容は参照によりここに導入される。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、特に吻合接合を行うための、血管の孔の縁部の取り扱い方に関する。
【0003】
[発明の背景]
血管の縁部のめくり返しは、例えば米国特許5,366,462号又は5,695,504号(これらの開示内容は参照によりここへ導入される)に記載されているように、一般に体外で行われる。しかし、動脈における孔の縁部はこのようには取り扱えない。なぜならば、動脈は体内に残さなければならないからである。
【0004】
[発明の要約]
本発明のいくつかの実施形態の態様は、血管内の孔の縁部を、それらが吻合コネクタ又はホール・クロージャー・デバイス(hole closure device)と係合されるように、めくり返すことに関する。本発明の典型的な実施形態では、コネクタ内に縁部を引き込むのに引き具が用いられる。オプションとして、引き具は除去可能であり、例えばデバイス・デリバリー・システムの一部である。あるいは、引き具は接合部に残留することであってもよい。あるいは、引き具は用いられず、例えば、デバイス形状における変化が縁部を引き込む。デバイス内に引き込むことに代えて、デリバリーシステム内に引き込み、その後、吻合デバイスが取り付けられる。デリバリーシステムは、本発明のいくつかの実施形態で、引き込みをガイドする。
【0005】
引き具は、いろいろな種類の血管用デバイスで使用でき、そこで引き具は、血管の縁部を、他の縁部またはデバイスと相対的な所望の位置に運び、オプションとして、デバイスの取扱中に縁部を適所に保持し、又はそれを動かす。複数の引き具が備えられている場合、引き具は、例えば同時に又は順に作動することができる。
【0006】
吻合デバイスは、例えば一部分、二部分、又は複数の独立した(又は細線で取り付けられた)クランプ用エレメントを有していてもよい。
引き込まれた縁部は、血液の漏洩を防止するために互いに押圧されることであってもよい。あるいは、それらは、デバイスの一部に押圧されることであってもよい。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態の態様は、複数のクリップを用いて2つの血管を連結する方法に関する。本発明の典型的な実施形態では、2つの血管の縁部がめくり返され、クリップが血管の外に残り、血管の間が内膜対内膜接合となるように、クリップがめくり返された部分上にクローズされる。本発明のいくつかの実施形態では、縁部を刺し貫くフックを用いて縁部がめくり返される。あるいは、フックは縁部を刺し貫かない。
【0008】
このように、本発明の典型的な実施形態によれば、2つの血管縁部の間の開口部を密閉するための導管結合デバイスであって、
2つの血管縁部の間の開口部の少なくとも一部を密閉するように適合された少なくとも一つのクリップ・エレメント;および
体内で、前記縁部の少なくとも一つを前記クリップ・エレメント内へ引き寄せるように適合された少なくとも一つの引き具
を備えるデバイスが提供される。
オプションとして、前記引き具は、前記デバイスに取り付けられている。あるいは、前記引き具は、前記デバイスに取り付けられていない。
【0009】
本発明の典型的な実施形態では、前記引き具は、使用後に体内に残るように適合されている。あるいは、前記引き具は、使用後に体から除去できるように適合されている。
本発明の典型的な実施形態において、前記引き具は、生体被吸収性を有する。
本発明の典型的な実施形態において、前記引き具は、前記縁部を貫入するように適合されている。上記に代えて又は加えて、前記引き具は、前記縁部を穿刺するように適合されている。あるいは、前記引き具は、前記縁部を貫入しないように適合されている。
【0010】
本発明の典型的な実施形態において、前記引き具は、前記クリップにより変形されるように適合されている。オプションとして、前記変形は、前記密閉部からの前記引き具の除去を容易にする。
本発明の典型的な実施形態において、前記すくなとも一つの引き具は、前記縁部の双方を引くように適合された単一の引き具を含む。あるいは、前記少なくとも一つの引き具は、前記縁部の一つを引くように各々が適合されている2つの引き具を含む。
【0011】
本発明の典型的な実施形態において、前記引き具は、前記引き具を後退させるための細線に取り付けられている。オプションとして、前記引き具は、前記縁部を前記クリップ内に引き込んでいる間に、前記後退により変形される。
【0012】
本発明の典型的な実施形態において、前記少なくとも一つのクリップは、前記開口部を密閉するために協働する複数のクリップを含む。さらに、前記複数のクリップは互いに連結されていてもよい。あるいは、前記複数のクリップは、互いに連結される。さらに、前記複数のクリップは、互いに不動に連結されていてもよい。あるいは、前記複数のクリップは、互いに柔軟に連結される。
【0013】
本発明の典型的な実施形態において、前記クリップは、前記密閉を達成するために変形しない。あるいは、前記クリップは、前記密閉を達成するために変形する。前記クリップは、前記密閉を達成するために互いの方へ曲がる2つのアームをさらに備えてもよい。上記に代えて又は加えて、前記クリップは、塑性変形する。さらに、前記デバイスは、コントラ・エレメントおよび圧力エレメントを含むデリバリーシステムを備え、前記2つのエレメントがそれらの間で前記クリップを押圧することであってもよい。
【0014】
本発明の典型的な実施形態において、前記クリップは自動的に変形する。前記デバイスは、自動的に変形するように前記クリップを選択的に解放するように適合された規制要素を含むデリバリーシステムをさらに備えてもよい。
本発明の典型的な実施形態において、前記クリップは、前記縁部と係合するための棘部を含む。上記に代えて又は加えて、前記クリップは、前記縁部と係合するための突出部を含む。
本発明の典型的な実施形態において、前記クリップは、前記縁部と係合するためのスロットを含む。
【0015】
本発明の典型的な実施形態において、前記クリップは、前記縁部同士を密閉するように適合されている。上記に代えて又は加えて、前記クリップは、前記クリップの一部との間で前記縁部を密閉するように適合されている。
本発明の典型的な実施形態において、前記クリップは、前記縁部を押圧して前記密閉を行う。
【0016】
本発明の典型的な実施形態において、前記縁部は、同じ管の縁部である。あるいは、前記縁部は、2つの異なる管の縁部である。
本発明の典型的な実施形態において、前記管の少なくとも一つは、インビボ血管である。上記に代えて又は加えて、前記管の少なくとも一つは、合成移植片である。
【0017】
本発明の典型的な実施形態によれば、血管縁部間の開口を密閉する方法であって:
クリップの供給;
前記クリップ内への第1の縁部の第1の引き込み;および
前記クリップ内への第2の縁部の第2の引き込み
を含む方法が提供される。この方法は、前記開口部を密閉するために前記クリップをクローズすることをさらに含むことができる。前記クローズすることには、自動的に変形するように前記クリップを解放することがさらに含まれてもよい。上記に代えて又は加えて、前記クローズすることには、前記クリップを塑性変形させることが含まれる。
【0018】
本発明の典型的な実施形態において、前記第1および第2の引き込みは同時に行われる。あるいは、前記第1および第2の引き込みは、単一の引き具を用いて行われる。さらに、前記引き具は、単一の縁部係合要素を有していてもよい。あるいは、前記引き具は、少なくとも2つの縁部係合要素を有することであってもよい。
【0019】
本発明の典型的な実施形態において、前記第1および第2の引き込みは、少なくとも2つの引き具を用いて行われる。
本発明の典型的な実施形態において、前記方法は、前記密閉部から前記引き具を後退させることを含む。あるいは、前記方法は、前記引き具を前記密閉部に放置することを含む。
本発明の典型的な実施形態において、前記方法は、前記密閉部に薬剤を供給することを含む。さらに、前記薬剤に血餅防止剤が含まれることであってもよい。あるいは、前記薬剤に血餅促進剤が含まれていてもよい。
【0020】
本発明の典型的な実施形態において、前記供給することには、前記薬剤を含む物質の層を供給することが含まれる。さらに、前記層は、前記縁部の間に供給されることであってもよい。
本発明の典型的な実施形態において、前記2つの縁部は、単一の管内の開口部の縁である。あるいは、前記2つの縁部は、異なる管の縁部である。
本発明の典型的な実施形態において、前記管の少なくとも一つは、血管を含む。
【0021】
本発明の非限定的な実施形態が、図面と共に下記の典型的な実施形態の記述を参照しながら説明される。図面は通常縮尺を合わせて示されてはおらず、全ての値は例示であって必ずしも限定的なものではない。図において、1以上の図面に現れる同一構造、要素又は部品には、それらが現れる全ての図面で同じ又は類似の番号が好ましくは付されている。
【0022】
[好ましい実施形態の詳細]
図1A−1Dは、本発明の典型的な実施形態による、血管連結方法を図示している。図1Aにおいて、血管端部100及び血管側部102がクリップ104を用いて互いに連結されている。クリップ104は、血管100と係合するための例えば棘部108のような第1の係合手段を有する第1のアーム106と、血管102と係合するための棘部112のような血管係合手段を有する第2のアーム110とを備える。この及び他の実施形態において、血管及び/又は移植片は、天然の血管、合成、オートローガス(autologus)、クセノロガス(xenologus)、死体からの移植片、及び/又は他のあらゆる種類の血管の一部であってもよい。
【0023】
図1Aにおいて、2つの血管は、血管100の縁部114が棘部108により係合され、血管102の縁部116が棘部112により係合されるように、棘部により係合される。2つの縁部は当接してもよく、又はそれらの間に空間があってもよい。
【0024】
図1Bでは、クリップの2つのアームにより、2つの縁部の内膜部分が互いに押し付けられるようにクリップ104が折り曲げられている。棘部は、適合変形中に血管の縁部が不用意に外れることを防ぎ、及び/又は、接合完了後を安定にする。
【0025】
クリップの適合変形はいろいろの方法、例えば、弾性的に、超弾性的に、又は形状記憶クリップを用いて行うことができ、これらの場合には外力を必要としないであろう。あるいは、クリップ104は、塑性変形される。
【0026】
図1Aに示されたクリップ104は、棘部を保持しているアームの間に180°より大きな角度を有しているが、いくつかの実施形態では、プライヤー又はクランプばさみでクリップを押し潰しつつクローズできるように、クリップ104は平坦又は180°より小さな角度を有する。アーム間の角度は、棘部に血管の縁部を取り付ける難易度に影響するであろう。
【0027】
図1C及び1Dは、血管の縁部を棘部上へと引き寄せるための引き具の利用を図示している。図1Cは、血管100の縁部114を棘部108上へと引っ張るための湾曲した先端部122を含む引き具120を示している。図1Dは、血管102の縁部116を棘部112上へと引っ張るための湾曲した先端部126を有する引き具124を示す。上記に代えて、手による取り付け等、他の取付方法を用いてもよい。図1C−1Dの方法を実行するための典型的なデバイスを後述する。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態では、先端部126(及び122)が尖っている。上記に代えて、例えば先端部が係合している血管壁を先端部が貫くことを防止するために、先端部126が鈍っていてもよい。先端部が血管壁に過度に突き刺さることがないように、先端部126は、例えばフォーク状になっていてもよい。
【0029】
上記クリップは、側部対端部吻合接合に利用されているところが示されているが、これは他のタイプの接合、例えば端部対端部接合および側部対側部接合にも用いることができる。
【0030】
図1Eは、図1A−1Dに図示した方法に適したクリップの上面図である。この典型的な実施形態において、クリップ104は、一方の側がアーム106であり、他方の側がアーム110である楕円形リングを備えている。棘部は、楕円の頂部に形成されている。クリップ自体を引き具120及び124のピボット(pivot)として利用できるように、2つのクロスバー130が備えられている。他の実施形態では、クリップ104は棒形状をしている。後述するように完全な吻合では、このようなクリップを複数、すなわちマルチ・クリップ・コネクタを必要とするであろう。
【0031】
図2A−2Bは、本発明の他の典型的な実施形態による、血管連結方法を図示している。クリップ204(図1のクリップ104と同じものであってもよい)が血管100及び102に取り付けられている。2つの別個の引き具の代わりに、(各血管に一つずつの)2つの棘部222及び226を含む一つの引き具220が示されている。この引き具は、オプションとして、図1のクリップ104に血管を取り付けることに利用できる。棘部222及び226の反対側、クリップ104の後に、間に間隔を有する2つの部分を備える反作用エレメント232が配置されている。引き具220が反作用エレメント232の方へ後退させられると、クリップ204が反作用エレメント部分の間に引っ張られて曲がり、これによりアームの間に2つの血管の縁部を挟む。その結果完成した接合が図2Bに示されている。反作用エレメント232は、オプションとして、クリップ204が過度に後退することを防止するための突出部236を一方又は双方の部分に有することができる。クリップ204を曲げることで吻合をさらに密閉するように、反作用エレメントを互いにより寄せることをさらに行ってもよい。クリップ204のみが体内に残るように、処理が完了した後に反作用エレメント232は取り去られるであろう。
【0032】
引き具220を位置234で切断し、それにより棘部222及び226を吻合接合部の中に残すことができる。通常、棘部は生体吸収性を有する。上記に代えて又は加えて、棘部は組織結合促進剤を含有する。上記に代えて又は加えて、棘部は、通常、接合領域の外側部分で血管の縁部を引き裂きながら血管から引き出される。本発明のある実施形態では、完全に裂けてしまうことがないように、棘部が血管壁の厚みより短い。通常、棘部は体温で、又は、液体若しくは電解質環境下で柔らかくなり、引き抜けるようになる。あるいは、棘部222及び226は、バー130(図1E)により曲げ戻され、より簡単に引くことができるようになる。上記に代えて又は加えて、棘部222及び226は鋭利ではなく、血管壁に刺さることがなく、しかし、それを引き下げるだけで、通常は変形しながら壁部をスライドして通り過ぎ、コネクタの外へ出る。上記に代えて又は加えて、引き具220は、例えば糸又はワイヤを用いて、クリップの他の部分に連結されてもよい。
【0033】
図2Cは、本発明の他の典型的な実施形態による、他の血管連結装置240を図示する。デバイス240は、クリップ104及びクリップ204とほぼ同様にクリップ242及び引き具244を備える。ただし、クリップ242は予め曲げられている。したがって、引き具244は、クリップ242の2つのアームの間に形成された狭いスペース246の中へと組織の縁部を引き込む必要がある。棘部248は、いったんスペース246に引き込まれた縁部の後退を防止できる。本発明のいくつかの実施形態では、スペースを(各縁部に一つずつの)2つの空間に分割する(不図示の)壁部をスペース246が含む。壁部に代えて又は加えて、2つの縁部の間および/または縁部とデバイスの間の層として、ガーゼ、パッド(pad)または生体吸収性材料を備えることができる。本発明の典型的な実施形態では、層は、例えば漏出血液の凝固促進もしくは血餅防止のために、ヘパリン又は他の血液凝固促進剤又は拮抗阻害体を溶出する。他の薬をも同様に供給してもよい。薬は、時間と共にゆっくり放出されるように、層の中に浸漬されてもよく、又は、例えばマトリックス(matrix)内に保持されてもよい。
【0034】
図2Dは、本発明の典型的な実施形態による他のクリップ252を図示している。前述したクリップ、例えば図1Eのクリップは向かい合うアームを有する。しかし、これは、必須のことではない。クリップ252は、ベース256の一方の側に一つのアーム253を、そして反対側に2つのアーム254を有する。対応する非対称な引き具250もまた示されており、それは、糸262上に単一の引っ張り棘部260と対向する2つの引っ張り棘部260を有する。アーム253および254は、前述したのと同様に棘部を有していてもよい。しかし、本発明の典型的な実施形態では、血管の組織が、通常はアーム253によりアーム254の間のスペースに押し込まれ、2つのアーム254の間に挟まれる。オプションとして、アームの間のスペースがよりクサビ形状となるように、アームが角度をもって延出していてもよい。アーム間の距離は、通常、ターゲットとなっている2つの血管の厚みを合わせたものよりも短い。上記に代えて又は加えて、より肉厚の組織を収容するために、アームを弾性変形させることもできる。
【0035】
図3A−3Dは、本発明の典型的な実施形態による、クリップ−引き具の組合せによるホールクロージャー・デバイス(hole closure device)300を図示している。図1および2は、2つの異なる血管の縁部を連結することに関して描いたが、同じ血管の2つの縁部が互いに密閉される血管のホールクロージャーにも同様の原理が応用できる。
【0036】
図3Aは、ホールクロージャー・デバイス300のレイアウト図である。図3Bにおいて、デバイス300は、ベース302および2つのアーム304を有すするように折り曲げられている。各アームはその端部に1以上の棘部306を有する。
【0037】
図3Cは、設置されているデバイス300を示す。本発明の典型的な実施形態では、デバイス300が、コントラ・チューブ(contra−tube)320により、血管312に当てた状態で、血管内の孔310の近傍に保持される。コントラ・チューブ320は中空であってもよい。代替として、デバイス300はチューブ320に取り付けられてもよい。孔310は、引き具314によりデバイス300に引き込むことができる縁部318および320を有する。通常、引き具314は糸又はワイヤ316を用いて引かれる。糸又はワイヤ316はチューブ320の中にさらに通されていてもよい。
【0038】
図3Dは、引き具314が縁部318および320をデバイス300に引き込んだ後の孔310を示している。(接合部に残されてもよい)引き具314は、例えば(通常は、ベース302の孔を通り、場合によってはベース302自体と接触することにより曲げ戻された後に)引き抜かれており、又は前述のように吸収されており、示されていない。デバイス300は、種々の孔の寸法および血管の厚みに合うように寸法を定めることができる。上記に代えて又は加えて、所望のホールクロージャー特性に合うように、例えば図3Aに示すような平坦なデバイスがその場で曲げられる。デバイス300は2つの棘部306を各アームに備えているように示されているが、より多くの又は少数の棘部を備えていてもよく(通常は棘部は対向していない)、また、棘部の代わりに(尖っていない)突起さえ備えていてもよい。デバイスの長さは、例えば孔310の寸法に依存するであろう。上記に代えて又は加えて、複数のデバイス300が並べられて利用される。
【0039】
同様に、図1−2のクリップを個々のクリップとして例えば一つずつ、又は例えば一斉配置のためのマルチクリップデリバリーシステムを用いて、供給してもよい。一般的に、2つの血管同士を接合するのに複数のクリップ、例えば3、4、5、6又はそれ以上のクリップが必要とされる。あるいは、単一の吻合コネクタ(又はホールクロージャーデバイス)を形成するために、例えば糸又はリングを用いて、クリップ同士をつなぎあわせることができる。あるいは、(例えば前述したPCT出願において)前に記載したコネクタおよびホール・クロージャー・デバイスを分割することで、例えば各々が2つの対向するスパイクおよびオプションとしてのリング部分を備えるクリップを提供してもよい。
【0040】
スパイク/アームの曲げに代えて又は加えて、アームの回転用にトーションバー機構を備えることができる。本発明の典型的な実施形態において、クリップ252のベース256が、アーム254および253の曲げに代えて又は加えて捩れるトーションバーとして利用できる。これによりクリップ252は、単に2つの血管組織に力強く接触する圧力方式クリップになることができる。
【0041】
図4は、本発明の典型的な実施形態による、マルチクリップ・コネクタ400を図示している。コネクタ400は、複数の「側部」係合クリップアーム404および向かい側の複数の「端部」係合クリップアーム406を有するリング402を備える。示されているように、向かい側のクリップアームは同じ径方向位置にある必要はないが、そうすることも可能である。上記に代えて又は加えて、「側部」および「端部」クリップアームの数が異なっていてもよい。上記に代えて又は加えて、コネクタは2つの血管「側部」用に又は2つの血管「端部」用にも利用できる。示されているように、クリップアームは血管壁に貫入しないようにデザインされているが、いくつかの実施形態では、少なくともいくつかのクリップアームが血管壁に貫入でき、このようなアームは、過度の貫入および/またはアームに沿った血管壁の動きを防止するためにフォーク状デザインまたはそれらの先端部から遠位にある突起を含むであろう。両側のクリップアームは同じまたは異なる概略デザインを有することができる。上記に代えて又は加えて、リング402の同じ側にあるクリップアームもまた(示されているように)同じであってもよく、または例えばクリップアームが交互に異なるデザインを有するように異なっていてもよい。
【0042】
図5A−5Fは、本発明の典型的な実施形態による、図4のクリップの設置方法を図示している。これらの図において、視覚的混乱を減らすために、反復している要素はその全てを示されていない。システム500は、例えば切開手術、内視鏡によるまたはスロートスコピック(throactoscopic)による手術および/または径血管的なアプローチで設置できる。
【0043】
図5Aは、移植片502およびコネクタ400がその中に取り付けられているデリバリーシステム500を図示している。この図は、一つの「側部」アーム404および一つの「端部」アーム406の動作が明確に見られるように選択された断面図である。
【0044】
システム500は、外部コントラ・チューブ506と内部押圧チューブ504とを含む。コネクタ400は、例えば弾性または摩擦で、外部コントラ・チューブ506によって保持される。後述するように「側部」アームをクローズするために外部ベースチューブ508が備えられている。外部チューブ506に形成された孔部514を介して複数の「側部」血管引き具512が備えられている。外部チューブ506に形成された孔部516を介して複数の「端部」血管引き具510が備えられている。本発明の典型的な実施形態において、アーム404および406は千鳥配置されており、その結果、アーム位置に合わるために孔部514および516も千鳥配置になっている。引き具の先端部は、それらが管組織を引き込むアームと位置が合わせられていても、いなくてもよい。いくつかの実施形態では、少なくともいくつかの引き具が平坦でない。
【0045】
図5Bにおいて、「端部」引き具510が後退し、移植片502の縁部をクリップデバイス400の方へ引いている。このステップは体内でも体外でも行うことができる。
【0046】
図5Cは、ターゲットとなっている血管側部520の近くにあるシステム500を示す。ターゲットの血管520は、例えば、環状動脈、人工または生体移植片、大動脈、LIMA、環状静脈、動脈または末梢血管、例えば大腿動脈または足の静脈、又は他の知られているあらゆる血管であってもよい。移植片502もまたあらゆる知られている血管であってもよい。引き具512は、血管520の開口部に入るように前方へ伸ばされる。本発明のいくつかの実施形態において、引き具512の挿入は手作業で行われる。他の実施形態では、システム500と、ターゲットである血管の孔との位置合わせによりそれが容易になっている。なお、開口部を形成するためのパンチを外部ベースチューブ508の中を通して供給し、その後移植片供給部分と置き換えることができる。あるいは、パンチを移植片502を通して供給することができる。あるいは、移植片502の中を通してパンチが供給される。あるいは、別個独立の孔あけ具が利用される。あるいは、ナイフを用いて切開がなされる。
【0047】
図5Dでは、引き具512が後退し、血管520の切開部の縁部をクリップ内へ引っ張り、その結果、2つの血管の縁部が近づき、互いに接触又は重なり合う。
【0048】
図5Eでは、ベース508の近端内向部分522が内側に押され、それによりアーム404が血管520の縁部に向けてクローズし、かつ通常はその過程でそれらをさらにめくり返しもする。部分522は、所望の態様でクローズするようにアームを案内する傾斜部分526を含むことができる。部分522を動かす典型的な方法の一つに、外部ベースチューブ508の外側に沿って外筒524を前進させることでそれを径方向に圧縮するというものがある。引き具512がアーム404をクローズする間に変形するかもしれないが、これは通常重要なことではない。
【0049】
図5Fでは、内部プッシャーチューブ504が前進し、クリップ400のアーム406をクローズする。ベースチューブ508が圧力に反作用するものとして役立つであろう。このようにして血管はアーム404及び406の間にしっかり保持され、好ましくは血液の漏洩が防止される。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態では、図5E及び5Fのステップは、同時に又は逆の順番で行われる。同一側にある全てのアームを同時に処理することが好ましいが、いくつかの実施形態では、同一側にある全てのアームをいっしょにはクローズしない。
【0051】
吻合が完了すると、クリップ400を解放するために、引き具512及び510を後退させ、ベースチューブ508を径方向に広げることができる。クリップ400をさらに外部チューブ506から出すために内部チューブ504を前進させてもよい。あるいは、引き具は前述したように取り扱われてもよく、例えば切断して体内に残され、通常は吸収される。
【0052】
上記は、塑性変形型デバイスの設置を説明した。弾性、形状記憶又は超弾性型デバイスでも同様のデリバリーシステムを利用できる。例えば、ベースチューブ508は、(ベースチューブ508が前進するまで)アーム404を開いた状態に維持する棘部又は内縁部を含んでいてもよく、内部チューブ504は、(内部チューブ504が後退するまで)アーム406がクローズすることを防止する拡張部を含んでいてもよい。塑性変形型デバイス400においてさえ、設置中の径方向圧縮を許容するように、及び/又は、外部チューブ506により保持できるように、リング402は弾性を有していてもよい。
【0053】
先の図5及び後の図6では、側部対端部吻合を記載しているが、同様の構造が斜め、側部対側部および端部対端部接合に利用できることが理解されるべきである。このような接合では、血管は、例えばシステムの軸に垂直な管腔通して供給することで、デリバリーシステム500の他の部分に対して非軸方向に配置することができる。しかし、引き具の概略動作は同じままである。
【0054】
上記に代えて又は加えて、システム500は、移植片502からより容易に取り去ることができるように、(長手方向で2、3又はそれ以上のパーツに)分割するシステムである。
【0055】
図6A−6Bは、本発明の典型的な実施形態による、吻合接合部に複数のクリップを設置する他の方法を図示している。
【0056】
図6Aは、引き具606に穿刺された縁部604を有する移植片602を示している。移植片に取り付けられているデリバリーシステム600は、吻合コネクタ608が取り付けられている内部チューブ620を含む。コネクタ608は、例えば、リング616と複数のアーム618とを含むことができる。本発明の典型的な実施形態では、コネクタ608は超弾性、弾性又は形状記憶性を有し、規制部材626により中に折れ曲がることが防止されているアーム618を備える。本発明の典型的な実施形態では、規制部材626の内向拡張部610が周方向に向けられた(例えば図の面から外へ出る)突出部612を含み(又は規制部材626にスロットが設けられている)、それがアーム618の径方向運動を阻止している。規制部材626がコネクタ608と相対的に回転すると、又は規制部材626が径方向に広がると、アーム618が解放される。
【0057】
デリバリーシステム600は、引き具606を後退させるための後退用チューブ624、及び、コネクタ608の後退を防止するコントラチューブ(contra tube)622をさらに含む。
【0058】
図6Bでは、引き具606が切開部634(血管「側部」630に縁部632を有する)の中へ伸ばされている。
【0059】
図6Cでは、引き具606が後退し、縁部632をめくり返し、かつ、縁部632及び縁部604を共にコネクタ608に引き込む。規制部材626が次にアーム618を解放することで、コネクタがクローズし、移植片602及び血管630の間の接合を密閉することができる。引き具606はこれで通常は、少なくとも血管630を保持するためには、もう必要なくなる。次にさらに引き具606を後退させることができる。後退により引き具はまっすぐ伸ばされるので、通常は血管に損傷が生じない。コネクタ608は、例えばコントラチューブ622を前進させることでリリースすることができる。塑性変形型の実施形態では、規制部材626が、アーム618を径方向に圧縮するためのアンビルとして作用する。
【0060】
アーム618は、例えば縁部632及び604の一方又は双方を貫くように、示されているように、鋭利な先端部を有することができる。あるいは、刺すことなく圧力を加えるように、アーム618の先端部は鈍い形状をしていてもよい。あるいは、アーム618は、コネクタの上部に当てるように縁部604を、かつ、コネクタのリング部分に当てるように縁部632を保持してもよい。
【0061】
なお、図5及び6は吻合コネクタを図示しているが、同様のデリバリーシステムは、単一の血管の2つの縁部を接合するために、例えばホールクロージャー(hole closure)のために、利用できる。このような場合、コネクタは、図4に示したようなリングである代わりに、ラインコネクタ又はアームが底部にのみあり中を向いている環状コネクタであることができる。
【0062】
図7A−7Cは、本発明の典型的な実施形態による、2つの血管の連結用の他のクリップデバイスの設置を図示している。
【0063】
図7Aにおいて、クリップ700は、折れ曲がった形状になろうとするような弾性、超弾性または形状記憶性を有する(すなわち自動的にクローズする)。規制部材706は、例えばクリップ700のアーム708と係合するスロット付き部分712を有し、アームがクローズすることを防止する。クリップ700の他のアーム710は、他のスロット(又はバンプ(bump))に保持されてもよい。代替として、クリップ700は、ここではホルダ718で保持されているように示されているリング716に取り付けられた複数のクリップを含む単一のコネクタの一部である。
【0064】
使用時には、移植片702の縁部がクリップ700のアーム708に穿刺される。アーム708は、血管704の切開部(一方の側のみが示されている)の中へ挿入される。規制部材706がクリップ700を解放すると、クリップがクローズし、移植片702と血管704とをいっしょに密閉する。塑性変形型実施形態では、規制部材706の後退によりアーム708をアーム710の方へ折り曲げることができる。
【0065】
図7Bは、本発明の他の実施形態を示し、ここではセルフ−クローズ型クリップ720が移植片702と血管704とを穿刺する。クリップは、例えば手作業で、血管704の切開部に挿入され、次に引き戻すことにより血管壁内に埋め込むことができる。規制用外部チューブ722を後退させると、クリップ720は自由に折れ曲がることができる。本発明のいくつかの実施形態では、クリップ700のようにクリップ720もまたマルチ−クリップ・コネクタの一部であることができる。
【0066】
図7Cは、本発明の他の実施形態を示しており、ここでは、例えば手作業で又は(不図示の)引き具を用いて、移植片702と血管704の縁部がクリップ730内に挿入されている。クリップ730は、ベース736によって連結されている2つのアーム732及び734を備えている。本発明の典型的な実施形態では、アーム732及び734が内向きに折れ曲がるようにクリップ730に予め応力がかけられている。アーム732及び734は、ベース736を越えて伸び、それぞれ、伸張部742及び744となっている。対向している2つの規制要素738及び740を備える規制部材が、伸張部742及び744を介して、クリップ730と係合し、適所に保持している。クリップ730は、アーム732及び734が互いの方へと閉じるセルフ−クローズ式クリップである。規制要素738及び740が離されると、アーム732及び734が互いの方へと進み、移植片702及び血管704の縁部を互いに係合させ密閉する。本発明の典型的な実施形態では、アーム732及び734の間の距離を拡大し、クリップ内に血管704及び移植片702の縁部を容易に挿入できるように、規制要素738及び740がくっつけられている。通常、クリップ730が血管及び移植片に寄りかかるように配置され、そして規制要素が離されると、アーム732及び734の先端部が縁部に係合し、クリップ内へ移動させる。
【0067】
上記デバイスは、特定種類の血管に適合させる等、種々に変形できる。本発明のいくつかの実施形態では、デバイスは包装され、及び/又は、デバイスの寸法及び/又はデバイスが利用されるべき状況を記載した説明書と共に販売される。
【0068】
デバイスの以下のパラメータの一つ以上を変えることができる、例えば:
(a)クリップのアームにおける棘部の数。一つの棘部のみを示したのにもかかわらず、2、3又はそれ以上の棘部を備えることができる。
(b)アームに沿った棘部の位置。アームの先端部に棘部を示したが、それらはより中に位置してもよい。複数の棘部を備えたデバイスでは、棘部を例えば並べて、又は、他の前方に配置してもよい。
(c)アームの形状。方形、三角形、弓形、円形および部分的にまっすぐ又は曲がっている等、種々の形状を備えることができる。アームは平坦であってもよく、あるいは、湾曲している等、ある平面から外へ伸びていてもよい。
【0069】
(d)棘部の長さ。棘部は血管壁を穿刺するのに十分な長さを有していてもよい。あるいは、例えば血管のいくつかの層のみに貫入するように棘部をより短くしてもよい。なお、例えばターゲットとなっている血管の特性により、同じデバイス上の異なる棘部が、異なる長さまたは他の特性を有していてもよい。典型的な長さには、0.1mm、0.5mm、1mm、2mm並びにより長い、より短い及び中間のサイズが含まれる。棘部のデザインにおける他のパラメータ、例えばシャープネスの程度(鋭利か鈍角か)、も同様に変えられる。
【0070】
(e)アームの長さ。アームの長さも、ターゲット血管の特性及び接合部の形状に依存するであろう。典型的な長さには、1mm、3mm、5mm、7mm並びにより長い、より短い及び中間のサイズが含まれる。
(f)ベースの存在及び寸法。全てのデバイスがベースを含むのではないが、ベースの長さは、例えば、1mm、3mm、5mm、7mm並びにより長い、より短い及び中間のサイズであってもよい。(2つのアームの間の)ベースの幅は、例えば、0.5mm、1mm、3mm、5mm並びにより大きい、より小さい及び中間のサイズであってもよい。
【0071】
(g)管腔の存在及び形状。中央管腔を備えたデバイスでは、管腔および穿孔された孔の形状を、例えば円形、楕円形又は多角形と変えることができる。
(f)デバイスのソリディティー(solidity)。本発明のいくつかの実施形態においてデバイスが連続した表面を有することができるにもかかわらず、例えば図3Aおよび1Aに示したように、デバイスの表面に1以上の孔を形成することができる。これにより、体内の異物の総量を減らすことができる。もっとも、血流内の物質総量は、本発明のいくつかの実施形態では非常に低い又はゼロでさえありうる。
【0072】
血管の取り扱いに関する上記の方法及び装置が種々の方法により変形できることが理解されるべきである。変形には、体の内外で行われるステップの順番、吻合接合を行う順番、各吻合内のステップの順番、吻合コネクタに用いられる正確な材料、端部対側部吻合において何れの血管が端部側で、何れの血管(又は移植片)が側部側であるか、及び/又は、接合される2つの縁部が同じ血管のものか異なる血管のものかどうか、を変えることが含まれる。さらに、機械的な実施形態において、相対的な動きが要求されるところで不動要素を移動要素に変える等、種々の要素の場所は、開示の範囲の思想を越えることなく変えることができる。さらに、方法及び装置双方の種々の特徴の多様性が説明された。異なる特徴の異なる組み合わせが可能であることが理解されるべきである。特に、特定の実施形態で示された全ての特徴が、本発明の類似の各発明において必要なのではない。さらに、説明された種々の実施形態の特徴との組合せも、本発明の幾つかの典型的な実施形態の範囲内にある。さらに、本発明の他の典型的な実施形態によれば、本明細書に記載した本発明の幾つかの特徴は、先行技術の装置と共に用いるようにすることができる。本発明を説明するために用いられた特定の形状は、本発明のもっとも広い態様をそれらの形状にのみ限定するものとみなすべきではない。たとえは、円形の管腔が示されたところでは、他の実施形態では楕円形の管腔が用いられてもよい。
【0073】
本発明の範囲には、単一又は少数の吻合接合を行うのに適した医療装置のセットを含む手術用キットも含まれる。寸法は、特定のケースについての例示的な寸法としてのみ示されており、適用される正確な寸法はアプリケーションにより代わるであろう。クレームにおいて「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」等の用語が用いられた場合、「含むが限定しない」ことが意味される。
【0074】
本発明はこれまで記載したことに限定されないことを当業者は理解するであろう。むしろ、本発明の範囲は、クレームによってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図1A−1D】
図1A−1Dは、本発明の典型的な実施形態による血管連結方法および装置を図示している。
【図1E】
図1Eは、図1A−1Dに図示した方法に適したクリップの上面図である。
【図2A−2B】
図2A−2Bは、本発明の他の典型的な実施形態による血管連結方法を図示している。
【図2C】
図2Cは、本発明の他の典型的な実施形態による他の血管連結デバイスを図示している。
【図2D】
図2Dは、本発明の典型的な実施形態による他のクリップを図示している。
【図3A−3D】
図3A−3Dは、本発明の典型的な実施形態によるクリップ−引き具の組合せいよるホール・クロージャーデバイスを図示している。
【図4】
図4は、本発明の典型的な実施形態によるマルチ−クリップ・コネクタを図示している。
【図5A−5F】
図5A−5Fは、本発明の典型的な実施形態による図4のクリップの設置方法を図示している。
【図6A−6C】
図6A−6Cは、本発明の典型的な実施形態による吻合接合において複数のクリップを設置する他の方法を図示している。
【図7A−7C】
図7A−7Cは、本発明の典型的な実施形態による2つの血管を連結するための他のクリップ−デバイスの設置を図示している。
【符号の説明】
104、204、252 クリップ
124、220、510、512 引き具
232 反作用エレメント
300 ホールクロージャー・デバイス
400 マルチクリップ・コネクタ
Claims (56)
- 2つの血管縁部の間の開口部を密閉するための血管結合デバイスであって、
2つの血管縁部の間の開口部の少なくとも一部を密閉するように適合された少なくとも一つのクリップ・エレメント;および
体内で、前記縁部の少なくとも一つを前記クリップ・エレメント内へ引き寄せるように適合された少なくとも一つの引き具
を備えるデバイス。 - 前記引き具は、前記デバイスに取り付けられている、
請求項1のデバイス。 - 前記引き具は、前記デバイスに取り付けられていない、
請求項1のデバイス。 - 前記引き具は、使用後に体内に残るように適合されている、
請求項1のデバイス。 - 前記引き具は、使用後に体から除去できるように適合されている、
請求項1のデバイス。 - 前記引き具は、生体被吸収性を有する、
請求項1のデバイス。 - 前記引き具は、前記縁部を貫入するに適合されている、
請求項1のデバイス。 - 前記引き具は、前記縁部を穿刺するように適合されている、
請求項1のデバイス。 - 前記引き具は、前記縁部を貫入しないように適合されている、
請求項1のデバイス。 - 前記引き具は、前記クリップにより変形されるように適合されている、
請求項1のデバイス。 - 前記変形は、前記密閉部からの前記引き具の除去を容易にする
請求項10のデバイス。 - 前記すくなとも一つの引き具は、前記縁部の双方を引くように適合された単一の引き具を含む、
請求項1のデバイス。 - 前記少なくとも一つの引き具は、前記縁部の一つを引くように各々が適合されている2つの引き具を含む、
請求項1のデバイス。 - 前記引き具は、前記引き具を後退させるための細線に取り付けられている、
請求項1のデバイス。 - 前記引き具は、前記縁部を前記クリップ内に引き込んでいる間に、前記後退により変形される、
請求項14のデバイス。 - 前記少なくとも一つのクリップは、前記開口部を密閉するために協働する複数のクリップを含む、
請求項1のデバイス。 - 前記複数のクリップは互いに連結されていない
請求項16のデバイス。 - 前記複数のクリップは、互いに連結されている、
請求項16のデバイス。 - 前記複数のクリップは、互いに不動に連結されている、
請求項18のデバイス。 - 前記複数のクリップは、互いに柔軟に連結されている、
請求項18のデバイス。 - 前記クリップは、前記密閉を達成するために変形しない、
請求項1のデバイス。 - 前記クリップは、前記密閉を達成するために変形する、
請求項1のデバイス。 - 前記クリップは、前記密閉を達成するために互いの方へ曲がる2つのアームを備える
請求項22のデバイス。 - 前記クリップは、塑性変形する、
請求項22のデバイス。 - 反作用・エレメントおよび圧力エレメントを含むデリバリーシステムを備え、
前記2つのエレメントがそれらの間で前記クリップを押圧する
請求項24のデバイス。 - 前記クリップは自動的に変形する、
請求項22のデバイス。 - 自動的に変形させるために前記クリップを選択的に解放するように適合された規制要素を含むデリバリーシステムを備える、
請求項26のデバイス。 - 前記クリップは、前記縁部と係合するための棘部を含む、
請求項1のデバイス。 - 前記クリップは、前記縁部と係合するための突出部を含む、
請求項1のデバイス。 - 前記クリップは、前記縁部と係合するためのスロットを含む、
請求項1のデバイス。 - 前記クリップは、前記縁部同士を密閉するように適合されている、
請求項1のデバイス。 - 前記クリップは、前記クリップの一部との間で前記縁部を密閉するように適合されている、
請求項1のデバイス。 - 前記クリップは、前記縁部を押圧して前記密閉を行う、
請求項1のデバイス。 - 前記縁部は、同じ管の縁部である、
請求項1−33のいずれか1項のデバイス。 - 前記縁部は、2つの異なる管の縁部である、
請求項1−33のいずれか1項のデバイス。 - 前記管の少なくとも一つは、インビボ血管である、
請求項1−33のデバイス。 - 前記管の少なくとも一つは、合成移植片である、
請求項1−33のデバイス。 - 血管縁部間の開口を密閉する方法であって:
クリップの供給;
前記クリップ内への第1の縁部の第1の引き込み;および
前記クリップ内への第2の縁部の第2の引き込み
を含む方法。 - 前記開口部を密閉するために前記クリップをクローズすることを含む、
請求項38の方法。 - 前記クローズすることには、自動的に変形するように前記クリップを解放することが含まれる、
請求項39の方法。 - 前記クローズすることには、前記クリップを塑性変形させることが含まれる、
請求項39の方法。 - 前記第1および第2の引き込みは同時に行われる、
請求項38の方法。 - 前記第1および第2の引き込みは、単一の引き具を用いて行われる、
請求項38の方法。 - 前記引き具は、単一の縁部係合要素を有する、
請求項43の方法。 - 前記引き具は、少なくとも2つの縁部係合要素を有する、
請求項43の方法。 - 前記第1および第2の引き込みは、少なくとも2つの引き具を用いて行われる、
請求項38の方法。 - 前記密閉部から前記引き具を後退させることを含む、
請求項43又は請求項46の方法。 - 前記引き具を前記密閉部に放置することを含む、
請求項43又は請求項46の方法。 - 前記密閉部に薬剤を供給することを含む、
請求項38−46のいずれか1項の方法。 - 前記薬剤には、血餅防止剤が含まれる、
請求項49の方法。 - 前記薬剤には、血餅促進剤が含まれる、
請求項49の方法。 - 供給することには、前記薬剤を含む物質の層を供給することが含まれる、
請求項49の方法。 - 前記層は、前記縁部の間に供給される、
請求項52の方法。 - 前記2つの縁部は、単一の管内の開口部の縁である、
請求項38−46のいずれか1項の方法。 - 前記2つの縁部は、異なる管の縁部である、
請求項38−46のいずれか1項の方法。 - 前記管の少なくとも一つは、血管を含む、
請求項38−46の方法。
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