JP2004349595A - 窒化物半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長寿命な窒化物半導体レーザ装置を提供することである。
【解決手段】窒化物半導体レーザ装置は、窒化物半導体レーザダイオードのチップと、該チップの一方の面に形成されたp型電極101と、該チップの他方の面に形成されたn型電極120と、p型電極101面に少なくとも金属膜102とハンダ103を介して接合されたサブマウント105とを備え、p型電極101及び金属膜102からなる金属層は、チップに接する層から順に、少なくとも第1層、第2層、第3層、第4層を有し、ハンダは第5層であり、第1層は、Pd、Ru、Rh、Os、及びIrのうち少なくとも1種類以上を含み、第2層は、Moであり、第3層は、Pt、Pd、Ru、Rh、Os、及びIrのうち少なくとも1種類以上を含み、第4層は、Auであり、第5層は、Sn、Ag、In、及びPbのうち少なくとも1種類以上を含むものとする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化物半導体レーザダイオードのチップをマウント部材に搭載した窒化物半導体レーザ装置と、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、青色から紫外線領域に及ぶ発光材料として窒化物半導体を用いたレーザ装置が開発、実用化されつつある。しかしながら、該レーザ装置の高温時での寿命、高出力特性は、充分とはいえない状況にある。該窒化物半導体のレーザ装置においては、投入電力を抑えて、発熱量を下げ、高温での寿命、高出力特性を改善する方法として、p型電極の良好な電流−電圧特性を確保することが挙げられる。
【0003】
例えば、特許文献1においては、p型電極として、(コンタクト層側から)Ni、Au層を形成し、次にOとCu、Ag、Pd、Pt、及びRhのうちのいずれか1種類以上の金属層を形成し、さらにPt、Ru、W、Moのうちのいずれか1種類以上の金属層を形成し、該層の上にAu層を形成する方法が示されている。また、非特許文献1においては、(コンタクト層側から)Pd/Pt/Auを形成する方法が提示されている。
【0004】
また、半導体レーザ装置においては、放熱性も重要な要素であり、その動作時にレーザダイオード(以下、LDと記す)のチップ(以下、LDチップと記す)で発生する熱を効率良く支持基体に放散させて、発光部の温度上昇にともなう特性劣化を抑制するために、導電性接合剤(ハンダ)を用いて、半導体LDチップをマウント部材にダイボンディング(もしくはマウント)することが行われている。
【0005】
上記の半導体LDチップのマウント方法の中でも、ジャンクションダウン構造は、発熱が大きい活性層周辺、及びp型電極周辺からサブマウントまでの距離が近く、放熱性に優れるため、窒化物半導体レーザ装置の高出力化、長寿命化、高温安定性を実現する構造として、有望であると考えられている。
【0006】
図13は、従来のジャンクションダウン構造の半導体レーザ装置の断面模式図である。101はp型電極、120はn型電極、1601は導電性基板、1602は半導体成長層、1603は導電性基板1601と半導体成長層1602からなる窒化物半導体LDチップ、1604は金属膜(半導体LDチップ側)、1605はハンダ、1606は金属膜(サブマウント側)、1607は活性層、1608はサブマウントである。
【0007】
ジャンクションダウン構造においては、通常、基板には導電性物質を用い、半導体成長層1602側にp型電極101、導電性基板1601側にn型電極120を形成し、半導体成長層1602側がサブマウント1608と対向するように、半導体LDチップ1603をマウントしている。
【0008】
半導体LDチップ1603をマウント部材へマウントする方法を説明する。該マウント部材(ここではサブマウント1608)、及びハンダ1605を100〜400℃程度に加熱して(このとき、半導体LDチップ1603は加熱しても、あるいは加熱しなくともよい)ハンダ1605を溶融し、その後、ハンダ1605を介して、サブマウント1608上にある(あるいはハンダ加熱後にサブマウント1608上に移動させた)半導体LDチップ1603に圧力をかけて、半導体LDチップ1603とサブマウント1608を接合させる。
【0009】
図13に示すように、ジャンクションダウン構造では、p型電極101側の金属層(p型電極101、及びp型電極下の金属膜1604)とハンダ1605が接することになる。このとき、p型電極101側の金属層の材料の種類、積層方法、種類の組み合わせ、各層厚を適正化していないと、各金属層同士、ないしは金属層とハンダ1605の相互拡散が制御されず(相互拡散が望ましい箇所、望ましくない箇所がある)、p型電極101側で電流−電圧特性(I−V特性)が劣化したり、半導体LDチップ1603とサブマウント1608との接合強度が弱くなるといった問題が生じる。
【0010】
【特許文献1】
特許第3255224号公報
【非特許文献1】
Japan Journal of Applied Physics
Vol.40(2001)pp.3206−3210
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来は、窒化物半導体LDチップのジャンクションダウン構造でのダイボンディング時の、p型電極周辺の各金属層同士、ないしは金属層とハンダの相互拡散を充分に考慮していなかった。従って、ダイボンディング時に不要な金属がコンタクト層まで拡散して、ダイボンディング後のI−V特性が劣化したり、各金属層間の反応性により、半導体LDチップとマウント部材との接合強度が弱くなるといった現象が発生する。
【0012】
I−V特性が劣化すると、駆動電圧が上昇し、発熱しやすくなり、寿命の観点からも望ましくない。また、我々の検討によると、接合強度と半導体LDチップからマウント部材への放熱性は密接に関係しており、接合強度が低下すると半導体LDチップからマウント部材への放熱性も低下し、さらには寿命も短くなり好ましくない。
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑み、長寿命な窒化物半導体レーザ装置、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、窒化物半導体レーザダイオードのチップと、該チップの一方の面に形成されたp型電極と、該チップの他方の面に形成されたn型電極と、前記p型電極面に少なくとも金属膜とハンダを介して接合されたマウント部材とを備えた窒化物半導体レーザ装置であって、前記p型電極及び前記金属膜からなる金属層は、前記チップに接する層から順に、少なくとも第1層、第2層、第3層、第4層を有し、前記ハンダは第5層であり、第1層は、Pd、Ru、Rh、Os、及びIrのうち少なくとも1種類以上を含み、第2層は、Moであり、第3層は、Pt、Pd、Ru、Rh、Os、及びIrのうち少なくとも1種類以上を含み、第4層は、Auであり、第5層は、Sn、Ag、In、及びPbのうち少なくとも1種類以上を含むことを特徴とするものである。
【0015】
この構成によると、I−V特性の劣化を防ぐとともに、各金属層間の反応性による半導体LDチップとマウント部材との接合強度の劣化も防ぐことができ、長寿命な窒化物半導体レーザ装置を提供することができる。
【0016】
なお第1層の層厚は、5nm以上300nm以下であることが好ましい。第1層が5nm未満である場合、ダイボンディング後に第2層が部分的にp型コンタクト層と接してしまい、充分なオーミック特性が得られない場合がある。一方、第1層が400nmより厚い場合、第2層が均一な膜厚で形成されにくくなり、ダイボンディング工程によって電極特性を劣化させる場合がある。
【0017】
また第2層の層厚は、5nm以上400nm以下であることが好ましい。第2層が5nm未満である場合、第1層を充分に保護することができず、ダイボンディング工程を経ることで、他層からの原子が、第1層、p型コンタクト層表面へ拡散してしまい、I−V特性を悪化させるおそれがある。一方、第2層が400nmより厚い場合、層中の酸化物等の不純物の絶対量が増え、これらがダイボンディング時の加熱によりMo層と他層との界面に移動、集中し、I−V特性を悪化させるおそれがある。このように、I−V特性が劣化すると、駆動電圧が上昇し、発熱しやすくなり、寿命も低下すると考えられる。
【0018】
また第3層の層厚は、50nm以上5000nm以下であることが好ましい。第3層が50nm未満である場合、ダイボンディング後のp型電極における接合強度が確保できない場合がある。一方、第3層が不必要に厚い場合(およそ5000nmを超える場合)、かえって、放熱が悪化するおそれがある。
【0019】
本発明において、マウント部材とは、半導体LDチップを直接積載するための部品を意味しており、例えば、半導体発光素子チップ用のサブマウントや、サブマウントを用いずに直接、保持体(ステム、フレームもしくはパッケージ)に積載する場合においては、このステムの支持基体、フレームもしくはパッケージ自身を指している。
【0020】
また本発明において、ダイボンディング(もしくはマウント)とは、半導体LDチップをマウント部材にハンダ等を用いて接合することを指す。また本発明において、ハンダとは、半導体LDチップとマウント部材とを接合させる材料である。また本発明において、マウント面とは、半導体LDチップを保持体へマウントする際、ハンダを挟んで保持体と対向する半導体LDチップの面のことを指す。
【0021】
また本発明において、LDウェハとは、成長用の基板、及び該基板の上に成長させた半導体層を含むものである。また、半導体LDチップとは、基板と半導体成長層を含めたものを指すが、基板、ないしは半導体成長層に電極や金属多層膜が形成されているときは、電極及び/或いは金属多層膜を含む場合もある。
【0022】
なお図13では、p型電極とハンダとの区別をしているが、p型電極とは窒化物半導体のp型コンタクト層に接する金属層及び該金属層の外層の一部を指し、ダイボンディング後は、ハンダと反応しているので厳密な区分けはできない。
【0023】
また本明細書において、p型電極側の金属層とは、p型電極及びp型電極下のハンダ(金属膜)の両方を合わせたものを指す。
【0024】
また、本明細書で説明する窒化物半導体とは、少なくともAlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で構成された半導体を含むものとする。さらに、窒化物半導体は、その構成成分である窒素元素の約20%以下が、As、PおよびSbの元素群のうち少なくともいずれかの元素で置換されても構わない。また、前記窒化物半導体中にSi、O、Cl、S、C、Ge、Zn、Cd、Mg、Beなど不純物がドーピングされていても良い。
【0025】
【発明の実施の形態】
〈実施形態1〉
本実施形態では、p型電極側の金属層がp型コンタクト層側からPd/Mo/Pt/Au/Au−30Snハンダであり、基板としてGaN基板を使用した両面電極LDチップを、ジャンクションダウンの方法で直接ステムへ搭載して製造した窒化物半導体レーザ装置について説明する。
【0026】
図1は、本実施形態における窒化物半導体レーザ装置のチップ周辺の断面模式図である。本実施形態では、半導体層の成長に有機金属気相成長法(MOCVD法)を用いている。
【0027】
図1において、121はn型電極上の金属多層膜、120はn型電極、119はn型GaN基板であり、基板119側から順に、厚さが3μmのn型GaN層118、1.0μmのn型クラッド層117(n型Al0.1Ga0.9N)、0.1μmのn型ガイド層116(n型GaN)、活性層115(InGaN多重量子井戸構造)、0.03μmのp型蒸発防止層114(p型Al0.2Ga0.8N)、0.1μmのp型ガイド層113(p型GaN)、0.6μmのp型クラッド層112(p型Al0.1Ga0.9N)、0.1μmのp型コンタクト層111(p型GaN)が積層されており、さらにp型電極側の金属層(p型電極101、及びp型電極下の金属膜102)が形成されている。
【0028】
また、107はリッジ幅(2.0μm)、108はリッジ高さ(0.6μm)、109は埋め込み領域の厚さ(0.6μm)である。なお、本実施形態ではリッジ高さ108と埋め込み領域の厚さ109は同一であるが、同一でなくとも本発明の効果は得られる。103はAu−30Snハンダ、105はSiCサブマウント、106はSiCサブマウント105の表面、104はSiCサブマウント105上の金属膜である。
【0029】
ここで、活性層115は、n型ガイド層116に接する層から順に、n型GaNガイド層/障壁層/井戸層/障壁層/井戸層/障壁層/井戸層/障壁層の構成である。また、p型クラッド層112およびp型コンタクト層111には、フォトリソグラフィー技術により、共振器方向に延伸した幅2μmのストライプ状のリッジを設け、p型電極101とp型クラッド層112、p型コンタクト層111の間にはリッジ部分を除いて、MOCVD法により、厚さ0.6μmの埋め込み領域(アンドープAlN)110を設けている。
【0030】
ここで、p型電極101は、p型コンタクト層111に近い側から第1層としてのPd(ダイボンディング前で0.05μm)、第2層としてのMo(ダイボンディング前で0.15μm)である。その下層に、p型電極下の金属膜102(p型電極101側から第3層としてのPt(ダイボンディング前で0.10μm)、第4層としてのAu(ダイボンディング前で0.15μm))を設けている。更にその下層に第5層としてのAu−30Snハンダ(ダイボンディング前で2.0μm)が存在する。
【0031】
図1に示すように、p型電極101、p型電極下の金属膜102、およびハンダ103は、窒化物半導体LDチップとサブマウント105に挟まれる状態となる。
【0032】
第1層のPd層は、p型コンタクト層111とオーミックをとるための層であり、第2層のMo層は、相互拡散を抑えるブロック層として働き、第3層のPt層は、Mo層と第4層のAu層との間に介在してMo層とAu層の接合強度を上げる(PtがAu層及びMo層へある程度相互拡散する)働きをする。
【0033】
また、n型電極120の層構成は、基板119側からHf(0.05μm)、Al(0.15μm)である。n型電極120上の金属多層膜121は、基板119側からMo(0.01μm)、Pt(0.10μm)、Au(0.15μm)の順で形成した。Hf/Alの層は、n型GaN基板119とオーミックをとるための層であり、その上のMo層は相互拡散を抑えるブロック層、Pt層は、Mo層とAu層との間に介在してMo層とAu層の接合強度を上げるための層、Auはワイヤを打つための層である。
【0034】
このような金属の薄膜を膜厚の制御性良く形成するには、真空蒸着法が適しており、本実施の形態でもこの手法を用いたが、イオンプレーティング法やスパッタ法等の他の手法を用いてもよい。
【0035】
上記のように、電極及び金属多層膜を形成した後、5×10−4Pa以下の圧力中、もしくはN、Ar等の不活性ガス、Oのうち少なくとも1種以上を使用した雰囲気ガス中において、200℃以上700℃以下の温度で一定時間加熱処理を施しても良い。
【0036】
本実施形態では上記に示す材料で半導体LDチップを作製したが、材料は上記材料に限るものではなく、基板119には、GaN以外の他の窒化物半導体材料を使用したり、また、窒化物に限らず、Si、SiC、ZrB、GaAsを用いる等の変更が可能である。
【0037】
また、成長層には窒化物半導体(例えばp型クラッド層112をp型AlGaInN、活性層115をGaInNAs、GaInNP等)を用いればよい。また、クラッド層に多重量子井戸を用いても良く、n型GaN層118とn型クラッド層117の間に、InGaNクラック防止層を挿入してもよい。このように、本実施形態に用いた半導体LDチップは、いわゆるリッジストライプ型構造を有している。
【0038】
以下に、本実施形態の窒化物半導体レーザ装置の製造方法を説明する。図2は、個々の半導体レーザ構造が多数形成された窒化物半導体LDウェハの模式図である。201はレーザ共振器端面、202はp型電極下の金属膜の表面、210はバー状に分割するための分割ライン(A)、211はp型電極側の金属層(p型電極101、及びp型電極下の金属膜102)、212はn型電極側の金属層(n型電極120、及びn型電極上の金属膜121)である。
【0039】
初めに、半導体素子の製造に用いられているプロセスを適宜適用して、半導体LDウェハ上にLD半導体成長層を形成する。上述したように、本実施形態では半導体層の成長にMOCVD法を用いている。
【0040】
次に、n型GaN基板の裏面側から、研磨もしくはエッチングにより、ウェハの厚みを、通常40〜200μm程度までに薄く調整する。これは、後の工程で、ウェハを分割し個々のLDチップに分割するのを容易にするための工程である。特に、レーザ共振器端面201を分割により形成する場合には、25〜150μmと、薄めに調整することが望ましい。本実施形態においては、研削機を用いてウェハの厚みを約150μmに調整し、その後、研磨機を用いて約100μmまで調整した。ウェハの裏面は研磨機により磨かれているので平坦である。
【0041】
次に、図2に示すように、この状態のウェハをストライプ方向と垂直な方向に劈開または、エッチングしてバー状にする。図3は、図2の窒化物半導体LDウェハを分割ライン(A)210で分割したLDバーの模式図である。図3において、310はチップに分割するための分割ライン(B)である。
【0042】
次いで、図3のLDバーの状態において、レーザ共振器端面201に、光学薄膜のコーティングを蒸着法により、片方の共振器の端面にSiO層及びTiO層を被覆して、多層膜を形成する。このときマウント面であるp型電極側の金属層211にコーティングの誘電体膜がかからないようにする。
【0043】
その後図3に示すように、分割ライン(B)310で切断することにより、LDバーを個々の半導体LDチップに分割し、後述する図4(a)及び図4(b)に示すような、窒化物半導体LDチップを得る。
【0044】
この工程は以下のように実施した。n型電極側の金属層212側を上にしてステージ上にLDバーを置き、光学顕微鏡を用い傷入れ位置をアライメントし、ウェハにダイヤモンドポイントでスクライブラインを入れた。それから、ウェハに適宜力を加え、スクライブラインに沿ってウェハを分割することで、幅400μm、共振器長600μmの窒化物半導体LDチップを作製した。
【0045】
ここでは、スクライビング法によるチップ分割工程について説明したが、他の手法として、ワイヤソーもしくは薄板ブレードを用いて傷入れもしくは切断を行うダイシング法、エキシマレーザ等のレーザ光の照射加熱とその後の急冷により照射部にクラックを生じさせ、これをスクライブラインとするレーザスクライビング法、高エネルギー密度のレーザ光を照射し、この部分を蒸発させて溝入れ加工を行なう、レーザアブレーション法等を用いてもよい。
【0046】
図4(a)は、上記の方法で得られた本実施形態のダイボンディング前の窒化物半導体LDチップの裏面(GaN基板側)からの模式図であり、図4(b)は、半導体LDチップの表面(成長層側)からの模式図である。図中、401はn型電極上の金属膜の表面、110は埋め込み領域(基本的に絶縁性材料が望ましいが、リッジ部に電流が狭窄されるように、半導体成長層側の絶縁性が確保できれば、一部は伝導性があっても構わない)、402はLDチップ幅、403はLDチップ共振器長、410は上記全てを含めた半導体LDチップを示す。
【0047】
ジャンクションダウンの場合、LDチップ410のp型電極下の金属膜の表面202側(成長層側、p型電極側)がマウント面となる。本実施形態では、LDチップ幅402は400μm、LDチップ共振器長403は600μmとしている。
【0048】
次に、ダイボンディング法により、LDチップ410をサブマウント105に搭載し、さらにLDチップ搭載のサブマウントをステムへ搭載する。
【0049】
図5は、半導体レーザ装置の断面模式図、図6は、半導体レーザ装置の斜視図である。図5、図6において、501はステムの支持基体、502はSiCサブマウント105とステムの支持基体501とを接合させるPbSnハンダ、503はPbSnハンダ502の接合強度を上げるための支持基体501側のSiCサブマウント505上の金属膜、504は窒化物半導体LDチップの半導体成長層、505はp型電極用のワイヤ、506はn型電極用のワイヤ、507はステムのピン、601はステム全体を指す。なお、p型電極用のワイヤ505は、本実施形態のように導電性のないSiCサブマウント105を使用する場合は必要であるが、Cuサブマウントのように導電性がある場合は特に必要としない。
【0050】
この工程は、以下のように実施した。上記で得られた半導体LDチップ410を用意し、SiCサブマウント105上に、シート状のAu−30Snハンダ103、半導体LDチップ410をp型電極101側を下にして載せ、300℃程度まで加熱し、Au−30Snハンダ103が溶けたところで半導体LDチップ410に圧力をかけて、接合させる。
【0051】
次にステム601の支持基体501上にシート状のPbSnハンダ502を載せ、ステム601をPbSnハンダ502の融点よりも若干高い180℃まで加熱し、PbSnハンダ502が溶けたところで、前記の半導体LDチップ410付きのSiCサブマウント105をPbSnハンダ502/支持基体501の上へ載せる。PbSnハンダ502が固化した後、n型電極120上の金属膜121表面からn型電極用ワイヤ506をステムのピン507へ繋いだ。このようにして、図6に示す窒化物半導体レーザ装置が得られた。なお、支持基体501はCuを主体とする金属からなり、その表面にPd膜/Au膜が順にメッキ形成されたものである。
【0052】
上記の方法で製造した窒化物半導体レーザ装置の素子特性を、以下に説明する。I−V特性は、電流を50mA流したときの電圧値を指標とし、本実施形態の素子(105個平均)では4.85Vであった。
【0053】
また、接合強度は、チップの側面から水平方向へ力を加え、チップがマウント部材から剥がれたときの値(arbit unit:以下a.u.と記す)を指標とした。本実施形態の素子(30個平均)では、接合強度は52.6(a.u.)であった。
【0054】
放熱性は、熱抵抗(℃/W)を指標とし(電力を1W投入した場合の温度上昇を示す)、この値が小さい方が放熱性は良好である。本実施形態の素子(35個平均)では、熱抵抗は9.6℃/Wであった。
【0055】
寿命は、オートパワーコントロール(APC)「光出力=30mW、30℃、DC」、初期電流値の1.2倍の電流値となる時間を指標とし、本実施形態の素子(35個平均)では、寿命(平均故障時間(MTTF:Mean Time To Failure))は2115時間であった。
【0056】
以下に比較例を示し、実施形態1の半導体レーザ装置と比較、検討する。比較例1は、p型電極側の金属層がp型コンタクト層側からPd(0.05μm)/Mo(0.15μm)/Au(0.15μm)/Au−30Snハンダである窒化物半導体レーザ装置である。つまり、実施形態1の装置と比較すると、第3層であるPtが省略されている。
【0057】
図7は、比較例1におけるp型電極側の金属層周辺の断面模式図である。701はPd層、702はMo層、703はAu層を指す。p型電極側の金属層形成時以外は実施形態1と同様の方法で作製した。この窒化物半導体レーザ装置の素子特性(平均値)を以下に説明する。
【0058】
50mAの電流を流したときの動作電圧は4.93V、また、接合強度は8.2(a.u.)、熱抵抗は67.3℃/W、寿命は46.3時間(MTTF:光出力=30mW、30℃、DC、APC)であった。
【0059】
このように、比較例1と実施形態1は、I−V特性に関しては同等であったが比較例1の接合強度が減少している。比較例1の接合強度が実施形態1よりも低下する原因は、Au層703とMo層702とが接しているためと考えられる。Au層703とMo層702との界面においては、相互拡散量がかなり少なく、ダイボンディング工程によっても密着しない。逆に、ダイボンディング時の加熱により、Au層703やMo層702中の酸化物等の不純物が影響して、Au層703とMo層702との界面の接合強度が小さくなっているためであると推測される。
【0060】
比較例1に対して、図8は、実施形態1におけるp型電極側の金属層周辺の断面模式図である。801はPt層を示す。逆に実施形態1において接合強度が大きい理由は、Au層703とMo層702は接しておらず、Au層703はPt層801と接しており、Au層703とPt層801の界面ではある程度の相互拡散が発生していることと、またMo層702とPt層801の間及びMo層702とPd層701の間でもある程度相互拡散が起こり、全体として、接合強度が確保されていると考えられる。相互拡散が一定以上の場合に接合強度が良好になる理由は明確ではないが、相互拡散が生じにくい場合、つまり、界面に不純物が偏析するような場合は、該偏析部から、各層が剥がれ易くなることが推測できる。
【0061】
図9は、リッジの直上付近にのみp型電極が存在する窒化物半導体LDのp型電極側の金属層周辺の断面模式図である。このように、リッジの直上付近にのみp型電極(Pd層701/Mo層702)が存在する場合においても、Au層703とMo層702の間のPt層801の働きにより、同様の良好な効果が得られる。同様に、p型電極のサイズによらず、Au層703とMo層702の間のPt層801の働きにより、良好な効果が得られることを確認している。
【0062】
本発明のように、Au層703とPt層801、及びAu層703とPd層が接する場合ではI−V特性を確保し、さらに接合強度が向上するため、寿命が延びることを確認している。具体的には、(Pd(0.05μm)/Mo(0.15μm)/Pd(0.10μm)/Au(0.15μm))の場合で、寿命は2550時間(MTTF:光出力=30mW、30℃、DC、APC)であった。
【0063】
上記以外の本発明の例として、第1層としての、Pd、Ru、Rh、Os、及びIrのうち少なくとも1種類以上を含む層と、第2層としてのMo層との関係、また、第2層としてのMo層と、第3層としての、Pt、Pd、Ru、Rh、Os、及びIrのうち少なくとも1種類以上を含む層との関係、また、第4層としてのAu層と、第3層としてのPt、Pd、Ru、Rh、Os、及びIrのうち少なくとも1種類以上を含む層との関係についても、上記と同様に、適切な拡散が発生し、I−V特性を確保し、さらに接合強度が向上するため、寿命が延びると考えられる。
【0064】
また、Au層と第3層の間に、NiやMo以外の金属層が挿入された場合、例えば、第3層と組成の異なるPt、Pd、Ru、Rh、Os、及びIrのうち少なくとも1種類以上を含む層が挿入された場合、またHf、Ti、Co、Cu、Ag、Sc、Au、Cr、La、W、Al、Tl、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Zr、Hf、V、Nb、Taとその化合物を用いた場合においても、本発明と同様の効果が現れると考えられる。
【0065】
逆に、Au層703とNi層が接する場合、Au層703とMo層702が接する場合等のような、Au層703がPd層、ないしはPt層801と接しない構造では、拡散量が低下し、接合強度、ひいては寿命が低下するため好ましくない。
【0066】
比較例2は、p型電極側の金属層がp型コンタクト層側からからPd(0.05μm)/Ni(0.15μm)/Pt(0.15μm)/Au(0.15μm))である窒化物半導体レーザ装置である。
【0067】
図10は、比較例2におけるp型電極側の金属層周辺の断面模式図であり、1001はNi層を示す。p型電極側の金属層形成時以外は、実施形態1と同様の方法で作製した。この窒化物半導体レーザ装置の素子特性(120個の平均値)を以下に説明する。
【0068】
50mAの電流を流したときの動作電圧は5.81V、また、接合強度は48.9(a.u.)、熱抵抗は27.6(℃/W)、寿命は51.3時間(MTTF:光出力=30mW、30℃、DC、APC)であった。
【0069】
このように、接合強度に関しては比較例2と実施形態1は同程度であったが、I−V特性は比較例2の方が低下していた。比較例2においてI−V特性が劣化する原因は、第1層であるPd層にまでNi、金属酸化物等の不純物、及びPt等が比較的多く拡散してしまうことが考えられる。I−V特性が悪化することでレーザ発振に要する発熱量が増えて、寿命特性に悪影響を与えていると考えられる。
【0070】
上記のI−V特性が悪化する傾向は、(p型コンタクト層側から)Ni/Au/CuO/Pt/Au、Ni/Au、γ−GaN合金/Pt/Au、Ni/Pt/Au、Pt/Au、Pd/Pt/Auのような場合においても同様であり、p型コンタクト層側に接して、オーミック特性が確保できる金属にMoが接していない場合に見られる現象である。
【0071】
逆に、実施形態1においてI−V特性が良好な理由は、p型コンタクト層と接するPd層701をMo層702が保護し、他層からの拡散を抑制していると考えられる(Mo自身も比較的拡散が少ない)。
【0072】
(第2層の適正な層厚)
次に、第2層のMo層702の効果が見られる層厚について説明する。実施形態1ではMo層の層厚が5nm以上400nm以下において、(電流50mAでの)動作電圧が下がり寿命が向上した。またMo層が5nm未満400nmより厚い場合、界面の接合強度が下がっていた。
【0073】
この原因は、以下のように推測できる。第2層のMo層が5nm未満である場合、第1層のPd層を充分に保護することができず、他層からの原子、不純物等が、第1層のPd層、p型コンタクト層111表面へ拡散してしまい、I−V特性を悪化させていると考えられる。このとき、接合強度も低下している。
【0074】
また、第2層のMo層が400nmより厚い場合、層中の酸化物等の不純物の絶対量が増え、これらがダイボンディング時の加熱によりMo層と他層との界面に移動・集中し、I−V特性を悪化させていると考えられる。このように、I−V特性が劣化すると駆動電圧が上昇し、発熱しやすくなり寿命も低下すると考えられる。
【0075】
(第1層の適正な層厚)
次に、第1層の効果が見られる層厚について説明する。実施形態1では第1層の層厚が5nm以上300nm以下において効果が見られた。
【0076】
第1層のPd層が5nm未満である場合、ダイボンディング時にMo層が、p型コンタクト層111と接してしまい、充分なオーミック特性が得られない場合がある。また、第1層のPd層が300nmより厚い場合、第3層のPt層中の酸化物等の不純物の絶対量が増え、これらがダイボンディング時の加熱により他層との界面に移動し、界面の接合強度を下げ、装置の特性を低下させていると考えられる。
【0077】
(第3層の適正な層厚)
次に、第3層の効果が見られる層厚について説明する。実施形態1では第3層の層厚が50nm以上5000nm以下において効果が見られた。
【0078】
第3層のPt層が50nm未満である場合、ダイボンディング時に第4層のAu層との接合強度が確保できない。また、第3層のPt層が5000nmより厚い場合、第3層のPt層中の酸化物等の不純物の絶対量が増え、これらがダイボンディング時の加熱により第3層のPt層と他層との界面に移動し、界面の接合強度を下げていると考えられる。
【0079】
ここで、接合強度、熱抵抗、寿命の関係について説明する。接合強度が弱いということは、金属層界面での熱伝導性を妨げる不純物が偏析している可能性が高く、このため半導体LDチップからの放熱性が劣り、熱抵抗が低下し、さらには窒化物半導体レーザ装置の寿命が低下すると考えられる。
【0080】
本発明において、窒化物半導体LDチップとマウント部材を接合するハンダは、Au−30Snだけでなく、AuSn(Au−90Sn等)、In、InPb、InSn、InAg、InAgPb、Sn、SnPb、SnSb、SnAg、SnSb、SnAgPb、SnAgCu、SnPbSb、PbSb、PbAg、もしくはPbZnを使用することで、接合強度を確保でき、第1層のPd層へのハンダ等の拡散が抑えられ、窒化物半導体レーザ装置の熱抵抗、寿命が向上することを確認している。
【0081】
〈実施形態2〉
図11は、p型電極101がマウント全面を覆っていない場合の窒化物半導体LDチップの活性層周辺の断面模式図である。図11において、1401は埋め込み領域110下の金属層、1410はリッジ直上領域である。他の構成は実施形態1と同様である。
【0082】
〈実施形態3〉
図12は、金属層(p型電極101、p型電極下の金属層102、埋め込み領域下の金属層1401)がマウント全面を覆っていない場合の窒化物半導体LDチップの活性層周辺の断面模式図である。他の構成は実施形態1と同様である。
【0083】
以上、本発明は実施形態1〜3の形態をとることができる。その際、窒化物半導体LDチップと接合するマウント部材の面の金属層構造は、マウント部材側からMo、Ni、Au、もしくはMo、Pt、Au、もしくはTi、Au、もしくはTi、Pt、Au、もしくはMo、Ti、Auを使用した場合でも同様の効果が現れる。実施形態1では、誘電体膜としてTiO、およびSiOを使用したが、他にもAlN、TiN、SiN、ZrO、Ta、Al、TiON、MgFあるいはその他の酸化物、フッ化物、もしくは窒化物を用いた場合でも同様の効果が現れる。
【0084】
また、実施形態1では、片面の端面コーティングだけを行なったが、両面の端面コーティングを行なう場合も、本発明を適用することで、熱特性、寿命向上の効果が現れる。実施形態1では、サブマウントにCuを用いたが、他のサブマウントでも同様の効果が得られる。窒化物半導体より熱膨張率が大きい他の材料、例えば、Ag、Fe、CuW、BeO、Al、GaAs等に置き換えると窒化物半導体発光素子チップに圧縮歪を与えることができ、発光装置の特性を向上させることができる。さらに、熱伝導率の大きいものの方が、放熱性に優れるため好ましい。
【0085】
また、実施形態1では、SiCサブマウントに半導体LDチップを搭載したが、サブマウントを用いずに、直接ステムの支持基体に該半導体LDチップを搭載してもよい。この場合、マウント部材はステムの支持基体となる。
【0086】
また、実施形態1では、サブマウントとステムの支持基体の接着のためのハンダにPbSnハンダを用いたが、その他、融点の低いハンダ、例えば、In系ハンダのInPb、InSn、InAg、InAgPb等、あるいは、Sn、SnPb、SnSb、SnAg、SnSb、SnAgPb、SnPbSb、SnAgCu等のSnを含むハンダ、あるいは、PbSb、PbAg、PbZn等のPbを含むハンダ、あるいは、Ag、Au、Cuなどの粉末を混入したエポキシ樹脂やポリイミド等を用いても同様の効果を得ることが可能である。
【0087】
ハンダの形成は蒸着法以外に塗布法、スパッタ法、印刷法、メッキ法等を用いてもよく、シート状のハンダをステムの支持基体上に置いてもよいが、すでに半導体LDチップとサブマウント間に存在するハンダへの悪影響を避ける意味で、できれば融点がハンダより低いものが望ましい。またハンダの形成は上記以外に蒸着法、塗布法、スパッタ法、印刷法、メッキ法等を用いてもよい。
【0088】
また、実施形態1でn型電極はHf/Alを用いたが、Hf以外にTi、Co、Cu、Ag、Ir、Sc、Au、Cr、Mo、La、W、Al、Tl、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Pt、Ni、Pdとその化合物を用いてもよく、Al以外にAu、Ni、Ag、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Zn、Si、Geとその化合物を用いてもよく、膜厚も上記厚さに限るものではない。
【0089】
また、実施形態1の半導体LDチップは、特定の例に限られるものではなく、基板として、Si、SiC、ZrB、GaAsや他の窒化物半導体材料を用いる等の変更が可能であり、また、半導体成長層の材料系として、例えば、GaNαX1−α(0.51≦α≦1)(XはP、As、Sb、Bi等のうち少なくとも1種類以上を含む元素)、BNβX1−β(0.51≦β≦1)、AlγN1−γ(0.51≦γ≦1)、AlδGa1−δNεX1−ε(0<δ<1、0.51≦ε≦1)、InNζX1−ζ(0.51≦ζ≦1)、InηGa1−ηNμX1−μ(0<η<1、0.51≦μ≦1)、InνGaξAl1−νξNτX1−τ(0<ν<1、0<ξ<1、0.51≦τ≦1)を用いてもよい。
【0090】
また、実施形態1の半導体LDチップのp型電極側の埋め込み材料は、SiO、SiO、TiO、SiN、GaAs、GaP、GaN、InN等他の窒化物半導体を用いてもよい。
【0091】
また、サブマウント積載面上に、さらに、ワイヤボンディング用のパッド部を設けることや、ダイボンディング時の位置合わせのための印を設けることができる。いわゆるマルチビームレーザのように、3以上の電極を有する半導体LDチップを積載した半導体レーザ装置にも、上記原理に基づいて、本発明を応用することもできる。
【0092】
さらに、ハンダとサブマウントとの間には、公知のごとく、種々の膜を介在させることが可能であり、例えば、サブマウントとハンダ間の密着性を向上させるための膜、サブマウントとハンダ間の反応を防止するための膜、さらには、これらの膜の間の密着性を高めたり、酸化を防止するための膜を適宜積層形成させてもよい。ハンダ、ボンディングパッド、サブマウント相互の間にも、同様の目的で、種々の膜を介在させることが想定される。
【0093】
【発明の効果】
本発明によると、I−V特性の劣化を防ぐとともに、各金属層間の反応性による半導体LDチップとマウント部材との接合強度の劣化も防ぐことができ、長寿命な窒化物半導体レーザ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1における窒化物半導体レーザ装置のチップ周辺の断面模式図である。
【図2】本発明の個々の半導体レーザ構造が多数形成された窒化物半導体LDウェハの模式図である。
【図3】図2の窒化物半導体LDウェハを分割ライン(A)210で分割したLDバーの模式図である。
【図4】(a)実施形態1のダイボンディング前の窒化物半導体LDチップの裏面(GaN基板側)からの模式図である。
(b)半導体LDチップの表面(成長層側)からの模式図である。
【図5】本発明の半導体レーザ装置の断面模式図である。
【図6】本発明の半導体レーザ装置の斜視図である。
【図7】比較例1におけるp型電極側の金属層周辺の断面模式図である。
【図8】実施形態1におけるp型電極側の金属層周辺の断面模式図である。
【図9】本発明のリッジの直上付近にのみp型電極が存在する窒化物半導体LDのp型電極側の金属層周辺の断面模式図である。
【図10】比較例2におけるp型電極側の金属層周辺の断面模式図である。
【図11】本発明のp型電極がマウント全面を覆っていない場合の窒化物半導体LDチップの活性層周辺の断面模式図である。
【図12】本発明の金属層がマウント全面を覆っていない場合の窒化物半導体LDチップの活性層周辺の断面模式図である。
【図13】従来のジャンクションダウン構造の半導体レーザ装置の断面模式図である。
【符号の説明】
101 p型電極
102 金属膜
103 ハンダ
105 サブマウント(マウント部材)
120 n型電極
211 金属層
410 窒化物半導体レーザダイオードのチップ

Claims (6)

  1. 窒化物半導体レーザダイオードのチップと、該チップの一方の面に形成されたp型電極と、該チップの他方の面に形成されたn型電極と、前記p型電極面に少なくとも金属膜とハンダを介して接合されたマウント部材とを備えた窒化物半導体レーザ装置であって、
    前記p型電極及び前記金属膜からなる金属層は、前記チップに接する層から順に、少なくとも第1層、第2層、第3層、第4層を有し、前記ハンダは第5層であり、
    第1層は、Pd、Ru、Rh、Os、及びIrのうち少なくとも1種類以上を含み、
    第2層は、Moであり、
    第3層は、Pt、Pd、Ru、Rh、Os、及びIrのうち少なくとも1種類以上を含み、
    第4層は、Auであり、
    第5層は、Sn、Ag、In、及びPbのうち少なくとも1種類以上を含むことを特徴とする窒化物半導体レーザ装置。
  2. 前記ハンダは、AuSn、In、InPb、InSn、InAg、InAgPb、Sn、SnPb、SnSb、SnAg、SnSb、SnAgPb、SnAgCu、SnPbSb、PbSb、PbAg、もしくはPbZnであることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体レーザ装置。
  3. 窒化物半導体レーザダイオードのチップを、マウント部材に搭載する工程を備えた窒化物半導体レーザ装置の製造方法であって、
    前記チップの一方の面にp型電極及び金属膜からなる金属層を、前記チップの他方の面にn型電極を形成し、
    前記金属層は、前記チップに接する層から順に、少なくとも第1層、第2層、第3層、第4層を有し、
    第1層は、Pd、Ru、Rh、Os、及びIrのうち少なくとも1種類以上を含み、
    第2層は、Moであり、
    第3層は、Pt、Pd、Ru、Rh、Os、及びIrのうち少なくとも1種類以上を含み、
    第4層は、Auであって、
    前記金属層面にSn、Ag、In、及びPbのうち少なくとも1種類以上を含むハンダを介してマウント部材を接合することを特徴とする窒化物半導体レーザ装置の製造方法。
  4. 前記マウント部材と接合する前状態の前記チップは、前記第1層の層厚が5nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項3に記載の窒化物半導体レーザ装置の製造方法。
  5. 前記マウント部材と接合する前状態の前記チップは、前記第2層の層厚が5nm以上400nm以下であることを特徴とする請求項3に記載の窒化物半導体レーザ装置の製造方法。
  6. 前記マウント部材と接合する前状態の前記チップは、前記第3層の層厚が50nm以上5000nm以下であることを特徴とする請求項3に記載の窒化物半導体レーザ装置の製造方法。
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