JP2004509843A - うつ病の処置のための併用療法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、うつ病を処置する方法を提供し、この方法は患者に適切な抗うつ剤である第1成分を有効量で、適切なAMPAレセプター増強剤である第2成分の有効量と組合わせて投与することを含む。

Description

【0001】
哺乳動物の中枢神経系(CNS)では、神経インパルスの伝達は、送達ニューロン(sending neuron)により遊離される神経伝達物質と、受容ニューロン(receiving neuron)上の表面レセプターとの間の相互作用により制御され、これはこの受容ニューロンの興奮または阻害のいずれかを引き起こす。CNS中の最も豊富な神経伝達物質であるL−グルタミン酸は、哺乳動物における興奮性伝達のほとんどを媒介し、興奮性アミノ酸(EAA)と呼ばれている。一般に、グルタミンに応答するレセプターは興奮性アミノ酸レセプター(EAAレセプター)と呼ばれている。Watkins&Evans、Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.、21、165(1981);Monaghan,BridgesおよびCotman,Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.,29,365(1989);Watkins,Krogsgaard−LarsenおよびHonore,Trans.Pharm.Sci.,11,25(1990)を参照のこと。興奮性アミノ酸は生理学的に非常に重要なものであり、長期増強作用(学習および記憶)、シナプス可塑性の発達、運動制御、呼吸、心血管調節ならびに知覚のような種々の生理学的プロセスにおいて役割を果たしている。
【0002】
興奮性アミノ酸レセプターは2つの一般的なタイプに分類される。ニューロンの細胞膜中のカチオンチャンネルの開口に直接共役するレセプターを「イオンチャネル型」と呼ぶ。このタイプのレセプターは、選択的アゴニストであるN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)、α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルイソキサゾール−4−プロピオン酸(AMPA)およびカイニン酸(KA)により定義される、すくなくとも3つのサブタイプにさらに分割されている。レセプターの第2の一般的なタイプは、Gタンパク質または2次メッセンジャー結合型「代謝型」興奮性アミノ酸レセプターである。この第2のタイプのEAAレセプターは、複数の2次メッセンジャー系に共役しており、ホスホイノシチド加水分解の増加、ホスホリパーゼDの活性化、c−AMP形成の増加または減少およびイオンチャンネル機能の変化を導く。SchoeppおよびConn,Trends in Pharmacol.Sci.,14,13(1993)。両方のタイプのレセプターは興奮性経路に沿って通常のシナプス伝達を媒介するだけではなく、発生および生存の間のシナプス連結の改変にも寄与するようである。Schoepp,Bockaert,and Sladeczek,Trends in Pharmacol.Sci.,11,508(1990);McDonald and Johnson,Brain Research Reviews,15,41(1990)。
【0003】
グルタミン酸レセプターのAMPAサブタイプは、GluR1〜GluR4(GluRA〜GluRDとも称される)として公知の4つのタンパク質サブユニットから組立てられ、他方、カイニン酸レセプターはサブユニットGluR5〜GluR7、ならびにKA−1およびKA−2から組立てられる。WongおよびMayer,Molecular Pharmacology 44:505〜510,1993。これらのサブユニットが天然の状態でどのようにして組合わせられるかは未だ知られていない。しかしながら、各サブユニットの特定のヒト変異型の構造は解明されており、個々のサブユニット変異体を発現するセルラインがクローニングされ、それらのサブユニットと結合または相互作用し、その結果それらの機能を変化させ得る化合物を同定するように設計された試験系に組込まれている。従って、欧州特許出願公開番号EP−A2−0574257はヒトサブユニット変異体GluR1B、GluR2B、GluR3AおよびGluR3Bを開示する。欧州特許出願公開番号EP−A1−0583917はヒトサブユニット変異体GluR4Bを開示する。
【0004】
AMPAおよびカイニン酸レセプターの特有の特性の1つは、グルタミン酸の適用に応答しての迅速な不活性化および脱感作である。YamadaおよびTang,The Journal of Neuroscience,September 1993,13(9):3904−3915ならびにKathryn M.Partin,J.Neuroscience,November 1,1996,16(21):6634−6647。迅速な脱感作および、もしあれば、不活性化の生理学的な関係は十分には理解されていない。
【0005】
AMPAおよび/またはカイニン酸レセプターのグルタミン酸に対する迅速な脱感作および不活性化は特定の化合物を使用して阻害され得ることが知られている。これらの化合物のこの作用は、別名で、しばしば、レセプターの「増強作用(potentiation)」と称される。選択的にAMPAレセプター機能を増強する化合物のうちの1つは、シクロチアジドである。Partinら、Neuron.Vol.11,1069−1082,1993。
【0006】
さらに、哺乳動物のグルタミン酸レセプター機能を増強する特定のスルホンアミド誘導体は、以下の国際特許出願公報に開示されている。WO98/33496(1998年8月6日公開);WO99/43285(1999年9月2日公開)およびWO00/06539;WO00/06537、WO00/06176、WO00/06159、WO00/06158、WO00/06157、WO00/06156、WO00/06149、WO00/06148およびWO00/06083(これらは全て2000年2月10日に公開されている)。さらに、国際特許出願公開WO97/39750(1997年10月30日公開)は、精神障害に罹患したヒトにおいてうつ病を処置する方法を開示し、この方法は、患者のAMPAの脳レセプターの、その天然のリガンドに対する選択的な増強を含み、この選択的増強はうつ病の改善に適した量で天然のリガンドの効果を増幅するのに足るものである。
【0007】
近年、うつ病はいろいろな形で、一般公衆にとってこれまでよりもより目に見えるものとなってきた。現在、非常に有害な障害として認識されており、人口のうちの多数が罹患している。自殺はうつ病の最も極端な症状である。しかし、多数の人々が、これほど強烈に罹患するわけではないが、苦しみの中で生きており、部分的または完全に無能感の中で生きており、これらの苦痛により患者の家族も同様に苦しむ。フルオキセチン(fluoxetine)、セロトニン再取り込み阻害剤(SRI)の導入は、うつ病の処置の進展であり、現在では、うつ状態のヒトはほんの10年前よりも診断され、治療される傾向が高い。
【0008】
うつ病は、しばしば他の疾患および状態と関連しているか、またはそのような他の状態により引き起こされている。例えば、パーキンソン病、HIV、アルツハイマー病、同化ステロイドの常用と関連している。うつ病はまた、何らかの物質の常用と関連しているかもしれず、また、頭部傷害、精神遅滞または発作と合わせて発生するか、または起こる挙動的な問題と関連しているかもしれない。
【0009】
うつ病の処置におけるセロトニン再取りこみ阻害剤の性質の飛躍にもかかわらず、うつ病に罹患している患者の多数はセロトニン再取り込み阻害剤、または、例えば、他の伝統的なうつ病治療態様(モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)と称される昔からの三環系クラスの化合物を含む)での治療に反応しないかまたは部分的にのみ反応する。さらに、セロトニン再取り込み阻害剤での処置の前の重要な期間が治療効果を提供することがある。さらに、種々の副作用が現在の抗うつ治療に関連しており、例えば、セロトニン再取り込み阻害剤に関連して胃腸系が影響を受けるかもしれず、この症状は吐き気、ときおり嘔吐として現れる。セロトニン再取りこみ阻害剤に関連する、さらなる問題となる副作用は性的機能不全である。このような性的機能不全は34%もの高さにのぼると推定されている。[F.M.Jacobsen,J.Clin.Psychiatry,53,119,(1992)を参照のこと]。これらの副作用により、しばしば、患者の状態に何らかの有意な改善を認識するために充分な期間に対するSRI治療を維持できないうつ病患者が生じる。
【0010】
本発明は、うつ病の処置方法を提供し、この方法は、適切な抗うつ剤である第1成分を有効量で、適切なAMPAレセプター増強剤である第2成分の有効量と組合わせて患者に投与することを含む。
【0011】
さらに、本発明は不応性うつ病の処置方法を提供し、この方法は、適切な抗うつ剤である第1成分を有効量で、適切なAMPAレセプター増強剤である第2成分の有効量と組合わせて患者に投与することを含む。
【0012】
本発明は、さらに、うつ病に伴う有害な事象の緩和方法を提供し、この方法は、適切な抗うつ剤である第1成分を有効量で、適切なAMPAレセプター増強剤である第2成分の有効量と組合わせて患者に投与することを含む。
【0013】
本発明はまた、うつ病の迅速な初期(rapid onset)処置を提供する方法を提供し、この方法は、適切な抗うつ剤である第1成分を有効量で、適切なAMPAレセプター増強剤である第2成分の有効量と組合わせて患者に投与することを含む。
【0014】
本発明はまた、適切な抗うつ剤である第1成分、および適切なAMPAレセプター増強剤である第2成分を含有する医薬組成物を提供し、この2つの成分はうつ病の処置に有効量で存在する。
【0015】
さらに、本発明は、パッケージ材料と、このパッケージ材料内に含まれる適切な抗うつ剤である第1成分および適切なAMPAレセプター増強剤である第2成分を含む医薬組成物からなる製品を提供し、このパッケージ材料はこの医薬組成物をうつ病の処置に使用し得ることを示すラベルを備える。
【0016】
発明の詳細な説明
本明細書中で使用する用語「グルタミンレセプター機能の増強」とは、グルタミンレセプター(例えば、AMPAレセプター)の、グルタミン酸またはアゴニストへの何らかの増大した応答性を意味し、AMPAレセプターのグルタミン酸に対する迅速な脱感作または不活性化の阻害を意味を含むが、これらに限定されるわけではない。
【0017】
本明細書中で使用する用語「AMPAレセプター増強剤」は、AMPAレセプターのグルタミン酸に対する迅速な脱感作または不活性化を阻害する化合物を意味する。
【0018】
本明細書中で使用する用語「緩和する」は、通常の抗うつ剤の投薬(例えば、SRI)が疾患の症状に対して有益な効果を生じる用量で使用される場合の、このような製品を用いたうつ病の処置に伴う副作用または有害な事象の数、重篤度または頻度の減少を意味する。
【0019】
本明細書中で使用する数「392098」は、実施例2の化合物N−2−(4−(3−チエニル)フェニルプロピル 2−プロパンスルホンアミドを意味する。
【0020】
本明細書中で使用する用語「IMI」は、イミプラミンを意味する。
【0021】
本明細書中で使用する用語「FST」は強制水泳試験を意味する。
【0022】
本明細書中で使用する用語「i.p.」は、腹膜内の、または腹膜内に、を意味する。
【0023】
本発明は、第1および第2成分のいずれかまたは両方の製薬上許容可能な塩を含むことを当業者は理解する。本発明で使用する化合物は、充分に酸性の基、充分に塩基性の基または両方の官能基を有し、それゆえ任意の多数の有機および無機の塩基、ならびに無機および有機の酸と反応して製薬上許容可能な塩を形成し得る。
【0024】
本明細書中で使用する用語「製薬上許容される塩」は、本発明で使用する化合物の塩を意味し、これは生きた生物に対して実質的に非毒性である。代表的な製薬上許容される塩としては、本発明の化合物と製薬上許容される無機または有機の酸との反応により製造される塩が挙げられる。このような塩はまた、酸付加塩として公知である。このような塩としては、当業者に公知のJournal of Pharmaceutical Science,66,2−19(1977)に列挙されている製薬上許容される塩が挙げられる。
【0025】
酸付加塩を形成するために一般的に使用される酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸などのような無機酸、およびp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸などのような有機酸である。このような製薬上許容される塩の例は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、アスコルビン酸塩、ギ酸塩、塩酸塩、ジヒドロ塩酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、プロピオン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、サリチル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、マンデル酸塩、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、桂皮酸塩、馬尿酸塩、硝酸塩、フタル酸塩、テトラフタル酸塩、ブチン−1,4−ジオン酸塩、ブチン−1,4−ジカルボン酸塩、ヘキシン−1,4−ジカルボン酸塩、ヘキシン−1,6−ジオン酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、o−アセトキシ安息香酸塩、ナフタレン−2−安息香酸塩、フタル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、p−ブロモベンゼンスルホン酸塩、p−クロロベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、α−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩(tartrate)、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩、酒石酸塩(tartarate)などのような有機酸である。好ましい製薬上許容される酸付加塩は、塩酸および臭化水素酸のような無機酸を用いて形成されるもの、およびマレイン酸、シュウ酸およびメタンスルホン酸のような有機酸を用いて形成されるものである。
【0026】
塩基付加塩としては、アンモニウムまたはアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩などのような無機塩基由来のものが挙げられる。それゆえ、本発明の塩の製造に有用な塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。カリウムおよびナトリウム塩の形態が特に好ましい。
【0027】
通常、本発明の任意の塩の一部を形成する特定の対イオンは、その塩が全体として薬理学的に許容可能である限り、およびその対イオンがその塩に対して全体として望ましくない特性を与えない限り、重要な性質のものではないと認識されるべきである。さらに、上記の塩は水和物を形成し得るかまたは実質的に無水形態で存在し得ることがさらに理解される。
【0028】
本明細書中で使用する用語「立体異性体」は、同一の結合により同一の原子から作製されるが、相互交換可能ではない異なる三次元構造を有する化合物を意味する。三次元構造は、立体配座と称される。本明細書中で使用される用語「エナンチオマー」は、互いにその上に重ね合わせることができない鏡像である分子である2つの立体異性体を意味する。用語「キラル中心」とは、4つの異なる基が結合している炭素原子を意味する。本明細書中で使用する用語「ジアステレオマー」は、エナンチオマーではない立体異性体を意味する。さらに、1つのキラル中心のみで異なる立体配座を有する2つの立体異性体は、本明細書中で「エピマー」と称する。用語「ラセミ体」、「ラセミ混合物」または「ラセミ変形」は、エナンチオマーの等しい部の混合物を意味する。
【0029】
本明細書中で用いる用語「エナンチオマー濃縮(enrichment)」は、あるエナンチオマーの他方との比較しての量の増加を意味する。達成されたエナンチオマー濃縮を表す簡便な方法は、エナンチオマー過剰、すなわち「ee」という概念であり、これは以下の等式を用いて見出される:
【数1】
Figure 2004509843
(式中、Eは第1のエナンチオマーの量であり、Eは第2のエナンチオマーの量である)。従って、2つのエナンチオマーの最初の比が50:50(例えば、ラセミ混合物で存在する)であり、70:30の最終的な比を生じるに充分なエナンチオマー濃縮が達成されるならば、第1のエナンチオマーに関してのeeは40%である。しかしながら、最終的な比が90:10であるならば、第1のエナンチオマーに関するeeは80%である。eeは、90%より高いことが好ましく、95%より高いことが最も好ましく、99%より高いことが特に最も好ましい。
【0030】
エナンチオマー濃縮は、ガスまたはキラルカラムを用いる高速液体クロマトグラフィーのような標準的な技術および手順を用いて当業者により簡単に決定される。さらに、本発明の化合物の個々のエナンチオマーへの分離および単離は、同様に、ガスまたはキラルカラムを用いる高速液体クロマトグラフィーのような標準的な技術および手順を用いて、あるいは他の標準的な分割技術を用いて当業者により行われる。エナンチオマー対の分離をもたらすために必要なキラルカラム、溶離液および条件の選択は、当業者に周知である。さらに、本発明の化合物のエナンチオマーは、J.Jacquesら、「Enantiomers,Racemates,and Resolutions」John WileyおよびSons,Inc.,1981,ならびにE.L.ElielおよびS.H.Wilen,「Stereochemistry of Organic Compounds」、(Wiley−Interscience 1994)および欧州特許出願番号EP−A−838448(1998年4月29日公開)に記載されるような標準的な技術を用いて分割され得る。
【0031】
本発明の化合物のうちのいくつかは1つ以上のキラル中心を有し、種々の立体異性的な立体配座で存在し得る。これらのキラル中心の結果として、本発明の化合物はラセミ体、エナンチオマーの混合物および個々のエナンチオマーならびにジアステレオマーおよびジアステレオマーの混合物を生じる。このようなラセミ体、エナンチオマーおよびジアステレオマーは全て、本発明の範囲内にある。
【0032】
用語「R」および「S」は、有機化学の分野で一般的に用いられるものを本明細書中において使用し、キラル中心の特定の立体配座を記載する。用語「R」(レクタス(rectus))は、最も優先順位の低い基に向かう結合に沿って眺めた場合に基の優先順位(最も高いもの〜2番目に低いもの)が時計回りの関係にあるキラル中心の立体配座を意味する。用語「S」(シニスター(sinister))は、最も優先順位の低い基に向かう結合に沿って眺めた場合に基の優先順位(最も高いもの〜2番目に低いもの)が逆時計回りの関係にあるキラル中心の立体配座を意味する。基の優先順位は、その原子番号(原子番号の減少の順番)に基づく。優先順位の部分的なリストおよび立体化学の議論は、「Nomenclature of Organic Compounds:Principles and Practice」(J.H.Fletcherら編、1974、103−120頁)に含まれている。
【0033】
以下の記号
【化1】
Figure 2004509843
は、紙面から前方に突出している結合を意味する。
【0034】
以下の記号
【化2】
Figure 2004509843
は、紙面から後方に突出している結合を意味する。
【0035】
以下の記号
【化3】
Figure 2004509843
は、立体化学的に規定されていない結合を意味する。
【0036】
本明細書中で使用する用語「CX516」は以下の構造:
【化4】
Figure 2004509843
により表される化合物を意味する。
【0037】
第1成分は、適切な抗うつ剤として機能する化合物である。本明細書中で使用する用語「適切な抗うつ剤」とは、セロトニン再取り込み阻害剤(SRI)、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NERI)、混合型のセロトニン−ノルエピネフリン再取りこみ阻害剤(SNRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、ホスホジエステラーゼ−4阻害剤(PDE−4)などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。SRIおよびSNRIは、好ましい適切な抗うつ剤であり、SRIが最も好ましい。
【0038】
より具体的には、適切な抗うつ剤の例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0039】
フルオキセチン(Fluoxetine)、N−メチル−3−(p−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−フェニルプロピルアミンは、塩酸塩の形態で、2つのエナンチオマーのラセミ混合物として市販されている。米国特許第4,314,081号がこの化合物の初期の参考文献である。Robertsonら、J.Med.Chem.31,1412(1988)はフルオキセチンのRおよびSエナンチオマーの分離を教示しており、セロトニン再取り込み阻害剤としてのそれらの活性が互いに類似してることを教示した。この文献において、用語「フルオキセチン」は任意の酸付加塩または遊離の塩基を意味するように用いられており、ラセミ混合物のいずれかまたはRおよびSエナンチオマーのいずれかを含むように用いられている。
【0040】
デュロキセチン(Duloxetine)、N−メチル−3−(1−ナフタレニルオキシ)−3−(2−チエニル)プロパンアミドは、通常、塩酸塩および(+)エナンチオマーとして投与される。米国特許第4,956,388号により最初に教示され、これはこの化合物の高い効力を示す。用語「デュロキセチン」は、本明細書中において、この分子の任意の酸付加塩または遊離の塩基を意味するために使用する。
【0041】
ベンラファキシン(Venlafaxine)は文献公知であり、合成方法およびそのセロトニンおよびノルエピネフリン取込みの阻害剤としての活性は米国特許第4,761,501号に教示されている。ベンラファキシンはこの特許の中で化合物Aとして同定されている。
【0042】
ミルナシプラン(Milnacipran)、N,N−ジエチル−2−アミノメチル−1−フェニルシクロプロパンカルボキサミド)は米国特許第4,478,836号に教示されており、これはミルナシプランを実施例4として製造している。この特許はこの化合物を抗うつ剤として記載している。Moretら、Neuropharmacology 24,1211−19(1985)は、その薬理学的活性をセロトニンおよびノルエピネフリン再取り込みの阻害剤として記載している。
【0043】
シタロプラム(Citalopram)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロ−5−イソベンゾフランカルボニトリルは米国特許第4,136,193号にセロトニン再取り込み阻害剤として開示されている。その薬理学特性(pharmacology)はChristensenら、Eur.J.Pharmacol.41,153(1977)に開示されており、うつ病における臨床学的有効性の報告はDufourら、Int.Clin.Psychopharmacol.2,225(1987)およびTimmermanら(同上),239に見出すことができる。
【0044】
フルボキサミン(Fluvoxamine)、5−メトキシ−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−ペンタノン O−(2−アミノエチル)オキシムは、米国特許第4,085,225号に教示されている。この薬物についての化学文献は、Claassenら、Brit.J.Pharmacol.60,505(1977)およびDe Wildeら、J.Affective Disord.4,249(1982)およびBenfieldら、Drugs32,313(1986)により公開されている。
【0045】
パロキセチン(Paroxetine)、trans−(−)−3−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルオキシ)メチル]−4−(4−フルオロフェニル)ピペリジンは、米国特許第3,912,743号および同第4,007,196に見出すことができる。薬物の活性の報告は、Lassen,Eur.J.Pharmacol.47,351(1978);Hassanら、Brit.J.Clin.Pharmacol.19,705(1985);Laursenら、Acta Psychiat.Scand.71,249(1985);およびBattegayら、Neuropsychobiology 13,31(1985)中にある。
【0046】
セルトラリン(Sertraline)(1S−cis)−4−(3,4−ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−N−メチル−1−ナフチルアミン塩酸塩は、抗うつ剤として市販されているセロトニン再取り込み阻害剤である。米国特許第4,536,518号に開示されている。
【0047】
ブプロプリオン(Buproprion)(Welibutrine(登録商標))、(±)−1−(3−クロロフェニル)−2−[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]−1−プロパノンは、うつ病の処置のために示されている。用語「ブプロプリオン」は、ラセミ体またはいずれかのエナンチオマーとして存在する分子の任意の酸付加塩または遊離の塩基を意味するために、本明細書中において使用する。HCl塩が特に好ましい。
【0048】
レボキセチン(Reboxetine)(EdronaxTM)、2−[α−(2−エトキシ)フェノキシ−ベンジル]モルホリンは、通常、ラセミ体として投与される。うつ病の処置のための用途を記載する米国特許第4,229,449号により最初に教示された。レボキセチンは選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害剤である。用語「レボキセチン」は、ラセミ体またはいずれかのエナンチオマーとして存在する分子の任意の酸付加塩または遊離の塩基を意味するために本明細書中において使用する。
【0049】
モクロベミド(Moclobemide)、4−クロロ−N−[2−(4−モルホリニル)−エチル]ベンゾアミド。米国特許第4,210,754号を参照のこと。
【0050】
イミプラミン(Imipramine)。米国特許第2,554,736号を参照のこと。
【0051】
ロリプラム(Rolipram)。米国特許第4,193,926号を参照のこと。
【0052】
第2の化合物は、適切なAMPA増強剤である化合物である。適切なAMPAレセプター増強剤の例は、以下の文献に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0053】
WO98/33496(1998年8月6日公開)、
WO99/43285(1999年9月2日公開)、
WO00/06539(2000年2月10日公開)、
WO00/06537(2000年2月10日公開)、
WO00/06176(2000年2月10日公開)、
WO00/06159(2000年2月10日公開)、
WO00/06158(2000年2月10日公開)、
WO00/06157(2000年2月10日公開)、
WO00/06156(2000年2月10日公開)、
WO00/06149(2000年2月10日公開)、
WO00/06148(2000年2月10日公開)、
WO00/06083(2000年2月10日公開)、
米国特許第5,891,871号(1999年4月6日公開)、
米国特許第5,852,008号(1998年12月22日公開)、
米国特許第5,747,492号(1998年5月5日公開)、
米国特許第5,650,409号(1997年7月22日公開)。
これらの開示を本明細書中に参照して組込む。上記の適切なAMPAレセプター増強剤は、例えば、本明細書中に記載の手順に従って当業者により容易に製造される。
【0054】
適切なAMPAレセプター増強剤の具体例を表1に列挙する。
【表1】
Figure 2004509843
【0055】
本発明で使用される化合物に関して上に記載した米国特許の全てを参照して本明細書中に組込む。
【0056】
第1および第2の化合物の組合わせの全ては有用であり、価値があると同時に、表IIに記載のような特定の組合わせが特に価値があり、好ましい。
【表2】
Figure 2004509843
【0057】
以下の実施例および製造は、上に一般的に記載した特定のAMPAレセプター増強剤の代表的な合成を表す。これらの実施例は単なる例示であり、決して本発明を制限することを意図しない。試薬および出発物質は、当業者にとって簡単に入手可能である。本明細書中で使用する場合、以下の用語は記載の意味を有する。「eq」は、当量を意味する。「g」はグラムを意味する。「mg」はミリグラムを意味する。「L」はリットルを意味する。「mL」はミリリットルを意味する。「μL」はマイクロリットルを意味する。「mol」はモルを意味する。「mmol」はミリモルを意味する。「psi」は1インチ平方あたりのポンドを意味する。「min」は分を意味する。「h」または「hr」は、時間を意味する。「℃」は、摂氏度を意味する。「TLC」は薄層クロマトグラフィーを意味する。「HPLC」は高速液体クロマトグラフィーを意味する。「R」は保持因子(retention factor)を意味する。「Rt」は保持時間を意味する。「δ」はテトラメチルシランからの下部領域の1/100万分の1を意味する。「THF」はテトラヒドロフランを意味する。「DMF」はN,N−ジメチルホルムアミドを意味する。「DMSO」はメチルスルホキシドを意味する。「LDA」はリチウムジイソプロピルアミドを意味する。「EtOAc」は酢酸エチルを意味する。「aq」は水性を意味する。「iPrOAc」は酢酸イソプロピルを意味する。「メチルDAST」はジメチルアミノ硫黄三フッ化物を意味する。「DAST」はジエチルアミノ硫黄三フッ化物を意味する。「DBU」は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンを意味する。本明細書中で使用する場合、「Pd(dppf)Cl触媒」はCHClとの[1,1’−ビス(ジフェニルホスホノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体を意味する。本明細書中で使用する場合、用語「Me」、「Et」、「Pr」、「iPr」および「Bu」は、それぞれ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチルを意味し、「RT」は室温を意味する。
【0058】
実施例1
[(メチルエチル)スルホニル]{2−[4−(4−{2[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}アミンの製造
【化5】
Figure 2004509843
表題化合物を、WO98/33496(1998年8月6日公開)、実施例51に開示される手順に従って製造することができる。より具体的には、N−2−(4−(4−(2−アミノエチル)フェニル)フェニル)プロピル 2−プロパンスルホンアミド(1998年8月6日公開のWO98/33496、実施例50に開示される手順に従って製造)(0.1g、0.3mmol)およびトリエチルアミン(0.06mL、0.4mmol)のジクロロメタン(2mL)室温溶液を塩化メタンスルホニル(0.03mL、0.4mmol)に添加した。混合物を周囲温度で16時間攪拌した。反応混合物のクロマトグラフィー(10gシリカゲル、50%酢酸エチル/ヘキサン)から表題化合物を得た(0.1g、94%)。
元素分析(C2130について):
理論値: %C,57.51;%H,6.89;%N,6.39。
実測値: %C,57.90;%H,6.72;%N,6。
【0059】
実施例1a
{(2R)−2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}[(メチルエチル)スルホニル]アミンの製造
【化6】
Figure 2004509843
【0060】
2−フェニル−1−プロピルアミンHClの製造
【化7】
Figure 2004509843
オートクレーブ水素化装置に、窒素下で水で湿潤させた(water−wet)5%炭素担時パラジウム(453g)、エタノール(6.36L)、2−フェニルプロピオンニトリル(636g、4.85mol)および最後に濃塩酸(12M)(613g、5.6mol)を充填した。混合物を迅速に攪拌し、75〜78psiまで水素を用いて圧力をかけた。次いで、混合物を50〜64℃まで3時間加熱した。アリコートの1H NMR分析は、5%未満の出発物質を示した。反応混合物を減圧し、ろ過して、減圧下で各々約400mLまで濃縮した2つのロットのろ液を得た。各ロットにメチルter−ブチルエーテル(MTBE)(各々2.2L)を加え、析出した固体を一晩攪拌した。各ロットをろ過し、回収した固体をそれぞれ、新しいMTBE(100mL)で洗浄し、一晩乾燥させた。ロットを合わせ、2−フェニル−1−プロピルアミンHClを白色の粉末として得た(634.4g、76.2%)。
【0061】
遊離塩基の1H NMR分析(CDCl3,300MHz)δ7.32(m,2H),7.21(m,3H),2.86(m,2H),2.75(m,1H),1.25(d,3H,J=6.9),1.02(br s,2H)。
【0062】
(2R)−2−フェニルプロピルアミンリンゴ酸塩の製造
【化8】
Figure 2004509843
乾燥した3リットルの丸底フラスコに、窒素下で2−フェニル−1−プロピルアミンHCl(317.2g,1.85mol)、乾燥エタノール(2.0L)およびNaOHビーズ(75.4g、1.89mol)を入れ、その中で追加のエタノール(500mL)を用いて洗浄した。混合物を1.6時間攪拌し、得られた乳白色のNaCl塩をろ過した。ろ液のアリコートをガスクロマトグラフィーにより分析して遊離アミンである2−フェニル−1−プロピルアミンの量を得た(1.85mol)。L−リンゴ酸(62.0g、0.462mol、0.25当量)のエタノール(320mL)溶液を黄色のろ液に滴下し、溶液を75℃まで過熱した。溶液を75℃で30分間攪拌した。熱を取り除き、溶液をゆっくりと冷却させた。得られた大量の析出物を一晩攪拌した。析出物をろ過し、エタノール(325mL)を用いてリンスした後に減圧下で乾燥させて(2R)−2−フェニルプロピルアミンリンゴ酸塩を白色結晶固体として得た(147.6g、39.5%)。遊離塩基である2−フェニル−1−プロピルアミンのキラルGC分析は、R−異性体(立体配座は市販の2−フェニル−1−プロピルアミンとの分光分析的な比較により割り当てられる)が豊富な83.2%e.e.を示した。H NMR(CDCl,300MHz)δ7.32(m,2H),7.21(m,3H),2.86(m,2H),2.75(m,1H),1.25(d,3H,J=6.9),1.02(br s,2H)。
【0063】
(2R)−2−フェニルプロピルアミンリンゴ酸塩(147.1g,83.2%e.e.)のエタノール(1325mL)および脱イオン水(150mL)中のスラリーを、固体が溶液になるまで加熱還流(約79.2℃)した。均一な溶液を攪拌しながらゆっくりと一晩冷却した。析出した白色の固体を冷却(0〜5℃)し、ろ過した。回収した固体をエタノール(150mL)でリンスし、35℃で乾燥させて白色粉末として(2R)−2−フェニルプロピルアミンリンゴ酸(125.3g、85.2%回収)を白色粉末として得た。遊離の塩基である(2R)−2−フェニルプロピルアミンのキラルGC分析は、R異性体が豊富な96.7%e.e.を示した。H NMR(CDOD,300MHz)δ7.32(m,10H),4.26(dd,1H,J=3.6,9.9),3.08(m,6H),2.72(dd,1H,J=9.3,15.3),2.38(dd,1H,J=9.3,15.6),1.33(d,6H,J=6.6)。
【0064】
((2R)−2−フェニルプロピル)[(メチルエチル)スルホニル]アミンの製造
【化9】
Figure 2004509843
(2R)−2−フェニルプロピルアミンリンゴ酸塩(200g、0.494mol)のCHCl(1000mL)中のスラリーに、1.0N NaOH(1050mL,1.05mol)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌し、有機相を分離し、CHClリンス液(200mL)をいれた3.0L丸底フラスコに自然ろ過した。得られた遊離塩基である(2R)−2−フェニルプロピルアミンを共沸蒸留により乾燥させた。従って、清澄なろ液を600mLまで、単純蒸留ヘッド(simple distillation)での蒸留を介して大気圧で濃縮した。ヘプタン(1000mL)を添加し、溶液を大気圧で再度、600mLまで、窒素パージを用いて濃縮して蒸留率を上昇させた。最終的なポット温度は109℃であった。
【0065】
溶液を窒素下で攪拌しながら室温まで冷却して、清澄な無色の(2R)−2−フェニルプロピルアミンのヘプタン溶液(600mL)を得た。この溶液に4−ジメチルアミノピリジン(6.04g,0.0494mol)、トリエチルアミン(200g,1.98mol)およびCHCl(500mL)を添加した。混合物を清澄な溶液が得られるまで室温で攪拌した。この溶液を5℃まで冷却し、塩化イソプロピルスルホニル(148g,1.04mol)のCHCl(250mL)溶液を、攪拌しながら2時間かけて滴下した。混合物を16時間かけて、室温まで徐々に昇温させた。GC分析により、(2R)−2−フェニルプロピルアミン出発物質の完全な消費を示した。
【0066】
攪拌混合物を8℃まで冷却し、2N HCl(500mL)を滴下した。有機相を分離し、水(1×500mL)および飽和NaHCO(1×500mL)で抽出した。有機相を単離し、乾燥(NaSO)させ、自然ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮して((2R)−2−フェニルプロピル)[(メチルエチル)スルホニル]アミン(230g,96%)を淡黄色の油状物として得た。H NMR(CDCl,300MHz)δ7.34(m,2H),7.23(m,3H),3.89(br t,1H,J=5.4),3.36(m,1H),3.22(m,1H),3.05(m,1H),2.98(m,1H),1.30(d,3H,J=7.2),1.29(d,3H,J=6.9),1.25(d,3H,J=6.9)。
【0067】
[(2R)−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミンの製造
【化10】
Figure 2004509843
((2R)−2−フェニルプロピル)[(メチルエチル)スルホニル]アミン(37.1g,0.154mol)の室温での氷酢酸(185mL)中の攪拌溶液を濃HSO(16.0g,0.163mol)で処理し、緩やかに攪拌しながら(in a slow stream)滴下し、続いてHOリンス液(37mL)を滴下した。この溶液に、(約30℃で)HIO(8.29g,0.0369mol)を添加し、続いてヨウ素(17.9g,0.0707mol)を添加した。得られた反応混合物を加熱し、60℃で3時間攪拌した。HPLC分析により出発物質の消費を実証した後、反応混合物を30℃まで冷却し、NaHSOの10%水溶液(220mL)を、温度を25℃〜30℃の間に保ちながら滴下した。0〜5℃まで冷却すると、混合物は固体の塊に結晶化した。
【0068】
固体を吸引ろ過し、HOでリンスして粗固体(61.7g)を得た。これは温MTBE(500mL)に再溶解した。この溶液をHO(2×200mL)および飽和NaHCO(1×200mL)で抽出し、有機相を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、減圧下で約200mLまで濃縮した。結晶化が始まるまで、ヘプタン(100mL)をゆっくりと攪拌しながら生成溶液に滴下した。さらに100mLのヘプタンを添加し、得られた懸濁液をゆっくりと一晩、室温で攪拌した。次いで、混合物を冷却し(0℃)、ろ過し、回収した固体をヘプタンでリンスした。次いで、固体を空気乾燥させて、中間体である表題化合物、[(2R)−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(33.7g、59.8%)を白色粉末として得た。このロットのキラルクロマトグラフィーは100%e.e.を示した。H NMR(CDCl,300MHz)δ7.66(d,2H,J=8.1),6.98(d,2H,J=8.4),3.86(brt,1H,J=5.1),3.33(m,1H),3.18(m,1H),3.06(m,1H),2.92(m,1H),1.30(d,3H,J=6.6),1.27(d,6H,J=6.6)。
【0069】
(メチルスルホニル)(2−フェニルエチル)アミンの製造
【化11】
Figure 2004509843
フェニルエチルアミン(12.1g,0.100mol)およびトリエチルアミン(11.1g,0.110mol)のCHCl(50mL)溶液(10℃)に、メタンスルホニル塩化物(12.6g,0.110mol)を10分かけて滴下した。溶液を室温で1.5時間攪拌し、次いで1N HCl(5×20mL)で洗浄した。有機相を直接濃縮して中間体である表題化合物、(メチルスルホニル)(2−フェニルエチル)アミン(21.2g,93.3%)を油状物として得た。
H NMR(CDCl,300MHz)δ7.32(m,2H),7.23(m,3H),4.30(br s,1H),3.40(t,2H,J=3.9),2.88(t,2H,J=4.2),2.81(s,3H)。
【0070】
[2−(4−ヨードフェニル)エチル](メチルスルホニル)アミンの製造
【化12】
Figure 2004509843
(メチルスルホニル)(2−フェニルエチル)アミン(205g,1.03mol)、水(200mL)、95%硫酸(111g,1.08mol)の酢酸(1L)攪拌溶液(室温)に、ヨウ素(111g,0.438mol)および過ヨウ素酸(HIO,45.6g,0.206mol)を添加した。反応混合物を、70−75℃で、3時間、加温した。熱を取り除き、暗い紫色の反応混合物を一晩かけて室温で生じさせた。水酸化ナトリウムのペレット(85%,143g,2.16mol)を添加して硫酸を中和し、次いで充分な飽和水性亜硫酸ナトリウムを添加して混合物を脱色し、白色の懸濁物を得た。懸濁液を15℃まで冷却し、ろ過した。ろ過ケークを、水と共に徹底的に粉末化し、次いでCHCl(1L)に溶解し、さらに水で抽出した(2×200mL)。有機相を減圧下で濃縮して中間体である表題化合物、[2−(4−ヨードフェニル)エチル](メチルスルホニル)アミンを白色粉末として得た(201g,60.2%)。H NMR(CDCl,300MHz)δ7.64(d,2H,J=4.8),6.97(d,2H,J=5.1),4.37(br t,1H,J=4),3.36(app.q,2H,J=3.9),2.85(s,3H),2.82(t,2H,J=3.9)。
【0071】
(tert−ブトキシ)−N−[2−(4−ヨードフェニル)エチル]−N−(メチルスルホニル)カルボキサミドの製造
【化13】
Figure 2004509843
[2−(4−ヨードフェニル)エチル](メチルスルホニル)アミン(201g,0.618mol)、4−ジメチルアミノピリジン(3.8g,0.031mol)およびジ−tert−ブチルジカーボネート(162g,0.744mol)のCHCl(1L)溶液(室温)を、一晩攪拌した。反応混合物を水(2×400mL)で洗浄し、有機相を約600mLまで濃縮し、ヘキサン(400mL)を添加した。この合わせた溶液を再度水(400mL)で洗浄し、濃縮して固体を得、これをヘキサン(600mL)中に懸濁してろ過した。回収した固体を減圧下で乾燥し、中間体である表題化合物、(tert−ブトキシ)−N−[2−(4−ヨードフェニル)エチル]−N−(メチルスルホニル)カルボキサミド(241.5g,91.5%)を白色固体として得た。
H NMR(CDCl,300MHz)δ7.63(d,2H,J=7.8),6.98(d,2H,J=7.8),3.88(t,2H,J=6.9),3.10(s,3H),2.88(t,2H,J=6.9),1.51(s,9H)。
【0072】
(tert−ブトキシ)−N−(メチルスルホニル−N−{2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル(1,3,2−ジオキサボロラン(dioxaborolan)−2−イル))フェニル]エチル}カルボキサミドの製造
【化14】
Figure 2004509843
(tert−ブトキシ)−N−[2−(4−ヨードフェニル)エチル]−N−(メチルスルホニル)カルボキサミド(128g,0.300mol、トリエチルアミン(91.1g,0.900mol)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)−CHCl錯体(2.9g,0.0035mol)のアセトニトリル(600mL)脱気溶液に、ピナコールボラン(50g,0.391mol)を滴下した。混合物を70〜74℃で8時間、攪拌し、次いで室温まで冷却した。反応混合物を流動的な油状物まで濃縮し、これをMTBE(500mL)および水(500mL)で分配した。有機相を分離し、水(2×200mL)で洗浄し、残渣になるまで濃縮し、これを一部、ヘプタン(1L)に溶解した。ヘプタン可溶性画分を、Celite(登録商標)521を介してろ過し、油状物まで濃縮した(95g)。残渣をアセトン(600mL)およびヘプタン(600mL)に溶解し、Ceilite(登録商標)521でろ過した。合わせたろ液を中間体である表題化合物、(tert−ブトキシ)−N−(メチルスルホニル)−N−{2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル))フェニル]エチル}カルボキサミドおよびプロチオ(protio)誘導体の3:1モル比の混合物(H NMR,81.0重量%)の混合物(95g)(収率で校正して60.3%の効力)になるまで濃縮した。
H NMR(CDCl,300MHz)δ7.75(d,2H,J=7.8),7.23(d,2H,J=8.1),3.87(t,2H,J=8.1),2.99(s,3H),2.90(t,2H,J=7.5),1.53(s,9H),1.33(s,6H),1.27(s,6H)。
【0073】
(メチルスルホニル){2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル))フェニル]エチル}アミンの製造
【化15】
Figure 2004509843
(tert−ブトキシ)−N−(メチルスルホニル)−N−{2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル))フェニル]エチル}カルボキサミド(98.7g,0.232mol)のCHCl(500mL)攪拌溶液を充填した2Lのフラスコに、添加漏斗よりトリフルオロ酢酸(82mL,121.4g,1.06mol)を滴下した。発熱は観察されず、反応溶液を室温で18時間攪拌した。
【0074】
HPLC分析は98%完了したことを示し、その結果、冷却した(5℃)反応混合物を5N NaOH(175mL)をゆっくりと添加することにより中和した。水相のpHは10.5であった。相を分離し、水相をCHCl(50mL)で抽出した。合わせたCHCl相をブライン(2×100mL)および水(1×100mL)で洗浄した。CHCl相をヘプタン(300mL)で希釈し、減圧下で濃縮して懸濁物を得、これをろ過により単離した。回収した固体をペンタン(2×100mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて中間体である表題化合物、(メチルスルホニル){2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル))フェニル]エチル}アミン(69.0g,91.4%)を白色粉末として得た。
H NMR(CDCl,300MHz)δ7.77(d,2H,J=8.1),7.22(d,2H,J=7.8),4.26(br t,1H,J=6),3.40(q,2H,J=6.9),2.89(t,2H,J=6.6),2.82(s,3H),1.34(s,12H)。
【0075】
4−2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}ベンゼンボロン酸の製造
【化16】
Figure 2004509843
(メチルスルホニル){2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル))フェニル]エチル}アミン(68.0g,0.209mol)を2Lのフラスコに入れ、アセトン(600mL)、1N 酢酸アンモニウム(600mL)およびNaIO(168.1g,0.786mol)と合わせた。この混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をろ過して不溶性の物質を取り除き、ろ液Aを得た。回収した固体をアセトン(2×100mL)で洗浄し、ろ液をろ液Aと合わせた。合わせたろ液を減圧下で600mLまで濃縮して析出物を得、これをろ過により取り除いた。回収した固体を空気乾燥させて粗物質110gを得た。この粗物質を水(100mL)中に懸濁し、pHが12.5になるまで5N NaOHを添加した。得られた懸濁物をろ過し、ろ液を脱色カーボン(Darco 6−60)で処理した。混合物をろ過し、ろ液を10N HSOを用いてpH5.0になるまで希釈して中間体である表題化合物を析出させた。析出物をろ過により回収し、減圧下で乾燥させて中間体である表題化合物、4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}ベンゼンボロン酸(41.9g,82.5%)を白色粉末として得た。
H NMR(アセトン−d,300MHz)δ7.82(d,2H,J=8.4),7.27(d,2H,J=7.8),7.11(s,2H),6.03(m,1H),3.36(m,2H),2.91(m,2H),2.84(s,3H)。
【0076】
最終表題化合物の製造
ギ酸カリウム水溶液を以下の様式で製造した。水(15mL)に、KOH(85%フレーク、6.73g、0.102mol)を添加し、次いで98%ギ酸(4.70g,0.102mol)を添加した。あるいは、市販のギ酸カリウムを使用してもよい。次いで、この溶液にKCO(2.76g,0.0210mol)、4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}ベンゼンボロン酸(4.62g,0.190mol)、1−プロパノール(100mL)および[(2R)−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(7.35g,0.200mol)を添加した。この混合物を、3回の減圧/N再充填サイクルにより酸素を除去した。パラジウムブラック(0.0215g,0.0002mol)を添加し、混合物を再度、3回の減圧/N再充填サイクルにより酸素を除去した。反応フラスコを予め88℃に加熱しておいた油浴中で加熱し、混合物を一晩攪拌した。
【0077】
HPLC分析は4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}ベンゼンボロン酸の完全な消費を示した。混合物を酢酸エチルで希釈し、Celite(登録商標)でろ過してパラジウムを取り除いた。混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を濃縮し、固体残渣を回収し、1:1アセトン/水から再結晶化させて最終的な表題化合物{(2R)−2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}[(メチルエチル)スルホニル]アミン(6.2g,75%)を白色結晶粉末として得た。
H NMR(CDCl,300MHz)δ7.54(dd,4H,J=1.8,8.1),7.29(dd,4H,J=1.8,8.1),4.27(t,1H,J=6.6),3.91(m,1H),3.43(q,2H,J=6.6),3.37(dd,1H,J=5.7,7.5),3.26(m,1H),3.07(m,2H),2.93(t,2H,J=6.6),2.87(s,3H),1.34(d,3H,J=7.2),1.31(d,3H,J=6.9),1.27(d,3H,J=6.6)。
【0078】
{(2R)−2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}[(メチルエチル)スルホニル]アミンのさらなる製造
磁性スターラーバーを備えた1つ口の3L丸底フラスコの中に、ギ酸カリウム(112.8g,1.34mol,5.1当量)および水(200mL)を入れてpH8の溶液を得た。1−プロパノール(720mL)を添加した際に、炭酸カリウム(72.7g,0.526mol,2.0当量)および4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}ベンゼンボロン酸(60.8g,0.250mol,0.95当量)を添加して攪拌懸濁物を形成させた。[(2R)−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(96.6g,0.263mol,1.0当量)を添加し、続いて追加の1−プロパノール(600mL)を添加した。得られた混合物を3分間攪拌すると同時に、反応フラスコを加熱マントルおよびグリコール冷却還流コンデンサーに取りつけた。系に減圧(10−20torr)をゆっくりと10分かけて適用した。冷却系のさらなる析出のために、攪拌を停止したが、やはり、30分後に窒素で系を大気圧まで戻した。穏やかに加熱しながら、フラスコを排気し、さらに2倍の窒素を再充填した。攪拌を停止し、パラジウムブラック(0.28g,0.0026mol,0.01当量)をフラスコにすばやく添加した。攪拌を再開し、系を再び排気し、そして2分間のサイクルにわたって大気圧まで戻した。この排気/窒素パージを15秒のサイクルにわたり、さらに2回繰り返し、混合物を加熱還流した。
【0079】
16時間後、アリコートを取りだし、HPLC(275nm検出)により分析した。分析により、所望の生成物である{(2R)−2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}[(メチルエチル)スルホニル]アミンと比較して、非キラル二量体である(メチルスルホニル){2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]エチル}アミンを0.07%示した。反応混合物を50℃まで冷却し、酢酸エチル(500mL)を添加した。次いで、反応混合物を室温まで冷却すると、生成物である{(2R)−2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}[(メチルエチル)スルホニル]アミンが析出し始めた。追加の酢酸エチル(1L)を導入して生成物を再び溶解し、上方の有機相をデカントし、Celite(登録商標)を介してろ過してパラジウム金属を取り除いた。ろ過ケークを1−プロパノールでリンスした。均一なろ液を減圧下で濃縮してn−プロパノールを取り除き、1.5Lの蒸留物を取り除いた後、生成した懸濁物をろ過した。合わせたろ過ケークを乾燥させて粗最終表題化合物(109.8g)を得た。
【0080】
再結晶化:粗最終表題化合物(109.8g)をアセトン(490mL)に溶解した。この溶液をガラスフィルターを介してろ過して少量の黒い不溶性物質を捕獲した。ゆっくりと攪拌したろ液に、15分かけて水(300mL)を添加した。得られた懸濁物を15分間攪拌し、追加の水(20mL)を10分かけて導入した。続いて、懸濁物を30分間、室温で攪拌し、ろ過した。ケークを1:1のアセトン/水(600mL)で洗浄し、35℃で一晩乾燥させた。このプロセスにより、{(2R)−2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}[(メチルエチル)スルホニル]アミン(80.3g、81.1%)を、白色結晶粉末として、平均粒子サイズ、約29〜約34ミクロンで得た。HPLC分析は、非キラル二量体である(メチルスルホニル){2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]エチル}アミンが0.01%、およびキラル二量体である((2R)−2−{4−[4−((1R)−1−メチル−2−{[(メチルエチル)スルホニル]アミノ}エチル)フェニル]フェニル}プロピル)[(メチルエチル)スルホニル]アミンが0.02%であることを示した。
【0081】
実施例2
{(2R)−2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}[(メチルエチル)スルホニル]アミンの別の製造
【0082】
4−{2−[(tert−ブトキシ)−N−(メチルスルホニル)カルボニルアミノ]エチル}ベンゼンボロン酸の製造
【化17】
Figure 2004509843
(tert−ブトキシ)−N−(メチルスルホニル)−N−{2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル))フェニル]エチル}カルボキサミド(81.0%効力,95g,0.18mol、実施例1で製造)のアセトン(2L)室温溶液に、1N酢酸アンモニウム(1L)および過ヨウ素酸ナトリウム(145g,0.678mol)を攪拌しながら添加した。反応を一晩進行させた。反応混合物を濃縮してアセトンを取り除き、水相をデカントして油状生成物から取り除いた。水相をCHCl(100mL)およびMTBE(2×100mL)で抽出した。合わせた油状生成物および有機相を、1N NaOHを添加することによりpH12.5に調整した。相を分離し、有機相を1N NaOH(100mL)および水(2×100mL)で抽出した。有機相のHPLC分析(60%CHCN/40%HO、2mL/分、Zorbax C−18,205nm)は、生成物がこの相から取り除かれていることを示した。水相(生成物を含む)を最終的に合わせ、CHCl(100mL)およびMTBE(2×100mL)で洗浄した。水相をCHCl(450mL)に添加し、水相がpH3.05になるまで1N HSOを添加した。相を分離し、水相をCHCl(100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物(生成物を含む)を油状物(58.5g)になるまで濃縮し、一晩結晶化させた。得られた固体の塊をヘプタン(100mL)中で10%MTBEを用いて粉末化し、ろ過および減圧下で乾燥後、中間体である表題化合物、4−{2−[(tert−ブトキシ)−N−(メチルスルホニル)カルボニルアミノ]エチル}ベンゼンボロン酸(47.7g,77.2%)を白色粉末として得た。
H NMR(d−DMSO,300MHz)δ7.83(d,2H,J=4.8),7.24(d,2H,J=5.1),7.12(s,2H),3.90(t,2H,J=3.9),3.12(s,3H),2.95(t,2H,J=4.5),1.52(s,9H)。
【0083】
最終的な表題化合物の製造
Run1.3つ口の1000mL丸底フラスコ内に[(2R)−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(15.0g,0.0408mol、実施例1で製造)、4−{2−[(tert−ブトキシ)−N−(メチルスルホニル)カルボニルアミノ]エチル}ベンゼンボロン酸(19.1g,0.0557mol)、KCO(6.8g,0.0490mol)および1−プロパノール(300mL)を入れた。次いで、この混合物に水(42mL)を添加し、最後にPd(OAc)(18mg,8.17×10−5mol,0.2mol%)を添加した。得られた清澄な淡い琥珀色の溶液を加熱還流(87℃)して、暗い琥珀色にし、次いで黒い粒子(Pd°)が攪拌している清澄なオリーブ色の溶液にした。反応系を20時間攪拌し、室温まで冷却した。得られたオフホワイトの懸濁物のTLC分析(1:9 EtOAc/CHCl)は、所望の生成物(R032)、[(2R)−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(R0.60)の完全な消費および4−{2−[(tert−ブトキシ)−N−(メチルスルホニル)カルボニルアミノ]エチル}ベンゼンボロン酸(R0.49)のほんのわずかな痕跡を示した。懸濁物をEtOAc(300mL)で希釈して清澄な淡黄色の溶液を得、これを(EtOAcで予め飽和させた)Celite(登録商標)を通してろ過した。
【0084】
EtOHを用いてCelite(登録商標)を洗浄した後、ろ液を、上記と同様にして行った同一のRun2のものと合わせた。両方のRun由来の合わせたろ液を減圧下で濃縮して白色固体を得、これをEtOAc(1L)および10%KCO(300mL)で希釈して、清澄な琥珀色の二相溶液を形成させ、これを激しく攪拌した。水相(明るいピンク)を分離し、有機相を追加の10%KCO(4×300mL)で洗浄した。水相をEtOAc(300mL)を用いて逆抽出し、合わせた有機相(1500mL)を、乾燥(MgSO)させ、ろ過し、3Lの丸底フラスコ内で約620mLの体積まで濃縮した。清澄な淡黄色の溶液をゆっくりと、60℃まで過熱しながら攪拌した。ヘプタン(400mL)を分離漏斗から、攪拌EtOAc溶液に60℃で滴下した(17体積のEtOAc/11体積のヘプタン)。ヘプタンを1.5時間かけて添加し、清澄な淡黄色の溶液をゆっくりと攪拌しながら、一晩ゆっくりと冷却した。得られた白色の結晶固体を0℃まで冷却し、ろ過し、最小限の1:1 EtOAc/ヘプタンを用いて洗浄して最終的な表題化合物{(2R)−2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}[(メチルエチル)スルホニル]アミン(27.1g,75.7%)を白色結晶粉末として得た。
【0085】
((2R)−2−フェニルプロピル)[(メチルエチル)スルホニル]アミンの別の製造
【化18】
Figure 2004509843
(2R)−2−フェニルプロパン−1−オールの製造
機械式スターラー、温度計、連続的な窒素ブランケットの添加漏斗を備えた、オーブンで乾燥させた500.0mLの3つ口丸底フラスコに、トリメチルアルミニウム(65.6mL,131.2mmol)およびトルエン(75.0mL)の2.0M溶液を充填する。次いで、反応溶液をドライアイス/アセトン浴を用いて−60℃に冷やした。次いで、この溶液にトルエン(100.0mL)中に溶解したR−スチレン酸化物を50分かけて添加した(反応は完全に発熱性であり、基質の添加速度により制御することができる)。この温度で60.0分攪拌した後、反応系を室温にし、4.0時間攪拌した。反応系を室温でTHF(100.0mL)および硫酸ナトリウム10水和物(46.0g)のスラリー中に、非常に注意深く、90.0分かけて逆クエンチした(クエンチングは完全に発熱性であり、気体の発生を伴った)。ハイフロ(hyflo)上で形成された析出物をろ過し、次いでろ液を濃縮して中間体である表題化合物(2R)−2−フェニルプロパン−1−オール(11.03g,92.6%)を油状物として得た;H nmr(CDCl)δ1.28−1.29(d,3H,J=6.9Hz),1.5(b,1H),2.9−3.0(m,1H),3.69−3.70(d,2H,J=6.64Hz),7.24−7.35(芳香族);13C nmr(CDCl)δ18.31,43.15,69.40,127.38,128.20,129.26,144.39。
【0086】
2−((2R)−2−フェニルプロピル)イソインドリン−1,3−ジオンの製造
機械式スターラー、温度計、連続的な窒素ブランケットの添加漏斗を備えた、オーブンで乾燥させた250.0mLの3つ口丸底フラスコに、(2R)−2−フェニルプロパン−1−オール(2.0mL,14.32mmol)、フタルイミド(2.1g,14.32mmol)、トリフェニルホスフィン(5.63g,21.48mmol)およびTHF(70.0mL)を入れた。次いで、室温でこの溶液に、THF(10.0mL)に溶解したジエチルアゾジカルボキシレート(3.38mL,21.48mmol)の溶液を、15〜20分かけて添加した(添加が終わるまでに50℃までわずかに発熱した反応系は、透明から赤みがかった色になった)。反応系を室温まで一晩攪拌した。赤い溶液に水(50.0mL)を添加し、有機系をクロロホルム(140.0mL)で抽出した。有機溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で油状物まで濃縮した。攪拌しながら、油状物にヘプタン(150.0mL)を添加した。析出物をろ過し、次いで、ろ液を油状物まで濃縮した。1:1 酢酸エチル/ヘキサンを用いての油状物のシリカゲルでのプラグろ過(plug filtration)および生成物画分の濃縮により、中間体である表題化合物、2−((2R)−2−フェニルプロピル)イソインドリン−1,3−ジオン(4.27g,96%)を油状物として得た。これは室温に平衡化すると固化した。1H nmr(CDCl)δ1.3(d,3H),3.3−4.0(m,1H),3.7−3.9(m,2H),7.1−7.3(芳香族、m,2H),7.63−7.7(芳香族、m,2H),7.8−7.85(芳香族、m,4H)。
【0087】
(2R)−2−フェニルプロピルアミンの製造
機械式スターラー、温度計および添加漏斗を備えた500mLの3つ口丸底フラスコに、2−((2R)−2−フェニルプロピル)イソインドリン−1,3−ジオン(11.54g,43.49mmol)、トルエン(200.0mL)および無水ヒドラジン(2.73mL,86.99mmol)を入れた。次いで、反応系を室温で3.0時間攪拌し、次いで90℃〜95℃まで2.0時間加熱した。スラリーを室温まで冷却し、析出物をろ過し、次いでろ液を濃縮させて中間体である表題化合物、(2R)−2−フェニルプロピルアミン(5.58g,94.9%)を油状物として得た;1H nmr(CDCl)δ1.21(d,3H),1.40−1.60(b,2H),2.68−2.80(m,1H),2.81−2.87(m,2H)7.20(m,2H),7.32(m,2H)。
【0088】
最終的な表題化合物の製造
(2R)−2−フェニルプロピルアミン(1.2g,8.87mmol)のヘキサン(16.0mL)溶液に、トリエチルアミン(2.47mL,17.74mmol)を添加し、ジメチルアミノピリジン(0.30g,2.47mmol)を添加した。反応系を5℃まで冷却し、次いで塩化メチレン(6.0mL)に溶解したイソプロピルスルホニル塩化物(0.97mL,8.69mmol)溶液を15.0分かけて添加した。45.0分間攪拌し、次いで室温で120.0分、攪拌した。反応系を1N HCl(20.0mL)でクエンチし、有機系を塩化メチレン(25.0mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させ、ろ過し、ろ液を濃縮して最終的な表題化合物である((2R)−2−フェニルプロピル)[(メチルエチル)スルホニル]アミン(1.93g,90.1%)を油状物として得た;1H nmr(CDCl)δ1.25(d,3H,J=6.9Hz),1.29(d,3H,J=6.9Hz),1.30(d,3H,J=7.2Hz),2.98(m,1H),3.05(m,1H),3.22(m,1H),3.36(m,1H),3.89(b,1H),7.23(m,2H),7.34(m,2H)。
【0089】
実施例2
N−2−(4−(3−チエニル)フェニルプロピル 2−プロパンスルホンアミド(392098)の製造
【化19】
Figure 2004509843
表題化合物を、WO98/33496(1998年8月6日公開)の実施例28に記載の方法と類似の方法で製造する。
【0090】
実施例3
[2−フルオロ−2−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}フェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミンの製造
【化20】
Figure 2004509843
1−アミノ−2−(4−ヨードフェニル)プロパン−2−オールの製造
【化21】
Figure 2004509843
4−ヨードアセトフェノンのトリメチルシリル保護シアノヒドリン誘導体をGreenleeおよびHangauer,Tetrahedron Lett.,24(42),4559(1983)により開示されている一般的な方法にしたがってインサイチュで製造した。次いで、シアノトリメチルシラン(21.4g,0.216mol)を、4−ヨードアセトフェノン(44.3g,0.180mol)、18−crown−6(1.6g,6.1mmol)およびKCN(1.17g,0.018mol)を含む、室温の乾燥THF(100mL)溶液に5分かけて滴下した。得られた溶液を2.5時間、攪拌した。TLC分析(3:7 EtOAc/ヘキサン)は、出発アセトフェノンの消費を示した。
【0091】
ボランの10Mジメチルスルフィド溶液(25mL,0.25mol)を反応溶液にすばやく添加し、得られた混合物を16時間加熱還流した。混合物を室温まで冷却し、無水10(重量)%のHClのメタノール溶液をゆっくりと1時間かけて添加した(気体発生)。溶液をさらに1時間攪拌し、減圧下で濃縮して粗表題化合物を白色固体および塩酸塩として得た。この塩をメチルt−ブチルエーテルを用いて粉末化し、ろ過した。HCl塩のCHCl(150mL)およびTHF(350mL)の懸濁液に、pHが12.3に達するまで1N NaOHを添加することにより、遊離の塩基を製造した。相を分離し、有機相をブライン(25mL)で洗浄した。遊離のアミンを含有する有機相を減圧下で濃縮して得られた固体をジエチルエーテル(30mL)を用いて粉末化し、減圧乾燥の後に1−アミノ−2−(4−ヨードフェニル)プロパン−2−オール(35.6g,71.3%)をオフホワイトの粉末として得た。H NMR(CDOD,300MHz):δ7.68(d,2H,J=8.4),7.24(d,2H,J=8.7),2.78(m,2H),1.46(s,3H)。
【0092】
[2−ヒドロキシ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミンの製造
【化22】
Figure 2004509843
スターラーおよび温度計を取りつけた250mLの3つ口フラスコ中で、2−プロパンスルホニル塩化物(1.60g,0.011mol)を、窒素下で0℃で攪拌しながらCHCl(125mL)中の1−アミノ−2−(4−ヨードフェニル)プロパン−2−オール(2.77gm,0.01mol)に滴下した。次いで、反応系を室温まで加温し、一晩この温度で攪拌した。午前中に混合物をHOに注ぎ、層を分離した。有機層を、一旦、HOで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた半固体を、Prep.LC−2000を用い、ヘキサン/EtOAc 3:1の溶媒を用いて溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製して[2−ヒドロキシ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(744mg,19%)を固体物質として得た。
FDMS 382 (M*)
1218NOSIについての分析:
理論値:C,37.61 H,4.73 N,3.65
実測値:C,38.08 H,4.26 N,3.55。
【0093】
[2−ヒドロキシ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミンの別の製造
スターラーおよび温度計を取りつけた250mLの3つ口フラスコ中で、プロパンスルホニル塩化物(2.10g)を、0℃で、窒素雰囲気下で攪拌しながら1−アミノ−2−(4−ヨードフェニル)プロパン−2−オール(2.77g)およびCHCl(150mL)中のDBU(2.30g)に滴下した。反応系を室温まで昇温させ、この温度で一晩攪拌した。午前中に、反応系をCHCl(100mL)で希釈し、有機相をHOで2回洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して粘性の油状物を得た。この物質を、Chromatotronを利用し、4000マイクロローターを用い、塩化メチレン/メタノール19:1の溶媒を用いて溶離するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製して、[2−ヒドロキシ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(1.0g,31%)を粘性の油状物として得た。イオンスプレーM.S.382(M*−1)。
【0094】
[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニルプロピル][[(メチルエチル)スルホニル]アミンの製造
【化23】
Figure 2004509843
1つ口の10mLフラスコに、[2−ヒドロキシ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(158mg,0.41mmol)のCHCl(1.7mL)溶液をシリンジを用いて(syringe wise)、DAST(66mg,0.41mmol)のCHCl(0.3mL)溶液に、窒素下で−78℃で攪拌しながらゆっくりと加えた。次いで、反応系を室温まで加温し、混合物をHOおよびCHClを用いて希釈した。層を分離し、有機相をHOで2回洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して[2−フルオロ−2(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(113mg)を固体として得た。イオンスプレーM.S.384(M*−1)。
【0095】
[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル)]アミンの補助的な製造
スターラーおよび温度計を取りつけた100mLの3つ口フラスコに、CHCl(15mL)中の[2−ヒドロキシ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(1.0g)を、窒素雰囲気下で−78℃で攪拌しながら、CHCl(10mL)中のDAST(0.3mL)に滴下した。反応系を室温まで加温し、CHCl(50mL)で希釈した。この有機相をHOで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して油状物を得た。この物質を、Chromatotronを利用し、4000ミクロンローターを用いるシリカゲルクロマトグラフィーを介して、ヘキサン/酢酸エチル 9:1〜ヘキサン/酢酸エチル 3:1の勾配溶媒で溶離しながら、精製して、[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(0.906g)を白色固体として得た。イオンスプレーM.S.384(M*−1)。
元素分析(C1217NOSFIについて):
理論値:C,37.42 H,4.44 N,3.64
実測値:C,37.27 H,4.33 N,3.61。
【0096】
{2−[4−(3−アミノフェニル)フェニル]−2−フルオロプロピル}[(メチルエチル)スルホニル]アミンの製造
【化24】
Figure 2004509843
50mLの1つ口フラスコ中で、[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(200mg,0.53mmol)、3−アミノベンゼンホロン酸(188mg,0.76mmol)、炭酸カリウム(104mg,0.76mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(41mg,0.036mmol)を、ジオキサン/水(20mL,3:1)中で合わせた。混合物を攪拌しながら18時間の間、100℃で加熱した。反応系を室温まで冷却し、HO中に注いだ。所望の生成物を酢酸エチルで抽出し、有機相を分離し、HOで2回洗浄し、KCOで乾燥し、減圧下で濃縮して暗色の油状物として粗物質(276mg)を得た。得られた油状物を、Chromatotronを利用し、4000ミクロンローターを用い、ヘキサン/酢酸エチル 1:1の溶媒で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製して表題化合物を粘性の油状物として得た(164mg,90%)。イオンスプレーM.S.351.4(M*+1)。
元素分析(C1823SFについて):
理論値: C,61.69 H,6.62 N,7.99
実測値: C,61.53 H,6.55 N,8.13。
【0097】
最終表題化合物の製造
スターラーおよび温度計を備えた50mLフラスコに、大気圧の窒素下でDBU(67mg,1.1当量)、{2−[4−(3−アミノフェニル)フェニル]−2−フルオロプロピル}[(メチルエチル)スルホニル]アミン(140mg,0.44mmol)および塩化メチレン(10mL)を入れ、0℃まで冷却した。この攪拌溶液に塩化クロロメタンスルホニル(69mg,1.5当量)を滴下した。反応系を室温まで加温し、この温度で一晩攪拌した。午前中に、混合物をHOに注ぎ、層を分離した。有機層をHOで一回洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して粗物質を黄色油状物として得た(192mg)。この粗物質を、Chromatotronを利用し、4000ミクロンローターを用い、塩化メチレン/酢酸エチル 9:1の溶媒で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製して最終表題化合物である[2−フルオロ−2−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}フェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(50mg,29%)を白色の泡状体として得た。イオンスプレー質量スペクトル427.1(M*−1)。
元素分析(C1925Fについて):
理論値:C,53.25 H,5.88 N,6.54
実測値:C,53.56 H,6.11 N,6.29。
【0098】
実施例3a
[2−フルオロ−2−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}フェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(エナンチオマー1)の製造
(+)−[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミンおよび(−)−[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミンの製造
[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(2.0g,実施例3で製造)を3Aエタノール(30mL)に溶解し、さらにヘプタン(20mL)で希釈した。[本明細書中で使用する用語「3Aエタノール」は、5%メタノールを含有するエタノールを意味する。]混合物を超音波を使用して激しく攪拌して清澄な無色の溶液を形成した。このロットを、60%3Aエタノール/40%ヘプタンで予め平衡化した8×28cm分取Chiralpak ADクロマトグラフィーカラムにロードした。溶離フローは300mL/分であり、検出波長は240nmであった。第1の溶離物質は(+)−[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン、[α]=+18.5(c=1.08,MeOH)であり、続いて溶離する物質が(−)−[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン、[α]=−23.5(c=1.02,MeOH)であった。上記の手順を、[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミンを用いて類似の様式で2回繰り返した(2回目のrun,3Aエタノール/ヘプタン 3:2(50mL)に3.0g溶解、3回目目のrun、3Aエタノール/ヘプタン 3:2(40mL)に0.8g溶解)。従って、3回のrunで合計5.8gの[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミンを構成成分のエナンチオマーに、画分の(減圧)濃縮後に以下の収率で分割した。
【0099】
(+)−[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(2.38g,41.0%);
(−)−[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(1.2g,20.7%)。
分析条件:0.46×35cm Chiralpak AD 60%エタノール(5%メタノール)/40%ヘプタン;フロー:1.0mL/分,検出波長:240nm。
(+)−[2−フルオロオ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン:Rt=5.4分、MS(ES+)384(M−1)。
H NMR(CDCl,300MHz):δ7.73(d,2H,J=8.1),7.09(d,2H,J=8.4),4.27(t,1H,J=6.2),3.50(m,2H),3.03(m,1H},1.69(d,3H,J=22),1.30(d,3H,J=7),1.27(d,3H,J=7)。
元素分析(C1217FINOSについて):
理論値:C 37.41,H 4.45,N 3.64、
実測値:C 37.54,H 4.43,N 3.64。
【0100】
(−)−[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン:Rt=10.1分。MS(ES+)384(M−1)。
H NMRはスペクトルは(+)−[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミンのものと同一。
1217FINOSについての分析:
理論値:C 37.41,H 4.45,N 3.64、
実測値:C 37.56,H 4.43,N 3.59。
【0101】
(+)−[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(300mg,0.78mmol)、以下の式:
【化25】
Figure 2004509843
により表されるボレート(347mg,1.5当量)、炭酸カリウム(156mg,1.5当量),テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(75mg,0.06mmol)およびジオキサン/水(36mL,3:1)を共に、1つ口の100mLフラスコ中で混合し、80℃で4時間攪拌した。反応系を室温まで冷却し、HO中に注ぎ、所望の生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を1回、HOで逆洗浄し、KCOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して粘性油状物(191mg)を得た。この物質をchromatotronを利用し、2000ミクロンローターを用い、ヘキサン/酢酸エチル 1:1の溶媒を用いて溶離するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製して表題化合物を白色の固体として得た(86mg,26%)。イオンスプレーM.S.427.1(M*−1)。
1925F−HOについての計算値:
理論値:C 51.08,H 6.09,N 6.27、
実測値:C 51.29,H 5.63,N 6.29。
【0102】
実施例3b
[2−フルオロ−2−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}フェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(エナンチオマー2)
(−)−[2−フルオロ−2−(4−ヨードフェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(493mg,1.28mmol,実施例3aで製造)、以下の式:
【化26】
Figure 2004509843
により表されるボレート(385mg,1.30mmol)、2.0M NaCO/HO(2.2mL,過剰)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(100mg,0.09mmol)およびジオキサン(15mL)を共に、1つ口の50mLフラスコ中で混合し、80℃で一晩攪拌した。午前中に反応系を室温まで冷却し、HOに注ぎ、所望の生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を1回、HOを用いて逆抽出し、KCOで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して泡状物を得た(571mg)。この物質をchromatotronを利用し、4000ミクロンローターを用い、ヘキサン/酢酸エチル 1:1の溶媒を用いて溶離するシリカゲルクロマトグラフィーを介して精製して表題化合物を褐色の固体として得た(294mg,56%)。イオンスプレーM.S.427.3(M*−1)。
1925F−HOについての計算値:
理論値:C 51.08,H 6.09,N 6.27、
実測値:C 51.29,H 5.63,N 6.29。
【0103】
化合物がグルタミン酸レセプター媒介性応答を増強する能力は、以下により詳細に記載するように、蛍光カルシウムインジケーター色素(Molecular Probes,Eugene,Oregon,Fluo−3)を使用して、GluR4トランスフェクト型HEK293細胞へのグルタミン酸誘起カルシウム流出を測定する。
【0104】
1つの試験では、ヒトGluR4Bを安定に発現するコンフルエントな単層HEK293細胞(欧州特許出願公開番号EP−A1−583917)を有する96ウェルプレートを作製する。次いで、ウェル中の組織培養培地を廃棄し、それぞれ、ウェルを緩衝液(グルコース10mM、塩化ナトリウム138mM、塩化マグネシウム1mM、塩化カリウム5mM、塩化カルシウム5mM、N−[2−ヒドロキシエチル]−ピペラジン−N−[2−エタンスルホン酸]10mM,pH7.1〜7.3)200μlを用いて1回洗浄する。次いで、プレートを、暗所で、各ウェルの緩衝液中で、20μM Fluo3−AM色素(Molecular Probes Inc.,Eugene,Oregonから入手)と共に60分間インキュベートする。インキュベーションの後、各ウェルを緩衝液100μlで1回洗浄し、緩衝液200μlを加え、プレートを30分間インキュベートする。
【0105】
また、試験に使用するための溶液を以下のようにして製造する。試験化合物の30μM、10μM、3μMおよび1μM希釈物を、試験化合物の10mM DMSO溶液から緩衝液を使用して製造する。100μMシクロチアジド溶液は、100mMシクロチアジド3μlを緩衝液3mlに加えることにより製造する。コントロール緩衝液は、DMSO、1.5μlを、緩衝液498.5μl加えることにより製造する。
【0106】
次いで、各試験を以下のようにして行った。各ウェル中のコントロール緩衝液200μlを廃棄し、コントロール緩衝液45μlと置き換えた。ベースライン蛍光測定を、FLUOROSKAN II蛍光計(Labsystems,Needham Heights,MA,USA,Division of Life Sciences International Plcから入手)を用いて計測した。次いで、適当なウェル中の緩衝液を取り除き、緩衝液45μlおよび緩衝液中の試験化合物45μlで置き換えた。5分間のインキュベーションの後、第2の蛍光読み取りを行った。次いで、400μMグルタミン酸溶液15μlを各ウェルに添加し(最終グルタミン酸濃度100μM)、3回目の読み取りを行った。試験化合物およびシクロチアジド溶液の活性を、2回目の読み取りを3回目の読み取り(試験化合物またはシクロチアジドの存在または非存在におけるグルタミン酸添加に起因する蛍光)から減算することにより決定し、100μMシクロチアジドにより生じる増強蛍光に関して表した。
【0107】
別の試験において、安定にヒトGluR4を発現するHEK293細胞(欧州特許出願公開第EP−A1−0583917に記載のように入手した)を、AMPAレセプター増強剤の電気生理学的特徴付けで使用する。細胞外記録溶液は、以下を含有する:140mM NaCl、5mM KCl、10mM HEPES、1mM MgCl2、2mM CaCl2、10mM グルコース、NaOHを用いてpH=7.4、295mOsm kg−1。細胞内記録溶液は以下を含有する:140mM CsCl、1mM MgCl2、10mM HEPES、(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N1−[2−エタンスルホン酸])10mM EGTA(エチレン−ビス(オキシエチレン−ニトリロ)テトラ酢酸)、CsOHを用いてpH=7.2、295mOsm kg−1。これらの溶液を用いると、記録ピペットは2〜3Mオームの抵抗を有する。全細胞電位固定法(Hamillら、(1981)Pflugers Arch.,391:85〜100)を使用して、細胞を−60mVで電位固定し、1mMグルタミン酸に対するコントロール電流反応を誘発する。次いで、1mMグルタミン酸に対する反応を試験化合物の存在下で測定する。この試験において、10μM以下の試験濃度で、1mMグルタミン酸により誘発される電流値に10%より高い増加が生じれば、化合物は活性であると考え、この効果は特定のAMPAレセプターアンタゴニスト(例えば、NBQX)により遮断され得る。
【0108】
試験化合物の効力を測定するために、浴溶液中およびグルタミン酸と同時に適用した試験化合物の濃度は、最大効果が見出されるまで片対数単位で増加する。この様式で回収したデータはHill等式に一致し、これによりEC50値を得る。これは試験化合物の効力の指標である。試験化合物の活性の可逆性は、コントロールのグルタミン酸1mM反応を評価することにより測定する。グルタミン酸適用(challenge)に対するコントロール反応が再度確立されると、100μMシクロチアジドによるこれらの反応の増強は、浴溶液およびグルタミン酸含有溶液の両方を包含することにより測定される。この様式で、シクロチアジドの有効性と比較しての試験化合物の効力を測定することができる。
【0109】
うつ病の診断は、主に、患者の気分の変化の定量により行われる。これらの気分の評価は、一般的に、医師により行われるか、または有効性がみとめられている評価スケール(例えば、Hamilton Depression Rating ScaleまたはBrief Psychiatric Rating Scale。これらは当業者に周知である。)を使用して神経心理学者により定量される。うつ病を持つ患者の気分の変化(例えば、不眠症、集中し辛さ、気力の欠如、無益感および罪悪感)の程度を定量し測定するために、多数の他のスケールが開発されている。うつ病の診断ならびに精神医学診断のための基準は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(第4版)に集められており、これはDSM−IVマニュアル(American Psychiatric Association,1994により発行)と称されている。
【0110】
特定の行動絶望(behavioral despair)動物モデルにより、ヒトにおける抗うつ活性を推定する(例えば、強制水泳試験および尾部懸垂試験)。例えば、「Experimental Approaches to Anxiety and Depression」、J.M.Elliottら編(1992)、John Wiley&Sons Ltd.,第5章、Behavioural Models of Depression,Porsolt and Lenegre、73〜85頁を参照のこと。強制水泳試験および尾部懸垂試験を以下に詳細に記載する。
【0111】
強制水泳試験(FST):代表的に、25〜30gの雄性マウス(例えば、NIH−Swiss系統、Harlan Sprague−Dawley由来)を、水(22〜25℃)を6cmいれた透明なプラスチックのシリンダー(直径:10cm、高さ25cm)に、6分間入れる。6分間の試験時間のうち最後の4分間における無動時間をスコアする。頭を水の上に出すため、動くことなく浮いている場合または必要な動きのみ行われている場合にはマウスは無動であると記録する。この試験の前の臨床的に有効な抗うつ剤の投与(例えば、イミプラミン、15mg/kg、試験の15分前に腹膜内投与)は、一般的には無動時間の減少を生じる(例えば、TrullasおよびSkolnick,European Joumal of Pharmacology,185,1−10(1990))。
【0112】
本明細書中に定義される適切なAMPAレセプター増強剤および適切な抗うつ剤の組合わせを用いて作用の増加が生じるかどうかを決定するために、個別的には顕著な無動の減少を生じない投与量で、適切なAMPAレセプター増強剤(例えば、0.1ml)および適切な抗うつ剤(例えば、0.1ml)をマウスに腹膜内に注射し得る。これらの化合物の併用は、増加(相乗的)が生じる場合には、各薬剤単独よりも優れた効果を生じる。この手順の変形において、化合物のいずれかの用量の増加は、固定(有効ではない、またはわずかに有効)用量の第2の化合物の存在下で注射される。作用の増加は、各薬剤単独の効果の数的な(arithimetic)和よりも高い、無動の減少により反映される。仮定上の例は以下の通りである:ビヒクルを注射した動物は130秒の平均無動時間を有し、臨床的に有効な抗うつ剤を標準用量で注射した動物は90秒の無動を有する。適切なAMPAレセプター増強剤を、単独では無動時間を有意には変更しない(例えば128秒)用量での注射は、標準用量の臨床的に有効な抗うつ剤と組合わせると、無動時間は65秒へと減少する。すなわち、推定される数的変化は、(130−90)+(130−128)=42秒であるが、薬剤の併用は130−65=65秒の減少を生じる。標準的な統計試験を使用して、差異が有意であるかどうかを決定することができる。また、以下に記載するラット(以下)で行った強制水泳試験ならびに尾部懸垂試験に、同一の一般的なストラテジーを適用することができる。
【0113】
ラットを用いる強制水泳試験手順の変更法では、重量200〜300gのラット(例えば、Harlan Sprague−Dawleyからの雄性Sprague Dawleyラット)を、水(22〜25℃)を16cmの深さまでいれた透明なプラスチックのシリンダー(直径:18cm、高さ40cm)に、15分間入れる。試験の後、ラットを紙タオルで乾かし、保持ケージに入れる。5分後に、動物に薬物またはビヒクルの腹膜内注射(0.1ml)を行い、次いでそれらをホームケージ(home cage)に戻す。次の日に、試験の1時間前にラットに2回目の用量の化合物またはビヒクルを投与した。ラットを本明細書中上記のようなシリンダー内に5分間置き、無動時間を記録する。
【0114】
図1は、低用量の392098(0.025〜0.1mg/kg)がそれ自体ではマウスの強制水泳試験に効果を生じないことを示す。392098の最小有効用量(MED)は、i.p.で0.5mg/kgである。しかしながら、図1はさらに、392098を25マイクログラム/kgもの低い用量で有効用量未満のイミプラミン(5mg/kg)と併用すると、統計的に有意なマウスの無動の減少が得られたことを示す。さらに、図1は、有効量未満の用量のイミプラミンと併用して投与した場合に少なくとも20倍の392098の用量応答曲線における予想外のシフトを示す。
【0115】
投与
本発明で使用した薬物の投薬は、最終的な分析では、その症例の担当の医師により、薬物、臨床試験において決定された組合わせでの薬物の特性および患者の特徴(その医師がその患者を処置しているもの以外の疾患を含む)の知見により設定されなければならない。本明細書中で使用される用語「有効量」とは、診断または特定の処置(例えば、うつの処置)下の患者において所望の効果を提供する各成分、適切な抗うつ剤および適切なAMPAレセプター増強剤の量または用量である。
【0116】
有効量は、当業者として、かかり付けの診断医により、公知の技術の使用および類似する状況下で得られた観察(observing)結果により、簡単に決定され得る。有効量または用量の決定の際に、かかり付けの診断医により以下を含む多数の因子が考慮されるが、これらに限定されるわけではない:哺乳動物の種;そのサイズ、年齢および全体的な健康状態;関連する特定の疾患または障害;疾患または障害の程度または関連するもの(involvement)または重篤度;個々の患者の反応;投与される特定の化合物;投与態様;投与される製剤のバイオアベイラビリティの特徴;選択された投薬レジメ;付随の薬物療法の使用および他の関連する事情。
【0117】
投薬量の一般的な概説およびいくつかの好ましい投薬量を以下に記載する。
【0118】
適切な抗うつ剤である第1成分の代表的な日用量は、約0.01mg/kg〜約100mg/kgの第1成分を含有する。好ましくは、日用量は約0.05mg/kg〜約50mg/kg、より好ましくは、約0.1mg/kg〜約25mg/kgである。特定の適切な抗うつ剤のより具体的な用量は、以下の通りである。
【0119】
フルオキセチン:約1〜約80mg 1回/日、好ましくは、約10〜約40mg 1回/日。
デュロキセチン:約1〜約30mg 1回/日、好ましくは、約5〜約20mg 1回/日。
ベンラファキシン:約10〜約150mg 1〜3回/日、好ましくは約25〜約125mg 3回/日。
ミルナシプラン:約10〜約100mg 1〜2回/日、好ましくは、約25〜約50mg 2回/日。
シタロプラム:約5〜約50mg 1回/日、好ましくは、約10〜約30mg 1回/日。
フルボキサミン:約20〜約500mg 1回/日、好ましくは、約50〜約300mg 1回/日。
パロキセチン:約20〜約50mg 1回/日、好ましくは、約20〜約30mg 1回/日。
セルトラリン:約20〜約500mg 1回/日、好ましくは、約50〜約200mg 1回/日。
レボキセチン:約1〜約30mg 1〜4回/日、好ましくは、約5〜約30mg 1回/日。
ブプロプリオン:約100〜約300mg/日。
【0120】
適切なAMPAレセプター増強剤である第2成分の代表的な日用量は、約5マイクログラム〜約150mgの適切なAMPAレセプター増強剤を含有し、好ましくは約5マイクログラム〜約50mgの適切なAMPAレセプター増強剤を含有する。
【0121】
より一般的な用語では、上記の指針の精神に従い、第1および第2成分の用量を選択することにより本発明の組合わせが作製される。
【0122】
本明細書中で使用される用語「患者」は、犬、ラット、マウス、ヒトなどのような哺乳動物を意味する。好ましい患者はヒトである。
【0123】
本発明のさらなる治療は、第1成分を第2成分と共に、有効なレベルの化合物を同時に体内に提供するような任意の様式で、投与されることにより行われる。関連の化合物は、通常、経口的に投与され、そのようなさらなる組合わせの経口投与が好ましい。これらは、単一の投薬形態でか共に投与されるか、または個別に投与され得る。
【0124】
しかしながら、経口投与は唯一の経路ではなく、唯一の好ましい経路ですらない。例えば、経口医薬の摂取を忘れやすい、または短気な患者に関しては、経真皮(transdermal)投与が非常に望ましいかもしれない。薬物のうちの1つは経口のような1つの経路により投与されるかもしれないし、他のものは特定の状況に置いて、経真皮的(transdermal)、経皮的(transdermal)、静脈内、筋肉内、鼻内または直腸内経路により投与されるかもれない。投与経路は、薬物の物理的特性ならびに患者および介護人の都合により制限され、任意の様式で変更され得る。
【0125】
さらなる組合わせは、単独の医薬組成物として投与され得、両方の化合物を組込んでいるそのような医薬組成物は本発明の重要な実施態様である。このような組成物は、製薬上許容可能である任意の物理的形態を取り得るが、経口的に使用可能な医薬組成物であることが特に好ましい。このようなさらなる医薬組成物は各化合物を有効量で含有し、この有効量とは投与される化合物の日用量に関連している。さらなる投薬単位の各々は化合物の日用量の全てを含有しても良いし、または1/3の用量のように、日用量の1部を含有しても良い。あるいは、各投薬単位は化合物のうちの1つの全用量を含有しても良いし、他の化合物の用量の1部を含有しても良い。このような場合、患者は毎日、併用投薬単位体のうちの1つ、および他の化合物のみを含有する1つ以上の投薬単位体を摂取する。各投薬単位に含まれる各薬物の量は、治療のために選択される薬物の同一性、および他の因子(例えば、さらなる治療が提供される徴候)に依存する。
【0126】
さらなる医薬組成物の製剤の不活性成分および様式は、本発明の組合わせの存在を除いては従来的なものである。薬学科学において使用される通常の製剤方法が本発明において使用され得る。通常のタイプの組成物のすべてが使用され得、これには錠剤、咀嚼錠、カプセル剤、液剤、非経口液剤、鼻内スプレーまたは散剤、トローチ、坐剤、経(真)皮パッチおよび懸濁剤が挙げられる。一般的に、組成物は合計約0.5%〜約50%の化合物を含有し、これは所望の用量および使用される組成物のタイプに依存する。しかしながら、化合物の量は有効量として最も良く定義されている。すなわち、その処置を必要としている患者に望ましい用量を提供する各化合物の量である。さらなる組合わせの活性は組成物の性質に依存しないので、組成物は便利さおよび経済性のみに関して選択され、製剤化され得る。任意の組合わせが任意の所望の形態の組成物に処方され得る。異なる組成物のいくつかについての考察、続いていくつかの代表的な製剤の考察を示す。
【0127】
カプセル剤は、化合物を適切な希釈剤と混合し、適当な量の混合物をカプセル中に充填することにより製造される。有用な希釈剤としては、不活性な粉末物質(例えば、多数の異なる種類のデンプン、粉末セルロース、特に結晶性および微結晶性セルロース、フルクトース、マンニトーおよびスクロースのような糖、穀粉(grain flours)および類似の食用粉末)が挙げられる。
【0128】
錠剤は、直接圧縮、湿潤造粒または乾燥造粒により製造される。通常、これらの製剤は希釈剤、結合剤、滑沢剤および崩壊剤ならびに化合物をくみこむ。代表的な希釈剤としては、例えば、種々のタイプのデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化ナトリウムのような無機塩および粉末糖が挙げられる。粉末セルロース誘導体もまた有用である。典型的な錠剤結合剤は、デンプン、ゼラチンおよび糖(例えば、ラクトース、フルクトース、グルコースなど)のような物質である。天然および合成のガムもまた好都合であり、これには、アカシア、アルギナート、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。ポリエチレングリコール、エチルセルロースおよびワックスもまた、結合剤として使用され得る。
【0129】
滑沢剤は、はがれる時の錠剤とパンチとのスティッキングを防ぐために錠剤製剤に必須である。滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸および水素化植物油のような滑り易い固体から選択される。
【0130】
錠剤崩壊剤は、湿潤した場合に膨張して錠剤を破壊し、化合物を放出させる物質である。これらには、デンプン、クレイ(clay)、セルロース、アルギンおよびガムが挙げられる。より具体的には、例えば、トウモロコシおよびバレイショデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、木質セルロース(wood cellulose)、粉末天然界面(powdered natural sponge)、カチオン交換樹脂、アルギン酸、グアーガム、オレンジパルプ(citrus pulp)およびカルボキシメチルセルロース、ならびにラウリル硫酸ナトリウムが使用され得る。
【0131】
しばしば、腸溶性製剤が胃の強酸内容物から活性成分を保護するために使用される。このような製剤は、固体投薬形態を酸環境には不溶性であるが塩基性環境には可溶性であるポリマーフィルムでコーティングすることにより作製される。例示的なフィルムは、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートである。デュロキセチンおよびデュロキセチン含有併用物を腸溶性組成物として製剤化することが好ましく、腸溶性ペレットとして製剤化することがさらになお好ましい。
【0132】
好ましいデュロキセチン腸溶性製剤は、a)デュロキセチンおよび製薬上許容される賦形剤からなるコア、b)場合により分離層、c)ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)を含有する腸溶層および製薬上許容される賦形剤、d)場合により仕上層(finishing layer)を含有するペレット製剤である。この腸溶性製剤は、米国特許第5,508,276号に記載されており、これは本明細書中においてその全体を参照して組込む。
【0133】
錠剤は、しばしば、矯味矯臭剤およびシーラントとしての糖と共にコーティングされる。化合物はまた、製剤中にマンニトールのような味の良い物質を大量に使用することにより咀嚼錠として製剤化され得、これは現在はよく確立されている方法である。即時溶解錠剤様製剤もまた、患者が投与形態を確実に摂取するため、および固体物質の嚥下に困る患者の困難性を避けるために、現在頻繁に使用されいている。
【0134】
坐剤として併用物が投与されることが望ましい場合、通常の基剤が使用され得る。カカオ脂は伝統的な坐剤基剤であり、これはワックスの添加により改変されてわずかに融点を上昇し得る。特に種々の分子量のポリエチレングリコールを含有する水混和性の坐剤基剤もまた、広範に使用されている。
【0135】
経(真)皮パッチは近年、一般的になっている。代表的には、これらは薬物が溶解している、または部分的に溶解している樹脂構成部分を有し、これはこの構成部分を保護するフィルムにより皮膚と接触して保持されている。近年、当該分野において多数の特許があらわれた。また、他の、より複雑なパッチ組成物、特に浸透作用により薬物が汲み上げられる無数の孔があいているメンブレンを備えたものが使用されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、マウスでの強制水泳試験(Forced Swim Test)における、イミプラミンおよびN−2−(4−(3−チエニル)フェニルプロピル 2−プロパンスルホンアミド(392098)の併用効果を示す。より具体的には、低用量の392098は、単独では強制水泳試験に何の効果も生じない。図1はさらに、392098を25μg/kgもの低さでの有効量未満のイミプラミン(5mg/kg)と組合わせた場合に、マウスの非移動性に統計的に有意な減少が生じたことを示す。

Claims (15)

  1. 有効量の適切な抗うつ剤である第1成分と、有効量の適切なAMPAレセプター増強剤である第2成分とを組合わせて投与することを含む、うつ病の処置方法。
  2. 第1成分がフルオキセチン、デュロキセチン、ベンラファキシン、ミルナシプラン、シタロプラム、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、レボキセチン、イミプラミン、ロリプラムおよびブプロプリオンから選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 第1成分がフルオキセチンである、請求項2に記載の方法。
  4. 第2成分が、
    [(メチルエチル)スルホニル]{2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}アミン、
    {(2R)−2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}[(メチルエチル)スルホニル]アミン、
    N−2−(4−(3−チエニル)フェニルプロピル 2−プロパンスルホンアミド、
    [2−フルオロ−2−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}フェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン、
    [2−フルオロ−2−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}フェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(エナンチオマー1)および
    [2−フルオロ−2−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}フェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(エナンチオマー2)
    から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 有効量のフルオキセチンを、有効量の{(2R)−2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}[(メチルエチル)スルホニル]アミンと組合わせて患者に投与することを含む、うつ病の処置方法。
  6. 適切な抗うつ剤である第1成分、および適切なAMPAレセプター増強剤である第2成分を、これらの2成分がうつ病の処置に有効な量で存在するように含有する、医薬組成物。
  7. フルオキセチン、デュロキセチン、ベンラファキシン、ミルナシプラン、シタロプラム、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、レボキセチン、イミプラミン、ロリプラムおよびブプロプリオンから選択される第1成分を、[(メチルエチル)スルホニル]{2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}アミン、{(2R)−2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチルフェニル)フェニル]プロピル}[(メチルエチル)スルホニル]アミン、N−2−(4−(3−チエニル)フェニルプロピル 2−プロパンスルホンアミド、[2−フルオロ−2−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}フェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン、[2−フルオロ−2−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}フェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(エナンチオマー1)および[2−フルオロ−2−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}フェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(エナンチオマー2)から選択される第2成分と一緒に含有する請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 経口投与のために適合されている請求項7に記載の医薬組成物。
  9. フルオキセチンおよび{(2R)−2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}[(メチルエチル)スルホニル]アミンを含有する医薬組成物。
  10. イミプラミンおよび{(2R)−2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}[(メチルエチル)スルホニル]アミンを含有する医薬組成物。
  11. うつ病の処置のための医薬の製造のための、有効量の適切な抗うつ剤である第1成分と、有効量の適切なAMPAレセプター増強剤である第2成分との組合わせての使用。
  12. 第1成分がフルオキセチン、デュロキセチン、ベンラファキシン、ミルナシプラン、シタロプラム、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、レボキセチン、イミプラミン、ロリプラムおよびブプロプリオンから選択される、請求項11に記載の使用。
  13. 第1成分がフルオキセチンである請求項12に記載の使用。
  14. 第2成分が、
    [(メチルエチル)スルホニル]{2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}アミン、
    {(2R)−2−[4−(4−{2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}フェニル)フェニル]プロピル}[(メチルエチル)スルホニル]アミン、
    N−2−(4−(3−チエニル)フェニルプロピル 2−プロパンスルホンアミド、
    [2−フルオロ−2−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}フェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン、
    [2−フルオロ−2−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}フェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(エナンチオマー1)および
    [2−フルオロ−2−(4−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]フェニル}フェニル)プロピル][(メチルエチル)スルホニル]アミン(エナンチオマー2)
    から選択される、請求項11〜13のいずれかに記載の使用。
  15. パッケージ材料と、このパッケージ材料の中に含まれている、適切な抗うつ剤である第1成分および適切なAMPAレセプター増強剤である第2成分を含有する医薬組成物からなる製品であって、このパッケージ材料がこの医薬組成物をうつ病の処置に使用することができることを示すラベルを有している、製品。
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