JP2004351230A - 治療システム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、治療用アプリケータと、MR装置などの観察手段とを同時に使用する場合の操作を簡素化することができ、治療の安全性を高めることができる治療システムを提供することを最も主要な特徴とする。
【解決手段】第1のモニタ7に表示されたマイクロ波アプリケータ15のMRマーカー151,152の画像上の位置と、予め第1のモニタ7に表示された画像上で設定された画像の基準点157との距離の測定を行い、マイクロ波アプリケータ15の設置位置を移動量算出部155で判別し、移動量算出部155の判別結果に応じて制御部153によってマイクロ波発振器17を制御するものである。
【選択図】 図23
【解決手段】第1のモニタ7に表示されたマイクロ波アプリケータ15のMRマーカー151,152の画像上の位置と、予め第1のモニタ7に表示された画像上で設定された画像の基準点157との距離の測定を行い、マイクロ波アプリケータ15の設置位置を移動量算出部155で判別し、移動量算出部155の判別結果に応じて制御部153によってマイクロ波発振器17を制御するものである。
【選択図】 図23
Description
本発明は、生体内に挿入される治療用アプリケータとMRI装置などの観察手段とが組合わせて使用される治療システムに関する。
一般に、治療装置として例えば、高周波処置具等の治療用アプリケータと、MR装置などの観察手段とを組合わせて使用することが考えられている。例えば、治療用アプリケータを患者の体内に挿入させる際に、MR装置などの観察手段によって治療用アプリケータの位置を正確に検出することにより、体腔内の患部の位置に治療用アプリケータを正しく導き、体腔内の患部を効果的に高周波処置することが考えられている。
しかしながら、従来構成の治療装置では高周波処置具等の治療用アプリケータと、MR装置などの観察手段とをそれぞれ単独で独立に駆動されているので、治療用アプリケータと、MR装置などの観察手段とを同時に使用する場合には治療用アプリケータ及びMR装置それぞれの動作状態を確認して、各々を制御する必要がある。そのため、その操作が煩雑なものとなる問題がある。
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、治療用アプリケータと、MR装置などの観察手段とを同時に使用する場合の操作を簡素化することができ、治療の安全性を高めることができる治療システムを提供することにある。
請求項1の発明は、生体に治療用エネルギーを印加して生体組織を治療する治療用アプリケータと、前記治療用アプリケータの前記所定の位置に設けられたマーカーと、前記治療用アプリケータに駆動信号を出力することで、前記治療用アプリケータから前記治療用エネルギーを発生させる駆動信号発生手段と、前記治療用アプリケータから発生される前記治療用エネルギーによって治療される前記生体の治療部位の状況を画像として表示可能に設けられた表示手段と、前記表示手段に表示された前記マーカーの前記画像上の位置と、予め前記表示手段に表示された前記画像上で設定された前記画像の基準位置との距離の測定を行い、前記治療用アプリケータの設置位置を判別する位置判別手段と、前記位置判別手段の判別結果に応じて、前記駆動信号発生手段を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする治療システムである。
請求項2の発明は、生体に治療用エネルギーを印加して生体組織を治療する治療用アプリケータと、前記治療用アプリケータの前記所定の位置に設けられたマーカーと、前記治療用アプリケータに駆動信号を出力することで、前記治療用アプリケータから前記治療用エネルギーを発生させる駆動信号発生手段と、前記治療用アプリケータから発生される前記治療用エネルギーによって治療される前記生体の治療部位の状況を画像として表示可能に設けられた表示手段と、前記表示手段に表示された前記マーカーの前記観察画像上の位置と、予め前記表示手段に表示された前記画像上で設定された前記画像の基準位置との距離の測定を行う距離測定手段と、前記距離測定手段で測定された前記距離と、予め設定された所定の距離とを比較する距離比較手段と、前記距離比較手段の比較結果に応じて、前記駆動信号発生手段を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする治療システムである。
そして、観察画像によって治療用アプリケータの位置ずれを監視し、位置ずれがある場合、治療用アプリケータの出力を停止させる制御を行うことができるようにしたものである。
本発明によれば、治療用アプリケータと、MR装置などの観察手段とを同時に使用する場合の操作を簡素化することができ、治療の安全性を高めることができる。
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図8を参照して説明する。図1は本実施の形態の治療装置1におけるシステム全体の概略構成を示すものである。本実施の形態の治療装置1には生体に治療用エネルギーを与えて生体組織を治療する例えば治療用のマイクロ波治療装置2と、MR(磁気共鳴)検査用のMR装置(観察手段)3とが設けられている。
ここで、MR装置3には磁気シールドされたMR(磁気共鳴)検査用のMR検査室4内に配設されたMRガントリー5が設けられている。このMRガントリー5上には患者Hが載せられるようになっている。さらに、このMRガントリー5にはMR検査室4の室外に配設されたMR装置制御部6が接続されている。
また、MR検査室4の室内にはMR画像を表示する第1のモニタ7が配設されている。この第1のモニタ7はMR装置制御部6に接続されている。そして、MR検査時にはMRガントリー5上の患者HのMR画像がMR検査室4内の第1のモニタ7の画面に表示されるようになっている。
さらに、MRガントリー5には表示灯8が配設されているとともに、例えば腹腔検査用の内視鏡(または超音波内視鏡)9の保持具10が装着されている。ここで、本実施の形態の内視鏡9にはMR検査室4の室外に配設された光源装置11およびビデオプロセッサー12がそれぞれ接続されている。
また、MR検査室4の室内には内視鏡画像を表示する第2のモニタ13が配設されている。この第2のモニタ13はビデオプロセッサー12に接続されている。そして、内視鏡検査時には光源装置11からの照明光が内視鏡9を介して患者Hの体内、例えば腹腔内の被処置部に照射されるとともに、内視鏡9による観察画像がビデオプロセッサー12によって映像信号に変換されてMR検査室4内の第2のモニタ13の画面に表示されるようになっている。
なお、内視鏡9の使用時には気腹装置14が駆動されるようになっている。そして、この気腹装置14によって患者Hの腹腔内にガスを充填させて気腹させるようになっている。
また、本実施の形態のマイクロ波治療装置2には患者Hの腹腔内に挿入されるマイクロ波アプリケータ(治療用アプリケータ)15が設けられている。このマイクロ波アプリケータ15はマイクロ波中継ケーブル16を介してMR検査室4の室外に配設されたマイクロ波発振器17に接続されている。このマイクロ波発振器17にはMR検査室4の室内に配設されたフットスイッチ18、表示ランプ19、スピーカ20がそれぞれ接続されている。
さらに、本実施の形態の治療装置1にはマイクロ波治療装置2の動作を制御するコントロールユニット(制御手段)21がMR検査室4の室外に配設されている。このコントロールユニット21にはMR検査室4の室外のマイクロ波発振器17、MR装置制御部6およびMR検査室4の室内のフットスイッチ18、表示ランプ19、スピーカ20がそれぞれ接続されている。
また、マイクロ波アプリケータ15には図2(B)に示すように略棒状のアプリケータ本体22が設けられている。このアプリケータ本体22には略円筒状の外部導体23が設けられている。さらに、この外部導体23の先端部には絶縁体24を介して先端導体25が連結されている。そして、本実施の形態のマイクロ波アプリケータ15には外部導体23の先端部と先端導体25との間の絶縁体24の中心部分にマイクロ波アプリケータ15のMWアンテナの中心部が配置されている。
また、外部導体23の筒内の中心部には内部導体26が配設されている。この内部導体26の先端部は先端導体25の中心穴内に挿入されている。ここで、先端導体25の外周面には軸心部の内部導体26の挿入穴側に向けて穴部25aが穿設されている。この穴部25aにはMR用のマーカー27を兼ねるハンダが充填され、このMR用マーカー27のハンダによって内部導体26と先端導体25との間が導通された状態で、内部導体26の先端部が先端導体25の中心穴内に埋設固定されている。なお、外部導体23と内部導体26との間の空間内には誘電体28が充填されている。
さらに、先端導体25の先端部には先端チップ29が螺着されている。この先端チップ29の先端部には略円錐状に尖らせた鋭利な穿刺部29aが形成されている。
また、アプリケータ本体22の外周面にはフッ素樹脂による透明な被覆層30が形成されている。さらに、アプリケータ本体22の基端部側の外周面にはグリップ用の円筒状の樹脂筒体31が装着されている。この樹脂筒体31の外周面には樹脂による被覆層32がさらに形成されている。
また、アプリケータ本体22の基端部側の端縁部には同軸コネクタ33が連結されている。そして、この同軸コネクタ33には図2(A)に示すようにマイクロ波中継ケーブル16の一端部が着脱可能に連結されるようになっている。
さらに、本実施の形態ではアプリケータ本体22の外部導体23と、先端導体25と、内部導体26とは図8に示すように磁化率が−10-3 〜+10-3 の素材、例えばCuで構成されている。ここで、MR用マーカー27を形成するハンダの素材は磁化率が−10-5 以下または+10-5 以上に設定されている。すなわち、本実施の形態のアプリケータ本体22にはこのアプリケータ本体22を構成する素材の磁化率の絶対値以上の絶対値を有する磁化率の素材からなるMR用マーカー27が設置されている。
なお、本実施の形態の治療装置1による治療時には図2(A)に示すように予め患者Hの腹壁部Haに内視鏡9用のトラカール34aと、マイクロ波アプリケータ15用のトラカール34bとがそれぞれ穿刺され、トラカール34aを通して内視鏡9の挿入部が患者Hの腹腔Hb内に挿入されるとともに、トラカール34bを通してマイクロ波アプリケータ15が患者Hの腹腔Hb内に挿入されるようになっている。ここで、トラカール34aには送気チューブ35が連結されている。さらに、患者Hの腹壁部Haには外部から超音波プローブ36が当てられるようになっている。
また、コントロールユニット21には図3に示すようにユニットケース37に操作パネル38が設けられている。この操作パネル38上には治療スタートスイッチ39と、治療ストップスイッチ40と、HIGH出力スイッチ41と、LOW出力スイッチ42と、MR撮像開始スイッチ43と、HIGH出力値表示部44と、LOW出力値表示部45と、HIGH出力設定スイッチ46a,46bと、LOW出力設定スイッチ47a,47bとがそれぞれ設けられている。
さらに、コントロールユニット21の内部には図4に示すように制御部48と、この制御部48に接続された出力切替部49と、この出力切替部49に接続されたHIGH出力値設定部50およびLOW出力値設定部51とがそれぞれ設けられている。ここで、HIGH出力値設定部50にはHIGH出力設定スイッチ46a,46bがそれぞれ接続されている。さらに、LOW出力値設定部51にはLOW出力設定スイッチ47a,47bがそれぞれ接続されている。
また、出力切替部49にはHIGH出力スイッチ41と、LOW出力スイッチ42とがそれぞれ接続されている。さらに、制御部48には治療スタートスイッチ39と、治療ストップスイッチ40と、MR撮像開始スイッチ43と、HIGH出力値表示部44と、LOW出力値表示部45とがそれぞれ接続されている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の治療装置1による治療時には図1に示すようにMR検査室4の室内にMRガントリー5上に患者Hが載せられる。この状態で、図2(A)に示すように予め患者Hの腹壁部Haに内視鏡9用のトラカール34aと、マイクロ波アプリケータ15用のトラカール34bとがそれぞれ穿刺される。続いて、トラカール34aを通して内視鏡9の挿入部が患者Hの腹腔Hb内に挿入されるとともに、トラカール34bを通してマイクロ波アプリケータ15が患者Hの腹腔Hb内に挿入される。さらに、必要に応じて患者Hの腹壁部Haには外部から超音波プローブ36が当てられる。
そして、内視鏡検査時には光源装置11からの照明光が内視鏡9を介して患者Hの体内、例えば腹腔内の被処置部に照射されるとともに、内視鏡9による観察画像がビデオプロセッサー12によって映像信号に変換されてMR検査室4内の第2のモニタ13の画面に表示される。
また、MR検査時にはMRガントリー5上の患者HのMR画像がMR検査室4内の第1のモニタ7の画面に表示される。このとき、第1のモニタ7の画面には図6および図7に示すように患者HのMR画像とともに、マイクロ波アプリケータ15およびこのマイクロ波アプリケータ15による治療状態が表示される。なお、図6および図7中で、Hcは患者Hの肝臓、52はマイクロ波アプリケータ15のMR用マーカー27によるアーチファクト、53はマイクロ波アプリケータ15によるマイクロ波加熱時の凝固領域である。
また、本実施の形態ではマイクロ波アプリケータ15の使用時には予めコントロールユニット21で出力設定値が設定される。ここで設定される出力設定値はHIGHと、LOWの2つある。すなわち、HIGH出力設定スイッチ46a,46bにより、HIGH出力設定値が設定され、LOW出力設定スイッチ47a,47bにより、LOW出力設定値が設定される。さらに、このHIGHと、LOWの2つの出力設定値はHIGH出力スイッチ41と、LOW出力スイッチ42とを押す毎に切り替わる。なお、図示しない出力切替スイッチを押す毎に切り替わる構成にしてもよい。
また、出力設定値の設定後、コントロールユニット21の治療スタートスイッチ39が押下状態に操作されると、コントロールユニット21からマイクロ波治療装置2に出力開始信号及び出力設定値が送信される。このとき、予めコントロールユニット21に設定された出力設定値に対応する制御信号がマイクロ波治療装置2に出力され、マイクロ波治療装置2が駆動される。これにより、マイクロ波アプリケータ15からのマイクロ波出力が開始され、マイクロ波治療が開始される。
また、マイクロ波治療中、コントロールユニット21はマイクロ波治療装置2に制御信号を送信して出力制御を行う。このとき、コントロールユニット21はMR装置3へは撮像開始信号を送信する。そのため、MR装置3による患者Hの体内の撮像操作が同時に行われる。そして、MR装置3のMR装置制御部6からの出力信号はコントロールユニット21の制御部48に入力され、MR装置3によってマイクロ波アプリケータ15の位置が認識される。
さらに、このMR装置3によって観察されるマイクロ波アプリケータ15の位置データに基いてマイクロ波アプリケータ15から生体に与える治療用エネルギーであるマイクロ波出力がコントロールユニット21によって制御される。
次に、このときのコントロールユニット21によるマイクロ波アプリケータ15の制御状態を図5のフローチャートにしたがって説明する。このコントロールユニット21によるマイクロ波アプリケータ15の制御時にはまず、ストップスイッチ40の押下状態か、否かが判断される(ステップS1)。
ここで、ストップスイッチ40が押下状態ではないと判断された場合には次のステップS2に進む。このステップS2では出力切替部49のHIGH出力スイッチ41およびLOW出力スイッチ42が押下状態か、否かが判断される。そして、このステップS2で出力切替部49のスイッチ41または42が押下状態ではないと判断された場合には次のステップS3に進む。
このステップS3では撮像開始スイッチ43が押下状態か、否かが判断される。そして、このステップS3で撮像開始スイッチ43が押下状態ではないと判断された場合には次のステップS4に進む。
このステップS4では設定スイッチ(HIGH出力設定スイッチ46a,46bおよびLOW出力設定スイッチ47a,47b)が押下状態か、否かが判断される。そして、このステップS4で設定スイッチが押下状態と判断された場合には次のステップS5に進む。このステップS5では各設定値が変更されたのち、ステップS1に戻される。さらに、ステップS4で設定スイッチが押下状態ではないと判断された場合にはそのままステップS1に戻される。
また、ステップS2で出力切替部49のスイッチ41または42のいずれか一方が押下状態と判断された場合には次のステップS6に進む。このステップS6ではマイクロ波発振器17のマイクロ波出力がHIGHか、否かが判断される。そして、このステップS6でマイクロ波出力がHIGHと判断された場合には次のステップS7に進む。
さらに、ステップS7ではマイクロ波発振器17のマイクロ波出力がLOW出力に切替えられる。その後、ステップS8で、MR装置3に撮像開始信号が送信される。したがって、マイクロ波アプリケータ15によるマイクロ波治療中にMR撮像開始スイッチ43を押すと、マイクロ波治療装置2のマイクロ波発振器17の出力状態がHIGHの場合はLOWにするようマイクロ波治療装置2が制御され、次にMR装置3に撮像開始信号を送信するように制御される。
また、ステップS8でMR装置3に撮像開始信号が送信されたのち、次のステップS9に進む。このステップS9ではMR装置3から撮像終了信号が受信されたか、否かが判断される。そして、このステップS9でMR装置3から撮像終了信号が受信されていない場合にはステップS9の動作が繰り返される。そして、ステップS9でMR装置3から撮像終了信号が受信されたと判断された場合にはステップS1に戻される。したがって、MR撮像が終了した後、MR装置3から撮像終了信号を受信するまではマイクロ波発振器17の出力がHIGHには切り替えられない状態で保持される。
また、ステップS6でマイクロ波出力がHIGHと判断されない場合には次のステップS10に進む。さらに、ステップS10ではマイクロ波発振器17のマイクロ波出力がHIGH出力に切替えられる。その後、ステップS1に戻される。
また、マイクロ波治療装置2の駆動中にストップスイッチ40を押すとステップS1でストップスイッチ40が押下状態と判断される。この場合にはコントロールユニット21からマイクロ波治療装置2に出力停止信号が送信される。これにより、マイクロ波発振器17の駆動が停止され、マイクロ波アプリケータ15からのマイクロ波出力が停止されるので、マイクロ波アプリケータ15によるマイクロ波治療が停止される。
また、ステップS1でストップスイッチ40が押下状態と判断されていない場合にはMR撮像終了後、HIGH出力スイッチ41、或いは図示しない出力切り替えスイッチを押すと、マイクロ波発振器17の出力をHIGHにするようマイクロ波治療装置2が制御される。
さらに、マイクロ波治療装置2のマイクロ波発振器17がHIGHで出力中にLOW出力スイッチ42を押してLOWに切り替えた場合、または治療ストップスイッチ40を押してマイクロ波発振器17のマイクロ波出力を停止した場合は、MR装置3に撮像開始信号が送信され、MR撮像が行われる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態ではマイクロ波治療装置2と、MR装置3とを同時に使用する場合にMR装置3によるMR撮像中にマイクロ波アプリケータ15から生体に与える治療用エネルギーであるマイクロ波出力を自動的に下げるようにしたので、MR装置3に対するマイクロ波治療装置2からのノイズの影響を軽減できる。そのため、マイクロ波治療装置2の使用中に、MR装置3による観察像が見にくくなるおそれがない。さらに、MR撮像中にマイクロ波治療装置2による処置範囲が不用意に広がらない効果もある。
また、MR撮像中もマイクロ波治療装置2による治療を継続することができるので、MR撮像中に生体組織の温度が下がることが防止できる。そのため、治療効果が損なわれない効果がある。
さらに、本実施の形態ではMR装置3によるMR撮像中にマイクロ波アプリケータ15から生体に与える治療用エネルギーであるマイクロ波出力を下げる操作をコントロールユニット21によって自動的に行うようにしたので、マイクロ波治療装置2と、MR装置3とを同時に使用する場合の操作を簡素化することができる。
また、マイクロ波アプリケータ15のアプリケータ本体22の外表面は全てフッ素樹脂による透明な被覆層30で被覆されているので、電気絶縁が確保できるとともに、生体適合性が確保できる。さらに、焼灼時にアプリケータ本体22の外表面に生体組織の癒着が生じることを防止することができる。
また、本実施の形態ではアプリケータ本体22の内部導体26の先端部と先端導体25との間をMR用マーカー27のハンダによって導通状態で接続したので、図6に示すようにマイクロ波アプリケータ15のMWアンテナの中心部の少し前方に配置されたMR用マーカー27によるアーチファクト52をMR画像上に目印として現すことができる。そのため、マイクロ波アプリケータ15のMWアンテナの中心部に配置される処置エネルギ放出部の位置を特定しやすいため、治療の操作性、安全性、確実性が向上する。さらに、マイクロ波アプリケータ15のアンテナ中心より先端側にMRマーカー27を設置することができるので、組立が容易である。
なお、マイクロ波アプリケータ15の位置を認識可能な観察手段としては本実施の形態のMR装置3の代わりに、超音波観測装置、X線CTでも良い。さらに、治療装置としてはマイクロ波治療装置2の代わりに、レーザー装置、RF治療装置、HF治療装置、超音波治療装置でもよい。また、ストップスイッチ40の押下による治療終了時に、エネルギー治療装置の電極またはアプリケータ15に、組織解離電流を短時間流すようにしてもよい。さらに、マイクロ波アプリケータ15の表面には目視のための目盛表示があっても良い。
また、図9乃至図11は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図8参照)の治療装置1におけるマイクロ波アプリケータ15の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態のマイクロ波アプリケータ15ではアプリケータ本体22におけるMWアンテナの中心部(絶縁体24の中心部分)の先端側に第1の実施の形態と同様の第1のMR用マーカー27を配置し、MWアンテナの中心部の後端側に第2のMR用マーカー61であるハンダを配置したものである。
ここで、前側の第1のMR用マーカー27とMWアンテナの中心部との間の距離:Laと、後ろ側の第2のMR用マーカー61とMWアンテナの中心部との間の距離:Lbとの関係はLa>Lb、La<Lb、La=Lbのいずれでも良い。なお、第2のMR用マーカー61はハンダ以外の磁化率−10-3 以下、または+10-3 以上の素材で形成しても良い。
そして、本実施の形態では前側の第1のMR用マーカー27と後ろ側の第2のMR用マーカー61との間のMWアンテナの中心部にマイクロ波アプリケータ15の処置エネルギ放出の中心点が配置される。そのため、MR装置3によるMR撮像時には図10に示すようにMR像上にマイクロ波アプリケータ15の2つのマーカー27、61のハンダによるアーチファクト52、62が入るように撮像断面をとるようになっている。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態ではMR装置3によるMR像に表示される前側の第1のMR用マーカー27のハンダによるアーチファクト52と後ろ側の第2のMR用マーカー61のハンダによるアーチファクト62との間にマイクロ波アプリケータ15のMWアンテナの中心部であるマイクロ波アプリケータ15の処置エネルギ放出の中心点が配置される。そのため、図11に示すように処置される部位(マイクロ波加熱時の凝固領域53)にマイクロ波アプリケータ15のマーカー27、61のアーチファクト52、62が無いため、マイクロ波加熱時の凝固領域53がマーカー27、61のアーチファクト52、62によって隠されるおそれがない。その結果、生体組織の凝固変化が見やすいので、マイクロ波アプリケータ15による治療の初期段階から生体組織の変性の進行を確認することができ、治療の安全性の向上を図ることができる。
また、図12は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図8参照)の治療装置1におけるマイクロ波アプリケータ15の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態のマイクロ波アプリケータ15ではアプリケータ本体22の先端導体25の後端部に外部導体23の筒内に連通する穴部71を設け、この穴部71内に誘電体28の先端部を挿入させたものである。
そこで、上記構成の本実施の形態では先端導体25の後端部の穴部71内に誘電体28の先端部を挿入させたので、先端導体25を内部導体26の先端部のみで支持する場合に比べて先端導体25の支持強度を高め、比較的強度が低い先端導体25と絶縁体24との間の連結部の強度を高めることができる効果がある。
また、図13は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図8参照)の治療装置1におけるマイクロ波アプリケータ15の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態のマイクロ波アプリケータ15では第1の実施の形態のアプリケータ本体22の先端導体25と先端チップ29とを一体化した先端導体部81を設けるとともに、第1の実施の形態のフッ素樹脂による被覆層30に代えて先端導体部81および外部導体23の各外周面にはそれぞれチタンコート82が施されている。
また、先端導体部81の後端部と、絶縁体24と、外部導体23の前端部との間の連結部の外周面には絶縁被覆83が設けられている。さらに、同軸コネクタ33の外周面には絶縁カバー84が設けられている。
そこで、上記構成の本実施の形態では第1の実施の形態のフッ素樹脂による被覆層30に代えて先端導体部81および外部導体23の各外周面にそれぞれチタンコート82を設けたので、アプリケータ本体22全体の外径寸法を第1の実施の形態よりも小径化することができる。さらに、先端導体部81および外部導体23の各外周面のチタンコート82によってMR用のマーカーを形成することができる利点もある。
また、図14および図15は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態は食道静脈部、胆管等用のフレキシブルアプリケータ(管腔臓器用アプリケータ)91を設けたものである。
すなわち、本実施の形態のフレキシブルアプリケータ91には図14に示すようにMRコンパチ内視鏡(またはMR内視鏡)92の処置具挿通チャンネル93内を通して体内に導入される細長い挿入部94が設けられている。この挿入部94には図15に示すようにフレキシブル同軸ケーブル95の最前端部に処置エネルギの放出部であるMWアンテナ96が配設されている。ここで、フレキシブル同軸ケーブル95の外周面には絶縁被覆97が設けられている。
このMWアンテナ96にはフレキシブル同軸ケーブル95の中心導体に導通される先端導体98と、フレキシブル同軸ケーブル95の外部導体に導通される後部導体99と、これらの先端導体98と後部導体99との間に配設された誘電体100とが設けられている。
さらに、フレキシブル同軸ケーブル95の先端部にはMWアンテナ96の後方部位にリング状のMRマーカー101が配設されている。なお、フレキシブルアプリケータ91の挿入部94の外周面には全長に亙りフッ素樹脂被覆102が装着されている。
そして、本実施の形態のフレキシブルアプリケータ91の使用時には図14に示すように予め患者の管腔内、例えば食道Hd内にMRコンパチ内視鏡92の挿入部94が挿入され、目的の処置部、例えば静脈瘤Heの近傍位置まで導かれる。この状態で、内視鏡92の処置具挿通チャンネル93内を通してフレキシブルアプリケータ91の挿入部94が挿入され、処置具挿通チャンネル93の先端開口部から食道Hd内に導出される。このとき、フレキシブルアプリケータ91のMRマーカー101の位置を確認することにより、MWアンテナ96による管腔壁に対する凝固・焼灼処置の処置中心部を食道Hd内の静脈瘤Heの位置に位置合わせしてセットすることができる。
また、フレキシブルアプリケータ91のMWアンテナ96を食道Hd内の静脈瘤Heの位置に合わせしてセットした後、食道Hd内の静脈瘤HeがMWアンテナ96によって凝固・焼灼処置される。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態のフレキシブルアプリケータ91ではフレキシブルアプリケータ91の挿入部94の先端部におけるMWアンテナ96の後方部位にリング状のMRマーカー101を配設したので、処置エネルギの放出部であるMWアンテナ96の位置を特定しやすい。そのため、管腔壁に対する凝固・焼灼処置の処置中心部を正確に把握し、その位置での深達度を確認しながら凝固・焼灼処置を実施できるので、治療の操作性、安全性、確実性が向上する。その結果、薄い管腔臓器に対して凝固壊死させる処置を行うような場合でも、術後の組織壊死脱落、または吸収に際し、痩孔発生を防ぐことができる。
また、図16は本発明の第6の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第5の実施の形態(図14および図15参照)のフレキシブルアプリケータ91の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、第5の実施の形態ではフレキシブルアプリケータ91の挿入部94の先端部におけるMWアンテナ96の後方部位に1個のリング状のMRマーカー101を配設した構成を示したが、本実施の形態では第5の実施の形態のMRマーカー101の後方に第2のMRマーカー103を配設したものである。ここで、MWアンテナ96による管腔壁に対する凝固・焼灼処置の処置中心部である誘電体100の位置と前方のMRマーカー101との間の距離Laと、前後の2つのMRマーカー101,103間の距離Lbとの間の関係はLa=Lbに設定されている。
そして、本実施の形態のフレキシブルアプリケータ91の使用時には前後の2つのMRマーカー101,103間の距離Lbのピッチから、前方のMRマーカー101の前方に配置されたMWアンテナ96による管腔壁に対する凝固・焼灼処置の処置中心部である誘電体100の位置を推定することができる。
そこで、上記構成の本実施の形態では第5の実施の形態のMRマーカー101の後方に第2のMRマーカー103を配設し、MWアンテナ96による管腔壁に対する凝固・焼灼処置の処置中心部である誘電体100の位置と前方のMRマーカー101との間の距離Laと、2個のMRマーカー101,103間の距離Lbとの関係をLa=Lbに設定したので、MWアンテナ96の凝固・焼灼処置の処置中心部の位置をより明確にすることができる。
また、図17は本発明の第7の実施の形態を示すものである。本実施の形態は体外電極と組合せて使用する実質臓器用穿刺タイプのRFエネルギによるモノポーラ穿刺アプリケータ111を設けたものである。本実施の形態のモノポーラ穿刺アプリケータ111にはチタン針からなる単極ニードル電極112が設けられている。このニードル電極112の基端部にはコネクタ113が配設されている。このコネクタ113の外周面にはコネクタハウジング114が装着されている。
また、ニードル電極112の最前端部には適宜の設定長さLaの処置部115が配設されている。さらに、ニードル電極112の先端部には処置部115の後方部位に前後2つのリング状のMRマーカー116,117が配設されている。ここで、処置部115の先端位置と前方のMRマーカー116との間の距離Lbと、前後2つのMRマーカー116,117間の距離Lcとの関係はLb=Lcに設定されている。なお、ニードル電極112の先端処置部115以外の部分は外周面全体がフッ素樹脂被覆118で被覆されている。
そして、本実施の形態のモノポーラ穿刺アプリケータ111の使用時には前後の2つのMRマーカー116,117間の距離Lcのピッチから、前方のMRマーカー116の前方に配置されたニードル電極112の先端処置部115の先端位置を推定することができる。
そこで、上記構成の本実施の形態ではチタン針からなる単極ニードル電極112を設け、このニードル電極112の最前端部に適宜の設定長さLaの処置部115を配設したので、アプリケータ111の一層の小径化を図ることができ、患者の負担を低減させることができる。
また、図18乃至図20は本発明の第8の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図8参照)の治療装置1におけるコントロールユニット21の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態のコントロールユニット21では図18に示すように第1の実施の形態のコントロールユニット21の操作パネル38に、オート/マニュアル切り替えスイッチ121と、出力HIGHの出力時間設定表示部122およびその出力時間設定スイッチ123a,123bと、出力LOWの出力時間設定表示部124およびその出力時間設定スイッチ125a,125bと、出力HIGH合計出力時間設定表示部126およびその出力時間設定スイッチ127a,127bとがそれぞれ付加されている。そして、本実施の形態ではオート/マニュアル切り替えスイッチ121の切り替え操作にともない第1の実施の形態と同様の制御を行うマニュアル制御機能と、予め操作パネル38に設定された時間設定値にもとづいて自動制御を行うオート制御機能とに選択的に切り替え可能になっている。
また、図19に示すようにコントロールユニット21の内部の制御部48には時間カウント部128が接続されている。さらに、この時間カウント部128にはHIGH出力時間設定部129と、LOW出力時間設定部130とがそれぞれ接続されている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では予めコントロールユニット21の操作パネル38の操作にともないマイクロ波治療装置2のマイクロ波アプリケータ15の動作状態、すなわち出力HIGHおよび出力LOWの各出力値、出力時間、合計出力時間が設定される。ここで、出力HIGHの出力時間設定スイッチ123a,123bの操作にともない出力HIGHの出力時間が設定され、出力HIGHの出力時間設定表示部122に表示される。また、出力LOWの出力時間設定スイッチ125a,125bの操作にともない出力LOWの出力時間が設定され、出力LOWの出力時間設定表示部124に表示される。さらに、出力HIGH合計出力時間設定の出力時間設定スイッチ127a,127bの操作にともない出力HIGH合計出力時間が設定され、出力HIGH合計出力時間設定表示部126に表示される。
続いて、操作パネル38のオート/マニュアル切り替えスイッチ121の操作によってマニュアル制御機能、またはオート制御機能のいずれか一方に選択的に切り替えられる。ここで、オート/マニュアル切り替えスイッチ121によりマニュアル操作を選択した場合は、予め操作パネル38に設定された時間設定値は無効となり、第1の実施の形態と同じ動作が行われる。
また、ここでオート操作を選択した場合には、予め操作パネル38に設定された時間設定値にもとづいて図20のフローチャートに沿って次に示すような自動制御が行われる。まず、コントロールユニット21の治療スタートスイッチ39が押下状態に操作されると、コントロールユニット21からマイクロ波治療装置2に出力HIGHの出力設定値が送信され、マイクロ波アプリケータ15からのマイクロ波出力が開始される。このとき、同時にHIGH出力時間のカウントが開始される(ステップS21)。続いて、ストップスイッチ40の押下状態か、否かが判断される(ステップS22)。
ここで、ストップスイッチ40が押下状態ではないと判断された場合には次のステップS23に進む。このステップS23ではHIGH出力時間が設定時間経過したか、否かが判断される。そして、このステップS23でHIGH出力時間が設定時間経過していないと判断された場合には次のステップS24に進む。
このステップS24ではHIGH出力の合計時間が算出される。そして、次のステップS25ではHIGH出力合計時間が設定時間経過したか、否かが判断される。そして、このステップS25でHIGH出力合計時間が設定時間経過していないと判断された場合には次のステップS26に進む。このステップS26では設定スイッチが押下状態か、否かが判断される。そして、このステップS26で設定スイッチが押下状態と判断された場合には次のステップS27に進む。このステップS27では各設定値が変更されたのち、ステップS22に戻される。さらに、ステップS26で設定スイッチが押下状態ではないと判断された場合にはそのままステップS22に戻される。
また、ステップS23でHIGH出力時間が設定時間経過したと判断された場合には次のステップS28に進む。このステップS28ではコントロールユニット21からマイクロ波治療装置2に出力LOWの出力設定値が送信され、マイクロ波アプリケータ15からのマイクロ波出力がLOW出力に切替えられる。このとき、同時にLOW出力時間のカウントが開始される。
その後、ステップS29で、MR装置3に撮像開始信号が送信される。このステップS29でMR装置3に撮像開始信号が送信されたのち、次のステップS30に進む。このステップS30ではMR装置3から撮像終了信号が受信されたか、否かが判断される。そして、このステップS30でMR装置3から撮像終了信号が受信されていない場合にはステップS30の動作が繰り返される。したがって、出力HIGH時間設定値の時間経過後、マイクロ波発振器17の出力をLOWに切り替えた状態で、MR装置3による撮像が開始される。
また、ステップS30でMR装置3から撮像終了信号が受信されたと判断された場合には次のステップS31に進む。このステップS31ではLOW出力の経過時間が設定時間経過したか、否かが判断される。そして、このステップS31でLOW出力時間が設定時間経過していないと判断された場合にはステップS31の動作が繰り返される。さらに、このステップS31でLOW出力時間が設定時間経過したと判断された場合にはステップS21に戻される。したがって、出力LOW時間設定値の時間が経過したら、再び出力HIGHに切り替える。但し、MR撮像終了信号が未受信であれば受信するまで切り替えない。
そして、上記出力HIGHのマイクロ波出力と、LOW出力のマイクロ波出力との切り替え動作が繰り返され、出力HIGHの合計時間が設定値に達した時点で、マイクロ波出力を停止してMR装置3によるMR撮像を行い、治療を終了する。
また、治療中にストップスイッチ40を押すと、ステップS22で、ストップスイッチ40が押下状態と判断される。この場合にはコントロールユニット21からマイクロ波治療装置2に出力停止信号が送信される。これにより、マイクロ波発振器17の駆動が停止され、マイクロ波アプリケータ15からのマイクロ波出力が停止される(ステップS32)。さらに、治療ストップスイッチ40を押してマイクロ波アプリケータ15からのマイクロ波出力を停止した場合は、MR装置3に撮像開始信号が送信され、MR撮像が行われる。
そこで、本実施の形態ではコントロールユニット21の操作パネル38に、オート/マニュアル切り替えスイッチ121を設け、オート/マニュアル切り替えスイッチ121によりマニュアル操作を選択した場合は、予め操作パネル38に設定された時間設定値は無効となり、第1の実施の形態と同じ動作が行われるようにしたので、マイクロ波治療装置2と、MR装置3とを同時に使用する場合にMR装置3によるMR撮像中にマイクロ波アプリケータ15から生体に与える治療用エネルギーであるマイクロ波出力を自動的に下げることができる。そのため、MR装置3に対するマイクロ波治療装置2からのノイズの影響を軽減できるので、マイクロ波治療装置2の使用中に、MR装置3による観察像が見にくくなるおそれがない。
さらに、本実施の形態ではオート/マニュアル切り替えスイッチ121によりオート操作を選択した場合にはマイクロ波アプリケータ15の出力切り替えとMR装置3によるMR撮像の繰り返しを自動で行うことができ、第1の実施の形態と同じ効果が得られる。
なお、本実施の形態ではMR装置3の代わりに、超音波観測装置、X線CTでも良い。さらに、マイクロ波治療装置2の代わりに、レーザー装置、RF治療装置、HF治療装置、超音波治療装置でもよい。
また、ストップスイッチ40の押下による治療終了時に、マイクロ波治療装置2の電極またはアプリケータ15に、組織解離電流を短時間流すようにしてもよい。この場合には治療終了後電極またはアプリケータ15を引き抜く際に生体組織からの出血を防ぐことができる。
また、図21および図22は本発明の第9の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図8参照)の治療装置1におけるコントロールユニット21の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態のコントロールユニット21では第1の実施の形態のコントロールユニット21の内部にMR画像処理部141と、治療装置制御部142と、判断基準出力部143とが設けられている。
そして、本実施の形態ではマイクロ波アプリケータ15によるマイクロ波治療を行うと同時にある時間間隔でMR装置3によって繰り返しMR撮像を行っている場合に、図22のフローチャートに示す処理が行われる。
(1)ある時間間隔でMR装置3によって繰り返しMR撮像を行なう(ステップS41)。続いて、ステップS42で、前回のMR画像と最新のMR画像とを比較し、前回のMR画像と最新のMR画像との差分量dを算出し、処置範囲の変化部分を抽出する。
(2)次のステップS43ではステップS42で算出された画像変化量dを予め決めてある適正差分量の下限値d1の判断基準と比較してd>=d1であるか、否かを判断する。ここで、d>=d1であると判断された場合には次のステップS44に進む。このステップS44ではステップS42で算出された画像変化量dを予め決めてある適正差分量の上限値d2の判断基準と比較してd<=d2であるか、否かを判断する。ここで、d<=d2であると判断された場合にはステップS41に戻される。
(3)上記(2)の判断結果により画像変化量dが予め決めてある適正差分量の範囲外であれば、マイクロ波アプリケータ15の出力を次のように変化させる。すなわち、ステップS43でd>=d1ではないと判断された場合は処置速度が小さいので、ステップS45の第1の処理が行われる。この第1の処理では次の(A)〜(D)のうちの1つ以上の処理が行われる。(A)は出力を上げる。(B)は出力時間を長くする。(C)は設定温度を上げる。(D)は出力波形を処置速度の大きいものにする。
また、ステップS44でd<=d2ではないと判断された場合には処置速度が大きいので、ステップS46の第2の処理が行われる。この第2の処理では次の(A)〜(D)のうちの1つ以上の処理が行われる。(A)は出力を下げる。(B)は出力時間を短くする。(C)は設定温度を下げる。(D)は出力波形を処置速度の小さいものにする。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態ではマイクロ波治療装置2によるマイクロ波治療の処置速度をコントロールできるため、マイクロ波治療装置2によるマイクロ波治療の安全性、有効性を向上できる。
なお、MR装置3の代わりに、超音波観測装置、X線CTでも良い。さらに、マイクロ波治療装置2の代わりに、レーザー装置、RF治療装置、HF治療装置、超音波治療装置でもよい。
また、図23および図24は本発明の第10の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図8参照)の治療装置1の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では第1の実施の形態のマイクロ波アプリケータ15に図23に示すように2つのMRマーカー151,152が設けられている。また、コントロールユニット21の内部には図24に示すようにマイクロ波治療装置2に接続された制御部153と、MR装置3のMR装置制御部6に接続されたマーカー検出部154と、これらの制御部153とマーカー検出部154との間に介設された移動量算出部155とが設けられている。
さらに、移動量算出部155には基準点設定部156が接続されている。この基準点設定部156はMR装置3によるMR画像を表示する第1のモニタ7のMR画面上の任意の位置に基準点157を設定するものである。また、制御部153には移動許容値設定部158がさらに接続されている。なお、図23中で、Hfは第1のモニタ7のMR画面上に表示される治療対象臓器像である。
そして、本実施の形態では第1のモニタ7のMR画面上に表示されるマイクロ波アプリケータ15の2つのMRマーカー151,152と、基準点157との間の位置関係をコントロールユニット21の制御部153によって監視してマイクロ波アプリケータ15の位置ずれを検出し、ここでマイクロ波アプリケータ15の位置ずれが検出された場合にはマイクロ波発振器17の出力を停止させるようになっている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の治療装置1の使用時にはまず、マイクロ波アプリケータ15を患者Hの体内の治療対象臓器像Hfに刺入する。その後、MR装置3によってMR撮像し、第1のモニタ7のMR画面上に基準点157を設定する。この時のマイクロ波アプリケータ15の2つのMRマーカー151,152と基準点157との位置関係が初期値として制御部153の図示しないメモリに記憶される。
さらに、治療開始後、MR撮像する毎に、マイクロ波アプリケータ15の2つのMRマーカー151,152と基準点157との位置関係を計測する。このとき計測された位置関係の変位が移動許容値設定部158の規定値を超えていた場合には、マイクロ波アプリケータ15の位置ずれが発生したと判断してマイクロ波発振器17の出力を停止する。
また、マイクロ波アプリケータ15の2つのMRマーカー151,152のうち1つでも第1のモニタ7のMR画面で認識できなかった場合には、MR撮像断面がずれたと判断してマイクロ波発振器17の出力を停止する。
そこで、上記構成のものにあってはマイクロ波アプリケータ15の位置ずれ、MR撮像面のずれを自動的に検出してマイクロ波発振器17の出力を停止するため、MR装置3によるMR監視下で、マイクロ波治療装置2のマイクロ波出力によるエネルギー治療の安全性を向上させることができる。
なお、MR装置3の代わりに、超音波観測装置、X線CTでも良い。さらに、マイクロ波治療装置2の代わりに、レーザー装置、RF治療装置、HF治療装置、超音波治療装置でもよい。
また、図25および図26は本発明の第11の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第10の実施の形態(図23および図24参照)の治療装置1のコントロールユニット21の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態ではコントロールユニット21の内部に図26に示すように制御部153とマーカー検出部154との間に第10の実施の形態の移動量算出部155に代えて信号変化量算出部161が介設されている。
さらに、信号変化量算出部161には初期信号値出力部162が接続されている。また、制御部153には変化量許容値設定部163がさらに接続されている。なお、図25中で、Hgは第1のモニタ7のMR画面上に表示される治療対象臓器像Hfの保護領域である。
また、MR装置3によるMR画像を表示する第1のモニタ7のMR画面上には治療対象臓器像Hfの保護領域Hgに合わせて例えば、特にダメージを避けたい箇所に監視用マーカー164を設定可能になっている。ここで、監視用マーカー164は、例えばキーボードのキーや、マウス等の適宜の入力装置の操作により第1のモニタ7のMR画面上の任意の位置に設定できるようになっている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の治療装置1の使用時にはまず、マイクロ波アプリケータ15を患者Hの体内の治療対象臓器像Hfに刺入する。その後、MR装置3によってMR撮像し、第1のモニタ7のMR画面上に監視用マーカー164を設定する。この場合、監視用マーカー164は第1のモニタ7のMR画面上に表示される治療対象臓器像Hfの保護領域Hgにおける特にダメージを避けたい箇所に合わせて設定される。そして、このときの監視用マーカー164の部分の画像信号輝度が初期値として設定され、制御部153の図示しないメモリに記憶される。
さらに、治療開始後、MR撮像する毎に、監視用マーカー164の部分の画像信号輝度を計測する。ここで、制御部153の変化量許容値設定部163には予め画像信号輝度の初期値に対する画像信号輝度の変化量の許容値が設定されている。そして、MR撮像時に測定された画像信号輝度の値が初期値に対して設定された変化量の許容値以上に変化した場合には何らかの組織変化が発生したと判断してマイクロ波発振器17の出力を停止する。
そこで、上記構成のものにあってはMR装置3によるMR画像を表示する第1のモニタ7のMR画面上に治療対象臓器像Hfの保護領域Hgに合わせて特にダメージを避けたい箇所に監視用マーカー164を設定可能にしたので、重要箇所の組織変化状態を自動的に確認でき、安全である。
なお、MR装置3の代わりに、超音波観測装置、X線CTでも良い。さらに、マイクロ波治療装置2の代わりに、レーザー装置、RF治療装置、HF治療装置、超音波治療装置でもよい。
また、図27乃至図29は本発明の第12の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第10の実施の形態(図23および図24参照)の治療装置1の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態ではマイクロ波アプリケータ15を軸心方向に移動させるアプリケータ移動装置171が設けられている。このアプリケータ移動装置171は図28に示すようにコントロールユニット21の制御部153に接続されている。さらに、制御部153とマーカー検出部154との間には距離算出部172が介設されている。
また、距離算出部172には治療ターゲット設定部173が接続されている。この治療ターゲット設定部173はMR装置3によるMR画像を表示する第1のモニタ7のMR画面上にマイクロ波アプリケータ15のMRマーカー151を移動させていく複数の治療点174を設定するものである。さらに、制御部153には距離許容値設定部175が接続されている。この距離許容値設定部175はアプリケータ移動装置171を制御して次の治療点174までMRマーカー151が移動するアプリケータ移動装置171の動作を制御して次の治療点174までMRマーカー151を移動させる際にマイクロ波アプリケータ15の移動距離の許容値を設定するものである。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の治療装置1の使用時にはまず、マイクロ波アプリケータ15を患者Hの体内の治療対象臓器像Hfに刺入する。その後、MR装置3によってMR撮像する。この状態で、第1のモニタ7のMR画面上にマイクロ波アプリケータ15のMRマーカー151を移動させていく複数の治療点174が設定される。
さらに、複数の治療点174の設定後、最初の治療点174でマイクロ波アプリケータ15によるマイクロ波処置が行われる。この最初の治療点174での処置終了後、マイクロ波アプリケータ15のマイクロ波出力が停止される。その後、MR装置3によってMR撮像しながらアプリケータ移動装置171を制御して次の治療点174までMRマーカー151が移動するようにマイクロ波アプリケータ15を移動させる。このときのマイクロ波アプリケータ15の移動動作は図29のフローチャートに沿って行われる。
ここで、最初のステップS61ではアプリケータ移動装置171によってマイクロ波アプリケータ15が次の治療点174の方向に向けて移動される。続いて、MR装置3によってMR撮像し、第1のモニタ7のMR画面上にMR画像を取得させる(ステップS62)。
その後、次のステップS63で、距離算出部172によってMRマーカー151と次の治療ターゲット(治療点174)との間の距離が算出される。さらに、次のステップS64ではステップS63で算出された距離が距離許容値設定部175で設定された許容値以内か、否かが判断される。ここで、許容値から外れている場合には最初のステップS61に戻される。
また、ステップS64で許容値以内と判断された場合にはMRマーカー151が次の治療点174と合っていることが確認される。この場合には次のステップS65に進む。このステップS65ではマイクロ波治療装置2に出力開始信号が送信され、マイクロ波アプリケータ15からのマイクロ波出力が開始される。
その後、次のステップS66で、マイクロ波治療装置2のマイクロ波出力が予め設定された所定の設定時間が経過したか、否かが判断される。ここで、所定の設定時間が経過していない状態と判断された場合にはステップS66に戻される。
また、ステップS66で所定の設定時間が経過した状態と判断された場合には次のステップS67でマイクロ波治療装置2に出力停止信号が送信される。
その後、次のステップS68では未治療のターゲット(治療点174)が有るか、否かが判断される。ここで、未治療のターゲット(治療点174)が有ると判断された場合には最初のステップS61に戻され、同様の動作が設定した治療点174の数だけ繰り返される。そして、ステップS68で未治療のターゲット(治療点174)が無しと判断された場合にはマイクロ波アプリケータ15の移動動作が終了される。
そこで、上記構成のものにあってはマイクロ波アプリケータ15を軸心方向に移動させるアプリケータ移動装置171を設けるとともに、MR装置3によるMR画像を表示する第1のモニタ7のMR画面上にマイクロ波アプリケータ15のMRマーカー151を移動させていく複数の治療点174を設定し、マイクロ波治療装置2によるマイクロ波処置時には各治療点174までMRマーカー151が順次移動するようにアプリケータ移動装置171の動作を制御するようにしたものである。そのため、本実施の形態では第1のモニタ7のMR画面上に予め設定された複数の治療点174の位置を確認しながら連続的にマイクロ波アプリケータ15を移動させ、マイクロ波治療装置2によるマイクロ波処置を各治療点174で順次自動的に行うことができるので、マイクロ波治療装置2と、MR装置3とを同時に使用する場合の操作を簡素化することができる。
なお、MR装置3の代わりに、超音波観測装置、X線CTでも良い。さらに、マイクロ波治療装置2の代わりに、レーザー装置、RF治療装置、HF治療装置、超音波治療装置でもよい。
また、図30は本発明の第13の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第10の実施の形態(図23および図24参照)の治療装置1の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態ではMR装置3によるMR画像を表示する第1のモニタ7のMR画面内に入る位置に基準点マーカー181を設置する。そして、この基準点マーカー181の位置を基準点として、マイクロ波アプリケータ15に設けられたMRマーカー151,152と基準点マーカー181との位置関係を記憶するようにしている。
そして、本実施の形態の治療装置1の使用時には第10の実施の形態と同様に、マイクロ波治療装置2の治療開始後、MR装置3によってMR撮像する毎に、マイクロ波アプリケータ15のMRマーカー151,152と基準点マーカー181との位置関係を計測する。この位置関係の変位が予め設定された規定値を超えていたら、位置ずれが発生したと判断してマイクロ波発振器17の出力を停止する。
また、マイクロ波アプリケータ15の2つのMRマーカー151,152のうち1つでも第1のモニタ7のMR画面で認識できなかった場合には、MR撮像断面がずれたと判断してマイクロ波発振器17の出力を停止する。
そこで、本実施の形態ではMR装置3によるMR画像を表示する第1のモニタ7のMR画面内に入る位置に基準点マーカー181を設置したので、患者自身のずれに影響なく、第10の実施の形態と同じ効果が得られる。
また、図31乃至図33は本発明の第14の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図8参照)の治療装置1の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態ではMRI用磁気シールドルームであるMR検査室4の外部に配設されたマイクロ波発振器17内で治療用高周波エネルギーを発生させるマイクロ波発生器としてマグネトロンが使用されている。
さらに、マイクロ波発振器17内のマグネトロンと、MR検査室4の内部に配設されたマイクロ波アプリケータ15との間を連結する伝送用同軸ケーブルであるマイクロ波中継ケーブル16の途中、例えばマグネトロンの出力部とMRIシールドルームのMR検査室4の入力端との間に同軸型フィルタ191が介設されている。
この同軸型フィルタ191は図32に示すように治療用マイクロ波周波数f1とMR用の中心周波数f2との間に透過と、遮断の切り替わり値fcを持つハイパスフィルタ(HPF)の特性を持っている。ここで、f1>fc>f2となる。なお、図33はMR装置3による断層像の一例を示すものである。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態ではマイクロ波発振器17内のマグネトロンと、MR検査室4の内部に配設されたマイクロ波アプリケータ15との間を連結するマイクロ波中継ケーブル16の途中に同軸型フィルタ191を介設したので、マイクロ波発振器17内のマグネトロンから供給されるマイクロ波がMR検査室4内のMRI観察空間に入る前にノイズをカットできる。そのため、治療用マイクロ波には変化無しにMRIの断層像撮像に影響を及ぼすノイズをカットすることで、治療と撮像を同時に行うことができるので、安価だが広帯域にノイズが発生しているマグネトロンを使用して治療用高周波エネルギーの供給と、MR装置3による断層像取得を同時に行うことができる。さらに、本実施の形態では導波管等の簡単な構成のフィルタを用いることができる効果がある。
また、図34(A)は本発明の第15の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第14の実施の形態(図31乃至図33参照)の治療装置1における同軸型フィルタ191のフィルタ特性のみ異なる。すなわち、第14の実施の形態ではハイパスフィルタ(HPF)のフィルタ特性を持つ同軸型フィルタ191を使用したが、本実施の形態では図34(A)に示すようにマイクロ波周波数f1のみを透過するバンドパスフィルタ(BPF)を使用したものである。このバンドパスフィルタはカット周波数の上限値がfcH、下限値がfcLとすると、f1>fcH>f2>fcLである。
そこで、本実施の形態では同軸型フィルタ191としてバンドパスフィルタを使用したので、MR装置3の撮像用周波数に関係無く、同一のフィルタにて対応可能となる。さらに、バンドパスフィルタを使用した場合にはエネルギー治療の本来の周波数f1近辺のみを透過するので、MR用の中心周波数f2にあまり依存せずに同じフィルタを用いることができる。
また、図34(B)は本発明の第16の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第14の実施の形態(図31乃至図33参照)の治療装置1における同軸型フィルタ191のフィルタ特性のみ異なる。すなわち、本実施の形態では図34(B)に示すようにMR装置3の撮像周波数f2のみ遮断するバンドカットフィルタ(BCF)を使用したものである。このバンドカットフィルタはカット周波数の上限値がfcH、下限値がfcLとすると、f1>fcH>f2>fcLである。
そこで、本実施の形態では同軸型フィルタ191として最低限必要な周波数帯のみをカットするバンドカットフィルタを使用したので、フィルタ191で発生する熱が少なく、フィルタ191の大きさを小さくすることができる。また、マイクロ波の周波数に関係無く同一のフィルタにて対応可能となる。なお、フィルタ191は、単に寸法を調整してカットオフ周波数fcを上記のように調整した導波管でも良い。
また、図35および図36は本発明の第17の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第14の実施の形態(図31乃至図33参照)の治療装置1の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態ではMRI用磁気シールドルームであるMR検査室4の外部に配設された高周波電源204内で治療用高周波エネルギーを発生させる2線式出力の高周波発生装置、例えば電気メスが使用されている。
さらに、高周波電源204内の2線式出力の高周波発生装置には2本の伝送ケーブル201,202の各一端部が接続されている。ここで、一方の伝送ケーブル201はアクティブ電極型の伝送ケーブル、他方の伝送ケーブル202はリターン電極型の伝送ケーブルによってそれぞれ形成されている。
また、高周波電源204内の2線式出力の高周波発生装置と、MR検査室4の内部に配設された図示しないアクティブ電極とリターン電極との間を連結する2本の伝送ケーブル201,202の途中には2線型フィルタ203が介設されている。このフィルタ203は図36に示すように治療用高周波周波数f1とMRI用の周波数f2との間に透過と、遮断の切り替わり値fcを持つローパスフィルタ(LPF)の特性を持っている。
そこで、上記構成のものにあっては高周波電源204内の2線式出力の高周波発生装置と、MR検査室4内の図示しないアクティブ電極とリターン電極との間を連結する2本の伝送ケーブル201,202の途中にローパスフィルタ(LPF)の特性を持つ2線型フィルタ203を介設したので、サイン波波形に近い治療用高周波には変化無しにMRIの断層像撮像に影響を及ぼすノイズをカットすることができる。そのため、治療と撮像を同時に行うことができる。
また、図37(A)は本発明の第18の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第17の実施の形態(図35および図36参照)の治療装置1における2線型フィルタ203のフィルタ特性のみ異なる。すなわち、第17の実施の形態では高周波電源204内の2線式出力の高周波発生装置と、MR検査室4内の図示しないアクティブ電極とリターン電極との間を連結する2本の伝送ケーブル201,202の途中にローパスフィルタ(LPF)の特性を持つ2線型フィルタ203を介設したのに対し、本実施の形態では治療用高周波周波数のみ透過するバンドパスフィルタの特性を持つ2線型フィルタ203を介設したものである。
これにより、MR装置3の撮像用周波数に関係無く、同一の2線型フィルタ203にて対応可能となる。
これにより、MR装置3の撮像用周波数に関係無く、同一の2線型フィルタ203にて対応可能となる。
また、図37(B)は本発明の第19の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第17の実施の形態(図35および図36参照)の治療装置1における2線型フィルタ203のフィルタ特性のみ異なる。すなわち、本実施の形態では高周波電源204内の2線式出力の高周波発生装置と、MR検査室4内の図示しないアクティブ電極とリターン電極との間を連結する2本の伝送ケーブル201,202の途中にMRI装置の撮像周波数のみ遮断するバンドカットフィルタの特性を持つ2線型フィルタ203を介設したものである。
これにより、治療用高周波周波数に関係無く、同一のフィルタにて対応可能となる。また、パルス波形等の高調波周波数成分を持つ高周波治療波形の場合も、極力波形に影響の無いノイズカットが可能となる。
これにより、治療用高周波周波数に関係無く、同一のフィルタにて対応可能となる。また、パルス波形等の高調波周波数成分を持つ高周波治療波形の場合も、極力波形に影響の無いノイズカットが可能となる。
また、図38は本発明の第20の実施の形態を示すものである。本実施の形態では生体に治療用エネルギーを与えて生体組織を治療する治療用アプリケータとしてマイクロ波アプリケータ15が使用され、このマイクロ波アプリケータ15の位置を認識可能な観察手段として診断用超音波プローブ212が使用されている。ここで、マイクロ波アプリケータ15は伝送用中継同軸ケーブル213を介してマイクロ波発生装置214に接続されている。さらに、診断用超音波プローブ212は超音波画像装置215に接続されている。
また、マイクロ波発生装置214から発生させた治療用エネルギーであるマイクロ波を伝送用同軸ケーブル213にてマイクロ波アプリケータ15に伝送する伝送路の途中には同軸型フィルタ216が介設されている。このフィルタ216は治療用マイクロ波の中心周波数と、超音波画像装置215用の周波数との間に透過と、遮断の切り替わり値を持つハイパスフィルタ(図32参照)の特性を持っている。
そこで、上記構成のものにあってはマイクロ波発生装置214とマイクロ波アプリケータ15との間の伝送用同軸ケーブル213の途中にハイパスフィルタの特性を持つ同軸型フィルタ216を介設したので、超音波画像撮像に影響を及ぼすノイズを、治療用マイクロ波には変化無しにマイクロ波アプリケータ15と診断用超音波プローブ212とが近づく前にカットすることができる。そのため、マイクロ波アプリケータ15によるマイクロ波治療と、診断用超音波プローブ212による撮像とを同時に行っても奇麗な超音波画像を得ることができる。
なお、同軸型フィルタ216のフィルタ特性については図34(A)のハイパスフィルタのフィルタ特性や、図34(B)のバンドカットフィルタのフィルタ特性であってもよい。
また、図39は本発明の第21の実施の形態を示すものである。本実施の形態では生体に治療用エネルギーを与えて生体組織を治療する治療用アプリケータとしてレゼクトスコープ221が使用され、このレゼクトスコープ221の位置を認識可能な観察手段として第20の実施の形態(図38参照)と同様の診断用超音波プローブ212が使用されている。
ここで、レゼクトスコープ221には患者の体腔内に挿入される細長い挿入部222の先端部に高周波治療用電極部であるループ電極223が配設されている。さらに、レゼクトスコープ221のループ電極223には2線式出力の高周波発生装置224から高周波出力が供給されるようになっている。
この高周波発生装置224にはアクティブ電極型の伝送ケーブル225と、リターン電極型の伝送ケーブル226とが接続されている。そして、高周波発生装置224のアクティブ電極型の伝送ケーブル225にレゼクトスコープ221のループ電極223が接続されている。なお、高周波発生装置224のリターン電極型の伝送ケーブル226には図示していないリターン電極が接続されている。
また、2線式出力の高周波発生装置224から発生させた治療用エネルギーを伝送する2本の伝送ケーブル225,226の途中には2線型フィルタ227が介設されている。このフィルタ227は治療用高周波周波数と超音波画像撮像用周波数との間に透過と、遮断の切り替わり値を持つローパスフィルタの特性を持っている。
そして、図39では一例として患者の直腸Hhに超音波プローブ212を、尿道Hiにレゼクトスコープ221の挿入部222とループ電極223を挿入した状態を示している。
そこで、上記構成のものにあっては高周波発生装置224から発生させた治療用エネルギーを伝送する2本の伝送ケーブル225,226の途中にローパスフィルタの特性を持つ2線型フィルタ227を介設させたので、レゼクトスコープ221のループ電極223と診断用超音波プローブ212とが近づく前に超音波画像撮像に影響を及ぼすノイズをサイン波波形に近い治療用高周波には変化無しにカットすることができる。そのため、治療と撮像を同時に行っても奇麗な超音波画像が得ることができる。
なお、本実施の形態の組合せに限定されること無く、高周波エネルギーによる治療とその治療部位を観察する超音波画像撮像との組合せ全てに本発明は適用できる。
また、図40は本発明の第22の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第21の実施の形態(図39参照)のレゼクトスコープ221に代えて穿刺型バイポーラ電極231を設け、この穿刺型バイポーラ電極231とラパ用超音波プローブ212とを組合せたものである。本実施の形態でも第21の実施の形態と同様の効果が得られる。
また、図41は本発明の第23の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第14の実施の形態(図31乃至図33参照)の治療装置1の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態はMRI用磁気シールドルームであるMR検査室4の側壁241に端子盤242を設け、この端子盤242上に同軸型ノイズフィルタ243を設置したものである。この同軸型ノイズフィルタ243はMR検査室4の内部に配設されたマイクロ波アプリケータ15とマイクロ波発振器17内のマグネトロンなどのマイクロ波発生装置との間を連結する伝送用同軸ケーブルであるマイクロ波中継ケーブル16の途中に介設されている。さらに、本実施の形態では、ノイズフィルタ243はMR装置3の撮像用周波数に特化されるので、バンドカットフィルタ、またはハイパスフィルタが用いられる。
そこで、上記構成のものにあってはマイクロ波の伝送同軸ケーブルであるマイクロ波中継ケーブル16をノイズフィルタ243に取り付けることで、マイクロ波発生装置の周波数に関係無く、治療と同時の撮像が可能となる。
また、図42は本発明の第24の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第21の実施の形態(図39参照)のように治療用アプリケータとして高周波治療用電極部であるループ電極223を備えたレゼクトスコープ221が使用され、このレゼクトスコープ221の位置を認識可能な観察手段として診断用超音波プローブ212が使用されている。
そして、本実施の形態では第23の実施の形態(図41参照)と同様にMRI用磁気シールドルームであるMR検査室4の側壁241に端子盤242を設け、第21の実施の形態(図39参照)のように高周波発生装置224から発生させた治療用エネルギーを伝送する2本の伝送ケーブル225,226の途中に介設させた2線型ノイズフィルタ251をこの端子盤242上に設置したものである。この2線型ノイズフィルタ251はMRI装置の撮像用周波数に特化されるので、バンドカットフィルタ、またはローパスフィルタが用いられる。
そこで、本実施の形態では、高周波の2本の伝送ケーブル225,226をこのノイズフィルタ251に取り付けることで高周波発生装置224の周波数に関係無く、治療と同時の撮像が可能となる。
また、図43乃至図47は本発明の第25の実施の形態を示すものである。図43は本実施の形態の治療装置261のシステム全体の概略構成を示すものである。本実施の形態の治療装置261にはMRI撮像装置262と、治療を行う治療装置本体263とが設けられている。
さらに、MRI撮像装置262にはMRIガントリー264と、MRIコントローラー265とが設けられている。ここで、MRIガントリー264と、MRIコントローラー265との間はMRI信号ケーブル266を介して接続されている。
また、治療装置本体263には治療用エネルギー発生手段268と、この治療用エネルギー発生手段268に治療ブローブ用伝送ケーブル269を介して接続された治療プローブ270(図44に示す)とが設けられている。
さらに、MRIコントローラー265と治療用エネルギー発生手段268との間は認識ユニット271経由で接続されている。ここで、認識ユニット271とMRIコントローラー265との間は認識ユニット−MRIコントローラー間信号ケーブル272を介して接続され、認識ユニット271と治療用エネルギー発生手段268との間は認識ユニット−治療用エネルギー発生手段間信号ケーブル273を介して接続されている。そして、本実施の形態ではMRI撮像装置262にてリアルタイムに観察しながら治療装置本体263にて治療を行うシステムになっている。
また、図46に示すようにMRIコントローラー265にはMRI制御部274と、画像信号出力部275とが設けられている。ここで、MRI制御部274の入力側にはMRI信号ケーブル266を介してMRIガントリー264が接続されている。さらに、MRI制御部274の出力側には画像信号出力部275が接続されている。
また、治療用エネルギー発生手段268には治療用エネルギー制御部276と、治療用エネルギー発生部277と、治療用エネルギー発生手段信号入出力部278とが設けられている。ここで、治療用エネルギー発生部277には治療ブローブ用伝送ケーブル269を介して治療プローブ270が接続されている。
また、認識ユニット271には認識ユニット制御部279と、認識ユニット信号入出力部280と、画像信号入力部281と、表示部282と、評価点設定手段283と、評価レベル設定手段284と、例えば表示灯や、ブザー等の治療終了告知手段285とが設けられている。
ここで、認識ユニット制御部279には認識ユニット信号入出力部280と、画像信号入力部281と、表示部282と、評価点設定手段283と、評価レベル設定手段284と、治療終了告知手段285とがそれぞれ接続されている。さらに、画像信号入力部281にはMRIコントローラー265の画像信号出力部275が認識ユニット−MRIコントローラー間信号ケーブル272を介して接続されている。さらに、認識ユニット信号入出力部280には治療用エネルギー発生手段268の治療用エネルギー発生手段信号入出力部278が認識ユニット−治療用エネルギー発生手段間信号ケーブル273を介して接続されている。なお、表示部282にはMR像を表示するモニター267が設けられている。
また、評価点設定手段283では図44に示すようにMRI撮像装置262によるMRI像中における治療部位Hj及びその周辺に複数、本実施の形態では4つの評価点a〜dをキーボード、マウス、トラックボール、タッチペン等により設定するようになっている。そして、4つの評価点a〜dにおけるそれぞれの例えば輝度のデータが認識ユニット271の表示部282に例えば図45に示すようにグラフ表示されるようになっている。
さらに、評価レベル設定手段284ではMRI撮像装置262によるMRI像の4つの評価点a〜dにおける評価レベル、例えば輝度の設定レベルLsをキーボード、マウス、トラックボール、タッチペン等により設定するようになっている。そして、4つの評価点a〜dにおけるそれぞれの輝度のデータが評価レベル設定手段284で設定された輝度の設定レベルLsを全て超えた場合には治療用エネルギーをオフするようになっている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の治療装置261の使用時には次の図47のフローチャートに沿った動作が行われる。すなわち、治療プローブ270による治療開始前にまず最初のステップS71でMRI撮像装置262によるMRI像の撮像が行われる。続いて、MRIコントローラー265から画像信号が認識ユニット271に転送され(ステップS72)、この認識ユニット271の表示部282にMRI撮像装置262によるMRI画像が表示される(ステップS73)。
その後、認識ユニット271内の評価点設定手段283によって図44に示すようにMRI撮像装置262によるMRI像中における治療部位Hj及びその周辺に複数、本実施の形態では4つの評価点a〜dがキーボード、マウス、トラックボール、タッチペン等により設定される(ステップS74)。さらに、次のステップS75ではMRI撮像装置262によるMRI像の4つの評価点a〜dにおける治療終了を認識する為の輝度値の評価レベル、例えば輝度の設定レベルLsが評価レベル設定手段284でキーボード、マウス、トラックボール、タッチペン等により設定される。これら設定は認識ユニット271の表示部282の表示内容を見ながら行われる。
その後、治療が開始される(ステップS76)。このとき、治療用エネルギー発生手段268より治療開始信号が認識ユニット271に送信される(ステップS77)。
さらに、治療開始時にはまずMRI撮像装置262によるMRI像の撮像が行われる(ステップS78)。続いて、MRIコントローラー265から画像信号が認識ユニット271に転送される(ステップS79)。
その後、ステップS80で4つの評価点a〜dにおける輝度レベルが監視され、次のステップS81で全ての評価点a〜dの輝度が評価レベルLsを越えたか、否かが判断される。ここで、全評価点a〜dが評価レベルLsを越えていない状態と判断された場合にはステップS78に戻される。そして、全ての評価点a〜dの輝度が評価レベルLsを越えた状態と判断された場合には治療が終了される(ステップS82)。さらに、この治療終了時には次のステップ83で認識ユニット271の治療終了告知手段285にて治療終了が告知される。
なお、評価点a〜dの輝度は各種パラメータの設定にて、治療が進むと例えば白色から黒色に変化する場合や、黒色から白色に変化する場合等がある。そして、この評価点a〜dの輝度が評価レベルLsを超える場合とは、両方の場合が存在する。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では評価点設定手段283で図44に示すようにMRI撮像装置262によるMRI像中における治療部位Hj及びその周辺に4つの評価点a〜dをキーボード、マウス、トラックボール、タッチペン等により設定するとともに、評価レベル設定手段284でMRI撮像装置262によるMRI像の4つの評価点a〜dにおける評価レベル、例えば輝度の設定レベルLsを設定し、4つの評価点a〜dにおけるそれぞれの輝度のデータが評価レベル設定手段284で設定された輝度の設定レベルLsを全て超えた場合に治療用エネルギーをオフするようにしたので、自動的に治療終了が行え、生体への治療の影響を最小限に食い止められる。さらに、MRI像中における治療部位Hj及びその周辺に4つの評価点a〜dを設定したので、間違いなく患部全てを治療することができる。
なお、本実施の形態ではMRI撮像装置262によるMRIの断層像取得と治療プローブ270による治療エネルギーの放出が同時の治療法でも、あるいはこれらが交互に行われる治療法のどちらの場合でも良い。
また、図48は本発明の第26の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第25の実施の形態(図43乃至図47参照)の治療装置261の治療終了後の作用を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では治療装置261の使用時には第25の実施の形態の図47のフローチャートにおけるステップS71からステップS83までは第25の実施の形態と同様の手順で制御が行われる。そして、ステップS83の治療終了の告知後、図48のフローチャートに示す通り、次のステップS84で認識ユニット271から治療用エネルギー発生手段268に送信を行い、治療用エネルギー発生手段268で治療終了処置を行わせる(ステップS85)ようにしたものである。ここで、治療用エネルギー発生手段268での治療終了処置は治療プローブ270から出力される治療用エネルギーを自動的にオフ、又は治療用エネルギーの出力値を低下させるものである。
そこで、上記構成のものにあっては治療装置261の治療終了後、治療用エネルギー発生手段268で治療プローブ270からの治療用エネルギーを自動的にオフ、又は治療用エネルギーの出力値を低下させる等の治療終了処置を行わせるようにしたので、自動的に治療終了が行え、生体への治療の影響を最小限に食い止められる効果がある。
また、図49および図50は本発明の第27の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第25の実施の形態(図43乃至図47参照)の治療装置261の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では第25の実施の形態の認識ユニット271内に新たに評価割合設定手段291を設けたものである。そして、治療装置261の使用時には図50のフローチャートに沿って治療装置261の制御が行われる。
ここで、本実施の形態では第25の実施の形態の図47のフローチャートにおけるステップS71からステップS75までは第25の実施の形態と同様の手順で制御が行われる。そして、ステップS75でMRI像の4つの評価点a〜dにおける治療終了を認識する為の輝度値の設定レベルLsが設定されたのち、次の新たなステップS91に進むようになっている。
このステップS91では評価割合設定手段291にて4つの評価点a〜dにおける評価割合がキーボード、マウス、トラックボール、タッチペン等により設定されるようになっている。
さらに、この後、第25の実施の形態と同様に治療が開始される(ステップS76)。そして、この治療開始時にはステップS76からステップS80までは第25の実施の形態と同様の手順で制御が行われる。そして、ステップS80で4つの評価点a〜dにおける輝度レベルが監視されたのち、次の新たなステップS92に進む。
このステップS92では4つの評価点a〜dにおける設定割合以上の評価点が評価レベルを越えたか、否かが判断される。ここで、設定割合以上の評価点が評価レベルを越えていない状態と判断された場合にはステップS78に戻される。そして、ステップS92で設定割合以上の評価点が評価レベルを越えた状態と判断された場合には治療が終了される(ステップS82)。さらに、この治療終了時には次のステップ83で認識ユニット271の治療終了告知手段285にて治療終了が告知される。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では治療部位の外側に評価点を設定し、概略治療が終了した状態でも治療終了と判断できるようになるので、全評価点a〜dが評価レベルを超えるまで治療を続けることによる過度の治療を防ぐことができる。
なお、本実施の形態でも第26の実施の形態(図48参照)のように治療用エネルギー発生手段268に治療終了信号を送信して治療用エネルギーの自動的オフ、又は低下させる構成にしてもよい。さらに、評価割合設定手段291を設けること無く、評価割合が固定的に設定されている構成にしてもよい。
また、図51は本発明の第28の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第25の実施の形態(図43乃至図47参照)の治療装置261の治療プローブ270による治療前の作用を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では治療装置261の使用時には第25の実施の形態の図47のフローチャートにおけるステップS71からステップS73までは第25の実施の形態と同様の手順で制御が行われる。そして、ステップS73で認識ユニット271の表示部282にMRI画像が表示されたのち、次の新たなステップS101に進むようになっている。
このステップS101では表示部282のMRI画像の断層像から自動診断にて患部である治療部位Hjを認識し、この治療部位Hjの周辺に評価点a〜dを設定する。さらに、評価点a〜dの自動設定後、次のステップS102で、評価点設定手段283にて評価点の追加や、自動設定された評価点a〜dの位置修正等が行われる。
その後、第25の実施の形態と同様のステップS75に進み、このステップS75からステップS83までは第25の実施の形態と同様の手順で制御が行われる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では表示部282のMRI画像の断層像から自動診断にて患部である治療部位Hjを認識し、この治療部位Hjの周辺に評価点a〜dを設定するようにしたので、治療プローブ270と、MRI撮像装置262とを同時に使用する場合の操作を簡素化することができる。
また、図52は本発明の第29の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第27の実施の形態(図49および図50参照)の治療装置261の治療プローブ270による治療開始後の作用を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では治療装置261の使用時には第27の実施の形態の図50のフローチャートにおけるステップS71からステップS92までは第27の実施の形態と同様の手順で制御が行われる。そして、ステップS92で設定割合以上の評価点が評価レベルを越えた状態と判断された場合には、まず次の新たなステップS111に進む。
このステップS111では認識ユニット271の治療終了告知手段285にて治療終了が告知される。その後、第25の実施の形態(図43乃至図47参照)の図47のフローチャートのステップS81に進む。このステップS81では全ての評価点a〜dの輝度が評価レベルLsを越えたか、否かが判断される。ここで、全評価点a〜dが評価レベルLsを越えていない状態と判断された場合にはステップS78に戻される。そして、全ての評価点a〜dの輝度が評価レベルLsを越えた状態と判断された場合には治療が終了される(ステップS82)。さらに、この治療終了時には次のステップ112で認識ユニット271から治療用エネルギー発生手段268に送信を行い、治療用エネルギー発生手段268で治療終了処置を行わせる(ステップS113)ようにしている。ここで、治療用エネルギー発生手段268での治療終了処置は治療プローブ270から出力される治療用エネルギーを自動的にオフ、又は治療用エネルギーの出力値を低下させるものである。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では治療プローブ270による治療終了の処理時に、まず最初の段階では評価割合分の評価点の評価レベルが越えた時点で、治療終了の告知を行い、次の段階では全評価点の評価レベルが越えた時点で、治療用エネルギーのオフ又は低下を行う2段階の処理を行うようにしたので、自動終了時の安全性を高めることができる。
また、図53乃至図55は本発明の第30の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第25の実施の形態(図43乃至図47参照)の治療装置261の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では図54に示すように第25の実施の形態の認識ユニット271内に新たに参照点設定手段301が設けられている。そして、図53に示すようにMRI撮像装置262によるMRI像の4つの評価点a〜dとは別にこの参照点設定手段301によって参照点Rを設定可能になっている。さらに、評価レベルである輝度の設定レベルLsを絶対値として設定するのではなく、参照点Rとの輝度の比率として設定するように、評価比率設定手段302が設けられている。
なお、参照点Rは実際にはMRI撮像装置262によるMRI像中における治療部位Hjと同一の臓器Hk内で治療プローブ270からの治療用エネルギーの影響が無いと見られる場所に設定することで予定通りの機能を得られる。そして、治療装置261の使用時には図55のフローチャートに沿って治療装置261の制御が行われる。
ここで、本実施の形態では第25の実施の形態の図47のフローチャートにおけるステップS71からステップS74までは第25の実施の形態と同様の手順で制御が行われる。そして、ステップS74でMRI像中における治療部位Hj及びその周辺に複数、本実施の形態では4つの評価点a〜dが設定された後、次の新たなステップS121に進む。このステップS121では参照点設定手段301によって4つの評価点a〜dとは別に参照点マーカーRがキーボード、マウス、トラックボール、タッチペン等により設定される。
さらに、次のステップS122では評価比率設定手段302によって評価レベルである輝度の設定レベルLsが参照点Rとの輝度の比率としてキーボード、マウス、トラックボール、タッチペン等により設定される。
さらに、この後、第25の実施の形態と同様に治療が開始される(ステップS76)。この治療開始時にはステップS76からステップS80までは第25の実施の形態と同様の手順で制御が行われる。そして、ステップS80で4つの評価点a〜dにおける輝度レベルが監視されたのち、次の新たなステップS123に進む。
このステップS123では4つの評価点a〜dの全部が参照点Rを基準とした評価比率を越えたか、否かが判断される。ここで、4つの評価点a〜dの全部が参照点Rを基準とした評価比率を越えていない状態と判断された場合にはステップS78に戻される。そして、ステップS123で4つの評価点a〜dの全部が参照点Rを基準とした評価比率を越えた状態と判断された場合には治療が終了される(ステップS82)。さらに、この治療終了時には次のステップ83で認識ユニット271の治療終了告知手段285にて治療終了が告知される。
そこで、上記構成の本実施の形態では、MRI撮像装置262によるMRI像中における治療部位Hj及びその周辺に設定された4つの評価点a〜dとは別に参照点設定手段301によって参照点Rを設定し、評価比率設定手段302によって評価レベルを参照点Rとの輝度の比率として設定したので、個人差や、MRI像の撮像のパラメータ設定による輝度の影響を参照点Rにて吸収することができる。そのため、治療終了認識動作をより安定して行うことができる。
また、図56および図57は本発明の第31の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第30の実施の形態(図53乃至図55参照)の治療装置261の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では図56に示すように認識ユニット271内に第30の実施の形態の参照点設定手段301で設定される参照点に代えて新たに各評価点a〜dの輝度の初期値を用いている。そして、その各評価点a〜dの輝度の初期値を記憶する記憶手段311を設けるようにしたものである。
また、治療装置261の使用時には図57のフローチャートに沿って治療装置261の制御が行われる。ここで、本実施の形態では第25の実施の形態(図43乃至図47参照)の図47のフローチャートにおけるステップS71からステップS75までは第25の実施の形態と同様の手順で制御が行われる。そして、ステップS75でMRI撮像装置262によるMRI像の4つの評価点a〜dにおける治療終了を認識する為の輝度の設定レベルLsが評価レベル設定手段284によって設定された後、次の新たなステップS131に進む。このステップS131ではMRI像の4つの評価点a〜dの輝度の初期値が記憶手段311によって記憶される。
さらに、この後、第30の実施の形態と同様に治療が開始される(ステップS76)。そして、この治療開始時にはステップS76からステップS80までは第30の実施の形態と同様の手順で制御が行われる。そして、ステップS80で4つの評価点a〜dにおける輝度レベルが監視されたのち、次の新たなステップS132に進む。
このステップS132では4つの評価点a〜dの全部が初期値を基準とした評価比率を越えたか、否かが判断される。ここで、4つの評価点a〜dの全部が初期値を基準とした評価比率を越えていない状態と判断された場合にはステップS78に戻される。そして、ステップS132で4つの評価点a〜dの全部が初期値を基準とした評価比率を越えた状態と判断された場合には治療が終了される(ステップS82)。さらに、この治療終了時には次のステップ83で認識ユニット271の治療終了告知手段285にて治療終了が告知される。
そこで、上記構成の本実施の形態では、第30の実施の形態の参照点設定手段301に代えて新たに各評価点a〜dの輝度の初期値を記憶する記憶手段311を設け、治療中はMRI像中における治療部位Hj及びその周辺に設定された4つの評価点a〜dの全部が初期値を基準とした評価比率を越えた状態と判断された場合に治療が終了されるようにしたので、第30の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、本実施の形態では更に第30の実施の形態の参照点Rを設定し難い小さい臓器の治療時にも適用可能となる。
また、図58および図59は本発明の第32の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第31の実施の形態(図56および図57参照)の治療装置261の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では図58に示すように認識ユニット271内に第31の実施の形態の評価比率設定手段302に代えて新たに評価変化率設定手段321および変化率計算手段322が設けられている。そして、治療終了の判断時には評価点a〜dの輝度ではなく、評価点a〜dの輝度の変化率にて治療終了を判断するようにしたものである。
また、治療装置261の使用時には図59のフローチャートに沿って治療装置261の制御が行われる。ここで、本実施の形態では第25の実施の形態(図45乃至図47参照)の図47のフローチャートにおけるステップS71からステップS74までは第25の実施の形態と同様の手順で制御が行われる。そして、ステップS74でMRI像中における治療部位Hj及びその周辺に複数、本実施の形態では4つの評価点a〜dが設定された後、次の新たなステップS141に進む。このステップS141では治療終了を判断するための4つの評価点a〜dの輝度の変化率が評価変化率設定手段321によってキーボード、マウス、トラックボール、タッチペン等により設定される。
さらに、この後、第25の実施の形態と同様に治療が開始される(ステップS76)。そして、この治療開始時にはステップS76からステップS80までは第25の実施の形態と同様の手順で制御が行われる。そして、ステップS80で4つの評価点a〜dにおける輝度レベルが監視されたのち、次の新たなステップS142に進む。
このステップS142では4つの評価点a〜dの輝度レベルが記憶手段311に格納される。続いて、次のステップS143で、変化率計算手段322によって各評価点a〜dの変化率が計算される。その後、次のステップS144で、全評価点a〜dの変化率が評価変化率設定手段321によって設定された評価変化率を下回ったか、否かが判断される。ここで、4つの評価点a〜dの変化率の全部が評価変化率を下回った状態ではないと判断された場合にはステップS78に戻される。そして、ステップS144で、全評価点a〜dの変化率が評価変化率を下回った状態と判断された場合には治療が終了される(ステップS82)。さらに、この治療終了時には次のステップ83で認識ユニット271の治療終了告知手段285にて治療終了が告知される。
そこで、上記構成の本実施の形態では、治療終了の判断時には評価点a〜dの輝度ではなく、評価点a〜dの輝度の変化率にて治療終了を判断している。ここで、治療プローブ270から出力される治療用エネルギーが生体組織(治療部位Hj)に与えられて治療部位Hjの温度が上昇し、治療部位Hjの生体組織の水分が完全に抜けてしまうと、治療部位Hjの生体組織にそれ以上エネルギーを与えても含水量に変化が無くなり、結果として輝度変化が起こらなくなる現象が起こる。そのため、本実施の形態では評価点a〜dの輝度の変化率を見ることで治療部位Hjの生体組織に水分が無くなって治療部位Hjの生体組織が完全に死滅したかどうかを確実に判断できる利点がある。
また、図60乃至図63は本発明の第33の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第32の実施の形態(図58および図59参照)の治療装置261の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では図60に示すように認識ユニット271内に第32の実施の形態の評価点設定手段283に代えて新たに評価線設定手段331が設けられている。そして、第32の実施の形態では輝度を評価する部分を複数の点として設定していたのに対し、本実施の形態では図62に示すように治療プローブ270から治療エネルギーを治療部位Hjに供給する際の治療エネルギーの放射中心Oから適宜の方向に伸びる1本の基準線Lbを設定し、この基準線Lb上に一定間隔毎に自動的に設定される複数の点が輝度レベルを評価する点と認識されるようにしたものである。
また、治療装置261の使用時には図61のフローチャートに沿って治療装置261の制御が行われる。ここで、本実施の形態では第25の実施の形態(図45乃至図47参照)の図47のフローチャートにおけるステップS71からステップS73までは第25の実施の形態と同様の手順で制御が行われる。そして、ステップS73で認識ユニット271の表示部282にMRI撮像装置262によるMRI画像が表示されたのち、次の新たなステップS151に進む。このステップS151では輝度を評価する部分を1本の基準線Lbとして評価線設定手段331によってキーボード、マウス、トラックボール、タッチペン等により設定される。その後、次のステップS152ではステップS151で設定された評価基準線Lbの輝度の変化率が評価変化率設定手段321によってキーボード、マウス、トラックボール、タッチペン等により設定される。
さらに、この後、第25の実施の形態と同様に治療が開始される(ステップS76)。そして、この治療開始時にはステップS76からステップS79までは第25の実施の形態と同様の手順で制御が行われる。そして、ステップS79でMRIコントローラー265から画像信号が認識ユニット271に転送されたのち、次の新たなステップS153に進む。
このステップS153では評価基準線Lb上の複数の設定点の輝度レベルが監視される。その後、次のステップS154では評価基準線Lb上の各設定点の輝度レベルが記憶手段311に格納される。続いて、次のステップS155で、変化率計算手段322によって評価基準線Lb上の各設定点における輝度レベルの変化率が計算される。
その後、次のステップS156で、評価基準線Lb上の全ての各設定点の変化率が評価変化率を下回ったか、否かが判断される。ここで、評価基準線Lb上の各設定点の変化率の全部が評価変化率を下回った状態ではないと判断された場合にはステップS78に戻される。そして、ステップS156で、評価基準線Lb上の各設定点の変化率の全部が評価変化率を下回った状態と判断された場合には治療が終了される(ステップS82)。さらに、この治療終了時には次のステップ83で認識ユニット271の治療終了告知手段285にて治療終了が告知される。
また、図63に示されているグラフは、治療プローブ270による治療中における輝度変化のグラフの一例を示すもので、X軸は線上の距離、Y軸は輝度である。ここでは治療中、治療プローブ270からエネルギーを供給することで、時間の経過と共に矢印に従ってP1からP5まで数字の順番に輝度が変化していく。そして、最終的にはあるところで変化が少なくなっていく。なお、このグラフをそのまま表示するのではなく、線上の数点を代表値として採用し、図39のバーグラフのように表示する構成にしても良い。
そこで、上記構成の本実施の形態では、図62に示すように治療プローブ270から治療エネルギーを治療部位Hjに供給する際の治療エネルギーの放射中心Oから適宜の方向に伸びる1本の基準線Lbを設定し、この基準線Lb上に一定間隔毎に自動的に複数の点を設定するとともに、ここで設定された複数の設定点が輝度レベルの変化率を評価する点と認識されるようにして各設定点における輝度の変化率にて治療終了を判断している。
ここで、治療中、治療プローブ270から生体組織(治療部位Hj)に治療エネルギーが与えられて温度が上昇し、治療部位Hjの生体組織の水分が完全に抜けてしまうと、治療部位Hjの生体組織にそれ以上エネルギーを与えても含水量に変化が無くなり、結果として輝度変化が起こらなくなる。そして、あるところでいくらエネルギーを与えても影響が広がらなくなっていく。これが治療範囲の限界となる。そのため、本実施の形態ではエネルギー放射中心Oの位置を通る1本の基準線Lbを設定して、それの基準線Lb上の複数の設定点で輝度レベルの変化率の評価を行うことで、確実にこの治療範囲の限界に達したかどうかを判断できる。
また、図64乃至図66は本発明の第34の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第33の実施の形態(図60乃至図63参照)の治療装置261の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では図64に示すように認識ユニット271内に第33の実施の形態の評価線設定手段331および評価変化率設定手段321に代えて新たに線と距離による評価点設定手段341が設けられるとともに、評価レベル設定手段284が設けられている。
また、治療装置261の使用時には図65のフローチャートに沿って治療装置261の制御が行われる。ここで、本実施の形態では第25の実施の形態(図45乃至図47参照)の図47のフローチャートにおけるステップS71からステップS73までは第25の実施の形態と同様の手順で制御が行われる。そして、ステップS73で認識ユニット271の表示部282にMRI撮像装置262によるMRI画像が表示されたのち、次の新たなステップS161に進む。このステップS161では線と距離による評価点設定手段341によってキーボード、マウス、トラックボール、タッチペン等により輝度の評価点X1が設定される。
さらに、この後、第25の実施の形態と同様に治療が開始される(ステップS76)。そして、この治療開始時にはステップS76からステップS80までは第25の実施の形態と同様の手順で制御が行われる。
また、ステップS80で評価点X1における輝度レベルが監視され、次のステップS162で線上の輝度グラフが図66に示すように表示される。その後、次のステップS163で評価点X1の輝度が評価レベルV1を越えたか、否かが判断される。ここで、評価点X1の輝度が評価レベルV1を越えていない状態と判断された場合にはステップS78に戻される。そして、評価点X1の輝度が評価レベルV1を越えた状態と判断された場合には治療が終了される(ステップS82)。さらに、この治療終了時には次のステップ83で認識ユニット271の治療終了告知手段285にて治療終了が告知される。
なお、治療中、治療プローブ270から生体組織(治療部位Hj)に治療エネルギーを供給した場合、治療部位Hj内における治療エネルギーの影響はMRIの断層像ではエネルギー放射中心Oからほぼ同心円状に広がっていく。そのため、本実施の形態では線と距離による評価点設定手段341によってエネルギー放射中心Oからの距離で評価点X1を指定し、そこの評価点X1の輝度を評価点設定手段341で設定された評価レベルV1と比較することで治療部位Hjの治療状態を確認することができる。
さらに、線と距離による評価点設定手段341によって設定した線上の輝度グラフを表示することでエネルギーの影響の広がり(即ち治療範囲の広がり)具合が視覚的に把握し易い。例えば、図66のグラフP1の状態では設定距離X1の場所の評価点の輝度が評価レベルV1より高くて、まだ治療が続行される状態と認識されるが、その後グラフP2の状態になると設定距離X1の場所の評価点の輝度が評価レべルV1を下回っているので、この場合は治療終了状態と認識される。
そこで、上記構成の本実施の形態では評価点の設定方法が線と距離で行われ、線上の輝度グラフが表示されることが特徴である。そのため、線と距離による評価点設定手段341によって設定した線上の輝度グラフを表示することで治療終了状態を視覚的に把握し易い効果がある。
また、図67乃至図69は本発明の第35の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第25の実施の形態(図45乃至図47参照)の治療装置261の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では治療用アプリケータである治療プローブ270の位置を認識可能な観察手段として第25の実施の形態のMRI撮像装置262に代えて例えば第22の実施の形態(図40参照)に示す超音波画像装置215を使用したものである。
ここで、超音波画像装置215には図68に示すように超音波画像装置部351と、画像信号出力部352とが設けられている。そして、超音波画像装置部351の入力側には診断用超音波プローブ212が接続されている。さらに、画像信号出力部352には認識ユニット271の画像信号入力部281が認識ユニット−超音波画像装置間信号ケーブル353を介して接続されている。
また、本実施の形態の治療装置261の使用時には図69のフローチャートに沿った動作が行われる。すなわち、治療プローブ270による治療開始前にまず最初のステップS171で診断用超音波プローブ212による超音波画像の撮像が行われる。続いて、超音波画像装置215から画像信号が認識ユニット271に転送され(ステップS172)、この認識ユニット271の表示部282に超音波プローブ212による超音波画像が表示される(ステップS173)。
その後、認識ユニット271内の評価点設定手段283によって図44に示すように超音波プローブ212による超音波画像中における治療部位Hj及びその周辺に複数、本実施の形態では4つの評価点a〜dがキーボード、マウス、トラックボール、タッチペン等により設定される(ステップS174)。さらに、次のステップS175では超音波プローブ212による超音波画像の4つの評価点a〜dにおける治療終了を認識する為の輝度値の評価レベル、例えば輝度の設定レベルLsが評価レベル設定手段284でキーボード、マウス、トラックボール、タッチペン等により設定される。これら設定は認識ユニット271の表示部282の表示内容を見ながら行われる。
その後、治療が開始される(ステップS176)。このとき、治療用エネルギー発生手段268より治療開始信号が認識ユニット271に送信される(ステップS177)。
さらに、治療開始時にはまず超音波プローブ212による超音波画像の撮像が行われる(ステップS178)。続いて、超音波画像装置215から画像信号が認識ユニット271に転送される(ステップS179)。
その後、ステップS180で4つの評価点a〜dにおける輝度レベルが監視され、次のステップS181で全ての評価点a〜dの輝度が評価レベルLsを越えたか、否かが判断される。ここで、全評価点a〜dが評価レベルLsを越えていない状態と判断された場合にはステップS178に戻される。そして、全ての評価点a〜dの輝度が評価レベルLsを越えた状態と判断された場合には治療が終了される(ステップS182)。さらに、この治療終了時には次のステップ183で認識ユニット271の治療終了告知手段285にて治療終了が告知される。
そこで、上記構成のものにあっても第25の実施の形態と同様に自動的に治療終了が行え、生体への治療の影響を最小限に食い止められる。さらに、超音波プローブ212による超音波画像中における治療部位Hj及びその周辺に4つの評価点a〜dを設定したので、間違いなく患部全てを治療することができる効果がある。
なお、本実施の形態では一例として治療用アプリケータの位置を認識可能な観察手段として第25の実施の形態のMRI撮像装置262を第22の実施の形態(図40参照)に示す超音波画像装置215に置き換えた構成を示したが、他の実施の形態でも同様のことが容易に行えることは明白である。
さらに、上記各実施の形態間の組合せは自由に行える。例えば、第35の実施の形態(図67乃至図69参照)の超音波画像装置215を用いたシステムに第26の実施の形態(図48参照)のように自動的にエネルギー発生手段268の出力をオフ、または低下させる構成を組合せてもよい。
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 画像診断装置と、画像診断装置上で位置認識可能な治療用アプリケータと、画像診断装置からの信号を受信して治療用アプリケータを介して生体に与える治療用エネルギーを制御する装置を有する治療システム。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 画像診断装置と、画像診断装置上で位置認識可能な治療用アプリケータと、画像診断装置からの信号を受信して治療用アプリケータを介して生体に与える治療用エネルギーを制御する装置を有する治療システム。
(付記項2) 画像診断装置とエネルギー治療装置とから構成される治療システムにおいて、画像診断装置とエネルギー治療装置との間で信号を媒介する制御装置を含む治療システム。
(付記項3) 画像診断装置観測中はエネルギー治療装置の出力を低下または停止させる機能を有する上記付記項2のシステム。
(付記項4) エネルギー治療装置の出力を低下または停止さた時に画像診断装置に観測を開始させる機能を有する上記付記項2のシステム。
(付記項5) 画像診断装置の画像変化から処置速度を判断し、それに応じてエネルギー治療装置の各種設定値を変更する機能を有する上記付記項2のシステム。
(付記項6) MR観測装置の撮像開始及び停止の信号を媒介する上記付記項2のシステム。
(付記項7) MR観測装置の撮像パラメータの信号を媒介する上記付記項2のシステム。
(付記項8) MR観測装置の撮像画像の信号を媒介する上記付記項2のシステム。
(付記項9) エネルギー治療装置の出力開始及び停止、出力レベルの設定の信号を媒介する上記付記項2のシステム。
(付記項10) 治療終了時に組織解離電流を流す機能を有する上記付記項2のシステム。
(付記項11) 上記付記項3から10の機能を任意に含む上記付記項2のシステム。
(付記項12) MRコンパチ性を有するアプリケータを含む前記付記項11のシステム。
(付記項13) 治療用エネルギー発生手段と、治療部位を観察する断層像取得手段からなるシステムにおいて、治療用エネルギー発生手段の治療部位との間のエネルギー伝送経路手段の途中にノイズフィルタを設け、治療用エネルギー発生手段からの発生エネルギーの内、断層像取得手段に影響する周波数成分を除去することを特徴とする治療システム。
(付記項14) 治療用エネルギー発生手段がマイクロ波発生装置である付記項13のシステム。
(付記項15) 治療用エネルギー発生手段が高周波発生装置である付記項13のシステム。
(付記項16) 断層像取得手段がMRIである付記項13のシステム。
(付記項17) 断層像取得手段が超音波画像装置である付記項13のシステム。
(付記項18) ノイズフィルタがエネルギー発生手段の主周波数に対応したバンドパスフィルタであることを特徴とする付記項13のシステム。
(付記項19) ノイズフィルタが断層像取得手段の受信周波数に対応したバンドカットフィルタであることを特徴とする付記項13のシステム。
(付記項20) ノイズフィルタがエネルギー発生手段の主周波数と断層像取得手段の受信周波数との間の周波数よりエネルギー発生手段の主周波数側のみ通過させるローパスフィルタ又はハイパスフィルタであることを特徴とする付記項13のシステム。
(付記項21) ノイズフィルタが磁気シールドルームの入力部にあることを特徴とする付記項16のシステム。
(付記項22) 処置用電極またはアプリケータに付けられたマーカーを画像診断装置の画面上で認識して、エネルギー治療装置の制御を行う制御装置を有する治療システム。
(付記項23) 複数のマーカーの位置関係が変化した場合にエネルギー治療装置の出力を停止させる機能を有する上記付記項22のシステム。
(付記項24) 一部のマーカーが画面上で認識出来なくなった場合にエネルギー治療装置の出力を停止させる機能を有する上記付記項22のシステム。
(付記項25) 予め定めたマーカー部分の画像信号が変化した場合にエネルギー治療装置の出力を停止させる機能を有する上記付記項22のシステム。
(付記項26) 処置用電極またはアプリケータに付けられたマーカーを画像診断装置の画面上で認識して、エネルギー治療装置と処置具移動装置の制御を行うコントロールユニットを有する治療システム。
(付記項27) 治療用エネルギー発生手段と、治療部位を観察する断層像取得手段と治療の進み具合を認識する認識ユニットからなるシステムにおいて、断層像上に1つ以上の評価点又は評価線が設定可能で、その評価点又は評価線の画像データ値によって治療状況を認識する機能を有することを特徴とする治療システム。
(付記項28) 治療状況の認識に従って、そのレベルを告知する手段を有する付記項27のシステム。
(付記項29) 認識する治療状況が治療終了であることを特徴とする付記項28のシステム。
(付記項30) 治療状況の認識に従って治療用エネルギー発生手段の出力を止める又は低下させる機能を有する付記項27のシステム。
(付記項31) 認識する治療状況が治療終了であることを特徴とする付記項30のシステム。
(付記項32) 評価点又は評価線を手動で画像内に設定可能な付記項27のシステム。
(付記項33) 評価点又は評価線が、断層像データから自動的に設定される付記項27のシステム。
(付記項34) 設定された評価点の輝度絶対値を画像データ値として用いる付記項27のシステム。
(付記項35) 1つの参照点が更に設定可能で、参照点と評価点の輝度の相対値を画像データ値として用いる付記項27のシステム。
(付記項36) 評価点の輝度の治療用エネルギー供給前との比較値を画像データ値として用いる付記項27のシステム。
(付記項37) 評価点の輝度の変化率を画像データ値として用いる付記項27のシステム。
(付記項38) 全ての評価点の画像データ値が所定のスレッシホールドに到達したことを認識する機能を有する付記項27のシステム。
(付記項39) 複数の評価点が設定され、その内所定の割合の評価点の画像データ値が所定のスレッシホールドに到達したことを認識する機能を有する付記項27のシステム。
(付記項40) 複数の評価点の内、第1の所定の割合の評価点の画像データ値が所定のスレッシホールドに到達したことを認識した時にその旨を告知し、第2の所定の割合の評価点の画像データ値が所定のスレッシホールドに到達した時に治療用エネルギー発生手段の出力を止める又は低下させる機能を有する付記項27のシステム。
(付記項41) 設定線上の複数の点の輝度の変化率を画像データ値として用いる付記項27のシステム。
(付記項42) 線の設定と距離の設定にて評価点を設定することを特徴とする付記項27のシステム。
(付記項43) 磁化率が−10-3 〜+10-3 の素材で構成されるアプリケータ。
(付記項44) アプリケータ基部を構成する素材の磁化率の絶対値以上の絶対値を有する磁化率の素材からなるMRマーカーが設置された前記付記項43のアプリケータ。
(付記項45) 単数または複数のMRマーカーを有する上記付記項44のアプリケータ。
(付記項46) 治療エネルギー出力部の先端側にMRマーカーを有する上記付記項44のアプリケータ。
(付記項47) 治療エネルギー出力部の後端側にMRマーカーを有する上記付記項44のアプリケータ。
(付記項48) 治療エネルギー出力部の先端側及び後端側にMRマーカーを有する上記付記項44のアプリケータ。
(付記項49) 治療エネルギー出力部とMRマーカーの位置が軸方向で10mm以上離れている上記付記項44から48のアプリケータ。
(付記項50) 生体組織の観察手段によって生体組織の観察画像を撮像する撮像工程と、上記観察手段による観察画像から生体に治療用エネルギーを与えて生体組織を治療する治療用アプリケータの位置を認識するアプリケータ位置認識工程と、上記工程で認識される上記治療用アプリケータの位置データに基いて上記治療用アプリケータから生体に与える治療用エネルギーを制御する制御工程とを具備したことを特徴とする治療装置の制御方法。
3…MR装置(観察手段)、7…第1のモニタ(表示手段)、15…マイクロ波アプリケータ(治療用アプリケータ)、17…マイクロ波発振器(駆動信号発生手段)、151,152…MRマーカー、157…基準点(基準位置)、155…移動量算出部(位置判別手段)、153…制御部(制御手段)。
Claims (2)
- 生体に治療用エネルギーを印加して生体組織を治療する治療用アプリケータと、
前記治療用アプリケータの前記所定の位置に設けられたマーカーと、
前記治療用アプリケータに駆動信号を出力することで、前記治療用アプリケータから前記治療用エネルギーを発生させる駆動信号発生手段と、
前記治療用アプリケータから発生される前記治療用エネルギーによって治療される前記生体の治療部位の状況を画像として表示可能に設けられた表示手段と、
前記表示手段に表示された前記マーカーの前記画像上の位置と、予め前記表示手段に表示された前記画像上で設定された前記画像の基準位置との距離の測定を行い、前記治療用アプリケータの設置位置を判別する位置判別手段と、
前記位置判別手段の判別結果に応じて、前記駆動信号発生手段を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とする治療システム。 - 生体に治療用エネルギーを印加して生体組織を治療する治療用アプリケータと、
前記治療用アプリケータの前記所定の位置に設けられたマーカーと、
前記治療用アプリケータに駆動信号を出力することで、前記治療用アプリケータから前記治療用エネルギーを発生させる駆動信号発生手段と、
前記治療用アプリケータから発生される前記治療用エネルギーによって治療される前記生体の治療部位の状況を画像として表示可能に設けられた表示手段と、
前記表示手段に表示された前記マーカーの前記観察画像上の位置と、予め前記表示手段に表示された前記画像上で設定された前記画像の基準位置との距離の測定を行う距離測定手段と、
前記距離測定手段で測定された前記距離と、予め設定された所定の距離とを比較する距離比較手段と、
前記距離比較手段の比較結果に応じて、前記駆動信号発生手段を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とする治療システム。
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-
2004
- 2004-09-09 JP JP2004262308A patent/JP2004351230A/ja active Pending
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