JP2004502431A - ロリポッププローブを用いたシグナル増幅 - Google Patents

ロリポッププローブを用いたシグナル増幅 Download PDF

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Abstract

特定の核酸配列の量および位置を感度良く検出する方法および組成物を開示する。本方法はテイル部分、右アーム部分および左アーム部分を有し、ロリポップオリゴマーと称される分枝オリゴマーを用いる。これら3つの構成部分は共通の接合点で連結され、3つのテイル構造を形成する。2つのアームは、標的配列内の隣接配列と相補的な配列をそれぞれ端に有している。これにより、そのオリゴマーが標的配列にハイブリダイズした場合に、右アームと左アームが互いにライゲートされ、それによりロリポップオリゴマーが標的配列と位相的に結びつく。そして、そのテイル部分を標的配列の位置で検出することができる。

Description

【0001】
(発明の背景)
開示する本発明は、一般的に核酸を検出する検定分野に関し、特に核酸増幅の分野に関する。
【0002】
(発明の背景)
核酸検出に基づく極めて感度の高い診断検定の実行を可能にする多くの方法が開発されている。これらの方法のほとんどは、標的またはプローブの指数関数的な増幅を用いる。これには、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、自立型配列複製(self−sustained sequence replication)(3SR)、核酸配列基本増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)およびQβレプリカーゼを用いた増幅が挙げられる(BirkenmeyerおよびMushahwar, J. Virological Methods, 35:117−126(1991); Landegren, Trends Genetics, 9:199−202(1993))。
【0003】
これら全ての方法は事実上の検出限界が約100個の標的分子であり、感度は良いが、これらは全て定量的測定における精度が比較的低いという問題がある。この精度の欠陥は、診断検定を複数形式、すなわち様々な異なる標的配列を同時に検出するように設計された形式で行なう場合に、最も劇的に顕著となる。
【0004】
蛍光インシチュハイブリダイゼーションは、ゲノム内で相互に関連する配列の物理的な位置を決定するのに有用な方法である。しかしながら、標的配列の大きさが減少するにつれて、配列を検出する能力が低下するため、500塩基未満の長さの標的を検出するのは、非常に困難であるか或いは不可能である。
【0005】
DNAポリメラーゼによって作動されるローリングサークル増幅(RCA)は、等温条件下において線形的動態または幾何学的動態のいずれかで環状オリゴヌクレオチドプローブを複製できる(Lizardiら、Nature Genet. 19:225−232(1998); Lizardiの米国特許第5,854,033号; PCT出願番号WO 97/19193)。単一のプライマーを用いた場合、標的に共有結合で連結された、数百または数千の直列(タンデム)に連結された標的のDNAコピーの直鎖が、RCAによって数分の内に生成される。直鎖の増幅産物を生成することによって標的の空間解析および標的の正確な定量化の両方が可能となる。RCAによって生成されたDNAは、タンデムDNA配列の複数の部位でハイブリダイズする蛍光オリゴヌクレオチドタグを用いて標識化できる。RCAは複数パラメータのカラーコーディング用に設計されたフルオロフォア(PCT出願番号 WO 97/19193)とともに利用でき、それにより同時に分析を行なうことのできる標的の数を顕著に増加させることができる。RCA技術は溶液中、インシチュおよびマイクロアッセイにおいて使用可能である。固相の形態においては、一分子レベルで検出および定量化を行なうことができる(Lizardiら、1998)。
【0006】
ライゲーション媒介型ローリングサークル増幅(LM−RCA)には、標的配列とハイブリダイズしたプローブ分子の環状化と、その後に、その環状プローブのローリングサークル増幅が含まれる(Lizardiの米国特許第5,854,033号; PCT出願番号 WO 97/19193)。増幅の間に、プローブは増幅がローリングするにつれて標的配列から分離する場合がある。これにより、標的について得られる空間情報の質が減少し得る。
【0007】
したがって、本発明の目的は特異性と感受性とを併せ持つ、核酸配列をインシチュにて検出するための方法および組成物を提供することである。
【0008】
本発明のその他の目的は、特異性と感受性を併せ持つ、核酸配列の量および位置を検出するための方法および組成物を提供することである。
【0009】
(発明の概要)
特定の核酸配列の量および位置を感度良く検出する方法および組成物を開示する。本方法は、尾(テイル)部分、右腕(アーム)部分および左アーム部分を有し、ロリポップオリゴマーと称される分枝オリゴマーを用いる。これら3つの構成部分は共通の接合点で連結され、3つのテイル構造を形成する。2つのアームは、標的配列内の隣接配列と相補的な配列をそれぞれ端に有している。これにより、ロリポップオリゴマーが標的配列にハイブリダイズした場合に、右アームと左アームが互いにライゲートされ、それによりロリポップオリゴマーが標的配列と位相的に結びつく。そして、このテイル部分が、その標的配列の位置において検出することができる。このオリゴマーのテイルをDNA環(サークル)の重要なローリングサークル複製に用いることで、長いタンデム反復DNAが標的配列と関連(会合)する。ローリングサークル複製は、アームと標的配列との会合を乱さないため、タンデム反復DNAと標的配列との密接な会合は維持される。
【0010】
プローブを標的に位相的に固定することは、増幅産物が標的から離れて浮遊し得る検出系には重要である。このことは、標的配列が極端に短いか、あるいは検定を***中期の染色体などの基質またはタンデム反復DNAを補足(トラップ)しないアレイで行なう場合に起こり得る。複数の異なるプライマー(テイル)配列および対応するDNAサークルを用いることで、この方法は多重化でき、それぞれ異なるサークルの増幅産物を別々に検出できる。ロリポップオリゴマーは化学的または酵素的ライゲーションにより環状化できる。
【0011】
開示する本方法は所望の環状化配列を検出するのに有用である。詳細には、開示する本方法は所望の任意の配列からシグナルを局在化させるか、または増幅させるのに用いることができる。例えば、開示する本方法を用いて、遺伝子組換え細胞、細菌または酵母のコロニー、細胞の材料(例えば、細胞全体、DNA繊維、静止期の核、またはスライドにおける***中期の染色体、整列化(アレイ)したゲノムDNA、RNA)を探索できる。開示する本方法は、標的配列の配列変異体を検出するのに特に有用である。例えば、挿入、欠失、反復、および一塩基多型(SNP)を検出することができる。この検出の特異性は、アームの端の不一致に対するライゲーションの感受性によってもたらされる。
【0012】
開示する本方法は、疾患の検出、突然変異の検出、RNA発現のプロファイリング、遺伝子の発見、遺伝子マッピング(分子ハプロタイピング)、農業研究、およびウイルス検出を含む(これらに制限されない)多くの領域に適用できる。好ましい使用には、細胞内でのインシチュSNP検出、マイクロアレイ、DNA繊維、およびゲノムDNAアレイにおけるSNP検出;細胞におけるRNAの検出;RNA発現のプロファイリング;分子ハプロタイピング;突然変異検出;異常RNA(例えば、癌遺伝子の過剰発現、または腫瘍抑圧遺伝子発現の欠失);癌細胞における発現;細胞におけるウイルスゲノムの検出;ウイルスRNA発現;遺伝性疾患(例えば、嚢胞性線維症、筋ジストロフィー、糖尿病、血友病、鎌状赤血球貧血)の検出;癌(例えば、前立腺癌、乳癌、肺癌、大腸癌、卵巣癌、睾丸癌、膵臓癌)についての素因診断(アセスメント)が挙げられる。
【0013】
(発明の詳しい説明)
開示する本方法は、ロリポップオリゴマーと称する特定の分枝オリゴマーを使用して、感度が高く信頼できる標的核酸配列の検出および定量化を提供する。開示する本方法は核酸配列を検出し、その配列の位置を決める(すなわち、インシチュ検出)のに特に有用である。このロリポップオリゴマーは、標的核酸配列と会合するか、または位相的に連結された、オリゴマーのテイル部分を介したローリングサークル増幅を通じて、等温シグナル増幅を可能にする。
【0014】
開示する本方法には、1つまたはそれ以上の異なるロリポップオリゴマーを1つまたはそれ以上の標的試料と混合し、そしてその試料中にて本オリゴマーと標的配列との間のハイブリダイゼーションが促進される条件下でインキュベートすることが含まれる。その後、このロリポップオリゴマーのアームは標的に依存する様式でライゲートされる。本オリゴマーを1つまたはそれ以上の増幅標的サークルと混合し、その増幅標的サークルと、本オリゴマーのローリングサークル複製プライマー部分との間のハイブリダイゼーションが促進される条件下でインキュベートする。そのシグナルを増幅するために、DNAポリメラーゼを、本オリゴマーおよび増幅標的サークルと混合し、その増幅標的サークルの複製が促進される条件化でインキュベートする。この増幅標的サークルの複製により、多数の増幅標的サークル配列のタンデム反復を含む長いDNA鎖(このDNAをタンデム配列DNAと称する)が形成される。単一の検定で複数の核酸配列から独自に同定することは、独特のテイル配列(オリゴマーの一部)を、種々の核酸配列のそれぞれと会合させて、それを検出することによって達成される。各々のテイル配列(ローリングサークル複製プライマーとして作用する)が独自の増幅標的サークルとハイブリダイズして複製が始まる。得られた様々なタンデム配列DNA(それぞれ異なる核酸配列に特異的な増幅標的サークルから誘導される)の独特の配列を検出することで、そのタンデムDNA配列に対応する標的配列が核酸試料中に存在することが示される。他の技術を用いて、ロリポップオリゴマーのテイル配列を検出し、かつ/または増幅することもできる。
【0015】
開示する本方法は所望の任意の核酸配列の検出、定量化および/または位置決めに有用である。開示する本方法は多重化して、多数の異なる核酸配列を同時に、または単一の検定で検出することができる。このように、開示する本方法は核酸試料におけるRNA発現を検出し、評価し、定量化し、プロファイリングし、かつ/またはカタログ化するのに有用である。また開示する本方法は特に、核酸配列における一ヌクレオチドの差異を検出し、かつ識別するのに有用である。この特異性は、本オリゴマーのアーム端付近の塩基の不一致に対するそのアームのライゲーションの感受性により生じ得る。このように、開示する本方法は一塩基多型、並びに核酸間、核酸試料間および核酸試料源間の他の配列の差異を検出し、評価し、定量化し、かつ/またはカタログ化するのに有用である。特に、標的配列の一コピーを検出できる開示する本方法の能力により、試料中における核酸配列の異なる遺伝子多型の割合を評価することができる。
【0016】
開示する本方法は、疾患の検出、突然変異の検出、RNA発現のプロファイリング、遺伝子の発見、遺伝子マッピング(分子ハプロタイピング)、農業研究、およびウイルス検出を含む(これらに制限されない)多くの領域に適用できる。好ましい使用には、細胞内でのインシチュSNP検出、マイクロアレイ、DNA繊維、およびゲノムDNAアレイにおけるSNP検出;細胞におけるRNAの検出;RNA発現のプロファイリング;分子ハプロタイピング、突然変異検出、異常RNA(例えば、癌遺伝子の過剰発現、または腫瘍抑圧遺伝子発現の欠失)、癌細胞における発現、細胞におけるウイルスゲノムの検出、ウイルスRNA発現;遺伝性疾患(例えば、嚢胞性線維症、筋ジストロフィー、糖尿病、血友病、鎌状赤血球貧血)の検出;癌(例えば、前立腺癌、乳癌、肺癌、大腸癌、卵巣癌、睾丸癌、膵臓癌)についての素因診断が挙げられる。
【0017】
(材料)
A.ロリポップオリゴマー
ロリポップオリゴマーは、テイル部分、右アーム部分および左アーム部分の3つの構成部分を含有する分枝オリゴマーである。一般に、このテイル部分、右アーム部分および左アーム部分は共に連結されており、テイル部分は右アーム部分と左アーム部分の接合点でこのオリゴマーと連結されている。しかしながら、テイル部分は、右または左アーム部分のオリゴマーと連結され得るが、右または左標的プローブ部分のいずれとも連結されていないことが好ましい。オリゴマーの右アーム部分には、一般に右標的プローブ部分および右骨格鎖(バックボーン)部分が含まれる。左アーム部分には、左標的プローブ部分および左バックボーン部分が含まれる。右標的プローブ部分は右アーム部分の端にあり、左標的プローブ部分は左アーム部分の端にある。標的プローブ部分は標的核酸配列と相補的である。標的配列は、本オリゴマーの左標的プローブ部分と右標的プローブ部分が、その標的配列の3’領域および5’領域のそれぞれと互いに相補的となるような、5’領域および3’領域を有する。ロリポップオリゴマーの例を図1に示す。また、ロリポップオリゴマーは本明細書中において、オリゴマーおよびロリポッププローブとも称される。
【0018】
一般に、ロリポップオリゴマーのテイルとアームは一本鎖オリゴヌクレオチドである。右および左アームは一般に、25〜500ヌクレオチドから成り、好ましくは約30〜75ヌクレオチドであり、最も好ましくは約35〜50ヌクレオチドである。右アームは5’リン酸基を有し、そして左アームは3’水酸基を有する。このれによりDNAリガーゼを用いて、その端をライゲートするか、ギャップを埋める操作で伸張させることが可能となる。ロリポップオリゴマーのこの部分が、本オリゴマーが開示する本方法に有用となる特定の機能を有する。好ましい態様について、それらの部分は標的プローブ部分、バックボーン部分、テイル部分、およびローリングサークル複製プライマー部分と称される。この標的プローブ部分とテイル部分はロリポップオリゴマーの必須の要素である。バックボーン部分とローリングサークル複製プライマー部分ではないテイル部分の区域は、配列を任意に選ぶことができ、または非ヌクレオチドリンカーであってもよい。
【0019】
特に好ましい態様は、20ヌクレオチドの左標的プローブ部分と20ヌクレオチドの右標的プローブ部分を含有する、それぞれが35〜50ヌクレオチドである右および左アームを有するロリポップオリゴマーである。左標的プローブと右標的プローブは、5個のヌクレオチドの間隔(ギャップ)(このギャップは一本鎖のペンタヌクレオチドのギャップオリゴヌクレオチドによって埋められる)を残して、標的配列とハイブリダイズする。他の好ましい態様では、ロリポップオリゴヌクレオチドはそれぞれ35〜50ヌクレオチドの右および左アームを有し、一塩基多型の識別を最大にする固定された長さ(好ましくは20ヌクレオチド)の右標的プローブ、および可変長(好ましくは10〜20ヌクレオチド)の左標的プローブを含有する。標的配列とハイブリダイズし、ライゲートされた端を有するロリポップオリゴマーを、固定されたロリポップオリゴマーと称する。
【0020】
1.テイル部分
ロリポップオリゴマーのテイル部分は、本オリゴマーが標的配列と会合した場合に、シグナルとして用いられるか、またはシグナルを発するのに用いられる。このテイル部分は、このシグナルを発する目的を達成する任意の構造または組成を有することができる。このテイル部分はローリングサークル複製プライマー部分またはアドレスタグ部分を含有することが好ましい。
【0021】
ローリングサークル複製プライマー部分
ローリングサークル複製プライマー(RCRP)部分は、増幅標的サークルのプライマー適合(コンプリメント)部分と相補的な配列を有するテイル部分の一部である。その配列をRCRP部分の相補部分と称する。RCRP部分の相補部分および同系のプライマー適合部分は、互いに相補的である限り所望の任意の配列であってよい。一般に、RCRP部分の配列は、増幅標的サークルの他の任意の部分と厳密に相補的でない配列が選ばれる。ローリングサークル複製プライマー部分の相補部分は、このプライマーとプライマー適合部分との間のハイブリダイゼーションを特異的にし、かつ安定にする任意の長さであればよい。一般的に、その長さは10〜35ヌクレオチド長であるが、好ましくは16〜20ヌクレオチド長である。
【0022】
アドレスタグ部分
アドレスタグ部分は、アドレスプローブの相補部分の配列と一致する配列を有するテイル部分の一部である。このアドレスタグ部分は、アドレスタグ部分によって媒介される増幅物のハイブリダイゼーションを通じてロリポップオリゴマーの検出を可能にする。要すれば、ロリポップオリゴマーに1つ、または1つより多くのアドレスタグ部分を存在させることができる。ロリポップオリゴマーは1つまたは2つのアドレスタグ部分を有することが好ましい。最も好ましのは、オリゴマーは1つのアドレスタグ部分を有することである。一般に、オリゴマーは50またはそれ未満のアドレスタグ部分を有することが好ましい。アドレスタグ部分がオリゴマーに存在し、それがオリゴマーのテイル部分の大きさでなければ、アドレスタグ部分の数に対する制限は基本的に存在しない。複数のアドレスタグ部分が存在する場合、それらを同じ配列、またはそれぞれが異なるアドレスプローブに対して相補的な異なる配列を有する異なる配列とすることができる。ロリポップオリゴマーは、それらが単一のアドレスプローブと完全に相補的となる同じ配列を有するアドレスタグ部分を含むことが好ましい。アドレスタグ部分は、アドレスタグとアドレスプローブとの間のハイブリダイゼーションを特異的にし、かつ安定にする任意の長さであればよい。この目的のために、長さは10〜35ヌクレオチド長の間が好ましく、10〜20ヌクレオチド長のアドレスタグ部分であることが最も好ましい。
【0023】
2.アーム部分
左および右アーム部分は、ロリポップオリゴマーと標的配列との配列に特異的な会合を可能にする標的プローブ部分を運搬する。左および右バックボーン部分により、柔軟性(フレキシビリティ)が与えられ、標的プローブ部分は互いに連結され、そしてテイル部分を連結する。このバックボーン部分は任意の恣意的な配列とすることができ、実際、ヌクレオチドまたは塩基の一部分から成る必要は全くない。しかしながら、バックボーン部分の一方または両方が、テイル部分と分子内の会合を形成するように設計することが好ましい。そのような会合は、このオリゴマーが標的配列にハイブリダイズするまで、テイル部分(または、少なくともローリングサークル複製部分)を増幅標的サークルに近づきにくくさせるように設計される。これは、例えば一方または両方のアーム部分を、テイル部分と会合させることによって達成され得る。例えば、このテイル部分を、右バックボーン部分の全部または一部と、左バックボーン部分の全部または一部と、あるいは右バックボーン部分の一部と左バックボーン部分の一部と、相補的になるように設計することができる。テイル部分と一方または両方のバックボーン部分とのハイブリダイゼーションによって、テイル部分は増幅標的サークルに近づきにくくさせ得る。また、バックボーン部分とテイル部分が三重ヘリックスを形成するように設計することもでき、これによりテイル部分を増幅標的サークルに近づきにくくさせることもできる。
【0024】
標的プローブ部分
それぞれのロリポップオリゴマーには2つの標的プローブ部分があり、それはそれぞれのオリゴマーのアーム端にある。この標的プローブ部分はそれぞれ、標的プローブと標的配列との間のハイブリダイゼーションを特異的にし、かつ安定にする任意の長さであればよい。この目的のために、それぞれの標的プローブ部分の長さは10〜35ヌクレオチド長であることが好ましく、15〜20ヌクレオチド長の標的プローブ部分であることが最も好ましい。ロリポップオリゴマーの3’端の標的プローブ部分を左標的プローブと称し、このオリゴマーの5’端の標的プローブ部分を右標的プローブと称する。また、本明細書中では、これらの標的プローブ部分を左および右標的プローブ、または左および右プローブと称する。この標的プローブ部分は標的核酸配列と相補的である。
【0025】
標的プローブ部分は標的配列と相補的であるため、ハイブリダイゼーションの際に、右標的プローブ部分の5’端と左標的プローブ部分の3’端とが、標的配列中の隣接したヌクレオチドと塩基対を形成して、ライゲーションまたは共有結合によるカップリングのための基質として役立つ(図2A)。随意的に、標的プローブ部分の5’端および3’端は、ギャップ空間によって分離された様式でハイブリダイズしてもよい。この場合、本オリゴマーの5’端と3’端は、ギャップオリゴヌクレオチドと称されるオリゴヌクレオチドを、さらに1つまたはそれ以上用いる場合か、あるいはライゲーション操作の間にそのギャップ空間を埋めた場合にのみ、ライゲートされ得る。ギャップオリゴヌクレオチドがギャップ空間中の標的配列とハイブリダイズすることで、連続したプローブ/標的ハイブリッド形態となる。ギャップ空間は所望の任意の長さであってよいが、一般には10またはそれ未満のヌクレオチドであろう。ギャップ空間は約3〜10ヌクレオチド長が好ましく、4〜8ヌクレオチド長のギャップ空間が最も好ましい。あるいは、ライゲーション操作前、またはその間に、DNAポリメラーゼを用いてギャップ空間を埋めることができる。このようにギャップを埋める操作を行なう場合、3〜5ヌクレオチド長のギャップ空間が最も好ましい。その他、別の方法としては、ギャップ空間を、1つまたはそれ以上のギャップオリゴヌクレオチドを用いて部分的に架橋し、埋められたギャップの残りはDNAポリメラーゼを用いて埋めることができる。
【0026】
この標的プローブ部分は、右標的プローブ部分、左標的プローブ部分、またはその両方の端を、多型または変異型のヌクレオチド部位と相補的になるように設計することが好ましい。この端の効率的なライゲーションには、末端のヌクレオチドが相補的なヌクレオチドと塩基対を形成することが必要とされるため、このオリゴマーの端は標的配列の対応する形態(端の部位が異なるヌクレオチドを有する標的配列の形態ではない)である場合にのみ効率的にライゲートされる。同様の効果は、ギャップオリゴヌクレオチドを用いて達成し得る。この場合、ギャップオリゴヌクレオチドは標的配列中の多型または変異型のオリゴヌクレオチド(群)と相補的となるように設計される。ギャップオリゴヌクレオチドが短い場合には、内部の一塩基の不一致でさえ、ギャップオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが不安定化され、効率的なライゲーションが妨げられ得る。
【0027】
3.組成
ロリポップオリゴマーは、標的プローブ部分がその対応する標的配列にハイブリダイズすることができ、かつテイル部分が検出および/またはシグナル増幅を媒介できれば、任意の組成を有することができる。テイル部分、右アーム部分および左アーム部分はオリゴヌクレオチドであることが好ましい。また、右標的プローブ部分および左標的プローブ部分は、ペプチド核酸および他のオリゴヌクレオチド類似体(アナログ)であるか、またはその一領域を含ませることもできる。また、このオリゴマーは、ヌクレオシドアナログおよびヌクレオチドアナログを含み得る。特に、アームとテイルは、標準的なヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、ヌクレオシドアナログおよびオリゴヌクレオチドアナログのいずれかの組み合わせを含むキメラであってもよい。
【0028】
本オリゴマーのテイル部分とアーム部分は、このオリゴマーが本明細書に記載するように機能できれば任意の様式で連結させることができる。1つの形態では、左と右アーム部分が一緒になって、そのアームのオリゴヌクレオチド中の1個のヌクレオチドとテイル部分が交差して連結し、単一のオリゴヌクレオチドまたはオリゴマー鎖となり得る(このように、2つのアーム部分を規定する)。別の形態では、テイル部分とアーム部分の一方が一緒になって、それに他方のアーム部分が交差して連結し、単一のオリゴヌクレオチドとなり得る。また、ロリポップオリゴマーにはリンカーを含ませることもできる。リンカーはロリポップオリゴマーとの関係で、ロリポップオリゴマーの2つまたはそれ以上の成分を共に連結する任意の非ヌクレオチド鎖、構造または領域である。例えば、1つの形態では、本オリゴマーのテイル部分、右アーム部分または左アーム部分の少なくとも一部はリンカーである。特に、テイルとアーム間の接合点は、分岐したリンカー構造であり得る。本オリゴマーのテイル部分およびアーム部分の接合点によって、任意のコアまたは分岐した構造が形成され得る。必要なことは、アームとテイルを連結または結合させて、接合構造にすることのみである。多くのカップリング(結合性)化学が知られており、ロリポップオリゴマーの構成成分を連結するのに適用して用いることができる。
【0029】
本明細書中に用いるオリゴマーは、同じ種類(例えばヌクレオチド)または複数種(例えば、ヌクレオチドとエチレングリコール)の混合物から構成され得るサブユニットから成るオリゴ分子を意味する。開示するロリポップオリゴマーは、オリゴ配列、非ヌクレオチドリンカー、またはオリゴ配列と非ヌクレオチドリンカーの組み合わせであることがより好ましい。開示するロリポップオリゴマーはオリゴ配列であることが好ましい。オリゴ配列は、それぞれのサブユニットが塩基に特異的な様式で、他のオリゴ配列と相互作用できる核酸塩基(すなわち、ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログの塩基部分)を含むオリゴ分子である。核酸鎖のハイブリダイゼーションは、そのような塩基に特異的な相互作用の好ましい例である。オリゴ配列は好ましくは、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、またはその両方から構成されるか、あるいはオリゴヌクレオチドアナログである。用語ロリポップ「オリゴマー」用いることで、開示するロリポップ構造が以上に規定するようなオリゴマーサブユニットに制限される訳ではない。例えば、開示するロリポップオリゴマーは非オリゴ接合構造を含み得る。
【0030】
非ヌクレオチドリンカーは、オリゴ配列ではなく、オリゴ配列と共有結合し得る任意の分子であり得る。好ましい非ヌクレオチドリンカーは、非ヌクレオチドサブユニットを形成するオリゴ分子である。そのような非ヌクレオチドリンカーの例は、LetsingerおよびWu (J. Am. Chem. Soc. 117:7323−7328 (1995))、Benselerら (J. Am. Chem. Soc. 115:8483−8484 (1993)) およびFuら (J. Am. Chem. Soc. 116:4591−4598 (1994)) に記載されている。好ましい非ヌクレオチドリンカーまたは非ヌクレオチドリンカーについてのサブユニットには、置換されていることあるC−C18直鎖または分枝鎖アルキル、置換されていることあるC−C18直鎖または分枝鎖アルケニル、置換されていることあるC−C18直鎖または分枝鎖アルキニル、置換されていることあるC−C18直鎖または分枝鎖アルコキシ、置換されていることあるC−C18直鎖または分枝鎖アルケニルオキシ、および置換されていることあるC−C18直鎖または分枝鎖アルキニルオキシが含まれる。これらの好ましい非ヌクレオチドリンカーについての置換基(またはサブユニット)には、ハロゲン、シアノ、アミノ、カルボキシ、エステル、エーテル、カルボキサミド、ヒドロキシまたはメルカプトがあり得る。
【0031】
本明細書中にて用いるヌクレオシドはアデノシン、グアノシン、シチジン、ウリジン、2’−デオキシアデノシン、2’−デオキシグアノシン、2’−デオキシシチジンまたはチミジンを意味する。ヌクレオシドアナログは、ヌクレオシドの任意の位置の塩基または糖部分の化学修飾を含む、ヌクレオシドの化学修飾された形態である。本明細書中にて用いるヌクレオチドは上述のようにヌクレオシドのリン酸誘導体を意味し、ヌクレオチドアナログは上述のようにヌクレオシドアナログのリン酸誘導体である。オリゴヌクレオチドアナログのサブユニット、例えばペプチド核酸もまたヌクレオチドアナログであるとみなす。
【0032】
本明細書中にて用いるオリゴヌクレオチドアナログは、核酸様の特徴(例えば、配列に依存するハイブリダイゼーション)を有する核酸様物質のポリマーであり、それには1つまたはそれ以上の部位に、標準的なRNAまたはDNAヌクレオシドと異なるようになる修飾が含まれる。オリゴヌクレオチドアナログの好ましい例としては、ペプチド核酸がある。2つのヌクレオシド間の分子内連結は、ホスホジエステル結合や、例えばホスホロチオエート基などにより修飾されたホスホ結合、または例えば米国特許第5,334,711号に記載されているような他の結合によって達成することができる。
【0033】
B.標的配列
本明細書中にて用いる標的配列は、開示する標的プローブ部分(およびギャップオリゴヌクレオチド)が会合する核酸配列である。任意の核酸分子を、開示する本方法に用いる標的配列に挙げることができる。好ましい標的配列は天然のDNA分子およびRNA分子(例えばmRNA、ウイルスRNAおよびリボソーマルRNA)である。
【0034】
標的配列を含む標的試料は、どのような起源由来のものであってもよい。例えば、標的配列はmRNA試料、核酸ライブラリー、細胞、培養物、組織、体液、尿、血清、生検試料、および環境試料から得ることができる。他の多くの核酸源が知られており、または作り出されており、その多くを開示する本方法に用いることができる。任意の核酸試料を、開示する本方法の標的試料として用いることができる。好適な標的試料の例としては、mRMA試料、核酸ライブラリー、全細胞試料、環境試料、培養試料、組織試料、体液、尿試料、血清試料、および生検試料が挙げられる。他の多くの標的試料源が知られており、または作り出されており、その多くを開示する方法に用いることができる。
【0035】
標的試料は、標的配列を含むことある任意の溶液または組成物である。標的試料は、任意の形態をとることができる。標的試料の好ましい形態は、固体標的(solid state target)である。
【0036】
C.増幅標的サークル
増幅標的サークル(ATC)は、一般的に40〜1000ヌクレオチド、好ましくは約50〜150ヌクレオチド、そして最も好ましくは約50〜100ヌクレオチドである環状の一本鎖DNA分子である。ATCの一部分は、ATCがローリングサークル増幅(RCA)に有用となるような特定の機能を有する。それらの部分はプライマー適合部分、検出タグ部分、第二の標的配列部分、アドレスタグ部分、およびプロモーター部分と称される。プライマー適合部分は増幅標的サークルの必須の要素である。検出タグ部分、第二の標的配列部分、アドレスタグ部分、およびプロモーター部分は随意的である。一般的に、増幅標的サークルはプライマー適合部分を含む一本鎖の環状DNA分子である。ATCの特定の部分に相当しないATCの区域(セグメント)は恣意的に選ばれた配列であってもよい。ATCは自己相補的な配列でないことが好ましい。不一致またはギャップがなく、6ヌクレオチド長よりも長い相補的な領域が存在しなければ、この条件を満たすと考えることができる。また、プロモーター部分を含むATCは、転写ターミネーター(転写終結区)に似た配列、例えば連続する8またはそれ以上のチミジンヌクレオチドの配列を有しないことが好ましい。
【0037】
増幅標的サークルが複製されると、増幅標的サークルに相補的な複数の反復配列を含む、長いDNA分子が産生される。この長いDNA分子を、本明細書中ではタンデム配列DNA(TS−DNA)と称する。TS−DNAには、そのプライマー適合部分と相補的な配列が含まれ、増幅標的サークルに存在する場合には、検出タグ部分、第二の標的配列部分、アドレスタグ部分、およびプロモーター部分が含まれる。TS−DNA中のこれらの配列を、プライマー配列(これは、ローリングサークル複製プライマーの配列と一致する)、スペーサー(spacer)配列(スペーサー領域と相補的である)、検出タグ、第二の標的配列、アドレスタグ、およびプロモーター配列と称する。増幅標的サークルは、特異的に結合する分子のタグとして有用である。
【0038】
D.タンデム配列DNA
増幅標的サークルが複製されると、環状ベクターに相補的な複数の反復配列を含む長いDNA分子が産生される。この長いDNA分子を、本明細書中ではタンデム配列DNA(TS−DNA)と称する。TS−DNAには、挿入された核酸分子とプライマー適合部分に相補的な配列が含まれる。タンデム配列DNAはそれ自身が鎖置換増幅によって複製されると、その結果として環状ベクターと一致する複数の反復配列を含む長いDNA分子が得られ、それを第二のタンデム配列DNAと称する。続いて、その第二のタンデム配列DNAが鎖置換増幅によって複製されると、その結果として環状ベクターと相補的な複数の反復配列を含む長いDNA分子が得られ、それを第三のタンデム配列DNAと称する。
【0039】
E.固体標的
標的試料および標的配列を、基質に結合させることができる。そうすることで、反応物または反応産物を固定化でき、それにより検定中の試薬や反応物の洗浄を容易にし、ライゲートされたプローブの同定または検出に役立ち、複数の試料を同時に検定するのをより簡便にするなど様々な目的に有用である。特に、標的配列を固定化することで、試料中の標的配列を位置づけ、またはアレイして検出することが可能となる。例えば、細胞伝播(spread)または染色体伝播を、開示する本方法において探索し、細胞、ゲノムまたは染色体内で特定の標的配列の存在や位置を決定することができる。
【0040】
標的試料を結合させることのできる固体基質には、核酸を直接的にまたは間接的に結合、接着またはカップリングさせることのできる任意の固体物質が挙げられる。これには、アクリルアミド、セルロース、ニトロセルロース、ポリスチレン、ポリスチレン酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ガラス、ポリシリケート、ポリカルボナート、テフロン、フッ化炭素、ナイロン、シリコンゴム、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリ酢酸、ポリオルトエステル、ポリプロピルフマレート、コラーゲン、グリコサミノグリカン、およびポリアミノ酸などの物質が含まれる。固体基質は、薄膜若しくは膜、ビーズ、瓶、皿、繊維、織り込まれた繊維、光ファイバー、型どられたポリマー、粒子およびマイクロ粒子を含む任意の有用な形態にすることができる。固体基質の好ましい形態は、平坦な表面のもの、特に細胞および染色体伝播に用いられる形態である。
【0041】
核酸を固体基質に固定化する方法は広く確立されている。一般に、標的試料は標的配列を含む核酸試料または他の試料の一部として、基質に固定化することができる。確立されたカップリング法を用いて、標的配列を基質にカップリングすることができる。例えば、好適な結合方法は、Peaseら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91(11):5022−5026(1994)、Guoら、Nucleic Acids Res. 22:5456−5465(1994)、およびKhrapkoら、Mol Biol (Mosk)(USSR) 25:718−730 (1991)に記載されている。カゼインでコーティングしたスライドに3’−アミンオリゴヌクレオチドを固定化する方法は、Stimpsonら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:6379−6383(1995)に記載されている。
【0042】
また、固体基質に核酸をアレイさせる方法も知られている。このような技術の例としては、Fodorらの米国特許第5,871,928号、米国特許第5,54,413号、米国特許第5,429,807号およびPeaseらの米国特許第5,599,695号に記載されている。RMA標的のマイクロアレイは、例えばSchenaら、Science 270:487−470 (1995)に開示された方法を用いて作製することができる。
【0043】
好ましいとは言え、標的試料または配列の規定のアレイは単一のユニットまたは構造である必要はない。プローブの組みを多くの固体支持体に分配することができる。例えば、極端な例としては、それぞれの標的配列またはそれぞれの標的試料を分離した表面、反応管、容器、繊維またはビーズ内に、若しくは表面に固定化することができる。
【0044】
種々の細胞および核酸試料の調製技術が知られており、開示する本方法に用いる試料を調製するのに用いることができる。例えば、***中期の染色体および静止期の核はCremerら、Hum Genet 80(3):235−46(1988)、およびHaaf and Ward, Hum Mol Genet 3(4):629−33(1994)に記載されるように調製することができ、ゲノムDNA繊維はYunisら、Chromosoma 67(4):293−307(1978)、およびParra and Windle, Nature Genet.5:17−21(1993)に記載されるように調製することができ、そしてハロー(Halo)調製は、Vogelsteinら、Cell 22(1 Pt 1):79−85(1980)、およびWiegantら、Hum Mol Genet. 1(8):587−91(1992)に記載されるように調製することができる。
【0045】
F.ギャップオリゴヌクレオチド
ギャップオリゴヌクレオチドは、ハイブリダイズしたロリポップオリゴマー端間のギャップ空間を覆う、標的配列の全部または一部と相補的なオリゴヌクレオチドである。ギャップオリゴヌクレオチドの例、および標的配列と開いた環状プローブとの関係を図3に表す。ギャップオリゴヌクレオチドは、5’端にリン酸基を有し、3’端には水酸基を有している。これがギャップオリゴヌクレオチドの開いた環状プローブとのライゲーション、または他のギャップオリゴヌクレオチドとのライゲーションを容易にする。ハイブリダイズしたロリポップオリゴマー端間にあるギャップ空間を、単一のギャップオリゴヌクレオチドで埋めることができ、また複数のギャップオリゴヌクレオチドで埋めることもできる。例えば、ヌクレオチド3個のギャップオリゴヌクレオチドを2つ用いて、ヌクレオチド6個のギャップ空間を埋めることができ、また、ヌクレオチド3個のギャップオリゴヌクレオチドとヌクレオチド4個のギャップオリゴヌクレオチドを用いて、ヌクレオチド7個のギャップ空間を埋めることもできる。ギャップオリゴヌクレオチドは、密接に関連する標的配列間を区別するのに特に有用である。例えば、複数のギャップオリゴヌクレオチドを用いて、標的配列の異なるアレイ変異体または他の変異体を増幅することができる。変異を起こす標的配列の領域を、ロリポップオリゴマーによって形成されるギャップ空間内に配置することによって、単一のロリポップオリゴマーを用い、ギャップオリゴヌクレオチドの適当な組みを用いることにより個々の変異体をそれぞれ増幅することができる。
【0046】
G.鎖置換プライマー
鎖置換複製に用いるプライマーを、本明細書中では鎖置換プライマーと称する。鎖置換プライマーの形態の1つ、本明細書中で第二の鎖置換プライマーと称する鎖置換プライマーは、増幅標的サークルの配列の一部と一致する配列を有するオリゴヌクレオチドである。その配列を鎖置換プライマーの一致部分(matching portion)と称する。この第二の鎖置換プライマーの一致部分は、タンデム配列DNA(TS−DNA)内の配列と相補的である。この第二の鎖置換プライマーの一致部分は、TS−DNA内のいずれかの配列と相補的であればよい。しかしながら、ロリポップオリゴマーのローリングサークル複製プライマー部分または第三の鎖置換プライマーのいずれかを用いる場合には、この一致部分は、それと一致するTS−DNA配列と非相補的であることが好ましい。これは、プライマー同士のハイブリダイゼーションを防ぐためである。鎖置換プライマーの一致部分は、そのプライマーと適合部との間のハイブリダイゼーションを特異的にし、かつ安定にする任意の長さであればよい。一般には12〜35ヌクレオチド長であるが、18〜25ヌクレオチド長が好ましい。環状ベクターの一致部分は、環状ベクターの第一の鎖の3’端に近いことが好ましい。
【0047】
また、第二の鎖置換プライマーは、環状ベクターの第一の鎖のいずれの部位とも一致しない配列をそられの5’端にさらに含むことが好ましい。その配列を、鎖置換プライマーの不一致部分と称する。この鎖置換プライマーの不一致部分が存在すれば、DNA複製の間の鎖置換が容易になり得る。この鎖置換プライマーの不一致部分は、任意の長さであってよいが、一般には1〜100ヌクレオチド長であり、好ましくは4〜8ヌクレオチド長である。
【0048】
鎖置換プライマーの他の形態、本明細書中で第三の鎖置換プライマーと称する鎖置換プライマーは、増幅標的サークルの配列の一部と相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドである。この配列を、第三の鎖置換プライマーの相補部分と称する。この第三の鎖置換プライマーの相補部分は、TS−DNA中の配列と一致する。この第三の鎖置換プライマーの相補部分は、環状ベクターの第一の鎖中の任意の配列と相補的であればよい。しかしながら、鎖置換プライマーと一致する配列と相補的でないことが好ましい。これは、プライマー同士のハイブリダイゼーションを防ぐためである。この第三の鎖置換プライマーの相補部分は、そのプライマーと、その適合部との間のハイブリダイゼーションを特異的にし、かつ安定にする任意の長さであればよい。一般には12〜35ヌクレオチド長であるが、18〜25ヌクレオチド長が好ましい。また、第三の鎖置換プライマーは環状ベクターの第一の鎖のいずれの部位とも相補的でない配列を、その5’端にさらに含むことが好ましい。この配列を、第三の鎖置換プライマーの非相補部分と称する。この第三の鎖置換プライマーの非相補部分が存在すれば、DNA複製の間の鎖置換が容易となり得る。この第三の鎖置換プライマーの非相補部分は、任意の長さであってよいが、一般には1〜100ヌクレオチド長であり、好ましくは4〜8ヌクレオチド長である。
【0049】
また、鎖置換プライマーには、それらがエキソヌクレアーゼ消化に対して耐性となるように、修飾されたヌクレオチドが含まれる。例えば、そのプライマーは、プライマーの5’端のヌクレオチド間に、3または4個のホスホロチオエート連鎖を持つことができる。このようなヌクレアーゼ耐性プライマーを用いることで、選択的な分解ができなければ、プローブやプライマーと増幅される核酸とのハイブリダイゼーションを阻害し得る過剰量のライゲートされていないロリポップオリゴマーを、選択的に分解することが可能となる。鎖置換プライマーは鎖置換複製および鎖置換カスケード増幅に用いることができ、その両方は米国特許第5,854,033号およびPCT出願第WO 97/19193号に記載されている。
【0050】
H.アドレスプローブ
アドレスプローブは、ロリポップオリゴマーのテイル部分、TS−DNA、またはTS−DNAの転写物のアドレスタグと相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドである。アドレスプローブの相補部分は、アドレスプローブとアドレスタグとの間のハイブリダイゼーションを特異的にし、かつ安定にする任意の長さであればよい。この目的のために、10〜35ヌクレオチド長であることが好ましく、アドレスプローブの相補部分を有する場合は、12〜18ヌクレオチド長であることが最も好ましい。アドレスプローブには、単一の相補部分または複数の相補部分を含ませることができる。
【0051】
また、アドレスプローブには、それが(ロリポップオリゴマーを介して)会合している任意の標的配列に由来するシグナルを増大させるラベルまたは検出タグ配列の多くを含ませることもできる。例えば、アドレスプローブは分岐させて、ラベルまたはタグ配列の密度を増大させることができる。また、アドレスプローブには、PCRやRCAを含む核酸増幅技術を用いて増幅させることのできる配列を含ませることができる。
【0052】
I.オリゴヌクレオチドの合成
ロリポップオリゴマー、ロリポップオリゴマーの構成成分、鎖置換プライマー、およびその他の任意のオリゴヌクレオチドは、確立されたオリゴヌクレオチド合成法を用いて合成することができる。オリゴヌクレオチドを産生または合成する方法は当分野にて周知である。そのような方法は、標準的な酵素分解に次いでヌクレオチド断片の単離(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Edition (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N. Y., 1989) Chapters 5,6を参照のこと )から純合成法、例えばMilligenまたはBeckman System 1Plus DNA シンセサイザー (例えば、Milligen−Biosearch Burlington, MAのModel 8700自動シンセサイザー,またはABI Model 380B)を用いるシアノエチルホスホラミダイト法による方法までの範囲に及び得る。また、オリゴヌクレオチドを生成するのに有用な合成法は、Ikutaら、Ann. Rev. Biochem. 53:323−356(1984) (ホスホトリエステルおよび亜リン酸−トリエステル法)、およびNarangら、Methods Enzymol. 65:610−620(1980) (ホスホトリエステル法) によって記載されている。 プロテイン核酸分子は、例えばNielsenら、Bioconjug. Chem. 5:3−7(1994)に記載される周知の方法を用いて生成することができる。
【0053】
本明細書中に記載の多くのオリゴヌクレオチドを、他のオリゴヌクレオチドまたは核酸の特定の部分と相補的となるように設計して、それらとの好適なハイブリッドを形成させることができる。これらのハイブリッドの安定性は、例えばLesnickとFreier, Biochemistry 34:10807−10815 (1995)、McGrawら、Biotechniques 8:674−678 (1990)、およびRychlikら、Nucleic Acids Res. 18:6409−6412 (1990)に記載のような周知の方法を用いて計算することができる。
【0054】
J.検出プローブ
検出プローブは、TS−DNA、TS−DNAの転写物、またはアドレスプローブの検出タグと相補的な配列を有する標識化されたオリゴヌクレオチドである。その検出プローブの相補部分は、検出プローブと検出タグとの間のハイブリダイゼーションを特異的にし、かつ安定にする任意の長さであればよい。この目的のために、10〜35ヌクレオチド長が好ましく、検出プローブの相補部分を有する場合は、16〜20ヌクレオチド長であることが最も好ましい。検出プローブには、以下に記載の検出ラベルの幾つかを含ませることができる。好ましいラベルはビオチンおよび蛍光分子である。特に好ましい検出プローブは分子ビーコン(beacon)である。分子ビーコンとは、検出プローブがハイブリダイズした場合にのみ、蛍光を発する蛍光部分で標識した検出プローブのことである (TyagiおよびKramer, Nature Biotechnology 14: 303−308 (1996))。ハイブリダイズしていない検出プローブはシグナルを発しないため、このようなプローブを用いれば、ラベル検出を行なう前にハイブリダイズしていないプローブを除去する必要がなくなる。これは複合的な検定に特に有用である。
【0055】
検出プローブの好ましい形態、本明細書中で崩壊性検出プローブと称する検出プローブには、2つの分離した相補部分が含まれる。これにより、それぞれの検出プローブはTS−DNA中の2つの検出タグとハイブリダイズすることができる。この様式において、検出プローブはTS−DNAの異なる部位との間に架橋を形成する。TS−DNAとハイブリダイズする多くの崩壊性検出プローブの共同作用により、交差連結されたTS−DNAの崩壊ネットワークが形成される。崩壊したTS−DNAは、遊離型、伸張されたTS−DNAよりも極少量を占め、標識プローブに存在する何らかの標識ラベルを含む。これにより、それぞれのTS−DNAのシグナルは小さく、分離され検出することができるようになる。崩壊性TS−DNAは、密接に集まった場合でさえ、ばらばらに分離させてシグナルを検出できるようにするため、インシチュハイブリダイゼーション適用および複数検出の両方に有用である。崩壊性TS−DNAは複数のカラーコーディングと組み合わせて用いるのに特に好ましい。
【0056】
また、TS−DNA崩壊は、リガンド/リガンド結合ペアー(例えば、ビオチンとアビジン)またはハプテン/抗体ペアーを用いて、達成することもできる。ヌクレオチドアナログ、BUDRをローリングサークル複製の間にTS−DNA中に組み込ませることができる。BUDRとアビジンに特異的なビオチン化した抗体を添加して、アビジン−ビオチン−抗体複合体によって架橋されたTS−DNAの交差連結されたネットワークが形成され、TS−DNAは崩壊して、小さな構造になる。また、崩壊性検出プローブとビオチンの媒介した崩壊を共に用いてTS−DNAを崩壊させることができる。
【0057】
K.検出ラベル
ライゲートしたDNAプローブの検出および定量化を補助するために、ラベルをDNAプローブ中に組み込むか、またはカップリングさせることができる。ラベルは直接的または間接的にDNAプローブと会合させることができ、そして直接的または間接的にシグナルを測定、検出することのできる任意の分子である。このような核酸中に組み込むためのラベル、または核酸とカップリングさせるためのラベルの多くが知られている。開示する本方法で使用するのに好ましいラベルの例としては、放射性同位元素、蛍光分子、リン光分子、酵素、抗体およびリガンドがある。
【0058】
好適な蛍光ラベルの例には、フルオレセイン(FITC)、5,6−カルボキシメチルフルオレセイン、テキサスレッド、ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾル−4−イル(NBD)、クマリン、塩化ダンシル、ローダミン、4’−6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、およびシアニン染料Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5およびCy7が含まれる。好ましい蛍光ラベルには、フルオレセイン(5−カルボキシフルオレセイン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)およびローダミン(5,6−テトラメチルローダミン)がある。同時検出に好ましい蛍光ラベルには、FITCおよびシアニン染料Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5およびCy7がある。これらの蛍光についての極大吸光および極大発光は、それぞれFITC (490nm; 520nm)、Cy3 (554nm; 568nm)、Cy3.5 (581nm; 588nm)、Cy5 (652nm: 672nm)、Cy5.5 (682nm; 703nm) およびCy7 (755nm; 778nm)であり、このように、これらで同時検出することができる。この蛍光ラベルはMolecular Probes, Eugene, ORおよびResearch Organics, Cleveland, Ohioを含む種々の商業元から得ることができる。
【0059】
標識化したヌクレオチドを、合成の間にDNAプローブ中に直接組み込むことができるため、ラベルの好ましい形態である。DNAまたはRNA中に組み込むことのできるラベルの例としては、例えばBrdUrd (HoyおよびSchimke, Mutation Research 290:217−230 (1993))、BrUTP (Wansickら、J. Cell Biology 122:283−293 (1993)) およびビオチンを用いて修飾したヌクレオチド (Langerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:6633 (1981)) もしくはハプテン、例えばジゴキシゲニン(digoxyhenin)を用いて修飾したヌクレオチド (Kerkhof, Anal. Biochem. 205: 359−364 (1992)) などのヌクレオチドアナログが挙げられる。好ましい蛍光標識化ヌクレオチドは、フルオロセイン−イソチアシアネート−dUTP、シアニン−3−dUTPおよびシアニン−5−dUTP(Yuら、Nucleic Acids Res., 22:3226−3232(1994))がある。DNA用の好ましいヌクレオチドアナログ検出ラベルはBrdUrd (BUDRトリホスフェート, Sigma) であり、RNA用の好ましいヌクレオチドアナログ検出ラベルはビオチン−16−ウリジン−5’−トリホスフェート (ビオチン−16−dUTP, Boehringher Mannheim)である。フルオレセイン、Cy3およびCy5はdUTPに連結して、直接ラベル化することができる。Cy3.5およびCy7は、ビオチン若しくはジゴキシゲニン標識化プローブの二次検出用のアビジンまたは抗−ジゴキシゲニン複合体として利用できる。
【0060】
核酸中に組み込まれるラベル、例えばビオチンなどは、当分野にて周知の高感度法を用いて後に検出することができる。例えば、ビオチンは、ビオチンに結合して、次いで好適な基質(例えば、化学蛍光基質CSPD:二ナトリウム、3−(4−メトキシスピロ−[1,2,−ジオキセタン−3−2’−(5’−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン]−4−イル)フェニルホスフェート;Tropix, Inc.) の化学蛍光によって検出するストレプトアビジン−アルカリンホスファターゼ複合体(Tropix, Inc.)を用いて検出することができる。
【0061】
ラベルによって発せられるシグナルを検出し、測定する方法は知られている。例えば、放射性同位元素は、シンチレーション計数または直接可視化することによって検出することができ;蛍光分子は、蛍光スペクトル分光計を用いて検出することができ;リン光分子は、スペクトル分光計またはカメラを用いて直接可視化することによって検出することができ;酵素は、酵素によって触媒される反応産物を検出または可視化することによって検出することができ;抗体は、その抗体とカップリングされた2次検出ラベルを検出することによって検出することができる。このような方法は、開示する増幅法および検出法に直接用いることができる。本明細書中で用いる検出分子は、増幅した核酸と相互作用し、1つまたはそれ以上の検出ラベルとカップリングする分子である。
【0062】
L.DNAポリメラーゼ
ローリングサークル複製に有用なDNAポリメラーゼは、最初の一本鎖のサークルのローリングサークル複製を行なえなければならない。そのようなポリメラーゼを、本明細書中ではローリングサークルDNAポリメラーゼと称する。ローリングサークル複製について、DNAポリメラーゼは鋳型鎖と相補的な鎖を取って代えることのできるポリメラーゼが好ましく、これを鎖置換と称し、5’から3’へのエキソヌクレアーゼ活性を欠いているものが好ましい。鎖置換は環状ベクターの複数のタンデムコピーを合成するのに必要である。5’から3’へのエキソヌクレアーゼ活性が存在する場合には、合成された鎖が分解されることとなる。開示する本方法に用いるDNAポリメラーゼの安定性は、ローリングサークル複製を行なうその能力を検定して、すぐに決定することができる。好ましいローリングサークルDNAポリメラーゼには、バクテリオファージφ29DNAポリメラーゼ(Blancoらの米国特許第5,198,543号および5,001,050号)、ファージM2 DNAポリメラーゼ (Matsumotoら、Gene 84:247 (1989))、ファージφPRD1 DNAポリメラーゼ (Jungら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:8287 (1987))、VENT(登録商標)DNAポリメラーゼ (Kongら、J. Biol. Chem. 268:1965−1975 (1993))、E.coli(大腸菌)DNAポリメラーゼIのクレノウ(Klenow)フラグメント(断片)(Jacobsenら、Eur. J. Biochem. 45:623−627 (1974))、T5 DNAポリメラーゼ (Chatterjeeら、Gene 97:13−19 (1991))、PRD1 DNAポリメラーゼ (ZhuおよびIto, Biochim. Biophys. Acta. 1219: 267−276 (1994))、T7 DNAポリメラーゼ (TaborおよびRichardson, J. Biol. Chem. 262:15330−15333 (1987); TaborおよびRichardson, J. Biol. Chem. 264:6447−6458 (1989); T7 SequenaseTM (U. S. Biochemicals))、ΔTts ポリメラーゼ (Amersham Pharmacia Biotech)、およびT4 DNAポリメラーゼホロ酵素 (KaboordおよびBenkovic, Curr. Biol. 5:149−157 (1995))がある。φ29 DNAポリメラーゼが最も好ましい。また、ローリングサークルDNAポリメラーゼは鎖置換複製にも一般的に有用である。
【0063】
鎖置換は、鎖置換因子、例えばヘリガーゼを用いることで容易に行なうことができる。DNAポリメラーゼが鎖置換因子の非存在下でローリングサークル複製を行なうことができなくても、そのような因子の存在下でローリングサークル複製を行なうことができる任意のDNAポリメラーゼが、開示する本方法の使用に好ましいと考えられる。RCAに有用な鎖置換因子には、BMRF1ポリメラーゼアクセサリーサブユニット (Tsurumiら、J. Virology 67(12):7648−7653(1993))、アデノウイルスDNA結合タンパク質 (Zijderveldおよびvan der Vliet、J. Virology 68(2):1158−1164(1994))、単純ヘルペスウイルスタンパク質ICP8 (BoehmerおよびLehman、J. Virology 67(2):711−715(1993); SkaliterおよびLehman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91(22): 10665−10669(1994))、一本鎖DNA結合タンパク質 (SSB; RiglerおよびRomano、J. Biol. Chem. 270:8910−8919(1995))、およびウシ胸腺ヘリガーゼ (Siegelら、J. Biol. Chem. 267: 13629−13635(1992)) が挙げられるが、これらに制限されない。
【0064】
ポリメラーゼのローリングサークル複製を行なう能力は、例えばFireおよびXu, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 4641−4645 (1995)に記載のようにローリングサークル複製アッセイに、そのポリメラーゼを用いることで決定し得る。
【0065】
開示する本方法で用いられるDNA増幅反応の特異性は、低温では不活性で、高温でのみ活性のあるDNAポリメラーゼを用いることで増進することができる。そのような酵素の例としては、Morettiら、Biotechniques 25: 716−722 (1998) に記載のAmpliTaq Goldがある。AmpliTaq Goldは、PCRの間の熱(サーマル)サイクリング前の加熱まで不活性である。開示する本方法には、類似の酵素を用いることができる。また、DNAポリメラーゼの温度活性化は、ポリメラーゼに特異的な抗体を用いても達成することができる。例えば、BstラージフラグメントDNAポリメラーゼに特異的な抗体は、マウスを免疫化することによって得ることができた。そのような抗体の中から特異的な酵素は、室温でその酵素に結合し、そして阻害することができるその能力に基づいて選び出すことができた。また、既知のスクリーニング手順を用いて、加熱すると、そのDNAポリメラーゼを阻害しなくなる抗体を選び出すことができた。その抗体とBstラージフラグメントDNAポリメラーゼを混ぜることで、加熱すると活性化する酵素の混合物が得られる。
【0066】
ギャップを埋める合成工程を用いた場合、その他のタイプのDNAポリメラーゼを用いることができる。DNAポリメラーゼを用いてギャップを埋める場合、そのDNAポリメラーゼによる鎖置換は望ましくない。そのようなDNAポリメラーゼを、本明細書中ではギャップを埋めるDNAポリメラーゼと称する。本明細書中でローリングサークルDNAポリメラーゼまたはギャップを埋めるDNAポリメラーゼというように明示していないDNAポリメラーゼは、別段の定めがない限り、ギャップを埋めるDNAポリメラーゼではなく、ローリングサークルDNAポリメラーゼを意味するものと理解される。好ましいギャップを埋めるDNAポリメラーゼには、T7 DNAポリメラーゼ (Studierら、Methods Enzymol. 185: 60−89 (1990))、DEEP VENT(登録商標)DNAポリメラーゼ (New England Biolabs, Beverly, MA)、修飾T7 DNAポリメラーゼ (TaborおよびRichardson、J. Biol. Chem. 262: 15330−15333 (1987); TaborおよびRichardson、J. Biol. Cliem. 264: 6447−6458 (1989); SequenaseTM (米国バイオケミカル))、およびT4 DNAポリメラーゼ (Kunkelら、Methods Enzymol. 154: 367−382 (1987)) がある。特に好ましいギャップを埋めるDNポリメラーゼのタイプは、サーマスフラーブス(Thermus flavus)DNAポリメラーゼ (MBR, Milwaukee, WI)である。最も好ましいギャップを埋めるDNAポリメラーゼはTaq DNAポリメラーゼのストッフェル(Stoffel)フラグメント (Lawyerら、PCR Methods Appl. 2 (4):275−287 (1993), Kingら、J. Biol. Clam. 269 (18):13061−13064 (1994)) である。
【0067】
M.リガーゼ
開示する本方法に用いるのに好適なリガーゼは、任意のリガーゼである。好ましいリガーゼは、二本鎖DNAのニックでホスホジエステル結合を優先的に形成するものである。すなわち、一本鎖DNAの遊離端(free end)を有意な割合でライゲートすることができないリガーゼが好ましい。熱に安定なリガーゼが特に好ましい。多くの好ましいリガーゼとしては、例えばT4 DNAリガーゼ (Davisら、Advanced Bacterial Genetics−A Manual for Genetic Engineering (コールドスプリングハーバー研究室, Cold Spring Harbor, N. Y., 1980))、E.coli(大腸菌)DNAリガーゼ (Panasnkoら、J. Biol. Chem. 253: 4590−4592 (1978))、AMPLIGASE(登録商標)(Kalinら、Mutat. Res., 283 (2): 119−123 (1992); Winn−Deenら、Mol Cell Probes (England) 7 (3): 179−186 (1993))、Taq DNAリガーゼ (Barany, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 189−193 (1991)、高度好熱菌DNAリガーゼ (アボット研究室)、サーマス スコットダクタス(thermus scotoductus)DNAリガーゼおよびロドサーマス マリナス(Rodothermus marinus)DNAリガーゼ (Thorbjarnardottirら、Gene 151: 177−180 (1995))が知られている。T4 DNAリガーゼは、そのDNA:RNAハイブリッドに含まれるDNA端をライゲートする能力のために、RNA標的配列を含むライゲーションに好ましい (Hsuihら、新規のライゲーション依存性のポリメラーゼ連鎖反応を用いるHCV RNAの定量検出、American Association for the Study of Liver Diseases (Chicago, IL, November 3−7,1995))。また、T4 RNAリガーゼはRNA鎖とハイブリダイズした核酸鎖のDNA端をライゲートするのに用いることができる。
【0068】
N.キット
開示する本方法に有用な物質を任意に組み合わせて、開示する本方法を実施するためのキットとして一緒に梱包することができる。具体的には、ロリポップオリゴマー、増幅標的サークル、アドレスプローブ、検出プローブ、および鎖置換プライマーが、そのようなキットの有用な構成要素である。開示する本方法に必要な酵素もまた、そのようなキットの好ましい構成要素である。
【0069】
方法
開示する本方法は、ロリポップオリゴマーを用いて、感度が高く信頼できる標的核酸配列の検出および定量化を提供する。開示する本方法は、核酸配列のインシチュ検出に特に有用である。このロリポップオリゴマーは、標的核酸配列と会合するか、または位相的に連結されたそのオリゴマーのテイル部分を介したローリングサークル増幅を通じて、等温シグナル増幅を可能とする。プローブを標的に位相的に固定することは、増幅産物が標的から離れて浮遊し得る検出系には重要である。このことは、標的配列が極端に短いか、あるいは検定を***中期の染色体などの基質またはタンデム反復DNAを補足(トラップ)しない任意のアレイで行なう場合に起こり得る。複数の異なるプライマー(テイル)配列および対応するDNAサークルを用いることで、この方法は多重化でき、それぞれ異なるサークルの増幅産物を別々に検出できる。ロリポップオリゴマーは化学的または酵素的ライゲーションにより環状化できる。本明細書中で用いる用語「ライゲーション」は、リガーゼによる核酸端の酵素的なライゲーションに制限されない。また、標的プローブ部分(および、ギャップオリゴヌクレオチドを用いる場合)の端の化学的なカップリングまたは他の酵素的なカップリングも、この用語に包含される。標的配列とハイブリダイズし、その端がライゲートされたロリポップオリゴマーを、固定されたロリポップオリゴマーと称する。
【0070】
開示する本方法は所望の任意の核酸配列の検出、定量化および/または位置決めに有用である。開示する本方法は多重化して、多数の異なる核酸配列を同時に、または単一の検定で検出することができる。このように、開示する本方法は核酸試料におけるRNA発現を検出し、評価し、定量化し、プロファイリングし、かつ/またはカタログ化するのに有用である。また開示する本方法は特に、核酸配列における一ヌクレオチドの差異を検出し、かつ識別するのに有用である。この特異性は、オリゴマーアーム端付近の塩基の不一致に対するライゲーションの感受性により生じ得る。このように、開示する本方法は一塩基多型、並びに他の核酸間、核酸試料間および核酸試料源間の他の配列の差異を検出し、評価し、定量化し、かつ/またはカタログ化するのに有用である。特に、標的配列の一コピーを検出できる開示する本方法の能力により、試料中における核酸配列の異なる遺伝子多型の割合を評価することができる。
【0071】
開示する本方法は、疾患の検出、突然変異の検出、RNA発現のプロファイリング、遺伝子の発見、遺伝子マッピング(分子ハプロタイピング)、農業研究、およびウイルス検出を含む(これらに制限されない)多くの領域に適用できる。好ましい使用には、細胞内でのインシチュSNP検出、マイクロアレイ、DNA繊維、およびゲノムDNAアレイにおけるSNP検出;細胞におけるRNAの検出;RNA発現のプロファイリング;分子ハプロタイピング;突然変異検出;異常RNA(例えば、癌遺伝子の過剰発現、または腫瘍抑圧遺伝子発現の欠失);癌細胞における発現;細胞におけるウイルスゲノムの検出;ウイルスRNA発現;遺伝性疾患(例えば、嚢胞性線維症、筋ジストロフィー、糖尿病、血友病、鎌状赤血球貧血)の検出;癌(例えば、前立腺癌、乳癌、肺癌、大腸癌、卵巣癌、睾丸癌、膵臓癌)についての素因診断が挙げられる。
【0072】
好ましい態様において、開示する本方法には、1つまたはそれ以上の異なるロリポップオリゴマーを1つまたはそれ以上の標的試料と混合し、そしてその試料中にてそのオリゴマーと標的配列との間のハイブリダイゼーションが促進される条件下でインキュベートすることが含まれる。このロリポップオリゴマーのアームはライゲーションによって連結される。また、このオリゴマーも1つまたはそれ以上の増幅標的サークルと混合し、そしてその増幅標的サークルと本オリゴマーのローリングサークル複製プライマー部分との間のハイブリダイゼーションが促進される条件下でインキュベートする。本オリゴマーを、標的試料および増幅標的サークルと混合することで、同時に、または任意のオーダーで実施することができる。例えば、標的試料と混合する前に、増幅標的サークルを本オリゴマーと混合し、ハイブリダイズさせることができる。増幅標的サークルと混合する前に、本ロリポップオリゴマーを標的試料と混合させ、ライゲートさせることが好ましい。
【0073】
シグナルを増幅するために、DNAポリメラーゼを、このオリゴマーおよび増幅標的サークルと混合し、その増幅標的サークルの複製が促進される条件化でインキュベートする。この増幅標的サークルの複製により、多数の増幅標的サークル配列のタンデム反復を含む長いDNA鎖(このDNAをタンデム配列DNAと称する)が形成される。単一の検定で複数の核酸配列から独自に同定することは、独特のテイル配列(オリゴマーの一部)を、検出される種々の核酸配列のそれぞれと会合させることによって達成される。各々のテイル配列(ローリングサークル複製プライマーとして作用する)が独自の増幅標的サークルにハイブリダイズして複製が始まる。得られた様々なタンデム配列DNA(それぞれ異なる核酸配列に特異的な増幅標的サークルから誘導される)の独特の配列を検出することで、そのタンデムDNA配列に対応する標的配列が核酸試料中に存在することが示される。
【0074】
本方法の複合形態(すなわち、複数の標的配列を同じ検定で検出する形態)について、多数の異なるロリポップオリゴマーを少なくとも1つの標的試料と混合する。それぞれ異なる本オリゴマーの標的プローブ部分は異なる標的配列と相補的であり、それぞれ異なる本オリゴマーのローリンググサークル複製プライマーが異なる増幅標的サークルと相補的であることが好ましい。あるいは、少なくとも2つの異なる本オリゴマーのローリングサークル複製プライマーが、同じ増幅標的サークルと相補的であってもよい。
【0075】
異なる標的核酸配列を、それぞれの標的配列について独自のテイル配列を用いて検出する必要はない。すなわち、テイル部分の配列(および、具体的には、テイル部分のローリングサークル複製プライマー部分)は、異なる配列を標的とするロリポップオリゴマーの群と同じであってもよい。このような一致する配列は、同じ増幅標的サークルの複製を誘導することになる。これにより、幾つかの標的配列群が存在する場合に、タンデム配列DNAの単一の形態が産生されることとなる。これは、例えば遺伝子における突然変異の組みの任意の1つ(またはそれ以上)を検出するのに有用である。例えば、或る癌遺伝子が、癌と関連する異なる突然変異を多数有し得る場合に、それらの任意の1つを合理的に検出するのに有用である。同じテイル配列を用いて、複数の標的配列が会合される場合であっても、勿論、標的プローブ部分の配列は、それぞれの標的配列に独特のものであろう(以下に記載のギャップオリゴヌクレオチドまたはギャップを埋める操作を用いるオリゴマーは任意の例外である)。
【0076】
本方法のこの形態において、多数の異なる標的試料のそれぞれをロリポップオリゴマーの少なくとも1つのタイプと混合することができる。異なる標的試料と混合される本オリゴマーのローリングサークル複製プライマーは、異なる増幅標的サークルと相補的であることが好ましい。本オリゴマーを添加した後に、標的試料の2つまたはそれ以上を一緒に混合することができる。本方法のこの形態の1つの態様について、それぞれ異なる標的試料と混合されるオリゴマーの組みは、標的配列の同じ組みと相補的とすることができる。
【0077】
また、同じ標的配列を複数のロリポップオリゴマーの標的とすることもできる。すなわち、異なるテイル配列を有する異なるオリゴマーが、同じ核酸配列を標的とすることができる。これは、例えば単一の検定で複数の試料から同じ配列を検出するのに有用である。これについて、それぞれ異なる試料を異なるロリポップオリゴマーと混合することができる。これにより、異なるテイル配列が、標的配列の起源に基いて(すなわち、その標的配列が由来する試料に基いて)、標的配列と結び付くこととなる。その結果、それぞれの起源由来の標的配列についての(独自の増幅標的サークルを介して)独自のタンデム配列DNAが得られよう。この様式では、標的試料を一緒に混合した後でさえ、それぞれの標的配列の起源を決定することができる。このように混合することで、このタイプの検定に必要とされる操作を単純化できる。
【0078】
また、ロリポップオリゴマーのテイル配列は、他の技術を用いて検出し、かつ/または増幅することもできる。例えば、本オリゴマーのテイル配列は、核酸配列を検出することができる任意の様式において検出することができる。このテイル配列を、或る核酸増幅技術、例えばPCRを用いて増幅することが好ましい。
【0079】
開示する本方法の1つの形態では、バックグラウンドのシグナル増幅を起こす機会を減少させる分子内会合を形成することができるロリポップオリゴマーを用いる。この分子内会合は、本オリゴマーが標的配列とハイブリダイズするまで、テイル部分(または、少なくともローリングサークル複製部分)が増幅標的サークルと近づきにくくなるように設計する。これは、例えばアーム部分の一方または両方をテイル部分と会合させることによって達成することができる。例えば、テイル部分を右バックボーン部分の全部または一部と、左バックボーン部分の全部または一部と、あるいは右バックボーン部分の一部と左バックボーン部分の一部と相補的となるように設計することができる。このテイル部分とバックボーン部分のいずれか、または両方とのハイブリダイゼーションにより、テイル部分は増幅標的サークルに近づきににくくなる。また、バックボーン部分とテイル部分を、またはテイル部分を、増幅標的サークルと近づきにくくさせる三重ヘックスを形成するように設計することもできる。この標的プローブ部分が標的配列とハイブリダイズすることで、テイル部分が解き放たれ、増幅標的サークルとハイブリダイズすることとなる。その一方で、標的配列と会合できなかった本オリゴマーのテイルとアームは再び会合して、テイル部分を増幅標的サークルに近づけにくくさせる。この結果、ハイブリダイズしていないオリゴマーはタンデム配列DNAを産生しない。
【0080】
本オリゴマーのアーム端は、リガーゼを混合したオリゴマーと標的試料に混ぜ、固定されたロリポップオリゴマーを形成させるべく、本オリゴマーのライゲーションが促進される条件下でインキュベートして連結させることが好ましい。固定されたロリポップオリゴマーは標的配列とハイブリダイズし、ライゲートされた端を有するロリポップオリゴマーである。1つの形態において、右アーム部分は遊離5’端を有し、左アーム部分は遊離3’端を有し、そして右アーム部分端が左アーム部分端とライゲートされて、固定されたロリポップオリゴマーが形成される。
【0081】
本オリゴマーのアーム端は直接連結されていることが好ましいが、間接的に連結されていてもよい。後者の場合、少なくとも1つの標的配列が5’領域と3’領域の間に位置する中央領域(central region)を有し、左標的プローブ部分と右標的プローブ部分のいずれも、その標的配列の中央領域と相補的ではない。標的プローブ部分が標的配列とハイブリダイズすることで、一本鎖の標的の中央領域が残る。このギャップ配列は、ギャップオリゴヌクレオチドがハイブリダズするか、ギャップを埋めるDNA合成、またはその組み合わせによって埋められる。それぞれのギャップオリゴヌクレオチドは、標的配列の中央領域の全部または一部と相補的である。
【0082】
本方法は配列間の一ヌクレオチドの差異を検出するのに特に有用である。幾つかの配列は多型である。本明細書中で用いる多型配列は、配列の源が異なり、異なる形態の配列(すなわち、配列が異なる)である。例えば、一つのものが或る部位で遺伝子Aを有する場合に、別のものが同じ遺伝子の同じ部位でCである場合である。このように、これらの遺伝子は多型配列を有する。これらの遺伝子におけるAとCは多型ヌクレオチドである。多型ヌクレオチドは、少なくとも2つの多型配列の形態間を異ならせるヌクレオチドである。別の言い方をすれば、AとCのヌクレオチド部位は多型ヌクレオチド部位である。
【0083】
開示する本方法は、この一の差異に基づいて2つの遺伝子の形態間を識別するのに用いることができる。これは、例えば本ロリポップオリゴマーを、右標的プローブ部分端、左標的プローブ部分端、またはその両方が標的配列中の多型ヌクレオチドと相補的なヌクレオチドとなるように設計することで達成することができる。一方のオリゴマーを配列の「A」形態と完全に相補的となるように設計(標的プローブ部分の末端はTである)し、もう一方を配列の「C」形態と完全に相補的となるように設計(標的プローブ部分の末端はGである)することである。端の効率的なライゲーションには、末端のヌクレオチドが相補的なヌクレオチドと塩基対を形成することが必要であるため、2つのオリゴマーは標的配列の対応する形態が存在する場合にのみ効率的にライゲートされ得る。同様の効果は、ギャップオリゴヌクレオチドを用いても達成できる。この場合、ギャップオリゴヌクレオチドを異なる配列と特異的にすることができるために、一つのロリポップオリゴマーのみで事足りる。
【0084】
実施例
以下の実施例は、開示する本方法の一塩基多型(SNP)を検出するための使用を例示するものである。静止期の核におけるSNPの検出はほとんど成功していない。ロリポップオリゴマーは、細胞試料においてRCAに基づくSNPの検出について従来技術よりも優れた基盤を提供する。この線形(リニアー)RCAによるシグナル増幅は、アレルを識別する感度を様々な規模のオーダーで増大させることができる。
【0085】
静止期の核におけるSNP検出
例として、CFTR遺伝子のG542Xアレルを、アレルを識別するための標的として用いた。開いたロリポップオリゴマーと固定されたロリポップオリゴマーの合成に続いて、RCA適用のためのプライマーとして機能するロリポップオリゴマーのテイル部分の能力を確かめた。さらに、開示する本方法を、メタノール:酢酸で固定された静止期の核におけるホモ接合型およびヘテロ接合型のCFTR座位をインシチュ検出することによって実証した。2つのアレルを同時に識別すべく、それぞれのロリポップオリゴマー(G542X WTロリポップオリゴマーおよびG542X WTロリポップオリゴマー)を、サークル−1(配列番号:1)用またはサークル−3.1(配列番号:2)用のいずれかのローリングサークル複製プライマーとして作用するように設計したテイル部分を持つように構築した。RCA後のそれらの検出は、特異的な検出プローブを用いて行なった。G542X WTロリポップオリゴマーはG542X WTロリポップアーム(配列番号:3)とG542X WTロリポップテイル(配列番号:4)から形成されている。G542X WTロリポップオリゴマーはG542X MUTロリポップアーム(配列番号:5)とG542X MUTロリポップテイル(配列番号:6)から形成されている。G542X WTロリポップテイルは、サークル3.1用のローリングサークル複製プライマーを含む。G542X MUTロリポップテイルは、サークル1用のローリングサークル複製プライマーを含む。
【表1】
Figure 2004502431
【0086】
1.開いたロリポッププローブの合成
2つのオリゴヌクレオチドを合成した。1つは標的とハイブリダイズする右と左アーム部分を形成するオリゴヌクレオチド(施錠(パドロック)オリゴヌクレオチド)であり、もう1つはローリングサークル複製プライマーとしての役割を果たすテイル部分のオリゴヌクレオチド(プライマーオリゴヌクレオチド)である。実質的に、1番目のオリゴヌクレオチドのバックボーン中のアリル−アミノ側鎖をSulfo−GMBSと反応させることで活性化し、S−Sオリゴヌクレオチドをジチオスレイトール(DTT)で処理するこによって、その5’端にSH基を含むプライマー(テイル)オリゴヌクレオチドを生成した。活性化されたアリル−アミノ基を有するアーム部分と、新たに生成されたSH基を有するテイルオリゴヌクレオチドを一緒に反応させ、開いたロリポップオリゴマーを得て、それを調製用のポリ−アクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)により精製した。
【0087】
S−Sプライマーオリゴヌクレオチドの水溶液150μl(7.5nmole)を、DTT8mgおよびトリエチルアミン5μlで30分間処理した。その反応混合物をPD−10カラム (Amesham Pharmacia Biotech) に通じて、遊離5’SH基を有するオリゴヌクレオチドを精製した。この精製したオリゴヌクレオチドを、さらに使用するために凍結乾燥した。アリルアミノオリゴヌクレオチド40μlを、N−[γ−マーレイミドブチリルオキシ(maleimidobutyryloxy)]スルホスクシンイミドエステル1mgと、反応緩衝液 (50mM リン酸バッファー、pH 7.0、150mM NaClおよび1mM EDTA) 100ml中にて37℃で1時間混合した。この活性化させたアリルアミノオリゴヌクレオチドをPD−10カラムで精製し、セントリコン(Centricon)濃縮器で濃縮した。この濃縮したオリゴヌクレオチドを凍結乾燥させたSHオリゴヌクレオチドと37℃で1時間反応させた。このロリポップオリゴマーを、オリゴヌクレオチドバンドが最もゆっくり移動するようにして8%PAGEで精製した。
【0088】
2.標的DNAに固定されたロリポップオリゴマーの形成
ロリポップオリゴマーの端を、T4ポリヌクレオチドキナーゼと[32P]ATPを用いた交換反応によって、[32P]で標識した。G542X標的オリゴヌクレオチドを好適な開いたロリポップとゆっくりアニーリングさせ、Ampligase5ユニットを用いて55℃で環状化させて、G542X標的オリゴヌクレオチドに固定されたロリポップオリゴマーを形成させた。固定されたロリポップの形成の効率をPAGEし、オートラジオグラフィーによって評価した。
【0089】
3.ロリポップを用いたサークルの溶液中での線形(リニアー)RCA
ロリポップテイルが、RCAシグナル増幅にプライマーとして機能するか否かを決定するために、サークル3.1のリニアーRCAを、プライマーとしてG542X−Wt−ロリポップを用いて行なった。RCA増幅は[32P]dCTPこり込みによって評価した。
【0090】
初めに、プライマー(10pmole)とサークル(0.5pmole)を、反応混合液 (40mM NaCl、20mM Tris/HCl pH7.0) 6μl中にて室温で30分間アニールさせた。このアニールさせたサークル−プライマー混合物をリニアーRCA反応混液 (dATP、dGTP、TTP、dCTPそれぞれ1mM、1×φ29ポリメラーゼバッファー [50mM Tris/HCl pH7.4、10mM MgCl、100μg/ml ウシ血清アルブミン (BSA)]、0.2μl[32P] dCTPおよび1μlφ29 DNAポリメラーゼ) 14μlに添加して、リニアーRCA反応を37℃で行なった。リニアーRCA反応混合液3μlを異なる時点で取りだし、32P dCTPの取り込みを評価した。その結果を図4に示す。SW102/C2は、既知の小さいサークルと同系のプライマーを用いたRCA反応のポジティブコントロール(陽性群)である。MSI−130/C3.1はテイル(プライマー)を持たないロリポップであり、サークル3.1の存在下でもRCAが起こらないことを示している。MSI−185/C3.1はライゲーション前の完全なロリポップであり、サークル3.1の存在下で強くRCAが行なわれたことを示している。54LLPw/C3.1はライゲーション後のロリポップであり、サークル3.1を用いたRCAをまだ引き起こすことができることを示している。
【0091】
4.静止期の核でのロリポップによるG542X座位の検出
メタノール:酢酸で固定した静止期のリンパ球の核のスライドを、55℃で30分間インキュベートした。スライドを70%ホルムアミドおよび2×SSC (1×SSCは0.15M NaCl、0.015M クエン酸Na) を含む溶液中に70℃で75秒間浸し、連続的に冷却した70%、90%そして100%エタノール溶液に通じ、その核を変性させた。10nM ロリポップ、4μg BSA、1×Ampligaseバッファー (20mM Tris/HCl pH8.3、25mM KCl、10mM MgCl、0.5mM NAD、0.01% トリトンX−100) およびAmpligase5ユニットを含むライゲーション混合液40μlをそれぞれのスライド上に塗り、55℃で2時間インキュベートした。スライドを2×SSC、0.1%Tween20を用いて42℃で5分間洗浄し、それを3回行なった。RCA反応混合物 (20nM サークル3.1、dATP、dGTP、TTP、dCTPそれぞれ0.4mM、4μg BSA、1×φ29バッファーおよび200ngφ29 DNAポリメラーゼ) 40μlをそれぞれのスライドに置き、37℃で30分間インキュベートした。スライドを2×SSC、0.1% Tween20を用いて42℃で5分間洗浄し、それを3回行なった。検出溶液 (1μM Cy3−検出プローブ [配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9]、2×SSC、1% BSAおよび0.1% Tween20) 50μlをそれぞれのスライドに塗り、37℃で30分間インキュベートした。スライドを再び、2×SSC、0.1% Tween 20を用いて42℃で3回洗浄し、DAPIで染色し、イメージングに用いた。
【表2】
Figure 2004502431
【0092】
本明細書中および添付の特許請求の範囲において用いるように、文脈により明示して指定しない限り、単数形を表す、「その」(「a」、「an」および「the」)には複数の参照例が含まれることに気付くはずである。したがって、例えば「宿主細胞」を言及すれば、それにはそのような宿主細胞の多数が含まれ、「抗体」を言及すれば、それは1つまたはそれ以上の抗体、および当業者には周知のそれらと均等なものなどを意味する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロリポップオリゴマー例の図表である。
【図2A】ロリポップオリゴマーを用いたDNAまたはRNA標的配列の検出およびローリングサークル増幅の例の図表である。
【図2B】ロリポップオリゴマーを用いたDNAまたはRNA標的配列の検出およびローリングサークル増幅の例の図表である。
【図3】標的配列にハイブリダイズしたロリポップオリゴマーとギャップオリゴヌクレオチドの図表である。このオリゴマーは標的配列とハイブリダイズした場合にギャップ空間を残し、そのギャップ空間内の標的配列とギャップオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする。
【図4】dNTP取り込み(nmoles/3μl)に対する時間(分)のグラフである。
【図5】テイル部分(ローリングサークル複製プライマー配列を含有する)および両アーム部分を含む三重ヘリックスを形成するロリポップオリゴマーの例の図表である。この標的プローブ部分は三重ヘリックスに関与せず、標的配列とハイブリダイズするのに利用される。
【図6】標的プローブ部分が標的配列とハイブリダイズする際に、図5に示すロリポップオリゴマーのテイル部分がどのようにハイブリダイゼーションに利用されるかを示す図表である。
【図7】テイル部分(ローリングサークル複製プライマー配列を含有する)および一方のアームの一部を含む三重ヘリックスを形成するロリポップオリゴマーの例の図表である。このアームは三重ヘリックスに含まれる2つの鎖を提供する。その標的プローブ部分は三重ヘリックスに関与せず、標的配列にハイブリダイズするのに利用される。
【図8】標的プローブ部分が標的配列とハイブリダイズする際に、図7に示すロリポップオリゴマーのテイル部分がどのようにハイブリダイゼーションに利用されるかを示す図表である。

Claims (41)

  1. テイル部分、右アーム部分および左アーム部分を含む分枝オリゴマーを包含するロリポップオリゴマーであって、
    右アーム部分と左アーム部分は共に連結されており、
    右アーム部分は端に位置する右標的プローブ部分と右バックボーン部分を含み、左アーム部分は端に位置する左標的プローブ部分と左バックボーン部分を含み、
    標的プローブ部分は、5’領域および3’領域を含む標的配列と相補的であり、
    該オリゴマーの左標的プローブ部分および右標的プローブ部分は、同じ標的配列の3’領域および5’領域のそれぞれと互いに相補的であるオリゴマー。
  2. テイル部分が、増幅標的サークルのプライマー適合部分と相補的な相補部分を含むローリングサークル複製プライマーを含む、請求項1に記載のオリゴマー。
  3. テイル部分がアドレスタグを含む、請求項1に記載のオリゴマー。
  4. テイル部分が、右バックボーン部分の全部または一部、左バックボーン部分の全部または一部、あるいは右バックボーン部分の一部と左バックボーン部分の一部と相補的である、請求項1に記載のオリゴマー。
  5. テイル部分、右バックボーン部分および左バックボーン部分が三重ヘリックスを形成することができる、請求項1に記載のオリゴマー。
  6. テイル部分、右アーム部分および左アーム部分がオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載のオリゴマー。
  7. テイル部分、右アーム部分または左アーム部分の少なくとも一部がリンカーである、請求項1に記載のオリゴマー。
  8. テイル部分が遊離3’端を有し、右アーム部分が遊離5’端を有し、かつ左アーム部分が遊離3’端を有する、請求項1に記載のオリゴマー。
  9. 標的配列が、左標的プローブ部分と右標的プローブ部分のいずれもが相補的でない、該標的配列の5’領域と3’領域の間に位置する中央領域をさらに含む、請求項1に記載のオリゴマー。
  10. 右標的プローブ部分と左標的プローブ部分がペプチド核酸を含む、請求項1に記載のオリゴマー。
  11. 核酸配列を増幅する方法であって、
    (a)1つまたはそれ以上の異なるロリポップオリゴマーを、それぞれが1つまたはそれ以上の標的配列を含む1つまたはそれ以上の標的試料と混合し、そして該オリゴマーと標的配列との間のハイブリダイゼーションが促進される条件下でインキュベートし
    (ロリポップオリゴマーはそれぞれテイル部分を含む分枝オリゴマーを包含し、テイル部分はローリングサークル複製プライマーを含み、ローリングサークル複製プライマーは増幅標的サークルのプライマー適合部分と相補的な相補部分を含む)、
    (b)工程(a)の前、同時、またはその後に、1つまたはそれ以上の増幅標的サークルを該オリゴマーと混合し、そして増幅標的サークルと該オリゴマーのローリングサークル複製プライマー部分との間のハイブリダイゼーションが促進される条件下でインキュベートし、そして、
    (c)DNAポリメラーゼを該オリゴマーおよび増幅標的サークルと混合し、そして増幅標的サークルの複製が促進される条件下でインキュベートする
    (増幅標的サークルの複製により、タンデム配列DNAが形成される)、
    工程を含む方法。
  12. 該ロリポップオリゴマーの少なくとも1つが、
    右アーム部分と左アーム部分が共に連結されており、
    テイル部分が右アーム部分と左アーム部分の接合点で該オリゴマーと連結されており、
    少なくとも1つの該オリゴマーの右アーム部分が端に位置する右標的プローブ部分と右バックボーン部分を含み、左アーム部分が端に位置する左標的プローブ部分と左バックボーン部分を含み、
    標的プローブ部分が、5’領域および3’領域を含む少なくとも1つの標的配列と相補的であり、
    該オリゴマーの左標的プローブ部分と右標的プローブ部分が、該標的配列の3’領域と5’領域のそれぞれと互いに相補的である、
    右アーム部分と左アーム部分をさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 工程(a)と同時、またはその後に、リガーゼを該オリゴマーおよび標的試料と混合し、そして該オリゴマーのライゲーションが促進される条件下でインキュベートし、固定されたロリポップオリゴマーを形成させることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 右アーム部分が遊離5’端を有し、かつ左アーム部分が遊離3’端を有し、右アーム部分の端を左アーム部分の端とライゲートさせ、固定されたロリポップオリゴマーを形成させる、請求項13に記載の方法。
  15. 右アーム部分が遊離5’端を有し、かつ左アーム部分が遊離3’端を有し、標的配列の少なくとも1つが5’領域と3’領域との間に位置する中央領域をさらに含み、左標的プローブ部分と右標的プローブ部分のいずれもが標的配列の中央領域と相補的ではなく、
    工程(a)で、1つまたはそれ以上のギャップオリゴヌクレオチドを少なくとも1つの標的試料と混合することをさらに含み、それぞれのギャップオリゴヌクレオチドが標的配列の中央領域の全部または一部と相補的である、請求項13に記載の方法。
  16. 右アーム部分が遊離5’端を有し、かつ左アーム部分が遊離3’端を有し、標的配列の少なくとも1つが5’領域と3’領域との間に位置する中央領域をさらに含み、左標的プローブ部分と右標的プローブ部分のいずれもが標的配列の中央領域と相補的ではない請求項13に記載の方法であって、
    リガーゼを該オリゴマーおよび標的試料と混合する前、または同時に、ギャップを埋めるDNAポリメラーゼを該オリゴマーおよび標的試料と混合することをさらに含む方法。
  17. 右アーム部分が遊離5’端を有し、かつ左アーム部分が遊離3’端を有し、標的配列の少なくとも1つが5’領域と3’領域との間に位置する中央領域をさらに含み、左標的プローブ部分と右標的プローブ部分のいずれもが標的配列の中央領域と相補的ではなく、工程(a)で、1つまたはそれ以上のギャップオリゴヌクレオチドを少なくとも1つの標的試料と混合することをさらに含み、それぞれのギャップオリゴヌクレオチドが標的配列の中央領域の全部または一部と相補的である請求項13に記載の方法であって、
    リガーゼを該オリゴマーおよび標的試料と混合する前、または同時に、ギャップを埋めるDNAポリメラーゼを該オリゴマーおよび標的試料と混合することをさらに含む方法。
  18. 該リガーゼがAMPLIGASE(登録商標)、T4 DNAリガーゼ、T4 RNAリガーゼ、大腸菌DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、高度好熱菌DNAリガーゼ、サーマス スコットダクタスDNAリガーゼ、およびロドサーマス マリナスDNAリガーゼから成る群より選ばれる、請求項13に記載の方法。
  19. 右標的プローブ部分と左標的プローブ部分がペプチド核酸を含む、請求項12に記載の方法。
  20. テイル部分が右バックボーン部分の全部または一部、左バックボーン部分の全部または一部、あるいは右バックボーン部分の一部と左バックボーン部分の一部と相補的である、請求項12に記載の方法。
  21. テイル部分、右バックボーン部分および左バックボーン部分が三重ヘリックスを形成することができる、請求項12に記載の方法。
  22. テイル部分、右アーム部分および左アーム部分がオリゴヌクレオチドである、請求項12に記載の方法。
  23. テイル部分、右アーム部分または左アーム部分の少なくとも一部がリンカーである、請求項12に記載の方法。
  24. 標的配列が多型配列の形態に相当する、請求項12に記載の方法。
  25. 右標的プローブ部分、左標的プローブ部分、またはその両方の端のヌクレオチドが、標的配列中の多型ヌクレオチドと相補的である、請求項24に記載の方法。
  26. それぞれの標的プローブ部分が異なる標的配列と相補的である、多数の異なるロリポップオリゴマーを少なくとも1つの標的試料と混合する、請求項12に記載の方法。
  27. それぞれ異なる該オリゴマーのローリングサークル複製プライマーが異なる増幅標的サークルと相補的である、請求項26に記載の方法。
  28. 少なくとも2つの異なる該オリゴマーのローリングサークル複製プライマーが同じ増幅標的サークルと相補的である、請求項26に記載の方法。
  29. 多数の異なる標的試料を少なくとも1つのロリポップオリゴマーとそれぞれ混合する、請求項12に記載の方法。
  30. 種々の標的試料と混合される該オリゴマーのローリングサークル複製プライマーが、異なる増幅標的サークルと相補的である、請求項29に記載の方法。
  31. 工程(a)の後であり、かつ工程(b)の前、同時またはその後に、2つまたはそれ以上の標的試料を混合することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
  32. それぞれ異なる標的試料と混合されるオリゴマーの組みが、同じ組みの標的配列と相補的である、請求項30に記載の方法。
  33. 該DNAポリメラーゼが、バクテリオファージφ29DNAポリメラーゼ、ファージM2 DNAポリメラーゼ、ファージφPRD1DNAポリメラーゼ、VENT(登録商標)DNAポリメラーゼ、大腸菌DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント、T5 DNAポリメラーゼ、PRD1DNAポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、T7 SequenaseTM、ΔTtsポリメラーゼ、およびT4 DNAポリメラーゼホロ酵素から成る群より選ばれる、請求項11に記載の方法。
  34. 少なくとも1つの標的配列が、遺伝性疾患、嚢胞性線維症、筋ジストロフィー、糖尿病、血友病、鎌状赤血球貧血、癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、大腸癌、卵巣癌、睾丸癌、膵臓癌から成る群より選ばれる疾患に関連している、請求項11に記載の方法。
  35. 少なくとも1つの標的配列の検出を、疾患の検出、突然変異の検出、RNA発現のプロファイリング、遺伝子の発見、遺伝子マッピング、分子ハプロタイピング、ウイルス検出、一塩基多型の検出、細胞におけるRNAの検出、異常RNAの検出、癌遺伝子の過剰発現の検出、腫瘍抑圧遺伝子発現の欠失の検出、癌細胞における発現の検出、細胞におけるウイルスゲノムの検出、ウイルスRNA発現の検出、遺伝性疾患の検出、嚢胞性線維症の検出、筋ジストロフィーの検出、糖尿病の検出、血友病の検出、鎌状赤血球貧血の検出、癌についての素因診断、前立腺癌についての素因診断、乳癌についての素因診断、肺癌についての素因診断、大腸癌についての素因診断、卵巣癌についての素因診断、睾丸癌についての素因診断、膵臓癌についての素因診断、またはこれらの組み合わせに使用する、請求項11に記載の方法。
  36. 少なくとも1つの標的配列が細胞内でインシチュ検出されるか、マイクロアレイ、DNA繊維、またはゲノムDNAアレイにおいて検出される、請求項11に記載の方法。
  37. 標的核酸配列を検出する方法であって、
    (a)1つまたはそれ以上の異なるロリポップオリゴマーを、それぞれが1つまたはそれ以上の標的配列を含む1つまたはそれ以上の標的試料と混合し、該オリゴマーと標的配列との間のハイブリダイゼーションが促進される条件下でインキュベートし
    (ロリポップオリゴマーのそれぞれがテイル部分、右アーム部分、および左アーム部分を含む分枝オリゴマーを包含し、右アーム部分と左アーム部分が共に連結され、テイル部分が、右アーム部分と左アーム部分の接合点で該オリゴマーと連結され、テイル部分がアドレスタグを含み、少なくとも1つの該オリゴマーの右アーム部分が端に位置する右標的プローブ部分と右バックボーン部分を含み、左アーム部分が端に位置する左標的プローブ部分と左バックボーン部分を含み、標的プローブ部分が、5’領域と3’領域を含む少なくとも1つの標的配列と相補的であり、該オリゴマーの左標的プローブ部分と右標的プローブ部分が、該標的配列の3’領域および5’領域のそれぞれと互いに相補的である);
    (b)アドレスタグを検出する、
    工程を含む方法。
  38. アドレスタグがハイブリダイゼーションによって検出される、請求項37に記載の方法。
  39. テイル部分、右アーム部分および左アーム部分を含む分枝オリゴマーを包含するロリポップオリゴマーであって、
    右アーム部分と左アーム部分が共に連結されており、
    テイル部分が右アーム部分と左アーム部分の接合点で該オリゴマーと連結され、
    右アーム部分が端に位置する右標的プローブ部分と右バックボーン部分を含み、左アーム部分が端に位置する左標的プローブ部分と左バックボーン部分を含み、
    標的プローブ部分が、5’領域および3’領域を含む標的配列と相補的であり、
    該オリゴマーの左標的プローブ部分および右標的プローブ部分が、同じ標的配列の3’領域および5’領域のそれぞれと互いに相補的であるオリゴマー。
  40. 1つまたはそれ以上の増幅標的サークルを複製し、タンデム配列DNAを形成させることを含む、核酸配列の増幅方法であって、
    増幅標的サークルを、1つまたはそれ以上の異なるロリポップオリゴマーと混合し
    (ロリポップオリゴマーは、それぞれテイル部分を含む分枝オリゴマーを包含し、テイル部分はローリングサークル複製プライマーを含み、ローリングサークル複製プライマーは、少なくとも1つの増幅標的サークルのプライマー適合部分と相補的である相補部分を含み、ローリングサークル複製プライマーにより増幅標的サークルの複製が始まる);
    少なくとも1つのロリポップオリゴマーを標的試料中の標的配列にハイブリダイズさせる方法。
  41. 標的試料中の標的配列とハイブリダイズした少なくとも1つのロリポップオリゴマーをライゲートさせ、固定されたロリポップオリゴマーを形成させる、請求項40に記載の方法。
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