JP2004350088A - 無線局の位置推定システム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の基地局と端末によって構成され、かつ複数のチャネルを有し、各端末が基地局と非同期でパケット通信を行う無線パケット通信システムにおいて、端末と基地局を同期させることなく基地局と端末間の信号伝搬時間を測定し、測定した伝搬時間を元に端末の位置を特定すること。
【解決手段】基地局が送信するパケットに対して端末が応答するACKパケットの応答時間を測定することで、基地局と端末の間の往復伝搬時間を推定する。
【選択図】 図2
【解決手段】基地局が送信するパケットに対して端末が応答するACKパケットの応答時間を測定することで、基地局と端末の間の往復伝搬時間を推定する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の無線局によって構成される無線パケット通信システム及びそれに関連する技術に関し、特にIEEE802.11標準仕様で規定される無線通信方式を用いて通信する無線端末の位置を特定する機能を有するに無線LANシステム及びそれに関連する技術関する。
【従来の技術】
無線による高速データ伝送を実現するシステムとして普及が進んでいる無線パケット通信システムに、無線LANシステムがある。無線LANシステムの代表的なものとして、IEEEが標準仕様を決めているIEEE802.11がある(例えば、非特許文献1参照。)。このIEEE802.11で用いる物理レイヤの無線通信方式のオプション仕様としてIEEE802.11a及びIEEE802.11bなどがある(例えば、非特許文献2及び非特許文献3参照。)。
【0002】
これらのIEEE802.11に基づいた無線LANシステムは、複数の無線局で一つの無線リンクを構成している。このような一つの無線リンクを構成している無線局は、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)によって一つの無線チャネルを共用している。又、一つの無線リンクを構成している無線局の基地局と端末とは非同期で通信しており、共通の時計等は保持していない。
【0003】
一方、近年、IEEE802.11に基づいた無線LANシステムにおける端末の位置を特定する技術がいくつか提案されている。
【0004】
例えば、複数の基地局において、位置を推定する対象である端末からの受信信号の受信電力RSSI(Received Signal Strength Indicator)を測定し、このRSSIの測定結果とあらかじめ測定しておいたRSSIとを比較することで、位置推定対象である端末の位置を推定する方法が提案されている(例えば、非特許文献4参照。)。
【0005】
また、基地局間を同期させ、複数の基地局において端末が送信するパケットの到着時刻差TDOA(Time Difference Of Arrival)を測定することで端末の位置を特定する方法も提案されている(例えば、非特許文献5参照。)。
【0006】
【非特許文献1】
Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specifications, ISO/IEC 8802−11:1999 Edition
【非特許文献2】
Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) specifications; High−speed Physical Layer in the 5 GHz Band, ISO/IEC 8802−11:1999/Amd 1:2000 Edition
【非特許文献3】
Wireless LAN MediumAccess Control (MAC) and Physical Layer (PHY) specifications: Higher−SpeedPhysical Layer Extension in the 2.4 GHz Band, ANSI/IEEE Std 802.11, 1999 Edition
【非特許文献4】
Asim Smailagic 他、”Location Sensing and Privacy in a Context−aware Computing Environment”, IEEE wireless communications, Volume: 9, Issue: 5, Oct 2002
【非特許文献5】
荻野 他、” 無線LAN統合アクセスシステム(1)−位置検出システムの検討−”, 電子情報通信学会 2003年総合大会、B−5−203, 2003年3月
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、文献5の表1にも記載されているように、文献4に記載されているRSSIを用いる方式は、周辺環境の影響を受けやすく、測定結果の信頼性が低いという問題がある。又、文献5に記載されているTDOAやTOA(Time Of Arrival)等の信号伝搬時間を用いる方式は、測定結果の信頼性は高いが基地局間、若しくは基地局と端末との間の同期が必要であるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて発明されたものであって、その目的は、IEEE802.11無線LANシステムのような非同期通信する無線パケット通信システムにおいて、基地局間、若しくは基地局と端末との間で同期させることなく、端末の位置特定を簡易に実現することである。
【課題を解決するための手段】
上記本発明の目的を達成するために、基地局と端末との間でパケットを交換し、一方の無線局がパケットを送出後、相手の無線局が応答パケットを返信するときに、パケット送出から応答パケットの受信までにかかる時間を測定し、相手の無線局側でのパケット受信終了から応答パケット送出までの時間を推定することで、2つの無線局間の無線信号の伝搬時間を推定し、その伝搬時間を元に距離を推定し、位置が既知である複数の基地局からの距離を用いて端末の位置を特定する。
【0008】
ここで、無線信号の伝搬時間の測定は無線基地局が行うことも考えられるし、無線端末が行うことも考えられる。
【0009】
無線局間の距離推定は、無線基地局が行う場合や無線端末が行う場合、もしくは各無線基地局と有線ネットワークで接続された測位サーバーが行う場合が考えられる。
【0010】
推定した距離を用いた端末の位置推定は、測位サーバーが行う場合と、無線端末が行う場合が考えられる。
【0011】
また、測定した伝搬時間や推定した位置には、各無線機器ごとの誤差や伝搬環境に依存する誤差が含まれるため、無線基地局、無線端末、測位サーバーは、これらの誤差を補正する手段を持つ。
【0012】
より具体的には、上記本発明の目的を達成するための第一の発明は、無線パケット通信システムであって、
位置が既知である既知無線局と、位置を推定する位置推定無線局との間で送受信される無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段と、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記既知無線局と前記位置推定無線局との間の距離を算出する距離算出手段と、
前記算出された距離に基づいて、前記位置推定無線局の位置を推定する位置推定手段と
を有することを特徴とする。
【0013】
上記本発明の目的を達成するための第二の発明は、上記第一の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記既知無線局が、前記位置推定無線局に無線パケットの送信を開始してから、前記位置推定無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0014】
上記本発明の目的を達成するための第三の発明は、上記第一の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記既知無線局が、前記位置推定無線局に無線パケットの送信を開始してから、前記位置推定無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記既知無線局が前記位置推定無線局に無線パケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する算出手段と
を有することを特徴とする。
【0015】
上記本発明の目的を達成するための第四の発明は、上記第一の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記既知無線局が、前記位置推定無線局に無線パケットの送信を終了してから、前記位置推定無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0016】
上記本発明の目的を達成するための第五の発明は、上記第一の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記既知無線局が、前記位置推定無線局に無線パケットの送信を終了してから、前記位置推定無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
予め定められた時間である規定時間を前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する算出手段と
を有することを特徴とする。
【0017】
上記本発明の目的を達成するための第六の発明は、上記第二の発明から第5の発明のいずれかにおいて、前記既知無線局は、
前記応答パケットを受信した際、応答パケットを正常に受信できたかどうかを判断し、応答パケットを正常に受信できなかったと判断した場合、伝搬時間の測定のやり直しを前記伝播時間測定手段に通知する手段
を有することを特徴とする。
【0018】
上記本発明の目的を達成するための第七の発明は、上記第一の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記位置推定無線局が、前記既知無線局に無線パケットの送信を開始してから、前記既知無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0019】
上記本発明の目的を達成するための第八の発明は、上記第一の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記位置推定無線局が、前記既知無線局に無線パケットの送信を開始してから、前記既知無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記位置推定無線局が前記既知無線局に無線パケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する算出手段と
を有することを特徴とする。
【0020】
上記本発明の目的を達成するための第九の発明は、上記第一の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記位置推定無線局が、前記既知無線局に無線パケットの送信を終了してから、前記既知無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0021】
上記本発明の目的を達成するための第十の発明は、上記第一の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記位置推定無線局が、前記既知無線局に無線パケットの送信を終了してから、前記既知無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
予め定められた時間である規定時間を前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する算出手段と
を有することを特徴とする。
【0022】
上記本発明の目的を達成するための第十一の発明は、上記第七から第十の発明のいずれかにおいて、前記位置推定無線局は、
前記応答パケットを受信した際、応答パケットを正常に受信できたかどうかを判断し、応答パケットを正常に受信できなかったと判断した場合、伝搬時間の測定のやり直しを前記伝播時間測定手段に通知する手段
を有することを特徴とする。
【0023】
上記本発明の目的を達成するための第十二の発明は、位置を推定する無線端末と、無線基地局と、測位サーバーとを有する無線パケット通信システムであって、
前記無線基地局は、
前記無線端末と送受信する無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段を有し、
前記測位サーバーは、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段とを有することを特徴とする。
【0024】
上記本発明の目的を達成するための第十三の発明は、無線パケット通信システムであって、
位置が既知である無線基地局と、無線端末と、前記無線基地局と接続している測位サーバーとを有し、
前記無線基地局は、
位置を推定する無線端末との間で送受信する無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段と、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と
を有し、
前記測位サーバーは、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段を有することを特徴とする。
【0025】
上記本発明の目的を達成するための第十四の発明は、上記第十二又は第十三の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末に無線パケットの送信を開始してから、前記無線端末からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0026】
上記本発明の目的を達成するための第十五の発明は、上記第十二又は第十三の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末に無線パケットの送信を開始してから、前記無線端末からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記無線基地局が、前記無線端末に無線パケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする。
【0027】
上記本発明の目的を達成するための第十六の発明は、上記第十二又は第十三の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末に無線パケットの送信を終了してから、前記無線端末からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0028】
上記本発明の目的を達成するための第十七の発明は、上記第十二又は第十三の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末に無線パケットの送信を終了してから、前記無線端末からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
予め定められた時間である規定時間を前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする。
【0029】
上記本発明の目的を達成するための第十八の発明は、上記第十四から第十七のいずれかの発明において、前記無線基地局は、
前記応答パケットを受信した際、応答パケットを正常に受信できたかどうかを判断し、応答パケットを正常に受信できなかったと判断した場合、伝搬時間の測定のやり直しを前記伝播時間測定手段に通知する手段
を有することを特徴とする。
【0030】
上記本発明の目的を達成するための第十九の発明は、上記第十二又は第十三の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末にブロードキャストパケットの送信を開始してから、前記無線端末からのデータパケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0031】
上記本発明の目的を達成するための第二十の発明は、上記第十二又は第十三の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末にブロードキャストパケットの送信を開始してから、前記無線端末からのデータパケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記無線基地局が、前記無線端末にブロードキャストパケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする。
【0032】
上記本発明の目的を達成するための第二十一の発明は、上記第十二又は第十三の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末にポーリングパケットの送信を開始してから、前記無線端末からのデータパケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0033】
上記本発明の目的を達成するための第二十二の発明は、上記第十二又は第十三の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末にポーリングパケットの送信を開始してから、前記無線端末からのデータパケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記無線基地局が、前記無線端末にポーリングパケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする。
【0034】
上記本発明の目的を達成するための第二十三の発明は、上記第十四から第二十一のいずれかの発明において、前記無線基地局は、
前記データパケットを受信した際、データパケットを正常に受信できたかどうかを判断し、データパケットを正常に受信できなかったと判断した場合、伝搬時間の測定のやり直しを前記伝播時間測定手段に通知する手段
を有することを特徴とする。
【0035】
上記本発明の目的を達成するための第二十四の発明は、無線パケット通信システムであって、
位置が既知である無線基地局と、無線端末と、前記無線基地局と接続している測位サーバーとを有し、
位置を推定する無線端末は、
前記無線基地局との間で送受信する無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段
を有し、
前記測位サーバーは、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段と
を有することを特徴とする。
【0036】
上記本発明の目的を達成するための第二十五の発明は、無線パケット通信システムであって、
位置が既知である無線基地局と、無線端末と、前記無線基地局と接続している測位サーバーとを有し、
位置を推定する無線端末は、
前記無線基地局との間で送受信する無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段と、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と
を有し、
前記測位サーバーは、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段を有することを特徴とする。
【0037】
上記本発明の目的を達成するための第二十六の発明は、無線パケット通信システムであって、
位置が既知である無線基地局と、無線端末と、前記無線基地局と接続している測位サーバーとを有し、
位置を推定する無線端末は、
前記無線基地局との間で送受信する無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段と、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と
前記算出された距離に基づいて、自身の位置を推定し、その推定した位置を前記測位サーバーに送信する位置推定手段と
を有することを特徴とする。
【0038】
上記本発明の目的を達成するための第二十七の発明は、上記第二十四から第二十六のいずれかの発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線端末が、前記無線基地局に無線パケットの送信を開始してから、前記無線基地局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0039】
上記本発明の目的を達成するための第二十八の発明は、上記第二十四から第二十六のいずれかの発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線端末が、前記無線基地局に無線パケットの送信を開始してから、前記無線基地局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記無線端末が前記無線基地局に無線パケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする。
【0040】
上記本発明の目的を達成するための第二十九の発明は、上記第二十四から第二十六のいずれかの発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線端末が、前記無線基地局に無線パケットの送信を終了してから、前記無線基地局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0041】
上記本発明の目的を達成するための第三十の発明は、上記第二十四から第二十六のいずれかの発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線端末が、前記無線基地局に無線パケットの送信を終了してから、前記無線基地局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
予め定められた時間である規定時間を前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする。
【0042】
上記本発明の目的を達成するための第三十一の発明は、上記第二十七から第三十のいずれかの発明において、前記無線端末は、
前記応答パケットを受信した際、応答パケットを正常に受信できたかどうかを判断し、応答パケットを正常に受信できなかったと判断した場合、伝搬時間の測定のやり直しを前記伝播時間測定手段に通知する手段
を更に有することを特徴とする。
【0043】
上記本発明の目的を達成するための第三十二の発明は、上記第一、第十二、第十三及び第二十四から第二十六のいずれかの発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記伝播時間を、予め定められた補正時間に基づいて補正する補正手段
を有することを特徴とする。
【0044】
上記本発明の目的を達成するための第三十三の発明は、上記第三十二の発明において、前記補正時間は、フロア情報に基づいて設定されることを特徴とする。
【0045】
上記本発明の目的を達成するための第三十四の発明は、上記第三十二の発明において、前記補正時間は、電波伝搬情報に基づいて設定されることを特徴とする。
【0046】
上記本発明の目的を達成するための第三十五の発明は、無線パケット通信システムにおける、無線局位置推定方法であって、
位置が既知である既知無線局と、位置を推定する対象である位置推定無線局との間で送受信される無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定ステップと前記測定した伝播時間に基づいて、前記既知無線局と前記位置推定無線局との間の距離を推定する距離推定ステップと、
前記推定された距離に基づいて、前記位置推定無線局の位置を推定する位置推定ステップと
を有することを特徴とする。
【0047】
上記本発明の目的を達成するための第三十六の発明は、位置を推定する無線端末と、無線基地局と、前記無線端末の位置を推定する測位サーバーとを有する無線パケット通信システムにおける無線基地局であって、
前記無線基地局は、前記位置を推定する無線端末と送受信される無線パケットの伝搬時間を測定し、測定された伝搬時間を前記測位サーバーに送信する伝播時間測定手段を有することを特徴とする。
【0048】
上記本発明の目的を達成するための第三十七の発明は、位置を推定する無線端末と、無線基地局と、前記無線端末の位置を推定する測位サーバーとを有する無線パケット通信システムにおける無線端末であって、
前記無線端末は、前記無線基地局と送受信される無線パケットの伝搬時間を測定し、測定された伝搬時間を前記無線基地局に送信する伝播時間測定手段を有することを特徴とする。
【0049】
上記本発明の目的を達成するための第三十八の発明は、ネットワーク内の無線端末の位置を推定する測位サーバーであって、
既知の無線基地局と位置を推定する無線端末との間で送受信される無線パケットの伝搬時間を受信し、この伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段と
を有することを特徴とする。
【0050】
上記本発明の目的を達成するための第三十九の発明は、位置を推定する無線端末と、無線基地局と、前記無線端末の位置を推定する測位サーバーとを有する無線パケット通信システムにおける前記無線基地局のプログラムであって、前記プログラムは前記無線基地局を、
前記位置を推定する無線端末と送受信される無線パケットの伝搬時間を測定し、測定された伝搬時間を前記測位サーバーに送信する伝播時間測定手段として機能させることを特徴とする。
【0051】
上記本発明の目的を達成するための第四十の発明は、位置を推定する無線端末と、無線基地局と、前記無線端末の位置を推定する測位サーバーとを有する無線パケット通信システムにおける前記無線端末のプログラムであって、前記プログラムは前記無線端末を、
前記無線基地局と送受信される無線パケットの伝搬時間を測定し、測定された伝搬時間を前記無線基地局に送信する伝播時間測定手段として機能させることを特徴とする。
【0052】
上記本発明の目的を達成するための第四十一の発明は、ネットワーク内の無線端末の位置を推定する測位サーバーのプログラムであって、前記プログラムは前記測位サーバーを、
既知の無線基地局と位置を推定する無線端末との間で送受信される無線パケットの伝搬時間を受信し、この伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段として機能させることを特徴とする。
【発明の実施の形態】
本発明における第一の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0053】
第一の実施の形態では、IEEE802.11規格に従い、互いに同期していない複数の無線局が同一無線チャネルを共有して通信し、他の無線局が通信していないと判断した時にデータを送信する、無線LANシステムにおける基地局と端末との間で送受信されるデータの伝播時間を測定し、この測定結果に基づいて距離を推定し、端末の位置を推定する方法について説明する。尚、本実施の形態では、基地局と端末との間を測定する方法について説明するが、基地局間を測定する場合にも用いても良い。
【0054】
図1は、無線LANシステムを示す構成図である。図2〜図6は、基地局と端末との間の距離を推定するのに必要な、基地局間、若しくは基地局と端末との間のデータの伝播時間を測定する方法を説明するための図である。
【0055】
図1において、101,102及び103は基地局であり、104,105,106及び107は端末であり、108はスイッチであり、109は測位サーバーである。尚、基地局、及び端末は、図示した以外にも複数あるものとする。
【0056】
測位サーバー109は、端末104〜107の現在位置を特定する機能を有する制御装置である。
【0057】
スイッチ108は、基地局101〜103の各々と、測位サーバー109と、他のネットワーク機器とを有線ネットワークで接続するためのものである。
【0058】
上述の構成における、無線LAN基地局と無線LAN端末との間で送受信されるデータの伝播時間を推定する方法について説明する。尚、本実施形態において、無線LAN基地局101〜103と無線LAN端末104〜107とは、IEEE802.11規格に従って通信を行うものとする。又、本実施形態では、測位サーバー109が各基地局、もしくは端末からの距離推定結果を収集して端末の位置を特定するものとする。
【0059】
尚、各無線局の送受信制御(アクセスコントロール)の方式として、現在、IEEE802.11規格では、DCF(Distributed Coordinate Function)とPCF(Point Coordinate Function)とが標準化されているが、まず、図2〜図5を用いて、DCFを用いて通信している無線LANシステムにおける、無線局間の伝搬時間を推定して距離を推定する方法を説明する。
【0060】
尚、DCFによる通信において、送信側の無線局が特定の無線局宛(UNICAST)のパケット(Frame)を送信した場合、受信側の無線局は無線伝送路で生じる誤りが受信したデータパケットに含まれていないかどうかを確認する。誤りが含まれてない場合、応答パケットACKを送信元の無線局に対して返信する。ここで送信されるパケットは、データパケット若しくは、制御パケットである。
【0061】
図2は、データパケットの送信側である無線局1とデータパケットの受信側である無線局2との間でのデータパケットの送受関係を示している。尚、DCFによる通信において基地局と端末との間の距離を推定する場合、基地局を送信側の無線局とする方法と基地局を受信側の無線局とする方法の2通りの場合を考えることができる。そのため、本実施例では、基地局と端末とを区別せずに、無線局1と無線局2として説明する。
【0062】
図2において、T1は、無線局1から送信されたデータパケットが無線局2に到達するのに必要な伝搬遅延の時間である。T2は、無線局2から送信されたACKが無線局1まで到達するのに必要な伝搬遅延の時間である。T3は、無線局2がデータパケットの受信を終了してからACKを送信するまでに必要な時間である。これは、IEEE802.11規格においては、受信側のACK応答までの時間としてSIFS(Short Inter Frame Space)と定義されている。T4は、データパケットの送信に必要とされる時間であり、これはデータパケット長と伝送レートとに依存される。T5は、送信側の無線局1でデータパケット送信開始からACK受信開始までの時間であり、T1,T2,T3,及びT4を合わせた時間となる。
【0063】
ここで、T4はデータパケット長と伝送レートによって決まる時間であり、送信側の無線局1では容易に算出できる時間である。T3で示されるSIFSは、IEEE802.11規格では物理層に用いる規格で決まる値とされており、例えばIEEE802.11a規格ではSIFS時間として16μs(マイクロ秒)という値が規定されている。同様にIEEE802.11B規格ではSIFS時間として10μs(マイクロ秒)という値が規定されている。よって、IEEE802.11規格に従って通信する無線LANシステムにおいては、用いられる物理層の規格の違いによりSIFSの値が変わるものの、同一の物理層の規格に従って通信する無線局においてはSIFSの値は固定値である。よって、T5を構成する時間要素のうちT3,T4は、送信側の無線局1において容易に推定することができるので、時間(T1+T2)を導出することができる。
【0064】
更に、無線LANを用いる場合、無線局1から無線局2への伝搬遅延T1と、無線局2から無線局1への伝搬遅延T2とは同一であると考えることができるので、送信側の無線局1においてはT5を測定することで無線局2との間の伝搬遅延(T1=T2)を求めることができる。無線信号の伝搬速度は光速であるため、伝搬時間に光速を乗じることで伝搬距離を求めることができる。このことから、無線局1は、データパケット送信開始からACK受信開始までの時間T5を測定し、無線局1と無線局2との間の伝搬遅延(T1=T2)を求めることで、無線局1と無線局2との間の伝搬時間を推定し、伝搬距離を推定することができる。
【0065】
尚、IEEE802.11規格では、DCFにおいては上述のデータパケット送信−ACK受信というアクセス手順の他に、RTS(Request To Send)−CTS(Clear To Send)−データパケット−ACKというアクセス手順が規定されている。このRTS−CTS−データパケット−ACK手順においても、各パケットの送信間隔はSIFSで規定されている。よって、図2のデータパケットをRTSに、ACKをCTSに置き換えて、RTS送信からCTS受信開始までの時間を計測することでも無線局1と無線局2との間の距離を推定することができる。また、同様に図2のデータパケットをCTS、ACKをデータパケットに置き換えて、CTS送信からデータパケット受信開始までの時間を計測することで無線局1と無線局2との間の距離を推定することも可能である。これらの場合、T4のデータパケット送信時間をそれぞれRTS送信時間、若しくはCTS送信時間に置き換えればよい。
【0066】
次に、DCFを用いて通信する無線LANシステムにおける基地局と端末との間のデータの伝播時間を測定する別な方法を説明する。
【0067】
図3は、無線局1をデータパケットの送信側とし、無線局2を受信側として、無線局1と無線局2との間でのパケットの送受信関係を示している。尚、ここでも、基地局と端末との間の距離を推定する場合には、基地局を送信側の無線局とする方法と受信側の無線局とする方法の2通りの場合を考えることができる。そのため、上述した方法と同様に、基地局と端末とを区別せずに、無線局1と無線局2として説明する。また、図3に示す方法は図2に示した方法とほぼ同一であるが、図2では測定時間がデータパケット送信開始からACK受信開始までの時間T5であったが、図3では測定する時間がデータパケットの送信終了時点からACKの受信開始までの時間T6である点が異なる。
【0068】
送信側である無線局1は、データパケットの送信終了時点からACKの受信開始までの時間T6を測定し、SIFSであるT3をT6から減ずることで、無線局2との間の伝搬遅延(T1=T2)を求めることができる。無線信号の伝搬速度は光速であるため、伝搬時間に光速を乗じることで伝搬距離を求めることができる。また、本方法を用いると、送信するデータパケット長や伝送レートの影響を考慮しなくてよいというメリットがある。
【0069】
尚、図3に示した方法も図2に示した方法と同様に、図2のデータパケットをRTSに、ACKをCTSに置き換えることによって、RTS−CTS−データパケット−ACK手順に適用することができる。この場合も、無線局1がRTS送信終了からCTS受信開始までの時間T6を測定し、SIFSのT3をT6から減ずることで、無線局2との間の伝搬遅延(T1=T2)を求めることができ、無線局1と無線局2との間の伝搬時間を推定することができる。又、データパケットをCTSに、ACKをデータパケットに置き換えることによっても、RTS−CTS−データパケット−ACK手順に適用することができる。
【0070】
次に、基地局と端末との間の伝搬時間を推定する別な方法を説明する。ここでは、基地局がBroadcastパケットを端末に送信した時に、基地局への送信データパケットを保持している端末が、基地局のBroadcastパケットの送信終了後、ある時間だけ送信を延期した後、データパケットを送信する場合、基地局が端末にBroadcastパケットの送信を開始してから、端末からのデータパケット受信までの時間T9を測定することで、基地局と端末との間の伝搬時間を推定し、距離を推定する方法について説明する。
【0071】
図4は、基地局と端末との間の送受信における時間関係を示した図である。
【0072】
図4に示した通り、基地局がBroadcastパケットを送信した場合、基地局への送信データパケットを保持している端末は、基地局のBroadcastパケット送信が終わり、無線回線が未使用状態になってからDIFS(DCF Inter Frame Space)と呼ばれる固定時間と、Backoff(もしくはcontention window)と呼ばれるランダム時間とを足し合わせた時間T8だけ送信を延期した後、データパケットを送信する。
【0073】
時間T8の内、DIFSの時間は、IEEE802.11規格において、SIFS時間にSlot timeの2倍を足し合わせた時間となる。又、Slot timeは、IEEE802.11規格では、物理層に用いる規格で決まる値とされており、例えばIEEE802.11b規格ではTable101にSlotTimeとして20μs(マイクロ秒)という値が規定されている。同様に、802.11a規格ではSlotTimeとして9μs(マイクロ秒)という値が規定されている。よって、IEEE802.11規格に従って通信する無線LANシステムにおいては、用いられる物理層の規格の違いによりDIFSの値が変わるものの、同一の物理層の規格に従って通信する無線局においてはDIFSの値は固定値である。
【0074】
一方、時間T8の内、Backoffの時間は、IEEE802.11規格において、SlotTimeにランダム値をかけた時間と規定されている。ここでランダム値を仮にnとおくと、ランダム値nは整数であるため、Backoff時間はSlotTimeの整数倍の時間となる。
【0075】
このことから、図4に示すT8は、図5に示すように、SlotTimeの整数倍の時間とDIFS時間との和となる。よって、図4において基地局がBroadcastパケットの送信を開始してから、端末から送信されたデータパケットを受信するまでの時間T9を測定すると、T9はBroadcastパケットの送信時間T7とDIFS時間とBackoff時間と往復伝搬遅延時間(T1+T2)との和となっている。ここで、Broadcastパケット送信時間T7は、Broadcastパケット長と伝送レートとから容易に算出できる。又、DIFS時間は、物理層の規格で決まる固定値であるため、Backoff時間を推定することで往復伝搬遅延時間(T1+T2)を求めることができる。
【0076】
上述した通り、Backoff時間はSlotTimeの整数倍の時間となるため、このSlotTimeは、物理層の規格によって異なる値をとる。しかしながら、IEEE802.11aの場合、SlotTimeは9μs(マイクロ秒)であり、この時間を距離に換算すると2700mである。無線LANにおける基地局のセル半径は大きくても数100m程度と考えられるので、往復伝搬遅延時間(T1+T2)がSlotTimeを超えることはないと考えられる。よって、T9からBroadcastパケットの送信時間T7とDIFS時間を減じた時間をT10とすると、T10はBackoff時間と往復伝搬遅延時間(T1+T2)との和となる。T10の内、Backoff時間は、上述した通り、SlotTimeの整数倍の時間であるため、SlotTime×nがT10を超えない、最大のnを決めることで推定することができる。ここでnはT10をSlotTimeで割った値を超えない最大の整数値となる。このことから、T10からBackoff時間(SlotTime×n)を推定し、T10から減じることで、往復伝搬遅延時間(T1+T2)を求めることができる。
【0077】
例えば、IEEE802.11bを物理層に用いると、SlotTimeは20μs(マイクロ秒)である。そして、測定結果から求めたT10が161μs(マイクロ秒)であった場合、n=8であると推定することができ、Backoff時間(20μs×8)を160μsと推定することができる。よって、往復伝搬遅延時間(T1+T2)は、T10からBackoff時間を減じた1μsと推定することができる。この、往復伝搬遅延時間1μsから、基地局と端末との間の伝搬時間を推定することができる。無線信号の伝搬速度は光速であるため、伝搬時間に光速を乗じることで伝搬距離を求めることができる。
【0078】
図4に示した方法は、端末がRTS−CTS手順を用いてデータパケットを送信する場合に、Broadcast送信後からRTS受信開始までの時間を測定することで、伝搬時間を推定している。また、IEEE802.11規格において、DCFで規定されるアクセス手順においては、RTSパケットを送信する場合やRTS−CTS手順を用いずにデータパケットを送信する場合には、Broadcast受信後に限らず、図4に示したDIFS+Backoff時間待った後で送信開始することとなっている。よって、送信側の無線局がACKパケット送信後、次のRTSパケットもしくはデータパケットを受信開始するまでの時間を測定することでも、2つの無線局間の距離を推定することができる。また、図4に示した方法は図2と同様に送信開始から受信開始までの時間を測定する場合を例として示したが、図3と同様に送信終了から受信開始までの時間を測定することでも伝搬時間を推定することは可能である。
【0079】
図2から図5を用いてDCFを用いて通信する無線LANシステムにおける測定方法について説明したが、次に無線LAN端末と無線LAN基地局の間でPCFを用いて通信する場合について説明する。
【0080】
図6は、無線LAN端末と無線LAN基地局との間で、PCFを用いて通信する場合の、時間関係を示した図である。
【0081】
PCFによる通信では、基地局が特定の端末宛にPollと呼ばれるパケットを送信し、そのPollを受信した端末のみがデータパケットを送信することができる。PCFの特徴は、基地局がPollパケットの送信を制御することで端末間のパケット送信の衝突を避けることができる。
【0082】
図6に示すように、PCFを用いる場合には、Pollパケットを受信した端末は、SIFS時間後にデータパケットを送信しなくてはならない。よって、図2の例と同様に、基地局側はPollパケット送信開始からデータパケット受信開始までの時間T12を測定し、Pollパケット送信時間T11とSIFS時間T3とをT12から減ずることで、往復伝搬時間(T1+T2)を求めることができる。無線信号の伝搬速度は光速であるため、伝搬時間に光速を乗じることで伝搬距離を求めることができる。
【0083】
IEEE802.11規格において、基地局が送信するPollパケットは、データパケットと一緒に送信される場合もあり、端末が送信するACKパケットもデータパケットと一緒に送信される場合もある。しかしながら、どちらの場合にも、基地局のパケットの送信開始から、端末から送信されたパケットの受信開始までの時間を測定することで、端末までの伝搬時間を推定することができる。また、図6に示したPCFにおける方法においても、図3と同様に、基地局のパケット送信終了から、端末から送信されたパケットの受信開始までの時間を測定することでも、基地局と端末との伝搬時間を推定することは可能である。
【0084】
尚、図2から図6を用いて説明した基地局と端末との間の伝播時間の測定は、測位サーバー109の指示があった場合にのみに測定しても、端末もしくは基地局において通常送受信されるパケットの送受信処理時に常に行い、平均化等の統計をデータベースに保持しても、どちらでも良い。
【0085】
図2から図6を用いて、伝播時間を推定して、伝搬距離を推定する方法について説明したが、上述した基地局と端末との伝搬時間測定において、応答パケットに誤りが含まれていた場合や、受信パケットが伝搬時間の測定のために受信を期待しているパケットでなかった場合、あらかじめ設定されている待ち時間を越えても応答パケットを受信することができなかった場合など、測定不能になる可能性がある。
【0086】
例えば、図2、若しくは図3に示した伝搬時間測定方法において、無線局1が受信したACKパケットに誤りが含まれていた場合、無線局1は無線局2からのACKであるかどうかの判断ができないため、測定された伝搬時間を距離推定に用いることができない。また、無線局2が受信したDataパケットに誤りが含まれていた場合などには、無線局2はACKパケットを送信しない。そのため、無線局1はACKパケットを受信することができず、伝搬時間を測定することができない。同様に、図4から図6に示した伝搬時間測定方法においては、基地局が受信したDataパケットに誤りが含まれていた場合には、基地局は端末からのDataであるかどうかの判断ができないため、基地局は測定された伝搬時間を距離推定に用いることができない。本発明においては、そのような場合、測定を中止する、若しくは、再度測定するものとする。
【0087】
次に、上述した基地局と端末との間の距離推定方法を用いて無線端末の位置を特定する方法について説明する。
【0088】
図7は、3つの基地局からの距離と基地局の位置とを用いて端末位置を推定する方法を図示したものである。
【0089】
端末の位置を特定するために、まず、3つの基地局から端末までの距離を推定する。尚、基地局と端末との距離の推定は、上述した方法の内、いずれかの方法で推定する。基地局701からの距離R1と、基地局702からの距離R2と、基地局703からの距離R3とを用い、それぞれの基地局からの円の交点を求めることで端末位置を特定することができる。無線LAN基地局がビル内等に3次元的に配置される場合には、図7に示した円は球面となり3つの球面の交点を求めることで端末の位置が特定される。
【0090】
図8は、基地局と端末との距離を測ることができた基地局が2つしかなかった場合に、フロア情報を用いて端末位置を特定する方法を説明するための図である。図8における四角形804は、無線LANが設置される建物を示している。図8に示すように端末との距離を推定することができた基地局が2つしかない場合には、円を2つしか描くことができないため、端末位置の候補である円の交点は2点存在する。ここでフロア情報を用いることで端末位置を2点のうちの1点に絞り込むことができる場合がある。つまり、図8に示すように2つの交点のうち1点が建物の外に存在し、ビルの高層階である場合や電磁波をシールドする仕組みを窓や外壁に取り入れている場合など、建物外からのアクセスがないことが明らかである場合には、建物内に存在する交点を端末位置とすることができる。
【0091】
また、建物内部の壁やパーティションなどの影響により、端末と基地局との直線距離と、無線信号の伝搬距離とが一致しない場合がある。一例を図9に示す。図9に示す例では基地局901と端末902との通信は、間に壁があるため廊下の壁で反射した信号を用いて行なわれている。このような場合、実際に電波が伝搬した距離R1は、端末と基地局との直線距離R2よりも長くなってしまう。そのため図7のように単純に伝搬距離を元に描いた円の交点を求める方法では、推定される端末の位置に誤差が生じる可能性がある。このような場合には、あらかじめ電波がどのように伝搬するかを、建物データを元に推定したり、実際に試験端末を持ち歩いて事前に測定したりして、ある基地局からの伝搬距離がどのように分布するかの伝搬距離マップを作成し、実運用時の端末位置の推定に利用する方法などが考えられる。
【0092】
尚、上述した方法以外に、無線LAN基地局が設置される建物のフロア情報、間取り図などを用いて、端末位置の特定を補助してもよい。
【0093】
次に、図10を用いて、上述した、パケット送信からパケット受信までの時間(T5,T6,T9,T12)の測定地点について説明する。
【0094】
図10は、無線LAN端末の無線信号送受信部の一般的な構成を示す図である。
【0095】
無線LAN端末は、上位プロトコル処理部とのインターフェースを持ち、無線回線のアクセス制御を行うMAC部1001と、信号を変復調するベースバンド部1002と、無線周波数帯域との変換を行うRF/IF(Radio Frequency/Intermediate Frequency)部1003とを有する。
【0096】
無線LAN基地局と無線LAN端末との距離を推定するためには、無線局が測定する時間はパケットが空中を電波として伝搬している時間を測定する必要がある。つまり、パケットの送信開始もしくは送信完了、およびパケットの受信開始は、アンテナ部1004における信号の送受信の時間を測定する必要がある。そのためには図10の測定地点1でパケットの送受信の時間を測定する必要があるが、実際の回路においては測定地点1においてパケットの送受信の時間を測定することは困難である。そのため、実際の回路では測定地点2もしくは測定地点3で送受信の時間を測定することになる。
【0097】
測定地点2もしくは測定地点3で送受信の時間を測定した場合には、アンテナ部と実際のパケット送受信の測定地点との間の遅延時間を考慮して測定結果を補正する必要がある。例えば、測定地点2で送受信の時間を測定した場合、測定結果の時間にはベースバンド部1002とRF/IF部1003との処理遅延が含まれている。そのため、測定地点2において測定した時間を用いて算出した往復伝搬遅延時間(T1+T2)には、空中をパケットが伝搬していた時間に加え、ベースバンド部1002とRF/IF部1003とでの処理時間分の遅延時間が含まれており、推定する距離に誤差を生じることとなる。本誤差を修正する方法として、あらかじめBaseband部1002とRF/IF部1003とでの遅延時間を推定しておき、測定結果を補正する方法が考えられる。
【0098】
上述した以外の遅延時間の推定方法として、測定地点2もしくは測定地点3とアンテナ部との間の送受信信号を処理する際の遅延時間を実際に測定する方法や、距離が既知である端末との間の往復伝搬遅延時間を測定地点2もしくは測定地点3で測定し、実際の距離を信号が伝搬するのに必要な時間との差を導出し、その差をベースバンド部1002とRF/IF部1003との遅延時間とする方法を用いても良い。
【0099】
上述した方法で推定した遅延時間を用いた往復伝搬遅延分の補正は、基地局等の無線局自身で行うことも考えられるし、測位サーバーで補正することも考えられる。無線LAN基地局および無線LAN端末の無線信号送受信機が図10に示す以外の構成をとる場合にも、アンテナ部と実際のパケット送受信測定地点との間の遅延時間を考慮して測定結果を補正することが必要である。
【0100】
そこで、次に、距離の測定対象である無線局の無線通信回路に依存する誤差補正方法に関して説明する。
【0101】
上述したように、パケット受信側の無線局が、パケットを受信終了してからパケットを送信開始するまでの時間T3、及びT8は、IEEE802.11規格ではSIFS時間、及びSlotTimeとして規定されている。しかし、実際の無線LAN機器においては回路構成等の問題により規定されている時間と実際の回路における時間との間にずれが生じる場合がある。この場合、実際の回路における時間のずれは往復伝搬時間の誤差となり、推定する距離に誤差が生じることとなる。そのため、端末の位置を特定する際にはこの時間のずれを補正することで推定する端末位置の誤差を小さくすることができる。具体的には測定対象の無線LAN端末ごとの時間のずれを測位サーバーもしくは各基地局で保持し、伝搬時間の推定結果を補正することにより、推定する端末位置の誤差を小さくすることができる。また、この時間のずれは回路構成によるものであるため、無線LAN送受信機のメーカーや製品名が同じであれば時間のずれも同じである可能性が高い。そのため、測位サーバーもしくは基地局において、無線LAN送受信機のメーカーや製品名ごとの時間のずれの情報を保持し、測定対象の無線LAN端末の無線LAN送受信機のメーカーや製品名を特定し、推定した伝搬時間を補正することにより、推定する端末位置の誤差を小さくすることができる。尚、無線LAN送受信機のメーカーや製品名を特定する方法としては、測定対象の無線LAN端末のMACアドレスから推定する方法や、SNMP(Simple Network Management Protocol)によって取得したMIB(Management Information Base)情報内のメーカー名や製品名を利用する方法、若しくは事前に測位サーバー、又は基地局に無線LAN端末のMACアドレスやIPアドレスに対応したメーカー名および製品名のリストを持つ方法など、如何なる方法であっても良い。
【0102】
次に、図11を用いて、測定対象である無線局の無線通信回路に依存する誤差補正に関する別な方法を説明する。
【0103】
図11において、測定対象の無線LAN端末1102が無線LANインターフェースと有線LANインターフェースの双方とを備える場合を考える。これは、近年のノートパソコンは有線LANインターフェースを標準装備しているものが多く、無線LANインターフェースと有線LANインターフェースの双方を標準装備しているノートパソコンがあるためである。
【0104】
図11の無線LAN端末1102のように有線LANインターフェースと無線LANインターフェースの双方を備えている無線LAN端末を利用している場合には、有線LANが利用可能な場合に有線LANを使う場合が考えられる。例えば会社で無線LANを装備したノートパソコンを使っている場合に、自席にいるときには有線LANに接続し、会議等でノートパソコンを持ち歩く場合に無線LANを利用する場合などである。このような場合に、無線LAN端末1102が有線LANに接続されている場合には、測位サーバー1101は無線LAN端末1102がネットワークスイッチ1106の特定のポートに接続された有線LANケーブル1105を介して接続可能であることが容易に検出できる。よって、ネットワークスイッチ1106の特定のポートに接続された有線LANケーブルがどの位置に配線されているかなどの配線情報を測位サーバー1101が入手可能であれば、有線LANに接続中の無線LAN端末1102の現在位置が配線情報を元に特定できる。一方、無線LAN端末1102が有線LANに接続されていても、無線LANインターフェースを介して基地局1103と無線LAN端末1102はパケットの送受が可能である。よって、基地局1103は無線LAN端末1102との間の距離を推定することが可能である。一方、有線LANの配線情報を用いて特定した無線LAN1102の位置と基地局配置情報から得られる無線LAN基地局1103の位置とを用いて、無線LAN基地局1103と無線LAN端末1102との距離を算出することができる。よって、無線LANインターフェースを用いて無線LAN基地局1103が測定を行った結果を用いて推定した距離と、有線LAN配線情報と基地局配置情報を用いて算出した距離との差を出すことによって、無線LANインターフェースを用いて距離推定を行う場合の誤差を推定することができる。この誤差情報を測位サーバー1101等に保持することによって、無線LAN端末1102が有線LANから切り離された場合に無線LANインターフェースを用いて端末位置の推定を行う場合の推定結果に含まれる誤差を補正することができるようになる。
【0105】
次に、本発明における第二の実施の形態について説明する。第二の実施の形態では、基地局が位置推定対象である端末との間の伝搬時間を測定し、測位サーバーが端末の位置を推定する動作について説明する。
【0106】
図12は測位サーバーの構成図であり、図13は測位サーバーの動作を示すフロー図であり、図14は基地局の動作を示すフロー図であり、図20は基地局の構成図である。
【0107】
図12に示すように測位サーバー1201は有線LANインターフェース1203を介して有線LANネットワークに接続されている。
【0108】
位置推定要求処理部1202は、端末やその他アプリケーションサーバなどから,端末の位置の推定を要求する位置推定要求を受け付けるものである。位置推定要求には、IPアドレス、若しくはMACアドレスなどの端末IDと、要求する端末の位置情報の精度である要求精度が含まれている。尚、要求精度は位置推定要求に含まれていなくても良い。更に、位置推定要求処理部1202は、推定された端末の位置を端末位置情報としてその他アプリケーションサーバなどに応答するものである。
【0109】
基地局・端末制御部1204は、基地局や端末などの位置推定処理に関する要求を送受信するものである。
【0110】
端末接続情報管理部1205は、各無線LAN端末がどの基地局に接続しているかを管理するものである。
【0111】
位置推定部1206は、端末の位置を推定するものである。
【0112】
距離推定部1207は、基地局と端末との距離を推定するものである。
【0113】
データベース群1208は、無線LAN基地局の設置位置などの各種データベースを保持するものである。
【0114】
データベース群1208は、以下のデータベースを保持しているものとする。無線LAN基地局配置情報データベース1209は、無線LAN基地局がどこに配置されているかの配置情報を部屋番号や座標系として保持している。有線ネットワーク配線位置情報データベース1210は、有線ネットワークがどこに配線されているかという有線LANの配線情報を部屋番号や座席位置および座標系として保持している。フロア情報データベース1211は、無線LANおよび有線LANが利用される建物の構造情報を保持している。補正情報データベース1212は、各基地局および端末における伝搬遅延の測定結果を補正するための補正情報もしくは各基地局および端末において測定された伝搬遅延から求められる無線局間距離を補正するための補正情報もしくは各ハードウェアメーカおよび各製品の補正情報を保持している。伝搬情報データベース1213は、電波伝搬解析や実測等によって得られた、各基地局とフロア内の各位置にある端末との間の実際の電波伝搬状態を伝搬情報として保持している。端末接続情報データベース1215は、各無線LAN端末や各無線LAN基地局のMACアドレスやIPアドレスなどのネットワーク情報やハードウェアメーカなどの情報を保持する機器情報データベース1214、各端末がどの基地局に接続しているかという情報や、有線NWに接続している場合にどのスイッチのどのポートに接続しているかなどの情報を保持している。尚、これらのデータベースは、測位サーバー内部で持っても、測位サーバー1201の外部で持っても、どちらでも良い。測位サーバー1201の外部にデータベースを保持する場合には、測位サーバー1201は専用インターフェース、もしくは有線ネットワークを介してデータベースにアクセスする。また、図12に示したデータベースの中で最低限必要なのは、無線LAN基地局配置情報データベース1209であり、他のデータベースは必須ではない。
【0115】
外部アプリケーションインタフェース1216は、測位サーバー機能がWebサーバーやその他のアプリケーションと同一のハードウェア上で動作する場合にWebサーバー等の外部アプリケーションと通信するものである。
【0116】
図13を用いて、図12に示す測位サーバー1201の動作を説明する。
【0117】
位置推定要求処理部1202は、有線LANインターフェース1203、若しくは外部アプリケーションインタフェース1216を介して、位置推定要求を他のネットワーク機器、端末、又は外部アプリケーションから受け取ると、位置推定要求を受け取ったことを位置推定部1206に伝える。位置推定部1206は、位置推定対象である端末の接続状態を端末接続情報管理部1205に問い合わせる。端末接続情報管理部1205は端末接続情報データベース1215を参照して端末の有無線ネットワークへの接続状態を確認し、特定の端末の接続情報を位置推定部1206に応答する(ステップ1301)。位置推定部1206は、特定の端末の接続情報を受信すると、受信した接続状態を確認する(ステップ1302)。
【0118】
ここで、位置推定部1206が、特定の端末が有線インターフェースを介して有線ネットワークに接続していると判断した場合(ステップ1302のYes)、位置推定部1206は、有線ネットワーク配線位置情報のデータベース1210に特定の端末が接続している有線ネットワークの配線位置情報が利用可能かどうかを判断する(ステップ1313)。有線ネットワーク配線位置情報のデータベース1210内部に、該当する有線ネットワークの配線位置情報が保持されている場合には(ステップ1313のYes)、有線ネットワークの配線位置を位置推定要求処理部1202に応答し、位置推定要求処理部1202は、外部アプリケーションインタフェース1216、もしくは有線LANインターフェース1203を介して、外部アプリケーション、もしくは他のネットワーク機器や端末に応答する(ステップ1314)。
【0119】
一方、位置推定部1206が、位置推定対象の端末が有線インターフェースを介して有線ネットワークに接続されていないと判断した場合(ステップ1302のNo)、もしくは端末が有線LANインターフェースを介して接続している有線ネットワークの配線位置情報が利用できないと判断した場合(ステップ1313のNo)、位置推定部1206は端末が無線LANインターフェースを介して無線ネットワークに接続しているかどうかを確認する(ステップ1303)。
【0120】
ここで、位置推定部1206が、端末が無線ネットワークにも接続していないと判断した場合(ステップ1303のNo)、測位サーバー1201は端末の位置を要求してきた他のネットワーク機器、端末、外部アプリケーション等にエラーを応答する(1315)。
【0121】
一方、位置推定部1206が、位置推定対象である特定の端末が無線ネットワークに接続していると判断した場合(ステップ1303のYes)、端末が接続している無線ネットワークを管理している無線LAN基地局の位置情報を、無線LAN基地局配置情報データベース1209から取得する(ステップ1304)。
【0122】
位置推定部1206は、無線LAN基地局の位置情報を取得すると、
位置推定要求処理部1202が受け取った位置推定要求の中の要求精度が,無線LAN基地局配置情報データベース1209から取得した無線LAN基地局の位置情報の精度より上であるかどうかを確認する(ステップ1305)。要求精度が無線LAN基地局の位置情報の精度より上でない場合(ステップ1305のNo)、位置推定部1206は、特定の端末が接続している無線LAN基地局の位置情報を応答する(ステップ1316)。要求精度が無線LAN基地局の位置情報の精度より上である場合には(ステップ1305のYes)、位置推定部1206は、距離推定による端末の位置を特定するために、端末との距離を推定する基地局を選択する(ステップ1306)。尚、ステップ1306において、無線LAN基地局配置データベース1209、フロア情報データベース1211などから得られる情報を元に、複数の無線LAN基地局を選択する。
【0123】
次に位置推定部1206は、距離推定部1207に対して、選択した基地局の情報を通知する。距離推定部1207は、選択された基地局の情報を受け取ると、基地局・端末制御部1204と有線LANインターフェース1203とを介して、選択された無線LAN基地局に対して、位置推定対象である特定の端末との間の伝搬遅延を測定するように伝播時間測定要求を送信する(ステップ1307)。尚、ステップ1307で送信される伝播時間測定要求には、測定対象である特定の端末の情報が含まれている。この特定の端末の情報としては、端末のMACアドレス等のアドレス情報や端末が使用している無線チャネルの番号などの情報が含まれている。また、伝播時間測定要求は、要求する伝搬遅延情報の要求鮮度情報を含む場合もある。要求鮮度情報とは、測位サーバー1201がどの程度以前に取得された遅延情報ならば許容できるかを示す情報であり、絶対時刻もしくは測定要求送信時刻からの相対時刻で表される。尚、この要求鮮度情報は、伝播時間測定要求に含めても、既定値としてあらかじめ各基地局が保持してもどちらでも良い。
【0124】
伝搬時間測定要求を受信した基地局の処理は、図14を用いて後ほど説明する。
【0125】
距離推定部1207は、基地局における伝播時間の測定結果を基地局・端末制御部1204と有線LANインターフェース1203とを介して受信し(ステップ1308)、各基地局と端末との間の距離を推定する(ステップ1309)。尚、ステップ1309における各基地局と端末との間の距離推定では、各基地局から取得した伝搬時間情報を距離に換算する処理に加えて、補正情報データベース1212を用いた推定距離の誤差補正や、機器情報データベース1214を用いて、端末や基地局の無線LANインターフェースが用いているハードウェアメーカ情報や製品情報を取得し、その情報を元に補正情報データベース1212から補正情報を取得して行う誤差補正、などの誤差補正処理も合わせて行なわれる。
【0126】
距離推定部1207は、各基地局と端末との距離推定結果を位置推定部1206に報告し、位置推定部1206は第一の形態に記載した方法で端末の位置を推定する(ステップ1310)。また、ステップ1310における位置推定処理に関して、フロア情報データベース1211を用いた位置推定処理や、電波伝搬状態を保持する伝搬情報データベース1213を用いて図9に示したような反射等の伝搬環境の影響を考慮した位置推定処理などを行うことで、端末の位置を推定する。
【0127】
伝搬時間を測定できた基地局が不足した場合や、測定誤差や電波伝搬などの影響によりステップ1310における位置の推定ができなかった場合など、端末位置の推定処理に失敗した場合には(ステップ1311のNo)、測位サーバー1201は端末が接続している基地局の位置を応答する(ステップ1316)。一方、伝搬時間を用いた端末の位置推定処理が成功した場合には(ステップ1311のYes)、伝搬時間から推定した端末の位置情報を応答する(ステップ1312)。
【0128】
次に、伝搬時間測定要求を受信した基地局の処理について説明する。
【0129】
図20は、各無線LAN基地局の構成を示す図であり、図14は測定要求を受信したときの各無線LAN基地局における処理である。
【0130】
図20に示すように、無線LAN基地局は、アンテナ部2001、無線LANインターフェース2002、通信処理部2003、有線LANインターフェース2004、伝搬時間測定部2005、伝搬時間測定要求処理部2006などから構成される。尚、有線LANインターフェース2004は必須ではない。
【0131】
図14および図20を用いて各無線LAN基地局における処理を説明する。
【0132】
無線LAN基地局の通信処理部2003は、有線LANインターフェース2004を介して測位サーバー1201からの伝搬時間測定要求を受信すると、伝搬時間測定要求に書き込まれている端末との間の伝搬時間を測定するよう、伝搬時間測定要求処理部2006に指示する。伝搬時間測定要求処理部2006は、指示を受け取ると、要求鮮度情報が利用可能かどうかを確認する(ステップ1401)。要求鮮度情報があらかじめ基地局に登録されている、若しくは測位サーバー1201からの測定要求が要求鮮度情報を含んでいるなど、要求鮮度情報が利用可能な場合(1401のYes)、要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持しているかどうかを確認する(ステップ1402)。要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持している場合(ステップ1402のYes)、伝搬時間測定要求処理部2006は、その伝搬時間測定結果を通信処理部2003と優先LANインターフェース2004を介して、測位サーバー1201に応答する(ステップ1407)。要求鮮度情報が利用可能でない場合(ステップ1401のNo)や要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果が利用可能でない場合(ステップ1402のNo)、伝搬時間測定要求処理部2006は伝搬時間測定要求で指定された端末との伝搬時間の測定を伝搬時間測定部2005に指示する。伝搬時間測定部2005は、図2から図6に示したような手段によって端末との間の伝搬時間を測定する(ステップ1403)。尚、基地局は端末が使用している無線チャネルを用いて伝搬時間を測定する。伝搬時間測定に測定対象の端末からのACKパケットもしくはDataパケット等の応答パケットを正常に受信できず伝搬時間の測定に失敗した場合には(ステップ1404のNo)、再測定するかどうかを判断し(ステップ1405)、再測定すると判断した場合には(ステップ1405のYes)、再度測定する(ステップ1403)。
【0133】
一方、再測定回数が上限値に達した等の理由で再測定しないと判断した場合には(ステップ1405のNo)、測位サーバーにエラーを応答する(ステップ1406)。伝搬時間の測定に成功した場合には(ステップ1404のYes)、測定結果を伝搬時間測定要求処理部2006と通信処理部2003と優先LANインターフェース2004とを介して測位サーバー1201に伝播時間の測定結果を応答する(ステップ1407)。尚、基地局における処理として、過去の測定結果が利用可能な場合には常にその測定結果を応答する方法をとってもよい。
【0134】
尚、第一の実施の形態の図2、もしくは図3に示した方法を用いて伝搬時間を測定する場合には、データパケットとしてダミーのデータを送信しても、ダミーの制御パケットを送信してもよい。
【0135】
次に、本発明における第三の実施の形態について説明する。
【0136】
第二の実施の形態で説明した動作は、無線LAN基地局が伝搬時間を測定し、測位サーバー1201が測定した伝搬時間に基づいて、距離と位置とを推定する場合について説明した。第三の実施の形態では、無線LAN基地局が伝搬時間を測定して距離を推定し、この推定した距離を測位サーバー1201に応答する場合について説明する。
【0137】
図19は、第三の実施の形態における測位サーバー1201の構成図である。尚、第二の実施の形態と同様な構成のものについては、同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
【0138】
次に、第三の実施の形態における測位サーバー1201の動作について説明する。尚、第二の実施の形態におけるステップ1301〜ステップ1306と、ステップ1310〜1316と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0139】
図22は、無線LAN端末の位置を推定する動作のフローチャートである。
【0140】
位置推定部1206が各基地局に対して距離推定要求を送信する(ステップ2201)。距離推定要求を受信した基地局の処理は、後述する。
【0141】
距離推定結果を各基地局から受信し、受信した距離推定結果に基づいて、特定の端末の位置を推定する(ステップ2202)。
【0142】
次に基地局について説明する。
【0143】
図21は、第三の実施の形態における基地局の構成図である。尚、第二の実施の形態と同様な構成のものについては、同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
【0144】
距離推定要求処理部2101は、第二の実施の形態における距離推定部1207と同等のものである。
【0145】
次に、基地局における動作について説明する。
【0146】
図29は、基地局における動作を示すフロー図である。
【0147】
無線LAN基地局の通信処理部2003は、有線LANインターフェース2004を介して測位サーバー1201からの距離推定要求を受信すると、距離推定要求に書き込まれている端末との間の伝搬時間を測定するよう、伝搬時間測定要求処理部2006に指示する。伝搬時間測定要求処理部2006は、指示を受け取ると、要求鮮度情報が利用可能かどうかを確認する(ステップ2901)。要求鮮度情報があらかじめ基地局に登録されている、若しくは測位サーバー1201からの測定要求が要求鮮度情報を含んでいるなど、要求鮮度情報が利用可能な場合(2901のYes)、要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持しているかどうかを確認する(ステップ2902)。要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持している場合(ステップ2902のYes)、伝搬時間測定要求処理部2006は、その伝搬時間測定結果を距離推定部に応答する(ステップ2907)。要求鮮度情報が利用可能でない場合(ステップ2901のNo)や要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果が利用可能でない場合(ステップ2902のNo)、伝搬時間測定要求処理部2006は測定要求で指定された端末との伝搬時間の測定を伝搬時間測定部2005に指示する伝搬時間測定部2005は、図2から図6に示したような手段によって端末との間の伝搬時間を測定する(ステップ2903)。尚、基地局は端末が使用している無線チャネルを用いて伝搬時間を測定する。伝搬時間測定に測定対象の端末からのACKパケットもしくはDataパケット等の応答パケットを正常に受信できず伝搬時間の測定に失敗した場合には(ステップ2904のNo)、再測定するかどうかを判断し(ステップ2905)、再測定すると判断した場合には(ステップ2905のYes)、再度測定する(ステップ2903)。
【0148】
一方、再測定回数が上限値に達した等の理由で再測定しないと判断した場合には(ステップ2905のNo)、測位サーバーにエラーを応答する(ステップ2906)。伝搬時間の測定に成功した場合には(ステップ2904のYes)、測定結果を距離推定部に応答する(ステップ2907)。距離推定部は、受け取った測定結果を距離に変換し、通信処理部2003と優先LANインターフェース2004とを介して測位サーバー1201に推定距離を応答する(ステップ2908)。尚、推定距離の補正は、測位サーバー1201で行っても、基地局の距離推定要求処理部2101で行ってもよい。この場合、必要な補正情報は測位サーバー1201から各基地局に送信されるようにする。
【0149】
次に、本発明における第四の実施の形態について説明する。
【0150】
第四の実施の形態では、端末が基地局との伝搬時間を測定し、測位サーバー1201が基地局と端末との距離と位置とを推定する場合について説明する。
【0151】
第四の実施の形態における測位サーバーの構成は、第二の実施の形態と同じため、図12を用いる。
【0152】
測位サーバー1201における動作について説明する。尚、第二の実施の形態におけるステップ1301から1306までと、1309から1316までと同様のため、詳細な説明は省略する。
【0153】
図15は測位サーバー1201の動作を示すフロー図である。
【0154】
測位サーバー1201の位置推定部1206は、端末との距離を推定する基地局を選択すると(ステップ1306)、距離推定部1207に各基地局との距離推定を指示し、距離推定部1207は、基地局端末制御部1204と有線LANインターフェース1203を介して端末に対して、各基地局との伝搬時間測定要求を送信する(ステップ1501)。ステップ1501で送信される伝播時間測定要求には、ステップ1306で選択された基地局の情報が含まれている。基地局の情報としては、基地局のMACアドレス等のアドレス情報や基地局が使用している無線チャネルの番号などの情報が含まれている。測位サーバー1201からの伝播時間測定要求を受け取った無線LAN端末端末の動作について後述する。
【0155】
測位サーバー1201は、無線LAN端末端末での測定結果を受信すると(ステップ1502)、距離推定部1207において基地局と端末との間の距離を推定する(ステップ1309)。
【0156】
次に、無線LAN端末端末について説明する。
【0157】
図23は無線LAN端末の構成を示す図である。
【0158】
図23に示すように無線LAN端末は、アンテナ部2301、無線LANインターフェース2302、通信処理部2303、上位アプリケーション処理部2304、伝搬時間測定部2305、伝搬時間測定要求処理部2306、有線LANインターフェース2307などから構成される。尚、有線LANインターフェース2307は必須ではない。
【0159】
次に、無線LAN端末における動作について説明する。
【0160】
図16は、端末の動作を示すフロー図である。
【0161】
無線LAN端末の通信処理部2303は、無線LANインターフェース2302を介して測位サーバー1201から伝播時間測定要求を受信すると、伝搬時間測定要求処理部2306に測定要求に含まれている測定対象である基地局との伝搬時間の測定を指示する。伝搬時間測定要求処理部2306は、測定対象である基地局の中から未測定の基地局を選択する(ステップ1601)。
【0162】
次に、要求鮮度情報が利用可能かどうかを確認する(ステップ1602)。
【0163】
要求鮮度情報があらかじめ端末に登録されている場合や、測位サーバー1201からの測定要求が要求鮮度情報含んでいる場合など、要求鮮度情報が利用可能な場合には(ステップ1602のYes)、要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持しているかどうかを確認する(ステップ1603)。要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持している場合には(ステップ1603のYes)、その伝搬時間測定結果を利用する。要求鮮度情報が利用可能でない場合(ステップ1602のNo)や要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果が利用可能でない場合(ステップ1603のNo)には、伝搬時間測定要求処理部2306はステップ1601で選択した基地局との伝搬時間の測定を伝搬時間測定部2305に指示する。伝搬時間測定部2005は、第一の実施の形態で示したような手段によって端末との間の伝搬時間の測定を行なう(ステップ1604)。ここで、伝搬時間測定に測定対象の端末からのACKパケットもしくはDataパケット等の応答パケットを正常に受信できず伝搬時間の測定に失敗した場合には(ステップ1605のNo)、再測定を行なうかどうかを判断し(ステップ1606)、再測定を行なうと判断した場合には(ステップ1606のYes)、再度測定を行なう(ステップ1604)。再測定回数が上限値に達した等の理由で再測定を行なわないと判断した場合には(ステップ1606のNo)、測位サーバーにエラーを応答する(ステップ1607)。伝搬時間の測定に成功した場合には(ステップ1605のYes)、伝播時間測定要求で選択された全基地局との間の伝搬時間の測定が終了したかどうかを判断する(ステップ1608)。終了していない場合(ステップ1608のNo)は、選択された全基地局との間の伝播時間の測定が終了するまでステップ1601からステップ1608を繰り返す。測定が終了すると(ステップ1608のYes)、選択された全基地局との間の伝搬時間の測定結果を測位サーバー1201に応答する(ステップ1609)。尚、無線LAN端末における伝播時間の測定において、過去の測定結果が利用可能な場合は、常にその伝播時間の測定結果を測位サーバー1201に応答しても良い。また、ステップ1604における伝搬時間測定処理においては、第一の実施の形態で説明した方法を用いて、基地局との間の伝搬時間を測定する。又、第一の実施の形態の図2若しくは図3で説明した方法を用いて伝搬時間を測定する場合には、データパケットとしてダミーのデータを送信しても、ダミーの制御パケットを送信しても良い。更に、無線LAN端末は測定対象の基地局が使用している無線チャネルを用いて伝搬時間を測定する。
【0164】
次に、第五の実施の形態について説明する。
【0165】
第四の実施の形態では、無線LAN端末が基地局との伝搬時間を測定し、即位サーバーが測定された伝搬時間に基づいて距離と位置とを推定する場合について説明した。第五の実施の形態では、無線LAN端末が基地局との伝搬時間を測定して距離を推定し、測位サーバー1201が位置を推定する場合について説明する。
【0166】
第五の実施の形態における測位サーバー1201の構成は、第三の実施の形態と同じため、図19を用いる。
【0167】
測位サーバー1201における動作について説明する。
【0168】
図25は測位サーバー1201の動作のフロー図である。尚、第二の実施の形態におけるステップ1301から1306までと、1310から1316までと同様のため、詳細な説明は省略する。
【0169】
位置推定部1206が位置推定対象の無線LAN端末に対して距離推定要求を送信する(ステップ2501)。測位サーバー1201からの距離推定要求を受け取った無線LAN端末端末の動作について後述する。
【0170】
距離推定結果を無線LAN端末から受け取る(ステップ2502)。
【0171】
次に、端末について説明する。
【0172】
図24は、無線LAN端末の構成図である。尚、第四の実施の形態と同様な構成のものについては、同一の番号を付して、詳細な説明は省略する。
【0173】
無線LAN端末は距離推定要求処理部2401を持つ。
【0174】
次に、無線LAN端末における動作について説明する。
【0175】
図28は、端末における動作を示すフロー図である。
【0176】
無線LAN端末の通信処理部2303は、無線LANインターフェース2302を介して測位サーバー1201からの距離推定要求を受信すると、距離推定要求処理部2401に距離推定要求を受信したことを通知する。距離推定要求処理部2401は、測位サーバー1201に指定された基地局の中から距離推定処理が終わっていない基地局を選択し(ステップ2801)、伝搬時間測定要求処理部2306に選択した基地局との伝搬時間の測定処理を指示する。伝搬時間測定要求処理部2306は、要求鮮度情報が利用可能かどうかを確認し(ステップ2802)、要求鮮度情報があらかじめ端末に登録されている場合や、測位サーバー1201からの距離推定要求が要求鮮度情報を含んでいる場合など、要求鮮度情報が利用可能な場合には(ステップ2802のYes)、要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持しているかどうかを確認し(ステップ2803)、要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持している場合には(ステップ2803のYes)、その伝搬時間測定結果を利用する。要求鮮度情報が利用可能でない場合(ステップ2802のNo)や要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果が利用可能でない場合(ステップ2803のNo)には、伝搬時間測定要求処理部2306は基地局との伝搬時間の測定を伝搬時間測定部2305に指示する。伝搬時間測定部2305は、第一の実施の形態で示したような手段によって端末との間の伝搬時間を測定する(ステップ2804)。
【0177】
伝搬時間測定に測定対象の端末からのACKパケットもしくはDataパケット等の応答パケットを正常に受信できず伝搬時間の測定に失敗した場合には(ステップ2805のNo)、再測定を行なうかどうかを判断し(ステップ2806)、再測定を行なうと判断した場合には(ステップ2806のYes)、再度測定を行なう(ステップ2804)。再測定回数が上限値に達した等の理由で再測定を行なわないと判断した場合には(ステップ2806のNo)、測位サーバーにエラーを応答する(ステップ2807)。伝搬時間の測定に成功した場合には(ステップ2805のYes)、測定結果を距離推定要求処理部2401に応答する。距離推定要求処理部2401は、伝搬時間に基づいて基地局との距離の推定処理を行う(ステップ2808)。距離推定要求処理部2401は、測位サーバー1201に指定された基地局すべてに対する距離推定処理を終了したかどうかを判断し(ステップ2809)、測位サーバー1201に指定された基地局すべてに対する距離推定処理が終了するまでステップ2801からステップ2809を繰り返す。測位サーバー1201に指定された基地局すべてに対する距離推定処理が終了した場合には(ステップ2809のYes)、距離推定要求処理部2401は、距離推定結果を測位サーバー1201に応答する(ステップ2810)。尚、推定距離の補正は、測位サーバー1201で行っても、基地局の距離推定要求処理部2101で行ってもよい。この場合、必要な補正情報は測位サーバー1201から各基地局に送信されるようにする。また、ステップ2804における伝搬時間測定処理においては、図2もしくは図3に示したような方法を用いて端末は基地局との間の伝搬時間を測定する。端末は測定対象の基地局が使用している無線チャネルを用いて伝搬時間の測定を行う。第一の実施の形態において、図2もしくは図3に示す方法を用いて伝搬時間を測定する場合には、データパケットとしてダミーのデータを送信しても、ダミーの制御パケットを送信してもよい。この場合、ダミーのデータとして、Null function/Null frameを利用して伝搬時間を測定する。
【0178】
次に本発明における第六の実施の形態について説明する。
【0179】
第六の実施の形態では、位置推定対象である無線LAN端末自身が、基地局との間の伝搬時間を測定し、測定した伝播時間に基づいて距離と位置とを推定する場合について説明する。
【0180】
図26は、第六の実施の形態における測位サーバー1201の構成図である。尚、第二の実施の形態と同様な構成のものについては、同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
【0181】
次に、測位サーバー1201における動作について説明する。
【0182】
図17は、測位サーバー1201の動作を示すフロー図である。尚、第二の実施の形態のステップ1301から1306までは同様なステップであるため、同一の番号を付して、説明は省略する。
【0183】
測位サーバー1201は、基地局を選択すると、基地局端末制御部1204と有線LANインターフェース1203とを介して位置推定対象である無線LAN端末に対して端末の位置の推定を要求するために、位置推定要求を送信する(ステップ1701)。この位置推定要求には、ステップ1306で選択された基地局が、伝搬時間を測定する基地局の情報として含まれている。この基地局の情報としては、基地局のMACアドレス等のアドレス情報や基地局が使用している無線チャネルの番号などの情報が含まれている。測位サーバー1201から位置推定要求を受け取った無線LAN端末端末の動作については後述する。
【0184】
無線LAN端末から位置推定結果を受信すると(ステップ1702)、推定結果を応答する。
【0185】
次に、第六の実施の形態における無線LAN端末について説明する。
【0186】
図27は、無線LAN端末の構成図である。尚、第五の実施の形態と同様な構成のものについては、同一の番号を付して、詳細な説明は省略する。
【0187】
図27に示すように無線LAN端末は、アンテナ部2301、無線LANインターフェース2302、通信処理部2303、上位アプリケーション処理部2304、伝搬時間測定部2305、伝搬時間測定要求処理部2306、有線LANインターフェース2307、距離推定要求処理部2401、位置推定要求処理部2701などから構成される。但し、有線LANインターフェース2307は必須ではない。
【0188】
次に、端末における動作について、説明する。
【0189】
図18は、端末における処理フローを示す図である。
【0190】
無線LAN端末の通信処理部2303は、無線LANインターフェース2302を介して測位サーバー1201からの位置推定要求を受信すると、位置推定要求処理部2701に端末位置の推定処理を指示する。位置推定要求処理部2701は、距離推定要求処理部2401に測定要求に含まれていた基地局との伝搬距離の推定を指示する。距離推定要求処理部2401は、測位サーバー1201に指定された基地局の中から距離推定処理が終わっていない基地局を選択し(ステップ1801)、伝搬時間測定要求処理部2306に選択した基地局との伝搬時間の測定処理を指示する。伝搬時間測定要求処理部2306は、要求鮮度情報が利用可能かどうかを確認し(ステップ1802)、要求鮮度情報があらかじめ端末に登録されている場合や、測位サーバー1201からの位置推定要求が要求鮮度情報を含んでいる場合など、要求鮮度情報が利用可能な場合には(ステップ1802のYes)、要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持しているかどうかを確認し(ステップ1803)、要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持している場合には(ステップ1803のYes)、その伝搬時間測定結果を利用する。要求鮮度情報が利用可能でない場合(ステップ1802のNo)や要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果が利用可能でない場合(ステップ1803のNo)には、伝搬時間測定要求処理部2306は基地局との伝搬時間の測定を伝搬時間測定部2305に指示する。伝搬時間測定部2305は、第一の実施の形態で示したような手段によって端末との間の伝搬時間の測定を行なう(ステップ1804)。
【0191】
伝搬時間測定に測定対象の端末からのACKパケットもしくはDataパケット等の応答パケットを正常に受信できず伝搬時間の測定に失敗した場合には(ステップ1805のNo)、再測定を行なうかどうかを判断し(ステップ1806)、再測定を行なうと判断した場合には(ステップ1806のYes)、再度測定を行なう(ステップ1804)。再測定回数が上限値に達した等の理由で再測定を行なわないと判断した場合には(ステップ1806のNo)、測位サーバーにエラーを応答する(ステップ1807)。伝搬時間の測定に成功した場合には(ステップ1805のYes)、測定結果を距離推定要求処理部2401に応答する。距離推定要求処理部2401は、伝搬時間に基づいて基地局との距離の推定処理を行う(ステップ1808)。距離推定要求処理部2401は、測位サーバー1201に指定された基地局すべてに対する距離推定処理を終了したかどうかを判断し(ステップ1809)、測位サーバー1201に指定された基地局すべてに対する距離推定処理が終了するまでステップ1801からステップ1809を繰り返す。測位サーバー1201に指定された基地局すべてに対する距離推定処理が終了した場合には(ステップ1809のYes)、距離推定要求処理部2401は、位置推定要求処理部2701に距離推定結果を応答する。位置推定要求処理部2701は、距離推定結果に基づき端末の位置推定処理を行ない(ステップ1810)、位置推定結果を測位サーバー1201に応答する(ステップ1811)。端末における位置推定処理の別な方法としては、過去の位置推定結果が利用可能な場合には常にその推定結果を応答する方法などが考えられる。また、ステップ1804における伝搬時間測定処理においては、図2もしくは図3に示したような方法を用いて端末は基地局との間の伝搬時間を測定する。端末は測定対象の基地局が使用している無線チャネルを用いて伝搬時間の測定を行う。第一の実施の形態において、図2もしくは図3に示す方法を用いて伝搬時間を測定する場合には、データパケットとしてダミーのデータを送信しても、ダミーの制御パケットを送信してもよい。この場合、ダミーのデータとして、Null function/Null frameを利用して伝搬時間を測定する。
【0192】
上述した実施形態では、端末の位置を特定する方法について説明したが、設置位置が不明な基地局の位置を特定する場合に用いることも可能である。この場合、本実施形態において、測位サーバー1201、もしくは基地局が端末に対して行っていた処理を設置位置が不明な基地局に対して行ない、本実施例において端末が行っていた処理を設置位置が不明な基地局が行うことで、設置位置が不明な基地局の位置を特定することが可能となる。
【発明の効果】
本発明によると、IEEE802.11無線LANシステムのような非同期通信を行う無線パケット通信システムにおいて、基地局間、及び基地局と端末との間の同期をとることなく、信号伝搬時間を用いた端末の位置特定を簡易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態にかかる無線パケット通信システムの構成図である。
【図2】本発明の無線信号の伝搬時間の測定方法を示す図である。
【図3】本発明の無線信号の伝搬時間の測定方法を示す図である。
【図4】本発明の無線信号の伝搬時間の測定方法を示す図である。
【図5】本発明の無線信号の伝搬時間の測定方法を示す図である。
【図6】本発明の無線信号の伝搬時間の測定方法を示す図である。
【図7】本発明の無線局の位置推定方法を示す図である。
【図8】本発明の無線局の位置推定方法を示す図である。
【図9】本発明の無線局の位置推定方法を示す図である。
【図10】本発明の無線局の無線LANインターフェースの構成を示す図である。
【図11】本発明の無線局が有線ネットワークインタフェースを持つときの構成を示す図である。
【図12】本発明の測位サーバーの構成を示す図である。
【図13】本発明の測位サーバーの処理フローを示す図である。
【図14】本発明の基地局の処理フローを示す図である。
【図15】本発明の測位サーバーの別な処理フローを示す図である。
【図16】本発明の無線端末の処理フローを示す図である。
【図17】本発明の測位サーバーの別な処理フローを示す図である。
【図18】本発明の無線端末の別な処理フローを示す図である。
【図19】本発明の測位サーバーの別な構成を示す図である。
【図20】本発明の基地局の構成を示す図である。
【図21】本発明の基地局の別な構成を示す図である。
【図22】本発明の測位サーバーの別な処理フローを示す図である。
【図23】本発明の無線端末の構成を示す図である。
【図24】本発明の無線端末の別な構成を示す図である。
【図25】本発明の測位サーバーの別な処理フローを示す図である。
【図26】本発明の測位サーバーの別な構成を示す図である。
【図27】本発明の無線端末の別な構成を示す図である。
【図28】本発明の無線端末の別な処理フローを示す図である。
【図29】本発明の無線端末の別な処理フローを示す図である。
【符号の説明】
101、102、103 無線基地局
104、105、106、107 無線端末
108 ネットワークスイッチ
109 測位サーバー
110、111、112 無線基地局101、102、103の通信エリア
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の無線局によって構成される無線パケット通信システム及びそれに関連する技術に関し、特にIEEE802.11標準仕様で規定される無線通信方式を用いて通信する無線端末の位置を特定する機能を有するに無線LANシステム及びそれに関連する技術関する。
【従来の技術】
無線による高速データ伝送を実現するシステムとして普及が進んでいる無線パケット通信システムに、無線LANシステムがある。無線LANシステムの代表的なものとして、IEEEが標準仕様を決めているIEEE802.11がある(例えば、非特許文献1参照。)。このIEEE802.11で用いる物理レイヤの無線通信方式のオプション仕様としてIEEE802.11a及びIEEE802.11bなどがある(例えば、非特許文献2及び非特許文献3参照。)。
【0002】
これらのIEEE802.11に基づいた無線LANシステムは、複数の無線局で一つの無線リンクを構成している。このような一つの無線リンクを構成している無線局は、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)によって一つの無線チャネルを共用している。又、一つの無線リンクを構成している無線局の基地局と端末とは非同期で通信しており、共通の時計等は保持していない。
【0003】
一方、近年、IEEE802.11に基づいた無線LANシステムにおける端末の位置を特定する技術がいくつか提案されている。
【0004】
例えば、複数の基地局において、位置を推定する対象である端末からの受信信号の受信電力RSSI(Received Signal Strength Indicator)を測定し、このRSSIの測定結果とあらかじめ測定しておいたRSSIとを比較することで、位置推定対象である端末の位置を推定する方法が提案されている(例えば、非特許文献4参照。)。
【0005】
また、基地局間を同期させ、複数の基地局において端末が送信するパケットの到着時刻差TDOA(Time Difference Of Arrival)を測定することで端末の位置を特定する方法も提案されている(例えば、非特許文献5参照。)。
【0006】
【非特許文献1】
Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specifications, ISO/IEC 8802−11:1999 Edition
【非特許文献2】
Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) specifications; High−speed Physical Layer in the 5 GHz Band, ISO/IEC 8802−11:1999/Amd 1:2000 Edition
【非特許文献3】
Wireless LAN MediumAccess Control (MAC) and Physical Layer (PHY) specifications: Higher−SpeedPhysical Layer Extension in the 2.4 GHz Band, ANSI/IEEE Std 802.11, 1999 Edition
【非特許文献4】
Asim Smailagic 他、”Location Sensing and Privacy in a Context−aware Computing Environment”, IEEE wireless communications, Volume: 9, Issue: 5, Oct 2002
【非特許文献5】
荻野 他、” 無線LAN統合アクセスシステム(1)−位置検出システムの検討−”, 電子情報通信学会 2003年総合大会、B−5−203, 2003年3月
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、文献5の表1にも記載されているように、文献4に記載されているRSSIを用いる方式は、周辺環境の影響を受けやすく、測定結果の信頼性が低いという問題がある。又、文献5に記載されているTDOAやTOA(Time Of Arrival)等の信号伝搬時間を用いる方式は、測定結果の信頼性は高いが基地局間、若しくは基地局と端末との間の同期が必要であるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて発明されたものであって、その目的は、IEEE802.11無線LANシステムのような非同期通信する無線パケット通信システムにおいて、基地局間、若しくは基地局と端末との間で同期させることなく、端末の位置特定を簡易に実現することである。
【課題を解決するための手段】
上記本発明の目的を達成するために、基地局と端末との間でパケットを交換し、一方の無線局がパケットを送出後、相手の無線局が応答パケットを返信するときに、パケット送出から応答パケットの受信までにかかる時間を測定し、相手の無線局側でのパケット受信終了から応答パケット送出までの時間を推定することで、2つの無線局間の無線信号の伝搬時間を推定し、その伝搬時間を元に距離を推定し、位置が既知である複数の基地局からの距離を用いて端末の位置を特定する。
【0008】
ここで、無線信号の伝搬時間の測定は無線基地局が行うことも考えられるし、無線端末が行うことも考えられる。
【0009】
無線局間の距離推定は、無線基地局が行う場合や無線端末が行う場合、もしくは各無線基地局と有線ネットワークで接続された測位サーバーが行う場合が考えられる。
【0010】
推定した距離を用いた端末の位置推定は、測位サーバーが行う場合と、無線端末が行う場合が考えられる。
【0011】
また、測定した伝搬時間や推定した位置には、各無線機器ごとの誤差や伝搬環境に依存する誤差が含まれるため、無線基地局、無線端末、測位サーバーは、これらの誤差を補正する手段を持つ。
【0012】
より具体的には、上記本発明の目的を達成するための第一の発明は、無線パケット通信システムであって、
位置が既知である既知無線局と、位置を推定する位置推定無線局との間で送受信される無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段と、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記既知無線局と前記位置推定無線局との間の距離を算出する距離算出手段と、
前記算出された距離に基づいて、前記位置推定無線局の位置を推定する位置推定手段と
を有することを特徴とする。
【0013】
上記本発明の目的を達成するための第二の発明は、上記第一の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記既知無線局が、前記位置推定無線局に無線パケットの送信を開始してから、前記位置推定無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0014】
上記本発明の目的を達成するための第三の発明は、上記第一の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記既知無線局が、前記位置推定無線局に無線パケットの送信を開始してから、前記位置推定無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記既知無線局が前記位置推定無線局に無線パケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する算出手段と
を有することを特徴とする。
【0015】
上記本発明の目的を達成するための第四の発明は、上記第一の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記既知無線局が、前記位置推定無線局に無線パケットの送信を終了してから、前記位置推定無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0016】
上記本発明の目的を達成するための第五の発明は、上記第一の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記既知無線局が、前記位置推定無線局に無線パケットの送信を終了してから、前記位置推定無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
予め定められた時間である規定時間を前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する算出手段と
を有することを特徴とする。
【0017】
上記本発明の目的を達成するための第六の発明は、上記第二の発明から第5の発明のいずれかにおいて、前記既知無線局は、
前記応答パケットを受信した際、応答パケットを正常に受信できたかどうかを判断し、応答パケットを正常に受信できなかったと判断した場合、伝搬時間の測定のやり直しを前記伝播時間測定手段に通知する手段
を有することを特徴とする。
【0018】
上記本発明の目的を達成するための第七の発明は、上記第一の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記位置推定無線局が、前記既知無線局に無線パケットの送信を開始してから、前記既知無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0019】
上記本発明の目的を達成するための第八の発明は、上記第一の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記位置推定無線局が、前記既知無線局に無線パケットの送信を開始してから、前記既知無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記位置推定無線局が前記既知無線局に無線パケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する算出手段と
を有することを特徴とする。
【0020】
上記本発明の目的を達成するための第九の発明は、上記第一の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記位置推定無線局が、前記既知無線局に無線パケットの送信を終了してから、前記既知無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0021】
上記本発明の目的を達成するための第十の発明は、上記第一の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記位置推定無線局が、前記既知無線局に無線パケットの送信を終了してから、前記既知無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
予め定められた時間である規定時間を前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する算出手段と
を有することを特徴とする。
【0022】
上記本発明の目的を達成するための第十一の発明は、上記第七から第十の発明のいずれかにおいて、前記位置推定無線局は、
前記応答パケットを受信した際、応答パケットを正常に受信できたかどうかを判断し、応答パケットを正常に受信できなかったと判断した場合、伝搬時間の測定のやり直しを前記伝播時間測定手段に通知する手段
を有することを特徴とする。
【0023】
上記本発明の目的を達成するための第十二の発明は、位置を推定する無線端末と、無線基地局と、測位サーバーとを有する無線パケット通信システムであって、
前記無線基地局は、
前記無線端末と送受信する無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段を有し、
前記測位サーバーは、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段とを有することを特徴とする。
【0024】
上記本発明の目的を達成するための第十三の発明は、無線パケット通信システムであって、
位置が既知である無線基地局と、無線端末と、前記無線基地局と接続している測位サーバーとを有し、
前記無線基地局は、
位置を推定する無線端末との間で送受信する無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段と、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と
を有し、
前記測位サーバーは、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段を有することを特徴とする。
【0025】
上記本発明の目的を達成するための第十四の発明は、上記第十二又は第十三の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末に無線パケットの送信を開始してから、前記無線端末からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0026】
上記本発明の目的を達成するための第十五の発明は、上記第十二又は第十三の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末に無線パケットの送信を開始してから、前記無線端末からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記無線基地局が、前記無線端末に無線パケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする。
【0027】
上記本発明の目的を達成するための第十六の発明は、上記第十二又は第十三の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末に無線パケットの送信を終了してから、前記無線端末からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0028】
上記本発明の目的を達成するための第十七の発明は、上記第十二又は第十三の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末に無線パケットの送信を終了してから、前記無線端末からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
予め定められた時間である規定時間を前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする。
【0029】
上記本発明の目的を達成するための第十八の発明は、上記第十四から第十七のいずれかの発明において、前記無線基地局は、
前記応答パケットを受信した際、応答パケットを正常に受信できたかどうかを判断し、応答パケットを正常に受信できなかったと判断した場合、伝搬時間の測定のやり直しを前記伝播時間測定手段に通知する手段
を有することを特徴とする。
【0030】
上記本発明の目的を達成するための第十九の発明は、上記第十二又は第十三の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末にブロードキャストパケットの送信を開始してから、前記無線端末からのデータパケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0031】
上記本発明の目的を達成するための第二十の発明は、上記第十二又は第十三の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末にブロードキャストパケットの送信を開始してから、前記無線端末からのデータパケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記無線基地局が、前記無線端末にブロードキャストパケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする。
【0032】
上記本発明の目的を達成するための第二十一の発明は、上記第十二又は第十三の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末にポーリングパケットの送信を開始してから、前記無線端末からのデータパケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0033】
上記本発明の目的を達成するための第二十二の発明は、上記第十二又は第十三の発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末にポーリングパケットの送信を開始してから、前記無線端末からのデータパケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記無線基地局が、前記無線端末にポーリングパケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする。
【0034】
上記本発明の目的を達成するための第二十三の発明は、上記第十四から第二十一のいずれかの発明において、前記無線基地局は、
前記データパケットを受信した際、データパケットを正常に受信できたかどうかを判断し、データパケットを正常に受信できなかったと判断した場合、伝搬時間の測定のやり直しを前記伝播時間測定手段に通知する手段
を有することを特徴とする。
【0035】
上記本発明の目的を達成するための第二十四の発明は、無線パケット通信システムであって、
位置が既知である無線基地局と、無線端末と、前記無線基地局と接続している測位サーバーとを有し、
位置を推定する無線端末は、
前記無線基地局との間で送受信する無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段
を有し、
前記測位サーバーは、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段と
を有することを特徴とする。
【0036】
上記本発明の目的を達成するための第二十五の発明は、無線パケット通信システムであって、
位置が既知である無線基地局と、無線端末と、前記無線基地局と接続している測位サーバーとを有し、
位置を推定する無線端末は、
前記無線基地局との間で送受信する無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段と、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と
を有し、
前記測位サーバーは、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段を有することを特徴とする。
【0037】
上記本発明の目的を達成するための第二十六の発明は、無線パケット通信システムであって、
位置が既知である無線基地局と、無線端末と、前記無線基地局と接続している測位サーバーとを有し、
位置を推定する無線端末は、
前記無線基地局との間で送受信する無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段と、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と
前記算出された距離に基づいて、自身の位置を推定し、その推定した位置を前記測位サーバーに送信する位置推定手段と
を有することを特徴とする。
【0038】
上記本発明の目的を達成するための第二十七の発明は、上記第二十四から第二十六のいずれかの発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線端末が、前記無線基地局に無線パケットの送信を開始してから、前記無線基地局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0039】
上記本発明の目的を達成するための第二十八の発明は、上記第二十四から第二十六のいずれかの発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線端末が、前記無線基地局に無線パケットの送信を開始してから、前記無線基地局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記無線端末が前記無線基地局に無線パケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする。
【0040】
上記本発明の目的を達成するための第二十九の発明は、上記第二十四から第二十六のいずれかの発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線端末が、前記無線基地局に無線パケットの送信を終了してから、前記無線基地局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする。
【0041】
上記本発明の目的を達成するための第三十の発明は、上記第二十四から第二十六のいずれかの発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記無線端末が、前記無線基地局に無線パケットの送信を終了してから、前記無線基地局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
予め定められた時間である規定時間を前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする。
【0042】
上記本発明の目的を達成するための第三十一の発明は、上記第二十七から第三十のいずれかの発明において、前記無線端末は、
前記応答パケットを受信した際、応答パケットを正常に受信できたかどうかを判断し、応答パケットを正常に受信できなかったと判断した場合、伝搬時間の測定のやり直しを前記伝播時間測定手段に通知する手段
を更に有することを特徴とする。
【0043】
上記本発明の目的を達成するための第三十二の発明は、上記第一、第十二、第十三及び第二十四から第二十六のいずれかの発明において、前記伝播時間測定手段は、
前記伝播時間を、予め定められた補正時間に基づいて補正する補正手段
を有することを特徴とする。
【0044】
上記本発明の目的を達成するための第三十三の発明は、上記第三十二の発明において、前記補正時間は、フロア情報に基づいて設定されることを特徴とする。
【0045】
上記本発明の目的を達成するための第三十四の発明は、上記第三十二の発明において、前記補正時間は、電波伝搬情報に基づいて設定されることを特徴とする。
【0046】
上記本発明の目的を達成するための第三十五の発明は、無線パケット通信システムにおける、無線局位置推定方法であって、
位置が既知である既知無線局と、位置を推定する対象である位置推定無線局との間で送受信される無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定ステップと前記測定した伝播時間に基づいて、前記既知無線局と前記位置推定無線局との間の距離を推定する距離推定ステップと、
前記推定された距離に基づいて、前記位置推定無線局の位置を推定する位置推定ステップと
を有することを特徴とする。
【0047】
上記本発明の目的を達成するための第三十六の発明は、位置を推定する無線端末と、無線基地局と、前記無線端末の位置を推定する測位サーバーとを有する無線パケット通信システムにおける無線基地局であって、
前記無線基地局は、前記位置を推定する無線端末と送受信される無線パケットの伝搬時間を測定し、測定された伝搬時間を前記測位サーバーに送信する伝播時間測定手段を有することを特徴とする。
【0048】
上記本発明の目的を達成するための第三十七の発明は、位置を推定する無線端末と、無線基地局と、前記無線端末の位置を推定する測位サーバーとを有する無線パケット通信システムにおける無線端末であって、
前記無線端末は、前記無線基地局と送受信される無線パケットの伝搬時間を測定し、測定された伝搬時間を前記無線基地局に送信する伝播時間測定手段を有することを特徴とする。
【0049】
上記本発明の目的を達成するための第三十八の発明は、ネットワーク内の無線端末の位置を推定する測位サーバーであって、
既知の無線基地局と位置を推定する無線端末との間で送受信される無線パケットの伝搬時間を受信し、この伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段と
を有することを特徴とする。
【0050】
上記本発明の目的を達成するための第三十九の発明は、位置を推定する無線端末と、無線基地局と、前記無線端末の位置を推定する測位サーバーとを有する無線パケット通信システムにおける前記無線基地局のプログラムであって、前記プログラムは前記無線基地局を、
前記位置を推定する無線端末と送受信される無線パケットの伝搬時間を測定し、測定された伝搬時間を前記測位サーバーに送信する伝播時間測定手段として機能させることを特徴とする。
【0051】
上記本発明の目的を達成するための第四十の発明は、位置を推定する無線端末と、無線基地局と、前記無線端末の位置を推定する測位サーバーとを有する無線パケット通信システムにおける前記無線端末のプログラムであって、前記プログラムは前記無線端末を、
前記無線基地局と送受信される無線パケットの伝搬時間を測定し、測定された伝搬時間を前記無線基地局に送信する伝播時間測定手段として機能させることを特徴とする。
【0052】
上記本発明の目的を達成するための第四十一の発明は、ネットワーク内の無線端末の位置を推定する測位サーバーのプログラムであって、前記プログラムは前記測位サーバーを、
既知の無線基地局と位置を推定する無線端末との間で送受信される無線パケットの伝搬時間を受信し、この伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段として機能させることを特徴とする。
【発明の実施の形態】
本発明における第一の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0053】
第一の実施の形態では、IEEE802.11規格に従い、互いに同期していない複数の無線局が同一無線チャネルを共有して通信し、他の無線局が通信していないと判断した時にデータを送信する、無線LANシステムにおける基地局と端末との間で送受信されるデータの伝播時間を測定し、この測定結果に基づいて距離を推定し、端末の位置を推定する方法について説明する。尚、本実施の形態では、基地局と端末との間を測定する方法について説明するが、基地局間を測定する場合にも用いても良い。
【0054】
図1は、無線LANシステムを示す構成図である。図2〜図6は、基地局と端末との間の距離を推定するのに必要な、基地局間、若しくは基地局と端末との間のデータの伝播時間を測定する方法を説明するための図である。
【0055】
図1において、101,102及び103は基地局であり、104,105,106及び107は端末であり、108はスイッチであり、109は測位サーバーである。尚、基地局、及び端末は、図示した以外にも複数あるものとする。
【0056】
測位サーバー109は、端末104〜107の現在位置を特定する機能を有する制御装置である。
【0057】
スイッチ108は、基地局101〜103の各々と、測位サーバー109と、他のネットワーク機器とを有線ネットワークで接続するためのものである。
【0058】
上述の構成における、無線LAN基地局と無線LAN端末との間で送受信されるデータの伝播時間を推定する方法について説明する。尚、本実施形態において、無線LAN基地局101〜103と無線LAN端末104〜107とは、IEEE802.11規格に従って通信を行うものとする。又、本実施形態では、測位サーバー109が各基地局、もしくは端末からの距離推定結果を収集して端末の位置を特定するものとする。
【0059】
尚、各無線局の送受信制御(アクセスコントロール)の方式として、現在、IEEE802.11規格では、DCF(Distributed Coordinate Function)とPCF(Point Coordinate Function)とが標準化されているが、まず、図2〜図5を用いて、DCFを用いて通信している無線LANシステムにおける、無線局間の伝搬時間を推定して距離を推定する方法を説明する。
【0060】
尚、DCFによる通信において、送信側の無線局が特定の無線局宛(UNICAST)のパケット(Frame)を送信した場合、受信側の無線局は無線伝送路で生じる誤りが受信したデータパケットに含まれていないかどうかを確認する。誤りが含まれてない場合、応答パケットACKを送信元の無線局に対して返信する。ここで送信されるパケットは、データパケット若しくは、制御パケットである。
【0061】
図2は、データパケットの送信側である無線局1とデータパケットの受信側である無線局2との間でのデータパケットの送受関係を示している。尚、DCFによる通信において基地局と端末との間の距離を推定する場合、基地局を送信側の無線局とする方法と基地局を受信側の無線局とする方法の2通りの場合を考えることができる。そのため、本実施例では、基地局と端末とを区別せずに、無線局1と無線局2として説明する。
【0062】
図2において、T1は、無線局1から送信されたデータパケットが無線局2に到達するのに必要な伝搬遅延の時間である。T2は、無線局2から送信されたACKが無線局1まで到達するのに必要な伝搬遅延の時間である。T3は、無線局2がデータパケットの受信を終了してからACKを送信するまでに必要な時間である。これは、IEEE802.11規格においては、受信側のACK応答までの時間としてSIFS(Short Inter Frame Space)と定義されている。T4は、データパケットの送信に必要とされる時間であり、これはデータパケット長と伝送レートとに依存される。T5は、送信側の無線局1でデータパケット送信開始からACK受信開始までの時間であり、T1,T2,T3,及びT4を合わせた時間となる。
【0063】
ここで、T4はデータパケット長と伝送レートによって決まる時間であり、送信側の無線局1では容易に算出できる時間である。T3で示されるSIFSは、IEEE802.11規格では物理層に用いる規格で決まる値とされており、例えばIEEE802.11a規格ではSIFS時間として16μs(マイクロ秒)という値が規定されている。同様にIEEE802.11B規格ではSIFS時間として10μs(マイクロ秒)という値が規定されている。よって、IEEE802.11規格に従って通信する無線LANシステムにおいては、用いられる物理層の規格の違いによりSIFSの値が変わるものの、同一の物理層の規格に従って通信する無線局においてはSIFSの値は固定値である。よって、T5を構成する時間要素のうちT3,T4は、送信側の無線局1において容易に推定することができるので、時間(T1+T2)を導出することができる。
【0064】
更に、無線LANを用いる場合、無線局1から無線局2への伝搬遅延T1と、無線局2から無線局1への伝搬遅延T2とは同一であると考えることができるので、送信側の無線局1においてはT5を測定することで無線局2との間の伝搬遅延(T1=T2)を求めることができる。無線信号の伝搬速度は光速であるため、伝搬時間に光速を乗じることで伝搬距離を求めることができる。このことから、無線局1は、データパケット送信開始からACK受信開始までの時間T5を測定し、無線局1と無線局2との間の伝搬遅延(T1=T2)を求めることで、無線局1と無線局2との間の伝搬時間を推定し、伝搬距離を推定することができる。
【0065】
尚、IEEE802.11規格では、DCFにおいては上述のデータパケット送信−ACK受信というアクセス手順の他に、RTS(Request To Send)−CTS(Clear To Send)−データパケット−ACKというアクセス手順が規定されている。このRTS−CTS−データパケット−ACK手順においても、各パケットの送信間隔はSIFSで規定されている。よって、図2のデータパケットをRTSに、ACKをCTSに置き換えて、RTS送信からCTS受信開始までの時間を計測することでも無線局1と無線局2との間の距離を推定することができる。また、同様に図2のデータパケットをCTS、ACKをデータパケットに置き換えて、CTS送信からデータパケット受信開始までの時間を計測することで無線局1と無線局2との間の距離を推定することも可能である。これらの場合、T4のデータパケット送信時間をそれぞれRTS送信時間、若しくはCTS送信時間に置き換えればよい。
【0066】
次に、DCFを用いて通信する無線LANシステムにおける基地局と端末との間のデータの伝播時間を測定する別な方法を説明する。
【0067】
図3は、無線局1をデータパケットの送信側とし、無線局2を受信側として、無線局1と無線局2との間でのパケットの送受信関係を示している。尚、ここでも、基地局と端末との間の距離を推定する場合には、基地局を送信側の無線局とする方法と受信側の無線局とする方法の2通りの場合を考えることができる。そのため、上述した方法と同様に、基地局と端末とを区別せずに、無線局1と無線局2として説明する。また、図3に示す方法は図2に示した方法とほぼ同一であるが、図2では測定時間がデータパケット送信開始からACK受信開始までの時間T5であったが、図3では測定する時間がデータパケットの送信終了時点からACKの受信開始までの時間T6である点が異なる。
【0068】
送信側である無線局1は、データパケットの送信終了時点からACKの受信開始までの時間T6を測定し、SIFSであるT3をT6から減ずることで、無線局2との間の伝搬遅延(T1=T2)を求めることができる。無線信号の伝搬速度は光速であるため、伝搬時間に光速を乗じることで伝搬距離を求めることができる。また、本方法を用いると、送信するデータパケット長や伝送レートの影響を考慮しなくてよいというメリットがある。
【0069】
尚、図3に示した方法も図2に示した方法と同様に、図2のデータパケットをRTSに、ACKをCTSに置き換えることによって、RTS−CTS−データパケット−ACK手順に適用することができる。この場合も、無線局1がRTS送信終了からCTS受信開始までの時間T6を測定し、SIFSのT3をT6から減ずることで、無線局2との間の伝搬遅延(T1=T2)を求めることができ、無線局1と無線局2との間の伝搬時間を推定することができる。又、データパケットをCTSに、ACKをデータパケットに置き換えることによっても、RTS−CTS−データパケット−ACK手順に適用することができる。
【0070】
次に、基地局と端末との間の伝搬時間を推定する別な方法を説明する。ここでは、基地局がBroadcastパケットを端末に送信した時に、基地局への送信データパケットを保持している端末が、基地局のBroadcastパケットの送信終了後、ある時間だけ送信を延期した後、データパケットを送信する場合、基地局が端末にBroadcastパケットの送信を開始してから、端末からのデータパケット受信までの時間T9を測定することで、基地局と端末との間の伝搬時間を推定し、距離を推定する方法について説明する。
【0071】
図4は、基地局と端末との間の送受信における時間関係を示した図である。
【0072】
図4に示した通り、基地局がBroadcastパケットを送信した場合、基地局への送信データパケットを保持している端末は、基地局のBroadcastパケット送信が終わり、無線回線が未使用状態になってからDIFS(DCF Inter Frame Space)と呼ばれる固定時間と、Backoff(もしくはcontention window)と呼ばれるランダム時間とを足し合わせた時間T8だけ送信を延期した後、データパケットを送信する。
【0073】
時間T8の内、DIFSの時間は、IEEE802.11規格において、SIFS時間にSlot timeの2倍を足し合わせた時間となる。又、Slot timeは、IEEE802.11規格では、物理層に用いる規格で決まる値とされており、例えばIEEE802.11b規格ではTable101にSlotTimeとして20μs(マイクロ秒)という値が規定されている。同様に、802.11a規格ではSlotTimeとして9μs(マイクロ秒)という値が規定されている。よって、IEEE802.11規格に従って通信する無線LANシステムにおいては、用いられる物理層の規格の違いによりDIFSの値が変わるものの、同一の物理層の規格に従って通信する無線局においてはDIFSの値は固定値である。
【0074】
一方、時間T8の内、Backoffの時間は、IEEE802.11規格において、SlotTimeにランダム値をかけた時間と規定されている。ここでランダム値を仮にnとおくと、ランダム値nは整数であるため、Backoff時間はSlotTimeの整数倍の時間となる。
【0075】
このことから、図4に示すT8は、図5に示すように、SlotTimeの整数倍の時間とDIFS時間との和となる。よって、図4において基地局がBroadcastパケットの送信を開始してから、端末から送信されたデータパケットを受信するまでの時間T9を測定すると、T9はBroadcastパケットの送信時間T7とDIFS時間とBackoff時間と往復伝搬遅延時間(T1+T2)との和となっている。ここで、Broadcastパケット送信時間T7は、Broadcastパケット長と伝送レートとから容易に算出できる。又、DIFS時間は、物理層の規格で決まる固定値であるため、Backoff時間を推定することで往復伝搬遅延時間(T1+T2)を求めることができる。
【0076】
上述した通り、Backoff時間はSlotTimeの整数倍の時間となるため、このSlotTimeは、物理層の規格によって異なる値をとる。しかしながら、IEEE802.11aの場合、SlotTimeは9μs(マイクロ秒)であり、この時間を距離に換算すると2700mである。無線LANにおける基地局のセル半径は大きくても数100m程度と考えられるので、往復伝搬遅延時間(T1+T2)がSlotTimeを超えることはないと考えられる。よって、T9からBroadcastパケットの送信時間T7とDIFS時間を減じた時間をT10とすると、T10はBackoff時間と往復伝搬遅延時間(T1+T2)との和となる。T10の内、Backoff時間は、上述した通り、SlotTimeの整数倍の時間であるため、SlotTime×nがT10を超えない、最大のnを決めることで推定することができる。ここでnはT10をSlotTimeで割った値を超えない最大の整数値となる。このことから、T10からBackoff時間(SlotTime×n)を推定し、T10から減じることで、往復伝搬遅延時間(T1+T2)を求めることができる。
【0077】
例えば、IEEE802.11bを物理層に用いると、SlotTimeは20μs(マイクロ秒)である。そして、測定結果から求めたT10が161μs(マイクロ秒)であった場合、n=8であると推定することができ、Backoff時間(20μs×8)を160μsと推定することができる。よって、往復伝搬遅延時間(T1+T2)は、T10からBackoff時間を減じた1μsと推定することができる。この、往復伝搬遅延時間1μsから、基地局と端末との間の伝搬時間を推定することができる。無線信号の伝搬速度は光速であるため、伝搬時間に光速を乗じることで伝搬距離を求めることができる。
【0078】
図4に示した方法は、端末がRTS−CTS手順を用いてデータパケットを送信する場合に、Broadcast送信後からRTS受信開始までの時間を測定することで、伝搬時間を推定している。また、IEEE802.11規格において、DCFで規定されるアクセス手順においては、RTSパケットを送信する場合やRTS−CTS手順を用いずにデータパケットを送信する場合には、Broadcast受信後に限らず、図4に示したDIFS+Backoff時間待った後で送信開始することとなっている。よって、送信側の無線局がACKパケット送信後、次のRTSパケットもしくはデータパケットを受信開始するまでの時間を測定することでも、2つの無線局間の距離を推定することができる。また、図4に示した方法は図2と同様に送信開始から受信開始までの時間を測定する場合を例として示したが、図3と同様に送信終了から受信開始までの時間を測定することでも伝搬時間を推定することは可能である。
【0079】
図2から図5を用いてDCFを用いて通信する無線LANシステムにおける測定方法について説明したが、次に無線LAN端末と無線LAN基地局の間でPCFを用いて通信する場合について説明する。
【0080】
図6は、無線LAN端末と無線LAN基地局との間で、PCFを用いて通信する場合の、時間関係を示した図である。
【0081】
PCFによる通信では、基地局が特定の端末宛にPollと呼ばれるパケットを送信し、そのPollを受信した端末のみがデータパケットを送信することができる。PCFの特徴は、基地局がPollパケットの送信を制御することで端末間のパケット送信の衝突を避けることができる。
【0082】
図6に示すように、PCFを用いる場合には、Pollパケットを受信した端末は、SIFS時間後にデータパケットを送信しなくてはならない。よって、図2の例と同様に、基地局側はPollパケット送信開始からデータパケット受信開始までの時間T12を測定し、Pollパケット送信時間T11とSIFS時間T3とをT12から減ずることで、往復伝搬時間(T1+T2)を求めることができる。無線信号の伝搬速度は光速であるため、伝搬時間に光速を乗じることで伝搬距離を求めることができる。
【0083】
IEEE802.11規格において、基地局が送信するPollパケットは、データパケットと一緒に送信される場合もあり、端末が送信するACKパケットもデータパケットと一緒に送信される場合もある。しかしながら、どちらの場合にも、基地局のパケットの送信開始から、端末から送信されたパケットの受信開始までの時間を測定することで、端末までの伝搬時間を推定することができる。また、図6に示したPCFにおける方法においても、図3と同様に、基地局のパケット送信終了から、端末から送信されたパケットの受信開始までの時間を測定することでも、基地局と端末との伝搬時間を推定することは可能である。
【0084】
尚、図2から図6を用いて説明した基地局と端末との間の伝播時間の測定は、測位サーバー109の指示があった場合にのみに測定しても、端末もしくは基地局において通常送受信されるパケットの送受信処理時に常に行い、平均化等の統計をデータベースに保持しても、どちらでも良い。
【0085】
図2から図6を用いて、伝播時間を推定して、伝搬距離を推定する方法について説明したが、上述した基地局と端末との伝搬時間測定において、応答パケットに誤りが含まれていた場合や、受信パケットが伝搬時間の測定のために受信を期待しているパケットでなかった場合、あらかじめ設定されている待ち時間を越えても応答パケットを受信することができなかった場合など、測定不能になる可能性がある。
【0086】
例えば、図2、若しくは図3に示した伝搬時間測定方法において、無線局1が受信したACKパケットに誤りが含まれていた場合、無線局1は無線局2からのACKであるかどうかの判断ができないため、測定された伝搬時間を距離推定に用いることができない。また、無線局2が受信したDataパケットに誤りが含まれていた場合などには、無線局2はACKパケットを送信しない。そのため、無線局1はACKパケットを受信することができず、伝搬時間を測定することができない。同様に、図4から図6に示した伝搬時間測定方法においては、基地局が受信したDataパケットに誤りが含まれていた場合には、基地局は端末からのDataであるかどうかの判断ができないため、基地局は測定された伝搬時間を距離推定に用いることができない。本発明においては、そのような場合、測定を中止する、若しくは、再度測定するものとする。
【0087】
次に、上述した基地局と端末との間の距離推定方法を用いて無線端末の位置を特定する方法について説明する。
【0088】
図7は、3つの基地局からの距離と基地局の位置とを用いて端末位置を推定する方法を図示したものである。
【0089】
端末の位置を特定するために、まず、3つの基地局から端末までの距離を推定する。尚、基地局と端末との距離の推定は、上述した方法の内、いずれかの方法で推定する。基地局701からの距離R1と、基地局702からの距離R2と、基地局703からの距離R3とを用い、それぞれの基地局からの円の交点を求めることで端末位置を特定することができる。無線LAN基地局がビル内等に3次元的に配置される場合には、図7に示した円は球面となり3つの球面の交点を求めることで端末の位置が特定される。
【0090】
図8は、基地局と端末との距離を測ることができた基地局が2つしかなかった場合に、フロア情報を用いて端末位置を特定する方法を説明するための図である。図8における四角形804は、無線LANが設置される建物を示している。図8に示すように端末との距離を推定することができた基地局が2つしかない場合には、円を2つしか描くことができないため、端末位置の候補である円の交点は2点存在する。ここでフロア情報を用いることで端末位置を2点のうちの1点に絞り込むことができる場合がある。つまり、図8に示すように2つの交点のうち1点が建物の外に存在し、ビルの高層階である場合や電磁波をシールドする仕組みを窓や外壁に取り入れている場合など、建物外からのアクセスがないことが明らかである場合には、建物内に存在する交点を端末位置とすることができる。
【0091】
また、建物内部の壁やパーティションなどの影響により、端末と基地局との直線距離と、無線信号の伝搬距離とが一致しない場合がある。一例を図9に示す。図9に示す例では基地局901と端末902との通信は、間に壁があるため廊下の壁で反射した信号を用いて行なわれている。このような場合、実際に電波が伝搬した距離R1は、端末と基地局との直線距離R2よりも長くなってしまう。そのため図7のように単純に伝搬距離を元に描いた円の交点を求める方法では、推定される端末の位置に誤差が生じる可能性がある。このような場合には、あらかじめ電波がどのように伝搬するかを、建物データを元に推定したり、実際に試験端末を持ち歩いて事前に測定したりして、ある基地局からの伝搬距離がどのように分布するかの伝搬距離マップを作成し、実運用時の端末位置の推定に利用する方法などが考えられる。
【0092】
尚、上述した方法以外に、無線LAN基地局が設置される建物のフロア情報、間取り図などを用いて、端末位置の特定を補助してもよい。
【0093】
次に、図10を用いて、上述した、パケット送信からパケット受信までの時間(T5,T6,T9,T12)の測定地点について説明する。
【0094】
図10は、無線LAN端末の無線信号送受信部の一般的な構成を示す図である。
【0095】
無線LAN端末は、上位プロトコル処理部とのインターフェースを持ち、無線回線のアクセス制御を行うMAC部1001と、信号を変復調するベースバンド部1002と、無線周波数帯域との変換を行うRF/IF(Radio Frequency/Intermediate Frequency)部1003とを有する。
【0096】
無線LAN基地局と無線LAN端末との距離を推定するためには、無線局が測定する時間はパケットが空中を電波として伝搬している時間を測定する必要がある。つまり、パケットの送信開始もしくは送信完了、およびパケットの受信開始は、アンテナ部1004における信号の送受信の時間を測定する必要がある。そのためには図10の測定地点1でパケットの送受信の時間を測定する必要があるが、実際の回路においては測定地点1においてパケットの送受信の時間を測定することは困難である。そのため、実際の回路では測定地点2もしくは測定地点3で送受信の時間を測定することになる。
【0097】
測定地点2もしくは測定地点3で送受信の時間を測定した場合には、アンテナ部と実際のパケット送受信の測定地点との間の遅延時間を考慮して測定結果を補正する必要がある。例えば、測定地点2で送受信の時間を測定した場合、測定結果の時間にはベースバンド部1002とRF/IF部1003との処理遅延が含まれている。そのため、測定地点2において測定した時間を用いて算出した往復伝搬遅延時間(T1+T2)には、空中をパケットが伝搬していた時間に加え、ベースバンド部1002とRF/IF部1003とでの処理時間分の遅延時間が含まれており、推定する距離に誤差を生じることとなる。本誤差を修正する方法として、あらかじめBaseband部1002とRF/IF部1003とでの遅延時間を推定しておき、測定結果を補正する方法が考えられる。
【0098】
上述した以外の遅延時間の推定方法として、測定地点2もしくは測定地点3とアンテナ部との間の送受信信号を処理する際の遅延時間を実際に測定する方法や、距離が既知である端末との間の往復伝搬遅延時間を測定地点2もしくは測定地点3で測定し、実際の距離を信号が伝搬するのに必要な時間との差を導出し、その差をベースバンド部1002とRF/IF部1003との遅延時間とする方法を用いても良い。
【0099】
上述した方法で推定した遅延時間を用いた往復伝搬遅延分の補正は、基地局等の無線局自身で行うことも考えられるし、測位サーバーで補正することも考えられる。無線LAN基地局および無線LAN端末の無線信号送受信機が図10に示す以外の構成をとる場合にも、アンテナ部と実際のパケット送受信測定地点との間の遅延時間を考慮して測定結果を補正することが必要である。
【0100】
そこで、次に、距離の測定対象である無線局の無線通信回路に依存する誤差補正方法に関して説明する。
【0101】
上述したように、パケット受信側の無線局が、パケットを受信終了してからパケットを送信開始するまでの時間T3、及びT8は、IEEE802.11規格ではSIFS時間、及びSlotTimeとして規定されている。しかし、実際の無線LAN機器においては回路構成等の問題により規定されている時間と実際の回路における時間との間にずれが生じる場合がある。この場合、実際の回路における時間のずれは往復伝搬時間の誤差となり、推定する距離に誤差が生じることとなる。そのため、端末の位置を特定する際にはこの時間のずれを補正することで推定する端末位置の誤差を小さくすることができる。具体的には測定対象の無線LAN端末ごとの時間のずれを測位サーバーもしくは各基地局で保持し、伝搬時間の推定結果を補正することにより、推定する端末位置の誤差を小さくすることができる。また、この時間のずれは回路構成によるものであるため、無線LAN送受信機のメーカーや製品名が同じであれば時間のずれも同じである可能性が高い。そのため、測位サーバーもしくは基地局において、無線LAN送受信機のメーカーや製品名ごとの時間のずれの情報を保持し、測定対象の無線LAN端末の無線LAN送受信機のメーカーや製品名を特定し、推定した伝搬時間を補正することにより、推定する端末位置の誤差を小さくすることができる。尚、無線LAN送受信機のメーカーや製品名を特定する方法としては、測定対象の無線LAN端末のMACアドレスから推定する方法や、SNMP(Simple Network Management Protocol)によって取得したMIB(Management Information Base)情報内のメーカー名や製品名を利用する方法、若しくは事前に測位サーバー、又は基地局に無線LAN端末のMACアドレスやIPアドレスに対応したメーカー名および製品名のリストを持つ方法など、如何なる方法であっても良い。
【0102】
次に、図11を用いて、測定対象である無線局の無線通信回路に依存する誤差補正に関する別な方法を説明する。
【0103】
図11において、測定対象の無線LAN端末1102が無線LANインターフェースと有線LANインターフェースの双方とを備える場合を考える。これは、近年のノートパソコンは有線LANインターフェースを標準装備しているものが多く、無線LANインターフェースと有線LANインターフェースの双方を標準装備しているノートパソコンがあるためである。
【0104】
図11の無線LAN端末1102のように有線LANインターフェースと無線LANインターフェースの双方を備えている無線LAN端末を利用している場合には、有線LANが利用可能な場合に有線LANを使う場合が考えられる。例えば会社で無線LANを装備したノートパソコンを使っている場合に、自席にいるときには有線LANに接続し、会議等でノートパソコンを持ち歩く場合に無線LANを利用する場合などである。このような場合に、無線LAN端末1102が有線LANに接続されている場合には、測位サーバー1101は無線LAN端末1102がネットワークスイッチ1106の特定のポートに接続された有線LANケーブル1105を介して接続可能であることが容易に検出できる。よって、ネットワークスイッチ1106の特定のポートに接続された有線LANケーブルがどの位置に配線されているかなどの配線情報を測位サーバー1101が入手可能であれば、有線LANに接続中の無線LAN端末1102の現在位置が配線情報を元に特定できる。一方、無線LAN端末1102が有線LANに接続されていても、無線LANインターフェースを介して基地局1103と無線LAN端末1102はパケットの送受が可能である。よって、基地局1103は無線LAN端末1102との間の距離を推定することが可能である。一方、有線LANの配線情報を用いて特定した無線LAN1102の位置と基地局配置情報から得られる無線LAN基地局1103の位置とを用いて、無線LAN基地局1103と無線LAN端末1102との距離を算出することができる。よって、無線LANインターフェースを用いて無線LAN基地局1103が測定を行った結果を用いて推定した距離と、有線LAN配線情報と基地局配置情報を用いて算出した距離との差を出すことによって、無線LANインターフェースを用いて距離推定を行う場合の誤差を推定することができる。この誤差情報を測位サーバー1101等に保持することによって、無線LAN端末1102が有線LANから切り離された場合に無線LANインターフェースを用いて端末位置の推定を行う場合の推定結果に含まれる誤差を補正することができるようになる。
【0105】
次に、本発明における第二の実施の形態について説明する。第二の実施の形態では、基地局が位置推定対象である端末との間の伝搬時間を測定し、測位サーバーが端末の位置を推定する動作について説明する。
【0106】
図12は測位サーバーの構成図であり、図13は測位サーバーの動作を示すフロー図であり、図14は基地局の動作を示すフロー図であり、図20は基地局の構成図である。
【0107】
図12に示すように測位サーバー1201は有線LANインターフェース1203を介して有線LANネットワークに接続されている。
【0108】
位置推定要求処理部1202は、端末やその他アプリケーションサーバなどから,端末の位置の推定を要求する位置推定要求を受け付けるものである。位置推定要求には、IPアドレス、若しくはMACアドレスなどの端末IDと、要求する端末の位置情報の精度である要求精度が含まれている。尚、要求精度は位置推定要求に含まれていなくても良い。更に、位置推定要求処理部1202は、推定された端末の位置を端末位置情報としてその他アプリケーションサーバなどに応答するものである。
【0109】
基地局・端末制御部1204は、基地局や端末などの位置推定処理に関する要求を送受信するものである。
【0110】
端末接続情報管理部1205は、各無線LAN端末がどの基地局に接続しているかを管理するものである。
【0111】
位置推定部1206は、端末の位置を推定するものである。
【0112】
距離推定部1207は、基地局と端末との距離を推定するものである。
【0113】
データベース群1208は、無線LAN基地局の設置位置などの各種データベースを保持するものである。
【0114】
データベース群1208は、以下のデータベースを保持しているものとする。無線LAN基地局配置情報データベース1209は、無線LAN基地局がどこに配置されているかの配置情報を部屋番号や座標系として保持している。有線ネットワーク配線位置情報データベース1210は、有線ネットワークがどこに配線されているかという有線LANの配線情報を部屋番号や座席位置および座標系として保持している。フロア情報データベース1211は、無線LANおよび有線LANが利用される建物の構造情報を保持している。補正情報データベース1212は、各基地局および端末における伝搬遅延の測定結果を補正するための補正情報もしくは各基地局および端末において測定された伝搬遅延から求められる無線局間距離を補正するための補正情報もしくは各ハードウェアメーカおよび各製品の補正情報を保持している。伝搬情報データベース1213は、電波伝搬解析や実測等によって得られた、各基地局とフロア内の各位置にある端末との間の実際の電波伝搬状態を伝搬情報として保持している。端末接続情報データベース1215は、各無線LAN端末や各無線LAN基地局のMACアドレスやIPアドレスなどのネットワーク情報やハードウェアメーカなどの情報を保持する機器情報データベース1214、各端末がどの基地局に接続しているかという情報や、有線NWに接続している場合にどのスイッチのどのポートに接続しているかなどの情報を保持している。尚、これらのデータベースは、測位サーバー内部で持っても、測位サーバー1201の外部で持っても、どちらでも良い。測位サーバー1201の外部にデータベースを保持する場合には、測位サーバー1201は専用インターフェース、もしくは有線ネットワークを介してデータベースにアクセスする。また、図12に示したデータベースの中で最低限必要なのは、無線LAN基地局配置情報データベース1209であり、他のデータベースは必須ではない。
【0115】
外部アプリケーションインタフェース1216は、測位サーバー機能がWebサーバーやその他のアプリケーションと同一のハードウェア上で動作する場合にWebサーバー等の外部アプリケーションと通信するものである。
【0116】
図13を用いて、図12に示す測位サーバー1201の動作を説明する。
【0117】
位置推定要求処理部1202は、有線LANインターフェース1203、若しくは外部アプリケーションインタフェース1216を介して、位置推定要求を他のネットワーク機器、端末、又は外部アプリケーションから受け取ると、位置推定要求を受け取ったことを位置推定部1206に伝える。位置推定部1206は、位置推定対象である端末の接続状態を端末接続情報管理部1205に問い合わせる。端末接続情報管理部1205は端末接続情報データベース1215を参照して端末の有無線ネットワークへの接続状態を確認し、特定の端末の接続情報を位置推定部1206に応答する(ステップ1301)。位置推定部1206は、特定の端末の接続情報を受信すると、受信した接続状態を確認する(ステップ1302)。
【0118】
ここで、位置推定部1206が、特定の端末が有線インターフェースを介して有線ネットワークに接続していると判断した場合(ステップ1302のYes)、位置推定部1206は、有線ネットワーク配線位置情報のデータベース1210に特定の端末が接続している有線ネットワークの配線位置情報が利用可能かどうかを判断する(ステップ1313)。有線ネットワーク配線位置情報のデータベース1210内部に、該当する有線ネットワークの配線位置情報が保持されている場合には(ステップ1313のYes)、有線ネットワークの配線位置を位置推定要求処理部1202に応答し、位置推定要求処理部1202は、外部アプリケーションインタフェース1216、もしくは有線LANインターフェース1203を介して、外部アプリケーション、もしくは他のネットワーク機器や端末に応答する(ステップ1314)。
【0119】
一方、位置推定部1206が、位置推定対象の端末が有線インターフェースを介して有線ネットワークに接続されていないと判断した場合(ステップ1302のNo)、もしくは端末が有線LANインターフェースを介して接続している有線ネットワークの配線位置情報が利用できないと判断した場合(ステップ1313のNo)、位置推定部1206は端末が無線LANインターフェースを介して無線ネットワークに接続しているかどうかを確認する(ステップ1303)。
【0120】
ここで、位置推定部1206が、端末が無線ネットワークにも接続していないと判断した場合(ステップ1303のNo)、測位サーバー1201は端末の位置を要求してきた他のネットワーク機器、端末、外部アプリケーション等にエラーを応答する(1315)。
【0121】
一方、位置推定部1206が、位置推定対象である特定の端末が無線ネットワークに接続していると判断した場合(ステップ1303のYes)、端末が接続している無線ネットワークを管理している無線LAN基地局の位置情報を、無線LAN基地局配置情報データベース1209から取得する(ステップ1304)。
【0122】
位置推定部1206は、無線LAN基地局の位置情報を取得すると、
位置推定要求処理部1202が受け取った位置推定要求の中の要求精度が,無線LAN基地局配置情報データベース1209から取得した無線LAN基地局の位置情報の精度より上であるかどうかを確認する(ステップ1305)。要求精度が無線LAN基地局の位置情報の精度より上でない場合(ステップ1305のNo)、位置推定部1206は、特定の端末が接続している無線LAN基地局の位置情報を応答する(ステップ1316)。要求精度が無線LAN基地局の位置情報の精度より上である場合には(ステップ1305のYes)、位置推定部1206は、距離推定による端末の位置を特定するために、端末との距離を推定する基地局を選択する(ステップ1306)。尚、ステップ1306において、無線LAN基地局配置データベース1209、フロア情報データベース1211などから得られる情報を元に、複数の無線LAN基地局を選択する。
【0123】
次に位置推定部1206は、距離推定部1207に対して、選択した基地局の情報を通知する。距離推定部1207は、選択された基地局の情報を受け取ると、基地局・端末制御部1204と有線LANインターフェース1203とを介して、選択された無線LAN基地局に対して、位置推定対象である特定の端末との間の伝搬遅延を測定するように伝播時間測定要求を送信する(ステップ1307)。尚、ステップ1307で送信される伝播時間測定要求には、測定対象である特定の端末の情報が含まれている。この特定の端末の情報としては、端末のMACアドレス等のアドレス情報や端末が使用している無線チャネルの番号などの情報が含まれている。また、伝播時間測定要求は、要求する伝搬遅延情報の要求鮮度情報を含む場合もある。要求鮮度情報とは、測位サーバー1201がどの程度以前に取得された遅延情報ならば許容できるかを示す情報であり、絶対時刻もしくは測定要求送信時刻からの相対時刻で表される。尚、この要求鮮度情報は、伝播時間測定要求に含めても、既定値としてあらかじめ各基地局が保持してもどちらでも良い。
【0124】
伝搬時間測定要求を受信した基地局の処理は、図14を用いて後ほど説明する。
【0125】
距離推定部1207は、基地局における伝播時間の測定結果を基地局・端末制御部1204と有線LANインターフェース1203とを介して受信し(ステップ1308)、各基地局と端末との間の距離を推定する(ステップ1309)。尚、ステップ1309における各基地局と端末との間の距離推定では、各基地局から取得した伝搬時間情報を距離に換算する処理に加えて、補正情報データベース1212を用いた推定距離の誤差補正や、機器情報データベース1214を用いて、端末や基地局の無線LANインターフェースが用いているハードウェアメーカ情報や製品情報を取得し、その情報を元に補正情報データベース1212から補正情報を取得して行う誤差補正、などの誤差補正処理も合わせて行なわれる。
【0126】
距離推定部1207は、各基地局と端末との距離推定結果を位置推定部1206に報告し、位置推定部1206は第一の形態に記載した方法で端末の位置を推定する(ステップ1310)。また、ステップ1310における位置推定処理に関して、フロア情報データベース1211を用いた位置推定処理や、電波伝搬状態を保持する伝搬情報データベース1213を用いて図9に示したような反射等の伝搬環境の影響を考慮した位置推定処理などを行うことで、端末の位置を推定する。
【0127】
伝搬時間を測定できた基地局が不足した場合や、測定誤差や電波伝搬などの影響によりステップ1310における位置の推定ができなかった場合など、端末位置の推定処理に失敗した場合には(ステップ1311のNo)、測位サーバー1201は端末が接続している基地局の位置を応答する(ステップ1316)。一方、伝搬時間を用いた端末の位置推定処理が成功した場合には(ステップ1311のYes)、伝搬時間から推定した端末の位置情報を応答する(ステップ1312)。
【0128】
次に、伝搬時間測定要求を受信した基地局の処理について説明する。
【0129】
図20は、各無線LAN基地局の構成を示す図であり、図14は測定要求を受信したときの各無線LAN基地局における処理である。
【0130】
図20に示すように、無線LAN基地局は、アンテナ部2001、無線LANインターフェース2002、通信処理部2003、有線LANインターフェース2004、伝搬時間測定部2005、伝搬時間測定要求処理部2006などから構成される。尚、有線LANインターフェース2004は必須ではない。
【0131】
図14および図20を用いて各無線LAN基地局における処理を説明する。
【0132】
無線LAN基地局の通信処理部2003は、有線LANインターフェース2004を介して測位サーバー1201からの伝搬時間測定要求を受信すると、伝搬時間測定要求に書き込まれている端末との間の伝搬時間を測定するよう、伝搬時間測定要求処理部2006に指示する。伝搬時間測定要求処理部2006は、指示を受け取ると、要求鮮度情報が利用可能かどうかを確認する(ステップ1401)。要求鮮度情報があらかじめ基地局に登録されている、若しくは測位サーバー1201からの測定要求が要求鮮度情報を含んでいるなど、要求鮮度情報が利用可能な場合(1401のYes)、要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持しているかどうかを確認する(ステップ1402)。要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持している場合(ステップ1402のYes)、伝搬時間測定要求処理部2006は、その伝搬時間測定結果を通信処理部2003と優先LANインターフェース2004を介して、測位サーバー1201に応答する(ステップ1407)。要求鮮度情報が利用可能でない場合(ステップ1401のNo)や要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果が利用可能でない場合(ステップ1402のNo)、伝搬時間測定要求処理部2006は伝搬時間測定要求で指定された端末との伝搬時間の測定を伝搬時間測定部2005に指示する。伝搬時間測定部2005は、図2から図6に示したような手段によって端末との間の伝搬時間を測定する(ステップ1403)。尚、基地局は端末が使用している無線チャネルを用いて伝搬時間を測定する。伝搬時間測定に測定対象の端末からのACKパケットもしくはDataパケット等の応答パケットを正常に受信できず伝搬時間の測定に失敗した場合には(ステップ1404のNo)、再測定するかどうかを判断し(ステップ1405)、再測定すると判断した場合には(ステップ1405のYes)、再度測定する(ステップ1403)。
【0133】
一方、再測定回数が上限値に達した等の理由で再測定しないと判断した場合には(ステップ1405のNo)、測位サーバーにエラーを応答する(ステップ1406)。伝搬時間の測定に成功した場合には(ステップ1404のYes)、測定結果を伝搬時間測定要求処理部2006と通信処理部2003と優先LANインターフェース2004とを介して測位サーバー1201に伝播時間の測定結果を応答する(ステップ1407)。尚、基地局における処理として、過去の測定結果が利用可能な場合には常にその測定結果を応答する方法をとってもよい。
【0134】
尚、第一の実施の形態の図2、もしくは図3に示した方法を用いて伝搬時間を測定する場合には、データパケットとしてダミーのデータを送信しても、ダミーの制御パケットを送信してもよい。
【0135】
次に、本発明における第三の実施の形態について説明する。
【0136】
第二の実施の形態で説明した動作は、無線LAN基地局が伝搬時間を測定し、測位サーバー1201が測定した伝搬時間に基づいて、距離と位置とを推定する場合について説明した。第三の実施の形態では、無線LAN基地局が伝搬時間を測定して距離を推定し、この推定した距離を測位サーバー1201に応答する場合について説明する。
【0137】
図19は、第三の実施の形態における測位サーバー1201の構成図である。尚、第二の実施の形態と同様な構成のものについては、同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
【0138】
次に、第三の実施の形態における測位サーバー1201の動作について説明する。尚、第二の実施の形態におけるステップ1301〜ステップ1306と、ステップ1310〜1316と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0139】
図22は、無線LAN端末の位置を推定する動作のフローチャートである。
【0140】
位置推定部1206が各基地局に対して距離推定要求を送信する(ステップ2201)。距離推定要求を受信した基地局の処理は、後述する。
【0141】
距離推定結果を各基地局から受信し、受信した距離推定結果に基づいて、特定の端末の位置を推定する(ステップ2202)。
【0142】
次に基地局について説明する。
【0143】
図21は、第三の実施の形態における基地局の構成図である。尚、第二の実施の形態と同様な構成のものについては、同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
【0144】
距離推定要求処理部2101は、第二の実施の形態における距離推定部1207と同等のものである。
【0145】
次に、基地局における動作について説明する。
【0146】
図29は、基地局における動作を示すフロー図である。
【0147】
無線LAN基地局の通信処理部2003は、有線LANインターフェース2004を介して測位サーバー1201からの距離推定要求を受信すると、距離推定要求に書き込まれている端末との間の伝搬時間を測定するよう、伝搬時間測定要求処理部2006に指示する。伝搬時間測定要求処理部2006は、指示を受け取ると、要求鮮度情報が利用可能かどうかを確認する(ステップ2901)。要求鮮度情報があらかじめ基地局に登録されている、若しくは測位サーバー1201からの測定要求が要求鮮度情報を含んでいるなど、要求鮮度情報が利用可能な場合(2901のYes)、要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持しているかどうかを確認する(ステップ2902)。要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持している場合(ステップ2902のYes)、伝搬時間測定要求処理部2006は、その伝搬時間測定結果を距離推定部に応答する(ステップ2907)。要求鮮度情報が利用可能でない場合(ステップ2901のNo)や要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果が利用可能でない場合(ステップ2902のNo)、伝搬時間測定要求処理部2006は測定要求で指定された端末との伝搬時間の測定を伝搬時間測定部2005に指示する伝搬時間測定部2005は、図2から図6に示したような手段によって端末との間の伝搬時間を測定する(ステップ2903)。尚、基地局は端末が使用している無線チャネルを用いて伝搬時間を測定する。伝搬時間測定に測定対象の端末からのACKパケットもしくはDataパケット等の応答パケットを正常に受信できず伝搬時間の測定に失敗した場合には(ステップ2904のNo)、再測定するかどうかを判断し(ステップ2905)、再測定すると判断した場合には(ステップ2905のYes)、再度測定する(ステップ2903)。
【0148】
一方、再測定回数が上限値に達した等の理由で再測定しないと判断した場合には(ステップ2905のNo)、測位サーバーにエラーを応答する(ステップ2906)。伝搬時間の測定に成功した場合には(ステップ2904のYes)、測定結果を距離推定部に応答する(ステップ2907)。距離推定部は、受け取った測定結果を距離に変換し、通信処理部2003と優先LANインターフェース2004とを介して測位サーバー1201に推定距離を応答する(ステップ2908)。尚、推定距離の補正は、測位サーバー1201で行っても、基地局の距離推定要求処理部2101で行ってもよい。この場合、必要な補正情報は測位サーバー1201から各基地局に送信されるようにする。
【0149】
次に、本発明における第四の実施の形態について説明する。
【0150】
第四の実施の形態では、端末が基地局との伝搬時間を測定し、測位サーバー1201が基地局と端末との距離と位置とを推定する場合について説明する。
【0151】
第四の実施の形態における測位サーバーの構成は、第二の実施の形態と同じため、図12を用いる。
【0152】
測位サーバー1201における動作について説明する。尚、第二の実施の形態におけるステップ1301から1306までと、1309から1316までと同様のため、詳細な説明は省略する。
【0153】
図15は測位サーバー1201の動作を示すフロー図である。
【0154】
測位サーバー1201の位置推定部1206は、端末との距離を推定する基地局を選択すると(ステップ1306)、距離推定部1207に各基地局との距離推定を指示し、距離推定部1207は、基地局端末制御部1204と有線LANインターフェース1203を介して端末に対して、各基地局との伝搬時間測定要求を送信する(ステップ1501)。ステップ1501で送信される伝播時間測定要求には、ステップ1306で選択された基地局の情報が含まれている。基地局の情報としては、基地局のMACアドレス等のアドレス情報や基地局が使用している無線チャネルの番号などの情報が含まれている。測位サーバー1201からの伝播時間測定要求を受け取った無線LAN端末端末の動作について後述する。
【0155】
測位サーバー1201は、無線LAN端末端末での測定結果を受信すると(ステップ1502)、距離推定部1207において基地局と端末との間の距離を推定する(ステップ1309)。
【0156】
次に、無線LAN端末端末について説明する。
【0157】
図23は無線LAN端末の構成を示す図である。
【0158】
図23に示すように無線LAN端末は、アンテナ部2301、無線LANインターフェース2302、通信処理部2303、上位アプリケーション処理部2304、伝搬時間測定部2305、伝搬時間測定要求処理部2306、有線LANインターフェース2307などから構成される。尚、有線LANインターフェース2307は必須ではない。
【0159】
次に、無線LAN端末における動作について説明する。
【0160】
図16は、端末の動作を示すフロー図である。
【0161】
無線LAN端末の通信処理部2303は、無線LANインターフェース2302を介して測位サーバー1201から伝播時間測定要求を受信すると、伝搬時間測定要求処理部2306に測定要求に含まれている測定対象である基地局との伝搬時間の測定を指示する。伝搬時間測定要求処理部2306は、測定対象である基地局の中から未測定の基地局を選択する(ステップ1601)。
【0162】
次に、要求鮮度情報が利用可能かどうかを確認する(ステップ1602)。
【0163】
要求鮮度情報があらかじめ端末に登録されている場合や、測位サーバー1201からの測定要求が要求鮮度情報含んでいる場合など、要求鮮度情報が利用可能な場合には(ステップ1602のYes)、要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持しているかどうかを確認する(ステップ1603)。要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持している場合には(ステップ1603のYes)、その伝搬時間測定結果を利用する。要求鮮度情報が利用可能でない場合(ステップ1602のNo)や要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果が利用可能でない場合(ステップ1603のNo)には、伝搬時間測定要求処理部2306はステップ1601で選択した基地局との伝搬時間の測定を伝搬時間測定部2305に指示する。伝搬時間測定部2005は、第一の実施の形態で示したような手段によって端末との間の伝搬時間の測定を行なう(ステップ1604)。ここで、伝搬時間測定に測定対象の端末からのACKパケットもしくはDataパケット等の応答パケットを正常に受信できず伝搬時間の測定に失敗した場合には(ステップ1605のNo)、再測定を行なうかどうかを判断し(ステップ1606)、再測定を行なうと判断した場合には(ステップ1606のYes)、再度測定を行なう(ステップ1604)。再測定回数が上限値に達した等の理由で再測定を行なわないと判断した場合には(ステップ1606のNo)、測位サーバーにエラーを応答する(ステップ1607)。伝搬時間の測定に成功した場合には(ステップ1605のYes)、伝播時間測定要求で選択された全基地局との間の伝搬時間の測定が終了したかどうかを判断する(ステップ1608)。終了していない場合(ステップ1608のNo)は、選択された全基地局との間の伝播時間の測定が終了するまでステップ1601からステップ1608を繰り返す。測定が終了すると(ステップ1608のYes)、選択された全基地局との間の伝搬時間の測定結果を測位サーバー1201に応答する(ステップ1609)。尚、無線LAN端末における伝播時間の測定において、過去の測定結果が利用可能な場合は、常にその伝播時間の測定結果を測位サーバー1201に応答しても良い。また、ステップ1604における伝搬時間測定処理においては、第一の実施の形態で説明した方法を用いて、基地局との間の伝搬時間を測定する。又、第一の実施の形態の図2若しくは図3で説明した方法を用いて伝搬時間を測定する場合には、データパケットとしてダミーのデータを送信しても、ダミーの制御パケットを送信しても良い。更に、無線LAN端末は測定対象の基地局が使用している無線チャネルを用いて伝搬時間を測定する。
【0164】
次に、第五の実施の形態について説明する。
【0165】
第四の実施の形態では、無線LAN端末が基地局との伝搬時間を測定し、即位サーバーが測定された伝搬時間に基づいて距離と位置とを推定する場合について説明した。第五の実施の形態では、無線LAN端末が基地局との伝搬時間を測定して距離を推定し、測位サーバー1201が位置を推定する場合について説明する。
【0166】
第五の実施の形態における測位サーバー1201の構成は、第三の実施の形態と同じため、図19を用いる。
【0167】
測位サーバー1201における動作について説明する。
【0168】
図25は測位サーバー1201の動作のフロー図である。尚、第二の実施の形態におけるステップ1301から1306までと、1310から1316までと同様のため、詳細な説明は省略する。
【0169】
位置推定部1206が位置推定対象の無線LAN端末に対して距離推定要求を送信する(ステップ2501)。測位サーバー1201からの距離推定要求を受け取った無線LAN端末端末の動作について後述する。
【0170】
距離推定結果を無線LAN端末から受け取る(ステップ2502)。
【0171】
次に、端末について説明する。
【0172】
図24は、無線LAN端末の構成図である。尚、第四の実施の形態と同様な構成のものについては、同一の番号を付して、詳細な説明は省略する。
【0173】
無線LAN端末は距離推定要求処理部2401を持つ。
【0174】
次に、無線LAN端末における動作について説明する。
【0175】
図28は、端末における動作を示すフロー図である。
【0176】
無線LAN端末の通信処理部2303は、無線LANインターフェース2302を介して測位サーバー1201からの距離推定要求を受信すると、距離推定要求処理部2401に距離推定要求を受信したことを通知する。距離推定要求処理部2401は、測位サーバー1201に指定された基地局の中から距離推定処理が終わっていない基地局を選択し(ステップ2801)、伝搬時間測定要求処理部2306に選択した基地局との伝搬時間の測定処理を指示する。伝搬時間測定要求処理部2306は、要求鮮度情報が利用可能かどうかを確認し(ステップ2802)、要求鮮度情報があらかじめ端末に登録されている場合や、測位サーバー1201からの距離推定要求が要求鮮度情報を含んでいる場合など、要求鮮度情報が利用可能な場合には(ステップ2802のYes)、要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持しているかどうかを確認し(ステップ2803)、要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持している場合には(ステップ2803のYes)、その伝搬時間測定結果を利用する。要求鮮度情報が利用可能でない場合(ステップ2802のNo)や要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果が利用可能でない場合(ステップ2803のNo)には、伝搬時間測定要求処理部2306は基地局との伝搬時間の測定を伝搬時間測定部2305に指示する。伝搬時間測定部2305は、第一の実施の形態で示したような手段によって端末との間の伝搬時間を測定する(ステップ2804)。
【0177】
伝搬時間測定に測定対象の端末からのACKパケットもしくはDataパケット等の応答パケットを正常に受信できず伝搬時間の測定に失敗した場合には(ステップ2805のNo)、再測定を行なうかどうかを判断し(ステップ2806)、再測定を行なうと判断した場合には(ステップ2806のYes)、再度測定を行なう(ステップ2804)。再測定回数が上限値に達した等の理由で再測定を行なわないと判断した場合には(ステップ2806のNo)、測位サーバーにエラーを応答する(ステップ2807)。伝搬時間の測定に成功した場合には(ステップ2805のYes)、測定結果を距離推定要求処理部2401に応答する。距離推定要求処理部2401は、伝搬時間に基づいて基地局との距離の推定処理を行う(ステップ2808)。距離推定要求処理部2401は、測位サーバー1201に指定された基地局すべてに対する距離推定処理を終了したかどうかを判断し(ステップ2809)、測位サーバー1201に指定された基地局すべてに対する距離推定処理が終了するまでステップ2801からステップ2809を繰り返す。測位サーバー1201に指定された基地局すべてに対する距離推定処理が終了した場合には(ステップ2809のYes)、距離推定要求処理部2401は、距離推定結果を測位サーバー1201に応答する(ステップ2810)。尚、推定距離の補正は、測位サーバー1201で行っても、基地局の距離推定要求処理部2101で行ってもよい。この場合、必要な補正情報は測位サーバー1201から各基地局に送信されるようにする。また、ステップ2804における伝搬時間測定処理においては、図2もしくは図3に示したような方法を用いて端末は基地局との間の伝搬時間を測定する。端末は測定対象の基地局が使用している無線チャネルを用いて伝搬時間の測定を行う。第一の実施の形態において、図2もしくは図3に示す方法を用いて伝搬時間を測定する場合には、データパケットとしてダミーのデータを送信しても、ダミーの制御パケットを送信してもよい。この場合、ダミーのデータとして、Null function/Null frameを利用して伝搬時間を測定する。
【0178】
次に本発明における第六の実施の形態について説明する。
【0179】
第六の実施の形態では、位置推定対象である無線LAN端末自身が、基地局との間の伝搬時間を測定し、測定した伝播時間に基づいて距離と位置とを推定する場合について説明する。
【0180】
図26は、第六の実施の形態における測位サーバー1201の構成図である。尚、第二の実施の形態と同様な構成のものについては、同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
【0181】
次に、測位サーバー1201における動作について説明する。
【0182】
図17は、測位サーバー1201の動作を示すフロー図である。尚、第二の実施の形態のステップ1301から1306までは同様なステップであるため、同一の番号を付して、説明は省略する。
【0183】
測位サーバー1201は、基地局を選択すると、基地局端末制御部1204と有線LANインターフェース1203とを介して位置推定対象である無線LAN端末に対して端末の位置の推定を要求するために、位置推定要求を送信する(ステップ1701)。この位置推定要求には、ステップ1306で選択された基地局が、伝搬時間を測定する基地局の情報として含まれている。この基地局の情報としては、基地局のMACアドレス等のアドレス情報や基地局が使用している無線チャネルの番号などの情報が含まれている。測位サーバー1201から位置推定要求を受け取った無線LAN端末端末の動作については後述する。
【0184】
無線LAN端末から位置推定結果を受信すると(ステップ1702)、推定結果を応答する。
【0185】
次に、第六の実施の形態における無線LAN端末について説明する。
【0186】
図27は、無線LAN端末の構成図である。尚、第五の実施の形態と同様な構成のものについては、同一の番号を付して、詳細な説明は省略する。
【0187】
図27に示すように無線LAN端末は、アンテナ部2301、無線LANインターフェース2302、通信処理部2303、上位アプリケーション処理部2304、伝搬時間測定部2305、伝搬時間測定要求処理部2306、有線LANインターフェース2307、距離推定要求処理部2401、位置推定要求処理部2701などから構成される。但し、有線LANインターフェース2307は必須ではない。
【0188】
次に、端末における動作について、説明する。
【0189】
図18は、端末における処理フローを示す図である。
【0190】
無線LAN端末の通信処理部2303は、無線LANインターフェース2302を介して測位サーバー1201からの位置推定要求を受信すると、位置推定要求処理部2701に端末位置の推定処理を指示する。位置推定要求処理部2701は、距離推定要求処理部2401に測定要求に含まれていた基地局との伝搬距離の推定を指示する。距離推定要求処理部2401は、測位サーバー1201に指定された基地局の中から距離推定処理が終わっていない基地局を選択し(ステップ1801)、伝搬時間測定要求処理部2306に選択した基地局との伝搬時間の測定処理を指示する。伝搬時間測定要求処理部2306は、要求鮮度情報が利用可能かどうかを確認し(ステップ1802)、要求鮮度情報があらかじめ端末に登録されている場合や、測位サーバー1201からの位置推定要求が要求鮮度情報を含んでいる場合など、要求鮮度情報が利用可能な場合には(ステップ1802のYes)、要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持しているかどうかを確認し(ステップ1803)、要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果を保持している場合には(ステップ1803のYes)、その伝搬時間測定結果を利用する。要求鮮度情報が利用可能でない場合(ステップ1802のNo)や要求鮮度情報を満たす伝搬時間測定結果が利用可能でない場合(ステップ1803のNo)には、伝搬時間測定要求処理部2306は基地局との伝搬時間の測定を伝搬時間測定部2305に指示する。伝搬時間測定部2305は、第一の実施の形態で示したような手段によって端末との間の伝搬時間の測定を行なう(ステップ1804)。
【0191】
伝搬時間測定に測定対象の端末からのACKパケットもしくはDataパケット等の応答パケットを正常に受信できず伝搬時間の測定に失敗した場合には(ステップ1805のNo)、再測定を行なうかどうかを判断し(ステップ1806)、再測定を行なうと判断した場合には(ステップ1806のYes)、再度測定を行なう(ステップ1804)。再測定回数が上限値に達した等の理由で再測定を行なわないと判断した場合には(ステップ1806のNo)、測位サーバーにエラーを応答する(ステップ1807)。伝搬時間の測定に成功した場合には(ステップ1805のYes)、測定結果を距離推定要求処理部2401に応答する。距離推定要求処理部2401は、伝搬時間に基づいて基地局との距離の推定処理を行う(ステップ1808)。距離推定要求処理部2401は、測位サーバー1201に指定された基地局すべてに対する距離推定処理を終了したかどうかを判断し(ステップ1809)、測位サーバー1201に指定された基地局すべてに対する距離推定処理が終了するまでステップ1801からステップ1809を繰り返す。測位サーバー1201に指定された基地局すべてに対する距離推定処理が終了した場合には(ステップ1809のYes)、距離推定要求処理部2401は、位置推定要求処理部2701に距離推定結果を応答する。位置推定要求処理部2701は、距離推定結果に基づき端末の位置推定処理を行ない(ステップ1810)、位置推定結果を測位サーバー1201に応答する(ステップ1811)。端末における位置推定処理の別な方法としては、過去の位置推定結果が利用可能な場合には常にその推定結果を応答する方法などが考えられる。また、ステップ1804における伝搬時間測定処理においては、図2もしくは図3に示したような方法を用いて端末は基地局との間の伝搬時間を測定する。端末は測定対象の基地局が使用している無線チャネルを用いて伝搬時間の測定を行う。第一の実施の形態において、図2もしくは図3に示す方法を用いて伝搬時間を測定する場合には、データパケットとしてダミーのデータを送信しても、ダミーの制御パケットを送信してもよい。この場合、ダミーのデータとして、Null function/Null frameを利用して伝搬時間を測定する。
【0192】
上述した実施形態では、端末の位置を特定する方法について説明したが、設置位置が不明な基地局の位置を特定する場合に用いることも可能である。この場合、本実施形態において、測位サーバー1201、もしくは基地局が端末に対して行っていた処理を設置位置が不明な基地局に対して行ない、本実施例において端末が行っていた処理を設置位置が不明な基地局が行うことで、設置位置が不明な基地局の位置を特定することが可能となる。
【発明の効果】
本発明によると、IEEE802.11無線LANシステムのような非同期通信を行う無線パケット通信システムにおいて、基地局間、及び基地局と端末との間の同期をとることなく、信号伝搬時間を用いた端末の位置特定を簡易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態にかかる無線パケット通信システムの構成図である。
【図2】本発明の無線信号の伝搬時間の測定方法を示す図である。
【図3】本発明の無線信号の伝搬時間の測定方法を示す図である。
【図4】本発明の無線信号の伝搬時間の測定方法を示す図である。
【図5】本発明の無線信号の伝搬時間の測定方法を示す図である。
【図6】本発明の無線信号の伝搬時間の測定方法を示す図である。
【図7】本発明の無線局の位置推定方法を示す図である。
【図8】本発明の無線局の位置推定方法を示す図である。
【図9】本発明の無線局の位置推定方法を示す図である。
【図10】本発明の無線局の無線LANインターフェースの構成を示す図である。
【図11】本発明の無線局が有線ネットワークインタフェースを持つときの構成を示す図である。
【図12】本発明の測位サーバーの構成を示す図である。
【図13】本発明の測位サーバーの処理フローを示す図である。
【図14】本発明の基地局の処理フローを示す図である。
【図15】本発明の測位サーバーの別な処理フローを示す図である。
【図16】本発明の無線端末の処理フローを示す図である。
【図17】本発明の測位サーバーの別な処理フローを示す図である。
【図18】本発明の無線端末の別な処理フローを示す図である。
【図19】本発明の測位サーバーの別な構成を示す図である。
【図20】本発明の基地局の構成を示す図である。
【図21】本発明の基地局の別な構成を示す図である。
【図22】本発明の測位サーバーの別な処理フローを示す図である。
【図23】本発明の無線端末の構成を示す図である。
【図24】本発明の無線端末の別な構成を示す図である。
【図25】本発明の測位サーバーの別な処理フローを示す図である。
【図26】本発明の測位サーバーの別な構成を示す図である。
【図27】本発明の無線端末の別な構成を示す図である。
【図28】本発明の無線端末の別な処理フローを示す図である。
【図29】本発明の無線端末の別な処理フローを示す図である。
【符号の説明】
101、102、103 無線基地局
104、105、106、107 無線端末
108 ネットワークスイッチ
109 測位サーバー
110、111、112 無線基地局101、102、103の通信エリア
Claims (41)
- 無線パケット通信システムであって、
位置が既知である既知無線局と、位置を推定する位置推定無線局との間で送受信される無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段と、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記既知無線局と前記位置推定無線局との間の距離を算出する距離算出手段と、
前記算出された距離に基づいて、前記位置推定無線局の位置を推定する位置推定手段と
を有することを特徴とする無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記既知無線局が、前記位置推定無線局に無線パケットの送信を開始してから、前記位置推定無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記既知無線局が、前記位置推定無線局に無線パケットの送信を開始してから、前記位置推定無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記既知無線局が前記位置推定無線局に無線パケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する算出手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記既知無線局が、前記位置推定無線局に無線パケットの送信を終了してから、前記位置推定無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記既知無線局が、前記位置推定無線局に無線パケットの送信を終了してから、前記位置推定無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
予め定められた時間である規定時間を前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する算出手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載の無線パケット通信システム。 - 前記既知無線局は、
前記応答パケットを受信した際、応答パケットを正常に受信できたかどうかを判断し、応答パケットを正常に受信できなかったと判断した場合、伝搬時間の測定のやり直しを前記伝播時間測定手段に通知する手段
を有することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記位置推定無線局が、前記既知無線局に無線パケットの送信を開始してから、前記既知無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記位置推定無線局が、前記既知無線局に無線パケットの送信を開始してから、前記既知無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記位置推定無線局が前記既知無線局に無線パケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する算出手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記位置推定無線局が、前記既知無線局に無線パケットの送信を終了してから、前記既知無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記位置推定無線局が、前記既知無線局に無線パケットの送信を終了してから、前記既知無線局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
予め定められた時間である規定時間を前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する算出手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載の無線パケット通信システム。 - 前記位置推定無線局は、
前記応答パケットを受信した際、応答パケットを正常に受信できたかどうかを判断し、応答パケットを正常に受信できなかったと判断した場合、伝搬時間の測定のやり直しを前記伝播時間測定手段に通知する手段
を有することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれかに記載の無線パケット通信システム。 - 位置を推定する無線端末と、無線基地局と、測位サーバーとを有する無線パケット通信システムであって、
前記無線基地局は、
前記無線端末と送受信する無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段を有し、
前記測位サーバーは、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段とを有することを特徴とする無線パケット通信システム。 - 無線パケット通信システムであって、
位置が既知である無線基地局と、無線端末と、前記無線基地局と接続している測位サーバーとを有し、
前記無線基地局は、
位置を推定する無線端末との間で送受信する無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段と、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と
を有し、
前記測位サーバーは、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段を有することを特徴とする無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末に無線パケットの送信を開始してから、前記無線端末からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末に無線パケットの送信を開始してから、前記無線端末からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記無線基地局が、前記無線端末に無線パケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末に無線パケットの送信を終了してから、前記無線端末からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする請求項12又は13に記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末に無線パケットの送信を終了してから、前記無線端末からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
予め定められた時間である規定時間を前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする請求項12又は13に記載の無線パケット通信システム。 - 前記無線基地局は、
前記応答パケットを受信した際、応答パケットを正常に受信できたかどうかを判断し、応答パケットを正常に受信できなかったと判断した場合、伝搬時間の測定のやり直しを前記伝播時間測定手段に通知する手段
を有することを特徴とする請求項14から請求項17のいずれかに記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末にブロードキャストパケットの送信を開始してから、前記無線端末からのデータパケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末にブロードキャストパケットの送信を開始してから、前記無線端末からのデータパケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記無線基地局が、前記無線端末にブロードキャストパケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末にポーリングパケットの送信を開始してから、前記無線端末からのデータパケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記無線基地局が、前記無線端末にポーリングパケットの送信を開始してから、前記無線端末からのデータパケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記無線基地局が、前記無線端末にポーリングパケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の無線パケット通信システム。 - 前記無線基地局は、
前記データパケットを受信した際、データパケットを正常に受信できたかどうかを判断し、データパケットを正常に受信できなかったと判断した場合、伝搬時間の測定のやり直しを前記伝播時間測定手段に通知する手段
を有することを特徴とする請求項14から請求項21のいずれかに記載の無線パケット通信システム。 - 無線パケット通信システムであって、
位置が既知である無線基地局と、無線端末と、前記無線基地局と接続している測位サーバーとを有し、
位置を推定する無線端末は、
前記無線基地局との間で送受信する無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段
を有し、
前記測位サーバーは、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段と
を有することを特徴とする無線パケット通信システム。 - 無線パケット通信システムであって、
位置が既知である無線基地局と、無線端末と、前記無線基地局と接続している測位サーバーとを有し、
位置を推定する無線端末は、
前記無線基地局との間で送受信する無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段と、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と
を有し、
前記測位サーバーは、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段を有することを特徴とする無線パケット通信システム。 - 無線パケット通信システムであって、
位置が既知である無線基地局と、無線端末と、前記無線基地局と接続している測位サーバーとを有し、
位置を推定する無線端末は、
前記無線基地局との間で送受信する無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定手段と、
前記測定した伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と
前記算出された距離に基づいて、自身の位置を推定し、その推定した位置を前記測位サーバーに送信する位置推定手段と
を有することを特徴とする無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記無線端末が、前記無線基地局に無線パケットの送信を開始してから、前記無線基地局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする請求項24から請求項26のいずれかに記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記無線端末が、前記無線基地局に無線パケットの送信を開始してから、前記無線基地局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
前記無線端末が前記無線基地局に無線パケットを送信するのにかかる送信時間を算出する手段と、
前記算出した送信時間と、予め定められた時間である規定時間とを前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする請求項24から請求項26のいずれかに記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記無線端末が、前記無線基地局に無線パケットの送信を終了してから、前記無線基地局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段を有することを特徴とする請求項24から請求項26のいずれかに記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記無線端末が、前記無線基地局に無線パケットの送信を終了してから、前記無線基地局からの応答パケットの受信を開始するまでの受信開始時間を測定する手段と、
予め定められた時間である規定時間を前記受信開始時間から減じて伝播時間を算出する手段と
を有することを特徴とする請求項24から請求項26のいずれかに記載の無線パケット通信システム。 - 前記無線端末は、
前記応答パケットを受信した際、応答パケットを正常に受信できたかどうかを判断し、応答パケットを正常に受信できなかったと判断した場合、伝搬時間の測定のやり直しを前記伝播時間測定手段に通知する手段
を更に有することを特徴とする請求項27から請求項30のいずれかに記載の無線パケット通信システム。 - 前記伝播時間測定手段は、
前記伝播時間を、予め定められた補正時間に基づいて補正する補正手段
を有することを特徴とする請求項1,12,13及び24から26のいずれかに記載の無線パケット通信システム。 - 前記補正時間は、フロア情報に基づいて設定されることを特徴とする請求項32に記載の無線パケット通信システム。
- 前記補正時間は、電波伝搬情報に基づいて設定されることを特徴とする請求項32に記載の無線パケット通信システム。
- 無線パケット通信システムにおける、無線局位置推定方法であって、
位置が既知である既知無線局と、位置を推定する対象である位置推定無線局との間で送受信される無線パケットの伝搬時間を測定する伝播時間測定ステップと前記測定した伝播時間に基づいて、前記既知無線局と前記位置推定無線局との間の距離を推定する距離推定ステップと、
前記推定された距離に基づいて、前記位置推定無線局の位置を推定する位置推定ステップと
を有することを特徴とする無線局位置推定方法。 - 位置を推定する無線端末と、無線基地局と、前記無線端末の位置を推定する測位サーバーとを有する無線パケット通信システムにおける無線基地局であって、
前記無線基地局は、前記位置を推定する無線端末と送受信される無線パケットの伝搬時間を測定し、測定された伝搬時間を前記測位サーバーに送信する伝播時間測定手段を有することを特徴とする無線基地局。 - 位置を推定する無線端末と、無線基地局と、前記無線端末の位置を推定する測位サーバーとを有する無線パケット通信システムにおける無線端末であって、
前記無線端末は、前記無線基地局と送受信される無線パケットの伝搬時間を測定し、測定された伝搬時間を前記無線基地局に送信する伝播時間測定手段を有することを特徴とする無線端末。 - ネットワーク内の無線端末の位置を推定する測位サーバーであって、
既知の無線基地局と位置を推定する無線端末との間で送受信される無線パケットの伝搬時間を受信し、この伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段と
を有することを特徴とする測位サーバー。 - 位置を推定する無線端末と、無線基地局と、前記無線端末の位置を推定する測位サーバーとを有する無線パケット通信システムにおける前記無線基地局のプログラムであって、前記プログラムは前記無線基地局を、
前記位置を推定する無線端末と送受信される無線パケットの伝搬時間を測定し、測定された伝搬時間を前記測位サーバーに送信する伝播時間測定手段として機能させることを特徴とする無線基地局のプログラム。 - 位置を推定する無線端末と、無線基地局と、前記無線端末の位置を推定する測位サーバーとを有する無線パケット通信システムにおける前記無線端末のプログラムであって、前記プログラムは前記無線端末を、
前記無線基地局と送受信される無線パケットの伝搬時間を測定し、測定された伝搬時間を前記無線基地局に送信する伝播時間測定手段として機能させることを特徴とする無線端末のプログラム。 - ネットワーク内の無線端末の位置を推定する測位サーバーのプログラムであって、前記プログラムは前記測位サーバーを、
既知の無線基地局と位置を推定する無線端末との間で送受信される無線パケットの伝搬時間を受信し、この伝播時間に基づいて、前記無線基地局と前記無線端末との間の距離を算出する距離算出手段と、
前記算出された距離に基づいて、前記無線端末の位置を推定する位置推定手段として機能させることを特徴とする測位サーバーのプログラム。
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