JP2004510524A - 医療デバイスの近位端を保護するための方法および装置 - Google Patents

医療デバイスの近位端を保護するための方法および装置 Download PDF

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Abstract

医療デバイスは、医療デバイスに使用される内部ワイヤのよじれを防止するためにバックエンドコイル支持体またはスリーブ支持体を設けられる。この医療デバイスは、概して、内腔と該内腔内に延在する内部ワイヤを有する細長い管状体を備える。拡張可能部材は、管状体の遠位端に接続される。一実施形態では、コイルは、内部ワイヤの近位端において内部ワイヤにわたって延在する。別の実施形態では、内部ワイヤはその近位端に、内部ワイヤの直径を、該ワイヤを包囲するハイポチューブの内腔の直径よりも大きなサイズに増大させる少なくとも1つのテーパを有する。別の実施形態では、近位ハイポチューブは、内部ワイヤの近位端に取り付けられる。

Description

【0001】
[発明の背景]
発明の分野
本発明は、概して、脈管内デバイスの分野に関する。特に、たとえば塞栓抑制(emboli containment)に用いられる拡張可能部材を組み込んだ閉塞デバイスおよび他の医療デバイスに関する。
【0002】
関連技術の説明
脳につながる頚動脈の閉塞を治療する試みが行われてきているが、払い落とされるプラークが脳の種々の動脈管に入り、永久的な脳障害を引き起こす可能性があるため、かかる動脈を治療することは非常に困難である。そのような危険性があるため、このような閉塞をバルーン血管形成術(angioplasty)を用いて治療する試みは限られてきた。動脈血管内膜剥離術のような外科治療では、頚動脈を治療領域の両側で締め付け(clamped)、切開し、その切開領域の血管からプラークを取り除く。このような外科的手法は、塞栓を逃がす危険性は比較的少ないが、それでもかなりの危険性を伴うものである。
【0003】
血管形成術、ならびに末梢動脈および末梢静脈の治療などにおける他の手法では、かかる手法に用いられるガイドワイヤ
およびカテーテルの配設(delivery)によりプラークを払い落とす可能性がある。塞栓または他の微粒子が血管の下流に流れて、より細い血管内の血流を閉塞する場合、発作(stroke)のような深刻な障害を引き起こし得る。したがって、末端器の下流での微小塞栓の塞栓術および移入(migration)が、カテーテル法における心臓病専門医の主な関心事である。
【0004】
脈管内手法の結果として生じる塞栓を抑制しうる種々の血管デバイスが提案されている。しかしながら、かかるデバイスを適切に展開させるには、依然として問題をはらんでいる。たとえば、フィルタデバイス(filter device)を用いる場合、フィルタが過度に拡張すると、血管に損傷を与えることになりかねない。さらに、引張ワイヤを用いてフィルタを展開するフィルタデバイスの場合、引張ワイヤが外側ハイポチューブ(outer hypotube)中を前進する際によじれを生じかねない。同様に、閉塞バルーンデバイス、および外側カテーテル体の内部で移動可能な内部ワイヤを使用する他のバルーンデバイスにおいて、よじれが生じる可能性がある。かかる内部ワイヤは、たとえば、カテーテルの内腔をシールするための弁機構として使用し得る。
【0005】
したがって、これらの問題を克服する新規かつ改良された装置および方法が依然として必要とされている。
【0006】
[発明の概要]
本発明の好適な実施形態は、塞栓抑制および他のタイプの処置手法において使用するためのバルーンカテーテルおよびフィルタのような医療デバイスを有利に提供する。これらのデバイスの設計は、好ましくは、同軸に配置された少なくとも2つの細長い部材を備え、その部材の少なくとも1つが、展開可能な拡張可能部材に取り付けられる。フィルタ設計では、閉塞デバイスの展開は、相対軸並進移動(relative axial translation)、相対軸回転、またはその双方を用いて、2つの細長い部材間の相対移動によって達成される。内側の細長い部材は引張ワイヤと称される場合があり、外側の細長い部材はハイポチューブと称される場合がある。バルーン設計では、内側部材すなわちワイヤは、ハイポチューブの近位端から延出してもよく、ハイポチューブの内腔をシールするための弁として作用してもよく、あるいは遠位側に前進した際にバルーンを膨張させるプランジャを含んでもよい。
【0007】
好適な実施形態では、コイルは、内部ワイヤにわたって同軸に延在し、ハイポチューブ(遠位ハイポチューブと称される場合がある)の近位端との間に、および内部ワイヤの残部にわたって近位側に延在する離隔した近位ハイポチューブに結合される。この実施形態では、近位ハイポチューブは、内部ワイヤに圧着されており、そのため、遠位ハイポチューブに対し長手方向に相対位置を操作するのに用いることができる。コイルは、内部ワイヤの剛性を高めるように機能するとともに、ハイポチューブと内部ワイヤとの間の相対移動ができる範囲を限定するように機能する。コイルはまた、内部ワイヤがハイポチューブから不慮に外れることを確実に防止する。フィルタデバイスにおいて使用する場合に、コイルは、動脈または静脈内においてフィルタデバイスが過度に拡張するのを防止する。
【0008】
別の好適な実施形態では、内部ワイヤは、ハイポチューブの近位端のすぐ近くに、離隔されてはいるがお互いにすぐ近くにある少なくとも2つのテーパを備え、ハイポチューブの近位端よりも内部ワイヤの直径が大きくなるようにしている。ハイポチューブよりもわずかに大きい内径を有する薄壁支持体管状体が、内部ワイヤの一部にわたって近位側に延在するハイポチューブの近位端に取り付けられる。この支持体は、内部ワイヤを遠位ハイポチューブ中へ挿入する際に、内部ワイヤのよじれおよび/または曲げ(bending:ベンディング)を防止するための付加的な支持を提供する。この目的は、テーパによって引張ワイヤの直径がより大きくなることによっても提供される。
【0009】
したがって、本発明の一態様では、近位端および遠位端、ならびに該両端を通って延在する内腔を有する細長い管状体を備える医療デバイスが提供される。内部ワイヤは、細長い管状体の内腔の内側に設けられ、細長い管状体の近位端から近位側へ延在する近位端、および遠位端を有する。内部ワイヤは、細長い管状体に相対して移動することができる。拡張可能部材は、細長い管状体の遠位端に取付けられる。コイルは、内部ワイヤの近位端において内部ワイヤにわたって延在し、細長い管状体の近位端に取り付けられている。このコイルは、好ましくは、内部ワイヤが細長い管状体に相対して移動した際に内部ワイヤがよじれることを防止し、また、内部ワイヤが細長い管状体から外れることも防止する。
【0010】
別の態様では、近位端および遠位端、ならびに該両端を通って延在する内腔を有する細長い管状体を備える医療デバイスが提供される。引張ワイヤは、管状体の内腔の内側に設けられ、管状体の近位端から近位側へ延在する近位端、および遠位端を有する。管状体に接続される近位端および引張ワイヤに接続される遠位端を有する拡張可能な閉塞デバイスが提供される。管状体に対して引張ワイヤが相対移動することにより、閉塞デバイスが非拡張形態から拡張形態に移行する。引張ワイヤはその近位端に、引張ワイヤの直径を内腔の直径よりも大きくさせる少なくとも1つのテーパを有する。
【0011】
本発明の別の態様では、近位端および遠位端、ならびに該両端を通って延在する内腔を有する細長い管状体を備える医療デバイスが提供される。細長い管状体の内腔の内側の内部ワイヤは、細長い管状体の近位端から近位側へ延在する近位端、および遠位端を有する。内部ワイヤは、細長い管状体に相対して移動することができる。拡張可能部材は、細長い管状体の遠位端に取付けられる。近位ハイポチューブが内部ワイヤの近位端に取り付けられる。
【0012】
[好適な実施形態の詳細な説明]
以下の説明および実施例は、本発明の好適な実施形態を詳細に示す。当業者は、本発明の範囲内に含まれる本発明の多数の変形形態および改変形態があることが解かるであろう。したがって、好適な実施形態の説明は、本発明の範囲を限定すると考えられるべきではない。
【0013】
I. フィルタ閉塞デバイスの概説
図1は、シャフト12、フィルタサブアセンブリ14、およびガイドチップ16を備えるフィルタデバイス10の好適な実施形態を示す。アダプタ118(図8Aないし図9を参照)が、フィルタを拡張するためにフィルタデバイスに作動可能に接続され得る。これらの構成要素のそれぞれのさらなる詳細を以下に説明する。
【0014】
デバイス10を用いる際、シャフト12の遠位側にあるフィルタサブアセンブリ14が、末梢血管18の閉塞20の遠位側に配設される。アダプタ118を使用することにより、フィルタサブアセンブリ14が拡張して閉塞を有する末梢血管を閉塞する。種々の治療カテーテルおよび他のカテーテルを、シャフト12を介して(over)配設し、交換して、閉塞20を治療することもできる。フィルタサブアセンブリ14は、閉塞20の遠位側で拡張された状態のままであるため、閉塞20を治療することにより分解される粒子を、フィルタサブアセンブリ内に捕捉することができる。次に、これらの粒子を取込むようにフィルタサブアセンブリ14を収縮させ、さらに血管からデバイス10を引き出すことによって、該粒子を取り除くことができる。代替法として、またはこの粒子除去方法に加えて、吸引カテーテルをシャフト12を介して配設し、フィルタサブアセンブリ14から粒子の一部または全てを吸引することもできる。
【0015】
A. シャフト
図1に示すように、シャフト12は、外側シャフト部材22と、該外側シャフト部材の内腔を通って延在する引張ワイヤ24とを備える。外側シャフト部材22は、当該技術分野において公知のハイポチューブを備え得る。さらに、複数のハイポチューブが、引張ワイヤ24のまわりに同軸配置され得る。シャフトは、近位端からフィルタサブアセンブリ14に向かって遠位側に延在する。シャフトは、任意の所望の長さに構成され得るが、約120cm〜300cmの間であることが好ましい。
【0016】
シャフト12の外側部材のサイズは、患者の皮膚の挿入部位を通して患者の脈管構造中へ挿入するのに適したサイズである。外側シャフト部材22、引張ワイヤ24、および任意の他のハイポチューブ部材は、各部材が、任意のより大きな直径を有する部材内に配置され、かつ任意のより小さな直径を有する部材を包囲するように同軸配置されることが好ましい。
【0017】
最大直径を有するシャフト部材(たとえば図1における外側部材22)は、外径が約0.009インチ〜0.035インチであることが好ましい。さらに好ましくは最大直径を有するシャフト部材は、外径が約0.012インチ〜0.035インチ、よりこの好ましくは約0.014インチ〜0.018インチ、最も好ましくは約0.0142インチである。最大直径を有する中空シャフト部材の壁厚は、好ましくは約0.001インチ〜0.008インチであり、すなわち最大直径を有する中空シャフト部材の内腔の直径が、好ましくはそのシャフト部材の外径よりも約0.002インチ〜0.0016インチ小さい。最大直径を有する部材内に配置されるいずれの部材も、より大きな部材の内側内腔内に適合するサイズであることが好ましい。
【0018】
図1に示すように、外側シャフト部材22は、遠位側に延在し、その遠位端がフィルタサブアセンブリ14に接続されている。引張ワイヤ24は、シャフト部材の中心に配置されている。引張ワイヤ24は、好ましくは中空でない(solid)、すなわち外側部材22がまわりに配置されている非中空部材である。引張ワイヤ24は、外側部材22の内側に延在し、フィルタサブアセンブリ14を通ってガイドチップ16に至ることが好ましい。代替的に、引張ワイヤ24は、ストラットハイポチューブ(strut hypotube:支柱ハイポチューブ)30の遠位端に向かって延在してその遠位端で終端する近位セグメント、およびその地点からガイドチップ16の遠位端に延在する遠位セグメントのように、2つ以上の別個のセグメントから構成されていてもよい。
【0019】
シャフト部材22、24は、好ましくは、患者の血管系にデバイスを挿入する時、作動する時、およびデバイスを取外す時に受ける張力、圧縮、および捩れ(torsion)に対して、遠位端でシャフト12自体ならびにフィルタサブアセンブリ14を支持するのに十分な剛性を有する材料から形成される。この材料はまた、好ましくは、挿入地点から治療部位に達するのに必要な曲路を通る際に、恒久的に変形しないように十分にしなやかであってかつ弾性である。好適な実施形態では、シャフト12は、その外部をTEFLON(登録商標)の摩擦低減コーティングをされている。
【0020】
これらの要件を満たすには、メタリックチューブまたはワイヤを用いてシャフト部材22、24を形成することが好ましいが、編組ポリマーまたは不編組ポリマーチューブも所望の特性を与え得る。より好ましくは、外側シャフト部材22としてストレートアニール処理ニチノール(straight−annealed nitinol)のような超弾性記憶合金(superelastic memory alloy)を使用し、さらに、引張ワイヤ24の材料として例えば適度な硬度にしたステンレス鋼を使用する。シャフト部材のための他に適した合金には、ニチノール−ステンレス鋼合金、あるいは種々の量のバナジウム、コバルト、クロミウム、ニオビウム、パラジウム、または銅と混ぜて合金にしたニチノールが挙げられる。
【0021】
B. フィルタサブアセンブリ
図1をさらに参照すると、フィルタアセンブリ14がシャフト12の遠位端から延在している。フィルタサブアセンブリ14は、シャフト12と一体形成されるか、あるいは(図1に示すように)シャフト12の遠位端に別個に取り付けられる拡張可能部材を備えることが好ましい。拡張可能部材は、好ましくは、閉塞部材すなわち膜26を含み、この閉塞部材を支持する。
【0022】
本明細書で用いられる際の「閉塞」または「シール」等の語は、血管セグメントにおける流体流を、完全にまたは部分的に遮断することを意味する。場合によっては、たとえば閉塞デバイスの下流の領域に血液を流し続けなければならない場合には、血管を完全に遮断する必要はない、あるいは望ましくない。これらの場合は、閉塞領域を灌流(perfusive flow)するのが望ましく、部分的に遮断する。たとえば、部分的な遮断は、横断面寸法が血管全体にまたがらない閉塞部材を用いて達成され得る。代替的に、部分的な遮断は、横断面寸法がほぼ血管全体にまたがっているが、血液が閉塞部材中を灌流的に流動するための開口部または他の手段を含んでいる閉塞部材を用いて達成され得る。他の場合、つまり部分的な遮断を達成することができないか、あるいは望ましくい場合は、血管の横断面にほぼまたがる閉塞部材を用いて、灌流を防止する。これらの望ましい構造は、それぞれ、本明細書で定義するような「閉塞」を利用して作製される。
【0023】
図1に示した実施形態では、拡張可能部材は、ストラットハイポチューブ30中にて形成されるストラット28を含む。ストラットハイポチューブ30は、外側シャフト部材22の遠位端からガイドチップ16の近位端にまで延在する。ストラットハイポチューブ30は、その近位端が、外側シャフト部材22の遠位端に結合され、圧着され、かつ/または接着されているか、あるいは固着される。好適な実施形態では、好ましくは可撓性UV硬化接着材(UV−cured adhesive)から形成されている近位テーパ31aが、シャフト12とストラットハイポチューブ30の接続を容易にする。ストラットハイポチューブ30は、その遠位端が、引張ワイヤ24とガイドチップ16の近位端との間のはんだ接合部(solder junction)に圧着される。同様に、好ましくは可撓性UV硬化接着材から形成されている遠位テーパ31bは、ストラットハイポチューブ30をガイドチップ16に取り付ける際にも用いることが出来る。ストラットハイポチューブ、引張ワイヤ、およびガイドチップがこのようにして接合されることで、外側シャフト部材22に対して引張ワイヤが近位側に移動すると、対応するストラットハイポチューブの遠位端が近位側に移動し、それによってストラットハイポチューブを圧縮し、ストラットに力が加わり、拡張形態になる。
【0024】
ストラットハイポチューブ30は、ニチノールから形成されることが好ましいが、代替的に、ニチノール−ステンレス鋼合金、あるいは種々の量のバナジウム、コバルト、クロミウム、ニオビウム、パラジウム、または銅と混ぜて合金にしたニチノールから形成されてもよい。ストラットハイポチューブは、好ましくは、外径が約0.021インチであり、内径が約0.014インチである。
【0025】
図2および図3において最もよくわかるように、個々のストラット28は、好ましくは、ストラットハイポチューブ30に切込みを入れることにより、ストラットハイポチューブ30と一体形成されている。ストラット28を、ストラットハイポチューブ30にレーザカットプロセスを施すことによって形成することが有利であり得る。ストラット28の数は様々であり得るが、好ましくは4本〜10本(最も好ましくは8本)である。ストラット28は、ストラットハイポチューブ30の長手方向の中心線を中心に放射状に均等間隔で配置している。
【0026】
ストラット28は螺旋構造をしており、ストラットハイポチューブ30がその近位端からその遠位端に延在するまでに、各ストラットが、ストラットハイポチューブ30の長手方向の中心線を中心に、実質的に一定のピッチで、約1.0回転することが好ましい。代替の好適な実施形態は、展開して拡張形態になった際に非螺旋ストラットを提供するストレートスリット(straight slit)を有する。好適な螺旋構造は、フィルタサブアセンブリが拡張形態になった際に、血管壁に対するストラットの配置(apposition)を改善する。ストラット28は、有利には、約0.650インチの一定の時計回りピッチを有し、したがって、ストラットが切り込まれているハイポチューブの部分は、長さが約0.650インチである。フィルタサブアセンブリは、拡張した場合、約7.5mmの最大直径に達するのが好ましいと考えられる。本明細書で用いる「ストラット」の語は、別の構造から延在するか任意の機械的構造、あるいは閉塞デバイスの膜または他の構造を支持するために用いられる任意の機械的構造を意味する。具体的には、以下の本明細書で説明するように、閉塞デバイスのストラットは、シャフトから延在してデバイスのプロファイルを調整し、かつ膜を支持する、デバイスのストラットの部分である。
【0027】
図4は、図2に示す線4−4に沿って切り取られた、ストラットハイポチューブ30の横断面を示す。好適なレーザカットプロセスは、各対のストラット28間に約0.0018インチ幅の間隙を与える。したがって、各ストラット28は、アニュラス(annulus:環状)の角セクションを備え、より小さい半径を有する内面28aおよびより広く大きな半径を有する外面28bを備えた好適な断面を有する。外面28b近くにストラットのサイズが増大することによって、ストラット28は、単一の直角断面を有するとともに同じ内径−外径「包囲体(envelope)」内に適合するサイズであるストラットよりも強力となる。
【0028】
図2および図3をさらに参照すると、ストラットハイポチューブ30は、好ましくは、近位カット32および/または遠位カット34を含み、ハイポチューブのしなやかさを改善することができる。カット32、34のそれぞれは螺旋状であり、近位カット32は、好ましくは約0.030インチの実質的に一定のピッチを有し、遠位カット34は、好ましくは約0.020インチの実質的に一定のピッチを有する。近位カット32および遠位カット34はそれぞれ、好ましくは、ハイポチューブ30上に約0.075インチおよび約0.125インチ(ハイポチューブ30の長手方向に沿って測定した場合)の幅を有し、それぞれが好適な約0.0018インチのカット幅を有する。好ましくは、ストラットハイポチューブ30の、近位カット32とストラット28の近位端との間、および遠位カット34とストラット28の遠位端との間に、約0.015インチのカットのない「ギャップ」が存在する。図1に示すように、ストラットハイポチューブ30をシャフト12およびガイドチップ16に取り付ける場合に、カット32、34によってストラットハイポチューブ30に与えられるしなやかさを妨げないように、シャフト12またはガイドチップ16のいずれの部分にもカット32、34が重ならないようにすることが有利である。
【0029】
好適な実施形態では、1つまたは複数のマーカーバンド36(図1を参照)がストラットに対応する数だけ取り付けられ、フィルタサブアセンブリ14が拡張形態にある場合に、フィルタサブアセンブリ14の最も幅の広い部分でマーカーバンド(marker bands)が整合するように、各ストラットの中点またはその付近にマーカーバンド36を配置することが有利である。したがって、マーカーバンド36は、拡張形態にある場合に、シャフト12の長手方向軸線に対して実質的に直交する平面に整合され得る。代替的に、マーカーバンド36は、フィルタサブアセンブリがつぶれた(collapsed:折り畳まれた)形態にある場合に、フィルタサブアセンブリのプロファイルを低減するために、ずらして配置することができ(staggerd)、すなわちストラット28の長さに沿って配置を変化させて取り付けることができる。マーカーバンドは、フィルタサブアセンブリが拡張形態にある場合にフィルタサブアセンブリのプロファイルを低減するために、露出された外面28b(図4を参照)を残して、各ストラットの3つの側面のみを取り巻くように構成されることが有利である。近位マーカーバンド(図示せず)をストラット28に近接した位置に取り付けることにより、シャフト12に配置されたカテーテルをそれ以上前進させるべきでないデバイス上の地点をマークすることができ、したがって、ストラット28の不慮の崩壊またはストラット28へのダメージを防止する。近位マーカーバンドの好適な位置は、近位テーパ31aの内側、つまりシャフト12とストラットハイポチューブ30の接合部である。
【0030】
マーカーバンド36は、フィルタサブアセンブリの残部に比べてX線不透過性が高い、プラチナ、ゴールド、またはそれらの合金のような材料から形成される。好適な実施形態では、マーカーバンドは、プラチナが80%、イリジウムが20%の合金からなる。
【0031】
図1に示すように、引張ワイヤ24は、外側シャフト部材22の遠位端を通過して、ストラットハイポチューブ30を超え、遠位チップ16の遠位端において接合部35で終端している。ストラット28に対し遠位側にあるチップ16は、ストラットハイポチューブの遠位端および接合部35との間に延在して、血管18内の拡張可能部材14を位置付けする治療担当者にとって都合のよいX線不透過性コイル材料、最も好ましくはプラチナを含むことが好ましい。
【0032】
膜26は、好ましくは、ストラット28の近位端、または拡張形態にある場合にストラットの幅が最も広い拡張部の近位側に取り付けられる。膜26は、遠位カット34において、または遠位カット34に近接してストラットハイポチューブ30の遠位端に取り付けられることも好ましい。膜は、これらの近位取付け点および遠位取付け点との間で段階的に小さい直径になるが、好ましくは、ストラット28の遠位部分ほどは急激に小さくならず、比較的緩んだまたは「たるんだ(baggy)」状態、つまりストラットから自由になった状態になっている。拡張部材が展開すると、この「たるんだ」膜は、血液が膜26を通過する際に塞栓を捕捉し、かつ拡張可能部材を収縮して血管18から引き出す際には、塞栓を収容するための幾分深いポケットを与える。
【0033】
代替的に、膜26は、膜の近位端と遠位端との間に、1つまたは複数の地点で、または連続的にストラット28に取り付けられ得る。膜26の構造および取付けのための多くの他のアレンジが可能である。本明細書で用いる際の「フィルタ」などの用語は、「フィルタ」を通過する灌流があるかないかにかかわらず、血管セグメント内の血流の一部から何れかを分離することが可能な任意のシステムを意味する。「フィルタリング」および同様の用語は、血流の一部から何れかを分離する作用のことを意味する。
【0034】
膜26は、血液を流れさせる一方で塞栓を捕捉することもできる、適したサイズの多数の孔(図示せず)を有し、そのサイズは約20ミクロン〜100ミクロンである。膜26に適した非弾性材料には、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、発泡ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびポリエーテルベースのポリアミド(Elf Atochemにより商標名PEBAXで市販)が挙げられる。適した弾性材料の1つは、Consolidated Polymer Technologiesにより市販の商標名C−FLEXで入手可能な、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)のブロック共重合体である。膜は、ラテックス(latex)またはシリコーンからなっていてもよい。代替的に、膜は、ポリウレタン、ナイロン、ポリエステル、またはポリエチレンの、直径約30ミクロン〜50ミクロンの孔を有するポリマーメッシュからなり得る。さらに別の代替形態は、一編組のポリエステルまたはニチノールである。閉塞部材において血塊(blood clots)が形成するのを防止するために、閉塞部材は、ヘパリン、あるいはヒルジンまたはピルジンなどのような既知の抗血栓性剤でコーティングされていてもよい。
【0035】
最も好ましくは、膜26はポリウレタンから形成され、サイズが約100ミクロンの孔または上記に詳述した範囲内のサイズの孔を組み合わせた孔を有する。孔は、膜上の隣接した孔との中心間が、好ましくは約0.006〜0.012インチ、より好ましくは約0.010インチである。マーカーバンド36が設けられているストラット28に膜を容易に接着させるために、膜の近位部分には孔がないことも好ましい。同様に、膜の遠位部分は非多孔質であってもよく、それによってストラットハイポチューブ30により容易に取付けることができる。
【0036】
C. 引張ワイヤ
外側シャフト部材22は、引張ワイヤ24を包み込み、その遠位端がストラットハイポチューブ30に接続されている(図1を参照)。引張ワイヤ24は、有利にはストラットハイポチューブ30の遠位端に取り付けられ、引張ワイヤ24が外側シャフト部材22に対し後退した場合にストラット28が半径方向に拡張するようになっている。外側シャフト部材22と引張ワイヤ24の相対位置は、血管18を閉塞するまで多様である。ストラット28は、血管18の壁の方に向かって弓形に曲がっており、フィルタサブアセンブリ14が血管18をシールするようになっている(すなわち、フィルタサブアセンブリ14の展開位置において、拡張可能部材が、塞栓が下流に流れるのを防止する)。ストラット28を放射状に拡張することを、熱を調整することによりストラット28に初期曲率(curvature)を有利に与えることによって容易にすることもできる。引張ワイヤ24は、有利には、ストラットハイポチューブ30の遠位端を超えて遠位ガイドチップ16内にまで延在し、ガイドチップの遠位端において接合部35で終端し得る。
【0037】
フィルタサブアセンブリ14が展開した後、拘束力(restraining force)がない状態(フィルタサブアセンブリ14が自己拡張していない場合(この場合、フィルタサブアセンブリ14は展開状態のままである傾向がある))では、ストラット28は、フィルタサブアセンブリ14をつぶれた非展開状態にさせる傾向がある。ストラットがその非展開状態に戻ることを防ぐために、引張ワイヤ24は、外側シャフト部材22の内壁と接触するために形成された1つまたは複数の屈曲(bends)38を有し(図1に示す)、その摩擦力によってフィルタサブアセンブリ14を拡張した展開状態に保つ。特に、引張ワイヤ24と外側シャフト部材22との間の摩擦力は、ストラット28および/または膜26によって提供されるばね力を相殺または補償するのに十分である(相殺または補償しなければストラットをその弛緩位置に促すはずである)。ストラット28を拡張させるためには、約0.5ポンド〜1ポンドの引張力(pulling force)が必要とされ得る。したがって、引張ワイヤ24の屈曲38は、外側シャフト部材22とかみ合うことにより、引張ワイヤが望ましくない長手方向に動くのを防止するための小型デバイスを形成する。引張ワイヤ24の屈曲38は、たとえば、引張ワイヤ内にばねを造りだす(coining)または形成することによって形成され得る。したがって、屈曲38は、引張ワイヤ24の移動を制止する停止部材として作用し、引張ワイヤ24および外側シャフト部材22は、摩擦により一緒に固定される。
【0038】
図1の実施形態の引張ワイヤの特徴は、フィルタアセンブリ14が、力が何ら加えられていない場合に拡張した展開状態になるように形状設定(shape set)されている場合、すなわち拡張可能部材が自己展開している場合にも、用いることができる。図1に示すような実施形態が、自己展開フィルタサブアセンブリ14を用いて構成される場合は、引張ワイヤ24は、フィルタサブアセンブリをつぶれた構成に保持する押進ワイヤ(push−wire)として有効に作用する。この押進ワイヤは、引張ワイヤの屈曲38と外側シャフト部材22との間の摩擦係合によって適所に保持される。
【0039】
自己展開している拡張可能部材を有する、図1に示したようなデバイスを用いる場合、フィルタサブアセンブリ14は、その低プロファイル状態で患者の血管18中に挿入され、その際に引張ワイヤ24と引張ワイヤ24を遠位方向に保持する外側シャフト部材22との間の摩擦力により、フィルタサブアセンブリが拡張するのを防止する。次に、引張ワイヤ24と外側シャフト部材22との間の摩擦力より強い力で、引張ワイヤ24を近位側の軸方向(引張ワイヤを収縮させる)に移動することによって、フィルタサブアセンブリ14が展開され、それによって、その停止位置から停止部材38を移動させる。基本的には、このようにして引張ワイヤを近位側に移動させることによって、引張ワイヤの「押進(pushing:プッシング)」作用がなくなり、拡張可能部材が展開して拡張形態になる。
【0040】
図5は、引張ワイヤ24の好適な一実施形態を示す。好適な引張ワイヤ24は、TEFRON(登録商標)の耐摩擦コーティングを施され、鍛えられたステンレス鋼ワイヤが挙げられる。この引張ワイヤ24は、テーパを有しており、直径が約0.0086インチである近位セクション40を備えており、有利には、引張ワイヤの内のこのより大きな直径を有する近位セクションには、上述した屈曲38がある。このセクションの遠位はテーパ状になっており、引張ワイヤは、約0.007インチの直径を有する中間セクション42にいたる。図示した引張ワイヤは、その最遠位セクション44では直径が約0.0025インチであり、この直径は、有利には、引張ワイヤの最遠位までの3cmにわたって維持されている。長さが約3cmのテーパ状部位(transition)46が中間セクションと遠位セクションとの間に介在している。図5の引張ワイヤは全長が約212.0cmであり、近位セクション(直径が約0.0086インチである)は長さが約17.0cmである。したがって、中間セクションは長さが約189.0cmである。
【0041】
D. 引張ワイヤのよじれ防止
図6および図7は、よじれ防止システム100を示し、好ましくは、このよじれ防止システム100を用いることにより、引張ワイヤ24が屈曲38の摩擦抵抗に抗して遠位側に押し出された際に、引張ワイヤ24の近位部分がよじれるのを防止し、この場合のフィルタサブアセンブリ14は、ストラット28のばね力に抗して自己拡張型である。システム100は、事前拡張コイル102と近位ハイポチューブ104を備える。コイル102は、はんだ付けおよび他の従来の方法により外側シャフト部材22の近位チップに接続され、外側シャフト部材の内側にある引張ワイヤ24を取り巻く。近位ハイポチューブ104は、引張ワイヤ24に圧着され、はんだ付けまたは他の従来の方法によってコイル102の近位端に取り付けられる。
【0042】
図6は、フィルタサブアセンブリが収縮形態にあり、コイル102が圧縮されている状態のシステム100を示す。図7は、フィルタサブアセンブリが拡張形態にある状態のシステム100を示す。引張ワイヤ24は外側シャフト部材22から近位側に引張されており、コイル102は弛緩状態にある。引張ワイヤ24が外側シャフト部材22内で遠位側に押し戻される場合(図6を参照)、コイル102は、同軸のより大きな直径のコラムを提供することによって引張ワイヤ24のコラム強度を増大させて、コイル引張ワイヤアセンブリに加えられる圧縮力を吸収する。したがって、オフ軸荷重(off−axis load)は、引張ワイヤ24が外側シャフト部材22内に押し込められる際に引張ワイヤ24を曲げるか、またはよじれる傾向がより低い。
【0043】
E. アダプタ
図1に示す引張ワイヤ24は、アダプタすなわちマニホルド118(図8Aないし図9を参照)の使用により操作される。アダプタを用いることにより、技術者は引張ワイヤ24と外側シャフト部材22の相対位置を容易に調節することができる。図8Aないし図9は、引張ワイヤ24を操作する際のアダプタを示しているが、近位ハイポチューブが引張ワイヤ24を覆っている実施形態では、アダプタを用いてこの近位ハイポチューブを操作できることが理解されるであろう。
【0044】
患者の血管系内の所望位置にデバイスを配設した後、アダプタ118が取り付けられ、引張ワイヤ24がアダプタ118を用いて操作されて、デバイスのフィルタサブアセンブリ14が展開される。この時点で、治療を施すためにアダプタをデバイスから取り外すことができる。
【0045】
フィルタデバイスの好適な実施形態にしたがって使用されるアダプタ118の1つのタイプを図8A〜図8Cに示す。拡張可能部材が、形状の設定が可変である(自己拡張型である)のか、あるいは弛緩時において非展開状態であるのかにかかわらず、拡張可能部材の展開の程度を、引張ワイヤ24の長手方向位置を確認することによってモニターすることができる。これにより、使用者は拡張可能部材の展開の程度を慎重に調節することができる。摘みホイール134を用いて、外側シャフト部材22に対する引張ワイヤ24の相対位置を調節することによって、図1のフィルタサブアセンブリ14が拡張する程度を調節する。図8Bおよび図8Cに示したように、アダプタ118は、好ましくはメディカルグレードのポリカーボネートなどから形成される2つの半体(halves)136、138を有する。
【0046】
2つの半体136、138は、少なくとも1つのヒンジ140によって取り付けられ、半体がクラムシェル様に接合されるようになっている。ラッチ142は、アダプタ118の使用時中、2つの半体136、138を固定する。ラッチは、半体138内に取り付けられる一対の可撓性の弾性ラッチング部材144、146を有する。2つのラッチング部材144、146間のスペース148は、斜切された(beveled)ヘッド152を有する錠止ピン150を挟み込む。ヘッド152は、スペース168を通ってラッチング部材144、146を通過する。ラッチング部材144、146は、錠止ピン150がラッチング部材から外れて、アダプタ118が開くのを防止する。ラッチング部材144、146は、たわみ部材154を押し下げることによってわずかに分離され、ラッチング部材をわずかに開けることによって、錠止ピン150が解放され、半体136、138が開く。
【0047】
外側シャフト部材22は、外側シャフト部材22を受容するように規定された幅を有する溝(図示せず)によって適所に保持され得る。代替的に、図8Cに示すように、外側シャフト部材22および引張ワイヤ24は、外側シャフト部材および引張ワイヤを受容するためのスロット158a、158b、158c、158dをそれぞれ有するクリップ156a、156b、156c、156dによって保持され得る。特に、外側シャフト部材22および引張ワイヤ24は、有利には、外側シャフト部材がクリップ156a、156b、156c内に動かないように構成され、引張ワイヤがクリップ156cおよびクリップ156d間に延在するとともにクリップ156dの近位側から延在する。この構成により、およびアダプタ118が閉位置にある場合に、引張ワイヤ24は、反対側に面したパッド160a対160bのような第1の対の接触部材に係合し、かつ移動されると同時に、外側シャフト部材22は、反対側に面したパッド160c対160d、および160e対160fの1つまたは複数の他の対によって静止状態に保持される。代替的に、デバイスは、外側シャフト部材22は移動できるが、引張ワイヤ24は静止状態のままであるように設計され得る。パッド160a〜fは、引張ワイヤ24としっかり接触するために複数の***部162を有することが有利であり得る。クリップ156a、156b、156c、156dのそれぞれは、2つの半体136、138が閉じている場合にアダプタ半体136内のギャップ164a、164b、164c、164d内に収まる。
【0048】
使用者が、外側シャフト部材22および引張ワイヤ24をアダプタ118内で適正にアラインするのを助けるために、外側シャフト部材22にマークを付すこともできる。たとえば、外側シャフト部材22上のアライメントマークは、外側シャフト部材22のうちの、スロット158a内に配置されなければならない点を示し、それによって、外側シャフト部材がアダプタ118内のクリップ156cまでは延在するが、クリップ156cを近位側には超えないようになっており、引張ワイヤ24がクリップ156cの近位側に露出されている。この構成により、パッド160a、160bによって引張ワイヤ24を血管へ前進(または血管から後退)させるとともに、外側シャフト部材22がパッド160c対160d、および160e対160fの対にしっかり保持される。
【0049】
引張ワイヤ24が、パッド160a対160bによって外側シャフト部材22の内部を通じて前進または後退しない場合には、有利には、引張ワイヤと外側シャフト部材の相対移動が、引張ワイヤ24の屈曲38と外側シャフト部材22の内面との間の摩擦接触により妨げられている(図1を参照)。これにより、アダプタ118が外側シャフト部材22と引張ワイヤ24から取り外された後に、血管形成カテーテルまたはステントカテーテルのような治療カテーテル(図示せず)を導入すること、または複数のカテーテルを交換することが可能となる。たとえば、いったんフィルタサブアセンブリ14が展開したら、血管形成カテーテルまたはステントカテーテルを外側シャフト部材22と引張ワイヤ24を通じて導入することができる。治療を行った後、吸引カテーテル(および/または洗浄(irrigation)カテーテル)を、外側シャフト部材22/引張ワイヤ24を通じて導入し、治療により生じ、フィルタサブアセンブリ14に捕捉された塞栓を吸引(および/または洗浄)して取り除くことができる。次に、アダプタ118を、外側シャフト部材22および引張ワイヤ24に再結合して、その後、フィルタセブアセンブリを収縮(後退)する。次に、フィルタサブアセンブリ14、引張ワイヤ24、および外側シャフト部材22を、血管から取り外すことができる。
【0050】
アダプタ118が閉位置にある場合、パッド160c対160d、160e対160fが外側シャフト部材22を包囲し、かつ接触して、外側シャフト部材の移動を妨げる。他方、パッド160a対160bは、それぞれアダプタ118の凹部163a対163bにあるそれぞれのホルダ161a対161bに、スライドできるように取り付けられ、パッド160a対160bが引張ワイヤ24を包囲し、かつ接触した場合には、引張ワイヤを後退または前進させることができるようにする。具体的には、ホルダ161a(パッド160aを収容している)は、以下でより詳細に説明するように、ホイール134に機械的に連結されており、ホイール134によって調節される。アダプタ118が閉じられると、パッド160aおよび160bは合わさって圧縮され、160aおよび160bとの間で引張ワイヤ24は締め付けられる。使用者がホイール134を回転させると、パッド160aは、長手方向にスライドし、パッド160bおよび引張ワイヤ24は160aとともにスライドする。したがって、使用者は、ホイール134を回転させることによって、外側シャフト部材22に対する引張ワイヤ24の長手方向の位置を調節し、それによって、拡張可能部材が放射状に展開する程度を調節することができる。パッド160a〜160fは、C−FlexまたはPebaxから形成されていても良く、好ましくは長さが約0.5インチ〜1.0インチ、幅が0.25インチ〜0.5インチ、および厚さが0.125インチ〜0.25インチである。
【0051】
ホイール134は、カム機構(図示せず)を介してパッド160aをスライドさせ、それにより引張ワイヤ24を段階的に移動させる。ホイール134は、有利には、たとえば引張ワイヤ24を3mm〜20mmスライドさせ、そのスライド量をホイール上のダイアル135に表示させる(図8Aを参照)ことによって、引張ワイヤの位置を調節することができ、拡張可能部材が拡張される程度を調節することができる。ダイアル135は、血管内の引張ワイヤ24の相対的な長手方向の位置のゲージとして、つまり拡張可能部材が拡張した程度のゲージとして作用する。
【0052】
アダプタ118の別の実施形態を図9に示す。この実施形態は、図8A〜図8Cに示したものと同じ基本構成、すなわち、少なくとも1つのヒンジ140によって回転可能に接続される2つの半体136、138を有するクラムシェルを有する。弾性錠止クリップ(図示せず)は、上半体136に形成された凹部180に取り付けられ、そこに下向きに付いている。アダプタ118が閉じられると、錠止クリップに形成される内向き延在舌状突起(tongue)が、下半分138に形成される溝182にスナップ留めされる。錠止クリップは、アダプタ118を、タングと溝182との間の干渉フィット(interference fit)によってしっかりと保持する。
【0053】
図8A〜図8Cに示した摘みホイール134の代わりに、アダプタ118のこの実施形態はノブ184が設けられており、使用者はそのノブを回転し、パッド160a、160bを移動させ、引張ワイヤ24を前進/後退させる。摘みホイール134と同様に、ノブ184は、適当なマーキング(図示せず)が取り付けられており、フィルタがアダプタ118の作用によって拡張または収縮した程度を示し得る。
【0054】
図8A〜図8Cに示すアダプタと同様に、図9のアダプタ118はパッド160c、160d、160e、160fを有し、それらのパッドは外側シャフト部材を締め付け、外側シャフト部材を静止状態に保持する一方、外側シャフト部材内を通る引張ワイヤを前進または後退させる。スロット158a、158b、158cを有するそれぞれのクリップ156a、156b、156cが、外側シャフト部材および/または引張ワイヤを受け止め、フィルタの展開/収縮プロセスのために、外側シャフト部材および/または引張ワイヤをストレート構成(straight configuration)に維持する。好ましくは、アダプタ118を閉じた際に、上半体の溝186aおよび下半体の溝186bが共働して、外側シャフト部材および引張ワイヤを受け止め、かつ締め付ける部位を、パッド160a、160bのすぐ隣に備える。
【0055】
ピン部材188が上半体136上に取り付けられ、アダプタ118の中に外側シャフト部材および引張ワイヤが取り付けられたままアダプタ118が閉じられた場合に、ピン部材188が引張ワイヤによって押し下げられるようになっている。このピン部材は、アダプタ118が引張ワイヤなどを所定位置に有したまま閉じられる(およびピン部材188が引張ワイヤと接触することによって押し下げられる)ことがない限り、ノブ184の回転を防止する干渉機構(図示せず)に機械的に連結される。
【0056】
F. ストラット設計
図1をさらに参照すると、フィルタデバイスは、遠位端近くに、かつガイドチップ16の近位側に接して、シャフト12に沿って配置されるフィルタサブアセンブリ14を有する。一実施形態では、フィルタサブアセンブリは、シャフト12の外側部材22と一体形成されていてもよい。フィルタサブアセンブリ14は、多数のストラット28および閉塞部材すなわち膜26を備える。ストラットは、膜を支持し、少なくとも2つのデバイスの形態、すなわちつぶれた形態および拡張した形態を備える。図示されているのは拡張した形態である。
【0057】
「つぶれた」形態とは、ストラットの最も低いプロファイル形態を意味する。この文脈では、「プロファイル」とは、デバイス軸線から離れている距離を意味する。したがって、「低プロファイル」とは、デバイスがデバイス軸線からの距離が非常に短い形態を意味する。「つぶれた形態」とは、ストラットが可能な限り最も低いプロファイルである形態を意味し、この形態では、ストラットは、デバイスの軸線に可能な限り近くにある。低プロファイル形態は、デバイスの挿入および取外しを容易にするため、閉塞デバイスのプロファイルを低減するストラットを設計するのが好ましい。
【0058】
つぶれた形態では、図1に示した実施形態は、デバイスの長手方向軸線に可能な限り近く配置されたストラット28および閉塞部材26を有する、すなわち、ストラット28および閉塞部材26は、可能な限り最小の横断面を有していることになる。この形態は、カテーテルシャフトを、血管18を通して遠位端に向かって配設することをより容易するとともに、フィルタサブアセンブリ14の展開を容易にし、さらに手順の最後にフィルタサブアセンブリ14を取り外すことを容易にすることができる。フィルタサブアセンブリのプロファイルを最小にすることによって、この形態は、血管系をより容易に通過し、挿入地点からフィルタレーション部位に到達する。
【0059】
図1に示した拡張形態から、つぶれた形態に戻る場合、膜26は、拡張形態へ展開する前のプロファイルと同じプロファイルにならなくてもよい。これは、つぶれた形態においては、膜がストラットの作用によって厳密に収縮され、ストラットにより過剰に折り畳まれ(folds)得るからである。したがって、フィルタアセンブリ14が展開する前のプロファイルよりも、収縮後のプロファイルが大きくなることがある。この拡大したプロファイルは、膜26を血管壁に擦りあたらせる可能性があり、望ましくない。この難点に取り組む1つの方法は、回収カテーテル(retreival catheter)を使用することである。
【0060】
図1に示した「拡張」形態では、ストラット28および閉塞部材26は、それらが配置される血管18の断面にほぼまたがるように配置される。これは、好ましくは、血管内のストラットにとって可能な限り最も高いプロファイルである。この形態により、フィルタサブアセンブリ14を用いて、塞栓物質を捕捉するとともに、血液はフィルタサブアセンブリを通過することが容易となる。フィルタリングすべき血管18の断面にほぼまたがる手段を提供することにより、ストラット28が、血管18を通る血流を、フィルタサブアセンブリ14内の孔または開口部を通過させると同時に、塞栓部材26を血管の塞栓を保持する形態に維持する。これにより、所望のフィルタリング作用をもたらす。
【0061】
つぶれた形態から拡張形態(図1に示す)にデバイスを調整するためのストラットの作動は、張力機構または捩れ機構を用いて行うことができる。張力に基づいた作動では、引張ワイヤ24は、外側シャフト部材22内を軸方向にそって、近位側に移動される。好適な一実施形態では、この移動により、ストラットが、内部形成バイアス(built−in bias)下で拡張形態に移行することが可能となる。図1に示した実施形態では、該移動によりストラットに対し外向きの力を加える。捩れに基づいた作動では、引張ワイヤ24が外側シャフト部材22に対して回転する結果、ストラットに外向きの力を加える回転移動がもたらされる。拡張形態からつぶれた形態に調整するために、展開するために用いられた方向とは反対の方向に、引張ワイヤを押すかまたは回転させることによって逆の作動をさせて、ストラットにかかる力を反転させ、デバイスをもとの形態に戻す。上記で言及した「閉塞デバイスのためのストラット設計」においてさらなる詳細が開示される。
【0062】
G. 膜
図1に見られるように、閉塞部材すなわち膜26は、好ましくは、ストラット28のそれぞれに取り付けられ、デバイスの長手方向軸線の周りに完全に広がっている。好ましくは、閉塞部材26は、ストラット28の外面に取り付けられるが、ストラット28の内側に沿って取り付けられてもよい。さらに、フィルタ膜は、一部のストラットの内側および他のストラットの外側に設けることもできることが理解されるであろう。ストラットは、サンドイッチ構成で膜の両側に提供され得ること、または2つの膜が一組のストラットを挟み得ることも理解されるであろう。
【0063】
好ましくは、閉塞部材26はその遠位端でストラットハイポチューブ30に接合されるか、あるいはガイドチップ16に接合される。閉塞部材26は、様々な長さで構成されていてよく、その近位端が、ストラット28の中間点およびストラット28の近位端との間に配置され得る。閉塞部材26が、ストラット28の全長にわたって延在している場合は、その近位端でストラットハイポチューブ30に取り付けられてもよい。したがって、ストラット28が放射状に拡張する場合、閉塞部材26は、同様に、血管18の内寸の横断面積に概ね相応する横断面積となるように拡張する。閉塞部材は、熱融合、接着剤結合などのような標準的な取付け方法を用いることによって、ストラット28およびストラットハイポチューブ30に接合されることが意図される。
【0064】
1つの好適な閉塞部材26は、直径が約20ミクロン〜100ミクロンの孔を多数有する非エラストマー膜である。適した非エラストマー材料には、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、発泡ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびポリエーテルベースのポリアミド(Elf Atochemにより商標名PEBAXで市販)が挙げられるがこれらに限定されない。このタイプの閉塞部材は、押出成形されるか、または浸漬成形(dip molded:ディップ成形)されてもよく、孔は、鋳型だけで形成されるか、あるいはさらにエキシマーレーザまたは他の穿孔プロセスを用いて形成されてもよい。
【0065】
適したエラストマー材料の1つは、Consolidated Polymer Technologiesにより市販の商標名C−FLEXで入手可能な、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)のブロック共重合体である。この膜はまた、ラテックスまたはシリコーンからなっていてもよい。代替的に、閉塞部材は、直径約30ミクロン〜50ミクロンの孔を有するポリウレタン、ナイロン、ポリエステル、またはポリエチレンのポリマーメッシュからなり得る。さらに別の代替形態は、ポリエステルまたはニチノールの編組線である。閉塞部材での血塊の形成を防止するために、閉塞部材は、ヘパリン、あるいはヒルジンまたはピルジンのような他の公知の抗血栓性剤でコーティングされていてもよい。
【0066】
閉塞部材には、種々の孔の構成を有利に使用することができる。まず、膜がストラットの全長にわたって延在する場合、直径が約20ミクロン〜200ミクロンの約2個〜10個の孔が閉塞部材に沿って長手方向に配列され、灌流させることができる。このタイプの閉塞部材に適した別の構成は、この部材の遠位半分側は、直径が約20ミクロン〜200ミクロンの複数の孔からなり、近位半分側は、大きな三角形状、円形状、または正方形状の開口部(cutouts)からなる。代替的に、閉塞部材の表面全体が、約20ミクロン〜200ミクロンサイズの孔を有していてもよい。この構成はまた、閉塞部材26が露出した近位端(open proximal end)を有する場合に使用されることが意図される。このタイプの閉塞部材を使用する際、非浸透性カバーまたはウェブを、ストラットの近位端が遠位シャフトに接合する部分に配置して、この部分に形成された狭い流路においてトロンビンが形成するのを防止し得る。
【0067】
膜は、ストラットへの近位取付け点およびストラットハイポチューブ/ガイドチップへの遠位取付け点との間に、緩んだまたは「たるんだ」部分の膜が生ずるように、デバイスに取り付けられ得る。換言すれば、膜は、ストラットへの近位取付け点または領域、膜がデバイスに取り付けられていない近位取付け点の遠位にある弛み部分、およびたるみ部分の遠位にある遠位取付け点を含む。このような膜では、ストラット、ガイドチップおよび/またはストラットハイポチューブへの取付けを目的とした遠位部分および近位部分の膜は、好ましくは実質的に非多孔性であり、それによってより良好な接着が可能になりうる。好適な一実施形態では、この膜は、約400個〜1000個の孔、より好ましくは約700個〜800個の孔を有し得る。
【0068】
膜すなわち閉塞部材はまた、バルーンの近位側と遠位側との間を流体が流れることを可能にする(塞栓が流れることはできない)灌流管を組み込んだストラット展開可能バルーンであってもよい。この灌流管は、バルーンの近位面および遠位面と交差する部分(それぞれ近位端および遠位端)において終端する管状材を含み得る。代替的に、灌流は、バルーンの近位側に形成された開口部を介し、およびバルーンの遠位にある(多孔性)ガイドチップを介して、外側シャフト部材の内腔を通るように促進され得る。内腔を通る流体の流れは弁システムを用いて調節することができる。
【0069】
デバイスは、比較的大きな孔を有する近位フィルタ、およびより小さな孔を有する遠位フィルタを備えた、単一組のストラットの二重閉塞部材を用いることもできる。上述したタイプの閉塞部材のいずれの場合も、血管形成術または他の同様の処置手法における様々な時点で、フィルタ(複数可)からトロンビンを取り除くために吸引カテーテルを用いることが意図される。
【0070】
H. ガイドチップ
図1に示すように、シャフト12の最遠位にはガイドチップ16が配置されている。ガイドチップは、フィルタサブアセンブリ14の遠位にあり、デバイスが血管中を前進する際に、血管の屈曲(curvature)に追従して曲がることができるように可撓性先導拡張部(leading extension)を有する。血管の壁に追従して曲がることによって、ガイドチップ16は、フィルタサブアセンブリ14および他のより近位にあるデバイス部分をガイドチップの方向に先導して、患者の血管の壁に過剰に衝撃を与えることなくデバイスを血管に通させる。
【0071】
図1をさらに参照すると、一実施形態では、ガイドチップ16は、シャフト12の引張ワイヤ24の先に丸はんだ接合チップ35を設け、フィルタサブアセンブリ14と先丸チップ35との間をより細いワイヤでシャフトを覆い、ばね力を与えるコイルを形成する。コイル16の形成に用いられるワイヤは、好ましくはX線不透過性材料からなる。引張ワイヤ24は、ニチノールのような可撓性材料から構成されるため、先丸チップ35が血管の湾曲壁(curving wall)に当たる際に撓むであろう。しかしながら、チップの撓みが増すにつれ、より細いワイヤのコイルのばね力が、フィルタサブアセンブリ14およびシャフト12に加わり、ガイドチップ16と整合するようなる。このようにして、ガイドチップ16が治療部位に向かって血管中を前進する際に、シャフト全体が、ガイドチップ16の経路に追従させられる。
【0072】
I. 操作
説明される本発明の実施形態の用途は、患者の血管の一部分での治療プロセスの一部である。通常、治療は、何らかの形態の血管遮断の治療を含む。しかしながら、当業者は、説明される本発明の用途が、患者の血管系から塞栓物質を取り除くための、ひいては患者の血流へそのような塞栓物質が分散するのを防ぐためのいかなる状況にも適していることを理解するであろう。
【0073】
本明細書で使用する際の「方法」とは、目的を達成するのに用いられる好適な手順(sequence:シーケンス)を意味する。さらに、以下に説明する方法は、説明される通りの手順に限定されない。本発明を行う場合、他の手順を実行してもよく、または説明されるステップを同時に実行してもよい。
【0074】
初めに、デバイスを、フィルタサブアセンブリ(複数可)がつぶれた状態にあるように操作する。これにより、患者の血管へデバイスを挿入するのが容易になる。次に、デバイスを、挿入部位から患者の血管中へ挿入する。患者の血管系中に挿入されると、デバイスの遠位部分が、血管の治療すべき領域の遠位側に近接するまで前進させられる。
【0075】
デバイスは、概して、フィルタサブアセンブリが治療部位の下流に置かれるように、より大概的には、フィルタサブアセンブリが治療部位と、塞栓性障害(embolic damage)を特に受けやすい部位(たとえば脳または冠状動脈)との間に配置される。このようにして、フィルタは、治療部位において取り除かれる塞栓物質が、塞栓性障害を受けやすい領域に達する前に、あるいは患者の血流を通って分散する前に、このような塞栓物質をトラップするように配置される。
【0076】
所定位置で一端、フィルタサブアセンブリが、その拡張形態になるように作動され、血管を有効に閉塞し、全血流が、フィルタ膜またはデバイスの他の閉塞部材の少なくとも1つを通過しなければならないようにする。
【0077】
次に、治療すべき血管領域で所望の治療が行われる。この治療は、支持ステントの配置または取外し、バルーン血管形成術、あるいはインターベンショナル手法(interventional technique)を使用することにより行われるその他の血管治療を含み得る。このようなインターベンショナル治療を施している間に、追加的なカテーテルまたは他のデバイスを、閉塞デバイスのシャフトの上にまたはシャフトに沿って通すことによって、治療領域に導入してもよい。治療を施している間に取り除かれたいずれの塞栓物質もフィルタ中へ流れ、ストラットによって支持される膜によりトラップされることになる。
【0078】
治療中のいずれの時点においても、別個の吸引カテーテルを使用することにより、または閉塞デバイスのシャフトを形成する外側ハイポチューブの内腔を通して、塞栓物質をフィルタから吸引することができる。このような吸引を、フィルタサブアセンブリおよび治療領域を通る灌流血流を維持するのに必要な回数だけ繰り返すことができる。
【0079】
治療が完了すると、フィルタサブアセンブリは、作動プロセスの逆のプロセスを行うことによって収縮され、つぶれた形態になる。これにより、ストラットが低プロファイルに戻され、それによって挿入部位を通して患者から抜き出すことができる。
【0080】
II. バックエンド支持(back end support)
上述したように、図1に示したフィルタデバイスのストラット28は、ハイポチューブ22に対する引張ワイヤ24の長手方向の相対移動に相関して、拡張および収縮する。引張ワイヤ24の剛性が相対的に欠如すると、引張ワイヤ24の相対位置を操作する際に、ハイポチューブ22の挿入地点において、引張ワイヤ24のよじれおよび/または曲げが発生しやすい。したがって、動作中の引張ワイヤ24に対して起こり得るダメージを考慮し、遠位ハイポチューブ22の近位端に引張ワイヤ24を支持する何らかの手段を設けることが好ましい。
【0081】
上述の、図6および図7に示される、引張ワイヤを支持するであろうバックエンド(back end)支持設計100の好適な実施形態では、ハイポチューブ22は、遠位ハイポチューブであると考えることができる。コイル102は、遠位ハイポチューブ22の近位端に接着され、遠位ハイポチューブから、所定距離の引張ワイヤ24のまわりを近位側に延在する。近位ハイポチューブ104は、引張ワイヤ24のまわりに設けられ、近位ハイポチューブにはコイル102が接着されている。遠位ハイポチューブおよび近位ハイポチューブへのコイル102の接着は、種々の方法を用いてなされ得るが、1つの好適な方法は、はんだ付け(線影マークで図示されている)する方法である。コイル102の遠位端で、コイル102の最後の2、3巻きのスパイラルにはんだが施されて、その最後の2、3巻きのスパイラルを適所に保持し、かつそれらを遠位ハイポチューブ22に部分的に接着する。はんだは慎重に施し、この部位で不慮に引張ワイヤ24を巻き込まないようにすることが好ましい。代替的に、コイル102は、引張ワイヤ24の挿入前に遠位ハイポチューブに接着され得る。
【0082】
コイル102は、好ましくはストラットが閉じられる場合、すなわちストラットが遠位ハイポチューブ22の軸に最も近接している場合、圧縮形態にある(図6)。したがって、ストラットが拡張した場合、コイル102は、より弛緩した状態にある(図7)。ポリイミドの覆い201は、好ましくは、コイル102のはんだ付け遠位端および遠位ハイポチューブ22の近位端と、接着剤により接着される。コイル102をハイポチューブ22にはんだ付けをして、好ましくは、それにより形成された固体表面に保護管201が接着され得る。このポリイミドの覆い201は、PETのような他のポリマーまたは薄壁金属からなっていてもよく、コイル102を遠位ハイポチューブ22に接続保持する効果を高める。コイル102の近位端では、好ましくは、さらにはんだ付けが適宜に施され、近位ハイポチューブ104ならびに引張ワイヤ24の双方に、コイル102の最後の2、3巻きのスパイラルを接着する。近位ハイポチューブ104は、好ましくは少なくとも2つの箇所で、または図示したように近位ハイポチューブ104の近位端および遠位端の双方合わせて4つの箇所で、コイル102の近位側の引張ワイヤ24に圧着される。この圧着により、近位ハイポチューブ104と引張ワイヤ24との間の摩擦をさらに高め、近位ハイポチューブ104を操作することによって引張ワイヤ24が操作できるようになる。
【0083】
この実施形態の1つの利点は、遠位ハイポチューブ22の外側から引張ワイヤ24に支持を与えることであり、それによって、引張ワイヤがハイポチューブ内に押し込まれる際によじれまたは曲げが生じるリスクを低減する。コイルはストラットの過剰拡張を防止するのにも役立つが、これにより、近位ハイポチューブ104、ひいては引張ワイヤ24が遠位ハイポチューブから過度に引張された場合に、コイル102の力によってこの変位が大きくなりすぎるのを防ぐからである。
【0084】
したがって、近位ハイポチューブ104、ひいては引張ワイヤ24が、遠位ハイポチューブ22に対して近位方向に移動した場合、閉塞フィルタを展開させるとともに、図7に示すようにコイル102が伸張する。フィルタサブアセンブリが展開して十分に血管を閉塞した場合に、コイル102は、弛緩した形態にあることが好ましい。したがって、近位ハイポチューブ104が近位側に移動してコイルがさらに伸張することにより、コイル102には、近位ハイポチューブおよび遠位ハイポチューブを近接させようとする力が加わり、この力により、有利には、フィルタが過剰拡張するのが妨げられる。
【0085】
好適な一実施形態のための材料および寸法は以下のとおりである。コイル102は、好ましくはステンレス鋼から構成されるが、プラチナおよびニチノールを用いることもできる。コイルの長さは、概ね約1/4インチ〜1インチの間であってよく、一実施形態では、弛緩時(すなわち図7に示すように)において約14mmである。一実施形態におけるコイルは、直径が約0.014インチであり、内径が約0.009インチである。この実施形態における遠位ハイポチューブ22および近位ハイポチューブ104の双方は、外径が約0.014インチであり、内径が約0.009インチである。ハイポチューブは、好ましくはニチノールから構成されるが、他の金属または材料も用いることができる。さらに、近位ハイポチューブおよび遠位ハイポチューブは、同一の材料からなる必要はない。したがって、一実施形態では、遠位ハイポチューブはニチノールからなり、近位ハイポチューブはステンレス鋼からなっていてもよい。さらに、遠位ハイポチューブ22の大部分は、好ましくはPTFEコーティングによって保護される。ポリイミドの覆い201は、好ましくは約4mmの長さを有し、約3mmが遠位ハイポチューブ22の近位端と重なっている。覆い201は、好適なポリイミド材料のほかに、PET熱収縮管状材または任意の他の薄壁ポリマーまたは金属から形成されていてもよい。
【0086】
一実施形態における近位チューブは、約7.5mmの長さを有し、最も近位の波型が近位端から約2mmのところに位置付けされ、最も遠位の波型が遠位端から約1.5mmのところに位置付けされる。コイル102は、コイルの各端の約2mmの長さにわたってはんだ付けされることが好ましい。
【0087】
上記の実施形態の若干の変形として、第2のポリイミドまたは他のポリマーの覆い202あるいは熱収縮管状材が、補強目的のため、コイル102の遠位端に加えてコイル102の近位端にも接着され得る。この変形形態は、図10および図11に示され、これらの図はそれぞれ、デバイスが閉じられている構成および開いている構成を示している。
【0088】
図12および図13に示した別の実施形態では、引張ワイヤ24は、コイル102の近位端においてテーパ216が付いており、より幅広い外径となる。この実施形態の好適な設計では、コイル102と接着している短い距離の引張ワイヤ24の領域に、テーパ216が設けられ、そのテーパの外径は約0.0086インチ〜約0.013インチまたは0.014インチであるが、これらの寸法は変更することができる。コイル102は、このテーパ部位206で引張ワイヤ24にはんだ付けされ、遠位ハイポチューブ22にもはんだ付けされる。この実施形態では、引張ワイヤ24は、圧着される代わりに操作者によって直接保持され、先に説明した実施形態におけるように近位ハイポチューブ104によって操作される。引張ワイヤ24は、遠位ハイポチューブ22に相対して前後に移動することができ、引張ワイヤ24がよじれるのを防止するとともに、指定の移動範囲内に引張ワイヤ24を保持するコイル102を有する。図12は、この実施形態のつぶれた形態を示し、図13は拡張した形態を示す。
【0089】
図14および図15は、先の実施形態の若干の変形を示し、デバイスが収縮した場合に保護管205がコイル102の大部分を覆っている状態を示す。コイル102の遠位端の2、3巻きのスパイラルを上記と同様にはんだ付けしてもよく、あるいはコイル102を単に接着剤により遠位ハイポチューブ22に接着してもよい。したがって、保護管205は接着剤または同様の方法を用いることによって、遠位ハイポチューブ22の近位端に、および任意によりコイル102の遠位端にも接着することができる。管205は、遠位ハイポチューブ22に相対した移動操作をする際に、引張ワイヤ24がよじれるのを防止するための追加的な支持を提供する。管205は、上述したように、任意の薄壁ポリマーまたは金属からなりうる。
【0090】
図16および図17は、コイル102を用いることのないバックエンド支持システムの、さらに別の実施形態を示す。近位ハイポチューブ104は、他の実施形態と同様に引張ワイヤ24に圧着され、保護管すなわちシート支持体205は、接着剤または他の手段により近位ハイポチューブ104の外側に接着される。このシート支持体は、ニチノール、ステンレス鋼、または他の適した材料からなり得り、圧着によって近位ハイポチューブに取り付けてもよい。図17に示すように、この保護管は、デバイスが拡張形態にある場合に存在する近位ハイポチューブと遠位ハイポチューブとの間のギャップを覆う。図16は、2つのハイポチューブ間の間隙が狭まって、2つのハイポチューブが互いに当接している、つぶれた形態を示す。図14および図15の場合と同様に、この保護管205は、近位ハイポチューブ104に相対した移動操作をする際に、引張ワイヤ24のよじれおよび/または曲げを防止する壁支持体として機能する。この実施形態における引張ワイヤ24はまた、好ましくはテーパが設けられ、その近位端において、より大きな直径を有することによりワイヤのコラム強度を高める。
【0091】
この実施形態の変形形態は、図6および図7の好ましい実施形態と図16および図17の実施形態とを組み合わせたものである。この変形形態は、長い保護管205およびコイル102の双方を利用し、このどちらも、上述した種々の方法で接着され得る。この実施形態は、図18ではつぶれた形態で、図19では拡張した形態で示される。
【0092】
図20および図21に示した本発明のさらに別の実施形態では、単一のハイポチューブを近位端の近くでレーザカットして天然コイル(natural coil)102を形成し、引張ワイヤ24を保護する。ハイポチューブは、天然コイル220セクションの近位側の近位ハイポチューブセクション104において、引張ワイヤ24に圧着されており、ハイポチューブの近位セクション104を、遠位端に相対して操作することによって、閉塞デバイスを開閉できるようになっている。この設計は、有利には、金属コイル、はんだ、または保護管状材のような付加的部品の使用を不要にする。引張ワイヤ24は、ハイポチューブの近位端を把持することによって操作することができ、かつハイポチューブの遠位端に相対して引張ワイヤ24を移動させると、天然コイル220が伸張または収縮する。図20はデバイスが収縮形態にある場合を示し、図21は拡張形態にある場合を示す。
【0093】
図22および図23に示したさらに別の好適な実施形態では、引張ワイヤ24は、どちらも引張ワイヤ24の直径が近位側に向かって増大する2つのテーパ217および218を備える。さらに、薄壁保護管205は、ハイポチューブ22の近位端に接着され、ハイポチューブ22の近位端を超えて延在して、引張ワイヤ24のよじれおよび/または曲げを防止する。引張ワイヤ24の遠位側のテーパ217は、引張ワイヤ24の直径を、ハイポチューブ22の内径よりもわずかに大きい直径に拡張する。近位側のテーパ218は、引張ワイヤ24の直径を、保護管205の内径よりも大きくなるように、好ましくはハイポチューブ22の外径と同じになるように拡張し、引張ワイヤ24がハイポチューブ22に押し込まれる際に、その近位側のテーパまでが押し込まれることを防止する。好ましくは、この薄壁ハイポチューブ205は、シャフト22の近位端に取り付けられて、デバイスのストラットが閉じた形態にある場合には、薄壁ハイポチューブが2つのテーパ間にわたって延在するようにする。シャフト22は、好ましくは、その近位端に凹部221を有して、デバイスのプロファイルをあまり増大させることなく、薄壁ハイポチューブの配置に適合するようになっている。テーパ217および218ならびに保護管205はともに、引張ワイヤ24を強化し、かつ支持して、よじれるのを防止する。図示したように、保護管205は、ハイポチューブ22の近位端の凹部すなわち窪み部(indentation)221に設けられ得る。
【0094】
図23は、ストラット(図示せず)を開くために引張ワイヤ24が移動されたフィルタデバイスを示す。引張ワイヤ24をシャフト22から近位側に移動させることにより、2つのテーパ間の一定のセクションが剛性薄壁ハイポチューブの近位側の外側に存在するようになる。しかしながら、薄壁ハイポチューブ、および引張ワイヤの近位端におけるテーパによって拡張された直径寸法によって引張ワイヤは保護されているため、引張ワイヤがよじれる傾向、または曲がる傾向が著しく低減されている。テーパおよび支持ハイポチューブはともに、引張ワイヤを強化し、かつ支持するため、閉塞デバイスを操作する際のよじれ/曲げを防止する。
【0095】
III. バックエンド支持体を用いる閉塞バルーンシステム
ハイポチューブ中に挿入される引張ワイヤがよじれるのを防止する上述した実施形態は、同様な構造を有する他のデバイスに適用することができることが理解されるであろう。たとえば、これらの実施形態は、第2の細長い部材の内側に、スライドすることができる第1の細長い部材を有するいずれのデバイスにも適用することができる。以下に説明するように、これらの実施形態が特定の適用性を有し得るデバイスの1つは、閉塞バルーンシステムで使用するための閉塞デバイスである。このシステムでは、ガイドワイヤにつながれたバルーンの膨張を制御するために、弁が中空のガイドワイヤへ挿入される。この弁は、コイル、近位ハイポチューブ、テーパ、または引張ワイヤのために上記に説明した機構のいずれかを含むように改変することができる細長い部材を備え、よじれを防止する。このシステムの概括的な機構に関してさらなる詳細を次に説明する。
【0096】
A. バルーンシステム
図24は、閉塞バルーンガイドワイヤシステム310を例示するシステムの構成要素を概括的に示す。以下にさらに詳細に示すように、このシステムに用いられる閉塞バルーン312は、ガイドワイヤ314につながれて末梢血管316の閉塞318に対して所定の位置に配設される。アダプタ320および膨張/収縮デバイスまたはシリンジアセンブリ322を使用して、バルーンをガイドワイヤ314の内腔を通じて膨張させ、閉塞のある末梢血管を閉塞する。以下に説明される弁324の使用により、バルーン312が膨張したままの状態で、アダプタ320をガイドワイヤ314の近位端から取り外すことができる。ガイドワイヤの近位端がフリーになっている場合には、そこに種々の治療カテーテルおよび他のカテーテルを配設、交換し、ガイドワイヤ314を介して閉塞318を治療することができる。ガイドワイヤ314につなげたバルーン312が閉塞318に対し遠位側において膨張したままであるため、閉塞318を処置することによって分解された粒子はバルーンでトラップされる。これらの粒子は、ガイドワイヤを介して配設される吸引カテーテル500(図24に点線で示される)を用いて取り除くことができる。粒子を取り除いた後、アダプタ320および膨張/収縮デバイス322をガイドワイヤの近位端に再び取り付けて、バルーンを収縮する。
【0097】
B.シリンジアセンブリ
閉塞バルーンの膨張および収縮のためのシリンジアセンブリ322の好適な一実施形態が図24に示されている。シリンジアセンブリ322は、ハウジング330内に収められている低容積膨張シリンジ326および高容積すなわちリザーバシリンジ328(reservoir syringe)の両方を備える。シリンジアセンブリ322は、好ましくは、コネクタ332および短チューブ334を介してアダプタ320に取り付けられ、使用の際に、このアダプタ320内で低プロファイルカテーテル弁324とバルーンカテーテル314が連結(engage)する。図24では、バルーンカテーテルは血管内で膨張した形態で示されている。膨張/収縮ノブ336がハウジング330の外側に配置されている。好ましくは、表示338がハウジング330上のノブ336の付近に設けられて、デバイスを使用する臨床医が、膨張シリンジ322によって送出される正確な液体量をモニターすることができるようにする。図示したように、表示338は、用いるバルーンのサイズおよび形状に対応する数字を表示することが好ましい。ノブ338が、「収縮(DEFLATE)」すなわち「0:」位置から、使用時のバルーンに対応する数字に回転すると、シリンジアセンブリ322がバルーンのサイズに対応した流体量を送出する。代替的に、表示338は、各位置に対応して送出される流体の標準量または計量(standard or metric volume)を示すことができる。ハンドル340がプランジャ(plunger)342に近接して形成される。図24に示すように、ハンドル340は、好ましくは大きく、臨床医の手で容易に把持される。
【0098】
C. 閉塞バルーンガイドワイヤ
図24に概括的に示した閉塞バルーンガイドワイヤシステムは、血管を閉塞するとともに、それにより種々の他のカテーテルおよびデバイスの挿入または前進を可能にする機能を果たす。したがって、本明細書で用いる際の「カテーテル」という用語は、これらの所望の特性を有するガイドワイヤおよびカテーテルの両方を含むことが意図されている。「閉塞」という用語は、血管の部分的な閉塞および完全な閉塞の両方を意味する。
【0099】
図25Aに示すように、バルーンガイドワイヤカテーテル314は、概して、細長い可撓性管状体344を備えており、この管状体344は、管状体344の近位セクションに対応する近位制御端346と管状体344の遠位セクションに対応する遠位機能(functional)端350(図示せず)との間に延在している。管状体344は、近位端と遠位端との間に延在する中央内腔348を有する。以下に説明される図27Aおよび図27Bにも示す膨張ポート352が、管状体344の近位端346の近くに設けられる。膨張ポート352は内腔350と流体連通しているため、それによって膨張ポート352を通って内腔350に出入りする流体を用いて、内腔350と連通した状態で膨張バルーン312を膨張または収縮させることができる。
【0100】
以下に説明するように、弁324を管状体344の近位端346に挿入して、膨張ノッチ352を介して管状体の遠位端に取り付けられたバルーン312の膨張を制御する。膨張ノッチ352は、好ましくは放電加工(EDM)によって形成される。好ましくはゴールドからなる近位マーカ353は、膨張ノッチ352よりも遠位の管状体344に設けられる。マーカ353の遠位に、ポリマー材料、より好ましくはポリテトラフルオロエチレン(TFE)からなる非均一のコーティング355が管状体344に施され、収縮管状材362の近位で終端している。以下に説明するように、収縮管状材362はバルーン312まで、およびバルーン312内に延在する。接着性テーパ372および374がそれぞれ、バルーンの遠位端および近位端から延在する。近位テーパ372は、好ましくは、バルーンの近位端から収縮管状材362にわたって管状体344に延在し、遠位テーパ374は、管状体344の遠位端348から延在するコイル356に延在する。コイル352は、遠位ボール358で終端する。
【0101】
管状体344の長さは、所望の用途に応じてかなり可変であり得る。たとえば、カテーテル314が、大腿動脈のアクセスを含む従来の経皮的冠動脈血管形成術における他のカテーテルのためのガイドワイヤとして用いられる場合、管状体344は、約160cm〜約320cmの範囲の長さを有し、単一のオペレータデバイスの場合には約180cmの長さが最適であり、あるいはワイヤ覆うための用途(for over the wire applications)の場合は300cmの長さが最適である中空ハイポチューブからなる。代替的に、管状体344の長さほど必要とされない異なる治療手法の場合、より短い管状体が用いられてもよい。
【0102】
管状体344は概して、外形が約0.008インチ〜0.14インチの範囲内の円形状断面構成を有する。カテーテル314が他のカテーテルに対しガイドワイヤとして用いられる用途では、管状体344の外径は、約0.001インチ〜0.038インチの範囲にあり、好ましくは、外径が約0.014インチ〜0.020インチであるか、あるいはそれよりも小さい。また、内腔350の非円形状断面構成が、カテーテル314に適用されてもよい。当業者には理解されるように、たとえば、三角形状、長方形状、楕円形状、および他の非円形状断面構成を、好適な実施形態において容易に使用することができる。また、管状体344は可変断面を有し得る。
【0103】
管状体344は、管状体344のバックリング(buckling:座屈)または好ましくないよじれを起こすことなく、カテーテル314を、患者の血管系を通して末梢動脈位置にまで前進させることを可能にするのに十分な構造保全性(structural integrity)または「押進能力(pushability)」を有する。患者へ挿入した後に、管状体を回転することが望ましい場合がある実施形態においては、管状体344がトルクを伝達する能力を有することも望ましい。これらの特性を有し、カテーテル製造に適した、当業者に公知の種々の生体適合性材料を用いて、管状体344を製造することもできる。たとえば、管状体344は、ELGILOY(商標)のようなステンレス鋼材からなっていてもよく、あるいはPEEK、ナイロン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレン、またはそれらの組み合わせのようなポリマー材料からなっていてもよい。好適な一実施形態では、構造保全性およびトルク伝達の所望の特性は、チタンとニッケルの合金(一般にニチノールと呼ばれる)から管状体344を形成することによって達成される。より好適な実施形態では、管状体380を形成するために用いられるニチノール合金は、約50.8%のニッケルおよびその残りがチタニウム(balance titanium)(Memry Corporationにより商標TINEL(登録商標))で市販)からなる合金である。ニッケルとチタンのこのような組成を有するカテーテル管状体が、他の材料に比べて可撓性およびよじれ抵抗性が高いことがわかっている。
【0104】
図25Aに示すように、膨張可能バルーン312のような拡張可能部材が、管状体344の遠位端348に取り付けられる。好適な一実施形態では、バルーン312は、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)のブロックポリマーを含む材料から形成される可撓性のバルーンである。バルーン312は、接着剤または熱接着のような、当業者に公知の任意の手段により管状体344に固定され得る。たとえば、SEBSバルーンをニチノールチューブに取り付ける場合、7701 LOCTITE(商標)(Loctite Corporation製造)のようなプライマーを、LOCTITE−4011のようなシアノアクリレート接着剤とともに用いることが好ましい。好適な実施形態で説明したバルーン312は、好ましくは約5mm〜9mm、より好ましくは約6mm〜8mmの長さを有する。
【0105】
図25Bを参照すると、コアワイヤ354が内腔350の内側に設けられ、管状体344に圧着されている。コイル356は、管状体344の遠位端から延在し、コアワイヤ354を包囲し、遠位ボール358で終端している。一実施形態では、コアワイヤは、1つまたは複数のテーパを有してもよく、管状体344中で近位側に向かって延在する。
【0106】
図25Bに示すように、一実施形態では、管状体344はコイル構成をとるためにカット360を有することが好ましい。好ましくはスリーブ362が管状体344に設けられる。接着剤止め(adhesive stop)364および366がバルーンの端部から約1mm〜2mmのところに設けられて、バルーン作動領域中への接着剤368の芯材の長さを調節する。バルーンの膨張は、管状体344のカット360によってもたらされる。マーカ370は、バルーン312に近位の管状体366に取り付けられる。接着用テーパ372および374をバルーン312に隣接して設けて、バルーンの近位端において管状体344とバルーン312との間に、およびバルーンの遠位端においてバルーン312とコアワイヤ354との間にテーパ領域を設ける。シールバンド376および378をバルーンの近位端および遠位端に施して、接着保全性(integrity)を高める。このバルーンカテーテルに関する他の詳細は、「FLEXIBLE CATHETER and FLEXIBLE CATHETER WITH BALLOON SEAL BANDS」という名称の同時係属中の出願(本出願と同一出願人である)に見出すことができる。
【0107】
D. 膨張アダプタおよび低プロファイルカテーテル弁
次に図26を参照すると、膨張アダプタ320は、金属、メディカルグレードポリカーボネートなどから形成されることが好ましく、2つの半体380および382を有するハウジングを備える。半体380、382は、クラムシェル様式に分離または接合されるようにヒンジにより取り付けられている。アダプタ320の使用中、錠止クリップ384がその半体を固定する。ハウジング内のクリップ382が、カテーテル314を受容し、適正位置にしっかり維持する。雄型ルアー(male luer)部材388または他の適したコネクタが、膨張経路をもたらすようにハウジングの上部から延在する。シール390をハウジング内に、かつ膨張経路の内側セグメント392の周りに設け、シリンジアセンブリ322により提供される加圧流体を導く。図24に示す、アダプタハウジング396の上部にあるアクチュエータ394は、ハウジング内に収容されているスライドパネル398(図26)を作動するカムを制御する。
【0108】
図24に示すように、低プロファイルカテーテル弁324は、開いているカテーテル314の近位端に取り付けられる。膨張流体を、アダプタ320および弁324を介して中空カテーテル314の内腔中へ、およびバルーン312中へ注入する。膨張アダプタ320を用いて弁324を開閉し、カテーテル314の遠位端に取り付けられたバルーン312の膨張を調節する。
【0109】
他のタイプのアダプタおよび/または弁を、医療バルーンデバイスまたは他の非バルーン医療デバイスの迅速かつ正確な膨張/収縮を達成するために、本明細書で説明した膨張シリンジおよび/またはシリンジアセンブリとともに用いることができることが明らかにされるであろう。したがって、好適な実施形態は低容積閉塞バルーン312に関連して説明されるが、他のタイプのバルーンデバイスまたは非バルーンデバイスにとっても、本明細書に説明した本発明の利点は有益である。
【0110】
図27Aおよび図27Bに示すように、低プロファイルのカテーテル弁324は、ワイヤセグメント402の遠位端に取り付けられるとともに、ガイドワイヤカテーテル314の膨張内腔350内に配置される移動可能なシーラー(sealer:封止材)部分400を備える。ワイヤ402は、カテーテル314の近位側の開口部内のばねに固着されてもよい。ワイヤセグメント402に形成されるか、あるいはそれに取って代わり、内腔350の内壁との摩擦係合によりシーラー部分400にバイアス力(biasing force)を与えるジグザクワイヤ404を含む、種々のばねまたはバイアス構成が利用できることが留意されるであろう。シーラー部分400は、膨張内腔350の断面の全周としっかり接触することによって膨張内腔350との流体密閉シールを形成する。シーラー部分400は、図27Bに示したようなカテーテルにある側部アクセス(side−access)膨張ポート352の近位側に位置付けられて、膨張ポート352と遠位端の膨張バルーンとの間に無障害流体経路を確立する。必要に応じて、臨床医は、図27Bにおいて点線で示すように、シーラー部分400を、膨張ポート352の位置、または膨張ポート352の遠位の位置に移動させ、それによって、膨張ポート352を介して流体が内腔350へ導入されるか、あるいは内腔350から引き戻されることを防止する。弁324は、カテーテル314自体ほど断面直径が大きくないため、「低プロファイル」であるとみなされる。
【0111】
図27Aおよび図27Bに示した弁324は、上記の図6および図7または図10〜図23のよじれ防止システムの任意の構造を有するように改変することもできる。したがって、先に説明したこれらの図面において、フィルタデバイスの場合に引張ワイヤとして作用した内部ワイヤが、ここでは弁324の場合のワイヤセグメント402とみなされ、シーラー部分400(図示せず)が、ワイヤ(たとえば図6および図7の参照符号38、図27Aの参照符号404)の屈曲(bend:ベンド)の遠位に設けられる。例として、図6および図7を用いると、図7に示すようにワイヤ24が近位側に後退する場合、シーラー部分400は側部アクセス膨張ポート352に対し近位側に移動し、バルーンが膨張可能となる。図6に示すようにワイヤが遠位側に前進する場合、シーラー部分400は、膨張ポート352に対し遠位に移動するため内腔350をシールする。図7の拡張コイル102は本明細書で弛緩構成として説明されているが、このコイルはバイアスを加えられた結果、図6の収縮構成が弛緩構成になったことが理解されるであろう。
【0112】
好ましくは、カテーテル314を、弁が閉じているアダプタ320のハウジング内に配置し、側部膨張ポート352がハウジングのシール膨張領域392に配置されるようにする。次に、カテーテル314をアダプタ320の第2の半体382に配置する。ハウジングから延在しているカテーテル314の遠位部分が患者に挿入され、カテーテル弁324を含むカテーテルの近位部分はアダプタ320の他方の側から延在する。アダプタが閉じられ、錠止クリップ384が固定され、シリンジアセンブリが取り付けられる。アクチュエータ394が第1の位置から第2の位置へ移動することによって、ハウジング内の摺動パネル398が弁324を開き、膨張ポート352を通して流体が流れることを可能にする。次に、シリンジアセンブリ322を用いてバルーン312を膨張させる。アクチュエータ396を第2の位置から第1の位置へ戻すことによって弁324を閉じ、それによってバルーン膨張を維持する。いったん弁が閉れば、アダプタを取り外すことができ、治療カテーテルおよび他のカテーテルを、ガイドワイヤを介して配設することができる。
【0113】
他の膨張アダプタ/膨張シリンジアセンブリも用いることができる。また、アダプタ320は、カテーテル弁を開いてアダプタを使用している場合に、カテーテル弁が不慮に開くのを防止するために、アクチュエータノブ394上に設けられる安全ロックのような追加機能を有する。さらに、アダプタは、シール部材をカテーテル内にオーバードライブ(overdrive)するオーバードライブシステムを備えていてもよい。
【0114】
E. 吸引カテーテル
上述した閉塞システムは、有利には、ガイドワイヤを介してカテーテルを交換することができるようにするとともに、閉塞デバイスが血管内の粒子を分離できるようにする。たとえば、治療カテーテルを、ガイドワイヤを介して配設して治療を行い、さらに吸引カテーテルと交換して、血管から粒子を取り除く。
【0115】
本発明の好適な一実施形態による吸引カテーテルを図28に示す。カテーテル500は、吸引源が取り付けられるカテーテル500の近位端に、アダプタ502および吸引ポート504を有する。吸引カテーテルはさらに、アダプタ502から遠位側に、支持するための複数の覆い(支持シース)510および512を通って延在する細長い管状体506を備える。細長い管状体506は、支持シース512の遠位側に、管状体506の外径のサイズを漸減する遷移点514を有する。管状体506のこのテーパ、すなわち漸減する(necked−down)部分は、好ましくは二つの内腔を有する管状材の近位端518を通って二つの内腔を有する管状材516に挿入される。管状体506は、好ましくは、二つの内腔を有する管状材516の内腔の1つに挿入され、その遠位端520は、二つの内腔を有する管状材の近位端518から十分に離れており、近位端518との間の固定接続を提供する。
【0116】
二つの内腔を有する管状材516は、好ましくは2つの内腔を規定し、その1つは吸引するためのものであり、もう1つはガイドワイヤを通すためのものである。より具体的には、細長体506が挿入される内腔は吸引内腔として作用し、この内腔は細長体506の内腔と流体連通する。吸引内腔は、好ましくは傾斜開口部を規定する遠位吸引口552で終端していることが好ましい。したがって、吸引は、細長い管状体506の内腔および二つの内腔を有する管状材の吸引内腔の双方により行われる。
【0117】
ガイドワイヤのための内腔は、二つの内腔を有する管状材で吸引内腔に隣接して設けられ、二つの内腔を有する管状材の吸引内腔の近位端518に対し、好ましくは遠位にある近位端524、および吸引口522に対し好ましくは遠位にある遠位端526を有する。マーカ528は、ガイドワイヤ内腔内の吸引口の遠位端にあたる部分に配置される。付加的なマーカ530および532を、細長い管状体506および/または支持シースの上に配置してもよい。
【0118】
IV. バックエンド支持体を用いた自己拡張バルーンシステム
図29は、上述したようなバックエンド支持体を用いたバルーンカテーテルの別の実施形態を示す。本明細書に示した実施形態は、テーパ付き引張ワイヤの上に設けられたコイルを有するテーパ付き引張ワイヤを説明しているが、よじれを防止するための上述した別の実施形態も用いることができることを理解されたい。
【0119】
図29のバルーンカテーテル610は、概して、細長い管状体612、カテーテル体612の遠位端部分に沿って取り付けられた膨張バルーン614、およびカテーテル体612の近位端における内腔に配置された調整可能プランジャ616を備える。引張ワイヤまたは押進ワイヤ618は、プランジャ616に結合され、カテーテル体612に相対してプランジャ616を前進および後退させる。カテーテル体612は、マーカ/プラグ620によって遠位端において流体密閉シールされる。マーカ/プラグ620は、カテーテル体612内に固定位置を有し、好ましくは、使用中にバルーンカテーテルを容易に観察できるよう、X線不透過性材料からなる。
【0120】
コアワイヤ622は、マーカ/プラグ620に取り付けられ、そこから遠位側に延在する。遠位コイル624はコアワイヤ622のまわりに設けられ、バルーンカテーテルに可撓性ガイドチップ636を提供する。可撓性ガイドチップ636は、バルーンカテーテル610が患者の血管系を前進するのを容易にするようになっている。先丸キャップ626をガイドチップ636の遠位端に設けて、デバイスが、患者の血管系を通って前進する間、患者の組織を損傷しなしようにする。
【0121】
膨張バルーン614は、可撓性ガイドチップ636のすぐ近位端からカテーテル体612の遠位端にわたって取り付けられる。膨張バルーン614の遠位端は、カテーテル体612に直接取り付けられる。膨張バルーンの近位端は、収縮管状体630の所定の長さに取り付けられる。収縮管状体630は、バルーンの近位端がしっかり取り付けられるとともに、それとの間に流体密閉シールを維持することができる表面を提供する。
【0122】
カテーテル体612は、膨張バルーン616と流体連通している内腔を有する。流体は、遠位端部分に沿って形成されるスパイラルスリット632によって形成されるカテーテル体612の開口を通って、カテーテル体612から出る、またはバルーン616に入る。スパイラルスリット632はカテーテル体612に螺旋形状の遠位端部分を与える。この螺旋形状により、カテーテルの可撓性が向上する。代替の形態では、カテーテル体は、スパイラルスリットではなく、遠位端部分に沿って1つまたは複数の出口ポートを設けられ、それによって流体をバルーンに入れることができる。
【0123】
調整可能プランジャ616が、近位端においてカテーテル体612の内腔内に配置される。プランジャ616は、バルーン614を膨張および収縮させるために内腔内で前進および後退するようになっている。プランジャ616とマーカ/プラグ620との間のカテーテル体612の内部領域が、生理食塩水のような流体で満たされ得る液体トラップ628を規定する。カテーテル体612の近位端に対し遠位の側部上に、側部アクセスポート631が設けられる。側部アクセスポート631は内腔と流体連通する。使用の前に、側部アクセスポートに対し近位の位置にプランジャを後退させることによって、側部アクセスポート631を通して液体トラップ628に流体を導入する。
【0124】
ワイヤ618は、プランジャ616に結合される遠位端部分を有する。図示した実施形態では、プランジャ616は、中央にワイヤ618が通るためのオリフィスを規定する環状部材として構成される。プランジャ616は、ワイヤ618の外径とカテーテル体612の内径との間のスペースに流体密閉シールを形成するのが好ましい。そのようにして、液体トラップ628内の流体が、カテーテル体612の近位端から漏れることを防止する。流体密閉シールは、プランジャ616の実質的にその全長を、カテーテル612の内周としっかりと接触させることによって達成される。プランジャ616の外面とカテーテル体612の内径との嵌合はタイトである。さらに、プランジャ616とカテーテル612との間の流体密閉シールは、プランジャがカテーテル612内で軸方向に移動しても常に維持されていることが好ましい。しかしながら、プランジャ616とカテーテル612との嵌合は、ワイヤ618に軸方向に十分な力を加えたときには、カテーテル体中のプランジャ616が移動するのを妨げるほどタイトではないことが好ましい。
【0125】
プランジャ616は、膨張カテーテルバルーンに通常用いられる流体圧においてシールを維持することが可能であることが好ましく、通常の膨張圧を超える圧力においてもシールを維持することが可能であるものとする。好ましくは、プランジャは、最大約10気圧、より好ましくは最大約30気圧、最も好ましくは最大約60気圧でシールを維持することが可能である。プランジャはまた、複数の前進/後退サイクルが実施されても、約10気圧から約60気圧に耐えることが可能なシールを維持するために必要とされる構造保全性を失わないことが好ましい。任意選択的に、プランジャは、少なくとも10回、好ましくは少なくとも20回の前進/後退サイクルが実施されても、依然として10気圧で流体密閉シールを維持することが可能である。
【0126】
好適な一実施形態では、プランジャ616は、内腔の内径よりもわずかに大きいが、管状体の外径よりは小さい外径を有する。この構成により、プランジャは近位の開口部を通して内腔内でぴったり嵌合され、カテーテル体612の近位端に流体密閉シールを形成する。
【0127】
ワイヤ618は、好ましくは、主軸、中間領域、およびプランジャ616に結合される細いワイヤ領域を含む。中間領域は、カテーテル体の内腔の内径よりもわずかに小さい直径を有するように形成されることが好ましい。主軸は、膨張下および圧縮下での曲げ剛性および曲げ強度を高めるために、外側部分よりも大きな直径を有する。強度が高まることにより、技術者が、ワイヤ618の主軸を曲げたり破損させることなく、ワイヤ618、ひいてはプランジャ616に、より大きな縦方向の力を加えることが可能になる。
【0128】
遠位側に前進する際に、ワイヤ618は、プランジャとカテーテル体612との間の摩擦によって、およびプランジャに作用する流体圧力によって縦方向の圧縮力を受ける。よじれ防止システムは、縦方向の力がワイヤ618に加わっている間、ワイヤ618の中間領域が曲がることを防止する。よじれ防止システムとは、ワイヤの中間部分を包囲する事前拡張した螺旋巻コイル634が挙げられる。よじれ防止コイル634の直径は、ワイヤの主軸の直径よりも小さく、カテーテル体612の直径よりも小さい。したがって、ワイヤ618が遠位側に前進するにつれて、螺旋コイル634は、主軸とカテーテル体612の近位端との間で圧縮される。螺旋コイル634が完全に圧縮されると、主軸はそれ以上前進することができなくなる。この機構は、ワイヤをよじれから防止するとともに、技術者がプランジャを過度に前進させ、それによってバルーンを過剰膨張させることを防止する内蔵型ストップ機構としても有利に作用する。したがって、この安全機構は、血管内でバルーンが破裂する可能性を排除する。この機構は、過剰膨張により血管に損傷を与える可能性も減少させる。
【0129】
当業者は、説明された実施形態が例としてのみ与えられ、本発明が用いられる状況に応じて本発明を使用するために本発明の範囲内にある多数の変形形態が適用し得ることを理解するであろう。上記の好適な実施形態の説明は、本発明の範囲を限定するものと考えられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
血管内におけるシャフトおよび展開したフィルタサブアセンブリ、ならびにフィルタサブアセンブリの近位に配置された摩擦フィット機構(friction fit mechanism)の部分断面図である。
【図2】
フィルタサブアセンブリのストラットハイポチューブの側面図である。
【図3】
ストラットハイポチューブ斜視図である。
【図4】
図2の線4−4に沿って切り取った、ストラットハイポチューブの断面図である。
【図5】
シャフトおよびフィルタサブアセンブリにおける使用のための引張ワイヤの側面図である。
【図6】および
【図7】
それぞれ、フィルタサブアセンブリが収縮形態および拡張形態にある場合のシステム状態を表した、引張ワイヤのためのよじれ防止システムの部分断面図である。
【図8】
図1のシャフトおよびフィルタサブアセンブリにおいて使用するためのアダプタを示す図である。
【図9】
図1のシャフトおよびフィルタアセンブリにおいて使用するためのアダプタの別の実施形態を示す図である。
【図10】および
【図11】
それぞれ、図6および図7のよじれ防止システムと同様であるが、別の実施形態である引張ワイヤのためのよじれ防止システムの収縮形態および拡張形態を示す部分横断面図である。
【図12】および
【図13】
それぞれ、引張ワイヤのためのよじれ防止システムの別の実施形態である収縮形態および拡張形態を示す部分横断面図であり、なお、引張ワイヤはテーパ付けされている。
【図14】および
【図15】
それぞれ、図12および図13のよじれ防止システムと同様であるが、別の実施形態である引張ワイヤのためのよじれ防止システムの収縮形態および拡張形態を示す部分横断面図である。
【図16】および
【図17】
それぞれ、別の実施形態である引張ワイヤのためのよじれ防止システムの収縮形態および拡張形態を示す部分横断面図である。
【図18】および
【図19】
それぞれ、図16および図17のよじれ防止システムと同様であるが、別の実施形態である引張ワイヤのためのよじれ防止システムの収縮形態および拡張形態を示す部分横断面図である。
【図20】および
【図21】
それぞれ、別の実施形態の引張ワイヤのためのよじれ防止システムの収縮形態および拡張形態を示す部分横断面図である。
【図22】および
【図23】
それぞれ、別の実施形態の引張ワイヤのためのよじれ防止システムの収縮形態および拡張形態を示す部分横断面図である。
【図24】
例示的な膨張アダプタおよび血管内で展開したバルーンカテーテルに作動可能に連結したところを示した、一体型膨張/収縮デバイスの斜視図である。
【図25】
A:本発明の好適な一実施形態にしたがって使用することができるバルーンカテーテルの側面図である。
B:Aのバルーンカテーテルの遠位端の長手方向の横断面図である。
C:Bのバルーンの近位端の拡大横断面図である。
【図26】
低プロファイルカテーテル弁および該カテーテル弁内に配置されたバルーンカテーテルを有する、図24の膨張アダプタを示す図である。
【図27】
A:低プロファイルカテーテル弁の部分横断面図である。
B:開位置(および仮想線で示した閉位置)におけるカテーテル弁を示す、Aの低プロファイルカテーテル弁の拡大図である。
【図28】
本発明の好適な実施形態にしたがった例示的な単一オペレータ型吸引カテーテル(single operator type aspiration catheter)の側面図である。
【図29】
本発明の一実施形態にしたがった自己膨張(self−inflating)バルーンカテーテルの側部横断面図である。

Claims (26)

  1. 近位端および遠位端、ならびに該両端を通じて延在する内腔を有する細長い管状体、
    前記細長い管状体の前記近位端から近位側に延在する近位端、および遠位端を有する、前記細長い管状体の前記内腔の内側にある内部ワイヤであって、前記細長い管状体に相対して移動することができる内部ワイヤ、
    前記細長い管状体の前記遠位端に接続される拡張可能部材、および
    前記内部ワイヤの近位端において前記内部ワイヤにわたって延在するコイルであって、前記細長い管状体の前記近位端に取り付けられているコイル、
    を備える医療デバイス。
  2. 前記コイルの近位端に接続される近位ハイポチューブをさらに備え、前記内部ワイヤは、前記近位ハイポチューブの内側を通って延在する、請求項1に記載の医療デバイス。
  3. 前記コイルの前記近位端および前記近位ハイポチューブの前記遠位端にわたって施される保護管状体をさらに備える、請求項2に記載の医療デバイス。
  4. 前記近位ハイポチューブは、前記内部ワイヤに圧着される、請求項1に記載の医療デバイス。
  5. 前記ハイポチューブの前記近位端および前記コイルの前記遠位端にわたって施される保護管状体をさらに備える、請求項1に記載の医療デバイス。
  6. 前記内部ワイヤは、前記内腔の直径よりも大きい前記管状体に近い直径を有する、請求項1に記載の医療デバイス。
  7. 前記拡張可能部材は、前記管状体に接続される近位端および前記内部ワイヤに接続される遠位端を有する閉塞デバイスであり、前記管状体に対して前記内部ワイヤが相対移動することにより、前記閉塞デバイスが非拡張形態から拡張形態に移行する、請求項1に記載の医療デバイス。
  8. 前記コイルは、前記閉塞デバイスが非拡張形態にある場合に圧縮される、請求項7に記載の医療デバイス。
  9. 前記拡張可能部材はバルーンである、請求項1に記載の医療デバイス。
  10. 前記内部ワイヤは、前記細長い管状体の前記内腔をシールするための弁を有する、請求項9に記載の医療デバイス。
  11. 前記内部ワイヤはプランジャを有し、該プランジャを選択的に前進および後退させることにより、前記バルーンが膨張および収縮する、請求項9に記載の医療デバイス。
  12. 近位端および遠位端、ならびに該両端を通って延在する内腔を有する細長い管状体、
    前記管状体の前記近位端から近位側に延在する近位端、および遠位端を有する、前記管状体の前記内腔の内側にある引張ワイヤ、ならびに
    前記管状体に接続される近位端および前記引張ワイヤに接続される遠位端を有する拡張可能な閉塞デバイス、
    を備える医療デバイスであって、
    前記管状体に対して前記引張ワイヤが相対移動することにより、前記閉塞デバイスが非拡張形態から拡張形態に移行し、
    前記引張ワイヤは、該引張ワイヤの近位端に、前記引張ワイヤの直径を前記内腔の直径よりも大きくさせる少なくとも1つのテーパを有する、医療デバイス。
  13. 前記引張ワイヤの前記近位端に2つのテーパを備え、該テーパのそれぞれは、前記引張ワイヤの直径を近位側に増大させ、かつ該2つのテーパは一定直径を有する部分により分離されている、請求項12に記載の医療デバイス。
  14. 前記閉塞デバイスが非拡張形態にある場合、前記2つのテーパのうち遠位側のテーパが、前記管状体の前記近位端に当接する、請求項13に記載の医療デバイス。
  15. 前記管状体の前記近位端から延在し、かつ前記一定直径を有する部分にわたって延在する薄壁ハイポチューブをさらに備える、請求項14に記載の医療デバイス。
  16. 前記薄壁ハイポチューブは、前記管状体の外径と実質的に同一の外径を有する、請求項15に記載の医療デバイス。
  17. 近位端および遠位端、ならびに該両端を通って延在する内腔を有する細長い管状体、
    前記細長い管状体の前記近位端から近位側に延在する近位端、および遠位端を有する、前記細長い管状体の前記内腔の内側にある内部ワイヤであって、前記細長い管状体に相対して移動することができる内部ワイヤ、
    前記細長い管状体の前記遠位端に接続される拡張可能部材、および
    前記内部ワイヤの前記近位端に取り付けられる近位ハイポチューブ、
    を備える医療デバイス。
  18. 前記拡張可能部材は、前記細長い管状体に接続される近位端および前記内部ワイヤに接続される遠位端を有する閉塞デバイスであり、前記管状体に対して前記内部ワイヤが相対移動することにより、前記閉塞デバイスが非拡張形態から拡張形態に移行する、請求項17に記載の医療デバイス。
  19. 前記閉塞デバイスがその拡張形態にある場合、前記管状体と前記近位ハイポチューブとの間にギャップが規定される、請求項18に記載の医療デバイス。
  20. 前記ギャップにわたって延在し、かつ前記近位ハイポチューブに取り付けられる保護管状体をさらに備える、請求項17に記載の医療デバイス。
  21. 前記近位ハイポチューブと前記管状体との間に、コイルをさらに備える、請求項17に記載の医療デバイス。
  22. 前記近位ハイポチューブ、前記コイル、および前記管状体は、一体形成される、請求項21に記載の医療デバイス。
  23. 前記内部ワイヤは、該内部ワイヤの前記遠位端における直径よりも、該内部ワイヤの前記近位端における直径の方が大きい、請求項17に記載の医療デバイス。
  24. 前記拡張可能部材はバルーンである、請求項17に記載の医療デバイス。
  25. 前記内部ワイヤは、前記細長い管状体の前記内腔をシールするための弁を有する、請求項24に記載の医療デバイス。
  26. 前記内部ワイヤは、プランジャを有し、該プランジャを選択的に前進および後退させることにより、前記バルーンが膨張および収縮する、請求項24に記載の医療デバイス。
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