JP2004352560A - ガラスの描画方法 - Google Patents

ガラスの描画方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004352560A
JP2004352560A JP2003152195A JP2003152195A JP2004352560A JP 2004352560 A JP2004352560 A JP 2004352560A JP 2003152195 A JP2003152195 A JP 2003152195A JP 2003152195 A JP2003152195 A JP 2003152195A JP 2004352560 A JP2004352560 A JP 2004352560A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
laser
dimensional image
sliced
plan
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003152195A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Yamate
貴志 山手
Hiroyuki Tamon
宏幸 多門
Shinji Nishikawa
晋司 西川
Kentaro Tsutsumi
憲太郎 堤
Kohei Sumino
広平 角野
Tomoko Akai
智子 赤井
Masaru Yamashita
勝 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP2003152195A priority Critical patent/JP2004352560A/ja
Publication of JP2004352560A publication Critical patent/JP2004352560A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/02Compositions for glass with special properties for coloured glass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C23/00Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments
    • C03C23/0005Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments by irradiation
    • C03C23/0025Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments by irradiation by a laser beam

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

【課題】レーザビームを走査してガラスの内部を着色させて立体像を描画する場合に、レーザビームのエネルギーであるパルスエネルギーによって描画部にクラックを発生させ難いガラスの描画方法を提供する。
【解決手段】構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスの内部にレーザビームを走査して非架橋酸素ホールセンタを形成して着色し、該着色部によりガラスの内部に立体像を描画することを特徴とするガラスの描画方法である。前記立体像の描画プロセスが、立体像の3次元CADデータの作成、基準立体像の3次元CADデータの作成、立体像と基準立体像を一体化した3次元CADデータの作成、立体像と基準立体像を一体化した3次元CADデータのスライス、およびスライスした平面図に含まれる不要な線の削除からなる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザビームを走査することでガラスの内部に立体像を描画するガラスの描画方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
材料にレーザビームを走査してレーザマーキングする方法については、特許文献1、特許文献2または特許文献3公報等にて知られている。
【0003】
例えば、特許文献1にて、液晶または、プラズマディスプレイパネル、即ち、PDPパネルのガラス基板等の工業製品へ日付や製造番号等の情報を持つ文字、数字、バーコード等をマーキングするマーキング方法が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の方法においては、レーザビームによる熱が走査後にも被加工物に残り、次に、この高温になった部分にマーキングを行うと、先に形成した部分と大きさや形状が異なったマーキングになって、形成された文字、図形または記号の視認性が非常に悪くなるといった問題があった。
【0004】
また、特許文献2にて、工場出荷品の包装やラベル等の記録体の表面に入力される商品名、ロット番号、バーコード等任意のパターンを炭酸ガスレーザでマーキングする方法が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載のレーザマーキング方法においては、比較的高エネルギー密度のレーザビームが記録体に損傷を与え、レーザマーキングされた文字、図柄等が脱落する、製品表面に傷がつく等の問題があった。
【0005】
更に、特許文献3にて、構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスにレーザ描画装置によりレーザビームを走査して非架橋酸素ホールセンタを形成して着色し、該着色部により描画することを特徴とするガラスの描画方法が開示されている。しかしながら、特許文献3に記載のレーザマーキング方法においては、ガラスの装飾性をより高めるためにガラスの内部に立体像を描画すること方法は開示されていない。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−178173号公報
【特許文献2】
特許3282094号
【特許文献3】
特開2003−73148公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1および特許文献2に記載の方法は、ガラス等の材料に文字、図柄等をレーザマーキングする方法であるが、レーザビームを集光させたことによる熱で、マーキングした文字や図形が歪んだり、材料が損傷を受けたりする問題があった。特にガラス材料では、ガラスにクラックが発生する、甚だしい場合はレーザビームを走査した部位が脱落する問題があった。
【0008】
また、ガラスの内部にクラックを発生させて立体像を描画した場合は、ガラスの強度が低下し、ガラスが破壊する恐れがあった。
【0009】
更に、ガラスの内部にクラックを発生させて立体像を描画した場合は、着色がクラックの光散乱による白濁色に限定されるという問題もあった。
【0010】
即ち、レーザビームを走査してガラスの内部を着色させて立体像を描画する場合に、レーザビームのエネルギーであるパルスエネルギーによって描画部にクラックを発生させ難いガラスの描画方法を提供することが本発明の課題である。
【0011】
更に、描画された立体像の着色は、ガラス内部にレーザビームを走査し非架橋ホールセンタを生成することによって着色されるので、クラックによる白濁色とは異なる色調を与えるガラスの描画方法を提供することが本発明の課題である。
【0012】
更に、立体像の着色が、非架橋ホールセンタを多数生成することによって、より濃い褐色を呈するようなガラスの描画方法を提供することが本発明の課題である。
【0013】
更に、ガラスの内部に形状に歪みがない立体像を描画する方法を提供することが本発明の課題である。
【0014】
更に、加熱することによって容易に消色でき、リサイクル可能な、内部に立体像を描画したガラスの描画方法を提供することが本発明の課題である。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、レーザビームをガラスに走査して、可視光を吸収する非架橋酸素ホールセンタを生成させて着色させることで、ガラスにクラック等のダメージを与えることなくガラスの内部に立体像を精緻に描画するガラスの描画方法である。
【0016】
即ち、本発明は、構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスの内部にレーザビームを走査して非架橋酸素ホールセンタを形成して着色し、該着色部によりガラスの内部に立体像を描画することを特徴とするガラスの描画方法である。
【0017】
更に、本発明は、前記立体像の描画プロセスが、立体像の3次元CADデータの作成、基準立体像の3次元CADデータの作成、立体像と基準立体像を一体化した3次元CADデータの作成、立体像と基準立体像を一体化した3次元CADデータのスライス、およびスライスした平面図に含まれる不要な線の削除からなることを特徴とする上記のガラスの描画方法である。
【0018】
更に、本発明は、前記スライスした平面図の2次元CADデータから基準図形の2次元CAD上の位置とサイズデータを読み取って、複数のスライスした平面図の描画フィールド上における位置と縮尺を統一する機能をレーザ描画制御プログラムに付加したことを特徴とする上記のガラスの描画方法である。
【0019】
更に、本発明は、前記スライスした同一の平面図を複数回重ねて描画することを特徴とする上記の請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のガラスの描画方法である。
【0020】
更に、本発明は、前記スライスした同一の平面図を複数回描画するときに、平面図の位置をずらせて描画することを特徴とする上記のガラスの描画方法である。
【0021】
更に、本発明は、上記のガラスの描画方法であって、ガルバノメータミラーを有するレーザ描画装置によって、構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスにガラスの内部にレーザビームを走査して非架橋酸素ホールセンタを形成して着色し、該着色部によりガラスの内部に立体像を描画することを特徴とするガラスの描画方法である。
【0022】
更に、本発明は、上記のガラスの描画方法であって、水平方向および/または垂直方向に移動可能なステージを有する描画装置によって、構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスにレーザ描画装置によりガラスの内部にレーザビームを走査して非架橋酸素ホールセンタを形成して着色し、該着色部によりガラスの内部に立体像を描画することを特徴とするガラスの描画方法である。
【0023】
更に、本発明は、上記のガラスの描画方法であって、レーザ描画装置を構成するレーザ発振器が炭酸ガスレーザ発振器、YAGレーザ、グリーンDPSSレーザ発振器またはUVパルスレーザ発振器であり、用いるレーザビームの種類が赤外光、近赤外光、可視光、または紫外光であることを特徴とするガラスの描画方法である。
【0024】
更に、本発明は、前記シリケートガラスがAg、Snおよび/またはEuを微量成分として含み、Agを含む場合は、その含有量がAgOに換算して0.005〜0.5wt%、Snを含む場合は、その含有量がSnOに換算して0.01〜1wt%、Euを含む場合は、その含有量がEuに換算して0.01〜1wt%を含むことを特徴とする上記のガラスの描画方法である。
【0025】
更に、本発明は、上記のガラスの描画方法によって、シリケートガラスの内部に立体像が描画されていることを特徴とするガラスである。
【0026】
更に、本発明は、上記のガラスの描画方法によって、シリケートガラスの内部が着色されていることを特徴とするガラスである。
【0027】
更に、本発明は、上記のガラスを、加熱することによって着色部を消色する方法である。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明は、構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスにレーザ描画装置によりガラスの内部にレーザビームを走査して非架橋酸素ホールセンタを形成して着色し、該着色部により描画することを特徴とするガラスの描画方法である。
【0029】
更に、本発明は、立体像の描画プロセスが、立体像の3次元CADデータの作成、基準立体像の3次元CADデータの作成、立体像と基準立体像を一体化した3次元CADデータの作成、立体像と基準立体像を一体化した3次元CADデータのスライス、およびスライスした平面図に含まれる不要な線の削除からなることを特徴とする上記のガラスの描画方法である。
【0030】
最初に、スライスした平面図を作成する作業の流れについて説明する。
【0031】
図1は、スライスした平面図を作成する作業のフローチャートである。
【0032】
立体モデルを作成した後、コンピュータエイジドデザイン、即ち、CADにて、基準立体像を作成し、3次元CADソフトでスライスした平面図を保存し、不要線を削除した後、更に、スライスした平面図をヒューレット・パッカード・グラフィック・ランゲージによりフォーマット変換、即ち、HP―GLフォーマット変換したデータを用い、レーザ描画装置により描画する。
【0033】
基準立体像は、作成した複数のスライスした平面図の描画フィールド上に占める位置と縮尺を統一するために必要であり、立体像よりも大きく、立体像を取り囲むように作成することが好ましい。尚、描画フィールドとは、集光したレーザビームによって2次元の平面図を描画するガラス内部の平面領域のことである。
【0034】
基準立体像は、例えば、直方体や円柱であり、基準立体像をスライスした複数の2次元の平面図における切断面の輪郭線の形状が変化しないような立体像を選ぶことが好ましい。
【0035】
3次元CADデータは、立体像と基準立体像を一体化したデータとして作成することが好ましい。
【0036】
また、スライスした平面図には切断面の輪郭線のほかに、3次元CADソフト独特の不要な線が現れることがあるため、スライスした平面図作成プログラムには、これを選択して削除するプログラムも必要である。立体像のスライスとスライスした平面図の保存および前記不要線の削除は、市販の3次元CADソフトとそのマクロ機能を使って行える。また、3次元CADソフト固有のフォーマットで保存したスライスした平面図は、HP−GLフォーマットに変換することで、ガルバノメータの制御プログラムが読み取れる。また、前記変換作業は、3次元CADソフトの機能を使って自動的に行える。以上の手順で、一つの立体像について複数のスライスした平面図を得るための2次元CADデータを作成する。
【0037】
更に、本発明は、スライスした平面図の2次元CADデータから2次元CAD上の基準立体像の位置とサイズデータを読み取って、複数のスライスした平面図の描画フィールド上における位置と縮尺を統一する機能をレーザ描画制御プログラムに付加したことを特徴とする上記のガラスの描画方法である。
【0038】
次いで、該描画方法について説明する。
【0039】
図2は、複数のスライスした平面図の描画フィールド上における位置と縮尺を統一する作業のフローチャートである。
【0040】
図2に示すように、レーザ描画制御プログラムにより、2次元CAD上における基準図形のオフセット座標と全体サイズを読み取った後に、基準図形を描画フィールドの中心に配置するためのオフセット座標の計算を行い、描画フィールドにおける基準図形の全体座標の計算を行う。
【0041】
レーザ描画制御プログラムは、スライスした平面を表す2次元CADデータに含まれる基準立体像の位置と全体サイズを読み込んで、基準立体像、即ち、スライスした平面図の全体を、決められたサイズの描画フィールドの中心に配置し、描画フィールド上に占める基準立体像のサイズを統一することによって、描画フィールド上における複数のスライスした平面図の位置と縮尺を統一する。
【0042】
更に、本発明は、スライスした同一の平面図を複数回重ねて描画する機能をレーザ描画制御プログラムに付加したことを特徴とする上記のガラスの描画方法である。
【0043】
次いで、該描画方法について説明する。
【0044】
構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスの内部に、レーザビームを走査することによって形成した非架橋酸素ホールセンタによる着色は、一般的に着色濃度が薄い。着色濃度を濃くしようとして、走査するレーザビームのパルスエネルギー密度を大きくすると、ガラス内部に非架橋酸素ホールセンタだけでなく、屈折率が異なるガラス相や微細なクラックが発生し、光散乱により白く着色する。走査するレーザビームのパルスエネルギー密度が、屈折率が異なるガラス相や微細なクラックが発生する閾値以下であって、非架橋酸素ホールセンタによる着色濃度を大きくするためには、非架橋酸素ホールセンタを多数生成することが効果的である。そのためには、スライスした同一の平面図を複数回重ねて描画することが好ましい。
【0045】
更に、本発明は、スライスした同一の平面図を複数回描画するときに、平面図の位置をずらせて描画することを特徴とする上記のガラスの描画方法である。
【0046】
次いで、該描画方法について説明する。
【0047】
構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスの内部に、レーザビームを走査することによって形成した非架橋酸素ホールセンタによる着色は、一般的に着色濃度が薄い。走査するレーザのパルスエネルギー密度が、屈折率が異なるガラス相や微細なクラックが発生する閾値以下であって、スライスした同一の平面図を複数回重ねて描画すると、先に生成した非架橋酸素ホールセンタが、後から重ねて走査したレーザビームによって、屈折率が異なるガラス相や微細なクラックに変化することがある。このため、着色濃度を濃くするために非架橋酸素ホールセンタを多数生成させて、同一のスライス平面図形を複数回重ねて描画する。この場合、先に生成した非架橋酸素ホールセンタが屈折率の異なるガラス相や微細なクラックに変化することを避けるために、レーザビームの走査位置は、5μm以上離すことが好ましい。スライスした平面図のずれが大き過ぎると、描画した立体像がボケてしまい見え難くなり、1000μm以上だと、図形の判別がおぼつかない。
【0048】
更に、本発明は、ガルバノメータミラーでレーザビームを走査することによって、構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスにレーザ描画装置によりガラスの内部にレーザビームを走査して非架橋酸素ホールセンタを形成して着色し、該着色部によりガラスの内部に立体像を描画することを特徴とする上記のガラスの描画方法である。
【0049】
次いで、該描画方法について説明する。
【0050】
レーザ描画装置は、レーザ発振器、光変調器、自動焦点レンズ、対物レンズ、ガルバノメータミラー、およびXYZ軸ステージから構成する。または、レーザ描画装置は、レーザ発振器、光変調器、ガルバノメータミラー、fθレンズ、およびXYZ軸ステージから構成する。
【0051】
レーザビームの走査にガルバノメータミラーを使用すると、ガルバノメータミラーによってレーザビームを自在に走査し連続した着色部により精緻描画が行える。ガルバノメータミラーは、向きを変えることが可能な複数のミラー、通常、Xミラー、Yミラーからなり、向き、即ち、ミラーの角度を変えてレーザビームの光軸を振ることが可能である。Xミラー、Yミラーの角度を制御しつつ操作調整し、光軸を振って対象物であるガラスへのレーザビームの走査位置を移動させて、精度よくガラスを着色することができ、結果としてガラスに文字、図柄またはバーコード等が描画できる。例えば、ガラスに製造番号、製造日、メーカー名等の文字情報、または1次元および2次元バーコード等を容易に書き込むことができるばかりでなく、レーザビームを絞り込むことで、1mmの間隔内に数10本以上の線を書き込むことのできる分解能を要し、精緻描画が行える。
【0052】
次いで、光変調器について説明する。
【0053】
光変調器は例えば、音響光学変調器(以下、AOMと略す)または電気光学変調器(以下、EOMと略す)である。本発明のガラスの描画方法に使用するレーザ描画装置の構成物である光変調器は、スイッチング素子としての役割を果たす。即ち、レーザビームの進行方向を変えるか、遮蔽と透過を切り替えることで、加工物に対してレーザビームの走査のON/OFFを正確に制御するものである。ON/OFFを行うことで、文字、作画が非連続となり様々な描画に対応できる。光変調器には、音響光学変調器(以後、AOMと略する)または電気光学変調器(以後、EOMと略する)のいずれを用いても構わない。
【0054】
AOMは、ONの状態では、無線周波数域のRF波を超音波に変える圧電素子、即ち、トランスデューサにより石英ガラスに超音波を伝搬させ、 石英ガラスの密度揺らぎにより回折格子を形成してレーザビームを回折させ、その光路を変化させる、OFFの状態では、レーザビームを石英ガラス内に直進させるスイッチング素子である。
【0055】
EOMは、レーザビームに電圧を掛け偏光方向を変えることで、偏光板によりレーザビームを通過または遮蔽させるスイッチング素子である。
【0056】
また、本発明のガラスの描画方法に使用するレーザ描画装置の構成物である、自動焦点レンズと対物レンズ、またはfθレンズは、ガルバノメータミラーによって円弧状に走査されたレーザビームの焦点位置を補正し、平面上に集光させ描画の解像度を上げる役割を果たす。
【0057】
更に、本発明は、水平方向および/または垂直方向に移動可能なステージによって、構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスにレーザ描画装置によりガラスの内部にレーザビームを走査して非架橋酸素ホールセンタを形成して着色し、該着色部によりガラスの内部に立体像描画することを特徴とする上記のガラスの描画方法である。
【0058】
次いで、該描画方法について説明する。
【0059】
レーザ描画装置は、レーザ発振器、ガルバノメータミラー、対物レンズ、およびXYZ軸ステージからなる。
【0060】
前記XYZ軸ステージは、水平方向および/または垂直方向に移動可能なステージであり、例えば、走査面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージを組み合わせたXYZ軸ステージである。XYZステージの駆動には、ステッピングモーターやリニアモーターが使われる。ステージを高速で移動するためには、ステッピングモーターよりもリニアモーターの方が有利である。
【0061】
本発明のガラスの描画方法において、ガラスをXYZ軸ステージに搭載し、スライスした平面図の1層をガラス内部に描画した後、XYZ軸ステージの移動によってガラスの位置を変えて、スライスした平面図の次の層をガラス内部に描画することが好ましい。複数のスライスした平面図についてこの操作を繰り返すことによって、一つの立体像をガラスの内部に描画する。前述の理由で、隣接するスライスした平面図の層間隔は、5μm以上である。
【0062】
スライスした平面図の1層をガラス内部に描画した後、XYZ軸ステージの移動によってガラスの位置を変えて、スライスした平面図の次の層をガラス内部に描画する。複数のスライスした平面図についてこの操作を繰り返すことによって、一つの立体像をガラスの内部に描画する。隣接するスライスした平面図の層間隔は、5μm以上である。
【0063】
更に、本発明は、レーザ発振器が炭酸ガスレーザ発振器、YAGレーザ、グリーンDPSSレーザ発振器またはUVパルスレーザ発振器であり、用いるレーザビームの種類が赤外光、近赤外光、可視光または紫外光であることを特徴とする上記のガラスの描画方法である。
【0064】
該描画方法について説明する。
【0065】
本発明のガラスの描画方法に使用するレーザ描画装置の構成物であるレーザ発振器には、連続的にレーザビームを発光する連続レーザ発振器、パルス状にレーザビームを発光するパルスレーザ発振器のどちらを用いても構わない。本発明のガラスの描画方法において、高出力なレーザ光を発行する炭酸ガスレーザ発振器、YAGレーザ発振器、グリーンDPSSレーザ発振器またはUVパルスレーザ発振器を用いることが好ましい。尚、YAGレーザ発振器は、イットリウム・アルミニウム・ガーネットレーザ発振器の略であり、グリーンDPSSレーザ発振器は、グリーン・ダイオード・ポンプト・ソリッド・ステートレーザ発振器の略であり、また、UVパルスレーザ発振器は、紫外光パルスレーザ発振器の略である。
【0066】
レーザビームの種類は、赤外光、近赤外光、可視光または紫外光が挙げられ、波長100nm以上、1mm(10nm)以下の光を使用することができる。
【0067】
更に、本発明は、前記シリケートガラスがAg、Snおよび/またはEuを微量成分として含み、Agを含む場合は、その含有量がAgOに換算して0.005〜0.500wt%、Snを含む場合は、その含有量がSnOに換算して0.010〜1.000wt%、Euを含む場合は、その含有量がEuに換算して0.010〜1.000wt%を含むことを特徴とする上記のガラスの描画方法である。
【0068】
次いで、該描画方法について説明する
本発明のガラスの描画方法に使用するガラスは、構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスであればよく、例えばフロート法で製造されたフロート板ガラスを含むソーダライムシリケートガラス等を使用することができる。
【0069】
構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスにレーザビームを走査することで、ガラス中に可視光を吸収するカラーセンタである非架橋酸素ホールセンタを生成させることができるが、非架橋酸素ホールセンタによる着色が、長時間安定であり、退色しないためには、電子捕獲中心となる元素を微量ガラス中に含有させることが好ましい。
【0070】
該元素としては、銀、即ちAg、錫、即ちSn、および/またはユーロピウム、即ちEuが挙げられ、Agを含む場合は、その含有量がAgOに換算して0.005〜0.500wt%、好ましくは0.010〜0.200wt%、より好ましくは0.010〜0.100wt%、Snを含む場合は、その含有量がSnOに換算して0.010〜1.000wt%、好ましくは0.020〜0.800wt%、より好ましくは0.020〜0.400wt%、Euを含む場合は、その含有量がEuに換算して0.010〜1.000wt%、好ましくは0.020〜0.800wt%、より好ましくは0.020〜0.400wt%、非架橋酸素を有するガラスに含有させることで、非架橋酸素ホールセンタによる着色を長時間安定とし、退色を抑制することが可能となる。
【0071】
本発明により描画されたガラスは、100℃以上に加熱することで消色するので、繰返し消去書き込みが可能である。
【0072】
次いで、本発明のガラスの描画方法に好適に使用できる描画装置について好適に説明する。
【0073】
図3は、レーザビームの焦点位置の制御に自動焦点レンズおよび対物レンズを用いた本発明で使用するレーザ描画装置の一例の説明図である。
【0074】
図3に示すレーザ発振器1は、YAGレーザ発振器、または、グリーンDPSSレーザ発信器、または紫外、即ち、UVパルスレーザ発振器である。UVパルスレーザ発振器には、通常、AOMまたはEOMからなる光変調器が、通称、Qスイッチとして既に組み込まれている。自動焦点レンズ2を光軸上で動かすことによって、ターゲット6であるシリケートガラスの内部における集光位置を制御する。
【0075】
YAGレーザ発振器、または、グリーンDPSSレーザ発振器、またはUVパルスレーザ発振器より発光させたレーザビームは、自動焦点レンズ2、次いで対物レンズ3を通過した後、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミラー5により反射し、その後、ターゲット6であるシリケートガラスの内部に走査させて、該シリケートガラス内部のレーザビーム走査部を着色し描画する。
【0076】
コンピューター8に入力したデジタルコマンドデータは、スキャニングコントローラー9に受信されて、スキャニングコントローラー9が、自動焦点レンズ2、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミラー5の動作を制御しつつ駆動させ、シリケートガラス内部のレーザビームの走査位置を移動させる。シリケートガラス内部へのレーザ走査による描画は、このような動作によって行われ、微細な書き込みが可能である。書き込み内容は、前記デジタルコマンドデータを変更することで、容易に変えられる。
【0077】
XYZ軸ステージ7に搭載したガラスは、スライスした平面図の1層をガラス内部に描画した後、XYZ軸ステージ7の移動によってガラスの位置を変えて、スライスした平面図の次の層をガラス内部に描画する。スライスした平面図の層を替えるためのステージ移動は通常、Z軸ステージだけで行う。複数のスライスした平面図についてこの操作を繰り返すことによって、一つの立体像をガラスの内部に描画する。隣接するスライスした平面図の層間隔は、5μm以上である。
【0078】
非架橋酸素ホールセンタによる着色濃度を大きくするためには、同一のスライス平面図形を複数回描画することが有効である。この場合、スライス平面図形は通常、Z軸ステージを固定して複数回重ねて描画するが、先に生成した非架橋酸素ホールセンタが屈折率の異なるガラス相や微細なクラックに変化することを避けるために、XY軸ステージによってスライス平面図の位置を5μm以上ずらすことが好ましい。
【0079】
図4は、レーザビームの焦点位置の制御にfθレンズを用いた本発明に使用するレーザ描画装置の一例の説明図である。
【0080】
レーザ発振器1であるグリーンDPSSレーザ発振器、または、YAGレーザ発振器により発光したレーザビームは、スイッチング素子であるAOM10を通過した後、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミラー5により反射し、fθレンズ11を透過した後、ターゲット6であるシリケートガラスの内部に走査させて、該シリケートガラス内部のレーザビーム走査部を着色する。fθレンズ11は、ガルバノメータミラーによって走査されるレーザビームをターゲット6であるシリケートガラスの内部に集光する。
【0081】
コンピューター8に入力したデジタルコマンドデータは、スキャニングコントローラー9に受信され、スキャニングコントローラー9がAOM10とガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミラー5の動作を制御しつつ駆動させ、シリケートガラス内部のレーザビームの走査位置を移動させる。なお、ターゲット6であるシリケートガラス内部のレーザビームによる書き込み内容は、前記デジタルコマンドデータを変更することで、容易に変えられる。
【0082】
XYZ軸ステージ7に搭載したガラスは、スライスした平面図の1層をガラス内部に描画した後、XYZ軸ステージ7の移動によってガラスの位置を変えて、スライスした平面図の次の層をガラス内部に描画する。スライスした平面図の層を替えるためのステージ移動は通常、Z軸ステージだけで行う。複数のスライスした平面図についてこの操作を繰り返すことによって、一つの立体像をガラスの内部に描画する。隣接するスライスした平面図の層間隔は、5μm以上である。
【0083】
非架橋酸素ホールセンタによる着色濃度を大きくするためには、同一のスライス平面図形を複数回描画することが有効である。この場合、スライス平面図形は通常、Z軸ステージを固定して複数回重ねて描画するが、先に生成した非架橋酸素ホールセンタが屈折率の異なるガラス相や微細なクラックに変化することを避けるために、XY軸ステージによってスライス平面図の位置を5μm以上ずらすことが好ましい。
【0084】
図5は、走査面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージからなるXYZ軸ステージ7によって、ステージ7を移動させつつ、該銀イオン含有ガラス上にレーザビームを走査させるレーザ描画装置の一例の説明図である。
【0085】
レーザ描画装置は、図5に示すようにステージ7以外に、UVパルスレーザ1、ミラー12、XYZ軸ステージ7、対物レンズ13、およびコンピューター8等から構成する。XYZ軸ステージ7は、XY2軸自動制御のサーフェイス・スライダー14と手動Z軸ステージ15を組み合わせ、その上にサンプルホルダー16を搭載した。サーフェイス・スライダーは、圧縮空気でベース上に浮上したスライダー17を図示しないリニアモーターによって制動する。
【0086】
スライス平面図形を表す2次元CADデータは、パルスコントローラ18が読み取ることのできるフォーマットに変換してコンピューター8に入力する。パルスコントローラ18は、コンピューター8に入力した2次元CADデータを読み取って、図示しないリニアモーターを駆動しスライダー17を制動する。コンピューター8は、レーザ発振のためのゲート信号をファンクション・ジェネレーター19に送信する。ファンクション・ジェネレーター19は、レーザパルス発振のためのレーザ変調信号を図示しないレーザーコントローラに送信する。その結果、変調されたUVパルスレーザがレーザヘッド1から出力される。なお、ターゲット6であるシリケートガラス内部のレーザビームによる書き込み内容は、前記2次元CADデータを変更することで、容易に変えられる。
【0087】
XYZ軸ステージ7に搭載したガラスは、スライスした平面図の1層をガラス内部に描画した後、XYZ軸ステージ7の移動によってガラスの位置を変えて、スライスした平面図の次の層をガラス内部に描画する。スライスした平面図の層を替えるためのステージ移動は通常、Z軸ステージ15だけで行う。複数のスライスした平面図についてこの操作を繰り返すことによって、一つの立体像をガラスの内部に描画する。隣接するスライスした平面図の層間隔は、5μm以上である。
【0088】
非架橋酸素ホールセンタによる着色濃度を大きくするためには、同一のスライス平面図形を複数回描画することが有効である。この場合、スライス平面図形は通常、Z軸ステージを固定して複数回重ねて描画するが、先に生成した非架橋酸素ホールセンタが屈折率の異なるガラス相や微細なクラックに変化することを避けるために、XY軸ステージによってスライス平面図の位置を、5μm以上ずらすことが好ましい。
【0089】
本発明のガラスの描画方法は、従来のガラス内部の立体像描画方法であるレーザの集光部にクラックを生じさせることに比べ、ヘーズが小さく、ガラスにダメージを与えることなく耐久性に優れるとともに、黄色〜褐色に着色した立体像を作製することができる。
【0090】
【実施例】
実施例1
3次元CADデータとして、図1に示すように板ガラスの内部に描画する立体像(人頭像)と、立体像の全体サイズを表す基準立体像(直方体)の二つを作成した。直方体のサイズは、90mm×90mm×15mmとした。切断面の輪郭線の他にスライスした平面図に現れた不要な線は、選択して削除した。また、3次元CADソフト固有のフォーマットで保存したスライスした平面図は、HP−GLフォーマットに変換し、ガルバノメータの制御プログラムが読み取れるようにした。このような一連の作業によって、この立体像について99層のスライス平面図の2次元CADデータを作成した。
【0091】
図3は、レーザビームの焦点位置の制御に自動焦点レンズおよび対物レンズを用いた本発明で使用するレーザ描画装置の一例の説明図である。
【0092】
図3に示すように、レーザ描画装置は、レーザ発振器1であるUVパルスレーザ発振器、自動焦点レンズ2、対物レンズ3、ガルバノメータ内のXミラー4、Yミラー5、水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージからなるXYZ−ステージ7とXYZ−ステージ7に付設されたホルダーからなり、ホルダーにターゲット6であるシリケートガラスを取り付けた。シリケートガラスのサイズは、100mm×100mm×15mmとした。
【0093】
UVパルスレーザは、波長、355nm、パルス幅、20ns、パルスエネルギー、23μJ、平均出力、0.58W、繰り返し周波数、25kHZで発振させた。レーザビームの集光ビーム径を、8μmに調整した。このレーザビームは、自動焦点レンズ2と対物レンズ3によって絞り、レーザビームとし、Xミラー4とYミラー5とで反射させて、ホルダーに取り付けられた板厚、15mm、サイズ、100mm角のターゲット6である組成SiO、72wt%、NaO、16wt%、CaO、10wt%、Al、2wt%のシリケートガラスの内部に集光した。このレーザビームは、UVパルスレーザ発振器に組み込まれたQスイッチのON/OFFと、Xミラー4およびYミラー5の角度を操作して、レーザビームの光軸を振ることによって、前記シリケートガラスの内部で走査速度61mm/secで走査した。
【0094】
最初に、第1層のスライス平面図形の2次元CADデータがコンピューター8に読み取られる。次いで、ガルバノメータの制御プログラムが、各スライスした平面図の2次元CADデータから基準図形の位置とサイズデータを読み取り、数値処理を行うことによってターゲット6であるシリケートガラスの内部における複数のスライスした平面図の位置と縮尺を統一する。その後、スライス平面図形の2次元CADデータがターゲット6であるシリケートガラスの内部に描画される。
【0095】
次いで、Z軸ステージを100μm降下させて、停止する。次いで、第2層のスライス平面図形の2次元CADデータがコンピューター8に読み取られて、同じ数値処理を行った後、ターゲット6であるシリケートガラスの内部に描画される。次いで、Z軸ステージを100μm降下させて、停止する。この動作を99層のスライス平面図形の2次元CADデータについて繰り返した。
【0096】
このようにして、サイズ100mm×100mm×15mmのソーダライムガラスの内部に非架橋ホールセンターの着色によって立体像を描画した。
【0097】
このようにして着色した該ガラス6は、300℃で30分の加熱によって色が消え、透明板ガラスとして再利用することができた。
実施例2
実施例1と同じようにして99層のスライス平面図形の2次元CADデータを作成した。用いた装置も実施例1と同じであった。ホルダにターゲット6に取り付けたシリケートガラスのサイズも、実施例1と同じ100mm×100mm×15mmとした。
【0098】
UVパルスレーザの走査条件も実施例1と同じ、波長355nm、パルス幅、20ns、パルスエネルギー、23μJ、平均出力、0.58W、繰り返し周波数、25kHZ、集光ビーム径、8μm、走査速度、61mm/secとした。
【0099】
まず、Z軸ステージを100μm降下させ、次に、X軸ステージを100μm移動して、停止した。
【0100】
第1層のスライス平面図形の2次元CADデータがコンピューター8に読み取られて、ガルバノメータの制御プログラムが、各スライスした平面図の2次元CADデータから基準図形の位置とサイズデータを読み取り、数値処理を行うことによってターゲット6であるシリケートガラスの内部における複数のスライスした平面図の位置と縮尺を統一した。その後、スライスした平面図の2次元CADデータをターゲット6であるシリケートガラスの内部に描画した。
【0101】
次いで、Y軸ステージを100μm移動させて、停止した。次いで、前述のように、第1層のスライス平面図形の2次元CADデータをターゲット6であるシリケートガラスの内部に描画した。次いで、X軸ステージを−100μm移動させて、停止した。次いで、前述のように、第1層のスライス平面図形の2次元CADデータをターゲット6であるシリケートガラスの内部に描画した。次いで、Y軸ステージを−100μm移動させて、停止した。次いで、前述のように、第1層のスライス平面図形の2次元CADデータをターゲット6であるシリケートガラスの内部に描画した。
【0102】
前述の作業を99回繰り返すことによって、99層のスライス平面図形をターゲット6であるシリケートガラスの内部に描画し、その結果、実施例1よりも濃く着色した褐色の立体像をシリケートガラスの内部に表示した。
【0103】
このようにして着色した該ガラス6は、300℃で30分の加熱によって色が消え、透明板ガラスとして再利用することができた。
【0104】
【発明の効果】
本発明のガラスの描画方法は、レーザビーム走査によって着色可能な構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスの内部に非架橋酸素ホールセンタを形成して褐色に着色し、該着色部によりガラスの内部に立体像形成する方法であり、ガラスの内部にクラックを発生させず、またガラスが破壊する恐れもなく、精緻に描画することができる。
【0105】
本発明のガラスの描画方法に用いたレーザ描画装置を用いれば、前記ガラスの内部全体を非架橋酸素ホールセンタで充填して着色することができる。
【0106】
本方法で着色されたガラスは300〜550℃に加熱すると、形状を変形させることなく消色して、無色透明に戻るので、リサイクルが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スライスした平面図を作成する作業のフローチャートである。
【図2】複数のスライスした平面図の描画フィールド上における位置と縮尺を統一する作業のフローチャートである。
【図3】レーザビームの焦点位置の制御に自動焦点レンズおよび対物レンズを用いた本発明で使用するレーザ描画装置の一例の説明図である。
【図4】レーザビームの焦点位置の制御にfθレンズを用いた本発明で使用するレーザ描画装置の一例の説明図である。
【図5】ガラスの高速移動にXYZ軸ステージを用いた本発明で使用するレーザ描画装置の一例の説明図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器
2 自動焦点レンズ
3 対物レンズ
4 Xミラー
5 Yミラー
6 ターゲット(ガラス)
7 XYZ軸ステージ

Claims (12)

  1. 構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスの内部にレーザビームを走査して非架橋酸素ホールセンタを形成して着色し、該着色部によりガラスの内部に立体像を描画することを特徴とするガラスの描画方法。
  2. 前記立体像の描画プロセスが、立体像の3次元CADデータの作成、基準立体像の3次元CADデータの作成、立体像と基準立体像を一体化した3次元CADデータの作成、立体像と基準立体像を一体化した3次元CADデータのスライス、およびスライスした平面図に含まれる不要な線の削除からなることを特徴とする請求項1に記載のガラスの描画方法。
  3. 前記スライスした平面図の2次元CADデータから基準立体像の2次元CAD上の位置とサイズデータを読み取って、複数のスライスした平面図の描画フィールド上における位置と縮尺を統一する機能をレーザ描画制御プログラムに付加したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガラスの描画方法。
  4. 前記スライスした同一の平面図を複数回重ねて描画することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のガラスの描画方法。
  5. 前記スライスした同一の平面図を複数回描画するときに、平面図の位置をずらせて描画することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のガラスの描画方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のガラスの描画方法であって、ガルバノメータミラーを有するレーザ描画装置によって、構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスにガラスの内部にレーザビームを走査して非架橋酸素ホールセンタを形成して着色し、該着色部によりガラスの内部に立体像を描画することを特徴とするガラスの描画方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のガラスの描画方法であって、水平方向および/または垂直方向に移動可能なステージを有する描画装置によって、構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスにレーザ描画装置によりガラスの内部にレーザビームを走査して非架橋酸素ホールセンタを形成して着色し、該着色部によりガラスの内部に立体像を描画することを特徴とするガラスの描画方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のガラスの描画方法であって、レーザ描画装置を構成するレーザ発振器が炭酸ガスレーザ発振器、YAGレーザ、グリーンDPSSレーザ発振器またはUVパルスレーザ発振器であり、用いるレーザビームの種類が赤外光、近赤外光、可視光、または紫外光であることを特徴とするガラスの描画方法。
  9. 前記シリケートガラスがAg、Snおよび/またはEuを微量成分として含み、Agを含む場合は、その含有量がAgOに換算して0.005〜0.500wt%、Snを含む場合は、その含有量がSnOに換算して0.010〜1.000wt%、Euを含む場合は、その含有量がEuに換算して0.010〜1.000wt%を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のガラスの描画方法。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のガラスの描画方法によって、シリケートガラスの内部に立体像が描画されていることを特徴とするガラス。
  11. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のガラスの描画方法によって、シリケートガラスの内部が着色されていることを特徴とするガラス。
  12. 請求項10または請求項11に記載のガラスを、加熱することによって着色部を消色する方法。
JP2003152195A 2003-05-29 2003-05-29 ガラスの描画方法 Pending JP2004352560A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003152195A JP2004352560A (ja) 2003-05-29 2003-05-29 ガラスの描画方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003152195A JP2004352560A (ja) 2003-05-29 2003-05-29 ガラスの描画方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004352560A true JP2004352560A (ja) 2004-12-16

Family

ID=34047473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003152195A Pending JP2004352560A (ja) 2003-05-29 2003-05-29 ガラスの描画方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004352560A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008242174A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Optrex Corp 光学表示装置
WO2014170275A2 (de) * 2013-04-15 2014-10-23 Schott Ag Verfahren zur transmissionsänderung von gläsern und glaskeramiken und verfahrensgemäss herstellbare glas- oder glaskeramikartikel
EP3027574B1 (en) * 2013-07-30 2020-09-02 Owens-Brockway Glass Container INC. Selective color striking of color-strikable articles
US20200277225A1 (en) * 2016-11-18 2020-09-03 Corning Incorporated Methods of forming laser-induced attributes on glass-based substrates using mid-ir laser

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008242174A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Optrex Corp 光学表示装置
WO2014170275A2 (de) * 2013-04-15 2014-10-23 Schott Ag Verfahren zur transmissionsänderung von gläsern und glaskeramiken und verfahrensgemäss herstellbare glas- oder glaskeramikartikel
WO2014170275A3 (de) * 2013-04-15 2014-12-11 Schott Ag Verfahren zur transmissionsänderung von gläsern und glaskeramiken und verfahrensgemäss herstellbare glas- oder glaskeramikartikel
US10556827B2 (en) 2013-04-15 2020-02-11 Schott Ag Method for modifying the transmission of glasses and glass ceramics and glass or glass ceramic articles that can be produced according to the method
EP3027574B1 (en) * 2013-07-30 2020-09-02 Owens-Brockway Glass Container INC. Selective color striking of color-strikable articles
US20200277225A1 (en) * 2016-11-18 2020-09-03 Corning Incorporated Methods of forming laser-induced attributes on glass-based substrates using mid-ir laser

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8153931B2 (en) Method of and system for setting laser processing conditions, laser processing system, computer program for setting laser processing conditions, computer readable media and recording device on which laser processing conditions are recorded
CN110139727B (zh) 用于延长镭射处理设备中的光学器件生命期的方法和***
JP2014133263A (ja) 超短レーザ微細テクスチャ印刷
JP2009142866A (ja) レーザ加工装置、レーザ加工方法及びレーザ加工装置の設定方法
KR20060106691A (ko) 비접촉형 리라이트 서멀 라벨의 기록방법
US9269035B2 (en) Modified two-dimensional codes, and laser systems and methods for producing such codes
US20050044895A1 (en) Method for putting color to glass or erasing color from colored glass
JP2004352560A (ja) ガラスの描画方法
JP2002178173A (ja) レーザマーキング方法およびその装置
US6961078B2 (en) Method for putting color to glass
JP3522670B2 (ja) レーザマーキング方法
JP2003073148A (ja) ガラスの描画方法
JP2002348147A (ja) 着色ガラスの消色方法
JPS61116320A (ja) 立体形状形成装置
JP2003201149A (ja) ガラスの着色方法
CN112296511B (zh) 宝石的微缩标识加工、读取、检测方法及加工装置
JP2020011268A (ja) 照射経路データの作成方法、加工方法、camシステム
JP2001199747A (ja) カラーフィルタ付ガラス基板のマーキング方法およびその装置
JP2004122233A (ja) レーザマーキング装置、マーキング方法及びマーキングされた光学部材
JP2004352561A (ja) ガラスの着色方法
JP2004351746A (ja) レーザ走査によるガラスの描画方法
JP2002244060A (ja) レーザビーム走査装置
WO1995021718A1 (fr) Procede de pilotage pour afficheur par panneau a cristaux liquides
JP2820182B2 (ja) 液晶ガラスのレーザマーキング方法
JP3189687B2 (ja) 半導体材料表面への刻印方法及び同方法により刻印された物品