JP2004507217A - リステリア菌ゲノム、ポリペプチドおよびその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は酢テリア菌EGD−eのゲノム配列およびヌクレオチド配列に関する。本発明はまた、該生物のポリペプチド、特に表面または細胞包膜ポリペプチド、または種々の代謝サイクル、特にビタミンB12生合成に関与するポリペプチドに関する。本発明はさらに、リステリア菌または関連種の同定を可能とする該配列の使用および種々の手段に関する。最後に本発明は、改変型リステリア菌株、および本発明の配列を用いた医薬組成物またはワクチン組成物に関する。

Description

【0001】
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、ゲノム配列、および細胞包膜、分泌もしくは特異的ポリペプチド、または代謝、複製プロセスもしくは発病に関与するポリペプチドなどのリステリア菌(Listeria monocytogenes)ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、さらにその配列を含むベクター、ならびにこれらのベクターで形質転換された細胞または動物に関する。さらに、本発明はこれらの核酸またはポリペプチドを検出する方法、およびリステリア菌感染を診断するキットに関する。本発明は、そのヌクレオチド配列またはそのポリペプチドを用いる細菌感染を調整し得る化合物を選択するための方法および対象となる分子の生合成または生分解方法にも向けられる。最後に、本発明は細菌感染、特にリステリア菌感染を予防および/または治療するための、医薬組成物、特にワクチン組成物を含んでなる。
【0002】
背景技術
リステリア菌は通性細胞内病原体である。これはますます重大な公衆衛生問題を提起し、欧州食品産業にかなりの経済的な衝撃を与えている食物を介する感染、リステリア症(listeriosis)の病因となる病原体である。リステリア症は最も致命的な食品媒介性感染である(死亡率約30%)。リステリア菌は3つの関門:小腸関門、脳血液関門および胎盤関門を越えて侵入し得る特異な特性を有している。リステリア菌の臨床症状としては、髄膜炎、髄膜脳炎、流産および敗血症が挙げられる。この感染は日和見感染症であり、妊婦、乳幼児、高齢者および免疫抑制患者、特にAIDS患者で発症しやすい。この疾患は健康な人にも感染することは明らかであり、汚染された食品により甚大な数の流行病をもたらす。リステリア菌は獣医学分野でも重要であり、ヒツジ属(ヒツジ)およびウシ属のメンバーにはかなりの危険性がある。リステリア菌は特にストレスまたは極限条件耐性であり、食物の安全性の問題だけではなく環境の安全性の問題にも配慮してその存在を調べることが重要である。
【0003】
リステリア菌ゲノムの物理的マップおよび予備的遺伝子マップをLO28株で確立した。しかしながら、さしあたり完成された遺伝子マップを入手することはできない。この細菌のゲノムは環状であり、約3000キロベースを含んでいる。このGC含量は約38%である。毒性因子の研究により、毒性におけるその機能が明確に確認されている大部分の遺伝子を含有する場合に限り、その遺伝子座が病原性細胞群であると考えられる15kbの遺伝子座の同定が可能になった。この遺伝子座に加え、他のいくつかの遺伝子、特に侵入および運動遺伝子ならびにムレインヒドロラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、シグマ因子、他をコードする遺伝子もまた同定されてきた。
【0004】
リステリア菌タンパク質の重要なファミリーは表面タンパク質ファミリーである。進化プロセスによりグラム陽性菌における数多くの特異な機構の開発がなされてきた。これによりそれらはそれらの表面にタンパク質を固定化できる。これらの種々の細胞壁タンパク質の機能は極めて多様である。しかしながら、共有結合によりグラム陽性病原菌に付着した多くのタンパク質は感染した宿主内部での病原菌の生存に重要なものと見られている。リステリア菌では、真核生物細胞に浸透する能力が表面および/または分泌タンパク質、インターナリンのファミリーと関連があった。これまでに、インターナリンファミリーの9種のメンバーが同定された(InlA、InlB、InlC、InlC2、InlD、InlE、InlF、InlGおよびInlH)。それらはLPxTGモチーフのT−G結合のタンパク質分解による切断、およびトレオニンのカルボキシル基とペプチドグリカンの遊離アミノ基との共有結合などにより細胞壁にアンカーされると考えられている。最近の研究ではインターナリンには2つのクラス:細胞壁と結合する高分子タンパク質(>50kDa)群、および分泌される比較的低分子のタンパク質(<30kDa)群があることがわかってきた。これらの2つのクラスは類似した、極めて相同なLRRモチーフ、さらにLRRフランキング領域、ならびにN末端シグナルペプチド配列を有している。低分子のインターナリン(s−inl)はB反復領域または細胞壁へアンカーされる配列がないために分泌される。
【0005】
リステリア菌の研究では、この生物の種々の代謝経路に関する理解を深めるためには新しいアプローチ、特に遺伝子アプローチが必要である。
【0006】
よって、本発明の1つの目的は2000年4月11日にCNCM[National Collection of Microorganism Cultures]にI−2440として寄託されたリステリア菌EGD−eゲノムおよびそのゲノムに含まれる全ての遺伝子の完全配列を開示することである。
【0007】
実際には、この生物のゲノム情報により、種々の遺伝子、同様に種々のタンパク質、種々の代謝経路間の相互作用をさらに明確に定義することが可能になる。実際には、単離された配列の開示とは異なり、生物の完全ゲノム配列が全体を構成しており、これから増殖および機能するためにこの生物が必要とする全ての情報を直接得ることができる。
【0008】
従って本発明は、配列番号1に相当することを特徴とする、リステリア菌のヌクレオチド配列に関する。
【0009】
本発明はまた、下記a)〜f)から選択される、リステリア菌のヌクレオチド配列に関する:
a) 配列番号1と少なくとも80%、85%、90%、95%または98%の同一性を有するヌクレオチド配列、
b) 高ストリンジェントな条件下で配列番号1とハイブリダイズするヌクレオチド配列、
c) 配列番号1と相補的なヌクレオチド配列、a)もしくはb)で定義されるヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列、または、その対応するRNAのヌクレオチド配列、
d) 配列番号1の代表的断片のヌクレオチド配列、または、a)、b)もしくはc)で定義されるヌクレオチド配列の代表的断片のヌクレオチド配列、
e) a)、b)、c)またはd)で定義される配列を含んでなるヌクレオチド配列、および
f) a)、b)、c)、d)またはe)で定義されるヌクレオチド配列の改変ヌクレオチド配列。
【0010】
より詳しくは本発明の主題はまた、配列番号1由来の配列であって、配列番号2〜配列番号2854の配列のポリペプチドから選択されるポリペプチドをコードする、好ましくは配列番号2〜配列番号41の配列のリステリア菌の細胞包膜ポリペプチドもしくはリステリア菌の表面に存在するポリペプチドをコードする、あるいは配列番号42〜配列番号64の配列のビタミンB12生合成に関与するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列でもある。
【0011】
より一般には本発明はまた、配列番号1に由来し、かつ、配列番号1から単離され得る、リステリア菌のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に関する。
【0012】
さらに、下記a)〜f)から選択されるヌクレオチド配列も本発明の主題である:
a) 配列番号2〜配列番号2854の配列から選択される、好ましくは配列番号2〜配列番号41または配列番号42〜配列番号64の配列のポリペプチドから選択される、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、
b) 配列番号2〜配列番号2854の配列から選択される、好ましくは配列番号2〜配列番号41または配列番号42〜配列番号64の配列のポリペプチドから選択される、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列と、少なくとも80%、85%、90%、95%または98%の同一性を有するヌクレオチド配列、
c) 高ストリンジェントな条件下で、配列番号2〜配列番号2854の配列から選択される、好ましくは配列番号2〜配列番号41または配列番号42〜配列番号64の配列のポリペプチドから選択される、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列、
d) a)、b)またはc)で定義される配列に対応する相補的ヌクレオチド配列または相当するRNA配列、
e) a)、b)、c)またはd)で定義される配列の代表的断片のヌクレオチド配列、および
f) a)、b)、c)、d)またはe)で定義される配列の改変ヌクレオチド配列
【0013】
本明細書での記載に同様に用いられる「核酸」、「核酸配列」、「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド配列」および「ヌクレオチド配列」とは、改変または改変されていないヌクレオチドの適切な系列をいうものであり、異常なヌクレオチドを含むまたは含んでいない、かつ二本鎖DNA、一本鎖DNAおよびそのDNAの転写産物に等しく相当する核酸のある断片またはある領域を定義することを可能にするものである。よって、本発明の核酸配列はPNA(ペプチド核酸)なども包含する。
【0014】
本発明はそれらの自然染色体環境、すなわち自然状態に、あるヌクレオチド配列に関するものでないものと解される。それらは単離および/または精製された配列である、すなわち、例えば複製によって直接または間接的に獲得されたものものであり、それらの環境は少なくとも部分的に改変されている。化学合成により得られた核酸も包含する。
【0015】
本発明の目的は、2つの核酸またはアミノ酸配列間の「同一性%」を最良のアラインメント後に得られる、比較配列間の同一ヌクレオチドまたはアミノ酸残基の割合%で示すことであり、この割合%は単に統計上のものであり、2配列間の差異はランダムにかつそれら全体に散在している。「最良のアラインメント」または「最適なアラインメント」とは、以下のように測定される同一性%が最も高いアラインメントをいうものである。2つの核酸またはアミノ酸配列間の配列比較はこれらの配列を最適な状態にアラインメントした後にそれらを比較することで慣例的に行われる。この比較はセグメントまたは「比較ウィンドウ」で行い、配列類似性を有する局所領域を同定、比較する。比較配列の最適アラインメントは手作業ではなく、Smith and Waterman の局所相同性アルゴリズム(1981, Ad. App. Math. 2: 482)、Needleman and Wunsch の局所相同性アルゴリズム(1970, J. Mol. Biol. 48: 443)、Pearson and Lipman の類似性検索方法(1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 2444)、これらのアルゴリズムを用いるコンピュータプログラム(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WIの、GAP、BESTFIT、BLAST P、BLAST N、FASTAおよびTFASTA)によって得ることができる。最適アラインメントを得るためには、好ましくはBLASTプログラムをBLOSUM 62 マトリックスで使用する。PAMまたはPAM250マトリックスを使用してもよい。
【0016】
2つの核酸またはアミノ酸配列間の同一性%は、最適な状態にアラインメントされたこれら2配列を比較して測定する。ここで比較しようとする核酸またはアミノ酸配列は、これら2配列間の最適アラインメント用参照配列に対し、付加または欠失を含んでなる。同一性%は、ヌクレオチドまたはアミノ酸残基が2配列間で同一である同一位置数を測定し、この同一位置数を比較した全位置数で割り、これら2配列間の同一性%を得るために得られた結果に100を掛けて算出する。
【0017】
「参照配列との最適アラインメント後に、少なくとも80%、好ましくは85%〜90%、さらに好ましくは95%または98%の同一性を有する核酸配列」とは、参照核酸配列に対し、特に局部型の、特に欠失、末端切断、伸長、キメラ融合および/または置換などのある改変を有しており、かつ、この核酸配列が参照核酸配列との最適アラインメント後に、少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%または98%の同一性を示す核酸配列をいうものである。好ましくはそれらはその相補的配列が参照配列と特異的にハイブリダイズし得る配列である。好ましくは特異的または高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、2配列の一方の配列と、もう一方のものと相補的な配列との最適アラインメント後に、少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%または98%の同一性を保証するものである。
【0018】
高ストリンジェントな条件でのハイブリダイゼーションは、2つの相補的DNA断片間のハイブリダイゼーションが維持できる温度およびイオン強度条件を選択するのに重要である。実例として、上記ポリヌクレオチド断片を定義する目的でのハイブリダイゼーション工程における高ストリンジェントな条件は有利には以下の通りである。
【0019】
DNA−DNAまたはDNA−RNAハイブリダイゼーションを2工程:(1)5×SSC(1×SSCは0.15M NaCl+0.015M クエン酸ナトリウム溶液に相当する)、50%ホルムアミド、7%硫酸ドデシルナトリウム(SDS)、10×Denhardt’s、5%硫酸デキストランおよび1%サケ***DNAを含有するリン酸バッファー(20mM、pH7.5)中において42℃で3時間のプレハイブリダイゼーション;(2)本質的には、プローブ長に合わせた温度(すなわち、プローブ長>100ヌクレオチドの場合は42℃)で20時間のハイブリダイゼーション、その後の2×SSC+2%SDSでの20℃で20分間の2回洗浄、さらに0.1×SSC+0.1%SDSでの20℃で20分間1回洗浄で行う。プローブ長>100ヌクレオチドの場合には、0.1×SSC+0.1%SDSでの60℃で30分間最終洗浄を行う。当業者ならば、Sambrook et al., (1989, Molecular Cloning: a laboratory manual.2nd Ed. Cold Spring Harbor)の開示に従って、定義される長さのポリヌクレオチド用の上記高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件をそれより長いまたは短いオリゴヌクレオチド用に調整することができる。
【0020】
また、「本発明の配列の代表的断片」とは、その由来となる配列の少なくとも15個の連続するヌクレオチド、好ましくは少なくとも20、25、30、50、75、100、150、300および450個の連続するヌクレオチドをいうものである。
【0021】
「代表的断片」とは、以下で定義される生物学的に活性なポリペプチド断片をコードする核酸配列を特に意味するものである。
【0022】
「代表的断片」とは、遺伝子間配列、特に調節シグナル(プロモーター、ターミネーターまたはエンハンサー)を有するヌクレオチド配列を意味するものでもある。
【0023】
その代表的断片としては、ORF配列と呼ばれるオープンリーディングフレーム(オープンリーディングフレーム用ORF)に相当し、一般には開始コドンと停止コドンの間、または2つの停止コドン間に存在し、かつ、好ましくは、例えば、限定されるものではないが、後述するORF配列などの少なくとも100個のアミノ酸のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有するものが好ましい。
【0024】
本明細書にて後述するORFヌクレオチド配列のナンバーリングはそのORFによりコードされるタンパク質のアミノ酸配列のナンバーリングと対応している。
【0025】
本発明の代表的断片は、例えばPCRなどの特異的増幅により、または本発明のヌクレオチド配列の好適な制限酵素での消化後に得られる。この方法については特にSambrook et al.の研究報告に記載されている。その代表的断片はそれらがあまり長くない場合には当業者には十分に公知な方法による化学合成によっても得ることができる。
【0026】
本発明の配列を含む配列、または代表的断片としては、本発明の配列と少なくとも80%、85%、90%、95%または98%の同一性を示す配列で天然で構成された配列もまた包含される。
【0027】
「改変ヌクレオチド配列」とは、当業者には十分に公知な技術による変異誘発で得られ、かつ改変、好ましくは正常配列に対し最大10%改変されたヌクレオチド、例えばポリペプチド発現のための調節および/またはプロモーター配列における変異を含んでなり、特に発現レベルおよび/またはそのポリペプチドの活性の改変をもたらすいずれかのヌクレオチド配列を意味するものである。
【0028】
「改変ヌクレオチド配列」とは、以下で記載する改変ポリペプチドをコードするいずれかのヌクレオチド配列もまた意味するものである。
【0029】
本発明の代表的断片はプローブまたはプライマーであり、これらを核酸配列の検出、同定、アッセイまたは増幅方法に用いることができる。
【0030】
本発明の目的に対し、プローブまたはプライマーは、例えば12塩基〜数kb、特に15塩基〜数百塩基、好ましくは15〜50または100塩基を含んでなり、かつ標的核酸とハイブリダイゼーション複合体を形成させる所与の条件下でハイブリダイゼーション特異性を有する、一本鎖核酸断片または変性二本鎖断片として定義される。
【0031】
本発明のプローブまたはプライマーを、当業者には十分に公知な方法を用いて放射性または非放射性化合物で直接または間接的に標識し、検出可能および/または定量可能なシグナルを得てもよい。
【0032】
本発明の非標識ポリヌクレオチド配列をそのままプローブまたはプライマーとして用いてもよい。
【0033】
一般には配列を標識し、数多くの用途に使用できる配列を得る。本発明のプライマーまたはプローブは放射性エレメントまたは非放射性エレメントで標識する。
【0034】
用いられる放射性同位元素としては、32P、33P、35S、Hまたは125Iが挙げられる。非放射性物質はビオチン、アビジン、ストレプトアビジンまたはジオキシゲニンなどのリガンド、ハプテン、色素および放射線ルミネセンス、化学ルミネセンス、生物ルミネセンス、蛍光またはリン光剤のような発光剤から選択される。
【0035】
よって、本発明のポリヌクレオチドを、特にPCR(ポリメラーゼ鎖反応技術)を利用する方法でのプライマーおよび/またはプローブとして用いてもよい(Rolfs et al., 1991, Berlin: Springer−Verlag)。この技術には増幅しなけらばならない断片を構成するオリゴヌクレオチドプライマー対の選択が必要である。例えば、米国特許第4,683,202号に記載の技術が挙げられる。例えば、アガロースまたはポリアクリルアミドゲル電気泳動後、またはゲル濾過もしくはイオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー法の後に増幅断片を同定し、その後、配列決定することができる。増幅特異性はプライマーとして本発明のポリヌクレオチドのヌクレオチド配列、マトリックスとしてこれらの配列または誘導された増幅生成物を含むプラスミドを用いて制御することができる。増幅ヌクレオチド断片をハイブリダイゼーション反応の試薬として用い、その増幅ヌクレオチド断片の配列に相補的な配列により生体サンプル中の標的核酸の存在を確認してもよい。
【0036】
本発明は本発明のプライマーを用いる増幅により得られる核酸にも向けられる。
【0037】
PCR(PCR様)代替技術として標的核酸を増幅する別の技術を本発明のヌクレオチド配列のプライマー対を用いて利用することも有利である。「PCR様」とは、核酸配列の直接または間接的な複製を行う、または標識系を増幅する全ての方法をいうものであり、これらの技術はもちろん十分に公知なものであり、一般にそれらはポリメラーゼによるDNA増幅を伴い、起源サンプルがRNAである場合には、事前に逆転写が行われる方法をいう。現在では、この増幅に向けた数多くの方法がある。例えば、SDA(鎖置換増幅)法(Walker et al., 1992, Nucleic Acids Res. 20: 1691)、Kwoh et al.(1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86, 1173)により報告されたTAS(転写に基づく増幅系)法、Guatelli et al.(1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87, 1874)により報告された3SR(自律的配列複製)法、Kievitis et al.(1991, J. Virol. Methods, 35, 273)により報告されたNASBA(核酸配列に基づく増幅)法、Landegren et al.(1988, Science 241, 1077)により報告されたLCR(リガーゼ鎖反応)法、Segev(1992, Kessler C. Springer Verlag, Berlin, New−York, 197−205)により報告されたRCR(修復鎖反応)法、Duck et al.(1990, Biotechniques, 9, 142)により報告されたCPR(サイクリングプローブ反応)法またはMiele et al.(1983, J. Mol. Biol., 171, 281)により報告されたQ−β−レプリカーゼ増幅法などである。これらの技術のいくつかのものはその後改良されている。
【0038】
検出する標的ポリヌクレオチドがmRNAである場合、本発明のプライマーを用いる増幅反応を行う前に、または本発明のプローブを用いる検出方法を行う前に逆転写酵素タイプの酵素を用いて、生体サンプルに含まれるmRNA由来のcDNAを得ることが有利である。次いで、得られたcDNAは本発明の増幅または検出方法で用いるプライマーまたはプローブの標的をつとめる。
【0039】
プローブハイブリダイゼーション法は多くの方法で行うことができる(Matthews et al., 1988, Anal. Biochem., 169, 1−25)。最も一般的な方法は種々の組織の細胞または培養細胞から抽出した核酸を支持体(ニトロセルロース、ナイロンまたはポリスチレンなど)に固定化し、明確に定義された条件下で、固定化された標的核酸をプローブとともにインキュベートすることからなる。ハイブリダイゼーション後、過剰なプローブを除去し、形成された雑種分子を好適な方法(放射能、蛍光またはプローブと結合した酵素の活性を測定)を用いて検出する。
【0040】
本発明の核酸プローブの別の具体例によれば、後者を捕捉プローブとして用いてもよい。この場合、「捕捉プローブ」と呼ばれるプローブを支持体に固定化し、それを用いて特異的ハイブリダイゼーションにより調べる生体サンプルから得られた標的核酸を捕捉する。次いで、容易に検出可能なエレメントで標識した「検出プローブ」と呼ばれる第2のプローブを用いて標的核酸を検出する。
【0041】
ここで、有利な核酸断片としては、アンチセンスオリゴヌクレオチド、すなわち、標的配列とのハイブリダイゼーションにより、その対応する産物の発現を確実に阻害する構造を有するオリゴヌクレオチドが特に挙げられる。また、その対応する産物の発現調節に関与するタンパク質と相互に作用することによりこの発現の阻害または活性化のいずれかをもたらすセンスオリゴヌクレオチドについても記載する。
【0042】
好ましくは本発明のプローブまたはプライマーは支持体に共有結合または非共有結合により固定化される。特に、支持体は本発明の対象でもあるDNAチップまたは高密度フィルターであってよい。
【0043】
「DNAチップ」または「高密度フィルター」とは、DNA配列を結合させる支持体をいうものであり、その地理的位置によってこれらの配列各々の位置を正確に示すことができる。これらのチップまたはフィルターは、主にそれらのサイズ、支持体材料、あるいはそれに結合させるDNA配列数が異なっている。
【0044】
第1の発明のプローブまたはプライマーは種々の作製方法を用いて固相支持体、特にDNAチップに結合させることができる。特に、光化学アドレッシングまたはインクジェットによりin situ合成を行う。もう1つの方法としては、ex situ合成を行い、プローブを機械的もしくは電子アドレッシングによりまたはインクジェットによりDNAチップ支持体に結合させることからなる。これらの種々の方法は当業者には十分に公知なものである。
【0045】
従って、本発明のヌクレオチド配列(プローブまたはプライマー)によって特異的な核酸配列を検出または増幅することが可能になる。特に、プローブをDNAチップまたは高密度フィルターに結合させるとこれらのその配列の検出は容易である。
【0046】
DNAチップまたは高密度フィルターを使用することで、実際にはリステリア菌EGD−e近いゲノム配列を有する生物における遺伝子発現の同定が可能になる。
【0047】
本発明で提供される、この生物における全遺伝子の同定により追加されたリステリア菌EGD−eのゲノム配列がこれらのDNAチップまたはフィルターを構築するための基礎となっている。
【0048】
これらのフィルターまたはチップの製造は遺伝子の5’および3’末端に対応するオリゴヌクレオチドを合成することからなっている。これらのオリゴヌクレオチドは本発明で開示するゲノム配列およびそのアノテーションを用いて選択される。DNAの対応する部位にあるこれらのオリゴヌクレオチドを対合する温度は各オリゴヌクレオチドでほぼ同じでなければならない。これにより、高度に自動化された環境において好適なPCR条件を用いる各遺伝子に対応するDNA断片の製造が可能になる。次いで、増幅断片をガラス、シリコンまたは合成ポリマー製のフィルターまたは支持体に固定化し、これらの媒体をハイブリダイゼーションに用いる。
【0049】
かかるフィルターおよび/またはチップならびに対応するアノテーションゲノム配列の有用性から、これらの相補的DNAを作製し、それらをフィルターまたはチップに固定化されたDNAまたはオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることによりリステリア菌関連の大きな微生物群または全ての遺伝子の発現の調査が可能になる。さらに、フィルターおよび/またはチップで、これらの生物のDNAを作製し、それをフィルターまたはチップに固定化されたDNAまたはオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることにより株または種の多様性の調査が可能になる。
【0050】
種々の株または種のゲノム配列間の差異がハイブリダイゼーション強度に大きな影響を与え、結果として結果の解釈に影響する。そのため、調査しようとする株の正確な遺伝子配列を得ることが必要である。以下で詳細に記載する、ゲノムのランダム断片の配列を同定し、本発明で開示するリステリア菌EGD−eの完全ゲノム配列に従ってそれらを構成することを含む遺伝子の検出方法が非常に有用である。
【0051】
本発明のヌクレオチド配列をDNAチップに用いて変異解析を行ってもよい。この解析は本発明のヌクレオチド配列の各塩基を解析し得るチップを構成することに基づいている。この目的には、DNAチップでの微量配列決定技術を特に用いる。調べる変異ヌクレオチドの直前直後の位置で、解析する配列マトリックスとハイブリダイズする固定化プライマーを伸長させることにより変異を検出する。解析する配列の一本鎖RNAまたはDNAマトリックスを、PCRなどの技術により増幅された産物を用いて慣例法により製造することが有利である。次いで、このようにして得た一本鎖DNAまたはRNAマトリックスを、それらを固定化プライマーと特異的にハイブリダイズさせる条件下でDNAチップに結合させる。熱安定性ポリメラーゼ、例えばTthまたはTaq DNAポリメラーゼは変異部位の位置にあるヌクレオチドに相補的な標識ヌクレオチド類似体を加えて固定化プライマーの3’末端を特異的に伸長させる。例えば、蛍光ジデオキシリボヌクレオチドの存在下で熱サイクルを行う。試験条件を、特に使用チップ、固定化されるプライマー、使用ポリメラーゼおよび選択した標識系に適合させる。プローブハイブリダイゼーションに基づく技術に対し、微量配列決定法の利点はDNAチップに用いた同じ反応条件下で全ての変異ヌクレオチドを最大限の識別力で同定できることであり、それによってルーチンおよび工業的変異多重検出での識別力および特異性が最大のものとなる。
【0052】
よって、高密度フィルターおよび/またはDNAチップを使用することで、工業的に重要な生物、特に種々の条件下で増殖させたリステリア菌の遺伝子調節に関する新しい情報を得ることができる。また、それによって数多くの工業用途に用いられる株のゲノム間の差異を迅速に同定することも可能となる
【0053】
さらに、DNAチップまたはフィルターは微生物の測定、検出および/または同定に非常に有利な手段でもある。よって、そのチップ支持体に固定化された、リステリア菌以外の微生物のヌクレオチド配列もまた少なくとも1つ含む本発明のDNAチップが好ましい。好ましくは選択される微生物がリステリア属(Listeria genus)の細菌(以後、リステリア菌関連微生物とよぶ)またはリステリア菌EGD−eの変異体から選択される。
【0054】
本発明のDNAチップまたはフィルターは微生物、特に本発明の対象でもあるリステリア菌種に属す細菌または関連微生物を検出および/または同定するあるキットまたはパックの非常に有用なエレメントである。
【0055】
さらに、リステリア菌に特異的なプローブまたはプライマーを含む本発明のDNAチップまたはフィルターもまたリステリア菌種(または関連微生物)の遺伝子発現を検出および/または定量するキットまたはパックの非常に有利なエレメントである。
【0056】
実際に、遺伝子発現の制御は1個以上の新しい遺伝子を発現させるか、または細胞に既に存在する遺伝子の発現を改変するかのいずれかによって株の増殖および収量を最大のものとするための重大なポイントとなっている。本発明はリステリア菌で自然に活性な、遺伝子発現可能な全ての配列を提供するものである。従って、それによりリステリア菌で発現される全ての配列が同定できることになる。さらに、それによってその発現が所与の機構に従う遺伝子を位置決定する手段が提供される。これを行うために、リステリア菌のいくつかまたは全ての遺伝子のDNAを本発明のプライマーを用いて増幅し、次いで、例えばガラスもしくはナイロンなどの支持体またはDNAチップに結合させ、これらの遺伝子の発現プロフィールを追跡できる手段を構築する。この手段はコード配列を含む支持体からなり、これを細胞で発現されるメッセンジャーRNAに現れる標識分子混合物(特に本発明の標識プローブ)とのハイブリダイゼーション用マトリックスとして用いる。その後、この試験を異なる回数で繰り返し、好適な処理によりこれらのデータ全てを合わせることで、これらの遺伝子全ての発現プロフィールを得る。また、所与の調節機構に従う配列の情報を利用して、少し異なる様式ではあるが同じ調節機構に従う他の配列を指向される方法、例えば相同性により検索することもできる。さらに、プローブとして用いられるセグメントの上流に存在する各制御配列を単離し、リポーター遺伝子(ルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、GFP(緑色蛍光タンパク質))などの好適な手段を用いてその活性を調べることができる。次いで、これらの単離配列をその最大限の発現を求めて対象となる配列の代謝工学により改変し、構成することができる。
【0057】
当業者であれば、本発明で提供されるゲノム配列を用いて、リステリア菌における遺伝子転写を調節するタンパク質をコードする遺伝子を同定することができる。さらに、表Iではリステリア菌ゲノム(配列番号1)で同定されたオープンリーディングフレーム(ORF)(そのゲノム上のそれらの位置とそれらのものと考えられる推定機能を挙げている)の一覧を示している。しかしながら、かかる一覧表は、細胞においていくつかの役割を有するように構成されたタンパク質に限定されるものではない。
【0058】
これらの遺伝子の構造および完全性を改変することで、これらのレギュレーターに対する標的であるプロモーターによって制御される標的遺伝子の発現を改変することができる。よって、当業者は所望の用途に好適なレギュレーターと、さらに対象となる遺伝子の発現を最大にすることが可能な標的を選択する。DNAチップなどの上記手段の使用によって、その調節がある遺伝子の不活性化によって改変される全ての遺伝子の正確な位置を示すこともできる。従って、少数のわずかな差異しかない同じタイプの調節に相当する1組の制御配列を選択することができる。次いで、これらの配列を用いて対象となる遺伝子の発現を制御してもよい。
【0059】
本発明は、本発明のヌクレオチド配列、好ましくは配列番号1の配列の代表的断片によりコードされる、および表1に記載したORF配列に相当するポリペプチドにも関する。特に、配列番号2〜配列番号2854の配列、好ましくは配列番号2〜配列番号41の配列および配列番号42〜配列番号64のポリペプチドから選択されること特徴とする、リステリア菌のポリペプチドもまた本発明の対象である。
【0060】
本発明はまた、下記a)〜e)から選択されるポリペプチドを含んでなるポリペプチドを含む:
a)本発明のポリペプチド、
b)本発明のポリペプチドと少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を示すポリペプチド、
c)本発明のポリペプチド、またはb)で定義されるポリペプチドの少なくとも5個のアミノ酸の断片、
d)本発明のポリペプチド、またはb)もしくはc)で定義されるポリペプチドの生物学的に活性なポリペプチド断片、
e)本発明のポリペプチド、またはb)、c)もしくはd)で定義されるポリペプチドの改変ポリペプチド。
【0061】
上記のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列も本発明の主題である。
【0062】
本明細書において「ポリペプチド」、「ポリペプチド配列」および「タンパク質」は相互に使用できる。
【0063】
本発明は天然形態にあるポリペプチドに関するものでない、すなわちそれらはそれらの天然環境では得られないが、天然供給源からの精製によりそれらを単離するまたは得る、または遺伝子組換えまたは化学合成によりそれらを得ることができ、その結果、それらは以下に記載するような異常なアミノ酸を含んでなるものと理解すべきである。
【0064】
「別のものとある割合%の同一性を有するポリペプチド」とは、「相同ポリペプチド」とも記載されるが、天然のポリペプチドに対し、ある改変、特に少なくとも1個のアミノ酸の欠失、付加もしくは置換、末端切断、伸長、キメラ形成および/または変異を有するポリペプチドまたは翻訳後修飾を受けたポリペプチドをいうものである。相同ポリペプチドとしては、そのアミノ酸配列が本発明のポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の相同性を示すものが好ましい。置換の場合、1個以上の連続または非連続アミノ酸が「等価な」アミノ酸で置き換えられる。「等価なアミノ酸」とは、本明細書ではその対応するペプチドの生物学的活性を実質的に改変することなく基本構造のアミノ酸の1つと置換可能であり、後に定義されるいずれかのアミノ酸をいうものである。
【0065】
これらの等価なアミノ酸は、それらが置き換わるアミノ酸との構造的相同性、または構成されるべき種々のポリペプチドの生物学的活性の比較アッセイの結果のいずれかに基づいて決定される。
【0066】
例示として、その対応する改変ポリペプチドの生物学的活性に大きな改変をもたらすことなく行われる置換の可能性を挙げる。例えば、ロイシンをバリンまたはイソロイシンに、アスパラギン酸をグルタミン酸に、グルタミンをアスパラギンに、アルギニンをリジンに、置き換えることができるが、同じ条件下で逆置換も当然考えられる。
【0067】
相同ポリペプチドはこれまでに定義した相同または同一ヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドに相当する。このため、本発明の定義において、相同ポリペプチドは、リステリア菌に存在することがある、変異ポリペプチドまたは異種間または同一種内変化に相当するポリペプチド、特に、少なくとも1個のアミノ酸残基の末端切断、置換、欠失および/または付加に相当するポリペプチド、を含んでなる。
【0068】
2つのポリペプチド間の同一性%を2つの核酸配列間の場合と同様に算出されると考えられる。よって、2つのポリペプチド間の同一性%は、これら2配列の最適アラインメント後に最大相同性のウィンドウで算出する。最大相同性のウィンドウを定義するために核酸配列の場合と同じアルゴリズムを使用することができる。
【0069】
「本発明のポリペプチドの生物学的に活性な断片」とは、特に、以下で定義するような、本発明のポリペプチドの生物学的特徴の少なくとも1つを有するポリペプチド断片、具体的には通常、例えば:
酵素(代謝)活性または有機もしくは無機化合物の生合成または生分解に関与する活性、
構造的活性(細胞包膜、シャペロン分子、リボソーム)、
輸送活性(エネルギー輸送、イオン輸送)、もしくはタンパク質分泌における活性、
複製、増幅、調製、転写、翻訳または成熟、特にDNA、RNAまたはタンパク質の成熟プロセスにおける活性
などの活性、部分活性でさえ示し得るポリペプチド断片をいう。
【0070】
「本発明のポリペプチド断片」とは、少なくとも5個、好ましくは10、15、25、50、100および150個のアミノ酸を含んでなるポリペプチドをいう。
【0071】
ポリペプチド断片はリステリア菌株に自然に存在する単離または精製断片、またはトリプシンまたはキモトリプシンなどのタンパク質分解酵素または化学試薬(臭化シアン、CNBr)でのそのポリペプチドの切断、またはそのポリペプチドを高酸性環境(例えば、pH=2.5)に置くことにより得られる断片に相当する。ポリペプチド断片は化学合成によっても、その断片を発現させる核酸を含み、好適な調節および/または発現エレメントの制御下に置かれた本発明の発現ベクターで形質転換した宿主を用いても作製できる。
【0072】
本発明のポリペプチドの「改変ポリペプチド」とは、以下で記載する遺伝子組換えまたは化学合成によって得られるものであり、正常配列に対し少なくとも1つの改変、好ましくは正常配列に対し最大10%の改変されたアミノ酸を有するポリペプチドをいうものである。これらの改変は、特に活性の特異性または効果に必要な、または本発明のポリペプチドの構造コンホーメーション、電荷または疎水性を担うアミノ酸に含まれる。よって、活性が同等、高いもしくは低い、または特異性が同等、狭いもしくは幅広いポリペプチドを作製することができる。改変ポリペプチドとしては、5個までのアミノ酸が改変、NもしくはC末端で末端切断、または欠失もしくは付加されたポリペプチドが挙げられる。
【0073】
示すように、ポリペプチド改変の目的は、特に:
有機もしくは無機化合物の生合成または生分解方法においてそれを使用させる、
複製、増幅、転写の修復および制御、翻訳または成熟、特にDNA、RNAもしくはタンパク質の成熟方法においてそれを使用させる、
その改良された分泌をさせる、
その溶解性、またはその活性の効果もしくは特異性を調整する、またはそうでなければその精製を容易にする
ことである。
【0074】
化学合成には異常なアミノ酸または非ペプチド結合を使用できるという利点もある。よって、異常なアミノ酸、例えばD型のもの、または特に硫黄含有形態のアミノ酸類似体を用いることが有利である。
【0075】
本発明はリステリア菌EGD−eゲノムのヌクレオチド配列とあるポリペプチド配列もまた提供するものである。当業者なら、公知の方法および好適なソフトウェアを用いて別のORFを同定することができる。
【0076】
リステリア菌のゲノム配列で同定された遺伝子としては、ビタミンB12生合成に関与する遺伝子が特に挙げられる(配列番号42〜配列番号64)。この細菌はこのビタミンを自然合成できるため、それらの合成を誘導する遺伝子の情報から当業者はこれらの遺伝子の発現を最大限にするまたはこのビタミンの生成を増大する目的でそれらを改変することができる。よって、本発明の対象は配列番号42〜配列番号64に相当する遺伝子を含む宿主細胞を開始基質とともに提供し、ビタミンB12の生成に好適な条件下で培養し、かつそのビタミンを回収することを特徴とする、ビタミンB12の製造方法でもある。宿主細胞は好ましくは細菌細胞、さらに好ましくはバチルスまたはリステリア属の細菌である。本発明の核酸もしくはポリペプチド配列を用いるビタミンB12製造方法、本発明の宿主細胞、または本発明の動物もしくは植物もまた本発明の対象である。
【0077】
一般に配列表の配列または対応するそれらのコード核酸配列は、当業者ならば、以下に挙げられる活性種別の各々に関する下記表1の配列の各々について認められる最も可能性の高い推定機能を用いて決定することができる。
【0078】
このように、また好ましくは、本発明は、ビタミンB12生合成に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。それは好ましくは配列番号42〜配列番号64のポリペプチド配列である。
【0079】
好ましくは、本発明は、細胞包膜ポリペプチドもしくはリステリア菌表面のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。それは好ましくは配列番号2〜配列番号41のポリペプチド配列である。
【0080】
好ましくは、本発明は、アミノ酸生合成に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。
【0081】
好ましくは、本発明は、補因子、配合団および輸送体の生合成に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。
【0082】
好ましくは、本発明は、細胞機構に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。
【0083】
好ましくは、本発明は、中枢中間体代謝に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。
【0084】
好ましくは、本発明は、エネルギー代謝に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。
【0085】
好ましくは、本発明は、脂肪酸およびリン脂質の代謝に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。
【0086】
好ましくは、本発明は、ヌクレオチド、プリン、ピリミジンまたはヌクレオシドの代謝に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。
【0087】
好ましくは、本発明は、調節機能に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。
【0088】
好ましくは、本発明は、複製プロセスに関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。
【0089】
好ましくは、本発明は、転写プロセスに関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。
【0090】
好ましくは、本発明は、翻訳プロセスに関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。
【0091】
好ましくは、本発明は、タンパク質の輸送および結合プロセスに関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。
【0092】
好ましくは、本発明は、非定型条件への適応に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。
【0093】
好ましくは、本発明は、医薬品および類似体感受性に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。
【0094】
好ましくは、本発明は、トランスポゾンに関連する機能に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。
【0095】
好ましくは、本発明は、リステリア菌に特異的なポリペプチド、またはその断片をコードすることを特徴とする、本発明のヌクレオチド配列に関する。
【0096】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、ビタミンB12生合成に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。それは好ましくは配列番号42〜配列番号64の配列のポリペプチドである。
【0097】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、細胞包膜ポリペプチドもしくはリステリア菌の表面ポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。それは好ましくは配列番号2〜配列番号41の配列のポリペプチドである。
【0098】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、アミノ酸生合成に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。
【0099】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、補因子、配合団および輸送体の生合成に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。
【0100】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、細胞機構に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。
【0101】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、中枢中間体代謝に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。
【0102】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、エネルギー代謝に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。
【0103】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、脂肪酸およびリン脂質の代謝に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。
【0104】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、ヌクレオチド、プリン、ピリミジンまたはヌクレオシドの代謝に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。
【0105】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、調節機能に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。
【0106】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、複製プロセスに関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。
【0107】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、転写プロセスに関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。
【0108】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、翻訳プロセスに関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。
【0109】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、タンパク質の輸送および結合プロセスに関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。
【0110】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、非定型条件への適応に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。
【0111】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、医薬品および類似体感受性に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。
【0112】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、トランスポゾンに関連する機能に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。
【0113】
もう1つの態様では、本発明の主題は好ましくは、リステリア菌に特異的なポリペプチド、またはその断片であることを特徴とする、本発明のポリペプチドである。
【0114】
しかしながら、生存生物は完全体であるため、完全体として扱う必要があることに注意することが重要である。よって、いずれもの生物が、その特性を開発しかつそれを示すことを可能にするには、種々の代謝経路間の相互作用が必要である。従って、上記の分類は限定されるものではなく、2つの異なる代謝経路に関与する可能性のある遺伝子と考えるべきである。
【0115】
また、本発明の対象はその配列が記録媒体に記録され、その形式および性質がその配列の読み取り、解析および/または利用の助けとなる、本発明のヌクレオチドおよび/もしくはポリペプチド配列である。これらの媒体は本発明から抽出されるその他の情報、特に既に公知の配列との類似性、ならびに/または他の微生物のヌクレオチドおよび/もしくはポリペプチド配列に関する情報を収容して得られた結果の比較解析および/または利用の助けともなる。
【0116】
これらのその記録媒体としては、特に磁気、光学、電気またはハイブリッド媒体などのコンピューター読み取り可能媒体、特にコンピューターディスク、CD−ROMおよびコンピューターサーバーが挙げられる。かかる記録媒体もまた本発明の対象である。
【0117】
情報を提供する本発明の記録媒体は、リステリア菌またはこの生物の近縁系統における遺伝子同定のためのヌクレオチドプライマーまたはプローブを選択するのに非常に有用である。同様に、これらの媒体によってリステリア菌egbゲノムのヌクレオチド配列だけでなくその配列のゲノム構成までも提供される場合には、リステリア菌近縁系統の遺伝子多形を、特に共線領域を同定することにより調べるためのこれらの媒体の使用が非常に有用である。よって、本発明の記録媒体の使用もまた本発明の対象である。
【0118】
種々の配列間の相同性解析は、実際には上記のBlastプログラムまたはGCGパッケージのプログラムなどの配列比較プログラムを用いて行うことが有利である。
【0119】
本発明は本発明のヌクレオチド配列を含むクローニングおよび/または発現ベクターにも向けられている。特に、細胞包膜もしくは表面ポリペプチド、または細胞機構、特に分泌、中枢中間体代謝、特に糖生成、エネルギー代謝およびビタミンB12生合成、転写および翻訳およびポリペプチド合成プロセスに関与するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が好ましい。
【0120】
本発明のベクターは、好ましくは所与の宿主細胞においてヌクレオチド配列の発現および/または分泌をさせるエレメントを含んでなる。
【0121】
また、ベクターはプロモーター、翻訳開始および決定シグナル、さらに転写調節に好適な領域を含んでなる。それは宿主細胞において安定した状態で維持される必要がある。それは所望により翻訳されたタンパク質の分泌を示す特定のシグナルを含み得るものである。これらの種々のエレメントは用いる細胞性宿主に応じて当業者により選択され、最適なものとされる。この結果、本発明のヌクレオチド配列をベクターに挿入し、これを選択された宿主で自己複製させてもよいし、またはこれが選択された宿主に組み込むベクターであってもよい。
【0122】
かかるベクターを当業者によって一般に用いられる方法により調製し、得られたクローンをリポフェクション、エレクトロポレーション、熱衝撃または化学的方法などの標準法を用いて好適な宿主に導入してもよい。
【0123】
本発明のベクターは、例えばプラスミドまたはウイルス起源のベクターである。それらは本発明のヌクレオチド配列をクローニングまたは発現させる目的で宿主細胞を形質転換するのに有用である。
【0124】
本発明はまた本発明によるベクターで形質転換された宿主細胞も包含する。
【0125】
細胞性宿主は原核生物または真核生物系、例えば細菌細胞だけでなく、酵母細胞または動物細胞、特に哺乳類細胞から選択される。昆虫細胞または植物細胞もまた使用される。好ましい本発明の宿主細胞は、特に原核生物細胞、好ましくはリステリア属、リステリア菌種またはリステリア菌種関連微生物に属す細菌である。本発明は本発明の形質転換細胞を含んでなるヒト以外の動物にも関する。本発明の形質転換細胞を本発明の組換えポリペプチドの製造方法に用いることができる。本発明のベクターおよび/または本発明のベクターで形質転換された細胞を使用することを特徴とする組換え形態の本発明のポリペプチドを製造する方法は、その方法自体が本発明に含められる。好ましくは、本発明のベクターで形質転換された細胞をそのポリペプチドを発現させる条件下で培養し、かつ、その組換えポリペプチドを回収する。本発明の宿主細胞を食品組成物の製造に用いてもよく、その方法自体が本発明の対象である。
【0126】
記載したように、細胞性宿主は原核生物または真核生物系から選択される。特に、かかる原核生物または真核生物系の分泌を助ける本発明のヌクレオチド配列を同定することができる。そのため、かかる配列を有する本発明のベクターを分泌させようとする組換えタンパク質の製造に使用することが有利である。結果として、対象となる組換えタンパク質が宿主細胞内部ではなく細胞培養物上清に存在することからそれらの精製は容易である。
【0127】
本発明のポリペプチドは化学合成によっても製造できる。かかる製造方法もまた本発明の対象である。当業者であれば、化学合成法、例えば固相を用いる技術(特にSteward et al., 1984, Solid phase peptides synthesis, Pierce Chem. Company, Rockford, 111, 2nd ed. (1984)を参照)または断片縮合または通常の液相合成による部分固相を用いる技術については周知である。化学合成により得られたポリペプチドは対応する異常アミノ酸を含む可能性があり、これも本発明に含められる。
【0128】
また、本発明は少なくとも1つの本発明のポリペプチドまたはその断片とヒトまたは動物で免疫応答を誘導し得るポリペプチド配列を有する雑種ポリペプチドにも関する。
【0129】
有利には、細胞性応答または体液性応答を誘導し得る抗原決定基である。
【0130】
かかる抗原決定基はマルチプルエピトープに対する抗体の合成を誘導し得る免疫組成物を得るために用いる糖付加形態の本発明のポリペプチドまたはその断片を含んでなる。
【0131】
これらの分子は本発明のポリペプチドまたはその断片を有する分子部分と所望により免疫成分、特にジフテリア毒、破傷風毒、B型肝炎ウイルスの表面抗原(特許FR 79 21811)、小児麻痺ウイルスのVPI抗原、またはいずれかの他のウイルスもしくは細菌抗原もしくは毒素のエピトープと組み合わせてなる。
【0132】
本発明の雑種分子の合成方法には、所望のポリペプチド配列をコードする雑種ヌクレオチド配列を構築する遺伝子工学において用いられる方法も含まれる。例えば、Mintonにより1984年に報告された融合タンパク質をコードする遺伝子を得る技術を参照するとよい。
【0133】
その雑種ヌクレオチド配列を発現させることで得られる組換えポリペプチドであることを特徴とする、雑種ポリペプチドをコードするその雑種ヌクレオチド配列および本発明の雑種ポリペプチドもまた本発明の一部である。
【0134】
本発明はその雑種ヌクレオチド配列の1つを含むことを特徴とするベクターもまた含む。そのベクターで形質転換された宿主細胞、その形質転換細胞の1つを含むトランスジェニック動物およびそのベクター、その形質転換細胞および/またはそのトランスジェニック動物を用いて組換えポリペプチドを製造する方法もまた当然、本発明の一部である。
【0135】
本発明のポリペプチドと免疫ポリペプチドとの結合は化学的または生物学的に行われる。よって、本発明によれば、1以上の結合エレメント、特にアミノ酸を導入し、本発明のポリペプチドと免疫刺激ポリペプチドとの結合、すなわち本発明のポリペプチドのNまたはC末端で起こり得る免疫刺激抗原共有結合を容易にすることが可能である。この結合の二官能価試薬はこの結合を行うために選択された末端の関数として決定され、この結合技術は当業者には十分に公知のものである。
【0136】
ペプチド結合から誘導される複合体を遺伝子組換えによって製造してもよい。雑種ペプチド(複合体)は実際には組換えDNA技術によって抗原、免疫原またはハプテンペプチドをコードする配列を本発明のポリペプチドをコードするDNA配列に挿入または付加することで製造される。遺伝子組換えにより雑種ペプチドを製造するこれらの技術は当業者には十分に公知のものである(例えば、Makrides, 1996, Microbiological Reviews 60, 512−538を参照)。
【0137】
好ましくは免疫ポリペプチドがトキソイド、特にジフテリアトキソイドまたは破傷風トキソイド、ストレプトコッカス誘導タンパク質(ヒト血清アルブミン結合タンパク質など)、OMPA膜タンパク質および外層膜タンパク質複合体、外層膜小胞または熱衝撃タンパク質を含有するペプチド群から選択される。
【0138】
本発明の雑種ポリペプチドは本発明のポリペプチドを特異的に認識し得るモノクローナルまたはポリクローナル抗体を得るのに非常に有用である。実際には、本発明の雑種ポリペプチドは免疫分子と結合した本発明のポリペプチドに対する免疫応答を増強させる。本発明のポリペプチドを認識するかかるモノクローナルもしくはポリクローナル抗体、その断片、またはキメラ抗体もまた本発明の対象である。
【0139】
特異的なモノクローナル抗体はKoehler and Milstein(1975, Nature 256, 495)によって報告されたハイブリドーマ培養の慣例法により得てもよい。
【0140】
本発明の抗体は、例えばキメラ抗体、ヒト化抗体、またはFabもしくはF(ab’)フラグメントである。これは免疫複合体または検出および/もしくは定量可能なシグナルを得るために標識された抗体の形であってもよい。
【0141】
このように本発明の抗体は、生体サンプルにおいてリステリア菌種に属す細菌または関連微生物を検出および/または同定する方法であって、以下の工程:
a)生体サンプルを本発明の抗体と接触させ、
b)形成し得る抗原−抗体複合体を確認する
ことを含んでなることを特徴とする方法で使用できる。
【0142】
本発明の抗体をリステリア菌株または関連微生物の遺伝子発現の検出に用いることもできる。詳しくは、リステリア菌株または関連微生物を本発明の抗体と接触させるた後に形成される抗原−抗体複合体の存在を介して、その発現産物に特異的な抗体によって認識される遺伝子の発現産物の存在を検出することができる。用いる細菌株を「調製」、すなわち遠心分離し、溶解し、さらに免疫反応に好適な媒体を構成する好適な試薬に入れておいた。特に、還元条件の存在または不在下で細菌株溶解液のポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)後に行われるウェスタンブロットに類似した遺伝子の発現を検出する方法が好ましい。ポリアクリルアミドゲルでタンパク質が移動および分離した後、そのタンパク質を好適なメンブラン(例えば、ナイロン製)に移し、タンパク質または対象となるポリペプチドの存在をそのメンブランを本発明の抗体と接触させることで検出する。
【0143】
このように、本発明はまた、記載の方法(リステリア属または関連微生物の発現を検出する、またはリステリア菌種に属する細菌または関連微生物に属す細菌を検出および/または同定する)を行うキットまたはパックであって、
以下の要素:
a)本発明のポリクローナルまたはモノクローナル抗体、
b)所望により、免疫反応に好適な媒体を構成する試薬、
c)所望により、免疫反応によって生じた抗原−抗体複合体を確認する試薬
を含んでなるキットまたはパックを含む。
【0144】
本発明のポリペプチドおよび抗体を支持体、特にタンパク質チップに固定化することが有利である。かかるタンパク質チップもまた本発明の対象であり、リステリア菌以外の微生物のポリペプチドまたはリステリア菌以外の微生物の化合物に対する抗体もまた少なくとも1つ含んでもよい。
【0145】
本発明のタンパク質を含むタンパク質チップまたは高密度フィルターを本発明のDNAチップと同様に構築することができる。実際にはタンパク質チップに直接結合したポリペプチドの合成を行う、またはex situ合成後に合成したポリペプチドをそのチップに結合させる工程を行うことができる。かなり大きなタンパク質を支持体に結合させたい場合には後者の方法が好ましく、このタンパク質を遺伝子工学により製造することが有利である。しかしながら、そのチップ支持体にペプチドだけを結合させたい場合にはそのペプチドを直接in situ合成する方がより有利である。
【0146】
本発明のタンパク質チップを、リステリア菌種または微生物関連の細菌を検出および/または同定するキットまたはパックにおいて、またはより一般的には微生物を検出および/または同定するキットまたはパックにおいて使用することが有利である。本発明のポリペプチドをDNAチップに結合させる場合、試験サンプル中の抗体の存在が調べられるが、本発明の抗体をタンパク質チップ支持体へ結合させた場合にはその抗体が特異性を示すタンパク質の同定がなされる。
【0147】
好ましくは本発明の抗体をタンパク質チップ支持体へ結合させ、リステリア菌または関連微生物に特異的なその対応する抗原の存在を検出する。
【0148】
上記のタンパク質チップを、遺伝子産物を検出し、その遺伝子の発現プロフィールを確立するために本発明のDNAチップとともに用いてもよい。
【0149】
本発明のタンパク質チップは所与の微生物の種々のタンパク質間の相互作用を調査するプロテオミック試験にも非常に有用である。簡潔には、生物の種々のタンパク質の代表的ペプチドを支持体に結合させる。その支持体を標識タンパク質と接触させ、所望によりすすぎ工程を行い、その後、その標識タンパク質とそのタンパク質と結合したペプチドとの相互作用を確認する。
【0150】
このように、本発明のポリペプチド配列を含むタンパク質チップおよび本発明の抗体は、それらがキットまたはパックに含まれることから本発明の対象である。
【0151】
本発明は本発明のヌクレオチド配列を用いる、生体サンプルにおいてリステリア菌種に属す細菌または関連微生物を検出および/または同定する方法も包含する。
【0152】
本発明において、「生体サンプル」とは、生存生物から採取したサンプル(特に、哺乳類から採取した血液、組織、器官またはその他のサンプル)、または生体材料、すなわちDNAを含むサンプルを示すことは理解されるであろう。よって、生体サンプルには細菌を含む食品組成物(例えば、チーズ、乳製品)、さらに酵母を含む食品組成物(ビール、パン)他が含まれる。
【0153】
本発明のヌクレオチド配列を用いる検出および/または同定方法は本来、多くのものがある。
以下の工程:
a)所望により、解析する生体サンプル由来のDNAを単離するか、またはその生体サンプルのRNA由来のcDNAを得、
b)本発明の少なくとも1種のプライマーを用い、リステリア菌種に属す細菌または関連微生物のDNAを特異的に増幅させ、
c)その増幅産物を確認する
ことを含んでなる方法が好ましい。
【0154】
この方法は特にポリメラーゼ連鎖反応によるDNAの特異的増幅に基づくものである。
【0155】
以下の工程:
a)本発明のヌクレオチドプローブを、そのプローブをリステリア菌種に属す細菌または関連微生物の核酸とハイブリダイズさせる条件下で、生体サンプル(なお、この生体サンプルに含まれる核酸は、適当であれば、従前にハイブリダイゼーションしやすかったものである)と接触させ、
b)核酸プローブと生体サンプルのDNAとの間で形成し得る雑種を確認することを含んでなる方法が好ましい。
【0156】
かかる方法は対象とする生体サンプルに含まれるDNAの存在を検出することに限定すべきでなく、該サンプルに含まれるRNAを検出するのにも使用できる。この方法は特にサザンブロッティングおよびノーザンブロッティングを包含する。
【0157】
本発明のもう1つの好ましい方法は、以下の工程:
a)本発明の支持体に固定化されたヌクレオチドプローブを、そのプローブをリステリア菌種に属す細菌または関連微生物の核酸とハイブリダイズさせる条件下で、生体サンプル(なお、このサンプルの核酸は、適当であれば、従前にハイブリダイゼーションしやすかったものである)と接触させ、
b)支持体に固定化されたヌクレオチドプローブと生体サンプルに含まれる核酸との間で形成し得る雑種を、適当であれば、プローブとハイブリダイズさせなかった生体サンプルのDNAを除去した後に、本発明の標識ヌクレオチドプローブを接触させ、
c)工程b)で形成した新しい雑種を確認する
ことを含んでなる。
【0158】
この方法は本発明のDNAチップとともに用いるのが有利であり、該チップの表面に存在するプローブとハイブリダイズする核酸を探し、標識プローブを用いて検出する。この方法は本発明のプライマーを用い、DNAまたは所望により逆転写によって得られる相補的DNAを増幅する前工程と組み合わせて行うのが有利である。
【0159】
このように本発明はまた、以下の要素:
a)本発明のヌクレオチドプローブ、
b)所望により、ハイブリダイゼーション反応を行うのに必要な試薬、
c)所望により、本発明の少なくとも1種のプライマー、およびDNA増幅反応に必要な試薬
を含んでなることを特徴とする、リステリア菌種に属す細菌または関連微生物を検出および/または同定するキットまたはパックを包含する。
【0160】
同様に、本発明はまた、以下の要素:
a)捕捉プローブと呼ばれる、本発明のヌクレオチドプローブ、
b)検出プローブと呼ばれる、本発明のオリゴヌクレオチドプローブ、
c)所望により、本発明の少なくとも1種のプライマー、およびDNA増幅反応に必要な試薬
を含んでなることを特徴とする、リステリア菌種に属す細菌または関連微生物を検出および/または同定するキットまたはパックを包含する。
【0161】
最後に、以下の要素:
a)本発明の少なくとも1種のプライマー、
b)所望により、DNA増幅反応を行うのに必要な試薬、
c)所望により、増幅断片の配列を確認する成分、より詳しくは本発明のオリゴヌクレオチドプローブ
を含んでなることを特徴とする、リステリア菌種に属す細菌または関連微生物を検出および/または同定するキットまたはパックも本発明の主題である。
【0162】
好ましくは、本発明の方法および/またはキットもしくはパックに用いられる本発明の該プライマーおよび/またはプローブおよび/またはポリペプチドおよび/または抗体はリステリア菌種に特異的なプライマーおよび/またはプローブおよび/またはポリペプチドおよび/または抗体から選択される。好ましくは、これらの要素は、分泌タンパク質をコードするヌクレオチド配列から、分泌ポリペプチドから、またはリステリア菌の分泌ポリペプチドに対する抗体から選択される。
【0163】
本発明のヌクレオチド配列、特にORF配列、またはその調節エレメント(特にプロモーター)に1以上の突然変異を含むリステリア菌、および/または関連微生物の株も本発明の主題である。
【0164】
本発明によれば、細胞機構、特に分泌、中枢中間体代謝、エネルギー代謝、ならびにアミノ酸合成、転写・翻訳、およびポリペプチド合成のプロセスに関与するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に1以上の突然変異を有するリステリア菌株が好ましい。
【0165】
該突然変異はこの遺伝子の不活性化をもたらし、特にそれらが該遺伝子の調節エレメントにある場合にはこの遺伝子の過剰発現をもたらす。
【0166】
本発明はまた、遺伝子発現を調整、調節、誘導もしくは阻害、および/または真核細胞もしくは原核細胞における細胞複製を改変し得る、あるいはリステリア菌またはそれに関連する微生物の感染に関連した病状を誘導、阻害または悪化し得る有機または無機化合物を選択するための、本発明のヌクレオチド配列、本発明のポリペプチド、本発明の抗体、本発明の細胞、および/または本発明の形質転換動物の使用に関する。
【0167】
本発明は、本発明のポリペプチドまたはその断片と結合し得るか、本発明のヌクレオチド配列と結合し得るか、または本発明の抗体を認識し得る、かつ/または遺伝子発現を調整、調節、誘導もしくは阻害し得る、かつ/または真核細胞もしくは原核細胞における細胞の増殖もしくは複製を改変し得る、あるいは動物またはヒトにおいてリステリア菌もしくはそれに関連する微生物の感染に関連した病状を誘導、阻害または悪化し得る化合物を選択する方法であって、
以下の工程:
a)該化合物を該ポリペプチドまたは該ヌクレオチド配列と、または請本発明の形質転換細胞と接触させ、かつ/または該化合物を本発明の形質転換動物に投与し、
b)該化合物が該ポリペプチドまたは該ヌクレオチド配列と結合する能力、または遺伝子発現を調整、調節、誘導もしくは阻害する能力、または細胞増殖もしくは複製を調整する能力、または該形質転換動物においてリステリア菌もしくはそれに関連する微生物の感染に関連した病状を誘導、阻害または悪化する能力を測定する
ことを含んでなる方法も含む。
【0168】
本発明の形質転換細胞および/または動物をモデルとし、リステリア菌により誘導または悪化した病状の原因である、または例えば、生殖器、眼、または全身疾患、特にリンパ系疾患などのこれらの病状を予防および/または治療する化合物を調査、同定および/または選択する方法において使用することが有利である。特に、本発明のベクターとの形質転換で、例えばその感染能力が増強または阻害される、または感染により通常誘導または悪化する病状を調整することのできる形質転換宿主細胞、とりわけリステリア属の細菌を使用して病状が明らかに顕れている動物を感染させる。例えば、形質転換リステリア菌に感染させたこれらの非形質転換動物を調査モデルとする。同様に、本発明の形質転換動物をリステリア菌が原因の病気を予防または治療し得る化合物を選択する方法において使用する。形質転換細胞および/または形質転換動物を使用するこの方法もまた本発明の一部である。
【0169】
選択される化合物はポリペプチドまたは炭水化物などの有機化合物、またはいずれか他の周知の有機もしくは無機化合物、または分子モデリング技術により開発された、または化学もしくは生化学合成により得られた新規な化合物である。これらの技術は当業者であれば周知のものである。
【0170】
この選択された化合物を、リステリア菌またはいずれか他の関連微生物の細胞増殖および/または複製を調整するために、およびこれら微生物による感染を制御するために使用する。また、この本発明の化合物をいずれかの真核生物または原核生物細胞、特に腫瘍細胞および感染微生物の細胞増殖および/または複製を調整するためにも使用し、その化合物がそれに対して活性であることを確認する。その調整を決定する方法は当業者には十分に周知のものである。
【0171】
「微生物の増殖を調整し得る化合物」とは、その微生物の発生、増殖、増殖率および/または生存能力を干渉、改変、制限および/また低減し得るいずれかの化合物をいうものである。
【0172】
この調整は、例えばタンパク質と結合することでその生物学的活性を阻害または増強し得る、または微生物の外層膜表面タンパク質と結合してその微生物の宿主細胞への侵入を防ぐ、またはその微生物に対する感染生物の免疫系の作用を促進し得る薬剤を用いて行う。また、この調整を、微生物のDNAまたはRNAのヌクレオチド配列と結合して、例えばその生物学的または構造的活性がその微生物の増殖または繁殖に必要であるペプチドの発現を阻害し得る薬剤を用いて行ってもよい。
【0173】
本発明における「関連微生物」とは、本発明の化合物によりその遺伝子発現を調整、調節、誘導もしくは阻害し得る、またはその細胞増殖もしくは複製もまた調整し得るいずれかの微生物をいうものである。また、本発明における「関連微生物」とは、本発明のヌクレオチド配列またはポリペプチドを含んでなるいずれかの微生物をいうものである。これらの微生物が本発明のものと同一または相同であるポリペプチドまたはヌクレオチド配列を含んでなる場合もある。本発明の検出および/または同定方法またはキットを用いて検出および/または同定し、またそれは本発明の化合物の標的として機能する。
【0174】
本発明は、本発明の選択方法を用いて選択される化合物に関する。
【0175】
本発明はまた、以下の化合物:
a)本発明のヌクレオチド配列、
b)本発明のポリペプチド、
c)本発明のベクター、
d)本発明の抗体、および
e)本発明の選択方法を用いて選択される化合物
から選択される化合物を、所望により医薬上許容されるビヒクルと組み合わせて含んでなる医薬組成物に関する。
【0176】
「有効量」とは本発明の化合物もしくは抗体またはポリペプチドの、リステリア菌または関連微生物の増殖を調整するのに十分な量を表すものとする。
【0177】
本発明はまた、リステリア菌種に属す細菌または関連微生物の感染症を予防または治療する、本発明の医薬組成物に関する。
【0178】
本発明はまた、本発明の1以上のポリペプチド、および/または本発明の1以上の雑種ポリペプチドを含んでなることを特徴とする、免疫および/またはワクチン組成物に向けられる。
【0179】
本発明はまた、ワクチン組成物を製造するための、本発明の形質転換細胞の使用を含んでなる。
【0180】
本発明はまた、本発明のヌクレオチド配列、本発明のベクター、および/または本発明の形質転換細胞を含むことを特徴とする、ワクチン組成物に向けられる。
【0181】
本発明はまた、リステリア菌種に属す細菌または関連微生物の感染を予防または治療するための、本発明のワクチン組成物に関する。
【0182】
好ましくはリステリア菌または関連微生物感染症の予防および/または治療を意図した本発明の免疫および/またはワクチン組成物は、リステリア菌の細胞包膜のポリペプチドまたはその断片、対応するタンパク質またはその断片を含んでなる、免疫および/またはワクチン組成物から選択される。ヌクレオチド配列を含んでなるワクチン組成物は好ましくはまた、リステリア細胞包膜のポリペプチドまたはその断片、対応するタンパク質またはその断片をコードするヌクレオチドも含んでなる。
【0183】
これらの好ましい免疫および/またはワクチン組成物のうち、その配列がこの機能グループに同定され、従前に一覧化されているヌクレオチド配列またはアミノ酸配列から選択されるポリペプチドもしくはその断片、またはヌクレオチド配列もしくはその断片を含んでなるものが好ましい。
【0184】
本発明の免疫組成物の一部となる本発明のポリペプチドまたはその断片は、例えばその増殖またはインターロイキンの分泌を起こす、また該ポリペプチドに対する抗体の産生をもたらすT細胞を刺激する該ポリペプチドの能力など、当業者に公知の技術を用いて選択できる。
【0185】
ヒトで用いる用量に匹敵する用量重のワクチン組成物を投与するマウスでは、抗体反応は、通常の技術に従い、血清サンプルを採取した後、血清中の存在する抗体とワクチン組成物の抗原の間での複合体の形成を調べることで試験する。
【0186】
本発明によれば、該ワクチン組成物は医薬上許容されるビヒクル、および適当であれば1以上の好適な免疫アジュバントと組み合わせるのが好ましい。
【0187】
現在、多種のワクチンが感染症からヒトを保護するのに利用できる:弱毒生菌微生物(ウシ結核菌(M. bovis)−結核のBCG)、不活性化微生物(フルウイルス)、無細胞抽出液(百日咳の百日咳菌(Bordetella pertussis))、組換えタンパク質(B型肝炎ウイルス表面抗原)および多糖類(肺炎球菌)。合成ペプチドから製造されたワクチンまたは異種抗原を発現する遺伝子組換え微生物から製造されたワクチンは試験中である。もっと最近では、免疫防御抗原をコードする遺伝子を含む組換えプラスミドDNAが代替のワクチン法として提案されている。この種のワクチンは、in vivoでは複製せず、かつ、免疫タンパク質をだけをコードする大腸菌(E.coli)プラスミドに由来する特定のプラスミドで形質転換されている。動物は裸のプラスミドDNAを筋肉に単に注入することにより免疫化されてきた。この技術はin situにおける免疫タンパク質の発現、および細胞型(CTL)および体液型(抗体)の免疫応答をもたらす。この免疫応答の二重の誘導は裸のDNAによるワクチン技術の主な利点の1つである。
【0188】
ヌクレオチド配列または配列が挿入されているベクターを含んでなるワクチン組成物は特に国際出願WO99/11092および国際出願WO95/11307にも記載されている。
【0189】
本発明のワクチン組成物を構成するヌクレオチド配列は、このポリペプチドの細胞への透過またはその細胞核への輸送を促進する化合物に連結された後に宿主に注入すればよい。得られた複合体は、国際出願WO94/27238(Medisorb Technologies International)に記載のように、高分子微粒子に封入してもよい。
【0190】
本発明のワクチン組成物のもう1つの態様によれば、ヌクレオチド配列、好ましくはDNAをDEAE−デキストランと、核タンパク質と、もしくは脂質と複合体を形成させるか、またはリポソームに封入するか、あるいは細胞へのトランスフェクション助けるゲルの形に導入する。本発明のポリペプチドまたはベクターはまたバッファー溶液に懸濁させてもよいし、あるいはリポソームと結合させてもよい。
【0191】
有利には、かかるワクチンは1996年にTacson et al.またはHuygen et alにより記載された方法に従い、または国際出願WO95/11307においてDavis et al.により記載された技術に従って製造する。
【0192】
かかるワクチンはまた、ヒトまたは動物での発現のための調節エレメントの制御下に置いた本発明のベクターを含有する組成物の形態で製造してもよい。対象となるポリペプチド抗原のin vivo発現のためのベクターとしては、例えばプラスミドpcDNA3またはプラスミドpcDNA1/neoが使用でき、両者ともInvitrogen (R & D Systems, Abingdon, United Kingdom)製である。かかるワクチンは組換えベクターの他、生理食塩水、例えば塩化ナトリウム溶液を含んでなるのが有利である。
【0193】
「医薬上許容されるビヒクル」とは、医薬組成物またはワクチン組成物中に含まれ、いずれの副反応も起こさず、かつ、例えば有効化合物の投与を助ける、生物内でその寿命を長くする、かつ/またはその有効性を高める、溶液においてその溶解度を高める、あるいはその保存を向上させる、化合物または化合物の組合せを表すものとする。これらの医薬上許容されるビヒクルは周知であり、選択された有効化合物の性質および投与方法に応じて当業者が調節する。
【0194】
ワクチン製剤については、例えば水酸化アルミニウム、N−アセチルムラミルのペプチド誘導体のあるものなどムラミルペプチド系の代表的なもの、細菌溶解液、またはフレンドの不完全アジュバントといった当業者に公知の好適な免疫アジュバントを含んでもよい。
【0195】
好ましくは、これらの化合物は全身投与、特に静脈、筋肉内、皮内または皮下、あるいは経口投与される。より詳しくは、本発明のポリペプチドを含んでなるワクチン組成物は数回皮内または皮下投与して、経時的に拡散させる。
【0196】
これらの化合物の最適な投与法、用量および医薬形態は一般に、例えば患者の年齢もしくは体重、患者の健康状態の重篤度、注目される治療許容および副作用など、患者にとっての好適な治療を確立することを考慮に入れた基準に従って定めることができる。
【0197】
本発明は、リステリア菌によって引き起こされる、または悪化する生殖器疾患を治療または予防するための、本発明の組成物の使用を含んでなる。
【0198】
最後に、本発明は、リステリア菌の存在によって引き起こされる、または悪化する疾患を治療または予防するための、本発明の組成物の使用を含んでなる。
【0199】
最後に、本発明は、リステリア菌の存在によって引き起こされる、または悪化する全身性疾患、特にリンパ系の疾患を治療または予防するための、本発明の組成物の使用を含んでなる。
【0200】
さらに、本発明の主題はまた、リステリア属、好ましくはリステリア菌、好まEGD−e株の細菌のゲノムDNAライブラリーでもあり、該DNAライブラリーは細菌人工染色体(BAC)にクローニングされている。かかるゲノムDNAライブラリーはリステリアゲノムの著しく大きな挿入、特に50〜200kbの間の長さの挿入を含む。
【0201】
コスミド系に比べてBAC系を用いる利点の1つは、形質転換細胞当たりに用いられるプラスミドが1コピー、または最大でも2コピーだけであり、これによりDNA断片間の組換えの可能性が小さくなり、より重要なことには、細菌にクローニングされた遺伝子の致死的な過剰発現の危険性がなくなるということである。しかし、BACが1コピーで存在するということは、その配列に対して十分なDNAを得るのに大量の培養物からプラスミドを抽出しなければならないことを意味する。さらに、クローンがBACライブラリーで維持される安定性および忠実度は、種々のリステリア株間のゲノムの違いの同定、および種々の株間で見られる表現型のバリエーションを司るこれらの遺伝子の違いの同定を見込んだものである。
【0202】
本発明で記載されるゲノムDNAライブラリー、特に2000年4月11日にCNCM[Natuonal Collection of Microorganism Cultures]にI−2439として寄託されたLM_baclimライブラリーは事実上リステリア菌ゲノムを覆うものである。しかし、大腸菌の致死性の問題のためにある領域がこのライブラリーにクローニングできなかったとしても、これらの領域は当業者により、コンティグをなす種々のクローンの末端の配列に特異的なオリゴヌクレオチドを用いて容易に増幅および同定することができる。
【0203】
本発明はまた、あるリステリア株に存在するが別の株には存在しない、対象とするポリヌクレオチドを単離する方法に関し、それはリステリアゲノムを含むBACに基づく少なくとも1つのDNAライブラリーとして用いる。対象とするポリヌクレオチドを単離する本発明の方法は以下の工程:
a)リステリア起源の、BACに基づくDNAライブラリー由来のクローンに含まれる少なくとも1種のポリペプチドを単離し、
b)リステリアの少なくとも1種のゲノムポリヌクレオチドまたはcDNA(該リステリアは、工程a)のBAC DNAライブラリーを構築するのに用いた株とは異なる株に属す)か、または、
工程a)のBACに基づくDNAライブラリーを構築するのに用いたリステリアとは異なるリステリアのゲノムから作製したBACに基づくDNAライブラリー由来のクローンに含まれる少なくとも1種のポリヌクレオチド
を単離し、
c)工程a)のポリヌクレオチドと工程b)のポリヌクレオチドをハイブリダイズさせ、
d)工程b)のポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーション複合体を形成しなかった、工程a)のポリヌクレオチドを選択し、
e)選択したポリヌクレオチドを同定する
ことを含んでなる。
【0204】
工程a)のポリヌクレオチドは、少なくとも1つの組換えBACクローンを好適な制限酵素で消化し、所望によりそれから得られたポリヌクレオチド挿入を増幅することで製造できる。
【0205】
このように本発明の方法は、当業者がリステリア属の種々の株または種の間、例えば病原株とそれらの非病原性の等価物の間のゲノム比較研究を行えるものである。
【0206】
特に、これらの株間の多形性の領域を検討および決定することができる。
【0207】
【実施例】
例1: リステリア菌DNAのBACライブラリーの作製
平均重量80mgのリステリア菌染色体DNA含有ブロックを当業者には公知な方法を用いてアガロースゲルで調製した。それらを500mM EDTA、pH8.0溶液に保存しておいた。
【0208】
8ブロックを用いてライブラリーを構築する。これらのアガロースブロックをTE/PMSF(10mM Tris−HCl、pH8.0;1mM EDTA;100μM PMSF)で氷上で30分間、2回洗浄する。次いで、アガロースブロックをTE(10mM Tris−HCl、pH8.0;1mM EDTA)で氷上で30分間、2回洗浄する。各アガロースブロックを8つにスライスし、16スライスを1本の試験管に一緒に入れる。次いで、それらのブロックをプレインキュベーション溶液(20μM スペルミジン、5mM DTT、1×制限バッファー)中、氷上で40分間インキュベートする。プレインキュベーションバッファーを1回交換し、さらに40分間インキュベートする。
【0209】
消化バッファー(2mM スペルミジン、0.5mM DTT、0.02μg BSA、0.5×制限バッファー)中、4℃で30分間、制限酵素を加えないで部分消化を行い、その後、試験管当たり0.1、0.25、0.4または0.5単位のEcoRI(Life Tech)を37℃で2時間加える。消化バッファーを200μlの0.5M EDTAに置き換え、試験管を氷上におくことで部分消化を停止させる。
【0210】
次いで、アガロースブロックを0.5×TBEバッファーを含有する1%SeaKem GTG アガロース(FMC)ゲルに置く。その後、パルスフィールドゲル電気泳動を以下の条件で行う:
開始パルス時間:90秒、
最終パルス時間:90秒、
6V/cm、
角度:120°、
ゲル化時間:16時間、12℃。
【0211】
50および200kb間の領域をゲルから切り出し、3つの部分(50〜100kb、100〜150kb、150〜200kb)に分ける。クローニング用ゲルは臭化エチジウムで染色してはならない。
【0212】
これらのアガロースブロックを0.5×TBEバッファーを含有する新たな1%SeaKem GTG アガロース(FMC)ゲルに置く。さらなるパルスフィールドゲル電気泳動を以下の条件で行う:
開始パルス時間:5秒、
最終パルス時間:5秒、
4V/cm、
角度:120°、
ゲル化時間:15時間、12℃。
【0213】
DNAを臭化エチジウム染色せずに、再度、50および200kb間の領域をゲルから切り出し、3つの部分(50〜100kb、100〜150kb、150〜200kb)に分ける。
【0214】
アガロース切片を、各約100mgの小部分に切り分ける。
【0215】
アガロースを67℃で10分間インキュベートし、次いで42℃まで冷却し、1μlのβ−アガロース(FMC、1U/μl)を加える。混合物を42℃で30分間インキュベートし、アガロースの消化完了後、67℃で10分間インキュベートし、次いで氷上でインキュベートしすることでβ−アガロースを変性させる。
【0216】
EcoRIで消化し、リン酸化した150ngのDNAベクター(CIP, Roche)を用いてBACライブラリーを構築する。ベクターpBelaBAC−Kan(Mozo et al., Mol. Gen. Genet., 1998, 258, 562−70)を用いて上記ライブラリーを構築する。そのために、150ngの上記ベクターを150ngのDNA挿入物とともに5単位のリガーゼ(USB1単位/μl)を含有する連結バッファー×1中、12℃で16時間でインキュベートする。
【0217】
連結バッファーは製造業者推奨のバッファーである。
【0218】
5μlの連結反応物を40μlのDH10B電気反応性細胞に加えて形質転換を行い、エレクトロポレーションをLife Techエレクトロポレーターにて以下の条件で行う:
330μF、4kΩ、直流電圧:低抵抗値Ω、印加速度:高速、1.5mmエレクトロポレーションキュベット。
【0219】
1mmのSOC培地を細胞に加え、これを37℃で45分間インキュベートする。次いで、細胞を30g/mlのカナマイシン、100μg/mlのIPTGおよび40μg/mlのX−Galも含有するLB寒天含有ディッシュで培養する。青色の細胞に対し、白色の組換え細胞を選択し、このようにして得られたクローン各々に対して制限マップを作製することでBACライブラリーを同定する。
【0220】
例2: リステリア菌ゲノム配列のアノテーションおよび解析
バイオインフォマティクスはゲノム解析の3段階:ランダム配列決定法を用いて得られた挿入物のショットガン追跡調査、ゲノム配列解決段階、アノテーションにおいて主要な役割を果たしている。本願発明者はこれらの3つの要件を満たし得る完全なソフトウェアパッケージ:GMP−Tool−box(GMPTB)を開発した。
【0221】
ショットガン追跡調査
ランダム配列決定処理中、GMPTBが結果ファイル(Phrapフォーマット)または構成に必要な特性(コンティグ数、配列数、他)から抽出し、それらを表として表示する。この表を用いてこの方法の進行を示し、構成プログラムを迅速に確認できるグラフを作成することができる。重要なことは、GMPTBでは構成結果の比較ができ、さらに新旧コンティグ(融合、形成など)の関係を説明するHTMLページが作成されるということである
【0222】
配列解決段階
GMPTBでは種々の戦略を用いてコンティグ間の結合を推定する。GMPTBは特に、末端配列の位置および方向に基づき、結合し得る全てのクローンを検索する。これが間違った構成を示す場合もある。GMPTBはまたゲノム比較に基づき、コンティグ末端と他のゲノム配列との類似性(ヌクレオチドおよびアミノ酸レベルで)を検索することにより、結合を推定することもできる。
【0223】
アノテーション
GMPTBは最終段階でアノテーションが開始できる、実際に、GMPTBは構成時に各オープンリーディングフレーム(ORF)に対し個別のタンパク質ファイル(IPF)を作成する。これらは下記の3カテゴリーのフィールドを含む特定の形式のテキストファイルである:
【0224】
− 最小フィールドにはID番号、バージョン数、位置および配列が収容される。出力されたヌクレオチド配列は、第1の停止コドン前に500付加塩基、さらに第2の停止コドン後に200付加塩基を含むオープンリーディングフレーム配列に相当する。
【0225】
− 自動フィールドには異なるプログラムによりIPFに加えられた結果が収容される。それはDNA配列(リボソーム結合部位、プロモーターまたはターミネーター、コーディング能力などの検索)および推定タンパク質配列(相同性、ドメインなど)に関するものである。
【0226】
− 入力フィールドには使用者によって加えられた結果およびコメントが収容される。新規構成後、GMPTBは全てのORFを抽出し、これまでの構成で誘導されたIPF配列に従って新規IPFを作成する。GMPTBは各構成後の新規自動解析に唯一用いることができる改変IPFを認識する。
【0227】
この方法論の特異性は、その配列が改変されない限り、IPFのアノテーションが構成段階とは独立していることである。IPFはSybases genomic databank(SubtiList系)と接続しており、ウェブサーバーを介してアクセス可能である。それらはゲノム解析段階で多くの発明者らにより改変およびアノテーションが可能である。
【0228】
生体材料の寄託
以下の生物:
リステリア菌株EGD−e、番号I−2440;
リステリアDNAのBACライブラリー(145クローン)、LM−baclib、番号I−2439
をブダペスト条約の規定に従い、2000年4月11日、Collection Nationale de Cultures de Microorganisms (CNCM) [National Collection of Microorganism Cultures], 25 rue du Docteur Roux, 75724 Paris Cedex 15, Franceに寄託した。
【0229】
BACライブラリー(I−2439)を大腸菌株DH10Bで作製し(Grant et al., PNAS, 87, 4645, 1990)、EcoRI酵素でリステリア菌DNAを部分消化した後、ベクターpBelaBAC−Kan(Mozo et al., Mol. Gen. Genet., 1998, 258, 562−70)で構築した。
【0230】
【表1】
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【表2】
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【表3】
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【表4】
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【表5】
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【表6】
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【表7】
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【表8】
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Claims (128)

  1. 配列番号1に相当する、リステリア菌(Listeria monocytogenes)のヌクレオチド配列。
  2. 下記a)〜f)から選択される、リステリア菌(Listeria monocytogenes)のヌクレオチド配列:
    a) 配列番号1と少なくとも80%の同一性を有するヌクレオチド配列、
    b) 高ストリンジェントな条件下で配列番号1とハイブリダイズするヌクレオチド配列、
    c) 配列番号1と相補的なヌクレオチド配列、a)もしくはb)で定義されるヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列、または、その対応するRNAのヌクレオチド配列、
    d) 配列番号1の代表的断片のヌクレオチド配列、または、a)、b)もしくはc)で定義されるヌクレオチド配列の代表的断片のヌクレオチド配列、
    e) a)、b)、c)またはd)で定義される配列を含んでなるヌクレオチド配列、および
    f) a)、b)、c)、d)またはe)で定義されるヌクレオチド配列の改変ヌクレオチド配列。
  3. 配列番号1由来の配列であって、配列番号1〜配列番号2854の配列のポリペプチドから選択されるポリペプチドをコードする、請求項2に記載のヌクレオチド配列。
  4. 下記a)〜f)から選択されるヌクレオチド配列を含んでなる、ヌクレオチド配列:
    a) 請求項3に記載のヌクレオチド配列、
    b) 請求項3に記載のヌクレオチド配列と少なくとも80%の同一性を有するヌクレオチド配列、
    c) 高ストリンジェントな条件下で請求項3に記載のヌクレオチド配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列、
    d) a)、b)またはc)で定義される配列に対応する、相補的ヌクレオチド配列または相当するRNA配列、
    e) a)、b)、c)またはd)で定義される配列の代表的断片のヌクレオチド配列、および
    f) a)、b)、c)、d)またはe)で定義される配列の改変ヌクレオチド配列。
  5. 請求項2〜4のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列によってコードされる、ポリペプチド。
  6. 配列番号2〜配列番号2854の配列から選択される、請求項5に記載のポリペプチド。
  7. 下記a)〜e)から選択されるポリペプチドを含んでなる、ポリペプチド:
    a) 請求項5および6のいずれかに記載のポリペプチド、
    b) 請求項5および6のいずれかに記載のポリペプチドと少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド、
    c) 請求項5および6のいずれかに記載のポリペプチド、またはb)で定義されるポリペプチドの少なくとも5個のアミノ酸の断片、
    d) 請求項5および6のいずれかに記載のポリペプチド、またはb)もしくはc)で定義されるポリペプチドの、生物学的に活性な断片、
    e) 請求項5および6のいずれかに記載のポリペプチド、またはb)、c)もしくはd)で定義されるポリペプチドの、改変ポリペプチド。
  8. 請求項7に記載のポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列。
  9. アミノ酸生合成に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  10. 補因子、配合団および輸送体の生合成に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  11. 細胞包膜ポリペプチド、すなわちリステリア菌の表面に存在するポリペプチド、またはその断片(該ポリペプチドは好ましくは配列番号2〜配列番号41である)をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  12. 細胞機構に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  13. 中枢中間体代謝に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  14. エネルギー代謝に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  15. 脂肪酸およびリン脂質の代謝に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  16. ヌクレオチド、プリン、ピリミジンまたはヌクレオシドの代謝に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  17. 調節機能に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  18. 複製プロセスに関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  19. 転写プロセスに関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  20. 翻訳プロセスに関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  21. タンパク質の輸送および結合プロセスに関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  22. 非定型条件への適応に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  23. 医薬品および類似体感受性に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  24. ビタミンB12生合成に関与するリステリア菌のポリペプチド(該ポリペプチドは好ましくは配列番号42〜配列番号64である)をコードすることを特徴とする、ヌクレオチド配列。
  25. トランスポゾンに関連する機能に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  26. リステリア菌に特異的なポリペプチド、またはその断片をコードする、請求項2〜4および8のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  27. アミノ酸生合成に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  28. 補因子、配合団および輸送体の生合成に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  29. 細胞包膜ポリペプチド、すなわちリステリア菌の表面に存在するポリペプチド、またはその断片(該ポリペプチドは好ましくは配列番号2〜配列番号41である)である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  30. 細胞機構に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  31. 中枢中間体代謝に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  32. エネルギー代謝に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  33. 脂肪酸およびリン脂質の代謝に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  34. ヌクレオチド、プリン、ピリミジンまたはヌクレオシドの代謝に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  35. 調節機能に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  36. 複製プロセスに関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  37. 転写プロセスに関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  38. 翻訳プロセスに関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  39. タンパク質の輸送および結合プロセスに関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  40. 非定型条件への適応に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  41. 医薬品および類似体感受性に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  42. ビタミンB12生合成に関与するリステリア菌のポリペプチド(該ポリペプチドは好ましくは配列番号42〜配列番号64である)、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  43. トランスポゾンに関連する機能に関与するリステリア菌のポリペプチド、またはその断片である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  44. リステリア菌に特異的なポリペプチド、またはその断片である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  45. 請求項1〜4および8〜26のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列、および/または請求項5〜7および27〜44のいずれか一項に記載のポリペプチド配列であって、
    記録媒体に記録されており、かつ、記録媒体の形式および性質がその配列の読み取り、解析および/または利用の助けとなるものである、ポリペプチド配列。
  46. 記録媒体がCD−ROM、コンピューターディスクまたはコンピューターサーバーである、請求項45に記載のヌクレオチド配列またはポリペプチド配列。
  47. 請求項45または46に記載のヌクレオチドまたはポリペプチド配列がそこに記録されている、記録媒体。
  48. リステリア菌近縁系統における遺伝子同定のためのヌクレオチドプライマーまたはプローブを選択するための、請求項47に記載の媒体の使用。
  49. リステリア菌近縁系統の遺伝子多形を調べるための、請求項47に記載の媒体の使用。
  50. 他のゲノムを調べるための、特に他のゲノム由来の遺伝子の自動アノテーションのための、請求項47に記載の媒体の使用。
  51. 配列が請求項2〜4および8〜26のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列から選択される、プライマーまたはプローブとして使用できるヌクレオチド配列。
  52. 放射性化合物または非放射性化合物で標識される、請求項51に記載のヌクレオチド配列。
  53. 支持体に共有結合または非共有結合により固定化される、請求項51および52のいずれかに記載のヌクレオチド配列。
  54. 高密度フィルターまたはDNAチップなどの支持体に固定化される、請求項53に記載のヌクレオチド配列。
  55. 核酸配列を検出および/または同定するための、請求項52〜55のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列。
  56. 請求項55に記載の少なくとも1つのヌクレオチド配列を含む、DNAチップまたはフィルター。
  57. チップ支持体に固定化された、リステリア菌以外の微生物のヌクレオチド配列もまた少なくとも1つ含む、請求項56に記載のDNAチップまたはフィルター。
  58. 他の微生物がリステリア菌関連微生物、リステリア(Listeria)属の細菌およびリステリア菌の変異体から選択される、請求項57に記載のDNAチップまたはフィルター。
  59. 請求項56に記載のDNAチップまたはフィルターを含んでなる、リステリア菌種に属す種、または関連微生物に属す細菌を検出および/または同定するキットまたはパック。
  60. 請求項57および58のいずれかに記載のDNAチップまたはフィルターを含んでなる、微生物を検出および/または同定するキットまたはパック。
  61. 請求項56〜58のいずれか一項に記載のDNAチップまたはフィルターを含んでなる、リステリア菌の少なくとも1つの遺伝子の発現を検出および/または定量するキットまたはパック。
  62. 請求項2〜4および8〜26のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列を含む、クローニングおよび/または発現ベクター。
  63. 請求項11に記載のヌクレオチド配列を含む、請求項62に記載のクローニングおよび/または発現ベクター。
  64. 請求項14に記載のヌクレオチド配列を含む、請求項62に記載のクローニングおよび/または発現ベクター。
  65. 請求項9、19または20に記載のヌクレオチド配列を含む、請求項62に記載のクローニングおよび/または発現ベクター。
  66. 請求項12に記載され、特に分泌機構に関与するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項62に記載のクローニングおよび/または発現ベクター。
  67. 請求項24に記載のヌクレオチド配列を含む、請求項62に記載のクローニングおよび/または発現ベクター。
  68. ストレス耐性および/またはストレス適応に関与するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項62に記載のクローニングおよび/または発現ベクター。
  69. 請求項62〜68のいずれか一項に記載のベクターで形質転換されることを特徴とする、宿主細胞。
  70. リステリア属に属す細菌である、請求項69に記載の宿主細胞。
  71. リステリア菌種に属す細菌である、請求項70に記載の宿主細胞。
  72. 請求項69〜71のいずれか一項に記載の形質転換細胞を含んでなる、植物、またはヒト以外の動物。
  73. 請求項62に記載のベクターで形質転換された細胞をそのポリペプチドを発現させる条件下で培養し、かつ、その組換えポリペプチドを回収することを含んでなる、ポリペプチドの製造方法。
  74. 請求項73に記載の方法を用いて得られる、組換えポリペプチド。
  75. 請求項5〜7および27〜44のいずれか一項に記載の合成ポリペプチドを製造する方法であって、そのポリペプチドの化学合成を行う、方法。
  76. 請求項5〜27、27〜44および74のいずれか一項に記載のポリペプチド配列とヒトまたは動物で免疫応答を誘導し得るポリペプチド配列を少なくとも含んでなる、雑種ポリペプチド。
  77. 請求項76に記載の雑種ポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列。
  78. 請求項77に記載のヌクレオチド配列を含む、ベクター。
  79. 請求項5〜7、27〜44、74または76のいずれか一項に記載のポリペプチドを特異的に認識し得る、モノクローナルもしくはポリクローナル抗体、その断片、またはキメラ抗体。
  80. 標識抗体である、請求項79に記載の抗体。
  81. 生体サンプルにおいてリステリア菌種に属す細菌または関連微生物を検出および/または同定する方法であって、
    a) 生体サンプルを請求項79および80のいずれかに記載の抗体と接触させ、
    b) 形成し得る抗原−抗体複合体を確認する
    工程を含んでなる、方法。
  82. リステリア菌株を請求項79または80に記載の抗体と接触させ、および
    形成し得る抗原/抗体複合体を検出する
    ことを含んでなる、リステリア菌の遺伝子の発現を検出する方法。
  83. 以下の要素:
    a) 請求項79および80のいずれかに記載のポリクローナルまたはモノクローナル抗体、
    b) 所望により、免疫反応に好適な媒体を構成する試薬、
    c) 所望により、免疫反応によって生じた抗原−抗体複合体を確認する試薬を含んでなる、請求項81または82に記載の方法を行うキットまたはパック。
  84. 支持体、特にタンパク質チップに固定化される、請求項5〜7、27〜44、74および76のいずれか一項に記載のポリペプチド、または請求項79および80のいずれかに記載の抗体。
  85. チップ支持体に固定化された、請求項5〜7、27〜44、74および76のいずれか一項に記載の少なくとも1種のポリペプチド、または請求項79および80のいずれかに記載の少なくとも1種の抗体を含む、タンパク質チップ。
  86. チップ支持体に固定化された、リステリア菌以外の微生物の少なくとも1種のポリペプチド、またはリステリア菌以外の微生物の化合物に対する少なくとも1種の抗体もまた含む、請求項85に記載のタンパク質チップ。
  87. 請求項85および86のいずれかに記載のタンパク質チップを含んでなる、リステリア菌種に属す細菌または関連微生物を検出および/または同定するキットまたはパック。
  88. 請求項86に記載のタンパク質チップを含んでなる、微生物を検出および/または同定するキットまたはパック。
  89. 請求項1〜4、8〜26、51〜55および77のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列を用いる、生体サンプルにおいてリステリア菌種に属す細菌または関連微生物を検出および/または同定する方法。
  90. a) 所望により、解析する生体サンプル由来のDNAを単離するか、またはその生体サンプルのRNA由来のcDNAを得、
    b) 請求項51〜55のいずれか一項に記載の少なくとも1種のプライマーを用い、リステリア菌種に属す細菌または関連微生物のDNAを特異的に増幅させ、
    c) その増幅産物を確認する
    工程を含んでなる、請求項89に記載の方法。
  91. a) 請求項51〜55のいずれか一項に記載のヌクレオチドプローブを、そのプローブをリステリア菌種に属す細菌または関連微生物の核酸とハイブリダイズさせる条件下で、生体サンプル(ここで、この生体サンプルに含まれる核酸は、適当であれば、従前にハイブリダイゼーションしやすかったものである)と接触させ、
    b) 核酸プローブと生体サンプルの核酸との間で形成し得る雑種を確認する工程を含んでなる、請求項89に記載の方法。
  92. a) 請求項53に記載の支持体に固定化されたヌクレオチドプローブを、そのプローブをリステリア菌種に属す細菌または関連微生物の核酸とハイブリダイズさせる条件下で、生体サンプル(なお、このサンプルの核酸は、適当であれば、従前にハイブリダイゼーションしやすかったものである)と接触させ、
    b) 支持体に固定化されたヌクレオチドプローブと生体サンプルに含まれる核酸との間で形成し得る雑種を、適当であれば、プローブとハイブリダイズさせなかった生体サンプルの核酸を除去した後に、請求項52に記載の標識ヌクレオチドプローブを接触させ、
    c) 工程b)で形成した新しい雑種を確認する
    工程を含んでなる、請求項89に記載の方法。
  93. 工程a)の前に、生体サンプルのDNA、または所望によりそのサンプルのRNAの逆転写によって得られたcDNAを、請求項51〜55のいずれか一項に記載の少なくとも1種のプライマーを用いて増幅させる、請求項92に記載の方法。
  94. 以下の要素:
    a) 請求項51〜55のいずれか一項に記載のヌクレオチドプローブ、
    b) 所望により、ハイブリダイゼーション反応を行うのに必要な試薬、
    c) 所望により、請求項51〜55のいずれか一項に記載の少なくとも1種のプライマー、およびDNA増幅反応に必要な試薬
    を含んでなることを特徴とする、リステリア菌種に属す細菌または関連微生物を検出および/または同定するキットまたはパック。
  95. 以下の要素:
    a) 捕捉プローブと呼ばれる、請求項53に記載のヌクレオチドプローブ、
    b) 検出プローブと呼ばれる、請求項52に記載のオリゴヌクレオチドプローブ、
    c) 所望により、請求項51〜55のいずれか一項に記載の少なくとも1種のプライマー、およびDNA増幅反応に必要な試薬
    を含んでなることを特徴とする、リステリア菌種に属す細菌または関連微生物を検出および/または同定するキットまたはパック。
  96. 以下の要素:
    a) 請求項51〜55のいずれか一項に記載の少なくとも1種のプライマー、
    b) 所望により、DNA増幅反応を行うのに必要な試薬、
    c) 所望により、増幅断片の配列を確認する成分、より詳しくは請求項51〜55のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチドプローブ
    を含んでなることを特徴とする、リステリア菌種に属す細菌または関連微生物を検出および/または同定するキットまたはパック。
  97. プライマーおよび/またはプローブが、リステリア菌種に特異的な請求項2〜4、8〜26、51〜55および77のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列から選択され、ポリペプチドが、リステリア菌種に特異的な請求項5〜7、27〜44および74または76のいずれか一項に記載のポリペプチドから選択され、また、抗体が、リステリア菌種に特異的な請求項5〜7、26〜44、74または76のいずれか一項に記載のポリペプチドから選択されるポリペプチドに対する、請求項79および80のいずれかに記載の抗体から選択される、リステリア菌種に属す細菌を検出および/または同定する、請求項81、82および89〜93に記載の方法、または請求項83、87、88および94〜96に記載のキットもしくはパック。
  98. プライマーおよび/またはプローブが分泌タンパク質をコードするヌクレオチド配列から選択され、ポリペプチドが分泌ポリペプチドから選択され、また、抗体が、リステリア菌の分泌または表面ポリペプチドに対する、請求項79および80のいずれかに記載の抗体から選択される(該ポリペプチドは好ましくは配列番号2〜配列番号41である)、請求項97に記載の方法、またはキットもしくはパック。
  99. 請求項2〜4または8〜26のいずれか一項に記載の少なくとも1種のヌクレオチド配列における少なくとも1つの突然変異を含むことを特徴する、リステリア菌株。
  100. 請求項13に記載のヌクレオチド配列に突然変異を含む、請求項99に記載のリステリア菌株。
  101. 請求項14に記載のヌクレオチド配列に突然変異を含む、請求項99に記載のリステリア菌株。
  102. 請求項9、19または20に記載のヌクレオチド配列に突然変異を含む、請求項99に記載のリステリア菌株。
  103. 請求項12に記載され、特に分泌機構に関与するタンパク質をコードするヌクレオチド配列に突然変異を含む、請求項99に記載のリステリア菌株。
  104. ストレス耐性および/またはストレス適応に関与するタンパク質をコードするヌクレオチド配列に突然変異を含む、請求項99に記載のリステリア菌株
  105. ビタミンB12生合成に関与するタンパク質をコードするヌクレオチド配列に突然変異を含む、請求項99に記載のリステリア菌株。
  106. 突然変異が遺伝子の不活性化をもたらす、請求項99〜105のいずれか一項に記載のリステリア菌株。
  107. 突然変異が遺伝子の過剰発現をもたらす、請求項99〜105のいずれか一項に記載のリステリア菌株。
  108. 対象となる化合物の生合成または生分解のための、請求項5〜7、27〜44、74および76のいずれか一項に記載のポリペプチド、請求項69〜71のいずれか一項に記載の形質転換細胞、請求項99〜107のいずれか一項に記載の株、および/または請求項72に記載の動物の使用。
  109. 請求項5〜7、26〜44、74および76のいずれか一項に記載のポリペプチド、請求項69〜71のいずれか一項に記載の形質転換細胞、請求項99〜107のいずれか一項に記載の株、および/または請求項72に記載の動物を用いることを特徴とする、対象となる化合物の生合成または生分解法。
  110. 対象となる化合物がビタミンB12である、請求項108に記載の使用、または請求項109に記載の方法。
  111. 遺伝子発現を調整、調節、誘導もしくは阻害、および/または真核細胞もしくは原核細胞における細胞複製を改変し得る、あるいは動物またはヒトにおいてリステリア菌または関連微生物の感染に関連した病状を誘導、阻害または悪化し得る有機または無機化合物を選択するための、請求項2〜4および8〜26のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列、請求項5〜7、27〜44、74および76のいずれか一項に記載のポリペプチド、請求項79および80のいずれかに記載の抗体、請求項69〜71のいずれか一項に記載の細胞、および/または請求項72に記載の形質転換動物の使用。
  112. 請求項5〜7、27〜44、74および76のいずれか一項に記載のポリペプチドと結合し得るか、請求項2〜4および8〜26のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列と結合し得るか、または、請求項79および80のいずれかに記載の抗体を認識し得る、かつ/または遺伝子発現を調整、調節、誘導もしくは阻害し得る、かつ/または真核細胞もしくは原核細胞における細胞複製を改変し得る、あるいは動物またはヒトにおいてリステリア菌の感染に関連した病状を誘導、阻害または悪化し得る化合物を選択する方法であって、
    a) 該化合物を該ポリペプチドまたは該ヌクレオチド配列と、または請求項69〜71のいずれか一項に記載の形質転換細胞と接触させ、かつ/または該化合物を請求項72に記載の形質転換動物に投与し、
    b) 該化合物が該ポリペプチドまたは該ヌクレオチド配列と結合する能力、または遺伝子発現を調整、調節、誘導もしくは阻害する能力、または細胞増殖もしくは複製を調整する能力、または該動物もしくはヒトにおいてリステリア菌もしくは関連微生物の感染に関連した病状を誘導、阻害または悪化する能力を測定する
    工程を含んでなる、方法。
  113. 請求項112に記載の方法を用いて選択できる化合物。
  114. 下記a)〜e)から選択される化合物を含んでなる、医薬組成物:
    a) 請求項2〜4および8〜26のいずれか一項に記載のヌクレオチド配列、
    b) 請求項5〜7、27〜44、74および76のいずれか一項に記載のポリペプチド、
    c) 請求項62〜68および78のいずれか一項に記載のベクター、
    d) 請求項79または80のいずれかに記載の抗体、
    e) 請求項113に記載の化合物。
  115. 所望により医薬上許容されるビヒクルと組み合わせてもよい、請求項114に記載の組成物。
  116. リステリア菌種に属す細菌または関連微生物の感染を予防または治療するための、請求項114および115のいずれかに記載の医薬組成物。
  117. 請求項5〜7、27〜44および74のいずれか一項に記載の1以上のポリペプチド、および/または請求項76に記載の1以上の雑種ポリペプチドを含んでなることを特徴とする、ワクチン組成物。
  118. ワクチン組成物を製造するための、請求項62〜68のいずれか一項に記載の細胞の使用。
  119. 請求項62〜68および78のいずれか一項に記載のベクター、および/または請求項69〜71のいずれか一項に記載の細胞を含む、ワクチン組成物。
  120. リステリア菌種に属す細菌または関連微生物の感染を予防または治療するための、細胞性応答または体液性応答を誘導し得るワクチン組成物であって、請求項117および119のいずれかに記載の免疫組成物を、医薬上許容されるビヒクルおよび所望により1以上の好適な免疫アジュバントと組み合わせて含んでなる、組成物。
  121. DNAライブラリーが細菌人工染色体(BAC)にクローニングされることを特徴とする、リステリア属の細菌のゲノムDNAライブラリー。
  122. 細菌がリステリア菌である、請求項121に記載のゲノムDNAライブラリー。
  123. 細菌がリステリア菌EGD−e株である、請求項121に記載のゲノムDNAライブラリー。
  124. 2000年4月11日にCNCMにI−2439として寄託されたLM−細菌ライブラリーである、請求項122に記載のライブラリー。
  125. 請求項121および124のいずれかに記載の少なくとも1つのライブラリーを用いることを特徴とする、あるリステリア株に存在していて別の株には存在しない、対象とするポリヌクレオチドを単離する方法。
  126. a) リステリア起源の、BACに基づくDNAライブラリー由来のクローンに含まれる少なくとも1種のポリペプチドを単離し、
    b) リステリアの少なくとも1種のゲノムポリヌクレオチドまたはcDNA(該リステリアは、工程a)のBAC DNAライブラリーを構築するのに用いた株とは異なる株に属す)か、または、
    工程a)のBACに基づくDNAライブラリーを構築するのに用いたリステリアとは異なるリステリアのゲノムから作製したBACに基づくDNAライブラリー由来のクローンに含まれる少なくとも1種のポリヌクレオチド
    を単離し、
    c) 工程a)のポリヌクレオチドと工程b)のポリヌクレオチドをハイブリダイズさせ、
    d) 工程b)のポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーション複合体を形成しなかった、工程a)のポリヌクレオチドを選択し、
    e) 選択したポリヌクレオチドを同定する
    工程を含んでなる、請求項125に記載の方法。
  127. リステリア属の細菌のゲノムライブラリー。
  128. 細菌がリステリア菌である、請求項127に記載のゲノムライブラリー。
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