JP2004507062A - 絶縁および密封組成物 - Google Patents
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Abstract
対合する部品の間の表面を密封し、かつ絶縁する組成物および方法を開示している。開示している方法は、燃料電池プレートを絶縁し、かつ密封するのに使用することができ、燃料電池プレートの少なくとも1つの表面に塗膜前駆体を塗布すること、ならびに放射線への露光により塗膜前駆体を硬化させることを含む。開示している塗膜前駆体は、アクリレーテッドオリゴマーおよび光開始剤を含有する塗膜前駆体を含み、それらの塗膜前駆体は、紫外または電子ビーム放射線に応答して重合することができる。開示している塗膜前駆体は、例えばスクリーン印刷により、迅速に、かつ正確に燃料電池プレートに塗布することができるので、開示している方法および塗膜前駆体は、燃料電池プレートを絶縁し、かつ密封する従来の方法および設計に優る確実な利点を提供する。
Description
【0001】
(発明の背景)
発明の分野
本発明は、表面を絶縁し、かつ密封するための反応性塗膜組成物に関する。
【0002】
考察
ある製造された物品に対して、対合した部品表面間を密封し、かつ絶縁するため、層状の塗膜が塗布されている。近年では、そのような使用目的で急速硬化する塗膜媒質の必要性は、ますます競争が激化する製造スケジュールに対応するために比較的短い硬化時間を実現する紫外線硬化可能な塗膜の使用によって幾分充足されている。このような塗膜は、熱交換器、電気変圧器部品、エンジンガスケットなどの、対合した表面間を絶縁し、かつ密封する媒質を提供するために使用されている。他の領域では、進歩は遅々としている。1つのこのような領域が、燃料電池製造である。
【0003】
燃料電池は、燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーおよび熱に変換する装置である。その最も単純な形態において、燃料電池は、電解質で隔てられた2つの電極−陽極および陰極−を備えている。動作中には、ガス分配系が陽極および陰極に、それぞれ燃料および酸化剤を供給する。典型的には、燃料電池は酸化剤として空気中の酸素を、また燃料として水素ガス(炭化水素の改質により生成するH2を含む)を使用する。他の実施可能な燃料には、改質ガソリン、メタノール、エタノール、および圧縮天然ガスなどが含まれる。燃料は陽極で酸化され、陽子および電子を生成する。陽子は、電解質を通って陰極まで拡散し、陰極で酸素および電子と結合して水および熱を生成する。電解質が電子流に対する障壁として作用するので、電子は陽極から陰極まで、燃料電池により発生した電力を消費するモータまたは他の電気的負荷を含む外部回路を経由して移動する。
【0004】
現在、少なくとも5つの異なった燃料電池技術が存在し、それぞれ異なった電解質に基づいている。1つの種類の燃料電池は、高分子電解質膜(PEM)燃料電池として知られており、その比較的低い動作温度(約60℃から約100℃)とその迅速な立ち上りのため、移動体発電(輸送機関用)向けに適切と思われる。PEM燃料電池は、典型的にはポリペルフルオロスルホン酸である、固体有機ポリマーからなる電解質を使用する。他の燃料電池技術では、固体酸化ジルコニウムおよびイットリウム(固体酸化物燃料電池)、または液体電解質で飽和された固体マトリックス、から構成される電解質を含む。液体電解質には、水性水酸化カリウム(アルカリ燃料電池)、リン酸(リン酸燃料電池)、ならびに、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、および/または炭酸カリウムの混合物(溶融炭酸塩燃料電池)が含まれる。リン酸燃料電池(PAFC)は、PEM燃料電池よりも高い温度で動作するが(約175℃から約200℃)、PAFCもまた、そのより高い効率、および燃料として低純度水素ガスを使用するその性能のため、車両向けに用途を見出している。
【0005】
典型的なPEM燃料電池のコアは、3層の膜電解質アセンブリ(MEA)である。MEAは、ポリマー電解質のシートから構成され、そのシートは厚さ約50μから約175μであり、比較的薄い多孔質の電極(陽極および陰極)の間にはさまれている。それぞれの電極は通常、白金粒子に結合した多孔質の炭素からなり、白金粒子が、陽極における水素分子の陽子および電子への解離、ならびに陰極における酸素の水への還元に、触媒作用を及ぼす。両電極は多孔質であり、したがってガス(燃料および酸化剤)は触媒と接触できる。さらに、白金および炭素は、電子をよく伝導し、それにより電極全体にわたって電子は自由に移動する。
【0006】
個々の燃料電池には一般に、裏当て層が含まれ、それらの裏当て層はMEAの陽極層および陰極層の外側表面に対置してある。裏当て層により、電子は自由に電極層に入り、また電極層から出ることができ、したがって裏当て層はしばしば導電性の、通常は厚さ約100μから約300μの、カーボン紙またはカーボン布製である。裏当て層は多孔質なので、燃料ガスおよび酸化剤を、陽極層および陰極層中に、それぞれ均等に拡散させることができる。裏当て層はまた、燃料および酸化剤とともにMEAに入る水蒸気量を調節することにより、また陰極で生成する液体水を燃料電池の外に導くことにより、水処理を助けている。
【0007】
完成した燃料電池には、裏当て層の外側表面に押し付けてある1対のプレートが含まれる。機械的支持を提供するほかに、プレートは燃料電池内の流体の流動経路を画定し、また化学反応物の酸化および還元により発生する電流を集める。プレートはガス不透過性であり、裏当て層に面する一方の表面または両表面上に形成される導路(チャネル)または溝を有する。このチャネルにより、燃料電池に入り、また燃料電池から出る、燃料、酸化剤、水、およびなんらかの冷却剤または伝熱流体を含む、流体(ガスおよび液体)が分配される。下記において考察するように、それぞれのプレートはまた、プレートを通って伸びる1つまたは複数のすき間を有することもでき、それらのすき間によって、燃料、酸化剤、水、冷却剤、およびなんらかの他の流体は、一連の燃料電池全体にわたり分配される。それぞれのプレートは、グラファイト、アルミニウム、または他の金属、および、熱硬化性もしくは熱可塑性ポリマーマトリックス中に埋め込んだグラファイト粒子などの複合材料を含む、電子を伝導する材料製である。
【0008】
大抵の用途について、個々の燃料電池は直列に接続され、または「積み重ねられ」て、燃料電池アセンブリを形成する。単一の燃料電池は典型的には、約1ボルト以下の電気的ポテンシャルを発生することができる。大抵の用途では遥かに高い電圧を必要とする(例えば、従来の電気モータは通常、約200Vから約300Vの範囲にある電圧で動作する)ので、個々の燃料電池を、直列に積み重ねて所要の電圧を達成する。燃料電池アセンブリの体積および質量を低減させるため、積み重ねたものの中で、単一のプレートにより、隣り合う燃料電池を分離している。このようなプレートは、バイポーラプレートとして知られるが、両方の主表面上に形成された流体流動チャネルを有し、プレートの一方の側で燃料を通すことができ、また他方の側で酸化剤を通すことができる。
【0009】
特定の燃料電池内を流れる流体と、隣り合う燃料電池間を流れる流体とを分離しておかなければならないので、従来の燃料電池アセンブリでは、隣り合う燃料電池プレート間に配置した弾性oリング、または平面インサートを用いて、流動チャネル、およびすき間を密封している。さらに、従来の燃料電池アセンブリはまた、隣り合うプレート間に電気絶縁シートをも提供して、個々の燃料電池が短絡するのを防止している。このような密封体および絶縁体は、一般に満足されるものであるが、それらは、確実な欠点を有する。例えば、自立式のoリングおよび平面インサートは、チャネル、およびすき間と注意深く心合わせして、適正な密封および絶縁を確保しなければならないが、それには時間を消費する。平面インサートの非標準的な大きさおよび形状のため、燃料電池アセンブリに使用される平面インサートは典型的には、射出成形、圧縮成形、またはトランスファ成形により製作されるが、それには高価な特別の工具を要する。その上、oリングおよび平面インサートを製作するのに使用する弾性材料の多くは、より高温で動作し、または炭化水素系伝熱流体および冷却剤を用いる燃料電池を適切に密封する、所要の耐薬品性および低モジュラスを有していない。
【0010】
本発明は、1つまたは複数の上述の問題を克服する、または少なくとも緩和する助けとなるものである。
【0011】
(発明の概要)
本発明は、2つ以上の燃料電池プレートから構成される燃料電池アセンブリを密封し、かつ絶縁する方法を提供する。この方法は、第1の表面および第2の表面を有する燃料電池プレートを提供すること、ならびに燃料電池プレートの少なくとも第1の表面上に塗膜前駆体を塗布することを含む。塗膜前駆体は、放射線に応答して重合する(硬化する)ことが可能なので、この方法はまた、燃料電池プレート上の塗膜前駆体を放射線に露光させて、重合を開始させることをも含む。有用な塗膜前駆体は、紫外線に応答して重合することができる塗膜前駆体を含む。このような塗膜前駆体は、アクリレーテッドオリゴマーおよび光開始剤を含有する塗膜前駆体を含む。
【0012】
本発明はまた、第1の表面および第2の表面を有するプレートと、そのプレートの第1の表面および第2の表面の少なくとも1つに塗布した塗膜前駆体とから構成される、絶縁された燃料電池プレートをも提供する。この塗膜前駆体は一般に、アクリレーテッド脂肪族ウレタンオリゴマー、アクリレーテッドエポキシオリゴマー、塗膜前駆体の粘性を低下させるための単官能性モノマー、架橋密度を増加させるための多官能性モノマー、付着性増進剤、および光開始剤から構成されるアクリレート樹脂である。
【0013】
さらに、本発明は、紫外線または電子ビームにより硬化可能な塗膜前駆体を提供する。この塗膜前駆体は、アクリレーテッド脂肪族ウレタンオリゴマー、アクリレーテッドエポキシオリゴマー、単官能性モノマー、多官能性モノマー、付着性増進剤、および光開始剤を含む。特定の有用な塗膜前駆体は、約25重量%から約65重量%のアクリレーテッド脂肪族ウレタンオリゴマー、約5重量%から約20重量%のアクリレーテッドエポキシオリゴマー、約20重量%から約40重量%の単官能性モノマー、約1重量%から約5重量%の多官能性モノマー、約1重量%から約15重量%の付着性増進剤、および約0.1重量%から約10重量%の光開始剤を含む。
【0014】
本発明は、燃料電池プレートおよび燃料電池アセンブリを絶縁し、かつ密封する従来の方法および設計に優る確実な利点を提供する。例えば、oリングおよび成形したインサートと異なり、開示している塗膜前駆体は、迅速に、かつ正確に燃料電池プレートに塗布することができ(例えば、スクリーン印刷により)、その結果コストの節約が得られる。その上、多くの従来の弾性材料とは異なり、開示した塗膜前駆体の多くは、硬化すると直ぐに、良好な耐薬品性を優れた機械的性質と結びつけている。
【0015】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明は、製造された部品の対合した表面を絶縁し、かつ密封するための組成物に関する。内燃機関に使用する、燃料電池アセンブリおよび自動車ガスケットを含む、多くの異なった製品において、電気的絶縁体および熱的絶縁体としてこの塗膜を使用することができる。PEM燃料電池アセンブリに関連して記述されてはいるが、この開示された塗膜前駆体は、アルカリ燃料電池およびリン酸燃料電池を含むが、それらに限定されない、他の種類の燃料電池を密封し、かつ絶縁するのに使用することができる。
【0016】
図1は、代表的な燃料電池アセンブリ100の、分解横断面図(一定の縮尺ではない)を示す。燃料電池アセンブリ100は、所望の電圧によって燃料電池102の数は異なるが、6つの別個の燃料電池102を積み重ねたものを含む。それぞれの燃料電池102は、1組のバイポーラプレート106に、または単一のバイポーラプレート106とエンドプレート108とにはさまれた多層活性部分104を含む。それぞれの活性部分104は、1対の裏当て層112の間に配置された膜電解質アセンブリ(MEA)110を含む。MEA110は、陽極116と陰極118との間にはさまれた高分子電解質膜(PEM)114を含む。
【0017】
図2は、バイポーラプレート106のうちの1つについての平面図を示し、図1とともに、燃料電池アセンブリ100内における流体流動経路を例示する。図1に示す、それぞれのプレート106、108は、プレート106、108の第1の主表面122と、第2の主表面124との間に広がるすき間120を有する。プレート106、108を積み重ねて、燃料電池アセンブリ100を生産する場合、隣り合うプレート106、108のすき間120が整列し、燃料電池アセンブリ100全体に広がる空洞(図示されない)を形成する。いくつかの空洞により、個々の燃料電池102に流体(燃料、酸化剤)が送られ、または個々の燃料電池102の間の冷却区域126に流体(冷却剤、伝熱流体)が送られる。他の空洞は、流体(反応生成物、冷却剤、伝熱流体)の収集領域としての役割を果たす。動作中、燃料、酸化剤、冷却剤、および反応生成物は、エンドプレート108上にある流体接続部128を通って空洞に入り、また空洞から出る。上記のように、プレート106、108はまた、第1の表面122、および第2の表面124のいずれか一方または両方上に形成される溝またはチャネル130をも有し、それらにより反応物または伝熱流体が、それぞれの燃料電池102の、活性部分104および冷却区域126にわたって、均一に分配される。
【0018】
図1および図2において見ることができるように、プレート106、108は、プレート106、108の主表面122,124のいずれか一方または両方の上に塗布されている弾性塗膜132を含む。上記のように、塗膜132によって、燃料電池アセンブリ100の動作中における異種の流体流れの混合が防止され、また隣り合うプレート106、108間の電気伝導が防止される。さらに、塗膜132は、種々の種類の燃料電池において使用される伝熱流体および電解質に対して耐薬品性があり、燃料電池の化学作用を実質的に妨害せず、動作温度において熱的に安定であり、かつプレート106、108への良好な付着性を示す。塗膜132の厚さおよび機械的性質は、それぞれの燃料電池102の、プレート106、108および活性部分104の寸法および性状によって決まるであろう。しかし、典型的には、塗膜132は、厚さ約50μから250μであり、約500psiを超える引張り強さ、約100パーセントを超える伸び、および約45と約85の間にあるショアA硬さを有する。
【0019】
流体の状態でプレート106、108に塗布し、次いでその場所で固体化させる塗膜132は、その後重合し、かつ/または架橋する、1つまたは複数の反応性塗膜前駆体のブレンドを含む。ここで、「反応性」とは、塗膜132の成分が、互いに反応して、またはそれ自体反応して硬化(固体化)することを意味する。このような材料は、熱硬化性樹脂ともいう。使用する反応性成分の種類によって、塗膜132は、酸化性硬化、水分硬化、熱的硬化、高エネルギー放射線硬化(例えば、紫外線硬化、電子ビーム硬化)、縮合および付加重合などの、任意の数の機構を用い、架橋させ、かつ/または重合させることができる。
【0020】
有用な反応性前駆体には、アクリレーテッドウレタン、ビニルアクリレート、アクリレーテッドエポキシ、アクリレーテッドポリエステル、アクリレーテッドアクリル樹脂、アクリレーテッドポリエーテル、アクリレーテッドオレフィン、アクリレーテッドオイル、およびアクリレーテッドシリコーンなどのアクリレート樹脂が含まれるが、これらに限定されない。これらの反応性前駆体は、上述の機構を用いて、典型的には45分未満で硬化させることができる。約30秒間未満、好ましくは約5秒間未満、の使用を要する、放射線の急速な作用形態が、特に有用である。有用な放射線の形態には、紫外(UV)線、赤外線、マイクロ波放射線、および電子ビーム放射線が含まれる。特定の硬化機構によって、塗膜132前駆体は、硬化を開始し、かつ/または促進する触媒、開始剤、または硬化剤を含むことができる。本開示において、「樹脂」または「樹脂系」とは、モノマー、オリゴマー、ポリマー、またはそれらを組み合わせたものを含む多分散系をいうことに注目されたい。
【0021】
塗膜前駆体を高エネルギー放射線に露光させることは、塗膜前駆体の反応性成分を重合させる特定の有用な方法を示し、燃料電池塗膜132のために、熱的硬化した反応性塗膜前駆体に優るさらなる利点を提供する。例えば、放射線硬化させた塗膜前駆体は、熱硬化反応性塗膜前駆体よりもはるかに低温(例えば周囲温度)で架橋させることができる。これは、熱硬化塗膜に関連する温度で反る恐れがあるグラファイト複合燃料電池プレートを使用する場合に、利点となる。放射線硬化は、少なくとも2つの機構により進行させることができる。第1の機構において、放射線は、不飽和材料の重合を開始する高度に反応性の化学種(フリーラジカル)の、急速な、かつ制御された生成をもたらす。第2の機構において、放射線(UV/電子ビーム)は、ある種のカチオン光開始剤を活性化し、カチオン光開始剤が分解して酸触媒を生成し、酸触媒が架橋反応を伝播させる。
【0022】
アクリレート樹脂
高エネルギー放射線(紫外線、電子ビームなど)を用い硬化させることができる反応性前駆体の例は、アクリレート樹脂を含むが、アクリレート樹脂に限定されない。これらの反応性前駆体には、アクリレートおよびメタクリレートが含まれ、モノマーまたは、種々の分子量(例えば、重量平均分子量100〜2000)のオリゴマー(すなわち、典型的には2〜100モノマー単位、またしばしば2〜20モノマー単位、を含有する、中程度に低い分子量のポリマー)とすることができる。有用な反応性塗膜前駆体には、アクリレーテッドウレタン、アクリレーテッドエポキシ、アクリレーテッドオレフィン、およびそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。アクリレート樹脂は典型的には、塗膜前駆体の約30重量%から約80重量%を構成し、また好ましくは塗膜前駆体の約45重量%から約60重量%を構成する。
【0023】
アクリレーテッドウレタンは、ヒドロキシ末端NCO伸張ポリエステルまたはポリエーテルのジアクリレートエステルである。アクリレーテッド脂肪族ウレタンが、伝熱流体および電解質による侵食をより受け難いので、かつ、より良好な機械的性質(引張り、伸び、硬さ)をもたらすと思われるので、一般に燃料電池の用途において有用であるが、アクリレーテッドウレタンは脂肪族または芳香族とすることができる。アクリレーテッドウレタンは、硬化塗膜の「主鎖」を提供し、したがって、高過ぎる濃度により、不十分な耐熱および耐薬品性を示す受け入れ難い軟質の塗膜を生じる恐れがあるが、通常は最高濃度で存在する。アクリレーテッドウレタンは、典型的には、塗膜前駆体の約25重量%から約65重量%を構成し、また好ましくは塗膜前駆体の約40重量%から約47重量%を構成する。有用なアクリレーテッドウレタンの例には、Henkel Corp.から商標名PHOTOMER(例えばPHOTOMER 6010)のもとに、またUCB Radcure Inc.から商標名EBECRYL(例えばEBECRYL 220、284、4827、4830、6602、8400および8402)、RXO(例えばRXO 1336)、およびRSX(例えばRSX 3604、89359、92576)のもとに市販されているものが含まれる。他の有用なアクリレーテッドウレタンは、Sartomer Co.から商標名SARTOMER(例えばSARTOMER 9635、9645、9655、963−B80および966−A80)のもとに、またMorton Internationalから商標名UVITHANE(例えばUVITHANE 782)のもとに市販されている。
【0024】
アクリレーテッドエポキシは、ビスフェノールAエポキシ樹脂のジアクリレートエステルなどの、エポキシ樹脂のジアクリレートエステルであり、ペンダント型のニトリル部分を有するエポキシ樹脂を含む。アクリレーテッドエポキシ樹脂は一般に、燃料電池塗膜132の熱的安定性および耐薬品性を改良し、またその引張り強さを増加させる。しかし、過剰量のアクリレーテッドエポキシを含むことにより、プレート106、108への塗膜の付着性を劣化させる恐れがあり、またその密封性能に悪影響を及ぼす恐れもある。アクリレーテッドエポキシは、典型的には、塗膜前駆体の約5重量%から約20重量%を構成し、また好ましくは塗膜前駆体の約8重量%から約13重量%を構成する。有用なアクリレーテッドエポキシの例には、UCB Radcure Inc.からEBECRYLおよびRXOの商標名(例えばEBECRYL 600、629、860、および3708、RXO 2034)のもとに、またHenkel Corp.からPHOTOMERの商標名(例えばPHOTOMER 3016、3038および3071)のもとに市販されているものが含まれる。
【0025】
アクリレーテッドアクリル樹脂は、その後の反応のためにフリーラジカルを形成することが可能な、反応性のペンダント型または末端アクリル酸基を有するアクリルオリゴマーまたはポリマーであり、ペンダント型ニトリル部分を有するアクリル樹脂が含まれる。アクリレーテッドエポキシと同様に、アクリレーテッドアクリル樹脂(特にペンダント型ニトリル基を有するもの)は、一般に、燃料電池塗膜132の熱的安定性を改良し、またその引張り強さを増加させる。アクリレーテッドアクリル樹脂は、典型的には、塗膜前駆体の約0重量%から約25重量%を構成することができ、また好ましくは塗膜前駆体の約0重量%から約13重量%を構成する。有用なアクリレーテッドアクリル樹脂の例には、UCB RadcureからEBECRYLの商標名(例えばEBECRYL 745、754、767、1701、および1755)のもとに、Sartomer Co.から商標表示NTX4887(フルオロ変性アクリルオリゴマー)のもとに、またB.F.Goodrichから商標名HYCAR(例えばHYCAR 130X43)のもとに市販されているものが含まれる。
【0026】
同様に、アクリレーテッドオレフィンは、架橋または鎖伸張のためにフリーラジカルを形成することが可能な、反応性のペンダント型または末端アクリル酸基を有する不飽和オリゴマーまたはポリマー材料である。アクリレーテッドエポキシおよびアクリレーテッドアクリル樹脂と同様に、アクリレーテッドオレフィンは、一般に、燃料電池塗膜132の熱的安定性を改良し、またその引張り強さを増加させる。アクリレーテッドオレフィンは、典型的には、塗膜前駆体の約0重量%から約20重量%を構成することができ、また好ましくは塗膜前駆体の約0重量%から約13重量%を構成する。有用なアクリレーテッドオレフィンの例にはポリブタジエンアクリルオリゴマーが含まれ、それらは、Sartomer Co.から商標名SARTOMER CN302のもとに、またRicon.Resinsから商標名FX9005のもとに市販されている。
【0027】
反応性前駆体は普通、粘性を制御するため、架橋密度を増加させるため、かつ付着性を増進するため反応性希釈剤を含む。反応性希釈剤は、少なくとも1つの単官能性または多官能性モノマーを含む。ここで、「単官能性」とは、1つの炭素−炭素二重結合を含む化合物をいい、多官能性とは2つ以上の炭素−炭素二重結合、または、架橋することができる他の化学的に反応性の基を含む化合物をいう。反応性希釈剤は、モノマーがエチレン結合として不飽和である限り、n−ビニルピロリドン、リモネン、およびリモネンオキシドなどの非アクリレートも使用することができるが、一般にアクリレートモノマーである。単官能性モノマーは、塗膜の性状を実質的に劣化させることなく、塗膜前駆体の粘性を低下させる。適正な比率で使用すると、単官能性モノマーは同様に、いくつかの場合に、バルクとしての機械的性質(付着性、引張り強さ、伸び)を改良することができる。単官能性モノマーは、典型的には、塗膜前駆体の約20重量%から約40重量%を構成し、また好ましくは塗膜前駆体の約25重量%から約35重量%を構成する。有用な単官能性モノマーの例には、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸イソオクチル、オキシエチレーテッドフェノールアクリレート、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−フェノキシエチル、アクリル酸2−(エトキシエトキシ)エチル、エチレングリコールメタクリレート、アクリル酸テトラヒドロキシフルフリル、アクリル酸カプロラクトン、およびメトキシトリプロピレングリコールモノアクリレートが含まれるが、それらに限定されない。特に有用な単官能性モノマーには、アクリル酸イソボルニルモノマーおよびアクリル酸オクチルデシルモノマーが含まれ、それらは、UCB Radcureから、それぞれ商標名IBOAおよびODAのもとに、入手可能である。
【0028】
単官能性モノマーのように、多官能性モノマーは塗膜前駆体の粘性を低下させるが、また硬化速度を速め、かつ架橋密度を増加させ、それにより耐薬品性が増加し、かつ引張り強さが増進するが、一方伸びは低下する。多官能性モノマーは架橋密度を増加させるので、単官能性モノマーよりも低濃度において有用であり、典型的には、塗膜前駆体の約1重量%から約5重量%を構成し、また好ましくは塗膜前駆体の約2重量%から約4重量%を構成する。有用な多官能性モノマーの例には、トリエチレングリコールジアクリレ−ト、メトキシエトキシレーテッドトリメチルプロパンジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシレートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、および1,6−ヘキサンジアクリレートが含まれるが、それらに限定されない。他の単官能性モノマーおよび多官能性モノマーには、酢酸ビニル、n−ビニルホルムアミド、リモネンオキシド、およびn−ビニルピロリジノンが含まれる。特に有用な多官能性モノマーには、プロポキシレーテッドグリセリントリアクリレートモノマーおよびトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレートモノマーが含まれ、それらは、UCB Radcureから、それぞれ商標名OTA−480、およびTMPEOTAのもとに、入手可能である。
【0029】
付着性増進剤には、単官能性もしくは多官能性モノマーまたはオリゴマーなどの、少なくとも1つの放射線硬化可能な材料が含まれる。1つの特に有用な付着性増進剤は、UCB Radcureから、商標名EBECRYL 168のもとに入手可能な、メタクリレーテッド多価アルコール付着性増進剤である。典型的には、付着性増進剤は、塗膜前駆体の約1重量%から約15重量%を構成し、また好ましくは塗膜前駆体の約7重量%から約11重量%を構成する。大抵のこれらの開示された反応性の単官能性および多官能性アクリレートモノマーは、UCB RadcureからEBECRYLの商標名のもとに、Henkel Corp.からPHOTOMERの商標名のもとに、またSartomer Corp.からSARTOMERの商標名のもとに、市販されている。
【0030】
通常は、反応性前駆体は、少なくとも1つの単官能性モノマー、少なくとも1つの多官能性モノマー、および少なくとも1つの多官能性オリゴマーを含む。典型的には、反応性前駆体は、高々約1000(通常は約100〜1000の間)の分子量を有する単官能性および多官能性アクリレーテッドモノマーと、少なくとも約500、しかし一般に約500〜7000の間、の重量平均分子量を有する多官能性オリゴマー質アクリレーテッドウレタンとを含む。上に示したように、単官能性モノマーの割合を増加させると、塗膜前駆体ブレンドの粘性を低下させ、プレート106、108の表面122、124上の濡れ性が改良されやすい。その上、多官能性モノマーおよびオリゴマー(例えばジアクリレートおよびトリアクリレート)の割合を増加させると、架橋を増加させやすく、その結果より強い付着、より高い引張り強さ、改良された耐薬品性、但しより低い伸び、が得られる。
【0031】
塗膜前駆体は通常、紫外線で架橋させ、または重合させる場合、1つまたは複数の光開始剤を含む。光重合開始剤(光開始剤)の例には、有機過酸化物、アゾ化合物、キノン、ベンゾフェノン、ニトロソ化合物、ハロゲン化アクリル、ヒドラゾン、メルカプト化合物、ピリリウム化合物、トリアクリルイミダゾール、ビスイミダゾール、クロロアルキルトリアジン、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、チオキサントン、およびアセトフェノン誘導体、ならびにそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。特定の例には、ベンジル、メチルo−ベンゾエート、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン第三級アミン、2,2−ジエトキシアセトフェノンなどのアセトフェノン、ベンジルメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(−4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−4(メチルチオ)、フェニル−2−モルホリノ−1−プロパノン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシドなどが含まれる。光開始剤の量は、所望の硬化速度を生じ、所要の塗膜性状を生成させるのに十分なものとすべきであり、典型的には、塗膜前駆体の約0.1重量%から約10重量%を構成し、また好ましくは塗膜前駆体の約1重量%から約8重量%を構成する。特に有用な光開始剤のブレンドは、塗膜前駆体の約1重量%から約4重量%のベンゾフェノンと、約1.5重量%から約5重量%の1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノンとを含む。ベンゾフェノンはSartomer Co.から市販され、またプロパノンは、Ciba−Geigy Corp.からDAROCUR 1173の商標名のもとに市販されている。
【0032】
塗膜前駆体は、充てん材、脱泡剤、平坦剤、湿潤剤、滑剤、安定剤、可塑剤、空気放出剤などの添加剤を含有できる。添加剤は反応性または非反応性とすることができるが、典型的には非反応性である。有用な非反応性空気放出剤の例には、Dow Corningから市販されている種々のDCシリーズなどのシリコーンオイル、およびOSI Specialtiesから市販されているSAG47などの、ポリジメチルシロキサンが含まれる。典型的には、このような添加剤(空気放出剤を含む)は、所要の塗膜特性を達成するのに必要な量で使用し、それぞれ一般に、塗膜前駆体の合計重量の最高約5重量%までを構成する。
【0033】
さらに、塗膜前駆体はまた、より高分子量の反応性樹脂(例えばアクリレーテッドオリゴマー)の溶解または膨潤を助けるため、反応性希釈剤モノマー以外の種々の溶剤をも含有できる。これらの溶剤は、反応性樹脂成分と顕著に重合し、または架橋しないので、非反応性希釈剤、または非反応性モノマーと呼ぶ。塗膜前駆体は溶剤を含有しないことが好ましいが、有用な溶剤には、ケトン溶剤、テトラヒドロフラン、キシレンなどが含まれる。塗膜はまた着色剤(すなわち顔料および染料)をも含有できる。適切な着色剤の例には、TiO2、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カーボンブラック、塩基性炭酸塩鉛白、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、スルホクロム酸鉛、バナジン酸ビスマス、モリブデン酸ビスマス、酸化鉄磁鉄鉱Fe3O4、および酸化鉄(III)Fe2O3などがある。顔料は、塗膜前駆体の約0重量%から約5重量%を構成することができる。
【0034】
上述のように、アクリレート樹脂は、典型的には紫外光などの放射線を用い硬化させる。塗膜前駆体の用途に従って、燃料電池プレートを、1つまたは複数組の紫外ランプ下でプレートを移動させるコンベア上に置き、その結果、塗膜前駆体が紫外線に、連続的にインラインで露光される。紫外ランプのそれらの組は、同一である、または異なる公称放射波長を有する。露光の長さはコンベア速度により制御し、コンベア速度は典型的には10から40フィート/秒の範囲にあり、それぞれのランプの組について、約0.5から約5秒の範囲にある露光時間が得られる。紫外(UV)ランプは典型的には、約300から約600ワット/直線インチの定格電力を有する。有用なUVランプにはD型、V型、H型、またはH+型バルブを使用するものが含まれ、それらのバルブは、Fusion UV Curing Systemsから市販され、それぞれ375nm、425nm、250nm、および220nmの公称波長を有する。他の有用なUVランプには、Fusion社H型バルブと同様な水銀スペクトルを有するアーク型UVランプが含まれる。
【0035】
1つの有用な硬化方法では、2組のアーク型UVランプ、またはH型バルブを有するUVランプ、を用いる。他の有用な硬化方法では、D型バルブ(より長波長のUV光)を有する第1の組のUVランプと、H型、またはH+型バルブ(より短波長のUV光)を有する第2の組のUVランプとを使用する。なんら特定の理論に結びついているわけではないが、D型バルブを有するUVランプへの最初の露光は塗膜層の内側部分を硬化させ、塗膜を燃料電池プレートの表面に付着させると考えられる。H型またはH+型バルブを有するUVランプへの、次の露光は、塗膜層の外側部分を硬化させる。2段階の硬化方法により、満足の行く塗膜が生成するが、不活性窒素雰囲気のもとでの硬化は、塗膜性状を強化できる。硬化装置を通過する1分間当り20立方フィートの窒素流量速度により、いくつかの例では、表面の硬化が改善されることが見出されている。
【0036】
塗膜前駆体の塗布
それぞれの考察した反応性塗膜前駆体は、当分野の通常の技術者に知られている、ロールコーティング、浸し塗り、はけ塗り、吹付け塗り、ステンシル塗り、スクリ−ン印刷などを含む塗装技術を用い塗布することができる。しかし、これらの塗装技術については、スクリーン印刷の低コスト、速さ、および正確性のため、スクリーン印刷が好ましい。塗膜前駆体は、燃料電池プレートの片側もしくは両側に、また、燃料電池アセンブリの絶縁および密封の要求事項によって、全体を覆う塗装として、または選択された連続もしくは不連続パターンで、塗布できる。上述のように、燃料電池プレート向けの塗膜厚さは、典型的には約50μから約250μである。
【0037】
(実施例)
下記の実施例は、例示的かつ非限定であるものとして意図しており、かつ本発明の特定の実施形態を表している。
【0038】
実施例A〜P:アクリレート樹脂塗膜
第1表には燃料電池プレートを絶縁し、密封するための塗膜前駆体組成物(配合A〜P)を掲げている。それぞれの組成物は、アクリレーテッド脂肪族または芳香族ウレタンオリゴマー、イソボルニルアクリレート単官能性モノマー、1対の光開始剤(1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノンおよびベンゾフェノン)、およびポリジメチルシロキサン空気放出剤を含む。さらに、全ての配合物は、多官能性モノマー(プロポキシレーテッドグリセリントリアクリレート(配合物A〜I、K〜O)、またはトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレートモノマー(配合物J、P)のいずれか)を含む。いくつかの配合物はまた、アクリレーテッドオレフィンオリゴマー(配合物B〜E、G、I、L〜O)、アクリレーテッドエポキシオリゴマー(配合物B、C、E、F、H〜O)、アクリレーテッドエポキシモノマー(配合物O)、メタクリレーテッド多価アルコール付着増進剤(配合物A〜D、F〜H、J〜O)、またはオクチルデシル単官能性モノマー(配合物O)をも含む。
【0039】
ウレタンオリゴマーおよびポリジメチルシロキサン空気放出剤を容器中に導入することにより、第1表に掲げる配合物を調製した。加熱しながら混合物を撹拌して、混合物の粘性を低下させた。次いで、メタクリレーテッド多価アルコール付着増進剤(存在する場合)を混合物に添加した。付着増進剤が完全に分散すると直ぐに、非ウレタンオリゴマー、および単官能性モノマー(アクリル酸イソボルニルおよびアクリル酸オクチルデシルモノマー)を添加した(この順に)。別の容器中で、ベンゾフェノンを、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン中に、および多官能性モノマー中に加熱しながら溶解した。次いで、得られた光開始剤および多官能性モノマーのブレンドを、他の塗膜前駆体成分と混合した。
【0040】
スクリーン印刷(110メッシュポリエステル製スクリーン、パッド高さ公称0.001インチおよび0.005インチ)により、または注型(定クリアランスのドローダウンナイフ)により種々の基材上において試験試料を調製した。試験に応じて、公称塗膜厚さを0.001インチ(付着性、マンドレル屈曲、冷却剤膨れ)、または0.005〜0.006インチ(引張り強さ、伸び、ショアA硬さ)とした。しかし、配合物HおよびPの付着性試験試料の塗膜厚さは、0.005〜0.006インチであった。それぞれFusion社D型バルブ(375nm)、およびH+型バルブ(220nm)を有する375ワット/インチUVランプに、15〜25フィート/分のライン速度で、連続的に露光させることにより、それぞれの実施例配合物を硬化させた。試験試料を使用して、引張り強さ、伸び、ショアA硬さ、付着性(引っかき、膨れ)および温度耐性(マンドレル屈曲)を含む、種々の性質を測定した。
【0041】
第1表では、燃料電池冷却剤(配合物H、P)、自動車冷却剤(A〜P)、または自動車オイル(配合物J、K)中に浸漬した試験試料についての、引っかき付着性の結果を掲げる。配合物Hの試験試料は、3つの異なった伝熱流体中に、周囲温度で70時間浸漬した。使用した伝熱流体は、Solutia Inc.から商標名THERMINOL D12のもとに市販されているイソパラフィン流体、Dynalene Heat Transfer Fluidsから商標名DYNALENE FC−1のもとに市販されているメーカ独自の流体、および3Mから商標名PF−5080のもとに市販されているフッ素化炭化水素流体であった。配合物A〜Pの試験試料は、GM LONG LIFE COOLANTおよび水の50:50容積/容積混合物中に100℃で72時間浸漬した。試験試料JおよびKは、アメリカ材料試験協会(ASTM)IRM903オイル中に150℃で72時間浸漬した。浸漬に続いて、RPM516引っかき試験方法を用いて付着性を測定した。試験方法に従って、塗工した基材を並進可能なステージ上に固定して、塗工した基材表面上に「針」を下げて行った。試験の間、針の一端に500グラムのおもり荷重を掛け、それにより針の他端が塗膜に貫入した。針は円形運動を行い、一方試験片は約2.5mm/サイクルで並進して、塗膜内に一連の直径10mmの、一部重なる円形の引っかき条痕を生成した。塗膜の外観を、1(付着性が悪い)から10(最良の付着性)の尺度で等級付けした。第1表におけるそれぞれの記入値は、1流体当り3点の試験試料の平均を表している。表示「乾燥」は、引っかき試験の前に冷却剤またはオイルに浸漬しなかった試験試料を指している。
【0042】
第1表はまた、それぞれの塗膜配合物について、引張り強さ、伸び、およびショアA硬さをも掲げている。引張り強さおよび伸びを測定するため、定クリアランスたれ下がりナイフを用いポリエステルフィルム上に注型した試料から、1インチ×4インチ試験片を型で切断した。フィルム上の多重点(試験片の中央付近の最小6箇所)において試料の厚さを測定し、またインストロン試験機上で、1分間当り0.2インチのクロスヘッド速度で周囲温度において試料を引っ張った。それぞれの配合物について、第1表は、5点の試料に基づく平均の引張り強さ、および破断伸びを報告している。ショアA硬さを測定するため、ポリエステルフィルム上に注型した試料から0.5インチ×1.5インチ試験片を切断した。単一の配合物からの試験片を積み重ねて、全体としての試料厚さ0.125インチが得られた。テーブルに取り付けたショアA硬さ試験機を用いて、「積み重ねた」試験試料の硬さを測定した。それぞれの配合物について、5点の硬さ測定値を求めた。
【0043】
第1表はまた、温度耐性データ(「温度マンドレル」を指している)および粘性データをも掲げている。ASTM D573の修正版を用いて、温度耐性を測定した。それぞれの試験用試験片(厚さ0.008インチのステンレス鋼切取り片上のスクリーン印刷塗膜)を、185℃で22時間熱老化させ、直径6インチのマンドレル周囲に屈曲させ、次いで塗膜中の割れについて、または切取り片と塗膜の間の結合減少について、目視検査した。塗膜の外観を、1(多くの割れ、結合の減少)から10(割れが僅少または全くない、結合の減少が僅少または全くない)の尺度で等級付けした。第1表中のデータは、試験用試験片3点の平均を表している。粘性記入値は、塗膜前駆体の流動特性の主観的評価に基づく。等級付け1は、塗膜前駆体をスクリーン印刷するのが困難であろうことを示し、また等級付け10は、塗膜前駆体をスクリーン印刷するのが容易であろうことを示している。
【表1】
【表2】
【表3】
【0044】
上記の記述が例示的であることを意図し、限定的であることを意図するものではないことを理解されたい。上記の記述を読むことにより、多くの実施形態は、当分野の技術者には明白であろう。したがって、本発明の範囲は、上記の記述を参照することなく、その代わり添付する特許請求範囲を、このような特許請求範囲が権利を与えられる同等のものの全範囲とともに、参照して、決定されるべきである。特許出願および公開を含む、全ての論文および参考書類の開示は、全ての目的のため参照により本明細書に組み入れられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池アセンブリの分解横断面図のスケッチである(一定の縮尺ではない)。
【図2】図1の燃料電池アセンブリを密封し、かつ絶縁するための塗膜を有する燃料電池プレートのうち1つの平面図である。
(発明の背景)
発明の分野
本発明は、表面を絶縁し、かつ密封するための反応性塗膜組成物に関する。
【0002】
考察
ある製造された物品に対して、対合した部品表面間を密封し、かつ絶縁するため、層状の塗膜が塗布されている。近年では、そのような使用目的で急速硬化する塗膜媒質の必要性は、ますます競争が激化する製造スケジュールに対応するために比較的短い硬化時間を実現する紫外線硬化可能な塗膜の使用によって幾分充足されている。このような塗膜は、熱交換器、電気変圧器部品、エンジンガスケットなどの、対合した表面間を絶縁し、かつ密封する媒質を提供するために使用されている。他の領域では、進歩は遅々としている。1つのこのような領域が、燃料電池製造である。
【0003】
燃料電池は、燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーおよび熱に変換する装置である。その最も単純な形態において、燃料電池は、電解質で隔てられた2つの電極−陽極および陰極−を備えている。動作中には、ガス分配系が陽極および陰極に、それぞれ燃料および酸化剤を供給する。典型的には、燃料電池は酸化剤として空気中の酸素を、また燃料として水素ガス(炭化水素の改質により生成するH2を含む)を使用する。他の実施可能な燃料には、改質ガソリン、メタノール、エタノール、および圧縮天然ガスなどが含まれる。燃料は陽極で酸化され、陽子および電子を生成する。陽子は、電解質を通って陰極まで拡散し、陰極で酸素および電子と結合して水および熱を生成する。電解質が電子流に対する障壁として作用するので、電子は陽極から陰極まで、燃料電池により発生した電力を消費するモータまたは他の電気的負荷を含む外部回路を経由して移動する。
【0004】
現在、少なくとも5つの異なった燃料電池技術が存在し、それぞれ異なった電解質に基づいている。1つの種類の燃料電池は、高分子電解質膜(PEM)燃料電池として知られており、その比較的低い動作温度(約60℃から約100℃)とその迅速な立ち上りのため、移動体発電(輸送機関用)向けに適切と思われる。PEM燃料電池は、典型的にはポリペルフルオロスルホン酸である、固体有機ポリマーからなる電解質を使用する。他の燃料電池技術では、固体酸化ジルコニウムおよびイットリウム(固体酸化物燃料電池)、または液体電解質で飽和された固体マトリックス、から構成される電解質を含む。液体電解質には、水性水酸化カリウム(アルカリ燃料電池)、リン酸(リン酸燃料電池)、ならびに、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、および/または炭酸カリウムの混合物(溶融炭酸塩燃料電池)が含まれる。リン酸燃料電池(PAFC)は、PEM燃料電池よりも高い温度で動作するが(約175℃から約200℃)、PAFCもまた、そのより高い効率、および燃料として低純度水素ガスを使用するその性能のため、車両向けに用途を見出している。
【0005】
典型的なPEM燃料電池のコアは、3層の膜電解質アセンブリ(MEA)である。MEAは、ポリマー電解質のシートから構成され、そのシートは厚さ約50μから約175μであり、比較的薄い多孔質の電極(陽極および陰極)の間にはさまれている。それぞれの電極は通常、白金粒子に結合した多孔質の炭素からなり、白金粒子が、陽極における水素分子の陽子および電子への解離、ならびに陰極における酸素の水への還元に、触媒作用を及ぼす。両電極は多孔質であり、したがってガス(燃料および酸化剤)は触媒と接触できる。さらに、白金および炭素は、電子をよく伝導し、それにより電極全体にわたって電子は自由に移動する。
【0006】
個々の燃料電池には一般に、裏当て層が含まれ、それらの裏当て層はMEAの陽極層および陰極層の外側表面に対置してある。裏当て層により、電子は自由に電極層に入り、また電極層から出ることができ、したがって裏当て層はしばしば導電性の、通常は厚さ約100μから約300μの、カーボン紙またはカーボン布製である。裏当て層は多孔質なので、燃料ガスおよび酸化剤を、陽極層および陰極層中に、それぞれ均等に拡散させることができる。裏当て層はまた、燃料および酸化剤とともにMEAに入る水蒸気量を調節することにより、また陰極で生成する液体水を燃料電池の外に導くことにより、水処理を助けている。
【0007】
完成した燃料電池には、裏当て層の外側表面に押し付けてある1対のプレートが含まれる。機械的支持を提供するほかに、プレートは燃料電池内の流体の流動経路を画定し、また化学反応物の酸化および還元により発生する電流を集める。プレートはガス不透過性であり、裏当て層に面する一方の表面または両表面上に形成される導路(チャネル)または溝を有する。このチャネルにより、燃料電池に入り、また燃料電池から出る、燃料、酸化剤、水、およびなんらかの冷却剤または伝熱流体を含む、流体(ガスおよび液体)が分配される。下記において考察するように、それぞれのプレートはまた、プレートを通って伸びる1つまたは複数のすき間を有することもでき、それらのすき間によって、燃料、酸化剤、水、冷却剤、およびなんらかの他の流体は、一連の燃料電池全体にわたり分配される。それぞれのプレートは、グラファイト、アルミニウム、または他の金属、および、熱硬化性もしくは熱可塑性ポリマーマトリックス中に埋め込んだグラファイト粒子などの複合材料を含む、電子を伝導する材料製である。
【0008】
大抵の用途について、個々の燃料電池は直列に接続され、または「積み重ねられ」て、燃料電池アセンブリを形成する。単一の燃料電池は典型的には、約1ボルト以下の電気的ポテンシャルを発生することができる。大抵の用途では遥かに高い電圧を必要とする(例えば、従来の電気モータは通常、約200Vから約300Vの範囲にある電圧で動作する)ので、個々の燃料電池を、直列に積み重ねて所要の電圧を達成する。燃料電池アセンブリの体積および質量を低減させるため、積み重ねたものの中で、単一のプレートにより、隣り合う燃料電池を分離している。このようなプレートは、バイポーラプレートとして知られるが、両方の主表面上に形成された流体流動チャネルを有し、プレートの一方の側で燃料を通すことができ、また他方の側で酸化剤を通すことができる。
【0009】
特定の燃料電池内を流れる流体と、隣り合う燃料電池間を流れる流体とを分離しておかなければならないので、従来の燃料電池アセンブリでは、隣り合う燃料電池プレート間に配置した弾性oリング、または平面インサートを用いて、流動チャネル、およびすき間を密封している。さらに、従来の燃料電池アセンブリはまた、隣り合うプレート間に電気絶縁シートをも提供して、個々の燃料電池が短絡するのを防止している。このような密封体および絶縁体は、一般に満足されるものであるが、それらは、確実な欠点を有する。例えば、自立式のoリングおよび平面インサートは、チャネル、およびすき間と注意深く心合わせして、適正な密封および絶縁を確保しなければならないが、それには時間を消費する。平面インサートの非標準的な大きさおよび形状のため、燃料電池アセンブリに使用される平面インサートは典型的には、射出成形、圧縮成形、またはトランスファ成形により製作されるが、それには高価な特別の工具を要する。その上、oリングおよび平面インサートを製作するのに使用する弾性材料の多くは、より高温で動作し、または炭化水素系伝熱流体および冷却剤を用いる燃料電池を適切に密封する、所要の耐薬品性および低モジュラスを有していない。
【0010】
本発明は、1つまたは複数の上述の問題を克服する、または少なくとも緩和する助けとなるものである。
【0011】
(発明の概要)
本発明は、2つ以上の燃料電池プレートから構成される燃料電池アセンブリを密封し、かつ絶縁する方法を提供する。この方法は、第1の表面および第2の表面を有する燃料電池プレートを提供すること、ならびに燃料電池プレートの少なくとも第1の表面上に塗膜前駆体を塗布することを含む。塗膜前駆体は、放射線に応答して重合する(硬化する)ことが可能なので、この方法はまた、燃料電池プレート上の塗膜前駆体を放射線に露光させて、重合を開始させることをも含む。有用な塗膜前駆体は、紫外線に応答して重合することができる塗膜前駆体を含む。このような塗膜前駆体は、アクリレーテッドオリゴマーおよび光開始剤を含有する塗膜前駆体を含む。
【0012】
本発明はまた、第1の表面および第2の表面を有するプレートと、そのプレートの第1の表面および第2の表面の少なくとも1つに塗布した塗膜前駆体とから構成される、絶縁された燃料電池プレートをも提供する。この塗膜前駆体は一般に、アクリレーテッド脂肪族ウレタンオリゴマー、アクリレーテッドエポキシオリゴマー、塗膜前駆体の粘性を低下させるための単官能性モノマー、架橋密度を増加させるための多官能性モノマー、付着性増進剤、および光開始剤から構成されるアクリレート樹脂である。
【0013】
さらに、本発明は、紫外線または電子ビームにより硬化可能な塗膜前駆体を提供する。この塗膜前駆体は、アクリレーテッド脂肪族ウレタンオリゴマー、アクリレーテッドエポキシオリゴマー、単官能性モノマー、多官能性モノマー、付着性増進剤、および光開始剤を含む。特定の有用な塗膜前駆体は、約25重量%から約65重量%のアクリレーテッド脂肪族ウレタンオリゴマー、約5重量%から約20重量%のアクリレーテッドエポキシオリゴマー、約20重量%から約40重量%の単官能性モノマー、約1重量%から約5重量%の多官能性モノマー、約1重量%から約15重量%の付着性増進剤、および約0.1重量%から約10重量%の光開始剤を含む。
【0014】
本発明は、燃料電池プレートおよび燃料電池アセンブリを絶縁し、かつ密封する従来の方法および設計に優る確実な利点を提供する。例えば、oリングおよび成形したインサートと異なり、開示している塗膜前駆体は、迅速に、かつ正確に燃料電池プレートに塗布することができ(例えば、スクリーン印刷により)、その結果コストの節約が得られる。その上、多くの従来の弾性材料とは異なり、開示した塗膜前駆体の多くは、硬化すると直ぐに、良好な耐薬品性を優れた機械的性質と結びつけている。
【0015】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明は、製造された部品の対合した表面を絶縁し、かつ密封するための組成物に関する。内燃機関に使用する、燃料電池アセンブリおよび自動車ガスケットを含む、多くの異なった製品において、電気的絶縁体および熱的絶縁体としてこの塗膜を使用することができる。PEM燃料電池アセンブリに関連して記述されてはいるが、この開示された塗膜前駆体は、アルカリ燃料電池およびリン酸燃料電池を含むが、それらに限定されない、他の種類の燃料電池を密封し、かつ絶縁するのに使用することができる。
【0016】
図1は、代表的な燃料電池アセンブリ100の、分解横断面図(一定の縮尺ではない)を示す。燃料電池アセンブリ100は、所望の電圧によって燃料電池102の数は異なるが、6つの別個の燃料電池102を積み重ねたものを含む。それぞれの燃料電池102は、1組のバイポーラプレート106に、または単一のバイポーラプレート106とエンドプレート108とにはさまれた多層活性部分104を含む。それぞれの活性部分104は、1対の裏当て層112の間に配置された膜電解質アセンブリ(MEA)110を含む。MEA110は、陽極116と陰極118との間にはさまれた高分子電解質膜(PEM)114を含む。
【0017】
図2は、バイポーラプレート106のうちの1つについての平面図を示し、図1とともに、燃料電池アセンブリ100内における流体流動経路を例示する。図1に示す、それぞれのプレート106、108は、プレート106、108の第1の主表面122と、第2の主表面124との間に広がるすき間120を有する。プレート106、108を積み重ねて、燃料電池アセンブリ100を生産する場合、隣り合うプレート106、108のすき間120が整列し、燃料電池アセンブリ100全体に広がる空洞(図示されない)を形成する。いくつかの空洞により、個々の燃料電池102に流体(燃料、酸化剤)が送られ、または個々の燃料電池102の間の冷却区域126に流体(冷却剤、伝熱流体)が送られる。他の空洞は、流体(反応生成物、冷却剤、伝熱流体)の収集領域としての役割を果たす。動作中、燃料、酸化剤、冷却剤、および反応生成物は、エンドプレート108上にある流体接続部128を通って空洞に入り、また空洞から出る。上記のように、プレート106、108はまた、第1の表面122、および第2の表面124のいずれか一方または両方上に形成される溝またはチャネル130をも有し、それらにより反応物または伝熱流体が、それぞれの燃料電池102の、活性部分104および冷却区域126にわたって、均一に分配される。
【0018】
図1および図2において見ることができるように、プレート106、108は、プレート106、108の主表面122,124のいずれか一方または両方の上に塗布されている弾性塗膜132を含む。上記のように、塗膜132によって、燃料電池アセンブリ100の動作中における異種の流体流れの混合が防止され、また隣り合うプレート106、108間の電気伝導が防止される。さらに、塗膜132は、種々の種類の燃料電池において使用される伝熱流体および電解質に対して耐薬品性があり、燃料電池の化学作用を実質的に妨害せず、動作温度において熱的に安定であり、かつプレート106、108への良好な付着性を示す。塗膜132の厚さおよび機械的性質は、それぞれの燃料電池102の、プレート106、108および活性部分104の寸法および性状によって決まるであろう。しかし、典型的には、塗膜132は、厚さ約50μから250μであり、約500psiを超える引張り強さ、約100パーセントを超える伸び、および約45と約85の間にあるショアA硬さを有する。
【0019】
流体の状態でプレート106、108に塗布し、次いでその場所で固体化させる塗膜132は、その後重合し、かつ/または架橋する、1つまたは複数の反応性塗膜前駆体のブレンドを含む。ここで、「反応性」とは、塗膜132の成分が、互いに反応して、またはそれ自体反応して硬化(固体化)することを意味する。このような材料は、熱硬化性樹脂ともいう。使用する反応性成分の種類によって、塗膜132は、酸化性硬化、水分硬化、熱的硬化、高エネルギー放射線硬化(例えば、紫外線硬化、電子ビーム硬化)、縮合および付加重合などの、任意の数の機構を用い、架橋させ、かつ/または重合させることができる。
【0020】
有用な反応性前駆体には、アクリレーテッドウレタン、ビニルアクリレート、アクリレーテッドエポキシ、アクリレーテッドポリエステル、アクリレーテッドアクリル樹脂、アクリレーテッドポリエーテル、アクリレーテッドオレフィン、アクリレーテッドオイル、およびアクリレーテッドシリコーンなどのアクリレート樹脂が含まれるが、これらに限定されない。これらの反応性前駆体は、上述の機構を用いて、典型的には45分未満で硬化させることができる。約30秒間未満、好ましくは約5秒間未満、の使用を要する、放射線の急速な作用形態が、特に有用である。有用な放射線の形態には、紫外(UV)線、赤外線、マイクロ波放射線、および電子ビーム放射線が含まれる。特定の硬化機構によって、塗膜132前駆体は、硬化を開始し、かつ/または促進する触媒、開始剤、または硬化剤を含むことができる。本開示において、「樹脂」または「樹脂系」とは、モノマー、オリゴマー、ポリマー、またはそれらを組み合わせたものを含む多分散系をいうことに注目されたい。
【0021】
塗膜前駆体を高エネルギー放射線に露光させることは、塗膜前駆体の反応性成分を重合させる特定の有用な方法を示し、燃料電池塗膜132のために、熱的硬化した反応性塗膜前駆体に優るさらなる利点を提供する。例えば、放射線硬化させた塗膜前駆体は、熱硬化反応性塗膜前駆体よりもはるかに低温(例えば周囲温度)で架橋させることができる。これは、熱硬化塗膜に関連する温度で反る恐れがあるグラファイト複合燃料電池プレートを使用する場合に、利点となる。放射線硬化は、少なくとも2つの機構により進行させることができる。第1の機構において、放射線は、不飽和材料の重合を開始する高度に反応性の化学種(フリーラジカル)の、急速な、かつ制御された生成をもたらす。第2の機構において、放射線(UV/電子ビーム)は、ある種のカチオン光開始剤を活性化し、カチオン光開始剤が分解して酸触媒を生成し、酸触媒が架橋反応を伝播させる。
【0022】
アクリレート樹脂
高エネルギー放射線(紫外線、電子ビームなど)を用い硬化させることができる反応性前駆体の例は、アクリレート樹脂を含むが、アクリレート樹脂に限定されない。これらの反応性前駆体には、アクリレートおよびメタクリレートが含まれ、モノマーまたは、種々の分子量(例えば、重量平均分子量100〜2000)のオリゴマー(すなわち、典型的には2〜100モノマー単位、またしばしば2〜20モノマー単位、を含有する、中程度に低い分子量のポリマー)とすることができる。有用な反応性塗膜前駆体には、アクリレーテッドウレタン、アクリレーテッドエポキシ、アクリレーテッドオレフィン、およびそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。アクリレート樹脂は典型的には、塗膜前駆体の約30重量%から約80重量%を構成し、また好ましくは塗膜前駆体の約45重量%から約60重量%を構成する。
【0023】
アクリレーテッドウレタンは、ヒドロキシ末端NCO伸張ポリエステルまたはポリエーテルのジアクリレートエステルである。アクリレーテッド脂肪族ウレタンが、伝熱流体および電解質による侵食をより受け難いので、かつ、より良好な機械的性質(引張り、伸び、硬さ)をもたらすと思われるので、一般に燃料電池の用途において有用であるが、アクリレーテッドウレタンは脂肪族または芳香族とすることができる。アクリレーテッドウレタンは、硬化塗膜の「主鎖」を提供し、したがって、高過ぎる濃度により、不十分な耐熱および耐薬品性を示す受け入れ難い軟質の塗膜を生じる恐れがあるが、通常は最高濃度で存在する。アクリレーテッドウレタンは、典型的には、塗膜前駆体の約25重量%から約65重量%を構成し、また好ましくは塗膜前駆体の約40重量%から約47重量%を構成する。有用なアクリレーテッドウレタンの例には、Henkel Corp.から商標名PHOTOMER(例えばPHOTOMER 6010)のもとに、またUCB Radcure Inc.から商標名EBECRYL(例えばEBECRYL 220、284、4827、4830、6602、8400および8402)、RXO(例えばRXO 1336)、およびRSX(例えばRSX 3604、89359、92576)のもとに市販されているものが含まれる。他の有用なアクリレーテッドウレタンは、Sartomer Co.から商標名SARTOMER(例えばSARTOMER 9635、9645、9655、963−B80および966−A80)のもとに、またMorton Internationalから商標名UVITHANE(例えばUVITHANE 782)のもとに市販されている。
【0024】
アクリレーテッドエポキシは、ビスフェノールAエポキシ樹脂のジアクリレートエステルなどの、エポキシ樹脂のジアクリレートエステルであり、ペンダント型のニトリル部分を有するエポキシ樹脂を含む。アクリレーテッドエポキシ樹脂は一般に、燃料電池塗膜132の熱的安定性および耐薬品性を改良し、またその引張り強さを増加させる。しかし、過剰量のアクリレーテッドエポキシを含むことにより、プレート106、108への塗膜の付着性を劣化させる恐れがあり、またその密封性能に悪影響を及ぼす恐れもある。アクリレーテッドエポキシは、典型的には、塗膜前駆体の約5重量%から約20重量%を構成し、また好ましくは塗膜前駆体の約8重量%から約13重量%を構成する。有用なアクリレーテッドエポキシの例には、UCB Radcure Inc.からEBECRYLおよびRXOの商標名(例えばEBECRYL 600、629、860、および3708、RXO 2034)のもとに、またHenkel Corp.からPHOTOMERの商標名(例えばPHOTOMER 3016、3038および3071)のもとに市販されているものが含まれる。
【0025】
アクリレーテッドアクリル樹脂は、その後の反応のためにフリーラジカルを形成することが可能な、反応性のペンダント型または末端アクリル酸基を有するアクリルオリゴマーまたはポリマーであり、ペンダント型ニトリル部分を有するアクリル樹脂が含まれる。アクリレーテッドエポキシと同様に、アクリレーテッドアクリル樹脂(特にペンダント型ニトリル基を有するもの)は、一般に、燃料電池塗膜132の熱的安定性を改良し、またその引張り強さを増加させる。アクリレーテッドアクリル樹脂は、典型的には、塗膜前駆体の約0重量%から約25重量%を構成することができ、また好ましくは塗膜前駆体の約0重量%から約13重量%を構成する。有用なアクリレーテッドアクリル樹脂の例には、UCB RadcureからEBECRYLの商標名(例えばEBECRYL 745、754、767、1701、および1755)のもとに、Sartomer Co.から商標表示NTX4887(フルオロ変性アクリルオリゴマー)のもとに、またB.F.Goodrichから商標名HYCAR(例えばHYCAR 130X43)のもとに市販されているものが含まれる。
【0026】
同様に、アクリレーテッドオレフィンは、架橋または鎖伸張のためにフリーラジカルを形成することが可能な、反応性のペンダント型または末端アクリル酸基を有する不飽和オリゴマーまたはポリマー材料である。アクリレーテッドエポキシおよびアクリレーテッドアクリル樹脂と同様に、アクリレーテッドオレフィンは、一般に、燃料電池塗膜132の熱的安定性を改良し、またその引張り強さを増加させる。アクリレーテッドオレフィンは、典型的には、塗膜前駆体の約0重量%から約20重量%を構成することができ、また好ましくは塗膜前駆体の約0重量%から約13重量%を構成する。有用なアクリレーテッドオレフィンの例にはポリブタジエンアクリルオリゴマーが含まれ、それらは、Sartomer Co.から商標名SARTOMER CN302のもとに、またRicon.Resinsから商標名FX9005のもとに市販されている。
【0027】
反応性前駆体は普通、粘性を制御するため、架橋密度を増加させるため、かつ付着性を増進するため反応性希釈剤を含む。反応性希釈剤は、少なくとも1つの単官能性または多官能性モノマーを含む。ここで、「単官能性」とは、1つの炭素−炭素二重結合を含む化合物をいい、多官能性とは2つ以上の炭素−炭素二重結合、または、架橋することができる他の化学的に反応性の基を含む化合物をいう。反応性希釈剤は、モノマーがエチレン結合として不飽和である限り、n−ビニルピロリドン、リモネン、およびリモネンオキシドなどの非アクリレートも使用することができるが、一般にアクリレートモノマーである。単官能性モノマーは、塗膜の性状を実質的に劣化させることなく、塗膜前駆体の粘性を低下させる。適正な比率で使用すると、単官能性モノマーは同様に、いくつかの場合に、バルクとしての機械的性質(付着性、引張り強さ、伸び)を改良することができる。単官能性モノマーは、典型的には、塗膜前駆体の約20重量%から約40重量%を構成し、また好ましくは塗膜前駆体の約25重量%から約35重量%を構成する。有用な単官能性モノマーの例には、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸イソオクチル、オキシエチレーテッドフェノールアクリレート、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−フェノキシエチル、アクリル酸2−(エトキシエトキシ)エチル、エチレングリコールメタクリレート、アクリル酸テトラヒドロキシフルフリル、アクリル酸カプロラクトン、およびメトキシトリプロピレングリコールモノアクリレートが含まれるが、それらに限定されない。特に有用な単官能性モノマーには、アクリル酸イソボルニルモノマーおよびアクリル酸オクチルデシルモノマーが含まれ、それらは、UCB Radcureから、それぞれ商標名IBOAおよびODAのもとに、入手可能である。
【0028】
単官能性モノマーのように、多官能性モノマーは塗膜前駆体の粘性を低下させるが、また硬化速度を速め、かつ架橋密度を増加させ、それにより耐薬品性が増加し、かつ引張り強さが増進するが、一方伸びは低下する。多官能性モノマーは架橋密度を増加させるので、単官能性モノマーよりも低濃度において有用であり、典型的には、塗膜前駆体の約1重量%から約5重量%を構成し、また好ましくは塗膜前駆体の約2重量%から約4重量%を構成する。有用な多官能性モノマーの例には、トリエチレングリコールジアクリレ−ト、メトキシエトキシレーテッドトリメチルプロパンジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシレートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、および1,6−ヘキサンジアクリレートが含まれるが、それらに限定されない。他の単官能性モノマーおよび多官能性モノマーには、酢酸ビニル、n−ビニルホルムアミド、リモネンオキシド、およびn−ビニルピロリジノンが含まれる。特に有用な多官能性モノマーには、プロポキシレーテッドグリセリントリアクリレートモノマーおよびトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレートモノマーが含まれ、それらは、UCB Radcureから、それぞれ商標名OTA−480、およびTMPEOTAのもとに、入手可能である。
【0029】
付着性増進剤には、単官能性もしくは多官能性モノマーまたはオリゴマーなどの、少なくとも1つの放射線硬化可能な材料が含まれる。1つの特に有用な付着性増進剤は、UCB Radcureから、商標名EBECRYL 168のもとに入手可能な、メタクリレーテッド多価アルコール付着性増進剤である。典型的には、付着性増進剤は、塗膜前駆体の約1重量%から約15重量%を構成し、また好ましくは塗膜前駆体の約7重量%から約11重量%を構成する。大抵のこれらの開示された反応性の単官能性および多官能性アクリレートモノマーは、UCB RadcureからEBECRYLの商標名のもとに、Henkel Corp.からPHOTOMERの商標名のもとに、またSartomer Corp.からSARTOMERの商標名のもとに、市販されている。
【0030】
通常は、反応性前駆体は、少なくとも1つの単官能性モノマー、少なくとも1つの多官能性モノマー、および少なくとも1つの多官能性オリゴマーを含む。典型的には、反応性前駆体は、高々約1000(通常は約100〜1000の間)の分子量を有する単官能性および多官能性アクリレーテッドモノマーと、少なくとも約500、しかし一般に約500〜7000の間、の重量平均分子量を有する多官能性オリゴマー質アクリレーテッドウレタンとを含む。上に示したように、単官能性モノマーの割合を増加させると、塗膜前駆体ブレンドの粘性を低下させ、プレート106、108の表面122、124上の濡れ性が改良されやすい。その上、多官能性モノマーおよびオリゴマー(例えばジアクリレートおよびトリアクリレート)の割合を増加させると、架橋を増加させやすく、その結果より強い付着、より高い引張り強さ、改良された耐薬品性、但しより低い伸び、が得られる。
【0031】
塗膜前駆体は通常、紫外線で架橋させ、または重合させる場合、1つまたは複数の光開始剤を含む。光重合開始剤(光開始剤)の例には、有機過酸化物、アゾ化合物、キノン、ベンゾフェノン、ニトロソ化合物、ハロゲン化アクリル、ヒドラゾン、メルカプト化合物、ピリリウム化合物、トリアクリルイミダゾール、ビスイミダゾール、クロロアルキルトリアジン、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、チオキサントン、およびアセトフェノン誘導体、ならびにそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。特定の例には、ベンジル、メチルo−ベンゾエート、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン第三級アミン、2,2−ジエトキシアセトフェノンなどのアセトフェノン、ベンジルメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(−4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−4(メチルチオ)、フェニル−2−モルホリノ−1−プロパノン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシドなどが含まれる。光開始剤の量は、所望の硬化速度を生じ、所要の塗膜性状を生成させるのに十分なものとすべきであり、典型的には、塗膜前駆体の約0.1重量%から約10重量%を構成し、また好ましくは塗膜前駆体の約1重量%から約8重量%を構成する。特に有用な光開始剤のブレンドは、塗膜前駆体の約1重量%から約4重量%のベンゾフェノンと、約1.5重量%から約5重量%の1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノンとを含む。ベンゾフェノンはSartomer Co.から市販され、またプロパノンは、Ciba−Geigy Corp.からDAROCUR 1173の商標名のもとに市販されている。
【0032】
塗膜前駆体は、充てん材、脱泡剤、平坦剤、湿潤剤、滑剤、安定剤、可塑剤、空気放出剤などの添加剤を含有できる。添加剤は反応性または非反応性とすることができるが、典型的には非反応性である。有用な非反応性空気放出剤の例には、Dow Corningから市販されている種々のDCシリーズなどのシリコーンオイル、およびOSI Specialtiesから市販されているSAG47などの、ポリジメチルシロキサンが含まれる。典型的には、このような添加剤(空気放出剤を含む)は、所要の塗膜特性を達成するのに必要な量で使用し、それぞれ一般に、塗膜前駆体の合計重量の最高約5重量%までを構成する。
【0033】
さらに、塗膜前駆体はまた、より高分子量の反応性樹脂(例えばアクリレーテッドオリゴマー)の溶解または膨潤を助けるため、反応性希釈剤モノマー以外の種々の溶剤をも含有できる。これらの溶剤は、反応性樹脂成分と顕著に重合し、または架橋しないので、非反応性希釈剤、または非反応性モノマーと呼ぶ。塗膜前駆体は溶剤を含有しないことが好ましいが、有用な溶剤には、ケトン溶剤、テトラヒドロフラン、キシレンなどが含まれる。塗膜はまた着色剤(すなわち顔料および染料)をも含有できる。適切な着色剤の例には、TiO2、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カーボンブラック、塩基性炭酸塩鉛白、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、スルホクロム酸鉛、バナジン酸ビスマス、モリブデン酸ビスマス、酸化鉄磁鉄鉱Fe3O4、および酸化鉄(III)Fe2O3などがある。顔料は、塗膜前駆体の約0重量%から約5重量%を構成することができる。
【0034】
上述のように、アクリレート樹脂は、典型的には紫外光などの放射線を用い硬化させる。塗膜前駆体の用途に従って、燃料電池プレートを、1つまたは複数組の紫外ランプ下でプレートを移動させるコンベア上に置き、その結果、塗膜前駆体が紫外線に、連続的にインラインで露光される。紫外ランプのそれらの組は、同一である、または異なる公称放射波長を有する。露光の長さはコンベア速度により制御し、コンベア速度は典型的には10から40フィート/秒の範囲にあり、それぞれのランプの組について、約0.5から約5秒の範囲にある露光時間が得られる。紫外(UV)ランプは典型的には、約300から約600ワット/直線インチの定格電力を有する。有用なUVランプにはD型、V型、H型、またはH+型バルブを使用するものが含まれ、それらのバルブは、Fusion UV Curing Systemsから市販され、それぞれ375nm、425nm、250nm、および220nmの公称波長を有する。他の有用なUVランプには、Fusion社H型バルブと同様な水銀スペクトルを有するアーク型UVランプが含まれる。
【0035】
1つの有用な硬化方法では、2組のアーク型UVランプ、またはH型バルブを有するUVランプ、を用いる。他の有用な硬化方法では、D型バルブ(より長波長のUV光)を有する第1の組のUVランプと、H型、またはH+型バルブ(より短波長のUV光)を有する第2の組のUVランプとを使用する。なんら特定の理論に結びついているわけではないが、D型バルブを有するUVランプへの最初の露光は塗膜層の内側部分を硬化させ、塗膜を燃料電池プレートの表面に付着させると考えられる。H型またはH+型バルブを有するUVランプへの、次の露光は、塗膜層の外側部分を硬化させる。2段階の硬化方法により、満足の行く塗膜が生成するが、不活性窒素雰囲気のもとでの硬化は、塗膜性状を強化できる。硬化装置を通過する1分間当り20立方フィートの窒素流量速度により、いくつかの例では、表面の硬化が改善されることが見出されている。
【0036】
塗膜前駆体の塗布
それぞれの考察した反応性塗膜前駆体は、当分野の通常の技術者に知られている、ロールコーティング、浸し塗り、はけ塗り、吹付け塗り、ステンシル塗り、スクリ−ン印刷などを含む塗装技術を用い塗布することができる。しかし、これらの塗装技術については、スクリーン印刷の低コスト、速さ、および正確性のため、スクリーン印刷が好ましい。塗膜前駆体は、燃料電池プレートの片側もしくは両側に、また、燃料電池アセンブリの絶縁および密封の要求事項によって、全体を覆う塗装として、または選択された連続もしくは不連続パターンで、塗布できる。上述のように、燃料電池プレート向けの塗膜厚さは、典型的には約50μから約250μである。
【0037】
(実施例)
下記の実施例は、例示的かつ非限定であるものとして意図しており、かつ本発明の特定の実施形態を表している。
【0038】
実施例A〜P:アクリレート樹脂塗膜
第1表には燃料電池プレートを絶縁し、密封するための塗膜前駆体組成物(配合A〜P)を掲げている。それぞれの組成物は、アクリレーテッド脂肪族または芳香族ウレタンオリゴマー、イソボルニルアクリレート単官能性モノマー、1対の光開始剤(1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノンおよびベンゾフェノン)、およびポリジメチルシロキサン空気放出剤を含む。さらに、全ての配合物は、多官能性モノマー(プロポキシレーテッドグリセリントリアクリレート(配合物A〜I、K〜O)、またはトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレートモノマー(配合物J、P)のいずれか)を含む。いくつかの配合物はまた、アクリレーテッドオレフィンオリゴマー(配合物B〜E、G、I、L〜O)、アクリレーテッドエポキシオリゴマー(配合物B、C、E、F、H〜O)、アクリレーテッドエポキシモノマー(配合物O)、メタクリレーテッド多価アルコール付着増進剤(配合物A〜D、F〜H、J〜O)、またはオクチルデシル単官能性モノマー(配合物O)をも含む。
【0039】
ウレタンオリゴマーおよびポリジメチルシロキサン空気放出剤を容器中に導入することにより、第1表に掲げる配合物を調製した。加熱しながら混合物を撹拌して、混合物の粘性を低下させた。次いで、メタクリレーテッド多価アルコール付着増進剤(存在する場合)を混合物に添加した。付着増進剤が完全に分散すると直ぐに、非ウレタンオリゴマー、および単官能性モノマー(アクリル酸イソボルニルおよびアクリル酸オクチルデシルモノマー)を添加した(この順に)。別の容器中で、ベンゾフェノンを、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン中に、および多官能性モノマー中に加熱しながら溶解した。次いで、得られた光開始剤および多官能性モノマーのブレンドを、他の塗膜前駆体成分と混合した。
【0040】
スクリーン印刷(110メッシュポリエステル製スクリーン、パッド高さ公称0.001インチおよび0.005インチ)により、または注型(定クリアランスのドローダウンナイフ)により種々の基材上において試験試料を調製した。試験に応じて、公称塗膜厚さを0.001インチ(付着性、マンドレル屈曲、冷却剤膨れ)、または0.005〜0.006インチ(引張り強さ、伸び、ショアA硬さ)とした。しかし、配合物HおよびPの付着性試験試料の塗膜厚さは、0.005〜0.006インチであった。それぞれFusion社D型バルブ(375nm)、およびH+型バルブ(220nm)を有する375ワット/インチUVランプに、15〜25フィート/分のライン速度で、連続的に露光させることにより、それぞれの実施例配合物を硬化させた。試験試料を使用して、引張り強さ、伸び、ショアA硬さ、付着性(引っかき、膨れ)および温度耐性(マンドレル屈曲)を含む、種々の性質を測定した。
【0041】
第1表では、燃料電池冷却剤(配合物H、P)、自動車冷却剤(A〜P)、または自動車オイル(配合物J、K)中に浸漬した試験試料についての、引っかき付着性の結果を掲げる。配合物Hの試験試料は、3つの異なった伝熱流体中に、周囲温度で70時間浸漬した。使用した伝熱流体は、Solutia Inc.から商標名THERMINOL D12のもとに市販されているイソパラフィン流体、Dynalene Heat Transfer Fluidsから商標名DYNALENE FC−1のもとに市販されているメーカ独自の流体、および3Mから商標名PF−5080のもとに市販されているフッ素化炭化水素流体であった。配合物A〜Pの試験試料は、GM LONG LIFE COOLANTおよび水の50:50容積/容積混合物中に100℃で72時間浸漬した。試験試料JおよびKは、アメリカ材料試験協会(ASTM)IRM903オイル中に150℃で72時間浸漬した。浸漬に続いて、RPM516引っかき試験方法を用いて付着性を測定した。試験方法に従って、塗工した基材を並進可能なステージ上に固定して、塗工した基材表面上に「針」を下げて行った。試験の間、針の一端に500グラムのおもり荷重を掛け、それにより針の他端が塗膜に貫入した。針は円形運動を行い、一方試験片は約2.5mm/サイクルで並進して、塗膜内に一連の直径10mmの、一部重なる円形の引っかき条痕を生成した。塗膜の外観を、1(付着性が悪い)から10(最良の付着性)の尺度で等級付けした。第1表におけるそれぞれの記入値は、1流体当り3点の試験試料の平均を表している。表示「乾燥」は、引っかき試験の前に冷却剤またはオイルに浸漬しなかった試験試料を指している。
【0042】
第1表はまた、それぞれの塗膜配合物について、引張り強さ、伸び、およびショアA硬さをも掲げている。引張り強さおよび伸びを測定するため、定クリアランスたれ下がりナイフを用いポリエステルフィルム上に注型した試料から、1インチ×4インチ試験片を型で切断した。フィルム上の多重点(試験片の中央付近の最小6箇所)において試料の厚さを測定し、またインストロン試験機上で、1分間当り0.2インチのクロスヘッド速度で周囲温度において試料を引っ張った。それぞれの配合物について、第1表は、5点の試料に基づく平均の引張り強さ、および破断伸びを報告している。ショアA硬さを測定するため、ポリエステルフィルム上に注型した試料から0.5インチ×1.5インチ試験片を切断した。単一の配合物からの試験片を積み重ねて、全体としての試料厚さ0.125インチが得られた。テーブルに取り付けたショアA硬さ試験機を用いて、「積み重ねた」試験試料の硬さを測定した。それぞれの配合物について、5点の硬さ測定値を求めた。
【0043】
第1表はまた、温度耐性データ(「温度マンドレル」を指している)および粘性データをも掲げている。ASTM D573の修正版を用いて、温度耐性を測定した。それぞれの試験用試験片(厚さ0.008インチのステンレス鋼切取り片上のスクリーン印刷塗膜)を、185℃で22時間熱老化させ、直径6インチのマンドレル周囲に屈曲させ、次いで塗膜中の割れについて、または切取り片と塗膜の間の結合減少について、目視検査した。塗膜の外観を、1(多くの割れ、結合の減少)から10(割れが僅少または全くない、結合の減少が僅少または全くない)の尺度で等級付けした。第1表中のデータは、試験用試験片3点の平均を表している。粘性記入値は、塗膜前駆体の流動特性の主観的評価に基づく。等級付け1は、塗膜前駆体をスクリーン印刷するのが困難であろうことを示し、また等級付け10は、塗膜前駆体をスクリーン印刷するのが容易であろうことを示している。
【表1】
【表2】
【表3】
【0044】
上記の記述が例示的であることを意図し、限定的であることを意図するものではないことを理解されたい。上記の記述を読むことにより、多くの実施形態は、当分野の技術者には明白であろう。したがって、本発明の範囲は、上記の記述を参照することなく、その代わり添付する特許請求範囲を、このような特許請求範囲が権利を与えられる同等のものの全範囲とともに、参照して、決定されるべきである。特許出願および公開を含む、全ての論文および参考書類の開示は、全ての目的のため参照により本明細書に組み入れられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池アセンブリの分解横断面図のスケッチである(一定の縮尺ではない)。
【図2】図1の燃料電池アセンブリを密封し、かつ絶縁するための塗膜を有する燃料電池プレートのうち1つの平面図である。
Claims (26)
- 燃料電池プレートを密封し、かつ絶縁する方法であって、
第1の表面および第2の表面を有する燃料電池プレートを提供すること、
燃料電池プレートの少なくとも第1の表面上に塗膜前駆体を塗布し、塗膜前駆体が、紫外線に応答して重合するように構成されていること、および、
燃料電池プレート上の塗膜前駆体を放射線に露光させて、重合を開始させ、塗膜前駆体が、アクリレーテッドオリゴマーおよび光開始剤を含むこと
を含む方法。 - 塗膜前駆体がさらに、粘性を低下させる単官能性モノマーを含む、請求項1に記載の方法。
- 塗膜前駆体がさらに、架橋密度を増加させる多官能性モノマーを含む、請求項1に記載の方法。
- 塗膜前駆体がさらに、付着性増進剤を含む、請求項1に記載の方法。
- 塗膜前駆体がさらに、空気放出剤を含む、請求項1に記載の方法。
- 第1の表面および第2の表面を有するプレートと、
プレートの第1の表面および第2の表面の少なくとも1つの上に塗布した塗膜前駆体とを含む絶縁された燃料電池プレートであって、塗膜前駆体が、
アクリレーテッド脂肪族ウレタンオリゴマー、
アクリレーテッドエポキシオリゴマー、
塗膜前駆体の粘性を低下させるための単官能性モノマー、
架橋密度を増加させるための多官能性モノマー、
付着性増進剤、および
光開始剤
を含む燃料電池プレート。 - 単官能性モノマーがアクリル酸イソボルニルモノマーである、請求項6に記載の絶縁された燃料電池プレート。
- 付着性増進剤がメタクリレーテッド多価アルコールである、請求項6に記載の絶縁された燃料電池プレート。
- 多官能性モノマーがプロポキシレーテッドグリセリントリアクリレートモノマーである、請求項6に記載の絶縁された燃料電池プレート。
- 光開始剤が、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、およびベンゾフェノンのブレンドである、請求項6に記載の絶縁された燃料電池プレート。
- 塗膜前駆体がさらに、空気放出剤を含む、請求項6に記載の絶縁された燃料電池プレート。
- 空気放出剤がポリジメチルシロキサンである、請求項11に記載の絶縁された燃料電池プレート。
- 紫外線硬化可能な塗膜前駆体であって、
アクリレーテッド脂肪族ウレタンオリゴマーと、
アクリレーテッドエポキシオリゴマーと、
塗膜前駆体の粘性を低下させるための単官能性モノマーと、
架橋密度を増加させるための多官能性モノマーと、
付着性増進剤と、
光開始剤と
を含む塗膜前駆体。 - 単官能性モノマーがアクリル酸イソボルニルモノマーである、請求項13に記載の紫外線硬化可能な塗膜前駆体。
- 付着性増進剤がメタクリレーテッド多価アルコールである、請求項13に記載の紫外線硬化可能な塗膜前駆体。
- 多官能性モノマーがプロポキシレーテッドグリセリントリアクリレートモノマーである、請求項13に記載の紫外線硬化可能な塗膜前駆体。
- 光開始剤が、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、およびベンゾフェノンのブレンドである、請求項13に記載の紫外線硬化可能な塗膜前駆体。
- 塗膜前駆体がさらに、空気放出剤を含む、請求項13に記載の紫外線硬化可能な塗膜前駆体。
- 空気放出剤がポリジメチルシロキサンである、請求項18に記載の紫外線硬化可能な塗膜前駆体。
- 紫外線硬化可能な塗膜前駆体であって、
約25重量%から約65重量%のアクリレーテッド脂肪族ウレタンオリゴマーと、
約5重量%から約20重量%のアクリレーテッドエポキシオリゴマーと、
約20重量%から約40重量%の、塗膜前駆体の粘性を低下させるための単官能性モノマーと、
約1重量%から約5重量%の、架橋密度を増加させるための多官能性モノマーと、
約1重量%から約15重量%の付着性増進剤と、
約0.1重量%から約10重量%の光開始剤と
を含む塗膜前駆体。 - 単官能性モノマーがアクリル酸イソボルニルモノマーである、請求項20に記載の紫外線硬化可能な塗膜前駆体。
- 付着性増進剤がメタクリレーテッド多価アルコールである、請求項20に記載の紫外線硬化可能な塗膜前駆体。
- 多官能性モノマーがプロポキシレーテッドグリセリントリアクリレートモノマーである、請求項20に記載の紫外線硬化可能な塗膜前駆体。
- 光開始剤が、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、およびベンゾフェノンのブレンドである、請求項20に記載の紫外線硬化可能な塗膜前駆体。
- 塗膜前駆体がさらに、空気放出剤を含む、請求項20に記載の紫外線硬化可能な塗膜前駆体。
- 空気放出剤がポリジメチルシロキサンである、請求項25に記載の紫外線硬化可能な塗膜前駆体。
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