JP2004349068A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池の発電中に水素極および水素循環経路に溜まった窒素をパージする際に、同時に排出される水素の量を低減する。
【解決手段】水素循環装置4は、燃料電池1の水素極1aの出口から排出された未使用の水素ガスを水素ガス循環通路3を介して水素極1aの入口へ循環させる。負荷検出装置7が検出した水素循環装置4の負荷が所定値を超えた場合、パージ弁制御部8は、水素循環経路(1a,3,4)に溜まった窒素量が所定量を超えたと判断して、パージ弁6を開放し、負荷が所定値以下となった時点で窒素パージが終了したと判断してパージ弁6を閉じる。
【選択図】 図1
【解決手段】水素循環装置4は、燃料電池1の水素極1aの出口から排出された未使用の水素ガスを水素ガス循環通路3を介して水素極1aの入口へ循環させる。負荷検出装置7が検出した水素循環装置4の負荷が所定値を超えた場合、パージ弁制御部8は、水素循環経路(1a,3,4)に溜まった窒素量が所定量を超えたと判断して、パージ弁6を開放し、負荷が所定値以下となった時点で窒素パージが終了したと判断してパージ弁6を閉じる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池システムに係り、特に水素極から排出される未使用水素ガスを再循環させる水素循環系を備えた燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。特に固体高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池は、動作温度が低く、取り扱いが容易なことから電動車両用の電源として注目されている。すなわち、燃料電池車両は、高圧水素タンク、液体水素タンク、水素吸蔵合金タンクなどの水素貯蔵装置を車両に搭載し、そこから供給される水素と、酸素を含む空気とを燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池から取り出した電気エネルギで駆動輪につながるモータを駆動するものであり、排出物質は水だけであるという究極のクリーン車両である。
【0003】
水素ガスを燃料とする固体高分子型燃料電池において、水素ガスの加湿または発電効率向上等のために、発電により消費される水素量よりも過剰な水素を水素極入口から供給し、水素極出口から排出される未使用水素ガスを再度水素極入口へ循環させる水素循環系を備えたものがある。
【0004】
このような水素循環系を備えた燃料電池においては、供給される水素ガス中の不純物や電解質膜を介して酸素極からリークする空気中の窒素ガスが水素循環系に蓄積する。このため、水素循環系に蓄積された不純物を系外へ排出するパージが行われる。
【0005】
従来の燃料電池におけるパージ技術として、たとえば特許文献1記載の技術がある。この従来技術によれば、予め決められた時間間隔でパージ弁を開くように制御されていた。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−231293号公報(第5頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、水素循環系の窒素の蓄積度合いに依らずに、所定の時間間隔でパージを行っていたため、水素循環系から不必要な水素ガスの放出を招き、燃料電池の燃費性能を低下させるという問題点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するため、水素極および酸化剤極にそれぞれ水素ガスおよび酸化剤ガスの供給を受けて電力を発生する燃料電池本体と、前記水素極の入口に水素ガスを供給する水素供給通路と、前記水素極の出口から排出される排水素ガスを前記水素極の入口へ循環させる水素循環通路と、前記排水素ガスを循環させる水素循環装置と、前記水素極の出口または前記水素循環通路から排水素ガスを外部へ排出するパージ通路と、該パージ通路を開閉するパージ弁と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記水素循環装置の負荷または回転数に基づいて前記パージ弁を制御するパージ弁制御部を備えたことを要旨とする。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、水素循環通路内の窒素の蓄積度合いに応じてパージを行うことができるので、不必要なパージの回数を低減し、燃料の水素ガスを無駄に放出することを防止し、燃料電池の燃費性能を向上させることができるという効果がある。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に係る燃料電池システムの第1実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の負荷を検出する負荷検出装置7と、パージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部8とを備えている。
【0011】
負荷検出装置7は、例えばトルクセンサによるトルクや水素循環装置の消費電力、消費電流により水素循環装置4の負荷を検出し、検出値をパージ弁制御部8へ出力するものである。
【0012】
パージ弁制御部8は、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、パージ弁制御部の入力装置として負荷検出装置7が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0013】
次に、図2乃至図5を参照して、本実施形態におけるパージ弁制御部の動作について説明する。図2は、本実施形態におけるパージ弁制御部の動作を説明するフローチャート、図3は、水素循環装置の負荷と燃料電池が一定出力時の燃料電池電圧との関係を示す図、図4は、水素循環系の窒素蓄積量と水素循環装置負荷との関係を示す図、図5は、パージ弁を閉じて連続運転する時間と窒素蓄積量との関係を示す図である。
【0014】
図2において、まずステップ(以下、ステップをSと略す)1において、負荷検出装置7が検出した水素循環装置4の負荷をパージ弁制御部8へ入力する。次にS2で、一定回転で制御されている水素循環装置4の負荷を検出した結果が所定値を超えたか否かを判断する。負荷が所定値を超えている場合には、水素循環系の窒素蓄積量がパージを必要とする量に達したと判断してS3へ進み、パージ弁6を開く。S2の判定で負荷が所定値以下であれば、S4へ進みパージ弁6は閉じておく。
【0015】
ここでS2の判断に用いる所定値は、以下のように求めることができる。図3は横軸に水素循環装置の負荷、縦軸に燃料電池が一定出力で発電中の燃料電池電圧とした場合の両者の関係を示す。単位体積あたりの質量の大きい窒素が水素極1aおよび水素ガス循環通路3及び水素循環装置4(これらを併せて水素循環系と呼ぶ)に多くなると、ある回転で回っている水素循環装置4が気体を循環するに要する仕事量(負荷)は増加する傾向であり、図4に示す関係を持つ。
【0016】
一方、水素極1aおよび水素ガス循環通路3に窒素が蓄積すると、一般的には水素極1aの電解膜への水素供給量が不足するため燃料電池の電圧は低下する。この関係を整理したものが図3である。この図3の関係から低下代が問題とならない範囲の下限の燃料電池電圧を設定し、それに相当する水素循環装置負荷を求め、この水素循環装置負荷をS2の所定値として設定する。
【0017】
なお、一般的には図5のようにパージ弁を閉じたまま燃料電池の発電運転を続ければ、水素極1aには窒素が蓄積され続ける。このため図3の関係はパージ弁を閉じたまま燃料電池電圧と水素循環装置負荷を記録することで得ることができる。
【0018】
本実施形態によれば、水素循環通路内の窒素の蓄積度合いに応じてパージを行うことができるので、不必要なパージの回数を低減し、燃料の水素ガスを無駄に放出することを防止し、燃料電池の燃費性能を向上させることができるという効果がある。
【0019】
〔第2実施形態〕
図6は、本発明に係る燃料電池システムの第2実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の負荷を検出する負荷検出装置7と、パージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部8とを備えている。
【0020】
負荷検出装置7は、例えばトルクセンサによるトルクや水素循環装置の消費電力、消費電流により水素循環装置4の負荷を検出し、検出値をパージ弁制御部8へ出力するものである。
【0021】
パージ弁制御部8は、パージ弁6を開くタイミングを制御するパージ開始制御部9と、パージ弁を閉じるタイミングを制御するパージ終了制御部10と、パージ開始制御部9またはパージ終了制御部10の何れからパージ弁を制御するかを選択する指令選択部11とを備えている。
【0022】
パージ弁制御部8は、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、パージ弁制御部の入力装置として負荷検出装置7が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0023】
次に、図7乃至図10を参照して本実施形態におけるパージ弁制御部の動作について説明する。図7は指令選択部、図8はパージ開始制御部、図9はパージ終了制御部のフローチャートである。図10は、水素循環装置の負荷と燃料電池が一定出力時の燃料電池電圧との関係を示す図である。
【0024】
図7において、指令選択部は、まずS7でパージ弁6の開閉状態を判定し、パージ弁が閉じていれば、S8に進んでパージ開始制御部を選択する。S7の判定でパージ弁が開いていれば、S9に進んでパージ終了制御部を選択する。
【0025】
図8において、パージ開始制御部は、まずS11で負荷検出装置7が検出した水素循環装置4の負荷をパージ弁制御部8へ入力する。次にS12で、一定回転で制御されている水素循環装置4の負荷を検出した結果が所定値1を超えたか否かを判断する。負荷が所定値1を超えている場合には、水素循環系の窒素蓄積量がパージを必要とする量に達したと判断してS13へ進み、パージ弁6を開く。S12の判定で負荷が所定値以下であれば、S14へ進みパージ弁6は閉じた状態を保持する。
【0026】
図9において、パージ終了制御部は、まずS16で負荷検出装置7が検出した水素循環装置4の負荷をパージ弁制御部8へ入力する。次にS17で、一定回転で制御されている水素循環装置4の負荷を検出した結果が所定値2(所定値2<所定値1)未満か否かを判断する。負荷が所定値2未満の場合には、水素循環系のパージが終了したと判断してS18へ進み、パージ弁6を閉じる。S17の判定で負荷が所定値以上であれば、S19へ進みパージ弁6の開状態を継続する。
【0027】
なお、水素循環装置の負荷と所定値1および所定値2の関係は、第1実施形態で説明した図3および図4に示す原理と同様である。所定値1および所定値2の設定例を図10に示す。所定値1は水素循環装置の負荷を大きくしていったときに、燃料電池電圧の低下代が問題にならない上限の水素循環装置の負荷を設定し、所定値2は窒素蓄積量が最小の時の水素循環装置の負荷を設定する。
【0028】
先に説明した第1実施形態では、パージ弁の開閉判断のために負荷を判定する唯一の所定値を用いた。しかし負荷の判定値が一つだけであると、水素循環装置の負荷が判定値付近で開閉制御のハンチングが生じ、パージ弁の動作騒音が生じたり、パージ弁の劣化が生じることがある。
【0029】
第2実施形態のパージ弁制御部は、パージ弁開を判断する水素循環装置の負荷値(所定値1)と、パージ弁閉を判断する水素循環装置の負荷値(所定値2、所定値2<所定値1)とを異なる値として、パージ弁開閉判断にヒステリシスを持たせた。このため本実施形態によれば、パージ弁開閉制御のハンチングを回避し、パージ弁の動作騒音を低下させるとともに、パージ弁の劣化を防止し寿命を伸延させることができる。
【0030】
〔第3実施形態〕
図11は、本発明に係る燃料電池システムの第3実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の負荷を検出する負荷検出装置7と、パージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部8とを備えている。
【0031】
負荷検出装置7は、例えばトルクセンサによるトルクや水素循環装置の消費電力、消費電流により水素循環装置4の負荷を検出し、検出値をパージ弁制御部8へ出力するものである。
【0032】
パージ弁制御部8は、負荷検出装置7が検出した水素循環装置の負荷に基づいて水素循環系の窒素量を推定する窒素量推定部12と、窒素量推定部12の推定結果に基づいて、パージ弁6の開閉制御を行うパージ処理演算部13とを備えている。
【0033】
パージ弁制御部8は、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、パージ弁制御部の入力装置として負荷検出装置7が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0034】
次に、図12乃至図15を参照して本実施形態におけるパージ弁制御部の動作について説明する。図12は窒素推定部のフローチャート、図14はパージ処理演算部のフローチャートである。図13は、水素循環装置の負荷と窒素蓄積量との関係を示す図、図15は、窒素量と燃料電池が一定出力時の燃料電池電圧との関係を示す図である。
【0035】
図12において、窒素量推定部は、まずS21で負荷検出装置7が検出した水素循環装置4の負荷を入力する。次いで、S22で水素循環装置の負荷に基づいて窒素量テーブルを参照する。第1実施形態で説明した図4の関係を窒素量テーブルとして記憶させておき、図13に示す参照方法により、窒素蓄積量の推定値を求めることができる。S23で窒素量推定値をパージ処理演算部が参照できるように格納する。
【0036】
次に、パージ処理演算部は、図14に示すフローチャートに従い、窒素量に基づいてパージの処理を行う。まず、S26でパージ弁の開閉状態を判定する。パージ弁が閉じている場合には、パージ停止中と判断してS27に移る。パージ弁が開いている場合にはS31へ移る。
【0037】
S27では、窒素量推定値が所定値3を超えているか否かを判定し、窒素量推定値が所定値3を超えていれば、S28へ進み、パージ弁を開く。S27の判定で、窒素量推定値が所定値3以下であれば、S29へ進み、パージを閉じたままとする。
【0038】
一方S31では、窒素量推定値が所定値4(所定値4<所定値3)未満か否かを判定し、所定値4未満の場合には、S32へ進み、パージ弁を閉じてパージを終了させる。S31の判定で所定値4以上の場合には、S33へ進み、パージ弁を開いたままとしてパージを継続する。
【0039】
なお、所定値3、および所定値4の設定例を図15に示す。窒素量と燃料電池電圧の関係から、燃料電池電圧の低下代が問題にならない窒素量の上限を所定値3とし、窒素量が通常使用する範囲内の平均値を所定値4に設定する。
【0040】
本実施形態によれば、窒素量の推定値に基づいてパージ制御を行うので、パージ時期の設定が容易となるという効果がある。
【0041】
〔第4実施形態〕
図16は、本発明に係る燃料電池システムの第4実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の負荷を検出する負荷検出装置7と、パージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部8と、パージ弁6下流の水素濃度を検出する水素濃度検出装置14を備えている。
【0042】
負荷検出装置7は、例えばトルクセンサによるトルクや水素循環装置の消費電力、消費電流により水素循環装置4の負荷を検出し、検出値をパージ弁制御部8へ出力するものである。
【0043】
パージ弁制御部8は、負荷検出装置7が検出した水素循環装置の負荷に基づいてパージ開始を制御するパージ開始制御部9と、水素濃度検出装置14の検出結果に基づいてパージ終了制御を行うパージ終了制御部15と、指令選択部11とを備えている。パージ開始制御部9と指令選択部11とは、図6に示した第2実施形態と同様の構成要素である。
【0044】
パージ弁制御部8は、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、パージ弁制御部の入力装置として負荷検出装置7及び水素濃度検出装置14が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0045】
次に、図17及び図18を参照して本実施形態におけるパージ弁制御部の動作について説明する。図17はパージ終了制御部のフローチャート、図18はタイムチャートである。
【0046】
なお本実施形態においては、パージ開始制御部9及び指令選択部11の動作は、第2実施形態と同様であるので説明を省略し、第2実施形態と異なる水素濃度検出装置14およびパージ終了制御部15について説明する。
【0047】
図17において、パージ終了制御部は、S30で水素濃度検出装置が検出した水素濃度を入力する。次いで、S31で入力した水素濃度値が所定値5を超えたか否かを判定する。S31の判定で水素濃度値が所定値5を超えていれば、水素循環系の不純物排出が終了したとして、S32へ進み、パージ弁を閉じてパージを終了する。S31の判定で水素濃度値が所定値5未満であれば、水素循環系の不純物排出を継続するため、S33へ進み、パージ弁の開状態を継続する。
【0048】
なお、図18を用いて動作の説明すると、パージを開始してから水素濃度検出装置の位置まで水素が流出するには、一般的には数10〔ms〕〜数〔s〕の遅れがあり、水素濃度が所定値5に達した時点でパージを終了する。所定値5の設定方法としては予め実験等によりパージ中の水素流出濃度と窒素濃度変化を記録しておき、水素循環装置内の窒素濃度が目標値に達する時の水素濃度を設定する。
【0049】
本実施形態によれば、パージ時の実際の水素流出量に応じてパージ弁を閉じるので、環境変化などにより水素流出量が変化する場合でも確実にパージを行いながら水素流出量を低減することができるという効果がある。
【0050】
〔第5実施形態〕
図19は、本発明に係る燃料電池システムの第5実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の負荷を検出する負荷検出装置7と、燃料電池1の発電電力を演算するスタック発電電力演算部16と、演算された発電電力に基づいて水素循環装置4の目標回転数を演算する水素循環装置目標回転数演算部17と、算出された発電電力に基づいて水素循環装置4の目標負荷を演算する水素循環装置目標負荷演算部18と、水素循環装置4の目標負荷と負荷検出装置7が検出した水素循環装置の負荷とに基づいてパージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部19とを備えている。
【0051】
負荷検出装置7は、例えばトルクセンサによるトルクや水素循環装置の消費電力、消費電流により水素循環装置4の負荷を検出し、検出値をパージ弁制御部8へ出力するものである。
【0052】
スタック発電電力演算部16と、水素循環装置目標回転数演算部17と、水素循環装置目標負荷演算部18と、パージ弁制御部19とは、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、このマイクロプロセッサの入力装置として負荷検出装置7が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0053】
図16のスタック発電電力演算部16は、現在スタックが発電している電力を算出する演算部である。例えば、燃料電池1の発電電流値と発電電圧値とを入力し、これらを乗算することにより発電電力を算出する。
【0054】
次に、図20の水素循環装置目標回転数演算部では、スタック発電電力値に基づいてS36で水素循環装置目標回転数をテーブルから参照する。このテーブルの設定例を図21に示す。
【0055】
次に図22に示す水素循環装置目標負荷演算部では、目標負荷を記録したマップを元に水素循環装置目標回転数とスタック発電電力で参照して水素循環装置目標負荷を算出する。このマップの設定例を図23に示す。このマップは予め水素循環装置回転数と循環装置負荷の関係をスタック発電電力ごとに計測しておき、整理したものである。
【0056】
次に、図24に示すパージ弁制御部のフローチャートに基づいてパージ弁の開閉状態を制御する。S44でパージ弁の開閉状態を判定し、パージ弁が開の場合にはパージ中と判断しS48へ移る。パージ弁が閉の場合にはパージ停止中と判断しS45へ移る。
【0057】
S45では、負荷検出装置が検出した水素循環装置の負荷が目標負荷+所定値6を超えているか否かを判定する。負荷が目標負荷+所定値6を超えていれば、S46へ移ってパージ弁を開き、超えていなければ、S47へ移ってパージ弁を閉にする。
【0058】
S48では、負荷検出装置が検出した水素循環装置の負荷が目標負荷+所定値7を超えているか否かを判定する。負荷が目標負荷+所定値7を超えていれば、S49へ移ってパージ弁を開き、超えていなければ、S50へ移ってパージ弁を閉にする。
【0059】
なお、所定値6と所定値7の関係は図25に示す。この所定値の設定方法については第2実施形態で説明に用いた図10の考え方と同様だが、所定値6,7は目標負荷に対する差分を設定する。
【0060】
本実施形態によれば、スタック発電電力に応じて水素循環装置の回転数を変更する場合でも、回転数によってパージ時期を変更することができるので、発電電力によらず排出水素量を低減する効果を得ることができる。
【0061】
〔第6実施形態〕
図26は、本発明に係る燃料電池システムの第6実施形態の構成を説明するシステム構成図である。本実施形態の構成は、図19に示した第5実施形態の構成に対して、水素循環装置4の劣化により水素循環装置の定常負荷が増加したことを学習する水素循環装置負荷学習演算部20が追加されている点に特徴がある。その他の構成は、第5実施形態と同様であるので、同じ構成要素には、同じ符号を付与して、重複する説明を省略する。
【0062】
図27は、水素循環装置負荷学習演算部20の制御動作の内容を説明するメインフローチャートである。学習の概要は、燃料電池1の発電状態が学習可能な定常状態になったところで、水素循環装置4の平均化した負荷値を算出し、算出した負荷値が既に学習して記憶されている負荷の学習値よりも大きい場合には、算出した負荷値を用いて学習値を更新するというものである。
【0063】
図27のメインフローチャートにおいて、まずS53の学習許可判定部(詳細後述)で、学習してよいか否かを判定し、判定結果に従って学習許可判定フラグ及び学習値更新許可フラグの値を設定する。次いでS54で学習許可判定フラグの値を判定し、学習許可判定フラグの値が1であれば、S55の学習演算部へ移る。S54の判定で学習許可判定フラグの値が0であれば、学習が許可されていないので、S58の学習後目標負荷算出部へ移る。
【0064】
S55の学習演算部では、水素循環装置の負荷を学習し(詳細後述)、次いでS56で、学習値更新許可フラグの値を判定する。学習値更新許可フラグの値が1であれば、S57へ移り、学習値を更新し、S58へ移る。S56の判定で学習値更新許可フラグの値が0であれば、学習値の更新が許可されていないので、S58へ移る。S58では、後述するように、学習後の水素循環装置の目標負荷を算出する。
【0065】
図28は、学習許可判定部の内容を説明する詳細フローチャートである。図28において、まずS60でスタック発電状態が定常であるかを判定するため、所定時間T1の間連続して発電電力の変動代がE1[kW]以内であるか否かを判定する。E1[kW]以内である場合、学習許可と判断してS61に移る。
【0066】
なお、T1は長く設定すれば学習値の精度は向上するが、学習頻度は低下するためE1とのバランスが必要である。一方E1は変動代が学習演算に対してその影響が問題にならない範囲で最大のものを選んでよい。
【0067】
図29にS60の判定中のタイムチャートを記す。S60の判定で、発電電力の変動代がE1[kw]を超えれば、発電状態が定常状態ではなく、水素循環装置の負荷学習に不適として、S62に移り、学習許可判定フラグに0を設定し、S66で学習値更新許可フラグに0を設定し、リターンする。この負荷学習に不適な場合には、最終的には既に学習済の結果を用いて目標負荷を算出することになる。
【0068】
S60で、学習許可と判断したら、S61に移り学習許可フラグ=1とし、S63へ移る。S63では、スタック発電電力の変動代が学習期間である所定時間T2の間、所定範囲内つまり±E2[kW]以内であるか否かを判断する。±E2[kW]以内であれば、S64へ移り、スタック発電電圧も予め記憶した発電量に対するスタック電圧の値に対して±E3[V]以内であるか否かを判定する。S64の判定で、所定以内であれば、S65へ移り、学習値更新許可フラグに1を設定して、リターンする。S63,S64の判定で、いずれかでも所定範囲内でなければ、S62へ移り、水素循環装置負荷の学習を行わない。
【0069】
S64の判定で用いる発電量に対するスタック電圧を記憶する例として、図31に示す学習用スタック電圧テーブルがある。
【0070】
E2およびE3の設定は、発電量および発電電圧の変動代が学習精度に問題ない範囲で最大の値に設定してよい。
【0071】
次に、S55の学習演算部の詳細内容について図34のフローチャートに基づいて説明する。まず、S69で水素循環装置の負荷R[kW]を検出し、S70からS72の間で学習開始から何回目の負荷検出であるかをカウントし、S73の平均化処理を行う。次いで、S74で学習値を算出してリターンする。
【0072】
図35は、S73の平均化処理の詳細を示すフローチャートである。まず、S77からS79で行うことは、N回目の平均を求める場合、前回の水素循環装置負荷平均値RAzと現在の水素循環装置負荷RをN−1:1で加重平均したものを水素循環装置負荷平均値RAとする。
【0073】
同様にS80からS82では目標負荷の平均値を求める。そしてS83では水素循環装置負荷平均値RAと目標負荷平均値RTとの差分DRを算出して、平均か処理が終了する。
【0074】
図36は、S74の学習値算出部の処理内容を説明するフローチャートである。本実施形態では、水素循環装置が劣化してその負荷が増加する場合を考慮しており、学習後に水素循環装置の負荷が小さくなる場合には学習値を更新しない。S86で既に学習済みの値、領域別負荷増分学習値テーブルに記憶されている学習値が、今回学習演算でともめられた値DRよりも大きい場合には、前記のとおり領域別負荷増分学習値テーブルには更新しない。この場合にはS88に移り、学習値を更新せず終了する。
【0075】
一方、DRの方が大きい場合には、S87で領域別負荷増分学習値テーブルを更新して終了する。これで図27のS57の演算が終了し、S58に移動する。図37は、S58の学習後目標負荷算出部の演算内容を示すフローチャートである。S58では前記学習演算で学習値が反映された領域別負荷増分学習値テーブルに基づいて水素循環装置負荷の目標値を算出するものである。S91ではX軸を図30の学習領域テーブルとし、Y軸を図32の領域別負荷増分学習値テーブルとして、これをスタック発電電力で参照して領域別負荷増分を算出する。参照は図38に示す補間方法で行う。
【0076】
次にS92に移り、図26で算出された目標負荷に負荷増分値を加えて、学習後の目標負荷を求める。以上で図26の水素循環装置負荷学習演算部20の演算を終了し、学習後の目標負荷をパージ弁制御部19に受け渡す。なお、パージ弁制御部19の演算内容については第5実施形態と同様である。
【0077】
本実施形態によれば、水素循環装置の劣化により水素循環装置の負荷が変化して負荷と窒素量との関係が変化しても、その関係を補正することができるので、排出水素量の低減効果を得ることができる。
【0078】
〔第7実施形態〕
図39は、本発明に係る燃料電池システムの第7実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の回転数を検出する回転数検出装置21と、パージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部22とを備えている。
【0079】
回転数検出装置21は、例えばロータリエンコーダやピックアップコイルにより水素循環装置4の回転数(回転速度)を検出し、検出値をパージ弁制御部22へ出力するものである。
【0080】
パージ弁制御部22は、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、パージ弁制御部の入力装置として回転数検出装置21が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0081】
一定負荷で運転されている水素循環装置4の回転数を図39の回転数検出装置21で検出し、パージ弁制御部22でパージの制御を行う。
【0082】
図40は、パージ弁制御部22の制御動作を説明するフローチャートである。まず、S94で回転数検出装置21が検出した水素循環装置4の回転数を読み込み、S95で水素循環装置の回転数が所定値7を超えているか否かを判定する。回転数が所定値7を超えていれば、水素循環経路内の不純物排出が終了してガス質量が小さくなったと判断して、S96へ移り、パージ弁を閉じる。S95の判定で回転数が所定値7未満の場合には、水素循環経路内の窒素が増加したと判断し、S97に移ってパージ弁を開く。なお所定値7は循環装置内の窒素量を増加させていったときに、スタックの発電電圧が低下し始めるときの循環装置回転数を設定してもよい。
【0083】
本実施形態によれば、一定負荷で運転されている水素循環装置を有する燃料電池システムにおいても、パージ回数の低減効果を得ることができる。
【0084】
〔第8実施形態〕
図41は、本発明に係る燃料電池システムの第8実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の前後の圧力差を検出する圧力検出装置23と、パージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部24とを備えている。
【0085】
圧力検出装置23は、例えば、ダイヤフラムの歪みを電気的に検出して圧力に換算することができる半導体圧力センサや厚膜圧力センサを利用できる。
【0086】
パージ弁制御部24は、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、パージ弁制御部の入力装置として水素循環装置の前後差圧を検出する圧力検出装置23が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0087】
図42は、パージ弁制御部の制御動作を説明するフローチャートである。まずS99で圧力検出装置が検出した水素循環装置の前後差圧を読み込む。次いで、S100で水素循環装置の前後差圧が所定値8を超えているか否かを判定する。水素循環装置の前後差圧が所定値8を超えた場合には、水素循環経路内の窒素が増加したと判断し、S102に移ってパージ弁を開く。所定値8未満となったときはS101へ移り、パージ弁を閉じる。尚、所定値8は循環装置内の窒素量を増加させていったときに、スタックの発電電圧が低下し始めるときの循環装置前後差圧を設定してもよい。
【0088】
本実施形態によれば、実装の容易な圧力検出装置の追加だけで、水素循環装置の負荷を検出してパージ制御することができるという効果がある。
【0089】
〔第9実施形態〕
図43は、本発明に係る燃料電池システムの第9実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の負荷を検出する負荷検出装置7と、水素ガス供給通路2の圧力を検出する圧力検出装置25と、パージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部8とを備えている。
【0090】
負荷検出装置7は、例えばトルクセンサによるトルクや水素循環装置の消費電力、消費電流により水素循環装置4の負荷を検出し、検出値をパージ弁制御部8へ出力するものである。
【0091】
圧力検出装置25は、例えば、ダイヤフラムの歪みを電気的に検出して圧力に換算することができる半導体圧力センサや厚膜圧力センサを利用できる。
【0092】
パージ弁制御部8は、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、パージ弁制御部の入力装置として負荷検出装置7及び圧力検出装置25が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0093】
本実施形態は、水素循環経路の内圧に影響を与える水素ガス供給通路2の圧力を圧力検出装置25で検出し、この圧力を用いて水素循環経路内圧力を補正し、補正後の水素循環経路内圧力に応じて、パージ開始終了判定に用いる水素循環装置の負荷所定値を補正する実施形態である。
【0094】
図44は、水素ガス供給通路2の圧力である水素供給圧力と、水素ガス循環通路3の出口圧力である循環経路内圧との関係を示す図である。図44に示すように、水素供給圧力が増加することにより、水素ガス循環通路3出口の圧力が上昇する。その結果、水素循環装置4出口圧力が上昇することになるので、水素循環装置が循環させる水素ガス密度が高くなり、水素循環装置の負荷も高くなる。従って、水素循環装置負荷と循環装置出口圧力の関係は図45のようになる。
【0095】
よって、本実施形態における水素循環装置の負荷判定用の所定値に、図45に示す補正分を上乗せする。この所定値とは、例えば、図2のS2に示したようなパージ弁の開閉を判定するために使用する所定値である。これにより、パージ弁の開閉制御において、水素供給圧変化による循環装置負荷変化の影響を除外することができる。
【0096】
本実施形態によれば、水素供給圧力を運転状態に応じて変更する燃料電池システムにおいても、パージ回数の低減効果を得ることができる。
【0097】
〔第10実施形態〕
図46は、本発明に係る燃料電池システムの第10実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の負荷を検出する負荷検出装置7と、水素ガス循環通路3の温度または雰囲気温度を検出する温度検出装置26と、パージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部8とを備えている。
【0098】
負荷検出装置7は、例えばトルクセンサによるトルクや水素循環装置の消費電力、消費電流により水素循環装置4の負荷を検出し、検出値をパージ弁制御部8へ出力するものである。
【0099】
パージ弁制御部8は、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、パージ弁制御部の入力装置として負荷検出装置7及び温度検出装置26が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0100】
本実施形態は、水素ガス循環通路内の温度によって変動する水素循環経路内の水蒸気分圧を考慮するため、水素ガス循環通路の温度または雰囲気温度を検出し、この温度に基づいて、水素循環装置の負荷判定用の所定値を補正する実施形態である。
【0101】
図47に示すように、雰囲気温度の上昇により燃料電池1の水素極1a内で加湿された排水素の水蒸気分圧は上昇する。その結果、水素循環経路内のガス密度及び圧力が上昇し、水素循環装置4の仕事量が増加することになるので、循環装置負荷と水蒸気分圧の関係は図45のようになる。パージ弁の制御において温度変化による水蒸気分圧変化の影響を除外するため、判定に使用する所定値に図48に示す補正分を上乗せする。そして補正した所定値を用いて、例えば図2のS2に示したようなパージ制御の判定を行う。
【0102】
本実施形態によれば、供給水素の温度と水素循環経路内の水蒸気分圧の関係を考慮することで、水蒸気分圧による水素循環装置負荷の変化は補正により除くことができるので、気温変化に対してもパージ回数の低減効果を最適にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの第1実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図2】第1実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図3】第1実施形態における水素循環装置負荷と出力一定時の燃料電池電圧との関係を示す図である。
【図4】第1実施形態における水素循環経路内の窒素蓄積量に対する水素循環装置負荷の特性を示す図である。
【図5】第1実施形態におけるパージ弁閉状態の連続時間に対する窒素蓄積量の変化を説明する図である。
【図6】本発明に係る燃料電池システムの第2実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図7】第2実施形態における制御を説明するメインフローチャートである。
【図8】第2実施形態における制御を説明する詳細フローチャートである。
【図9】第2実施形態における制御を説明する詳細フローチャートである。
【図10】第2実施形態のパージ開始またはパージ終了の判定に用いる所定値を説明する図である。
【図11】本発明に係る燃料電池システムの第3実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図12】第3実施形態における制御を説明する詳細フローチャートである。
【図13】第3実施形態における窒素量推定用テーブルを示す図である。
【図14】第3実施形態における制御を説明する詳細フローチャートである。
【図15】第3実施形態における窒素量判定値を説明する図である。
【図16】本発明に係る燃料電池システムの第4実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図17】第4実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図18】第4実施形態における制御を説明するタイムチャートである。
【図19】本発明に係る燃料電池システムの第5実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図20】第5実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図21】第5実施形態における目標回転数テーブルを説明する図である。
【図22】第5実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図23】第5実施形態における目標負荷テーブルを説明する図である。
【図24】第5実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図25】第5実施形態における負荷判定用の所定値を説明する図である。
【図26】本発明に係る燃料電池システムの第6実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図27】第6実施形態における制御を説明する概略フローチャートである。
【図28】第6実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図29】第6実施形態における制御を説明するタイムチャートである。
【図30】第6実施形態の制御に用いる学習領域テーブルを説明する図である。
【図31】第6実施形態の制御に用いるスタック電圧テーブルを説明する図である。
【図32】第6実施形態の制御に用いる領域別負荷増分学習値テーブルを説明する図である。
【図33】第6実施形態における水素循環装置の負荷学習の状態を説明する図である。
【図34】第6実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図35】第6実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図36】第6実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図37】第6実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図38】第6実施形態における学習値の参照方法を説明する図である。
【図39】本発明に係る燃料電池システムの第7実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図40】第7実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図41】本発明に係る燃料電池システムの第8実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図42】第8実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図43】本発明に係る燃料電池システムの第9実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図44】第10実施形態における水素供給圧力と水素循環経路内圧力との関係を説明する図である。
【図45】第10実施形態における水素循環経路内圧力と水素循環装置負荷との関係を説明する図である。
【図46】本発明に係る燃料電池システムの第10実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図47】第10実施形態における雰囲気温度と水蒸気分圧との関係を説明する図である。
【図48】第10実施形態における水蒸気分圧と水素循環装置負荷との関係を説明する図である。
【符号の説明】
1…燃料電池
1a…水素極
1b…酸素極
2…水素ガス供給経路
3…水素ガス循環経路
4…水素循環装置
5…パージ通路
6…パージ弁
7…負荷検出装置
8…パージ弁制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池システムに係り、特に水素極から排出される未使用水素ガスを再循環させる水素循環系を備えた燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。特に固体高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池は、動作温度が低く、取り扱いが容易なことから電動車両用の電源として注目されている。すなわち、燃料電池車両は、高圧水素タンク、液体水素タンク、水素吸蔵合金タンクなどの水素貯蔵装置を車両に搭載し、そこから供給される水素と、酸素を含む空気とを燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池から取り出した電気エネルギで駆動輪につながるモータを駆動するものであり、排出物質は水だけであるという究極のクリーン車両である。
【0003】
水素ガスを燃料とする固体高分子型燃料電池において、水素ガスの加湿または発電効率向上等のために、発電により消費される水素量よりも過剰な水素を水素極入口から供給し、水素極出口から排出される未使用水素ガスを再度水素極入口へ循環させる水素循環系を備えたものがある。
【0004】
このような水素循環系を備えた燃料電池においては、供給される水素ガス中の不純物や電解質膜を介して酸素極からリークする空気中の窒素ガスが水素循環系に蓄積する。このため、水素循環系に蓄積された不純物を系外へ排出するパージが行われる。
【0005】
従来の燃料電池におけるパージ技術として、たとえば特許文献1記載の技術がある。この従来技術によれば、予め決められた時間間隔でパージ弁を開くように制御されていた。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−231293号公報(第5頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、水素循環系の窒素の蓄積度合いに依らずに、所定の時間間隔でパージを行っていたため、水素循環系から不必要な水素ガスの放出を招き、燃料電池の燃費性能を低下させるという問題点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するため、水素極および酸化剤極にそれぞれ水素ガスおよび酸化剤ガスの供給を受けて電力を発生する燃料電池本体と、前記水素極の入口に水素ガスを供給する水素供給通路と、前記水素極の出口から排出される排水素ガスを前記水素極の入口へ循環させる水素循環通路と、前記排水素ガスを循環させる水素循環装置と、前記水素極の出口または前記水素循環通路から排水素ガスを外部へ排出するパージ通路と、該パージ通路を開閉するパージ弁と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記水素循環装置の負荷または回転数に基づいて前記パージ弁を制御するパージ弁制御部を備えたことを要旨とする。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、水素循環通路内の窒素の蓄積度合いに応じてパージを行うことができるので、不必要なパージの回数を低減し、燃料の水素ガスを無駄に放出することを防止し、燃料電池の燃費性能を向上させることができるという効果がある。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に係る燃料電池システムの第1実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の負荷を検出する負荷検出装置7と、パージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部8とを備えている。
【0011】
負荷検出装置7は、例えばトルクセンサによるトルクや水素循環装置の消費電力、消費電流により水素循環装置4の負荷を検出し、検出値をパージ弁制御部8へ出力するものである。
【0012】
パージ弁制御部8は、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、パージ弁制御部の入力装置として負荷検出装置7が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0013】
次に、図2乃至図5を参照して、本実施形態におけるパージ弁制御部の動作について説明する。図2は、本実施形態におけるパージ弁制御部の動作を説明するフローチャート、図3は、水素循環装置の負荷と燃料電池が一定出力時の燃料電池電圧との関係を示す図、図4は、水素循環系の窒素蓄積量と水素循環装置負荷との関係を示す図、図5は、パージ弁を閉じて連続運転する時間と窒素蓄積量との関係を示す図である。
【0014】
図2において、まずステップ(以下、ステップをSと略す)1において、負荷検出装置7が検出した水素循環装置4の負荷をパージ弁制御部8へ入力する。次にS2で、一定回転で制御されている水素循環装置4の負荷を検出した結果が所定値を超えたか否かを判断する。負荷が所定値を超えている場合には、水素循環系の窒素蓄積量がパージを必要とする量に達したと判断してS3へ進み、パージ弁6を開く。S2の判定で負荷が所定値以下であれば、S4へ進みパージ弁6は閉じておく。
【0015】
ここでS2の判断に用いる所定値は、以下のように求めることができる。図3は横軸に水素循環装置の負荷、縦軸に燃料電池が一定出力で発電中の燃料電池電圧とした場合の両者の関係を示す。単位体積あたりの質量の大きい窒素が水素極1aおよび水素ガス循環通路3及び水素循環装置4(これらを併せて水素循環系と呼ぶ)に多くなると、ある回転で回っている水素循環装置4が気体を循環するに要する仕事量(負荷)は増加する傾向であり、図4に示す関係を持つ。
【0016】
一方、水素極1aおよび水素ガス循環通路3に窒素が蓄積すると、一般的には水素極1aの電解膜への水素供給量が不足するため燃料電池の電圧は低下する。この関係を整理したものが図3である。この図3の関係から低下代が問題とならない範囲の下限の燃料電池電圧を設定し、それに相当する水素循環装置負荷を求め、この水素循環装置負荷をS2の所定値として設定する。
【0017】
なお、一般的には図5のようにパージ弁を閉じたまま燃料電池の発電運転を続ければ、水素極1aには窒素が蓄積され続ける。このため図3の関係はパージ弁を閉じたまま燃料電池電圧と水素循環装置負荷を記録することで得ることができる。
【0018】
本実施形態によれば、水素循環通路内の窒素の蓄積度合いに応じてパージを行うことができるので、不必要なパージの回数を低減し、燃料の水素ガスを無駄に放出することを防止し、燃料電池の燃費性能を向上させることができるという効果がある。
【0019】
〔第2実施形態〕
図6は、本発明に係る燃料電池システムの第2実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の負荷を検出する負荷検出装置7と、パージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部8とを備えている。
【0020】
負荷検出装置7は、例えばトルクセンサによるトルクや水素循環装置の消費電力、消費電流により水素循環装置4の負荷を検出し、検出値をパージ弁制御部8へ出力するものである。
【0021】
パージ弁制御部8は、パージ弁6を開くタイミングを制御するパージ開始制御部9と、パージ弁を閉じるタイミングを制御するパージ終了制御部10と、パージ開始制御部9またはパージ終了制御部10の何れからパージ弁を制御するかを選択する指令選択部11とを備えている。
【0022】
パージ弁制御部8は、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、パージ弁制御部の入力装置として負荷検出装置7が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0023】
次に、図7乃至図10を参照して本実施形態におけるパージ弁制御部の動作について説明する。図7は指令選択部、図8はパージ開始制御部、図9はパージ終了制御部のフローチャートである。図10は、水素循環装置の負荷と燃料電池が一定出力時の燃料電池電圧との関係を示す図である。
【0024】
図7において、指令選択部は、まずS7でパージ弁6の開閉状態を判定し、パージ弁が閉じていれば、S8に進んでパージ開始制御部を選択する。S7の判定でパージ弁が開いていれば、S9に進んでパージ終了制御部を選択する。
【0025】
図8において、パージ開始制御部は、まずS11で負荷検出装置7が検出した水素循環装置4の負荷をパージ弁制御部8へ入力する。次にS12で、一定回転で制御されている水素循環装置4の負荷を検出した結果が所定値1を超えたか否かを判断する。負荷が所定値1を超えている場合には、水素循環系の窒素蓄積量がパージを必要とする量に達したと判断してS13へ進み、パージ弁6を開く。S12の判定で負荷が所定値以下であれば、S14へ進みパージ弁6は閉じた状態を保持する。
【0026】
図9において、パージ終了制御部は、まずS16で負荷検出装置7が検出した水素循環装置4の負荷をパージ弁制御部8へ入力する。次にS17で、一定回転で制御されている水素循環装置4の負荷を検出した結果が所定値2(所定値2<所定値1)未満か否かを判断する。負荷が所定値2未満の場合には、水素循環系のパージが終了したと判断してS18へ進み、パージ弁6を閉じる。S17の判定で負荷が所定値以上であれば、S19へ進みパージ弁6の開状態を継続する。
【0027】
なお、水素循環装置の負荷と所定値1および所定値2の関係は、第1実施形態で説明した図3および図4に示す原理と同様である。所定値1および所定値2の設定例を図10に示す。所定値1は水素循環装置の負荷を大きくしていったときに、燃料電池電圧の低下代が問題にならない上限の水素循環装置の負荷を設定し、所定値2は窒素蓄積量が最小の時の水素循環装置の負荷を設定する。
【0028】
先に説明した第1実施形態では、パージ弁の開閉判断のために負荷を判定する唯一の所定値を用いた。しかし負荷の判定値が一つだけであると、水素循環装置の負荷が判定値付近で開閉制御のハンチングが生じ、パージ弁の動作騒音が生じたり、パージ弁の劣化が生じることがある。
【0029】
第2実施形態のパージ弁制御部は、パージ弁開を判断する水素循環装置の負荷値(所定値1)と、パージ弁閉を判断する水素循環装置の負荷値(所定値2、所定値2<所定値1)とを異なる値として、パージ弁開閉判断にヒステリシスを持たせた。このため本実施形態によれば、パージ弁開閉制御のハンチングを回避し、パージ弁の動作騒音を低下させるとともに、パージ弁の劣化を防止し寿命を伸延させることができる。
【0030】
〔第3実施形態〕
図11は、本発明に係る燃料電池システムの第3実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の負荷を検出する負荷検出装置7と、パージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部8とを備えている。
【0031】
負荷検出装置7は、例えばトルクセンサによるトルクや水素循環装置の消費電力、消費電流により水素循環装置4の負荷を検出し、検出値をパージ弁制御部8へ出力するものである。
【0032】
パージ弁制御部8は、負荷検出装置7が検出した水素循環装置の負荷に基づいて水素循環系の窒素量を推定する窒素量推定部12と、窒素量推定部12の推定結果に基づいて、パージ弁6の開閉制御を行うパージ処理演算部13とを備えている。
【0033】
パージ弁制御部8は、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、パージ弁制御部の入力装置として負荷検出装置7が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0034】
次に、図12乃至図15を参照して本実施形態におけるパージ弁制御部の動作について説明する。図12は窒素推定部のフローチャート、図14はパージ処理演算部のフローチャートである。図13は、水素循環装置の負荷と窒素蓄積量との関係を示す図、図15は、窒素量と燃料電池が一定出力時の燃料電池電圧との関係を示す図である。
【0035】
図12において、窒素量推定部は、まずS21で負荷検出装置7が検出した水素循環装置4の負荷を入力する。次いで、S22で水素循環装置の負荷に基づいて窒素量テーブルを参照する。第1実施形態で説明した図4の関係を窒素量テーブルとして記憶させておき、図13に示す参照方法により、窒素蓄積量の推定値を求めることができる。S23で窒素量推定値をパージ処理演算部が参照できるように格納する。
【0036】
次に、パージ処理演算部は、図14に示すフローチャートに従い、窒素量に基づいてパージの処理を行う。まず、S26でパージ弁の開閉状態を判定する。パージ弁が閉じている場合には、パージ停止中と判断してS27に移る。パージ弁が開いている場合にはS31へ移る。
【0037】
S27では、窒素量推定値が所定値3を超えているか否かを判定し、窒素量推定値が所定値3を超えていれば、S28へ進み、パージ弁を開く。S27の判定で、窒素量推定値が所定値3以下であれば、S29へ進み、パージを閉じたままとする。
【0038】
一方S31では、窒素量推定値が所定値4(所定値4<所定値3)未満か否かを判定し、所定値4未満の場合には、S32へ進み、パージ弁を閉じてパージを終了させる。S31の判定で所定値4以上の場合には、S33へ進み、パージ弁を開いたままとしてパージを継続する。
【0039】
なお、所定値3、および所定値4の設定例を図15に示す。窒素量と燃料電池電圧の関係から、燃料電池電圧の低下代が問題にならない窒素量の上限を所定値3とし、窒素量が通常使用する範囲内の平均値を所定値4に設定する。
【0040】
本実施形態によれば、窒素量の推定値に基づいてパージ制御を行うので、パージ時期の設定が容易となるという効果がある。
【0041】
〔第4実施形態〕
図16は、本発明に係る燃料電池システムの第4実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の負荷を検出する負荷検出装置7と、パージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部8と、パージ弁6下流の水素濃度を検出する水素濃度検出装置14を備えている。
【0042】
負荷検出装置7は、例えばトルクセンサによるトルクや水素循環装置の消費電力、消費電流により水素循環装置4の負荷を検出し、検出値をパージ弁制御部8へ出力するものである。
【0043】
パージ弁制御部8は、負荷検出装置7が検出した水素循環装置の負荷に基づいてパージ開始を制御するパージ開始制御部9と、水素濃度検出装置14の検出結果に基づいてパージ終了制御を行うパージ終了制御部15と、指令選択部11とを備えている。パージ開始制御部9と指令選択部11とは、図6に示した第2実施形態と同様の構成要素である。
【0044】
パージ弁制御部8は、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、パージ弁制御部の入力装置として負荷検出装置7及び水素濃度検出装置14が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0045】
次に、図17及び図18を参照して本実施形態におけるパージ弁制御部の動作について説明する。図17はパージ終了制御部のフローチャート、図18はタイムチャートである。
【0046】
なお本実施形態においては、パージ開始制御部9及び指令選択部11の動作は、第2実施形態と同様であるので説明を省略し、第2実施形態と異なる水素濃度検出装置14およびパージ終了制御部15について説明する。
【0047】
図17において、パージ終了制御部は、S30で水素濃度検出装置が検出した水素濃度を入力する。次いで、S31で入力した水素濃度値が所定値5を超えたか否かを判定する。S31の判定で水素濃度値が所定値5を超えていれば、水素循環系の不純物排出が終了したとして、S32へ進み、パージ弁を閉じてパージを終了する。S31の判定で水素濃度値が所定値5未満であれば、水素循環系の不純物排出を継続するため、S33へ進み、パージ弁の開状態を継続する。
【0048】
なお、図18を用いて動作の説明すると、パージを開始してから水素濃度検出装置の位置まで水素が流出するには、一般的には数10〔ms〕〜数〔s〕の遅れがあり、水素濃度が所定値5に達した時点でパージを終了する。所定値5の設定方法としては予め実験等によりパージ中の水素流出濃度と窒素濃度変化を記録しておき、水素循環装置内の窒素濃度が目標値に達する時の水素濃度を設定する。
【0049】
本実施形態によれば、パージ時の実際の水素流出量に応じてパージ弁を閉じるので、環境変化などにより水素流出量が変化する場合でも確実にパージを行いながら水素流出量を低減することができるという効果がある。
【0050】
〔第5実施形態〕
図19は、本発明に係る燃料電池システムの第5実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の負荷を検出する負荷検出装置7と、燃料電池1の発電電力を演算するスタック発電電力演算部16と、演算された発電電力に基づいて水素循環装置4の目標回転数を演算する水素循環装置目標回転数演算部17と、算出された発電電力に基づいて水素循環装置4の目標負荷を演算する水素循環装置目標負荷演算部18と、水素循環装置4の目標負荷と負荷検出装置7が検出した水素循環装置の負荷とに基づいてパージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部19とを備えている。
【0051】
負荷検出装置7は、例えばトルクセンサによるトルクや水素循環装置の消費電力、消費電流により水素循環装置4の負荷を検出し、検出値をパージ弁制御部8へ出力するものである。
【0052】
スタック発電電力演算部16と、水素循環装置目標回転数演算部17と、水素循環装置目標負荷演算部18と、パージ弁制御部19とは、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、このマイクロプロセッサの入力装置として負荷検出装置7が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0053】
図16のスタック発電電力演算部16は、現在スタックが発電している電力を算出する演算部である。例えば、燃料電池1の発電電流値と発電電圧値とを入力し、これらを乗算することにより発電電力を算出する。
【0054】
次に、図20の水素循環装置目標回転数演算部では、スタック発電電力値に基づいてS36で水素循環装置目標回転数をテーブルから参照する。このテーブルの設定例を図21に示す。
【0055】
次に図22に示す水素循環装置目標負荷演算部では、目標負荷を記録したマップを元に水素循環装置目標回転数とスタック発電電力で参照して水素循環装置目標負荷を算出する。このマップの設定例を図23に示す。このマップは予め水素循環装置回転数と循環装置負荷の関係をスタック発電電力ごとに計測しておき、整理したものである。
【0056】
次に、図24に示すパージ弁制御部のフローチャートに基づいてパージ弁の開閉状態を制御する。S44でパージ弁の開閉状態を判定し、パージ弁が開の場合にはパージ中と判断しS48へ移る。パージ弁が閉の場合にはパージ停止中と判断しS45へ移る。
【0057】
S45では、負荷検出装置が検出した水素循環装置の負荷が目標負荷+所定値6を超えているか否かを判定する。負荷が目標負荷+所定値6を超えていれば、S46へ移ってパージ弁を開き、超えていなければ、S47へ移ってパージ弁を閉にする。
【0058】
S48では、負荷検出装置が検出した水素循環装置の負荷が目標負荷+所定値7を超えているか否かを判定する。負荷が目標負荷+所定値7を超えていれば、S49へ移ってパージ弁を開き、超えていなければ、S50へ移ってパージ弁を閉にする。
【0059】
なお、所定値6と所定値7の関係は図25に示す。この所定値の設定方法については第2実施形態で説明に用いた図10の考え方と同様だが、所定値6,7は目標負荷に対する差分を設定する。
【0060】
本実施形態によれば、スタック発電電力に応じて水素循環装置の回転数を変更する場合でも、回転数によってパージ時期を変更することができるので、発電電力によらず排出水素量を低減する効果を得ることができる。
【0061】
〔第6実施形態〕
図26は、本発明に係る燃料電池システムの第6実施形態の構成を説明するシステム構成図である。本実施形態の構成は、図19に示した第5実施形態の構成に対して、水素循環装置4の劣化により水素循環装置の定常負荷が増加したことを学習する水素循環装置負荷学習演算部20が追加されている点に特徴がある。その他の構成は、第5実施形態と同様であるので、同じ構成要素には、同じ符号を付与して、重複する説明を省略する。
【0062】
図27は、水素循環装置負荷学習演算部20の制御動作の内容を説明するメインフローチャートである。学習の概要は、燃料電池1の発電状態が学習可能な定常状態になったところで、水素循環装置4の平均化した負荷値を算出し、算出した負荷値が既に学習して記憶されている負荷の学習値よりも大きい場合には、算出した負荷値を用いて学習値を更新するというものである。
【0063】
図27のメインフローチャートにおいて、まずS53の学習許可判定部(詳細後述)で、学習してよいか否かを判定し、判定結果に従って学習許可判定フラグ及び学習値更新許可フラグの値を設定する。次いでS54で学習許可判定フラグの値を判定し、学習許可判定フラグの値が1であれば、S55の学習演算部へ移る。S54の判定で学習許可判定フラグの値が0であれば、学習が許可されていないので、S58の学習後目標負荷算出部へ移る。
【0064】
S55の学習演算部では、水素循環装置の負荷を学習し(詳細後述)、次いでS56で、学習値更新許可フラグの値を判定する。学習値更新許可フラグの値が1であれば、S57へ移り、学習値を更新し、S58へ移る。S56の判定で学習値更新許可フラグの値が0であれば、学習値の更新が許可されていないので、S58へ移る。S58では、後述するように、学習後の水素循環装置の目標負荷を算出する。
【0065】
図28は、学習許可判定部の内容を説明する詳細フローチャートである。図28において、まずS60でスタック発電状態が定常であるかを判定するため、所定時間T1の間連続して発電電力の変動代がE1[kW]以内であるか否かを判定する。E1[kW]以内である場合、学習許可と判断してS61に移る。
【0066】
なお、T1は長く設定すれば学習値の精度は向上するが、学習頻度は低下するためE1とのバランスが必要である。一方E1は変動代が学習演算に対してその影響が問題にならない範囲で最大のものを選んでよい。
【0067】
図29にS60の判定中のタイムチャートを記す。S60の判定で、発電電力の変動代がE1[kw]を超えれば、発電状態が定常状態ではなく、水素循環装置の負荷学習に不適として、S62に移り、学習許可判定フラグに0を設定し、S66で学習値更新許可フラグに0を設定し、リターンする。この負荷学習に不適な場合には、最終的には既に学習済の結果を用いて目標負荷を算出することになる。
【0068】
S60で、学習許可と判断したら、S61に移り学習許可フラグ=1とし、S63へ移る。S63では、スタック発電電力の変動代が学習期間である所定時間T2の間、所定範囲内つまり±E2[kW]以内であるか否かを判断する。±E2[kW]以内であれば、S64へ移り、スタック発電電圧も予め記憶した発電量に対するスタック電圧の値に対して±E3[V]以内であるか否かを判定する。S64の判定で、所定以内であれば、S65へ移り、学習値更新許可フラグに1を設定して、リターンする。S63,S64の判定で、いずれかでも所定範囲内でなければ、S62へ移り、水素循環装置負荷の学習を行わない。
【0069】
S64の判定で用いる発電量に対するスタック電圧を記憶する例として、図31に示す学習用スタック電圧テーブルがある。
【0070】
E2およびE3の設定は、発電量および発電電圧の変動代が学習精度に問題ない範囲で最大の値に設定してよい。
【0071】
次に、S55の学習演算部の詳細内容について図34のフローチャートに基づいて説明する。まず、S69で水素循環装置の負荷R[kW]を検出し、S70からS72の間で学習開始から何回目の負荷検出であるかをカウントし、S73の平均化処理を行う。次いで、S74で学習値を算出してリターンする。
【0072】
図35は、S73の平均化処理の詳細を示すフローチャートである。まず、S77からS79で行うことは、N回目の平均を求める場合、前回の水素循環装置負荷平均値RAzと現在の水素循環装置負荷RをN−1:1で加重平均したものを水素循環装置負荷平均値RAとする。
【0073】
同様にS80からS82では目標負荷の平均値を求める。そしてS83では水素循環装置負荷平均値RAと目標負荷平均値RTとの差分DRを算出して、平均か処理が終了する。
【0074】
図36は、S74の学習値算出部の処理内容を説明するフローチャートである。本実施形態では、水素循環装置が劣化してその負荷が増加する場合を考慮しており、学習後に水素循環装置の負荷が小さくなる場合には学習値を更新しない。S86で既に学習済みの値、領域別負荷増分学習値テーブルに記憶されている学習値が、今回学習演算でともめられた値DRよりも大きい場合には、前記のとおり領域別負荷増分学習値テーブルには更新しない。この場合にはS88に移り、学習値を更新せず終了する。
【0075】
一方、DRの方が大きい場合には、S87で領域別負荷増分学習値テーブルを更新して終了する。これで図27のS57の演算が終了し、S58に移動する。図37は、S58の学習後目標負荷算出部の演算内容を示すフローチャートである。S58では前記学習演算で学習値が反映された領域別負荷増分学習値テーブルに基づいて水素循環装置負荷の目標値を算出するものである。S91ではX軸を図30の学習領域テーブルとし、Y軸を図32の領域別負荷増分学習値テーブルとして、これをスタック発電電力で参照して領域別負荷増分を算出する。参照は図38に示す補間方法で行う。
【0076】
次にS92に移り、図26で算出された目標負荷に負荷増分値を加えて、学習後の目標負荷を求める。以上で図26の水素循環装置負荷学習演算部20の演算を終了し、学習後の目標負荷をパージ弁制御部19に受け渡す。なお、パージ弁制御部19の演算内容については第5実施形態と同様である。
【0077】
本実施形態によれば、水素循環装置の劣化により水素循環装置の負荷が変化して負荷と窒素量との関係が変化しても、その関係を補正することができるので、排出水素量の低減効果を得ることができる。
【0078】
〔第7実施形態〕
図39は、本発明に係る燃料電池システムの第7実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の回転数を検出する回転数検出装置21と、パージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部22とを備えている。
【0079】
回転数検出装置21は、例えばロータリエンコーダやピックアップコイルにより水素循環装置4の回転数(回転速度)を検出し、検出値をパージ弁制御部22へ出力するものである。
【0080】
パージ弁制御部22は、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、パージ弁制御部の入力装置として回転数検出装置21が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0081】
一定負荷で運転されている水素循環装置4の回転数を図39の回転数検出装置21で検出し、パージ弁制御部22でパージの制御を行う。
【0082】
図40は、パージ弁制御部22の制御動作を説明するフローチャートである。まず、S94で回転数検出装置21が検出した水素循環装置4の回転数を読み込み、S95で水素循環装置の回転数が所定値7を超えているか否かを判定する。回転数が所定値7を超えていれば、水素循環経路内の不純物排出が終了してガス質量が小さくなったと判断して、S96へ移り、パージ弁を閉じる。S95の判定で回転数が所定値7未満の場合には、水素循環経路内の窒素が増加したと判断し、S97に移ってパージ弁を開く。なお所定値7は循環装置内の窒素量を増加させていったときに、スタックの発電電圧が低下し始めるときの循環装置回転数を設定してもよい。
【0083】
本実施形態によれば、一定負荷で運転されている水素循環装置を有する燃料電池システムにおいても、パージ回数の低減効果を得ることができる。
【0084】
〔第8実施形態〕
図41は、本発明に係る燃料電池システムの第8実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の前後の圧力差を検出する圧力検出装置23と、パージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部24とを備えている。
【0085】
圧力検出装置23は、例えば、ダイヤフラムの歪みを電気的に検出して圧力に換算することができる半導体圧力センサや厚膜圧力センサを利用できる。
【0086】
パージ弁制御部24は、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、パージ弁制御部の入力装置として水素循環装置の前後差圧を検出する圧力検出装置23が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0087】
図42は、パージ弁制御部の制御動作を説明するフローチャートである。まずS99で圧力検出装置が検出した水素循環装置の前後差圧を読み込む。次いで、S100で水素循環装置の前後差圧が所定値8を超えているか否かを判定する。水素循環装置の前後差圧が所定値8を超えた場合には、水素循環経路内の窒素が増加したと判断し、S102に移ってパージ弁を開く。所定値8未満となったときはS101へ移り、パージ弁を閉じる。尚、所定値8は循環装置内の窒素量を増加させていったときに、スタックの発電電圧が低下し始めるときの循環装置前後差圧を設定してもよい。
【0088】
本実施形態によれば、実装の容易な圧力検出装置の追加だけで、水素循環装置の負荷を検出してパージ制御することができるという効果がある。
【0089】
〔第9実施形態〕
図43は、本発明に係る燃料電池システムの第9実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の負荷を検出する負荷検出装置7と、水素ガス供給通路2の圧力を検出する圧力検出装置25と、パージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部8とを備えている。
【0090】
負荷検出装置7は、例えばトルクセンサによるトルクや水素循環装置の消費電力、消費電流により水素循環装置4の負荷を検出し、検出値をパージ弁制御部8へ出力するものである。
【0091】
圧力検出装置25は、例えば、ダイヤフラムの歪みを電気的に検出して圧力に換算することができる半導体圧力センサや厚膜圧力センサを利用できる。
【0092】
パージ弁制御部8は、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、パージ弁制御部の入力装置として負荷検出装置7及び圧力検出装置25が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0093】
本実施形態は、水素循環経路の内圧に影響を与える水素ガス供給通路2の圧力を圧力検出装置25で検出し、この圧力を用いて水素循環経路内圧力を補正し、補正後の水素循環経路内圧力に応じて、パージ開始終了判定に用いる水素循環装置の負荷所定値を補正する実施形態である。
【0094】
図44は、水素ガス供給通路2の圧力である水素供給圧力と、水素ガス循環通路3の出口圧力である循環経路内圧との関係を示す図である。図44に示すように、水素供給圧力が増加することにより、水素ガス循環通路3出口の圧力が上昇する。その結果、水素循環装置4出口圧力が上昇することになるので、水素循環装置が循環させる水素ガス密度が高くなり、水素循環装置の負荷も高くなる。従って、水素循環装置負荷と循環装置出口圧力の関係は図45のようになる。
【0095】
よって、本実施形態における水素循環装置の負荷判定用の所定値に、図45に示す補正分を上乗せする。この所定値とは、例えば、図2のS2に示したようなパージ弁の開閉を判定するために使用する所定値である。これにより、パージ弁の開閉制御において、水素供給圧変化による循環装置負荷変化の影響を除外することができる。
【0096】
本実施形態によれば、水素供給圧力を運転状態に応じて変更する燃料電池システムにおいても、パージ回数の低減効果を得ることができる。
【0097】
〔第10実施形態〕
図46は、本発明に係る燃料電池システムの第10実施形態の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システムは、水素極1aと酸素極1bとを備える燃料電池1と、水素極1aに水素を供給する水素ガス供給通路2と、水素極1aの出口から入口へ水素ガスを循環させる通路である水素ガス循環通路3と、水素極出口から水素ガス循環通路3を経て水素極入口へガスを循環させるポンプ等を用いた水素循環装置4と、水素ガス循環通路3から外部へ連通するパージ通路5と、パージ通路を開閉するパージ弁6と、水素循環装置4の負荷を検出する負荷検出装置7と、水素ガス循環通路3の温度または雰囲気温度を検出する温度検出装置26と、パージ弁6の開閉を制御するパージ弁制御部8とを備えている。
【0098】
負荷検出装置7は、例えばトルクセンサによるトルクや水素循環装置の消費電力、消費電流により水素循環装置4の負荷を検出し、検出値をパージ弁制御部8へ出力するものである。
【0099】
パージ弁制御部8は、特に限定されないが本実施形態では、CPUと、プログラム及び制御定数を格納したROMと、作業用のRAMと、I/Oインタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、パージ弁制御部の入力装置として負荷検出装置7及び温度検出装置26が接続され、出力装置としてパージ弁6が接続されている。
【0100】
本実施形態は、水素ガス循環通路内の温度によって変動する水素循環経路内の水蒸気分圧を考慮するため、水素ガス循環通路の温度または雰囲気温度を検出し、この温度に基づいて、水素循環装置の負荷判定用の所定値を補正する実施形態である。
【0101】
図47に示すように、雰囲気温度の上昇により燃料電池1の水素極1a内で加湿された排水素の水蒸気分圧は上昇する。その結果、水素循環経路内のガス密度及び圧力が上昇し、水素循環装置4の仕事量が増加することになるので、循環装置負荷と水蒸気分圧の関係は図45のようになる。パージ弁の制御において温度変化による水蒸気分圧変化の影響を除外するため、判定に使用する所定値に図48に示す補正分を上乗せする。そして補正した所定値を用いて、例えば図2のS2に示したようなパージ制御の判定を行う。
【0102】
本実施形態によれば、供給水素の温度と水素循環経路内の水蒸気分圧の関係を考慮することで、水蒸気分圧による水素循環装置負荷の変化は補正により除くことができるので、気温変化に対してもパージ回数の低減効果を最適にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの第1実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図2】第1実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図3】第1実施形態における水素循環装置負荷と出力一定時の燃料電池電圧との関係を示す図である。
【図4】第1実施形態における水素循環経路内の窒素蓄積量に対する水素循環装置負荷の特性を示す図である。
【図5】第1実施形態におけるパージ弁閉状態の連続時間に対する窒素蓄積量の変化を説明する図である。
【図6】本発明に係る燃料電池システムの第2実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図7】第2実施形態における制御を説明するメインフローチャートである。
【図8】第2実施形態における制御を説明する詳細フローチャートである。
【図9】第2実施形態における制御を説明する詳細フローチャートである。
【図10】第2実施形態のパージ開始またはパージ終了の判定に用いる所定値を説明する図である。
【図11】本発明に係る燃料電池システムの第3実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図12】第3実施形態における制御を説明する詳細フローチャートである。
【図13】第3実施形態における窒素量推定用テーブルを示す図である。
【図14】第3実施形態における制御を説明する詳細フローチャートである。
【図15】第3実施形態における窒素量判定値を説明する図である。
【図16】本発明に係る燃料電池システムの第4実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図17】第4実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図18】第4実施形態における制御を説明するタイムチャートである。
【図19】本発明に係る燃料電池システムの第5実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図20】第5実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図21】第5実施形態における目標回転数テーブルを説明する図である。
【図22】第5実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図23】第5実施形態における目標負荷テーブルを説明する図である。
【図24】第5実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図25】第5実施形態における負荷判定用の所定値を説明する図である。
【図26】本発明に係る燃料電池システムの第6実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図27】第6実施形態における制御を説明する概略フローチャートである。
【図28】第6実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図29】第6実施形態における制御を説明するタイムチャートである。
【図30】第6実施形態の制御に用いる学習領域テーブルを説明する図である。
【図31】第6実施形態の制御に用いるスタック電圧テーブルを説明する図である。
【図32】第6実施形態の制御に用いる領域別負荷増分学習値テーブルを説明する図である。
【図33】第6実施形態における水素循環装置の負荷学習の状態を説明する図である。
【図34】第6実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図35】第6実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図36】第6実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図37】第6実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図38】第6実施形態における学習値の参照方法を説明する図である。
【図39】本発明に係る燃料電池システムの第7実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図40】第7実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図41】本発明に係る燃料電池システムの第8実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図42】第8実施形態における制御を説明するフローチャートである。
【図43】本発明に係る燃料電池システムの第9実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図44】第10実施形態における水素供給圧力と水素循環経路内圧力との関係を説明する図である。
【図45】第10実施形態における水素循環経路内圧力と水素循環装置負荷との関係を説明する図である。
【図46】本発明に係る燃料電池システムの第10実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図47】第10実施形態における雰囲気温度と水蒸気分圧との関係を説明する図である。
【図48】第10実施形態における水蒸気分圧と水素循環装置負荷との関係を説明する図である。
【符号の説明】
1…燃料電池
1a…水素極
1b…酸素極
2…水素ガス供給経路
3…水素ガス循環経路
4…水素循環装置
5…パージ通路
6…パージ弁
7…負荷検出装置
8…パージ弁制御部
Claims (11)
- 水素極および酸化剤極にそれぞれ水素ガスおよび酸化剤ガスの供給を受けて電力を発生する燃料電池本体と、
前記水素極の入口に水素ガスを供給する水素供給通路と、
前記水素極の出口から排出される排水素ガスを前記水素極の入口へ循環させる水素循環通路と、
前記排水素ガスを循環させる水素循環装置と、
前記水素極の出口または前記水素循環通路から排水素ガスを外部へ排出するパージ通路と、
該パージ通路を開閉するパージ弁と、
を備えた燃料電池システムにおいて、
前記水素循環装置の負荷または回転数に基づいて前記パージ弁を開閉制御するパージ弁制御部を備えたことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記水素循環装置の負荷を検出する負荷検出装置を更に備え、
前記パージ弁制御部は、前記負荷検出装置により検出された水素循環装置の過渡的ではない定常運転時の運転負荷に基づいて前記パージ弁を制御することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 前記パージ弁制御部は、
前記負荷検出装置により検出された運転負荷が第1所定値以上になった時、前記水素循環通路の窒素濃度が増加したと判断して前記パージ弁を開く制御を行うパージ開始制御部と、
前記パージ弁を開いた後に前記負荷検出装置により検出された運転負荷が第1所定値より小さい第2所定値以下になった時、前記パージ弁を閉じる制御を行うパージ終了制御部と、
を備えたことを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。 - 前記パージ弁制御部は、
前記負荷検出装置の運転状態より水素循環通路内の窒素量を推定し、この窒素量に基づいてパージ弁を開閉制御することを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。 - 前記パージ通路の出口付近における水素濃度を検出する水素濃度検出装置を備え、
前記パージ弁制御部は、前記水素濃度検出装置で検出された水素濃度に基づいてパージ弁を閉じる時期を演算することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 前記パージ弁制御部は、
燃料電池本体の発電電力を演算する発電電力演算部と、
該発電電力演算部が演算した発電電力に基づいて、前記水素循環装置の目標回転数を演算する水素循環装置目標回転数演算部と
該発電電力演算部が演算した発電電力に基づいて、前記水素循環装置の目標負荷を演算する水素循環装置目標負荷演算部と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 前記パージ弁制御部は、
前記水素循環装置の経年変化等により定常負荷が増加したことを学習する負荷学習演算部と、
学習した定常負荷と燃料電池の発電量に基づいて目標負荷を演算する水素循環装置目標負荷演算部と、
を備えたことを特徴とする請求項5記載の燃料電池システム。 - 前記水素循環装置の回転数を検出する回転数検出装置を備え、
前記パージ弁制御部は、一定負荷で運転している水素循環装置において回転数検出装置により検出された水素循環装置の回転数に基づいて前記パージ弁を制御することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 前記パージ弁制御部は、前記水素循環装置の前後差圧に基づいて前記パージ弁を制御することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
- 供給水素圧力の変化に基づいてパージ弁開閉時期を補正することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
- 供給水素の温度または雰囲気温度に基づいてパージ弁開閉時期を補正することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
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