JP2004358809A - 樹脂成形品 - Google Patents

樹脂成形品 Download PDF

Info

Publication number
JP2004358809A
JP2004358809A JP2003159900A JP2003159900A JP2004358809A JP 2004358809 A JP2004358809 A JP 2004358809A JP 2003159900 A JP2003159900 A JP 2003159900A JP 2003159900 A JP2003159900 A JP 2003159900A JP 2004358809 A JP2004358809 A JP 2004358809A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded product
mixed
chip
resin molded
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003159900A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Nakao
喜浩 中尾
Yuji Ishijima
勇治 石島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2003159900A priority Critical patent/JP2004358809A/ja
Publication of JP2004358809A publication Critical patent/JP2004358809A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】ガラス繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体の製造時又は加工時に発生する切削粉を多く用い、しかも充分な曲げ強度を有する樹脂成形品を提供する。
【解決手段】ガラス繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体の製造時又は加工時に発生する切削粉と、長さが200mm以下であり、長軸に沿った方向に連続繊維が含有され、かつアスペクト比が5以上である細長いチップ状材料と、上記切削粉と細長いチップ状材料との混合粉に、加熱により溶融又は硬化するバインダー成分を混合して混合原料とし、この混合原料を展開、積層して加熱又は加圧して得られる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
ガラス繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体の製造時又は加工時に発生する切削粉を原料とした樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体の製造時又は加工時には、切断、切削、研磨、穿孔等の多くの加工工程があり、各加工工程から発生する切削粉は、短く切断されたガラス繊維と熱硬化性のウレタン樹脂発泡体の破片又は粉状物を主成分とした複合粉体となっている。
【0003】
これらガラス繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体を構成するウレタン樹脂は、その分子構造上、再融解による再原料化はできず、又ガラス繊維のみを回収することも、大きな手間が掛かり、コストが高くなって実施し難いものであった。
【0004】
そのため、その殆どが燃料としてサーマルリサイクルされているが、焼却後に発生するガラス等の残滓を処分するための処分費が発生しているのが現状であり、処分費を削減できるマテリアルリサイクル化技術の開発が進められている。上記切削粉や端材を大量に用いた成形品を得ることができるマテリアルリサイクル化技術が開発されれば、得られた成形品の材料費を、それをバージン材料のみで製造する場合よりも、大幅に削減することも可能となるという効果も期待できる。
【0005】
ウレタン系樹脂の粉砕物に接着剤を混合して加熱加圧プレスし、該粉砕物を原料とした成形品を得る方法としては、例えば、「未塗装のウレタン系樹脂廃材を粉砕してなる第1粉砕品に、ウレタン系接着剤を混合して得られる第1接着剤被覆粉砕品を、製造されるプレス成形体の第1表層部を構成することとなる第1キャビティーに導入し、次いで、塗装済みのウレタン系樹脂廃材を粉砕してなる第2粉砕品に、ウレタン系接着剤を混合して得られる第2接着剤被覆粉砕品を、製造されるプレス成形体の基材部を構成することとなる第2キャビティーに導入し、上記第1接着剤被覆粉砕品を、第2表層部を構成することとなる第3キャビティーに導入し、その後、上記成型加熱、加圧して、上記プレス成形体を製造することを特徴とする再生ウレタン系プレス成形体の製造方法」が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
上記文献1の技術では、粉砕物が、平均粒径が3mm以下の塗装されたウレタン系樹脂材料の廃棄物であり、これにウレタン系接着剤を混合した接着剤被覆粉砕物を原料としてプレスするものであって、ウレタン系樹脂はガラス繊維等を含むものであるとされている。従って、ガラス繊維等を含有するウレタン系樹脂の粉砕物全量を樹脂成形品として利用する事が可能なマテリアルリサイクル法の一例である。
【0007】
上記文献1では、得られる樹脂成形品の物性(伸び率、引っ張り強度、衝撃強度等)を確保するために、原料となるウレタン系樹脂成型体中に含まれるガラス繊維等の含有量は、ウレタン製品100重量部に対し20重量部以下とすることが好ましく、又得られる樹脂成形品の外観と物性バランスの向上の為には、原料となる粉砕品の粒径分布を、粉砕品100重量部に対して、0.5mm以下の粒径を有する粉砕品を約10重量部、0.5〜2.0mmの粒径を有する粉砕品を約80重量部、2.0〜3.0mmの粒径を有する粉砕品を約10重量部とすることが好ましいとしている。
【0008】
【特許文献1】特開平6−99449号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記文献1記載の再生ウレタン系プレス成形体の製造方法では、切削粉と接着剤とを用いて熱プレスした成形品は、圧縮強度が高くなることは予想されるが、粉砕品中に補強繊維が存在しない又はガラス繊維が存在したとしてもその長さが短くしかもガラス含有量が低いので、それ故に曲げ強度が低く、その用途が限定されてしまうという問題点がある。
【0010】
繊維と樹脂とからなる樹脂成形品に曲げ撓みが発生した時、曲げ応力の印加点側の反対側の成形品表面には最大曲げモーメントが作用する。従って、その部分に高抗張力材料を配置することで曲げ強度を大きくすることができる。即ち、切削粉に補強効果を発揮する材料を添加すれば良く、一般的に、このような高抗張力材料を添加した成形品の曲げ強度は、材料の引っ張り破断点まで増加する。しかしながら、成形品のマトリックス樹脂と抗張力材料とは完全に接着させておく必要がある。
【0011】
一方、鉄道枕木、鉄道用枕木、軽量受圧板、或いは角落とし板等に用いられるガラス繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体、即ちいわゆる合成木材例えばネオランバーFFu(商品名、積水化学工業社製)等では、必要とされる強度が大きくそのガラス繊維含有量は製品重量の20重量%を超えるものである。また、製品製造時には、裁断、切削、表面研磨、穿孔等の種々の加工が行われ、これらの製造、加工時には、大量の切削粉が発生する。
【0012】
この切削粉は、繊維を含有しているとはいっても絶対的な長さが短いために事実上配向させ難く、従って、切削粉においてはプレス前に長さ方向を揃えることが困難であり、これに熱硬化性の接着剤等を混合して通常の加熱加圧プレス法で成型しても、見栄えが良くかつ圧縮強度に優れた樹脂成形品とはなっても、充分な曲げ強度が出難く、実用に供しうる樹脂成形品に再生することが不可能であるという問題点がある。
【0013】
本発明は上記従来の技術が有する問題点を解決し、ガラス繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体の製造時又は加工時に発生する切削粉を多く用い、しかも充分な曲げ強度を有する樹脂成形品を提供することを目的としてなされたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の請求項1記載の樹脂成形品(発明1)は、ガラス繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体の製造時又は加工時に発生する切削粉と、長さが200mm以下であり、長軸に沿った方向に連続繊維が含有され、かつアスペクト比が5以上である細長いチップ状材料と、上記切削粉と細長いチップ状材料との混合粉に、加熱により溶融又は硬化するバインダー成分を混合して混合原料とし、この混合原料を展開、積層して加熱又は加圧して得られることを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明(発明2)は、展開、積層された混合原料中の細長いチップ状材料が、略長さ方向に配向されていることを特徴とする発明1の樹脂成形品である。
【0016】
請求項3記載の発明(発明3)は、切削粉を少なくとも50重量%以上含有することを特徴とする発明1又は2の樹脂成形品である。
【0017】
請求項4記載の発明(発明4)は、細長いチップ状材料がガラス繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体を破砕して得られたチップ状材料であることを特徴とする発明1乃至3のいずれかの樹脂成形品である。
【0018】
請求項5記載の発明(発明5)は、バインダー成分が熱硬化性樹脂であることを特徴とする発明1乃至4のいずれかの樹脂成形品である。
【0019】
請求項6記載の発明(発明6)は、切削粉と熱硬化性樹脂と細長いチップ状材料とを混合し展開、積層された混合原料層をプレス成形機を用いて50〜180℃の範囲でホットプレスされたことを特徴とする発明1乃至5のいずれかの樹脂成形品である
【0020】
本発明に用いられる切削粉とは、ガラス繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体(以降、合成木材等という。)を所定の形状の製品にするために、合成木材を切断、表面研磨、孔開け、面取り等の二次加工を行う時に発生する切削粉等である。
【0021】
切削粉は、ガラス繊維と硬質ウレタン樹脂発泡体とが主成分である。また、切削粉の平均粒径は、切削の方法により様々であるが、特に表面研磨時に大量に発生する。この切削粉は、二次加工時に発生する全発生量の90重量%以上を占める。この研磨時に発生する切削粉を、レーザー回折法により測定したところ、メディアン径が1μm〜2000μmに存在していることが確認されている。
【0022】
メディアン径が2000μmを超える場合には、粒子が大きすぎて圧密化がし難く、充分な圧密状態の樹脂成形品を得ようとすれば、プレスする時にプレス圧力が大きくなり過ぎて、大きな製造装置が必要となってしまう。
【0023】
一般に、樹脂成形品の曲げ強度補強のためには長繊維の強化繊維を用いることが望ましいが、長繊維を成形品中に添加することは、繊維とマトリックス樹脂とを充分に接着させておく必要があり、そのために予めバインダー成分を繊維中に含浸又は含有させるなどの工程が必要となる。このため、プレス成形等の回分式成型方法では工程が煩雑になってしまうため、効率的でない。
【0024】
一方、例えば長さ100mm程度の細長いチップ状材料を添加した樹脂成形品の曲げ強度は、成形品中のマトリックス樹脂とチップ状材料との引き抜き強度が大きければ大きいほど増加する。又、チップ状材料が引き抜かれる方向に細長いチップ状材料の長軸を揃え、配向係数をアップさせることで、同量のチップ状材料を添加した場合と比較して、引き抜き強度が増加し、従って曲げ強度が増加する。
【0025】
この時の引き抜き強度は、同時材質の材料を同量添加した場合、主にチップ状材料のアスペクト比により定まり、同じ長さであればチップ径が小さいほど曲げ強度は増加する。又、チップ状材料の添加量が多いほど曲げ強度は大きくなる。
【0026】
しかしながら、チップ状材料は、その長さが長くなると切削粉、バインダーとの混合が難しくなり、しかも、切削粉とバインダーとが混合された混合原料を、賦形金型内に均一に展開して積層することが難しくなる。従ってチップ状材料としては、平均長さ200mm以下、アスペクト比5以上の細長い形状であることが望ましい。
【0027】
細長いチップ状材料は、その中に、ほぼ同一方向に並んだ繊維を含有しているものであり、長さが200mm以下、長軸が繊維の方向に沿った方向でかつアスペクト比が5以上である細長いチップ状材料をいう。チップ状材料中に含有される繊維は、ほぼ同一方向に並んでおりかつチップ状材料の長さ方向が繊維の方向に沿っているので、チップ状材料自体をその長さ方向に揃えれば、全体として繊維方向はほぼ同じ方向に向くことになる。従って、この状態のままプレス成形して、チップ状材料同士を強固に結合すれば、繊維補強効果が充分に発揮された高強度な樹脂成形品が得られる。
【0028】
長さが200mmより大であると、チップ状材料が大きくなり過ぎて通常の加熱加圧プレス成型法ではチップ状材料同士の間に隙間が残り、大きな圧力で圧密しなければ実用的な強度を有する樹脂成形品に再生し難く、その結果、製造装置を大きくしなければならなくなる。又、アスペクト比が5未満であると、強度が充分に出るだけの繊維配列となるようにチップ状材料を揃えることが困難になり、充分な曲げ強度が出なくなる恐れがある。
【0029】
このような細長いチップ状材料としては、例えば一例として、竹、木材、FRP(繊維補強樹脂)類等が挙げられ、これらはバージン品であっても使用済みの廃棄物であっても良い。
【0030】
特に、合成木材等の製造時又は加工時に発生する端材等、例えば橋梁用鉄道枕木や、傾斜面用土留め材、廃水処理場、ダム、堰等、耐食性を要求される場所での受圧板等に用いられた後の合成木材等の廃棄物を処理する際に行われる切断、切削、破砕、粉砕等時に発生する端材等を破砕した細長い粉砕チップ状材料等は、基本的に切削粉と同じ材料であるので、特に好ましい。
【0031】
上記用途における合成木材等においては、必要とされる曲げ強度が大きくそのガラス繊維含有量は製品重量の20重量%を超えるものである。
【0032】
また、その製品製造時には、製品を所定の長さに裁断したり、裁断された複数枚の製品の表面を切削、研磨しこれ等を貼り合わせて所望のサイズに成型し、更に必要に応じて穿孔する等の種々の加工が行われる。これらの工程では大量の切削粉や端材が発生し、通常これらの端材は、リサイクル工程の前に長さが200mm以下に裁断されてから破砕される。
【0033】
端材を破砕すれば、その破砕物は長軸の方向が元の合成木材等に含有されているガラス繊維の方向に沿った細長い破砕チップ状材料となり、その粒径が大きいものから小さいものまでが混在したものとなる。
【0034】
然るに、これらの端材を破砕した細長い破砕チップ状材料は、その中に含有されているガラス繊維がある程度の長さを有しているので、その方向を一定方向に引き揃えて成型すれば、充分な曲げ強度を有する樹脂成形品が得られる。
【0035】
このようなガラス繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体を破砕すると、繊維の周りに硬質ウレタン樹脂が固着した細長いチップ状の破砕片や、硬質ウレタン樹脂だけが粉末状に破砕された破砕物(粉砕物)が生じる。本発明では、これらの破砕物のうち、粉末状に破砕された樹脂の粉砕物を含め、繊維を含んだ細長い破砕チップ状材料を利用して新たな樹脂成形品を得るものである。
【0036】
上記端材を粉砕する方法は特に限定されず、一般的な方法で行われれば良い。例えば一例として、回転刃を有するローラで端材を破砕する一軸破砕機や、回転刃を有する平行に配された一対のローラの間に成形品を通過させることにより双方の回転刃を成形品に噛み込ませて破砕する2軸破砕機などを採用することができる。
【0037】
また、破砕された物から所定範囲の厚さ、幅および長さを有する細長いチップ状の破砕片を選別する装置としては、例えば、ウェーブローラ方式の分級機を挙げることができる。ウェーブローラ方式の分級機は、破砕物の厚さや幅を基準にして連続的に分級する装置であり、区分された破砕物から所定範囲の厚さ、幅および長さを有する細長いチップ状の破砕片を選別することができる。
【0038】
切削粉と細長い破砕チップ状材料との混合比は、切削粉100重量部に対し細長い破砕チップ状材料10重量部〜50重量部が好ましい。細長い破砕チップ状材料が10重量部未満であると充分な強度が出難く、50重量部を超えると切削粉のリサイクルの目的から外れてしまう。
【0039】
切削粉及び細長い破砕チップ状材料との混合粉にバインダー成分とを混合する。バインダー成分としては、加熱により溶融又は硬化するものが用いられる。即ち、得られる樹脂成形品の物性が所定の強度を発揮するものであれば良く、更に樹脂成形品が得られた後で雰囲気湿度、温度等によって得られた樹脂成形品が変形しないものが望ましい。例えば一例として、石膏等の無機材料類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル樹脂、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂等の熱可塑性樹脂類;フェノール、ユリア、メラミン、ウレタン、不飽和ポリエステル、イソシアネート、エポキシ等の熱硬化性樹脂類が挙げられる。
【0040】
バインダーとして無機材料類を用いる場合には、得られる製品の耐熱性が向上する反面、同量の樹脂類を用いた場合よりも機械的物性が低下する。但し、原料となる切削粉にはガラスが含まれるため、例えばセメント成分等のアルカリ性バインダーを用いることはできない。又この場合は、その賦形方法は、一般的なプレス成型法が採られれば良い。
【0041】
バインダーとして熱可塑性樹脂類を用いる場合には、製品の賦形方法として押出成型法、射出成型法等が適用可能である。但し、金型や混練押出機の摩耗の点から、通常は樹脂の配合量が多く必要となるので、コストが高くなる可能性がある。
【0042】
熱硬化性樹脂類は主剤と硬化剤とからなる二液型のものが多く使われ、基本的に主剤と硬化剤とはいずれも液状である。バインダーとして、加熱により硬化反応が進む熱硬化性樹脂類を用いる場合には、主剤と硬化剤とを切削粉の表面に噴霧塗布することが可能であり、少量の添加量でも切削粉表面を被覆することが可能である。従って、混合されるバインダーが少量であっても、混合された混合原料を加熱しながら加圧することで、高強度成形品が得られる。
【0043】
従って、リサイクルと低コストの点で、バインダーとしては熱硬化性樹脂が特に好ましい。更に、切削粉の材質が硬質ウレタン樹脂であれば、バインダーとしては、ポリイソシアネート化合物とポリオールとからなるウレタン樹脂が好ましい。イソシアネートの場合では、一分子中にイソシアネート基の数が複数個ある化合物であれば特に限定されず、例えば一例として、精製又は未精製のMDI(メチレンジフェニルジイソシアネート)、TDI(トリレンジイソシアネート)等が挙げられる。
【0044】
切削粉と細長い破砕チップ状材料との混合粉にバインダーを付着させるには、バインダー成分が切削粉と細長い破砕チップ状材料との混合粉の全表面に均一に付着され、かつ混合粉自体が混合作業により壊れない混合方法が採られることが好ましい。例えば一例として、コンベア上やドラムブレンダー内などに投入した上記混合粉に、バインダーが液状である場合には噴霧し、又はバインダーが粉〜粒子状である場合には散布して、混合粉の表面にバインダーを均一に付着させる方法を採ることができる。なお、バインダーが熱硬化性樹脂の場合は、主剤と硬化剤とを所定の比率で混合して噴霧すれば良い。
【0045】
表面に熱硬化性樹脂を付着された混合原料は、いまだ粉末状又は細長い破砕チップ状材料の形状を保っている。この混合原料を賦形金型内に展開、積層してプレス加工するのであるが、プレス前に細長い破砕チップ状材料の配向を行うことが望ましい。
【0046】
切削粉と細長い破砕チップ状材料との混合粉にバインダーを混合し、混合粉中の細長い破砕チップ状材料の長さ方向を略同一方向に引き揃えて配向すると共に、樹脂成形品の長さ方向が細長い破砕チップ状材料の配向方向となるようにしてプレス成形する。これにより、細長い破砕チップ状材料に含まれる繊維が補強材として機能し、長さ方向の曲げ強度、曲げ弾性率を向上させた樹脂成形品を得ることができる。
【0047】
熱硬化性樹脂を混合された混合原料は、その中に混合されている細長い破砕チップ状材料を略長さ方向に引き揃えて配向される。配向させるには、種々の方法を採ることができる。例えば、混合原料を成形金型やコンベア上に落下させる際に、所定の幅および長さを有する櫛状のスリットを通して配向させる方法や、ランダムに配向した混合原料をディスク状のスリットを通すことで配向させる方法などを採ることができる。また、一般的なディスクオリエンターなどを用いることも可能である。則ち、混合原料を落下させる際にディスクオリエンターによって成形ライン方向に細長い破砕チップ状材料の長手方向を引き揃えて配向させることができる。さらに、成型金型中に展開、積層した混合原料に棒体を貫入し、この棒体を、細長い破砕チップ状材料を配向させたい方向に移動させて配向させる方法など、手動で配向させても良い。
【0048】
なお、細長い破砕チップ状材料中に含有される繊維の方向は、細長い破砕チップ状材料の長さ方向に対してほぼ一致している。従って、略長さ方向に引き揃えた状態とは、細長い破砕チップ状材料の長さ方向が、得られる樹脂成形品の長さ方向を基準線として、20度以内にある粉砕チップ状材料の数が全体の70重量%以上ある状態をいう。
【0049】
成形方法は、混合原料を賦形金型内に展開、積層して配向し、配向を乱さないようにして、一般的な加熱加圧プレス法により賦形して樹脂成形品を得る。プレス機は特に限定されないが、一般に温度が高いほど反応速度が早くなるので、プレス中に混合原料を加熱できる熱プレスが好ましい。賦形型は特に限定されないが、賦形型の全ての面から加熱すれば成形品内部まで全体に熱が素早くしかも均一に伝達され易くなって反応効率が良くなるので、上下左右から加熱できる形状の賦形型が望ましい。
【0050】
プレス成形の条件は、切削粉の平均粒度、バインダーの種類と配合量、目的とする樹脂成形品の密度等によって適宜選択して決められればよい。例えば一例として、バインダーとしてイソシアネートとポリオールとからなるウレタン樹脂を用いる場合には、賦形型温度が50℃以下では硬化速度が非常に遅くなり、単位時間当たりの生産量が減少する。又、180℃より高くなると、切削粉中のウレタン樹脂が炭化してしまい、強度が低下したり強度むらが発生して実用性能が低下する恐れが生じるほか、製品外観上も好ましくない。従って、その温度は、50℃から180℃が特に好ましく、バインダー成分がウレタン樹脂の場合は110℃程度が適当である。
【0051】
(作用)
切削粉は、含有している繊維が短いのでその繊維方向を一定方向に揃えることは事実上困難であり、方向が揃っていない状態で加熱又は加圧によりプレス成形すれば、圧縮強度は出るが充分な曲げ強度が出難い成形品となる。一方、細長い破砕チップ状材料では、繊維長さがある程度長いので充分な配向ができて曲げ強度を出し易いが、チップ状材料が大きくてチップ状材料同士の間に隙間ができ易く、得られる成形品がバルキーな状態となり易い。
【0052】
本発明においては、上記切削粉と細長い破砕チップ状材料とを混合して用いることで、細長い破砕チップ状材料同士の隙間に切削粉が充填された構造となる。即ち、これらをバインダー成分で結合すれば、切削粉がバインダーで固められたマトリックス中に、繊維強化された細長い破砕チップ状材料が繊維方向を揃えて配置された構造となるので、必要な強度を有する樹脂成形品が得られるのである。
【0053】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を実施例を引用して説明する。
【0054】
(実施例1)
ポリオール(粘度38mPa・s/25℃、平均官能基数3のポリエーテルポリオール)403gに、ポリイソシアネート(粘度200mPa.s/25℃のポリメリックMDI)597gを計量してステンレス製ボールに入れ、TKホモディスパー(特殊機化工業社製)を用いて回転数5000rpmで60秒間撹拌し、バインダーを調整した。
【0055】
ガラス繊維強化ウレタン樹脂発泡体(エスロンネオランバーFFU、積水化学工業社製)の製造時及び加工時に発生する切削粉(メディアン径75μm)3500gと、同じ合成木材を破砕して得られた平均長さ20mm、アスペクト比6.5の細長い破砕チップ状材料500gとを、混合機(容量20、三井鉱山社製)に入れ、線速10m/秒で撹拌し混合粉とした。この混合粉4000gの中に、予め準備した上記バインダー1000gを約30秒かけて徐々に添加して混合し、投入完了後更に60秒間撹拌を継続した後排出して、混合原料を得た。
【0056】
この混合原料5000gを奥300mm×幅500mmの賦形金型内に展開、積層し、その表面を均一に均した後、プレス機で圧力8.8MPa、温度110℃で30分間プレスし、厚さ25mm、奥300mm、幅500mm、密度1.3g/cmの樹脂成形品を得た。得られた樹脂成形品を、JIS Z 2101に従って所定寸法に裁断し、密度及び曲げ強度を測定した。
【0057】
(実施例2)
上記混合粉を、切削粉3000gと、細長い破砕チップ状材料材料1000gの混合粉とし、この混合粉4000gに上記バインダー1000gを混合して混合原料を得た以外は実施例1と同様にして樹脂成形品を得、同様にして密度及び曲げ強度を測定した。
【0058】
(実施例3)
実施例2の混合原料を、金型内に、幅方向の間隔15mmで金属プレートを併設して隙間を構成し、その隙間の上方から上記混合原料を落下させた。これにより、長さ15mm以上の細長い破砕チップ状材料をその長さ方向に揃えつつ賦形金型上に展開、積層展開した以外は実施例2と同様にして樹脂成形品を得、同様にして密度及び曲げ強度を測定した。
【0059】
(比較例1)
混合原料として、切削粉4000gにバインダー1000gを混合して混合原料とした以外は、実施例1と同様にして樹脂成形品を得、同様にして密度及び曲げ強度を測定した。
【0060】
測定の結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
Figure 2004358809
【0062】
切削粉とバインダー成分に加え、チップ状材料を添加することで、曲げ強度が増加した。またチップ状材料を配向させて添加することで、更に曲げ強度が増加した。これらにより、ガラス繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体の製造時に発生する切削粉を大量に用いても、高い曲げ強度を有する成形品を安価に提供することが出来るようになり、様々な部材への展開が可能となる。
【0063】
【発明の効果】
以上の通りであるから、本発明1においては、ガラス繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体の製造時又は加工時に発生する切削粉を多く用い、しかも充分な曲げ強度を有する樹脂成形品となるのである。
【0064】
発明2においては、展開、積層された混合原料中の細長いチップ状材料が、略長さ方向に配向されているので、更に曲げ強度が高い樹脂成形品となるのである。
【0065】
発明3においては、切削粉を少なくとも50重量%以上含有するので、切削粉のリサイクルが性が良い樹脂成形品となるのである。
【0066】
発明4においては、細長い破砕チップ状材料がガラス繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体を破砕して得られたチップ状材料であるので、例えば合成木材等の製造時に発生する、切削粉のみならずチップ状材料も合わせてリサイクル利用される樹脂成形品となるのである。
【0067】
発明5においては、バインダー成分が熱硬化性樹脂であるので、マトリックスを構成する切削粉が確実に接着された樹脂成形品となるのである。
【0068】
発明6においては、切削粉と熱硬化性樹脂と細長いチップ状材料とを混合し展開、積層された混合原料層をプレス成形機を用いて50〜180℃の範囲でホットプレスされるので、外観に優れかつ高強度な樹脂成形品となるのである。

Claims (6)

  1. ガラス繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体の製造時又は加工時に発生する切削粉と、
    長さが200mm以下であり、長軸に沿った方向に連続繊維が含有され、かつアスペクト比が5以上である細長いチップ状材料と、
    上記切削粉と細長いチップ状材料との混合粉に、加熱により溶融又は硬化するバインダー成分を混合して混合原料とし、
    この混合原料を展開、積層して加熱又は加圧して得られる
    ことを特徴とする樹脂成形品。
  2. 展開、積層された混合原料中の細長いチップ状材料が、略長さ方向に配向されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形品。
  3. 切削粉を少なくとも50重量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂成形品。
  4. 細長いチップ状材料がガラス繊維強化硬質ウレタン樹脂発泡体を破砕して得られたチップ状材料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂成形品。
  5. バインダー成分が熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂成形品。
  6. 切削粉と熱硬化性樹脂と細長いチップ状材料とを混合し展開、積層された混合原料層をプレス成形機を用いて50〜180℃の範囲でホットプレスされたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂成形品。
JP2003159900A 2003-06-04 2003-06-04 樹脂成形品 Pending JP2004358809A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003159900A JP2004358809A (ja) 2003-06-04 2003-06-04 樹脂成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003159900A JP2004358809A (ja) 2003-06-04 2003-06-04 樹脂成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004358809A true JP2004358809A (ja) 2004-12-24

Family

ID=34052842

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003159900A Pending JP2004358809A (ja) 2003-06-04 2003-06-04 樹脂成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004358809A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007070811A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Sekisui Chem Co Ltd まくら木補修材、並びに、まくら木補修方法
JP2007169326A (ja) * 2005-12-19 2007-07-05 Sekisui Chem Co Ltd レール敷設用樹脂成形体、並びに、レール敷設用樹脂成形体の製造方法
WO2011077518A1 (ja) * 2009-12-22 2011-06-30 有限会社山本木型製作所 成形体の製造方法
JP2020105374A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 積水化学工業株式会社 繊維強化複合材料及びその製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007070811A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Sekisui Chem Co Ltd まくら木補修材、並びに、まくら木補修方法
JP2007169326A (ja) * 2005-12-19 2007-07-05 Sekisui Chem Co Ltd レール敷設用樹脂成形体、並びに、レール敷設用樹脂成形体の製造方法
KR101275967B1 (ko) * 2005-12-19 2013-06-14 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 레일 부설용 수지 성형체, 및 레일 부설용 수지 성형체의제조 방법
WO2011077518A1 (ja) * 2009-12-22 2011-06-30 有限会社山本木型製作所 成形体の製造方法
JP2020105374A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 積水化学工業株式会社 繊維強化複合材料及びその製造方法
JP7299699B2 (ja) 2018-12-27 2023-06-28 積水化学工業株式会社 繊維強化複合材料及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10343328B1 (en) Structural composites method and system
Hulme et al. Cost effective reprocessing of polyurethane by hot compression moulding
CN113165215A (zh) 一种回收复合材料和相关方法
Datta et al. Mechanical recycling via regrinding, rebonding, adhesive pressing, and molding
JP2004358809A (ja) 樹脂成形品
JP4495407B2 (ja) 再生成形材の製造方法並びに再生成形材、再生構造材、合成まくら木および軽量合成木材
JP2004359821A (ja) 樹脂成形品
JP3973185B2 (ja) 成形板
JPH11291248A (ja) 複合プラスチック廃材を原料とする建築用床材及びその製造方法
KR102272182B1 (ko) 재활용 필름 포장재를 이용한 인공골재 제조방법
JP2004338226A (ja) 繊維強化樹脂破砕物の成型方法
DE19743545A1 (de) Verfahren zur Verarbeitung von Prepreg-Verschnittresten
JP4653520B2 (ja) 繊維補強樹脂成形品の製造方法
JP2001279113A (ja) 樹脂成形用材料及びこれを使用した樹脂成形物
Omoniyi et al. Development of processing equipment for Souvenir production from wood and plastics wastes
JP4339734B2 (ja) 再生成形体およびその製造方法
JP4733396B2 (ja) 再生成形材の製造方法
US20120326349A1 (en) Method for producing a particle-based element
KR101444869B1 (ko) 우드 칩 보드 제조 장치 및 방법 그리고 우드 칩 보드
JP4309793B2 (ja) 再生成型体
JP2004338227A (ja) 再生成形材の製造方法
JP2004338194A (ja) 再生成形材の製造方法
JP2004002583A (ja) 木質様成形品及び木質様成形品の製造方法
JP2004338193A (ja) 再生成形材の製造方法
EP3950281B1 (en) Method for manufacturing press-molded body

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080530

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090624