JP2004347950A - 化学増幅型ホトレジスト層積層体、ホトレジスト層積層体製造方法、ホトレジストパターンの製造方法及び接続端子の製造方法 - Google Patents

化学増幅型ホトレジスト層積層体、ホトレジスト層積層体製造方法、ホトレジストパターンの製造方法及び接続端子の製造方法 Download PDF

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泰史 鷲尾
Koji Saito
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Abstract

【課題】放射線照射前にアルカリ溶解性が変化することのない安定な化学増幅型ホトレジスト層積層体、及びこれを用いたホトレジストパターンの製造方法、及び接続端子の製造方法を提供すること。
【解決手段】支持体上に、(a)酸によりアルカリ溶解性が変化する樹脂及び(b)放射線照射により酸を発生する化合物を含有する化学増幅型ホトレジスト組成物からなるホトレジスト層が積層されたホトレジスト層積層体であって、
前記支持体の少なくとも上面側の一部に銅が用いられていると共に、該銅の表面に酸化銅の膜が形成されていることを特徴とするホトレジスト層積層体。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホトレジスト層積層体、ホトレジスト層積層体の製造方法、ホトレジストパターンの製造方法及び接続端子の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、半導体や電子部品の回路基板への実装などに用いられる接続端子の製造に好適な、化学増幅型ホトレジスト層積層体、ホトレジスト層積層体の製造方法、ホトレジストパターンの製造方法及び接続端子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在精密微細加工技術の主流となっているホトファブリケーションとは、感光性樹脂組成物を加工物表面に塗布して塗膜を形成し、ホトリソグラフィー技術によって塗膜パターニングし、これをマスクとして化学エッチング、電解エッチング及び/又は電気メッキを主体とするエレクトロフォーミングを行って、半導体パッケージ等の各種精密部品を製造する技術の総称である。
近年電子機器のダウンサイジングに伴い、半導体パッケージの高密度実装技術が進み、パッケージの多ピン薄膜実装化、パッケージサイズの小型化、フリップチップ方式による2次元実装技術、3次元実装技術に基づいた実装密度の向上が図られている。このような高密度実装技術においては、接続端子として、例えば、パッケージ上に突出したバンプ等の突起電極(実装端子)や、ウエーハ上のペリフェラル端子から延びる再配線と実装端子とを接続するメタルポストなどが基板上に高精度に配置される。
【0003】
上記のようなホトファブリケーションに使用される材料としてホトレジストがある。ホトレジストは、例えば、メッキ工程によるバンプやメタルポストの形成などに用いられている。バンプやメタルポストは、例えば、支持体上にホトレジストを形成し、所定のマスクパターンを介して露光し、現像して、バンプやメタルポストを形成する部分が選択的に除去(剥離)されたレジストパターンを形成し、この除去された部分(非レジスト部)に銅などの導体をメッキによって埋め込んだ後、その周囲のレジストパターンを除去することにより形成することができる。
【0004】
ホトレジストとしては、例えば、下記特許文献1〜3に、バンプ形成や配線形成用として用いられる光重合性の感光性樹脂組成物が記載されている。
【0005】
一方、これらの光重合性の感光性樹脂組成物よりも高感度な感光性樹脂組成物として、酸発生剤を含む化学増幅型ホトレジストが知られている。化学増幅型ホトレジストの特徴は、放射線照射(露光)により、酸発生剤から酸が発生し、露光後の加熱処理により酸の発生が促進されて、樹脂組成物中のベース樹脂等に対し酸触媒反応を起こし、そのアルカリ溶解性を変化させることである。
化学増幅型レジストには、放射線照射により、アルカリ不溶性であったものがアルカリ可溶化するポジ型と、アルカリ可溶であったものがアルカリ不溶化するネガ型とがある。例えば、化学増幅型ネガ型レジストの代表的な例としては、下記非特許文献1に、L.E.Boganらのポリビニルフェノールとメラミン誘導体を組み合わせたレジストが記載されている。
【0006】
しかしながら、上記化学増幅型レジストを使用してホトレジスト層を作成した場合、基板などの支持体に用いられている、アルミニウム、銅などの金属が、レジスト層中で樹脂に対する酸の作用を阻害することがあり、要求される高精度のレジストパターン特性が得られないという問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−207057号公報
【特許文献2】
特開2000−39709号公報
【特許文献3】
特開2000−66386号公報
【非特許文献1】
SPIEプロシーディング(Proceeding of SPIE)、1086巻、34−47頁(1989年)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、上記の従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、高精度のレジストパターンを形成することができる化学増幅型ホトレジスト層積層体、ホトレジスト層積層体の製造方法、ホトレジストパターンの製造方法、及び接続端子の製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、少なくとも上面側の一部に銅が用いられている支持体と、化学増幅型ホトレジスト組成物からなるホトレジスト層とが積層されたホトレジスト層積層体において、前記銅の表面に酸化銅からなる膜を形成することにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の発明は、支持体上に、(a)酸によりアルカリ溶解性が変化する樹脂及び(b)放射線照射により酸を発生する化合物を含有する化学増幅型ホトレジスト組成物からなるホトレジスト層とが積層されたホトレジスト層積層体であって、前記支持体の少なくとも上面側の一部に銅が用いられていると共に、該銅の表面に酸化銅の膜が形成されていることを特徴とするホトレジスト層積層体である。
本発明の第2の発明は、少なくとも上面側の一部に銅が用いられている支持体の上に、(a)酸によりアルカリ溶解性が変化する樹脂及び(b)放射線照射により酸を発生する化合物を含有する化学増幅型ホトレジスト組成物からなるホトレジスト層を設けることにより、ホトレジスト層積層体を製造する方法であって、前記支持体の銅を酸化することにより、当該銅の表面に酸化銅の膜を形成した後に、前記ホトレジスト層を形成することを特徴とするホトレジスト層積層体の製造方法である。
本発明の第3の発明は、前記化学増幅型ホトレジスト層積層体の製造方法により、ホトレジスト層積層体を得る積層工程と、該ホトレジスト層積層体に選択的に放射線を照射する露光工程と、該露光工程後に現像してホトレジストパターンを得る現像工程とを含むことを特徴とするホトレジストパターンの製造方法である。
本発明の第4の発明は、前記のホトレジストパターン製造方法を用いて得られるホトレジストパターンの非レジスト部に、導体からなる接続端子を形成する工程を含むことを特徴とする接続端子の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のホトレジスト層積層体は、少なくとも上面側の一部に銅が用いられている支持体に(a)酸によりアルカリ溶解性が変化する樹脂及び(b)放射線照射により酸を発生する化合物を含有する化学増幅型ホトレジスト組成物を塗布してホトレジスト層が積層されているものであり、前記銅の表面には酸化銅による膜が形成されているものである。
【0011】
支持体としては、少なくとも上面側の一部に銅が用いられていれば特に限定されず、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたものなどを例示することができる。
該基板としては、例えば、シリコン、窒化シリコン、チタン、タンタル、パラジウム、チタンタングステン、銅、クロム、鉄、アルミニウムなどの金属製の基板やガラス基板などに銅が積層された基板や、基板上に銅の配線パターンが形成された支持体が挙げられる。配線パターンの材料としては、銅の他に、例えばハンダ、クロム、アルミニウム、ニッケル、金などが用いられる。
【0012】
前記支持体の上面側、すなわちホトレジスト層と接触する側の銅の表面には酸化銅の膜が形成されている。
酸化銅の膜の厚さは、好ましくは500Å以上、より好ましくは、1000〜10000Åの範囲であることが望ましい。これは、500Å以下であると遮蔽能が低下するからである。
【0013】
本発明に用いられる化学増幅型ホトレジスト組成物は、ポジ型であってもネガ型であってもよい。
【0014】
以下に、ネガ型の場合の例を説明する。
(a)酸によりアルカリ溶解性が変化する樹脂:
本発明に用いられる化学増幅型ホトレジスト組成物がネガ型である場合、(a)酸によりアルカリ溶解性が変化する樹脂(以下、(a)成分という)は、酸によりアルカリ溶解性が低くなる樹脂であり、一般にネガ型の化学増幅型ホトレジストのベース樹脂として用いられている樹脂であれば特に限定されず、露光に使用する光源に応じて、従来公知のものから任意に選択して使用することが可能である。例えば、ノボラック樹脂を主成分とするものがその特性が良好であることから、一般的に広く用いられている。
特に好ましい(a)成分としては、(イ)ノボラック樹脂、(ロ)ヒドロキシスチレン構成単位を有する重合体から選ばれる1種以上の樹脂からなるものを例示することができる。これは、塗布性、現像速度を制御することが容易であるからである。
【0015】
(イ)ノボラック樹脂(以下、(イ)成分という)は、例えばフェノール性水酸基を持つ芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」という)とアルデヒド類とを酸触媒下で付加縮合させることにより得られる。
この際、使用されるフェノール類としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、p−フェニルフェノール、レゾルシノール、ホドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、没食子酸、没食子酸エステル、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。
またアルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。
付加縮合反応時の触媒は、特に限定されるものではないが、例えば酸触媒では、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、蓚酸、酢酸等が使用される。
上記ノボラック樹脂は、質量平均分子量が3000〜10000、好ましくは6000〜9000、さらに好ましくは7000〜8000の範囲内のものが好ましい。質量平均分子量が3000未満であると、現像後に膜が減る(薄くなる)傾向があり、また、質量平均分子量が10000を超えると、現像後に残渣が残る傾向があり、好ましくない。
【0016】
(ロ)ヒドロキシスチレン構成単位を有する重合体(以下、(ロ)成分という)としては、例えば、p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン、α−メチルヒドロキシスチレン、α−エチルヒドロキシスチレン等のα−アルキルヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン構成単位のみからなるラジカル重合体またはイオン重合体や、前記ヒドロキシスチレン構成単位とそれ以外の構成単位からなる共重合体が挙げられる。重合体中のヒドロキシスチレン構成単位の割合は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10〜30質量%である。これは、ヒドロキシスチレン構成単位の割合が10質量%未満であると、現像性、解像性が低下する傾向があるためである。
また、前記(ロ)成分の質量平均分子量は、好ましくは5000以下、より好ましくは2000以上4000以下である。これは、質量平均分子量が5000を超えると解像性が低下する傾向があるためである。
【0017】
前記ヒドロキシスチレン構成単位以外の構成単位を形成するモノマーとして好ましいのは、ヒドロキシスチレン構成単位のヒドロキシル基を他の基で置換したモノマーまたはα,β−不飽和二重結合を有するモノマーなどである。
【0018】
前記ヒドロキシスチレン構成単位のヒドロキシル基を置換する他の基としては、酸により解離しないアルカリ溶解抑制基が使用される。
酸により解離しないアルカリ溶解抑制基としては、置換または未置換のベンゼンスルホニルオキシ基、置換または未置換のナフタレンスルホニルオキシ基、置換または未置換のベンゼンカルボニルオキシ基、置換または未置換のナフタレンカルボニルオキシ基などが挙げられ、置換または未置換のベンゼンスルホニルオキシ基の具体例としては、ベンゼンスルホニルオキシ基、クロロベンゼンスルホニルオキシ基、メチルベンゼンスルホニルオキシ基、エチルベンゼンスルホニルオキシ基、プロピルベンゼンスルホニルオキシ基、メトキシベンゼンスルホニルオキシ基、エトキシベンゼンスルホニルオキシ基、プロポキシベンゼンスルホニルオキシ基、アセトアミノベンゼンスルホニルオキシ基などが、また置換または未置換のナフタレンスルホニルオキシ基の具体例として、ナフタレンスルホニルオキシ基、クロロナフタレンスルホニルオキシ基、メチルナフタレンスルホニルオキシ基、エチルナフタレンスルホニルオキシ基、プロピルナフタレンスルホニルオキシ基、メトキシナフタレンスルホニルオキシ基、エトキシナフタレンスルホニルオキシ基、プロポキシナフタレンスルホニルオキシ基、アセトアミノナフタレンスルホニルオキシ基などが好ましい。さらに、置換または未置換のベンゼンカルボニルオキシ基および置換または未置換のナフタレンカルボニルオキシ基としては前記置換または未置換のスルホニルオキシ基をカルボニルオキシ基に置き換えたものが挙げられる。中でも、アセトアミノベンゼンスルホニルオキシ基またはアセトアミノナフタレンスルホニルオキシ基が好ましい。
【0019】
また、α,β−不飽和二重結合を有するモノマーの具体例としては、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸フェニル等のアクリル酸モノマー、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等の酢酸ビニル系モノマーなどが挙げられるが、中でもスチレンが好ましい。ヒドロキシスチレンとスチレンとから得られた共重合体、例えばポリ(4−ヒドロキシスチレン−スチレン)共重合体、ポリ(4−ヒドロキシスチレン−メチルスチレン)共重合体などは、高解像性を示すとともに耐熱性も高く好適である。
さらに、(a)成分には物理的、化学的特性を適度にコントールする目的で他の樹脂成分を含有させることができる。例えば(ハ)アクリル樹脂、(ニ)ビニル樹脂が挙げられる。
【0020】
(ハ)アクリル樹脂:
(ハ)成分であるアクリル樹脂は、アルカリ可溶性のアクリル樹脂であれば特に限定されないが、特に、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位、およびカルボキシル基を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含有することが好ましい。
エーテル結合を有する重合性化合物としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等を例示することができ、好ましくは、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレートである。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
カルボキシル基を有する重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシル基及びエステル結合を有する化合物等を例示することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
【0021】
(ニ)ビニル樹脂:
(ニ)成分であるビニル樹脂は、ポリ(ビニル低級アルキルエーテル)であり、下記一般式(I)で表されるビニル低級アルキルエーテルの単独または2種以上の混合物を重合することにより得られる(共)重合体からなる。
【0022】
【化1】
Figure 2004347950
(上記一般式(I)において、R は炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を示す。)
一般式(I)において、炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、i−ブチル基が好ましく、特にメチル基、エチル基が好ましい。本発明において、特に好ましいポリ(ビニル低級アルキルエーテル)は、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリ(ビニルエチルエーテル)である。
【0023】
なお、(a)成分が、(イ)成分と(ロ)成分とを含む混合樹脂からなる場合は、(イ)成分と(ロ)成分の総和を100質量部として、(イ)成分が50〜98質量部、好ましくは55〜95質量部、(ロ)成分が50〜2質量部、好ましくは45〜5質量部であるのがよい。
【0024】
(b)放射線照射により酸を発生する化合物
本発明に用いられる(b)成分は、酸発生剤であり、光により直接若しくは間接的に酸を発生する化合物であれば特に限定されないが、具体的には、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−エチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−プロピル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジエトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジプロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−エトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−プロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2‐(4‐メトキシフェニル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐(4‐メトキシナフチル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(2‐フリル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(5‐メチル‐2‐フリル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3,5‐ジメトキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐[2‐(3,4‐ジメトキシフェニル)エテニル]‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、2‐(3,4‐メチレンジオキシフェニル)‐4,6‐ビス(トリクロロメチル)‐1,3,5‐トリアジン、トリス(1,3‐ジブロモプロピル)‐1,3,5‐トリアジン、トリス(2,3‐ジブロモプロピル)‐1,3,5‐トリアジン等のハロゲン含有トリアジン化合物およびトリス(2,3‐ジブロモプロピル)イソシアヌレート等の下記の一般式で表されるハロゲン含有トリアジン化合物;
【0025】
【化2】
Figure 2004347950
【0026】
(式中、R〜Rは、それぞれ同一であっても異なってもよく、ハロゲン化アルキル基を示す)
【0027】
α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、下記一般式で表される化合物;
【0028】
【化3】
Figure 2004347950
【0029】
(式中、Rは、一価〜三価の有機基、Rは置換、未置換の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基または芳香族性化合物基を示し、nは1〜3の自然数を示す。ここで芳香族性化合物基とは、芳香族化合物に特有な物理的・化学的性質を示す化合物の基を指し、例えばフェニル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基や、フリル基、チエニル基などの複素環基が挙げられる。これらは環上に適当な置換基、例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基などを1個以上有していてもよい。また、Rは炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。特にRが芳香族性化合物基、Rが低級アルキル基の化合物が好ましい。上記一般式で表わされる酸発生剤としては、n=1の時、Rがフェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基のいずれかであって、Rがメチル基の化合物、具体的にはα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メチルフェニル)アセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メトキシフェニル)アセトニトリルが挙げられる。n=2の時、上記一般式で表わされる酸発生剤としては、具体的には下記化学式で表される酸発生剤が挙げられる。)
【0030】
【化4】
Figure 2004347950
【0031】
ビス(p‐トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1‐ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4‐ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタン類;p‐トルエンスルホン酸2‐ニトロベンジル、p‐トルエンスルホン酸2,6‐ジニトロベンジル、ニトロベンジルトシレート、ジニトロベンジルトシレート、ニトロベンジルスルホネート、ニトロベンジルカルボネート、ジニトロベンジルカルボネート等のニトロベンジル誘導体;ピロガロールトリメシレート、ピルガロールトリトシレート、ベンジルトシレート、ベンジルスルホネート、N−メチルスルホニルオキシスクシンイミド、N−トリクロロメチルスルホニルオキシスクシンイミド、N−フェニルスルホニルオキシマレイミド、N−メチルスルホニルオキシフタルイミド等のスルホン酸エステル;N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシナフタルイミド等のトリフルオロメタンスルホン酸エステル;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、(4‐メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p‐tert‐ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート、(4‐メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(p‐tert‐ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のオニウム塩;ベンゾイントシレート、α‐メチルベンゾイントシレートなどのベンゾイントシレート類;その他のジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、フェニルジアゾニウム塩、ベンジルカルボネート等が挙げられる。
【0032】
(b)成分としては、これらの化合物を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0033】
本発明に用いられるホトレジスト組成物においては、この(b)成分の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部の範囲が好ましい。この(b)成分の含有量が0.1質量部未満では感度が不十分となるおそれがあり、20質量部を超えると均一なレジスト組成物が得られにくく、現像性も低下するおそれがある。感度、レジスト組成物の均一性及び現像性などを考慮すると、この(b)成分のより好ましい含有量は、5〜15質量部の範囲である。
【0034】
本発明に用いられる化学増幅型ホトレジスト組成物がネガ型である場合、上述した成分以外に、さらに、架橋剤が含まれる。
本発明に用いられる架橋剤としては、特に制限はなく、公知の任意の化学増幅型ネガ型ホトレジスト組成物に使用されている架橋剤から適宜選択して用いることができる。例えばメラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、グリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂、スクシニルアミド−ホルムアルデヒド樹脂、エチレン尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が用いられるが、特にアルコキシメチル化メラミン樹脂やアルコキシメチル化尿素樹脂等のアルコキシメチル化アミノ樹脂等が好適に使用できる。前記アルコキシメチル化アミノ樹脂は、例えば、沸騰水溶液中でメラミンまたは尿素をホルマリンと反応させて得た縮合物を、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類でエーテル化させ、次いで反応液を冷却して析出させることで製造できる。前記アルコキシメチル化アミノ樹脂としては、具体的にメトキシメチル化メラミン樹脂、エトキシメチル化メラミン樹脂、プロポキシメチル化メラミン樹脂、ブトキシメチル化メラミン樹脂、メトキシメチル化尿素樹脂、エトキシメチル化尿素樹脂、プロポキシメチル化尿素樹脂、ブトキシメチル化尿素樹脂等が挙げられる。前記アルコキシメチル化アミノ樹脂の単独、または2種以上の組み合わせが用いられる。特にアルコキシメチル化メラミン樹脂は、放射線の照射量の変化に対するレジストパターンの寸法変化量が小さく安定したレジストパターンを形成できて好ましい。中でも、メトキシメチル化メラミン樹脂、エトキシメチル化メラミン樹脂、プロポキシメチル化メラミン樹脂およびブトキシメチル化メラミン樹脂が好適である。
【0035】
前記架橋剤は、(a)及び(b)成分の総量100質量部に対して1〜30質量部の範囲で含有することが好ましい。架橋剤が1質量部未満では、得られた膜の耐メッキ性、耐薬品性、密着性の低下や、形成されたバンプ形状が不良であることがあり好ましくなく、また30質量部を超えると現像時に現像不良を起こすことがあり好ましくない。
【0036】
本発明に用いられる化学増幅型ホトレジスト組成物には、本質的な特性を損なわない範囲で、さらに所望により混和性のある添加物、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、接着助剤、安定剤、着色剤、界面活性剤などの慣用されているものを添加含有させることができる。
【0037】
さらに、本発明に用いられる化学増幅型ホトレジスト組成物は、粘度調整のため有機溶剤を適宜配合することができる。前記有機溶剤としては具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;及び乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0038】
これらの溶剤の使用量は、例えばスピンコート法を用いて、好ましくは20μm以上の膜厚を得るためには、化学増幅型ホトレジスト組成物における固形分濃度が30質量%から65質量%になる範囲が好ましい。固形分濃度が30質量%未満の場合は、接続端子の製造に好適な厚膜を得ることが困難であり、65質量%を超えると組成物の流動性が著しく悪化し、取り扱いが困難な上、スピンコート法では、均一なレジストフィルムが得られにくい。
【0039】
次に、ポジ型の例を示す。
ポジ型の場合は、架橋剤が不要である。また、(b)成分及び(c)成分はネガ型の場合と同様であるが、(a)成分は、酸によりアルカリ溶解性が高くなる樹脂である。この(a)成分としては、一般にポジ型の化学増幅型ホトレジストのベース樹脂として用いられている樹脂であれば特に限定されず、露光に使用する光源に応じて、従来公知のものから任意に選択して使用することが可能である。例えば、アクリル樹脂を主成分とし、そのヒドロキシル基の少なくとも一部が、酸により解離するアルカリ溶解抑制基で置換されたものや、ヒドロキシルスチレン構成単位を有する重合体を主成分とし、そのヒドロキシル基の少なくとも一部が、酸により解離するアルカリ溶解抑制基で置換されたものが好ましい。
特に好ましい(a)成分としては、上述のネガ型と同様の(ロ)ヒドロキシスチレン構成単位を有する重合体、(ハ)アクリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂からなり、そのヒドロキシル基の少なくとも一部が、酸により解離するアルカリ溶解抑制基で置換されたものを例示することができる。これは、塗布性、現像速度を制御することが容易であるからである。
酸の作用により解離するアルカリ溶解抑制基としては、tert−ブチルオキシ基、tert−アミルオキシ基などの第3級アルキルオキシ基;テトラヒドロピラニルオキシ基、テトラヒドロフラニルオキシ基などの環状アセタールオキシ基;エトキシエチルオキシ基、メトキシプロピルオキシ基などの鎖状アセタールオキシ基;シクロヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基などのシクロアルキルオキシ基;1−メチルシクロヘキシルオキシ基、1−エチルシクロアルキルオキシ基などの1−アルキル−シクロアルキルオキシ基;1−メチルアダマンチルオキシ基、1−エチルアダマンチルオキシ基などの1−アルキル−ポリシクロアルキルオキシ基などから選択される少なくとも1種が好ましいものとして挙げられる。
また、さらに、(a)成分には物理的、化学的特性を適度にコントロールする目的で他の樹脂成分を含有させることができる。例えば上述のネガ型と同様の(イ)ノボラック樹脂、(ニ)ビニル樹脂が挙げられる。
上述のネガ型の例において、架橋剤及び(a)成分を除く(b)成分及び(c)成分、その他の成分は同じものを使用することができる。
【0040】
本発明に用いられる化学増幅型ホトレジスト組成物は、支持体上に、特に限定されないが、好ましくは20μm以上、より好ましくは20〜150μm、より好ましくは30〜120μm、さらに好ましくは55〜75μmの膜厚のホトレジスト層を形成するのに適している。
【0041】
少なくともホトレジスト層側の表面の一部に銅が用いられている支持体を用いる場合、従来は、放射線照射前においても、銅と接触している部分で化学増幅型ホトレジスト中の酸発生剤の働きが銅により活性化され、樹脂のアルカリ溶解性が変化してしまうことがあったが、銅の表面を酸化して酸化銅の膜を形成させたのちにホトレジスト組成物を積層させることにより、安定なホトレジスト層積層体が得られる。
【0042】
本発明に用いられる支持体のホトレジスト側表面の銅を酸化する方法としては、特に限定されず定法に従って行うことができるが、例えば空気雰囲気下での自然酸化、酸素雰囲気下での加熱による酸化、酸化処理液による酸化、酸素プラズマによるドライ処理などの方法を採用することができる。酸化処理液としては過酸化水素やオゾンなどの酸化剤を含有する溶液が挙げられる。
【0043】
本発明に用いられる化学増幅型ホトレジスト組成物の調製は、例えば、上述した成分を通常の方法で混合、攪拌するだけでよく、必要に応じディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用い分散、混合させてもよい。また、混合した後で、さらにメッシュ、メンブレンフィルターなどを用いてろ過してもよい。
【0044】
本発明のホトレジスト層積層体は、例えば以下のようにして製造することができる。すなわち、上記のように調製した化学増幅型ホトレジスト組成物の溶液を、上述したようにホトレジスト層側の表面の銅を酸化した支持体上に塗布し、加熱により溶媒を除去することによって所望の塗膜を形成する。被処理基板上への塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法などの方法を採用することができる。本発明の組成物の塗膜のプレベーク条件は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗布膜厚などによって異なるが、通常は70〜130℃で、好ましくは80〜120℃で、2〜60分間程度である。
【0045】
ホトレジスト層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは20μm以上、より好ましくは20〜150μm、より好ましくは30〜120μm、さらに好ましくは55〜75μmの範囲であることが望ましい。
【0046】
そして、このようにして得られたホトレジスト層積層体を用いてレジストパターンを形成するには、例えば、ネガ型の化学増幅型ホトレジストを用いる場合、得られたホトレジスト層に、所定のパターンのマスクを介して、放射線、例えば波長が300〜500nmの紫外線または可視光線を選択的に照射(露光)する。これらの放射線の線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレーザーなどを用いることができる。ここで放射線とは、紫外線、可視光線、遠紫外線、X線、電子線などを意味する。放射線照射量は、組成物中の各成分の種類、配合量、塗膜の膜厚などによって異なるが、例えば超高圧水銀灯使用の場合、100〜2000mJ/cmである。
そして、露光後、公知の方法を用いて加熱することにより酸の発生と拡散を促進させて、この露光部分のホトレジスト層のアルカリ溶解性を変化させる。
ついで、例えば、所定のアルカリ性水溶液を現像液として用いて、不要な部分を溶解、除去して所定のレジストパターンを得る。現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。また前記アルカリ類の水溶液にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像時間は、組成物各成分の種類、配合割合、組成物の乾燥膜厚によって異なるが、通常1〜30分間であり、また現像の方法は液盛り法、ディッピング法、パドル法、スプレー現像法などのいずれでも良い。現像後は、流水洗浄を30〜90秒間行い、エアーガンや、オーブンなどを用いて乾燥させる。酸化銅による膜は公知の現像液、剥離液等の溶液処理などによって除去される。
【0047】
そして、このようにして得られたレジストパターンの非レジスト部(アルカリ現像液で除去された部分)に、例えばメッキなどによって金属などの導体を埋め込むことにより、メタルポストやバンプ等の接続端子を形成することができる。なお、メッキ処理方法はとくに制限されず、従来から公知の各種方法を採用することができる。メッキ液としては、とくにハンダメッキ、銅メッキ液が好適に用いられる。
残っているレジストパターンは、最後に、定法に従って、剥離液等を用いて除去する。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0049】
下記合成例にしたがって、樹脂成分を合成した。
[合成例1]
<(A−1)ノボラック樹脂の合成>
m−クレゾールとp−クレゾールとを質量比60:40の割合で混合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて常法により縮合してクレゾールノボラック樹脂を得た。この樹脂に対して分別処理を施し、低分子領域をカットして質量平均分子量8,000のノボラック樹脂を得た。この樹脂を(A−1)とする。
【0050】
[合成例2]
<(A−2)ヒドロキシスチレン構成単位を有する重合体の合成>
攪拌装置、還流器、温度計、滴下槽のついたフラスコを窒素置換した後、溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを仕込み、攪拌を始めた。その後、溶剤の温度を80℃まで上昇させた。滴下槽に重合触媒として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、構成単位として、構成単位として、ヒドロキシスチレン単位75質量%とスチレン単位25質量%を仕込み、重合触媒が溶解するまで攪拌した後、この溶液をフラスコ内に3時間均一滴下し、引き続き80℃で5時間重合を行った。その後、室温まで冷却し、(A)成分となる樹脂を得た。
この樹脂に対して分別処理を施し、質量平均分子量3,000の樹脂(A−2)を得た。
【0051】
[合成例3]
<(A−3)アクリル樹脂の合成>
構成単位として、2−メトキシエチルアクリレート130質量部、ベンジルメタクリレート50質量部、およびアクリル酸20質量部を用いたほかは、合成例2と同様にして質量平均分子量20,000の樹脂(A−3)を得た。
【0052】
[合成例4]
<(A−4)ビニル樹脂の合成>
ポリ(ビニルメチルエーテル)(質量平均分子量50,000)のメタノール溶液(東京化成工業(株)製、濃度50質量%)をロータリーエバポレーターを用いてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶媒置換して、濃度50質量%の溶液として(A−4)を得た。
【0053】
[合成例5]
<(A−5)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂の合成>
構成単位としてアダマンチルアクリレート構成単位50質量%、および2−エトキシエチルアクリレート構成単位50質量%を用いたほかは、合成例2と同様にして質量平均分子量250,000の樹脂(A−5)を得た。
【0054】
[実施例1〜9][比較例1]
<厚膜用化学増幅型ホトレジスト組成物の調整>
表1に示す各成分をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに混合して均一溶液とした後、孔径1μmのメンブレンフィルターをとおして濾過し、厚膜用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物を得た。
(B−1):下記化学式で表される化合物
【0055】
【化5】
Figure 2004347950
【0056】
(C−1)架橋剤:ヘキサメトキシメチル化メラミン(三和ケミカル社製、商品名:ニカラックMw−100)
【0057】
・酸化銅膜の形成
5インチの銅スパッタリングウェーハを300℃で20分ベークし、ウェーハ上に酸化銅膜を形成した。このウェーハの酸化銅膜厚を断面SEMで計測したところ、少なくとも膜厚は3000Åあることが確認された。
また、酸化膜用にベーク時間を10分または30分にかえた以外は上記と同様にして銅スパッタリングウェーハ上に酸化銅膜を形成した。
【0058】
・感光性
5インチのシリコンウエーハ上、各種膜厚の塗膜を形成し、解像度測定用のパターンマスクを介して、ステッパー(Nikon社製、NSR−2005i10D)を用いて100〜10,000mJ/cm2の範囲で分割露光した。これを、現像液(商品名PMERシリーズ、P−7G、東京応化工業社製)で現像した。この後、流水洗浄し、窒素ブローしてパターン状硬化物を得た。これを顕微鏡で観察し、アスペクト比2以上のパターンを形成し、残渣が認められなくなる露光量、すなわちパターンを形成するのに必要な最低限の露光量を測定した。
【0059】
・現像性
5インチの銅スパッタリングウェーハ上にスピンナーを用いて、各組成物を、膜厚約20μmとなるように、1800rpmにて25秒間塗布後、110℃で6分間ホットプレート上でプレベークして厚膜ホトレジスト積層体を形成した。
膜厚約65μmの塗膜の場合、800rpmにて25秒間塗布後、110℃で1分間ホットプレート上でプレベークし、さらに800rpmにて25秒間塗布後、110℃で12分間プレベークして厚膜ホトレジスト積層体を形成した。
また、膜厚約120μmの塗膜の場合、800rpmにて25秒間塗布後、110℃で1分間ホットプレート上でプレベークし、さらに500rpmにて25秒間塗布後、110℃で1分間ホットプレート上でプレベークし、さらに500rpmにて25秒間塗布後、110℃で20分間プレベークして厚膜ホトレジスト積層体を形成した。
上記で得られた厚膜ホトレジスト積層体を、ステッパー(Nikon社製、NSR−2005i10D)を用いて解像度測定用のパターンマスクを介して、それぞれを100〜10,000mJ/cmの範囲で段階的に紫外線露光を行った。露光後、70℃で5分間加熱し、これを、現像液(商品名PMERシリーズ、P−7G、東京応化工業社製)で現像した。
この後、流水洗浄し、窒素ブローしてパターン状硬化物を得た。これを顕微鏡で観察し、現像・解像性を下記の評価基準で判定した。
○:アスペクト比が2以上のパターンが前記いずれかの露光量で形成し、残渣が認められない場合。
×:アスペクト比が2未満のパターンが形成していない、または、残渣が認められた場合。
なお、アスペクト比は、(パターン上のレジスト高さ÷パターン上のレジスト幅)を示す。
【0060】
・レジスト形状
「現像・解像性評価」で得られたパターン状硬化物を有する基板を試験体として、試験体上に形成されたパターン状硬化物の状態を観察し、パターン状硬化物の形状を下記の評価基準で判定した。
〇:矩形のレジストパターンが得られた。
△:わずかに逆テーパー形状の矩形レジストパターンが得られた。
×:矩形のレジストパターンが得られなかった。
【0061】
・遮蔽能
「現像・解像性評価」と同様の方法で、銅スパッタリングウェーハ上にパターン状硬化物を形成し、レジストパターンの形状を目視観察し、下記の評価基準で判定した。
○:レジストパターンが形成されている。
×:残膜が生じている。
【0062】
実施例1〜9、および比較例1で調製したホトレジスト組成物について、上記の各試験を行い評価した。結果を表2に示す。なお、実施例2については膜厚、ベーク時間を変更して実験を行った。
【0063】
【表1】
Figure 2004347950
【表2】
Figure 2004347950
【0064】
表2の結果より、本発明に係る実施例においては、いずれの結果も良好であった。
【0065】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、放射線照射前にアルカリ溶解性が変化することのない安定な化学増幅型ホトレジスト層積層体を得ることができ、これを用いたホトレジストパターン製造方法及び接続端子製造方法が提供される。

Claims (6)

  1. 支持体上に、(a)酸によりアルカリ溶解性が変化する樹脂及び(b)放射線照射により酸を発生する化合物を含有する化学増幅型ホトレジスト組成物からなるホトレジスト層が積層されたホトレジスト層積層体であって、前記支持体の少なくとも上面側の一部に銅が用いられていると共に、該銅の表面に酸化銅の膜が形成されていることを特徴とするホトレジスト層積層体。
  2. 前記ホトレジスト層が、膜厚20〜150μmの厚膜ホトレジスト層であることを特徴とする請求項1記載の化学増幅型ホトレジスト層積層体。
  3. 少なくとも上面側の一部に銅が用いられている支持体の上に、(a)酸によりアルカリ溶解性が変化する樹脂及び(b)放射線照射により酸を発生する化合物を含有する化学増幅型ホトレジスト組成物からなるホトレジスト層を設けることにより、ホトレジスト層積層体を製造する方法であって、
    前記支持体の銅を酸化することにより、当該銅の表面に酸化銅の膜を形成した後に、前記ホトレジスト層を形成することを特徴とするホトレジスト層積層体の製造方法。
  4. 前記ホトレジスト層が、膜厚20〜150μmの厚膜ホトレジスト層であることを特徴とする請求項3記載の化学増幅型ホトレジスト層積層体の製造方法。
  5. 請求項3乃至4のいずれか1項に記載の化学増幅型ホトレジスト層積層体の製造方法により、ホトレジスト層積層体を得る積層工程と、該ホトレジスト層積層体に選択的に放射線を照射する露光工程と、該露光工程後に現像してホトレジストパターンを得る現像工程とを含むことを特徴とするホトレジストパターンの製造方法。
  6. 請求項5記載のホトレジストパターン製造方法を用いて得られるホトレジストパターンの非レジスト部に、導体からなる接続端子を形成する工程を含むことを特徴とする接続端子の製造方法。
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