JP2004502491A - 加温療法を使用したヒトヘルペスウイルスの治療 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ヒトヘルペスウイルスに感染した患者を治療するための方法であって、患者のコア温度を少なくとも1回上昇させ、次いで患者のコア温度を正常に戻すことを含み、コア温度を、患者のヒトヘルペスウイルス負荷を低減しまたはなくすのに十分な温度範囲および持続時間で上昇させる方法を提供する。
Description
【0001】
(発明の分野)
本発明は、ヘルペスウィルスの加温治療に関する。
【0002】
(発明の背景)
ヒトヘルペスウイルスは、水痘など、多くの病気の原因となる。Epstein−Barrウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス−1、単純ヘルペスウイルス−2は、ヒトヘルペスウイルスの例である。最近の研究では、ヒトヘルペスウイルス−8(HHV−8)が、カポジ肉腫(KS)を引き起こす推定病原因子であると同定された。
【0003】
組織および細胞に侵入するため、ウイルスは、免疫系から逃れ、または免疫系を欺く多くのさまざまな方法を開発した。ヒトヘルペスウイルスは、免疫系に対する防御として潜伏を使用する。潜伏は、条件が増殖または成長に適当でないときに非活動的になる能力である。これらのウイルスを打ち破る鍵は、条件が悪いときに活発に増殖させることである。
【0004】
ヒトヘルペスウイルスの現行の治療には、アシクロビル、シドホビル、ファムシクロビル、ドキソルビシンおよびその他の薬剤が含まれる。しかし、これらの治療は全ての患者に有効というわけではないので、ヒトヘルペスウイルスを治療するための改善された方法が求められている。
【0005】
(発明の概要)
本発明は、ヒトヘルペスウイルスに感染した患者を治療するための方法であって、少なくとも1回患者のコア温度を上昇させ、次いで患者のコア温度を正常に戻すことを含む方法を提供する。コア温度の上昇は、患者のヒトヘルペスウイルス負荷を低減させ、またはなくすのに十分な温度範囲、持続時間および回数で実施する。
【0006】
以上の一般的な説明および以下の詳細な説明はともに例示および説明のためのものであり、これらは、特許請求の範囲に記載の発明をさらに説明しようとするものであることを理解されたい。
【0007】
(発明の詳細な説明)
本発明は、ヒトヘルペスウイルスに感染した患者を治療する方法であって、少なくとも1回患者のコア温度を上昇させ、次いで患者のコア温度を正常に戻すことを含む方法を提供する。コア温度の上昇は、患者のヒトヘルペスウイルス負荷を低減させ、またはなくすのに十分な温度範囲、持続期間および回数で実施する。本出願の「治療する」という表現は、患者のヒトヘルペスウイルス負荷を低減または排除するのに十分な温度範囲までコア温度を上昇させ、これを十分な期間持続し、かつ十分な回数実施することを意味する。コア温度の上昇はヒトヘルペスウイルスをアップレギュレートさせる。加温療法で遭遇する高温、および免疫系のアップレギュレーション(顆粒球増加など)で、ヒトヘルペスウイルスは、抗体および細胞媒介応答が起こる敵に満ちた環境中に分散する。この時間の前、間または後の薬剤投与は、活動化されたさまざまなヘルペス種にとって破壊的となりうる。
【0008】
「患者のコア温度を正常に戻す」という表現は、周囲への熱損失によって患者を冷やすこと、および患者を積極的に冷やすことを含む。以下に説明する例では、周囲への熱損失および積極的冷却によって患者を39℃まで冷やす。その後、患者は退院させる。患者の体温は2、3日かけて徐々に正常(37℃)に戻る。一実施形態では患者のコア温度を1回上昇させ、次いで正常に戻す。他の実施形態では、患者のコア温度を2回またはそれ以上上昇させ正常に戻す。一実施形態では、患者の血液を患者から体外の血流回路を通して再び患者に循環させることによってコア温度を上昇させる。このとき、患者に戻った血液は、血流回路内で高い温度範囲に加熱されている。患者の血液は、血管を通して患者から循環させ、血管を通して患者に戻すことができる。一実施形態では、患者の血液が静脈を通して患者から循環され、動脈を通して患者に戻される。他の実施形態では、患者の血液が動脈を通して患者から循環され、静脈を通して患者に戻される。他の実施形態では、加熱部品を患者に挿入することによってコア温度を上昇させる。加熱部品は患者の血液を温める。加熱部品は患者の血管に挿入することができる。
【0009】
加熱部品は、中枢の血管、すなわち大動脈または大静脈中に挿入することができる。そこで加熱部品は、流れ過ぎる血液を温め、最終的には、正味の獲得温度が通常の(生理学的)冷却機構に起因する温度損失を上回る程度にまで血液を温める。時間の経過とともに体温を所定の温度まで上げることができ、この温度を所定の時間、維持することができる。加熱部品は、シースまたはカテーテルの内部のその長さ方向に沿った1つまたは複数の位置に収容することができる。シースまたはカテーテルは、加熱部品にパワーを供給するワイヤ、導管、光ファイバあるいはその他の材料を含むことができる。体外に、シースまたはカテーテルを制御系に接続するプラグを配置することができる。抗トロンボゲン特性を付与するためシースまたはカテーテルを処理することができる。この処理は、化学処理あるいは単量体ガスの存在下での高エネルギー・コロナまたはプラズマ放電とすることができる。挿入方法は、静脈切開法または経皮的方法(Seldinger法)とすることができる。
【0010】
加熱部品の加熱方法は、電気加熱、無線周波、レーザ、またはその中で高温の溶液を循環させることができる小さなコイルとすることができる。加熱部品の温度は、血液と接触するその表面のところで50℃を超えてはならない。
【0011】
このような加熱部品は核心加熱に使用することができ、さらに局所(local)ないし局部(regional)加熱にも使用することができる。例えば、中空のシースまたはカテーテルを動脈へ経皮挿入してステアリングガイドワイヤを収容することができ、そのため、この装置を肝動脈中に配置することができる。肝臓温用に、サーミスタ先端を有する第2の中空カテーテルを、静脈経皮スティックを介して肝静脈中に配置することができる。
【0012】
血液を温めてコア温度を上昇させる体外全身加温療法(extracorporeal whole body hyperthermia)などの方法が好ましい。しかし、赤外線照射、対流、加熱ブランケットなどの表面接触などによってコア温度を上げるその他の方法も、本発明の方法で使用することができる。
【0013】
コア温度は、38から48℃、より好ましくは38から44℃、より好ましくは41.8から42.2℃に上昇させることができる。コア温度は、2分から16時間、0.5時間から3時間、1時間から2時間、80分から100分、または90分間、上昇させることができる。コア温度は直腸からとることができる。本出願の目的上、「コア温度」は直腸温を意味する。本発明の実施に際しては、例えば食道、膀胱、鼓膜または心臓ライン温度など、直腸温以外の温度をとることもできる。このような他の温度と直腸温の関係は当技術分野では周知であり、これらの他の方法による測定から、本明細書に定義したコア温度を求めることができる。
【0014】
体外全身加温療法の推奨暴露時間を下表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
患者のヘルペスウイルス負荷は、コア温度を少なくとも1回上昇させる前に少なくとも1回、またはコア温度を少なくとも1回上昇させ、かつ正常に戻した後に少なくとも1回、またはコア温度を少なくとも1回上昇させ、かつ正常に戻した後に少なくとも2回、またはこれらを組み合わせて、決定することができる。
【0017】
本発明の実施形態では、患者のヒトヘルペスウイルス負荷が、コア温度を少なくとも1回上昇させ、かつ正常に戻した1カ月後に30パーセント以上、より好ましくは50パーセント以上、75パーセント以上、90パーセント以上、または95パーセント以上、低減する。好ましい実施形態では、コア温度を少なくとも1回上昇させ、かつ正常に戻した1カ月後の患者のヒトヘルペスウイルス負荷が、分枝DNA信号増幅検査(branched DNA signal amplification test)の感度レベル未満に低減する。患者のウイルス負荷の決定は、最後の加温治療の1カ月後に実施する。好ましい他の実施形態では、コア温度を少なくとも1回上昇させ、かつ正常に戻した1カ月後に患者のヒトヘルペスウイルス負荷が、逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応検査(reverse transcriptase−polymerase chain reaction test)の感度レベル未満に低減する。
【0018】
本発明の実施形態では、患者のヒトヘルペスウイルス負荷が、コア温度を少なくとも1回上昇させ、かつ正常に戻した3カ月後に30パーセント以上、より好ましくは50パーセント以上、75パーセント以上、90パーセント以上、または95パーセント以上、低減する。好ましい実施形態では、コア温度を少なくとも1回上昇させ、かつ正常に戻した3カ月後に患者のヒトヘルペスウイルス負荷が、分枝DNA信号増幅検査の感度レベル未満に低減する。好ましい他の実施形態では、コア温度を少なくとも1回上昇させ、かつ正常に戻した3カ月後に患者のヒトヘルペスウイルス負荷が、逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応検査の感度レベル未満に低減する。
【0019】
本発明の方法はさらに、ヒトヘルペスウイルスに対して指示された薬剤を用いて患者を治療することを含む。加温療法と組み合わせると、患者によってはヒトヘルペスウイルス治療に有効な薬剤の効力を高めることができる。本発明の方法はさらに、ヒトヘルペスウイルスに対して指示された薬剤であって、ヒトヘルペスウイルスに対する単独治療では効果がないが、加温治療と組み合わせると患者によっては効き目がある薬剤を用いて患者を治療することを含む。患者は、ヒトヘルペスウイルスに対して有効な単一の薬剤、またはヒトヘルペスウイルスに対して有効な2種またはそれ以上の薬剤を用いて治療することができる。薬剤は、同じ患者にいくつかの時点で投与することができる。すなわち、患者のコア温度を少なくとも1回上昇させる前、患者のコア温度が高い間、患者のコア温度を少なくとも1回上昇させ、次いで正常に戻した後、またはこれらを組み合わせて投与することができる。
【0020】
薬剤は、インターフェロン、蛋白分解酵素阻害薬、サイトカイン、化学療法剤、またはこれらの任意の組合せから選択することができる。薬剤は、リバビリン、ラミブジン、インターフェロンアルファコン−l、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファ−nl、サイモシンアルファ−1、インターロイキン−2、インターフェロンアルファ−n3、ケトプロフェン、インターフェロンベータ−1a、インターフェロンガンマ−1b、インターロイキン−12、ヒスタミンジヒドロクロリド、チマルファシン、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、アバカバル、ネビラピン、デラビリジン、エファビレンズ、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、サキナビル、アンプレナビル、ドキソルビシン、アシクロビル、シドホビル、ファムシクロビル、ホスカネット、ガンシクロビル、イドクスウリジン、トリフルオロチミジン、バラシクロビル、ビダラビンまたはこれらの組合せから選択することができる。好ましい実施形態では、薬剤が、インターフェロン、リバビリン、ラミブジンまたはドキソルビシンから選択される。好ましい他の実施形態では薬剤がアルファインターフェロンである。好ましい他の実施形態では薬剤がドキソルビシン、より好ましくはリポソームドキソルビシンである。薬剤にはさらに、抗酸化薬、非ステロイド性抗炎症薬および/または反応性酸素遊離基捕捉剤が含まれる。いくつかの薬剤が研究中であり、いくつかはヒトヘルペスウイルス治療に使用可能である。ドキソルビシンは、カポジ肉腫治療に使用される薬剤の1つである。
【0021】
好ましい実施形態では、ヒトヘルペスウイルスが、ヒトヘルペスウイルス−8、Epstein−Barrウイルス、サイトメガロウイルス、帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス−1、単純ヘルペスウイルス−2、ヒトヘルペスウイルス−6またはヒトヘルペスウイルス−7から選択される。他の好ましい実施形態では、ヒトヘルペスウイルスがこれらのそれぞれのウイルスである。他の実施形態では、ヒトヘルペスウイルスがヒトヘルペスウイルス−8ではない。他の好ましい実施形態では、ヘルペスウイルスがHHV−8であり、治療前に患者がドキソルビシンを受け取っており、患者が依然として進行性のカポジ肉腫を有する。
【0022】
ヘルペスウィルスに感染した患者は、急性または慢性ヘルペスウィルス感染を有する。患者は、病原体にも感染していることがある。病原体は例えばウイルス、スピロヘータまたは細菌である。病原体は例えば熱不安定ウイルス(heat labile virus)である。熱不安定ウイルスは例えば、ヘパドナウイルス、トガウィルス、フラビウイルス、コロナウイルス、ラブドウイルス、フィロウイルス、パラミクソウイルス、オルトミクソウイルス、ブンヤウイルス、アレナウィルスまたはレトロウイルスから選択される。熱不安定ウイルスは例えば、HIV、B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスである。好ましい実施形態では熱不安定ウイルスがHIVである。スピロヘータは例えば、トレポネーマ属、ボレリア属またはレプトスピラ属である。スピロヘータは例えば、Treponema pallidum、Treponema pertenue、Treponema carateum、Treponema pallidum endemicum、Borrelia burgdorferi、Borrelia hermsii、またはLeptospira interrogansである。細菌は、好気性または嫌気性細菌である。
【0023】
本発明の方法では、従来の加温療法機器を使用することができる。
いくつかの異なる検査を使用して、ヘルペスウイルスに感染しているかどうかを判定する。さらに臨床医は、特にヘルペスウイルスを検査する。一連の検査で、ヘルペスウイルスの抗体の存在を調べる。この抗体が血液中に存在する場合には、通常、ヘルペスウイルスに感染していることを意味する。
【0024】
ヘルペスウイルスRNAの存在を検出する他の検査も頻繁に実施される。ヘルペスウィルスDNAの測定に使用される検査には核酸増幅診断検査が含まれる。 実施例
HIV薬剤治療がうまくいっていない38歳のHIV/AIDS患者に対して治療を実施した。患者は、1セッションの体外全身加温療法(EWBH)を受けた。患者は、加温治療の開始までHIV処方を続け、治療および経過観察期間中は処方を中断した。
【0025】
この患者は薬剤治療が効かなかった。これは、(A)安定した抗ウイルス性処方でのHIV PCRウイルス負荷≧10,000、および(B)2種類のヌクレオシド類似体、1種類の非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬および1種類の蛋白分解酵素阻害薬の3カテゴリ全てから成る2つ以上の組合せの抗ウイルス処方の失敗から明らかであった。患者は、1回の加温治療を受けた。この際、核心体温を最高41.8±0.2℃まで上げ、これを90分間継続した。
【0026】
患者の診断は、HIV8/88およびKS12/95で実施した。寒冷療法および病変内ビンブラスチンを用いた治療を受ける間に、患者は、3/98中に新しい15個のKS病変を発現し、PIを含む4薬処方のウィルス学的に失敗した。3ないし6週ごとの18カ月間のリポソームドキソルビシン注射によりKSは寛解した。患者は、以前の9通りのHAART処方がウイルス学的に失敗しており、6薬処方の実施中HIV RNA PCRが305,700であり、そのとき新しい4つの病変を発現した。CD4%および細胞カウントは10カ月の間に24/236から5/26まで下がり、スクリーニングベースラインでのウイルス負荷は317,214(log5.50)であった。患者はHAARTを中断し、1回のEWBHセッションを受けた。BWBHから5週後、患者は、1回分のリポソームドキソルビシンの投与を受けた。8週めに、4つの活性の病変は全て部分的に寛解し、前に治療した病変は軽くなっていた。HAARTを離れて8週での、ウイルス性負荷は235837(log5.37)、CD4%および細胞カウントは8/13であった(ドキソルビシン後のWBCは0.9)。
【0027】
この患者のEWBH治療の結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
表2には、HIV負荷(コピー/mL)、CD4リンパ球カウント(細胞/mm3)、CD4%、CD8リンパ球カウント(細胞/mm3)、CD8%、ビリルビン(mg/dL)、血小板カウント(細胞/mm3)、ALT(U/L)およびAST(U/L)が示されている。
【0030】
好ましい実施形態によれば、次の加温治療のためこの患者を以下のようにスクリーニングする。(1)EWBHを受けた後にウイルス負荷の低下が見られない場合にベースラインから、または(2)EWBH後に記録された最も低いHIV負荷から、0.5log以上のHIV負荷が確認されるまで患者を追跡する。0.5log以上のHIV負荷の増大を経験した場合、EWBHの適格性について患者を再スクリーニングし、適格である場合には、別に1セッションのEWBHを施し、プロトコルごとに追跡する。再治療の判定基準は、HIV負荷のベースラインまたは最下点のうちの大きいほうから0.5logの増大とする。患者が従った臨床プロトコルおよび使用機器の詳細については後に示す。
【0031】
臨床プロトコル
本調査の目的は、HIVの薬事療法が効果を示さなかった個体に対する単一EWBH治療の有効性を検討評価することであった。薬事療法の無効果、(A)安定した抗ウイルス処方中にHIV PCRウイルス負荷が≧10,000に増加、および(B)次の3種類すべてからなる、任意の2つの組み合わせの抗ウイルス処方の無効果;2つのヌクレオシド類似体、1つの非ヌクレオシド反転写酵素抑制体、および1つのプロテアーゼ抑制体。安定した抗ウイルス処方は、研究用のスクリーニング前16週にわたり抗ウイルス処方に変化がないものと定義する。抗ウイルス処方は、通常、開始後8〜16週以内にピークPCRの低下を示す。
【0032】
患者のウイルス負荷が基準または最下点から0.5logあるいはそれ以上増加したことが確認されると、EWBHに対する適性について再スクリーンを受け、適している場合は、EWBHをもう1セッション受け、プロトコルごとに追跡される。患者はすべて、プロトコルごとに、スクリーニング時、治療中、およびフォローアップ時に採血され、その分析を受ける。再治療の基準は、基準または最下点のうち高い方を超えてウイルス負荷が0.5log増加することである。
【0033】
主要な客観パラメータの分析は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、HIV−RNA、およびCD4細胞係数およびパーセンテージによって計測したHIVウイルス負荷を含んでいる。2次的客観パラメータは、EWBH治療を受けた者とコントロール集団とにおける日和見感染の蓄積発生率の評価を含んでいる。臨床ユーティリティ、生活の質を評価するデータを追跡して、療法前および療法後におけるこの治療法の有意性を評価した。
【0034】
プロトコル期間中には薬物の予防投与を許可し、日和見感染に対しては適切な療法を行った。再発性ヘルペス感染の危険性を最小限に抑えるために薬物の予防投与を許可した。療法前にHIV/AIDSの身体病変がある場合にはそれを測定し、可能であれば、治療後にこれらの疾患を追跡できるように写真撮影した。
【0035】
以下の基準を満たした患者は適性があるとし、不適格性の除外は行わなかった。
1.ウエスタン法により確認した、ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)酵素様免疫吸着法に対する陽性テストの記録。
【0036】
2.(A)安定抗ウイルス処方(研究用のスクリーニング前16週にわたって抗レトロウイルス処方に変化がないものと定義する)中のHIV PCRウイルス負荷が≧10,000、および(B)2つまたはそれ以上の抗レトロウイルス薬物投与からなる少なくとも2つの組み合わせの抗ウイルス処方の無効果、および(C)少なくとも2つのヌクレオシド類似体、1つの非ヌクレオシド反転移酵素抑制体、および1つのプロテアーゼ抑制体のの事前使用、として定義する推奨薬物療法が効果を示さなかった。
【0037】
4.Karnofsky Performance状態≧70%。
5.男性または女性、年齢18〜60歳(18および60も含む)。
6.顆粒球≧500/mm3;白血球数(WBC)≧1500/mm3;血小板数≧100,000/mm3;ヘマトクリット≧30vol%;およびヘモグロビン≧10g/dl。
【0038】
7.プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)、アンチトロンビンIII、フィブリノーゲン、およびトロンビン時間≦正常範囲の上限または下限の20%。
【0039】
8.血清クレアチニン<2.0mg/dl。
9.血清アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(SGOT、AST)および血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(SGPT、ALT)≦5X正常の上限。
【0040】
10.女性については妊娠検査の陰性。
11.CD4+リンパ球ヘルパー細胞≦500細胞/mm3。
12.Roche AmplicorHIV−1 RNA PCR≧10,000コピー/ml。
【0041】
13.署名済みインフォームド・コンセント。
14.EF≧45%、正常LV機能、および冠動脈疾患の証拠がない状態での、ストレス心エコー図、またはストレス・テストおよび心エコー図、または心エコー図ヌクレオチド研究。
【0042】
15.努力呼気肺活量(FEV1)≧予測機能の60%。
16.造影剤による脳CTスキャンの陰性。
17.フォローアップ・スケジュールの固守に対する同意。
【0043】
以下のいずれかを示した患者はプロトコルから除外した。
1.ニューヨーク心臓協会(NYHA)分類IIIまたはIV
2.過去12カ月以内における心筋梗塞の病歴、虚血性変化を示す異常ストレス・テスト、悪性で、コントロール不可能な不整脈、または記録された不安定狭心症
3.プロトコル療法から4週以内における大手術
4.出血体質による中枢神経系出血の病歴、または以前に記録された脳血管発作
5.何らかの進行中の日和見感染の証拠。患者は、日和見感染の治療から少なくとも4週間後の状態になければならない。
【0044】
6.ヘパリン、プロタミン、豚肉/牛肉製品、魚、リドカイン、または他の麻酔剤に対するアレルギー既往症。
7.管理されていない高血圧、最大血圧160および最低血圧105。
【0045】
8.病歴から判断される活発な不法薬物使用。
9.本プロトコルへの参加を妨げるような他の研究臨床試験に現在登録している。
【0046】
好ましい実施形態では、EWBH療法を受ける患者はEWBH療法までは自分が現在行っている薬物処方を続行し、この治療およびフォローアップ期間にはその薬物処方を中断する。EWBH治療を受けたすべての患者は、(1)EWBHを受けた後にウイルス負荷に顕著な減少が見られない場合は基準から、または(2)EWBH後に記録された最も低いウイルス負荷からの0.5logまたはそれ以上のウイルス負荷の増加が確認されるまで追跡した。EWBH患者に基準または最下点から0.5logまたはそれ以上のウイルス負荷の増加が確認されると、患者はEWBHの適性について再スクリーンを受け、適性である場合はEWBHをもう1セッション施し、プロトコルごとに追跡した。すべての患者は、主観および客観データを連続的に収集しながらプロトコルごとに追跡した。データはすべて蓄積し、表にまとめ、分析した。
【0047】
分析のために、すべての患者(EWBHおよびコントロール)については、(1)治療のための基準を文書化する(基準または最下点からPCRが≧0.5log増加)、(2)最初の無作為化後の6カ月のフォローアップの終了、または(3)6カ月のフォーローアップ期間におけるフォローアップの失敗(loss)、中止、または死亡、まで研究を続けた。
【0048】
主要な客観パラメータの分析には、ニュージャージー州NutleyのRoche Diagnosticsから入手可能なRoche Amplicor HIV−RNA PCRで測定したHIVウイルス負荷、リンパ球サブセット・プロフィルおよびパーセンテージ(CD4)を含んだ。2次的客観パラメータには、患者の日和見感染の蓄積発生率の評価が含まれる。臨床ユーティリティ、生活の質を評価するデータを追跡し、療法前および療法後におけるこの治療法の有意性を評価した。認められたEWBHのリスク(すなわち装置に関係するものや、治療に関係する有害事象)は、この療法の潜在的な効果との関連から監視した。
【0049】
各患者にはすべての手順を通知し、治療およびフォローアップ・プロセスに必要な通院の遵守を承諾させた。研究中に生じた医療上の問題に対しては、患者に可能な限りの対処を行った。現用の薬物投与は、スクリーニング時に記録し、症例報告書で報告された。試験中に投与あるいは服用した薬は症例報告書に記録し、薬物投与の種類、投与量、スケジュール、期間およびその使用の理由を特定した。入院、診療所/医院への通院、日和見感染の発生率、および与えた治療およびその期間は綿密に監視し、重篤な有害事象(SAE)および有害事象(AE)フォームで記録した。
【0050】
臨床病歴には、HIV/AIDS診断の日付、症状の病歴(日付および程度)、および以前に行った療法が、その使用期間および中断の理由とともに含まれる。病歴は、判明しているすべてのアレルギーを含む。
【0051】
臨床評価は、「必要観察表」に挙げる血液研究を含む。フォローアップ時の血液はEWBH療法後の第1日目に採取し、第3〜7日、第1、2、4および6月(±1週)のフォローアップの通院時(患者がこれらの時点に到達する程度まで)に繰り返し採取した。
【0052】
以下の研究は、理学的検査に加えて行った。処置前の血液標本抽出は、入院日の朝に採取した。研究中を通じて追加のテストを繰り返し行った(「必要観察表」参照)。テストおよび処置は、臨床毒性を評価するのに必要である際は繰り返し行った。
【0053】
1.血液学:−微分を含む全血球計算(CDC。WBCを含む)
−血液型(ABO Rh)
2.凝固:−プロトロンビン時間(PT)、部分トロンボプラスチン時間(aPTT)、抗トロンビンIII、トロンビン時間、フィブリノーゲン
3.一般化学:
−ナトリウム、カリウム、塩化物、CO2、カルシウム、リン、マグネシウム、グルコース、アルブミン、クレアチニン、コレステロール、全蛋白、ALT、AST、全ビリルビン、アルカリ・フォスファターゼ、クレアチニン・ホスホキナーゼ(CPK)、乳酸脱水素酵素(LDH)、血液尿素窒素(BUN)
4.心臓評価:−心電図(EKG)によるストレス心エコー図
5.肺評価:−胸部X線(CXR)、肺機能テスト(1秒間努力呼気肺活量、FEV1、および努力肺活量、FVC)
6.腎機能:
−BUN、クレアチン
7.神経評価:
−完全な神経的身体的検査
−頭部のコントラストによるコンピュータ体軸断層撮影(CAT)スキャン
8.免疫系評価:
−リンパ球フェノタイプ・プロフィール。CD4およびCD8を含む
−HIV RNA PCR(Roche Amplicor)
9.慢性肝炎評価:
−C型肝炎定性PCR
−B型肝炎表面抗原
−B型肝炎DNA PCR(HBSAg陽性の場合)
10.病変がある場合、適切であれば写真による病変の測定および記録
11.全身Karnofsky性能状態の測定
【0054】
【表3】
【0055】
以下のプロトコル・デザインを高温治療アームに使用した。
A.事前処置
病歴、理学的検査、および検査法が終了し、かつ入院基準を満足した後、患者はその処置の日に入院した。「必要観察表」に従い採血を行った。患者は、処置前の少なくとも6時間、患者は絶食した(NPO)。予防的に手術前抗生物質を24時間投与した。
【0056】
B.処置パラメータ
手術質(OR)または治療室に入ると、患者は手術台にのせられ、処置の準備が施された。
【0057】
1.治療施設の説明
処置DIDに使用するORまたは治療室をこの処置のために変更する必要はない。屈筋点保護のため、手術台に気泡ゴムのマットレスおよび/または気泡ゴムのパッドを装備した。
【0058】
2.EWBHのための患者への器具使用
EWBHの前に手術室に以下のものを配置した。
i スワン−ガンツEKG誘導モニター
ii 抹消静脈(IV)ライン(2)
iii 橈骨動脈カテーテル
iv 肺動脈(スワン−ガンツ・タイプ)経中心静脈サーミスタ・カテーテル
v オキシメータ
vi サーミスタ付き膀胱カテーテル
vii 直腸温度プローブ
viii 食道温度プローブ(全身麻酔)
ix 鼓膜温度
x 外科手術により両側大腿静脈カテーテルを配置し、加温療法ユニットに接続した。
【0059】
温度プローブ(食道、直腸、および鼓膜)を、0.1℃内でNIST追跡可能デバイスに較正した。
3.麻酔法
麻酔管理は、治療基準に従って適切な薬剤を投与した麻酔科医の責任である。麻酔薬の選択は、個々の患者プロフィールに基づいて決定した。全身麻酔法または鎮静剤を使用することができる。
【0060】
1時間の適切な尿量を確保するために、処置を通して、また術後初期に2−3mcg/kg/分でドーパミンの点滴を使用した。最低30cc/時間の平均尿流を目標とした。手術チームの裁量で処置中の補液を投与した。加温治療中、アルブミンおよびマンニトールは使用しなかった。
【0061】
4.EWBH処置法、すべてのパラメータを症例報告用紙に記入した。スワン−ガンツ・カテーテルから肺収縮期血圧と肺拡張期血圧および血液温度の経時的示度を記録した。治療前後に、熱希釈カテーテルを介して測定される心拍出量(CO)を測定した。
【0062】
処置の間、各患者は5分間隔で体温を連続的に監視された。還流技師は、すべての還流データを特定の還流データ用紙に記録した。他の患者パラメータは標準的なORフローシートに記録した。
【0063】
監視した温度
直腸(TR)、食道(TE)、鼓膜(TP)、肺動脈(TPA)、水入口/熱交換器(TW)、血液排出口/熱交換器(TBLD)
a.準備
還流技師は回路に等張溶液を満たし、完全に空気が抜けるまで循環させた。外科医は、体外回路と接続させるために切開方法または経皮方法を用いて大腿静脈にカニューレを挿入した。
【0064】
体外回路バイパスに必要なヘパリンの所定用量を150単位/kgで計算し、各投与前後に活性凝固時間(ACT)判定をして75単位/kgで2回に投与した。EWBH中、通常の2.5倍から3倍のACTを維持した。必要な場合は、ACT測定法に従ってヘパリンの更なる投与量が投与された。
【0065】
b.加温相
41.8°±0.2のコア温度に達する時間は約40分であった。
i EWBHは、ベースライン心拍出量の約<20%の血流速度で開始された。熱交換機中を循環する水は5分より長く50℃を超えなかった。
【0066】
ii TEまたはTR(どちらが大きくても)が41.8°±0.2℃に達すると、静止相が開始された。
iii 40.0℃に達すると、患者の首の下および周囲にアイスパックが置かれた。
【0067】
c.静止相
i 核心体温(どちらが大きくてもTEまたはTR)は90分間41.6〜42.0℃の間に維持された。TEまたはTRが42.0℃を超えないようにTWが低減された。体温は即座に変更できないので、42.0℃を超える一時的な偏位はプロトコルの逸脱とはみなさなかった。
【0068】
ii 血液温度およびコア温度を調節するために血流を変更した。
d.冷却相
39℃に達する予想時間は30〜45分である。
【0069】
i 最初の20分間水流を中断することによって、周囲のヒート・ロスにより冷却され、最初に冷却が開始された。
ii 20分後にサーモスタットが30℃にリセットされ、水流が再設定された。
【0070】
iii TRが39℃に達すると、バイパスが中断された。
iv カニューレ抜管し、ヘパリンを硫酸プロタミンリバースした。
e.安定すると、患者は麻酔後室または回復室に移動された。
【0071】
【表4】
【0072】
C.EWBH後患者監視
1.麻酔後室または回復室では標準的監視に以下の監視が含まれた。
−連続的EKG監視
−指示ある場合は12リードEKGストリップ
−体温、脈拍、呼吸、および血圧(最初の一時間半は15分おきに、次いで次の一時間半は30分おきに)
−尿排出量
2.退院時に、気胸症、肺拡張不全等の肺動脈問題の出現を防止するためにCXRが得られた。止血を確認するために大腿カニュレーション部位から圧迫包帯を除去した。
【0073】
3.入院後約23時間の歩行可能な時に患者を退院させた。
フォローアップ通院
フォローアップ通院は、EWBH治療後第1日目、3日〜7日の間、一カ月後(±7日)、二カ月後(±7日)、4カ月後(±7日)および6カ月後(±7日)(患者がこれらの時点まで延命している限り)に必要とされる。フォローアップ通院では、前回通院以来の副作用の可能性に関して患者に質問し、説明されたすべての副作用を症例報告用紙に記録した。必要観察表に従って臨床検査のための採血を行った。
【0074】
使用された機器
以下の米国特許および特許出願の内容を、本明細書によって参照により本出願に組み込む。(1)1995年2月21日に発行された「Apparatus and Method for the Extracorporeal Treatment of the Blood of a Patient Having a Medical Condition」という名称の米国特許第5391142号、(2)1997年10月7日に発行された「Extracorporeal Whole Body Hyperthermia Using Alpha−Stat Regulation of Blood pH and pCO2」という名称の米国特許第5674190号、(3)1999年6月16日に出願された「Bladder Catheter for Hyperthermia System」という名称の米国特許出願第09/334224号、および(4)1999年6月16日に出願された「Thermal Sensor for Hyperthermia System」という名称の米国特許出願第09/334520号。
【0075】
使用された加温療法機器は、3つの主要な構成要素、すなわち(a)コンソールと、(b)ヒータ/クーラ・ユニットと、(c)ディスポーザブル血液接触回路とから構成された。
【0076】
コンソールは、加温療法処置の操作および監視を行うために使用される体外遠心ポンプ・デバイスから構成された。これは、駆動モータと、ポンプ用の制御装置と、システム・パラメータ(温度、圧力、および流れ)を監視するための電子回路とを含んでいた。ヒータ/クーラ・ユニットを使用して、患者の体温を上昇または下降させ、伝導熱伝達によって所望の患者体温を維持した。患者の体温を上昇させるためには、温水が熱交換器を介して循環された。患者の体温を低下させるためには、冷却水が熱交換器を介して循環された。
【0077】
ディスポーザブル血液接触回路は、高熱を誘発し、監視するための構成要素から構成された。回路を完成させるためには、脈管アクセスが必要であった。血液は、血液を遠心ポンプに送る静脈カニューレおよびPVC配管を介して患者から出た。血液は、ポンプから、ヒータ/クーラの助けを借りて、熱的交換が行われる熱交換器を介して推進された。血液は、加熱された後、血液フィルタを通過してから、第2の静脈カニューレを介して患者に戻った。回路温度は、熱交換器の出口内部に配置された較正サーミスタ・プローブによって監視された。これは、回路内での最高血液温度読取値を表した。血液温度、およびヒータ/クーラから記録された温度、ならびに患者温度は、処置中の血流およびヒータ/クーラ温度の潅流管理に基づいていた。
【0078】
回路流れは、コンソール内に構築された電気絶縁電磁流量計、および血液回路内に位置された流れ挿入部によって測定された。流量値は、ベースライン心拍出量の約<20%であることが実験から求められている。これらの流れレベルでは、患者に対する温度上昇率は十分に遅く、生物化学的パラメータを劇的には変化させない。水浴温度調節と共に血流量調節を用いて、プロセスを微調整し、適切な時間にわたって狭い範囲内でコア身体温度を維持する。
【0079】
回路圧力監視は、コンソール内に構築された圧力電子回路と、熱交換器の入力側に位置されたディスポーザル・トランスデューサとによって達成された。回路内部のこの位置は、操作者がポンプの下流での流れに対する抵抗を監視することができるようになっていた。圧力読取値の変化を診断ツールとして使用して、回路完全性および血液凝固阻止の状態を求めた。トランスデューサにある三方コックとポンプ入力部にある二方コックとの接続がなされた。ポンプ入口圧力を隔離するために向きを変えられた三方コックを用いて、操作者が、起こり得る退出カニューレの位置異常を認識することができた。この読取値を肺動脈拡張期圧と共に利用することによって、患者の体積状態の変化を予想することができた。40μmフィルタが、血液を、粒子状物質がない状態に保った。
【0080】
このシステムを使用して、患者の血液の加温療法治療を行った。使用するのが容易になるように構成要素およびサブアセンブリが統合され、調整された。装置は、体外血流回路を画定する構造を含んでいた。そのような回路は、患者の大腿静脈へのカニューレ挿入に使用する第1のカニューレを含んでいた。そのようなカニューレが血液退出点を画定した。第2のカニューレは、患者の別の大腿静脈へのカニューレ挿入に使用され、第2のカニューレは血液進入点を画定した。第1のカニューレと第2のカニューレを一部相互接続するために、不連続コンジットが提供された。統合無菌モジュールのコンジット部分は、内部にポンプと、コンジット部分を介して流れる血液の温度を調整するための熱交換器と、コンジット部分を通過する血液の温度、圧力、および流量を確認するためのセンサとを挿入されていた。さらに、装置は、センサによって感知された温度、圧力、および血流量に応答してポンプおよび温度調整器を調整するための制御装置を採用した。
【0081】
コンソールは、様々な制御機構を有するモジュールと共に採用された。そのような制御機構は、コンジット部分を介する所望の圧力および血流量を達成するように設定を選択的に変更するために使用された。
【0082】
統合無菌モジュールは、ディスポーザル構成要素であった。したがって、医療設備には、以前に治療を受けた患者、および治療に携わった医療関係者のHIV陽性血液によって、ある患者の血液が汚染される可能性があった。
【0083】
体外血液循環を行うために患者にカニューレ挿入すると、患者の静脈にある第1のカニューレ挿入点と患者の静脈にある第2のカニューレ挿入点の間に血流回路が画定された。次いで、患者の血液がこの回路を介してポンプされた。血液は、回路を通過するとき、比較的短い期間、第1の高温に加熱された。その後、より長期間にわたって第1の高温よりも低い第2の温度に加熱された。
【0084】
本発明の一実施形態では、血液は42℃〜48℃の第1の高温に加熱される。血液は通常、約0.5〜1時間の期間にわたって第1の高温で維持することができる。その後、血液を、約1〜2時間、第2の高温で維持することができる。第2の高温は、想定では、42〜44℃または37〜39℃にすることができる。
【0085】
ここで図面を参照すると、複数の図を通じて同じ参照番号が同じ要素を表しており、図2は、C型肝炎感染に対処するための処置としての患者の加温療法治療に使用される装置10を線図で示す。図2では、左足の大腿静脈が、患者の身体からの血液退出点としてカニューレ挿入され(参照番号16)、患者の右足の大腿静脈が、患者内へ戻る血液の進入点としてカニューレ挿入された(参照番号18)。これら2つの特定のカニューレ挿入点16、18は排他的なものでなく、他のカニューレ挿入位置も具体的に企図されていることを理解されたい。ただし、図2に図示される位置は、特に適切であることがわかっており、図示されるように異なる足にある進入および退出点が利用され、患者の片方の足のみが傷つかないようにされている。
【0086】
図2は、前述した2つの静脈で患者にカニューレ挿入するための第1および第2のカニューレを含めた直列血流回路14を示す。内部に不連続部を有するコンジット24が提供され、第1のカニューレと第2のカニューレを一部相互接続した。図1に最も良く示されている統合無菌モジュール26を、不連続コンジット24内の不連続部と連係して、直列血流回路14を完成した。モジュール26は、治療の過程で血液にさらされる全ての構成要素を含んでいた。不連続コンジット24のセグメント30と連絡して配置されたコンジット部分28を含み、回路14を完成した。
【0087】
ディスポーザル・モジュール26のコンジット部分28は、内部に様々な構成要素を挿入された。血液は、静脈にあるカニューレ挿入退出点16から、適切な構成のポンプ34によって熱交換器32にポンプされた。図2に、使用した遠心ポンプ34を例示し、しかし、この特定のタイプのポンプが排他的でないことを理解されたい。
【0088】
図2は、ポンプ34よりも下流にある熱交換器32を例示する。熱交換器32は、血液の温度を所望のレベルまで選択的に上昇させる働きをする。血液は、熱交換器32を通過した後、潅流フィルタ36を通過する。この位置で、潅流から不純物を除去することができる。
【0089】
流れプローブまたはセンサ38は、直列流れ回路14内で、潅流フィルタ36よりも下流にあった。プローブ38は、回路14を通過する潅流の流量の尺度に関する情報を感知する働きをした。図2は、流れセンサ38よりも下流にある回路14内で使用された圧力トランスデューサ40を例示する。回路14を介する潅流の流量を知ることが重要であるが、システムにわたる圧力を知ることも重要である。それにより、治療を受ける患者を適切に保護することができる。
【0090】
図2はまた、回路14内で使用された温度センサ42を例示する。センサ42は当然、回路14を介して流れる血液の温度に関する情報を提供する働きをする。
【0091】
図2はまた、患者に戻す必要のない余分な潅流を、再循環用のポンプ34に戻して再循環させる回路14のブランチ44を示す。再循環ブランチ44は、初期セットアップ中にも使用された。
【0092】
一連の配管クランプ46も例示されている。そのようなクランプ46は、基本的に、咬合器として働き、配管セグメントを摘まんでそこを介する流れを妨げるように配設することができる。図2には、使用された3つのそのような配管クランプ46が例示されている。第1のクランプは、患者の退出点のすぐ下流にあった。第2のクランプは、患者の身体に血液が再進入する位置のすぐ前に位置された。第3のクランプは、回路14の再循環セグメント内に位置決めされた。
【0093】
図1は、前述したように、血流回路14内の血液にさらされる図2を参照して説明した全ての構成要素を内部に配設された統合無菌モジュール26を例示する。しかし、図1はまた、統合無菌モジュール26を着脱可能に取り付けるシャシ60を含む、使用された非ディスポーザル・ベース・ユニットも例示する。図1はさらに、ベースユニットが、実施された加温療法処置の操作を制御するためのコンソールまたは制御装置ユニット62を含んでいたことを示す。コンソール62は、潅流流量、圧力、および温度を所望のレベルに調整して維持する働きをした。
【0094】
コンソール62は、一連のデジタル・ディスプレイ・ウィンドウ64を有していた。そのようなウィンドウ64は、温度、圧力、および流量を読み取り、実際に感知された値と、入力されたアラーム範囲設定との両方に関するパラメータを表示した。各ディスプレイ64が、例えば、温度、流量、または圧力がその範囲内に維持されるように意図された所望の範囲を超えたときに合図するための一連の視覚アラーム(すなわちLED66)を備えていた。やはり図示されるように、一連のアラーム設定制御機構68も提供された。各ウィンドウ64は、対応する上側および下側範囲制御機構、ならびに中間に位置されたトグル・スイッチ70を有していた。トグル・スイッチ70は、上側範囲設定を表す位置と下側範囲設定を表す位置との間で切り換えることができた。例えば、上側範囲設定になっているとき、適切なダイアル72を操作して、上側範囲制限を調節することができた。
【0095】
最後に、コンソール62の制御パネル74が、下側列のダイアルやディスプレイなどを有していた。これらの構成要素は、タイマ76と、追加の動作モード(例えば拍動モード)に関するレートおよび振幅制御機構78と、例えば回路14内の圧力などに関する迷走振幅信号をフィルタ除去するための電子フィルタ80とを含んでいた。
【0096】
図1に例示され、患者の治療を行うために使用される構造では、外部流体を熱交換器32に提供するためのヒータ/クーラ(図示せず)がコンソール62の一部を構成しないことが意図されている。熱交換は、従来技術で知られている副行様式で実施された。
【0097】
図1には具体的に示されていないが、コンソール62は、モータ82を内部に含み、モータ80は、壁を介して潅流ポンプ34と連係する。これは、モータ82に磁気ロータを提供することによって行われた。モータ82が駆動されたとき、ロータも回転された。磁気要素がポンプ34内に提供され、そのような磁気要素は、壁を介して磁気ロータと連係した。このとき、ロータの駆動が、所望のレベルでのポンプ34の動作に変換された。
【0098】
図3に、当該のセンサ38、40によって感知された圧力および流量レベルに応答してポンプ34が制御された様子を概略的に示す。これらの図は、統合無菌モジュール26と、その内部に収容されている(これは点線によって示される)構成要素とを示す。
【0099】
加温療法治療用のシステムを利用したとき、患者は上述したようにカニューレ挿入された。当初、患者は回路14の外におり、流れが患者を迂回していた。これは、適切なチューブ・クランプ46の操作によって行われ、バイパス・ブランチ回路44を介する流れをもたらした。
【0100】
セレクタ・スイッチ84は、フィードバックが、モータ82、圧力トランスデューサ40、または流れプローブ38のいずれかから提供されるように手動で位置決めされた。適切なフィードバック構成要素からの入力が、セレクタ・スイッチ84を介してサーボ増幅器86へ流れた。これを受けて、増幅器86が、適切な形でポンプ・スピードを制御するための情報を入力して、所望の流れおよび圧力パラメータを達成した。
【0101】
図3はまた、特定のパラメータの設定を開始するときに操作された可変抵抗器88を例示する。パラメータが設定され、システムが適切に較正された後、患者が流れシステム14内に導入された。その後、温度、圧力、および流量の連続監視が行われた。パラメータが所望の範囲外に出たことをアラーム・システムが示したとき、適切なアクションが取られ、パラメータがその範囲に戻された。
【0102】
加温療法中、pCO2は、体温の変化に合わせて直接変化する。アルファスタット調整中、血液のCO2含有量が一定に保たれることが望ましく、そのため、空気対流要件と体温との逆の関係が必要になる。アルファスタットは、pCO2を調整することによって一定のCO2を保つ。したがって、血液ガス管理にアルファスタット技法を利用すると、細胞膜にわたるpH勾配が、加温療法中に生じる温度範囲全体を通して保存されるので有利である。この血液pHおよびpCO2のアルファスタット調整が患者の治療に使用された。
【0103】
呼吸数の操作によって肺換気を直接制御することにより、pCO2、CO2総量、およびpHを、アルファスタット・パラメータに従って処理全体を通じて維持し、電解質平衡が全体を通じて維持されることを保証した。処置中、患者の電解質交換は必要なく、代謝性アシドーシスに対する重炭酸ナトリウム投与も必要なかった。
【0104】
血流回路は、血液ガス分析装置(BGA)を備えていた。BGA内部に、赤外線または化学分析によって血液pHおよびpCO2を含めた血液ガスを分析する分析装置がある。適切な手段によって患者に取り付けられたパルス・オキシメータが、患者の血液のpO2を測定した。次いで、マイクロプロセッサが、血液のpH、pCO2、pO2に関連するデータを分析し、37℃で標準化された血液の塩基過剰を計算した。マイクロプロセッサは、次いで、患者の呼吸数と、患者の血液中に取り込まれたNaHCO3またはアシドーシス仮晶溶液の量(HCO3 −イオン濃度に影響を及ぼす)とを自動的に調節するようにプログラムされた。これは、換気または投薬により患者の呼吸数を調節することによって達成された。
【0105】
一定のCO2含有量での血液の呼吸管理は、温度が変化しても一定のアルファを維持し、それにより患者の血液成分の代謝性の良さに基づいて生物化学反応を安定化させる。重炭酸ナトリウム緩衝システムは、以下の式に基づいていた。
【0106】
H++HCO3 −〜H2CO3〜H2O+CO2
アシドーシス(↓pH)は、H+(代謝)および/またはCO2(呼吸)の増加があるときに生じる。呼吸性アシドーシスは、換気の深さまたは換気率の変化によって治療される。代謝性アシドーシスは、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)の投与によって治療される。「重炭酸(Bicarb)」はNa+とHCO3 −に解離し、HCO3 −がH+と結合してCO2とH2Oを生成する。
【0107】
血液ガス、pH、pO2、pCO2、およびHCO3 −濃度は、直接測定することによって得られる。塩基過剰(BE)は、測定されたpCO2とHCO3 −の濃度間の関係に基づいて導出されるパラメータであり、標準HCO3 −濃度値に関して計算される。この濃度値は、動脈血では24mEq/Lであり、静脈血では26mEq/Lである。
【0108】
使用しなかったオプションの機器
患者を処置するのに使用しなかった熱センサおよび膀胱カテーテルについて以下に述べる。
【0109】
熱センサ
体外からの全身加温療法に適した改良型の温度監視装置を使用することができる。
【0110】
述べるセンサは、患者の近くで血流回路に接続される。温度センサはごく僅かな質量を有し、支柱上に位置する。支柱は、熱センサを管またはフィッティングの層状血流中に配置する。このようにして、血液が身体に流入または身体から流出するときの血液温度に関する、反応の速い熱評価を行うことができる。
【0111】
図4に、加温療法システムを通って移動する血液の流れの中で温度センサ130を支持するための温度プローブ133を示す。図4に示すように、プローブ133は、内部管腔141を画定する壁面を有するチューブまたはフロー配向通路140を含む。円筒形が図示してあり、かつ円筒形は濡れる表面領域を最小限に抑えるのに好ましいが、他の断面形状でも動作可能である。図4に示すように、管腔141の断面領域は、矢印138で示す流動方向で一定のままである。管腔141は、支柱134を過ぎた所の層流を維持するためにその断面領域が流動方向に減少する場合もあることを理解されたい。
【0112】
支柱134に温度センサ130が取り付けられる。支柱134は、その上に支えられたセンサ30が層流領域中かつ好ましくは最大流速の場所近くに位置するように形成および配置することが好ましい。層流領域を速度分布136に示す。より具体的には、支柱134は、支柱134が付いているかまたはチューブ140を通過している部位の上流に支柱134の少なくとも一部があるように形成され配置される。好ましい支柱134は一般に、その長さに沿ってアーチ形である。図4に示す実施形態に示すように、支柱134は終端チップ145を有し、この終端チップ145は、血流が最大速度を達成する場所でチューブ140の軸中心近くに配置される。このようにしてセンサ130は、装置中の最大流動区域に位置し、血液温度の微妙な変化を感知することができる。センサを「線に沿って」または血液がシステムを通過するときの流れの中に配置することにより、いくつかの利点が達成される。例えば層流は、かき混ぜられることによって血液および温度の変化が***するのを防ぐ。この要素が、反応が速く質量の少ない熱センサ130と結びつくと、体温の制御が向上する。
【0113】
好ましい形のプローブ133はフィッティングを備え、これはひっかかりが付いたものとすることができる。これらのフィッティングにより、この装置を患者の近くに配置することができる。環境への熱損失を最小限に抑えるためには、患者のすぐ近くで監視することが望ましいとされている。
【0114】
加温療法システム中で複数のセンサを使用することもできる。第2のセンサを使用することにより、システムの、正確に温度を監視して制御する能力が向上する。
【0115】
センサ130および132は、サーミスタや熱電対など、どんな温度感知タイプでもよい。
膀胱カテーテル
改良型のカテーテルを全身加温療法システム全体において使用することができる。使用中、このカテーテルは、患者の膀胱内で浮いた状態にある。カテーテルを膀胱に挿入した後でカテーテル上のカフが膨らんで、カテーテルの位置決めおよび固定の一助となる。カテーテルは、排尿括約筋における体温を測定するための温度センサを、膨張可能なカフの近くに有する。センサは、人間の中の膀胱と括約筋との間の典型的な距離に一般に対応するものとして知られている距離で、カフに対して相対的に位置する。この距離は、人間の間でサイズに関係なくほぼ同じであることが分かっている。
【0116】
代替カテーテルでは、膨張可能なカフの遠位に第2の温度センサが位置し、したがって膀胱内の尿プールの温度を監視する。第1および第2の温度センサからの各測定値は、膀胱内の尿の体積および括約筋中の灌流レベルに応じて異なる時定数を有する。この2つのセンサからのデータ、示度間の差、および時間に依存するこの2つのセンサの変動が、装置の効力全体に貢献することができる。
【0117】
例示的なバージョンの膀胱カテーテルを図に示すが、これらの図全体を通して、同じ参照番号は等価な構造に言及する。
図5に、細長い本体244を有し、近位端246で終端しており、さらに遠位チップ248および第1の温度センサ232も有する膀胱温度プローブ230を示すが、温度センサ232は、サーミスタ、熱電対、または他の固形温度センサを含めた、従来のタイプのいずれでもよい。膀胱231から液体を引き抜けるようにする、または膀胱に生理食塩水などの液体を注入できるようにするために、排液管腔236が遠位開口238と連絡している。膨張可能な遠位カフ240がカテーテルを位置決めし、カフが膨らんだ状態の間はカテーテルが膀胱から外れるのを防ぐ。センサ232および膨張可能なカフは、膨張可能なカフ240がプローブ230を患者の膀胱231中の正しい位置に保っているときにセンサ232が排尿括約筋242の近くに位置するように離隔され配向される。この部位で周辺組織から収集した温度情報は信頼できる傾向があり、尿プールなど他の場所から採った温度示度よりも、急速な変動を受けることがいくぶん少ない。
【0118】
図6に示す代替カテーテルでは、カテーテルは第2の温度センサ234を備える。実際には、第1のセンサ232が括約筋242の近くの筋肉に近接して位置する一方で、カフが第2の温度センサ234を膀胱の尿または液体のプール中に位置決めする。2つの場所ごとに有効な時定数が異なるので、2つのセンサは測定温度が異なることが予想される。この2つの温度およびそれらの変化の相対レートは、体温調節の効力に貢献する。
【0119】
以上に述べたすべての機器にコンピュータ制御を追加することもできる。
以上の記述は、本発明の実施形態を述べる目的で提供したものであり、本発明の範囲をいかなる形でも限定するものではない。本発明の趣旨または範囲を逸脱することなく様々な修正および変形を加えることができることは、当業者には明らかであろう。したがって本発明は、添付の特許請求およびそれらの均等物の範囲内に含まれる限り、本発明の修正および変形を包含するものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施に使用される装置の簡略透視図である。
【図2】
成人のカニューレ挿入部位を示す機構図である。
【図3】
図2に示したシステムの簡略図である。
【図4】
温度センサの断面図である。
【図5】
膀胱壁と係合する膨張式カフを用いて尿道括約筋のところに配置された温度センサを有する温度カテーテルの断面図である。
【図6】
膀胱壁と係合する膨張式カフを用いて尿道括約筋のところに配置された温度センサと尿プール内に配置された第2の温度センサの2つの温度センサを有する温度カテーテルの断面図である。
(発明の分野)
本発明は、ヘルペスウィルスの加温治療に関する。
【0002】
(発明の背景)
ヒトヘルペスウイルスは、水痘など、多くの病気の原因となる。Epstein−Barrウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス−1、単純ヘルペスウイルス−2は、ヒトヘルペスウイルスの例である。最近の研究では、ヒトヘルペスウイルス−8(HHV−8)が、カポジ肉腫(KS)を引き起こす推定病原因子であると同定された。
【0003】
組織および細胞に侵入するため、ウイルスは、免疫系から逃れ、または免疫系を欺く多くのさまざまな方法を開発した。ヒトヘルペスウイルスは、免疫系に対する防御として潜伏を使用する。潜伏は、条件が増殖または成長に適当でないときに非活動的になる能力である。これらのウイルスを打ち破る鍵は、条件が悪いときに活発に増殖させることである。
【0004】
ヒトヘルペスウイルスの現行の治療には、アシクロビル、シドホビル、ファムシクロビル、ドキソルビシンおよびその他の薬剤が含まれる。しかし、これらの治療は全ての患者に有効というわけではないので、ヒトヘルペスウイルスを治療するための改善された方法が求められている。
【0005】
(発明の概要)
本発明は、ヒトヘルペスウイルスに感染した患者を治療するための方法であって、少なくとも1回患者のコア温度を上昇させ、次いで患者のコア温度を正常に戻すことを含む方法を提供する。コア温度の上昇は、患者のヒトヘルペスウイルス負荷を低減させ、またはなくすのに十分な温度範囲、持続時間および回数で実施する。
【0006】
以上の一般的な説明および以下の詳細な説明はともに例示および説明のためのものであり、これらは、特許請求の範囲に記載の発明をさらに説明しようとするものであることを理解されたい。
【0007】
(発明の詳細な説明)
本発明は、ヒトヘルペスウイルスに感染した患者を治療する方法であって、少なくとも1回患者のコア温度を上昇させ、次いで患者のコア温度を正常に戻すことを含む方法を提供する。コア温度の上昇は、患者のヒトヘルペスウイルス負荷を低減させ、またはなくすのに十分な温度範囲、持続期間および回数で実施する。本出願の「治療する」という表現は、患者のヒトヘルペスウイルス負荷を低減または排除するのに十分な温度範囲までコア温度を上昇させ、これを十分な期間持続し、かつ十分な回数実施することを意味する。コア温度の上昇はヒトヘルペスウイルスをアップレギュレートさせる。加温療法で遭遇する高温、および免疫系のアップレギュレーション(顆粒球増加など)で、ヒトヘルペスウイルスは、抗体および細胞媒介応答が起こる敵に満ちた環境中に分散する。この時間の前、間または後の薬剤投与は、活動化されたさまざまなヘルペス種にとって破壊的となりうる。
【0008】
「患者のコア温度を正常に戻す」という表現は、周囲への熱損失によって患者を冷やすこと、および患者を積極的に冷やすことを含む。以下に説明する例では、周囲への熱損失および積極的冷却によって患者を39℃まで冷やす。その後、患者は退院させる。患者の体温は2、3日かけて徐々に正常(37℃)に戻る。一実施形態では患者のコア温度を1回上昇させ、次いで正常に戻す。他の実施形態では、患者のコア温度を2回またはそれ以上上昇させ正常に戻す。一実施形態では、患者の血液を患者から体外の血流回路を通して再び患者に循環させることによってコア温度を上昇させる。このとき、患者に戻った血液は、血流回路内で高い温度範囲に加熱されている。患者の血液は、血管を通して患者から循環させ、血管を通して患者に戻すことができる。一実施形態では、患者の血液が静脈を通して患者から循環され、動脈を通して患者に戻される。他の実施形態では、患者の血液が動脈を通して患者から循環され、静脈を通して患者に戻される。他の実施形態では、加熱部品を患者に挿入することによってコア温度を上昇させる。加熱部品は患者の血液を温める。加熱部品は患者の血管に挿入することができる。
【0009】
加熱部品は、中枢の血管、すなわち大動脈または大静脈中に挿入することができる。そこで加熱部品は、流れ過ぎる血液を温め、最終的には、正味の獲得温度が通常の(生理学的)冷却機構に起因する温度損失を上回る程度にまで血液を温める。時間の経過とともに体温を所定の温度まで上げることができ、この温度を所定の時間、維持することができる。加熱部品は、シースまたはカテーテルの内部のその長さ方向に沿った1つまたは複数の位置に収容することができる。シースまたはカテーテルは、加熱部品にパワーを供給するワイヤ、導管、光ファイバあるいはその他の材料を含むことができる。体外に、シースまたはカテーテルを制御系に接続するプラグを配置することができる。抗トロンボゲン特性を付与するためシースまたはカテーテルを処理することができる。この処理は、化学処理あるいは単量体ガスの存在下での高エネルギー・コロナまたはプラズマ放電とすることができる。挿入方法は、静脈切開法または経皮的方法(Seldinger法)とすることができる。
【0010】
加熱部品の加熱方法は、電気加熱、無線周波、レーザ、またはその中で高温の溶液を循環させることができる小さなコイルとすることができる。加熱部品の温度は、血液と接触するその表面のところで50℃を超えてはならない。
【0011】
このような加熱部品は核心加熱に使用することができ、さらに局所(local)ないし局部(regional)加熱にも使用することができる。例えば、中空のシースまたはカテーテルを動脈へ経皮挿入してステアリングガイドワイヤを収容することができ、そのため、この装置を肝動脈中に配置することができる。肝臓温用に、サーミスタ先端を有する第2の中空カテーテルを、静脈経皮スティックを介して肝静脈中に配置することができる。
【0012】
血液を温めてコア温度を上昇させる体外全身加温療法(extracorporeal whole body hyperthermia)などの方法が好ましい。しかし、赤外線照射、対流、加熱ブランケットなどの表面接触などによってコア温度を上げるその他の方法も、本発明の方法で使用することができる。
【0013】
コア温度は、38から48℃、より好ましくは38から44℃、より好ましくは41.8から42.2℃に上昇させることができる。コア温度は、2分から16時間、0.5時間から3時間、1時間から2時間、80分から100分、または90分間、上昇させることができる。コア温度は直腸からとることができる。本出願の目的上、「コア温度」は直腸温を意味する。本発明の実施に際しては、例えば食道、膀胱、鼓膜または心臓ライン温度など、直腸温以外の温度をとることもできる。このような他の温度と直腸温の関係は当技術分野では周知であり、これらの他の方法による測定から、本明細書に定義したコア温度を求めることができる。
【0014】
体外全身加温療法の推奨暴露時間を下表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
患者のヘルペスウイルス負荷は、コア温度を少なくとも1回上昇させる前に少なくとも1回、またはコア温度を少なくとも1回上昇させ、かつ正常に戻した後に少なくとも1回、またはコア温度を少なくとも1回上昇させ、かつ正常に戻した後に少なくとも2回、またはこれらを組み合わせて、決定することができる。
【0017】
本発明の実施形態では、患者のヒトヘルペスウイルス負荷が、コア温度を少なくとも1回上昇させ、かつ正常に戻した1カ月後に30パーセント以上、より好ましくは50パーセント以上、75パーセント以上、90パーセント以上、または95パーセント以上、低減する。好ましい実施形態では、コア温度を少なくとも1回上昇させ、かつ正常に戻した1カ月後の患者のヒトヘルペスウイルス負荷が、分枝DNA信号増幅検査(branched DNA signal amplification test)の感度レベル未満に低減する。患者のウイルス負荷の決定は、最後の加温治療の1カ月後に実施する。好ましい他の実施形態では、コア温度を少なくとも1回上昇させ、かつ正常に戻した1カ月後に患者のヒトヘルペスウイルス負荷が、逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応検査(reverse transcriptase−polymerase chain reaction test)の感度レベル未満に低減する。
【0018】
本発明の実施形態では、患者のヒトヘルペスウイルス負荷が、コア温度を少なくとも1回上昇させ、かつ正常に戻した3カ月後に30パーセント以上、より好ましくは50パーセント以上、75パーセント以上、90パーセント以上、または95パーセント以上、低減する。好ましい実施形態では、コア温度を少なくとも1回上昇させ、かつ正常に戻した3カ月後に患者のヒトヘルペスウイルス負荷が、分枝DNA信号増幅検査の感度レベル未満に低減する。好ましい他の実施形態では、コア温度を少なくとも1回上昇させ、かつ正常に戻した3カ月後に患者のヒトヘルペスウイルス負荷が、逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応検査の感度レベル未満に低減する。
【0019】
本発明の方法はさらに、ヒトヘルペスウイルスに対して指示された薬剤を用いて患者を治療することを含む。加温療法と組み合わせると、患者によってはヒトヘルペスウイルス治療に有効な薬剤の効力を高めることができる。本発明の方法はさらに、ヒトヘルペスウイルスに対して指示された薬剤であって、ヒトヘルペスウイルスに対する単独治療では効果がないが、加温治療と組み合わせると患者によっては効き目がある薬剤を用いて患者を治療することを含む。患者は、ヒトヘルペスウイルスに対して有効な単一の薬剤、またはヒトヘルペスウイルスに対して有効な2種またはそれ以上の薬剤を用いて治療することができる。薬剤は、同じ患者にいくつかの時点で投与することができる。すなわち、患者のコア温度を少なくとも1回上昇させる前、患者のコア温度が高い間、患者のコア温度を少なくとも1回上昇させ、次いで正常に戻した後、またはこれらを組み合わせて投与することができる。
【0020】
薬剤は、インターフェロン、蛋白分解酵素阻害薬、サイトカイン、化学療法剤、またはこれらの任意の組合せから選択することができる。薬剤は、リバビリン、ラミブジン、インターフェロンアルファコン−l、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファ−nl、サイモシンアルファ−1、インターロイキン−2、インターフェロンアルファ−n3、ケトプロフェン、インターフェロンベータ−1a、インターフェロンガンマ−1b、インターロイキン−12、ヒスタミンジヒドロクロリド、チマルファシン、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、アバカバル、ネビラピン、デラビリジン、エファビレンズ、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、サキナビル、アンプレナビル、ドキソルビシン、アシクロビル、シドホビル、ファムシクロビル、ホスカネット、ガンシクロビル、イドクスウリジン、トリフルオロチミジン、バラシクロビル、ビダラビンまたはこれらの組合せから選択することができる。好ましい実施形態では、薬剤が、インターフェロン、リバビリン、ラミブジンまたはドキソルビシンから選択される。好ましい他の実施形態では薬剤がアルファインターフェロンである。好ましい他の実施形態では薬剤がドキソルビシン、より好ましくはリポソームドキソルビシンである。薬剤にはさらに、抗酸化薬、非ステロイド性抗炎症薬および/または反応性酸素遊離基捕捉剤が含まれる。いくつかの薬剤が研究中であり、いくつかはヒトヘルペスウイルス治療に使用可能である。ドキソルビシンは、カポジ肉腫治療に使用される薬剤の1つである。
【0021】
好ましい実施形態では、ヒトヘルペスウイルスが、ヒトヘルペスウイルス−8、Epstein−Barrウイルス、サイトメガロウイルス、帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス−1、単純ヘルペスウイルス−2、ヒトヘルペスウイルス−6またはヒトヘルペスウイルス−7から選択される。他の好ましい実施形態では、ヒトヘルペスウイルスがこれらのそれぞれのウイルスである。他の実施形態では、ヒトヘルペスウイルスがヒトヘルペスウイルス−8ではない。他の好ましい実施形態では、ヘルペスウイルスがHHV−8であり、治療前に患者がドキソルビシンを受け取っており、患者が依然として進行性のカポジ肉腫を有する。
【0022】
ヘルペスウィルスに感染した患者は、急性または慢性ヘルペスウィルス感染を有する。患者は、病原体にも感染していることがある。病原体は例えばウイルス、スピロヘータまたは細菌である。病原体は例えば熱不安定ウイルス(heat labile virus)である。熱不安定ウイルスは例えば、ヘパドナウイルス、トガウィルス、フラビウイルス、コロナウイルス、ラブドウイルス、フィロウイルス、パラミクソウイルス、オルトミクソウイルス、ブンヤウイルス、アレナウィルスまたはレトロウイルスから選択される。熱不安定ウイルスは例えば、HIV、B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスである。好ましい実施形態では熱不安定ウイルスがHIVである。スピロヘータは例えば、トレポネーマ属、ボレリア属またはレプトスピラ属である。スピロヘータは例えば、Treponema pallidum、Treponema pertenue、Treponema carateum、Treponema pallidum endemicum、Borrelia burgdorferi、Borrelia hermsii、またはLeptospira interrogansである。細菌は、好気性または嫌気性細菌である。
【0023】
本発明の方法では、従来の加温療法機器を使用することができる。
いくつかの異なる検査を使用して、ヘルペスウイルスに感染しているかどうかを判定する。さらに臨床医は、特にヘルペスウイルスを検査する。一連の検査で、ヘルペスウイルスの抗体の存在を調べる。この抗体が血液中に存在する場合には、通常、ヘルペスウイルスに感染していることを意味する。
【0024】
ヘルペスウイルスRNAの存在を検出する他の検査も頻繁に実施される。ヘルペスウィルスDNAの測定に使用される検査には核酸増幅診断検査が含まれる。 実施例
HIV薬剤治療がうまくいっていない38歳のHIV/AIDS患者に対して治療を実施した。患者は、1セッションの体外全身加温療法(EWBH)を受けた。患者は、加温治療の開始までHIV処方を続け、治療および経過観察期間中は処方を中断した。
【0025】
この患者は薬剤治療が効かなかった。これは、(A)安定した抗ウイルス性処方でのHIV PCRウイルス負荷≧10,000、および(B)2種類のヌクレオシド類似体、1種類の非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬および1種類の蛋白分解酵素阻害薬の3カテゴリ全てから成る2つ以上の組合せの抗ウイルス処方の失敗から明らかであった。患者は、1回の加温治療を受けた。この際、核心体温を最高41.8±0.2℃まで上げ、これを90分間継続した。
【0026】
患者の診断は、HIV8/88およびKS12/95で実施した。寒冷療法および病変内ビンブラスチンを用いた治療を受ける間に、患者は、3/98中に新しい15個のKS病変を発現し、PIを含む4薬処方のウィルス学的に失敗した。3ないし6週ごとの18カ月間のリポソームドキソルビシン注射によりKSは寛解した。患者は、以前の9通りのHAART処方がウイルス学的に失敗しており、6薬処方の実施中HIV RNA PCRが305,700であり、そのとき新しい4つの病変を発現した。CD4%および細胞カウントは10カ月の間に24/236から5/26まで下がり、スクリーニングベースラインでのウイルス負荷は317,214(log5.50)であった。患者はHAARTを中断し、1回のEWBHセッションを受けた。BWBHから5週後、患者は、1回分のリポソームドキソルビシンの投与を受けた。8週めに、4つの活性の病変は全て部分的に寛解し、前に治療した病変は軽くなっていた。HAARTを離れて8週での、ウイルス性負荷は235837(log5.37)、CD4%および細胞カウントは8/13であった(ドキソルビシン後のWBCは0.9)。
【0027】
この患者のEWBH治療の結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
表2には、HIV負荷(コピー/mL)、CD4リンパ球カウント(細胞/mm3)、CD4%、CD8リンパ球カウント(細胞/mm3)、CD8%、ビリルビン(mg/dL)、血小板カウント(細胞/mm3)、ALT(U/L)およびAST(U/L)が示されている。
【0030】
好ましい実施形態によれば、次の加温治療のためこの患者を以下のようにスクリーニングする。(1)EWBHを受けた後にウイルス負荷の低下が見られない場合にベースラインから、または(2)EWBH後に記録された最も低いHIV負荷から、0.5log以上のHIV負荷が確認されるまで患者を追跡する。0.5log以上のHIV負荷の増大を経験した場合、EWBHの適格性について患者を再スクリーニングし、適格である場合には、別に1セッションのEWBHを施し、プロトコルごとに追跡する。再治療の判定基準は、HIV負荷のベースラインまたは最下点のうちの大きいほうから0.5logの増大とする。患者が従った臨床プロトコルおよび使用機器の詳細については後に示す。
【0031】
臨床プロトコル
本調査の目的は、HIVの薬事療法が効果を示さなかった個体に対する単一EWBH治療の有効性を検討評価することであった。薬事療法の無効果、(A)安定した抗ウイルス処方中にHIV PCRウイルス負荷が≧10,000に増加、および(B)次の3種類すべてからなる、任意の2つの組み合わせの抗ウイルス処方の無効果;2つのヌクレオシド類似体、1つの非ヌクレオシド反転写酵素抑制体、および1つのプロテアーゼ抑制体。安定した抗ウイルス処方は、研究用のスクリーニング前16週にわたり抗ウイルス処方に変化がないものと定義する。抗ウイルス処方は、通常、開始後8〜16週以内にピークPCRの低下を示す。
【0032】
患者のウイルス負荷が基準または最下点から0.5logあるいはそれ以上増加したことが確認されると、EWBHに対する適性について再スクリーンを受け、適している場合は、EWBHをもう1セッション受け、プロトコルごとに追跡される。患者はすべて、プロトコルごとに、スクリーニング時、治療中、およびフォローアップ時に採血され、その分析を受ける。再治療の基準は、基準または最下点のうち高い方を超えてウイルス負荷が0.5log増加することである。
【0033】
主要な客観パラメータの分析は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、HIV−RNA、およびCD4細胞係数およびパーセンテージによって計測したHIVウイルス負荷を含んでいる。2次的客観パラメータは、EWBH治療を受けた者とコントロール集団とにおける日和見感染の蓄積発生率の評価を含んでいる。臨床ユーティリティ、生活の質を評価するデータを追跡して、療法前および療法後におけるこの治療法の有意性を評価した。
【0034】
プロトコル期間中には薬物の予防投与を許可し、日和見感染に対しては適切な療法を行った。再発性ヘルペス感染の危険性を最小限に抑えるために薬物の予防投与を許可した。療法前にHIV/AIDSの身体病変がある場合にはそれを測定し、可能であれば、治療後にこれらの疾患を追跡できるように写真撮影した。
【0035】
以下の基準を満たした患者は適性があるとし、不適格性の除外は行わなかった。
1.ウエスタン法により確認した、ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)酵素様免疫吸着法に対する陽性テストの記録。
【0036】
2.(A)安定抗ウイルス処方(研究用のスクリーニング前16週にわたって抗レトロウイルス処方に変化がないものと定義する)中のHIV PCRウイルス負荷が≧10,000、および(B)2つまたはそれ以上の抗レトロウイルス薬物投与からなる少なくとも2つの組み合わせの抗ウイルス処方の無効果、および(C)少なくとも2つのヌクレオシド類似体、1つの非ヌクレオシド反転移酵素抑制体、および1つのプロテアーゼ抑制体のの事前使用、として定義する推奨薬物療法が効果を示さなかった。
【0037】
4.Karnofsky Performance状態≧70%。
5.男性または女性、年齢18〜60歳(18および60も含む)。
6.顆粒球≧500/mm3;白血球数(WBC)≧1500/mm3;血小板数≧100,000/mm3;ヘマトクリット≧30vol%;およびヘモグロビン≧10g/dl。
【0038】
7.プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)、アンチトロンビンIII、フィブリノーゲン、およびトロンビン時間≦正常範囲の上限または下限の20%。
【0039】
8.血清クレアチニン<2.0mg/dl。
9.血清アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(SGOT、AST)および血清アラニンアミノトランスフェラーゼ(SGPT、ALT)≦5X正常の上限。
【0040】
10.女性については妊娠検査の陰性。
11.CD4+リンパ球ヘルパー細胞≦500細胞/mm3。
12.Roche AmplicorHIV−1 RNA PCR≧10,000コピー/ml。
【0041】
13.署名済みインフォームド・コンセント。
14.EF≧45%、正常LV機能、および冠動脈疾患の証拠がない状態での、ストレス心エコー図、またはストレス・テストおよび心エコー図、または心エコー図ヌクレオチド研究。
【0042】
15.努力呼気肺活量(FEV1)≧予測機能の60%。
16.造影剤による脳CTスキャンの陰性。
17.フォローアップ・スケジュールの固守に対する同意。
【0043】
以下のいずれかを示した患者はプロトコルから除外した。
1.ニューヨーク心臓協会(NYHA)分類IIIまたはIV
2.過去12カ月以内における心筋梗塞の病歴、虚血性変化を示す異常ストレス・テスト、悪性で、コントロール不可能な不整脈、または記録された不安定狭心症
3.プロトコル療法から4週以内における大手術
4.出血体質による中枢神経系出血の病歴、または以前に記録された脳血管発作
5.何らかの進行中の日和見感染の証拠。患者は、日和見感染の治療から少なくとも4週間後の状態になければならない。
【0044】
6.ヘパリン、プロタミン、豚肉/牛肉製品、魚、リドカイン、または他の麻酔剤に対するアレルギー既往症。
7.管理されていない高血圧、最大血圧160および最低血圧105。
【0045】
8.病歴から判断される活発な不法薬物使用。
9.本プロトコルへの参加を妨げるような他の研究臨床試験に現在登録している。
【0046】
好ましい実施形態では、EWBH療法を受ける患者はEWBH療法までは自分が現在行っている薬物処方を続行し、この治療およびフォローアップ期間にはその薬物処方を中断する。EWBH治療を受けたすべての患者は、(1)EWBHを受けた後にウイルス負荷に顕著な減少が見られない場合は基準から、または(2)EWBH後に記録された最も低いウイルス負荷からの0.5logまたはそれ以上のウイルス負荷の増加が確認されるまで追跡した。EWBH患者に基準または最下点から0.5logまたはそれ以上のウイルス負荷の増加が確認されると、患者はEWBHの適性について再スクリーンを受け、適性である場合はEWBHをもう1セッション施し、プロトコルごとに追跡した。すべての患者は、主観および客観データを連続的に収集しながらプロトコルごとに追跡した。データはすべて蓄積し、表にまとめ、分析した。
【0047】
分析のために、すべての患者(EWBHおよびコントロール)については、(1)治療のための基準を文書化する(基準または最下点からPCRが≧0.5log増加)、(2)最初の無作為化後の6カ月のフォローアップの終了、または(3)6カ月のフォーローアップ期間におけるフォローアップの失敗(loss)、中止、または死亡、まで研究を続けた。
【0048】
主要な客観パラメータの分析には、ニュージャージー州NutleyのRoche Diagnosticsから入手可能なRoche Amplicor HIV−RNA PCRで測定したHIVウイルス負荷、リンパ球サブセット・プロフィルおよびパーセンテージ(CD4)を含んだ。2次的客観パラメータには、患者の日和見感染の蓄積発生率の評価が含まれる。臨床ユーティリティ、生活の質を評価するデータを追跡し、療法前および療法後におけるこの治療法の有意性を評価した。認められたEWBHのリスク(すなわち装置に関係するものや、治療に関係する有害事象)は、この療法の潜在的な効果との関連から監視した。
【0049】
各患者にはすべての手順を通知し、治療およびフォローアップ・プロセスに必要な通院の遵守を承諾させた。研究中に生じた医療上の問題に対しては、患者に可能な限りの対処を行った。現用の薬物投与は、スクリーニング時に記録し、症例報告書で報告された。試験中に投与あるいは服用した薬は症例報告書に記録し、薬物投与の種類、投与量、スケジュール、期間およびその使用の理由を特定した。入院、診療所/医院への通院、日和見感染の発生率、および与えた治療およびその期間は綿密に監視し、重篤な有害事象(SAE)および有害事象(AE)フォームで記録した。
【0050】
臨床病歴には、HIV/AIDS診断の日付、症状の病歴(日付および程度)、および以前に行った療法が、その使用期間および中断の理由とともに含まれる。病歴は、判明しているすべてのアレルギーを含む。
【0051】
臨床評価は、「必要観察表」に挙げる血液研究を含む。フォローアップ時の血液はEWBH療法後の第1日目に採取し、第3〜7日、第1、2、4および6月(±1週)のフォローアップの通院時(患者がこれらの時点に到達する程度まで)に繰り返し採取した。
【0052】
以下の研究は、理学的検査に加えて行った。処置前の血液標本抽出は、入院日の朝に採取した。研究中を通じて追加のテストを繰り返し行った(「必要観察表」参照)。テストおよび処置は、臨床毒性を評価するのに必要である際は繰り返し行った。
【0053】
1.血液学:−微分を含む全血球計算(CDC。WBCを含む)
−血液型(ABO Rh)
2.凝固:−プロトロンビン時間(PT)、部分トロンボプラスチン時間(aPTT)、抗トロンビンIII、トロンビン時間、フィブリノーゲン
3.一般化学:
−ナトリウム、カリウム、塩化物、CO2、カルシウム、リン、マグネシウム、グルコース、アルブミン、クレアチニン、コレステロール、全蛋白、ALT、AST、全ビリルビン、アルカリ・フォスファターゼ、クレアチニン・ホスホキナーゼ(CPK)、乳酸脱水素酵素(LDH)、血液尿素窒素(BUN)
4.心臓評価:−心電図(EKG)によるストレス心エコー図
5.肺評価:−胸部X線(CXR)、肺機能テスト(1秒間努力呼気肺活量、FEV1、および努力肺活量、FVC)
6.腎機能:
−BUN、クレアチン
7.神経評価:
−完全な神経的身体的検査
−頭部のコントラストによるコンピュータ体軸断層撮影(CAT)スキャン
8.免疫系評価:
−リンパ球フェノタイプ・プロフィール。CD4およびCD8を含む
−HIV RNA PCR(Roche Amplicor)
9.慢性肝炎評価:
−C型肝炎定性PCR
−B型肝炎表面抗原
−B型肝炎DNA PCR(HBSAg陽性の場合)
10.病変がある場合、適切であれば写真による病変の測定および記録
11.全身Karnofsky性能状態の測定
【0054】
【表3】
【0055】
以下のプロトコル・デザインを高温治療アームに使用した。
A.事前処置
病歴、理学的検査、および検査法が終了し、かつ入院基準を満足した後、患者はその処置の日に入院した。「必要観察表」に従い採血を行った。患者は、処置前の少なくとも6時間、患者は絶食した(NPO)。予防的に手術前抗生物質を24時間投与した。
【0056】
B.処置パラメータ
手術質(OR)または治療室に入ると、患者は手術台にのせられ、処置の準備が施された。
【0057】
1.治療施設の説明
処置DIDに使用するORまたは治療室をこの処置のために変更する必要はない。屈筋点保護のため、手術台に気泡ゴムのマットレスおよび/または気泡ゴムのパッドを装備した。
【0058】
2.EWBHのための患者への器具使用
EWBHの前に手術室に以下のものを配置した。
i スワン−ガンツEKG誘導モニター
ii 抹消静脈(IV)ライン(2)
iii 橈骨動脈カテーテル
iv 肺動脈(スワン−ガンツ・タイプ)経中心静脈サーミスタ・カテーテル
v オキシメータ
vi サーミスタ付き膀胱カテーテル
vii 直腸温度プローブ
viii 食道温度プローブ(全身麻酔)
ix 鼓膜温度
x 外科手術により両側大腿静脈カテーテルを配置し、加温療法ユニットに接続した。
【0059】
温度プローブ(食道、直腸、および鼓膜)を、0.1℃内でNIST追跡可能デバイスに較正した。
3.麻酔法
麻酔管理は、治療基準に従って適切な薬剤を投与した麻酔科医の責任である。麻酔薬の選択は、個々の患者プロフィールに基づいて決定した。全身麻酔法または鎮静剤を使用することができる。
【0060】
1時間の適切な尿量を確保するために、処置を通して、また術後初期に2−3mcg/kg/分でドーパミンの点滴を使用した。最低30cc/時間の平均尿流を目標とした。手術チームの裁量で処置中の補液を投与した。加温治療中、アルブミンおよびマンニトールは使用しなかった。
【0061】
4.EWBH処置法、すべてのパラメータを症例報告用紙に記入した。スワン−ガンツ・カテーテルから肺収縮期血圧と肺拡張期血圧および血液温度の経時的示度を記録した。治療前後に、熱希釈カテーテルを介して測定される心拍出量(CO)を測定した。
【0062】
処置の間、各患者は5分間隔で体温を連続的に監視された。還流技師は、すべての還流データを特定の還流データ用紙に記録した。他の患者パラメータは標準的なORフローシートに記録した。
【0063】
監視した温度
直腸(TR)、食道(TE)、鼓膜(TP)、肺動脈(TPA)、水入口/熱交換器(TW)、血液排出口/熱交換器(TBLD)
a.準備
還流技師は回路に等張溶液を満たし、完全に空気が抜けるまで循環させた。外科医は、体外回路と接続させるために切開方法または経皮方法を用いて大腿静脈にカニューレを挿入した。
【0064】
体外回路バイパスに必要なヘパリンの所定用量を150単位/kgで計算し、各投与前後に活性凝固時間(ACT)判定をして75単位/kgで2回に投与した。EWBH中、通常の2.5倍から3倍のACTを維持した。必要な場合は、ACT測定法に従ってヘパリンの更なる投与量が投与された。
【0065】
b.加温相
41.8°±0.2のコア温度に達する時間は約40分であった。
i EWBHは、ベースライン心拍出量の約<20%の血流速度で開始された。熱交換機中を循環する水は5分より長く50℃を超えなかった。
【0066】
ii TEまたはTR(どちらが大きくても)が41.8°±0.2℃に達すると、静止相が開始された。
iii 40.0℃に達すると、患者の首の下および周囲にアイスパックが置かれた。
【0067】
c.静止相
i 核心体温(どちらが大きくてもTEまたはTR)は90分間41.6〜42.0℃の間に維持された。TEまたはTRが42.0℃を超えないようにTWが低減された。体温は即座に変更できないので、42.0℃を超える一時的な偏位はプロトコルの逸脱とはみなさなかった。
【0068】
ii 血液温度およびコア温度を調節するために血流を変更した。
d.冷却相
39℃に達する予想時間は30〜45分である。
【0069】
i 最初の20分間水流を中断することによって、周囲のヒート・ロスにより冷却され、最初に冷却が開始された。
ii 20分後にサーモスタットが30℃にリセットされ、水流が再設定された。
【0070】
iii TRが39℃に達すると、バイパスが中断された。
iv カニューレ抜管し、ヘパリンを硫酸プロタミンリバースした。
e.安定すると、患者は麻酔後室または回復室に移動された。
【0071】
【表4】
【0072】
C.EWBH後患者監視
1.麻酔後室または回復室では標準的監視に以下の監視が含まれた。
−連続的EKG監視
−指示ある場合は12リードEKGストリップ
−体温、脈拍、呼吸、および血圧(最初の一時間半は15分おきに、次いで次の一時間半は30分おきに)
−尿排出量
2.退院時に、気胸症、肺拡張不全等の肺動脈問題の出現を防止するためにCXRが得られた。止血を確認するために大腿カニュレーション部位から圧迫包帯を除去した。
【0073】
3.入院後約23時間の歩行可能な時に患者を退院させた。
フォローアップ通院
フォローアップ通院は、EWBH治療後第1日目、3日〜7日の間、一カ月後(±7日)、二カ月後(±7日)、4カ月後(±7日)および6カ月後(±7日)(患者がこれらの時点まで延命している限り)に必要とされる。フォローアップ通院では、前回通院以来の副作用の可能性に関して患者に質問し、説明されたすべての副作用を症例報告用紙に記録した。必要観察表に従って臨床検査のための採血を行った。
【0074】
使用された機器
以下の米国特許および特許出願の内容を、本明細書によって参照により本出願に組み込む。(1)1995年2月21日に発行された「Apparatus and Method for the Extracorporeal Treatment of the Blood of a Patient Having a Medical Condition」という名称の米国特許第5391142号、(2)1997年10月7日に発行された「Extracorporeal Whole Body Hyperthermia Using Alpha−Stat Regulation of Blood pH and pCO2」という名称の米国特許第5674190号、(3)1999年6月16日に出願された「Bladder Catheter for Hyperthermia System」という名称の米国特許出願第09/334224号、および(4)1999年6月16日に出願された「Thermal Sensor for Hyperthermia System」という名称の米国特許出願第09/334520号。
【0075】
使用された加温療法機器は、3つの主要な構成要素、すなわち(a)コンソールと、(b)ヒータ/クーラ・ユニットと、(c)ディスポーザブル血液接触回路とから構成された。
【0076】
コンソールは、加温療法処置の操作および監視を行うために使用される体外遠心ポンプ・デバイスから構成された。これは、駆動モータと、ポンプ用の制御装置と、システム・パラメータ(温度、圧力、および流れ)を監視するための電子回路とを含んでいた。ヒータ/クーラ・ユニットを使用して、患者の体温を上昇または下降させ、伝導熱伝達によって所望の患者体温を維持した。患者の体温を上昇させるためには、温水が熱交換器を介して循環された。患者の体温を低下させるためには、冷却水が熱交換器を介して循環された。
【0077】
ディスポーザブル血液接触回路は、高熱を誘発し、監視するための構成要素から構成された。回路を完成させるためには、脈管アクセスが必要であった。血液は、血液を遠心ポンプに送る静脈カニューレおよびPVC配管を介して患者から出た。血液は、ポンプから、ヒータ/クーラの助けを借りて、熱的交換が行われる熱交換器を介して推進された。血液は、加熱された後、血液フィルタを通過してから、第2の静脈カニューレを介して患者に戻った。回路温度は、熱交換器の出口内部に配置された較正サーミスタ・プローブによって監視された。これは、回路内での最高血液温度読取値を表した。血液温度、およびヒータ/クーラから記録された温度、ならびに患者温度は、処置中の血流およびヒータ/クーラ温度の潅流管理に基づいていた。
【0078】
回路流れは、コンソール内に構築された電気絶縁電磁流量計、および血液回路内に位置された流れ挿入部によって測定された。流量値は、ベースライン心拍出量の約<20%であることが実験から求められている。これらの流れレベルでは、患者に対する温度上昇率は十分に遅く、生物化学的パラメータを劇的には変化させない。水浴温度調節と共に血流量調節を用いて、プロセスを微調整し、適切な時間にわたって狭い範囲内でコア身体温度を維持する。
【0079】
回路圧力監視は、コンソール内に構築された圧力電子回路と、熱交換器の入力側に位置されたディスポーザル・トランスデューサとによって達成された。回路内部のこの位置は、操作者がポンプの下流での流れに対する抵抗を監視することができるようになっていた。圧力読取値の変化を診断ツールとして使用して、回路完全性および血液凝固阻止の状態を求めた。トランスデューサにある三方コックとポンプ入力部にある二方コックとの接続がなされた。ポンプ入口圧力を隔離するために向きを変えられた三方コックを用いて、操作者が、起こり得る退出カニューレの位置異常を認識することができた。この読取値を肺動脈拡張期圧と共に利用することによって、患者の体積状態の変化を予想することができた。40μmフィルタが、血液を、粒子状物質がない状態に保った。
【0080】
このシステムを使用して、患者の血液の加温療法治療を行った。使用するのが容易になるように構成要素およびサブアセンブリが統合され、調整された。装置は、体外血流回路を画定する構造を含んでいた。そのような回路は、患者の大腿静脈へのカニューレ挿入に使用する第1のカニューレを含んでいた。そのようなカニューレが血液退出点を画定した。第2のカニューレは、患者の別の大腿静脈へのカニューレ挿入に使用され、第2のカニューレは血液進入点を画定した。第1のカニューレと第2のカニューレを一部相互接続するために、不連続コンジットが提供された。統合無菌モジュールのコンジット部分は、内部にポンプと、コンジット部分を介して流れる血液の温度を調整するための熱交換器と、コンジット部分を通過する血液の温度、圧力、および流量を確認するためのセンサとを挿入されていた。さらに、装置は、センサによって感知された温度、圧力、および血流量に応答してポンプおよび温度調整器を調整するための制御装置を採用した。
【0081】
コンソールは、様々な制御機構を有するモジュールと共に採用された。そのような制御機構は、コンジット部分を介する所望の圧力および血流量を達成するように設定を選択的に変更するために使用された。
【0082】
統合無菌モジュールは、ディスポーザル構成要素であった。したがって、医療設備には、以前に治療を受けた患者、および治療に携わった医療関係者のHIV陽性血液によって、ある患者の血液が汚染される可能性があった。
【0083】
体外血液循環を行うために患者にカニューレ挿入すると、患者の静脈にある第1のカニューレ挿入点と患者の静脈にある第2のカニューレ挿入点の間に血流回路が画定された。次いで、患者の血液がこの回路を介してポンプされた。血液は、回路を通過するとき、比較的短い期間、第1の高温に加熱された。その後、より長期間にわたって第1の高温よりも低い第2の温度に加熱された。
【0084】
本発明の一実施形態では、血液は42℃〜48℃の第1の高温に加熱される。血液は通常、約0.5〜1時間の期間にわたって第1の高温で維持することができる。その後、血液を、約1〜2時間、第2の高温で維持することができる。第2の高温は、想定では、42〜44℃または37〜39℃にすることができる。
【0085】
ここで図面を参照すると、複数の図を通じて同じ参照番号が同じ要素を表しており、図2は、C型肝炎感染に対処するための処置としての患者の加温療法治療に使用される装置10を線図で示す。図2では、左足の大腿静脈が、患者の身体からの血液退出点としてカニューレ挿入され(参照番号16)、患者の右足の大腿静脈が、患者内へ戻る血液の進入点としてカニューレ挿入された(参照番号18)。これら2つの特定のカニューレ挿入点16、18は排他的なものでなく、他のカニューレ挿入位置も具体的に企図されていることを理解されたい。ただし、図2に図示される位置は、特に適切であることがわかっており、図示されるように異なる足にある進入および退出点が利用され、患者の片方の足のみが傷つかないようにされている。
【0086】
図2は、前述した2つの静脈で患者にカニューレ挿入するための第1および第2のカニューレを含めた直列血流回路14を示す。内部に不連続部を有するコンジット24が提供され、第1のカニューレと第2のカニューレを一部相互接続した。図1に最も良く示されている統合無菌モジュール26を、不連続コンジット24内の不連続部と連係して、直列血流回路14を完成した。モジュール26は、治療の過程で血液にさらされる全ての構成要素を含んでいた。不連続コンジット24のセグメント30と連絡して配置されたコンジット部分28を含み、回路14を完成した。
【0087】
ディスポーザル・モジュール26のコンジット部分28は、内部に様々な構成要素を挿入された。血液は、静脈にあるカニューレ挿入退出点16から、適切な構成のポンプ34によって熱交換器32にポンプされた。図2に、使用した遠心ポンプ34を例示し、しかし、この特定のタイプのポンプが排他的でないことを理解されたい。
【0088】
図2は、ポンプ34よりも下流にある熱交換器32を例示する。熱交換器32は、血液の温度を所望のレベルまで選択的に上昇させる働きをする。血液は、熱交換器32を通過した後、潅流フィルタ36を通過する。この位置で、潅流から不純物を除去することができる。
【0089】
流れプローブまたはセンサ38は、直列流れ回路14内で、潅流フィルタ36よりも下流にあった。プローブ38は、回路14を通過する潅流の流量の尺度に関する情報を感知する働きをした。図2は、流れセンサ38よりも下流にある回路14内で使用された圧力トランスデューサ40を例示する。回路14を介する潅流の流量を知ることが重要であるが、システムにわたる圧力を知ることも重要である。それにより、治療を受ける患者を適切に保護することができる。
【0090】
図2はまた、回路14内で使用された温度センサ42を例示する。センサ42は当然、回路14を介して流れる血液の温度に関する情報を提供する働きをする。
【0091】
図2はまた、患者に戻す必要のない余分な潅流を、再循環用のポンプ34に戻して再循環させる回路14のブランチ44を示す。再循環ブランチ44は、初期セットアップ中にも使用された。
【0092】
一連の配管クランプ46も例示されている。そのようなクランプ46は、基本的に、咬合器として働き、配管セグメントを摘まんでそこを介する流れを妨げるように配設することができる。図2には、使用された3つのそのような配管クランプ46が例示されている。第1のクランプは、患者の退出点のすぐ下流にあった。第2のクランプは、患者の身体に血液が再進入する位置のすぐ前に位置された。第3のクランプは、回路14の再循環セグメント内に位置決めされた。
【0093】
図1は、前述したように、血流回路14内の血液にさらされる図2を参照して説明した全ての構成要素を内部に配設された統合無菌モジュール26を例示する。しかし、図1はまた、統合無菌モジュール26を着脱可能に取り付けるシャシ60を含む、使用された非ディスポーザル・ベース・ユニットも例示する。図1はさらに、ベースユニットが、実施された加温療法処置の操作を制御するためのコンソールまたは制御装置ユニット62を含んでいたことを示す。コンソール62は、潅流流量、圧力、および温度を所望のレベルに調整して維持する働きをした。
【0094】
コンソール62は、一連のデジタル・ディスプレイ・ウィンドウ64を有していた。そのようなウィンドウ64は、温度、圧力、および流量を読み取り、実際に感知された値と、入力されたアラーム範囲設定との両方に関するパラメータを表示した。各ディスプレイ64が、例えば、温度、流量、または圧力がその範囲内に維持されるように意図された所望の範囲を超えたときに合図するための一連の視覚アラーム(すなわちLED66)を備えていた。やはり図示されるように、一連のアラーム設定制御機構68も提供された。各ウィンドウ64は、対応する上側および下側範囲制御機構、ならびに中間に位置されたトグル・スイッチ70を有していた。トグル・スイッチ70は、上側範囲設定を表す位置と下側範囲設定を表す位置との間で切り換えることができた。例えば、上側範囲設定になっているとき、適切なダイアル72を操作して、上側範囲制限を調節することができた。
【0095】
最後に、コンソール62の制御パネル74が、下側列のダイアルやディスプレイなどを有していた。これらの構成要素は、タイマ76と、追加の動作モード(例えば拍動モード)に関するレートおよび振幅制御機構78と、例えば回路14内の圧力などに関する迷走振幅信号をフィルタ除去するための電子フィルタ80とを含んでいた。
【0096】
図1に例示され、患者の治療を行うために使用される構造では、外部流体を熱交換器32に提供するためのヒータ/クーラ(図示せず)がコンソール62の一部を構成しないことが意図されている。熱交換は、従来技術で知られている副行様式で実施された。
【0097】
図1には具体的に示されていないが、コンソール62は、モータ82を内部に含み、モータ80は、壁を介して潅流ポンプ34と連係する。これは、モータ82に磁気ロータを提供することによって行われた。モータ82が駆動されたとき、ロータも回転された。磁気要素がポンプ34内に提供され、そのような磁気要素は、壁を介して磁気ロータと連係した。このとき、ロータの駆動が、所望のレベルでのポンプ34の動作に変換された。
【0098】
図3に、当該のセンサ38、40によって感知された圧力および流量レベルに応答してポンプ34が制御された様子を概略的に示す。これらの図は、統合無菌モジュール26と、その内部に収容されている(これは点線によって示される)構成要素とを示す。
【0099】
加温療法治療用のシステムを利用したとき、患者は上述したようにカニューレ挿入された。当初、患者は回路14の外におり、流れが患者を迂回していた。これは、適切なチューブ・クランプ46の操作によって行われ、バイパス・ブランチ回路44を介する流れをもたらした。
【0100】
セレクタ・スイッチ84は、フィードバックが、モータ82、圧力トランスデューサ40、または流れプローブ38のいずれかから提供されるように手動で位置決めされた。適切なフィードバック構成要素からの入力が、セレクタ・スイッチ84を介してサーボ増幅器86へ流れた。これを受けて、増幅器86が、適切な形でポンプ・スピードを制御するための情報を入力して、所望の流れおよび圧力パラメータを達成した。
【0101】
図3はまた、特定のパラメータの設定を開始するときに操作された可変抵抗器88を例示する。パラメータが設定され、システムが適切に較正された後、患者が流れシステム14内に導入された。その後、温度、圧力、および流量の連続監視が行われた。パラメータが所望の範囲外に出たことをアラーム・システムが示したとき、適切なアクションが取られ、パラメータがその範囲に戻された。
【0102】
加温療法中、pCO2は、体温の変化に合わせて直接変化する。アルファスタット調整中、血液のCO2含有量が一定に保たれることが望ましく、そのため、空気対流要件と体温との逆の関係が必要になる。アルファスタットは、pCO2を調整することによって一定のCO2を保つ。したがって、血液ガス管理にアルファスタット技法を利用すると、細胞膜にわたるpH勾配が、加温療法中に生じる温度範囲全体を通して保存されるので有利である。この血液pHおよびpCO2のアルファスタット調整が患者の治療に使用された。
【0103】
呼吸数の操作によって肺換気を直接制御することにより、pCO2、CO2総量、およびpHを、アルファスタット・パラメータに従って処理全体を通じて維持し、電解質平衡が全体を通じて維持されることを保証した。処置中、患者の電解質交換は必要なく、代謝性アシドーシスに対する重炭酸ナトリウム投与も必要なかった。
【0104】
血流回路は、血液ガス分析装置(BGA)を備えていた。BGA内部に、赤外線または化学分析によって血液pHおよびpCO2を含めた血液ガスを分析する分析装置がある。適切な手段によって患者に取り付けられたパルス・オキシメータが、患者の血液のpO2を測定した。次いで、マイクロプロセッサが、血液のpH、pCO2、pO2に関連するデータを分析し、37℃で標準化された血液の塩基過剰を計算した。マイクロプロセッサは、次いで、患者の呼吸数と、患者の血液中に取り込まれたNaHCO3またはアシドーシス仮晶溶液の量(HCO3 −イオン濃度に影響を及ぼす)とを自動的に調節するようにプログラムされた。これは、換気または投薬により患者の呼吸数を調節することによって達成された。
【0105】
一定のCO2含有量での血液の呼吸管理は、温度が変化しても一定のアルファを維持し、それにより患者の血液成分の代謝性の良さに基づいて生物化学反応を安定化させる。重炭酸ナトリウム緩衝システムは、以下の式に基づいていた。
【0106】
H++HCO3 −〜H2CO3〜H2O+CO2
アシドーシス(↓pH)は、H+(代謝)および/またはCO2(呼吸)の増加があるときに生じる。呼吸性アシドーシスは、換気の深さまたは換気率の変化によって治療される。代謝性アシドーシスは、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)の投与によって治療される。「重炭酸(Bicarb)」はNa+とHCO3 −に解離し、HCO3 −がH+と結合してCO2とH2Oを生成する。
【0107】
血液ガス、pH、pO2、pCO2、およびHCO3 −濃度は、直接測定することによって得られる。塩基過剰(BE)は、測定されたpCO2とHCO3 −の濃度間の関係に基づいて導出されるパラメータであり、標準HCO3 −濃度値に関して計算される。この濃度値は、動脈血では24mEq/Lであり、静脈血では26mEq/Lである。
【0108】
使用しなかったオプションの機器
患者を処置するのに使用しなかった熱センサおよび膀胱カテーテルについて以下に述べる。
【0109】
熱センサ
体外からの全身加温療法に適した改良型の温度監視装置を使用することができる。
【0110】
述べるセンサは、患者の近くで血流回路に接続される。温度センサはごく僅かな質量を有し、支柱上に位置する。支柱は、熱センサを管またはフィッティングの層状血流中に配置する。このようにして、血液が身体に流入または身体から流出するときの血液温度に関する、反応の速い熱評価を行うことができる。
【0111】
図4に、加温療法システムを通って移動する血液の流れの中で温度センサ130を支持するための温度プローブ133を示す。図4に示すように、プローブ133は、内部管腔141を画定する壁面を有するチューブまたはフロー配向通路140を含む。円筒形が図示してあり、かつ円筒形は濡れる表面領域を最小限に抑えるのに好ましいが、他の断面形状でも動作可能である。図4に示すように、管腔141の断面領域は、矢印138で示す流動方向で一定のままである。管腔141は、支柱134を過ぎた所の層流を維持するためにその断面領域が流動方向に減少する場合もあることを理解されたい。
【0112】
支柱134に温度センサ130が取り付けられる。支柱134は、その上に支えられたセンサ30が層流領域中かつ好ましくは最大流速の場所近くに位置するように形成および配置することが好ましい。層流領域を速度分布136に示す。より具体的には、支柱134は、支柱134が付いているかまたはチューブ140を通過している部位の上流に支柱134の少なくとも一部があるように形成され配置される。好ましい支柱134は一般に、その長さに沿ってアーチ形である。図4に示す実施形態に示すように、支柱134は終端チップ145を有し、この終端チップ145は、血流が最大速度を達成する場所でチューブ140の軸中心近くに配置される。このようにしてセンサ130は、装置中の最大流動区域に位置し、血液温度の微妙な変化を感知することができる。センサを「線に沿って」または血液がシステムを通過するときの流れの中に配置することにより、いくつかの利点が達成される。例えば層流は、かき混ぜられることによって血液および温度の変化が***するのを防ぐ。この要素が、反応が速く質量の少ない熱センサ130と結びつくと、体温の制御が向上する。
【0113】
好ましい形のプローブ133はフィッティングを備え、これはひっかかりが付いたものとすることができる。これらのフィッティングにより、この装置を患者の近くに配置することができる。環境への熱損失を最小限に抑えるためには、患者のすぐ近くで監視することが望ましいとされている。
【0114】
加温療法システム中で複数のセンサを使用することもできる。第2のセンサを使用することにより、システムの、正確に温度を監視して制御する能力が向上する。
【0115】
センサ130および132は、サーミスタや熱電対など、どんな温度感知タイプでもよい。
膀胱カテーテル
改良型のカテーテルを全身加温療法システム全体において使用することができる。使用中、このカテーテルは、患者の膀胱内で浮いた状態にある。カテーテルを膀胱に挿入した後でカテーテル上のカフが膨らんで、カテーテルの位置決めおよび固定の一助となる。カテーテルは、排尿括約筋における体温を測定するための温度センサを、膨張可能なカフの近くに有する。センサは、人間の中の膀胱と括約筋との間の典型的な距離に一般に対応するものとして知られている距離で、カフに対して相対的に位置する。この距離は、人間の間でサイズに関係なくほぼ同じであることが分かっている。
【0116】
代替カテーテルでは、膨張可能なカフの遠位に第2の温度センサが位置し、したがって膀胱内の尿プールの温度を監視する。第1および第2の温度センサからの各測定値は、膀胱内の尿の体積および括約筋中の灌流レベルに応じて異なる時定数を有する。この2つのセンサからのデータ、示度間の差、および時間に依存するこの2つのセンサの変動が、装置の効力全体に貢献することができる。
【0117】
例示的なバージョンの膀胱カテーテルを図に示すが、これらの図全体を通して、同じ参照番号は等価な構造に言及する。
図5に、細長い本体244を有し、近位端246で終端しており、さらに遠位チップ248および第1の温度センサ232も有する膀胱温度プローブ230を示すが、温度センサ232は、サーミスタ、熱電対、または他の固形温度センサを含めた、従来のタイプのいずれでもよい。膀胱231から液体を引き抜けるようにする、または膀胱に生理食塩水などの液体を注入できるようにするために、排液管腔236が遠位開口238と連絡している。膨張可能な遠位カフ240がカテーテルを位置決めし、カフが膨らんだ状態の間はカテーテルが膀胱から外れるのを防ぐ。センサ232および膨張可能なカフは、膨張可能なカフ240がプローブ230を患者の膀胱231中の正しい位置に保っているときにセンサ232が排尿括約筋242の近くに位置するように離隔され配向される。この部位で周辺組織から収集した温度情報は信頼できる傾向があり、尿プールなど他の場所から採った温度示度よりも、急速な変動を受けることがいくぶん少ない。
【0118】
図6に示す代替カテーテルでは、カテーテルは第2の温度センサ234を備える。実際には、第1のセンサ232が括約筋242の近くの筋肉に近接して位置する一方で、カフが第2の温度センサ234を膀胱の尿または液体のプール中に位置決めする。2つの場所ごとに有効な時定数が異なるので、2つのセンサは測定温度が異なることが予想される。この2つの温度およびそれらの変化の相対レートは、体温調節の効力に貢献する。
【0119】
以上に述べたすべての機器にコンピュータ制御を追加することもできる。
以上の記述は、本発明の実施形態を述べる目的で提供したものであり、本発明の範囲をいかなる形でも限定するものではない。本発明の趣旨または範囲を逸脱することなく様々な修正および変形を加えることができることは、当業者には明らかであろう。したがって本発明は、添付の特許請求およびそれらの均等物の範囲内に含まれる限り、本発明の修正および変形を包含するものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施に使用される装置の簡略透視図である。
【図2】
成人のカニューレ挿入部位を示す機構図である。
【図3】
図2に示したシステムの簡略図である。
【図4】
温度センサの断面図である。
【図5】
膀胱壁と係合する膨張式カフを用いて尿道括約筋のところに配置された温度センサを有する温度カテーテルの断面図である。
【図6】
膀胱壁と係合する膨張式カフを用いて尿道括約筋のところに配置された温度センサと尿プール内に配置された第2の温度センサの2つの温度センサを有する温度カテーテルの断面図である。
Claims (48)
- ヒトヘルペスウイルスに感染した患者を治療するための方法であって、患者のコア温度を少なくとも1回上昇させ、次いで患者のコア温度を正常に戻すことを含み、コア温度を、患者のヒトヘルペスウイルス負荷を低減しまたはなくすのに十分な温度範囲および持続時間で上昇させる方法。
- 患者のコア温度を1回上昇させて正常に戻す、請求項1に記載の方法。
- 患者のコア温度を2回またはそれ以上昇させて正常に戻す、請求項1に記載の方法。
- 患者の血液を患者から体外の血流回路を通して再び患者に循環させることによってコア温度を上昇させ、患者に戻った血液が、血流回路内で高い温度範囲に加熱されている、請求項1に記載の方法。
- コア温度を38から44℃の温度範囲に上昇させる、請求項1に記載の方法。
- コア温度を前記少なくとも1回上昇させる前に、患者のヒトヘルペスウイルス負荷を少なくとも1回決定する、請求項1に記載の方法。
- コア温度を前記少なくとも1回上昇させかつ正常に戻した後に、患者のヒトヘルペスウイルス負荷を少なくとも1回決定する、請求項1に記載の方法。
- コア温度を前記少なくとも1回上昇させかつ正常に戻してから約1カ月および約3カ月から成るグループから選択された時点で、患者のヒトヘルペスウイルス負荷が30パーセントまたはそれ以上低減される、請求項1に記載の方法。
- コア温度を前記少なくとも1回上昇させかつ正常に戻してから約1カ月および約3カ月から成るグループから選択された時点で、患者のヒトヘルペスウイルス負荷が50パーセントまたはそれ以上低減される、請求項1に記載の方法。
- コア温度を前記少なくとも1回上昇させかつ正常に戻してから約1カ月および約3カ月から成るグループから選択された時点で、患者のヒトヘルペスウイルス負荷が75パーセントまたはそれ以上低減される、請求項1に記載の方法。
- コア温度を前記少なくとも1回上昇させかつ正常に戻してから約1カ月および約3カ月から成るグループから選択された時点で、患者のヒトヘルペスウイルス負荷が90パーセントまたはそれ以上低減される、請求項1に記載の方法。
- コア温度を前記少なくとも1回上昇させかつ正常に戻してから約1カ月および約3カ月から成るグループから選択された時点で、患者のヒトヘルペスウイルス負荷が95パーセントまたはそれ以上低減される、請求項1に記載の方法。
- コア温度を前記少なくとも1回上昇させかつ正常に戻してから約1カ月および約3カ月から成るグループから選択された時点で、患者のヒトヘルペスウイルス負荷が分岐DNA信号増幅検査の感度レベル未満に低減される、請求項1に記載の方法。
- コア温度を前記少なくとも1回上昇させかつ正常に戻してから約1カ月および約3カ月から成るグループから選択された時点で、患者のヒトヘルペスウイルス負荷が、逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応検査の感度レベル未満に低減される、請求項1に記載の方法。
- ヒトヘルペスウイルスに対して指示された薬剤を用いて患者を治療することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- ヒトヘルペスウイルスを治療するために指示された単一の薬剤を用いて患者を治療する、請求項15に記載の方法。
- ヒトヘルペスウイルスを治療するために指示された2種またはそれ以上の薬剤を用いて患者を治療する、請求項15に記載の方法。
- 患者のコア温度を前記少なくとも1回上昇させる前に薬剤を投与する、請求項15に記載の方法。
- 患者のコア温度が高い間に薬剤を投与する、請求項15に記載の方法。
- 患者のコア温度を前記少なくとも1回上昇させかつ正常に戻した後に薬剤を投与する、請求項15に記載の方法。
- (i)患者のコア温度を前記少なくとも1回上昇させる前、(ii)患者のコア温度が高い間、(iii)患者のコア温度を前記少なくとも1回上昇させかつ正常に戻した後、または(iv)これらを組み合わせて、薬剤を投与する、請求項15に記載の方法。
- 患者のコア温度を前記少なくとも1回上昇させる前、患者のコア温度が高い間、および患者のコア温度を前記少なくとも1回上昇させかつ正常に戻した後に薬剤を投与する、請求項15に記載の方法。
- 薬剤が、インターフェロン、蛋白分解酵素阻害薬、サイトカイン、化学療法剤またはこれらの組合せから選択された、請求項15に記載の方法。
- 薬剤が、リバビリン、ラミブジン、インターフェロンアルファコン−l、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファ−nl、サイモシンアルファ−1、インターロイキン−2、インターフェロンアルファ−n3、ケトプロフェン、インターフェロンベータ−1a、インターフェロンガンマ−1b、インターロイキン−12、ヒスタミンジヒドロクロリド、チマルファシン、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、アバカバル、ネビラピン、デラビリジン、エファビレンズ、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、サキナビル、アンプレナビル、ドキソルビシン、アシクロビル、シドホビル、ファムシクロビル、ホスカネット、ガンシクロビル、イドクスウリジン、トリフルオロチミジン、バラシクロビル、ビダラビンまたはこれらの組合せから選択された、請求項15に記載の方法。
- 薬剤が、インターフェロン、リバビリン、ラミブジンまたはドキソルビシンから選択された、請求項15に記載の方法。
- 薬剤がアルファインターフェロンである、請求項15に記載の方法。
- 薬剤がドキソルビシンである、請求項15に記載の方法。
- 薬剤がリポソームキソルビシンである、請求項15に記載の方法。
- 患者が、急性ヒトヘルペスウイルス感染を有する、請求項1に記載の方法。
- 患者が、潜在性ヒトヘルペスウイルス感染を有する、請求項1に記載の方法。
- 患者が病原体に共感染している、請求項1に記載の方法。
- 病原体がウイルスである、請求項31に記載の方法。
- 病原体がスピロヘータまたは細菌である、請求項31に記載の方法。
- 病原体が熱不安定ウイルスである、請求項31に記載の方法。
- 熱不安定ウイルスが、ヘパドナウイルス、トガウィルス、フラビウイルス、コロナウイルス、ラブドウイルス、フィロウイルス、パラミクソウイルス、オルトミクソウイルス、ブンヤウイルス、アレナウィルスまたはレトロウイルスから選択された、請求項34に記載の方法。
- 熱不安定ウイルスが、HIV、B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスから選択された、請求項34に記載の方法。
- 病原体が、トレポネーマ属、ボレリア属またはレプトスピラ属から選択されたスピロヘータである、請求項33に記載の方法。
- 病原体が、Treponema pallidum、Treponema pertenue、Treponema carateum、Treponema pallidum endemicum、Borrelia burgdorferi、Borrelia hermsii、またはLeptospira interrogansから選択されたスピロヘータである、請求項33に記載の方法。
- ヒトヘルペスウイルスが、ヒトヘルペスウイルス−8、Epstein−Barrウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス−1、単純ヘルペスウイルス−2、ヒトヘルペスウイルス−6またはヒトヘルペスウイルス−7から選択された、請求項1に記載の方法。
- ヒトヘルペスウイルスがヒトヘルペスウイルス−8である、請求項1に記載の方法。
- ヒトヘルペスウイルスがEpstein−Barrウイルスである、請求項1に記載の方法。
- ヒトヘルペスウイルスがヒトサイトメガロウイルスである、請求項1に記載の方法。
- ヒトヘルペスウイルスが帯状疱疹ウイルスである、請求項1に記載の方法。
- ヒトヘルペスウイルスが単純ヘルペスウイルス−1である、請求項1に記載の方法。
- ヒトヘルペスウイルスが単純ヘルペスウイルス−2である、請求項1に記載の方法。
- ヒトヘルペスウイルスがヒトヘルペスウイルス−6である、請求項1に記載の方法。
- ヒトヘルペスウイルスがヒトヘルペスウイルス−7である、請求項1に記載の方法。
- ヘルペスウイルスがHHV−8であり、治療前に患者がドキソルビシンを受け取っており、患者が依然として進行性のカポジ肉腫を有する、請求項1に記載の方法。
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