JP2004505886A - 鬱血性心不全の処置における部分的な脂肪酸酸化阻害剤 - Google Patents

鬱血性心不全の処置における部分的な脂肪酸酸化阻害剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2004505886A
JP2004505886A JP2001559446A JP2001559446A JP2004505886A JP 2004505886 A JP2004505886 A JP 2004505886A JP 2001559446 A JP2001559446 A JP 2001559446A JP 2001559446 A JP2001559446 A JP 2001559446A JP 2004505886 A JP2004505886 A JP 2004505886A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
sustained release
administered
release formulation
ranolazine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001559446A
Other languages
English (en)
Inventor
ウォルフ、 アンドリュー エイ.
ブラックバーン、 ブレント
サバー、 ハニ ナイーフ
スタンリー、 ウィリアム クラーク
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gilead Palo Alto Inc
Original Assignee
CV Therapeutics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CV Therapeutics Inc filed Critical CV Therapeutics Inc
Publication of JP2004505886A publication Critical patent/JP2004505886A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/20Pills, tablets, discs, rods
    • A61K9/2004Excipients; Inactive ingredients
    • A61K9/2022Organic macromolecular compounds
    • A61K9/2027Organic macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polyvinyl pyrrolidone, poly(meth)acrylates
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/20Pills, tablets, discs, rods
    • A61K9/2004Excipients; Inactive ingredients
    • A61K9/2022Organic macromolecular compounds
    • A61K9/205Polysaccharides, e.g. alginate, gums; Cyclodextrin
    • A61K9/2054Cellulose; Cellulose derivatives, e.g. hydroxypropyl methylcellulose
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/48Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
    • A61K9/4841Filling excipients; Inactive ingredients
    • A61K9/4866Organic macromolecular compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/04Inotropic agents, i.e. stimulants of cardiac contraction; Drugs for heart failure
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/10Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/20Pills, tablets, discs, rods
    • A61K9/2004Excipients; Inactive ingredients
    • A61K9/2022Organic macromolecular compounds
    • A61K9/205Polysaccharides, e.g. alginate, gums; Cyclodextrin
    • A61K9/2059Starch, including chemically or physically modified derivatives; Amylose; Amylopectin; Dextrin

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

脂肪酸酸化の部分的な阻害剤を用いて鬱血性心不全を処置するための方法が開示される。この化合物は、心拍数、血圧または酸素消費に影響を及ぼすことなく心臓機能を増大させる。

Description

【0001】
(発明の背景)
本出願は、米国仮特許出願第60/183560号(2000年2月18日出願)および米国仮特許出願第60/219908号(2000年7月21日出願)に対する優先権を主張する。これらの各明細書は参考として本明細書中に組み込まれる。
【0002】
1.発明の分野
本発明は、心筋の酸素消費を増大させることなく心臓機能を増大させることによって鬱血性心不全を処置する方法に関する。詳細には、本発明は、脂肪酸の酸化を部分的に阻害する化合物を用いて鬱血性心不全を処置する方法に関する。本発明は、また、そのような化合物の血漿中濃度を長期間にわたって治療的に効果的なレベルで維持する薬学的配合物に関する。
【0003】
2.背景
鬱血性心不全(CHF)は、工業化社会における死亡および機能障害の主要な原因の1つである。鬱血性心不全は基本的には疾患ではなく、身体の様々な組織および器官の酸素要求を満たすために、心臓が十分な血液供給を行うことができない状態である。その結果、体液が心臓および他の器官(肺など)に蓄積し、周りの組織に広がる。CHFは、多くの場合、冠状動脈疾患、心筋梗塞、心筋症、心臓弁異常およびその他などの心臓血管障害の1つである。
【0004】
従来、CHFは、α−アドレナリン作動性アゴニスト、β−アドレナリン作動性アンタゴニスト、カルシウムチャンネルアンタゴニスト、強心配糖体、利尿剤、硝酸塩、ホスホジエステラーゼ阻害剤、プラゾシンおよび様々な血管拡張剤を含む非常に様々な薬物を用いて処置されている。しかし、これらの薬物はすべて望ましくない副作用を有している。例えば、α−アドレナリン作動性アゴニストの使用は末梢組織の浮腫を生じさせる。β−アドレナリン作動性薬剤は、初期には効果的であるが、長期間の使用により、薬物に対する脱感作の進行的発症が生じる。強心配糖体による処置は、毒性副作用がCNSにおいて、そしてまた胃腸系および呼吸系において生じることがよく知られている。強心配糖体は前不整脈作用をさらに生じさせる。利尿剤による処置は様々な有害作用をもたらし得る。その最も重篤なものとして、低ナトリウム血症、低カリウム血症および高塩素血症性代謝性アルカローシスなどの電解質異常が含まれる。
【0005】
CHFの現在の処置方法に関連する他の問題は、カルシウムチャンネルアンタゴニスト(ベラパミル、ジルチアゼムおよびニフェジピン等)などの薬物によって例示される。これらの薬剤もまた、初期にはCHFの症状の改善をもたらすが、長期間の薬剤の使用により薬剤は効かなくなる。さらに、カルシウムチャンネルアンタゴニストは、そのように処置された患者の死亡率を増大させることが知られている。これは、そのような化合物が酸素消費を増大させるように作用し、これによりさらなるストレスが弱った心臓に加えられるからである。
【0006】
CHFは、進行性の左心室の収縮機能不全を特徴とする。従って、CHFを処置する望ましい方法は、心臓におけるエネルギー生産の効率を増大させ、それにより心臓の拍出能力および機械的能力を増大させることによって収縮機能を高める方法である。
【0007】
正常な心臓では、収縮機能に必要なエネルギーの大部分は、1)脂肪酸の酸化的リン酸化と、それよりも少ない程度ではあるが、2)乳酸およびグルコースの酸化との2つのプロセスによって作られているが、後者のプロセスの方が効率的である。しかし、CHF患者では、脂肪酸が同時に増大しており、その結果、脂肪酸の比較的効率の悪い代謝から得られるエネルギーの量が、運動により誘導されるストレスのときに増大し、そしてグルコースおよび乳酸のより効率的な酸化によって生じるエネルギーの量が低下する。その結果、心不全状態の心臓は、非効率的なエネルギー生成によってさらに弱められる。
【0008】
従って、心筋の酸素要求を増大させることなく、心臓における基質使用を脂肪酸からグルコース/乳酸に切り換え、従って左心室の機能を改善する薬剤を用いてCHFを処置する方法を提供することが求められている。そのような薬物は、心臓の収縮性を刺激するように直接的に作用せず、あるいは血圧および/または心拍数の変化などの副作用を生じさせないこともまた好ましい。なぜなら、そのような薬物は、CHF患者の死亡率の増大と関連しているからである。
【0009】
米国特許第4,567,264号(この明細書は参考として本明細書中に組み込まれる)には、カルシウムの流入を阻止する性質を有すると言われる様々な化合物が開示されている。特に、これらの化合物の1つである(±)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−4−[2−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェノキシ)プロピル]−1−ピペラジンアセトアミド(これはラノラジンとして知られている)が、現在、狭心症の処置について臨床試験を受けている。CHFを処置するためのカルシウムチャンネルアンタゴニストに一般に伴う様々な欠点にもかかわらず、驚くべくことに、その特許に開示された様々な化合物が上記の欠点を有していないことが発見された。‘264号特許の様々な化合物は、部分的な脂肪酸酸化(pFox)阻害特性を有する結果としてその有益な作用を発揮すること、そしてそれらの化合物がCHFの処置に有益であることが見出された。特に、本発明の化合物は、心臓における基質使用を脂肪酸からグルコース/乳酸に切り換え、従って左心室の機能を改善し、その一方で、カルシウム流入阻止剤からそのすべてが予想される、血圧および/または心拍数の変化などの有害な副作用を生じさせず、そして心臓収縮性を刺激するように直接的な作用を有しない。
【0010】
‘264号特許の化合物の従来の薬学的配合物に関連する問題の1つは、化合物の大きな酸溶解性が迅速な薬物の吸収およびクリアランスをもたらし、これにより血漿中濃度の望ましくない大きな変動を生じさせるためにそれらの生物利用性が低いということである。また、そのような化合物は作用の継続時間が短く、従って十分な処置のためには頻繁な経口投与が余儀なくされている。従って、’264号特許の化合物、特にラノラジンを、鬱血性心不全を処置するためにラノラジンの持続した治療的に効果的な血漿中濃度をもたらす投薬形態物で投与するための方法が求められている。
【0011】
米国特許第5,506,229号(これは参考として本明細書中に組み込まれる)には、ラノラジンの使用が、心筋または骨格筋または脳組織に対するカルジオプレギア障害、低酸素障害または再灌流障害を含む物理的または化学的な攻撃を受ける組織を処置するために、そして移植における使用のために開示されている。
【0012】
米国特許第5,472,707号(この明細書は参考として本明細書中に組み込まれる)には、過冷却された液体ラノラジンをハードゼラチンカプセルまたはソフトゲルの充填溶液として用いる高用量経口配合物が開示されている。
【0013】
国際特許出願公開WO0013687(この明細書は参考として本明細書中に組み込まれる)には、狭心症の処置において使用されるラノラジンの持続放出性配合物が開示されている。
【0014】
(発明の要約)
1つの局面において、本発明は、哺乳動物における鬱血性心不全を処置する方法を提供する。この方法は、好ましくは心拍数または血圧に対する影響を有することなく、脂肪酸の酸化を部分的に阻害する化合物の治療的に効果的な量を、その処置を必要とする哺乳動物に投与することを含む。投与は、好ましくは、ボーラス、連続注入、またはボーラスおよび連続注入の組合せとして、あるいは経口的に活性な持続放出性配合物として行われる。
【0015】
別の局面において、本発明は、哺乳動物における鬱血性心不全を処置する方法で、下記の式Iの部分的な脂肪酸酸化阻害剤ならびにその薬学的に受容可能な塩およびエステルを、その処置を必要とする哺乳動物に投与することを含む方法を提供する:
【化2】
Figure 2004505886
式中、Rがメチルであり、Rがメチルではないという条件で、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ハロ、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、またはNが必要に応じて置換されたアルキルアミドであり、
あるいは、RおよびRは一緒になって−OCHO−を形成し、
、R、R、RおよびR10はそれぞれ独立して、水素、低級アシル、アミノカルボニルメチル、シアノ、低級アルキル、低級アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロ、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、またはジ低級アルキルアミノであり、あるいは
およびRは、ともに−CH=CH−CH=CH−を形成し、または
およびRは、ともに−OCHO−を形成し、
11およびR12はそれぞれ独立して水素または低級アルキルであり、かつ Wは酸素またはイオウである。
【0016】
好ましい化合物は、ラセミ混合物としてN−(2,6−ジメチルフェニル)−4−[2−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェノキシ)プロピル]−1−ピペラジンアセトアミドと呼ばれ、またはその異性体である。
【0017】
さらに別の局面において、本発明は、哺乳動物における鬱血性心不全を処置する方法で、それを必要とする哺乳動物に、式Iの化合物の治療的に効果的な量を、ボーラスとして、または連続注入によって、または両者の組合せによって静脈内投与することを含む方法を提供する。
【0018】
さらに別の局面において、本発明は、哺乳動物における鬱血性心不全を処置する方法で、それを必要とする哺乳動物に、式Iの化合物の治療的に効果的な量を、持続放出性の薬学的組成物として、好ましくは経口的に投与することを含む方法を提供する。
【0019】
さらに別の局面において、本発明は、哺乳動物における鬱血性心不全を処置する方法で、それを必要とする哺乳動物に、式Iの化合物の治療的に効果的な量を、化合物の血漿中レベルが治療的レベルで維持される様式で投与することを含む方法を提供する。
【0020】
1つの好ましい実施形態において、式Iの化合物は、少なくとも(0.35±0.03ng/ml)350±30ng/mlの式Iの化合物の血漿中レベルが少なくとも12時間にわたってもたらされる様式でiv注入によって投与される。
【0021】
別の好ましい実施形態において、式Iの化合物は、式Iの化合物の血漿中濃度を、4000ng/mlの最大値で、好ましくは約850から4000ng塩基/mLで、少なくとも12時間にわたって維持する持続放出性配合物として投与される。
【0022】
(発明の詳細な説明)
定義および一般的パラメーター
本明細書中で使用されている下記の語句および表現は、一般に、それらが使用されている文脈が別途示す範囲を除いて、下記に示された意味を有するものとする。
【0023】
「アミノカルボニルメチル」は、下記の構造を有する基をいう:
【化3】
Figure 2004505886
式中、Aは結合点を表す。
【0024】
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードをいう。
【0025】
「低級アシル」は、下記の構造を有する基をいう:
【化4】
Figure 2004505886
式中、Rは、本明細書中で定義される低級アルキルであり、Aは結合点を表す。これには、アセチル、プロパノイル、n−ブタノイルおよびその他のような基が含まれる。
【0026】
「低級アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピルおよびn−ブチルなどの、1個から4個の炭素の非分枝状飽和炭化水素鎖をいう。
【0027】
「低級アルコキシ」は、Rが本明細書中で定義されるような低級アルキルである−OR基をいう。
【0028】
「低級アルキルチオ」は、Rが本明細書中で定義されるような低級アルキルである−SR基をいう。
【0029】
「低級アルキルスルフィニル」は下記の式の基をいう:
【化5】
Figure 2004505886
式中、Rは、本明細書中で定義されるような低級アルキルであり、Aは結合点を表す。
【0030】
「低級アルキルスルホニル」は下記の式の基をいう:
【化6】
Figure 2004505886
式中、Rは、本明細書中で定義されるような低級アルキルであり、Aは結合点を表す。
【0031】
「Nが必要に応じて置換されたアルキルアミド」は、下記の構造を有する基をいう:
【化7】
Figure 2004505886
式中、Rは独立して水素または本明細書中で定義されるような低級アルキルであり、R’は本明細書中で定義されるような低級アルキルであり、Aは結合点を表す。
【0032】
「異性体」は、同じ原子質量および原子数を有するが、1つまたは複数の物理的性質または化学的性質が異なる化合物をいう。式Iの化合物の異性体はすべて本発明の範囲内である。
【0033】
「必要に応じて使用される」または「必要な場合には」は、続いて記載された事象または状況が存在してもよく、または存在しなくてもよいこと、そして記載されたことには、前記の事象または状況が存在する場合、および前記の事象または状況が存在しない場合が含まれることを意味する。
【0034】
用語「治療的に効果的な量」は、当該処置を必要とする哺乳動物に投与されたときに、下記に定義されるように処置を行うために十分である式Iの化合物のそのような量をいう。治療的に効果的な量は、処置されている対象者および疾患状態、対象者の体重および年齢、疾患状態の重篤度、投与様式などに依存して変化するが、当業者によって容易に決定することができる。
【0035】
用語「処置」または用語「処置する」は、哺乳動物における疾患の任意の処置を意味する。これには下記が含まれる:
(i)疾患の防止、すなわち、疾患の臨床的症状を発症させないこと;
(ii)疾患の阻害、すなわち、診療的症状の発症を停止させること;および/または
(iii)疾患の軽減、すなわち、臨床的症状の退行を生じさせること。
【0036】
多くの場合、本発明の化合物は、アミノ基および/またはカルボキシル基またはそれらに類似する基が存在することにより、酸および/または塩基の塩を形成することができる。用語「薬学的に受容可能な塩」は、式Iの化合物の生物学的な有効性および性質を保持する塩で、生物学的に望ましくない塩またはそれ以外にも望ましくない塩でない塩をいう。薬学的に受容可能な塩基付加塩を無機塩基および有機塩基から調製することができる。無機塩基に由来する塩には、例としてだけであるが、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩が含まれる。有機塩基に由来する塩には、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換アルキルアミン、ジ(置換アルキル)アミン、トリ(置換アルキル)アミン、アルケニルアミン、ジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、置換アルケニルアミン、ジ(置換アルケニル)アミン、トリ(置換アルケニル)アミン、シクロアルキルアミン、ジ(シクロアルキル)アミン、トリ(シクロアルキル)アミン、置換シクロアルキルアミン、ジ置換シクロアルキルアミン、トリ置換シクロアルキルアミン、シクロアルケニルアミン、ジ(シクロアルケニル)アミン、トリ(シクロアルケニル)アミン、置換シクロアルケニルアミン、ジ置換シクロアルケニルアミン、トリ置換シクロアルケニルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ヘテロアリールアミン、ジヘテロアリールアミン、トリヘテロアリールアミン、複素環アミン、ジ複素環アミン、トリ複素環アミン、ならびにアミン上の置換基の少なくとも2つが異なり、かつ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環およびその他からなる群から選択される混合型のジ−アミンおよびトリ−アミンなどの、一級アミン、二級アミンおよび三級アミンの塩が含まれるが、これらに限定されない。また、2つまたは3つの置換基がアミノ窒素と一緒になって、複素環基またはヘテロアリール基を形成するアミンも含まれる。
【0037】
「部分的な脂肪酸酸化阻害剤」は、脂肪酸の酸化からのATPの産生を抑制し、その結果、グルコースおよび乳酸の酸化からのATPの産生を刺激する化合物をいう。心臓では、ATP産生の大部分は脂肪酸の代謝を介して得られている。グルコースおよび乳酸の代謝は、それよりも少ないATP産生をもたらす。しかし、脂肪酸からのATPの生成は、酸素消費に関して、グルコースおよび乳酸の酸化からのATPの生成よりも効率的ではない。従って、pFox阻害剤の使用は、消費された酸素の1分子あたりより多くのエネルギー産生をもたらし、これにより、心臓をより効率的に活動させることができる。従って、pFox阻害剤は、酸素レベルが低下している虚血性環境では特に有用である。
【0038】
薬学的組成物および投与
式Iの化合物は、通常、薬学的組成物の形態で投与される。従って、本発明は、有効成分として1つまたは複数の式Iの化合物あるいはその薬学的に受容可能な塩またはエステルと、1つまたは複数の薬学的に受容可能な賦形剤、キャリア(不活性な固体の希釈剤および充填剤を含む)、希釈剤(無菌の水溶液および様々な有機溶媒を含む)、透過性増強剤、可溶化剤およびアジュバントとを含有する薬学的組成物を提供する。式Iの化合物は、単独で、または他の治療剤と組み合わせて投与することができる。そのような組成物は、製薬分野では十分に知られている方法で調製される(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mace Publishing Co.、Philadelphia、PA、第17版(1985)、および”Modern Pharmacuetics”、Marcel Dekker,Inc.、第3版(編者:G.S.Banker&C.T.Rhodes)を参照のこと)。
【0039】
式Iの化合物は、例えば、参考として組み込まれるそのような特許および特許出願に記載されているように、類似する有用性を有する薬剤の許容される投与様式のいずれかによって、単回用量物または多回用量物のいずれかで投与することができる。そのような投与様式には、直腸、口内、鼻腔内および経皮的な経路、動脈内注射により、静脈内、腹腔内、非経口的、筋肉内、皮下、経口的、局所的、吸入剤として、またはステント(例えば、動脈に挿入される円筒状ポリマー)などの含浸デバイスまたは被覆デバイスによるものが含まれる。
【0040】
1つの好ましい投与様式は非経口的であり、特に注射によるものである。本発明の新規な組成物が注射による投与のために配合され得る形態には、ゴマ油、トウモロコシ油、綿実油またはピーナッツ油、ならびにエリキシル剤、マンニトール、デキストロースまたは無菌の水溶液、および類似する薬学的なビヒクルとの水性または油性の懸濁物またはエマルションが含まれる。生理的食塩水における水溶液もまた注射のために従来的に使用されるが、本発明との関連ではあまり好ましくない。エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、液状のポリエチレングリコールおよびその他(および好適なそれらの混合物)、シクロデキストリン誘導体および植物油もまた用いることができる。例えば、レシチンなどのコーティング物を使用することによって、分散の場合には必要とされる粒子サイズを維持することによって、そして界面活性剤を使用することによって、適正な流動性を維持することができる。様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン類、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどにより微生物の作用を防止することができる。
【0041】
無菌の注射液は、必要とされる量の式Iの化合物を、適切な溶媒に、必要に応じて、上記に列記された様々な他の成分とともに配合し、その後、ろ過滅菌することによって調製される。一般には、分散物が、基材分散媒体と、上記に列記された成分に由来する必要とされる他の成分とを含有する無菌のビヒクルに、様々な滅菌された有効成分を配合することによって調製される。無菌の注射液を調製するために無菌の粉末とした場合に、好ましい調製方法は、有効成分と、前もって無菌ろ過されたその溶液に由来する何らかのさらなる成分と、からなる粉末が得られる真空乾燥技術および凍結乾燥技術である。
【0042】
式Iの化合物は、本開示に照らして当業者に知られている様々な手順を使用して、例えば、拡散によってステントに含浸させることができ、または、例えば、ゲル形態などでステントにコーティングすることができる。
【0043】
経口投与は、式Iの化合物を投与するための別の投与経路である。投与は、カプセルまたは腸溶性コーティング錠剤などによって行うことができる。式Iの化合物を少なくとも1つ含む薬学的組成物を作製する際、有効成分は、通常、賦形剤によって希釈され、かつ/またはカプセル、サッシュ、ペーパーまたは他の容器の形態であり得るキャリア内に包まれる。賦形剤が希釈剤として役立つ場合、賦形剤は、有効成分に対するビヒクル、キャリアまたは媒体として作用する(上記のような)固体、半固体または液体の物質であり得る。従って、組成物は、錠剤、ピル、粉末剤、トローチ剤、サッシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、坐薬、乳剤、溶液剤、シロップ剤、エアロゾル剤(固体として、または液体媒体で)、例えば10重量%までの活性な化合物を含有する軟膏、ソフトゼラチンカプセルおよびハードゼラチンカプセル、無菌の注射液、ならびに無菌包装粉末剤の形態にすることができる。
【0044】
好適な賦形剤のいくつかの例として、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、およびメチルセルロースが挙げられる。配合物は、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよびミネラルオイルなどの滑沢剤;湿潤剤;乳化剤および懸濁剤;メチルヒドロキシ安息香酸およびプロピルヒドロキシ安息香酸などの保存剤;甘味剤;および風味剤をさらに含むことができる。
【0045】
本発明の好ましい組成物は、患者への投与後に、有効成分の迅速放出、持続放出または遅延放出が得られるように配合され、特に、持続放出性配合物が得られるように配合される。本発明の最も好ましい化合物は、(±)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−4−[2−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェノキシ)プロピル]−1−ピペラジンアセトアミドと呼ばれるラノラジンである。別途述べられる場合を除き、本明細書書および実施例において使用されるラノラジンの血漿中濃度はラノラジンの遊離塩基を示す。
【0046】
経口投与される徐放性薬物送出システムには、浸透圧ポンプシステム、およびポリマー被覆リザーバーまたは薬物−ポリマーマトリックス配合物を含有する溶解システムが含まれる。徐放性システムの様々な例が、米国特許第3,845,770号、同第4,326,525号、同第4,902514号および同第5,616,345号ならびに国際特許出願公開WO0013687に示されている。本発明の方法において使用される別の配合物では、経皮送出デバイス(「パッチ」)が用いられる。そのような経皮送出パッチは、本発明の化合物を制御された量で連続的または間断的に注入するために使用することができる。薬学的薬剤を送出するための経皮パッチの組み立ておよび使用はこの分野では十分に知られている。例えば、米国特許第5,023,252号、同第4,992,445号および同第5,001,139号を参照のこと。そのようなパッチは、薬学的薬剤の連続的な送出、パルス的な送出またはオンデマンド送出のために組み立てることができる。
【0047】
組成物は、好ましくはユニット投薬形態物に配合される。用語「ユニット投薬形態物」は、所望する治療効果を得るために計算された所定量の活性物質を好適な薬学的賦形剤とともに各ユニットが含有する、ヒト対象者および他の哺乳動物に対する単位投薬物として好適な物理的に分離したユニット物をいう(例えば、錠剤、カプセル、アンプル)。しかし、実際に投与される式Iの化合物の量は、処置される状態、選ばれた投与経路、投与される実際の化合物およびその相対的活性、個々の患者の年齢、体重および応答、患者の症状の重篤度などを含む関連する状況を考慮して医師によって決定されることが理解される。
【0048】
錠剤などの固体の組成物を調製するために、主有効成分を薬学的賦形剤に混合し、本発明の化合物の均質な混合物を含有する固体の予備配合組成物を形成する。この予備配合組成物が均質と呼ばれる場合、錠剤、ピルおよびカプセルなどの等しく効果的なユニット投薬物に組成物が容易に分割され得るように、有効成分が組成物全体に均一に分散されていることが意味される。
【0049】
本発明の錠剤またはピルは、持続した作用の利点をもたらす投薬形態物が提供されるように、または胃の酸条件から保護されるようにコーティングまたはそうでなければ配合することができる。例えば、錠剤またはピルは内側投薬成分と外側投薬成分とを含むことができる。後者は、前者を覆う包被の形態である。これらの2つの成分は、胃における分解に耐え、そして内側成分を十二指腸に無傷で通過させるか、放出を遅らせることができる腸溶性の層によって隔てることができる。様々な物質をそのような腸溶性の層または被覆物のために使用することができる。そのような物質には、多数のポリマー酸、ならびにポリマー酸と、セラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースのような物質との混合物が含まれる。
【0050】
吸入または吹送のための組成物には、薬学的に受容可能な水性溶媒または有機溶剤またはそれらの混合物における溶液および分散物、ならびに粉末が含まれる。このような液体組成物または固体組成物は、上記に記載されるような好適な薬学的に受容可能な賦形剤を含有することができる。好ましくは、組成物は、局所的または全身的な作用のために、経口経路または鼻腔呼吸経路によって投与される。好ましくは薬学的に受容可能な溶媒における組成物は、不活性ガスの使用によって霧状にすることができる。霧状にされた溶液は噴霧デバイスから直接吸入することができ、あるいは噴霧デバイスを顔面マスクテントに、または断続的な陽圧呼吸装置に取り付けることができる。溶液、分散物または粉末の組成物は、適切な様式で配合物を送出するデバイスから、好ましくは経口的または鼻腔的に投与することができる。
【0051】
ラノラジンの静脈内配合物は下記のような無菌充填プロセスによって製造される。好適な容器において、必要量のデキストロース一水和物が注射用水(WFI)に約78%の最終バッチ重量で溶解される。引き続き攪拌しながら、必要量のラノラジン遊離塩基がこのデキストロース溶液に加えられる。ラノラジンの溶解を促進するために、溶液のpHが、0.1Nまたは1Nの塩酸溶液を用いて3.88から3.92の目標値に調節される。さらに、0.1NのHClまたは1.0NのNaOHを用いて、溶液を3.88から3.92の目標pHに最終調節することができる。ラノラジンを溶解させた後、このバッチはWFIで最終重量に調節される。操作途中の仕様が満たされていることが確認されたら、ラノラジンのバルク溶液は、2枚の0.2μm滅菌フィルターによる無菌ろ過によって滅菌される。続いて、無菌のラノラジンバルク溶液は無菌のガラスバイアルに無菌的に充填され、そして無菌的に無菌の栓がされる。
【0052】
栓をされたバイアルは、その後、清浄なフリップトップ式のアルミニウムシールで封がされる。
【0053】
本発明の持続放出性配合物は、好ましくは、化合物と、胃内のpH(典型的には約2)および腸内のpH(典型的には約5.5)の範囲にわたって水性媒体における溶解速度を制御する部分的に中和されたpH依存性結合剤との十分に混合された混合物を含む圧縮成形錠剤の形態にされる。
【0054】
化合物の持続した放出をもたらすために、1つまたは複数のpH依存性結合剤が、配合物が胃および胃腸管を通過したときに配合物が薬物をゆっくり連続的に放出するように化合物の溶解プロフィルを制御するために選ばれる。1日に2回投与されるのに十分な化合物を含有する持続放出性配合物は、化合物の放出が速すぎる(「用量ダンピング」)場合、不都合な副作用を生じさせることがあるので、pH依存性結合剤の溶解制御能は、持続放出性配合物では特に重要である。
【0055】
従って、本発明において使用される好適なpH依存性結合剤は、(pHが約4.5よりも低い)胃に留まっているときには錠剤からの薬物の迅速な放出を阻害し、かつ(pHが一般に約4.5よりも高い)下部の胃腸管において投薬形態物からの化合物の治療量の放出を促進する結合剤である。「腸溶性」の結合剤およびコーティング剤として製薬分野において知られている多くの物質は所望するpH溶解特性を有する。これらの物質には、フタル酸誘導体(ビニルポリマーおよびビニル共重合体のフタル酸誘導体など)、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルセルロース、酢酸セルロース、酢酸ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、酢酸アルキルセルロース、およびそれらの部分エステル、ならびに低級アルキルアクリル酸および低級アルキルアクリル酸塩のポリマーおよび共重合体、およびその部分エステルが含まれる。
【0056】
持続放出性配合物を作製するために化合物とともに使用され得る好ましいpH依存性結合剤物質はメタクリル酸共重合体である。メタクリル酸共重合体は、メタクリル酸と中性アクリレートまたはメタクリレートエステル(アクリル酸エチルまたはメタクリル酸メチルなど)との共重合体である。非常に好ましい共重合体はメタクリル酸共重合体タイプC(米国薬局方)である(これは、46.0%から50.6%のメタクリル酸ユニットを有する、メタクリル酸とアクリル酸エチルとの共重合体である)。そのような共重合体は、Rohm Pharmaからオイドラギト(Eudragit)(登録商標)L100−55(粉末として)またはL30D−55(水における30%分散物として)として市販されている。持続放出性の配合投薬形態物において単独または組合せで使用され得る他のpH依存性結合剤物質には、ヒドロキシプロピルセルロースフタラート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、セルロースアセタートフタラート、ポリビニルアセタートフタラート、ポリビニルピロリドンフタラートなどが含まれる。1つまたは複数のpH依存性結合剤は、本発明の投薬形態物中には、約1wt%から約20wt%の範囲の量で、より好ましくは約5wt%から約12wt%の範囲の量で、最も好ましくは約10wt%の量で存在する。
【0057】
1つまたは複数のpH非依存性結合剤を経口用投薬形態物にある持続放出性の配合物で使用することができる。ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、中性ポリ(メタ)アクリレートエステルなどのpH依存性結合剤および粘度増強剤はそれ自体、確認されたpH依存性結合剤によってもたらされる必要な溶解制御を提供しないことには留意しなければならない。pH非依存性結合剤は、本発明の配合物中には、約1wt%から約10wt%の範囲の量で、好ましくは約1wt%から約3wt%の範囲の量で、最も好ましくは約2.0wt%の量で存在する。
【0058】
表1に示されるように、本発明の好ましい化合物であるラノラジンは、pHが約6.5よりも大きい水溶液には比較的不溶性であるが、pHが約6未満では溶解性が劇的に増大し始める。
【0059】
【表1】
Figure 2004505886
【0060】
配合物におけるpH依存性結合剤の含有量を増大させると、胃において見出されるpHの典型である4.5未満のpHでは、配合物からの化合物の持続放出性形態の放出速度が低下する。結合剤によって形成される腸溶性コーティングは、化合物の溶解性がより低いpH4.5よりも大きいところでは溶解性がほとんどなく、相対的な放出速度を増大させる。pH依存性結合剤を適正に選ぶことにより、配合物からの化合物のより迅速な放出速度がpH4.5よりも大きいところで可能になるが、放出速度は低いpHで大きな影響を受ける。結合剤を部分的に中和することにより、個々の顆粒の周りに形成されるラテックス様薄膜への結合剤の変換が促進される。従って、pH依存性結合剤のタイプおよび量ならびに部分的な中和組成物の量が、配合物からの化合物の溶解速度を細かく制御するために選ばれる。
【0061】
本発明の投薬形態物は、(約4.5未満の)低いpHで溶解速度が著しく低下するように、化合物の放出速度が調節される持続放出性配合物を得るために十分な量のpH依存性結合剤を有しなければならない。メタクリル酸共重合体タイプC(米国薬局方)(オイドラギト(登録商標)L100−55)の場合、pH依存性結合剤の好適な量は5%から15%である。pH依存性結合剤は、典型的には結合剤のメタクリル酸カルボキシル基の約1%から20%が中和される。しかし、中和度は約3%から6%の範囲にあることが好ましい。持続放出性配合物は、また、化合物およびpH依存性結合剤と十分に混合された薬学的賦形剤を含有することができる。薬学的に受容可能な賦形剤として、例えば、pH非依存性結合剤または薄膜形成剤を挙げることができ、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、中性ポリ(メタ)アクリラートエステル(例えば、Rohm Pharmaによりオイドラギト(登録商標)NEの商品名で販売されているメタクリル酸メチル/アクリル酸エチル共重合体)、デンプン、ゼラチン、糖、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。他の有用な薬学的賦形剤には、ラクトース、マンニトール、乾燥デンプン、微結晶セルロースおよびその他などの希釈剤;ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ソルビタンエステルおよびその他などの表面活性剤;着色剤および風味剤が含まれる。滑沢剤(タルク(talc)およびステアリン酸マグネシウムなど)および他の錠剤化助剤もまた必要な場合には存在する。
【0062】
本発明の持続放出性配合物は、化合物の含有量が約50重量%以上から約95重量%以上で、より好ましくは約70重量%以上から約90重量%以上で、最も好ましくは約70重量%から約80重量%であり、pH依存性結合剤の含有量が5%から40%で、好ましくは5%から25%で、より好ましくは5%から15%であり、投薬形態物の残部には、pH非依存性結合剤、フィラー、および必要に応じて使用される賦形剤が含まれる。
【0063】
本発明の1つの特に好ましい持続放出性配合物を下記の表2に示す。
【0064】
【表2】
Figure 2004505886
【0065】
本発明の持続放出性配合物は下記のように調製される:化合物およびpH依存性結合剤ならびに何らかの必要に応じて使用される賦形剤を十分に混合(乾式混合)する。その後、乾式混合された混合物を、混合された粉末にスプレーされる強塩基の水溶液の存在下で造粒する。粒状物を乾燥し、ふるい分けし、必要に応じて使用される滑沢剤(タルクまたはステアリン酸マグネシウムなど)と混合され、そして錠剤に圧縮成形される。強塩基の好ましい水溶液は、水(25%までの水混和性溶媒(低級アルコールなど)を必要に応じて含有する)における、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の溶液であり、好ましくは水酸化ナトリウムの溶液である。
【0066】
得られた錠剤は、識別目的、味遮蔽目的のために、そして飲み込みの容易さを改善するために、必要に応じて使用される薄膜形成剤でコーティングすることができる。薄膜形成剤は、典型的には、錠剤重量の2%から4%の範囲の量で存在する。好適な薄膜形成剤はこの分野では十分に知られており、これには、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン性メタクリレート共重合体(メタクリル酸ジメチルアミノエチル/メタクリル酸メチル−ブチルの共重合体−オイドラギト(登録商標)E−Rohm Pharma)などが含まれる。これらの薄膜形成剤は、着色剤、可塑剤および他の補助成分を必要に応じて含有することができる。
【0067】
圧縮成形された錠剤は、好ましくは、8Kpの圧縮に耐えるのに十分な硬度を有する。錠剤のサイズは、主に、錠剤中の化合物の量に依存する。錠剤は、300mgから1100mgの化合物の遊離塩基を含む。好ましくは、錠剤は、400mgから600mg、650mgから850mgおよび900mgから1100mgの範囲の量における化合物の遊離塩基を含む。
【0068】
溶解速度を変化させるために、化合物含有粉末が湿式混合される時間が制御される。好ましくは、粉末の総混合時間、すなわち、粉末が水酸化ナトリウム溶液にさらされる時間は、1分から10分の範囲であり、好ましくは2分から5分の範囲である。造粒後、粒子は造粒機から取り出され、約60℃で乾燥するために流動床乾燥機内に置かれる。
【0069】
これらの方法は、化合物を、より薬学的に一般的な二塩酸塩の塩または別の塩もしくはエステルとしてではなく、その遊離塩基として使用したときに、化合物のより低い最大血漿中レベルを提供し、なおも化合物の効果的な血漿中濃度を投与後12時間以上までにわたって提供する持続放出性配合物をもたらすことが見出された。遊離塩基の使用は少なくとも1つの利点をもたらす。すなわち、遊離塩基の分子量は二塩酸塩の分子量の85%にすぎないので、錠剤中の化合物の割合を増大させることができる。このようにして、化合物の効果的な量の送出が、投薬ユニットの物理的サイズを制限しながら達成される。
【0070】
本発明の持続放出性配合物における別の利点は、持続放出性配合物が、本質的には溶媒として水のみを伴い、そして標準的な製薬処理技術および製薬装置を利用するプロセスによって調製されるということである。
【0071】
本発明の持続放出性配合物は、鬱血性心不全を処置するために使用することができる。この持続放出性投薬配合物は、哺乳動物の鬱血性心不全に対する処置として、最も好ましくはヒトにおける鬱血性心不全に対する処置として使用されることが最も好ましい。
【0072】
本発明の経口用持続放出性投薬配合物は、患者において約550ng塩基/mLから7500ng塩基/mLの間にある、治療レベルの閾値を超え、最大許容レベルを超えない血漿中の化合物レベルを維持するために、24時間の間において1回、2回または3回投与される。これは、約644ng/mLから約8782ng/mLの範囲の化合物量に対応する。さらに、持続放出性配合投薬形態物の経口摂取の時期は、血漿中の化合物レベルが約7500ng塩基/mLを越えないことを保証するように、好ましくは血漿中レベルが約5000ng塩基/mLを越えることがないように、最も好ましくは血漿中レベルが3800ng塩基/mLを越えることがないように制御されなければならない。最大血漿中レベルを同時に約ng/mL以下に制限することが有益であり得るいくつかの場合において、最低の血漿中レベルは、好ましくは、約1000ng塩基/mL未満に低下させるべきではなく、そして場合により、1700ng塩基/mL未満に低下させるべきではない。
【0073】
約1000ng塩基/mLから約3800ng塩基/mLの好ましい血漿中レベルを達成するためには、本明細書中に記載される経口投薬形態物は1日に1回または2回投与されることが好ましい。投薬形態物が1日に2回投与される場合、経口投薬形態物は約12時間の間隔で投与されることが好ましい。
【0074】
本発明の経口用持続放出性投薬形態物を、血漿中のレベルが制御される様式で配合し、投与することに加えて、最大血漿中レベルと最低血漿中レベルとの差を最小限にすることもまた重要である。最大血漿中レベルは、典型的には、投薬形態物を最初に摂取した後の30分から8時間以上で達成され、一方、最低血漿中レベルは、予定されている次の投薬形態物を摂取するときの前後で達成される。本発明の持続放出性投薬形態物は、最低レベルの8倍を越えない最大有効成分レベル、好ましくは最低レベルの4倍を越えない最大有効成分レベル、最も好ましくは最低レベルの2倍を越えない最大有効成分レベルを可能にする様式で投与されることが好ましい。
【0075】
本発明の持続放出性配合物は、多くても1日に2回の投与を可能にしながら、血漿中濃度の変動を最小限にするという治療的利点を提供する。本発明の配合物は単独で投与することができ、または治療的に効果的な血漿中濃度の迅速な達成が所望される場合には即時放出性配合物と組み合わせて(少なくとも初期には)投与することができ、または可溶性IV配合物および経口用投薬形態物によって投与することができる。
【0076】
下記の実施例は本発明を表しているが、請求項の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
【0077】
(実施例)
本実施例を通して、下記のことを留意しなければならない:
(1)即時放出(IR)性配合物の経口用量が二塩酸塩の塩のカプセルまたは錠剤として投与され、そして二塩酸塩の塩として表されていること。
【0078】
(2)持続放出(SR)性配合物の経口用量が有効成分の遊離塩基の錠剤として投与され、そして遊離塩基として表されていること。
【0079】
(3)IR配合物およびSR配合物が同じ研究において比較された場合、用量は塩基および二塩酸塩の両方に関して表されている。二塩酸塩対塩基の換算計数は0.854である(例えば、400mgの二塩酸塩×0.854=342mgの遊離塩基等価物)。
【0080】
(4)すべての血漿中レベルおよび薬物動態学的パラメーターは遊離塩基のレベルとして表されている。
【0081】
本明細書中で使用されている他の用語の定義を下記に示す:
ANOVA=分散分析
ATP=アデノシン三リン酸
AUC=x時間後または時間間隔の曲線下の面積
bid=1日に2回
max=最大濃度
trough=IR配合物については服用後8時間、実施例2のSR配合物AからCについては服用後12時間における残留濃度
=時間xにおける濃度
ECG=心電計的
ETT=トレッドミル運動試験
LV=左心室
Pbo=プラセボ
PDH=ピルビン酸デヒドロゲナーゼ
tid=1日に3回
max=最大濃度までの時間
下記の実施例は、ラノラジンによって例示される式Iの化合物を含有する代表的な配合物の調製および使用を説明していることに留意しなければならない。
【0082】
(実施例1)
ラノラジンの静脈内の配合物は、下記のような無菌充填プロセスによって製造される。好適な容器において、必要量のデキストロース一水和物が注射用水(WFI)に約78%の最終バッチ重量で溶解される。引き続き攪拌しながら、必要量のラノラジン遊離塩基がこのデキストロース溶液に加えられる。ラノラジンの溶解を促進するために、溶液のpHが、0.1Nまたは1Nの塩酸溶液を用いて3.88から3.92の目標値に調節される。さらに、0.1NのHClまたは1.0NのNaOHを用いて、溶液を3.88から3.92の目標pHに最終調節することができる。ラノラジンを溶解させた後、このバッチはWFIで最終重量に調節される。操作途中の仕様が満たされていることが確認されたら、ラノラジンのバルク溶液は、2枚の0.2μm滅菌フィルターによる無菌ろ過によって滅菌される。続いて、無菌のラノラジンバルク溶液は無菌のガラスバイアルに無菌的に充填され、そして無菌的に無菌の栓がされる。栓がされたバイアルは、その後、清浄なフリップトップ式のアルミニウムシールで封がされる。
【0083】
(実施例2)
本実施例は、即時放出(IR)性ラノラジン配合物の調製方法を記載する。ラノラジン二塩酸塩(4000g)、微結晶セルロース(650g)、ポリビニルピロリドン(100g)およびクロスカルメロースナトリウム(100g)の各粉末をFielder PMA65混合機−造粒機で十分に混合し、その後、混合しながら十分な水を加えて、粒状物にした。粒状物をAeromatic Strea−5流動床乾燥機で乾燥し、ふるい分けして、ステアリン酸マグネシウム(100g)と混合した。混合物を、例えば、1カプセルあたり400mgのラノラジン二塩酸塩(342mgのラノラジン遊離塩基に等しい)の用量を達成するために、1カプセルあたり500mgの充填重量にハードゼラチンカプセルに充填したが、30mgから400mgのラノラジン二塩酸塩の充填重量に充填しても良い。
【0084】
(実施例3)
本実施例は、持続放出(SR)性ラノラジン配合物の調製方法を記載する。SA配合物Aと呼ばれ、pH依存性結合剤およびpH非依存性結合剤を含む持続放出(SR)性配合物を、ラノラジン(2500g)、メタクリル酸共重合体タイプC(オイドラギト(登録商標)L100−55−Rohm Pharma)(1000g)、微結晶セルロース(アビセル(Avicel)(登録商標)100g)(710g)およびポリビニルピロリドンの各粉末を一緒にして、Fielder PMA65混合機−造粒機で十分に混合することによって調製した。混合物を、水酸化ナトリウム(40g)の水溶液を用いて造粒し、そしてメタクリル酸メチル/アクリル酸エチル共重合体(オイドラギト(登録商標)NE30D−Rohm Pharma)(1667g)の30%水性分散物をこの湿った塊に加えた。得られた粒状物をAeromatic Strea−5流動床乾燥機で乾燥し、ふるい分けして、クロスカルメロースナトリウム(100g)およびステアリン酸マグネシウム(50g)と混合した。この混合物を、1錠あたり342mgのラノラジン遊離塩基の用量を達成するために、ManestyB錠剤プレス機で684mgの錠剤に圧縮成形した。この配合物はSR配合物Aと呼ばれる。SR配合物Bを、オイドラギト(登録商標)L100−55を500gに減らし、オイドラギト(登録商標)NE30Dをメタクリル酸メチル/アクリル酸エチル共重合体(オイドラギト(登録商標)NE40D−Rohm Pharma)(2500g)の40%水性分散物としたことを以外は、SR配合物Aと同じ方法で調製した。得られた(SR)配合物は、1錠あたり342mgのラノラジン遊離塩基を含んでいた。
【0085】
SR配合物Cでは、ラノラジン遊離塩基(342mg)を微結晶セルロースおよびポリビニルピロリニノンK25と混合し、水を用いて造粒し、乾燥して、クロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムと混合した。混合物を錠剤に圧縮成形して、腸溶性コーティングで被覆した。
【0086】
pH依存性結合剤のみを含むSR配合物Dを、ラノラジン(7500g)、オイドラギト(登録商標)L100−55(1000g)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メソセル)(登録商標)E5−供給元)(200g)および微結晶セルロース(アビセル(登録商標))(1060g)を十分な混合によって一緒にすることによって調製した。混合された粉末を、水(1900gから2000g)に水酸化ナトリウム(40g)を含む溶液を用いて造粒した。造粒物を乾燥し、ふるい分けして、ステアリン酸マグネシウム(200g)と混合し、そして1錠あたり500mgのラノラジン遊離塩基の用量を達成するために、重量が667mgである錠剤に圧縮成形した。錠剤を、2%から4%の重量増加が得られるまで、OPADRYフィルムコーティング溶液を用いて24インチのAccelacota(登録商標)円筒状パンコーターでスプレーコーティングした。OPADRYフィルムコーティング溶液は様々な色でColorcon(West Point、PA)から入手することができる。
【0087】
SR配合物Dを調製するための段階毎の手順は下記の通りである:
a)ラノラジン、微結晶セルロース、メタクリラート共重合体(タイプC)およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを、適切な混合機を使用して混合する。
【0088】
b)水酸化ナトリウムを精製水に溶解する。
【0089】
c)適切な造粒装置を使用して、一定の混合を行いながら、水酸化ナトリウム溶液を混合物にゆっくり加える。必要ならば、さらなる量の水を加える。
【0090】
d)混合を続けて、さらなる塊を得る。必要ならば、さらなる量の水を加える。
【0091】
e)流動床で造粒物を乾燥する。
【0092】
f)乾燥した顆粒を適切なミルによってふるい分けする。
【0093】
g)ふるい分けされた顆粒にステアリン酸マグネシウムを加え、混合する。必要ならば、造粒物をチルソネーター(chilsonator)に通す。
【0094】
j)OPADRY粉末を水に分散し、そして適切なサイズのコーティング装置を使用して、2重量%から4重量%の典型的なレベルにまでフィルムコーティングする。
【0095】
i)適切なサイズの道具を使用して顆粒を錠剤に圧縮成形する。
【0096】
0.002重量%から0.003重量%の典型的なレベルを使用してカルナウバワックスでみがく。
【0097】
(実施例4)
1.IR配合物およびSR配合物のインビトロ比較
実施例2に従って調製されたIR配合物および実施例2Aから2Cに従って調製されたSR配合物を、胃における溶解をシミュレートするために、溶解液として900mLの0.1M塩酸を使用して、米国薬局方装置2溶解試験装置で試験した。
【0098】
【表3】
Figure 2004505886
【0099】
表の結果(表3)は、IR配合物が、(即時放出性配合物について予想されるように)0.5時間以内で完全に溶解する一方で、SR配合物A、BおよびCが、持続放出性配合物について望ましいように低いpHで持続した溶解を示したことを示している。
【0100】
II.IR配合物ならびにSR配合物A、BおよびCのインビボ比較
実施例2に従って調製されたIR配合物および実施例3に従って調製されたSR配合物AおよびBの単回用量物を11名の健康な志願者に投与して、投与後、0分、20分、40分、60分、90分および120分、6時間まで1時間毎に、18時間まで2時間毎に、そして24時間(SR配合物のみ)において、ラノラジン遊離塩基のその血漿中濃度を測定した。結果を下記の表4に示す。
【0101】
【表4】
Figure 2004505886
【0102】
表4から、本発明のSR配合物A、BおよびCが、ラノラジンを1日に2回投与することに対して配合物を好適にしている溶解特性を示していることは明らかである。
【0103】
(実施例5)
本実施例においては、実施例3Dのラノラジン基剤SR配合物の単回経口服用の安全性および薬物動態学的プロフィルを評価する単回上昇用量のクロスオーバー設計法による研究を詳述する。ヒト被験者を3つのグループに分けた。グループ1には、500mg、750mgおよび1000mgのラノラジンSRが投与された。グループ2には、1250mgおよび1750mgのラノラジンSRが投与された。グループ3には、1500mgおよび2000mgのラノラジンSRが投与された。それぞれのグループはまた、ランダム化されたプラセボ期を有した。ラノラジンSRの単回経口服用後の平均的な薬物動態学的パラメーターを下記の表5に詳しく示す。
【0104】
【表5】
Figure 2004505886
【0105】
表5に報告される薬物動態学的結果は、ラノラジンがSR配合物からゆっくり放出され、その結果、ラノラジンの吸収が溶解律速であったことを示している。これにより、すべての用量レベルにおいて認められる長期間の血漿中の薬物濃度−時間プロフィルが、服用後の4時間から6時間における最大血漿中レベルとともに得られた。500mgから2000mgの用量範囲では、平均CmaxおよびAUC0―30hrはほぼ用量比例的な様式で増大したが、グループ2内では比例からのずれが少し存在するようであった。
【0106】
(実施例6)
本実施例は、服用値を評価するために、二重盲検のプラセボ対照の多回増加用量クロスオーバー法による志願者での研究を詳述する。6名の被験者は、実施例2Dに従って調製されたラノラジンSR配合物を用いて、500mg値、750mg値および1000mg値を4日間にわたり服用し、その後、5日目の朝に服用した。薬物動態学的結果を下記の表6に報告する。
【0107】
【表6】
Figure 2004505886
【0108】
表6により、ラノラジンがSR配合物からゆっくり放出され、その結果、薬物動態学は溶解律速であった。これにより、すべての用量レベルにおいて長期間の血漿中の薬物濃度−時間プロフィルが、服用後の2時間から4時間において認められる最大血漿中レベルとともに得られた。
【0109】
これらの結果は、ラノラジンの有用な血漿中レベルが、このSR配合物をbid方式で服用することによりヒトにおいて達成され得ることを示している。
【0110】
(実施例7)
本実施例では、実施例3Dのようなラセミ体のラノラジン遊離塩基配合物を投与することの安全性および許容性を評価した。ヒト血漿中におけるラセミ体のラノラジンおよびそのエナンチオマー((R)−(+)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−4−[2−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェノキシ)プロピル]−1−ピペラジンアセトアミド、(S)−(−)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−4−[2−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェノキシ)プロピル]−1−ピペラジンアセトアミド)の個々の濃度および平均濃度もまた測定した。
【0111】
持続放出性ラノラジン投薬形態物の増加用量を用いて、この研究を行った。投薬期間前、投薬期間中の間、および投薬期間後に、血液サンプルをラノラジンのアッセイのために採取し、そして期間を通して、血圧、心拍数、ECGおよび症状をモニターした。研究の次段階に進む前にそれぞれの段階の後で、データのまとめを検討した。18歳から40歳までの全部が健康な男性志願者である、8名の被験者が研究に参加し、研究を全て終了し、薬物動態学的分析および安全性分析のために使用された。被験者のそれぞれには、1500mgおよび2000mgのユニット経口用量を得るために、様々なタイプのラノラジン遊離塩基の用量が、500mg錠剤および750mg錠剤を含む持続放出性錠剤の形態で、または必要に応じて一致するプラセボとともに与えられた(2×750mgサイズおよび1×500mgサイズ)。
【0112】
それぞれの段階において、4日間にわたる1用量値、その後、5日目の1回の用量値。5日目に、それぞれの志願者は、仰臥位および立位での血圧(BP)および心拍数、ECGデータ、有害事象、臨床的な化学的結果および血液学的結果、尿検査結果を含む最大限の薬物動態学的プロフィルを受けた。
【0113】
それぞれの用量レベルについて定常状態を試験したが、共分散分析により、また、時間に対する係数が0から著しく異なっているか(p<0.05として定義される)否かを調べることにより、C48h、C72hおよびC96hならびに対数変換データを使用して定常状態を試験した。これらの試験を、ANOVAモデルからの変動性の推定値とともに両側t検定を使用して行った。混合作用NOVAモデルならびに未変換データおよび対数変換データを使用して、C48h、C72hおよびC96hの平均値を比較することにより、定常状態もまた評価した。血行力学的パラメーターについては、1日目の服用前の処置の平均値および5日目のデータを、混合作用ANOVAモデルからの変動性の推定値を使用する両側t検定によって処置間で比較した。90%および95%の信頼性区間を処置比較のために計算した。多数の比較について、調節は行わなかった。
【0114】
ラノラジン遊離塩基の5日目における薬物動態学的パラメーターの平均値および標準偏差を下記の表7に詳しく示し、平均血漿中プロフィルを図に示す。ラノラジン遊離塩基の定常状態血漿中レベルは4日目までに達成されるようであった。服用間隔内において、最大レベルへのゆっくりした上昇があり、tmax値は服用後の1時間から6時間の範囲であった。その後、レベルはゆっくり低下し、服用間隔にわたって小さい程度の血漿中レベルの変動が生じた。このSR配合物を多数回服用した後のラノラジンの(+)Rエナンチオマーおよび(−)Sエナンチオマーの薬物動態学的パラメーターには違いがないようであった。
【0115】
【表7】
Figure 2004505886
【0116】
(実施例8)
本実施例は、持続放出性(SR)配合物が、服用値により、血漿中レベルを治療範囲内に保つことができること、そしてそのような治療的範囲が、改善された運動継続時間によって示されるようにCHFの処置において効果的であることを明らかにする。
【0117】
鬱血性心不全を有する患者または鬱血性心不全を有しない患者は、再現可能な狭心症制限の運動継続時間および>1mmのST低下によって抗狭心症薬の使用が中断させられ、そしてRan(500mg値、1000mg値および1500mg値)および一致するプラセボ(Pbo)に二重盲検の4周期のラテン方格クロスオーバー法でランダム化された。トレッドミル運動許容性試験(ETT)を、最低(服用後12時間)および最大(服用後4時間)の服用時間において、改変されたBruceプロトコルに従って行った。表8にその結果を示す。
【0118】
【表8】
Figure 2004505886
【0119】
ラノラジンは、プラセボと比較して、運動継続時間を改善した。血漿中の最大濃度および最低濃度を下記の表9に報告する。Ranは、安静時または運動時の血圧または心拍数についてPboに対して臨床的に意味のある影響を有していなかった。
【0120】
【表9】
Figure 2004505886
【0121】
(実施例10)
下記の実施例は、500mg値、1000mg値、1500mg値の用量でのラノラジンSRおよびプラセボが患者に投与された用量定義研究の結果を示す。4つの処置を、二重盲検様式において、1週間の継続期間の処置期間についてランダムな順序で施した。二重盲検処置の各週の終わりに、患者は、服用直前(「最低」)に、そして最大血漿中レベル(「最大」)の予想される時間での服用後4時間に運動試験を受けた。
【0122】
プラセボまたは持続放出性投薬配合物での異なる量のラノラジンが投与された患者における運動時間のプロット。図1にデータを示す。データは、プラセボで処置されたコントロールされた患者に対して示されている。
【0123】
(実施例11)
下記の実施例は、鬱血性心不全に対するラノラジン配合物の効果を試験するために設計されたインビボモデルである。
【0124】
ラノラジンの効力を、鬱血性心不全のイヌモデルを使用して調べた。生存可能な心筋の喪失をもたらす慢性的なLV機能不全および障害を、ポリスチレンラテックスのマイクロスフェア(70μmから102μmの直径)を用いた多数回の連続した冠状動脈内塞栓形成によって生じさせた。本研究では、体重が23kgから25kgである13匹の健康な雑種犬に冠状動脈微小栓塞形成を施して、心不全を生じさせた。冠状動脈内微小栓塞形成を、全身麻酔および無菌条件のもとでの心臓カテーテル挿入のときに行った。麻酔法は、静脈注射のオキシモルホン塩酸塩(0.22mg/kg)、ジアゼパム(0.17mg/kg)およびナトリウムペントバルビタール(効果が現れるまで150mgから250mg)からなった。イヌは、1週間から3週間離して行われた平均して5回の微小栓塞形成法を受けた。栓塞形成が中断されるのは、血管造影法的に決定され、LV駆出分画が<30%になったときである。最後の微小栓塞形成によって生じた梗塞を完全に治癒することを確保するために、イヌを2週間から3週間維持し、その後、研究を開始した。微小塞栓形成を全く受けない8匹の健康なイヌからなるもう1つの群もまた、正常な生理学の状況におけるラノラジンの血行力学的作用が確認できるように調べられた。(研究は、実験動物健康システム管理のヘンリー・フォード委員会によって承認され、「研究用動物使用に関するアメリカ心臓学会の見解」(これは1984年11月に学会により採択された)および研究用動物の使用に関するアメリカ生理学学会の指導原理に従った。)
研究当日において、全身麻酔の後、大動脈圧およびLV圧を、大腿動脈切開によって設置されたカテーテルチップ微小圧力計(Millar Instruments、Houston、TX)を用いて測定した。単一平面左心室造影図を、その右側に置かれたイヌについて血行力学的測定が完了した後、それぞれのカテーテル挿入のときに得た。心室造影図を、20mlの造影物質(Reno−M−60、Squib、Princeton、NJ)を注射しているとき、1秒あたり30フレームで35mm映画フィルムに記録した。画像倍率の補正を、LVの位置に置かれた校正済みの放射線不透過性グリッドを用いて行った。左心室の収縮終期容量および拡張終期容量を、面積−長さ法を使用して心室シルエットから計算した。LV駆出分画を、拡張終期容量および収縮終期容量の差と拡張終期容量との比の100倍として計算した。拍出量を、心室造影図から得られたLVの収縮終期容量および拡張終期容量の差として計算した。心拍出量を、拍出量と心拍数との積として計算した。期外収縮および期外収縮後の鼓動はすべての分析から除かれた。
【0125】
正常なイヌおよび心不全イヌのそれぞれにおいて、ラノラジン二塩酸塩を生理食塩水において、0.5mg/kgの静脈内ボーラス注射として投与し、その後、1.0mg/kg/hrの連続静脈内注入として40分間にわたり投与した。動脈血サンプルを、血漿中ラノラジン濃度を測定するために採取した。サンプルを、処置開始後、5分、10分、20分、30分、35分および40分において得た。ラノラジンを、質量分析検出を使用する高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定した。40分における最後の血液サンプルを採取した後、血行力学的測定および血管造影測定を繰り返した。
【0126】
各動物はそれ自身コントロールとして役立った。処置前の値を、p<0.05で設定された有意さとともに両側ペアードスチューデントt検定を使用して処置後の値と比較した。データは、平均±平均の標準誤差として表される。
【0127】
結果
動脈のラノラジンレベルは、ボーラス注射後10分までに安定化した(表10)。処置の最後における10分間の平均ラノラジン濃度は、正常なイヌでは0.30±0.02ng/mLであり、心不全のイヌでは0.33±0.04ng/mLであった。
【0128】
ラノラジンの静脈内投与は、心拍数または平均大動脈圧に対して著しい影響を有していなかった。ラノラジンは、LV駆出分画、LVピーク+dP/dtおよびLV拍出量の著しい増大によって明らかにされるようにLVの収縮機能を改善した。ラノラジンはまた、LVピーク−dP/dtの増大によって明らかにされるように拡張機能を改善した(データ示さず)。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、プラセボまたは持続放出性の投薬配合物における様々な量のラノラジンが投与された患者における運動時間をプロットしたものである。データは、プラセボで処置されたコントロール患者に対して表されている。

Claims (35)

  1. 哺乳動物における鬱血性心不全を処置する方法であって、脂肪酸の酸化を部分的に阻害する化合物の治療的に効果的な量を、そのような処置を必要とする哺乳動物に投与することを含む方法。
  2. 前記化合物は、心拍数または血圧に対する影響を有することなく部分的な脂肪酸酸化を阻害する血漿中レベルをもたらすのに十分な用量で投与される請求項1に記載の方法。
  3. 前記化合物の投与は、ボーラス、連続注入、またはボーラスおよび連続注入の組合せによって行われる請求項2に記載の方法。
  4. 前記化合物は、pHが3.88から3.92であるデキストロース一水和物における溶液として投与される請求項3に記載の方法。
  5. 組成物は、0.5mg/mlのボーラス注射として送出される請求項4に記載の方法。
  6. 組成物は、1.0mg/kg/hrの連続注入によって40分間にわたって送出される請求項4に記載の方法。
  7. 前記化合物は、ボーラスおよび連続的注入の両方によって投与される請求項3に記載の方法。
  8. ボーラス注射は、0.5mg/mlの投薬量であり、かつ連続注入が1.0mg/kg/hrで40分間である請求項7に記載の方法。
  9. 血漿中レベルが、350±30ng/mlで維持される請求項8に記載の方法。
  10. 前記化合物は、経口的に活性な持続放出性配合物として投与される請求項2に記載の方法。
  11. 前記持続放出性配合物が、
    成   分              組成
    ラノラジン              75.0%
    微結晶セルロース           10.6%
    メタクリラート共重合体(タイプC)  10.0%
    水酸化ナトリウム            0.4%
    ヒドロキシプロピルメチルセルロース   2.0%
    ステアリン酸マグネシウム        2.0%
    を含む組成物である請求項10に記載の方法。
  12. 前記持続放出性配合物は、12時間の間において、1回、2回または3回、錠剤形態で経口投与される請求項11に記載の方法。
  13. 前記持続放出性配合物によって達成される効果的な血漿中レベルは、少なくとも12時間にわって持続する請求項11に記載の方法。
  14. 前記持続放出性配合物によって達成される効果的な血漿中レベルが、約850ug/mlから5000ug/mlである請求項11に記載の方法。
  15. 前記持続放出性配合物によって達成される効果的な血漿中レベルは、約1000ug/mlから4000ug/mlである請求項11に記載の方法。
  16. 哺乳動物がヒトである請求項1に記載の方法。
  17. 部分的な脂肪酸酸化の阻害剤が、下記の式Iの化合物:
    Figure 2004505886
    (式中、
    、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、シアノ、トリフルオロメチル、ハロ、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、またはNが必要に応じて置換されたアルキルアミドであるか、あるいはRおよびRは一緒になって−OCHO−を形成し、
    、R、R、RおよびR10はそれぞれ独立して、水素、低級アシル、アミノカルボニルメチル、シアノ、低級アルキル、低級アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロ、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、またはジ低級アルキルアミノであるか、あるいはRおよびRは一緒になって−CH=CH−CH=CH−を形成するか、またはRおよびRは一緒になって−OCHO−を形成し、
    11およびR12はそれぞれ独立して水素または低級アルキルであり、かつ Wは酸素またはイオウである)
    あるいはその薬学的に受容可能な塩またはエステルである請求項1に記載の方法。
  18. 、R、R、RおよびRは、水素または低級アルキルであり、R、R、R、RおよびR10は、水素、低級アルキルまたは低級アルコキシであり、かつ、R11およびR12は、水素である請求項17に記載の方法。
  19. 、R、R、R、R、RおよびR10は、水素であり、RおよびRは、低級アルキルであり、かつ、Rは低級アルコキシである請求項18に記載の方法。
  20. およびRは、ともにメチルであり、かつ、Rはメトキシであり、すなわち、(±)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−4−[2−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェノキシ)プロピル]−1−ピペラジンアセトアミドである請求項19に記載の方法。
  21. 前記化合物は、心拍数または血圧に対する影響を有することなく部分的な脂肪酸酸化を阻害する血漿中レベルをもたらすのに十分な用量で投与される請求項20に記載の方法。
  22. 前記化合物の投与が、ボーラス、連続注入、またはボーラスおよび連続注入の組合せによって行われる請求項21に記載の方法。
  23. 前記化合物は、pHが3.88から3.92であるデキストロース一水和物における溶液として投与される請求項22に記載の方法。
  24. 組成物は、0.5mg/mlのボーラス注射として投与される請求項22に記載の方法。
  25. 組成物は、1.0mg/kg/hrの連続注入によって40分間にわたって投与される請求項22に記載の方法。
  26. 前記化合物は、ボーラスおよび連続注入の両方によって投与される請求項22に記載の方法。
  27. ボーラス注射は、0.5mg/mlの投薬量であり、かつ連続注入が40分間にわたって1.0mg/kg/hrである請求項26に記載の方法。
  28. 血漿中レベルが、350±30ng/mlで維持される請求項22に記載の方法。
  29. 前記化合物は、経口的に活性な持続放出性配合物として投与される請求項20に記載の方法。
  30. 前記持続放出性配合物が、
    成  分              組成
    ラノラジン              75.0%
    微結晶セルロース           10.6%
    メタクリラート共重合体(タイプC)  10.0%
    水酸化ナトリウム            0.4%
    ヒドロキシプロピルメチルセルロース   2.0%
    ステアリン酸マグネシウム        2.0%
    を含む組成物である請求項29に記載の方法。
  31. 前記持続放出性配合物は、12時間の間において1回、2回または3回、錠剤形態で経口投与される請求項30に記載の方法。
  32. 前記持続放出性配合物によって達成される効果的な血漿中レベルは、少なくとも12時間にわって持続する請求項30に記載の方法。
  33. 前記持続放出性配合物によって達成される効果的な血漿中レベルは、約850ug/mlから5000ug/mlである請求項30に記載の方法。
  34. 前記持続放出性配合物によって達成される効果的な血漿中レベルは、約1000ug/mlから4000ug/mlである請求項33に記載の方法。
  35. 哺乳動物がヒトである請求項20に記載の方法。
JP2001559446A 2000-02-18 2001-02-15 鬱血性心不全の処置における部分的な脂肪酸酸化阻害剤 Pending JP2004505886A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US18356000P 2000-02-18 2000-02-18
US21990800P 2000-07-21 2000-07-21
PCT/US2001/004887 WO2001060348A2 (en) 2000-02-18 2001-02-15 Partial fatty acid oxidation inhibitors in the treatment of congestive heart failure

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004505886A true JP2004505886A (ja) 2004-02-26

Family

ID=26879274

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001559446A Pending JP2004505886A (ja) 2000-02-18 2001-02-15 鬱血性心不全の処置における部分的な脂肪酸酸化阻害剤

Country Status (17)

Country Link
US (2) US6528511B2 (ja)
EP (2) EP2033633A3 (ja)
JP (1) JP2004505886A (ja)
KR (1) KR20020075801A (ja)
CN (1) CN1227004C (ja)
AR (1) AR033510A1 (ja)
AU (1) AU778203B2 (ja)
BR (1) BR0108452A (ja)
CA (1) CA2398691A1 (ja)
HK (1) HK1048250A1 (ja)
IL (1) IL151014A0 (ja)
MX (1) MXPA02007639A (ja)
NO (1) NO20023879L (ja)
NZ (1) NZ520780A (ja)
TW (1) TWI235655B (ja)
WO (1) WO2001060348A2 (ja)
ZA (1) ZA200206451B (ja)

Families Citing this family (48)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BR0108452A (pt) * 2000-02-18 2003-04-01 Cv Therapeutics Inc Inibidores da oxidação parcial de ácido graxo no tratamento de insuficiência cardìaca congestiva
WO2003037323A2 (en) * 2001-10-26 2003-05-08 MEDIGENE AG Gesellschaft für Molekularbiologische Kardiologie und Onkologie Inhibitors of the fatty acid oxidation for prophylaxis and treatment of diseases related to mitochondrial dysfunction
DE60221287T4 (de) * 2001-11-08 2009-06-25 Atrium Medical Corp. Intraluminale vorrichtung mit einer ein therapeutisches-mittel enthaltenden beschichtung
US20030220344A1 (en) * 2002-04-04 2003-11-27 Luiz Belardinelli Method of treating arrhythmias
US8822473B2 (en) * 2002-05-21 2014-09-02 Gilead Sciences, Inc. Method of treating diabetes
EP1505977B1 (en) * 2002-05-21 2014-09-10 Gilead Sciences, Inc. Administration of a partial fatty acid oxidation inhibitor such as ranolazine for the treatment of diabetes
EP1567525B1 (en) * 2002-12-05 2007-06-27 Cv Therapeutics, Inc. Substituted piperazine compounds and their use as fatty acid oxidation inhibitors
AU2004303882A1 (en) * 2003-12-18 2005-07-07 Gilead Palo Alto, Inc. 1-akan-2-ol substituted piperazine and piperidine compounds
EP2298863B1 (en) 2004-03-22 2015-07-22 Mesoblast International Sàrl Mesenchymal stem cells and uses therefor
US20090011116A1 (en) * 2004-09-28 2009-01-08 Atrium Medical Corporation Reducing template with coating receptacle containing a medical device to be coated
US8367099B2 (en) 2004-09-28 2013-02-05 Atrium Medical Corporation Perforated fatty acid films
US8263102B2 (en) * 2004-09-28 2012-09-11 Atrium Medical Corporation Drug delivery coating for use with a stent
WO2006036970A2 (en) * 2004-09-28 2006-04-06 Atrium Medical Corporation Method of thickening a coating using a drug
US9000040B2 (en) 2004-09-28 2015-04-07 Atrium Medical Corporation Cross-linked fatty acid-based biomaterials
US9801913B2 (en) * 2004-09-28 2017-10-31 Atrium Medical Corporation Barrier layer
US8312836B2 (en) 2004-09-28 2012-11-20 Atrium Medical Corporation Method and apparatus for application of a fresh coating on a medical device
US9012506B2 (en) 2004-09-28 2015-04-21 Atrium Medical Corporation Cross-linked fatty acid-based biomaterials
US9801982B2 (en) * 2004-09-28 2017-10-31 Atrium Medical Corporation Implantable barrier device
EP1809289A1 (en) * 2004-11-09 2007-07-25 Cv Therapeutics, Inc. Use ranolazine in combination with at least one remodeling agent for reversing left ventricular remodeling in the treatment of heart failure
EP1865945A4 (en) * 2005-03-11 2008-05-21 Hong Kong Nitric Oxide Ltd TREATMENT COMBINATION FOR ENDOTHELIAL DISORDERS, ANGINA AND DIABETES
US9427423B2 (en) 2009-03-10 2016-08-30 Atrium Medical Corporation Fatty-acid based particles
US9278161B2 (en) 2005-09-28 2016-03-08 Atrium Medical Corporation Tissue-separating fatty acid adhesion barrier
CA2626030A1 (en) 2005-10-15 2007-04-26 Atrium Medical Corporation Hydrophobic cross-linked gels for bioabsorbable drug carrier coatings
US7606617B2 (en) * 2006-01-31 2009-10-20 Cardiac Pacemakers, Inc. Urinalysis for the early detection of and recovery from worsening heart failure
US9782258B2 (en) * 2006-09-08 2017-10-10 The Regents Of The University Of California Intramyocardial patterning for global cardiac resizing and reshaping
US20090012413A1 (en) * 2006-09-08 2009-01-08 Sabbah Hani N Cardiac patterning for improving diastolic function
WO2008057328A2 (en) * 2006-11-06 2008-05-15 Atrium Medical Corporation Tissue separating device with reinforced support for anchoring mechanisms
US9492596B2 (en) * 2006-11-06 2016-11-15 Atrium Medical Corporation Barrier layer with underlying medical device and one or more reinforcing support structures
US20080248112A1 (en) * 2007-02-13 2008-10-09 Brent Blackburn Use of ranolazine for the treatment of coronary microvascular diseases
US20090111826A1 (en) * 2007-02-13 2009-04-30 Louis Lange Use of ranolazine for the treatment of cardiovascular diseases
JP2010518169A (ja) * 2007-02-13 2010-05-27 ギリアード・パロ・アルト・インコーポレイテッド 心血管疾患の処置のためのラノラジンの使用
JP2010518171A (ja) * 2007-02-13 2010-05-27 ギリアード・パロ・アルト・インコーポレイテッド 非冠微小血管疾患の処置のためのラノラジンの使用
US20080233191A1 (en) * 2007-03-22 2008-09-25 Brent Blackburn Use of ranolazine for elevated brain-type natriuretic peptide
AU2008239681B2 (en) * 2007-04-11 2013-10-03 Henry Ford Health System Cardiac repair, resizing and reshaping using the venous system of the heart
KR20100033490A (ko) * 2007-05-31 2010-03-30 질레드 팔로 알토 인코포레이티드 상승된 뇌-형 나트륨이뇨 펩티드에 대한 라놀라진
CN101066253B (zh) * 2007-06-07 2011-01-05 北京本草天源药物研究院 一种雷诺嗪缓释片
US20090012103A1 (en) * 2007-07-05 2009-01-08 Matthew Abelman Substituted heterocyclic compounds
KR20110013348A (ko) * 2008-02-06 2011-02-09 길리애드 사이언시즈, 인코포레이티드 통증 치료를 위한 라놀라진의 용도
US20100292217A1 (en) * 2009-05-14 2010-11-18 Gilead Palo Alto, Inc. Ranolazine for the treatment of cns disorders
US20110038910A1 (en) 2009-08-11 2011-02-17 Atrium Medical Corporation Anti-infective antimicrobial-containing biomaterials
WO2011036677A2 (en) * 2009-09-25 2011-03-31 Lupin Limited Sustained release composition of ranolazine
EP2593141B1 (en) 2010-07-16 2018-07-04 Atrium Medical Corporation Composition and methods for altering the rate of hydrolysis of cured oil-based materials
ES2414384T3 (es) * 2011-05-11 2013-07-19 Ratiopharm Gmbh Composición de liberación modificada que comprende ranolazina
US9867880B2 (en) 2012-06-13 2018-01-16 Atrium Medical Corporation Cured oil-hydrogel biomaterial compositions for controlled drug delivery
CN104758265B (zh) * 2014-01-07 2019-05-17 四川海思科制药有限公司 一种雷诺嗪缓释片药物组合物及其制备方法
FR3060567B1 (fr) 2016-12-19 2019-05-24 Ecole Normale Superieure De Lyon Substrat de glycosidase fluorogene et procede de detection associe
CN112438955A (zh) * 2019-08-30 2021-03-05 深圳翰宇药业股份有限公司 一种雷诺嗪缓释组合物及其制备方法
GR1010510B (el) * 2022-06-07 2023-07-20 Ελπεν Α.Ε. Φαρμακευτικη Βιομηχανια, Στερεες φαρμακοτεχνικες μορφες παρατεταμενης αποδεσμευσης ρανολαζινης

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59219271A (ja) * 1983-05-18 1984-12-10 シンテツクス・(ユ−・エス・エイ)・インコ−ポレ−テツド アリ−ルオキシ−およびアリ−ルチオ−ヒドロキシプロピルピペラジニルアセタニリド類
JPH0348672A (ja) * 1989-06-23 1991-03-01 Syntex Pharmaceut Ltd ラノラジンおよび関連ピペラジン誘導体を使用する新規な処置方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3845770A (en) 1972-06-05 1974-11-05 Alza Corp Osmatic dispensing device for releasing beneficial agent
US4326525A (en) 1980-10-14 1982-04-27 Alza Corporation Osmotic device that improves delivery properties of agent in situ
US5364620A (en) 1983-12-22 1994-11-15 Elan Corporation, Plc Controlled absorption diltiazem formulation for once daily administration
US5023252A (en) 1985-12-04 1991-06-11 Conrex Pharmaceutical Corporation Transdermal and trans-membrane delivery of drugs
US5001139A (en) 1987-06-12 1991-03-19 American Cyanamid Company Enchancers for the transdermal flux of nivadipine
US4992445A (en) 1987-06-12 1991-02-12 American Cyanamid Co. Transdermal delivery of pharmaceuticals
US4902514A (en) 1988-07-21 1990-02-20 Alza Corporation Dosage form for administering nilvadipine for treating cardiovascular symptoms
US5001193A (en) 1988-12-22 1991-03-19 American Cyanamid Epoxy adhesive for bonding of automotive parts made from bulk or sheet molding compound containing polymeric toughening agent and Mannich Base
US5455045A (en) 1993-05-13 1995-10-03 Syntex (U.S.A.) Inc. High dose formulations
US6083532A (en) 1995-03-01 2000-07-04 Duramed Pharmaceuticals, Inc. Sustained release formulation containing three different types of polymers and tablet formed therefrom
US6303607B1 (en) * 1998-09-10 2001-10-16 Cv Therapeutics, Inc. Method for administering a sustained release ranolanolazine formulation
BR0108452A (pt) * 2000-02-18 2003-04-01 Cv Therapeutics Inc Inibidores da oxidação parcial de ácido graxo no tratamento de insuficiência cardìaca congestiva
EP1259493A2 (en) * 2000-02-22 2002-11-27 Cv Therapeutics, Inc. Substituted piperazine compounds

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59219271A (ja) * 1983-05-18 1984-12-10 シンテツクス・(ユ−・エス・エイ)・インコ−ポレ−テツド アリ−ルオキシ−およびアリ−ルチオ−ヒドロキシプロピルピペラジニルアセタニリド類
JPH0348672A (ja) * 1989-06-23 1991-03-01 Syntex Pharmaceut Ltd ラノラジンおよび関連ピペラジン誘導体を使用する新規な処置方法

Also Published As

Publication number Publication date
US6677342B2 (en) 2004-01-13
IL151014A0 (en) 2003-02-12
CN1420766A (zh) 2003-05-28
WO2001060348A3 (en) 2002-01-31
AU4150501A (en) 2001-08-27
US20030119718A1 (en) 2003-06-26
HK1048250A1 (zh) 2003-03-28
EP1259230A2 (en) 2002-11-27
WO2001060348A2 (en) 2001-08-23
AR033510A1 (es) 2003-12-26
NO20023879D0 (no) 2002-08-15
US20010047000A1 (en) 2001-11-29
EP2033633A2 (en) 2009-03-11
AU778203B2 (en) 2004-11-25
CN1227004C (zh) 2005-11-16
TWI235655B (en) 2005-07-11
NZ520780A (en) 2006-04-28
CA2398691A1 (en) 2001-08-23
MXPA02007639A (es) 2004-08-23
US6528511B2 (en) 2003-03-04
KR20020075801A (ko) 2002-10-05
ZA200206451B (en) 2003-12-31
NO20023879L (no) 2002-08-15
EP2033633A3 (en) 2009-07-08
BR0108452A (pt) 2003-04-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004505886A (ja) 鬱血性心不全の処置における部分的な脂肪酸酸化阻害剤
RU2207856C2 (ru) Способ лечения сердечно-сосудистых заболеваний
US8007824B2 (en) Galenic formulations of organic compounds
JP2022190161A (ja) グルコキナーゼ活性化剤およびビグアナイド系血糖降下薬を含む医薬品の組合せ、組成物、配合剤、ならびにその調製方法および使用
JP2008069159A5 (ja)
JP2008069159A (ja) 持続放出ラノラジン製剤
EP2034968B1 (en) Galenical formulations of aliskiren and hydrochlorothiazide
US20080193524A1 (en) Extended Release Venlafaxine Compositions
KR20090016612A (ko) 피페리디노알칸올 및 충혈완화제의 복합제를 포함하는 약학조성물
US20150250734A1 (en) Stable pharmaceutical compositions of saxagliptin or salts thereof
KR100265467B1 (ko) 염산 아젤라스틴 함유 서방성 정제 및 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110222

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110719