JP2004500135A - 心房頻拍性不整脈防止方法および装置 - Google Patents

心房頻拍性不整脈防止方法および装置 Download PDF

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Abstract

頻拍性不整脈防止ペースメーカーである。該ペースメーカーは、拡張期間にわたって頻拍性不整脈防止ペーシング・モードで患者の心臓をペーシングし、頻拍性不整脈防止ペーシング・モードの成功の数値を定め、該拡張期間にわたって該数値を観察し、観察された数値に応じて、頻拍性不整脈防止ペーシング・モードを調整する。頻拍性不整脈防止ペーシング・モードの調整は、患者の心臓を異なったセットの電極でペーシングし、患者の心臓を異なった頻拍性不整脈防止ペーシング・モードでペーシングし、および/または頻拍性不整脈防止ペーシング・モードの動作を中断する形態を採ることができる。

Description

【0001】
[発明の背景]
本発明は、一般的に埋め込み式刺激器に関し、特に、心臓ペースメーカーおよび埋め込み式の抗不整脈装置に関する。
【0002】
多サイト・ペーシングを用いることにより、心室における頻拍性不整脈の発生を削減することが提案されてきた。たとえば、Funkeに付与された米国特許第3,937,226号においては、心室周囲の場所に多数の電極を設けている。電極の何れかで、無反応期間に続く感知脱分極に反応して、全ての電極がペーシングされる。1000msの時間にわたって感知脱分極がない場合には、全ての電極は同様にペーシングされる。Rockland 他に付与された米国特許第4,088,140号は類似の装置を開示しており、その装置では、1000msの時間に中に脱分極を感知しなかったことに反応して、1つの電極のみにペーシング・パルスが送出され、以前の感知脱分極またはペーシング・パルスの送出に続く150から500msに発生した感知脱分極に反応して、多数の電極へのペーシング・パルスの送出が起動される。Kahnに付与された米国特許第4,354,497号は、心臓の隔壁に隣接して感知電極を付加し、隔壁の電極で脱分極が感知される前に感知された心室の電極での脱分極に反応して、心室の周囲に設けられた多数の電極にペーシング・パルスを送出する。心室における多サイト・ペーシングは、Mowerに付与された米国特許第4,928,688号におけるように、血液力学的機能を改善するためにも提案されている。Funke、Kahn、RocklandおよびMowerの特許は全て、それらを全体的に参照することにより本明細書に含めた。
【0003】
多サイト心房ペーシングも、心房頻拍性不整脈の発生を削減するためのメカニズムとして提案されてきた。たとえば、不整脈防止用の多サイト・ペーシングは、Limousin 他に付与された米国特許第5,584,867号、Mehraに付与された米国特許第5,683,429号およびHill et alに付与された米国特許第5,403,356号、ならびに、Pace, Vol. 14, Apr. 1991, Part II, p648に掲載された、Mabo 他、著の記事「Prevention of Atrial Tachyarrhythmias Related to Advanced Inter−atrial Block by Permanent Atrial Resynchronization」において説明されている。Limousin、MehraおよびHill 他の特許は、それらを全体的に参照することにより本明細書に含めた。
【0004】
頻拍性不整脈の防止用には、1つのペーシング・サイトを用いたペーシング方法も提案されてきた。たとえば、Mehraに付与された米国特許第4,941,471号は、心室において使用する単サイト拍動数安定ペーシング方法を開示している。このペーシング方法に対する改良は、Denker 他に付与された米国特許第5,545,185号において開示されており、更なる改良はHillに付与された米国特許第5,814,085号、およびPeterson 他によって1996年12月16日に出願された米国特許出願第08/764,568号において開示されている。更に、心房過(オーバードライブ)不整脈防止ペーシング・モードが、Hess 他に付与された米国特許第5,713,929号において開示されている。Mehra、Hill 他およびDenkerの特許、ならびにPeterson 他の出願は全て、それらを全体的に参照することにより本明細書に含めた。
【0005】
[発明の概要]
本発明は、心房および/または心室ないの単一または多数の部位で、頻拍性不整脈防止のペーシング療法を施す能力を有するペースメーカーによって、心房または心室の頻拍性不整脈の発生を防止することに関する。本発明は、この所望の目的を、制御およびタイミング回路、ならびに、頻拍性不整脈防止ペーシングに利用可能なものの中からどの療法、電極およびペーシング・サイトを採用するかを選択することにより、施術されるペーシング療法の最適化を提供する方法によって達成する。タイミングおよび制御回路は、数日間、数週間または数ヶ月など、規定の拡張期間にわたって、頻拍性不整脈の発生を追跡する手段を含む。
【0006】
多数のサイトでのペーシングは、それぞれ心房内または心室内の異なったサイトに隣接して設けられている個別の電極対を通してペーシング・パルスを送出することにより達成するか、心房内または心室内の異なったサイトに隣接して設けられた電極間でペーシング・パルスを送出することにより達成するか、心房または心室内の個々の電極とそれから離れた中性電極との間でパルスを送出することにより達成することができる。装置は、心房および心室を互いに独立してペーシングするために用いられる電極構成の切換を誘導するために、心房および心室用にプログラムされた個別の優先順位つきの療法および/または電極と極性のリストを用いて、心房、心室または心房と心室の両方において単一サイトまたは多サイトのペーシングを採用することができ、かつ、心房および心室における頻拍性不整脈の発生の個別の回数または継続時間を採用することができる。
【0007】
いくつかの実施形態においては、規定の拡張期間内における所定数の頻拍性不整脈の発生の検出、および/または規定の拡張期間内における所定の累積継続時間の頻拍性不整脈の検出に反応して、ペーシング療法の選択および/またはペーシングに利用可能な電極の接続は、頻拍性不整脈の防止療法を無効にし、かつ/または頻拍性不整脈の防止療法を変更するために調整される。規定の拡張期間内における、それに続く頻拍性不整脈の規定数および/または規定の累積継続時間の検出の度に、装置は、有効な頻拍性不整脈療法が選択されるまで、または全ての利用可能な療法が無効であると判断されるまで、別の利用可能な療法および/または電極のセットならびにペーシング・セットに切り換えることができる。
【0008】
たとえば、心房内の2つの異なった場所で刺激するように配置された電極を有する多サイト心房ペースメーカーの形式で実施される装置においては、装置は、上記で引用したMehra 他の‘429特許に開示されたペーシング方法を用いて両方の場所で刺激するために、心房組織と接触する第1および第2の電極を最初に採用し、次に、規定の拡張期間内における、頻拍性不整脈の規定数の発生および/または規定の累積継続時間に反応して、ペースメーカーは、上記で引用したMehraの’471特許に開示されたペーシング方法を用いて第2の場所のみを刺激するために、中性電極と共に第2の電極を採用することができる。
【0009】
本発明のいくつかの好適な実施形態においては、規定の拡張期間内における心房または心室での頻拍性不整脈の規定数の発生および/または頻拍性不整脈の規定の累積継続時間の検出時に、装置は、頻拍性不整脈の頻度または継続時間を削減する機会を提供する、利用可能な療法および/または電極と極性のセットがあるかどうかをチェックする。これらの実施形態においては、以前に採用されていなかった療法および/またはそれと関連づけられた電極と極性のセットは、規定により、頻拍性不整脈の頻度または継続時間を削減する可能性を提供するものとみなされる。また、この装置は、特定の療法および/またはそれと関連づけられた電極と極性のセットと共に、頻拍性不整脈の発生の頻度および継続時間に関する情報を記録することができ、記録された関連情報が、現在採用されている電極および極性と比較して、削減された頻拍性不整脈の頻度または継続時間を示しているのであれば、あらゆる以前に採用された療法および/または電極と極性のセットが、頻拍性不整脈の頻度または継続時間を削減する機会を提供するものとみなすことができる。
【0010】
本発明の他の好適な実施形態においては、装置は、何れかの頻拍性不整脈防止療法が望ましいかどうかおよび、もしそうであれば、利用可能な特定の療法および/またはそれと関連づけられた電極と極性のセットと共に、頻拍性不整脈の発生の頻度および継続時間に基づいて、どの療法および/または電極と極性のセットを当初に採用するかを自動的に判断する。これらの実施形態において、装置はまず、頻拍性不整脈防止療法の採用を裏付けるのに十分な頻度で、第1の拡張期間内に、頻拍性不整脈防止療法および/または多サイト・ペーシングがない場合の頻拍性不整脈が発生したかどうかを判断できる。もし発生していれば、装置はその後、どれが最低の頻拍性不整脈の発生につながるかを判断するために、第2の拡張期間内に、利用可能な療法および/または電極と極性のセットのそれぞれを連続的に適用できる。装置は、頻拍性不整脈の発生が、頻拍性不整脈療法を施さない場合よりも低いことを条件に、最低の頻拍性不整脈の発生と関連づけられた療法および/または電極および極性のセットを選択できる。かかる装置においては、最も効果的な頻拍性不整脈防止療法および/または電極サイトと極性の当初の選択の後に、装置は、たとえば規定の月数などの第3の拡張期間にわたって選択された設定を引き続き採用することができ、この拡張期間の終了時に、頻拍性不整脈防止療法が望ましいか、もし望ましければ、どの療法が望ましいかを判断する工程を繰り返すことができる。
【0011】
装置によって採用されている抗不整脈療法および/または電極と極性、頻拍性不整脈の発生により密接に結びつけるために、装置は、ペーシング・パルスの送出に続いて始まった頻拍性不整脈に焦点を当てることができる。たとえば、装置は、ペーシング・パルスが、頻拍性不整脈が始まった短い脱分極間の時間を開始させたかどうかを判断するために、感知されペーシングされた事象に関する記憶された情報をチェックし、検出された頻拍性不整脈がペーシング・パルスに続いて始まった場合にのみ、検出された不整脈を、頻拍性不整脈の回数または頻拍性不整脈の累積継続時間に適用することができる。
【0012】
種々の不整脈防止ペーシング・モードからの選択に加えて、またはそれの代替策として、本発明による装置は、選択された抗不整脈ペーシング・モードの最適化されたパラメータを提供するようにも動作することができる。たとえば、上記で引用したMehraおよびDenker特許に記載された拍動数安定ペーシング・モードの形態、または上記で引用したHess 他の特許に記載された心房オーバードライブ・ペーシング・モードの態様においては、次のエスケープ(逸脱)間隔を定めるために、以前に計測されたR−R間隔の継続時間に付加された増分の値を調整することができる。類似の方法で、多数のペーシング・サイトで送出されたペーシング・パルス間または、1つのペーシング・サイトで感知された脱分極間に遅延時間があれば、その遅延時間および、第2のペーシング・サイトへのペーシング・パルスの送出も、提供される療法の関し結果の関数として最適化することができる。
【0013】
提供される抗不整脈ペーシング療法のパラメータを最適化するために、装置は、不整脈防止ペーシング・モード間での選択と共に、上記の方法と類似の方法で、この療法の成功と関連づけられた特定の距離を観察する。ここで、たとえば、心房または心室の拍動の発生や心房または心室頻拍性不整脈の発生などの頻度を観察して、所望の規定された端点状態と比較することができ、現在有効なペーシング・モードの動作パラメータは、計測された距離を所望の端点に収束させる試みにおいて調整されている。
【0014】
所望の端点は、上界のみ、下界のみまたは上界と下界の療法を有する場合がある範囲として定めることができる。不整脈防止ペーシング・モードの成功を判断するために、2つ以上の計測された距離を用いることができる。規定された端点範囲の外側に出る計測された距離は、ペーシング・モードのより積極的またはより積極的でないパラメータ設定への変化を引き起こす。距離を観察する期間は、数時間から数週間までの範囲とすることができる。たとえば、規定された距離が心房線維性攣縮である場合には、規定された距離範囲は、医師がプログラムした、2日間の期間にわたる心房線維性攣縮の発生数よりも少なくなるであろう。この場合に、装置は、2日の期間毎の心房線維性攣縮の発生の計測された頻度が端点範囲になるまで、提供された抗不整脈モードのパラメータを調整、たとえば、上記のHess特許に記載された心房オーバードライブ・ペーシング形式と共に提供される増分を調整するであろう。代替的に、計測される距離がPACの発生頻度である場合には、PACの発生の許容可能な範囲を表すように医師によって決定された、1時間当たりのPACの規定された範囲になるであろう。この実施形態において、採用される心房不整脈防止ペーシング形式の積極性は、規定された端点範囲を超えるPACの発生数に対応して高めることができ、一方、療法の積極性は、患者の治療過多を避けるために、発生の規定された端点範囲未満の発生に対応して低めることができるであろう。規定の範囲内に入る1時間当たりのPACの数に対応して、装置は、不整脈防止ペーシング形式のパラメータ設定を変更しないままにするであろう。
【0015】
いくつかの実施形態においては、不整脈防止ペーシング形式を選択することに関して上記で説明した様々のメカニズムの代替物またはそれに対する付加として、不整脈防止ペーシング形式のパラメータを最適化するために採用されるのと同じ観察された距離を、有効な不整脈防止ペーシング形式を無効にするため、または代替的ペーシング防止形式への切り換えを引き起こすために採用してもよい。たとえば、計測された距離が計測された距離の所望の端点からの規定の変動内に収まらないことと共に、不整脈防止ペーシング形式の、その最も積極的なパラメータ(不整脈の発生を防止する可能性が最も高いと思われるパラメータ)への調整に反応して、装置は、現在進行中の不整脈防止ペーシング形式を無効にするか、代替的に利用可能な不整脈防止ペーシング形式への切り換えを引き起こすことができる。
【0016】
図1は本発明による埋め込み式ペースメーカー10および関連リード・セットを示している。ペースメーカーは、ペースメーカー回路と電源とを含み、2つのペーシング・リード20および22のコネクタ・アセンブリ18および16が挿入されているコネクタ・ブロックすなわちヘッダ14を有する密封された囲い12を含む。ペーシング・リード20は冠状動脈洞リードであり、2つの電極28および30を設けられており、患者の心臓の冠状動脈洞/大静脈内で、左心房に隣接して配置されるように適合されている。リード22は、末端ねじ込み電極24と基部環状電極26とを有する右心房ペーシング・リードである。
【0017】
本発明を実施する際には、ペースメーカーは、多様な組み合わせで各種のリード上に電極を採用することができる。多サイト・ペーシングは、電極24がペーシング陰極としての役割を果たす状態で、電極24および26を用いて右心房にペーシング・パルスを送出するのと同時に、電極28および30を用いて、そのうちの何れかをペーシング陰極として用ながら、左心房にもペーシング・パルスを送出することにより達成できる。代替的に、多サイト・ペーシングは、電極24ならびに電極28および30の何れかをペーシング陰極として用い、囲い12の導電性の部分を遠隔陽極として用いることにより、左右の心房を同時に刺激するために、電極24と電極30との間または電極24と電極28との間において、これらのうち選択された2つの電極の何れかが陰極としての役割を果たす状態で、ペーシング・パルスを送出することにより達成することができる。代替的に、右心房は、単極ペーシングを達成するために、装置囲い12のハウジングの導電性部分と共に、電極24および26を採用することにより、または電極24を採用することにより、左心房を刺激することなしに刺激することができる。同様に、左心房のペーシングは、電極28と電極30との間でのペーシングにより、または電極28および30の何れかとハウジング12の導電性部分との間でのペーシングによって、右心房の対応するペーシングなしに達成することができる。
【0018】
本発明の実施に際しては、装置10は、装置10による連続的適用のために、頻拍性不整脈防止ペーシング療法および/またはペーシング・サイトおよびその中の電極構成の優先順位つきのリストをプログラムすることを、医師に可能にするように構成されることが好ましい。たとえば、図1に示した装置については、医師は、装置10が、電極24が陰極電極である状態で、最初の不整脈防止療法の一部として、電極24と電極30との間で左右の心房にペーシング・パルスを最初に送出し、電極30が陰極電極である状態で、第2の不整脈防止療法の一部として、電極28および30を採用して左心房で二極ペーシング・パルスを送出し、電極24が陰極電極として働く状態で、第3の不整脈防止療法の一部として、電極24および26を採用して右心房で二極ペーシングを送出することを要求することができる。第1の不整脈防止療法は、たとえば、単に二心房徐脈ペーシングとしてもよく、一方、第2および第3の療法は、たとえば、上記で引用したMehraの‘471特許におけるような拍動数安定化ペーシングを含んでもよい。
【0019】
いくつかの実施形態における装置は、次のように動作できる。プログラミングに続いて、左右両方の心房を同時にペーシングするために、装置は電極24および30を採用する。数週間または数ヶ月の規定された拡張期間にわたって、装置は、予め設定された基準に従って、頻拍性不整脈の規定の回数および/または累積継続時間を検出する。たとえば、頻拍性不整脈は、最短期間にわたって維持される高い心房拍動数として定義することができる。設定値に等しい、検出された頻拍性不整脈発生(エピソード)の回数および/または累積継続時間に応答して、装置は、心房頻拍性不整脈の発生頻度または継続時間を削減する機会を提供する、何らかの利用可能な電極構成があるかどうかをチェックすることが好ましい。医師が定めたリスト上での次の電極構成は試されていないので、電極28および30を用いて左心房をペーシングすることが、次に装置によって採用される。その後の規定された期間中に、装置が、頻拍性不整脈の必要発生回数および/または累積継続時間を検出した場合には、装置は、電極24および26による右心房をペーシングする、第3の電極構成が試みられていないと判断して、この電極構成を採用する。頻拍性不整脈の必要発生回数または累積継続時間の検出時に、装置は、3つの電極構成のそれぞれについて、検出された頻拍性不整脈の回数および頻拍性不整脈が検出された時間を比較して、頻拍性不整脈の最低の発生と関連づけられた電極構成を選択する。この方法での装置の動作が継続し、他の電極構成での不整脈の頻度および/または継続時間の従来の計測と比べて、以前に選択された電極セットを用いた発生頻度または累積継続時間の増加に反応して、電極構成の選択は自動的に変更される。
【0020】
不整脈防止療法の同じ優先順位つきのリストを用いた、実施形態の代替的セットにおいては、装置は、何ら特定の不整脈防止療法および/または代替的電極構成がない場合には、第1の期間にわたって動作できる。たとえば、装置は、右心房内の単一のサイトでペーシングする、従来のAAI徐脈ペースメーカーとして動作できる。装置はこのようにして、たとえば、数日または数週間の期間にわたる第1の規定された期間に動作し、検出された頻拍性不整脈の発生回数および/または検出された心房頻拍性不整脈の継続時間を観察する。この期間中に検出された心房頻拍性不整脈の頻度または継続時間が第1の予め設定された閾値未満であれば、装置は、専門化された不整脈防止ペーシング療法および/または多サイト・ペーシングまたはこれら2つの組み合わせは必要ではないと判断できる。
【0021】
しかし、第1の規定された期間中に、第1の閾値を超える心房頻拍性不整脈の回数または総継続時間が検出された場合には、装置は、通常は第1の規定された期間よりも短い第2の規定された期間にわたって、第1の利用可能な頻拍性不整脈防止療法および/または代替的電極構成を作動することができ、検出された心房頻拍性不整脈の頻度および/または継続時間を再度観察し、それに続いて、第2の規定された拡張期間にわたって第2のおよび第3の頻拍性不整脈防止療法および/または電極構成を連続的に作動させ、心房頻拍性不整脈の頻度および/または継続時間を判断する。全ての利用可能な頻拍性不整脈防止療法を送出し、かつ/または全ての利用可能な電極構成を採用した後に、装置は、どの療法および/または電極構成が頻拍性不整脈の最低の発生につながるかを判断するために、心房頻拍性不整脈の相対的頻度および/または継続時間を比較することができ、療法および/または電極構成が、第1の期間中に計測された従来の単一サイト徐脈ペーシングと比較して削減された頻拍性不整脈の発生を提供することを条件に、その療法および/または電極と極性のセットを有効にする。
【0022】
規定された期間にわたって利用可能な頻拍性不整脈防止療法および/または代替的電極構成のそれぞれを採用し、その期間中に検出された頻拍性不整脈の頻度または累積継続時間を比較することの好適な代替策として、装置は、規定された第2の時間間隔の経過、または規定された頻拍性不整脈の継続時間および/または頻度の閾値に達することのうち最も早いことが起きるまで、利用可能な療法および/または代替的電極構成のそれぞれにおける動作を継続できる。次に、最も望ましい療法および/または電極構成を選択するために、単位時間当たりの頻拍性不整脈の相対的発生または継続時間を比較できる。この方法を用いて、様々な利用可能な療法および/または電極構成をチェックするのに要する時間を大幅に短縮できる。同様に、頻拍性不整脈防止療法および/または代替的電極構成が望ましいかどうかを判断するのに要する時間を短縮するために、規定された第1の時間間隔の経過、または規定された頻拍性不整脈の継続時間および/または頻度の閾値に達することのうち最も早いことが起きるまで、頻拍性不整脈防止療法および/または代替的電極構成を使用しない装置の初期動作が継続することが望ましい場合がある。
【0023】
本発明のこの実施形態の単純化された形態では、装置は、単一の頻拍性不整脈防止ペーシング療法および/または単一の代替的電極構成のみを備えることができる。この実施形態においては、装置は、不整脈防止療法および/または代替的電極構成の適用中の頻拍性不整脈の頻度および/または継続時間と、不整脈防止療法および/または代替的電極構成がない場合の頻拍性不整脈発生の頻度および/または継続時間とを単に比較するだけであり、頻拍性不整脈の削減された発生につながる場合にのみ、その療法および/または代替的電極構成の適用を可能にする。
【0024】
装置の動作および初期不整脈防止療法の選択が上記のように提供された場合には、装置はそれに続いて、本発明の以前に説明した実施形態と共に記載した方法に従って動作でき、頻拍性不整脈のレベルの変化に反応して、頻拍性不整脈防止療法および/またはそれと関連づけられた電極と極性のセットを定期的に変更し、もし可能であれば、頻拍性不整脈のより低い発生を提供する代替的な療法および/または電極と極性のセットを選択する。代替的に、装置は、第1および第2の長い期間よりもはるかに長い、第3の長い期間を定めてもよい。この第3の期間が経過すると、頻拍性不整脈防止療法および/または代替的電極構成が望ましいかどうか、および、望ましい場合には、どれを採用すべきかを再度判断するために、装置は、上記の連続的動作を繰り返すことができる。
【0025】
図2は本発明によるペースメーカーの代替的実施形態を示している。ここで、図2のペースメーカー40は、概して図1のペースメーカー10に対応するものであるが、心室ペーシング能力が付加されている。ペースメーカーは、ペースメーカーの回路および電源を含む密封された囲い42と、3つのペーシング・リード52、54および56のコネクタ・アセンブリ46、48および50を受けるコネクタ・ブロック44とを含む。リード52および54はそれぞれ図1のリード20および22に対応し、心房ペーシング電極58、60、62および64を有する。リード56は、心臓の右心室に埋め込まれた螺旋状の電極68と環状の電極66とを有する心室ペーシング・リードである。図2による装置は、DDD、DVIおよびDDIペーシングなどのペーシング形式を用いて、心室ペーシングと共に多サイト心房ペーシングを採用することができる。
【0026】
図3は、本発明を採用したペースメーカーの第2の代替的実施形態である。本発明のこの実施形態においては、ペースメーカー80は概して図2のペースメーカー40に対応しており、ペースメーカーの回路および電源を含む密封された囲い82と、リード92、94および96のコネクタ・アセンブリ86、88および90をそれぞれ受けるコネクタ・ブロック84とを含む。この実施形態においては、ペースメーカーは、心房感知またはペーシングと共に多サイト心室ペーシングを提供するように構成されているので、VDD、DDD、DVIおよびDDIなどの既知のペーシング・モードと共に、多サイト心室ペーシングを採用できる。リード92、94および96は図2に示したリード52、54および56にそれぞれ対応しており、ペーシング電極98、100、102、104、106および108を有する。リード92の場合には、図1および図2のリード20および52それぞれよりも、更に冠状動脈/大静脈内に入り込んでいるので、電極102および104は心臓の左心室に隣接して配置されている。そのため、図3に示したリードのセットは、電極106および108を用いて右心室をペーシングし、電極102および104を用いて左心室をペーシングすることにより、または、電極108と電極102および104の何れかとの間でペーシングすることにより、または、電極98とハウジング82の未絶縁部分との間でペーシングし、電極102または104とハウジング82の未絶縁部分との間でペーシングすることにより、心臓の心室において多サイト・ペーシングを提供する機会を与えている。左心室の同時ペーシングを行わずに右心室のみをペーシングすることは、電極106および108を用いて、またはハウジング82の未絶縁部分と共に電極108を用いて可能である。同様に、左心室のみにペーシング・パルスを送出することは、電極102および104を共に用いて、またはハウジング82の導電性部分と共に電極102または104の何れかを用いることにより可能である。右心室および左心室内の所望のペーシング場所と、所望の電極構成を選択する装置の動作は、多サイト心房ペーシングに関して図1を参照して上記で説明した方法と類似の方法で達成できる。
【0027】
図4は、本発明によるペースメーカーの別の実施形態を示している。ペースメーカー120は概して、図1、2および3のペースメーカー10、40および80それぞれに対応しており、ペースメーカーの電池および回路を含む密封された囲い122と、ペーシング・リード132、134および136のコネクタ・アセンブリ126、128および130を受けるコネクタ・ブロック124とを含む。ペーシング・リード132および134は、図3のペーシング・リード90および92に対応し、ペーシング電極138、140、150および152を有する。リード136には4個の電極142、144、146および148が設けられており、電極142および144を用いた左心房のペーシングと、電極146および148を用いた左心室のペーシングを可能にしている。本発明のこの実施形態においては、装置は心房および心室内のペーシング場所の中からペーシング場所を選択することができ、心房ペーシングに用いられる電極を選択する際に用いる、図1を参照して説明した基本的メカニズムに従って、心房の何れかまたは両方および/または心室の何れかまたは両方におけるペーシングを達成するための電極構成の中から電極構成を選択することができる。
【0028】
図5は、本発明と共に用いるのに適したパルス生成器の第1の実施形態のブロック図である。図示したブロック図は、図1に示したようなペースメーカーに特に有用であり、心房の多サイト・ペーシング向けである。同様に、図5に示した装置は、それのみで心室の多サイト・ペーシングにも適している。このペースメーカーは、データ/アドレス・バス208によってマイクロプロセッサ200に伝達される、リード・オンリ・メモリ(ROM)202内に記憶されたプログラムに基づいて、装置の動作を制御するマイクロプロセッサ200を含む。マイクロプロセッサ制御の下で、タイミングおよび制御回路206は、2つのペーシング・パルス増幅器210および212を用いてペーシング・パルスの送出の時間を指定し、感知増幅器222および224の発生を伝達する。本発明において採用された、頻拍性不整脈の発生の回数および時間に関する情報を含むペースメーカーの動作に関する情報は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)204によって達成される。
【0029】
マイクロプロセッサ200は、タイマ/制御回路206内の時間の経過に反応して、かつ、感知増幅器222および224によって検出される感知された事象の発生に反応して、ソフトウエア制御の下で、中断作動装置として動作する。遠隔回路(テレメトリ)230はアンテナ232と共に、装置と外部プログラマとの間の通信を可能し、それによって、医師は電極構成の所望のリストをメモリ204にプログラムすることができる。この装置の一般的動作方法は、たとえば、全体的に参照することにより本明細書に全て含めた、Gordon 他に付与された米国特許第4,404,972号、Haluska 他に付与された米国特許第4,830,006号、またはLanger 他に付与された米国特許第4,407,288号において開示されているような、多数の利用可能なマイクロプロセッサ制御心臓ペースメーカーの何れかに対応することができる。特に、この装置の動作は概して、やはり全体的に参照することにより本明細書に含めた、Mehra 他に付与された米国特許第5,411,524号に記載された装置に対応することができる。
【0030】
図5に示した装置は、本発明の方法によりデータ/アドレス・バス208を介してマイクロプロセッサ200の制御の下で動作するスイッチ・マトリックス226を提供することにより、上記の特許および多サイト・ペーシングの特許を開示した上記で引用した参考文献における装置の動作とは異なる。スイッチ・マトリックス226は、あらゆる所望の組み合わせまたは構成で、電極214、216、218および220をペーシング・パルス生成器210および212、ならびに感知増幅器222および224と接続するように動作する。
【0031】
たとえば、電極214および216は図1の電極24および26に対応することができ、一方、電極218および220は図1の電極28および30に対応することができる。電極228は装置のハウジングに対応することができる。両心房を同時にペーシングする装置の動作と共に、左右両方の心房のペーシングを提供するために、スイッチ・マトリックス226はパルス生成器210を電極214および216と連結することができ、パルス生成器212を電極218および220と連結することができる。代替的に、パルス生成器210は、両心房の同時ペーシングを達成するために、ペーシング・パルスを電極214と電極220との間で送出しながら、これらを連結することもできるであろう。同様に、装置は、電極214および216並びに2つの出力増幅器222または224の何れかのみを用いて、一方の心房のみをペーシングするか、電極218および220並びにパルス生成器210および220の何れかを用いて、2つの心房のうち他方をペーシングするために採用することもできる。同様に、装置は、一方の心室に隣接して電極214および216を設け、他方の心室に隣接して電極218および220を設けることにより、患者の心臓の心室の何れか一方または両方をペーシングするために採用することもできる。
【0032】
マイクロプロセッサ200は、リード・オンリ・メモリ(ROM)302に記憶されたプログラムの制御下で、装置によって要求される様々な頻拍性不整脈の検出機能を実施し、両方の従来の徐脈ペーシング形式において、不整脈防止ペーシング両方に関する医師の指定した優先順位つきのリストに従って、ペーシング・パルスのタイミングおよび送出を制御する役割も果たす。不整脈検出メカニズムは、抗不整脈ペースメーカー、埋め込み式カーディオバータ、および埋め込み式ディフィブリレータを含む、先行技術の埋め込み式抗不整脈装置において採用されているメカニズムの何れかに対応することができる。本発明と共に用いるのに適した不整脈検出方法の例は、全体的に参照することにより本明細書に全て含めた、Gillberg 他に付与された米国特許第5,755,736号、Olson 他に付与された米国特許第5,545,186号、Fain 他に付与された米国特許第5,730,141号、およびMurphy 他に付与された米国特許5,379,776号に記載された方法を含む。本発明と共に、様々な既知の不整脈検出方法および利用可能な不整脈検出方法の何れかを採用できることを理解されたい。
【0033】
マイクロプロセッサ200およびそれと関連づけられたプログラムによって実施できる不整脈防止ペーシング両方は、たとえば、全体的に参照することにより全て本明細書に含めた、Funkeに付与された米国特許第3,937,226号、Kahnに付与された米国特許第4,354,497号、Mehraに付与された米国特許第5,683,429号、Mehraに付与された米国特許第4,941,471号、Denkerに付与された米国特許5,545,185号、Hess 他に付与された米国特許第5,713,929号、Adams 他に付与された米国特許第5,158,079号、およびHillに付与された米国特許第5,403,356号に開示されたものに対応することができるが、それらのペーシング形式のいくつかは多サイト・ペーシング電極システムを用いても送出することができるものである。本発明と共に採用される多サイト・ペーシング療法は、何らかの頻拍性不整脈の発生を防止する際にも貴重な場合がある、心房および/または心室内の多数のサイトに送出される従来の除脈ペーシング療法、ならびに多数のサイトに送出される上記の不整脈防止ペーシング形式を含むものと理解すべきである。採用することができ更に別の多サイト・ペーシング療法は、たとえば、やはり全体的に参照することにより全て本明細書に含めた、Mower 他に付与された米国特許第4,928,688号、Verboven−Nelissenに付与された米国特許第5,720,768号、Salo 他に付与された米国特許第5,584,868号、Duffinに付与された米国特許第5,243,978号、およびCohenに付与された米国特許第5,267,560号に記載されたものを含む。
【0034】
不整脈検出方法および多サイト不整脈防止ペーシング方法の対応するセットは、図6および図7に示したペースメーカーにおいて提供されるマイクロプロセッサおよびそれに関連づけられたプログラムによって定められており、ペースメーカーに含まれる利用可能な数の入力増幅器およびパルス生成器出力回路によって必要とされる範囲に制約されているものと理解されたい。
【0035】
図6は、心室ペーシングと共に多サイト心房ペーシングを提供するか、心房ペーシングと共に多サイト心室ペーシングを提供するために用いることができるペースメーカーの実施形態であり、図2および図3に示したものに対応している。マイクロプロセッサ300、RAM304、ROM302、データ/アドレス・バス308、タイミング/制御回路306、出力増幅器310および312、入力増幅器322および324ならびにスイッチ・マトリックス326は全て、概して、図5のマイクロプロセッサ200、RAM204、ROM202、データ/アドレス・バス208、タイミング/制御回路206、出力増幅器210および212、入力増幅器222および224ならびにスイッチ・マトリックス226に対応している。遠隔測定回路330はアンテナ332と共に、装置と外部プログラマとの間の通信を可能にしており、それによって、医師は、電極構成の所望のリストをメモリ304にプログラムすることができる。装置の動作は、一方または両方の心房をペーシングするために増幅器310を、一方または両方の心室をペーシングするために増幅器312を、心房脱分極を感知するために感知増幅器322を、心室脱分極を感知するために感知増幅器324を用いて、DDD、DVI、VDD、DDIなどの二重ペーシング・モードを提供するために、マイクロプロセッサ300がタイミング/制御回路302を動作させることを可能にするプログラムがROM302に記憶されている点で、図6に示した動作とは異なる。
【0036】
心室ペーシングと共に多サイト心房ペーシングを望む場合には、たとえば、電極314を右心房に隣接して設け、電極316を左心房に隣接して設け、電極318および320を右心室に設けることができる。電極328は装置のハウジングに対応することができる。両心房のペーシングは、心房ペーシング増幅器310を電極314と電極316との間でペーシングするように連結することにより達成でき、一方、右心房を個別にペーシングすることは、出力増幅器310を電極314および328に連結することにより達成でき、左心房を個別にペーシングすることは、増幅器310を電極310および328に連結することにより達成できる。心室のペーシングは、電極318および320を増幅器312に連結することにより達成できる。
【0037】
心房ペーシングと共に多サイト心室ペーシングを望む場合には、これは、電極314および316を右心房に設け、電極318を右心室に設け、電極320を左心室に隣接して設けることにより達成できる。心房ペーシングは増幅器310を電極314および316に連結することにより達成でき、一方、左右の心室を同時にペーシングすることは、パルス生成器312を電極218および320に連結し、それらの間でペーシングすることにより達成できる。右心室を個別にペーシングすることは、増幅器312を電極318および328に連結することにより達成でき、一方、左心室を個別にペーシングすることは、増幅器312を電極320および328に連結することにより達成できる。心房および心室の両方で多サイト・ペーシングを望む場合には、電極314を左右の信号にそれぞれ設け、電極318および320を左右の心室にそれぞれ設け、心房または心室の何れか一方または両方におけるペーシングを選択するために、上記のようにスイッチ・マトリックスを採用することができる。
【0038】
図7は、上記のペーシング形式の何れかを達成できるペースメーカーのブロック図である。図7のペースメーカーは、左右の心房および左右の心室のそれぞれに適用される個別の電極対と共に、個別の出力増幅器が左右の心房のそれぞれおよび左右の心室のそれぞれに設けられることを除いて、概して図5のペースメーカーに対応している。マクロプロセッサ400、RAM404、ROM402、データ/アドレス・バス408、タイミング/制御回路406、パルス生成器410および412、感知増幅器422および424ならびにスイッチ・マトリックス426は、概して、図6のマイクロプロセッサ300、RAM304、ROM302、データ/アドレス・バス308、タイミング/制御回路306、パルス生成器310および312、増幅器322および324ならびにスイッチ・マトリックス326に対応する。遠隔測定回路(テレメトリ)442はアンテナ444と共に、装置と外部プログラマとの間の通信を可能にし、それによって、医師は、電極構成の所望のリストをメモリ304にプログラムすることができる。図7の装置は、2つの追加増幅器428および430の付加および追加電極432、434、436および438の付加において、ならびに、心室または心房の一方または両方のペーシングを許容にするために、スイッチ・マトリックス426が4個の出力増幅器の電極対への接続を可能にするのに必要な、スイッチのそれに対応する数の増加によって異なる。たとえば、図4に示したペースメーカーに対応するペースメーカーを提供するために、電極414および416は左心房に設けることができ、電極418および420は左心房に隣接して設けることができ、電極432および434は右心室に設けることができ、電極436および438は左心室に隣接して設けることができる。電極440は装置のハウジングに対応することができる。パルス生成器420、430、410および412は、各チャンバに隣接して設けられた何れかの電極対を用いて、あるいは各チャンバに隣接して1つずつ設けられた電極間でペーシングすることにより、または各チャンバに隣接して設けられた電極と装置の囲いとの間でペーシングすることにより、左右の心房および左右の心室の一方または両方のペーシングを許容するために、スイッチ・マトリックス426を介して選択的に接続することができる。
【0039】
図1から図7の何れかの装置に構造的に対応できる本発明の第1の実施形態による、装置の動作の第1の方法を示した機能フローチャートである。図8は、マイクロプロセッサの動作を制御する、装置のメモリ内に記憶されたプログラムのサブセットを示おり、本発明の特定の実施形態に応じて、心房または心室の脱分極の感知に続く装置の動作を反映する。本発明による装置は、心房ペーシングが利用可能である場合には感知された心房事象に続いて、心室ペーシングが利用可能である場合には感知された心室事象に続いて、または心房および心室ペーシングが共に利用可能である場合には、心房および心室の両方の事象に続いて、図8に示した方法を採用することができる。
【0040】
500での脱分極の感知に反応して、マイクロプロセッサは、頻拍性不整脈が現在起きているかどうかを判断するために記憶された情報を用いることができるように、感知された脱分極の種類と、感知された脱分極を、同じチャンバまたは他のチャンバの以前の脱分極と分離する期間を記録する。504で、装置は頻拍性不整脈が起きているかどうかを判断するためにチェックを行う。たとえば、頻拍性不整脈の存在は、感知されているチャンバ内の拍動数が規定の閾値の上で、少なくとも規定の時間にわたって持続していることにより確認できる。代替的に、上記で引用した米国特許に記載されたものを含む、あらゆる他の既知の不整脈または頻拍性不整脈の検出アルゴリズムを採用してもよい。
【0041】
504で頻拍性不整脈が検出されない場合には、装置は506で、上記のように、頻拍性不整脈の発生が観察される拡張期間が経過したかどうかを判断するためにチェックを行う。この拡張期間は少なくとも数日であることが好ましく、少なくとも数週間であることが更に好ましい。時間が経過した場合には、510でタイマが再設定され、それに対応して頻拍性不整脈の発生のカウントが510で再設定され、装置は508で、以前に選択した電極構成を用いて心房および/または心室をペーシングすることに戻る。
【0042】
504で頻拍性不整脈が検出された場合には、装置は、検出された頻拍性不整脈の第1の短い期間の前に発生した事象が、頻拍性不整脈が検出されたチャンバ内のペーシングされた事象であったかどうかを判断するために、512で、任意選択でチェックを行うことができる。もしそうであれば、頻拍性不整脈の検出された発生のカウントが514で上げられる。そうでなければ、装置は、上記のように、506で長い期間が経過したかどうかを判断するためにチェックを行う。代替的に、ステップ512は省略してもよく、装置は、頻拍性不整脈が検出されたチャンバにおいて、頻拍性不整脈の前に送出されたペーシング・パルスがあるかどうかにかかわらず、頻拍性不整脈が検出される度に、頻拍性不整脈の発生のカウントを上げることができる。512で示されたステップを含めることは、心臓ペーシング・パルスの送出によって開始されたであろう頻拍性不整脈をより正確に識別する傾向にあるという点で、患者によっては好ましい場合があるものと思料する。
【0043】
516で、頻拍性不整脈発生の増加されたカウントは予め設定された閾値と対照してチェックされ、カウントが予め設定された閾値を超えていなければ、マイクロプロセッサは506で、拡張期間が経過したかどうかを判断するためにチェックを行い、上記のとおり進む。しかし、検出された頻拍性不整脈のカウントが516で規定の閾値を超えていなければ、マイクロプロセッサは518で、頻拍性不整脈の発生頻度および/または継続時間、現在の頻拍性不整脈防止療法および装置の現在の電極構成に関する情報を記録する。たとえば、マイクロプロセッサは、それと関連づけられたランダム・アクセス・メモリに、現在有効な療法、頻拍性不整脈が検出されるチャンバをペーシングするために採用される特定の電極、電極の極性、必要数の頻拍性不整脈の発生が検出された時間の範囲を記録することができる。上記のように、この情報は、既存の不整脈防止療法および/または電極構成が、他の利用可能な療法および/または電極構成よりも良好に機能しているかどうかを判断するために、後に用いることができる。
【0044】
拡張期間および頻拍性不整脈のカウントは520で再設定され、522で、マイクロプロセッサは、削減された頻拍性不整脈発生の機会を提供する療法および/または電極構成が利用可能であるかどうかを判断するためにチェックを行う。定義によって、医師によって装置内にプログラムされた構成のリスト上にある、試みられていない療法および/または電極構成は、削減された頻拍性不整脈発生の可能性を提供するものとみなされる。代替的に、マイクロプロセッサによって記録された情報に基づいて、より低い頻拍性不整脈発生を提供した、以前に試みられた不整脈防止療法および/または電極構成も、削減された頻拍性不整脈発生の可能性を提供するものとみなされる。試みられていない療法および電極構成がない場合には、単位時間当たりの最低の頻拍性不整脈発生を有する療法および/または電極構成が採用されるであろう。524で、不整脈防止療法および/または電極構成および/または選択されたペーシング・サイトは適当に変更され、装置は、その新たに選択された療法および/または電極構成を用いて動作を続ける。他の療法および電極構成に関する、マイクロプロセッサによって記憶された履歴情報が、より低い頻拍性不整脈発生の機会を示していない場合には、装置は508で、現在の療法および電極構成を用いて動作を続け、頻拍性不整脈の発生を観察し続ける。上記のメカニズムによって、時間が経って心臓の不整脈基質が変わると、ペースメーカーは、ペースメーカーによって採用される頻拍性不整脈防止療法、ペーシング・サイト、および/または様々なペーシング・サイトで採用される電極構成を最適化する能力を自動的に有する。
【0045】
図9は、本発明によるペースメーカーの動作の代替的方法を示した機能フローチャートであり、これは図1から図7の何れかの装置に構造的に対応することができる。図8に示した動作の方法と同様に、装置のリード・オンリ・メモリに記憶されたソフトウエアのこの部分が、感知された心房または心室の脱分極に反応して600で入力され、脱分極に関する関連情報が602で記録される。604で、マイクロプロセッサは、頻拍性不整脈が始まったかどうかを判断するためにチェックを行う。始まっていれば、マイクロプロセッサは606で、図8を参照して上記で説明したように、検出された頻拍性不整脈の前にペーシングされた拍動があったかどうかを判断するために任意選択でチェックを行う。もしあれば、614で、頻拍性不整脈の開始時間が記録される。上記のように、ペーシングされた拍動が前にあるか否かにかかわらず、装置は代替的に頻拍性不整脈の開始を記録してもよい。何れの場合にも、次に装置は608で、拡張期間が608で経過したかどうかを判断するためにチェックを行う。経過していれば、装置は610で、拡張期間および頻拍性不整脈発生の総継続時間を再設定する。何れの場合にも、次に装置は612で、以前に採用した電極構成を用いて動作を継続する。
【0046】
604で頻拍性不整脈が検出されない場合、または以前に604で頻拍性不整脈が検出されて続いている場合には、装置は618で、頻拍性不整脈の終了が検出されたかどうかを判断するためにチェックを行う。検出されていなければ、装置は608で、拡張期間が経過したかどうかを判断し、上記のように動作を続ける。一方、頻拍性不整脈の終了が検出されたならば、装置は620でその終了を記録し、622で頻拍性不整脈発生の総継続時間の累積計測値を更新するために、開始の時間と終了の時間との間の差を用いる。
【0047】
624で、マイクロプロセッサは、頻拍性不整脈発生の総継続時間を予め設定された閾値Yと比較する。累積された頻拍性不整脈発生の総継続時間がYを超えない場合には、608で拡張期間が経過したかどうかを判断するために前に戻ってチェックを行い、上記のように動作を続ける。しかし、検出された頻拍性不整脈発生の総継続時間が予め設定された閾値を超えている場合には、現在有効な抗頻拍性不整脈ペーシング療法および/または電極構成に関する情報が、頻拍性不整脈発生の指定された総累積継続時間を検出するために要する時間の長さを含む、検出された頻拍性不整脈に関する情報と共に626で記録される。この情報は、上記のように、現在有効な療法および/または電極構成を、他の利用可能な療法および/または電極構成と比較する際に用いられる。拡張期間および頻拍性不整脈発生の総継続時間の計測値は628で再設定され、装置は上記のように、削減された頻拍性不整脈の頻度の可能性を提供する療法および/または電極構成が利用可能であるかどうかを判断するためにチェックを行う。利用可能であれば、ペースメーカーは632で新たな療法および/または電極構成を選択し、装置は612で、新たに選択された療法および/または電極構成を用いて動作を継続する。マイクロプロセッサによって記録された履歴情報に基づいて、他の利用可能な療法および/または電極構成が、頻拍性不整脈の総継続時間の削減の可能性を提供しないようであれば、装置は612で、現在有効な不整脈防止療法および電極構成を用いるその以前の動作に戻る。
【0048】
図10は、図1から図7の装置に構造的に対応できる、本発明によるペースメーカーの動作の第3の方法を示した機能フローチャートである。この実施形態において、ペースメーカーは、単一の不整脈防止療法および/または単一の代替的電極構成、たとえば、従来の徐脈ペーシング・モード、上記のような単一または多数のサイトでの拍動数安定ペーシング、または上記で引用した特許に記載された他の不整脈防止ペーシング形式の何れかを用いた多サイト・ペーシングを備えている。この実施形態においては、装置は、不整脈防止療法が無効にされている間の不整脈発生の頻度または継続時間と対比される、不整脈防止療法が行われている間の不整脈発生の頻度および/または継続時間に基づいて、不整脈防止療法の送出および/または代替的電極構成の使用が適切であるかどうかを単に判断するだけである。
【0049】
本発明のこれらの実施形態による装置の動作は、700で初期化されて、それに702での拡張期間T1の再設定が続く。この場合における拡張期間は通常、少なくとも数日間に及ぶ。この期間中に、装置は、たとえば、検出された頻拍性不整脈の累積継続時間、頻拍性不整脈発生の頻度、または図8および図9を参照して上記で説明したペーシング・パルスに続いて検出された頻拍性不整脈の頻度または継続時間の場合がある、検出された頻拍性不整脈と関連づけられたパラメータ「X」を観察する。代替的に、以下で説明するように、これらのパラメータの組み合わせを用いてもよい。装置は、710で期間T1が経過するか、観察されたパラメータの値が716で、検出された頻拍性不整脈の指定された頻度または継続時間を示す閾値X2を超えるまで、選択された頻拍性不整脈のパラメータの値を観察し続ける。T1の経過時に、装置は、計測された頻拍性不整脈のパラメータの値Xiが、上記のようにX2よりも小さく設定された規定の閾値X1を超えているか判断するためにチェックを行う。超えていなければ、装置は、頻拍性不整脈の発生が、不整脈防止療法および/または代替的電極構成の使用を正当化するには十分ではないと判断し、頻拍性不整脈防止療法および/または代替的電極構成は706で無効にされ、装置は708で、この工程を出て通常の徐脈型不整脈ペーシング機能に入る。
【0050】
一方、頻拍性不整脈の計測値Xiが期間T1中にX1を超えるか、X2を超えた場合には、期間T1の経過前に、拡張期間の開始からの時間(T)および頻拍性不整脈パラメータ値(Xi)が714で記録される。不整脈防止療法および/または代替的電極構成が718で設定され、T1よりも短い場合がある第2の拡張期間T2に再度対応するように、720で拡張期間が再設定される。上記と類似の方法で、マイクロプロセッサは、期間T2が722で経過するか、または、頻拍性不整脈パラメータの計測値Xpが、X2よりも小さい場合がある規定された閾値X3を超えるかの何れかまで待機し、何れかの事象に続いて、726で、拡張期間X2の再設定からの時間(Tp)および不整脈パラメータの計測値(Xp)を記憶する。728で、マイクロプロセッサは、療法および/または代替的電極構成の使用中の、単位時間当たりの頻拍性不整脈の頻度または継続時間(Xp/Tp)を、療法がない場合の頻拍性不整脈の頻度または継続時間(Xi/Ti)と比較する。不整脈の頻度または継続時間が、不整脈防止療法および/または代替的電極構成の送出中に削減されない場合には、不整脈防止療法および/または代替的電極構成は732で無効にされ、装置は734でこの工程を出て通常の徐脈ペーシングに入る。一方、不整脈防止療法および/または代替的電極構成の使用中に頻拍性不整脈の発生が削減されれば、この療法および/または代替的電極構成は730で有効にされて、装置は734で初期化プログラムを出る。多数の頻拍性不整脈のパラメータが観察される場合には、これらは重み付けされて互いに組み合わされ、単一の閾値と比較されるか、各観察されたパラメータがそれ独自の閾値を有する場合がある。多数の閾値が用いられる場合には、装置は、1つ、数個または全ての閾値に達したことに反応して、必要レベルの不整脈が検出されたことを判断できる。
【0051】
図11は本発明のより綿密な動作方法を示した機能フローチャートであり、多数の不整脈防止療法および/または電極構成が、図1から図7の何れかの装置に構造的に対応できるペースメーカーに含まれている。上記のように、利用可能な動作モードは、単一サイト不整脈防止ペーシング療法、従来の徐脈ペーシング・モードを採用した多サイトペーシング療法、および従来の徐脈ペーシング・モードに対応しない専門化された多サイト不整脈防止ペーシング療法を含むことができる。装置の動作は最初に、図10に記載された装置の動作に対応する。この実施形態による装置の動作は800で初期化され、拡張期間T1は802で開始される。T1の間に、装置は、上記のように頻拍性不整脈の頻度または継続時間の場合がある、頻拍性不整脈の発生と関連づけられたパラメータ「X」を、810でのT1の経過まで、または816で観察されたパラメータの現在値(Xi)が規定の閾値(X2)を超えるまで観察する。代替的に、図10を参照して上記で説明したように、これらのパラメータの組み合わせを用いてもよい。T1の経過時に、観察された頻拍性不整脈のパラメータXの値が、X2よりも低い第2の閾値X1を超えなければ、装置は806で、不整脈防止療法および/または代替的電極構成が必要ではないと判断して、808で従来の徐脈ペースメーカーでの動作に戻る。計測された頻拍性不整脈のパラメータの値Xiが、T1の経過時にX1を超えるか、T1の経過前にX2を超えれば、装置は、拡張期間の開始からの経過時間(T)および計測されたパラメータの値(Xi)を記憶する。
【0052】
この実施形態においては、医師が、「n」個の頻拍性不整脈防止療法および/または電極構成の優先順位つきリストを提供したものと想定しており、装置は、その中の頻拍性不整脈の相対的な発生頻度または継続時間を計測するために、規定された拡張期間にわたってそれらを連続的に用いる。上記のように、これらの療法および電極構成は、不整脈防止療法に取り組む上記で引用した様々な特許の何れかによる、パルスの送出のタイミング、パルスの送出の条件および電極の場所および極性の点で、互いに異なる場合がある。評価される療法および/または電極構成の数「n」は818で1に等しく設定され(リスト上の最初の療法および/または電極構成)、その療法および/または電極構成は820で有効にされる。上記のように、拡張期間T2を定めるためにタイマは822でリセットされて、その期間中に、上記のとおりに不整脈パラメータ「X」が観察される。期間T2の経過時、または観察されたパラメータの値(Xn)が828で高い方の閾値X3を超えた時点で、装置は830で、装置の最も望ましい動作を後に選択するために用いることができるように、拡張期間T2の開始からの時間(Tn)、および現在有効にされている不整脈防止療法および/または電極構成と関連づけられた、観察されたパラメータの値(Xn)を記憶する。装置は次に832で、nがmよりも大きく、有効な療法がリスト上で最後の療法および/または電極構成であることを示しているかどうかを判断するためにチェックを行う。そうでなければ、820で次の連続的療法および/または電極構成を作動できるように、834でnが増大される。
【0053】
この工程は、経過時間(T)および観察された不整脈パラメータ(Xn)に関する対応する値が、m個の利用可能な不整脈防止療法および/または電極構成のそれぞれについて収集されるまで継続する。このとき、装置は836で、単位時間当たりの不整脈の継続時間または頻度を比較して、単位時間に検出された最低の不整脈の発生頻度または継続時間を有する療法および/または電極構成を選択する。工程は初期化シーケンスから838で出て、装置は選択された頻拍性不整脈防止モードにおいて動作を続ける。最初の療法および/または電極構成の選択に続いて、所望であれば、上記で図8および図9を参照して説明したように動作してもよい。選択機能と共に、何れのm個の頻拍性不整脈防止療法および/または代替的電極構成も、単位時間当たりの頻拍性不整脈の削減された頻度または継続時間を提供しない場合には、装置は全ての頻拍性不整脈防止療法を無効にして、838で通常の徐脈ペーシングに戻ることを理解されたい。
【0054】
図10を参照して説明した実施形態におけるように、多数の頻拍性不整脈のパラメータが観察されるのであれば、これらは重み付けされて互いに組み合わされ、単一の閾値と比較されるか、各観察されたパラメータはそれ独自の閾値を有する場合がある。多数の閾値が用いられるのであれば、装置は、1つ、数個または全ての閾値に達したことに反応して、必要レベルの不整脈が検出されたことを判断できる。
【0055】
図11を参照して上記で説明したように、装置の動作および最初の不整脈防止療法の選択が提供された場合には、装置は、図8および図9において説明されているように、本発明の以前に説明した実施形態に関して記載した方法によって連続的に動作でき、頻拍性不整脈のレベルの上昇に反応して、頻拍性不整脈防止療法および/またはそれと関連づけられた電極と極性のセットを定期的に変更し、可能であれば、より低い頻拍性不整脈の発生を提供する、代替的療法および/または電極と極性のセットを選択する。代替的に、頻拍性不整脈防止療法または代替的電極構成を選択するか、図10および図11の実施形態を参照して上記で説明したように、何れも必要でないと判断した後に、装置は、第1および第2の拡張期間よりも大幅に長い第3の拡張期間を定める。この第3の期間の経過時に、装置は、頻拍性不整脈防止療法および/または代替的電極構成が望ましかどうか、および望ましい場合にはどれを採用すべきかを再度判断するために、上記の動作のシーケンスを繰り返すことができる。
【0056】
図12は、本発明による装置が、選択された不整脈防止ペーシング形式の特定のパラメータを最適化できるメカニズムを示した機能フローチャートである。装置は、上記のように、図1から図11で説明したメカニズムに従って最適不整脈防止ペーシング形式を選択した後に、図12のフローチャートに従って動作できる。代替的に、装置は、上記の図1から図11のフローチャートによる装置の動作と共に、図12のフローチャートに従って動作することができる。たとえば、装置は、図1から図11による装置によって評価される、各選択された不整脈ペーシング防止形式のパラメータを最適化することを試みるので、不整脈防止ペーシング形式の評価は、特定のペーシング形式について利用可能な設定のうち最善のものを考慮することができる。かかる状況においては、装置は、利用可能な不整脈防止ペーシング形式のうち好適なものの選択の後に、図12に従って動作を続けることが好ましいであろう。
【0057】
900で、図1から図11を参照して上記で説明したプログラムまたはメカニズムの何れかによって、不整脈防止ペーシング形式が選択される。不整脈防止ペーシング形式のパラメータの初期設定は、たとえば、上記で引用したMehra特許またはDenker特許に記載されたよう拍動数安定化アルゴリズムにおける前のV−V、V−R、R−VまたはR−R間隔に付加される増分、または上記のHess特許に記載されたような心房オーバードライブ・ペーシング形式における、感知されたP−PまたはA−P間隔に対する減分、あるいはペーシングされたA−A間隔に対する増分の調整、または上記のような多サイト・ペーシング・アルゴリズムにおける異なったペーシング・サイトでのペーシング・パルスの送出の間における時間遅延に対する調整である。また、904で、規定された端点範囲の値が設定され、以下で説明する特徴と共に用いられる任意選択のカウンタ「n」の値が1に設定される。規定された端点範囲は、たとえば、単位時間当たりの早すぎる心房または心室の事象の所定の最大数、単位時間当たりの心房徐細動などの不整脈発生の規定された最大数と最小数との間の範囲などとすることができる。906で、装置は時間間隔T1の刻時を開始し、この間に装置は、初期パラメータ設定で、選択された抗整脈ペーシング形式の成果を評価する。この期間中に、計測される距離、たとえば、早すぎる拍動、不整脈の発生などが908で観察される。910で時間間隔T1が経過すると、計測された距離に対応するEが計算される。たとえば、時間間隔T1が数日間に及び、計測された距離が1時間当たりの早すぎる拍動である場合には、計算された端点は、時間間隔T1の全継続時間にわたる1時間当たりの早すぎる拍動の平均的な発生を反映することができるか、あるいは、時間間隔T1の後の部分にわたる1時間当たりの早すぎる拍動の平均的な発生率を反映することができる。Enの計算後に、その値は規定された端点範囲と比較され、914で不整脈防止ペーシング形式の1つまたは複数のパラメータの設定を調整するために、計算された端点Enと規定された端点範囲との間の関係が用いられる。916で、任意選択のカウンタの値「n」が増やされて、新たな時間間隔T1が906で開始される。
【0058】
図13は、本発明による装置が不整脈防止ペーシング形式のパラメータを調整できる最も簡単なメカニズムの1つを示している。ここで、所望の端点範囲は、医師が不整脈事象の発生の許容可能なレベルの上限であると感ずる値によって定められるものと仮定する。計測された端点Enが規定された端点範囲の上限よりも大きい場合には、不整脈防止ペーシング形式のパラメータ設定は許容可能でないと判断され、パラメータは、防止ペーシング形式をより積極的にする、すなわち、不整脈の発生を防止する可能性をより高くするために、パラメータは規定された方向で調整される。たとえば、上記で引用したHess 他の特許におけるような、心房オーバードライブ・ペーシング・モードの調整の際には、自然な拍動の発生の相対的回数を減らすために、計測されたA−PまたはP−P間隔に対する減分を増加することができる。既に、Eの値が規定された端点範囲の上限未満である場合には、不整脈防止ペーシング形式のパラメータは許容可能であると判断され、調整されない。
【0059】
図14は、不整脈防止ペーシング形式のパラメータを調節する幾分か複雑なメカニズムを示しており、ここでは、所望の端点範囲はゼロでない上限および下限を定めている。装置が922で、図13のブロック918について説明した方法で、Enを所望の端点範囲の上限と比較し、924で不整脈防止ペーシング・パラメータに対応する調整を行う。しかし、この場合に、926でEnの計測値が規定された端点範囲の下限未満であれば、装置は928で、不整脈防止ペーシング形式のパラメータを反対方向に調整し、患者の過剰処置を回避するために、療法の積極性を低下させる。
【0060】
たとえば、計測された距離が早すぎる心室脱分極の発生であり、不整脈防止ペーシング形式が、上記のDenker特許およびMehra特許に関して説明したような拍動数安定化ペーシングであれば、所望の端点範囲を超える多数の心室拍動が、次に続くペーシング間隔を定めるために前のR−R、V−V、R−VまたはV−R間隔に付加される増分の減少を引き起こす場合がある。その結果、早すぎる心室脱分極の発生を防止する能力が高められることになるが、これは送出されるペーシング・パルスの数が増加することが犠牲になっている。逆に、早すぎる心室拍動の回数が規定された端点範囲未満である場合には、前の計測されたR−R、V−R、R−VまたはV−V間隔に付加される増分の値を増やすことができ、自然な心室拍動の可能性が高まり、必要な送出されるペーシング・パルスの数が減少する。このように、装置は、早すぎる拍動の発生の削減と、心臓ペーシング・パルスの送出の増加に関連づけられたドレンの増加との間の均衡を反映するように、不整脈防止ペーシング形式のパラメータを最適化することができる。
【0061】
類似のメカニズムは、より同時的な脱分極を誘導し、早すぎる拍動または不整脈の発生を防止するために、心臓の心房または心室内の多数のサイトにペーシング・パルスを送出する装置について採用することができる。たとえば、装置に関して上記で説明したように、心房内の多数のサイトと関連づけられているか、心室内の多数のサイトと関連づけられているペーシング電極および感知増幅器を提供することができる。かかる装置においては、他のサイトで感知された脱分極に反応した1つのサイトでのペーシング・パルスの送出、または、他のサイトでのペーシング・パルスの送出に反応した1つのサイトでのペーシング・パルスの送出は、全体的に参照することにより本明細書に含めた、Mowerに付与された米国特許第4,928,688号において説明されているように、規定された比較的短い逸脱間隔の経過後に発生する場合がある。この場合に、第1の場所での感知またはペーシングを、第2の場所でのペーシング・パルスのそれに続く送出を分離する間隔が長いほど、第2の場所でのペーシング・パルスが抑制される可能性が高くなる。このようにして動作する装置においては、装置は不整脈の発生頻度を観察することができ、規定された端点範囲を超える不整脈の発生頻度に対応する、計測された端点Enに応じて、より積極的な抗不整脈ペーシング形式を提供するために、1つのサイトでの感知またはペーシングと第2のサイトでのペーシング・パルスのそれに続く送出との間の逸脱間隔の継続時間を短縮することができる。逆に、926で不整脈の発生頻度が規定された端点範囲En未満であれば、第1の場所での感知またはペーシングされた事象と、第2の場所でのペーシング・パルスのそれに続く送出との間の逸脱間隔を増加させることができ、送出されるペーシング・パルスの数を減らすことができる。
【0062】
図15は、図14のものと類似のパラメータ調整方法を示しているが、結果として得られる端点Enが所望の端点範囲内にある状況においてさえ、不整脈防止ペーシング療法の積極性の上昇を許容する、以前に計測された端点En−1に対比される最近に計測された端点Enによって反映されるように、計測された距離の増加に反応する能力を付加されている。このフローチャートにおいては、機能ブロック930、932、934、および936は、図14の機能ブロック922、924、926および928にそれぞれ正確に対応している。図14に示したメカニズムの機能性に加え、計測された端点Enが規定された端点範囲内にあるとの判断に反応して、装置は936で、最近に計測された端点Enが、以前に計測された端点En−1プラス規定されたデルタよりも大きいかどうかを判断するためにチェックを行う。大きい場合には、計測された端点Enが930で所望の端点範囲の外に合った場合と同じ方法で、不整脈防止療法の積極性は940で高められる。
【0063】
図16は、規定された必要な成果レベルを満たせないことを自ら証明した不整脈防止ペーシング形式を終了するために、端点Enによって反映される、計測される距離を採用できるメカニズムを示している。918、922または930(それぞれ図14、図15、図16)で、計測された端点Enが規定された端点範囲を超えているとの判断に続いて、装置は942で、不整脈防止ペーシング形式の調整されたパラメータが、それらの最高レベルの積極性にあるかどうか、およびそれらが一連の「X」T1計測期間にわたって最大の積極性レベルにあったかどうかを判断するためにチェックを行う。そうでなければ、装置は次に進んで、上記で図13から図15を参照して説明したように、不整脈防止ペーシング形式のパラメータを調整する。そうであれば、装置は、前の一連の「Y」T1計測期間にわたって、Enの値が規定された端点範囲を超えていたかどうかを判断するためにチェックを行う。超えていなければ、装置は、図13から図15を参照して説明したように、引き続きパラメータを調整する。装置が、前の一連の計測期間T1にわたって、その不整脈防止ペーシング・パラメータを最も積極的な設定にした状態で動作し、前のyT1間隔にわたって、計測された端点Enの値を許容可能なレベルに低下させることに成功した場合には、装置は、現在有効な不整脈防止ペーシング形式が、その所望の結果を達成することに成功する見込みはないと判断して、有効な不整脈防止ペーシング形式を946で無効にするか、代替的不整脈防止ペーシング形式においてスイッチを作動させる。利用可能なペーシング形式からの選択は、上記の図1から図11における説明に従って行うことができ、装置は948でこの工程から出て、利用可能な不整脈防止モードからの選択と関連づけられたソフトウエア内の適当な点に入る。新たな不整脈防止ペーシング形式の選択に続いて、装置は図12のフローチャートにおいて説明されているように動作することができ、新たに選択された不整脈防止ペーシング形式と関連づけられた、新たなに規定された所望の端点範囲、新たに規定された初期パラメータなどを採用する。
【0064】
図12以下を参照して説明したように動作する装置の特定の一実施形態は、以下のように実施することができる。ペースメーカーは、上記で引用したHess 他の特許に記載された心房オーバードライブ・ペーシング形式で動作するように構成できる。このペーシング・モードにおいては、装置は、次に続く心房逸脱間隔を以前のA−PまたはP−P間隔からプログラムされた減分(−デルタ)を引いた値に等しく設定することにより、心房脱分極の発生に対応し、感知された心房脱分極の発生、または新たな逸脱間隔での規定数(プラトー・ステップ)の連続的な心房ペーシング・パルスの送出の何れかまで、この逸脱間隔でペーシングを続ける。プラトー・ステップの完了前に、感知された心房脱分極が発生した場合には、新たな短縮された心房逸脱間隔が前述のように計算される。プラトー・ステップが完了すれば、心房逸脱間隔はプログラムされた増分(+デルタ)だけ増やされ、装置は、心房脱分極が感知されるか新たなプラトー・ステップが完了するまで、この新たな逸脱間隔でペーシングする。この工程は、プログラムされた上下の拍動数によって制限されながら、一般的には固有の心房拍動数の若干上でしかない拍動数で心房オーバードライブ・ペーシングを提供し続ける。
【0065】
本発明によれば、装置は次のように動作できる。まず、オーバードライブ・ペーシング・モードが、50msecの+デルタ、20msecの−デルタ、および10鼓動のプラトー・ステップで起動される。1つまたは複数の計測された距離の端点範囲は、ペーシング・モード・パラメータの更に積極的な設定への調節を引き起こすために、1つまたは複数の対応する計測された端点(En)が規定された範囲の上になるように、医師のプログラムにより定められる。たとえば、平均PAC/日<=200およびAF発生/日<=2の端点範囲を定めることができる。この実施形態においては、<=85bpmの規定された平均心室拍動数を定めることもでき、ペーシング・パラメータのより積極的でないセットへの調整を作動させ、ペーシング・モード・パラメータのより積極的な設定への調整を防止するために採用することができる。観察期間T1は24時間に設定できる。
【0066】
最初の24時間の間に、名目値に設定されたペーシング・モードでデータが収集される。たとえば、計測された端点(En)は、平均PAC/日=5000およびAF/日=10で、平均V拍動数=72bpmになるであろう。PAC/日およびAF/日の一方または両方が規定の許容可能範囲を超えているために、ペーシング・パラメータはより積極的になるように調整される。たとえば、アルゴリズム値に対する次のような変更になる場合がある。+デルタ=60msec(10msec増加)、−デルタ=10msec(10msec減少)、プラトー・ステップ=20拍動(10拍動増加)。これらの変更の何れか1つが行われるか、これらの変更の全てが、ペーシング・モードの積極性を高めるのと同時に行われる場合がある。新たに開始された24時間のT1期間中に、新たな設定のペーシング・パラメータでデータが収集される。新たな計測端点は、平均PAC/日=100、AF/日=0、平均V拍動数=75bpmになるであろう。これらの値の全てが規定された範囲内にあるので、パラメータ値はこの期間について設定されたままである。
【0067】
代替的に、データがPACおよびAFについては上記と同じであるが、V拍動数は90bpmであると仮定する。その場合に、ペーシング・パラメータは、たとえば+デルタ値を下げ、−デルタ値をあげ、かつ/またはプラトー・ステップを上げることにより、より積極的でなくすることができる。この工程は、医師によってペーシング・モードがプログラムから外されるまで継続することができる。代替的に、許容可能な端点計測値が得られない場合には、この工程は自動終了することができる。たとえば、装置は、規定された範囲内の端点を有さなかった、規定数(1以上)の連続的T1期間にわたって最も積極的か最も積極的でない設定のままになるまで、ペーシング・モードを最適化する試みを続けることができ、この期間の後に、装置自体が心房オーバードライブ・ペーシング・モードを無効にする。
【0068】
図12以下を参照して説明した装置の動作の別の実施形態は、次のように実施することができる。上記で引用したHill 他の特許に記載されているように、ペースメーカーは心房拍動数安定化ペーシングと呼ばれる、心房拍動数安定化ペーシング形式で動作するように構成できる。このペーシング・モードにおいて、装置は、次に続く心房逸脱間隔を以前のA−A、A−P、P−AまたはP−P間隔に、プログラムされた上下の拍動数によって抑制された、プログラムされた増分(%デルタ)を加算した値に等しく設定することにより、心房脱分極の発生または送出された心房ペーシング・パルスに反応する。%デルタは、心房事象間における、前に計測された間隔に対するプログラムされたパーセンテージとして計算される。
【0069】
上記で引用したHill 他の特許に記載の心房拍動数安定化ペーシングを採用した本発明による装置の動作は、次のようになる行うことができる。端点範囲は<=200PAC/日で、観察期間T1は3日に設定できる。心房拍動数安定化に関する名目%デルタは、前の計測A−A、A−P、P−AまたはP−P間隔の25%に設定できる。計測された端点が2000PAC/日であれば、その後、%デルタに関するより積極的な値=20%、15%などを用いることができる。計測された端点が100PAC/日であるとすれば、ASアルゴリズムのパラメータは調整されないであろう。装置はまた、心房オーバードライブ・ペーシング・モードについて上記で説明した方法に類似の方法で、PACを削減するために効果的でなければ、心房拍動数安定化ペーシングを自動的に終了するように構成してもよい。
【0070】
心房拍動数安定化ペーシングを制御する代替的数値または付加的な数値は、%デルタの変化を引き起こすRR可変性の計測値とすることができる。たとえば、特定の観察期間(T1)にわたって、RR可変性が平均R−R間隔またはメジアンR−R間隔の30%であるとすれば、洞不整脈内への心房ペーシングの量を最小にするために、心房拍動数安定化ペーシングの積極性の上昇を無効にすることができ、%デルタをより積極的でない値である40%に高めることができるであろう。RR可変性端点範囲のこのような変化は、上記のように、平均V拍動数が心房オーバードライブ・ペーシング・モードにおける過度の平均心室拍動数を防止する役割を果たすのと同じ方法で、心房拍動数安定化ペーシング・モード用の安全メカニズムとしての役割を果たすことができる。
【0071】
実用的な目的のために、本発明を採用した装置の商業的実施は一般的に、上記のようにマイクロプロセッサ制御のペースメーカーの形式を採るものと思料するが、本発明およびその関連機能は、上記の基本的機能が保持される限り、ペーシング業界において広範に慣用されている完全な特注デジタル集積回路、または市販の個別の構成部品または回路から製造された装置の形式に基づくペースメーカーによっても容易に実施できる。したがって、ここに開示した実施形態は、特許請求の範囲に関して限定的であると考えるべきではなく、例示的であると考えるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による多サイト心房ペースメーカーを示した図である。
【図2】
本発明による多サイト心房、単一サイト心室ペースメーカーを示した図である。
【図3】
本発明による単一サイト心房、多サイト心室ペースメーカーを示した図である。
【図4】
本発明による多サイト心房、多サイト心室ペースメーカーを示した図である。
【図5】
本発明を実施する際に用いるのに適した心臓ペースメーカーの第1の実施形態のブロック機能図である。
【図6】
本発明を実施する際に用いるのに適した信号ペースメーカーの第2の実施形態のブロック機能図である。
【図7】
本発明を実施する際に用いるのに適した心臓ペースメーカーの第3の実施形態のブロック機能図である。
【図8】
本発明の好適な実施形態の第1のセットによる、ペースメーカーの基本動作を示した機能フローチャートである。
【図9】
本発明の好適な実施形態の第2のセットによる、ペースメーカーの基本動作を示した機能フローチャートである。
【図10】
本発明の好適な実施形態の第3のセットによる、ペースメーカーの基本動作を示した機能フローチャートである。
【図11】
本発明の好適な実施形態の第4のセットによる、ペースメーカーの基本動作を示した機能フローチャートである。
【図12】
本発明が、選択された不整脈防止ペーシング・モードのパラメータを最適化できるメカニズムを示した機能フローチャートである。
【図13】
図12の機能フローチャート内における、不整脈防止ペーシング形式のパラメータを調整する代替的メカニズムを示している。
【図14】
図12の機能フローチャート内における、不整脈防止ペーシング形式のパラメータを調整する代替的メカニズムを示している。
【図15】
図12の機能フローチャート内における、不整脈防止ペーシング形式のパラメータを調整する代替的メカニズムを示している。
【図16】
現在有効な不整脈防止ペーシング・モードを無効にするか変更するために、図12から図15の機能フローチャート共に採用することができるメカニズムを示した部分機能フローチャートである。

Claims (24)

  1. 第1の長い期間にわたって、第1のセットの電極を用いて、頻拍性不整脈防止ペーシング・モードで患者の心臓をペーシングする手段と、
    前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードの成功の数値を定める手段と、
    前記第1の長い期間にわたり前記数値を観察する手段と、
    前記観察された数値に反応して、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードを調節する手段とを含む、心臓ペースメーカー。
  2. 前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードを調整する前記手段は、異なったセットの電極で前記患者の心臓をペーシングする手段を含む、請求項1に記載のペースメーカー。
  3. 前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードを調整する前記手段は、異なった頻拍性不整脈防止ペーシング・モードで前記患者の心臓をペーシングする手段を含む、請求項1に記載のペースメーカー。
  4. 前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードを調整する前記手段は、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードのパラメータを調整する手段を含む、請求項1に記載のペースメーカー。
  5. 前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードを調整する前記手段は、前記観察された数値に応じて、前記不整脈防止ペーシング・モードの動作を中断する手段を含む、請求項1に記載のペースメーカー。
  6. 成功の数値を定める前記手段は、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードの成功の数値に関する所望の範囲の手段を含み、
    前記反応手段は、前記範囲の外に出る前記観察された数値に反応して、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードの積極性を変更するように、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードのパラメータを調整する手段を含む、請求項1に記載の心臓ペースメーカー。
  7. 前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードの積極性を変更するように、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードのパラメータを調整する前記手段は、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードの積極性を高めるように、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードのパラメータを調整する手段を含む、請求項6に記載のペースメーカー。
  8. 前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードの積極性を変更するように、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードのパラメータを調整する前記手段は、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードの積極性を低めるように、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードのパラメータを調整する手段を含む、請求項6に記載のペースメーカー。
  9. 持続的に前記範囲の外に出る前記観察された数値に反応して、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードの動作を中断する手段を含む、請求項6、7または8に記載のペースメーカー。
  10. 持続的に前記範囲の外に出る前記観察された数値に反応して、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードの動作を中断する手段は、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードがその最も積極的な状態である間に、持続的に前記範囲の外に出る前記観察された数値に反応して、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードの動作を中断する手段を含む、請求項9に記載のペースメーカー。
  11. 持続的に前記範囲の外に出る前記観察された数値に反応して、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードの動作を中断する手段は、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードがその最も積極的でない状態である間に、持続的に前記範囲の外に出る前記観察された数値に反応して、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードの動作を中断する手段を含む、請求項9に記載のペースメーカー。
  12. 前記ペーシング手段は、前記第1の電極セットを用いて、ペーシング・パルスを前記患者の心臓内の第1のサイトに送出する手段を含み、
    前記観察手段は、前記第1の長い期間にわたって頻拍性不整脈の発生を観察する手段を含み、
    前記反応手段は、前記長い期間中の規定のレベルを超える頻拍性不整脈の発生に反応して、第2の長い期間にわたって最初にペーシングされなかったサイトをペーシングするために、前記第1の長い期間中に使用されなかった電極を用いて、前記患者の心臓を続いてペーシングする手段を含む、請求項1に記載のペースメーカー。
  13. 前記ペーシング手段は、前記第1の電極セットを用いて、前記患者の心臓の2つのサイトをペーシングする手段を含み、
    前記観察手段は、1日超える日数にわたる第1の長い期間にわたって、頻拍性不整脈の発生を観察する手段を含み、
    前記反応手段は、前記第1の長い期間中の規定のレベルを超える頻拍性不整脈の発生に反応して、前記第1の長い期間中に用いられた前記第1のセットの電極の少なくとも1つを使用することを止め、第2の長い期間にわたって、前記第1の長い期間中にペーシングされた前記ペーシングされたサイトの1つのペーシングを止める手段を含む、請求項1に記載のペースメーカー。
  14. 前記第2の長い期間にわたって、頻拍性不整脈の発生を観察する手段と、
    前記第2の長い期間中にペーシングを行いながら、頻拍性不整脈の発生に関する情報を記録する手段と、
    前記第1および第2の長い期間中に、前記記録された情報を比較する手段とを含む、請求項12または請求項13に記載のペースメーカー。
  15. 前記比較手段に反応して、最低の頻拍性不整脈の発生を有する前記第1および第2の長い期間の一方におけるようにペーシングを行うために、続いて電極を採用する手段を含む、請求項14に記載のペースメーカー。
  16. 前記ペーシング手段は、前記第1の長い期間中に、第1の頻拍性不整脈防止モードでペーシングを行う手段を含み、
    前記観察手段は、前記第1の長い期間にわたって頻拍性不整脈の発生を観察する手段を含み、
    前記反応手段は、前記長い期間中における規定のレベルを超える頻拍性不整脈の発生に反応して、前記頻拍性不整脈防止ペーシング・モードでのペーシングを止める手段を含む、請求項1に記載の心臓ペースメーカー。
  17. 前記第1の頻拍性不整脈防止ペーシング・モードを用いたペーシングの中止後に、第2の頻拍性不整脈防止ペーシング・モードで心臓をペーシングする手段を更に含む、請求項16に記載のペースメーカー。
  18. 前記ペーシング手段は、前記第1の長い期間にわたって第1の頻拍性不整脈防止ペーシング・モードで患者の心臓をペーシングする手段と、第2の長い期間にわたって第2の頻拍性不整脈防止ペーシング・モードで前記患者の心臓を続いてペーシングする手段とを含み、
    前記観察手段は、前記第1および第2の長い期間にわたって頻拍性不整脈の発生を観察する手段を含み、
    前記反応手段は、前記第1の長い期間中の頻拍性不整脈の発生よりも少ない、前記第2の長い期間中の頻拍性不整脈の発生に反応して、前記第2の頻拍性不整脈防止ペーシング・モードを用いてペーシングを作動する手段を含む、請求項1に記載の心臓ペースメーカー。
  19. 前記観察手段は、前記第1の長い期間中の頻拍性不整脈の発生をカウントする手段を含む、請求項1乃至請求項18の何れか一項に記載のペースメーカー。
  20. 前記観察手段は、前記第1の長い期間中の頻拍性不整脈の累積継続期間を計測する手段を含む、請求項乃至請求項19の何れか一項に記載のペースメーカー。
  21. 前記観察手段は、ペーシング・パルスの送出にに続いて直ちに始まる頻拍性不整脈の発生を観察する手段を含む、請求項乃至請求項20の何れか一項に記載のペースメーカー。
  22. 前記第1の長い期間中の頻拍性不整脈の発生に関する情報を記録する手段を更に含む、請求項乃至請求項21の何れか一項に記載のペースメーカー。
  23. 前記第1の長い期間は少なくとも1日の期間にわたる、請求項乃至請求項22の何れか一項に記載のペースメーカー。
  24. 前記第1の長い期間は少なくとも数日の期間にわたる、請求項乃至請求項23の何れか一項に記載のペースメーカー。
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