JP2004345269A - 積層フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Nobuaki Kido
伸明 城戸
Takeshi Sasaki
毅 佐々木
Shunichi Matsumura
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Abstract

【課題】樹脂フィルムの少なくとも1方の面上に芳香族ポリアミド多孔膜が形成されてなる積層フィルム及びその製造方法を提供する。
【解決手段】厚みが1〜350μmの樹脂フィルムの少なくとも1方の面上に、厚みが1〜200μmであり、かつ空隙率が20〜95%の芳香族ポリアミド多孔膜が形成されてなることを特徴とする積層フィルム。樹脂フィルム上に、芳香族ポリアミドとアミド系溶媒を含むポリマー溶液を、樹脂フィルムの少なくとも1方の面上に塗布した後、芳香族ポリアミドの非相溶性物質を含有するアミド系凝固液に浸漬して凝固させる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂フィルムの少なくとも1方の面上に芳香族ポリアミド多孔膜が形成されてなる積層フィルム及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、機械特性、耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性に優れ、変圧器、モーター、発電機の絶縁用として好適に用いられる新規な積層フィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、芳香族ポリアミド(アラミド)紙の耐熱性、耐酸化性とポリエチレンテレフタレートフィルムの高い電気絶縁性を利用した、絶縁材料としてポリエチレンテレフタレートフィルムとアラミド紙を接合した積層シートが知られており、効果的な接着方法が提案されている(特許文献1、2)。これは、アラミド紙は内部に多くの空隙を持つため、厚みあたりの絶縁破壊電圧は同じ厚みを有する同質のフィルムよりも必然的に小さくなる反面、ワニス、絶縁油などの含浸性に優れるという特徴と、耐熱性や含浸性はアラミド紙よりも劣るが、安価で絶縁破壊電圧が高く、機械的特性に優れるポリエチレンテレフタレートフィルムの特徴を併せ持たせたものである。
【0003】
一方、芳香族ポリアミド多孔膜は耐熱性だけでなく、耐薬品性、機械的強度にも優れるため、電子基板のプリプレグ以外にも耐熱性フィルターやコンデンサおよび電池用セパレータなど、様々な用途への展開が期待されている(例えば、特許文献3〜6参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−32549号公報 2頁
【0005】
【特許文献2】
特開平7−299891号公報 2頁
【0006】
【特許文献3】
特開昭60−187308号公報 1頁
【0007】
【特許文献4】
特許第2623331号公報 1頁
【0008】
【特許文献5】
特開平11−250890号公報 1頁
【0009】
【特許文献6】
特開2002−37906号公報 1頁
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、変圧器、モーター、発電機の絶縁用として好適に用いることが可能な新規な積層フィルムおよびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、厚みが1〜350μmの樹脂フィルムの少なくとも1方の面上に、厚みが1〜200μmであり、かつ空隙率が20〜95%の芳香族ポリアミド多孔膜が形成されてなることを特徴とする積層フィルムである。また、本発明は、樹脂フィルム上に、芳香族ポリアミドとアミド系溶媒を含む重合体溶液を、樹脂フィルムの少なくとも1方の面上に塗布した後、芳香族ポリアミドの非相溶性物質を含有するアミド系凝固液に浸漬して凝固させることを特徴とする積層フィルムの製造方法である。
【0012】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明で使用する樹脂フィルムは、空隙を有さない樹脂フィルムであり、好ましくはポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種からなる。
【0013】
ポリエステルとしては、ジカルボン酸及び/またはその誘導体とジオールを重縮合したもの、あるいは、ヒドロキシカルボン酸からなるもの、あるいは、さらにこれらの共重合体を例示することができる。
【0014】
ポリエステルを構成するジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、2,2′−ビフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルフォンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、マレイン酸及びフマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの環状脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0015】
ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの脂肪族ジオールや、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールA及び2,2−ビス(2′−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等のジフェノール類が挙げられる。
【0016】
ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、7−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4′−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボン酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
【0017】
好ましいポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート−テレフタレート共重合体、p−ヒドロキシ安息香酸−6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸共重合体などが挙げられる。
【0018】
ポリアミドとしては、ジカルボン酸及び/またはその誘導体とジアミンを重縮合したもの、あるいは、アミノカルボン酸からなるもの、あるいは、さらにこれらの共重合体を例示することができる。
【0019】
ポリアミドを構成するカルボン酸成分としては、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの環状脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、2,2′−ビフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルフォンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0020】
ジアミンとしては、ブタンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミン、ヘプタンジアミン、ノナンジアミン、ドデカンジアミン等の脂肪族ジアミン、トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン等の置換基を有する脂肪族ジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)エタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン等の芳香族ジアミンが挙げられる。これらは単独で用いてもよいが複数用いてもよい。
【0021】
アミノカルボン酸としては、6−アミノヘキサン酸、12−アミノドデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸や、p−アミノ安息香酸、6−アミノ−2−ナフトエ酸、7−アミノ−2−ナフトエ酸等の芳香族アミノカルボン酸などが挙げられる。
【0022】
好ましいポリアミドの具体例としては、ナイロン6,6、ナイロン6、ナイロン12等の脂肪族ポリアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド等の半芳香族ポリアミド、及びそれらの共重合体や、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、及びそれらの3,4’−ジアミノジフェニルエーテル共重合体等の全芳香族ポリアミド等を例示することができる。
【0023】
ポリイミドとしては、テトラカルボン酸及び/またはその誘導体とジアミンを重縮合したもの、あるいは、アミノジカルボン酸からなるもの、あるいは、さらにこれらの共重合体を例示することができる。
【0024】
ポリイミドを構成するテトラカルボン酸成分としては、ピロメリット酸、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3’,3,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、等が挙げられるがこれに限るものではない。
【0025】
ジアミンとしては、ブタンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミン、ヘプタンジアミン、ノナンジアミン、ドデカンジアミン等の脂肪族ジアミン、トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン等の置換基を有する脂肪族ジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)エタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン等の芳香族ジアミンが挙げられる。これらは単独で用いてもよいが複数用いてもよい。
【0026】
アミノジカルボン酸としては、6−アミノヘキサン酸、12−アミノドデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸や、4−アミノフタル酸等の芳香族アミノジカルボン酸が挙げられる。
【0027】
好ましいポリイミドの具体例としては、ポリ(4,4‘−ジフェニルエーテルピロメリットイミド)、ポリパラフェニレンピロメリットイミド等の全芳香族ポリイミドが挙げられる。また、先述のポリイミドからなるフィルムとしては、カプトン、ユーピレックスなどの商品名で知られている市販のポリイミドフィルムを例示することができる。
【0028】
ポリカーボネートとしては、各種のビスフェノール類からなるポリカーボネートを例示することができる。
【0029】
ビスフェノール類としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシフェニル−1,1’−m−ジイソプロピルベンゼン、4,4’−ジヒドロキシフェニル−9,9−フルオレン、などのビス(4−ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル−シクロヘキサン、4−[1−〔3−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキシル〕−1−メチルエチル]−フェノール、4,4’−〔1−メチル−4−(1−メチルエチル)−1,3−シクロヘキサンジイル〕ビスフェノール、2,2,2’,2’−テトラヒドロ −3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビス−〔1H−インデン〕−6,6’−ジオール、などのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)エーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテル、などのジヒドロキシアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、などのジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド、などのジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン、などのジヒドロキシジアリールスルホン類、が挙げられる。
【0030】
中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを用いたポリカーボネートが物性やコストの面で好ましい。
【0031】
ポリフェニレンスルフィドとしては、芳香族環をスルフィド結合で重合体としたものであり、分岐型、あるいは直鎖型のポリフェニレンスルフィドおよびその共重合体を例示することができる。具体的には、パラフェニレンスルフィド、メタフェニレンスルフィドおよびこれらの重合体や、これらと共重合可能なエーテルユニット、スルホンユニット、ビフェニルユニット、ナフチルユニット、置換フェニルスルフィドユニット、三官能フェニルスルフィドユニットなどを分子中に有する共重合体を挙げることができる。これらのうちで、パラフェニレンスルフィドからなるフィルムが耐熱性、寸法安定性、機械特性等の点で好ましい。こうしたフィルムとしては、トレリナ(東レ株式会社製)を挙げることができる。
【0032】
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン−1などの非脂環式ポリオレフィン、ノルボルネン−αオレフィン共重合体、ジシクロペンタジエン−αオレフィン共重合体水素化物、ノルボルネン誘導体またはテトラシクロドデセン誘導体の開環重合体水素化物、水素化ポリスチレン系樹脂などの脂環式ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。
【0033】
具体的には、例えばティコナ社製TOPAS、三井化学製APEL等のノルボルネン誘導体−αオレフィン共重合体、日本ゼオン製ゼオネックス、ゼオノア、JSR製ARTON等のノルボルネン誘導体またはテトラシクロドデセン誘導体の開環重合体水素化物等を例示することができる。
【0034】
本発明で使用する樹脂フィルムは、好ましくは以上のような重合体からなるが、これらのフィルムは単一のフィルムであっても、これらの群から選ばれる複数のフィルムを従来公知の方法で積層したものであっても構わない。
【0035】
樹脂フィルムの厚み全体としては、好ましくは1〜350μmである。フィルムの厚みが1μm以上であることが、最終的に得られる多孔膜との積層フィルムの絶縁特性の点や、該多孔膜を形成する上で好ましい。また、フィルムの厚みは350μm以下であることが、最終的に得られる多孔膜との積層フィルムが厚くなることや、工業的な供給体制、操作性等の点で好ましい。樹脂フィルムの厚みとしては、5〜300μmがより好ましく、10〜250μmがさらに好ましく、15〜200μmがさらに好ましい。
【0036】
本発明の積層フィルムは、上述の樹脂フィルムの少なくとも1方の面上に、厚みが1〜200μmであり、かつ空隙率が20〜95%の芳香族ポリアミド多孔膜が形成されてなる。
【0037】
本発明の芳香族ポリアミドは、具体的には芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ハライドとの重縮合によって得られるポリマーである。
【0038】
芳香族ジアミンとしては、具体的には、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)エタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン等の芳香族ジアミン等を例示することができる。
【0039】
また、芳香族ジカルボン酸ハライドとしてはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、3,4‘−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニル−ジカルボン酸等のジカルボン酸ジハライドが挙げられる。
【0040】
これらのジアミン、ジカルボン酸ハライドはそれぞれ1種類だけ使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0041】
本発明で使用する芳香族ポリアミドは、アミド系溶媒に溶解することが好ましい。
【0042】
さらに、得られる多孔膜の物性の面およびコストの点から、芳香族ジアミンとしてはメタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、あるいは3,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いることが好ましく、また芳香族ジカルボン酸ハライドとしてはイソフタル酸ジハライド、テレフタル酸ジハライドを用いることが好ましい。さらに、こうした点からは芳香族ポリアミドは、メタフェニレンジアミン、イソフタル酸ジハライドを用いたポリメタフェニレンイソフタルアミドが好ましい。
【0043】
なお、上述の(A)芳香族ポリアミドは、ヘキサンジアミン、デカンジアミン、ドデカンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、あるいは、エチレンジカルボン酸、ヘキサメチレンジカルボン酸等のジカルボン酸ジハライドを、重合体の繰り返し単位に対して、20モル%以下の割合で共重合されていても良い。
【0044】
本発明における芳香族ポリアミドは、N−メチル−2−ピロリドンに溶解する場合には、下式(1)
【数1】
対数粘度(単位:dL/g)=ln(T/T0)/C (1)
T:芳香族ポリアミド0.5gをN−メチル−2−ピロリドン100mLに溶解した溶液の30℃における毛細管粘度計の流動時間
T0:N−メチル−2−ピロリドンの30℃における毛細管粘度計の流動時間
C:ポリマー溶液中のポリマー濃度(g/dL)
の対数粘度で表して、0.8〜2.5dl/g、好ましくは1.0〜2.2dl/gの範囲のポリマーが好ましい。
【0045】
対数粘度が0.8dl/gよりも低いと十分な膜強度が得られず、対数粘度が2.5dl/gを超えると安定なポリマー溶液を得ることが困難になり、均一な多孔膜が得られなくなるため好ましくない。
【0046】
芳香族ポリアミド多孔膜層は樹脂フィルムの少なくとも1方の面上に存在する。すなわち樹脂フィルムの片面、あるいは両面に芳香族ポリアミド多孔膜層が存在するものをいう。また樹脂フィルムの片面に多孔膜が存在する場合のもう一方の面上に、芳香族ポリアミド多孔膜層以外の膜が存在しても構わない。また樹脂フィルムの両面に多孔膜が存在する場合のポリアミド多孔膜は、それぞれ同一であっても、あるいは異なる材質のものであったり表面特性が異なっても構わない。
【0047】
芳香族ポリアミド多孔膜層の厚みとしては、1〜200μmである。芳香族ポリアミド多孔膜の厚みが1μm以上である方が均一な芳香族ポリアミド多孔膜の層を形成可能であり、均一な積層フィルムが形成可能である。また、芳香族ポリアミド多孔膜の厚みが200μmを越えない方が、表面の均一性や空隙率を制御する上で好ましい。多孔膜の厚みとしては、3〜150μmがより好ましく、4〜100μmがより好ましく、5〜80μmがさらに好ましい。
【0048】
芳香族ポリアミド多孔膜層の空隙率としては、20〜95%とすることが好ましい。空隙率とは、多孔体中に占める空隙の割合を示しており、樹脂フィルム分を除外した後、以下の式(2)より算出できる。
【数2】
空隙率(%)=(1−ρf/ρ0)×100 (2)
ρ0=使用したポリマーの真密度
ρf=多孔膜の見かけ密度
【0049】
空隙率が20%以上であることが、多孔膜としての機能を発現する上で好ましく、連続孔の形成や、絶縁ワニスなどの含浸性の点で好ましいものを得ることができる。また、空隙率が95%以下であることが、多孔膜の強度を保持する上で好ましい。空隙率は、さらに好ましくは、40〜90%であり、50〜85%であり、より好ましくは、55〜80%である。
【0050】
本発明の積層フィルムは少なくとも1方の面上に芳香族ポリアミド多孔膜層を有しているが、その多孔膜層は10〜90%の表面開孔率を有していることが好ましい。表面開孔率は分解能4〜7nmの走査電子顕微鏡で観察した倍率2000倍の表面写真を縦150×横200mmで現像し、スキャナーを使用して10万ピクセル/30000mmの解像度で、直径0.01μm以上の各孔についてピクセル数を算出し、細孔側から各孔のピクセル数を累積し、表面開孔率の1/2に達成した時のピクセル数を有する孔の径を平均開孔径とする。表面開口率が、10%以上であることが、液体や樹脂などを均一に含浸させる上で好ましいものを得ることができる。また、表面開孔率が90%以下であることが、多孔膜の表層の強度を保持する上で好ましい。表面開孔率はさらに好ましくは、15〜80%であり、18〜70%であり、より好ましくは、20〜60%である。
【0051】
本発明の積層フィルムは、樹脂フィルムの少なくとも1方の面上に芳香族ポリアミド(A)とアミド系溶媒(B)を含むポリマー溶液(以下ドープという)(D)を塗布した後、芳香族ポリアミドの非相溶性物質を含有するアミド系凝固液に浸漬して凝固させることによって得ることができる。
【0052】
本発明においてドープ(D)中のポリマー濃度としては好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
【0053】
ドープ形成に使用できるアミド系溶媒(B)としてはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、本発明の目的に反しない限り、本発明に係る芳香族ポリアミドを溶解するものであって、アミド基を含有するものであればどのようなものでも良い。
【0054】
また、液体浸透性や表面開孔率を制御する目的で、ドープ(D)はアミド系凝固液に可溶な物質(C)を少なくとも1種類含有していてもよい。アミド系凝固液に可溶な物質(C)としては、分子中に水酸基を2つ以上有し、30℃の温度で該凝固液に対して1重量%以上溶解するものが好ましく用いられる。
【0055】
具体的に好ましい化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のジオール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリヒドロキシアクリル酸エステルおよびその共重合体、ポリヒドロキシメタクリル酸エステルおよびその共重合体、グリセリンおよびその誘導体、ポリビニルアルコールやエチレンビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
【0056】
本発明におけるドープ(D)中のアミド系凝固液に可溶な物質(C)の含有量は、ポリマー100重量部に対して100重量部以下であることが好ましい。この理由は、アミド系凝固液に可溶な物質(C)の含有量が100重量部よりも多いと、得られる多孔膜にこの物質(C)が残留しやすくなり、耐熱性を低下させるためである。また、この物質(C)は多孔膜の物性を制御する目的で添加するため、使用する用途によっては必ずしも添加を必要とはせず、従って添加量の下限は特に制限はない。
【0057】
本発明の積層フィルムは、ドープ(D)を先述の樹脂フィルムに塗布した後、芳香族ポリアミド重合体の非相溶性物質を含有するアミド系凝固液に浸漬して凝固させることによって得ることができる。ドープ(D)を樹脂フィルムに塗布する方法としては、積層フィルムの片面のみに芳香族ポリアミド多孔膜層を形成する場合には、キャスト法により行うことが好ましい。また、両面に塗布する場合には、2度に分けてキャストを行う方法、あるいは、樹脂フィルムをドープ(D)中に浸漬して両面を塗布する方法により好ましく実施することができる。
【0058】
キャストする時のドープの温度については特に制限がないが、その粘度が1〜2,000Poiseの間に選択するのが好ましく、望ましくは5〜500Poiseの間になるよう選択する。またキャスト物の形状をシート状に保つため、支持体および支持体周辺の雰囲気温度範囲を選択し、また、支持体周辺の雰囲気を送風等によって調節することも本発明を実施する場合に有効である。雰囲気温度は、使用するポリマーの種類、ドープ粘度、ドープ濃度にも依存するが、概略5℃〜50℃の範囲である。また、浸漬により、両面に塗布する場合にも、キャストに準じたドープの条件により塗布が可能である。
【0059】
凝固浴に使用するアミド系溶媒としては具体的にはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、多孔構造の制御性の観点から好ましくはN−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。
【0060】
また凝固液としては、芳香族ポリアミドおよびアミド系溶媒に対して不活性であり、芳香族ポリアミドに相溶性を有さずかつ当該アミド系溶媒と相溶性を有する物質である、水、低級アルコール、低級エーテル等各種の物を使用することが可能であるが、水を用いることが得られる膜特性、経済性の点からより好ましい。また、これらの混合物を使用することもできる。
【0061】
凝固液中のアミド系溶媒の濃度は凝固液全体に対し50重量%以上70重量%以下であり、より好ましくは55重量%〜65重量%である。凝固液の温度は−20℃以上98℃以下であり、より好ましくは−10℃以上90℃以下である。
【0062】
アミド系溶媒の濃度が50重量%未満で温度が−20℃未満の場合、作成されたポリアミド多孔膜の表面にある孔の数が減ると共に、その孔径が小さくなり、開孔率の低いポリアミド多孔膜となる傾向が生じるだけでなく、自立した多孔膜となるのに時間がかかるため生産性の観点からも好ましくない。また濃度が70%を超え、温度が98℃を越える場合、ポリマーが粒状化して多孔膜とならない場合がある。また、温度と濃度とのいずれか一方が上記範囲を超えている場合には、両者が上記範囲を超えている場合ほどではないにしても用途によっては欠点となりうるため好ましくない。
【0063】
凝固された多孔膜である該キャスト物は次に水洗工程に移され、そこで水によって洗浄される。この時の温度は多孔形状に影響をほとんど与えないため特に限定されるものではない。またこの工程は省略することも可能である。
【0064】
乾燥は任意の程度に行えばよく、通常は水切りと呼ばれる程度のニップロール処理による乾燥から熱風乾燥機等による本格的乾燥までを含む。
【0065】
また本発明の多孔膜に、より高温までの耐熱性を付与するために、凝固処理後得られたポリアミド多孔膜を芳香族ポリアミドに対し非相溶性物質を含有するアミド系溶媒からなる浴中に浸漬処理することによって結晶化を促進しても良い。浸漬処理浴に有用なアミド系溶剤としては具体的にはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンを使用する。また芳香族ポリアミドおよびアミド系溶媒に対して不活性であり芳香族ポリアミドに相溶性を有さずかつ当該アミド系物質と相溶性を有する物質としては、水、低級アルコール、低級エーテル等各種の物を使用できるが、水を用いることが得られる膜特性、経済性の点からより好ましい。これらの混合物を使用することもできる。
【0066】
浸漬処理浴中のアミド系溶剤の濃度は50〜80重量%であるのが好ましく、より好ましくは60〜70重量%である。また温度は50〜98℃であるのが好ましく、より好ましくは60〜90℃である。浸漬処理浴中のアミド系溶剤の濃度が80重量%を超えるとポリアミド多孔膜の溶解が起こって多孔構造が破壊されることがあり、50重量%未満では結晶化が十分に進行しないことがある。また浸漬処理浴の温度が50℃未満であるとポリアミド多孔膜の結晶化が進行しないか、あるいは進行しにくくなることがあり、98℃を超えるとポリアミド多孔膜の溶解が起こり多孔構造が破壊されることがある。浸漬処理後ポリアミド多孔膜は水中に導入されて洗浄され、次いで乾燥されるのが良い。その水洗及び乾燥は凝固処理後の水洗及び乾燥に関して前述したように特に制限はない。
【0067】
本発明の多孔膜層に、熱に対する寸法安定性を付与するために、樹脂フィルム層が変形を受けない温度範囲で、熱処理を実施しても良い。熱処理温度の上限は、樹脂フィルムが結晶化したものであればその融点以下で、結晶化していないものであれば、そのガラス転移温度以下で実施する。
【0068】
【発明の効果】
このように、本発明の積層フィルムは、芳香族ポリアミドの繊維化、パルプ化等を行うことなく多孔質の芳香族ポリアミドを樹脂フィルム上に形成することができる。また、その多孔質層の形成時には、従来の芳香族ポリアミド−ポリエステル積層体等で使用された接着剤、粘着剤、あるいは熱圧着などの操作が不要であり、効率的に積層フィルムが製造可能である。
【0069】
【実施例】
以下に実施例により本発明を詳述する。但し、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、フィルムの測定方法は以下の通りである。
【0070】
(1)空隙率
積層フィルムをA(cm)×B(cm)の大きさにカットし、厚みC(cm)、重量D(g)を測定する(A,Bは適宜選択する)。同様に使用した樹脂フィルムをA(cm)×B(cm)の大きさにカットし、厚みc(cm)、重量d(g)を測定する。以上より多孔質層の見かけ密度Eを以下の式で求める。続いて多孔質層のポリマーの真密度Fを求め、以下の式から多孔度を算出する。
見かけ密度E=(D−d)/A×B×(C−c)(g/cm
空隙率=(F−E)/E*100(%)
【0071】
(2)表面開孔率
分解能4〜7nmの走査電子顕微鏡で観察した倍率2000倍の表面写真を縦150×横200mmで現像し、スキャナーを使用して10万ピクセル/30000mmの解像度で、直径0.01μm以上の各孔についてピクセル数を算出し、細孔側から各孔のピクセル数を累積し、表面開孔率の1/2に達成した時のピクセル数を有する孔の径を平均開孔径とする。
【0072】
(3)絶縁破壊電圧
JIS C2111に準拠して測定した。
【0073】
(4)密着性
JIS K5400に準拠した碁盤目試験を行い、評価点数をつけた。
【0074】
[実施例1]
ポリメタフェニレンイソフタルアミド(帝人(株)製Conex)(IV(NMP)=1.4)をN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、ポリメタフェニレンイソフタルアミドの濃度が10重量%となるように調整した。このドープを膜厚が75μmのポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムの両面に厚み100μmとなるように流延し、次いでN−メチル−2−ピロリドン60重量%と水40重量%とからなる30℃の凝固浴に10分間投入した。この後、30℃の水浴中に30分間浸漬した後、120℃で30分間処理し、次いで200℃の温度で30分間処理することによって、芳香族ポリアミドの多孔質層が両面に形成されたポリエステルの積層フィルムを得た。
【0075】
得られた積層フィルムの膜厚は180μmで、多孔質層の空隙率は60%、表面開口率は22%であった。碁盤目試験による密着性は10点で、正方形の一目一目にはがれは確認されなかった。
【0076】
また、絶縁破壊電圧は72kV/mmであり、電気絶縁性に優れた積層フィルムであることが確認できた。

Claims (4)

  1. 厚みが1〜350μmの樹脂フィルムの少なくとも1方の面上に、厚みが1〜200μmであり、かつ空隙率が20〜95%の芳香族ポリアミド多孔膜が形成されてなることを特徴とする積層フィルム。
  2. 積層フィルムの少なくとも1方の面上に形成された多孔膜層の表面開孔率が10〜90%である請求項1記載の積層フィルム。
  3. 樹脂フィルムが、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種からなるフィルムである請求項1、2のいずれかに記載の積層フィルム。
  4. 樹脂フィルム上に、芳香族ポリアミドとアミド系溶媒を含むポリマー溶液を、樹脂フィルムの少なくとも1方の面上に塗布した後、芳香族ポリアミドの非相溶性物質を含有するアミド系凝固液に浸漬して凝固させることを特徴とする請求項1記載の積層フィルムの製造方法。
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