JP2004347045A - ステンレス鋼管用の伸縮管継手 - Google Patents

ステンレス鋼管用の伸縮管継手 Download PDF

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侑 堀田
Katsuyoshi Omura
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    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Abstract

【課題】継手部分で熱や地震による管の伸縮を吸収でき且つステンレス鋼特有のすき間腐食が起こらないステンレス鋼管用の伸縮管継手を提供する。
【解決手段】ステンレス鋼管の一方の前端部に塑性加工によって大径の受け口を直接成形し、受け口側鋼管の管端部に傾斜フランジ部を形成することにより、押さえ金具によって受け口鋼管の傾斜フランジ部をくさび形パッキンとともに半径方向内方へ締め付けて気密性を保つ。しかも、差し込み側鋼管の管端からパッキンの接液面までの奥行き長さと、差し込み側鋼管の外径と受け口側鋼管の内径とのすき間距離との寸法比率が、ステンレス鋼特有のすき間腐食を起こさない100倍未満の関係を維持する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、継手部分で熱や地震による管の伸縮を吸収でき且つステンレス鋼特有のすき間腐食が起こらないステンレス鋼管用の伸縮管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステンレス鋼管は、鉄管やアルミ管に比べて耐食性および機械強度に優れているので、今日では、プラント配管、建築設備の給水管、給湯管、空調配管および水道用小径配管などの分野で多用されている。また、最近では生活環境の悪化に伴って敷設済みの配管が短期間で腐食しやすく、このために建築設備の排水鋳鉄管や水道用ダクタイル鋳鉄管に代わって、これらの分野にもステンレス鋼管のニーズが発生している。
【0003】前記のような新分野で使用される配管継手には、継手部分で熱や地震による管の伸縮を吸収できることが必要であり、さらに作業性を高めるために、排水鋳鉄管や水道用ダクタイル鋳鉄管のように、流体が上流から下流に向かう方向や圧送の流れ方向に向かって一方の管端部を受け口に差し込んで接続する構造の継手が求められている。このため、従来のステンレス鋼管接続で用いられていたねじ継手、工事現場において特殊工具でプレスや拡管によって接続するメカニカル式継手、公知のフランジ式継手などを前記の分野に転用することはできない。
【0004】例えば、一方の管端部を受け口に差し込んで接続する構造の継手をステンレス鋼で製造すると、ステンレス鋼特有のすき間腐食を起こして漏水事故が発生することが懸念されるため、現在まで具現化していない。排水鋳鉄管のように、ステンレス鋼製の継手を鋳造によって製造すると、肉厚になって素材コストがかなり高くなり、しかも従来の鋳鉄品と同様に重くなって、運搬および作業効率が低下してしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
薄肉のステンレス鋼管であっても、排水鋳鉄管や水道用ダクタイル鋳鉄管のように、一方の管端部を受け口に差し込んで接続する構造の継手を製造し、この際にステンレス鋼特有のすき間腐食を起こさない態様にすることが絶対に必要である。また、従来の鋳鉄品と同等の性能を有する管継手を、薄肉のステンレス鋼管の管端を利用して塑性加工によって直接成形できると、製造および運搬コストならびに作業効率の点で非常に望ましい。
【0006】本発明は、ステンレス鋼特有の問題および鋳鉄製の継手に関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、薄肉のステンレス鋼管であっても、ステンレス鋼特有のすき間腐食を起こさない伸縮管継手を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、従来の鋳鉄品と同等の性能を有する管継手を薄肉のステンレス鋼管から直接成形できる伸縮管継手を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
ステンレス鋼管に関する最近の研究成果によると、ステンレス鋼はすき間が生じれば必ず腐食するわけではなく、この腐食には、すき間の間隔と奥行き深さに関係することが判明してきた。つまり、ステンレス鋼管について、管継手の実用上のすき間の範囲においては、奥行き深さがすき間の間隔の100倍を超えると急に腐食が発生しやすくなり、100倍未満であると、腐食が殆ど発生しないことが実験で証明されている。
【0008】したがって、本発明に係る伸縮管継手では、すべての管サイズの継手に関して、差し込み側鋼管の管端からパッキンの接液面までの奥行き長さと、差し込み側鋼管の外径と受け口側鋼管の内径とのすき間距離との寸法比率を、ステンレス鋼特有のすき間腐食を起こさない100倍未満の関係を維持させる。本発明は、リング状のパッキンを用いて薄肉のステンレス鋼管を密に接続する管継手であり、該管継手は、排水鋳鉄管や水道用ダクタイル鋳鉄管と同等の性能を有している。
【0009】本発明に係るステンレス鋼管用の伸縮管継手は、ステンレス鋼管の一方の前端部に塑性加工によって大径の受け口を直接成形する。受け口側鋼管の管端部に傾斜フランジ部を形成することにより、押さえ金具によって受け口鋼管の傾斜フランジ部をくさび形パッキンとともに半径方向内方へ締め付けて気密性を保っている。受け口側鋼管の内周面に関して、パッキン位置よりも後方で傾斜フランジ部の近傍に、環状溝または並行の環状突条を設けて止め金具のスナップリングを保持すると好ましい。また、好ましくは、受け口側と反対側の差し込み側鋼管に関して、管端の近傍に抜け止め用の環状凸部を設けることにより、差し込み側鋼管が抜け始めて後退すると、該環状凸部がシール用パッキンまたは止め金具の側面に接触して停止させる。
【0010】本発明の他の構成について、ステンレス鋼管用の伸縮管継手は、受け口側鋼管の後方内周面に環状溝または並行の環状突条を設けてパッキンを保持してもよい。この場合、受け口側と反対側の差し込み側鋼管に関してパッキン位置よりも後方に抜け止め用の環状凸部を設け、この環状凸部と係合する止め金具を受け口側鋼管の管端部に取り付ける。本発明のさらに別の構成について、ステンレス鋼管用の伸縮管継手は、受け口側と反対側の差し込み側鋼管の外周面に並行の環状突条または環状溝を設けてパッキンを保持してもよい。この場合、差し込み側鋼管に関して後方の環状凸部またはパッキンと係合する止め金具を受け口側鋼管の管端部に取り付ける。
【0011】前記の止め金具は、受け口側鋼管の管端にフランジ部を形成した際に1対のルーズフランジまたは半円筒形の半割り体であると好ましい。受け口側鋼管の管端部に環状溝または並行の環状突条を設けた場合には、この個所でスナップリングを保持させてもよい。また、この管端部に雄ねじ山を刻設したならば止めナットも使用可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る伸縮管継手1において、受け口鋼管2の傾斜フランジ部7は、塑性加工によって大径の受け口5を直接成形する際に同時に形成できる。フランジ部7の傾斜角度は、図1に示すような約30度が一般的であるけれども、30度から増減させることも可能である。伸縮管継手1では、主たる使用部品がパッキン8であり、残りの部品は、押さえ金具である1対のルーズフランジ10,11(図1〜図3)や締め付けバンド26(図6)などにすぎず、全体的なコストが低くて経済的である。
【0013】本発明で用いるパッキンは、例えば、硬質ゴム、皮、フェルト、プラスチック製であり、銅,鉛,軟鋼のような金属パッキンであってもよい。矩形断面のパッキン8(図1)は、傾斜フランジ部7と対応する面取り9を有し、該面取りがあるのでくさび形になり、前記の押さえ金具によって半径方向内方へ締め付けて気密性を保つことができる。
【0014】本発明で用いるパッキンは、一方の側端面に三角形状の切り込み60を設けたパッキン58(図7)でもよい。パッキン58は、切り込み60によって上下方向に圧縮させやすく、図7に示すように、鋼管36と受け口69との間に挟み込むことが可能である。また、流体圧の上昇によって、シール面に押し付けられる力が強くなり、密封力を増す効果もある。パッキン58が他方の内端縁に面取り62を有することにより、鋼管36の差し込みが可能となる。
【0015】伸縮管継手1において、抜け止め部として環状凸部18(図2)を形成する。この環状凸部の代わりに、環状リング21(図4)を溶接したり、前端部23(図5)をテーパ状に拡げてもよい。環状凸部18は、円周方向に直線状、間欠的または部分的に形成すればよい。この環状凸部は、差し込み側鋼管の外周面と密接するパッキン8の側面と接触するならば比較的低くてよい。一方、スナップリング42(図3)または66(図7)と接触しうる場合には、該スナップリングの内径に合わせて比較的高くすることを要する。止め金具が1対のルーズフランジ75,76(図9)や半割り体94(図10)であれば、環状凸部の高さは任意に設定できる。
【0016】図3に示す実施例では、スナップリング42を環状溝40に嵌めて固定しているが、該環状溝の代わりに並行の低い環状突条を設けてもよいことは明らかである。これは、図7に示すパッキン58またはスナップリング66でも同様である。図9に示すパッキン90では、並行の環状凸部86,88の代わりに環状溝を設けてもよい。
【0017】前記の止め金具は、受け口側鋼管の管端にフランジ部74を形成する場合には、1対のルーズフランジ75,76や半円筒形の半割り体94であると好ましく、またはドーナツ板(図示しない)を直接フランジ部74または受け口92に溶接したり、ボルト止めしてもよい。受け口側鋼管の管端部に環状溝64(図7)または並行の環状突条を設けると、この個所でスナップリング64を保持できる。図示しないけれども、この管端部に雄ねじ山を刻設したならば、止めナットも使用可能である。
【0018】伸縮管継手1は、建築設備や食品工場などの排水管、建築設備の配管全般、水道用配水管などに使用される比較的口径の大きいステンレス鋼管の接続に用いると好ましい。伸縮管継手1は、薄肉のステンレス鋼管用であるので、該ステンレス鋼管の一方の前端部に塑性加工によって大径の受け口を直接成形でき、管径を変えるためにブッシングやニップルを取り付ける手間を省略できる。
【0019】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。図1には伸縮管継手1の実施例を断面で示している。
【0020】管継手1は、通常、同径である薄肉のステンレス鋼管2,3を接続する。一方のステンレス鋼管2の前端部には、塑性加工によってより大径の受け口5を直接成形する。ステンレス鋼管2は、受け口5の管端部において傾斜フランジ部7を設け、該フランジの傾斜角度は約30度である。
【0021】管継手1において、例えば、ステンレス鋼管2,3は厚さ2mmであり、その外径は114mmである。受け口5の外径は123mmであると、差し込み側鋼管3の外径と受け口5の内径とのすき間距離Dは2.5mmになる。一方、差し込み側鋼管3の管端からパッキン8の接液面までの奥行き長さHが約80mmであると、この奥行き長さHはすき間距離Dの約32倍であるから、当然、100倍未満の関係を維持している。
【0022】リング状のシール用パッキン8は、硬質ゴムまたはプラスチック製である。パッキン8は、前方の外周縁を面取りした矩形状の横断面を有し、面取り9の傾斜角度は約30度である。押さえ金具は1対のルーズフランジ10,11である。一方のルーズフランジ10は、その内径が受け口5の外径よりも僅かに大きく、前方の内周縁を傾斜角約30度で面取りする。他方のルーズフランジ11は、その内径が鋼管3の外径よりも僅かに大きく、その外径はフランジ10のそれと等しい。
【0023】管継手1を組み立てるには、鋼管2の受け口5にあらかじめルーズフランジ10を装備しておく。次に、差し込み側の鋼管3にパッキン8およびルーズフランジ11を装備してから、受け口5に差し込み、ルーズフランジ10,11を複数本の締め付けボルト12で締結する。この結果、ルーズフランジ10,11によって傾斜フランジ部7とともにシール用パッキン8を半径方向内方へ締め付け、受け口5の管端に密着させて水密性を保持する。
【0024】管継手1は、奥行き長さHとすき間距離Dとの寸法比率が約32倍で100倍未満であるため、ステンレス鋼特有のすき間腐食を起こすことがない。管継手1は、差し込み側鋼管3が前後動可能であることにより、継手部分において熱や地震による管の伸縮を吸収できる。管継手1では、フランジ10,11がいずれも自由に回転できるルーズ式であるから、止め金具が継手本体と一体に鋳造された排水鋳鉄管や水道用ダクタイル鋳鉄管に比べて施工性が良好である。
【0025】図2には伸縮管継手の変形例を示し、図1の伸縮管継手1における差し込み側鋼管3が抜け出る蓋然性を回避する。管継手14では、差し込み側鋼管16の前端面の近傍に、抜け止め部として環状凸部18を形成する。環状凸部18は、差し込み時において鋼管16に関してパッキン8よりも前方に位置する。環状凸部18は、鋼管16を回転しながら内側からの塑性加工によって浅く成形すればよい。
【0026】管継手14は、建設設備の排水管のように内圧は通常掛からないけれども、接続個所にスラスト荷重などが働き、差し込み側鋼管16が抜け出すおそれがある接続個所に設置する。差し込み側鋼管16が抜け始めて後退すると、環状凸部18がシール用パッキン8の側面に接触して停止し、該鋼管の抜け出しを効果的に阻止する。
【0027】図3に示す管継手34では、差し込み側鋼管36の前端面の近傍に比較的高い環状凸部37を形成するとともに、受け口側鋼管38の内周面において、パッキン8つまり傾斜フランジ部7の位置よりも後方且つ近傍に環状溝40を設け、該環状溝内に縮径可能なスナップリング42を嵌めて保持する。受け口側鋼管38に関して、環状溝40は、差し込み時において差し込み側鋼管36の環状凸部37より前方に位置する。
【0028】スナップリング42は、リング状のバネ板であり、完全な円環状ではなくて一部を切り欠いているために縮径可能である。このため、スナップリング42を縮径して環状溝40に嵌めると、該スナップリングと鋼管36の外周面との間に若干の間隙が生じる。
【0029】管継手34を組み立てるには、鋼管38の受け口44にあらかじめルーズフランジ46を装備しておく。次に、差し込み側の鋼管36にスナップリング42,パッキン8およびルーズフランジ48を装備してから、受け口44に所定深さ差し込み、弾性のスナップリング42を縮径して環状溝40内に嵌め込む。ルーズフランジ46,48を位置合わせしてから、比較的長い複数本の締め付けボルト50で締結する。
【0030】管継手34は、接続個所にスラスト荷重などが働いた際に、差し込み側鋼管36が抜け始めて後退すると、環状凸部37がスナップリング42の側面に接触して停止し、該鋼管の抜け出しを阻止する。管継手38は、管継手14(図2)のようにシール用パッキンで抜け防止するのではなく、スナップリング42によってより大きな抜け出し阻止力を得ることができる。
【0031】管継手34は、高耐震性として大きい伸縮性および抜け出し阻止力が要求される配管について適用できる。管継手34は、水道用配水管のように内部流体の圧力が高い場合に好適である。
【0032】図2または図3に関して、差し込み側鋼管用の抜け止め部として、環状凸部18,37の代わりに図4または図5のような加工を行ってもよい。図4では、鋼管20の外周面に沿って環状リング21を溶接する。図5では、鋼管22の前端部23をテーパ状に半径方向外方へ拡げている。
【0033】また、パッキン8の押さえ金具は、図1から図3に示すルーズフランジの代わりに、図6に示すようなルーズ式締結用バンド26で締め付けてもよい。図6において、リング状のパッキン28は、前後の外周縁29,30を面取りした矩形状の横断面を有し、両面取り角度はおのおの45度である。リテイナ32は、横断面が45度に屈曲した環状プレートからなり、その内周面がパッキン8の外周面と接触し、傾斜内周面がパッキン28の外周縁30と接触する。リテイナ32は、パッキン28を成形するときに一体化してもよく、またはパッキン8と分離していてもよい。
【0034】締結用バンド26は、リテイナ32の傾斜外周面および傾斜フランジ部7の外周面と接触するように、前後方部が45度傾斜したほぼU字形断面の環状プレートである。締結用バンド26は、軸線と直角に配置した1本または2本の締め付けボルト(図示しない)で締結することができる。
【0035】図7に示す管継手52では、受け口側鋼管54における受け口後方の内周面に環状溝56を設けてシール用パッキン58を保持する。パッキン58は、ほぼ矩形状の横断面を有し、半径方向に弾性圧縮しやすいように一方の側端面に三角形状の切り込み60を設け、且つ他方の内端縁に面取り62を形成する。また、受け口側鋼管54の管端部にも環状溝64を設け、該環状溝内に縮径可能なスナップリング66を嵌めて保持する。
【0036】一方、差し込み側鋼管36に関して、パッキン位置よりも後方に、抜け止め部として環状凸部37を設ける。抜け止め部である環状凸部37は、止め金具であるスナップリング66と係合すると、鋼管36の抜け出しを阻止する。管継手52では、鋼管36の差し込み時にパッキン58を損傷しないように、鋼管36の管端面における切断バリを入念に取り、さらにテーパ状の面取り68を行うと好ましい。テーパ状の面取り68の代わりに、管端部を多少すぼめる加工を行ってもよい。
【0037】管継手52において、例えば、ステンレス鋼管36,54は厚さ2mmであり、その外径は114mmである。受け口外径は123mmであると、差し込み側鋼管36の外径と受け口の内径とのすき間距離は2.5mmになる。一方、差し込み側鋼管36の管端からパッキン58の接液面までの奥行き長さが約50mmであると、この奥行き長さはすき間距離の約20倍であるから、当然、100倍未満の関係を維持している。
【0038】管継手52を組み立てるには、鋼管54における受け口後方の環状溝56に、あらかじめリング状のパッキン58を嵌めておく。次に、差し込み側の鋼管36において、環状凸部37よりも後方にスナップリング66を装備してから、受け口69に所定深さ差し込み、弾性のスナップリング66を縮径して環状溝64内に嵌め込む。
【0039】図8に示す管継手70では、図7におけるスナップリング66と環状溝64の代わりに、受け口側鋼管54の管端にフランジ部74を成形し、止め金具として1対のルーズフランジ75,76を用いる。ルーズフランジ75は、その内径が受け口72の外径よりも僅かに大きく、且つルーズフランジ76は、その内径が鋼管16の外径よりも僅かに大きく、両者の外径は等しい。
【0040】管継手70を組み立てるには、鋼管54の受け口72にあらかじめルーズフランジ75を装備しておく。次に、差し込み側の鋼管16にルーズフランジ76を装備してから、受け口72に所定深さ差し込み、ルーズフランジ75,76を複数本の締め付けボルト78で締結する。
【0041】図9に示す管継手80では、受け口側鋼管82の管端にフランジ部74だけを成形し、止め金具として1対のルーズフランジ75,76を用いる。一方、差し込み側鋼管84の外周面に並行の環状凸部86,88を設け、両環状凸部の間でパッキン90を保持する。
【0042】管継手80を組み立てるには、鋼管82の受け口92にあらかじめルーズフランジ75を装備しておく。次に、差し込み側の鋼管84の環状凸部86,88間にパッキン90を取り付け、ルーズフランジ76を装備してから、受け口92に所定深さ差し込み、ルーズフランジ75,76を複数本の締め付けボルト78で締結する。
【0043】図10では、図8および図9で用いるルーズフランジ75,76の代わりに、止め金具として半円形の半割り体94,94を用いる。半割り体94はU字形の横断面を有し、中間底壁の内径はフランジ部74の外径、一端壁の内径は受け口92の外径且つ他端壁の内径は鋼管84の外径よりも僅かに大きい。半割り体94,94は、受け口92のフランジ部74に被せてボルト96で締め付ける。ボルト96は、通常、軸心対称に2本配置する。
【0044】
【発明の効果】
本発明に係る伸縮管継手は、すき間の間隔と奥行き深さとの寸法比率が100倍未満であるため、ステンレス鋼特有のすき間腐食を起こすことがない。一方、現状の排水鋳鉄管および水道用ダクタイル鋳鉄管では、既に配管の腐食や水道水の汚染などの問題が顕在化しており、この分野においても、本発明によって耐食性が優れ且つ安全性の高いステンレス鋼管の適用を可能とするものである。
【0045】本発明の伸縮管継手では、薄肉のステンレス鋼管に対して適用するため、塑性加工によってステンレス鋼管の一方に大径の受け口を直接成形でき、且つ傾斜フランジ部、環状凸部、環状溝、管端フランジなどの成形も容易である。このため、作業現場で管接続を簡単に達成でき、経済的なステンレス配管システムを提供するものである。
【0046】本発明の伸縮管継手は、差し込み側鋼管が前後動可能であることにより、継手部分において熱や地震による管の伸縮を吸収できる。この伸縮管継手において、シール用パッキンの締め付けまたは抜け止め金具として1対のルーズフランジを適用すると、これらのフランジはいずれも自由に回転して位置決めできるから施工性がきわめて良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る伸縮管継手を示す概略断面図である。
【図2】伸縮管継手の変形例を示す概略断面図である。
【図3】伸縮管継手の第2変形例を示す概略断面図である。
【図4】差し込み側鋼管に関して、管端の近傍に設ける抜け止め部の変形例を示す部分断面図である。
【図5】抜け止め部の別の変形例を示す部分断面図である。
【図6】パッキンの押さえ金具の変形例を示す概略断面図である。
【図7】伸縮管継手の第3変形例を示す概略断面図である。
【図8】伸縮管継手の第4変形例を示す概略断面図である。
【図9】伸縮管継手の第5変形例を示す概略断面図である。
【図10】差し込み側鋼管の止め金具の変形例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 伸縮管継手
2 受け口側鋼管
3 差し込み側鋼管
5 受け口
7 傾斜フランジ部
8 シール用パッキン
10,11 ルーズフランジ
12 締め付けボルト

Claims (6)

  1. リング状のシール用パッキンによって薄肉のステンレス鋼管を密に接続する管継手であって、ステンレス鋼管の一方の前端部に塑性加工によって大径の受け口を直接成形し、受け口側鋼管の管端部に傾斜フランジ部を形成することにより、押さえ金具によって受け口鋼管の傾斜フランジ部をくさび形パッキンとともに半径方向内方へ締め付けて気密性を保ち、差し込み側鋼管の管端からパッキンの接液面までの奥行き長さと、差し込み側鋼管の外径と受け口側鋼管の内径とのすき間距離との寸法比率が、ステンレス鋼特有のすき間腐食を起こさない100倍未満の関係を維持しているステンレス鋼管用の伸縮管継手。
  2. 受け口側鋼管の内周面に関して、パッキン位置よりも後方で傾斜フランジ部の近傍に、環状溝または並行の環状突条を設けて止め金具のスナップリングを保持する請求項1記載の伸縮管継手。
  3. 受け口側と反対側の差し込み側鋼管に関して、管端の近傍に抜け止め用の環状凸部を設けることにより、差し込み側鋼管が抜け始めて後退すると、該環状凸部がシール用パッキンまたは止め金具の側面に接触して停止させる請求項1記載の伸縮管継手。
  4. リング状のシール用パッキンによって薄肉のステンレス鋼管を密に接続する管継手であって、ステンレス鋼管の一方の前端部に塑性加工によって大径の受け口を直接成形し、受け口側鋼管の後方内周面に環状溝または並行の環状突条を設けてパッキンを保持するとともに、受け口側と反対側の差し込み側鋼管に関してパッキン位置よりも後方に抜け止め用の環状凸部を設け、この環状凸部と係合する止め金具を受け口側鋼管の管端部に取り付け、差し込み側鋼管の管端からパッキンの接液面までの奥行き長さと、差し込み側鋼管の外径と受け口側鋼管の内径とのすき間距離との寸法比率が、ステンレス鋼特有のすき間腐食を起こさない100倍未満の関係を維持しているステンレス鋼管用の伸縮管継手。
  5. リング状のシール用パッキンによって薄肉のステンレス鋼管を密に接続する管継手であって、ステンレス鋼管の一方の前端部に塑性加工によって大径の受け口を直接成形し、受け口側と反対側の差し込み側鋼管の外周面に並行の環状突条または環状溝を設けてパッキンを保持するとともに、差し込み側鋼管に関して後方の環状凸部またはパッキンと係合する止め金具を受け口側鋼管の管端部に取り付け、差し込み側鋼管の管端からパッキンの接液面までの奥行き長さと、差し込み側鋼管の外径と受け口側鋼管の内径とのすき間距離との寸法比率が、ステンレス鋼特有のすき間腐食を起こさない100倍未満の関係を維持しているステンレス鋼管用の伸縮管継手。
  6. 止め金具が、受け口側鋼管の管端にフランジ部を形成した際に1対のルーズフランジ、半円筒形の半割り体、受け口側鋼管の管端部に環状溝または並行の環状突条を設けた際にスナップリング、または雄ねじ山を刻設した際に止めナットである請求項4または5記載の伸縮管継手。
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