JP2004513235A - 低い変形度で冷間加工される冷間圧延ストリップの製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、再結晶化焼なましされた冷間ストリップの製造方法に関する。本発明によれば、(重量%で)≦0.2%のC、≦1.0%のSi、≦1.0%のMn、≦0.2%のP、≦0.2%のS、≦0.2%のAl、≦0.02%のN、≦0.2%のTi、≦0.2%のV、≦0.2%のNb、≦0.01%のB、及びその残余としての鉄及び不可避な不純物を含む鋼から製造されるインプットストック(例えば、スラブ、薄スラブ、又はカストストリップ)を、熱間圧延して熱間圧延ストリップを形成した後に、前記熱間ストリップを冷間圧延して冷間圧延ストリップを形成する。前記冷間圧延ストリップを、再結晶化温度よりも低い焼なまし温度で結晶再生している間に、焼なましする。次いで、結晶再生している間に焼なましされた前記冷間圧延ストリップを、低い変形度で冷間加工処理し、そして第二焼きなましにおいて、再結晶化の間に冷間加工された前記冷間圧延ストリップを焼なます。本発明の方法は、再結晶化の間に焼なましされる冷間加工された冷間圧延ストリップを、粗大粒子の形成をもたらす危険性なしで、公知の組成の軟鋼から製造することができる。
Description
【0001】
本発明は、低い変形度で冷間加工され及び通常の組成の鋼から製造される冷間ストリップの製造方法に関する。
【0002】
このタイプの公知方法では、最初に、インプットストック、例えば、スラブ、薄スラブ、又はカストストリップから熱間ストリップを熱間圧延する。次いで、前記熱間ストリップから冷間ストリップを冷間圧延する。冷間圧延の後、この冷間ストリップを、追加の冷間加工工程、例えば、プラニシング工程、調質圧延工程、再圧延工程、及び成形工程に付す。この冷間加工処理は、熟練者の間で「フレキシブル圧延(flexible rolling)」という用語のもとに組み合わせられる製造工程も含んでいる。かかる「フレキシブル圧延」処理において、そのロールギャップは、それぞれの負荷に対して個別に適応させることができる圧延の方向において規定の厚さプロフィールを有する金属シートの製造が短縮されるように、圧延工程の間、可変的に調節される。
【0003】
冷間ストリップは、通常、冷間加工処理に必要な延性を達成するために、冷間加工される前に、再結晶化焼なまし(recrystallization annealing)処理に付される。
【0004】
更なる再結晶化焼なまし処理は、冷間加工処理の後、引き続きの加工工程における有利な条件を保証するためにも好都合であろう。しかしながら、かかる追加の焼なまし(annealing)処理は、通常、冷間加工処理の過程の間に低い変形度のみが達成された場合には実施されない。すなわち、他の場合には、冷間加工されたストリップの微細構造中の粗大粒子の形成を予想しなければならないであろうからである。粗大粒子の形成は、とりわけ、深絞り加工処理を複雑にしそして深絞り加工された部分の傷跡が残った表面組織(いわゆる、「オレンジピール効果」)を生じる、低減された延性に至る。
【0005】
粗大粒子の形成は、再結晶化焼なまし処理を回避することにより実際的適用において防止することができるが、延性及びその結果として加工能における一定の制限、とりわけ、冷間ストリップの深絞り加工の間、又は同等の加工工程の間の変形能における一定の制限を許容しなければならない。
【0006】
本発明は、前記の技術状態に基づいて、粗大粒子を形成する危険がなく、通常の組成の軟鋼からなる、再結晶化−焼なましされ、冷間加工された、冷間ストリップの製造方法を開示することを目的とする。
【0007】
この目的は、炭素(C)0.2重量%以下、ケイ素(Si)1.0重量%以下、マンガン(Mn)1.0重量%以下、リン(P)0.2重量%以下、イオウ(S)0.2重量%以下、アルミニウム(Al)0.2重量%以下、窒素(N)0.02重量%以下、チタン(Ti)0.2重量%以下、バナジウム(V)0.2重量%以下、ニオブ(Nb)0.2重量%以下、及びホウ素(B)0.01重量%以下を含み、その残部が鉄及び不可避な不純物である鋼から製造されるインプットストック、例えば、スラブ、薄スラブ、又はカストストリップを、熱間圧延して熱間ストリップとし;前記熱間ストリップを冷間圧延して冷間ストリップとし;前記冷間ストリップを、再結晶化温度よりも低い焼なまし温度で結晶再生(crystal regeneration)焼なまし処理に付し;前記結晶再生焼なまし処理に付された冷間ストリップを、低い変形度で冷間加工し;次いで、冷間加工された前記冷間ストリップを、第二の再結晶化焼なまし処理に付する方法によって達成される。
【0008】
前記冷間ストリップは、冷間圧延処理の後、結晶再生に十分なだけの温度範囲内で焼なましされるので、その微小構造の完全な再結晶化は、この加工工程において阻止される。驚くべくことに、再結晶化焼なまし温度より低い温度で焼なましされた冷間ストリップは、加工工程を確実にするのに十分な延性を有しているばかりでなく、冷間加工を完了した後に、粗大粒子の形成が起きない再結晶化焼なまし処理に付すことができることも確認された。冷間加工前に実施される焼なまし処理の間の温度の規定された制限により、本発明は、冷間ストリップの用途特性に不都合である微小構造を形成することなく、再結晶化焼なましされた冷間ストリップを製造することを可能とする。
【0009】
冷間加工前に実施される焼なまし処理の間の温度は、前記温度が結晶再生の高い方の範囲内にあるように調節されていることが好ましい。このことは、最終的な再結晶化焼なまし処理の間の粗大粒子の形成という危険を冒すことなく、最適化された延性を達成することを可能にする。加工される鋼が軟鋼からなる場合には、結晶再生焼なまし処理の間の焼なまし温度は、それに応じて、450℃以上及び550℃以下であることが好ましい。しかしながら、加工される鋼がIF−鋼からなる場合には、結晶再生焼なまし処理の間の焼なまし温度は、550℃以上及び650℃以下であることが好ましい。加工される鋼のタイプにかかわらず、焼なまし温度は、常に、冷間ストリップが結晶再生焼なまし処理後に90%以下まで再結晶化されるように選択されることが好ましい。
【0010】
冷間加工後に実施される再結晶化焼なまし処理の間の焼なまし温度は、完全な再結晶化が保証されるように選択される。先行する経験によれば、問題としている鋼のタイプに必要とされる焼なまし温度は、650℃以上及び850℃以下にある。
前記冷間加工の過程の間に達成される変形度は、通常、40%以下になる。
【0011】
本発明に係る方法は、フレキシブル圧延処理の形態で冷間加工を実施する場合に特に有利である。負荷に方向付けられる要素のための金属シートを、この冷間加工処理により製造することができる。
本発明に係る方法は、その微小構造が6ASTM以下の結晶粒度を有している、冷間加工された冷間ストリップを製造することを可能にする。
【0012】
本発明の態様を、以下にさらに詳細に記載する。
通常の軟鋼A及びIF−鋼Bの合金内容を以下の表に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
鋼タイプA、Bを、スラブ中にキャスティングし、次いで熱間圧延して熱間ストリップとした。
続いて、鋼タイプAから製造された熱間ストリップを冷間ストリップA1、A2に冷間圧延し、そして鋼タイプBから製造された熱間ストリップを冷間ストリップB1、B2に冷間圧延した。
【0015】
次いで、第一の冷間ストリップA1及びB1を、それぞれ結晶再生焼なまし処理に付した。冷間ストリップA1の結晶再生焼なまし処理の間、焼なまし温度は500℃に調節し、一方、冷間ストリップB1の焼なまし温度は600℃に調節した。この焼なまし処理の間に達成される再結晶化の度合いは、90%より少なかった。
比較の目的のため、第二の冷間ストリップA2及びB2を、完全な再結晶化焼なまし処理に付した。その焼なまし温度は、それぞれ720℃に調節した。
【0016】
それぞれの結晶再生及び再結晶化焼なまし処理の後、冷間ストリップA1、A2及びB1、B2を0%〜50%の間の種々の変形度で冷間加工した。この冷間加工は、「フレキシブル圧延」処理を含んでおり、前記フレキシブル圧延処理においては、約5%〜50%の間の区別した還元度を調節した。
冷間加工された冷間ストリップA1、A2及びB1、B2は、最終的に720℃の焼なまし温度で再結晶化焼なまし処理に付した。
【0017】
図1において、鋼タイプAから製造された冷間加工化冷間ストリップA1、A2に対する最終的再結晶化焼なまし処理後に得られる結晶粒度Gsを、%で表示される変形度εの関数としてASTMでプロットする。個々の測定値を、丸の記号で表す。冷間加工の前に完全な再結晶化焼なまし処理に付した冷間ストリップA2の結晶粒度が、冷間加工の前に単に結晶再生焼なまし処理に付しただけの本発明による冷間ストリップA1の結晶粒度よりも、すべての変形度において有意に高いことを、確認することができる。偏差は、15%より低いオーダーにおける極めて低い変形度でとりわけ有意である。
【0018】
図2は、冷間圧延の程度に関連した鋼タイプBから製造された冷間ストリップB1、B2の結晶粒度の実例を示すものであり、ここでこの実例は、図1に示した実例に対応している。この場合にも、冷間ストリップB2の結晶粒度は、変形度が減少するのに伴って有意に増大する。しかしながら、本発明に従って製造された冷間ストリップB1の結晶粒度は、等しく有意に低いレベルにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1において、鋼タイプAから製造された冷間加工化冷間ストリップA1、A2に対する最終的再結晶化焼なまし処理後に得られる結晶粒度Gsを、%で表示される変形度εの関数としてASTMでプロットする。個々の測定値を、丸の記号で表す。冷間加工の前に完全な再結晶化焼なまし処理に付した冷間ストリップA2の結晶粒度が、冷間加工の前に単に結晶再生焼なまし処理に付しただけの本発明による冷間ストリップA1の結晶粒度よりも、すべての変形度において有意に高いことを、確認することができる。偏差は、15%より低いオーダーにおける極めて低い変形度でとりわけ有意である。
【図2】
図2は、冷間圧延の程度に関連した鋼タイプBから製造された冷間ストリップB1、B2の結晶粒度の実例を示すものであり、ここでこの実例は、図1に示した実例に対応している。この場合にも、冷間ストリップB2の結晶粒度は、変形度が減少するのに伴って有意に増大する。しかしながら、本発明に従って製造された冷間ストリップB1の結晶粒度は、等しく有意に低いレベルにある。
本発明は、低い変形度で冷間加工され及び通常の組成の鋼から製造される冷間ストリップの製造方法に関する。
【0002】
このタイプの公知方法では、最初に、インプットストック、例えば、スラブ、薄スラブ、又はカストストリップから熱間ストリップを熱間圧延する。次いで、前記熱間ストリップから冷間ストリップを冷間圧延する。冷間圧延の後、この冷間ストリップを、追加の冷間加工工程、例えば、プラニシング工程、調質圧延工程、再圧延工程、及び成形工程に付す。この冷間加工処理は、熟練者の間で「フレキシブル圧延(flexible rolling)」という用語のもとに組み合わせられる製造工程も含んでいる。かかる「フレキシブル圧延」処理において、そのロールギャップは、それぞれの負荷に対して個別に適応させることができる圧延の方向において規定の厚さプロフィールを有する金属シートの製造が短縮されるように、圧延工程の間、可変的に調節される。
【0003】
冷間ストリップは、通常、冷間加工処理に必要な延性を達成するために、冷間加工される前に、再結晶化焼なまし(recrystallization annealing)処理に付される。
【0004】
更なる再結晶化焼なまし処理は、冷間加工処理の後、引き続きの加工工程における有利な条件を保証するためにも好都合であろう。しかしながら、かかる追加の焼なまし(annealing)処理は、通常、冷間加工処理の過程の間に低い変形度のみが達成された場合には実施されない。すなわち、他の場合には、冷間加工されたストリップの微細構造中の粗大粒子の形成を予想しなければならないであろうからである。粗大粒子の形成は、とりわけ、深絞り加工処理を複雑にしそして深絞り加工された部分の傷跡が残った表面組織(いわゆる、「オレンジピール効果」)を生じる、低減された延性に至る。
【0005】
粗大粒子の形成は、再結晶化焼なまし処理を回避することにより実際的適用において防止することができるが、延性及びその結果として加工能における一定の制限、とりわけ、冷間ストリップの深絞り加工の間、又は同等の加工工程の間の変形能における一定の制限を許容しなければならない。
【0006】
本発明は、前記の技術状態に基づいて、粗大粒子を形成する危険がなく、通常の組成の軟鋼からなる、再結晶化−焼なましされ、冷間加工された、冷間ストリップの製造方法を開示することを目的とする。
【0007】
この目的は、炭素(C)0.2重量%以下、ケイ素(Si)1.0重量%以下、マンガン(Mn)1.0重量%以下、リン(P)0.2重量%以下、イオウ(S)0.2重量%以下、アルミニウム(Al)0.2重量%以下、窒素(N)0.02重量%以下、チタン(Ti)0.2重量%以下、バナジウム(V)0.2重量%以下、ニオブ(Nb)0.2重量%以下、及びホウ素(B)0.01重量%以下を含み、その残部が鉄及び不可避な不純物である鋼から製造されるインプットストック、例えば、スラブ、薄スラブ、又はカストストリップを、熱間圧延して熱間ストリップとし;前記熱間ストリップを冷間圧延して冷間ストリップとし;前記冷間ストリップを、再結晶化温度よりも低い焼なまし温度で結晶再生(crystal regeneration)焼なまし処理に付し;前記結晶再生焼なまし処理に付された冷間ストリップを、低い変形度で冷間加工し;次いで、冷間加工された前記冷間ストリップを、第二の再結晶化焼なまし処理に付する方法によって達成される。
【0008】
前記冷間ストリップは、冷間圧延処理の後、結晶再生に十分なだけの温度範囲内で焼なましされるので、その微小構造の完全な再結晶化は、この加工工程において阻止される。驚くべくことに、再結晶化焼なまし温度より低い温度で焼なましされた冷間ストリップは、加工工程を確実にするのに十分な延性を有しているばかりでなく、冷間加工を完了した後に、粗大粒子の形成が起きない再結晶化焼なまし処理に付すことができることも確認された。冷間加工前に実施される焼なまし処理の間の温度の規定された制限により、本発明は、冷間ストリップの用途特性に不都合である微小構造を形成することなく、再結晶化焼なましされた冷間ストリップを製造することを可能とする。
【0009】
冷間加工前に実施される焼なまし処理の間の温度は、前記温度が結晶再生の高い方の範囲内にあるように調節されていることが好ましい。このことは、最終的な再結晶化焼なまし処理の間の粗大粒子の形成という危険を冒すことなく、最適化された延性を達成することを可能にする。加工される鋼が軟鋼からなる場合には、結晶再生焼なまし処理の間の焼なまし温度は、それに応じて、450℃以上及び550℃以下であることが好ましい。しかしながら、加工される鋼がIF−鋼からなる場合には、結晶再生焼なまし処理の間の焼なまし温度は、550℃以上及び650℃以下であることが好ましい。加工される鋼のタイプにかかわらず、焼なまし温度は、常に、冷間ストリップが結晶再生焼なまし処理後に90%以下まで再結晶化されるように選択されることが好ましい。
【0010】
冷間加工後に実施される再結晶化焼なまし処理の間の焼なまし温度は、完全な再結晶化が保証されるように選択される。先行する経験によれば、問題としている鋼のタイプに必要とされる焼なまし温度は、650℃以上及び850℃以下にある。
前記冷間加工の過程の間に達成される変形度は、通常、40%以下になる。
【0011】
本発明に係る方法は、フレキシブル圧延処理の形態で冷間加工を実施する場合に特に有利である。負荷に方向付けられる要素のための金属シートを、この冷間加工処理により製造することができる。
本発明に係る方法は、その微小構造が6ASTM以下の結晶粒度を有している、冷間加工された冷間ストリップを製造することを可能にする。
【0012】
本発明の態様を、以下にさらに詳細に記載する。
通常の軟鋼A及びIF−鋼Bの合金内容を以下の表に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
鋼タイプA、Bを、スラブ中にキャスティングし、次いで熱間圧延して熱間ストリップとした。
続いて、鋼タイプAから製造された熱間ストリップを冷間ストリップA1、A2に冷間圧延し、そして鋼タイプBから製造された熱間ストリップを冷間ストリップB1、B2に冷間圧延した。
【0015】
次いで、第一の冷間ストリップA1及びB1を、それぞれ結晶再生焼なまし処理に付した。冷間ストリップA1の結晶再生焼なまし処理の間、焼なまし温度は500℃に調節し、一方、冷間ストリップB1の焼なまし温度は600℃に調節した。この焼なまし処理の間に達成される再結晶化の度合いは、90%より少なかった。
比較の目的のため、第二の冷間ストリップA2及びB2を、完全な再結晶化焼なまし処理に付した。その焼なまし温度は、それぞれ720℃に調節した。
【0016】
それぞれの結晶再生及び再結晶化焼なまし処理の後、冷間ストリップA1、A2及びB1、B2を0%〜50%の間の種々の変形度で冷間加工した。この冷間加工は、「フレキシブル圧延」処理を含んでおり、前記フレキシブル圧延処理においては、約5%〜50%の間の区別した還元度を調節した。
冷間加工された冷間ストリップA1、A2及びB1、B2は、最終的に720℃の焼なまし温度で再結晶化焼なまし処理に付した。
【0017】
図1において、鋼タイプAから製造された冷間加工化冷間ストリップA1、A2に対する最終的再結晶化焼なまし処理後に得られる結晶粒度Gsを、%で表示される変形度εの関数としてASTMでプロットする。個々の測定値を、丸の記号で表す。冷間加工の前に完全な再結晶化焼なまし処理に付した冷間ストリップA2の結晶粒度が、冷間加工の前に単に結晶再生焼なまし処理に付しただけの本発明による冷間ストリップA1の結晶粒度よりも、すべての変形度において有意に高いことを、確認することができる。偏差は、15%より低いオーダーにおける極めて低い変形度でとりわけ有意である。
【0018】
図2は、冷間圧延の程度に関連した鋼タイプBから製造された冷間ストリップB1、B2の結晶粒度の実例を示すものであり、ここでこの実例は、図1に示した実例に対応している。この場合にも、冷間ストリップB2の結晶粒度は、変形度が減少するのに伴って有意に増大する。しかしながら、本発明に従って製造された冷間ストリップB1の結晶粒度は、等しく有意に低いレベルにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1において、鋼タイプAから製造された冷間加工化冷間ストリップA1、A2に対する最終的再結晶化焼なまし処理後に得られる結晶粒度Gsを、%で表示される変形度εの関数としてASTMでプロットする。個々の測定値を、丸の記号で表す。冷間加工の前に完全な再結晶化焼なまし処理に付した冷間ストリップA2の結晶粒度が、冷間加工の前に単に結晶再生焼なまし処理に付しただけの本発明による冷間ストリップA1の結晶粒度よりも、すべての変形度において有意に高いことを、確認することができる。偏差は、15%より低いオーダーにおける極めて低い変形度でとりわけ有意である。
【図2】
図2は、冷間圧延の程度に関連した鋼タイプBから製造された冷間ストリップB1、B2の結晶粒度の実例を示すものであり、ここでこの実例は、図1に示した実例に対応している。この場合にも、冷間ストリップB2の結晶粒度は、変形度が減少するのに伴って有意に増大する。しかしながら、本発明に従って製造された冷間ストリップB1の結晶粒度は、等しく有意に低いレベルにある。
Claims (8)
- 炭素0.2重量%以下、ケイ素1.0重量%以下、マンガン1.0重量%以下、リン0.2重量%以下、イオウ0.2重量%以下、アルミニウム0.2重量%以下、窒素0.02重量%以下、チタン0.2重量%以下、バナジウム0.2重量%以下、ニオブ0.2重量%以下、及びホウ素0.01重量%以下を含み、その残部が鉄及び不可避な不純物である鋼から製造されるインプットストック、例えば、スラブ、薄スラブ、又はカストストリップを、熱間圧延して熱間ストリップとし;
前記熱間ストリップを、冷間圧延して冷間ストリップとし;
前記冷間ストリップを、再結晶化温度より低い焼なまし温度で結晶再生焼なまし処理に付し;
前記結晶再生焼なまし処理に付された冷間ストリップを、低い変形度で冷間加工し;そして
前記冷間加工された冷間ストリップを、第二の再結晶化焼なまし処理に付する、再結晶化焼なましされた冷間ストリップの製造方法。 - 前記鋼が軟鋼からなること、並びに前記結晶再生焼なまし処理の間の焼なまし温度が450℃以上及び550℃以下であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記鋼がIF−鋼からなること、並びに前記結晶再生焼なまし処理の間の焼なまし温度が550℃以上及び650℃以下であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記冷間ストリップが、結晶再生焼なまし処理後に90%以下まで再結晶化されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記再結晶化焼なまし処理の間の焼なまし温度が650℃以上及び850℃以下であるを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工の過程の間に達成される変形度が、40%以下になることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記冷間加工が、フレキシブル圧延処理の形態で実施されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 得られた前記冷間ストリップの微小構造が、6ASTM以下の結晶粒度を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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DE10055338A DE10055338C1 (de) | 2000-11-08 | 2000-11-08 | Verfahren zum Herstellen eines bei niedrigen Verformungsgraden kaltverformten Kaltbandes |
PCT/EP2001/012910 WO2002038818A1 (de) | 2000-11-08 | 2001-11-08 | Verfahren zum herstellen eines bei niedrigen verformungsgraden kaltverformten kaltbandes |
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Cited By (2)
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