JP2004512262A - 非放射性抗cd20抗体/放射標識抗cd22抗体の組合せ - Google Patents
非放射性抗cd20抗体/放射標識抗cd22抗体の組合せ Download PDFInfo
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Abstract
抗CD20抗体、好ましくはリツキサン(登録商標)および放射標識抗CD22抗体、好ましくは90Y標識ヒト化抗CD22抗体の組合せを用いる、白血病、リンパ腫などの自己免疫およびB細胞悪性疾患を含むB細胞関連疾患の治療について記載する。これらの治療法は、B細胞のより一層の枯渇を提供し、それによってリツキサン(登録商標)によるB細胞悪性疾患治療に伴う再発の危険性を軽減し、さらに、B細胞免疫反応、特に自己免疫疾患および移植において長期の免疫抑制を提供する。
Description
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2000年6月20日出願の米国仮出願番号60/212,668による優先権を主張し、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、非放射性抗CD20抗体、好ましくはリツキサン(RITUXAN)(登録商標)、またはリツキサン(登録商標)と同一のB細胞枯渇活性を実質的に有する別の抗CD20抗体、および放射標識抗CD22抗体、好ましくはイットリウム標識ヒト化抗CD22抗体の投与を含む免疫療法/放射線治療の併用に関する。腫瘍治療の場合には、非放射性抗CD23抗体の初期投与が循環からB細胞を除去することに役立ち、それによって放射標識抗CD22抗体のターゲティングおよび有効性を改善する。
【0003】
また、本治療は、非放射性CD20および放射標識抗CD22療法単独に比べて強化された免疫抑制を提供する。この併用治療法は、CD20およびCD22発現細胞の機能を枯渇させることおよび/または選択的に死滅させること、および/または阻止することが治療上有益である疾患、特にB細胞悪性疾患、リンパ腫、白血病、ならびにB細胞免疫機能の抑制が治療上有益である状態または疾患、例えば自己免疫疾患、アレルギー性疾患の治療、移植、ならびに抗原性成分、例えばタンパク質の投与を含むその他の治療法、細胞もしくは遺伝子療法に有用である。治療法は、リツキサン(登録商標)の初期投与と、続く放射標識抗CD22抗体の投与を含むことが好ましい。
【0004】
(発明の背景)
I.抗CD20抗体
CD20は90%を超えるB細胞リンパ腫で発現する細胞表面抗体であり、腫瘍細胞中では減少も調節もされない(McLaughlin他、J.Clin.Oncol.16:2825−2833(1998))。研究と治療の双方で使用するために抗CD20抗体が調製されている。報告された抗CD20抗体の1つはモノクローナルB1抗体である(米国特許第5,843,398号)。また、抗CD20抗体は、B細胞リンパ腫を治療するための放射性核種の形態(例えば、131I標識抗CD20抗体)、ならびに前立腺癌および乳癌の転移によって引き起こされる骨の痛みを軽減するための89Sr標識型(Endo、Gan To Kagaku Ryoho 26:744−748(1999)でも調製されている。
【0005】
報告によれば、マウス・モノクローナル抗体、1F5、(抗CD20抗体)がB細胞リンパ腫患者に連続静脈内注射によって投与された。しかしながら、報告によれば、循環する腫瘍細胞を減少させるには極めて高レベル(>2グラム)の1F5が必要であり、結果は「一過性である」と記載された(Press他、Blood 69:584−591(1987))。治療剤としてモノクローナル抗体を用いることに伴う潜在的な問題は、ヒト以外のモノクローナル抗体(例えば、マウス・モノクローナル抗体)は通常ヒトのエフェクター機能性を欠き、とりわけ、例えば補体依存性溶解を媒介し、または抗体依存性細胞毒性もしくはFc受容体媒介性食作用を介してヒトの標的細胞を溶解することができないことである。さらに、ヒト以外のモノクローナル抗体がヒト宿主により異種タンパク質として認識されることがあるため、このような異種抗体の反復注射は、有害な超過敏反応をもたらす免疫反応の誘発につながることがある。マウスをベースとするモノクローナル抗体の場合には、これがヒト抗マウス抗体反応、または「HAMA」反応と呼ばれることが多い。さらに、これらの「異種」抗体は、宿主の免疫系によって攻撃を受け、抗体がそれらの標的部位に到達する前に事実上中和されてしまうことがある。
【0006】
A.リツキシマブ(RITUXIMAB)(登録商標)
リツキシマブ(登録商標)(リツキサン(登録商標)、マブセラ(MabThera)(登録商標)およびIDEC−C2B8の別名でも知られる)は、初めてFDA承認を受けたモノクローナル抗体であり、IDEC Pharmaceuticalsで開発された(米国特許第5,843,439号;第5,776,456号および第5,736,137号を参照)。リツキシマブ(登録商標)は、軽度悪性型または濾胞性B細胞非ホジキン・リンパ腫患者の治療に推奨されるキメラ抗CD20モノクローナル(MAb)である(McLaughlin他、Oncology(Huntingt)12:1763−1777(1998);Leget他、Curr.Opin.Oncol.10:548−551(1998))。欧州では、リツキシマブ(登録商標)は、再発段階III/IVの濾胞性リンパ腫の療法として承認されている(White他、Pharm.Sci.Technol.Today 2:95−101(1999))。リツキシマブ(登録商標)で治療可能なその他の障害には、濾胞性中心細胞リンパ腫(FCC)、外套細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大細胞性リンパ腫(DLCL)、および小リンパ球性リンパ腫/慢性リンパ球性リンパ腫(SLL/CLL)が含まれる(Nguyen他、1999))。リツキシマブ(登録商標)は、第Iおよび第II相臨床試験において軽度悪性型非ホジキン・リンパ腫で最小限の毒性と著しい治療活性を示した(Berinstein他、Ann.Oncol.9:995−1001(1998))。
【0007】
現在、リツキシマブ(登録商標)は、通常375mg/M2の週用量で4週間、再発性または難治性の軽度悪性型または濾胞性NHLのB細胞NHLを治療するのに単独で使用されている。この抗体は忍容性が良好であり、著しい臨床活性を有していた(Piro他、Ann.Oncol.10:655−61(1999);Nguyen他、Eur.J.Haematol.62:76−82(1999);およびCoiffier他、Blood 92:1927−1932(1998))。また、抗体を用いる治験中に、500mg/M2までの週用量が4回投与されている(Maloney他、Blood 90:2188−2195(1997))。また、リツキシマブ(登録商標)は、軽度悪性型または濾胞性B細胞非ホジキン・リンパ腫を治療するためにCHOP(例えば、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)などの化学療法剤と併用されている(Czuczman他、J.Clin.Oncol.17:268−76(1999);およびMcLaughlin他、Oncology(Huntingt)12:1763−1777(1998))。しかしながら、これまで他の治療用抗体と組み合わせて利用されたことはない。
【0008】
CD22に対するモノクローナル抗体の合成および治療法におけるそれらの使用法も報告されている。CD22はB細胞接着に関与するB細胞特異的分子であり、ホモタイプまたはヘテロタイプの相互作用において機能することができる(Stamenkovic他、Nature 344:74(1990);Wilson他、J.Exp.Med.173:137(1991);Stamenkovic他、Cell 66:1133(1991))。CD22タンパク質は、前駆B細胞および前B細胞の細胞質中で発現するが(Dorken他、J.Immunol.136:4470(1986);Dorken他、「Expression of cytoplasmic CD22 in B−cell ontogeny.In Leukocyte Typing III、White Cell Differentiation Antigens.McMichael他編、Oxford University Press、Oxford、p.474(1987);Schwarting他、Blood 65:974(1985);Mason他、Blood 69:836(1987)」)、成熟B細胞の表面上にのみ見いだされ、表面IgDと同時に存在する(Dorken他、J.Immunol.136:4470(1986))。CD22発現は活性化後に増加し、さらに分化しながら消失する(Wilson他、J.Exp.Med.173:137(1991);Dorken他、J.Immunol.136:4470(1986))。リンパ系組織では、CD22は濾胞性外套帯および辺縁帯B細胞によって発現されるが、胚中心B細胞による発現はわずかに過ぎない(Dorken他、J.Immunol.136:4470(1986);Ling他、「B−cell and plasma antigens:new and previously defined clusters」In Leukocyte Typing III.White Cell Differentiation Antigens、McMichael他編、Oxford University Press、Oxford、p.302(1987))。しかしながら、in situのハイブリッド形成は、胚中心内におけるCD22mRNAの発現が最も強く、外套帯における発現は少なめであることを示している(Wilson他、J.Exp.Med.173:137(1991))。CD22がB細胞活性化の調節に関与していると考えられているのは、in vitroにおけるCD22mAbのB細胞との結合が、細胞内遊離カルシウムおよび表面Igの架橋後に誘発される増殖の増加を増強することが判明しているためである(Pezzutto他、J.Immunol.138:98(1987);Pezzutto他、J.Immunol.140:1791(1988))。しかしながら、他の研究は、抗Ig誘発性増殖の増加は軽度であると判定している(Dorken他、J.Immunol.136:4470(1986))。CD22は構成的にリン酸化されるが、リン酸化のレベルは、PMAによる細胞の処理後に増加する(Boue他、J.Immunol.140:192(1988))。さらに、可溶性形態のCD22は、ヒトT細胞のCD3媒介性活性化を阻害し、CD22がT細胞−B細胞相互作用に重要であることを示唆している(Stamenkovic他、Cell 66:1133(1991))。
【0009】
CD22受容体と特異的に結合するリガンドは、様々な疾患、特にB細胞リンパ腫および自己免疫疾患の治療に潜在的用途を有していることが報告されている。特に、このような疾患を治療するための標識および非標識抗CD22抗体の使用法が報告されている。
【0010】
例えば、Tedder他、米国特許第5,484,892号が称するには、これらの抗体は、高い親和性でCD22と結合し、CD22の他のリガンドとの相互作用を阻止する。これらのモノクローナル抗体は、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、壊死性血管炎、リンパ節炎、結節性動脈周囲炎、全身性エリテマトーデス、関節炎、血小板減少性紫斑病、無顆粒球症、自己免疫性溶血性貧血などの自己免疫疾患の治療、ならびに妊娠中の胎児抗原などの異種抗原に対する免疫反応、重症筋無力症、インスリン抵抗性糖尿病、グレイヴス病およびアレルギー反応を阻害するのに有用であることが開示されている。
【0011】
また、Leung他、米国特許第5,789,557号は、CDRグラフティングによって製造したキメラおよびヒト化抗CD22モノクローナル抗体、ならびにB細胞リンパ腫および白血病を治療および診断するための複合および非複合形態によるそれらの使用法を開示している。この参考文献は、特に化学療法剤、毒素、重金属および放射性核種などの細胞障害性薬剤と複合したこのような抗体を開示している(1998年8月4日に出願され、Immunomedicsに譲渡された米国特許第5,789,554号を参照)。
【0012】
さらに、PCT出願WO98/42378、WO00/20864、およびWO98/41641は、CD22に特異的なモノクローナル抗体、複合体およびフラグメントならびにその治療的使用法、特にB細胞関連疾患を治療するための使用法について記載している。
【0013】
また、自己免疫疾患および癌を治療するための抗CD22抗体の使用法も示唆されている。例えば、1995年8月22日、Hansen他に発行されてImmunomedics Inc.に譲渡された、診断および治療、特にウイルスおよび細菌感染症、心血管疾患、自己免疫疾患、および癌の治療をするための抗CD22免疫複合体について記載すると主張している米国特許第5,443,953号、ならびに1998年1月16日、Tedder他に発行されてDana−Farber Cancer institute、Inc.に譲渡された、CD22接着機能の遅延または阻止が治療上有益である疾患、特に自己免疫疾患を治療するための、CD22を対象とする様々なモノクローナル抗体について記載すると主張している米国特許第5,484,892号を参照されたい。これらの参考文献は、抗CD22抗体のフラグメントを所望のエフェクター成分、例えばin vitroのイムノアッセイもしくはin vivoの画像診断中に検出できる酵素、フルオロフォア、放射性核種、電子伝達剤などの標識、または治療的エフェクター成分、例えば毒素、薬物または放射性同位体と直接的または間接的に複合させることができることを示唆している。
【0014】
さらに、IgG1アイソタイプの抗ヒトCD22モノクローナル抗体は、Leinco Technologiesから市販されており、報告によればB細胞リンパ腫およびヘアリー細胞白血病を含む白血病の治療に有用である(Campana,D.他、J.Immunol.134:1524(1985))。さらに、Dorken他、J.Immunol.150:4719(1993)とEngel他、J.Immunol.150:4519(1993)は共に、CD22に特異的なモノクローナル抗体について記載している。
【0015】
また、癌および自己免疫疾患を含む疾患を治療するための抗CD22免疫毒素および抗CD19免疫毒素の複合投与が報告されている(1997年11月11日、Uhr他に発行されてThe University of Texasに譲渡された米国特許第5,686,072号を参照)。
【0016】
したがって、上記に基づき、B細胞リンパ腫の治療のためにリツキサン(登録商標)および他の療法が報告されているが、このような治療は再発しやすいことが多い。したがって、治療法において抗CD20抗体および抗CD22抗体の使用法に関して何が報告されているかはともかくとして、新規な治療法が開発され、特に増強された治療効果を提供する併用療法が開発されるならば好都合と思われる。特に、リツキサン(登録商標)または他の抗CD20抗体の治療法で治療された患者において疾患の再発を予防し、または軽減する新規な療法が開発されるならば有利であろう。
【0017】
(発明の好ましい実施形態)
本発明の一実施形態は、抗CD20モノクローナル抗体またはそのフラグメントの投与、および放射標識抗CD22モノクローナル抗体またはフラグメントの投与を含む新規な治療法を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、リツキサン(登録商標)の初期投与と、続く放射標識抗CD22モノクローナル抗体、またはそのフラグメントの投与を含む新規な治療法を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、B細胞悪性疾患および癌、特にB細胞白血病またはリンパ腫を治療するための新規な治療法であって、リツキサン(登録商標)の投与と、続く放射標識抗CD22抗体の投与を含む治療法を提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、自己免疫疾患の治療および移植のための新規な方法であって、リツキサン(登録商標)と、続く放射標識抗CD22抗体の投与を含む方法を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、B細胞免疫反応を、特にタンパク質、遺伝子もしくは細胞療法において、またはアレルギー性障害の治療において、抗CD20抗体および放射標識抗CD22抗体の複合投与によって阻害する新規な方法を提供することである。
【0022】
(発明の概要)
本発明は、B細胞の生成を阻害することおよび/または枯渇させることおよび/または死滅させることおよび/または阻止することが治療上望ましい疾患、特にB細胞悪性疾患および白血病、ならびに自己免疫疾患、移植、アレルギー性障害、炎症性障害、および遺伝子または細胞療法、ならびにB細胞免疫を抑制することが望ましい他の状態を有する患者を治療する方法に関する。好ましい実施形態では、本発明は、B細胞リンパ腫および白血病、特に非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療に関する。
【0023】
本質的に、本治療法は、非放射性抗CD20抗体またはフラグメント、および放射性(放射標識)抗CD22抗体またはフラグメントの投与を含む。抗CD20抗体および放射標識抗CD22抗体は、組み合わせてまたは別々に、およびいずれの順序でも投与することができる。まずB細胞枯渇を達成するのに十分な量で抗CD20抗体を投与し、続いて放射標識CD22抗体を投与することが好ましい。
【0024】
この組合せは、非標識抗CD20もしくは放射標識CD22抗体またはフラグメント単独の使用法に比べて相乗的結果を及ぼすことが好ましい。特に好ましい実施形態においてこの組合せが腫瘍化B細胞の死滅または枯渇の増大を提供するのは、初めに非放射性CD20抗体が大部分のCD20発現細胞を除去し、放射標識CD22抗体が残ったすべての腫瘍化B細胞を実質的に除去するからである。場合によって、併用療法には、放射標識CD20抗体、例えば放射標識2B8(Zevalin(登録商標))の使用法が含まれる。
【0025】
別の好ましい実施形態では、この組合せは、現在のリツキサン(登録商標)ベースの治療法に比べ、B細胞悪性疾患、例えば非ホジキンリンパ腫患者における再発を予防または抑制する。
【0026】
(発明の詳細な説明)
本発明を明確に記載するため、以下の定義を示す。
【0027】
定義
単位、接頭辞、および記号は、それらのSi公認型で示す。数値範囲には、範囲を規定する数値が含まれる。特別に示さない限り、核酸は5’から3’方向へ左から右へ書き、アミノ酸配列はアミノからカルボキシへ左から右へ書く。本明細書に示す見出しは、本明細書全体を参照することにより得ることできる本発明の様々な態様または実施形態の制限ではない。したがって、以下に定義する用語は、本明細書全体を参照することにより、さらに十分定義される。
【0028】
本明細書で使用する用語「抗体」には、指定されたタンパク質またはそのペプチドと特異的に反応する免疫グロブリンおよびそのフラグメントが含まれることを意図している。抗体には、ヒト抗体、霊長類化抗体、キメラ抗体、二重特異性抗体、ヒト化抗体、他のタンパク質または放射標識と融合した抗体、および抗体フラグメントが含まれる。
【0029】
本明細書の用語「抗体」は最も幅広い意味で使用され、具体的には原型のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2種類の原型抗体から生成した多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、および所望の生物活性を示す限りは抗体フラグメントを網羅する。
【0030】
「抗体フラグメント」は、原型抗体の一部を含み、その抗原結合領域または可変領域を含むことが好ましい。抗体フラグメントの例には、Fab、Fab’、F(ab’)2、およびFvフラグメント;ダイアボディ(diabody);リニア(linear)抗体;単鎖抗体分子;および抗体フラグメントから生成した多重特異性抗体が含まれる。抗体フラグメントは、従来の技法を用いて単離することができる。例えば、F(ab1)2フラグメントは、抗体をペプシンで処理することにより生成することができる。得られたF(ab1)2フラグメントを処理してジスルフィド架橋を還元し、Fab1フラグメントを生成することができる。
【0031】
「天然抗体」は、通常約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質であり、2本の同一軽(L)鎖および2本の同一重(H)鎖からなる。各軽鎖は1個の共有ジスルフィド結合によって重鎖と連結するが、ジスルフィド連鎖数は、異なる免疫グロブリン・アイソタイプの重鎖間で異なる。また、各重鎖および軽鎖は、規則正しい間隔の鎖内ジスルフィド架橋を有する。各重鎖は、一方の端に可変ドメイン(VH)と、続いて多くの定常ドメインを有する。各軽鎖は、一方の端に可変ドメイン(VL)を、他方の端に定常ドメインを有し、軽鎖の定常ドメインは、重鎖の最初の定常ドメインと並び、軽鎖可変ドメインは重鎖の可変ドメインと並んでいる。特定のアミノ酸残基が軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインの間の境界面を形成していると考えられている。
【0032】
用語「可変」は、可変ドメインの特定部分は、抗体間で配列が大きく異なり、特定の各抗体の特定のその抗原に対する結合および特異性に用いられるということを指す。しかしながら、その可変性は、抗体の可変ドメイン全体に一様には分布していない。可変性は、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメイン双方の超可変領域と呼ばれる3個のセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。自然の重鎖および軽鎖の可変ドメインは、各々4個のFRを含み、主に13シート構成(13−sheet configuration)を取り、3個の超可変領域によって連結され、ループ接続を形成し、場合によってはBシート構造の一部を形成する。各鎖の超可変領域は、FRによって極めて接近してまとめられ、他の鎖の超可変領域と共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(Kabat他、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD.(1991))。定常ドメインは、抗体が抗原と結合する際に直接関与しないが、抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)における抗体の関与などの様々なエフェクター機能を示す。
【0033】
抗体のパパイン消化は、「Fab」フラグメントと呼ばれ、各々が単一の抗原結合部位を有する2種類の同一の抗原結合フラグメント、および容易に結晶化する能力を表す名前である残りの「Fc」フラグメントを生成する。ペプシン処理により、2つの抗原結合部位を有し、依然として抗原と架橋することができるF(ab’)2フラグメントが得られる。
【0034】
「Fv」は、完全な抗原認識部位および抗原結合部位を含む最小の抗体フラグメントである。この領域は、1つの重鎖可変ドメインおよび1つの軽鎖可変ドメインが堅固であるが非共有結合で会合した二量体からなる。この配置で、各可変ドメインの3個の超可変領域が相互作用し、VH−VL二量体の表面上の抗原結合部位を規定する。まとめると、6個の超可変領域が抗体に抗原結合特異性を付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(すなわち抗原に特異的な3個の超可変領域のみを含む半分のFv)であっても、全体の結合部位に比べて親和性は低いが、抗原を認識し結合する能力を有している。
【0035】
また、Fabフラグメントは、軽鎖の定常ドメインおよび重鎖の最初の定常ドメイン(CHI)を含む。Fab’フラグメントはFabフラグメントと異なり、抗体ヒンジ領域からの1個または複数のシステインを含む数個の残基が重鎖CHIドメインに付加されている。本明細書では、Fab’―SHは、定常ドメインのシステイン残基が少なくとも1個の遊離チオール基を有するFab’という意味である。F(ab’)Z抗体フラグメントは、間にヒンジ・システインを有するFab’フラグメントの対として生成した。抗体フラグメントの他の化学的カップリングも知られている。
【0036】
いかなる脊椎動物種に由来する抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」も、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、カッパおよびラムダと呼ばれる2つの明確に異なるタイプのうちの1つに割り当てることができる。
【0037】
それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、様々な種類に抗体を割り当てることができる。原型の抗体には5つの主な種類:IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、これらのうちいくつかは、さらにサブクラス(アイソタイプ)、例えばIgGI、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、およびIgA2に分類することができる。異なる種類の抗体に対応する重鎖定常ドメインは、それぞれアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマおよびミューと呼ばれる。重鎖定常ドメインがガンマ−1、ガンマ−2、ガンマ−3およびガンマ−4定常領域をすべて揃えていることが好ましい。また、これらの定常ドメインは、その全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第6,011,138号に開示されているPおよびE修飾などの、抗体安定性を増強するための修飾を含むことが好ましい。様々な種類の免疫グロブリンについてのサブユニット構造および三次元立体配置はよく知られている。
【0038】
「単鎖Fv」すなわち「scFv」抗体フラグメントは、抗体のVHおよびVLドメインを含み、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖として存在する。Fvポリペプチドは、VHとVLドメインの間に、scFvが抗原結合に望ましい構造を形成することを可能にするポリペプチド・リンカーを含むことが好ましい。scFvの総説については、PluckthunのThe Pharmacology of Monoclonal Antibodies、vol.113、RosenburgおよびMoore編、Springer−Verlag、New York、pp.269−315(1994)を参照されたい。
【0039】
用語「ダイアボディ」は、2個の抗原結合部位を有する小さな抗原フラグメントを指し、そのフラグメントは、同一のポリペプチド鎖(VH−VL)中に軽鎖可変ドメイン(VL)と連結した重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同一鎖上の2個のドメイン間では対になることができない長さのリンカーを用いることにより、ドメインを別の鎖の相補的ドメインと一組にし、2個の抗原結合部位を作製する。ダイアボディは、例えば、EP 404,097;WO93/11161;およびHollinger他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:6444−6448(1993)により詳しく記載されている。
【0040】
本明細書で用いる用語「モノクローナル抗体」は、実質的に同種の抗体の母集団から得られる抗体、すなわち母集団を含む個々の抗体が、少量存在する可能性のある天然に存在する突然変異を除いては同一であることを指す。モノクローナル抗体は極めて特異的であり、単一の抗原部位を対象とする。さらに、通常は様々な決定基(エピトープ)を対象とする様々な抗体が含まれる従来の(ポリクローナル)抗体調製とは対照的に、各モノクローナル抗体は抗原上の単一の決定基を対象とする。それらの特異性に加え、モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ培養によって合成され、他の免疫グロブリンによって汚染されない点で有利である。修飾語の「モノクローナル」は、実質的に同種の抗体母集団から得られる抗体の性質を示し、特定の方法により抗体の製造が必要であるとは見なされない。例えば、本発明に従って用いられるモノクローナル抗体は、Kohler他、Nature、256:495(1975)によって初めて記載されたハイブリドーマ法によって製造でき、または組換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照)によって製造することができる。また、「モノクローナル抗体」は、例えばClackson他、Nature、352:624−628(1991)およびMarks他、J.Mol.Biol.、222:581−597(1997)に記載の技法を用い、ファージ抗体ライブラリーから単離することができる。
【0041】
「ヒト化抗体」は、ヒト以外の抗体、通常はマウス抗体に由来する抗体であって、もとの抗体の抗原結合性を保持または実質的に保持しているが、ヒトにおいて免疫原性の低い抗体を意味する。このようなことは、(a)ヒト定常領域上にヒト以外の全可変ドメインをグラフティング(grafting)してキメラ抗体を作製すること(b)重要なフレームワーク残基の保持の有無にかかわらず、ヒトのフレームワーク領域および定常領域中にヒト以外の相補性決定領域(CDR)のみをグラフティングすること、または(c)ヒト以外の全可変ドメインを移植するが、表面残基の置換によりヒト様部分でそれらを「覆い隠す(cloaking)」ことを含む様々な方法によって達成することができる。このような方法は、Morrison他、Proc.Natl.Acad.Sci.81:6851−5(1984);Morrison他、Adv.Immunol.44:65−92(1988);Verhoeyen他、Science 239:1534−1536(1988);Padlan、Molec.Immun.28:489−498(1991);およびPadlan、Molec.Immun.31:169−217(1994)に開示されており、それらすべてを参照により本明細書に組み込む。ヒト化抗CD40L抗体は、その全体を参照により本明細書に組み込む、1995年11月7日出願の米国特許第08/554,840号に記載のように調製することができる。
【0042】
「ヒト抗体」は、知られている標準法のいずれかによって製造されるヒト軽鎖および重鎖ならびに定常領域をすべて含む抗体を意味する。
【0043】
「霊長類化(primatized)抗体」は、サル(または他の霊長類)抗体、特にカニクイザル抗体の可変重鎖ドメインおよび軽鎖ドメインを含むように設計され、ヒト定常ドメイン配列、好ましくはヒト免疫グロブリン・ガンマ1またはガンマ4定常ドメイン(またはPE変異体)を含む組換え抗体を意味する。このような抗体の調製は、Newman他、Biotechnology、10:1458−1460(1992);また同一出願人による08/379,072、08/487,550、もしくは08/746,361に記載されており、それらの全体を参照により本明細書に組み込む。これらの抗体は、ヒト抗体と高度な、すなわち85〜98%の相同性を示し、ヒト・エフェクター機能を示し、低い免疫原性を有し、ヒト抗原に対して高い親和性を示すことができると報告されている。
【0044】
「抗体フラグメント」は、Fab、F(ab’)2、Fab’およびscFvなどの抗体のフラグメントを意味する。
【0045】
「キメラ抗体」は、通常は異なる種である2種類の異なる抗体に由来する配列を含む抗体を意味する。最も一般的には、キメラ抗体は、ヒトおよびマウスの抗体フラグメント、一般的にはヒト定常領域およびマウス可変領域を含む。
【0046】
本明細書の「B細胞枯渇抗体」は、投与により明白なB細胞枯渇をもたらす抗体またはフラグメントである。通常、このような抗体は、B細胞抗原またはB細胞表面上に発現するB細胞マーカーと結合する。投与後、通常は約数日以内に約50%以上のB細胞の枯渇をもたらすことが好ましい。好ましい実施形態では、B細胞枯渇抗体は、リツキサン(登録商標)(キメラ抗CD20抗体)またはリツキサン(登録商標)の細胞枯渇活性と実質的に同一または20〜50%、同期間に好ましくは少なくともその90%を有する抗体である。
【0047】
「B細胞表面マーカー」または「B細胞標的」または「B細胞抗原」は、抗原と結合するアンタゴニストが標的とすることができるB細胞の表面上に発現した抗原である。典型的なB細胞表面マーカーには、CD10、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD37、CD53、CD72、CD73、CD74、CDw75、CDw76、CD77、CDw78、CD79a、CD79b、CD80、CD81、CD82、CD83、CDw84、CD85およびCD86白血球表面マーカーが含まれる。好ましいB細胞表面マーカーは、哺乳動物の他の非B細胞組織に比べて優先的にB細胞上で発現し、前駆B細胞と成熟B細胞上で共に発現することができる。
【0048】
「CD20」抗原は、末梢血またはリンパ器官の90%を超えるB細胞の表面上に見いだされる約35kDaの非グリコシル化リンタンパク質である。CD20は初期の前B細胞発生中に発現し、形質細胞分化まで残存する。CD20は、正常B細胞ならびに悪性B細胞上の双方に存在する。文献におけるCD20の別名には、「Bリンパ球制限抗原」および「Bp35」が含まれる。CD20抗原はClark他、PNAS(USA)82:1766(1985)に記載されている。
【0049】
「CD22」抗原は、B細胞上で発現する抗原を指し、「BL−CAM」および「LybB」の別名でも知られ、B細胞シグナル伝達および接着に関与する(Nitschke他、Curr.Biol.7:133(1997);Stamenkovic他、Nature 345:74(1990)を参照)。この抗原は、膜Igが連結した場合にチロシンがリン酸化される膜免疫グロブリン関連抗原である(Engel他、J.Etyp.Med.181(4):1521 1586(1995))。この抗原をコードする遺伝子がクローニングされ、そのIgドメインの特徴が明らかにされている。
【0050】
B細胞「アンタゴニスト」は、B細胞表面マーカーと結合して哺乳動物のB細胞を破壊もしくは枯渇させ、かつ/または1種または複数のB細胞機能を、例えばB細胞によって誘発される体液性反応を低下または妨げることにより妨害する分子である。アンタゴニストは、それで治療される哺乳動物においてB細胞を枯渇させる(すなわち循環するB細胞レベルを低下させる)ことができるのが好ましい。このような枯渇は、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)および/または補体依存性細胞傷害(CDC)、B細胞増殖の阻害および/またはB細胞死の誘発(例えばアポトーシスを介する)などの様々な機序を介して達成することができる。本発明の範囲内で、アンタゴニストには、抗体、合成または天然配列のペプチドおよびB細胞マーカーと結合する、場合によっては細胞傷害性薬剤と複合または融合した分子アンタゴニストが含まれる。
【0051】
「B細胞枯渇抗体」は、in vivoの投与により循環するB細胞数を減少させる抗体である。枯渇は、投与から約24時間以内に少なくとも50%以上枯渇するレベルまで生じることが好ましい。非放射性抗CD20抗体は、リツキサン(登録商標)と実質的に同じ効率(同時間内にB細胞枯渇のレベルが約80〜90%の範囲内)でB細胞を枯渇することが最も好ましい。
【0052】
「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」および「ADCC」は、Fc受容体(FcR)を発現する非特異的細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、およびマクロファージ)が、標的細胞上に結合した抗体を認識し、続いて標的細胞の溶解を引き起こす細胞媒介性反応を指す。ADCC、NK細胞を媒介するための一次細胞はFcyRIIIのみを発現するが、単球はFcyRI、FcyRIIおよびFcyRIIIを発現する。造血細胞上のFcR発現は、RavetchおよびKinet、Annu.Rev.Immunol 9:457−92(1991)の464ページにある表3に要約されている。当該分子のADCC活性を評価するために、米国特許第5,500,362号または第5,821,337号に記載されているようなin vitroのADCCアッセイを行うことができる。このようなアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。あるいは、またさらに、当該分子のADCC活性は、in vivoにおいて、例えばClynes他、PNAS(USA)95:652−656(1998)に記載されているような動物モデルで評価することができる。
【0053】
「ヒト・エフェクター細胞」は、1種または複数のFcRを発現しエフェクター機能を行う白血球である。この細胞は少なくともFcyRIIIを発現し、ADCCエフェクター機能を行うことが好ましい。ADCCを媒介するヒト白血球の例には、末梢血単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞傷害性T細胞および好中球が含まれ、PBMCおよびNK細胞が好ましい。エフェクター細胞は、天然源から、例えば、本明細書に記載するように血液またはPBMCから単離することができる。
【0054】
用語「Fc受容体」すなわち「FcR」は、抗体のFc領域と結合する受容体を記載するために用いられる。好ましいFcRは天然配列のヒトFcRである。さらに、好ましいFcRは、IgG抗体と結合する受容体(ガンマ受容体)であり、FcyRI、FcyRII、およびFcyRIIIサブクラスの受容体が含まれ、これらの受容体の対立遺伝子変異体および選択的スプライシング型が含まれる。FcyRII受容体には、FcyRIIA(「活性化受容体」)およびFcyRUB(「阻害受容体」)が含まれ、これらは類似したアミノ酸配列を有し、主にそれらの細胞質ドメインが異なっている。活性化受容体FcyRIIAは、その細胞質ドメイン中に免疫受容体チロシンをベースとする活性化モチーフ(ITAM)を含む。阻害受容体FcyRIIBは、その細胞質ドメイン中に免疫受容体チロシンをベースとする阻害モチーフ(ITIM)を含む。(Daeon、Annu.Rev.Immunol.15:203−234(1997)中の総説Mを参照)。FcRは、RavetchおよびKinet、Annu.Rev.Immunol.9:457−92(1991);Capel他、Immunomethods 4:25−34(1994);およびde Haas他、J.Lab.Clin.Med.126:330−41(1995)に概説されている。将来同定されるものを含む他のFcRは、本明細書の用語「FcR」に包含される。また、この用語には、母性IgGの胎児への移動を担う新生児受容体FcRnも含まれる(Guyer他、J.Immunol.117:587(1976)およびKimほか、J.Immunol.24:249(1994))。
【0055】
「補体依存性細胞傷害」すなわち「CDC」は、補体の存在下で標的を溶解する分子の能力を指す。補体活性化経路は、同系抗原と複合体を形成した分子(例えば抗体)と補体系の第一の成分(Clq)が結合することによって開始される。補体活性化を評価するために、例えばGazzano−Santoro他、J.Immunol.Methods 202:163(1996)に記載のCDCアッセイを行うことができる。
【0056】
「成長阻害性」アンタゴニストは、アンタゴニストが結合する抗原を発現する細胞の増殖を妨げるか減少させるアンタゴニストである。例えば、アンタゴニストは、in vitroおよび/またはin vivoにおいてB細胞の増殖を妨げるか減少させることができる。
【0057】
「アポトーシスを誘発する」アンタゴニストは、アネキシンVの結合、DNAの断片化、細胞収縮、小胞体の膨張、細胞断片化、および/または膜小胞(アポトーシス小体(apoptotic bodies)と呼ばれる)の形成によって判断されるプログラム細胞死、例えばB細胞の死を誘発するアンタゴニストである。
【0058】
本明細書で用いる用語「超可変領域」は、抗体の抗原結合を担うアミノ酸残基を指す。超可変領域は、「相補性決定領域」すなわち「CDR」(例えば、軽鎖可変ドメイン中の残基24〜34(L1)、50〜56(L2)および89〜97(L3)、ならびに重鎖可変ドメイン中の残基31〜35(H1)、50〜65(H2)および95〜102(H3);Kabat他、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD、(1991))からのアミノ酸配列、および/または「超可変ループ」(軽鎖可変ドメイン中の残基26〜32(L1)、50〜52(L2)および91〜96(L3)、ならびに重鎖可変ドメイン中の残基26〜32(H1)、53〜55(H2)および96〜101(H3);ChothiaおよびLesk.1.Mol.Biol.196:901−917(1987))を含む。「フレームワーク」すなわち「FR」残基は、本明細書で定義する超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。
【0059】
当該抗原、例えばB細胞表面マーカーと「結合する」アンタゴニストは、十分な親和性でその抗原と結合することができるアンタゴニストであり、そのようなアンタゴニストは、抗原を発現する細胞、すなわちB細胞を標的とする治療剤として有用である。
【0060】
本明細書の「抗CD20抗体」は、CD20、好ましくはヒトCD20と特異的に結合し、測定可能なB細胞枯渇活性を有する、好ましくはリツキサン(登録商標)(その全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第5,736,137号を参照)のB細胞枯渇活性の少なくとも約10%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも90%を有する抗体である。
【0061】
本明細書の「抗CD22抗体」は、CD22、好ましくはヒトCD22と特異的に結合し、測定可能なB細胞枯渇活性を有する、リツキサン(登録商標)(その全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第5,736,137号を参照)のB細胞枯渇活性の少なくとも約10%を有することが好ましい抗体である。
【0062】
CD20抗原と結合する抗体の具体的な例には、「リツキシマブ」(「リツキサン(登録商標)」)(参照により本明細書に組み込む米国特許第5,736,137号);イットリウム−[90]標識2B8マウス抗体「Y2B8」(参照により本明細書に組み込む米国特許第5,736,137号);マウスIgG2a「B1」場合によって131Iで標識されている標識B1抗体(BEXXARTM)(参照により本明細書に組み込む米国特許第5,595,721号);マウス・モノクローナル抗体「1F5」(Press他 Blood 69(2):584−591(1987);および「キメラ2H7」抗体(参照により本明細書に組み込む米国特許第5,677,180号)が含まれる。
【0063】
CD22と結合する抗体の具体的な例には、Immunomedicsによって報告され、現在非ホジキンリンパ腫の臨床試験中であるLymphocide(商標)が含まれる。
【0064】
本明細書の用語「リツキシマブ」すなわち「リツキサン(登録商標)」は、遺伝学的に設計され、CD20抗原を対象とするキメラ・マウス/ヒト・モノクローナル抗体を指し、参照により本明細書に組み込む米国特許第5,736,B7号では「C2B8」と呼ばれている。この抗体は、マウス軽鎖および重鎖可変領域配列およびヒト定常領域配列を含むIgGIカッパ免疫グロブリンである。リツキシマブは、CD20抗原に対し約8.0nMの結合親和性を有する。
【0065】
「単離された」アンタゴニストは、特定され、その自然環境の成分から分離かつ/または回収されたアンタゴニストである。その自然環境の混入物成分は、アンタゴニストを診断または治療上で使用するのを妨害すると思われる材料であり、酵素、ホルモンおよび他のタンパク質性または非タンパク質性溶質が含まれる。好ましい実施形態では、アンタゴニストは、(1)Lowry法による測定で95重量%を超え、最も好ましくは99重量%を超えるまで、(2)スピニング・カップ(spinning cup)配列決定装置を使用することによりN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15個の残基を得るのに十分な程度まで、または(3)クーマシー・ブルーまたは、好ましくは銀染色を用いる還元または非還元条件下のSDS−PAGEによる均一性まで精製される。単離されたアンタゴニストに組換え細胞中のin situのアンタゴニストが含まれるのは、アンタゴニストの自然環境のうち少なくとも1成分が存在しないからである。しかしながら、通常は単離されたアンタゴニストは少なくとも1つの精製ステップにより調製する。
【0066】
治療を目的とする「哺乳動物」は、哺乳動物として分類されるいかなる動物も指し、ヒト、家畜(domestic animal)および家畜(farm animal)、ならびにイヌ、ウマ、ネコ、ウシなどの動物園、スポーツまたはペットの動物が含まれる。哺乳動物はヒトであることが好ましい。
【0067】
「治療」は、治療上の処置と予防的(prophylactic)または予防的(preventative)処置を共に指す。治療を必要とするヒトには、すでに疾患または障害を有するヒトならびに疾患または障害が予防されなければならないヒトが含まれる。したがって、哺乳動物は、疾患もしくは障害があると診断されていても、疾患に罹患しやすいもしくは感受性が強くてもよい。
【0068】
B細胞悪性疾患
本発明によれば、これには、いずれのB細胞悪性疾患も含まれ、例えばB細胞リンパ腫および白血病が含まれる。好ましい例には、ホジキン病(すべての型、例えば再発ホジキン病、耐性ホジキン病)非ホジキン・リンパ腫(軽度悪性型、中等度悪性型、高度悪性型、およびその他のタイプ)が含まれる。例には、小リンパ球性/B細胞慢性リンパ球性白血病(SLL/B−CLL)、リンパ形質細胞様リンパ腫(LPL)、外套細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞性リンパ腫(DLCL)、バーキット・リンパ腫(BL)、エイズ関連リンパ腫、単球性B細胞リンパ腫、血管免疫芽球性リンパ節症、小リンパ球性、濾胞性、びまん性大細胞、びまん性小切れ込み核細胞、大細胞免疫芽細胞性リンパ芽球腫、小、非切れ込み核型、バーキットおよび非バーキット、濾胞性、大細胞優勢型;濾胞性小切れ込み核細胞優勢型;および濾胞性小切れ込み核細胞大細胞混合性リンパ腫が含まれる。Gaidono他、「Lymphomas」、IN CANCER:PRINCIPLES & PRACTICE OF ONCOLOGY、Vol.2:2131−2145(DeVita他、編、第5版、1997)を参照されたい。
【0069】
リンパ腫分類の他のタイプには、イムノサイトマル(immunocytomal)ワルデンストレームMALT型/単球様B細胞、外套細胞リンパ腫B−CLL/SLL、びまん性大B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、および前駆B−LBLが含まれる。
【0070】
前述のように、B細胞悪性疾患には、さらにALL−L3(バーキット型白血病)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性白血球性白血病、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、単球性白血病、骨髄性白血病、ならびに前骨髄球性白血病および単球性細胞白血病が含まれる。
【0071】
本明細書の「自己免疫疾患」には、B細胞の活性または増殖の除去または枯渇または阻害が治療上有益であるいずれの自己免疫疾患も含まれる。このような自己免疫疾患には、特にTおよびB細胞媒介性自己免疫疾患が含まれる。その例には、自己免疫性、炎症性、増殖性および過増殖性疾患、ならびに免疫学的に治療される疾患の皮膚症状(例えば、慢性関節リウマチ、エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、1型糖尿病、ブドウ膜炎、ネフローゼ症候群、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎およびさらに湿疹様皮膚炎(dermatitides)、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡(Pemplugus)、水疱性天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、血管炎(vasculitides)、紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症など)の治療または予防;可逆性閉塞性気道疾患、腸炎症およびアレルギー(例えば、セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病および潰瘍性大腸炎)ならびに食物アレルギー(例えば、片頭痛、鼻炎および湿疹)、および他のタイプのアレルギーの治療が含まれる。
【0072】
また、本併用療法は、悪性疾患、特にB細胞が腫瘍成長、保持および/または転移を促進するが、B細胞それ自体は悪性疾患の源ではない(非ホジキンリンパ腫などのB細胞悪性疾患ではない)固形癌または末期悪性疾患の治療に有用である。
【0073】
細胞療法には、テトロロガス(tetrologus)遺伝子、例えば治療的ポリペプチドをコードする遺伝子を潜在的に含むことができる潜在的な免疫原性細胞を、対象、例えば同系、同種異系または異種の対象に導入するいずれの療法も含まれる。
【0074】
遺伝子療法には、正常に発現した遺伝子または正常でなく発現した遺伝子、例えば疾患に関与する遺伝子の発現を調節(阻害または亢進)または提供するDNAまたはRNA配列を導入するいずれの療法も含まれる。通常、DNAまたはRNAは、ベクター中、例えばプラスミド、ウイルスまたは細胞、例えば哺乳動物細胞のゲノム中に含まれる。あるいは、DNAまたはRNAは、「裸で(naked)」あっても、安定化または標的材料、例えばリポソーム中に含まれていてもよい。例には、アデノウイルス、ポックスウイルス、および他のウイルス性ベクター、リポソームDNA製剤などが含まれる。
【0075】
表現「治療上有効な量」は、当該疾患、例えばB細胞悪性疾患の予防、寛解または治療に有効な裸の抗体または放射標識抗体の量を指す。
【0076】
補助療法として本明細書で用いる用語「免疫抑制剤」は、本明細書で治療される哺乳動物の免疫系を抑制またはマスクする働きをする物質を指す。これには、サイトカイン産生を抑制し、自己抗原をダウンレギュレートまたは抑制し、またはMHC抗原をマスクする物質が含まれる。このような薬剤の例には、2−アミノ−6−アリール−5−置換ピリミジン(その開示を参照により本明細書に組み込む米国特許第4,665,077号を参照)、アザチオプリン;シクロホスファミド;ブロモクリプチン;ダナゾール;ダプソン;グルタルアルデヒド(米国特許第4,120,649号に記載のようにMHC抗原をマスクする);MHC抗原およびMHCフラグメントの抗イディオタイプの抗体;シクロスポリンA;グルココルチコステロイドなどのステロイド、例えばプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、およびデキサメタゾン;抗インターフェロンα、βまたはδ抗体、抗腫瘍壊死因子α抗体、抗腫瘍壊死因子β抗体、抗インターロイキン2抗体および抗IL−2受容体抗体を含むサイトカインまたはサイトカイン受容体アンタゴニスト;抗CD1 1aおよび抗CD18抗体を含む抗LFA−1抗体;抗L3T4抗体;異種抗リンパ球グロブリン;汎T抗体、好ましくは抗CD3または抗CD4/CD4a抗体;LFA−3結合ドメインを含む可溶性ペプチド(7/26/90公開のWO90/08187)、ストレプトラナーゼ(streptolanase);TGF−β;ストレプトドルナーゼ;宿主由来のRNAまたはDNA;FK506;RS−61443;デオキシスペルガリン;ラパマイシン;T細胞受容体(Cohen他、米国特許第5,114,721号);T細胞受容体フラグメント(Offner他、Science、251:430−432(1991);WO90/11294;Laneway、Nature、341:482(1989);およびWO91/01133);およびT10B9などのT細胞受容体抗体(EP340,109)が含まれる。
【0077】
本明細書で用いる用語「細胞傷害性薬剤」は、細胞の機能を阻害または妨げかつ/または細胞の破壊を引き起こす物質を指す。この用語には、放射性同位体(例えば、123I、125I、131I、111In、131In、52P、64C、67Cu、211At、177Lu、90Y、186Re、212Pb、212Bi、47Sc、105Rh、104Pd、153Sm、188Re、199Au、211Atおよび213Bi)、化学療法剤、および細菌、真菌、植物もしくは動物起源の小分子の毒素もしくは酵素的に活性な毒素、またはその断片が含まれる。
【0078】
「化学療法剤」は、癌の治療に有用な化合物である。化学療法剤の例には、チオテパおよびシクロホスファミド(CYTOXAN(商標))などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファンおよびピポサルファンなどのアルキル・スルホネート;ベンゾドパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドパ(meturedopa)、およびウレドパ(uredopa)などのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド(triethylenethiophosphaoramide)およびトリメチロロメラミン(trimethylolomelamine)を含むエチレンイミンおよびメチラメラミン(methylamelamine)キロラムブシル(chiorambucil)、クロルナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミン・オキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビキン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン、トロホスファミド(trofosfamide)、ウラシル・マスタードなどのナイトロジェン・マスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなどのニトロソ尿素;アクラシノマイシン(aclacinomysins)、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリチェアミシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン(carminomycin)、カルチノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン(detorubicin)、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン(esorubicin)、イダルビシン、マルセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン(olivomycin)、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン(tubercidin)、ウベニベクス、ジノスタチン、ゾルビシンなどの抗生物質;メトトレキセートおよび5−フルオロウラシル(5−FU)などの代謝拮抗剤;デノプテリン(denopterin)、メトトレキセート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類縁体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類縁体;アンシタビン、アザシチジン(azacitidine)、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、5−FUなどのピリミヂン類縁体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの副腎皮質抑制剤(anti−adrenal);フロリン(frolinic)酸などの葉酸補充物;アセグラトン;アルドホスファミド・グリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル(bestrabucil);ビスアントレン(bisantrene);エダトレキセート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルチン(demecolcine);ジアジクォン;エルフォルニチン(elfornithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium);エトグルシド(etoglucid);硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;ミトガゾン(mitoguazone);ミトキサントロン;モピダモール(mopidamol);ニトラクリン(nitracrine);ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシン;ポドフィリン(podophyllinic)酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標);ラゾキサン(razoxane);シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン(triaziquone);2,2’,2”−トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトル;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えばパクリタキセル(タキソール(登録商標)、Bristol−Myers Squibb Oncology、Princeton、NJ)およびドキセタキセル(タキソテール、Rhone−Poulenc Rorer、Antony、France);クロラムブシル;ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキセート;シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金類縁体;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;GPT11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸;エスペラミシン;カペシタビン;および上記のいずれかの薬剤として許容される塩、酸または誘導体が含まれる。また、この定義には、例えばタモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼを阻害する4(5)−イミダゾール、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン(trioxifene)、ケオキシフェン(keoxifene)、LY117018、オナプリストン(onapristone)、およびトレミフェンを含む抗エストロゲン;フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリンなどの抗アンドロゲン;および上記のいずれかの薬剤として許容される塩、酸または誘導体も含まれる。
【0079】
用語「サイトカイン」は、一細胞母集団によって放出され、細胞間メディエータとして他の細胞に作用するタンパク質の総称である。このようなサイトカインの例は、リンフォカイン、モノカイン、および従来のポリペプチド・ホルモンである。サイトカインには、ヒト成長ホルモン、N−メチオニル・ヒト成長ホルモン、およびウシ成長ホルモンなどの成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;リラキシン;プロリラキシン;卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、および黄体形成ホルモン(LH)などの糖タンパク質ホルモン;肝成長因子;線維芽細胞成長因子;プロラクチン;胎盤性ラクトゲン;腫瘍壊死因子αおよびβ;ミューラー阻害物質;マウス・ゴナドトロピン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮細胞成長因子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);NGF−13などの神経成長因子;血小板成長因子;TGF−αおよびTGF−βなどのトランスフォーミング成長因子(TGF);インスリン様成長因子IおよびII;エリスロポエチン(EPO);骨誘導因子;インターフェロンα、β、およびγなどのインターフェロン;マクロファージ−CSF(M−CSF)などのコロニー刺激因子(CSF);顆粒球マクロファージ−CSF(GM−CSF);および顆粒球−CSF(G−CSF);IL−1、IL−1a、IL−2、IL−g、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−11、IL−12、IL−15などのインターロイキン(IL);TNF−αまたはTNF−βなどの腫瘍壊死因子;およびLIFおよびキット・リガンド(KL)を含む他のポリペプチド因子である。本明細書で用いる用語サイトカインには、自然源由来または組換え細胞培養液由来のタンパク質および天然配列サイトカインの生物学的に活性な等価体が含まれる。
【0080】
本出願で用いる用語「プロドラッグ」は、もとの薬物に比べて腫瘍細胞に対する細胞傷害性が低く、酵素的に活性化されるか、より活性なもとの形態に変換されることが可能である、薬剤として活性な物質の前駆体または誘導体を指す。例えば、Wilman、「Prodrugs in Cancer Chemotherapy」Biochemical Society Transactions、14、pp.375−382、615th Meeting Belfast(1986)およびStella他、「Prodrugs:A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery」、Directed Drug Delivery、Borchardt他、(編)、pp.247−267、Humana Press(1985)を参照されたい。本発明のプロドラッグには、ホスフェート含有プロドラッグ、チオホスフェート含有プロドラッグ、サルフェート含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、D−アミノ酸修飾プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、13−ラクタム含有プロドラッグ;場合によって置換されたフェノキシアセトアミド含有プロドラッグまたは場合によって置換されたフェニルアセトアミド含有プロドラッグ、5−フルオロシトシンおよびより活性な細胞傷害性遊離薬物に変換することができる他の5フルオロウリジン・プロドラッグが含まれるが、これらに限定されるものではない。本発明で用いるためにプロドラッグ体に誘導体化することができる細胞傷害性薬物の例には、前述の化学療法剤が含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0081】
「リポソーム」は、薬物(本明細書に開示されたアンタゴニストおよび、場合によっては化学療法剤)を哺乳動物に送達するのに有用な、様々なタイプの脂質、リン脂質および/または界面活性剤からなる小胞である。リポソームの成分は、一般に生体膜の脂質配列と同様に二重層を形成するように配置する。
【0082】
用語「添付文書」は、習慣的に治療薬の商業包装に含められる指示書を指すために用いられ、このような治療薬の使用法に関する適応、用法、用量、投与、禁忌および/または警告についての情報を含む。
【0083】
抗体の製造
本発明は、CD20およびCD22に対する抗体を用いる。これらの抗体は知られている方法によって提供される。前述のように、これらの両抗原に対する抗体はよく知られている。
【0084】
本明細書に従って用いられる抗体を製造するための典型的な技法を記載する。
【0085】
(i)ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体は、複数回の関連抗原およびアジュバントの皮下(sc)または腹腔内(ip)注射により動物で作製することが好ましい。免疫すべき動物種において免疫原性であるタンパク質、例えばキーホールリンペットヘモシニアン、血清アルブミン、ウシ・サイログロブリン、または大豆トリプシンインヒビターに、二官能性または誘導化剤、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基による結合)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基により)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl2、またはR1N=C=NR(RおよびR1は異なるアルキル基)を用いて関連抗原を結合させることが有用である。
【0086】
例えば、タンパク質または複合体100μgまたは5μg(それぞれ、ウサギまたはマウスの場合)を3倍量のフロイント完全アジュバントと混合し、複数の部位に溶液を皮内注射することにより、動物を抗原、免疫原性複合体、または誘導体に対して免疫にする。1ヶ月後、フロイント完全アジュバントに溶かした当初の1/5から1/10量のペプチドまたは複合体で、複数部位に皮下注射して、動物を追加免疫する。7から14日後、動物から採血し、抗体力価について血清をアッセイする。力価が頭打ちになるまで動物を追加免疫する。同一抗原の複合体であるが、異なるタンパク質および/または異なる架橋剤によって結合した複合体で動物を追加免疫することが好ましい。複合体はまた、タンパク質融合として組換え細胞培養で製造することができる。また、ミョウバンなどの凝集剤を適当に用い、免疫反応を亢進させる。
【0087】
(ii)モノクローナル抗体
モノクローナル抗体は、実質的に同種の抗体の母集団から得られ、すなわち母集団を含む個々の抗体は、少量存在する可能性のある天然に存在する突然変異を除いては同一である。したがって、修飾語の「モノクローナル」は、抗体の性質が個々の抗体の混合物ではないことを示す。
【0088】
例えば、モノクローナル抗体は、Kohler他、Nature、256:495(1975)によって初めて記載されたハイブリドーマ法によって製造でき、または組換えDNA法(米国特許第4,816,567号を参照)によって製造することができる。
【0089】
ハイブリドーマ法では、マウスまたはハムスターなどの他の適当な宿主動物を前述のように免疫化し、免疫化に用いられるタンパク質と特異的に結合する抗体を産生するか、産生することができるリンパ球を誘導する。あるいは、リンパ球をin vitroで免疫化してもよい。次いで、ポリエチレングリコールなどの適当な融合剤を用い、リンパ球を骨髄腫細胞と融合させ、ハイブリドーマ細胞を生成する(Goding、Monoclonal Antibodies:Principles and Practice、pp.59−103(Academic Press、1986))。
【0090】
このようにして得られたハイブリドーマ細胞を、融合していない親の骨髄腫細胞の成長または生存を阻害する1種または複数の物質を含むことが好ましい適当な培地中に播種し、培養する。例えば、親の骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠いている場合には、ハイブリドーマ用の培地は通常、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン(HAT培地)を含み、これらの物質はHGPRT欠損細胞の成長を妨げる。
【0091】
好ましい骨髄腫細胞は、効率よく融合し、選択された抗体産生細胞による安定した高レベルな抗体の産生を支え、HAT培地などの培地に感受性である細胞である。これらの細胞のうち、好ましい骨髄腫細胞株は、Salk Institute Cell Distribution Center、San Diego、California、USAから入手できるMOPC−21およびMPC−11マウス腫瘍、ならびにAmerican Type Culture Collection、Manassas、Virginia、USAから入手できるSP−2またはX63−Ag8−653細胞に由来するようなマウス骨髄腫系である。ヒト・モノクローナル抗体の産生については、ヒト骨髄腫およびマウス−ヒト・ヘテロ骨髄腫も記載されている(Kozbor、J.Immunol.、133:300 1(1984);Brodeur他、Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications、pp.51−63(Marcel Dekker、Inc.、New York、1987))。
【0092】
抗原を対象とするモノクローナル抗体の産生について、ハイブリドーマ細胞が培養されている培地をアッセイする。ハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降またはラジオイムノアッセイ(RIA)もしくは酵素免疫吸着法(ELISA)などのin vitroにおける結合アッセイによって測定する。
【0093】
モノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、Munson他、Anal.Biochem.、107:220(1980)の30回のスキャッチャード解析によって測定することができる。
【0094】
所望の特異性、親和性および/または反応性の抗体を産生するハイブリドーマを特定した後、クローンを限界希釈法によりサブクローニングし、標準法によって培養することができる(Goding、Monoclonal Antibodies:Principles and Practice、pp.59−103(Academic Press、1986)。この目的に適した培地には、例えばD−MEMまたはRPML−1640培地が含まれる。さらに、動物における腹水腫瘍として、ハイブリドーマ細胞をin vivoで増殖させることができる。
【0095】
サブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体は、例えば、タンパク質A−セファロース、ヒドロキシアパタイト・クロマトグラフィ、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティ・クロマトグラフィなどの従来の免疫グロブリン精製手順により、培地、腹水、または血清から適当に分離する。
【0096】
モノクローナル抗体をコードするDNAは容易に単離され、従来の手順を用いて配列決定される(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子と特異的に結合することができるオリゴヌクレオチド・プローブを用いることにより)。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましいソースとして働く。単離したら、発現ベクター中にDNAをセットし、次いで大腸菌細胞、サルのCOS細胞、チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞などの、別な方法では免疫グロブリンタンパク質を産生しない宿主細胞中に形質移入し、組換え宿主細胞中でモノクローナル抗体を合成させる。抗体をコードするDNAの細菌における組換え発現に関する総論には、Skerra他、Curr.Opinion in Immunol.、5:256−262(1993)およびPluckthun、Immunol.Revs.、130:151−188(1992)が含まれる。
【0097】
CD20またはCD22に対して反応性の特異的抗体、または抗体フラグメントを作製する別の方法は、CD20またはCD22タンパク質またはペプチドにより細菌中で発現した、免疫グロブリン遺伝子、またはその一部をコードする発現ライブラリーをスクリーニングすることである。例えば、ファージ発現ライブラリーを用い、完全なFabフラグメント、VH領域およびFv領域を細菌中で発現することができる。例えば、Ward他、Nature 341:544−546(1989);Huse他、Science 246:1275−1281(1989);およびMcCafferty他、Nature 348:552−554(1990)を参照されたい。このようなライブラリーを、例えばCD22またはCD20ペプチドを用いてスクリーニングすると、CD22またはCD20と反応性の免疫グロブリンフラグメントを特定することができる。あるいは、SCID−huマウス(Genpharmから入手できる)を用い、抗体またはそのフラグメントを産生させることができる。
【0098】
他の実施形態では、McCafferty他、Nature 348:552−554(1990)に記載の技法を用いて作製した抗体ファージライブラリーから抗体または抗体フラグメントを単離することができる。Clackson他、Nature、352:624−628(1991)およびMarks他、J.Mol.Biol.、222:581−597(1991)は、それぞれファージライブラリーを用いるマウスおよびヒト抗体の単離について記載している。次の公表文献は、チェーン・シャッフリング(chain shuffling)(Marks他、Bio/Technology、10:779−783(1992))、ならびに極めて大きなファージライブラリーを構築するための戦略としての組合せ感染およびin vivoにおける組換え(Waterhouse他、Nuc.Acids.Res.、21:2265−2266(1993))による高親和性(nM範囲)のヒト抗体の産生について記載している。したがって、これらの技法は、モノクローナル抗体を単離するための従来のモノクローナル抗体ハイブリドーマ技法の実行可能な代替法である。
【0099】
また、例えば、相同的なマウス配列をヒト重鎖および軽鎖定常ドメインのコード配列で置換することにより(米国特許第4,816,567号;Morrison、他、Proc.Natl Acad.ScL USA、81:6851(1984))、または免疫グロブリン・コード配列すべてもしくは非免疫グロブリン・ポリペプチドのコード配列の一部に共有結合させることによりDNAを修飾することができる。
【0100】
通常、このような非免疫グロブリンポリペプチドで抗体の定常ドメインを置換するか、抗体の一抗原結合部位の可変ドメインを置換し、抗原に対して特異性を有する1種の抗原結合部位および異なる抗原に対して特異性を有する別の抗原結合部位を含むキメラ二価抗体を作製する。
【0101】
(iii)ヒト化抗体
ヒト以外の抗体をヒト化する方法は、当技術分野で記載されてきた。ヒト化抗体は、ヒト以外であるソースからヒト化抗体に導入された1種または複数のアミノ酸残基を有することが好ましい。これらのヒト以外のアミノ酸残基は、しばしば「輸入(import)」残基と呼ばれ、通常は「輸入」可変ドメインから選ばれる。ヒト化は、基本的にWinterおよび共同研究者(Jones他、Nature、321:522−525(1986);Reichmann他、Nature、332:323−327(1988);Verhoeyen他、Science、239:1534−1536(1988))の方法に従い、超可変領域配列で対応するヒト抗体の配列を置き換えることによって行うことができる。したがって、このような「ヒト化抗体」はキメラ抗体であり(米国特許第4,816,567号)、実質的に原型とは言えないヒト可変ドメインは、対応するヒト以外の種に由来する配列によって置換されている。実際、ヒト化抗体は、通常一部の超可変領域配列およびおそらく一部のFR残基が、齧歯類抗体における類似の部位に由来する残基によって置換されたヒト抗体である。
【0102】
ヒト化抗体を作製するのに用いられる軽鎖および重鎖のヒト可変ドメインの選択は、抗原性を減らすのに極めて重要である。いわゆる「最良適合(best−fit)」法に従い、齧歯類抗体の可変領域の配列を、知られているヒト可変ドメイン配列の全ライブラリーについてスクリーニングする。次いで、齧歯類の配列に最も近いヒト配列をヒト化抗体用のヒト・フレームワーク領域(FR)として受け入れる(Suns他、J.Immunol.、151:2296(1993);Chothia他、J.Mol.Biol、196:901(1987))。別の方法は、軽鎖または重鎖の特定のサブグループのすべてのヒト抗体のコンセンサス配列に由来する特定のフレームワーク領域を用いる。いくつかの異なるヒト化抗体に対して同一のフレームワークを用いることができる(Carter他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:4285(1992);Presta他、J.Immunol.、151:2623(1993))。
【0103】
さらに重要なのは、抗原に対する高い親和性および他の好ましい生物学的特性を保持しつつ抗体をヒト化することである。この目標を達成するためには、好ましい方法に従い、親配列およびヒト化配列の三次元モデルを用いる親配列および様々な概念的ヒト化生成物の解析プロセスにより、ヒト化抗体を調製する。三次元免疫グロブリンモデルは一般に利用でき、当業者にはよく知られている。選択された免疫グロブリン配列候補の予想される三次元コンホメーション構造を図示および表示するコンピュータ・プログラムが利用できる。これらの表示を検討することにより、免疫グロブリン配列候補が機能する際に考え得る残基の役割の解析、すなわち免疫グロブリン候補がその抗原と結合する能力に影響を及ぼす残基の解析が可能になる。このようにして、標的抗原に対する親和性の増加などの望ましい抗体特性が達成されるように、レシピエントおよび輸入配列からFR残基を選択および組み合わせることができる。一般に、超可変領域残基が、抗原結合に影響を及ぼすことに直接かつ最も実質的に関与する。
【0104】
(iv)霊長類化抗体
組換え抗体を作製するための極めて効率的な別の手段が、Newman、Biotechnology、10:1455−1460(1992)によって開示されている。より具体的には、この技法により、サル可変ドメインおよびヒト定常配列を含む霊長類化抗体が作製される。この参考文献の全体を参照により本明細書に組み込む。さらに、この技法は、1995年1月25日出願の同一出願人による米国出願番号08/379,072にも記載されており、この出願は1992年7月10日出願の米国出願番号07/912,292の継続であり、この出願は1992年3月23日出願の米国出願番号07/856,281の一部継続であり、この出願は1991年7月25日出願の米国出願番号07/735,064の一部継続である。08/379,072およびその親出願のすべてを参照により本明細書に組み込む。
【0105】
この技法は、ヒトに投与することによって抗原として拒絶されないように抗体を修飾する。この技法は、ヒト抗原または受容体によるカニクイザルの免疫化に基づく。この技法は、ヒト細胞表面抗原を対象とする高い親和性のモノクローナル抗体を作製するために開発された。
【0106】
ファージディスプレイライブラリーまたはCD20もしくはCD22で免疫化したサルからのBリンパ球を用いて得られるサル・ヘテロハイブリドーマをスクリーニングすることによるヒトCD20またはCD22に対するマカク抗体の同定は、その全体を参照により本明細書に組み込む、1995年6月7日出願の同一出願人による米国出願番号08/487,550に記載の方法によって行うことができる。
【0107】
これらの出願に記載の方法を用いて作製した抗体は、ヒト・エフェクター機能を示し、低い免疫原性、および長い血清半減期を有すると報告されている。この技術は、カニクイザルが系統的にはヒトに類似しているという事実にもかかわらず、カニクイザルは依然としてヒト抗体を異物と認識して免疫反応を示すという事実に基づいている。さらに、カニクイザルは系統的にはヒトに近いため、これらのサルで作製された抗体は、ヒトで産生される抗体と高度なアミノ酸相同性を有することが見出されている。実際に、マカク免疫グロブリンの軽鎖および重鎖可変領域遺伝子の配列決定後に、各遺伝子ファミリーの配列がそのヒト対応物と85〜98%相同であることが見出された(Newman他、1992)。このようにして作製された最初の抗体である抗CD4抗体は、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域のコンセンサス配列と91〜92%相同であった(Newman他、1992)。
【0108】
(v)ヒト抗体
ヒト化の代替法として、ヒト抗体を作製することできる。例えば、免疫化により、内因性の免疫グロブリン産生がない状態でヒト抗体のすべてのレパートリーを産生することができるトランスジェニック動物(例えばマウス)を生み出すことが今や可能である。例えば、キメラおよび構造遺伝子変異マウスにおける抗体重鎖結合領域PH)遺伝子の同型接合的な欠失は、内因性抗体産生の完全な阻害をもたらすことが記載されている。このような構造遺伝子変異マウスにおけるヒト生殖細胞免疫グロブリン遺伝子配列の移動は、抗原チャレンジによるヒト抗体の産生をもたらすはずである。例えば、Jakobovits他、Proc.Mad.Acad.Sci.USA、90:255 1(1993);Jakobovits他、Nature、362:255−258(1993);Bruggermann他、Year in immuno.、7:33(1993);ならびに米国特許第5,591,669号、第5,589,369号および第5,545,807号を参照されたい。
【0109】
あるいは、ファージディスプレイ技術(McCafferty他、Nature 348:552−553(1990))を用い、非免疫化ドナーに由来する免疫グロブリン可変(V)ドメイン遺伝子レパートリーから、in vitroでヒト抗体および抗体フラグメントを製造することができる。この技法によれば、抗体Vドメイン遺伝子を、M13またはfdなどの糸状バクテリオファージの主要または副次コート・タンパク質遺伝子中にフレーム単位でクローニングし、ファージ粒子の表面上の機能性抗体フラグメントとして発現させる。糸状粒子はファージ・ゲノムの一本鎖DNAコピーを含むため、抗体の機能性に基づく選択は、それらの特性を示す抗体をコードする遺伝子の選択にもつながる。すなわち、ファージは、B細胞の特性の一部を模倣する。ファージディスプレイは、様々なフォーマットで行うことができる。それらの総説に関しては、Johnson、Kevin S.およびChiswell、David J.、Current Opinion in Structural Biology 3:564−571(1993)を参照されたい。ファージディスプレイにはいくつかのV遺伝子セグメント源を用いることができる。Clackson他、Nature、352:624−628(1991)は、免疫化マウスの脾臓に由来するV遺伝子の小さなランダム組合せライブラリーから様々な抗オキサゾロン抗体を単離した。非免疫化ヒト・ドナーに由来するV遺伝子のレパートリーを構築し、様々な抗原(自己抗原を含む)に対する抗体を、基本的にMarks他、J.Mol.Biol.、222:581−597(1991)、またはGriffith他、EMBO J.12:725−734(1993)によって記載された技法に従って単離することができる。米国特許第5,565,332号および第5,573,905号も参照されたい。
【0110】
また、ヒト抗体は、in vitroの活性化B細胞によって作製することができる(米国特許第20 5,567,610号および第5,229,275号を参照)。SCIDマウスを用いてヒト抗体を作製する好ましい手段は、同一所有の同時係属出願に開示されている。
【0111】
(vi)抗体フラグメント
抗体フラグメントの製造には様々な技法が開発されている。伝統的に、これらのフラグメントは、原型抗体のタンパク質分解性消化により得られていた(例えば、Morimoto他、Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107−117(1992)およびBrennan他、Science、229:81(1985)を参照)。しかしながら、現在これらのフラグメントは組換え宿主細胞により直接製造することができる。例えば、前述の抗体ファージ・ファイブラリーから抗体フラグメントを単離することができる。あるいは、Fab’−SHフラグメントを大腸菌から直接回収し、化学的にカップリングさせてF(ab’)2フラグメントを生成することができる(Carter他、Bio/Technology 10:163−167(1992))。別の手法に従い、組換え宿主細胞培養液からF(ab’)2フラグメントを直接単離することができる。抗体フラグメントを製造するための他の技法は当業者に明らかである。他の実施形態では、最適な抗体は単鎖Fvフラグメント(scFv)である。WO93/16185;米国特許第5,571,894号;および米国特許第5,587,458号を参照されたい。また、抗体フラグメントは、例えば米国特許第5,641,870号に記載の「リニア抗体」であってもよい。このようなリニア抗体フラグメントは単一特異性または二重特異性であってもよい。
【0112】
(vii)二重特異性抗体
二重特異性抗体は、少なくとも2種類の異なるエピトープに対して結合特異性を有する抗体である。典型的な二重特異性抗体は、B細胞表面マーカーの2種類の異なるエピトープと結合することができる。他のこのような抗体は、第一のB細胞マーカーと結合し、さらに第二のB細胞表面マーカーと結合することができる。あるいは、B細胞に対する細胞性防御機構に集中するように、抗B細胞マーカー結合アームを、T細胞受容体分子(例えば、CD2またはCD3)、またはFcyRI(CD64)、FcyRII(CD32)およびFcyRIII(CD16)などのIgGのFc受容体(FcyR)などの、白血球上のトリガ分子と結合するアームと組み合わせることができる。二重特異性抗体を用い、B細胞に細胞傷害性薬剤を局在化させることもできる。これらの抗体は、B細胞マーカー結合アームおよび細胞傷害性薬剤(例えば、サポニン、抗インターフェロンα、ビンカ・アルカロイド、リシンA鎖、メトトレキセートまたは放射性同位体ハプテン)と結合するアームを有している。二重特異性抗体は、完全長抗体または抗体フラグメントとして調製することができる(例えば、F(ab)2二重特異性抗体)。
【0113】
二重特異性抗体を製造する方法は当技術分野で知られている。従来の完全長二重特異性抗体の製造は、2本の免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の同時発現に基づいており、この場合、2本の鎖は異なる特異性を有している(Millstein他、Nature、305:537−539(1983))。免疫グロブリン重鎖および軽鎖のランダムな組合せのため、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は10種類の異なる抗体分子の混合物を産生し、このうち1種類のみが正しい二重特異性構造を有している。正しい分子の精製は通常アフィニティ・クロマトグラフィ・ステップによって行われるが、どちらかと言えば面倒で、生成物収量も低い。同様の手順は、WO93/08829、およびTraunecker他、EMBO J.、10:3655−3659(1991)に開示されている。
【0114】
異なる手法によれば、所望の結合特異性を有する抗体可変ドメイン(抗体−抗原結合部位)を免疫グロブリン定常ドメイン配列と融合する。この融合は、ヒンジの少なくとも一部、CH2およびCH3領域を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインによることが好ましい。少なくとも1種類の融合物中に存在する、軽鎖結合に必要な部位を含む最初の重鎖定常領域(CHI)を有することが好ましい。免疫グロブリン重鎖融合物および望ましい場合には免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAを、別の発現ベクターに挿入し、適当な宿主生物体中に同時形質移入する。このことは、構築に用いる3種類のポリペプチド鎖の比が一様でないことが最適収量をもたらす実施形態において3種類のポリペプチド・フラグメントの相互の割合を調整する際に大きな柔軟性を提供する。しかしながら、少なくとも2種類のポリペプチド鎖が等しい比で発現すると高収量が得られるか比が特別の意味を持たない場合には、2種類または3種類すべてのポリペプチド鎖のコード配列を1種類の発現ベクター中に挿入することが可能である。
【0115】
この手法の好ましい実施形態では、二重特異性抗体は、一方のアームにある第一の結合特異性を有するハイブリッド免疫グロブリン重鎖、および他方のアームにあるハイブリッド免疫グロブリン重鎖−軽鎖対(第二の結合特異性を提供する)からなる。この非対称の構造が望ましくない免疫グロブリン鎖の組合せからの所望の二重特異性化合物の分離を容易にするのは、二重特異性分子の半分だけに免疫グロブリン軽鎖が存在することが容易な分離様式を提供するためであることが分かった。この手法はWO94/04690に開示されている。二重特異性抗体を作製するための詳細については、例えば、Suresh他、Methods in Enzymology、121:210(1986)を参照されたい。
【0116】
米国特許第5,731,168号に記載の別の手法によれば、一対の抗体分子間の境界面を設計して、組換え細胞培養液から回収されるヘテロ二量体の割合を最大にすることができる。好ましい境界面は、抗体定常ドメインのCH3ドメインの少なくとも一部を含む。この方法では、第一の抗体分子の境界面からの1種または複数の小さなアミノ酸側鎖をより大きな側鎖(例えば、チロシンまたはトリプトファン)で置き換える。大きなアミノ酸側鎖をより小さなアミノ酸側鎖(例えば、アラニンまたはスレオニン)で置き換えることにより、大きな側鎖と同一または類似したサイズの代償的「空洞」を第二の抗体分子上に作製する。このことは、ホモ二量体などの他の望ましくない最終生成物上回ってヘテロ二量体の収量を増加するための機序を提供する。
【0117】
二重特異性抗体には、架橋または「ヘテロ複合体」抗体が含まれる。例えば、ヘテロ複合体における一方の抗体はアビジンと連結させ、他方はビオチンと連結させることができる。例えば、このような抗体は、望ましくない細胞に対して免疫系細胞を標的とし(米国特許第4,676,980号)、HIV感染の治療用(WO91/00360、WO92/200373、およびEP03089)に提案されている。ヘテロ複合体抗体は、便利などのような架橋法を用いても製造することができる。適当な架橋剤は当技術分野ではよく知られており、多くの架橋技法と共に米国特許第4,676,980号に記載されている。
【0118】
抗体フラグメントから二重特異性抗体を作製する技法も文献中に記載されている。例えば、化学結合を用いて二重特異性抗体を調製することができる。Brennan他、Science、229:81(1985)は、原型抗体をタンパク質分解的に切断してF(ab’)2フラグメントを作製する手順について記載している。これらのフラグメントは、隣接ジチオールを安定化し分子間ジスルフィド形成を防ぐためのジチオール錯化剤砒酸ナトリウムの存在下で還元される。次いで、生成したFab’フラグメントをチオニトロベンゼン(TNB)誘導体に変換する。次いで、Fab’−TNB誘導体の一方をメルカプトエチルアミンで還元することによりFab’−チオールに再変換し、等モル量の他方のFab’−TNB誘導体と混ぜて二重特異性抗体を生成する。製造した二重特異性抗体は、酵素の選択的固定化用薬剤として使用することができる。
【0119】
最近の進歩は、大腸菌からのFab’−SHフラグメントの直接回収を容易にし、これを化学的にカップリングして二重特異性抗体を生成することができる。Shalaby他、J.Exp.Med.、175:217−225(1992)は、完全にヒト化された二重特異性抗体F(ab’)2分子の製造について記載している。各Fab’フラグメントは大腸菌から別々に分泌され、in vitroにおける有向化学カップリングを受けて二重特異性抗体を生成した。このように生成した二重特異性抗体は、ErbB2受容体を過発現する細胞および正常なヒトT細胞と結合するばかりでなく、ヒト乳癌標的に対するヒト細胞傷害性リンパ球の溶解活性を誘発することができた。
【0120】
組換え細胞培養液から直接二重特異性抗体を製造および単離する様々な技法も記載されている。例えば、ロイシン・ジッパーを用いて二重特異性抗体が製造されている。Kostelny他、J.Immunol.148(5):1547−1553(1992)。FosおよびJunタンパク質からのロイシンジッパーペプチドを遺伝子融合により、2つの異なる抗体のFab’部分に連結した。ヒンジ領域で抗体ホモ二量体を還元して単量体を生成させ、次いで再酸化して抗体ヘテロ二量体を生成させた。この方法は抗体ホモ二量体の製造にも利用することができる。Hollinger他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:6444−6448(1993)によって記載された「ダイアボディ(diabody)」技術は、二重特異性抗体フラグメントを製造するためのもう1つの機序を提供した。これらのフラグメントは、同一の鎖上の2個のドメイン間で対になることができない長さのリンカーを用いることにより軽鎖可変ドメイン(VL)と連結した重鎖可変ドメイン(VH)を含む。したがって、一方のフラグメントのVHおよびVLドメインは、他方のフラグメントの相補的VHおよびVLドメインと対にならざるを得ないことにより、2種類の抗原結合部位が形成する。単鎖Fv(sFv)二量体を用いることによる二重特異性抗体を製造する別の戦略も報告されている。Gruber他、J.Immunol.、152:5368(1994)を参照されたい。
【0121】
3個以上の結合価を有する抗体も企図されている。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tutt他、J.Immunol.147:60(1991)。
【0122】
抗体複合体および他の修飾
本療法には、まず、放射標識CD22抗体以外の、抗体が、例えば、細胞毒素または治療成分複合体と結合した抗体の投与が含まれる。
【0123】
このような抗体−化学療法剤複合体の作製に有用な化学療法剤は上記に記載した。
【0124】
抗体ならびにカリチェアミシン、メイタンシン(米国特許第5,208,020号)、トリコテン(trichothene)、およびCC1065などの1種または複数の小さな分子毒素の複合体も本明細書では企図されている。本発明の好ましい一実施形態では、アンタゴニストを1個または複数のメイタンシン分子と結合させる(例えば、アンタゴニスト分子1個当たり約1から約10個のメイタンシン分子)。例えば、メイタンシンをMaySS−Meに変換し、それを還元してMay−SH3とし、修飾アンタゴニストと反応させて(Charm他、Cancer Research 52:127−131(1992))メイタンシノイド−アンタゴニスト複合体を生成することができる。
【0125】
あるいは、抗体を1個または複数のカリチェアミシン分子と結合させることができる。カリチェアミシン・ファミリーの抗生物質は、ピコモル以下の濃度で二本鎖DNAの切断を引き起こすことができる。用いることができるカリチェアミシンの構造類縁体には、γ1 I、α2 I、α3 I、N−アセチルγ1 I、PSAGおよびO1 Iが含まれるが、これらに限定されるものではない(Hinman他、Cancer Research 53:3336−3342(1993)およびLode他、Cancer Research 58:2925−2928(1998))。
【0126】
用いることができる酵素的に活性な毒素およびそのフラグメントには、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、外毒素A鎖(緑膿菌由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ・サルシン、シナアブラギリ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、およびPAP−S)、ゴーヤー(momordica charantia)阻害剤、クルシン(curcin)、クロチン、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)およびトリコテシンが含まれる。例えば、1993年10月28日公開のWO93/21232を参照されたい。
【0127】
さらに、本発明は核酸分解(nucleolytic)活性を有する化合物(例えば、リボヌクレアーゼまたはデオキシリボヌクレアーゼなどのDNAエンドヌクレアーゼ;DNase)と結合した抗体を企図している。
【0128】
前述のように、放射性結合(radioconjugated)アンタゴニストの製造には、様々な放射性同位体が利用できる。例には、At211、I131、I125、Y90、Re186、RE188、Sm153、Bi212、P32およびLuの放射性同位体が含まれる。
【0129】
抗体と細胞傷害性薬剤の複合体は、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリイルジチオール)プロピオネート(SPDP)、スクシニミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、イミノチオラン(IT)、イミドエステルなどの二官能性誘導体(ジメチル・アジピミデート(adipimidate)HCLなど)、活性エステル(スベリン酸ジスクシンイミヂルなど)、アルデヒド(グルタルアルデヒドなど)、ビス−アジド化合物(ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミンなど)、ビス−ジアゾニウム誘導体(ビス(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミンなど)、ジイソシアネート(トリエン(tolyene)2,6−ジイソシアネートなど)、およびビス−活性フッ素化合物(1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)などの様々な二官能性タンパク質カップリング剤を用いて製造することができる。例えば、リシン免疫毒素は、Vitetta他、Science 238:1098(1987)に記載のように調製することができる。炭素−14−標識1イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレン・トリアミン5酢酸(MX−DTPA)は、放射性核種とアンタゴニストを結合させる典型的なキレート剤である。WO94/11026を参照されたい。リンカーは、細胞内の細胞傷害性薬物の放出を容易にする「切断可能なリンカー」であってもよい。例えば、酸に不安定なリンカー、ペプチダーゼ感受性リンカー、ジメチル・リンカーまたはジスルフィド含有リンカー(Charm他、Cancer Research 52:127−131(1992))を使用することができる。
【0130】
あるいは、抗体および細胞傷害性薬剤を含む融合タンパク質を、例えば、組換え体技法またはペプチド合成によって製造することができる。
【0131】
さらに別の実施形態では、アンタゴニスト−受容体複合体を患者に投与し、続いて除去剤(clearing agent)を用いて未結合の複合体を循環から除去し、次いで細胞傷害性薬剤(例えば、放射性ヌクレオチド)と結合した「リガンド」(例えば、アビジン)を投与する腫瘍のプレターゲティング(pretargeting)に利用するために、抗体を「受容体」(ストレプトアビジン)と結合させることができる。
【0132】
また、本発明の抗体は、プロドラッグ(例えば、ペプチジル化学療法剤、WO81/01145を参照)を活性な抗癌剤に変換するプロドラッグ活性化酵素と結合させることができる。例えば、WO88/07378および米国特許第4,975,278号を参照されたい。
【0133】
このような複合体の酵素成分には、プロドラッグをより活性な細胞傷害性の形態に変換するような方法でプロドラッグに作用することができるいずれの酵素も含まれる。
【0134】
本発明の方法で有用な酵素には、ホスフェート含有プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用なアルカリ・ホスファターゼ;サルフェート含有プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用なアリールスルファターゼ;非毒性の5−フルオロシトシンを抗癌剤フルオロウラシルに変換するのに有用なシトシンデアミナーゼ;ペプチド含有プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用である、セラチア・プロテアーゼ、サーモリシン、スブチリシン、カルボキシペプチダーゼおよびカテプシン(カテプシンBおよびLなど)などのプロテアーゼ;D−アミノ酸置換基を含むプロドラッグを変換するのに有用なD−アラニルカルボキシペプチダーゼ;グリコシル化プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用な、13−ガラクトシダーゼおよびノイラミニダーゼなどの炭水化物切断酵素;13−ラクタムで誘導体化された薬物を遊離薬物に変換するのに有用な13−ラクタマーゼ;ならびにペニシリンVアミダーゼまたはペニシリンGアミダーゼなどの、それぞれフェノキシアセチルまたはフェニルアセチル基によりアミン窒素で誘導体化された薬物を遊離薬物に変換するのに有用なペニシリン・アミダーゼが含まれるが、これらに限定されるものではない。あるいは、当技術分野では「アブザイム」という別名でも知られる酵素活性を有する抗体を用い、本発明のプロドラッグを遊離の活性薬物に変換することができる(例えば、Massey、Nature 328:457−458(1987))。アブザイムを腫瘍細胞母集団へ送達するために、本明細書に記載のようにしてアンタゴニスト−アブザイム複合体を調製することができる。
【0135】
本発明の酵素は、前述のヘテロ二官能性架橋剤の使用などの当技術分野でよく知られている技法により、アンタゴニストと共有結合させることができる。あるいは、当技術分野でよく知られている組換えDNA技法を用い、少なくとも本発明の酵素の機能的に活性な部分と連結した、少なくとも本発明のアンタゴニストの抗原結合領域を含む融合タンパク質を構築することができる(例えば、Neuberger他、Nature、312:604−608(1984)を参照)。
【0136】
抗体の他の修飾も本明細書では企図されている。例えば、抗体を、様々な非タンパク質ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、またはポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのコポリマーの1つの連結させることができる。
【0137】
また、本明細書に開示された抗体をリポソームとして製剤化することができる。アンタゴニストを含有するリポソームは、Epstein他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、82:3688(1985);Hwang他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77:4030(1980);米国特許第4,485,045号および第4,544,545号;ならびに1997年10月23日公開のWO97/38731に記載のような当技術分野で知られている方法によって調製される。循環時間が増加したリポソームは、米国特許第5,013,556号に開示されている。
【0138】
特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロールおよびPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物を用い、逆相気化法によって作製することができる。規定の孔径のフィルターによりリポソームを押し出すと、所望の直径を有するリポソームが得られる。本発明の抗体のFab’フラグメントを、ジスルフィド交換反応により、Martin他、J.Biol.Chem.257:286−288(1982)に記載のようにリポソームと結合させることができる。場合により、化学療法剤がリポソーム中に入れられる。Gabizon他、J.National Cancer Inst.81(19)1484(1989)を参照されたい。
【0139】
本明細書に記載のタンパク質またはペプチドアンタゴニストのアミノ酸配列修飾が企図されている。例えば、抗体の結合親和性および/または他の生物学的特性を改良することが望ましい。抗体のアミノ酸配列変異体は、抗体をコードする核酸に適当なヌクレオチド変化を導入することにより、またはペプチド合成によって調製される。このような修飾には、例えば、アンタゴニストのアミノ酸配列内の残基からの削除、および/または残基への挿入および/または残基の置換が含まれる。最終構築物に達するには削除、挿入、および置換のいかなる組合せも行われるが、ただし最終構築物は所望の特性を有する。また、アミノ酸変化は、グリコシル化部位の数または位置を変化することなどのアンタゴニストの翻訳後プロセスを変化させることがある。
【0140】
変異誘発に好ましい位置である抗体の特定の残基または領域を同定するための有用な方法は、CunninghamおよびWells Science、244:1081−1085(1989)によって記載されたように「アラニン・スキャニング変異誘発」と呼ばれている。ここで、残基または標的残基の群は特定されており(例えば、arg、asp、his、lys、およびgluなどの荷電残基)、中性または負に荷電したアミノ酸(アラニンまたはポリアラニンが最も好ましい)によって置き換えてアミノ酸と抗原との相互作用に影響を及ぼす。次いで、置換部位に、または置換部位用にさらにまたは他の変異体を導入することにより、置換に対して機能的感受性を示すアミノ酸位置を精製する。したがって、アミノ酸配列変化を導入する場所は予め決まられていても、変異自体の性質が予め決められる必要はない。例えば、所与の部位における変異の能力を分析するためには、標的コドンまたは領域でalaスキャニングまたはランダム変異誘発を行い、発現したアンタゴニスト変異体を所望の活性についてスクリーニングする。
【0141】
アミノ酸配列挿入には、長さが1個の残基から100以上の残基を含むポリペプチドまで及ぶアミノおよび/またはカルボキシ末端融合物、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入が含まれる。末端挿入の例には、N−末端メチオニル残基を有するアンタゴニストまたは細胞傷害性ポリペプチドに融合したアンタゴニストが含まれる。アンタゴニスト分子の他の挿入変異体には、酵素のアンタゴニストのNもしくはC末端、またはアンタゴニストの血清中半減期を増加するポリペプチドとの融合物が含まれる。
【0142】
別のタイプの変異体はアミノ酸置換変異体である。これらの変異体は、アンタゴニスト分子中に異なる残基によって置き換えられた少なくとも1個のアミノ酸残基を有する。抗体アンタゴニストの置換変異誘発にとって最も興味のある部位には超可変領域が含まれるが、FR変化も企図されている。表1には、「好ましい置換」という見出しの下に保存的置換を示す。このような置換が生物活性の変化をもたらす場合には、表1において「典型的置換」と呼ばれる、またはアミノ酸の種類に関して後述するようなより実質的な変化を導入し、生成物をスクリーニングすることができる。
【0143】
抗体の生物学的特性における実質的な変化は、(a)置換の領域におけるポリペプチド主鎖の構造、例えばシートもしくはラセン立体配座、(b)標的部位における分子の電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖の大きさを維持することに対する作用が著しく異なる置換を選択することによって行われる。天然に存在する残基は、共通の側鎖特性に基づいていくつかの群に分けられる。
(1)疎水性:ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile;
(2)中性ハイドロフィウイック(hydrophiuic):cys、ser、thr;
(3)酸性:asp、glu;
(4)塩基性:asn、gln、his、lys、arg;
(5)鎖の配向性に影響を与える残基:gly、pro;および
(6)芳香族:trp、tyr、phe。
【0144】
非保存的置換には、これらの種類のうち1つを別の種類で交換することが必要である。
【0145】
アンタゴニストの適切な立体配置を維持することに関与しないシステイン残基を、一般的にはセリンで置換し、分子の酸化的安定性を改善し異常な架橋を防ぐことができる。逆に、アンタゴニストにシステイン残基を付加し、アンタゴニストの安定性(特に、アンタゴニストがFvフラグメントなどの抗体フラグメントである場合)を改善することができる。
【0146】
特に好ましいタイプの置換型変異体は、親抗体(例えば、ヒト化またはヒト抗体)の1個または複数の超可変領域を置換するものである。一般的に、さらなる開発のために選択される得られた変異体は、それらが作製された親抗体に比べて改善された生物学的特性を有する。このような置換型変異体を作製するための便利な方法は、ファージディスプレイを用いる親和性変異である。手短に言えば、いくつかの超可変領域部位(例えば、6〜7部位)を変異させ、各部位にすべての可能なアミノ置換を作製する。このようにして作製された抗体変異体は、糸状ファージ粒子から一価の様式で、各粒子内に詰め込まれたM13の遺伝子III産物との融合物として呈示される。次いで、ファージディスプレイされた変異体を、本明細書に開示する生物活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングする。修飾のための超可変領域部位候補を特定するために、アラニン・スキャニング変異誘発を行い、抗体結合に大きく寄与する超可変領域残基を特定することができる。あるいは、またはさらに、抗原−抗体複合体の結晶構造を分析し、抗体と抗原の接点を特定することが有益であることがある。このような接触残基および隣接残基は、本明細書に記載の技法による置換の候補である。このような変異体が作製されたら変異体の一団を本明細書に記載のようにスクリーニングし、1種または複数の関連アッセイで優れた特性を有する抗体をさらなる開発のために選択することができる。
【0147】
抗体の別のタイプのアミノ酸変異体は、アンタゴニストの原グリコシル化パターンを変更する。変更とは、アンタゴニスト中に見いだされる1個または複数の炭水化物成分を除去すること、および/またはアンタゴニスト中に存在しない1個または複数のグリコシル化部位を付加することを意味する。
【0148】
ポリペプチドのグリコシル化は、通常N−結合型あるいはO−結合型である。N−結合型は、炭水化物成分のアスパラギン残基の側鎖との結合を指す。トリペプチド配列であるアスパラギン−X−セリンおよびアスパラギン−X−スレオニン(Xはプロリンを除くすべてのアミノ酸である)は、炭水化物成分のアスパラギン側鎖との酵素的結合にとっての認識配列である。したがって、ポリペプチドにおけるこれらのいずれかのトリペプチド配列の存在は、潜在的なグリコシル化部位を生み出す。O−結合型グリコシル化は、糖であるN−アセチルガラクトサミン、ガラクトース、またはキシロースのうち1つと、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセイン(seine)またはスレオニンとの結合を指すが、5−ヒドロキシプロリンまたは5−ヒドロキシリジンも使用することができる。
【0149】
抗体へのグリコシル化部位の付加は、1個または複数の前述のトリペプチド配列(N−結合型グリコシル化部位のための)を含むようにアミノ酸配列を変更することによって都合よく行われる。また、この変更は、原アンタゴニストの配列に1個または複数のセインまたはスレオニン残基を付加することにより、または1個または複数のセインまたはスレオニン残基によって置換することにより行うことができる(N−結合型グリコシル化部位のための)。
【0150】
抗体のアミノ酸配列変異体をコードする核酸分子は、当技術分野で知られている様々な方法によって調製される。これらの方法には、天然ソースからの単離(天然に存在するアミノ酸配列変異体の場合)、またはオリゴヌクレオチド媒介性(または部位特異的)変異誘発、PCR変異誘発、および前に調製した変異体またはアンタゴニストの非変異体バージョンのカセット式変異誘発が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0151】
本発明で用いる抗体を修飾してエフェクター機能を改善する、例えば、アンタゴニストの抗原依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)および/または補体依存性細胞傷害(CDC)を増強することが望ましいことがある。これは、抗体アゴニストのFc領域に1個または複数のアミノ酸置換を導入することによって達成することができる。あるいは、またはさらに、1個または複数のシステイン残基をFc領域に導入することにより、この領域中で鎖間のジスルフィド結合形成を可能にすることができる。このようにして作製されたホモ二量体抗体は、改良された内在化能力、および/または増加した補体媒介性細胞死滅および抗体依存性細胞傷害(ADCC)を有することがある。Caron他、J.Exp Med.176:1191−1195(1992)およびShopes、B.J.Immunol.148:2918−2922(1992)を参照されたい。また、Wolff他、Cancer Research 53:2560−2565(1993)に記載のヘテロ二官能性架橋剤を用い、抗腫瘍活性が増強されたホモ二量体抗体を調製することができる。あるいは、二重のFc領域を有し、それによって増強された補体溶解能およびADCC能力を有する可能性がある抗体を設計することができる。Stevenson他、Anti−Cancer Drug Design 3:219−230(1989)。
【0152】
抗体の血清中半減期を増加させるために、米国特許第5,739,277号に記載のように、抗体(特に抗体フラグメント)中にサルベージ受容体結合エピトープを組み入れることができる。本明細書で用いる用語「サルベージ受容体結合エピトープ」は、IgG分子のin vivoにおける血清中半減期の増加を引き起こすIgG分子(例えば、IgGI、IgG2、IgG3、またはIgG4)のFc領域のエピトープを指す。
【0153】
医薬製剤
本発明に従って使用される非放射性抗CD20および放射標識抗CD22抗体を含む治療用製剤は、所望の純度を有するアンタゴニストを、任意の薬剤として許容される坦体、賦形剤または安定剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences第16版、Osol、A.編(1980))と混ぜることにより、凍結乾燥製剤または水溶液の形態で保存のために調製される。許容される坦体、賦形剤、または安定剤は、用いる用量および濃度でレシピエントに対して非毒性であり、リン酸塩、クエン酸塩、および他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸およびメチオニンを含む酸化防止剤;保存剤(塩化オクタデシルジメチルベンジル・アンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルまたはベンジル・アルコール;メチルまたはプロピル・パラベンなどのアルキル・パラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む単糖類、二糖類、および他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;ショ糖、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn−タンパク質錯体);および/またはTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)もしくはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン界面活性剤が含まれる。
【0154】
これらの抗体は同一製剤中にあってもよく、異なる製剤で投与してもよい。投与は同時または連続して行うことができ、どちらの順序でも有効である。
【0155】
典型的な抗CD20抗体の製剤は、参照により本明細書に組み込むWO98/56418に記載されている。この刊行物は、pH5.0にて40mg/mL リツキシマブ、25mMアセテート、150mMトレハロース、0.9%ベンジル・アルコール、0.02%ポリソルベート20を含み、2〜8℃で最少2年の保存期間を有する液体マルチドーズ製剤について記載している。別の抗CD20製剤は、9.0mg/mL塩化ナトリウムに溶かした10mg/mL リツキシマブ、7.35mg/mLクエン酸ナトリウム2水和物、0.7mg/mLポリソルベート80、およびpH6.5の注射用滅菌水を含む。
【0156】
皮下投与に適した凍結乾燥製剤は、WO97/04801に記載されている。このような凍結乾燥製剤は、適当な希釈剤で再構成して高いタンパク質濃度とし、再構成された製剤を本明細書で治療すべき哺乳動物に皮下投与することができる。
【0157】
また、本明細書の製剤は、治療される特定の適応症に必要な2種類以上の活性化合物、好ましくは互いに悪影響を及ぼさない補完的活性を有する化合物を含むことができる。例えば、化学療法剤、サイトカインまたは免疫抑制剤(例えば、サイクロスポリンなどのT細胞に作用する薬物、またはT細胞と結合する抗体、例えば、LFA−1と結合する抗体)をさらに提供することが望ましいことがある。このような他の薬剤の有効量は、製剤中に存在するアンタゴニストの量、疾患または障害または治療のタイプ、および前述の他の要素によって異なる。これらの薬剤は前に使用したのと同一の用量および投与経路で用いるか、あるいは使用した用量の約1〜99%が用いられる。
【0158】
また、活性成分は、例えば、30コアセルベーション技法、または界面重合によって調製されたマイクロカプセル、例えば、それぞれヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン−マイクロカプセルおよびポリ−(メチルメタシレート(methylmethacylate))マイクロカプセル、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミン・ミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)、またはマイクロエマルジョン中に取り込むことができる。このような技法は、Remington’s Pharmaceutical Science、第16版、Osol、A.編(1980)に開示されている。
【0159】
徐放性製剤を調製することができる。徐放性製剤の好適な例には、アンタゴニストを含む固形の疎水性ポリマーの半透性マトリックスが含まれ、マトリックスは成形加工した部材、例えばフィルム、またはマイクロカプセルの形態である。徐放性マトリックスの例には、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸とγエチル−L−グルタメートのコポリマー、ノアール(noir)分解性エチレン−酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドからなる注射用マイクロスフェア)などの分解性乳酸−グリコール酸コポリマー、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が含まれる。in vivoの投与に用いられる製剤は無菌でなければならない。これは、無菌濾過膜を通す濾過によって容易に行われる。
【0160】
非放射性抗CD20および放射性(放射標識)抗CD22抗体または抗体フラグメントによる治療
非放射性CD20抗体、例えばリツキサン(登録商標)、放射標識抗CD22抗体として、好ましくは90Y(MXDTPAをキレートとして用いることにより放射標識された)を含む組成物を製剤化し、適量に分け、優良投薬規範(good medical practice)に合致する方法で投与する。これに関連して考慮する要素には、特定のB細胞悪性疾患、または他の状態、例えば、自己免疫、アレルギー、炎症性障害、細胞療法もしくは遺伝子療法、治療される特定の哺乳動物、各患者の臨床症状、疾患もしくは障害の原因、薬剤の送達部位、投与の方法、投与の計画、および医者に知られている他の要素が含まれる。投与されるアンタゴニストの治療上有効な量は、このような考慮によって左右される。
【0161】
CD20抗体および放射標識CD22抗体は、同一製剤中または異なる製剤中のどちらにあってもよい。これらの製剤を別々に、または同時に、かついずれの順序で投与してもよい。非放射性CD20抗体を放射標識CD22とは別々に投与することが好ましい。
【0162】
一般的事柄として、投与1回につき非経口投与される抗体の治療上有効な量は、通常1日に患者の体重1kg当たり約0.1〜500mgの範囲であり、用いられるアンタゴニストの典型的初期範囲は約2〜100mg/kgの範囲である。
【0163】
好ましい抗CD20抗体はリツキサン(登録商標)である。このような抗体に適した用量は、例えば、約20mg/m2から1000mg/m2までの範囲である。抗体の用量は、現在非ホジキンリンパ腫の治療に推奨されているリツキサン(登録商標)と同一または異なっていてもよい。例えば、実質的に375mg/m2未満の抗体、例えば投与量が約20mg/m2から約250mg/m2まで、例えば約50mg/m2から約200mg/m2までの範囲で1回または複数回患者に投与することができる。放射標識抗CD22抗体の量は、特定の治療用放射標識、例えばそれがα、βあるいはδ放出体であるか否かなどの要素によって左右される。放射線の適切な用量を決定する方法はよく知られている。骨髄細胞または幹細胞移植を必要とするほど重度な骨髄抑制をもたらさない用量が選択されることが好ましい。
【0164】
抗CD20抗体は、リツキサン(登録商標)に匹敵して、実質的なB細胞枯渇活性を有し、B細胞のアポトーシスを誘発することが好ましい。
【0165】
さらに、CD20または放射標識抗CD22抗体の1回または複数回の初期投与と、続く1回または複数回のその後の投与を、その後の投与における抗体のmg/m2投与量が初期投与における抗体のmg/m2投与量を上回って投与することができる。例えば、初期投与が約20mg/m2から約250mg/m2まで(例えば、約50mg/m2から約200mg/m2まで)の範囲であり、その後の投与が約250mg/m2から約1000mg/m2までの範囲であってもよい。
【0166】
しかしながら、前述のように、これらのCD20とCD22抗体の推奨量は共に、多くの治療的裁量を受けやすい。前述のように、適切な投与量および計画を選択する際の重要な要素は得られる結果である。例えば、進行中および急性の疾患を治療するには比較的高用量が初期には必要なことがある。最も有効な結果を得るため、特定のB細胞悪性疾患に応じ、疾患もしくは障害の最初の徴候、診断、外観もしくは出現とできる限り近く、または疾患もしくは障害の寛解中にアンタゴニストを投与する。
【0167】
抗体は、非経口、皮下、腹腔内、肺内、および鼻腔内を含む任意の好適な手段、ならびに局所免疫抑制治療が望ましい場合には病変内投与によって投与される。非経口注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与が含まれる。さらに、パルス注入により、例えば抗体の投与量を減らしながら抗体を好適に投与することができる。投与は注射によるのが好ましく、静脈内または皮下注射が最も好ましく、投与が短時間であるか長時間にわたるかに一部左右される。
【0168】
さらに、化学療法剤、免疫抑制剤および/またはサイトカインを本明細書の抗体と一緒に投与することができる。併用投与には、別々の製剤または単一の薬剤製剤を用いる同時投与、およびいずれかの順序による連続投与が含まれ、この場合、両者(またはすべての)活性薬剤がそれらの生物活性を同時に発揮する時期のあることが好ましい。
【0169】
抗体を患者に投与する他に、本出願は、遺伝子療法による抗体の投与を企図している。抗体をコードする核酸のこのような投与は、表現「治療上有効な量のアンタゴニストを投与すること」に包含される。例えば、細胞内抗体を生成するための遺伝子療法の使用法に関する1996年3月14日公開のWO96/07321を参照されたい。
【0170】
患者の細胞内に核酸(場合によりベクター中に含まれる)を入れるにはin vivoおよびex vivoという2種類の主要な手法がある。in vivo送達の場合には、通常はアンタゴニストが必要な部位で核酸を直接患者に注射する。ex vivo治療の場合には、患者の細胞を取り出し、こられの単離細胞中に核酸を導入し、修飾細胞を直接、または例えば、患者に埋め込まれた多孔質膜内に封入して投与する(例えば、米国特許第4,892,538号および第5,283,187号を参照されたい)。核酸を生細胞中に導入するために利用できる様々な技法がある。これらの技法は、核酸がin vitroで培養細胞中に運ばれるか、in vivoで対象宿主の細胞中に運ばれるかによって異なる。in vitroで哺乳動物細胞中に核酸を運ぶのに適した技法には、リポソームの使用、電気穿孔法、微量注入法、細胞融合、DEAF−デキストラン、リン酸カルシウム沈降法などが含まれる。遺伝子のex vivo送達で一般的に使用されるベクターはレトロウイルスである。
【0171】
現在のところ好ましいin vivoの核酸運搬技法には、ウイルス・ベクター(アデノウイルス、I型単純疱疹ウイルス、またはアデノ随伴ウイルス)によるトランスフェクションおよび脂質をベースとする系(遺伝子の脂質媒介性運搬に有用な脂質は、例えば、DOTMA、DOPEおよびDC−Cholである)が含まれる。ある状況では、細胞表面膜タンパク質または標的細胞に特異的な抗体、標的細胞上の受容体のリガンドなどの、標的細胞を標的とする薬剤と共に核酸源を提供することが望ましい。リポソームを用いる場合、エンドサイトーシスに関係する細胞表面膜タンパク質と結合するタンパク質、例えば、特定の細胞タイプ、循環中に内在化を受けるタンパク質、および細胞内局在化を標的とし細胞内半減期を増加させるタンパク質の抗体を刺激するカプシドタンパク質またはそのフラグメントを、標的化および/または取り込みを容易にするのに使用することができる。受容体媒介性エンドサイトーシスの技法は、例えば、Wu他、J.Biol.Chem 262:4429−4432(1987);およびWagner他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:3410−3414(1990)により記載されている。現在のところ知られている遺伝子マーキングおよび遺伝子療法のプロトコルについての総説は、Anderson他、Science 256:808−813(1992)を参照されたい。WO93/25673も参照されたい。これらの参考文献を本明細書に引用する。
【0172】
製品
本発明の別の実施形態では、前述の疾患または障害の治療に有用な材料を含む製品を提供する。
【0173】
製品は、容器および容器上または容器に付属するラベルまたは添付文書を含む。好適な容器には、例えば、瓶、バイアル、注射器などが含まれる。これらの容器はガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から作製することができる。これらの容器は、疾患および障害を治療するのに有効な組成物を保持または含み、無菌の出入り口を有することができる(例えば、容器は、静脈注射用溶液袋または皮下注射針によって穴を開けることができる栓を有するバイアルであってもよい)。全体としては、1つまたはいくつかの組成物であってもよい。これらの組成物のうち1つにおける少なくとも1種の活性薬剤は、非放射性CD20抗体、好ましくは実質的B細胞枯渇活性を有する抗体であり、少なくとも1種の抗体は、治療的に放射標識された抗CD22抗体またはフラグメント、好ましくは90Y放射標識抗体である。ラベルまたは添付文書は、この組成物が、前に列挙したようなB細胞悪性疾患もしくは他の状態またはB細胞の阻害が望ましい治療、例えば、自己免疫疾患、移植、遺伝子療法、細胞療法または炎症性状態を有するか、それらにかかりやすい患者を治療するために用いられることを示す。さらに、製品は、静菌性の注射用の水(BWFI)、リン酸緩衝食塩水、リンガー溶液およびデキストロース溶液などの薬剤として許容される緩衝液を含む第二の容器を含むことができる。さらに、製品は、商業的立場および使用者の立場から所望され、他の緩衝液、希釈液、フィルター、針、および注射器を含む他の材料を含むことができる。
【0174】
本発明の詳細を、以下の非限定的な実施例によりさらに説明する。明細書におけるすべての引用の開示を参照により本明細書に組み込む。
【0175】
本発明の抗体は、治療の度合いまたは予防の度合いに対して効果を生み出すのに十分な量で前述の治療方法に従ってヒトまたは他の動物に投与することができる。このような本発明の抗体は、知られている技法に従い本発明の抗体を従来の薬剤として許容される坦体または希釈剤と混ぜることにより調製される従来の剤形で、このようなヒトまたは他の動物に投与することができる。当業者に知られているように、薬剤として許容される坦体または希釈剤の形態および性質は、それらと混合される活性成分の量、投与の経路および他のよく知られた変数によって決定される。
【0176】
本発明の抗体(またはそのフラグメント)の投与手順は、経口、非経口、吸入によるまたは局所のいずれでもよい。本明細書で用いる用語、非経口には、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、直腸または膣投与が含まれる。皮下および筋肉内形態の非経口投与が一般に好ましい。
【0177】
予防的または治療的に免疫抑制を誘発するため、または発癌性腫瘍を治療的に処置するために本発明の化合物を用いるための毎日の非経口および経口投与法は、一般に1日につき体重1kg当たり約0.05〜100ミリグラムの範囲であるが、約0.5〜10ミリグラムが好ましい。
【0178】
また、本発明の抗体を吸入によって投与することができる。「吸入」は、鼻腔内および経口吸入投与を意味する。エアゾール製剤または計量式吸入器などの、このような投与に適した剤形は、従来の技法で調製することができる。用いられる本発明の化合物の好ましい用量は、一般に約10〜100ミリグラムの範囲内である。
【0179】
また、本発明の抗体を局所投与することができる。局所投与は、非全身的投与を意味し、本発明の抗体(またはそのフラグメント)化合物を外部から表皮、口腔に塗布すること、ならびに耳、眼、および鼻にこのような抗体を点滴注入することが含まれ、この場合、抗体は血流に多くは入らない。全身性投与は、経口、静脈内、腹腔内および筋肉内投与を意味する。治療効果または予防効果に必要な抗体の量は、選ばれた抗体、治療される状態の性質および重症度ならびに動物によって異なることは言うまでもない。
【0180】
本発明の併用療法
本発明は、CD20およびCD22の細胞外抗原決定基を標的とする非放射性抗CD20抗体および放射標識抗CD22抗体の併用に関する。CD20とCD22は共に、B細胞上に存在する抗原である。これらの抗体は、免疫学的条件下でB細胞の表面上に示され、細胞外環境からの抗体に接近可能なCD20およびCD22の抗原決定基と選択的に反応する。
【0181】
用語「選択的に反応する」または「対して特異的」には、抗体のすべてまたは一部が、CD22またはCD22標的分子を有する細胞または組織と優先的に会合し、その標的分子を欠く細胞または組織とは会合しないことへの言及が含まれる。言うまでもなく、分子と非標的細胞または組織との間にある程度の非特異的相互作用が起こりうることが知られている。しかしながら、標的CD22またはCD20分子の特異的認識によって媒介される特異的結合を見分けることができる。通常、特異的結合は、結合分子とCD22またはCD20を欠く細胞との間に比べ、送達された分子とCD22またはCD20を有する細胞との間にかなり強い会合をもたらす。通常、特異的結合は、結合分子とCD22またはCD20を欠く細胞に比べ、CD22またはCD20を有する細胞または組織と結合する量(単位時間当たり)において2倍を超える、好ましくは5倍を超える、より好ましくは10倍を超える、最も好ましくは100倍を超える増加をもたらす。このような条件下でのタンパク質との特異的結合には、特定のタンパク質に対する特異性について選択された抗体が必要である。特定のタンパク質と特異的に免疫反応性である抗体を選択するには、様々なイムノアッセイ・フォーマットが適している。例えば、固相ELISAイムノアッセイは、タンパク質と特異的に免疫反応性であるモノクローナル抗体を選択するのに日常的に使用される。特異的免疫反応性を測定するのに使用できるイムノアッセイ・フォーマットおよび条件の説明については、HarlowおよびLane(1988)Antibodies、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Publications、New Yorkを参照されたい。
【0182】
抗CD20抗体
抗CD20抗体は、CD20またはそのフラグメントと特異的に結合するキメラ、ヒト化またはヒト・モノクローナル抗体を含むことが好ましい。抗CD20抗体は、その全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第5,736,137号に報告されているリツキサン(登録商標)、核酸配列およびアミノ酸配列を含むことが最も好ましい。このキメラ抗CD20抗体は極めて効果的にB細胞を枯渇させ、非ホジキンリンパ腫の治療のために使用することがFDAによって承認されている。しかしながら、ヒト化およびヒト・モノクローナル抗体も使用することができる。
【0183】
放射標識抗CD22抗体は、CD22に対して特異的なキメラ、ヒト化もしくはヒト・モノクローナル抗体またはその結合フラグメントを含むことが好ましい。好ましい実施形態では、Leungによる1998年8月4日発行の米国特許第5,789,554号に配列が開示されている90Y放射標識ヒト化モノクローナル抗体を利用する。この参考文献も、その全体を参照により本明細書に組み込む。しかしながら、それを他のモノクローナル抗体および結合フラグメントで置き換えることができる。
【0184】
さらに、90Y以外の、例えば131I、67Cu、32P、125I、186Re、188Re、211Atなどの放射性核種の使用法が企図されている。好適な放射性同位体には、α、β、およびγ放出体、オージェ電子放出体、およびα粒子または電子捕獲により崩壊するラジオアイソタイプ(radioisotype)を放出する中性子捕獲剤が含まれる。
【0185】
放射標識は、例えばキレート剤を使用することにより、抗体またはフラグメントに直接または間接的に取り付けることができる。好適なキレート剤には、例えばDTPAおよびDETAが含まれる。
【0186】
好適なフラグメントには、実質的に天然抗体のFc領域すべてを欠くいかなる抗体も含まれる。これらには、特にscFv、dsFv、Fab、F(ab1)2、F(ab)2、Fabなどが含まれる。
【0187】
前述のように、抗CD20抗体および放射標識抗CD22抗体は、別々にまたは組み合わせて、およびいずれの順序でも投与することができる。抗CD20抗体を治療上有効な量で最初に投与し、続いて放射標識抗CD22抗体を投与することが好ましい。
【0188】
抗体の結合親和性
本発明で使用する抗体は、CD22またはCD20の細胞外エピトープと特異的に結合することができる。例えば、競合アッセイ、飽和アッセイ、またはELISAもしくはRIAなどの標準的イムノアッセイにより測定または判定し、抗体がCD22またはCD20と結合するか結合する能力を持つ場合には、抗CD22または抗CD20抗体は、CD22またはCD20に対する結合親和性を有する。この特異性の定義は、単一の重鎖および/または軽鎖、CDRS、融合タンパク質またはCD22単独もしくは組合せと結合する場合にCD22またはCD20に特異的な重鎖および/または軽鎖のフラグメントに適用する。
【0189】
競合アッセイでは、リガンドと結合する抗体の能力は、リガンドと結合することが知られている化合物の結合と競合する抗体の能力を検出することによって測定する。多くのタイプの競合アッセイが知られており、本明細書で検討される。あるいは、阻害剤の非存在下で試験化合物の結合を測定するアッセイを用いることもできる。例えば、ある分子または他の化合物がCD22と結合する能力は、当該分子を標識することによって直接検出したり、分子が非標識の場合には様々なサンドイッチ・アッセイ・フォーマットを用いて間接的に検出することができる。競合結合アッセイなどの多くのタイプの結合アッセイが知られている(例えば、参照により本明細書に組み込む米国特許第3,376,110号および第4,016,043号、ならびにHarlowおよびLane、Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Publications、N.Y.(1988)を参照)。競合アッセイを用いるのではなく、試験化合物と1成分のみとの結合を測定するためのアッセイも利用できる。例えば、抗体を用いてリガンドの存在を識別することができる。ELISAなどの、モノクローナル抗体アッセイの標準的手順を使用することができる(HarlowおよびLane、上記参照)。使用できる様々なシグナル産生系の総説については、参照により本明細書に組み込む米国特許第4,391,904号を参照されたい。
【0190】
本発明で用いる抗CD20の用量は、患者および用いる抗体によって異なる。リツキシマブ(登録商標)などのキメラ抗CD20抗体は、少なくとも4週間、1週当たり少なくとも約50mg/m2の投与量で投与することができる。特に好ましい投与計画は、4週間にわたり1週当たり約375mg/m2である。
【0191】
前述のように、抗CD20抗体の投与後に放射標識抗CD22抗体、すなわち治療用放射標識に取り付けた抗体を投与することが好ましい。好ましい放射標識は90Yまたは131Iなどのベータ放出同位体であるが、抗体と効果的に結合し、比較的短い崩壊範囲を有し、直ぐ近くの細胞、すなわち標的とされた細胞を首尾よく死滅させる限りは、いかなる放射性同位体を使用してもよい。通常、放射標識はキレート剤、例えばDTPAを用いることによって取り付ける。
【0192】
重症な血球減少、例えば血小板が150,000未満とならない限り、枯渇性の抗CD20抗体の投与後1週間以内に患者を治療することが好ましい。枯渇性抗体の治療により患者が血球減少である場合には、放射免疫療法の前に、例えば最低(nadir)AGCが1000を超えるか血小板が150,000を超えるまで回復させる。末梢血および/または骨髄の細胞回復が見られる場合には、免疫療法の直前に追加の枯渇性抗体を投与することができる。このような二次的用量は、例えば放射免疫療法の直前または重ねて約2週間、約250mg/m2で投与することができる。
【0193】
放射標識抗体の用量もまた、患者、抗体の特異性、半減期、放射性同位体安定性など、および言うまでもなく疾患の程度によって異なる。放射標識抗CD22抗体は、通常約0.001〜150mCi/kgの用量で投与され、0.1〜50mCi/kgがより好ましく、さらに0.1〜30mCi/kgがより好ましい。別の好適な用量は10から30mCi/kgに及ぶ。放射線の用量は当業者が決定できる。
【0194】
本明細書に開示の治療方法は、化学療法または放射線療法などの他の知られている治療方法と併用できることは明らかであろう。抗CD20抗体による治療後および前記放射標識抗体による治療前に骨髄または末梢血幹細胞を前記患者から採取し、放射線療法後に自家骨髄移植または幹細胞移植を行うことができる。
【0195】
枯渇性抗体または放射標識抗体を投与する前に、癌性B細胞の表面上でCD20または他の標的タンパク質が発現するのをアップレギュレートするためにサイトカインで患者を治療することも有用である。CD20のアップレギュレーションについては、この目的に有用なサイトカインは、IL−4、GM−CSFおよびTNF−アルファである。枯渇性抗体または放射標識抗体の投与と同時または前または後に、免疫エフェクター機能を刺激するためにサイトカインを投与することができる。この目的に有用なサイトカインには、インターフェロン・アルファ、GM−CSFおよびG−CSFが含まれる。
【0196】
化学療法を用い、本明細書に開示した療法を補完し、前記放射標識抗体の投与と同時または任意の順序で連続して投与することができる。化学療法は、CHOP、ICE、ミトザントロン(Mitozantrone)、シタラビン、DVP、ATRA、イダルビシン、ヘルツァー(hoelzer)化学療法、ラ・ラ(La La)化学療法、ABVD、CEOP、2−CdA、FLAG & IDA(その後のG−CSF治療あり、またはなし)、VAD、M & P、C−Weekly、ABCM、MOPPおよびDHAPからなる群から選択することができる。好ましい化学療法はCHOPである。
【0197】
本発明の方法を用いて様々なB細胞リンパ腫を治療できるが、前記B細胞リンパ腫が非ホジキンリンパ腫(NHL)である場合には特に有用である。リツキシマブ(登録商標)は軽度悪性型濾胞性NHLの治療についてすでに承認されているが、本発明者他は、驚いたことにはリツキシマブ(登録商標)がバルキー疾患(bulky disease)を含む中等度悪性型および高度悪性型NHLの治療にも有益であることを見いだした。したがって、本発明の方法によって治療できるリンパ腫には、軽度悪性型/濾胞性非ホジキン・リンパ腫(NHL)、小リンパ球性(SL)NHL、中等度悪性型/濾胞性NHL、中等度悪性型びまん性NHL、慢性リンパ球白血病(CLL)、高度悪性型免疫芽細胞性NHL、高度悪性型リンパ芽球性NHL、高度悪性型小切れ込み核細胞NHL、バルキー疾患NHL、外套細胞リンパ腫、AIDS関連リンパ腫およびワルデンストレーム・マクログロブリン血症が含まれ、このようなリンパ腫は、放射免疫療法の可用度を悪化させる骨髄関与を伴う。
【0198】
また、本発明を用いて自己免疫疾患を治療することができる。それらの例には、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、壊死性血管炎、リンパ節炎、結節性動脈周囲炎、全身性エリテマトーデス、関節炎、血小板減少性紫斑病、無顆粒球症、自己免疫性溶血性貧血、異種抗原に対する免疫反応、重症筋無力症、インスリン抵抗性糖尿病、狼瘡(SLEおよび薬物性狼瘡)が含まれる。さらに、本発明を用いて移植細胞、組織または器官に対する体液性免疫反応を治療または予防することができる。
【0199】
次に、典型的な治療条件を以下によって説明する。
【0200】
実施例1
非ホジキン患者をまずリツキサン(登録商標)で治療する。この初期治療は、4週間にわたる毎週375mg/m2のリツキサン(登録商標)投与を含む。
【0201】
このリツキサン(登録商標)抗体療法の終了から1週間後、90Y放射標識ヒト化抗CD22抗体(Leung他により、Immunomedicsに譲渡され、参照によりその全体を本明細書に組み込む米国特許第5,789,554号に開示されたヒト化LL2抗体)で患者を治療する。10から30mCiに及ぶ90Y標識ヒト化抗CD22抗体で患者を治療する。
【0202】
実施例2
腎臓を移植する予定の患者を、移植前に4週間にわたって毎週375mg/m2の用量でリツキサン(登録商標)で処置して移植前にB細胞を枯渇させ、移植器官に対する体液性免疫反応の可能性を低下させる。
【0203】
リツキサン(登録商標)処置と同時、またはその後1週間以内に、低用量、すなわち10〜30mCiの用量で90Y放射標識ヒト化抗CD22抗体により対象を処置する。次いで、従来の外科的方法により処置対象に腎臓を移植する。対象は、抗CD40L、抗B7または他の免疫抑制剤、例えばサイクロスポリンで処理することも好ましい。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2000年6月20日出願の米国仮出願番号60/212,668による優先権を主張し、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、非放射性抗CD20抗体、好ましくはリツキサン(RITUXAN)(登録商標)、またはリツキサン(登録商標)と同一のB細胞枯渇活性を実質的に有する別の抗CD20抗体、および放射標識抗CD22抗体、好ましくはイットリウム標識ヒト化抗CD22抗体の投与を含む免疫療法/放射線治療の併用に関する。腫瘍治療の場合には、非放射性抗CD23抗体の初期投与が循環からB細胞を除去することに役立ち、それによって放射標識抗CD22抗体のターゲティングおよび有効性を改善する。
【0003】
また、本治療は、非放射性CD20および放射標識抗CD22療法単独に比べて強化された免疫抑制を提供する。この併用治療法は、CD20およびCD22発現細胞の機能を枯渇させることおよび/または選択的に死滅させること、および/または阻止することが治療上有益である疾患、特にB細胞悪性疾患、リンパ腫、白血病、ならびにB細胞免疫機能の抑制が治療上有益である状態または疾患、例えば自己免疫疾患、アレルギー性疾患の治療、移植、ならびに抗原性成分、例えばタンパク質の投与を含むその他の治療法、細胞もしくは遺伝子療法に有用である。治療法は、リツキサン(登録商標)の初期投与と、続く放射標識抗CD22抗体の投与を含むことが好ましい。
【0004】
(発明の背景)
I.抗CD20抗体
CD20は90%を超えるB細胞リンパ腫で発現する細胞表面抗体であり、腫瘍細胞中では減少も調節もされない(McLaughlin他、J.Clin.Oncol.16:2825−2833(1998))。研究と治療の双方で使用するために抗CD20抗体が調製されている。報告された抗CD20抗体の1つはモノクローナルB1抗体である(米国特許第5,843,398号)。また、抗CD20抗体は、B細胞リンパ腫を治療するための放射性核種の形態(例えば、131I標識抗CD20抗体)、ならびに前立腺癌および乳癌の転移によって引き起こされる骨の痛みを軽減するための89Sr標識型(Endo、Gan To Kagaku Ryoho 26:744−748(1999)でも調製されている。
【0005】
報告によれば、マウス・モノクローナル抗体、1F5、(抗CD20抗体)がB細胞リンパ腫患者に連続静脈内注射によって投与された。しかしながら、報告によれば、循環する腫瘍細胞を減少させるには極めて高レベル(>2グラム)の1F5が必要であり、結果は「一過性である」と記載された(Press他、Blood 69:584−591(1987))。治療剤としてモノクローナル抗体を用いることに伴う潜在的な問題は、ヒト以外のモノクローナル抗体(例えば、マウス・モノクローナル抗体)は通常ヒトのエフェクター機能性を欠き、とりわけ、例えば補体依存性溶解を媒介し、または抗体依存性細胞毒性もしくはFc受容体媒介性食作用を介してヒトの標的細胞を溶解することができないことである。さらに、ヒト以外のモノクローナル抗体がヒト宿主により異種タンパク質として認識されることがあるため、このような異種抗体の反復注射は、有害な超過敏反応をもたらす免疫反応の誘発につながることがある。マウスをベースとするモノクローナル抗体の場合には、これがヒト抗マウス抗体反応、または「HAMA」反応と呼ばれることが多い。さらに、これらの「異種」抗体は、宿主の免疫系によって攻撃を受け、抗体がそれらの標的部位に到達する前に事実上中和されてしまうことがある。
【0006】
A.リツキシマブ(RITUXIMAB)(登録商標)
リツキシマブ(登録商標)(リツキサン(登録商標)、マブセラ(MabThera)(登録商標)およびIDEC−C2B8の別名でも知られる)は、初めてFDA承認を受けたモノクローナル抗体であり、IDEC Pharmaceuticalsで開発された(米国特許第5,843,439号;第5,776,456号および第5,736,137号を参照)。リツキシマブ(登録商標)は、軽度悪性型または濾胞性B細胞非ホジキン・リンパ腫患者の治療に推奨されるキメラ抗CD20モノクローナル(MAb)である(McLaughlin他、Oncology(Huntingt)12:1763−1777(1998);Leget他、Curr.Opin.Oncol.10:548−551(1998))。欧州では、リツキシマブ(登録商標)は、再発段階III/IVの濾胞性リンパ腫の療法として承認されている(White他、Pharm.Sci.Technol.Today 2:95−101(1999))。リツキシマブ(登録商標)で治療可能なその他の障害には、濾胞性中心細胞リンパ腫(FCC)、外套細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大細胞性リンパ腫(DLCL)、および小リンパ球性リンパ腫/慢性リンパ球性リンパ腫(SLL/CLL)が含まれる(Nguyen他、1999))。リツキシマブ(登録商標)は、第Iおよび第II相臨床試験において軽度悪性型非ホジキン・リンパ腫で最小限の毒性と著しい治療活性を示した(Berinstein他、Ann.Oncol.9:995−1001(1998))。
【0007】
現在、リツキシマブ(登録商標)は、通常375mg/M2の週用量で4週間、再発性または難治性の軽度悪性型または濾胞性NHLのB細胞NHLを治療するのに単独で使用されている。この抗体は忍容性が良好であり、著しい臨床活性を有していた(Piro他、Ann.Oncol.10:655−61(1999);Nguyen他、Eur.J.Haematol.62:76−82(1999);およびCoiffier他、Blood 92:1927−1932(1998))。また、抗体を用いる治験中に、500mg/M2までの週用量が4回投与されている(Maloney他、Blood 90:2188−2195(1997))。また、リツキシマブ(登録商標)は、軽度悪性型または濾胞性B細胞非ホジキン・リンパ腫を治療するためにCHOP(例えば、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)などの化学療法剤と併用されている(Czuczman他、J.Clin.Oncol.17:268−76(1999);およびMcLaughlin他、Oncology(Huntingt)12:1763−1777(1998))。しかしながら、これまで他の治療用抗体と組み合わせて利用されたことはない。
【0008】
CD22に対するモノクローナル抗体の合成および治療法におけるそれらの使用法も報告されている。CD22はB細胞接着に関与するB細胞特異的分子であり、ホモタイプまたはヘテロタイプの相互作用において機能することができる(Stamenkovic他、Nature 344:74(1990);Wilson他、J.Exp.Med.173:137(1991);Stamenkovic他、Cell 66:1133(1991))。CD22タンパク質は、前駆B細胞および前B細胞の細胞質中で発現するが(Dorken他、J.Immunol.136:4470(1986);Dorken他、「Expression of cytoplasmic CD22 in B−cell ontogeny.In Leukocyte Typing III、White Cell Differentiation Antigens.McMichael他編、Oxford University Press、Oxford、p.474(1987);Schwarting他、Blood 65:974(1985);Mason他、Blood 69:836(1987)」)、成熟B細胞の表面上にのみ見いだされ、表面IgDと同時に存在する(Dorken他、J.Immunol.136:4470(1986))。CD22発現は活性化後に増加し、さらに分化しながら消失する(Wilson他、J.Exp.Med.173:137(1991);Dorken他、J.Immunol.136:4470(1986))。リンパ系組織では、CD22は濾胞性外套帯および辺縁帯B細胞によって発現されるが、胚中心B細胞による発現はわずかに過ぎない(Dorken他、J.Immunol.136:4470(1986);Ling他、「B−cell and plasma antigens:new and previously defined clusters」In Leukocyte Typing III.White Cell Differentiation Antigens、McMichael他編、Oxford University Press、Oxford、p.302(1987))。しかしながら、in situのハイブリッド形成は、胚中心内におけるCD22mRNAの発現が最も強く、外套帯における発現は少なめであることを示している(Wilson他、J.Exp.Med.173:137(1991))。CD22がB細胞活性化の調節に関与していると考えられているのは、in vitroにおけるCD22mAbのB細胞との結合が、細胞内遊離カルシウムおよび表面Igの架橋後に誘発される増殖の増加を増強することが判明しているためである(Pezzutto他、J.Immunol.138:98(1987);Pezzutto他、J.Immunol.140:1791(1988))。しかしながら、他の研究は、抗Ig誘発性増殖の増加は軽度であると判定している(Dorken他、J.Immunol.136:4470(1986))。CD22は構成的にリン酸化されるが、リン酸化のレベルは、PMAによる細胞の処理後に増加する(Boue他、J.Immunol.140:192(1988))。さらに、可溶性形態のCD22は、ヒトT細胞のCD3媒介性活性化を阻害し、CD22がT細胞−B細胞相互作用に重要であることを示唆している(Stamenkovic他、Cell 66:1133(1991))。
【0009】
CD22受容体と特異的に結合するリガンドは、様々な疾患、特にB細胞リンパ腫および自己免疫疾患の治療に潜在的用途を有していることが報告されている。特に、このような疾患を治療するための標識および非標識抗CD22抗体の使用法が報告されている。
【0010】
例えば、Tedder他、米国特許第5,484,892号が称するには、これらの抗体は、高い親和性でCD22と結合し、CD22の他のリガンドとの相互作用を阻止する。これらのモノクローナル抗体は、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、壊死性血管炎、リンパ節炎、結節性動脈周囲炎、全身性エリテマトーデス、関節炎、血小板減少性紫斑病、無顆粒球症、自己免疫性溶血性貧血などの自己免疫疾患の治療、ならびに妊娠中の胎児抗原などの異種抗原に対する免疫反応、重症筋無力症、インスリン抵抗性糖尿病、グレイヴス病およびアレルギー反応を阻害するのに有用であることが開示されている。
【0011】
また、Leung他、米国特許第5,789,557号は、CDRグラフティングによって製造したキメラおよびヒト化抗CD22モノクローナル抗体、ならびにB細胞リンパ腫および白血病を治療および診断するための複合および非複合形態によるそれらの使用法を開示している。この参考文献は、特に化学療法剤、毒素、重金属および放射性核種などの細胞障害性薬剤と複合したこのような抗体を開示している(1998年8月4日に出願され、Immunomedicsに譲渡された米国特許第5,789,554号を参照)。
【0012】
さらに、PCT出願WO98/42378、WO00/20864、およびWO98/41641は、CD22に特異的なモノクローナル抗体、複合体およびフラグメントならびにその治療的使用法、特にB細胞関連疾患を治療するための使用法について記載している。
【0013】
また、自己免疫疾患および癌を治療するための抗CD22抗体の使用法も示唆されている。例えば、1995年8月22日、Hansen他に発行されてImmunomedics Inc.に譲渡された、診断および治療、特にウイルスおよび細菌感染症、心血管疾患、自己免疫疾患、および癌の治療をするための抗CD22免疫複合体について記載すると主張している米国特許第5,443,953号、ならびに1998年1月16日、Tedder他に発行されてDana−Farber Cancer institute、Inc.に譲渡された、CD22接着機能の遅延または阻止が治療上有益である疾患、特に自己免疫疾患を治療するための、CD22を対象とする様々なモノクローナル抗体について記載すると主張している米国特許第5,484,892号を参照されたい。これらの参考文献は、抗CD22抗体のフラグメントを所望のエフェクター成分、例えばin vitroのイムノアッセイもしくはin vivoの画像診断中に検出できる酵素、フルオロフォア、放射性核種、電子伝達剤などの標識、または治療的エフェクター成分、例えば毒素、薬物または放射性同位体と直接的または間接的に複合させることができることを示唆している。
【0014】
さらに、IgG1アイソタイプの抗ヒトCD22モノクローナル抗体は、Leinco Technologiesから市販されており、報告によればB細胞リンパ腫およびヘアリー細胞白血病を含む白血病の治療に有用である(Campana,D.他、J.Immunol.134:1524(1985))。さらに、Dorken他、J.Immunol.150:4719(1993)とEngel他、J.Immunol.150:4519(1993)は共に、CD22に特異的なモノクローナル抗体について記載している。
【0015】
また、癌および自己免疫疾患を含む疾患を治療するための抗CD22免疫毒素および抗CD19免疫毒素の複合投与が報告されている(1997年11月11日、Uhr他に発行されてThe University of Texasに譲渡された米国特許第5,686,072号を参照)。
【0016】
したがって、上記に基づき、B細胞リンパ腫の治療のためにリツキサン(登録商標)および他の療法が報告されているが、このような治療は再発しやすいことが多い。したがって、治療法において抗CD20抗体および抗CD22抗体の使用法に関して何が報告されているかはともかくとして、新規な治療法が開発され、特に増強された治療効果を提供する併用療法が開発されるならば好都合と思われる。特に、リツキサン(登録商標)または他の抗CD20抗体の治療法で治療された患者において疾患の再発を予防し、または軽減する新規な療法が開発されるならば有利であろう。
【0017】
(発明の好ましい実施形態)
本発明の一実施形態は、抗CD20モノクローナル抗体またはそのフラグメントの投与、および放射標識抗CD22モノクローナル抗体またはフラグメントの投与を含む新規な治療法を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、リツキサン(登録商標)の初期投与と、続く放射標識抗CD22モノクローナル抗体、またはそのフラグメントの投与を含む新規な治療法を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、B細胞悪性疾患および癌、特にB細胞白血病またはリンパ腫を治療するための新規な治療法であって、リツキサン(登録商標)の投与と、続く放射標識抗CD22抗体の投与を含む治療法を提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、自己免疫疾患の治療および移植のための新規な方法であって、リツキサン(登録商標)と、続く放射標識抗CD22抗体の投与を含む方法を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、B細胞免疫反応を、特にタンパク質、遺伝子もしくは細胞療法において、またはアレルギー性障害の治療において、抗CD20抗体および放射標識抗CD22抗体の複合投与によって阻害する新規な方法を提供することである。
【0022】
(発明の概要)
本発明は、B細胞の生成を阻害することおよび/または枯渇させることおよび/または死滅させることおよび/または阻止することが治療上望ましい疾患、特にB細胞悪性疾患および白血病、ならびに自己免疫疾患、移植、アレルギー性障害、炎症性障害、および遺伝子または細胞療法、ならびにB細胞免疫を抑制することが望ましい他の状態を有する患者を治療する方法に関する。好ましい実施形態では、本発明は、B細胞リンパ腫および白血病、特に非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療に関する。
【0023】
本質的に、本治療法は、非放射性抗CD20抗体またはフラグメント、および放射性(放射標識)抗CD22抗体またはフラグメントの投与を含む。抗CD20抗体および放射標識抗CD22抗体は、組み合わせてまたは別々に、およびいずれの順序でも投与することができる。まずB細胞枯渇を達成するのに十分な量で抗CD20抗体を投与し、続いて放射標識CD22抗体を投与することが好ましい。
【0024】
この組合せは、非標識抗CD20もしくは放射標識CD22抗体またはフラグメント単独の使用法に比べて相乗的結果を及ぼすことが好ましい。特に好ましい実施形態においてこの組合せが腫瘍化B細胞の死滅または枯渇の増大を提供するのは、初めに非放射性CD20抗体が大部分のCD20発現細胞を除去し、放射標識CD22抗体が残ったすべての腫瘍化B細胞を実質的に除去するからである。場合によって、併用療法には、放射標識CD20抗体、例えば放射標識2B8(Zevalin(登録商標))の使用法が含まれる。
【0025】
別の好ましい実施形態では、この組合せは、現在のリツキサン(登録商標)ベースの治療法に比べ、B細胞悪性疾患、例えば非ホジキンリンパ腫患者における再発を予防または抑制する。
【0026】
(発明の詳細な説明)
本発明を明確に記載するため、以下の定義を示す。
【0027】
定義
単位、接頭辞、および記号は、それらのSi公認型で示す。数値範囲には、範囲を規定する数値が含まれる。特別に示さない限り、核酸は5’から3’方向へ左から右へ書き、アミノ酸配列はアミノからカルボキシへ左から右へ書く。本明細書に示す見出しは、本明細書全体を参照することにより得ることできる本発明の様々な態様または実施形態の制限ではない。したがって、以下に定義する用語は、本明細書全体を参照することにより、さらに十分定義される。
【0028】
本明細書で使用する用語「抗体」には、指定されたタンパク質またはそのペプチドと特異的に反応する免疫グロブリンおよびそのフラグメントが含まれることを意図している。抗体には、ヒト抗体、霊長類化抗体、キメラ抗体、二重特異性抗体、ヒト化抗体、他のタンパク質または放射標識と融合した抗体、および抗体フラグメントが含まれる。
【0029】
本明細書の用語「抗体」は最も幅広い意味で使用され、具体的には原型のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2種類の原型抗体から生成した多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、および所望の生物活性を示す限りは抗体フラグメントを網羅する。
【0030】
「抗体フラグメント」は、原型抗体の一部を含み、その抗原結合領域または可変領域を含むことが好ましい。抗体フラグメントの例には、Fab、Fab’、F(ab’)2、およびFvフラグメント;ダイアボディ(diabody);リニア(linear)抗体;単鎖抗体分子;および抗体フラグメントから生成した多重特異性抗体が含まれる。抗体フラグメントは、従来の技法を用いて単離することができる。例えば、F(ab1)2フラグメントは、抗体をペプシンで処理することにより生成することができる。得られたF(ab1)2フラグメントを処理してジスルフィド架橋を還元し、Fab1フラグメントを生成することができる。
【0031】
「天然抗体」は、通常約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質であり、2本の同一軽(L)鎖および2本の同一重(H)鎖からなる。各軽鎖は1個の共有ジスルフィド結合によって重鎖と連結するが、ジスルフィド連鎖数は、異なる免疫グロブリン・アイソタイプの重鎖間で異なる。また、各重鎖および軽鎖は、規則正しい間隔の鎖内ジスルフィド架橋を有する。各重鎖は、一方の端に可変ドメイン(VH)と、続いて多くの定常ドメインを有する。各軽鎖は、一方の端に可変ドメイン(VL)を、他方の端に定常ドメインを有し、軽鎖の定常ドメインは、重鎖の最初の定常ドメインと並び、軽鎖可変ドメインは重鎖の可変ドメインと並んでいる。特定のアミノ酸残基が軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインの間の境界面を形成していると考えられている。
【0032】
用語「可変」は、可変ドメインの特定部分は、抗体間で配列が大きく異なり、特定の各抗体の特定のその抗原に対する結合および特異性に用いられるということを指す。しかしながら、その可変性は、抗体の可変ドメイン全体に一様には分布していない。可変性は、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメイン双方の超可変領域と呼ばれる3個のセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。自然の重鎖および軽鎖の可変ドメインは、各々4個のFRを含み、主に13シート構成(13−sheet configuration)を取り、3個の超可変領域によって連結され、ループ接続を形成し、場合によってはBシート構造の一部を形成する。各鎖の超可変領域は、FRによって極めて接近してまとめられ、他の鎖の超可変領域と共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(Kabat他、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD.(1991))。定常ドメインは、抗体が抗原と結合する際に直接関与しないが、抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)における抗体の関与などの様々なエフェクター機能を示す。
【0033】
抗体のパパイン消化は、「Fab」フラグメントと呼ばれ、各々が単一の抗原結合部位を有する2種類の同一の抗原結合フラグメント、および容易に結晶化する能力を表す名前である残りの「Fc」フラグメントを生成する。ペプシン処理により、2つの抗原結合部位を有し、依然として抗原と架橋することができるF(ab’)2フラグメントが得られる。
【0034】
「Fv」は、完全な抗原認識部位および抗原結合部位を含む最小の抗体フラグメントである。この領域は、1つの重鎖可変ドメインおよび1つの軽鎖可変ドメインが堅固であるが非共有結合で会合した二量体からなる。この配置で、各可変ドメインの3個の超可変領域が相互作用し、VH−VL二量体の表面上の抗原結合部位を規定する。まとめると、6個の超可変領域が抗体に抗原結合特異性を付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(すなわち抗原に特異的な3個の超可変領域のみを含む半分のFv)であっても、全体の結合部位に比べて親和性は低いが、抗原を認識し結合する能力を有している。
【0035】
また、Fabフラグメントは、軽鎖の定常ドメインおよび重鎖の最初の定常ドメイン(CHI)を含む。Fab’フラグメントはFabフラグメントと異なり、抗体ヒンジ領域からの1個または複数のシステインを含む数個の残基が重鎖CHIドメインに付加されている。本明細書では、Fab’―SHは、定常ドメインのシステイン残基が少なくとも1個の遊離チオール基を有するFab’という意味である。F(ab’)Z抗体フラグメントは、間にヒンジ・システインを有するFab’フラグメントの対として生成した。抗体フラグメントの他の化学的カップリングも知られている。
【0036】
いかなる脊椎動物種に由来する抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」も、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、カッパおよびラムダと呼ばれる2つの明確に異なるタイプのうちの1つに割り当てることができる。
【0037】
それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、様々な種類に抗体を割り当てることができる。原型の抗体には5つの主な種類:IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、これらのうちいくつかは、さらにサブクラス(アイソタイプ)、例えばIgGI、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、およびIgA2に分類することができる。異なる種類の抗体に対応する重鎖定常ドメインは、それぞれアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマおよびミューと呼ばれる。重鎖定常ドメインがガンマ−1、ガンマ−2、ガンマ−3およびガンマ−4定常領域をすべて揃えていることが好ましい。また、これらの定常ドメインは、その全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第6,011,138号に開示されているPおよびE修飾などの、抗体安定性を増強するための修飾を含むことが好ましい。様々な種類の免疫グロブリンについてのサブユニット構造および三次元立体配置はよく知られている。
【0038】
「単鎖Fv」すなわち「scFv」抗体フラグメントは、抗体のVHおよびVLドメインを含み、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖として存在する。Fvポリペプチドは、VHとVLドメインの間に、scFvが抗原結合に望ましい構造を形成することを可能にするポリペプチド・リンカーを含むことが好ましい。scFvの総説については、PluckthunのThe Pharmacology of Monoclonal Antibodies、vol.113、RosenburgおよびMoore編、Springer−Verlag、New York、pp.269−315(1994)を参照されたい。
【0039】
用語「ダイアボディ」は、2個の抗原結合部位を有する小さな抗原フラグメントを指し、そのフラグメントは、同一のポリペプチド鎖(VH−VL)中に軽鎖可変ドメイン(VL)と連結した重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同一鎖上の2個のドメイン間では対になることができない長さのリンカーを用いることにより、ドメインを別の鎖の相補的ドメインと一組にし、2個の抗原結合部位を作製する。ダイアボディは、例えば、EP 404,097;WO93/11161;およびHollinger他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:6444−6448(1993)により詳しく記載されている。
【0040】
本明細書で用いる用語「モノクローナル抗体」は、実質的に同種の抗体の母集団から得られる抗体、すなわち母集団を含む個々の抗体が、少量存在する可能性のある天然に存在する突然変異を除いては同一であることを指す。モノクローナル抗体は極めて特異的であり、単一の抗原部位を対象とする。さらに、通常は様々な決定基(エピトープ)を対象とする様々な抗体が含まれる従来の(ポリクローナル)抗体調製とは対照的に、各モノクローナル抗体は抗原上の単一の決定基を対象とする。それらの特異性に加え、モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ培養によって合成され、他の免疫グロブリンによって汚染されない点で有利である。修飾語の「モノクローナル」は、実質的に同種の抗体母集団から得られる抗体の性質を示し、特定の方法により抗体の製造が必要であるとは見なされない。例えば、本発明に従って用いられるモノクローナル抗体は、Kohler他、Nature、256:495(1975)によって初めて記載されたハイブリドーマ法によって製造でき、または組換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照)によって製造することができる。また、「モノクローナル抗体」は、例えばClackson他、Nature、352:624−628(1991)およびMarks他、J.Mol.Biol.、222:581−597(1997)に記載の技法を用い、ファージ抗体ライブラリーから単離することができる。
【0041】
「ヒト化抗体」は、ヒト以外の抗体、通常はマウス抗体に由来する抗体であって、もとの抗体の抗原結合性を保持または実質的に保持しているが、ヒトにおいて免疫原性の低い抗体を意味する。このようなことは、(a)ヒト定常領域上にヒト以外の全可変ドメインをグラフティング(grafting)してキメラ抗体を作製すること(b)重要なフレームワーク残基の保持の有無にかかわらず、ヒトのフレームワーク領域および定常領域中にヒト以外の相補性決定領域(CDR)のみをグラフティングすること、または(c)ヒト以外の全可変ドメインを移植するが、表面残基の置換によりヒト様部分でそれらを「覆い隠す(cloaking)」ことを含む様々な方法によって達成することができる。このような方法は、Morrison他、Proc.Natl.Acad.Sci.81:6851−5(1984);Morrison他、Adv.Immunol.44:65−92(1988);Verhoeyen他、Science 239:1534−1536(1988);Padlan、Molec.Immun.28:489−498(1991);およびPadlan、Molec.Immun.31:169−217(1994)に開示されており、それらすべてを参照により本明細書に組み込む。ヒト化抗CD40L抗体は、その全体を参照により本明細書に組み込む、1995年11月7日出願の米国特許第08/554,840号に記載のように調製することができる。
【0042】
「ヒト抗体」は、知られている標準法のいずれかによって製造されるヒト軽鎖および重鎖ならびに定常領域をすべて含む抗体を意味する。
【0043】
「霊長類化(primatized)抗体」は、サル(または他の霊長類)抗体、特にカニクイザル抗体の可変重鎖ドメインおよび軽鎖ドメインを含むように設計され、ヒト定常ドメイン配列、好ましくはヒト免疫グロブリン・ガンマ1またはガンマ4定常ドメイン(またはPE変異体)を含む組換え抗体を意味する。このような抗体の調製は、Newman他、Biotechnology、10:1458−1460(1992);また同一出願人による08/379,072、08/487,550、もしくは08/746,361に記載されており、それらの全体を参照により本明細書に組み込む。これらの抗体は、ヒト抗体と高度な、すなわち85〜98%の相同性を示し、ヒト・エフェクター機能を示し、低い免疫原性を有し、ヒト抗原に対して高い親和性を示すことができると報告されている。
【0044】
「抗体フラグメント」は、Fab、F(ab’)2、Fab’およびscFvなどの抗体のフラグメントを意味する。
【0045】
「キメラ抗体」は、通常は異なる種である2種類の異なる抗体に由来する配列を含む抗体を意味する。最も一般的には、キメラ抗体は、ヒトおよびマウスの抗体フラグメント、一般的にはヒト定常領域およびマウス可変領域を含む。
【0046】
本明細書の「B細胞枯渇抗体」は、投与により明白なB細胞枯渇をもたらす抗体またはフラグメントである。通常、このような抗体は、B細胞抗原またはB細胞表面上に発現するB細胞マーカーと結合する。投与後、通常は約数日以内に約50%以上のB細胞の枯渇をもたらすことが好ましい。好ましい実施形態では、B細胞枯渇抗体は、リツキサン(登録商標)(キメラ抗CD20抗体)またはリツキサン(登録商標)の細胞枯渇活性と実質的に同一または20〜50%、同期間に好ましくは少なくともその90%を有する抗体である。
【0047】
「B細胞表面マーカー」または「B細胞標的」または「B細胞抗原」は、抗原と結合するアンタゴニストが標的とすることができるB細胞の表面上に発現した抗原である。典型的なB細胞表面マーカーには、CD10、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD37、CD53、CD72、CD73、CD74、CDw75、CDw76、CD77、CDw78、CD79a、CD79b、CD80、CD81、CD82、CD83、CDw84、CD85およびCD86白血球表面マーカーが含まれる。好ましいB細胞表面マーカーは、哺乳動物の他の非B細胞組織に比べて優先的にB細胞上で発現し、前駆B細胞と成熟B細胞上で共に発現することができる。
【0048】
「CD20」抗原は、末梢血またはリンパ器官の90%を超えるB細胞の表面上に見いだされる約35kDaの非グリコシル化リンタンパク質である。CD20は初期の前B細胞発生中に発現し、形質細胞分化まで残存する。CD20は、正常B細胞ならびに悪性B細胞上の双方に存在する。文献におけるCD20の別名には、「Bリンパ球制限抗原」および「Bp35」が含まれる。CD20抗原はClark他、PNAS(USA)82:1766(1985)に記載されている。
【0049】
「CD22」抗原は、B細胞上で発現する抗原を指し、「BL−CAM」および「LybB」の別名でも知られ、B細胞シグナル伝達および接着に関与する(Nitschke他、Curr.Biol.7:133(1997);Stamenkovic他、Nature 345:74(1990)を参照)。この抗原は、膜Igが連結した場合にチロシンがリン酸化される膜免疫グロブリン関連抗原である(Engel他、J.Etyp.Med.181(4):1521 1586(1995))。この抗原をコードする遺伝子がクローニングされ、そのIgドメインの特徴が明らかにされている。
【0050】
B細胞「アンタゴニスト」は、B細胞表面マーカーと結合して哺乳動物のB細胞を破壊もしくは枯渇させ、かつ/または1種または複数のB細胞機能を、例えばB細胞によって誘発される体液性反応を低下または妨げることにより妨害する分子である。アンタゴニストは、それで治療される哺乳動物においてB細胞を枯渇させる(すなわち循環するB細胞レベルを低下させる)ことができるのが好ましい。このような枯渇は、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)および/または補体依存性細胞傷害(CDC)、B細胞増殖の阻害および/またはB細胞死の誘発(例えばアポトーシスを介する)などの様々な機序を介して達成することができる。本発明の範囲内で、アンタゴニストには、抗体、合成または天然配列のペプチドおよびB細胞マーカーと結合する、場合によっては細胞傷害性薬剤と複合または融合した分子アンタゴニストが含まれる。
【0051】
「B細胞枯渇抗体」は、in vivoの投与により循環するB細胞数を減少させる抗体である。枯渇は、投与から約24時間以内に少なくとも50%以上枯渇するレベルまで生じることが好ましい。非放射性抗CD20抗体は、リツキサン(登録商標)と実質的に同じ効率(同時間内にB細胞枯渇のレベルが約80〜90%の範囲内)でB細胞を枯渇することが最も好ましい。
【0052】
「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」および「ADCC」は、Fc受容体(FcR)を発現する非特異的細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、およびマクロファージ)が、標的細胞上に結合した抗体を認識し、続いて標的細胞の溶解を引き起こす細胞媒介性反応を指す。ADCC、NK細胞を媒介するための一次細胞はFcyRIIIのみを発現するが、単球はFcyRI、FcyRIIおよびFcyRIIIを発現する。造血細胞上のFcR発現は、RavetchおよびKinet、Annu.Rev.Immunol 9:457−92(1991)の464ページにある表3に要約されている。当該分子のADCC活性を評価するために、米国特許第5,500,362号または第5,821,337号に記載されているようなin vitroのADCCアッセイを行うことができる。このようなアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。あるいは、またさらに、当該分子のADCC活性は、in vivoにおいて、例えばClynes他、PNAS(USA)95:652−656(1998)に記載されているような動物モデルで評価することができる。
【0053】
「ヒト・エフェクター細胞」は、1種または複数のFcRを発現しエフェクター機能を行う白血球である。この細胞は少なくともFcyRIIIを発現し、ADCCエフェクター機能を行うことが好ましい。ADCCを媒介するヒト白血球の例には、末梢血単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞傷害性T細胞および好中球が含まれ、PBMCおよびNK細胞が好ましい。エフェクター細胞は、天然源から、例えば、本明細書に記載するように血液またはPBMCから単離することができる。
【0054】
用語「Fc受容体」すなわち「FcR」は、抗体のFc領域と結合する受容体を記載するために用いられる。好ましいFcRは天然配列のヒトFcRである。さらに、好ましいFcRは、IgG抗体と結合する受容体(ガンマ受容体)であり、FcyRI、FcyRII、およびFcyRIIIサブクラスの受容体が含まれ、これらの受容体の対立遺伝子変異体および選択的スプライシング型が含まれる。FcyRII受容体には、FcyRIIA(「活性化受容体」)およびFcyRUB(「阻害受容体」)が含まれ、これらは類似したアミノ酸配列を有し、主にそれらの細胞質ドメインが異なっている。活性化受容体FcyRIIAは、その細胞質ドメイン中に免疫受容体チロシンをベースとする活性化モチーフ(ITAM)を含む。阻害受容体FcyRIIBは、その細胞質ドメイン中に免疫受容体チロシンをベースとする阻害モチーフ(ITIM)を含む。(Daeon、Annu.Rev.Immunol.15:203−234(1997)中の総説Mを参照)。FcRは、RavetchおよびKinet、Annu.Rev.Immunol.9:457−92(1991);Capel他、Immunomethods 4:25−34(1994);およびde Haas他、J.Lab.Clin.Med.126:330−41(1995)に概説されている。将来同定されるものを含む他のFcRは、本明細書の用語「FcR」に包含される。また、この用語には、母性IgGの胎児への移動を担う新生児受容体FcRnも含まれる(Guyer他、J.Immunol.117:587(1976)およびKimほか、J.Immunol.24:249(1994))。
【0055】
「補体依存性細胞傷害」すなわち「CDC」は、補体の存在下で標的を溶解する分子の能力を指す。補体活性化経路は、同系抗原と複合体を形成した分子(例えば抗体)と補体系の第一の成分(Clq)が結合することによって開始される。補体活性化を評価するために、例えばGazzano−Santoro他、J.Immunol.Methods 202:163(1996)に記載のCDCアッセイを行うことができる。
【0056】
「成長阻害性」アンタゴニストは、アンタゴニストが結合する抗原を発現する細胞の増殖を妨げるか減少させるアンタゴニストである。例えば、アンタゴニストは、in vitroおよび/またはin vivoにおいてB細胞の増殖を妨げるか減少させることができる。
【0057】
「アポトーシスを誘発する」アンタゴニストは、アネキシンVの結合、DNAの断片化、細胞収縮、小胞体の膨張、細胞断片化、および/または膜小胞(アポトーシス小体(apoptotic bodies)と呼ばれる)の形成によって判断されるプログラム細胞死、例えばB細胞の死を誘発するアンタゴニストである。
【0058】
本明細書で用いる用語「超可変領域」は、抗体の抗原結合を担うアミノ酸残基を指す。超可変領域は、「相補性決定領域」すなわち「CDR」(例えば、軽鎖可変ドメイン中の残基24〜34(L1)、50〜56(L2)および89〜97(L3)、ならびに重鎖可変ドメイン中の残基31〜35(H1)、50〜65(H2)および95〜102(H3);Kabat他、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD、(1991))からのアミノ酸配列、および/または「超可変ループ」(軽鎖可変ドメイン中の残基26〜32(L1)、50〜52(L2)および91〜96(L3)、ならびに重鎖可変ドメイン中の残基26〜32(H1)、53〜55(H2)および96〜101(H3);ChothiaおよびLesk.1.Mol.Biol.196:901−917(1987))を含む。「フレームワーク」すなわち「FR」残基は、本明細書で定義する超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。
【0059】
当該抗原、例えばB細胞表面マーカーと「結合する」アンタゴニストは、十分な親和性でその抗原と結合することができるアンタゴニストであり、そのようなアンタゴニストは、抗原を発現する細胞、すなわちB細胞を標的とする治療剤として有用である。
【0060】
本明細書の「抗CD20抗体」は、CD20、好ましくはヒトCD20と特異的に結合し、測定可能なB細胞枯渇活性を有する、好ましくはリツキサン(登録商標)(その全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第5,736,137号を参照)のB細胞枯渇活性の少なくとも約10%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも90%を有する抗体である。
【0061】
本明細書の「抗CD22抗体」は、CD22、好ましくはヒトCD22と特異的に結合し、測定可能なB細胞枯渇活性を有する、リツキサン(登録商標)(その全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第5,736,137号を参照)のB細胞枯渇活性の少なくとも約10%を有することが好ましい抗体である。
【0062】
CD20抗原と結合する抗体の具体的な例には、「リツキシマブ」(「リツキサン(登録商標)」)(参照により本明細書に組み込む米国特許第5,736,137号);イットリウム−[90]標識2B8マウス抗体「Y2B8」(参照により本明細書に組み込む米国特許第5,736,137号);マウスIgG2a「B1」場合によって131Iで標識されている標識B1抗体(BEXXARTM)(参照により本明細書に組み込む米国特許第5,595,721号);マウス・モノクローナル抗体「1F5」(Press他 Blood 69(2):584−591(1987);および「キメラ2H7」抗体(参照により本明細書に組み込む米国特許第5,677,180号)が含まれる。
【0063】
CD22と結合する抗体の具体的な例には、Immunomedicsによって報告され、現在非ホジキンリンパ腫の臨床試験中であるLymphocide(商標)が含まれる。
【0064】
本明細書の用語「リツキシマブ」すなわち「リツキサン(登録商標)」は、遺伝学的に設計され、CD20抗原を対象とするキメラ・マウス/ヒト・モノクローナル抗体を指し、参照により本明細書に組み込む米国特許第5,736,B7号では「C2B8」と呼ばれている。この抗体は、マウス軽鎖および重鎖可変領域配列およびヒト定常領域配列を含むIgGIカッパ免疫グロブリンである。リツキシマブは、CD20抗原に対し約8.0nMの結合親和性を有する。
【0065】
「単離された」アンタゴニストは、特定され、その自然環境の成分から分離かつ/または回収されたアンタゴニストである。その自然環境の混入物成分は、アンタゴニストを診断または治療上で使用するのを妨害すると思われる材料であり、酵素、ホルモンおよび他のタンパク質性または非タンパク質性溶質が含まれる。好ましい実施形態では、アンタゴニストは、(1)Lowry法による測定で95重量%を超え、最も好ましくは99重量%を超えるまで、(2)スピニング・カップ(spinning cup)配列決定装置を使用することによりN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15個の残基を得るのに十分な程度まで、または(3)クーマシー・ブルーまたは、好ましくは銀染色を用いる還元または非還元条件下のSDS−PAGEによる均一性まで精製される。単離されたアンタゴニストに組換え細胞中のin situのアンタゴニストが含まれるのは、アンタゴニストの自然環境のうち少なくとも1成分が存在しないからである。しかしながら、通常は単離されたアンタゴニストは少なくとも1つの精製ステップにより調製する。
【0066】
治療を目的とする「哺乳動物」は、哺乳動物として分類されるいかなる動物も指し、ヒト、家畜(domestic animal)および家畜(farm animal)、ならびにイヌ、ウマ、ネコ、ウシなどの動物園、スポーツまたはペットの動物が含まれる。哺乳動物はヒトであることが好ましい。
【0067】
「治療」は、治療上の処置と予防的(prophylactic)または予防的(preventative)処置を共に指す。治療を必要とするヒトには、すでに疾患または障害を有するヒトならびに疾患または障害が予防されなければならないヒトが含まれる。したがって、哺乳動物は、疾患もしくは障害があると診断されていても、疾患に罹患しやすいもしくは感受性が強くてもよい。
【0068】
B細胞悪性疾患
本発明によれば、これには、いずれのB細胞悪性疾患も含まれ、例えばB細胞リンパ腫および白血病が含まれる。好ましい例には、ホジキン病(すべての型、例えば再発ホジキン病、耐性ホジキン病)非ホジキン・リンパ腫(軽度悪性型、中等度悪性型、高度悪性型、およびその他のタイプ)が含まれる。例には、小リンパ球性/B細胞慢性リンパ球性白血病(SLL/B−CLL)、リンパ形質細胞様リンパ腫(LPL)、外套細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞性リンパ腫(DLCL)、バーキット・リンパ腫(BL)、エイズ関連リンパ腫、単球性B細胞リンパ腫、血管免疫芽球性リンパ節症、小リンパ球性、濾胞性、びまん性大細胞、びまん性小切れ込み核細胞、大細胞免疫芽細胞性リンパ芽球腫、小、非切れ込み核型、バーキットおよび非バーキット、濾胞性、大細胞優勢型;濾胞性小切れ込み核細胞優勢型;および濾胞性小切れ込み核細胞大細胞混合性リンパ腫が含まれる。Gaidono他、「Lymphomas」、IN CANCER:PRINCIPLES & PRACTICE OF ONCOLOGY、Vol.2:2131−2145(DeVita他、編、第5版、1997)を参照されたい。
【0069】
リンパ腫分類の他のタイプには、イムノサイトマル(immunocytomal)ワルデンストレームMALT型/単球様B細胞、外套細胞リンパ腫B−CLL/SLL、びまん性大B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、および前駆B−LBLが含まれる。
【0070】
前述のように、B細胞悪性疾患には、さらにALL−L3(バーキット型白血病)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性白血球性白血病、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、単球性白血病、骨髄性白血病、ならびに前骨髄球性白血病および単球性細胞白血病が含まれる。
【0071】
本明細書の「自己免疫疾患」には、B細胞の活性または増殖の除去または枯渇または阻害が治療上有益であるいずれの自己免疫疾患も含まれる。このような自己免疫疾患には、特にTおよびB細胞媒介性自己免疫疾患が含まれる。その例には、自己免疫性、炎症性、増殖性および過増殖性疾患、ならびに免疫学的に治療される疾患の皮膚症状(例えば、慢性関節リウマチ、エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、1型糖尿病、ブドウ膜炎、ネフローゼ症候群、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎およびさらに湿疹様皮膚炎(dermatitides)、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡(Pemplugus)、水疱性天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、血管炎(vasculitides)、紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症など)の治療または予防;可逆性閉塞性気道疾患、腸炎症およびアレルギー(例えば、セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病および潰瘍性大腸炎)ならびに食物アレルギー(例えば、片頭痛、鼻炎および湿疹)、および他のタイプのアレルギーの治療が含まれる。
【0072】
また、本併用療法は、悪性疾患、特にB細胞が腫瘍成長、保持および/または転移を促進するが、B細胞それ自体は悪性疾患の源ではない(非ホジキンリンパ腫などのB細胞悪性疾患ではない)固形癌または末期悪性疾患の治療に有用である。
【0073】
細胞療法には、テトロロガス(tetrologus)遺伝子、例えば治療的ポリペプチドをコードする遺伝子を潜在的に含むことができる潜在的な免疫原性細胞を、対象、例えば同系、同種異系または異種の対象に導入するいずれの療法も含まれる。
【0074】
遺伝子療法には、正常に発現した遺伝子または正常でなく発現した遺伝子、例えば疾患に関与する遺伝子の発現を調節(阻害または亢進)または提供するDNAまたはRNA配列を導入するいずれの療法も含まれる。通常、DNAまたはRNAは、ベクター中、例えばプラスミド、ウイルスまたは細胞、例えば哺乳動物細胞のゲノム中に含まれる。あるいは、DNAまたはRNAは、「裸で(naked)」あっても、安定化または標的材料、例えばリポソーム中に含まれていてもよい。例には、アデノウイルス、ポックスウイルス、および他のウイルス性ベクター、リポソームDNA製剤などが含まれる。
【0075】
表現「治療上有効な量」は、当該疾患、例えばB細胞悪性疾患の予防、寛解または治療に有効な裸の抗体または放射標識抗体の量を指す。
【0076】
補助療法として本明細書で用いる用語「免疫抑制剤」は、本明細書で治療される哺乳動物の免疫系を抑制またはマスクする働きをする物質を指す。これには、サイトカイン産生を抑制し、自己抗原をダウンレギュレートまたは抑制し、またはMHC抗原をマスクする物質が含まれる。このような薬剤の例には、2−アミノ−6−アリール−5−置換ピリミジン(その開示を参照により本明細書に組み込む米国特許第4,665,077号を参照)、アザチオプリン;シクロホスファミド;ブロモクリプチン;ダナゾール;ダプソン;グルタルアルデヒド(米国特許第4,120,649号に記載のようにMHC抗原をマスクする);MHC抗原およびMHCフラグメントの抗イディオタイプの抗体;シクロスポリンA;グルココルチコステロイドなどのステロイド、例えばプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、およびデキサメタゾン;抗インターフェロンα、βまたはδ抗体、抗腫瘍壊死因子α抗体、抗腫瘍壊死因子β抗体、抗インターロイキン2抗体および抗IL−2受容体抗体を含むサイトカインまたはサイトカイン受容体アンタゴニスト;抗CD1 1aおよび抗CD18抗体を含む抗LFA−1抗体;抗L3T4抗体;異種抗リンパ球グロブリン;汎T抗体、好ましくは抗CD3または抗CD4/CD4a抗体;LFA−3結合ドメインを含む可溶性ペプチド(7/26/90公開のWO90/08187)、ストレプトラナーゼ(streptolanase);TGF−β;ストレプトドルナーゼ;宿主由来のRNAまたはDNA;FK506;RS−61443;デオキシスペルガリン;ラパマイシン;T細胞受容体(Cohen他、米国特許第5,114,721号);T細胞受容体フラグメント(Offner他、Science、251:430−432(1991);WO90/11294;Laneway、Nature、341:482(1989);およびWO91/01133);およびT10B9などのT細胞受容体抗体(EP340,109)が含まれる。
【0077】
本明細書で用いる用語「細胞傷害性薬剤」は、細胞の機能を阻害または妨げかつ/または細胞の破壊を引き起こす物質を指す。この用語には、放射性同位体(例えば、123I、125I、131I、111In、131In、52P、64C、67Cu、211At、177Lu、90Y、186Re、212Pb、212Bi、47Sc、105Rh、104Pd、153Sm、188Re、199Au、211Atおよび213Bi)、化学療法剤、および細菌、真菌、植物もしくは動物起源の小分子の毒素もしくは酵素的に活性な毒素、またはその断片が含まれる。
【0078】
「化学療法剤」は、癌の治療に有用な化合物である。化学療法剤の例には、チオテパおよびシクロホスファミド(CYTOXAN(商標))などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファンおよびピポサルファンなどのアルキル・スルホネート;ベンゾドパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドパ(meturedopa)、およびウレドパ(uredopa)などのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド(triethylenethiophosphaoramide)およびトリメチロロメラミン(trimethylolomelamine)を含むエチレンイミンおよびメチラメラミン(methylamelamine)キロラムブシル(chiorambucil)、クロルナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミン・オキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビキン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン、トロホスファミド(trofosfamide)、ウラシル・マスタードなどのナイトロジェン・マスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなどのニトロソ尿素;アクラシノマイシン(aclacinomysins)、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリチェアミシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン(carminomycin)、カルチノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン(detorubicin)、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン(esorubicin)、イダルビシン、マルセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン(olivomycin)、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン(tubercidin)、ウベニベクス、ジノスタチン、ゾルビシンなどの抗生物質;メトトレキセートおよび5−フルオロウラシル(5−FU)などの代謝拮抗剤;デノプテリン(denopterin)、メトトレキセート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類縁体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類縁体;アンシタビン、アザシチジン(azacitidine)、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、5−FUなどのピリミヂン類縁体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの副腎皮質抑制剤(anti−adrenal);フロリン(frolinic)酸などの葉酸補充物;アセグラトン;アルドホスファミド・グリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル(bestrabucil);ビスアントレン(bisantrene);エダトレキセート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルチン(demecolcine);ジアジクォン;エルフォルニチン(elfornithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium);エトグルシド(etoglucid);硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;ミトガゾン(mitoguazone);ミトキサントロン;モピダモール(mopidamol);ニトラクリン(nitracrine);ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシン;ポドフィリン(podophyllinic)酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標);ラゾキサン(razoxane);シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン(triaziquone);2,2’,2”−トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトル;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えばパクリタキセル(タキソール(登録商標)、Bristol−Myers Squibb Oncology、Princeton、NJ)およびドキセタキセル(タキソテール、Rhone−Poulenc Rorer、Antony、France);クロラムブシル;ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキセート;シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金類縁体;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;GPT11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸;エスペラミシン;カペシタビン;および上記のいずれかの薬剤として許容される塩、酸または誘導体が含まれる。また、この定義には、例えばタモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼを阻害する4(5)−イミダゾール、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン(trioxifene)、ケオキシフェン(keoxifene)、LY117018、オナプリストン(onapristone)、およびトレミフェンを含む抗エストロゲン;フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリンなどの抗アンドロゲン;および上記のいずれかの薬剤として許容される塩、酸または誘導体も含まれる。
【0079】
用語「サイトカイン」は、一細胞母集団によって放出され、細胞間メディエータとして他の細胞に作用するタンパク質の総称である。このようなサイトカインの例は、リンフォカイン、モノカイン、および従来のポリペプチド・ホルモンである。サイトカインには、ヒト成長ホルモン、N−メチオニル・ヒト成長ホルモン、およびウシ成長ホルモンなどの成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;リラキシン;プロリラキシン;卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、および黄体形成ホルモン(LH)などの糖タンパク質ホルモン;肝成長因子;線維芽細胞成長因子;プロラクチン;胎盤性ラクトゲン;腫瘍壊死因子αおよびβ;ミューラー阻害物質;マウス・ゴナドトロピン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮細胞成長因子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);NGF−13などの神経成長因子;血小板成長因子;TGF−αおよびTGF−βなどのトランスフォーミング成長因子(TGF);インスリン様成長因子IおよびII;エリスロポエチン(EPO);骨誘導因子;インターフェロンα、β、およびγなどのインターフェロン;マクロファージ−CSF(M−CSF)などのコロニー刺激因子(CSF);顆粒球マクロファージ−CSF(GM−CSF);および顆粒球−CSF(G−CSF);IL−1、IL−1a、IL−2、IL−g、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−11、IL−12、IL−15などのインターロイキン(IL);TNF−αまたはTNF−βなどの腫瘍壊死因子;およびLIFおよびキット・リガンド(KL)を含む他のポリペプチド因子である。本明細書で用いる用語サイトカインには、自然源由来または組換え細胞培養液由来のタンパク質および天然配列サイトカインの生物学的に活性な等価体が含まれる。
【0080】
本出願で用いる用語「プロドラッグ」は、もとの薬物に比べて腫瘍細胞に対する細胞傷害性が低く、酵素的に活性化されるか、より活性なもとの形態に変換されることが可能である、薬剤として活性な物質の前駆体または誘導体を指す。例えば、Wilman、「Prodrugs in Cancer Chemotherapy」Biochemical Society Transactions、14、pp.375−382、615th Meeting Belfast(1986)およびStella他、「Prodrugs:A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery」、Directed Drug Delivery、Borchardt他、(編)、pp.247−267、Humana Press(1985)を参照されたい。本発明のプロドラッグには、ホスフェート含有プロドラッグ、チオホスフェート含有プロドラッグ、サルフェート含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、D−アミノ酸修飾プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、13−ラクタム含有プロドラッグ;場合によって置換されたフェノキシアセトアミド含有プロドラッグまたは場合によって置換されたフェニルアセトアミド含有プロドラッグ、5−フルオロシトシンおよびより活性な細胞傷害性遊離薬物に変換することができる他の5フルオロウリジン・プロドラッグが含まれるが、これらに限定されるものではない。本発明で用いるためにプロドラッグ体に誘導体化することができる細胞傷害性薬物の例には、前述の化学療法剤が含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0081】
「リポソーム」は、薬物(本明細書に開示されたアンタゴニストおよび、場合によっては化学療法剤)を哺乳動物に送達するのに有用な、様々なタイプの脂質、リン脂質および/または界面活性剤からなる小胞である。リポソームの成分は、一般に生体膜の脂質配列と同様に二重層を形成するように配置する。
【0082】
用語「添付文書」は、習慣的に治療薬の商業包装に含められる指示書を指すために用いられ、このような治療薬の使用法に関する適応、用法、用量、投与、禁忌および/または警告についての情報を含む。
【0083】
抗体の製造
本発明は、CD20およびCD22に対する抗体を用いる。これらの抗体は知られている方法によって提供される。前述のように、これらの両抗原に対する抗体はよく知られている。
【0084】
本明細書に従って用いられる抗体を製造するための典型的な技法を記載する。
【0085】
(i)ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体は、複数回の関連抗原およびアジュバントの皮下(sc)または腹腔内(ip)注射により動物で作製することが好ましい。免疫すべき動物種において免疫原性であるタンパク質、例えばキーホールリンペットヘモシニアン、血清アルブミン、ウシ・サイログロブリン、または大豆トリプシンインヒビターに、二官能性または誘導化剤、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基による結合)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基により)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl2、またはR1N=C=NR(RおよびR1は異なるアルキル基)を用いて関連抗原を結合させることが有用である。
【0086】
例えば、タンパク質または複合体100μgまたは5μg(それぞれ、ウサギまたはマウスの場合)を3倍量のフロイント完全アジュバントと混合し、複数の部位に溶液を皮内注射することにより、動物を抗原、免疫原性複合体、または誘導体に対して免疫にする。1ヶ月後、フロイント完全アジュバントに溶かした当初の1/5から1/10量のペプチドまたは複合体で、複数部位に皮下注射して、動物を追加免疫する。7から14日後、動物から採血し、抗体力価について血清をアッセイする。力価が頭打ちになるまで動物を追加免疫する。同一抗原の複合体であるが、異なるタンパク質および/または異なる架橋剤によって結合した複合体で動物を追加免疫することが好ましい。複合体はまた、タンパク質融合として組換え細胞培養で製造することができる。また、ミョウバンなどの凝集剤を適当に用い、免疫反応を亢進させる。
【0087】
(ii)モノクローナル抗体
モノクローナル抗体は、実質的に同種の抗体の母集団から得られ、すなわち母集団を含む個々の抗体は、少量存在する可能性のある天然に存在する突然変異を除いては同一である。したがって、修飾語の「モノクローナル」は、抗体の性質が個々の抗体の混合物ではないことを示す。
【0088】
例えば、モノクローナル抗体は、Kohler他、Nature、256:495(1975)によって初めて記載されたハイブリドーマ法によって製造でき、または組換えDNA法(米国特許第4,816,567号を参照)によって製造することができる。
【0089】
ハイブリドーマ法では、マウスまたはハムスターなどの他の適当な宿主動物を前述のように免疫化し、免疫化に用いられるタンパク質と特異的に結合する抗体を産生するか、産生することができるリンパ球を誘導する。あるいは、リンパ球をin vitroで免疫化してもよい。次いで、ポリエチレングリコールなどの適当な融合剤を用い、リンパ球を骨髄腫細胞と融合させ、ハイブリドーマ細胞を生成する(Goding、Monoclonal Antibodies:Principles and Practice、pp.59−103(Academic Press、1986))。
【0090】
このようにして得られたハイブリドーマ細胞を、融合していない親の骨髄腫細胞の成長または生存を阻害する1種または複数の物質を含むことが好ましい適当な培地中に播種し、培養する。例えば、親の骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠いている場合には、ハイブリドーマ用の培地は通常、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン(HAT培地)を含み、これらの物質はHGPRT欠損細胞の成長を妨げる。
【0091】
好ましい骨髄腫細胞は、効率よく融合し、選択された抗体産生細胞による安定した高レベルな抗体の産生を支え、HAT培地などの培地に感受性である細胞である。これらの細胞のうち、好ましい骨髄腫細胞株は、Salk Institute Cell Distribution Center、San Diego、California、USAから入手できるMOPC−21およびMPC−11マウス腫瘍、ならびにAmerican Type Culture Collection、Manassas、Virginia、USAから入手できるSP−2またはX63−Ag8−653細胞に由来するようなマウス骨髄腫系である。ヒト・モノクローナル抗体の産生については、ヒト骨髄腫およびマウス−ヒト・ヘテロ骨髄腫も記載されている(Kozbor、J.Immunol.、133:300 1(1984);Brodeur他、Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications、pp.51−63(Marcel Dekker、Inc.、New York、1987))。
【0092】
抗原を対象とするモノクローナル抗体の産生について、ハイブリドーマ細胞が培養されている培地をアッセイする。ハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降またはラジオイムノアッセイ(RIA)もしくは酵素免疫吸着法(ELISA)などのin vitroにおける結合アッセイによって測定する。
【0093】
モノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、Munson他、Anal.Biochem.、107:220(1980)の30回のスキャッチャード解析によって測定することができる。
【0094】
所望の特異性、親和性および/または反応性の抗体を産生するハイブリドーマを特定した後、クローンを限界希釈法によりサブクローニングし、標準法によって培養することができる(Goding、Monoclonal Antibodies:Principles and Practice、pp.59−103(Academic Press、1986)。この目的に適した培地には、例えばD−MEMまたはRPML−1640培地が含まれる。さらに、動物における腹水腫瘍として、ハイブリドーマ細胞をin vivoで増殖させることができる。
【0095】
サブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体は、例えば、タンパク質A−セファロース、ヒドロキシアパタイト・クロマトグラフィ、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティ・クロマトグラフィなどの従来の免疫グロブリン精製手順により、培地、腹水、または血清から適当に分離する。
【0096】
モノクローナル抗体をコードするDNAは容易に単離され、従来の手順を用いて配列決定される(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子と特異的に結合することができるオリゴヌクレオチド・プローブを用いることにより)。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましいソースとして働く。単離したら、発現ベクター中にDNAをセットし、次いで大腸菌細胞、サルのCOS細胞、チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞などの、別な方法では免疫グロブリンタンパク質を産生しない宿主細胞中に形質移入し、組換え宿主細胞中でモノクローナル抗体を合成させる。抗体をコードするDNAの細菌における組換え発現に関する総論には、Skerra他、Curr.Opinion in Immunol.、5:256−262(1993)およびPluckthun、Immunol.Revs.、130:151−188(1992)が含まれる。
【0097】
CD20またはCD22に対して反応性の特異的抗体、または抗体フラグメントを作製する別の方法は、CD20またはCD22タンパク質またはペプチドにより細菌中で発現した、免疫グロブリン遺伝子、またはその一部をコードする発現ライブラリーをスクリーニングすることである。例えば、ファージ発現ライブラリーを用い、完全なFabフラグメント、VH領域およびFv領域を細菌中で発現することができる。例えば、Ward他、Nature 341:544−546(1989);Huse他、Science 246:1275−1281(1989);およびMcCafferty他、Nature 348:552−554(1990)を参照されたい。このようなライブラリーを、例えばCD22またはCD20ペプチドを用いてスクリーニングすると、CD22またはCD20と反応性の免疫グロブリンフラグメントを特定することができる。あるいは、SCID−huマウス(Genpharmから入手できる)を用い、抗体またはそのフラグメントを産生させることができる。
【0098】
他の実施形態では、McCafferty他、Nature 348:552−554(1990)に記載の技法を用いて作製した抗体ファージライブラリーから抗体または抗体フラグメントを単離することができる。Clackson他、Nature、352:624−628(1991)およびMarks他、J.Mol.Biol.、222:581−597(1991)は、それぞれファージライブラリーを用いるマウスおよびヒト抗体の単離について記載している。次の公表文献は、チェーン・シャッフリング(chain shuffling)(Marks他、Bio/Technology、10:779−783(1992))、ならびに極めて大きなファージライブラリーを構築するための戦略としての組合せ感染およびin vivoにおける組換え(Waterhouse他、Nuc.Acids.Res.、21:2265−2266(1993))による高親和性(nM範囲)のヒト抗体の産生について記載している。したがって、これらの技法は、モノクローナル抗体を単離するための従来のモノクローナル抗体ハイブリドーマ技法の実行可能な代替法である。
【0099】
また、例えば、相同的なマウス配列をヒト重鎖および軽鎖定常ドメインのコード配列で置換することにより(米国特許第4,816,567号;Morrison、他、Proc.Natl Acad.ScL USA、81:6851(1984))、または免疫グロブリン・コード配列すべてもしくは非免疫グロブリン・ポリペプチドのコード配列の一部に共有結合させることによりDNAを修飾することができる。
【0100】
通常、このような非免疫グロブリンポリペプチドで抗体の定常ドメインを置換するか、抗体の一抗原結合部位の可変ドメインを置換し、抗原に対して特異性を有する1種の抗原結合部位および異なる抗原に対して特異性を有する別の抗原結合部位を含むキメラ二価抗体を作製する。
【0101】
(iii)ヒト化抗体
ヒト以外の抗体をヒト化する方法は、当技術分野で記載されてきた。ヒト化抗体は、ヒト以外であるソースからヒト化抗体に導入された1種または複数のアミノ酸残基を有することが好ましい。これらのヒト以外のアミノ酸残基は、しばしば「輸入(import)」残基と呼ばれ、通常は「輸入」可変ドメインから選ばれる。ヒト化は、基本的にWinterおよび共同研究者(Jones他、Nature、321:522−525(1986);Reichmann他、Nature、332:323−327(1988);Verhoeyen他、Science、239:1534−1536(1988))の方法に従い、超可変領域配列で対応するヒト抗体の配列を置き換えることによって行うことができる。したがって、このような「ヒト化抗体」はキメラ抗体であり(米国特許第4,816,567号)、実質的に原型とは言えないヒト可変ドメインは、対応するヒト以外の種に由来する配列によって置換されている。実際、ヒト化抗体は、通常一部の超可変領域配列およびおそらく一部のFR残基が、齧歯類抗体における類似の部位に由来する残基によって置換されたヒト抗体である。
【0102】
ヒト化抗体を作製するのに用いられる軽鎖および重鎖のヒト可変ドメインの選択は、抗原性を減らすのに極めて重要である。いわゆる「最良適合(best−fit)」法に従い、齧歯類抗体の可変領域の配列を、知られているヒト可変ドメイン配列の全ライブラリーについてスクリーニングする。次いで、齧歯類の配列に最も近いヒト配列をヒト化抗体用のヒト・フレームワーク領域(FR)として受け入れる(Suns他、J.Immunol.、151:2296(1993);Chothia他、J.Mol.Biol、196:901(1987))。別の方法は、軽鎖または重鎖の特定のサブグループのすべてのヒト抗体のコンセンサス配列に由来する特定のフレームワーク領域を用いる。いくつかの異なるヒト化抗体に対して同一のフレームワークを用いることができる(Carter他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:4285(1992);Presta他、J.Immunol.、151:2623(1993))。
【0103】
さらに重要なのは、抗原に対する高い親和性および他の好ましい生物学的特性を保持しつつ抗体をヒト化することである。この目標を達成するためには、好ましい方法に従い、親配列およびヒト化配列の三次元モデルを用いる親配列および様々な概念的ヒト化生成物の解析プロセスにより、ヒト化抗体を調製する。三次元免疫グロブリンモデルは一般に利用でき、当業者にはよく知られている。選択された免疫グロブリン配列候補の予想される三次元コンホメーション構造を図示および表示するコンピュータ・プログラムが利用できる。これらの表示を検討することにより、免疫グロブリン配列候補が機能する際に考え得る残基の役割の解析、すなわち免疫グロブリン候補がその抗原と結合する能力に影響を及ぼす残基の解析が可能になる。このようにして、標的抗原に対する親和性の増加などの望ましい抗体特性が達成されるように、レシピエントおよび輸入配列からFR残基を選択および組み合わせることができる。一般に、超可変領域残基が、抗原結合に影響を及ぼすことに直接かつ最も実質的に関与する。
【0104】
(iv)霊長類化抗体
組換え抗体を作製するための極めて効率的な別の手段が、Newman、Biotechnology、10:1455−1460(1992)によって開示されている。より具体的には、この技法により、サル可変ドメインおよびヒト定常配列を含む霊長類化抗体が作製される。この参考文献の全体を参照により本明細書に組み込む。さらに、この技法は、1995年1月25日出願の同一出願人による米国出願番号08/379,072にも記載されており、この出願は1992年7月10日出願の米国出願番号07/912,292の継続であり、この出願は1992年3月23日出願の米国出願番号07/856,281の一部継続であり、この出願は1991年7月25日出願の米国出願番号07/735,064の一部継続である。08/379,072およびその親出願のすべてを参照により本明細書に組み込む。
【0105】
この技法は、ヒトに投与することによって抗原として拒絶されないように抗体を修飾する。この技法は、ヒト抗原または受容体によるカニクイザルの免疫化に基づく。この技法は、ヒト細胞表面抗原を対象とする高い親和性のモノクローナル抗体を作製するために開発された。
【0106】
ファージディスプレイライブラリーまたはCD20もしくはCD22で免疫化したサルからのBリンパ球を用いて得られるサル・ヘテロハイブリドーマをスクリーニングすることによるヒトCD20またはCD22に対するマカク抗体の同定は、その全体を参照により本明細書に組み込む、1995年6月7日出願の同一出願人による米国出願番号08/487,550に記載の方法によって行うことができる。
【0107】
これらの出願に記載の方法を用いて作製した抗体は、ヒト・エフェクター機能を示し、低い免疫原性、および長い血清半減期を有すると報告されている。この技術は、カニクイザルが系統的にはヒトに類似しているという事実にもかかわらず、カニクイザルは依然としてヒト抗体を異物と認識して免疫反応を示すという事実に基づいている。さらに、カニクイザルは系統的にはヒトに近いため、これらのサルで作製された抗体は、ヒトで産生される抗体と高度なアミノ酸相同性を有することが見出されている。実際に、マカク免疫グロブリンの軽鎖および重鎖可変領域遺伝子の配列決定後に、各遺伝子ファミリーの配列がそのヒト対応物と85〜98%相同であることが見出された(Newman他、1992)。このようにして作製された最初の抗体である抗CD4抗体は、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域のコンセンサス配列と91〜92%相同であった(Newman他、1992)。
【0108】
(v)ヒト抗体
ヒト化の代替法として、ヒト抗体を作製することできる。例えば、免疫化により、内因性の免疫グロブリン産生がない状態でヒト抗体のすべてのレパートリーを産生することができるトランスジェニック動物(例えばマウス)を生み出すことが今や可能である。例えば、キメラおよび構造遺伝子変異マウスにおける抗体重鎖結合領域PH)遺伝子の同型接合的な欠失は、内因性抗体産生の完全な阻害をもたらすことが記載されている。このような構造遺伝子変異マウスにおけるヒト生殖細胞免疫グロブリン遺伝子配列の移動は、抗原チャレンジによるヒト抗体の産生をもたらすはずである。例えば、Jakobovits他、Proc.Mad.Acad.Sci.USA、90:255 1(1993);Jakobovits他、Nature、362:255−258(1993);Bruggermann他、Year in immuno.、7:33(1993);ならびに米国特許第5,591,669号、第5,589,369号および第5,545,807号を参照されたい。
【0109】
あるいは、ファージディスプレイ技術(McCafferty他、Nature 348:552−553(1990))を用い、非免疫化ドナーに由来する免疫グロブリン可変(V)ドメイン遺伝子レパートリーから、in vitroでヒト抗体および抗体フラグメントを製造することができる。この技法によれば、抗体Vドメイン遺伝子を、M13またはfdなどの糸状バクテリオファージの主要または副次コート・タンパク質遺伝子中にフレーム単位でクローニングし、ファージ粒子の表面上の機能性抗体フラグメントとして発現させる。糸状粒子はファージ・ゲノムの一本鎖DNAコピーを含むため、抗体の機能性に基づく選択は、それらの特性を示す抗体をコードする遺伝子の選択にもつながる。すなわち、ファージは、B細胞の特性の一部を模倣する。ファージディスプレイは、様々なフォーマットで行うことができる。それらの総説に関しては、Johnson、Kevin S.およびChiswell、David J.、Current Opinion in Structural Biology 3:564−571(1993)を参照されたい。ファージディスプレイにはいくつかのV遺伝子セグメント源を用いることができる。Clackson他、Nature、352:624−628(1991)は、免疫化マウスの脾臓に由来するV遺伝子の小さなランダム組合せライブラリーから様々な抗オキサゾロン抗体を単離した。非免疫化ヒト・ドナーに由来するV遺伝子のレパートリーを構築し、様々な抗原(自己抗原を含む)に対する抗体を、基本的にMarks他、J.Mol.Biol.、222:581−597(1991)、またはGriffith他、EMBO J.12:725−734(1993)によって記載された技法に従って単離することができる。米国特許第5,565,332号および第5,573,905号も参照されたい。
【0110】
また、ヒト抗体は、in vitroの活性化B細胞によって作製することができる(米国特許第20 5,567,610号および第5,229,275号を参照)。SCIDマウスを用いてヒト抗体を作製する好ましい手段は、同一所有の同時係属出願に開示されている。
【0111】
(vi)抗体フラグメント
抗体フラグメントの製造には様々な技法が開発されている。伝統的に、これらのフラグメントは、原型抗体のタンパク質分解性消化により得られていた(例えば、Morimoto他、Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107−117(1992)およびBrennan他、Science、229:81(1985)を参照)。しかしながら、現在これらのフラグメントは組換え宿主細胞により直接製造することができる。例えば、前述の抗体ファージ・ファイブラリーから抗体フラグメントを単離することができる。あるいは、Fab’−SHフラグメントを大腸菌から直接回収し、化学的にカップリングさせてF(ab’)2フラグメントを生成することができる(Carter他、Bio/Technology 10:163−167(1992))。別の手法に従い、組換え宿主細胞培養液からF(ab’)2フラグメントを直接単離することができる。抗体フラグメントを製造するための他の技法は当業者に明らかである。他の実施形態では、最適な抗体は単鎖Fvフラグメント(scFv)である。WO93/16185;米国特許第5,571,894号;および米国特許第5,587,458号を参照されたい。また、抗体フラグメントは、例えば米国特許第5,641,870号に記載の「リニア抗体」であってもよい。このようなリニア抗体フラグメントは単一特異性または二重特異性であってもよい。
【0112】
(vii)二重特異性抗体
二重特異性抗体は、少なくとも2種類の異なるエピトープに対して結合特異性を有する抗体である。典型的な二重特異性抗体は、B細胞表面マーカーの2種類の異なるエピトープと結合することができる。他のこのような抗体は、第一のB細胞マーカーと結合し、さらに第二のB細胞表面マーカーと結合することができる。あるいは、B細胞に対する細胞性防御機構に集中するように、抗B細胞マーカー結合アームを、T細胞受容体分子(例えば、CD2またはCD3)、またはFcyRI(CD64)、FcyRII(CD32)およびFcyRIII(CD16)などのIgGのFc受容体(FcyR)などの、白血球上のトリガ分子と結合するアームと組み合わせることができる。二重特異性抗体を用い、B細胞に細胞傷害性薬剤を局在化させることもできる。これらの抗体は、B細胞マーカー結合アームおよび細胞傷害性薬剤(例えば、サポニン、抗インターフェロンα、ビンカ・アルカロイド、リシンA鎖、メトトレキセートまたは放射性同位体ハプテン)と結合するアームを有している。二重特異性抗体は、完全長抗体または抗体フラグメントとして調製することができる(例えば、F(ab)2二重特異性抗体)。
【0113】
二重特異性抗体を製造する方法は当技術分野で知られている。従来の完全長二重特異性抗体の製造は、2本の免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の同時発現に基づいており、この場合、2本の鎖は異なる特異性を有している(Millstein他、Nature、305:537−539(1983))。免疫グロブリン重鎖および軽鎖のランダムな組合せのため、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は10種類の異なる抗体分子の混合物を産生し、このうち1種類のみが正しい二重特異性構造を有している。正しい分子の精製は通常アフィニティ・クロマトグラフィ・ステップによって行われるが、どちらかと言えば面倒で、生成物収量も低い。同様の手順は、WO93/08829、およびTraunecker他、EMBO J.、10:3655−3659(1991)に開示されている。
【0114】
異なる手法によれば、所望の結合特異性を有する抗体可変ドメイン(抗体−抗原結合部位)を免疫グロブリン定常ドメイン配列と融合する。この融合は、ヒンジの少なくとも一部、CH2およびCH3領域を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインによることが好ましい。少なくとも1種類の融合物中に存在する、軽鎖結合に必要な部位を含む最初の重鎖定常領域(CHI)を有することが好ましい。免疫グロブリン重鎖融合物および望ましい場合には免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAを、別の発現ベクターに挿入し、適当な宿主生物体中に同時形質移入する。このことは、構築に用いる3種類のポリペプチド鎖の比が一様でないことが最適収量をもたらす実施形態において3種類のポリペプチド・フラグメントの相互の割合を調整する際に大きな柔軟性を提供する。しかしながら、少なくとも2種類のポリペプチド鎖が等しい比で発現すると高収量が得られるか比が特別の意味を持たない場合には、2種類または3種類すべてのポリペプチド鎖のコード配列を1種類の発現ベクター中に挿入することが可能である。
【0115】
この手法の好ましい実施形態では、二重特異性抗体は、一方のアームにある第一の結合特異性を有するハイブリッド免疫グロブリン重鎖、および他方のアームにあるハイブリッド免疫グロブリン重鎖−軽鎖対(第二の結合特異性を提供する)からなる。この非対称の構造が望ましくない免疫グロブリン鎖の組合せからの所望の二重特異性化合物の分離を容易にするのは、二重特異性分子の半分だけに免疫グロブリン軽鎖が存在することが容易な分離様式を提供するためであることが分かった。この手法はWO94/04690に開示されている。二重特異性抗体を作製するための詳細については、例えば、Suresh他、Methods in Enzymology、121:210(1986)を参照されたい。
【0116】
米国特許第5,731,168号に記載の別の手法によれば、一対の抗体分子間の境界面を設計して、組換え細胞培養液から回収されるヘテロ二量体の割合を最大にすることができる。好ましい境界面は、抗体定常ドメインのCH3ドメインの少なくとも一部を含む。この方法では、第一の抗体分子の境界面からの1種または複数の小さなアミノ酸側鎖をより大きな側鎖(例えば、チロシンまたはトリプトファン)で置き換える。大きなアミノ酸側鎖をより小さなアミノ酸側鎖(例えば、アラニンまたはスレオニン)で置き換えることにより、大きな側鎖と同一または類似したサイズの代償的「空洞」を第二の抗体分子上に作製する。このことは、ホモ二量体などの他の望ましくない最終生成物上回ってヘテロ二量体の収量を増加するための機序を提供する。
【0117】
二重特異性抗体には、架橋または「ヘテロ複合体」抗体が含まれる。例えば、ヘテロ複合体における一方の抗体はアビジンと連結させ、他方はビオチンと連結させることができる。例えば、このような抗体は、望ましくない細胞に対して免疫系細胞を標的とし(米国特許第4,676,980号)、HIV感染の治療用(WO91/00360、WO92/200373、およびEP03089)に提案されている。ヘテロ複合体抗体は、便利などのような架橋法を用いても製造することができる。適当な架橋剤は当技術分野ではよく知られており、多くの架橋技法と共に米国特許第4,676,980号に記載されている。
【0118】
抗体フラグメントから二重特異性抗体を作製する技法も文献中に記載されている。例えば、化学結合を用いて二重特異性抗体を調製することができる。Brennan他、Science、229:81(1985)は、原型抗体をタンパク質分解的に切断してF(ab’)2フラグメントを作製する手順について記載している。これらのフラグメントは、隣接ジチオールを安定化し分子間ジスルフィド形成を防ぐためのジチオール錯化剤砒酸ナトリウムの存在下で還元される。次いで、生成したFab’フラグメントをチオニトロベンゼン(TNB)誘導体に変換する。次いで、Fab’−TNB誘導体の一方をメルカプトエチルアミンで還元することによりFab’−チオールに再変換し、等モル量の他方のFab’−TNB誘導体と混ぜて二重特異性抗体を生成する。製造した二重特異性抗体は、酵素の選択的固定化用薬剤として使用することができる。
【0119】
最近の進歩は、大腸菌からのFab’−SHフラグメントの直接回収を容易にし、これを化学的にカップリングして二重特異性抗体を生成することができる。Shalaby他、J.Exp.Med.、175:217−225(1992)は、完全にヒト化された二重特異性抗体F(ab’)2分子の製造について記載している。各Fab’フラグメントは大腸菌から別々に分泌され、in vitroにおける有向化学カップリングを受けて二重特異性抗体を生成した。このように生成した二重特異性抗体は、ErbB2受容体を過発現する細胞および正常なヒトT細胞と結合するばかりでなく、ヒト乳癌標的に対するヒト細胞傷害性リンパ球の溶解活性を誘発することができた。
【0120】
組換え細胞培養液から直接二重特異性抗体を製造および単離する様々な技法も記載されている。例えば、ロイシン・ジッパーを用いて二重特異性抗体が製造されている。Kostelny他、J.Immunol.148(5):1547−1553(1992)。FosおよびJunタンパク質からのロイシンジッパーペプチドを遺伝子融合により、2つの異なる抗体のFab’部分に連結した。ヒンジ領域で抗体ホモ二量体を還元して単量体を生成させ、次いで再酸化して抗体ヘテロ二量体を生成させた。この方法は抗体ホモ二量体の製造にも利用することができる。Hollinger他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:6444−6448(1993)によって記載された「ダイアボディ(diabody)」技術は、二重特異性抗体フラグメントを製造するためのもう1つの機序を提供した。これらのフラグメントは、同一の鎖上の2個のドメイン間で対になることができない長さのリンカーを用いることにより軽鎖可変ドメイン(VL)と連結した重鎖可変ドメイン(VH)を含む。したがって、一方のフラグメントのVHおよびVLドメインは、他方のフラグメントの相補的VHおよびVLドメインと対にならざるを得ないことにより、2種類の抗原結合部位が形成する。単鎖Fv(sFv)二量体を用いることによる二重特異性抗体を製造する別の戦略も報告されている。Gruber他、J.Immunol.、152:5368(1994)を参照されたい。
【0121】
3個以上の結合価を有する抗体も企図されている。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tutt他、J.Immunol.147:60(1991)。
【0122】
抗体複合体および他の修飾
本療法には、まず、放射標識CD22抗体以外の、抗体が、例えば、細胞毒素または治療成分複合体と結合した抗体の投与が含まれる。
【0123】
このような抗体−化学療法剤複合体の作製に有用な化学療法剤は上記に記載した。
【0124】
抗体ならびにカリチェアミシン、メイタンシン(米国特許第5,208,020号)、トリコテン(trichothene)、およびCC1065などの1種または複数の小さな分子毒素の複合体も本明細書では企図されている。本発明の好ましい一実施形態では、アンタゴニストを1個または複数のメイタンシン分子と結合させる(例えば、アンタゴニスト分子1個当たり約1から約10個のメイタンシン分子)。例えば、メイタンシンをMaySS−Meに変換し、それを還元してMay−SH3とし、修飾アンタゴニストと反応させて(Charm他、Cancer Research 52:127−131(1992))メイタンシノイド−アンタゴニスト複合体を生成することができる。
【0125】
あるいは、抗体を1個または複数のカリチェアミシン分子と結合させることができる。カリチェアミシン・ファミリーの抗生物質は、ピコモル以下の濃度で二本鎖DNAの切断を引き起こすことができる。用いることができるカリチェアミシンの構造類縁体には、γ1 I、α2 I、α3 I、N−アセチルγ1 I、PSAGおよびO1 Iが含まれるが、これらに限定されるものではない(Hinman他、Cancer Research 53:3336−3342(1993)およびLode他、Cancer Research 58:2925−2928(1998))。
【0126】
用いることができる酵素的に活性な毒素およびそのフラグメントには、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、外毒素A鎖(緑膿菌由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ・サルシン、シナアブラギリ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、およびPAP−S)、ゴーヤー(momordica charantia)阻害剤、クルシン(curcin)、クロチン、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)およびトリコテシンが含まれる。例えば、1993年10月28日公開のWO93/21232を参照されたい。
【0127】
さらに、本発明は核酸分解(nucleolytic)活性を有する化合物(例えば、リボヌクレアーゼまたはデオキシリボヌクレアーゼなどのDNAエンドヌクレアーゼ;DNase)と結合した抗体を企図している。
【0128】
前述のように、放射性結合(radioconjugated)アンタゴニストの製造には、様々な放射性同位体が利用できる。例には、At211、I131、I125、Y90、Re186、RE188、Sm153、Bi212、P32およびLuの放射性同位体が含まれる。
【0129】
抗体と細胞傷害性薬剤の複合体は、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリイルジチオール)プロピオネート(SPDP)、スクシニミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、イミノチオラン(IT)、イミドエステルなどの二官能性誘導体(ジメチル・アジピミデート(adipimidate)HCLなど)、活性エステル(スベリン酸ジスクシンイミヂルなど)、アルデヒド(グルタルアルデヒドなど)、ビス−アジド化合物(ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミンなど)、ビス−ジアゾニウム誘導体(ビス(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミンなど)、ジイソシアネート(トリエン(tolyene)2,6−ジイソシアネートなど)、およびビス−活性フッ素化合物(1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)などの様々な二官能性タンパク質カップリング剤を用いて製造することができる。例えば、リシン免疫毒素は、Vitetta他、Science 238:1098(1987)に記載のように調製することができる。炭素−14−標識1イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレン・トリアミン5酢酸(MX−DTPA)は、放射性核種とアンタゴニストを結合させる典型的なキレート剤である。WO94/11026を参照されたい。リンカーは、細胞内の細胞傷害性薬物の放出を容易にする「切断可能なリンカー」であってもよい。例えば、酸に不安定なリンカー、ペプチダーゼ感受性リンカー、ジメチル・リンカーまたはジスルフィド含有リンカー(Charm他、Cancer Research 52:127−131(1992))を使用することができる。
【0130】
あるいは、抗体および細胞傷害性薬剤を含む融合タンパク質を、例えば、組換え体技法またはペプチド合成によって製造することができる。
【0131】
さらに別の実施形態では、アンタゴニスト−受容体複合体を患者に投与し、続いて除去剤(clearing agent)を用いて未結合の複合体を循環から除去し、次いで細胞傷害性薬剤(例えば、放射性ヌクレオチド)と結合した「リガンド」(例えば、アビジン)を投与する腫瘍のプレターゲティング(pretargeting)に利用するために、抗体を「受容体」(ストレプトアビジン)と結合させることができる。
【0132】
また、本発明の抗体は、プロドラッグ(例えば、ペプチジル化学療法剤、WO81/01145を参照)を活性な抗癌剤に変換するプロドラッグ活性化酵素と結合させることができる。例えば、WO88/07378および米国特許第4,975,278号を参照されたい。
【0133】
このような複合体の酵素成分には、プロドラッグをより活性な細胞傷害性の形態に変換するような方法でプロドラッグに作用することができるいずれの酵素も含まれる。
【0134】
本発明の方法で有用な酵素には、ホスフェート含有プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用なアルカリ・ホスファターゼ;サルフェート含有プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用なアリールスルファターゼ;非毒性の5−フルオロシトシンを抗癌剤フルオロウラシルに変換するのに有用なシトシンデアミナーゼ;ペプチド含有プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用である、セラチア・プロテアーゼ、サーモリシン、スブチリシン、カルボキシペプチダーゼおよびカテプシン(カテプシンBおよびLなど)などのプロテアーゼ;D−アミノ酸置換基を含むプロドラッグを変換するのに有用なD−アラニルカルボキシペプチダーゼ;グリコシル化プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用な、13−ガラクトシダーゼおよびノイラミニダーゼなどの炭水化物切断酵素;13−ラクタムで誘導体化された薬物を遊離薬物に変換するのに有用な13−ラクタマーゼ;ならびにペニシリンVアミダーゼまたはペニシリンGアミダーゼなどの、それぞれフェノキシアセチルまたはフェニルアセチル基によりアミン窒素で誘導体化された薬物を遊離薬物に変換するのに有用なペニシリン・アミダーゼが含まれるが、これらに限定されるものではない。あるいは、当技術分野では「アブザイム」という別名でも知られる酵素活性を有する抗体を用い、本発明のプロドラッグを遊離の活性薬物に変換することができる(例えば、Massey、Nature 328:457−458(1987))。アブザイムを腫瘍細胞母集団へ送達するために、本明細書に記載のようにしてアンタゴニスト−アブザイム複合体を調製することができる。
【0135】
本発明の酵素は、前述のヘテロ二官能性架橋剤の使用などの当技術分野でよく知られている技法により、アンタゴニストと共有結合させることができる。あるいは、当技術分野でよく知られている組換えDNA技法を用い、少なくとも本発明の酵素の機能的に活性な部分と連結した、少なくとも本発明のアンタゴニストの抗原結合領域を含む融合タンパク質を構築することができる(例えば、Neuberger他、Nature、312:604−608(1984)を参照)。
【0136】
抗体の他の修飾も本明細書では企図されている。例えば、抗体を、様々な非タンパク質ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、またはポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのコポリマーの1つの連結させることができる。
【0137】
また、本明細書に開示された抗体をリポソームとして製剤化することができる。アンタゴニストを含有するリポソームは、Epstein他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、82:3688(1985);Hwang他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77:4030(1980);米国特許第4,485,045号および第4,544,545号;ならびに1997年10月23日公開のWO97/38731に記載のような当技術分野で知られている方法によって調製される。循環時間が増加したリポソームは、米国特許第5,013,556号に開示されている。
【0138】
特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロールおよびPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含む脂質組成物を用い、逆相気化法によって作製することができる。規定の孔径のフィルターによりリポソームを押し出すと、所望の直径を有するリポソームが得られる。本発明の抗体のFab’フラグメントを、ジスルフィド交換反応により、Martin他、J.Biol.Chem.257:286−288(1982)に記載のようにリポソームと結合させることができる。場合により、化学療法剤がリポソーム中に入れられる。Gabizon他、J.National Cancer Inst.81(19)1484(1989)を参照されたい。
【0139】
本明細書に記載のタンパク質またはペプチドアンタゴニストのアミノ酸配列修飾が企図されている。例えば、抗体の結合親和性および/または他の生物学的特性を改良することが望ましい。抗体のアミノ酸配列変異体は、抗体をコードする核酸に適当なヌクレオチド変化を導入することにより、またはペプチド合成によって調製される。このような修飾には、例えば、アンタゴニストのアミノ酸配列内の残基からの削除、および/または残基への挿入および/または残基の置換が含まれる。最終構築物に達するには削除、挿入、および置換のいかなる組合せも行われるが、ただし最終構築物は所望の特性を有する。また、アミノ酸変化は、グリコシル化部位の数または位置を変化することなどのアンタゴニストの翻訳後プロセスを変化させることがある。
【0140】
変異誘発に好ましい位置である抗体の特定の残基または領域を同定するための有用な方法は、CunninghamおよびWells Science、244:1081−1085(1989)によって記載されたように「アラニン・スキャニング変異誘発」と呼ばれている。ここで、残基または標的残基の群は特定されており(例えば、arg、asp、his、lys、およびgluなどの荷電残基)、中性または負に荷電したアミノ酸(アラニンまたはポリアラニンが最も好ましい)によって置き換えてアミノ酸と抗原との相互作用に影響を及ぼす。次いで、置換部位に、または置換部位用にさらにまたは他の変異体を導入することにより、置換に対して機能的感受性を示すアミノ酸位置を精製する。したがって、アミノ酸配列変化を導入する場所は予め決まられていても、変異自体の性質が予め決められる必要はない。例えば、所与の部位における変異の能力を分析するためには、標的コドンまたは領域でalaスキャニングまたはランダム変異誘発を行い、発現したアンタゴニスト変異体を所望の活性についてスクリーニングする。
【0141】
アミノ酸配列挿入には、長さが1個の残基から100以上の残基を含むポリペプチドまで及ぶアミノおよび/またはカルボキシ末端融合物、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入が含まれる。末端挿入の例には、N−末端メチオニル残基を有するアンタゴニストまたは細胞傷害性ポリペプチドに融合したアンタゴニストが含まれる。アンタゴニスト分子の他の挿入変異体には、酵素のアンタゴニストのNもしくはC末端、またはアンタゴニストの血清中半減期を増加するポリペプチドとの融合物が含まれる。
【0142】
別のタイプの変異体はアミノ酸置換変異体である。これらの変異体は、アンタゴニスト分子中に異なる残基によって置き換えられた少なくとも1個のアミノ酸残基を有する。抗体アンタゴニストの置換変異誘発にとって最も興味のある部位には超可変領域が含まれるが、FR変化も企図されている。表1には、「好ましい置換」という見出しの下に保存的置換を示す。このような置換が生物活性の変化をもたらす場合には、表1において「典型的置換」と呼ばれる、またはアミノ酸の種類に関して後述するようなより実質的な変化を導入し、生成物をスクリーニングすることができる。
【0143】
抗体の生物学的特性における実質的な変化は、(a)置換の領域におけるポリペプチド主鎖の構造、例えばシートもしくはラセン立体配座、(b)標的部位における分子の電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖の大きさを維持することに対する作用が著しく異なる置換を選択することによって行われる。天然に存在する残基は、共通の側鎖特性に基づいていくつかの群に分けられる。
(1)疎水性:ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile;
(2)中性ハイドロフィウイック(hydrophiuic):cys、ser、thr;
(3)酸性:asp、glu;
(4)塩基性:asn、gln、his、lys、arg;
(5)鎖の配向性に影響を与える残基:gly、pro;および
(6)芳香族:trp、tyr、phe。
【0144】
非保存的置換には、これらの種類のうち1つを別の種類で交換することが必要である。
【0145】
アンタゴニストの適切な立体配置を維持することに関与しないシステイン残基を、一般的にはセリンで置換し、分子の酸化的安定性を改善し異常な架橋を防ぐことができる。逆に、アンタゴニストにシステイン残基を付加し、アンタゴニストの安定性(特に、アンタゴニストがFvフラグメントなどの抗体フラグメントである場合)を改善することができる。
【0146】
特に好ましいタイプの置換型変異体は、親抗体(例えば、ヒト化またはヒト抗体)の1個または複数の超可変領域を置換するものである。一般的に、さらなる開発のために選択される得られた変異体は、それらが作製された親抗体に比べて改善された生物学的特性を有する。このような置換型変異体を作製するための便利な方法は、ファージディスプレイを用いる親和性変異である。手短に言えば、いくつかの超可変領域部位(例えば、6〜7部位)を変異させ、各部位にすべての可能なアミノ置換を作製する。このようにして作製された抗体変異体は、糸状ファージ粒子から一価の様式で、各粒子内に詰め込まれたM13の遺伝子III産物との融合物として呈示される。次いで、ファージディスプレイされた変異体を、本明細書に開示する生物活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングする。修飾のための超可変領域部位候補を特定するために、アラニン・スキャニング変異誘発を行い、抗体結合に大きく寄与する超可変領域残基を特定することができる。あるいは、またはさらに、抗原−抗体複合体の結晶構造を分析し、抗体と抗原の接点を特定することが有益であることがある。このような接触残基および隣接残基は、本明細書に記載の技法による置換の候補である。このような変異体が作製されたら変異体の一団を本明細書に記載のようにスクリーニングし、1種または複数の関連アッセイで優れた特性を有する抗体をさらなる開発のために選択することができる。
【0147】
抗体の別のタイプのアミノ酸変異体は、アンタゴニストの原グリコシル化パターンを変更する。変更とは、アンタゴニスト中に見いだされる1個または複数の炭水化物成分を除去すること、および/またはアンタゴニスト中に存在しない1個または複数のグリコシル化部位を付加することを意味する。
【0148】
ポリペプチドのグリコシル化は、通常N−結合型あるいはO−結合型である。N−結合型は、炭水化物成分のアスパラギン残基の側鎖との結合を指す。トリペプチド配列であるアスパラギン−X−セリンおよびアスパラギン−X−スレオニン(Xはプロリンを除くすべてのアミノ酸である)は、炭水化物成分のアスパラギン側鎖との酵素的結合にとっての認識配列である。したがって、ポリペプチドにおけるこれらのいずれかのトリペプチド配列の存在は、潜在的なグリコシル化部位を生み出す。O−結合型グリコシル化は、糖であるN−アセチルガラクトサミン、ガラクトース、またはキシロースのうち1つと、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセイン(seine)またはスレオニンとの結合を指すが、5−ヒドロキシプロリンまたは5−ヒドロキシリジンも使用することができる。
【0149】
抗体へのグリコシル化部位の付加は、1個または複数の前述のトリペプチド配列(N−結合型グリコシル化部位のための)を含むようにアミノ酸配列を変更することによって都合よく行われる。また、この変更は、原アンタゴニストの配列に1個または複数のセインまたはスレオニン残基を付加することにより、または1個または複数のセインまたはスレオニン残基によって置換することにより行うことができる(N−結合型グリコシル化部位のための)。
【0150】
抗体のアミノ酸配列変異体をコードする核酸分子は、当技術分野で知られている様々な方法によって調製される。これらの方法には、天然ソースからの単離(天然に存在するアミノ酸配列変異体の場合)、またはオリゴヌクレオチド媒介性(または部位特異的)変異誘発、PCR変異誘発、および前に調製した変異体またはアンタゴニストの非変異体バージョンのカセット式変異誘発が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0151】
本発明で用いる抗体を修飾してエフェクター機能を改善する、例えば、アンタゴニストの抗原依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)および/または補体依存性細胞傷害(CDC)を増強することが望ましいことがある。これは、抗体アゴニストのFc領域に1個または複数のアミノ酸置換を導入することによって達成することができる。あるいは、またはさらに、1個または複数のシステイン残基をFc領域に導入することにより、この領域中で鎖間のジスルフィド結合形成を可能にすることができる。このようにして作製されたホモ二量体抗体は、改良された内在化能力、および/または増加した補体媒介性細胞死滅および抗体依存性細胞傷害(ADCC)を有することがある。Caron他、J.Exp Med.176:1191−1195(1992)およびShopes、B.J.Immunol.148:2918−2922(1992)を参照されたい。また、Wolff他、Cancer Research 53:2560−2565(1993)に記載のヘテロ二官能性架橋剤を用い、抗腫瘍活性が増強されたホモ二量体抗体を調製することができる。あるいは、二重のFc領域を有し、それによって増強された補体溶解能およびADCC能力を有する可能性がある抗体を設計することができる。Stevenson他、Anti−Cancer Drug Design 3:219−230(1989)。
【0152】
抗体の血清中半減期を増加させるために、米国特許第5,739,277号に記載のように、抗体(特に抗体フラグメント)中にサルベージ受容体結合エピトープを組み入れることができる。本明細書で用いる用語「サルベージ受容体結合エピトープ」は、IgG分子のin vivoにおける血清中半減期の増加を引き起こすIgG分子(例えば、IgGI、IgG2、IgG3、またはIgG4)のFc領域のエピトープを指す。
【0153】
医薬製剤
本発明に従って使用される非放射性抗CD20および放射標識抗CD22抗体を含む治療用製剤は、所望の純度を有するアンタゴニストを、任意の薬剤として許容される坦体、賦形剤または安定剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences第16版、Osol、A.編(1980))と混ぜることにより、凍結乾燥製剤または水溶液の形態で保存のために調製される。許容される坦体、賦形剤、または安定剤は、用いる用量および濃度でレシピエントに対して非毒性であり、リン酸塩、クエン酸塩、および他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸およびメチオニンを含む酸化防止剤;保存剤(塩化オクタデシルジメチルベンジル・アンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルまたはベンジル・アルコール;メチルまたはプロピル・パラベンなどのアルキル・パラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む単糖類、二糖類、および他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;ショ糖、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn−タンパク質錯体);および/またはTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)もしくはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン界面活性剤が含まれる。
【0154】
これらの抗体は同一製剤中にあってもよく、異なる製剤で投与してもよい。投与は同時または連続して行うことができ、どちらの順序でも有効である。
【0155】
典型的な抗CD20抗体の製剤は、参照により本明細書に組み込むWO98/56418に記載されている。この刊行物は、pH5.0にて40mg/mL リツキシマブ、25mMアセテート、150mMトレハロース、0.9%ベンジル・アルコール、0.02%ポリソルベート20を含み、2〜8℃で最少2年の保存期間を有する液体マルチドーズ製剤について記載している。別の抗CD20製剤は、9.0mg/mL塩化ナトリウムに溶かした10mg/mL リツキシマブ、7.35mg/mLクエン酸ナトリウム2水和物、0.7mg/mLポリソルベート80、およびpH6.5の注射用滅菌水を含む。
【0156】
皮下投与に適した凍結乾燥製剤は、WO97/04801に記載されている。このような凍結乾燥製剤は、適当な希釈剤で再構成して高いタンパク質濃度とし、再構成された製剤を本明細書で治療すべき哺乳動物に皮下投与することができる。
【0157】
また、本明細書の製剤は、治療される特定の適応症に必要な2種類以上の活性化合物、好ましくは互いに悪影響を及ぼさない補完的活性を有する化合物を含むことができる。例えば、化学療法剤、サイトカインまたは免疫抑制剤(例えば、サイクロスポリンなどのT細胞に作用する薬物、またはT細胞と結合する抗体、例えば、LFA−1と結合する抗体)をさらに提供することが望ましいことがある。このような他の薬剤の有効量は、製剤中に存在するアンタゴニストの量、疾患または障害または治療のタイプ、および前述の他の要素によって異なる。これらの薬剤は前に使用したのと同一の用量および投与経路で用いるか、あるいは使用した用量の約1〜99%が用いられる。
【0158】
また、活性成分は、例えば、30コアセルベーション技法、または界面重合によって調製されたマイクロカプセル、例えば、それぞれヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン−マイクロカプセルおよびポリ−(メチルメタシレート(methylmethacylate))マイクロカプセル、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミン・ミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)、またはマイクロエマルジョン中に取り込むことができる。このような技法は、Remington’s Pharmaceutical Science、第16版、Osol、A.編(1980)に開示されている。
【0159】
徐放性製剤を調製することができる。徐放性製剤の好適な例には、アンタゴニストを含む固形の疎水性ポリマーの半透性マトリックスが含まれ、マトリックスは成形加工した部材、例えばフィルム、またはマイクロカプセルの形態である。徐放性マトリックスの例には、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸とγエチル−L−グルタメートのコポリマー、ノアール(noir)分解性エチレン−酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドからなる注射用マイクロスフェア)などの分解性乳酸−グリコール酸コポリマー、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が含まれる。in vivoの投与に用いられる製剤は無菌でなければならない。これは、無菌濾過膜を通す濾過によって容易に行われる。
【0160】
非放射性抗CD20および放射性(放射標識)抗CD22抗体または抗体フラグメントによる治療
非放射性CD20抗体、例えばリツキサン(登録商標)、放射標識抗CD22抗体として、好ましくは90Y(MXDTPAをキレートとして用いることにより放射標識された)を含む組成物を製剤化し、適量に分け、優良投薬規範(good medical practice)に合致する方法で投与する。これに関連して考慮する要素には、特定のB細胞悪性疾患、または他の状態、例えば、自己免疫、アレルギー、炎症性障害、細胞療法もしくは遺伝子療法、治療される特定の哺乳動物、各患者の臨床症状、疾患もしくは障害の原因、薬剤の送達部位、投与の方法、投与の計画、および医者に知られている他の要素が含まれる。投与されるアンタゴニストの治療上有効な量は、このような考慮によって左右される。
【0161】
CD20抗体および放射標識CD22抗体は、同一製剤中または異なる製剤中のどちらにあってもよい。これらの製剤を別々に、または同時に、かついずれの順序で投与してもよい。非放射性CD20抗体を放射標識CD22とは別々に投与することが好ましい。
【0162】
一般的事柄として、投与1回につき非経口投与される抗体の治療上有効な量は、通常1日に患者の体重1kg当たり約0.1〜500mgの範囲であり、用いられるアンタゴニストの典型的初期範囲は約2〜100mg/kgの範囲である。
【0163】
好ましい抗CD20抗体はリツキサン(登録商標)である。このような抗体に適した用量は、例えば、約20mg/m2から1000mg/m2までの範囲である。抗体の用量は、現在非ホジキンリンパ腫の治療に推奨されているリツキサン(登録商標)と同一または異なっていてもよい。例えば、実質的に375mg/m2未満の抗体、例えば投与量が約20mg/m2から約250mg/m2まで、例えば約50mg/m2から約200mg/m2までの範囲で1回または複数回患者に投与することができる。放射標識抗CD22抗体の量は、特定の治療用放射標識、例えばそれがα、βあるいはδ放出体であるか否かなどの要素によって左右される。放射線の適切な用量を決定する方法はよく知られている。骨髄細胞または幹細胞移植を必要とするほど重度な骨髄抑制をもたらさない用量が選択されることが好ましい。
【0164】
抗CD20抗体は、リツキサン(登録商標)に匹敵して、実質的なB細胞枯渇活性を有し、B細胞のアポトーシスを誘発することが好ましい。
【0165】
さらに、CD20または放射標識抗CD22抗体の1回または複数回の初期投与と、続く1回または複数回のその後の投与を、その後の投与における抗体のmg/m2投与量が初期投与における抗体のmg/m2投与量を上回って投与することができる。例えば、初期投与が約20mg/m2から約250mg/m2まで(例えば、約50mg/m2から約200mg/m2まで)の範囲であり、その後の投与が約250mg/m2から約1000mg/m2までの範囲であってもよい。
【0166】
しかしながら、前述のように、これらのCD20とCD22抗体の推奨量は共に、多くの治療的裁量を受けやすい。前述のように、適切な投与量および計画を選択する際の重要な要素は得られる結果である。例えば、進行中および急性の疾患を治療するには比較的高用量が初期には必要なことがある。最も有効な結果を得るため、特定のB細胞悪性疾患に応じ、疾患もしくは障害の最初の徴候、診断、外観もしくは出現とできる限り近く、または疾患もしくは障害の寛解中にアンタゴニストを投与する。
【0167】
抗体は、非経口、皮下、腹腔内、肺内、および鼻腔内を含む任意の好適な手段、ならびに局所免疫抑制治療が望ましい場合には病変内投与によって投与される。非経口注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与が含まれる。さらに、パルス注入により、例えば抗体の投与量を減らしながら抗体を好適に投与することができる。投与は注射によるのが好ましく、静脈内または皮下注射が最も好ましく、投与が短時間であるか長時間にわたるかに一部左右される。
【0168】
さらに、化学療法剤、免疫抑制剤および/またはサイトカインを本明細書の抗体と一緒に投与することができる。併用投与には、別々の製剤または単一の薬剤製剤を用いる同時投与、およびいずれかの順序による連続投与が含まれ、この場合、両者(またはすべての)活性薬剤がそれらの生物活性を同時に発揮する時期のあることが好ましい。
【0169】
抗体を患者に投与する他に、本出願は、遺伝子療法による抗体の投与を企図している。抗体をコードする核酸のこのような投与は、表現「治療上有効な量のアンタゴニストを投与すること」に包含される。例えば、細胞内抗体を生成するための遺伝子療法の使用法に関する1996年3月14日公開のWO96/07321を参照されたい。
【0170】
患者の細胞内に核酸(場合によりベクター中に含まれる)を入れるにはin vivoおよびex vivoという2種類の主要な手法がある。in vivo送達の場合には、通常はアンタゴニストが必要な部位で核酸を直接患者に注射する。ex vivo治療の場合には、患者の細胞を取り出し、こられの単離細胞中に核酸を導入し、修飾細胞を直接、または例えば、患者に埋め込まれた多孔質膜内に封入して投与する(例えば、米国特許第4,892,538号および第5,283,187号を参照されたい)。核酸を生細胞中に導入するために利用できる様々な技法がある。これらの技法は、核酸がin vitroで培養細胞中に運ばれるか、in vivoで対象宿主の細胞中に運ばれるかによって異なる。in vitroで哺乳動物細胞中に核酸を運ぶのに適した技法には、リポソームの使用、電気穿孔法、微量注入法、細胞融合、DEAF−デキストラン、リン酸カルシウム沈降法などが含まれる。遺伝子のex vivo送達で一般的に使用されるベクターはレトロウイルスである。
【0171】
現在のところ好ましいin vivoの核酸運搬技法には、ウイルス・ベクター(アデノウイルス、I型単純疱疹ウイルス、またはアデノ随伴ウイルス)によるトランスフェクションおよび脂質をベースとする系(遺伝子の脂質媒介性運搬に有用な脂質は、例えば、DOTMA、DOPEおよびDC−Cholである)が含まれる。ある状況では、細胞表面膜タンパク質または標的細胞に特異的な抗体、標的細胞上の受容体のリガンドなどの、標的細胞を標的とする薬剤と共に核酸源を提供することが望ましい。リポソームを用いる場合、エンドサイトーシスに関係する細胞表面膜タンパク質と結合するタンパク質、例えば、特定の細胞タイプ、循環中に内在化を受けるタンパク質、および細胞内局在化を標的とし細胞内半減期を増加させるタンパク質の抗体を刺激するカプシドタンパク質またはそのフラグメントを、標的化および/または取り込みを容易にするのに使用することができる。受容体媒介性エンドサイトーシスの技法は、例えば、Wu他、J.Biol.Chem 262:4429−4432(1987);およびWagner他、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:3410−3414(1990)により記載されている。現在のところ知られている遺伝子マーキングおよび遺伝子療法のプロトコルについての総説は、Anderson他、Science 256:808−813(1992)を参照されたい。WO93/25673も参照されたい。これらの参考文献を本明細書に引用する。
【0172】
製品
本発明の別の実施形態では、前述の疾患または障害の治療に有用な材料を含む製品を提供する。
【0173】
製品は、容器および容器上または容器に付属するラベルまたは添付文書を含む。好適な容器には、例えば、瓶、バイアル、注射器などが含まれる。これらの容器はガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から作製することができる。これらの容器は、疾患および障害を治療するのに有効な組成物を保持または含み、無菌の出入り口を有することができる(例えば、容器は、静脈注射用溶液袋または皮下注射針によって穴を開けることができる栓を有するバイアルであってもよい)。全体としては、1つまたはいくつかの組成物であってもよい。これらの組成物のうち1つにおける少なくとも1種の活性薬剤は、非放射性CD20抗体、好ましくは実質的B細胞枯渇活性を有する抗体であり、少なくとも1種の抗体は、治療的に放射標識された抗CD22抗体またはフラグメント、好ましくは90Y放射標識抗体である。ラベルまたは添付文書は、この組成物が、前に列挙したようなB細胞悪性疾患もしくは他の状態またはB細胞の阻害が望ましい治療、例えば、自己免疫疾患、移植、遺伝子療法、細胞療法または炎症性状態を有するか、それらにかかりやすい患者を治療するために用いられることを示す。さらに、製品は、静菌性の注射用の水(BWFI)、リン酸緩衝食塩水、リンガー溶液およびデキストロース溶液などの薬剤として許容される緩衝液を含む第二の容器を含むことができる。さらに、製品は、商業的立場および使用者の立場から所望され、他の緩衝液、希釈液、フィルター、針、および注射器を含む他の材料を含むことができる。
【0174】
本発明の詳細を、以下の非限定的な実施例によりさらに説明する。明細書におけるすべての引用の開示を参照により本明細書に組み込む。
【0175】
本発明の抗体は、治療の度合いまたは予防の度合いに対して効果を生み出すのに十分な量で前述の治療方法に従ってヒトまたは他の動物に投与することができる。このような本発明の抗体は、知られている技法に従い本発明の抗体を従来の薬剤として許容される坦体または希釈剤と混ぜることにより調製される従来の剤形で、このようなヒトまたは他の動物に投与することができる。当業者に知られているように、薬剤として許容される坦体または希釈剤の形態および性質は、それらと混合される活性成分の量、投与の経路および他のよく知られた変数によって決定される。
【0176】
本発明の抗体(またはそのフラグメント)の投与手順は、経口、非経口、吸入によるまたは局所のいずれでもよい。本明細書で用いる用語、非経口には、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、直腸または膣投与が含まれる。皮下および筋肉内形態の非経口投与が一般に好ましい。
【0177】
予防的または治療的に免疫抑制を誘発するため、または発癌性腫瘍を治療的に処置するために本発明の化合物を用いるための毎日の非経口および経口投与法は、一般に1日につき体重1kg当たり約0.05〜100ミリグラムの範囲であるが、約0.5〜10ミリグラムが好ましい。
【0178】
また、本発明の抗体を吸入によって投与することができる。「吸入」は、鼻腔内および経口吸入投与を意味する。エアゾール製剤または計量式吸入器などの、このような投与に適した剤形は、従来の技法で調製することができる。用いられる本発明の化合物の好ましい用量は、一般に約10〜100ミリグラムの範囲内である。
【0179】
また、本発明の抗体を局所投与することができる。局所投与は、非全身的投与を意味し、本発明の抗体(またはそのフラグメント)化合物を外部から表皮、口腔に塗布すること、ならびに耳、眼、および鼻にこのような抗体を点滴注入することが含まれ、この場合、抗体は血流に多くは入らない。全身性投与は、経口、静脈内、腹腔内および筋肉内投与を意味する。治療効果または予防効果に必要な抗体の量は、選ばれた抗体、治療される状態の性質および重症度ならびに動物によって異なることは言うまでもない。
【0180】
本発明の併用療法
本発明は、CD20およびCD22の細胞外抗原決定基を標的とする非放射性抗CD20抗体および放射標識抗CD22抗体の併用に関する。CD20とCD22は共に、B細胞上に存在する抗原である。これらの抗体は、免疫学的条件下でB細胞の表面上に示され、細胞外環境からの抗体に接近可能なCD20およびCD22の抗原決定基と選択的に反応する。
【0181】
用語「選択的に反応する」または「対して特異的」には、抗体のすべてまたは一部が、CD22またはCD22標的分子を有する細胞または組織と優先的に会合し、その標的分子を欠く細胞または組織とは会合しないことへの言及が含まれる。言うまでもなく、分子と非標的細胞または組織との間にある程度の非特異的相互作用が起こりうることが知られている。しかしながら、標的CD22またはCD20分子の特異的認識によって媒介される特異的結合を見分けることができる。通常、特異的結合は、結合分子とCD22またはCD20を欠く細胞との間に比べ、送達された分子とCD22またはCD20を有する細胞との間にかなり強い会合をもたらす。通常、特異的結合は、結合分子とCD22またはCD20を欠く細胞に比べ、CD22またはCD20を有する細胞または組織と結合する量(単位時間当たり)において2倍を超える、好ましくは5倍を超える、より好ましくは10倍を超える、最も好ましくは100倍を超える増加をもたらす。このような条件下でのタンパク質との特異的結合には、特定のタンパク質に対する特異性について選択された抗体が必要である。特定のタンパク質と特異的に免疫反応性である抗体を選択するには、様々なイムノアッセイ・フォーマットが適している。例えば、固相ELISAイムノアッセイは、タンパク質と特異的に免疫反応性であるモノクローナル抗体を選択するのに日常的に使用される。特異的免疫反応性を測定するのに使用できるイムノアッセイ・フォーマットおよび条件の説明については、HarlowおよびLane(1988)Antibodies、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Publications、New Yorkを参照されたい。
【0182】
抗CD20抗体
抗CD20抗体は、CD20またはそのフラグメントと特異的に結合するキメラ、ヒト化またはヒト・モノクローナル抗体を含むことが好ましい。抗CD20抗体は、その全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第5,736,137号に報告されているリツキサン(登録商標)、核酸配列およびアミノ酸配列を含むことが最も好ましい。このキメラ抗CD20抗体は極めて効果的にB細胞を枯渇させ、非ホジキンリンパ腫の治療のために使用することがFDAによって承認されている。しかしながら、ヒト化およびヒト・モノクローナル抗体も使用することができる。
【0183】
放射標識抗CD22抗体は、CD22に対して特異的なキメラ、ヒト化もしくはヒト・モノクローナル抗体またはその結合フラグメントを含むことが好ましい。好ましい実施形態では、Leungによる1998年8月4日発行の米国特許第5,789,554号に配列が開示されている90Y放射標識ヒト化モノクローナル抗体を利用する。この参考文献も、その全体を参照により本明細書に組み込む。しかしながら、それを他のモノクローナル抗体および結合フラグメントで置き換えることができる。
【0184】
さらに、90Y以外の、例えば131I、67Cu、32P、125I、186Re、188Re、211Atなどの放射性核種の使用法が企図されている。好適な放射性同位体には、α、β、およびγ放出体、オージェ電子放出体、およびα粒子または電子捕獲により崩壊するラジオアイソタイプ(radioisotype)を放出する中性子捕獲剤が含まれる。
【0185】
放射標識は、例えばキレート剤を使用することにより、抗体またはフラグメントに直接または間接的に取り付けることができる。好適なキレート剤には、例えばDTPAおよびDETAが含まれる。
【0186】
好適なフラグメントには、実質的に天然抗体のFc領域すべてを欠くいかなる抗体も含まれる。これらには、特にscFv、dsFv、Fab、F(ab1)2、F(ab)2、Fabなどが含まれる。
【0187】
前述のように、抗CD20抗体および放射標識抗CD22抗体は、別々にまたは組み合わせて、およびいずれの順序でも投与することができる。抗CD20抗体を治療上有効な量で最初に投与し、続いて放射標識抗CD22抗体を投与することが好ましい。
【0188】
抗体の結合親和性
本発明で使用する抗体は、CD22またはCD20の細胞外エピトープと特異的に結合することができる。例えば、競合アッセイ、飽和アッセイ、またはELISAもしくはRIAなどの標準的イムノアッセイにより測定または判定し、抗体がCD22またはCD20と結合するか結合する能力を持つ場合には、抗CD22または抗CD20抗体は、CD22またはCD20に対する結合親和性を有する。この特異性の定義は、単一の重鎖および/または軽鎖、CDRS、融合タンパク質またはCD22単独もしくは組合せと結合する場合にCD22またはCD20に特異的な重鎖および/または軽鎖のフラグメントに適用する。
【0189】
競合アッセイでは、リガンドと結合する抗体の能力は、リガンドと結合することが知られている化合物の結合と競合する抗体の能力を検出することによって測定する。多くのタイプの競合アッセイが知られており、本明細書で検討される。あるいは、阻害剤の非存在下で試験化合物の結合を測定するアッセイを用いることもできる。例えば、ある分子または他の化合物がCD22と結合する能力は、当該分子を標識することによって直接検出したり、分子が非標識の場合には様々なサンドイッチ・アッセイ・フォーマットを用いて間接的に検出することができる。競合結合アッセイなどの多くのタイプの結合アッセイが知られている(例えば、参照により本明細書に組み込む米国特許第3,376,110号および第4,016,043号、ならびにHarlowおよびLane、Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Publications、N.Y.(1988)を参照)。競合アッセイを用いるのではなく、試験化合物と1成分のみとの結合を測定するためのアッセイも利用できる。例えば、抗体を用いてリガンドの存在を識別することができる。ELISAなどの、モノクローナル抗体アッセイの標準的手順を使用することができる(HarlowおよびLane、上記参照)。使用できる様々なシグナル産生系の総説については、参照により本明細書に組み込む米国特許第4,391,904号を参照されたい。
【0190】
本発明で用いる抗CD20の用量は、患者および用いる抗体によって異なる。リツキシマブ(登録商標)などのキメラ抗CD20抗体は、少なくとも4週間、1週当たり少なくとも約50mg/m2の投与量で投与することができる。特に好ましい投与計画は、4週間にわたり1週当たり約375mg/m2である。
【0191】
前述のように、抗CD20抗体の投与後に放射標識抗CD22抗体、すなわち治療用放射標識に取り付けた抗体を投与することが好ましい。好ましい放射標識は90Yまたは131Iなどのベータ放出同位体であるが、抗体と効果的に結合し、比較的短い崩壊範囲を有し、直ぐ近くの細胞、すなわち標的とされた細胞を首尾よく死滅させる限りは、いかなる放射性同位体を使用してもよい。通常、放射標識はキレート剤、例えばDTPAを用いることによって取り付ける。
【0192】
重症な血球減少、例えば血小板が150,000未満とならない限り、枯渇性の抗CD20抗体の投与後1週間以内に患者を治療することが好ましい。枯渇性抗体の治療により患者が血球減少である場合には、放射免疫療法の前に、例えば最低(nadir)AGCが1000を超えるか血小板が150,000を超えるまで回復させる。末梢血および/または骨髄の細胞回復が見られる場合には、免疫療法の直前に追加の枯渇性抗体を投与することができる。このような二次的用量は、例えば放射免疫療法の直前または重ねて約2週間、約250mg/m2で投与することができる。
【0193】
放射標識抗体の用量もまた、患者、抗体の特異性、半減期、放射性同位体安定性など、および言うまでもなく疾患の程度によって異なる。放射標識抗CD22抗体は、通常約0.001〜150mCi/kgの用量で投与され、0.1〜50mCi/kgがより好ましく、さらに0.1〜30mCi/kgがより好ましい。別の好適な用量は10から30mCi/kgに及ぶ。放射線の用量は当業者が決定できる。
【0194】
本明細書に開示の治療方法は、化学療法または放射線療法などの他の知られている治療方法と併用できることは明らかであろう。抗CD20抗体による治療後および前記放射標識抗体による治療前に骨髄または末梢血幹細胞を前記患者から採取し、放射線療法後に自家骨髄移植または幹細胞移植を行うことができる。
【0195】
枯渇性抗体または放射標識抗体を投与する前に、癌性B細胞の表面上でCD20または他の標的タンパク質が発現するのをアップレギュレートするためにサイトカインで患者を治療することも有用である。CD20のアップレギュレーションについては、この目的に有用なサイトカインは、IL−4、GM−CSFおよびTNF−アルファである。枯渇性抗体または放射標識抗体の投与と同時または前または後に、免疫エフェクター機能を刺激するためにサイトカインを投与することができる。この目的に有用なサイトカインには、インターフェロン・アルファ、GM−CSFおよびG−CSFが含まれる。
【0196】
化学療法を用い、本明細書に開示した療法を補完し、前記放射標識抗体の投与と同時または任意の順序で連続して投与することができる。化学療法は、CHOP、ICE、ミトザントロン(Mitozantrone)、シタラビン、DVP、ATRA、イダルビシン、ヘルツァー(hoelzer)化学療法、ラ・ラ(La La)化学療法、ABVD、CEOP、2−CdA、FLAG & IDA(その後のG−CSF治療あり、またはなし)、VAD、M & P、C−Weekly、ABCM、MOPPおよびDHAPからなる群から選択することができる。好ましい化学療法はCHOPである。
【0197】
本発明の方法を用いて様々なB細胞リンパ腫を治療できるが、前記B細胞リンパ腫が非ホジキンリンパ腫(NHL)である場合には特に有用である。リツキシマブ(登録商標)は軽度悪性型濾胞性NHLの治療についてすでに承認されているが、本発明者他は、驚いたことにはリツキシマブ(登録商標)がバルキー疾患(bulky disease)を含む中等度悪性型および高度悪性型NHLの治療にも有益であることを見いだした。したがって、本発明の方法によって治療できるリンパ腫には、軽度悪性型/濾胞性非ホジキン・リンパ腫(NHL)、小リンパ球性(SL)NHL、中等度悪性型/濾胞性NHL、中等度悪性型びまん性NHL、慢性リンパ球白血病(CLL)、高度悪性型免疫芽細胞性NHL、高度悪性型リンパ芽球性NHL、高度悪性型小切れ込み核細胞NHL、バルキー疾患NHL、外套細胞リンパ腫、AIDS関連リンパ腫およびワルデンストレーム・マクログロブリン血症が含まれ、このようなリンパ腫は、放射免疫療法の可用度を悪化させる骨髄関与を伴う。
【0198】
また、本発明を用いて自己免疫疾患を治療することができる。それらの例には、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、壊死性血管炎、リンパ節炎、結節性動脈周囲炎、全身性エリテマトーデス、関節炎、血小板減少性紫斑病、無顆粒球症、自己免疫性溶血性貧血、異種抗原に対する免疫反応、重症筋無力症、インスリン抵抗性糖尿病、狼瘡(SLEおよび薬物性狼瘡)が含まれる。さらに、本発明を用いて移植細胞、組織または器官に対する体液性免疫反応を治療または予防することができる。
【0199】
次に、典型的な治療条件を以下によって説明する。
【0200】
実施例1
非ホジキン患者をまずリツキサン(登録商標)で治療する。この初期治療は、4週間にわたる毎週375mg/m2のリツキサン(登録商標)投与を含む。
【0201】
このリツキサン(登録商標)抗体療法の終了から1週間後、90Y放射標識ヒト化抗CD22抗体(Leung他により、Immunomedicsに譲渡され、参照によりその全体を本明細書に組み込む米国特許第5,789,554号に開示されたヒト化LL2抗体)で患者を治療する。10から30mCiに及ぶ90Y標識ヒト化抗CD22抗体で患者を治療する。
【0202】
実施例2
腎臓を移植する予定の患者を、移植前に4週間にわたって毎週375mg/m2の用量でリツキサン(登録商標)で処置して移植前にB細胞を枯渇させ、移植器官に対する体液性免疫反応の可能性を低下させる。
【0203】
リツキサン(登録商標)処置と同時、またはその後1週間以内に、低用量、すなわち10〜30mCiの用量で90Y放射標識ヒト化抗CD22抗体により対象を処置する。次いで、従来の外科的方法により処置対象に腎臓を移植する。対象は、抗CD40L、抗B7または他の免疫抑制剤、例えばサイクロスポリンで処理することも好ましい。
Claims (27)
- B細胞の機能を抑制および/または枯渇および/または阻止することが治療上有益である疾患または状態を治療する方法であって、
(i)治療上有効な量の実質的にリツキサン(登録商標)に相当するB細胞枯渇活性を有する非放射性(非放射標識)抗CD20モノクローナル抗体を投与するステップと、
(ii)治療上有効な量の放射性(放射標識)抗CD22抗体またはそのフラグメントを投与するステップとを含み、
前記抗CD20抗体および前記放射標識抗CD22抗体またはフラグメントを、別々または組み合わせて、いずれかの順序で投与する方法。 - B細胞悪性疾患、白血病またはリンパ腫を治療するために使用される、請求項1に記載の方法。
- 自己免疫疾患を治療するために使用される、請求項1に記載の方法。
- 前記疾患が非ホジキンリンパ腫である、請求項2に記載の方法。
- 前記B細胞悪性疾患、白血病またはリンパ腫が、軽度悪性型/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)、小リンパ球性(SL)NHL、中等度悪性型/濾胞性NHL、中等度悪性型びまん性NHL、慢性リンパ球白血病(CLL)、高度悪性型免疫芽細胞性NHL、高度悪性型リンパ芽球性NHL、高度悪性型小切れ込み核細胞NHL、バルキー疾患NHL、外套細胞リンパ腫、AIDS関連リンパ腫およびワルデンストレーム・マクログロブリン血症からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
- 前記非放射性抗CD20抗体の量が、1週間当たり0.1mg〜500mg/m2に及ぶ、請求項1に記載の方法。
- 前記非放射性抗CD20抗体の量が、1週間当たり少なくとも約500mg/m2である、請求項6に記載の方法。
- 前記用量が、4週の間、1週間当たり約375mg/m2である、請求項7に記載の方法。
- 前記放射標識抗CD22抗体またはフラグメントが、イットリウム標識抗CD22抗体またはフラグメントである、請求項1に記載の方法。
- 前記放射標識抗CD22抗体フラグメントが、Fab2、Fab、Fvまたはドメイン欠落(deleted)抗体である、請求項6に記載の方法。
- 前記抗CD22抗体が、90Y標識ヒト化LL2抗体である、請求項9に記載の方法。
- 前記放射標識抗体の用量が10〜30mCiに及ぶ、請求項11に記載の方法。
- 前記放射標識抗CD22抗体を、リツキサン(登録商標)抗体治療法が終了してから約1週間後に投与する、請求項12に記載の方法。
- 化学療法剤の投与がさらに含まれる、請求項13に記載の方法。
- サイトカインの投与がさらに含まれる、請求項13に記載の方法。
- 抗CD20抗体がリツキサン(登録商標)である、請求項1に記載の方法。
- 治療される状態が、B細胞悪性疾患、白血病またはリンパ腫である、請求項16に記載の方法。
- 抗CD20抗体がリツキサン(登録商標)である、請求項5に記載の方法。
- 疾患が移植である、請求項16に記載の方法。
- 状態が細胞療法である、請求項16に記載の方法。
- 疾患が自己免疫疾患である、請求項16に記載の方法。
- 自己免疫疾患がB細胞関連自己免疫疾患である、請求項21に記載の方法。
- 状態が細胞療法である、請求項1に記載の方法。
- 状態がアレルギーである、請求項1に記載の方法。
- 状態が抗原部分の投与を含む治療である、請求項1に記載の方法。
- 抗原部分が治療用タンパク質である、請求項25に記載の方法。
- 疾患が、B細胞が腫瘍成長を促進するが、B細胞それ自体は腫瘍の源ではない固形癌である、請求項1に記載の方法。
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