JP2004361492A - カラーフィルタ基板及びその製造方法、電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液滴吐出技術を用いてカラーフィルタを作製する場合に、異なる色のフィルタ要素間で混色が発生するのを防止する。
【解決手段】基材2と、基材2の表面を複数の表示用ドット領域6に区分けするバンク4と、複数の表示用ドット領域6内に設けられる複数の色のフィルタ要素9g,9b,9rとを有するカラーフィルタ基板である。異なる色のフィルタ要素9g,9b,9r間に存在するバンク4の幅d2は、同じ色のフィルタ要素間に存在するバンク4の幅d1よりも広い。1つの領域6でフィルタ材料が溢れても、それが異なる色の領域へ侵入することを防止できる。
【選択図】 図1
【解決手段】基材2と、基材2の表面を複数の表示用ドット領域6に区分けするバンク4と、複数の表示用ドット領域6内に設けられる複数の色のフィルタ要素9g,9b,9rとを有するカラーフィルタ基板である。異なる色のフィルタ要素9g,9b,9r間に存在するバンク4の幅d2は、同じ色のフィルタ要素間に存在するバンク4の幅d1よりも広い。1つの領域6でフィルタ材料が溢れても、それが異なる色の領域へ侵入することを防止できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー表示を行う際に用いられるカラーフィルタ基板及びその製造方法に関する。また本発明は、液晶装置やエレクトロルミネッセンス装置等といった電気光学装置及びその製造方法に関する。また本発明は、携帯電話機、携帯情報端末機、PDA(Personal Digital Assistant)等といった電子機器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機、携帯情報端末機、PDA等といった電子機器に、液晶装置やエレクトロルミネッセンス装置等といった電気光学装置が広く用いられている。例えば、電子機器に関する各種の情報を視覚的に表示するために電気光学装置が用いられている。
【0003】
電気光学装置として液晶装置を考えた場合、その液晶装置によってカラー表示を行うときには、その液晶装置の内部にカラーフィルタ基板が設けられる。カラーフィルタ基板は、例えば、透光性のガラス等によって形成された基材上にカラーフィルタを形成することによって作製される。カラーフィルタとは、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色のフィルタ要素や、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3色のフィルタ要素を平面内に所定の配列で並べることによって形成された光学要素である。
【0004】
電気光学装置としてエレクトロルミネッセンス装置を考えた場合、このエレクトロルミネッセンス装置の内部には、一般に、カラーフィルタ基板とエレクトロルミネッセンス基板が設けられる。そして、このエレクトロルミネッセンス基板は、例えば、透光性のガラス等によって形成された基材上に、複数の発光要素をマトリクス状に配列することによって形成される。
【0005】
ところで、基材上にカラーフィルタを形成してカラーフィルタ基板を作製する際、すなわち、基材上に複数のフィルタ要素を形成する際に、従来、インクジェット技術、すなわち、液滴吐出技術を利用して基材上にフィルタ要素の材料を供給する方法が知られている。この方法によれば、基材上にバンク等と呼ばれる区分け要素を形成して該基板上を複数の領域に区分けし、次に、ノズルからフィルタ材料を液滴として吐出して上記の領域内に供給し、さらにこれを乾燥して溶剤を蒸発させて所望のフィルタ要素を形成する(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、R,G,Bの各色フィルタ要素をストライプ配列で並べると共に、R,G,Bのうち異なる色のフィルタ要素間の間隔と、同じ色のフィルタ要素間の間隔とを、ほぼ同じ距離に設定するカラーフィルタ基板が知られている(例えば、特許文献2参照)。なお、R,G,Bのうちの異なる色のフィルタ要素間の間隔が、同じ色のフィルタ要素間の間隔よりも狭く設定される構成のカラーフィルタ基板も、従来から、知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−372614(第6頁、図1)
【特許文献2】
特開2001−100022(図3)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液滴吐出技術を用いてカラーフィルタ基板を製造する際、液滴を吐出する領域を区分けしているバンクの幅、すなわち、互いに隣り合う領域間の間隔が、上記した従来の場合のように、異なる色のフィルタ要素間で狭く、同じ色のフィルタ要素間で広く設定されたり、あるいは、異なる色のフィルタ要素間と同じ色のフィルタ要素間とでほぼ同じに設定されたりすると、ノズルから吐出された、ある1色のフィルタ材料がバンクを越えて隣の領域に侵入してしまい、その結果、混色が発生してカラーフィルタの品質が低下するおそれがある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、液滴吐出技術を用いてカラーフィルタを作製する場合に、異なる色のフィルタ要素間で混色が発生するのを防止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係るカラーフィルタ基板は、基材と、該基材の表面を複数の表示用ドット領域に区分けする区分け要素と、前記複数の表示用ドット領域内に設けられる複数の色に着色されてなるフィルタ要素とを有するカラーフィルタ基板において、異なる色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅は、同じ色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅よりも大きいことを特徴とする。
【0011】
上記構成において、「基材」は、例えば、透光性のガラスや透光性のプラスチック等によって形成される。また、「区分け要素」は、例えば、基材上に突出するバンクや、基材上に形成される撥インク層によって構成される。この撥インク層は、基材の表面からほとんど突出することなく形成することができる。バンクは、基材上に突出することにより基材表面における液状のフィルタ要素の材料の流れを阻止する。また、撥インク層は、基材表面にける液状のフィルタ要素の材料の流れを撥インク性によって阻止する。
【0012】
また、「フィルタ要素の材料」、すなわちフィルタ材料は、R(赤)、G(緑)、B(青)や、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の色を有する材料によって構成される。この材料の材質は、特別のものに限定されないが、例えば、各色顔料とレジン等の透明材を含有する各色着色材料と、エチレングリコール等といったグリコール系の溶媒とから成る液状物とすることができる。また、顔料、界面活性剤及び溶媒によって構成される固形分を適宜の溶媒に溶かすことによって構成された液状物とすることもできる。
【0013】
また、区分け要素によって区分けされる領域の個々には、R,G,Bの3色から選択される1色の材料や、C,M,Yの3色から選択される1色の材料が供給される。R,G,Bの3つの領域の集まり又はC,M,Yの3つの領域の集まりによって1つの画素が形成される。
【0014】
上記構成より成る本発明のカラーフィルタ基板の製造方法によれば、異なる色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅が同じ色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅よりも広く設定されるので、ある1色のフィルタ材料を1つの領域内に吐出したとき、その液滴は、区分け要素を隔てた同じ色のフィルタ材料の領域に侵入することはあるかもしれないが、区分け要素を隔てた異なる色のフィルタ材料の領域に侵入することはない。そのため、異なる色のフィルタ要素間で混色が発生することを防止できる。
【0015】
次に、本発明のカラーフィルタ基板において、前記複数の色のフィルタ要素はストライプ配列で並べられることが望ましい。ストライプ配列とは、図1に示すような配列であって、R,G,Bのうちの同じ色が縦方向に1列に並び、異なる色が横方向に順番に1つずつ繰り返して変化して並ぶ配列である。しかしながら、フィルタ要素の配列の仕方は、ストライプ配列以外に種々提案されており、それら種々の配列の中で、ストライプ配列と同様に、同じ色のフィルタ要素が隣り合うことがあり、同時に異なる色のフィルタ要素が隣り合うこともあるような配列に関しては、ストライプ配列と同様に本発明を適用できる。
【0016】
次に、本発明のカラーフィルタ基板において、前記フィルタ要素は液滴吐出部から液滴として吐出されたフィルタ材料によって形成されることが望ましい。液滴吐出部とは、液状物を液滴として吐出する技術である液滴吐出技術においてその液滴が吐出される部分のことである。液滴吐出技術は特定の構造に限定されるものではないが、例えば、インクジェット技術として知られている液滴吐出構造を用いることが好ましい。この場合には、インクジェット用のノズルが本発明における液滴吐出部に相当する。
【0017】
上記のインクジェット技術は、例えば、インク貯留室に圧電素子及びノズルを付設し、圧電素子の振動によるインク貯留室の体積変化に応じてノズルからインク、すなわち液状物を液滴として吐出する技術であることが好ましい。また、インクジェット技術は、例えば、インク貯留室内に貯留されたインクを加熱によって膨張させることによりノズルからインクを液滴として吐出する技術とすることもできる。
【0018】
液滴吐出技術を用いて基材上に各色のフィルタ要素を形成する際には、区分け要素によって区分けされた複数の領域のそれぞれに、フィルタ材料が液滴として供給される。この場合、液滴が吐出される複数の領域に関して互いに隣り合うもの同士の間隔が狭いとすると、ある1つの領域に液滴を吐出してその領域からフィルタ材料が溢れたときに、その溢れたフィルタ材料が隣の領域に侵入してしまうおそれがある。
【0019】
この場合、溢れたフィルタ材料と隣りの領域に在るフィルタ材料とが同じ色である場合には、特に、問題が生じないが、それらが互いに異なる色である場合には、混色が発生し、カラーフィルタ基板の品質が低下するおそれがある。このことに関し、本発明では、同じ色のフィルタ要素間は狭く設定し、異なる色のフィルタ要素間は広く設定するので、フィルタ材料が領域から溢れても、混色の発生を低く抑えることができる。
【0020】
次に、本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法は、基材上を複数の表示用ドット領域に区分けする区分け要素を形成する工程と、異なる色の液状のフィルタ材料を前記複数の表示用ドット領域内へ液滴吐出部から液滴として吐出して供給する工程とを有し、前記区分け要素を形成する工程では、異なる色のフィルタ材料が供給される表示用ドット領域間に存在する区分け要素の幅が、同じ色のフィルタ材料が供給される表示用ドット領域間に存在する区分け要素の幅よりも広くなるように、前記区分け要素を形成することを特徴とする。
【0021】
上記構成より成る本発明のカラーフィルタ基板の製造方法によれば、異なる色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅が同じ色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅よりも広く設定される構造のカラーフィルタ基板を製造できる。このカラーフィルタ基板によれば、ある1色のフィルタ材料を1つの領域内に吐出したとき、その液滴は、区分け要素を隔てた同じ色のフィルタ材料の領域に侵入することはあるかもしれないが、区分け要素を隔てた異なる色のフィルタ材料の領域に侵入することはない。そのため、異なる色のフィルタ要素間で混色が発生することを防止できる。
【0022】
本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法において、前記液滴吐出部は前記基材に対して相対的に平行移動しながら液滴を吐出し、前記液滴吐出部の相対移動方向は同じ色のフィルタ要素が並ぶ方向であることが望ましい。液滴吐出部の移動方向が同色のフィルタ要素が並ぶ方向に限定されれば、1つの色のフィルタ材料の一部分、例えば飛沫、が他の色のフィルタ要素の領域に入ることを確実に防止できる。
【0023】
また、本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法において、前記液滴吐出部は前記複数の表示用ドット領域の1つずつに対してフィルタ材料の液滴を複数、供給することが好ましい。通常のインクジェット技術では、1つの表示用ドット領域内に1回の液滴吐出で所定量のフィルタ材料が供給されることは少なく、複数回の液滴吐出によって所定量のフィルタ材料が1つの表示用ドット領域内に供給されることが多い。本発明のカラーフィルタ基板の製造方法によれば、そのように1つの表示用ドット領域に対して複数回の液滴吐出が行われる場合でも、異なるフィルタ材料間での混色を防止できる。
【0024】
また、本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法において、前記複数の色のフィルタ要素は図1に示すようなストライプ配列で並べられることが好ましい。このストライプ配列は、本発明の製造方法によってフィルタ材料間での混色を防ぐ上で非常に有効である。
【0025】
次に、本発明に係る電気光学装置は、以上に記載した構成のカラーフィルタ基板と、該カラーフィルタ基板上に設けられた電気光学物質とを有することを特徴とする。電気光学物質とは、電界が作用したときに光に対する特性が変化する物質のことであり、例えば、液晶装置においける液晶や、エレクトロルミネッセンス装置における発光要素等である。本発明の電気光学装置によれば、それに用いられるカラーフィルタ基板において、異なる色のフィルタ要素間で混色が発生することを防止できるので、電気光学装置は混色の無い鮮明な表示を行うことができる。このような電気光学装置としては、例えば、液晶装置、エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置等が考えられる。
【0026】
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、以上に記載した構成のカラーフィルタ基板の製造方法を実施する工程と、カラーフィルタ基板上に電気光学物質を設ける工程とを有することを特徴とする。本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法によれば、異なる色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅が同じ色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅よりも広く設定される構造のカラーフィルタ基板を製造できる。
【0027】
このカラーフィルタ基板によれば、ある1色のフィルタ材料を1つの領域内に吐出したとき、その液滴は、区分け要素を隔てた同じ色のフィルタ材料の領域に侵入することはあるかもしれないが、区分け要素を隔てた異なる色のフィルタ材料の領域に侵入することはない。そのため、異なる色のフィルタ要素間で混色が発生することを防止できる。従って、このカラーフィルタ基板を用いた本発明の電気光学装置の製造方法によれば、混色の無い、鮮明なカラー表示を行うことができる電気光学装置を製造することが可能となる。
【0028】
次に、本発明に係る電子機器は、以上に記載した構成の電気光学装置と、該電気光学装置の動作を制御する制御手段とを有することを特徴とする。この電子機器は本発明に係る電気光学装置を有するので、例えば、電子機器に関する各種の情報を表示するための表示部においてその電気光学装置を用いれば、混色の無い、鮮明なカラー表示を行うことができる。このような電子機器としては、携帯電話機、携帯情報端末機、PDA、デジタルカメラ、その他各種の機器が考えられる。
【0029】
次に、本発明に係る電子機器の製造方法は、以上に記載した構成の電気光学装置の製造方法を実施する工程を有することを特徴とする。本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、混色の無い、鮮明なカラー表示を行うことができる電気光学装置を製造することが可能となるので、その方法を1つの工程として有する本発明の電子機器の製造方法によれば、混色の無い、鮮明なカラー表示を行うことができる表示部等を有する電子機器を製造することが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(カラーフィルタ基板及び電気光学装置の実施形態)
以下、本発明に係るカラーフィルタ基板の一実施形態及びそれを用いる電気光学装置の一実施形態を説明する。この説明では、電気光学装置として液晶装置、特に、単純マトリクス方式で半透過反射方式の液晶装置を例示する。そして、その液晶装置に好適に用いられるカラーフィルタ基板を例示する。なお、本発明がこの実施形態に限定されるものでないことは、もちろんである。
【0031】
図2は、液晶装置の一実施形態であって、スイッチング素子を用いない単純マトリクス方式であり、且つ、反射型表示と透過型表示を選択的に行うことができる半透過反射型の液晶装置を示している。
【0032】
ここに示す液晶装置51は、液晶パネル52に照明装置56及び配線基板54を付設することによって形成されている。液晶パネル52は、矢印A方向から見て長方形状又は正方形状の第1基板57aと、矢印A方向から見て同じく長方形状又は正方形状の第2基板57bとを、矢印A方向から見て環状のシール材58によって貼り合わせることによって形成されている。
【0033】
第1基板57aと第2基板57bとの間には間隙、いわゆるセルギャップが形成され、そのセルギャップ内に液晶が注入されて液晶層55を形成している。符号69はセルギャップを維持するためのスペーサを示している。なお、観察者は矢印A方向から液晶装置51を観察する。
【0034】
第1基板57aは、透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成された第1基材61aを有する。この第1基材61aの液晶側の表面には、反射膜62が形成され、その上に絶縁膜63が形成され、その上に第1電極64aが形成され、その上に配向膜66aが形成されている。また、第1基材61aの照明装置56側の表面には第1偏光板67aが、例えば貼着によって装着されている。
【0035】
第1基板57aに対向する第2基板57bは、透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成された第2基材61bを有する。この第2基材61bの液晶側の表面には、カラーフィルタ68が形成され、その上に第2電極64bが形成され、その上に配向膜66bが形成されている。また、第2基材61bの外側の表面には第2偏光板67bが、例えば貼着によって装着されている。
【0036】
第1基板57a側の第1電極64aは図2の左右方向へ延びる線状電極である。また、第1電極64aは複数本形成されていて、それらは紙面垂直方向へ互いに平行に並べられている。つまり、複数の第1電極64aは、矢印A方向から見てストライプ状に形成されている。
【0037】
また、第2基板57b側の第2電極64bは、図2の紙面垂直方向に延びる線状電極である。また、第2電極64bは複数本形成されていて、それらは図2の左右方向へ互いに平行に並べられている。つまり、複数の第2電極64bは、第1電極64aに直交する方向へ延びるストライプ状に形成されている。
【0038】
第1電極64aと第2電極64bとは矢印A方向から見て多数のマトリクス状に並ぶ点で交差しており、これらの交差点が表示のためのドット領域を構成している。R,G,Bの3色や、C,M,Yの3色のフィルタ要素から成るカラーフィルタを用いてカラー表示を行う場合には、上記のドット領域の1つずつにそれら3色のうちの1つずつが対応して配置され、3色の集まりが1つのユニットになって1画素を構成する。そして、その画素の多数が矢印A方向から見てマトリクス状に並ぶことにより、有効表示領域Vが形成され、この有効表示領域Vの領域内に文字、数字、図形等といった像が表示される。
【0039】
表示の最小単位である表示用ドット領域に対応して、反射膜62に開口71が形成されている。これらの開口71は、照明装置56から供給される面状の光を透過させて、透過型の表示を実現する。なお、透過型の表示を行うにあたっては、反射膜62に開口71を設けることだけに限られず、例えば、反射膜62の膜厚を薄くすることによっても透過型の表示を実現できる。
【0040】
第1基材61aは第2基材61bを越えて外側へ張り出す張出し部70を有している。第1基板57a側の第1電極64aはシール材58を横切ってその張出し部70上に延び出て配線65となっている。また、張出し部70の辺縁には外部接続端子49が形成されている。配線基板54は、その外部接続端子49に導電接続されている。第2基板57b側の第2電極64bは、シール材58の内部に分散された導通材59を介して第1基板57a側の配線65に接続されている。なお、導通材59は、図2ではシール材58の幅寸法とほとんど同じ寸法で描いてあるが、実際は、導通材59はシール材58の幅よりも小さくなっており、そのため、シール材58の幅方向には複数の導通材59が存在するのが普通である。
【0041】
張出し部70の表面において、配線65と外部接続端子49との間には駆動用IC53がACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)48によって接着されている。そして、このACF48により、駆動用IC53のバンプが配線65及び外部接続端子49に導電接続している。この実装構造により、配線基板54から駆動用IC53へ信号及び電圧が供給される。一方、駆動用IC53からの走査信号及びデータ信号が第1電極64aや第2電極64bへ伝送される。
【0042】
図2において、照明装置56は、観察側から見て液晶パネル52の背面に緩衝材78を挟んで配設され、バックライトとして機能する。この照明装置56は、基板77に支持された光源としてのLED(Light Emitting Diode)76と、導光体72とを有する。導光体72の観察側の表面には拡散シート73が設けられ、その反対側の面には反射シート74が設けられる。LED76を点状光源とする光は、導光体72の受光面72aから導光体72の内部に取り込まれ、その内部を伝播する間に光出射面72bから面状光となって出射する。
【0043】
上記構成より成る液晶装置51において反射型の表示が行われる場合には、太陽光、室内光等といった外部光が第2基板57bを通して液晶層55の内部に取り込まれ、反射膜62で反射した後、再び液晶層55へ供給される。一方、透過型の表示が行われる場合には、照明装置56のLED76が発光し、導光体72の光出射面72bから面状の光が出射し、反射膜62に設けた複数の開口71を通過した光が液晶層55へ供給される。
【0044】
液晶層55に光が供給されたとき、第1電極64a及び第2電極64bの一方に走査信号が与えられ、それらの他方にデータ信号が与えられると、当該データ信号が与えられた部分の表示用ドットに所定電圧が印加されて液晶が駆動され、当該表示用ドットに供給された光が変調される。このような変調が、有効表示領域V内の表示用ドットごと、換言すれば画素ごとに行われ、文字、数字、図形等といった希望する像がその有効表示領域V内に形成され、観察者によって矢印A方向から観察される。
【0045】
本実施形態の液晶装置51においては、第2基材61bと、その第2基材61bの表面に形成されたカラーフィルタ68とによって構成されるカラーフィルタ基板を有している。カラーフィルタ68は、その平面構造を図1に示すように、第2基材61bの表面を複数の表示用ドット領域6に区分けする区分け要素としてのバンク4と、各表示用ドット領域6の中に形成されたフィルタ要素9g,9b,9rとを有する。バンク4は、いわゆる格子状のパターンに形成され、従って、複数の表示用ドット領域6は行列状、すなわちマトリクス状に並んで形成されている。
【0046】
フィルタ要素9gは緑色の光を透過する膜要素であり、フィルタ要素9bは青色の光を透過する膜要素であり、そしてフィルタ要素9rは赤色の光を透過する膜要素である。これら複数のフィルタ要素9g,9b,9rは、いわゆるストライプ配列に並べられている。このストライプ配列では、R,G,Bのうちの同じ色が縦方向に1列に並び、異なる色が横方向に順番に1つずつ繰り返して変化して並ぶ。
【0047】
バンク4は、例えば、感光性樹脂を材料としてフォトリソグラフィ法に基づいた処理によって形成される。また、フィルタ要素9g,9b,9rは、例えば、インクジェット技術、すなわち液滴吐出技術を利用して形成される。液滴吐出技術とは、液状物を液滴状にして対象物に向けて噴射する技術であり、本実施形態では、R,G,Bの各色フィルタ材料が各表示用ドット領域6内へ液滴状に吐出される。
【0048】
本実施形態のカラーフィルタ基板は、図1に示すように、互いに隣り合う表示用ドット領域6の間、すなわち互いに隣り合うフィルタ要素9g,9b,9rの間、の縦方向のピッチがP1に設定され、縦方向の間隔がd1に設定される。また、横方向のピッチがP2に設定され、横方向の間隔がd2に設定される。そして、この場合、
d2>d1
に設定される。
【0049】
つまり、フィルタ要素9g,9b,9rのうちの異なる色のものの間に存在するバンク4の幅、すなわち間隔d2は、同じ色のものの間に存在するバンク4の幅、すなわち間隔d1よりも広く設定されている。例えば、P1=255μm、P2=85μm、d1=7μm、d2=15μmに設定される。
【0050】
本実施形態では、上記のように、各フィルタ要素9g,9b,9rがインクジェット技術を用いて形成される。このインクジェット技術では、液状物であるフィルタ材料が液滴の状態で各表示用ドット領域6へ向けて吐出される。このとき、図1の横列方向には異なる色のフィルタ材料が吐出されるので、仮に横列方向における領域間隔d2が狭いと、1つの領域6から材料が溢れた場合、その溢れた材料が隣りの領域6内に存在する異なる色の材料に混ざり、混色が発生するおそれがある。このような混色が発生すると、カラーフィルタの品質が非常に劣化する。なお、同じ色のフィルタ材料が並べられる縦列方向に関しては、仮に1つの領域へ向けて吐出された液滴の一部が誤って隣りの領域に入ったとしても、色が同じなので混色は生じない。
【0051】
本実施形態では、上記のように、異なる色間のバンク幅d2を同じ色間のバンク幅d1より広く設定したので、1つの領域6へ向けて吐出された液滴は、縦列方向に関しては隣りの領域6内へ侵入することはあっても、横列方向に関しては隣りの領域6内へ侵入することが無い。これにより、混色の発生を防止でき、それ故、各色が鮮明に色分けされた高品質のカラーフィルタが常に得られる。
【0052】
ところで、本実施形態では、上記のように、各色フィルタ要素9g,9b,9rがインクジェット技術、すなわち液滴吐出技術を用いて製造される。この技術では、インクジェットヘッド等といった液滴吐出部が複数の表示用ドット領域6の近傍でそれらの表示用ドット領域6に対して平行移動する間、すなわち走査移動する間、に液滴を吐出する。本実施形態では、この液滴吐出部の走査移動方向、すなわち描画方向は、矢印Dで示すように、同じ色のフィルタ要素が並ぶ方向である縦列方向に決められている。一般に、1つの領域6へ向けて液滴吐出部から吐出された液滴が誤って隣りの領域6へ入ってしまう可能性は、液滴吐出部の走査移動方向の方がそれに直角の方向よりも高くなる。従って、本実施形態のように、液滴吐出部の走査方向を同じ色のフィルタ要素が並ぶ方向に設定しておけば、混色の発生をより一層低減できる。
【0053】
(変形例)
図2の実施形態では、半透過反射型で単純マトリクス方式の液晶装置に本発明を適用した。しかしながら、本発明は、これ以外に、反射型表示機能を持たない半透過型の単純マトリクス方式の液晶装置や、透過型表示機能を持たない反射型の単純マトリクス方式の液晶装置や、TFD(Thin Film Diode)等といった2端子型のスイッチング素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶装置や、TFT(Thin Film Transistor)等といった3端子型のスイッチング素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶装置等といった各種の液晶装置に適用できる。
【0054】
(カラーフィルタ基板の製造方法の実施形態)
以下、本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法を一実施形態を挙げて説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されるものでないことは、もちろんである。また、これから説明するカラーフィルタ基板の製造方法は、図5(k)に示すカラーフィルタ基板1を製造するものとする。
【0055】
カラーフィルタ基板の製造方法の説明に先立って、まず、その製造方法を実現できる製造装置について簡単に説明する。図6は、そのようなカラーフィルタ基板の製造装置の一例を示している。この製造装置201は、フィルタ形成部202と、フィルタ材料供給部203と、冷却保存部204とを有する。フィルタ形成部202は、ベース206と、このベース206上に設置されたX方向駆動系207xと、同じくベース206上に設置されたY方向駆動系207yとを有する。
【0056】
X方向駆動系207xは、駆動モータ211と、その駆動モータ211によって駆動されて自身の中心軸線を中心として回転するネジ軸212とを有する。ネジ軸212には、記録ヘッド213がネジ嵌合している。駆動モータ211が作動してネジ軸212が正時計回転又は反時計回転すると、それにネジ嵌合する記録ヘッド213が矢印X方向で往復移動する。
【0057】
Y方向駆動系207yは、ベース206上に固定されたネジ軸216と、そのネジ軸216に嵌合する嵌合部材を回転駆動する駆動モータ217と、この駆動モータ217に固定されたステージ218とを有する。フィルタ形成処理を受けるカラーフィルタ基板の基材2はステージ218上に載せられる。この場合、基材2は容易には位置ズレしないように固着されることが望ましい。なお、基材2は、図2における第2基材61bと同じもの又はその第2基材61bの複数個分の面積を有する大面積の基材、いわゆるマザー基材である。Y方向モータ217が作動して上記の嵌合部材が正時計回転又は反時計回転すると、ステージ218がネジ軸216にガイドされて矢印Y方向で往復移動する。Y方向は上記のX方向に直角の方向である。
【0058】
Y方向駆動系207yを構成するネジ軸216上にはクリーニング装置208が配設され、このクリーニング装置208と一体なモータ209の出力軸がネジ軸216にネジ嵌合している。モータ209を作動させてクリーニング装置208を記録ヘッド213の所まで搬送すれば、このクリーニング装置208によって記録ヘッド213をクリーニングすることができる。
【0059】
フィルタ材料供給部203には加熱手段としてのヒータ221が配設されている。フィルタ材料を貯留した容器222は、このヒータ221によって囲まれる空間内に置くことができるようになっている。また、容器222と記録ヘッド213とはパイプ223によってつながっている。このパイプ223を通して、容器222内の液状物、すなわちフィルタ材料が記録ヘッド213内へ供給される。
【0060】
なお、本実施形態においてR,G,Bの3色によってカラーフィルタを形成する場合には、製造装置201がR色用、G色用、B色用の3種類用意されて、それらが別々の場所に設置され、個々の製造装置201の容器222の中にはR,G,Bのそれぞれの色のフィルタ材料が1色ずつ収容される。
【0061】
冷却保存部204は、冷媒ガスを用いた周知の冷蔵庫226によって構成されている。この冷蔵庫226は少なくとも容器222を収容可能な容積を有している。また、この冷蔵庫226の適所には扉が設けられ、この扉を開ければ、容器222を内部へ収納できる。この容器収納時の作業性を考慮して、パイプ223は容器222から外せるようになっていることが望ましい。
【0062】
このカラーフィルタ基板の製造装置201は温度制御回路227を有する。この温度制御回路227は、作業者によって操作されるスイッチ等といった入力装置からの指示に従って、冷蔵庫226をON/OFF制御する。また、温度制御回路227は、容器222の近傍に配置した温度センサ228によって検知される容器222の温度情報、従って容器222内のフィルタ材料の温度情報に従って、ヒータ221への通電量を制御する。この通電量の制御によりヒータ221の発熱量を制御して、フィルタ材料の温度を制御する。本実施形態では、温度制御回路227は、冷蔵庫226によって冷却された容器222内のフィルタ材料を使用温度、例えば室温、例えば18℃〜26℃、好ましくは25℃〜26℃まで昇温させる機能を実現する。なお、冷蔵庫226は、専用のON/OFFスイッチによって作業者が希望に応じて独自にON/OFFできるようにしても良い。
【0063】
図6のフィルタ形成部202を構成する記録ヘッド213の底面には、例えば図8に示すようなインクジェットヘッド22が1つ又は複数設けられている。このインクジェットヘッド22は、ほぼ長方形状のケーシング20を有し、そのケーシング20の底面には複数のノズル27が設けられている。これらのノズル27は、直径約0.02〜0.1mm程度の微小な開口を有する。
【0064】
本実施形態では、複数のノズル27は2列にわたって設けられ、これにより、2本のノズル列28,28が形成されている。個々のノズル列28において、ノズル27は一定の間隔で直線上に設けられている。これらのノズル列28には、矢印Bで示す方向から液状物、すなわちフィルタ材料が供給される。供給されたフィルタ材料は圧電素子の振動に従って各ノズル27から微小な液滴として吐出される。なお、ノズル列28の個数は、1本又は3本以上であっても良い。
【0065】
インクジェットヘッド22は、図9に示すように、例えばステンレス製のノズルプレート29と、それに対向して配置された振動板31と、その両者を互いに接合する複数の仕切り部材32とを有する。また、ノズルプレート29と振動板31との間には、フィルタ材料を貯留するための複数の貯留室33と、フィルタ材料が一時的に溜る個所である液溜り34とが、各仕切り部材32によって形成されている。さらに、複数の貯留室33と液溜り34とが通路38を介して互いに連通している。また、振動板31の適所にフィルタ材料の供給孔36が形成されており、この供給孔36に図6のパイプ223を介して容器222が接続されている。容器222から供給されたフィルタ材料M0は、液溜り34に充填され、さらに、通路38を通って貯留室33に充填される。
【0066】
インクジェットヘッド22の一部を構成するノズルプレート29には、フィルタ材料を貯留室33からジェット状に噴射するためのノズル27が設けられている。このノズル27が複数個並べられてノズル列28を構成することは図8に関連して既述した通りである。これらのノズル27が本発明の液滴吐出部に相当する。また、振動板31において貯留室33に対応する面にはフィルタ材料を加圧するための加圧体39が取り付けられている。この加圧体39は、図10に示すように、圧電素子41及びこれを挟持する一対の電極42a及び42bを有している。
【0067】
圧電素子41は、電極42a及び42bへの通電によって矢印Cで示す外側へ突出するように撓み変形し、これにより貯留室33の容積を増大させる機能を有する。そして、貯留室33の容積が増大すると、その増大した容積分に相当するフィルタ材料M0が液溜り34から通路38を通って貯留室33内へ流入する。
【0068】
一方、圧電素子41への通電を解除すると、圧電素子41と振動板31とが共に元の形状に戻り、貯留室33も元の容積に戻る。そのため、貯留室33の内部にあるフィルタ材料の圧力が上昇し、ノズル27からフィルタ材料が液滴8となって吐出される。なお、液滴8は、フィルタ材料に含まれる溶剤等の種類にかかわらず、微小な液滴としてノズル27から安定して吐出される。
【0069】
図6のカラーフィルタ基板の製造装置201は、図7に示す制御装置90を有する。この制御装置90は、図6のフィルタ形成部202内のX方向モータ211、Y方向モータ217及び記録ヘッド213の各要素の動作を制御する。なお、製造装置201は、図6のクリーニング用モータ209の動作を制御する制御部も有するが、その制御部についての詳しい説明は省略する。
【0070】
制御装置90は、コンピュータによって構成された駆動信号制御部91と、コンピュータによって構成されたヘッド位置制御部92とを有する。これらの制御部は信号線97を通して互いに情報を共有できるようになっている。駆動信号制御部91は、記録ヘッド213を駆動するための波形S0をアナログアンプ93へ出力する。また、駆動信号制御部91は、フィルタ材料をいずれの位置に吐出するかを示すビットマップデータS1をタイミング制御部94へ出力する。
【0071】
アナログアンプ93は、上記の波形S0を増幅して中継回路95へ伝送する。タイミング制御部94は、クロックパルス回路を内蔵し、上記のビットマップデータS1に従って吐出タイミング信号S2を中継回路95へ出力する。中継回路95は、タイミング制御部94から送られた吐出タイミング信号S2に従って、アナログアンプ93から送られた波形S0を記録ヘッド213の入力ポートへ出力する。
【0072】
ヘッド位置制御部92は、X−Y制御回路96へ記録ヘッド213の位置に関する情報S3を出力する。X−Y制御回路96は、送られてきた記録ヘッド213の位置情報S3に基づいて、X方向における記録ヘッド213の位置を制御する信号をX方向モータ211に対して出力し、さらに、Y方向におけるステージ218の位置を制御する信号をY方向モータ217に対して出力する。
【0073】
駆動信号制御部91及びヘッド位置制御部92に関する以上の構成により、記録ヘッド213は、ステージ218に載置された基材2の希望の座標位置が到来したときにフィルタ材料を液滴として吐出し、これにより、基材2上の希望位置にフィルタ材料の液滴が着弾して塗布される。
【0074】
次に、図8に示したインクジェットヘッド22を用いて行われる、カラーフィルタ基板の製造方法について説明する。図3〜図5はその製造方法を構成する各工程を工程順に示している。また、図5(k)が目標とするカラーフィルタ基板1を示している。
【0075】
まず、図3(a)において、透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成された基材2の上に、遮光層3を形成する材料として、クロム、ニッケル、アルミニウム等を材料として、例えばドライメッキ法を用いて金属薄膜3aを形成する。この場合、金属薄膜3aの厚さは、0.1〜0.5μm程度であることが望ましい。
【0076】
次に、図3(b)において、感光性樹脂であるレジスト7aを一様な厚さで塗布し、そのレジスト7aをマスクを介して露光し、さらに現像して、レジスト7aを所定のパターンに形成する。次に、このレジストパターンをマスクとして金属薄膜3aをエッチングして、図3(c)に示すように、所定形状、本実施形態では矢印A方向から見て格子形状の遮光層3を形成する。
【0077】
次に、図3(d)において、遮光層3の上に、感光性樹脂4aを一様な厚さで形成し、これにフォトリソグラフィ処理を施して図4(e)に示すように所定パターンのバンク4を遮光層3と同じ形状、すなわち格子形状に形成する。このとき、バンク4の高さは1.0μm程度に形成するのが望ましい。
【0078】
こうしてバンク4を形成することにより、基材2上にそのバンク4によって区分けされた複数の表示用ドット領域6が形成される。バンク4が格子形状であることにより、これら複数の表示用ドット領域6は、矢印A方向から見てマトリクス状に並ぶことになる。バンク4としては、特に黒色のものを用いる必要はなく、例えば、ウレタン系又はアクリル系の硬化型の感光性樹脂組成物を用いることができる。
【0079】
なお、バンク4は表示用ドット領域6内にフィルタ材料を収容することが主な役割であり、このバンク4の表面にフィルタ材料が付着することは好ましくない。従って、バンク4の材質としては、フィルタ材料をはじく性質を有するもの、すなわち撥液性を有するものであることが望ましい。
【0080】
以上のように基材2上にバンク4が形成された後、その基材2を図6においてステージ218上の所定位置に載置する。そして、X方向駆動系207x及びY方向駆動系207yを作動させると共に、図9の加圧体39を作動させることにより、以下のようなカラーフィルタ形成処理を行う。なお、本実施形態では、図1に示すように、G色フィルタ要素9g、R色フィルタ要素9r及びB色フィルタ要素9bをストライプ配列に形成するものとする。
【0081】
カラーフィルタの形成処理工程に入ると、まず、図4(f)において、G色のフィルタ要素を形成すべき表示用ドット領域6g内へ、図8に示したインクジェットヘッド22を用いて、G色フィルタ材料を液滴8として吐出する。この液滴吐出は1つの表示用ドット領域に対して複数回行われ、合計の吐出量Agは、予め、バンク4の高さによって規定される表示用ドット領域6gの容積よりも多くなるように設定されている。従って、供給されたG色フィルタ材料はバンク4よりも上方へ突出する。次に、50℃、10分程度の加熱処理によってプレベークを行ってG色フィルタ材料内の溶剤を蒸発させて、図4(g)に示すように、G色フィルタ材料の表面を平坦化させてG色フィルタ要素9gを形成する。
【0082】
次に、図4(h)において、R色のフィルタ要素を形成すべき表示用ドット領域6r内へ、図8に示したインクジェットヘッド22を用いて、R色フィルタ材料を液滴8として吐出する。このときの合計の吐出量Arも、バンク4の高さによって規定される表示用ドット領域6rの容積より多くなるように設定され、供給されたR色フィルタ材料はバンク4よりも上方へ突出する。次に、50℃、10分程度の加熱処理によってプレベークを行ってR色フィルタ材料内の溶剤を蒸発させて、図5(i)に示すように、R色フィルタ材料の表面を平坦化させてR色フィルタ要素9rを形成する。
【0083】
次に、図5(j)において、B色のフィルタ要素を形成すべき表示用ドット領域6b内へ、図8に示したインクジェットヘッド22を用いて、B色フィルタ材料を液滴8として吐出する。このときの合計の吐出量Abも、バンク4の高さによって規定される表示用ドット領域6bの容積より多くなるように設定され、供給されたR色フィルタ材料はバンク4よりも上方へ突出する。次に、50℃、10分程度の加熱処理によってプレベークを行ってB色フィルタ材料内の溶剤を蒸発させて、図5(k)に示すように、B色フィルタ材料の表面を平坦化させてB色フィルタ要素9bを形成する。
【0084】
その後、例えば、230℃、30分程度の加熱によってアフターベークを行って、フィルタ要素を硬化させることにより、R,G,Bの各色フィルタ要素9g,9r,9bを所定の配列、例えば図1のストライプ配列に並べて成るカラーフィルタが形成される。また、同時に、基材2とカラーフィルタとから成るカラーフィルタ基板1が形成される。
【0085】
図6に示したカラーフィルタ基板の製造装置201は以上に説明したようなカラーフィルタ基板の形成処理を実行する。この形成処理が行われている間、R,G又はBのフィルタ材料を収容した容器222は、フィルタ材料供給部203に配置される。そして、パイプ223を通してフィルタ材料が記録ヘッド213へ送られる。このとき、フィルタ材料が使用温度、すなわち室温、例えば18℃〜26℃、好ましくは25℃〜26℃になっていれば、ヒータ221は発熱しない状態になっている。
【0086】
カラーフィルタ基板の形成処理が終了して、製造装置201を再度稼動するまでに長時間の待機期間がある場合、作業者はフィルタ材料の容器222をフィルタ材料供給部203から取り出して、冷却保存部204にある冷蔵庫226の中に入れる。冷蔵庫226の内部は、フィルタ材料の使用温度よりも低い温度、又はフィルタ材料の劣化温度よりも低い温度に設定されている。今、使用温度すなわち室温を25℃〜26℃に設定するならば、冷蔵庫226内の温度は約10℃に設定される。従って、冷蔵庫226に入れられたフィルタ材料はその低温度まで冷却された状態で保存される。この結果、フィルタ材料が短時間に劣化することを防止でき、フィルタ材料の品質を長期間にわたって正常に保持できる。
【0087】
以上のようにフィルタ材料を冷蔵庫226内で冷却して保存した場合、このフィルタ材料を冷蔵庫226から出してフィルタ基板の形成処理を再開しようとするときには、冷蔵庫226から取り出したフィルタ材料がその使用温度、すなわち室温に昇温するまで、作業を開始できない。本実施形態では、フィルタ材料供給部203にヒータ221を設置してあるので、作業者がそのヒータ221によって囲まれる領域内に容器222を置いて、ヒータ221を発熱させれば、容器222内のフィルタ材料を短時間に使用温度まで昇温でき、それ故、インクジェットヘッド22(図8参照)を用いたカラーフィルタ基板の形成処理を短時間内に開始できる。
【0088】
なお、フィルタ材料の形成処理を開始するまでに時間の余裕がある場合には、ヒータ221の発熱を利用することなく、ヒータ材料を室温環境下で自然に昇温させることもできる。
【0089】
本実施形態では、図4(e)に示すバンク4の形成工程おいて、図1に示すように、互いに隣り合う表示用ドット領域6の間の縦方向のピッチがP1に設定され、縦方向の間隔がd1に設定される。また、横方向のピッチがP2に設定され、横方向の間隔がd2に設定される。そして、この場合、
d2>d1
に設定される。
【0090】
つまり、異なる色のフィルタ材料が吐出される表示用ドット領域6の間に存在するバンク4の幅、すなわち間隔d2は、同じ色のフィルタ材料が吐出される表示用ドット領域6の間に存在するバンク4の幅、すなわち間隔d1よりも広く設定される。例えば、P1=255μm、P2=85μm、d1=7μm、d2=15μmに設定される。
【0091】
図4から図5に示すフィルタ材料の吐出工程で説明したように、各フィルタ要素9g,9b,9rはノズル27から吐出されるフィルタ材料の液滴8によって形成される。このとき、図1の横列方向には異なる色のフィルタ材料が吐出されるので、仮に横列方向における領域間隔d2が狭いと、1つの領域6から材料が溢れた場合、その溢れた材料が隣りの領域6内に存在する異なる色の材料に混ざり、混色が発生するおそれがある。このような混色が発生すると、カラーフィルタの品質が非常に劣化する。なお、同じ色のフィルタ材料が並べられる縦列方向に関しては、仮に1つの領域へ向けて吐出された液滴の一部が誤って隣りの領域に入ったとしても、色が同じなので混色は生じない。
【0092】
本実施形態では、上記のように、異なる色間のバンク幅d2を同じ色間のバンク幅d1より広く設定したので、1つの領域6へ向けて吐出された液滴は、縦列方向に関しては隣りの領域6内へ侵入することはあっても、横列方向に関しては隣りの領域6内へ侵入することが無い。これにより、混色の発生を防止でき、それ故、各色が鮮明に色分けされた高品質のカラーフィルタが常に得られる。
【0093】
ところで、図4から図5に示すフィルタ材料の吐出工程では、ノズル27が基材2の表面の近傍を走査移動しながら液滴8を吐出する。このノズル27の走査移動方向、すなわち描画方向は、図1に矢印Dで示すように、同じ色のフィルタ要素9r,9g又は9bが並ぶ方向である縦列方向に決められている。一般に、1つの領域6へ向けてノズル27から吐出された液滴が誤って隣りの領域6へ入ってしまう可能性は、ノズル27の走査移動方向の方がそれに直角の方向よりも高くなる。従って、本実施形態のように、ノズル27の走査方向を同じ色のフィルタ要素9r,9g又は9bが並ぶ方向に設定しておけば、混色の発生をより一層低減できる。
【0094】
(変形例)
上記の実施形態では、カラーフィルタを構成するフィルタ要素としてR,G,Bの3色を考えた。しかしながら、フィルタ要素としては、R,G,B以外にC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)とすることもできる。
【0095】
また、上記の実施形態では、図1に示したように、フィルタ要素9g,9r,9bの配列をストライプ配列とした。しかしながら、フィルタ要素の配列の仕方は、ストライプ配列以外に種々提案されており、それら種々の配列の中で、ストライプ配列と同様に、同じ色のフィルタ要素が隣り合うことがあり、同時に異なる色のフィルタ要素が隣り合うこともあるような配列に関しては、ストライプ配列と同様に本発明を適用できる。
【0096】
(電気光学装置の製造方法の実施形態)
以下、本発明に係る電気光学装置の製造方法の一実施形態を電気光学装置の一例である液晶装置を製造する場合を例に挙げて説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されるものでないことは、もちろんである。
【0097】
例えば、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、例えば、図2に示した単純マトリクス方式で半透過反射型の液晶装置51を製造する際に、図6〜図10に示すカラーフィルタ基板のための製造装置201を用いて、図3〜図5に示す工程を実行することによって達成される。この電気光学装置の製造方法によれば、図2の液晶装置51に用いられる、図5(k)のカラーフィルタ基板1に関して、各色フィルタ要素9g,9r,9bを混色を生じさせることなく明確に区分けして形成でき、これにより、カラー表示の品質に優れた液晶装置を安定して製造することができる。
【0098】
(電子機器及びその製造方法の実施形態)
図11は、本発明に係る電子機器の一実施形態を示している。ここに示す電子機器は、表示情報出力源141、表示情報処理回路142、電源回路143、タイミングジェネレータ144及び液晶装置145によって構成される。そして、液晶装置145は液晶パネル147及び駆動回路146を有する。液晶装置145は、図6〜図10に示したカラーフィルタ基板の製造装置を用いて、図4〜図5に示した製造方法によって製造された、図2に示す液晶装置51によって構成できる。
【0099】
表示情報出力源141は、RAM(Random Access Memory)等といったメモリや、各種ディスク等といったストレージユニットや、ディジタル画像信号を同調出力する同調回路等を備え、タイミングジェネレータ144により生成される各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等といった表示情報を表示情報処理回路142に供給する。
【0100】
次に、表示情報処理回路142は、増幅・反転回路や、ローテーション回路や、ガンマ補正回路や、クランプ回路等といった周知の回路を多数備え、入力した表示情報の処理を実行して、画像信号をクロック信号CLKと共に駆動回路146へ供給する。ここで、駆動回路146は、走査線駆動回路(図示せず)やデータ線駆動回路(図示せず)と共に、検査回路等を総称したものである。また、電源回路143は、上記の各構成要素に所定の電源電圧を供給する。
【0101】
図12は、本発明に係る電子機器のさらに他の実施形態であるデジタルカメラであって、液晶装置をファインダとして用いるものを示している。このデジタルカメラ150におけるケース151の背面には液晶表示ユニット152が設けられる。この液晶表示ユニット152は、被写体を表示するファインダとして機能する。この液晶表示ユニット152は、図6〜図10に示したカラーフィルタ基板の製造装置を用いて、図3〜図5に示した製造方法によって製造された、図2に示す液晶装置51によって構成できる。
【0102】
ケース151の前面側(図においては裏面側)には、光学レンズやCCD等を含んだ受光ユニット153が設けられている。撮影者が液晶表示ユニット152に表示された被写体像を確認して、シャッタボタン154を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板155のメモリに転送されてそこに格納される。
【0103】
ケース151の側面には、ビデオ信号出力端子156と、データ通信用の入出力端子157とが設けられている。ビデオ信号出力端子156にはテレビモニタ158が必要に応じて接続され、また、データ通信用の入出力端子157にはパーソナルコンピュータ159が必要に応じて接続される。回路基板155のメモリに格納された撮像信号は、所定の操作によって、テレビモニタ158や、パーソナルコンピュータ159に出力される。
【0104】
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカラーフィルタ基板の主要部の平面図である。
【図2】本発明に係る電気光学装置の一実施形態である液晶装置の断面構造を示す断面図である。
【図3】本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法を工程順に示す工程図である。
【図4】図3に続く工程を示す工程図である。
【図5】図4に続く工程を示す工程図であり、特に、(k)は完成したカラーフィルタ基板を示している。
【図6】本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法を実施するための製造装置の一例を示す斜視図である。
【図7】図6に示す製造装置の制御系を示す回路ブロック図である。
【図8】図6に示す製造装置の材料吐出部を示す斜視図である。
【図9】図8に示す材料吐出部の主要部の内部構造を一部破断して示す斜視図である。
【図10】図9のD−D線に従った断面図である。
【図11】本発明に係る電子機器の一実施形態を示すブロック図である。
【図12】本発明に係る電子機器の一実施形態であるデジタルカメラを示す図である。
【符号の説明】
1:カラーフィルタ基板、 2:基材、 3:遮光層、 3a:金属膜、 4:バンク、 4a:感光性樹脂、 6,6g,6r,6b:表示用ドット領域、7a:レジスト、 8:液滴、 9g,9r,9b:フィルタ要素、 20:ケーシング、 22:インクジェットヘッド、27:ノズル(液滴吐出部)、 39:加圧体、 41:圧電素子、 42a,42b:電極、 51:液晶装置(電気光学装置)、 52:液晶パネル、 55:液晶層、 57a,57b:基板、 61a.61b:基材、 68:カラーフィルタ、 150:デジタルカメラ(電子機器)、201:カラーフィルタ基板の製造装置、 202:フィルタ形成部、203:フィルタ材料供給部、 204:冷却保存部、 213:記録ヘッド、 M0:フィルタ材料、 S0:波形、 S1:ビットマップデータ、 S2:吐出タイミング信号、 S3:位置情報、 V:有効表示領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー表示を行う際に用いられるカラーフィルタ基板及びその製造方法に関する。また本発明は、液晶装置やエレクトロルミネッセンス装置等といった電気光学装置及びその製造方法に関する。また本発明は、携帯電話機、携帯情報端末機、PDA(Personal Digital Assistant)等といった電子機器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機、携帯情報端末機、PDA等といった電子機器に、液晶装置やエレクトロルミネッセンス装置等といった電気光学装置が広く用いられている。例えば、電子機器に関する各種の情報を視覚的に表示するために電気光学装置が用いられている。
【0003】
電気光学装置として液晶装置を考えた場合、その液晶装置によってカラー表示を行うときには、その液晶装置の内部にカラーフィルタ基板が設けられる。カラーフィルタ基板は、例えば、透光性のガラス等によって形成された基材上にカラーフィルタを形成することによって作製される。カラーフィルタとは、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色のフィルタ要素や、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3色のフィルタ要素を平面内に所定の配列で並べることによって形成された光学要素である。
【0004】
電気光学装置としてエレクトロルミネッセンス装置を考えた場合、このエレクトロルミネッセンス装置の内部には、一般に、カラーフィルタ基板とエレクトロルミネッセンス基板が設けられる。そして、このエレクトロルミネッセンス基板は、例えば、透光性のガラス等によって形成された基材上に、複数の発光要素をマトリクス状に配列することによって形成される。
【0005】
ところで、基材上にカラーフィルタを形成してカラーフィルタ基板を作製する際、すなわち、基材上に複数のフィルタ要素を形成する際に、従来、インクジェット技術、すなわち、液滴吐出技術を利用して基材上にフィルタ要素の材料を供給する方法が知られている。この方法によれば、基材上にバンク等と呼ばれる区分け要素を形成して該基板上を複数の領域に区分けし、次に、ノズルからフィルタ材料を液滴として吐出して上記の領域内に供給し、さらにこれを乾燥して溶剤を蒸発させて所望のフィルタ要素を形成する(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、R,G,Bの各色フィルタ要素をストライプ配列で並べると共に、R,G,Bのうち異なる色のフィルタ要素間の間隔と、同じ色のフィルタ要素間の間隔とを、ほぼ同じ距離に設定するカラーフィルタ基板が知られている(例えば、特許文献2参照)。なお、R,G,Bのうちの異なる色のフィルタ要素間の間隔が、同じ色のフィルタ要素間の間隔よりも狭く設定される構成のカラーフィルタ基板も、従来から、知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−372614(第6頁、図1)
【特許文献2】
特開2001−100022(図3)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液滴吐出技術を用いてカラーフィルタ基板を製造する際、液滴を吐出する領域を区分けしているバンクの幅、すなわち、互いに隣り合う領域間の間隔が、上記した従来の場合のように、異なる色のフィルタ要素間で狭く、同じ色のフィルタ要素間で広く設定されたり、あるいは、異なる色のフィルタ要素間と同じ色のフィルタ要素間とでほぼ同じに設定されたりすると、ノズルから吐出された、ある1色のフィルタ材料がバンクを越えて隣の領域に侵入してしまい、その結果、混色が発生してカラーフィルタの品質が低下するおそれがある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、液滴吐出技術を用いてカラーフィルタを作製する場合に、異なる色のフィルタ要素間で混色が発生するのを防止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係るカラーフィルタ基板は、基材と、該基材の表面を複数の表示用ドット領域に区分けする区分け要素と、前記複数の表示用ドット領域内に設けられる複数の色に着色されてなるフィルタ要素とを有するカラーフィルタ基板において、異なる色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅は、同じ色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅よりも大きいことを特徴とする。
【0011】
上記構成において、「基材」は、例えば、透光性のガラスや透光性のプラスチック等によって形成される。また、「区分け要素」は、例えば、基材上に突出するバンクや、基材上に形成される撥インク層によって構成される。この撥インク層は、基材の表面からほとんど突出することなく形成することができる。バンクは、基材上に突出することにより基材表面における液状のフィルタ要素の材料の流れを阻止する。また、撥インク層は、基材表面にける液状のフィルタ要素の材料の流れを撥インク性によって阻止する。
【0012】
また、「フィルタ要素の材料」、すなわちフィルタ材料は、R(赤)、G(緑)、B(青)や、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の色を有する材料によって構成される。この材料の材質は、特別のものに限定されないが、例えば、各色顔料とレジン等の透明材を含有する各色着色材料と、エチレングリコール等といったグリコール系の溶媒とから成る液状物とすることができる。また、顔料、界面活性剤及び溶媒によって構成される固形分を適宜の溶媒に溶かすことによって構成された液状物とすることもできる。
【0013】
また、区分け要素によって区分けされる領域の個々には、R,G,Bの3色から選択される1色の材料や、C,M,Yの3色から選択される1色の材料が供給される。R,G,Bの3つの領域の集まり又はC,M,Yの3つの領域の集まりによって1つの画素が形成される。
【0014】
上記構成より成る本発明のカラーフィルタ基板の製造方法によれば、異なる色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅が同じ色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅よりも広く設定されるので、ある1色のフィルタ材料を1つの領域内に吐出したとき、その液滴は、区分け要素を隔てた同じ色のフィルタ材料の領域に侵入することはあるかもしれないが、区分け要素を隔てた異なる色のフィルタ材料の領域に侵入することはない。そのため、異なる色のフィルタ要素間で混色が発生することを防止できる。
【0015】
次に、本発明のカラーフィルタ基板において、前記複数の色のフィルタ要素はストライプ配列で並べられることが望ましい。ストライプ配列とは、図1に示すような配列であって、R,G,Bのうちの同じ色が縦方向に1列に並び、異なる色が横方向に順番に1つずつ繰り返して変化して並ぶ配列である。しかしながら、フィルタ要素の配列の仕方は、ストライプ配列以外に種々提案されており、それら種々の配列の中で、ストライプ配列と同様に、同じ色のフィルタ要素が隣り合うことがあり、同時に異なる色のフィルタ要素が隣り合うこともあるような配列に関しては、ストライプ配列と同様に本発明を適用できる。
【0016】
次に、本発明のカラーフィルタ基板において、前記フィルタ要素は液滴吐出部から液滴として吐出されたフィルタ材料によって形成されることが望ましい。液滴吐出部とは、液状物を液滴として吐出する技術である液滴吐出技術においてその液滴が吐出される部分のことである。液滴吐出技術は特定の構造に限定されるものではないが、例えば、インクジェット技術として知られている液滴吐出構造を用いることが好ましい。この場合には、インクジェット用のノズルが本発明における液滴吐出部に相当する。
【0017】
上記のインクジェット技術は、例えば、インク貯留室に圧電素子及びノズルを付設し、圧電素子の振動によるインク貯留室の体積変化に応じてノズルからインク、すなわち液状物を液滴として吐出する技術であることが好ましい。また、インクジェット技術は、例えば、インク貯留室内に貯留されたインクを加熱によって膨張させることによりノズルからインクを液滴として吐出する技術とすることもできる。
【0018】
液滴吐出技術を用いて基材上に各色のフィルタ要素を形成する際には、区分け要素によって区分けされた複数の領域のそれぞれに、フィルタ材料が液滴として供給される。この場合、液滴が吐出される複数の領域に関して互いに隣り合うもの同士の間隔が狭いとすると、ある1つの領域に液滴を吐出してその領域からフィルタ材料が溢れたときに、その溢れたフィルタ材料が隣の領域に侵入してしまうおそれがある。
【0019】
この場合、溢れたフィルタ材料と隣りの領域に在るフィルタ材料とが同じ色である場合には、特に、問題が生じないが、それらが互いに異なる色である場合には、混色が発生し、カラーフィルタ基板の品質が低下するおそれがある。このことに関し、本発明では、同じ色のフィルタ要素間は狭く設定し、異なる色のフィルタ要素間は広く設定するので、フィルタ材料が領域から溢れても、混色の発生を低く抑えることができる。
【0020】
次に、本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法は、基材上を複数の表示用ドット領域に区分けする区分け要素を形成する工程と、異なる色の液状のフィルタ材料を前記複数の表示用ドット領域内へ液滴吐出部から液滴として吐出して供給する工程とを有し、前記区分け要素を形成する工程では、異なる色のフィルタ材料が供給される表示用ドット領域間に存在する区分け要素の幅が、同じ色のフィルタ材料が供給される表示用ドット領域間に存在する区分け要素の幅よりも広くなるように、前記区分け要素を形成することを特徴とする。
【0021】
上記構成より成る本発明のカラーフィルタ基板の製造方法によれば、異なる色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅が同じ色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅よりも広く設定される構造のカラーフィルタ基板を製造できる。このカラーフィルタ基板によれば、ある1色のフィルタ材料を1つの領域内に吐出したとき、その液滴は、区分け要素を隔てた同じ色のフィルタ材料の領域に侵入することはあるかもしれないが、区分け要素を隔てた異なる色のフィルタ材料の領域に侵入することはない。そのため、異なる色のフィルタ要素間で混色が発生することを防止できる。
【0022】
本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法において、前記液滴吐出部は前記基材に対して相対的に平行移動しながら液滴を吐出し、前記液滴吐出部の相対移動方向は同じ色のフィルタ要素が並ぶ方向であることが望ましい。液滴吐出部の移動方向が同色のフィルタ要素が並ぶ方向に限定されれば、1つの色のフィルタ材料の一部分、例えば飛沫、が他の色のフィルタ要素の領域に入ることを確実に防止できる。
【0023】
また、本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法において、前記液滴吐出部は前記複数の表示用ドット領域の1つずつに対してフィルタ材料の液滴を複数、供給することが好ましい。通常のインクジェット技術では、1つの表示用ドット領域内に1回の液滴吐出で所定量のフィルタ材料が供給されることは少なく、複数回の液滴吐出によって所定量のフィルタ材料が1つの表示用ドット領域内に供給されることが多い。本発明のカラーフィルタ基板の製造方法によれば、そのように1つの表示用ドット領域に対して複数回の液滴吐出が行われる場合でも、異なるフィルタ材料間での混色を防止できる。
【0024】
また、本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法において、前記複数の色のフィルタ要素は図1に示すようなストライプ配列で並べられることが好ましい。このストライプ配列は、本発明の製造方法によってフィルタ材料間での混色を防ぐ上で非常に有効である。
【0025】
次に、本発明に係る電気光学装置は、以上に記載した構成のカラーフィルタ基板と、該カラーフィルタ基板上に設けられた電気光学物質とを有することを特徴とする。電気光学物質とは、電界が作用したときに光に対する特性が変化する物質のことであり、例えば、液晶装置においける液晶や、エレクトロルミネッセンス装置における発光要素等である。本発明の電気光学装置によれば、それに用いられるカラーフィルタ基板において、異なる色のフィルタ要素間で混色が発生することを防止できるので、電気光学装置は混色の無い鮮明な表示を行うことができる。このような電気光学装置としては、例えば、液晶装置、エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置等が考えられる。
【0026】
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、以上に記載した構成のカラーフィルタ基板の製造方法を実施する工程と、カラーフィルタ基板上に電気光学物質を設ける工程とを有することを特徴とする。本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法によれば、異なる色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅が同じ色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅よりも広く設定される構造のカラーフィルタ基板を製造できる。
【0027】
このカラーフィルタ基板によれば、ある1色のフィルタ材料を1つの領域内に吐出したとき、その液滴は、区分け要素を隔てた同じ色のフィルタ材料の領域に侵入することはあるかもしれないが、区分け要素を隔てた異なる色のフィルタ材料の領域に侵入することはない。そのため、異なる色のフィルタ要素間で混色が発生することを防止できる。従って、このカラーフィルタ基板を用いた本発明の電気光学装置の製造方法によれば、混色の無い、鮮明なカラー表示を行うことができる電気光学装置を製造することが可能となる。
【0028】
次に、本発明に係る電子機器は、以上に記載した構成の電気光学装置と、該電気光学装置の動作を制御する制御手段とを有することを特徴とする。この電子機器は本発明に係る電気光学装置を有するので、例えば、電子機器に関する各種の情報を表示するための表示部においてその電気光学装置を用いれば、混色の無い、鮮明なカラー表示を行うことができる。このような電子機器としては、携帯電話機、携帯情報端末機、PDA、デジタルカメラ、その他各種の機器が考えられる。
【0029】
次に、本発明に係る電子機器の製造方法は、以上に記載した構成の電気光学装置の製造方法を実施する工程を有することを特徴とする。本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、混色の無い、鮮明なカラー表示を行うことができる電気光学装置を製造することが可能となるので、その方法を1つの工程として有する本発明の電子機器の製造方法によれば、混色の無い、鮮明なカラー表示を行うことができる表示部等を有する電子機器を製造することが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(カラーフィルタ基板及び電気光学装置の実施形態)
以下、本発明に係るカラーフィルタ基板の一実施形態及びそれを用いる電気光学装置の一実施形態を説明する。この説明では、電気光学装置として液晶装置、特に、単純マトリクス方式で半透過反射方式の液晶装置を例示する。そして、その液晶装置に好適に用いられるカラーフィルタ基板を例示する。なお、本発明がこの実施形態に限定されるものでないことは、もちろんである。
【0031】
図2は、液晶装置の一実施形態であって、スイッチング素子を用いない単純マトリクス方式であり、且つ、反射型表示と透過型表示を選択的に行うことができる半透過反射型の液晶装置を示している。
【0032】
ここに示す液晶装置51は、液晶パネル52に照明装置56及び配線基板54を付設することによって形成されている。液晶パネル52は、矢印A方向から見て長方形状又は正方形状の第1基板57aと、矢印A方向から見て同じく長方形状又は正方形状の第2基板57bとを、矢印A方向から見て環状のシール材58によって貼り合わせることによって形成されている。
【0033】
第1基板57aと第2基板57bとの間には間隙、いわゆるセルギャップが形成され、そのセルギャップ内に液晶が注入されて液晶層55を形成している。符号69はセルギャップを維持するためのスペーサを示している。なお、観察者は矢印A方向から液晶装置51を観察する。
【0034】
第1基板57aは、透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成された第1基材61aを有する。この第1基材61aの液晶側の表面には、反射膜62が形成され、その上に絶縁膜63が形成され、その上に第1電極64aが形成され、その上に配向膜66aが形成されている。また、第1基材61aの照明装置56側の表面には第1偏光板67aが、例えば貼着によって装着されている。
【0035】
第1基板57aに対向する第2基板57bは、透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成された第2基材61bを有する。この第2基材61bの液晶側の表面には、カラーフィルタ68が形成され、その上に第2電極64bが形成され、その上に配向膜66bが形成されている。また、第2基材61bの外側の表面には第2偏光板67bが、例えば貼着によって装着されている。
【0036】
第1基板57a側の第1電極64aは図2の左右方向へ延びる線状電極である。また、第1電極64aは複数本形成されていて、それらは紙面垂直方向へ互いに平行に並べられている。つまり、複数の第1電極64aは、矢印A方向から見てストライプ状に形成されている。
【0037】
また、第2基板57b側の第2電極64bは、図2の紙面垂直方向に延びる線状電極である。また、第2電極64bは複数本形成されていて、それらは図2の左右方向へ互いに平行に並べられている。つまり、複数の第2電極64bは、第1電極64aに直交する方向へ延びるストライプ状に形成されている。
【0038】
第1電極64aと第2電極64bとは矢印A方向から見て多数のマトリクス状に並ぶ点で交差しており、これらの交差点が表示のためのドット領域を構成している。R,G,Bの3色や、C,M,Yの3色のフィルタ要素から成るカラーフィルタを用いてカラー表示を行う場合には、上記のドット領域の1つずつにそれら3色のうちの1つずつが対応して配置され、3色の集まりが1つのユニットになって1画素を構成する。そして、その画素の多数が矢印A方向から見てマトリクス状に並ぶことにより、有効表示領域Vが形成され、この有効表示領域Vの領域内に文字、数字、図形等といった像が表示される。
【0039】
表示の最小単位である表示用ドット領域に対応して、反射膜62に開口71が形成されている。これらの開口71は、照明装置56から供給される面状の光を透過させて、透過型の表示を実現する。なお、透過型の表示を行うにあたっては、反射膜62に開口71を設けることだけに限られず、例えば、反射膜62の膜厚を薄くすることによっても透過型の表示を実現できる。
【0040】
第1基材61aは第2基材61bを越えて外側へ張り出す張出し部70を有している。第1基板57a側の第1電極64aはシール材58を横切ってその張出し部70上に延び出て配線65となっている。また、張出し部70の辺縁には外部接続端子49が形成されている。配線基板54は、その外部接続端子49に導電接続されている。第2基板57b側の第2電極64bは、シール材58の内部に分散された導通材59を介して第1基板57a側の配線65に接続されている。なお、導通材59は、図2ではシール材58の幅寸法とほとんど同じ寸法で描いてあるが、実際は、導通材59はシール材58の幅よりも小さくなっており、そのため、シール材58の幅方向には複数の導通材59が存在するのが普通である。
【0041】
張出し部70の表面において、配線65と外部接続端子49との間には駆動用IC53がACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)48によって接着されている。そして、このACF48により、駆動用IC53のバンプが配線65及び外部接続端子49に導電接続している。この実装構造により、配線基板54から駆動用IC53へ信号及び電圧が供給される。一方、駆動用IC53からの走査信号及びデータ信号が第1電極64aや第2電極64bへ伝送される。
【0042】
図2において、照明装置56は、観察側から見て液晶パネル52の背面に緩衝材78を挟んで配設され、バックライトとして機能する。この照明装置56は、基板77に支持された光源としてのLED(Light Emitting Diode)76と、導光体72とを有する。導光体72の観察側の表面には拡散シート73が設けられ、その反対側の面には反射シート74が設けられる。LED76を点状光源とする光は、導光体72の受光面72aから導光体72の内部に取り込まれ、その内部を伝播する間に光出射面72bから面状光となって出射する。
【0043】
上記構成より成る液晶装置51において反射型の表示が行われる場合には、太陽光、室内光等といった外部光が第2基板57bを通して液晶層55の内部に取り込まれ、反射膜62で反射した後、再び液晶層55へ供給される。一方、透過型の表示が行われる場合には、照明装置56のLED76が発光し、導光体72の光出射面72bから面状の光が出射し、反射膜62に設けた複数の開口71を通過した光が液晶層55へ供給される。
【0044】
液晶層55に光が供給されたとき、第1電極64a及び第2電極64bの一方に走査信号が与えられ、それらの他方にデータ信号が与えられると、当該データ信号が与えられた部分の表示用ドットに所定電圧が印加されて液晶が駆動され、当該表示用ドットに供給された光が変調される。このような変調が、有効表示領域V内の表示用ドットごと、換言すれば画素ごとに行われ、文字、数字、図形等といった希望する像がその有効表示領域V内に形成され、観察者によって矢印A方向から観察される。
【0045】
本実施形態の液晶装置51においては、第2基材61bと、その第2基材61bの表面に形成されたカラーフィルタ68とによって構成されるカラーフィルタ基板を有している。カラーフィルタ68は、その平面構造を図1に示すように、第2基材61bの表面を複数の表示用ドット領域6に区分けする区分け要素としてのバンク4と、各表示用ドット領域6の中に形成されたフィルタ要素9g,9b,9rとを有する。バンク4は、いわゆる格子状のパターンに形成され、従って、複数の表示用ドット領域6は行列状、すなわちマトリクス状に並んで形成されている。
【0046】
フィルタ要素9gは緑色の光を透過する膜要素であり、フィルタ要素9bは青色の光を透過する膜要素であり、そしてフィルタ要素9rは赤色の光を透過する膜要素である。これら複数のフィルタ要素9g,9b,9rは、いわゆるストライプ配列に並べられている。このストライプ配列では、R,G,Bのうちの同じ色が縦方向に1列に並び、異なる色が横方向に順番に1つずつ繰り返して変化して並ぶ。
【0047】
バンク4は、例えば、感光性樹脂を材料としてフォトリソグラフィ法に基づいた処理によって形成される。また、フィルタ要素9g,9b,9rは、例えば、インクジェット技術、すなわち液滴吐出技術を利用して形成される。液滴吐出技術とは、液状物を液滴状にして対象物に向けて噴射する技術であり、本実施形態では、R,G,Bの各色フィルタ材料が各表示用ドット領域6内へ液滴状に吐出される。
【0048】
本実施形態のカラーフィルタ基板は、図1に示すように、互いに隣り合う表示用ドット領域6の間、すなわち互いに隣り合うフィルタ要素9g,9b,9rの間、の縦方向のピッチがP1に設定され、縦方向の間隔がd1に設定される。また、横方向のピッチがP2に設定され、横方向の間隔がd2に設定される。そして、この場合、
d2>d1
に設定される。
【0049】
つまり、フィルタ要素9g,9b,9rのうちの異なる色のものの間に存在するバンク4の幅、すなわち間隔d2は、同じ色のものの間に存在するバンク4の幅、すなわち間隔d1よりも広く設定されている。例えば、P1=255μm、P2=85μm、d1=7μm、d2=15μmに設定される。
【0050】
本実施形態では、上記のように、各フィルタ要素9g,9b,9rがインクジェット技術を用いて形成される。このインクジェット技術では、液状物であるフィルタ材料が液滴の状態で各表示用ドット領域6へ向けて吐出される。このとき、図1の横列方向には異なる色のフィルタ材料が吐出されるので、仮に横列方向における領域間隔d2が狭いと、1つの領域6から材料が溢れた場合、その溢れた材料が隣りの領域6内に存在する異なる色の材料に混ざり、混色が発生するおそれがある。このような混色が発生すると、カラーフィルタの品質が非常に劣化する。なお、同じ色のフィルタ材料が並べられる縦列方向に関しては、仮に1つの領域へ向けて吐出された液滴の一部が誤って隣りの領域に入ったとしても、色が同じなので混色は生じない。
【0051】
本実施形態では、上記のように、異なる色間のバンク幅d2を同じ色間のバンク幅d1より広く設定したので、1つの領域6へ向けて吐出された液滴は、縦列方向に関しては隣りの領域6内へ侵入することはあっても、横列方向に関しては隣りの領域6内へ侵入することが無い。これにより、混色の発生を防止でき、それ故、各色が鮮明に色分けされた高品質のカラーフィルタが常に得られる。
【0052】
ところで、本実施形態では、上記のように、各色フィルタ要素9g,9b,9rがインクジェット技術、すなわち液滴吐出技術を用いて製造される。この技術では、インクジェットヘッド等といった液滴吐出部が複数の表示用ドット領域6の近傍でそれらの表示用ドット領域6に対して平行移動する間、すなわち走査移動する間、に液滴を吐出する。本実施形態では、この液滴吐出部の走査移動方向、すなわち描画方向は、矢印Dで示すように、同じ色のフィルタ要素が並ぶ方向である縦列方向に決められている。一般に、1つの領域6へ向けて液滴吐出部から吐出された液滴が誤って隣りの領域6へ入ってしまう可能性は、液滴吐出部の走査移動方向の方がそれに直角の方向よりも高くなる。従って、本実施形態のように、液滴吐出部の走査方向を同じ色のフィルタ要素が並ぶ方向に設定しておけば、混色の発生をより一層低減できる。
【0053】
(変形例)
図2の実施形態では、半透過反射型で単純マトリクス方式の液晶装置に本発明を適用した。しかしながら、本発明は、これ以外に、反射型表示機能を持たない半透過型の単純マトリクス方式の液晶装置や、透過型表示機能を持たない反射型の単純マトリクス方式の液晶装置や、TFD(Thin Film Diode)等といった2端子型のスイッチング素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶装置や、TFT(Thin Film Transistor)等といった3端子型のスイッチング素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶装置等といった各種の液晶装置に適用できる。
【0054】
(カラーフィルタ基板の製造方法の実施形態)
以下、本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法を一実施形態を挙げて説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されるものでないことは、もちろんである。また、これから説明するカラーフィルタ基板の製造方法は、図5(k)に示すカラーフィルタ基板1を製造するものとする。
【0055】
カラーフィルタ基板の製造方法の説明に先立って、まず、その製造方法を実現できる製造装置について簡単に説明する。図6は、そのようなカラーフィルタ基板の製造装置の一例を示している。この製造装置201は、フィルタ形成部202と、フィルタ材料供給部203と、冷却保存部204とを有する。フィルタ形成部202は、ベース206と、このベース206上に設置されたX方向駆動系207xと、同じくベース206上に設置されたY方向駆動系207yとを有する。
【0056】
X方向駆動系207xは、駆動モータ211と、その駆動モータ211によって駆動されて自身の中心軸線を中心として回転するネジ軸212とを有する。ネジ軸212には、記録ヘッド213がネジ嵌合している。駆動モータ211が作動してネジ軸212が正時計回転又は反時計回転すると、それにネジ嵌合する記録ヘッド213が矢印X方向で往復移動する。
【0057】
Y方向駆動系207yは、ベース206上に固定されたネジ軸216と、そのネジ軸216に嵌合する嵌合部材を回転駆動する駆動モータ217と、この駆動モータ217に固定されたステージ218とを有する。フィルタ形成処理を受けるカラーフィルタ基板の基材2はステージ218上に載せられる。この場合、基材2は容易には位置ズレしないように固着されることが望ましい。なお、基材2は、図2における第2基材61bと同じもの又はその第2基材61bの複数個分の面積を有する大面積の基材、いわゆるマザー基材である。Y方向モータ217が作動して上記の嵌合部材が正時計回転又は反時計回転すると、ステージ218がネジ軸216にガイドされて矢印Y方向で往復移動する。Y方向は上記のX方向に直角の方向である。
【0058】
Y方向駆動系207yを構成するネジ軸216上にはクリーニング装置208が配設され、このクリーニング装置208と一体なモータ209の出力軸がネジ軸216にネジ嵌合している。モータ209を作動させてクリーニング装置208を記録ヘッド213の所まで搬送すれば、このクリーニング装置208によって記録ヘッド213をクリーニングすることができる。
【0059】
フィルタ材料供給部203には加熱手段としてのヒータ221が配設されている。フィルタ材料を貯留した容器222は、このヒータ221によって囲まれる空間内に置くことができるようになっている。また、容器222と記録ヘッド213とはパイプ223によってつながっている。このパイプ223を通して、容器222内の液状物、すなわちフィルタ材料が記録ヘッド213内へ供給される。
【0060】
なお、本実施形態においてR,G,Bの3色によってカラーフィルタを形成する場合には、製造装置201がR色用、G色用、B色用の3種類用意されて、それらが別々の場所に設置され、個々の製造装置201の容器222の中にはR,G,Bのそれぞれの色のフィルタ材料が1色ずつ収容される。
【0061】
冷却保存部204は、冷媒ガスを用いた周知の冷蔵庫226によって構成されている。この冷蔵庫226は少なくとも容器222を収容可能な容積を有している。また、この冷蔵庫226の適所には扉が設けられ、この扉を開ければ、容器222を内部へ収納できる。この容器収納時の作業性を考慮して、パイプ223は容器222から外せるようになっていることが望ましい。
【0062】
このカラーフィルタ基板の製造装置201は温度制御回路227を有する。この温度制御回路227は、作業者によって操作されるスイッチ等といった入力装置からの指示に従って、冷蔵庫226をON/OFF制御する。また、温度制御回路227は、容器222の近傍に配置した温度センサ228によって検知される容器222の温度情報、従って容器222内のフィルタ材料の温度情報に従って、ヒータ221への通電量を制御する。この通電量の制御によりヒータ221の発熱量を制御して、フィルタ材料の温度を制御する。本実施形態では、温度制御回路227は、冷蔵庫226によって冷却された容器222内のフィルタ材料を使用温度、例えば室温、例えば18℃〜26℃、好ましくは25℃〜26℃まで昇温させる機能を実現する。なお、冷蔵庫226は、専用のON/OFFスイッチによって作業者が希望に応じて独自にON/OFFできるようにしても良い。
【0063】
図6のフィルタ形成部202を構成する記録ヘッド213の底面には、例えば図8に示すようなインクジェットヘッド22が1つ又は複数設けられている。このインクジェットヘッド22は、ほぼ長方形状のケーシング20を有し、そのケーシング20の底面には複数のノズル27が設けられている。これらのノズル27は、直径約0.02〜0.1mm程度の微小な開口を有する。
【0064】
本実施形態では、複数のノズル27は2列にわたって設けられ、これにより、2本のノズル列28,28が形成されている。個々のノズル列28において、ノズル27は一定の間隔で直線上に設けられている。これらのノズル列28には、矢印Bで示す方向から液状物、すなわちフィルタ材料が供給される。供給されたフィルタ材料は圧電素子の振動に従って各ノズル27から微小な液滴として吐出される。なお、ノズル列28の個数は、1本又は3本以上であっても良い。
【0065】
インクジェットヘッド22は、図9に示すように、例えばステンレス製のノズルプレート29と、それに対向して配置された振動板31と、その両者を互いに接合する複数の仕切り部材32とを有する。また、ノズルプレート29と振動板31との間には、フィルタ材料を貯留するための複数の貯留室33と、フィルタ材料が一時的に溜る個所である液溜り34とが、各仕切り部材32によって形成されている。さらに、複数の貯留室33と液溜り34とが通路38を介して互いに連通している。また、振動板31の適所にフィルタ材料の供給孔36が形成されており、この供給孔36に図6のパイプ223を介して容器222が接続されている。容器222から供給されたフィルタ材料M0は、液溜り34に充填され、さらに、通路38を通って貯留室33に充填される。
【0066】
インクジェットヘッド22の一部を構成するノズルプレート29には、フィルタ材料を貯留室33からジェット状に噴射するためのノズル27が設けられている。このノズル27が複数個並べられてノズル列28を構成することは図8に関連して既述した通りである。これらのノズル27が本発明の液滴吐出部に相当する。また、振動板31において貯留室33に対応する面にはフィルタ材料を加圧するための加圧体39が取り付けられている。この加圧体39は、図10に示すように、圧電素子41及びこれを挟持する一対の電極42a及び42bを有している。
【0067】
圧電素子41は、電極42a及び42bへの通電によって矢印Cで示す外側へ突出するように撓み変形し、これにより貯留室33の容積を増大させる機能を有する。そして、貯留室33の容積が増大すると、その増大した容積分に相当するフィルタ材料M0が液溜り34から通路38を通って貯留室33内へ流入する。
【0068】
一方、圧電素子41への通電を解除すると、圧電素子41と振動板31とが共に元の形状に戻り、貯留室33も元の容積に戻る。そのため、貯留室33の内部にあるフィルタ材料の圧力が上昇し、ノズル27からフィルタ材料が液滴8となって吐出される。なお、液滴8は、フィルタ材料に含まれる溶剤等の種類にかかわらず、微小な液滴としてノズル27から安定して吐出される。
【0069】
図6のカラーフィルタ基板の製造装置201は、図7に示す制御装置90を有する。この制御装置90は、図6のフィルタ形成部202内のX方向モータ211、Y方向モータ217及び記録ヘッド213の各要素の動作を制御する。なお、製造装置201は、図6のクリーニング用モータ209の動作を制御する制御部も有するが、その制御部についての詳しい説明は省略する。
【0070】
制御装置90は、コンピュータによって構成された駆動信号制御部91と、コンピュータによって構成されたヘッド位置制御部92とを有する。これらの制御部は信号線97を通して互いに情報を共有できるようになっている。駆動信号制御部91は、記録ヘッド213を駆動するための波形S0をアナログアンプ93へ出力する。また、駆動信号制御部91は、フィルタ材料をいずれの位置に吐出するかを示すビットマップデータS1をタイミング制御部94へ出力する。
【0071】
アナログアンプ93は、上記の波形S0を増幅して中継回路95へ伝送する。タイミング制御部94は、クロックパルス回路を内蔵し、上記のビットマップデータS1に従って吐出タイミング信号S2を中継回路95へ出力する。中継回路95は、タイミング制御部94から送られた吐出タイミング信号S2に従って、アナログアンプ93から送られた波形S0を記録ヘッド213の入力ポートへ出力する。
【0072】
ヘッド位置制御部92は、X−Y制御回路96へ記録ヘッド213の位置に関する情報S3を出力する。X−Y制御回路96は、送られてきた記録ヘッド213の位置情報S3に基づいて、X方向における記録ヘッド213の位置を制御する信号をX方向モータ211に対して出力し、さらに、Y方向におけるステージ218の位置を制御する信号をY方向モータ217に対して出力する。
【0073】
駆動信号制御部91及びヘッド位置制御部92に関する以上の構成により、記録ヘッド213は、ステージ218に載置された基材2の希望の座標位置が到来したときにフィルタ材料を液滴として吐出し、これにより、基材2上の希望位置にフィルタ材料の液滴が着弾して塗布される。
【0074】
次に、図8に示したインクジェットヘッド22を用いて行われる、カラーフィルタ基板の製造方法について説明する。図3〜図5はその製造方法を構成する各工程を工程順に示している。また、図5(k)が目標とするカラーフィルタ基板1を示している。
【0075】
まず、図3(a)において、透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成された基材2の上に、遮光層3を形成する材料として、クロム、ニッケル、アルミニウム等を材料として、例えばドライメッキ法を用いて金属薄膜3aを形成する。この場合、金属薄膜3aの厚さは、0.1〜0.5μm程度であることが望ましい。
【0076】
次に、図3(b)において、感光性樹脂であるレジスト7aを一様な厚さで塗布し、そのレジスト7aをマスクを介して露光し、さらに現像して、レジスト7aを所定のパターンに形成する。次に、このレジストパターンをマスクとして金属薄膜3aをエッチングして、図3(c)に示すように、所定形状、本実施形態では矢印A方向から見て格子形状の遮光層3を形成する。
【0077】
次に、図3(d)において、遮光層3の上に、感光性樹脂4aを一様な厚さで形成し、これにフォトリソグラフィ処理を施して図4(e)に示すように所定パターンのバンク4を遮光層3と同じ形状、すなわち格子形状に形成する。このとき、バンク4の高さは1.0μm程度に形成するのが望ましい。
【0078】
こうしてバンク4を形成することにより、基材2上にそのバンク4によって区分けされた複数の表示用ドット領域6が形成される。バンク4が格子形状であることにより、これら複数の表示用ドット領域6は、矢印A方向から見てマトリクス状に並ぶことになる。バンク4としては、特に黒色のものを用いる必要はなく、例えば、ウレタン系又はアクリル系の硬化型の感光性樹脂組成物を用いることができる。
【0079】
なお、バンク4は表示用ドット領域6内にフィルタ材料を収容することが主な役割であり、このバンク4の表面にフィルタ材料が付着することは好ましくない。従って、バンク4の材質としては、フィルタ材料をはじく性質を有するもの、すなわち撥液性を有するものであることが望ましい。
【0080】
以上のように基材2上にバンク4が形成された後、その基材2を図6においてステージ218上の所定位置に載置する。そして、X方向駆動系207x及びY方向駆動系207yを作動させると共に、図9の加圧体39を作動させることにより、以下のようなカラーフィルタ形成処理を行う。なお、本実施形態では、図1に示すように、G色フィルタ要素9g、R色フィルタ要素9r及びB色フィルタ要素9bをストライプ配列に形成するものとする。
【0081】
カラーフィルタの形成処理工程に入ると、まず、図4(f)において、G色のフィルタ要素を形成すべき表示用ドット領域6g内へ、図8に示したインクジェットヘッド22を用いて、G色フィルタ材料を液滴8として吐出する。この液滴吐出は1つの表示用ドット領域に対して複数回行われ、合計の吐出量Agは、予め、バンク4の高さによって規定される表示用ドット領域6gの容積よりも多くなるように設定されている。従って、供給されたG色フィルタ材料はバンク4よりも上方へ突出する。次に、50℃、10分程度の加熱処理によってプレベークを行ってG色フィルタ材料内の溶剤を蒸発させて、図4(g)に示すように、G色フィルタ材料の表面を平坦化させてG色フィルタ要素9gを形成する。
【0082】
次に、図4(h)において、R色のフィルタ要素を形成すべき表示用ドット領域6r内へ、図8に示したインクジェットヘッド22を用いて、R色フィルタ材料を液滴8として吐出する。このときの合計の吐出量Arも、バンク4の高さによって規定される表示用ドット領域6rの容積より多くなるように設定され、供給されたR色フィルタ材料はバンク4よりも上方へ突出する。次に、50℃、10分程度の加熱処理によってプレベークを行ってR色フィルタ材料内の溶剤を蒸発させて、図5(i)に示すように、R色フィルタ材料の表面を平坦化させてR色フィルタ要素9rを形成する。
【0083】
次に、図5(j)において、B色のフィルタ要素を形成すべき表示用ドット領域6b内へ、図8に示したインクジェットヘッド22を用いて、B色フィルタ材料を液滴8として吐出する。このときの合計の吐出量Abも、バンク4の高さによって規定される表示用ドット領域6bの容積より多くなるように設定され、供給されたR色フィルタ材料はバンク4よりも上方へ突出する。次に、50℃、10分程度の加熱処理によってプレベークを行ってB色フィルタ材料内の溶剤を蒸発させて、図5(k)に示すように、B色フィルタ材料の表面を平坦化させてB色フィルタ要素9bを形成する。
【0084】
その後、例えば、230℃、30分程度の加熱によってアフターベークを行って、フィルタ要素を硬化させることにより、R,G,Bの各色フィルタ要素9g,9r,9bを所定の配列、例えば図1のストライプ配列に並べて成るカラーフィルタが形成される。また、同時に、基材2とカラーフィルタとから成るカラーフィルタ基板1が形成される。
【0085】
図6に示したカラーフィルタ基板の製造装置201は以上に説明したようなカラーフィルタ基板の形成処理を実行する。この形成処理が行われている間、R,G又はBのフィルタ材料を収容した容器222は、フィルタ材料供給部203に配置される。そして、パイプ223を通してフィルタ材料が記録ヘッド213へ送られる。このとき、フィルタ材料が使用温度、すなわち室温、例えば18℃〜26℃、好ましくは25℃〜26℃になっていれば、ヒータ221は発熱しない状態になっている。
【0086】
カラーフィルタ基板の形成処理が終了して、製造装置201を再度稼動するまでに長時間の待機期間がある場合、作業者はフィルタ材料の容器222をフィルタ材料供給部203から取り出して、冷却保存部204にある冷蔵庫226の中に入れる。冷蔵庫226の内部は、フィルタ材料の使用温度よりも低い温度、又はフィルタ材料の劣化温度よりも低い温度に設定されている。今、使用温度すなわち室温を25℃〜26℃に設定するならば、冷蔵庫226内の温度は約10℃に設定される。従って、冷蔵庫226に入れられたフィルタ材料はその低温度まで冷却された状態で保存される。この結果、フィルタ材料が短時間に劣化することを防止でき、フィルタ材料の品質を長期間にわたって正常に保持できる。
【0087】
以上のようにフィルタ材料を冷蔵庫226内で冷却して保存した場合、このフィルタ材料を冷蔵庫226から出してフィルタ基板の形成処理を再開しようとするときには、冷蔵庫226から取り出したフィルタ材料がその使用温度、すなわち室温に昇温するまで、作業を開始できない。本実施形態では、フィルタ材料供給部203にヒータ221を設置してあるので、作業者がそのヒータ221によって囲まれる領域内に容器222を置いて、ヒータ221を発熱させれば、容器222内のフィルタ材料を短時間に使用温度まで昇温でき、それ故、インクジェットヘッド22(図8参照)を用いたカラーフィルタ基板の形成処理を短時間内に開始できる。
【0088】
なお、フィルタ材料の形成処理を開始するまでに時間の余裕がある場合には、ヒータ221の発熱を利用することなく、ヒータ材料を室温環境下で自然に昇温させることもできる。
【0089】
本実施形態では、図4(e)に示すバンク4の形成工程おいて、図1に示すように、互いに隣り合う表示用ドット領域6の間の縦方向のピッチがP1に設定され、縦方向の間隔がd1に設定される。また、横方向のピッチがP2に設定され、横方向の間隔がd2に設定される。そして、この場合、
d2>d1
に設定される。
【0090】
つまり、異なる色のフィルタ材料が吐出される表示用ドット領域6の間に存在するバンク4の幅、すなわち間隔d2は、同じ色のフィルタ材料が吐出される表示用ドット領域6の間に存在するバンク4の幅、すなわち間隔d1よりも広く設定される。例えば、P1=255μm、P2=85μm、d1=7μm、d2=15μmに設定される。
【0091】
図4から図5に示すフィルタ材料の吐出工程で説明したように、各フィルタ要素9g,9b,9rはノズル27から吐出されるフィルタ材料の液滴8によって形成される。このとき、図1の横列方向には異なる色のフィルタ材料が吐出されるので、仮に横列方向における領域間隔d2が狭いと、1つの領域6から材料が溢れた場合、その溢れた材料が隣りの領域6内に存在する異なる色の材料に混ざり、混色が発生するおそれがある。このような混色が発生すると、カラーフィルタの品質が非常に劣化する。なお、同じ色のフィルタ材料が並べられる縦列方向に関しては、仮に1つの領域へ向けて吐出された液滴の一部が誤って隣りの領域に入ったとしても、色が同じなので混色は生じない。
【0092】
本実施形態では、上記のように、異なる色間のバンク幅d2を同じ色間のバンク幅d1より広く設定したので、1つの領域6へ向けて吐出された液滴は、縦列方向に関しては隣りの領域6内へ侵入することはあっても、横列方向に関しては隣りの領域6内へ侵入することが無い。これにより、混色の発生を防止でき、それ故、各色が鮮明に色分けされた高品質のカラーフィルタが常に得られる。
【0093】
ところで、図4から図5に示すフィルタ材料の吐出工程では、ノズル27が基材2の表面の近傍を走査移動しながら液滴8を吐出する。このノズル27の走査移動方向、すなわち描画方向は、図1に矢印Dで示すように、同じ色のフィルタ要素9r,9g又は9bが並ぶ方向である縦列方向に決められている。一般に、1つの領域6へ向けてノズル27から吐出された液滴が誤って隣りの領域6へ入ってしまう可能性は、ノズル27の走査移動方向の方がそれに直角の方向よりも高くなる。従って、本実施形態のように、ノズル27の走査方向を同じ色のフィルタ要素9r,9g又は9bが並ぶ方向に設定しておけば、混色の発生をより一層低減できる。
【0094】
(変形例)
上記の実施形態では、カラーフィルタを構成するフィルタ要素としてR,G,Bの3色を考えた。しかしながら、フィルタ要素としては、R,G,B以外にC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)とすることもできる。
【0095】
また、上記の実施形態では、図1に示したように、フィルタ要素9g,9r,9bの配列をストライプ配列とした。しかしながら、フィルタ要素の配列の仕方は、ストライプ配列以外に種々提案されており、それら種々の配列の中で、ストライプ配列と同様に、同じ色のフィルタ要素が隣り合うことがあり、同時に異なる色のフィルタ要素が隣り合うこともあるような配列に関しては、ストライプ配列と同様に本発明を適用できる。
【0096】
(電気光学装置の製造方法の実施形態)
以下、本発明に係る電気光学装置の製造方法の一実施形態を電気光学装置の一例である液晶装置を製造する場合を例に挙げて説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されるものでないことは、もちろんである。
【0097】
例えば、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、例えば、図2に示した単純マトリクス方式で半透過反射型の液晶装置51を製造する際に、図6〜図10に示すカラーフィルタ基板のための製造装置201を用いて、図3〜図5に示す工程を実行することによって達成される。この電気光学装置の製造方法によれば、図2の液晶装置51に用いられる、図5(k)のカラーフィルタ基板1に関して、各色フィルタ要素9g,9r,9bを混色を生じさせることなく明確に区分けして形成でき、これにより、カラー表示の品質に優れた液晶装置を安定して製造することができる。
【0098】
(電子機器及びその製造方法の実施形態)
図11は、本発明に係る電子機器の一実施形態を示している。ここに示す電子機器は、表示情報出力源141、表示情報処理回路142、電源回路143、タイミングジェネレータ144及び液晶装置145によって構成される。そして、液晶装置145は液晶パネル147及び駆動回路146を有する。液晶装置145は、図6〜図10に示したカラーフィルタ基板の製造装置を用いて、図4〜図5に示した製造方法によって製造された、図2に示す液晶装置51によって構成できる。
【0099】
表示情報出力源141は、RAM(Random Access Memory)等といったメモリや、各種ディスク等といったストレージユニットや、ディジタル画像信号を同調出力する同調回路等を備え、タイミングジェネレータ144により生成される各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等といった表示情報を表示情報処理回路142に供給する。
【0100】
次に、表示情報処理回路142は、増幅・反転回路や、ローテーション回路や、ガンマ補正回路や、クランプ回路等といった周知の回路を多数備え、入力した表示情報の処理を実行して、画像信号をクロック信号CLKと共に駆動回路146へ供給する。ここで、駆動回路146は、走査線駆動回路(図示せず)やデータ線駆動回路(図示せず)と共に、検査回路等を総称したものである。また、電源回路143は、上記の各構成要素に所定の電源電圧を供給する。
【0101】
図12は、本発明に係る電子機器のさらに他の実施形態であるデジタルカメラであって、液晶装置をファインダとして用いるものを示している。このデジタルカメラ150におけるケース151の背面には液晶表示ユニット152が設けられる。この液晶表示ユニット152は、被写体を表示するファインダとして機能する。この液晶表示ユニット152は、図6〜図10に示したカラーフィルタ基板の製造装置を用いて、図3〜図5に示した製造方法によって製造された、図2に示す液晶装置51によって構成できる。
【0102】
ケース151の前面側(図においては裏面側)には、光学レンズやCCD等を含んだ受光ユニット153が設けられている。撮影者が液晶表示ユニット152に表示された被写体像を確認して、シャッタボタン154を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板155のメモリに転送されてそこに格納される。
【0103】
ケース151の側面には、ビデオ信号出力端子156と、データ通信用の入出力端子157とが設けられている。ビデオ信号出力端子156にはテレビモニタ158が必要に応じて接続され、また、データ通信用の入出力端子157にはパーソナルコンピュータ159が必要に応じて接続される。回路基板155のメモリに格納された撮像信号は、所定の操作によって、テレビモニタ158や、パーソナルコンピュータ159に出力される。
【0104】
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカラーフィルタ基板の主要部の平面図である。
【図2】本発明に係る電気光学装置の一実施形態である液晶装置の断面構造を示す断面図である。
【図3】本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法を工程順に示す工程図である。
【図4】図3に続く工程を示す工程図である。
【図5】図4に続く工程を示す工程図であり、特に、(k)は完成したカラーフィルタ基板を示している。
【図6】本発明に係るカラーフィルタ基板の製造方法を実施するための製造装置の一例を示す斜視図である。
【図7】図6に示す製造装置の制御系を示す回路ブロック図である。
【図8】図6に示す製造装置の材料吐出部を示す斜視図である。
【図9】図8に示す材料吐出部の主要部の内部構造を一部破断して示す斜視図である。
【図10】図9のD−D線に従った断面図である。
【図11】本発明に係る電子機器の一実施形態を示すブロック図である。
【図12】本発明に係る電子機器の一実施形態であるデジタルカメラを示す図である。
【符号の説明】
1:カラーフィルタ基板、 2:基材、 3:遮光層、 3a:金属膜、 4:バンク、 4a:感光性樹脂、 6,6g,6r,6b:表示用ドット領域、7a:レジスト、 8:液滴、 9g,9r,9b:フィルタ要素、 20:ケーシング、 22:インクジェットヘッド、27:ノズル(液滴吐出部)、 39:加圧体、 41:圧電素子、 42a,42b:電極、 51:液晶装置(電気光学装置)、 52:液晶パネル、 55:液晶層、 57a,57b:基板、 61a.61b:基材、 68:カラーフィルタ、 150:デジタルカメラ(電子機器)、201:カラーフィルタ基板の製造装置、 202:フィルタ形成部、203:フィルタ材料供給部、 204:冷却保存部、 213:記録ヘッド、 M0:フィルタ材料、 S0:波形、 S1:ビットマップデータ、 S2:吐出タイミング信号、 S3:位置情報、 V:有効表示領域
Claims (10)
- 基材と、該基材の表面を複数の表示用ドット領域に区分けする区分け要素と、前記複数の表示用ドット領域内に設けられる複数の色に着色されてなるフィルタ要素とを有するカラーフィルタ基板において、
異なる色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅は、同じ色のフィルタ要素間に存在する区分け要素の幅よりも大きい
ことを特徴とするカラーフィルタ基板。 - 請求項1において、前記複数の色のフィルタ要素はストライプ配列で並べられることを特徴とするカラーフィルタ基板。
- 基材上を複数の表示用ドット領域に区分けする区分け要素を形成する工程と、
異なる色の液状のフィルタ材料を前記複数の表示用ドット領域内へ液滴吐出部から液滴として吐出して供給する工程とを有し、
前記区分け要素を形成する工程では、異なる色のフィルタ材料が供給される表示用ドット領域間に存在する区分け要素の幅が、同じ色のフィルタ材料が供給される表示用ドット領域間に存在する区分け要素の幅よりも広くなるように、前記区分け要素を形成する
ことを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。 - 請求項3において、前記液滴吐出部は前記基材に対して相対的に平行移動しながら液滴を吐出し、前記液滴吐出部の相対移動方向は同じ色のフィルタ要素が並ぶ方向であることを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。
- 請求項3又は請求項4において、前記液滴吐出部は前記複数の表示用ドット領域の1つずつに対してフィルタ材料の液滴を複数、供給することを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。
- 請求項3から請求項5の少なくともいずれか1つにおいて、前記複数の色のフィルタ要素はストライプ配列で並べられることを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。
- 請求項1又は請求項2記載のカラーフィルタ基板と、該カラーフィルタ基板上に設けられた電気光学物質とを有することを特徴とする電気光学装置。
- 請求項3から請求項6の少なくともいずれか1つに記載のカラーフィルタ基板の製造方法を実施する工程と、カラーフィルタ基板上に電気光学物質を設ける工程とを有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
- 請求項7記載の電気光学装置と、該電気光学装置の動作を制御する制御手段とを有することを特徴とする電子機器。
- 請求項8記載の電気光学装置の製造方法を実施する工程を有することを特徴とする電子機器の製造方法。
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WO2013108783A1 (ja) * | 2012-01-19 | 2013-07-25 | シャープ株式会社 | カラーフィルタ基板、表示素子、及びカラーフィルタ基板の製造方法 |
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- 2003-06-02 JP JP2003156836A patent/JP2004361492A/ja not_active Withdrawn
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